アートアクアリウム美術館 GINZAは、お正月イベント「アートアクアリウムのお正月」を2023年1月9日(月)まで開催する。「アートアクアリウム美術館 GINZA」のお正月イベント「アートアクアリウム美術館 GINZA」は、“百華繚乱~進化するアート~”をテーマにした、金魚アートの常設施設だ。7つのエリアで構成される館内では、色とりどりの金魚とともに、非日常的な空間を楽しむことができる。そんなアートアクアリウム美術館 GINZAが、謹賀新年ならぬ“金魚新年”のお正月仕様になって登場。期間中は、松の木が生い茂るトンネル型のイルミネーションや門松など、華やかなお正月飾りが館内を彩る。“紅白カラー”の美しい金魚が集結「アートアクアリウムのお正月」では、縁起の良い“紅白カラー”が美しい金魚が集結。白銀の体に、頭の上の赤い肉りゅうが特徴的な金魚「丹頂」や、”金魚の女王”とも称される大きな尾が魅力的な金魚「土佐錦」などが、お正月飾りで彩られた水槽の中で優雅に泳ぐ。新作の水槽作品「障子リウム」を初披露また、新作の水槽作品「障子リウム」も初披露する。戸枠の一部がガラスになっている障子“雪見障子”をモチーフにした水槽で金魚が舞い泳ぎ、日本庭園を思わせる美しい景色を楽しむことができる。「金魚おみくじ」が期間限定で登場さらに、2023年1月2日(月)から1月9日(月)までの期間限定で「金魚おみくじ」を用意。アートアクアリウムのオリジナルおみくじで、2023年の運勢を占ってみてはいかがだろうか。【詳細】「アートアクアリウムのお正月」開催期間:2022年12月27日(火)~1月9日(月)※2023年1月1日(日)は休館場所:アートアクアリウム美術館 GINZA住所:東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越 新館8階営業時間:10:00~19:00(変更になる場合あり)※12月31日(土)は10:00~17:30(最終入場16:30)休館日:銀座三越の休館日に準ずるチケット価格:当日券 2,400円、WEBチケット 2,300円※当日券は銀座三越新館1階にて発売【問い合わせ先】銀座三越TEL:03-3562-1111(代表番号)
2023年01月01日展覧会「ポケモン化石博物館」が大分県立美術館にて、2022年12月10日(土)から2023年1月24日(火)まで開催される。北海道・三笠市立博物館や東京・国立科学博物館などで開催された巡回展だ。「古生物&カセキポケモン」から学ぶ展覧会「古生物とポケモン」がテーマの本展は、『ポケットモンスター』シリーズに登場するカセキから復元されるポケモン=「カセキポケモン」と、私たちの世界で発掘される「化石」「古生物」の違いを比較・観察、それぞれの世界の共通点と相違点を発見し、古生物について楽しく学べるよう企画された展覧会だ。20点以上のカセキポケモン&50点以上の化石・古生物会場では、ポケモンの世界の「カセキ博士」とお手伝いの「発掘ピカチュウ」、私たちの世界の博士たちの案内により、20点以上のカセキポケモン&50点以上の化石・古生物の展示を巡る。また、「カセキポケモン」とよく似た古生物の実物標本・複製標本・模型、描き下ろしアート、「カセキポケモン」の骨格想像図も集結する。「カセキポケモン」の骨格から想像する実物大模型「カセキポケモン」の実物大の骨格想像模型にも注目。古生物の標本と、ポケモンの骨格想像模型を見比べることで新たな発見があるかも。大分会場のみの特設コーナーも、絵本『ポケモンのしま』原画展示大分会場限定で、大分県の大地の成り立ちと併せて、化石や岩石を紹介。さらに、ザ・キャビンカンパニーによる人気絵本『ポケモンのしま』の原画20点を一挙初公開される。【詳細】展覧会「ポケモン化石博物館」会期:2022年12月10日(土)~2023年1月24日(火)会場:大分県立美術館 1階 展示室A住所:大分県大分市寿町2-1時間:10:00~19:00※金曜・土曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)観覧料:大学生・一般 800円(600円)、小・中・高校生 500(300円)※()内は有料入場20名以上の団体料金。※大分県芸術文化友の会びび KOTOBUKI無料(同伴者1名半額)、TAKASAGO無料、UME団体料金。※障がい者手帳等の提示者とその付添者1名は無料。※学生は入場の際、学生証を提示。※日時指定チケットでの販売なし。【問い合わせ先】大分県立美術館TEL:097-533-4500© 2022 Pokémon. © 1995-2022 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
2022年12月16日女優の満島ひかりが、「ルーヴル美術館展 愛を描く」(東京展=国立新美術館:23年3月1日~6月12日、京都展=京都市京セラ美術館:6月27日~9月24日)の“案内人”を務めることになり、14日、東京・日本テレビ番町スタジオで行われた記者発表会に出席した。フランス・ルーヴル美術館のコレクションから、愛を描いた74点の絵画が一堂に会する同展。満島は、声優の森川智之とともに音声ガイドを担当するが、「私自身、美術館に行くときに音声ガイドを聴くタイプじゃなかったんですけど、聴く友達に聞いたら、『もっと豊かに見られるよ』と聞いて、二度楽しめるなと思いました」と語る。その台本は、「愛にまつわる話なので、なかなかのストーリーが書かれていて(笑)。自分が口にできるかなとか、絵を邪魔しなかったり、もっと豊かに見られるようなガイドになればいいなと思うんですけど、緊張感があります。何百年も前の絵を、何で私が説明してるんだろうって思ったり(笑)。でも、愛をもってやれたらいいなと思います」と意欲を示した。さらに、同展のテーマソングも担当。先日、音楽特番『2022FNS歌謡祭 第1夜』(フジテレビ)での“元Folder共演”で話題となった三浦大知、そしてSOIL&“PIMP”SESSIONSとのコラボレーションで、コーラスに加えて作詞も手がける。満島は「めちゃくちゃ豪華なメンバーで作ってます(笑)。レコーディング風景を見てても素晴らしいですし、ルーブル美術館というずっと続いてる建物とか、美術・アート・音楽とかいろんなことを想像しながら、1人1人が楽器を録音してる姿がめちゃくちゃカッコよくて。愛とは何かと簡単には答えられないところがありますけど、いい曲が仕上がったらいいなと思っています」といい、現在絶賛制作中だ。完成作品のイメージは、「男性なのか女性なのか分からない2つの声が聴こえて、その2人にどんどん背骨が生まれていくようにたくさん感情が出て、言葉がどんどん生まれていくけど、最後は言葉がいらなくなって音楽だけでトランスするような感じにできたらいいなと話しています」と明かした。作詞の作業はほぼ終えており、「最初は自分の感情だけでいろいろ書いていたんですけど、人が生まれる瞬間とか、愛が生まれるときとか、男性と女性の気持ちがシンクロするようなときとか、たくさんの普遍性が聴こえてくればいいなと思って、絵を見ながら書きました。絵の上に曲が流れたりするので、柔らかさとか、恐ろしさみたいなものが、曲の中にもあったらいいなと」と意識したことを語っている。
2022年12月14日2023年9月20日から12月11日まで国立新美術館(東京・六本木)において「イヴ・サンローラン展」の開催が決定しました。1958年にクリスチャン・ディオールの急死をうけ、「クリスチャン・ディオール(DIOR)」のデザイナーとして鮮烈なデビューを飾ったイヴ・サンローラン。1962年に自身のブランド「イヴ・サンローラン」を発表してから2002年に引退するまで、約半世紀にわたり女性の装いに変革を起こし、世界のファッションシーンをリードし続けてきました。本展はイヴ・サンローラン美術館パリによる全面協力を得て、日本で初めて開催される回顧展です。序章と11章から構成される本展では、ディオールでのデビューから、ブランドとして初のコレクション、そして独自のスタイルを確立するまでを、イヴ・サンローランによるルック110体のほかアクセサリー、ドローイング、写真によって一堂に紹介します。多様な文化や歴史から刺激を受けながら普遍的なスタイルを提案し続けたイヴ・サンローランのクリエイションが生み出す豪華絢爛な美の世界を堪能できます。「イヴ・サンローラン展」に寄せてイヴ・サンローランは現役のデザイナーで初めて1983年にニューヨーク・メトロポリタン美術館で展覧会が行われたことで知られています。また、没後の大型の回顧展は2010年にパリ市立プティ・パレ美術館で行われ、世界中から注目を集めました。来年、イヴ・サンローラン本人が大好きだった日本の地で、アジア初の大回顧展を開催できることはこの上ない喜びです。本展では、テキスタイル作品110点のほか、イヴ・サンローラン自身が描いたグラフィック作品124点、写真作品30点、ジュエリー55点が展示される予定です。本展を通じて、ぜひ日本の皆さまにもイヴ・サンローランの卓越した技術力や人となりを感じていただけたら嬉しく思います。ピエール・ベルジェ・イヴ・サンローラン財団 理事長イヴ・サンローラン美術館パリ プレジデントマディソン・コックス展覧会概要【会 期】2023年9月20日(水)~12月11日(月) ※毎週火曜日休館【開館時間】10:00~18:00※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで【会 場】 国立新美術館 企画展示室1E〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2【主 催】 国立新美術館、産経新聞社、TBS、ソニー・ミュージックエンタテインメント【特別協力】 イヴ・サンローラン美術館パリ【特別協賛】 SAINT LAURENT【後 援】 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、BS-TBS、TBSラジオ【協 賛】 野崎印刷紙業【協 力】 Ueki & Associés【観覧料】 決定次第、展覧会HPでお知らせいたします。【展覧会HP】【お問い合わせ】050-5541-8600(ハローダイヤル)
2022年12月13日新国立劇場バレエ団公演『ニューイヤー・バレエ』が来年1月13日(金)から15日(日)まで新国立劇場オペラパレスで開催される。本公演は、新年を祝う珠玉の作品を揃えた公演。英国の振付家デヴィッド・ドウソンによる『A Million Kisses to my Skin』は、バッハのピアノコンチェルトにのせて踊られる、バランシンを思わせるネオ・クラシック・スタイルのバレエ作品。『シンフォニー・イン・C』は、ジョージ・バランシンが1974年にパリ・オペラ座に客員振付家として招かれた際にビゼー作曲「交響曲第1番ハ長調(in C)」に振付けた、筋のない1幕バレエ作品だ。他にも『眠れる森の美女』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥと、『ドン・ジュアン』の抜粋を上演する。また、英国ロイヤルバレエからヤスミン・ナグディ、マシュー・ボール、そしてハンブルク・バレエからアリーナ・コジョカル、アレクサンドル・トルーシュがゲスト出演。新しい年のはじまりにふさわしい豪華な公演になりそうだ。新国立劇場バレエ団ニューイヤー・バレエ2023年1月13日(金)19:002023年1月14日(土)13:002023年1月14日(土)18:002023年1月15日(日)14:00新国立劇場オペラパレス・プログラムA Million Kisses to my Skinシンフォニー・イン・C『眠れる森の美女』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ『ドン・ジュアン』(抜粋)■チケット情報
2022年12月09日ジェイズプロデュースは、2023年1月11日(水)~1月22日(日)に新国立劇場 小劇場にて、「30-DELUX × KoRocK『スペースウォーズ2023 feat. BOYS AND MEN』」を上演します。殺陣を極めた演劇ユニット「30-DELUX」。そして、表現力豊かなダンスで高い評価を得ているダンスチーム「KoRocK」がタッグを組み、ゲストに名古屋のエンターテインメント集団「BOYS AND MEN」、さらに「BMK」も参戦。メインビジュアル出演は、30-DELUXより、村瀬文宣、寺田遥平、高木俊輔(※)、田沼ジョージ、谷口敏也、田中精、清水順二。そして、KoRocKの泰智、いっとん、J。BOYS AND MENより、本田剛文、勇翔、平松賢人。BMKより、佐藤匠、米谷恭輔、松岡拳紀介。さらに、藤田奈那、矢島舞美、我善導(WAHAHA本舗)ほか。(※本田剛文/平松賢人、勇翔/佐藤匠、松岡拳紀介/米谷恭輔は、それぞれWキャストでの出演。清水順二/田中精/我善導は、トリプルキャストでの出演となります。)※「高」の字は、正しくは「はしご高」です。脚本は、コメディーを得意とし、地球ゴージャスの舞台制作に長きに関わり、舞台『おそ松さん』シリーズの脚本・演出を務める小野真一。演出には、ストーリーに重きをおいたエンターテインメント性の高い舞台を創作することを得意とし、名古屋で活動する「劇団☆龍(Dragon)童子」を主宰する斎藤美七海。殺陣とダンスだけでなく、歌や笑いも盛り込み、よりパワーアップした作品を作り上げていきます。強烈なインパクトで話題をさらった名作が戻ってくる!世界一をかけた壮大でミニマムな!?スペースウォーズが再び開幕!殺陣やダンス、歌がミックスされたエンターテインメント作品の決定版がここに誕生!■あらすじ劇場でありながら立食パーティや練習の場としても貸し出している「ドリーム・ホール」。ステージ上でダンスユニット“SunRocK”が華麗なダンスを踊る中、突然、刀を振り回し乱入してくる殺陣集団“誠”!「ここは今日から俺たちが使う場所だ!勝手な真似は断じて許さん!」と、“誠”の喧嘩番長、トシが叫ぶ。そして、互いに使用契約書を出しあう。しかしながら、それはまさかの劇場のダブルブッキングと判明!そこに歌い踊りコントも出来るアイドル集団“HAPPY BOYS”も現れ、さらにトリプルブッキングが発覚…!彼らにとって、聖域ともいえるこのスペースを奪い合う壮絶な戦いが始まることになるが…。■実施概要<公演名>30-DELUX × KoRocK『スペースウォーズ2023 feat. BOYS AND MEN』<演出>斎藤美七海<脚本>小野真一(小野プロデュース)<出演>村瀬文宣(30-DELUX)寺田遥平(30-DELUX)高木俊輔(※)(30-DELUX)田沼ジョージ(30-DELUX)谷口敏也(30-DELUX)泰智(KoRocK)いっとん(KoRocK)J(KoRocK)本田剛文(BOYS AND MEN)<Aチーム>勇翔(BOYS AND MEN)<Aチーム>平松賢人(BOYS AND MEN)<Bチーム>佐藤匠(BMK)<Bチーム>米谷恭輔(BMK)<Bチーム>松岡拳紀介(BMK)<Aチーム>藤田奈那矢島舞美田中精(30-DELUX)我善導(WAHAHA本舗)清水順二(30-DELUX)他※本田剛文/平松賢人、勇翔/佐藤匠、松岡拳紀介/米谷恭輔は、それぞれWキャストでの出演となります。※清水順ニ/田中精/我善導は、トリプルキャストでの出演となります。<公演日程>2023年1月11日(水)~22日(日)*開演時間、ダブルキャスト、トリプルキャスト出演日など詳細は、公演公式サイトをご覧ください。<会場>新国立劇場 小劇場(東京都渋谷区本町1-1-1)<チケット料金(全席指定・税込み)>前売:7,800円当日:7,900円※未就学児童 観劇不可。※車椅子でご来場されるお客さまは、チケット購入後にお名前・ご観劇回・座席番号をご観劇日の前々日までに stage.contact55@gmail.com までお知らせください。<チケット一般発売開始日>12月10日(土)10:00<発売窓口>カンフェティ チケットぴあ ローソンチケット (Lコード:36083)イープラス <公演に関するお問い合わせ> info@30-delux.net <チケットに関するお問い合わせ> stage.contact55@gmail.com <公演公式サイト> <主催・企画・製作>ジェイズプロデュース 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年12月08日新国立劇場が今年も、クリスマスシーズン、年末年始恒例の『くるみ割り人形』を上演する。全13公演で5組の主役カップルが日替わりで見せる華やかな競演。もっともフレッシュなペア──クララ/こんぺい糖の精役を踊る柴山紗帆と、ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子役を演じる速水渉悟に、作品の魅力、舞台への思いを聞いた。速水渉悟撮影:阿部章仁「華やかできれいなバレエ!マジシャンが登場したり、ねずみと兵隊の戦いがユニークだったりと、バレエ団によっていろいろと個性があるのが楽しいんです」と話す柴山。チャイコフスキーの音楽による『くるみ割り人形』は、クリスマスの夜の夢を描いた古典バレエの傑作だが、速水は「以前所属していたアメリカのカンパニー(ヒューストン・バレエ)では、1シーズンで40回近く上演していました。毎年聴き飽きるほど(笑)、ずっと聴いてきたけれど、本当にきれいな音楽です」と振り返る。左から)速水渉悟、柴山紗帆撮影:阿部章仁新国立劇場が2017年より上演しているのは、ウエイン・イーグリングによるヴァージョン。踊りの素晴らしさだけでなく、説得力あるストーリー展開、美しい衣裳、巨大な気球が登場する大がかりな装置などが醸す独特の世界観で人気を博している。見応えある振付は、「とても複雑。ひとつのカウントの間にびっしりと動きが詰まっている感覚です」(速水)、「最初はとても難しく感じるけれど、身体が慣れてくると面白味が出てくる。一つひとつの振り、ポーズの間にも振りが詰まっているので、そこをいかにきれいに見せることができるか、というところが難しい」(柴山)と、一筋縄ではいかない難易度のよう。柴山はクララについて「今年はそこにもっと表現を付け加えたい。1幕のクララは少女ですが、2幕のグラン・パ・ド・ドゥではこんぺい糖の精になって王子と踊るので、少し大人びた雰囲気。その違いを出していけたら」。新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2021年公演より 第2幕こんぺい糖の精(柴山紗帆)撮影:長谷川清徳一方の速水が演じるのは、クララが憧れる、ドロッセルマイヤーの甥だ。夢の中で、ねずみと戦うくるみ割り人形、美しい王子へと姿を変え、クララに寄り添う。昨年の舞台を怪我でやむなく降板した速水は、今回が初挑戦となる。「グラン・パ・ド・ドゥのあの盛り上がる音楽にとても感動します。『白鳥の湖』『眠れる森の美女』と並ぶチャイコフスキー三大バレエの一つですから、音楽もとても有名。そのイメージを崩さないようにしなければ。でも、それだけでは面白くない。それプラス、自分の味を出したい」(速水)。新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2021年公演より 第2幕花のワルツ撮影:長谷川清徳5組もの主役キャストたちの中で、自分たちの魅力をいかに打ち出していくかが課題だが、「他の組のリハーサルを見ることで客観的になれる。そうして、私たちだったらこうできるかな、と考えながら取り組んでいけたら。二人だけにつくれる何かを、これから探していきたい」(柴山)、「フレッシュで、期待以上のものをお届けできたら。紗帆さんとはこれまでにたびたび組んできたので、信頼関係がある。いままで誰も見たことのない、夢のある舞台にしたいと思っています」(速水)と意気込んだ。新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2021年公演より撮影:長谷川清徳公演は12月23日(金)〜1月3日(火)、新国立劇場オペラパレスにて。柴山、速水はぴあスペシャルデーの12月25日(日) と、1月1日(日) に主演する。チケットは発売中。取材・文=加藤智子<公演情報>新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2022年12月23日(金)~2023年1月3日(火)チケット情報
2022年12月06日アートアクアリウム美術館 GINZAは、クリスマスイベント「燈りにきらめく冬金魚」を2022年12月26日(月)まで開催する。「アートアクアリウム美術館 GINZA」のクリスマスイベント“百華繚乱~進化するアート~”をテーマにした、金魚アートの常設施設「アートアクアリウム美術館 GINZA」。7つのエリアで構成される館内では、色とりどりの金魚とともに、非日常的な空間を楽しむことができる。2022年の冬は、華やぐクリスマスシーズンに向けて「燈りにきらめく冬金魚」を開催。クリスマスならではの鮮やかなイルミネーションの光で館内を彩る。トンネル型のクリスマスイルミネーション中でも目玉となるのは、”提灯”に見立てた球体の水槽作品が並ぶ「提灯リウム」エリアだ。レッドカラーやゴールドカラーのオーナメントを飾った、クリスマスツリーを思わせるトンネルが出現。水槽の下には、プレゼントボックスを置いて心躍る楽し気なムードを演出する。優しく光る星の飾り日本の寺社建築に見られる回廊を表現した「金魚の回廊」では、クリスマスの飾りを代表する、”ヘルンフートの星”の明かりが灯る。赤と白に光るヘルンフートの星と、左右に並ぶ色とりどりの金魚の水槽がマッチする、幻想的な世界を楽しむことができる。幻想的なクリスマスツリーが登場そのほか、竹をイメージした円柱水槽がぐるっと並ぶ「金魚の竹林」には、美しくライトアップされたクリスマスツリーが登場。「アートアクアリウム美術館 GINZA」ならではのクリスマス空間で特別なひと時を過ごしてみてはいかがだろうか。【詳細】「燈りにきらめく冬金魚」~アートアクアリウムのクリスマス~開催期間:2022年11月29日(火)~12月26日(月)場所:アートアクアリウム美術館 GINZA住所:東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越 新館8階営業時間:10:00~19:00(変更になる場合あり)休館日:銀座三越の休館日に準ずるチケット価格:当日券 2,400円、WEBチケット 2,300円※当日券は銀座三越新館1階にて発売【問い合わせ先】銀座三越TEL:03-3562-1111(代表番号)
2022年12月04日2022年11月30日(水) より国立新美術館にて『DESIGN MUSEUM JAPAN展 集めてつなごう 日本のデザイン』が開催される。「デザインミュージアム」とは「日本各地に点在する〈デザインの宝物〉の所蔵先とネットワーク化した、その集合体」のこと。もとは2020年1月からNHK(Eテレ)で制作された「デザインミュージアムをデザインする」という番組から生まれたアイデアで、日本全体をデザインミュージアムにしていきたいという、コンセプトのための提案だ。このコンセプトをもとに、NHKが全国の放送局ネットワークを駆使。13人のクリエーターたちが各地の生活文化をリサーチした様子を、それぞれの地域で番組として放映した。同展では、その活動の軌跡と、そこで生まれた様々な成果を紹介する。たとえばテキスタイルデザインを中心に活動する皆川明は、山形県山辺町にある「山形緞通(だんつう)」という手織りのじゅうたんの製造現場を訪問。会場では皆川がデザインし、現在試作中の緞通などを展示する。また、建築家の西沢立衛は、江戸時代「北前船」を造る船大工が暮らしていた佐渡の宿根木の集落をリサーチ。自ら撮影した写真や、集めた民俗資料などを発表する。そのほか、プロダクトデザイナーの柴田文江が出会った山梨県富士吉田の「甲斐絹」や、デザイナーの三澤遥が調査した和歌山県田辺の「南方熊楠コレクション」と、興味の対象は多岐にわたる。日本という国自体が、まだまだ魅力的なデザインが眠る「デザインの宝庫」であることを思い知らされるに違いない。山形のリサーチの様子・山形緞通新潟のリサーチの様子・宿根木の建物山梨のリサーチの様子・甲斐絹富山のリサーチの様子・ラグビージャージー和歌山のリサーチの様子・鉱物の収集箪笥<開催情報>『DESIGN MUSEUM JAPAN展 集めてつなごう 日本のデザイン』会期:2022年11月30日(水)~12月19日(月)会場:国立新美術館時間:10:00~18:00、金曜は20:00(入場は閉館の30分前まで)休館日:火曜料金:無料美術館公式サイト:
2022年11月24日11月15日(火) に初日を迎える新国立劇場のムソルグスキーのオペラ《ボリス・ゴドゥノフ》新演出初演。直前の稽古の合間を縫って、公演を指揮する大野和士芸術監督に話を聞くことができた。「ムソルグスキー畢生の大作。私はムソルグスキーは不世出の大天才と言っていいと思っています。それはたとえばショスタコーヴィチも言っているんですね。彼はムソルグスキーの未完のオペラ《ホヴァーンシチナ》を補完していますが、私たちがショスタコーヴィチの特性であると思っているもののほとんどを、彼はムソルグスキーから得たと言っているんです。人間の内面性、瞬時に変わる心模様が、哲学的な深みにまで達しているような音楽を作ることのできた作曲家です」今回の舞台は、ポーランド国立歌劇場との共同制作で、同劇場芸術監督のポーランド人演出家マリウシュ・トレリンスキが手がけるプロダクション。本来は今年4月に、先にワルシャワで初演される予定だったが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて中止となった。「結果として新国立劇場で世界初演されることになりました。この《ボリス・ゴドゥノフ》ほど、人間の精神の表裏を描き尽くしたオペラはありません。それをこのような時期に日本で初演することはとても意味のあることだと思っています」もちろん世界情勢は今回の上演にも影響している。当初は3人のロシア人歌手の出演が予定されていたが、招聘を断念した。「ボリスと修道僧のピーメン。そしてボリスの臣民でありながら、裏切って行ってボリスの政権を倒すシュイスキーという役の3人を新たにお願いしました。ボリス・ゴドゥノフ役は私の友人のギド・イェンティンスさん。昨年の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》でポーグナー役を歌ったバス歌手です。彼がボリスを2回、ロシア語で歌っているという情報が耳に入ってきたので、すぐ彼に電話して、やっていただくことにしました。ピーメン役は実はなかなか決まらなかったんです。あるとき、私がたまたまYouTubeで見つけた素晴らしい声のバス歌手がジョージア人のゴデルジ・ジャネリーゼさんでした。まだ32歳。ピーメンは老僧の役なので、年齢的にどうかとは思ったのですが、ここまで声のいい人を見つけることはなかなかできない。これは運命だと思いました」「シュイスキーは、これも私の友人のアーノルド・ベズイエンさんというオランダ人テノールです。シュイスキーという登場人物は、貴族らしい清らかな優しい声で、最初に声を聴いただけだと、この人はいい人だろうと騙されてしまうような役なんですね。それを彼にお願いしました。先日、オーケストラと合唱と合わせるリハーサルがあったのですが、3人の歌にみんなびっくりしていました。ロシアの歌い手たちが来られなくなったのは悲しいことですけれども、こういう困難をみんなで乗り越えて出す結果が今回の公演です。ぜひ日本の多くの聴衆の皆さんに聴いていただきたいと思っております」映像も巧みなトレリンスキ演出の本質は台本の読みの深さ演出のトレリンスキは映画監督出身。今回も大がかりな映像が強烈なインパクトを与える。「トレリンスキさんとは、エクサンプロヴァンスとワルシャワの劇場で一緒にプロコフィエフの《炎の天使》をやりました。たしかに照明や映像を使いますが、それよりも私は、彼の台本の読みの深さにとても惹かれました。声だけを聴かせるような舞台を作る人です。今回も、ボリスがひとりで悩むシーンとか、修道僧がひとりで歌うシーンなどは、舞台上に何かがあるということを感じさせません。逆に、合唱が出てくる場面などでは、視覚的な要素も大いに使う。演出家としての多面的な手腕を、この《ボリス・ゴドゥノフ》でも見事に発揮していると思います」「私の知人のひとりは、今回は5公演のうち4回見に来ると言っています。1回よりも2回、2回よりも3回見たほうが、舞台と音楽の関係、演出と音楽の解釈が作品にどう作用しているかがわかるわけですよね。1回目には視覚的な要素にすごく心を奪われたという方が、2回目には音楽的な深さのほうが心に残ったというような場合もあると思います。もちろん、1回見ていただくだけでも楽しめるように、舞台も音楽も、私たちみんなが頑張るということは間違いないですけれども(笑)」11月6日(日) に劇場ホワイエで開催された「オペラトーク」では、パネリストとして招かれたロシア文学者の亀山郁夫と元外交官で作家の佐藤優の両氏が、「この時期にこのオペラの上演は世界的事件」(亀山)、「大野さんは勇気がある。政治的な戦いの中で、人間の共通の言葉を見つけることができる」(佐藤)と、ともに上演への驚きとその意義を語った。「その点で言うと、日本でこれを上演できるのは、日本人の懐の深さがあるんだと思います。このロシアの物語をやるということは、現実として当然、いま起きているさまざまな政治的な問題と関わってきます。それを考えることなくしてはできないと思います。それゆえになかなか演奏できないという国もあるわけです。この作品の場合には、それがあり得る。これがたとえば愛の二重唱で満ちているようなオペラであれば、どんな国のどんな時代でも、それが検閲で禁止されたことはないわけですよね」ただしムソルグスキーが描いているのは、人間のドラマであり、内面的な精神描写の巧みさがこのオペラの最大の魅力だろう。その特質を端的に示す例として、大野監督はオペラ冒頭のボリスの登場シーンを挙げる。「《ボリス・ゴドゥノフ》の原作は史実をもとにしたプーシキンの戯曲ですが、ムソルグスキーは台本を完全に書き直しているんですね。民衆が「ボリスよ、私たちの皇帝となってくれ」という大賛歌が歌われた後に、普通だったら「よし、皆の者。私について来い!」というのがオペラの常套ですよ。ところがこのオペラでは、「私の心は千々に乱れている……」と、作品の中でも一番暗いと思われる音楽が出てくるんです。なぜなら、プーシキンの戯曲では、本来帝位を継ぐはずだったドミトリーを殺したのがボリスです。その罪の意識、あるいは皇帝であることのプレッシャーや、裏切られるのではないかという不安。そうしたものに苛まれている。その焦燥がボリスの登場の音楽なんです。主人公がこんな音楽で登場するオペラはないですよね。ムソルグスキーが、人間の心に対して鋭い感性を持っていたことの表れだと思います。もうひとつ。聖愚者という登場人物が出てきます。かつてボリスを皇帝として賞賛していた民衆が、いまはボリスを追い落とそうとする偽ドミトリーの賛歌を歌わんとしている。そのとき聖愚者が彼らに、「泣け、ロシアの民よ。すぐに(別の新たな)敵がやってくるだろう。あなたたちは苛まれ続けるのだ」と歌います。ムソルグスキーのオリジナルです。民衆の熱狂とはどういうものか。その本質は悲しみを伴うものだということを、音楽で書いたのです。これはロシアだけの話ではないですよね。人間の本性に対しての鋭い直観力。それを音楽にできた大天才がムソルグスキーです。その大傑作をご覧ください」新国立劇場の《ボリス・ゴドゥノフ》は11月15日(火)~26日(土)。東京・初台の新国立劇場オペラパレスで。取材・文=宮本明撮影=石阪大輔<公演情報>新国立劇場 開場25周年記念公演 オペラ『ボリス・ゴドゥノフ』<新制作>チケット情報:
2022年11月15日六本木の国立新美術館では、2022年11月19日(土) より、『DOMANI・明日展 2022-23―百年まえから、百年あとへ』が開催される。1967年から半世紀に渡り、若手芸術家の海外研修を支援するために、文化庁が行ってきた「新進芸術家海外研修制度(在研)」。1998年より行われている『DOMANI・明日展』は、その成果発表の展覧会だ。2008年の第11回展以降は、天井高に恵まれた国立新美術館の大空間を舞台に、大規模なグループ展を展開してきたが、前回の第24回展は、コロナ禍の影響により東京での開催は断念。2年ぶりに国立新美術館で開催となる同展(第25回展)では、1996年度の研修生である伊藤誠(彫刻、アイルランド)や丸山直文(絵画、ドイツ/ベルリン)から2021年度の特別研修生としてフィンランドのケミヤルビーで活動した石塚元太良(写真)ら9名に、『DOMANI・明日展』史上初、同館2度目の参加となる近藤聡乃を加えた10名の作家とその作品を紹介する。サブタイトル「百年まえから、百年あとへ」は、1923年に首都圏を見舞った「関東大震災」からちょうど百年目の年に、同展が東京で開かれることが意識されている。そうしたことも踏まえて、「ゆれる/ゆらぐ地面、制度、価値観」という視点から、コロナ禍後の次代の人材育成や美術館のあり方なども考える。そのほか、出品作家10名が各自の作品について語るギャラリートークをはじめ、アーティストの移動がその思考や作品に及ぼす影響や、芸術における移民性について考えるシンポジウム、作品を手で触れて鑑賞できるイタリア「オメロ触覚美術館」の活動を紹介するドキュメンタリー映画『手でふれてみる世界』の上映会、触覚をテーマにしたワークショップほか、イベントや関連企画も盛りだくさん。伊藤誠《船の肉》2003撮影:山本糾丸山直文《appear》2008 豊田市美術館蔵石塚元太良《Texture_Glacier #001》2022池崎拓也《The Address on The Address》2019<イベント情報>『DOMANI・明日展 2022-23―百年まえから、百年あとへ』会期:2022年11月19日(土)~2023年1月29日(日)会場:国立新美術館 企画展示室2E休館日:火曜日、12月27日(火)~1月11日(水)時間:10:00~18:00、金曜は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)料金:一般 1,000円 / 大学 500円※初日(11月19日)は大学生入場無料(学生証の提示が必要)公式サイト:
2022年11月14日11月15日(火)に初日を迎える新国立劇場のムソルグスキー《ボリス・ゴドゥノフ》新制作初演。6日(日)、劇場で「オペラトーク」が開催された。公演の指揮者でもある新国立劇場オペラ芸術監督・大野和士の司会進行。パネリストとしてロシア文学者の亀山郁夫と、元外交官で作家の佐藤優が登壇した。亀山郁夫(ロシア文学者)冒頭、まず亀山が「今このオペラが上演されることにショックを受けた。日本でしか体験できない世界的事件」と言えば、佐藤も「とても勇気が必要なこと。みんなが少しずつ勇気を出し合うことで、政治的・軍事的な戦いの中でも、われわれ人間の共通の言葉を見つけることができる。上演にはとても意味がある」と述べた。芸術の現代性、社会性が、これまで以上に大きな意味を背負っている時代であることを、あらためてひしひしと感じる。佐藤優(作家)16世紀末の実在のロシア君主ボリスを題材にした作品。大野はまず、その時代の背景である「大動乱時代」が、現代のロシアでどのように捉えられているのかを尋ねた。「ロシアがモンゴルの支配から自立する長い戦いの時代の末期。そうしたテーマが、現代の大きく混乱する世界とどう重なっているかを読み取ることが大事」(亀山)「ロシアには、現在の戦争の帰趨によっては再び動乱時代が来るのではないかという恐怖がある。いま欧米はすでに大混乱だし、日本も動乱の直前で、この作品のテーマは現代的」(佐藤)ただしボリスの人物像は、史実と原作者プーシキンの戯曲、そしてムソルグスキーのオペラ台本とで、かなり異なるという。「ムソルグスキーのボリスは非常に人間くさい」と亀山。これを受けて大野も、人間の内面のドラマを巧みに描くムソルグスキーの作曲技法について、主人公の登場シーンをヴェルディ《オテロ》と比較して、歌やセリフも交えた迫真の演技で説明した。大野和士(指揮、新国立劇場オペラ芸術監督)話題はさらに、オペラのキーパーソンの一人である「聖愚者」の存在や、物語の核ともいえる、グリゴリー(偽ドミトリー)が亡き皇子の名を「僭称(名を騙ること)」する意味などに及び、公演に向けて気分は高まった。イベントの模様は新国立劇場YouTubeチャンネルで公開中なので、実際のトークをぜひ確認してほしい。実に興味深い内容だ。ボリス役を演じるギド・イェンティンス(バス)ら歌手たちの実演も。オペラトークではボリス・ゴドゥノフ役のギド・イェンティンスら歌手による歌唱も新国立劇場の《ボリス・ゴドゥノフ》は11月15日(火)~26日(土)に全5公演。東京・初台の新国立劇場オペラパレスで。取材・文:宮本明写真:新国立劇場提供新国立劇場オペラ『ボリス・ゴドゥノフ』チケット情報: オペラトーク全編はこちらオペラ『ボリス・ゴドゥノフ』オペラトーク
2022年11月10日世界中で愛されてきた話題のコンテンツ「ゴッホ・アライブ」が、金山南ビル美術館棟(旧名古屋ボストン美術館)にて2022年12月10日(土)から2023年3月5日(日)まで開催いたします。ゴッホ・アライブグランデ・エクスペリエンセズが企画制作したゴッホ・アライブは、芸術性とエンターテイメント性を兼ね備えた五感で楽しむ全く新しい没入型の展覧会。3,000点以上に及ぶゴッホの名作が、力強いクラシック音楽に乗って、巨大かつ鮮明な画像で生き生きと再現された空間は別世界。まるで絵画の中の世界を歩いているかような感覚に。会場に足を踏み入れた瞬間から、光、色、音、香りの鮮やかなシンフォニーに包まれ、次々と流れるビジュアルとサウンドに身を委ねる体験は“忘れられない”特別な体験となることでしょう。●みどころ【体感できる!没入型展覧会】ゴッホ・アライブは、時空を超えて来場者をオランダ、パリ、アルル、サン=レミ、オーヴェール=シュル=オワーズに誘います。クラシック音楽が流れる中、ゴッホの作品の3,000以上の画像が壁や柱、天井、床などありとあらゆる場所に映し出されます。細部まで色鮮やかに再現された作品の数々を見れば、ゴッホの当時の思いや感情を感じずにはいられません。一瞬にして来場者をゴッホの傑作の世界に引き込みます。Photo:Grande Experiences【新しいアート鑑賞の形】静まりかえった館内で作品から離れて鑑賞する―そんな従来の鑑賞法とは全く違い、「五感で」ゴッホ作品を体験し楽しむことができます。場内に一歩踏み入れた時から、光と色、音とアロマの力強いシンフォニーに包まれ、日常を離れてゴッホの世界に引き込まれます。Photo:Grande Experiences【最新の技術】グランデ・エクスペリエンセズが開発したSENSORY4(TM)は、マルチチャンネル・モーショングラフィックスと映画館品質のサラウンド音響、最高40台ものHDプロジェクターを融合させ、マルチスクリーン環境を提供する独自システムで、どんな展示スペースもダイナミックで目を見張るような映像体験空間に変えることができます。フランスの田園地方の暖かさを想起させるアロマの香りも来場者の体験をさらに増幅させます。(C)RB Create【ゴッホを知る】ゴッホの芸術、生涯、時代背景に関する総合的な情報をゴッホ自身の豊富な画像や言葉を交えて解説します。ギャラリーに入る前にゴッホの人生と作品について学び、これから始まる体験への期待を高めます。【フォトロケーションエリア】ひまわり畑、ファンゴッホの部屋などを再現したフォトロケーションもお楽しみいただけます。Photo:Grande ExperiencesPhoto:Grande ExperiencesPhoto:Grande Experiences【ゴッホ・アライブ オリジナルグッズ】アクリルキーホルダー〔価格〕各660円(税込)アクリルキーホルダーがまぐちポーチ〔価格〕1,980円(税込)がまぐちポーチウォーターボトル〔価格〕各2,750円(税込)ウォーターボトルトートバッグ〔価格〕各3,080円(税込)トートバッグ 5種類Tシャツ〔価格〕各3,850円(税込)Tシャツ※商品画像はイメージです。【開催概要】展覧会名 : ゴッホ・アライブ会期 : 2022年12月10日(土)~2023年3月5日(日)会場 : 金山南ビル美術館棟(旧名古屋ボストン美術館)名古屋市中区金山町1-1-1開館時間 : 10:00~20:00 (日曜日は18:00まで)※最終入場は閉館の60分前まで休館日 : 12月12日(月)、12月28日(水)~2023年1月1日(日)、1月10日(火)主催 : 中京テレビ放送公式サイト: Twitter : @goghalivejp Instagram : @goghalivejp 観覧料 : 一般2,500(2,300)円、高大生2,000(1,800)円、小中生1,500(1,300)円・未就学児無料・()内は前売券・前売券は12月9日(金)まで販売※本展の会期や内容が変更になる場合がございますので、予めご了承ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月09日アートアクアリウム美術館 GINZAは、秋イベント「生命の宿る金魚アート」を開催。「アートアクアリウム美術館 GINZA」で金魚アートを鑑賞「アートアクアリウム美術館 GINZA」は、“百華繚乱~進化するアート~”をテーマにした、金魚アートの常設施設だ。色とりどりの金魚とともに、光や音、香りの演出を施した、幻想的な空間を楽しめる。館内では、様々な色合いで輝く個性豊かな水槽作品を多数展示。光と色が交錯する水槽のなかで、金魚たちが優雅に泳ぐ、非現実的な美しい景色を堪能することができる。金魚×デジタルのアート作品秋イベント「生命の宿る金魚アート」では、芸術の秋に向けて、金魚をテーマにしたアートや伝統工芸作品を複数展示する。中でも注目なのは、「女性と金魚/鯉」をモチーフにしたデジタルアートだ。新進気鋭の様々なアーティストとコラボレーションした、幻想的なアート作品を間近で鑑賞できる。チョークで描いた金魚作品また、チョークアーティスト・Moecoによるチョークで描かれた金魚作品や、歌川国芳による金魚や鯉を描いた作品20点余りを集めた「歌川国芳コレクション」なども取り揃えている。日本の伝統を感じらえる作品そのほか、日本の伝統工芸である江戸切子の中で金魚が優雅に泳ぐ「金魚の飾り棚」や、京都の伝統的な織物・西陣織、日本の伝統芸能である能のお面、盆栽など、日本の伝統美に触れることのできる作品も用意している。とらやとのコラボ羊羹もさらに、アートアクアリウム美術館 GINZAのミュージアムショップでは、とらや(TORAYA)とコラボレーションした「小形羊羹」を販売。とらやを代表する小倉羊羹「夜の梅」を含む5種類の羊羹を、アートアクアリウムオリジナルのパッケージで提供する。【詳細】アートアクアリウム美術館 GINZA「生命の宿る金魚アート」開催日程:2022年11月1日(火)~場所:銀座三越 新館8階住所:東京都中央区銀座4-6-16営業時間:10:00~19:00(変更になる場合あり)休館日:銀座三越の休館日に準ずる ※不定期で休館の場合あり料金:WEBチケット 2,300円、当日券 2,400円【問い合わせ先】銀座三越TEL:03-3562-1111(代表番号)
2022年11月05日企画展「憧憬の地 ブルターニュ─モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」が、東京・上野の国立西洋美術館にて、2023年3月18日(土)から6月11日(日)まで開催される。日仏の画家が描いたブルターニュ19世紀後半から20世紀にかけて、各国の画家たちはフランス北西端のブルターニュ地方を訪れ、この地を題材に数多くの作品を手がけた。企画展「憧憬の地 ブルターニュ─モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」では、画家たちが描いたブルターニュを一堂に集めて紹介する。ブルターニュ地方は、雄大な自然、先史時代の巨石遺構、宗教的モニュメント、あるいはケルト系言語を話す人びとの素朴な生活様式などに見るように、古来より特異な文化圏を形成していた。フランスの内なる異郷ともいえるブルターニュは、19世紀になると人びとの関心を集めるようになる。美術の領域においても新しい画題を求める画家たちを受け入れ、19世紀末には、ポール・ゴーガンが率いるポン゠タヴェン派やナビ派といった画家グループの誕生を促した。また、黒田清輝や藤田嗣治など、日本から渡仏した画家たちもブルターニュを訪れ、この地を作品に描いている。本展では、国立西洋美術館の「松方コレクション」などから、フランスを中心とする画家によるブルターニュを題材とした作品約160点を一堂に集めて紹介。ゴーガンの作品を10点以上集めてその造形様式の変遷をたどるとともに、クロード・モネやポール・シニャック、アルフォンス・ミュシャのほか、黒田清輝や藤田嗣治、長谷川潔、山本鼎など、日本から渡仏した画家の作品も展示する。展覧会概要企画展「憧憬の地 ブルターニュ─モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」会期:2023年3月18日(土)〜6月11日(日)会場:国立西洋美術館住所:東京都台東区上野公園7-7※詳細については追って告知【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
2022年11月04日新国立劇場 2022/2023シーズン演劇『私の一ヶ月』が、11月2日に東京・新国立劇場 小劇場で初日を迎えた。『私の一ヶ月』は、2022/2023シーズン中に日本の劇作家の新作をお届けするシリーズ企画「未来につなぐもの」の第1弾で、ロンドンのロイヤルコート劇場と新国立劇場がタッグを組んだ、若手劇作家のためのワークショップから生まれた新作。物語は泉が日記を書いている2005年11月の和室、拓馬の両親が経営する2005年9月のコンビニ、明結(あゆ)がアルバイトを始めた2021年9月の都内大学図書館の閉架書庫といった3つの時空が交差する。出演者は村岡希美、藤野涼子、久保酎吉、つかもと景子、大石将弘、岡田義徳の6名が名を連ねている。右から)村岡希美、藤野涼子(撮影:引地信彦)併せて、作・須貝英と演出・稲葉賀恵からコメントが到着した。■作・須貝英 コメント想いを込めた新作を皆さんにご覧いただける喜びと、劇作家ワークショップからの長い旅路の終わりが見えてきた感慨が胸に押し寄せてきて、なんだか経験したことのない気持ちです。この作品はワークショップの期間、上演が決まってからの期間と、たくさんの方に支えられながら成長を続けてきました。おそらく本番を通してもずっと成長していくと思います。劇場でそれを一緒に体験していただけたら、この上ない喜びです。■演出・稲葉賀恵 コメント決して押し付けがましくなく、でも凛々しく、人の生活の繊細な機微を描いた須貝さんの作品を、6人の俳優陣が繻子を織るように体現して下さいました。今を生きる私たちにも必ず思い当たる、仄暗い闇や哀しみを抱きしめて、それでも前に進む人々のお話です。死を想いながらも、生きていく日々の中には必ず美しい瞬間がある、その煌めきを劇場で共有することが出来る作品に仕上がったと思います。是非、日本初演のこの作品を客席で目撃してくださいませ。<公演情報>新国立劇場 2022/2023シーズン演劇『私の一ヶ月』11月2日(水)~20日(日) 新国立劇場 小劇場作:須貝英演出:稲葉賀恵出演:村岡希美、藤野涼子、久保酎吉、つかもと景子、大石将弘、岡田義徳チケット情報はこちら:詳細はこちら:
2022年11月03日アムステルダム国立美術館は、2023年2月10日から6月4日まで開催されるフェルメール展に出品される作品リストを公表しました。「牛乳を注ぐ女」国立美術館■全出品リスト(アルファベット順) オランダ国内外からの出品作品からなるフェルメール展は史上最大規模となります。特別展に先立ち、学芸員、修復家、科学者などから構成されるチームが最先端技術を用いてフェルメールの最新研究を行なっています。それにより、フェルメールの人生と作品、芸術性、構成の動機、そしてその手法などが明らかになってきました。オンラインでのチケット販売は始まっています。アムステルダム国立美術館タコ・ディビッツ館長は、「この展覧会は、こんなにも多くのフェルメール作品を一度に見ることができる絶好の機会です。フェルメールファンだけでなく、科学者、修復家、歴史学者などにとってもまたとないチャンスです。この展覧会のために、貴重なフェルメール作品を貸与してくださった世界中の美術館、機関に心から感謝いたします。」と述べました。■フェルメール展フェルメール展に出品される作品数は、ヨーロッパ、アメリカ、そして日本から貸し出される28作品あまりです。特に、フリックコレクションからは、「中断された音楽の稽古」、「士官と笑う娘」、「婦人と召使い」の貴重な3点が出品されます。フリックコレクションのあるニューヨーク以外の場所で、この3点が同時に展示されるのは初めてのこととなります。3点の内、2点は展覧会に先立ち、アムステルダム国立美術館で詳細な調査が行われました。他にも、ハーグのマウリッツハウス王立美術館から「真珠の耳飾りの少女」、フランクフルトのシュテーデル美術館から「地理学者」、ダブリンのアイルランド国立ギャラリーから「手紙を書く女と召使い」、ワシントン・ナショナルギャラリーから「天秤を持つ女」、ベルリンの絵画館から「紳士とワインを飲む女」、ニューヨークのメトロポリタン美術館から「リュートを持つ若い女」、パリのルーヴル美術館から「レースを編む女」などの作品が出品されます。ドレスデン絵画館の「窓辺で手紙を読む女」も、修復後オランダ初公開となります。国立美術館では、「牛乳を注ぐ女」、「小路」、「手紙を読む女」、「恋文」の4点を所蔵しています。フェルメール展は、アムステルダム国立美術館での単館開催で、2023年2月10日から6月4日まで。■新しい調査研究最新の調査研究により、彼の社会的地位、住環境、他の画家や住民との接点など、フェルメール自身と彼を取り巻く環境に関する新しい発見がありました。最新の画像解析技術によりフェルメール作品の詳細な調査も進んでいます。国立美術館、マウリッツハウス王立美術館、アントワープ大学の学芸員、修復家、科学者などからなるチームがフェルメール作品の調査を行なっています。この調査には、高精度なMacro-XRF、RISスキャン技術などが使われています。最新の調査によると「牛乳を注ぐ女」には、新しく、瓶ホルダーと火鉢の二つが発見されました。これらはフェルメール自身により、塗りつぶされたオブジェです。また、最新のスキャンでは、ワシントン・ナショナルギャラリーの「天秤を持つ女」にも、新しい下絵部分が発見されています。フェルメールは絵を描く時に熟考を重ね、遅筆の画家と一般的には思われていましたが、その考えは覆されました。彼の作品は内向きで熟慮の結果のように見えるかもしれませんが、実際の彼の制作方法は技巧的で厳密であったと言えます。フェルメール展担当学芸員でアムステルダム国立美術館のグレゴールJ.M.ウェーバー絵画部門部長は、「フェルメールの制作技術は謎に満ちていました。あのような神秘的な光と色彩はどのようにして描かれたのだろうか?調査によって明らかになった、黒い絵の具で描かれた最初のスケッチを見ると、彼の制作方法がよく理解できるようになりました」と述べています。■ヨハネス・フェルメールヨハネス・フェルメール(1632-1675)はデルフトで生まれ生涯、この町で過ごしました。その静寂に包まれた室内画、類い稀な光と影、色彩の使い方、そして散りばめられた寓意など多くの人を惹きつけてきました。同時代の画家レンブラントと対照的に、現存する作品数はたったの37点です。フェルメール展担当学芸員でアムステルダム国立美術館のピーター・ルーロフ絵画彫刻部門部長は、「デルフトのスフィンクスとも称されるフェルメールの神秘性は、150年もの間、彼の名声と共に画家に代名詞とも言われてきました。彼の人生を紐解くことにより、フェルメールの神秘に一歩ずつ近づくことができます。」と述べました。■フェルメール展チケットチケットは国立美術館のウェブサイトから購入できます。Rijksmuseum website: ■出版物フェルメール Vermeer展覧会に合わせてフェルメールの新発見を紹介した図録が出版されます。フェルメールの全作品が掲載されます。著者 :グレゴールJ.M.ウェーバー、ピーター・ルーロフ、他デザイン:イルマ・ボーム320ページ、オランダ語・英語。ドイツ語、フランス語版も準備中。Hannibal Booksとの共同出版ヨハネス・フェルメール - 信念、光とリフレクションJohannes Vermeer. Faith, Light and Reflection著者 :グレゴールJ.M.ウェーバーデザイン:イルマ・ボーム168ページ、オランダ語・英語版出版 :国立美術館ミッフィー×フェルメール Miffy×Vermeerデザイン:イルマ・ボーム40ページ、オランダ語、英語出版 :国立美術館、メルシス社■オンライン・エクスピリエンスフェルメール作品の美しいディテール、そこに秘められた物語、彼の人生や制作方法などを網羅したオンライン・エクスピリエンスが、国立美術館のウェブサイトに2023年1月完成予定です。■シンポジウムマウリッツハウスと共同で、2023年3月に最新の研究結果の発表の場として、2日間にわたりシンポジウムが開催されます。フェルメール展は、Ammodo社とRijksmuseum International Circleの協力で開催されます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月02日東京・上野の国立西洋美術館で『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』が開催中です。ベルリン出身のコレクターが選び抜いた究極の20世紀美術コレクションがドイツから来日。そのうち、半数以上が日本初公開作品という今秋必見の展覧会をご紹介します!超豪華!世界遺産でピカソを満喫!【女子的アートナビ】vol. 266『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』では、ピカソやクレー、マティス、ジャコメッティという4巨匠の作品を中心に、ベルクグリューン美術館が所蔵する20世紀美術の作品群を展示。同館コレクション97点に、日本の国立美術館が所蔵する作品を加えた合計108点が紹介されます。特にピカソは、有名な「青の時代」をはじめ、各時代を代表する名作が集結。なんと40点以上ものピカソ作品をひとつの展覧会で見ることができます。この展覧会は、ベルクグリューン美術館が大規模改修を行うなかで企画された世界巡回展。その最初の地として、日本が選ばれました。プレス内覧会に登壇した本展キュレーターのヨアヒム・イェーガー博士は、「ヨーロッパの近代芸術は、日本から大きな影響を受けている」とコメント。さらに、「世界遺産にも認定されている国立西洋美術館で、最初の世界巡回展をスタートできることをうれしく思う」と語っていました。ベルクグリューンって?『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』展示風景作品を見る前に、コレクターのベルクグリューンをご紹介。ベルリンのユダヤ人家庭に生まれたハインツ・ベルクグリューン(1914-2007)は、ナチス政権時代に政治的事情でドイツを追われてアメリカへ移住。そこで美術館勤務などをしていましたが、戦後はパリに渡り画廊を経営。ピカソやマティスなどの芸術家や作家、詩人と交流を深め、自らのコレクションを築き上げました。ベルクグリューンが集めた作品は、1996年に故郷ベルリンのシャルロッテンブルク宮殿に面した由緒ある建物「シュテーラー館」で公開され、その後ドイツが彼の所蔵品をまとめて購入。2004年、コレクターの90歳の誕生日を記念して、彼のコレクションを展示していたシュテーラー館が「ベルクグリューン美術館」と改名されました。見たことないピカソがいっぱい!『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』展示風景本展の見どころは、何といってもピカソ。コレクターのベルクグリューンがピカソに心酔し、また画家本人と親交も深かったので、かなり質の高い作品が揃っています。しかも、展示されているピカソ作品のうち35点が日本初公開です。特に圧巻なのは、女性をモデルにした作品が集まる展示室。展覧会のメインヴィジュアルに使われている《緑色のマニキュアをつけたドラ・マール》をはじめ、ベルクグリューン美術館の顔ともいえる作品《黄色のセーター》、2メートル近くある大作《大きな横たわる裸婦》など、素晴らしい作品が並んでいます。著作権の関係でアップの写真は載せられませんが、名コレクターが厳選して購入したピカソの絵はどれも見ごたえ抜群。しかも、ベルクグリューンは絵を入れる「額」にもこだわり、自分で絵に合った額を選んでいました。あえて、アンティークの額をピカソの斬新な絵に合わせており、例えば《黄色のセーター》には、17世紀前半につくられた金塗りのスペイン製額が使われています。会場では、作品と一緒にぜひ額もご覧になってみてください。クレーやマティスも充実!『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』展示風景ベルクグリューンは、画商としてさまざまな画家の作品を扱っていましたが、コレクターとして自分のために購入したのは敬愛する少数のアーティストたちの作品でした。ピカソのほか、クレー、マティス、ジャコメッティの作品を多く収集。本展でも、彼らの作品が多数展示されています。『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』展示風景ピカソやマティスらは、伝統的な表現形式を壊してから作品を創造する革新的なアーティストでした。そのため、古典的な美術様式を好むヒトラーから嫌われ、ナチス政権時代、彼らの作品は「退廃芸術」として迫害されていました。特に、占領下のパリにいたピカソは要注意人物としてゲシュタポ(ナチスドイツの秘密国家警察)から監視を受け、当時は作品発表も禁じられていました。そんな芸術家たちの作品が、過酷な時代を乗り越えたユダヤ人の名コレクターによって集められ、今ではドイツを代表する20世紀美術コレクションのひとつになっています。ベルクグリューンや芸術家たちの軌跡に思いをはせながら作品を見ると、また違う味わいを感じられるかもしれません。本展は、2023年1月22日まで開催。その後、大阪に巡回します。Information会期:~2023年1月22日(日)休館日:月曜日、12月30日(金)~2023年1月1日(日)、1月10日(火)※ただし、2023年1月2日(月・休)、1月9日(月・祝)は開館会場:国立西洋美術館開館時間:午前9時30分~午後5時30分(金・土曜日は午後8時まで)※入館は閉館の30分前まで※最新情報などの詳細は展覧会公式HPをご覧ください観覧料:一般 ¥2,100、大学生 ¥1,500、高校生¥1,100※日時指定予約制
2022年10月26日青森県立美術館開館当初より毎年開催35ミリフィルムでの映画上映会青森県立美術館パフォーミングアーツ推進実行委員会、青森県立美術館、国立映画アーカイブ主催、県立美術館映画上映会『熱狂の時代劇~35ミリフィルムで蘇る時代劇スターの競演~』が2022年12月3日(土)~12月4日(日)に青森県立美術館シアター(青森県青森市安田字近野185)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて10月20日(木)10:00より発売開始です。カンフェティにて10月20日(木)10:00よりチケット発売開始 公式ホームページ 『熱狂の時代劇~35ミリフィルムで蘇る時代劇スターの競演~』青森県立美術館での映画上映会は、35ミリフィルムでの上映を中心に、開館当初より、毎年開催してきました。平成26年度からは、文化庁・国立映画アーカイブの「優秀映画鑑賞推進事業」制度を活用し、上映会を開催しています。※令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響で中止。今年度も同制度を活用し、昭和の時代劇スター映画を中心とした上映会を開催いたします。戦前戦後の映画全盛期の時代劇スターが、世間にはびこる悪を痛快にやっつけるチャンバラ劇で競演。貴重な35ミリフィルム上映も見どころです。【上映作品・プログラム】12月3日(土)10:00~11:26『銭形平次捕物控からくり屋敷』(1953年・86分)監督:森一生/主演:長谷川一夫13:00~15:12『大江戸五人男』(1951年・132分)監督:伊藤大輔/主演:阪東妻三郎12月4日(日)10:00~11:48『旗本退屈男』(1958年・108分)監督:松田定次/主演:市川右太衛門13:00~15:31『赤穂浪士』(1961年・151分)監督:松田定次/主演:片岡千恵蔵開催概要県立美術館映画上映会『熱狂の時代劇~35ミリフィルムで蘇る時代劇スターの競演~』開催期間:2022年12月3日(土)~12月4日(日)会場:青森県立美術館シアター(青森県青森市安田字近野185)■チケット料金一日券:800円(全席指定、事前購入のみ)※上記に加え、1枚毎に別途購入手数料330円が必要。(手数料込み1,130円)主催:青森県立美術館パフォーミングアーツ推進実行委員会、青森県立美術館、国立映画アーカイブ特別協力:文化庁、(一社)日本映画製作者連盟、全国興行生活衛生同業組合連合会 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年10月20日新国立劇場開場25周年記念公演『レオポルトシュタット』が10月14日開幕し、演出・小川絵梨子と主演・浜中文一よりコメントが到着した。本作は『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『コースト・オブ・ユートピア』『アルカディア』など、日本でもこれまで多くの作品が上演されている英国の劇作家トム・ストッパードの最新作。ストッパードが「最後の作品になるかもしれない」としたことから上演前より大きな話題を呼び、2020年1月にロンドンで世界初演を迎えると瞬く間に絶賛された。『レオポルトシュタット』で描かれているのは、あるユダヤ人一族の物語。戦争、革命、貧困、ナチスの支配、そしてホロコーストに直面した20世紀前半の激動のオーストリアに生きた一族の一大叙事詩は、50代で初めて自らのユダヤ人としてのルーツを知ったというストッパードの自伝的要素も含まれているといわれている。日本初演となる今回は、浜中文一、音月桂、村川絵梨、土屋佑壱、岡本玲、浅野令子、木村了、那須佐代子らおよそ30名のキャストが出演。翻訳は『コースト・オブ・ユートピア』を手がけた広田敦郎、演出は『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『かもめ』『ほんとうのハウンド警部』など、これまで数々のストッパード作品に演出者・翻訳者として携わってきた演劇芸術監督の小川絵梨子が担当した。■演出:小川絵梨子 コメント無事、開幕を迎えることができたことを大変に嬉しく思っております。この作品は、20世紀の幕開けから第二次世界大戦後までを舞台にしています。しかし、決して過去や歴史だけでなく、「今」についての物語だと思っております。「今」は常に過去や歴史と地続きであり、私たちの人生も歴史の一部として存在しています。現代でも繰り返し起き続ける凄惨で不合理な出来事も、遠くにあるものではなく、私たちの一部と言えるのだと思います。本作を楽しんでいただけましたら幸いです。■主演:浜中文一 コメント差別や迫害、戦争、貧困の時代といった重いテーマもありますが、あくまで家族の物語です。家族とジョークを言い合うなど楽しい時間もあります。家族のつながりや次の世代へのバトンタッチなど、お客様がいろんな視点から何かを感じ取っていただける作品になっていると思います。ぜひ観に来ていただけると嬉しいです。『レオポルトシュタット』稽古場&演出小川絵梨子コメント映像<公演情報>演劇『レオポルトシュタット』2022年10月14日(金)~31日(月)会場:新国立劇場 中劇場作:トム・ストッパード翻訳:広田敦郎演出:小川絵梨子芸術監督:小川絵梨子【キャスト】浜中文一 / 音月 桂 / 村川絵梨 / 土屋佑壱 / 岡本 玲 / 浅野令子 / 木村 了 / 那須佐代子泉関奈津子 / 内田健介 / 太田緑ロランス / 椎名一浩 / 椙山さと美 / 鈴木勝大 / 鈴木将一朗 / 瀬戸カトリーヌ / 田中 亨 / 野口卓磨 / 松本 亮 / 万里紗 / 八頭司悠友伊奈聖嵐 / 久住星空 / 高橋菜々音 / 塚越一花 / 寺戸花 / 根本葵空 / 前田武蔵 / 三田一颯【チケット料金】S席:8,800円A席:6,600円B席:3,300円チケットはこちら:チケットに関するお問い合わせ新国立劇場ボックスオフィス:03-5352-9999(10:00~18:00)公演詳細:
2022年10月15日ベルリン国立ベルクグリューン美術館が所蔵する20世紀美術の名品が紹介される展覧会『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』が、国立西洋美術館で10月8日(土)に開幕した。ドイツからやってきた97点の作品のうち、76点が日本初公開となる注目の展覧会だ。ドイツ生まれの美術商、ハインツ・ベルクグリューン(1914〜2007)は、パリで画廊を経営する傍ら、自分の気にいった作品を集め、世界有数の個人コレクションを作り上げていた。彼のコレクションを収蔵・展示しているのがベルリン国立ベルクグリューン美術館だ。同展はベルクグリューンが重点的に収集していたピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティを中心に、国立美術館所蔵の作品や資料も合わせて展示するものだ。見どころは、なんといっても第一級のピカソコレクションが鑑賞できる点だ。ベルクグリューンは画家本人とも交流を深め、コレクションを拡大させてきた。同展出品作も約半数がピカソの作品で、日本初公開の作品は35点に及ぶ。また、展覧会を構成する全7章のうち、3つの章がピカソを紹介する内容となっている。ベルググリューン画廊展覧会カタログ国立西洋美術館研究資料センター蔵1章「セザンヌ──近代芸術家たちの師」では、ポール・セザンヌに着目する。ベルクグリューンは、1990年代までセザンヌをはじめとするポスト印象派の画家たちの作品をコレクションしていた。晩年、コレクションの対象を20世紀美術に特化するために売却されたものの、20世紀美術の祖となるセザンヌの数点の作品は最後まで留められていたという。《セザンヌ夫人の肖像》もベルクグリューンが手放さなかった作品の一つ。実は、この作品をジャコメッティはかつて模写していた。同展では2つの作品を並べることで、画家同士の個性に着目することができる。セザンヌ夫人の顔立ちは若干面長になっているところにジャコメッティの特長が現れている。左:ポール・セザンヌ《セザンヌ夫人の肖像》1885〜86年頃油彩・キャンヴァスベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵、ベルクグリューン家より寄託右 アルベルト・ジャコメッティ《左:セザンヌの模写―セザンヌ夫人の肖像、右:レンブラントの模写ー窓辺で描く自画像》1956年国立西洋美術館蔵(皆川清彦氏より寄贈)続く2章から4章まではピカソにスポットを当てた章となる。2章「ピカソとブラック──新しい造形言語の創造」では、青の時代に描いた親友の肖像画《ジャウメ・サバルテスの肖像》や、バラ色の時代に好んで描いたアルルカンを描いた《座るアルルカン》など、ピカソのその当時の特徴がよくわかる作品を揃え、キュビスムに向かうピカソを追っていく。2章「ピカソとブラック──新しい造形言語の創造」展示風景続く3章「両大戦間のピカソ― 古典主義とその破壊」では、第一次世界大戦末期から1920年代初頭にかけて古典主義に回帰していったピカソが、シュルレアリストたちの刺激を受け、画風をさらに変化していく過程について、素描を中心にたどっていく。3章「両大戦間のピカソ― 古典主義とその破壊」展示風景4章「両大戦間のピカソ──女性のイメージ」では、1936年に描かれた《緑色のマニキュアをつけたドラ・マール》、1939年に作られた《黄色のセーター》、1942年制作の《大きな横たわる裸婦》と、2つの世界大戦の間で激しく変遷を重ねたピカソの女性像について着目していく。4章「両大戦間のピカソ──女性のイメージ」展示風景5章、6章ではクレーとマティスを紹介展覧会の後半は、クレーやマティスの作品を紹介していく。5章「クレーの宇宙」では、ベルクグリューン美術館が所蔵する約70点のパウル・クレーの作品のうち34点を展示する。作品ごとにタッチやモチーフを大きく変えるクレーの作品は、ピカソからも大きく影響を受けているという。5章「クレーの宇宙」展示風景左:パウル・クレー《植物と窓のある静物》1927年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵、ベルクグリューン家より寄託右:パウル・クレー《ネクロポリス》1929年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵左:パウル・クレー《暗い扉のある部屋の透視図法》1921年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵右:パウル・クレー《夢の都市》1921年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵ベルクグリューンはマティスの蒐集も非常に重要視した。6章「マティス──安息と活力」では躍動感や生命力に満ち溢れたマティスの作品を見ていく。デッサンや油絵、晩年の切り絵など、その展示作品はバラエティ豊かだ。6章「マティス──安息と活力」展示風景左:アンリ・マティス《レースの襟の絵馬》1915年国立西洋美術館蔵右:アンリ・マティス《家に住まう沈黙》1947年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵左:アンリ・マティス《雑誌『ヴェルヴ』第4巻13号の表紙図案》1943年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵、ベルクグリューン家より寄託中央:アンリ・マティス《植物的要素》1947年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵右:アンリ・マティス《ドラゴン》1943-44年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵、ベルクグリューン家より寄託最終章となる7章「空間の中の人物像―第二次大戦後のピカソ、マティス、ジャコメッティ」では、第二次世界大戦後に評価を確立したピカソとマティス、そしてこの時代に円熟期を迎えることとなったジャコメッティの作品で空間を構成する。ベルクグリューンが直接交流を持った3人の作品が一堂に会する空間を体験することで、彼の追求した美がどのようなものかを感じ取れるはずだ。7章「空間の中の人物像 ― 第二次大戦後のピカソ、マティス、ジャコメッティ」展示風景より左:アンリ・マティス《ロンドン、テートギャラリ−の展覧会(1953年)のためのポスター図案》1952年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵 右:アンリ・マティス《縄跳びをする青い裸婦》1952年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵ベルクグリューンの審美眼で選びぬかれた良作ばかりが並ぶ同展は、日本初公開の作品も多く、新しい発見と感動に満ちている。芸術の秋にぜひ訪れてみよう。取材・文:浦島茂世【開催情報】『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』2022年10月8日(土)~2023年1月22日(日)、国立西洋美術館にて開催()
2022年10月12日ガラスメーカー「ハリオ(HARIO)」の直営カフェ「ハリオ カフェ 軽井沢安東美術館店」が、軽井沢の美術館「軽井沢安東美術館」内に、2022年10月8日(土)にオープン。ハリオ ランプワークファクトリー(HARIO Lampwork Factory)のサテライトショップとして、アクセサリーなども販売する。「ハリオ カフェ」軽井沢安東美術館内にオープン1921年の創業より多くのコーヒー器具を作ってきたガラスメーカー「ハリオ」の直営カフェが新オープン。画家・藤田嗣治の作品だけを常設展示する日本初の美術館「軽井沢安東美術館」の中に併設される。カフェでは、「ハリオ」の器具で淹れたスペシャリティコーヒーや紅茶を味わえる他、コーヒー・ティー器具を直に手に取って購入することも可能。「ハリオ カフェ」オリジナルアイテムも店頭に並ぶ。限定ガラスアクセサリーも販売また、「ハリオ カフェ 軽井沢安東美術館店」はハリオ ランプワークファクトリー(HARIO Lampwork Factory)のサテライトショップとして、ガラスアクセサリーも販売。職人の手仕事で仕上げた、表情豊かなガラスアクセサリーが揃う。乳白色のブラック、ホワイトカラーが上品なフープピアスやイヤリング、澄んだフラワーモチーフのネックレス、ピアス、メガネを象ったユニークなデザインのブローチなど、限定アクセサリーが展開される。【詳細】ハリオ カフェ 軽井沢安東美術館店※ハリオ ランプワークファクトリー サテライトショップオープン日:2022年10月8日(土)場所:軽井沢安東美術館 館内住所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東43-10TEL:0267-46-8066営業時間:4月~10月 10:00~17:00/11月~3月 10:00~16:00休日:年末年始※オープン記念として、会計が税込2,200円以上の人にオリジナルグラスをプレゼント。■限定アクセサリー・フジタのフープピアス 乳白色ブラック(ピアス/イヤリング) 各10,780円・フジタのフープピアス 乳白色ホワイト(ピアス/イヤリング) 各10,780円・ネックレス 平和の聖母礼拝堂 フラワー 6,270円・ピアス 平和の聖母礼拝堂 フラワー 8,360円・イヤリング 平和の聖母礼拝堂 フラワー 8,360円・ブローチ フジタのメガネ ゴールド 4,950円・ブローチ フジタのメガネ ロジウムカラー 4,950円
2022年10月10日企画展「鹿児島市立美術館 名品展」が、長野の松本市美術館にて、2022年10月8日(土)から11月27日(日)まで開催される。鹿児島市立美術館所蔵の名品を一挙紹介「鹿児島ゆかりの画家たちの作品」、「19世紀末から現代につながる西洋美術」、そして「郷土の風土に取材した作品(桜島コレクション)」などの収集方針のもと、約4,350点の作品を所蔵している鹿児島市立美術館。企画展「鹿児島市立美術館名品展」では、鹿児島市立美術館が所蔵する日本や西洋の近代美術の名品を紹介する。日本の近代美術では、黒田清輝や藤島武二、和田英作をはじめ、東郷青児、海老原喜之助などの洋画家の作品を展示。また、夏目漱石『吾輩ハ猫デアル』(初版本)の装幀を手がけた橋口五葉の多方面にわたる画業も紹介する。一方、西洋美術では、黒田清輝などの洋画家がパリで師事した画家ラファエル・コランに始まり、モネ、セザンヌ、ピカソ、マチス、そしてダリなどの作品を通して、印象派の時代から現代に至る流れを通覧する。展覧会概要企画展「鹿児島市立美術館 名品展」会期:2022年10月8日(土)〜11月27日(日)会場:松本市美術館 企画展示室住所:長野県松本市中央4-2-22開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)観覧料:大人 1,200円、高校生・大学生・70歳以上の松本市民 800円、中学生以下 無料※障がい者手帳の携帯者およびその介助者1名無料※20名以上の団体は各200円引き※高校生、大学生・70歳以上の松本市民は、観覧当日、証明書(学生証、免許証など)の呈示が必要※画像の無断転載を禁ずる。【問い合わせ先】松本市美術館TEL:0263-39-7400
2022年10月09日10月2日(日)、新国立劇場のオペラ2022/23シーズンがヘンデル《ジュリオ・チェーザレ》新制作で幕を開けた。2011年にパリ・オペラ座で初演されたロラン・ペリー演出のプロダクション。古楽界の巨匠リナルド・アレッサンドリーニの指揮。見どころも聴きどころも満載だ。チェーザレ(カエサル、シーザー)やクレオパトラら歴史の有名人が登場する物語は、ヘンデルのオペラの中でも人気が高い。ペリーは現代のエジプト博物館の収蔵庫を舞台に、不思議な時空の歪みを作り出した。冒頭いきなり、棚の上の胸像たちが口をパクパクさせて合唱すると、搬入されてきたローマ時代のカエサル像のすぐ横で〝本物〟のチェーザレが歌い始める。紀元前の物語がここで起こっているのだ。映画で言えば『戦国自衛隊』を逆パターン(過去から現代へ)にして『ナイト ミュージアム』とミックスしたような設定。喜劇的な要素も多い台本とあって、演出は遊び心たっぷり。博物館の収蔵品にヘンデルの肖像画が混ざっていたり、クレオパトラと弟トローメオ(プトレマイオス14世)が運動会よろしく騎馬戦で戦ったり。随所でくすりと笑わせる。クレオパトラの腹心ニレーノの〝エジプト・ポーズ〟も、一度ツボにはまるとクセになる。アレッサンドリーニの、切れよく、鮮やかに変化する音楽で、4時間半の長丁場も短く感じる。パリでのこのプロダクション初演は古楽オーケストラによる演奏だったが、今回は東京フィル。モダン・ピッチで弦はノンヴィブラート。チェンバロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、テオルボの通奏低音チームが加わって「バロック感」をぐっと引き寄せる。26曲もあるアリアはすべてダ・カーポ・アリア(他にアリオーソが3曲)。ABAと繰り返す時の自由な装飾や変奏が聴きどころだ。歌手たちはそれを嬉々として巧みに歌い、「なるほど、そう来るか!」と、いろんな引き出しで楽しませる。アレッサンドリーニの存在も頼もしかったに違いない。歌手陣の水準はきわめて高い。カストラートのために書かれた役を女声とカウンターテナーに置き換えた、オリジナルに忠実な声部構成。題名役のマリアンネ・ベアーテ・キーランドは将軍らしい凛々しいメゾソプラノ。妖艶なクレオパトラは「バロック大好き」という森谷真里。クレオパトラの心の変化を巧みに描いていく。終幕の二人の、ヴィブラートをコントロールしてずっとハモリっぱなしの二重唱にも舌を巻いた。金子美香のセストも秀逸。バイロイトでワーグナーを歌い、アレッサンドリーニでヘンデルを歌う。彼女だけでなく、古楽とモダンそれぞれの様式を軽やかに行き来できる歌手たちが揃った。コロナが感染拡大し始めた2020年4月に一度断念した公演。舞台からは念願の上演への熱も伝わってくる気がした。新国立劇場の《ジュリオ・チェーザレ》は、このあと10月5日(水)、8日(土)、10日(月祝)の残り3公演。(宮本明)
2022年10月05日10月8日(土)より、国立新美術館では、『国立新美術館所蔵資料に見る1970年代の美術—— Do it! わたしの日常が美術になる』が開催される。『国立新美術館開館15周年記念李禹煥』の連動企画として開催される同展では、写真家・安齊重男(1939-2020)のアート・ドキュメントをもとに、国立新美術館のアーカイブに所蔵されている美術関連資料を公開し、1970年代日本の現代美術の諸相を読み解いていく。1964年の東京オリンピックや、1970年の日本万国博覧会(大阪万博)を経て、高度経済成長を遂げた60年代後半以降、日本の芸術は、世界の現代アートの動向と呼応して、写真、映像、印刷物、通信、イベント、パフォーマンスなどと多様化していった。そうしたなか、展覧会が終われば解体されるその場限りの作品や、パフォーマンスなど追い、シャッターを切り続けたのが写真家・安齊重男だ。そんなANZAIフォトアーカイブから約100点を公開し、1970年代のパフォーマンスやコレクティヴ(集団制作)の系譜を時系列で展観。写真から伝わる当時のアート・シーンの熱気に圧倒されるに違いない。そのほか、チラシやポスター、冊子などで、自分たちの芸術活動の記録を流通させた関西拠点の美術家集団「THE PLAY」、各個人がそれぞれの場所で記録したデータを青焼きやゼロックスなどでコピーして郵送する一連の行為を不可視的美術館と想定した「精神生理学研究所」など、印刷物など複製できるメディアをたくみに使い、距離を超えて展開した美術家たちの活動や、自宅といった作家個人が日常生活を送る空間を舞台にして同時多発的に行われた展示を指示書や写真によって記録した「点展」なども紹介する。1970年代を代表するアーティストたちの興味深い活動とともに、彼らの制作意識や発表方法の広がりに着目しながら資料を読むことの重要性も感じることができるだろう。国立新美術館 ANZAÏフォトアーカイブ 「リチャード・セラ 《To Encircle Base Plate Hexagram, Right Angles Inverted》設営風景 東京都美術館 」1970年 (c)Estate of Shigeo Anzaï国立新美術館 ANZAÏフォトアーカイブ 「菅木志雄 《状為論(為相)》 常盤公園、東京」1977年(c)Estate of Shigeo Anzaï第6回「精神生理学研究所」原本 1970年島州一《南側》記録写真 「点展」戸塚、神奈川 1973年【開催概要】『国立新美術館所蔵資料に見る1970年代の美術—— Do it! わたしの日常が美術になる』会期:2022年10月8日(土)~11月7日(月)会場:国立新美術館企画展示室2E時間:10:00~18:00、金土は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)休館日:火曜料金:無料公式サイト:
2022年10月05日新国立劇場2022/2023シーズン演劇『夜明けの寄り鯨』が12月1日から18日に東京・新国立劇場 小劇場で上演される。『夜明けの寄り鯨』は、2022/2023シーズン中に日本の劇作家の新作をお届けするシリーズ企画「未来につなぐもの」の第2弾で、劇作家・横山拓也による新作演劇。和歌山県の港町を舞台に、25年前に自分が傷つけたかもしれない男性の面影を追う、ひとりの女性のこころの物語となっている。出演者は、小島聖、池岡亮介、小久保寿人、森川由樹、岡崎さつき、阿岐之将一、楠見薫、荒谷清水の8名。演出は、新国立劇場では「こつこつプロジェクト」第一期として『スペインの戯曲』を手がけた若手演出家・大澤遊が務める。チケットは、10月29日10時より一般発売がスタートする。■作・横山拓也 コメント年に何回か、鯨が岸に打ち上げられるニュースを見て、小さく興奮する自分がいます。大型哺乳類の命の消失に触れてショックを受けると同時に、あの大きな躯体がいつのまにか砂浜に辿り着いたという事象に、ミステリとロマンを感じてしまうのです。鯨の座礁は、海洋汚染などの環境問題や船舶の騒音による影響が原因とも言われますが、最近では「ソナー(音波探知)の錯乱」による例がもっとも多いと報告されています。鯨やイルカは、音波を出してその跳ね返りで自分の位置を把握するという話を耳にしたことがあると思います。その能力が地磁気の等高線と遠浅の直行線とが交差するところで錯乱が起きて座礁する例が多いそうです。説明を聞いてもよくわかりません。この座礁した鯨のことを「寄り鯨」と呼ぶことを知りました。日本ではその昔「鯨一頭で七浦が潤う」といって、浅瀬に上がった寄り鯨を捕らえて、その恩恵をみんなで分け合う地域もあったそうです。今回はじめてご一緒する大澤さんと「どんな作品にしましょうか」とやりとりする中で、座礁鯨のモチーフを提案したところ面白がってくれたので、「迷う」「探す」「地図」などの要素をもって書くことにしました。楽しみしかなくて気持ちが逸りますが、筆が座礁しないように、慎重に執筆に取り組みたいと思います。■演出:大澤遊 コメント既成の台本をもとに創作することの多かった僕が、新作の演出のチャンスをいただけた、まず素直に嬉しいです。さらに様々な劇場でお名前をよく目にする横山拓也さんの新作。楽しみで仕方ありません。横山さんとざっくばらんにお話ししている中から、いくつかのイメージが生まれて来ました。それがこの創作の始まりです。いま横山さんがセリフを紡いでくれているところです。以前、恩師である宮田慶子さんに作家が机に向かっている姿を後ろから見たときに、声を掛けられなかったと伺ったことがあります。作家がセリフを紡ぐ作業、物語と向き合う作業は、大袈裟にいうと命を削る作業なのかもしれません。いま僕にできることは作家さんと並走すること。ただ見守ることしかできないかもしれませんが。横山作品の魅力のひとつは、どの登場人物もしっかりと生きている、もしくは生きていたこと。書き上がった物語を、一緒に向き合う仲間たちと丁寧に立ち上げていきたいと思います。地図を頼りに「生きている」ということを大事にして。余談ですが、保育園で僕のものだとわかるように貼られていたシールが鯨だったことをふと思い出しました。小さい頃から鯨と縁があるようです。<公演情報>新国立劇場2022/2023シーズン演劇『夜明けの寄り鯨』12月1日(木)~18日(日) 東京・新国立劇場 小劇場作:横山拓也演出:大澤遊【キャスト】小島聖池岡亮介小久保寿人森川由樹岡崎さつき阿岐之将一楠見薫荒谷清水チケット料金:A席7,700円B席3,300円一般発売日:10月29日(土) 10:00~購入リンク:【チケットに関するお問い合わせ】新国立劇場ボックスオフィス:03-5352-9999(10:00~18:00)詳細はこちら:
2022年09月23日2022/2023シーズンの演劇は、フランス・パリの国立オデオン劇場からの招聘公演、テネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』で開幕!本来は2020/2021シーズン開幕作品として上演を予定していたが、コロナ禍で本国フランスにおいても2020年3月のワールドプレミア公演が5日目にして無念の閉幕。2021/2022シーズンで再び新国立劇場での公演を予定するもののカンパニーの入国が叶わず。二度の公演中止を経て、いよいよこの秋、来日公演が実現する。今世界で最も注目を集める演出家のひとりイヴォ・ヴァン・ホーヴェが、フランスを代表する女優イザベル・ユペールをはじめとする俳優4人と、どのような舞台をつくりあげるのだろう。待ちに待った上演を前に、母アマンダを演じるイザベル・ユペールに話をうかがった。得難い体験となったイヴォ・ヴァン・ホーヴェとの創作――〝追憶の劇〞と言われる『ガラスの動物園』ですが、この戯曲にどのような魅力を感じて出演を引き受けられたのですか?ユペール(以下H)いくつかの要素が重なった結果です。作品はご存じの通りテネシー・ウィリアムズの名作です。この偉大な作家の作品では、私は過去に『欲望という名の電車』を演じたことがあり、この時の演出はクシシュトフ・ワリコフスキ氏でした。今回の演出はイヴォ・ヴァン・ホーヴェ氏であること、これが大きな魅力であることに違いありません。つまり作品と演出家という二つの要素に心惹かれ、さらにアマンダという素晴らしい役なので出演を決めました。この完璧な組み合わせ以上の好条件はないでしょう。――今回の創作に際し、アマンダという女性像についてどのように分析・理解されたのでしょう。演じるために手掛かりにされたことがあれば教えてください。H正直に言うと、私の中のアマンダ像は、1950年代の映画に出てくるような、今の視点だとやや「流行遅れ」な人物でした。でも改めて台本を読んで思ったのです。イヴォ・ヴァン・ホーヴェ氏が演出するならば、このような類の台本と役からどのように「同時代性」が見えてくるのだろうと。着目すべき点はそこだと感じたのです。つまり、ある年代が特定されてしまうような、型通りの古めかしい見せ方にこだわらなくてもよいのではないかと。ですので、全く自由な気持ちで演じました。アマンダは、子どもたちを愛し、彼らの幸せを強く願うあまり度を越した態度に陥ってしまう、ひとりの母親です。その人物像にブレない視点を持ち、ひたすら掘り下げていくと、舞台をご覧になっている観客の方々と彼女の姿が限りなく近づいていく……そんなことが可能になるのです。――『ガラスの動物園』は数多くの舞台や映像作品がつくられている戯曲です。その中でユペールさんが心動かされた作品はありますか。Hサム・ゴールド氏が演出した舞台が素晴らしかったです。この演出は、あくまで私の印象ですが、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ氏の演出に近いものがありました。ニューヨークのブロードウェイで見たのですが非常に良いプロダクションで、アマンダ役を演じたサリー・フィールドの演技と解釈も見事で心に残っています。――演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェとのクリエーションはいかがでしたか?H私にとって得難い体験となりました。彼は作品に明確な枠組みを与えてくれますが、俳優たちに対してはごく控えめにしか指示しません。私のことも完全に自由な状態にさせてくれました。俳優を信頼している証だと感じ、非常に嬉しかったです。彼との稽古はとてもスピーディーに進みました。一日のスケジュールの中で、稽古にやたらと時間を費やすことはしません。しっかりとしたビジョンを持っている人なので、そのようにできるのです。仲間たちにもそれは伝わり、彼のビジョンに対し信頼が生まれました。ヤン・ヴェーゼイヴェルトの舞台装置(美術・照明)も然り。巣穴のような舞台なのですが、私は彼のこの装置が大好きです。全体が毛皮で仕立ててあって、そこに上がるととても気持ちが良いのです。それと、とても面白いのはその色彩。装置がすべて赤褐色のトーンで彩られています。私と、ローラ役のジュスティーヌ・バシュレは、やはり同じ赤茶系の衣裳で、トム役のアントワーヌ・レナールも同様、赤みがかった茶色を纏うのです。装置も同じ色で、一瞬、巣穴のような背景の前に動物が何匹かいるみたいに見えます。外部から隠れてしまって、そのために何やら不安を煽るような眺めになってくるのです。作品の意図そのものですね。狭い空間に閉じ込められ、そこから出られない人々。外界から遮断されてしまい、そのためにさらに不安に苛まれ、神経が張りつめていく。ひとつひとつの行動が心のうねりを引き起こし、すべての密度が倍加していく。そう、この舞台美術が私たちに多大なインスピレーションを与えてくれています。素晴らしい俳優たちとの共演見事な調和の四重奏――共演のジュスティーヌ・バシュレ、シリル・ゲイユ、アントワーヌ・レナールと演技を交わして感じた、それぞれの魅力を教えてください。H本当に見事に調和のとれた四重奏となりました。なんと素晴らしい三人の俳優たちでしょう。ローラ役のジュスティーヌ・バシュレ、トム役のアントワーヌ・レナール、そしてジム役のシリル・ゲイユ。ジュスティーヌは優美そのもの、そして儚げで、見る者の心を強烈に揺さぶります。アントワーヌは、演じる人物の暴力性とフラストレーションの表現に長けています。シリルは、解放的で朗らかな人だと完璧に印象づけたかと思うと、一瞬ののちに場をかき乱す存在となり、物語冒頭でアマンダとローラが彼に期待していたものとはまったく逆のものをついには見せつけることとなります。――以前「私にとって唯一のスポーツは舞台に立つこと」と発言されていましたが、現在のユペールさんにとって演劇は、ご自身の仕事の中でどのような位置にありますか。Hああ、そんなことを言いましたっけ。そうなのです、演じる役柄によっては動作を非常に抑制されることもあるとはいえ、確かなのは、俳優というものは、肉体全体を使って勝負しているということ。そして劇場とは、それが起こる唯一の場なのです(反対に、映画の場合、撮影が完了した段階では、演技者の身体表現は多くのカットに分断されています)。体を使いこなすことはエキサイティングで、私は舞台上では自分に制限をかけたりしません。動作や姿がどんなものでも、表現を縛りつけたりしないよう、むしろ逆に、感情や表情、空想、あるいは狂気、それらの表現を解放してくれるように使うのです。観客にそれらすべてを伝えてくれるもの、それが肉体なのです。――今作で来日されるにあたり、楽しみにしていることはありますか。H日本に行くのだと思うと、いつも大きな幸せを感じます。日本が嫌いと言う人を、本当に一人も知りませんよ。日本という国が表しているのは、幻のような詩情、西欧世界とはしばしば異なる世界で、それを発見するのは大きな喜びなのです。今回の訪日は私にとって二度目で、ひと夏の間、長い滞在となります。まず京都と直島でフランス映画の撮影を行い、そして九月には東京です。新国立劇場で演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェと『ガラスの動物園』の舞台をつくることを、心から楽しみにしています。構成:尾上そら(演劇ライター)写真提供:国立オデオン劇場(C)Jan Versweyveld(新国立劇場・情報誌 ジ・アトレ 8月号掲載)<公演情報>演劇『ガラスの動物園』9月28日(水) ~10月2日(日) 新国立劇場 中劇場※フランス語上演 / 日本語及び英語バリアフリー字幕付作:テネシー・ウィリアムズ演出:イヴォ・ヴァン・ホーヴェ芸術監督:小川絵梨子【出演】イザベル・ユペールジュスティーヌ・バシュレシリル・ゲイユアントワーヌ・レナール【チケット情報】S席11,000円(税込)A席7,700円(税込)B席4,400円(税込)チケット購入リンク:【チケットに関するお問い合わせ】新国立劇場ボックスオフィスTEL:03-5352-9999(10:00~18:00)公演詳細はこちら:プロフィールIsabelle Huppertパリ出身。ベルトラン・ブリエ監督の『バルスーズ』で映画界デビュー。クロード・シャブリ監督作品『Violette Noziere』でカンヌ国際映画祭の演技賞、『主婦マリーがしたことで』でヴェネツィア国際映画祭賞、『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』でヴェネツィア国際映画祭の演技賞、およびセザール賞最優秀女優賞を受賞。ヴェネツィア国際映画祭では、パトリス・シェロー監督作品『ガブリエル』における演技とそのキャリア全体に対して審査員特別賞(獅子賞)を授与された。ポール・バーホーベン監督作品『エル』での演技に対してはゴッサム賞、ゴールデングローブ賞を受賞、またアカデミー賞最優秀女優賞にノミネートされた。フランスでは、その演技に対してセザール賞最優秀女優賞を獲得している。カンヌ国際映画祭では審査員と司会、第62回目では審査員長を歴任している。映画と並行してフランス国内外で数々の演劇作品へ出演しており、2017年にはそのキャリアに対してモリエール名誉賞を受賞した。その他、レジオンドヌール勲章、国家功労勲章、芸術文化勲章を受賞している。
2022年09月08日新国立劇場で11月2日(水) より上演する2022 / 2023シーズン演劇『私の一ヶ月』より、作・須貝 英と演出・稲葉賀恵のコメントが到着した。本作は、日本の劇作家の新作をお届けするシリーズ企画【未来につなぐもの】の第一弾。新国立劇場では、「劇作家の劇場」と呼ばれる英国ロンドンのロイヤルコート劇場が世界各国にアソシエイトディレクター、文芸マネージャー、 劇作家を派遣し開催しているワークショップを2019年5月より日本で初めて実施。全4フェーズ、あしかけ2年にわたり14名の若い劇作家たちが参加した。それぞれのフェーズごとにワークショップ、ディスカッション、推敲を重ね、最終フェーズでは演出家、俳優も参加。リーディングを通して成長を重ねてきた作品群より、須貝 英による『私の一ヶ月』を上演する。演出には、同年代注目の若手演出家で、新国立劇場では2018年に『誤解』を演出した文学座の稲葉賀恵を迎える。■作・須貝 英 コメント今までいただいた機会や幸運が繋がりに繋がって、ここへ連れて来てもらったような気がします。心からありがたく思います。この脚本は僕一人で書いたものではありません。「ロイヤルコート劇場×新国立劇場 劇作家ワークショップ」という素晴らしい企画の中で育まれた作品です。日英両国の劇場チームと日本の若手劇作家たち、彼らと共に時間を掛けて議論を交わし、改稿を重ね、コロナ禍で延期しながらも、二年近い時間を掛けて全員で最後までやりきった思い入れの深い企画です。この経験だけでも財産ですが、さらにこの作品を選んでいただけて、しかも兼ねてよりご一緒したかった稲葉さんが演出をしてくださる。この上ない幸せです。この作品では、あらゆることが加速度的に進んでいく現代で、そこから弾き飛ばされた人々を描こうと思いました。貧しく寒い地方都市の、ある家庭とコンビニエンスストア。都内の大学図書館の閉架書庫。その三つの場所を主軸に物語は進みます。お客様と一緒に作品を通して、見過ごされてしまいそうになるささやかなものに目を向けること、未来に何を残していくべきかを考えることができたら、この物語が生まれ落ちた意味もあるのではないかと考えています。どうぞご期待ください!■演出・稲葉賀恵 コメントこの度はこのような素晴らしい企画に呼んで頂き、本当に感謝いたします。新国立劇場がロイヤルコート劇場と組んで劇作のワークショップを行うとお聞きした時、期待と興奮に包まれたことを覚えています。ロイヤルコート劇場が数々の劇作家を輩出し、イギリス演劇界での新人作家の登竜門的劇場であることは勿論知っていました。そして何より劇作家が時間をかけて自分の作品を創作出来る場を、国立の劇場が企画したということに感銘を受け、ここで生み出された作品を一読者として早く読んでみたいと思っていました。まさか、その作品を自分自身が演出させて頂く機会が来るとは、人生は何が起こるか分からないものです。しかもそれが数年前に豊橋の劇場で知り合い、同年代として刺激を受けた須貝さんの作品だとお聞きした時は喜びとともに感慨深いものがありました。これまでの色々なご縁が繋がって今創作の場に立たせて頂いていることを改めて実感したのです。この作品は一つの家族、とりわけ一人の母と娘を中心に物語が繰り広げられます。彼らの過去の傷を鋭く抉りながらも抱きしめる言葉の数々、そこに市井の人々を愛おしみ、彼らが未来に一歩進めるよう背中を押す須貝さんの厳しくも優しい眼差しがあります。私はこの眼差しを良い意味で疑ったり信じたりしながら、私たちの世代がこの世界をどう捉え、どう未来に受け渡していけるのか、この作品を通して考え抜きたいと思います。今回はなにより作家が隣にいて伴走してくださる、こんなに力強く幸せなことはありません。初日まで試行と挑戦を繰り返し、高みを目指していきたいです。どうぞご期待ください。<公演情報>演劇『私の一ヶ月』2022年11月2日(水)~20日(日) 新国立劇場 小劇場作:須貝 英演出:稲葉賀恵芸術監督:小川絵梨子【キャスト】村岡希美 / 藤野涼子 / 久保酎吉 / つかもと景子 / 大石将弘 / 岡田義徳【あらすじ】3つの空間。2005年11月、とある地方の家の和室で日記を書いている泉。2005年9月、両親の経営する地方のコンビニで毎日買い物をする拓馬。そして2021年9月、都内の大学図書館の閉架書庫でアルバイトを始めた明結(あゆ)は、職員の佐東と出会う。やがて、3つの時空に存在する人たちの関係が明らかになっていく。皆それぞれが拓馬の選んだつらい選択に贖いを抱えていた......。『私の一ヶ月』あらすじ紹介【チケット料金】A席:7,700円B席:3,300円一般発売日:2022年9月17日(土) 10:00~新国立劇場ボックスオフィス:03-5352-9999(10:00~18:00)新国立劇場Webボックスオフィス:公演詳細:
2022年09月05日「もの派」を代表する作家として活躍し、国内外で注目を集める作家、李禹煥(リ・ウファン)。彼の東京では初めて、国内でも17年ぶりとなる大規模回顧展『国立新美術館開館15周年記念 李禹煥』が、11月7日(月)まで国立新美術館で開催されている。李禹煥は、韓国の慶尚南道生まれ。ソウル大学校美術大学に入学後、1956年に来日、日本大学文学部で哲学を学んだ後、60年代後半より本格的に制作活動を開始する。2010年代以降はニューヨークのグッゲンハイム美術館や、フランスのヴェルサイユ宮殿、ポンピドゥー・センタなどで個展も開催し、国際的にその動きが注目されている作家だ。同展は、李禹煥本人が自ら展示構成を考案。彼の仕事やその歩みが網羅的に紹介されている。壁面左:《第四の構成B》1968/2022年 作家蔵、中央手前:《関係項》1968/2019年 森美術館蔵 壁面右:《第四の構成A》1968年作家蔵展覧会は、彫刻作品と絵画作品の2セクションにおおまかに分かれ、それぞれが時系列的に展示される。1968年頃から制作されている「関係項」は、石や鉄、ガラスを組み合わせた立体作品のシリーズ。これらの作品にはほとんど手が加えられておらず、ものと空間の関係、ものともの同士の関係、ものとイメージの関係に着目したものだ。5枚の鉄板で構成された《関係項(於いてある場所)Ⅰ 改題 関係項》は、それぞれの置かれた状況により、その形状が異なっている。床にそのまま置かれたもの、立てかけられ、たわみが生じたもの、それぞれの状況から鉄がもつ硬質さ、剛性などを感じ取れる。《現象と知覚B 改題 関係項》は、ひびの入ったガラスの上に岩があることで、それぞれの素材の強さやもろさ、不透明なもの、透明なものなど素材の特性を対比的に提示している。奥:《関係項(於いてある場所)Ⅰ 改題 関係項》1970/2022年 作家蔵手前:《関係項(於いてある場所II)改題 関係項》(部分) 1970/2022年作家蔵手前:《現象と知覚B 改題 関係項》1968/2022年作家蔵年代が進むにつれ、李の作品は、サイトスペシフィック(建物や地理的状況など、作品が置かれる場所の特性や環境を考慮に入れること)的な傾向を強めている。《関係項―棲処(B)》は、2017年にル・コルビュジェの設計したフランスの修道院、ラ・トゥーレット修道院で発表されたもの。《関係項―鏡の道》は、もともとは同じくフランスのアルル、アリスカン墓地で発表された屋外作品だ。鑑賞者は中央の鏡張りの道を歩き、足元の変わりゆく風景を眺めながら移動する。《関係項―棲処(B)》2017/2022年 作家蔵《関係項―鏡の道》2021/2022年 作家蔵野外展示場に展示された新作《関係項―アーチ》は2014年にヴェルサイユ宮殿で公開された作品を原型としたもの。アーチをくぐりぬけると、それまで見えていた日常の空間が新鮮な非日常への空間へと変わるという、鑑賞者の見えるものの変化を狙った作品だ。《関係項—アーチ》2014/2022年 作家蔵70年代からの取り組んだ絵画作品の変遷絵画作品の展示も、李の意識の変化と時間の流れをつぶさに感じ取れる構成となっている。ヨーロッパ、アメリカへの旅行を経て1970年代から絵画作品に取り組み始めた李は、たっぷりと絵の具をのせた筆を規則的にキャンバスに載せていく「点より」、「線より」のシリーズで、作品のなかに時間を表現することを試みた。左:《点より》1973年 いわき市立美術館蔵 中央:《点より》1977年 東京国立近代美術館蔵右:《点より》1975年 国立国際美術館蔵左:《線より》1977年東京国立近代美術館蔵右:《線より》1973年 東京都現代美術館蔵そして、李の絵画作品は彫刻作品と同様に、時代を経て大きく幅を広げていく。80年代からスタートした「風より」シリーズなどでは李の筆致は荒々しくなり、対して2000年代からの「照応」のシリーズなどでは、ストロークはわずかにとどまり大きな余白を見せる作品となる。左 :《風より》1985年 豊田市美術館蔵右:《風より》1983年 神奈川県立近代美術館蔵左:《照応》1992年 神奈川県立近代美術館蔵右:《照応》1992年 神奈川県立近代美術館蔵展覧会の最後に展示されているのは、展示室の壁に直接描かれた「対話」シリーズの新作《対話─ウォールペインティング》だ。繊細なグラデーションや、近づいて見ないとわからない筆のタッチなどを、実際に見て楽しんでみよう。《対話─ウォールペインティング》2022年作家蔵ちなみに、国立新美術館のエントランス近くにも李禹煥の作品が展示されている。《関係項─エスカルゴ》は作品の中心部分まで足を踏み入れることができる作品。中がどのようになっているか、こちらも実際に訪れて実感してみよう。《関係項─エスカルゴ》2022年作家蔵1960年代より、50年以上にわたり「もの派」を牽引し、ものともの、ものと人との関係を問い続けてきた李禹煥。その代表的な作品を網羅した貴重な展覧会をぜひとも体験してほしい。取材・文:浦島茂世【開催情報】『国立新美術館開館15周年記念 李禹煥』2022年8月10日(水)~11月7日(月)、国立新美術館にて開催
2022年08月18日英国の劇作家トム・ストッパードの最新作『レオポルトシュタット』が、10月14日から31日にかけて東京・新国立劇場 中劇場で上演されることが決定した。本作は『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『コースト・オブ・ユートピア』『アルカディア』など、日本でもこれまで多くの作品が上演されているストッパードが「最後の作品になるかもしれない」としたことから上演前より大きな話題を呼び、2020年1月にロンドンで世界初演を迎えると瞬く間に絶賛された。ブロードウェイをはじめ英国国外での上演もすでに決定している本作で描かれているのは、あるユダヤ人一族の物語。戦争、革命、貧困、ナチスの支配、そしてホロコーストに直面した20世紀前半の激動のオーストリアに生きた一族の一大叙事詩は、50代で初めて自らのユダヤ人としてのルーツを知ったというストッパードの自伝的要素も含まれているといわれている。日本初演となる今回は、浜中文一、音月桂、村川絵梨、土屋佑壱、岡本玲、浅野令子、木村了、那須佐代子らおよそ30名のキャストが出演する。翻訳は『コースト・オブ・ユートピア』を手がけた広田敦郎、演出は『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『かもめ』『ほんとうのハウンド警部』など、これまで数々のストッパード作品に演出者・翻訳者として携わってきた演劇芸術監督の小川絵梨子が担当する。■広田敦郎 コメントトム・ストッパードといえば、難解で深遠なテーマを好んで扱うインテレクチュアルな文学者と考える向きもあります。しかし、それ以上に彼は、圧倒的な物語の力で強烈な感情を呼び起こすことに長けた、職人的劇作家です。事実、『レオポルトシュタット』の背景となるオーストリアやユダヤ民族の歴史、文化について、わたし自身、さほどなじみがないにもかかわらず、翻訳、改稿しながら、何度も大笑いし、そして何度も心を打ちのめされています。1899年から1955年のウィーンを舞台に、社会の抑圧や人類史上まれに見る惨劇を懸命に生き延びようとした四世代の家族の物語は、百年後の日本に生きるわたしたちにとっても、切実に感じられるはずです。『レオポルトシュタット』は、作者が自らのルーツについて、はじめて正面から取り上げた戯曲です。旧チェコスロバキアでユダヤ系の一家に生まれたストッパードは、幼少期にナチスの迫害を逃れ、家族とともにシンガポールへ移住、日本軍の侵攻により父を失った後、さらなる避難先のインドで母が英軍将校と再婚して以来、イギリス人として育ちました。そして後年、四人の実祖父母を含む多くの家族がホロコーストで亡くなったことを知らされます。彼は自身の人生をa charmed life(魔法に守られた人生)と表現します。運や偶然のいたずらは、彼の戯曲におなじみのテーマです。ストッパードのウィットと情熱あふれるテキストをもとに、この理不尽な世界において生の奇跡を祝福する劇、虐げられた命の尊厳を回復する劇をつくるべく、アーティストと観客が一体となって集合的な知性とユーモアのセンスを発揮できるよう、助力できれば幸いです。■小川絵梨子 コメントトム・ストッパードの新作である本作は、2020年1月25日にロンドンのウィンダムズ劇場で幕を開けました。しかし感染症拡大により公演は一時中断となり、約一年半後、21年8月から上演が再開されることとなりました。現時点ではストッパードの最新作であり、多くの部分でストッパードの自伝的な要素が見られる物語となっています。『レオポルトシュタット』は、20世紀前半のウィーンのユダヤ人社会を舞台に、あまりに惨い歴史の中にあっても世代を紡ぎ続けてきた或るユダヤ人の一族について描かれています。実際にストッパードの祖父母たちはナチスの強制収容所で亡くなられました。迫害が繰り返され、生きる権利も住む場所も奪われ続けてきた一族ですが、しかしその生活の中には決して苦しみだけではなく、日々の喜びや笑いや家族の強い繋がりがありました。歴史的英雄や重要人物ではなくとも時代の中に確かに存在し、厳しい状況下でそれぞれの人生の物語をしっかりと生き続けた人々の姿を、できる限り鮮明に真摯に立ち上げていきたいと考えています。<公演情報>『レオポルトシュタット』10月14日(金)~31日(月) 新国立劇場中劇場作:トム・ストッパード翻訳:広田敦郎演出:小川絵梨子【キャスト】浜中文一、音月 桂、村川絵梨、土屋佑壱、岡本 玲、浅野令子、木村 了、那須佐代子泉関奈津子、内田健介、太田緑ロランス、椎名一浩、椙山さと美、鈴木勝大、鈴木将一朗、瀬戸カトリーヌ、田中 亨、野口卓磨、松本 亮、万里紗、八頭司悠友【チケット料金】S席8,800円A席6,600円B席3,300円一般発売日:9月4日(日) 10:00~【チケットに関するお問い合わせ】新国立劇場ボックスオフィス:03-5352-9999(10:00~18:00)詳細はこちら:
2022年08月03日