各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介。今週は、本ではない新しい写真プリントの形を取り上げる、特別編。■「RSP 1st SCARVES COLLECTION」大類信(主宰)『rockin’on』『purple MAGAZINE』、初期のトーガ(TOGA)などのアートディレクションを手掛ける一方で、フィクション・インク、RSP(Radical Silence Production)を主宰し、出版物や展覧会を世に送り出してきたレジェンド・大類信がファブリックを媒体とした新しいプロジェクトをパリから発信。写真家やアーティストの作り出したイメージをイタリア産の選び抜かれた100%シルクのツイルに美しく転写したリミテッド・エディションのスカーフ「SCARVES COLLECTION」を発行した。プロジェクトには、年に1回、4人のアーティストが選ばれ、各アーティスト40枚限定のスカーフが制作される。「AMY PUTS ON CLINIQUE, 1997」Richard Kern「UNTITLED, 1998. PHOTOGRAPHIC COLLAGE PINNED TO WALL, 101.6 X 66 CM.」Jack Pierson第1回目のアーティストは、リチャード・カーン(Richard Kern)、ジャック・ピアソン(Jack Pierson)、鈴木親、そしてMO(大類信)。アート・ピースであると同時に、柔らかに肌に馴染み、エレガントでありながらカジュアルにもコーディネートができるアクセサリーとしても満足のいく仕上がりとなっている。「AOYAMA TOKYO, 1998」鈴木親「SONIC YOUTH LIVE IN TOKYO, 1998」MO(大類信)【書籍情報】「RSP 1st SCARVES COLLECTION」モスリン・綾織100%シルク/700×700mm発刊:2019年価格:各1万9,000円■Shelfオフィシャルサイトで『RSP 1st SCARVES COLLECTION』を購入する
2019年02月02日春は出会いの季節。人と人とつながりがもてるカフェ特集・第二弾はアーティストやクリエイターが集う、蔵前4273です。最近、ものづくりの街として注目が集まる蔵前エリアに2年前に登場したこちらのカフェ。通常のカフェでありながらシェアアトリエも併設し、そこはクリエイターたちの作業場でもあり、作品発表の場でもあります。古い町工場を活かした空間は、まさにクリエイティブ感たっぷり。そこで夜な夜な開催されるワークショップやイベント、ライブもものづくりの街ならではの企画で多くのつながりが持てているとか。ここにくれば自分の中のクリエイティブ魂に目覚めるかも?! 仕掛け人の大類将彦さんにお話を聞いてきました。スタッフもクリエイター!ただならぬカフェの正体——お店の雰囲気も独特ですね。無骨な倉庫をそのまま残し、いろんな作家さんの作品が身近にあって販売もしている。カフェっていうより、クリエイターたちのたまり場みたいな雰囲気がいいですね。大類さん(以下省略)「元々、クリエイティブな活動をする人たちの交流ができる場を作るつもりで、カフェみたいな会議室を想定して考えていました。出来上がってみて、これなら『カフェできるな』ってなって本当にカフェにしました。(笑)」——クリエイターでなくても入れる、その開かれてた感じがいいですね。ちょっと興味ある、とか今は活動できていないけどいつかは…みたいな予備軍も多そうですし。「カフェで働いているスタッフも現役フォトグラファーだったり、みんなクリエイティブに携わる仕事をしているので、すぐに相談できる環境ではあります。どうやって発信すればいいかわからない人たちにも、アドバイスできますし。ちょっと自分の作品見て欲しいとか。そういった飛び込める場であり、発信の場でもありたいので」クリエイティブな世界とつながれるイベントカフェの二階にあるシェアアトリエ『縁縁クリエイティブベース』。左が大類将彦さん、右が佐藤周作さん——ワークショップですが【三味線を聞こう!浄瑠璃にゅうもん】とか【アーティストと一緒に作るアイシングクッキー】とか。いろんなジャンルがあってどれも楽しそうです。「うちのワークショップは『夜り道クラブ』ってタイトルなんです。基本、”仕事帰りに寄り道してクリエイティブなことしましょ”ってコンセプトで。」——この【動物を深く知ってデザインしようの会】ってなんですか?「これはうちのシェアアトリエの管理もしてくれている佐藤周作くんのワークショップ。彼は動物墨絵師としてN.Y.で個展も開いたアーティストなんです。その彼と実際に動物園に行って、動物を見ながら話を聞いて、そこからデッサンしてと。なんで深いですよ。あ、これは週末に1日がかりの工程ですが。」——すごい!行ってみてたい!アーティストさんとのつながりってなかなかできませんもんね。接点ないとなかなか話せる機会ないですし。すごく貴重ですね。佐藤さんは動物を墨絵で表現するアーティスト。新しい作品作りの真っ只中でした!「そうなんです。作品を置いているだけでなく、本人たちによるライブやイベント、ワークショップも多く開催しているので、この場に来るといろんな意味の体感ができます。月1の定期的なイベントとしてアイリッシュフルートとギターでアイリッシュ音楽を楽しむアイリッシュナイトっていうのがあるんですが、まさにアイリッシュパブって感じになって毎回好評です。」リアルに温度を感じられるコミュニケーションを——実際にイベントなどにこられる方はどんな方が多いですか?「いろんな意味で自分の目的や考えを体現できる30代が多いですね。現在アーティストやクリエイターとして活動している人だけではなく、クリエイティブなことを求めて人が集まってくれるので、私たちの知らないところでお客さん同士がつながって、面白いですよ。」——なかなかその一歩が踏み出せない人にアドバイスを!「最近の人って、 SNSでは強くてもリアルに弱い。でもクリエイティブな世界では万人に『いいね!』されなくてもしなくてもいいので。ここに実際に足を運んで作品や人のもつエネルギーを実際に感じることが大切なのでは? そうすれば自然とつながっていきますよ。」クリエイティブなことを通じて人とつながる、いろんな個性や能力を尊重しあうので、自分にとっても良い刺激がありそうです。ここに来て人と出会うことで、自分の中のなにかを表現できるようになるかもしれませんね。これからも蔵前という町ぐるみで面白い企画がたくさんあるそうなので、ぜひ一度足を運んでみてください。蔵前4273東京都台東区蔵前4−27−3070−6511−4273
2016年03月16日