朝井リョウさんの新作『発注いただきました!』は作家生活10周年記念のお祭り本。企業等から依頼を受けて書いた小説やエッセイ20編と、書き下ろし短編を収録。受注作は依頼内容実際に書いた作品感想戦の順に掲載。感想戦では工夫した箇所等がユーモアたっぷりに語られる。企業からの依頼にどう応えた?工夫が楽しいタイアップ作品集。「発注の内容をオープンにしていいと言ってくださった企業の方々に感謝しています。感想戦は、ここを頑張りました、褒めてください、と自分から言っていくスタイルです」たとえばゾンビ漫画『アイアムアヒーロー』の映画化記念のアンソロジーに書いた青春短編は、注文されてないのに原作のキャラクターや台詞を登場させ、かなり苦労したのだとか。「でも、私の短編に対しては驚くくらい読者の感想がなくて。もとからの私の読者に届けたら面白がってくれるのではと思い、そのためにこの本の企画が始まったんです」難しかったのはキャラメルの箱に載せた、文字数の少ない掌編。「数百字のなかに登場人物の情報を入れなくちゃいけない。文字数が極限まで削られている俳句のすごさを思い知りながら書きました」一方、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』と『チア男子!!』のコラボ小説では、思わぬ初体験が。「両さんを登場させたら、もう勝手に行動して事件を解決してくれるんですよ。作家がよく言う“登場人物が勝手に動く”というのを初めて体験しました。しかも自分じゃない人が作り出したキャラクターで」思わぬ仕掛けとしては、「基本的には、登場人物の名前にその会社の会長や社長の名前を使っています。社内ウケが欲しくて」と、読者、商品、クライアント全方向にサービス精神を発揮。「タイアップは“やりまっせ!”という意識に変わって、つい“全力下僕”をやっちゃうんですよね」ただし最後の書き下ろし「贋作」は、まったく異なる読み心地。「頭にあったけれど出しどころがなかった話を書きました。自戒を込めて書いています」昔から「怒り」が執筆の原動力と語っていた朝井さんらしい一編だ。「今後は“怒り”がマイルドな名前に変わりそうな気がします。でも“読んで幸せな気持ちになれた~”という小説を書けるようになるまではまだ時間がかかりそうです」あさい・りょう1989年生まれ。2009年に『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。’13年に『何者』で直木賞、翌年『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞受賞。『発注いただきました!』キャラメルが登場する掌編、aikoの楽曲を題材にした小説、“20”にまつわる短編…さまざまな発注にどう応えたのか?タイアップ作品集。集英社1600円※『anan』2020年4月8日号より。写真・土佐麻理子(朝井さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2020年04月02日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優でモデルの石田夢実さんです。「身長は170cm。まだ伸びています。あと5cm欲しい~!」と話す石田さんの魅力に迫りました。新体操仕込みのしなやかな動作で、自然体な表現が魅力!デビューのきっかけは、ご両親に勧められたオーディション。「人見知りを乗り越え、現場の人とお話しするのが楽しくなりました。12年間続けた新体操が、ポージングに活かされているかもしれません」。今後は、女優としても活動したいそう。「もともと蒼井優さんに憧れていて、映画に出たいと思ったんです。これから演技レッスンも始まるのでドキドキ。つくりすぎない自然体な役を演じてみたいです」。こう見えて、実はオタク気質!「萌え系のアニメも好きで、キュンキュンしています(笑)」12年間、新体操を続けてきました!大会にも出場。お風呂上がりに、ストレッチで体をほぐすのが習慣です。アイメイクが薄いぶん赤リップで華やかに!中国のモデル、リッキーちゃんに憧れて、赤リップがマイブームです。外食しておいしかったものをまとめています。一人でラーメンも餃子も行っちゃいます。お気に入りは『原宿餃子樓』。いしだ・ゆめみ2000年、福岡県生まれ。アジアンビューティな顔立ちで、モード誌から美容誌まで幅広く活躍。今後は女優としての活動にもご注目。Instagramは@yumemi_ishida。※『anan』2020年4月8日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2020年04月01日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はモデル、タレントの生見愛瑠さんです。“めるる”の愛称で親しまれ、天然キャラで人気沸騰中!『Popteen』専属モデルとして女子中高生から絶大な支持を集め、バラエティ番組でも活躍。「おしゃべりが大好きだから、トーク番組とか楽しくてしょうがないです。今は休みがもったいないと思うくらいお仕事命。渋谷をジャックするという目標があって、いつか109の看板を飾れるように、多くの人に名前を覚えてもらいたいんです」。4月にはスタイルブックが発売。ファッションセンスにも注目が集まる。「月イチでクローゼットの中身をがらりと変えるのがマイルール。気分が変わって楽しいです!」見つけたらつい買っちゃうモノ。ヘアピンにハマっています。ファンの子が真似してくれると嬉しい!ヘアサロンには週イチペースで!美容院が好きなんです。多い時は前髪カットのため3日に一回行くことも。毎日食べたいくらいハンバーガーLOVE。ちなみにめるる語では、“好き”を“とぅきみバーガー”と言います(笑)。ぬくみ・める2002年生まれ。『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)にシーズンレギュラーとして出演中。初のスタイルブック『はっぴーす』(角川春樹事務所)が4月1日に発売。※『anan』2020年4月1日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2020年03月25日AV女優や作家として活躍している紗倉まなさんが、新作小説『春、死なん』を発売しました。老人、母親、妻、娘…。役割から解放されていく人々を描く純文学。「もともと話し下手なんです。お仕事を始めて書く機会が増えて、文章のほうが推敲して言葉を選べるので好きだな、と思いました」AV女優として人気を博す一方、近年は作家として注目が集まる紗倉まなさん。新作小説『春、死なん』の表題作は70歳の富雄が主人公だ。「私のイベントには年齢が上の方もいらっしゃるので、身近に感じていました。デジタル化が進んでアナログが排除されるなかで、そういう方たちはどう寂しさの補填をするんだろうとも気になっていました」夫婦で田舎に隠居しようとしたが、息子の提案で建てた分離型の2世帯住宅に暮らす富雄。今は妻の喜美代を亡くし、家でアダルト雑誌を眺める日々。親は子供のそばにいるのが嬉しいはず、おじいちゃんには性欲なんてないはず…ありがちなイメージとは違う生身の人間がそこにいる。「おじいちゃんだからこうあるべきとか、母親だからこうすべきといった役割に縛られて可動域が狭まっている人は多いと思うんです」富雄の息子、賢治がリアルだ。孝行息子を演じ、周囲にも役割のイメージを押し付けている印象。ただ、たとえば善良な喜美代が生前、賢治の妻の里香に子作りについて心ない言葉を発し場を凍りつかせたことも。「喜美代に悪気はなく、感覚の世代間ギャップだと思うんです。ただ、懸け橋になるべき賢治が橋を壊すデストロイヤーになっている(苦笑)。この家は一見幸せそうだけど、実は賢治の自己満足が詰まった、寂しい家ですよね」終盤には富雄と里香が思いをぶつける場面があり、そこに一筋の光が。「お互いに役割から解放されて、歩み寄る部分があればいいなと思って書いていきました」併録の「ははばなれ」は、還暦を迎える一人暮らしの母に、恋人がいると知った娘が主人公。「10代からずっと考えてきた女性性について書こうと思いました。母と娘は姉妹のように仲のいい部分もあれば近すぎて反発し合う部分もある。その場合、娘のほうが思うことが多い気がするので、娘視点で書くことに。タイトルは娘が母から自立することと、母親が母親の役割から離れることの二重の意味があります」誠実で切実な描写を堪能したい。紗倉まな『春、死なん』妻を亡くして一人暮らす70歳の富雄は、2世帯住宅に住む息子とも疎遠。ある日、思わぬ再会があって……。表題作と「ははばなれ」を収録。講談社1400円さくら・まな作家、AV女優。1993年生まれ。初小説『最低。』は映画化もされた。他の小説に『凹凸』、エッセイ集に『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』『働くおっぱい』など。※『anan』2020年3月25日号より。写真・土佐麻理子(紗倉さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2020年03月20日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優でモデルのYAEさんです。「ファンの方からいただく手紙が元気の源です」と話すYAEさんの魅力に迫りました。デビューから約10年。目標は国民的ツインズ!「ひとりでのインタビューは初めて。今まで姉に甘えていたなって思います」と笑うYAEさん。前号で登場してくれた双子の姉、MIOさんとは仕事でもプライベートでもずっと一緒。「今ふたり暮らしをしていて、結婚しても一緒に住みたいと思うくらい姉のことが好き。私たちの演技を見てシンクロ具合を褒めていただくことが多いけど、双子だから自然と合うわけではなく…家で猛特訓しています(笑)。デビューしてもう10年。双子といえばMIOYAE、と言ってもらえるようになるまで頑張ります!」舞台で5歳の子供を演じました。悩みながら役作りしたので、「子供にしか見えない」と言われて感動。憧れのドライブにはまだ行けていません…。姉と教習所に通い免許を取りました。でも運転する勇気がないんです(笑)。体のやわらかさには自信があります!ストレッチは毎日必ず。ちょうどいいスペースがあるとついしたくなるヤエ1995年生まれ。伊藤園「お~いお茶 ほうじ茶」、富士通エフサス「TIME CREATOR」“時計うさぎツインズ篇”CMに出演中。最新情報はInstagram(@yae_abp)でチェック。※『anan』2020年3月25日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2020年03月18日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優、モデルのMIOさんです。「姉妹で性格は全然違う!と言われます」と話すMIOさんの魅力に迫りました。双子にしかできない演技でインパクトを与え続けたい。双子の妹、YAEさんと共に小学生の時にデビュー。朝ドラ『半分、青い。』のツインズ役やKINCHO「ゴンゴン」CMの個性的なダンスが印象に残っている人も多いはず。「シンクロすることでインパクトを出せるのは、双子ならではの強み。でも実際は、発言がかぶったりすることは少ないんです(笑)」。最近では生瀬勝久さん演出の舞台に双子の子供役で出演した。「観ている人が楽しそうだと、私も楽しくなれる。お客さんと一緒に作り上げる感覚が忘れられません。またすぐにでも舞台に立ちたい!」プライベートでコスプレに初挑戦!コスプレ好きの友人に触発されて。ラム&レムという双子のキャラです。学びが多かった舞台『グッドバイ』。毎公演変化があるのが面白かった。“舞台はナマモノ”という言葉に納得。『ひぐらしのなく頃に』グッズを集めています舞台版に出演して以来ハマってます。再アニメ化されるのが楽しみ!ミオ1995年生まれ。伊藤園「お~いお茶 ほうじ茶」、富士通エフサス「TIME CREATOR」“時計うさぎツインズ篇”CMに出演中。最新情報はInstagram(@mio_abp)でチェック。※『anan』2020年3月18日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2020年03月17日昨年話題になった、日本の近代図書館の歴史を物語に融合させた『夢見る帝国図書館』など、過去を題材にすることが多かった中島京子さん。新作『キッドの運命』は珍しく、近未来を描く作品集だ。奇妙だけど、どこか羨ましいかも。身近な未来を描くユニークな小説集。「以前、おじいさんがニッポンジンというロボットを作る掌編を書いたことがあって。古き良き日本に幻想を持っている人のイメージですね。その後『小説すばる』の特集で“30年後”というテーマに短編の依頼がきた時にその話を膨らませて書き、そこから近未来の話をいくつか書きました」表題作は旧式ロボットを作る老人と暮らす青年の日常が描かれ、最後に意外な事実が明かされる内容。「SFを書いているつもりはなくて、今の現実がこのまま発展した未来を想像して書いた、という感覚です」と言うように、たとえば人口減でスラム化した高層マンションで老人が失踪する話などは、「最近孤独死という言葉をよく耳にしますが、自分ももしそうなったら、人に迷惑かけない死に方はあるかなと考えて、この話になりました(笑)」どんな死に方なのかはぜひ、作品でお確かめを。また、自然の中で老婦人たちが運動補助機能ロボットを駆使して自給自足の生活を送っている話などは、なんだか羨ましくなる。「近未来小説というとディストピア系が多いですが、これはユートピア小説になりましたね。自分もこんな老後だったら生きていけるだろうな、という方向で書きました(笑)」また、男性が人工子宮で子供を産もうと奮闘する話も微笑ましい展開。「以前、新聞記事にそのうち男性も妊娠するようになるとあって、衝撃を受けたんです。生命倫理の問題は置いといて、男性同士や高齢者同士などいろんなカップルが子供を産めるようになると思ったら、こういう短編を書きたくなりました」他に、人が働く必要性が低下し、「ヒキコモリ」もひとつの生き方として認められるようになった世界の話なども。切なくなる結末もあるが、全体的に、未来の可能性を感じさせる内容になっているのが印象的。「このままだと悲惨な未来になる、とばかり言うのでなく、こうなったら幸せだな、という未来を考えるべきだと思います。未来って、自分たちが考える方向にいくものだから」『キッドの運命』さびれた集落で旧式ロボットを作り続ける老人と一緒に暮らすキッド。ある日、海の向こうから一人の女性がやってきて…。表題作ほか5編。集英社1500円なかじま・きょうこ1964年、東京都生まれ。2003年に『FUTON』で小説家デビュー。’10年に『小さいおうち』で直木賞、’15年に『かたづの!』で柴田錬三郎賞などの三冠を達成するなど、受賞多数。※『anan』2020年3月18日号より。写真・土佐麻理子(中島さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2020年03月16日anan連載の「It GIRL」。その連載登場者は200名以上に上ります。その中から桜井日奈子さんにコメントをいただき、他4人の方の当時のエピソードと近況を報告します!イメージを積極的に崩したい!体を張ったお笑いにも興味アリ。登場時はまだ、仕事のたびに岡山から東京に通っていた高校生。「早く東京に慣れて渋谷や原宿をひとりで歩けるようになりたい」と話していた。「その後ひとりで歩きましたが、混雑ぶりに誰かと来たほうがいい街だな、という結論に(笑)。あの時はお芝居をしたこともなければ取材を受けることにも慣れていなくて、質問ひとつ答えるのにあわあわしていましたね。あれから4年経ち『大人になったね』と言われることも増えたけど、自覚はあまりないです。4年前はまっさらで現場に行くたびに“こういう感じなんだ!”と驚くばかりだったのが、少しは落ち着いたかなというくらい」まだまだ子供、と笑う桜井さんだけど、ananのファッションページ「Antenna Meets…」でハイブランドの服を見事に着こなしてくれたことも。「普段の撮影と違い、ファッション撮影は服を美しく見せなければならないので、ポージングが難しかった。でも仕上がりを見てほっとしました」デビューから、そしてanan初登場から4年。大きく成長した今の目標は?「昨年バラエティ番組やコントライブに出演して、笑いが起きる現場が好きだな、と感じたんです。これからは、たとえば泥にダイブするとか、激辛に挑戦するとか…“こんなこともするんだ”と思われるような面を出していきたい!ふわふわした女の子、というイメージを崩していきたいです」【桜井日奈子さん】No.1998(2016年3月30日発売)に登場。「副賞のディズニーランドチケット欲しさに参加しました」という地元岡山の美少女コンテストがデビューのきっかけ。取材時は“岡山の奇跡”というキャッチフレーズが話題だったが、あっという間に人気は全国区に。さくらい・ひなこ1997年生まれ。映画『ママレード・ボーイ』『殺さない彼と死なない彼女』、ドラマ『ヤヌスの鏡』(FOD/フジテレビ系)など数々の作品で主演を務める。【三吉彩花さん】No.1982(2015年12月2日発売)に登場。大人っぽい表情だけど、この時まだ19歳!「打ち上げがあっても後ろ髪引かれながら帰っているので…。早くお酒を飲める年になりたい」と明かしていた。今年は『犬鳴村』に『Daughters』と主演映画公開が続く。みよし・あやか1996年生まれ。『Seventeen』専属モデルを経て女優として活躍。昨年映画『ダンスウィズミー』で主演。映画『Daughters』は今夏に公開予定。【山本舞香さん】No.1993(2016年2月24日発売)に登場。「いま興味があるのはアクション。私、空手黒帯なんですよ!」と話していた山本さん。昨年公開の映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』でヒロインを演じ、空手仕込みの本格アクションシーンを披露した。やまもと・まいか1997年生まれ。ドラマイズム『死にたい夜にかぎって』(MBS/TBS系)がオンエア中。6月19日全国公開の映画『とんかつDJアゲ太郎』に出演予定。【森川 葵さん】No.2006(2016年6月1日発売)に登場。“カメレオン女優”と言われることをどう思うか尋ねると、「役に入り込むタイプだと言われるけど実は『お疲れさまです』を言った瞬間、素に戻ります」と森川さん。切り替え力の高さを武器に、役の幅は広がるばかり!もりかわ・あおい1995年生まれ。モデルとしてデビュー。最近の出演作に映画『嘘八百 京町ロワイヤル』など。バラエティ『それって!?実際どうなの課』にレギュラー出演中。【清野菜名さん】No.2016(2016年8月10日発売)に登場。『バイオハザード』を観てアクションに開眼。訓練を受け「強くなる感覚がたまらない」と語っていた清野さん。ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』ではますます磨きをかけたアクションで魅了。せいの・なな1994年生まれ。大人気ドラマ『今日から俺は!!』の劇場版が7月17日に公開。また、主演映画『耳をすませば』も9月18日に公開を控えている。※『anan』2020年3月11日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2020年03月06日注目の若手ガールを紹介するananの人気コーナー「It GIRL」。そこに当時登場した馬場ふみかさんにお話を聞き、他4人の方の近況と当時のエピソードをまとめました。この3年半を振り返ると、恵まれた時間を改めて実感。話題作に次々と出演し、ファッション誌でも大活躍。男女問わずファンを増やし続けている馬場さんが、It GIRLに登場してくれたのが3年半前。「本当にあっという間でした。3年半前って“私これからどうなっていくんだろう”ってかすかに思っていた頃。女優の仕事でも、現場についていくのがやっとで、こんなに色々な作品に関われるようになるとは思っていませんでした。特に『コード・ブルー』との出合いは大きくて、名前を広く知ってもらうきっかけになったし、お芝居をする中で学ぶことも多かった。たくさんの出会いがあり、この3年半は恵まれた時間でした。そういえばIt GIRLのインタビューで私、『ananでグラビアをやってみたい』って話した記憶があるんです。ちゃんと叶いましたね!(編集部注:2019年9月11日発売の2167号『惚れる美乳』特集の表紙に登場)友達がコンビニをはしごして買ってくれていたり、写メを撮って待ち受け画面にしてくれたりと、周りの人の反応が嬉しかった。たくさん褒めてもらいました」次にananの特集記事に出るとしたら、どんな企画に興味があるか尋ねると、馬場さんらしい自然体な答えが返ってきた。「お肉!この10日間で4回も焼き肉を食べているくらいお肉が大好きなので。でもananでお肉特集はないかな(笑)。最近素敵な旅館を探すのが趣味なので、温泉特集もいいですね!」【馬場ふみかさん】No.2019(2016年9月7日発売)に登場。「飾らない自分でいることが楽しく仕事をする秘訣」と終始自然体だった馬場さん。1年後に『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)で看護師役を熱演し、注目度が急上昇。ばば・ふみか1995年生まれ。3月12~30日上演の舞台『改竄・熱海殺人事件“ザ・ロンゲストスプリング”』でヒロインを務める。出演映画『糸』が4月24日全国公開。【上白石萌歌さん】No.2046(2017年3月22日発売)に登場。「自分の歌を自分で聴くのは恥ずかしいです~!」と初々しさ満点だった上白石さん。姉の萌音さんと仲良しだとも語り、この後映画『羊と鋼の森』で姉妹初共演、日本アカデミー賞新人俳優賞受賞という快挙を果たす。かみしらいし・もか2000年生まれ。‘11年「東宝シンデレラオーディション」グランプリ受賞。主演映画『子供はわかってあげない』が6月に公開。初の写真集が発売されたばかり。【松本穂香さん】No.2058(2017年6月21日発売)に登場。連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK)に出演中だった松本さんは、当時の記事で「これからもみんなに愛される役を演じたいです」とコメント。昨年『おいしい家族』で長編映画初主演を果たし、今年も主演映画公開が続く。まつもと・ほのか1997年生まれ。2018年ドラマ『この世界の片隅に』のヒロインに大抜擢され話題に。主演作『酔うと化け物になる父がつらい』が3月6日全国公開。【福原 遥さん】No.2091(2018年2月21日発売)に登場。いましかできない学生役をやりたい、と語った福原さんは、昨年ドラマ『3年A組』に生徒役で出演、迫真の演技で注目を集めた。映画『羊とオオカミの恋と殺人』では美しき殺人鬼を演じ、さらに新境地を開拓。ふくはら・はるか1998年生まれ。子供向け料理番組に出演し“まいんちゃん”として人気を集める。昨年歌手デビュー、3月11日に2ndシングル『透明クリア』が発売。【森 七菜さん】No.2141(2019年2月27日発売)に登場。「納得のいく演技ができないと悩むこともあるけれど、それもお芝居の楽しいところ」と話していた森さん。この時はヒロインを務めた『天気の子』公開前。映画が公開されるとますます脚光を浴び、ひっぱりだこの存在に。もり・なな2001年生まれ。今年、映画『ラストレター』に出演、同作の主題歌「カエルノウタ」で歌手デビュー。3月30日放送開始の連続テレビ小説『エール』(NHK)に出演。※『anan』2020年3月11日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2020年03月05日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の小西桜子さんです。「ダンスや歌など表現に繋がる仕事もやっていきたい!」と話す小西さんの魅力に迫りました。初々しさと堂々とした演技力の両面の魅力を持つ注目新人!デビュー1年で、映画『初恋』のヒロインに大抜擢。「子供の頃は引っ込み思案だったけど、最近は取材が増えて必死に話しています。友達には『ふわふわしてる』って言われます(笑)」。カンヌ国際映画祭でフランスを訪れた。「海外の人はフレンドリーで、緊張している私に『良かったよ』と声をかけてくれて嬉しかった。いい経験ができました!」。休日の過ごし方を尋ねると「家にいるか一人で映画やランチに行きます。海外の映画ももちろんだけど、日本の映画が大好き!特にヒューマンドラマ!」占い本でラッキー行動や運勢をチェック。占いへ行って将来のことを聞いたり、年間の占い本で今日の運勢を見ます。インドア派だから本や漫画が好きです。月1冊ペースで読書。最近は恩田陸さんの『歩道橋シネマ』が面白かった。小学生の頃から好きな餃子に再びハマり中。よくチルドの野菜餃子を自宅で焼いて食べます。もちもちの皮が好き!こにし・さくらこ1998年生まれ。2019年に女優デビュー。約3000人の応募からヒロインに選ばれた映画『初恋』が2月28日に、出演映画『猿楽町で会いましょう』が6月5日公開。※『anan』2020年3月4日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・倉田 強ヘア&メイク・松田 陵(Y’s C)文・三谷真美(by anan編集部)
2020年02月28日ミュージカル『アナスタシア』でミュージカル初主演を果たした木下晴香さんに、作品や役への思いを聞きました。ミュージカル界が注目する逸材。念願の主演舞台は、あの話題作。昨年公開のディズニー実写映画『アラジン』で、ヒロイン・ジャスミンの吹き替えを担当したことで木下晴香さんを知った人も多いはず。じつは‘17年に『ロミオ&ジュリエット』のジュリエットに大抜擢されて以降、ミュージカル界を担う新しいヒロインとして注目を集める存在。「地元佐賀から上京して、ちょうど3年になるんですけれど、ここまで濃い時間を過ごさせてもらっていると思います。やりたいことをやらせていただけている今の状況に感謝もありますが、幸せすぎてときどき不安になることも…。その不安を拭うためにも、自分でこれだけ頑張っているんだからと思えるくらいの努力をしないとなって思っています」と、ピュアすぎるほどの真面目ぶり。その木下さんがついにミュージカル初主演を果たす。実在した帝政ロシアの皇女アナスタシアを題材にした『アナスタシア』だ。「この世界に入った時から憧れていた作品です。しかも、同時に日本初演の作品に携わってみたいという願いも叶えられ、今は覚悟と緊張で身の引き締まる思いでいっぱいです」今作は、幼い頃に過去の記憶を失った皇女アナスタシアが、孤児のアーニャとして成長し、自らの過去を求めて旅に出る物語。「壮大なスケールで展開される物語に素敵な衣装と映像。物語もロマンティックで、この物語の世界で生きるのがすごく楽しみなんです」そう言った後、「とくに自分を探す旅というところが、私の中ですごく響くんですよね」とも。「私はわりと受け身で、人の意見に左右されやすいタイプ。それゆえに自分ってどこにあるんだろうって悩むことが結構あるんです。アーニャは、過去の記憶を一切なくしたうえで生き抜いてきたからか、チャーミングだけど強くてとてもたくましい。そんな彼女の姿に勇気をもらいますし、彼女を演じることで私自身も強くなれたらいいなと思っています」小学校3年生から地元のキッズミュージカル団体に所属、16歳の時に全国規模の大型作品のオーディションに受かり、全国ツアーを体験。公演をしながら、「自分の実力がどこまでなのか挑戦してみたいという気持ちが湧き上がって」、各県の代表が競うテレビの歌番組に出場。そしてそこで上位に残ったことをきっかけに、現在の事務所に所属することに。おとなしい印象だけれど、夢に向かう意志の強さと熱量、そして行動に移すアグレッシブさは、アーニャ並みでは?「普段はフワフワしているってよく言われます。はっきりとした意見もなくてブレブレだし、自分に自信がないタイプ。でもそのぶん、気持ちが整理できて“私はこれをやりたいんだ”って意志が定まったら絶対に曲げない(笑)。そこはアーニャに負けないくらいの強さがあるかもしれません。ただアーニャは、穏やかなところで生きてきた私のような人間には簡単に想像できないくらい過酷な状況を生き抜いてきた人。そのたくましさや人としての厚みみたいなものを、本番までに自分の中に築いていかなくちゃと思っています」誰かの力に頼るのではなく、自らの力で運命を引き寄せていく。そんな木下さん=アーニャの姿に、勇気づけられる女性も多いはず。「女性も働いて自分の人生を掴み取っていく現代に、共感したり、心に響くものがきっとあるはず。とくに今、何かに挑戦しようと頑張る女性に観ていただけたらと思います」ミュージカル『アナスタシア』革命から逃れフランスに亡命した皇太后(麻実れい)は、行方不明の孫娘のアナスタシアを捜すため多額の賞金を懸ける。その皇女によく似たアーニャ(葵・木下/Wキャスト)を利用しようとした詐欺師が…。3月1日(日)~28日(土)/渋谷・東急シアターオーブ4月6日(月)~18日(土)/大阪・梅田芸術劇場メインホール出演/葵わかな・木下晴香(Wキャスト)ほかS席1万3500円A席9500円B席5500円*すべて税込み梅田芸術劇場(東京) TEL:0570・077・039(大阪) TEL:06・6377・3800きのした・はるか1999年2月5日生まれ。佐賀県出身。‘17年にオーディションでミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のジュリエット役に抜擢。その後、『モーツァルト!』『ファントム』などの大作ミュージカルのヒロインも演じた。※『anan』2020年3月4日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・岡本純子(afelia)ヘア&メイク・Nicoインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年02月26日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の中屋柚香さんです。「人を笑わせる芝居に興味があるので、コメディにも出たい!」と話す中屋さんの魅力に迫りました。園子温監督も高い演技力を絶賛!夢を次々に叶えるシンデレラガール。「園子温監督の作品に出る」という人生の目標を一般公募で叶えた。「本格的な演技は初めてで、園監督に疑問や不安なことを全部ぶつけてご指導いただきました。私が演じたアミを嫌な性格だという人は多いと思います。でも、演技中はアミを自然に受け入れていたので、完成後、作品を客観的に観て初めて気が付きました」。美術大学で脚本の勉強中。「卒業制作で脚本を一本仕上げました。園監督からは、お褒めの言葉もダメ出しも(笑)。脚本を常に書いているので、いつか映像にできたらいいな」大好きなおばあちゃんにスカーフをプレゼント。長崎に会いに行きます。ピンクが大好きな可愛いおばあちゃん!刺繍をしているときは時間を忘れて夢中に!台本を覚える息抜きに。今は漫画のキャラの刺繍を進めています。太宰治の聖地巡礼。やっと行けて感動!大人な雰囲気のバーだったけど、いつかここが似合う女性になりたいです。なかや・ゆずか1998年生まれ。昨年、Netflixオリジナル映画『愛なき森で叫べ』で尾沢アミを演じてデビュー。最新情報やオフショット満載のTwitter(@nakayayuzuka)も必見。※『anan』2020年1月22日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2020年01月16日ビジネスの視点から、いまの日本のエンターテインメント業界を俯瞰してみるといったい何が見えるのか。さまざまなエンタメコンテンツを抱え、ブームを生み出している仕掛け人・木谷高明さんに話を聞いた。“どんなコンテンツも人の熱には敵わないんです”カードゲームが軸の会社としてスタートしたブシロードが、いまアニメをはじめ、音楽やプロレス、劇団とさまざまなエンターテインメント事業に参画している。その仕掛け人が、コンテンツ開発の最前線に立つ木谷高明さん。「人が感動するのは、キャラクターとストーリー。それはアニメもスポーツも同じです。エンターテインメントがなくても人は生きられるし、楽しいことはいくらでも見つかります。ただ日常で笑うことはあっても、感動したり泣くことってめったにない。じつは人は感動したり泣いたりしたいんだと思っていて、そのために非日常のエンターテインメントが求められている。感動や涙を誘発するには共感が一番で、そこにキャラクターやストーリーが必要なんです」ブシロードがいま重点を置いて進めているのが、デジタル施策とライブ施策のふたつ。「デジタルにすればオンライン化でき、オンラインにすればグローバルになる時代。あるコンテンツを素早く、広い範囲や多くの人たちに拡散するのにデジタルほど有効なものはありません。ただ、どんなに練られたデジタルコンテンツも、人の持っている熱には敵わない。それだけ生のライブ感というのは、惹きつける強力なパワーがある。まず熱狂を巻き起こす火種として、ライブというのはとても有効な手段だと思っています」現在の主要コンテンツには、ミュージカルとアニメを連動させた『少女歌劇 レヴュースタァライト』(以下、スタァライト)や、アニメやゲームなどメディアミックスで展開する次世代ガールズバンドプロジェクト・BanG Dream!(以下、バンドリ!)、近年の日本のプロレスブームを牽引している新日本プロレスなどがある。スタァライトは演劇で、バンドリ!はライブで、新日本プロレスは試合で熱狂を生み、その熱をアニメやゲーム、映像配信サービスに引き継いで、人気を全国に、そして海外に拡散させている。「じつは熱狂を呼ぶのは熱狂なんです。ただ、その前提にコンテンツが魅力的であることが重要。例えばいま、新日本プロレスが多くの支持をいただいているのも、もともとプロレスにはそれだけのポテンシャルがあったからです」長く低迷していたプロレス人気を復活させたのは、新日本プロレスであり、’12年にその親会社となったブシロードだ。自身もプロレスファンだった木谷さんが人気回復のために最初に行ったのは、大規模なプロモーション活動。「トレンドを自分たちで作ったんです。それが、かつてのプロレスファンが戻ってくるきっかけになりました。観客が増えると、レスラーというのは自然と体から色気が出てくるもので、当然試合の質も上がる。それを観た人たちの熱狂が、また新たな観客を呼び込んでくれる。そのループがうまくでき上がったら、あとはコンテンツの質を落としさえしなければ順調に回っていくんです」かつてのプロレスブームは男性が中心だったが、いま新日本プロレスの会場は約半数を女性や子供が占めるようになっている。「これまでの経験上、女性や子供に受け入れられたらコンテンツは圧倒的に強いんです」そんなブシロードの、未来を見据えたこの先の戦略とは?「いまの若い人は、アメリカや中国の資本をかけて構築したコンテンツを見慣れている世代です。グローバルな視点で企画されたコンテンツ創りを考えています」きだに・たかあき株式会社ブシロード取締役・デジタルコンテンツ部本部長・広報宣伝部部長、株式会社ブシロード ミュージック代表取締役社長1960年生まれ、石川県出身。証券会社を経て、’94年に株式会社ブロッコリー、’07年に株式会社ブシロードを設立。’12年に新日本プロレスを子会社化。以前よりファンだったプロレスをビジネスの視点から捉え、多彩な戦略で現在のプロレスブームを牽引。’17年に株式会社ブシロードの代表取締役社長を自ら辞し、現職に。※『anan』2020年1月15日号より。写真・土佐麻理子取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年01月14日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優、モデルの瀬戸かほさんです。演技と漫画とスコーンに夢中。目標はお茶の間で愛される女優!映画『あの群青の向こうへ』に出演。「死を意識している役でとても難しかったのですが、監督の“イメージ通り”という言葉が嬉しくて覚えています。約2年半前に撮影した作品で、観ていただくことも自分が観ることも、少し緊張しています」。今年はとにかく活動の幅を広げたいそう。「CMやドラマなどTV出演を増やして、おばあちゃんからも『見たよ』と言われるような、お茶の間で親しまれる女優になりたい」。プライベートも充実。「LINEマンガを読み漁るのが幸せ。実写版に出られたらいいな」スコーンにハマり中。毎日焼いています!塩と少し多めの砂糖で味付けしたプレーン味が好き。はちみつも合う!大好きなお花の写真を散歩中に撮っています。見かけたらパシャリ。お花が好きで、毎週金曜日にお花を買いに行きます。レトロな雰囲気の喫茶店巡りを開始。マスターの個性や、アンティーク小物の可愛さに魅了されています。せと・かほ1993年生まれ。2015年、映画『orange‐オレンジ‐』で女優デビュー。その後、主演映画やドラマ、MVに多数出演。1/11から公開の映画『あの群青の向こうへ』で彩を演じる。※『anan』2020年1月15日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2020年01月14日昨年、新国立劇場に史上最年少の芸術監督が誕生した。当時、小川絵梨子さんは39歳。日本での本格的演出家デビューから10年足らずでの抜擢は衝撃的だった。“斬新な舞台ばかりでなく、ベーシックも必要なんです”「小さい時から演劇はよく観ていて、学生時代は演劇部でした。最初は俳優になりたかったんですが、高校3年生の時に演出をやったら楽しくて。私個人の表現より、いろんなセクションからのアイデアを吸い上げて舵取りするほうが性に合っていたんだと思います」そして20歳の時に旅行でNYを訪れたのをきっかけに、向こうで演劇を学びたいと留学を決意する。「その時はまだ、演劇を仕事にしようという強い意思ではなかったけれど、演劇をアカデミックに学びたかったんです。演劇の演出を専門に学べる学校が日本にはあまりないのと、全く知らない世界を体験してみたいという思いもあって、思い切って海外に出ました」NYでの日々は新鮮で楽しかったけれど、将来を考えると展望が見えずに落ち込んだ、とも。「日本で演出家になる方法がわからなかったし、アメリカで演出をやるには言語能力も、何より文化の理解度が足りない。私は、古典を斬新な解釈で再構築するより、戯曲を読み込んで地道に積み上げていくのが好きだしそれしかできないんです。でもそれには、根底にある文化の理解度が必要。例えば阿部定事件とか、ドラえもんとか縁側とか…日本人のなかに共通する原風景や想起される匂いがありますよね。それが向こうではウォーターゲート事件とかなわけです。頭では理解できても、一番重要な匂いや感覚までは理解できないので」転機は突然訪れる。知人に頼まれて携わった俳優養成所の公演を通して知り合った演劇プロデューサーに、ある公演の演出を依頼される。それが’10年の舞台『今は亡きヘンリー・モス』だ。これが大きな評判を呼び、一躍時の人となった。「私はただ台本をやっただけなんですけどね」と言う。しかし、それまで老舗劇団か小劇場出身の演出家が主流だったなか、小川さんは海外で演劇を体系的に学び、そのメソッドに基づいて演出する。センスや個性で創る舞台とは違いオーソドックスだが、それゆえ戯曲自体の面白さが際立つ。「斬新な解釈とか強烈な個性とか、憧れるし大好きだけれど、自分にはできない。ただ、斬新なものばかりでなくシンプルでベーシックな作品があってもいいし、舞台作品の多様性という意味でもむしろ必要だとも思います。その分野ならば、突出した個性や才能のない自分でも学んだことから立ち上げていくことができるのかなって」何より大事にしているのは物語。「ビジュアルにあまりこだわりがない…というかわからず、立ち上げた物語にそぐうものであればいいと思っているだけなので」小川さんの現場では、俳優もスタッフもすべてが対等。全員がプロフェッショナルとして参加し、演出家の役割は全セクションと関わりながら舵取りをすることだ。「いま芸術監督として一番のモチベーションは、次の世代のためによりやりやすい演劇環境を整えること。これまでの現代演劇は、どうしても革新的だったり作家性の強い作品が注目されてきたけれど、そんな特別な才能に恵まれていなくても演劇を創る方法は色々ある。先人たちが何世代もかけてその方法を模索して、積み上げてきた歴史もある。私もただその流れの中で次世代の方々に何か一つでも渡していけたらと思っています」おがわ・えりこ新国立劇場演劇部門芸術監督/演出家、翻訳家1978年生まれ、東京都出身。日本の大学卒業後に渡米。2004年にNYアクターズ・スタジオ大学院演出学科を修了。’10年に初めて翻訳・演出を手掛けた舞台が話題となり数々の舞台を演出。’12年に読売演劇大賞杉村春子賞を、翌年には紀伊國屋演劇賞と千田是也賞を受賞。’18年に新国立劇場芸術監督に就任。※『anan』2020年1月15日号より。写真・土佐麻理子取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年01月09日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はアーティストの中元みずきさんです。「性格はエルサよりアナに似てるかな。妹気質です(笑)」と話す中元さんの魅力に迫りました。『アナと雪の女王2』日本版エンドソングで一躍注目!弱冠19歳の新人にして、人気ディズニー映画の日本版エンドソングアーティストに選ばれた中元さん。「オーディションに合格してから今まで、ずっと夢の中にいるみたい。少し前までスーパーでアルバイトしていましたから(笑)。レコーディングは震えるほど緊張しましたが、“未知の旅へ踏み出そう”という歌詞に、とても勇気をもらいました。歌って偉大。どんなに落ち込んでいても、明るい曲を聴くと自然と笑顔になれる。私も人に勇気や幸せを与えられるアーティストになるのが夢なんです」愛おしくてたまらない、私の癒しです。6歳から飼っている、チワワとプードルのミックス犬。名前はメロディ?『アナ雪2』のオラフはかわいさが倍増!より好きになっちゃいました。グッズを見つけるとつい買ってしまいます。憧れの人、AIさんのCDをヘビロテしてます。生まれて初めて行ったライブも、初めて買ったCDもAIさんでした!なかもと・みずき2000年生まれ。5歳より歌手を志し、歌とダンスを習う。『アナと雪の女王2』日本版エンドソング「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」でデビュー。※『anan』2020年1月1日-8日合併号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2020年01月05日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はシンガーソングライターの眉村ちあきさんです。癖になる歌詞とメロディ。目指すはビルボード全米1位!今年5月にメジャーデビューし、来年1月には2ndアルバムが発売。「今までにない大人っぽいジャケット写真に。元カレを引きずってしまう女子目線の『あたかもガガ』のように実体験を基にした曲や、歌詞カードに仕掛けのある曲があるのでお楽しみに!」。海外進出を目指し、英語詞に挑戦中。「英検2級以上のファンに、英語を教えてもらうイベントを開催したいな(笑)」。実現したいことは他にも。「島を買収してライブしてみたいです(笑)。あとはお客さんも踊れるライブ、一緒に寝るライブも!」大人の味を覚えてしまいました。牡蠣などの魚介類を日本酒と一緒にいただきます。痛風にならないか心配!YouTubeを見てメイクを勉強中です。ゆうこすさんがお手本。メイクを変えると、ファンも気づいてくれるの!山でも公園でも石掘りしちゃいます。無心になれるんです。石が大きいほど、達成感があって気持ちいい~!まゆむら・ちあき1996年生まれ。アルバム『めじゃめじゃもんじゃ』でメジャーデビュー。来年1月8日に2ndアルバム『劇団オギャリズム』を発売する。2月からは全国ツアーも開催!※『anan』2019年12月25日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2019年12月24日「家は『私の』とか『彼女の』とか、絶対に所有格で語られるもので、逆に誰も住んでいない家屋は『家』とは呼べないような…。考えてみたら不思議なものだなぁと」ある一族の暮らしや秘密、言わなかった思いなどを、3世代の視点で描き出す青山七恵さんの『私の家』。同棲を解消し、実家に戻っている27歳の鏑木梓の祖母・照の四十九日の法要に、親族が集まるところから物語は幕を開ける。「ああいう場では、普段は全然会わない人も集まります。親戚という以外の何の接点もなかったりするのに、妙な一体感があって面白いですよね。3つの点をつないだときにできる切断面の面積を求めよ、みたいな算数の問題がありますが、この小説でも、外から見ただけではわからない図形が、いろいろな世代や家という場を点として描くことであれこれ見えてくるのではないかと思ったんです」作中でも、語り手に見えている家や家族は、別の語り手から見ればまた違った形をしていたりする。たとえば、照には照の親心があったわけだが、幼い頃に叔母・道世の家に預けられた祥子には人知れぬ寂しさがあり、兄・博和が長く音信不通だった理由も博和なりにある。そうした思いのズレにリアリティがあり、同時にそれは、共感を誘う美点だ。家は、目に見えたり直に触れられたりする場所というだけでなく、思いや記憶が積み重なった宙にもあるものなのかなとも思う、と青山さん。「私が作家になっていろいろ描いていることも、実は祖先の誰かから渡されたものなのかなと。たとえば会ったことのない曽祖母も、いま会って話したら意外と気が合うのでは。もしかしたらその人が生きている間に考えきれなかったことを代わりに考えているのかなと思ったり(笑)」ちなみに青山さん自身の「家」観をうかがってみると、「一人暮らしをしているいまの部屋にはものすごく愛着があるんですが、作家のための長期滞在のプログラムでフランスのサン・ナゼールに滞在したとき、その家は私の所有物でもないのにどこかに出かけて戻ってくると『家に帰ってきた』とほっとしていました。人と家とは案外緩やかなつながりで結ばれているもので、『私の家』と呼べる場所は人生にいくつもあるのかもしれません」あおやま・ななえ作家。1983年、埼玉県生まれ。’05年「窓の灯」で文藝賞を受賞しデビュー。’07年「ひとり日和」で芥川賞、’09年「かけら」で川端康成文学賞を受賞。『踊る星座』ほか著書多数。『私の家』鏑木家の次女の梓、母の祥子、父の滋彦、大叔母の道世、伯父の博和、亡くなった祖母の照らがそれぞれに抱えていた内緒の思いが交錯する。集英社1750円※『anan』2019年12月25日号より。写真・土佐麻理子(青山さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2019年12月23日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はYouTuberの鹿の間さんです。「YouTubeのネタがどんどん出てきて尽きません!」と話す鹿の間さんの魅力に迫りました。可愛くなりたい女子心をくすぐるYouTube動画が話題!メイク、ファッション、ダイエットと幅広いジャンルの動画をYouTubeで配信し、登録者数が急増。たった1年で約16万人に!「中国メイクと-12kgダイエットの方法を配信したときの反響がすごかったですね。あと新作コスメは朝イチに買ってすぐに配信するようにしています。スピード勝負!」。ハマっている中国を中心に、海外でも活躍するのが目標。「映画を字幕なしで観たり、問題集を使ったりして中国語と英語を勉強中。中国の動画サイト“bilibili”や、SNSメディア“Weibo”も始めました!」20歳を越えてから美術館巡りが趣味に。地元でも東京でも、ひとりでマイペースに巡るのがポリシーです。劇場に通うほど宝塚にハマり中です。華やかな衣装に魅せられてファンに。宙組の男役、芹香斗亜さんが好きです。動画を撮るための大切なカメラです。自撮りをしたり友達と撮り合ったり。今はGoProの最新型を狙っています。しかのま1998年生まれ。C Channel専属YouTuber。「鹿の間」チャンネルでは毎週金曜と土曜に配信中。Instagram(@rhodon41)やWeibo(アカウント名は「鹿之間」)も大好評。※『anan』2019年12月18日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2019年12月14日新作『夜 は お し ま い』について、著者・島本理生さんにお話を聞きました。なぜ傷つき、なぜ罪悪感を抱くのか。苦しむ女性たちが訪れる先は…。「キリスト教と恋愛小説は親和性があると思っていて。神様の愛と人間の恋愛は違うといっても同じ“愛”がキーワード。特に、傷ついている若い女の子は恋愛に見せかけて自分だけの神様を探しているところがあると思うんです」島本理生さんの新作『夜 は お し ま い』は、傷を抱えた女性たちそれぞれの事情と、金井という神父との交流を描く連作集。第1話は、ミスコンに出て劣等感を強め、怪しげな男と交際する女子大生の話。「自分が若かった頃を振り返ると、外部からのジャッジで自己評価が揺らぐことが多かった気がします。それに、自分の探しているものがなさそうな場所にこそ見つけられたら満たされる、という幻想もあって。だからこの主人公も自分が愛されていないと気づいているのに相手から離れられない。自分を大事にするという感覚が後回しになっている」第2話では愛人業の女性が、交際相手から思わぬ提案を受ける。「書き終えた直後はハードな性描写が多くていかがなものかと心配してましたが、時間をおいて読み返した時、人の心がこんなに簡単に反転して上下関係も二転三転する、その危うさを書きたかったんだと気がつきました」女性は、みな、どこか罪悪感めいた気持ちを抱いている。「日本には、自分を優先してはいけないという感覚が根強くある。したくないことをした揚げ句、より罪悪感を抱く方向に行くというループにはまってしまう」女性たちはみな金井神父のもとを訪れ、対話を重ねる。「少しずつ対話が旧約聖書的なものから新約聖書的なものになり、本質へ向かっていくようにしました。最終的に憤りや理不尽さを手放し、赦されている感覚になってもらえたらと思います」違う視野が開けてくる本作。若い読者へのアドバイスをお願いすると、「年齢を重ねるほど、男性より女性に助けられる瞬間が絶対にある。若いうちから同性の友人を大事にしてほしいですね。あとは、“ないところに愛を探しても何もない”。期待させるだけで、無理に探さなきゃいけない関係には本当に何もない。それは自分の経験からも言い続けていきたいです」島本理生『夜 は お し ま い』ミスコンで傷ついた女子大生、お金のために愛人業を続ける女性…。自分を見失う彼女たちが訪ねる一人の神父。彼もまた秘密を抱えていた。講談社1400円しまもと・りお1983年生まれ。2001年「シルエット」で群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。‘18年『ファーストラヴ』で直木賞受賞。長編『Red』が映画化、来年2月21日に公開に。※『anan』2019年12月18日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年12月13日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の吉柳咲良さんです。「オフの日はとにかく睡眠。おふとんが好き」と話す吉柳さんの素顔に迫りました。作品によって豹変できる女優になるのが目標です。2017年よりミュージカル『ピーターパン』で主演を務め、来年上演の『デスノート THEMUSICAL』では“ミサミサ”こと弥海砂(あまねみさ)役に抜擢。「ピーターパンには親近感を覚えるけど、女の子らしいミサミサは自分と真逆。でも違うからこそできる表現もあると思うので、私なりに演じきりたい。共感できる部分を探りながら役と向き合うのは楽しいです」。今の課題は恋心だとか。「自分の全てを捧げても月(らいと)を愛する気持ちがまだわからなくて。たくさん台本を読んで、海砂の気持ちに寄り添っていけたら」渋谷に行った時はほぼ必ず食べます。渋谷109の『カフェ マ・メゾン』の濃厚トマトら~めんにどハマり中。キックでストレス発散&トレーニング。祖母の家が空手道場で、ダンスの練習後にサンドバッグを蹴っています!カラオケが趣味。選曲は渋いです(笑)。十八番は「木綿のハンカチーフ」。「セーラー服と機関銃」もよく歌います。きりゅう・さくら2004年生まれ。映画『天気の子』ではヒロインの弟・天野凪役で声の出演。弥海砂役として出演する『デスノート THE MUSICAL』は、来年1月20日開幕。※『anan』2019年12月11日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2019年12月10日松尾スズキさん作・演出の舞台『キレイ―神様と待ち合わせした女―』に出演する皆川猿時さんに、作品のみどころを伺いました!松尾スズキさん初のミュージカルにして、傑作との呼び声も高い舞台『キレイ』が4度目の上演を迎える。「ミュージカルですから、歌と踊りが盛りだくさん。しかも、松尾さん独特の笑いもあって贅沢です。戦争に翻弄される人々を描いたシリアスな話ではありますが、主人公のケガレが挫けずに自分の力で再生していこうとする姿は、とっても切ないけど勇気づけられます。普遍的な作品だと思います」そう話すのは、初演から全作に出演している皆川猿時さん。前回から引き続き演じるのはカネコキネコ役。息子たちとともに、大豆で作られた兵士・ダイズ兵の死体を回収し生計を立てるカネコ組を率いる女性だ。「子供や仲間たちへの愛情や生きていくことへの気持ちは強いけれど、あまり悩まずに進んでいけちゃう人だろうと思うんです。深く考えないところは共通していますが、キネコさんが持っている心に深く熱いものは僕にはないんですよね(笑)」しかし、前回は幕が開く直前までこのキネコ役に苦しんだようで…。「宮藤(官九郎)さんの作品やコントでも女性役はやってますし、グループ魂のライブで女子高生の格好で出たり、わりと馴染みはあったんですけど、一本通して女の人っていうのは初めてだったんです。ずっとふざけていられたらいいんですけど、そうもいかないし(笑)。ちゃんとやるのがものすごく恥ずかしくて…。吹っ切れたのは、ある舞台で水川あさみさんのハジけた演技を観た時に、“これじゃん!面白くやればいいんだ”って気づきまして。助けられましたぁ。その後、宮藤さんの映画で女子高生役をやりましたが、たぶんこの作品をやってなかったらできなかったんじゃないかな」皆川さんといえば、一風変わったユニークな役を演じることが多いけれど、一昨年の舞台『流山ブルーバード』では、地方都市に暮らす冴えない中年男を、笑いを封印した芝居で好演した。「赤堀雅秋さんの演出も刺激的でしたし、とにかく評判がよかったんです(笑)。でも僕、大声出してふざけるのも大好きなんですよ。今回の稽古が始まる前に松尾さんからメールで“前回のあなた、全部のセリフ叫んでるな。そこ気をつけてな”といきなり注意されたんですが、すり抜けながら騒ぎたいです(笑)」『キレイ―神様と待ち合わせした女―』民族紛争が続く“日本”。民族解放軍を名乗る連中に10年間監禁されていた少女・ケガレ(生田)が外の世界に脱出し、さまざまな人と出会い…。12月4日(水)~29日(日)渋谷・Bunkamura シアターコクーン作・演出/松尾スズキ出演/生田絵梨花、神木隆之介、小池徹平、鈴木杏、皆川猿時、橋本じゅん、阿部サダヲ、麻生久美子ほかS席1万2000円A席9000円コクーンシート5500円(すべて税込み)Bunkamura TEL:03・3477・3244(10:00~19:00)福岡、大阪公演あり。みながわ・さるとき1971年2月1日生まれ。福島県出身。大人計画のメンバーで、グループ魂では港カヲル名義で活躍。現在放送中のNHK大河ドラマ『いだてん』などに出演。※『anan』2019年12月11日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年12月08日大人気イラストレーター・たなかみさきさんに、自身がナビゲーターを務めるラジオ『MIDNIGHT CHIME』(J-WAVE)について話を聞きました。しがらみの少ないイラストレーターという立場から悩みに答えられたら。エモくて、かわいくて、ちょっとセンシュアル。そんな、見た人の心を惹きつける作品が大人気のイラストレーター・たなかみさきさん。この秋にスタートしたラジオ『MIDNIGHT CHIME』(J-WAVE)では、なんと、ナビゲーターを担当している。ゲストを迎えたトークや、イラストで答える悩み相談を行う番組のコンセプトは、“深夜の保健室”。イラスト同様、私たちの想像をかき立てる。「番組にキャラクターがあったほうがやりやすいかなと考えたんです。“ちょっとエッチなお姉さん”みたいなのがいいなと思って、深夜の保健室としました。保健室の先生って、若干、何をしているのかわからないイメージがあって、そういう相手にしか話せないことがあるんじゃないかなと。指図するというより、肯定して受け入れてくれる存在。いろんな考えや個人の世界があると思っているので、番組の中でも多様性などを強調できればいいなと思っています。ただ、イラストレーターという職業柄もあり、上司とかがいるような仕事でもないし、社会に密接に生きる人たちのお悩み相談を受けていいのかなと思っています(笑)。でも、しがらみのない立場だからこそ導き出せる答えもあるのかなと」一見すると異なるものに思えるイラストとラジオのお仕事。でも、共通したスタンスで臨んでいるという。「イラストの場合は視覚から想像し、ラジオは言葉を聴いて絵を想像するじゃないですか。発信源は違えど、“最終的には自分で考えてください、決めてください”というスタンスでいることが大事なのかなと思っています。見るか聴くかの違いだけで、私がやっていることは変わらないと思っています」ラジオを始めてから、私生活に少し変化があったそう。「収録の時は、ラジオだからと肩肘張らず、人間と人間がしゃべるということを大事にしようとしています。でも、普段、初対面の人と話す時に、“相手の仕事の話をちゃんと聞いてみよう”とか、ラジオ的な意識を持つようになりました。これまでも、聞き役になることは多かったのですが、ちゃんと話を聞いていない節もあったので(笑)。私はシャイで、お酒がないと人とうまくしゃべれなくて。そんな人が頑張って話しているので、夜中ですし、気楽に聴いていただけたら嬉しいです」ラジオ『MIDNIGHT CHIME』(J-WAVE)番組に寄せられたお悩みに、たなかみさきさんがイラストを描いて回答。ゲストと繰り広げる、深夜ラジオの醍醐味のひとつともいえる、ゆるくて楽しいトークにも注目です。毎週月曜26時から、J-WAVE 81.3FMにて放送中。公式インスタグラムは@midnight813_たなかみさき1992年11月14日生まれ。2017年から東京に拠点を移し、個展の開催や、書籍、雑誌などのイラスト、音楽作品のアートワークを手がけるなど幅広く活動している。著書に『ずっと一緒にいられない』(パルコ出版)。※『anan』2019年12月4日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2019年12月01日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の咲坂実杏さんです。「語学の勉強が好き。中国語にも挑戦したい!」と話す咲坂さんの素顔に迫りました。“印象薄め”のルックスを女優としての強みにしたい。子供の頃に児童劇団に入団。高校時代には仲間と演劇集団を立ち上げた経験も。「芝居がずっと好き。一昨年デビューしてCMやドラマに出るようになりましたが、映像と舞台って全然違う。新しい発見があり楽しいです」現在22歳。大人びたルックスを活かして、子持ちの母を演じたことも。「中身は全然大人じゃないんですが(笑)。でも私、見た目に特徴がないので、いろんな役に染まれるんじゃないかって思うんです。夢は国外の作品に出ること。韓国語はある程度読み書きOK。今は英語を勉強中!」ここ数年食べたなかで一番のユッケ。ユッケが好き。これは活きダコがのったもの。韓国で食べて感動しました。韓国で買った詩集のお気に入りのページ。「私たちが失うものたち」という題名だけ書かれたページなんです。洋酒かと思いきや、こだわりのコーヒー!コールドブリューコーヒーで、色が薄いのに味はしっかり美味でしたさきさか・みあ1997年生まれ。連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)、来春公開の映画『モルエラニの霧の中』などに出演。全国信用金庫協会イメージキャラクター。※『anan』2019年12月4日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2019年11月28日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はモデルの工藤美桜さんです。「特技は8年間習っていた日本舞踊」と話す工藤さんの素顔に迫りました。カメラの前や舞台の上では、自分が自分じゃなくなるんです。『めざましテレビ』(フジテレビ)の“イマドキガール”を務め、ドラマやCMでも活躍中。「スカウトされ“内向的な性格を変えたい”と思い芸能界に飛び込んだのですが、デビュー当初は緊張のあまり撮影中に倒れたことも…。でも今年舞台で初主演を務め、緊張を忘れて楽しむことができ、変化を実感。この仕事ができてよかったと改めて思う瞬間でした」。目標とする人は、土屋太鳳さん。「映画でご一緒した時、演技はもちろん周りへの気遣いに感動。私もやわらかい空気を作れる女優さんになりたい!」漫画から小説まで。本を読むのが好き。最近は高田純次さんのエッセイやミステリー小説を。振れ幅広いです(笑)。いつだって食べたい!大好物のラーメン。朝起きてすぐ食べに行くこともあります。背脂がのってるラーメンが好き。趣味のドラムでストレス発散。高校生の時に始めました。ドラマで軽音部のドラム担当を演じたことも。くどう・みお1999年生まれ。映画『愛唄 -約束のナクヒト-』などに出演。この夏に舞台、劇団0話『あなたのばん』で主演を務めた。近況はInstagram(@mmio_kudo)でチェック。※『anan』2019年11月27日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2019年11月22日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はモデルのミチさんです。「旅行が大好き!ハロウィン時期には毎年LAに行きます」と話すミチさんの素顔に迫りました。TV出演を機に人気爆発!新ファッションリーダーに。AbemaTVの恋愛リアリティショーに出演し、SNSのフォロワー数が一気に約30万人増。ファッションアイコンとして注目を集めている。「ブランドさんとコラボする時は、コンプレックスを隠しつつスタイルが良く見える形にミリ単位でこだわります。いつか自分のブランドをつくってディレクターになりたいな」。弟のよしあきさんとは“オシャレすぎる姉弟”と話題に!「弟とは今後も一緒にお仕事したいですね。同居もしていて四六時中一緒。お笑いコンビ的な感じで考えていただけると(笑)」健康的な美を目指して氷抜きのスムージーを。表参道の『フィコ&ポムム』の常連。ストロベリーバナナをリピート中。9歳まで育った台湾に今もたまに帰ります!名物、臭豆腐が大好物!日本にいる時も本場の台湾料理が恋しい~!友達とのおでかけにもドレスコードを設定。土地のイメージで、コスチュームを決めます。これは京都で袴を着た時!1998年生まれ。台湾人の父と日本人の母を持つモデル。センス抜群のファッションや旅の写真が満載のInstagramは@mi0306chiでチェック。姉弟でのYouTube番組「よしミチch」も必見。※『anan』2019年11月20日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2019年11月17日デビュー15周年の集大成となるベスト盤『奥華子 ALL TIME BEST』をリリースする奥華子さん。今作は約170曲に及ぶオリジナル曲から自身が選び、コンセプトごとに分けた3枚組。「これが奥華子です」と言い切れる作品になった。デビュー15周年を記念したベスト。「花」「空」「月」に想いを込めて。「今回は過去にリリースした曲の他に『はなびら』という新曲が入っているんですけど。花は儚く散っていくからこそ愛おしいし、それって人生そのものだなと思って。この曲をきっかけに“儚いからこそ愛おしいもの”をテーマにした『花-HANA』、“いつでもそこにあるもの”をテーマにした『空-SORA』、“闇があるからこそ見えるもの”をテーマにした『月-TSUKI』に分けて選曲しました。特に闇をテーマにした曲はたくさんあって(笑)。悲しみや苦しみはマイナスに感じるけど、あの悲しみがあるから今があると思えたり、あの失恋があったからこの人に出会えたと思えたり。そういう曲もたくさん書いてきました」恋愛ソングで幅広いリスナー層から支持され、CMソングでも着実にその声と名前を広めてきた。キャリアを振り返れば、こんな転機も。「良い曲を書いて、売れたいという気持ちはずっとありました。でも“そんなに簡単なことじゃないんだ”と気付いたのは『シンデレラ』をリリースした時。ポップな曲だったので、珍しくスカートをはいて黒縁メガネにしてみたけど、あまり評判が良くなくて(笑)。そんなことでは何も変わらないんだから、自分らしくやろうって肩の力が抜けたんです」新曲の「はなびら」は映画『殺さ〈あなたが名前を呼んでくれた時/はじめて自分を好きになれたの〉と、誰かを好きになることで人生そのものが輝きだすような気持ちを今もなお、瑞々しく歌にする。「誰かに自分の名前を呼んでもらえて、初めて自分が存在できるような気持ちって今もあります。もちろんライブにたくさんの人が来てくれたら嬉しいけど、ツイッターのフォロワー数や周りにいる人の数なんて関係ない。今、自分が生きているこの瞬間に想う、たったひとりの存在が、いてくれたらいいなって」そんな恋愛観の彼女だからこそ、聴き手の心に強く歌が響くのだろう。「私はすごくネガティブだし、こんなこと書いたら引かれるかな?と思うことも歌詞に書いてきた。だからこそ共感してくれる人がいて私も救われました。それはもうデビュー当時からずっと変わってないです」『奥華子 ALL TIME BEST』【通常盤3CD】¥3,500【スペシャル盤3CD+BD】¥4,900【完全限定生産15th Anniversary 875BOX 3CD+BD+オリジナルマルチスタンド他】¥8,750(ポニーキャニオン)おく・はなこ千葉県出身のシンガーソングライター。2005年にメジャーデビューし、これまでに10枚のオリジナルアルバムをリリース。鍵盤弾き語りを軸にしたスタイルで恋愛ソングやメッセージソングを生み出す。※『anan』2019年11月20日号より。写真・土佐麻理子取材、文・上野三樹(by anan編集部)
2019年11月15日唯川恵さんの新作『みちづれの猫』は、さまざまな女性たちと、彼女らに関わった猫が登場する短編集。しかし唯川さんといえば飼っていた犬のため軽井沢に移住したという、犬好きのイメージが。なぜに猫?人生の岐路を迎える女性たち。その傍らにいた小さな存在。「9年前、飼い犬が死んで喪失感に見舞われている頃、庭にいっぱい猫が現れるようになったんです。田舎なので、今は12~13匹やってきますね。餌もあげますが1mくらいまでしか近づいてくれない(笑)。それでも、猫の存在によって救われたんですよね。実際に飼っているわけではない人間が猫を書くのはおこがましいですけれど、君たちがそこにいてくれてありがとう、という気持ちで猫のことを書きたくなりました」きっかけは第一話「ミャアの通り道」。実家の猫がいよいよ旅立ちそうだということで、娘と息子が両親と猫が住む金沢に帰ってくる話だ。「私は金沢の出身ですが、北陸新幹線が繋がるまでは実家に戻るのに5時間くらいかかりました。開通した際に新幹線の話を依頼されて書いたのがこの話。その後、短編を書くなら猫の話にしようと思い、書き溜めていきました。猫だけでなく、死というテーマも入れたかった」確かに、幼い頃に家を出た父親が病に倒れる「最期の伝言」など、どの話も形を変えながらも、死の影が見える。「自分が年を重ねるとやっぱり死は身近になる。それに動物を飼うことはつねに死を意識することでもあり、私も犬の死を経験して身に沁みました。そのなかで、野生の猫たちを見ていると、新しい命が生まれたりすっと姿を消して入れ替わっていっている。生きることと死ぬことは背中合わせだなと感じていたんです」生まれる話もある。「陽だまりの中」では、田舎に一人で暮らす女性のもとに、死んだ息子の子どもを妊娠しているという女性が現れる。と同時に、つがいで子猫たちの世話をする猫たちも登場。「うちの近所に本当にいるんですよ(笑)。ボスとヒメと名付けた猫たちがいて、ヒメの子どもたちをボスがずっと可愛がっている。そこから発想した話です」他には猫を祀るお祭りや、娘がアレルギーのために飼えない母子など、生身の猫が登場しない変化球も。「もともと猫というより猫に関わる人たちを書こうと思っていましたし、従来の猫短編集とはちょっと違うものにしたかったんです」いろんな世代の女性のいろんな生き方が描かれ、関東近辺のいろんな土地が出てくる点も魅力。最後の「約束の橋」は、一人のキャリアウーマンの人生とともに、その折々で触れ合った猫との思い出が振り返られる。「短編で人生を描くのは無謀ですが、一度やってみたかった。人生の中の折々に猫がいて、いつも見守ってくれている。最後に自分が旅立つ時に、向こうでたくさんの猫たちが待っててくれたらいいですよね」自分もこうありたい、と思う読者も多いのでは。『みちづれの猫』実家にいた頃、恋人と暮らしていた時、離婚して辛かった時、そばにいた小さな生き物。猫の存在に救われた女性たちを描く短編集。集英社1500円ゆいかわ・けい1955年、石川県生まれ。’84年「海色の午後」でコバルト・ノベル大賞を受賞しデビュー。2002年『肩ごしの恋人』で直木賞、’08年『愛に似たもの』で柴田錬三郎賞受賞。※『anan』2019年11月20日号より。写真・土佐麻理子(唯川さん)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年11月13日’80年代にも“沼落ち”はあった!?親衛隊に居場所を求めた少年たちを描く、高崎卓馬さんによる小説『オートリバース』。今は“沼落ち”などと表現されるが、’80年代はアイドルを熱烈に応援する“親衛隊”という集団がいた。「小泉今日子さんから親衛隊の話を聞いたのは、10年ほど前。世間からは不良と呼ばれていたけれど、本当にすごくいい子たちで、面白い話がいっぱいあるのにどこにも残っていないのが寂しい、と。だったら僕が書きたいと手を挙げたんです」口約束だったため時間は流れてしまうのだが、高崎卓馬さんは子どもの成長とともに自身の思春期を振り返り、今なら書けると思い立った。小説『オートリバース』は、千葉の中学校に同じ日に転校してきた橋本直と高階が主人公。ふたりは、校内暴力真っ盛りの学校にも家にも居場所がなかったのだが、あるとき高階が売り出し中の小泉今日子の親衛隊に入隊し、直も追いかけることに。「小泉さんや実際に親衛隊だった人に細かく取材をしたのですが、ドキュメントを書き記すことは僕にはできない。でも当時の熱や、あの時代を一生懸命生きていた人たちを肯定したいという気持ちがありました」親衛隊の特徴は、完全な縦社会であること。今では信じられないが、アイドルとお茶会をしたり、コンサート会場で警備をしたり、芸能事務所に就職する人までいたらしい。「10代の子たちが彼らなりにルールを作り、こんなに大人っぽいことをしていたのかと驚きました。周りからは不良とみなされていたとしても、別の基準だと正しい部分もあるわけで、そこをきちんと描きたかった」しかし、アイドルの人気上昇とともに親衛隊は巨大化して派閥が生まれ、暴力で支配する者も現れた。高崎さんが小説を書く際にこだわったのは、できるだけ舞台となる場所に行き、自分の足で歩いてみること。「’80年代カルチャーがたくさん出てくるのですが、当時を知っている人も知らない人も、映像が浮かぶような文章にしたかったんです。現場へ行くのはロケハンに近い感覚で、カメラの位置はどこにあるのか常に想像しながら描写していました」そして2年ほどかけて、純度を上げるようにこつこつ書き上げた。「すぐに読めたと言われると嬉しい半面、寂しい気持ちに(笑)。でも晩年の話ならともかく10代の話だから、このくらいのスピード感のほうが合っているのかもしれませんね」たかさき・たくまクリエイティブ・ディレクター、CMプランナー。国内外の受賞多数。映画『ホノカアボーイ』の脚本・プロデュースやドラマ脚本も手がける。著書に『はるかかけら』『表現の技術』など。『オートリバース』「小泉今日子を1位にする」という目標を掲げ、親衛隊の活動にのめり込んだ少年たちが、手に入れたものと失ったものとは…。中央公論新社1400円※『anan』2019年11月13日号より。写真・土佐麻理子(高崎さん)中島慶子(本)インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2019年11月09日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はモデル、女優の中村里帆さんです。初表紙の夢を叶えたことが人生のターニングポイントに!14歳の時にティーン誌でモデルデビュー、今年で6年目。最近、専属モデルを務める『Ray』で初表紙を飾ったことがターニングポイントに。「今までで一番反響が大きくて、気が引き締まりました。さらに表情やポージングの練習をして、この洋服を着せたいと思われるような“自分の色”を身につけたいです」。女優業にも意欲的。「約2年、演技レッスンに通っています。今後はもっとお芝居にも挑戦したいですね」。実は意外な一面も。「白米&お漬物やあん肝が好きで、ずっと食べちゃいます!」海外のイケメンたちが眼福すぎて……!写真は映画で知ったティモシー・シャラメ。色白で、華奢な人がタイプ!久しぶりに食べたらドはまりしました!卵かけごはん、毎日食べています。今度、卵の専門店に行ってみたいな!クローゼットの7割がワンピースです!季節問わず着ちゃいます。柄物やフリルがついたガーリーなデザインが好み。なかむら・りほ1999年生まれ。14歳でモデルデビューし、現在は雑誌『Ray』で専属モデルを務める。11月20~24日、演劇集団Z‐Lion第11回公演『裏からGood Schoolへ』に出演。※『anan』2019年11月13日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2019年11月08日