展覧会「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」が、東京国立近代美術館で、2019年3月12日(火)から5月26日(日)まで開催される。福沢一郎の作品約100点が集結福沢一郎は、1930年代の日本にシュルレアリスムを紹介し、前衛美術運動のリーダーとして活躍した作家。時代の変化と共に様々に主題と作風を変え、「謎めいたイメージ」の中に込めた知的なユーモアによって、同時代の社会や人々を諷刺的に描いた。戦時中は弾圧を受けるが、戦後は再び社会批評的な視点から人間群像の大作に取り組み、晩年は文化勲章を受章するなど波乱の人生を歩んだ。「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」では、油彩・素描・写真など約100点の作品が集結。福沢が時代の中でどのように社会と向き合い表現したのかを、現代の視点から見直し、再評価していく。会場には鑑賞ワークシートも用意され、福沢一郎のシュールでユーモアに溢れたイメージを謎解き気分で鑑賞できる。パリ留学時代の初期作品から時代順に紹介展覧会では、福沢一郎の作品を時代順に10章に分け、福沢一郎が社会や人間に対してどのような批評の眼を向け、そして持ち前のユーモアのセンスで作品化していったかを紹介する。福沢一郎は、パリ留学時代の初期作品から、既に社会に目を向けて描いた。シュルレアリスムの画家マックス・エルンストの作品に影響を受け、古い雑誌の挿絵を奇妙に組み合わせ、不条理なユーモアに満ちた作品を数多く制作。展覧会には、1931年の独立美術協会展で発表され注目を浴びた《Poisson d’Avril(四月馬鹿)》といった作品も展示される。戦争を経た代表作も戦前、ファシズムに抗して人間精神の自由を守ろうとする“行動主義”の思想に、福沢一郎は美術家として共鳴。所々穴が開けられて背景が透けて見える《牛》のように、力強さと裏腹に空虚さをも感じさせる作品を世に送り出した。戦後、福沢一郎は混乱する世相をダンテ「神曲」に託して連作を描き、その中で代表作《敗戦群像》(1948年)を発表する。戦前から追求していたヒューマニズムの姿勢が、戦時下に経験した作家活動への弾圧を経て、新たな段階へ達したことを表している。また、展覧会では、その後の中南米やアメリカの旅で目にした人や造形物のエネルギーに刺激を受けた作品、古代神話や旧約聖書に基づく晩年の作品まで、福沢一郎の多彩な画業を振り返る。詳細「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」会期:2019年3月12日(火)~5月26日(日)時間:10:00~17:00(金・土曜は20:00まで)会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園3-1TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)休館日:月曜日(3/25、4/1、4/29、5/6は開館)、5/7(火)料金:一般1,200(900)円、大学生800(500)円※()内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。※高校生以下および18歳未満、障害者手帳持参者とその付添者(1名)は無料。※本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、「イメージコレクター・杉浦非水展」(2Fギャラリー4)も入場可。
2019年01月13日“ニュー・イヤー・バレエ”と聞くと、お馴染みのクラシック演目が並ぶ華やかなガラ公演を思い浮かべがちだが、今年の新国立劇場バレエ団はひと味違う。20世紀初頭に革新的なバレエでヨーロッパを席巻したバレエ・リュスの傑作が2作と、現代の舞踊界をリードする中村恩恵が振付ける新作という、一歩踏み込んだラインナップだ。バレエ・リュスの傑作、『レ・シルフィード』と『ペトルーシュカ』はともにミハイル・フォーキンの振付だが、趣は大きく異なる。前者は森の中で詩人とシルフィード(空気の精)たちが幻想的な情景を繰り広げる、ショパンの名曲の数々をそのまま視覚化したような美しい作品。一方の後者では、見世物小屋にかけられた人形ペトルーシュカの哀しい恋物語が、ストラヴィンスキーの一種不気味な音楽に乗せて描かれる。そして、そのストラヴィンスキーの組曲『火の鳥』に今回挑むのが中村恩恵だ。新国立劇場バレエ団に振付けるのは、2017年に好評を博した全幕ダンス作品『ベートーヴェン・ソナタ』以来。『火の鳥』といえばフォーキンやモーリス・ベジャール振付版がよく知られるなか、果たして中村版はどのような作品になるのだろうか。バレエの多彩な魅力に触れられそうなトリプル・ビル、新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』は、本日1月12日(土)から14日(月・祝)まで新国立劇場 オペラパレスにて上演される。文:町田麻子
2019年01月12日ル・コルビュジエが設計し、ユネスコ世界文化遺産に2016年に登録された東京・上野の国立西洋美術館本館では、開館60周年を記念して「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」を、2019年2月19日から5月19日まで開催する。20世紀建築の巨匠ル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館本館は、2016年にユネスコ世界文化遺産に登録。開館60周年を記念して開催される本展では、若きシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ(ル・コルビュジエの本名)が故郷のスイスを離れ、芸術の中心地パリで「ピュリスム(純粋主義)」の運動を推進した時代に焦点をあて、絵画、建築、都市計画、出版、インテリア・デザインなど多方面にわたった約10年間の活動を振り返る。第一次大戦の終結直後の1918年末、ジャンヌレと画家アメデ・オザンファンは、機械文明の進歩に対応した「構築と総合」の芸術を唱えるピュリスムの運動を開始。そして、絵画制作に取り組みながら新しい建築の創造をめざしたジャンヌレは、1920年代パリの美術界の先端を行く芸術家たちとの交流から大きな糧を得て、近代建築の旗手「ル・コルビュジエ」へと生まれ変わった。本展は、ル・コルビュジエの他、アメデ・オザンファン、パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラック、フェルナン・レジェ、フアン・グリス、アンリ・ローランス、ジャック・リプシッツの美術作品約100点に、建築模型、出版物、映像など多数の資料を加えて構成。ル・コルビュジエが世に出た時代の精神を、彼自身が作り出した世界遺産建築の中で体感できる、またとない機会となる。また、展覧会オリジナルデザイン「サンクポワン(CINQPOINTS)×ル・コルビュジエ展のコラボトートバッグ」と前売一般券1枚がセットになったお得な前売りチケットが500枚限定で登場。サンクポワンは、建築家が「Play with Architecture」をコンセプトに手掛けるフランスのブランド。ル・コルビュジエの提唱したモダニズム建築の5原則、サンク・ポワン(5points)を冠している。トートバッグは、ル・コルビジュエの言葉「建築は光のもとで繰り広げられる、巧みで正確で壮麗なボリュームの戯れである」がデザインされ、サンクポワン、本展、国立西洋美術館のロゴマークが入ったオリジナルアイテム。会期中に会場特設ショップにて引き換えができる。なお、コラボグッズ付前売券に残数が発生した場合にのみ、本展特設ショップで単品販売予定。【展覧会情報】国立西洋美術館開館60周年記念 ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代会期:2019年2月19日〜5月19日会場:国立西洋美術館 本館時間:9:30~17:30、金・土曜日9:30~20:00(入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜日(ただし3月25日、4月29日、5月6日は開館)、5月7日料金:一般1,600円(1,400円)、大学生1,200円(1,000円)、高校生800円(600円)、中学生以下無料※( )内は20名以上の団体および前売料金、前売券は2019年2月18日まで販売(国立西洋美術館では2019年1月20日まで販売)、心身に障害のある方および付添者1名は障害者手帳の提示で無料
2018年12月29日日本でも子どもが楽しめるイベントを企画する美術館が増え、最近は “親子で美術館” の敷居も低くなってきました。その先駆けとも言えるのが「横浜美術館」です。オープン当時からの取り組みは、来年でなんと30年を迎えます。そのため、アートを体験した子どもが、そのときの楽しさを留めたまま成長して親になり、今度は自分の子どもと再訪しているというケースも!長く続く横浜美術館の魅力的な取り組みについてご紹介します。“子どものための施設” を意識した設計横浜美術館は、1989年11月に横浜・みなとみらいにオープンしました。石造りの堂々たる建物は、日本を代表する建築家・丹下健三氏の設計です。国内有数の規模の広さで、左右180メートルの悠々たるファサード、約20メートルの高さの吹き抜けを持つエントランスなど、内部もゆったりと贅沢に作られており、建築そのものも見応えがあります。約1万2千点の所蔵品を有する横浜美術館の理念は、「みる」「つくる」「まなぶ」。そのために、7つの展示室のほかに、2つのアトリエ、美術情報センター、レクチャーホールも併設されています。その中の「子どものアトリエ」となるスペースは設計当初から確保されており、“子どものための施設” を意識した設計は美術館としては珍しいことなのだそう。子どものアート教育への熱意を感じますね。自分の目で見て、自分の手で触れ、自分でする「子どものアトリエ」は、小学校6年生(12歳)までの子どもが対象の、様々な遊びを通した造形体験を提供する場です。その運営は次のような理念のもとに行われています。日本では、明治初頭より、子どもの美術教育は学校で指導するという長い歴史が続いていますが、その目的は、義務教育全体の目的である「自立に必要な基礎的な能力の育成」にあります。子どものアトリエが行う描きつくり鑑賞する活動も、「芸術家の育成」ではなく、「自分の目で見て、自分の手で触れ、自分でする」という自意識の獲得に目的があり、それを楽しい活動として提供するのが私たちの仕事です。ゆえに子どものアトリエでは、美術的な教養として、子どもたちにいろいろな作品の作り方や作家を知ることを性急に求めることはしていません。むしろ、子どもたちの意志的な問題として、見たくなるような、知りたくなるような、コンデションづくりが大切であると考えています。 生涯を通した中で美術館との関わりを考えると、子どもたちはその入り口に立ったばかりです。子どものアトリエはその入り口の案内役として、子どもたちにとって美術館が楽しくかつ親しみのある場になるように、事業運営を心掛けなければならないと考えています。(引用元:横浜美術館|子どものアトリエ 運営理念)※太字は編集部で施したアートを通した人としての成長を促す場として実績を積み重ねた約30年。一貫した活動は本当に素晴らしいものですね。「子どものアトリエ」の活動アトリエだけで約631㎡の広大なスペースの中に、プレイルーム、クラフトルーム、光と音のスタジオ、中庭を有しています。この贅沢な空間の中で毎週行われている様々な活動をご紹介しましょう。【親子のフリーゾーン】毎月3回程度の日曜日に行われている大人気プログラムです。事前申し込みが必要で、先着500名(子どもと家族含む)が定員。小学生以下の子どもは無料、保護者と中学生以上の子どもは一人100円の参加費が必要です。特に決められたプログラムはなく、「ねんどコーナー」「えのぐコーナー」「かみコーナー」があり、用意されたもので自由にどこででも好きなだけ遊ぶことができます。これだけ大人数の親子が一斉に “アートする” 光景は圧巻です!家では汚れが気になってここまで自由には遊べませんから、この開放感はきっと病みつきになるに違いありません。服装はもちろん汚れてもいい格好で。大人になっても忘れられない楽しい思い出だからでしょう、子ども時代に体験した親が自分の子どもを連れてやってくる姿も見られるそう。長年続くのも納得のイベントです。開催日程などの詳細はこちらでチェックしてみてくださいね。■子どものアトリエプログラム 親子のフリーゾーンガイド【ワークショップ】造形プログラムの一環として、年間を通して定期的に講座が開催されています。「幼稚園・保育園の年長児」「小学1・2・3年」「小学4・5・6年」の3つのグループごとに、「わくわく1日造形講座」「わくわく日曜造形講座(3回)」「わくわく1日鑑賞講座」「わくわく日曜鑑賞講座」「夏休み造形講座」「長期日曜造形講座(6回・高学年のみ)」が企画されています。各講座は事前申し込み制の有料で、複数回講座の場合は全日程の出席が必要となります。2018年度の申し込み可能な講座のみ以下にご紹介します。<幼稚園・保育園の年長児>■わくわく日曜造形講座(各3回)2019年2月3、10、17日(親子講座・親子アートクラブ)※申込締切 2019年1月8日<小学生>■わくわく1日造形講座2019年1月19日 親子講座 「音をつなげる、音をひっかく」※申込締切 2018年12月20日■わくわく日曜造形講座(各3回)2019年3月3、10、17日(紙粘土で見て作ろう)※申込締切2019年2月5日各講座定員がありますので、年間スケジュールが出たときにチェックしておいて、興味があるものは忘れないように申し込みましょう。以前の幼稚園年長児対象 “わくわく造形講座”「クリスマス飾りをつくろう」の様子を美術館のサイトで見ると、説明を熱心に聞く姿、集中して作品を作る子どもたちの姿などがアップされています。発泡スチロールでツリー本体部分を作るところまで作り方を指導し、その後の色付けや飾り付けは自由。ツリーだから緑でなければならないという概念や決まりは何もなしです。子どもたちは「サンタさんが見つけやすいようにカラフルにしたよ」「雪だるまが住むツリーだよ」など、自分の思い描くストーリーでオリジナルのツリーを作り上げました。公開されている作品はバラエティ豊か!几帳面に飾りを配置している子、レインボーカラーで彩った子、モールをぐるぐる巻きにしてなんともアートなツリーを作り上げた子などなど、見るのも楽しい作品たちです。学校の授業ではないからこそより自由に感性を発揮できる場として、何より遊びの延長でアートを身近に体験できる場として、とても魅力的な講座となっているのがわかります。【学校のためのプログラム】横浜市内の学校向けの教育プログラムにも力を入れています。個人向けの講座との大きな違いは、“教育現場で活かされる造形活動の試み” を念頭にプログラムが組まれているところです。学校と事前に打ち合わせを行ったテーマで「造形」と「鑑賞」の2つのプログラムが組まれますが、どちらも “アート作品を作る、理解する” というよりは、「造形の仕組みや素材を知ること」を通じて、アートを身近に感じ、実感を持って捉えてもらうための教育なのだそうです。子どもとアートを「親子」「子ども個人」「学校」と、それぞれ違うアプローチから捉え、実際に活動に活かされているところが素晴らしいですね。***3年一度開催される現代アートの国際展「横浜トリエンナーレ」(次回開催は2020年7月)など、芸術文化活動に熱心な横浜市の中心を担う横浜美術館。約30年もの長きにわたり、途絶えることなく子どもとアートをつなぐ架け橋となってきたことに感銘を受けます。横浜美術館の企画展との連携で、参加アーティストとコラボしたプログラムが組まれ、本物に触れるチャンスがあることも魅力のひとつ。親子で感性を解放しに訪れてみてはいかがでしょうか。(参考)横浜美術館|子どものアトリエ創造都市横浜|子どもと芸術文化〜Vol.1 横浜美術館の取り組み横浜トリエンナーレ公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団
2018年12月18日展覧会「イケムラレイコ土と星Our Planet」が、2019年1月18日(金)から4月1日(月)までの期間、国立新美術館にて開催される。イケムラレイコは、ヨーロッパを拠点に活動する日本の画家。これまで、何かが生まれる途上に潜在している無限の可能性を表現するという独創的な芸術課題に対し、絵画や水彩、版画、写真など多彩なメディアを通して表現してきた。初期の1980年代には、荒々しい絵画や多様な線で構成されたユーモラスで人間味あふれるドローイングなどの作品を手掛けた。また、1990年代以降の作品では、名もない小さな動物や無垢な少女たちなど、誕生と死を含みこむ神話的な原始の風景などが描かれている。本展は、イケムラレイコにとって過去最大規模の個展。2000平米の展示室と野外展示場も使い、これまで手掛けてきた約210点の作品を展示する。会場は、16のインスタレーションの集合として構成される。1979年、スイスにて現代美術家として活動を開始した初期のドローイング作品や、表現主義風の大型絵画をはじめ、明るく温かい色彩をベースにした2018年の最新作「うねりの春」などの作品を展示。イケムラレイコのヴィジョンを追体験し、これまで、そしてこれから見ようとしている世界観を体感してみては。【詳細】イケムラレイコ土と星Our Planet開催期間:2019年1月18日(金)~4月1日(月)休館日:毎週火曜日場所:国立新美術館 企画展示室1E住所:東京都港区六本木7丁目22-2開館時間:10:00~18:00(毎週金・土曜日は20:00まで)※入場は閉館時間の30分前まで観覧料:(当日)一般 1,000円(税込)、大学生 500円(税込) / (前売・団体)一般 800円(税込)、大学生 300円(税込)※2019年2月24日(日)は天皇陛下御在位30年を記念して入場無料※高校生、18歳未満の人(学生証または年齢の分かるものが必要)および障害者手帳持参の人(付添1人)は入場無料※前売り券は2018年11月14日(水)~2019年1月17日(木)までの販売【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2018年12月10日新国立劇場12月のオペラ公演はヴェルディ《ファルスタッフ》。英国の名演出家ジョナサン・ミラーが手がけた舞台は、2004年の新制作初演以来3度目の再演となる、同劇場のレパートリーを代表する人気プロダクションのひとつだ。初日直前の舞台稽古を観た(12月3日・新国立劇場オペラパレス)。【チケット情報はこちら】《ファルスタッフ》は80歳近くのヴェルディが人生の最後にたどり着いた喜劇オペラ。シェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』を原作に、女好きで飲んだくれの老貴族ファルスタッフが、口説いた女たちに懲らしめられるドタバタ劇だが、音楽はシリアスで格調高い。大まじめな調子で演じることで可笑しさがクローズアップされてくるタイプの喜劇だ。そうした作品の特徴にふさわしい、高貴な歌唱と憎めない悪役の性格描写を兼ね備えているのがファルスタッフ役のロベルト・デ・カンディア。やわらかで艶のある美声で、時代遅れの気高い騎士道精神にしがみつくファルスタッフの悲哀を豊かに表現する。新国立劇場初登場の人気ソプラノ、エヴァ・メイの演じるフォード夫人アリーチェの清楚な美しさには、好色な老騎士ならずともひと目惚れしてしまいそうだ。朗々と聴かせるような大アリアこそない役柄だが、細部まで丁寧で繊細な声の表現にはため息が出る。彼女の娘ナンネッタ役の幸田浩子や、クイックリー夫人役のエンケレイダ・シュコーザ、メグ役の鳥木弥生もハイレベルなパフォーマンスで、随所に登場する彼女たち4人の女声陣の重唱も大きな聴きどころとなっている。フォード役のマッティア・オリヴィエーリ、ナンネッタの恋人フェントン役の村上公太、ファルスタッフの子分ピストーラ役の妻屋秀和(彼だけが唯一、初演以来すべての《ファルスタッフ》上演に連続出演)ら、どの役にもキャラクターに合致した声と表現力を持つ歌い手たちを得たキャスティング。新国立劇場初登場のイタリア・オペラの名匠カルロ・リッツィが手綱を締めて、終幕の大迫力の(しかしよく考えると馬鹿馬鹿しい内容の)フーガ〈世の中はすべて冗談〉など各幕最後の声楽アンサンブルも実にパーフェクトだ。稽古後、デ・カンディアとメイのふたりが口を揃えて語っていたのも、このチームの音楽の質の高さだった。各所に人材を得て、ヴェルディの思い描いたとおりの理想的な《ファルスタッフ》が楽しめそうだ。なお、すでに繰り返し上演されて定評を得ているジョナサン・ミラーの演出は、衣裳や舞台装置を、フェルメールなど17世紀のオランダ絵画に発想を得て作られたプロダクション。現在上野で開催中の話題のフェルメール展と併せて観れば、ビジュアル面の興味も膨らんでいっそう楽しめるはずだ。新国立劇場の《ファルスタッフ》は12月6日(木)から15日(土)まで全4公演。東京・初台の新国立劇場オペラパレスで。12月9日(日)には、終演後に舞台裏を見学するバックステージツアーも開催される(定員50名・参加費200円)。取材・文:宮本明
2018年12月05日今度の休みは、美術館というアートな空間で非日常なデートを楽しみませんか。普段とは違った彼の一面が見られるかもしれませんよ。知的でスマート、でもそれだけではない美術館デートのメリットをお伝えします。全天候型であること急な雨でデートプランの変更を迫られると焦りますね!一般的に室内での展示、鑑賞を前提としている美術館ならそんな心配は無用です。作品保護の観点からも一年を通して、気温や湿度が管理されているケースが多いので、快適な時間を過ごすことが出来ますよ。真夏は屋外との気温差で少々肌寒く感じられることもあるので、ストールやカーディガンなど一枚羽織るものを持っていると安心です。楽しみ方いろいろ美術館での過ごし方に正解はありません。基本的なマナーを守ることは大前提ですが、あまり堅苦しく考えず、目の前の作品や空間に親しんでみましょう。作品の背景を深く知りたいと思ったら、「音声ガイド」を利用するのも有効です。多くの施設で利用できるサービスなのでチェックしてみてください。デートですから、お互いの鑑賞ペースも気になるところですが、両者が納得していれば二人でまわるという事に固執する必要もありません。スマホの使用は控えるべき場面があることも想定されるので、別行動をとる場合は待ち合わせ場所を決めておくとスムーズに合流できそうですね。鑑賞タイムの後は是非ミュージアムショップものぞいてみましょう。素敵なデザイングッズや展示に合わせた限定商品が見つかるかも。お土産選びも楽しんでくださいね。彼の価値観を知るチャンスゆったりアートと向き合った後は、併設のカフェなどに移動して、感想を話し合うのもいいですね。映画や本などにも言えることですが、同じ作品をみても感じ方は人それぞれ。興味を持った点や好きだと感じた事について、逆に良いと思えなかったという意見でもいいので話題にしてみてください。好みが合えば盛り上がること間違いなし!次のデートの指針にもなりますし、彼の知的でアカデミックな一面を発見して、惚れ直すなんてこともあるかもしれません。そうでなくとも、例えば彼は自分とは違う意見に対してどんな反応を示すのか。相手を否定せず、違う価値観を認めるだけの度量の持ち主か。そんなことも分かりますよ。美術館デートはお互いの「価値観」、「感性」を知り合う良い機会となるでしょう。
2018年11月23日東京都・千代田区にある「東京国立近代美術館」にて開催されている展覧会「アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる 1960-1990年代(以下、アジアにめざめたら)」。展示の概要や魅力をご紹介します。アジア各地のアヴァンギャルド・アートが東京に集結!東京国立近代美術館・1階企画展ギャラリーにて、2018年10月10日(水)~12月24日(月・休)まで開催されている展覧会「アジアにめざめたら」。アジア各地の現代アートの黎明期である1960年代~1990年代に焦点をあてた展覧会で、90組以上の作家が手がける、絵画や彫刻、パフォーマンスなど約140点ものアート作品が東京に集結しています。10を超える国と地域の90組以上の作家日本・韓国・台湾・中国・香港・インドネシア・シンガポール・タイ・フィリピン・マレーシア・インドなど、10を超える国と地域で活躍する、90組以上の作家の作品が登場。約140点ものアート作品絵画・彫刻・版画・写真・映像・パフォーマンス・インスタレーションなど、多様なアヴァンギャルド・アートが約140点展示されます。3章にわたってアートを展示第1章:構造を疑う1968年以降、西洋由来の“美術”という概念に疑問を持ったアジア各国の若い作家たちは、従来の“絵画”や“彫刻”といった形式にとらわれない芸術作品を生み出してきました。絵画を燃やす行為やギャラリー内に酒場をつくるなど、“美術”を批評する仕事とともに、石やクッション、ドライアイスなどの、物質と対話をうながすような新たなアート作品を展開します。第2章:アーティストと都市1960年代以降、アジアの主要都市の近代化がすすむ一方で、貧困問題・民族紛争などの問題が意識されるようになりました。その矛盾を指摘するかのような、光と影の両面をもつ都市のイメージを新鮮な感覚で表現した映像作品や、広告イメージを使って消費社会を皮肉るような絵画が登場します。さらに“路上”という公共空間でパフォーマンスが行われるなど、「都市」は実験的な表現をはぐくむ場所となっています。第3章:新たな連帯この時期の自由を求める若い表現者たちは、抑圧的な体制・社会的なタブーにも臆することなく、自由な表現ができるスペースをこじ開けようとしていました。アートがもつコミュニケーションの力に活路を見いだした作家たちが、アジアの“リアル”を多くの人々と共有するために作成した壁画・バナー・看板・ヴィデオなどが登場します。展示方法にも工夫がたくさん異なる時代・国の作品を比較できる同じ題材でも表現の違いが感じられるよう、展示スペースに異なる2つの時代や国の作品を展示。時代や場所の異なるアートを、国の枠組みを越えて比較することで、新しい発見をすることができます。壁と壁の間に隙間!?ギャラリー内の壁と壁の間には隙間があり、そこから次のエリアの展示作品が少し顔を覗かせています。不意にちらりと見える作品に胸を躍らせながら展示物を見ることができる、新鮮な展示方法です。もしこのクラッカーが本物の銃だったらどうする?会場に入ってすぐのところにある「もしこのクラッカーが本物の銃だったらどうする?」という展示物の問いかけ。どう思うかを考えて、横に置いてあるノートに書き込むことができます。過去に書き込んだほかの人のメッセージも見ることもできるので、考え方・捉え方の違いを知ることができ、感慨深い気持ちになりますよ。2019年にかけて韓国とシンガポールでも開催日本・韓国・シンガポールの国立美術館3館と、国際交流基金アジアセンターによって、5年にわたってすすめられてきた「アジアにめざめたら」。アジアの戦後美術を再考する国際共同プロジェクトの集大成です。日本で開幕した後は、2019年にかけて韓国とシンガポールに巡回します。アヴァンギャルド・アートに心揺さぶられて1960年代~1990年代、急速な近代化やベトナム戦争、民族間の対立などの社会を揺るがすさまざまな出来事が起こりました。その時代を生きたアーティストたちが“美術”といかに向き合ってきたのかを知ることができる「アジアにめざめたら」。アートと世界の見方が変わるアヴァンギャルド・アートに、この機会にふれてみてはいかがでしょうか。イベント情報イベント名:アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる 1960-1990年代催行期間:2018年10月10日 〜 2018年12月24日住所:千代田区北の丸公園3-1東京国立近代美術館1F企画展ギャラリー電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル 8:00~22:00)
2018年11月16日ブルガリア国立歌劇場の3年ぶりの来日公演が幕を開ける。1890年以来の伝統を持つ同劇場は、アンナ・トモワ=シントウやゲーナ・ディミトローヴァ、ニコライ・ギャウロフらの名歌手たちを育んできた東欧の名門だ。今回は、この日本公演のために新たに制作した新演出のビゼー《カルメン》を携えての来日。現地では昨年11月に初演されて大成功を収め、10数回もの追加公演が行なわれたという評判の舞台である。初日を2日後に控えて行なわれた舞台リハーサルを取材した(10月3日・東京文化会館)。【チケット情報はこちら】演出を手がけたのは劇場総裁でもあるプラーメン・カルターロフ。日本へ持ってゆくことを念頭に、能と古代ギリシャ演劇をミックスしたというプロダクションを作った。舞台にはセビリャの酒場も闘牛場も出てこない。あるのは中央の真紅の回り盆と、それを囲む階段ステージだけ。コーラスは全員が同じ黒の衣装。白い仮面は能面からの発想か。個性を剥ぎ取った群衆の存在が、ギリシャ演劇のコロスや能の謡を想起させる。シンプルでクールだが、ドラマが美しく展開する舞台だ。しかし具象を廃しただけに、いっそう重要となるのが音楽。指揮はこれが日本での本格的なオペラ・デビューとなる原田慶太楼。1985年生まれの33歳。米国を本拠に活動し、現在日本国内のオケにも次々と客演して注目を集めている新鋭だ。昨秋のブルガリア初演を指揮したのも彼。情熱的なビゼーの音楽を、煽りすぎることなく丁寧に作ってゆく。ツアー公演の客演指揮者に与えられるリハーサル時間はけっして多くはないはずで、この日も寸暇を惜しむように、気になる箇所を返しながらオケや歌手と確認する熱心で貪欲な姿勢にも好感が持てた。なおセリフ部分は、既存の台本ではなく、いわゆる「グランド・オペラ版」のレチタティーヴォを元に、原田が新たなフランス語台本を起こしている。ダブルキャストでカルメンを歌うのは、現代を代表する「カルメン歌い」のひとりであるナディア・クラスティヴァ(10月5日(金))と、目下欧米の各歌劇場が注目する伸び盛りの新進ゲルガーナ・ルセコーヴァ(10月6日(土))。この日のリハーサルでは、ルセコーヴァが深い響きのメゾ・ソプラノで、ホセを惑わす妖艶な魔性の女を歌い切っていた。もうひとり、ツヴェタナ・バンダロフスカの、凛とした清楚なミカエラ役(10月5日(金))も印象に残った。オーケストラと合唱はブルガリア国立歌劇場管弦楽団・合唱団と杉並児童合唱団。ブルガリア国立歌劇場の《カルメン》東京公演は、10月5日(金)・6日(土)、東京文化会館。両日とも、劇場を赤で染めるキャンペーンを実施。《カルメン》の重要なモティーフである真紅のバラの花にちなんで(ブルガリアはバラ栽培が盛んな「バラの国」)、衣服でもワンポイントのアクセサリーでも、「赤」を身につけて出かけると、なにやら特典があるらしいことがほのめかされている。ぜひ!取材・文:宮本明
2018年10月04日「三鷹の森ジブリ美術館」では、11月17日(土)より新企画展示「映画を塗る仕事」展を開催することが決定。期間は、来年11月までの1年間を予定している。現在、同美術館では日常を丹念に描くジブリ作品に残る数々の“食事シーン”を取り上げた「食べるを描く。」の企画展示が開催中。11月4日で終了する本展示に続く「映画を塗る仕事」展では、アニメーション制作(主にジブリ作品)における“色”に関する展示が行われる。映画の中での色の役割は、その架空の世界にリアリティを持たせることと大きな関係があり、特に動く絵に塗られた色は、限られた色数でも工夫によってキャラクターに生き生きとした実在感を与え、その心情をも伝えることが可能になる。スタジオジブリのアニメーションの礎を築いた故・高畑勲監督や宮崎駿監督は、商業アニメーションの黎明期から「登場人物とその日常を丁寧に描き、実写とは違ったリアリティをもたせることで、観客の心に訴えることができる作品」を目指してきた。本展示では、両監督が表現してきたもの、そのこだわりを「彩色」の面から解き明かしていく。特に、両監督を支えた色彩設計の故・保田道世さんの手腕を、当時のセルを用いて紹介。デジタルによる着彩やCGによる画面作りが主流になった昨今、セル絵の具による限られた色数の中で、監督からの要求に最大限に答える努力を惜しまなかったスタッフの知恵と工夫を間近に見ることで、色で何が表現されたのかを感じ取ることができるようだ。なお、三鷹の森ジブリ美術館の入場は日時指定の予約制。11月入場分のチケットは、10月10日(水)より全国のローソンにて発売開始。三鷹の森ジブリ美術館企画展示「映画を塗る仕事」展は2018年11月17日(土)~2019年11月(予定)。(cinemacafe.net)
2018年10月03日東京・六本木の国立新美術館で『オルセー美術館特別企画ピエール・ボナール展』がはじまりました。19世紀末から20世紀前半のフランスで活躍した画家、ピエール・ボナール。日本美術が大好きで、妻と愛人を愛し、犬や猫も好きだった……という彼の作品の楽しみ方について、担当学芸員さんにお話をうかがってきました!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 128『オルセー美術館特別企画ピエール・ボナール展』では、フランス出身の画家、ピエール・ボナール(1867~1947年)の油彩画を中心に、素描や版画、写真など国内外の作品130点超を紹介。特に、オルセー美術館が所蔵するコレクションが一挙に来日している点が特徴で、そのうちの約30点は初来日となっています。ちなみに、2015年にオルセー美術館で開かれたピエール・ボナール展では51万人が来場し、歴代企画展入場者数の第2位を記録。今展は、本国フランスでも大人気のボナール作品を日本でまとめて見られるまたとない機会です。ボナールって…?とはいえ、ピエール・ボナールってどんな画家なのか、あまりなじみのない人も多いはず。ざっくり人生をたどってみます。1867年にパリ郊外で生まれたボナールは画塾で仲間と出会い、芸術家集団「ナビ派」を結成。そして1889年にフランスの権威ある国立美術学校、エコール・デ・ボザールに入学します。この学校で開かれた『日本の版画(日本の巨匠たち)展』で衝撃を受けた彼は、「日本かぶれのナビ」と呼ばれるほど日本美術に傾倒。日本趣味の絵をはじめ、女性の入浴シーンや飼っていたペットの姿など、愛するものをテーマに多くの作品を描き、1947年に79歳で亡くなりました。担当学芸員さんに聞いてみた!今回、プレス内覧会で担当学芸員の米田尚輝さんに直撃取材を実施。会場で、ananweb世代の女子が楽しめる作品を3つ、選んでいただきました。まずひとつ目は、最初の展示室にある《庭の女性たち》。色彩がとても美しい4点組の装飾パネルです。米田さんこちらは、日本美術の影響を受けた縦長の掛け軸風の作品です。本当は屏風形式にする予定だったものが、途中でボナールの気が変わってこのようなスタイルになりました。装飾モティーフも特徴のひとつです。反復模様をつけることによって、何となく日本画のようなフラットな見え方になっていますよね。また、一番左の女性は、浮世絵に出てくる女性の姿勢を思い起こします。ふたつ目は、ヌード♡続いてのオススメ作品は、入浴シーンを描いた《浴盤にしゃがむ裸婦》。米田さんこれは最終的に奥さんになる恋人のマルトをモデルにした、といわれています。ただ、顔をはっきり描いていないので断定はできません。実は、ボナールには何人か愛人がいて……、いろんな女性の体の部分を組み合わせて描いているのかもしれません。マルトは潔癖症といわれるくらい “きれい好き” な人で、ボナールは彼女のために当時はとても高価だった浴槽も買ってあげたんですよ。この作品を描いたころからボナールは光の表現に興味をもちはじめ、光の反射や水の反射などの表現に魅せられるようになっていきます。裸婦を描いてはいるのですが、光や水の反射も描いているんですね。恋人の友人も愛人に…?――ボナールは恋人マルトの友人とも愛人関係になっていたそうですが……?米田さんそうなんです(苦笑)。そのほかにも愛人がいたみたいなんです。ボナールは58歳で正式に結婚したのですが、実はそのころ、彼がひとりの愛人に傾きかけていました。それで嫉妬して怒ったマルトが結婚を迫り、ふたりは結婚することになったのです。でも、愛人の女性のほうは自殺してしまったんです……。3つ目のオススメ作品は?続いて、3つ目のオススメ作品をご紹介いただきます。米田さんこちらは、展覧会のポスターにも使われている《猫と女性 あるいは 餌をねだる猫》という作品です。ボナールのお気に入りのモティーフであるマルト・猫・テーブルの3点セットがそろっています。構図的には、円いテーブルとマルトの丸い肩の曲線が呼応して、お皿の丸と顔の丸みも呼応しています。いっぽう、背景は全部直線で、暖炉も壁の線も直線で構成されています。また、お皿にはたぶんお魚が置いてあって猫がそれを狙っている視線が斜めに入っています。つまり、背景の「垂直」と前・中景の「丸」、そして「斜め」の視線が組み合わさっている点が構図として工夫されています。最後に、おまけの一枚も…最後に、次点となったオススメ作品《セーヌ川に面して開いた窓、ヴェルノンにて》の前で米田さんの写真を撮らせていただきました。ちなみに、この絵の中にはボナールの飼い犬が潜んでいるのですが……見つけられますか?本作品は、室内画と風景画が一緒になったもので、構図は同時代に活躍していた友人の画家、アンリ・マティスの影響を受けているとのこと。実際、ボナールはマティスの作品《開いた窓》を購入して持っていたそうです。こんなふうに専門の方にお話をうかがうと、絵を見るのがさらに楽しくなりますよね。今展の会期中、10月13日(土)と11月25日(日)には米田さんによるレクチャーが館内の講堂で開かれます。観覧券(半券可)があれば無料で聞けますので、興味のある人はぜひ足を運んでみてくださいね。Information会期:~12月17日(月)時間:10:00~18:00毎週金・土曜日は20:00まで。*入場は閉館の30分前まで。休館:火曜日会場:国立新美術館企画展示室 1E料金:一般¥1,600/大学生¥1,200/高校生¥800/中学生以下無料
2018年10月02日「21st DOMANI・明日展」を国立新美術館にて開催。会期は、2019年1月23日(水)から3月3日(日)まで。若手の芸術家が海外で研修するのを支援する文化庁の「芸術家在外研修」は、1967年から50年以上実施され、日本のアートを支える多くの若者たちを育ててきた。「21st DOMANI・明日展」では、そんなアートの”明日”を創るアーティストたちが、海外での研修の成果を発表する展覧会だ。本展のサブタイトルは、「元号と西暦のはざまで」もしくは「平成の終わりに」。平成最後となる年に、昭和の終わりに生まれ、平成に育てられたアーティストたち9名が作品を紹介する。彼らの作品は、映像から写真、インスタレーションに絵画まで実に多様でユニーク。学んできた国も、フランスやアメリカ、モロッコなど様々だ。”昭和”と”平成”、そして”日本”と”海外”など、あらゆるはざまに存在する彼らの作品を是非鑑賞してみては。さらに、ゲスト作家として三瀬夏之介が登場。和紙や墨を用いた彼の作風は、そのルーツに日本画を彷彿とさせながらも、同時に現代的な佇まいだ。イタリア・フィレンツェでの滞在制作経験を持ち、その独特の神秘性は、海外でも評価されている。【詳細】「21st DOMANI・明日展」会期:2019年1月23日(水)〜3月3日(日)会場:国立新美術館 企画展示室2E住所:東京都港区六本木7-22−2休館日:毎週火曜日開館時間:10:00〜18:00、毎週金・土曜日は18時まで観覧料:一般 1,000円(800円) / 大学生 500円(300円)※( )内は前売および20名以上の団体料金。
2018年09月23日「アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる 1960-1990 年代」が、東京国立近代美術館にて開催される。会期は、2018年10月10日(水)から12月24日(月・休)まで。「アジアにめざめたら」は、アジアの現代アートを、かつてないスケールで紹介する企画展。日本をはじめ、韓国や台湾、中国、香港、インドネシア、シンガポール、インドまで、幅広いアジアの地域を対象に、アジア各地の現代アートの黎明期である1960年代から1990年代までの作品に焦点を当てた展示を行う。会場では、10を超える国と地域の90組以上の作家による約140点の作品を公開。その表現媒体も、 絵画から彫刻、写真、映像、パフォーマンスまで、実に多様だ。植民地支配からの独立と急速な近代化、ベトナム戦争など、大きな変化を迎えていたアジアの激動の30年間を背景に、そんな時代だからこそ生まれ得たパワフルな作品たちを、「美術」「都市」「連帯」の3つのキーワードに分けて紹介する。ジム・スパンカットによる《ケン・デデス》は、古代ジャワの女神ケン・デデスの胸像と、ジーンズ姿の半裸の女性像のイメージが無理やり縫合された作品。不自然さや戸惑いを感じずにはいられないこの作品は、インドネシアに存在する様々な異文化やアイデンティティの衝突を連想させる。インド出身のナリニ・マラニによる映像作品《ユートピア》は、二面プロジェクションで都市の矛盾を表現している。一方では、明るい色彩で抽象的に表現されたユートピアのような”理想の都市”を、もう一方では、寂しげなモノクロームでビルの窓から外を見つめる女性の姿を捉えた”現実の都市”を表している。【詳細】「アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる 1960-1990 年代」会期:2018年10月10日(水)〜12月24日(月・休)会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園3-1開館時間:10:00〜17:00(金・土曜は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで。休館日:月曜日(12月24日は開館)観覧料:一般 1,200(900)円、大学生 800(500)円※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。※高校生以下および18歳未満、障害者手帳の携帯者とその付添者(1名)は無料。※本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展が入場無料。※11月3日(土・祝)は無料観覧日。【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2018年09月13日世界でいちばん入館者数の多い美術館はどこかご存知ですか?その通り、パリのルーブル美術館です。1日に4万人が入館することもあるそうで、年間入館者数は740万人を超えるとか。そのルーブル美術館の一角で、正確には隣接するカルーゼル・デュ・ルーブル内「SHIP’S CAT」展示会場にて、私メ、なんと、先ほど歌わせていただきました。息子とはじめたYouTube「2Gチャンネル」の撮影で、しかもECHOES時代のナンバー「アローン」をルーブルの施設内で熱唱。これは実にすごい経験じゃないですか?その展示会場だけで1日数千人が来場しています。撮影中も大勢の来場者さんで賑わっていましたが、警備員さんが一旦ドアを閉めてくれました。何せ、“アローン”ですからね、たった1人で歌ったわけです。実は今から40年ほど前、生まれて初めてパリを訪れた時にも、私は真っ先にルーブル美術館を訪れました。パリに来る人でルーブルを目指さない人がいるのかというくらい、パリ=ルーブル美術館というイメージが出来上がっていますよね。世界中から観光客が集まってくるわけですから、入館することすら一苦労です。どこもかしこも人、人、人……。美術館でゆっくりと絵画を鑑賞しましょう、というような空気ではありません。入り口という入り口に屈強な警備員さんが立っています。私はリボリ通り側から入館して地下街へとおりました。そこにはまさかのショッピングモールが。巨大なフードコートまであります。まるでハワイのアラモアナショッピングセンターみたいな感じ。ルーブルに行くにはそこを突き抜けることになります。しかも、ルーブル美術館は想像をはるかに超える広大さ!どこに何があるのかさっぱりわからない複雑な迷路、芸術のテーマパーク、一大商業施設です。ともかくすべての人々がモナ・リザを目指すわけです。ルーブルに行くというのがフランスを訪れる世界中の観光客たちの夢。そんな美術館は、世界広しといえどもここだけでしょう。そして、私がルーブルで歌った映像は9月の初旬ごろまでにアップロードさせていただきますので、ぜひ、ぜひ、2Gチャンネルでご覧ください。さて今週は、芸術の秋にぴったりな「辻家のしょうが焼き丼」をご紹介します。材料4人分:お米1.5合、塩少々、ごま油少々、昆布茶の粉末小さじ1、しょうが粉末小さじ2分の1、豚の塊肉400g(なければ薄切り肉で代用可)、玉ねぎ1個、しょうが40g、ねぎ適量。つけ汁材料:醤油大さじ1、酒大さじ2、はちみつ大さじ1、砂糖小さじ2分の1。まず、1.5合のお米を研ぎ、炊飯器に塩、ごま油、昆布茶、しょうが粉末と水適量(300㏄程度、分量外)を入れて普通炊きします。次に豚肉を食べやすいサイズのサイコロ状にカットし、1つずつラップをかけてから麺棒か肉叩き棒で叩いて平たく伸ばします。下準備した豚肉を、調味料をすべて合わせたつけ汁に30分ほどつけておきましょう。ご飯が炊きあがったら、フライパンに油(分量外)を引き、つけ汁が馴染んだ肉を焼いていきます。焦げやすくなるので、汁はできるだけ切ってからフライパンにのせてください。片面がしっかり焼けたら肉をひっくり返し、くし切りにした玉ねぎと千切りにしたしょうがも加えて両面を焼きます。最後に残ったつけ汁をさっと回しかけてひと煮立ちさせましょう。器にご飯を盛り、その上にしょうが焼きをのせ、最後に小口切りにしたねぎをトッピングすれば完成です。ご飯もしょうが風味ですから、しょうが焼きがのれば、さらに味わいが広がって抜群ですぞ。お試しください。ボナペティ!【お知らせ】この秋から、辻仁成さんによる新連載の人生相談「悩めるマダムたちへ――JINSEIのスパイス!」がスタートします。人生経験豊富な辻さんが、恋愛から家事・育児、夫への愚痴まで、みなさんの日頃の悩みにお答えします!お悩みは、メール(jinseinospice@gmail.com)、Twitter(女性自身連載「JINSEIのスパイス!」お悩み募集係【公式】@jinseinospice)、またはお便り(〒112-8011 東京都文京区音羽1-16-6『女性自身』編集部宛)にて絶賛募集中。性別と年齢、居住地を明記の上、お送りください。※「ムスコ飯」エッセイは最終回を迎えますが、レシピのみWEB女性自身では引き続き掲載予定です。
2018年09月11日吉岡徳仁「ガラスの茶室 - 光庵」が、日本を巡回。2019年4月17日(水)から2021年5月10日(月)までは、国立新美術館 正面入口前に展示される。吉岡徳仁は、デザイン、建築、現代美術など、幅広い領域において活動するデザイナー。これまで、自然と人間の関係性に着目して光がもたらす感覚を追求し、独自の手法で作品を表現してきた。2011年にイタリア・ヴェネツィア ビエンナーレ国際美術展にて発表された「ガラスの茶室 – 光庵」は、2015年に京都の将軍塚青龍殿の大舞台でも披露され、大きな反響を呼んだ作品だ。2018年11月から2019年2月までの佐賀県立美術館における九州初展示を経て、4月17日(水)から「ガラスの茶室 – 光庵」が東京へ。国立新美術館では屋外に設置されるため、降り注ぐ太陽の光により水面のような輝きを生み出したり、クリスタルプリズムの彫刻から放たれる光が虹となり「光の花」が現れたり...と自然光のもとで変化する様々な表情を楽しむことができる。さらに、パリ・オルセー美術館にコレクションされているガラスのベンチ「Water Block」も併せて公開される。【詳細】国立新美術館 特別公開「吉岡徳仁 ガラスの茶室 - 光庵」会期:2019年4月17日(水)~2021年5月10日(月)会場:国立新美術館 正面入口前開館時間:美術館の開館時間に準ずる休館日:毎週火曜日(祝日又は振替休日に当たる場合は開館し、翌平日休館)、年末年始観覧料:無料■施設情報国立新美術館住所:東京都港区六本木7-22-2TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル) 開館時間:10:00~18:00 ※会期中の毎週金・土曜日は20:00まで(ただし7月~9月は21:00まで)※入場は閉館の30分前まで。※展覧会によって観覧時間が異なる場合がある。【問い合わせ先】株式会社吉岡徳仁デザイン事務所TEL:03-6455-3576
2018年08月30日8月24日(金)から10月1日(月)までの34日間にわたり、国立新美術館にて開催される『荒木飛呂彦原画展JOJO 冒険の波紋』。一般公開に先駆けて21日(火)に内覧会が行われ、荒木飛呂彦氏が新作大型原画制作の目的や作品への思いを語った。荒木飛呂彦氏による漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の、シリーズ誕生30年の集大成として行われる同展。初公開を含む肉筆原画約280枚、関係資料や多彩な展示物約200点とともに、JOJOの歩みと歴史をひも解いていくという内容だ。会場内は、シリーズのストーリーを振り返る「ジョジョクロニクル」から始まり、「宿命の星 因縁の血」「スタンド使いはひかれ合う」「JOJO’s Design」「ハイ・ヴォルテージ」「映像展示AURA」「新作大型原画ゾーン」「ジョジョリロン」と、8つのチャプターで構成されいてる。中でも一番の目玉となるのが、同展のために荒木氏が描き下ろした、高さ2メートルの大型原画12枚からなる《裏切り者は常にいる》だ。『荒木飛呂彦原画展JOJO 冒険の波紋』()
2018年08月23日展覧会「バウハウスへの応答」が、2018年8月4日(土)から10月8日(月・祝)まで、京都国立近代美術館で開催される。バウハウス100周年、その今日的な意義を探る1919年、ドイツのヴァイマールに設立された総合芸術学校「バウハウス」。初代校長ヴァルター・グロピウスは、その開校に際して発せられたバウハウス宣言の中で「あらゆる造形活動を手仕事の訓練と習得を通して統合し、新たな時代・世界に相応しい建築さらには社会の創造を目指す」とし、その教育理念と独創的なカリキュラムによって、ドイツ国内のみならず世界に広く影響を及ぼした。1933年にナチスの迫害によって閉校に追いやられるまで、わずか14年間。学校の歴史としては極めて短い期間の中で、バウハウスの流れを汲む合理主義的・機能主義的な現代美術の世界にも大きな影響を与えている。100点あまりの関連資料や記録、当時の学生たちの作品を展示本展は、「バウハウス」の100周年を記念して、その今日的な意義を再考するための国際プロジェクト「bauhaus imaginista(創造のバウハウス)」の一環として開催される、日本国内で唯一の展覧会だ。「バウハウス」の教育理念とカリキュラムの中でも特に、工房教育と予備課程が、日本とインドでどのように受け入れられ発展したのかに着目。その足跡を、前述のバウハウス宣言のためにライオネル・ファイニンガーが制作した木版画をはじめとする100点あまりの関連資料や記録、当時の学生たちの作品などによって巡るものとなっている。ルカ・フライ、オトリス・グループが作品制作また本展のために、スウェーデンのマルメを拠点に活動するルカ・フライ、そしてロンドンを拠点とするオトリス・グループの2組のアーティストが、「バウハウス」と日本とインドをめぐる作品を新たに制作。異なる歴史・文化背景をもつ地域の中でも受容された「バウハウス」の歴史性、そしてその今日的な意義を探る。開催概要展覧会「バウハウスへの応答」開催期間:2018年8月4日(土)〜10月8日(月・祝)会場:京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー(4F)開館時間:9:30~17:00※金曜日、土曜日は21:00まで開館※入館は各閉館時間の30分前まで休館日:毎週月曜日※9月17日、24日、10月8日(月・祝)は開館、9月18日、25日(火)は閉館する観覧料:一般 430円(220)、大学生 130円(70)※( )内は20名以上の団体料金。※本展はコレクション・ギャラリーの一部を使って開催する展覧会。※本料金でコレクション展も観覧可能。※前売券は発売しない。※高校生以下、18歳未満および65歳以上は無料*。※心身の障がい者と付添者1名は無料*。*(入館の際に証明できるものを提示する必要あり)<無料観覧日 / 夜間割引>無料観覧日:8月4日(土)、11日(土)、18日(土)、25日(土)夜間割引:夜間開館日(金・土曜日)の17:00以降、夜間割引を実施。料金:一般 430円→220円、大学生 130円→70円
2018年08月09日ヴェネチアビエンナーレで脚光を浴び、 アジアのアートシーンを牽引する注目の作家リー・キット(李傑 / Lee Kit)が、原美術館にて個展「僕らはもっと繊細だった。」を9月16日から12月24日まで開催する。日本の美術館での個展は、リー・キットにとって今回が初。ⓒLee Kit, courtesy the artist and ShugoArts現在は台北を活動拠点にするリー・キットだが、アーティスト活動のスタートは中国への返還(1997年)を経て変貌していく故郷・香港だった。初期作品のうち、布に絵具で格子柄などを描いた絵画シリーズは、色と柄のある“抽象”絵画でもあれば、日用品としての機能をもった布(=テーブルクロスやカーテン等)という姿・形を備えた“具象”であるともいえ、絵画の概念を広げる革新的な作品群だった。そして2013年、ヴェネチアビエンナーレ香港館の屋内外に展開した自在なインスタレーションは、ウォール ストリート ジャーナル紙が「必見の展示ベスト5」に挙げるなど、国際的な注目を集めてきた。近年は、絵画やドローイング、プロジェクターの光や映像、さらには家具や日用品等を配置し、展示空間全体を淡い色調の絵画のように仕上げたインスタレーションに力を入れ、欧米アジア各地で発表を続けている。独特の歴史的背景を持って揺れ動く街・香港を出自とするリー・キットは、アートという開かれた表現を通して自身のあり方を問い、自分が今を生きる世界と向かい合おうとしている。展覧会を開催する場合、その街、その場所の空気や感情に静かに寄り添い、サイトスペシフィックな作品(=特定の場所に存在するために制作すること)を創り上げるのもリー・キットが持つ大きな特徴。近年の東京での個展(資生堂ギャラリー、シュウゴアーツ)で発表した作品も、東京の空気や人々から感じ取ったものが根底にある。したがって、元は原家の私邸であり、第二次世界大戦を乗り越え、GHQから返還された後に美術館として40年の時を経ようとしている原美術館は、リーにとってこれ以上ない時空間。リーがここで何を感じ、どのような“絵画”を描くのか、日本初の個展はリーの魅力が遺憾なく発揮される機会となる。【イベント情報】リー・キット個展「僕らはもっと繊細だった。」会期:9月16日~12月24日会場:原美術館住所:東京都品川区北品川4-7-25時間:11:00~17:00(祝日を除き水曜日は20時まで / 入館は閉館時刻30分前まで)料金:一般1,100円、大高生700円、小中生500円、原美術館メンバーは無料 ※学期中の土曜日は小中高生の入館無料 / 20名以上の団体は一人100円引休館日:月曜(祝日は開館)、9月18日、9月25日、10月9日
2018年08月07日古代ギリシャ・ローマとルネサンスに追求された男性美、筋肉美を堪能できる「ミケランジェロと理想の身体」展(東京・上野の国立西洋美術館にて9月24日まで)。その公式キャラクターとして人気を博しているのが、ミケランジェロ爺さん(通称・ミケ爺)の弟子「ミケニャンジェロ(通称・ミケにゃん)」だ。一生懸命に作品を彫る姿がニャンともかわいいミケにゃんの生みの親は、本誌連載「ラガーにゃん」でおなじみの漫画家・そにしけんじ先生。そこで、その誕生秘話を聞いた。「『ミケランジェロと理想の身体』展が略して『ミケ展』と呼ばれていたことから、猫を使ったキャラクターを作ってほしいと依頼されました。すぐに“ミケランジェロが飼っている猫”というイメージで『ミケニャンジェロ』というキャラの名前が浮かびました。猫種は“ミケにゃん”にちなんで三毛猫」そにし先生はミケにゃんの設定をこう続ける。「飼い主さんのまねをして見よう見まねで彫刻を作っているかもしれない。彫刻家なので、芸術家の証しであるベレー帽をかぶらせ、その作品名も本家の『ダヴィデ=アポロ』の猫バージョンということで“ニャヴィデ=ニャポロ”と命名してみました(笑)」こうして誕生したミケにゃん&ミケ爺。芸術界最高の癒しのコンビはこの夏いちばんのかわいさです!
2018年08月06日大阪中之島美術館が、2021年度にオープンする。大阪中之島美術館、所蔵コレクションは5,700点超大阪中之島美術館は、大阪・中之島に新たに誕生する美術館。設計は、遠藤克彦建築研究所が手がける。西洋近代美術をはじめ、日本近代美術、現代美術、デザインなど多岐にわたる5,700点超のコレクションを所蔵する。モディリアーニの裸婦像や、具体美術協会のリーダー・吉原治良の作品を揃える他、洋画家の佐伯祐三作品は、日本最大級の57点所蔵される。コレクション展示の他、大規模巡回展に対応可能な関西最大級の企画展示室も用意。同館ができることによって、中之島エリアは国立国際美術館とあわせてアートに溢れたエリアとなる。また、シンプルで存在感のある外観、1階から5階まで吹き抜ける構造の、自然光に満ちたパッサージュ空間などに加え、公園のようなオープンスペースを設置し、都市のオアシスとなるような空間へ。さらに、道路に面してカフェ・レストランを配置し、だれもが気軽に訪れられるような美術館を目指す。開館プレイベント2019 「新収蔵品:サラ・モリス《サクラ》」開館に先立ち、プレイベントとして「新収蔵品:サラ・モリス《サクラ》」が、2019年9月21日(土)から10月6日(日)までアートエリアB1にて開催される。「新収蔵品:サラ・モリス《サクラ》」では、抽象絵画や映像作品を手掛けるニューヨーク在住の現代美術作家、サラ・モリスの映像作品《サクラ》を世界初公開。《サクラ》は、都市の持つカラーをテーマにした映像作品シリーズの1つであり、これまでに北京、アブダビ、パリ、ロサンゼルス、リオデジャネイロ、シカゴなどの都市で撮影されてきた。大阪の春の姿と都市の暮らしを映し出した50分を超す《サクラ》の映像は、人や景色、場所の持つ色や形を際立たせ、抽象的な美しさを感じさせる。尚、日本国内で、サラ・モリスの作品を収蔵するのは大阪中之島美術館が初である。【詳細】大阪中之島美術館オープン時期:2021年度所在地:大阪府大阪市北区中之島4丁目階数:地上5階建て(地階なし)フロア構成:1階 サービス施設(カフェ等)、講堂、研修室2階 キッズスペース、アーカイブ閲覧室3階 収蔵庫、一時保管庫4階 コレクション展示室5階 企画展示室塔屋階■大阪中之島美術館 開館プレイベント2019 「新収蔵品:サラ・モリス《サクラ》」会期:2019年9月21日(土)~10月6日(日)開館時間:12:00~19:00(最終日15:00まで)休館日:9月24日(火)、30日(月)会場:アートエリアB1住所:大阪市北区中之島1-1-1京阪電車なにわ橋駅 地下1階観覧料:無料・キュレーター・トーク日時:2019年9月21日(土) 14:00~15:00会場:アートエリアB1※申込み不要、参加費無料
2018年07月30日7月14日より、横浜美術館で『モネ それからの100年』が開催中。同美術館にとっては初めてのクロード・モネ展であり、“モネの作品と現代アートを結びつける”をテーマに、クロード・モネの作品25点と、現代美術家26名66点の作品を関連づけた意欲的な展示となっている。【チケット情報はこちら】日本でも特に人気の高いモネは、3年に1度は国内での回顧展が開催されている。今回は日本初公開となるモネの絵画『バラの小道の家』『ヴィレの風景』も見ることができ、モネ好きにはたまらない。展示は全四章に分かれ、モネの作品と対比するように、現代美術家の作品が並ぶ。ジャンルは絵画に止まらず、版画、写真、映像など。そうそうたる作家の顔ぶれは、アンディ・ウォーホル、マーク・ロスコ、丸山直文、松本陽子ら多彩だ。第一章では、モネの30代前後の作品が中心。モネが色彩と筆触へのこだわりを強めていく様子が感じられる。向かいの壁には現代作家の作品を展示。向かい合うことで、150年前を生きるモネの先駆性が強調される。第二章では、モネ独特の「色調」と「光」の表現に注目。額縁の外にまで滲み出すようなモネの作品を追った。同時に、モネの空間表現や光のイリュージョンを感じさせる現代作家の作品を並べる。第三章は、モネへのオマージュ。モネの作品に影響を受けながらも、まったく異なる手法の美術作品が並ぶ。来場者たちは有名なモネの『睡蓮』などにじっくりと見入りながら、その面影を現代美術作品の中に探していく。すると、題材も時代も異なるのに、現代の作品の中にモネを見つけることができる。第四章は後期の作品が中心。前章までとは違い、ここではモネの作品と現代作家の作品が交互に並べられる。まさに100年の時を超えてモネと現代が混じり合うよう。「モネの作品を見るように現代アートを見られるように」と、展示担当者・松永真太郎氏(横浜美術館 主任学芸員)の思いが込められている。モネの代表作である睡蓮の連作をオマージュし、福田美蘭氏がうつろう夜明けのビル夜景を描いた『睡蓮の池』の前には、ひとだかりができている。その横には、横浜美術館の展示にのみ限定出品された新作『睡蓮の池 朝』。朝焼けの蜃気楼に揺れるビル群の、光と色の表現は“現代の睡蓮”と呼びたくなる。『モネ それからの100年』は9月24日(月)まで。館内ではゆっくりとモネの「光」と「色彩」の合間を歩きながら、100年の時を越えた現代美術への旅が楽しめる。文・取材・撮影:河野桃子
2018年07月30日展覧会「国立トレチャコフ美術館所蔵ロマンティック・ロシア」が、2018年11月23日(金・祝)から2019年1月27日(日)まで、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて開催される。ロシア美術の殿堂、国立トレチャコフ美術館所蔵のコレクションが来日本展は、“ロシア美術の殿堂”と評されるモスクワの国立トレチャコフ美術館が所蔵する豊富なコレクションより、19世紀後半から20世紀初頭のロシアを代表する作家の風景画、風俗画、人物画、静物画を、自然や人物像に内在するロシア的なロマンをテーマに紹介するもの。帝国崩壊にロシア革命、激動の時代に描かれた“ロシア的なロマン”ロシア帝国崩壊の足音が聞こえ始め、やがてロシア革命を迎える激動の時代であった19世紀後半。この時代に多くの画家たちが大いなるロマンを見出し、絵画の題材としたのが、白樺や樫の木の深い森、雪に覆われた大平原、樹木や草花が芽吹く春といったロシアの大自然だ。それは人々に芽生え始めた郷土愛からなのか、これらの美しい自然とともに、当時の複雑な社会やその厳しい時代を生き抜いた人々、男性たちの目を釘付けにする女性像もまた題材となっている。例えばクラムスコイの《忘れえぬ女(ひと)》は、過去にも何度か来日を果たしている名作であり、本展で最も注目すべき作品の一つ。トルストイの小説「アンナ・カレーニナ」の主人公をモチーフにしたとも指摘されており、後述する19世紀後半のロシア文化の発展、そして“ロシア的なロマン”を象徴する作品と言えるかもしれない。激動の時代で隆盛を見たロシア美術界この時代のロシア文化について、チャイコフスキーやムソルグスキーといった作曲家、トルストイ、ドストエフスキーに代表される文豪は日本でもよく知られているが、美術の分野でも多くの才能を排出している。制約の多い官製アカデミズムに反旗を翻す形で、クラムスコイら若手画家たちが、ありのままの現実を正面から描くことを目指した「移動派」を組織した一方で、モスクワ郊外・アブラムツェヴォのマーモントフ邸に集まったクズネツォフ、レヴィタン、コローヴィンらは、懐古的なロマンティシズムに満ちた作品を多く残す。注目すべきは、いずれのバックグラウンドにも、“祖国に対する愛”という共通点があることだろう。今注目を集めるロシア的なカルチャー最も近い話題では、サッカーワールドカップの開催地として注目を集めているロシアだが、近年のファッション・カルチャー界ではコム・デ・ギャルソン(COMME des GARÇONS)の川久保玲に見出されたゴーシャ・ラブチンスキー(Gosha Rubchinskiy)が大いに活躍しているほか、ロシア革命と共に発展したロシア・アヴァンギャルドのデザインの世界が注目を集めるなど、その文化的な側面が再評価されつつある。そんな今、“ロシア的なロマン”に思いを馳せながら、ロシア美術の殿堂と評される、国立トレチャコフ美術館所蔵の名作の数々を鑑賞してみてはいかがだろう。開催概要展覧会「国立トレチャコフ美術館所蔵ロマンティック・ロシア」開催期間:2018年11月23日(金・祝)〜2019年1月27日(日)※2018年11月27(火)、12月18日(火)、2019年1月1日(火・祝)のみ休館。開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム入館料:一般 1,500円(1,300円)、大学・高校生 1,000円(800円)、中学・小学生700円(500円)※( )内は前売・団体料金。※学生券購入の際は、学生証の提示が必要。※障害者手帳の提示で割引料金あり。詳細は窓口にて。チケット販売期間:<前売券>2018年9月15日(土)~2018年11月22日(木) 予定<当日券>2018年11月23日(金・祝)~2019年1月27日(日)チケット取扱:<前売券>チケットぴあ、ローソンチケット、セブンチケット、e+(イープラス)、他主要プレイガイド
2018年07月20日エルメス(HERMÈS)と、国立新美術館による約3週間にわたるエキシビション「彼女と。」が、7月11日よりスタートした。常に時代の先端に立つ女性に寄り添い、新しいクリエーションを行い続けるエルメス。世界で初開催される本展は、大掛かりな映画スタジオへと変貌した国立新美術館の会場を舞台に、メゾンが提案する現代的女性像の考察をテーマにしたシネマ的な設定のもとアクターとエキストラによって繰り広げられる、今までに無い観客参加型のエキシビション。演出を手掛ける映像作家でありながらキュレーターとしても活躍するロール・フラマリオン(Laure Flammarion)、エルメスのレディス部門アーティスティック・ディレクターであるバリ・バレ(Bali Barret)と、レディスプレタポルテのアーティスティック・ディレクター ナデージュ・ヴァンヘ=シビュルスキー(Nadège Vanhée-Cybulski)の監修のもと、エルメスが贈る唯一無二の体験が私たちを待つ。©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Hermès Japon観客である私たちの未知の体験は、シアターへと足を踏み入れることから始まる。そこで上映されるフィルムの中の一人の女性人物=「彼女」は、自由でしなやかでミステリアス、それでいて情熱的で力強いアリュールをまとう。そのフィルムは彼女に魅了された、とある作家が描き出したイメージ。そして作家は彼女に近付くことを決める。「心に残るストーリーは映画館から始まる――」。不思議なエキシビションの物語はここから幕を開ける。案内人に誘われるまま会場を進むと映画の撮影スタジオが現れる。私たちは撮影に交わりながら、彼女にまつわる様々なエピソードが散りばめられた会場内を作家と共に巡り、彼女の姿を追い求めていく。彼女をよく知る3人の人物たちとの出会いや、彼女を断片的に捉えたフィルム、彼女が愛用しているエルメスのオブジェを介して。©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Hermès Japonラストに近付くにつれて徐々に明らかとなっていく「彼女」の姿。ある冬の夜、恋人を連れて不意に映画館を抜け出す。裏の駐車場には、その年初めての雪が舞う。運転席に乗り込む彼女がまとうのはエルメスの秋冬新作ドレス。彼女とはつまり、エルメスが提案する現代を生きる女性像。体験者のみぞ知る、ある一人の作家と彼女を巡って語られるエルメスの物語。果たして私たちは最後に、「彼女」と出会うことができるのだろうか?本展の第3期(7月25日〜30日)への来場は、7月18日11時より受付を開始する。第1期(7月11日〜16日)、第2期(7月18日〜23日)については、平日の回であればまだ空席あり(7月11日時点)。予約は急いで。©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Hermès Japon【展覧会情報】「彼女と。」会期:7月11日〜7月30日会場:国立新美術館 企画展示室 2E住所:東京都港区六本木7-22-2時間:10:00〜18:00(金・土曜は21:00まで)入場:無料、予約制(※第3期7月25日〜30日の予約は7月18日11:00より開始)主催:エルメス、国立新美術館URL:hermesavecelle.com休館日:毎週火曜日ハッシュタグ:「#エルメス彼女と」「#HERMESAVECELLE」
2018年07月14日「蓼科(たてしな)テディベア美術館」は、信州・白樺湖畔に位置する世界最大規模のテディベア美術館。敷地面積3,000平方メートルを持つ広大な美術館には、約11,000体のテディベアを15の国と18のテーマにわけて展示。各国の風景を背景にした館内には、まるで絵本の中に迷い込んだかのような、癒し空間が広がっている。2018年7月現在では、ギネス認定されている世界最小0.8mmの貴重なテディベアを展示。さらに近年のリニューアルによって、キリンや象など等身大サイズのぬいぐるみに触って撮影ができるフォトコーナー「蓼科の森動物園~テディベアとその仲間たち~」や、ガラスショーケースを100台ほど追加した2階ホールが新設されるなど、ますますパワーアップしたテディベアワールドが広がっている。また「蓼科テディベア美術館」では、季節ごとに楽しめるイベントを用意。2018年7月11日(水)から8月31日(金)までは、厳選作品を集めた企画展「夏の特選展2018」を開催。26名の作家による個性豊かな作品が展示されるほか、販売作品なども多く取り揃えている。さらに同期間では、2,000種類以上のテディベアグッズを販売する「テディベアプラザ」にて、サマーセールを実施。愛らしいぬいぐるみや雑貨をたっぷりと詰め込んだ「夏のお楽しみ袋」も発売される。【施設概要】施設名:白樺湖畔 蓼科テディベア美術館所在地:長野県北佐久郡立科町芦田八ヶ野1522営業時間:4月~10月 9:00~18:00(入館最終受付17:30)、11月~3月 9:30~17:00(入館最終受付16:30)休館日:11月~3月の火曜日 ※12月初旬(今期は12月3日~12月7日/予定)にメンテナンス休館ありTEL:0267-55-7755チケット料金:大人(高校生以上)1,400円、子ども(小・中学生)800円、幼児(3才以上)300円、3才未満 入館無料※障害者手帳持参の場合、本人と付き添い1名の入館料が半額■「夏の特選展2018」会期:2018年7月11日(水)~8月31日(金)■テディベアプラザ「サマーセール」会期:2018年7月11日(水)~8月31日(金)
2018年07月08日コンラッド東京 × ルーヴル美術館展東京・汐留にある「コンラッド東京」では、東京・六本木「国立新美術館」にて「ルーヴル美術館展 肖像芸術 ー 人は人をどう表現してきたか」が開催されることを記念したスイーツブッフェが2018年6月2日(土)~9月2日(日)の土・日・祝限定で開催されています。“夏のパリ”を感じるフレンチスイーツを堪能200年以上の歴史ある美術館「ルーヴル美術館」があるフランス・パリの街は、スイーツの街としても知られています。「コンラッド東京」人気オールデイダイニング「セリーズ」では“夏のパリ”をテーマにした、繊細なフレンチスイーツを思う存分楽しめる「ルーヴル スイーツブッフェ」を開催。フランスの伝統菓子「ピティビエ」をはじめ、爽やかなレモンタルトや、カヌレ、マカロンなどのスイーツとセイボリーを堪能することができます。「ルーヴル スイーツブッフェ」詳細【開催期間】2018年6月2日(土)~9月2日(日)※土・日・祝のみ【会場】オールデイダイニング「セリーズ」【時間】15:00~17:00 ※スタート時間 15:00~、15:30~(90分制)【料金】大人 4,500円/子ども(6~12歳)2,500円 ※6歳未満無料・ソムリエセレクトのシャンパーニュ付き 5,000円ブッフェ内容【スイーツ 10種】ピティビエ/カヌレ/レモンタルト/エクレア/パッションフルーツのジュレ/ショコラフランボワーズ/フレーズ・デ・ボワのヨーグルトムース/アプリコットタルト/マカロン/ベイクドチーズケーキ【セイボリー 3種】苺ブリオッシュのオープンサンド スモークサーモンのリエット/ ライ麦パンのパリスタイル・サンドイッチ ハムとブリーチーズ/“パリジェンヌ”ポーチドエッグ・プレーンスコーン クロテッドクリームとりんごジャムを添えて・紅茶(イングリッシュブレックファースト/アールグレイ/ダージリン/カモミール) ※子どもは紅茶を1ソフトドリンクに変更可能※表示料金は、別途消費税およびサービス料15%を頂戴します。※表示の内容および料金は仕入れ状況によって予告なく変更になる場合があります。珠玉のセレクション「コンラッドアフタヌーンティー」「コンラッド東京」では、世界でも注目される一流シェフやパティシエが手掛ける絶品スイーツや各国の高級茶葉で淹れたお茶を味わうアフタヌーンティーを、各レストランにて楽しむことができます。ペストリーシェフ・岡崎正輝1979年、広島県出身。高度な技術と高い感性を持ち、国内外さまざまな製菓コンクールで権威ある賞を獲得。国際的に有名なコンクールでの優勝経験もあります。2017年7月1日、「コンラッド東京」ペストリーシェフに就任し、長年のホテルでの経験と高い技術力を活かし、アフタヌーンティーをはじめとした、館内にて販売するスイーツの監修を行っています。珠玉のセレクションを楽しんで「コンラッドアフタヌーンティー」では、季節に合わせた旬の果物を使ったスイーツブッフェやセイボリーを提供しています。「セリーズ」では、2018年5月1日~5月31日まで、春の訪れを楽しむいちごブッフェ「オトナ苺スイーツブッフェ」が開催されていました。バー&ラウンジ「トゥエンティエイト」では、2018年5月1日(火)~6月30日(土)まで「ロイヤル・アッシャー」とのコラボブッフェ「苺・ロイヤルウエディング アフタヌーンティー」が、2018年7月1日(日)~8月31日(金)までは夏にぴったりなひんやりスイーツが楽しめる「プレイウィズサマーアフタヌーンティー」が開催されます。格式高い和モダンなホテル「コンラッド東京」東京のウォーターフロントに位置する「コンラッド東京」は、東京ベイエリアと浜離宮恩賜(はまりきゅうおんし)庭園を見渡す絶景ロケーションのホテル。都内全域へのアクセスも良く、ビジネスにも最適です。フォーブス・トラベルアワード4スター、トリップアドバイザー・トラベラーズ・チョイス・アワード、トリップアドバイザー「外国人に人気の日本のホテルと旅館」第1位など、さまざまな賞を獲得しており、洗練された充実のサービスも魅力的。都内最大級の広さを誇る客室も自慢です。ホテルの格式と和モダンデザインの融合がコンセプトのホテル「コンラッド東京」で非日常を楽しんでみませんか。上質な空間で珠玉のスイーツブッフェを楽しんで企画展「ルーヴル美術館展 肖像芸術 ー 人は人をどう表現してきたか」の世界を、スイーツとセイボリーで楽しめる「ルーヴル スイーツブッフェ」で、夏のパリを体感しましょう。「コンラッド東京」では、ほかにも一流のシェフが手掛ける癒やしのスイーツを楽しむアフタヌーンティーが開催されています。都営大江戸線・ゆりかもめ線「汐留駅」から徒歩1分ほど。ホテルが贈る非日常のラグジュアリー空間で、珠玉のスイーツブッフェをぜひお楽しみください。イベント情報イベント名:ルーヴル スイーツブッフェ催行期間:2018年06月02日 〜 2018年09月02日住所:東京都港区東新橋1-9-1 コンラッド東京 オールデイダイニング「セリーズ」電話番号:03-6388-8745
2018年06月29日東京国立近代美術館で、「MOMATサマーフェス」が開催される。開催期間は、2018年7月20日(金)から9月17日(月・祝)まで。普段とは一味違うアートの楽しみ方「MOMATサマーフェス」では、企画展「ゴードン・マッタ=クラーク展」と所蔵作品展「MOMATコレクション」を中心に、その関連イベントや企画を数多く用意。期間中は、毎週金曜・土曜限定で21時まで開館したり、屋外でフード&ドリンクを提供するなど、普段とは一味違う美術館を楽しむことが出来る。「ゴードン・マッタ=クラーク展」「ゴードン・マッタ=クラーク展」は、1970年代ニューヨークを中心に活躍したゴードン・マッタ=クラークのアジア初となる回顧展。「プレイグラウンド(公園)」をコンセプトにした賑やかな会場には、同作家の代表作ともいえる「ビルディング・カット」シリーズ最大規模の立体作品≪スプリッティング:四つの角≫や、マッタ=クラークが"切った"建物の段ボール製8分の1模型も展示。写真撮影もOKなので、お気に入りのスポットで友人や家族と思い出の1枚を撮ることが可能だ。「MOMATコレクション」「MOMATコレクション」では、13,000点を超えるコレクションから約200点を厳選し、明治から現代まで日本美術の流れを紹介。期間中は、新海竹太郎《ゆあみ》や川端龍子《草炎》、そして国の重要文化財への指定が決定した和田三造《南風》などの名品が一堂に集結する。また毎日14時からは、約3作品を鑑賞する「所蔵品ガイド」を実施。ガイドスタッフや参加者との会話を楽しみながら、作品の背景について学ぶことができる。仕事終わりに参加できる作品鑑賞会もまた「MOMATサマーフェス」期間中は、毎週金曜の夜に参加者とトークを交わしながら1作品を掘り下げて鑑賞する「フライデー・ナイトトーク」を開催。ギャラリーチェアに腰を据えながら作品の理解を深めていくスタイルなので、アートにじっくりと浸れる贅沢なひとときを過ごせそう。週末の夜は、野外でフード&ドリンクもさらに金・土曜の夜はお得な割引料金で観覧できるほか、レストラン「ラー・エ・ミクニ」のキッチンカーによるガーデンカフェが前庭にオープン。開放的な芝生の上で、ビールやワインなどのアルコール、また美味しいサンドイッチ等のフードを楽しむことが出来る。この夏は東京国立近代美術館に足を運んで、アートに触れながら特別なひと時を過ごしてみてはいかが。【開催概要】東京国立近代美術館「MOMATサマーフェス」会期:2018年7月20日(金)~9月17日(月・祝)住所:東京都千代田区北の丸公園3-1開館時間:10:00~17:00 ※企画展会期中の6月19日(火)~9月17日(月・祝)の金・土曜は21:00まで(入館は閉館30分前まで)休館日:月曜日※9月17日(月・祝)は開館アクセス:東京メトロ東西線「竹橋駅」1b出口より徒歩3分<企画内容一例>・「ゴードン・マッタ=クラーク展」(1階)/開催期間:6月19日(火)~9月17日(月・祝)観覧料:一般1,200円、大学生800円※入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」と小企画「瀧口修造と彼が見つめた作家たち」の観覧も可能・所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2階)/開催期間:6月5日(火)~9月24日(月・祝)・コレクションを中心とした小企画「瀧口修造と彼が見つめた作家たち」(2階)/開催期間:6月19日(火)~9月24日(月・祝)観覧料:一般500円、大学生250円※金・土曜の17:00~のみ、一般300円・大学生150円※6月19日(火)~9月17日(月・祝)限定で17:00以降大学生無料・「所蔵品ガイド」(1階エントランスに集合)時間:14:00~15:00参加費:無料※要観覧券・「フライデー・ナイトトーク」開催期間:7月20日(金)~9月17日(月・祝)の毎週金曜 ※集合場所は1階エントランスで確認時間:19:00~19:25/19:30~19:55参加費:無料※要観覧券【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2018年06月28日東京国立近代美術館では、大人も子どもも、昼も夜も楽しめる夏のイベント「MOMAT サマーフェス」を、7月20日から9月17日まで開催する。展覧会を中心にイベントやワークショップを開催する他、金曜・土曜はナイトミュージアムとして21時まで開館、お得な夜の割引料金で観覧できる。1階では、6月19日から9月17日の期間、1970年代ニューヨークを中心に活躍したゴードン・マッタ=クラーク(Gordon Matta-Clark)のアジア初となる回顧展「ゴードン・マッタ=クラーク展」が開催。没後40年を経た現在もなお、アート、建築、ストリートカルチャー、食など多くの分野から絶大な人気を集める彼の活動を紹介する。「プレイグラウンド(公園)」をコンセプトにした楽しくにぎやかな会場内は、一部を除いて写真撮影が可能。Instagramイベント「みつけよう!あなたのまちのGMC」の実施や、本イベント期間中限定で彼の作品をモチーフに自由にカラーリング(ぬり絵)ができるワークショップコーナーの設置など、体験・参加できる各種イベントが登場する。夏休み中の8月18日と19日には、小学1~4年生を対象に、展示室でのギャラリートークや工作など内容盛りだくさんの夏の特別プログラム「夏休み!こども美術館」を開催。その他、関連映像作品の上映会、展覧会担当者と多彩なゲストスピーカーによるイベントを開催する。観覧料は一般1,200円、大学生800円。入館当日に限り、同時開催の「MOMATコレクション」、「瀧口修造と彼が見つめた作家たち」も観覧できる。椅子に座っておしゃべりしながらの楽しいガイド、「フライデー・ナイトトーク」4〜2階では、6月5日から9月24日の期間、1万3,000点を超えるコレクションから約200点を厳選し、明治から現代まで日本美術の流れをたどることができる国内唯一の展示となる所蔵作品展「MOMAT コレクション」を開催。本イベント期間中には、新海竹太郎《ゆあみ》、新たに国の重要文化財に指定されることになった和田三造《南風》の他、この季節にちなんだ川端龍子《草炎》、小林古径《唐蜀黍》を7月31日から展示するなど、選りすぐりの名品を展示。作品の時代背景にも思いを馳せながら小さな時間旅行が楽しめる。本イベント期間限定で、毎週金曜の夜は「フライデー・ナイトトーク」を実施。昨年大好評だったこのプログラムは、皆でトークをしながら1作品をじっくり鑑賞するスタイルで、MoMAなど世界のミュージアムでも利用されているギャラリーチェアを使うのもこだわりのポイント。仕事帰りにも、プレミアムフライデーにも気軽に参加でき、文字通り「腰を据えて」鑑賞を深める贅沢なひとときを過ごすことができる。毎日14時から開催、リピーター続出の「所蔵品ガイド」その他、リピーター続出の人気プログラム「所蔵品ガイド」も毎日14時から実施。作品解説を聞く一方的なものではなく、ガイドスタッフや参加者とトークしながら、作品を自由に感じ、想像をめぐらせ、それを言葉にして語り合うのが最大の特徴で、まるで作品の謎解きをするかのような鑑賞体験ができる。各日約3作品を鑑賞し、毎回取り上げる作品が違うため、何度参加しても楽しむことができる。専門性を生かした解説が聞ける同館学芸員の作品解説「キュレーター・トーク」も、7月22日11時から12時、27日、8月10日、24日、9月7日、21日の18時30分から19時に実施。また子ども向けには、書きこみ式の鑑賞シートを無料で進呈。4歳から8歳は「セルフガイドプチ」、小中学生には「セルフガイド」が用意される。2階では、6月19日から9月24日まで、コレクションを中心とした小企画「瀧口修造と彼が見つめた作家たち」も開催。同館コレクションから、瀧口自身の作品13点に加え、「もの」(物質/物体/オブジェ)をキーワードに彼が関心を寄せた作家たちの作品もあわせて紹介する。「MOMAT コレクション」と「瀧口修造と彼が見つめた作家たち」の観覧料は、一般500円、大学生250円、本イベント中の金曜・土曜の17時以降は、一般300円、大学生150円。6月19日から9月17日の期間限定で、金曜・土曜の17時以降は大学生が無料となる。芝生が心地よい夏のガーデン・ビアバー芝生の緑が心地よい前庭には、レストラン「ラー・エ・ミクニ」のキッチンカーによるガーデンカフェが登場。金曜・土曜のナイトミュージアムでは、ビアバーに。ビール、ワイン等のドリンクとフードを、皇居が見渡せて芝生の緑が気持ちよい前庭で楽しむことができる。働き方やナイトタイムの過ごし方に注目が集まる中、仕事帰りに美術館を気軽に訪れたり、夏休みに家族で訪れたり、訪日外国人観光客にもおすすめ。この夏は、MOMATで新しい美術館の楽しみ方を体験してみては?【イベント情報】MOMAT サマーフェス会期:7月20日〜9月17日会場:東京国立近代美術館住所:東京都千代田区北の丸公園3-1時間:10:00~17:00、企画展会期中(6月19日~9月17日)の金・土曜は21:00まで(入館は閉館30分前まで)休館日:月曜日(ただし9月17日は開館)
2018年06月27日展覧会「生誕110年 東山魁夷展」が、京都・東京で開催される。京都国立近代美術館では、2018年8月29日(水)から10月8日(月・祝)まで、国立新美術館では10月24日(水)から12月3日(月)まで。“国民的画家”東山魁夷の作品約80点が集結「生誕110年 東山魁夷展」は、風景の美しさを描き国民的画家とも謳われた東山魁夷の生誕110年を記念した展覧会。代表作である《残照》《道》《緑響く》をはじめ、ヨーロッパや京都の古都の面影を描いた風景画等、本画約70点と習作、合わせて約80点の作品を紹介。京都での開催は30年ぶり、東京では10年ぶりとなる本格的な大回顧展だ。自然の風景に自らの心を投影代表的な作品《残照》は、東京美術学校を卒業しドイツ留学から帰国した東山魁夷が官展で特選を受賞した作品だ。終戦前後に妻以外の身寄りを亡くし、空襲で自宅も失って人生のどん底にいた東山魁夷。絶望的な状況の中で写生に出かけた際に、自然の作り出す光景と自信の心の動きが重なり合うことに充実感を覚え、自然に自分の心を投影した風景画を描くようになっていった。シンプルに1本の道を描いた《道》など、親しみやすい日本の風景画の数々を残したことで、「国民的風景画家」「国民的画家」と呼ばれるようになる。活動後期には描くことを“祈り”とし、自らの心の中に形成された風景を絵画に自由自在に落とし込んだ。《白い朝》《行く秋》などはまさに、心を写した風景画と言える。古都・京都や海外の風景も皇室から依頼された、新宮殿の大壁画のモチーフに日本古来の文化が凝縮された古都・京都を選択したことから、京都の町を描くことに着手。新宮殿の大壁画完成と同年の1968年に「京洛四季」展で連作を発表。ダイナミックかつ幻想的に花々を描いた《花明り》など、大和絵のような雰囲気で、東山としては新たな画風の作品が生み出されている。東山が描いたのは日本の風景だけではない。北欧の清く幻想的な風景を切り取った《冬華》や、ドイツ、オーストリアの建物や街並みを描いた《古都遠望》《窓》など、東山が感じ取った、土地が持つ魅力や文化の蓄積を表現している。記念碑的大作の障壁画を再現東山は、1971年に奈良・唐招提寺より開山・鑑真和上の像を安置する御影堂障壁画の制作と、御厨子内部装飾の依頼を受ける。鑑真が見たかったであろう日本の風景を描き出した《山雲》など、襖絵と床の壁面全68面から成る障壁画は、構想から完成までに10年を要した記念碑的大作だ。「生誕110年 東山魁夷展」ではその障壁画を再現展示。御影堂の修理に伴い、障壁画も今後数年間は現地でも見ることができないため、貴重な展示機会となる。詳細生誕110年 東山魁夷展■京都会期:2018年8月29日(水)~10月8日(月・祝)開館時間:9:30~17:00(金曜・土曜日は21:00まで) ※入場は閉館30分前まで場所:京都国立近代美術館住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町(岡崎公園内)TEL:075-761-4111(代表)観覧料:一般 1,500(1,300)円、大学生 1,100(900)円、高校生 600(400)円、前売りペア券 2,400円※()内は前売りおよび20名以上の団体料金。※中学生以下・障がい者手帳等持参者(付き添い1名を含む)は無料(それぞれ入館時、学生証等年齢のわかるもの、障害者手帳等を提示)。※本料金でコレクション展も観覧可能。※前売券販売期間 6月8日(金)~8月28日(火)※価格はすべて税込。■東京会期:2018年10月24日(水)~12月3日(月)開館時間:10:00~18:00(金曜・土曜は20:00まで) ※入場は閉館30分前まで場所:国立新美術館 企画展示室2E住所:東京都港区六本木7-22-2TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)観覧料:一般 1,600(1,400)円、大学生 1,200(1,000)円、高校生 800(600)円※()内は20名以上の団体料金。※中学生以下・障がい者手帳等持参者(付き添い1名を含む)は無料※高校生無料観覧日については追って発表。※前売券、その他企画チケットについては詳細が決まり次第、展覧会ホームページで発表。※価格はすべて税込。
2018年06月17日神戸が誇るランドマークホテル「ホテルオークラ神戸」(神戸市中央区)が、2018年6月13日(水曜日)から兵庫県立美術館「プラド美術館展」開催を記念した「プラド美術館展フェア」を実施しています。「元町」駅から徒歩10分の「ホテルオークラ神戸」は、神戸のウォーターフロントであるメリケンパークに立つランドマークホテル。神戸ポートタワーや六甲の山並みなど、客室の位置によって異なる風景を楽しむことが可能です。「三宮」駅からのシャトルバスも運行しています。チケット提示でレストランをおトクに利用可能「プラド美術館展フェア」は、「プラド美術館展」の最終日である2018年10月14日(日曜日)まで実施。会期中ホテル内の対象店舗で「プラド美術館展」のチケットもしくは半券を提示すると料金が10パーセントオフとなります。対象店舗は「レストラン エメラルド」(フランス料理)、「桃花林」(中国料理)、「カメリア」(カフェレストラン)、「山里」(和食堂)、「さざんか」(鉄板焼)、「メインバーエメラルド」の6店舗となります。「メインフロアデラックスルーム」(6階から15階)の宿泊に「プラド美術館展」のチケットと音声ガイドのレンタルをあわせた「展覧会チケット付ステイプラン」も販売されます。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社オークラニッコーホテルマネジメントのプレスリリース/PR TIMES※ホテルオークラ神戸※兵庫県立美術館
2018年06月16日エルメス(HERMÈS)はシネマ的設定の観客参加型の展覧会「彼女と。」を、東京・国立新美術館にて開催する。期間は2018年7月11日(水)から7月30日(月)まで。入場は無料だ。ある1人の女性="彼女"を追い求めて展覧会「彼女と。」では、ある1人の女性="彼女"に魅了されたひとりの“作家”とともにその姿を追いかけ、エルメスが提案する女性像をそれぞれに考察することが出来る展覧会だ。映画スタジオを彷彿とさせる会場内では、まるで撮影現場に迷い込んだかのような世界観をインタラクティブに体感できるのが特徴だ。ある"作家"が、映画館のスクリーンに映る"彼女"の存在を追いかけるという物語が始まる。鑑賞者は"作家"の視点とともに、"彼女"をよく知る人物たちとの出会いや、"彼女"を断片的に捉えた映像、"彼女"が愛用するエルメスのオブジェなどを介して、"彼女"の人物像に迫っていく。時には"作家"としてではなく、映画監督や撮影スタッフ、出演者の視点でこの物語をとらえることもあるであろう。バックステージを通り抜けて楽屋を覗いたり、セットにしのび込んだり。エキストラとしてアドリブで演技をしたり、美しい衣装に目を奪われることもあるかもしれない。なお、展覧会「彼女と。」は、エルメスのレディス部門アーティスティック・ディレクターであるバリ・バレと、レディスプレタポルテのアーティスティック・ディレクター ナデージュ・ヴァンヘ=シビュルスキーによる監修のもと製作。物語に華を添える、彼女たちによる最新コレクションにも“彼女”の存在を感じとれるはず。【詳細】彼女と。会期:2018年7月11日(水)~7月30日(月)開館時間:10:00~18:00 ※毎週金・土曜日は21:00まで休館日:毎週火曜日会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)入場:予約制、無料※予約は展覧会サイト(hermesavecelle.com)にて6月20日(水)11:00より受付開始。【問い合わせ先】エルメスジャポンTEL:0120-202-830
2018年06月16日