貸し会議室も利用可能。駅からすぐの喫茶店株式会社銀座ルノアールが、2019年2月12日(火曜日)に「喫茶室ルノアール新橋汐留口駅前店」をリニューアルオープンします。「喫茶室ルノアール新橋汐留口駅前店」は「新橋駅」汐留口の近くにあるお店。席数は94席(うち禁煙席54席)で、ミーティングや会議、商談、各種セミナー・講演会などさまざまなシーンで利用できる貸し会議室も6室完備されています。メニューは「ルノアールブレンドコーヒー」をはじめとするドリンク各種のほか、サンドウィッチ&トースト、ケーキなど。オープンから12時まではモーニング・サービスを利用可能です。専用サーバーのクリーミーな泡立ちによるまろやかな甘みが特徴の「コールドクレマコーヒー」は、さっぱりとした清涼感と独特のアロマを兼ねそなえた水出しコーヒーを使用。フレンチバニラ・マカダミアナッツなどのフレーバーシロップでオリジナルの味を楽しめます。「大正ロマン」から「昭和モダン」へ今回のリニューアルでは、店内インテリアを昭和初期の豊かな時代を思わせる和洋折衷のデザインに一新。落ち着いた雰囲気でくつろげる都会のオアシス「喫茶室ルノアール新橋汐留口駅前店」の営業時間は平日・土曜日が7時から23時。日曜日・祝日は8時から21時となっています。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社銀座ルノアールのプレスリリース/PR TIMES※株式会社銀座ルノアール
2019年02月15日南海放送は1日、愛媛・松山市の同局本社に、野球マンガ喫茶「どっきり!ホームラン」をオープンし、一般開放した。40席の店内には、75タイトル、約450冊の野球マンガを並べ、喫茶メニュー(コーヒー300 円、ジュース類320円など)を注文すれば、自由に漫画を読むことが可能。マンガの収集は、南海放送ラジオの番組『MOTTO!!~杉作J太郎のどっきりナイトナイトナイト』(毎週土曜日21:00~)に出演し、漫画家としての経歴も持つ杉作J太郎氏が手がけ、『巨人の星』や『ドカベン』など、すでに完結した知名度の高い作品から、連載中で愛媛にもゆかりのある『江川と西本』など、幅広い作品をそろえた。これは、愛媛県などが進める「野球」をテーマとしたスポーツ・文化両面にわたるイベント「えひめ愛・野球博」の一環として行われるもので、9月限定でオープン。16日には「第2回えひめ e-Baseball 大会」が実施され、当日は「パワプロアプリ ファンフェスタ in 愛媛」が同時開催されることになっている。「どっきり!ホームラン」の営業時間は、平日(9:30~17:00)。土・日・祝日は休業だが、16日(10:00~15:00)は開店予定だ。
2018年09月02日話題のスポットに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。今回は64年の歴史を持つ東京・新宿の「うたごえ喫茶ともしび」で今、一番人気の5人組男性ボーカルグループ「ベイビー・ブー」に会ってきました!“歌声喫茶”とは’50年代半ばに誕生し、お客さんが一緒に声を合わせて楽しむ場所として当時、大流行。記者が訪れた日も、昭和の喫茶店さながらの店内は50代から団塊の世代で埋め尽くされ、熱気でムンムン。歌集を手に童謡や往年のヒット曲を合唱する、その元気な歌声は、連日の猛暑を吹き飛ばす力強さ!そこに満を持して、平均年齢41歳のベイビー・ブーが登場。高音と低音のやわらかいハーモニーで、ピンキーとキラーズの『恋の季節』をアカペラで歌うと、『夏の思い出』『かもめの水兵さん』など夏にピッタリの童謡を披露。神戸で誕生したグループはトークでも観客のハートをつかみ、黄色い声ならぬ「ヒャーッ!」と奇声が(笑)。クライマックスでは、お客さんがリクエストする“歌いたい曲”ランキングで現在1位に輝く、彼らのオリジナル曲『花が咲く日は』を感情豊かに歌い上げました。「優しさや愛、いろんなものが詰まっている」という曲紹介どおり、じんわりくる素敵なラブソングです。2時間半にわたる初の歌声喫茶体験を通して、カラオケともまたひと味違う楽しさを発見。すっかり夏バテを解消した記者でした。
2018年08月06日銀座に本店を構える老舗「銀座ウエスト」。文化人にも愛されてきた喫茶室のほか、おみやげの定番として有名な洋菓子が人気です。今回はワンランク上のおみやげを選ぶお店としてふさわしい、「銀座ウエスト」についてご紹介します。文化人にも愛された「銀座ウエスト」の昔と今レストランより喫茶室へ銀座ウエストの歴史は昭和22年(1947年)にさかのぼります。船旅が最盛期だった当時、郵船のシェフを招いてワンランク上の洋食を提供するレストランとして、銀座に開店しました。コーヒーの値段が10円だった当時、1,000円のコースを提供する超高級レストランです。ところが半年後、条例によって「75円以上のメニューの提供」が禁止。レストランではなく喫茶室として再出発することになってしまいました。文化人にも愛された喫茶室喫茶室となった「銀座ウエスト」は、定時になるとクラシックレコードを店内に流す「名曲の夕べ」を開催するようになりました。ただ単に音楽を流すだけでなく、解説を付けるという当時としては画期的な試み。高い飲みものだけでなく、プラスアルファのある特別なお店として名を馳せ、「文化人」が集う喫茶室へと成長していったのです。現在でも「銀座ウエスト」本店の喫茶入り口左手キャビネットには、昭和20年代に店内で演奏されていたSP盤クラシックレコードを収納。当時のクラシカルな雰囲気を店内に運んでいます。洋菓子の原点「缶入りクッキー」が誕生昭和37年(1962年)、お店にとって困ることが起きました。西銀座地下駐車場の工事が始まったのです。お客さんの足が遠のき、生菓子の売上は激減。苦しみをバネにして生まれたのが、日持ちのする「缶入りクッキー」です。料亭などに売り歩くビジネススタイルも同時に誕生しました。缶入りクッキーこそ、現在の「銀座ウエスト」を代表する洋菓子「ドライケーキ」の原点。時代を超えて、今でも多くの方々の贈りものやおもたせとして愛されています。銀座ウエストでしか味わえない画期的かつ上品な喫茶メニュー着色料を使わない無色透明な「クリームソーダ」無色透明のクリームソーダは、「銀座ウエスト」の誠実さの証です。透明な液体のなかを静かにのぼっていく小さな泡を見ているだけで癒やされます。着色料だけでなく、甘味料も加えないクリームソーダは、ガムシロップを入れてお好みの甘さで楽しめます。安心の水からできたホンモノのソーダ水を味わってください。こだわりのあるシンプルさは「ケーキ」に生きているショートケーキやチョコレートケーキ、プリンなどの定番や「かぼちゃのモンブラン」「桃パイ」など旬の食材を使った季節限定メニューまでそろった「銀座ウエスト」のケーキ。天然素材に対してのこだわりがあればこその、シンプルなデザインです。素材が持つ力を引き出した数々のケーキは、伝統を受け継ぎながら上品さも兼ね備えています。ひとつひとつのケーキの輝きが集まったとき、まばゆい光を放ちます。全種類席に持ってきてくれるため、目でも楽しみながらゆっくりケーキを選んでください。「銀座ウエスト」のケーキを楽しむなら、「ケーキセット」がおすすめ。コーヒー・ティー・ハーブティー・オーレ・ココア・ミルクなど好みの飲みものと好きなケーキが選べるセットは、飲みもののお代わりも可能です。贈りものとして最適な「銀座ウエスト」の焼き菓子モザイクケーキココアスポンジとバタースポンジをモザイク状に組み合わせた、味わい深い濃厚なチョコレートケーキです。2種類のスポンジにそれぞれ味がついているので、スポンジを分けて個別で食べたり、クリームと合わせて周りのチョコレートと一緒に食べたりと、さまざまな食べ方を楽しむことができます。リーフパイパイのサクサク感に白いザラメがアクセントとして楽しめる「リーフパイ」。東北地方の原乳より作られたフレッシュバターと小麦粉生地を使用。熟練した職人の手が丁寧に256層に折りたたみ、手間暇かけた美しい木の葉型のパイです。ヴィクトリア「銀座ウエスト」を代表するドライケーキのなかでも、ベストセラーとして今も多くの方に愛されている「ヴィクトリア」。フリル状のタルト型に敷かれたクッキー生地にケーキ生地を絞り込み、さらに国産イチゴを使った特製のイチゴジャムを絞り込みました。ケーキとクッキーの両方の食感に、イチゴジャムの上品な甘さのアクセントが楽しめます。チーズバトンフレッシュバターを使用したパイ生地に、オランダ産のエダムチーズクランチを混ぜて焼き上げた「チーズバトン」。甘みのない焼き菓子のため、甘いものが苦手な方や男性、お酒を嗜む方へのおみやげとしても愛されています。大切なお誕生日や記念日にふさわしい「オーダーケーキ」ケーキの種類やサイズも豊富バターケーキやショートケーキ、チョコレートケーキなど定番ケーキが好きなサイズで注文できる「オーダーケーキ」を「銀座ウエスト」では注文できます。好きなサイズが選べて、ケーキへの文字入れも可能。丸型と角型デザインがあるので、いろいろなシーンで喜ばれます。シンプルで上品なデザインは、幅広い年齢層の方の誕生日や記念日などの大切な日をしっとりと彩るでしょう。「クッキー」は東京みやげとしても人気!店舗だけでなく駅や空港でも販売中「銀座ウエスト」の代表的な焼き菓子、クッキーは店舗だけでなく東京都内の百貨店や主要な駅、羽田空港でも販売しています。急な帰省や出張などで、日持ちのする「銀座ウエスト」のクッキーは、ワンランク上のおみやげとして人気です。すべての製品に共通のシンプルな上品さは、クッキーにも息づいています。原材料の持ち味を引き出したクッキーは、定番の東京みやげとしても人気です。クラシカルな「銀座ウエスト」の洋菓子で至福のときを昭和22年より現在まで愛され続けている「銀座ウエスト」の喫茶や洋菓子についてご紹介しました。すべてのベースにあったのは、シンプルさと上品さ。文化人も愛したクラシカルな銀座本店の喫茶で、ゆったりコーヒーを飲んだり、ワンランク上のおみやげとしても愛される、焼き菓子をぜひ楽しんだりしてください。スポット情報スポット名:銀座ウエスト住所:東京都中央区銀座7-3-6電話番号:03-3571-1554
2018年08月04日書籍『純喫茶とあまいもの』が、2018年7月3日(火)より全国の書店、およびネット書店にて展開される。日本全国1700軒以上の純喫茶を訪問した著者、難波里奈による純喫茶の魅力が詰まった書籍が発売。都内近郊の純喫茶30店舗を紹介する。パフェ、プリン・ア・ラ・モード、ホットケーキ、フルーツサンド、ケーキ、クリームソーダなど、純喫茶ならではの甘いメニューの歴史や秘密を探る内容だ。『純喫茶とあまいもの』では、それぞれの純喫茶の創業当時から続く製法、厳選した食材、手作りメニューなど、店主の味へのこだわり、その他にも食器、盛りつけ方、色合いなど見た目に関する情報も紹介。さらに、食材や作り方など今回初めて明かされる情報も掲載される。そして、創業当時の建物、メニュー表など貴重で価値のある記録も特別に公開される。さらに、店主の経歴を交えた純喫茶にまつわるエピソードやお店の内装のこだわりも満載。店内の貴重な美術品、職人技が手掛けたテーブルや椅子、照明などが紹介されている。純喫茶を知るには完璧な一冊。本書を片手に、純喫茶に足を運んでみては。【詳細】書名:『純喫茶とあまいもの』著者:難波里奈発売日:2018年7月3日(火)定価:1,600円+税仕様:B5変判、208ページ取扱店舗:全国の書店、およびネット書店(紀伊國屋書店、楽天ブックス、ヨドバシ.com、Amazon、honto、オムニ7 ほか)目次抜粋:パフェ / プリン・ア・ラ・モード / ホットケーキ / フルーツサンド・トースト / ケーキ / 飲み物【問い合わせ】株式会社 誠文堂新光社 東京都文京区本郷3-3-11
2018年06月25日4つのお店からなる「地域最大級の蔵」西武新宿線「本川越駅」から少し歩いたところにある「足湯喫茶 椿や」は、蔵造り通り沿いにある雑貨屋「椿の蔵」の奥、9mほど空間を抜けた先にお店を構えています。和雑貨や和食材売場、さらにはパワーストーンショップまで揃う「椿の蔵」。建物入ってすぐに和雑貨ショップ「倭物や カヤ」の商品がお出迎え。手ぬぐいや風呂敷など和風の小物が数多く並び、お土産選びには困りません。さらに奥へ進むと厳選した和食材が揃う「椿や商店」、ジャムやドレッシングなど日本各地の食材が並んでいます。お目当ての「足湯喫茶 椿や」は「椿や商店」を抜けた先にあります。ビール好き必見!川越生まれの「コエドビール」裏庭に出る前に左側にあるカウンターでメニューを注文しましょう。「エッグタルト」などカフェメニューをはじめ、高知県産の生姜を使ったオリジナルジンジャーエールや、河越抹茶のラテなどのドリンクを足湯とともに楽しめます。数あるドリンクの中でもおすすめなのが、カウンター左に並んだ「コエドビール」。川越を拠点としたコエドブルワリーが販売するビールで、モンドセレクションのビール部門において最高金賞を受賞しています。飲みやすく爽やかなビールから薩摩芋の風味を楽しめるビールまで、コエドビールにしかない味を楽しんでみてください。身も心もホッと癒やせる足湯カフェ足湯はぬるめのお湯のため、小さなお子様とご一緒の方でも気を使うことなく利用できるでしょう。小さい庭園を見ながら足の疲れを癒やしてください。夜はライトアップされた庭園を眺めながらドラマチックなひと時を過ごすことができます。個性的なショップが軒を連ねる「足湯喫茶 椿や」は西武新宿線「本川越駅」徒歩11分、時の鐘を代表とする蔵造り通り沿い「椿の蔵」の中にあります。ゆっくりとした時間の流れる足湯カフェで、美味しいメニューに舌鼓みを打ちながら日頃の疲れを癒やしてみませんか。スポット情報スポット名:足湯喫茶 椿や住所:埼玉県川越市幸町3-2電話番号:049-227-7030
2018年06月15日純喫茶とカレーのおいしい関係を探りたい5/10に渋谷Loft9で開催された「純喫茶とカレーのおいしい関係」。ご来場下さった方がいらっしゃいましたら、お礼申し上げます。約130名の方にご参加頂き、大盛況のうちに終わって大変光栄でした。ご来場の皆さんに提供されたこの日だけの特製ビーフカレーは、3色のクリームソーダの甘みや香草酒の爽やかさとの相性も抜群でした。さて、今回はそのイベントを企画した背景や、その場で飛び出した名言、その後考えたことなどについて綴りたいと思います。カレー研究の第一人者・水野仁輔さんと精神科医でミュージシャン・星野概念さん難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2018年05月17日「どこか遠くに行きたい…」と思った時に浮かぶ純喫茶まもなくやってくるゴールデンウィーク。長期休暇を取れる方、暦通りに過ごす方、その時期が最も忙しいという方、それぞれだと思います。連休に関わらず、慌ただしい日々にひといきつける休日は、おそらく誰もが待ち遠しいのではないでしょうか。しかし、人気のある観光地や有名店は多くの人で賑わい、かえって人混みで疲れてしまうことも。そんな時に小休憩できる純喫茶の存在はありがたいもので、「珈琲」「喫茶」「coffee」などの文字を見つけるとすぐに吸い寄せられてしまいます。例年でしたら混雑を避けて、いつも通り近所の街を散策するくらいで連休を終えるのですが、今年は真夏に発売する予定の純喫茶にまつわる新刊取材のため、密度の濃い純喫茶巡りの日々を送るつもりです。いくつもの遠くの街へ出掛けることは大変ではありますが、まだ知らない純喫茶たちを訪問する機会を頂けるのはとても光栄なことです。その素敵な出会いや魅力を皆さまにきちんと伝えるべく、頑張りたいと思っています。さて、今回はもし岡山に行かれる方がいましたら、是非立ち寄ってほしい店を紹介します。それは、「ジーンズストリート」などで有名な児島にある「サンレモン」。約1年前に訪問したのですが、「どこか遠くへ行きたい」とぼんやり考える時によくこちらの店内が浮かんでくるのです。気の向くままに、好きな喫茶時間を過ごしてほしい近くまで行くと否応なしに視界に飛び込んでくる巨大なレモンの形をしたオブジェ。ガラス窓には滝のように水が流れ、涼しげなカーテンのようです。店内では、艶やかな赤色に光るまるいランプがベージュ色の椅子を一層美しく照らすのです。豊富なメニューに何を食べようかと悩まされますが、そんな時はとっておきの可愛らしいメニュー「ピエロフラッペ」はいかがでしょうか?その愛らしさは食べるのがもったいないほどで、しばし眺めていたくなります。他にもコーヒーカップがレモン色だったりと、純喫茶がお好きな方にはたまらないポイントが無数にあるのです。梅雨や本格的な暑さがやってくる前の過ごしやすいひと時。早起きして純喫茶でモーニングを食べたり、知らない駅で下車して散策中に見つけた純喫茶で昼食をとったり、気の向くまま遠くの街へ出掛けてみるのもいいでしょう。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2018年04月28日はじめての書籍で紹介した思い出の純喫茶つぼみだった桜がいつの間にか満開を迎えて、花が散っていくのを見ては、まだ少し遠くの夏を想うこの頃です。皆さまはお花見などされましたか? 私は大切な友人たちと早朝に眺めた桜と、純喫茶へ寄った帰り道に見上げたライトアップされた夜桜が、今年の思い出となりそうです。さて、咲いたと思ったらすぐに散ってしまう花のように、人生というものも振り返ってみるとあっという間なのかもしれません。押上にある「伽羅」という純喫茶は、私にとって初めての著書『純喫茶コレクション』で紹介させて頂いた思い出深い店です。書体の素敵な看板、入口前の季節を感じさせてくれるプランター、扉を開けると真っ先に飛び込んでくる大きな水槽の中で泳ぎ回る熱帯魚、少しカーブした窓際の席、ずらりと並んだサイフォンたち、ずっと眺めていられそうな壁紙、そして笑顔が素敵で美しいマダム…。自分の行動範囲とは反対方面のため、数回しか訪れることが出来なかったにも関わらず、記憶に鮮明な空間でした。そんな「伽羅」が、店の前の道路拡張を理由に3/31でその歴史に幕を閉じることとなりました。せめて書籍でお世話になったご挨拶だけでも、と勤務終わりの夕方、急いで押上まで。「私の分身みたいなものだったの」スカイツリーを振り返る暇もないほど店の前まで急ぐと、灯りが点いていて店内には変わらず美しいマダムが。看板は仕舞われていたのでノックをしてから扉を開けると、笑顔で迎え入れて下さいました。少しの雑談の後、閉店について切り出してみたところ、思わず涙がこぼれてしまうような言葉がマダムからいくつも。「こんな形で店を閉じるとは思っていなかったから、気が抜けてしまったわ。ここはね、単に空間というよりも私の分身みたいなものだったの。大切だから床や壁に汚れを見つけるとすぐに綺麗にしてね。開店してから今日まで、店に立つのが嫌だと思ったことが一度もなかったの。向いていたのかしらね。幸せなことよね。私、店に立つ時は必ず大好きなタイトロングスカートで、近くの知り合いの店で仕立ててもらっていたのだけど、閉めることが決まってからは履く気になれなくて」寂しそうに笑うマダムは桜色のセーターと黒地に白い水玉のパンツをお召しになっていて、そちらもとても似合っていたのですが、その言葉からはご自分の気持ちをどうにか整理しようとしている気丈なところが見え隠れして切なくなります。「閉めるってなってから、何十年も使えていた製氷機も壊れちゃってね。ああ、分かるのかなあと思ったわ」とまた胸が苦しくなるようなエピソードを。少しの滞在のつもりでしたが、「でもこうやってね、たくさんの人たちが遠くからも来て下さって、嬉しい言葉を掛けてくれるから。誰かと話していると気持ちも上がるからありがたいの」と背筋を伸ばし、凛とした表情で語るマダムの美しい横顔に、長い間見惚れていたのです。営業は明後日、31日の土曜日まで。気になった方はこの機会に足を運んでみるのはいかがでしょうか?この春一番と言えるほど切なくも、素敵な時間を過ごすことができると思います。Text/難波里奈前回記事<今はない純喫茶に思いを馳せる…訪れることができるチャンスを大切に>もチェック!出会えた純喫茶の灯りはすでに…。かつての時間を空想して思うことは。
2018年03月30日空想は儚くロマンチックでも、灯りの点る店たちに思いを難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2018年03月16日方南町に、とってもチャーミングなマスターが昭和からやっている、純喫茶があります。昔懐かしいナポリタンとオムライスは、一度食べたら忘れられない逸品。いまだかつてメディアに載ったことのない名店〔BOLBO(ボルボ)〕の単独取材に成功しました!頼みたいメニューの品切れは日常茶飯事だけど……「今日はスパゲッティないんだよ」昼過ぎに〔ボルボ〕のドアをくぐると、マスターのこんな声が飛んでくる日がよくあります。そんなときは、オムライスを注文しましょう(その逆も可です)。サラダの付いたオムライス(またはナポリタン)は、ヘルシーでとってもボリューミー!しかもたったの530円(ナポリタンは500円)という良心的なお値段(全て税込)。150円のセットのコーヒーもおいしいです。何より、ほかの純喫茶とは一味違うお店の雰囲気を作り上げている、マスターの人柄にすっかり(うっかり!?)虜になってしまいます。営業時間にも注意が必要!あらためて、〔ボルボ〕の場所と営業時間について簡単に触れておきましょう。立地は東京メトロ丸ノ内線方南町駅から100メートル程。1番出口を出て左、環七沿いを歩くとすぐにコ◯・コーラの看板が見えてきます。問題なくたどり着けたとて、注意したいのは営業時間です。一応、10時30分から16時となっていますが、それもマスターの気まぐれで、たいていは短くなります。特に、15時以降の入店は嫌がられます。そもそも、お客さんが多くて忙しいときは、満席でなくても入店を拒否されることもあります。そこは大人しく引き下がりましょう。次回、コーヒーをサービスしてくれる、なんてことがあるかもしれません。……覚えていればの話ですが。方南町に移って30年店内は、昭和の雰囲気がプンプン漂っています。それもそのはず、この地に開業したのは1986年(昭和61年)1月のこと。マスターは御歳74歳になったそうです。店を閉めると近所の善福寺川沿いを散歩するのが日課です。一度食べたら忘れられないナポリタンこちらがオムライスと並ぶ看板メニューのナポリタンです。隠し味に牛乳が入っており、マイルドな味わいが特徴。サラダには目玉焼きも付いてきます。これで価格は何と500円。一度食べたら忘れられないナポリタンとは、〔ボルボ〕のナポリタンにほかならないです。自由人なマスターお昼どきのピークタイムが過ぎて手が空くと、おもむろに自分のお昼ごはんを作って、客席で食べ始めるチャーミングなマスター。お客さんがいてもお構いなし。とはいえ、もちろんお客さんが入ってきたら、お箸をおいてご飯タイムは中断します。自分勝手な自由人ではなく、お客さん想いの心優しいマスターであることは、常連さんの誰しもが頷くところです。そして方南町のレジェンドになる……!マスターに、お店をいつまで続けるつもりなのか聞いてみました。「続けるだけ、続けたい」はい、そうですよね。昭和の極上ナポリタン&オムライスを食べたい方は、一度足を運んでみても損はしないと思いますよ♪【店舗情報】●店舗名:BOLBO(ボルボ)●住所:東京都杉並区堀ノ内1-2-10103●定休日:土日祝日●営業時間:10:30〜16:00(変動あり)●問い合わせ先:03-3311-3184
2018年02月02日皆さんは純喫茶へ行きたいと思った時に、どの街を思い浮かべるでしょうか?一日で出来るだけ多くの純喫茶と出会いたい、という時におすすめな街の一つが高円寺です。JR中央線・総武線が停車し、新宿から10分あまりと便利な立地にも関わらず駅ビルがないため、今も活気のある商店街や小さな路地にある店などが賑わい、歩いているだけで楽しい街です。私が好きだと思う街には、たいてい安くて美味しい飲食店やそこでしか買えない古着や雑貨屋、こだわりのある書店などが多いです。高円寺も例外ではなく、その条件を満たした上に、素晴らしい純喫茶も多々あります。例えば、美しいマダムのいる名曲喫茶「ネルケン」、かつて中野にあった伝説の名曲喫茶の家具や装飾品を使用し、当時の面影を醸し出す「ルネッサンス」、ふかふかでしっとりのホットケーキと威勢の良いママに元気をもらえる「コーラル」、トマトの入ったホットサンドが絶品で落ち着ける雰囲気の「BONY」、穏やかなマスターとママが営む近所の人たちの憩い場「高円寺茶房」、セットが豪華で思わず笑みがこぼれる「あろうむ」、猫や犬とたわむれることの出来る「なかむら珈琲店」、運が良ければギターをかき鳴らすマスターを見かけることが出来る「ブーケ」など。個性あふれる純喫茶たちをはしごできる天国のような街なのです。高円寺のボリューム満点な純喫茶「ごん」今回は、9種類のオムライスや空腹を満たすボリュームたっぷりの食事を頂ける純喫茶を紹介します。店名は「ごん」。「純情商店街」を駅からまっすぐ進み、しばらく歩くと見えてくる、行列の出来る肉屋のはす向かいの2階にあります。元々はクレープを食べられる店として始まったこちらは、卵の扱いに長けているマスターが繊細な手つきでオムライスを作ります。昔ながらのふわっとした9種類のオムライスオムライスはなんと9種類! ケチャップがかけられた昔ながらのプレーンオムライス、カレーオムライス、たらこオムライス、ヤキオムライス、ハッシュドビーフオムライス、クリームオムライス、あさりスープのオムライス、かに風味のトマトソースオムライス、チーズクリームオムライス、ワンプレート付きなど。毎日食べても違う味を楽しめるのです。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年12月22日レトロな雰囲気の漂う老舗喫茶店東京・有楽町の「珈琲館 紅鹿舎(べにしか)」は、レトロな雰囲気が素敵な老舗喫茶店。シックな黒色の外観に映える赤色のクロスの上には、昔ながらの食品サンプルや美しい食器が目を引きます。扉を開けて中に入ると、昭和の空気がふわり。隅々まで手入れのされたインテリア雑貨ひとつひとつが歴史を感じさせながらも、古めかしい雰囲気はありません。ほっこりと落ち着く、居心地の良い空間となっています。はじまりは昭和32年。洋食屋から喫茶店へ歴史の始まりは、昭和32年に洋食店としてオープンした「キッチンべにしか」。当時このあたりには映画館や劇場が多かったことから、ゆったりとお客様がくつろげる空間を作りたいと、昭和39年に喫茶部をスタートさせたそうです。古くからの常連客はもちろん、最近は若い世代からも広く愛されています。時代に合わせてスタイルを変えつつも、提供する「価値」は変わりません。元祖ピザトーストで有名!1度食べたら忘れられない!この店の1番人気は"元祖"「ピザトースト」。ふわっとしたトーストの上で、たっぷりの具材とチーズが濃厚に絡み合います。出来たて熱々。耳までしっかり美味しいのは、元洋食店のこだわり。どこか懐かしさを感じながらも特別感のある一品に、病みつきになってしまう人も多いそうです。甘いものが食べたいときにも大満足のボリューム甘いものが食べたい、そんな気分のときは「チョコバナナパイ」をどうぞ。サクサクのパイの上に乗った、冷たいバニラアイスがなんとも絶妙な組み合わせです。バナナと生クリーム、チョコレートの黄金トリプルコンビがボリューミー。甘党の人にも大満足の1皿となっています。もちろんコーヒーとの相性も抜群!毎日食べても飽きないメニューは200種類以上!元祖ピザトーストで有名な老舗喫茶ですが、実は、他にもメニューは200種類以上。食事・デザート・ドリンクなど幅広く選べるので、色々な目的やシチュエーションで使いやすいお店です。喫煙・禁煙がきちんと分かれているのも嬉しいポイント。「珈琲館 紅鹿舎」は都営地下鉄三田線・東京メトロ各線「日比谷駅」徒歩1分。東京メトロ有楽町線とJR各線「有楽町駅」からも徒歩3分の場所にあります。長く愛されてきた老舗喫茶店で、くつろぎのコーヒーブレイクはいかがですか。スポット情報スポット名:珈琲館 紅鹿舎住所:東京都千代田区有楽町1-6-8 松井ビル 1F電話番号:03-3502-0848
2017年11月29日レトロな喫茶店で過ごす、静かで優雅な時間京都・祇園四条にある純喫茶「フランソア喫茶室」。白い外壁に、柔らかな灯りがともる西洋風のオシャレな街灯が目を引きます。ドアや窓の格子が、クラシカルな装いを一段と際立たせています。京町家を洋風に改装したそう。京都で最も歴史のある喫茶店として、長年愛されて続けてきました。まずはじっくりと店内を見渡して、時代の面影を残す非日常的な空間を体験しましょう。フランスに根付くサロン風の喫茶店への憧れフランス風の自由な思想や芸術について、思い思いに語り合える場所を提供する目的で1934年(昭和9年)9月に開店。豪華客船のキャビンをイメージして設計したという店内は、当時のクラシックファンやコーヒー好きのお客さんたちを大いに喜ばせました。フランス人画家であるフランソア=ミレーから店名をいただき、フランソア喫茶室と命名。1941年(昭和16年)には、イタリアの建築者によってバロック様式のインテリアになりました。現在の白いドーム型の天井になり、モナリザの絵画などが飾られるようになったのもこの頃です。贅沢なひとときを演出するコーヒーとケーキこの店には、クラシックな雰囲気の店内でいただくにふさわしい喫茶メニューが豊富に揃っています。「カフェ・ド・フランソア」は、クリームをたっぷり入れたウインナータイプのホットコーヒー。アラビカ種の豆を使ったブレンドコーヒーは、酸味と甘みのバランスが秀逸です。コーヒーと一緒に、こだわりの手作りケーキも召し上がれ。「レアチーズケーキ」はお店の看板メニュー。口当たりがなめらかなレアチーズは、ほんのりとレモンが香ります。コクと酸味が効いた食べ応えのあるケーキです。旅の思い出として訪れたい、伝統と歴史の喫茶店昭和レトロな店内は、和服との組み合わせも最高です。京都観光に訪れた際には、和服で来店するとお店の雰囲気をより一層楽しめるかもしれません。京町家の骨格を残しつつ、欧風調を取り入れたインテリアを今日まで大切に残していることが評価され、2003年(平成15年)には国の有形文化財に指定。昭和初期に完成した革新性を持った建物は、歴史的にも価値があるとして認められています。世代を越えて受け継がれる喫茶店の愛好家たちお店を利用するお客さんの男女比は半々。20~70代まで、幅広い層のお客さんが訪れています。中には祖父母と一緒や親子での来店など、3世代に渡って利用するお客さんもいるほど。静かに落ち着いて過ごしたいなら、平日の午前中、もしくは17:30~22:00の間がおすすめ。混み合わず、ゆったりとくつろげます。5名以上で予約にも対応してくれるので、大人数で行きたい場合は前もって予約しておくと安心です。「フランソア喫茶室」へは、阪急京都本線「河原町駅」1番出口Bが便利です。西木屋町通りを南に向かって高瀬川沿いに1分ほど歩いたところの右手にあります。京阪電車「祇園四条駅」4番出口も徒歩圏内です。伝統と格式のある純喫茶で、昭和初期にタイムスリップしてみませんか?スポット情報スポット名:フランソワ喫茶室住所:京都府京都市下京区西木屋町下る船頭町184電話番号:075-351-4042
2017年11月14日皆さんは純喫茶のメニューで何が一番お好きでしょうか?私はその時々のブームがあって、かつては毎日オムライスを食べても飽きず、平日も1時間という短い昼休みを存分に利用して、勤務地から行ける範囲の純喫茶へひたすら足を伸ばして食す日々もありました。現在のブームは「ホットサンド」です。メニューには「焼きサンドウィッチ」と書いてあることも。食欲をそそるこんがりとした焼き色とさくっとした表面。そこにはたっぷりのバターが染み込ませてあり、運ばれてくるまでに漂ってくる匂いだけでおなかが鳴ってしまうほど、魅惑のメニューです。都内には好きなホットサンドを食べられる純喫茶が何軒かあるのですが、今回はその中から、代々木の駅前にあり、美味しい珈琲とマスターとの楽しいお喋りも楽しめる「TOM」を紹介します。マスターとのお話を楽しみながら…代々木「TOM」いかにも純喫茶、という内装の1階にも惹かれますが、窓が多くて開放感のある2階席がとても好きです。ほの暗くてときめく階段を上がった2階では、初代マスターがお出迎え。誰かとの打合せでこちらにやってくることが多いせいか、扉を開ける私を見つけた二代目マスターは「待ち合わせ?」といつも声を掛けて下さいます。メニューを一通り眺めて、待ちに待った焼きサンドウィッチと、この日のサービスコーヒーを注文します。楽しみに待つこと数分。初代マスターがにこやかに近づいてきて、こんな風に話しかけて下さいました。「物を書く人でもネタに困ることがありますか? もしそうであれば私がいくつでもお話をしましょう。こういう仕事をしていると、話のネタは尽きることがありませんからね」と。ある日伺ったのはこんな話でした。初代マスターの豊富な話題に聞き入ってしまう「うちは高校生をアルバイトに雇わない規則なのだけど、あるとても寒い日に、セーラー服を着た女性が店に飛び込んできて『ここで働かせてください』っていうんです。お断りする理由を伝えると『これ!』と手渡されたのは、卒業証書。『今日卒業してきたからもう高校生じゃないんです』と。思わず笑ってしまったのと、彼女が明るくて元気な良い子でしたから、雇うことにしたんです。すると、『もう1人働きたいという人がいるんですけど…』と言うんです。なんとそこに現れたのは彼女のお母さん。どうやら、お酒を飲むと暴れてしまう父親から二人で逃げようと決めていて、それがちょうど高校卒業の日だったそうで。でも、2人は雇う余裕はなかったから、お母さんの方には住み込みの別の仕事を紹介してね。娘さんは働きながら勉強して資格を取って、立派に就職したのです。それからしばらく経ったある日、彼女が僕の前に現れてね。『会ってほしい人がいます。マスターが賛成するなら結婚したい』って1人の男性を連れてきたんです。きちんとした人だったから歓迎して、2人は無事結婚して、旦那さんの故郷である広島へ行ったそうです。もちろんお母さんも連れて。お父さんはどうしたかって?『県境までは許すけどそれ以上は近づかせていないわ』って」美味しいホットサンドを頂く前に、こんな風に映画になりそうなエピソードをマスターから聞くことが出来るTOM。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年11月10日夏の面影もすっかり消え去り、特に朝晩は秋の気配が濃厚となったこの頃ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか? 私は季節を問わず、純喫茶を巡って寛ぐ日々です。さて、皆さんは「テクノロジー疲れ」はしていませんか? というのは、先日出演させて頂いたラジオ番組(J-WAVE『TOPPAN FUTURISM』ナビゲーター:小川和也さん、相楽樹さん)で話題になったことから、様々な技術が進歩して生活に根付いて便利になったと同時に、それらから離れるアナログな時間が少なくなっていることについてじっくり考える機会となりました。テクノロジーの進歩は決して悪いことではなく、恩恵を受けていることのほうが多いのもたしかです。例えば、こうやって素敵な純喫茶を気軽に紹介できるようになったこともそうです。しかし、たまには携帯電話を開くことなく、のんびりとした時間を過ごしたいもの。今回は、そんな時におすすめの純喫茶を紹介します。ずっと恋い焦がれていた「王朝喫茶 寛山」それは福井県の福井駅から徒歩数分にある「王朝喫茶 寛山」。以前からその存在は知っていたのですが、「いつか訪れてみたい」と恋い焦がれたまま早数年。ようやく訪れるきっかけとなったのが、福井新聞社が発行している「月刊FU」編集部から頂いた1通のメールでした。「誌面で福井市内にあるいくつかの純喫茶を一緒に巡ってほしい」というありがたいお誘いを受けて、初めての福井訪問。駅前にはまるで本物そっくりな恐竜たちが唸り声をあげるオブジェが並び(といってもあくまで想像の中ですが)、路面電車が走る街並みはすぐ好きになるのに十分すぎるほど、素敵な光景でした。そして、お目当てだった「寛山」に繋がる地下階段の入口には、「王朝喫茶」という気になる文字が。コトバンクによると「王朝」とは「武家時代に対して、天皇を中心とする政治が行われた時代。奈良時代と平安時代をいうが、平安時代だけをさすこともある」とのこと。「王朝喫茶」のはっきりとしたイメージを掴めないまま、地下へ。想像の何十倍も美しい店内で過ごす贅沢なひととき「王朝」の言葉の意味を頭ではなく、視界で理解してしまうような、想像の何十倍も美しい光景が広がっていたのでした。大きな壁画、まるで宮殿のようなたくさんの白い柱、シャンデリアの下で光る石像、上品な色合いのふかふかのソファ、清潔に保たれた朱色の床、そして、店内奥には壁一面に輝くステンドグラス!この眺めと美味しい珈琲があれば、携帯電話は閉じたまま、優雅で贅沢な時間が過ごせるのも納得。メニューもサンドイッチにナポリタン、クリームソーダに冷やし白玉ぜんざいまで楽しめるのです。携帯の電波が全く入らない空間で、白い柱が何本あるかを数えてみるのもアナログな作業で楽しいかもしれませんね。純喫茶以外にも魅力がたっぷりだった福井県。おやすみの日に散策に出かけるのはいかがでしょうか?Text/難波里奈前回記事<『沈まぬ太陽』ロケ地、美しい純喫茶「ゆうらく」の頼もしい後継者>もチェック!限定200個ですが、マッチを作成しました!ゆうらくに行かれた際には是非お持ち帰り下さい
2017年09月29日純喫茶経営者たちを悩ませる4つの出来事少しずつ秋を感じる瞬間が増えてきたこの頃。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?日が暮れるのが早くなりましたが、心地良い気温の夜が嬉しく、ついどこまでも散歩したくなります。そんな時に、ふと立ち寄れる純喫茶の存在はとてもありがたいもの。しかし、昔ながらの純喫茶は年々その姿を消していくという悲しい現実が。その理由として多いのは、「店主の高齢化」「建物の老朽化」「安価なチェーン店の増加」「後継者の不在」などです。純喫茶を愛する者として、好きな店に足繁く通うことくらいしかできず歯痒いばかりですが、自分が暮らす街の純喫茶に通う方が増えることによって、その地域に根付いた純喫茶は長く続いていくのではないかと考えています。さて、今回は、閉店のきっかけになりうる懸念事項の1つ「後継者の不在」に対する不安を吹き飛ばしてくれる浅草橋の純喫茶を紹介します。 初代マスターから引き継いだ「純喫茶」の思い難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年09月15日レトロ風情を感じられる昔なつかしい老舗喫茶1958年開業、60年あまりの歴史を刻む老舗の喫茶店「ブリッヂ」。昔懐かしい純喫茶で、古き良き街並みを大切にする銀座にレトロな風情をそえています。食品サンプルがズラリと並ぶ店頭のショーケースを見ているだけで、まるで昭和にタイムスリップしたかのようなワクワク感が溢れます。インパクト絶大、SNS映え必至の「メロンパンケーキ」SNS映えのする特徴的なビジュアルのスイーツが銀座の喫茶店にあるらしい、と話題を集めたメニューが「メロンパンケーキ」。薄めのパンケーキをドーム型に成型し、中にはカットメロンとアイスクリーム、外はメロンクリームで覆ってあり、見た目も味もメロンそのものに仕立てています。使われているパンケーキは3枚。ボリューム満点なので、友人や恋人とシェアするのもおすすめです。ジューシーなメロンは、大きめに切ったものがゴロゴロ入っているので、メロン好きにもたまりません。温かいパンケーキと冷たいアイスの組み合わせが、やみつきになること間違いなし!アイディアの光るオリジナルパンケーキがたくさんそのほかにも、老舗ならではのアイディアが光る自家製パンケーキがたくさん。マスカルポーネチーズ入りのクリームとたっぷりのココアパウダーを使った「ティラミスパンケーキ」、チーズ&ヨーグルトを混ぜ込んだ生クリームと苺ソースを使った純白の「スノーホワイトパンケーキ」など、どれもメロンパンケーキに引けをとらない人気メニューです。「昭和」と「平成」を同時に味わえる貴重な空間アラフォー世代は子ども時代にタイムスリップしたような気分に浸ることができ、アラサー世代は映画やTVドラマでしかお目にかかれない、レトロな雰囲気を楽しむことができます。まだ体験したことがない方は、ぜひパンケーキを味わいながら、昭和っぽさの残るインテリアや食器類などレトロな雰囲気に目を向けてみてください。東京メトロ各線「銀座駅」のC5・C7出口に直結。またはJR各線「有楽町駅」銀座口から徒歩3分。西銀座デパートの地下1階にあります。銀座の待ち合わせ場所として有名な有楽町マリオンからもすぐです。スポット情報スポット名:ブリッヂ住所:東京都中央区銀座4-1 西銀座デパートB1F電話番号:03-3566- 4081
2017年09月08日「ひとり純喫茶」をご覧下さっている皆さま、新年はもう純喫茶に行かれましたか?私は元旦に新宿三丁目にある、24時間営業の「珈琲貴族 エジンバラ」を訪問しました。こちらの名物は、店員さんが珈琲とミルクを高い位置から注いでくれるカフェ・オレ。カップに到着するまでの時間、空気を含んでミルクがやわらかくなる効果があると聞きますが、何よりもその圧倒的なパフォーマンスを見ているだけで楽しいのです。純喫茶へ行く理由はいくつか挙げられますが、人によって様々だと思います。例えば、店内のインテリアや建築に興味がある方、美味しいメニューや珈琲を求める方、個性あふれるマスターたちとの会話がお目当ての方…。色々な要素が組み合わさって楽しいひとときは成り立つもので、私もその時々の気分によって訪れる店を決めています。1700軒訪れた中で、初めて出会った「仏像のある純喫茶」さて、そんな私が新年早々に選んだのは、念願だった「店内の様子がかなり特殊である」純喫茶。大阪で暮らす知人たちから話を聞いて以来、気になって仕方がなかった「篝(かがり)」です。「かがり」とは、かがり火を焚く時に使用する“鉄製のカゴ”を指し、こちらの天井にも吊るされています。さらに、このお店を表す最も強烈なキーワードが「店内の至るところに仏像がある」ということ。全国1700軒ほどの純喫茶を訪れ、数えきれないほど個性的な店と出会いましたが、仏像があるお店は初めてでした。大阪の新大阪から御堂筋線でなんば駅へ行き、そこから千日前線に乗り換えて玉川駅へ。駅から少し歩き、商店街に入ると目当ての「篝」が見えてきます。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年01月20日あけましておめでとうございます。昨年も『ひとり純喫茶』をご覧頂き、本当にありがとうございました。2015年11月から連載をはじめて早いもので1年あまり経ちました。こうして純喫茶のことを綴る場所があるというのは大変ありがたいことです。今年度も引き続きよろしくお願い致します。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年01月06日皆さんが純喫茶で過ごす時間は、だいたいどのくらいでしょうか?長居するように思われる私ですが、実は平均して30分程です。店内にいる時は、たいてい何もせずひたすらぼんやりして過ごすことが多いので、一杯の珈琲をゆっくりと飲み干した頃合いで、自然に立ち上がり店内を後にすることが常です。しかし、それは「ある場合」を除いてのこと。というのは、好みの漫画が本棚に多数並んでいた時は、つい時間を忘れて過ごしてしまうこともしばしば。例えば、ここのところ頻繁に足を運んでいる、練馬駅にある「アンデス」などがそうです。地下鉄大江戸線から、地上にあがってすぐ目の前。30秒もかからずに行けるので、雨の日や風の日にも心強い存在です。一面が広い窓に囲まれている、二階にある店内には、日中は光が差し込み、夜も信号の灯りに照らされた通行人たちを眺めることができる、開放的な空間です。窓と反対側の壁をぐるりと囲む棚には、漫画や雑誌、小説など様々なジャンルの本が天井に届くほど高く積まれています。まるでここは大人の図書館のようで、好きな漫画を片っ端から読んでも通い続けたくなる楽しみがあるのです。私が好んで読むのは、純喫茶の定番である「ゴルゴ13」や「黄昏流星群」「人間交差点」など。豊富なメニューの中には、東京ではなかなかお目にかかれない“鉄板ナポリタン”もあるので、空腹時に訪れたいところです。ただし、混雑する昼時は鉄板が足りなくなるため、普通のお皿で提供されるのでご注意を。他にも気になるメニュー名として「日焼けパフェ」に「シェフマリオ」などが。通常のチョコレートパフェは白いバニラのアイスクリームが乗っていますが、日焼けパフェにはいったいどんなアイスクリームが…?何が出てくるのかは、注文してからのお楽しみに。「アンデス」という店名から分かるように山登りがお好きだというマスター。「ここでガツンと儲けて、いつかはアンデスへ旅をしたいってずっと思っていてね。でもきっとずっとここで働くのだろうなあ」と冗談を交えながら、優しい顔で笑います。実はこちらの鉄板ナポリタンを有名にしたのは、漫画家のあだち充先生。今でもたまにいらっしゃるそうで、店内にはお店宛に描かれた絵も飾られています。絵の横には『コーヒーとナポリタンは注文すれば出て来たが、作品のアイデアは「アンデス」のメニューに無かった…』と思わずくすりと笑ってしまう一言。訪れた時には探してみることをお薦めします。Text/難波里奈
2016年12月09日「喫茶エレーナ」は1975年にオープン、横浜山手の高台に位置し、42年目を迎えた今も多くの方に親しまれています。横浜山手は日本でも有数な高級住宅街で、外国人居留地時代の洋館や教会が建ち、休日には観光客がたくさん訪れる場所です。 晴れた日はマリンタワーを眺めることができる絶景のロケーションに建つ喫茶エレーナは、白い外壁に赤い屋根のかわいらしい外観で、緑が多くゆったりとした街の空気感にとても似合います。正面奥には横浜港の景色を一望できる大きな窓があり、季節や天気、時間帯によって店内の表情が変わるのが魅力的です。 テーブルの上の可憐な花、入口には新聞、初めて座ってもしっくりとなじむイス、よく知った場所に来たような空間に安心できます。デートで、ママ友とのおしゃべりに、散策で疲れたとき、ひとりで息抜きにと、ゆっくりと思い思いの時間を過ごします。 「以前は、この窓から入港する船の様子が見えたんですよ。ビルやマンションが建って窓から見える景色は変わってしまったけど、内装やメニューはオープンからほとんど変わってないよ」と店主の服部静雄さん。 おすすめメニューは、季節で味の変化を楽しめるシーズンティーと手作りのお菓子。朝9時からの営業で、お得なモーニングやサンドイッチも人気があります。 「30年前にケーキに合うのは紅茶だと思い、シーズンティーを提供し始めたけど、当時は値段も高いとわかってもらえなくて大変だった。今でこそクオリティシーズンティー(インドで採れるダージリン、アッサムなど旬の時期に摘まれた紅茶)のことはみなさん、よく知っているけれどね。山手は特別な場所で物に詳しい方も多いし、クチコミで広まったんだよ」と服部さん。 そんなシーズンティーに合うのが、服部さんの奥さまのレシピを受け継いだ、店内で手作りされているケーキです。アプリコットのジャムが添えられたベイクドチーズケーキは、ふんわりと軽くコクがあります。 かぼちゃのプリンはオープンの時からの人気で、なめらかな口当たりとビターなカラメルのバランスが絶妙で、とてもおいしい。 女性に人気のポテトチーズトースト。イギリスパンの上にマッシュポテト、オランダ産のゴーダチーズをたっぷりのせてトーストしたもの。カリっとしたパンとふんわりなめらかポテトは相性抜群です。 シンプルで上質なものを守り、長年提供するのは簡単なことでないはず。美味しい時間を演出するだけでなく、気取らず、ほっとできる居心地のよい空気感は服部さんのお人柄の現れ、長く愛されている喫茶エレーナにはしっかりとしたワケがありました。喫茶エレーナ神奈川県横浜市中区山手町24 tel:045-662-27239:00~21:00 (LO.20:30)駐車場あり(4台)水曜日定休URL:
2016年12月01日好きなものがなくなってしまうことは、とても寂しいことです。もちろん純喫茶もその例外ではなく、「閉店」を知る瞬間は幾度となくやりきれない気持ちに。閉店の理由はいくつかあり、例えば、店主の高齢化、建物の老朽化、後継者の不在、お客さんの減少など…。どんなにその純喫茶を好きでいても、店主が下した「閉店」という決心はなかなか変えられるものではありません。それならば、せめて営業している時に少しでも多く足を運び、「珈琲、美味しかったです」「ここのサンドイッチが食べたくて一日を頑張れました」「今日もお元気そうで何よりです」など、マスターやママと言葉を交わしたい。そして、お店を続けて下さっていることへの感謝とその店が好きだという気持ちを素直に伝えられたならと思いました。そんな思いを込めて、今回はぜひ皆さんに訪れて頂きたい純喫茶を紹介します。日本を代表する金融商品取引所として、日本経済の成長に貢献してきた東京証券取引所。近くには、かつてスーツ姿のサラリーマンたちがひとときの憩いを求めてひっきりなしにやってくる純喫茶がありました。場所は兜町。東証の向かいで今も営業を続けている「may」という店です。時代の流れとともに技術が発達し、作業がコンピュータ化された結果、今ではmayの扉を開ける人もめっきり少なくなってしまったそうです。かつては、決して広くない店内に4人の女性アルバイトが忙しく働き、毎日やってくる常連客の顔と好きな席を把握しては、切り盛りしていたのだとか。前の賑わいはなくなりましたが、昭和の時代に、働くサラリーマンたちを見守り続けてきた老舗は今も訪れる人たちをほっとさせる空間です。歴史を感じるあたたかみのある店内と、カウンターの奥にいらっしゃる白い髭をたくわえた穏やかなマスターとやさしいママが出迎えてくれます。店の扉を開けて、すぐ注目してほしいのは、入口近くの左側の棚にある給水器。年月を重ね、鈍く光る銀色の大きな容器はどこか懐かしく、思わず見とれてしまいます。カウンター後ろの棚には、長い間大事にされてきた食器たちが美しく並べられています。こちらでぜひ注文して頂きたいのは「チャンポン」というメニュー。その昔、まだカフェオレというものが一般的でなかった頃からこの界隈で親しまれていた、珈琲を牛乳で割ったものです。細長いカップも珍しく、ぽってりとした手触りが癖になります。窓の向こう側に流れていたという川に思いを馳せながら、マスターとの会話を楽しみ、ゆっくりと過ごしてみるのはいかがでしょうか。営業は11/30(水)まで。訪れた方へ素敵な時間をお約束します。Text/難波里奈
2016年11月11日皆さんは何かを集めることがお好きでしょうか?私は年を経るごとに物を集めることは少なくなりましたが、かれこれ10年ほど、訪れた純喫茶の思い出を『純喫茶コレクション』というブログにマイペースに綴っています。ブログを開設する際に「訪問した喫茶店の記録を自分のために、後から見返して色々なことを思い出せるように、まとめていこう。タイトルは、『喫茶店コレクション』でも良いけれど、特別な思いを込めて『純喫茶コレクション』にしよう」と考えたのでした。ブログ名にある『純喫茶』は、一般的に言われる「アルコールを出さず珈琲を出すことを生業としている喫茶店」という解釈に加えて、私の考えるゆるやかな定義の「昭和の時代から今に至るまで、長い間たくさんの人たちに愛されている喫茶店」という意味を含め、「私は『純』粋に『喫茶』店が大好きである」という強い気持ちを込めて名付けました。このブログでは、純喫茶の内装、そこで食べたもの、マスターとの会話など訪問した時の記録を主に残していますが、実は形として残るものも集めていて、今もとても大切にしています。それは「マッチ」です。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2016年10月28日あっという間に2016年も残り数か月となりましたが、皆さまは年初に目標を立てていましたか?私は自分に対して「1日1純喫茶」を課しました。こちらは文字通り、「必ず1日に1軒以上どちらかの純喫茶に寄る」ことを指します。現在までは無事に遂行しており、この記事がアップされる頃には恐らく、340軒程訪問済みとなっているはずです。毎日飽きもせず、様々な純喫茶を巡って過ごしているのですが、平日は会社員ゆえの制限時間があるため、基本的には業務後の夜にしか出掛けられません。本当は遠くの街へ赴き、気分転換をしたいと思っても、翌日のことを考えるとせいぜい片道1時間以内の移動が現実的です。幸い職場のある駅はどの方面にもアクセスが良いため、毎朝満員電車に揺られながら頭の中で路線図を広げて、帰り道に寄る純喫茶を考えることがささやかな楽しみです。今回は平日に行ける場所の中で、最も現実逃避の気分が味わえる浅草の純喫茶のことを。浅草は独特の雰囲気があるためか、地下から地上に出ると、空気が紅く染まったような錯覚を覚えます。平日でも観光客たちで賑わう雷門を通り過ぎて、歩くこと数分。「純喫茶マウンテン」という店が見えてきます。店名に「純喫茶」と付けられているのが今では貴重で嬉しくなります。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2016年10月14日メルシーボークー,(mercibeaucoup,)が、期間限定「メルシー喫茶」を代官山T-SITE内にオープン。期間は2016年11月23日(水・祝)から11月27日(日)まで。2016年でブランド10周年を迎えるメルシーボークー,。「メルシー喫茶」は、ブランドの10年を支えてくれたファンへの感謝の意味も込めて、オープンすることとなった。店内では、こだわりの素材を用いたお茶やお酒、昔ながらの日本のごはんといったオリジナルメニューを提供するほか、10周年を記念した洋服や雑貨を始め、座布団なども販売する。また、過去の懐かしい写真やコレクションムービーなど、まるでデザイナーの頭の中を垣間見ているような展示も用意。さらに、ミサンガやボンボンヘアゴムを作るワークショップも開催する。【詳細】メルシー喫茶会期:2016年11月23日(水・祝)〜11月27日(日)時間:11:30〜21:00※最終日18:00まで。場所:DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY住所:東京都渋谷区猿楽町16-15<ワークショップ>参加方法:当日メルシー喫茶に整列した人に先着で11:15より整理券を配布する※希望の時間帯を選ぶことができる■自然栽培綿の手紡ぎ体験日時:11月23日(水・祝) 13:00、16:00参加費:食事付き 3,000円+税定員:各回6名■メルシー10周年と、これからについての話日時:11月24日(木) 18:00〜20:00参加費:無料定員:フリー■ボタニカルダイの糸でミサンガ作り日時:11月25日(金) 13:30、16:00参加費:食事付き 3,000円+税定員:各回8名■もったいないからボンボンヘアゴムをつくろう日時:11月26日(土) 13:30、16:00参加費:食事付き 3,000円+税定員:各回8名
2016年09月23日1980年代に一世を風靡したブランド、ピンクハウス(PINK HOUSE)による純喫茶をテーマにしたポップアップショップ「純喫茶 PINK HOUSE」が9月14日、伊勢丹新宿店本館2階に期間限定オープンする。同ショップでは、イラストレーターの宇野亞喜良がピンクハウス初期の図案にイラストを書き加えて作成した、オリジナルテキスタイルを使った限定アイテムを販売。他にも初期ピンクハウスのデザインに“紅茶”や“コーヒー”で後染め加工を施したものや、ダッフルコート、MA-1など初期ピンクハウスを代表するアイテムの限定復刻、カップやスイーツといった純喫茶さながらの商品など、可愛くも幻想的なアイテムが多くラインアップされる。なお、総監修はファッションディレクターの山口壮大が担当する。ポップアップの開催日は、9月14日から26日が伊勢丹新宿店本館2階=センターパーク/TOKYO解放区、9月28日から10月4日が銀座三越3階=ル プレイス プロモーション、10月19日から31日が名古屋イセタンハウス地下1階のコンセプトショップとなっている。なお、9月14日から11月29日まで、伊勢丹オンラインストア、三越オンラインストアでも購入可能。
2016年09月12日「純喫茶は店内の様子が分からないから少し入りにくい」「マスターが怖い人だったらどうしよう」「実は珈琲が苦手…」と純喫茶に興味をもっていらっしゃる方でも、通い慣れるまでにはそのような葛藤があることが少なくないようです。そのような初心をすっかり忘れてしまった今日この頃ですが、「1人では入りにくい」という方に対しては、出来ることなら同行してそのひとときをご一緒したいところが本音です。しかし、なかなかそうもいかないため、少しでも不安を取り除いて扉を開けるきっかけを作れたらと思います(何軒か通っていくうちに次第に慣れ、様子が分からないことさえも楽しめるようになる時期がくると思います)。こちらの連載をご覧下さっている方の大半を占めていると思われる女性に向けて、1つアドバイスしたいと思います。それは「店主が女性の店を選ぶこと」です。絶対というわけではないですが、今までの経験を基に考えると、女性店主が営む空間は純喫茶ならではの「素っ気なさ(慣れてきたらこれは本当に良いものです)」が少し薄れ、初めての人でも訪れやすいような雰囲気を醸し出しているところが多いような気がします。例えば、神保町駅近くの交差点からすぐの地下にある「トロワバグ」。店内の様子は地上からは分からないのですが、扉を開けた時に漂う清潔感のある雰囲気にほっとすることと思います。赤いベロアの椅子が並ぶきちんと掃除された店内には活き活きした花が飾られ、珈琲の注文が入る度に良い香りが漂うのです。何を食べても美味しいですが、人気メニューのグラタントーストは現在の店主である三輪さんのお母様が大切にしていたメニュー。今は亡き初代ママさんの思い出の味を求めてやってくる人たち、また初めてやってくる人たちに美味しいトーストを提供すべく、三輪さんは日々手間と時間のかかる仕込みをこなしています。そして、やわらかい雰囲気をまといながらもカウンターの奥で珈琲を淹れる様子は凛としていて見惚れるほど格好良いのです。まったり美味しいかぼちゃムースもおなかの余裕があれば是非食べて頂きたい一品です。「変わらないものを大切にしながらも、今に寄り添っていきたい」と以前話して下さった三輪さん。現在では、ご自身もお好きなワインも楽しめる空間となるそうです。Text/難波里奈
2016年09月02日「タマゴサンド」というと皆さんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか?店ごとに個性が光り、同じものはないところが面白い純喫茶メニューですが、「タマゴサンド」にも地域ごとの特徴があるようで、一般的に、東ではゆで卵をつぶしてマヨネーズや塩こしょうと和えたサラダタイプが、西ではふわふわに焼き上げられたオムレツタイプが多いとされています。私は東京で生まれ育ったのですが、純喫茶に夢中になりそのようなことを意識するまで自分の中では「タマゴサンド=タマゴサラダが挟まっているもの」という認識でした。実際、幼い頃に母が作ってくれたタマゴサンドはゆで卵が半熟だったり固ゆでだったりの違いはありましたが。一度もオムレツタイプだった記憶はないのでした。どちらのタイプも美味しく、優劣をつけることは不可能なのですが、私の場合ふと食べたくなってしまう時、思い浮かべるのは焼き立てで熱々のオムレツが挟まれたものでした。先日のこと。私は夢の中にいて、どこかの純喫茶にそれはそれは美味しいタマゴサンドがあると聞き、遠方まで食べに来ているところでした。その純喫茶はかつて訪れたことがあるような、まだ見たことがないような空間。というのは窓から差し込む光が眩しすぎたため店内の輪郭がぼやけてしまっているのでした。注文を済ませ、運ばれてくるのをそわそわして待っている。今日はこのタマゴサンドのために朝食も食べずに急いで朝一番の電車でここへやってきた。あと数分後、どれだけの幸せに包まれるのだろう!……ところが、夢らしい夢だったおかげでここで目覚めてしまったのです。夢の中とはいえ、評判のタマゴサンドを食べ損なってしまった悲しみ。仕事が終わったら必ずや夢で想像していた味を上回るサンドイッチを食べよう、この日はその強い思いだけで夜を迎えました。そして、真っ先に思いついた学芸大学の雑伽屋を目指し、ベーコンとオムレツに加えてチーズもトッピングし(通常メニューでは2種類の具を選べますが、+100円でさらに具を増やせるとのことです)、贅沢な美味しさにすっかり満足したのでした。濃厚なクリームがたっぷりなアイスウィンナーコーヒーも一緒に。Text/難波里奈
2016年08月05日