意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「米中外交」です。体制の違いにより対立が顕著に。注視が必要です。アメリカの外交政策を、国際協調から「アメリカ第一主義」に大きく方向転換したトランプ前大統領。バイデン大統領は2月の演説で、「アメリカは戻ってきた」と世界に向けてメッセージを発し、再び協調体制に戻すこと、失われた同盟関係を修復することを宣言しました。問題は対中国です。就任前には「弱腰になるのでは?」と推測する声がありましたが、それを覆すかのようにバイデン政権は中国に強い姿勢を示しています。人種や宗教によって差別することは許さないと、新疆ウイグル自治区や香港、東南アジアに対する中国の挑発的な支配姿勢を批判。「中国の経済的虐待に立ち向かう」「人権や知的財産、グローバルガバナンスに対する中国の攻撃を押し返す」などと表現しました。中国への強硬姿勢は、トランプ時代と変わりませんが、バイデン大統領は「アメリカの国益となる場合は、中国政府と協力する用意がある」と付け加えることも忘れませんでした。しかし、米中関係は日に日に緊張感を増しています。3月に行われた米中外交トップ会談では、人権に反する中国の行為を非難したアメリカに対し、「内政に干渉する行為には断固として反対」と、中国側は強く反発しました。中国は自らを民主国家と謳いますが、民主主義の定義が私たち自由主義国とは異なり、最終決定権はすべて中国共産党にあります。バイデン大統領は、中国が民主国家に変わることを期待していたのですが、体制の違いは露わになるばかり。3月末の記者会見でバイデン大統領は「21世紀における民主主義と専制主義のどちらが機能するかの闘い」と発言し、対立を極めました。習近平国家主席は、オバマ政権のころには「G2」として、中国とアメリカで世界の秩序を作ることを呼びかけていました。ところがトランプ政権になり対立関係に。本音ではビジネス上で繋がっておきたい両国ですが、不当逮捕や弾圧が日常的に行われる国相手では安心して投資はできません。今後、たとえば台湾をめぐり、米中関係がさらに悪化した場合には、日本の米軍基地から中国にプレッシャーをかける可能性も。他人事ではいられないのです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。新しい朝の報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~8:00)が放送中。※『anan』2021年4月21日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年04月16日情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、MCを務める水卜麻美アナウンサーとお笑いコンビ『ハリセンボン』の近藤春菜さんの出演が、2021年3月26日の放送で最後となりました。4月から水卜アナウンサーは、情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)に異動。また、近藤さんは「新しい環境で、いろいろなことにチャレンジしたい」という理由でスッキリを離れることにしたといいます。近藤春菜、「正直逃げ出したいと思うこともあった」同番組では、以前、MCの加藤浩次さんがズボンのチャックが開いたまま登場してしまい、近藤さんはそれが心残りだったのだとか。また同じがことがないように、チャック上げマシンを開発するなど、スッキリらしい放送となりました。そして、放送終了前に2人から最後にコメントを発表。近藤さんは、涙ながらに語りました。本当に5年間ありがとうございました。私は最初戸惑うことがあってですね。正直逃げ出したいと思うこともあったんですけれども、なぜここまでやらせていただけたかというと、加藤さんをはじめとする、チームスッキリのみなさんが毎日一生懸命、いろんなことと向き合い、事実を伝える。そしていろんな視点から伝える、そして何か違うということは真摯に向き合って謝るということをやられていて。さっきのチャックみたいなバカみたいなことも一生懸命やるというチームスッキリが大好きだから、私もチームの一員として、何かできることはないかとここまでやらせていただきました。スッキリーより引用ニュースに真摯に向き合う場面もあれば、ばかばかしいことをして視聴者に笑いを届ける場面もあるのを見て、自分にできることを探したという近藤さん。視聴者には、「孤独を感じる時は引き続き番組を見てほしい」と呼びかけました。視聴者のみなさんも何か、過ごしにくい世の中で孤独を感じたりとか何か1人を感じてしまったりとか、いろんなことが嫌になることがもしあったら、引き続きスッキリを見てください。そしたら、チームスッキリはあなたを1人にすることはありません。すごく真摯に向き合って、一緒に怒ってくれたり寄り添ってくれたり、時には新しい考えを教えてくれたりします。それは、加藤浩次さんという人がこういう男だからこういうチームが本当にみなさんがそうなんです。だから私も引き続きスッキリを見ながら応援しますし、このスッキリでいただいた愛や思いやりをいろんなところに届けられる、そんな風にしたいと思います。そしてチームスッキリとしてその名を恥じぬような活動をしていって、スッキリでまたいつか私のことを取り上げていただきたいと思います。スッキリーより引用(原文ママ)最後に、これから『ZIP!』で司会を務める水卜アナウンサーにエールを送った近藤さん。また、水卜アナウンサーもこれまでを振り返り、自身の想いを明かしました。生きていると考えていかないといけない問題とか、つらいこともあるんだけれども、でも「やっぱり笑いたい」というのはこのスッキリの2時間半にギュッと詰まっていてそんなところが本当に大好きです。こんなに愛をいただいていろんなことを学ばせていただいて、これから私は見てくださるみなさんに何を返せるかということが大切だと思います。スッキリーより引用加藤浩次、近藤春菜と水卜麻美アナを絶賛加藤浩次さんは、これまでの2人を振り返り、「近藤さんには守られていた」と思ったそうです。僕が春菜を守って、やってきたと思ってたんだけど、昨日いろいろ考えてたら相当春菜に守られてたなって思って。何か俺がいったことに関して全部コメントで返してくれて。分かりづらい、言葉が足りない俺がいったようなことに対して、フォローしてくれたりとか本当に助かってた。春菜はこれからどのジャンルでも、女優でも笑いでも、当然そうですけど。多分上に上がっていく人だと思うんで、もうここからは自分の好きなこと、周りを気にせず頑張ってください。スッキリーより引用近藤さんのコメントは、ネット上でも話題になることが多くありました。時には間違っていると思ったことには、指摘をするなど視聴者に近い存在でもあったでしょう。また、加藤さんは、水卜アナウンサーの考え方を絶賛するコメントを寄せました。水卜ちゃんが一番すごいなと思ったところは、『私が』じゃなくて『番組が』って主語が自分じゃなくて、番組だって常にいってるっていうのが、昨日思い起こしたらそんなことなんだよね。なかなかこういう出役の人っていうのは、「自分なんだ」っていう人が多いんだけど『番組が』って考えてくれてたの本当に感謝しております。スッキリーより引用同月25日の放送で2人のためにライブを行った際に降った紙吹雪には、スタッフたちから2人に向けてのコメントが書かれていました。スタッフ、出演者たちから卒業祝いのコメントをもらった2人。ネット上でも、さまざまな声が寄せられています。・大好きな2人が卒業してしまうのが悲しい…!3人の掛け合いが好きだった。・2人のコメントはいろいろな人へのリスペクトを感じました。・いつも誠実に温かいスッキリが好きでした。最後のあいさつにグッときた。今まで、多くの情報を届けてきてくれた近藤さんと水卜アナ。新しい場所で活躍する姿を、応援していきたいですね。[文・構成/grape編集部]
2021年03月26日2021年2月24日に放送された情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)で、お笑いコンビ『ハリセンボン』の近藤春菜さんが、自身の父親に起きた『奇跡の出来事』を明かしています。近藤春菜の父親が、街で偶然出会ったのは?芸能人にまつわるクイズを出題する『クイズッス』のコーナー。近藤さんは、お笑いコンビ『南海キャンディーズ』の山里亮太さんから「いろいろな役をやってるけど『お父さん役でこの人』っていうのはある?」と質問されると、「俳優の角野卓造さんです」と即答しました。近藤さんと角野さんは、顔が似ていることで知られており、近藤さんのギャグのネタにもなっているほど。2人はこれまでCMや映画で、実際に親子役を演じたこともあるそうです。さらに、近藤さんはつい最近起きたという驚きのエピソードを語りました。こないだ、角野さんとうちの本当の父親が街で偶然にお会いしたんです。親同士が。本当の父親が「角野さんじゃないかな」と思って、声をかけさせていただいたんです。そしたら、うちの父親も何回かテレビに出ていて、角野さんもそれを見てくださっていて、角野さんが「お父様ですよね」と、いってくださったんですよ。父親が「いつも本当にお世話になっています」っていったら、角野さんが「いや、こちらがなんですよ」といってくださったみたいで。奇跡があったなと。その次の日に、角野さんがバラエティでご一緒するオンエアがあったんです。そしたら、角野さんからうちの父に「明日放送ありますよ」と教えてくださったんです。スッキリーより引用近藤さんの話に、スタジオは大盛り上がり。「すごいね!」「お互い磁石のよう通じ合ったんだ…」といった声が上がっていました。ネット上でも、視聴者から反響が寄せられています。・近藤さんと角野さんのエピソードがすごい。その場面に遭遇したかった!・角野さん、いい人ですね。なんだかほほ笑ましい。・想像して笑ってしまいました。まさに運命の出会いですね!もはや近藤さんの第2の父親といっても過言ではない、角野さん。「2人の父親が並ぶ姿をテレビで見てみたい」と思った人は多いかもしれません![文・構成/grape編集部]
2021年02月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「子供・若者白書」です。自己肯定感の低い若者たち。長所を伸ばせる社会に。内閣府が毎年国会に提出している「子供・若者白書」。2019年に発表された「日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~」が話題になりました。これは‘18年の冬に7か国の13~29歳の男女を対象に行われた調査で、国際競争力や結婚観、自ら切り拓く力など、日本の国力に関わる若者の実態を知ることが目的で行われました。この結果、日本の若者は他国の若者と比べて、自己肯定感が低い傾向にあることがわかりました。「自分自身に満足しているか」という問いに対して、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を含め、イエスと答えた若者は、日本は5割に届きません。ところがアメリカは「そう思う」が57.9%。肯定的回答を合わせると、欧米諸国はほぼ8割を超えています。「自分に長所があると感じているか」という問いには、「そう思う」と断言する日本の若者はわずか16.3%。他の6か国は日本の倍近く、さらにそれ以上の高い割合で「そう思う」と答えています。日本の若者の自己肯定感の低さは、自分は役に立たないと感じる「自己有用感」の低さが関わっているようだと内閣府は分析しています。一方で、家族に大切にされていると感じる若者は多く、海外留学や海外居住を求める割合は低い。堅実で謙虚な優しい日本の若者像が浮かび上がりました。なかでも気になったのは、「よく嘘をつくか」という問いに7割の若者が、つかないと答えている一方で、「人は信用できないと思う」という設問に肯定的回答をした割合が5割以上。これは、政府のモリカケ問題や桜を見る会の問題、ブラック企業やいじめを隠蔽しようとする学校など、社会に対する不信感の表れなのではないかと思います。「うまくいくかわからないことに意欲的に取り組むか」という設問にはイエスとノーの回答がほぼ半々でした。成功体験の有無が影響しているのかもしれません。1月11日は成人の日。若者たちがそれぞれの特性に応じて活躍できる環境を、社会として作るべきではないでしょうか。若者のみなさんには、とるに足らない人間なんていないのだから、好きなことを追求して長所を伸ばしていってほしいと思います。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が昨年公開された。※『anan』2020年1月13日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年01月09日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「脱ハンコ」です。無駄な手続きを省くのが目的。押印否定ではない。菅政権になり、書類に押印をする手続きを簡略化しようと「脱ハンコ」の動きが官民で急速に進んでいます。コロナ禍のなか、テレワークが推奨されながらも、経理部門などでは、押印のためにわざわざ出社しなければいけないというような事態になっていたことも、改革の後押しとなりました。ただ、河野太郎行政改革大臣も話していましたが、政府はすべての押印をなくそうとしているわけではありません。印鑑証明や銀行印、契約書の押印などは残ります。そもそもハンコの問題ではなく、書類申請や申し込みなど、責任を分散させるために何人もの承認印を押させるなど、煩雑だった手続きを見直すことから始まりました。契約書の押印も、実は民法上では必須ではありません。口約束でも証明さえできれば契約は成立します。ただ、たとえば裁判になったとき、「自分で判を押した」ということが本人の承認意志の有無の証明になるため、押印を求められることが常になっているのです。インターネットの登場とともに電子取引が増え、2001年には電子署名法が施行されました。しかし、電子認証の申請手続きのハードルが高く、なかなか利用されませんでした。その後、テクノロジーが発達し、民間企業の方で電子署名の仕組みが進み、2017年以降、電子契約サービス市場は急速に伸びています。2018年に約37億円程度だったのが2023年には198億円になる見込みです。コロナ禍で契約者数が増え、電子契約サービスを導入している日本の法人数は300万社前後にのぼりました。Eメールの登場で、逆に、手書きの文書が特別なものになったように、今後、印を押す行為は文化として継承されていくのではないかと思います。脱ハンコは菅政権の行政改革の「1丁目1番地」。デジタル化の一つとして進められました。安倍政権のころから提案されていた事案。代替サービスもありますし、押印の必要性は法的根拠もなく、なんとなく皆が続けていた古い産業形態だったので、おそらく誰も反対はしない。ここにメスを入れるのは、菅総理にとって、手柄を立てるのにもってこいのテーマだったんです。堀潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年12月23日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年12月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「大阪都構想」です。大阪をきっかけに、都市のあり方の再検討が進めば。11月1日、大阪都構想についての住民投票が行われ、反対多数で否決されました。大阪都構想とは、大阪府が「都」になることではありません。大阪市を廃止して、4つの特別区として再編。東京23区のように地域ごとに行政区を割って、地域特性を生かし細やかな地域サービスを実現。広域的な行政は大阪府が行うという提案でした。これまで大阪府も大阪市も同じように権限を持ち、財源もあるため、「二重行政」となって税金の無駄遣いになっていると問題視されていました。たとえば、大阪府で高層商業ビルを建てたのに、同じようなビルを大阪市でも建てたり。あるいは、府がやろうとすることに市が反対し、プロジェクトが進まないというような事例も重なり、大阪の産業の衰退を招いたといわれてきました。それを解消しようと当時、府知事だった橋下徹さんと松井一郎さん(現在の大阪市長)が中心となり、2010年に「大阪維新の会」が立ち上がり、大阪都構想を掲げたのです。2015年に住民投票をしましたが否決。今年2度目の住民投票も再否決され、廃案になりました。大阪維新の会は新自由主義的な政党なので、競争させて無駄は省くという考え方。コストカットの側面から、行政サービスが悪くなるんじゃないか、というのが反対派の見立てでした。廃案になったものの、菅総理は「大都市制度の議論に一石を投じた」と提案については一定の評価を示しました。実際、平成の大合併により、多くの市町村の再編が行われ、同じ市のなかでも中心部は潤うが山間部は廃れるといった格差も生まれてしまいました。逆に、合併を選ばなかった村が地域特性を生かして発展していったケースも。社会的ニーズが多様化し、生活環境が変化に富むいま、暮らしや財政の基盤となる行政はもう少しミニマムにしていったほうが、隅々にまで目が届くのではないかと思います。松井市長は、その後、大阪市を残したまま区の権限を強くする8つの「総合区」を設置する条例案を来年2月に市議会に提案すると表明。大阪に限らず、これを機に地方行政のあり方を再検討する動きが進むことを望みます。堀潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年12月9日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年12月08日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「新疆ウイグル問題」です。企業のSDGsの意識を強めるきっかけになった。中国の新疆ウイグル自治区では、中国政府がウイグル族の人々を弾圧したり、100万人以上を収容所で強制労働させているなど、非人道的な行為が長年、世界的に問題になっていました。ウイグル族はイスラム教を信仰しており、中国共産党は実質的に宗教の自由を認めていません。特定の宗教は弾圧し、言葉や文化も漢民族への同化政策をとっています。そのことに反発し、一部のイスラム原理主義への回帰思想の人たちがテロを起こすようになり、中国共産党はそれらの過激派をテロ組織と認定し、取り締まりを強化するという悪循環も生まれているのです。今年、新疆ウイグル問題がさらに注目を浴びたのは、3月にオーストラリアの政府系シンクタンクが、世界の82社のサプライチェーン(部品や原材料の調達から製造、販売、消費までの一連の流れ)に、ウイグル族の強制労働が含まれていると発表したからです。そのなかにはアパレル、自動車、電化製品、携帯端末、ITなどの世界の有名多国籍企業や日本の企業も数多く含まれていました。これまでは人権や環境に配慮していると宣言していた企業でも、ウイグルの人たちから搾取するような強制労働に加担していることが明らかになり、各社対応に追われました。いまやESG投資が広まっており、人権や環境に感度が高い企業が投資の対象になり、それらに問題を抱えているとただちに企業価値を損ねます。しかし、サプライチェーンは多岐にわたっているため、メーカー側にしてみれば、まさか自分たちの会社が!と寝耳に水の出来事でもあったのです。トランプ政権は6月にウイグル人権法案を施行。ウイグル族弾圧に関与していることがわかった中国当局の担当者に、制裁を科せるようにする法律です。9月にはウイグル自治区で生産されている綿製品の輸入の禁止を宣言し、対中政策を強化しました。もしかしたら、私たちが普段着ている服や使っているスマホが、ウイグルの人々の強制労働につながっているかもしれません。そういう想像力を欠かさないようにしたいですね。こういう動きをきっかけに、SDGsの取り組みが世界的に進むことを願います。堀潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年11月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年11月19日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「小選挙区制」です。時局により、すぐ体制が変わりやすい選挙制度。安倍前総理の退陣により発足した菅内閣の任期は2021年の9月末までです。支持率の高いうちに衆議院を解散、総選挙を行って、盤石な体制を整えようという声も自民党内から強く上がっています。いま衆議院選挙で取り入れているのは小選挙区比例代表並立制。小選挙区制では、1つの選挙区から1人を選出します。この場合、与党かそれ以外か、ほぼ一騎討ちになるため、時の風によって体制が一気にひっくり返りやすい。民主党政権も、原発や消費税問題で対応を間違い、あっという間に政権が自民党に戻ってしまいました。小選挙区制では少数派の意見を拾いにくいという問題もあります。実は1993年までは中選挙区制でした。同じ選挙区内から3~5人を選べたので、多様な議員を国会に送ることができたのです。ただ、選挙区が広いと選挙運動に金がかかり、地元の有力者や代々政治家家系の候補者が有利になり、汚職も広がりやすい。それを改善しようと小選挙区制になりました。選挙で「支持する候補者はいるが、所属する政党は支持していない。どうしたらいい」という悩みをよく聞きます。僕は、小選挙区制では政治家個人の資質を見て選び、比例代表制の政党は、普段から自分の考え方に近い政党に投票するようにしています。ただ、比例代表制も、党の判断で名簿上位に並んだ候補者が私たちが選んだわけではないのに当選し、その後、汚職にまみれていく問題などが起きています。自民党の青年局が73歳定年制を打ち出したときには、党内でも相当の抵抗がありました。73歳を越えた候補者が比例代表の名簿の上位におり、本当にこの人たちは必要かと切り込んだのです。国民にとっていい政策を実現するには、与党と野党が緊張関係を持ち、多様な意見が飛び交い、慎重に議論できるようにしておくことが必須です。現在、女性議員や女性閣僚の比率はOECD加盟国でも日本は最低レベル。時代にマッチした、新しい感覚を持った議員が活躍できる国会や政府であってほしいですね。そのためにこの選挙制度は最適なのか、あらためてチェックする必要があるのかもしれません。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年11月4日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年11月03日2020年10月25日に、お笑いコンビ『ハリセンボン』の近藤春菜さんがブログを更新。ファンに対する感謝の気持ちと、ネガティブな気分に陥った時の対処法を明かしました。近藤春菜「素直に好きなものを好きといえる世界に」冒頭で「連続で嫌なことが起きると、ネガティブな気分になる」とつづった近藤さん。そういった負の感情に押しつぶされそうな時に、ファンから届く声援や温かいコメントに励まされているといいます。そのうえで「どんなことがあっても、その一方でいいこともあるから、そっちに目を向けないのはもったいない」と持論を明かし、次のようにつづりました。好きなものがたくさんあればあるほど、好きなものにいいことがあると喜びをもらえる。楽しみをもらえる。だから、いろんなものを好きになっていいし、好きになったことをたくさん口にしていいと思う。好きなもので溢れる世界はしあわせです。近藤春菜オフィシャルブログーより引用近藤さんはネガティブな気分の時こそ、好きなものに触れて喜びや楽しみをもらっているそうです。いつも応援してくれるファンに対して「私はみなさんが好きです」という素直な想いをつづり、最後をこう締めくくりました。好きなものを好きと言える世界が好きです。もっと素直に好きなものを好きと言える世界になりますように。近藤春菜オフィシャルブログーより引用近藤さんのブログに対し、読者からはさまざまなコメントが寄せられています。・素敵な考え方!春菜さんの温かい人柄を感じました。・すごく共感します。できればポジティブな気持ちで過ごしたいですよね!・本当にその通り。イライラした時こそ、好きなものに触れる時間を大切にしたいです。大切な友人や家族と過ごしたり、趣味の世界に没頭したり、人によってストレスを発散させる方法は異なるでしょう。ネガティブな気分に陥りがちな時こそ、好きなものやことがらと触れ合う時間を大切にしたいですね![文・構成/grape編集部]
2020年10月26日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「菅内閣誕生」です。なぜ改革が必要か、目的と理由の情報公開も求む。安倍総理が病気を理由に退陣。9月16日、自民党の菅義偉総裁が、第99代内閣総理大臣に指名され、菅内閣が発足しました。就任の記者会見ではデジタル化強化のために新しくデジタル庁を創設することや、少子化対策として不妊治療の保険適用を実施したいと発言しました。安倍政権の流れを汲み、継承していくのは安全保障政策や自衛隊のあり方、憲法改正など。菅さんは外交経験は少ないため、ロシアのプーチン大統領など、前総理がこれまでに積み上げてきた信頼関係を生かし、体調が回復し次第、安倍さんが外交特使として派遣されるのではないかと注目が集まっています。特にいまは、アメリカと中国が牽制し合っている最中なので、前任者に託すというのは、いい対策なのではないかと思います。一方、内政に関して菅内閣は、積極的に改革を行おうとしています。安倍さんとの大きな違いは、菅さんは世襲政治家ではなく無派閥ということ。会見でも「行政の縦割り、既得権益、悪しき前例主義を打ち破り、規制改革を全力で進める」と断言していました。前政権では、成長戦略が道半ばで終わってしまったので、これからは民間の参入を積極的に打ち出すことになりそうです。政府内でもベンチャー企業が活躍できるかもしれないという期待は、企業家の間に高まっています。また、官邸人事は強化されるでしょう。内閣の方針に沿う人は重用するけれど、抵抗する人は容赦なく切るという傾向は今後も続きそうです。9月には「日本学術会議」が推薦した候補者のうち6名の任命を見送りました。その理由が不明だという声が上がりましたが、明確な説明はなされていません。パンケーキ好きなど、柔らかいイメージのメディアプロパガンダも効いて、就任時には74%と高い支持率を集めました。しかし、改革により、特定の産業や企業、一部の富裕層や企業家にのみ利益がもたらされ、弱者が切り捨てられることになってはいけません。「誰にとっての改革なのか」ということは見失わないでほしいと思います。また、なぜ改革が必要なのか、目的と理由に関するしっかりとした情報公開はぜひ求めたいところです。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年10月28日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年10月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「政府事業の民間委託」です。問題点は行政側に。新規民間の参入と育成が課題です。新型コロナウイルス対策の「持続化給付金」の支給において、経済産業省がサービスデザイン推進協議会に事業委託。そのほとんどを電通に再委託していたことが発覚し、中抜き疑惑が湧き起こり問題になりました。こういう大きな行政事業は、お金の管理、宣伝文句やデザイン、業者への発注など、仕事が多岐にわたります。しかも迅速に実行しなければいけないとなると、ノウハウを持ち安心して任せられるのは大手広告代理店しかないというのも事実です。東日本大震災で、計画停電を急にしなければいけなくなったときも広告代理店がいろいろなプロジェクトを組んで進めていました。前述の問題の決定的なミスは、説明がきちんとなされなかったことでしょう。不透明な関係で、本当は発注に偏りがあるのに、あたかも公平にやっているかのように見せかけた手法が問題。最初から、こういった大事業を頼める業者は限られていることを正直に公表すればよかったのだと思います。ただ、発注先が限られるということは、市場競争が起こらないため、価格が適正なのかどうかも判断がつきません。この状況を変えるためには、日頃から、様々な業界が行政事業に参入しやすくすることではないでしょうか。アメリカではオバマ政権以降、「オープンガバメント政策」を打ち出しており、政府の透明性、国民参加、官民協業を謳っています。地方行政では福岡市がITやデジタル技術を積極的に使った、新たな行政サービスを次々と打ち出しています。交通では配車サービスの「Uber」のライドシェアをいちはやく実験的にスタート。ベンチャー企業の誘致も進め、育成に力を入れてきました。LINEやYahoo!などのテック系、デジタル系新興企業と連携してプロジェクトを動かすなどしており、他県から視察も多く来ているようです。大手広告代理店が悪いという話ではなく、政府はきちんと情報公開をして、民間参入者を増やし、新たな産業を起こしたり企業育成をすること。本当の意味での効率を高めて、先鋭的、前衛的な新陳代謝のいい国になる必要があるのではないかと僕は思います。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年10月14日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年10月12日2020年9月24日放送の、情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、最新家電を導入したり、スーパーのお弁当やお惣菜を利用したりと『主婦業の9割削減』を目指している女性について特集。スタジオでは、夫婦の家事負担の差について議論が展開されました。妻の家事に従事する時間は、夫の約7倍!同番組は、『国立社会保障・人口問題研究所』が2018年に行った『全国家庭動向調査』を紹介。平日の平均家事時間は妻が263分に対し、夫は37分。平日の平均育児時間は妻が532分に対し、夫は86分だったといいます。これらのデータから、「妻の負担は夫の約7倍であり、男性の育児参加は増加しているものの、家事は妻に任せる人が多いことが浮き彫りになった」と報じました。夫に、根気よく家事を教えなければならない夫の家事について、コメンテーターとして出演している、日本テレビ報道局・社会部解説委員の下川美奈さんは…。私もかつて結婚していた時代、共働きだったのでいろいろ分業を最初は決めてたんですけど。結局夫のほうが慣れていないと、時間がかかっちゃって、余計に後から直さないといけないっていう。結局「いいよ、私がやるよ」っていう風になって、こっちのこらえ性のなさで、自分が全部やっちゃうみたいなところもあったなっていうところを反省していて。やっぱりある程度やったことのない人がやるには、ちょっと時間がかかるので、長い目で見て『育てる』というか…。「そういう時間があって、分業するっていうことも大事なのかな」って我が身を振り返ると、思います。スッキリーより引用下川さんのコメントに、司会を務めるお笑いコンビ『極楽とんぼ』の加藤浩次さんは「『なんで夫を育てなきゃいけないんだ』『目についたら自分でやれよ』って思っている主婦もいると思います」と苦笑い。下川さんは「夫に、根気よく子供をあやすように家事を教えなきゃいけない。その上で、妻が苦手な部分は分担してもらったり、家事サービスの導入を検討したりすることが重要だと思う」と回答しました。また、コメンテーターとして出演している、お笑いコンビ『ハリセンボン』の近藤春菜さんは…。それぞれ、ご家庭によって違うでしょうけど、何が家事かっていう線引きも、それぞれの価値観で違うようになっちゃってんのかなって。すべて、一緒に生きることのすべては家事だと思って、やっていけばいいんじゃないかなって、一人暮らしの私は思います。スッキリーより引用加藤さんも、近藤さんの意見に賛同し「夫婦間の会話が大事だね」とまとめました。夫婦間の家事や育児に従事する時間の違いについて視聴者は…。・うちも主婦業削減のために最新家電取り入れたいけど、そんなお金はない!だから夫に手伝ってほしいけど、何度いってもやってくれないし、機嫌を悪くします。・加藤さんの察する通り、「なんで私が夫を育てなきゃいけないんだよ」です!でも、本当に家事の習慣がない人って、何をすべきかが分からないみたい…。・「何が家事か」という認識の差は大きいです。掃除洗濯や皿洗いだけが家事ではない!コメントには「最新家電を取り入れたくても取り入れられない」という意見が多く上げられていました。最新家電を購入を検討する前に、『家事や育児は夫婦で行うもの』という意識が当たり前になってほしいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年09月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「日本の防衛」です。攻撃力を高めるより外交、経済政策でリスク回避を。日本の防衛における今年の大きなトピックは、河野防衛大臣が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の秋田・山口への配備を撤回したことでしょう。撤回の理由は、想定されていた安全が確保できないこと。改修に費用がかかりすぎることなどでした。イージス・アショアは、飛んできたミサイルを撃ち落とすシステムです。いま計画を撤廃することで、防衛のためには敵基地に攻撃する能力のあるミサイルシステムが必要なんじゃないかと、話は思わぬほうに進んでいます。そうなると新しい兵器を買わなくてはいけませんし、攻撃能力を持てば、当然攻撃されるリスクも高まります。こうして、際限なく防衛力の拡張にひきずりこまれてしまうことを「安全保障のジレンマ」といいます。2020年度の防衛予算は5兆3130億円と過去最大になりました。2010年くらいまでは5兆円程度でしたが、近年一気に跳ね上がっています。理由の一つは、アメリカが防衛費を見直したこと。自国の経済も疲弊しているアメリカは、日本や韓国から軍を撤退し、自分の身は自分で守ってくれという姿勢でいます。これを受け、これまで空母を持たなかった日本も、空母の機能を持たせるために護衛艦いずもを改修したり、母艦に離発着できるオスプレイを配備したり、宇宙やサイバー関連にも防衛費を投入しました。ただ、安全保障は、軍事力増強だけが方法ではありません。外交政策も大きな歯止めになります。経済的な結びつきを強め、相手国を攻撃すれば自分たちも不利益を被る、という関係を作っておくことはとても有効です。EUが誕生したのも同じ理由です。2つの世界大戦の反省を受け、経済的関係を強めることでEU圏内は戦争を回避してきました。日本も、TPPやRCEPなど、アジア太平洋地域で大きな貿易圏を作り、互いを攻撃しにくくする方法を構築しようとしています。いま新型コロナで、人もモノも行き来しづらくなり、自国第一主義に走りがちです。しかし、各国の連携が薄れれば、リスクも高まります。このなかでどういう防衛協調策があるのか、今後もウォッチしていきたいと思います。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年9月30日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年09月23日2020年9月3日、情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、SNSで多くの反響を呼んだ、子供の『二重整形』について特集。出演者である近藤春菜さんのコメントに、称賛の声が集まっています。近藤春菜「自分を好きになってあげてほしい」ことの発端は、ある母親が10代の娘に『二重整形』を受けさせたというSNSの投稿でした。投稿によると、母親の娘は、同級生の男の子の心ないひと言が発端で、『二重のり』をしなければ登校や外出ができない日々を2年間過ごしていたのだといいます。二重のりとは、のり状の液体をまぶたに塗り、目を一重から二重にするためのもの。「一重でもかわいい」「そのままでいい」とたくさん褒めても、二重のりはいらないと説得しても、娘の容姿に対する悩みはひどく、苦渋の決断で整形外科へと連れて行ったのだそうです。※写真はイメージ整形手術後、娘は毎朝しっかり起きて登校し、「目を褒められた」と自信もついて友達をどんどんつくり、勉強にも身が入るようになったと母親はつづっています。一連の出来事に対し、MCの加藤浩次さんは「その子が明るくなるんだったらやってもいいんじゃないかなと僕は思う」と発言。その後、意見を求められたコメンテーターの近藤春菜さんは、次のように語りました。私も、すごく思い悩んでいたということなんですけど、二重にすることによって何よりも心が明るくなって、前向きになっていろんなことにチャレンジできるようになるんだったら、私はいいと思うんですよ。ただ、その根本、原因も考えなきゃいけないと思っていて。小学校5年生の時にからかわれたっていうことから、気にするようになったんなら、そのからかった子たちは、人をこういう風に思い詰めることをいってしまったんだっていうことを自覚しなきゃいけないと思いますし。整形した子に関しても、一番容姿が変わってくる時期だと思いますし、気にする時期だと思うんですけど、価値観はいろんなものがあって、かわいい、きれいだけじゃなくて、一緒じゃないことが武器にもなったりもするんだよっていう価値観も持ってもらって。じゃあ、どういう風にしてる自分が好きなのか。自分を好きになってあげてほしいなって、まず思います。スッキリーより引用「からかった子たちは反省してほしい。整形した子は、みんなと一緒じゃないことが武器になることに対して価値観を持ってもらいたい」という近藤さん。また、近藤さんは「自己肯定感を成長させる時期なので、いろんなチャレンジをしたり、好きなことを突き詰めてみたりして、その姿を見た人から褒めてもらうといい」と、持論を展開しました。近藤さんの発言に、視聴者からは称賛の声が集まっています。・私も春菜さんの意見と一緒。私は容姿でジャッジされない環境に移ってから気にならなくなったし、好きなことやそれに対する誇りがあれば前向きに生きていけると思います。・整形に反対ではないけど、それで解決していいのかなってモヤモヤしていたら、春菜さんの意見がストンと懐に落ちてスッキリしました!・春菜さんの意見にものすごく納得したし、心に響いた…。若かりし頃の自分に教えてあげたい。容姿に対するコンプレックスを抱いている人は多いはず。しかし、近藤さんのいうように、自分の好きなことに打ち込んで努力や人柄を評価された結果、自己肯定感が高まる場合もあるでしょう。自分の心とうまく対話し、「楽しい」「幸せ」と感じることや、やりがいのある趣味などを、一人ひとりが増やしていければいいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年09月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「コロナ禍の災害支援」です。被災地と離れていながらできる、新しい支援に注目。今年も豪雨災害が続いています。7月には熊本を中心に、九州やその他の地域が大きな被害に見舞われました。しかし、このコロナ禍では感染リスクもあり、自由に移動ができません。現地ではやはり人手が足りていないとのこと。とはいえ、県外の方が来ると地元から一斉に不安の声があがり、疑心暗鬼も招いてしまうそうです。そんななか、新しい支援の形が2つ見られました。一つは、被災した当事者がAmazonの「ほしい物リスト」で必要物資を公開し、支援を募るというもの。八代市の水没した保育園では、園児の帽子からフェルトペン、シーツに至るまで具体的に必要なモノと数をリストアップしました。これまでは、被災地で何が必要なのかの情報をリアルタイムに得るのが難しく、物資を送っても自治体の倉庫で管理されて適切に届かないというような問題がありました。その点、この方法は明快で合理的です。もう一つは、熊本地震をきっかけに結成された支援団体「BRIDGE KUMAMOTO」の働きです。広告を手掛けるデザイナーや映像クリエイターらが中心メンバーで、7月の豪雨災害を受け、いち早く基金を創設。これはクラウドファンディングで支援金を募り、被災地支援を行う組織や団体はBRIDGE KUMAMOTOに申請して、助成金を受け取れるというシステムです。全国のクリエイターたちに呼びかけて動画メッセージ集を作るなど、お金以外の支援も行っており、僕もナレーターとして参加しました。このように中間支援団体がSNSを展開して支援に入るというのは新しい動きです。行政では手の回りにくいところを細やかにサポートしています。豪雨や台風災害は今後も起きるでしょう。地震や富士山の噴火の危険もはらんでいます。コロナ禍の複合災害では、外に出られない、外からの支援が得られない状況が続く恐れがありますから、食糧や水、常備薬に加え、マスクや消毒液も適量、備蓄しておいたほうがよいでしょう。これまで避難所ではたびたび、食中毒や感染症の問題が起きていました。コロナにより、衛生面の危機意識が一般的に高まったのは、良かったことかもしれません。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。3月に監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開された。※『anan』2020年8月26日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年08月19日俳優の志尊淳、城田優、お笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜が18日、ディズニー&ピクサー最新作『2分の1の魔法』(8月21日公開)のオンライン花火大会に、浴衣姿で登場した。本作の公開を記念して、「絆をつなぐ」をコンセプトにディズニーとして初となる“オンラインでの花火大会”を開催。イベントの様子はディズニー・スタジオ公式YouTubeなどで生配信された。日本語吹き替え版で主人公の内気な少年・イアンを演じた志尊、陽気な兄・バーリー役の城田、優しい母・ローレル役の近藤が、花火大会らしく華やかな浴衣姿で登場。3人が視聴者からの生質問にその場で答える質問コーナーでは、仲の良い声優陣のトークで盛り上がった。そして、魔法の杖を持った志尊の魔法の言葉「ブーン・ハナビア!」という掛け声で魔法の花火大会がスタート。東京だけでなく大阪や名古屋など日本各地を背景に、イアンやバーリーなどのキャラクターの花火や、事前にディズニー・スタジオ・アニメーション公式Twitterで募集した“大切な人へ贈るメッセージ”入りの花火が華やかに打ち上がった。中には、志尊の「皆がいるから一歩前に進める。ありがとう!」というメッセージや城田の「あなたの笑顔がたくさん見られますように」、近藤の「絆があれば、離れていても大丈夫!」という声優陣からのメッセージ花火も。3人はオンライン花火大会に大はしゃぎ。「皆さんのメッセージがすごく胸に残るような素敵な思い出を作ることが出来ました」「メッセージ花火が上がる素敵な時間を過ごさせていただいて本当に幸せでした」などと感想を語った。3月から公開延期になっていた本作がついに公開を迎えられるが、志尊は「3月から公開日が変わり、作品の捉え方も変わってくると思います。この夏はみんな一緒に見て前を向いていきたいと思います」としみじみ。城田は「どこかに出かける事が難しい中ですが、映画館は換気がちゃんとしていて人数も制限されているし、ご家族で観ていただきたいです。夏ならではの冒険でわくわくしますし、家族でも一人でもカップルでも観ていただいても心が温かくなりほっこりできる作品です。淳ちゃんと見に行く約束していたのですが、春菜と3人で行きたいです」と話し、近藤は「夏に家族で観るのにぴったりの時期に公開することができてうれしいです。映画館は同じ方向を見て楽しんでいただけるのでいいですね」と喜びを語った。そして、本作の見どころについて、志尊は「どこをとっても大好きな映画ですが、この映画の中で『お父さんを探しに行くんだ』と言うけど、その後はどうなるの? という所ですよね。キャラクターの描写がとてもチャーミングなんです。仕草や関係性とか全部。また、最後だけじゃなくて人それぞれ感動する部分があるので楽しんでほしいです」とアピール。城田は「まず2020年の今だからこそできる映像美が本当にすごいです。また、一番好きなのは『大切なものは常に一番そばにある』というメッセージです。見終わったあとみんな気付かされますし、感動して泣きますので3回くらい行ってほしいです」と伝え、近藤は「こんなに感動的な映画なんだって思いました。予想がつかなくて映画を見たら『なるほどだから“2分の1の魔法なんだ”』って思う映画です。最後まで楽しんで見てほしいです」と呼びかけた。(C)2020 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2020年08月19日角野卓造じゃねぇよ!お笑いコンビ『ハリセンボン』の近藤春菜さんの鉄板ネタといえば、ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)で知られる、俳優・角野卓造さんに間違われるというイジりに対し「角野卓造じゃねぇよ!」と答えるもの。以前、角野さん本人は近藤さんのネタについて、「まったく気にしていないどころか、むしろ春菜さんに感謝している」とコメントし話題となりました。角野卓造「正しく名前を呼んでくれる人は少なかった」状況を変えたのは?角野卓造じゃねぇか!近藤春菜と『日向坂46』のコラボに爆笑情報番組のコメンテーターとして、真面目な顔を見せることも多い近藤さんですが、ネットでは彼女の『アイドルとしての顔』も話題となっています。バラエティ番組『内村のツボる動画』(テレビ東京系)の企画で、近藤さんが人気アイドルグループ『日向坂46』とコラボレーションしたMVがYouTubeに投稿されたのです!『日向坂46』の楽曲『#ドレミソラシド』を、メンバーとともに全力で踊る近藤さんですが…。角野卓造じゃねーか!MV終盤には、踊ることをやめ、突然チャーハンを作り始めた近藤さんに、多くのファンからツッコミのコメントが寄せられました。・途中までアイドルの顔をしていたのに、結局、角野卓造じゃねーか!笑わせてもらいました!・『日向坂46』のメンバーに負けないくらい、近藤さんもダンスがキレッキレですね。・近藤さん、きっと忙しいはずなのにダンスも完璧に覚えていてすごい!『日向坂46』のファンとして、感謝しかないです!・チャーハンを振る動きが楽曲にあってて笑った。ツッコミ不可避でしょ!近藤さんのダンスや『日向坂46』とのコンビネーションを称賛する声も多数寄せられています。番組名の『内村のツボる動画』のとおり、『日向坂46』と近藤さんのMVにツボり、何度も見返してしまいますね![文・構成/grape編集部]
2020年08月16日2020年8月14日に放送された情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)で、MCを務めるお笑いコンビ『ハリセンボン』の近藤春菜さんの言動に反響が上がっています。近藤春菜「私が今幸せじゃないみたいな感じが…」放送では、エンタメ情報を伝える『クイズッス』のコーナーで新ドラマの主演を務める俳優の波留さんが、ドラマの内容に合わせて「一番恋愛が下手そうな人をスッキリのMCから選んでほしい」と番組からお願いされたのです。波留さんは、「失礼な意味ではなくて、春菜さん。友達の恋を応援して、自分を優先できなさそう」と近藤さんを選びました。その後、波留さんはフォローをするように「春菜さんが幸せになれるように、応援しています」とコメント。近藤さんは、波留さんの気持ちを察した上で、番組の構成に苦言を呈しました。なんか波留さんは悪くないと思うんですけど、私が今幸せじゃないみたいな感じが前提としてあったんですけど。スッキリーより引用近藤さんは、今が幸せではないという決めつけで番組を制作しているのではないかと指摘。「幸せですか?」と問われた近藤さんは、『幸せ』について言及しました。幸せって自分が思ったらやっぱ幸せだと思って、誰かと付き合っているから幸せって誰が決めたんですか?結婚してるから幸せって誰が決めたんですか?スッキリーより引用ヒートアップする近藤さんに、「すいません、やめてもらっていいですか?こちらのほうで謝っておくんで!すいません!」と止めに入る加藤浩次さん。近藤さんは、コメントをした波留さんをかばいつつ、スタッフに注意を促しました。本当、クイズッスのスタッフ気を付けてくださいね!波留さんはいわされてるんだと思うんですけど。スッキリーより引用他人から、幸せかどうかを決めつけられるのは間違っているでしょう。また、デリケートな部分を番組でおもしろくいじられるのはつらいものです。ネット上では、近藤さんのコメントに称賛と共感のコメントが寄せられていました。・本当にその通り。結婚したから幸せとは限らないし、自分で決めるもの。・春菜さんのコメントに共感。恋愛していれば幸せって誰が決めたの?・笑ってやり過ごすのではなく、しっかりと反論していてすごいと思った。こういう時代になっていってほしい。パートナーがいるからといって幸せかどうかは分かりません。1人で過ごす時間が多い方が幸せという人もいるでしょう。近藤さんの言葉から、幸せは他人から判断されるものではなく、自分で決めることができるものだと気付かされますね。[文・構成/grape編集部]
2020年08月16日2020年7月現在、日本各地で感染者が相次いでいる新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)。『コロナ差別』といった言葉が生まれたほど、一部では感染者を差別したり、留学生に「海外からコロナウイルスを持ち込むな」と侮辱をしたりする人がいるといいます。同月29日に放送された情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、『コロナ差別』について特集しました。近藤春菜「想像力のなさに驚く」番組では、愛媛県今治市で起きた、感染者の名前と顔写真入りのビラが飲食店街にばらまかれていた騒動について紹介。この件について、愛媛県の中村時広知事は「極めて悪質な行為。許しがたい行為」という怒りのコメントをしました。ビラには『おい、(名前)!この顔に、ピンと来たらコロナ注意。今治で初コロナ感染者』と書かれており、街にばらまいた人は不明。ビラに名前と顔写真を載せられた男性は法的手段を検討し、警察も調査を進めているといいます。また、男性はスッキリの取材に対し、このようにコメントしました。本当に見たときは絶望感といいますか、こんなことをされるのかなと思って。僕はなりたくてなったわけではないのでもちろん。対策もしておりましたし、それで犯罪者扱いされるのはどうなのかなと思いますね。スッキリーより引用男性の元にはPCR検査で陽性と判明した日から、電話が鳴りやまず1日で100件以上の連絡が来たといいます。男性が陽性と判明した翌日に今治市は名前を公表せずに発表したものの、その日にビラはまかれていました。中傷は、家族にまで及んでおり、男性は「体力的にも精神的にも結構しんどい」と先行きに不安を感じているようです。同番組に出演しているお笑いコンビ『ハリセンボン』の近藤春菜さんは、悪質な差別に苦言を呈しました。あまりにも酷くて、やっぱり差別をしている人の想像力のなさに驚きますけど。コロナになってしまうというのは対策してても、本当に見えないウイルスですから、仕方がないことなんですよね。なってしまったことは悪いことじゃないし。そこを、責めたってどうしようないわけですよ。なのに、じゃあ差別している人が自分がなってしまったらとか、自分の家族がなってこういう差別を受けたらとか、そういう想像力もないし。こういう差別をすることによって、VTRでもありましたけど感染してしまった人がいいづらくなってしまう社会を作ってしまっているということが全く想像できていないですよね。スッキリーより引用また、司会の加藤浩次さんも「いいづらいということは結果、コロナウイルスの感染を広げることになりかねないんだということだよね」と、差別によってコロナウイルスの感染拡大につながりかねないと指摘しました。ネット上では、2人と同意見の声がたくさん上がっていました。・これは酷すぎる。しかもまるで指名手配犯のようなビラに悪意を感じる。・同じ愛媛県民として恥ずかしい。本当に想像力がなさすぎるよ。・「差別されるからいい出せない」っていう人がでてきてもおかしくない。感染者の中でも感染経路不明の人は多く、しっかりと対策をとっていても感染してしまうこともあるでしょう。必要以上に他者を責め、差別する行為がこれ以上なくなることを願います。[文・構成/grape編集部]
2020年07月29日2020年7月21日、俳優の横浜流星さんが新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)に感染したことを発表。所属事務所によると、横浜さんは20日にあった舞台稽古の帰宅中に体調不良を訴え、医療機関を受診したところ、陽性が確認されたそうです。横浜さんは出演予定のドラマや舞台を控えていたため、濃厚接触者となった多数の共演者たちが検査を受けるなどの対応をしています。横浜流星の感染報道に、加藤浩次「一切責めちゃいけない」翌22日に放送された情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、横浜さんの感染について報道。番組のMCを務める加藤浩次さんは、横浜さんを含めテレビ業界では、スタッフや出演者の感染判明や検査を受けに行く話をよく耳にするようになったと明かします。その上で「我々ももう1回意識を締めなおさないといけない」と発言。それに対し、共演者である近藤春菜さんは、次のような考えを述べました。だんだんこう、日を追うごとに対策も場所場所によって違ったりとかするのもあるんですけど。基本的には距離を取って、手洗いしてってところを徹底するしかありませんし。横浜流星さんもたくさんお仕事されている中で、もう本当に流星さん自身も心配なこととか不安あると思うんですけど、今はそういうことは考えずに、治療に集中していただきたいなと思いますね。スッキリーより引用近藤さんは、影響力の大きさによって、横浜さんが不安を感じている可能性について指摘。「今はそういうことを考えずに、治療に集中してほしい」と、横浜さんを労わりました。近藤さんの意見にうなずきつつ、加藤さんは、こんな考えを述べました。感染してしまった人は、僕は何も悪くないと思うんですよ。いろいろ対策していても感染することはあるから。そこは一切責めちゃいけない。そのためには、感染した場合、流星くんの場合はおととい舞台稽古に参加して、そのまま病院に行ってるっていうのもあって、いち早く体調が悪い時は、病院に行く、相談するっていうのが、感染拡大を防ぐ一歩でもありますよね。スッキリーより引用加藤さんは「いろいろ対策しても感染することはあるから、感染者を責めたらいけない」といい、体調に異変を感じた際はすぐさま相談することを力強く訴えました。【ネットの声】・その通り!むしろ横浜さんや関係者の対応は迅速で、えらかったと思う。・きっと横浜さん本人が一番ショックを受けているはず。本人はもちろん、関係者を責めるのも違う。・加藤さんも春菜さんもありがとう。横浜さんの元に、この考えが届いてほしい。横浜さんに限らず、誰しもがいつどこでコロナウイルスに感染するか分かりません。感染予防対策をしていたにも関わらず、感染してつらい想いをしている人もいるでしょう。「もし自分が同じ立場になったら…」と想像したら見えてくることもあります。体調に異変を感じたら、すぐさま対応できるよう、日頃から『自分ごと』としてとらえて行動したいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年07月22日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「9月入学」です。コロナ禍では無理。じっくりと時間をかけて再考を求む。学校の入学・始業時期を4月から9月にする案は「今年度・来年度のような直近の導入は困難」と、見送られることになりました。9月入学制度はこれまでにも何度も議題にのぼっています。世界ではアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ベルギー、トルコ、モンゴル、ロシア、中国などの国が9月入学制度を導入しています。日本も明治維新後、西洋の教育を導入した当初は9月始業でした。ところが、国の会計を4月~3月を一年とする年度制を採用したこと、徴兵制の始まりなどから4月始業に変わり、今に至ります。今年、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために学校の休校が続き、授業の遅れが問題になりました。そんななか、高校生のツイートをきっかけに、全国知事会から国へ9月入学の検討要請があり、安倍首相も「有力な選択肢の一つ」とコメント。いったん検討し始めたのですが、実際に導入するとなると、初年度の入学生徒数が半年分増加し、大量の教員不足が生じてしまうこと、また、保育所の入学待機児童数が増大すること、システムやカリュキュラムの再編など、拙速な対応は無理と判断されたのです。このコロナ禍で、ただでさえ問題が山積するなか、大きな改変をしようとしたのは現場の声を無視した行動だったと思います。授業の遅れを取り戻すことが目的なら、感染者数は地域によって差がありますし、全国一律にすること自体がナンセンスなのではないでしょうか。4月でも9月でも、いつ学校が始まっても継続してきちんと教育を提供できる仕組み作りを議論するべきなのではないかと思います。日本は会社も年度ベースなので、学校の始業時期をずらせば就職にも影響が及びます。会社を通年採用に変え、大学も途中入学を許すなど、個々のスタイルに合わせた社会設計が必要になるでしょう。世界の学校制度はもっと柔軟です。イギリスは年に3回、入学の機会がありますし、フランスでは家庭での義務教育の就学も可能になっています。また、海外は飛び級制度も広く採用されていますね。日本もこれを機に時間をかけて議論し、右に倣えではない、多様な学校制度へと見直してみてはいかがでしょうか。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。3月に監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開された。※『anan』2020年7月15日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年07月09日2020年6月10日、お笑いコンビ『アンジャッシュ』の渡部建さんが所属事務所を通して、芸能活動の自粛を発表しました。理由は一部のメディアによる不倫報道で、渡部さんは複数の女性と関係を持っていたとのこと。渡部さんは報道を事実と認め、謝罪しています。近藤春菜「詮索しない思いやりを持って」同月11日に放送された情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、一連の報道について特集。番組でMCを務める近藤春菜さんは、渡部さんの振る舞いに対し「妻に対してはもちろん、いろいろなことに思いやりを感じない」とバッサリ。渡部さんが妻である佐々木希さんとの間に1歳の長男がいることや、新型コロナウイルス感染症がまん延する渦中であることに触れ、次のような考えを語りました。今まさに、コロナ禍の中で、小さなお子さんを奥様が育てられていて。なんかもういろんなことが不安になる中で、こういう記事がバンッって出ることによって、1個余計な心配とか不安とかが乗っかってしまうっていうことにも、思いやりがないなと思っていて。スッキリーより引用「渡部さんはもちろん、メディアなど全部のことが思いやりがない」と訴えかける近藤さん。続けて、次のような意見を述べました。やっぱり一番私が守ってあげたいのは奥さん。これ以上憶測が呼ばないように、詮索しない思いやりっていうのを私たちは持つべきだと思うし。あと、結構これによって、「記事に出ていたセクシー女優って誰なんだ?」って、セクシー女優を探すみたいな。詮索みたいなことで、セクシー女優の方にダイレクトメールが送られてきたりとかもあるみたいなんで。そういう二次被害、三次被害がないように、そういうことをしないっていう思いやりを持たなきゃいけないなって。思いやりがあったら、こんなことは起こらなかったんじゃないかなっていう憤りっていうか。スッキリーより引用近藤さんは、不倫相手として報道されたセクシー女優について、ネット上で憶測が飛び交った結果、関係のない人まで誹謗中傷を受けている状況にも言及。「二次被害にならないよう、詮索しない思いやりを持ってほしい」と呼びかけました。【ネットの声】・春菜さんのいう通り。すべてに思いやりがない。・ド正論。憶測によって、関係ない人まで迷惑がかかっているのはよくない。・春菜さんのコメントには、いつも優しさや思いやりを感じるから好き。相手の立場になって、ものごとを考える思いやりの心があれば、誰かが傷付き、悲しい思いをすることは減るでしょう。これ以上、妻を始めとする家族がつらい思いをしないような、周囲の対応が望まれています。[文・構成/grape編集部]
2020年06月11日2020年5月23日、バラエティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)に出演していた、プロレスラーの木村花さんが亡くなりました。死因は調査中とのことですが、木村さんはSNS上で番組の視聴者などから誹謗中傷を受けており、また亡くなる前にはInstagramのストーリーズ機能で「さようなら」というメッセージを投稿しています。【訃報】女子プロレスの木村花さん22歳が逝去インスタで「さようなら」と投稿近藤春菜が誹謗中傷に涙の訴え同月25日、情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、木村さんの逝去について報道。ネット上で行われる誹謗中傷について、コメンテーターの近藤春菜さんは次のように発言しました。顔が見えない、名前も出ないという状況の中で、自分の都合だけで、人に対して想像力もなく傷付くんじゃないかとか、追い込むんじゃないかとか、そういう想像力がまったくなく、自分の都合だけで発してしまうっていうことが本当に怖くて。例えばスタジオに出てらっしゃるみなさんとかって、顔も名前も出ていて、自分の言葉の責任のもと(コメントを)放って、ちゃんと対面して放ってるわけですよね。でもそれを見ている方の人で勘違いしてらっしゃる方が本当にいると思って、『いじり』と『いじめ』が違うっていうのと同じように、番組を盛り上げてとか愛情を持ってとかそういうことじゃなく、ただただ「ムカつく」とか、番組とか出演者の人に関係ない、自分がなにか腹が立つことがあって、ぶつける先をそこ(誹謗中傷)にやるっていうことがまず考えが違いますし、本当に言葉って何よりも怖くて、救うこともできるし、こんなに傷付けることにもなるんだっていう。自分だったらどうなんだっていうことの想像を1個持ってもらわないと、もちろん私も含めてですけど、言葉を発する時の覚悟みたいなのが、全然ないなって思います。スッキリーより引用近藤さんは「誹謗中傷をする人は想像力なく傷付けるから本当に怖い」といい、「『いじり』と『いじめ』が違うのと同じで、イラ立つ気持ちを著名人にぶつけるのは違う」と、顔と名前を公表して発言する出演者と、匿名で誹謗中傷のコメントを書く視聴者との認識のズレを主張しました。時折言葉を詰まらせて涙ながらに訴えた近藤さんの意見に、視聴者からは共感の声が上がっています。・胸が苦しくなりました。春菜さんの発言で、何も感じない人なんているのかな…。・春菜さんはちゃんと自分の言葉で伝えている。だからこそ、こんなにも心に響くのですね。・春菜さんの涙につられて泣いた。誹謗中傷は本当になくなってほしい。言葉は時に、人の心を傷付ける凶器になり得ます。不特定多数から中傷の言葉を浴び続けた、木村さんの心の傷は計り知れません。SNSでこれ以上誹謗中傷が横行しないよう、一人ひとりが自分の言動がもたらす影響に想像力を働かせ、社会全体で対策を考えていくべきだといえます。[文・構成/grape編集部]
2020年05月26日2020年5月20日、日本高等学校野球連盟(通称・日本高野連)は、8月に開幕予定だった『第102回全国高等学校野球選手権大会』(以下、甲子園)の中止を発表しました。春の選抜大会に続き、夏の甲子園も中止になるのは戦後初です。新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染拡大を受けた苦渋の決断に、球児を始め関係者や野球ファンからは悲しみの声が相次いでいます。甲子園中止に近藤春菜がコメント同月21日に放送された情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、夏の甲子園中止について報道。番組でコメンテーターを務める近藤春菜さんは、甲子園中止を余儀なくされた高校球児の心情をおもんぱかり、こうコメントしました。高校球児のみなさんは、春で1回中止になった時につらい想いをされて、でも「夏ができるかもしれないから」っていう希望で毎日練習されていたと思うんですけど。そこも中止になってしまったということで、本当に高校球児のみなさんの顔を見るのもつらいんですけど。スッキリーより引用「高校球児のみなさんの顔を見るのもつらい」といい、切ない表情を浮かべた近藤さん。続けて、さまざまな部活動に所属する高校生について考えを述べました。高校生たち、スポーツだけじゃなくて文化部のみなさんも中止になったものいっぱいあると思うので。高校生たちが何か「こういうことできないですか」「したい」っていう想いを大人たちが受け止めて、何かやってあげられないかなという想いがありますね。スッキリーより引用スポーツだけでなく、文化部に所属する高校生への気遣いを見せる近藤さんの発言に、ネット上では感謝の声が上がっています。・春菜さんが「文化部もつらいでしょう」っていってくれて安心した。・吹奏楽部とか、文化部にもコンクールはあるし、高校3年生たちはやり切れないよな…。・さりげなく文化部のことも気にかけてくれるコメントが、嬉しかった。コロナウイルスの流行は、私たちの日常を大きく変化させました。さまざまなイベントの中止や延期が続く中、これまで「当たり前」だと思っていた穏やかな日常が、かけがえのないものだったと気付かされます。大人でさえも戸惑っている現状で、幼い子供たちや小中高生の不安やショックは大きいはずです。大人として、彼らに今してあげられることを考えていきたいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年05月22日2020年5月16日に、妻の顔面を指先で叩いたとして、タレントのボビー・オロゴン容疑者が現行犯逮捕されました。妻が自ら110番通報しましたが、ボビー容疑者は「トラブルはあったが暴力はしていない」と容疑を否認しているとのこと。逮捕現場には妻のほかに3人の子供がいたといいます。ボビー容疑者逮捕に、近藤春菜がコメント同月18日に放送された、情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、ボビー容疑者の報道を特集。MCを務める近藤春菜さんは、自身もボビー容疑者と共演した経験があることを前置きし、次のような意見を述べました。私も何度かボビーさんと共演させていただいたことあるんですけど、本当に明るくて面白くて…というところしか、やっぱり私は見たことがないので、ご家庭でどういう状況なのかというのは分からないんですけど。ボビーさんも否認しているんですけど、事実としては逮捕されてしまったというところと、そこをご自宅にお子さんが3人いらっしゃったということで、お子さんが目の前で(逮捕現場を)見てしまったというところが、あると思うんです。そこは本当にショックが大きいと思うので、お子さんのケアというか…そこが心配ですね。スッキリーより引用近藤さんは、逮捕現場に3人の子供がいたという点に着目し、「子供の心のケアが大切だ」と労わりました。発言に対し、ネット上では共感の声が上がっています。・本当にその通りだと思う。・子供の気持ちを考えるとつらいな…。・春菜さんのいうように、まずは子供たちの心のケアが大切だよ。家庭内の様子は、当事者以外に分かりようがありません。しかし、逮捕の現場を間近で見た子供の心中を思うと、つらいものがあります。当事者の1人でもある子供たちの心のケアが望まれますね。[文・構成/grape編集部]
2020年05月18日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「通常国会」です。テレビ中継が審議のすべてではありません。国会には、通常国会(常会)、臨時国会、特別国会、参議院の緊急集会があります。常会は毎年1月に召集され、150日間開催。審議が長引けば、会期を延長します。国会では翌年度の予算を決めたあとに、様々な法案を審議します。令和2年の常会は約50本の法案が提出されました。夏に東京五輪を控えていたため、会期延長は難しいだろうと法案の数が過去最少に抑えられました。多い年は100近い法案があがることもあります。国会というと、テレビで中継されるものがすべてと思われるかもしれませんが、そうではありません。テーマごとに少人数の「委員会」で議論を交わし、そのあとに「本会議」で採決をとります。内閣委員会、総務委員会などの「常任委員会」と、会期ごとに編成される「特別委員会」があり、国会議員は各々専門分野の委員会に割り振られます。委員会ではしっかり内容を揉み、法案の8割以上が与野党全会一致で可決しています。テレビで取り上げられる本会議は、派手な動きがあったり、政府の疑惑や不祥事を追及する場面が多いので、揉めてばかりいる印象ですが、その他の場所で建設的な議論が着々と進められているのです。新型コロナウイルス対策以外に現常会で注目されているのは「年金制度改革関連法案」。定年の延長も推進されることになりました。その他「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案」。巨大IT企業に、運営状況の報告や企業内情報の提出を求めることができる法律です。たとえばアマゾンなどが突然大きな規約変更を行い、取引業者や消費者が不利益を被ったときに、メスを入れられる体制をとるためのものです。また、高齢ドライバーの交通事故対策を盛り込んだ「道路交通法改正案」も審議されています。近年、高齢者ドライバーによる交通事故が多発していることを受けて提案されました。運転技能検査の基準に達しない場合には75歳以上の免許更新を認めないという法案です。私たちの暮らしにかかわる法律が日々作られているのが国会。衆議院、参議院のHPでは、審議中継をインターネットで見ることができるので注目してみてください。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)公開中。※『anan』2020年4月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年04月20日お笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜(37)が4月7日、公式インスタグラムを開設した。新型コロナウイルス感染拡大防止から、自宅でビデオ通話をしながら行う“オンライン飲み会”が巷で話題を呼ぶ中、春菜もブームに乗っかったようだ。春菜はこの日、公式ブログを通してインスタグラムのアカウントを開設したことを報告。「みなさんとオンライン飲み会できるかな!と思いまして~。これからのことは何も決めてないけど、とりあえずはインスタライブ専用にするつもりです」と、生配信を中心にファンと交流していくとし、さっそく親友で知られる女優・水川あさみ(36)と“コラボ配信”を行った。前日の6日にも、ブログでオンライン飲み会を行ったことを明かしていた春菜。「オンライン飲み会のいいとこは、お風呂入った後に飲めるから、いつでも寝れる状態ってこと笑部屋着で、ここだけの話…ノーブラだったよ笑オンラインノーブラ飲み会!みんなもやってみたらいいかも」と、その魅力にすっかりハマったようだ。オンライン飲み会のブームは、着々と芸能界にも広がりを見せている。NON STYLE・井上裕介(40)は、今月6日にTwitterで「ネットで話すと、みんなと会いたくなるけど、これかこれで楽しいね。みんな若干、ネットでのタイムラグがありながらも、ボケまくってます元気もらえるね」と自身を含め5人で飲み会をしている画面の写真をアップした。さらに、フルーツポンチ・村上健志(39)も、7日の夜に「この飲み方がここに来て大助かりなツールになっています」と公式ブログを更新。しずる・村上純(39)ら芸人仲間とオンライン飲み会を楽しんでいると明かし、「盛り上がっちゃって、この4人の飲みを皆さんとも共有したいなという話になりました!(中略)なので、定期的に4人で動画配信をして、そのために企画とかを考えたら、頑張れるんじゃないなかという話になりました。勝手にレギュラー番組が決まった気分になってやろうという思いです」と興奮気味に心境を伝えている。各局でスタジオ収録休止など対策がとられる中、オンライン飲み会は新しいエンターテインメントのコンテンツとして需要が高まるかも知れない。
2020年04月08日2020年4月7日、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく『緊急事態宣言』が、7都府県に発令されました。不要不急な外出自粛は継続され、舞台やライブといった大勢が集まるイベントには、中止が要請されるとのこと。一方で、スーパーやドラッグストアなど、食品や日用品を扱う販売店は、引き続き営業可能だそうです。『緊急事態宣言』が出た場合の生活同日に放送された情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、緊急事態宣言後の生活について特集。ガスや電気といったライフラインに影響はなく、生活必需品も手に入るため、「不要な買いだめはしないように」と呼びかけました。ゲストで出演した元東京都知事の青山佾(あおやま・やすし)さんは「不要に買い込むと物資が減少し、購入できない人がスーパーなどに密集する」と発言。大勢が店につめかけると、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染リスクが高まるほか、買い占めを誘発しかねないことを言及しました。『買いだめ問題』に対する近藤春菜のコメントコメンテーターの1人である近藤春菜さんは、買いだめに対して、次のようにコメントしています。VTRでもスーパーの方が「在庫はちゃんとあります」って伝えてくださってますし、この不要不急の外出はダメっていってる中、こうやって一生懸命働いてくださっている方もいて、その方たちも命がけで働いてくださっているので、そこで、買いだめをするとか、人がワーっと(買い物に)行くことによって困らせることがないように、自宅で待機してて、なくなったらいく、もうその(買い物で)出れることを楽しみに、その日々をお家の中で過ごすっていうことを意識しないとダメだと思います。スッキリーより引用普段通りの買い物をするよう伝えた上で「コロナウイルスの脅威にさらされながら働いている人々を困らせてはいけない」と、強く訴えました。近藤さんのコメントに、共感の声が寄せられています。・買い占められると、本当に必要とする人が買えないので、近藤さんがいってくれて助かりました。・物がないことを店員に当たらず、優しく接してほしい。・従業員側の気持ちを代弁してくれて、ありがとうございます。一人ひとりが想いやりのある行動を意識することで、物資が不足する混乱は防げます。感染しないよう、させないように日々を過ごしつつ、一刻も早いコロナウイルスの収束を祈りましょう。[文・構成/grape編集部]
2020年04月08日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「指定感染症」です。過度に怖がらず、みんなで、変わらぬ日常を送る訓練を。昨年12月に中国の武漢から発生した、新型コロナウイルスによる感染症。日本政府は1月28日に政令を出し、「指定感染症」に定めました。感染症は、感染症法により、危険度によって5つに分類されています。風しんやインフルエンザは五類。マラリア、デング熱は四類、コレラ、細菌性赤痢は三類、SARS、MERS、結核が二類。深刻な被害をもたらすエボラ出血熱、ペストは一類です。新しい感染症に関しては、検証するまでに時間がかかります。そのため、国が患者に対して入院勧告などができるよう、暫定的に「指定感染症」に定めるのです。今回の新型肺炎は、最初にリスクはそれほど高くないといった情報が流れ、WHOも緊急事態宣言を一度見送ってしまい対応が遅れました。実際には、潜伏期間が予想以上に長く、保菌者でも症状が出ない場合があり、そこから感染が広がることがわかりました。感染者はいま(3月6日現在)南極を除く全大陸で見つかっています。中国は強硬策をとり、武漢を封じ込めました。僕は2月末に、元医療ジャーナリストの武漢市民に、ネットを通じて直接話を聞きました。武漢では隔離生活が続いており、粉ミルクなどのモノの調達が厳しくなってきているとのこと。その方の親戚は5人が感染。そのうちガンの持病があった50代の女性1人が死亡しましたが、健康だった30代のいとこ2人は、入院もせず、薬の投与もなく回復しているそうです。WHOと中国の専門家は、2月20日までに感染した患者5万5924人を対象に共同で調査を行いました。それによると、死亡した患者は2114人で致死率は3.8%。ただし、重症化するのは60代以上の持病のある人で、約8割の人の症状は比較的軽く、肺炎の症状が出ない場合もあると報告されました。手洗いをしっかり行い、よく食べよく寝て、免疫をつけておけば必要以上に怖がることはないと思います。今回、多くの企業がテレワークなどを実施しました。これを機に普段から、家にいながら仕事ができる訓練をしておくとよいと思います。日本は災害国ですから、何が起きても日常を過ごせる強い社会を作りましょう。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)公開中。※『anan』2020年3月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年03月18日本誌連載「社会のじかん」でもお馴染み。NHKを退局後、フリージャーナリストとして、世界を飛び回りニュースを届けている堀潤さん。素顔は現場が大好きな生粋のテレビマンでした。朝の報道番組の放送直後に即刻成田に向かい、香港日帰り取材なんていうのもお手のもの。市民投稿型ニュースサイト「8bitNews」をベースに、あらゆるメディアを使い、独自のニュースを発信し続けているジャーナリストの堀潤さん。このたび、2本目の映画『わたしは分断を許さない』が公開された。シリア、パレスチナ、朝鮮半島、香港、福島、沖縄を5年かけて追ったドキュメンタリーである。――進行中の社会問題を映画にしようと思ったのはなぜですか?いま起きている社会課題の根本には「分断」があると気づいたんです。映画ならば、尺も潤沢に使えますし、刹那的なわかりやすさを追求しなくてもいい。また、映画をもとに観客のみなさんと対話をしたいと思ったんですね。――堀さんは、去年から全国のギャラリーで、取材してきた写真や映像を公開して、観客と積極的に交流の場を作っておられますね。みなさん、「本当のことが知りたい」と思っていらっしゃるようで、とくに若い方がたくさん来てくださいました。これまでのニュースは、誰がどういう意図で出しているのかわからないのが当たり前でした。でも、いまはどういう思考を持った人が切り取ったニュースなのか、そういうトレーサビリティ(追跡可能性)のあるものが求められているのではないか。誰もがどこでも発信できる時代だからこそ、ものすごく泥くさいリアルな現場を、目の前で握るお寿司のように直接手渡す方法に価値があるんじゃないかと思いました。――『わたしは分断を許さない』は、香港の民主化デモ、沖縄の基地問題、ガザ地区の難民、原発後の福島など、それぞれでも一本の映画が撮れるくらい濃い内容が、ランダムに構成されているのが斬新でした。たいていのドキュメンタリーはひとつの現場に迫りますが、そうでなければいけない理由はありませんよね?ニュースも、日本のものと海外ニュースを分けがちですが、どちらも同時代に起きている。個人にフォーカスしてみれば、異なる環境の出来事も共感できます。「別のもの」という思い込みが分断を生み、そこから差別や排斥が生まれて、自分には関係のない問題と放置されてしまいます。映画をきっかけに、そういうことに気づける場を作りたいと思いました。時間も場所もバラバラな事柄が並ぶSNSのタイムラインのような感覚で編集したんです。――堀さんはNHKの採用試験でも、これからはメディア発信のニュースと個人発信の双方向が大事になると提案なさったそうですね。20年前ですね(笑)。デジタル放送時代は、放送局と個人が双方向にやりとりすれば、プロパガンダに加担することなく、誠実な報道ができると主張しました。僕はいま、『モーニングCROSS』(TOKYO MX)や『JAM THE WORLD』(J‐WAVE)などの自分の番組では、スタジオに対して異を唱えるような意見がSNSに上がれば、積極的に紹介するようにしています。――否定されることに怖さはないのですか?ないですね。メディアのなかに個人の意見が流れたら楽しいじゃないですか。小さいころに漫画誌やラジオ番組に投稿した原体験もベースになっています。誰かに何か言われて心がざわつくのは、その意見に核心を突かれているからなんですよね(笑)。被害者側にいることには敏感でいられるけれど、加害者側にいる感覚は自分では気づくことが難しい。自分も誰かの脅威になっているかもしれないという目線がない限り、分断は生まれ続けるだろうと、世界各地を訪ね歩いて気づきました。何事も、両極端の意見を比べてみないと真実は認識できないと思います。――堀さんはジャーナリストとして活躍される一方で、ワークショップや著書を通して、発信者の育成も積極的になさっています。それは単純に、僕一人ですべての現場をカバーするのが無理だからです。仲間を増やしたいんです。災害取材などは顕著ですが、写真1枚、たった一言でもいいので、SOSの出し方を知っておけば、きっと誰かが助けに来てくれます。そういう信頼感を作ることが現代の報道の役割なんじゃないかと考えています。――堀さんは、「使命」を感じて、活動をなさっているのですか?使命感はないですね(笑)。ただ、受信料で育てていただいたので、世に還元したいという思いはあります。NHKは視聴率や営業利益を気にせず必要な現場に駆けつけることができました。いまでも自分のことを「フリーの公共放送人」と言っています。僕の取材スタンスは何も変わっていません。――災害や貧困、弾圧など、目を覆いたくなるような現場にたくさん行かれています。しかも、「(国や地域など)大きな主語ではなく、小さな主語で真実を捉えよう」と、堀さんは渦中の個人に迫った取材をしています。悲惨な現実にしんどくなることはないのでしょうか。もちろん、なりますよ。映画も泣きながら編集していました。辛いから、「もっと何かいい解決法があるんじゃないか」と、次の現場に出かけているのだと思います。でも、どこの現場でも、課題解決を模索し奮闘している人がいらっしゃいます。映画に出てくる、北朝鮮やパレスチナも地域に根ざしたNGOの方々と一緒だったから入ることができました。ジャーナリストでは入れてもらえなかったと思います。僕は「GARDEN」という会社でNGOの発信を支援する活動を行っているので、一緒に行くことができました。――なるほど!テレビマンとして、まだ誰も見たことのない、最前線の映像を見せたいという思いもあります。内戦の映像や、アフリカの開発途上国で起きていることなどは日本のニュース番組では、なかなか取り上げられません。でも、それは作り手がそこに価値を見出していないだけ。それならば僕が腕まくりして、みんなが関心ないと思われている映像をクローズアップしてやろう!と思いました。実際に訪ねて回ると、ニュースの宝庫なんですよ。――ニュースのネタを見つけたときが一番高揚しますか?はい。「オレの現場、キター!」と思いながらやっています(笑)。月~金曜は朝7時から『モーニングCROSS』のMCを務めながら、映画『わたしは分断を許さない』の編集直前まで、激化する香港の民主化デモの取材に日帰りで出かけていた。「日帰りで行けるとわかったら行かないわけにはいかないですよね。魚がいると知っているのに漁に出かけない漁師さんと同じですから」。映画はポレポレ東中野にて公開中。3月14日以降、全国順次公開。公開を支援するクラウドファンディングは3月25日まで受付中。最新刊『わたしは分断を許さない 香港、朝鮮半島、シリア、パレスチナ、福島、沖縄。「ファクトなき固定観念」は何を奪うのか?』(実業之日本社)では、映画に出てくる分断問題にも触れている。ほり・じゅん1977年生まれ、兵庫県出身。2001年にNHKに入局。’12年にドキュメンタリー映画『変身 Metamorphosis』を製作したのち、’13年に独立。自ら立ち上げた市民投稿型ニュースサイト「8bitNews」を拠点に報道活動を行う。’17年に株式会社「GARDEN」を設立。著書に『SNSで一目置かれる 堀潤の伝える人になろう講座』など。※『anan』2020年3月18日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年03月16日