コミック原作のラブコメディ映画『私がモテてどうすんだ』が全国公開中だ。この度、吉野北人、神尾楓珠、伊藤あさひ、奥野壮のキャスト4人のオフショット写真が公開。また、4連休限定プレゼントキャンペーンが決定した。『私がモテてどうすんだ』は、自分の恋よりもイケメンたちのカップリングに萌える妄想大好き女子が、ある日激ヤセして超絶美少女になり、学校のスーパーイケメン4人から、突然モテまくってしまうというストーリー。出演は、スーパーイケメン4人組に『HiGH & LOW THE WORST』の吉野北人(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)、『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』の神尾楓珠、 『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の伊藤あさひ、 『仮面ライダージオウ』の奥野壮(男劇団 青山表参道X) と、若手俳優が集結。ヒロインを二人一役で演じるのは、E-girlsの山口乃々華と、『美食探偵 明智五郎』の富田望生。この度公開されたのは、彼らの私服でのキメショットと、仲良く肩を寄せ合う制服ショットの2枚。キャストたちの撮影現場での仲の良さはこれまでにも伝えられているが、今回のオフショットでは、さらにプライベートな雰囲気を感じさせる。また、決定した【インスタ限定】4連休に観なくてどうすんだ!半券キャンペーンは、7月23日~26日の4連休の期間中、本作の半券を写真に撮りハッシュタグ「#私モテ観なくてどうすんだ」を付けてInstagramに投稿すると、抽選で豪華賞品が当たるというもの。詳細は公式サイトのニュースページ( )で確認できる。『私がモテてどうすんだ』公開中
2020年07月20日THE RAMPAGE from EXILEのボーカル・吉野北人が主演を務め、E-girlsの山口乃々華、女優の富田望生が二人一役でヒロインを演じた映画『私がモテてどうすんだ』が、現在公開されている。ぢゅん子作で第40回講談社漫画賞・少女部門を受賞、累計300万部突破で2016年にはテレビアニメ化もされた人気少女漫画を実写化した同作は、ヒロインがBL=Boys Loveを妄想するのが大好き! というオタク女子で、4人のイケメン(吉野北人、神尾楓珠、伊藤あさひ、奥野壮)がヒロインのために奮闘する姿が描かれるなど、異色の恋愛映画となっている。今作で初主演を果たし、ヒロイン・花依(山口/富田)の所属する史学部の部長のサブカル系先輩・六見遊馬を演じた吉野と、ツンデレ系後輩・四ノ宮隼人を演じた奥野にインタビュー。互いの印象や作品の見どころなどについて話を聞いた。○■最初は互いに「どうしよう」――皆さん、撮影を通してすごく仲良くなったということですが、お二人はお互いにどんな印象でしたか?吉野:壮は無口な感じだったので、「何を喋ろうかな」と思いました。でも話してみたらめちゃめちゃいい人で、すごくしゃべりやすかった。奥野:僕も北人くんに同じような印象で、最初はお互い何もしゃべらなかったので、「どうしようかな」と思って……。吉野:確かに(笑)。奥野:撮影していくうちにどんどん気楽にしゃべれるようになりました。吉野:あんまりきっかけはなくて、自然に仲良くなっていったよね。もしかしたら、一緒にいて1番落ち着くかも奥野:やったあ!!吉野:こういう性格なので(笑)。――神尾さん、伊藤さんによると、奥野さんは「年下だけど、1番しっかりしてるんじゃないか」と。吉野:しっかりしてるし、甘えてくるようなところもあって、そのギャップがまたいいんですよ。奥野:多分みんなが仲良くなれたのは、楓珠君とあさひ君がいたから。彼らはわちゃわちゃ系で、僕らはそんなにしゃべらない方なので、2人がいたから僕らも自然に仲良くなれたんじゃないかなと思います。――吉野さんは天然系だという話も伺いました。吉野:確かにね。奥野:向こうにもいますけどね、あさひ君が(笑)。吉野:撮影の時は六見という役が身体にしみついていたので、休憩中も「六見じゃん」とずっと言われていたんですよ。だから、本当の僕じゃないですね(笑)。奥野:(笑)――逆に、お二人から見た神尾さん、伊藤さんの印象はいかがですか?奥野:楓珠くんの第一印象は「クールな人」でした。ただ、話していくとどんどん印象が変わって、一緒にはっちゃけてくれるお兄さん。あさひ君は天然が入ってて、ラジオにも一緒に出演したんですけど、「そんなところでそんな言葉が出てくるんだ」というくらい、発言が面白い人です。――奥野さんが『仮面ライダージオウ』、伊藤さんが『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』と同じ時期に出演されていて、面識はあったんですよね。奥野:その時はほとんど喋れなかったので、「怖い人なのかな?」とも思っていました。一気に仲良くなれたので嬉しいです。吉野:楓珠は『HiGH&LOW THE WORST』からの付き合いなんですけど、第一印象は……しゃべりかけづらい(笑)。何を考えているのかわからないので、クールな人だなと思っていました。でも意外とボケたりして、無邪気な青年という印象に変わりましたし、一緒にいて楽ですね。あさひは今回初共演だったんですけど、第一印象では声が特徴的だと思いました。(撮影に入る前に脚本を読み合わせる)ホン読みで最初に会った時に、「声がいいな、声優さんみたいだな」というところから始まって。しゃべってみたら本当に明るいし、色んな要素をもった人だなと思いました。奥野:あさひ君1人が現場にいるだけで、空気が明るくなりますよね。○■顎クイもお手の物?――この作品は普通の恋愛映画じゃない、面白さがあると思いましたが、完成作を見ての感想は?吉野:すごく振り切ってる。試写を見た方に感想もいただいたんですけど、「笑えて面白かった」という声が多かったです。少女漫画で王道のキラキラした世界観だけじゃなくて、笑える要素がいっぱい入っていて、面白いなと思います。奥野:他にやらないようなBLカットもそうですし、4人のイケメンたちが必死になって1人の男の子を追いかけて……間違えた(笑)。吉野:BLじゃん!(笑)奥野:1人の女の子を追いかけてる図が、キュンキュンもするけど、コメディの要素が強い。こういう恋愛映画は、若い女性が主な視聴層だと思うんですけど、それだけでなく、色々な方が楽しめる映画になっていると思いました。――吉野さんは映画『貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-』の顎クイ、アゴイソギンチャクに続き今作でも顎クイされるシーンがありましたが……。奥野:お手の物でしたよ。吉野:もう免疫がついたというか、「クオリティを上げてやろう」みたいな(笑)。奥野:楽しんでましたよね(笑)。「もっとこうした方が!」って。――そこは作中と同じノリなんですね。今回ヒロインが”オタク女子”ですが、どんなところが魅力でしたか?奥野:好きなものを好きなだけ、好きにやっているところがいいと思います。素敵だと思います。吉野:それだけ熱中できるものがあるというところは、すごい。僕はオタクレベルで好きというものがないので、”出会ってしまう"ことがすごい。そのぐらいの一途さ、まっすぐさが素敵だなと思います。すごいですからね、花依ちゃんは。自分が生きてて、そんなにハマることがあるかな?――花依レベルまでいかないけど、お二人がハマったものはなんですか?奥野:漫画です。幼少期からずっと『週刊少年ジャンプ』を読んでいます。今は『ワールドトリガー』に夢中。1番続きが気になる漫画でアニメ化もされてますね。吉野:アニメ化されてるんだ? 観てみよう。奥野:めちゃくちゃ面白いですよ!吉野:でも鬼滅(『鬼滅の刃』)のイメージもある。善逸のイメージ。奥野:鬼滅もすごい好きだよ!――吉野さんも炭治郎に似てると評判だそうですよね。吉野:最近よく言われるので、ちょっと仮装してみようかなと思ってます。1回本気で、服装とか髪型も合わせてやってみたいです。僕自身のハマったものは……外出自粛期間中、今まで観ていなかったドラマや映画を観ようと思って、韓国ドラマにはまりました。『梨泰院クラス』と『愛の不時着』。奥野:僕も観た!吉野:「なるほど……いいな!」と。奥野:めっちゃいいよね。吉野:男の人もかっこいいし、日本にはないテイストがまたちょっと刺さって、韓国系にハマってしまい、最近では韓国語も勉強しています。奥野:うわ~お!吉野:どんな反応?(笑)奥野:結構なレベルだね!吉野:結構ハマってるね(笑)。韓国語、プラス英語! 英語は絶対やろうと思ってたので、自粛期間中に英語と韓国語は1日1回は勉強してて、継続していきたいです。奥野:大事!――最後に、4人の中でのお二人の”推しキャラ”を教えてください。奥野:僕は、1番内面も見ている六見先輩。他の3人は花依ちゃんの外見で惹かれて、最後には内面にも惹かれていったけど、六見先輩はずっと花依ちゃんのことを花依ちゃんとして見てるので、1番素敵だと思います。吉野:僕も六見です。一途で真っ直ぐだし、ピュアだから、一緒にいたら幸せになれそう。浮気もしないと思います!■吉野北人1997年3月6日生まれ、宮崎県出身。2014年に結成したダンス&ボーカルグループTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカルを担当。映画出演作は『PRINCE OF LEGEND』『HiGH&LOW THE WORST』(19年)、『貴族降臨 PRINCE OF LEGEND』(20年)。本作品で初主演を果たす。■奥野壮2000年8月21日生まれ、大阪府出身。第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストW受賞。男劇団 青山表参道Xのメンバーとしても活躍。18年『仮面ライダージオウ』でテレビ初出演にして主演を果たす。同シリーズ劇場版でも主演を務め、他にテレビドラマ『柳生一族の陰謀』『ピーナッツバターサンドウィッチ』(20年)などに出演。舞台「るろうに剣心」出演(20)、主演映画「灰色の壁」公開予定(21)。
2020年07月19日映画『すばらしき世界』が、2021年2月11日(木・祝)に全国公開される。西川美和監督最新作、直木賞作家・佐木隆三の小説「身分帳」が原案『蛇イチゴ』『ゆれる』など、これまでオリジナルにこだわり続けてきた映画監督・西川美和。『すばらしき世界』は、西川にとって、キャリア初となる小説を基に製作にした濃密な人間ドラマだ。原案となるのは、小説「復讐するは我にあり」で直木賞を受賞した佐木隆三が、1990年に刊行した「身分帳」。映画では、舞台を約35年後に移し、現代の物語としてリアルに映し出す。小説「身分帳」とはー人生の大半を獄中で暮らした男には、戸籍がなかった。出所して改めて日常社会と向かい合い、純粋な魂の持ち主であるこの人物はどう生きたか。彼に代ってその数奇な“身分帳”(刑務所内の個人記録)を精緻に構成して、鮮烈な文学作品に結実させた労作。主演は役所広司ストーリーの主人公は、人生の大半を刑務所で過ごし、社会から“置いてけぼり”を食らいながらもまっすぐ過ぎる三上という男。演じるのは、日本を代表する名優・役所広司だ。2018年公開の主演映画『孤狼の血』では、『Shall we ダンス?』『うなぎ』に続き、自身3度目の日本アカデミー賞・最優秀主演男優賞受賞。圧巻の演技力で、国内外から高い評価評価を受ける役所は、『すばらしき世界』について下記のようにコメント。役所広司コメント三上という得体のしれない男の役を頂きました。面白さと難しさを感じました。今日撮影したシーンを明日撮るシーンの手掛かりにしながら、最後までこの男はどんな人間なんだろう?と自分に問いかけていました。人生のほとんどを刑務所の中で過ごした男が出所してから見た私たちの世界は、本当にすばらしい世界なんだろうか?タイトルの『すばらしき世界』をお客様がどのように感じるのか?楽しみです。脇を固める豪華キャスト陣作品のカギを握るキャストにも、名実ともに豪華な面々が勢揃い。三上が自らテレビ局へ送った、刑務所内の個人台帳である「身分帳」を手にするテレビディレクターは、『タロウのバカ』『泣く子はいねぇが』出演の仲野太賀。また、三上が更生してゆく様子をテレビ番組にしようと、獲物を狙うように近づくテレビプロデューサーは、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』『MOTHER マザー』など、立て続けに出演作の公開を控える女優・長澤まさみが務める。その他、橋爪功や梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、安田成美らが名を連ねる。第45回トロント国際映画祭正式出品なお映画『すばらしき世界』は、北米最大の国際映画祭である「トロント国際映画祭」正式出品が決定。西川監督作品の中で本映画祭への出品は3作品連続の快挙となる。ストーリー下町の片隅で暮らす短気ですぐカッとなる三上は、強面の見た目に反して、優しくて真っ直ぐすぎて困っている人を放っておけない男。しかし彼は、人生の大半を刑務所で暮らした元殺人犯だった。一度社会のレールを外れるも何とか再生しようと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンの津乃田と吉澤がすり寄りネタにしようと目論むが…。三上の過去と今を追ううちに、逆に思いもよらないものを目撃していく―。【詳細】『すばらしき世界』公開日:2021年2月11日(木・祝)監督:西川美和脚本:西川美和出演:役所広司、仲野太賀、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、長澤まさみ、安田成美原案:佐木隆三著「身分帳」(講談社文庫刊)配給:ワーナー・ブラザース映画
2020年07月11日俳優の奥野壮が、映画『灰色の壁~歯車~』(2021年春公開)に主演することが9日、明らかになった。同作は、平成初期の埼玉を舞台に、実話を基に作られたヒューマンドラマ。 バブルが崩壊した暴力団対策法直後、最後の縄張りを死守する暴力団と、自由に街を牛耳る若者たちがいたが、若者の抗争は日に日にエスカレートしヤクザを凌ぐ勢力と化す。暴走する者は次々と少年刑務所に送り込まれ、そこには排他的なルールが待ち構えていた。主演の奥野は今回、暴走族のOBでとあるきっかけから少年刑務所に送り込まれてしまう青年・吉田正樹を演じる。今作では今までの好青年のイメージとは打って変わってリーゼント姿と実際に散髪した坊主姿を披露している。○奥野壮 コメントこの作品のお話を最初にいただいた時、是非やってみたい! と強く思いました。実話に基づいた作品というのは経験が無かったし、元々こういう1人の人間の歴史のようなものを演じてみたかったので願っても無いチャンスだと思いました。また、お芝居の中で坊主になるというのは光栄なことで、今回こうして作品を通して自分のやってみたいことができているというのは幸せなことだと思います。坊主になってから頭が芝生みたいに気持ちが良くて1日5回は頭を撫でています笑。今は気がつくと、別の取材でうまく笑えなくなっている程、無意識に役に入り込んでいます。僕が演じるこの作品の主人公の繊細な心情の変化を丁寧に表現出来たらと思っています。ご本人とも当時どんなことを感じていたか、摺り合わせさせていただき、監督とも意見交換をしながら真摯に役に向き合えているので、今から公開が楽しみですし、皆さんにも是非、この髪型の変化だけでなく、作品のメッセージをしっかりと届けられたら嬉しいです。
2020年07月09日佐木隆三の小説「身分帳」を原案に、西川美和監督がメガホンをとる映画のタイトルが、このほど『すばらしき世界』に決定。役所広司、仲野太賀、長澤まさみらキャストも明らかになった。「今度こそ、まっとうに生きる!」13年の刑期を終えた三上を待っていたのは、目まぐるしく変化する想像もつかない世界だった。三上に近づき、彼の姿を面白おかしく番組にしようする2人の若手テレビマン。まっすぐ過ぎるが故にトラブルばかりの元・殺人犯が、いつしか彼らの人生を変えてしまう――!?これまで、一貫してオリジナルにこだわり続けた西川監督が、初めて実在の人物をモデルとした小説を基に、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑む。本作の主演を務めるのは名優・役所広司。人生の大半を刑務所で過ごし、まっすぐ過ぎる性格とどこか憎めない魅力で周囲の人々と繋がっていく三上役を演じる。「いつか西川監督作品に参加したいと思っていました」と語る役所さんは、今回の役どころについて「得体のしれない男の役」と語り、「今日撮影したシーンを明日撮るシーンの手掛かりにしながら、最後までこの男はどんな人間なんだろう?と自分に問いかけていました」と難しさを感じていたという。また、三上がテレビ局へ送った刑務所内の個人台帳「身分帳」を手にするテレビディレクターを仲野太賀。三上が更生していく様子をテレビ番組にしようと近づくテレビプロデューサーを長澤まさみ。ほかにも、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、安田成美ら豪華キャストが揃っている。「約30年前の小説ですが、これほど『人間と世間』を面白く描いた物語が埋もれていたとは、と映画化を決意しました」と語った西川監督は、「主人公に役所広司さんを迎え、その男のやり直しの日々を現代に置き換えました。生々しくも温かい物語性と、役所さんの凄まじい人間的魅力に引っ張られ、濃密な人間ドラマが仕上がったと思います」と完成へ自信をみせている。『すばらしき世界』は2021年春、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2020年07月08日男性エンターテインメント集団・男劇団 青山表参道Xの栗山航、塩野瑛久、西銘駿、飯島寛騎、奥野壮、村上由歩、小沼将太、定本楓馬、中村嘉惟人、松本健太が2日、品川プリンスホテルクラブeXで行われた、舞台『ENDLESS REPEATERS -エンドレスリピーターズ-』DVD発売記念イベントに登場した。同作は同劇団の第2回公演で、とある資産家の邸宅に侵入した強盗集団ZOOが壮絶な死を迎えたのちに無機質な会議室で目覚め、作戦会議と強盗劇を繰り返す。ルビー(飯島寛騎、栗山航、小沼将太、立花裕大)、サファイア(西銘駿、塩野瑛久、村上由歩、松本健太)、エメラルド(定本楓馬、中村嘉惟人、湯本健一、長田翔恩)と3チームにわかれ同じ脚本で競演し、水江建太、奥野壮、岩田知樹といった日替わりゲストも登場して上演された。新型コロナウィルスの発生による感染防止のため、観客はマスク着用、ハイタッチ会・握手会の実施を中止しメンバーもマスクを着用してのお見送りになるなど、対応を余儀なくされた同イベント。しかし、メンバーたちが登場すると会場は拍手で包まれた。西銘、飯島、定本がMCを務め、それぞれ近況も報告。「昨日まで舞台『DECADANCE―太陽の子―』やってまして、なかなか疲れておるので、今日の僕のポテンシャルには期待しないでください」とお疲れの様子の塩野には、イベント中も「寝てました!?」「話のトーンがGACKTさんと一緒!」とツッコミが入ることも。「ギターを始めました。バンドの舞台をやっていて、それに感化されて、あいみょんさんのマリーゴールドを練習中です」という定本は、メンバーから「次のイベントで披露しようよ」と提案されるも、「今すぐ(ギターを)目黒川に投げてきます」と意外な回答で驚かせた。舞台に関してのぶっちゃけトークでは、西銘の提案で暗転時の実はカッコ悪い姿を再現し会場は大爆笑。観客からの質問コーナーでは、「自分たちが本当に強盗団になったとしたら何を盗みたいですか?」という質問に飯島が「僕はお金です」と答えると、西銘は「金に誘惑されたらだめだよ? 一生叩かれちゃうから!」と注意。そんな振りを受けた松本は「金ですかね」と答えたが、塩野が「ハート?」と答えると、会場からも「フゥ〜」と歓声があがる。「塩野くんの立ち位置がいつもずるい!」と羨ましがる西銘を尻目に、飯島が「壮ちゃんはお金だもんね?」と振ると、奥野はさらりと「僕、お金っすね」と回答し、西銘は「まともなこと言ってくれよ仮面ライダー! 子供の夢を託してるんだから!」とライダー同士でつっこんでいた。さらにクイズコーナーでは、ハチマキをくじのように引き、黄色チーム(塩野、飯島、村上、奥野、松本)、ピンクチーム(栗山、西銘、小沼、定本、中村)にわかれて対決。「半年前に来た衣装がムチムチになって切れそうです。鍛えすぎて、ベンチプレスが95kgあがるようになった」という栗山のバストのサイズを当てるという問題(出題者:飯島)では、「触って確認するのはありですか?」と挙手した奥野が、見事に「98cmで」と正解した。最終的には、最後の問題で7億点を獲得したピンクチームの逆転勝ちとなり、負けた黄色チームは「会場を笑わせろ」という罰ゲームに挑む。松本が舞台中にあったという「縛って!」というセリフを叫び出し、黄色チームがみんなで松本を縛る……というシュールな感じで終了。最後には全員で舞台のテーマ曲を歌い、会場を盛り上げていた。
2020年02月02日『ゆれる』『ディア・ドクター』『永い言い訳』など、デビュー以来、オリジナル脚本による作品を発表し続けてきた映画監督・西川美和が、作家・佐木隆三の「身分帳」を原案とした作品を手掛けることが分かった。オリジナル脚本のみならず、小説においても直木賞候補に名を連ねるなど、文学界・映画界から熱い視線を送られている西川美和監督が、自ら映画化権の交渉をしてまで挑戦したいと考えた小説「身分帳」。今村昌平監督が1979年に映画化した『復讐するは我にあり』の原作者として広く知られ、実際に起きた犯罪をテーマに小説やルポルタージュを数多く発表してきた作家・佐木隆三が、1991年度第2回伊藤整文学賞を受賞したこの小説は、人生の大半を獄中で暮らした実在する男性がモデル。出所して改めて戻ってきた日常社会に苦労を重ねながらも必死で向き合って生きる、純粋な魂の持ち主の人生を精緻に描いた傑作。今回、本作を映画化するにあたり西川監督は、社会の温かさと冷たさと両面に触れながら少しずつ進んでいく主人公の奮闘に強く惹かれたといい、「佐木隆三さんが書かれた小説は約30年前の日本を舞台にしていますが、もしも今の時代に主人公が出所してきたら、人々はどのように受け止め、彼にはどのような生活が待っているのでしょうか。現在の実情を取材して再検証し、この物語をもう一度届け直したいと考えています」とコメント。自ら手掛けた脚本の中で、原案小説の主人公を現在の社会システムや、いまの日本という日常の中に立ち上がらせ、普遍的な人間ドラマを鋭く深く描き起こしていく。映画のタイトルは未定となっており、10月より製作を開始。公開は2021年を予定している。原案小説「身分帳」は電子書籍版が講談社より配信中。(text:cinemacafe.net)
2019年10月18日平成仮面ライダーのシリーズ20作目にして、令和へバトンを繋ぐ『仮面ライダージオウ』。常磐ソウゴ/仮面ライダージオウを演じる、奥野 壮さんが主演への思いやこの夏公開の『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer(オーヴァークォーツァー)』について話してくれました。ジオウを通して、自分で考えて伝えられるように憧れの存在は、小学校3年生のときに観ていた、瀬戸康史さん主演の『仮面ライダーキバ』。スーツのデザインがかっこいいんです。僕はクラシックバレエを11年間習っていたのですが、プロダンサーになる夢を諦めて喪失感に襲われていたとき、父の勧めでジュノン・スーパーボーイ・コンテストを受け、賞をいただきました。ジュノンボーイ出身の先輩がたくさん出ている仮面ライダーシリーズでチャンスを掴みたいと、このオーディションを受けたんです。デビュー作でいきなり主演なので、お芝居について何も知らず、戸惑いながらでしたが、「俺はできる!」っていう自信だけは、なぜかありましたね(笑)。でも、いま思い返すと、そう自分に言い聞かせないと弱気になりそうだったからかもしれません。実際に、撮影が進むにつれて、自分の演技の未熟さでは表現しきれていないと感じる場面にも遭遇しました。今回の映画は、自分が“ありがたく受け取っていた”はずのものが、“実は奪ったものだった”と気づく物語。当たり前のように信じていたことが実は違った、と打ち砕かれる点は、自分が仮面ライダーを演じる中で感じた挫折や葛藤にも似ていたように思います。それでも仮面ライダーの撮影を通して、自分で物事を考えたり、意思を伝えられるようになった一年でした。共演した押田 岳くん(明光院ゲイツ/仮面ライダーゲイツ)と刺激し合いながら、人間的にも成長できたんじゃないかなと思います。『仮面ライダージオウ』のことは「平成最後」とか、「令和に繋げる」とたくさん言われてきましたが、僕たちはジオウが一番の作品だと思って撮影してきたし、これからもそう思い続ける。令和ライダーになっても、自分たちの作品を一番いいものにするという心意気でつくっていってほしいです。今後はどんな役でも挑戦したいし、どんなジャンルの作品でもお芝居したい。年を重ねるごとに自分の可能性を広げていきたいです。おくの・そう2000年生まれ。男劇団 青山表参道X のメンバー。「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でフォトジェニック賞、明色美顔ボーイ賞をダブル受賞。本作がデビュー作で初主演作。『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』ソウゴたちは、仮面ライダードライブ消滅の危機を救うため戦国時代へタイムトラベル。織田信長と出会い、歴史上の戦いに巻き込まれる。歴史の管理者“クォーツァー”と、仲間だったはずのウォズも立ちはだかって……。原作/石ノ森章太郎脚本/下山健人監督/田崎竜太出演/奥野壮、押田岳ほか丸の内TOEIほか全国公開中。劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 ©石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映※『anan』2019年8月7日号より。写真・TAKA MAYUMI取材、文・栗本千尋(by anan編集部)
2019年08月04日平成最後を飾る劇場版『平成仮面ライダー20作記念仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』。この度、現在放送中の「仮面ライダージオウ」奥野壮、ドラマ「獣になれない私たち」でも話題の「仮面ライダービルド」犬飼貴丈らが登場する本予告映像が解禁された。■カメレオン俳優・滝藤賢一もオリジナルキャラクターで声の出演2016年から「仮面ライダー平成ジェネレーションズ」とタイトルを改め、その人気を不動のものとした本シリーズの最新作にして、平成最後の仮面ライダー劇場版となる本作。2000年に放送を開始した「仮面ライダークウガ」(オダギリジョー主演)から始まった“平成仮面ライダーシリーズ”も現在放送中の「仮面ライダージオウ」までに20作品が誕生しており、その時代を映し出してきた。その集大成ともいえる本作では、映画オリジナルキャラクターである新イマジン・フータロスとしてカメレオン俳優といわれる実力派・滝藤賢一の声の出演が決まったばかりだ。■平成仮面ライダーの歴史が、消される!?衝撃の予告編映像そしてこの度、解禁された映像では、冒頭から燃え上がる炎をバックに佇む20人の平成仮面ライダーが…。彼らが築き上げてきた歴史とそれを背負っていく覚悟を表す象徴的なオープニングだ。しかし、「仮面ライダージオウ」に登場する預言者ウォズ(渡邊圭祐)の「仮面ライダーはテレビの中の絵空事…」という唐突なセリフから、一気に平成仮面ライダーたちが虚構の産物であることを突き付けられる。「仮面ライダージオウ」のポスターを見つめる常磐ソウゴ(奥野壮)と、仮面ライダーグッズが所狭しと並ぶ部屋で仮面ライダービルドの人形をその手で握りしめる桐生戦兎(犬飼貴丈)。さらに消えゆく仮面ライダージオウ、仮面ライダービルドを横目にスーパータイムジャッカー・ティード(大東駿介)が「平成仮面ライダーの歴史が終わりを告げる」と宣言する衝撃的な展開に…。ティードが従えるアナザーW・アナザー電王が人々に襲い掛かる中、「君の心から仮面ライダーは消えてしまうのか…」と見ている者に問いかける。人々の仮面ライダーを呼ぶ声が響き渡る中、ティードによって平成仮面ライダーの歴史は消されてしまうのか。平成最後の冬、この時代を生きた仮面ライダーたちの最大のクライマックスが訪れる!■そのストーリーとは…!?常磐ソウゴと桐生戦兎の世界に、異変が生じていた。まるで別人と入れ替わるように、仲間たちが次々と記憶を失っていくのだ。さらに、2人の前に現れたスーパータイムジャッカー・ティード。彼はアナザー電王とアナザーWという強力な手先を差し向け、1人の少年・シンゴを追っていた。シンゴを守る戦いの中で、ソウゴは仮面ライダー好きの青年アタルに出会う。一方、ティードに単身戦いを挑んだ戦兎は、洗脳され操られてしまい…。強大な敵を前にシンゴを救おうとするソウゴたちだったが、そんな中、アタルがある告白をする。「仮面ライダーは、現実の存在じゃない」彼は謎のイマジン・フータロスと密かに契約を結んでいた。その言葉の真意とは一体…?なぜ、いつから、仮面ライダーは虚構(フィクション)の存在となってしまったのか?謎が深まって行く中、ソウゴと戦兎が追うティードの姿は、初代平成仮面ライダー誕生の地・九郎ヶ岳遺跡にあった――。『平成仮面ライダー20作記念仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』は12月22日(土)より全国に公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER 2018年12月22日より全国にて公開「ジオウ&ビルド」製作委員会©石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
2018年11月13日元・高級娼婦という過去を持ち、36歳で自らの命を絶った、カナダ生まれの女性作家、ネリー・アルカンの世界を本、映画、舞台と3か月連続で発売・公開・上演するプロジェクト、「Discover Nelly Arcan(通称:DNA)」。その最後を飾る、舞台「この熱き私の激情~それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌」が、11月4日東京・天王洲銀河劇場にて幕をあけた。舞台「この熱き私の激情」チケット情報本公演は、ネリー・アルカンの残した4編の小説をコラージュし、カナダ人の演出家マリー・ブラッサールにより舞台化したもの。出演者は、松雪泰子、小島聖、初音映莉子、宮本裕子、芦那すみれ、霧矢大夢という女優6名と、ダンサーの奥野美和という、7名だけ。その他にアンサンブルの出演はなく、彼女たちが1時間40分もの間、舞台の上でネリー・アルカンの“激情”を演じきる。出演者が、舞台上に置かれた“部屋”(=閉鎖空間)の中にひとりずつ入り、お互い顔も見ぬまま、イヤーモニターから聞こえる音・共演者の台詞だけを頼りに演じるという斬新な演出は、これまでにない演劇体験として、話題を呼んでいる。開幕直前会見の場にて、演出を手掛けたマリーは「お客様には詩的な表現や、インスピレーションを受けるということなど、様々なことを考えて、闇ではなく光を持ち帰って頂けたらと考えています」と、観客にメッセージを送った。死の魅力にとりつかれているという“影の部屋の女”を担う松雪は「どこまで私達がネリーの精神を体現できるか、というところで緊張感を持って初日に臨みたい」と意気込みを述べ、記者から、女性の内面を表現している本作の男性視点での楽しみ方について問われると、「女ってこんなこと感じながら生きてるんだ、ということをただただ感じながら、観て頂ければ」と語った。「はっとしたり驚くこともあるかと思いますが、女性は本当に強く美しいので、それを感じて頂けたらと思います」(松雪)また、非常に幼くして死んだ姉の存在にとりつかれ、家族の絆と血縁のことを語り続ける“血の部屋の女”となる霧矢は、「ネリーの心の闇、怒りや悲しみや苦しみを表現することは自分自身の闇に向き合う事にもなります。初日を迎える今でさえも、それが怖いと感じていますが、お客様の力を借りて、それをパワーに変えて、素晴しいキャストの皆様とネリーの世界を伝えていけたらと思います」と、本作が持つエネルギーと、自身の向き合い方について語った。公演は、11月19日(日)まで東京・天王洲銀河劇場にて。その後、広島、北九州、京都、愛知を巡演予定。チケット発売中。
2017年11月07日『ゆれる』『ディア・ドクター』の西川美和監督が、『おくりびと』以来7年ぶりの映画主演となる本木雅弘を迎えた最新作『永い言い訳』。2016年10月の劇場公開以降、国内外で高い評価を受けた本作のBlu-ray&DVD発売に合わせ、西川監督と、日本アカデミー賞優秀助演男優賞などを受賞した竹原ピストルのトークショーが開催された。Blu-ray&DVD発売日となった4月21日(金)夜、タワーレコード渋谷店B1F「CUTUP STUDIO」では、最新アルバム「PEACE OUT」を発売したばかりの“ミュージシャン”竹原さんがライブで熱唱。その後、竹原さんのライブTシャツを着た西川監督と、「MOTOKI MASAHITO(本木雅弘)」と記されたTシャツ姿で竹原さんが登壇した。MCから撮影で印象に残ったことを聞かれた竹原さんは、一番緊張したこととして、子役の最終選考に参加して一緒にエチュードをやったことを挙げた。「できないと、すごくごねたのに、参加させられたんですよね(笑)」という竹原さんに対し、監督は「かっちりとした演技をされる幸夫役の本木さんに対して、陽一役は、ミュージシャンの人の対応能力は豊かだと思いキャスティングしたが、蓋を開けてみたら、一挙手一投足指示されないと動けませんと言われ驚いた」とふり返る。しかし、逆に楽曲のイメージ、自由な振り幅をもっているだけでなく、職人的な積み重ね、緻密なものがある人だということを知り、「同じものづくりをする人間としては、近いものを感じた」と監督は明かす。竹原さんは、エチュードで「突然怒って」と監督から指示された結果、子どもたちを泣かせてしまうなど、さまざまなことをさせられ、自分にとっては「陽一役のもう1つのオーディションのようだった」と思い返していたが、その様子を観察していた監督は「おそらくご本人は意識していないだろう、子どもたちとの距離の近さを感じたし、この人なら任せられると安心していた」とさすがの視点で当時をふり返っていた。次に、公開されて25週間が過ぎたいまだからこそ聞きたいこととして、竹原さんからは「海外での反応はどうだったのか?」との質問が。本作は、カナダ・トロント国際映画祭を皮切りに、韓国、ローマ、台湾などで上映されてきたが、監督の印象としては「正直あまり日本のリアクションと変わらない」と感じたそうで、どこの国にも“自分は幸夫だ”という人はいたという。ただ、香港で「女の人じゃなくて男を主人公にしたのは何故か?夫を亡くした妻の話じゃダメなのか」という質問があがり、「妻を失った夫のほうが、ダメージが大きいんじゃないか?よりドラマティックになるんじゃないかと思ったからと答えたところ、香港は女性の社会進出率が高く、共働きで、喪失感の男女差がない」と言われたことが強く印象に残ったという。その後は、事前にツイッターで募集した質問に答えていった2人。「本木雅弘さんのアップが多いのは何故か?イケメン好きだから?」との質問に、監督は「確かに。顔立ちに関わらず、顔というものが好き。いままでもアップで終わる映画が多い。山下敦弘監督にも『顔好きですね』と言われた」と返答。「思っていることを正直に言えない人間=幸夫を、本木さんも演じるのが大変だったと思う。複雑な心情を、ちゃんと撮りたいと思ったからじゃないかな。でも、アップに耐えられる顔こそ、映画俳優の顔。そういった意味では、竹原ピストルさんもすごく良い表情するので、これからもスクリーンで観続けたい」と、真摯にコメントした。また、「劇中で一番好きなシーンは?」という質問に、竹原さんは「ひときわ切ないのは、陽一が真平(息子)をトラックの助手席側にのせ走り出すシーンで、幸夫が手を振った後に振りかえって歩いていくシーン」とコメント。「実際には、あのトラックは、ドライバーさんが運転していて、(自分は)本木さんの横にいたんだけど撮影中に近くなれた気がしていた本木さんが、スクリーンに戻っていってしまったような気が現場でしていて、いま見ても切ない気持ちになる」と語った。監督は、「クランクアップの日(10月28日)に撮影したラストの場面で、ピストルさんが、幸夫にニコっと笑うシーン。このシーンを撮れたから、この映画は大丈夫だと確信した」と、本作の手応えを実感した瞬間を語ってくれた。そして、ブルーレイの特典に「自信がある」という監督は、まず、本編の編集でカットしなくても良かったんじゃないか?というシーンについて、そのシーンとカットした理由に触れ「ぜひ観てもらって、それぞれでも考えて観てほしい」とコメント。加えて、陽一の娘・灯が観ている劇中アニメ「ちゃぷちゃぷローリー」(完全オリジナル!)を「自身の過去作をみて泣いたことがなかった自分が泣いた、素晴らしいアニメーターさんがつくってくれたもの」と、感激しながら絶賛。一方の竹原さんは、メイキングで「撮影中の監督の表情にぐっときたので、そこも楽しんで欲しい」とPRした。さらに、監督から竹原さんの最新アルバム「PEACE OUT」は「電車に乗っている間に聞くと、危うく泣いてしまう曲。家でじっくり聞くべき」という感想や、ロンドンから届いた本木さんのメッセージが読み上げられ、終始、和やかなムードで笑いが絶えないトークイベントとなった。『永い言い訳』Blu-ray&DVDは発売中。(text:cinemacafe.net)
2017年04月22日MCやDJとして活動しているZeebraさんが、妻でモデルの中林美和さんにモラハラをしているのではないかとの報道が話題になっています。「モラハラ」の実際の概念は実ははっきりとはしませんが、一言でいえば、「言葉や態度で人の心を傷つける精神的暴力」と考えていただければよいのではないでしょうか。近年は、肉体的暴力(DV)の被害もさることながら、モラハラによる被害を理由に離婚を望む人も少なくありません。そこで、今回はモラハラと離婚の関係について考えていきたいと思います。*画像はイメージです:■モラハラと認定されるのはどのような行為か先ほども書いた通り、何をモラハラというかは実はあいまいです。それは、人の感じ方によるところが大きいからです。しかし、例えば、「役立たず」、「こんなこともできないのか」、「生きてる価値がない」など、相手を侮辱したりこき下ろしたりするような言葉を日常的に吐いていれば、モラハラということができるでしょう。また、「相手が話しかけているのに無視をする」、「食事を作らせておいて手を付けない」という態度も、反復継続したりすれば、精神的な暴力、すなわちモラハラと認定されることになると考えられます。 ■「モラハラ夫婦」の関係修復は可能か?夫婦の一方のモラハラが他方にとって限界を超えるものであった場合、関係を修復することはかなり難しいものです。そもそも、モラハラをしている側は、自分がしていることがモラハラだとは気づかない、あるいは気づいていても認めないことが多々ありますので、そのような場合には関係修復は不可能と考えるべきでしょう。仮に関係修復が可能だとすれば、モラハラをしていた側が心からそれを反省し、謝罪をすることが最低限必要な条件です。しかし、相手が限界を超えてしまっている場合、「謝ってもその場限りで、またすぐに元通りになる」と考え、すっかり信頼を失っていることが多いので、簡単に修復できるわけではありません。実際、その場では謝っても「元の木阿弥」になる人は非常に多いように思います。 ■モラハラされた側の対抗策は「証拠を残す」ことモラハラをされた側としては、我慢の限界を超えたら離婚を検討することになるでしょう。自分が苦しんできたことについて、慰謝料を請求したいと思うのも当然です。しかし、そのためには、モラハラ被害の証拠が手元に残っていなければなりません。モラハラをする人間は小賢しいことが多く、往々にして、証拠を残さない形で嫌がらせをします。例えば、メールやチャットで嫌がらせをすることはあまりありませんし、また、嫌がらせをする前に録音されないようにスマホを取り上げたりすることもあります。ですので、モラハラ被害というのは実は証拠が残りにくいのです。もちろん、メールやチャットで嫌がらせの言動があれば、そのデータは消えないように保存しておかねばなりません。また、できるだけ近い時期にされたことをメモとして残しておく(日付も入れておく)、恥ずかしいかもしれませんが、友人にメールなどの形が残るもので相談しておくことは次善の策と言えます。モラハラというと何か軽い感じがしますが、実際にはDVと同じくらいに人を苦しめるものです。泣き寝入りすることがないよう、できるだけ証拠を残しておくことをお勧めします。 *著者:弁護士 寺林智栄(ともえ法律事務所。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。安心できる日常生活を守るお手伝いをすべく、頑張ります。)【画像】*torwaiphoto / PIXTA(ピクスタ)
2016年12月23日『永い言い訳』の主演・本木雅弘と西川美和監督が、第20回オーストラリア日本映画祭より招待を受け、シドニーとメルボルンで行われた上映後Q&Aにそろって登壇した。突然の妻の死にも泣くことができなかった、自意識過剰な人気作家を本木さんが熱演する本作。鑑賞者のリピーターが続出し、ロングランヒットを続けており、先日は報知映画賞・日刊スポーツ映画大賞でも作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞にノミネートされた。オーストラリア日本映画祭は、1997年から始まった国際交流基金が主催する日本映画普及のための映画祭。その規模や動員数は毎年拡大しており、いまやシドニー・メルボルン・キャンベラ・アデレード・パース・ブリスベンの6都市を巡回する世界最大規模のものとなっている。本木さんは、本映画祭には初参加。2009年に『おくりびと』でアジア・パシフィック・スクリーン・アワード最優秀主演男優賞を受賞した際、ゴールドコーストで行われた授賞式に長男を伴って出席して以来の渡豪に。また、西川監督は前作『夢売るふたり』に続く2度目の参加。今回、「オーストラリアでの受賞歴もある世界的な俳優と、海外映画祭でも高く評価されている稀有な女性監督をぜひ招待したい」と映画祭側に熱望されての、2人そろっての参加となった。10月27日(現地時間)夜、本木さんと西川監督はシドニーのイベント・シネマズで行われたクロージング上映後のQ&Aに登壇。本木さんは、共演の竹原ピストルの名前を書いたTシャツ、監督は本木さんの名前を書いたTシャツをそれぞれ着込み、黒のスーツにコアラのぬいぐるみをあしらうという完全ペアルックで現れ、約400人のファンで満席となった客席に迎えられた。現在ロンドン在住の本木さんは、「この映画『永い言い訳』はどうしようもなさ、もろさを心に抱えた人々を描いています。およそ劇的とは言えない物語ですが、そんな人々のささやかな心の旅に皆さんが何かつながりを見出してくれたんじゃないかと思います」と、流暢な英語で挨拶。さらに、「私自身、非常に自意識が高く、うまくいかない人生を抱えていて、共感する部分が多々ありました。それをそのままフィルムに焼き付けたという形です。この映画は、人間とは誰でも不完全なんだということを認めて愛してくれる映画だと思います。私自身は、物語が示してくれている最終的なゴール、答え、いただけたアイデアにたどり着けるように、という気持ちで演じました」と述懐した。また、この映画を作るきっかけを聞かれた西川監督は、2011年の東日本大震災に触れ、「直接、被害にあった方はもちろんのこと、当たり前にある日常がいかにあっけなく失われてしまうかということを実感し、この物語を着想しました」とコメント。「素晴らしかった」と絶賛された子どもたち(藤田健心、白鳥玉季)については、「子どもらしさを重視し、泣いてくれと言ったら泣いてくれるという技術ではなくて、彼ら自身がもっている性格や環境がいかに役に近いかで選びました」と語り、「本木さんは子どもたちとしっかり距離をとりつつ、彼らにとっていなくてはならない『お助けマン』として、現場でオセロをやってくれたり、凧揚げをしてくれたりしてうまく演出をつけてくださいました」と明かした。すると、本木さんは、「1つ言っておきたいのは父親役のシンガーソングライター、竹原ピストルさんについてです。いま彼の(名前が入った)Tシャツを着ているんですが(と言ってTシャツを見せる)、彼もどんなお芝居をしてくるかわらからない、それがスリリングで私もリアルなお芝居ができました。チャンスがあればぜひ彼の唄を聴いてみてください。なぜ監督が竹原さんをキャスティングしたのかわかると思います」と、同じく大切な存在を失った役柄を演じた竹原さんの演技について言及。『おくりびと』のアカデミー賞受賞や、昨年のアジア・パシフィック・スクリーン・アワードで最優秀主演女優賞(『あん』)を受賞した義理の母、樹木希林についても触れられた本木さんは、「『おくりびと』は個人でいただいた賞ではないですし、自分が何かをいただいたという感覚はないんですけれども、時代と作品の出会いというものが重要だということを勉強させていただきました。役者としての自分にはハリウッドからお声がかかることもなく、特別な変化はありませんでした(笑)。樹木さんは、西川監督と同様に人間への観察眼が非常に鋭くて辛辣ですが、慈愛に満ちている人で、私の心を柔らかく導いてくれる存在です」と応じた。さらに2人は、翌10月28日夜にメルボルン・オーストラリア国立映像博物館での上映後Q&Aにも登壇。二都市を巡る短い滞在ながら、「観てくださった方の反応はどの国も共通している。何か通じてくれているものがあるのだと思う」(西川監督)、「ここでも観た人が身につまされつつもどこか前向きになってくれていると感じる。かすかな幸福感が満足感につながっているようでうれしい」(本木さん)と、本作の手ごたえを語り、世界でも広く愛されていくことに期待を寄せていた。『永い言い訳』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年11月30日元バレーボール選手でタレントの浅尾美和(30)が28日、自身のブログを更新し、第2子となる男児を出産したことを報告した。浅尾は「産まれました。」というタイトルで更新し、「11月27日に3716gの男の子が無事に産まれてきてくれました」と報告。「新しい家族の誕生になにものにも変えられない幸せな気持ちに包まれています」と喜びを伝えた。そして、「二回目の出産はこんなに陣痛って痛かったかな?と思うほどの激痛でした」と陣痛のつらさを明かしつつ、「産まれてきてくれた赤ちゃんは本当に愛おしくて可愛くて…そんな痛みなど一気に忘れさせてくれるパワーがありました」とつづった。「これからまた夜中の授乳などの眠れない日々が始まりますが…今は少しこの幸福感に浸りたいと思います」と続け、生まれたばかりのわが子を抱いている写真を掲載。さらに、「眉の形が長男の産まれた時とそっくりでしたやっぱり兄弟は似るんですね」と加えた。浅尾は2012年に現役を引退し、2013年4月に一般男性と結婚。2014年12月に第1子となる長男を出産している。
2016年11月28日「ぴあ」調査による2016年10月14日、15日のぴあ映画初日満足度ランキングは、『ゆれる』『夢売るふたり』などの西川美和監督が自らの小説を映画化した『永い言い訳』がトップに輝いた。その他の画像本作は、本木雅弘を主演に迎え、妻を突然のバス事故で失うも、涙を流すことができなかった人気作家の主人公・衣笠幸夫が、同じ遺族との触れ合いを通して人生を取り戻していく様を描いた作品。これまでも西川監督の作品は、鋭い人間描写が高く評価されてきたが、本作でも出口調査では「人間のきれいな面も汚い面もきちんと描かれていた」「淡々と進んでいるように見えて、感情の揺れがすごくて引き付けられた」「共感する部分もあればどこかで否定したくなる部分もあった。心の奥に語りかけてくる映画」「幸夫のだめな部分、情けない部分に加え、激しさ、怒りが表現されるたびに引き込まれた」など丁寧な心理描写にコメントが集まった。幸夫は、同じバス事故の遺族の幼い兄妹、真平と灯(あかり)の面倒をみることで、これまでにない幸福感を味わう。しかし一方で、自身の愚かさにも気付いていく。そんな幸夫の言動は、特に男性の観客から共感を得たようで、「主人公の都合のいい行動も、理解できてしまった」(23歳、男性)、「主人公のダメ男っぷりは、世の男性には少なからず共通するところがあるのでは?と思い、自分自身を戒めたくなった。自分を大切にしてくれる人を大切にしなければならないと心から思わされた」(28歳、男性)といった声が聞かれた。兄妹との出会いにより、幸夫が人生観を変化させていく一方で、兄妹もまた、母を亡くした悲しみを抱えながらも、少しずつ成長をしていく。そんな兄妹には、子役の藤田健心と白鳥玉季が扮しており、観客は「子供の視点も上手く表現され、子役もとても良かった」「子役の演技が素晴らしい。自然で心に残る」「重いテーマの中で、子役の女の子(白鳥)の演技が大人と対照的で目立っていた」などの感想を寄せた。なお、満足度ランキングは、人気を博したSFロボットアニメの劇場版『ゼーガペインADP』が2位に、大ヒットSFアクション・コミックを3DCGアニメで映画化した『GANTZ:O』が3位に入っている。(本ランキングは、10/14(金)、15(土)に公開された新作映画6本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)『永い言い訳』公開中
2016年10月17日西川美和監督映画を観るたびに覚える、「痺れる」という感覚。直木賞候補となった自身の書き下ろし小説を映画化した最新作『永い言い訳』は、不慮の事故で妻を亡くしても、悲しさを演じることしかできない“最低男”・衣笠幸夫(きぬがささちお)の物語だ。西川監督の鋭い視点は、首根っこを掴むかのように観る者の闇に突き刺さる。自身の弱さ、卑しさ、自意識を鏡のように映し出し、滑稽さを笑い、最後には受け入れさせてくれる。まさに、荒療治のごとく。恐ろしくも繊細な眼差しを持つ彼女の今について聞いた。――人気作家・津村啓こと衣笠幸夫は、自分本位代表のような人間ですが、今までの作品でご自身に一番近いキャラだそうですね。西川:予期せぬ別れがよくないタイミングで訪れた人が、その後どうなっていくのかを想像したときに、酷い目にあうべき主人公は自分と似たようなタイプの都市型の暮らしをしている身勝手な人だろうなと思ったんです。ある意味、自分の人生や生活を参考に物語を考えたときに、結婚もしたことがない、出産や子育て経験もないということは作り手としてコンプレックスでもあるんです。今回はそこを逆手に取って、余すところなく生かしました。いい年こいて独身で、子どものいない人間が世界をどう見ているのか、子どもという存在とどう距離をとるのかというのは、今の自分にしか描けないことなので。40代にもなると肩身の狭い思いもするわけじゃないですか。将来を担ってくれる子どもたちとも何の関わりも持っていない自分が生きている理由がよくわからなくなるときもあるし、そういう自身が抱えてきた葛藤もちゃんと出してみようと。――主人公と同じく、ご自身も物事を斜めに見る、自意識過剰なところがあると思います?西川:ややね(笑)。人並み程度だとは思います。ただ、こないだ友人の山下敦弘監督と対談をしたときに、確かにそうだなと思ったことがあって。「ピカピカのマイホームに優しい旦那さんと素敵な奥さん、という誰が見てもいかにも幸せそうなことにいいなぁって思えないでしょ?」と言われたんです。年齢を重ねた今はそれも素敵と思える部分もあるけれど、少なくとも20代の私はそういうものへの憧れはゼロでした。本当にどうでもいいと思ってた。その結果がコレですよ(笑)。――自分がやりたいこと、映画作りにしか興味が持てなかったと。西川:トータルで考えると、やりたいことと当時は要らないと感じていた素敵な暮らし、どちらに価値があるのかと問われればどっちだって一緒じゃないですか、きっと。でも、そのときはそう考えられなかったんでしょうね。「結婚すれば幸せになれる」みたいな世間一般のスタンダードに対しても懐疑的で、そこで自分が満足できるとも全く思ってなかった。――それは作品にも出ていますね。西川:そうですよ。私の後悔を綴ったような(笑)。生活らしい生活を二の次にしながら20代を過ごすと、あんなふうになっちゃうぞと。――映画を作ることが西川監督にとっての免罪符だったんですね。西川:そこに救われてきた部分はありますね。映画があるから自分を肯定して何とか生きてくることができた。結果、良かったのか、悪かったのかはわからないですけど。――衣笠さんのように、検索エンジンで名前をエゴサーチしたこともありますか?西川:あります。出てしまったものは、見ちゃいますよね。だって、「西川美和」と入れたら、関連検索ワードで「結婚」と出るんですよ!誰と!?って。それをクリックせずにいられるほうがおかしいですよ(笑)。でも、そういうことをしていると、気持ちが痩せていくというか、どんどん自信がなくなっていく。その行為全体が自分の卑しさを見るようで。でもそれをやめられないのも人間の性ですよね。「そんなことを私は一切いたしません!」という高潔な人間になれたらいいけど、そうなれないのが普通じゃない? SNSも怖いし、いいも悪いも肥やしにできるタフさは私にはないので、自身の健康のためにあまりやらないようにしています。――西川監督の持つ洞察力や分析力は、どうやって育まれてきたんでしょうか?環境ですか?西川:うーん、持って生まれた性格じゃないですかね。兄は全然違う性格だし。小さい頃から、「見なくていいものが見えてしまう。そんなふうに人の裏側を読むものじゃない」と母親からはたしなめられていたんです。それもあって、自分の中で本当はこう思っているんじゃないかというような余計な詮索をすることは、醜いことだと思っていました。自分はやっちゃいけないことをやってしまう、嫌な人間なんだと。たぶん、だから文章を書くようになったのだと思うんです。本人に言えば傷つけるし、第三者に言えば陰口になる、ぶつけようがないけれど、でも見えちゃうものについてを。――創作しているという意識は、当時はまだなかったんですか?西川:便所の落書きですよ。そうこうするうちに、卑しいと言われてきた、そういう自分の陰湿な性質を、どうやって人を傷つけない方法で有効利用していくのかは考えましたね。ゴミのリサイクルですよ。「環境に優しく」じゃないですけど(笑)。その答えが今やっていることなんじゃないかな。ただ書き殴っているときは汚いものでも、人様にお渡しできる状態にして読んで楽しんでもらえるようにしつらえていく、その整え方の技術を磨いていくのが仕事をするってことですよね。そういうふうに、自分の生まれ持った特性を転換させられる仕事に就けたことは、ありがたいし、ラッキーだったと思います。――美しくて知性もあって、その頃から男性からも引く手あまただったのではないですか?西川:ないない、全然ない。私は全くモテないですよ。「なんで私に好きって言わないんですか?」って聞いてまわったことないから、理由はわかんないけど(笑)。昔から、仕事でも使えないし、ちょっとしたことで傷つくし、自分って弱いなぁと思ってた。身体的なことも、性質的なことにおいても、劣等意識や無能感は人一倍強いです。ただ唯一、いいところは、縁に運があること。いい人に、いいタイミングで会える。みんなよく「出会う人に恵まれてきた」と言うけど、本当にそうだと思います。あー、もう駄目かもと思うと、スッと蜘蛛の糸が降りてくるようなことが多かったから。◇にしかわ・みわ1974年生まれ、広島県出身。早稲田大学第一文学部卒業。在学中より、映画『ワンダフルライフ』(‘99/是枝裕和監督)にスタッフとして参加。以後、フリーランスの助監督を経て、2002年『蛇イチゴ』でオリジナル脚本・監督デビュー。小説・エッセイも執筆する。◇長年連れ添った妻を不慮の事故で亡くした人気作家・衣笠幸夫は、悲劇の代弁者としてマスコミに取り上げられるが、一滴も本当の涙を流せない。同じ事故で亡くなった妻の親友の遺族、トラック運転手の陽一と2人の子どもたちと出会い、新しい人生が始まる…。第153回直木賞候補作の同名小説の映画化。10月14日(金)全国公開。※『anan』2016年10月5日号より。写真・KENTA AMINAKAインタビュー、文・小川知子
2016年10月03日米アカデミー賞の前哨戦ともいわれる北米最大規模の映画祭、第41回トロント国際映画祭に出品される本木雅弘主演、西川美和監督の『永い言い訳』。このほど、さらに10月6日より開幕する第21回釜山国際映画祭「A Window of Asian Cinema」部門に招待されることが決定。西川監督は、アジア最大級の本映画祭に初めて参加することになった。妻・夏子(深津絵里)が旅先で不慮の事故に遭い、亡くなった人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)。だが、まさにそのとき不倫相手の編集者(黒木華)と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。そんなある日、同じく亡くなった妻の親友の遺族、トラック運転手の夫・陽一(竹原ピストル)とその子どもたちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る――。西川監督が『おくりびと』以来7年ぶりに映画主演を務める本木さんを中心に、ミュージシャンの竹原ピストル、池松壮亮、黒木華、山田真歩、堀内敬子、深津絵里ら、屈指の実力派俳優とともに贈る、観る者すべての感情をかき乱すラブストーリーとなる本作。今回、1996年の創設から近年に至るまで、急速に規模を拡大、成長している釜山国際映画祭への招待が決定。2015年は、75か国302作品が上映されており、日本映画では是枝裕和監督『海街diary』がガラプレゼンテーションで、そのほか黒沢清監督『岸辺の旅』、行定勲監督『ピンクとグレー』、橋口亮輔監督『恋人たち』など、話題作ばかり20作品が上映。また、年間を通してアジア映画業界に与える多大な貢献を称える「アジアン・フィルムメーカー・オブ・ザ・イヤー賞」をスタジオジブリが受賞した。その一方、2014年には釜山市の映画祭への政治介入が問題となり、一時は存続が危ぶまれたことも。しかし、それに対して全世界の映画人が反発、昨年「I Support BIFF」と題した支援キャンペーンが展開され、今年5月に晴れて本映画祭の実施が決定した。その支援者の中には、西川監督やその師匠にあたる是枝監督も名を連ねている。西川監督は、10月8日に釜山へ向け出発、現地9日での上映に登壇し、Q&Aを行う予定だ。『永い言い訳』は10月14日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月07日『おくりびと』以来7年ぶりの映画主演となる本木雅弘をはじめ、深津絵里、竹原ピストル、池松壮亮、黒木華らで贈る西川美和監督の最新作『永い言い訳』。このほど、西川監督が文芸誌「月刊ジェイ・ノベル」にて連載する「映画にまつわるXについて」から、自身の小説が原作となった本作の製作エピソードを集めた「映画『永い言い訳』にまつわるXについて」が電子書籍限定で発売されることになった。人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)は、妻・夏子(深津絵里)が旅先で不慮の事故に遭い、親友(堀内敬子)とともに亡くなったと知らせを受ける。まさにそのとき、不倫相手の編集者・福永(黒木華)と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。そんなある日、妻の親友の遺族であるトラック運転手の夫・陽一(竹原ピストル)とその子どもたちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る。子どもを持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、むなしかった毎日が輝き始めるのだが…。本書は、若手実力派から注目の個性派まで、日本を代表する俳優陣が集った本作について、西川監督の苦悩と人間味があふれ出す出色のエッセイ。文芸誌「月刊ジェイ・ノベル」の連載「映画にまつわるXについて」より全10編を抜粋し、メイキング写真の数々とともに、スタッフや俳優たちとの人間関係、“師匠”是枝裕和監督との新事務所設立などにまつわるエピソードを公開する。また、本作撮影期間中に「獣のような七十五歳のカメラマン」や、「開始二時間でネジがぶっ飛ぶ五歳児」、「自意識のマトリョーシカ人形のような俳優」たちに囲まれながら苦闘した様子にも触れられている。西川監督が「こんなにも自分が信じられなくなった経験は、監督になって以来初めてだった」とふり返る、本作の製作過程。彼女がひとつひとつの出来事をどう感じ、どう向き合い作品を完成させたのか。ここでしか知ることのできない“人間・西川美和”のリアルに迫る全10編をチェックしてみては?「映画『永い言い訳』にまつわるXについて」は「ジェイノベル・プラス」(実業之日本社)にて配信中(試しよみも配信中)。『永い言い訳』は10月14日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年07月07日本木雅弘が『おくりびと』以来7年ぶりの映画主演として、妻を亡くした作家役に挑む『永い言い訳』。『ゆれる』『夢売るふたり』の西川美和監督自らによる小説の映画化で話題を呼ぶ本作から、手嶌葵の歌声に彩られた、切なく歯がゆい予告映像が初解禁された。人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)は、旅行に出かけていた妻・夏子(深津絵里)が、事故で、親友とともに亡くなったという知らせを受ける。まさにそのとき、不倫相手と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。そんなある日、妻の親友の遺族である一家、トラック運転手の夫・陽一(竹原ピストル)とその子どもたちに出会う。ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出たことで、子どもを持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝きだすのだが…。『日本のいちばん長い日』『天空の蜂』での演技が高い評価を得て、昨年度「日本アカデミー賞」最優秀助演男優賞など各賞を受賞した本木さんは、国内外の映画賞を総なめにした『おくりびと』以来7年ぶりとなる映画主演。共演者として、ミュージシャンの竹原ピストル、池松壮亮、黒木華、山田真歩、堀内敬子、深津絵里など、日本映画界屈指の実力派俳優が脇を固めている作品としても注目を集めている。このほど解禁された予告編は、神妙な表情で遺骨を抱く幸夫に「妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった」という言葉と、軽快な音楽が重なる驚きの展開からはじまる。幸夫とは対照的に、遺族として“悲劇”のさなかにいる陽一とその子どもたちとの交流、不倫相手と諍いなどを重ねて描き、小説家として、夫としての幸夫の葛藤や苦悩を垣間見ることのできる、濃密な映像となっている。苦しみ、もがき、鬱屈した感情を爆発させる幸夫を包み込むかのように流れる挿入歌は、先の月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」の主題歌「明日への手紙」で大きな話題を読んだ手嶌葵が歌う、ヘンデルのオペラ楽曲「オンブラ・マイ・フ」。穏やかで、包容力にあふれる手嶌さんの歌声は、本作の世界観を余すことなく表現していると、西川監督も太鼓判を押している。<以下、コメント>■手嶌葵(挿入歌)西川監督の素敵な映画の挿入歌を歌わせていただき、とても光栄に思っております。ご依頼をいただいたときは、まさかオペラの曲だなんて! と正直驚きましたが、私なりに大切に歌わせていただきました。たくさんの方にご覧になっていただきたいなと思います。■西川美和(原作・脚本・監督)原作を書いていたころから、この作品はヘンデルの「調子の良い鍛冶屋」に始まり、「調子の良い鍛冶屋」で終わる、と決めていました。それを軸にして、全ての音楽を考えて行こうと思ったとき、音楽の伊藤秀紀さんから「クライマックスを飾る曲に」と同じヘンデル作曲の歌曲「オンブラ・マイ・フ」を提案されました。初めに聴いたのはダイナミックで圧倒的なキャスリーン・バトル版でしたが、本作のために欲しかったのは、声楽家による王道的なアプローチではなく、「こんな風に『オンブラ・マイ・フ』を歌う人は世界中に一人もみつからないだろう」と思えるタイプの声でした。東洋人の声質にしかないきめの細かさ、純粋さ、やさしさを持つ、唯一無二の歌い手を、とお願いすると、吉田拓郎さんの名曲「流星」の手嶌葵さんによるカバーを聴かされました。初めの数秒を聴いて、この映画はこの声に救ってもらえる、と確信しました。冬の夜の澄み切った空気のような手嶌版「オンブラ・マイ・フ」は、すべてを洗い流し、主人公を再出発に導いてくれる見事な“最終兵器”となってくれたと感じています。自分の作った映画なのに、手嶌さんの声が聴こえ始めるとあやうく涙腺が緩みそうになるので、たいへん危険です。人を愛することの“素晴らしさと歯がゆさ”を描ききった。観る者すべての感情をかきみだす、かつてないラブストーリーとなる本作。まずはその世界観を、こちらの映像からじっくりと堪能してみて。『永い言い訳』は10月14日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月31日『ディア・ドクター』『夢売るふたり』の西川美和監督が『おくりびと』以来7年ぶりの映画主演となる本木雅弘を迎え、自らの小説を映画化する『永い言い訳』。このほど、日本を代表する写真家・上田義彦が撮り下ろした幻想的な本作のメインビジュアルが解禁された。人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)は、長年連れ添った妻・夏子(深津絵里)が、親友のゆき(堀内敬子)とともに旅先で、突然のバス事故で亡くなったという知らせを受ける。世間に対し、「妻を失った悲劇の主人公」を装うことしかできない幸夫は、ある日、ゆきの遺族と出会う。妻の死に憔悴したトラック運転手の父親・大宮陽一(竹原ピストル)と、母を亡くした幼い兄妹。ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る。子どもを持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝きだすのだが…。主人公・幸夫を演じるのは、昨年の『日本のいちばん長い日』での昭和天皇役、『天空の蜂』での原発設計士役で「日本アカデミー賞」最優秀助演男優賞を受賞した本木さん。国内外を問わず高い評価を得た『おくりびと』以来、7年ぶりとなる映画主演となる本作だが、先日解禁された予告編では、感情を爆発させる衝撃的な姿が話題を呼んだばかり。このほど解禁されたメインビジュアルは、日本を代表する写真家・上田義彦が撮り下ろしたもの。サントリーのウーロン茶/伊右衛門、無印良品、資生堂、日本郵政グループ、NTTdocomo、UNIQLO、 TOYOTA、Canonなど多岐に渡る広告に携わり、東京ADC賞最高賞、ニューヨークADC賞、カンヌグラフィック銀賞、朝日広告賞など数多くの様々な賞を受賞する上田氏は、きっと誰もが一度はその作品を目にしたことがあるはず。今回のチラシとポスターに使用された写真は、物語の中では実際に揃うことがなかった幸夫・夏子夫婦(本木さん&深津絵里)と陽一・ゆき夫婦(竹原ピストル&堀内敬子)とその子どもたちという2つの家族が、海辺に佇む姿が写し出された、幻想的な光景となっている。幸夫の心情を表現する「妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛し始めた。」という、驚きのメインコピーが添えられた、深いドラマ性を予期させるビジュアルは、観る者の想像力を激しくかき立てる美しくも、意味深なものとなっている。『永い言い訳』は10月14日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月20日『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』の西川美和監督が、第153回直木三十五賞の候補作となった自身の書き下ろし原作を映画化する『永い言い訳』。このほど、本作の主演に、現在公開中の『日本のいちばん長い日』で昭和天皇を演じている本木雅弘が決定。ミュージシャンの竹原ピストルと深津絵里らと共演を果たし、2016年秋に公開されることが決まった。長年連れ添った妻・夏子(深津絵里)を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)。夏子との間にはもはや愛情と呼べるものはなく、悲しみを“演じる”ことしかできない幸夫は、ある日、同じ事故で亡くなった夏子の親友の遺族と出会う。妻の死に憔悴したトラック運転手の父親・大宮陽一(竹原ピストル)と、母を亡くした幼い兄妹。幸夫は自分でも理由がわからぬまま、大宮家へ通い、兄妹の面倒を見ることを申し出る…。家族を突然失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。人と人の“別れと出会い”を、「ゆれる」や『ディア・ドクター』のアナザー・ストーリー「きのうの神様」など、自身の映画作品から派生した小説で高い評価を得てきた西川監督らしい、鋭く、厳しくも優しい眼差しで描き出す本作。“津村啓”というペンネームでテレビのバラエティなどでも活躍する、主人公の人気小説家の衣笠幸夫を演じるのは、自らが企画し、第81回アカデミー賞「外国語映画賞」を受賞した『おくりびと』(’08)以来、実に7年ぶりの映画主演となる本木さん。『日本のいちばん長い日』での昭和天皇役が絶賛され、9月12日(土)公開の『天空の蜂』ではテロリストと戦う原発設計士を演じることでも話題となっている。まさに名実ともに日本の映画界を代表する俳優の本木さんが、西川監督の原作小説と脚本、そして主人公・幸夫のキャラクターに「自分のようだ」とほれ込んで、出演を快諾。「女性監督にお世話になるのは初めてですが、すでに春編、夏編の撮影を終え、監督の的確な指示に答えるべく鞭打たれた興奮から抜けられず、少しの毒と、温かみのある西川演出にハマっています」と、監督との相性のよさを実感している様子だ。また、本木さん演じる幸夫と同じように、事故で妻を亡くしたトラック運転手の陽一役には、ミュージシャンの竹原さん。俳優としても、熊切和嘉監督作『海炭市叙景』や松本人志監督作『さや侍』などで鮮烈な印象を残し、今回の大役を射止めた。突然のバス事故で亡くなる幸夫の妻・夏子役には、本木との共演は、「最高の片思い」(’95/CX)以来、実に21年ぶりとなる深津さん。さらに、陽一の子ども・真平と灯役に、オーディションで抜擢された藤田健心と白鳥玉季。陽一の妻・ゆき役に堀内敬子が決定している。<本木雅弘コメント全文>おそらく誰もが、小説「永い言い訳」を読むと、内視鏡で心の奥を覗かれたような恥ずかしさと共に、これは自分のことが書いてある! と、思うでしょう。そして、“愛するべき日々に愛することを怠ったことの代償は小さくない”…という言葉を噛みしめることになるのです。西川さんは、小説と映画は別物、切りはなして考えていると仰っていますが、自分は、この小説の味わいに翻弄され悦びを得たひとりとして、読者の期待も裏切らない作品に仕上げたいという思いで努力しています。女性監督にお世話になるのは初めてですが、すでに春編、夏編の撮影を終え、監督の的確な指示に答えるべく鞭打たれた興奮から抜けられず、少しの毒と、温かみのある西川演出にハマっています。妻役の深津絵里さんとは21年ぶりの共演になり、年を重ねても変わらぬ透明感に神秘を感じています。陽一役の竹原ピストルさんは、役以前に原石としての人間力が上等過ぎて嫉妬するばかりです。加えて、子役の2人の眩しい存在感にモ~タジタジです。いずれにしても、映画として何処に辿り着けるかは未知ですが、この物語は、僕が演じる幸夫だけのものではなく、いびつで、愛おしい、自分達に向けられた人間讃歌なのです。皆様、ぜひ期待して完成をお待ちください。<西川監督キャストへのコメント>本木雅弘さんは、映画を志したころから「いつかは」という思いを寄せていた人でしたが、会ってびっくり、恐ろしいほどこの物語の主人公に酷似しているのです。この人しかいない、と思いました。しかし本木さんがこの作品にかけてくれているまっすぐでひたむきな愛と真摯さは、日々私たちのこころを支えてくれています。深津絵里さんにお願いしたのは、姿を消しつつも、物語の中心に在り続けなければならない、難しい役です。物言わぬ遺影の中に、観る人が彼女について様々に想像し、そしていくら想像しても、手の届かない「x」が残り続ける。それを少ないシーンで体現できる俳優は、深津さん以外にないと思ったからです。撮影のたびに、大変な解釈力に絶句させられ、舌を巻いています。竹原ピストルさんはご本人の歌の強さそのものの、他に侵されることのない「たましい」のようなものをお持ちだと感じます。そして、本木さんとの並びのいびつさと言ったら!これは他のどんな俳優とも成立しない組み合わせだと思いました。絶対に交わるはずのなかったの人同士が交わってしまう話を、ゼロから作れる気がしたのです。『永い言い訳』は2016年秋、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月18日『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』に続く、西川美和長編監督5作目は自身の小説「永い言い訳」の映画化であることが明らかになった。映画界での活躍以外に小説・エッセイの執筆も手掛ける西川監督は、「ゆれる」のノベライズで第20回三島由紀夫賞候補、『ディア・ドクター』のアナザー・ストーリーである「きのうの神様」で第141回直木賞候補になるなど、自身の映画作品から派生した小説を書きおろし、高い評価を得てきた。今回映画化が決定した、第153回直木賞候補作「永い言い訳」は、初めて映画に先行して小説が出版された作品。もちろん映画化される本作も、これまで同様、自ら原案・脚本を手掛けた完全オリジナル作品である。長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓こと衣笠幸夫。夏子との間に既に愛情と呼べるものはなく、悲しみを演じることしかできない幸夫は、ある日、同じ事故で亡くなった夏子の親友の遺族と出会う。妻の死に憔悴したトラック運転手の父親と、母を亡くした幼い兄妹。幸夫は自分でも理由が分からぬまま、大宮家へ通い兄妹の面倒を見ることを申し出るのだが…。西川監督は「失うということがもたらす『はじまりの物語』を描きたいと思いました。これまで私は、安定していたはずの関係性が壊れてゆく物語を描いて来たように思いますが、崩壊のその後、ふたたび作り上げて行くということについてきちんと描いたことがなかったからです。『はじまりの物語』を綴ることは、人生を漕ぎ進むことの難しさに似ていますが、同時にあかるさや、楽しさにも満ちています」「これまでオリジナルで映画を作るときは、いつもはじめに脚本というかたちで物語を組み立ててきましたが、予算や時間の制約、という映画的な課題をいったん据え置いて、先に小説というかたちで自由に物語を作ってみることにしました。そうすることで『豊かな無駄』をゆっくりと熟成し、登場人物や物語を練り込む時間が取れたと思っています。小説は私の持ちうる言葉の限りで多くを語っていますが、こんどは言葉では語り得ないものをいかにスクリーンに映し出すかが第二の挑戦となりそうです。小説とは展開も設定も違えた部分が幾つもあります。私が原作者なので、それはもうやりたい放題です(笑)。長期にわたる撮影ですが、キャスト、スタッフとともにあたらしい映画を探し求めて行きたいと思います」と、映画化にあたってコメントを寄せた。『永い言い訳』は2016年、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)
2015年07月30日BSスカパー!では、DREAMS COME TRUEのヴォーカル・吉田美和の50歳の誕生日となる5月6日に開催されるプレミアムライブ「スカパー!Super LiveDREAMS COME TRUE Special Live in Hawaiiよしだみちゃん、生まれて飛び出てジャジャジャジャ~ン♪え、50?!(仮)」を今夏に独占放送する。2015年は、ドリカムにとって4年に1度のグレイテストヒッツライブ「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND」を行うだけでなく、吉田美和が50歳という節目の年を迎えるアニバーサリーイヤー。スカパー!では吉田の誕生日である5月6日(※現地時間)に、ハワイ・オアフ島にあるアウラニ・ディズニー・リゾート&スパ コオリナ・ハワイ ビーチエリアで一夜限りのプレミアムライブを開催。まさに夢のような一夜を実現する。現在、スカパー!では加入者の中から3組6名のLIVEレポーターを募集中。当選者には現地からライブの臨場感そのままに、ファン代表として生の声をレポートしてもらう企画となっている。ほかにも加入者50組100名にライブのチケットおよび渡航、宿泊費がセットとなったJTBツアー「スカパー!Super LiveDREAMS COME TRUE Special Live in Hawaiiオフィシャルツアー」への申込権をプレゼント企画も実施している。詳しくはスカパー!特設サイトへ。
2015年02月13日日本初上陸となる「ザ・コーポレートゲームズ 東京 2014」のリレーマラソンが9月27日に開催され、元プロビーチバレー選手の浅尾美和さん、元プロ野球選手で野球解説者の田口壮さんらがスタートアトラクションに参加。ランナーらに声援を送った。○日本で初めて開催されるザ・コーポレートゲームズ9月25日から4日間にわたって東京湾岸エリアで開催された「ザ・コーポレートゲームズ 東京 2014」は、13競技からなる市民参加型のマルチスポーツフェスティバルだ。もともとは1980年代にイギリスで設立され、これまで30カ国60都市で開催されてきた。トップアスリートが頂点を目指す国際スポーツ大会とは異なり、あらゆる団体が自由に参加できる市民参加型のイベントとなっている。企業や団体でチームを組むことによりコミュニケーションを促進させ、多くの人々が参加することで地域の活性を図っている。今回が日本では初めてのイベント実施となり、235の企業や団体、約6000人が参加。27日にはリレー形式でフルマラソンを走るリレーマラソンが行われ、夢の島陸上競技場でスタートアトラクションが開催された。○浅尾さんが笑顔で選手たちを応援妊娠7カ月になるという浅尾美和さんは、ドット柄のゆったりしたスポーツウェアで登場。リレーマラソンのスターターの役目に「緊張しています。(スターターピストルを)早めに鳴らしてしまったり、不発になったりしないようにしなきゃ」と少々プレッシャーを感じている様子だったが、「今日はいい天気でスポーツ日和。無理せず、楽しく笑顔で走っているみなさんを見たいなと思います」と、にこやかに選手らに声をかけた。一般チームのランナーとして参加する田口壮さんが「チームがガチで走るなら、僕もガチで走ります! 」と宣言すると、浅尾さんも「ガチで行きましょう! 」と応じ、参加者を盛り上げる一幕もあった。パラリンピック日本代表の石井康二選手も「パラリンピックアスリートを支援してくださる方々に参加のお誘いをいただき、いろいろな方にパラリンピックのことも知っていただければと思い参加しました」と、ランナーの1人として参加した。ランナーらは、浅尾さんのピストルの合図とともに一斉にスタート。トラックの横では、中央区立佃中学校太鼓部による和太鼓演奏や、中央区立日本橋中学校吹奏楽部によるブラスバンドにチアリーディング、さらにローカルアイドル「豊洲アイドル☆学園」によるパフォーマンスなど、ランナーを応援する催しも行われた。○今回のイベントを起点として、アジアまで広がりをザ・コーポレートゲームズ 東京 2014 実行委員会の実行委員で、三井不動産レジデンシャルの市場開発部・池内順平さんは、「スポーツを通じて、多くの方々に集まっていただく場を提供することで、交流が生まれて地域が活性化していくことを目的に実施しています」と、今大会の目的を話す。スポーツ好きでもともとはサッカーを続けていた池内さんだが、3年前に骨折をして以来、スポーツから離れてしまったという。「それでも(ザ・コーポレートゲームズは)13競技もあるので、これならできるかな、と思うきっかけになりました。今回のイベントには9歳から74歳の方まで、あらゆる世代の方に参加していただいています。参加している人を応援したり手伝ったりと、たくさんの人がいろいろな形でフェスティバルに関わることができるのが、ザ・コーポレートゲームズの良い部分だと思っています」。東京でのイベントをモデルケースに、日本各地での開催の動きもあるという。「来年3月には沖縄で開催することが決定していますし、今回のイベントに興味を持たれた自治体の方が何人か視察にも来られています。この東京を起点として、日本各地へ、そしてアジアの各都市へ広がっていくといいですね。実は2018年にザ・コーポレートゲームズの大きな大会があり、そのフェスティバルの約40%の参加者が開催国以外の方なんですね。できれば、それを日本で開催したいと考えています」。10月27日には、今回のイベントの表彰式典となる「クロージングアワードレセプション」が開催される。人生を豊かにするライフワークとしての生涯スポーツ。そのスポーツを通じて、地域を盛り上げていくザ・コーポレートゲームズの今後に、要注目だ。
2014年09月29日松屋銀座の催事に来場昨年12月、現役の引退を発表し、今季で選手生活にピリオドを打った元女子ビーチバレー選手の浅尾美和が8日、東京・松屋銀座で開催されている「風姿花伝観世宗家展」(開催中~2013年1月21日まで)に来場し、美しい振袖姿を披露した。鮮やかなグリーンを基調とし、大輪の花々がデザインされた艶やかな振袖に白の帯、可憐な多数の小花のヘアアクセサリーを付けたスタイルで、とても綺麗に着こなしており、報道陣からも称賛の声が上がったそうだ。現役時代より白くなったから似合う?!美女アスリートとして知られた彼女だけに、その美しさも納得といったところだが、振袖姿を絶賛する声には、現役時代より肌が白くなったので、こういう衣装も似合うかなと、はにかんでみせたという。一般男性との交際をオープンにしている彼女だが、結婚についての質問は笑顔でかわし、言明を避けている。引退して初めてのこの正月は、現役時代にはそうした余裕もなかなかなかったため、家族とゆっくり過ごしたそうだ。今後はビーチバレーの楽しさを子どもたちに伝えていくなどしたいと考えているという。選手時代とはまた違った輝きと美しさをみせた彼女。新たな歩みをしっかりとスタートさせているようだ。元の記事を読む
2013年01月09日『ゆれる』『ディア・ドクター』と観る者の心を静かに揺さぶる物語を世におくり出してきた西川美和監督の最新作『夢売るふたり』。火事で全てを失った夫婦(松たか子&阿部サダヲ)が結婚詐欺を繰り返すという、どこかファンタジーのようにも思える奇妙な設定の下、“愛とは何か? 結婚とは何か?”を生々しく問いかける。その他の写真初めて“女を描く”というテーマに臨んだ西川監督。「ダメな男のどうしようもない、でも魅力的なところを描いた映画はたくさんあるけれど、女のキャラクターというのは常にそれの引き立て役であり続けた気がするんですよね。だから私の知るかぎりの女の“ダメ”を描きたかった。結末が見えないまま発車して、いろんな角度から女を描き、日々実験を繰り返した感じです。阿部さんと松さんを見ながら『こういうふたりだったのか』と分かる部分がたくさんありました」と振り返る。金もなければイケメンでもない(失礼!)貫也に女たちは驚くほど簡単に騙されていく。阿部は彼女たちの気持ちについて「分からないですねぇ(笑)」と言いつつ、「理解できないからこそ演じるのが難しいし、面白かった」とも。「田中麗奈さんの涙を指で拭うシーンがあるけれど、現場の誰も、そんなことやったこともやられたこともないんですから(笑)」と照れくさそうに語る。本作は、女たちのセリフのひとつひとつが底知れぬ“深み”を帯びている。例えば愛人として生きてきた玲子(鈴木砂羽)が漏らす「すごいですね、奥さんて」というひと言。何気ない口調で放たれた言葉がなぜか脳裏にこびりつく。西川監督は「30年以上女として生きてるので、いろんな人の言葉が私の中に残ってます。妻子ある男の人を好きになった女性が発する『奥さん』という言葉に普通とは違う響きがあったりね」と静かに笑みを浮かべる。騙される女たち以上に女という生き物の生々しさをさらけ出すのが、夫の結婚詐欺を斡旋する妻・里子。唯一無二の存在感でもって演じた松たか子について「現場で見たときは怖さを感じなかった」という西川監督だが、「積み重ねてきたカットを編集で繋いだときに怖いと思いました。松さんが映ってるカットには『もう1秒だけ』とのばしたくなる吸引力があるんです」と明かす。夫として彼女と共に歩き、対峙した阿部は言う。「松さんは普段があまりに穏やかなので、スイッチが入ったときの怖さが倍増するんです。お風呂で浮気を問い詰められるシーンは、にらまれた瞬間に心から『申し訳ない』って思いましたね。電車でのシーンでも台本のト書きに『目が三角になる』とあったけど、本当になってましたから(笑)」。『夢売るふたり』9月8日(土)より新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー取材・文・写真:黒豆直樹阿部サダヲ:ヘアメイク・荒川英亮スタイリング・チヨ(コラソン)
2012年09月07日松たか子、阿部サダヲを夫婦役として迎えた最新監督作『夢売るふたり』の公開を9月に控える西川美和監督が初めて挑むスポーツ・ドキュメンタリーが、6月10日(日)、NHK−BS1にて放送されることが決定した。自ら手掛けた原案と脚本をもって、結婚詐欺を仕掛ける夫婦と、騙される女たちの愛の物語を描いた西川監督。阿部サダヲ演じる男による詐欺に遭う数々の女性の中でも異彩を放つのが、江原由夏扮する女子ウェイトリフティングの選手である。同役を描くにあたり、2年前にウェイトリフティング選手の取材で金沢学院大学に訪れた西川監督は、一途に競技に取り組む選手たちと絶妙な駆け引きの織りなす力比べの虜となり、今回、企画・構成そして聞き手として、初めてのスポーツ・ドキュメンタリーに挑むこととなった。ナレーションは連続テレビ小説「カーネーション」で脚光を浴びた尾野真千子が担当する。今回この設定を考えた理由について、「私は身体の大きな女性アスリートががむしゃらに健闘する様子が、好きなのです。柔道は花形だけれど、もっとひっそりと黙々と生きている勝負師。『どうしてそれを選んだんです?』と不思議がられるような世界で汗をかく女の人を探して、出会ったのがウェイトリフティングという競技でした」と語る西川監督。ロンドン五輪を前に、日本映画界の女性監督として新たな領域に挑み続ける彼女が見た、女子ウェイトリフティングの世界とは?女性ならではの視点で描く、女性の強さに注目したい。「重力に逆らってまで~映画監督・西川美和が見た女子ウェイトリフティング~」はNHK−BS1にて6月10日(日)21:00~放送。『夢売るふたり』は9月8日(土)より全国にて公開。■関連作品:夢売るふたり 2012年9月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012「夢売るふたり」製作委員会
2012年06月09日吉田美和、彼の母親は団塊の世代には懐かしい女性「DREAMS COME TRUE」の吉田美和(46)が19歳年下のロックバンド「FUZZY CONTROL」のJUNONこと鎌田樹音(27)との結婚を3月8日にしていたことを発表した。吉田の心を射止めた鎌田は、父親はギタリストで沖縄県出身のミュージシャンの前田達也の甥でもある。さらに、団塊の世代には大変懐かしい歌「私はないています」(1974年)で知られる歌手りりィを母親に持つ。吉田は前夫と死別吉田にとって再婚となるが、吉田と前夫である映像ディレクター、末田健氏とは不倫の末の略奪愛の噂の中結ばれた。しかし末田氏は33歳の若さで胚細胞腫瘍により他界、その際の吉田の落ち込みは激しかったという。二人のコメント吉田のブログには愛するベィビーズのみなみなさま。ニューヨークはあちこちで水仙や木蓮が咲いています。元気ですか?今日はこの場を借りてみんなに報告があります。あのね、ファジーコントロールの樹音くんと3月8日に入籍しました。ふたりで開けるこのドアがどこに通じているかはわからないけれど共に愛する音楽をますます大切にしながら家族や友達、まささん、そしてもちろんみんなから貰った勇気と愛をしっかりたっぷり抱えて一歩踏み出してみます。でも自分のことながら、縁って、ホンット、つくづく不思議なものだよね・・・。20122012年3月21日午後になって急に温度が上がっていきなりみんな半袖になってるnyから吉田美和でした。そして鎌田も「FUZZY CONTROL」の公式サイトで全身全霊を賭けて彼女を守り幸せにします。見ていて下さい。お願いしますと吉田への愛を誓っている。元の記事を読む
2012年03月21日『ゆれる』、『ディア・ドクター』の西川美和監督の最新作『夢売るふたり』で松たか子と阿部サダヲが夫婦役で初共演を果たすことが明らかになった。監督デビュー作『蛇いちご』では家族を、続く『ゆれる』で兄弟を描き出し、前作『ディア・ドクター』ではニセ医者の姿を通じて嘘があぶりだしていく真実の人間の絆を綴った西川監督が最新作で描くのは“夫婦”。東京の片隅で小料理屋を営んでいたが、火災で全てを失ったとある夫婦。自分たちの店という夢をあきらめきれず、彼らは再出発の手段として結婚詐欺を行う。真っ当ではないと知りつつも、金のために嘘をつき続けるが、やがて夫婦の間、騙した女たちとの間にさざ波が立ち始める。歯車の狂った夫婦が行き着く先は…。西川監督のオリジナル脚本による本作で、主人公の里子を演じるのは松たか子。『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』では破天荒な太宰治の妻を演じた彼女が、本作ではどんな妻、そして女の表情を見せてくれるのか?その夫の貫也には、映画にドラマ、舞台と幅広い活躍を見せる阿部サダヲ。どんな顔をして女たちを騙していくのか楽しみなところ。西川監督は「これまで自分がやってきていない“関係性”にトライしようと思ったのですが、普段からこの“夫婦”というのは奇妙だな、いびつだな、面白いな、と、どこの夫婦を見ても思っていまして、今回はそれに挑戦してみることにいたしました。松たか子さんは天性の品、阿部サダヲさんは天性の愛嬌、それに惹かれて出演をお願いいたしました。お2人の組み合わせで夫婦をやってみて一体何が起こるのか、私もさっぱりワカリマセ〜ン。たいへん楽しみです」と語っており、監督自身が誰よりもクランクインを楽しみにしているようだ。さらに「夫婦と並んで描こうと思ったのは女の人です。自分は男を書く方が筆が楽なので、いままでそうしてきたんですが、書いてみるといままでいかにさぼって来たかが分かりました。女は難しいですが、何層にもコクがあって面白いです。男の人が女を好きな理由が少し分かった気がします。灯りの消えた暗い東京に漂う『誰も見たことのない女たち』を描きたい。まあどうなるかは分かりませんが、志は高く、です」と意気込みを明かす。松さんは「西川監督の作品には、“今”という空気が強烈に漂っていながら、登場人物達が無気力になっていない、生命力があると思います。阿部サダヲさんは大好きな俳優さんなので、ご一緒できるのがとても楽しみです。“夫婦”として、苦楽を共にして、この夏をこの作品に捧げたいと思います」とこちらも気合十分。阿部さんも「『夢売るふたり』って、スゴイいいタイトルですよね。元々、色んな人に成り済まし願望みたいなものが強くて俳優を始めたとこもあるので、結婚詐欺の話って聞いてワクッてしたけど、台本読んだら全く自分が想像する詐欺師じゃなかった(笑)。でも西川監督が脚本、演出という事ですから初めてお仕事するけど勝手に信用しちゃってます。同様に、松さんも勝手に信頼、尊敬してます!いつかご一緒できたらと思っていたお2人なので大変光栄です。一生懸命、貫也だけに成り済ましたいと思います!よろしくお願いします!」と西川監督の現場、松さんとの共演が楽しみで仕方がないといった様子。3人が現場でどのような化学変化を生み出すのか、期待して待ちたい。まもなく8月20日(土)よりクランクイン。10月上旬にクランクアップの予定で、撮影中、公式Twitterから、現場の様子やマル秘エピソード(?)など、現場のスタッフからつぶやきが発信される。『夢売るふたり』は2012年秋、全国にて公開。『夢売るふたり』公式Twitter■関連作品:夢売るふたり 2012年秋、全国にて公開
2011年08月16日長編デビュー作『蛇イチゴ』、海外を含む各地の映画祭で激賞された『ゆれる』など、登場人物たちの微妙な心の揺れを切り取った独特の世界観で熱烈なファンを持つ西川美和監督。彼女が最新作『ディア・ドクター』で描く主人公は医者…しかも免許を持たないニセモノのドクターである。演じるのは、これが映画初主演となる笑福亭鶴瓶。なぜ“ニセモノ”の物語?なぜ、医者?なぜ、鶴瓶?監督に疑問をぶつけた。僻地の医師不足、終末期医療など、現代の医療が抱える様々な問題を浮かび上がらせる本作だが、なぜ“医療”を扱うことになったのだろうか?監督は「実はいろんな選択肢があって、政治家とかもいいなと思ったんです。総理大臣とかニセモノっぽいし」と笑顔を浮かべつつ、こう続ける。「観る人のために、本物とニセモノがはっきりと分かるものがよかった。とすると、免許が必要で、かつ社会的責任があって、生活に近いもので…と考えたら弁護士や教師よりも医者だな、と。医師って不思議な職業ですよね。生命を左右する技術や権利を持っていて、ある意味、人間じゃないような。そういう“力”を持った人の内にあるものは何なのか?もし、そういう人が間違った考え方を持ったらどうなるのか?ということにも興味がありました」。同時に、「生まれて初めて」という入院生活を送ったことも影響したようだ。「実際に世の中で言われるような、医療に関する不満みたいな部分を実感したところもありました。診察する先生が毎日替わって、同じ説明を毎回繰り返さなくちゃいけなかったり。一方で、こんなに大変な仕事があるんだろうか?と思うくらい、忙しい実態も目の当たりにしました。私が入院したのは都内の大学病院でしたが、その裏返しのような存在が僻地の診療所なんです。現代医療においては、必要がない治療方法をあえて施し、それで患者は安心したり、患者の性格的な部分までを踏まえて診ている。大学病院と僻地の先生で求められる技術の質が違うんですよ」。話を聞いていると、すでに監督自身、立派な無免許医師になれそうだが…。「多分、誰でもなりうると思います(あっさり)。実際にお話を伺った先生もそう言ってました(笑)。机で学ぶことがいかに微細なことなのか、とベテランの方ほどおっしゃいますね。絶対ムリ、とはじめは思ってたんだけど、取材や勉強を進めていくうちに、何となくそれが分かってきました」。初主演となった鶴瓶さんの魅力を監督は「ライブ」と表現する。「(鶴瓶)師匠は本当に…脚本を読まない(笑)。衣裳着て、現場に入ってその場で作り上げるんです。『どうやったっけ?このシーン何?』って…。想像できないものを作る可能性を秘めている、というのが起用の最大のポイントです。そこに瑛太くんや香川さんが絡むのが面白いな、と」。日本中の誰もが知っている鶴瓶さんなのに、映画の中では鶴瓶さんに見えない。そう伝えると、監督は静かにうなずいた。「観た人に『鶴瓶にしか見えない』と言われるのが一番辛いので、そうじゃないものを目指し、作り上げていきました。でも最近は、逆に『実は元々、映画の中で演じたような人だったのかもしれない』と思うこともあります。とにかく得体が知れないんです(笑)。そもそも、人を喜ばせたいという本能がすごく強い人なんですが、実は、(鶴瓶さん扮する)伊野という男の原動力もそこにある。善人ではないけど、目の前の人のリクエストに応えてしまう、という」。映画を観ていて、伊野の描き方を含め、“ニセモノ”に対する愛情のようなものを感じるが…。「ニセモノ、大好きです(笑)。逆に本家本元の方が怖いかも。インチキ臭くて胡散臭いもの…本物になれないところがかわいくもありますね」。そして、伊野というニセモノの存在についてこんなメッセージも。「別に、彼のことを『悪いやつだ』と思ってくれてもいいんです。でも、その基準を何か別のものに求めるのではなく自分の目で、フィルターを通さずに見て判断してほしいですね」。■関連作品:ディア・ドクター 2009年6月27日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 2009『Dear Doctor』製作委員会■関連記事:瑛太、鶴瓶と過ごしたひと夏の思い出にニンマリ「本当にずーっと一緒にいました」鶴瓶&瑛太が深酒で倒れた?余貴美子も病院送りの恐るべき『ディア・ドクター』誰しもが抱える“嘘”から見る人間の“揺れ”西川美和最新作『ディア・ドクター』初主演・笑福亭鶴瓶×瑛太!『ディア・ドクター』試写会に10組20名様ご招待西川美和監督最新作『ディア・ドクター』で鶴瓶が世界デビュー!いざモントリオールへ
2009年06月29日