展覧会「塩田千春 つながる私(アイ)」が、大阪中之島美術館にて、2024年9月14日(土)から12月1日(日)まで開催される。塩田千春、大阪で16年ぶりの大規模個展塩田千春(しおた ちはる)は、作品を通して「生きることとは何か」、「存在とは何か」を問いかけてきたアーティストだ。その代名詞である、無数の糸を張り巡らせたインスタレーションは、場所や物に刻まれた人々の痕跡を「記憶」として捉え、確かに存在するものとして可視化するものだといえる。展覧会「塩田千春 つながる私(アイ)」は、塩田の出身地である大阪で開催される、16年ぶりの大規模個展。大規模なインスタレーション作品5〜6点を中心に、新作や国内未発表作品を含む絵画やドローイング、立体、映像などを紹介する。塩田が作品化する「記憶」とは、自分と自分以外のものとの「つながり」によって織りなされるものだ。本展では、「私/I」、「目/EYE」、「愛/ai」という3つの「アイ」を通じて、他者との「つながり」に光をあててゆく。展覧会概要展覧会「塩田千春 つながる私(アイ)」会期:2024年9月14日(土)~12月1日(日)会場:大阪中之島美術館 5階展示室住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)休館日:月曜日(9月16日(月・祝)・23日(月・振)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・振)は開館)、9月17日(火)・24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)※詳細については追って告知【問い合わせ先】大阪市総合コールセンター(なにわコール)TEL:06-4301-7285(受付時間 8:00~21:00、年中無休)
2024年04月18日イケムラレイコと塩田千春の対話集『手の中に抱く宇宙 イケムラレイコ+塩田千春 対話集』の刊行記念展が4月2日(土)より、銀座 蔦屋書店で開催される。ドイツ・ベルリンを拠点に世界で活躍する現代アーティスト、イケムラレイコと塩田千春。2021年には名古屋にて二人展を開催し、その中ではコラボレーションドローイングも出品され話題になった。『手の中に抱く宇宙 イケムラレイコ+塩田千春 対話集』はロックダウンで移動が制限されていた期間に互いの家を行き来し対話を重ねながら、展示や作品制作について語りあった記録。この刊行を記念した本展では、2021年の二人展「手の中に抱く宇宙展」(KENJI TAKI GALLERY・名古屋)に出品したイケムラと塩田それぞれの作品、共作のドローイング、そして新作のコラボレーション作品も初披露となる。さらに石を持ったイケムラ自身の手がスキャンされた写真に塩田が赤い糸を縫い重ねた作品も、対話集とのセットでエディション版画として数量限定販売。こちらは4月1日(金)10時よりオンラインにてエントリー受付が開始予定だ。心の対話から宇宙へとつながる希少なコラボレーションを対話集、作品の両面からぜひ鑑賞してほしい。■展示情報『手の中に抱く宇宙イケムラレイコ+塩田千春 対話集』刊行記念展4月2日(土)~4月13日(水)時間:11:00-20:00 ※最終日のみ、18時閉場会場:銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM(イベントスペース)入場:無料特集ページ: ■リリース情報『手の中に抱く宇宙イケムラレイコ+塩田千春 対話集』4月15日発売(銀座 蔦屋書店で4月2日より先行発売)定価:3,300円(税込)限定特装版オンラインエントリー受付期間:4月1日(金)10:00~ 4月14日(木)17:00「OIL by 美術手帖」にて、4月1日(金)10時より開始。予告ページ: 特設サイトURL: (4月1日(金)10時に公開)<エディション版画作品>石を持ったイケムラ自身の手がスキャンされた写真に、 塩田が赤い糸を縫い重ねたコレボレーション版画作品。『Planet in Hands』(2種各ED30)作品サイズ:27.7cm×39.7cm/19cm×25.5cmお届け:2022年6月中予定※制作の進行によりお届けが早まる場合があります。※エディションナンバー入り、 アーティストサイン入り、 額装あり※版画作品のみの販売はありません。 版画作品1つに対談集1冊が付きます。※詳細は4月1日(金)に公開の特設サイトにてご確認ください。
2022年03月24日青森の十和田市現代美術館では、開館以来初となる常設作品の入れ替えを実施。2021年4月1日(木)には塩田千春の新作が、そして12月にはレアンドロ・エルリッヒの作品が公開される予定です。塩田千春やレアンドロ・エルリッヒの作品を常設展示十和田市のまちを美術館にするプロジェクト「アーツ・トワダ(Arts Towada)」の10周年を機に、十和田市現代美術館は、常設作品の入れ替え、展示室の増築、寄託作品の展示を実施します。塩田千春、“十和田湖”に着想を得た新作を公開常設作品では、糸を紡いだ大規模なインスタレーションを中心に手がける塩田千春の新作を公開。これまで国内外で発表されてきた船と糸を使用したシリーズであり、国内の公立美術館では初の常設作品となります。“十和田湖”に着想を得たこの作品には、十和田湖で実際に使用されていた船も使用されるなど、この地にゆかりの深いものとなっています。レアンドロ・エルリッヒ《建物─ブエノスアイレス》世界初の常設展示にまた、新しい展示室では、体験型の大規模なインスタレーションで知られるレアンドロ・エルリッヒの作品《建物─ブエノスアイレス》を、 世界初の常設作品として展示。故郷アルゼンチンのブエノス・アイレスで見られるファサードをもとに、鏡を介して重力に逆らうように自由なポーズを取ることができる作品を展開。名和晃平の代表作「PixCell」もさらに、名和晃平の代表作「PixCell」シリーズの《Pix-Cell-Deer♯52》も、寄託を受けて期間限定で公開。「PixCell」は、動物の剥製などを透明の球体で覆うことで制作されており、情報社会ではパソコンなどの画面の“セル”を介してものを見ているのだという現状が、彫刻として表現されています。詳細十和田市現代美術館 常設作品入れ替え・展示室増築・寄託作品展示場所:十和田市現代美術館住所:青森県十和田市西二番町10-9開館時間:9:00〜17:00(最終入館 16:30)休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)、年末年始、そのほか臨時休館観覧料:大人 1,200円、高校生以下 無料※企画展のない時期は、大人520円※最新情報は美術館ウェブサイトにて確認■常設作品・塩田千春 新作(作品名未定)一般公開日:2021年4月1日(木)・レアンドロ・エルリッヒ《建物─ブエノスアイレス》一般公開日:2021年12月〈予定〉■寄託作品・名和晃平《PixCell-Deer#52》展示期間:2021年4月1日(木)〜2023年9月〈予定〉※作品入れ替えに伴い、キム・チャンギョム《メモリー・イン・ザ・ミラー》は展示室から撤去、再展示までのあいだ収蔵【問い合わせ先】十和田市現代美術館TEL:0176-20-1127
2021年02月13日自店をオープンして14年たっても変わらない価値観――白金台時代から14年。自店を営業してきて思うことはありますか?岸田周三(以下、岸田):14年間、店をやりながら、スタッフと話し、反省も重ねどんどん変化してきました。常に試行錯誤し、向上を日々のテーマとしているので、オープン当時よりはるかにいい店になった自信はあります。――オープン当初からの、〝素材〟〝火の入れ方〟〝味付け〟の追求というテーマは変わらないですか。岸田:はい。流行を追いかける人も多いけれど、僕が大切だと思っている価値観は変わらない。外部からインプットしたものでなく、自分の中から湧き出るものを料理していますから。『山羊乳のババロア』開業当時からのスペシャリテ。――『山羊乳のババロア』などのスペシャリテも長く愛されていますね。岸田:あれは、フランスでの修業時代に生まれた料理です。当時、佐藤伸一さん(元【パッサージュ53シェフ)とよくホームパーティをしながら、自店を開店する時のために、いろんな料理の試作をしました。200以上はあったんじゃないかな。。山羊乳とオリーブオイルってあうなと感じていて、さらに乳脂肪と植物性油の組み合わせがいいなと思って。最初は少し違うスタイルでしたが、そこからブラッシュアップをして今の形に落ち着きました。この料理は、塩とオリーブオイルを主役にしたもの。オリーブオイルを搾汁する11月頃に、各社から取り寄せ、試食を繰り返し、ブレンドする三種類のオイルを決めます。自分の味のイメージに近づけるため、オイルの銘柄は決めていません。そしてそこで三種類のブレンドを決めたら、一年間その組み合わせで通す。塩は天日干しのフルール・ド・セルです。ユリ根とマカデミアナッツは食感を作るため。強烈な個性は放たない、縁の下の力持ちになる食材を選んでいます。『山羊乳のババロア』は〝料理に使われる、うちのベースはこれですよ〟という、いわば名刺代わりの料理としてお出ししています。今、振り返っても完成度が高いと思います。――パリでは【アストランス】のパスカル・バルボシェフのもとで働かれました。きっかけはなんですか?岸田:パリに行った時に食べ歩いて衝撃を受けた店が【アストランス】でした。彼の料理は素材を尊重し、ソースの必要性に疑問を呈するような、非常に新しいものでした。クラシックフレンチをやってきた僕にとっては衝撃的で。海外の食材も良いと思えば使う。日本人の僕をスーシェフにしてくれたのにも驚きました。〝おいしさ至上主義〟で、偏見が一切ない柔軟な人でした。スーシェフになった時に、パスカルさんに恩返しがしたい、とその年の「ゴ・エ・ミヨ」で絶対に最高点をプレゼントしたいと思ったんです。チームみんなで一致団結して、19点(満点)を取ったときは嬉しかったですね。同じ年に、ミシュランでも一つ星から二つ星になりました。2005年、パリで【アストランス】スーシェフになった年に「ゴ・エ・ミヨ」で満点を獲得その時フランスで購入した本は、今でも大切に手元に置いてある――パスカルさんとの出会いは大きいものだったんですね。岸田:はい。特別なものです。当時、彼のような素材を重視し、素材へのアプローチを積み重ねながら料理をしていくシェフはほとんどいませんでした。固定概念を崩し、フランス料理はこんなに自由なんだと教えてくれました。〝おいしいさ至上主義〟の彼に感銘を受けました。おいしくなければ、皿の上で語る哲学や、技術さえも意味がない。たとえば熱いものは熱く、冷たいものは冷たく提供し、卓上で漂う料理の香りについては非常に大切にしていることの一つです。僕の料理は、写真映えはしませんが、食べた人にしかわからない”何か違う”と感じるおいしさを伝えられたらと思っています。――先ほど、ミシュランのお話が出ましたが、【カンテサンス】は現在、14年連続ミシュラン三つ星です。星の維持は意識しますか?岸田:そこまで強くは意識していません。評価を追いかけるとおかしな方向に行ってしまいます。日々の生活を崩してしまうことはしないです。――でも、フランス料理人にとってミシュランは特別なものでは?岸田:そうですね。料理人を目指した頃から憧れていたものではあります。フランスから認められているということは非常に大事。自店をやるからには、三つ星という価値のある店をつくりたいとは思っていました。世界に誇れる店をつくりたい。それは最初から思っていたことです。『ホワイトアスパラガスのグラチネ』。ゆでずに焼いて味と香りをしっかり残す。未来に向けてできることを料理人として考えて実行する――ミシュランといえば、去年はドラマ『グランメゾン東京』の料理監修もされましたね。岸田:あれはお話をいただいたときに、すぐにお受けしたわけではなかったんです。「どうしても、岸田さんに監修をしていただかないと駄目なんです」と話してくださったプロデューサーの真剣な思いに心を動かされ、また、料理界のお役に立てられればと思い、一旦は承諾しました。けれど、いざ第一話の台本をいただいた時に想像以上に大変なことが判明して。これは営業に支障が出てしまうと「申し訳ないですが、やはり受けられない」と断ったんです。――え!?そうなんですか?岸田:はい。でも、プロデューサーの方が、〝こうしてくれないとできない〟と言ったことをすべてクリアし、再度依頼に来てくれた。この調整は、大勢の人を動かさなければならず、簡単なことではないものでした。けれどそれをやってのけた。そこに、彼のプロとしての仕事を見た気がしました。この人の仕事を間近で見てみたい。自分もきっと何か学びがあるのではと思い直し、継続してお引き受けしました。この仕事で、ドラマの撮影がこんなに多くの人が関わり、時間と情熱をかけてつくっているんだ、ということを知りましたね。もうドラマを見るときは、正座してテレビに向かうような気持ちで見ています。『石鯛のロースト』。大きな塊で焼き、中をほんのりレアに仕上げて切り分ける魚料理はスペシャリテの一つ。――劇中の、鈴木京香さんが演じる早見倫子シェフの店、【グランメゾン東京】の料理を岸田さんが考案したんですよね。岸田:そうですね。台本の大まかな流れにあわせ、旬の食材を、マニアックすぎず、オリジナリティある料理にしました。脚本は大まかなところしか決まっていないんです。第一話の、倫子さんが、木村拓哉さん演じる尾花夏樹の料理を食べるシーンありましたよね。制作サイドからは”カフェのような簡単な調理場でさっとできる料理”とだけ伝えられます。そこで、料理を考えるのが僕の仕事です。このシーンでは複雑ではないけれど、この一皿で倫子さんが尾花さんの料理に心を動かされるようなものでなければならない。色々考えて、料理方法は食材の持つ水分で軽く蒸すように火を通す”エチュべ”にしました。フライパンひとつでできますから。それから、例えば10話の「リードヴォーとクスクスのサラダ」。山から戻ってくる途中、アクシデントがあって食材が店に時間どうり到着しない。それで料理ができないわけですが、ライバルが食材を分けてくれて、危機を乗り越える……という流れは決まっています。けれど、その食材をどういうものにして、どんな料理にして、というのは決まっていません。ですから、”マタギの人がとってくる食材だから、山のもの。しかも冬に採れるものと考えると、セリにしよう”となるわけです。そこで、じゃあ、その素晴らしいセリをどういう調理しようか。そのようにして、ドラマの内容から食材が決まり、組み立てながら料理を生み出しました。――放映のたびに、料理が話題になりましたね。見ていても、知っている食材だけれど、この料理はどんな味がするのだろう?と想像も楽しく、臨場感があり、食べたくなりました。岸田:一度登場した食材、調理法は重ねて使えないので、後半にメニューを一新します、と言われた時には大変でした。過去のレシピもひっくり返して、全力で考えました。2ヶ月に1回はメニューを変更する。スペシャリテの2品を残して、基本的に他は一新料理は岸田シェフが仕上げてゲストへ――最後、尾花夏樹がマグロの料理を悩んで、悩んで、悩んで完成させていたシーンが思い浮かびます。岸田:僕も、尾花夏樹さん以上に悩みましたよ(笑)。実は、あのマグロの料理には裏話があるんです。僕の中で、マグロをいかに料理にするか、というのはずっと取り組んでいた課題だったんです。マグロというのはフランス料理では難しい、いわば禁断の食材。10年前、NHKの「プロフェッショナル」という番組で、このマグロの料理にチャレンジをしているところを取材されたことがありました。ところが4ヶ月間の密着取材期間中に、思いつく限りのアイデアに納得することができずに、料理は完成しなかったんです。当時のプロデューサーさんに「どうしても、これ以上アイデアが出ないです。撮影期間中に料理ができなくてすみません」と謝リました。ドキュメンタリーだから、結局”できない”という結果が真実で、そのままの放送となりました。その「プロフェッショナル」を見て、マグロ料理が完成しなかったことを覚えていてくれた今回のドラマのプロデューサーの方が、”10年たって、あの時の答えが料理できたらいいですね。マグロでいきましょう!”と言ってくださったんです。僕にとって、マグロというのは相変わらず難しい食材で、未だ自分のお店でも出していません。マグロの最大の問題点「加熱すると良さが出ない」ということをいかにクリアし、納得のいくものをどう作るか。本当にギリギリまで悩みました。結局納得がいくか、というと自分の中では100%イエスとは言い切れない部分もあります。けれど、今、マグロを代表する海洋資源の問題にも視聴者の方に知っていただきたくて、そうしたことも含めて”マグロ”という食材をあえて出しました――岸田さんは『Chefs for the Blue』の理事として海洋資源の問題にも取り組んでいらっしゃいます。ドラマでそうしたことに触れるシーンがあって、視聴者の方に現状を伝えるいい機会になったのではないでしょうか。岸田:海洋資源は今、本当に危機的な状況です。太平洋黒マグロが乱獲されていなくなってしまった。ドラマでもマグロの状況を説明するシーンを加えていただきました。自分が表に立って話す機会がある場所ではできるだけその問題についてお話ししています。白紙のメニューは ”すべておまかせください“というメッセージ。――あのドラマで、料理人になりたいと思う若い方が増えたのでは?岸田:料理人に光が当たるというのも引き受けた理由の一つでした。実は料理人志望者の減少には前から危機感を覚えていました。労働時間が長い料理人は、他の業種と比べると優秀な人の確保が難しい。そんな時代がまさに来ていると思っています。――レストランの働き方改革。みなさん悩まれている部分だと思います。去年、【カンテサンス】は営業時間を変更しましたね。岸田:ランチとディナーをやっていた時、僕の労働時間は一日16時間でした。自分のことを考えても、この働き方をいつまでやるのかと疑問も感じていた。従業員の給料を払うには、一日にお迎えするゲストの数は減らせない。そこで、17時からと20時半からの1.5回転にし、労働時間を減らして売り上げとのバランスをとりました。ビジネスシーンでの利用などを考えると、悩みましたが結果うまくシフトできたと思います。―― 何が起こるかわからない時代。残るために必要はことは何でしょう。岸田:今、できることをやりぬくこと。やっていることの目的を忘れないこと。それは、どんな仕事においても言えることではないでしょうか。BGMは客のさざめき。ゆったりと間隔を取った店内は、肩ひじ張らずにくつろげる編集後記予約が取れないレストランになって長くたった今も岸田氏は自身の熱量を内に秘め、何かを声高に語ることはない。自分がいいと思うものを信じ、考え、つくって、誰よりも深く積み重ねて生まれる純度の高いダイヤモンドのような料理が、唯一無二の輝きを放ち、自然と人々を魅了し続けているのだと感じた。どんな時代もブレずに鍛錬して信念を貫く。その姿勢は、こうした不安定な時代にこそ必要なのではと感じた。Quintessence(カンテサンス)【エリア】品川【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】10000円【ディナー平均予算】30000円【アクセス】品川駅 徒歩13分
2020年06月23日ミュージカル『サンセット大通り』が3月14日(土)に開幕する。稽古場にて、音楽監督と指揮を務める塩田明弘に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、『キャッツ』『オペラ座の怪人』などで知られるアンドリュー・ロイド=ウェバーにより1993年にロンドンで初演された作品で、かつての栄光を忘れられない大女優ノーマ・デスモンドの妄執と、それがもたらす悲劇を描く。日本では鈴木裕美の演出で2012年に初演。2015年の再演を経て、今回が3度目の上演となる。『ジキル&ハイド』『天使にラブソングを~シスター・アクト』『ラ・マンチャの男』など数多くの作品を手掛け、日本のミュージカル界に欠かせない塩田。アンドリュー・ロイド=ウェバー作品も手掛けてきた中で、本作については「『キャッツ』が1981年に初演されて、『オペラ座の怪人』が1986年、この『サンセット大通り』は1993年の作品。“円熟期”の大作のひとつだと思います。美しいバラード『With One Look』や、哀愁を帯びた『Surrender』、ドラマティックに歌う『As If We Never Said Goodbye』など、主人公ノーマの心情を映し出した楽曲が多いのが特徴です」と話す。日本初演から音楽監督と指揮を手掛けてきて、三度目の上演となる今回は「譜面が変わり、楽器の編成も変わりました。ホルン、バストロンボーン、ギター、エレキベースが増えたんですよ。ロイド=ウェバーの得意とする重低音の楽器が増えて、17人編成となり、より壮大になると思います。アレンジメントとしては、登場人物、特にノーマですが、彼女たちの情景を、音楽によってもっと強く見せるというような変更が多いです」。その変化は作品全体とも通じており、「今回、ノーマの想いや、ジョーの想い、いろんな登場人物の想いの表現がより深くなっているなと感じます。カタチでいかず、より内面的なもの、心の中での葛藤のようなものも伝えようとしていると思う。それは音楽でも、演技でも」と明かす。初演、再演では舞台の後方で演奏をしていたが、今回はオーケストラピットにて演奏される。「音が明らかに変わると思いますよ。オーケストラピットだと、役者の呼吸を直で感じることができるので、演奏のタイミングも合わせやすい。そうすると歌声も自然と乗っかっていく。より一層深みのある演技と音楽を、皆様にお届けすることができると思います」塩田が「今回は主演のふたり(安蘭けい・濱田めぐみのWキャスト)の違いがより顕著だと思う」と語ったミュージカル『サンセット大通り』が3月14日(土)から29日(日)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて上演予定。取材・文:中川實穂
2020年03月09日今週末に楽しめるニューなトピックスをまとめてチェック!伊勢丹メンズ館にて4回目の開催となる「TOKYO MEN’S FES 」が開催中、塩田千春の大規模個展がついに閉幕、お菓⼦の空箱からアート作品を製作している空箱職⼈・はるきるの展覧会が開催etc...週末のお出かけ情報をピックアップしてお届け! FASHION◆伊勢丹メンズ「TOKYO MEN’S FES 」開催中。STUDIO SEVEN、NEIGHBORHOODなど希少アイテム販売(〜10/29)4回目を迎える「トーキョー メンズ フェス(TOKYO MEN’S FES)」が開催中。本年は「COMPLEX」をテーマに、最新の日本のクリエーションとクオリティーをベースとした、“ブランド×ブランド”や“ブランド×アーティスト”、“ブランド×プロダクト”など、一期一会の希少なコラボレーションを、伊勢丹新宿店メンズ館各階で展開している。>>詳しくはこちら◆3.1 フィリップ リムのポップアップが新宿伊勢丹で開催、ザ・ウールマーク・カンパニーとのコラボを展開(〜10/29)3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)のポップアップが開催。2019年秋コレクションで注目を浴びている、3.1 フィリップ リム×ザ・ウールマーク・カンパニー(The Woolmark Company)とのサステイナブルに配慮したモダンな女性へ向けたカプセルコレクション「Merino Series」がラインアップする。>>詳しくはこちら◆アディダスとカニエ・ウエストの「YEEZY BOOST 700」に新色グレーが登場!(10/26発売)アディダス(adidas)とカニエ・ウエスト(KANYE WEST)のコラボレーションコレクション「adidas + KANYE WEST」から、「YEEZY BOOST 700」のニューカラーモデル「YEEZY BOOST 700 TEAL BLUE」が発売。グレーをベースとした落ち着いたカラーリングとなっている。>>詳しくはこちらBEAUTY◆オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーのルーブル美術館コレクションが日本上陸、10月19日より発売(発売中)オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)とルーブル美術館のコラボレーション限定コレクションが日本に上陸。フランスの著名な調香師8名が、ルーブル美術館所蔵の代表的な作品にインスパイアされて創作した香りからなる5種類のアイテムがラインアップする。>>詳しくはこちらART◆六本木・森美術館で国際的に活躍するアーティスト塩田千春の最大規模の個展が開催(〜10/27)約4ヵ月に渡り開催されていた、塩田千春の20年の活動の全容に迫る、キャリア最大規模の個展「塩田千春展:魂がふるえる」がついに閉幕を迎える。大規模なインスタレーション6点を中心に、立体作品、パフォーマンス映像、写真、ドローイング、舞台美術の関連資料などを加え、20年にわたる活動を網羅的に体験できる初めての機会となっている。>>詳しくはこちら塩田千春 《不確かな旅》 2016年 鉄枠、赤毛糸 展示風景:「不確かな旅」ブレイン|サザン(ベルリン)2016年 撮影: Christian Glaeser◆お菓子の空き箱からアート作品を製作する“はるきる”の展覧会が池袋パルコで開催(10/26 〜11/11)お菓⼦の空箱からアート作品を製作している空箱職⼈・はるきるの展覧会「お菓⼦の箱でつくる夢の世界展」が、池袋パルコ本館にあるパルコミュージアムにて開催される。各お菓⼦メーカーからも製作の依頼がくるなど、⼀つのアート作品として認知されている作品の数々は、SNSを中⼼に⼤きな話題を呼んでいる。>>詳しくはこちら
2019年10月25日6月から始まっていた「塩田千春展」、気になっていて、行きたいなと思いつつ、行けていなかったのですが、仕事も早く終わり、お天気も良かったので、意を決して六本木まで行ってまいりました。10月まで開催しているので、まだ、間に合います。 SNSなどで見かける塩田千春展の写真は、人それぞれ、感じ方の違いが見えるのも興味深く、「わたしは、どう感じるのかな?」というわくわくした気持ちで森美術館に向かいました。平日の夜なのに、なんと、20分待ち。外国人の姿も多く、とても賑わっていました。 無事、入場できたのは、19時半近く。美術展は火曜日を除き、22時まで開館しているのですが、夜の森美術館に来たからには、是非に楽しみたいのは、六本木ヒルズ展望台東京シティビューから見る東京の夜景。そして、お天気が良かったら、もちろんスカイデッキにも行きたい。ちょっと駆け足ですが、まず、20時にクローズとなるスカイデッキへ向かいました。 息を飲む美しさ。東京の街は、キラキラしていて、宝石箱のようです。スカイデッキへ行く時は、カメラとスマートフォンのみ携帯を許されるので、荷物はロッカーに預けます。100円が必要なので、小銭の準備もお忘れなく。(100円は後で返ってきます。)スカイデッキを一周して、いざ、塩田千春展へ。 53 階の展示場へ上るエスカレーターの頭上から、すでに展示が始まっています。危険なので、エスカレーターに乗っているときは、写真は撮らないでくださいね。作家名/作品名:塩田千春《どこへ向かって》エスカレーターで上りながら、なんとなく、タイトルにある「魂がふるえる」に影響を受けているのか、わたしは何を感じるのだろう、わたしの気持ちはどこへ向かうのだろう、とぼんやりと考えていて、この作品名となんとなくシンクロしているようでした。 まず、ポスターなどで目にしている、こちらの作品。 作家名/作品名:塩田千春《不確かな旅》 圧倒的な赤い糸の世界。船から赤い糸が発生していて、絡まって、繋がって、見る人を覆っています。赤い糸が毛細血管のように思えて、わたしは体内を旅するような気持ちになりました。 展示は、このようなインスタレーションから絵画、動画、パフォーマンスの映像などもあります。 続いて、こちらは、黒い糸が張り巡らされたインスタレーションです。焼けた椅子、ピアノが黒い糸に絡まっていて、絶望的な中にも、光がある、そんな感じを受けました。写真で見ると、雪が降っているようにも見えます。 作家名/作品名:塩田千春《静けさの中で》 そして、ほっと、心が明るくなった作品がこちらの絵画。ここまで来る途中に、少しショックな作品もあったので、水性クレヨンと水性インクで描かれていてるこの作品に、孤独な中にある、暖かさと優しさを感じました。作家名/作品名:塩田千春左から《赤いドレス》《赤い鏡》《赤いテーブル》《赤い浴槽》 そして、鞄が赤い糸で吊るされているインスタレーション。1枚目が入り口から見たところ、そして、2枚目は出口から見たところです。壁や床に映る影の具合がとても素敵で、出口のところでも、じっくり味わいたい作品でした。入り口から見たところ出口から見たところ作家名/作品名;塩田千春《集積―目的地を求めて》 展示を見終わって、わたしは、暖かい気持ちになったのですが、作品はとても強く、メッセージもあって、1度ではわかならいな、と思い、帰りに年間パスポートを買ってしまいました。しかも、塩田千春展限定デザイン。今回、はじめての夜の森美術館だったのですが、仕事でストレスが溜まってしまったり、気分転換したい、心に栄養が欲しい、という時に、1人で夜の森美術館というのは、いい寄り道になりそうです。20時までなら、スカイデッキから東京の夜景も楽しめるし。 展示を見て、芸術心がちょっと動かされたので、スカイデッキから見た東京タワー、モノクロームで撮ってみました。 塩田千春展:魂がふるえるこの写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。
2019年09月10日今週末に楽しめるニューなトピックスをまとめてチェック!カレー専門店「カレーストックトーキョー」が1日限定でオープン、阪急うめだでマルニマーケット開催、塩田千春の20年の活動の全容に迫る大規模個展etc...週末のお出かけ情報をピックアップしてお届け! ◆全国のカレー好きに伝えたいカレーストックトーキョーの楽しみ方:2019年版(6/21)スープストックトーキョー(Soup Stock Tokyo)が、1日限りのカレー専門店「カレーストックトーキョー(Curry Stock Tokyo)」に大変身。今年は、新作カレー2種類が登場。◆台湾スイーツカフェ「台湾甜商店」の旗艦店が表参道にオープン! 店舗限定タピオカスムージーも販売(6/21〜)作りたて生タピオカが味わえることで人気の台湾スイーツカフェ「台湾甜商店(タイワンテンショウテン)」の旗艦店が、東京・表参道にオープン! ◆メゾン マルジェラのポップアップストアが阪急うめだ本店にオープン(〜6/30)阪急うめだ本店にオープン中のポップアップストアでは、「ジェンダー・ノンコンフォーミスト」をテーマに、ウエアとアクセサリーを展開。◆“月”にインスパイアされたマルニ マーケットが阪急うめだで開催! 限定カラーの人気バッグも(〜6/25)“月”にインスパイアされた驚きに満ちた空間には、人気の「ピクニックバッグミニ」をはじめ、さまざまな種類のバッグやインテリアアイテムがラインアップする。◆六本木・森美術館で国際的に活躍するアーティスト塩田千春の最大規模の個展が開催(〜10/27)日本人アーティスト、塩田千春の20年の活動の全容に迫り、インスタレーション6点を中心に、立体作品、パフォーマンス映像などを展示。活動を網羅的に体験できる。塩田千春 《不確かな旅》 2016年 鉄枠、赤毛糸展示風景:「不確かな旅」ブレイン|サザン(ベルリン)2016年撮影: Christian Glaeser◆マリメッコのデザイナー石本藤雄の大規模展が開催。マリメッコ表参道店でイベントも(〜7/7)マリメッコ(Marimekko)のデザイナーとして活躍してきた石本藤雄が手掛けた作品にフォーカスしたイベントを、マリメッコ表参道店にて開催中。
2019年06月21日今週末に楽しめるニューなトピックスをまとめてチェック!国内初となる「スターバックス リザーブ® ロースタリー」がオープン、横浜赤レンガ倉庫で日本最大級のパン祭りが開催、ギンザ シックスに塩田千春の新作インスタレーションが出現etc...週末のお出かけ情報をピックアップしてお届け! ーー今週のお出かけ情報の詳しい内容はこちらからーー
2019年03月01日銀座エリア最大の商業施設、ギンザ シックス(GINZA SIX)では、施設中央に位置する吹き抜け空間に、アーティスト・塩田千春による新作インスタレーション「6つの船」を2月27日から10月31日まで展示する。同館の開業以来、3作品ぶりの日本人アーティスト起用となる新作アートを手掛けるのは、ベルリンを拠点として国際的に活躍し、今年6月から森美術館で過去最大規模の個展開催が控えているアーティスト・塩田千春。「6つの船」をテーマに、鉄枠、フェルト、ロープの素材で作られた全長5メートルの6隻の船が中央吹き抜け空間を飾る。これまでも塩田の作品にはしばしば船がモチーフとして用いられてきた。船は人や物だけでなく、時間をも運びながらいずれかの方向に前進するものであり、「存在とは何か。生きているとはどういう意味なのか。私たちは何を求めて、どこへ向かおうとしているのか」を追求してきた塩田の問いに共鳴している。今回の新作では、戦後多くの困難を乗り越えて復興を遂げてきた銀座の「記憶の海」を6隻の船が出航し、前進する様子を表現。6隻の船は異なる高さや向きで配置されているため、同館の各フロアから見え隠れする船を眺めながら、ふと異次元を訪れるような想像の旅を楽しめる。同館の象徴とも言える中央吹き抜け空間では、これまでに草間彌生、ダニエル・ビュレン(Daniel Buren)、ニコラ・ビュフ(Nicolas Buffe)といった世界で活躍するアーティストの作品を展示し、クリエイティブなエネルギーと驚きの要素に満ちた、感性を刺激するアートプログラムを展開してきた。同作品では草間彌生、ダニエル・ビュレンの作品に続いて森美術館が監修を務め、館内各所にも国内外で活躍する注目アーティストの作品を常設展示している。銀座および東京の文化発信拠点として、身近にアートと触れ合える機会を創出し、より豊かな生活を提案する同館の取り組みに注目したい。
2019年01月23日国際的な活躍が目覚ましい日本人アーティスト、塩田千春の20年の活動の全容に迫る、キャリア最大規模の個展「塩田千春展:魂がふるえる」が、東京・六本木の森美術館にて2019年6月20日から10月27日まで開催される。塩田千春 《不確かな旅》 2016年 鉄枠、赤毛糸展示風景:「不確かな旅」ブレイン|サザン(ベルリン)2016年撮影: Christian Glaeserベルリンを拠点にグローバルな活躍をする塩田千春は、記憶、不安、夢、沈黙など、かたちの無いものを表現したパフォーマンスやインスタレーションで知られている。しばしば個人的な体験を出発点にしながらも、その作品はアイデンティティ、境界、存在といった普遍的な概念を問うことで世界の幅広い人々を惹きつけてきた。なかでも黒や赤の糸を空間全体に張り巡らせた圧倒的なインスタレーションは、彼女の代表的なシリーズとなっている。塩田の過去最大規模の個展となる同展は、大規模なインスタレーション6点を中心に、立体作品、パフォーマンス映像、写真、ドローイング、舞台美術の関連資料などを加え、20年にわたる活動を網羅的に体験できる初めての機会となる。副題の「魂がふるえる」には、言葉にならない感情によって震えている心の動きを、他者にも伝えたいという作家の思いが込められている。「不在のなかの存在感」を一貫して追究してきた塩田の集大成となる同展を通して、生きることの意味や人生の旅路、魂の機微を実感できるだろう。【展覧会情報】塩田千春展:魂がふるえる会期:2019年6月20日~10月27日会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階時間:10:00〜22:00(火曜日は17:00まで)※入館は閉館時間の30分前まで料金:一般1,800円 高校・大学生1,200円 子供(4歳〜中学生)600円 シニア(65歳以上)1,500円
2018年12月17日企画展「塩田千春展:魂がふるえる」が、森美術館にて開催される。会期は、2019年6月20日(木)から10月27日(日)まで。ベルリンを拠点にグローバルに活躍する塩田千春の世界ベルリンを拠点にグローバルに活躍するアーティスト、塩田千春。彼女は、記憶や不安、夢や沈黙など、とても繊細でパーソナルな世界をインスタレーションやパフォーマンスの形で表現している。中でも、黒や赤の糸を空間全体にびっしりと張り巡らせた彼女の代表的な作品シリーズは、まるで何本もの細い糸が生命力を持ったように空間を独特な緊張感で満たし、思わず息を呑んでしまう。焼けたピアノや椅子、糸などを使った作品は、見つめれば見つめるほどに、様々な感情が沸き起こってくる。本展は、塩田の過去最大規模の個展だ。大規模なインスタレーション6点を中心に、立体作品、パフォーマンス映像、写真、ドローイング、舞台美術の関連資料などを加え、20年にわたる活動を網羅的に体験できる。言葉以上に観る者の言葉を揺さぶり、日常を見つめ直すヒントを与えてくれる彼女の作品の世界を体感してみては。どこへ向かって美術館の入り口で観客を出迎えるのは、塩田の作品に度々登場する舟をモチーフにした作品「どこへ向かって」。まるで大海に浮かぶ小舟のように高さ11メートルの天井から吊るされた約100艘の舟が、先の見えない未来や人生苗度を連想させる。不確かな旅最初のインスタレーション「不確かな旅」では、フレームだけの舟と真っ赤な糸が張り巡らされた空間が広がる。赤い色は、血液や赤い糸など、人と人とのつながりを考えることもできると語る塩田。本作品は、不確かな旅の先にある多くの出会いを示唆しているかのようだ。集積―目的地を求めて展覧会のラストを飾るのは、約400個のスーツケースが振動し続ける作品「集積―目的地を求めて」。制作のきっかけは、ベルリンで見つけたスーツケースの中に入っていた過去の新聞。スーツケースは、見知らぬ人の記憶や移住、難民として定住先を求める旅など、人々の人生そのものを示しているようにも感じられる。ギンザ シックスでもインスタレーション展示塩田千春の作品は、2月より一足先にギンザ シックスでも展開される。展示されるのは、「6つの船」をテーマにした新作インスタレーション。鉄枠、フェルト、ロープの素材で作られた全長5メートルの6隻の船が、空間全体に張り巡らせた無数の白い糸によって吊り下げられている。戦後多くの困難を乗り越えて復興を遂げてきた銀座の「記憶の海」を6隻の船が出航し、前進する様子を表現した作品だ。【詳細】塩田千春展:魂がふるえる会期:2019年6月20日(木)〜10月27日(日) ※会期中無休会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階開館時間:10:00~22:00(最終入館 21:30)※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)料金:一般 1,800円、学生(高校・大学生) 1,200円、子供(4歳~中学生) 600円、シニア(65歳以上) 1,500円問い合わせ先(ハローダイヤル):03-5777-8600■ギンザ シックス インスタレーション展示展示期間:2019年2月27日(水)~10月31日(木)予定展示場所: ギンザ シックス 中央吹き抜け
2018年09月10日オートデスクは、デザイン、設計、エンジニアリングの未来を体感できるイベント「Autodesk Gallery Pop-Up Tokyo」内で、さまざまな分野のスピーカーがトークセッションを行うイブニングイベントの概要を発表した。会期は10月23日~11月8日。Autodesk Gallery Pop-Up Tokyoは12:00~18:00で、イブニングイベントは各日19:20から(19:00開場、ただし10月31日のみ18:00~、開場は17:30)。会場は東京都・表参道のギャラリーBA-TSU ART。入場、イベント参加ともに無料(一部のイベントは事前登録制)。同イベントは、建築、映像、製造、ファッション、アートなどさまざまなワークショップや企画展示が行われるイベント。「The Future of Making Things - 創造の未来 -」をテーマに、プロダクトデザイン、建築、社会インフラ、エンタテインメント、アート、ファッションといった幅広い分野の企画展示が実施されるほか、デザインソフトや3Dプリンタ、レーザーカッターなどを使用したワークショップなどが開催される。このたび概要が発表された「イブニングイベント」は、各日19時以降に開催され(10月31日の学生限定イベントのみ18時から)、さまざまな分野の第一線で活躍するデザイナーのトークセッションやアーティストおよびプロダクトデザイナーと交流できるスペースが提供されるものだ。日程は、10月23日が根津孝太氏(ツナグ デザイン)と中村正樹氏(オートスタッフ末広)による『zecOO x「The Future of Making Things」~ものづくりの未来~「ぼくらの夢☆近未来のバイク」と「未来のものづくりプロセス」』、10月26日には塩田周三氏(ポリゴン・ピクチュアズ)による『(仮)3D CGIの過去と未来』、10月27日 はジェイアール東日本コンサルタンツ、大林組による『(仮)鉄道や社会インフラから考える未来の東京』、そして10月28日には齋藤精一氏(ライゾマティクス)が登壇する(タイトル未定)。また、10月29日には、未来の世の中を良くするアイデアや社会問題を解決するアイデアを作品として募集したアワードの表彰式と審査員が参加するトークセッション『MAutodesk Creative Design Awards 表彰式』が行われる。審査員は、田川欣弥氏(takram design engineering)、建築家・藤本壮介氏、WOWアートディレクター・鹿野護氏、齋藤精一氏(ライゾマティクス)が務める。10月30日には豊田啓介氏(ノイズ)の『コンピューテーショナルデザインは未来を変えるか?』、10月31日は学生限定の交流イベント(要・学生証)『デザイン ステューデント ナイト』が、11月1日には近藤玄大氏(イクシー)による『ストーリー・ウィーヴィングとしてのものづくり』、11月3日には赤塚大典氏(Mozilla Japan研究員)の『MozOpenHard プロジェクトのご紹介~コミュニティ主導で考え・作る Web of Things~』、11月4日はトヨタ自動車 商品・事業企画部 未来プロジェクト室による『都市の移動をゼロからデザインする』、11月5日には伊東豊雄氏(伊東豊雄建築設計事務所)が登壇(タイトル未定)。11月6日には、FabCafeに集まる多種多様なバックグラウンドの人たちが月に1度、作品やプロジェクトをシェアするイベント「FabMeetup」をGallery Pop-Upに出張開催する『Fab Meetup "CREATOR’S STARTUP"』を開催。11月7日は横井康秀氏(カブク インダストリアル デザイナー)が登壇(タイトル調整中)。11月8日には『PechaKucha Night Tokyo Special@Autodesk Pop-Up』が開催予定となっている。なお、ワークショップやイブニングイベントの参加希望者は、イベント概要ページから申し込む。
2015年09月23日3月6日に公開される劇場版『シドニアの騎士』、2014年にヒットを記録した『楽園追放』を同時公開し、上映後にスタッフトークを行うイベント「セルルックCGアニメ作品コラボ企画『劇場版 シドニアの騎士』『楽園追放』~新しいアニメ表現への挑戦~」が27日、東京・新宿バルト9で開催された。トークショーには『シドニアの騎士』より瀬下寛之副監督と塩田周三氏(ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役)、『楽園追放』より水島精二監督と吉岡宏起氏(グラフィニカ取締役執行役員)、東映の野口光一プロデューサーが登壇した。まず『楽園追放』の印象を聞かれた瀬下副監督は「『シドニアの騎士』が『楽園追放』に負けない自負はありますが、拝見して思ったのは、よくできてるな……と。『楽園追放』は日本アニメの王道を継承していると思いました」と称賛を送りながら「我々はもうひとつの潮流を目指して自分たちの道を貫きたいと思ってます」と"シドニア流"宣言。瀬下副監督の発言を受けて水島監督は「CGアニメーションの最高峰を目指しながら、今の子たちが求めているわかりやすさ、半裸のお姉ちゃんとお尻の柔らかさというものを真面目に作っています」とひと笑い起こしながら、「オリジナル作品なので、まずは気に止めてもらわないといけない。『シドニアの騎士』については、僕はポリゴン・ピクチュアズさんが『トランスフォーマー』や『トロン』を海外で作っているのを見ていたので、いよいよ日本市場に攻め込んできたぞという印象でした」と表現していた。続いて、野口氏は「『楽園追放』はまず日本のファンを狙っていて、『シドニア』は世界を狙っている印象があります」と両作品を比較。『シドニアの騎士』チームにとって大きな衝撃はTVアニメ『蒼き鋼のアルペジオ』で、瀬下副監督は「日本ではTVでフルCGアニメはないと思っていたら、『シドニア』の準備中に先に『アルペジオ』が始まって、やられた! 負けるかと思いながら毎週見ていたらファンになってしまった」と明かした。CGアニメの技術論が語られる一方、水島監督は「CGであってもお話が大事。『シドニアの騎士』は原作が面白い! 作品に没入すればCGであるとかはどうでもよくなる瞬間があるはず」と語れば、瀬下福監督と塩田氏も「『楽園追放』は面白い!」と絶賛。続けて塩田氏は「職業柄、技術的な目で見てしまうんですが、『楽園追放』は途中からそれが気にならなくなった」と太鼓判を押していた。こだわりのポイントについて瀬下副監督は「アニメ化というより、日本最高峰の漫画を動かしたかった。キャラクターは三次元であることにこだわりました」と明かし、「原作の弐瓶勉さんの絵とキャラクターデザインの森山の絵をモーフィングで合成して、検証して、どのブレンド加減が一番いいのかを研究しました。肉々しげな実体感、肉感にこだわりました」と述懐。そして、ロボットと戦闘シーンのキーワードに"ねじれ"を挙げ「ひねり、螺旋状の動きを意識しています」と話す一方で、"板野サーカス"(板野一郎氏による誘導ミサイルの変態的な軌道や機動メカの高速運動などの独自の演出手法)は禁止したという。「"板野サーカス"は大好きなんですが、それを僕らがやると個性がなくなってしまうので。『楽園追放』を見ると"板野サーカス"が素晴らしく、付け焼き刃でやってはいけないなと思いました」と関心していた。水島監督は「作画アニメ寄りのディレクターを置いて、3DCGの中でもグラフィニカさんやサンジゲンさん的な作画アニメ寄りのところを使うという方針は最初からあって、そこに僕が入ったんです」と『楽園追放』の経緯を振り返る。また「僕はモデリングの苦労とかあまりわかっていなかったので」と前置きしながら、デザインの段階では、3D的な難しさなどは意識せず、"萌え"の記号を再現することを一番に考えていたという。特に、グラフィニカのモデラー・横川氏がそれらを汲み取り「どれぐらいかわいい動作、表情付けができるのか。僕がわからないレベルでも求道者的にこだわりぬいて、モデルが更新されていきました」と称賛。「肉感の柔らかさ、肌の張り付き具合。SFはやはり半裸の美女でしょうと! 虚淵君は『僕は元はエロなんで』と言い切っていたので、肉感やラインにもこだわっています」と熱弁した。また、メカはデザインだけではなく"変形とアニメーション"でかっこよく見せることが『楽園追放』のテーマであり、水島監督は「どれぐらい3Dでやれるかのトライアルでもありました。後半の都市戦からは『エウレカセブン』の京田知己君にも入ってもらって、空間演出に作画アニメの技法を入れつつ、3DCGでどれだけ豊かなものができるかを追求しました」と解説した。締めのトークでは登壇者が口々に、複数の3Dアニメーション会社が作品を発表できる今の環境への感謝と素晴らしさを伝え、水島監督からは「次はサンジゲンの松浦さんを呼びたいね」との提案も。この日上映された劇場版『シドニアの騎士』は3月6日に全国公開。
2015年02月28日