静岡県・大井川本線を期間限定で運行している「きかんしゃトーマス号」。前回の記事 憧れの「トーマス号」に親子で乗ってみた! チケット購入のコツと大興奮の乗車レポ では、チケットの予約方法や乗車レポートをお伝えしましたが、せっかくだから乗車以外の時間も思いっきり楽しみたい!そこで今回は、千頭駅で開催されている「きかんしゃトーマスフェア2017」や、ちょっと足を延ばすと行ける美肌の湯「寸又峡(すまたきょう)温泉」など、プラスαの楽しみ方をご紹介。日帰りで、あるいは1泊で、ママやパパもいっしょに満喫できるプランを提案します。■ヒロやパーシーにも会える!「トーマスフェア」は見どころ満載トーマス号に乗る前や乗った後に、必ず足を運びたいのが「きかんしゃトーマスフェア2017」。ヒロやパーシーの運転台を見学できたり、トーマスのミニSLに乗れたりと、トーマス好きな子どもにはたまらないイベントです。転車台でトーマスが向きを変える大人気のシーンを目の前で見られるのも、会場内にいる人の特権です。トーマスの転車は、大人3人がかりで力いっぱい動かし、回転させます。目の前で見る迫力に、大人からも拍手と歓声が! 息子は集中し、ジーっと見入っていました。なお、千頭駅のすぐ隣にある「音戯の郷」の館内でも「きかんしゃトーマスフェア」が開かれます。エミリー・ハロルドとの写真撮影やチャーリーのゲームなどが楽しめるので、こちらも要チェック。きかんしゃトーマスフェア2017期間:2017年6月17日(土)~2017年10月9日(月祝)10:00~16:00入場料:小学生以上500円(小学生未満無料)※トーマス号またはジェームス号の運転日のみ開催音戯の郷期間:2017年7月1日(土)~2017年10月9日(月祝)10:00~16:30入館料:大人500円、小・中学生400円(千頭駅ゾーンの入場券提示で大人300円、小・中学生無料)※トーマス号またはジェームス号の運転日のみ開催■トーマス号と記念撮影ができる「車両整備工場見学」へ!トーマスの転車シーンは、旅の起点となる新金谷駅でも見学できます。人の力で回転させる千頭駅とは異なり、こちらは自動なので、違った雰囲気が楽しめます。時間に余裕があれば、トーマス号の出発準備・点検が見られる車両整備工場見学もおすすめです。車両整備工場見学時間:9:00~12:00(11:30受付終了)、13:00~17:00(16:30受付終了)入場料:小学生以上500円(特製缶バッジ付き)■千頭駅からバスで40分! 美肌の湯「寸又峡温泉」に泊まってみたトーマス号が発車する新金谷駅へは、都内から片道2〜3時間程度。日帰りも十分可能な距離ですが、できれば1泊してのんびり過ごしたいものです。私たち親子が向かったのは、千頭駅からバスで山道を40分登ったところにある寸又峡温泉。原生林が多く残り、豊かな自然と昔ながらの風情が楽しめる秘湯です。南アルプスの麓から湧き出る温泉はぬめりがあり、美肌の湯としても知られています。私たちは、足湯カフェに併設されている「晴耕雨読ヴィレッジ」の「ハンモックルーム」に宿泊。ハンモックに揺られながら本を読んだり話に花を咲かせたりと、リラックスして過ごせました。夕食は庭でのバーベキュー、温泉は貸し切り利用OKと、ファミリーにうれしい宿です。寸又峡には絶景を楽しめる観光名所も。全長90m、高さ8mの「夢の吊り橋」は、揺れも大きくスリル満点。さぞかし息子も怖がるだろうと思いきや、「もう一回渡りたい!」と言うほど面白かったようでした。トーマスに温泉にと大満足の2日間でしたが、心残りは地元の方が勧めてくれたトロッコ列車に乗れなかったこと。千頭駅から出発するトロッコ列車は急勾配をゆっくりと進み、車窓からは奥大井の渓谷美を楽しめるそうです。もし来年も息子のトーマス愛が続いていたら、ぜひ訪れてみたいものです。※価格はすべて税込です。・大井川鐵道 ・寸又峡ほっとステーション ・晴耕雨読 ヴィレッジ
2017年07月22日静岡は大井川に添って走る大井川鉄道は、SL(蒸気機関車)がシュポシュポとゆっくり運行する姿を見ることができる、レトロ感満載の鉄道だ。鉄道ファンはもちろんのこと、子ども連れのファミリーまで幅広い層に愛されている。ところでこのSL、果たしてどんな乗り心地なのか?(自称)鉄道好きのライターとして、乗らずして語るワケにはいかない。ということで実際に乗車してみることに。大井川鉄道は金谷駅(島田市)から井川駅(静岡市)までを結ぶ全長約65キロの鉄道路線で、その内SLが走るのは新金谷駅(島田市)~千頭駅(川根本町)間の約30キロ。SLの運行本数は日によって異なるが、1日数本が往復している。所要時間は片道約1時間30分。運賃は大人片道1,720円+SL急行料560円が必要だ。同鉄道広報担当の山本豊福さんによれば、この鉄道はもともと、大井川上流のダム建設の資材を運んだり、山間部でとれる木材を運んだりする鉄道だったそうだ。利用者数の減少を食い止めるべく、昭和51年(1976)からSLを導入し、観光路線にシフトしたという。C56形やC11形など昔懐かしい4台のSLはもちろん、それ以外の車両も京阪や近鉄などの「昭和電車」だという。オールドファンには垂ぜんモノの路線となっている。旧国鉄時代の客車に満タンのお客さんを乗せて、SLの旅にいざ出発!きしむような音を立て、SLはゆっくりと動き出した。木造の車内にエアコンはもちろんない。扇風機が頭の上でぶんぶん回っている。うっすら湿り気のありそうな空間は、ほとんど「千と千尋」の1シーンである。発車早々、登場するのが「SLおじさん」だ。車内アナウンスで車両のミニ知識や沿線情報をガイドしてくれる。そして手持ちぶさたになったらハーモニカを吹くのだが、その音色が実にSL旅にマッチしていて気分がいい。鉄道は、約30キロの道のりを1時間半かけて走る。はっきり言ってスピードは遅い。並走する自動車が何台もSLを追い越していく。ガタガタと振動も大きい。しかし存在感は抜群で、沿線にあるキャンプ場から、みんなが手を振ってくれる。山本さんは「時間に余裕があれば、ぜひ途中下車してあぷとライン(=井川線)の渓谷や湖などの風景を楽しんでください。温泉も素晴らしいですよ」とのこと。そんな声に後ろ髪を引かれつつ、駅で山菜そばを食べ、駅前の屋台でくし焼きをほお張って、新金谷駅に引き返す。復路の車両は、オレンジ色がまぶしい近鉄16000系だ。これはこれで十分レトロ。通勤や通学に使う人も少なくないようで、行きのド観光列車とはひと味違う旅の醍醐味(だいごみ)を味わうことができる。帰路も十分、電車旅を満喫して新金谷駅に到着した。名残惜しい。日本の四季を味わえる大井川鉄道。中でも秋の紅葉シーズンが一番人気だそうだ。混雑しているだろうが絶対また来ようと心に誓う。「消え去る運命にあるSLの風景だからこそ、大切に残したいのです」。そう語った山本さんの言葉を思い出しつつ、駅を後にした。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月07日