スクリーンを中心に、強烈な個性で存在感を放ち続ける高良健吾。昨年、念願だった呉美保監督とタッグを組んだ『きみはいい子』は国内外で高い評価を獲得し、デビュー10年余の節目を迎えた高良さんにとっても「いい作品に会えた」と自負できる作品となった。児童虐待をテーマに、2013年本屋大賞でトップ10入りを果たした中脇初枝氏の同名短編小説集から、3つのエピソードを抽出し映画化。高良さんはまじめだが、問題に真正面から向き合えず、肝心な場面で一歩を踏み出せない新米の小学校教師・岡野を演じている。「人と向き合う瞬間の大切さを改めて実感した作品ですね。そうすることで何かが始まる…。その上でやはりデビュー10年目で、この作品に出演できたのは大きな意味がありますね」。ただしデビュー10年という気負いは一切なかったという。「(演じた)岡野にとって、僕がデビュー10周年なんてこと、関係ないですからね。演技へのアプローチや向き合い方は、毎回違います。見てくださった方から『今回は、いつもと違うね』と言ってもらう機会が多い作品であったのも事実で…。きっと、この映画がもつ力強さが、これまでの僕とは違う雰囲気に見せているのかもしれません」と本作への特別な思い入れを明かす。昨年は本作に加えて、『悼む人』(堤幸彦監督)にも主演し、死を見つめ“悼む”放浪を続ける青年を熱演した。あえて重厚な作品にトライする理由を聞くと、「自分では意識していなくて…。僕らの仕事はあくまで作品に“選んでもらう”立場」。ただ、以前は「自分に向いていない」と感じる仕事を断ってしまったことも。キャリアを重ね「いまは逆に、苦手なことに挑みたいし、やるからには結果を残したい」と仕事への意識は大きく変わった。そんな現在の高良さんが、俳優という仕事に求めるものは何だろうか?「難しいですね…。でも、いまは『ワケがわかんないけど、すごく面白そうなもの』にすごく惹かれるんですよ。俳優として、一観客として『自分をどこに連れて行ってくれるんだろう?』とワクワク感を味わいたいのかもしれません。わかりやすいもの、安心できるものが人気を集める時代ですが、その人の意識をガラリと変えてしまう強い作品があってもいいと思います」。高良さん自身に強いインスピレーションを与えた作品のひとつが、2002年から放送されたテレビドラマ版「私立探偵 濱マイク」。映画監督の林海象が生み出した、永瀬正敏主演の探偵シリーズで、ドラマ版には行定勲、青山真治、石井聰亙、中島哲也、アレックス・コックスらエッジの効いた演出家が集結。「当時は中学生だったので、内容はよく理解できなかったけれど『なんか、すごいな』と。いま思うと、僕の原点ですね」と楽しそうに語る。映画俳優というイメージが強い高良さんだが、当の本人は「映画であれ、ドラマであれ、カメラの前で演じることに変わらない。作品を見てもらえるのが一番の喜び。もちろん、高良健吾=映画というイメージは嬉しいです。いまはその固定観念をあえて壊してみるとどうかな?と」。その言葉通り、1月クールの“フジ月9”「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」で民放連続ドラマ初主演に挑む。さらなる転機で、輝きは増すばかりだ。ヘアメイク:高桑里圭(竹下本舗)スタイリスト:澤田石和寛衣裳協力:NEIGHBORHOOD(photo / text:Ryo Uchida)■関連作品:きみはいい子 2015年6月27日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2015「きみはいい子」製作委員会
2016年01月12日人気コミックやベストセラー小説、人気ドラマの映画化が相次いだ2015年。その中でも、産科医やピアニスト、刑事、探偵、青年将校から、果ては狂気のテロリストまで、「あ、この作品にも出ている!」と引っ張りだこだったイケメン俳優たちがいる。いま、もっとも多忙な俳優の1人にして、名だたる映画監督たちからご指名を受けるのが、綾野剛だろう。つい先日まで、(意外にも)初の連続ドラマ単独主演を務めた「コウノドリ」では、謎のピアニストでありながら、真摯に命と向き合う愛情深い産科医という極端な役柄を演じてみせたばかり。あらゆるジャンルの作品に出演し、役に没頭しながらも、それぞれの映画・ドラマの中でしっかりと自分の色を出す個性派ぶりを発揮しているのが魅力だ。2015年は、そんな綾野さんに代表されるような、オリジナルの魅力を持つ“マイペース”なイケメン俳優たちが数多く活躍した。■綾野剛&松坂桃李、幅広い役柄を演じた1年まず、『ソレダケ/that’s it』『新宿スワン』『S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』『ピース オブ ケイク』『天空の蜂』と、実に5本の映画に出演した綾野さん。和久井健の人気漫画を鬼才・園子温が映画化した『新宿スワン』では、金髪&天然パーマ姿で歌舞伎町でスカウトマンとして生きる主人公・白鳥龍彦を熱演。堤幸彦監督の『天空の蜂』では、タイトなスケジュールの中、巨大ヘリで原発を狙うテロリストを見事に演じ切り、改めてその演技力と身体能力の高さをも見せつけた。一方、ジョージ朝倉による伝説的コミックスを原作にした、甘く切ない“紆余曲折だらけ”の恋愛映画『ピース オブ ケイク』(田口トモロヲ監督)では、ヒロインの志乃(多部未華子)が恋に落ちる“ヒゲ店”こと、ヒゲの店長・京志郎を軽妙に演じた。独特の色気を放つ、優し過ぎることが罪な“ヒゲ店”には、クラッと来た人も多いはず。2016年は、『凶悪』の白石和彌監督のもと主演を務める『日本で一番悪い奴ら』ほか、黒木華主演・岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』、佐藤浩市主演・瀬々敬久監督『64-ロクヨン-』、渡辺謙主演・李相日監督『怒り』といった話題作が控えている。『ピース オブ ケイク』といえば、オカマ役を演じてファンの間に衝撃(笑撃?)が走ったのが、松坂桃李だ。1月公開の『マエストロ!』でヴァイオリンに初挑戦し、幕を開けた2015年は、『エイプリルフールズ』『日本のいちばん長い日』『ピース オブ ケイク』、さらに『図書館戦争 THE LAST MISSION』『劇場版 MOZU』と立て続けに6作に出演した松坂さん。『図書館戦争』では手塚光(福士蒼汰)の兄で図書隊を解散させようとするクールなエリート、かと思えば『劇場版MOZU』では日本映画でもまれにみる、スタイリッシュでマッドなアクションを百舌(池松壮亮)と繰り広げた。元・戦隊“レッド”出身、これまでは王子様的な役柄が多かったが、それぞれの作品での振り切れ方はいずれもハンパではなかった。これらに共通するのは、おそらく松坂さん自身の真面目さや誠実さが、たとえ悪役といえども、スクリーンから見えてくることだろう。木村文乃、菜々緒と共演したドラマ「サイレーン」でも、最後まで視聴者を惹きつけてはなさない主人公を魅力的に演じ、話題となった松坂さん。2016年は『人生の約束』『パディントン』(日本語吹き替え)ほか、生田斗真主演・大友啓史監督の『秘密』、舞台と映画の一大プロジェクトとなる堤監督の『真田十勇士』に出演する。■2015年のブレイク俳優もマイペース派がずらり夏の“月9”ドラマ「恋仲」でブレイクした野村周平は、裸になっちゃう“ヘタレ”バンドマンの『日々ロック』の余韻を残しつつ幕を開けた2015年、『愛を積むひと』『ビリギャル』という良作で印象に残る演技を披露し、『台風のノルダ』ではアニメの声優にも挑戦、不器用で繊細な青年役を演じる姿がハマッた。特に「恋仲」では、好きな人のためにどんどん“ダークサイド”に堕ちていく彼の様子に、ヤキモキした人も多いことだろう。2016年は、長瀬智也主演の“水10”ドラマ「フラジャイル」、最旬の若手が勢ぞろいする『ライチ☆光クラブ』や広瀬すず共演『ちはやふる』、賀来賢人とW主演の『森山中教習所』などが控えている。さらに、“塩顔男子”の「メンズノンノ」モデル・坂口健太郎も大活躍。『海街diary』で話題となり、桐谷美玲を若手筆頭株の山崎賢人と取り合い、スマッシュヒットを記録した『ヒロイン失格』で、“想いはひと筋”の学校イチのイケメンを好演したことでブレイク。続く『俺物語!!』では、“どう見ても高校生に見えないイカツイ顔面&屈強な肉体”の超個性派・剛田猛男(鈴木亮平)との対比ぶりが笑いを呼んだ。今後、新“月9”の「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」に参加が決まっており、4月4日スタートの「ととねえちゃん」ではついに“朝ドラ”デビュー。“学者肌で植物が大好きな青年”という役柄は、メガネがよく似合い、読書好きな文化系男子の自身に近い役柄となりそうで、さらなる人気を獲得しそう。朝ドラといえば、土屋太鳳&山崎賢人と共演した「まれ」から再ブレイクした柳楽優弥。『誰も知らない』で一躍時の人となってから10年あまり、紆余曲折ありながらも、その演技に奥行きを身につけた柳楽さん。「まれ」で、寝起きに「おはよう」とささやかれた土屋さん演じる希が「キュ~ン」となってしまったことも話題となった。その後は『合葬』で“幕末男子”を演じ、『ピンクとグレー』から始まる2016年には一転、『ディストラクション・ベイビーズ』で破壊的な若者を演じるなど、ますます目が離せない存在だ。また、「探偵の探偵」で日本のドラマ初出演、その後、現在放送中の「あさが来た」で、ヒロイン・あさ(波瑠)に大きな影響を与える実業家・五代友厚で話題沸騰中なのが、DEAN FUJIOKA(ディーン・フジオカ)。イケメンで語学に堪能、ブローバルな視点を持つ五代はまさにディーンさんそのもので、あさとは禁断の恋愛関係となるのかと思いきや、同じ志を持つ人間同士の結びつきを感じさせている。福島県生まれ、モデルとしてキャリアをスタートさせ、香港、台湾などで映画・ドラマに出演してきた彼は、定住地を持たないという意味の“ノマド”俳優として注目を集めた。全米で放送され、準レギュラーを務めた「荒野のピンカートン探偵社」のDVDリリースが1月よりスタート、新ドラマ「ダメな私に恋してください」ではドSな元ヤンで元上司という役で深田恭子とかかわるというから見逃せない。イケメンなのにどんな役柄も演じ切り、オリジナルの光を放ち続ける彼らに、2016年も注目していて。(text:cinemacafe.net)
2015年12月31日歌舞伎役者の中村勘九郎が、2014年に日本テレビ開局60年特別公演として上演された同名舞台の映画化作品『真田十勇士』(2016年9月公開)で主演を務めることが15日、発表された。俳優・松坂桃李や元AKB48で女優の大島優子も出演する。原作は、豊臣と徳川の最後の決戦"大坂の陣"から400年となった昨年、舞台化され大ヒットを記録した時代劇。同作の演出も手がけた堤幸彦監督が、メガホンを取る。原作舞台にも出演した中村が務めるのは、真田幸村を"真の武将"に仕立てあげる真田十勇士の中心的存在・猿飛佐助役。おどけたキャラクターながらも、実は十勇士一の策士という役柄だ。松坂は、佐助と共に十勇士を支える霧隠才蔵役。中村同様に原作でも才蔵を演じており、佐助と才蔵は「まるで太陽と月だ」と各所で評価されたという。大島は、そんな佐助と才蔵の幼なじみで女忍びとして2人を翻弄(ほんろう)する火垂役を担当。なお、松坂と大島が堤監督とタッグを組むのは2人共、本作でちょうど3度目となる。映画化に際して中村は、「舞台出演時は、こんなにビッグ・プロジェクトになるとは露とも想像しておりませんでしたが、近年まれに見る壮大な映画になりそうで、これは心してやらなければならないと身が引き締まる思い」とコメント。佐助の役については、「舞台版も映画版も、取りあえず"バカ"という基本線は変わりません」としながら、現場で堤監督から「佐助は頭の回転がものすごく速く、常に何か考えていて、最終的には彼が状況を操っていくほどの策士。そういう面を表現するために、独特の間を作って」と指示を受けたことから、"間"に注意を払っているという。そんな堤監督を、「ほんとにアイデアマン」と表現。「監督が現場でアイデアをひらめく瞬間に居合わせた時の幸せは格別です」とたたえている。松坂は、才蔵役について「『お待たせしました、あなたの霧隠才蔵です』なんていうぶっ飛んだキメ台詞のインパクトの強い役」だったと舞台を振り返りながら、「映画版ではこの台詞自体はないけれど、真田十勇士の中で、とびきりクールでかっこいい、"水も滴るいい男"」になるとアピール。本作はもちろん、時代劇自体も初出演となる大島は、「お姫様役ではなくて、"くノ一"という忍者の役柄だったことが、自分にはぴったり」と笑みを浮かべながら、「普段は、目の力強さや姿勢、人に対しての距離の取り方などで"くノ一"らしく演じながら、思いを寄せる相手と接するときには、普通の女の子らしさも出したい」と意気込んでいる。また、アクションについては「吹き矢使いなので、直接的な戦闘シーンはそんなになさそうですが、女性のずる賢さや俊敏性みたいなものがくノ一として表れたら良いんじゃないかと思っています」とも明かしている。本作の撮影は、今月2日よりスタート。来年8月の完成を予定している。さらに、映画と同時に、2016年9月に東京・新国立劇場中劇場での舞台化も。こちらは同年10月に神奈川芸術劇場と兵庫県立芸術文化センターでの公演も予定されている。舞台の佐助役は引き続き勘九郎が務め、才蔵役と火垂役は後日あらためて発表される。
2015年12月15日“大坂の陣”から400年となる2014年、日本テレビ開局60年特別舞台として大ヒットを記録したスペクタクル超大作「真田十勇士」が、演出を手がけた鬼才・堤幸彦監督により映画化されることが決定、さらに映画の公開と同時期に舞台上演されることも決定した。本映画のキャストには、中村勘九郎、松坂桃李、大島優子らが出演するという。関が原の戦いから10年以上の歳月が流れ、徳川家康は天下統一を目前にしていた。最後に残ったのは、豊臣秀吉の遺児・秀頼と付き従う武将たち。秀頼の母・淀殿は、「豊臣の世をふたたび」という妄想に駆られ、徳川との対立を深めていた。世にいう大坂冬の陣の始まりである。次々と大坂城に入城する豊臣方の武将たち、その中に一際、異彩を放つ一団がいた。天下の名将として名高い真田幸村を筆頭とした真田十勇士の面々である。戦力の乏しい豊臣方の期待は一心に幸村たちに注がれていたのである。しかし、幸村、どうやら様子がおかしい。実は幸村、男前が過ぎるばかりに周囲に勘違いされ、凡庸な武将にも関わらず、天下の名将に祭り上げられていただけなのだ。幸村大活躍のエピソードは偶然が重なったに過ぎなかった。そこに現れたのが抜け忍びの猿飛佐助。つまらない世を面白く生きるために抜け忍びとなった佐助は、己の虚像と実像のギャップに苦しむ幸村に出会い、「オイラの嘘で、あんたを本物の立派な武将に仕立て上げてみせようじゃないか!」と、同じ抜け忍びの霧隠才蔵を筆頭に十人の勇士をあつめ、陰日向に幸村を支えてきたのであった。歴史の教科書には載っていない、大坂冬の陣、夏の陣の火ぶたが切って落とされた――。今回、映画の公開と同時期に舞台上演するというスペシャルダブルプロジェクトが始動!映画とともに舞台演出も堤監督が手がけ、脚本は2014年の舞台と同じく演劇界の重鎮・マキノノゾミ氏が担当。壮大な世界観と濃密な人間ドラマを描く。本作で、主人公・猿飛佐助を演じるのは、2014年の舞台同様、歌舞伎の舞台公演に留まらず、映画など幅広い分野への挑戦を続ける中村さん。「舞台初演時は、こんなにビッグ・プロジェクトになるとはつゆとも想像しておりませんでしたが、近年稀に見る壮大な映画になりそうで、これは心してやらなければならないと身が引き締まる思いです」と今回の映画化について思いを語る中村さんは、持ち前の味わいと演技力で、おとぼけなキャラクターながらも、実は十勇士イチの策士であり、真田幸村を“真の武将”に仕立て上げる猿飛佐助を、スクリーンとステージをところ狭しと飛び回り演じる。共に2014年の舞台へ出演した松坂さんは、「真田十勇士」を支える霧隠才蔵を続投。『ピース オブ ケイク』のオカマ役・天ちゃんや『劇場版 MOZU』の残虐非道な殺し屋・権藤など様々な役どころをこなす、若手実力派俳優の松坂さんは、今回の映画化について「ワクワクしています」「とびきりクールでかっこいい、“水もしたたるいい男”霧隠才蔵として、最後まで駆け抜けたいです」と意気込みを寄せた。また、佐助と才蔵の幼馴染で、女忍びとして二人を翻弄する火垂を、元「AKB48」の大島さんが演じる。『紙の月』で第38回アカデミー賞優秀助演女優賞ほか、多くの映画賞で助演女優賞を受賞し、「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」で連続ドラマの初主演を務め、堤監督とは本作が3作目のタッグとなる。大島さんは「お姫様役ではなくて、“くの一”という忍者の役柄だったことが、自分にはぴったりだな」と語り、初共演の2人については「勘九郎さんは、以前見たドラマで、そのお芝居の魅力に心を奪われました。今回は、そのときのシリアスな役柄とは全然違うお調子者の役ですが、それを勘九郎さんがどういうふうに演じられるか気になります。松坂さんとは生年月日が一緒で、幼なじみという役にすんなり入っていけそうで、共演を楽しみにしています」とコメントした。舞台版のキャストは、佐助は映画と同じく中村さんが務めほかは後日発表だそう。さらに同時期に出版化も予定しており、“映画×舞台×小説”というメディアミックス展開が期待される。映画『真田十勇士』は2016年9月、全国にて公開予定。舞台「真田十勇士」は2016年9月、新国立劇場中劇場にて開演予定。(cinemacafe.net)
2015年12月15日2014年に日本テレビ開局60年特別舞台として上演された『真田十勇士』を、映画と舞台で来年9月に公開/公演するダブルプロジェクトが発表された。映画版の主人公・猿飛佐助は、舞台版に引き続き中村勘九郎が演じ、佐助とともに真田十勇士を支える霧隠才蔵を演じた松坂桃李も続投するほか、映画版では大島優子が彼らの幼馴染で、女忍びとしてふたりを翻弄する火垂を演じる。監督と脚本は、同作の舞台演出を務めた堤幸彦監督と脚本を手がけたマキノノゾミが続投する。その他の情報『真田十勇士』をふたつのジャンルで同時期に公開/公演する画期的な試みについて堤監督は「(舞台の)再演に向かって走り出したところに、映画化の企画が加わった」と説明。撮影は12月2日から来年1月にかけて行われ、8月の完成を目指しており「現在撮影中ですが、とにかくセットがすごい。監督の私すらセットの端から端まで全部見渡すことができないほど」と明かし、「すばらしい音楽やハリウッドに負けないCGをご用意している上、テーマソングも大物が決定しております。まさに盆暮れ正月がいっぺんに来たような、そんな娯楽大作に致しますので、どうぞご期待ください」と意気込みを語っている。このダブルプロジェクトの主演を務める中村は「申年で猿がつく役をできるのは縁起が良さそうですし、大阪城落城400年の年(2015年)に、ゆかりの人物を演じることができるとは役者冥利に尽きますね」といい、「仕掛けのハデな最高のエンターテインメント作品であり、壮大な歴史ロマンであり、さらには、ラストの大どんでん返しに至るまでに、マキノノゾミさんが巧妙に隠した伏線を楽しめるミステリー要素もあって、とにかくいろいろな要素がつまった映画になりそうです」とコメント。一方、松坂は「お芝居ももちろんのこと、勘九郎さんの座長としての佇まいに色々と学ばせていただくことばかりです。映画がクランクインしたばかりにもかかわらず、既に完全に仕上がっていて、何を言ってもやっても、佐助以外の何者でもない。一緒に行動する場面が多いので、非常に楽しい時間を過ごしています」と話し、「映画版では真田十勇士の中で、とびきりクールでかっこいい、“水もしたたるいい男”霧隠才蔵として、最後まで駆け抜けたいです」と語っている。大島は「時代劇に出演するのは初めてなのですが、お姫様役ではなくて、“くの一”という忍者の役柄だったことが、自分にはぴったりだなと思いました」といい、中村と松坂については「お二人とも初めて共演させて頂きます。勘九郎さんは、以前見たドラマで、そのお芝居の魅力に心を奪われました。今回は、その時のシリアスな役柄とは全然違うお調子者の役ですが、それを勘九郎さんがどういうふうに演じられるか気になります。松坂さんとは生年月日が一緒で、幼なじみという役にすんなり入っていけそうで、共演を楽しみにしています」とコメントを寄せている。なお舞台版は、中村が映画と同じく佐助を演じるが、才蔵と火垂を演じるキャストは後日改めて発表される。『真田十勇士』2016年9月全国ロードショー!
2015年12月15日堤真一が主演する舞台『才原警部の終わらない明日』が、11月30日(月)より東京・世田谷パブリックシアターで開幕する。【チケット情報はこちら】同作は、TVドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズ、『アオイホノオ』、映画『HK/変態仮面』、『明烏』などで知られる福田雄一が作・演出を務める、歌あり、ダンスありのコメディ。とある真夜中、政府高官の令嬢が誘拐された。身代金5億円の受け渡し期限は24時間。そこで、急遽、インターポールから最も優秀な誘拐事件のプロフェッショナルが招集された。この<サイバラズ5>と呼ばれる、一見、全く頼りにならない集団を率いるのが、伝説の警部・才原章一郎(堤真一)。24時間という短期決戦に挑む才原たち。そこにまた、新たな誘拐事件が・・・。主演を務める堤真一のほか、勝地涼、清水富美加、鈴木浩介、上地春奈、池谷のぶえ、志賀廣太郎、小池栄子という豪華な顔ぶれが脇を固める。開幕に際し、堤は「最初に、歌と踊りがあるって聞いたときは、「ふざけんなよ」って心の中で叫びました(笑)。才原本人は、いたって真面目で真剣で、そのズレ加減がおかしい男。だから僕も“カッコつけてるけどカッコ悪い”でもいいから、もう腹くくって真剣に踊りますよ!皆さんには、“演劇”と固く考えずに、年末年始、気軽に笑いに来ていただきたいですね」とコメントを寄せている。舞台『才原警部の終わらない明日』は11月30日(月)から12月28日(月)まで、東京・世田谷パブリックシアター、2016年1月5日(火)から11日(月・祝)まで、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演。なお、東京公演は前売完売していたが、最終舞台稽古の結果、演出プラン確定に伴う追加席、見切れ席開放分の販売が決定。追加席は、オンライン販売、また当日券として劇場で開演1時間前からの発売を予定。詳細はオフィシャルホームページにてご確認を。
2015年11月30日『ピンクとグレー』で映画初主演を飾る「Hey! Say! JUMP」中島裕翔が、日本テレビ系ドラマでは初の単独主演を務めることで話題のオリジナルスペシャルドラマ「刑事バレリーノ」。共演者に高嶋政宏、永作博美らを迎える本作に、この度、「AKB48」グループ卒業後初のドラマ出演となる松井玲奈が追加キャストとして発表された。動機なき2つの殺人事件。だがそれぞれの事件の容疑者は、犯行直前、同じ言葉を口にしていた。「オモチャ買ってくれないの…?」一見無関係な2つの事件が、前世を引き出す催眠をかけられた容疑者の証言によって交わり始める。なんと2人は前世で兄弟だった!?さらに容疑者2人が語った場所からは40年前に行方不明になった兄弟の白骨が…!!事件に挑むのは、自分は白鳥の生まれ変わりだと信じ、バレエに命を捧げてきた新米刑事・臼島くるみ。それなりに優秀だがどこかイラッとくる臼島が、前世の記憶を辿り事件を解決!あなたは前世を信じますか――?これまで「金田一少年の事件簿」「サイコメトラーEIJI」「ぼくらの勇気 未満都市」など、“日テレ×ジャニーズ”ドラマを多数手がけてきた堤幸彦監督と、プロデューサー、ジャニーズ事務所が再びタッグを組んだ本作。出演は、日テレでは初の単独主演を務めることになる中島さん。幼少時にバレリーノ(男性のバレエダンサー)を目指し将来を嘱望されていた経歴を持つ新人刑事の臼島くるみ役を演じる。くるみとバディを組むことになる先輩刑事・鷲尾鷹男役には高嶋政宏。容疑者をカウンセリング中に彼らに“前世療法”を施し、重要な証言を引き出すどこか怪しいセラピストの深平あずさ役に永作博美が配役。中島さんと高嶋さん&永作さんの2人はこれが初共演となる。そしてこの度、「AKB48」グループ卒業後初のドラマに出演となる松井玲奈が追加キャストとして発表。本作で演じるのは、最初の殺人事件の目撃者となる大学生・森杏子役。劇中では鷲尾とやけに気が合うキャラクターで、ドラマの中でも重要なキーパーソンとなる。「ドラマの現場は発見が多くて楽しいです」と収録を振り返りつつ、「もし、自分が刑事役を演じるとしたら、方向音痴の刑事だったら面白いですね(笑)。私、方向音痴なんです。よく道には迷いますし、楽屋に戻れないことはよくあります」と自らのエピソードを明かした。主演の中島さんは「登場する人物のキャラクターがみんなとても濃く、ストーリーも面白いのでいままでにない斬新なドラマです。また、初めてご一緒する高嶋さんと永作さんの背中を見て勉強させて頂きつつ、何が起こるか分からない堤監督との化学反応を楽しみたい」と豪華キャスト&スタッフ陣の集結に喜んでいる様子。さらに「自分の演じる“くるみ”は、バレエの演技がポイントになると思いますので、しっかりと準備をして、皆さんに楽しんで頂けるよう頑張ります」と、役作りへの意気込みを寄せた。スペシャルドラマ「刑事バレリーノ」は、2016年1月、日本テレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年11月20日現在公開中『図書館戦争 THE LAST MISSION』『劇場版 MOZU』と立て続けに大ヒット作に出演する人気俳優・松坂桃李が、『天空の蜂』の堤幸彦監督とタッグを組み、累計45万部を突破した小説「探偵・日暮旅人シリーズ」の実写化に挑むドラマ「視覚探偵日暮旅人」が、今夜の「金曜ロードSHOW!」にて放送される。原作は 累計45万部突破した山口幸三郎・著の「探偵・日暮旅人シリーズ」。主人公の日暮旅人は、どんな探し物でも見つけ出す“探し物探偵”を営む25歳の青年。彼はある出来事で、五感のうち聴覚、嗅覚、味覚、触覚を失い、残された視覚だけを頼りに調査をしていた。そんな旅人の目には、普通の人間には見えない「何か」が視えているらしい…。旅人は、相棒の雪路や、一緒に暮らす6歳の少女・灯衣のサポートを受けながら事件を解決する中で、灯衣が通う保育園の保育士・陽子と出会い、互いに気になる存在に。そんなある日、灯衣が行方不明になってしまう。慌てて目を使おうとする旅人を、主治医の榎木が止める。「お前はこのままでは失明する」――。幼い頃の誘拐事件をきっかけに、聴覚・嗅覚・味覚・触覚を喪った青年、日暮旅人を演じるのは、『マエストロ!』『エイプリルフールズ』『日本のいちばん長い日』『ピース オブ ケイク』など今年は6本の映画作品に出演し、引っ張りだこの人気俳優・松坂桃李。現在放送中のドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」での熱演も話題の松坂さんが、本作では、辛い過去を背負い月のように静かで悲しい眼をしていたが、太陽のような女性・陽子との出会いで愛を取り戻してくひとりの青年を表現する。旅人の前に現れる保育士、山川陽子を演じるのは、『ピース オブ ケイク』で松坂さんと共演した女優・多部未華子。正義感が強く、ついついお節介を焼く陽子は、最初は旅人の特殊能力を疑っていたが、事件を通じて能力を信じるだけではなく、旅人の人柄に惹かれ「旅人の心の中に潜む闇に灯りを照らしたい」と心から願うようになる。そんな陽子が探偵事務所に出入りすることに反対する旅人の相棒・雪路には、『杉原千畝 スギハラチウネ』『信長協奏曲』とこれから出演作公開が控える濱田岳。一緒に暮らす6歳の少女・灯衣には、「マッサン」「37.5度の涙」などに出演する住田萌乃。主治医の榎木には、ベテラン俳優の北大路欣也がキャスティングされた。監督を務めるのは、ドラマ「金田一少年の事件簿」(第1&2シリーズ)や「TRICK」「SPEC」シリーズ、そして『20世紀少年』『イニシエーション・ラブ』と、数々のドラマ・映画作品で常識の壁を壊し新たな映像表現を生み出してきた堤幸彦。主人公の「音や匂いや感情を視覚として捉える」という特性を、“映像の魔術師”堤監督がいかに表現するのか注目が集まる。金曜ロードSHOW!特別ドラマ企画「視覚探偵日暮旅人」は、11月20日(金)21時より放送。(text:cinemacafe.net)
2015年11月20日できたばかりのアニメーション制作会社の処女作が、アカデミー賞にノミネートされた――そんな鮮烈な話題で一躍注目を浴びたのが、堤大介氏とロバート・コンドウ氏の共同監督によるオリジナル短編アニメーション映画『ダム・キーパー』。『トイ・ストーリー3』や『モンスターズ・ユニバーシティ』のアートディレクターをつとめたふたりが、ピクサーから独立してはじめて発表した作品だった。まるでこの展開自体がアニメの中の出来事であるかのような、ドラマチックなエピソード。それに惹かれて、同賞の授賞式開催地の米国、堤監督の母国・日本など各国のメディアが注目(もちろんそこにマイナビニュースも含まれる)。はた目には順風満帆に見えるが、同作の監督のひとり・堤大介監督が絵の道を志したのは、何と大学に入ってから。絵を仕事にしている人としては、かなり遅まきのスタートだ。今回は、活動の拠点であるアメリカを離れ来日していた堤大介監督に、ロングインタビューを敢行。堤氏が絵の道に進んだきっかけから、世界に名だたるピクサーに在籍しながら独立した理由、日本のアニメーション制作会社と協業する理由などについて聞いていく。全3回に分けてお届けする本インタビュー。第1回は、堤氏がなぜ、アメリカのアニメーション業界で働くに至り、世界最高峰のスタジオとも言えるピクサーを飛び出し、独立したのか。そのいきさつに迫った。――最初に、これまでの経歴、堤さんが絵を仕事として選んだきっかけについて、お話しいただけますでしょうか。高校生まで日本で暮らし、日本の学校に通っていて、ずっと野球に取り組んでいました。学生のころもらくがきをするのは好きだったんですが、まわりにうまい友人が何人かいて、特に、仲が良かった子はものすごく上手で。だから、自分が絵の道に進むというのはまったく考えていなかったですね。きっかけは、高校卒業後にアメリカ留学したことでした。それまで野球一筋、受験勉強というものに取り組んでこなかったので、そこから受験をして、日本の大学へ進むのは難しく、自然に留学という道を選びました。――例えば一浪して日本の大学に進むという選択もあったと思うのですが、アメリカ留学を選ばれたのはなぜですか?その当時、留学ブームであったという時代背景もありましたが、母親の方針に影響を受けたところが大きいです。彼女は日頃「しなさい」と言う方ではなかったのですが、「高校を卒業したら、とりあえず家を出てください」とは言われていました。皆がみんなそうではないですが、日本では大学受験のために必死に勉強して、入学したらサークルに入って遊ぶというような印象もあり、それを母はあまりよく思っていなかったようです。また、僕の姉も留学していたこと、留学すれば受験勉強をしなくて済むという打算もあって、渡米することを決めました。――英語は勉強してから渡米されたのでしょうか?野球部の引退後に時間があったのでTOEFLの勉強こそしましたが、アメリカに行った当初はまったく話せませんでしたね。いまだに覚えているのは、留学したてのある時、「ピザを食べたい」と思って、テイクアウトのピザ屋に行ったんです。店員さんに「ピザ」と伝えたら、一切れだけ買うつもりが、超巨大な物が丸ごと出てきてしまって…。ですが、「間違っている」と言うこともできず、やむを得ずそのまま受け取って、自転車だったので片手でかついでどうにか持ち帰りました。そのくらい、英語はできませんでしたね。――現地で生活される中で、どんどん身につけていかれたんですね。僕は極端な性格なので、やるときはとことんやる方で、野球にも熱中して取り組んでいました。なので、英語も渡米してからですが、とことん身につけようとしました。しゃべれないとどうにもならないだろう、と。留学当初は同じ日本人の留学生とはまったくしゃべりませんでしたね。仮にしゃべるとしても日本語ではなく英語で話しかけるという、今考えれば嫌な学生だったと思います。正直後悔している部分もあるのですが、そういう極端なことをしていた時期もあるくらい、英語を身につけようと必死でした。――それまでずっと野球一筋だった堤さんが絵を志すきっかけになったのは何だったのでしょうか?語学学校時代、地域に開放されていた絵のクラスで、地元のおばあちゃんに褒められたことが絵を志すきっかけでした。ですが実際に美大へ進んだら、僕はクラスの中で画力が一番下なんです。当然ですよね、絵を始めたのが遅すぎたんです。しかも、僕が取っていたクラスの先生は名物先生で、クラスからよく生徒を追い出したりしていました。僕もまさにそのターゲットにされて、2度彼のクラスから追い出されたことがあります。――そんな仕打ちを受けて、絵をやめたくなったりはしなかったのでしょうか?それまでずっと野球をやっていたこともあって、良薬口に苦しといいますか、ラクだったらダメな気がしてしまうところがあって。例えるなら、あまり興味がなかった女の子にそっけなくされて追いかけてしまうみたいなもので、逆に見返してやろうと思って取り組んでいました。その方はすごく有名な方で、その先生の授業の映像が教材ビデオとして売られることもあるくらいです。そのビデオはクラスの上位から代表3人を選んで指導するというもので、最終的に僕はその代表に選ばれました。でも、彼は僕をクラスから追い出したことは覚えてないと思うんですよ。選出したタイミングで、「最初は無理だと思ったが、よくぞここまで」というような、指導者としてのコメントも特になく(笑)。学習過程の終盤では、僕の絵が良い例として使われたりしていたので、いつの間にか認めてくれていたんでしょうね。ただ、僕はその先生について、指導者としては失格だと思っているんです。でも、ダメな先生だから生徒は学べない…というのはおかしいですよね。「いい先生に恵まれなかった」という言い訳で、自分が損するのは嫌じゃないですか。ダメな先生からだって得られるものは絶対にあります。彼はアーティストとしては本当にすごい人で、盗めるところは盗めるようにがんばりました。――少し話はそれてしまうのですが、奥さまが宮崎駿さんのご親戚ということを耳にはさんだのですが、アニメ業界を目指されたきっかけは、宮崎駿さんと何か関係はありますか?いいえ、関係はないです。妻は確かに宮崎さんの親戚ですが、彼女とは小学一年生のころの同級生で、僕がまだ「宮崎アニメ」を観た事がない時に出会っているんです。(編集注:当時、スタジオジブリ開設前で、宮崎駿氏はまだ『となりのトトロ』等オリジナルの劇場アニメーション制作を開始する前だった)なのでキャリアの開始には関わりはありません。僕にとって、宮崎さんはただただ憧れている、神様のような存在です。――では、何をきっかけにアニメーション制作に携わることを決めたのでしょうか?僕がアニメ業界に入ったきっかけは、絵を描いてアメリカに残るにはどうしたらいいか?と考えた結果でした。会社で働かないとビザが下りないので。絵が描ければいいやという安易な気持ちで始めたものの、初めてみたらもうとにかく面白くて。個人でやるより、チームで取り組む方が自分に向いているなと感じました。――就職された後、ピクサーへの転職を遂げ、トイ・ストーリー3でアートディレクターを務めるなど、外から見ればこれ以上ない、非常に華々しい職歴であったと感じます。またご家族がいらっしゃる状況で独立を決断するのは相当な勇気が必要であったと想像します。それにも関わらず、ピクサーを去って会社を興した理由はどこにあったのでしょうか?ピクサーから離れないと、これ以上成長できないと感じたからです。とはいえ、ピクサーに残っていたら成長できなかったかというと、そんなことはなかったと思います。ピクサーで取り組んでいたことは、もちろん大変な仕事でしたから。でも、自分の可能性に大きな賭けをするなら今やらないと、トライできなくなると考えたんです。アメリカの場合、一度アニメーション作品の制作に入ると3年程かかります。なので、次の作品に参加していたら、家族の状況で言えば、息子が小学校に入るタイミングになります。もろもろのことを考えて、今しかないと。――著名クリエイターの直筆イラストを1枚のスケッチブックに描きこんでもらう「スケッチトラベル」など、ピクサー在籍時も意欲的なプロジェクトを実行されていましたが、それでもなお、会社を離れた理由をお伺いしたいです。スケッチトラベルやトトロの森保全などのプロジェクトを通じて、自分で人をまとめて物事を動かすことが好きだと気がつきました。これらは仕事の傍ら取り組んできたプロジェクトですが、どこかで「自分の力を本当の意味で試してみたい」、つまりフルタイムで自分のプロジェクトをやりたいという願望が芽生えたんだと思います。「ダム・キーパー」の制作も、本業のかたわらで取り組んだことです。毎日がチャレンジで。本当に大変な思いをしました。何かプロジェクトを動かす時、ふつうは準備万端でやりたいものですが、この作品は準備どころではなく、やってみて初めて問題が発覚するような、その繰り返しだったんです。これまでピクサーではアートディレクターの仕事に専念していたので、短編とはいえ映画にまつわるすべてを作っていくのは初めてで、次々と噴出する問題をひとつずつクリアにしていくうちに、どんな問題がやってきても、その時に考えればいいやという覚悟ができてくるんです。そうして瞬時に問題を解決できる「筋肉」のようなものが備わってくると、日々自分がそこで成長しているということが感じ取れる、ということに気がついたんです。ジムで体を鍛える時も、筋肉を極限までいじめることで、回復したときに筋肉が増えるのと同じで、極限まで無理だということを克服したときに、次のレベルに行けるんです。そうした経験をする中で、ピクサーの仕事では、問題を克服する筋肉を養う機会が無くなってきていることが分かってしまったんです。僕は7年、ロバートは12年ピクサーに在籍していて、ふたりとも社内ではそれなりの評価をもらっていました。もちろん簡単な仕事ではないですが、こうすればできるというような自信も出てきて、会社の方も、このふたりに任せればできるというような雰囲気になっていて、だからこそ、挑戦とは遠いところにいると感じることが多くなりました。――その「気づき」を促した決定的な出来事は何かあったのでしょうか?『ダム・キーパー』を作るため、僕たちは3カ月間会社から休みをもらったんですが、所定の期間だけでは終わらなかったので、制作途中にピクサーの仕事に復帰したんです。戻った初日、ピクサーの景色がそれまでとはまったく変わって見えました。ピクサーは制作スタッフが仕事をしやすいよう、あらゆるものが整っているいわば「理想郷」で、それまでのチャレンジの日々とはあまりに対照的でした。この体験が、独立への決意につながったと感じています。もちろん、それからすぐに辞めたわけではなくて、悩みました。それに、家族である妻のサポートがなければ絶対に決心できなかったと思います。――共同設立者で、ピクサー在籍時も共に『ダム・キーパー』を制作していたロバート・コンドウさんも、同じタイミングで独立を決意されていたのでしょうか。ロバートは本当に優秀なクリエイターですから、僕としては一緒に起業できたらという願いはありました。ですが正直なところ、彼が一緒に来てくれるかどうか、いざ話を持ちかけるまで分かりませんでした。というのも、彼はカリフォルニアで生まれ育ち、卒業後の最初の仕事がピクサーで…という、大きな変化を選んで来なかった人でしたから。あとでロバートに聞いたら、僕が誘わなければ辞めなかったと言っていました。――ピクサーという大企業を辞するにあたって、やはり「引き際」というのはどの会社でも難しいこととは思いますが、スムーズに進行できましたか?ふたりとも責任ある仕事を任されていましたし、特に僕は次の映画の制作に入っていたので、ある程度時間をかけて引き継ぎをしました。社内の雰囲気という意味でも、僕が辞めるといった時に、多くの同僚が納得してくれました。実は、僕は退職の直前、社長から直々にメンターシップを受けていました。なので、彼に直接辞意を伝えたのですが、「分かっていた」というようなことを言っていただけました。メンターシップは将来のピクサーのリーダーを育成するためのプログラムなので、その時間を無駄にしたと叱責されてもおかしくない状況だったのに。僕らは『ダム・キーパー』を作っている時、ピクサーの近所にあるとても小さな、そして到底キレイとは言えない小さな部屋を借りて、そこで制作を行っていました。社長はそこへも足を運んでくださって、「今が一番大切な時間だから、大切にしなくてはいけない」と言ってくださいました。ピクサーのような大きな会社であれば、メンターシップのような特別な機会でもなければ、社長と密にコミュニケーションを取ることは大変難しいですから、とても貴重な経験になりました。そして、メンターシップを通じて、自分が彼のようになるためには、現状のままでは無理だということを痛感しました。社長をはじめ尊敬しているクリエイターたちはどこかでリスクを冒して、自分に対してチャレンジしている。そして、その裏には自らへの「なぜ」創るのかという問いかけがあり、その理由を明確にして動いている。だからこそ僕は独立したんです。取材協力:ほぼ日刊イトイ新聞撮影協力:音と言葉“ヘイデンブックス”(HADEN BOOKS)
2015年11月13日東野圭吾の“予言的”衝撃作を堤幸彦監督が映画化したクライシス・サスペンス超大作『天空の蜂』。本作には、主演の江口洋介をはじめ、大御所から若手まで主役クラスの超豪華キャストが勢揃いしていることでも注目を集めている。<天空の蜂>と名乗る犯人が、爆薬を積んだ超巨大ヘリをハイジャックし、“全国すべての原発の破棄”を要求、ヘリの燃料が切れる8時間以内に応じなければ、原発に墜落させる…という衝撃の展開を描く本作。堤監督らしいエンターテイメント性もさることながら、やはり目を引くのは、その豪華なキャスト陣だ。主人公・湯原役の江口さんと、同じ設計士・三島役として引けを取らない俳優として、キャスティングされたのは本木雅弘。そして、三島の恋人を仲間由紀恵と、かつてない顔合わせの俳優たちが中心人物として名を連ねる。さらに、本作に重厚感を加えているのが、柄本明、國村隼、石橋蓮司、竹中直人といった大御所俳優たち。彼らが演じているのは、それぞれ老練の現場刑事、原発関係者、警察庁長官と、この大事件に翻弄される側の人々であり、一人一人の存在感は本作の真実味をより深め、緊迫感を一層高めている。また、話題作への出演が絶えない人気俳優の綾野剛、向井理も出演。彼らも多忙なスケジュールの合間を縫って撮影に挑み、重要な役柄を緻密に演じている。その上、永瀬匡、松島花、落合モトキなど、若手の魅力も光っており、今後期待の新鋭たちと大御所俳優たちとの共演は、見事なバランスと化学反応を生み出すことにもなった。これほどまでのキャストが集結したのには、やはり“いまだからこそ”との想いが、それぞれに強かったという。日々、科学の恩恵を受けて生活している私たちは、大震災を経験し、その技術がもたらす危険性を知ることになった。これからはどのように付き合っていくべきなのか、未来を担う次の世代に何を遺すべきなのか…。“見て見ぬフリはできない、何か行動しなければ”という強い思いがあり、本作への出演を決意したキャストもいる。本作で取り上げられた原発問題を始め、安保法案、テロ、自然災害など、大きな課題やリスクに直面している現在の日本。東野さんの原作を踏襲し、作品全体を通じて語られる「“沈黙する群衆”になってはいけない」というメッセージは、そんないまだからこそ、日本人の心に深く突き刺さるものがあるはず。エンターテイメント大作でありながら、その中に込められたメッセージが1人でも多くの人に届くようにと、キャスト・スタッフが“本気”の思いで臨んだ本作の“温度”を、ぜひ劇場でも体感してみて。『天空の蜂』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年09月26日映画『天空の蜂』のヒット御礼舞台挨拶が9月20日(日)に都内で開催され、主演の江口洋介、その息子役を演じた田口翔大、堤幸彦監督が登壇した。東野圭吾が1995年に発表した人気小説を映画化。テロリストにより乗っ取られたヘリコプターが原発の上空で停止し、全原発の即時稼働停止が要求される中、ヘリの設計士で息子がヘリ内の取り残されてしまった湯原、かつての友人で原発の設計士である三島らが解決に向けて立ち向かう。20年前に書かれた原作ではあるが、映画では東日本大震災の様子も描くなどしており、原発という非常にデリケートなテーマに果敢に挑んでいる。江口さんは「こういった作品はとるのが難しい。日本ではなかなか通らない企画です」と語り「東野さんが書いて、松竹と堤さんの『やる』と言った勇気があって、僕らを動かした」と語る。「難しい問題を抱えて、どこかに偏ると難しいけど、堤さんの計算の中で、映画ではみんなが戦ってます!こういう時代に少しでもみなさんの中にグッと入って背中を押す作品になっていると思います。感無量です」と力強く語った。堤監督は「原発のこと、企業、国の体制、ヘリに関する防衛産業、そこで働く人々の心情まで読み取れる、緻密で完成度の高い原作でした」と東野さんによる小説の質の高さを称えつつ「私のスキルで大丈夫か?『貧乳』とか言ってた自分で大丈夫か…?と思いましたが、チームで向き合って、何年もかけて原発のことを調べ、ヘリがそもそもどうやって飛ぶのかから研究しました」とこの原作の映画化に傾けた思いの強さを明かした。湯原の息子でヘリに残されてしまう高彦を演じた田口くんが姿を見せると、江口さんも監督も「大きくなった!」と驚いたよう。劇中、湯原が高彦に「(ヘリから)飛び降りろ!」と体ごと受け止める覚悟で語るシーンがあるが「もう無理かも…(笑)」と漏らしていた。田口くんは、江口さん、監督宛ての手紙を朗読し、撮影中のアドバイスへの感謝や本作への参加の喜びを伝えた。江口さんは「嬉しい限りです。“子役”というのを超えてました。高彦の目線がなかったら、湯原の勇気ある行動はなかったです」と改めて田口くんを称えた。最後に改めてマイクを握った江口さんは「世の中、いろいろ騒がしくなっている今日この頃ですが、この2時間17分45秒を映画館でぜひ味わってほしいです。忌野清志郎さん(RCサクセション)の曲で『君と話した長い長い電話2時間35分』という歌詞がありましたが(※『2時間35分』)、それには及ばないですが(笑)。何が言いたいかというと、この映画は手をつないで見られるデートムービーでもあり、仲間と見てもいいし、一人で見るなら誰かを思いながら見てほしいし、親子で見ると、(劇中の湯原親子は)問題がありますが(笑)、この問題を勇気に変えて、見られる映画だと思います!」と力強く呼びかけ、会場は大きな拍手に包まれた。『天空の蜂』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年09月20日俳優・江口洋介が、映画『天空の蜂』でスタントや合成に一切頼ることなく挑んだシーンのメイキング写真が14日、初公開された。作家・東野圭吾が1995年に発表した同名小説(講談社文庫)を原作に、「20世紀少年」シリーズなどで知られる堤幸彦監督が手掛けた本作。全長34メートルの超巨大ヘリコプター"ビッグB"を奪って原子力発電所の上空に静止させるという原発テロ事件とその危機に立ち向かう人々との攻防が描かれる。本作は今月12日から公開され、先月20日には都内で完成披露試写会が行われた。登壇した江口は高所での撮影について、「緊張感の中、ある程度やれました」と胸を張るも、「めっちゃくちゃ怖かったですね」と本音もポロリ。演じたのはヘリコプター設計士・湯原一彰役で、航空自衛隊のヘリでの撮影にも果敢に挑んだ。テレビ番組の番宣などでも「スタント・合成なし」と語っていた江口。今回公開されたのは地上400メートルの高さで、湯原が飛行中のヘリから身を乗り出して上空を仰ぎ見るシーン。危険を伴うため、ブルーバックでの合成撮影も検討されたが、提監督からの「どうしても実写で撮影したい」という熱い要望のもと、万全の安全対策を整えた上で撮影が決行された。役者としての覚悟を決めた江口は、ヘリに乗り込んだ時の表情は硬かったが劇中の緊張感漂うシーンと重なり合う。わずか数秒のカットでも実際の撮影は10分以上にわたって行われ、無事に着陸した江口は興奮気味に「あまりに高度がありすぎて逆に怖くなかった」と語っていたという。(C)2015「天空の蜂」製作委員会
2015年09月14日映画『天空の蜂』の初日舞台あいさつが12日、都内で行われ、キャストの江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛、國村隼、佐藤二朗、松島花、永瀬匡と堤幸彦監督が出席した。本作は、東野圭吾の同名小説を実写化したサスペンスアクション。1995年8月、遠隔操作によってハイジャックされた巨大ヘリが、原子力発電所の上空で静止するテロ事件が発生。ヘリの設計士・湯原(江口)、原発の設計士・三島(本木)らは、ヘリ墜落を阻止すべく奔走する――というストーリーで、映画は全国公開中。原作者の東野からは、「映像と演技の熱さに目がヤケドしました」とメッセージが届けられ、主演の江口は、「さすが東野さんの文は格好良いですね。シビアな題材なので、気遣いながらやってきた作品。今日を迎えられてうれしい」とあいさつ。また、本木も、「それぞれの立場や正義がある。物の見方は人によって違うので、みなさんも自分なりの答えを見つけて欲しい」と真剣な表情でアピールした。そんな江口と本木は、本作が初共演。「本木さんとは同じ時代を生きてきたので、名前が挙がった時は絶対に上手くいくと確信した」と語った江口は、「刺激的な芝居のバトルを繰り広げました。お互いに家族もいるので、今の社会状況を感じながら取り組みました」と満足げ。一方の本木は、「初めての割に、良い化学反応だった。江口さんは思っていた以上に繊細で、情感が体からあふれて出ている。包容力のある男の情は江口さんにしか出せない」と笑顔を見せ、2人は固い握手を交わした。また、『トリック』シリーズで堤監督と長年タッグを組んでいた仲間は、「撮影直前に方言のセリフに変えられ苦労した」という松島の話に、「3日前で良かったですよ。本番をやった後に変わることもあるから」と苦笑いでフォローする場面も。本作をもって3週連続の初日舞台あいさつに挑んだ綾野は、「初日おめでとうございます」と共演陣を祝福し、「他人事じゃん!」(佐藤)、「3週連続で訳わかんなくなってる」(本木)と突っ込まれて観客の笑いを誘っていた。
2015年09月13日東野圭吾によるサスペンス小説を映画化した『天空の蜂』が9月12日に封切られ、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで初日舞台あいさつが行われた。主演を務める江口洋介をはじめ、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛、國村隼、佐藤二朗、松島花、永瀬匡、堤幸彦監督が登壇した。『天空の蜂』舞台挨拶その他の写真原子力発電所の上空に、大量の爆発物を搭載した巨大ヘリを静止させ、「全国すべての原発の破棄」を要求するテロリスト“天空の蜂”に対し、ヘリの開発者(江口)と原発の設計士(本木)が共闘し、ヘリの燃料切れを迎えるタイムリミット8時間の攻防を繰り広げる。江口は「シビアで繊細な題材だけに、傷ひとつ付かずに初日が迎えられて、心からうれしい」と胸をなで下ろしていた。江口と本木は初共演を果たし、「同じ時代を生きてきた同士、初めてという感覚はせず、絶対にうまくいくと確信があった。日々、芝居のバトルを繰り広げ、刺激的な現場だった」(江口)、「包容力のある情感が体からあふれ出ていた。自分には一生出せません(笑)。いい化学反応が生まれた気がする」(本木)と強い手応えを示した。一方、ヘリを奪うキーパーソンを演じた綾野は『S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』(8月29日公開)、『ピース オブ ケイク』(9月5日公開)に続き、3週連続で出演作の初日舞台あいさつに登壇する売れっ子ぶりを発揮。本木から「今日が何の舞台あいさつか、分かっていないでしょ?」とイジられ、堤監督からは「撮影中、これだけは倒さないでと言っていた柵を、綾野くんが壊しちゃって。あとで請求書を送るから」とツッコミ。当の綾野はタジタジだった。舞台あいさつには、原作者の東野氏から「映像と演技の熱さに、目がヤケドしました」と絶賛コメントが寄せられ、堤監督は「東野先生の洞察力が高い地平にあり、難題だったが、プロフェッショナルのチームが難題をクリアし、そしてここにいる皆さんが素晴らしく表現してくれた」と東野氏の太鼓判に感無量の面持ちだった。『天空の蜂』9月12日(土) 全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2015年09月12日映画『天空の蜂』が9月12日(土)に公開を迎え、主演の江口洋介をはじめ、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛、國村隼、佐藤二朗、松島花、永瀬匡、堤幸彦監督が上映後の舞台挨拶に登壇した。東野圭吾が1995年に発表した人気小説を原作に、新たにいまの時代ならではの描写を取り入れて映画化。巨大ヘリコプターテロリストに乗っ取られ、原発の上空に停止するという事件にヘリの設計士、地元の刑事、原発関係者らがそれぞれの思惑を胸に立ち向かう。舞台挨拶では原作者の東野さんから公開を祝福するとともに「映像と演技の熱さに目がやけどしました」というメッセージが到着。江口さんは「嬉しいです。さすが東野さん!このセンス、カッコいいですね」と笑顔を見せた。綾野さんは自身も出演者なのになぜか共演陣に対し「公開おめでとうございます」と他人行儀な挨拶で周囲からのツッコミが集中!本木さんは「(『S-最後の警官-』、『ピース オブ ケイク』に続き)3週続けて舞台挨拶に出てるから、何の作品なのか分かってないんだと思います。今日は『天空の蜂』ね」と優しく(?)諭し、会場は笑いに包まれる。本木さんはさらに綾野さんの劇中での流血アクションを絶賛し「ようやく親指も生えてきたね(笑)」と語り、これに佐藤さん「綾野剛は切ってないでしょ!」と異議を唱えるが、堤監督も「切ってますよ」と綾野さんの流血をいとわない熱演(?)を称賛。綾野さん本人も「切ってますね」とうなずき、正論を唱えているはずの佐藤さんは一気に形勢不利に…。さらに堤監督は「佐藤二朗、出てたっけ?」と語り、これには佐藤さんも「出てたわ!あんたがオファーしたんだろ!」とブチ切れ、会場は再び爆笑に包まれた。本作で演技初挑戦となった松島さんは、尾張弁の刑事を熱演したが「標準語でセリフを入れてたのに3日前に尾張弁に変わった」と苦笑交じりに告白。これに対し、堤組常連の仲間さんは「3日前ならまだよかったですよ。当日とか、本番を撮った後で変更になることもある」と堤組の過酷な状況を明かした。江口さんと本木さんは改めて、初共演について問われ、江口さんは「初めての気がしなかった。毎日、刺激的な芝居バトルを繰り広げてました。役柄もありつつ、(プライベートでも)お互いに家族がいて、(映画が描く)社会状況も感じながら、この歳になってこういう映画に携われる楽しさを感じていました」と振り返る。本木さんは劇中での自身と江口さんの関係を「陰と陽」と評し、さらに江口さんのパーソナリティについて「思っていた以上に繊細で一見、乱暴なようで包容力のある男の情というのは自分には一生出せない」と絶賛。「初めての割に良い化学変化が出せたのでは?」と手応えを口にし、壇上でガッチリと握手を交わした。『天空の蜂』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年09月12日●ハリウッドのシナリオ構造を意識東野圭吾原作、堤幸彦監督の映画『天空の蜂』。テロリストの遠隔操作により原発の真上にホバリングする巨大ヘリコプター、墜落すれば未曾有の事故となる状況において、日本を救うために現場を奔走する技術者たちを江口洋介、本木雅弘など豪華キャストが演じる。1995年に発表された原作は文庫にして600ページを超えるボリュームであり、社会的な問題意識とサスペンス要素を両立する。このエッセンスをぎゅっと濃縮させつつ、映画ならではの迫力を追加する役割を担ったのが、脚本家の楠野一郎氏だ。放送作家として活躍しながら、40代後半で映画脚本に携わるようになった楠野氏のキャリアについて、そして映画の脚本づくりについて話を伺った。○脚本の三幕構造を大切に――楠野さんが、この作品に携わるきっかけは何だったんですか?2011年くらいにも松竹で別の脚本のお仕事をしていて、そのときのプロデューサーの吉田繁暁さんが本作にも携わっているということで声をかけてもらいました。それまで、『電車男』など、6~7本くらい脚本協力をしていて、2013年に竹中直人さん主演の『ケンとメリー 雨あがりの夜空に』と言う映画のときに一人で脚本を担当して、今回が二本目なんです。――今回のように、大きなバジェットの映画を担当するというのはかなりの大抜擢ではないかと思いますがこの企画自体のスケールも大きいのですが、題材も原発を扱っていたりするし、実績のない脚本家に、最初から最後まで任せてくれるとは、正直、度胸があるなって思いましたね(笑)。どうしてまかせてくれたかは、自分ではわからないんですけど、プロデューサーの吉田さんと福島さんもエンターテイメント志向が強くて、お客さんにちゃんと届くエンターテイメントを書きたいっていう僕の感覚を受け止めてくれたのかなと思いますね。――楠野さん自身は、シナリオの構造などは、どんなふうに学んだのでしょうか?書店にあるハリウッド式の脚本の書き方の本を読んだり、ハリウッド映画を見たりというくらいですね。一回目はどんな映画も、構造を見てるわけではないんですよ。でも、二度目以降は意識して見てますね。脚本には、三幕構造というのがあって、一幕目はだいたい30分、二幕目が60分、三幕目が30分で、二幕目には、だいたい転換点があるんですよ。ハリウッド映画がそれを守っているというよりは、良い映画が三幕構造になっているという方が正しいかもしれません。僕が最近はまっていた『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でも、二幕目でマックスとフュリオサたちが、ひとつのチームになった瞬間がありますよね。そして、三幕目には、来た道を引き返すことになります。そういう構造を意識してみますけど、でも『マッドマックス』は、何度見ても、途中で夢中になって構造のことを忘れて毎回泣いてしまいますね(笑)。○40代後半で憧れの仕事に――楠野さんは、現在は脚本家のほかに、構成作家もされていますが、もともとは映画に携わりたいという気持ちがあったんですか?大元としては、70年代に『スターウォーズ』を見て、すごいな、映画の仕事をしてみたいなという気持ちはあったんですが、この世界に入るきっかけは、関根勤さんと小堺一機さんのラジオ番組『コサキン』で16歳くらいからハガキ職人をしていたからで、そこで名前を覚えてもらい、作家になったんです。今もベースは構成作家ですが、両方ともやれるようになったし、これからもやっていければいいなと。――幼いときに憧れだった映画の仕事を、40代後半で取り組まれているのは、決して早いスタートとは言えないけれど、いつからでも、好きな仕事に就けるんだという希望にも思えますそれは本当に個人のタイミングですね。40代後半でよかったと思うのは、何かあったときに、必要以上に悲しむことも、必要以上に喜ぶこともなくなったということでしょうか(笑)。昔だったら、ちょっとのことで「わー」ってなったりしていたけれど、今はどんなことがあっても、6割くらいの感情で、いいことも悪いこともあるさって思えるのは非常にこの仕事に向いているなと思います。映画って、自分が出来ることを一生懸命やってても、いろんな事情で完成しないこともある。だから、『天空の蜂』の登場人物たちと一緒で、そのとき自分にやれることをやるしかないと、ずっと思いながら脚本を書いていました。●メッセージとエンタテインメントは両立できる○メッセージ性とエンターテインメントの両立――この映画は、メッセージ性もあって、その上に、エンターテインメントをうまく結びつけるとなると難しくなかったですか?過去のハリウッド作品などを見ていて、よくできてる映画って、無理せずそれが並列できてるんですよね。『マッドマックス』にしても、大前提は、エンタ―テインメントで、過去のシリーズのこととか、マックスやフュリオサの裏にはらんでいるものを知らなくても、面白く見られると思います。でも、2回、3回と見ると、いろんなものが刺さってくるし、エンターテイメントとメッセージ性って両立してますよね。今回、僕の中では、『ジョーズ』『タワーリング・インフェルノ』『新幹線大爆破』という三本が目標としてありました。三本とも70年代の作品なんですけど、エンタメとしてもおもしろいのにメッセージ性もあったんです。例えば、『タワーリング・インフェルノ』だと、「いくら技術があるからといって、高層ビルをただ建てるだけではいけないよと、そこに人間の過信があると、大惨事になってしまう」というような。『天空の蜂』も、技術が進んで巨大なヘリも原発も作れるようになった。でも、それを使う側の人間がちゃんとしていないと……というものなので、非常に似ているんですよね。でも、70年代の映画を見ても、良い映画にエンターテインメントとメッセージ性は両方あって当然だと思うんです。――私なんかは、『マッドマックス』を見て、こんなことが両立するんだ!と新鮮に驚いてたんですけど、昔からそういう作品はあったんですね。見返してみたいです映画には、間口と奥行きがあると思うんですよ。よくできたものは、間口が広くて奥行きも深い。どうしても、間口が狭い方が「一見さんお断り」みたいな感じで、かっこよく見えたりするんですけど、間口も広くて、奥に入ったら意外と変わったつくりだったり、こんなものもあるんだっていう作品を作りたいと思っていて。『天空の蜂』は、テーマが重めなので、普通の中高生にも視野に入るようにするには、やっぱり間口を広げたいなと思ったんです。――ということは、本作は、もともと好きな映画の世界とつながっていたということでしょうかたまたまだけど、つながってましたね。僕は1967年生まれで、70年代半ばに見た映画が原体験として強烈だったんです。『スターウォーズ』や、さっきも言った『ジョーズ』など。そういう原体験と近い題材だったのは、偶然でしたけど、よかったかもしれないですね。――この映画のプレスでは、『天空の蜂』を怪獣映画にも例えられていましたね原発と巨大ヘリって、両方とも人間が生みだしたもので、そのふたつが人間の手に負えなくなったと考えると、メカゴジラ対メカゴジラだと考えることもできると思うんですよね。そして、人間が作った巨大なものが対峙しているのを、人間もただ手をこまねいて見ているわけにはいかないから、どう動くかと言う話であると思うんです。●原作を生かした実写映画の脚本とは○原作を「畳む」作業が必要になってくる――映画には、原作にはない、ハラハラするアクションシーンもたくさんありましたね原作のシーンをもとに、ハラハラを盛ってるシーンはかなりありますね。東野さんの原作が、もともと600ページで、それを二時間にしないといけなかったわけです。原作から削っていく作業を「畳む」というんですけど、畳んだ上で、映像を見たときに、「すげー」とか「ハラハラする」というシーンは必要じゃないですか。そのハラハラする部分が、さっきも言ったように間口の広さやエンターテインメントにつながると思うので、そういう映画の醍醐味の部分は盛っていきたいなと思いました。――アクションの部分を見ていると、ハリウッド作品のような感覚も覚えるなと思いましたそれはうれしいです。さくさくと展開するといいなと思いながら脚本を書きました。登場人物も多いですし、同時に4つくらいの場面が進行していくお話なんですね。その中に、じっくり芝居を見せる場面ももちろんほしいけれど、そのためにも無駄な部分はできるだけ作りたくない。ハリウッド映画は、テンポ良く、「畳む」べきところは畳んで、情報を手短に、かつ鮮烈に伝えるということが良くできていて、そこは参考にしていました。例えば『マッドマックス』は、最小限までセリフを削っていたけれど、伝えるべき情報も感情もきちんと描かれていましたよね。やっぱり、ハリウッドは脚本にかける手間も時間もすごいんですよね。――さきほど、原作にハラハラするシーンが追加されているという話になりましたが、セリフにも、綾野剛さん演じる雑賀の「蜂は巣を守るために囮役を飛ばす」というものなど、原作にはないものがあると聞きました脚本は全部で17稿で完成したんですけど、そのセリフは、7稿か8稿あたりで思いつきました。蜂の生態を調べていたら、ニホンミツバチは自分の巣に敵を誘い込んで敵を殺した上で…ということがあるのを知って、雑賀のやっていることとつながっているのかなと思ったんです。原作では、雑賀というキャラクターは、過去に何があって、現在何をしているのかが細かく描かれてるんですが、映画では、雑賀の過去や、今何をしているのかを伏せた謎の存在になっているんです。でも、雑賀の行動を裏付ける彼のネガティブな感情を観客に伝えないといけない。もちろんセリフも少ないので、原作に何十ページもかけて語られたものを、短いセリフに凝縮しないといけないんです。だから、雑賀の性質が詰まったセリフをオリジナルで作ることになりました。本来なら、セリフに力みが入るといいことはないんだけど、雑賀に関しては、ひとつひとつのセリフを濃いものにしないといけないので、そこは意識しましたね。――『天空の蜂』は、楠野さん自身はどんなところを見てほしいですか?そうですね。主人公の湯原を演じる江口さんにしても、最後にヘリコプターにのるアクションシーンを演じられていますが、それも無理やりアクションシーンがあるわけではなく、湯原が技術者であり、ビッグBのことをわかっているから、ヘリに乗るわけなんです。湯原は決してスーパーマンではないけど、そこに「やるしかない」状況があるんですよ。湯原以外のキャラクターにしても、技術者、自衛官、警察など、おじさんたちが、それぞれの領分を犯さないで、それぞれの仕事をしているんです。だから、男性も女性も、このおじさんの働き方に共感するとか、このおじさんいいなとかという、「推し」のおじさんを見つけると、より楽しめるのではないかと思います。『天空の蜂』9月12日(土)全国ロードショー(C)2015「天空の蜂」製作委員会監督:堤幸彦原作:東野圭吾「天空の蜂」講談社文庫主題歌:秦 基博「Q & A」(オーガスタレコード/アリオラジャパン)脚本:楠野一郎音楽:リチャード・プリン制作:オフィスクレッシェンド企画/配給:松竹西森路代ライター。地方のOLを経て上京。派遣社員、編集プロダクション勤務を経てフリーに。香港、台湾、韓国、日本などアジアのエンターテイメントと、女性の生き方について執筆中。現在、TBS RADIO「文化系トーラジオLIFE」にも出演中。著書に『K-POPがアジアを制覇する』(原書房)、共著に『女子会2.0』(NHK出版)などがある。
2015年09月10日『S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』『ピース オブ ケイク』と、いま立て続けに話題作に出演する綾野剛。東野圭吾によるベストセラーを堤幸彦監督が映画化した、9月12日(土)公開の『天空の蜂』では、超巨大ヘリ・ビッグBを奪うハイジャック犯を演じている。恋愛映画からシリアスなものまで様々な作品に出演し、好青年から個性的な役柄まで幅広いキャラクターを演じる綾野さんは、本作でも迫真の演技を見せ、絶賛の声を受けていることが分かった。超巨大ヘリ・ビッグBが設計士・湯原(江口洋介)の息子を乗せたまま、遠隔操縦によりハイジャックされた。驚愕の手口を使った犯人は〈天空の蜂〉と名乗り、“全国すべての原発の破棄”を要求。従わなければ、大量の爆発物を搭載したヘリを原子炉に墜落させると宣言する。湯原と、原子力発電所の設計士・三島(本木雅弘)は、上空に取り残された子どもの救出と、日本消滅の危機を止めるべく奔走する。タイムリミットは8時間。大切なものを守り抜くため、命を懸けたカウントダウンが始まる――。原作者の東野さんも“映像に圧倒された”と語るほど、そのとてつもないスケール、大迫力のアクションシーン、そしてノンストップで押しよせる興奮と衝撃が話題となっている本作。中でも、一足先に鑑賞した人々からは「何事も無関心でいては、いけないと改めて感じます」、「多くの人が見て感じることが、何より大切なのではと感じました」、「自身の生死よりも、大切なものが守るべきものがあると考えさせる作品でした」など、エンターテイメント作品としてだけでなく、作品に込められたメッセージへ共鳴する人々も多く見られている。そんな本作で綾野さんが演じるのは、刻々とタイムリミットが迫る中、刑事たちの追跡で徐々に追い詰められていくビッグBを奪ったハイジャック犯、謎の男・雑賀。特に、攻防戦の末、警察と対峙する瞬間は、まさに迫真の演技と抜群のアクションを見せており、ファン必見となっている。今回、堤監督熱望のオファーということで、仕事の合間を縫い、多忙ながらも本作に参戦した綾野さん。ヘリコプターをハイジャックした実行犯であり、元自衛隊員という役どころを緻密かつ大胆に演じ、初の堤作品ながら監督からも太鼓判を押されている。演技のみならず、アクションシーンもスタントコーディネーターと何度かやりとりしただけで的確にマスター、追跡を逃れるべくアパートの2階から飛び降りるシーンを含め、全てスタントなしで、印象的な殺陣を繰り広げている。なぜ、彼はヘリをハイジャックしたのか。そして、なぜ、原発を狙うのか。ヒゲをたくわえながらも『ピース オブ ケイク』の“ヒゲ店”とは180度違う役柄で、謎多きハイジャック犯を演じる綾野さんにも、ぜひ注目していて。『天空の蜂』は、9月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年09月09日江口洋介を主演に迎え、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛ら豪華キャスト陣で贈る『天空の蜂』。この度、爆薬を積んだ超巨大ヘリ・ビッグBの緊迫感あふれる特別映像がシネマカフェに到着した。1995年8月8日。最新鋭の超巨大ヘリ《ビッグB》が、突然動き出し、原子力発電所の真上に静止する。遠隔操縦によるハイジャックという驚愕の手口を使った犯人は〈天空の蜂〉と名乗り、“全国すべての原発の破棄”を要求。従わなければ、大量の爆発物を搭載したヘリを原子炉に墜落させると宣言する。爆薬を積んだ超巨大ヘリが原発に墜落するまで、タイムリミットは8時間――。奪われたヘリの設計士であり、ビッグBに取り残され人質となった子どもの父親・湯原(江口洋介)、狙われた原発の設計士・三島(本木雅弘)は、子どものため、日本消滅の危機を回避するため奔走するが…。東野圭吾が1995年に発表した同名小説を映画化した本作。東野氏の「20世紀少年」シリーズなど様々な作品を手がけてきた堤幸彦監督がメガホンをとり、とてつもないスケール、大迫力のアクションシーンを映像化した。今回公開された映像は、全長34m、総重量25tもの大きさを誇る、超巨大ヘリ・ビッグBが静かに暗闇から浮かび上がり、目を覚ましたかのようにゆっくりとその全貌を現す。自動操縦で自由に動く様は、まるで怪物のように、生きているかのような不気味さ、そして言葉では表しがたい迫力を感じる取ることが出来る。本作をひと足先に鑑賞した人からは、「ビッグBのローターの重低音に身震いした」、「ビッグBの迫力が圧倒的!」と劇中登場する超巨大ヘリ・ビッグBに注目が集まっている。こちらの映像から完成度の高い“ビッグB”をご覧あれ。『天空の蜂』は9月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年08月31日東野圭吾の“映像化不可能”と言われた作品を、主演に江口洋介、本木雅弘を迎え堤幸彦監督が実写化した『天空の蜂』。8月23日、ヒラタ学園神戸エアセンターにて本作のイベントが開催。江口さんと本木さんが劇中同様、ヘリで登場し、その後堤監督も加わり格納庫内にて記者会見を実施した。この日、エアコンのない格納庫内で30度を超える暑さの中、スーツで登場した江口さんと本木さん。ヘリでの登場については江口さんは、「今日はドアがあったんです、ヘリに。本来ヘリにはドアがあるもんなんですね」「撮影の方ではヘリから乗り出しているシーンがありまして、ものすごいアクションなんです。かなり緊張していたのを思い出しました」と撮影をふり返った。本木さんは神戸に降り立ったのは31年ぶりだそうで、「誰もご存じないかと思いますが、実は私は3人のグループをしていた頃にですね」と冗談を交え会場を沸かせつつ「そのように世の中にも人生にも、予測不可能な出来事が起こり得ると。良い奇跡も悪い奇跡も起こるという中で、困難が目の前に現れた時に、いったい自分は何を守り抜けるのかと。そういうことを問いかけている映画です」と本作について語った。会場となったヒラタ学園は、教育事業としてパイロットや客室乗務員、航空整備士の育成なども行っており、この日のイベントにはこれからの空の未来を担う学生たちが参加。記者会見では学生とキャスト陣との質疑応答が行われた。江口さんは、数々のアクションシーンについて印象を聞かれ、「意外と『高い所は大丈夫だな』と思っていたんですよ。ところがやっぱり実際上がると…いやぁ、ちょっとドアが無い状態のヘリってのはこんなに怖いのかと思いましたね」と改めて告白。また江口さんの息子を助けるシーンについて感動したとの声が上がると、堤監督は「スカイダイビングを何回もやらせてもらって、撮ったシーンです。お子さんはパラシュート無しで落っことす!…というのは勿論やってないですけど(笑)。助ける方は実写ですね」と、リアルな描写の理由を明かした。「原発などを映画で扱われていたので色々と考えさせられることがあったのですが、他にもどんな世代の人たちにこの映画を観てもらいたいですか?」という質問には本木さんが回答。「まさに皆さんのような若い人たち、そしてもっと小さい方たちも」「小さいお子さんたちにはある意味“怪獣映画”として観てもらってもいいのかと。かつて『ゴジラ』という映画がありましたが、あれは人間の欲望が生み出した産物、それがゴジラという怪物、そういうオチがありますよね。それと同じように、本作『天空の蜂』の巨大ヘリも、そして原発も、ある意味人間が生み出した怪物なのではないかと」「数十年後、もしくは数年後に成長したとき、映画の背景に隠れていた大きなテーマに気づいて理解してもらえれば何よりだと、脚本を担当された楠野さんも仰っておりました」と、脚本家の思いも込めて語った。また、本作で子どもを命がけで守る父親の役を演じた江口さんは「今回、こういう役を演じることによって、監督も言ってましたが、何か自分が成し遂げなければならないことから逃げてはいけない、目をそむけてはいけない立ち向かわなきゃいけない。それにはやっぱり根性がいるなと。これは根性の映画なんですね。日本一諦めない男を演じましたけど。そういった役を感じながら“何も言わなくても子どもは見てるんだ”という、そういう大人になるべきなんだろうな、と」と役柄同様、情熱的に熱弁。本木さんは、初共演となる江口さんとの共演について聞かれると、「江口さんは普段も非常に情熱を沢山湛えているという方で。私の方はどちらかと言うと内向きにウジウジといく部分がありますので(笑)。ある意味そのコントラストが映画の役割にも有効だったんじゃないかと思っております。だから我ながらいい組み合わせだったんじゃないか」と胸の内を明かした。最後に堤監督は、現実起きている問題を象徴する出来事を役者陣が全身全霊で演じたことや、現実にはない巨大な飛行物体を作るというVFX、更にリチャード・プリンという音楽作家がハリウッド並みの音楽を提供したことなど…語りたい要素が沢山あると言いつつも、「皆さんにお見せしたい色々な要素、考えていただきた色々な要素を、2時間強の時間にまとめ、そして娯楽作品として皆さんにお届けするということが私の一番の仕事だ感じ、今回20年連れ添ったチームと共に仕上げた」と本作に自信を覗かせた。『天空の蜂』は9月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年08月24日9月12日公開の映画『天空の蜂』の完成披露プレミア試写会が20日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われ、江口洋介、本木雅弘、綾野剛、國村隼、佐藤二朗、やべきょうすけ、松島花、落合モトキ、石橋けい、永瀬匡、秦基博、堤幸彦監督が出席した。原作はベストセラー作家・東野圭吾が20年前に発表した長編小説『天空の蜂』。原発を題材にしたテーマ性や物語のスケールの大きさから映像化不可能と言われて来たが、ヒットメーカーの堤幸彦監督が見事に映画化。最新鋭にして日本最大、全長34mの超巨大ヘリコプターを乗っ取り原子力発電所の真上に静止させるという原発テロ事件と、その危機に立ち向かう人々の8時間にわたる攻防を描く。公開まで1カ月を切ったこの日は、主演の江口洋介をはじめとするキャスト陣に主題歌「Q&A」を歌った秦基博、そして堤幸彦監督が勢揃いしての舞台あいさつ。主演の江口が「去年の暑い夏の中、映画に取り組みました。果たしてヘリと言えるのか、と言うぐらい巨大な化学兵器を産んだ怪物が今回の対戦相手。本当に8時間のアクションドラマになっています」とアピールした。一方の本木は「今回の作品が40代最後の作品になります、このような大きなテーマで素晴らしい作品に40代最後の記念として出演できたことを嬉しく思っています」と笑顔を見せ、本作が映画初出演となった松島も「初めての映画がこの作品ということでプレッシャーもありましたが、ワクワク感もあって楽しくできました。今日は江口さん以外とは初めてお会いしたので、この日を迎えられて本当に光栄に思っています」と充実した表情を見せた。舞台あいさつの中盤から、秦基博が歌った主題歌「Q&A」に絡め、キャスト陣による「今だから聞きたいQ&A」のコーナーを実施。秦から「巨大ヘリが出てくるが、高いところは平気?」という質問に、江口は「正直苦手です。今回はトム・クルーズを超える作品で、始まってからずっとピンチ。緊張感の中、ある程度やれましたが、めっちゃくちゃ怖かったですね」と本音もチラリ。また、撮影中に江口の家が集中豪雨となり、その後どうなったか國村が尋ねると、横から本木が「江口さんは危機管理ができているご主人ですよ。その時も脚の綺麗な奥さん(森高千里)に業者が速やかに修復すると電話してました」と妻思いの江口を賞賛していた。映画『天空の蜂』は、9月12日より全国公開。
2015年08月21日俳優の江口洋介が8月20日(木)、都内で行われた主演作『天空の蜂』の完成披露試写会に出席し、「巨大エンターテインメントを堪能して」とアピール。妻役の共演者が「江口さんとは、最初から冷え切った夫婦だった」と役柄を説明すると、思わず苦笑いだった。“原発テロ”を扱い長年、映像化不可能とされた東野圭吾のサスペンス巨編を映画化した本作。完成披露試写会には江口さんをはじめ、本木雅弘、綾野剛、國村隼、佐藤二朗、やべきょうすけ、松島花、落合モトキ、江口さんの妻を演じた石橋けい、永瀬匡、秦基博、堤幸彦監督が出席し、会場には4000人のファンが駆けつけた。1995年夏、謎のテロリスト“天空の蜂”が強奪した超巨大ヘリ・ビッグBを、福井県にある原子力発電所「新陽」の真上に静止させ「全国すべての原発の破棄」を要求。8時間後にはヘリの燃料が切れ、「新陽」目がけてヘリが墜落してしまう危機的状況で、緊迫感あふれる攻防が繰り広げられる。江口さんと本木さんは、初の共演が実現し、壮絶なアクションにも挑戦。「高いところが苦手なので、ヘリに乗ってのアクションは…。でも堤監督がCGなしで撮るっておっしゃるので(苦笑)。もう二度とやりたくないですね」(江口さん)、「江口さんとのカーアクションで、何度も撮るものだから途中で呼吸困難になって、内心ヘトヘト」(本木さん)と苦労を分かち合っていた。また、綾野さんは「心から誇りに思える作品。正義と不義を超えた訴えかけるメッセージがある」と誇らしげな表情。本木さんとの共演シーンが多く、「本番2~3秒前で突然、瞳に狂気の闇が深まっていく。あれはどうやっているんですか?」と先輩の演技に興味津々。すると、堤監督は「綾野くんだって、汗を自分で(コントロールして)出せるじゃないですか」と“秘技”を暴露されていた。『天空の蜂』は9月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年08月20日フジテレビで放送中のドラマ「リスクの神様」の“ファンミーティング”と称して8月17日(月)、第6話の先行上映会が開催。主演の堤真一と戸田恵梨香が登壇し、芸能人としての危機管理(?)について語った。戸田さんはこの日が誕生日。集まったファンから「おめでとう!」と声を掛けられ「ありがとうございます。27歳になりました!」と満面の笑みを浮かべた。撮影現場では数日前にキャスト、スタッフから祝福されたという。事故の隠蔽や商品の欠陥、スキャンダルから海外駐在員の誘拐まで現代の企業が抱えるリスクマネージメントの問題を描く本作。共演陣には森田剛、吉田鋼太郎、小日向文世、田中泯、古田新太など存在感抜群の重厚な面々が顔を揃えているが堤さんは「共演陣の中で、最も敵に回したくないのは誰?」という問いに、意外や「戸田恵梨香(笑)」と回答!「えー?」と不服そうな戸田さんをよそに「この人の機嫌が悪くなったら進まないなと思うので…(笑)。オジサンたちに関しては、俳優ってライバル関係に見えるかもしれないけど、実は助け合いであって“敵”と想定しにくい。その意味で気になるのは恵梨香ですね」と一番近くにいる存在だからこそ敵に回したくないという、危機管理のプロとしての分析で会場をわかせる。当の戸田さんは「全然理解できません!」と苦笑を浮かべていた。また「リスクを冒してでも手に入れたいもの、守りたいもの」という質問に、堤さんは「そもそも危険を冒さない、無理しないタイプ。戦っているイメージがあるかもしれないけど平和主義者です」と語る。それでも「唯一、子どもができて、子どもを守るのは命を懸けてでもと思います」と“父”の顔を見せる。司会者の「こんなに楽屋に子どもの写真を飾ってる人も珍しい」という指摘に戸田さんも「知らなかった!」と驚いた様子。堤さんはパソコンのスクリーンセーバーに子どもの写真を設定していることを明かし「生まれて初めて、自分より大事なものができた」と照れくさそうに語った。また、芸能人ならではの危機管理については「結婚前の若いときはマスコミに追いかけられて、おかげで車を運転するときに、つけられているかを意識するようになり、周りに注意して運転するようになった」と明かす。一方、戸田さんは「しょっちゅう、ノーメイクで出かけるし、メイクしてると友だちに『珍しいね』と言われる。適当に生きてます…(苦笑)」と女優としての危機管理に無頓着な一面をのぞかせていた。「リスクの神様」は毎週水曜日、夜10時より放送中。(text:cinemacafe.net)
2015年08月17日「映像化不可能」といわれた東野圭吾の勝負作を、堤幸彦監督がメガホンをとり、完全映画化した映画『天空の蜂』。主演の江口洋介を始め、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛、國村隼、柄本明ら、豪華俳優陣が一挙に集結する本作で、若き自衛隊員・上条を演じているのが、今年大活躍を見せる “元・仮面ライダー”のイケメン俳優、永瀬匡だ。劇中では、何者かによって奪われた巨大ヘリ“ビックB”の中に取り残された、ビックB設計士・湯原(江口さん)の息子・高彦(田口翔大)の救助に向かう自衛隊員を熱演する、永瀬さんの魅力に迫った。1993年生まれ、現在22歳の永瀬さんは、2011年に「桜蘭高校ホスト部」でドラマデビュー。その後、「仮面ライダーウィザード」(’12~13)で仮面ライダービースト/仁藤攻介役として出演、若者から主婦まで幅広い層から人気を得た。また、大河ドラマ「八重の桜」にも出演し、『悪の教典』『ユダ』『好きっていいなよ。』と、話題作に立て続けに抜擢。今年は、体当たりの演技で映画初主演を果たした『ズタボロ』で、朝ドラ「まれ」でもおなじみの清水富美加とのキスシーンに挑み、現在は日曜劇場「ナポレオンの村」にも出演中、10月17日(土)公開の『Mr.マックスマン』にも登場するなど、いま最もノリに乗っている注目若手俳優のひとりだ。福士蒼汰ら所属事務所・研音の若手俳優6名で、“俳優として必要な体づくり”を目的とする肉体改造部のプロジェクトに参加し、肉体派なイメージもある永瀬さん。本作の、高度800メートル上空にホバリングするビックBに取り残された高彦を救出するシーンでは、肉体と精神の極限の中、懸命に命を救おうとする永瀬さん演じる上条の姿には目を奪われる。実は、いまは亡き祖父が航空自衛官だったという永瀬さん。役作りのため祖母からいろいろ話を聞いたというが、「ただ“マネ”をするだけは嫌だった」と明かしている。「(演技をするときは)“高彦くんを助けたい!守りたい!”と皆が思っていること、どうしたらいいのかを考え(映画を観ている人に)共感してもらえるよう、気持ちを大事にして演じました」とふり返り、緊迫したシーンでの演技に並々ならぬ熱い想いを語っている。撮影で苦労したことを聞かれると、「(ワイヤーで)吊られることが多かったです(笑)。仮面ライダーのときも吊られていたんですけど、そのときとは全然違くって…」と、過酷な撮影の様子を笑顔で語る永瀬さん。過去作でも、その演技力を高く評価されているが、彼自身は、「本木さんがクライマックスで、グリーンバックで撮影しているシーンがあるんですが、出来上がった本編をみてスケールの大きさを感じました。自分にできないと思いました。まだ魅せる力、芝居力が足りないと…」と語り、演技に対して、どこまでも自分に厳しくストイックに挑み続ける姿を見せている。俳優としてますます活躍が期待される永瀬さんの熱演を、スクリーンでも注目してみて。『天空の蜂』は9月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年08月17日元ライブドア社長で実業家の堀江貴文氏ら各界の著名人が、原発テロを描いた映画『天空の蜂』(9月12日公開)に関してコメントを寄せた。同作は堤幸彦監督がメガホンを取り、俳優の江口洋介と本木雅弘が初共演する映画。作家・東野圭吾氏が1995年に発表した同名小説を原作に、原発テロ事件とその危機に立ち向かう人々の"8時間の攻防"が描かれる。映画の舞台は1995年8月8日の日本。最新鋭の巨大ヘリ「ビッグB」が一人の小学生を乗せたまま、福井県内の原子力発電所「新陽」の真上に静止する。遠隔操作によるハイジャックを実行した犯人は"天空の蜂"と名乗り、「日本全土の原発破棄」を要求。従わない場合は大量の爆発物を搭載したビッグBを原子炉に墜落させると予告する。原発の恩恵と危険性、翻弄されるマスコミ、人々の心理状態など、劇中で描かれるシーンの数々は現実とも重なり合う。2011年に発生した東日本大震災とその後を予見したような内容であるため公開前から注目を集め、試写室の連日の混雑ぶりにもそのことが表れている。一足早く作品を観た著名人から、その感想が届いた。堀江氏は、本作を「原発推進派は原発がゼロリスクでなく時には事故が起きることを正直に告白した上で有用性を主張すべきだし、反対派は感情論で何でも反対、どんな手段を用いても阻止すべき的な短絡的な動きをしてはならないよ、という戒めの映画」と説明。「その裏には感情を表に出さず黙々と働く、しかし時には非難を恐れて自分の意見を言わない卑怯な大衆が隠れている。言い訳を許さない映画」とも評している。「経済や強い力に依存する国民性や、そこに潜む『沈黙の怖さ』を、20年前に原子力の問題と絡めた物語をこの時代に映画化したことが画期的です」というのは音楽プロデューサーの小林武史氏。「フクシマ以前だからこそ、逆に伝わってくるエソラゴトの怖さは、人間を置き去りにして進みかねない科学や経済や政治の怖さでもあります。時代は懲りずに繰り返します。必見」と呼びかける。俳優陣からは「安易な臭いがしない映画である 安易な褒め言葉が似合わない映画である。 映画屋が作った、本物の映画である」(坂上忍)、「最後まで真相が分からず、ハラハラドキドキしました。親子・家族・同僚などさまざまな人間関係のなかで、いろいろな感情が切なかった」(福士蒼汰)、「壮大なテーマの中に激しいアクションシーンがあり、ハラハラしながらも親子の絆、同僚への信頼、大切な人への愛が描かれており、お互いへの思いが深まるすてきな作品です」(前田敦子)、「信じられないほど美しい緊張感と緊迫感。物語の幕が開いてすぐに、涙が止まらなくなり、後半は一時も目が離せない。いろいろなことがおかしい今の日本…たくさんのことが悲しい"今"に、観るべき…渾身の一作」(広末涼子)など。また、木下優樹菜が「手に汗握るだけではなく、体中から汗が湧き出るうえに涙無しでは見られないのでバスタオルを用意してください! フジモンには湯原(江口さん)と三島(本木さん)のように、仕事においても人生においても自分がこう!と思った信念を貫き通してほしいと思います!」、藤本美貴が「日本が直面している問題を描いた作品。今を生きる私たちにとって重要なテーマで、未来を作っていく子供たちにも伝えなければいけないと思いました。家族のために頑張っているお父さんたちをもっと応援したい気持ちになりました」とコメントを寄せるなど、ママタレントにも話題は広がっている。(C)2015「天空の蜂」製作委員会
2015年08月07日長年、映像化不可能とされた東野圭吾渾身のサスペンス巨編を、堤幸彦監督が豪華キャストで映画化した『天空の蜂』。主人公・湯原を演じる江口洋介を始め、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛、國村隼、柄本明など、日本を代表する実力派俳優たちが結集した本作で、原作には描かれない成長した湯原の息子・高彦を、向井理が演じている。映画化に際し、東野さんの思いが込められたオリジナルキャラクターとなるこの役柄の誕生秘話が、シネマカフェに到着した。最新鋭の超巨大ヘリが1人の子どもを乗せたまま、遠隔操縦によりハイジャックされ、原子力発電所が標的になるという史上最悪の原発テロを描いた本作。原作者の東野さんも「映像に圧倒された」と語るほど、とてつもないスケール、大迫力のアクションシーン、そしてノンストップで押しよせる興奮と衝撃が、早くも話題となっている。中でも、ひと足先に鑑賞した東野圭吾ファンからは「原作を超える映画は存在しないと思っていたので、本当にビックリした」、「あれだけ完成された原作をもちながら、よくここまでの映画にした」など大絶賛の声が続々と届いており、最も厳しい目を持つ原作ファンをも唸らせる完成度の高さが、いっそう期待値を高めている。本作の脚本を担当した楠野一郎は、執筆前から、この物語をいま、映画として描くうえで、日本人の100%が知っている東日本大震災を避けては通れないと考えていたという。だが、原作の時代設定は20年前の1995年、“日本人の多くが原発に対して危機意識が低い”という状況が礎となっているため、事件が起きる時代を変更してしまうと、根本的な設定そのものが覆ってしまう。そこで、最終的に辿り着いたアイディアが、事件が起きるのは1995年のままで、2011年に震災が起きた後の視点を、物語のクライマックスに取り入れる、というものだった。一方、プロデューサーの方でも、原作者の東野さんから、本作を映画化するにあたっての2点の提案を受けていたという。それは、「震災を踏まえて描く」「プロローグなどで2011年以降の現在を描き、そこに子どもの成長した姿で登場させる」というもので、奇遇にも楠野さんが考えついたアイディアと一致。偶然の導きなのか、両者のシンクロした“想い”から、震災直後の2011年3月の日本で、成長し、自衛隊員になった向井さん演じる高彦が人命救助に赴くという、映画ならではのオリジナルのシーンが誕生することになった。原作者と脚本家の想いが共鳴して生まれた、原作とはまたひと味違ったクライマックスシーンに、ぜひ注目していて。『天空の蜂』は9月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年07月28日芝居に対しては真面目すぎるほど。でもその一方で関西人らしいユーモアも持ち合わせている、チャーミングな大人の男・堤真一さん。そんな堤さんに「大人の男」について、語ってもらいました。――今回、大人の男というテーマで取材に伺ったのですが…。大人かぁ…20歳の頃といまの自分を比べて、どんだけ大人になれているかを考えると何も変わっていない気がするんで、たまに不安になるんですけど…。――でも、若い頃は尖っていたそうですし、そういう自分を客観視できるという意味でも大人になっているのでは?当時は、必死だったんですよね。20歳過ぎて芝居に関わるようになって、何がいい芝居で何がダメな芝居なのかわからず、自分がどっちに進んでいいかわからなかった。そんななかで、どこかで聞いた理念を自分の価値観だと思い込もうとして、他を受け入れることができずに頑なになっていたんです。でも実際は、不安で怖くて、自分を守るために必死に抵抗していた気がします。そういう反骨精神が、僕の前に進むエネルギーになってもいたんですが、やっぱり年をとると、そういうエネルギーって変わってくるんですよね。――自分のなかで本当の価値観が定まってきたということではなく?というより、自分のなかにこだわりみたいなものがなくなってきたんだと思います。いままで絶対嫌だと思っていたことも受け入れられるようになって、全部がいいし、全部がスゴいって思えるようになりました。最初の頃はそのことに戸惑いもあったけれど、いまは逆に視野が広がったのかなって思っています。――きっかけは何だったんですか?やっぱり年をとったってことでしょうね。ここ5~6年くらい、気力で乗り切ろうとしても、以前のように体は頑張れなくなってきているわけです。そうなると、気持ちもノっていかなくなって、一時期は、もう芝居に対しての情熱がなくなったのかなって思って、悩んだりもしていたんです。でも最近、それが自然と楽しければいいやって思えるようになってきた。パアッと目の前が明るくなるって感じじゃないけれど、ドツボからは抜け出せたのかなって気がしてます。――読者に向けて人生の先輩からアドバイスをいただけますか。きっといろいろ迷ってる世代だと思うんです…。迷ってていいんじゃないの?って僕は思うけどな。その間は苦しいかもしれないけど、迷えるだけ選択肢があるってことは、いろんな可能性があるってことなわけでしょ。今回のドラマに「リスクはチャンスだ」ってセリフがあるんだけど、迷ったり悩んだりしている時の、人間の“変わろう”っていう力ってすごいんです。自分が大きく成長できるチャンスだと、前向きに捉えたらいいと思います。◇つつみ・しんいち1964年7月7日生まれ、兵庫県出身。主演をつとめるドラマ『リスクの神様』は、フジテレビ系毎週水曜22時より放送中。また11月末から、舞台『才原警部の終わらない明日』への出演も控えている。※『anan』2015年7月29日号より写真・天日恵美子スタイリスト・中川原 寛(CaNN)ヘア&メイク・奥山信次文・望月リサ
2015年07月23日常に映画やドラマの最前線に居続ける“モックン”こと本木雅弘さん。今年50歳を迎える彼に“大人の男”についてお話を伺いました。――本木さんが考える「大人の男」とは?それが理解できていたら、こんなふうになっていないのかな(笑)。いつも立ち位置のはっきりしない自分がいる。時代とうまく寝るのか、そむくのか。どちらにしても自分がどうあるべきかを選べる男が優秀なのだと思う。つまり、自分の実像をキチンと捉えて思いを表現できる人。それが本当の大人かもしれない。なのに私は家族に対しても自意識がはたらいて、本当の自分をさらすべきか否かって躊躇する瞬間もあるんですよ。――仕事となると、特に個人の自由にはならないし、本音も言いづらいですよね。その部分はありますね。私の場合は10代の頃から大人の中で仕事してきたし、中途半端にチヤホヤされたりしたこともあって、どこかでお調子者のところと、周りの顔色をうかがうところと、変にエキセントリックなところが共存してるんですね。簡単に言うと、めんどくさいタイプ(笑)。場の空気に沿おうとする面はあるんですが、若干ムラがあり、うまく計算ができるほどの能もない(笑)。いつも揺れてるんです。――納得のいく生き方はできている?いやいやいや。ワガママなことを言ってしまえば、やりたいことを自由にやって、最期に本気で感謝して死にたいと思っています。けど、なかなか。まだ自分は他者や運命に対して100%混じりっけなしに感謝できたことは一度もないかも。こんなこと言ったら刺されそうだけど(笑)。どこかで「感謝せねば」という意識に縛られて素直になれない。どうですか?こんなふうに自己批判ばかりして、それを糧にしていると自分を肯定している男は?だから大人になんかなれませんよ、いつまでも(笑)。――なれないのか、なりたくないのか。なりたい!なりたいです。それは子どもが「プリンセスになりたい!」というのと同じ。自分が知りえなかったものを知りたいという欲求ですね。あれっ?なんだか愚痴めいてしまいましたが、大丈夫ですか?こんな大人げない大人の男もいるもんなんです(笑)。でもね、理想の自分に近づくわずかな希望は捨てていませんから。◇もとき・まさひろ1965年12月21日生まれ。埼玉県出身。俳優。昭和天皇を演じた原田眞人監督作『日本のいちばん長い日』が8月8日公開。東野圭吾さんの原作を堤幸彦監督が映画化した『天空の蜂』は9月12日公開。ガウン¥75,000シャツ¥27,000ベスト¥35,000パンツ¥54,000(以上エンジニアド ガーメンツ/ネペンテスTEL:03・3400・7227)ブーツはスタイリスト私物。※『anan』2015年7月29日号より。写真・津留崎徹花スタイリスト・田中伸紀文・杉谷伸子
2015年07月22日数々の映画・ドラマを手掛ける堤幸彦監督が、東野圭吾の原作を圧巻の迫力をもって描くサスペンス・アクション『天空の蜂』。江口洋介、本木雅弘、綾野剛、仲間由紀恵ら演技派俳優が顔を揃え、今年注目度ナンバーワンの呼び声も高い本作の、緊迫感みなぎる予告映像が到着した。1995年8月8日。最新鋭の超巨大ヘリ《ビッグB》が、突然動き出し、原子力発電所の真上に静止する。遠隔操縦によるハイジャックという驚愕の手口を使った犯人は〈天空の蜂〉と名乗り、“全国すべての原発の破棄”を要求。従わなければ、大量の爆発物を搭載したヘリを原子炉に墜落させると宣言する。爆薬を積んだ超巨大ヘリが原発に墜落するまで、タイムリミットは8時間ーー。奪われたヘリの設計士であり、ビッグBに取り残され人質となった子どもの父親・湯原(江口洋介)、狙われた原発の設計士・三島(本木雅弘)は、子どものため、日本消滅の危機を回避するため奔走するが…。今回到着した予告映像は、《ビッグB》を奪った謎の男(綾野剛)の犯行声明で幕を開ける。前代未聞の要求を突きつける、姿なき犯人との攻防戦に奔走する湯原と三島。そして2人を取り巻くキャラクターを、仲間さんや柄本明、國村準、向井理、石橋蓮司、佐藤二朗など豪華俳優陣が演じ、もはや予告編の域を超えた、緊迫感が押し寄せる映像となっている。また、映像をより一層盛り上げているのが、先日、主題歌として起用されることが発表されたばかりの、秦基博によるアッパーチューン「Q&A」。親子の情愛や、男たちが熱く信念をぶつけ合うシーンが次々に展開される映像と、エモーショナルな秦さんの歌声が見事にマッチしており、作品への期待は膨らむばかりだ。とてつもないスケール、大迫力のアクションシーン、そしてノンストップで押しよせる興奮と衝撃が話題となっている、サスペンス・アクション超大作『天空の蜂』。原作者の東野圭吾氏も「映像に圧倒された」と語るほどのその迫力を、まずはこちらの予告編で体感してみて。『天空の蜂』は9月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年07月15日江口洋介を主演に、東野圭吾原作小説を映画化する『天空の蜂』の主題歌が、秦基博の新曲「Q&A」に決定したことがこのほど明らかとなった。1995年8月8日。最新鋭の超巨大ヘリ「ビッグB」が突如動き出し、子どもを一人乗せたまま、福井県にある原子力発電所「新陽」の真上に静止した。遠隔操縦によるハイジャックという驚愕の手口を使った犯人は“天空の蜂”と名乗り、「全国すべての原発の破棄」を要求。従わなければ、大量の爆発物を搭載したヘリを原子炉に墜落させると宣言する――。『20世紀少年』シリーズなど様々な作品を手がけてきた堤幸彦がメガホンを取るサスペンス・アクション超大作の本作。このほど主題歌に決定した秦さんは、映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌「ひまわりの約束」、映画『あん』の主題歌「水彩の月」に続き、シングル3作連続の主題歌抜擢となる。本作の主題歌である新曲「Q&A」は、ミディアム~スローな優しい楽曲のイメージが強いこれまでのイメージを覆すような、アグレッシヴでエモーショナルなサウンドのアッパーチューンに仕上がっている。本楽曲について秦さんは、「映画の中で描かれる人間が運命に抗う姿、大きな運命の流れの中で翻弄されながらも、自分が大切につかもうとするもの、守ろうとするもの、そういうものに対して向かっていく姿に感銘を受けて、その部分を自分なりに楽曲にしました」と、楽曲に込めた思いを語っている。さらに、本楽曲を聴いた主演の江口さんは「この映画が持っているテーマ性、スタッフ・キャストの想いを昇華させてくれる曲だと思いました」とコメント。堤監督も、「始めてこの曲を聴いたときにある情景が浮かんだ。それは数多の人々の姿。映画『天空の蜂』を撮っているときのイメージと同じだった。突きささるリズムに身体をまかせていると深い詩が突きささる。原作と映画とこの曲「Q&A」同じ地平に立っている気がする」と絶賛を寄せている。3作連続主題歌への抜擢ともあり、映画好きの中でもその存在感を増し続けている秦基博。空前のスケールで描かれたと合わせて、秦さんのアグレッシブな新曲を楽しみにしていて。『天空の蜂』は9月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年07月10日東野圭吾の原作を『SPEC』シリーズの堤幸彦監督が壮大なスケールで描く『天空の蜂』。このほど、本作より豪華キャストが勢ぞろいの本ポスタービジュアルが公開された。1995年8月8日。最新鋭の超巨大ヘリ「ビッグB」が突如動き出し、子どもを一人乗せたまま、福井県にある原子力発電所「新陽」の真上に静止した。遠隔操縦によるハイジャックという驚愕の手口を使った犯人は“天空の蜂”と名乗り、「全国すべての原発の破棄」を要求。従わなければ、大量の爆発物を搭載したヘリを原子炉に墜落させると宣言する――。映像化不可能と言われた東野圭吾最大のスケールの原作を映像化する本作。今回到着したポスタービジュアルでは、江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛を始め、柄本明、國村準、向井理、石橋蓮司、佐藤二朗ほか、豪華オールキャストが総集結!役者陣それぞれの力強い表情と炎に包まれる超巨大ヘリ「ビッグB」が、本作のただならぬ緊迫感を感じるさせるビジュアルとなっている。また、ポスタービジュアルの中央には、「絶対、守り抜く」という力強い言葉が配置され、登場人物たちが大切なものを守り抜く姿が描かれていることが窺える。さらに、本作を鑑賞した原作者の東野圭吾は「映像に圧倒された」とその仕上がりを絶賛!さまざまな作品を手掛けてきた堤監督が、どんな大迫力のアクションシーン見せてくれるのか、大きな期待がかかる。『天空の蜂』は9月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会
2015年07月01日