「2019ミス・インターナショナル日本代表選出大会」が23日、都内で行われ、故・岡田真澄さんの一人娘で青山学院大学2年生の岡田朋峰(ともみ)さん(20歳)が日本代表に選ばれた。ミス・インターナショナルは、ミス・ワールド、ミス・ユニバースと並び世界3大ミス・コンテストの一つとされており、この日は、来年に行われる世界大会への出場権を賭けた日本代表選出大会が行われた。書類審査および予選会を勝ち抜いた32人の候補者たちが華やかにステージに登場。着物・水着・スピーチ・ウォーキング審査に臨み、2006年に死去した俳優・岡田真澄さんの一人娘である岡田朋峰さんがグランプリを獲得した。名前を呼ばれて喜びの表情は見せたものの、涙は見せなかった岡田さん。開口一番「このような素敵な場所で日本代表に選んでいただき、光栄に思っています」とあいさつし、「今日まで一緒に頑張ってきたファイナリストのみんな、この大会を支えてくださった国際文化協会の皆さま、セミナーで私たちを温かく教え導いてくださったOGの方々、私の周りで応援してくれた皆さまに感謝しています。ありがとうございました」と感謝の言葉。亡き父・真澄さんのことにも触れて「私には会いたかった人がいます。その人は言葉をかけても会うことはできません。私が7歳の時に亡くなった父です。父はどんな時もエレガントで気品を忘れない女性でいなさいと教えてくれました。私は今日このステージで父と会うことができたと思います」と話すと、会場から溢れんばかりの拍手が巻き起こった。また、今後の目標について聞かれると「日本代表としてこれから1年間活動をしていき、その活動を通過点に女性キャスターになりたいと思っています」と抱負を。亡父と同じ職業でもある役者には「舞台や映画を見ることがすごい好きなので、キャスターや日本代表として同じ表現するというところですごく憧れはありますが、今はありません」と否定的で、「私が通う青山学院大学はたくさんの女性キャスターの出身校でもあります。そんな大学の先輩の皆さんに憧れています」とキャスター志望であることを強調していた。なお、2019準ミス・インターナショナル日本代表には、第2位に東京都出身の文元麻由奈さん(20歳)、第3位に大阪府出身の寺西麻帆さん(22歳)、第4位に埼玉県出身の藤本美咲さん(25歳)、第5位に愛媛県出身の田中蓉さん(22歳)、特別賞のパーフェクトボディ賞に埼玉県出身の大嶋夏実さん(25歳)、ビューティースキン賞に北海道出身の荒木美南さん(20歳)、ハッピースマイル賞に栃木県出身の山田真夕さん(20歳)、WEBジェニック賞に北海道出身の野嶽沙世さん(20歳)がそれぞれ選出された。
2018年10月24日松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画プロジェクト第6弾『鈴木家の嘘』から、この度本ビジュアルがいち早くシネマカフェに到着した。■ストーリーあまりにも突然に訪れた長男・浩一の死。ショックのあまり記憶を失った母のため、遺された父と長女は一世一代の嘘をつく。ひきこもりだった浩一は、扉を開けて家を離れ、世界に飛び出したのだと――。■実力派俳優陣が出演本作は、突然訪れた長男の死によって巻き起こる家族の混乱と再生を、ユーモアをまじえつつ温かく描いた感動作。橋口亮輔監督(『恋人たち』)、石井裕也監督(『舟を編む』)、大森立嗣監督(『セトウツミ』)ら、数多くの作品で助監督を務めた野尻克己が、劇場映画監督デビューを果たす。キャストには、鈴木家の家長である父・幸男役に岸部一徳、母・悠子役に原日出子。ひきこもりの長男・浩一役に加瀬亮、長女・富美役にはワークショップを経て400名もの応募者から選ばれ、瀬々敬久監督作『菊とギロチン』でもヒロインを務めた注目の新星・木竜麻生が演じる。そのほか、岸本加世子、大森南朋ら演技派が、個性的なキャラクターの親族を好演している。■家族写真なのに何か… 本ビジュアル解禁そして今回公開されたのは、鈴木家4人が家の前で並ぶ家族写真を使用した本ビジュアル。母は笑みを浮かべているが、そのほかは微妙な表情で、長男は家族と少し離れた位置に…。「嘘も方便。」のコピー相まって、物々しい雰囲気が際立つビジュアルとなっている。■名監督らも絶賛さらに、いち早く本作を観賞した野尻監督の師匠らから絶賛のコメントが到着。橋口亮輔監督「胸を掴まれる」映画には、作る者に根拠がある作品と、ない作品がある。根拠がある作品は強い。どうしても伝えたい何かがあるということだ。この作品にも、胸を掴まれる瞬間が何度もある。物語に引きずり込まれてしまう感覚。これは、映画を観る喜びなのだ。大森立嗣監督「完璧」嫉妬するほどおもしろかった!家族を見つめる視線は優しくて厳しい。完璧だった。横浜聡子監督「やっぱり家族の映画」昔、ロケハン中の車内で、当時助監督だった野尻さんが突然ご自分の家族についてぽつりと話し始めた。衝撃で私は言葉が出ず、車中は静まり返った。あれから十年経ち、野尻さんは映画を撮った。それはやっぱり家族の映画だった。ひとつの作品を生むまで何年もかけること。本当に撮りたいもの、やりたいことがしっかりとあること。悲しみに笑いという光を照らすクレバーさと強さ。それらの全てが、成熟した新人監督・野尻克己の唯一無二の作家性なのだ。『鈴木家の嘘』は11月16日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:鈴木家の嘘 2018年11月16日より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開©松竹ブロードキャスティング
2018年10月02日映画『鈴木家の嘘』が2018年11月16日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国で公開される。家族の再生を描くオリジナル作品『鈴木家の嘘』は、監督・沖田修一による『滝を見にいく』、監督・橋口亮輔の『恋人たち』、監督・坂下雄一郎の『ピン カートンに会いにいく』などを生み出した松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画プロジェクト第6弾だ。ユーモアたっぷりに家族の再生を描く、感動のストーリーが展開される。『恋人たち』『舟を編む』『セトウツミ』など、数々の話題作で助監督を務めてきた野尻克己の、劇場映画初監督デビュー作となる。また、過去に『百円の恋』なども出品された、「第31回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門」への出品もすでに決定しており、注目を集めている。記憶喪失の母に父&娘がつく嘘物語は、鈴木家の長男・浩一の突然の死にショックを受け、倒れた母・悠子が記憶を失うことから始まる。記憶を無くした母親に、娘・富美がとっさに「お兄ちゃん、ひきこもりやめてアルゼンチンで働いてる!」と嘘をつき、家族全員が巻き込まれていく展開へ。母を悲しませないため必死に嘘をつき続ける家族だったが、段々と後悔の念が生まれ始める。岸部一徳、加瀬亮、原日出子など出演鈴木家の家長である父・幸男役は岸部一徳、母・悠子役は原日出子が演じる。ひきこもりの長男・浩一役に加瀬亮、鈴木家の長女・富美役は、400名もの応募者から選ばれ、瀬々敬久監督の『菊とギロチン』でもヒロインを務めた注目の新星・木竜麻生が務める。その他、岸本加世子や大森南朋らが出演。豪華演技派キャストが集結し、個性的なキャラクターを魅力的に演じている。なお、第31回東京国際映画祭では、映画スプラッシュ部門作品賞を受賞。ヒロインを務めた木竜麻生は東京ジェムストーン賞を受賞している。あらすじあまりにも突然に訪れた長男・浩一の死。ショックのあまり記憶を失った母のため、遺された父と長女は一世一代の嘘をつく。ひきこもりだった浩一は、扉を開けて家を離れ、世界に飛び出したのだと―。母の笑顔を守るべく奮闘する父と娘の姿をユーモラスに描きつつ、悲しみと悔しみを抱えながら再生しようともがく家族の姿を丁寧に紡ぐ感動作。詳細映画『鈴木家の嘘』公開日:2018年11月16日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー出演:岸部一徳、原日出子、木竜麻生、加瀬亮、岸本加世子、大森南朋監督・脚本:野尻克己音楽・主題歌:明星/Akeboshi「点と線」(RoofTop Owl)
2018年09月28日“童謡”の誕生から100年である2019年、大森南朋演じる稀代の天才詩人・北原白秋の波乱に満ちた半生を、AKIRA演じる秀才音楽家・山田耕筰との友情とともに描く映画『この道』 この度本作から待望の予告編と、ポスタービジュアルが公開された。■日本童謡はこうして生まれた…!実力者揃うキャストで2人の友情を描く日本文学・音楽界に名を残す自由奔放な天才詩人・北原白秋を演じるのは『ビジランテ』などに出演する大森南朋。西欧音楽の普及に尽力し、同じく数多く名曲を世に送った秀才音楽家・山田耕筰をEXILEのAKIRAさんが演じる本作。ほかにも白秋と耕筰を引き合わせた鈴木三重吉に柳沢慎吾、白秋を見守る与謝野鉄幹・晶子夫妻には『検察側の罪人』の松重豊と『大統領のクリスマスツリー』の羽田美智子が脇を固める。さらに波乱の多い白秋の人生の中、白秋を支える妻に『望郷』の貫地谷しほり、『愚行録』の松本若菜が登場する。ラジオ本放送時に「からたちの花」を歌唱した歌手役で由紀さおり・安田祥子姉妹も出演し、白秋と耕筰が生み出した「この道」を本作でEXILEのヴォーカルATSUSHIが歌うことにも大きな注目が集まっている。■大森南朋の色男全開?AKIRAのバイオリン演奏シーンも公開の予告編をチェックこの度公開された予告映像には「美しいものには触れたくなる」とデレデレとした表情の北原白秋が映し出され、女性に抱きつき、膝枕をされ、挙句の果てに首筋にキスをする女好きの様は色男そのもの。数々の名曲を生み出した天才詩人の知られざるスキャンダラスでもある一面を、大森さんが見事に演じている。また「君の詩と僕の音楽で、傷付いた人々の心を癒す歌がきっとできるはずだ」と北原白秋に曲制作を持ちかけバイオリンを弾く山田耕筰をAKIRAが熱演。彼がバイオリンを弾く姿は今回が初の公開となる。AKIRAさんは撮影前に練習を重ね、本番でも吹替は使用せずに、実際にバイオリンを弾いている点にも注目だ。そして、北原白秋、山田耕筰が出会いうまれた童謡の金字塔「この道」を、世界に誇るヴォーカリスト、EXILE ATSUSHIがしっとりと、且つ、力強く歌い上げ、激動の時代を生きた二人の物語をドラマティックに彩る。■新ポスターからみる2人の友情とは?併せて公開されたポスタービジュアルには、朗らかな笑顔を浮かべる自由奔放な北原白秋、そして、マジメな表情でバイオリンを演奏する山田耕筰、大森さん、AKIRAさんがそれぞれ見せる表情が印象的なビジュアルとなっている。<日本の子供たちに、日本人による「童謡」を創ろう!>という信念のものに出会った2人が、最初は才能がぶつかり反目するなかで、あることをきっかけで手を取り合い、「からたちの花」や「この道」、「待ちぼうけ」や「鐘が鳴ります」など、数々の童謡を世に出していくその姿に期待したい。『この道』は2019年1月11日(金)より、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:この道 2019年1月11日より全国にて公開©映画「この道」製作委員会
2018年09月12日auの「三太郎」シリーズの新CMとして、7月6日(金)より「あたらしい七夕」篇のTVCMが全国でオンエアスタート。本CMでは、前野朋哉演じる新キャラ“彦星”が登場している。この度スタートするのは、織姫が“元彼”彦星と再会する新CM。浦ちゃんの家づくりの様子を見に来た織姫(織姫/川栄李奈)の元に、“ある男性”が登場。その姿に「え、一寸?」と戸惑う三太郎たち。すると、織姫が「あ、こちら“元彼”の彦星くん」とその男性を紹介。“元彼”というワードに金ちゃん(金太郎/濱田岳)は動揺を隠せない…。そんな中、彦星が「別れても年に1回は会うことにしてまして…」と話すと、「あー、今日七夕じゃん!」「忘れてたー、ハハハ」と盛り上がる2人を見て、桃ちゃん(桃太郎/松田翔太)と浦ちゃん(浦島太郎/桐谷健太)は呆気にとられる…というストーリー。CM本編でも三太郎たちが疑問に思っていた通り、一寸法師役でシリーズに出演している前野朋哉が、今回は織ちゃんの“元彼”として登場!本CMの撮影では、突然現れた彦星を怪しく見つめる桃ちゃんや、浦ちゃんの「ひ、彦星!?」のリアクションには、現場も笑わずにはいられなかったそう。さらに、彦星を一寸だと思い込む桃ちゃんと浦ちゃんは、正体を暴こうとアドリブ連発!彦星を演じる前野さんも久しぶりながら、見事にアドリブに対応。最後、去っていく彦星を追いかけながら追い払う金ちゃんのアドリブに、撮影現場は笑いに包まれていたようだ。なお、今回、“元彼”彦星として出演するきっかけとなった、前野さん本人出演による再現ドラマ「自作自演動画」が、現在公式YouTubeチャンネルにて公開中。「雷おこし」篇にて、当たりの雷おこしを引いて小さくなって以来、すっかり姿を消してしまった一寸。前野さんは自ら三太郎CMへの出演を求めて、auのCM制作スタッフを呼び出しプレゼンテーションしていくという流れ。新キャラ“彦星”として登場することになった裏話もぜひ確認してみて。au 三太郎シリーズ新CM「あたらしい七夕」篇は7月6日(金)より全国オンエア。(cinemacafe.net)
2018年07月06日岩松了の作・演出によるM&O plays プロデュース「市ヶ尾の坂―伝説の虹の三兄弟」が5月17日に東京・本多劇場にて開幕した。本作は1992年に「竹中直人の会」で初演された岩松初期の傑作戯曲を26年ぶりに新演出にて上演するもの。前日には公開フォトコールが行われ、岩松をはじめ出演の大森南朋、麻生久美子、三浦貴大、森優作、池津祥子が会見に応じた。【チケット情報はこちら】1992年、市ヶ尾の坂で暮らす長男・司(大森)、次男・隼人(三浦)、三男・学(森)の三人兄弟。田園都市計画の名の下、兄弟たちの家は無くなることを余儀なくされている。三兄弟たちと触れ合うことになった美貌の人妻・朝倉カオル(麻生)は幼い5歳の子を育てており、育児のことで悩んでいるらしい。三兄弟はそれぞれ朝倉を慕い、お互いをけん制する。朝倉家の家政婦・安藤(池津)も頻繁に三兄弟の家を訪れ、意味ありげな言動で彼らを惑わす。さらに朝倉の夫(岩松)などが絡み、一見何でもない日常の中に潜む、謎とエロスが交差する危うい関係が浮かび上がってくる・・・。初日を迎えるにあたって岩松は「本作は僕が作った作品では珍しく、26年前に実在した場所、時間を元にした架空の物語」と紹介し、「26年振りですので再演ですが、新作舞台のつもりで挑みます。見に来て下さった方々が、どういった印象を捉えるか楽しみ」と意気込み。過去3回、岩松作品に出演した経験のある大森は「岩松さんの作品は台詞が綺麗な印象があり、稽古の際には空間的にお教えいただけるので、その都度、新たなことを勉強させていただいています。皆さんに気に入ってもらえるか、楽しんでもらえるか今から楽しみ。がんばります」とコメント。麻生も同じく「とても緊張していますが、大好きな岩松作品に出られる機会を頂いたので、自分の中で楽しんでいければ。岩松さんの演出は、いつも必要な遠回りをさせてくれて勉強になりますし、演出する時の言葉がかっこ良くてしびれていました」と岩松の演出に言及すると、三浦も「岩松さんの演出は厳しいと聞いていましたが、何度も同じ場面を繰り返すことで、言葉を丁寧に扱うことや、状況に合わせての台詞使いとか、今後にも活かせることを学べました。これからの役者人生の中で大切な時間になると思います」と充実の稽古期間を経た様子を見せた。公演は、6月3日(日)まで東京・本多劇場での上演の後、仙台、福島、大阪、富山、名古屋、静岡と各地をめぐる。チケットは発売中。
2018年05月18日5月17日に初日を迎える舞台『市ヶ尾の坂-伝説の虹の三兄弟』の公開フォトコール&初日前会見が16日、東京・下北沢の本多劇場で行われ、 大森南朋、麻生久美子、三浦貴大、森優作、池津祥子、岩松了が報道陣の取材に応じた。前列左から岩松了、大森南朋、麻生久美子、後列左から池津祥子、三浦貴大、森優作同舞台は、俳優としても活躍している作演出家の岩松了とM&Oplaysが定期的に行っている公演で、今回は1992年に竹中直人の会で上演された『市ヶ尾の坂』を岩松の新しい演出によって26年ぶりに上演する。舞台は1992年の神奈川・横浜市の市ヶ尾。その坂にある家で暮らす三人兄弟は、田園都市計画で家が無くなることを余儀なくされていた。そのような中、懸命に生きていこうとする母なき兄弟、 三人と触れ合うことになった母になることが出来ぬ美貌の人妻の絵合わせのような家族劇を描く。公演初日を前日に迎えたこの日は、報道陣向けに三兄弟が住む家でのシーンの一部が公開され、その後に記者会見。長男役の大森南朋は「この1カ月頑張って稽古をしてきました。皆さんに気に入ってもらえる作品になればと思います」と初日の公演が待ち遠しいようで、人妻役の麻生久美子は「正直とても緊張していて、明日を迎えるのが少し不安です。でもせっかく岩松さんの舞台でこういう機会をいただけたので、できるだけ楽しんでやりたいと思っています」と気合十分。岩松作品初参加の三浦は、出演が決まってから周囲に「厳しい」と脅かされたそうだが、「何度も同じことをやるとは聞いていましたが、稽古でその意味が分かりました。何度もやっていくとセリフが身体に馴染んできて、人間関係でセリフを言わないといけないことに気づきました」と振り返り、「これからの役者人生で大切にしていきたいと思える稽古期間でした」と岩松の演出に刺激を受けた様子だった。大森と麻生は、これまで何度か岩松が手掛けた舞台に出演している。大森が「セリフがすごくきれいなのと、その人間が置かれている状況を空間的に教えてくれるので勉強になりますね。岩松さんの作品が大好きです」と岩松作品の魅力について言及。一方の麻生も「私は今まで稽古が楽しいと思ったことがないんですが、岩松さんの稽古場ではすこし楽しさを感じ始めました。岩松さんの言葉が格好良いし、結構しびれています」と絶賛していた。舞台『市ヶ尾の坂-伝説の虹の三兄弟』は、5月17日~6月3日(5月21日、28日は休演)に東京・下北沢 本多劇場、6月5日に宮城・仙台 電力ホール、6月7日に福島・白河文化交流会館コミネス、6月9~10日に大坂・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、6月12日に富山・富山県民会館ホール、6月14~15日に愛知・名古屋 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール、6月17日に静岡・三島市民文化会館 大ホールにてぞれぞれ公演。
2018年05月17日映画『この道』が、日本の童謡誕生100周年を記念して2019年1月11日(金)に公開される。主演は大森南朋とEXILEのAKIRA。監督は佐々部清。北原白秋と山田耕筰による日本童謡誕生秘話『この道』は、日本人による童謡を生み出した詩人・北原白秋と音楽家・山田耕筰の人生を描く物語。明治開国以降、「ドイツ童謡」を日本語に訳して歌っていた日本の子供達に対し、文学者の鈴木三重吉が「日本人による童謡を創ろう!」と決起し、北原白秋と山田耕筰を引き合わせたのがきっかけとなる。奇抜な詩で名を馳せていた北原白秋と、ドイツ留学を経て日本で初めて交響楽団を結成した山田耕筰は、最初は才能がぶつかり反目していたが、あることがきっかけで手を取り合い「からたちの花」や「この道」、「待ちぼうけ」、「鐘が鳴ります」など数々の童謡を世に出していく。だが時代の波によって二人は苦悩の淵に…。破天荒な心から生まれる純粋で平和と安息を願う詩で人々の心を掴んだ北原白秋と、その白秋のリズムを持った詩に深く感銘を受け数々の名曲を作曲した山田耕筰の人間像や、今も尚歌い継がれる名曲の誕生秘話に迫っていく。また、本作のクランクアップの撮影場所となった、白秋・耕筰もこよなく愛した明治11年創業の箱根の老舗・富士屋ホテルは、約140年の長い歴史の中で、日本映画で撮影に使ったのは『この道』が史上初。歴史ある建物とともに、当時の雰囲気を描き出している。主演は大森南朋とEXILEのAKIRA自由奔放な天才詩人・北原白秋を演じるのは、大森南朋。映画『ビジランテ』『アウトレイジ 最終章』『ミュージアム』などに出演し存在感を放つ、日本を代表する俳優だ。また、真面目な秀才音楽家の山田耕筰役は、EXILEでパフォーマーとして活躍する他、『沈黙-サイレンス-』『たたら侍』など、数多くの映画やドラマに出演しているAKIRAが務める。また、白秋が師と仰ぐ歌人・与謝野鉄幹役を松重豊、鉄幹の妻であり白秋の姉的存在である女流詩人・与謝野晶子役を羽田美智子が務める。その他、『赤い鳥』創刊者の鈴木三重吉役を柳沢慎吾、白秋の一番目の妻・松下俊子役を松本若菜、白秋の三番目の妻・菊子役を貫地谷しほりが演じる。さらに、ラジオ本放送時に「からたちの花」を歌唱した歌手役として由紀さおり・安田祥子姉妹が登場するなど、豪華なキャストが物語を彩る。監督は、2004年の『半落ち』で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞し、『日輪の遺産』『ツレがうつになりまして。』『ゾウを撫でる』といった作品の監督を手掛けた佐々部清が務める。EXILEボーカルATSUSHIが歌う童謡「この道」が主題歌に主題歌となるのは、もちろん映画タイトルにもなった童謡「この道」。それをEXILEのボーカルATSUSHIが歌い上げる。ATSUSHIは、2012年に自身初となる童謡唱歌のカバー曲「ふるさと」、続いて2013年にシングル曲「懺悔」のカップリング曲として「赤とんぼ」を発表しており、本作が童謡唱歌カバー3曲目。なお、EXILE・ATSUSHIの童謡唱歌カバー曲が映画の主題歌として起用されることは初のことだ。ストーリー九州柳川から文学を志し上京した北原白秋。隣家の美人妻・俊子に気もそぞろ。逢瀬を俊子の夫に見つかり姦通罪で入獄。白秋の才能を眠らすまいと与謝野夫妻が奔走し釈放されるが、恩も顧みずのうのうと俊子と結婚。その刹那、俊子は家出、入水自殺を図るが蟹に足を噛まれ断念。そんなおバカな白秋と洋行帰りの音楽家・山田耕筰に鈴木三重吉は童謡創作の白羽の矢を立てる。才能がぶつかり反目する二人だが、関東大震災の惨状を前に打ちひしがれた子供たちを元気づけるため、手を取り合い数々の童謡を世に出す。しかし、戦争の暗雲が垂れ込める中、子供たちを戦場に送り出す軍歌を創るよう命ぜられた二人は苦悩の淵に・・・。【詳細】映画『この道』公開時期:2019年1月11月(金)出演:大森南朋、AKIRA、貫地谷しほり、松本若菜、柳沢慎吾、羽田美智子、松重豊、由紀さおり、安田祥子監督:佐々部清脚本:坂口理子配給:HIGH BROW CINEMA
2018年04月06日俳優の大森南朋と、EXILE/EXILE THE SECONDのAKIRAが主演を務める映画『この道』の公開が決定し、この度、クランクアップ報告会見が行われた。同作は童謡のふるさと・小田原を舞台にしたオリジナル作品。破天荒な心から生まれる純粋で平和と安息を願う詩で人々の心を掴んだ北原白秋(大森)と、その白秋のリズムを持った詩に深く感銘を受け数々の名曲を作曲した山田耕筰(AKIRA)の人生を描く。『半落ち』で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した名匠・佐々部清監督がメガホンを取り、邦画では初めてとなる箱根の老舗・富士屋ホテルで撮影を行った。白秋役の大森は「イメージではすごく真面目で難しい人なのかなと思っていたのですが、こんなに波乱万丈の人生で人間味あふれた素敵な人物だったということを今回初めて知りました」と語る。「白秋の詩を全部読み切った訳ではないのですが、今回題材となっている『この道』の歌の世界に凄く引き込まれました」と明かし、「故郷を思う想いという情景を見たくてクランクインする前に白秋の生まれ故郷・柳川まで行かせて貰ったりもした」と振り返った。耕筰役のAKIRAは「今回改めて日本の音楽の素晴らしさに触れることが出来ました」としみじみ。「北原白秋との熱くも可笑しい素敵な青春を過ごしてきたのが、台本を読んで知ることが出来ました」と役について説明した。36歳、52歳、66歳の姿を演じたほか、指揮・バイオリン・ピアノも習得して劇中で披露。「偉人伝というよりも、日本の音楽を支えてきたたくさんの方々の青春映画だと思います」と同作を表した。また、白秋が師と仰ぐ歌人・与謝野鉄幹役として松重豊、鉄幹の妻であり白秋の姉的存在である女流詩人・与謝野晶子役として羽田美智子、『赤い鳥』創刊者・鈴木三重吉役として柳沢慎吾、白秋の一番目の妻・松下俊子役として松本若菜、白秋の三番目の妻・菊子役として貫地谷しほりも出演。2018年秋以降の公開を予定している。(C)LDH JAPAN
2018年03月13日NHK Eテレの番組『プチプチ・アニメ』で現在放送中の人形アニメ『森のレシオ』や、Mr.Childrenのミュージック・ビデオ『HERO』。こちらのパペット・アニメ―ションを一度目にしたことがある方は多いのではないだろうか。この2つの作品を手掛けたのは映像作家、村田朋泰さん。今回、彼の作品を集めた特集上映が開催されます。CGを使わず、アナログにこだわった温かみのある彼のパペット・アニメは世界から高い評価を受け、大人から子どもまでを魅了します。その作品に込めた想いを本人にききしました。■説明をしつくさないことで、親子の対話が生まれる村田さんの作品は、たとえば大人だったら幼少期の記憶の扉をノックされるようで、ふと子ども時代の体験やあのとき抱いた感情がよみがえってきます。一方、子どもだったら、別世界に連れて行ってくれる、想像の世界を広げていくおもしろさがあります。その要因のひとつが、セリフを一切つけないことではないでしょうか。――なぜ、セリフを一切つけないスタイルをとろうと思ったのでしょうか?子どものときから映画が好きで、その影響が大きいかもしれません。僕が子どものころ、1980~1990年代の映画は、いまのように懇切丁寧な説明がないというか。セリフにしても極力省いて、基本的には“画”で見せる作品がけっこうありました。“このことはこういうことなのかな”とか、“なんかわからないけど、すごく印象に残る”といったような解釈が自由で感覚に訴えかけてくる作品が僕自身好きで。そういうある意味、受け手に委ねるというか、受け手の感受性を信じている作品に心ひかれたんです。説明できたり、へんに理解できた気になったりする作品よりも、正直よくわからない、でもなんか心に訴えかけてくるものを作りたいと思いました。だから創作活動をはじめたとき、言葉に頼るのではなく“画”でみせていくことに力点を置くようになっていました。――言葉は大切ですし重要。でも、映像においては、束縛のひとつとなってしまうのかもしれません。村田さんの作品は、そこから解き放たれているのかもしれませんね。もちろん僕自身がこのシーンには「こういう意味を込めているんだ」とか、「こういった気持ちが伝わればいいな」とか考えているところはあります。でも、それがすべてじゃない。解釈って人それぞれでいいし、正解なんてない。余白を与えることで想像をめぐらすことができる。セリフを使わないのは、その余白作りのひとつでもあります。――いまのドラマや映画は、ともすると状況から感情まで言葉で説明していたりする。村田さんの作品は、もっと子どもの感性や解釈を信じて大人が大切にしてほしいというメッセージを含んでいるような気さえしてきます。説明し尽くしてしまうと、お互いわかっているわけですから、話さなくても良くなってしまって、対話が生まれない気がするんです。それはそれで同じ思いを共有したことになるのかもしれないですけれど、僕の作品を親子でみてくれたら、親子で対話する時間ができてくれたらと思っています。そういう作品でありたい。“あのシーンはどんなことを感じた?”とか、“あの子はあのとき、どんなこと考えてたんだろう?”とか、解釈を相手に委ねることで、会話が生まれる気がする。わからないならばわからないなりに考えて、そのことについて対話する方が豊かな時間になるような気がするんですよね。■子どもに「自由に考えていいんだよ」と感じてほしい今回の特集は、すごく子どもの想いを大切にした作品が多く見受けられます。――創作の上で、子どもに向けて考えていることがあるのでしょうか?先ほどの話につながるんですけど、小さな子どもがパパやママと会話ができる余白を残しておくことは大事にしています。たとえば、学校の美術の授業で、運動会がお題目だったとします。すると、玉入れやリレーの様子とわかる絵を描いた人が正解でいい点数がとれる。でも、ほんとうは生徒一人一人で運動会の見え方も違うはず。へんな話、そのときの気分を色で表した抽象的な絵があったりしてもいい。そういうことを考える子どもの自由な発想を肯定してあげたい気持ちが自分にはどこかあって。一定のルールではない、“自由に考えていいんだよ”と感じてもらえる作品にしたいなと常に思っています。目に見えることがすべてじゃない。この世の中には目に見えない世界もあって、思わずいろいろと空想する子どものイマジネーションを刺激するような作品になればなと思っています。■自分の気持ちが置き去りになる「速さ」と自分を見失わない時間――大人に向けて意識していることはあるのでしょうか?その記憶にコミットするというか。さきほど、おっしゃっていただきましたけど、記憶の扉をノックするというか、たとえば忘れかけていた感情とかあのころの体験が思い出されるものになればと。今回上映される中では、娘を亡くしたピアニストがちょっとした夢へ誘われる『朱の路』、大人になっても忘れられない思い出を見つめた『白の路』という<路>シリーズがそういったノスタルジーが顕著に出ていると思います。――たとえば下町の理容店を舞台にした『家族デッキ』など、ノスタルジックな世界の作品が多いのはその理由が大きいのでしょうか?僕は1974年生まれなんですけど、とにかく子どもの数が多い世代でした。受験にしろ、就職にしろすべてが競争で。全部を勝ち抜かないといけなかった。いま思い起こしても喧噪のなかにいて、せわしない感覚がある。でも、僕は谷根千と呼ばれるエリアが地元なんです。そこは戦時中、空襲にあわなかったので、そのままの古き良き昭和の風情がいまだに残っている。時間がとまったような雰囲気があって。少年時代、子どもながらにその町に流れるゆったりした時間が心地よかった。受験戦争など周りに一生懸命ついていかなければと焦る自分がいる一方で、その下町のゆったりとした時間と空間があったおかげで自分を見失わずにすんだところがある。その原体験が作品には少なからず反映されている気がします。――たしかに、作品はどれもゆったりとした時間が流れています。どういったことを大切にされたのでしょうか?いまどきの作品は、物語もバンバン進んでいくし、ワンシーンにつめこまれている情報量もすごい。たぶんひと昔前と比べたら、スピードも情報量もそうとうアップしているはず。でも、それに人もついていけるようになっている。ゲームとかやっているとすぐなれますよね。それを否定する気はないんですけど、僕自身はもっとゆったりした時間に身を置くときがあってもいいのではないかなと。僕のなかで「速い」という感覚は、自分の気持ちが置き去りになって、流れにのらないといけないというときに感じるもののように思うんです。そこで大切なことを取りこぼしたり、見落としたりすることがあるんじゃないかなと。用意されたものを敏速にこなすのではなくて、一度立ち止まってじっくり考えて、そこになにかを見つけたり、得難い体験したりすることが大切なんじゃないかなと思うんです。だから自分の作品は、ゆったりとした時間が流れるようにしているところはあって。知らず知らずのうちに見過ごしていることや抜け落ちてしまうことをくみ取りたい。たとえば、お母さんが子どもに絵本を読み聞かせるするときのような1ページ1ページをめくっていく流れを意識しています。■コミュニケーションが苦手な僕がみつけた「居場所」村田さんの作品は、ゆったりとした時間が流れているからこそ、観客としても映像の隅々まで目が届いて、いろいろと思いを巡らせることができるのではないだろうか。そしてこのゆったりした時間というのは、心地よい時間。それは心地よい場所にもつながっているのかも。――村田さんの作品は、自分にとっての「心地のいい場所=居場所」について触れているのも共通テーマなのでしょうか?僕は子どものころ、みんなと一緒に遊んだり、騒いだりするのが得意じゃなくて。家でひとりでなにかやっていることが好きでした。大学でアニメーションをはじめたときも、研究室のはじっこを貸してもらって、ひとりでちまちまと(笑)撮影していました。でも、ひとりでいるのが不思議と苦ではない。安息の地でした。いまも基本ひとりというか。もちろんスタッフにいろいろ手伝ってもらうんですけど、僕のスタジオとスタッフのスタジオは別に用意していて、ほどよい距離をとっています。昔から自分の世界でいろいろとモノづくりするのが性に合っているんです。ある意味、コミュニケーションが苦手なことが許される、この仕事が見つけられてほんとうに良かったといまでも思っています。見つけられなかったらどうなっていたことかと(笑)。でも、人それぞれ、だれにでも居場所って必ずあるはず。内向的な僕も見つけられましたから(笑)。そういう僕の意識がどこか作品に反映されているところはあると思います。■自分自身が身を置く場所と別世界がとなりにある感覚もうひとつ村田さんの作品の大きな特徴は、「コマ撮り」。たとえば森の中だったら木から草、土まで手作り。もちろん登場する人形もひとつひとつ手作りのパペット・アニメーションであることです。――CG全盛となったいまとなっては、珍しい手法ですね。子どものころから漫画が好きで漫画家に憧れていた時期がありました。また、映画も好きで、映画制作に憧れてもいたんですけど、映画って大所帯じゃないですか。ですからコミュニケーション能力の低い自分としては厳しい(笑)。ちょうど大学のころ、マッキントッシュが出てきて、個人での映像制作がしやすい環境が整ってきた。それでパペット・アニメーションなら、人形やミニチュアを自分で作って、たとえば風が吹いているというように自分の思うがまま描くことができるなと。2Dのアニメと映画のちょうど中間ぐらいにあるようで、自分に向いていると思いました。――人形にしても小物ひとつもすべて手作りであることに驚かされます。すべてが手作りであるからか、なにかぬくもりがあって愛しい。この情感はCGでは出せないかもしれませんね。撮影のとき、人形も舞台となるセットも僕のすぐとなりにあるわけです。いわば作品の世界の空気を僕も一緒に共有している。いってしまえばその世界に自分自身も身を置いている。そのような感覚が映像に定着して、みてくださる方も別世界ではあるんですけど、その世界がとなりにあるような感じに受け止めてもらえたらなと思っています。■東日本大震災をきっかけに何を伝えるべきなのか心に深く刻まれたのは<生と死にまつわる記憶の旅>シリーズ。このシリーズは東日本大震災と福島原発事故を機に制作がスタートされました。シリーズ5作を予定していて、今回の特集では『木ノ花ノ咲クヤ森』『天地』『松が枝を結び』の3編が上映されます。――どうして東日本大震災について描こうと思ったのでしょうか?東日本大震災と福島の原発事故は、ひとりの人間としてここに生きていることの意味を考えました。また、ひとりの作り手としてこれからなにを伝えていくべきなのか、あらためて考えるきっかけにもなりました。そのなかで、「祈り、信仰、記録」をコンセプトに、この日本で繰り返している時代や時間を広い視点から描けないかと。いまは日本人のアイデンティティを掘り下げるとともに、これから生きていく上で語り継ぐべきもの、忘れてはいけないことを描き、それが語り継がれるものとして残ってくれるものになればと思っています。――とくに震災で生き別れた姉妹の心を見つめた『松が枝を結び』は胸にグッとくるものがありました。じつは僕も双子で、そこが物語の出発点になっています。対のものがときに重なりあい、ときにぶつかりあう。そうした等しい力がきっこうしたときに生まれるパワーや熱みたいなものをとおして、姉妹の結びつきや伝心するものを描ければと思いました。――最後にメッセージをお願いいたします。自由に楽しんでもらえれば、それだけです。作り手としてひとつだけ触れさせていただくと、自然現象をアナログの手法でどこまで精巧に表現できるかは追求しているところなので、ちょっとだけ気に留めおいてもらえるとうれしいです。『村田朋泰特集 夢の記憶装置』3月17日(土)よりシアターイメージフォーラムほか全国順次公開CGを一切用いらず、アナログにとことんこだわる映像作家、村田朋泰の珠玉のパペット・アニメーションを7作品一挙上映。震災で引き裂かれた双子の姉妹を主人公にした最新作『松が枝を結び』から、NHKプチプチ・アニメでおなじみの『森のレシオ』、下町のタカタ理容店に住む七福神の“髪様”がちょっとした騒動を起こす『家族デッキ』など、これまでの創作から厳選された作品が並ぶ。大人は子ども時代の記憶を呼び起こされ、子どもは夢のワンダーランドへと誘われるパペット・アニメーションの数々。大人も子どもも想像を膨らます時間になるはずです。
2018年03月11日オール日本ロケで撮影された『ブレードランナー2049』『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャレッド・レト主演Netflixオリジナル映画『アウトサイダー』(原題:『The Outsider』)が、3月9日(金)より「Netflix」にて全世界同時配信される。この度、配信に先駆けて予告編とキーアート、場面写真が公開された。終戦後の大阪で、囚われの身から解放されたアメリカ兵が歩み始めた極道としての人生。だがそこは、一度足を踏み入れたが最後、頭まで沈み込む危険な世界――。本作は、『ヒトラーの忘れもの』で第89回アカデミー賞外国語映画賞ノミネートされたマルティン・サンフィリート監督作品。1954年、第二次世界大戦後の混沌とした日本を舞台に、裏社会の男たちの生き様を描いた犯罪アクション大作だ。キャストには、アメリカ人兵士のニック・ローウェルをジャレッドが演じるほか、日本で行き場のないニックに仕事を与える清役を、『バトルシップ』『沈黙-サイレンス-』『マイティ・ソー』シリーズなど海外作品にも多数出演する浅野忠信。清と兄弟分のオロチ役を、『Darc』でハリウッドデビューを果たした椎名桔平。そして、清の妹でヒロインの美由役を、本作でハリウッド映画本格進出を果たし、『デッドプール2』(仮)への出演も決定している忽那汐里。そのほか、大森南朋、田中泯らが迫真の演技を見せる。ニックが収容されていた刑務所で清の命を救ったことから、出所後も固い絆で結ばれていく2人。公開された予告編では、清が日本で行き場のない彼に、「お前にしかできない仕事だ」と言い、清が所属する大阪の白松組と、神戸の新興勢力がしのぎを削る工場の一室で、同じアメリカ人の脳天にタイプライターを直撃垂直落下する様子が映し出される。また、突然現れたニックの存在を疎ましく思うオロチは、日本刀をちらつかせながら「お前などヤクザじゃない。所詮は外人、よそ者(アウトサイダー)だ」と憎しみを込めて言い放つシーン。さらに、美由とニックのドライブシーンやベッドシーンが登場する中、清からは「ヤクザに愛なんて許されない」と釘を刺されてしまうが、2人の関係はどんどんと深まっていく。印象的なセリフが多く散りばめられている本映像。ラスト、“異邦人”ニックの瞳に映る未来とは――?Netflixオリジナル映画『アウトサイダー』は3月9日(金)よりNetflixにて全世界同時配信。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflixオリジナル】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflixオリジナル】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2018年03月02日女優の長澤まさみが、ビートたけしが審査委員長を務める「第27回東京スポーツ映画大賞」で主演女優賞を受賞し25日、都内ホテルで行われた授賞式に出席した。『散歩する侵略者』で受賞した長澤。たけしから「長澤さんは、はじめはアイドルっぽくなかった? 今は演技ばっかり言われて女優の演技を評価されているけど、最初のころはタレントみたいな感じだったよね」と変化を指摘されると、「そうですね。変わってきたなと思うところはある気がします」と話した。そして、「このたびは本当に素敵な賞をいただき光栄です。ありがとうございます」と感謝し、「まだまだはじめの頃と変わらないなと思う反面、やらなくちゃという思いでやってきているところがある。自信を持って私がやったんだと言えるようになる日がくるのかわかりませんけど、とにかく過去を振り返らず、前に進むことを続けていけたらなと思います」と力強く語った。「第27回東京スポーツ映画大賞」受賞者作品賞:『アウトレイジ 最終章』監督賞:北野武監督(『アウトレイジ 最終章』)主演男優賞:西田敏行、塩見三省(アウトレイジ 最終章』)主演女優賞:長澤まさみ(『散歩する侵略者』)助演男優賞:大杉漣、大森南朋、ピエール瀧、松重豊、金田時男(『アウトレイジ 最終章』)助演女優賞:広瀬すず、斉藤由貴(『三度目の殺人』)新人賞:金田時男(『アウトレイジ 最終章』)外国作品賞:『ラ・ラ・ランド』「第18回ビートたけしのエンターテイメント賞」受賞者日本芸能大賞:明石家さんま、綾小路きみまろ、島田洋七日本芸能賞:ブルゾンちえみ、かまいたち、とろサーモン、ゆりやんレトリィバァ特別賞:葉加瀬太郎功労賞:小室哲哉、葛西紀明話題賞:元横綱日馬富士&貴ノ岩、豊田真由子元衆院議員、元SMAPの稲垣吾郎・香取慎吾、草なぎ剛
2018年02月26日俳優の松重豊が、ビートたけしが審査委員長を務める「第27回東京スポーツ映画大賞」で助演男優賞を受賞し25日、都内ホテルで行われた授賞式に出席。21日に急性心不全のため66歳で急死した俳優の大杉漣さんを悼んだ。今年の助演男優賞は、北野武監督作品『アウトレイジ 最終章』に出演した大杉漣さん、大森南朋、ピエール瀧、松重豊、金田時男の5人。たけしは「みなさんすごい。どうせならみんな表彰しちゃおうって。みんな本当にすばらしくてありがたかった」と5人の演技を称え、「漣さんは今日は残念ながらいらっしゃらないけど」と残念がった。テレビ東京系ドラマ『バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~』でも大杉さんと共演しており、大杉さんの最期を看取った松重は「僕が映画デビューしたときに大杉漣さんに映画の楽しさを教えていただき、北野映画に僕も出演することができて、『こんな晴れやかな場所に一緒に立てるんですね』という喜びをつい4日前に千葉の海で話した」と大杉さんとの会話を明かした。そして、「本当に残念ですけど、湿っぽいことは嫌いな漣さんなので、前を向いていきたい」と話し、「こういう機会をいただき、ありがとうございます」と感謝。「漣さん、これからも日本の映画を、僕たちを見守ってください」と天国の大杉さんに向かってメッセージを送った。大森は「この賞を大杉漣さんと一緒にとれたことを誇りにして生きていこうと思います」と語り、ピエール瀧は「いただきました!」と天に向けてトロフィーを掲げた。『アウトレイジ 最終章』で主演男優賞を受賞した西田敏行と塩見三省も大杉さんを追悼。西田は「戦友を失いました。とっても辛いですけど、あんなに突然いってしまうというのは大杉漣さんらしいなと思っています。人間の死は寿命だと思うようにしないと納得できないので寿命なんだと思います」などと語り、塩見は「大杉! 俺はこんな体になったけど、もうちょっとやってみるよ。ありがとう」と呼びかけた。
2018年02月26日鋭くもピュアな目線をカメラに向けたかと思えば、不意に外したり。その動きや表情には、惹きつけられるばかり! 人気モデルであり、注目の若手俳優でもある、宮沢氷魚さんの背景に迫ります。撮影当日、はにかみながら、静かにスタジオに入ってきた宮沢氷魚さん。とはいえ、184cmの身長に長い手足、透き通ったブラウンの瞳とくれば、自ずから目立ってしまう。現在、ファッション誌『メンズノンノ』の専属モデルとして活躍しています。歴代のメンノン専属モデルといえば、阿部寛さん、谷原章介さん、坂口健太郎さんなど、人気俳優として活躍する人が多いことで知られていますが、モデルデビューから3年目でドラマ『コウノドリ』で俳優デビューし、続けて1月スタートのドラマ『トドメの接吻』に出演する宮沢さんも、まさに期待の星!実は元THE BOOMのボーカル・宮沢和史さんのジュニアなんです!――まずは、この道に進むまでの背景から聞かせてください。宮沢:実は僕、子供のころ芸能界が嫌いでした。父はツアーに出てしまうと家に戻らないし、運動会にも来てくれなくて、それは全部芸能界のせいだと思ってて。でも高1の時、父のライブで父の歌を聴いた何千人もの人が感動しているのを見て、父を誇らしく思いました。僕も人に影響を与える仕事がしたい、と思ったのを覚えています。――その後、アメリカの大学に留学されたんですよね。宮沢:はい。高校時代に、父の知り合いから「モデルやってみない?」と誘われてはいたんですが、いまひとつ芸能界を目指すことに踏み切れなかったので、高校卒業後にアメリカへ。母がアメリカと日本のハーフで、僕は生まれがアメリカだったので、自分が生まれた国を知りたいと思ったんです。そこで初めて親元を離れ、一人で考える時間ができたので、この先自分は何がしたいんだろうと真剣に考えて、やっぱり芸能界に入りたいと思いました。――音楽の道を考えたことは?宮沢:僕、あまり歌が上手くなくて…(笑)。お父さんが歌手だから上手いでしょ、ってよく言われるんですけどね。音域が狭すぎるのか、サビの高い声が全く出ないんです。――では、名曲「島唄」は…。宮沢:Aメロまでしか声が出ません!(笑)それで、いろいろネットで調べていたら、当時新人モデルを募集していた今の事務所を見つけて、履歴書をフェデックスの速達で送りました。A4サイズで70ドルもしてびっくりしましたけど。でも、国内郵便が多い中、海外からの郵便物はすごく目立ってたみたいで、すぐに目に留めてもらえてラッキーでした。その後、大学2年の終わりに日本の大学に編入したので、そのタイミングで数回面接をして、事務所に入りました。――最初からモデル志望だったんですか?宮沢:俳優に一番興味があったんですが、当時は若かったので、モデルもタレントも何でもやりたかったんです。事務所に入ったら仕事がもらえると勝手に思っていたんですが、甘かったですね。毎週3~4回、オーディションを受けては落ちての繰り返しで、一回も受かったことがなくて。そんな時、メンノンのオーディションがあると知って即エントリーしました。というのも、留学時代に日本が恋しくて日本の雑誌をよく読んでいたんですが、メンノンもそのひとつで。でもまさか、僕が専属モデルになれるとは思わなかったし、初めて受かったオーディションがメンノンだなんてうれしくて、事務所から電話で合格を知らされた時、電話を切ってからめっちゃ跳びはねました。――その長身でめっちゃ跳びはねたら、天井に頭ぶつけそうですね。宮沢:あははは。でもとにかくうれしくて、実家の2階から1階までダッシュで下りて両親に報告したら、すごく喜んでくれました。当時、同じくメンノンモデルの坂口(健太郎)くんが映画やテレビに出ることが多くなっていて、僕もいつかは俳優になるという夢が叶うかも、という希望も見えて。――その夢が、わりと早く叶うなんて、すごいですね!でも、ご両親が有名人、というのはやはりプレッシャーもありますか?宮沢:ジュニアならではの苦悩もあるんですよ。最初から期待の目で見られているから、できなかった時の相手の落胆ぶりを見ると悔しいし、期待に応えないと、という想いは子供のころからいつもありました。でも、モデルを始めて2年間で、最初は怖かったカメラの前に堂々と立てるようになったし、自信もついた。そして、モデルで培った技術はすべて、俳優業に役立つこともわかって。――俳優デビュー作が人気ドラマ『コウノドリ』でしたね。宮沢:はい。ただ、主演の綾野剛さんはじめ吉田羊さん、先輩の坂口くん、星野源さん、大森南朋さんと、大先輩から今をときめく方々までが集結していたし、しかも前作があるから、すでにキャストやスタッフのチームワークが出来上がっていました。そこに芝居経験ゼロで入っていくのは怖かったですね。それで、父も昔ドラマに出演したことがあったので相談してみたら、「今失うものはなにもないんだから、全力で堂々とやれば周りが必ず助けてくれる」って言われて、励みになりました。それに、現場ではみなさんがすごくあったかく迎えてくれて、感動しました。みやざわ・ひお1994年4月24日生まれ、米・カリフォルニア州出身。大学在学中に受けた『メンズノンノ』専属モデルオーディションで見事グランプリを獲得し、2015年にモデルデビュー。ドラマ『コウノドリ』第2シリーズの赤西吾郎役で、俳優デビューを果たす。日曜ドラマ『トドメの接吻』(日本テレビ系)に出演中。ニット¥28,000(ジョン スメドレー/リーミルズ エージェンシー TEL:03・3473・7007)パンツ¥45,000(サイ/マスターピースショールーム TEL:03・5414・3385)靴¥65,000(パラブーツ/パラブーツ青山店 TEL:03・5766・6688)女を弄ぶナンバーワンホストの堂島旺太郎(山崎賢人)は、個人資産100億円といわれるホテル王の令嬢をターゲットに、彼女に迫る。ところが、死の接吻を受けて死んでしまい、気がついたら7日前に戻っていた…。日曜ドラマ『トドメの接吻』(日本テレビ系)は毎週日曜22:00より放送中。出演は山崎賢人、門脇麦、新田真剣佑、新木優子ほか。※『anan』2018年1月17日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・秋山貴紀インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2018年01月12日中井貴一と佐々木蔵之介がW主演を務める映画『嘘八百』から、この度、不運をつかまされてきた親の娘・息子を演じた森川葵と前野朋哉の新映像がシネマカフェに到着した。本作は、千利休を生んだ茶の湯の聖地、大阪・堺を舞台に、イカサマ古物商と落ちぶれた陶芸家が幻の利休の茶器という“真っ赤なウソ”で仕掛ける一発逆転の大勝負を描く開運エンターテインメント。今回到着したのは、佐々木さん演じる腕は立つのに落ちぶれた陶芸家・佐輔と妻・康子(友近)の息子、誠治役の前野さんと、中井さん演じる空振りばかりの古物商・則夫の娘、いまり役の森川さんの出演シーン。映像では、黙々とすき焼きを食べている最中、誠治が「好きなんです!」と叫ぶところからスタート。そして、いままで見たことのない誠治の大胆な姿に、「よう言った!」と喜ぶ佐輔と康子。しかし、そんな佐輔一家の姿を見て則夫はいまりに帰ろうと促すが、当のいまりは「帰らない!」と宣言!「初めてだから…こんな気持ち」と笑顔を見せる。本作では、この若き2人の愛の行方にも注目だ。『嘘八百』は2018年1月5日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年12月27日人気医療コミックを綾野剛主演でドラマ化した「コウノドリ」が12月22日の放送で最終回を迎えた。それぞれの道を歩みだしたペルソナのメンバーたちの姿で締めくくられたラストに、SNS上では「涙腺崩壊」「号泣」など“涙の声”が続々投稿されている。本作は2015年10月期にドラマ化され好評を博し、この秋から新シリーズの放送がスタート。産婦人科医と天才ピアニストの2つの顔を持つ主人公・鴻鳥サクラを綾野さんが演じ、松岡茉優、吉田羊、坂口健太郎、星野源、大森南朋らが前作から引き続き続投。今シリーズからは宮沢氷魚や松本若菜らも加わった。最終回は、出生前診断でお腹の子どもがダウン症だとわかった高山透子(初音映莉子)と夫・光弘(石田卓也)の2人が、出産に向けて産まれてくる子どもと向き合っていく姿と、吉田さん演じる小松留美子の同期で須藤理彩演じる武田の出産を巡る危機。そして星野さん演じる四宮春樹、坂口さん演じる白川領らの新たな旅立ちが描かれた。放送前から「コウノドリ、今から号泣の予感しかしないんだけど」「また号泣するのかしら…」などのツイートがタイムラインに流れ続けるなかでスタートしたオンエア。ダウン症の子を産む決意を固めた夫婦を巡るシーンでは、実際にダウン症の子を持つ奥山佳恵が母親役で出演。「奥山さんのセリフは本当の言葉」「奥山佳恵さんが話すダウン症の子どもの話は心に響く」などの反応が。またダウン症の子を持つエミリー・パール・キングスリーが書いた詩「オランダへようこそ」も朗読され、「オランダへようこそ、いい詩だね」「最高に泣ける」といったコメントも。また「よかった。サポートがあることも描いてくれた」「ダウン症のこともっと知ってもらうためにもこうやってドラマでやるのはいいこと」など、ソーシャルワーカーによるサポートなど、ダウン症を取り巻く環境について踏み込んで描いたことを評価するツイートも数多く見受けられた。武田が帝王切開で出産直後、大量出血しピンチに陥るシーンでは「ホント怖い!!!ホント出産って命懸けだからさーーー」「ドラマだってわかってても、助かって!って祈ってた」などその緊迫感に圧倒されたという声が多数。「今橋先生が保育器の扉を肘で閉じたのが、“あーちゃんと監修入ってる”と感動」など細かい描写のリアリティを評価する声も。たくさんの感動を残して最終回を迎えた本作。現在も「コウノドリすごい、泣きっぱなし」「号泣しながらコウノドリ見てる」などの“号泣”ツイートが続々投稿されている。(笠緒)
2017年12月23日先週放送された第10話のテーマは「出生前診断命についてのすべてのこと」。これまでのエピソードの中でも、とりわけ重いテーマだ。■軽い気持ちで出生前診断を受けないでNIPT(新型出生前診断)を受け、21トリソミー陽性と診断が下った妊婦の高山透子(初音映莉子)と夫・光弘(石田卓也)がサクラ(綾野剛)のもとを訪れる。この診断は、お腹の赤ちゃんが高い確率でダウン症候群であることを示していた。さらに確度の高い羊水検査の受診を希望する光弘だが、透子は無言のままだ。しかし、高山夫妻は、結果をどう受け止め、現実的に対処するかを考えなければいけない。「僕たちはどんな結論になっても、高山さんの結論を支えていきます。これからのこと、一緒に考えていきましょう」サクラの言葉が本当に優しい。寄り添うってこういうことだ。なお、ドラマ内で四宮(星野源)が指摘しているが、検査だけを行って患者を放り投げてしまう出生前診断には注意が必要だ。日本産婦人科学会の「出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解」には、「検査前によく説明し適切な遺伝カウンセリングを行った上で、インフォームドコンセントを得て実施する」と明記されている。遺伝カウンセリングでは、検査前に適切な情報提供を行うとともに、出生後の医療、ケアに関して説明しなければいけない。受ける側も、受けさせる側も、ネットで流行している性格診断のような気軽な気分で出生前診断を行ってはいけないのだ。■出生前診断、もう一組の夫婦の事情もう一組の夫婦、明代(りょう)と夫・信英(近藤公園)が行った出生前診断にも、21トリソミー陽性の診断が下っていた。明代は出生前診断を受ける前から、子どもに障害があるなら中絶すると決めていた。サクラと今橋(大森南朋)に、明代は「私たちには育てられないと思います」と話す。明代たちは小さな弁当屋を営んでおり、障害のある子を育てる余裕がないというのだ。また、上に長女がいるとも話す明代。だから赤ちゃんには執着しないということだろう。ふたりの年齢が高齢だということも関係ある(演じているりょうは44歳)。彼らはダウン症のわが子を長く面倒見ることができない。その後、保育園に長女を迎えに行って笑顔を見せる明代たち。このシーンでなんだか無性に悲しくなるのは、子どもって可愛いなぁ、素晴らしいなぁ、とあらためて思い知るからだろう。お腹の赤ちゃんとだって、こういう時間が過ごせるはずなのに、と。■ダウン症の子を持つ母・奥山佳恵が考える理想ここでダウン症の子・壮真の母親・弓枝役として奥山佳恵が登場する。すでに多くの人が知っているように、奥山は実生活でダウン症の子を育てている(ドラマの中の設定と同じく次男)。多くの人に協力してもらいながら職場に復帰した弓枝の表情は明るい。「いろんな人にお世話になって、どうなんだって思うけど。それこそ、壮真にもね」ダウン症の息子を世話するばかりではなく、逆に息子に世話になっていると話す弓枝。ダウン症の子を育てることで、彼女自身得るものがあったのだろう。奥山が理想として考えているのは、ダウン症の子と障害のない子が一緒に育ち、笑い合えるような社会だ。「みんな得意、不得意があって凸凹なのが社会でしょう。じっとしていられない子、勉強ができる子、いろいろいて、支援が必要な子の数だけ先生が増える。子どもも、それぞれが自分にできることを考え、フォローするところはフォローしてクラスができあがっていく。それが私の理想です」(朝日新聞デジタル2017年4月29日)なお、撮影に関するエピソードを知るために奥山のブログを読んでみたら、綾野剛に演技を褒められてひたすら大喜びしていた。明るさって生きるための武器だね。■「それぞれの事情の上に命は生まれてくる」このエピソードには、もうひとりの妊婦が登場する。小松と同期の助産師・京子(須藤理彩)だ。45歳での高齢出産を控えていた彼女は出生前診断を受けないと決めていた。「どんな子どもでも受け入れる!自分の子どもなんだから。口で言うのは簡単なんだけどね」余談だが、筆者も妻が40歳で長女を妊娠したとき、出生前診断についてよく話し合った経験がある。結論として、出生前診断は受けなかった。考え方としては京子と非常に近い。明代は中絶を選び、透子は迷いに迷った末に産むことを決意する。しかし、誰かを賛辞し、誰かを非難するようなことはない。出生前診断を「命の選別」として否定的な見解があることも取り上げている。ただ、それも考え方のひとつに過ぎない。このドラマのスタンスは、次のサクラの言葉に集約される。「それぞれの事情の上に命は生まれてくる。育てていくのは家族なんだ」ここでも『コウノドリ』全体のテーマである「生まれること、そして生きること」が貫かれている。出産は奇跡だ。だが、その後には長くてシビアな現実が待ち構えている。子どもを育てるのは家族だ。産科や新生児科の医師たちの務めは、家族に寄り添い、彼らの事情を理解し、正しい知識を与え、支えていくことだ。なお、ドラマの公式サイトから「NIPTコンソーシアム」のリンクが目立つところに貼られている。出生前診断を受けようか受けまいか悩んでいる人はご一読を。
2017年12月22日綾野剛主演の金曜ドラマ『コウノドリ』。現在放送中の第2シーズンは、「生まれること、そして生きること」をテーマに据えてきた。出産は奇跡だ。しかし、その後には現実が続く。生まれたばかりの赤ちゃんを抱えた妻は、夫はどう生きていくのか?そして産科医たちはどうフォローしていくのか?そのことについて、若き産科医たちの試練や岐路を交えつつ、優しく愚直に描き続けてきた。先週放送された第9話のテーマは「不育症世界一の味方は誰?」。最終回直前にして、これまで描いてきたテーマの解答を示すようなエピソードだった。■3回目の流産……自責の念に苦しむ妻妊婦の篠原沙月(野波麻帆)が夫の修一(高橋光臣)を伴って、サクラ(綾野剛)のもとを訪れる。過去2回にわたって流産している沙月は不安の色が隠せない。そして結果は……3回目の流産。「3回も流産するなんて……やっぱり私のせいですか?」「それは違います。初期の流産は、ほとんどの場合、お母さんが原因ではありません。偶然が重なって起きたんだと思います」自分を責める沙月に、サクラが優しく説明する。助産師の小松(吉田羊)も付け加える。「篠原さん、流産してしまった人の中には、働いていたからとか、重いものを持ち上げたからとか、自分のせいにするお母さんが多いんだけど、そうじゃないんだよ」沙月は不育症だった。不育症とは、妊娠はするけれど、流産、死産や新生児死亡などを繰り返し、結果的に子どもを持てない場合のことを指す。ただし、あくまでも結果から導き出される結論であり、何回流産を繰り返すと不育症と定義されるかは学会でも決まっていない。また、原因がわからない場合も少なくない。妊娠したと喜んだのに、一転して深い悲しみに突き落とされる。しかも、何度も。妊娠を夫に報告したときの沙月の部屋はピンク色の柔らかな光に包まれていたが、3回も流産を繰り返した後の彼女の部屋からは色が失われている。これは彼女の心象風景でもある。不育症は子どもを持ちたいと願っている女性にとって、ものすごく辛い。周囲の幸せそうな子連れの母親や妊婦を見るだけで、深く落ち込んでしまう。病院によっては、不育症の患者を診察する日は、それ以外の妊婦の診察を行わない婦人科もあるほどだ。沙月のように自責の念にとらわれてしまうことも少なくない。サクラと小松は、沙月に正確な知識を優しく伝えている。それはドラマから視聴者へのメッセージでもある。もし、あなたが流産で自分を責めて苦しんでいるのだとしたら、そうではないんですよ、あなたの責任ではないんですよ、と。第5話で死産を経験した瑞希(篠原ゆき子)にも、サクラはそう語りかけている。しかし、彼らの言葉が、苦しみの渦中にある女性たちの心にどれだけ届いているかはわからない。■妻の世界一の味方は……やっぱり夫ドラマの焦点は、沙月の夫、修一に移る。修一はとても優しい男だ。出しっぱなしになっていた沙月の母子手帳を見つけて、彼女が落ち込んでいることを一瞬で察することができる細やかな心も持っている。落ち込んでいる沙月に、子どもがいない夫婦という選択肢もあると語りかける修一。とても優しい言葉だと思う。だが、沙月の心は晴れない。沙月は修一が子ども好きで、心から子どもを欲しがっていたことを知っていた。修一はサクラのもとを訪れる。「どうすれば、妻を笑顔にできますか?」と悩みを打ち明ける修一に、サクラはこのように答える。「修一さんが、奥さんに寄り添って、笑顔にしてあげたい、近くでなんとかしてあげたいって、必死に頑張っている姿は、奥さんにとって、一番の治療になるんだと思います。その想いはきっと、明日につながります」修一は弾いたことのないピアノを買い込み、沙月が愛聴していたBABYの曲を練習しはじめた。その姿を見て、沙月の表情にほんの少し笑顔が戻る。そして、拙いピアノの音色を聞いて涙を流す。修一が自分のことを強く想ってくれていたことを感じて、安心したからだ。第1話と第3話に登場した、一見普通なのだが、実は妻を追い詰めているダメ夫の康孝(ナオト・インティライミ)のインパクトは大きく、ツイッターにはハッシュタグ「#うちのインティライミ」まで登場した。ただ、これもドラマ側に世の夫たちを懲らしめてやろうという意図があったわけではない。妻が赤ちゃんを産むときは産科医たちが必死でケアをするから、その前後は夫がちゃんとケアをしなければいけないんだよ、というドラマ側からのメッセージである。どんなに優秀でも、産科医は万能ではない。特に心の問題にまでは手が届かないことが多い。そんなときこそ、夫の出番だ。ついに沙月は、4度目の妊娠で赤ちゃんの心拍を確認することができた。不育症は乗り越えられない不治の病ではない。だが、ここから先が大変だ。妊娠の継続のためには、夫の役割もとても重要になる。修一ならその心配はないだろうけど、世の夫たちはどうだろう?■「今ある道を進むことで、光が見える」最初のほうにも書いたが、不育症はとても辛い。だが、『コウノドリ』はその辛さをことさらに強調しすぎることはない。倉崎(松本若菜)が若いころ、ヘビメタ女だったというギャグシーンまで挿入されていた(若い頃の綾野剛と星野源の可愛らしさにも注目)。それがこのドラマの優しさでもある。第9話では、ペルソナ総合医療センターの人々の岐路も描かれた。下屋(松岡茉優)は救命医として懸命に食らいつき、厳格だった部長の仙道(古舘寛治)に(少しだけだけど)認められるようになった。白川(坂口健太郎)は小児循環器科のある病院への転院を決意している。今橋(大森南朋)は体力的な限界を感じは始めていた。そして、四宮は地方の病院で産科を守り抜いてきた父親(塩見三省)のプライドに触れて心が揺らいでいた。「生きている限り、明日はやってくる。悲しみが繰り返されてしまうときがある。悔しさが繰り返されてしまうときもある。それでも気づいてほしい。今ある道を進むことで、光が見える」サクラのモノローグは、不育症や妊娠について悩む人々へのメッセージであるのと同時に、壁にぶつかってもがき苦しんでいる人や懸命に食らいついている人たちに対する人たちへのメッセージでもある。なお、ドラマ『コウノドリ』の公式サイトでは、サクラのモデルになった、りんくう総合医療センターの荻田和秀先生によるお悩み相談「ペルソナ総合医療センター産科外来」が行われている。荻田先生が妊娠・出産に関するさまざまな相談に回答しているので、興味のある方、悩みのある方はぜひご一読を。
2017年12月19日「完成した映画を見て“カッコええな、攻めてるなぁ”と思いました。説明的やなくても、匂いというか空気を感じることができるんです。オリジナル脚本が通りにくい時代に、入江悠監督はなんであの激烈な脚本を書きたかったのか」 そう語るのは、auのCM“三太郎シリーズ”でちょっとおバカな浦島太郎に扮する桐谷健太(37)。公開中の映画『火花』では、せつないほど懸命に青春を突っ走る芸人を演じている。 かたや冒頭の言葉は、最新映画『ビジランテ』(全国公開中)を見ての感想。「ビジランテ」とは、警察や法律、正義が及ばない過酷な世界で、自ら大切なものを守り抜く集団のこと。 「撮影はハードでしたよ。俺は監督のまっすぐなまなざしに“よし、やるぞ!”と奮起したし、好きなんでしょうね、過酷な場に身を置くのが」 物語の舞台は開発が進む地方都市。支配的な父親を憎む3兄弟は、成長して別々の道を選ぶが、父の死をきっかけに30年ぶりに再会し……土地や家族というものに縛られた3人の運命は交錯して、凄惨な方向へと転がり始める。 この作品で印象に残るのは、それぞれが父親や兄弟との確執を抱え必死で川を渡るシーン。極寒の冬の夜、ナイトロケで撮った画は闇の中で凍りつくようだ。 「空気は痛いほど寒いし、川の水は針で刺すような冷たさ。でも、映画としてはそんな天候に助けられたところもあるんですよ。雪がちらついて息も白く、迫力が増して。今回は役を作り込まず、自分の衝動的な反応を大切にしました」 3兄弟の長男役は大森南朋、次男が鈴木浩介、桐谷は三男を演じている。この3人がトリプル主演だ。 「思う存分、主演らしいことしよ!!って(笑)。で、ケータリングで熱々のチキンソテーやCMに出てるケンタッキーのフライドチキンを差し入れました。気温がマイナスまで下がる深夜に頑張ってるスタッフさんや共演者は、みな喜んでくれましたよ。『過酷な現場でも、おまえはホンマにほがらかやな。助かるわ』って」 旬の俳優、気さくで楽しい。どの作品でもぎりぎり手の届く役に挑戦してきたそう。 「現実の自分以上のことはできないと思う。今までの役も、俺の中にいるんだと思うんですよね。だからこそ自分を大きくしていかないと」
2017年12月18日女優の篠田麻里子が12月9日(土)、テアトル新宿で行われた映画『ビジランテ』初日舞台挨拶に出席。篠田さんは、大胆なラブシーンを披露するなど、新境地を切り開いた本作について「覚悟の詰まった作品です」と胸を張った。本舞台挨拶には、大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太、入江悠監督も出席した。■2017年最初の仕事が濃厚なラブシーン!本作は、映画『SR サイタマノラッパー』シリーズの入江悠が脚本・監督を務めたオリジナル作品。地方都市を舞台に、まったく異なる人生を歩んでいる三兄弟が、父の死により30年ぶりに再会したことにより巻き起こる運命的な出来事を描いた衝撃作。篠田さんはクランクイン初日の最初のシーンが、夫役の鈴木さんとの濃厚なラブシーンという撮影に「2017年の仕事はじめがそのシーンだったのでとても印象に残っています」と当時をふり返ると「浩介さんとは以前の作品(ドラマ『銭女』)で、お見合い相手の役だったので、その意味では、今回結婚をしたので、続編なのかなと思っていました。浩介さんは優しくて包容力がある方なので、初日にそういうシーンがあったのは、夫婦としての覚悟を決めることができてよかった」と笑顔をみせた。そんな篠田さんの覚悟に、入江監督は「篠田さんのこれまでの経歴や、頑張ってきたことが、この役なら120%出せると思っていた。AKBに在籍していた人はタフな方が多いので、何回もダメ出しさせていただきました。そういったこともスクリーンに刻み込まれていると思います」と本人の持つポテンシャルを引き出せたことに自信を持っているようだ。■ハードな撮影をふり返る!撮影はとにかくハードだったようで、大森さんが「真冬で雪が降っているなか、川に入れられる撮影があったのですが、心臓が止まったらどうしようって思いました。『あれギャラいくらだったっけな?』って思った」とおもしろおかしく過酷な撮影を訴えると、鈴木さんも「監督が『川のシーンは、とても大変なシーンなので、緻密なリハーサルを重ね、10分だったら水のなかにはいっても大丈夫という結論に至った』となにかに書かれているのを読んだのですが、実際水のなかに頭を入れられたら、耳が聞こえなくなるぐらいきつくて…どうして10分という結論になったのか知りたい。3分で限界ですよ!」と抗議していた。さらに桐谷さんも「今回、20年一緒にやっているスタッフが、これまでで一番過酷だって言っていました」と語ると「大変だったけれど、それだけの作品になっています。僕にとっての代表作。こんなに“絶望的に格好いい作品”を撮っていただいて感謝しています」と感無量な表情を浮かべる。俳優たちの奮闘ぶりに入江監督は「いまの自分を反映しているものを三兄弟というキャラクターに託して脚本を書いたのですが、僕の想像をはるかに超える演技をしていただきました」と感謝を述べると「これまで何本か映画を撮ってきましたが、この映画はいろいろなことがあり、頓挫しそうになったことがありました。そのとき、普段は絶対泣かないのですが、スタッフルームで泣いてしまった。それだけ思い入れが深い作品なんです」と、紆余曲折を経て公開に至ったことをしみじみと語っていた。『ビジランテ』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2017年12月09日綾野剛主演の金曜ドラマ『コウノドリ』第2シーズン。先週放送された第8話のテーマは「医師の決意選ぶべき道」。小児科医の白川(坂口健太郎)が直面する試練と、サクラ(綾野剛)の同僚の産科医・四宮(星野源)と父の物語が描かれた。■自信過剰だった坂口健太郎、彼の最大のミスとは?「俺はもっと最先端の医療に携わりたいし、技術だってもっと身につけたいわけ。じゃないとワンランク上の新生児科医になれないからさ」「私は患者さんが助かればそれで十分だよ」「医者ならもっと上を見ろ、上を」白川と救命科に移った下屋(松岡茉優)の会話だ。いつもは軽口を叩き合う仲だが、白川は本気だ。学会にも参加し、成長著しい白川は、助産師長の小松(吉田羊)にも「頼りになる」と言われるようになる。白川は難産だった赤ちゃんを新生児遷延性肺高血圧症だと診断する。赤ちゃんの肺に血液が流れづらい状態が続き、血液中の酸素が足りなくなる症状だ。一酸化窒素吸入療法を選択した白川は、「この治療に関して言えば、僕はこの病院で一番経験もあります」と自信満々に告げる。しかし、その自信があだとなる。3日間続けた一酸化窒素による治療は功を奏さず、赤ちゃんの症状は良くならなかった。それもそのはず、原因は肺ではなく、重症の先天性心疾患だった。白川は自分の小さなプライドを守るため、先輩の今橋(大森南朋)にも相談していなかった。今橋に相談しなかったのが白川の最大のミスだ。■「自分の過ちから逃げるんじゃない」「それって、医療ミスですよね!」と激昂する父親(高橋努)。白川は立ちすくむだけで、まったくリカバーにも動けない。大学病院に搬送するとき、思わず同僚に頼もうとする白川を今橋は見逃さなかった。「風間さんの担当医は誰だ?」「自分です」「だったら、最後まで責任をとって見届けなさい!」「自分の過ちから逃げるんじゃない」と今橋に諭される白川。白川は夫婦と一緒に大学病院に向かう。赤ちゃんの手術は成功したが、白川の心は休まらない。白川の気持ちを優しく受け止めるのは、過去に早産だった赤ちゃんを助けることができず、バーンアウトしてしまった経験を持つ新井(山口紗弥加)であり、新井を差し向けたサクラであり、悔し涙を流す白川に優しく声をかける今橋であり、いつものように軽口を叩き合う下屋だった。うらやましくなるぐらいのチーム感だ。以前も書いたが、普通のサラリーマンもののドラマや学園ドラマなら失敗を糧にして成長する登場人物を描くことはできるが、産科医や小児科医に失敗は許されない。赤ちゃんの命は何ものにも代えがたい尊いものだ。だから、このチーム感は失敗が許されない現場だからこそ醸成されたものだと言うこともできる。やみくもに厳しく失敗を責めるのではなく、許し、人の成長を促す。すべての現場がそうではないと思うし、そんなに甘いものではないという人もいるだろう。でも、そうやって赤ちゃんの命を守るチームを作っていく。それがサクラたちペルソナのやり方ということだろう。■星野源が考えたセリフ「だったら、生きろよ!」四宮の父(塩見三省)が倒れたという知らせが入った。父は街で唯一の産科医だった。故郷に帰ってみると、父は診察を続けていたが、実はステージ4の肺がんに蝕まれていた。地域のために産科医を続けると主張する父に、四宮は「地域医療には限界がある」と説く。人口が減っている地方で病院が減るのは仕方のないことであり、集約化することでハイリスクな妊婦に対応できる高度な医療も可能になると語る四宮。だが、父はこう言う。「だったら、リスクの低い妊婦はどうなる?」。人口減による病院の減少や集約化による高度な医療の実現は、あくまで医者側の論理だ。四宮の父は、人々の暮らしに寄り添おうとしている。その姿勢は『コウノドリ』がサクラたちの行動を通して、一貫して主張してきたことだ。「俺は、この街を、子どもの産めない街にはさせない」「……だったら、生きろよ!」このやりとりが大変熱い。実は台本では「治療してくれよ」というセリフだったが、現場で四宮役の星野源が土井裕泰監督と話し合って、「だったら、生きろよ!」に変更したのだという。四宮は「町の妊婦たちを守る」という父の考えを理解しながら、同時に息子として「死なないでくれよ父さん」という気持ちも強かった。その両方が重なり、このセリフになったのだという(オフィシャルサイト星野源インタビューより)。星野源の父親役の塩見三省は4年前に脳出血で倒れ、昨年仕事に復帰したばかり。病を押して産科医の仕事を全うする父親役にリアリティを与えていた。ふたりの顔立ちもどことなく似ている。四宮の父のエピソードは、白川のエピソードと関連している。高度な医療を追い求めるばかりでは、大切なものを見落とすことがあるということだ。四宮の父は、最期のときまで力を振り絞って妊婦たちに寄り添うことを選んだ。「父さん、この街のお産を守ることが使命だと思っている。だから最後までやらせてくれ」という彼の言葉のとおりだ。父が四宮に送ってきたカードには「一日一生」と書かれていた。■母親に寄り添うことを忘れない『コウノドリ』“医師の成長物語”だけに終わらないのが『コウノドリ』である。子どもを産んだ母親に寄り添うことを忘れない。健康な赤ちゃんを産めなかったのは自分のせいだと自責の念にさいなまれる母親(芦名星)は、NICUで管につながれている我が子を直視することができていなかった。「私、赤ちゃんを見たとき、胸がキューッってなって。心の中で何度も謝ってるんです。ごめんね、ごめんね、って」涙をはらはらと流す彼女に寄り添うサクラは優しい。というか、いつも優しい。「じゃ、今度赤ちゃんに会うときは、こう声をかけてあげてください。“すごいね、頑張ってるね”って。赤ちゃんにつながれているたくさんの管は、赤ちゃんが今、一生懸命頑張っている証です。お母さんが引け目に思うことは何ひとつないし、むしろ、頑張り屋さんの赤ちゃんを誇りに思ってください」産科医にこう言われて、安心しない母親はいないんじゃないだろうか。お母さんは頑張った。赤ちゃんも頑張っている。お父さんも頑張ろう。
2017年12月08日2018年5月より、M&Oplaysプロデュース「市ヶ尾の坂-伝説の虹の三兄弟」を上演することが決定。大森南朋、麻生久美子、三浦貴大らを迎え、ミステリアスな家族の物語を描いていく。1992年、市ヶ尾の坂で暮らす三人兄弟がいた。田園都市計画の名の下、無くなることを余儀なくされている兄弟の家。状況に抗うすべとてなく懸命に生きていこうとする母なき兄弟と、3人と触れ合うことになった母になることが出来ぬ美貌の人妻の、絵合わせのような家族劇。この公演は、作演出家の岩松了と「M&Oplays」が定期的に行っている公演で、1992年に「竹中直人の会」で上演された「市ヶ尾の坂」を、今回“新演出”で26年ぶりに再演する。本舞台に出演するのは、現在放送中の人気ドラマ「コウノドリ」に出演し、2013年の「不道徳教室」以来4度目の岩松作品となる大森南朋、2009年の「マレーヒルの幻影」で初舞台を経験した麻生久美子、『劇場版 SPEC』『進撃の巨人』などに出演し、今回が初の岩松作品となる三浦貴大。そして森優作、池津祥子、さらに岩松さんも加わり創り上げる。岩松作品に参加するにあたって大森さんは、「いつも何年か毎に、岩松さんの舞台に出させて頂くと、“ゆるまったなにか”が戒められたように感じます。今回も“ゆるまったなにか”を持参して戒めてもらおうと思っているのでよろしくお願いします」とコメント。いまからドキドキしていると明かした麻生さんは、「岩松さんに初舞台を踏ませて頂いてから、もう8年。舞台に立つことがこの上なく怖い私ではありますが、同時に岩松さんの書いた台詞を言葉にすることが出来る喜びもいつも感じています。今作もしっかりと岩松さんについて行き、出来る限り楽しんでやらせて頂ければと思っております」と意気込み。一方、岩松作品初参加となる三浦さんは、「台本を読んですごく素敵な本だなと思いました」感想を述べる。また「舞台は3本目なのですが初めての日本人役にどうしていいのか少し戸惑いを感じています」と不安要素もあるようだが、「皆さんと一緒に作品に出られるのが楽しみです」と話している。なお、本公演は東京公演終了後、宮城、福島、大阪ほかにて地方公演も実施。チケットは来年3月中旬の発売を予定している。M&Oplaysプロデュース「市ヶ尾の坂-伝説の虹の三兄弟」は2018年5月17日(木)~6月3日(日)本多劇場(東京公演)にて上演。※地方公演あり(cinemacafe.net)
2017年12月08日「モーニング」で連載中の鈴ノ木ユウによるヒューマン医療漫画を、綾野剛主演でドラマ化した現在放送中の「コウノドリ」。初回から前作を上回る視聴率で好スタートを記録し、毎週感動の声が数多く寄せられ“泣けるドラマ”としても話題となっている本作が、12月8日(金)今夜第9話が放送、いよいよ終盤戦へ突入する。2015年10月期にドラマ化され、続編となる今作では前作に引き続き、産婦人科医と天才ピアニストの2つの顔を持つミステリアスな主人公・鴻鳥サクラを綾野さんが演じるほか、松岡茉優、吉田羊、坂口健太郎、星野源、大森南朋らオリジナルメンバーが続投。さらに、宮沢氷魚や松本若菜、古畑星夏らフレッシュなキャストも加わり、新しい風を吹かせている。今作では、命が誕生する奇跡の物語を描いていくのはもちろん、ペルソナで働くメンバーの成長・心の揺れや葛藤などを縦軸として物語が紡がれていた。サクラの後輩である松岡さん演じる下屋は、担当した妊婦の死を乗り越え、救命が出来る産科医になるため救命科に異動。吉田さん演じる助産師の小松は、子宮腺筋症と卵巣チョコレート嚢胞を患い、子宮摘出という大きな決断を。そして、診断ミスを起こした坂口さん演じる新生児科の白川は、自分の力不足さを思い知らされ、小児循環器科で研修するべくペルソナを離れることを決意した。それぞれが悩みに直面し、新たな自分の道を進み始める彼ら。そんな中第9話以降では、星野さん扮するサクラの同期であり良きライバルの四宮のエピソードを色濃く展開していく。過去に担当していた患者を失った後悔から、現場を離れ事故を防ぐための研究に専念するという選択を視野に入れていた四宮。先週までの放送では、故郷・石川県能登へ帰郷した際に、産科医の父・晃志郎(塩見三省)が、重いガンを患っていたことが発覚した。第9話では、四宮はペルソナに戻ってきたものの、執刀中に妹・夏実(相楽樹)から晃志郎が再び倒れたとの連絡が入り、石川県能登に帰省。晃志郎が診察をしていた妊婦に早剥の疑いが出、自らが執刀するしかないと言う晃志郎を見かねた四宮が、父に代わり緊急カイザーをすることに…。一方、サクラは不育症が疑われる妊婦と向き合っており、下屋は救命の忙しない現場で患者の症状に対応できず、悔しい思いを抱いている中、36週の妊婦が緊急搬送され緊急カイザーを提案するが…。最終回に向けて動き出していくペルソナで働く仲間たち。それぞれの決断とは、そしてサクラ自身は自分の未来に対してどのような決断をしていくのか?なお、清塚信也や宮沢さんも参加した、コウノドリの世界観を表現したみんなで作る世界にひとつのアートペイントが、来週11日(月)~22日(金)の最終話放送日まで、TBSテレビ1階展示ブースにて公開される予定となっている。「コウノドリ」は毎週金曜日22時~TBSにて放送。(cinemacafe.net)
2017年12月08日『コウノドリ』第8話が12月1日に放送された。新生児科医としての自分を過信することで診断ミスをおかしてしまった白川(坂口健太郎)。もしわが子が診断ミスをされてしまったら、主治医を許すことができるだろうか…。そんなことを考える一方で、今橋(大森南朋)の上司としてのあり方、四宮(星野源)の父への思い、同僚としてのサクラ(綾野剛)の優しさなど、さまざまな人間模様が交錯するストーリーにグイグイと引込まれてしまった。■坂口健太郎の過信が招いた失態と成長白川は、新生児科医として自信がつき、先端医療などの“上”を目指そうとしていたが、それは同時に周囲が見えなくなっている状態でもあった。そんな折、風間真帆(芦名星)の赤ちゃんが新生児仮死で誕生する。その症状から白川は「新生児遷延性肺高血圧症」と診断するが、治療を続けても症状は一向に良くならない。じつはベビーには先天性心疾患があり、早急に手術が必要な状態だったのだ。白川に対し、「それって医療ミスじゃないですか」と激高する父。一方母は冷静に子どもの病状説明に耳を傾け、他院への搬送を懇願する。搬送の準備が進む中、ドクターカーへの乗車を拒む白川に、今橋は「最後まで責任持って見届けなさい」とめずらしく声を上げた。真帆の退院日、白川は風間夫妻に「力及ばず、申し訳ありませんでした」と謝罪する。己の力不足を痛感し「悔しいです」と涙を流す白川。その背中に、今橋は「その気持ち、忘れないでね」と優しく声をかけた。そして白川は、“上”ではなく“先”を目指すことを決意し、ペルソナを辞めて小児循環器科で研修をしたいと申し出るのだった。■もしもわが子が診断ミスにあったら…白川は自分の非を認め、新たな目標へと歩み始めた。だが、もしも自分が真帆の立場だったら彼を許すことができるだろうか…。ひとりの医者の慢心によって、生まれたばかりのわが子が意味のない治療に苦しんだのかと思うと胸が痛くてたまらない。そうでなくても精神状態が不安定になる産後に、子どもの心配、自責、さまざまな感情にもだえる3日間。そのつらさは計り知れないものだ。父親は白川に対して怒りをあらわにしていたが、正直、それが普通のようにも思えてしまう。それでも今回、真帆が気持ちを強く持てたのは、サクラの「がんばり屋さんの赤ちゃんを誇りに思ってください」という助言があったから。正常に出産できないと母は自分を責めがちになる。でも「ごめんね」ではなく「すごいね」と励ます勇気を持ったことで、真帆は母として強くなったのだ。真帆だって、怒りや憎しみといった感情を押さえ込み「お世話になりました」と絞り出したのかもしれない。けれども、そんな彼女の行動があったから、白川も前に進むことができたのだろう。人間なら、だれしもミスはあって当然のこと。だが医師には、ひとつのミスが生死に直結してしまう恐ろしさがある。もちろん、今回は赤ちゃんの命が助かったからこその展開だが、ペルソナを離れて学びを深める決意をした白川の姿はまぶしく、心からエールを送りたくなった。■星野源の「だったら生きろよ」が心を打つ地元・能登に帰省した四宮は、ステージIVの肺がんを患いながらも産科医を続ける父・晃志郎(塩見三省)を治療に専念するよう説得する。なかでも「この町を子供が産めない町にはさせない」と言う父に対して発した「だったら生きろよ」というセリフは、心に刺さるフレーズだった。じつはこのセリフは、星野が監督と一緒に現場で考えたものだとドラマ公式サイト内のインタビューで明かしている。四宮を全身全霊で演じる星野から出た言葉だったからこそ、これほどまでに視聴者の心を揺さぶったのだろう。早剥の研究という自分のやりたいことへと気持ちを固めていた中、白川はペルソナを離れることとなり、父は病に倒れてしまう。「四宮が自分で選択するべきだ。自分の行くべき道を」というサクラの言葉は四宮に届くのか。その決断に注目したい。■絶妙フォローの上司とわが子に怒ってばかりの自分それにしても、白川に対する今橋のフォローは絶妙だった。頭ごなしに叱るのではなく、注意すべきところはきちんと伝え、最後に優しくフォローする。こんな上司がいたらいいなぁなんて幻想を抱きつつ、ガミガミ怒ってばかりのわが子に対して、自分が今橋のように接することができれば、お互い成長できるのかも…とちょっぴり反省。そして久々の登場となった新井(山口紗弥加)は、小児科医として活躍しているとわかり一安心。しかも左手の薬指には結婚指輪が! ペルソナ時代は忙しくてデートも中断ばかりだったので、今は少し時間ができてゆっくり結婚生活を送れているのかしら? と想像し、顔がほころんでしまった。12月8日に放送される第9話で、サクラが向き合うのは原因解明の難しい“不育症”。一方四宮は、父が病院に搬送されたことを知り、再び能登に戻ることとなる。TBSテレビ 金曜ドラマ『コウノドリ』金曜よる10時から
2017年12月07日柚木麻子の傑作小説を岡田将生と木村文乃W主演で映画化する『伊藤くん A to E』。本作では、容姿端麗、自意識過剰、無神経な28歳フリーターの超モンスター級の【痛い男】を、岡田さんが演じていることでも話題を呼んでいる。人気俳優たちは、ときに正統派の役よりも、あえて演技力が試される汚れ役を希望することがある。岡田さん自身も「こういう役をちょうどやりたいと思っていた」と語る本作。そのほかにも、実力派イケメン俳優たちが史上最悪の【痛男】&【クズ】&【犯罪者】を熱演する映画が相次いで公開される。「顔がよければいいってもんじゃないよ!」と思わずツッコミたくなる、イケメンたちの性悪すぎる演技が光る3作品に注目した。◆大森南朋&鈴木浩介&桐谷健太、欲望や野心むき出しの【クズ過ぎる三兄弟】に『ビジランテ』12月9日(土)公開幼いころに失踪していた長男(大森南朋)、市議会議員の次男(鈴木浩介)、デリヘル業の雇われ店長の三男(桐谷健太)。別々の道、世界を生きてきたはずの兄弟が、父親の死をきっかけに再会し、逃れられない運命に翻弄されていくというストーリー。『SRサイタマノラッパー』の入江悠監督のオリジナル脚本作品で、撮影も入江監督の地元・埼玉県深谷市でほとんど行われたという本作。大森さん、鈴木さん、桐谷さんの豪華トリプル主演俳優たちの救いようのない【クズ】な姿と欲望むき出しの演技に大注目。◆岡田将生が28歳でフリーター、しかも童貞の【モンスター級のクズで痛男】に『伊藤くん A to E』2018年1月12日(金)公開近年、『銀魂』「小さな巨人」「ゆとりですがなにか」など話題の映画、ドラマで活躍の場を拡げる岡田さんが、伊藤誠二郎という超モンスター級【痛い男】を演じる。岡田さんはその容姿を最大限生かし、AからEの女たちを自由奔放に振り回す、どうしようもないクズ男。木村さんをはじめ、佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆と豪華女優陣を相手に、伊藤というモンスター級の【痛男】の暴走によって、露わになっていくAからEの女たちの恋心、執着、嫉妬、優越感…などの赤裸々な【感情=毒】。感情の起伏が激しく突き抜けたキャラクター・伊藤を嬉々として演じる岡田のはまり役っぷりに大注目。◆松坂桃李、呪いや洗脳で対象を殺害する経歴不詳の【クズな犯罪者】に『不能犯』2018年2月1日(木)公開原作は、集英社「グランドジャンプ」連載中の人気コミック。松坂さん演じる、思い込みやマインドコントロールでターゲットを殺害する「不能犯」の男と、彼を追う女性刑事(沢尻エリカ)の対決を描いたサスペンススリラーだ。連続変死事件の現場で必ず目撃される黒スーツの男。その男はSNSで「電話ボックスの男」と噂される人物で、とある電話ボックスに殺人の依頼を書いた紙を貼ると実行してくれるが、彼に狙われた者は確実に死亡。しかも、その死因は病死や自殺、事故など、いずれも殺人が立証できないものだった。朝ドラでヒロインのダメ夫(!?)を演じる一方、『彼女がその名を知らない鳥たち』での“ゲス男”も記憶に新しい松坂さんが、確実に人を死に追いやる【クズ】な犯罪者を熱演。そのダークヒーローっぷりに注目だ。(text:cinemacafe.net)
2017年12月03日綾野剛主演の金曜ドラマ『コウノドリ』第2シーズン。先週放送の第7話のテーマは「母になる人生母にならない人生」。これまで、妊娠・出産と家族のその後について描いてきた『コウノドリ』だが、今回は「出産しないこと」について深く掘り下げていた。■子宮全摘……だけど、仲間たちがいるお腹を押さえて倒れてしまった助産師長の小松(吉田羊)。彼女の病気は「子宮腺筋症」と「卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)」だった。卵巣チョコレート嚢胞は放置しておけば卵巣がんになる危険性がある。四宮(星野源)は子宮の全摘を勧めるようサクラ(綾野剛)に告げる。サクラはあくまで選択肢のひとつとして小松に手術を勧めるが、彼女は自分の身体のことがよくわかっていた。ほかに選択肢はない。しかし、自分自身の辛い境遇にも小松は笑顔を絶やさない。救命科に転科した下屋(松岡茉優)を励まし、赤ちゃんを取り上げ、同期の妊娠を祝福する。「小松も負けてらんないね」というちょっと心をえぐる声にも笑顔で応える。辛いこともあるが、こうした態度が周囲との信頼を培っていくのだろう。「もう少し自分を認めてあげましょうか。一日の終わりに、よくがんばりました、と自分に声をかけてあげてください」これは悩んでいる下屋にかけた言葉。だが、四宮は小松に「自分を大切にするように」と話す。自分を大事にしなければいけないのは小松も同じこと。サクラは小松ひとりのためにピアノを弾く。「鴻鳥先生、私決めたよ。悔しいけど仕方ない。これが私の人生だ」という小松の強がりを、サクラの言葉がとかしていく。「小松さん、あまり頑張りすぎないでください。頑張ってる小松さんも好きだけど、頑張ってない小松さんも大好きです。だからひとりで全部抱え込まないで。みんな、小松さんの味方ですから」手術当日、日々の業務をこなしながら、さりげなく小松のことを気にかけているペルソナのメンバーたち。サクラと四宮が無言でお互いのカップ焼きそばとジャムパンを交換するシーンは、ふたりが小松の不在によって仲間の大切さをあらためて感じたということなのだろう。良いシーンだった。■気のきいた答えはないけど、態度は示すことができる手術前、小松は子連れのメディカルソーシャルワーカー・向井(江口のり子)にこう問いかけていた。「お母さんになる人生と、お母さんにならない人生。何が違うのかな?」このときは答えに窮した向井だったが、手術の後、小松の部屋を訪れる。身寄りがない小松は、ひとりきりで生きていくことに怯えていた。「親も兄弟も夫も子どももいない私にとって、子宮は最後の頼りだったんだ」。小松の言葉を聞いても、まだ向井は何も答えることができない。友達、仲間の大切さ、ありがたさを身にしみて感じたと語り続ける小松。「私の中から大事なものがなくなっちゃったけどさ。私には支えてくれる仲間がいる。それってさ、向井さん、すげえ心強いんだよ」向井は結局、答えを出すことはできなかった。でも、小松のそばにいて一緒に泣き、おばあちゃんになるまで友達だと約束する。泣きながら冗談も飛ばす。小松にとって、気のきいた答えなんかより、向井のこうした態度のほうがよっぽど心強いし、うれしかったはずだ。「お母さんになる人生」と「お母さんにならない人生」は、もちろん違う。でも、どっちが優れていて、どっちが劣っているということはない。どちらの人生だって幸せになることができるはずだ。そのためには、自分を大切にすることと、まわりの人たちを大切にすること。『コウノドリ』は、そのことを理屈ではなく、じんわりと伝えてくれる。■職場に赤ちゃんがいるって素敵なことじゃない小松のエピソードと並行して描かれていたのが、産婦人科医の倉崎のエピソードだ。シングルマザーとして幼い子を育てながらペルソナで働く倉崎は周囲からの“特別扱い”を拒み、他のスタッフと極力同じ仕事量をこなそうとしていた。しかし、産婦人科医は激務だ。オンコールがあれば、深夜だろうが早朝だろうが駆けつけなければならない。サクラたちのフォローの申し出を突っぱねる。ある日、子どものお迎えの時間が迫っていた倉崎だが、帰宅間際、担当していた患者の様態が急変してしまう。倉崎を返そうとするサクラと四宮。「ここはチームだよ。少しぐらい仲間に助けてもらったっていいだろ」。これだけでも良いシーンなのだが、倉崎はまだ戸惑っている。そこへ声をかけたのが小松だ。「もしよければ、私がユリカちゃんのお迎えに行こうか?鴻鳥先生、ここがチームなら、こんな協力の仕方もありだよね?」小松は保育園に赤ちゃんを迎えに行き、四宮は倉崎の手術のサポートに立つ。女性は赤ちゃんの近くにいてやるべき、母親は赤ちゃんの世話を優先するべきだという考え方を乗り越え、働きたい人の意思を尊重し、職場の仲間同士で母子のサポートをするという、とても素敵なシーンだった。職場に同僚の赤ちゃんがいるって良いものだ。赤ちゃんを総出で追い出そうとした、どこやらの議会とは真逆である。仲間を頼ってもいいという部分で、小松のエピソードと倉崎のエピソードは通じている。ふたりの場合は職場に良い仲間がいるが、これが夫婦であったり、家族であったり、友人であったりする場合もあるだろう。子どもがいても、いなくても、夫婦こそ小松とサクラたちのような良き“仲間”であるべきなのかもしれない。今週のひとことメモ。サクラが小松のためにピアノを弾いたテラスのあるダイニングバーは麻布台のイタリアン「ESCRIBA」。“大人の隠れ家”として人気の店だ。ちなみにテラスにピアノは置いてない模様。
2017年12月01日綾野剛主演の金曜ドラマ『コウノドリ』第2シーズン。先週放送の第6話のテーマは「突然の命の危機母子の救急救命」。サクラ(綾野剛)の後輩、産婦人科医の下屋加江(松岡茉優)が大きな転機を迎える話だった。■母体死亡……悲しすぎるエピソード下屋はアルバイト先のこはる産婦人科で、切迫早産で入院している神谷カエ(福田麻由子)と出会う。同じ「カエ」という名前で年齢も一緒のふたりはたちまち意気投合。カエの結婚式に出席する約束までする。ある日、下屋が働くペルソナ総合医療に急患が運ばれてくる。カエだ。すでにカエは救急車の中で心肺停止になっていた。下屋はカエの異変の兆候を感じ取っていたにもかかわらず、それを見過ごしていたことに気づく。サクラは死戦気帝王切開を行って赤ちゃんを取り上げる。死戦期帝王切開とは、『コウノドリ』第1シーズン最終回でも行われた、心肺停止した赤ちゃんを取り出した後に母親の蘇生を行うという手術のこと。赤ちゃんは無事に産まれたが、サクラや救命科の懸命の手当も虚しく、カエは亡くなってしまう。強く自分を責める下屋。サクラたちから休むように命じられるが、再び産科に戻りたいという気持ちを強くした下屋は、全身管理を学ぶため、救命科への転科を願い出る。大変辛く悲しいエピソードだったのだが、『女王の教室』や実写版『ちびまる子ちゃん』に出演していた福田麻由子が妊婦役を演じるなんて……と、時の流れの早さを痛感した視聴者も多かった模様。なお、福田の実年齢は23歳だが、カエの設定は28歳である(ホワイトボードに書かれていた)。■失敗を「乗り越える」のは自分本位カエとのことを楽しげに話す下屋に、同僚の白川(坂口健太郎)は「患者さんの事情っていうかプライベートに首突っ込みすぎじゃない?」と告げる。「あんまり入れ込むと、何かあったとき辛いし、問題起きたとき、お前ひとりじゃ背負きれないだろ」あまり患者と親しくなりすぎると、患者の身に何かあったときに冷静でいられなくなるし、自分自身もダメージを負う。今回の下屋がまさにそうだった。では、下屋はどのように辛い試練を乗り越えたのだろうか?結論から言えば、悪かった結果を乗り越えることは「できない」。それはドラマの序盤でサクラの口から語られている。「何か失敗をしたとき、自分でリカバーして乗り越えられるようになりたいんです」と下屋が言うと、サクラはこう教え諭す。「僕たち医者が大きな失敗をしたとき、それは乗り越えるものじゃない」同様の言葉は、ドラマの終盤にも語られている。失敗をリカバーして乗り越えるというのは、あくまで自分本位の行動だ。これが一般企業のサラリーマンなら、失敗を糧にして成長することは良いこととされ、周囲にも評価される。しかし、医療の世界はそうではない。医者の失敗はひとりの患者の生命に直結する。だから、失敗しないことが何よりも重要になるのだ。自分の成長は二の次。自分本位の行動ではなく、患者本位の行動が何よりも必要とされる。では、下屋はどうすればいいのだろうか?ひとつはチームを頼ること。もうひとつは次のために入念な準備だ。■医者に必要な「チーム」と「準備」ペルソナ総合医療センターの産科のチームは本当に温かい。休みを取っていた下屋が出産の現場にいきなり戻ってきたときも、誰も非難めいた顔をしなかった。サクラは一瞬「よく帰ってきたね」と言わんばかりに微笑んでみせている。サクラはいつでも良き先輩として振る舞っている。「救命科へ行きたい」という下屋の申し出を聞いたサクラは、自分の考えを伝えた後、「うん、いいんじゃないか」と笑顔で送り出す。「非難するな・認めよ・相手の欲しがるものを理解せよ」というデール・カーネギーの「人を動かす三原則」を熟知しているような話しぶりだ。四宮も冷たく見えるが、いつも下屋のことを気遣っているし、そのことは下屋にも伝わっている。第5話ではプリンをプレゼントしていたが、今回はホイップクリーム入りのジャムパンを餞別代わりに与えていた。ちなみにこのジャムパンは「Posto」というドラマオリジナルの銘柄。コンビニに行っても売ってません。白川も小松(吉田羊)も、いつも下屋のことを気にかけている。産科はひとつのチームであり、妊婦と赤ちゃんのためにいつでも一丸となれる。下屋はもっとチームを頼っても良かったのかもしれない。だが、彼女は救命科に転科を希望した。これは「準備」のためだ。四宮(星野源)は第5話で、緊急カイザーのため、障害が残ってしまった赤ちゃんにお詫びの手紙を出そうとしていた下屋にこう語りかけている。「俺なら絶対に頭を下げない。次の出産に向けて、綿密な計画を練るだけだ」いくら失敗を避けようとしても、どうしても失敗はある。医者は失敗を乗り越えるのではなく、自責の念を胸に積んだまま、次の出産のための準備に進まなければいけない。下屋にとって救命科で新たな技術と知見を学ぶことは、準備を充実させることにあたる。救命科での彼女への当たりはずいぶんキツそうだ(あんなにエラそうな救命医はめったにいないという現場からの指摘もあるが)。負けずに頑張ってほしい。■原作との大きな違い今回のエピソードは原作12巻収録の「転科」をほぼそのまま映像化している。下屋の訪問を受けた加瀬(平山祐介)が「告られると思ってドキドキしちゃった」と冗談を飛ばすシーンも同じだった。ただし、ひとつだけ原作とドラマに大きな違いがある。原作では、カエは母子ともに死亡していたということだ。この改変は、視聴者に衝撃を与えすぎないようにするためのドラマ制作陣の優しさの表れだろう。母体死亡だけでも衝撃なのに、母子ともに死亡ともなれば強いショックを受けてしまう視聴者もいるかもしれない。辛い現実を伝えるばかりがドラマの役割ではない。赤ちゃんを抱いて退院するカエの夫・久志(笠原秀幸)の後ろ姿が寂しそうだったのも気がかりだ。『コウノドリ』の今シーズンのテーマは「出産とその後」である。今後、久志親子へのケアの様子も描かれるかもしれない。
2017年11月24日綾野剛主演の金曜ドラマ『コウノドリ』第2シリーズ。先週放送された第5話のテーマは「長期入院と予測できない事態」。予測できない事態とは、死産だ。■妊婦・瑞希を演じた篠原ゆき子の演技に絶賛の声西山瑞希(篠原ゆき子)は「切迫早産」と診断され、入院することになった。瑞希は同室の七村ひかる(矢沢心)と友情を育みながら、出産に備えて毎日の苦労を乗り越えていく。しかし、ある日、瑞希を担当していたサクラ(綾野剛)が、胎児の心音が確認できないことに気づく。そして、瑞希のお腹の中の赤ちゃんにIUFD(子宮内胎児死亡)という診断が下ってしまう。大きなショックを受ける瑞希。それでも母体のため、出産をしなければならない。出産の間際、詫びるサクラの前で号泣する瑞希。夫・寛太(深水元基)の励ましのもと、辛い出産が始まる――。瑞希を演じた篠原ゆき子の熱演が素晴らしかった。あんな本気泣き、しばらく見たことがない。単に「泣く演技」をしているのではなく、思いを込めて本気で泣いているから、観る側にも痛切に響く。事実、彼女のブログには賞賛のコメントが700以上も寄せられた。篠原はドラマ『カルテット』で松たか子に「早乙女真紀」の戸籍を売ってヘラヘラ笑いながら弁当を食べている女性を演じていたのだが、とても同一人物とは思えない。女優ってすごい。また、篠原と深水の実年齢がふたりとも30代後半ということも話に深みを与えていた。高齢出産の部類に入る彼らは今回の出産に賭けていたのだ。■ドラマは悲しい話を描けばいいってもんじゃない『コウノドリ』では、これまで妊娠・出産・子育てに関するさまざまな問題を取り上げてきた。第2話の「子宮頸部腺がん」、第3話の「産後うつ」などだ。ドラマは、それぞれの問題について苦しむ人々を、優しく包み込むようなメッセージを投げかけている。第5話で取り上げられた「死産」は大変重いテーマだ。死産を経験し、深い悲しみ包まれる瑞希と寛太だが、サクラたちペルソナ総合医療センターの人々によって支えられ、ゆっくりと立ち上がるまでの姿が描かれた。鴻鳥サクラ(綾野剛)をはじめ、四宮(星野源)たちは優れた医者だが、どんな不可能も可能にする天才ドクターではない。だから、不測の事態を避けるよう綿密に計画を練って出産に挑んでいる。それでも今回のような死産は避けられない場合がある。劇中で語られているように、妊娠22週以降の死産の4分の1は原因不明だ。第5話では、瑞希たちの悲しいドラマの裏側で、サクラたちがいかに患者に寄り添うことができるか、患者に寄り添うこととはどういうことなのかが描かれている。サクラや小松(吉田羊)らは、瑞希の気持ちを第一に考えて寄り添っていく。希望をかなえるだけではなく、先回りして道を示すこともある。小松たちが「赤ちゃん」として扱うことで、瑞希と寛太は目の前に横たわる息をしていない我が子をあらためて可愛い赤ちゃんだと思うことができる。抱っこをして、沐浴(もくよく)もする。わずかではあっても、我が子との時間を持つことで、気持ちが整理できる夫婦は多い。サクラたちと瑞希夫婦のやりとりを見て、下屋(松岡茉優)は自分が担当した超低出生体重児・翔太の両親である大松夫妻(井上依吏子、矢島弘一)にどう寄り添えばいいのかを考える。そして、身勝手なようにも見えた大松夫妻の気持ちを考えて行動するようになる。研修医の吾郎(宮沢氷魚)を叱り飛ばしていた下屋だが、まだまだ彼女も成長の途上なのだ。悲しい話を観れば、誰だって悲しい気分になる。我が身に置き換えて、つらい気持ちになった視聴者も多かっただろう。だけど、それだけでは終わらないところが『コウノドリ』の良さである。ドラマは人を悲しい気持ちにするためにあるわけではない。■「しのりんプリン」は購入可能!放送前に公開された画像で話題になった星野源が差し出す「しのりんプリン」の正体は、瑞希と寛太(深水元基)の西山夫妻が営む洋菓子店で作られた「Nishiyamaプリン」だった。劇中で大好評だったこのプリン、実は現在購入可能である。瑞希たちの洋菓子店のロケ地は横浜市築地区の北山田駅近くにある「パテスリー・ル・プレ・オ・ヴェールYAMAMURO」。ここで現在「Nishiyamaプリン」として販売されている。パッケージも劇中に登場したそのまんまだ。1個330円。この機会にぜひ。
2017年11月20日今田耕司とモデルで女優の中条あやみがMCを務める「アナザースカイ」の11月17日(金)の放送に、俳優の鈴木浩介がゲストで出演。今回鈴木さんは“カレー”のスパイスの聖地である南インドで究極のカレーを堪能。カレー愛を熱く語ってくれる。『ALWAYS 三丁目の夕日』『それでもボクはやってない』などの作品に出演し、ドラマ、映画と展開した「LIAR GAME」シリーズで注目を集めると、その後は長寿シリーズとなった「ドクターX」や「刑事7人」「緊急取調室」などの人気シリーズから上戸彩と斎藤工が共演し大きな話題を呼んだ「昼顔」など様々なドラマに出演。この春には「緊急取調室」最新シーズンと「人は見た目が100パーセント」に同時出演し、夏シーズンには「愛してたって、秘密はある。」への出演と各所で引っ張りだこの鈴木さん。そんな鈴木さんが芝居同様にハマっているものが「カレー」だという。今回鈴木さんはカレーの味を生み出すスパイスの聖地である「インド」のケララ州を訪問。カレーの師匠が大絶賛するほど美味しいというフィッシュカレーからリゾートホテルの超高級カレー、街場のミールスまで、魅惑のスパイスに感動。現地のスパイス市場で幻のスパイスを探す。鈴木さんが大森南朋、桐谷健太と豪華トリプル主演して、地方都市の闇に生きる男たちのヒリヒリとする葛藤と衝突を描く『ビジランテ』は12月9日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。幼い頃に失踪した長男・一郎。市議会議員の次男・二郎。デリヘル業雇われ店長の三男・三郎。別々の道、世界を生きてきた三兄弟。父親の死をきっかけに、失踪していた一郎が、30年ぶりに突然帰ってくる。再会した3兄弟の運命は再び交錯し、欲望、野心、プライドがぶつかり合い、事態は凄惨な方向へ向かっていく――。『SR サイタマノラッパー』や「みんな!エスパーだよ!」で頭角を現し『ジョーカー・ゲーム』『22年目の告白 -私が殺人犯です-』などのヒット作を送り出した入江悠監督のオリジナル最新作となり、3人のほか篠田麻里子、嶋田久作、間宮夕貴、吉村界人、菅田俊らも共演する。「アナザースカイ」は11月17日(金)23時から日本テレビ系で放送。(笠緒)
2017年11月17日テレビで見ない日はない、超売れっ子の俳優・桐谷健太さん。老若男女問わず誰からも愛されるそのワケをご本人に聞いてみました。ただ、一緒にいたいからいる――。ストレートな気持ちが大物の心を動かす。映画『ビジランテ』で3兄弟を演じた大森南朋さんや鈴木浩介さんとは、飲み会をする仲。「3人一緒にダラダラ、よう笑いながら飲んでますね。浩介くんを僕がイジって、浩介くんが『先輩だぞ!』って返すのを、南朋さんが笑って見てるという構図です。浩介くんは先輩なのに、いい意味で気を遣わずおられるんですよ」先輩たちから愛されるのは、“名もない若手時代”から。「初映画で共演した西田敏行さんに、ご飯に連れていってもらってすごく嬉しかったなあ。人生の先輩からいろんな話を聞くのが大好き。今、世の中がキッチリしすぎてる分、ちょっとくらいハメ外してもいいんだよって、言葉ではなく存在や生き方でもって教えられると、カッコいいなあと思いますね」これだけ大物に愛されていてもその自覚はなし。「単純に、好きだから一緒にいたい。その一心ですね。僕も、一緒にいて気持ちのいい人になりたいですし、人からどう見られるかよりも、いかに気持ちよく生きられるかを考えるようになりました」打算なき愛され力と確かな演技力で、どの現場でも高評価を受け、好感度が肝なCMでも大人気。多忙な日々が続いても、大事にしているのが、自然と対峙する旅。「ジャングルや秘境に行くと、死を意識するような極限状態に丸裸で放り込まれるんです。そこでは、お金を持っているとか、ええ車に乗ってるとか、何の役にも立たない。生きられるように祈るしかない時に、冷静さを失わず、ちゃんと感じて、動けて、周りの人を思いやれるのが、ほんとうに頼りになる大人じゃないかな」きりたに・けんた1980年、大阪府生まれ。ドラマ『ROOKIES』で知名度を高め、’11年にはエランドール賞を受賞。’15年、’16年度のCM好感度ランキング男性部門で1位を獲得。現在、『WOWOW 連続ドラマW東野圭吾「片想い」』に出演中。ニット¥43,000パンツ¥46,000(共にロバート ゲラー/ヴィア バス ストップ ミュージアム TEL:03・5459・1567)シャツ¥36,000(08サーカス/08ブック TEL:03・5329・0801)※『anan』2017年11月15日号より。写真・網中健太スタイリスト・岡井雄介ヘア&メイク・池上 豪取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2017年11月12日