東京・原宿の「HARUKAITO by island」にて8月27日(金)~9月19日(日)、足立喜一朗個展「All After Human」が開催される。足立喜一朗は1979年、大阪生まれのアーティスト。 2004年に多摩美術大学環境デザイン学科卒業後、 現在はニューヨークを拠点に活動・制作している。2007年には、東京都現代美術館で開催された「Space for the Future ~アートとデザインの遺伝子を組み替える」にて、『e.e.no.24(Experimental Equipment no.24)』を発表。 電話ボックス型のディスコは全面がマジックミラーでできており、外からは丸見えになるが、内からは外が見えず、自分しか見えない。 その時代の、アイデンティティを鮮やかに描き出した。 この作品は展示後コレクションされている。2009年横浜ZAIMで行われた個展「Shangri-La」においては、みせかけだけの“エコ”を鮮やかに批評する作品を発表。『FLATLAND』という「大地はゆっくり回転し、くまなく光を受ける」作品、『Air Cleaner』という「下部からの光は植物の光合成を促進し、ファンは生まれた酸素は部屋全体に運ぶ見せかけだけの空気清浄機」などを発表した。2010年の「SOAP」展からは、 ミラーボールをモチーフにした彫刻が数多く発表される。 「平凡なものと聖なるものは紙一重」というテーマだが、 シャンデリアやミラボールといった俗物的なモチーフが、聖なるものや信仰の対象のものに裏返る瞬間を創出する作品となった。こうした上記の二つの方向性は、2012年に発表された『g.g.no.03 green generator no.03 ~再生可能エネルギーの崇拝のための装置~』や、 2013年に発表された『Life Balancer no.01 ~命の重さを測る天秤~』に昇華する。 たしかな技術と、ユーモアが一つの作品として結実し目に見える形にできるのが特徴だ。そして、2015年に発表された『cosmic tree』(Gallery FAIR, Fuwari no mori)では、ミラーボールがあたかも宇宙の軌道を描く、宇宙的視点を表現するようになる。今回の個展は、2016年以降ニューヨークに拠点を移した足立の6年ぶりの日本での個展。 足立は彫刻と並行してたくさんのドローイングも制作している。 Facebook社とのコミッションワーク「Memory and Oblivion」(2020年)でもドローイングは発表されており、それらを含むまたとない機会となっているので、ぜひ足を運んでほしい。<ARTIST STATEMENT>2020年、 ニューヨークの街は完全に停止していた。 コロナの影響で病院はごった返しあっという間に病床は足りなくなった。 処理が追いつかない犠牲者の遺体は冷凍トラックに詰められた。 折しも初期にコロナに感染した僕は病院へ行くことを諦め、 ただ重症化しないことを祈りつつ家で眠り続けた。 外に出れるほど回復し街の様子を見てみる。 ストリートに車はなくこの街の昼間に静寂があった。 スーパーマーケットと薬局以外空いていなかった。 近所の公園も閉鎖されていた。 ひと気のない街を歩きながら僕は人間のいなくなった後の世界(All After Human)を想像した。 もともと森だった場所は森に、 砂漠だった場所は砂漠へと自然が取り返していくだろう。 自然が文明を飲み込んでも人間の作った多くの建築や造形物がすぐになくなることはない。 地球を回り続ける人工衛星は尚更影響を受けないかもしれない。 アクセス方法のわからなくなった情報は誰の為でもなく地下に眠り続けるのではないか。 やがてそれら人工物は自然と混じり合い新たな自然観が生まれることを夢想する。 観測者となる人間がいないので自然観という言葉を使うことに甚だ疑問はあるが。今個展にはミラーボールをモチーフにしたキネティック彫刻やドローイングが多く登場する。 ミラーボールとはどのような意味があるのだろうか。 それは舞台照明の一種であり、 ダンスホールやディスコを演出することに使用される。 また歴史から見ればニューヨークではマイノリティたちのシンボルと捉えることもできるし、 東京ではバブル時代の虚栄と欲望を連想することもできる。 しかし人間がいなくなればそういった社会的、 機能的な意味は喪失されるだろう。 そしてそれは鏡に覆われた造形物という一元的な特徴のみが残る。 無機質な素材が規則的に配列された物体は「完全なる人工物」と呼べるのではないか。この「完全なる人工物」と自然との対比を保ちつつ、 All After Humanをシミュレーションするという矛盾を試みる。【開催情報】足立喜一朗個展「All After Human」会期:8月27日(金)~9月19日(日)会場:HARUKAITO by island主催・企画: island JAPAN
2021年08月13日澄川喜一の作家活動60年を総括する大規模個展『抽象彫刻のパイオニア澄川喜一 そりとむくり』が、横浜美術館にて5月24日(日)まで開催されている。「反り(そり)」と「起り(むくり)」とは、見る場所によって微妙に反ったり、膨らんだりする、日本の伝統的な造形に基づく独特の曲線のこと。そんな「そりとむくり」をテーマに、彫刻作品をはじめ、東京スカイツリーや全国各地の公共造形物などのデザインを手がけているのが澄川喜一だ。同展は、そんな澄川喜一の60年以上におよぶ創作活動の全貌を、最新作を含む約100点の作品・資料によって明らかにするものだ。『抽象彫刻のパイオニア澄川喜一 そりとむくり』( )
2020年02月18日写真家・映像作家の川村喜一の個展「糸を縫うようにこの地を歩け」が、3月16日から4月7日までの期間の土・日曜日に、東京・錦糸町にあるギャラリーArai Associatesで開催される。1990年、東京都西荻窪生まれの川村喜一。東京芸術大学大学院修了後、現在は北海道・知床に移住し、「ウパシ」と名付けたアイヌ犬とともに暮らしている。ウパシとはアイヌ語で雪を意味する言葉。川村はこの壮大な自然が溢れ、生命が連なる知床という地で、生活、そして作家としての表現を学び直している。「糸を縫うようにこの地を歩け」と題された本展では、知床という地の季節の中で生きる生命の痕跡を布に刷した写真という新たな手法で展示する。いわゆる額へ収める写真とは異なる、この布の写真というのは、「生命と生活と共にあるために」と考える川村が生み出した新しい表現方法。写真というものが、例えば東京と北海道、都市と自然、あるいはここではないどこかへ横断する存在であるために。布であれば、服や寝袋と一緒に、いざとなったら風呂敷にでもして、いつでも持っていくことができる。写真をしつらえるのではなく、空間化させることが自身の写真の在り方であると、川村が知床での生活をきっかけに行き着いた現在の答えであった。“冬を越える鹿のように、雪上の足跡を追う狩人のように、イメージと現前する世界を縫合せよ。糸を縫うようにこの地を歩け”。という本展のステートメント。「写真になるために世界があるのではない。素材となるために木が生えているのではない。芸術を繕うために言葉があるのではない。自然と表現が対等であるために」という彼の考えをぜひ本展で体感してほしい。自然とともに生きる川村喜一の知床での日々と想い、愛犬ウパシの成長が綴られるTwitter(@KiichiKawamura)の更新は日常の癒しである。【イベント情報】川村喜一個展「糸を縫うようにこの地を歩け」会期:3月16日〜4月7日(土・日のみの開催)場所:Arai Associates住所:東京都墨田区江東橋5-6-11 3F時間:13:00〜19:00URL:入場無料
2019年03月05日2013年から「週刊少年マガジン」(講談社刊)に連載中の本格派高校サッカー漫画『DAYS』(原作:安田剛士)。現在、コミックスが1巻~14巻まで発売中で、累計150万部を突破した人気タイトルのTVアニメ化が決定した。■『DAYS』ストーリー概要ボールひとつ。それだけの絆。何のとりえもない、特技もない、けれど人知れず、熱い心を秘めた少年・柄本つくし。彼が西東京の名門、聖蹟高校サッカー部に入部した時、運命は激しく回転を始める。孤独なサッカーの天才・風間陣、超高校級プレイヤーの主将・水樹寿人、トップ下に君臨するクールな司令塔・君下敦、唯我独尊系大型フォワード・大柴喜一……。クセ者の集う厳しくも優しい部活の中で、少年たちはかけがえのない絆を結び始める。これは、ひたすらに熱く、どこまでも純粋な、聖蹟高校サッカー部の汗と奇跡と友情の物語!!なお、TVアニメ化にあたり、監督を宇田鋼之介氏、キャラクターデザインを中澤一登氏、アニメーション制作をMAPPAが担当する。すでに公式サイトもオープンしているので、あわせてチェックしておきたい。■TVアニメ『DAYS』おもなスタッフ原作:『DAYS』 安田剛士(講談社「週刊少年マガジン」)監督:宇田鋼之介(「銀河へキックオフ!!」「ONE PIECE THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵」)キャラクターデザイン:中澤一登(「黒子のバスケ」「残響のテロル」)音響監督:三間雅文(「進撃の巨人」「黒子のバスケ」)音響制作:テクノサウンド音楽:池 頼広(「相棒シリーズ」「黒子のバスケ」)音楽制作:ポニーキャニオン(「進撃の巨人」「ダイヤのA」)アニメーション制作:MAPPA(「うしおととら」「残響のテロル」「神撃のバハムート GENESIS」)(C)安田剛士・講談社/DAYS製作委員会
2016年01月13日小林製薬の研究が第61回日本生薬学会年会で「優秀発表症」を受賞2014年10月31日、小林製薬は大柴胡湯の抗肥満作用に関する研究が第61回日本生薬学会年会(福岡:2014年9月13日~14日)で「優秀発表賞」を受賞したことを明らかにしました。研究の概要小林製薬は、臨床的に肥満症に対する効果の報告がある大柴胡湯について、肥満モデルマウスを用いてメカニズムの研究を行いました。大柴胡湯エキスを肥満マウスに投与してコントロールと内臓脂肪と皮下脂肪を比較しています。その結果、大柴胡湯エキス投与群では腎周囲脂肪、腸間膜脂肪、背部皮下脂肪の重量をコントロール群と比較して、有意に低下させていました。また脂肪細胞内でコアクチベータの存在下、大柴胡湯はPPARガンマと結合することを証明しました。PPARガンマPPAR(Peroxisome proliferator-activated receptor)ガンマは脂肪合成、脂肪取り込みなどを遺伝子レベルで調節しています。PPARガンマはコアクチベータ存在下で活性化し、脂肪組織の縮小に働きます。また、アディポネクチン(脂肪に対して消化の方向に働くホルモン)を分泌します。抗糖尿病薬であるアクトス(ピオグリタゾン)はPPARガンマをターゲットにした薬剤です。日本生薬学会年会 優秀発表賞日本生薬学会は1947年に設立した学会で、年会での一般発表を対象として選考委員の投票により優秀発表賞を選出。小林製薬以外のポスター発表では北海道大学薬学部、慶応大学薬学部、大阪大学薬学部が第61回の優秀発表賞に選出。(画像はイメージです)【参考】・小林製薬プレスリリース
2014年11月05日