大泉洋と小池栄子のW主演で、太宰治の未完の遺作が喜劇として生まれ変わる『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』が、2020年2月14日(金)より公開。この度、大泉さん&小池さんの“嘘”の夫婦に水川あさみ、橋本愛、緒川たまき、木村多江らが入り乱れる予告篇が解禁された。原作は、昭和の文豪・太宰治の未完の遺作を鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチが独自の視点で完成させた戯曲「グッドバイ」。第23回読売演劇大賞最優秀作品賞に輝いた喜劇を、なぜか周囲の女性たちに好かれる“ダメ男・田島周二”に大泉洋、“パワフル女・永井キヌ子”に舞台版と同様、小池栄子を迎えて映画化、監督は『八日目の蝉』で日本アカデミー賞最優秀監督賞に輝いた成島出が務める。この度解禁となる予告篇では、田島は愛人たちと別れるために、キヌ子は金のために嘘(にせ)夫婦を演じる計画を企み、数多の愛人とグッドバイ(お別れ)していく様子が映し出されている。想いを花言葉にのせて語る儚げな花屋(緒川たまき)、奥様に会えて嬉しいと言ってのける挿絵画家(橋本愛)、優しい口調できつめの診察をするクールな女医(水川あさみ)と、ひと癖もふた癖もありそうな愛人たちとのやり取りが笑いを誘う。順調に思えた計画だったが、疎開中の正妻(木村多江)が現れたことで一変。嘘(にせ)夫婦を演じていた2人の関係にも変化が生じ、田島が「好きだー!」とキヌ子を押し倒すも、逆にキヌコの怪力によって二階から突き落とされてしまう場面も!さらに、総金歯で絵に描いたような成金になった清川(濱田岳)、なぜか喪服を着て楽しげに舞い踊る愛人たち、豪快に笑う作家・連行(松重豊)、そして窓越しでキヌ子に「グッドバイ」とささやく田島…。うまくいくと思っていた計画に田島もキヌ子も振り回され、しまいにはやらなきゃよかったと後悔!?個性豊かなキャラクターたちが織り成す、ドタバタ人生喜劇に期待が高まる映像となっている。併せて解禁されたポスターには、「別れの言葉が教えてくれる、ホントの気持ち」というコピーに、太宰を彷彿とさせるポーズをとった困り顔の田島、そんな田島を笑みの溢れる柔らかい眼差しで見つめるキヌ子、引き止めるように手を差し出す愛人たちに加えて、オールバックに全身白スーツの清川、企み顔の連行、怒りに満ちあふれた水原(皆川猿時)とキャラクターたちが切り取られている。『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』は2020年2月14日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年11月29日又吉直樹さんの新刊のタイトルは『人間』。又吉さんが敬愛する太宰治は死の直前に『人間失格』を完成させており、どんな思いを込めてその表題をつけたのか、想像が膨らむ。青春が終わっても、なお人生は続く。その後の物語。「作中にも『人間失格』の話が出てきます。太宰がそれを書いたのは38のとき。僕も連載時38歳で、まったく意識しなかったわけではないです。でもそれ以上に、僕も『人間って何やろう』と考えたりしますし、もともと人間という言葉が好きで、人間というつかみきれないものに興味があるんです」絵を描いて認められたいと思っていた語り手の永山は、38歳となったいま、絵や文章を発表しながら、細々と生計を立てている。そんな永山が、若い時分に暮らしていたのは「ハウス」と呼ばれる共同住宅。クリエイター志望者が集い、創作や議論に明け暮れたあのころを回想するところから物語は進んでいく。芸術を志す同志であり、同時にここでいちばんにならなければという闘争心もあるからこそ、「ハウス」の人間関係は複雑だ。友情も恋愛も辛辣な言い争いも起きる。「作品を褒めるのとけなすのと、ある種の人から見たら、けなす人の方が『詳しい、通だ』。そういう感覚を起こしやすいですよね。でも、若いころなんて特に、本当は怖いから攻撃的になってしまうだけで。僕自身、よしもとの養成所に通っていたころ、ネタ見せして順位を決められたりとかやってましたから、ああいう空気感は思い当たるところがあります。当時は考えすぎて『ボケがないネタを作ろう』とか『ボケがないっていうのをひとつの大きなボケにしよう』とか(笑)。それはいまじゃ絶対にできひんことで。ただ、そんなふうに試行錯誤したことがのちのちの大きなものにつながっていくことはある気がします」本書には、表現やものづくりにのたうち回る若者たちの、胸に刺さる言葉や思いがたくさん出てくる。たとえば、〈自分の才能を信じる事は罪なのか〉という罪悪感。「こうなりたいという理想の自分と現実の自分との差異が苦しみを生むわけで、ギャップが大きいほどしんどいものです。別に本人がやりたくてやっていることなのに、どこからしんどさがくるのか。それをたどってみれば、自分が何者かになれる、自分にはできると思っているせい。永山が己の才能を信じるという感情を罪と捉えるのも、極端ではあるなぁと思いますが、僕も若いときにちょっと考えていたようなことです」ほどなく住人たちとのいざこざが起こり、それを機に、永山はハウスを出た。だが、18年経ってハウスでもっとも気が合った影島と再会し、またも芸術談議を交わすようになる。芸人であり、発表した小説で芥川賞を受賞した影島は、もっとも又吉さんを彷彿させる人物だ。その影島と、同じくハウスの元仲間で、コラムニストとなったナカノタイチとの間で論争が勃発。その果てに、永山や影島はどんな道を選ぶのか。「『火花』も『劇場』も主人公が20代のころの話で、彼らが、その後どうなっていくのかを見つめたいというのが『人間』を書くひとつのモチベーションだったんです。若いころに体験した、本人にとっての大きな出来事を、どういうふうに消化したのか、しようとしているのかと」前2作と比べていちばん自分の体験に近いと、又吉さん自身も認める本作。永山がラストで感じた思いは、いま又吉さん自身が感じている人生のリアルかもしれない。『人間』2018年9月から2019年5月まで毎日新聞夕刊に連載。又吉さんにとって初の新聞小説。「緊張もあったけれど楽しかった」と振り返る。毎日新聞出版1400円またよし・なおき1980年、大阪府生まれ。お笑いコンビ「ピース」として人気を博していた2015年に、小説デビュー作『火花』を発表、同年に同作で芥川賞受賞。そのほか、『劇場』(新潮文庫)、『東京百景』(ヨシモトブックス)など単著、共著多数。※『anan』2019年11月27日号より。写真・土佐麻理子(又吉さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2019年11月26日「奥さん」とか「妻」はごく普通の言葉なのに、「人妻」って書くと、なぜかガラッと印象が変わりますよね。匂い立つような色気をはらんでいるというか…。その「人妻」に「職業はエッチなお姉さん」と言っていた壇蜜さんを掛け合わせたら…もう、色気×色気で凄まじいことになりそう?というわけで壇蜜さん、ご結婚おめでとうございます。まさか「いい夫婦の日」に入籍するとは!■赤羽好き男と鶯谷好き女が結婚「こんなマイナーカルト漫画家と、壇蜜さんが北区役所で『入籍』とか意味がわからないですよね…。僕もまったく意味がわかりません」という、ご主人・清野とおるさんのツイートにはほっこりさせられました。ドラマ化もされた『東京都北区赤羽』シリーズで知られる清野さんは、下町情緒あふれる赤羽に住んでいるそう。一方、壇蜜さんがOL時代によく行っていたと語る鶯谷も、なかなか昭和チック。似た雰囲気を持つ街を愛する2人は、感性や価値観が合致しているのかもしれませんね。さておき、過去にはテレビで「結婚願望は26歳のときに東池袋に捨ててきた」と話していた壇蜜さん。なぜこのタイミングで結婚に至ったのでしょうか?浅草橋にて35年もの間、対面鑑定をしてきた人気鑑定師・土屋慶真さんの占いサイト『浅草橋の母姓名判断』で彼女の過去と現在の運気を占ったところ、こんな結果に!■この時期に結婚する運命だった!?壇蜜さんは1980年12月3日生まれ。もうすぐ39歳のお誕生日ですね。サイト内の「人生年表」を見つつ、彼女のこれまでをざっとひも解いていくと…◎31歳(2011~2012年)「人間関係に変化がありそう。この一年でもまれることで、あんた自身が磨かれるんだよ。今よりも成長した自分になっているはずだわ」2012年は壇蜜さんの大ブレイクの年。「美しすぎる31歳」としてグラビア界のトップに上り詰め、11月に主演映画『私の奴隷になりなさい』が公開されました。12月には、みうらじゅんさんがその年を飾るにふさわしいと考えた人やモノを独断で選び、勝手に贈る「みうらじゅん賞」を受賞。確かに彼の琴線に触れそうですね…。◎34歳(2014~2015年)「新しいことを始めるにはいい時期を迎えているんだよ。新しい仕事や新分野に挑戦してみなさいよ。気力が充実している時期だから、予想以上の成果が出るはずだわ」グラビア、映画、ドラマと幅広く活躍していたところ、想定外のお仕事が。2015年、壇蜜さんはなんと『テレビで中国語会話』(NHK・Eテレ)に生徒役として出演しました。そのお陰で中国語を学ぶお父さんが急増したとかしなかったとか。8月には自衛官の“リクルート隊長”に。カチッとした制服姿で微笑む壇蜜さんのポスターに、これまた衝撃を受けた人多数!?◎36歳(2016~2017年)「準備を整える時期になるわよ。これから少しずつ変化が起こっていくわ。ただし、急激に何かが変わるってわけじゃないんだよねぇ。だからこの一年は地盤を作る時期だと思って、地道な努力を続けなさいよ」壇蜜さんが清野さんと出会ったのは2017年。3月に放送された『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)での共演をきっかけに交際をスタートしたそうです。まさしく地盤を作る時期でしたね。この年、1月からはNHK大河ファンタジー『精霊の守り人』に出演していました。8月に宮城県の観光PR動画がセクシーすぎると物議を醸したのも記憶に新しいところ。◎38歳(2018~2019年)「周囲から注目されることがありそうだわ。仕事で評価されたり、あんたと親しくなりたいと近づく男性が現れるかもしれないよ」2人が結婚を意識するようになったのは、今年の始めあたりからとのこと。心の距離が縮まったと解釈すると、こちらも合っていますね。なお、2019年は9月公開の『人間失格太宰治と3人の女たち』に出演したり、10月に初の小説集『はんぶんのユウジと』(文藝春秋)を刊行したり。確かに注目されています。◎39歳(2019~2020年)「今までうまくいかなかったことがすらすらと運びそうだわ。仕事も恋も、いい感じで進んでいくようね」39歳を目前に控えた「いい夫婦の日」に、祝ご結婚!公式ファンクラブサイトに掲載された直筆の手紙には「所帯を持つことがゴールではなく、新たなスタート地点に立ったつもりです。今後も傲らず腐らず粛々と生きる所存です」と綴られていました。その気持ちを忘れずにいれば、穏やかで心豊かな結婚生活を送れそうですね。…にしても、上記の「人生年表」を見たら一目瞭然ですが、壇蜜さんは31歳から、多少上下しながらも上昇傾向にあった運気が39歳で上がりきり、そこからは少しずつ下降していくようです。つまり今が結婚にベストなタイミングってこと!聡明な彼女は直感的にそう気づいたんでしょうね。或いは東池袋に捨ててきた結婚願望と、10年ぶりに赤羽で再会したのかもしれませんが。■清野とおるは、まさに運命の結婚相手ここで、気になるご主人についても占ってみましょう。まずは壇蜜さんの「運命の結婚相手」をチェック。◎運命の結婚相手の年齢は?「35歳、39歳、43歳の人」清野さんは現在39歳なのでぴったり当てはまります!お次は、壇蜜さんが結婚相手を選ぶ際に必要な“運命の人”の条件ですね。◎結婚を決める上で大切な3つのこと「自分の行動を束縛しない人であること/相手が個性的で独創的な人であること/同情心はほどほどにすること」3つめの「同情心は~」とは、「この人は自分がいなければダメだ」という想いで結婚するのはNGってこと。相手に「頼れる」のが重要なのだそうです。前述のファンへの手紙には「清野さんはいつも物静かで優しい方で、どこか私の父のような雰囲気もあり」と書かれているので、頼れる、且つ、温かく見守ってくれる男性なのでしょう。そして、あれだけシュールな漫画を描く漫画家さんなのだから相当、個性的なはず。他の占いも当たっていたけど、書ききれないので割愛しますね。上記の2つの占い結果を見ただけでも、清野さんは壇蜜さんの運命の人に間違いなさそう!と思うのですが、いかがですか?■2人の結婚相性も抜群!壇蜜さんと清野さんの結婚相性は?姓名判断で占ってみましょう。壇蜜さんの本名は齋藤支靜加、清野さんの本名は清野通だとか。こちらの占い結果はこんな感じ。「いろんなことで支え合ったり応援し合ったりして、男と女としても、人間同士としても信頼し合えるわ」「リードしたりされたりっていうより、ふたりで一緒に並んで歩くって考えてごらん。あんたたち、二人三脚が上手にできるんだから」新婚さんながら、長年連れ添った夫婦みたいに、ほっこりまったり寄り添う2人の姿が目に浮かびました。この幸せな関係がいつまでも続きますように。■「日本一美しいお姉さん」が人妻にところで、あんなに色気があるにも関わらず、プライベートは地味で質素な壇蜜さんって、かなり特異な存在ですよね。“清楚・知的・エロい”に加えて地味だなんて最強です!「エッチなお姉さん」のみならず「日本一美しいお姉さん」とも呼ばれた壇蜜さん。「日本一美しい人妻」へとモードチェンジしたことで、その色気にも、さらに磨きがかかるのかとドキドキしてしまいます。そんな壇蜜さんのハートをつかんだ清野さんも、きっと、とんでもない魅力の持ち主なのでしょう。一夜にして「日本中の男性の羨望の的」となった夫との日々が、今後、彼女にどのような影響を与えるのか…楽しみで仕方ありません。目下のところ「日本一、幸せそう」で「日本一、世間を驚かせた」人妻とその夫に幸多かれ!浅草橋の母こと土屋慶真(つちやけいこ)浅草橋で対面鑑定歴35年、鑑定人数は約6万人。幼少のころより占いに関心を持ち、30代で占いの道に入る。気学、方位学、四柱推命、算命学、易学、家相などさまざまな占いを意欲的に学ぶ。 以後、多くの人々や著名人などの悩みを 解決する手助けをしている。
2019年11月23日第11回TAMA映画賞授賞式が、17日に中央大学 多摩キャンパス クレセントホールで行われ、受賞者が登壇した。同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる"いきのいい"作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。映画『愛がなんだ』で注目を浴びた岸井ゆきの、成田凌はそろって最優秀新進女優賞・男優賞に。当日は今泉力哉監督がサプライズで駆けつけ、2人に花束を渡した。今泉監督は「素直に嬉しいです。今日はなんの受賞もしてないんですけどのこのこ現れました」と照れ笑い。岸井は「あまり成田凌くんと話さないようにしていて。できるだけ(成田が演じた)マモちゃん以外の情報を入れたくないというか。それでちょっと個人的なことをきかないようにしたりしてたんですけど、成田くんは気づいていなかった」と撮影を振り返り、会場を笑わせる。成田は「『この映画がヒットしなかったら日本はおかしい』と思ったくらいだったので、ほっとした、というのはあるかもしれません」と、作品への熱い思いを語った。また、『嵐電』で最優秀主演男優賞に輝いた井浦は「生まれ育った多摩、完全なる地元。中大の裏側で生まれ育って、中大をみながら通ってたので、感慨深いです」と会場にしみじみ。同作は最優秀作品賞にも選出され、フレッシュなキャスト一同がずらりと並んだ。井浦は「ここに並んでる若者たちの名前と顔をどんどん覚えて帰ってください。きっとここに立ってる人たちが、これから今、新進賞をとった成田凌くんたちを突き上げていく若者たちになっていくと思います」と紹介する。『嵐電』鈴木卓爾監督は、「京都にずっといて、学校の先生をやっているので、次にいつ映画を撮るのかわかりません。誰か仕事ください」とアピール。さらに「『嵐電』はきっともう1回観たくなる人も多いと思います。なぜなら、ストーリーがよくわからないから。途中でこの映画はストーリーがよくわからなくなるので、みなさま、あまりストーリーを追いかけないで観てください。でも、映画はぐいぐいいきます。何言ってるのかわからないかもしれないですけど、そうやって観ていただけたらと思います」とたたみかける。最後には「11月22日から公開される中村義洋監督の『決算! 忠臣蔵』という映画に、キャストの1人と私が赤穂浪士の役で出てるので、よかったらぜひ見つけてください」と他の映画の宣伝もするなど、自由なスタイルで会場を盛り上げていた。○受賞一覧■最優秀作品賞『嵐電』 (鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同)『長いお別れ』(中野量太監督、及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞新海誠監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『天気の子』)藤井道人監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『新聞記者』)■最優秀男優賞山﨑努 (『長いお別れ』)井浦新(『嵐電』『こはく』『赤い雪』『止められるか、俺たちを』『宮本から君へ』ほか)■最優秀女優賞蒼井優 (『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』『ある船頭の話』『海獣の子供』)前田敦子 (『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』ほか)■最優秀新進監督賞山戸結希監督 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『21世紀の女の子』)奥山大史監督 (『僕はイエス様が嫌い』)■最優秀新進男優賞成田凌 (『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』『人間失格 太宰治と3人の女』『翔んで埼玉』ほか)清水尋也 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『パラレルワールド・ラブストーリー』『貞子』)■最優秀新進女優賞岸井ゆきの (『愛がなんだ』『ここは退屈迎えに来て』『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風』)シム・ウンギョン (『新聞記者』)
2019年11月18日女優の沢尻エリカが合成麻薬MDMAを所持したとして16日に麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたことを受け、写真家で映画監督の蜷川実花氏が17日、SNSを更新した。沢尻は、2007年に主演映画の舞台あいさつで「別に」と不機嫌な態度をとったことから批判の的に。電撃結婚からの離婚、事務所との契約解除など波乱の人生を送り、女優としての復帰作となったのが蜷川実花監督作の『ヘルタースケルター』(12)だった。同作での演技が高く評価され、第36回日本アカデミー賞で優秀主演女優賞を受賞。今年9月に公開されたばかりの『人間失格 太宰治と3人の女たち』は、『ヘルタースケルター』以来のタッグだった。逮捕が報じられると、蜷川氏のもとには心配の声が寄せられていたが、17日深夜に「明日からまた頑張ろう!」と投稿。また、国際政治学者・三浦瑠麗氏のツイート「沢尻エリカさんを芸能界から追放すべきとの発言がTVであったとか。今朝の日曜報道でも言った通り、私はそう思わない。例えば蜷川実花さん監督の『人間失格』とか、素晴らしい作品がこの事件をきっかけに埋もれたりTVで放映できなくなったりすることはあってはならない。薬物はダメといえばいい」をリツイートしている。
2019年11月18日第11回TAMA映画賞授賞式が、17日に中央大学 多摩キャンパス クレセントホールで行われ、最優秀女優賞に輝いた女優の前田敦子が登壇した。同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる"いきのいい"作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。黒沢清監督の『旅のおわり世界のはじまり』ではウズベキスタンロケを行い、帰国後、石井裕也監督の『町田くんの世界』で学生役に挑戦した前田。「『27歳で制服を着ます』と黒沢監督に行ったら、すごい笑われて。『楽しみにしてます』と言われたので、頑張ろうと思って入ったんですけど、同い年の高畑充希ちゃんだったり、年上の岩田(剛典)さんも学生として参加すると聞いたので、それはすごく心強くて」と振り返る。石井監督からは「『映画の中で進行役になってください。あなたの役は重要です』と言われたので、がんばるしかない、制服云々言ってる場合じゃないなと思いました」と同作への思いを表した。現在は一児の母でもあるが、前田は「映画の世界って、夢が詰まっていて、『なんてわくわくするんだろう』と、やればやるだけ思える。映画の世界の前向きさ、ひたむきさが尊敬できるし大好きなので。これからどういうペースでやるかはゆっくり決めながらではあるんですけど、がっつり映画の世界に携われる日がきたらいいなと。そのためにすべてをしっかりがんばって直向きにやっていきたいと思います」と語った。○受賞一覧■最優秀作品賞『嵐電』 (鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同)『長いお別れ』(中野量太監督、及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞新海誠監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『天気の子』)藤井道人監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『新聞記者』)■最優秀男優賞山﨑努 (『長いお別れ』)井浦新(『嵐電』『こはく』『赤い雪』『止められるか、俺たちを』『宮本から君へ』ほか)■最優秀女優賞蒼井優 (『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』『ある船頭の話』『海獣の子供』)前田敦子 (『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』ほか)■最優秀新進監督賞山戸結希監督 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『21世紀の女の子』)奥山大史監督 (『僕はイエス様が嫌い』)■最優秀新進男優賞成田凌 (『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』『人間失格 太宰治と3人の女』『翔んで埼玉』ほか)清水尋也 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『パラレルワールド・ラブストーリー』『貞子』)■最優秀新進女優賞岸井ゆきの (『愛がなんだ』『ここは退屈迎えに来て』『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風』)シム・ウンギョン (『新聞記者』)
2019年11月17日第11回TAMA映画賞授賞式が11月17日(日)、中央大学多摩キャンバスクレセントホールにて開催され、最優秀女優賞を受賞した蒼井優と前田敦子が登壇。蒼井さんは結婚、前田さんは出産と2019年、新たなスタートを切ったが、女優業に向けての熱い思いを吐露した。■蒼井さん「新しい一歩を踏み出す時期にこういう賞をいただけたことは光栄」TAMA映画賞は、明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰するもの。蒼井さんは『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』において、多岐にわたる役柄を演じ分け、観客の脳裏に鮮烈に焼き付けたという評価で最優秀女優賞を受賞した。どの作品も非常に勉強になった現場だと語った蒼井さんだったが、なかでも「塚本晋也監督とご一緒した『斬、』の現場では、ものづくりの美しさを身体の底から体感させてただきました」とかけがえのない経験ができたことに感謝を述べていた。さらに蒼井さんは、塚本監督から得たことを胸に映画作りに励んでいくことを誓うと「新しい一歩を踏み出す時期に、こういう賞をいただけたことは非常に光栄でした。ある種の叱咤激励だと思って、これからも真面目に取り組みたいです」と今後の更なる飛躍を誓っていた。また『長いお別れ』で共演した名優・山崎努さんとの現場も味わい深いものであったと述べると「ご共演してまた好きになっちゃいました」と笑顔を見せる。続けて「画面に映らないようなシーンでも、アドリブを入れるんです。あれだけのキャリアを持つ方でも、常に挑戦する姿を目の当たりにすると、自分ももっと大胆に挑戦しなければいけないなと学ばせていただきました」と語っていた。■前田さん「映画の世界には夢が詰まっている」一方の前田さんは、主演を務めた『旅のおわり世界のはじまり』で演じた女性像が、前田さんの女優としての資質・魅力にシンクロして、稀有な存在感を放ったということでの受賞となった。2019年を振り返った前田さんは「これまでで一番映画に参加させていただいた年」と定義づけると「やっぱり映画の世界は夢が詰まっていると感じました。やればやるほどワクワクするんです」としみじみ語る。さらに前田さんは「映画の世界にいる方々のひさむきさが尊敬できるんです」と述べると「まだどういうペースでやっていけるのかは決めてはいませんが、またガッツリと映画の世界に携われる日がくるといいなと思っています」と未来に思いを馳せると「これからもしっかりと毎日ひたむきに過ごしていきたいです」と抱負を語っていた。第11回TAMA映画賞受賞作品、受賞者●『嵐電』 (鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同)●『長いお別れ』(中野量太監督、及びスタッフ・キャスト一同)●新海誠監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『天気の子』)●藤井道人監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『新聞記者』)●山崎努 (『長いお別れ』)●井浦新 (『嵐電』『こはく』『赤い雪 Red Snow』『止められるか、俺たちを』『宮本から君へ』ほか)●蒼井優 (『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』『ある船頭の話』『海獣の子供』)●前田敦子 (『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』ほか)●山戸結希監督 (『ホットギミックガールミーツボーイ』『21世紀の女の子』)●奥山大史監督 (『僕はイエス様が嫌い』)●成田凌 (『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』『人間失格太宰治と3人の女』『翔んで埼玉』ほか)●清水尋也 (『ホットギミックガールミーツボーイ』『パラレルワールド・ラブストーリー』『貞子』)●岸井ゆきの (『愛がなんだ』『ここは退屈迎えに来て』『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風』)●シム・ウンギョン (『新聞記者』)(text:cinemacafe.net)
2019年11月17日第11回TAMA映画賞授賞式が、17日に中央大学 多摩キャンパス クレセントホールで行われ、受賞者が登壇した。同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる"いきのいい"作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。最優秀新進男優賞を受賞した清水尋也は「人生で初めての映画賞。光栄です」と喜びを表す。出演した『ホットギミック ガールミーツボーイ』では同世代との共演となったが、「特に今回は板垣瑞生。前に共演して、その子とまた共演できたことが僕にとってすごく大きくて、少しでも成長した自分を見せたかったし、映画を通して彼と高めあえたらと思いました。彼の存在はすごく大きかったですし、同世代と共演できたことは僕にとっても大きかったです」と振り返った。同作のメガホンをとった山戸結希監督も、最優秀新進監督賞を受賞。山戸は清水について「天才」と語る。「天才って誰でもできる役をやっても意味がなくて、地球上で清水さんしかできないんじゃないかという役をやっていただくのがいい。これからもどんどん、清水さんにしかできなかったな、という役をやっていただきたいです。才能の塊だと思うので、ゴリゴリと進んでほしいです」とエールを送った。清水は「嬉しいです。役者にとって、『あなたにしかできない役だ』と言われるのは、これ以上嬉しいことはないので」と喜びつつ、「今ぐっと気持ちが引き締まりました。こんな大勢の前で天才と言っていただいてすごく緊張しています。変な汗をかいています」と照れ笑いを浮かべた。○受賞者一覧■最優秀作品賞『嵐電』 (鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同)『長いお別れ』(中野量太監督、及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞新海誠監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『天気の子』)藤井道人監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『新聞記者』)■最優秀男優賞山﨑努 (『長いお別れ』)井浦新(『嵐電』『こはく』『赤い雪』『止められるか、俺たちを』『宮本から君へ』ほか)■最優秀女優賞蒼井優 (『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』『ある船頭の話』『海獣の子供』)前田敦子 (『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』ほか)■最優秀新進監督賞山戸結希監督 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『21世紀の女の子』)奥山大史監督 (『僕はイエス様が嫌い』)■最優秀新進男優賞成田凌 (『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』『人間失格 太宰治と3人の女』『翔んで埼玉』ほか)清水尋也 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『パラレルワールド・ラブストーリー』『貞子』)■最優秀新進女優賞岸井ゆきの (『愛がなんだ』『ここは退屈迎えに来て』『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風』)シム・ウンギョン (『新聞記者』)
2019年11月17日沢尻エリカ(33)が11月16日、違法薬物を所持したとして逮捕された。大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合)の出演も控える彼女に、何があったのかーー。各メディアによると沢尻は同日、東京都内の自宅で合成麻薬のMDMAを所持していたとして警視庁に逮捕された。調べに対して「私のもので間違いない」と供述し、容疑を認めているという。沢尻は、来年1月から放送される「麒麟がくる」で織田信長の妻・濃姫という重要な役どころに抜擢されている。本誌は9月、濃姫のためにヨガへと通いメンテナンスに励む沢尻の様子を報じている。沢尻は大河出演に向けて、“大きな決断”を下していた。「沢尻さんは11年から8年間にもわたり交際していた、アパレルブランドのデザイナー・Aさんと別れたそうです。沢尻さんのお母さんも公認の仲で、Aさんを息子同然のようにかわいがっていました。いわば“お墨付き”でしたから結婚目前といわれていましたが、彼女から別れを切り出したと聞いています」(映画会社関係者)17年12月、沢尻の母・リラさんは本誌取材に対してこう語っていた。「孫がいれば楽しいですよね。もちろんエリカが産んでくれればうれしいですけど、エリカと彼が結婚をどう考えているのかわからないんですよ」しかし、突然の別れを切り出した沢尻。大河への情熱との引き換えに破局を選んだのだ。「大河ドラマは1年間にわたって撮影します。『麒麟がくる』に全力をつくすため、沢尻さんは『プライベートを封印する!』と決断。そこで未練を断つために自ら別れをAさんに持ちかけたそうです。そして2人で話し合った結果、双方納得する形で別れることになったといいます」(前出・知人)07年に主演映画の舞台挨拶で「別に」と発言し批判を浴び、女優活動を休止した沢尻。その後も結婚に離婚、そして海外移住など“お騒がせ女優”と謳われることもあった。しかし12年の映画「へルタースケルター」で女優復帰し、16年に出演した「24時間テレビ」(日本テレビ系)のスペシャルドラマでは両目を失明した中学校教師の妻という難役を熱演。今年5月に放送されたドラマ「白い巨塔」(テレビ朝日系)や公開中の人気映画「人間失格太宰治と3人の女たち」でも、その演技力を高く評価する声が上がっている。沢尻は3月に開かれた「麒麟がくる」の記者会見で目に涙をためながら、力強くこう意気込んでいた。「芸能生活20周年目に、やっと大河に出演することができました。本当にうれしい(中略)この20年間、芸能界で培ってきたものや築き上げてきたものを作品に捧げたい。沢尻エリカの集大成をここで」ついに、大河ドラマ出演の“切符”を手に入れた沢尻。しかし、20周年の集大成を前にして逮捕とはーー。各メディアによるとNHKは「現在、事実関係を確認している。今後の対応は検討中」とコメントしているという。
2019年11月16日女優の沢尻エリカが16日、合成麻薬MDMAを所持したとして麻薬取締法違反の疑いで警視庁に逮捕された。出演番組で最近の恋愛事情や前向きな仕事論を語っていたこともあり、ネット上では衝撃が走っている。沢尻は、今年9月22日放送のフジテレビ系トーク番組『ボクらの時代』(毎週日曜7:00~7:30)に出演。映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』で共演した小栗旬、蜷川実花監督と様々な話題でトークを繰り広げた。その中で、蜷川監督が「かわいいんだよね。恋をしている時のエリカ」と振り返ると、小栗も「きっと最近、いいんだろうなと思う。顔を見ると」と印象の変化に言及。沢尻は、「かなり頑張ってる、いろいろ。すごくいろいろ順調で」とプライベートの充実ぶりをうかがわせた。蜷川監督から「エリカも子供、欲しいでしょ?」と話題を振られ、「欲しい!」と即答しつつ、「それで自分がどう変わっていくんだろう。変わっちゃうから、すごい不安もある。変わりたくないみたいな。でも、欲しいみたいな願望もある」と語っていた沢尻。「芝居上手い人なんてもっといるし、(自分は)ぶっちゃけ上手くない」「好きという原動力は何にも変えられないものだから、これは自分の誇れるところ。上手くないけど好き」と役者業への意欲も伝えていた。沢尻の逮捕を受け、ツイッター上では同番組視聴者からも「好感持てたのに」「この前のボクらの時代でいい事言っててまだ消さないであるのに」「恋人とか、プライベート充実してるのかなーって好印象だった」「変わったなーと思ったけど」と驚きとショックの声が広がっている。
2019年11月16日太宰治、手塚治虫など日本の文化人に影響を与えた中国・清代の作家・蒲松齢(ホ・ショウレイ)をモデルに、“レジェンド”ジャッキー・チェン主演で放つ娯楽超大作『ナイト・オブ・シャドー 魔法拳』が、2020年1月より全国公開。この度、ジャッキーの吹き替えといえばこの人!の石丸博也がナレーションを担当する本予告映像が解禁された。映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の原作でもある、中国怪異短編集の最高傑作「聊斎志異(りょうさいしい)」の原作者・蒲松齢をモデルにした“文豪妖怪ハンター”を、ジャッキーが演じる本作。エキサイティングなアクションや歌声まで惜しみなく披露し、妖怪たちとの熱闘を繰り広げる摩訶不思議な世界へと誘う。今回完成した本予告映像では、ジャッキー演じる最強の文豪妖怪ハンターが陰陽の筆を手に、“魔法拳”を駆使し、「成敗」と奇妙かつド派手なビジュアルの妖怪たちとバトルを展開する様子が描かれる。さらには、憂いと妖気を帯びた謎めいた美女も登場、映像の最後では、なぜか上半身だけになり、勝手に動き回る下半身に「戻って来て~」と呼びかけるジャッキーの姿も。エキサイティング&奇想天外なファンタジーアクションへの期待が俄然高まる内容となっている。物語妖怪の世界から人間を守っていたバリアが壊れ、多くの妖怪が人間界に押し寄せてきた。彼らを捕らえるため、学者を装った妖怪ハンターのプウ(ジャッキー・チェン)が送り込まれる。プウは「陰陽の筆」の力を使い、邪悪な妖怪たちを地獄に封印するミッションを遂行。あるとき、村の少女たちが、美しい2人の女妖怪によって次々と誘拐される事件が発生する。捜査に当たるプウ。そこへ正体不明の男チュイシャ(イーサン・ルアン)が現れ、女妖怪の1人シャオチン(エレイン・チョン)がかつては人間で、愛する者のために妖怪になったという哀しい過去を語る。難しい選択を迫られるプウ。シャオチンを捕らえるのか、それとも…。『ナイト・オブ・シャドー 魔法拳』は2020年1月よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年11月14日■めちゃくちゃラクして文学女子を気どってみない?突然ですけど、文学を語れる女性ってカッコいいと思いません?夏目漱石とか、太宰治とか、芥川龍之介とか──そういう系です。いや、わかります。逃げないでください。めんどくさいのはわかります。時間がないのもわかります。国語の授業みたいで逃げだしたくなるのはわかります。うへええええってなるのもわかります。でもですよ?とはいえ「いつか読めたらいいなあ……」と思ってたりしませんか?文豪がどんなものを書いたのか、ちょっとでも味わえたら人生も広がると思うんです。デートで気の利いたセリフもいえるようになると思うんです。「でも時間がない……」「本を読んでるだけで眠たくなる」「想像するだけでめんどくさい」その気持ち、めちゃくちゃわかります。読書ってしんどいですよね。しかし、今回は、なにも辞書のように分厚い本を読もうという企画ではありません。むしろ「ラクして文学女子を気どってみよう」というズルイ企画なのです。どうせなら美味しいとこだけ、つまみ食いしちゃいましょうよ。・さくっと短く・なんと無料で・スマホで読めるという作品ばかりご紹介します──悪くなさそうでしょう?ブンガクとかいって肩肘はらないでくださいな。ちょっと百年くらい前の、なにかと考えすぎな友人のエモいトークに耳を傾けるくらいの感じでOKです。気楽にいきましょうぜ。■10分で読める有名作品たち今回ご紹介する作品は、青空文庫というサイトのものです。ここでは「著作権の切れた小説」を無料で読めるのです。最高じゃないすか。そこから抱きしめたいくらい好きな3作品を紹介します。どれもURLをつけてあります。クリックすると、その場で読めます。通勤電車のなかや、眠る前に、さくっとスマホで。一応、3つを紹介する順番も気にしてはいます。でもピンときたやつから読んじゃってください。それが貴女の正解ですから。どれかピンときますように。1.『葉桜と魔笛』太宰治「ばかだ。あたしは、ほんとうに男のかたと、大胆に遊べば、よかった。あたしのからだを、しっかり抱いてもらいたかった。姉さん、あたしは今までいちども、恋人どころか、よその男のかたと話してみたこともなかった。姉さんだって、そうなのね。姉さん、あたしたち間違っていた。お悧巧(りこう)すぎた。ああ、死ぬなんて、いやだ。」さっそく太宰にいっちゃいましょう。あのダザイですよ。ダザイ。かの「人間失格」「走れメロス」とかのダザイです。太宰は「女性が告白するみたいに一人で語る文章のときに謎の才能を発揮する」といわれています。かしこで「なんでこんな女心わかるの……?」とまでいわれた文豪なのです。まあ、そのモテすぎた感じで、色々あって、女性と心中自殺することになるわけですけれども……。今回は『葉桜と魔笛』もそうした女性語りの短編です。テーマは恋愛。病弱で、死のせまった少女のもとに青年から恋文が届きます。けれどその手紙には秘密があって──これ以上はいえません。10分くらいなんで読んでください。胸の奥がきゅうううううっとなることでしょう。ひとりの女性の思い出話(主人公は彼女の妹なのです)に耳を傾けるように読んでくださいませ。現代風にいえば「いいね!」押したくなりますよ。2.『文鳥』夏目漱石「十月早稲田に移る。伽藍のような書斎にただ一人、片づけた顔を頬杖で支えていると、三重吉が来て、鳥を御飼いなさいと云う。飼ってもいいと答えた。しかし念のためだから、何を飼うのかねと聞いたら、文鳥ですと云う返事であった。」お次は夏目漱石です。ちょっと前に千円札だった文豪。話としては「文鳥を飼ってみていろいろ感じたことがあったよ」という現代ではブログでやりなさいといわれそうな内容です。もちろん深みがあるんですけれども。とにかく日本語の上手さを味わってもらえたら嬉しいなと思います。文鳥を表現するのにここまで細かく書けるのか、というのが個人的にアツい推しポイントです。だって原稿用紙をわたされて「文鳥を飼った感想を書け」といわれても一枚も書ききれないですよ、普通。これぞ文章力ですよね。これは日本独特の「私小説」というジャンルになります。スターウォーズや三国志や歴史小説みたいに戦争だ反乱だ革命だと壮大なドラマが──というのでなく「私生活を文章にしてみた」という軽い感じです。小さな個人的生活を書きながら、それを通して、誰もが感じている人生の真実を探ってみよう、という日本独特の文学スタイルなのですね。とはいえ、そんな小難しいことはおいときましょう。たんにキュートな小説だと思っていただければ嬉しいです。そして、最後、ちょっともの悲しいのも文学っぽいんですよ。3.『舞踏会』芥川龍之介「私は花火の事を考へてゐたのです。我々の生(ヴイ)のやうな花火の事を。」僕はこの世にある文章のなかで、これが一番好きかもしれません。ドン引き覚悟で告白しますと、いまコラムを書いている部屋の壁に、この一部を印刷したものを張ってます。狂おしいほどに好きなのです。本コラムを書く理由のひとつは、これを激プッシュするためです。どうか地球に生まれたなら読んでください。読め。読むのだ。舞台は明治。日本は西洋文明を取りいれて、文明開化を進めている途中。さる貴族の令嬢が鹿鳴館の舞踏会に呼ばれたときの物語です。そこで悲しげな顔をしたフランス人の将校と出会います。少女はまだ人生のことがわからないなりに、彼の目の奥になにかを感じることになるのです。派手な事件がおきるわけではありません。ふたりの人物が出会うだけです。それでも、ふと記憶の底に焼きつくような不思議な出会いってありますよね。そうした瞬間をコレクションすることが、人生ってやつなのかもしれません。かの三島由紀夫(この人も有名な文豪ですよね)も本作品をめちゃくちゃ誉めていた記録がのこっています。なかでも「本来、芥川はこっちの作風に進むべきだった(これとは違って神経質な作品を書き続けたから自殺することになったのでは?)」とコメントすらしています。芥川はとにかく文章がカッコいい。漢字の使いどころや、言葉のいいまわしが。都会的でキザなのですね。本物の読書には「味読(舌で味わうように読む)」という表現が使われます。ぜひ、味読に絶えうる、美しい日本語を味わってください。■感想なんて思い浮かべる必要なし!いかがでしたでしょう?この作品のどれかが貴女のハートのド真ん中に、夜空の花火のように、よくわかんない一撃を喰らわしてくれたことを願うばかりです。そして気に入った作者のものをどんどん読んでもらえたらしめたものです。といっても、これは国語の授業じゃありません。なにも「ここがおもしろかった」「この主人公の心の動きが……」という感想をひねりだす必要はありません。世の作品は、やっぱり売れてナンボです。だからこそ、わかりやすい作品が喜ばれます。簡単に感想をいえるものも多かったりします。わかりやすいが正義、みたいな。けれど貴女もご存じのように、人生って、もうちょっとだけ複雑だったりするじゃないですか。正しくて悪いとか。悲しいけど嬉しいとか。好きだけど殺したいとか。生きたいけど死にたいとか。簡単には言葉にできないことばかりですよね。そうした「人生の真実(人生ってなんだろう?)」を考えて、文章にしたり、悩んだり、読んだりするのが文学なのかなと思っています。むしろ「どう言葉にしていいかわからない……」という「不穏な人生に対するなにか」を感じていただけたら嬉しいです。さて、さて。こんなコラムを書いちゃったからには、私も新しい一冊を手にとって、まだ見ぬページをめくりたくなってきました。どうか貴女も、その優れた文学に触れたときの戸惑うような感覚を胸のうちに秘めて、ちょっと天気のいい日曜の午後なんかに、また別の文学を読んでみようかな、と思ってくれますように。
2019年11月10日ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの舞台『陥没』に続き、舞台『ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~』にも出演する瀬戸康史さんに話を聞きました。自分が演じる姿が想像できないものに挑戦していきたい。こんな瀬戸康史見たことない。そんな声が各所から聞こえてきたのが、一昨年のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)さんの舞台『陥没』。演じていたのは、突拍子もない言動を連発する自由奔放で風変わりなキャラクター。いい意味で場をかき乱していく瀬戸さんのユーモラスな演技は、大きな話題になった。「以前からKERAさんの舞台が好きだったので、作品の面白がり方とかは知っていて、そこは合うのかなとは思っていたんです。ただ、僕が演じた清晴という役は芝居が始まって1時間出てこないうえ、そこまでにいろんな登場人物が清晴のことを話すので、観客の期待値のハードルが上がったなかでの登場で、出てきただけで謎の拍手(笑)。最初は不安でしたけど、いまはKERAさんに、自分の知らない自分を見つけてくれた恩のようなものを感じています」その恩人との再びの邂逅となる舞台『ドクター・ホフマンのサナトリウム』は、カフカの長編小説の遺稿が発見されたという“てい”で上演されるKERAさんの新作。「カフカの小説って、途中が欠落していたり、ラストも完結してなかったりする。そういう雰囲気は大事にしているんじゃないかな。物語としては、発見されたカフカの小説のなかの世界と現代の世界の2つがあって、それがシンクロしたり馴染んできたりする…らしいです」“らしい”とは、なんとこの取材時点で結末の台本が上がっていないそう。とはいえ、焦った様子はなく…。「KERAさんは、自信を持って出せるものだけを僕らに見せようとしているからで、作品に関しては大丈夫だっていう信頼もある。僕はもともと心配性で、本番前も舞台袖ではめちゃくちゃ緊張してるタイプなんですよ。でも板の上に出た途端、それが飛んで、なんとかなるでしょ、っていう気持ちになるんですよね」年を重ねて余裕も生まれ「いい意味でテキトーさを手に入れた」とも。「道草を食えるようになってきたんですよね。僕は真面目な性格だと思いますが、表現の世界では真面目にやっているだけが正解ではないんじゃないのかなと」そのせいか、近年の瀬戸さんの活躍ぶりは目覚ましい。ドラマ『海月姫』のポップな女装男子から、『透明なゆりかご』の誠実な産婦人科医まで縦横無尽に演じ、『ルパンの娘』では見事なアクションも披露するなど、その役の幅の広さがあらためて注目されている。「作品との出合いに関して、僕は運がいいなと感じています。ただ、自分が演じる姿が想像できるものより、そうじゃないものをやっていきたい気持ちはあります。目の前に乗り越えるべきもの…壁みたいなものがある方が燃えるのかもしれない」『ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~』『失踪者』『審判』『城』に続くカフカ4作目となる長編小説の遺稿が発見された。そしてその誰も知らない未発表長編が舞台化されることになるが…。11月7日(木)~24日(日)KAAT 神奈川芸術劇場 ホール作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演/多部未華子、瀬戸康史、音尾琢真ほかS席9500円A席7500円ほか(すべて税込み)チケットかながわ TEL:0570・015・415(10:00~18:00)兵庫、北九州、豊橋公演あり。せと・こうじ1988年5月18日生まれ。福岡県出身。ドラマや映画、舞台などで幅広く活躍。近作に、ドラマ『ルパンの娘』『まんぷく』など。公開中の映画『人間失格 太宰治と3 人の女たち』にも出演。ブルゾン¥60,000 パンツ¥42,000(共にKAZUYUKI KUMAGAI/アタッチメント代官山店 TEL:03・3770・5090)シャツ¥24,000(JUHA TEL:03・6659・9915)※『anan』2019年11月6日号より。写真・的場 亮スタイリスト・小林洋治郎(Yolken)ヘア&メイク・小林純子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年10月30日同名人気ゲームの舞台化第二弾となる舞台「文豪とアルケミスト 異端者ノ円舞(ワルツ)」が12月から来年1月にかけて上演される。本作でW主演を務める志賀直哉役の谷佳樹、武者小路実篤役の杉江大志に話を聞いた。舞台『文豪とアルケミスト 異端者ノ円舞(ワルツ)』チケット情報原作は、人々の記憶から文学が奪われる前に、文豪と共に“侵蝕者”から文学書を守るために戦うDMM GAMESで配信中の文豪転生シミュレーションゲーム。今年2月に上演された第一弾では太宰治ら無頼派の面々を中心に描き、第二弾となる今作は志賀や武者小路ら白樺派がメインとなるストーリーが展開される。主演の谷と杉江、芥川龍之介役の久保田秀敏、坂口安吾役の小坂涼太郎、脚本のなるせゆうせい、演出の吉谷光太郎は第一弾からの続投。今作の新キャラクターとして、萩原朔太郎を三津谷亮、国木田独歩を斉藤秀翼、島崎藤村を小西成弥、有島武郎を杉山真宏(JB アナザーズ)が演じる。本作でのW主演を「来ましたね!」「うれしいよね!」と語る谷と杉江。今年は共演3作目で、すでに息もピッタリだ。前作から引き続き同じ役を、今度はW主演として演じることについて志賀直哉役の谷は「志賀さんと武者小路さんは実際に仲が良くて、志賀さんのお子さんが亡くなりそうなときに頼ったというエピソードも残っているほど。この作品でも、志賀は武者(小路)のことが大好きで、誰よりも大事だし、特別なんだと思う。そこが今回の役作りでも大切になりそうです」、武者小路実篤役の杉江は「武者はすごく前向きで、純粋で、ピュア。でもそういうもので必死に隠したなにかがある人だと思います。それに、前向きな人だからこそ、逆サイドに引っ張られたときに脆いし弱い。そんなときに頼るのは志賀だけど、最後の最後に“自分か相手か”になったときに“相手”を選ぶふたりだとも思うから。そういう部分は大事に演じたいですね」と、ふたりだからこその物語が展開されそうだ。文豪や文学作品のイメージを大胆にアレンジした世界観の本作だが、第一弾を経て、「なるせさんの脚本がシンプルでわかりやすくて、きっと今回も前向きになれる素敵な作品になると思います」と谷。杉江も「このファンタジーな世界観を表現する演出も、吉谷さんならではで素敵だなと思います。舞台「文豪とアルケミスト」の色は前作でできたと思うので、その色を引き継ぎながら、僕たちにしか出せない色、第二弾だからこそ見せられる色を出していきたい」と語り、ふたり意気込んだ。殺陣もたっぷりで見どころ満載の本作は、12月27日(金)から29日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、2020年1月8日(水)から13日(月・祝)まで東京・品川ステラボールにて上演。チケットぴあでは11月3日(日)までプレリザーブを受付中。取材・文:中川實穗
2019年10月29日ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)の戯曲を、多彩な演出家たちの手で再構築するシリーズ“KERA CROSS”。その第2弾として、太宰治の未完の遺作小説『グッド・バイ』をモチーフにした、2015年の舞台『グッドバイ』が決定した。そこで演出・出演の生瀬勝久と、主人公・田島周二役の藤木直人に話を聞いた。【チケット情報はこちら】実は当初、別の作品も候補に挙がっていたというが、この『グッドバイ』を推したのが、何を隠そう生瀬本人だったという。「KERAさんの作品は何度か出演もしてるし、たくさん観ていますが、中でも一番印象深く、好きだったのが『グッドバイ』なんですよね。基本的に僕はハッピーエンドが好きですし、自分自身も『あー、楽しかった!』と言って死にたいタイプ(笑)。生きていればいろいろ辛いこともありますけれど、やっぱり観た人が、明日からまた頑張ろうって思えるような作品をやりたいと思ったんです」物語は雑誌編集者の田島が、妻子とやり直すため、妻役に扮したキヌ子を連れて、複数の愛人たちのもとを訪ねることから始まる。田島役の藤木は、「コンプライアンス的に現代ではなかなか成り立たない人物ではありますが…(笑)」と前置きした上で、「家庭がありつつ、あれだけ大勢の愛人を対等に愛してあげるっていうのは、相当難しいと思います」と分析。すると生瀬が「難しいし、体力もいるんだけど、田島は全員のことが本当に好きで、全部が本心。僕も昔はよくそういうこと言っていたので、共感出来ますよ」と笑うと、「田島の役作りについては、生瀬さんに指導していただきます。」と藤木も笑う。事務所の先輩でもある生瀬の演出を受けることに藤木は、「それは楽しみですよ。後輩として、生瀬さんの快進撃をずっと見てきたわけですから」と切り出すと、すかさず生瀬から「“怪”進撃だけどね(笑)」とツッコミ。「そんなことないですよ!」と返しつつ、「やっぱり僕もいい歳になってきて、最近はお芝居に関してどうこう言われることも少なくなってきた。そんな中で生瀬さんにいろいろ教えてもらえるのは非常に心強いですし、これでまた自分の引き出しがひとつ増えるのであれば、これほど素晴らしい経験はないと思います」と語る。逆に生瀬に、演出家として藤木に期待していることを聞くと…。「これがステップアップになる、なんて言うのはおこがましいですけれども、僕としては『藤木の田島も抜群だったよね』ってところまでもっていきたいと思っていて。だから僕を信じて、疑わずにやっていただけたらと思います」公演は2020年2月4日(火)から16日(日)まで東京・シアタークリエにて。2月6日(木)にはチケットぴあ半館貸切公演も実施。現在先着先行実施中。また、10/30(水) 11:00までぴあ半館日程以外の東京公演の抽選先行受付中。取材・文:野上瑠美子
2019年10月28日東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦さん。大人の男の色香を湛え、ミュージシャンとして、詩人として活動する彼が考える「色気論」とは?――どんなときに、あるいは、どんな音楽に色気を感じますか?谷中:静と動、両方感じることが色気ですね。それが混ざる瞬間、その「間」、その「余白」が色気じゃないかと。僕の大好きなミュージシャン、フランク・ザッパの言葉で、「何をやるときもセクシーであれ」というのがあって。「それが自分の個性につながるのだ」と。それはつまり、「剥き出しの表現をする」ことだと僕は解釈しているんです。――剥き出しの表現で生まれる個性が、色気につながっていくのだと。谷中:「裸」になるということだと思うんです。自分自身と真摯に向き合い、それを表現する。嘘のない表現というか。精神的に裸になるというか。それがアーティストの個性になるし、それが色気につながる。例えば、ラテン系のアーティストはよく裸になるんです。ステージでも、プライベートでも、男性も女性も肌を露出する。精神的な部分でもそうですが、服を脱ぎ捨て剥き出しの自分をあえて見せることでそれを体現しているんじゃないかなって。――スカパラの音楽にもそれは感じます。特に、桜井和寿さん、あるいは、チバユウスケさんだったり奥田民生さんだったり、ゲストボーカリストがスカパラの楽曲に参加するときに「剥き出しの表現」を強烈に感じるんです。そこはかとない男の色気のようなものを感じるというか。谷中:詞も曲も僕らが用意して、歌ってもらうだけの状態にしているので、ゲストの方々は身ひとつで、それこそ裸でやって来るんです。エレファントカシマシの宮本浩次君とやったとき、彼は彼らしくこんな言葉で表現したんです。「レコーディング現場へ行ったら、スカパラのメンバーが全裸で並んでるように感じて、自分だけが服を着てることが恥ずかしくなった」と。「だから、自分も服を脱いで全裸にならなくちゃいけないと思った」と(笑)。いつもの自分のバンドではないですから、服を脱げば脱ぐほど個性はより際立ってくるし、互いに全部さらけ出さなければいいコラボレーションは生まれない。そういう意味でも、丸裸になって学ぶことはとても多いんです。――谷中さんはミュージシャンとしてだけでなく、作詞もされます。言葉を紡ぐ上ではどうですか?谷中:やっぱり、精神的に裸になりますね。僕の大好きな詩で、アルチュール・ランボーの「感覚」という詩があるんです。「夏の青い夕暮れにぼくは小道をゆこう」という言葉で始まる短い詩。帽子を脱いで、麦の穂にちくちく刺されながら歩いていく、心のおもむくまま、ボヘミアンのように遠くへ、遙か遠くへ行くのだ、と。そして、詩の最後は、「女と連れ立つときのように心たのしく」と終わるんです。ああ、ランボーは独りぼっちなんだなと。そこに、男っぽさと寂しさと、なんともいえない色気を感じて。でもね、孤独って、我がままなんです。人間は社会的な動物だから、たった一人で生きていくことはできない。どんな人も誰かと関わりをもって生きている。家族もいて仕事もあって仲間もいる、なのに孤独だと思い、孤独を気取るのは、時として周囲に迷惑になることもあるわけでね。でも、ただ一人の男として、自分の人生をどう作っていくべきかと考えるとき、社会的な役割から離れて孤独にならないとつきつめることができないこともあるんです。ひどく勝手だとは思うんですが、それがアーティストとしての深みにつながっていく部分はあるんじゃないかなって。――谷中さん自身、スカパラのメンバーであり、夫であり父であり、という部分はあるけれど、孤独を感じるときもある、ということですか?谷中:詞を書くときはそうですね。世界観をどれだけ掘り下げられるか、集中するには孤独であることは必要だし、一人になりたくなくても一人にならなくちゃいけない部分もある。詞を書くためじゃなくても、精神的に裸になって真正直に生きることは、大事なことだと思っていますから。――そういうときはどこかへ行かれたりしますか?旅に出るとか。谷中:いや、自分自身に没入するだけですね。没入して精神的に自由になる。僕はわりと、どういう場所でも誰と一緒にいても、そういうスイッチが入ると書けてしまうんです。――谷中さんは友人知人によく詩を贈ったりするそうですね。谷中:昔はよくやってました(笑)。今は酒を断ってますが、昔、浴びるように飲んでた頃は、酔うと誰彼構わず詩を贈ってたんです。会ったばかりの人にもね。それはもう、迷惑だったでしょう(笑)。そもそもはメール代わりのようなものだったんです。僕が詩を書くようになったのは、携帯電話を持つようになってから。20年ぐらい前かな。携帯ってテキストを打てるじゃないですか。自分の文章が手軽に活字にできてそれをすぐ見られるのが楽しくて。最初は面白い文面をメールしてたんです。それがだんだんと詩になっていって、歌詞になっていった。最初のうちは自意識過剰でした。ただのポエムおじさんだったと思いますよ(笑)。でも不思議なことに、それを人に見せることで、だんだんと自意識が削がれていく。自我を脱がなければ詩は書けないと学んでいったんです。そもそも詩は、自分のことを赤裸々に書くものではないんです。それこそ間や余白が必要で。一から十まで全部書いてわかってもらおうとするのではなく、パズルのワンピースが欠けた状態で読んだ人が完成させる、それがいい詩なんです。――確かにそうですね。ランボーの詩にもそういった魅力があります。谷中:ちょっと謎めいているでしょ。パウル・ツェランというユダヤ人の詩人は、「詩人の言葉は海を漂う瓶の中に入った手紙だ」と言ったんです。それをたまたま海岸で拾った人が読む、それが詩だと。だから、多少暗号めいていても、自分なりに理解し、それを解く楽しみがある。それが詩の醍醐味。その神秘性が色気につながるんだと思いますね。やなか・あつし1966年、東京都生まれ。ミュージシャン、作詞家。所属するバンド、東京スカパラダイスオーケストラは今年デビュー30周年。11月20日には記念アルバムが発売決定。翌日から全国ホールツアーも開催。2001年発表のチバユウスケとのコラボ曲「カナリヤ鳴く空」は、現在公開中の映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の主題歌。コート¥280,000シャツ¥62,000パンツ¥46,000スカーフ¥55,000靴¥119,000(以上ダンヒル TEL:03・4335・1755)※『anan』2019年10月23日号より。写真・樽木優美子(TRON)スタイリスト・吉本知嗣ヘア&メイク・高草木 剛取材、文・辛島いづみ(by anan編集部)
2019年10月22日恋愛って疲れる!だからって、ときめきを忘れて生活していると、枯れてしまうかも…ということで、恋愛力をアップするべく、胸キュンを求めて様々な場所へGO!辛酸なめ子さんの妄想入り混じる体験レポをお届けします。■「恋愛ホルモンアップ・妄想レッスン」とは?恋をすると脳内で活発に分泌されるという「恋愛ホルモン」。この恋愛ホルモンをアップさせるべく、色々なシチュエーションで「妄想レッスン」を展開していきます。今回取り上げるのは、9月13日からロードショーの映画『人間失格太宰治と3人の女たち』です。■第10回 太宰治の映画で文学的恋愛体験話題の映画『人間失格太宰治と3人の女たち』の上映会とトークイベントに行ってきました。こちらは、太宰治が『人間失格』を書くまでの恋愛遍歴をセンセーショナルに描いた作品です。◎気になる映画の感想は…さすが蜷川実花監督の色彩は鮮やかで美しく、教科書でしか知らなかった文豪たちに命を吹き込んでいました。小栗旬演じる太宰治が、タバコを片手に富栄にディープキスしたり、「大丈夫、君は僕が好きだよ」とささやいたりするシーンにドキドキし、恋愛ホルモンが刺激されます。本妻の宮沢りえ、愛人の沢尻エリカと二階堂ふみの競演も官能的で見応えありながら、女の人生の哀切を感じさせてくれました。そして何より彼女たちのタフさが、心を強く揺さぶってきます。太宰は小説で「恥の多い人生」と自虐していますが、陰キャを装いながらもこんなに女をはべらせやりたい放題だったとは……。作家の太宰治が好きでしたが、ひとりの男性として見ると軽蔑を感じずにはいられません。それと同時に、小栗旬の喀血演技が真に迫りすぎて観ているこちらも太宰とシンクロしてしまい、喉元にこみ上げるものを感じて後半大変でした。ですが、それを乗り越えた先にはカタルシスが……。心中した太宰と共に自分のカルマも浄化されたような気分です。◎蜷川監督も語る、ラブシーンの見どころ観賞した日には蜷川実花監督とファッションデザイナーの丸山敬太氏、編集者・クリエイティブディレクターの軍地彩弓氏によるトークイベントもありました。「富栄が自分で脱いだパンツをはくシーンが大好き」「ラブシーンがうまい」「こんなにラブシーンで感情が揺さぶられるなんて」と、大人の方々も恋愛ホルモンが活性化される映画のようでした。蜷川監督は「ラブシーンになると演出が細かくなるんです。今回はテーブルの下で手を触るところ。みんな身に覚えあるでしょ? 」とおっしゃっていましたが、全く身に覚えがありません……。でも、蜷川監督ならではの女心のツボを押さえた演出がところどころに見られるので、女性ならではの視点でラブシーンを楽しむことができるのではないでしょうか。文学的な教養と恋愛欲、同時に満たせる本作はおすすめです。■なめ子’sジャッジ今回の妄想レッスンでの「恋愛ホルモンアップ率」は?(※個人の感覚値です)★★★☆☆ 星3つ太宰治のフェロモンが強烈すぎて…太宰治のフェロモンがスクリーン越しからも伝わってきました。同時代に生きていたら翻弄されていそうで(吐血から感染の危険も……)、間にスクリーンを挟んだ出会いで良かったです。この距離で、十分満足できました。『人間失格太宰治と3人の女たち』監督:蜷川実花出演:小栗旬、宮沢りえ、二階堂ふみ、沢尻エリカ公開:2019年9月13日プロフィール辛酸なめ子漫画家・コラムニスト。東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)『おしゃ修行』(双葉社)『魂活道場』(学研)など。
2019年10月16日10月5日、6日の全国映画動員ランキングは、名優ホアキン・フェニックスが誰もが知る人気キャラクターの“誕生のドラマ”に挑んだ衝撃作『ジョーカー』(全国324館)が初登場で首位を飾った。3週連続トップだった『記憶にございません!』(全国352館)は、公開4週目は2位になった。3位から5位には新作が並んだ。人気シリーズ『HiGH&LOW』と人気漫画『クローズ』『WORST』がクロスオーバーしたアクション映画『HiGH&LOW THE WORST』(全国322館)が初登場3位に。恩田陸の同名小説を松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士らで映画化した音楽ドラマ『蜜蜂と遠雷』(全国324館)は初登場4位。キアヌ・リーヴスが最強の殺し屋を演じる人気シリーズ第3弾『ジョン・ウィック:パラベラム』(全国201館)は初登場5位になった。そのほか、公開12週目の『天気の子』(全国367館)は7位につけている。次週は『アップグレード』『イエスタデイ』『クロール ―凶暴領域―』『最高の人生の見つけ方』『真実』『空の青さを知る人よ』『ブルーアワーにぶっ飛ばす』『ボーダー 二つの世界』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『ジョーカー』2位『記憶にございません!』3位『HiGH&LOW THE WORST』4位『蜜蜂と遠雷』5位『ジョン・ウィック:パラベラム』6位『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』7位『天気の子』8位『人間失格 太宰治と3人の女たち』9位『HELLO WORLD』10位『アナベル 死霊博物館』
2019年10月07日9月2日、太宰牧子さん(50)はリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)を受けたばかりだったが、病室を見舞った記者を、ベッドではなく椅子に座って、出迎えた。とはいえ、さすがに術後の痛みは多少あるのだろう。椅子には浅く腰掛け動作もゆっくりだ。「手術は順調に終わりました。出血もなかったようですし。ただ、腹腔鏡だったから、おなかのなかにガスを注入しての手術なので、おなかがパンパンで。食欲はあるのに、ご飯が食べられないですね」太宰さんは、エネルギッシュな人だ。手術からまだ4日だというのに退院すると、9日、東京から京都まで新幹線で移動し、倫理委員会に出席。15日には、筑波大学附属病院で行われた「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)教育セミナー講演」に登壇した。太宰さんは遺伝性乳がん卵巣がん症候群(以下・遺伝性がん)当事者だ。がんを抑制する遺伝子に変異があるため、女性の場合は一般の人に比べて乳がんや卵巣がんになりやすい。11年前、当時、40歳だった姉の徳子さんを卵巣がんで失い、自身も42歳で左胸に乳がんが見つかった。そのとき、遺伝学的検査を受け、遺伝性の乳がんと判明。左乳房の全摘手術を受けている。遺伝性がんといえば、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーが、’13年に健康な両乳房を、’15年には両卵巣と卵管を予防切除し、連日、メディアで話題となった。太宰さんの今回の摘出も、乳がんの手術後、定期的に受けてきた婦人科の検査で、卵巣に変化が見られたための予防措置だ。執刀医の小林佑介医師(慶応義塾大学病院産婦人科)はこう話す。「太宰さんの場合、右の卵巣の一部が大きくなっているということで、緊急でMRIを撮りましたが、明らかに卵巣がんと指摘できる所見は見当たりませんでした。がんは発症していないという診断です。遺伝子の変異をお持ちの方だけができる、がん予防の手段としての卵管卵巣摘出術をしたわけです。こうした予防的摘出術は、当院でも太宰さんが20例目となります」日本では、太宰さんのように、がんが未発症でも予防的に、乳房や卵巣の摘出手術を受ける人はまだ少ない。遺伝診療ができる病院の数も、情報さえも少ないのだ。太宰さんは、翌’14年、HBOC当事者会NPO法人「クラヴィスアルクス」を設立。遺伝性がんの理解や情報交流を深めることで、当事者の抱える心理的、経済的、社会的問題を解決していこうと活動を続けている。乳がん、卵巣がん以外の遺伝性疾患の当事者団体とも連携し、ゲノム医療の課題解決に取り組むために「一般社団法人ゲノム医療当事者団体連合会」も立ち上げ、代表理事を務めている。「私、絶対、がんで死にたくないんです。もちろん、がんではないかもしれない卵巣を取るのは、正直、せつないですよ。でも、後悔はありません。今回、手術で取った卵巣は、病理検査に出しています。事前に確認できなかったがんが見つかったら、リスク低減術の重要性を再認識できるでしょう」リスク低減手術から数週間後、病理検査の結果が出た。「見つかったんです。両側の卵巣や卵管采に、目に見えないようなサイズのがんです」MRI検査でも確認できない微細ながんが、リスク低減手術を受けたおかげで発見できたのだ。もちろん手放しでは喜べない。「目に見えないがんとはいえ、見過ごすわけにいかないところが卵巣がんの怖さ。今後は卵巣がんの手術と標準治療を前向きに進めます」’68年、東京都大田区で生まれた太宰さんは、1つ上に姉・徳子さん(享年40)、3つ下に妹(47)がいる3姉妹。結婚は’00年。32歳だった。子宝には恵まれなかったが、その分、姉の子どもたちを溺愛した。「’04年8月、姉が37歳のときでした。卵巣がんとわかって、すぐに手術をしたんです」普通は親指大程度の卵巣が、約19センチに肥大していたという。「その時点で、腹膜播種といって数千数万のがんが飛び散り、横隔膜にも転移していたんです」徳子さんのつらい闘病が始まった。太宰さんは、まだ幼かった甥と姪に毎朝、食事やお弁当を作って、面倒を見ながら、姉に付き添った。「姉も私も必死でした。’07年の11月には余命2カ月と宣告されましたが、姉は最期まで『生きたい』気持ちが途切れることがなかったです。遺伝学的検査の治験広告を見つけて、最初に興味を持ったのは、姉だったんです。でも、そのときの私は、姉を遮って、やめさせたんですね。正しい情報を集められなかった。いまはそう思います」家族の願いも届かず、徳子さんは’08年1月19日、永眠した。この経験が、太宰さんを変えた。「姉が亡くなってから、私もいろいろ調べて、姉妹で同じようながんを発症することがあると知りました。体の異変にナーバスになり、毎日気がおかしくなったように自分で胸の触診をしていたら、しこりに気づいたんです」6ミリほどのがんができていた。姉の死から3年後のことだった。「最初の病院では、初期のがんだし、温存手術でも大丈夫と言うのですが、やはり不安で……」妹と調べて、遺伝学的検査が実施されていることを知った太宰さんは、「がん研有明病院」に転院。そこで遺伝性がんとわかったのだ。「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)は遺伝子の病気で、BRCAという遺伝子に変異がある状態です。BRCA遺伝子が機能していれば、がんは起きにくいのですが、変異があるため、がんが発症しやすいわけです」(慶大病院・小林医師)この遺伝子の変異で発症しやすいのは、乳がん、卵巣がん、腹膜がん、すい臓がん、前立腺がん、皮膚がんの6つ。全てのがんになりやすいわけではない。このBRCA遺伝子には1と2があり、太宰さんはBRCA1に変異があった。どちらの変異も80歳までに約70%の人が乳がんを、1の人は、44%の人が卵巣がんを引き起こす。一般的な卵巣がんの発症率は1%。つまり、太宰さんは普通の人より44倍、卵巣がんになりやすいことになる。そんな結果を聞いても、太宰さんは動じなかった。「遺伝性がんだとわかったときは、不安や恐怖より、原因がハッキリしたことで、逆に納得できました」すぐさま左胸の全摘手術をし、同時に転移していたリンパ節の切除もした。このとき、遺伝性がんの検査をしないまま、最初の病院で、温存手術で済ませていたら、乳房に繰り返しがんを発症する可能性もあった。「姉が発症前にこの検査をできていたら、リスクを最小限に抑えられたかもしれません。遺伝性乳がん卵巣がん症候群は常染色体優性遺伝形式(※)。親から子へ遺伝する確率は50%です」徳子さんが遺伝性だったかは不明だが、妹は検査の結果、陰性だとわかった。太宰さんは、甥や姪にも、自分が遺伝性がんであること、遺伝学的検査のことを話している。「子どもに、すべて話すのは酷かもしれないとも思いましたが、姉の壮絶ながんとの闘いを目の当たりにした彼らが、遺伝性がんについて、間違った知識を持つことのほうが怖かった。他人の曖昧な発言をうのみにして、恐怖を感じてほしくなかったんです。ただ……、私が乳がんになったと聞いて『死んじゃうの?』って、うっすら涙を浮かべた子どもたちのその顔は、忘れることができません」乳がんの手術を受けてから、太宰さんは、さまざまな乳がんの患者会に出席するようになった。そこで気づいたのが、遺伝性ということへの差別感情だ。「同じ乳がんなのに、空気が違うんです。『遺伝性なんてかわいそう』になっちゃうんですよね」「遺伝性だと、結婚するのは嫌だってことにならない?」「子ども、いるの?産むの、考えちゃうでしょ」などと、平気で言う人もいた。逆に、遺伝しないがんなのに、「うちはがん家系だから」と、言う人は普通にいた。「遺伝性ということは、人に言ってはいけない。現状の日本は、そんなレベル。だったら、当事者同士で、気にせず話せる会をつくりたいと思いました」こうして’14年に誕生したのが、当事者会「クラヴィスアルクス」だ。意味は「虹の世界を開ける鍵」。同年、太宰さんは近畿大学で行われた遺伝カウンセリング学会の市民公開講座で遺伝性がん当事者として登壇した。「そこで『名前は言わなくていい』と言われて、私は本名ではなく『患者さま』でした。でも、患者さまって言われるのが、すごく嫌で」太宰さんは、当時の主治医と、こんなやりとりをした。「なぜ、名前を言えないのですか」「何が起きるかわからないし、遺伝で差別を受けるかもしれない」ここで太宰さんに火がついた。「差別上等です!そんなことを気にしていたら、医療者や私たち当事者が、差別を助長していることになりませんか」「責任とれないから」と、繰り返す声を背中に、太宰さんはマイクを握った。「当事者会をつくりました、太宰と申します!」しかし、その勇気は実を結ばなかった。当時、新聞社の取材では忖度が働いたのか、実名で報道されることはなかった。当事者会も当初、匿名だったため、会員が入ってこない。「当然ですよ。誰がやっているかわからないような会に、『私も遺伝子変異がある』なんて言うはずがないですよね」’15年、検査会社から声がかかり、遺伝専門医らが集まる学会のランチョンセミナーでは実名登壇した。その後、『読売新聞』で、実名入りの記事が出た。「その途端、会の電話が鳴り、会員が増えはじめました」乳がんは、日本で毎年、約10万人が罹患する。そのうち10〜15%、1万〜1万5,000人が遺伝性といわれている。しかし、現在でも当事者会の会員数は全国で70人だ。「自分が遺伝性だと知らない人も多いでしょう。遺伝というと、拒否反応が出てしまう日本の社会を変えないと、難しいですね。自分の遺伝的な体質を知り、家族のがんや病歴をまとめ、共有することで健康管理ができます。遺伝をマイナスに捉えずに、知ることでリスク対策ができ、がん死を減らせることを知ってほしい」
2019年10月07日国内映画賞のトップバッターとして注目を集める「第11回TAMA映画賞」の受賞作品及び受賞者が決定。『長いお別れ』と『嵐電』が最優秀作品賞に選ばれ、『天気の子』『新聞記者』が特別賞を受賞、『愛がなんだ』で共演した成田凌と岸井ゆきのがそれぞれ最優秀新進男優賞・女優賞に選ばれた。毎年晩秋に開催されている映画ファンの祭典「第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM」が今年も開催。併せて、多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰するTAMA映画賞も発表された(2018年10月~2019年9月に劇場公開された作品が対象)。映画ファンを魅了した事象を表彰する特別賞に選ばれた『天気の子』は、「少年・少女が緻密に描かれた東京の街並みから壮大な天空に放たれた開放感は、言葉に表せないほどの映像体験を観客にもたらした」、そして『新聞記者』は「昨今の政治的題材に取り組みながら苦悩する個人に光を当てたドラマを作り、終演で拍手が起こる『新聞記者現象』を引き起こした」との受賞理由。『嵐電』『こはく』などに主演した最優秀男優賞・井浦新には「経験に裏打ちされる思慮深さ、知性と品、色気を自在に調節し作品のカラーに溶け込む、映画界になくてはならない存在」、『長いお別れ』で認知症が進行していく父親を演じた山崎努には「一瞬みせる敬愛される家族の長としてのお父さんの姿は、俳優・山崎努の凄みを感じさせた」との声が寄せられた。最優秀女優賞を受賞した蒼井優には「『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』において、多岐にわたる役柄を演じ分け、観客の脳裏に鮮烈に焼き付けた」、同じく前田敦子には「『旅のおわり世界のはじまり』で演じた女性像は、女優・前田敦子の資質・魅力と鮮やかにシンクロし、稀有な存在感を放った」とのコメント。『愛がなんだ』から『人間失格 太宰治と3人の女』まで多彩な作品で大活躍を見せた成田凌には「身近にいそうな自然な佇まいで役に溶け込む一方、他方では誰もが持つ弱い部分を丁寧に演じ、多彩な表現力で観客を魅了した」、同じく『愛がなんだ』で主演をつとめた岸井ゆきのには「ヒロインを大胆な立ち居振る舞いと繊細な眼差しで体現し、リアルな恋愛群像劇のなかにキュートな魅力をもって立ち上がらせた」との受賞理由が寄せられ、『新聞記者』で松坂桃李とW主演をつとめたシム・ウンギョンも、「真実を追い続ける真剣な表情・確かな演技力は、観るものを強烈に作品に引き込み、初出演の日本映画で鮮烈な印象を残した」と最優秀新進女優賞を受賞した。<第11回TAMA映画賞 受賞作品・受賞者>最優秀作品賞[本年度最も活力溢れる作品の監督及びスタッフ・キャストに対し表彰]『嵐電』 鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同『長いお別れ』中野量太監督、及びスタッフ・キャスト一同特別賞[映画ファンを魅了した事象に対し表彰]新海誠監督、及びスタッフ・キャスト一同 『天気の子』藤井道人監督、及びスタッフ・キャスト一同 『新聞記者』最優秀男優賞[本年度最も心に残った男優を表彰]山崎努 『長いお別れ』井浦新 『嵐電』『こはく』『赤い雪』『止められるか、俺たちを』『宮本から君へ』ほか最優秀女優賞[本年度最も心に残った女優を表彰]蒼井優 『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』『ある船頭の話』『海獣の子供』前田敦子 『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』ほか最優秀新進男優賞[本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰]成田凌 『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』『人間失格 太宰治と3人の女』『翔んで埼玉』ほか清水尋也 『ホットギミック ガールミーツボーイ』『パラレルワールド・ラブストーリー』『貞子』最優秀新進女優賞[本年度最も飛躍した女優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰]岸井ゆきの 『愛がなんだ』『ここは退屈迎えに来て』『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風』シム・ウンギョン 『新聞記者』最優秀新進監督賞[本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰]山戸結希監督『ホットギミック ガールミーツボーイ』『21世紀の女の子』奥山大史監督 『僕はイエス様が嫌い』「第11回TAMA映画賞授賞式」は11月17日(日)、中央大学 多摩キャンパス クレセントホールにて開催。「第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM」各種上映プログラムは11月23日(土・祝)~12月1日(日)、東京都多摩市内の3会場にて開催。(text:cinemacafe.net)■関連作品:長いお別れ 2019年5月31日より全国にて公開(C)2019『長いお別れ』製作委員会愛がなんだ 2019年4月19日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2019映画「愛がなんだ」製作委員会新聞記者 2019年6月28日より全国にて公開©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ天気の子 2019年7月19日より全国東宝系にて公開(C)2019「天気の子」製作委員会
2019年10月03日9月28日、29日の全国映画動員ランキングは、『記憶にございません!』(全国352館)が首位を守り、3週連続トップになった。続く、公開4週目の『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』(全国292館)も先週と変わらず。公開11週目の『天気の子』(全国366館)は先週4位から3位に順位を上げた。公開3週目の『人間失格 太宰治と3人の女たち』(全国320館)も先週5位から4位にランクアップ。公開2週目の『アド・アストラ』(全国354館)は先週3位から5位になった。公開2週目の『HELLO WORLD』(全国255館)と、公開6週目の『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』(全国324館)は先週と変わらず。公開2週目の『アナベル 死霊博物館』(全国169館)は先週10位から8位に順位を上げた。また新作では、今野敏のシリーズ小説を西島秀俊の主演で映画化した『任侠学園』(全国186館)が初登場9位に入った。次週は『エンテベ空港の7日間』『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』『“樹木希林”を生きる』『ジョーカー』『ジョン・ウィック:パラベラム』『HiGH&LOW THE WORST』『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』『蜜蜂と遠雷』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『記憶にございません!』2位『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』3位『天気の子』4位『人間失格 太宰治と3人の女たち』5位『アド・アストラ』6位『HELLO WORLD』7位『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』8位『アナベル 死霊博物館』9位『任侠学園』10位『ライオン・キング』
2019年09月30日●恋に落ちて解散、恋が終わり再結成!?コント日本一を決める『キングオブコント2019』(TBS系)で、お笑いコンビ・どぶろっくの森慎太郎(40)と江口直人(41)が、下ネタ全開の歌ネタで12代目王者に輝いた。2人は佐賀の基山町出身で、保育園から大学まですべて同じ学校という幼なじみ。このインタビューでは、5歳のときからお互いを知っているという2人の関係性に迫った。優勝後の囲み取材でもお互いを思いやるような仲の良さが伝わってきたが、コンビ円満の秘訣を聞くと、事務所の稽古場で語り合う“2人の時間”について明かしてくれた。だいたい江口の不安やグチを森が聞いてあげているそうだが、森にとっても大切な時間とのこと。ちなみに、決勝で披露した“イチモツ”のネタも稽古場から生まれたという。また、江口にとって森は“ファッションリーダー”でもあり、頻繁にコーディネートを確認してもらっているそう。もはやお互いの人生に必要不可欠な存在であり、江口は「マストアイテム」と表現。そんな2人だが、コンビ結成から約2年後の2006年に一度解散し、翌年5月に再結成している。その驚きの真相も話してくれた。――お二人は2006年に一度解散し、翌年再結成されていますが、解散の理由はなんだったのでしょうか?江口:あれは僕が恋に落ちてしまって…。飛行機に乗って佐賀の実家に帰るときに隣に偶然座った女性がいまして、空の上でその方と恋に落ちて、そこからお付き合いが始まったんです。これは運命だと思って恋に突っ走っちゃって、芸人やってらんないなと思って辞めたんです。――別のお仕事のほうがいいなと?江口:芸人を1、2年くらいやって、向いてないと思ったというのもあったんです。その時期と重なって、俺は恋に生きようと思って。――ドラマみたいなお話ですが、これは本当の話ですよね?江口:全部本当の話です(笑)――再結成の話はどちらから?森:再結成はこっち(江口)からです。江口:その恋が終わって、もう1回お笑いをやりたいと思いました。――恋の終わりとともに(笑)。森さんは、江口さんの恋に振り回された形ですが、当時どんな思いでしたか?森:そんなことだろうとは思っていました。お笑いに限界を感じていたって表向きは言っていたんですけど、僕は恋愛に走ったなって感づき、再結成の時も恋が終わったなって思いました(笑)。でも、お笑いから離れてみて、お笑いで手に入れられる喜びがほかでは見つからなかったみたいです。江口:そうですね。楽しい舞台にもう1回立ちたいと。――それ以降、コンビの危機はなかったのでしょうか?森:それから歌ネタができるまでは、自分たちのお笑いのスタイルや売りが決まらず、よくケンカはしていました。――下ネタの歌ネタというスタイルを見つけたときが、やはりコンビにとって大きなポイントに?森:そうですね。特徴的だったのが、コントだとお互い言い合いや細かい注文が多くかったんですけど、歌ネタだけはネタ合わせでぶつかり合いがないんです。相手がやることをすんなり受け入れて、江口がそういくならこういこうかって話が早いんです。江口:歌に関しては昔から相性がいいです。ケンカはありますけど。ギターを壊したこともありましたよね。森:ありましたね(笑)。ケンカの理由は忘れましたが、まだ僕がギターを持っていなくて江口のギターを使っていた頃に、ギターを蹴り飛ばしてしまって。いまではギターを蹴るなんて考えられないですけど。――そんなことが! でも解散危機まではいかず?森:そうですね。江口:基本的には仲良くやっています。●週1は稽古場で会いたい! KOCネタもここで誕生――幼なじみのお二人ですが、コンビ円満の秘訣を教えてください。江口:月に1回、小旅行に行ったり。森:行ってないから(笑)。でも、今でも月に1回は事務所の稽古場に集まって、ネタをするとか何をするとか決めず、その1週間のグチなどをお互い聞き合っています。江口:森ちゃん優しいので、聞いてくれるんですよ。――だいたい月1回ペースで?森:多ければ週に1度は会っています。忙しくなりたくないっていうのは、それもあるんです。週に一度稽古場で会う暇がなくなるのが嫌だなって。2週間くらい目を離すと、(江口が)いろんな不安をため込んでしまうので、その不安を追い払わないといけないんです。江口:太宰治タイプなんです。すぐ心中したくなる(笑)――森さんが全部受け止めてくれるんですね。逆に森さんが不安をため込むことはないんですか?森:(江口の)話を聞いていると、この人の悩みに比べたら自分の悩みは大したことないなって、僕も元気になるんです。こんな小さなことで落ち込んでいるんだって思えるので。――お二人にとって大切なその時間はこれからもキープしないとですね!森:そうなんです。――ネタがどのように生まれているのかというのも教えてください。江口:曲はお互い作っていますが、お風呂場で生まれることが多いですね。シャワーを浴びているときに、水の弾ける音を音符でつなげていくと曲ができる、みたいな。――ロマンチックな……。江口:すいません、ボケました!森:このボケ気に入ってるんですよ(笑)――信じそうになってしまいました(笑)。ではリアル話もお願いします。江口:フレーズでできることがあって、今回の「大きなイチモツをください~」も、稽古場で生まれて「面白いね」って。森:そのときは自分がメロディーを作って、そのサビに突然、江口が「大きなイチモツをください~」って乗せたんです。それを聞いたときに「このフレーズ何これ!」って2人でケラケラ笑って。自分たちで生んでおきながら「どういう意味だろうね!?」って。江口:そういうところでパッと浮かんだフレーズから始まったりしますね。森:そうじゃないときはお互いにボイスメモを録って、それをお互いに聞かせたりしています。――お二人にとって、本当に稽古場での“2人の時間”が大切なんですね。ちなみに、曲が先に生まれるんですか?江口:だいたい一緒ですね。メロディーに乗せたフレーズが生まれて、そのサビから作っていく感じです。●相方は人生の“マストアイテム”――すでにお二人の良さがにじみ出ていますが、改めてお互いの良さをどのように感じているか教えてください。森:良いところは、エロいこと(笑)。本当にエロいことに関しては脳みそが回るんで。――エロさの度合いは江口さんの方が高いんですね?森:僕はむっつりで、僕のエロは誰も共感しないんです。鏡に映っている女性の顔を見るのが好きだったり、そういうことしか浮かばないので、まったく一般ウケしないんです。こちら(江口)は、エロのポップスです!――エロのポップス(笑)、良いフレーズですね! 江口さんはいかがですか?江口:森ちゃんの良いところは、引き算のオシャレ、さりげないオシャレがうまい! 良く見るとオシャレだなっていう、嫌味のないオシャレなところが好きです。森:そこ!?(笑)俺がオシャレって誰にも伝わってないから。しかもさりげなくやっているって恥ずかしくなるから!――お二人ともオシャレなイメージがありますけど。江口:(森は)ファッションリーダー! シーズンごとに、今年はこういうのでいこうと思うんだけどって相談しています。森:すごい聞いてくるんですよ。このブーツの合わせ方はこれで合っているのかとか聞かれて、確認しています。――やはりお互いの人生に欠かせないお二人なんですね。森:そうですね。江口:マストアイテムです。■プロフィールどぶろっく森慎太郎(1978年10月7日生まれ、佐賀県三養基郡基山町出身)と江口直人(1978年4月4日生まれ、佐賀県三養基郡基山町出身)によるお笑いコンビ。浅井企画所属。保育園から大学まですべて同じ学校という幼なじみで、2004年9月にコンビ結成。2006年に一度解散するも2007年5月に再結成。2008年に『あらびき団』(TBS系)で歌ネタを披露して注目を集め、2013年に「もしかしてだけど」の歌ネタでブレイク。『歌ネタ王決定戦』(MBS)では、2013、2015、2016、2018年に決勝進出。『キングオブコント2019』(TBS系)で12代目王者に輝いた。
2019年09月25日9月21日、22日の全国映画動員ランキングは『記憶にございません!』(全国352館)が公開2週目も首位をキープした。公開3週目の『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』(全国292館)も先週と変わらず。『エヴァの告白』のジェームズ・グレイ監督によるブラッド・ピット主演のSFアクション大作『アド・アストラ』(全国354館)は初登場3位になった。公開10週目の『天気の子』(全国366館)は先週3位から4位になるも大きく順位を落とすことなく好調。公開2週目の『人間失格 太宰治と3人の女たち』(全国320館)は先週4位から5位になった。そのほか新作では、『ソードアート・オンライン』シリーズの伊藤智彦監督が手がけたオリジナル劇場版アニメ『HELLO WORLD』(全国255館)が初登場6位に。韓国映画『ブラインド』を吉岡里帆の主演でリメイクしたサスペンス・スリラー『見えない目撃者』(全国249館)が初登場9位。実在する恐怖の人形を題材にしたホラーシリーズ第3弾『アナベル 死霊博物館』(全国169館)が初登場10位に入った。次週は『惡の華』『大脱出3』『任侠学園』『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』『ヘルボーイ』『ホテル・ムンバイ』『宮本から君へ』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『記憶にございません!』2位『アド・アストラ』3位『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』4位『天気の子』5位『人間失格 太宰治と3人の女たち』6位『HELLO WORLD』7位『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』8位『ライオン・キング』9位『見えない目撃者』10位『アナベル 死霊博物館』
2019年09月24日映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』(9月13日公開)の公開記念舞台挨拶が23日に都内で行われ、宮沢りえ、蜷川実花監督が登場した。同作は、小説家・太宰治の遺作にして傑作である『人間失格』の誕生秘話を、小栗演じる太宰自身と彼を愛した3人の女たち(宮沢りえ・沢尻エリカ・二階堂ふみ)の目線から、事実をもとにしたフィクションとして蜷川実花監督が映画化する。天才作家でありながら、酒と恋に溺れた自堕落な生活を送り、自殺未遂を繰り返した果てに、愛人と川に身を投げるという日本中を騒がせた“文学史上最大のスキャンダル”の真相を描く。蜷川監督とは初タッグとなったが、故・蜷川幸雄さんを通して出会い「いつか何かやろう」という話をしていたという宮沢。「今回決まった時には、『やっとか』という気持ちと、これだけ温めてきた関係を大切にしたいから、絶対にがっかりさせたくないという思いはすごく強かったですね」と振り返る。また、作中では太宰に対して良い作品を作るために「家庭を壊しなさい」とまで言った妻を演じただ「クリエイティブな仕事をしている方たちって、どこか太宰に近い、もろさだったり切なさがある。人間としてはなかなか成立してないけど表現者としては最高だという人は多いじゃないですか」としみじみ。しかし「家庭もちゃんと守って仕事では攻めまくるというのが理想ではあります」と苦笑し、蜷川も「そうでありたいと思ってあがいています。なかなか家のことと責めることって、バランスとるのすごく難しいんですけど、そうであろうとすることが大事だなと思って」と同意。宮沢は「同世代の今を生きている女性として、実花監督のやり方って、すごく憧れますね。攻め続けてるし、壊し続けてるし、この欲張りさは本当に憧れますよ」と語る。さらに「母として、妻として生きるところと母として生きていくという、両方の面があったと思うんですよね。作品を愛して彼に対して『家庭を壊していい』と言った美知子さんは、好きですね。表現者としての、彼を優先するというその受け止め方は大きいなと思います。共感というより憧れ」と明かした。
2019年09月23日俳優の小栗旬(36)が9月20日放送の『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)にゲスト出演。番組内で自身のモノマネをする芸人・おばたのお兄さん(31)のモノマネを逆披露し、ネット上で大きな反響を呼んでいる。番組終盤にMCの有田哲平(48)から自身が主演する映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の告知を振られた小栗。「裏に資料を取ってきてもよろしいでしょうか?」とスタジオ裏にはけた後におばたのお兄さんが小栗を装いスタジオに登場。そのまま小栗旬として映画告知をおこなう展開に。その後、おばたのお兄さんも告知途中で資料を取りにスタジオ裏へ。すると今度は同じく小栗のモノマネをする芸人、土佐兄弟・有輝(24)が小栗旬に扮してスタジオに登場。映画告知を最後までやりきり、偽の小栗旬としてそのまま席に着席し番組が進行。有田から「好きな芸人は?」と振られた偽小栗旬が「おばたのお兄さん」と答えると、最後に本物の小栗がおばたのお兄さんに扮しスタジオに登場。おばたのお兄さんのネタ「いただきまーーーきのっ!」を全力で披露し、スタジオは爆笑に包まれた。本物の小栗旬が偽物のおばたのお兄さんのモノマネをするというありえない展開にネット上でも驚きの声が。《小栗旬の「まーきの!」wwwこれは贅沢すぎるw》《小栗旬側が寄せてきてるのおもしろい》《小栗旬のものまねをするおばたのお兄さんのものまねをする小栗旬 なんだこれ最高》また自身の偽物の芸人役を完璧に演じきりながらも、一流俳優のオーラを醸し出す小栗のカッコよさを称賛するツイートも多数上がり“小栗旬”がトレンドにランクイン。「俳優・小栗旬」を絶賛する声が多数あがっていた。《小栗旬が3人!!! やっぱ本物は背が高くてカッコいい~笑》《待って。小栗旬ほんまにかっこいい(笑)(笑)ノリもええし、おもろいし、脚長いし、イケメンって(笑)完璧かよ(笑)(笑)》《小栗旬がマーキノっ!やってんの最高やな。カッコつけてないイケメンが好き!もっとバラエティ出て欲しいわ》
2019年09月22日ファンレターやファンイベント、SNSなど、様々なファンの言葉に触れる機会が多い中、どんな言葉が嬉しいのか、俳優・タレントに聞いていく連載『心に残るファンからの言葉』。今回は、蜷川実花監督の映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』で太宰治を支える編集者・佐倉を演じた、成田凌に話を聞いた。ファンの方からどういう手紙が届くか? という質問には、「けっこう、『こういう役が見たい』という内容が多い」と答えてくれた成田。さらに「『この入浴剤で、疲れをとってください』と送ってくれる方もいて、優しいな、と思います。そうやって、考えてくれている気持ちがすごく嬉しいんです。僕の未来を一緒に見据えてくれる感じがあって、嬉しいですね」と柔らかな表情で語った。「好きというのは時間じゃないし、『好き』と言ってくださるだけで嬉しい」という成田だが、「意見みたいなものも少しあると、こちらも気が引き締まります。嬉しいです。勉強になるし」と、演技評にも興味がある様子。またファンの方からの”役についての希望”にはどんなものが? と聞くと、「『正義の味方のような役が見たい』というのはありました。ちょっとね、ダメ男が続いてるって噂があるので」とニヤリとした。○■映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』天才作家、太宰治(小栗旬)。身重の妻・美知子(宮沢りえ)とふたりの子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返すー。その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。太宰は、作家志望の静子(沢尻エリカ)の文才に惚れこんで激しく愛し合い、同時に未亡人の富栄(二階堂ふみ)にも救いを求めていく。ふたりの愛人に子どもがほしいと言われるイカれた日々の中で、それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、遂に自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかるのだが……。■成田凌1993年11月22日生まれ。埼玉県出身。“MEN’S NON-NO専属モデル。主な出演作に、『キセキ‐あの日のソビト‐』(17年)、『劇場版コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐』『スマホを落としただけなのに』(18年)、『チワワちゃん』『愛がなんだ』『さよならくちびる』(19年)など。待機作に『カツベン!』(12月13日公開)、『窮鼠はチーズの夢を見る』『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(20年公開)など。 ヘアメイク:宮本愛(yosine.)、スタイリスト:伊藤省吾(sitor)
2019年09月22日9月22日(日)オンエアの「ボクらの時代」に俳優の小栗旬、女優の沢尻エリカ、写真家で映画監督の蜷川実花が出演。映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の出演者と監督という間柄の3人が、映画の撮影秘話や作品への価値観などを語り合う。「花より男子」「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」などで大きな注目を集めると「東京DOGS」『宇宙兄弟』などの作品に出演。超人気コミックの実写化である『ルパン三世』や『テラフォーマーズ』『銀魂』などから、「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」や『ミュージアム』のようなシリアスなテイストまで幅広い役を演じ、「髑髏城の七人」など舞台でも活躍する小栗さん。映画『パッチギ!』とその翌年放送された「1リットルの涙」で女優として高い評価を受けると、『間宮兄弟』『オトシモノ』『天使の卵』『クローズド・ノート』などで立て続けに主人公・ヒロインに抜擢。2012年公開の蜷川さん監督作『ヘルタースケルター』が再び大きな話題を呼ぶと「ようこそ、わが家へ」「大奥」などのドラマから『不能犯』『億男』といった映画まで多彩なジャンルに出演。演技力と独特の個性を放つ女優として輝きをみせる沢尻さん。木村伊兵衛写真賞を受賞し写真家として精力的な活動を続けるなかで、2007年には『さくらん』で映画監督デビュー。『ヘルタースケルター』『Diner ダイナー』といった映画だけでなくAKB48の「ヘビーローテーション」「さよならクロール」、三代目J Soul Brothersの「花火」、NEWSの「KAGUYA」などのMV監督も担当、独自の色彩感覚による世界観を持つ蜷川さん。今回は『人間失格 太宰治と3人の女たち』の撮影秘話はもちろん、お互いの家族ができてからの心境の変化や、作品に対するそれぞれの価値観などを語り合う。映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』は、太宰治の代表作「人間失格」の誕生秘話を事実を基にフィクションとして映画化するもの。小栗さんが太宰治役で主演を務め、宮沢りえが太宰の正妻・美知子を。沢尻さんが太宰の愛人・静子を演じる。また太宰“最後の女”富栄に二階堂ふみ、そのほか藤原竜也、瀬戸康史、千葉雄大、成田凌といったキャストが出演。『人間失格 太宰治と3人の女たち』は現在絶賛公開中。「ボクらの時代」は9月22日(日)7時~フジテレビ系でオンエア。(笠緒)
2019年09月21日映画にドラマにグラビアに……。今まさにノリにのっている女優の1人、沢尻エリカさん(33)。2020年には自身初出演となる大河ドラマ『麒麟がくる』への出演も決定。会見では女優人生を振り返り、「失敗も挫折もしてここまで成長してやってくることができました。この約20年間、芸能界で培ってきたものや築き上げてきたものを作品に捧げたい。沢尻エリカの集大成をここで」と話して感涙する姿を見せました。沢尻さんといえば「別に」発言からのバッシングが有名です。ほかにも電撃結婚や海外移住騒動などが話題となり、“お騒がせ女優”のイメージを強く抱かれていました。しかし気づけばテレビやスクリーンで見ない日はないほどに“売れっ子”となった彼女。シンプルに女優としての実力と華があったからこそここまで上り詰めたといえますが、そこには彼女の魅力だけが関係していたのでしょうか。■「沢尻エリカ」を振り返ると見えてくる、彼女の女優としての力「別に」発言ばかりが光る彼女のキャリア。しかし改めてみていくと炎上騒動の前から女優として高く評価されていたからこそ、常にいろいろ言われるような対象になってしまっていたのかもしれません。それは彼女の経歴を振り返ると、よりわかりやすく理解できます。01年に週刊ヤングジャンプ「制コレ」で準グランプリを受賞。それをきっかけにブレイクし、女優としてのキャリアをスタート。05年に映画「パッチギ!」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。演技力の高さに注目が集まり、その後もテレビドラマ「1リットルの涙」や「タイヨウのうた」などで続けざまに初主演。売れっ子女優として、数多くの作品へと出演を決めていました。そんななか、07年に映画「クローズド・ノート」の舞台挨拶で不機嫌な態度とともに「別に」発言が飛び出しバッシングの嵐に見舞われます。一度は謝罪をするも、海外媒体ではそれを否定したインタビューも掲載。さらに彼女に非難が集まるカタチとなりました。09年には当時所属していた事務所との専属契約を解消。10年春まで芸能活動自体を休止し、高城剛氏と結婚。しかし10年に離婚の意志を表明し、13年に離婚が成立しました。そして12年に映画「ヘルタースケルター」で映画復帰。日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞します。14年には深夜ドラマ「ファースト・クラス」で8年ぶりの地上波連続ドラマ主演。好調によりシーズン2が決まります。そして20年には大河ドラマ「麒麟が来る」に出演決定……となっています。彼女のターニングポイントを探っていくと「別に」以前と以後、そして再スタート後の三期に分けることができるかもしれません。炎上騒動のイメージが強いものの、実はデビューから評価を得るまではそう時間がかかっていません。もともとあるポテンシャルの高さがあの長きにわたって燃え続ける騒動へと繋がり、そしてその後の二転三転する自由奔放さにもつながっていったのではないでしょうか。■最初の印象が悪いと、より評価が高まる「ゲインロス効果」気づけば沢尻エリカという女優の評価は「昔はいろいろあったけど、今は丸くなっていい感じだよね」といった180度異なる好印象に落ち着いています。復帰後に女優として結果を出していることが理由の1つですが、心理学的にも“一度評価を下げた人は、順当に評価されてきた人よりも評価を上げた際の印象が良くなる”といわれています。これは、「ゲインロス効果」といわれるもの。人は第一印象が悪い相手の“いい印象を抱くできごと”に出くわすと、ただ漫然といい印象を抱いていた相手より高く評価する性質があるといわれています。沢尻さんの場合は「別に」発言で大炎上を起こし、好感度を下げまくっていました。その後の高評価ですから、多くの人の中に「昔はやんちゃした人だけど、やっぱりいいよね」といった印象が根付いているのもうなずけます。もちろん努力や実力、元の性格の良さがないと成立しないもの。ただ一度沈むと上がるのが難しいとされる芸能界で、このようなアップダウンを経験して評価された女優はそういないのではないでしょうか。■ネガティブな印象を払拭した彼女が次に目指すものとは?今やほんのり感じる気の強さすら武器と感じる彼女。来年の大河をへて、どのような進化を見せるのでしょうか。女性自身では大河ドラマ出演に際し、8年越しの交際相手との関係を終わらせたといったスクープも報じられていました。その気合いの入りようにも注目です。以前、雑誌インタビューでは理想の女優像を問われた沢尻さんは「こうなりたい、という女性像はなくて。それぞれの時代における、“最高の私”を目指していきたい。それが目標です」と語っています。現在の彼女にとっての“最高の私”とは、どんな女性なのか。個人的には“いい子すぎる沢尻エリカ”は、そろそろ飽きてきたなあと思うこの頃。彼女の女優人生がどう変化していくのか。まずは映画「人間失格太宰治と3人の女たち」から、その姿を追いかけたいと思います。(文・イラスト:おおしまりえ)
2019年09月19日ファンレターやファンイベント、SNSなど、様々なファンの言葉に触れる機会が多い中、どんな言葉が嬉しいのか、俳優・タレントに聞いていく連載『心に残るファンからの言葉』。今回は、蜷川実花監督の映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』で太宰治を演じた、小栗旬に話を聞いた。「作品の役名で呼ばれたりするのが、嬉しい」という小栗。ファンレターなどに書かれて嬉しいことは? と尋ねると、「ダメ出しとか書かれてても、普通に受け取ります。『ここが気に入らなかった』とか、参考にします。嬉しいですね」と笑顔を見せる。一方で、たくましさと包容力を増す姿に「最近、『ゴリラみたい』と言われることがあるので……小栗旬を好きな方からはあまり評判が良くないみたいで、気をつけようと思います」と苦笑。しかし最新主演映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』では大幅な減量を行い、退廃的な色気で観ているものを釘付けにするような姿を見せている。小栗も「今回は、そういう小栗旬を見たい方にも気に入っていただけると思います」と、太鼓判を押した。○■映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』天才作家、太宰治(小栗旬)。身重の妻・美知子(宮沢りえ)とふたりの子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返すー。その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。太宰は、作家志望の静子(沢尻エリカ)の文才に惚れこんで激しく愛し合い、同時に未亡人の富栄(二階堂ふみ)にも救いを求めていく。ふたりの愛人に子どもがほしいと言われるイカれた日々の中で、それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、遂に自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかるのだが……。■小栗旬1982年12月26日生まれ。東京都出身。近年の主な出演映画作品に『信長協奏曲』『ミュージアム』(16年)、『追憶』『銀魂』『君の膵臓をたべたい』(17年)、『銀魂2 掟は破るためにこそある』『響-HIBIKI-』(18年)、『Dinerダイナー』『天気の子』(19年)、『罪の声』ハリウッド版『ゴジラVSコング(邦題未定、原題GODZILLA VS. KONG)』(20年日本公開)。 ヘアメイク:KIMURA CHIKA(tsujimanagement)、スタイリスト:臼井崇(THYMON Inc.)
2019年09月18日9月14日、15日の全国映画動員ランキングは、日本の政界を舞台にした三谷幸喜監督の新作『記憶にございません!』(全国352館)が初登場で首位を飾った。公開2週目の『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』(全国292館)は先週1位から2位に。公開9週目の『天気の子』(全国365館)は先週2位から3位になった。太宰治の名作が誕生した舞台裏を虚実を交えて描いた蜷川実花監督の『人間失格 太宰治と3人の女たち』(全国320館)は初登場4位。公開6週目の『ライオン・キング』(全国373館)は先週3位から5位になった。公開4週目の『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』(全国314館)は先週4位から6位に。そのほか新作では犬と恩人である飼い主の絆を描いた感動作の続編『僕のワンダフル・ジャーニー』(全国254館)が初登場7位に入った。また、公開2週目の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』(全国83館)は先週6位から8位になった。次週は『アイネクライネナハトムジーク』『アド・アストラ』『アナベル 死霊博物館』『3人の信長』『HELLO WORLD』『見えない目撃者』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『記憶にございません!』2位『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』3位『天気の子』4位『人間失格 太宰治と3人の女たち』5位『ライオン・キング』6位『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』7位『僕のワンダフル・ジャーニー』8位『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』9位『劇場版 ONE PIECE STAMPEDE』10位『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
2019年09月17日