女優の八千草薫さんが、膵臓がんにより24日に亡くなっていたことが28日、明らかになった。88歳だった。所属事務所は、公式サイトを通じて「令和元年 10月24日 木曜日 午前7時45分」「八千草薫が、膵臓がんにより都内の病院にて永眠致しましたのでお知らせ致します」と報告。「故人の希望により、お通夜・告別式等は近親者で既に済ませました」「また申し訳ございませんが後日のお別れの会等も故人の希望により予定はございません」とし、「長年にわたり、女優八千草薫を応援、ご指導、ご鞭撻を賜りまして誠にありがとうございました。ここで謹んでお礼を申し上げます。ありがとうございました」と結んだ。八千草さんは昨年1月に膵臓がんの手術を受け、術後は良好で連続ドラマや舞台に出演したものの、今年に入って肝臓転移が見つかったために出演作を降板。今年2月、公式サイトを通じて「体調を整えまして、より一層楽しんで頂ける作品に参加出来るように帰って参ります」と復帰を誓っていた。
2019年10月28日日本を代表する名女優・八千草薫さんが、膵臓がんのため10月24日(木)に都内の病院にて亡くなっていたことが分かった。享年88。1947年に宝塚歌劇団の娘役としてデビューした八千草さんは、三船敏郎主演の映画『宮本武蔵』(’54)が大ヒットとなって映画女優として注目を集め、同作はアカデミー賞で名誉賞(外国語映画賞)を受賞。『男はつらいよ 寅次郎夢枕』(’72)ではマドンナ役を演じた。TVドラマでは、山田太一原作・脚本の「岸辺のアルバム」(’77/TBS)で、現在でもお馴染みのイメージであるおっとりとした優しい“お母さん”とまるで異なる不倫する主婦役を演じ、絶賛された。向田邦子原作のドラマ「阿修羅のごとく」(’79/NHK)では4姉妹の次女役に。2003年に同作が映画化された際には、4姉妹の母親役を演じて第27回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。近年では『ディア・ドクター』『ツナグ』『舟を編む』といったヒット作や、主演作『くじけないで』、「白夜行」「最高の離婚」「やすらぎの郷」「執事 西園寺の名推理」などの話題のドラマに出演。2019年2月に乳がんや肝臓がんの闘病生活について公表し、「やすらぎの刻~道」のヒロイン役を降板して治療に専念していた。所属事務所によれば、故人の希望により、お通夜・告別式等は近親者ですでに済ませたそうで、お別れの会等も予定していないという。心よりご冥福をお祈りいたします。(text:cinemacafe.net)
2019年10月28日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第44回アクマの辞典バ行【ベ】➤「ベッドテク」(べっどてく)今回のテーマはバ行から「ベッドテク」だ。若者のセックス離れ、草食化などと言うが、今でも男性誌からベッドテクページが消えることはない。もし本当にセックスに興味を失っているなら、このページはポメラニアンとかの写真になっているはずだ。むしろ女向けのベッドテクについては、情報が増えている。昔から存在してはいたのだろうが、一般誌で「女のお前ら! セックス特集だぞ! 集まれ! 」とやりだしたのは割と最近な気がする。「男に逃げられないようにつかむのは胃袋ではなく玉袋」と言えば語呂は良いが、そこは好みが分かれると思うので、まずは「その上にあるスティック状のもの」をつかみにいくべきだろう。しかし、ベッドテクで男の心をつかめ、と言われると「え~それだと~セフレとかにされちゃうじゃん~」と言葉より語尾のほうが長いんじゃねえの、といったような文句を垂れがちな我々だ。確かに、ベッドテクよりもっと大事なことあるだろ、という気がするが、諸外国から言わせると逆に「日本人はおセックス様を軽視しすぎ」だそうだ。実際、年間セックス回数は、おそらく日本がワースト1だった気がする。何故かというと、日本人は「明日仕事だから」と言ってセックスを控えたりするからだ。もうこの時点で、セックスがお盛んな国の人は「神よ…」とつぶやいて卒倒してしまうレベルだという。何故、楽しくない仕事のために、楽しいおセックス様を諦めなければいけないのか、という話だそうだ。そう言われてみれば、好きな食べ物を差し出されているのに「いや、これから嫌いな食い物を食うから、腹を空かせておかないと」と言って辞退するようなものである。意味がわからない。このように、日本はセックスに興味はあっても優先順位が低いので「ほかに大事なことがある」と何がほかに大事なのかわからぬまま、ベッドテクを学ぶということが後回しにされてきたのかもしれない。確かに女のほうも「観音様や! 」と拝まれるレベルのテクはなくて良いが、男同様、マナーレベルのベッドテクは「でも~セフレに~」などと言わず学んでおくべきだろう。しかし、女が男に求めるマナーと言ったら、避妊してほしい、乱暴にしないでほしい、ワキ毛をチェックする時間を与えろ、などいろいろあるが、男が女に求めるマナーとはなんだろうか。まず思いつくのは「噛まずにお舐めください」という、薬の用法によく書いてあるやつだが、それ以外あまり思いつかない。だが、もしかしたら男は女に「自分でオメガに気づいてほしい」と思っているのではないだろうか。オメガというのは股間が臭い女のことだ。あの部分はワキ同様、体質的にニオイがキツイ場合があるのである。しかし、0.01ミリ、サガミオリジナルレベルでも愛があれば、そんなことを男から女に伝えるのは憚られる。よって「我慢」するしかない。それを本人が気づき、自分で対策してくれたら、これほどありがたいことはない。もちろんこれは私の妄想であり、男が実際どう思っているかはわからない。このようにセックスマナーというのは「言ってくれなきゃわからない」の世界である。直接は言えなくても、どこかで言い続けていれば、いつかおセックス特集様が女に伝えてくれるだろう。【バ】➤「バイブス」(ばいぶす)…パリピにだけ「高まっている」ことを感じられる、謎の単位【ビ】➤「ビフォーアフター」(びふぉーあふたー)…美人にブスメイクをして「ビフォー」だと言っている説がある【ブ】➤「文学系男子」(ぶんがくけいだんし)…メガネをかけているイケメンのことちなみに理系男子はメガネをかけているイケメンのこと【ベ】➤「ベッドテク」(べっどてく)…知らなきゃ人体を破壊しかねないので、最低限知っとくべき【ボ】➤「ボディタッチ」(ぼでぃたっち)…セクハラをなくしたいなら、女のモテテクからもボディタッチを外すべきプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年10月21日グラビアアイドルの安位薫(やすい かおる)が、最新イメージDVD『十九の薫り』(4,180円税込 発売元:エスデジタル)をリリースした。黒髪のショートカットに92cmのHカップバストで人気の安位薫。2018年に雑誌でグラビアデビューを飾ると、リリースしたDVDがどれも好セールスを記録するなど人気も急上昇中で、次世代のグラビア界を担う逸材として注目を集めている。そんな彼女の通算5枚目となる同DVDは、バストと豊満ボディーを際どい衣装姿で見せつけながら、セクシーさをさらに進化させている。ビーチのシーンでは、シーンが進むにつれて水着の露出度も高くなり、眼帯ビキニに胸元全開のY字系水着、さらにはオープンブラ的な水着を着用するなど、バストを強調している。彼氏とのひとときを捉えた同DVD。マッサージやアイス舐めのシーン、夜ベッドのシーンも見どころの一つで、マッサージや夜ベッドでは安位の吐息が漏れ、アイス舐めのシーンでは自らアイスを身体に垂らすサービスショットも。ストーリーが進むにつれてセクシーさが加速していく。なお、同DVDの発売を記念したイベントが10月19日に東京・秋葉原のソフマップAKIBA 1号店 サブカル・モバイル館6F(16:00~)で開催される。
2019年10月15日藤原竜也、鈴木亮平らが小学生を演じる舞台『渦が森団地の眠れない子たち』が10月4日(金)~20日(日)に新国立劇場で上演されている。脚本は劇団モダンスイマーズの蓬莱竜太の書き下ろし。子どもの目線から「団地」という閉鎖的な世界と、そこで起こる様々なドラマを群像劇として描く“団地大河ドラマ”だ。【チケット情報はこちら】渦が森団地の外から引っ越してきた、小学生の田口圭一郎(鈴木亮平)。母からは「この団地に住む親戚とは関わるな」と言われていた。それでも偶然出会ったいとこの佐山鉄志(藤原竜也)と親友になり、いつも遊ぶようになる。しかし、ある事件があり……37歳の藤原と鈴木をはじめ、大人の俳優が小学生を演じることに、演劇の醍醐味がある。藤原の出演が決まった当初、蓬莱が「演劇で竜也君と遊べないかな」と考え、小学生という設定にしたそうだ。子どもはいつも全力だ。遊ぶ時も、泣く時も、嘘をつく時も100%。主演のふたりも会見で「子どもの時はこんなふうに声をあげて泣いてたな」など振り返る。舞台上での彼らは、身体も声もしっかり大人だけれど、小学生に見える。むしろ彼らが大人だから、子どもの世界と大人の観客を繋いでくれている。団地の「キング」である鉄志は傍若無人だ。親分のように仲間を守ろうとするかと思えば、暴力的にも振る舞う。しかしひとつの事件をきっかけに、圭一郎がキングの座を脅かす存在に。対立するのは、親友だからか、血縁だからか……周囲の子ども達も戸惑うなか、キング争いは過激さを増していく。蓬莱作品は勢いがあり笑いも多い。同時に、人間の弱さをえぐり出す。客席で大笑いした後、ふと「あれ、これ笑えることなのかな」と背筋が寒くもなる。鈴木が「子どもの世界も大変。パワーバランスがある」と言うように、子ども社会にもルールがある。その中に、子ども達の不安定さが見え隠れする。しかし同時に、“大人”を演じる奥貫薫と木場勝己にも、表に出さないフラストレーションがあることが描かれる。大人も、子どもも、鬱屈した思いを抱えているのだ。ステージ上、『渦が森団地』の中心にぐるぐると渦巻かれた舞台美術に、全員が飲み込まれそうに錯覚する。しかし、子どもの世界の外に大人の世界があるように、『団地』の外にはもっと広い街がある。どうしようもなく大きな世界に影響されながらも生きなければいけないのだと、キングを巡る攻防を通して子ども達が教えてくれる。取材・文・撮影:河野桃子
2019年10月09日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第42回アクマの辞典ダ行【ダ】➤「だめんず好き」(だめんずずき)今回のテーマはダ行より「だめんず」だ。「だめんず」とは「ダメな男」を指すわけだが、「だめんず」はそれそのものより「そういう男が好きな女」を語る時に出てくることが多い。まず、だめんずの「だめ」とは何がダメかというと、ブサイクとかデブとか、ハゲとか、ハゲなのにまつ毛が長くてその割にスネ毛が薄いとか、そんな文字通り表面上の話ではない。だめんずの定義に外見的ダメさが入ってくることは滅多にない。そう言った意味では公平な世界である。「だめんず」の条件はいろいろあるが、いつの世も不動のトップ3である、イカれたメンバーを紹介するぜ。「DV(モラハラ)野郎」「金銭感覚崩壊太郎」「全身下半身」とても「だめんず」などというかわいい表現では収まりきらない、せめて「堕免豆」と漢字表記して、注意喚起すべきだろう。だが、そういう男とつきあったり結婚してしまったりした女を単純に「見る目がない」「選んだほうも悪い」と責めることはできない。そういう男は、交際や結婚した瞬間「リボーン」する場合も多く、ラーの鏡でも持ってないと見破れない、ということもあるのだ。しかし、普通の女なら「こいつボストロールやんけ」とわかった瞬間に逃げ出したり、倒して経験値を2500くらい手に入れた後は、同じ過ちを繰り返さなかったりするものである。それに対し「だめんず好き」と言われる女は、ボストロールだとわかった後も、正体がバレる前の姿を「本物のカレ」と自分に言い聞かせてつきあい続ける。もしくは正体がわかった上で「こんな緑色の紫ワンショルダー野郎とつきあってあげられるのは私だけ」と思い込んで離れられないのだ。そして別れたとしても、何度も狙って同じ犬のクソを踏むというより、踏み出したところに犬のクソが滑り込んでいるのか、というぐらい、自然に同じタイプとつきあってしまうのである。たまたま、つきあった男がダメだったり、支配されて別れられなくなったりすることは、誰にでもあり得ることだ。しかし、何度も同じようなタイプとつきあってしまうとは何事だろうか。理由としては「だめんずに目をつけられやすい」もしくは「だめんず(とつきあっている自分が)好き」もしくはその両方が挙げられる。自分に自信がない女はだめんずにつけこまれやすく、そして自信がない女はだめんずとつきあっている時だけ「普通の女なら逃げだしている男と私は互角にやりあっているんだ」という「自信」を持てるのではないか。そうだとしたら、別れた時に再び「自信喪失」してしまうので、また自信をつけにいってしまっても不思議ではない。だめんずに3千円渡すくらいなら「プロテイン一袋」買って、とりあえず「肉体的自信」でもつけたほうが良い。DV野郎に殴られても、殴り返せるようになって一石二鳥である。【ダ】➤「だめんず好き」(だめんずずき)…なぜ自慢げに言う女がいるかというと「手に負えない男と私はつきあえてる」という自負があるからだが、手に負えている時点でそんなにダメな男ではない【ヂ】➤「地雷」(じらい/ぢらい)…好きなものより「これが許せない」という話ばかりする人間がいる、もはや好きなのか【ヅ】➤「○○疲れ」(づかれ)…むしろなぜ疲れないのか不思議な生活をしているのがオタク【デ】➤「デート商法」(でーとしょうほう)…ターゲットが若者より、若者と話したい高齢者になりつつある、要注意【ド】➤「鈍感力」(どんかんりょく)…敏感や繊細を自称する人間ほど、他人の痛みへの鈍感力が凄まじいプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年10月05日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第42回アクマの辞典ザ行【ズ】➤「ズルズル」(ずるずる)今回のテーマはザ行から「ズルズル」だ。人間の人生の3分の1は「睡眠」だと言うが、それよりも長い時間、この「ズルズル」をやっているヤツもいる。物事というのは「はじめる」「つづける」「おわる」で1セットである。私ほどのスゴ腕無職になると「なにもしていない」が一番長くなるのだが、大体の人は上記の流れを繰り返しながら生きていると思う。その中でも「おわる」が苦手な人間は「ズルズル」しやすい。よく、ジムなどに会費だけ払って行かない、という慈善事業に従事している人がいる。普通の人から見れば、もったいないから早く退会すれば良いのにと思うかもしれない。しかし「おわる」が苦手な人間からすると、まず退会を伝えにいく「手間」が面倒、そして退会を伝える「勇気」が出ない。そして「ああ、こいつ続かなかったんだな」と思われるのが嫌という「見栄」がある。それらのコストを考えると退会より会費を払い続けたほうが「安い」と感じてしまうのが「おわれない人」である。おわれない人はとにかく「終わり」をマイナスなことと思っている。よって恋愛もなかなか終わらせることができない。恋愛には、愛情もなければ未来もない、バッグでずっとセックスピストルズが「ノーフュ―チャー ノーフュ―チャー」と歌っているような状況に陥るときがある。そういうときに限って、愛も未来もなければ「別れる理由もない」。つまり真の意味での「虚無」であり、この関係がラブホのポイントカード以外なにも生み出さないのは明白だ。これ以上の時間的損失を出さないために、多くの投資家が「損切り」のサインを出すところである。しかし、おわれない人は未来の時間より「これまで使った時間」が無駄になることを厭う。そして「こいつと別れても、次が見つかる気がしない」など終わることによるデメリットばかりに目を向け、「つきあい続ければ好転の可能性がある」と続けることのメリットを無理にでも作り出そうとする。つまり、終わることにより次が始められる、というポジティブな気持ちになれない、己の未来に悲観的でネガティブな人が「おわれない人」になりがちなのだ。だが、これは短所でしかないとも言い切れないだろう。続けられること自体が才能だし、続けることで上向く可能性もなくはない。それに、次の新しい相手がリアルセックスピストルズ、シド・ヴィシャスからカリスマとセンスを取ったような男で、前の相手のほうが5兆倍マシだった、ということもある。また「はじめる」が苦手な人は慎重だが、慎重すぎると「なにもしてない時間」だけが過ぎ、「慎重なだけの無職」になってしまう。「はじめる」のも「おわる」のも得意だが「つづける」が壊滅的に苦手というのは、ただの「飽きっぽい人」だ。「ときめき」が重要視される恋愛の場合、「ズルズル」は悪いことかもしれないが、結婚となると、良い事もないが悪い事もない状態は「ズルズル」ではなく「安定」と言われたりする。「ズルズルできる関係」というのも決して悪い事ではないのだ。【ザ】➤「残念男子」(ざんねんだんし)…他人に「残念」「惜しい」と言われるのは、告ってないのにフラれるに等しい【ジ】➤「ジェンダーレス男子」(じぇんだーれすだんし)…指毛や腕毛が生えていてもガタガタ言われない「ジェンダーレス女子」も認めてほしい【ズ】➤「ズルズル」(ずるずる)…継続は力なり、主に「忍耐力」がつく【ゼ】➤「前世」(ぜんせ)…前世恋人同士だったより、前世王族とカナブンだったものが、今世結ばれるほうがロマンチック【ゾ】➤「増税」(ぞうぜい)…「増税前に買っとこう浪費」を今すぐやめろプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年09月21日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第39回アクマの辞典ラ行【レ】「(セックス)レス」(れす)今回のテーマはラ行より「レス」だ。何がレスかというと「セックス」に決まっているだろう、言わせるな。セックスレスとは、単に個人がセックスしていないという意味ではなく、配偶者や恋人など、セックスしてしかるべき相手がいるはずなのに、長期間セックスしていない状態のことを指す。よって「セックスレス歴=年齢」みたいな使い方は正しくない。一般的に「セックスレス」とは、あまり良くない意味で使われている。「仲が悪いからセックスレスなのだ」もしくは「セックスレスが原因でこれから悪くなる」といったイメージがあるからだ。しかし「円満離婚」などの言葉がまかり通るなら「仲良しセックスレス」も十分通るはずだ。どこを、と言われたら困るが、お互いが「セックスするより犬に顔を舐められていたほうが良い」と思っていれば、それは「円満セックスレス」である。何事も「する」「しない」が問題ではない、そこで意見が割れてしまうのが問題なのだ。よって「深刻なセックスレス問題」とか「セックスレスは不和の原因」などというのは、顔を犬のツバだらけにして仲良くやっているレスカップルを「脅迫している」とも言える。そういうカップルが無理してセックスしても、多分良いことにはならない。セックスだろうが綱引きだろうが、やりたくないことを無理にやっていたら、仲良くなるどころか、悪くなるに決まっているのだ。パートナー間だけではなく、女性誌などの「セックス特集」は評価される一方で、「セックスしないとあっという間に更年期ヒスババアになっちゃうぞ」と、セックスしない女を脅す内容であるといった批判もある。娯楽やコミュニケーションが多岐に渡る現代において、セックスとは、人生をより良くするための選択肢の一つでしかなく、魅力を感じなければ無理に選ぶ必要はない。クリスマスイブはセックスしている人間が一番偉く、1人で明石家サンタを見ているヤツはかわいそう、という発想はすでに前時代的なのだ。人によっては、セックスより優れた明石家サンタがそこにあるのである。だが、片方は猛烈にセックスしたいが、もう片方は痛烈にしたくないといった「セックスレス」は確かに深刻な問題だろう、折衷案が見いだせない場合は「別れ」もやむなしかもしれない。性の不一致で離婚、などと言うと、カップルならともかく、セックスで離婚までするなよ、と言われてしまうかもしれないが「とにかくセックスが一番大事なんだ」というのも個人の大事な価値観である。負けないこと、投げ出さないこと、逃げ出さないこと、そしてセックス、相手が何を「それが一番大事」と考えているか、せめて結婚する前に確認しておくべきかもしれない。【ラ】➤「(一緒にいて)楽な人」(らくなひと)…好きなところは一つもないが、この一点だけで別れられないことがある【リ】➤「リバウンド」(りばうんど)…むしろダイエットはリバウンドするための「助走」【ル】➤「ルマンド」(るまんど)…「ブルボン界のセンター」というと、多数の中年から反論の声が上がる【レ】➤「(セックス)レス」(れす)…パートナーに「よそでしてきてよ」と言われても真に受けてはいけない【ロ】➤「ロリータ」(ろりーた)…高齢化社会、90歳で60歳とつきあうのはロリコンになるのだろうかプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年08月05日グラビアアイドルの安位薫(やすい かおる)が28日、東京・秋葉原のソフマップで最新イメージDVD『花様年華』(発売中 4,104円税込 販売元:スパイスビジュアル)の発売記念イベントを行った。黒髪のショートカットに92cmのHカップバストで大人気の安位薫。2018年に雑誌でグラビアデビューを飾ると、リリースしたDVDがどれも好セールスを記録するなど人気も急上昇中で、次世代のグラビア界を担う逸材として注目を集めている。そんな彼女の通算4枚目となる同DVDは、今年4月に海外ロケとなる台湾で撮影。貧乏の家出少女役を演じた安位がお金持ちの男性に拾われて成長していくというストーリー仕立てだが、自身曰く「今までのDVDの中で一番セクシーな仕上がりです」と語るように、19歳とは思えない大人の雰囲気を漂わせたセクシーシーンのオンパレードだ。自らチョイスしたという紫のマイクロビキニで報道陣の取材に応じた安位は「今回は私が貧乏で家出をした少女役という設定で、お金持ちの男性に拾われて大人になっていくというストーリーになっています。一番最初のシーンが雨に打たれて拾われるんですが、本当に雨が降っていてめちゃくちゃ寒かったんですよ。頑張って撮影したのでぜひ見て欲しいですね」と最新作を紹介した。今回の作品は全編セクシーなシーンが満載だといい、特にオススメなのが「黒いセクシーな下着風水着を着たシーンでは女王様的なSっぽい感じになっています」とあげて、「鞭を持って軽く叩いています。何かに目覚めることはなかったんですが、意外と楽めました。ハマりそうかもしれません(笑)」と振り返った。また、安位の売りである92cmのHカップバストについても「ハプニングは普通にありました。その都度メイクさんが直しに入り、10回以上はポロリしちゃいました。DVDに入っているかは見てのお楽しみです(笑)」とエピソードを明かした。雑誌『週刊プレイボーイ』の企画「次世代グラドル恵体番付」で東の横綱に選ばれるなど、ファンのみならず業界関係者からも熱い視線を浴びている安位。「グラビアを始めた時と比べたら全然お仕事ももらえるようになりました。最初の頃はガチガチで緊張していましたが、今はちょっとずつ慣れてきましたしファンの方も増えてきています」と成長を実感している様子で、「正直に言って、雑誌に載っていることがいまだに信じられません。本当にありがたいことだと思っています」と語った。さらに、目標としているの人については「忍野さらさん」とで、その理由は「プライベートで一緒にご飯を食べることもありますが、本当に大好きなんです。目指しているというか憧れていますね」と羨望の眼差しを向けていた。
2019年07月29日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第38回アクマの辞典ヤ行今回のテーマはヤ行から「余計な一言」だ。余計な一言とは「逆画竜点睛」。バトル漫画としては最高なのに、作者がサービスのつもりで入れているパンチラシーンが邪魔すぎる、という「それのおかげで全部台無し」というヤツである。「余計な一言」は文字通り、一言でなければいけない。ベラベラと余計なことしか言わないヤツというのは逆に印象に残らないものだ。「立てば菜々緒、座ればガッキー、投げる姿は吉田沙保里」と途中までパーフェクトに褒めておいて、最後に一言「なのになんで嫁にいけないのかな~」でキメるのが正しい余計な一言である。こうすることにより、途中の褒めまで最後の落としを引き立てる「前フリ」でしかなくなり、相手に「すごく嫌なヤツ」と、より強い印象を与えることができるのだ。もちろん恋愛関係でも、余計な一言が発射されて空気がヒリつくことはよくあるが、その場合の余計な一言は「照れ隠し」のつもりで言われているケースもある。今は大分違ってきていると思うが、昔から日本人、特に男は欧米諸国に比べて、パートナーの女性のことを素直に褒めない傾向にあると言われていた。それどころか、人前で自分の妻を褒めるなんて恥ずべきこと、という風潮すらあり、その結果「うちの愚妻がお恥ずかしい」などという、悪い日本語が生まれてしまったのだ。ちなみに良い日本語は「小生の愚息も昇天」などである。その名残なのか「今日カワイイじゃん」と褒めた後でも照れ隠しかなんなのか「服が(笑)」というギャグとしても全く面白くない余計な一言を口にして「おっとやんのか?」という空気にしてしまうのである。ここで注目したいのが「ツンデレ」だ。既に消費し尽くされた古の萌えキャラという印象があるかもしれないが、これこそが「余計な一言」の逆の存在なのだ。ツンと言うのはいわば「嫌な態度」だ、これだけだと当然悪い印象を与えたままになる。だが、ツンを積み重ねた最後に「デレ」を繰り出すことにより、今までのツン全てがデレを輝かす布石となる。もちろんツンデレは二次元のみで許される存在であり、現実でやるとツンの時点で周りから人がいなくなるのだが、「最後はデレ(褒め)で締めるよう心がける」というのは現実でも使える。前述の会話で言うなら「今日服じゃん」からの「カワイイ(笑)」だ。このように全く意味不明なのだが、最後「カワイイ」という褒め言葉で締めるだけで、相手は少なくとも嫌な気にはならないはずである。照れ隠しというのは、相手が「照れ隠しだな」と気づいてくれるケースは稀で、大体は「余計な一言」なのだ。それを言わずにいられないなら「なにも言わない」という良い手段があるので試してみると良いだろう。【ヤ】➤「ヤフー知恵袋」(やふーちえぶくろ)…発言小町が胃にもたれてきたら、こっちを見る【ヰ】➤「ゐろは」(ゐろは)…ほへと、以外言うことが思いつかない【ユ】➤「百合」(ゆり)…「間に入りたい」と言った瞬間殺害されるジャンル【ヱ】➤「ヱロチック」(えろちっく)…自分をこう表現する女はエロいかもしれないが、面倒くさそう【ヨ】➤「余計な一言」(よけいなひとこと)…言葉をちょうどいいところで止められず必ず溢れさせるタイプ、無口のほうがマシプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年07月21日藤原竜也と鈴木亮平がW主演し、劇団モダンスイマーズの蓬莱竜太が手掛ける舞台「渦が森団地の眠れない子たち」が10月4日(金)より東京公演を皮切りに、大阪や名古屋ほかにて地方公演も順次行われる。藤原さんと鈴木さんの同級生コンビが10年ぶりに舞台共演する本作は、同じ団地に住み、竹馬の友のように仲が良かったが、ささいなことから関係が崩れ、次第に団地での王座を争うようになる2人を描く新しい“団地大河ドラマ”。次第に王座をかけて争うようになる“小学生”の佐山鉄志と田口圭一郎役には、藤原さんと鈴木さんがそれぞれ決定。まさかの小学生役にTwitterでは「鈴木亮平と藤原竜也が小学生役とか、最高か」「藤原さんと鈴木さんが小学生役って凄い」「気になる…」「動揺が隠せない」と驚きの声が上がり、また公開中の小学生になりきった2人のビジュアルには「小学生役似合いすぎぃぃぃ」「思いのほか小学生役がはまっている」「くそかわいいビジュアル」「観たすぎる」と好反応。2人のほかにも、奥貫薫や木場勝己らが出演。現在、チケット一般発売中だ。舞台「渦が森団地の眠れない子たち」は10月4日(金)より新国立劇場 中劇場にて上演。※大阪ほか地方公演あり(cinemacafe.net)
2019年06月26日西島秀俊(48)と内野聖陽(50)のダブル主演『きのう何食べた?』(テレビ東京系)の第10話が6月14日に放送された。几帳面・倹約家の弁護士・筧史朗(通称・シロさん)と人当たりの良い美容師・矢吹賢二(通称・ケンジ)が2LDKのアパートで暮らす日々を描いたドラマ。三宅(マキタスポーツ)の妻・レイコ(奥貫薫)が同じ美容室で仕事復帰することに。夫の不倫に気づかないふりをしているレイコは、ケンジに「大事な人に絶対に浮気なんかされちゃダメよ」と忠告する。そんななか、頻繁に小日向(山本耕史)と電話をするシロさんの姿に不安を抱いたケンジは……というのが第10話のあらすじ。ケンジが参加できなくなった食事会に小日向と2人きりで行こうとするシロさん。すると、ケンジは「俺が行かないとシロさんと小日向さん、2人きりってことになっちゃうでしょ。それはダメだよ……」と浮気されることを心配する。レイコの忠告が胸に引っかかっていたケンジは、過去に自分が浮気した経験から“シロさんもそうなってしまのうでは?”と不安で仕方なかったのだ。浮気の経験をシロさんに打ち明けたケンジは「嫌いになったでしょ、俺のこと。普通引くよね?心の狭いこと言ってるってわかってる!自分が浮気したことあるくせに嫉妬深いって最低だよね!あ〜〜!!なんて俺ってばか!こんなこと言ったらシロさんに嫌われて、愛想尽かされて、うざがられて、最終的に捨てられってわかってるのに……」と涙を流しながら絶叫。切ない気持ちを見事に表現した内野の鬼気迫る演技に、心震わせる人が続出。《ケンジのいつもより俄然重い嫉妬心を唇震わせながら鼻もひくひくさせて涙こらえて感情爆発させて泣いちゃうっていうのを見事に伝えられる内野さんほんとすごすぎて》《え、もう天才??内野聖陽という役者が演じるとこれがああなるの?天才?》《神回に次ぐ神回。内野聖陽がケンジで良かったと心底思うと共に、内野聖陽とんでもねぇな…って》と、ネット上では絶賛の嵐だった。また、そんなケンジを「嫌いになんかならないよ!!」と真剣に受け止める西島演じるシロさんにも《ケンジさんが本心をぶちまけても「嫌わないよ」って言い切る、目の前で行動に移すシロさん…愛》と惚れ込む声が聞こえていた。次回は、ジルベールこと航(磯村勇斗)&小日向カップルが再登場し、クリスマスをともに過ごすようだ。そしてシロさんにも新たな局面が。最終回まで残りわずか。ひとときも目が離せない。
2019年06月16日西島秀俊と内野聖陽のW主演で贈るドラマ24「きのう何食べた?」の第10話が6月14日深夜オンエア。ケンジの“過去”と、小日向さんへの“嫉妬”。ケンジを演じる内野さんによる圧巻の演技力とおいしそうなクレープに視聴者も圧倒と興奮が抑えられない様子だ。2LDKのアパートで同居する料理上手で几帳面・倹約家の弁護士・筧史朗=シロさんを西島さんが、その恋人で人当たりの良い美容師・矢吹賢二=ケンジを内野さんがそれぞれ演じ、史朗たちと交流を深める芸能マネージャーの小日向大策に山本耕史、その恋人“ジルベール”井上航に磯村勇斗、史朗と食材をシェアする仲の富永佳代子に田中美佐子、賢二が所属する美容室「フォーム」の店長・三宅祐にマキタスポーツといったキャスト。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。賢二の勤務する美容室の2階を改装、祐の妻・レイコ(奥貫薫)のためにエステルームを作ることになる。一方、賢二は史朗から一通の封書を受け取る。それは千葉市市役所から届いた生活保護を受ける父親(内田文吾)の扶養照会の書類だった。賢二の父はほかに女性を作り家を出て、時々帰ってきては暴力振いお金をせびるような男だったが、成長した賢二に威圧され、家に来なくなったという。その夜、史朗が小日向らカップルとの食事会について電話していると、賢二からその日が打ち合わせで行けなくなったから、史朗も行かないで欲しいと言われる。浮気の心配をする賢二に呆れる史朗だが、激しく嫉妬する賢二を見て結局食事会を中止することに。そして土曜を迎える。改装工事でお休みの賢二のために史朗はクレープを作り、優雅な休日のブランチを楽しむのだった…というのが今回のストーリー。今回視聴者が最も注目したのが史朗と小日向が2人で食事することに猛反対、涙を流して激昂する賢二の姿だった。その圧巻ともいえる“嫉妬”ぶりに「圧巻の演技……泣ける」「内野さんの圧倒的演技力で実況する暇がない」「いや、もう…ほんと内野さんすごいな」「嫉妬するケンジに共感しすぎてちょっと泣いちゃった」「ケンジかわいい!ケンジかわいい!ケンジかわいい!」と、その演技力に圧倒されたという声と、共感したという声の両方がタイムライン上で入り混じる事態に。そして今回の“メインディッシュ”となったクレープは、ハムや卵を入れた食事として楽しめるものから、デザートとして味わえるものまでバラエティに富んだメニューが登場。これにも「おかずクレープっておいしいよね」「何食べのおかげでクレープ欲が…」などの反応が数多く集まっている。(笠緒)
2019年06月15日栗本薫名義で主に小説を、中島梓名義では評論やエッセイなどを手がけ、生涯で400冊以上の著作を発表した。2019年はそんな彼女の没後10年、彼女の代表作にして世界最長の物語『グイン・サーガ』(正篇130巻、外伝22巻、著者の逝去により未完)誕生から40年という節目に当たる。その偉業や素顔を知れる2冊『世界でいちばん不幸で、いちばん幸福な少女』と『栗本薫と中島梓世界最長の物語を書いた人』が立て続けに刊行された。夫であり、元担当編集者で、天狼プロダクション代表。彼女の最大の理解者だった今岡清さんは、「ほかに類がないといえば、中島梓という人ほど類のない人はいないと思います」と振り返る。「1時間に400字詰め20枚の原稿を書き、ときには長編1冊を1週間足らずで仕上げました。それもSF、ファンタジー、ミステリー、時代小説、ハードボイルド、評論などジャンルも多岐にわたります。音楽に手を染めてからは、ミュージカルの挿入歌を含めれば恐らく400曲は作曲もしていたと思います。それだけを見れば希有な才能に恵まれた成功者に見えることでしょう。ところが、日常生活は精神的な葛藤にさいなまれ続けて、それから脱するために苦闘しているという人でもありました。成功者の評伝ではなく、私の奥さん、中島梓/栗本薫がこんな人であったという思い出を綴った本です」尽きない泉のような才能を持ちながら、日常生活では繊細すぎ、また摂食障害などに苦しんだ女性を、心から愛していたことが伝わってくる。里中高志さんは大学1年で『グイン・サーガ』に出合い、傾倒したそう。熱意で出版許可にこぎつけ、3年の月日をかけて取材、執筆した。「家族、同級生、元恋人、編集者、舞台関係者……各人の知る彼女の姿は、みな少しずつ違っています。その証言の数々と、膨大な著作からの引用を積み重ねるのは、広大な浜辺の砂から神殿を作っていくような、果てのない作業でした」なかでも、常に自分の居場所探しをしていたような孤独感を持ち続けたことに触れていたのは印象的だ。「これだけの時間を費やしても、まだまだ私が迫れなかった彼女の内なる宇宙があったかもしれませんが、それでも、いまの私にできた精一杯です。アンアンを読む若い女性たちにも、自らの夢を全力で追い求め、こんなにも濃密な人生を送った人がいたことを知ってほしいと思います。現実よりも美しい世界が、人々の想像の中に存在するのでは……。彼女はいつまでも、そんな夢見がちなすべての人たちの味方なのですから」ファンはもちろん、彼女を知らなかった人も、きっと夢中になるはず。敬愛する妻を見守り続けた夫からの長いラブレター。『世界でいちばん不幸で、いちばん幸福な少女』今岡 清共に暮らし始めたころから死別するまで、主に結婚生活について綴ったエッセイ。彼女の心の中の赤ちゃんを拾い上げ、ふたりで育てたような結婚だったと綴っている。早川書房1500円著者の生涯を知りたいならまずはこちらがおすすめ。『栗本薫と中島梓世界最長の物語を書いた人』里中高志幼少期から最晩年までを、時代の変遷とともに追う。母親に対する複雑な思いが創作や人生にどう影響したかなど知られざる一面に驚き、作品を読む目も変わるかも。早川書房1900円くりもと・かおる/なかじま・あずさ本名は今岡純代。1953年生まれ、東京都出身。早稲田大学卒業後、執筆活動に入る。他の代表作に『魔界水滸伝』(正伝20巻、外伝4巻)、ミステリー作品「伊集院大介」シリーズなど。2009年死去。※『anan』2019年6月12日号より。写真・中島慶子取材、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2019年06月11日西島秀俊(48)と内野聖陽(50)のダブル主演『きのう何食べた?』(テレビ東京系)の第9話が6月7日に放送された。几帳面・倹約家の弁護士・筧史朗(通称・シロさん)と人当たりの良い美容師・矢吹賢二(通称・ケンジ)が2LDKのアパートで暮らす日々を描いたドラマ。友人期の結婚パーティーに出席することになった史朗。独身だとわかった瞬間に猛アピールしてくる女性招待客に困惑し、“結界”として指輪が欲しくなる。誕生日にかこつけて指輪のプレゼントを提案すると、賢二は大喜び!賢二に押し切られた史郎は、2人で指輪買いに行くことに……というのが第9話のあらすじ。珍しく自分のためだけにご飯を作るが、味気なさを感じ「結局、俺が毎日ちまちまと品数を多くおかずを作っているのは賢二がいるからなんだよな。そう考えるとあいつの存在って大事……」と賢二の大切さを実感する史郎。いっぽうの賢二も、夜食を作ってくれた史郎へ「うちで食べるご飯がいちばんおいしいよ」と自然に感謝を伝える。また史郎から指輪のプレゼントを提案されると、米粒を唇につけ「え〜っ!?ウソ!?ほしい!超ほしい!!」と賢二は発狂。2人でジュエリーショップに行くことを嫌がる史郎に対しては、「いいえ!それはできません!」と断固拒否する。渋々買いに出かけた史郎だったが、賢二から「指輪、大事にする」と言わると満面の笑みで「うん」と頷く。いつも以上にラブラブな2人の関係に、視聴者も大興奮!ネット上では歓喜の声が殺到していた。《シロさんのふと見せる表情が尊い…2人で食べるのが日常だからこそ1人で食べる時に虚しさを感じるんだろうな〜一緒に食卓を囲める人がいるって、素晴らしいことじゃん?》 《頬杖ついて伏し目がちからのちょっと口角上げながら「俺とお揃いで指輪買ってやるって言ったらどうする?」とか惚れてまうやろーーー!!!!!》 《「大事にする」に「うん」 って返せるって素晴らしいことです。 あぁ尊い》次回は生活保護を受けている賢二の父親や、美容室店長の三宅祐(マキタスポーツ)の妻・レイコ(奥貫薫)が登場。そして、賢二は史朗の浮気を心配したりとドタバタ劇になりそうな予感。
2019年06月10日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第34回アクマの辞典ナ行【ノ】➤「残り物」(のこりもの)…人も物も表示をよく見ないで食うのは良くない今回のテーマはナ行から「残り物」だ。「残り物には福がある」と言うが、我が家の冷蔵庫の残り物は大体腐っているし、腐っているとわかった上で捨てないから残り続けるという、ただの増殖する凶でしかない。しかし、時間を置くと腐る、劣化するというのはあくまで物の話である。人間は死ぬかボーイズラブに目覚めない限りは腐らない。それにも係わらず我々は、ある程度の年齢になって独身でいると「残り物」などと、経年で劣化した「物」扱いされてしまう風潮が未だに残っている。また、これは女のほうが言われる率が高い。つまり、令和になった今でも、女は売り物として選ばれるほうで、男はそれを選んで買うほうという考えが残っているのである。二次元ならば、ヒト×モノというカップリングもありだ。拙者も無機物をイケメンに擬人化したゲームとか大好物でござる。しかし、リアルの結婚というのはあくまで「ヒト×ヒト」のカップリング固定である。相手にモノと思われてした結婚など、幸せになれるはずがない。まだゴリラと思われて結婚したほうがリスペクトを感じる。だからと言って「残り物」という言葉を使わなかったら「人間として人間に選ばれなかった人」というもっと深刻な感じになってしまうので、もしかしたらキツいようで「残り物」というのはオブラートに包んだ優しい言い方なのかもしれない。だがここでも誤解がある。選ばれなかったとか以前に「そもそも陳列棚に並んだ覚えがない人」も、そこには含まれているのだ。誰もが結婚や恋愛、パートナーを求めているわけではない。そういう人は「選んでください」と棚に並ぶこともない、非売品なのである。そういう非売品の人の年齢だけを見て「売れ残りだ!」とスーパー玉出の割引シールを貼ろうとするのは、失礼以外の何ものでもない。逆に言えば、結婚する気がなかった魅力ある非売品の人が、考えを変えて婚活市場に入って来ることだってあるのである。それを年齢だけで「ワケアリの残り物」と判断するのは早計だし、もったいない。ひと昔前なら「この年で結婚していないのは、何かあるに違いない」と思われていたようだが、今だと「むしろ何もなかった(機会が)から独身」という人のほうが多いように思える。だがもちろん「何か問題があって独身」の人もゼロではない。つまり「残り物」が福か凶かというのは「よく見ろ」としか言いようがないのである。【ナ】➤「ナルシスト」(なるしすと)…本物は、他人ごときに認めてもらう必要がないので自撮りはしない【ニ】➤「匂わせ」(におわせ)…相手を一切写さず、デート、ケンカ、仲直りの過程を見せる表現のプロ【ヌ】➤「脱いだらすごい」(ヌイダラスゴイ)…冬から春の変わり目に女を突然脱がせるとすごいときがある【ネ】➤「寝言」(ねごと)…「推しと猫がいれば良い」的な発言は、起きて正気で言っていることなので目を覚まさせようとすると殴られます【ノ】➤「残り物」(のこりもの)…人も物も表示をよく見ないで食うのは良くないプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年06月07日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第33回アクマの辞典サ行【シ】➤「失恋」(しつれん)…失えるところまでいけるのは恋愛エリート今回のテーマはサ行から「失恋」だ。この世の中には、カップ焼きそばの麺を三角コーナーに全部ボッシュートしたり、湯切りには成功したがかやくを入れ忘れていたり、逆に後から入れるソースを先に入れていたりと、様々な悲しみがある。カップ焼きそば一つでこれだけ悲しめるのだから、その数は計り知れない。その中でも失恋の悲しみは別格と言われている。しかし私自身は、失恋らしい失恋をしたことがない。勘の良い読者はすでに気づいてショウ・タッカーに殺されていると思うが「失恋したことがない」=「モテる」ではない。逆に真にモテず、恋愛に縁がない奴というのは失恋するところにまでいけないのだ。ない袖が振れないように、したことない恋を失うことはできないのである。モテない自信がある人間というのは、「成就確率0%」と気象庁に発表されている自分が恋をしたところで、失恋して無駄にダメージ負うだけと思っているので、恋自体を徹底的に避け、老人のように、ときめきは全部不整脈だと思って生きている。モテない人間だけではなく、人間は年を取るにつれ「失恋を恐れて恋をしなくなる」傾向にあるという。年を取ると身体的に傷の治りが遅くなり、かさぶたが剥げた後にかさぶたができるという無限かさぶた製造機となり、一向に傷が癒えない。心の傷の治りに年齢が関係あるかどうかは不明だが、大人になると「そうそう心を負傷するわけにはいかなくなる」のは確かだ。中高生なら失恋しても勉強が手につかなくなるぐらいで済むかもしれないが、大人が失恋して仕事や家事ができなくなったら生活が破綻する。恋などという決して不可欠でないものに、生活を狂わされるわけにはいかない、という思いが人を恋から遠ざけるのだ。婚活サイトやマッチングアプリが流行っているのもそのせいかもしれない。出会いを求めている人間が集まるところなら成功率も高いし、そういう媒体を挟めば上手くいかなくても「失恋」とは言わず「ご縁がなかっただけ」として、ダメージを減らすことができる。恋愛からできるだけ恋部分を省略しようとしているのが、現代の大人の恋愛なのかもしれない。最近は中高生でも、直接「好きだ」などと面と向かって告白することは少なく、LINEやメールなどで済ますほうが多いのではないだろうか。対面ではないため、告白のハードルが下がるし、断られたら「ナンチャッテσ(^_^;)」と突然おじさんになって、冗談でした、と逃げることもできる。しかし、LINEやメールでの告白のほうが実はリスクが高い。昔ラブレターが回し読みされたように、おもしろLINE告白は即スクショを取られて回されるだろうし、最悪SNSで全世界に晒される。一番そういうリスクがないのは「対面口頭」なのである。最近は24時間で投稿が消えるインスタグラムのストーリーが人気だそうだが、それよりも早く消えて、データも残らないのが口頭なのだ。何でも保存されて拡散される世の中においてはこのアナログ方法が一番頭の良い告白とも言える。ただ相手がボイレコで録音している可能性もあるので、告白の際には相手のボディチェックも忘れないようにしよう。【サ】➤「財布」(さいふ)…スムーズに奢られるために「払う意志はある」を演出するアクセサリー【シ】➤「失恋」(しつれん)…失えるところまでいけるのは恋愛エリート【ス】➤「好き避け」(すきさけ)…推しに会うと推しの目の前で発狂してしまうのであえて会いにいかない人のこと【セ】➤「セロトニン」(せろとにん)…太陽の光を浴びると出て幸せになるらしい、美白至上主義国家日本の女が不幸なのは自然の流れ【ソ】➤「尊敬できる人」(そんけいできるひと)…「理想の結婚相手は?」と聞いて、これが返ってきたら「お前にそんなこと答えるつもりはない」の意プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年05月07日ニット帽にサングラス姿で、猫との“会話”を楽しんでいたのは女優・八千草薫(88)。東京都内で1人暮らしをしている彼女は犬と猫を1匹ずつ飼っているが、彼らと過ごす時間は何よりの“やすらぎの刻”なのだろう。路上での語らいが終わり自宅に戻る八千草の後ろ姿を猫は名残惜しそうにじっと見つめていたが、その視線に気づいた八千草が手を振る姿もなんとも可愛らしかった。4月8日からドラマ『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)がスタートした。’17年放送の『やすらぎの郷』の続編であり、来年3月まで続く大作だが、すでに八千草の撮影は終了しているという。「『やすらぎの刻』で八千草さんは2つの役に出演予定でしたが、今年に入り肝臓がんが発見されたためヒロイン役は降板することになったのです。前作でも登場した九条摂子としてのシーンは、脚本家・倉本聰さんが大幅に台本を書き換えることで対処し撮影済みです」(テレビ局関係者)現在、八千草はどういった治療生活を送っているのだろうか?八千草のマネージャーに聞いた。「おかげさまで治療は順調で病状も良い方向に向かっております。『やすらぎの刻』撮影終了後にいったん入院しましたが、ちょうど自宅に戻ってきたところです」ドラマスタートにあわせて帰宅したということのようだ。「また入院する予定ですが、あくまでも治療のためで体調が悪化したためではありません。『やすらぎの刻』ですか?毎日放映時間にテレビの前にいるのは難しいので、テレビ局から送ってもらったDVDで視ているようですね。禁じられている食べ物などもなく、ふだんどおり生活しているのですが……」実は困ったことがあるという。「本人は出かけてみたいところもたくさんあるのですが、外出を控えざるをえない状態なのです。皆さんが八千草の闘病のことをご存じで、ずっと入院していると思い込んでいらっしゃるのです。だからデパートなどで買い物をしていても、『八千草さん、なんでこんなところを歩いているんですか!?大丈夫ですか!?』という感じになってしまうんですよ」いまの楽しみは治療スケジュールが終わった後の旅行先を考えることだという。旅行計画と愛犬・愛猫たちとの“やすらぎの刻”が、闘病の励みになっているようだ。
2019年04月19日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!第31回アクマの辞典ア行【ウ】➤「受け身」(うけみ)…全部受けとめるのも、受け流すのも疲れるのでこれからは「避け身の女」がくる今回のテーマはあ行より「受け身(の女)」だ。このサイトは見ての通り、占いコンテンツが充実している。むしろ何故「占い」をテーマに選ばなかったんだと言うぐらいだ。吉牛に行こうと提案しておいてカレーを頼む奴ぐらい不可解である。しかし、全く無関係というわけでもない。占い好きな女は「受け身」の傾向があると言われているそうだ。「受け身」とは決して、現代的な女の生き方とは言えなくなってきている。自活し、結婚するも出産するも自分で決めるのが今の時代の女であり、「受け身」などという、うすらボンヤリした生き方では、自称「グイグイ引っ張って行くタイプ」の男が運転する軽トラの荷台にしがみついて生きる羽目になる、というわけだ。しかし「受け身」な態度が全て従属的かというと、必ずしもそうではない。私は数年前、家を建てた。注文住宅なので、敷地面積と予算の許す限り自由にすることができた。なんでも自分の思い通り、と言えば聞こえは良いが「なんでも」の中には便所のドアノブの色とかも含まれているのだ、正直どれでもよい。しかし施工主は、どうでもいいことまで全部決める義務があるため非常に疲れた。「なんでも自分で考えて決める」というのは、意外と面倒くさいのだ。それよりもっと楽なのは「誰かに決めさせ、気に入らなかったら文句をつける」ことだ。夕飯はなんでもいいと言いながら「そうめん」と言ったら「え~」と言うポジションである。「あなたに任せる」と、一見受け身な態度で面倒くさいことは下々にやらせ、最終決定権は自分が持つと言う「従属的」どころか完全に「貴族の思想」だ。時には他人に決断を委ねたほうが効率的なこともあるし、「乗るしかない、このビッグウェーブに!」という名言があるように世の中の流れに身を任せたほうが良い結果になることもある。受け身な女は現代的ではないかもしれないが、だからと言って「総攻め」という同人誌でしか見ないような、攻め一方の女も柔軟性がないし、何より疲れてしまう。戦況によって受けと攻めを変えられるバランス型ファイターが現代的な女と言えるのではないだろうか。恋愛に関しては「受け身」のほうがモテるらしい。何故なら、モテというのはまず相手に「イケそう」と思わせるのが大事だからだ。つまり、いくらイイ女でも、難攻不落の要塞の如く攻め入る相手全員を大砲で撃ち落としてそうだと「ムリめ」と思われて挑戦者自体がそうそう現れない、つまりモテない。逆に「受け身の女」は門が半開きで「来るものは拒まず」「押しに弱い」雰囲気である。そこに「イケるのでは」と思った男が寄って来るのだ。しかし、このモテは、毎度おなじみ「雑魚モテ」である。鍵をかけてない家に泥棒が入って来るのと同じ原理だ。よって恋愛においては、意中の男は「受けとめ」、そうでない男は「受け流す」二種類の「受け」を使いわけるのが、デキる受け身の女である。【ア】➤「頭ポンポン」(あたまぽんぽん)…漫画やドラマで使うときは「これで喜ぶ女はフィクションです」と明記したほうがよい【イ】➤「インフルエンサー」(いんふるえんさー)…インフルエンザのインフルエンサーと言うのを我慢するのに骨が折れる存在【ウ】➤「受け身」(うけみ)…全部受けとめるのも、受け流すのも疲れるのでこれからは「避け身の女」がくる【エ】➤「遠距離恋愛」(えんきょりれんあい)…同居していても浮気する奴はするので距離は関係ない【オ】➤「押しに弱い」(おしによわい)…自分の押しで倒れた相手は、他の奴の押しにも倒れると思ったほうがいいプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年04月07日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第29回アクマの辞典バ行【ビ】➤「美人だけどモテない」(びじんだけどもてない)…美人のくせに男に興味がないのは許せないという圧も感じる我々は時々実体不明の敵と戦ってしまう時がある。実際見たわけでもないのに「いるよね、こういう奴」と言って、いるかどうかわからない生き物に対し延々悪口を言ったり腹を立て続けたりしてしまうのだ。一日中ネッシーにムカついているのと同じで、極めて無益である。こういった「いそうだが実際見たことはない未確認生物」の話で、便利づかいされがちなのが「ブス」だ。ブスの見た目がUMAっぽいからではない、例えば「好きな映画は『セックス・アンド・ザ・シティ』という女」を「好きな映画は『セックス・アンド・ザ・シティ』とかいうブス」と、ちょい足しアレンジするだけで「いるいる、そういうブス~!」とその場に失笑混じりの共感の嵐が吹き荒れてしまうのである。もちろん、全員そういうブスを見たわけでもなく、いたとしてもブスが『SATC』を好きで何が悪いという話なのだが、世間は頻繁に「とかいうブス」という架空の生物を作り出し、袋叩きにしたがるのである。どうせ幻と戦うなら、刃牙のように巨大カマキリと戦ったほうがまだ有益だ。そして今回のテーマも、ひょっとして架空の生き物では、という存在である。遅くなったが今回のテーマはバ行から「美人だけどモテない」だ。「モテない美人」いそうだし、いるんだろうけど、イマイチ「いる」と断言しにくい存在である。己の美人を妬む心が生み出した幻なのではないかとさえ思える。美人を妬む心が見せる幻覚には他にも「性格の悪い美人」「幸の薄い美人」「悲報!あの美人が劣化!」などが挙げられる。まず、美人が劣化するなら、同じ時を経た自分はもっと腐っているし、そちらのほうがリアルだ。このように美人もブスと同じぐらい「架空の生き物」を作られがちな存在なのだが、ブスとの違いは、実在していてもその存在を認めてもらえないことが多い、ということである。例えば本当にモテない美人が「私モテないの」と言っても「うそつけ、モテない美人などいない」と悩みも存在も否定されてしまうのである。モテるモテないだけでなく、この世には「幽霊否定派」と同じように「不遇な美人否定派」がいる。そういう人間に美人がどんな苦悩や苦労を語っても「でもあなた美人じゃないですか」「美人なんですからそんなことないでしょ」と言って全く取り合わない。このように美人にとっては「美人は性格が悪い」などネガティブな美人像を作り出す人間より「無敵の生物・美人」という架空の生き物がいると信じて疑っていない人間のほうが厄介なのである。「美人は色仕掛けで仕事を取っている」などと言う人間は、美人を妬んでいる人間より、むしろこの「美人無敵説」を信じている者だったりする。美人もブスも美醜以前にまず人間である、「適当なイメージで語られたら傷つく」というのは覚えておいたほうが良いだろう。【バ】➤「爆弾発言」(ばくだんはつげん)…「爆弾発言していい?」という奴の発言は大体不発【ビ】➤「美人だけどモテない」(びじんだけどもてない)…美人のくせに男に興味がないのは許せないという圧も感じる【ブ】➤「VIO脱毛」(ぶいあいおーだつもう)…介護する側もされる側も楽になるらしいので、腕毛すね毛よりマストかも【ベ】➤「ベスト体重」(べすとたいじゅう)…ダイエットを成功させるより必要なのは「俺のベスト体重は俺が決める」という強い意志【ボ】➤「母性」(ぼせい)…カビのように自然発生するものではないプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年03月07日冷え込みが厳しい朝7時、東京都内の自宅から姿を現したのは女優・八千草薫(88)だった。彼女は数日前の2月9日に事務所のHPを通じてがん闘病と仕事の休止を公表したばかり。《一昨年の年末にすい臓に癌が見つかりまして、昨年1月に手術致しました。術後は順調で去年は連続ドラマと舞台に出演させて頂きました。ところが今年に入りまして肝臓にも見つかり……》’47年に宝塚歌劇団に入団してからすでに72年。ほとんど仕事を休んだことがないという八千草の休養宣言は世間を驚かせた。しかし本誌が目撃した彼女の足取りはしっかりしており、元気そうだった。右手には小さな食品保存容器を持っている。近年は自宅に出入りする猫にエサをあげるのも朝の日課になっているそうだが、その日課もきちんと続けているようだ。八千草の夫・谷口千吉氏は’07年に逝去し、彼女は1人暮らしを続けている。知人男性は言う。「八千草さんは動物が大好きで、いまは犬と猫を飼っています。がんの治療についてはよくわかりませんが、88歳なのに本人はいたって元気ですよ。今年になって車も買い替えたばかり。車高が高いので、『眺めがいいのよ』なんて喜んでいました」肝臓がん闘病中という八千草だが、続けているのは猫のエサやりばかりではない。4月スタートの連続ドラマ『執事西園寺の名推理2』(テレビ東京系)は降板したものの、なんと同じく4月スタートの『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)には出演していくというのだ。八千草のマネージャーは言う。「『やすらぎの刻~道』は(’17年放映のドラマ)『やすらぎの郷』の続編にあたります。今作では八千草はもともと2つの役に出演予定でした。そのうちヒロイン・しの役は降板しましたが、前作でも登場した九条節子役としては出演します」1月に肝臓へのがん転移が発覚した後、倉本聰さんは台本を大幅に書き換えたのだという。「昨年すでに撮影したシーンもありますし、今後は体調と相談しながら、無理をしない程度に撮影を続けていきたいと考えています。本人は仕事がとても好きですので、(九条節子役以外の)降板も苦渋の選択でした。しかし体調が悪化して共演者やスタッフの皆さんにご迷惑をかけるのも申し訳ありませんので、この度のような選択となったのです」「ちょっとゆるやかに、でも少し無理をして」を信条としている八千草はインタビューなどでも“できる限り仕事は続けていきたい”と語っており、さらにHPでも次のようにつづっている。《また番組を楽しみにして頂いておりましたファンの皆様には体調を整えまして、より一層楽しんで頂ける作品に参加できるように帰って参ります》文面からは“女優として、もっといろいろな役を演じてみたい”という、強い意志が伝わってくる。今年買ったばかりだという新車のこともマネージャーに聞いた。「そうなんです。実は車を買い替えるほど、『やすらぎの刻』には意欲を燃やしていたんですよ。山梨県などでのロケも多いので、“もっと乗り心地の良い車にしましょう”と本人がパンフレットも取り寄せて色とか座席とかを選んでいたんです。車高の高いミニバンにしたのも、ロケ先で景色を楽しむためでした。しかし車が届いた矢先に、転移が発見されてしまって、いまはもっぱら病院に通うときに使っています」すい臓がんの際は数時間もの摘出手術に臨んだというが、今後の治療計画はまだ検討中だという。「いまは調子が良いので、しばらくは自宅療養を続けます。しかし、がんのステージによっては入院しての療養に切り替えることになると思います。手術ですか?やっぱり手術は痛みも感じますし、なるべく避けてあげたいですね」八千草の自宅には愛犬や愛猫がいるだけではなく、大切なものも置いてある。彼女の一日は、イーゼルに飾られた亡き夫の大きな写真に挨拶をすることから始まるのだ。2度目のがん闘病でもゆるがない不屈の女優魂を支えているのは、天国の夫の優しいまなざしなのだろう。
2019年02月22日“スーパーリアリズムの巨匠”上田薫の個展「-画集刊行記念-上田薫展」が、2019年3月20日(水)から26日(火)まで東京・日本橋高島屋S.C. 本館 6階美術画廊にて開催される。上田薫は“スーパーリアリズムの巨匠”として親しまれているアーティスト。東京藝術大学絵画科油画専攻を卒業後、アンフォルメル絵画の影響をうけた作品を制作するも、1970年頃より本格的に写実絵画を描き始めるように。90歳も今なお現役で作品を描き続け、本物そっくりなスーパーリアリズム作品を展開している。2018年夏には、自身初となる集大成としての画集を刊行。その画集刊行を記念して行われる本展では、とろ~ととろけた卵が印象的な「サラダD」や滴り落ちる白身をリアルに描いた「なま玉子」など、ユニークな作品が勢ぞろいする。ぜひ足を運んで、上田作品を鑑賞してみて。【詳細】上田薫展開催期間:2019年3月20日(水)~26日(火)※最終日は16:00閉場会場:日本橋高島屋S.C. 本館 6階美術画廊住所:東京都中央区日本橋2丁目4-1【問い合わせ先】日本橋高島屋S.C.本館TEL:03-3211-4111(代表)
2019年02月21日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第23回アクマの辞典ラ行【リ】▶「理想が高い」(りそうがたかい)…顔によって言っていい条件の数が変動する、ブスは1個でも「高い」と言われる今回のテーマはラ行から「理想が高い」だ。日本は「理想の相手は?」と聞かれて二項目以上答えると「ブスのくせに理想高い」「だから結婚できないんだよ」と口を極めて罵倒される国なので、多くの女が「優しい人」という薄らぼんやりした返答をすることを余儀なくされている。特に相手に「年収いくら以上」を求める女は嫌われがちだが、ここを完全に不問にしろと言われたら、結婚生活以前に人間生活が破綻してしまう。相手に「結婚生活をやっていける年収」を求めるのは当然だろう。では「やっていける年収」「毎日見ても健康を害さない顔」程度の相手ならそこで妥協すべきでありそれ以上を求めるのは贅沢で、理想が高い身の程知らずということになってしまうのだろうか。そんなことはない。何故なら、交際も結婚も妥協してまでしなければいけないことではないからだ。「とにかく日本国籍が欲しい」「何がなんでも姓を変える必要がある」という特殊事情があるなら妥協もやむなしだが、そうでないなら理想を下げてまでするほどのことではないだろう。むしろこの「妥協」のせいで「しないほうがマシだった」な結果になることもままある。しかし世の中には「女は30までに結婚しないと」などという脅迫が満ち溢れており「結婚はしなくてはいけない」→「結婚するためには妥協が必要」→「妥協できない理想が高い女は結婚できない」→「そういう女は地獄の業火に焼かれて死ぬ」ということにしたい人間が多いため、妥協は必要で理想が高いのは悪という考えが蔓延してしまっている。ともかく「結婚」の称号を得ることが最重要で、その内容に関しては細かく問い過ぎるな、ということである。そんな世の中において、それでも「理想が高い」人間はそう言った脅迫や一般論に屈しなかった鋼のメンタルと確固たる自分を持っている人間と言える。脅迫に屈し、妥協に妥協を重ねた相手と結婚し野垂れ死ぬより「年収1000万以下の男と結婚するぐらいなら野垂れ死んだほうがマシ」という高潔な精神の持ち主である。同じ野垂れ死にでも後者のほうがその死に顔は安らかだろう。「結婚すれば安泰」というのがもはや都市伝説であると判明している昨今、むしろ理想は高く持ち結婚に対しては「結婚?まあ俺のお眼鏡にかなう相手が見つかったらしてやってもいいけどな?」と乙女ゲーに出てくる俺様野郎みたいなスタンスを取ることが、妥協づくめの結婚をするより幸せになれるのではないだろうか。【ラ】▶「ラブホテル」(らぶほてる)…女子会や外国人旅行客の宿泊先として活躍、カップルはヤれればどこでもいいだろうから譲るべき【リ】▶「理想が高い」(りそうがたかい)…顔によって言っていい条件の数が変動する、ブスは1個でも「高い」と言われる【ル】▶「ルックス重視」(るっくすじゅうし)…毎日見るなら形が良いものが良いだろう。【レ】▶「連絡を待つ女」(れんらくをまつおんな)…連絡が来たら来たで「すぐに返信しないほうが良い」というしゃらくさいテクを使おうとする【ロ】▶「ろくな男がいない」(ろくなおとこがいない)…自分ですらわからない自分の魅力をわかってくれる男がいないことプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2018年12月21日元SMAPの稲垣吾郎が10日、東京・TBS赤坂ACTシアターで行われた主演舞台『No.9-不滅の旋律-』の公開ゲネプロに参加。迫真の演技でベートーヴェンを体現し、情熱的なラブシーンも披露した。2015年の初演より3年ぶりの再演となる同舞台は、数々の名曲を生み出した天才ベートーヴェンが、聴覚を失ってから、最後の交響曲「第九番」を生み出すまで、作曲家として、人間として、どのような劇的な半生を送ったのかをつづる物語。誰もが知る作曲家の、誰も知らない時間。閉ざされた聴覚の中に響き渡るのは、音楽か耳鳴りか。絶え間ない絶望の中で、己の信じた芸術とは一体何なのか。演出・白井晃、脚本・中島かずき(劇団☆新感線座付き作家)、音楽監督・三宅純が、真のベートーヴェンの狂気と運命と歓喜を描く。主人公ベートーヴェンを前回に引き続き稲垣が演じ、彼を支える架空の人物マリア役には稲垣と初共演の剛力彩芽。さらに、片桐仁、村川絵梨、鈴木拡樹、岡田義徳、深水元基、橋本淳、奥貫薫らが出演する。この日のゲネプロでは、聴覚障害など多くの困難に見舞われ、心が荒さんでいくも、周囲の人々との触れ合いを通じて変わっていくベートーヴェンを迫真の演技で稲垣が体現。ヨゼフィーネ役の奥貫との情熱的なキスやラブシーンも披露した。ゲネプロ前の囲み取材では、稲垣は「自分自身もこの3年の間で環境が変わったり…人間成長もしますし、常にそのときの自分がにじみ出る。みなさんに成長を見ていただけるかなと思います」と初演からの変化に言及。また、「ベートーヴェンさんは56歳まで生きたんですけど、僕もこの役は最低でもゴロウの56歳までは演じたい」と意欲を示した。そして、「初演で気付かなかったことが多かった」と告白。「実際にこの間ウィーンにも行かせてもらって、ベートーヴェンのゆかりの地を訪ねてベートーヴェンを身近に感じられた。天才・ベートーヴェンというより、人間・ベートーヴェンを感じられたので、それは今回の再演のヒントになっていると思います」と打ち明け、また、「台本の中で気付かなかったことも多く、ようやく完成してきたという感じです」と語った。最近はベートーヴェンの曲をずっと聞いているそうで、「朝起きても聞きますし、夜も聞いてますし、仕事中ももちろん聞いているわけですから、ずっと頭の中で鳴り響いています」とのこと。「朝はソナタみたいな優しい曲が多い。夜は激しい交響曲!?(笑)」と説明し、どんな格好で聞いているか質問されると、「格好ですか!? ガウンも好きですし、ワインも好きですし…」と返答。さらに、「夜にベートーヴェンを聞いてワイン飲んでいると、そのまんまじゃんって自分で思うときも」と笑った。なお、東京公演は、11月11日~12月2日にTBS赤坂ACTシアターにて、大阪公演は、12月7日~10日にオリックス劇場にて、横浜公演は、12月22日~25日にKAAT 神奈川芸術劇場にて、久留米公演は2019年1月11日~14日に久留米シティプラザにて上演される。
2018年11月11日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■アクマの辞典ハ行【ハ】▶「腹黒女」(はらぐろおんな)…女から見て気に入らない女は全部「腹黒」ということになる今回のテーマはハ行から「腹黒女」だ。腹黒とは、表面上は白を装いながら、その振る舞いは全て自分の利益のためという、腹の中は真っ黒のイカみたいな奴のことである 。しかし、デキ婚のことを本人たちや新婦の親が「授かり婚」と言い変えたりするように、腹黒女たちは自分たちのことを「腹黒」などと言ったりはしない。何と言うのか?「あざとかわいい」だ。これは「なんでもヤバいと言っておけばいいと思ってるだろ」と怒られるの承知で「ヤバい」と言うに等しいパワーワードだ。ちなみに「パワーワード」も最近、多用されすぎの思考停止用語としてよく怒られる。つまり二倍怒られてでも使いたい「ヤバいパワーワード」=「あざとかわいい」なのだ。読んで字の如く、計算しつくされた、あざといファッション、メイク、しぐさをしつつも、男にはそのあざとさを勘づかれてない、もしくは「もう、あざといんだから!」と言われながら飯を奢られている女のことである。昔からよくいるブリっ子じゃねえかと思うかもしれないが、本物のあざとかわいい女はバカを装ったりしない。なぜなら、それが何の得にもならないとわかっているからだ。「バカを装え」は女の鉄板モテテクであり、合コン「さしすせそ」などその代表だろう。確かにそれがヤリコンだというなら、前戯から後戯まで「すごーい」だけでよく「さしせそ」すら不要なのだが、真面目な結婚をしたい女に対して、婚活コンサルタントが「バカを装え」とアドバイスしているところもあるというから驚きである。そこがペットショップなら「バカそうだけどクソカワイイ」で決めても良いと思うが、結婚相手として「バカ」かどうかで女を選ぶ男はそれ以上のバカか「バカだから操りやすい」と思っているかのどちらかだ。もちろんホンモノのバカの方でいらっしゃるなら、そのようなお相手と結婚しても「ベストマッチング」かもしれないが、コンサルのアドバイスに盲従し「バカを装って」結婚した場合、その相手はちょっと口答えしたり自分の意見を言ったりしただけで怒りだす可能性が非常に高い。「バカ(自分より下)と思って結婚した」のだから当然だ。それも、カワイイだけのバカ女が1人、2人肩に乗っていても余裕で歩ける、むしろちょうどいいハンデという、手足に重りをつけて生活しているサイヤ人のような真の高スペック男ならまだ良いかもしれないが、そこまでの甲斐性もなく「バカな女(共働き必須)希望」の男はもはや結婚相手を探しているとも言い難く、素直に「お母さん希望」と言ってくれたほうが助かる。よってモテるために「バカを装う」というのは、そういう男を寄せ付ける「雑魚モテ」をするだけである。本当に「あざとかわいい」女はそんなことはせず、むしろ平素は「しっかりした女」、ともすれば「1人で生きていける女」のようにふるまうという。それでは男を寄せ付けないと思われるかもしれないが、もちろんツッパリ倒した女ではなく、弱みやバカさも見せる、ただその弱みやバカさを見せる相手を「厳選」するのだ。そうすれば相手は「俺にだけ本当の自分を見せてくれている」「頼られている」思うのである。あざとかわいい女は「一本釣り」なのだ。いらぬ雑魚に時間をかけないのが、その「あざとさ(頭の良さ)」の所以である。【ハ】▶「腹黒女」(はらぐろおんな)…女から見て気に入らない女は全部「腹黒」ということになる【ヒ】▶「姫扱い」(ひめあつかい)…王族に生まれなくても高いシャンパンを入れればなれる、良い世の中【フ】▶「不意打ちキス」(ふいうちきす)…性犯罪【ヘ】▶「平成」(へいせい)…自分が平成だったら二十代のうちに終わらせてほしかったと思う【モ】▶「モラハラ男」(もらはらおとこ)…「間違ってるお前」を正しにやってきた間違ってる男プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2018年11月07日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第17回アクマの辞典カ行【カ】▶「格差婚」(かくさこん)…した瞬間に「上手くいきっこない」の呪いをかけられる今回のテーマは「カ行」から「格差婚」である。みなさんは「格差婚」と聞いて何を思い浮かべるだろう、『永遠にともに』だろうか。このように「格差婚」というのは、女の収入が男のダブルスコア以上だったり、女はハリウッド女優のようで豹を飼っているが、男はネルシャツをパンツインしてヤモリとルームシェアしている場合だったりと「女のレベルが男より遥かに高い」時に使われているような気がする。それも「ハイスペックな女」と結婚したのだから「ハイスペック婚」と呼ばれても良いようなものだが、何故かそうは言われない。おそらくこれは「男の収入は女より上で当たり前」なる考えが残っているからだろう、よって「女がハイスペック」という部分に焦点を当てず「男が女より格下」という部分をフィーチャーした「格差」などという厳しい言葉が使われている気がする。割と女に対しても男に対しても失礼な言葉であるしかし、世間の「なんか気に入らねえと思われてる度」からすると、ハイスペック婚も、格差婚も大差はない。「ハイスペック婚」は「上手いことやりやがって地獄に落ちろ」と思われているし、格差婚は「女の下でヘラヘラしやがって恥知らず地獄に落ちろ」と思われている。つまり両方、ゴートゥーヘルを願って止まれない関係である、この辺は男女平等なので安心できる。このように、男が上だろうが女が上だろうが、お互いに差がありすぎる結婚は、妬みの対象であり好奇の目にさらされる関係である。そして決まってこう言われる「どうせ長続きしない」と。もちろん全ての格差婚が上手くいかないわけではないが、“永遠にとも”にいなかった例も多いので格差が別れを招く可能性はある。しかし「部屋が暗い時、諭吉に火をつけて灯り代わりにする」など、第一次世界大戦中の成金みたいな金銭感覚と価値観についていけねえ、という場合もあるが、格差離婚の原因は、その格差に対し「俺の嫁は稼いでいてすごい」と認められるか「こいつは稼いでいることを鼻にかけて俺を見下している」と卑屈になるかの違いだという。また稼いでいるほうも「自分がこれだけ働けるのは夫のおかげ」と感謝するか「こいつは私が食わせてやっている」と見下すかでは大きな違いがある。つまり、どっちのスペックが上だろうが下だろうが、リスペクトがなければ上手くいかないということである。また、どこを買うかも人によって違う「こいつは無職のヒモ野郎だが、野菜にすら“さん”づけするところが推せる」ということもある。それを、たかだか収入や社会的地位、容姿の差だけでお他人様の結婚を「格差」呼ばわりするのは良くない。そんな言葉で自分の妬みをオブラートに包むぐらいならドストレートに「なんか気にいらねえ婚」と言ってしまったほうがいい。【カ】▶「格差婚」(かくさこん)…した瞬間に「上手くいきっこない」の呪いをかけられる【キ】▶「聞き上手」(ききじょうず)…聞いているフリが上手い人【ク】▶「黒歴史」(くろれきし)…自分の歴史のみならず「あいつとつきあったのは黒歴史」と他人の歴史の一部になっている場合がある【ケ】▶「ケチ」(けち)…そいつはケチな男じゃない、君に金を使いたくないだけだ【コ】▶「小室哲哉」(こむろてつや)…彼の人生に文句を言うより、曲を聞いたほうがとても有意義プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2018年09月06日稲垣吾郎さんが天才ベートーヴェンを演じる舞台「No.9-不滅の旋律-」が、初演から3年を経て遂に再演が決定しました。 2018年11月11日(日)~12月2日(日)のTBS赤坂ACTシアターでの公演を皮切りに、大阪、横浜、久留米を巡演します。劇的な半生を送ったベートーヴェンが主人公「No.9-不滅の旋律-」は、作曲家としても人としても劇的な半生を送ったベートーヴェンが主人公です。 最後の交響曲「第九番」までベートーヴェンが生き抜いた、波乱と苦悩の人生を新しい視点と意欲的な演出・音楽表現で描き、絶賛を浴びた作品です。白井晃さんが演出を担当ストリートプレイから音楽劇・ミュージカル・オペラまで幅広く手がける白井晃さんが演出を担当します。 脚本は中島かずきさん(劇団☆新感線)、そして音楽監督は三宅純さんが担当します。「No.9-不滅の旋律-」で演じる豪華俳優陣稲垣吾郎稲垣吾郎さんは、劇的な半生を送った作曲家・ベートーヴェンを演じます。剛力彩芽ベートーヴェンを支える女性、マリア・シュタインを演じるのは剛力彩芽さん。そのほか、片桐仁・村川絵梨・鈴木拡樹・岡田義徳・深水元基・橋本淳・広澤草・小川ゲン・野坂弘・奥貫薫・羽場裕一・長谷川初範など、豪華な俳優陣が出演します。「No.9-不滅の旋律-」公演詳細日程■東京公演2018年11月11日(日)~12月2日(日)■大阪公演2018年12月7日(金)~12月10日(月)■横浜公演2018年12月22日(土)~12月25日(火)(追加公演)2019年12月25日(火)13:00~■久留米公演2019年1月11日(金)~1月14日(月・祝)(追加公演)2019年1月12日(土)13:00~会場■東京公演TBS赤坂ACTシアター■大阪公演オリックス劇場■横浜公演KAAT神奈川芸術劇場<ホール>■久留米公演久留米シティプラザ<ザ・グランドホール>チケット先行発売・ACTオンラインチケット公式HP:ACTオンラインチケット・キョードー東京公式HP:キョードー東京・イープラス公式HP:イープラス・CNプレイガイド公式HP:CNプレイガイド作品情報演出:白井晃企画制作:TBS特別協賛:木下グループプロデューサー:熊谷信也お問い合わせ先公式HP:木下グループpresents No.9-不滅の旋律-天才作曲家の波乱の人生「No.9-不滅の旋律-」を観劇しよう再演が決まった「No.9-不滅の旋律-」は新たなメンバーの参加が決定し、さらに期待が高まっています。 天才作曲家の波乱の人生と、彼が生み出した珠玉の調べが響き合う交歓のシンフォニーを観劇しに行きましょう。
2018年08月30日稲垣吾郎があの有名な音楽家ベートーヴェンを演じる舞台「No.9 ー不滅の旋律ー」が、初演から3年の時を経て、11月よりついに再演されることが決定。初共演となる剛力彩芽のほか、片桐仁、鈴木拡樹らキャストも発表された。作曲家として、人間として、劇的な半生を送ったベートーヴェンは、最後の交響曲「第九番」まで、どんな時間を生きたのか――。2015年に初演を迎えた本舞台は、その波乱と苦悩の人生を、新しい視点と意欲的な演出&音楽表現で描き、絶賛を浴びた。■稲垣吾郎、再びベートーヴェンに!今回の再演でベートーヴェンを演じるのは、もちろん稲垣さん。初演では幼少期の父親からの暴力、母の死、貧困と孤独、報われぬ想い、そして音楽家にとって致命的ともいえる聴覚障害と多くの困難に見舞われ、偏屈な激情家と化した天才が持つ人間味溢れる様々な面を全身全霊で熱演した。今回の再演に関して「夢のようで嬉しい」と喜んだ稲垣さんは、「この『No.9』は、俳優としてさらに舞台が好きになった作品でもありました。演出の白井さんの頭の中と、ベートーヴェンの頭の中が、一気に劇空間となって表れた作品だと思っています」と思いを述べ、「今回は約半分が新キャストですが、舞台はキャストが1人変わるだけでも全く違うものになるので、前回ご覧になった方にも楽しんでいただけると思います。僕も3年ぶりで、成長していますしね」とコメントしている。■剛力彩芽、稲垣吾郎と初共演また、初演では大島優子が演じたベートーヴェンを支える架空の人物マリアには、「家政夫のミタゾノ」など女優として活躍する中、番組の司会も務め、近年活動の幅を広げる剛力さん。「まだ実感が湧いていない」と心境を明かす剛力さんは、「緊張もありますが、舞台は大好きなので、お話をいただいた時はすごく嬉しかったです」と語る。また、「稲垣さんは、お芝居でご一緒するのは初めてです。お稽古でしっかりぶつかっていきながら、そこで生まれるものを大事にしていきたいです。私の演じるマリアはベートーヴェンを支える女性でもありますので、私もそうなれるように頑張りたいと思います」と意気込みを語っている。■ほかにもキャストが決定さらにベートーヴェンの弟、ニコラウス役には「刀剣乱舞」「煉獄に笑う」など舞台を中心に活躍する鈴木拡樹。片桐仁がヨハン・ネポムク・メルツェル、小川ゲンが次弟の息子カール・ヴァン・ベートーヴェン役で続投するほか、村川絵梨、岡田義徳、深水元基、橋本淳、広澤草、野坂弘、奥貫薫、羽場裕一、長谷川初範らが参加することも決定。そして、演出は白井晃、脚本は「劇団☆新感線」座付き作家・中島かずき、音楽監督は三宅純と最強トリオが今回も手掛ける。なお、東京公演の一般チケット一般発売は、7月28日(土)を予定している。STORY1800年のウィーン。作曲家ベートーヴェン(稲垣吾郎)は聴覚障害に犯され始めていた。音楽と孤独に向き合い、身分の差から愛する人ともうまくいかず、その心は荒んでいく。しかし、ピアノ工房で出会ったマリア(剛力彩芽)や弟たちをはじめとする周囲の人々との触れ合いが、彼に変化をもたらし始める。国の情勢が刻々と変化していく中、ナポレオン軍の敗北をテーマとした曲「ウェリントンの勝利」で成功を収めたベートーヴェンは、頭の中に鳴り響く音楽をひたすら楽譜に書き留め、名曲を生み出していく。その一方で、苦しい幻影には悩まされ続けていた彼だが、そんな自分を自覚しながらも、自ら後見人となった次弟の息子カールに、自分の音楽の全てを託そうと異常なまでに執心してしまう。そして迎えた「第九」の演奏会。その創造的な試みに対する聴衆の反応は、彼の耳に届いたのか。ベートーヴェンが生涯を賭けて問いかける本当の芸術とは――。木下グループpresents「No.9 ー不滅の旋律ー」東京公演は11月11日(日)~12月2日(日)TBS赤坂ACTシアターにて上演。大阪公演、横浜公演は12月、久留米公演は2019年1月に上演予定。(cinemacafe.net)
2018年06月07日「惡の華」「ぼくは麻理のなか」など、近年映像化が続く漫画家・押見修造。7月には、彼のルーツが詰まった「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の実写化作品が公開を迎える。ヒット作が次々と映像化、人々を魅了させるその理由とは一体…?今回、公開を控える映画と彼の作品の魅力に迫ってみたい。■“こじらせた青春”を描かせたら右に出る者なし!?2002年に「真夜中のパラノイアスター」でデビューし、ボードレールの詩集を愛読する少年が、強烈な自我をもつ同級生の少女と交流していくなかで、思春期特有の屈折した自分探しをしていく様を描いた「惡の華」が高く評価され、その名が広まるようになった押見氏。物語の展開の巧みさ、押見氏がこだわる表情の繊細な描き込みは、役者や映画監督、クリエイターたちからも絶大な支持を得、本作はTVアニメ化。さらに、「漂流ネットカフェ」「ぼくは麻理のなか」はドラマ化、そして、「スイートプールサイド」は須賀健太ら出演で映画化され、彼の作品は映像化が続いている。誰しもが経験し、過去に葬ってきたであろう痛い思春期を描き続けてきた押見氏。そんなトラウマを掘り起こすかのように、人間の内面を生々しく描き出す作風が、制作側の創作魂を刺激し、また読者たちは自分を重ねつつ、自然とその世界観にハマってしまうのだろう。■実体験を下敷きに…「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」そして、2013年のアニメ版も話題となった押見氏の代表作「惡の華」と並び、“もうひとつの最高傑作”とファンの間で言われるのが、7月14日に実写映画が公開となる「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」。「惡の華」とは正反対のテイストだが、実はこの2つは同時期に執筆されていたという。他作品とは比べ物にならないくらいに自身の経験を下敷きに描かれたこの「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の主人公は、吃音により自分の名前すら上手く話すことができない高校1年生の大島志乃。母音からの発音が苦手という設定や、クラスの自己紹介で笑い者になってしまう場面は、押見氏自身の実体験を基に描かれている。また、本作を執筆するにあたりインスピレーションを受けたのが、2001年公開のソーラ・バーチとスカーレット・ヨハンソンが共演した映画『ゴーストワールド』だという押見氏。高校を卒業したばかりのはみ出し者の少女2人の鬱屈した日常を描いた青春物語は、志乃と加代のキャラクター設定にも影響を感じさせる。■「誰にでも当てはまる」共感できる作品また押見氏は、「吃音でなければ漫画家になれなかったかもしれない」とも。吃音があったからこそ人の表情から感情を読み取ることが得意になり、キャラクターの表情を描く際の力に変え、自分の言いたいことが伝えられないもどかしさの反面、それを漫画という形で爆発させることができたという。だが一方で、“吃音漫画”ではなく、「誰にでも当てはまる物語にしたかった」という強い押見氏の意向から、漫画・映画共に作品内では意図的に「吃音」や「どもり」という言葉は使用されておらず、実際に幅広い年齢層の読者から「共感した」「勇気をもらった」などといった絶賛の声が寄せられている。■実写版にも原作者のこだわりが…そして今回、はじめて押見作品に触れる導入作品としてもおすすめの本作を、「ワカコ酒」「リピート~運命を変える10か月~」などを手掛ける湯浅弘章監督がメガホンをとり実写化、7月14日(土)に公開される。志乃と加代役には、「nicola」専属モデルであり、『幼な子われらに生まれ』で女優デビューを果たした南沙良と、『三度目の殺人』『友罪』と話題作に出演する蒔田彩珠。本作が初主演となる2人が披露する歌声やギター演奏も見どころの一つとなっている。ほかにも、同級生の男子・菊地役に萩原利久、さらに渡辺哲、山田キヌヲ、奥貫薫ら実力派が脇を固める。そんな話題の実写化で押見氏がこだわったのは、登場人物たちがCDを貸し借りするシーンの“楽曲”のセレクト。志乃と加代の同級生、菊地の好きな音楽として、キャラクターの精神性を表すために少しメジャーから外れた「ニルヴァーナ」や「ムーンライダーズ」、「ダイナソーJr.」を使ってほしい、と撮影に入る前に監督に指定したのだ。学生時代、音楽にのめり込んでいたという押見氏のこだわりが、映画にも反映されている。押見氏が感じたリアルな青春の痛みと微かな希望が映し出された、原点とも言える「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」。ファンはもちろん、押見作品初心者も、押見氏自身大満足の出来だという実写映画で、その世界観に浸ってみてほしい。『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』は7月14日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2018年06月06日大勢の学生や仕事を終えた会社員たちが、ひっきりなしに行きかう東京・渋谷の繁華街を、ゆったりと歩いていたのは女優・八千草薫(87)だった。 彼女が入っていったのは、いまはやりの“肉バル”。おいしい肉をおしゃれに、かつ豪快に食べられるのがセールスポイントのレストランだ。87歳という年齢と肉バルは、ややミスマッチにも思えるが、あるテレビ局関係者は言う。 「連続ドラマ『執事西園寺の名推理』(テレビ東京系)の打ち上げが行われたのです。『執事〜』では、上川隆也(53)が演じる“完璧すぎる執事”と、彼が仕える優雅で上品な“奥様”が、殺人事件に直面していきます。2人の絆も効果的に描かれていて、視聴率も好評です」 本誌が八千草を目撃したのは5月21日だったが、彼女が入店した直後、主演の上川が、個人事務所の社長を務める19歳年下の妻を伴って打ち上げ現場に到着した。ドラマ収録の様子について、制作関係者は次のように語る。 「八千草さんが収録現場に入ったとたん、その場にいい意味での緊張感が生まれるんです。場が締まるという感じでしょうか。八千草さん自身は、ゆったりとした雰囲気をまとっているのに、進行は流れるようにスムーズになるのが不思議でした」 出演者たちにとって八千草はアイドル的存在でもあったという。出演者の1人であり佐藤二朗(49)は、こんなツイートを。 《最初のご挨拶で「初めてご一緒させて頂けるのに最初の僕の台詞、“おばあちゃん、なぁおばあちゃん”で申し訳ないです」と言ったら、「だっておばあちゃんだもの」と満面の笑みを返された時、完全に胸を射抜かれた》(5月11日付) 大ベテランにも関わらず、気さくに打ち上げにも参加していた八千草の姿にも新鮮な驚きを感じたが、所属事務所の担当者は次のように語った。 「『作品は、仲間みんなでつくるもの』というのが、八千草のスタンスです。彼女は『最後まで、仲間たちと時間を共有したい』と、常に考えているのです。だから映画やドラマの打ち上げにも、いつも参加させていただいています。もちろん若い方たちのように3次会で朝まで、といったことまでは難しいのですが」 打ち上げは皆勤を目指すというのが、八千草の女優哲学なのだという。 この日、1次会終了後に帰路についた彼女だったが、顔には満足そうな笑顔が浮かんでいた。“仲間たちと過ごすひととき”も、彼女が壮健であり続ける理由なのかもしれない。
2018年05月31日