WOWOW連続ドラマ W-30『白暮のクロニクル』に、竹財輝之助、高橋努、大林隆介、伊藤歩、光石研の出演が決定し、併せて本作の放送・配信が2024年3月になったことが発表された。原作は、『機動警察パトレイバー』『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』などで知られるゆうきまさみの同名マンガ。「吸血⻤(オキナガ)×公務員」という異色のコンビが難解な事件に挑む。不老不死の体質を持つ「オキナガ」で、見た目が18歳、実年齢は88歳の雪村魁を自身初の単独主演となるWEST.の神山智洋、オキナガたちを管轄する厚生労働省の「夜間衛生管理課」、通称“夜衛管(やえいかん)”への異動を通告され、魁との連絡係を命じられる新米職員の伏木(ふせぎ)あかり役を松井愛莉が演じる。今回あらたに明らかになったメインキャストは雪村と伏木を取り巻く個性豊かなキャラクターたち。竹財輝之助は“夜衛管”の責任者で、厚生労働省の参事官でもある竹之内唯一、高橋努はオキナガに対して偏見を持っている刑事・唐沢、大林隆介は雪村が暮らす私設図書館「按察使文庫」(あぜちぶんこ)の執事で、公私共に雪村を支える実藤寿一郎(さねとうじゅいちろう)、伊藤歩は、その「按察使文庫」の主で150年程生きているオキナガ、按察使薫子(あぜちかおるこ)、そして光石研は伏木の“夜衛管”での上司で教育係の久保園幹也役を演じる。併せて特報映像も公開。「その子が新しい連絡係?」と雪村と伏木の按察使文庫での初対面シーンから、「羊殺しって一体何なんですか?」という伏木の問いかけに対して、「この手でぶっ殺す!」とただならぬ憎しみの感情を爆発させる雪村。さらに、雪村がオキナガになったきっかけである竹之内に血分けされる様子から唐沢に投げ飛ばされるシーンも。そして「俺、88歳だから!」と伏木に言い放つシーンで幕切れとなっている。■竹財輝之助 コメントゆうきまさみ先生の作品に出演できると聞き大変光栄でした。竹之内を演じるとなり嬉しい反面自分にできるのかと葛藤しました。おそらく1600年近く国に仕えながら生きていた人物なので彼の気持ちを推し量ろうとすると……しかし!こんな人生経験豊富な役はないと思い楽しみました。1600年分の様々な感情を込めて演じましたのでぜひ注目していただければと思います。■大林隆介 コメントゆうきまさみ先生原作のアニメ化と実写化両作品に出演させて頂けるこの身の幸せ。しかもゆうき先生原作初めての実写化だとか。不思議なえにしを感じます。この歳の今しか表現できない1カットをとスタッフ共演の皆様の溢れんばかりの才能と実力に恋慕渇仰(れんぼかつごう)し助けられながら……。どうぞ映像の醍醐味をお楽しみ下さい。■伊藤歩 コメント不死の存在である〈オキナガ〉按察使薫子役を演じさせていただきました。薫子が出てくるシーンは殺人事件を追う緊迫したシーンとは対象的に、肩の力を抜いてふっと笑える様なシーンが多く、彼女なりに魁を支える姿が物語のアクセントになっていると思います。可愛いメイクと素敵な着物をたくさん着させていただいたので、そこにも注目して観ていただけたら嬉しいです。■高橋努 コメント長命者(オキナガ)という存在が居る世界のフィクション。世の中は「歳上を敬う」事を通常にしているが、この物語は長命者を差別的に捉えているところがある。プロデューサー・監督陣と顔合わせ時に「このフィクションを現代の世の中の色んな差別に置き換えることが出来れば」という話を聞いて、凄まじく腑に落ちた。この物語は愛の物語であり、愛のクロニクルだと思う。刑事である唐沢がその一端を担えればと考え、撮影に挑みました。■光石研 コメント高江洲プロデューサーから声を掛けて頂き、送られてきた台本は『熱く、濃く、深い』ものでした。そして現場は若く、エネルギッシュで、精励恪勤(せいれいかっきん)なスタッフ・キャストが待ち受けていました。1カット1カット、惜しみなくアイデアを出し合い滑走する。しっかり掴まってないと、振り落とされそうでした(笑)。ホラーでSFでファンタジーで……。いやいや、ジャンルなんて吹っ飛ばし、とにかく現場の熱量を感じて頂ける作品です!連続ドラマW-30『白暮のクロニクル』特報映像<作品情報>連続ドラマW-30『白暮のクロニクル』2024年3月 WOWOWにて放送・配信スタート原作:ゆうきまさみ『白暮のクロニクル』(小学館『ビッグスピリッツコミックス』刊)監督:中川和博佐々木豪脚本:小山正太山崎太基田中しおり■出演神山智洋松井愛莉竹財輝之助高橋努大林隆介伊藤歩光石研特設サイト:
2023年12月01日阪神梅田本店(大阪市)では、8階ハローカルチャーにおいて現代美術家 深堀隆介(ふかほり りゅうすけ)氏の展覧会「きんぎょ鉢とちきゅう鉢」が2022年10月26日(水)~11月1日(火)に開催されます。透明樹脂に筆で繊細に描かれた金魚が何層にも重ねられ、立体的にそして今にも動きだしそうな生命力を感じる不思議な金魚作品が一堂に展示販売されます。(一部作品は抽選販売となります。)金魚酒 命名 吉乃展覧会情報 【抽選販売】深堀隆介 樹脂作品:金魚酒 命名 吉乃 【水環境を考えるテーマも展示】今展は、「金魚も飼える水環境」をテーマに深堀隆介氏が金魚を育てるために大切にしている「水換え」に注目し、水環境の大切さを考えるパネルも併せて展示いたします。開催するにあたって深堀氏自身が次の言葉を寄せています。金魚を描き始めて22年、僕の金魚もとうとう二十歳を超えました。あっという間だったように思います。当初、自信を失い作家を辞めようとした時に、部屋の一匹の金魚をみて金魚を描き始めました。あの時みた金魚は、どんな高級な金魚や熱帯魚よりも私にとって美しかったのです。それから私は、なぜ金魚を描いているのか?という答えを探す旅が始まったのです。さて、今回の題名にある「ちきゅう鉢」という言葉は、僕が作った造語です。この言葉が生まれた背景には、地球と金魚鉢が同じような環境下にあるということに気がついたことからでした。金魚飼育で最も重要なことは水換えです。綺麗な水は金魚を長生きさせます。ですが水換えをせず汚れていくと、そのうち雑菌や病原菌が発生して金魚鉢の金魚は絶滅してしまいます。金魚は生きているだけで水を汚します。しかし私たち人間は、水も汚せば空気も汚します。現在、世界中で猛威を振っている新型コロナウイルスが発生した状況は、「地球が汚れているよ」という地球からのメッセージに思えてなりません。金魚鉢も地球も淀みです。淀みとは 新鮮な水が入らない遮断された水のことです。誰も水換え空気換えはしてくれません。全て地球が生まれた時から、植物や生物たちが使い回してきた資源です。だから限られた資源をいかに汚さずに使うかが、これからの 人類の課題です。金魚鉢を覗き込むと水面に自分の顔が映ります。金魚を見つめることは、自分を見つめることでもあるのです。深堀隆介【深堀隆介 Riusuke Fukahori】1973年 愛知生まれ1995年 愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工芸専攻学科卒業1999年 アーティストとしての活動をはじめる2000年 制作に行き詰まり作家を辞めようとした時、1匹の金魚を見て開眼し、金魚の作品を作りはじめる(金魚救い)2002年 透明樹脂に直接絵を描く新しい絵画技法「2.5D ペインティング」を考案し発表する2007年 横浜市に「金魚養画場」を開設2009年 この頃からドイツ、イギリス、香港で個展を開催2018年 初の公立美術館での回顧展「平成しんちう展」を開催平塚市美術館、刈谷市美術館など全国を巡回2021年 上野の森美術館、長崎県美術館、岩手県立美術館など全国を巡回する展覧会 「金魚鉢、地球鉢」を開催現在 横浜美術大学客員教授、愛知県弥富市広報大使【開催概要】展覧会名:深堀隆介展「きんぎょ鉢とちきゅう鉢」会場 :阪神梅田本店 8階 ハローカルチャー2.3.4会期 :2022年10月26日(水)~11月1日(火)※最終日は午後5時まで※営業日、営業時間は変更になる場合がございます。詳しくは阪神梅田本店HP等でご確認ください。展示内容:樹脂作品 平面作品 グッズなど【抽選販売応募サイト】深堀隆介作品抽選販売 J:金魚酒 緋と花びら五勺枡 深堀隆介作品抽選販売 J:金魚酒 命名 緋嗣 深堀隆介作品抽選販売 J:金魚酒 命名 黄タ 深堀隆介作品抽選販売 J:金魚酒 命名 緋久 深堀隆介作品抽選販売 J:金魚酒 命名 吉乃 深堀隆介オフィシャルサイト ■お問い合わせ先〒530-8224 大阪市北区梅田1丁目13-13阪神梅田本店 8階 ハローカルチャーTEL:06-6345-1201 (代表) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年10月21日日本橋三越本店 本館7階 催物会場で、7月27日から8月8日まで、現代美術作家 深堀隆介氏の展覧会 『 深堀隆介展「金魚解禁 日本橋」 』を開催します。水に見立てた透明樹脂に、生命力溢れる優美な金魚を描く深堀氏。長年の試行錯誤の末に生み出した「2.5Dペインティング」という独自の技法を用いて、まるで水から掬いだしたような立体的で艶やかな金魚絵を一つ一つ手描きで描いています。絵画でありながら立体感を感じる不思議な金魚絵は国内外で広く親しまれ、日本をはじめ、ニューヨーク、ロンドン、ミュンヘン、香港など、海外でも個展が開催され多くの人々を魅了し高い評価を得ています。本展では、枡に金魚を描いた2.5Dペインティング作品や平面の大作など約40点を展示販売。深堀氏の作品を大々的に販売する展覧会は、本展が初となります。開催期間中には、深堀氏によるライブペイティングの披露や「金魚」にまつわる関連商品の販売など、夏の風物詩「金魚」をお楽しめるイベントの開催なども予定しています。2.5 Dペインティングとは?器の中に樹脂を流し込み、固まった表面にアクリル絵具で金魚を少しずつ部分的に描いていき、さらにその上から樹脂を重ねるというもので、そうした作業を繰り返すことにより、絵が重なり合い、まるで生きているかのような金魚が表現され、絵画でありながら立体的な躍動感にあふれる作品となる。深堀隆介 Riusuke Fukahori1973年 愛知生まれ1995年 愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工芸専攻学科卒業1999年 アーティストとしての活動をはじめる2000年 制作に行き詰まり作家を辞めようとした時、1匹の金魚を見て開眼し、金魚の作品を作りはじめる(金魚救い)2002年 透明樹脂に直接絵を描く新しい絵画技法「2.5D ペインティング」を考案し発表する2007年 横浜市に「金魚養画場」を開設2009年 この頃からドイツ、イギリス、香港で個展を開催2018年 初の公立美術館での回顧展 「平成しんちう展」を開催 平塚市美術館、刈谷市美術館など全国を巡回する2021年 上野の森美術館、長崎県美術館、岩手県立美術館など全国を巡回する展覧会 「金魚鉢、地球鉢」を開催現在 横浜美術大学客員教授、愛知健弥富市広報大使
2022年06月27日深堀隆介展「金魚解禁 日本橋」が、2022年7月27日(水)から8月8日(月)まで東京・日本橋三越本店 本館7階 催物会場にて開催される。“リアルな金魚”超絶技巧アート深堀隆介展深堀隆介は、“金魚”をテーマにした作品を手がける現代美術家だ。“深堀金魚”の大きな特徴は、ヒレの薄さやウロコの透明感、水の流れまで感じさせる、本物の金魚そっくりの写実的な超絶技巧。「2.5Dペインティング」と呼ばれる独自の技法を使用。器の中に樹脂を流し込み、固まった表面にアクリル絵具で金魚を少しずつ描き、さらにその上から樹脂を重ねることによって、“まるで生きているかのような”金魚アートを制作している。深堀隆介展「金魚解禁 日本橋」では、初めて深堀の作品を大々的に販売。無数の金魚が泳ぐ≪方舟2≫や桝の中に1匹の金魚をあしらった≪金魚酒 命名 鈴夏≫、紅葉の中をまるで金魚が泳いでいるように見える≪秋敷≫など、約40点が一堂に集結する。なお期間中は、深堀によるライブペイティングの披露や、「金魚」にまつわる関連商品の販売など、体感型コンテンツも用意する。【詳細】深堀隆介展「金魚解禁 日本橋」開催期間:2022年7月27日(水)~8月8日(月)10:00~19:00※最終日は18:00閉場。会場:日本橋三越本店 本館7階 催物会場住所:東京都中央区日本橋室町1-4-1※営業日、営業時間の変更、予定していたイベントなどが中止になる場合あり。【問い合わせ先】TEL:03-3241-3311(大代表)
2022年06月17日大林宣彦監督1989年の名作『北京的西瓜』(ぺきんのすいか)のデジタル配信が開始された。青果店を営む夫婦と中国人留学生たちとの心温まる交流を、実在の人物と実際にあった出来事を基に描いた本作は、およそ20年前にDVD発売されてはいるが、長らく今も続く廃盤状態で入手困難となっていた作品。1989年5月~7月に撮影されたが、天安門事件により、当初予定していた中国での撮影が急きょとん挫したという。現実の青果店の雑然とした空気感、自然で臨場感あふれる撮影手法と演出に安定的に下支えされた物語は、無償の思いやり、愛情と信頼、受けた恩に報いる気持ち、そして時代に翻弄される悲しみまでが、淡々粛々と描かれている。STORY船橋市郊外の青果業・八百春の主人の春三(ベンガル)は、李中山(ウー・ユエ)という中国留学生と知り合ったことから、彼らの苦しい生活を見兼ねて、援助の手を差し伸べた。最初は軽い気持ちでやった春三だったが、次第にエスカレートしていき、ついには自らの生活までをも犠牲にしてしまうのだった。留学生たちは彼を「日本のお父さん」として慕うが、春三が忙しくなればなるほど、女房の美智(もたいまさこ)の負担は重くなり、挙句の果てには店や家庭の危機にまで発展してしまった。「このままでは店が潰れてしまう!」と留学生たちは店を手伝うようになり、春三や美智は感涙にむせんだ。そして数年が過ぎ、中国に帰った李中山から国際電話が入り、彼らの招待で春三と美智は中国へ向かった。映画『北京的西瓜』監督:大林宣彦原作:林小利/久我山通脚本:石松愛弘撮影:長野重一音楽:根田哲雄出演:ベンガル/もたいまさこ/峰岸徹/林泰文(c)1989 MAXDAI CO., LTD.配信はコチラ:
2022年01月02日東京芸術劇場のリサイタル・シリーズ「VS」(ヴァーサス) 第3弾、塩谷哲と大林武司のピアノ・セッションによる公演が2022年3月25日(金)に開催されることが決定した。リサイタル・シリーズ「VS」は、「ピアノ・デュオ(2台のピアノ)演奏」によって、ふたりの異なる個性を持つピアニストがぶつかり合う、新しい形のリサイタル。その第3回目となる公演では、ジャズ界のみならず多彩な活動で音楽界を走り続ける塩谷哲と、NYを拠点とし、MISIAのバンドマスターとしても活躍する大林武司が登場する。ふたりの出会いは大林の出身地・広島で開催された塩谷のコンサート。大林は塩谷の演奏に感動を受け、楽屋を訪れた。そこで塩谷からエールをもらったことが、アメリカ留学の後押しのひとつの要因となったと大林は語っている。そんなふたりが約15年の時を経て、“ピアニスト”と“ピアニスト”として、舞台の上で初共演を果たすことになった。東京芸術劇場のステージで、ピアノを通し、対話するように楽譜も筋書きもないパフォーマンスを披露するふたり。誰も予想できない熱狂的な空間をぜひ、会場で体感してほしい。チケットは好評発売中。■公演概要東京芸術劇場 リサイタル・シリーズ 「VS」Vol.3SHIONOYA Satoru × OHBAYASHI Takeshi2022年3月25日(金) 19:00開演会場:東京芸術劇場 コンサートホール
2021年12月13日12月2日(木)より、東京・上野の森美術館で、深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」が開催される。苦境のなかでふと目に入った金魚の美しさに魅了され、金魚絵を描き始めたという深堀氏。試行錯誤の末、透明樹脂を流し込み、アクリル絵の具で金魚を描く作業を繰り返し、立体的かつ写実的な金魚を描く技法を生み出した。いまにも動き出しそうな、生き生きとしたリアルな金魚絵。いまやそのファンは全国に存在する。開催を控え、内覧会が行われた昨日、深堀氏はライブペインティングを披露。ゲストには、芸能界きっての金魚マニアであるというタレントの照英氏と、近年メディアに引っ張りだこの人気芸人・ヒコロヒー氏を迎えた。深堀氏は、二人と軽快なトークを繰り広げながら、よどみなく筆をすべらせていく。「平等院鳳凰堂」「害獣」といった、二人の出す個性的なお題に次々と答えながら瞬時に絵を完成させていく深堀氏に、ゲストの二人も驚愕。絵を描くときは、「結局楽しんでいる」と話す深堀氏。描いた絵に新たな絵を重ね、水鉄砲を使って色をなじませるなど、独特な技法を披露した。そうして出来上がったのは、キャンバスを大胆にはみ出して尾ひれを優雅にひるがえす、一匹の金魚だった。これにはゲストの二人だけでなく、会場のメディアも拍手喝采。明日から始まる展示では、この作品と一緒に写真撮影も楽しめるという。自身の描く金魚絵について、深堀氏はこう語る。「僕と金魚とを隔てる水面。樹脂を何層にも流し込んで金魚の体を描き足しているうちに、徐々に僕の手から金魚が離れていくような、不思議な感覚があります。絵が完成すると、水面を境に、空気の中で生きる僕から、水中という生の世界に金魚が放たれ、まるで動き出すかのように見えるんです。リアルとは何か。これからも追及していきたいし、この技法が何十年、何百年も誰かに受け継がれて進化していくものであってほしいなと思っています」展覧会では、深堀氏の名を世に知らしめた金魚の立体作品はもちろん、巨大なキャンバスに描かれたダイナミックなアクリル画や、今年の新作であるインスタレーション作品も展示。新しい技法を生んだ過程での試行錯誤も垣間見られる展示となっている。今年で活動20年目を迎えた深堀氏の軌跡。彼の作品を一目見た瞬間の感動を、この大規模展覧会でとくと味わってみてほしい。取材・文/飯塚さき
2021年12月02日生きているように見える金魚のアート作品を手がける現代美術家の深堀隆介さん。メディアでも数多く紹介され、その美しい作品を見たことがある人も多いと思います。そんな深堀作品約300点が、東京の美術館に集結。12月2日から上野の森美術館で、『深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」』がはじまります。今回、展覧会を直前に控えた深堀さんに取材を実施。アトリエにお邪魔し、さまざまなお話を伺ってきました!金魚がいっぱい!アトリエで飼われている金魚たち【女子的アートナビ】vol. 226今回の取材で訪れたのは、横浜にある深堀さんのアトリエ「金魚養画場」。まさに名前のとおり、金魚を養って描く場所で、生きている金魚がいっぱいいます!深堀さんがご自身でエサをやったり水を替えたりしながら、大切に育てているそうです。アトリエでは、いくつか作品も見せていただきました。こちらの画像、「生きた金魚」にしか見えませんが、“絵画”なのです!詳しい技法は後ほど紹介しますが、はじめてご覧になった方はリアルさに驚かれると思います。私も、かなりの至近距離で見せていただいたのですが、本物の金魚が泳いでいるようにしか見えず、鳥肌が立ちました。特に尾鰭の繊細さには目を見張るばかり。衝撃レベルの美しさです。このような超絶技巧アートを手がけている深堀さんのご出身は、愛知県。1973年に生まれ、幼少期には日本一の金魚産地で知られる弥富市の金魚を見て育ったそうです。愛知県立芸術大学を卒業後、会社勤めを経てアーティストに転身。2000年から金魚をモチーフにしたアートを制作され、作品は国内だけでなく海外でも高く評価されています。今回、深堀さんに作品制作の詳細や展覧会への思いについて、語っていただきました。絵が動き出した…!深堀隆介さん。後ろに見えるのは、深堀さんが描いた平面の金魚作品。――深堀さんの作品は、本当に驚くほどリアルです。樹脂の上に少しずつ絵を描く独自の技法“2.5Dペインティング”(積層絵画)を使われているとのことですが、なぜ従来の絵画ではなく難しい技法にチャレンジされたのですか?深堀さん僕は平面でも描きますが、自分だけの技法が欲しいと思っていました。芸術の世界は群雄割拠しているので、自分の十八番のような芸がないと生き残れません。実は以前、樹脂工房で働いていたことがあるので、役に立つかもと思い、余っていた樹脂を器に半分入れて固め、その上にアクリル絵具で絵を描いてみたのです。でも絵具が樹脂に溶けて、失敗すると思っていました。一晩待ってみたところ、絵がきれいに残り、しかも水面ができていたのです。絵が自分の手を離れて水面の向こうに行ったようで、絵が動き出したような不思議な感じがしました。アトリエの様子。手前には制作中の作品があります。――水面ができたのがポイントなのですね?深堀さん平面であれば、金魚と自分が同じ世界にいるように感じます。でも水面ができたとたん、彼らは向こう側の違う世界に行くのです。金魚と僕の間に水面ができるのが重要なのです。子どものころから魚釣りが好きだったのですが、なぜ魚が陸にくると死ぬのか不思議でした。水面を越えてくるから死ぬのです。逆に、人間は水の中では暮らせません。水面は生と死の境界線。水面の向こうの世界にずっと興味と畏怖の念がありました。この技法があれば、水面ができる。この中で、自分の描いた金魚を泳がすことができるのです。死んだときだけ金魚を描く…!?――アトリエでたくさんの金魚を育てていらっしゃいますが、この仔たちが作品のモデルになっているのですか?深堀さん僕の作品は、よく写実といわれていますが、そうではありません。僕の品種、心の中にいる金魚、脳内にいる架空の金魚を描いているのです。「こんな金魚が生まれました」という感じ。最近、金魚を育てるブリーダーさんのなかに、僕の描いた金魚を品種改良でつくってみたいという人が出てきているんですよ。逆転現象です(笑)。絵が先で、そこから新しい金魚が生まれるかもしれません。――では、育てている金魚たちは見ているだけなのですか?深堀さん死んだときだけ描きます。彼らを埋める前に姿を見させていただいて、その特徴を描く。デスノートと名付け、今回の展覧会でも展示しますが、どんな仔だったかという記録を残しています。動いている金魚は、暮らしのなかで見て観察しているだけ。泳いでいる金魚を捕まえて描くのはかわいそうですよね。写真でもだめです。克明に描けるのは止まったときだから、死んだときしかないのです。僕が描くのはフォトリアリズムではなく、あくまでも空想の理想の金魚。だから背びれがなかったりするので、「こんな金魚いない」といわれたこともあります。全部、自分が今まで飼ってきた金魚の集合体なのです。そんなふうに空想できるのが、写真やコンピューターに唯一人間が対抗できる能力だと思います。――すごくリアルなのに、現実にはいない金魚。おもしろいです。深堀さん江戸の絵師たちも、想像しながら襖に虎や龍を描いていますよね。脳でビジョンが見えているから、あたかもそこに龍がいるように描けるのです。彼らの絵は泥臭くて、そんなにリアルではないかもしれないけど、龍が生き生きと魂をもっているように見える。それがおもしろいし、僕も魂が宿っているように描きたいのです。昔、展覧会をやったとき、僕の作品のことを詳しく知らないお客さんから、「餌をあげなくていいんですか。口をパクパクしていたわよ」といわれたことがあります(笑)。「あれは絵ですよ」といったら「動いていたじゃない」と。うれしかったですね。その人には動いて見えたのです。CGのようなものを使わなくても、人間には心の中で金魚を動かせる能力が備わっています。ほんの少しなら動いているように見える、僕のはそんな作品なのです。なぜ金魚を描き続ける?――深堀さんは、放置していた水槽で生き残っていた1匹の金魚の美しさに魅了され、金魚を描き始めたとのことで、この体験をご自身で「金魚救い」と呼ばれています。ずっと金魚だけを描き続けているのですか?深堀さん20年前に金魚を描き始めたときは、アーティストをやめようと悩んでいたころでした。祭りの金魚すくいでとってきて以来何年も一緒に過ごし、大きくなった金魚の背中を見ながら、この仔は自分みたいだなと思ったのです。僕の金魚は、この水槽で一生を過ごし、誰とも会えない。当時、自分は部屋にこもって、もんもんと悩んでいたのですが、僕はこの仔と一緒で、まだ誰とも会っていないのではないか、と思ったのです。この仔から「自分の代わりにお前が行け。外はもっと広いぞ。海があるんだぞ」といわれたような感じがして、描き出したのです。20年経って、ようやく描き続けている理由がわかりました。金魚のいる水面に自分の顔が映り、金魚の中に自分が見えたのです。だから、タイやヒラメではなく、金魚に執着して描き続けられたのです。今の自分を描けばいいのですから。自分自身を描くのは照れくさいので、金魚を使って自分を出しているのです。地球と金魚鉢は一緒!?――展覧会についてお尋ねします。『深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」』というタイトル、地球鉢というのがユニークですが、どのような思いがこめられているのですか。深堀さんコロナだからこそ、この名前になりました。コロナのせいで人間は室内に押し込められ、外に出られなくなりました。小さな、目に見えないウイルスに翻弄されて、苦しめられている。金魚を飼っていて、一番大事なのは水替えです。1週間に最低1回は取り替えないと水槽の水がよどみ、金魚は病気になり、死んでしまいます。地球も水槽と一緒。地球の空気が汚れると、我々人間も免疫が弱まり病気になりやすくなるし、コロナのようなウイルスにも弱くなる。この地球を地球鉢と考えて、汚れた金魚鉢と同じ状況としたら、いろいろなことがわかってくると感じています。人間がこのまま地球を汚し続けたら、自分の子どもたちの世代はもっとひどくなる。僕はずっと金魚を描いてきたので、コロナと金魚もつながるところがあったのです。――私も金魚が好きなので展覧会が楽しみです。日本人は、なぜこんなに金魚が好きなのでしょうね。深堀さんなぜ金魚に惹かれるのかは、深く掘るといろいろあると思います。中国では、どんどん品種改良をして金魚を変えていくのですが、日本はひとつの品種を大切に守っています。日本の金魚は、細かいところまで神経が行き届き、鱗の並び方とか泳ぎ方にまで審査基準があり、すごいのです。でも、原点は金魚すくいかもしれませんね。あれは、ほかの国にはないらしいですよ。みんな、いい思い出になっているのだと思います。僕自身、最初に描いたのは金魚すくいの金魚でしたし、あの仔が僕の究極の金魚。僕を救ってくれましたから。今回のインスタレーションも、金魚すくいの屋台にしてあります。――展示も楽しそうです。いろいろお話いただき、ありがとうございました。深堀さんananの読者さんに、今日の話が少しでも響いたらうれしいです。インタビューを終えて…言葉の端々に金魚愛があふれていた深堀さん。常に水面下にいる金魚たちを慈しみ、その水槽を取り囲む人間社会、地球の未来にも問題意識をもちながら、作品制作をされているようです。深堀さんの熱い想いがこめられた作品は、日本だけでなく世界でも愛され、美しい金魚アートたちが地球のあちこちで泳いでいます。金魚に救われたという深堀さんが、アートの力で人の心を動かし、いつか地球の危機を救ってくれるかもしれません。会場では金魚飴やおみくじも登場!『深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」』では、樹脂を使った積層絵画(2.5Dペインティング)作品のほか、平面の絵画やインスタレーション、映像作品も展示。さらに、ミュージアムショップでは深堀さん描き下ろしの「金魚飴」やオリジナル金魚おみくじも登場します。縁日みたいに楽しそうな展覧会、ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!(アトリエ写真撮影・提供:フジテレビ)Information会期: 12月2日(木)~ 2022年1月31日(月)※休館日=12月31日(金)、1月1日(土)会場:上野の森美術館開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)観覧料:前売券【一般】¥1,400【高校・大学生】¥1,100【小・中学生】¥600深堀隆介描き下ろし 金魚飴付き前売券【一般】¥2,200【高校・大学生】¥1,900【小・中学生】¥1,400当日券【一般】¥1,600【高校・大学生】¥1,300【小・中学生】¥800
2021年11月28日透明樹脂にアクリル絵具で金魚を描くという、独自の手法で注目を集める現代美術家・深堀隆介。12月2日(木)より東京の美術館では初となる展覧会『深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」』が、上野の森美術館にて開催される。器の中に樹脂を流し込み、その表面にアクリル絵具で金魚を少しずつ部分的に描き、さらにその上から樹脂を重ねるという作業を繰り返し行う革命的絵画「2.5DPainting」。2002年にこの手法を編み出して以来、活動の場は国内にとどまらず、ニューヨーク、ロンドン、ミュンヘン、香港など海外でも個展を開催。近年ではライブペインティングやインスタレーションにも力を入れ、表現と活動の幅を広げている。同展では、金魚の持つ神秘性に魅了され、創作を続ける深堀隆介の作品約300点を展示。絵が重なり合い、圧倒的な立体感をもって観るものに迫る“深堀金魚”。 まるで生きているかのように表現された、その不思議な美しさを会場で味わいたい。方舟2009年丹塗り椀 更紗2011年秋敷2020年Photo by Toshiyuki Okabe【開催概要】『深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」』会場:上野の森美術館会期:2021年12月2日(木)〜2022年1月31日(月)時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)休館日:12月31日(金)、1月1日(土)料金:前売券一般1,400円、大高1,100円 、中小600円/数量限定深堀隆介描き下ろし 金魚飴付き前売券一般2,200円、大高1,900円、中小1,400円/当日券一般1,600円、大高1,300円、中小800円※前売り券は11月6日(土)~12月1日まで販売公式サイト:
2021年10月29日深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢」が、神戸ファッション美術館にて2021年11月7日(日)まで開催。その後、「金魚鉢、地球鉢。」として東京・上野の森美術館にて2021年12月2日(木)から2022年1月31日(月)まで開催される。リアルな“金魚”を描く現代美術家・深堀隆介深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢」は、“金魚”をテーマにした作品を手がける現代美術家・深堀隆介の展覧会。深堀隆介は、アーティストとしての活動を悩んでいた時期に、放置していた水槽で生き続ける金魚のの美しさに心打たれたことから、金魚をモチーフにした作品制作をスタート。深堀隆介の描き出す“深堀金魚”の大きな特徴は、ヒレの薄さやウロコの透明感、水の流れまで感じさせる、本物の金魚そっくりの写実的な超絶技巧だ。透明樹脂にアクリル絵の具で金魚を断面的に描き、何層も重ねることで立体感のあるリアルな金魚を表現している。深堀隆介の、絵画でありながら立体的な質感を生む斬新な手法は“2.5D ペインティング(積層絵画)”と呼ばれ、世界的にも高く評価されている。2020年には西武渋谷店で、2016年には横浜スカイビルでも作品展を開催した。新作を含む約300点が集結深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢」では、新作インスタレーション作品《僕の金魚園》を含む約300点の作品を紹介。本物と見まがうほどの躍動感と不思議な美しさが魅力の“深堀金魚”を存分に楽しめる。会場には、酒桝や碗、机の引き出しの中といった多彩な空間の中に漂う鮮やかな金魚の作品が勢揃い。中には、ビニール袋の中を泳ぐ出目金を表現した《初出荷 出目金》も登場する。【詳細】〈神戸展〉深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢」会期:2021年9月11日(土)~11月7日(日)会場:神戸ファッション美術館住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日、9月21日(ただし9月20日は開館)入館料:一般1,000円(800円)、65歳以上・大学生 500円(400円)、高校生以下・神戸市内在住の65歳以上 無料※カッコ内は有料入館者30人以上の団体料金※小学生以下は保護者(大学生以上)の同伴が必要※神戸ゆかりの美術館、小磯記念美術館の当日入館券(半券)で割引問い合わせ先TEL:078-858-0050(神戸ファッション美術館)〈東京展〉深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」会期:2021年12月2日(木)~2022年1月31日(月)会場:上野の森美術館住所:東京都台東区上野公園1-2休館日:12月31日(金)、1月1日(土)開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)入館料:・前売券 一般 1,400円、高校・大学生 1,100円、小・中学生 600円※2021年11月6日(土) 10:00~12月1日(水)まで販売。・数量限定 深堀隆介描き下ろし 金魚飴付き前売券(全2種) 一般 2,200円、高校・大学生 1,900円、小・中学生 1,400円・当日券 一般 1,600円、高校・大学生 1,300円、小・中学生 800円※金魚飴付き前売券は数量限定につき、販売枚数に到達次第、販売終了。※金魚飴付き前売券の「金魚飴」は、観覧日当日に会場内物販コーナーにて引換え。※「金魚飴<あけすず>」、「金魚飴<みずあわ>」は会場内物販コーナーでも単品販売予定(予定価格:1,000円)。※未就学児は入場無料。※小学生以下は、保護者同伴での入場。※本券は、会期中1枚につき1名1回限り有効。再入場不可。※チケットは転売禁止。また、払い戻し、交換、再発行は不可。※障がい者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、愛の手帳、被爆者健康手帳)持参者は、本人と付き添い1名まで入館無料。問い合わせ先TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル 9:00~20:00)■会期終了・長崎展会期:2021年3月12日(金)~4月18日(日)会場:長崎県美術館 県民ギャラリー・岩手展会期:2021年4月24日(土)~6月13日(日)会場:岩手県立美術館 企画展示室・高知展会期:2021年7月24日(土)~8月29日(日)会場:高知県立美術館 県民ギャラリー
2021年02月21日1993年に公開された『機動警察パトレイバー2 the Movie』が28年ぶりに、2月11日(木・祝)より公開されることが決定した。『機動警察パトレイバー』 は1998年にOVA(初期OVA)シリーズがスタートし、コミック連載(週刊少年サンデー)、TVシリーズ、劇場作品、OVA(新OVA)と、多様なメディア展開と斬新なプロモーションで、いまなおファンを熱狂させ続けている大ヒットシリーズだ。今回4DXで公開が決定した『機動警察パトレイバー2 the Movie』は、TVシリーズ放送、新OVA発売後の1993年に公開されたシリーズ劇場作品第2作目である。2020年夏には前作『機動警察パトレイバー the Movie』が4DXで公開され、約4万人を動員するヒットを記録した。監督は『機動警察パトレイバー the Movie』で力量を遺憾なく発揮し、他のアニメ作品にも多大なる影響を与えた押井守。脚本は伊藤和典、キャラクターデザインの高田明美・ゆうきまさみ、メカニックデザインは出渕裕と、メインスタッフは『パトレイバー』の原作〈ヘッドギア〉が担当。そして作画監督には黄瀬和哉、美術監督は小倉宏昌など、前作で近未来の世界観を見事に構築したスタッフが引き続き参加している。加えて、河森正治、カトキハジメがメカデザインとして参加。音楽は川井憲次が引き続き担当、強力なスタッフが顔を揃えている。声優陣は、冨永みーな、古川登志夫、大林隆介、榊原良子、千葉繁、阪脩など特車二課メンバーに加え、キーパーソンとなるふたりの男に、俳優・監督として活躍する竹中直人、押井監督の『天使のたまご』に声優として参加した個性派俳優・根津甚八が参加。そして今回、4DXを支えるサウンドは、立体音響用として1998年に制作された「サウンドリニューアル版」。再アフレコは管制官などが一部が修正されたのみだが、音楽はシンセサイザーをオーケストラや生のコーラスに変更して再収録されたものが使用されている。「サウンドリニューアル版」はこれまでイベント上映など数回しか上映されておらず、全国的な映画館での上映は初。劇場の大画面+立体音響+4DXならではの演出をぜひ体感してほしい。また、冒頭のPKOのシーンをはじめ、戦闘ヘリによる東京空爆、クライマックスの地下坑道での激しい戦闘シーンはもちろん、レイバーシミュレーターや船、車などの搭乗感覚は4DXならではの効果が期待できる。そして注目の演出は「雪」。本作のヒロイン・南雲しのぶが柘植行人に会いに行くシーンではドラマチックに雪が降り始めるのだが、4DXでどう演出されているか注目だ。さらに、『機動警察パトレイバー2 the Movie 4DX』公開に先立ち、『機動警察パトレイバー the Movie』(通常版)の劇場公開も決定。 未見の方も合わせてチェックしよう。『機動警察パトレイバー the Movie』(サウンドリニューアル版)1月29日(金)より公開『機動警察パトレイバー2 the Movie 4DX』2月11日(木・祝)より公開
2021年01月18日“金魚絵師”深堀隆介の展覧会「深堀隆介 ~金魚愛四季(きんぎょいとしき)~」が、2020年8月13日(木)から8月30日(日)までそごう横浜店で開催されます。“金魚絵師”深堀隆介、本物そっくり金魚アート深堀隆介は、金魚に魅せられた現代芸術家。“金魚絵師”と呼ばれる深堀の作品は、まるで生きているかのように本物そっくりなのが特徴。特に、透明樹脂にアクリル絵具で金魚を描いた作品群は、圧倒的な躍動感で見る者を魅了します。深堀の作品は、国内外から高い評価を受け、平面である絵画作品と立体作品の境界に揺さぶりをかける“革命的絵画”2.5D ペインティングと呼ばれています。初期から現在までの“金魚アート”集結そごう横浜店で開催される「深堀隆介 ~金魚愛四季~」では、初期から現在までの金魚作品を集めた企画「金魚ノ図鑑」や、金魚の新たなイメージを四季折々で演出するインスタレーション展示「金魚ノ四季」などを展開。さらに、金魚だけでなく、深堀隆介が手掛けた平面作品や、実際の制作風景なども紹介されます。金魚グッズもアート鑑賞だけでなく、ショッピングも楽しめるのが「深堀隆介 ~金魚愛四季~」の魅力。金魚をモチーフにしたポストカードやクリアファイル、ステッカーなどのグッズが発売されます。イベント情報イベント名:「深堀隆介 ~金魚愛四季きんぎょいとしき~」催行期間:2020年08月13日 〜 2020年08月30日住所:神奈川県横浜市西区高島2-18-1そごう横浜店8階=催会場<グッズ例>※限定ショップのみ、入場無料・ポストカード 5枚セット 825円・クリアファイル A4サイズ 440円・クリアファイル A5サイズ 385円・ステッカー 330円
2020年08月13日“金魚絵師”深堀隆介の展覧会「深堀隆介 金魚愛四季(きんぎょいとしき)」が、2020年10月6日(火)から11月1日(日)まで西武渋谷店で開催される。“金魚絵師”深堀隆介、本物そっくり金魚アート深堀隆介は、金魚に魅せられた現代芸術家。“金魚絵師”と呼ばれる深堀の作品は、まるで生きているかのように本物そっくりなのが特徴。特に、透明樹脂にアクリル絵具で金魚を描いた作品群は、圧倒的な躍動感で見る者を魅了する。深堀の作品は、国内外から高い評価を受け、平面である絵画作品と立体作品の境界に揺さぶりをかける“革命的絵画”2.5D ペインティングと呼ばれている。初期から現在までの“金魚アート”集結西武渋谷店で開催される「深堀隆介 金魚愛四季」では、深堀隆介の代表作や、金魚の新たなイメージを四季折々で演出するインスタレーション展示「金魚ノ四季」などを展開。鮮やかに散る紅葉の中を黒デメキンが泳ぐ作品など、四季の風景と金魚の織り成す鮮やかな世界観を楽しめる。金魚グッズもアート鑑賞だけでなく、ショッピングも楽しめるのが「深堀隆介 ~金魚愛四季~」の魅力。金魚をモチーフにしたクリアファイルやステッカーなどのグッズが発売される。【詳細】「深堀隆介 金魚愛四季(きんぎょいとしき)」期間:2020年10月6日(火)~11月1日(日)10:00~20:00※最終日は17:00閉場。 ※入場は閉場30分前まで。場所:西武渋谷店 A館7階=特設会場住所:東京都渋谷区宇田川町21-1入場料:一般 800円(税込) ※高校生以下無料※ミレニアム/クラブ・オンカード会員は、本人のみ400円(優待価格)で入場可能。※西武・そごうインターネットサービス会員は入場無料。※障がい者手帳各種提示で、本人と同伴者1名まで入場無料。※会場内が混雑した際は、入場を制限する場合あり。<グッズ例>・クリアファイル A4サイズ 440円・クリアファイル A5サイズ 385円・ステッカー 330円※価格はすべて税込。
2020年07月31日約3年前「がんが消えた!」と笑顔で語ってくれた大林さん。病魔は大林さんに試練を与え続けたが、映画への熱が冷めることはなかった。それはきっといまでも……。「昨年11月ごろから、新作の公開日に照準を合わせて、大事をとって自宅で療養していました。父は何よりも、母のそばを離れたくない。とにかく自宅が大好きな人でした。亡くなる当日まで、寝室の窓から見える八重桜を眺めながら『きれいだね』と、日課のように話をしていました」悲しみをこらえながら、本誌のインタビューに答えてくれたのは、4月10日、肺がんのため亡くなった映画作家・大林宣彦さん(享年82)のひとり娘、千茱萸さん。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により公開は延期となったが、大林さんが亡くなった日は、くしくも監督を務めた最新作『海辺の映画館−キネマの玉手箱』の公開予定日だった。’16年8月、「肺がんステージ4、余命3カ月」という宣告を受けた大林さん。本誌はその1年後の’17年8月、そして2年4カ月後の’18年12月に、大林さんに2度インタビューをしている。本誌記者に語りかける大林さんの口調は、まるで親がわが子に語りかけるように優しかった。そして自らの人生哲学を語る情熱は、宣告された余命を大幅に超えて生き続けた大林さんのエネルギッシュさを物語っていた。がん闘病、家族の絆、そして映画にこめた「反戦」への思い……。監督が本誌に残した、約9時間にも及ぶ“魂のメッセージ”に、もう一度触れてみようーー。闘病のなか、映画製作に情熱を注ぎ続けた大林さんは、妻の恭子さん(81)のことを「人生最大の理解者」だと語っていた。「僕と一緒になったときも、『あなたの才能を尊敬しているからお手伝いをします。でも、私があなたを尊敬できなかったらすぐに別れます』と宣言されて、一緒になった。古い時代の人ですから、本当に尽くしてくれますよ。自分の体のことは放っておいても、僕のことを気にしてくれてね。恭子さんがいなければ、僕は映画も作っていなかったでしょう。つまり、彼女との出会い自体が、僕そのものなんですよ。彼女もそうみたいですけど(笑)」恭子さんは、成城大学在学中から大林さんの自主映画製作に関わり、以来、大林作品を常に支えてきた。そして『転校生』(’82年)から正式にプロデューサーとなる。「彼女は、“私は最初の観客よ”と、必ず現場にいるんです。映画のプロデューサーはお金を集めてきたら現場にいないのが普通ですが、恭子さんは現場に張り付いている。僕が現場でいろんなことを思いついたりすると、横にいる彼女に相談するんです。そうすると、『あ、面白いわね。きっと面白くなると思うから、やってみて』と言って、すぐにその手配をしてくれます。“面白いと思えば、私はOKよ”というのが彼女のスタンス。ときには、容赦なくシーンをカットすることも提案してきます」夫婦であり、クリエーター同士でもある2人。いつも一緒にいれば、ケンカが起きても不思議ではないのだが。「感情的なケンカはしませんが、議論は年中しています。娘の千茱萸がいるときは、参戦させるんですよ。娘は赤ん坊のころから、夫婦で議論するときにそばに置いていましたからね。小さいときの娘は、議論するママの顔を見ながら“あ、パパのほうが間違っている”とか“ママのほうが正しそうだな”とよく思っていたみたいです(笑)」余命3カ月の宣言を受けてから、すでに2年以上が過ぎた’18年11月、大林さんにとってうれしい出来事があった。長年二人三脚で映画を作ってきた恭子さんが、「第42回山路ふみ子映画賞」で映画功労賞を受賞したのだ。「その贈呈式で彼女がいいスピーチをしてくれてね。《私の記憶は7歳のとき、東京大空襲の焼け野原から始まっています。すべてが焼かれ、写真1枚残っていない。昔の記憶も残っていない。戦争を二度と起こさないために、何か役に立てることはないか。そんなときに映画と出合い、それをこれまでずっとやってきました》と。僕は会場で聞いていて“こんなに喋る人だったんだ”と驚かされました。監督というのは好き放題、やりたい放題。それを勝手にやらせてくれたのは、プロデューサーである妻であったと、そのとき気づかされた。そしていまでは、娘の千茱萸、彼女の夫と一緒に、家族で映画を作っている。これは幸せなことです」大林さんの家族もまた、映画を愛し、そして何より新しい映画に挑戦し続ける大林さんを愛していた。そんな家族について語る大林さんの表情は、いつも優しかった。「女性自身」2020年5月5日号 掲載
2020年04月23日4月10日(金)、82歳で死去した大林宣彦監督を追悼する特別企画として、日本テレビ系では4月18日(土)、大林監督がメガホンを取り原田知世主演で筒井康隆の人気SFファンタジー小説を映画化した『時をかける少女』を放送する。『HOUSE ハウス』で商業映画初監督、80年代には本作とともに『転校生』『さびしんぼう』の3作が“尾道三部作”として多くの観客をとりこにしたほか、92年には『青春デンデケデケデケ』で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞。近年は『この空の花-長岡花火物語』『野のなななのか』、第72回毎日映画コンクール日本映画大賞をはじめ数々の映画賞を受賞した『花筐/HANAGATAMI』といった作品を世に送り出し、精力的な活動を続けてきたが、16年にがんが発覚。『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』の製作に向けて闘病を続けていた矢先、82歳の生涯に幕を下ろした大林監督。大林監督を世に知らしめた“尾道三部作”の1作でもあり、監督が角川春樹とタッグを組んで世に送り出したアイドル映画の代表作ともいえるのが本作となる。昨年放送の「あなたの番です」も話題となった原田さんは本作で初の映画主演を務め、第7回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。興行成績も28億円の配給収入をあげて公開年の邦画第2位となるヒットを記録した。物語は、ある日の放課後の実験室でラベンダーの香りを嗅いで以来、時間を跳躍する能力を持ってしまった芳山和子(原田さん)が、同じ毎日を繰り返すなかで、同級生の深町一夫(高柳良一)と淡い想いを寄せるのだが、一夫には“秘密”があって…というもの。当時16歳の原田さんによるフレッシュな演技と、叙情溢れる尾道の風景。そして現在まで数多くの作品が作られる“ループもの”青春ストーリーの元祖ともいえる、時空を超えた切ないラブストーリー。その美しい映像と世界観はいまだに多くの人の心を惹きつけてやまない。『時をかける少女』は4月18日(土)13時30分~日本テレビでオンエア(関東ローカル)。(笠緒)
2020年04月18日10日夜、他界された大林宣彦監督へ哀悼の気持ちをこめ、公私ともに親交があった方々の追悼文を掲載させていただきます。大林監督のご冥福を心よりお祈りいたします。(ぴあ編集部)塚本 晋也(映画監督・俳優)大学生のころ、「『HOUSE/ハウス』という面白い映画があるぞ!」と自主映画仲間と映画談義に花を咲かせました。その後、大好きな『転校生』、『時をかける少女』(ラスト、倒れていた原田知世さんが立ち上がって歌い出す瞬間の驚きとときめき)など好きな映画はたくさんありますが、大林監督とお話するようになったのは、実は2015年に発表した『野火』以降になります。ですから大林監督を慕って行動を共にされていた監督さんたちとも違い、僕には雲の上の人のようにずっと遠くに感じられていました。学生のころうらやましく見ていた自主制作からプロデビューする監督さんたちの、さらにその先をいく存在だったのです。『野火』の上映で、全国のミニシアターからミニシアターへ行脚していたおり、大林監督の故郷にある映画館シネマ尾道で、僕の『野火』と大林監督の『野のなななのか』を上映し、対談をさせていただく大きな機会を得ました。大林監督は、そのすべての映画に戦争というテーマを隠し味としてこめていたと仰いましたが、3.11以降、『この空の花ー長岡花火物語』からははっきりと戦争がモチーフになっていき、その後『野のなななのか』、『花筐』へと続いてゆきます。対談の前に大きなスクリーンで観た『野のなななのか』は、戦争で亡くなった人たちと今この世で生きている自分たちが地続きに感じられる優しい目線で描かれている作品でした。全編が繰り返し歌われる詩のようで、感情が揺さぶられ続けました。そしてこの連作で、年齢や病をものともせず、作品はますますパワフルに溢れ出したのです。対談ではたくさんの大切なことをお話しくださいましたが、衝撃だったのは、大林監督は「僕(大林監督)は戦後の監督で、塚本君は戦前の監督」という視点。また、正義という概念は時代によって変わるので、必要なのは自分を俯瞰してみる正気の目線だ-。という教え。残念ながら自分たち人間は、状況によっては悪魔に変身することができる生き物だと知ってしまったので、そういう状況を作り出さないようひとりひとりが正気の目を持ち続けることが最も大切という思いに至りました。また『斬、』という新作の上映と舞台挨拶でやはりシネマ尾道にうかがったとき、大林監督が新作を撮影されているということを知り陣中見舞いにうかがったこともあります。撮影中にお邪魔するのもいかがなものかとはばかられたのですが、そうっと覗かせてもらうことにしました。そのとき監督はだいぶ小さくなられていましたが、静かに、着実に撮影を進めていらっしゃいました。撮影現場にいることが一番の薬だったのでしょう。そして自分がひょっこり現れたことをたいへんに喜んでくださいました。その後高崎映画祭の授賞式でもご一緒できる機会があったのですが、セレモニーの間どこにいらっしゃるか分からなく、自分の登壇の直前、舞台袖に待機すると車椅子の方が目に入り、その瞬間も大林監督だとはすぐには思わず、通り過ぎて壇上に出てようやく監督だとわかったのです。舞台袖ですべての進行をご覧になっていたのです。しかし目にしても気づかないほど小さくなられていたのでした。僕もゲストを大勢連れていったものですからそのあと直接お話しする機会を逸してしまい、ずっと気になっていました。あのときシネマ尾道さんの計らいで撮影現場にうかがっておいて本当によかったです。しかし高崎映画祭の壇上に出た大林監督は、本当に病気なのかと思うほどしっかりとして、たくさんの貴重なお話をみなさんにしてくださいました。実は新作の『海辺の映画館―キネマの玉手箱』は、試写やDVDでなく、町の映画館で一観客として観させていただくのを楽しみにしていたので、初日を今かと今かと待っていたのですが、まさに公開予定日に旅立たれてしまいました。映画はお客さんに届いて完成するものと思っていらしたはずですので、そこまではがんばろうとされていたのではないでしょうか。コロナの終息が見えない中亡くなられてしまったと思うと、映画の感想をお届けできなかったことが悔やまれてなりません。亡くなられる数日前に、自分の名前も上げてくださり、「君たちが映画をつないで平和な世の中に・・・」と途切れ途切れお話しをしたという奥様の恭子さんのコメントを読みました。高崎でお話しできなくごめんなさい。やっぱりどんな形ででも新作を観てしまうべきだったといろいろ悔やみましたが、今となってはいかんともしようがありません。大林さんはずっと平和のことを考え、その思いを映画に込め、語っていらっしゃいました。『海辺の映画館―キネマの玉手箱』はとてつもなくパワフルな映画と各所から耳に入ってきます。もう少ししたら、最高の場所、映画館で堪能させていただきますからね、大林監督。ほんとうにありがとうございました。大林監督の遺作となった『海辺の映画館-キネマの玉手箱』から (C)2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC塚本 晋也(つかもと・しんや)1960年東京生まれ。映画監督/俳優。日本大学芸術学部卒業後、『電柱小僧の冒険』(1987)でPFFグランプリを受賞。『鉄男』(1989)でローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞するなど、国際的な映画祭での評価も高く、ヴェネツィア国際映画祭では審査員も務めた。自作の『野火』(2015)、『斬、』(2018)や、マーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙 -サイレンス-』(2016)などに、俳優としても出演している。
2020年04月16日10日夜、他界された大林宣彦監督へ哀悼の気持ちをこめ、公私ともに親交があった方々の追悼文を掲載させていただきます。大林監督のご冥福を心よりお祈りいたします。(ぴあ編集部)川本 三郎(映画評論家/文芸評論家)大林宣彦さんは、大仰ではなく、ほとんど「奇跡」のような存在だったと思う。八十歳を過ぎ、癌と闘いながら最後まで映画を作り続け、遺作となった『海辺の映画館-キネマの玉手箱』を作り上げたことも「奇跡」だし、なによりも映画人生の大半を「自由人」として映画を作り続けたことが「奇跡」だった。大林さんの世代の映画監督の大半は、映画会社に所属している。当時としては、それが当たり前だった。ところが大林さんは、まったく別のところから現われた。子供の頃から八ミリで映画を作り、映画少年がそのまま大きくなり、テレビのコマーシャルを多数作り、そして、映画を作るようになった。それまでの映画監督、あるいは同世代の映画監督が「撮影所育ち」だったのに対し、大林さんはあくまでも「自立」した「自前」の映画監督として映画を作り続けた。その意味で、映画史のなかの、いい意味での「突然変異」と言っていい。映画会社に属さないということは、経済的には大変だったと思うが、逆に、映画会社の枠にとらわれない自由な映画を作ることが出来た。「映像の魔術師」と呼ばれるほど、従来の映画文法にとらわれない想像力豊かな映画を作り続けることが出来たのは、大林さんが映画会社に所属しなかったことが大きいと思う。大林さんは、映画監督であると同時に「自由人」であり続けた。そこに敬服する。そして、あの優しい風貌に、この言葉は似合わないかもしれないが、偉大なる「一匹狼」だった。それを、奥さんの大林恭子さんや、娘さんの千茱萸(ちぐみ)さんが支え続けたのも素晴しい。矛盾した言い方になるかもしれないが、「家族に支えられた一匹狼」と言えばいいだろうか。「自由人」にふさわしく、大林さんの映画は、テーマよりもメッセージよりも、最初は何よりも、自由奔放なイメージの連続から作られた「奇妙なもの」として立ち現れた。従来の日本映画のこぢんまりした花鳥風月の世界とはまったく違う。アメリカン・アートのポップな感覚、テレビのコマーシャルのカラフルな喧騒には正直、最初はついていけなかった。2016年11月に、『キネマ旬報』の仕事で『花筐/HANAGATAMI』製作中の大林さんにインタビューをした時、「君は、最初の頃、僕の映画を批判していたよね」と言われて、思わず冷や汗をかいたものだった。大林さんの作品で最初に感動したのは、遅れていて、1984年の『廃市』だった。それまでの、にぎやかな世界と違って、福岡県の「柳河」という掘割の町、水の町を舞台にした静かな映画で、大林さんはこんな映画も作るのかと魅了された。福永武彦の原作も好きだったし、何よりも北原白秋が好きだったので、『廃市』を観たあと、すぐに「柳河」に旅した。のち、2012年に、北原白秋論『白秋望景』(新書館)を書いたのも、きっかけは大林さんの『廃市』だった。大林さんは声もよかった。あるところで『廃市』はナレーションの声がいいと書いた。あとで、その声は監督の大林さん自身の声だったと知って、恥かしくもあり、同時にうれしくもあった。かつて木下恵介監督は「作品のなかで必ず映画的実験をする」と言って、作品ごとにそれを試みたが、大林さんも新作ごとに「映画的実験」に挑んだ。ひとつ例を挙げれば2004年の『理由』だろうか。あの宮部みゆきの傑作を映画化する。普通の映画監督ならリアリズムの手法で事件を追っていただろう。ところが大林さんはそうはしなかった。テレビのワイドショーの手法を使った。それまでは映画では使ってはならないとされていた、俳優がまっすぐカメラを見るという禁じ手を逆手にとって、俳優たちがワイドショーのレポーターのように正面からカメラを見て事件を語る。この型破りの手法には驚いた。「自由人」だから出来る冒険だったろう。大林さんの「映画的実験」は近年の『花筐/HANAGATAMI』や『海辺の映画館-キネマの玉手箱』で如何なく発揮されている。どちらの作品も反戦のメッセージが強く打ち出されているが、決してありきたりのリアリズムの枠にはおさまっていない。具象画の世界に突然、抽象画が現われたような新鮮な驚きがある。故郷である尾道を舞台にした尾道三部作をはじめ、小樽、長岡、臼杵、唐津など地方を舞台にした作品を作り続けたことも、東京一極集中の時代にあって意味が大きい。中心に対して、周縁からの抵抗の思いもあっただろう。大林さんの反骨精神を感じる。『廃市〈HDニューマスター版〉』発売・販売:キングレコードKIXF-4286/¥2,500+税 KIBF-4533/¥1,900+税川本 三郎(かわもと・さぶろう)1944年東京生まれ。映画評論家/文芸評論家。「週刊朝日」「朝日ジャーナル」の記者として活躍後、文芸・映画の評論、翻訳、エッセイなどの執筆活動を続けている。91年『大正幻影』でサントリー学芸賞、2012年『白秋望景』で伊藤整文学賞などを文芸著作で各賞受賞。1970年前後の実体験を描いた著書『マイ・バック・ページ』は、2011年に妻夫木聡と松山ケンイチ主演で映画化もされた。
2020年04月15日10日夜、他界された大林宣彦監督へ哀悼の気持ちをこめ、公私ともに親交があった方々の追悼文を掲載させていただきます。大林監督のご冥福を心よりお祈りいたします。(ぴあ編集部)植草 信和(元キネマ旬報編集長)大林さんと最後にお会いしたのは2018年の春だった。クランクイン直前に下された〈余命三ヵ月宣告〉を撥ね返して完成させた『花筐/HANAGATAMI』公開が前年の2017年12月だから、『海辺の映画館―キネマの玉手箱』準備中だった。ぴあアプリ「私のクリエイター人生」の取材で、3回に亘って6時間ほどインタビューさせていただいた。場所はご自身のプロダクション〈PSC〉の仕事場兼応接間。恭子夫人に伴われて現れた監督は病魔との戦いに疲れた様子だったが、インタビューを始めるとそれまでの痛々しさを微塵も感じさせないほど饒舌になり、尾道時代の幼年期からの「映画人生」を語ってくれた。個々の作品評価は紙幅の都合で別の機会に譲るとして、大林さんが我々に遺してくれた最大の遺産は何だったのだろうか、と真剣に思う。それを一言で表せば、「後進への映画の道を切り拓いた」ということに尽きる。映画監督への道はそれまで、撮影所の門をくぐった者しか開かれていなかった。だが彼は、CMディレクターであり自主映画の監督に過ぎなかったにも関わらず、『HOUSE /ハウス』で東宝という大メジャーから監督デビューを果たした。しかも興行的にも大成功を収め、一躍時の人、人気監督になった。大林さんの出現は、日本映画史に「大林以前・大林以後」と特筆大書してもいいほど燦然と輝く新たな一ページを加えた。日本映画界が低迷していた中でのその鮮烈な監督デビューは、大森一樹や原田眞人、是枝裕和、岩井俊二という現在の日本映画を牽引する監督たちを登場させる端緒になったといっていい。その他、犬童一心、塚本晋也、手塚眞、今関あきよしなどの大林チルドレンと言われる監督たちも生まれ、その幹から育った監督たちも多くいる。3.11東日本大震災からは「反戦」を刻印する映画を4本作った大林監督、文字通り遺書になった著書『最後の講義/映画とは“フィロソフィー”』の終章は、「映画では、平和を引き寄せられます。本当にそれができるんだから。頼むよ、みんな」という一文で結ばれている。その一文から、手塚治虫が「漫画と少年」の懸け橋になったように、大林さんは「映画と青年」の懸け橋になったのだ、と思える。大島渚、かわなかのぶひろ、ほしのあきら、松田政男、松本俊夫ら審査員各氏がそろったPFF審査中の貴重なショット。手前左端サングラスが大林監督。写真提供:PFF植草 信和(うえくさ・のぶかず)1949年、千葉県市川市生まれ。フリー編集者。キネマ旬報社に入社し、1991年に同誌編集長。退社後2006年、映画製作・配給会社「太秦株式会社」設立。現在は非常勤顧問。ぴあアプリ「私のクリエイター人生」で、大林宣彦監督のインタビュー&構成を担当。
2020年04月12日10日夜、他界された大林宣彦監督へ哀悼の気持ちをこめ、公私ともに親交があった方々の追悼文を掲載させていただきます。大林監督のご冥福を心よりお祈りいたします。(ぴあ編集部)中川 右介(作家)最初に大林宣彦監督にお会いしたのは、スマートフォンの記録を見ると、2013年10月29日。当時の私は「関西ウォーカー」誌に、後に『角川映画 1976-1986』(角川文庫)となる記事を連載しており、角川春樹時代の角川映画で最も多く撮った大林監督に、時間をとっていただき、『時をかける少女』などの角川映画時代を語っていただいた。実はその時点まで、どういう本にするか明確な設計図ができていなかったのだが、このインタビューで、「角川春樹と大林宣彦の距離感のある盟友関係」を隠れた主題にするアイデアを思いついた。そのインタビューの際、同行していたカメラマンが「写真のチェックをしますか」ときくと、「それはあなたの仕事でしょう。僕の映画なら、もちろんチェックするけれど、あなたの写真なのだから、あなたが最もいいと思う写真を使いなさい」との答えで、かっこいいなあと思った。そこに、プロとしての矜持を感じた。監督の好きな言葉で言えば、「フィロソフィー」を。その矜持の本質をもっと知りたくなり、『大林宣彦の体験的仕事術』(PHP新書)という本を企画し、私がインタビューをして構成することになった。原稿に大林監督が手を加え、さらに私が手を入れと、何度も原稿のやりとりがあった。組版してからも大変だった。この本を手にしてていただければ分かるが、一行も余白がない。たとえば、校正刷りで、あるページに2行余白が生じると、大林監督は2行足して埋めていく。映画には余白はない。始まったら最後まで1秒も空白がない。その感覚で、作られた本だった。カメラマンが撮った写真はその人の作品だから口出ししないが、本での自分の発言は自分の作品だから、一字一句までこだわる。そのすさまじさ。一緒に映画を作ることはなかったけれど、この本を作ったことで、プロとしての大林宣彦の仕事の流儀、作法に接することができた。生涯の思い出だ。インタビューの後は、いつも成城学園前駅近くで食事をした。ある晩、店から出てくると、駅周辺にいる人たちが夜空を見上げていた。「なんだろう」と私たちも見上げたが、とくに変わったものは見えない。私はぼんやりと見上げていただけだったが、大林監督は、見上げている人たちのそばへ行き、「何が見えるんですか」ときいた。すごい好奇心だ。「月食です、いま見えなくなったところ」との答えに、「見えないわけだ。見そこなったのは、ツキがなかった」と大笑い。「大林宣彦のダジャレ」のひとつだ。新宿で食事をしたときも、「西武新宿線で帰ります」と言うと、すかさず「ほう、西武線か。セイブ戦線異状なしだといいね」と返された。ダジャレの天才だった。これからも、大林映画は何度でも見ることができるけど、あのダジャレはもうきけない。映画『HOUSE/ハウス』のチラシ中川 右介(なかがわ・ゆうすけ)1960年東京生まれ。出版社アルファベータを創立。クラシック、映画、文学者の評伝を出版。現在は文筆業。『大林宣彦の体験的仕事術』(PHP新書)など、映画、歌舞伎、ポップスに関する著書多数。近著に『手塚治虫とトキワ荘』(集英社)など。
2020年04月12日10日夜、他界された大林宣彦監督へ哀悼の気持ちをこめ、公私ともに親交があった方々の追悼文を掲載させていただきます。大林監督のご冥福を心よりお祈りいたします。(ぴあ編集部)樋口 尚文(映画評論家、映画監督)1977年、東宝のスクリーンに『HOUSE/ハウス』という作品が「乱入」してきた時のインパクトは、当時の若い観客にとってとんでもないものだった。その頃はビデオなどないから、封切りの後は、私のように名画座で何度も観まくる中毒患者が多発した。この作品は言わば邦画らしからぬモダンなタッチで描かれた美少女ホラーだったのだが、中毒まで行った観客はそんな設定やストーリーのうわべに痺れていたのではない。ぼくらを虜にしたのは、特異な画と音で埋め尽くされた映画の行間にたちのぼるフィルムの手ざわり、フィルムの生理のようなものであり、そこに弾けては消える(少女の思春のときの儚さのような)抒情、リリシズムを感じて甘美な疼痛を覚えていた。自然主義的な文学性で語ってきた日本映画の歴史のなかで、フィルムを愛玩しつくした先に降るフィルムそのものの抒情を領分とする作品などあり得なかった。正確に言えば、邦画五社の商業映画でなければ、それは存在した。『HOUSE』のひと昔まえに大林が発表した16mm作品『EMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ』を筆頭とする個人映画の諸作である。『いつか見たドラキュラ』は全国の大学祭で上映しないところはないくらいの人気を博したが、それはまさにフィルムの生理で語った画期的な大林調が若者たちを揺さぶった結果であった。『HOUSE』の凄さは、これらの個人映画が発散していた濃厚なフィルムの抒情が、手かげんなく東宝の夏休みアイドル映画に越境していた、ということだ。この「越境」の原点は、それを遡ること二十年前、大林青年が8mmカメラで映画を撮り出した頃にすでに明らかだ。すなわち大林は戦時中の子ども時代から熱狂的な映画ファンであったものの、8mmで作り出したのはフィルムの手ざわり、生理をもって自分ならではの「詩」をうたう習作だった。以来、大林はテレビコマーシャルの売れっ子演出家である時も、16mmのアンダーグラウンド映画の作家である時も、35mmの商業映画の監督をまかせられた時も、全く変わらずに大林の専売特許であるフィルム的抒情をもって作品づくりに傾注した。だから、厳密に言うと『いつか見たドラキュラ』時代の作風が『HOUSE』に越境したというよりも、大林は常に変わらず「私人=詩人」として自分だけのフィルムの「詩」をうたってきた、ということだろう。それは近年のデジタル長篇時代になっても変わらないどころか、より旗幟鮮明に(身体は病み疲れても)情熱的なフィルム語りにのめっていった。そして作家はつねに「私性」に生き、自分だけの「詩」をうたうべし、という大林の実践的な教えは、大林も審査員をつとめていたPFF(ぴあフィルムフェスティバル)出身者をはじめとする「大林チルドレン」の監督たちに継承されていった。だが、あの『時をかける少女』などをはじめとする口あたりのよいジュブナイルの紙背にひそむ、フィルムそのものの匿名の抒情の戦慄は、なまなかな追随を許さぬ「導師」ならではの境地であろう。畏怖とともに、合掌。新文芸坐で開催された「大林宣彦映画祭2017」のチラシ樋口 尚文(ひぐち・なおふみ)1962年生まれ。映画評論家、映画監督。著書に『大島渚のすべて』『黒澤明の映画術』『実相寺昭雄 才気の伽藍『映画のキャッチコピー学』ほか。監督作に『インターミッション』。新作『葬式の名人』がDVD・配信リリース。2017年、新文芸坐での「大林宣彦映画祭」を企画。2019年、大林監督の研究本『フィルムメーカーズ20 大林宣彦』(宮帯出版社)を責任編集。
2020年04月12日映画監督の大林宣彦さんが4月10日、肺がんのため亡くなった。82歳だった。大林さんにゆかりのある俳優たちからは、追悼の言葉が上がっている。83年の主演作「時をかける少女」で映画デビューを果たした原田知世(52)は《大林宣彦監督 在りし日のお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします》とTwitterに投稿。また各メディアによると82年の「転校生」で主演の1人を演じた小林聡美(54)は「大林監督は私の根っこであり、お日様でした」「心よりご冥福をお祈りいたします」とコメントしたという。16年8月、映画「花筐/HANAGATAMI」の撮影前日に肺がんだと判明した大林さん。ステージ4だと診断され、2日後には余命3カ月と宣告された。しかし、奇跡的に復活を果たした。17年9月、本誌で大林さんは余命宣告に対して「自分でも不思議なほどネガティブな気持ちはいっさいなかった」と告白。そして「それはやはり、伝えなければいけないメッセージがあるから。命懸けで撮らなければならない映画があるからなんです」と語っていた。身を賭して撮り続けたのは、同作で戦争を描いたためだ。映画を通して、反戦を伝えてきた大林さん。そこには黒澤明さん(享年88)に託された願いがあったという。黒沢さんはある日、こう話した。「大林くん、人間というのは本当に愚かなものだ。いまだに戦争もやめられない。けれども、人間はなぜか映画というものもつくったんだな。映画には必ず世界を戦争から救う、世界を平和に導く、美しさと力があるんだ」「きみが無理だったら、きみの子どもが、さらにはきみの孫たちが、少しずつ俺の先の映画を撮り続けてほしい。そのときにはきっと、映画の力で世界から戦争がなくなるぞ」大林さんは「これが“世界のクロサワ”から託された、遺言なんです」と語っていた。そんな大林さんが亡くなった4月10日は、新型コロナウイルスの影響がなければ新作「海辺の映画館-キネマの玉手箱-」が公開される日だった。同作も戦争をモチーフにした映画だ。18年12月、再び本誌の取材に応じた大林さんは闘病生活について「がんとは共存共生」と表現。そして「地球からしたら、戦争をやめられない人間こそが、がんだっていうことですよ」「勝つためだけに国に殺され、たくさんの人々が不幸になる」として、同作についてこう語っていた。「現代の若者たちが幕末日本や第二次世界大戦中の中国戦線、原爆投下直前の広島にタイムスリップします。現象だけを見ると、戦意高揚の映画に思われるかもしれない。勝って喜んでいるシーンもある。自分でも笑えない幕間喜劇という難しい作品に手を出したな、と思っています」さらに「僕は、“あと30本映画を撮る”と言っているんです。未来のことはわからないけど、そのつもりでいないと生きていることにならないと思っているんです」と、これからについても意気込んでいた。最期まで映画に人生を捧げてきた大林さん。黒沢さんの願いを自身が引き継いだように、次は大林さんの思いを別の誰かが繋いでいくだろう。
2020年04月11日タレントの早見優が11日、オフィシャルブログを更新し、肺がんで前日に亡くなった映画作家・大林宣彦さん(享年82)を偲んだ。早見は、「私が初めてミュージカルに出演したのは、アメリカで大ヒットした映画『グリース』の舞台版でした。1988年。大学を卒業し、アイドル活動も少し落ち着いてきた頃でした」と大林さんとの思い出を回顧。「事務所からはもうレコードも売れる年齢ではないので、もう少し幅広くお芝居などに挑戦するようにと、話がありました。大好きな歌が歌えないのか、、、と落ち込んでいた時に、ミュージカルのお話をいただいたのです。それが『グリース』でした。演出は大林宣彦監督」そして、「舞台が初めての私には、セリフ、踊り、歌を全部こなすのにとても大変な思いをした事を覚えています」と懐かしむ早見。大林さんはそんな早見に対して、どんな時も優しい笑顔で「大丈夫だよ。絶対できるから」と励ましてくれたそうで、「サンデイのソロ曲の、“Hopelessly Devoted to you”を、一度英語で歌ってみなさい、と指示があり、英語で歌ってみたら、サンデイの気持ちがとても分かりやすくて、その気持ちで日本語で歌ってみて、と演出してくださった事があります」と振り返った。「昨年30年ぶりにグリースの出演者のみんなと集まりました。その時に監督に会いたいね、とみんなで話していました」と感慨深げな早見。「優しい笑顔の大林監督」と思い浮かべ、「心よりご冥福をお祈りいたします」と追悼している。
2020年04月11日『カメラを止めるな!』(17)などで知られる上田慎一郎監督が11日、ツイッターを通じ、肺がんで前日に亡くなった映画作家・大林宣彦さん(享年82)を偲んだ。上田監督は、「『ハウス』を観て映画ってこんなに自由なのかと衝撃を受けた」と大林監督が手掛けた同作に触れ、「カメ止めを観て頂いた時はぎっしり手書きの感想を書いて送って下さった」と感謝。「初めてお会いした時は『いいパジャマを着なさい。妻にだけ見せるお洒落だからね』という言葉をもらった」と金言を振り返り、「大林宣彦監督。唯一無二の方でした。ご冥福をお祈りします」と追悼した。また、「コロナでの延期がなければ今日4月10日は大林監督の最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』公開初日だった。今日の夕方、『長岡花火大会が中止になった』というニュースを見て、嗚呼、と大林監督の顔がよぎっていた」と感慨深げな上田監督。「なんだろう。色々と考えてしまう」と心境をつづっている。
2020年04月11日原田知世主演『時をかける少女』などの“尾道三部作”をはじめ、数々の名作を世に贈りだしてきた映画作家・大林宣彦監督が、肺がんのため4月10日(金)に82歳で死去。この日は、最新作『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』の公開予定日だったが、新型コロナウィルスの影響により映画館が休館し、公開延期となっていた。1938年、広島県尾道市生まれ。3歳のときに自宅の納戸で見つけた“活動写真機”と戯れるうちに映画をつくり始めたという。テレビCM草創期にはチャールズ・ブロンソンの「マンダム」をはじめ、カトリーヌ・ドヌーヴなど多くの外国人スターを起用したCMを製作、その作品数は3,000 本を超える。1977年に『HOUSE/ハウス』で商業映画に進出。自身の古里・尾道を舞台にした『転校生』(’82)、『時をかけ る少女』(’83)、『さびしんぼう』(’85)は“尾道三部作”と称され、世代を超え親しまれ、現在も新世代のクリエイターへ大きな影響を与えつづけている。近年には“大林的戦争三部作”と呼ばれる『この空の花-長岡花火物語』(’11)、『野のなななのか』(’14)、『花筐/HANAGATAMI』(’17)を発表。特に『花筐/HANAGATAMI』は第72回毎日映画コンクール日本映画大賞、第33回高崎映画祭特別大賞など様々な賞を受賞し、第91回キネマ旬報ベスト・テンでは日本映画ベスト・テン第2位に選ばれ、監督賞を受賞した。また、2004年春の紫綬褒章受章、 2009年秋の旭日小綬章受章。2019年には令和初の文化功労者にも選ばれていた。肺がんと診断され、余命の宣告を受けたのは、2016年8月。転移を繰り返すがんと闘いながら、みずからの命を削って、平和をたぐり寄せる映画を完成させた大林監督渾身の最新作『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』は、新型コロナウイルスの影響により映画館が休館し、公開延期となっていた。その公開予定日だった4月10日(金)19時23分、東京都世田谷区の自宅にて息を引き取った大林監督。葬儀・告別式は、家族葬(密葬)を執り行い、後日、お別れの会を予定。喪主は、妻で映画プロデューサーの、大林恭子氏が務める。『時をかける少女』でデビューした原田さんは「在りし日のお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします」とTwitterに思いを綴り、また、『青春デンデケデケデケ』に出演した浅野忠信も「ありがとうございました一緒に映画を撮った日々を忘れません」とTwitterを更新。岩井俊二監督は「ちょっとすぐには受け止められない。 エネルギッシュな新作にコメントを書かせて頂いたばかりでした」とまだ信じられないといった様子で、「訃報を聞いて呆然としている」と綴った行定勲監督は「恩師を失ってしまったような気持ちだ。この時、拙作『遠くの空に消えた』を『僕が撮ったらあんな爽やな風のような映画にならない』と気に入ってくださった」と2ショット写真をアップするなど、出演者や映画関係者、映画ファンから悲しみの声が相次いでいる。『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』は近日公開。(text:cinemacafe.net)
2020年04月11日昨年11月に文化功労者に選ばれた映画作家・大林宣彦さんが4月10日19時23分、肺がんのため東京都世田谷区の自宅で亡くなった。82歳。葬儀・告別式は、家族葬(密葬)を執り行い、後日、お別れの会を予定している。なお喪主は、妻で映画プロデューサーの大林恭子氏が務める。1938年広島県尾道市生まれの大林宣彦監督は、3歳の時に自宅の納戸で見付けた活動写真機と戯れるうちに映画をつくり始めた。テレビCM 草創期にはチャールズ・ブロンソンの「マンダム」をはじめ、カトリーヌ・ドヌーヴなど多くの外国人スターを起用し、CM作品数は3000本を超える。1977年に『HOUSE/ハウス』で商業映画に進出。自身の古里・尾道を舞台にした『転校生』(82)、『時をかける少女』(83)、『さびしんぼう』(85)は“尾道三部作”と称され、世代を超え親しまれ、今も新世代のクリエイターへ大きな影響を与え続けている。近年には“大林的戦争三部作”となる『この空の花-長岡花火物語』(11)、『野のなななのか』(14)、『花筐/HANAGATAMI』(17)を発表。『花筐/HANAGATAMI』は、第72回毎日映画コンクール日本映画大賞、第33回高崎映画祭特別大賞など様々な賞を受賞し、第91回キネマ旬報ベスト・テンでは日本映画ベスト・テン第2位に選ばれ、監督賞を受賞した。大林宣彦監督個人では、2004年春の紫綬褒章受章、2009年秋の旭日小綬章受章。2019年、令和初の文化功労者に選ばれている。肺がんと診断され、余命の宣告を受けたのは、2016年8月。転移を繰り返すがんと闘いながら、みずからの命を削って、平和をたぐり寄せる映画を完成させた大林宣彦監督の最新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』は、4月10日に公開を予定していたが、新型コロナウイルスの影響により映画館が休館し、公開延期となっていた。近日公開を予定している。(C)2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC
2020年04月11日大林宣彦監督が、20年振りに尾道を舞台に贈る映画『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』が4月10日(金)に公開。大林監督の集大成となる本作から、稲垣吾郎が“大久保利通”、武田鉄矢が“坂本龍馬”、村田雄浩が“西郷隆盛”を演じる“薩長連合”集結カットがお披露目された。大林宣彦監督の44作目、20年ぶりの尾道最新作となる本作から到着したのは、幕末維新に倒幕に奮闘した大久保利通(稲垣吾郎)、坂本龍馬(武田鉄矢)、西郷隆盛(村田雄浩)が一堂に会し、日本の行く末について談笑する薩長連合の志士たちの場面カット。稲垣さんは、MCを務めていた「ゴロウ・デラックス」に大林監督が出演した際、監督から「次の僕の映画にでてよ」と請われたことから、本作の出演へとつながったそう。「時空を超え、思想を超え、宇宙をも一気にとび超えていく世界観。大林監督でなければ1本の作品に納めることは不可能だったと思います。みずみずしく自由に広がる想像力には驚かされるばかりです。大切なメッセージを届けてくださり、ありがとうございます」と、大林作品出演に感慨深げ。なお、これまで坂本龍馬を幾度も演じてきた武田さんは、本作で「人生最後の『龍馬』です」役と断言!監督の前作『花筐/HANAGATAMI』に続く出演で、エノケンこと榎本健一&三木鶏郎による楽曲「武器ウギ〈無茶房弁慶〉」をカバー、本作のためにレコーディングしてエンディング曲として披露。「この作品、映画に対する監督のラブレターのような作品ですよ」とコメント。2004年『理由』以降、全作品に出演し、大林組常連ともいえる村田さんは、「大林組に参加する時は覚悟がいります」と語り、「撮影がはじまっても、現場に行くまで何が起きるか見当もつかない。出来上がった作品を観ても、強烈なメッセージをぶつけられ 細かい所まで覚えていない…だからもう一度見ると、また違うメッセージに引っ張られて…興味が広がって収拾がつかなくなってます。…正直言って…私はいまだに監督の真意に辿り着いていません…」と、圧倒されたかのようにコメントを寄せている。『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』4月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年03月28日大林宣彦監督が20年振りに故郷・尾道で撮影した最新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』の公開日が、4月10日(金)に決定。この度、本作の予告編が公開された。尾道の海辺にある唯一の映画館・瀬戸内キネマが閉館を迎え、日本の戦争映画特集を観ていた若者3人が、突然劇場を襲った稲妻の閃光に包まれる。彼らはスクリーンの世界にタイムリープするのだった。戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島へ……。そこで出会ったのは移動劇団・桜隊。歴史上では原爆の犠牲になった桜隊の未来を変えるため、戦争を知らない3人の若者は、歴史を変えようと奔走する。戦争の歴史を辿りながら、無声映画、トーキー、アクション、ミュージカルと、様々な映画表現で、大林宣彦監督の映画への情熱、平和への想いが凝縮された、大林版『ニュー・シネマ・パラダイス』ともいえる作品で、“大林的戦争三部作”『この空の花-長岡花火物語』、『野のなななのか』、『花筐/HANAGATAMI』を経た大林宣彦監督の集大成となるものとなっているという。主要キャストには、厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲(新人)、成海璃子、山崎紘菜、常盤貴子が名を連ねた。この度公開された予告編は、武田鉄矢がエノケンの名曲をカバーした主題歌『武器ウギ<無茶坊弁慶>』をバックに、様々な本編シーンが切り取られたものとなっている。”平和への思い”に賛同して集結した、小林稔侍、高橋幸宏、尾美としのり、武田鉄矢、南原清隆、片岡鶴太郎、柄本時生、稲垣吾郎、蛭子能収、浅野忠信、伊藤歩、中江有里、笹野高史、満島真之介、渡辺えり、窪塚俊介、長塚圭史らキャスト陣が登場する。予告編のラストは、山田洋次監督からのコメントも。「とにかくおもしろい。大林監督と病気を闘いながら、前作『花筐/HANAGATAMI』を上まわる作品を作られたことに、とても勇気づけられました」という、あたたかいメッセージで締めくくられている。『海辺の映画館-キネマの玉手箱』4月10日(金)公開
2020年02月13日女優の山崎紘菜が1日、開催中の「第32回東京国際映画祭」で行われた大林宣彦監督最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』(2020年4月公開)の舞台挨拶に、大林監督、常盤貴子、厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲とともに登壇。「この映画で、私の夢を全部叶えてくださった」と大林監督への感謝の思いを語った。2016年にステージ4の肺がんで余命3カ月と宣告を受け、それからも映画を撮り続けている大林監督の最新作は、今夜限りで閉館する最終オールナイト上映で3人の若者たちが映画の世界にタイムリープするファンタジー。20年振りに古里「尾道」で撮影を敢行した。『花筐/HANAGATAMI』など、これまでも大林監督作品に出演してきた山崎。本作では「4つの役という大きな課題をいただいた」と明かし、「最初は自分にできるのかなと不安でいっぱいだったんですけど、とても楽しく演じさせていただきました」と撮影を振り返った。そして、「実は私、密かに『ミュージカルをやりたい』、『アクション映画に出たい』、『方言を使う役柄を演じてみたい』と思っていたんです。そうしたら監督がこの映画で、私の夢を全部叶えてくださって、本当にありがたいなと思いました。夢を叶えてくださってありがとうございました」と監督に感謝。山崎の話を聞いていた監督は、「琉球の言葉を語ってくれています。とても素晴らしいですよ」と本作での演技を称えた。
2019年11月01日「第32回東京国際映画祭」特別功労賞に輝いた大林宣彦監督が1日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた贈賞式に出席。「これから3000年は生きたい」「あと2000年、3000年は(映画を)作り続けていきたい」と映画作りへの意欲を語った。国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい人に贈られる “特別功労賞”。2016年にステージ4の肺がんで余命3カ月と宣告を受け、それからも映画を撮り続けている大林監督は、「自主映画、CM、長編映画と長年に亘り、多彩で膨大な数の映画・映像作品を世に送り出し、今なお新たな試みにチャレンジするその存在は正に圧倒的である」として受賞した。贈賞式で監督は「ありがたいですね」と喜び、トロフィーを受け取ると「文化に関する貴重な功労賞というのものをきちんといただきました。すごいね! 重いですよ」と笑顔。大林監督作品に多く出演している常盤貴子も駆けつけ、花束を贈った。大林監督は「今まで人間がやったことより、やらないことのほうがいっぱいある。やらないことをやれば、星の数ほど、それ以上面白いことができる」と言い、「まだこれから3000年は生きてやらなきゃなと、文化功労賞を受賞しまして、しみじみと思いを新たにしています」とさらに制作意欲が増したよう。観客から「可能な限りずっと映画を作り続けますか?」と聞かれると、「未来のことは誰にもわかりませんが、あと2000年、3000年は作り続けていきたい。あの戦争を知っている私が、知らない若い人たちのために映画の学校でハラハラドキドキ、ワクワク、感動的な物語を作り出してお見せしたい」と熱い思いを語った。贈賞式は、大林監督の最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』の舞台挨拶とあわせて行われ、大林監督と常盤のほか、厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲、山崎紘菜も登壇した。
2019年11月01日ICD“TREND blast「URABAN ZEN」”ASCH檀渓通店大林敬幸がグランプリを受賞しました!!2019年6月2日にパリで開催された「髪のパリコレ」とも言われるICDの世界大会におきまして、弊社の大林敬幸(檀渓通店勤務)がグランプリを受賞!2,000を超える加盟サロンの美容師の中から予選、パリで開催されたファイナルステージを見事に勝ち抜き、22歳にして世界一の称号を手にすることができました!ICDとは?ICDとは設立90年を迎える美容家の国際機構「INTERNATIONAL DES COIFFEURS DE DREAMS(インターコワフュール)」の名称です。世界のヘアファッションネットワークを構築し、年に一度フランス・パリでイベントを開催しています。インターコワフュールに加盟し、それぞれの国でヘアファッションをリードするサロンの数は2,000を超えています。その中から予選を勝ち抜き、日本代表として出場した大林敬幸が見事グランプリに輝きました!大林敬幸経歴(愛知県名古屋市出身)2014年◇入社2017年◇NHDKウィッグカットコンテスト3位、フォトコンテスト入賞2018年◇NHDKコンテスターセミナーNHDKウィッグカットコンテスト入賞アジアビューティーエキスポ出演ヘアショーエラノーム出演2019年◇ギョウムファンデーションアジアリージョンヘアショー日本チーム参加ICD TREND blast「URABAN ZEN」優勝日本・世界の美容業界から注目されているトータルビューティーサロンASCH(アッシュ)ASCHではヘアのみに限らず、ヘッドスパ・エステ・ネイルなどの各分野のスペシャリストが揃っています。名古屋市内に4店舗展開しているので(檀渓通店、名駅店、八事店、滝の水店)、お近くの店舗に是非一度足をお運びください☆◆店舗情報・ASCH檀渓通店名古屋市昭和区檀渓通3-7予約専用TEL: 050-3759-2854(ご予約以外のお客様はこちら:052-842-1172)駐車場:39台有・ASCH名駅店名古屋市中村区名駅2-45-19 桑山ビル1F予約専用TEL: 050-3759-2850(ご予約以外のお客様はこちら:052-561-6226)駐車場:無し、近くにコインパーキングがございます・ASCH八事店名古屋市瑞穂区弥富町清水ケ岡41予約専用TEL: 050-3759-2873(ご予約以外のお客様はこちら:052-861-7017)駐車場:15台有・ASCH滝の水店名古屋市緑区上旭2-105予約専用TEL: 050-3759-2857(ご予約以外のお客様はこちら:052-892-6100)駐車場:30台有、第2第3駐車場有・営業時間火~土9:00~21:00日のみ 9:00~19:00祝日の月曜日(9:00~19:00)・定休日毎週月曜日※祝日の月曜日は営業します
2019年07月18日