おうち時間が増えて以前よりも活動量が減り、足のむくみやお腹のもたつきが気になる人もいるでしょう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、むくみ解消につながる食べ物をご紹介します!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 57足がむくんでいませんか?突然ですが、毎日何歩、歩いていますか? 地域によっては徐々に自粛が緩和されていますが、一日の移動距離や階段の昇り降りが減ったり、日用品を買いにスーパーに出かける回数が少なくなったりと足腰を使う機会が減ると感じ始めるのが、下半身のむくみや太った感覚ではないでしょうか。ここ数日、夏のように暑い日が続いていますが、そうすると外出時にはパンツスタイルより、スカートを選ぶこともありますよね。そして、春はおしゃれが楽しい季節でもあります。いつもの感覚でおしゃれなスカートを履くと、スカートの裾からは立派な大根足が…なんて自分のコンプレックスがひとつ増えてしまうこともあるかもしれません。そんなことにならないよう、今週は、足のむくみを解消しデトックスを促す食薬習慣を紹介します。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、足のむくみを解消しデトックスを促す食薬習慣なかなか解除されない自粛生活で、一日の運動量が減り、足のむくみや体の歪みなどを感じる人も多いのではないでしょうか。毎日のおこもりを楽しむために、動画を観たり、オンライン飲み会をしたりしながら、動かずに飲んだり食べたりしていると、当然人間はむくみ、太ります。このままだと、自粛明けにひと回り大きくなった姿が定着してしまう人も増えることでしょう。自粛による焦りはありつつも、今を大切に楽しむ新たな価値観を見出してくれたこの数か月。少なからず、得るものもあったと思います。ただ、体がむくんだり、太ってしまうような生活習慣は、自粛後まで引きずってはいけないことです。そして、五月の気候の特徴は、少し風が強く吹くこともありますが、過ごしやすいポカポカ陽気です。自粛がなければ漢方では、『肝風(かんぷう)』といって『肝』の働きにダメージのかかる頭痛やめまいなどの起こりやすいときと考えます。しかし、今年はそこまで活発に活動することもないと思うので、気候よりも生活習慣からなるむくみの解消を中心に対策していくことをおすすめします。そこで今週は、『肝』の働きを支えながらも、水分代謝をあげ老廃物の排泄を促す『脾腎(ひじん)』の働きも支える食薬習慣を紹介します。今週食べるとよい食材は、【えのき×薬味】です。今週食べるとよい食材:えのき×薬味春に採れる山菜は、デトックス作用が高いと言われていますよね。春には、フキノトウ、たけのこ、わらび、こごみ、うどなど山の幸をたくさんいただくことができます。ただ、アクを抜いて調理して、となんだかハードルの高いイメージもあるのではないでしょうか。そこで、その代用として、むくみやデトックスに役立つ食材が、えのきです。むくみが気になる人は、お味噌汁や炒め物などさまざまな料理に活用してみてくださいね。えのきえのきは、むくみの解消につながるカリウムが豊富です。また、糖質や脂質の代謝に必要なビタミンB群、免疫を強化するビタミンD、腸を整える食物繊維などの栄養が豊富です。体をデトックスしながら代謝をアップさせてくれる、『脾腎』を支えてくれる食材です。薬味薬味には、ショウガ、ニンニク、コショウ、唐辛子、ワサビなどがありますよね。どれか一つは家庭にあると思います。これらの食材は『肝』の働きを支え『肝風』の症状の緩和につながります。また、薬味には抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用などあるため、免疫力に自信のない人にもおすすめです。おすすめ献立は、エノキとショウガたっぷりの切り干し大根です。材料は、切り干し大根30g、エノキ1束、油揚げ4枚、鰹節3つかみ、白ごま大さじ3、ショウガ2かけ、調味料は醤油、みりん、お酢をそれぞれ大さじ2ずつです。作り方は材料をすべて細かく刻んで、調味料を加え炒めて、最後にすりおろしたショウガと鰹節、白ごまを加えて混ぜたら完成です。今はまだ活発に動くことはできませんが、今後のために食薬を使って体の中からむくみや老廃物の排泄を促し、ケアをはじめていきましょうね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©ChesiireCat/Gettyimages©supersizer/Gettyimages©PhotoAlto/Frederic Cirou/Gettyimages
2020年05月14日おこもり疲れが出て、暴飲暴食していませんか?そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、ダイエットにいい食べ物をご紹介します!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 56暴飲暴食していませんか?大型連休なのに自粛モードは続き、おこもりライフにも飽きてくると、不平不満、現実逃避などネガティブな感情でいっぱいになり暴飲暴食に走ってしまうこともあるのではないでしょうか。暴飲暴食をするときに選ばれやすい食べ物といえば、菓子パンやスナック菓子、ファーストフード、カップラーメンなどの食べ物になるのではないでしょうか。そういった食生活に一度はまってしまうと味覚が乱れ、どんどん濃い味の食べ物やアルコールなどがやめられなくなっていくことが多いです。そうなると注意しなくてはならないのが、メンタルが落ち着かなくなること、免疫が低下することです。今一番避けたい体質の変化ですよね。そこで、今週は暴飲暴食する前にとるべき食薬習慣を紹介します。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、暴飲暴食する前にとるべき食薬習慣長らく家の中にこもっていると家族と険悪な空気になったり、今後の予測不可能なことを悶々と考えすぎて不安になったり……。新しいこと楽しいこと好奇心がわくことなどが減って、メンタルがどんどん繊細になり、落ち込んでいきやすくなります。そうすると手軽なストレス発散としてやってしまうのが、暴飲暴食ではないでしょうか。また、動かなさすぎることから消費エネルギーが減り、寝つきが悪くなることで寝酒の習慣をスタートさせてしまった人も多いのでは。そういった悪習慣が定着してしまうと、心と体のバランスはどんどん乱れていきます。また、5月7日には満月が訪れますが、漢方医学では満月のタイミングにメンタルや体調が乱れやすくなると言われています。今、爽やかな日々と程遠い状況にいる人は、注意が必要です。この状況を漢方医学では、気の巡りが悪い「肝気鬱結(かんきうっけつ)」という状態であると考えます。今週は、「気」の巡りを改善しストレスを軽減する食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・料理は、【酢ピーナッツと水菜のサラダ】です。今週食べるとよい食材・料理:酢ピーナッツと水菜のサラダ突発的に何か食べたくなったら一呼吸置くことが大切です。ピーナッツを常備して、暴飲暴食をしたくなったらまずは一粒つまんで気持ちをセーブしてみましょう。ピーナッツピーナッツには、糖質や脂質をエネルギーに変えるビタミンB群、腸を整える食物繊維が多く含まれています。食前にピーナッツを10~20粒程度食べると満腹感も得られ、血糖値の上昇も抑えるためダイエットにも効果的です。ピーナッツの食べ過ぎはいけませんが、一粒3キロカロリー程度なので少量であれば大丈夫です。とくに、お酢につけたピーナッツは、お酢との相乗効果により、さらに血糖値のコントロールに役立ったり、唾液の分泌を促し消化吸収を助けたり、ピーナッツに含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの吸収を上げたり、食物繊維とお酢が合わさることで腸内で善玉菌が増えたりと、美容ダイエットに非常に最適です。また、アーモンドなどナッツ類と比べてもポリフェノールなど抗酸化作用の高い成分が多く美容効果も高い食材です。酢ピーナッツの作り方皮つきの無塩ピーナッツを瓶に入れて、ひたひたになるまでお酢をいれます。ピーナッツは水分を吸って膨張するので、保存容器の半分程度になるようにピーナッツを準備しましょう。1日経ったら食べられますが、1週間くらいが食べごろです。1か月程度日持ちします。水菜水菜は、比較的安くサラダにもお鍋にも使えて便利ですよね。あまり栄養がないように思われがちですが、抗酸化作用の高いビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどが豊富に含まれています。また、イソチオシアネートを含むため「気」の巡りを改善し、ストレスを軽減したり、肝臓や腸内の毒素の排泄をしたりするのに役立ちます。おすすめ献立は、酢ピーナッツと水菜のサラダです。水菜に酢ピーナッツとジャコをかけて、好きなドレッシングで味を整えたら完成です。今体調を崩してしまうと、しつこい五月病をスタートさせてしまうことになるかもしれません。暴飲暴食したくなったときには、まずはサラダを食べて気持ちを落ち着かせてみましょうね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©CreativeDJ/Gettyimages©Martin Novak/Gettyimages©Maskot/Gettyimages
2020年05月05日外出時にマスクをするのは、もはやマナーとなっていますが、それにより肌荒れする人が増えているかもしれません。漢方薬剤師の大久保愛先生によると、マスク環境に加え、花粉やPM2.5、紫外線なども加わり、肌が揺らぎやすくなっているのだそう。そこで、大久保先生が、肌荒れしている人に摂ってほしい食材をお伝えします!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 55マスクで肌荒れここ最近の外出時のマナーと言えば、マスクですよね。ただ、化粧をしてマスクをしたら化粧が崩れる、化粧をしていなければマスクを外したとき人に見られたくない、マスクを長時間したら肌荒れしてしまうなど、女性にとってマスクは少し厄介な存在と感じてしまうときがありますよね。マスクで肌荒れしてしまった場合、マスクがマナーとなっている時期が過ぎるまでは肌荒れは治まりにくくなります。そんなときには、ただ耐えるのではなく、内臓の鏡とも呼ばれるお肌を少しでも強くするために内側からのケアもしていきましょう。今週は、マスクで肌荒れをしている人のための食薬習慣を紹介します。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、マスクで肌荒れをしている人のための食薬習慣マスクをしていると保湿効果にもなって肌荒れが改善する人もいますが、蒸れてしまうことで肌荒れしてしまう人もいます。湿度が高いと、汗や、くしゃみや咳をした時に付着した唾液に潜んでいる雑菌が繁殖して肌荒れを起こしたり、蒸れた皮膚の皮脂分泌が増えてニキビができたりしてしまうことがあります。また、サイズの小さいマスクだったり、不織布でできたマスクだったりすると皮膚への摩擦刺激が大きくなり肌荒れを起こしてしまうことも。さらには、抗菌剤が含まれるマスクの場合には、皮膚の常在菌が減ることで肌荒れの原因となってしまうこともあります。肌荒れの原因をたくさんもっているマスクを着けていなければならない今の時期には、お肌を強くしておきたいですよね。そして、花粉やPM2.5も多く飛散しているため、それらが皮膚へ付着し刺激となったり、紫外線も徐々に強くなり肌への負担が出始めたりする時期が重なっているため、お肌のメンテナンスはいつも以上に必要な時期です。漢方医学では肌荒れしやすい状態を、皮膚の新陳代謝が落ちている「陰虚」であり、アレルギーや炎症の原因となる「湿熱」が体にたまっている時と考えます。そこで今週は、肌荒れをしている人のための食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材は、【炊飯器に入れるだけでできる参鶏湯】です。今週食べるとよい食材:炊飯器に入れるだけでできる参鶏湯参鶏湯と聞くと絶対に自宅では作れるようなものではないと感じてしまう人が多いと思います。しかし、炊飯器を使うと材料を入れて放置するだけで完成してしまうのです。味付けは塩だけなので、失敗も少ないです。ぜひ、肌荒れをしている人はチャレンジしてみてくださいね。手羽先骨付きの手羽先からしっかりとったお出汁は、体を潤す「陰」を補うために役立ちます。また、鶏肉には、必須アミノ酸のBCAAが多く含まれ新陳代謝を整えるのに役立ちます。さらに、肉の中でも抗酸化作用のあるビタミンAが多く、炎症を抑えたり粘膜を強化するのに役立ちます。切り干し大根高麗人参の代わりに切り干し大根を使います。乾物は、干すことによって栄養素とうまみがギュッと凝縮されています。切り干し大根には、食物繊維、水分の排泄に役立つカリウムをはじめカルシウム、鉄などのミネラルが含まれています。炎症の原因となる「湿熱」を取り除くのに役立ちます。炊飯ジャーで参鶏湯作る方法特殊な食材は、よくある食材に代用してもよいです。例えば、高麗人参は切り干し大根に、松の実は胡桃にするのがおすすめです。作り方は、お米1合に対して5合分の水分をベースとします。もち麦をプラスするとお水をたくさん吸ってくれるので失敗しにくくなります。塩で下味をつけた手羽先や手羽元を5本くらい、胡桃、ネギ、ニンニク、ショウガ、昆布、切り干し大根、お酒、干しシイタケ、塩をお好みでいれ、普通の炊飯で炊いたら完成です。炊き上がった後に水分が足りなければ、お湯を好きなだけ足して10分くらい蒸らすとよくなじみます。お皿に盛り付けたら、塩コショウで味を整え、いただきます。ナツメやクコの実を入れたり、ゴボウや人参、マイタケなどを入れてアレンジしても美味しくなりますよ。肌が荒れたら、その都度薬を塗って対応をしているだけの人はぜひ体の内側からのケアもお試しくださいね。参鶏湯は、実は失敗しづらい料理なので毎日のレパートリーにプラスしてみましょう。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©LEREXIS/Gettyimages©Mykola Sosiukin / EyeEm/Gettyimages©Marija Babic / EyeEm/Gettyimages
2020年04月28日在宅時間が増え、以前に比べて体力が落ちたと感じる人もいるでしょう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、体力低下を防ぐ食べ物をご紹介します。これらを取り入れつつ、適度に体を動かすことも忘れずに毎日を過ごしましょう。文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 54体力が低下していませんか?自粛のため家の中でじっとしているだけなのに、「あー疲れた」が口癖になるくらい疲労感を感じることはないでしょうか。いつもよりも歩く量が大幅に減り、座ったりゴロゴロ横になっている時間が増えていませんか?日頃、運動していなくても、意外と普段動いていたんだなと実感する人も多いかもしれません。そろそろ、動かなすぎることで体の重だるさを感じたり、体力や筋力の低下を感じたりし始めるころだと思います。こうなると自粛明けが心配になりますよね。今はポカポカ陽気で過ごしやすいですが、そろそろ過ごしづらい、蒸し暑い梅雨や夏を迎えることになると思います。今から体力を低下させていたら、これから先の体調が思いやられますね。そこで今週は、体力の低下を回復する食薬習慣を紹介します。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、体力の低下を回復する食薬習慣いつもと違った生活リズムのなか、ふとした瞬間に自然とため息が増えたり、「よいしょ」「疲れたー」「どっこいしょ」と体の重だるさから掛け声が増えてしまうこともあるのではないでしょうか。もし、今体力の低下を感じていたら、長期化する自粛の結果、自粛前と比べ、体がたるんだり、足腰が弱ったり、太ったり、息切れしやすくなったり、免疫が落ちたりと全身的に衰えてしまうことでしょう。そして、今の季節は過ごしやすいのでまだよいですが、これから始まる梅雨や夏に大きくダメージを感じてしまうかもしれません。気圧の変化に振り回されたり、夏バテをしたり、気候の変化に自律神経を乱したりと例年より今後の季節の移り変わりに影響されやすい体となってしまいます。漢方医学では、運動量が減り体力が低下している状態を「気虚」と考えます。そこで、今週はこれ以上体力の低下をさせない食薬習慣を紹介します。今週食べるとよい食材は、「補気」作用が強い【ネギ類×豚肉】です。今週食べるとよい食材:ネギ類×豚肉豚肉とネギ類の組み合わせは、体力の低下を防ぐために役立ちますが、料理が苦手な人でも基本的に美味しく仕上がる食材です。コンビニ食、レトルト、冷凍食品、お菓子などに食事を頼り、普段料理をしない人でも失敗しにくい組み合わせなのでぜひチャレンジしてみてくださいね。ネギ類ネギ類には、ネギ、ニラ、玉ねぎ、にんにくなどがあります。これらには、「硫化アリル」が含まれています。硫化アリルは、ビタミンB1の吸収を助け疲労回復に役立ちます。また、強い抗酸化作用をもち抗ウイルス作用、抗菌作用もあります。ネギ類は、ビタミンB1を含む食材と一緒に取ることで疲労回復の働きをアップでき「補気」作用が期待できます。豚肉豚肉は、ビタミンB1を多く含む食材です。ネギ類と合わせて「補気」作用をアップするだけではなく、エネルギーをつくるために必要なアミノ酸や鉄などのミネラルも豊富に含まれています。ただ、豚肉は部位によって脂質が多い部分もあるので、ひれ肉、もも肉、ロースなどを選ぶようにするのがおすすめです。おすすめ献立は、ネギたっぷりの豚汁、ニンニクと玉ねぎたっぷりの豚の生姜焼き、豚ニラ炒め、豚肉のネギ巻きなどです。もともと豚肉を食べる時には、自然とネギ類を合わせて食べる人は多いと思うので、意識して豚肉を食べるだけでも続けやすく便利です。自粛が長期化し、体力の低下が気になる人は、豚肉を選んでみてくださいね。また、食べものだけでは、限界なこともあるので、おうちで簡単なストレッチやスクワットなどの筋トレを1日30回でもいいので取り入れていくこともおすすめします。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Image Source/Gettyimages©fizkes/Gettyimages©PeopleImages/Gettyimages
2020年04月22日家にずっとこもっているとストレスを感じてしまう人は多いでしょう。その結果、自律神経が乱れて、なかには感染しているわけではないけど、喉がつかえるなどの違和感を感じる人も出てくるそう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、おすすめの食べ物をご紹介します。いまは我慢のとき。家の中で少しでも気持ちよく過ごせるような工夫をしましょう!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 53喉がつまる感じはしませんか?呼吸器系に全く問題なく、味覚の変化もなく、新型コロナウイルスではないはずなのに、なぜか喉につまる感じがあることはないでしょうか。風邪やウイルス、花粉ではない喉の違和感。それは、長期的なおこもりのストレスで自律神経が乱れ始めているのかもしれません。家の中が安らぐ場所だったのに、最近では気持ちも体も休まることはなく、イライラしてしまったり、眠れなくなったり、味覚はおかしくないけど食事もおいしく感じなくなったり……。長期的な不安、緊張、焦りなどネガティブな感覚を感じている時には、唾液とともに空気を大量に飲み込んでしまうことがあります。これによって喉のつまり、お腹の張り、食事に関係なくゲップがでるようになることを呑気症といいます。実は、この呑気症で悩んでいる人は非常に多いのです。そこで今週は、おこもりでたまったストレスによる喉のつまりを解消する食薬習慣を紹介します。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、喉のつまりを解消する食薬習慣いつ解放されるのかわからない緊急事態に、その先にある未来への不安が長いこと続いていますよね。家から出られないし、気も休まらないしでストレスはどんどん膨らんでいきます。私たちは、ストレスを感じたときに歯を噛みしめたり、息をのむことが多いのですが、このタイミングに唾液と一緒に大量に空気を飲み込んでしまうことが多いようです。この大量に飲み込んだ空気が、喉のつまりや膨満感、おならやゲップが増えるなどの症状を引き起こします。さらに、歯を噛みしめたり歯ぎしりするときには、顎に相当な圧力がかかるため、それに連動し顎周辺の筋肉がこわばって血行も悪くなり、肩こりや頭痛、耳鳴りなどの症状も加わってしまうことがあります。ただ、このように症状が多岐にわたるので、医療機関の検査で異常を見つけづらいため原因が特定しづらいということもあるようです。漢方医学では、この状態を「肝気鬱結」といいます。これは季節的にも起こりやすい現象でもあるのですが、肝気鬱結が続くと5月が来る前にすでに五月病になってしまうこともあるでしょう。そこで、今週は「肝気鬱結」による喉のつまりを解消する食薬習慣を紹介します。今週食べるとよい食材は【五香粉×小松菜】です。今週食べるとよい食材:五香粉×小松菜五香粉を見たことのない方、食べたことのない方も多いと思います。しかし、中華料理ではよく使われるスパイスなので、スーパーでも基本的に販売されていますし、食べたことのある味だと思います。使ったことのない人は、今週を機に購入してみてはいかがでしょうか。五香粉五香粉には、漢方薬といってもよいほどの生薬が含まれるため、『肝気鬱結』を解消するのに役立つ調味料です。シナモン、クローブ、八角、花椒、フェンネルなどがミックスされています。気の巡りを改善するだけではなく、胃腸の働きを助け、抗菌、抗炎症作用、腸内環境を整える作用などもあります。小松菜小松菜には、鉄、カルシウム、カリウム、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどが含まれています。また、気の巡りを改善し、肝臓や腸内にたまる毒素の排泄役立つイソチオシアネートも含まれています。おすすめ献立は、五香粉を使った小松菜の豚肉の中華炒めです。そして、食べ方も大切です。早食いも食事をとりながら空気を飲み込んでしまう原因となるので、ゆっくりよく噛んで食事をとる意識をするようにしましょうね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Eric Audras/Gettyimages©fizkes/Gettyimages©jeffbergen/Gettyimages
2020年04月15日家にいる時間が長くなり、いつの間にか太ってしまった…なんて方は、多いのではないでしょうか。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、食べてヘルシーになれるフードをご紹介します!運動不足の今こそ、さっそく作ってみて!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 52おこもり太りしてませんか?先日、7都府県に緊急事態宣言が正式に発効されましたね。今後の不安をさらに強く感じる人も多いと思います。一日も早く終息することを願うばかりです。ただ、この1か月を閉塞感と不安感で窮屈に過ごすのではなく、時間があるからこそできることもたくさんある、という意識を持つことが大切ではないでしょうか。ヘルシーな料理に挑戦したり、今までやろうと思ってできなかったことに集中したり、便利な家電を揃えたり、リラックスできるようなアロマディフューザーやインテリアを買ってみたり……。今まで目を向ける時間がなかったものを見つめる良い機会になるでしょう。この1か月がただ煩わしいものとして過ぎ去るものではなく、新しい習慣や趣味、感覚などを養う時間とできればよいと思います。そこで今週は、おこもり生活で好きなものを食べ過ぎてしまって運動不足で太りがちな人のための救世主となる食薬習慣を紹介します。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、おこもり太りを解消する食薬習慣ここ最近、おこもり生活が続いていますよね。1日どのくらい歩いているでしょうか。食べて寝て、たまに日用品のお買い物にでかけて。自粛が終わるとひと回り大きく体が成長していることもあるかもしれませんね。そして、これから数か月後には体形がよくわかる薄着の季節が始まります。漢方医学ではこの状態を『気』が不足し、代謝が低下し、免疫も低下しやすく、体に余分なものがたまる『痰湿』が増え、太りやすくなっている状態と考えます。今すでに体のむくみや体の重さを感じている方は、あと1か月後にはもっと太ってしまっているかもしれません。そこで、今週は『気』を補い体の中から『痰湿』をとりのぞきキレイになる食薬習慣を紹介していきます。今週食べるとよい食材・メニューは【もち麦×鮭の炊き込みごはん】です。今週食べるとよい食材・メニュー:もち麦×鮭の炊き込みごはん自宅での過ごし方に慣れてきた人も多いと思います。しかし、家の中で過ごす家族も増え、料理を作る回数が増え、負担を感じ、疲れ始めている人も多いのではないでしょうか。たまには、菓子パンや冷凍食品、レトルト食品などに頼るのもよいかもしれませんが、毎日食べてしまっている人は要注意です。そこで今週は、食物繊維も多く、満足感もあり、血糖値の急上昇を抑え、ダイエットにもつながる炊き込みごはんを紹介したいと思います。もち麦もち麦は、大麦のなかでもモチモチし満足感を感じやすい穀物です。食物繊維は白米の8倍、タンパク質は2倍も含まれ、糖質は約半分となっています。また、もち麦に含まれる水溶性食物繊維の一種であるβ‐グルカンは、急な血糖値の上昇をおだやかにする働きがあり、腸内の不要なものを外に出してくれます。血糖値の急上昇は、脂肪をため込みやすくさせ、腸内に老廃物がたまっていると免疫力の低下にもつながってしまいます。そのため「痰湿」をとりのぞくもち麦は、この時期にぴったりの食材です。鮭実は鮭は、「気」を補うのに役立つためダイエット食に最適と言われています。ビタミンB1やB2が豊富に含まれているため、脂質や糖質の分解を促します。さらに、中性脂肪を減らすのに役立つと言われるDHAやEPAも含んでいます。さらに、抗酸化作用の高いアスタキサンチンやビタミンA も含み美容にもおすすめです。おすすめ献立:炊き込みごはんお米と一緒に鮭、もち麦、キノコ類、油揚げ、ゴマなど好きな具材を炊飯器に入れて、炊いたら完成です。もち麦の割合を増やすとより効果的です。ただ、消化に負担がかからないようによく噛んで食べましょうね。米2合を炊く場合は、2合分の水に、加えたもち麦の倍の水を足すと美味しく炊くことができます。もち麦の割合は、お好みで調整していただいて大丈夫ですが、例えば、もち麦を50グラム加えた場合、100ミリリットルの水が必要です。米2合の場合、調味料は醤油大さじ2、酒大さじ2です。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Vesna Andjic/Gettyimages©Yuliya Apanasenka/Gettyimages©Luis Alvarez/Gettyimages
2020年04月09日入れるだけ薬膳キットが新登場薬剤師で漢方カウンセラーとしても活躍する大久保愛が、自宅で簡単に本格薬膳を楽しめるキット「あいかこまち」シリーズを開発。クラウドファンディングサイト「Makuake」にてプロジェクトを成功させ、発売が決定した。自宅で本格薬膳料理を「あいかこまち」シリーズは、料理が苦手な人でも簡単に薬膳料理を作れる本格キット。炊飯器に入れて炊くだけの「和漢ごはん」、好みの具材と合わせて栄養たっぷりな鍋が作れる「和漢お鍋」、そしてお湯を注ぐだけの「食べる和漢茶」の3種類だ。「和漢ごはん」は好みに合わせて白米とミックスしてもOK。「和漢お鍋」のスープを元に作った味噌汁と合わせれば、栄養満点名ごはん&スープセットがあっという間に出来上がる。「食べる和漢茶」には、ナツメ、クコの実、竜眼肉、サンザシ、肉蓯蓉といった生薬を配合。生薬は苦みがなく食べられるものを選んでいるため、お茶を飲み終わった後はそのまま食べることができる。スムージーにしたり、甘みを足してヨーグルトにかけたりするのもおすすめだ。2冊の著書から生まれた商品同商品は、大久保氏の著書『1週間に1つずつ 心がバテない食薬習慣』『心と体が強くなる!食薬ごはん』をもとに開発された。同書では通常のスーパーで手に入る食材を使った方法が紹介されているが、専門家が配合した生薬を商品化することで、より本格的な食薬ごはんに挑戦することができる。日々の食習慣を見直し、身体の内側から美と健康を目指してみては。(画像はプレスリリースより)【参考】※アイカ製薬株式会社のプレスリリース※「あいかこまち」プロジェクト詳細
2020年04月09日感染拡大の一途を辿っている新型コロナウイルス。正確な情報を取捨選択し、「正しく恐れる」ことが大切ですが、情報過多の現代において、さまざまなニュースに心が必要以上に揺らいでいる人も多いことでしょう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、精神安定につながる食べ物をご紹介します。好きな音楽でも聴きながら、おうちでぜひ作ってみてください。文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 51予測できない環境のときこそ冷静に4月に入り新年度が始まりましたね。もともと4月は、環境だけではなく気候的にも変化が大きいため心落ち着かない時期です。それに加え、世界的に異例の出来事が続いています。いつまで続くかわからず、対応の方法も不確かで、今後の生活にも多大なる影響を与えることが明らかになる毎日のなか、何の不安もなく過ごすことのほうが珍しいと思います。ただ、どんな時でも不変的なものは存在せず、前に進まなければなりません。冷静に考えることができれば、目の前にあることをひとつずつ淡々とこなしていくことができると思いますが、不安や焦りが生じると眠れなくなったり、食欲がなくなったり、お腹の調子が悪くなったりと体にまで影響してきてしまいます。そうすると、ますます冷静でいることが難しくなり判断ミスなども起こしやすくなってしまいます。そこで今週は、心を安定させるために必要な食薬習慣を紹介したいと思います。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、冷静を保つための食薬習慣新年度が始まりましたが、新しい生活のスタートを切ったとは思えない、ゴールの見えない毎日から抜け出せない印象のほうが大きいのではないでしょうか。しかし、季節の移り方は例年通り進み、この季節特有の催花雨(さいかう)が訪れていますね。この時期の雨は、桜をはじめとした春の花を催す雨といわれています。桜が入り混ざった景色を窓から眺めると、日々のストレスがほんの少し和みますよね。ただ、この気温差、湿度、気圧の変化などにより自律神経が乱され精神的に安定しづらくなります。漢方医学では、春は『肝(かん)』が弱りやすい時期と言われています。そして、このような精神状態を気の巡りが悪い『肝気鬱結(かんきうっけつ)』であると考えます。そこに、栄養状態が悪い『肝血虚(かんけっきょ)』が加わるとさらに動揺しやすくなります。特に鉄の不足がある場合が多いので、重点的に補うことが大切です。自分の意志だけで好転することが難しい問題も多いですが、少しでも体の中から気持ちを支えるための食薬習慣をとりいれ体をいたわることはできます。そこで今週食べるとよい食材は、【鉄分を含むお肉×鉄の吸収を促すビタミンCを含む野菜パプリカ】です。今週食べるとよい食材:ひき肉×パプリカまず、『肝血』を補うのに役立つ栄養素が鉄分、そして鉄の吸収を促すビタミンCです。そして、『気』の巡りを促し『肝気鬱結』を解消するのが柑橘系やアブラナ科の野菜など香りの高い食材です。デザートにミカンやグレープフルーツを食べるのもおすすめです。今回はヘム鉄を含むひき肉と、カラフルでビタミンCを含むパプリカを使ったメニューをご紹介します。ひき肉どんな料理にでも合わせやすい、ひき肉をおすすめします。スープ、炒め物、肉詰め、餃子、カレーなど応用がききますよね。鶏、牛、豚どのひき肉でも大丈夫です。いつもの料理に意識してプラスしてみると、スープや炒め物などは味に深みが出て美味しく調理できるだけでなく、タンパク質とヘム鉄もしっかりとることができます。さらに、ビタミンCと一緒に取り入れることで鉄分の吸収率が上がるため、パプリカやピーマンとの相性も抜群です。パプリカパプリカやピーマンには、抗酸化作用を持つビタミンである、ビタミンC、A、Eが含まれています。さらに過熱処理しても栄養価が下がらないため、安心して調理しやすい食材です。とくに、赤色のパプリカやピーマンにはビタミンCが多く含まれています。また、パプリカもピーマンと同様の栄養素が含まれるため、お好きなほうを選んで大丈夫です。そして、パプリカやピーマンに含まれるファイトケミカルであるスルフォラファンにも、肝臓の働きを改善したり、酸化を抑えたりする働きがあります。食卓にいろどりをプラスしたいときには、トマトやカボチャだけでなくパプリカやピーマンも活用してみてくださいね。調理方法通常のピーマンの肉詰めのように縦にカットするのではなく、輪切りにすると見た目にかわいらしくつくることができます。パプリカの中にひき肉と玉ねぎなど好きな具材で作った餡を詰めて両面焼いたら完成です。赤、オレンジ、緑などカラフルな肉詰めを作ってみて下さいね。じっと我慢のときこそ、少しでも気持ちが明るく華やぐことを取り入れていきましょう。見た目にも体にも嬉しいメニューで穏やかな時間を過ごしていきたいですね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Westend61/Gettyimages©Justin Lewis/Gettyimages©Westend61/Gettyimages
2020年04月01日大林宣彦監督が、20年振りに尾道を舞台に贈る映画『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』が4月10日(金)に公開。大林監督の集大成となる本作から、稲垣吾郎が“大久保利通”、武田鉄矢が“坂本龍馬”、村田雄浩が“西郷隆盛”を演じる“薩長連合”集結カットがお披露目された。大林宣彦監督の44作目、20年ぶりの尾道最新作となる本作から到着したのは、幕末維新に倒幕に奮闘した大久保利通(稲垣吾郎)、坂本龍馬(武田鉄矢)、西郷隆盛(村田雄浩)が一堂に会し、日本の行く末について談笑する薩長連合の志士たちの場面カット。稲垣さんは、MCを務めていた「ゴロウ・デラックス」に大林監督が出演した際、監督から「次の僕の映画にでてよ」と請われたことから、本作の出演へとつながったそう。「時空を超え、思想を超え、宇宙をも一気にとび超えていく世界観。大林監督でなければ1本の作品に納めることは不可能だったと思います。みずみずしく自由に広がる想像力には驚かされるばかりです。大切なメッセージを届けてくださり、ありがとうございます」と、大林作品出演に感慨深げ。なお、これまで坂本龍馬を幾度も演じてきた武田さんは、本作で「人生最後の『龍馬』です」役と断言!監督の前作『花筐/HANAGATAMI』に続く出演で、エノケンこと榎本健一&三木鶏郎による楽曲「武器ウギ〈無茶房弁慶〉」をカバー、本作のためにレコーディングしてエンディング曲として披露。「この作品、映画に対する監督のラブレターのような作品ですよ」とコメント。2004年『理由』以降、全作品に出演し、大林組常連ともいえる村田さんは、「大林組に参加する時は覚悟がいります」と語り、「撮影がはじまっても、現場に行くまで何が起きるか見当もつかない。出来上がった作品を観ても、強烈なメッセージをぶつけられ 細かい所まで覚えていない…だからもう一度見ると、また違うメッセージに引っ張られて…興味が広がって収拾がつかなくなってます。…正直言って…私はいまだに監督の真意に辿り着いていません…」と、圧倒されたかのようにコメントを寄せている。『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』4月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年03月28日新型コロナウイルスの感染拡大は依然続いています。そんな最中に、喉の痛みやイガイガ、咳などを起こしたくないですよね。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、喉を強くする食べ物をご紹介します!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 50今最もケアしたい! 喉を強くする食薬習慣今一番ダメージを受けたくない部分といえば、喉ではないでしょうか。少し咳払いをするだけでも、周囲から冷たい視線をあびてしまい、つらい思いをしてしまう人も多いと思います。とはいえ、周囲に咳き込んでいる人がいるとやはり気にしてしまいますよね。なるべく喉は強くしておきたいものです。また、日頃から口呼吸をしていたり、乾燥した空調の中で長時間過ごしていたり、話し続けるような仕事などをしていると口腔内が乾燥して、異物を排除する力が低下してしまい喉に炎症を起こしやすくなります。そこで、今週はウイルスから身を守るために喉を強くする食薬習慣を紹介したいと思います。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月やd太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを「食薬」と呼びます。今週は、喉を強くする食薬習慣今一番強くしたい部位である喉。風邪をひくときには喉からひく、乾燥した部屋にいると喉がイガイガしやすい、長時間話すと喉が枯れやすいなど心当たりのある人は、漢方医学では粘膜が乾燥しやすい『肺陰虚(はいいんきょ)』というタイプであると考えます。喉だけではなく全身的に潤いが不足しやすいタイプです。また、『肺陰虚』のタイプは、アレルギーなどの炎症などを起こしやすく体に熱を持ちやすい特徴があるため、一度喉の風邪をひくとその炎症は治まりづらく長期化しやすくなっています。この炎症を『湿熱』といいますが、今週は粘膜を強化する食材と『湿熱』を取り除く食材をとりいれていきましょう。今週食べるとよい食材は、【鶏肉×ハーブ】です。今週食べるとよい食材:鶏肉×ハーブ淡泊な食材は、ハーブとの相性が非常によいです。ハーブをいつもの料理に少しプラスするだけで、効能だけではなく、見た目にも香りも華やかになり、一気に料理上手な印象を与えてくれます。鶏肉鶏肉は、タンパク質が豊富で、低脂質な部位の多いお肉です。また、他のお肉と比べてビタミンAの含有量が多くなっています。ビタミンAは、喉や鼻、気管支の粘膜の強化にも役立ちます。ハーブ紫蘇、ローズマリー、パクチー、レモングラス、ペパーミント、シナモン、バジル、フェンネル、クローブ、マローなどには抗菌作用や抗炎症作用などがあります。そのため、この時期には食事はもちろんのこといつも飲んでいるものにもハーブをチョイスしてみるのがおすすめです。鶏肉は、下味にお塩と一緒にローズマリーなどのハーブを使って、香草焼きにしてみましょう。メイン料理だけではなく、ハーブはサラダもおしゃれにしてくれます。レタスなどの普通のサラダにバジルが少し混ぜるだけでおしゃれ度がグッとあがりますよね。今週を機に毎日の食卓にハーブをとりいれてみてはいかがでしょうか。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©nensuria/Gettyimages©SIphotography/Gettyimages©Kathrin Ziegler/Gettyimages
2020年03月27日食薬習慣について学ぼう毎日の食事で身体の内側から体調を整える”食薬習慣”をテーマにした書籍『1週間に1つずつ 心がバテない食薬習慣』が、オーディオブックになって2020年3月20日に発売されました。この時期にこそ読みたい1冊新型コロナウィルスの流行により、外出を控えてストレスを感じている人も多いのでは。ストレスや不安を感じると心がバテやすく、身体の不調を感じやすくなるもの。こんな時期だからこそ”食薬習慣”の考え方で、身体の中から予防対策を始めてみてはいかがでしょうか。音を聞くだけの簡単読書同書籍は2019年6月に発売されたもの。今回忙しい時でも音声を聞くだけで読書ができるオーディオブックになって再登場しました。著者は薬剤師、漢方カウンセラー、国際中医師など様々な肩書きを持つ大久保愛氏。東洋医学や栄養学、腸活の考え方をもとに、季節の変化や体調に合わせた「食薬プログラム」を分かりやすく紹介しています。日々の食薬習慣を実践し、ストレスに負けない強い心と健康な身体を目指せる1冊です。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンのプレスリリース※『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣』
2020年03月23日3月20日は春分の日。桜の開花宣言も出て、待ち遠しかった春の到来です。ですが、この時期特有の三寒四温により、真冬よりも冷えを感じていませんか? 加えて新型コロナウィルスによる不安も心身に悪影響を及ぼしていそう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、自律神経の乱れを整え血の巡り良くし、冷えに強い体になる最強フードをご紹介します!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 50体の冷えを感じる暑さ寒さも彼岸までといわれ、3月20日の春分の日を挟んだ前後3日間を足した、合計一週間をお彼岸と呼んでいます。春分の日には、お昼と夜の長さがほぼ同じ時間になり、これから徐々に日が長くなり本格的な春になります。桜の時期には、ポカポカの春の香りを感じる温かい日もあれば、花冷えを感じさせる冷たい風に花びらが舞い切なさを感じる日もあります。心と体が元気であれば、それぞれの風情を感じる気持ちの良いときです。しかし、朝晩の気温差があり、この寒さにダメージを受けてしまう人が存在するのも確かです。三寒四温の寒暖差により自律神経が乱れやすい時には、冷えも強く感じやすくなります。冷えに強い体をもっていれば、家にこもりがちなこの時期、桜を見に人込みを避けてお散歩に出かけると、新型コロナウイルスの不安も忘れるくらい気持ちも和らぐと思います。そこで、春分をむかえ本格的に春へと移りかわる今週には、冷えに強い体をつくる食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、冷えに強い体をつくる食薬習慣暗くて寒くて長い冬がようやく終わろうとしています。今年の冬は暖冬でしたが、コロナウイルスの問題で、例年と違った緊張感を感じる季節でした。いつまで続くのかはわかりませんが、季節は今週春分の日を迎え春へとシフトしていきます。ただ、真冬と比べて厄介なのが、温かくなったと思ったら、急激に冷え込むことです。毎日寒ければ、体は慣れますが、温かくて心地よい日が続いた後に急に寒いとやはり体がついていくことは難しく、寒さを強く感じたり、自律神経を乱しストレスを感じやすくなったりしてしまうことがあります。これは、春の特徴ですが、漢方医学では「肝血虚(かんけっきょ)」と考えます。また、自律神経が乱れ、血流が悪くなり冷えを感じやすい状態を「オ血(おけつ)」と考えます。そこで、今週冷えを強く感じる人は、「肝血」を補い「血」の巡りをよくする食薬習慣を取り入れていきましょう。今週食べるとよい食材は、【タコ×玉ねぎ】です。今週食べるとよい食材:タコ×玉ねぎ新型コロナウイルスの影響で例年と違った毎日を過ごす人も多いかもしれませんが、体は温かく、心は穏やかに過ごすことができたら良いですよね。春の特徴である「肝血虚」、「オ血」を感じてしまうと季節に体調が翻弄されるだけではなく、日々の報道にも気持ちが疲れ、体調が翻弄されてしまうことがあります。何事にも動じない強い体を作るために、今週はタコと玉ねぎを食べてみましょう。タコタコは「肝血」の材料となる、たんぱく質、ビタミンB群、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。また、肝臓の働きを支えるタウリンも含んでいます。タコは、お刺身や茹でダコとして買ってきたまま、調理せずに食べることができるので非常に便利な食材です。玉ねぎ新玉ねぎが美味しい季節ですが、玉ねぎには、「血」の巡りを改善する働きがあります。玉ねぎに含まれる硫化アリルという成分は、代謝に必要なビタミンB1の吸収を高めたり、血流の改善にも役立ちます。また、硫化アリルは、タコに含まれるタウリンの働きをより高めてくれます。タコとの組み合わせとして玉ねぎは抜群です。玉ねぎだけではなく、同じネギ類のニラやネギ、ニンニクなども相性がよい食材です。タコと玉ねぎとワカメの酢の物やタコと玉ねぎのカルパッチョなど、タコと玉ねぎを使った料理は和えるだけで完成します。冬よりもこの時期の冷えがつらい人、春への季節の変わり目はいつも体調を崩してしまいがちな人は、ぜひタコと玉ねぎをチョイスしてみてくださいね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©hoozone/Gettyimages©Artur Debat/Gettyimages©RossHelen/Gettyimages
2020年03月18日最近、体が重い、だるい。そんな悩みを抱えている人は多いでしょう。漢方薬剤師の大久保愛先生よると、それはこの時期に起こる、さまざまな自然の変化によるものだそう。そこで大久保先生が、これらの不調から脱出できる食べ物をご紹介します!そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、穏やかに心を保てる最強フードをご紹介します!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 49この時期に起こる体の重だるさを解消する食薬習慣ここ最近体が重い、むくみが気になるなど全身の重だるさを感じることはないでしょうか。季節の変わり目だし、花粉の影響もあるだろうから仕方ないと感じることもあると思います。実は、それ以外にも自然界には変化がありました。ちょうど3月10日に春の到来を告げるとも言われる大きな満月を見ることができたのです。ただ、あいにく雲が多くなる低気圧が日本列島を覆い、しっかり満月を眺めることができた地域は少なかったかもしれませんね。と、ごく普通の出来事のように感じますが、季節の変わり目、花粉、ウイルス予防、満月、低気圧など、ここ最近私たちの体に影響する自然の変化というものは、非常にたくさん起きていたのです。こういう環境が重なると体が重だるく感じることは、自然なことです。そこで、今週は自然と体の関係、体の重だるさを解消する食薬習慣を紹介したいと思います。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、体の重だるさを解消する食薬習慣今週は、さまざまな条件が揃い重だるさを感じやすいときです。何事もなく元気はつらつ過ごせている人は、日頃の食習慣や生活習慣、ストレス発散などが、程よくできているのだと思います。先日満月があり、低気圧が日本列島を訪れ、雨の降った地域は多かったと思います。そして、気温も下がり寒い日となりました。ですが、また桜の開花にむけ気温はグンと上がっていきます。さらに、花粉症を患っている人は、雨の翌日の晴天に症状を悪化させることもあるでしょう。また、外を出歩くときにはウイルス対策にも注意し、体に降りかかるさまざまな影響から逃れるのも至難の業です。通常、春の季節の変わり目の時期を漢方医学的には「肝」の働きが弱り、ストレスに弱くなって怒りっぽくなったり、生理不順を起こしたりと自律神経の乱れやすい時期と考えます。それに加え、満月と気圧の変化により、さらに自律神経の乱れを感じやすくなったり、だるさや浮腫みを感じたりすることがあります。こういった不調から脱出するには、まずは自律神経を支える「肝血(かんけつ)」を補うことと「気」の巡りを改善することが大切です。そこで、今週はこの時期に起こる体の重だるさを解消する食薬習慣を紹介します。今週食べるとよい食材・メニューは、【ホタテと小松菜のレモンソテー】です。今週食べるとよい食材:ホタテと小松菜のレモンソテー「肝血」を補うホタテと小松菜、「気」の巡りを改善するレモンでこの時期を乗り越えましょう。さらに、ホタテに含まれる亜鉛は、レモンや小松菜に含まれるビタミンCと組み合わせると吸収率がアップします。ホタテ・小松菜ホタテの特徴は、低脂質で高タンパクでありながら、血液を作るために必要なビタミンB12や葉酸、肝機能を高めるタウリン、生殖機能を整える亜鉛も豊富に含まれていることです。さらに、ホタテは干してあると中華でお出汁をとるのに使われるくらいうまみ成分が豊富です。三大旨味成分のうちグルタミン酸、イノシン酸の二種類を含むため、どんな料理につかっても簡単に味に深みを与えてくれます。小松菜の特徴は、血液を作るために必要な鉄や葉酸、水分代謝を上げるカリウム、肝臓の解毒の働きを助けるスルフォラファンが含まれていることです。ホタテも小松菜も肝臓の働きを支え、血液を作るサポートをするため、「肝血」を補うために役立ちます。レモン柑橘系の果物の香りには、「気」の巡りを改善する働きがあります。そして、ビタミンCが鉄や亜鉛の吸収をアップします。作り方は簡単です。ホタテに火を通し、小松菜と塩麴(お好きな調味料でOK)をあえてサッと炒め、仕上げにレモン汁をたっぷり絞るとあっという間に完成します。肝臓を支えるタウリンは、貝類やタコ、イカ、魚の血合い部分などに多く含まれ、スルフォラファンはアブラナ科の野菜に含まれます。ホタテや小松菜だけではなく、バリエーションを増やしていくのもおすすめです。体が重だるい人はぜひ試してみてくださいね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Tim Robberts/Gettyimages©South_agency/Gettyimages©Westend61/Gettyimages
2020年03月11日新型コロナウィルス感染拡大による不安感に、季節の変わり目や花粉による気分の落ち込みと、自律神経が不安定になっている人が多いよう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、穏やかに心を保てる最強フードをご紹介します!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 48ウイルス、花粉に三寒四温で、イライラスイッチオンインフルエンザや新型コロナウイルスに加え、花粉までも気にしなければならない面倒な時期になりました。ウイルスの影響から家にいる機会が増え、気晴らしに外へ出ようと思っても、飛散しているさまざまな外敵から身を守らなければなりません。なんだか落ち着かない環境に加え、桜の開花に向けて三寒四温の波がやってきます。自律神経が乱れてもしかたないですよね。低気圧で頭が痛い、めまいがするなんてこともよく耳にします。こんな感じで、スムーズに物事が進まないと湧き出てくる感情といえば、イライラや焦りなどではないでしょうか。少し目線を上に向けると明るい太陽の光のなか、青い空に映えるピンク色の梅の花や桜のつぼみが鮮やかで、穏やかな景色が広がっています。しかし、心の中には似つかわしくないイライラした感情が渦巻いている人も多いと思います。そこで今週は、季節の変わり目に心穏やかに過ごす食薬習慣を紹介します。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、穏やかな心を保つ食薬習慣今年は、新型コロナウイルスの影響から免疫を高めることに重きを置いている人が多いのですが、毎年このシーズンに起こりやすい不調には特徴があります。それは、三寒四温により自律神経が乱れることです。自律神経が乱れると自分は弱いと感じてしまうことがあるかもしれませんが、気候の変動が大きい時には体を一定の状態に保つためにどうしても自律神経は安定しなくなります。それは人として、ある程度仕方のないことです。この時期の心の不調は、お天気のせいかな? と少し軽く考えてあげることが早期解決につながります。また、この状態を漢方医学では『肝血虚(かんけっきょ)』といい、冬から春にかけて、『肝』に負担がかかりやすいとされています。このときに『肝血』が充実していると自律神経の乱れが起こりにくいので、今週は、穏やかな心を保つために『肝血』を補う食薬習慣を紹介していきます。今週食べるとよい食材は、【牛肉×発酵食品】です。今週食べるとよい食材:牛肉×発酵食品月に一度月経のある女性にとって『肝血』は不足しやすいものです。ただ、牛肉や豚肉などのタンパク質や鉄などを多く含む食材は、ときによって胃腸に負担をかけてしまうことがあります。そのため、胃腸への負担や吸収率も考えながら体と相談しつつ、とっていく必要があります。牛肉牛肉は、『肝血』を補う食材です。脂身の多いお肉は消化に負担がかかるので、赤身のお肉を選ぶようにしましょう。必須アミノ酸もバランスよく含まれ、女性に不足しがちな鉄や亜鉛もしっかり補うことができます。発酵食品発酵食品は、『肝血』の吸収をサポートしてくれます。塩麹、キムチ、味噌、三五八漬けなど好きな発酵調味料にお肉をなじませて1時間程度置いておくだけで、柔らかくうまみがアップしたお肉が完成します。味が濃くなっている時には、もやし、玉ねぎ、キノコ類などと一緒に炒めると調整できます。牛肉を食べた後にお腹を下したり、お腹が張ったり調子が悪くなる人も多いのですが、発酵食品を合わせるとその悩みを軽減することができます。発酵食品は、腸内で善玉菌を増やし、悪玉菌による害を抑えてくれます。そのほかにも、ビタミンCの多い食材を一緒に摂ると鉄分の吸収がアップするので、ピーマンやキャベツなどビタミンCを多く含む食材を合わせるのもよいと思います。季節の変わり目が苦手な人はぜひ取り入れてみてくださいね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Rafael Elias/Gettyimages©Westend61/Gettyimages©stock_colors/Gettyimages
2020年03月04日いまこそ知りたい感染症対策。ウィルスに負けないためには、手洗い、うがい、人混みを避ける、などが挙げられますが、加えて体の免疫機能を正常に働かせることも肝。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が防御機能を高める方法をご紹介します!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 47免疫力をこれ以上下げたくない時期今多くの人が身に付けたい力といえば免疫力ですよね。マスクや手洗い、うがい、早寝など、外敵から防御するための行動は当然必要です。ただ、今の時期、予防に予防を重ねても心配が絶えない人も多いと思います。それと同時に耳にするのが、あまり外に出ないようにすることで、退屈だったりストレスがたまり、運動不足になったり、家の中で無駄食いなどをして不摂生をしてしまうことです。人の多いところに外出しないと身を守ることになりますが、引きこもって体力や筋力の低下などが起きてしまい、防御機能である免疫までが弱ってしまっては大変です。そうならないためにも、食事でできる対策をお伝えしたいと思います。今週は食事で防御機能を高める食薬習慣を紹介します。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、防御機能を高める食薬習慣まだまだ、体調管理に油断のできない日々が続きますね。早く落ち着くことを願うばかりです。そして、私たちにできることといえば、ウイルスに接する可能性のある機会を減らすこと、衛生管理をしっかり行うことだと思います。でも、それだけでは心配が残る人も多いと思います。さらなる対策となるとやはり、体の内側から防御機能を高めていくこと。特に粘膜からウイルスや細菌が侵入してきますが、喉や鼻などの粘膜には、繊毛という防御機能があります。しかし、粘膜が乾燥しているとその働きが弱ってしまいます。そのため、こまめな水分補給が防御機能を高めることに役立ちます。空気清浄機などで清潔に湿度を保つことも大切ですが、1日1.5L程度の水分をこまめに摂取していくことも大切です。暑い季節よりも水分補給が減りがちな季節のため、意識的な水分の補給が必要となります。漢方では、潤いをプラスすることを「補陰(ほいん)」、免疫力を強化することを「補気(ほき)」といいます。今週は、「補気」作用のある食材を使った飲み物をこまめに取ることで「補陰」する食薬習慣を紹介します。今週食べるとよい食材・メニューは、【生姜とスパイス&ハーブを使ったドリンク】です。今週食べるとよい食材・メニュー:生姜とスパイス&ハーブを使ったドリンク喉を潤しウイルスや細菌の侵入を防ぐためにこまめな水分補給は大切です。その潤す水分に細菌やウイルスに対抗するスパイス&ハーブを加えるのがおススメです。単純に水分をとるよりも、少しでも有効成分を含むものを常備しておきましょう。特に、スパイス&ハーブを整腸作用のあるオリゴ糖につけて常備しておくと腸内環境も整うためさらにgood!生姜生の生姜には「ジンゲロール」が含まれウイルスや菌に対して効果を発揮すると言われています。生姜をすりおろすか、ミキサーで細かくしてオリゴ糖に漬け込んだり、一回分ごとに分けて冷凍するのがおすすめです。普段飲んでいる紅茶やココアや白湯、お味噌汁やスープなど好きなものにちょい足ししてみましょう。外敵から身を守る「気」を補ってくれます。クローブ、カルダモン、シナモンスティックなどスパイス&ハーブ一般的にスパイスやハーブには抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用などが備わっています。 使い方がわかりにくいものが多い印象もありますが、生姜やレモンなどと一緒に好きなスパイスをオリゴ糖に漬け込んでしまえば、細菌、ウイルス対策のシロップになります。外出を控えて家の中で過ごすことが多くなると、運動不足に加え甘いものとコーヒーが増えてしまうなんて悩みも耳にします。いつも飲むドリンクにひと手間加えて体調管理に役立ててみてはいかかがでしょうか。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©d3sign/Gettyimages©ArtMarie/Gettyimages©Ezra Bailey/Gettyimages
2020年02月26日まだまだ続く寒い季節。すぐ風邪を引く人は、アレが足りないのかもしれません。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、風邪予防に効果てきめんな方法をお伝えします!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 42風邪をひかずに冬を乗り越えるお正月休みが明け、ほどよく連休もはさみ、一年がスタートしましたね。このまま、今やるべきことを順調にこなし飛躍の年にしていきたいですよね。ただ、乾いた空気のなか、人の多い場所に行く機会が増える1月。気になるのはインフルエンザや風邪ではないでしょうか。咳やくしゃみをしている人を見かけるとうつるのではないかと心配してしまいますよね。そして、喉からひく風邪は長引きやすく日々の生活にも支障がでてきてしまいます。さらに、そのまま花粉のシーズンになると風邪なのか花粉症なのかわからない不調に常に悩ませられる人も増えると思います。そうならないためにも、今週は、風邪に負けない食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、風邪をひかないための食薬習慣周りに風邪をひいている人がいると必ず風邪がうつるタイプの人っていますよね。免疫力が低い、粘膜が弱い、疲れやすい、冷えやすいなどいずれかの体質を持っているのだと思います。ですから、風邪をひいていない元気な時の生活で体質を変えていくことが必要になります。何もせず、具合が悪いときだけ薬をのんで治しているだけでは、体質は変わりません。基本ですが、日頃から胃腸の調子を整え、冷たい飲食物はさけ、糖質と不要な脂質は控え、タンパク質、食物繊維を意識的にとることが大切です。タンパク質と食物繊維を意識するとビタミン、ミネラルなども一緒にとり入れることができます。そして、今の季節といえば乾燥した空気が特徴ですが、風邪予防のためには粘膜や免疫を強化し、抗菌、抗ウイルス、抗炎症作用のあるものをとり入れることが大切です。この力を漢方医学では、「気(き)」の一種である「衛気(えき)」と呼びます。そこで、今週は「衛気」を補う風邪に負けない食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材は、【れんこん&シソ(大葉)】です。食べるとよい食材・料理 レンコンのきんぴらに大葉を添えて今回は、防御機能を強化する「衛気」を補う食材です。ちょっと体調があやしいなと思ったら食べてみましょう。きんぴらではなくても、鶏ひき肉とレンコンをまぜてハンバーグを作って大葉を添えたり、生姜をたっぷり入れてレンコンスープを作ったり、なんでもおかずに大葉を添えたりと、好きな方法でとり入れても大丈夫です。レンコンレンコンは、民間療法でも喉の風邪に良いとされよく食べられている食材です。ビタミンCが豊富で加熱しても損失が少ない特徴があります。また、抗炎症作用があったり、アレルギーの原因であるヒスタミンを抑制するタンニンなども含んでいます。シソ(大葉)大葉は、抗炎症、咳止め、発汗解熱、整腸などの働きがあり古くから漢方薬にも使われるものです。風邪のひき始めに使われる香蘇散という漢方薬には、生姜とみかんの皮などと一緒に大葉も含まれています。また、大葉には、香りの成分のペリルアルデヒドという成分が含まれていますが、強い抗菌作用があり風邪や腸炎などにも役立ちます。他にもロスマリン酸という成分が含まれアレルギーを抑えるのに役立ちます。風邪予防といえば、マスクに手洗い、うがいがスタンダードだと思いますが、食べ物も内側から作用して強い味方となってくれます。今回の組み合わせは、風邪と花粉両方の対策になるので、これからの時期、体調を崩しやすい人は取り入れてみてくださいね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©VisualCommunications/Gettyimages©evrim ertik/Gettyimages©sturti/Gettyimages
2020年01月15日お正月が過ぎ、通常の生活がやってきました。食っちゃ寝正月を過ごしていた人にとっては身体が重く感じることでしょう。お腹に余分についたお肉は早く取り去らなければ定着しかねません! そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、食べるだけでリセットできる最強フードをご紹介します!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 41正月太りでたるんだ体には、早急な対策を今年の正月休みは、並びがよく長期休暇となる方が多かったかと思いますが、みなさん体を休めることはできたでしょうか? ゆっくり過ごすといえば、食べて寝ることがメインとなりがちですが、お正月があけて気になるのは正月太りではないでしょうか。カロリーオーバーに加え、いつもより動かないことで消費エネルギーが減り……体がブクブクたるんでしまうことは、ある程度仕方のないことだと思います。1月7日は無病息災を願い七草粥を食べる習わしがあり、疲れた胃腸を休め日常へと体をリセットするためという理由もあり続いているのだと思います。そして、七草がすぎても、いまだにグータラして食べ癖が抜けない人は、気をつけなければなりません。そこで、今週は食べ癖が抜けず正月太りが気になる人のための食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? ひと月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、正月太り解消のための食薬習慣毎年、年を越すたびにお腹周りが立派になってしまうという話はよく聞きます。年々積み重なる体の重みは、加齢に伴う代謝の低下により、元に戻りづらくなります。そこでここ数日でついた重みだけでも、遅くとも今月中にリセットしたいと思いませんか?さらには、寒い季節に筋肉が減り脂肪をまとった体は全身を冷やし、体質までをも徐々に変化させてしまいます。これを漢方医学では、筋肉と代謝が落ちている「気虚(ききょ)」や体に余分な脂肪がたまっている「痰湿(たんしつ)」がある状態と考えます。そして、ずっと同じ食生活をしていたとしたら、加齢に伴い代謝は低下するので、体を動かさない限り太りやすくなりますよね。でも、そう簡単に体を動かすタイミングがないという人は、食事を変化させなければ体は変わりません。そこで、今週はダイエットしたいけど行動に移すことが難しいときにできる簡単置き換えダイエットを紹介します。今週食べるとよい食材は、「気」を補うことより、デトックスを優先して「痰湿」をとりのぞくことができる【もち麦】をおすすめします。食べるとよい食材;白米をもち麦に置き換える方法は簡単です。いつもの白米をもち麦に代えて炊くだけです。もち麦は、白米を炊くときに単純に足すだけでふっくらできあがります。初めは、3割くらいをもち麦に代えてみると違和感なく食べることができると思います。徐々にもち麦の割合を増やしてみましょう。もち麦もち麦には、水溶性食物繊維が多く含まれるという特徴があり整腸作用があります。とくに、水溶性食物繊維のひとつ、“大麦β-グルカン”は粘性がありゆっくり消化管を通ることから腹持ちをよくしたり、コレステロールの吸収を抑えたり、血糖値の上昇を抑える働きがあります。ダイエットだけではなく、生活習慣病にも効果的です。そして、食物繊維や栄養が豊富と言われる玄米よりも、食物繊維の量も多く、糖質の量も少ないというメリットもあります。さらに、もちもちとした食感のあるもち麦は、存在感が大きいので自然によく噛んで食べるようになるのも良いポイントです。また、 “セカンドミール効果”といって、もち麦を食べると“次の食事までの血糖値の上昇を抑える働き”があります。ですから、朝ごはんにもち麦を食べると昼ごはんに、昼ごはんに食べると夕飯の食事にまでダイエット効果が持続するというものです。新年会やいただきものを食べる機会の増えるこの時期には、もち麦を多用して血糖値の上昇を抑える対策をとり、腸内環境も整え、こっそりダイエットをはじめてみてはいかがでしょうか。ダイエットといえば我慢するものと思い、なかなかスタートできない人にでも簡単にできます。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©AH86/Gettyimages©Mint Images/Gettyimages©Westend61/Gettyimages
2020年01月08日2020年になりました。連休を取っている方も多いことでしょう。せっかくのお休みですから、ゆっくりのんびり過ごしたいですよね。でも、漢方薬剤師の大久保愛先生によると、遅寝遅起きが続くと体内時計が乱れ、通常の生活に戻すのが大変になってしまうのだそう。そこで、大久保先生が正月ボケを簡単になおす方法をご紹介します!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 40初日の出だけじゃなく1月の朝日は毎日見るべし新しい一年が始まりましたね。初日の出を見ることはできましたか? 日付けが変わったのと同時に初詣に向かった人は、朝日が昇った頃には眠ってしまったかもしれませんね。でも、1月の朝日は毎日浴びて、5分くらいゆっくりと大きく伸び、深呼吸することがとても大切なのです。お正月に体をゆっくり休ませることは必要なことですが、日が沈むのが早く太陽の光を浴びるチャンスの少ない時期に昼過ぎまで家の中でゴロゴロしていまっていては、体内リズムを乱してしまいます。毎年、お正月明けは仕事に行くのが嫌になってしまったり、お休みの生活リズムに体が慣れて夜眠れなくなったりしてしまう人は、ちょうど今頃の生活習慣に注意が必要です。とはいえ、お正月に不規則な生活にならないようにすることは少し難しいですよね。そこで、今週は生活リズムが乱れてもすぐに日常生活に適応できるような食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? ひと月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、体内時計を乱さないための食薬習慣冒頭で、太陽の光の必要性をお伝えしましたが、それは太陽の光には体内時計を整える力が備わっているからです。太陽の光が足りないと、ビタミンDやセロトニンが不足してしまうことがあります。これらが減ることで、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下して深夜に目が覚めてしまったりと「季節性感情障害」といって冬にうつっぽくなってしまうこともあるのです。毎年、お正月ボケで社会復帰が難しく感じてしまう人は、寝正月ばかり優先せずに、生活リズムを乱さないように気をつけたほうが良さそうですね。この体内時計が乱れてしまっている状態を漢方医学では、「腎虚(じんきょ)」と言います。そこで、今回は体内時計を整えるために食べ物で対策をとる方法を紹介します。今週食べるとよい食材は、【玉子&きくらげ】です。食べるとよい食材:玉子&きくらげ体内時計を整えるために必要なビタミンDやセロトニンを補うことで「腎」を補う食事をとることが必要です。そして、これらの栄養を補うために代表的なものが、玉子ときくらげです。玉子タンパク質を多く含む食材のなかでも、必須アミノ酸のバランスが特によいものが玉子です。そして、必須アミノ酸のうちトリプトファンがセロトニンの材料となります。ほとんどの家庭に常備されている食材でもある玉子。お正月の食事に飽きてきたら、玉子料理を増やしてみましょう。きくらげきくらげには、ビタミンDが非常に豊富に含まれています。また、食物繊維も多く含む食材です。年末年始の糖質や脂質の増えがちな食習慣で体の排泄能力が落ちてしまっていることもあります。体に溜め込む体質にならないためにも、この時期は食物繊維を積極的に取り入れることは大切です。きくらげは、乾物でも販売されているので、おうちにストックしておくことをおすすめします。お正月明けに気持ちよく日常に戻るためには、今の時期の過ごし方が関係してきます。今年を前向きにスタートしていくために今から行動していきたいですね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Kathrin Ziegler/Gettyimages©Eric Audras/Gettyimages©katleho Seisa/Gettyimages
2020年01月01日年末年始は、いろいろなイベントがありますね。ぜーんぶ楽しく参加したいから、風邪なんかひいてられない! と思った矢先、1年の疲れがどっと出て絶不調になる人は少なくないでしょう。そこで、そんな悲劇を避けるべく、漢方薬剤師の大久保愛先生が年末年始を快調に過ごせる簡単な方法をご紹介します!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 39クリスマスから年末年始に体調を崩しがちな人へクリスマスはいかがお過ごしでしょうか。街並みは華やかに、行き交う人もまた朗らかな空気に包まれますよね。一年間大変なことが多くても、12月が忙しくてヘトヘトでも、クリスマス前後は気持ちが緩む人も多いのではないでしょうか。ただ少し気になるのは、生活が乱れ疲れたなかで楽しもうと無茶してしまうこと。どっと疲れが出て風邪を引いてしまう場合があります。クリスマスから年末年始のイベントが盛りだくさんなこの時期に体調を崩してしまっては、体が辛いだけではなく周囲に迷惑をかけてしまうこともあります。そこで、今週は盛りだくさんなイベントのなか、体調を保ち続けるための食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? ひと月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、忙しい時に体調を崩さないようにするための食薬習慣身の回りで誰かが風邪をひくと必ず風邪をひいてしまう人っていますよね。どうして自分だけこんなに風邪をもらってしまうのか、大事な時に限って体調を崩してしまうのか、自己管理のせいなのか、周りにも迷惑をかけているのではないか…と、どんどん体調不良は心までもむしばんでいきます。ただ、この時期は、寒くて乾燥した空気、いつもより忙しくて、慣れない食事をする機会が増え、さまざまな人に会い気疲れをする……と体調管理が難しくなるのは当然なのです。常に体調をギリギリで保っている人は、何かの拍子に大切なピースが外れたかのようにガタガタと体調が崩れていきます。これを漢方医学では、「気虚(ききょ)」と言います。体を守ってくれる「気」が環境の要因でどんどん消耗していくこの時期。しっかり、補給してあげることが体調をくずさないための秘訣です。そこで今週食べるとよい食材・メニューは、【カボチャのシナモン煮】です。食べるとよい食材・メニュー;カボチャのシナモン煮カボチャとシナモンには、風邪から体を体を守る「気」を補う働きがあります。冬至にカボチャを食べる風習もありますが、やはりこの時期にはおすすめな食材です。カボチャカボチャには、βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群などが含まれ粘膜を保護し、抵抗力を強化し、血行を促進する働きがあります。とくにβカロテンとビタミンEの含有量は、野菜の中でもトップクラスと言われています。シナモンシナモンには、抗菌作用、体を温める作用、消化を助ける機能などがあるため、寒く食生活が乱れやすいこの時期の体調管理にはとくにおすすめです。カボチャの煮物やミルク煮にシナモンをかけて食べると美味しく食べることができます。この時期毎年体調を崩してしまう人は、ぜひ摂り入れてみてくださいね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©B. Boissonnet/Gettyimages©Westend61/Gettyimages©Westend61/Gettyimages
2019年12月25日師走という名の通り、公私ともにせわしなく過ぎる12月。生活も食事も乱れ、さっそく胃腸が不調になっていませんか。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が胃もたれや膨満感を防ぐ簡単な方法をご紹介します!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 38胃腸の不調で困っていませんか?仕事が忙しく食べる時間が不規則になったり、お歳暮などいただき物が増えてきたり、外食で豪華な食事が続いたりして、胃腸の調子がすぐれないということはないでしょうか。食べている時は、これくらい大丈夫と思っていても胃腸に違和感を感じるには時差があります。お腹がパンパンに張ったり、胃もたれ、胃痛など辛い思いをしているときには、不調の原因物質はお腹の中……すぐには取り出すことはできません。胃腸の不調は、意外と日常生活に支障がでるものです。そこで、今週は食生活が乱れがちなときにホッと一息、お腹はスッキリできる食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、胃腸の不調を改善するための食薬習慣忘年会シーズンですね。職場の仲間や懐かしい友人たちと食事をする機会が増えるこの時期。外食が連続するとお腹にガスが溜まりパンパンに張ったり、胃もたれして朝からお腹が重くなったり、急にお腹がキリキリ痛くなったりと慣れない食事と冬の寒さに胃腸がやられている人は多いと思います。お腹の痛みや張りは一刻も早く、なくしたいものです。漢方医学では、お腹の張りを「気滞(きたい)」、胃が重くなるような不調を「胃虚不納(いきょふのう)」などと呼びます。そこで、今週は気の巡りと胃の働きを改善しお腹を軽くする食薬習慣を紹介していきます。お腹の調子が悪い時には食事をとらないようにする人もいると思いますが、食べると休まる食事もあります。温かく消化を助けお腹のガスを取り除いてくれるものです。今週食べるとよい食材・メニューは、【キャベツの豆乳湯豆腐(クミン風味)】です。食べるとよい食材・メニュー;キャベツの豆乳湯豆腐(クミン風味)豆乳にお豆腐とキャベツを入れてポカポカの豆乳鍋を作りましょう。アクセントにクミンで香りづけすると胃腸の不調の改善にさらに効果的です。キャベツと豆腐「胃虚不納」の改善に役立つのは、キャベツと豆腐です。キャベツには、キャベジン(ビタミンU)が含まれるので胃の働きを助けることで有名です。そして、温かい豆腐は、胃腸が弱っている時でもダメージが少なく、タンパク質、ミネラル、ビタミンB群などの栄養源を手軽に取り入れることのできる優秀食材です。クミン「気滞」の改善に役立つのは、クミンです。スパイスコーナーに売っていて、炒め物やスープなど何にでも合わせやすいスパイスなので、お持ちでない人はこれを機に常備してみてはいかがでしょうか。クミンには、消化を助け、腸内に溜まったガスを排出する働きがあります。外食が続いたり、忙しくてお惣菜が続いたりして、体のリカバリーをそろそろしなくてはと考えるときには、ぜひとりいれてみてくださいね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Goran13/Gettyimages©AntonioGuillem/Gettyimages©Kactus/Gettyimages
2019年12月18日飲み会に忘年会と、はやくも食べすぎ飲みすぎで冬太りしていませんか? 漢方薬剤師の大久保愛先生によると、年末年始は不規則な生活や食事の乱れ、加えて寒さによる運動不足で、便秘になり太ってしまう人が多いそう。そこで、大久保先生が冬太りを解消する簡単な方法を教えてくれます!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 37冬太りしていませんか?いよいよ師走本番ですね。やることが多くて忙しく、お誘いが多くて休まる時間もないこの時期。自分のメンテナンスはあきらめてしまいがちです。しかも、これからクリスマスにお正月……その先にはバレンタインに歓送迎会。着飾ることが多いイベントが長期的に目白押しです。しかし、今の時期たるんだ体になると、ずるずるとその体型を引きずってしまいがちです。忙しく楽しい時間はあっという間に過ぎ、ふと我にかえり鏡を見ると残念な自分の姿に気持ちが沈んでしまいますよね。今の時期には、不規則な生活、食事の乱れから便秘になり、体はむくみで重だるく、お腹には膨満感を感じ、寸胴な体型になりがちです。そこで、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を両方バランスよく含む食材を、朝食に取り入れることで生活リズムを身につけ、デトックスに繋がる食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、冬太り防止のための食薬習慣毎年12月くらいからお正月にかけて食べ癖がつき太り始めてしまう人は多いのではないでしょうか。どうしても食べることが中心となるイベントの連続で、自分の意思で食事をコントロールすることが難しくなりますよね。華やかな食事には脂質が増えがちで、お正月の日持ちする食事には糖質が増えがちになります。脂質も糖質も冬太りを加速させるものですが、冬の寒さで他の季節と比べると運動量も少なくなっていくのでさらに気をつけていかなければなりません。そして、偏食と運動不足が重なると起こるのが、便秘です。お腹の張りや便秘など腸の問題は、お腹周りのお肉を育ててしまいます。この状況を漢方医学では、体にとって余分な『痰湿』がたまると表現します。そこで、今週は腸から体を綺麗にする食薬習慣を紹介します。今週食べるとよい食材・メニューは、消化に優しく腸を整え『痰湿』をとりのぞく【きのこのオートミールリゾット】です。今週食べるとよい食材・メニュー:きのこのオートミールリゾットちょっと食べ過ぎた時や便秘で数日悩む時に市販の便秘薬を試す人は多いと思います。しかし、その薬を飲む前に原因となる食習慣を見直しているでしょうか? 食事のリズムの乱れや食べる内容によって便秘になって体に毒素をため込む体質へと変化させてしまうことがあるのです。そこで、年末年始の食事や生活リズムの乱れを整えるために朝食にオートミールリゾットを食べることをおすすめいたします。朝に温かいものを食べることは、体内時計を整えつつ胃腸を温めその働きを整え、ため込み体質を改善してくれます。きのことオートミールきのこには、冬に不足しがちなビタミンDが含まれています。そして、オートミールには鉄、カルシウム、ビタミンB群など栄養素が豊富です。そして、どちらともに共通しているのが食物繊維が豊富で腸の働きを整えるために役立つことです。作り方オートミールでリゾットなんて…と感じる人がほとんどかもしれませんが、一度作ってみてくさい。簡単にすぐできておいしいですよ。オートミール 50gお好みのきのこ 150g程度ツナ缶 1/2玉ねぎ 1/2豆乳(牛乳) 300ml水 200mlコンソメ 1キューブ塩胡椒 適量1. 玉ねぎを炒める。2. すべての材料を入れる。3. 3分程度煮込み塩胡椒で味を整えたら完成です。オートミールリゾットって、とても簡単ですよね。すごく応用がきくので、前日残ったスープにオートミールをいれてリメイクしたり、小松菜とトマトジュースでアレンジしたり、和風にアレンジしたり、好きなレシピを見つけるのも良いと思います。毎年、年末年始に太ってしまう人は朝食に気を遣い、体の中から整える努力をしてみてはいかがでしょうか。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Caiaimage/Robert Daly/Gettyimages©Justin Case/Gettyimages©aywan88/Gettyimages
2019年12月11日気づけば年末です。師走の慌ただしさに加えて、外との寒暖差もあって自律神経が乱れがち。漢方薬剤師の大久保愛先生によると、それに伴い生理が乱れたり、痛みが酷くなる人も多いのだそう。そこで、大久保先生が生理トラブルを回避する簡単な方法を教えてくれます!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 36外と室内の寒暖差、年末の忙しさで生理がおかしい!?令和元年も残り1か月を切りましたね。今年やり残したことを今年のうちに済ませたいと、やりたいことで頭がいっぱになり、結局行動できず時が流れていく…ということはないでしょうか。12月の始まりは、慌ただしさの始まりでもあります。体力を万全にタスクをテキパキと片付けていきたいですよね。しかし、外の寒さと暖房の乾燥した空気、外食や残業が増え就寝時間が遅くなり、心も体もぐったりしてしまうこともあるかもしれません。自律神経は乱れがちでもしかたのない時期だと思います。ただ、そのせいで生理がいつもより遅くきたり早くきたりと生理不順を感じてしまう人もいるのではないでしょうか。そこで、今週は、生理周期を整える女性ホルモンに優しい食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、生理周期を整えるための食薬習慣毎年、年越しのあたりから春にかけて生理不順を感じてしまうというお話をよく耳にします。年末年始の慌ただしさに三寒四温などの気温差が大きくなる冬の終わりにかけて自律神経が乱れ、生理不順だけではなく耳鳴り、めまいと、風邪とは違う不調を感じてしまうことがあります。毎年寒い時期に不調を感じやすい人は、今年は大丈夫かなと心配に感じてしまいますよね。これらの不調を漢方医学では、『腎(じん)』が弱っている状態と考えます。そして、『腎』を強化することは、女性ホルモンを支えるだけではなく、耳鳴り、めまい、頻尿の予防、アンチエイジングにもつながります。不調を感じない人でも『腎』を強化する食材はとりいれていきたい習慣です。今週の食べるとよい食材・メニューは、『腎』を強化する【山芋の味噌汁】です。今週食べるとよい食材・メニュー:山芋の味噌汁生理不順や体質改善、アンチエイジングの漢方薬に使われる素材として漢方では有名な山芋ですが、食卓でも手軽に使うことができます。温かい味噌汁の具にして、体の内側から温め、ホルモンバランスを整えていきましょう。山芋山芋には、女性ホルモンを整えるために大切なDHEAという物質に似ている、ジオスゲニンという成分が含まれています。さらに、胃腸の働きを助けてくれるので、年末年始の暴飲暴食時にもおすすめです。味噌汁発酵調味料であるお味噌は腸内環境を整えたり、そしてなによりお腹を温めることで胃腸の働きを整えてくれます。胃腸を温めることは、副交感神経を優位にするため、年末で気を張り続けることで交感神経が優位になりがちな状態を整えてくれます。朝ごはんはパンとコーヒー、昼ご飯はサンドイッチ、夕飯はお惣菜なんて人は、年末から春にかけての環境の変化のダメージに弱い体質になっているかもしれません。冬に弱い人は、朝ごはんをお味噌汁とパターン化して、その具材として山芋を選ぶ日も作ってみるなど、日々の習慣に少しずつとりいれてみましょう。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Moyo Studio/Gettyimages©Alessandro De Carli / EyeEm/Gettyimages©Yagi-Studio/Gettyimages
2019年12月04日生理痛に悩まされる人は多いでしょう。特に寒くなるとより酷いと感じる人も少なくないはず。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、生理痛を予防する簡単なコトを教えてくれます! 来月の生理はもうこわくない!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 35寒くなると生理痛がさらに酷い!?ひんやりとした空気を感じる日が増えてきました。北のほうでは、雪が降り始めたところもあるようですね。こう寒いと体がこわばり肩に力が入ったり、末端が冷たくなったり、寒さによる影響が体にもちらほらと出始めるころかもしれません。そして、共通した悩みとしてでてくるのが、血行不良です。その影響から女性の場合、生理痛を重く感じることがあります。月に一度の痛みを痛み止めでなんとか耐えしのいでいる人は、さらなる痛みを感じてしまうかも……。そこで、今週は生理痛に悩む女性のための食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、生理痛改善のための食薬習慣そろそろ、手先、足先の冷えを感じはじめる頃です。特に、朝晩の寒さにはなかなか慣れず、体がついていけないですよね。そんなときに気になるのが、生理痛の悪化。今月は、どんな生理前の不調や生理痛が起こるのだろうかと、毎度ひやひやしている人も多いのではないでしょうか。1か月の生活習慣の通信簿のような役割をする生理痛ですが、毎回受け身のままで対策をせず、痛み止めを飲んでその場をしのぐという人がほとんどだと思います。しかし、温活と一緒に食事で対策をしていくことは、次回の生理痛を和らげるために大切なことです。生理痛を感じている状態を漢方医学では、『血』の巡りが悪い状態と考え『瘀血(おけつ)』と表現します。そこで、今週は血行を改善し生理痛緩和のための食材を紹介していきます。今週食べるとよい食材は【カレー風味で食べるクルミ&アーモンド&大豆のミックスナッツ】です。今週食べるとよい食材:カレー風味で食べるクルミ&アーモンド&大豆のミックスナッツ痛みを感じる時には、『瘀血』を改善する特製ミックスナッツがおすすめです。特に、生理前に過食ぎみになる人は多いと思うので、そのタイミングでおやつとして特製ミックスナッツをとりいれてみましょう。カレーパウダーを使い味を調えることで、さらに強力なおやつに変身しますよ。アーモンド&クルミ&大豆アーモンドには、血行を促進するビタミンEと子宮の過剰な収縮を抑えるマグネシウムが豊富に含まれています。そして、クルミには痛みを抑えるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれます。さらに、大豆には生理痛緩和、PMSの緩和に役立つイソフラボンやビタミンB6が豊富に含まれています。この3種類を組み合わせたミックスナッツは、女性にとって心強い味方になるはずです。カレーパウダーカレーパウダーには、サフラン、フェンネル、生姜、コリアンダー、シナモン、ナツメグ、クミン、ターメリック、チリパウダーなど最低でも5種類以上のスパイスが含まれています。これらのスパイスは、血行を促進したり、体を温めたりするだけではなく、抗菌作用、抗酸化作用もあります。作り方ビニール袋にアーモンド、クルミ、大豆を好きな量をいれてカレーパウダーを入れ、袋をふって全体にスパイスをなじませたら完成です。砕いてサラダやスープ、炒め物にいれるのもおすすめです。生理前や生理痛のおやつをちょっと工夫して、生理痛対策をしてみてはいかがでしょうか。いつも痛み止めにたよりっきりの人は、ぜひ試してみてくださいね。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Milos Dimic/Gettyimages©Agnieszka Marcinska / EyeEm/Gettyimages©Eva Katalin Kondoros/Gettyimages
2019年11月27日口の中を間違って噛んでしまったとき、口内炎になるときとならないときがありませんか?もしくは、必ず口内炎になってしまうという人もいるでしょう。漢方薬剤師の大久保愛先生によると、口内炎になりやすい人には特徴があるといいます。そこで、味覚の秋を満喫するべく、大久保先生が口内炎にならないための対策と、なってしまった場合の治す方法をお教えします!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 34食欲の秋、暴飲暴食による口内炎に注意!そろそろ年末にむけて、忙しくなり慌ただしく過ごす人も多いのではないでしょうか。そんななか、木々に目をむけると穏やかに色づく紅葉が、日本列島を着々と染めていっていることに気がつきます。ホッとひと息つくために、休日は近場の温泉地や公園などに足を運び、秋の味覚を楽しむのも良いと思います。ただ、そこで気をつけなければならないのが、食べ過ぎ飲み過ぎ、偏食による”口内炎”です。一度できると、お鍋のポン酢やお刺身の醤油などおいしいものを食べるたびに痛み続けますよね。そこで、口内炎ができやすい人、不摂生が続きがちな人、すでに口内炎ができている人のための食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、口内炎改善のための食薬習慣おいしい食べ物が増え、食欲も増す、食欲の秋です。さらに、このまま食欲が加速していくように、年末にむけて外食の予定が増えていく人も多いのではないでしょうか。食事が乱れると栄養の偏りなどにより口内炎ができる人も多いのですが、口内炎ができやすい人と、唇をかんだとしても口内炎ができにくい人ってわかれますよね。この違いを漢方医学では、胃腸の働きの低下、胃腸に負担がかかっているかどうかがキーになると考えます。それは、漢方医学の専門用語で『胃熱(いねつ)・湿熱(しつねつ)』と呼びます。野菜や海藻などの食物繊維の摂取が不足し、ラーメン、パスタ、ピザ、ケーキ、チョコレートなどの糖質や脂質が多いものをとるときに胃腸に負担がかかり、炎症体質に変わっていくことで起こります。そこで、今週は炎症を抑えながらも口内炎の改善を促す食材を紹介していきます。今週食べるとよい食材・メニューは【クレソン鍋&ゴマだれ】です。今週食べるとよい食材・メニュー:クレソン鍋&ゴマだれ口内炎ができているときには、たっぷりのクレソンと豚肉を使ってお鍋を作ってみましょう。クレソンには、炎症を抑える成分が含まれ『胃熱(いねつ)・湿熱(しつねつ)』を改善するのに役立ちます。クレソン鍋中国では、口内炎の時にクレソンスープを飲むという話もあります。クレソンには、イソチオシアネートという抗菌、抗炎症作用のある成分が含まれています。さらに、豚肉を一緒にお鍋にいれると、口内炎の修復に役立つ、亜鉛やビタミンB群もとりいれることができ、口内炎の改善にぴったりです。ただ、食べる時に口内炎が痛む人は、ゴマだれをつけて食べてみましょう。ゴマだれ固形の食べ物を食べるときには、脂肪の含まれているたれを使い、食べ物をコーティングしてあげると食べやすくなります。また、ゴマだれも自分でつくるとさらに健康的になります。痛みが強い時には、お酢を減らしても良いです。甘みをオリゴ糖にすると腸内環境を整えるのにも役立ちます。簡単レシピ・白ねりゴマ 大さじ3・お酢 大さじ1・醤油 大さじ1・オリゴ糖 大さじ1作り方は、混ぜるだけです。この時期、食卓に並ぶ機会が増えるお鍋。口内炎ができやすい体質の人は、レパートリーのひとつにクレソン鍋を加えて体質改善をしてみてはいかがでしょうか。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©JGI/Jamie Grill/Gettyimages©Martin Novak/Gettyimages©PhotoAlto/Frederic Cirou/Gettyimages
2019年11月20日寒くなると甘いものがほしくなりませんか? そして、勢いに任せて食べると便秘がちに……、そんな人は多いでしょう。というのも、漢方薬剤師の大久保愛先生によると、スイーツは便秘になりやすいといいます。そこで、大久保先生が、頑固な便秘を改善できる簡単なコトをお教えします!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 33甘い誘惑に負けると便秘に!?コンビニスイーツやお菓子コーナーが秋色に染まってきましたね。お芋やマロン風味のチョコレート、秋冬バージョンに変化した定番商品など、ずらりと揃ったスイーツコーナーは輝かしく目に入ってきます。何気なくふらーっとスイーツコーナーに足を運んだり、レジ前に陣取った新作限定スイーツの数々に目を奪われ、甘いものを食べたり貰ったりあげたりする機会が増えている人も多いのではないでしょうか。甘いものって食べると幸せを感じますが、ちょっと中毒性があるように感じたことはないですか? 実は、甘いものには中毒性があります。今の時期から甘いものにハマり始めると、クリスマス、年末年始、バレンタインとスイーツから離れられない生活にどっぷりつかってしまうことも…。そんなときに、体に起こることと言えば、便秘です。腸内で、砂糖は悪玉菌の餌となり腸内環境を乱してしまうからです。便秘になるとスッキリしないだけではなく、太りやすくなったり、肌荒れをしたりと美容にも悪影響です。そこで、今週は便秘のための食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、便秘改善のための食薬習慣足もとにヒーターがほしくなる時期になってきましたね。寒さに敏感な人はお腹周りを触るとひんやりと感じることもあると思います。そして、最近水分をとる回数が減ったように感じることはないでしょうか? 涼しくなると、食事の時以外にあまり水分を取らないという人も多いと思います。さらに、これに加え冒頭でお伝えしたように季節のスイーツを食べる機会が増える時期です。このお腹の冷え、水分不足による腸の乾燥、甘いものと3つの原因から便秘がちになる人が増えていきます。これを漢方医学では、「津液不足(しんえきぶそく)」、「湿熱(しつねつ)」と表現します。水分不足で腸が乾燥し、甘いもので腸内環境が乱れ、便秘になり肌あれ、ニキビなどの炎症を起こしやすくなっています。そこで、今週は腸内環境を整え炎症を抑えるために『湿熱(しつねつ)』をとりのぞく食材を紹介していきます。今週食べるとよい食材は【ブロッコリーと玉ねぎのマリネ】です。今週食べるとよい食材・メニュー:ブロッコリーと玉ねぎのマリネブロッコリーと玉ねぎは、腸を整える優秀食材です。そして、それに「湿熱」をとりのぞくマリネ液をプラスして、便秘と便秘により引き起こる肌トラブルなどから身を守ります。ブロッコリーと玉ねぎブロッコリーには、不溶性の食物繊維が多く含まれていて腸を動かすのに役立ちます。また、玉ねぎには、不溶性と水溶性の食物繊維もバランスよく含まれ腸内で善玉菌を増やし腸内環境を整えます。さらに、それぞれの野菜には、抗菌、抗炎症作用のあるスルフォラファン、アリシンなどの成分が含まれています。腸を整えるだけではなく風邪の季節にもおすすめです。マリネ液この腸内環境を整える野菜をさらに強化するのが、マリネに使うハーブ。マリネには、「湿熱」をとりのぞくことのできるバジル、オレガノなどを使うとさらに効果的です。炎症を抑える働きがプラスされます。マリネは一度作ると日持ちするので、作り置きしてお腹の調子に合わせてたっぷり取り入れてみましょう。最近、スイーツを食べ過ぎて便秘を感じている人はぜひこの食薬習慣をお試しください。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Carlo107/Gettyimages©Yuttana Jaowattana / EyeEm/Gettyimages©Dimitri Otis/Gettyimages
2019年11月18日パソコンやPCで目を酷使しているけれど、最近特に疲労、乾きが半端ない! そんな人が増えているかもしれません。というのも、漢方薬剤師の大久保愛先生によると、秋は眼精疲労やドライアイが加速するそう。そこで、大久保先生が、これら目の不調を改善できる簡単なコトをお教えします!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 32最近、目が乾いて辛いのは…?肌寒くなり、暖房に頼る機会が増えてきましたね。外気の乾燥と同時に室内の乾燥も気になりはじめます。乾燥した空気は、私たち現代人の日々酷使されている目にもダメージを与えます。それに加え、夜更かししながら、パソコンや携帯電話などの液晶画面を寝る直前まで見ている人も多いのではないでしょうか。実は、涙の分泌量は昼よりも夜のほうが減少しやすく、何かに夢中になりまばたきの回数が減った状態で、乾燥した空気の中で過ごしているとドライアイが進んでしまいます。この時期、夜中に目を酷使するようなことは、少し控えたほうがよさそうですね。しかも、日常的にストレスが多い人も涙の分泌量が少なくなります。今すでに目が乾く、目が充血しやすい、目がゴロゴロする、眼精疲労を感じるという人は、秋の過ごし方に気をつけましょう。移動中や寝る前は目を休めるようにしたり、目薬をさしたりと、対策はあると思いますが、それ以外にも食事を使った対策もあります。そこで、今週は眼精疲労を感じる人のための食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを「食薬」と呼びます。今週は、眼精疲労のための食薬習慣ドライアイは、おもに下記の原因から起こると言われています。乾燥した空気によって涙が蒸発する不規則な生活やストレスなどで涙の分泌量が少ない画面や本などに集中しまばたきが少ないこれが起こる条件が揃うのが、忙しく毎日慌ただしく過ごす人と秋冬の組み合わせです。目が疲れやすい、目が痛い、かすみ目、光が眩しい、ゴロゴロする、目やにが多い、度が合っているコンタクトレンズやメガネでも目に合わなく感じる……。こういったことに思い当たる人は、ドライアイかもしれません。この状況を漢方医学では、潤いが不足している『陰虚(いんきょ)』と呼びます。そのため、『陰』を補うためにオメガ3脂肪酸を含む食材を取り入れることが大切。今週食べるとよい食材・メニューは、寒い時期に旬を迎える【ブリの照り焼き(にんにく醤油を使って)】です。今週食べるとよい食材・メニュー:ブリの照り焼き(にんにく醤油を使って)『陰』を補うオメガ3脂肪酸を補うことができる食材の代表といえば、お魚です。そして、寒くなるとおいしくなっていくお魚といえばブリ。今週はブリを使って、季節の不調を乗り越えていきましょう。にんにく醤油まずは、調味料の準備をしていきます。この時期には、ビタミンB1の吸収をたすけ、抗菌、抗ウイルス作用のあるにんにくを頻度よく使うことがおすすめです。ビタミンB1は、目の筋肉の緊張を和らげるために役立ちます。普段使っているお醤油瓶ににんにくを入れておくのも簡単にできる食薬術です。ブリブリは、オメガ3脂肪酸を含む『陰』を補う食材です。そして、ビタミンB1を含むため、にんにくを組み合わせることにより、ビタミンB1の吸収が促進されます。寒くなるにつれて脂を蓄え、さらにおいしくなっていくブリをこれからの時期に取り入れていきましょう。シンプルにブリの照り焼きも良いですが、ビタミンCが豊富でバリア機能を高める大根をプラスして、ブリ大根にするのもおすすめです。季節の食材を使って内側からできる食薬習慣を取り入れていきましょう。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©katleho Seisa/Gettyimages©PeopleImages/Gettyimages©jreika/Gettyimages
2019年11月06日雨雲が近づくと頭が痛くなる……。漢方薬剤師の大久保愛先生によると、そんな人はある栄養素が足りないのだそう。そこで、大久保先生が、薬に頼らず頭痛を解消できる簡単なコトをお教えします!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 31低気圧が近づくと頭痛が…原因はある栄養素の不足!?年々異常気象が増え、今年も例外なく気圧の変化が激しい年となりました。頭痛持ちさんにとっては、厳しい状況だと思います。雨が降るときには決まって、頭が痛くなったり、全身が重だるくなったり……と。天気予報を見なくてもわかってしまうほど、天気を敏感に感じ取る人は多いと思います。心地よい秋の気候だからこそ、不調を感じる日は際立って辛く感じてしまうこともあるでしょう。習慣的に頭痛に悩む人は、頭痛持ちだから仕方ないと、鎮痛剤をその都度飲むことでしか太刀打ちできないと考えている人は多いと思います。しかし、漢方医学で考えると、気候の変動により頭痛が起こりやすいタイプには、不足している栄養素があります。そこで、今週は頭痛持ちの人が食べるとよい食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、気圧の変化で頭痛を感じるタイプのための食薬習慣気圧の変化で頭痛、だるさ、むくみなどの不調を感じる人は、多いと思います。天気により不調を感じやすいタイプを漢方医学では、『水毒』がたまっているタイプであると考えます。『水毒』がたまる理由は、人それぞれですが、特に『腎・肺・脾』のいずれかの臓器に負担がかかている人に多いです。このタイプの人は、アレルギー体質であったり、耳鼻科系が弱かったり、車酔いしやすかったりする特徴もあります。また、同時に『気血』の巡りが悪いと、さらに頭痛が引き起こされやすくなります。とういうことで、気候の変化による頭痛を感じる人は、水分代謝を上げ、『気血』の巡りを改善することが大切です。そこで、今週食べるとよい食材は、【昆布と干し椎茸いりのおでん(七味唐辛子かけて)】です。今週食べるとよい食材・メニュー:昆布と干し椎茸いりのおでん(七味唐辛子かけて)まず、頭痛によいとされている栄養素は、ビタミンB2とマグネシウムです。そこで、ビタミンB2とマグネシウムを含み、『水毒』の緩和に役立ち『気血』の巡りを改善する食材を使ったメニューを紹介します。それは、この時期食べる機会が増えるおでんにちょい足しアレンジしたメニューです。トッピング1:干し椎茸&昆布干し椎茸には、ビタミンB2が多く含まれ、昆布にはマグネシウムが多く含まれます。さらに、カリウムや食物繊維が豊富なこれらの食材は、体から余分な『水毒』を取り除くのにも適しています。アレンジ方法手作りでも、買ってきたおでんでもアレンジ可能です。干し椎茸と昆布をおでんにたっぷり入れて再加熱するだけで、お出汁がでます。トッピング2:七味唐辛子七味唐辛子には、赤唐辛子、陳皮(ちんぴ)、山椒、ゴマ、芥子の実、麻の実、青紫蘇、生姜、青海苔などさまざまなスパイスが含まれています。これらには、『気血』の巡りを改善させる働きがあります。お好みでおでんにふりかけて食べてみてください。寒い時期には、温かいおでんがおいしく感じられますよね。頭痛でお悩みの人は、コンビニおでんにちょい足しして、体質改善おでんを作ってみてはいかがでしょうか。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。©Jamie Grill/Gettyimages©Betsie Van der Meer/Gettyimages©jreika/Gettyimages
2019年10月30日秋本番となりました。最近だるーい、仕事がはかどらない、とお嘆きの方、漢方薬剤師の大久保愛先生によると、それには立派な理由があるといいます。いまの時期は寒さに慣れていないことも一因だとか。そこで、エネルギッシュになれる簡単なコトをお教えします!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 30最近ぐーたらしちゃうのは、寒さに慣れていないから雨の日が多いこともあり、暖房はいらないまでも寒さを感じる時間が増えましたね。そんな秋の気候を感じているときは、やらなくてはならないことを後回しにして、ボーっとダラダラと過ごしてしまうことはないでしょうか。やる気がなく気だるさを感じてしまい、現実逃避をしていると時間がどんどん過ぎて、なんでも時間ギリギリになってしまったりして、もう少ししっかりしなくてはと自分に言い聞かせて過ごす人も多いのではないでしょうか。ただ、このぐーたらしてしまう日常には、気候的な原因もあります。寒さに体が慣れていないこともひとつの原因となります。さらに28日には新月も訪れるため漢方医学で考えると「気血(きけつ)」が不足し、やる気が低下しやすいとも考えられています。そのため、今週はやる気をだすための食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、やる気が出なくて仕事がたまってしまうかも!?涼しくなると体を温めエネルギーを急いで作り出さなければならないために、栗やお芋などのホクホクしたものだったり、濃厚なチョコレート系のスイーツをおいしく感じ、食べたくなります。新作スイーツを発見するたびに食べて、小さな幸せをひとつずつためていく人も多いのではないでしょうか。しかし、間食が増えることにより朝、昼、夕の食事量が減り、栄養バランスが乱れ、エネルギー不足になったり、血糖値のコントロールが不調になって、やる気が低下してしまうこともあります。これを漢方医学では、やる気がなくなる「気虚(ききょ)」、モチベーションが上がらない「血虚(けっきょ)」と考えます。さらに、栄養の補給に適した新月の時期でもあります。そこで、今週はダラダラしてやる気が出ない人のために「気血(きけつ)」を補う食薬習慣を紹介していきます。食べるとよいメニューは、【玉ねぎと白滝たっぷりの肉じゃが】です。今週食べるとよい食材・メニュー:玉ねぎと白滝たっぷりの肉じゃがこの時期、ちょっとスイーツが多くなりがちで腸内環境が乱れてしまった人は、栄養の吸収が悪くなってしまっているかもしれません。そのため、栄養の吸収を効率よくアップさせるために、腸内環境を整えながら必要な栄養素を取り入れる食薬習慣が大切です。玉ねぎ、白滝腸内環境を整えるためには、食物繊維やオリゴ糖が大切ですよね。玉ねぎと白滝には水溶性食物繊維が含まれているため腸の働きを整えるのに役立ちます。さらに、玉ねぎにはオリゴ糖が豊富に含まれるため善玉菌のエサとなり腸内環境を整えます。牛肉牛肉は、「気血(きけつ)」を補うのに非常に役立ちます。栄養素として、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどバランスよく取り入れることができます。牛肉をしっかり煮込んでも良いですが、ワンランク上の牛肉を使って(細切れでもOK)仕上げの段階で加えてさっと火を通す程度にしても肉は柔らかく、脂身が程よく溶け出ておいしい肉じゃがになります。なんだか、やる気がなく仕事が溜まってしまっている人は、この季節の影響かもしれません。こんな時は、玉ねぎと白滝が多めの肉じゃがを作ってほっこり心から温まってエネルギッシュな自分を取り戻しましょう。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。【腸活×漢方×栄養学】の理論で考えた、【今週食べるとよい食材】をお伝えしていきます。©Tara Moore/Gettyimages©Westend61/Gettyimages©I love Photo and Apple./Gettyimages
2019年10月23日アウターが必要な時期となりました。冷たい夜風に吹かれて瞬く間に手足が冷えていませんか? 漢方薬剤師の大久保愛先生によると、季節の変わり目ののいまは体が慣れていないぶん、冷えを感じやすいのだそう。そこで、体質を改善しポカポカになれる簡単なコトをお教えします!文・大久保愛【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 29いまの時期は真冬より冷えを感じやすいひんやりとした空気を感じる時間が増え、冬へと近づく季節となってきました。寒さに体が慣れていないここともあり、秋には真冬の寒い日よりも冷えを感じやすい日があります。そのため、この時期にはいつもより体を温める対策が必要となります。暑いのも嫌だけど、寒いのも嫌な私たちは、気候に応じて生活習慣を少し変えてあげることで対策ができます。体の冷えは、お腹の調子が悪くなったり、風邪をひいたり、生理痛が重くなったり、肩こり頭痛がひどくなったりとさまざまな二次的な症状をもたらします。そこで、今週は体を内側から温める食薬習慣を紹介していきます。自然の変化が体調に影響している漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。今週は、冷えを感じてしまうかも!?羽織りものが必要な日が増えてきましたね。お風呂につかったり、布団に入るときなど、体が温まるのを感じると、ホッと幸せな気持ちになりますよね。しかし、これから始まる長い寒さへの入り口は、寒暖差や冷えに体が慣れていないぶん、変わり目のいまのほうが冷えを感じやすくなっています。今後、もっと寒くなったり、風邪やインフルエンザが流行ったりする前に、寒さに耐えられる強い体を作ることが大切です。漢方医学で、寒さが体に影響することを「寒邪肺犯(かんじゃはいはん)」、体を温める力がないことを「陽虚(ようきょ)」と呼びます。そこで今週は、「寒邪」を取り除く食材、「陽」を補う食材を取り入れていきましょう。食べるとよい食材は、【玄米のポカポカ混ぜごはん】です。今週食べるとよい食材・メニュー:玄米のポカポカまぜごはんポカポカ体質になるには、主食から温まる食材に変更してみましょう。パンかご飯なら、ご飯を。白米か玄米なら、玄米を選ぶようにしてみましょう。パンを中心としたメニューは、タンパク質やミネラル分が不足してしまうことが多く、体が冷えやすくなっています。ご飯を中心とすると小鉢やお味噌汁、メインのタンパク質と、栄養バランスが整いやすく、代謝をあげるため冷え性の改善に効果的です。玄米玄米には、白米よりもビタミンB群、ビタミンE、カルシウム、マグネシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。体の代謝をあげ体を温めるために使われる栄養素が豊富です。この栄養素が、「陽虚」の改善に役立ちます。ただし、よく噛んで食べないと胃に負担がかかってしまうことがあるので気をつけましょう。生姜&ひき肉ひき肉には、タンパク質、ミネラル、ビタミンなどが含まれるので代謝をあげ「陽虚」の改善に役立ちます。そして、生姜は加熱することで体を温め「寒邪」から身を守ることができます。アレンジ方法ひき肉に麺つゆや醤油とみりんなどで味付けをして、たっぷり生姜を入れて炒めましょう。そして、炊きたての玄米ご飯にたっぷりかけて、ザクザクとまぜたら完成です。冬場にはいつも冷え性がひどくなったり、季節の変わり目で寒くなる時期に風邪をひきやすかったり、冷えるとお腹を下してしまうような人は、まずは主食から体質改善できる食薬習慣を取り入れてみましょう。information大久保 愛 先生アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。【腸活×漢方×栄養学】の理論で考えた、【今週食べるとよい食材】をお伝えしていきます。©Martin Novak/Gettyimages©Benjamin Torode/Gettyimages©MIXA/Gettyimages
2019年10月16日お笑いコンビ・オアシズの大久保佳代子が、13日に放送されたラジオ番組『土田晃之 日曜のへそ』(ニッポン放送/毎週日曜12:00~)にゲスト出演し、最近行った合コンに対する愚痴を漏らした。リスナーから「好みのタイプの女性社員と話すときに、顔がいきいきする上司がいる」というメールが寄せられると、「あるわ。これは本当にある!」とその話に共感しながら大久保は「この前、合コンに行った時もあからさまだったのが…」と自らのエピソードを切り出した。その合コンで48歳の大久保は、同世代の医師と「医療というのは…」「うちの母親も大病して…」などと、“大人の会話”をしていた。ところが、20歳くらいの女性が途中参加すると、医師の態度が一変。「どういうタイプが好きなんですか?」と聞いたり、その女性が「マッチョが好きなんです」と言うと「僕、脱いだら結構マッチョなんです」と答えたりしたという。それを振り返り、大久保は「急に恋愛、合コントークをしだしたときに、ガッカリ! ドン引き! もう引いた」と嘆いた。しかし、パーソナリティを務めるお笑い芸人・土田晃之は「でもあるかもしれない。若い子となにを話していいかわからないから、逆にそういうどうでも良い話するかも」と言い、大久保との会話の方が「親身な、ちゃんとした話」とフォロー。だが、大久保が「じゃあ、脈ありだと思っても良いですか?」と聞くと、土田は「いや…それは何とも…」と言葉を濁していた。
2019年10月16日