戦後日本文学の重鎮・大岡昇平による文学史に燦然と輝く裁判小説の金字塔を、令和を舞台に法廷サスペンスドラマとして蘇らせる連続ドラマW「事件」。この度、主演の椎名桔平に続くオールキャストが発表、ポスタービジュアルと特報映像も公開された。今回のWOWOWドラマ版では、舞台を昭和から令和に移し、圧倒的な取材を基に、当時未導入の裁判員裁判制度での心理戦を濃密に描写。生まれ育った環境や過去から飛び出そうと葛藤する人々を通して、閉塞したいまを生きる人々の孤独や苦悩と同時に社会の闇を残酷にえぐり、その先に光る繊細な希望を人間ドラマとして描く。事件の被害者で、小さなスナックを経営していた坂井葉津子役で北香那、交際相手の姉で幼なじみの葉津子の殺害容疑で逮捕され、裁判員裁判にかけられる上田宏役で望月歩、葉津子の妹で宏の交際相手・坂井佳江役で秋田汐梨、葉津子に付きまとう宮内辰哉役で高橋侃、菊地(椎名桔平)が所属する法律事務所の共同経営者・坪田真紀子役でふせえり、同事務所のクラークで法律家を目指す大崎志那子役で貴島明日香。葉津子の遺体の第一発見者・大村吾一役で中村シユン、宮内の現在の交際相手で、裁判の流れを大きく左右する重要な情報を持っている桜井京子役で仁村紗和、菊地と真っ向から対決する神奈川地検屈指のエース検事・岡部梢乃役で入山法子、地元の市議会議員を務める宏の父・上田喜平役で堀部圭亮、葉津子と佳江を女手ひとつで育てた母・坂井すみ江役でいしのようこ、法律事務所の代表で菊地の親友・高橋茂樹役で高嶋政宏が出演。また、事件の裁判長・谷本一夫役には、映画版で宏を演じた永島敏行が演じる。そんな13名の俳優が写る、緊迫感溢れるポスタービジュアルでは、真っ直ぐ前を見据えながら、左右に真実の扉を開く菊地の表情が印象的。併せて公開された映像も、裁判の様子を映し出し、緊迫した空気が感じとれる。▼ストーリーある資材置き場で刺殺体が発見される。被害者は地元で細々とスナックを経営する23歳の坂井葉津子(北香那)。ほどなく被害者の幼なじみで19歳の上田宏(望月歩)が殺人及び死体遺棄の容疑で逮捕された。宏の弁護は、ある裁判を機に過去にとらわれ、“真実”に背を向けた元裁判官の弁護士・菊地大三郎(椎名桔平)に託された。宏の自白もあり、すぐに判決が下る単純な裁判だと思われたが、検察での取り調べから一転、裁判で宏は殺意を否認する。宏のことを調べるうちに、再び“真実”と対峙する菊地。やがて法廷では意外な事実が次々と露見し、裁く者を惑わせる。果たして宏は、本当に「人殺し」なのか――。連続ドラマW「事件」は8月13日より毎週日曜日22時~WOWOWにて放送・配信(全4話)。(シネマカフェ編集部)
2023年06月22日戦後日本文学の重鎮・大岡昇平が描いた、文学史に燦然と輝く裁判小説の金字塔のドラマ化、連続ドラマW「事件」の放送が決定。椎名桔平が主人公の弁護士を演じる。ある資材置き場で刺殺体が発見される。被害者は、地元で細々とスナックを経営する20代女性。ほどなく、19歳の青年が殺人及び死体遺棄の容疑で逮捕された。青年の弁護は、ある裁判を機に過去にとらわれ、真実に背を向けた元裁判官の弁護士・菊地大三郎(椎名桔平)に託された。青年の自白もあり、すぐに判決が下る単純な裁判だと思われたが、検察での取り調べから一転、裁判で青年は殺意を否認。青年のことを調べるうちに、再び真実と対峙する菊地。やがて、法廷では意外な事実が次々と露見し、裁く者を惑わせる――。1978年に「第31回日本推理作家協会賞」を受賞した大岡さんの不朽の裁判小説「事件」。1978年製作の映画版は、丹波哲郎、永島敏行、松坂慶子、大竹しのぶ、渡瀬恒彦ら超豪華スターが共演し、数々の映画賞を受賞。今回のWOWOWドラマ版では、舞台を昭和から令和に移し、取材を基に当時未導入の裁判員裁判制度での心理戦を描写。生まれ育った環境から飛び出そうと葛藤する人々を通して、閉塞したいまを生きる人々の孤独や苦悩と同時に社会の闇を残酷にえぐり、その先に光る繊細な希望を人間ドラマとして濃密に描く。椎名さん演じる主人公・菊地大三郎は、過去に裁判長として自身が下した判決がトラウマになりながらも、抜群の洞察力と機知に富む弁舌で、裁判という空間と誠実に向き合い、殺人の罪を問われている被告人と被害女性のみぞ知る事件の裏に潜む孤独と絶望、その闇の真相を痛みを伴いながらもたぐり寄せていく元エリート裁判官の弁護士。しつこく脚本を読み込み、役を作り上げたという椎名さんは「遠方にいる知人の弁護士に、メールを通して何度も疑問点に答えてもらったり、現職の裁判官と面談が叶う幸運にも恵まれました。その後、殺人事件の刑事裁判の法廷に傍聴に行き、実際の裁判の空気感や法律用語のい言方などを参考にさせて頂きました。現場でも弁護士の監修が立会い、収録の直前まで、リアリティにこだわりました。真冬の寒さ厳しい時期の撮影でしたが、スタッフ、キャスト全員で真摯に作品に向き合い続け、撮影終了時はやり切った感で一杯でした」とふり返る。そして「撮影現場の印象としては、重い題材を扱っている事もあり、常に一定の緊張感を携えている感じでした。その中で水田監督を中心に、全員が持てる力を余すこと無く、懸命に現場に取り組んでいる現場でした」とコメント。「『間違わない人間なんていない。間違えれば、やり直せばいい』その言葉にようやく辿り着いた菊地の心情を一つの拠り所と考えて演じました。法廷ミステリーとしてだけでは無く、人間賛歌の作品としても、是非皆さまに見て頂けたら嬉しく思います」と視聴者へメッセージを寄せている。監督は、水田成英。「『裁判』は決して遠い存在ではありません。被告人や証人として証言台に立ったり、裁判員として参加したり……誰もが関わるかもしれない、身近なものです。約半世紀前に書かれた原作の、フィクションとは思えぬ程のリアリティ、そして、裁判員制度が始まった現代裁判ならではのリアリティを感じていただければ」と話している。連続ドラマW「事件」は8月、WOWOWにて放送・配信予定(全4話)。(cinemacafe.net)
2023年05月29日1978年に第31回日本推理作家協会賞を受賞した大岡昇平による裁判小説『事件』が、WOWOWにて連続ドラマ化されることが決定した。ミステリー作家・宮部みゆきにも多大な影響を与えた本作。1978年には映画版が製作され、丹波哲郎、永島敏行、松坂慶子、大竹しのぶ、渡瀬恒彦ら豪華スターが共演し数々の映画賞を受賞した。今回のドラマ版では舞台を昭和から令和に移し、取材を基に、当時未導入の裁判員裁判制度での心理戦を描写。生まれ育った環境から飛び出そうと葛藤する人々を通して社会の闇をえぐり、その先に光る繊細な希望を人間ドラマとして濃密に描く。監督を務めるのは、『連続ドラマW インフルエンス』『連続ドラマW 絶叫』など重厚な人間ドラマを手掛けてきた水田成英。主人公の弁護士・菊地大三郎役は、ドラマや映画で存在感を放ち続ける椎名桔平が務める。WOWOWでの主演は『連続ドラマW 神の手』以来、約4年ぶりとなる。本作では、過去に裁判⻑として自身が下した判決がトラウマになりながらも、抜群の洞察力と機知に富む弁舌で、殺人の罪を問われている被告人と被害女性のみぞ知る事件の裏に潜む孤独や絶望、真相をたぐり寄せていく元エリート裁判官の弁護士を演じる。<椎名桔平(菊地大三郎役)コメント>■本作のオファーを受けた際のお気持ち裁判小説の傑作と謳われる原作を、「現代に置き換え、人間ドラマとして骨太な作品を作りたい」との趣旨を頂き、大変だろうけど是非演じてみたいと思いました。■原作もしくは脚本を読まれた際の感想や、今回演じられた役・菊地大三郎についての印象原作は半世紀以上も前の小説ですが、そこに描かれた人間模様は今も色褪せない魅力に溢れています。多くの人が詳しくは知らない裁判の制度や手続きが、驚くほど緻密に書かれていて、そのドラマチックな展開に心が躍りました。脚本に関しては、500ページ余りの原作を、その推理要素の面白さを損なう事なく全4話にまとめ、時代背景を現代にする上で、とても上手く裁判員制度や成人年齢引き下げによる影響を取り入れていました。そこから弁護士である自分の役において、タブレットを使用してメモや現場写真を撮る事を思いついたり、少しパーマをかけたヘアースタイルを考えたり出来ました。元裁判官で現在は弁護士である菊地は、裁判官時代の5年前に自ら下した判決について、今も自問自答を繰り返している人間です。刑事事件を裁く責任の重さを改めて感じさせられるキャラクターであり、50歳を過ぎた彼が事件を通して成⻑する姿に、自分の人生を重ねてみたりもしました。■役作りで心がけたことや、撮影を終えての感想、撮影現場の印象役を作る上では、しつこく脚本を読み込みました。そして遠方にいる知人の弁護士に、メールを通して何度も疑問点に答えてもらったり、現職の裁判官と面談が叶う幸運にも恵まれました。その後、殺人事件の刑事裁判の法廷に傍聴に行き、実際の裁判の空気感や法律用語の言い方などを参考にさせて頂きました。現場でも弁護士の監修が立会い、収録の直前まで、リアリティにこだわりました。真冬の寒さ厳しい時期の撮影でしたが、スタッフ、キャスト全員で真摯に作品に向き合い続け、撮影終了時はやり切った感で一杯でした。正月返上で準備をしてきたスタッフの皆さんに、ゆっくり休んでねという気持ちでしたね。撮影現場の印象としては、重い題材を扱っている事もあり、常に一定の緊張感を携えている感じでした。その中で水田監督を中心に、全員が持てる力を余すこと無く、懸命に取り組んでいる現場でした。■視聴者へのメッセージ「間違わない人間なんていない。間違えれば、やり直せばいい」その言葉にようやく辿り着いた菊地の心情を一つの拠り所と考えて演じました。法廷ミステリーとしてだけでは無く、人間賛歌の作品としても、是非皆さまに見て頂けたら嬉しく思います。<水田成英監督 コメント>■本作をドラマ化するにあたっての感想・意気込み「裁判」は決して遠い存在ではありません。被告人や証人として証言台に立ったり、裁判員として参加したり……誰もが関わるかもしれない、身近なものです。約半世紀前に書かれた原作の、フィクションとは思えぬ程のリアリティ、そして、裁判員制度が始まった現代裁判ならではのリアリティを感じていただければと思います。■主演の椎名桔平さんについての印象実際の裁判の傍聴に行ったり、専門的なことまで自ら弁護士の方に取材をしたり、準備段階から撮影まで、我々も大事にしている「リアル」に、細部までこだわっていた印象です。菊地弁護士目線で、細かい台詞の言い回しを考えたり、現場でアイデアを出したりしながら、人間味のある菊地弁護士を作り上げてくれました。■撮影で心がけたことや撮影を終えての感想半年以上、裁判所に足を運び、40件程の裁判を傍聴した経験を、画や台詞の細部にいかしました。傍聴中、検察の話を聞くと極悪人に見えた被告人が、弁護士の話を聞いていたら同情したくなることがありました。このような、実際の裁判を傍聴しているような感覚を『事件』でも表現できればと思っております。■視聴者へのメッセージ当初、『事件』は『若草物語』というタイトルで新聞に連載されていました。法廷ミステリーである『事件』を、現代の若者が抱える生きづらさ、若さや貧しさゆえの弱さ、⻘春も描かれた人間ドラマとしての側面とあわせてお楽しみいただければと思います。<作品情報>『連続ドラマW 事件』WOWOWにて8月放送・配信スタート(全4話)第1話無料放送【WOWOWプライム/WOWOW 4K】無料トライアル実施中【WOWOWオンデマンド】【キャスト・スタッフ】出演:椎名桔平 ほか原作:大岡昇平『事件』(創元推理文庫刊)監督:水田成英脚本:三田俊之【ストーリー】ある資材置き場で刺殺体が発見される。被害者は地元で細々とスナックを経営する20代女性。ほどなく19歳の⻘年が殺人及び死体遺棄の容疑で逮捕された。⻘年の弁護は、ある裁判を機に過去にとらわれ、“真実”に背を向けた元裁判官の弁護士・菊地大三郎(椎名桔平)に託された。⻘年の自白もあり、すぐに判決が下る単純な裁判だと思われたが、検察での取り調べから一転、裁判で⻘年は殺意を否認する。⻘年のことを調べるうちに、再び“真実”と対峙する菊地。やがて法廷では意外な事実が次々と露見し、裁く者を惑わせる。果たして⻘年は、本当に「人殺し」なのか―― 。公式サイト:
2023年05月29日メンタルヘルスの資格を持つ施設長が心の健康のケアやの店舗情報や求人情報を掲載するWEBサイト「Findサービス」にて、神奈川県 上大岡駅から徒歩1分の『JPケンコープラザ』の情報を掲載開始いたしました。Findサービス: 以下『JPケンコープラザ』の店舗および提供サービスの情報です。京急「上大岡駅」より徒歩1分とアクセス抜群な立地にある『JPケンコープラザ』は、温活・デトックスコースやSTS促進法といったオリジナルメニューで、不調を改善へと導いてくれる整体院です。整体師の資格だけでなく、物理療法師やメンタルケア心理士、メンタルカウンセリング1級といった資格を持つ施設長がおり、心身の健康をサポートしてくれます。遠隔施術も行っているため、遠方でなかなか施設を訪れられない方にもおすすめです。温活・デトックスコースで冷えからくる不調をケア「冷えは万病のもと」と言われており、血流が悪くなることで体にあらゆる不調をもたらすとされています。『JPケンコープラザ』では、冷え性に効く温活・デトックスコースがあり、冷え性や生理痛、不妊といった女性特有のお悩みを抱えている方も多く通っているのだとか。専門機器を使った施術が充実しており、手足を温める「有機ゲルマニウム温浴」や全身をドームで包んで行う「遠赤外線ドーム」、超短波を使って内臓を温める「超短波療法」などを受けることができます◎オリジナルメニュー「STS促進法」神経系が滞ると、股関節の可動域が狭くなる、筋肉の動きが悪くなるなど体の不調が現れることがあります。また、ストレスやうつ病の原因にもなると言われており、慢性的なだるさを感じることもあるそう。STS促進法は、そういった神経系からくる不調に適した施術法で、運動機能を向上させたい方からも人気の施術となっています。施設の公式HPに詳しい施術方法などが紹介されていますので、気になる方はぜひそちらもチェックしてみてくださいね。HPはこちら : 清潔感のある内装で心からリラックスできる空間『JPケンコープラザ』は、グリーンを基調とした清潔感のある内装で、居心地が良いと評判です。アットホームな雰囲気で、「街の整体院」としてリピーターが多い理由の1つとなっています。常に新しい施術方法を取り入れており、一人ひとりの心身の状態に合わせて複数の方法を組み合わせて施術を行ってくれますよ!施設長は、メンタルケア心理士、メンタルカウンセリング1級の資格も保持しているため、ストレスからくる睡眠不足や慢性疲労などでお悩みの方にもおすすめの施設です店舗情報はこちら : JPケンコープラザ の店舗情報店名:JPケンコープラザ電話番号:05052683087住所:神奈川県横浜市港南区上大岡東1-9-16 HSビル2F地図 : ※店舗情報詳細は下記リンクページよりご確認ください。JPケンコープラザ (上大岡駅/整体・マッサージ・鍼灸)|Find ビューティー : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月09日ソメイヨシノや八重桜が妍を競うように咲く春爛漫の卯月。歌舞伎座でも華やかな顔ぶれが揃い、四月大歌舞伎が初日を迎えた。第一部は通し狂言『天一坊大岡政談(てんいちぼうおおおかせいだん)』。老婆お三の亡くなった孫は八代将軍徳川吉宗の一子で、今も証拠の品を持っている。お三からこの話を聞いた坊主の法澤はこの老婆を手にかけ、将軍・吉宗の子になりすます。才知あふれる山内伊賀亮を味方に、名も天一坊と改め、将軍に会うため江戸に乗り込んでいく。さて本物のご落胤かどうか名奉行の大岡越前守が詮議することになる。しかし越前守の鋭い問いかけにも伊賀亮は隙の無い受け答え。さてこの詮議、どうなるのか。名奉行として人気を集めた大岡越前守、悪の魅力を放つ天一坊、名参謀の伊賀亮と、個性の際立つ登場人物たちが活躍。スリリングに、そしてドラマティックに展開していく一幕だ。越前守を尾上松緑、伊賀亮に片岡愛之助、天一坊を市川猿之助。第二部の一幕目は『荒川の佐吉(あらかわのさきち)』。大工の佐吉はやくざの世界に憧れて転身した。その佐吉の親分が浪人成川郷右衛門に縄張りを奪われてしまう。佐吉は親分の娘お新の子・盲目の卯之吉を預かり、男手一つで卯之吉を育てることに。大親分相模屋政五郎を後ろ盾に、ついに郷右衛門へ仇討ちを挑む。真山青果作の人気の世話物。人生の有為転変とともに佐吉自身も変わらずを得ず、侠客の世界を生きる男を美しく切なく描く。荒川の佐吉に松本幸四郎。二幕目は『義経千本桜』所作事「時鳥花有里(ほととぎすはなあるさと)」。源義経は家臣鷲尾三郎とともに大和国へと落ちのびる途中、龍田の里へとさしかかる。そこへ現れたのは白拍子や傀儡師たち。義経のため趣向を凝らした踊りを披露する。実は彼らは龍田明神の使者だった。大物浦で平知盛と対峙した後、河連法眼館へと逃げていく義経の旅路を描いた所作事。吉野から龍田の里へと変わる華やかな装置を背景に、白拍子や傀儡師のバラエティに富む踊りを楽しみたい。源義経に中村梅玉。第三部の一幕目は『ぢいさんばあさん』。おしどり夫婦として知られる江戸番町に住む美濃部伊織と妻るん。親子で幸せに暮らしていたが、喧嘩で負傷した義弟宮重久右衛門に代わり、伊織は1年間京都へ単身の勤めをすることになる。だが伊織は京でふとした弾みで同輩の下嶋甚右衛門を斬ってしまい、江戸への帰参が叶わなくなる。37年が経とうとするその日、伊織とるんはようやく再会の日を迎える。森鴎外の短編小説を原作とした新歌舞伎。胸を打つ夫婦愛を描いた一幕だ。伊織に片岡仁左衛門、妻るんを坂東玉三郎。この作品では12年ぶりとなるコンビを目に焼き付けたい。二幕目は清元の舞踊『お祭り』。日枝神社の祭礼「山王祭」に現れた一人の芸者が、粋で艶めいた踊りを披露。祭りの若い衆も現れて、芸者に絡みながらにぎやかに踊る。江戸の祭りの気分あふれた一幕だ。芸者に坂東玉三郎。十分に感染対策をしたうえで、歌舞伎座の春を楽しみたい。文:五十川晶子★新連載「ゆけ!ゆけ!歌舞伎“深ボリ”隊!!」では、第二部「時鳥花有里」出演、義経役者と評判の高い中村梅玉さんに、歌舞伎の中の源義経について詳しくお話を聞いています。 こちら() も要チェック!歌舞伎座四月大歌舞伎2022年4月2日(土)~2022年4月27日(水)会場:東京・歌舞伎座
2022年04月02日埼玉県所沢市の角川武蔵野ミュージアム内「武蔵野ギャラリー」にて展覧会「武蔵野三万年ことはじめ」が2020年11月6日(金)より常設展として開催される。「武蔵野ギャラリー」がオープン、武蔵野の巨人伝説をフィーチャー「武蔵野三万年ことはじめ」は、埼玉県所沢市の街づくり「ところざわサクラタウン」内のシンボルともいえる角川武蔵野ミュージアム内「武蔵野ギャラリー」の幕開けを飾る展覧会。「武蔵野ギャラリー」は、武蔵野地域の魅力を発信する場所であり、その第1回展覧会となる「武蔵野三万年ことはじめ」は、三万年前の太古より人が住み続ける<武蔵野>を再定義することをテーマにした内容となっている。「武蔵野三万年ことはじめ」では、民俗学視点から柳田国男と角川源義を取り上げ、特に柳田が晩年に唱えた巨人伝説ダイダラボッチの聖地としての<武蔵野>をフィーチャーする。宮崎駿監督作品『もののけ姫』にも登場したダイダラボッチとは四季織りなす武蔵野台地は、万葉集の歌になり、平将門の乱の戦場になり、近年では国木田独歩と大岡昇平の文学の舞台にもなった場所だ。そこに生まれたのが“ダイダラボッチの巨人伝説”。ダイダラボッチは、山を動かし湧水を生み出す巨人として言い伝えられてきた存在で、武蔵野ではとりわけ壮大な姿をしたダイダラボッチの伝承が残っている。神様のような存在であるダイダラボッチにまつわるロマンティシズムは、宮崎駿監督作品『風の谷のナウシカ』の巨神兵や『もののけ姫』で結実されたともいわれる。知られざる全容と神秘の解明、武蔵野の未来へつなぐ展示内容「武蔵野三万年ことはじめ」では、「武蔵野を愛した柳田国男と角川源義」や「ダイダラボッチと武蔵野」といったコーナーを通して、その知られざる全容と神秘の解明に挑戦するとともに、武蔵野の土地、文化、歴史、自然、未来を探っていく。会場は「地図」をコンセプトにレイアウト会場は「地図」をコンセプトにレイアウトされている。武蔵野を読み解き、次の道標をみつけるための様々なコンテンツを「地図」の上に散りばめた。【詳細】「武蔵野三万年ことはじめ」日時:2020年11月6日(金)~<常設展>会場:武蔵野ギャラリー(角川武蔵野ミュージアム 5F)住所:埼玉県所沢市東所沢和田3丁目31番地3 ところざわサクラタウンチケット情報:角川武蔵野ミュージアム公式WEBサイトにてオンラインチケット販売中。
2020年11月08日少年隊・東山紀之が6日、都内で行われたNHK BSプレミアムのドラマ『大岡越前スペシャル白洲に咲いた真実』(2017年1月3日 19:30~)の会見に、加藤剛、ミムラ、加藤頼、松原智恵子、津川雅彦とともに出席した。同作は、1970年から1999年までTBSで放送されていた加藤剛主演の時代劇ドラマ『大岡越前』をリメイクし、2013年より放送している同名シリーズのスペシャル版。東山演じる江戸時代の名奉行・大岡忠相が、江戸に起きる様々な事件を裁いていく。今回は、東山と剛の新旧対決に注目が集まった。「加藤剛さんの大岡越前で育った世代」という東山は、「中学校の修学旅行の時に京都に行って、撮影所のセットの前で友達と一緒に真似をして座ったことがある」と告白。「まさか自分が本当に大岡越前になって、加藤剛さんを裁く日が来るなんて」としみじみと驚きを表した。撮影では「ドキドキというよりもワクワク感の方が大きかった」と語るが、ナレーションを担当するてらそままさきや、俳優・里見浩太朗など、大物が見学に集まり「だんだん緊張してきまして」と苦笑した。一方、約30年にわたり大岡忠相を演じていた剛は「白州に座って裁かれるのは初めて」と発言し、周囲を笑わせた。東山については「正義感のある、温かい心を持って優しい大岡忠相を演じていらっしゃる」と称賛し、「とても嬉しく思いました」と感想を述べた。父親と共演することになった息子の頼は、2013年のパート1より出演しているが、最初は「自分の父の格好を、少年隊のヒガシがしている」と複雑な気持ちにもなったという。しかしすぐに「我らがお奉行・忠相様という感じ」になれたと振り返り、今回は「父と子の作品で共演できたことは、一役者としても、息子としても本当に幸せな時間だったなと思います」と語った。剛は「今回がこれで最後の出演になるだろうと思って出させていただきました」と発言したが、頼は「そう言わずに、時代劇を続けてほしい」と希望。親子でありながら、俳優として先輩後輩でもあるという2人の絆を見せた。
2016年12月07日25回目を迎えた「日本映画プロフェッショナル大賞」の授賞式が5月3日の深夜に開催され、主演男優賞に輝いた染谷将太、川瀬陽太、主演女優賞の多部未華子、大賞に輝いた『バクマン。』の大根仁監督、監督賞の『野火』の塚本晋也監督ら、多くの映画人が出席した。映画ジャーナリストの大高宏雄氏が主催する世界でも類を見ない個人による映画賞であり、大高氏に賛同するジャーナリストや記者、映画関係者が審査委員を務め、各賞を決定。今年は、「週刊少年ジャンプ」に連載された人気漫画を原作に、佐藤健&神木隆之介主演で、漫画家を目指す高校生たちの姿を描いた大根仁監督『バクマン。』が大賞に輝いた。大根監督は本作に関して「まずヒットさせることが命題で、賞をいただけるとは思ってなかった」と受賞への驚きを口にする。自身、監督デビュー作『モテキ』で同省の新人監督賞を受賞し、続く『恋の渦』も超低予算ながら俳優陣が新人奨励賞を受賞。そうした縁の深さも踏まえて「これからも映画を作るなら、日プロは狙っていきたい」と語っていた。各賞のプレゼンターに、受賞者や受賞作品と関わりの深い俳優らが来場するのも同省の大きな特徴だが、大賞の『バクマン。』のために、同作でヒロインを演じた小松菜奈が来場!オーディションで役を勝ちとった小松さんだが「迷惑をかけてばかりで…」と苦笑交じりに撮影を述懐。大根監督は「すごくヘタクソでした!オーディションでも名だたる女優を差し置いて、一番ヘタ(笑)!でも光るものがあった」と起用の理由を説明し「撮影から2年経って、いまこのポジションにいるというのはすごいこと」と自身が見出したヒロインの引っ張りだこの現状を喜んでいた。また、監督賞は大岡昇平の同名小説を映画化した『野火』の監督・主演を務めた塚本晋也監督が受賞。「『いましかない!』と思って作りました」と衝動に突き動かされ、本作を作り上げたと語る。リリー・フランキーがプレゼンターに登場したが、同作でヴェネツィア国際映画祭を訪れた際、受賞はならなかったが、その代わりに現地の土産屋で300円ほどで買ったという、小さな金獅子の置物を塚本監督にプレゼントし、会場は爆笑に包まれた。主演男優賞の染谷さんのために『さよなら歌舞伎町』から共演の前田敦子と廣木隆一監督、『ソレダケ/that’s it』から石井岳龍監督がプレゼンターとして来場!これには染谷さんも感激しきりで「一緒に作品を作り上げた仲間に祝っていただけるのは嬉しい」と満面の笑みを浮かべる。前田さんは「染谷くんはどの作品で観ても、いつもピカイチ!さすが!この賞がふさわしい」と手放しで称賛を送った。染谷さんよりもさらに下の世代の俳優の中には、染谷さんに憧れているという者も多数いるが、こうした声に染谷さんは「俺に憧れたら痛い目に遭いますよ(笑)」と首を振る。今後の俳優人生についても「どういう役者になりたいか?特にないです。雇われ仕事ですから、雇われないと仕事がない!自分にできることを黙々とやっていけたら」とマイペースな口調で語っていた。「第25回日本映画プロフェッショナル大賞」受賞一覧大賞:『バクマン。』監督賞:塚本晋也(『野火』)主演男優賞:染谷将太(『さよなら歌舞伎町』『ソレダケ/that’s it』)主演男優賞:川瀬陽太(『ローリング」「犯る男」)主演女優賞:多部未華子(『ピース オブ ケイク』『映画 深夜食堂』)新人監督賞:安川有果(『Dressing Up』)新進プロデューサー賞:深田誠剛、小野仁史(『恋人たち』)特別功労賞:芦澤明子(『岸辺の旅』および、長年の映画撮影の功績に対して)(text:cinemacafe.net)■関連作品:さよなら歌舞伎町 2015年1月24日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014『さよなら歌舞伎町』製作委員会ピース オブ ケイク 2015年9月5日より全国にて公開(C) 2015ジョージ朝倉/祥伝社 /「ピース オブ ケイク」製作委員会バクマン。 2015年10月3日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「バクマン。」製作委員会
2016年05月04日毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社が主催し、今年70回目を迎える「毎日映画コンクール」の受賞作および受賞者が発表され、最高賞にあたる日本映画大賞を『ぐるりのこと。』の橋口亮輔監督7年ぶりの最新作『恋人たち』が受賞、『野火』の塚本晋也監督が監督賞・男優主演賞の2冠に輝き、綾瀬はるかと長澤まさみが『海街diary』で女優主演賞&助演賞をW受賞、さらに坂本龍一が『母と暮せば』で実に32年ぶりの音楽賞を獲得したことが分かった。毎日映画コンクールは、戦後間もない1946年に開催されて以来、国内で2番目に歴史のある映画賞として、俳優陣の演技、作品はもちろん、撮影や美術、録音などの映像スタッフ、日本映画史を代表する女優・田中絹代の名を冠する賞など、幅広い部門を設けている。第70回となる今回は、2015年の日本映画界を表す多彩なラインアップが決定。『恋人たち』は、リリー・フランキー&木村多江の夫婦役が注目を集めた『ぐるりのこと。』の橋口監督による7年ぶりの長編映画で、監督自らオーディションで選んだ新人俳優を起用し、いま撮りたい題材で自由につくるというオリジナルプロジェクトから誕生。不条理だらけで、理不尽なこの世界に生きる“恋人たち”を描き出す絶望と再生の人間ドラマとして高い評価を受けている本作が、日本映画大賞に輝いた。また、『野火』で監督、脚本、主演をはじめ、1人6役をこなした塚本晋也が監督賞・男優主演賞の2冠を達成。戦争文学の代表作の1つに数えられる大岡昇平による同名小説を塚本監督が自主製作により映画化。敗戦が濃厚となった先の大戦末期、フィリピン・レイテ島で極限状態に追い込まれていく主人公を描き、戦後70年という節目の年に衝撃を呼んだ。さらに、いまをときめく“美人4姉妹”の共演が話題となった是枝裕和監督の『海街diary』からは、しっかり者の長女を演じた綾瀬さんが女優主演賞を、自由奔放な次女を演じた長澤さんが女優助演賞を獲得。そして、米アカデミー賞に最多ノミネートされているレオナルド・ディカプリオ主演作『レヴェナント:蘇えりし者』で音楽を担当し、ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされた坂本さんが、映画音楽制作の復帰作となった山田洋次監督の『母と暮せば』で、なんと『戦場のメリークリスマス』以来、32年ぶりの音楽賞を受賞。スポニチグランプリ新人賞には、『トイレのピエタ』の野田洋次郎(RADWIMPS)と『ソロモンの偽証前篇・事件/後篇・裁判』の藤野涼子が輝いた。なお、表彰式は2月16日(火)にミューザ川崎シンフォニーホールにて行われる予定。<第70回毎日映画コンクール/受賞一覧>【作品部門】■日本映画大賞:『恋人たち』(橋口亮輔監督)■日本映画優秀賞:『岸辺の旅』(黒沢清監督)■外国映画ベストワン賞:『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督)【監督賞・脚本賞】■監督賞:塚本晋也(『野火』)■脚本賞:原田眞人(『駆込み女と駆出し男』)【俳優部門】■男優主演賞:塚本晋也(『野火』)■女優主演賞:綾瀬はるか(『海街diary』)■男優助演賞:加藤健一(『母と暮せば』)■女優助演賞:長澤まさみ(『海街diary』)■スポニチグランプリ新人賞:野田洋次郎(『トイレのピエタ』):藤野涼子『ソロモンの偽証前篇・事件/後篇・裁判』■田中絹代賞:桃井かおり【スタッフ部門】■撮影賞:藤澤順一(『ソロモンの偽証前篇・事件/後篇・裁判』)■美術賞:原田哲男(『日本のいちばん長い日』)■音楽賞:坂本龍一(『母と暮せば』)■録音賞:小川武(『恋人たち』)【ドキュメンタリ―部門】■ドキュメンタリー映画賞:『沖縄 うりずんの雨』【アニメーション部門】■アニメーション映画賞:『百日紅~Miss HOKUSAI~』■大藤信郎賞:『水準原点』【TSUTAYA映画ファン賞】■日本映画部門:『幕が上がる』■外国映画部門:『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』【特別賞】■櫛桁一則(「シネマリーン」支配人)■橋本忍(脚本家)(text:cinemacafe.net)
2016年01月21日「ぴあ」調査による2015年7月25日のぴあ映画初日満足度ランキングは、太平洋戦争に従軍した作家・大岡昇平の代表作を塚本晋也監督が自らの主演で映画化した『野火』がトップに輝いた。その他の写真『野火』の舞台は第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。日本軍の敗戦が色濃くなった中、結核を患った主人公・田村一等兵は部隊からも野戦病院からも追い出され、空腹と孤独を抱えながら果てしない原野を彷徨う。田村を始め次第に狂気を帯びていく兵士たちの姿が、最前線の強烈な映像と共にスクリーンから迫ってくる。観客からは「戦争では何が、誰がまともかわからない。そんな状況に恐怖を抱いた」「銃撃シーンは直視するのも辛くて逃げ出したくなった」「今回で2回目の鑑賞。とにかく戦争は嫌だというのを前よりも強く感じた」などの感想が上がった。本作は塚本監督が“いまの時代に問うべき作品”という強い想いから作り上げた作品だ。しかし監督は決して、観る者に思想やメッセージを押し付けているわけではない。観客は「監督の言う通り、言葉が出るには2日かかる。単純に反戦映画ではなく、観る側の感じ方を意識して作られていて、“シンプルだけど深い”を味わった」「美しい風景は心に突き刺さり、登場人物と一緒に観ているような気分になった。生きることとは何かを考えた」など、本作を通して様々な思いをめぐらせたようだ。また劇中には凄惨なシーンも数多く登場するが、「苦手な描写もあったが、塚本監督の想いの強さを感じて色々考えさせられた」「グロテスクなものは得意ではないが、そんなことは言っていられない。本当はもっと残酷な状況だったのだから、目をそらさないで観ないといけないと思った」「原作を読んだときは、描かれる状況と現実がかけ離れすぎていると思ったが、映画を観ると、日本が今まさに置かれている状況と重ねて、自分もこの状況と向き合っていかなければならないと強く思わされた」など、目を背けず画面から何かを見出そうとした観客も多数見られた。『野火』は監督の想いに賛同したリリー・フランキー、中村達也、森優作といった共演者や多くの協力者に支えられ作られたインディーズ作品だ。しかし出演陣の圧巻の演技や、リアリティあふれる凄まじい描写は、圧倒的熱量を持って観客に届いたようで「今回で3回目の鑑賞。やっと冷静に観ることができた。戦争体験をしていない私たちには想像できないもなので、ひとりで受け止めるより他の人にも観てもらって感想を共有したいし、そうすることで救われたい」「戦争を知らない世代にこそ観てほしい」「自分と同じ20代の若者に観てもらいたい」といった熱い声が寄せられた。本作は今後も口コミで動員を伸ばすだけでなく、毎夏、どこかで上映されては新たな観客に出会う作品になりそうだ。(本ランキングは、7/25(土)に公開された新作映画7本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)『野火』公開中
2015年07月27日第15回東京フィルメックスが11月22日にメイン会場である東京・有楽町朝日ホールで開幕した。オープニングを飾ったのは、塚本晋也監督の最新作『野火』。大岡昇平氏の同名戦争文学を映画化した作品で、塚本監督は「観終わったら100%ゲンナリするのは間違いない」。それでも「暴力は映画の中だけで十分。実際に戦争が起こったら、これでは済まされない」と本作にこめた思いを熱弁した。東京フィルメックスその他の写真塚本監督が20年間温め続けた企画で、脚本、編集、撮影、製作、出演も兼ねた渾身作。第二次世界大戦末期のフィリピン戦線を舞台に、一人の日本兵の視点から戦争の恐怖を生々しく訴えかけ、今年のヴェネチア映画祭で絶賛された。2015年の日本公開を前に、フィルメックスで“凱旋上映”されることになり、塚本監督は「こうした映画が作りづらい状況で、まったく制作費がなかったが、自分とカメラ1台あればという思いだった。最終的には多くのご協力をいただき、完成させることができた」と感無量の面持ちだった。オープニングセレモニーには塚本監督をはじめ、映画に出演するリリー・フランキーと森優作、音楽を手がける石川忠が駆けつけ、「監督の長年の思いが詰まった作品」(リリー)、「今撮らないといけないという熱量が集まった作品。ぜひ目に焼きつけてください」(森)、「音響効果と音楽に打ちのめされてもらえれば」(石川)とアピールした。アジアを中心に芸術性の高い作品を多数上映し、映画ファンの熱い支持を受ける東京フィルメックス。同映画祭のディレクターを務める林加奈子氏は、「上映する25本の作品が出揃うまでは、いくつものサプライズとミラクルがあった。作り手の勇気と覚悟と愛をまっすぐ受け止めてもらえれば」と開幕を宣言した。第15回東京フィルメックス11月22日(土)から30日(日)まで有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇にて開催中取材・文・写真:内田 涼
2014年11月22日上戸彩さん主演の『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)が話題になっていますね。平日、夫を仕事へ送り出し、昼間は他の男性と不倫する女性「平日昼顔妻」。その語源となったのは、カトリーヌ・ドヌーヴ主演、1967年制作のフランス・イタリア合作映画『昼顔』。夫とのセックスに満たされていない清楚な若妻が、鞭打ちや緊縛など淫らな妄想に取りつかれ、やがて昼は娼婦として見知らぬ男に抱かれながら悦楽に浸り……というストーリーです。絶世の美女と言われたカトリーヌ・ドヌーヴが、森の中でいたぶられたり、娼館で変態チックな客の相手をする、という内容に当時の観客はびっくりしたかもしれません。が、どのシーンの彼女も本当に美しくて、見ているだけでため息が出ちゃう。ドラマにハマった方は、ぜひこちらの作品も(全然違いますが!)チェックしてみていただければと思います。以前、石田純一さんが「芸術や文化には不倫から生まれるものもある」と発言。そこから「不倫は文化」という言葉が一人歩きし始めた、と言われていますが……確かに、不倫がテーマ、或いは不倫のシーンがある作品ってたくさんありますよね。そこで今回はドラマ『昼顔~』にちなんで、不倫に走る妻たちを描いた世界各国の超有名な文学作品をご紹介します。≪一度は読みたい!世界の不倫文学≫◆イギリス:文芸エロスの金字塔『チャタレイ夫人の恋人』イギリスの小説家D.H.ロレンスによる1928年発表の小説。戦争で下半身不随になった夫に「跡継ぎのため、恋人を持て」と言われたヒロインが、領地で森番をしている男と恋に落ちるというお話。日本で翻訳本が出たときには最高裁までの裁判になるなど、性描写で物議をかもしましたが、今読むと少しもエロい感じはしません。『エマニエル夫人』のシルビア・クリステル主演作を含め、過去に何度か映画化されています。◆フランス:19世紀のベストセラー『ボヴァリー夫人』『チャタレイ夫人の恋人』と並ぶヨーロッパの不倫小説。凡庸な夫との生活に飽きた若妻が、退屈な日常から逃れるために恋をします。愛人に貢ぎ始めた彼女は莫大な借金を背負い……1857年刊行、フランスの小説家フローベールの作品です。画家ルノワールの息子であるジャン・ルノワールや、『巴里のアメリカ人』を撮ったヴィンセント・ミネリなどによって映画化されました。『キャンディ・キャンディ』を描いたいがらしゆみこが手がけた漫画版も出ています。◆ロシア:究極のラブストーリー『アンナ・カレーニナ』社交界の華ともてはやされつつも、夫に愛情を持てずにいるヒロインがモスクワに行く途中、若い騎兵将校に出会い恋に落ちます。再会後は情熱を止められなくなり……真実の愛を求め、破滅へ向かう女性を描いた、ロシアの文豪トルストイの代表作。昨年公開されたキーラ・ナイトレイ主演の映画を観た方も多いのでは?見どころ満載の作品ですが、特に押さえておきたいのは、豪華絢爛な舞踏会シーンと、あんなにイケメンなのに、ここでは全く色気のない堅物夫を演じたジュード・ロウ。◆アメリカ:罪を抱き生きる女の生き様『緋文字』夫以外の男の子どもを産み、姦通の罪で裁かれたヒロインは、その胸に生涯「姦淫」を意味する赤いAの字を縫いつけなければならないと言い渡される……植民地時代のアメリカで不倫した女性の生き様を描いた、ナサニエル・ホーソンの傑作です。『ベルリン・天使の詩』などで知られる巨匠V・ヴェンダースが映画化。デミ・ムーア主演の『スカーレット・レター』も同作を原作としています。ちなみに、Aは「姦通」「姦通を犯した女」を意味するAdultery/Adulteressの頭文字だそう。◆日本:戦後のドロドロ人間ドラマ『武蔵野夫人』貞淑で古風な人妻と、ビルマから復員してきた従弟との間に芽生えた恋――。自然の多い東京・武蔵野の地を舞台に、虚栄や欲望をめぐる心理模様を描いた作品。発表は1950年。『野火』や『俘虜記』の著者・大岡昇平の初期代表作の一つです。数々の国際的な映画賞を受賞し、日本が誇る映画監督の一人に数えられる溝口健二が翌年、映画化。姦通をテーマとしながらも一線は越えず、プラトニックを貫いたまま服毒自殺する、ヒロインのその美学がなんというかすごいです。どれも映画化されているので、DVDを観て気に入ったら原作を読んでみる、というのもいいかもしれませんね。ただ、作品を楽しみながらの疑似不倫ならいくらでもしてOKですが、実際の不倫にはリスクがつきまとうもの。『昼顔~』にハマったからといって、結婚後にうっかり昼顔妻になったりしないよう、くれぐれもご注意を!(文=Kawauso)あなたはどの魔性キャラタイプ?【無料占い】
2014年08月18日