高橋一生と蒼井優が18年ぶりの共演で、男女が強く惹かれ合い、時間とともに変わりゆく感情と関係を繊細に体現する『ロマンスドール』。これまで、『人のセックスを笑うな』から『凶悪』『娼年』『アンダー・ユア・ベッド』『悪の華』など、センセーショナルな作品を数多く手掛けてきた今作のプロデューサー・永田芳弘(株式会社ハピネット)が、本作の映画化までの流れや、タナダユキ監督の原作小説の映像化に踏み切った理由を明かした。「夫婦の形は人それぞれあって良い」決めるのは二人永田氏は自身が担当する作品を選ぶ際の基準や、作品に込めてきたメッセージやテーマ性について、「確かにセンセーショナルなものを意識はしています(笑)但し、センセーショナルなだけでは無く、その先に観客に何を届けられるかどうかを大事にしています」と言う。「例えば、『ロマンスドール』は主人公・哲雄の職業に興味が湧いて、その夫婦の10年間って何だろうから始まった企画です。今の世の中、男女関係や結婚についていろいろな価値観があり、何が正しいか迷われている人が多いと思います。私は夫婦の形は人それぞれあって良いと思いますし、それを決めるのは当事者である二人。幸せの形は自分たちが決める。今回、観客の皆様に伝えたいのはそこです。なので、結婚、恋愛に悩んでいる男女にまず観て欲しいですね」と、本作に込めた思いを話した。10年ぶりに原作に触れ、夫婦の「10年間の変遷がより理解できた」本作『ロマンスドール』の原作小説は、2008年に雑誌「ダ・ヴィンチ」に連載された。なぜ発表から12年経ったいま、映画化なのかについて尋ねると、実は2009年に単行本が出版された際から映画化の話はあったのだという。「原作は主人公の哲雄の心情が痛いほどわかって、冷静に読めなかったですね。とにかく哲雄がただ単にいい人ではなく、情けなくてちょっぴり狡い。彼を他人事に思えなかったのを覚えています。その時点で映画化を決意しなかったのは、映画にしたいと当時私に言ってくれた映画監督と原作が自分の中で結びつかなかったことと、ラブドールという題材にピンとこなかった、これは今考えると単に私の勉強不足だったのですが、平たく言えばこの原作をプロデュースする力量がまだ私にはなかったという事だったと思います」と、謙遜を交えながら当時をふり返る。そのうえで、なぜ“いま”映画化なのかという点については、「2017年にタナダさんから『ロマンスドール』の映画を一緒にやりませんか?と提案され、原作を10年ぶりに読みました。この『10年ぶり』というのが本当に良かったです。自分自身も10年の歳月を重ねた事で、原作にある哲雄とその妻・園子の10年間の変遷がより理解できたというか、読んでいてとても共感できました」と永田氏。「これは私の為の企画、まさに私がプロデュースをしなければならない企画だと思いました。また、これはタナダ監督から教えていただいたのですが、2017年にラブドールの国内ナンバー1メーカー『オリエント工業』の商品展示会が渋谷で開催され、それに若い女性が殺到した事実があります。彼女たちは精巧なラブドールの造形の素晴らしさ美しさに魅了されたんでしようね。確かにラブドールの現状を調べると、この10年の技術革新が凄い。これが私のプロデューサーアンテナに引っかかったのは事実です」。そして、「時代が確実に変わっている、いや時代が『ロマンスドール』に歩み寄っている、これは映画の企画としてはありだと思い、映画化を決意しました」とコメント。10年という歳月が永田氏にとって、一個人としてもプロデューサーとしても、そして何よりも作品にとって、必要な時間だったようだ。『ヴァイブレータ』『人のセックスを笑うな』から「少しもぶれてない」長い年月をかけて完成した映画について彼は、“永田色”満載だと語る。「この作品を試写で観てくれた友人から『『ロマンスドール』は永田色が満載の映画ですね』と言われました。永田色って何なんだろうと考えると、冒頭に言いましたセンセーショナルな題材を纏った男女の普遍的なドラマなのかなと思います。その上で、観た人が少しだけですが前向きになれる。実はこれが映画を作る上で私が一番大切にしていることかもしれません」。「デビュー作の『ヴァイブレータ』(03年/廣木隆一監督)から『人のセックスを笑うな』(08年/井口奈己監督)、『ピース オブ ケイク』(13年/田口トモロヲ監督)、今回の『ロマンスドール』まで、20年近く映画を作っていますが、どれもが男女の話。少しもぶれてないことに自分でも驚いてます」。高橋一生と蒼井優という日本を代表する役者を迎えて描かれる、センセーショナルを纏った、あくまでも普遍的な愛のドラマ。それが実現した本作は、いまの時代に見逃せないラブストーリーといえそうだ。『ロマンスドール』は1月24日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ロマンスドール 2020年1月24日より全国にて公開©2019「ロマンスドール」製作委員会
2020年01月19日『人のセックスを笑うな』という小説がある。大人になったいまも不意に思い出し、やっぱり優れたタイトルだなぁと改めて感心する。と同時に、あれは「人の性的嗜好を笑うな」というメッセージだったのではないか、とも考える。縛られると興奮する。逆に相手を縛ると興奮する。胸板が厚い人に抱き締められると興奮する。目隠しをされると興奮する、などなど。人の性的嗜好、つまり性的な事柄に関する好みは、人の数だけある。しかも、ひとりにつきひとつずつ、というわけではなく、ひとりが複数持ち得るものでもある。■性的嗜好を示したら、笑われた昔、男から「ひとりで(セルフプレジャーを)する姿を見せてほしい」と言われたことがある。別の男からは「お風呂で俺と同時におしっこしてほしい」と提案された。その度に、彼にはこんな一面があったのかと、新たな発見をしてうれしくなった記憶がある。みんな、それぞれの人生経験から、いろいろな性的ファンタジーを醸成している。どんな性的嗜好であれ(人の心身をお互いの同意なく一方的に傷つけるものは論外だけど)、他人が否定したり軽蔑したりすべきものではない。それは性という枠内にある「趣味」のようなものだから。昔、男に「手首を柔らかく縛ってほしい」と伝えたら、「えー、SM好きなの!?」と笑われた挙げ句、スルーされたことがある。バカにされているようで、すごく虚しい気持ちになった。純粋に楽しみたかっただけなのに。性的嗜好を開示しても、取り合ってもらえず、ただ冷笑されて、変態扱いされる。私の経験はささやかで、たいして傷つかなかったけれど、もっとひどいこと、攻撃的なことを言われたことがある人だっているだろう。一度でもそんな経験をすると、次にセックスする相手に対して、自分の性的嗜好を明らかにしづらくなる。本当はこうしたいのに、言うと変な空気になるんじゃないかと思うあまり、言い出せないために、心から満足するセックスができない。そんな弊害があると思う。■女性が風俗店を利用するのは変ですか私は心から満たされるセックスをした経験が数少ない。原因は、自分の性的嗜好を明示できていないことにある、と考えている。そんなとき出会ったのが映画『娼年』だった。原作の小説『娼年』(石田衣良,集英社,2001年)は20代半ばで読んでいた。男性に体を売る女性が「娼婦」だから、女性に体を売る若い男性は「娼年」。文字通り、女性に対してサービスをする男性が主人公の作品だ。『娼年』を手にとったのは、もともと性風俗産業に興味があったから。人類から性欲が枯渇しない限り、潤い続ける業界だから。それに、「性」には「生」という文字が含まれる。生きているあいだは、自分自身も性と付き合っていかなければならないような気がした。男性が風俗店を利用するのはおかしなことではないという見方がある。その一方で、女性が風俗店を利用すると露骨に引く人がいる。女性が性欲を表に出せば、「ビッチ」と揶揄される……そんな不平等への不愉快な感覚や疑問が長いこと私の中に蓄積されていた。以上のように、性への興味・女性の性をとりまく環境への不満を抱えていた私は、映画『娼年』で描かれた世界に舞い降りたくなった。■自分の欲望を満たすだけのセックス『娼年』の主人公、森中領(以下、リョウ)は大学生。松坂桃李演じるリョウは、感情の振れ幅が少ない日々を過ごしている。大学には週1回しか顔を出さず、バーテンダーのアルバイトを淡々とこなす生活。優秀な大学の学生で、見た目も整っているため「高スペック男子」として女性にモテて、セックスの機会には事欠かないけれど、自分の欲を満たすだけのセックスしかしたことがない。「女なんてつまんないよ」「セックスなんて、手順が決まった面倒な運動」と、淡々と口にする。一夜を共にしても、相手の名前すら覚えていない。まるでオナニーのようなセックス。女性を性欲を発散する「道具」として使っているように見える。どこか寂しく、傷ついているかのようで、光が見えない、空洞のような瞳をした若い男――それが私が抱いたリョウの第一印象だ。しかし、転機は思いがけないときにやってくる。リョウの幼なじみでホストをしている田島進也(小柳友)が、売上に貢献してくれる「太客」になりそうなお金持ちの女性を、リョウが働くバーに連れてきたのだ。リョウの運命を変える御堂静香(真飛聖)との出会い。静香は会員制ボーイズクラブ、言い換えると出張ホストクラブのオーナーで、リョウがお酒を作るのを見て、スカウトしようと決意する。バーの閉店時間、外で待っていた静香は、リョウをクルマに乗せる。■女はつまらなくなんてないし、セックスは面倒な運動なんかじゃない行き先は静香が経営するLe Club Passion。静香はリョウにこんなミッションを課す。彼女の娘・咲良(冨手麻妙)とセックスしなさい、と。これはテスト。リョウが女性に対し、どんなセックスをするのかを見て、クラブで働いてもらうかどうかを決めるのだ。咲良は生まれつき耳が聞こえない。静香という傍観者がいる前で、リョウは戸惑いながらも、咲良を抱く。体への触れ方がときに雑だったり、痛がる咲良への配慮が足りなかったり、未熟と言ってもいいセックスだったが、なんとかギリギリ合格したリョウ。セックス中に言葉を交わし合うという、自分が慣れ親しんだコミュニケーションができないなか、リョウは不器用ながらも咲良の反応を目で追い続けて、そこから情報を得ようとしていた。クラブに所属するホストの一員になったリョウは、指名される度に女性客との待ち合わせ場所へ出向き、話(要望や雑談など)を聞いて、ニーズを理解した上で、一人ひとりが望む形のセックスを提供するようになる。ときどき交わされる静香との会話や女性たちとのコミュニケーションを通じて、女性という性の奥深さやセックスが単なる運動ではないと悟るのだった。彼女たちがお金を支払ってホストと肌を合わせる理由は一人ひとり異なっていること、それぞれが性に関して悩みや悲しみを抱えていることをリョウは目の当たりにする。そして、一人ひとりの心に優しく寄り添うのだ。女性たちとの距離感を大事にしながら、踏み込みすぎないように、ほど良い間隔をあけて隣に座る、といった感じだから、リョウの指名本数は増えて、人気は高まっていく。■女性たちが一人ひとり抱える性の苦しみ映画公開時期に、松坂氏が『ナタリー』でインタビューを受けている。「女性たちが彼のどんなところに惹かれるんだと思います?」とインタビュアーから尋ねられ、松坂氏はこう答えている。リョウ自身が傷を抱えている人物だというところでしょうか。女性客1人ひとりが誰にも触れられたくない柔らかな心情を自分の中に持っていますが、彼は無意識的に彼女たちと同じ目線に降りていって、心をほぐすことができる。女性にとってはお互いの繊細な部分を差し出し合うことができる存在となったから、彼は必要とされたのかなと思います。出典:リョウは幼い頃に母親を亡くしている。最後にかけられた言葉は「温かくして、いい子でいてね」というもの。幼いころに母親を失った彼のショックは計り知れない。母の面影を静香に感じて、リョウは静香を慕い、自分に生きる理由、自分が他者から必要とされるきっかけを与えてくれた彼女に愛情を抱くようになったのだろう。『娼年』では丁寧に描かれたセックスシーンが続く。夫に彼女がいる女性。妻が他の男性とセックスする様子を見たいと望む性的に不能な男性(実は不能ではなく、「寝取られ」が趣味な男性だと判明)。夫とセックスレスの女性……。性的に満たされたくても満たされない女性たちの姿が描かれ、皆それぞれ性に対してしんどさを感じ、もがいているのだなと感じさせられる場面ばかりだ。■女性がおしっこする瞬間を見届けるひとつとして同じセックスはない。人それぞれ性的嗜好が異なるから、すべてのセックスには個性がある。リョウはそれらを肯定も否定もすることなく、ただフラットに受け入れて、女性たちと向き合ってきた。「放尿する瞬間を見られることでエクスタシーを感じる」という女性とも真摯にコミュニケーションを交わす。彼女はリョウに勇気を出して打ち明けた。私がおしっこをするところを見ていてほしい、と。過去に付き合った男性に頼むと大抵引かれ、気持ち悪がられてきた。「リョウくんも引くかもしれない」という彼女の不安を打ち消すように、リョウは「見せてください」と言う。居間に立ったまま、彼女はリョウの前で勢いよく放尿し始める。リョウはそれをただただ見つめ、彼女がすべてを出し切ったあと、近くに寄って頭をそっと撫でた。笑顔で。ギョッとしたり、「おしっこ?何言ってんの?」と否定したり、バカにしたりするシーンかもしれないけれど、リョウは最後の最後まで見届けた。自身の性的嗜好を雑に扱われたり、踏みにじられたりして、かつて傷ついたことのある女性が見ると、心が癒やされるシーンなのではないかと思う。『娼年』はリョウというひとりの若い男性の成長物語であり、多様な性的嗜好がこの世に存在していること、女性が性欲を満たしたいと思うのは当然であること――そんな見過ごされてきた、スルーされがちな「性のあたりまえ」を伝えてくれる作品だ。Text/池田園子画像/Shutterstock
2018年11月24日俳優・松坂桃李が主演を務める映画『娼年』が、動画配信サービス・ビデオマーケット(VideoMarket)の10月マンスリー視聴ランキング(集計期間:10月1日~10月31日)の映画部門で1位になった。同作は、2001年の直木賞候補となった石田衣良の恋愛小説を原作に、三浦大輔監督がメガホンを取った作品。無気力な大学生・森中領(松坂)は会員制ボーイズクラブ「パッション」で「娼夫」となり、女性の欲望を引き出していく。2016年8月には松坂主演、三浦大輔演出で舞台化され、当日券を求める人々で長蛇の列となった。映画は女性を中心に評価され、R18+では異例となる応援上映も実施された。今年4月の公開記念舞台あいさつでは、三浦監督が「セックス・エンタテインメントだと思ってるので。アートのかけらもない娯楽作品だと思ってます」と断言。松坂は、「濡れ場のシーンも多いんですけど、笑っていいところは十分に笑ってほしいな」「舞台でも段々日を追うごとに爆笑、大爆笑となっていたので、我慢せずに」と呼びかけていた。また、老女役を演じた女優・江波杏子さんが10月27日に逝去。出演映画ではこれが遺作となり、三浦監督は「業界の大先輩である江波さんは、僕みたいな未熟な演出家・監督に対しても真摯にご指導して下さり、本当に熱心に作品、そして役に向き合って下さりました。その姿勢に感銘を受け、稽古場、撮影現場では、とても幸福な時間を過ごさせて頂きました。歳を重ねられても変わらぬ美しさ、凛々しい佇まい、全てを包み込むような優しい笑顔、僕の脳裏にずっと残り続けています。ご冥福をお祈りするとともに、天国に召された江波さんに心からの感謝をお伝えしたいです」と追悼のコメントを寄せている。○VM10月マンスリーランキング「映画部門」娼年ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーちはやふる-結び-50回目のファーストキスグレイテスト・ショーマンアベンジャーズ/インフィニティ・ウォーパシフィック・リム/アップライジングママレード・ボーイピーターラビット美女と野獣
2018年11月06日去る2018年10月27日、名女優・江波杏子さんが肺気腫(慢性閉塞性肺疾患)の急性増悪のため、急逝したことが所属事務所より発表された。76歳だった。1942年10月15日生まれ、1960年公開の『おとうと』で映画デビューを果たし、その後初主演作『女の賭場』が大ヒットとなり、『女賭博師』シリーズとして17本がつくられ大映の看板スターになった江波さん。近年では、「女王の教室」「ごくせん」や連続テレビ小説「カーネーション」「べっぴんさん」などに出演。さらに、松坂桃李主演の映画『娼年』では、舞台版に引き続き上品な老女役で出演していた。この度の急逝に関して、所属事務所は「あまりに突然の出来事に言葉もありません」とコメント。さらに、「肺気腫は長年患っておりましたが、日常生活には差し障りなく女優業に励んでおりました。現に10月22日(月)まで、NHKのラジオドラマの収録をしておりましたし、11月以降から来年にかけて、いくつかのドラマのオファーにもお引き受けすべく、私共スタッフとミーティングも重ねておりました」と明かしている。この訃報にネットでは、「また一人、格好良い女優さんが旅立たれた」「江波杏子さんは、この間まで再放送していた朝ドラカーネーションに出ていたからショック。好きな女優さんの一人」「また一人大好きな女優さんが逝ってしまった」「嘘でしょ… ショック…」といった悼む声が後を絶たない。また、舞台版「娼年」で共演した女優・須藤理彩は、SNSにて共演をふり返りつつ「また成長してお会いしたかったです。ありがとうございます」と悲しみの声を寄せている。なお、江波さんが出演したドラマは今後も放送していく予定だという。素晴らしい演技で多くの人々を魅了してきた江波さん――心よりご冥福をお祈りいたします。・「カラスになったおれは地上の世界を見おろした。」11月10日(土)22時~NHKBSプレミアム・「山村美紗サスペンス 赤い霊柩車37 猫を抱いた死体」11月16日(金)19時57分~フジテレビ・「FMシアター 罵詈雑言忠臣蔵」(ラジオドラマ)12月8日(土)22時~NHKFM・「小吉の女房」2019年1月11日(金)20時~(全8回)NHKBSプレミアム(cinemacafe.net)
2018年11月02日『娼年』『孤狼の血』など“体を張った”主演作が続き、先の日曜劇場「この世界の片隅に」では主人公の夫を好演した松坂桃李が、10月17日に30歳の誕生日を迎える。松坂さんをはじめ、“昭和の最後”ともいえる1988(昭和63)年生まれには新垣結衣、戸田恵梨香、東出昌大、窪田正孝、三浦翔平、瀬戸康史らに89年早生まれの佐藤健や千葉雄大などがおり、その顔ぶれの豪華さから“奇跡の世代”と呼ばれている。松坂さんは、その日本エンタメ界を担う中心世代の旗手ともいえる存在だ。30歳となった“役者・松坂桃李”は、文字どおり大きな節目を迎えている。若手俳優の登竜門“戦隊もの”と“朝ドラ”を制覇松坂さんは、大学在学中「FINEBOYS」専属モデルとして芸能活動をスタートすると同時に、所属事務所トップコートの養成所入り。2009年オーディションに合格し、「侍戦隊シンケンジャー」シンケンレッド・志葉丈瑠役で俳優デビューを果たす。特撮ファンには、同作の“殿”としておなじみだ。その後、「チーム・バチスタ2ジェネラル・ルージュの凱旋」では冷静沈着な研修医を演じ、「GOLD」では五輪候補の競泳選手に、配信コメディドラマ「女神のイタズラ ~キミになったボク~」では9歳の少年の魂が乗り移った青年にもなった。当時、シネマカフェが初めて松坂さんにインタビューした際には、俳優になることを両親から反対されたことを打ち明け、「『この世界でやっていく!』と自分で口にして、そこで後に引けなくなったときに覚悟が固まった」と初々しく語る姿が印象的だった。躍進の年となったのは2012年で、『麒麟の翼~劇場版・新参者』(1月公開)に始まり、NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」(4~9月放送)で安岡信郎役に抜擢されると、さらにファン層を拡大。『王様とボク』(9月公開)では菅田将暉や二階堂ふみらと共演し、生者と死者を再会させる高校生に扮した単独初主演映画『ツナグ』(10月公開)では故・樹木希林さんとも共演。『今日、恋をはじめます』(12月公開)では学校一のイケメンを演じ、翌2013年・第36回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞する。『ガッチャマン』(13)ではリーダーである“大鷲の健”こと鷲尾健を演じたほか、大河ドラマ「軍師官兵衛」(14)では稀代の軍師である父の背中を追う息子・黒田長政に。映画出演が続いた2015年は、『マエストロ!』での若きバイオリニストから、『エイプリルフールズ』でのセックス依存症の若手医師、『日本のいちばん長い日』での敗戦を認められない血気盛んな青年将校、『ピース オブ ケイク』での主人公の親友のオカマ、『劇場版MOZU』での狂気のテロリストと実に多彩な役柄を経験してきた。そして、堤幸彦監督による舞台と映画のメディアミックス『真田十勇士』では霧隠才蔵に。宮藤官九郎脚本の「ゆとりですがなにか」では“ゆとり第1世代”の事なかれ主義の小学校教師役に。『パディントン』では愛すべきドジっ子クマ、『デスノート Light up the NEW world』では死神の声を務め、2度目の連続テレビ小説「わろてんか」ではヒロイン・てん(葵わかな)の夫で、笑いを商いにするために奔走した北村藤吉役で深みを見せた。日曜劇場「この世界の片隅に」でも、ヒロイン・すず(松本穗香)を支える凛々しい姿が好評を博したばかりだ。素は天然?無頓着?後輩・菅田将暉&先輩・中村倫也にもイジられ…その「わろてんか」出演中には「あさイチ」のプレミアムトークに登場。「松坂さんはコンビニのビニール袋に台本や飲み物、ハンカチなどを入れ現場バッグとして使っている」と共演の藤井隆に暴露された。なんと、そんな無頓着な松坂さんと同様、恋敵から商いの相棒となる伊能栞役の高橋一生も同じく“ビニール袋派”だったことが判明、ちょうどいいエコバッグを見つけた高橋さんが「“そういえば桃李君も…”と買ってくださって、いまは一生さんと色違いのエコバックを使ってる」と明かして、ファンたちを萌えさせた。一方、この10月15日(月)深夜には、同じ事務所の後輩・菅田さんがパーソナリティを務める「オールナイトニッポン」に、今年知名度を全国区にした事務所の先輩・中村倫也がゲスト出演。『キセキ ーあの日のソビトー』など共演も多い菅田さんは9月に松坂さんが出演した回をふり返り、「会話にならなかった」と述懐すると、中村さんも「トップコート1、ストレス発散が下手なやつだから」とイジりまくり、最後まで「あいつ」「あのあんちゃん」と言われる始末。そもそも今年1月、松坂さんが同番組に出演した際、映画『不能犯』の番宣もそっちのけでアプリゲーム「遊戯王デュエルリンクス」にハマっていると大盛り上がりしたことが発端。以後、ゲスト出演のたびに「遊戯王」トークを炸裂させたことから、今回も本人不在ながら言及されたようで、2人との“仲の良さ”(?)が伺えた。同じく“戦隊レッド”出身の千葉さんや志尊淳などは、ちょっぴり毒っ気も感じさせる“可愛らしい”系イケメンだが、松坂さんは“殿”らしいリーダー的な役回りはもちろん、近年ではクールなルックスを生かした優男や少々歪んだエリート、素に近い(!?)不器用すぎる青年など、1作ごとにその色を巧みに塗りかえてきている。R指定映画で見事な脱皮と進化!映画賞ノミネートは確実かそんな中、注目したいのは、国民的ドラマに出演する一方で、過激な性描写が話題となった『娼年』を筆頭に映画倫理機構(以下、映倫)に指定を受ける作品に相次いで出演してきている点。直近のシネマカフェのインタビューでは「20代後半でやれることは全部やった」「いろいろな作品の扉を見つけることができたので、30代は扉を開けて、その色を濃くしていくのがメインになっていくと思います。そこから40代につなげたい」と語っていたが、駆け抜けた20代の集大成とするべく、あえて“そこ”を目指してきたように思える。先日発表された、国内映画賞のスタートを飾る第10回TAMA映画賞では、「作品ごとにまったく異なる境遇に生きる若者の姿をほとばしる情熱で息衝かせた迫真の演技は、観客を魅了した」として『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』の演技により、最優秀男優賞を同い年の東出さんと分け合っている。今後の各映画賞でもノミネートは確実となりそうだ。R18+『娼年』彼にしかできない役に絶賛相次ぐ2001年に石田衣良が発表したセンセーショナルな小説が、三浦大輔監督のもと舞台化(R15指定)に続いて映画化。幅広い世代の女性を中心に動員した本作は、リピーターも多く「#おかわり娼年」というタグができたり、土日やレディースデーは満席が続出。松坂さんは2017年春、スペシャルドラマ「ゆとりですがなにか 純米吟醸純情編」クランクアップ後、わずか1日半で“あの世界”に戻っていったそうで、様々な女性たちとの経験を通じて成長していく青年を見事に体現。その赤裸々すぎる性描写は、可笑しみすら感じさせた。最近になってソフトや配信で目にした人たちからは、改めて「役者魂すごい」「これの応援上映してたの面白すぎる」といった声が聞こえている。R15+『孤狼の血』平成版“東映実録シリーズ”でも存在感“警察小説 ×『仁義なき戦い』”といわれた柚月裕子の同名小説を映画化。続編製作も決定している。「変なコンプライアンスを気にしたり、自主規制をせず、やれることを逃げずにやる」と白石和彌監督が語るとおり、まさに泥くさく、汗くさく、容赦なく、“昭和”を感じさせる映画となった。警察のルールや常識を度外視するベテラン刑事・大上(役所広司)とコンビを組むキャリア刑事・日岡を熱演した松坂さんは、同時期に公開されていた『娼年』とは打って変わって(?)、偶然出会った桃子(阿部純子)と結ばれるシーンは不器用さも感じさせた。R15+『彼女がその名を知らない鳥たち』桃李史上最高のゲス男!?“イヤミスの女王”沼田まほかるの小説を、上記『孤狼の血』の白石監督がメガホンをとり映画化。演じたのは、クレーマーの主人公・十和子(蒼井優)が、同棲相手(阿部サダヲ)がいながら情事に溺れていく妻子ある男で、イケメンで優しく、言葉巧みな時計売り場の営業マン。蒼井さんを相手に『娼年』にも匹敵するエロティックなラブシーンを繰り広げるが、そのクズっぷりや、豹変の仕方は松坂桃李史上最高の“ゲス男”といえそう。『ユリゴコロ』R15+指定でもおかしくない衝撃作同じく沼田まほかるの小説を吉高由里子主演で映画化した本作は、「12歳未満は保護者の助言・指導が必要」というPG12指定だったが、松坂さん演じる青年が読み進めていく“殺人者”の手記の内容や、その暴力的で残虐な描写からR15+指定でもおかしくはなかった作品。今から観るなら、ぜひとも注意して観てもらいたいところだ。『孤狼の血』や『不能犯』(PG12)、「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」の終盤などでも見られた、松坂さんの“目がイッた”演技を堪能できる。これから2019年2月には、故・蜷川幸雄の志を継いだ吉田鋼太郎が演出を手がける舞台「ヘンリー五世」が控えている松坂さん。2013年に上演した吉田さん主演「ヘンリー四世」に続いて、シェイクスピアに挑む。さらに本木克英監督のもと、2019年5月公開の『居眠り磐音』では“時代劇史上最も優しい主人公”に。これまで『真田十勇士』や「軍師官兵衛」などに出演してきたが、時代劇は初主演!自身の言葉の通り、かつて叩いてきた扉を開けて、新たな1歩を踏み出そうとしている形だ。いま、30代の松坂さんにも期待しかない。(text:Reiko Uehara)■関連作品:彼女がその名を知らない鳥たち 2017年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会孤狼の血 2018年5月12日より全国にて公開ⓒ 2018「孤狼の血」製作委員会娼年 2018年4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開© 石田衣良/集英社2017映画『娼年』製作委員会
2018年10月17日家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。今回は、ほとばしる松坂桃李の芸術的エロスを観賞!■『娼年』Blu-ray&DVD発売中・レンタル中『娼年』といえば言わずと知れた石田衣良氏による小説。’01年に出版され、’16年に三浦大輔が脚本・演出を担当し、松坂桃李主演で舞台化。今年4月、同じコンビで映画化もされました。そしてこのたび映画のBlu-ray&DVDが発売。初版から十数年の時を経てなお話題を呼ぶのは、「男娼」というアンダーグラウンドな職業への興味と女性たちの多様な欲望を、美化せず冷笑もせずすくいとりエンタテインメントとして昇華させた名作だからだと思います。さて、映像で見る『娼年』。無気力に生きる男娼・リョウが、女性たちと関わることによって瞳に生気を宿していくさまを松坂桃李さんは名演しているし、ほうれい線でさえ艶やかに見せてしまう女優たちの演技は圧巻。舌が絡まり合う音、肌と肌がぶつかり合う音、吐息、つばを飲み込んだときに動く喉仏……。リアルです。そして、しなやかに動く肉体の陰影はエロティックかつ芸術的。スイッチが入り能動的に求める女性たちの姿も当然描かれています。「性描写に一切の妥協をせず」と語った三浦大輔監督の言葉どおりでした。男娼リョウも、彼を指名する女性たちも、性と向き合うことで生気を吹き返します。性は滑稽でもあり、時に悲しみや幸せな気持ちをもたらす表情豊かなものであること、性は生であることを鮮やかに思い出させてくれます。
2018年09月24日石田衣良の恋愛小説を、2016年上演の舞台と同じく“松坂桃李×三浦大輔”のコンビで映画化した『娼年』。現在公開中の本作を観賞した人たちからは絶賛の声が寄せられている中、今回なんと“女性限定”での応援上映の開催が緊急決定した。4月6日に公開を迎え、公開から7週目を迎えた現在でも、幅広い世代の女性を中心に動員。リピーターも多く、土日やレディースデーは満席が相次ぎ、公開6週目には興行収入3億円を突破した本作。ネット上では、「控えめに言って松坂桃李の肉体美しすぎた」「桃季くんの、濡れ場シーンはやばたんだらけでしたがしんみりくるシーンで、泣いてしまいました」「何回見ても、俳優さんの芝居に脱帽する」と絶賛する声や、イラスト共にその衝撃さを表現する人たち、さらに“#おかわり娼年”といったタグも登場。そんな中、「応援上映やりた~い」「娼年を応援上映で見たい」といった応援上映を望む声が相次ぎ、その多数の要望を受け、女性限定での応援上映が実施されることに。R18+指定作品での応援上映は、なんと日本初!発声OK、コスプレOK、サイリウム・光り物使用OK、楽器使用OKのレギュレーション。ゲストには三浦監督の参加も決定した。応援上映開催を受け、ネットでは「娼年の応援上映楽しそう」「めっちゃ気になるぅ~」「特に熱海とかめちゃくちゃ応援しがいがあるので応援上映絶対向いてる」といった反応のほか、「娼年の応援上映、最高にカオスな予感しかしない」「娼年応援上映って何事??」「娼年応援上映どないすんねん笑」「どういう掛け声をかければ…?!」と、戸惑いや“一体どんな上映になる?”という声も多数寄せられているようだ。なお、チケットは26日(土)AM0時よりオンラインチケットを販売、劇場窓口では同日劇場オープン時より販売をスタートする。『娼年』応援上映は5月30日(水)17時35分~池袋 HUMAX シネマズ スクリーン4にて開催。『娼年』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:娼年 2018年4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開© 石田衣良/集英社2017映画『娼年』製作委員会
2018年05月25日これまで幾度となく人気舞台劇が映画化されてきた日本だが、今年は特に豊作なのをご存知だろうか?なかでも、6月22日(金)より公開される『焼肉ドラゴン』は、日本の演劇賞を総なめにした、演劇界の金字塔作品とも呼ばれているだけに、大きな注目を集めている。■『焼肉ドラゴン』が演劇界に残した軌跡(6月22日公開)舞台劇「焼肉ドラゴン」は朝日舞台芸術賞グランプリ、読売演劇大賞および最優秀作品賞など数々の演劇賞を受賞しているだけでなく、多くの観客から熱狂的支持を得て11年、16年と再演も果たしている。舞台の演出を手がけたのは、その世界では一流として知られ、映画界では北野武主演『血と骨』や『月はどっちに出ている』といった作品の脚本を手がける鄭義信。今回の映画化でも、自らメガホンを取り演劇界、映画界両サイドからの注目を集めている。今作では日韓共に名優をそろえており、長女・静花役に真木よう子、次女・梨花役に井上真央、三女・美花役に桜庭ななみと美しい3姉妹が顔を並べるほか、梨花と結婚する男性・哲男に大泉洋、美花と秘めた恋をする男・長谷川豊役に大谷亮平など男性人も実力派ぞろい。韓国からは、静花に熱烈なアプローチをする男性にハン・ドンギュ、「焼肉ドラゴン」の常連客にイム・ヒチョルなど、名優が多数出演。「小さな焼肉屋の、大きな歴史を描きたい」と語る監督の言葉通り、70年代の時代の記憶、人々のぬくもりが、映像として鮮明に蘇っている。■今年は舞台作の実写化は注目作ぞろいこれまで何度も舞台作が実写される中、特に今年はその中でも期待値の高い作品が揃っている。映画『娼年』(公開中)すでに公開されている石田衣良原作の『娼年』は、その大胆な精描写を見事に舞台にでも演出したことで異常なまでの評判を得た。劇団「ポツドール」主宰者で劇作家の三浦大輔が演出を手がけ、主演に松坂桃李を迎えている。なお映画も舞台版の監督・主演が続投し、R-18指定で上映されるなど、妥協の一切ない映画化となっている。映画『あいあい傘』(10月全国公開)2012年をもって解散した劇団「東京セレソンデラックス」が2007年に上演した舞台「あいあい傘」も、10月に映画化されることが発表されている。同主催の宅間孝行は、映画版の公開とタイミングを合わせ、宅間自身で作・演出を担う舞台の再演も決定している。(text:cinemacafe.net)■関連作品:娼年 2018年4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開© 石田衣良/集英社2017映画『娼年』製作委員会焼肉ドラゴン 2018年6月22日より全国にて公開© 2018「焼肉ドラゴン」製作委員会
2018年04月30日松坂桃李の主演映画『娼年』(三浦大輔監督)は、女性に体を売る青年を描き直木賞を受賞した石田衣良の小説の映画化で、その設定が世間をざわつかせた。経済的な理由により女性が体を売る商売を行うことが問題視されたり、映画などで女性が衣服を脱ぎ身体をさらすことを女優として文字通り一皮むけたと注目されたり、ヌード写真集を出すことが芸術か否かと物議を醸したりしているなかで、男性である松坂桃李が、体を売る商売を行う青年役を演じ、裸体をさらしまくることで話題になることは、なんてフェアな行為であることか。世の中には、女性にお金を出してもらうホストという仕事や、裸になったりセクシャルな表現を売りものにしたりする男性もいるにもかかわらず、女性のことばかりが取りざたされるのもおかしな話だからだ。○女性たちに寄り添っていくリョウ松坂桃李演じる主人公リョウは、女性とのつきあいに何の価値も見いだせずにいたが、あるときから、女性に体を売る仕事をすることになる。ここで出会った女性はお金持ちだが、ワケありの人が多く、リョウはそれぞれの独特の性癖に向き合い、彼女たちを満足させることに勤しむうちに、表面的でなく心から、ひとりひとりの女性の心に寄り添っていく潜在能力に目覚めていく。……と書くと、ものすごくロマンティックで美しいお話のようにも思えてしまうが、出て来る女性たちの求めるものは、どれもどこか滑稽で、だからこそ、誰にでも、裸以上にさらけ出せるものではなく、この人と思った人にしか見せられない。松坂桃李演じるリョウは、“この人”と白羽の矢が立つ存在で、みごとにその要望を叶え、売れっ子になっていく。○一皮むけた松坂桃李この映画で、松坂桃李は世の女性と同じく、俳優として一皮むけたと思う。その根拠となる部分は、ふたつある。まず、イメージの刷新だ。近年の松坂は、女性の敵のような役がハマっていた。嘘つきの遊び人のエリート医師を演じた『エイプリルフールズ』(15年)にはじまり、エリート医師ならともかく、中身もないのに受け売りの情報で女を騙すクズ男を演じた『彼女がその名を知らない鳥たち』(17年)など、松坂は知的な二枚目という雰囲気を生かして、見る者を鮮やかに裏切ってきた。『娼年』では、女性に体を売るという一見、背徳的に見えながら、じつは最も女性の味方になるという役を演じって小気味よかった。芸能を聖職のように美化することなく、人の欲望を一身に背負う仕事であることを達観して淡々とやっている俳優のひとりに斎藤工がいるが、松坂桃李が彼と並ぶ2大俳優であると思う。2人の共通点は、唇である。彼らの肉感的で、少しだけ暗い血の色をして、その奥に何か深遠なものを湛えているかのような唇は、人間の欲望は気高さと堕落を行き来していることを示しているように見える。○影法師のようにふたつめは、身体表現の技術だ。女性を喜ばせるときの彼の所作もまた、黙って立ったり横たわったりしていれば、鍛え上げられた身体に素敵な照明で陰影がつき、じつに素敵だが、一生懸命になればなるほど滑稽に見えていく。とりわけ、大殿筋の震えはすばらしかった。身体を意識的に操りエンターテインメントに昇華するという、パフォーマーとしての才能を開花させたといえるだろう。言葉数少なく、演技しています! という気負いも見せず、にもかかわらず、圧倒的に、なかなか手が出せない意義深い役を演じていく松坂桃李。なんとも不思議な俳優だ。俳優デビューは戦隊もので、“イケメン俳優”と呼ばれる若い俳優たちの登竜門であり、世間の認識は自ずと“イケメン俳優”のひとりとなった。だが、自身でも語っているように、インタビューなどでキャッチーな発言もしないし、どこか冷めているようなところがあって、“イケメン俳優”枠に収まらない空気を漂わせてきた。そんな彼だからこそ、ふつうはファンがショックを受けそうな、女性の敵のような役もやってのけるのだろう。爽やかさや健全さが売りのひとつである朝ドラの『わろてんか』(17年)で、主人公(葵わかな)の相手役をやっている最中も、映画『不能犯』で悪役をやり、さらに、朝ドラが終わった直後に『娼年』をやって、イメージを固定化することをひらりひらりと交わしていった。そもそも、朝ドラ『わろてんか』では、途中で亡くなったにもかかわらず、毎週土曜日に幽霊として登場し、主人公を励まし、最終回も、幽霊なのに生きている主人公との2ショットで終わったという前代未聞のファンタジー朝ドラの立役者となったのだ。松坂桃李は、まるで影法師のようだ。常に人間に寄り添い、人間の光に照らされている面とは違う、環境によって形も変えていくような面を演じ続ける俳優。いつまでもミステリアスに蠢き続けてほしい。■著者プロフィール木俣冬文筆業。『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中。ドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書『挑戦者たちトップアクターズ・ルポルタージュ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』、構成した書籍に『庵野秀明のフタリシバイ』『堤っ』『蜷川幸雄の稽古場から』などがある。最近のテーマは朝ドラと京都のエンタメ。)
2018年04月25日石田衣良のベストセラー恋愛小説を、舞台版と同じく主演・松坂桃李×監督・三浦大輔のコンビで映画化した『娼年』が現在公開中。松坂さんの身体も感情も隠すことなく挑んだセックスシーンが話題となっている本作だが、それだけでなく、松坂さんと娼夫役の猪塚健太とのシーンにも注目が集まっているようだ。公開前から大きな期待と注目を集めていた本作だが、つい先日公開を迎えると、SNSを中心に「爽快感がすごい」「感動して笑って泣いた」「いろいろと語りたい」「松坂桃李の演技力がすごくて圧倒される」「娼年ワールドの虜に」「満員の映画館で観るのは不思議な体験というかもはや事件」と様々な声が寄せられ、“R18+指定作品”としては異例のヒットを記録。TOHOシネマズ新宿、TOHOシネマズ日比谷では、平日の昼間は主婦や学生、夜はOLなどがつめかけ、満席が続いているという。そんな予想をはるかに超える衝撃と感動で話題沸騰中の本作では、客の女性たちとの物語はもちろん、松坂さん扮するリョウと「Le Club Passion」でNo.1を競う娼夫のアズマとのシーンが注目を集めている。アズマこと平戸東を演じるのは、『斉木楠雄のΨ難』や「ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン」などに出演し、2016年上演の本作の舞台版でも同役で出演した猪塚健太。痛みでしか性的な快感を得られないという特殊な感覚を持ち、「僕の中で配線がこんがらがっているんだ」というアズマの告白に真剣に耳を傾けるリョウ。そこから繰り広げられるのは、男性同士の濡れ場と、アズマが快感を得るためにリョウにあることを頼む場面。舞台では、アズマがリョウにアイスピックで胸を切り裂いてもらうという演出があったが、これは遠くから観る観客には伝わらないかもしれないという理由で原作とは異なるこのシーンに変わっていた。しかし、それが今回映画では原作通りのシーンになり、猪塚さんは「念願が叶ってとても嬉しかったです」と喜んでいた。また、原作を再読してよりアズマに近づくようにと8kgの減量をし、純真と狂気との狭間を漂うアズマを見事に体現した猪塚さん。松坂さんとの共演については、「桃李くんがリョウを演じてくれているからこそ僕も女優さんも安心してこの作品に挑むことができるんだと、映画版で再びご一緒させていただいて改めて実感しました」と、舞台での経験を経て、阿吽の呼吸みたいなものがすでにあったとふり返っている。そして、ナイフで切られた傷跡が無数にあるアズマの身体と、彼が快感を味わうシーンには思わず目を背けることがあるかもしれない…。しかし、猪塚さんは舞台でのアズマとリョウという関係性をより研ぎ澄ませ、洗練させた手応えがあると映画への自信を覗かせている。普段は好青年に見られがちだが、「本当はどちらかというと“アズマ側”」だと明かす猪塚さんは、「アズマのような危うい部分を秘めた人間を僕は理解出来ますし、こういう役を演じてみたいとも思っていました」と意外なコメントも。そんな猪塚さんと松坂さんの“魅惑のシーン”も本作において見逃せないポイントだ。『娼年』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:娼年 2018年4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開© 石田衣良/集英社2017映画『娼年』製作委員会
2018年04月20日俳優の松坂桃李が主演を務める映画『娼年』(公開中)の場面写真が20日、公開された。今回公開されたのは、猪塚健太演じる娼夫・アズマの場面写真。同作は石田衣良による同名小説を映画化。無気力な大学生・森中領(松坂)は会員制ボーイズクラブ「パッション」で「娼夫」となり、女性の欲望を引き出していく。2016年8月には松坂主演、三浦大輔演出で舞台化され、当日券を求める人々で長蛇の列となった。公開以降、SNSを中心に話題となり、R18+指定作品としては異例のヒットを記録している同作。中でも注目を集めているのは、リョウ(松坂)と「Le Club Passion」でNo.1を競う娼夫のアズマ(猪塚)とのシーンだ。痛みでしか性的な快感を得られないという特殊な感覚を持ち、「僕の中で配線がこんがらがっているんだ」というアズマの告白に真剣に耳を傾けるリョウ。そこから男性同士の濡れ場が繰り広げられ、アズマは快感を得るため、リョウにあることを頼む。舞台では観客が遠くから観ているため、原作とは違い、アズマがリョウにアイスピックで胸を切り裂いてもらうという演出だった。映画では原作通りのシーンとなり、猪塚は「念願が叶ってとても嬉しかったです」と語る。舞台版から同じ役を演じている猪塚は、原作を再読して思い描いたアズマ像に近づくようにと“線の細い少年のような体作り” のために8kgの減量をし、繊細に表情や声に変化をつけ、純真と狂気との狭間を漂うアズマを表現した。「桃李くんがリョウを演じてくれているからこそ僕も女優さんも安心してこの作品に挑むことができるんだと、映画版で再びご一緒させていただいて改めて実感しました」と、舞台版から共演を続ける松坂を絶賛した。普段は好⻘年に見られがちな猪塚。しかし「本当はどちらかというと“アズマ側”なんです。アズマのような危うい部分を秘めた人間を僕は理解出来ますし、こういう役を演じてみたいとも思っていました」と意外な面も覗かせた。
2018年04月20日映画化困難といわれた石田衣良のベストセラー小説を、主演・松坂桃李×監督・三浦大輔のコンビで実現させた『娼年』。多くの女性の支持を得て、R18+指定作品ながら異例のヒットとなっていることを受け、“娼夫リョウ”が初めての“仕事”に向かう本編映像を入手した。■観た者は「娼年ワールドの虜に」 「もはや事件」の声も4月6日(金)に公開を迎えた本作。SNSを中心に「爽快感がすごい」「感動して笑って泣いた」「いろいろと語りたい」といった声や「松坂桃李の演技力がすごくて圧倒される」「娼年ワールドの虜に」と絶賛のコメントが続々。「これは絶対に映画館で見てほしい」「エロ過ぎるとか言う前に、まずは観て!」など鑑賞を呼びかける投稿も多くみられ、口コミも広がっている。「満員の映画館で観るのは不思議な体験というか、もはや事件」との声も上がるほど、R18+指定作品としては異例のヒットを記録しており、都内のTOHOシネマズ新宿、TOHOシネマズ日比谷では平日の昼間は主婦や学生、夜にはOLなどがつめかけており、満席が続出中だ。■娼夫リョウ誕生の瞬間…初出勤シーンを公開!そんな中、到着したのは、娼夫になることに決めたリョウ(松坂桃李)が、初めての仕事の連絡を受け、準備を整えて女性との待ち合わせ場所へ向かう、まさに“娼夫リョウ”誕生のシーン。御堂静香(真飛聖)からの電話で起きたリョウ。「リョウくん、初めての仕事よ」といきなり切り出され、「え?」と事情が呑み込めない彼に構わず、静香は時間や待ち合わせ場所を矢継ぎ早に指示し、「安心して。私もよく知ってる、いいお客様だから」と言う。「でも、どうすれば?」と動揺するばかりのリョウに、静香は「どうもこうもないわ。相手をよく見てあなたの感覚や知性のすべてを働かせて飛び込んでらっしゃい」と、アドバイスする…。すぐにシャワーを浴び、歯を磨き、髪を整え、新しい下着とスーツを身に着け、ポケットには避妊具もしのばせ、いよいよ初出勤。緊張の面持ちで渋谷の雑踏を進み、待ち合わせ場所で客の女性を待つリョウは、キョロキョロと周りを見回したり、スマートフォンに目をやったりと、落ち着かず、不安を隠せない様子だ。最初は、そんな戸惑いや不安げな表情を見せたリョウだが、次第に女性の欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれ、“娼夫”という仕事にやりがいを感じるようになっていく。リョウが女性たちの欲望を解放していく過程で、彼女たちの心の奥底に潜む想いを受けとめ、娼夫としても人としても成長していく姿は人間ドラマとしても魅力的。松坂さんが「何より女性の方にこそ観ていただきたい作品」と語り、静香の娘・咲良役の冨手麻妙は「女性は、登場人物の誰かに共感したり、自分の人生を振り返ったりして、余韻に浸れると思います」、舞台版に続き娼夫アズマを演じた猪塚健太は「女性に寄り添った、女性の味方の作品。“私たちの映画だ”と思って観ていただきたいです」とそれぞれアピールする本作。やがてはクラブのナンバーワンを競うほどになるリョウの第一歩を、まずは本映像で確かめてほしい。『娼年』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:娼年 2018年4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開© 石田衣良/集英社2017映画『娼年』製作委員会
2018年04月19日松坂桃李が2016年に上演した舞台版に続き、同役を続投した映画『娼年』の公開記念舞台挨拶が4月7日(土)TOHOシネマズ日比谷にて行われ、松坂さん、三浦大輔監督らが登壇した。■松坂桃李「上映前の舞台挨拶がよかった…」R18+指定で性描写の多い作品ともあって、松坂さんは「上映前の舞台挨拶がよかったんですが」と苦笑しながら、おずおずと上映後の舞台挨拶に登場。「この(観客の)目線が一種のプレイだと思っています(笑)。まだ続いている感じ、しますね。いたたまれないですね」と松坂さんが照れると、共演の猪塚健太が「スーツを着ていない状態を、完全に想像できますよね?」と客席に飛びかけた。すると、「できますよ、鮮明に」と松坂さんも同意し、その裸を想像したらしい女性観客の悲鳴に似た黄色い声を浴びていた。石田衣良による同名原作を映画化した『娼年』は、大学生活にも退屈し、バーのアルバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている主人公・森中領(松坂さん)が、会員制ボーイズクラブ「パッション」のオーナーである御堂静香(真飛聖)と出会い、「娼夫」として目覚めていく物語。女性ひとりひとりと接していくうちに、彼女たちの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれていく様子を松坂さんが細やかに、大胆に演じた。■三浦監督、松坂桃李と「共犯関係を結んだ」舞台版からともに歩んできた松坂さんとのタッグを、三浦監督は「共犯関係を結んだ」と表現し、「いまをときめく松坂桃李くんを、ここまでやらせた諸悪の根源は僕にあります。女優さんたちもここまで体を張ってやってくれて、すべての指示は僕です。やっと今日で完結できる。感慨深いものがありました」と清々しい表情を見せた。松坂さんも「本当ですね。ずっと、舞台が終わっても、映画版があるのが頭の片隅にあったので、どの作品をやっても『娼年』の映画が迫ってくる感じだった」と、その心境を伝えた。■真飛聖の注目ポイントは「桃李さんのお尻!」そして、共演した女優陣が次々に松坂さんの劇中での佇まいに賛辞を送り出す。真飛さんは公開初日に劇場に観に行ったと言い、「桃李さんの目は、まっすぐじゃないですか。瞳に引き込まれて涙がぽろりと」と感動したかと思いきや、「あと、桃李さんのお尻ですよね!見どころのひとつです」と思わぬポイントもPR。あわせるように冨手麻妙も「松坂桃李は世界を救うと思う!それくらいいい作品になったと思います!」と太鼓判を押すと、さすがに松坂さんが「ダ~メだよ、そんなこと言ったら(笑)」と優しく諭していた。公開記念舞台挨拶には、そのほか、桜井ユキ、馬渕英里何が出席した。『娼年』はTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開中。(cinamacafe.net)■関連作品:娼年 2018年4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開© 石田衣良/集英社2017映画『娼年』製作委員会
2018年04月07日松坂桃李が主演を務める話題作『娼年』が4月6日より公開された。妥協のない描写からR18+指定の本作をおさらい!■原作は性の極限を描いた石田衣良の同名小説!性の極限を描いたセンセーショナルな内容は大きな話題となり、多くの女性から共感を得、2001年の直木賞候補となった作家・石田衣良の同名小説が原作。監督は、池松壮亮と門脇麦のセックスシーンが話題となった『愛の渦』などを手掛ける三浦大輔。「ひとつひとつの行為によって、どういう感情が沸き起こり、それを積み重ねることによって、人間と人間の間にどういうコミュニケーションの形が生まれるのか、丁寧に細かく、その解像度を高めて、描いていきました」。これまで何度も映像化の話が出ては沈んでいったという本作はかなりの“挑戦”となった。原作者の石田氏も「娼年」執筆にあたり、編集者に大学生の娼夫がたくさんの女性と性の仕事をしていくなかで、ひとりの人間として成長していくストーリーであることと、「セックス表現からは絶対に逃げないで書きたい」と話していたそうで、そんな監督&原作者がこだわった、「性描写に関しては妥協しない」「セックス表現からは絶対に逃げない」という、“R18+も厭わない”アプローチが映画化実現への大きなポイントとなったようだ。■あらすじ主人公は、森中領(通称:リョウ)。大学生活にも退屈し、バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている。リョウの中学校の同級生で、ホストクラブで働く田島進也(通称:シンヤ)がある日、ホストクラブの客として訪れた女性を、リョウの勤めるバーに連れてきた。女性の名前は御堂静香。恋愛や女性に「興味がない」という領に静香は“情熱の試験“を受けさせる。それは、静香がオーナーである秘密の会員制ボーイズクラブ、「パッション」に入るための試験であった。最初こそ戸惑ったが、「娼夫」として仕事をしていくなかで、女性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれ、やりがいを見つけていくリョウ。「女性は退屈だ」と言っていたかつての姿が嘘のように、どんな女性の欲望も引き出し、彼との時間を過ごすことによって、彼を買った女性たちは自分を解放していく。やがて静香に対しても想いを寄せるようになるのだが…。■女性との濃密な“触れ合い”で成長していく…予告編退屈な日常を送る20歳の大学生・森中領(松坂さん)は、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香(真飛さん)に誘われ、娼夫「リョウ」として仕事を始める。最初は戸惑ったものの、リョウは様々な女性たちと身体を重ねながら、彼女たちの心の奥に隠された欲望や心の傷を優しく愛し、自らも少しずつ成長していく。■気になるキャストは?主演の松坂さんのほかに、恋愛や女性に「興味がない」というリョウを見出し、娼夫になるよう誘う会員制ボーイズクラブ「パッション」のオーナー、御堂静香には、元・宝塚花組トップの女優・真飛聖。「パッション」に入るための“情熱の試験”の場でリョウの前に現れる静香の娘・咲良役に、園子温監督の秘蔵っ子として『アンチポルノ』で主演を務めるなど活躍し、三浦監督の『何者』にも出演した冨手麻妙。リョウが「娼夫」として出会う、さまざまな客たちからは、わけありの泉川夫妻の夫役に西岡徳馬、上品な老女役には舞台に引き続き江波杏子。松坂さん演じる領の同級生・田島進也に小柳友、同じクラブで働く平戸東(通称:アズマ)に猪塚健太、そしてリョウによって、その欲望を引き出されていく女性客たちに、桜井ユキほか、馬渕英里何、荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣、階戸瑠李という注目女優たちが、各々まさに全身全霊で役にぶつかっていく。■松坂桃李×高岡早紀で2016年に舞台版「娼年」舞台には珍しく「R」指定がついていた本作。映画版と同じく松坂桃李が主人公を演じ、脚本・演出を三浦大輔が手掛けていた。当時松坂さんは、「決意というより本当にこんな役が僕にくるなんて、と思っていたので周りの皆さんが思っている僕のイメージと、作品に関わるイメージがイコールにならないのかなと思ったので、なかなかないチャンスだなと思いました」と、自身の新境地でもあると匂わせていた。ボーイズクラブのオーナー御堂静香役に高岡早紀、リョウの“情熱の試験”の相手をし、彼の才能を一番初めに見出す御堂咲良(サクラ)役に佐津川愛美。またリョウの客となる女性役の村岡希美(ヒロミ)、安藤聖(ミサキ)、良田麻美(チサト)、須藤理彩(イツキ)、リョウの先輩・アズマ役の猪塚健太、そして三浦作品常連の米村亮太朗(シンヤ)、古澤裕介(泉川氏)が出演。さらに追加で、リョウのお客様の1人、老女役に江波杏子。リョウの友だちのメグミ役に樋井明日香、またリョウのお客様の1人泉川紀子役に遠藤留奈の2人がオーディションにより決定した。■舞台を経て映像へ…松坂桃李、この役は「本当にラッキーだった」シネマカフェが取材した際に松坂さんは「舞台が終わって、映画のお話をいただいたんです。それから、僕と三浦さんで飲みに行って、『やるよね?』と確認し合ったりして。『やります、三浦さんも監督されますよね!?』っていう感じで(笑)。映画は監督のもの、舞台は役者のもの、という認識があったりもしますけど、『娼年』においては、そういった割合…責任を半分ずつ分け合おうと思いました。だから、もしも何かあったら、その責任は僕のせいであるし、三浦さんのせいでもある、という意識関係でした」と語った。現在29歳の松坂さんは、2009年「侍戦隊シンケンジャー」で俳優デビュー後、単独初主演の映画『ツナグ』、NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」、大河ドラマ「軍師官兵衛」などで大きな注目を集めてきた。その後も演じた役柄は、『日本のいちばん長い日』の血気盛んな青年将校・畑中健二役、『ピース オブ ケイク』のオカマの天ちゃん、『劇場版MOZU』の殺人鬼・権藤剛役、「ゆとりですがなにか」の童貞の小学校教師・山路一豊役と実にさまざまだった。「20代後半から“いろいろな色の役や作品をやっていこう”とマネージャーさんとも話をしていた最中にいただいたお話だったので、これは本当に、30代に向けてすごくいい経験になると思いました。出来る限りのことをやりました。…20代後半でやれることは全部やったので、ある種、悔いはないです。いろいろな作品の扉を見つけることができたので、30代は扉を開けて、その色を濃くしていくのがメインになっていくと思います。そこから40代につなげたいですし」と決意を語ってくれた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:娼年 2018年4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開© 石田衣良/集英社2017映画『娼年』製作委員会
2018年04月07日●自分の一部になるくらい大切な役無気力な大学生・森中領が会員制ボーイズクラブ「パッション」で「娼夫」となり、女性の欲望を引き出していく……という衝撃的な内容が話題となった、石田衣良による小説『娼年』。2016年に松坂桃李主演、劇団ポツドールの三浦大輔演出で舞台化されると、当日券を求める人たちが長蛇の列をなした。その伝説的な作品が、松坂・三浦のタッグで映画化され、R18+作品として6日より公開された。リョウと同じボーイズクラブで働くアズマを演じる猪塚健太は、舞台版から続投となる。リョウとは同志とも言える間柄でありながら、作品に出る多くの女性たちと同じように、他人には受け入れてもらえない欲望を抱えるアズマを、猪塚はどう演じたのか。アズマに対する思い入れや、役者に対しての気持ちを聞いた。○「他の人にやられたら悔しい」という気持ち――今回猪塚さんは舞台から続投ですが、映画化で同じ役を演じるとわかった時はどんな気持ちでしたか?もう、喜びに満ち溢れていました。「映画化するかも」という話はちらっと耳に挟んでいたのですが、「じゃあ、誰がアズマをやるんだ」と気になったし、「他の人にやられたら悔しい」と思うと夜も眠れないくらいで。いろいろな縁と運が重なってアズマ役に決まって「もう一度あの役をできる」という喜びと、「舞台を超えるものを表現しなきゃ」という緊張が同時にやってきました。――それだけ、舞台の時からアズマという役に思い入れがあったんですね。めちゃめちゃ思い入れがありましたね。アズマという役が魅力的で儚くて、役者として表現する上でやりがいのある役だったので、舞台を通してアズマという人間が僕の一部みたいになるくらい、大切な役で、人物でした。――松坂さんとも舞台からずっと一緒ですが、映画でも共演することになり、何か言葉を交わされましたか?桃李からは「またやるから、よろしくね」と。皆さんセックスシーンが多いので、撮影前に何度かリハを行っていました。「健ちゃんとはもう、阿吽の呼吸でスムーズに絡めるね」と言われて、大丈夫だと思っていたんですが、実際撮影したら簡単なものではなかったです。角度も舞台以上に綿密で、見えてはいけないものを隠したり(笑)。大変でしたが、やっぱり舞台から引き続きやってきた桃李が相手だったので安心だったし、桃李が演じるリョウの、相手を包み込んでくれる優しいところは、桃李本人も持っている一面なので、引き続きやりやすく楽しくできました。――作品を拝見して、映画だけでなく猪塚さんも話題になるんじゃないかな、と思いまして。ご自身でも手応えはありましたか?聞くところによると、アズマという役は原作ファンの中でも結構な人気だそうです。リョウがこれだけたくさんの女性の欲望を叶えている中で、不意に男である僕が絡んでくる。印象に残って欲しいし、一つのスパイスでもありたいと思っています。僕個人でも、舞台で一回培ったアズマとリョウという関係性を、十分研ぎ澄ませて洗練したものをより多くの人に見てもらえる手応えがあります。自信を持ってお届けできると思っています。――他の女性陣にも負けないというような気持ちで。そうですね、僕はよくわかっているし、「僕のリョウだよ」という思いで(笑)。でも、リョウがいろいろな人の欲望に触れることで成長していくので、全員で作り上げた作品になっています。●オーディションで全て脱ぐくらい、本気に○何が何でも受かりたかった――映像作品という意味では、今まで出演されていた中でも大きい作品、大きい役なのかなと思いましたが、そこに対しての思いはありましたか?もちろん、確実に僕の中でも一つのターニングポイントになる作品だなというのは、確信はしています。でも、そもそも舞台版がターニングポイントで、オーディションがあるという話をもらった時から、原作を読んで「絶対にやりたい。この役をやることで、確実に俳優人生が変わるきっかけになる」とすぐに思ったんです。何が何でも受かりたいと思いましたし、今まで以上のものを確実に出さなければ、この先はないなと思いながら、アズマという役と向き合いました。この役を、舞台でも東京芸術劇場という大きな劇場で、あんなにもたくさんの人に観てもらえて。文字通りすべてを脱ぎさって、身も心も感情も出してぶつけました。――オーディションで受かったのは、その思いの強さが決め手だったのでしょうか。そうかもしれません。三浦監督がいて、いろいろな演出を受けながらオーディションを受けて、もう、何も指示されてなくても全部脱いで。――ええ~!! そんなことが!それくらいの気持ちを、見てくれたのかなと思います。どうしてもやりたいという魅力がある作品で役だったので、恥ずかしさとかどう思われるとかは一切考えずに、何でもいいから思いを伝えようとしました。○悔しさから、やりたいことに気づいた――これまでに、他に「ターニングポイントだ」と感じられた作品はありましたか?「地球ゴージャス」に最初に出させてもらった時(地球ゴージャスプロデュース公演Vol.13『クザリアーナの翼』14年)に、僕の中で俳優としてやっていく感覚が変わりました。それまでは役者として全力でやってはいるけど、自分が本当に何をやりたいのかはまだわかってない状態でした。「地球ゴージャス」ではアンサンブルの出演だったので、全然舞台に出られず、袖で見ていることが大半で、とても悔しかった。悔しい思いが自分の中にあることを知って「もう、こんな思いをしたくない」「役者しかない」と思いましたし、岸谷(五朗)さんと寺脇(康文)さんから役者の居方を学び、何かが変わりました。――悔しかったことで、好きだったということに改めて気づかれたんですね。そうなんです。その後にやった作品では、自分をめちゃくちゃ開放できて、演じることがすっごく楽しかったです。自分の気持ちを見つけてから、人のお芝居を見に行くようにもなったし、いろんな作品を知りたいなと思うようになったので、どんどん世界が広がり、『娼年』のオーディションの話にも繋がりました。僕が舞台や役者を好きになっていなかったら、オーディションの話すらなかったし、確実にここにはいなかったと思います。――映画化に当たって、改めて三浦監督から言われたことなどはありましたか?「アズマという役は十分完成していると思うけど、映画になるということで、今作られているアズマをもう何倍も奥深くに行けるように作っといて」と言われました。――そんなさらっと難しいことを……!とんでもないプレッシャーがきたなと思いました(笑)。もちろん舞台の時も相当悩んだし、相当作ったと思ったんですけど、更に何倍も、というお話で。それくらいじゃないと、映像で見せた時に、原作の繊細さや儚さは出ないんだなということに気づきました。もう一度原作を読み直すところから始めて、より深くに潜っていった感覚です。実際の自分は共感できる部分が少ないので、いかに想像して、どんなことをしてきたんだろうと、アズマの生活を自分の中に体験したかのように落とすのが重要でした。○「とてつもない嬉しさ」を感じた――そうして何倍もアズマを自分の中に入れて、痛いシーンや松坂さんとの絡みのシーンは、やはりアズマとして喜びを感じたりされるものですか?演じている時は、アズマになっているので、とてつもない嬉しさを感じています。今まで自分が経験してきた怪我のことなどを思い浮かべると、そういうものでしか喜んでこれなかったアズマがすごく悲しくて。自分にとっては普通なのに、人には受け入れられてこなかった人生で、自分をさらけ出した時にリョウさんが受け止めてくれた喜びを想像 しました。アズマになればなるほど、リョウと対峙した時の喜びが大きかったですね。――映画でも実力派の方々が集まっていますが、他の方の演技で印象的なシーンはありましたか?僕はリョウのおかげで女性の欲望が解放されて、喜びを感じてる姿にあたたかさを感じるのですが、今回は馬淵(英里何)さん演じるイツキが放尿を見てもらった後に見せた表情に「これだ!」と思いました。映画化したことによって、小説で想像してた部分が、明確に伝わった。「娼年、完成してる!」と思いました。舞台の時は、生でセックスシーンを観てもらって、その先に人は何を感じるのかがテーマでしたが、映像ではより原作で描かれている細かい部分を見せることができたんだ、ということを確信しましたね。――最後に、この作品を観る女性にメッセージをお願いいたします。この作品を読んだときに思ったのは、女性って僕らではわからない様々な欲望や悩みがあって、何も欲望を持っていない人はいないということでした。これから作品を観てもらう方も、自分では気づいていなくても何かの欲望を持ってる方がほとんどだと思うので、「欲望を持っていていいんだ」という安心感を持ってもらいたいし、少しでも解放されて温かい気持ちになってもらえたらいいなと思います。R18+の作品ではありますけども、人間のあたたかい部分に触れることができる作品になっていると思いますので、構えずに観ていただけたら嬉しいです。■猪塚健太1986年10月8日生まれ、愛知県出身。劇団プレステージ所属。ミュージカル『テニスの王子様』(11年)に出演以降、舞台『里見八犬伝』、『娼年』(14年)、ドラマ『民衆の敵』(17年)、CM『日野自動車』、ラジオ『渋谷のラジオの学校』でメインMC等、様々な作品に出演し注目を集める。2018年は演劇ユニットunratoの旗揚げ公演『BLOODY POETRY」にて主演を務め、日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』に出演する。主な映画出演作として、『大奥』(10年)、『女子ーズ』(14年)、『深夜食堂』(15年)、『人魚のこころ』(17年)、『斉木楠雄のΨ難』(17)などがある。●【プレゼント】猪塚健太サイン入りチェキ<応募〆:4月12日>猪塚健太のサイン入りチェキを1名様にプレゼントします。○応募要項■応募期間:2018年4月7日から2018年4月12日23:59まで■内容:猪塚健太サイン入りチェキプレゼント■当選人数:1名様○応募方法1.マイナビニュースエンタメch公式Twitterをフォロー2.応募ツイートをリツイート当選者には応募締め切り後、マイナビニュースエンタメch公式Twitterからダイレクトメッセージにて、送付先情報(送付先住所、受取人氏名、電話番号)を伺います。※ダイレクトメッセージ送信後48時間以内にご連絡のない場合や、フォローを外された場合(その場合ダイレクトメッセージを送付できません)は当選を無効とさせていただきます。○当選条件日本国内にお住まいの方 <個人情報取扱いについてのご注意> 応募にあたって以下を必ずお読みください。応募には以下の「個人情報取扱いについて」に同意いただく必要があります。「個人情報取扱いについて」に同意いただけない場合はプレゼント抽選の対象となりません。(1)個人情報取扱いについて:マイナビでは個人情報保護マネジメントシステムを構築し、正しい個人情報の取扱および安全管理につきましてできるだけの体制を整え、日々改善に努めています。当社が運営するマイナビニュースにおいて、読者の皆様からお預かりする個人情報は、プレゼントの発送などに利用いたします。(2)開示等、個人情報の取り扱いについてのお問い合わせ:株式会社 マイナビ ニュースメディア事業部 編集部 〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1パレスサイドビル news-reader@mynavi.jp(3)個人情報保護管理者:株式会社 マイナビ 管理本部長 personal_data@mynavi.jp
2018年04月07日俳優・松坂桃李が主演する衝撃作『娼年』が、ついに来週公開を迎える。実は本作は過去にも何度か映画化が企画されたのだが実現せず。今回ついに映画化実現されたことについて、プロデューサーが裏話を明かした。「撮影前、念のため、レイティングを確認しようと、映画倫理機構(以下、映倫)に台本を持ち込みました。意外にも映倫のご担当者はすでに原作小説も読まれていました。なぜなら、過去に何度か映像化が企画され、性描写などについて相談を受けたりしたことがあったそうで、気になったので原作を読んだんです。というお話をされていました」と、以前にも石田衣良の「娼年」が映画化が企画されていたことを明かす小西プロデューサー。また、質問や相談の多くはR18+指定にならないような描写にするにはどうしたらよいかというもので、さらに主人公リョウを含め演じる俳優さんがなかなか見つからなかったという。これを受け、「そもそもあの原作を映像化するにはR18+でないと無理なんだと再認識しましたし、松坂さんや出演者の方々の役者魂を改めて物語っているエピソードだと思います」とコメントしている。そういった背景があったため、台本を読んだ映倫担当者は「本当にこのままやるんですか?」「主人公を松坂桃李さんがやるんですか?」と驚いたそう。それもそのはず、台本には「“性描写”に関しては一切妥協しない」と三浦大輔監督が語る通り、半分以上をセックスシーンが占め、事細かに行為の描写が書き込まれていた。原作者の石田氏も「娼年」執筆にあたり、編集者に大学生の娼夫がたくさんの女性と性の仕事をしていくなかで、ひとりの人間として成長していくストーリーであることと、「セックス表現からは絶対に逃げないで書きたい」と話していたそうで、そんな監督&原作者がこだわった、「性描写に関しては妥協しない」「セックス表現からは絶対に逃げない」という、“R18+も厭わない”アプローチが映画化実現への大きなポイントとなったようだ。そんな流れから、映倫の担当者は「R18+なら何の問題もありません」と言われ、「この小説を描写も含め中途半端に映画化するならやる意味がないと思う。応援していますから是非実現してください」とエールを送られたという。『娼年』は4月6日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:娼年 2018年4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開© 石田衣良/集英社2017映画『娼年』製作委員会
2018年03月31日ついに来週公開となる石田衣良原作映画『娼年』。本作で注目が集まっているのが、主演の松坂桃李が身体も感情も隠すことなく挑んだセックスシーン。この度、そんなシーンについて松坂さんらが語るコメントが到着した。監督「一切妥協しない」入念な準備を実施本作において、「“性描写”に関しては一切妥協しない」と話していた三浦大輔監督。「ひとつひとつの行為によって、どういう感情が沸き起こり、それを積み重ねることによって、人間と人間の間にどういうコミュニケーションの形が生まれるのか、丁寧に細かく、その解像度を高めて、描いていきました」と明かしているように、事前に全てのセックスシーンで画コンテを作成し、それを基にスタンドインによるビデオコンテを作成、さらに松坂さんら出演者による入念なリハーサルを実施。俳優の身体の動きをこと細かくシュミレーションし、それに伴うカメラの位置を徹底的に検証。リハーサルはなんと5日間にも及んだという。丸1日セックスシーンが続くことも…そんな撮影について、「ここまで精神的に追い込まれた現場は初めてかもしれません」と語っていた松坂さんだが、小西プロデューサーは、「俳優・松坂桃李の役者魂と人間・松坂桃李のメンタルの安定感に驚かされました。当然と言えば当然ですが、これはちょっと…という気の迷いがほんの少しでも出たらこの役は出来ないと思います」と松坂さんの役者魂に脱帽。また、「丸1日延々とセックスシーンの撮影が続いても、時には卑猥な台詞を吐いたり過激な描写があっても、何一つ一切ひるまず黙々と取り組む。一方、そういった肉体的にハードなシーンが続く中でリョウという人物のセンシティブな感情の揺れ動きも見事に表現している。本当に大変だったと思います」と絶賛し、「リョウが娼夫の仕事を全うしていることと、松坂桃李が俳優として役を全うしていることが、現場を見ていると見事にシンクロしていて感動しました」とふり返っている。松坂桃李“濡れ場監督”に…?一方、本作で「7、8年分の濡れ場をやった感じです」と語る松坂さんは、『彼女がその名を知らない鳥たち』、舞台版「娼年」での濡れ場経験から、白石和彌監督やキャスト陣に濡れ場の“先生”と呼ばれていたそう。松坂さんは、「濡れ場のプロフェッショナルとして、副業を見つけたかな(笑)」と新たな道が開けた様子で、「濡れ場監督とか。出演するのではなく、アクション監督のように監修が必要なところで呼ばれるみたいな。殺陣師?いや、濡れ場師!!」とまさかの“濡れ場師”で副業宣言(?)さらに、「エンドロールに“松坂桃李”とあって、あれ?どこに出てた?って。“濡れ場指導:松坂桃李”とか」と笑いながら話していた。『娼年』は4月6日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:娼年 2018年4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開© 石田衣良/集英社2017映画『娼年』製作委員会
2018年03月29日映画『娼年』(2018年4月6日公開)の完成披露上映会が12日、都内で行われ、松坂桃李、真飛聖、冨手麻妙、猪塚健太、桜井ユキ、小柳友、馬渕英里何、荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣、西岡德馬、江波杏子、三浦大輔監督が登場した。同作は石田衣良による同名小説を映画化。無気力な大学生・森中領(松坂)は会員制ボーイズクラブ「パッション」で「娼夫」となり、女性の欲望を引き出していく。2016年8月には松坂主演、三浦大輔演出で舞台化され、当日券を求める人々で長蛇の列となった。大胆に谷間を露出した佐々木や、シースルー&スリットのドレスで肌と美脚をチラ見せした馬渕など、女優陣は艶やかなドレス姿で登場。R18+作品で、馬渕は「ちょっと変わった性癖を持っているといいますか、普通の行為じゃ満足できない女性の役です」と自己紹介するなど、女優陣は赤裸々に役柄を説明した。西岡と夫婦役を演じた佐々木は「とても歪んだというか、不思議な愛情表現を持つ夫婦でして、楽しくセックスさせていただきました。お楽しみください」とあっけらかんと言い放つ。さらに「なんだかよく分からないうちに撮影が終わっていた」という西岡は、「私のシーンはねえ、ほとんど桃李と心音ちゃんの格闘技みたいな(性行為)シーンで、車椅子に乗ってじっと見てた」と明かした。西岡は「監督が妥協しないので何回も何回もやって本当に大変でしたよ、あれは」と振り返り、「ご苦労様でした」と渋く明るくねぎらった。
2018年03月12日俳優の松坂桃李が12日、都内で行われた主演映画『娼年』(2018年4月6日公開)の完成披露上映会に、真飛聖、冨手麻妙、猪塚健太、桜井ユキ、小柳友、馬渕英里何、荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣、西岡德馬、江波杏子、三浦大輔監督とともに登場した。同作は石田衣良による同名小説を映画化。無気力な大学生・森中領(松坂)は会員制ボーイズクラブ「パッション」で「娼夫」となり、女性の欲望を引き出していく。2016年8月には松坂主演、三浦大輔演出で舞台化され、当日券を求める人々で長蛇の列となった。その内容からR18+作品となっているが、松坂は「なにかあったら三浦さんのせいでもあるので、そういう責任を割り勘しよう」と監督に話しかけ、「このメンバーだったら僕に怖いものはないですね」と自信を見せる。三浦監督は「僕のせいなんですけど、スクリーンに苦労は刻まれてるかなと思っております」と苦笑した。相手役を務めた女性陣に松坂の印象を尋ねると、冨手は「バナナ1本しか、食べてるところを見なかったんですよね。一番大変だったのにすごい」と感心。松坂は、バナナが好きなわけではないが「集中できるという意味で食べてました」と明かした。桜井は「バーのシーンのリハーサルで、お酒を入れるメジャーカップを持たれていた指2本が、ずっとプルプルプルプル震えてて。不器用な方なのかなあと。いい意味で、場がほぐれた」と暴露。一方で「作品を見てからは、領の無気力さの中にちゃんと品があるというか。松坂さんの雰囲気がすごく良い風に出てた」と演技を称賛した。馬渕も「結構寒い時期のロケだったんですが、待ち時間にベンチコート羽織らせてもらったりするのに、一切着なかった」と松坂のストイックな様子を明かす。意図を聞かれた松坂は「なんでだったんですかね、多分自分の中で気合いを入れてた……」と苦笑し、女優陣からの様々なエピソードにたじたじになっていた。
2018年03月12日石田衣良の恋愛小説を、舞台版と同じく松坂桃李×三浦大輔のタッグで贈るR18+愛のドラマ『娼年』。この度、映画化困難と言われた本作の予告編が公開された。今回到着した予告編では、アルバイトでバーテンダーとしてカウンターに立つ領(松坂さん)が、「女なんてつまんないよ」「セックスなんて手順の決まった面倒な運動です」と呟く場面からスタート。そして、大学生活や女性との関係に退屈している領を、会員制ボーイズクラブ「Le Club Passion」のオーナー・御堂静香(真飛聖)がスカウトし、娼夫・リョウになる…。また、「欲望の種類は無限にあるわ」と静香が言う通り、「人を待つのってすごくじれったいでしょ?そのじれったいのが好き」と言うヒロミや、「うちの人、私が乱暴にされるのを見ると喜ぶようなんです」とリョウをたじろがせる泉川夫妻など、様々な欲望と想いを持った人々が映し出され、リョウとの濃密な時間が展開していく。しかしそんなある日、同級生の恵とホストの進也に娼夫として働いていることが知られ非難されるが、リョウは「欲望の秘密は、その人の傷ついているところや弱いところにひっそりと息づいている」と娼夫という仕事にやりがいを感じるようになっていた。ひとりの青年が女性たちと出会うことで、次第に変化していく様子が感じられる映像になっている。『娼年』は4月6日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:娼年 2018年4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開© 石田衣良/集英社2017映画『娼年』製作委員会
2018年03月09日性の極限を描いたセンセーショナルな内容で話題を呼び、直木賞候補にもなった石田衣良の恋愛小説を、2016年の舞台と同じ松坂桃李x三浦大輔のコンビで映画化する『娼年』。早くも話題騒然の本作の撮影に臨むにあたり、松坂さんは前作撮影終了後からわずか1日半で、見事なまでの切り替えを見せたという。この数年、多彩な役に挑戦し、振り幅の広い俳優として進化し続ける俳優・松坂桃李。2009年「侍戦隊シンケンジャー」で俳優デビュー後、単独初主演の映画『ツナグ』(12)、NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」(12)、大河ドラマ「軍師官兵衛」(14)などで大きな注目を集めてきた。その後も演じた役柄は、『日本のいちばん長い日』(15)の血気盛んな青年将校・畑中健二役、『ピース オブ ケイク』のオカマの天ちゃん(15)、『劇場版MOZU』の殺人鬼・権藤剛役(15)と実にさまざまだ。演技の幅を広げつつ、最も対極にある役柄に挑む最近では、連続テレビ小説「わろてんか」でヒロインの夫を務めつつ、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)ではペラペラなゲス男・水島真役、『パディントン2』(18)ではクマの紳士パディントンの吹き替え声優を務めるなど、あらゆる役柄に挑んでいる。そんな中、最大限に真逆に振れたのが、「ゆとりですがなにか」(16・17)の童貞の小学校教師・山路一豊役と、本作『娼年』の娼夫・リョウ役だろう。実は、その対極にある役柄を演じた2作品は、撮影時期が2017年の春、スペシャルドラマ「ゆとりですがなにか 純米吟醸純情編」クランクアップ後、わずか1.5日後に映画『娼年』の撮影が開始された。つまり、松坂さんは“童貞”から“娼夫”へ、その短期間でシフトチェンジを果たしたわけだ。「リョウはすでに自分の中にあった」だが、松坂さんは「舞台をやっていたので、リョウはすでに自分の中にあったのが大きかったです。流れも把握していましたし。だからこれだけ濃い作品に1.5日でクランクインできたのだと思います」と涼しい顔。むしろ、舞台の感覚をとり戻すというより「映画化の話を聞いたときから頭の片隅にずっとあり、モチベーション、スタンスの準備はしていました」と言う。加えて、『娼年』ならではの切り替え術を、「今回は、その1.5日の間に渋谷に移り住んだんです」と激白する松坂さん。「環境を変えました。撮影期間中(約3週間)はずっと渋谷のビジネスホテルに住んでいました。この作品は、その日の撮影での熱量を次の日も冷まさない状態に保ちたかったのですが、家に帰ると好きなマンガやゲームがあってリフレッシュしてしまうので、半ば強制的に自分を追い込むためです。撮影場所も渋谷が多かったですし」と語る。さらに、「自宅から通ったら、現場に行っていなかったかもしれません。撮影があまりに過酷で…。この作品を身近なところに置く。それが重要でした」と、まさに渾身の撮影現場をふり返ってもいる。30代を見据え、難役もいとわず走り続ける松坂さんが「ここまで精神的に追い込まれた現場は初めてかもしれません」と語る本作で、どんな景色をみせてくれるのか、期待せずにはいられない。『娼年』は4月6日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:娼年 2018年4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開© 石田衣良/集英社2017映画『娼年』製作委員会
2018年03月02日2001年の直木賞候補となった石田衣良の恋愛小説を、松坂桃李×三浦大輔のコンビで映画化した『娼年』。この度、2種類のポスタービジュアルが公開された。“女性の身体と心が解放されていく物語”であると同時に、松坂さん演じる“リョウの成長ドラマ”でもある本作。リョウが娼夫の仕事を通じて女性たちの欲望を解放していく過程で、彼女たちの心の奥底に潜む想いを受け止め、娼夫としても人としても「成長」していく。到着したポスタービジュアルは、そんな娼夫・リョウが夜の街に佇む本ポスタービジュアルと、女性を抱くリョウの姿を捉えたポスタービジュアルの2種類。「僕を、買ってください。」というコピーが書かれた本ポスタービジュアルは、バックのネオンが非日常的な娼夫の世界に足を踏み入れたリョウを引き立てている。真っ直ぐにこちらを見つめるリョウにそう語りかけられたら…。一方、女性を抱くリョウを写したビジュアルでは、「そして僕は、娼夫になった――」というコピーが。全てを脱ぎ捨てることで初めて現れる、奥深い人間ドラマが垣間見えるリョウの表情に思わず惹き込まれてしまいそう。『娼年』は4月6日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2018年02月24日2016年の舞台と同様、松坂桃李x三浦大輔のコンビで映画化した『娼年』。このほど、松坂さん演じる“娼夫”リョウに客として出会い、欲望を解放していく女性たちの場面写真が公開された。劇中には、女性専用コールクラブ「Le Club Passion」のオーナー・御堂静香(真飛聖)がリョウに、「女性の欲望はあまりにも広くて、予測不能で圧倒されてしまう」と語るシーンがあるが、まさに年代もタイプも違う女性たちがそれぞれの欲望や想いを抱える客として登場。そんな女性たちと、彼女たちを受け入れるリョウとの人間ドラマが繰り広げられていく。今回公開された場面写真にはその女性たち、白崎恵役の『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY - リミット・オブ・スリーピング ビューティ』の桜井ユキ、近年舞台で活躍するイツキ役の馬渕英里何、舞台・ドラマなど出演多数の主婦役の荻野友里に、映画『最低。』で主演を務めた紀子役の佐々木心音、映画『向こうの家』が控えるヒロミ役の大谷麻衣、老女役のベテラン女優・江波杏子の姿が。また、本作では、こうした彼女たちとリョウの物語が展開するたびに東京の主要な都市が映し出されていくのも特徴的。その意図について三浦監督は、風景を描くことはできなかった舞台と比べ、映画ではそれが実現できることから「作品にリアリティを与える意味でも、東京のいろいろな街を切り取りたかった思いがありました。その効果も相まって、最終的には、現実と非現実がちょうど良いバランスで混在している作品になったと思っています」と語っている。新宿、表参道、池袋、渋谷、鶯谷、そして熱海と、街に溶け込みながら待ち合わせに向かうリョウと女性たち。そのときの彼らの心情にも思いを馳せながら風景も楽しんみて。『娼年』は4月6日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年02月16日俳優の松坂桃李が主演を務める映画『娼年』(2018年4月6日公開)の追加キャストが16日、明らかになった。同作は石田衣良による同名小説を映画化。無気力な大学生・森中領(松坂)は会員制ボーイズクラブ「パッション」で「娼夫」となり、女性の欲望を引き出していく。2016年8月には松坂主演、三浦大輔演出で舞台化され、当日券を求める人々で長蛇の列となった。今回は松坂桃李演じる”娼夫”リョウに、客として出会う女性たちと、その場面写真が公開された。紀子役の佐々木心音、白崎恵役の桜井ユキ、イツキ役の馬渕英里何、主婦役の荻野友里、老女役の江波杏子、ヒロミ役の大谷麻衣。様々な女性がそれぞれの欲望や想いを抱え、客として登場し、彼女たちを受け入れるリョウとの人間ドラマが繰り広げられる。また、同作ではリョウと女性たちが出会うたびに東京の主要な都市が映し出されるが、三浦大輔監督はその意図について、「作品にリアリティを与える意味でも、東京のいろいろな街を切り取りたかった思いがありました。その効果も相まって、最終的には、現実と非現実がちょうど良いバランスで混在している作品になったと思っています」と語る。新宿、表参道、池袋、渋谷、鶯谷、熱海と、様々な街でリョウと女性たちの濃密な時間が描かれることになる。
2018年02月16日松坂桃李主演で舞台化された石田衣良の恋愛小説を、同じく松坂さん主演で映画化する『娼年』。先日の冨手麻妙、真飛聖、猪塚健太らのビジュアルに続き、この度新たに、松坂さん演じる“娼夫”リョウの場面写真が公開された。リョウが“娼夫”の仕事を通じて、娼夫としても人としても成長していく姿を描き出していく本作。そんな変化をときに鮮烈に、ときには繊細に表現する松坂さんの演技も注目ポイント。到着した場面写真では、客の女性に穏やかにやさしく微笑むリョウや、緊張した面持ちで相手の女性の話に聞き入っている姿を切り取っており、どちらも大学生活や女性との関係に退屈し、「女なんてつまんないよ」と言っていた頃の領とは全く違う表情だ。客の女性たちの心の奥底に潜む想いを受け止め、彼女たちの欲望を解放していくことで、少しずつ“娼夫”リョウが洗練されていく様子が垣間見える。なお、本作の特典付きムビチケカードが、2月10日(土)より発売。特典は場面写真2点のほか、スペシャルショット1点をあわせたオリジナルポストカード3枚セットとなっている(数量限定)。『娼年』は4月6日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2018年02月08日2016年の舞台と同じく、主演・松坂桃李×三浦大輔監督のコンビで石田衣良の恋愛小説を映画化する『娼年』。この度、本作に出演する冨手麻妙、真飛聖、猪塚健太の場面写真が公開された。今回到着した場面写真は、松坂さん演じる“娼夫”リョウが働く女性専用コールクラブ、「Le Club Passion」のメンバーたち。まず写真中央に写るのは、真飛さん演じる御堂静香。森中領(松坂さん)の元に、中学校の同級生・田嶋進也(小柳友)が連れてきたのがこの静香。領に興味を持った静香は、自分の家に招き入れ、“情熱の試験”を受けさせるのだが、実はそれは静香が手がける女性専用コールクラブ、「Le Club Passion」に入るための試験。そして、そのとき領の目の前に現れたのが、写真左、冨手さん演じる耳が聴こえない謎の女性・咲良だ。さらに、娼夫「リョウ」として仕事を始めたある日、静香から紹介される猪塚さん演じるクラブのトップクラスの売上を誇る平戸東(通称:アズマ)が、写真右に写っている。なお、猪塚さんは舞台版「娼年」でも同役で出演していた。『娼年』は4月6日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2018年02月05日直木賞候補にもなった石田衣良の恋愛小説を、2016年上演の舞台と同じ松坂桃李×三浦大輔のコンビで映画化する『娼年』の公開日が4月6日(金)に決定し、あわせて本作の特報映像が到着。なお、本作のレイティングはR18+となる。到着した特報映像では、松坂さん演じる“娼夫”リョウが、「私、いますぐ、リョウくんとしたいな…」と耳元でささやかれ戸惑う表情からスタートし、リョウが女性たちの欲望の世界へ踏み込んでいくシーンが繰り広げられる。様々な女性たちと身体を重ねながら、彼女たちの心の奥に隠された欲望を解放し、自らも少しずつ成長していくリョウ。松坂さんは、本作の撮影について「ここまで精神的に追い込まれた現場は初めてかもしれません」と語っており、全身全霊を傾け、女性の欲望に真摯に向き合いながら、極限まで挑んだ。「“性描写”に関しては一切妥協しない」と言う三浦監督と共に臨んだ松坂さんが、「舞台同様、無になりました」とふり返る渾身の一作。まずはこちらの映像から確認してみて。『娼年』は4月6日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2018年01月16日俳優の松坂桃李が主演を務める映画『娼年』(2018年4月6日公開)の特報が16日、公開された。同作は石田衣良による同名小説を映画化。無気力な大学生・森中領(松坂)は会員制ボーイズクラブ「パッション」で「娼夫」となり、女性の欲望を引き出していく。2016年8月には松坂主演、三浦大輔演出で舞台化され、当日券を求める人々で長蛇の列となった。今回、公開された特報は、"娼夫"のリョウが、「私、今すぐ、リョウくんとしたいな……」耳元にささやかれる場面から始まる。続いてキスをする姿が薄暗く浮かび上がり、揉みしだかれる女性のセクシーなお尻のアップに。そして、「ダメ、リョウくん、そんなとこ……」という喘ぎ声とともに、リョウと艶めかしい女性の裸体が映し出される。R18+となった同作で、主役のリョウはさまざまな女性たちと身体を重ねながら、彼女たちの心の奥に隠された欲望を解放し、自らも少しずつ成長していく。松坂も「ここまで精神的に追い込まれた現場は初めてかもしれません」と語り、女性の欲望に真摯に向き合いながら、極限まで挑んだ。
2018年01月16日石田衣良の恋愛小説『娼年』を、松坂桃李主演で映画化。2018年4月6日(金)より、全国で公開される。石田衣良の恋愛小説を映画化原作は、2001年の直木賞候補となった石田衣良の同名小説。「娼夫」として生きることになった主人公・森中領(もりなかりょう、通称:リョウ)が、一人の人間として、男性として成長する姿を描き、性の極限を表現したセンセーショナルな内容が話題となった。また2016年には三浦大輔演出、松坂桃李主演で舞台化され、原作に忠実にセックスを描いたストーリーと松坂桃李の体当たりの演技が注目を集めた。今回の映画では、再び三浦大輔と松坂桃李がタッグを組み、舞台とは一味違う映像表現の限界に挑戦する。キャスト松坂桃李が体当たりの演技に挑む主演を飾るのは、2018年に『不能犯』、『孤狼の血』などが立て続けに公開を控える松坂桃李。「娼夫」として女性の欲望や奥深さに触れ、一人の人間として成長していく主人公リョウを演じる。舞台に引き続くキャスティングとなり、映画という枠でどのような表現に挑むのか、期待が高まる。秘密の会員制ボーイズクラブ「パッション」のオーナーで、リョウが想いを寄せる御堂静香には『無限の住人』、『帝一の國』などの映画をはじめ、ドラマ、舞台と幅広い活躍を見せる、元宝塚歌劇団の真飛聖。女性の心の闇や性を大胆かつ繊細に演じる。静香の娘・咲良役には、冨手麻妙。「パッション」に入るための"情熱の試験"の場でリョウの前に現れる。過去には『新宿スワン』、『みんな!エスパーだよ!』に出演。その他にも、リョウが「娼夫」として出会う様々な客たちとして、魅力的な登場人物たちが登場する。わけありの泉川(いずみかわ)夫妻の夫役には西岡徳馬、上品な老女役には舞台に引き続き江波杏子が扮する。監督は舞台化も手掛けた三浦大輔メガホンを取ったのは『何者』、『裏切りの街』を手掛けた三浦大輔。映画監督としてだけでなく劇作家、演出家としても活躍する。三浦監督は映像化について「色んな意味で舞台化よりさらに困難な作業になりましたが、原作の石田衣良さんの小説の意思を受け継ぎ、性描写に関しては一切妥協せず、でも、よりポップに描き切ったつもりでいます。結果、あまり前例がない、新しいエンターテイメントが産まれた予感がしています。」と語っている。ストーリー主人公の森中領は東京の名門大学生。日々の生活や女性との関係に退屈し、バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている。ある日、領の中学校の同級生で、ホストクラブに勤める田嶋進也が、美しい女性をバーに連れてきた。女性の名前は御堂静香。「女なんてつまんないよ」という領に静香は“情熱の試験“を受けさせる。それは、静香が手がける女性専用コールクラブ、「Le Club Passion」に入るための試験であった。入店を決意した領は、その翌日に静香の元を訪れ、娼夫「リョウ」として仕事を始める。最初こそ戸惑ったが、娼夫として仕事をしていくなかで、女性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれ、やりがいを見つけていく。詳細『娼年』公開時期:2018年4月6日(金) TOHOシネマズ 新宿 他 全国ロードショー出演:松坂桃李、真飛聖、冨手麻妙、猪塚健太、桜井ユキ、小柳友、馬渕英里何、荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣、階戸瑠李、西岡德馬、江波杏子脚本・監督:三浦大輔原作:石田衣良「娼年」(集英社文庫刊)(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会■特典付きムビチケカード 1,400円 <数量限定>発売日:2月10日(土)特典:オリジナルポストカード3枚セット(場面写真2点+スペシャルショット1点)※取扱映画館など詳細は映画公式サイトにて要確認。
2017年12月22日松坂桃李が主演を務め話題を呼んだ舞台を、同じく三浦大輔監督とのコンビで映画化するR18指定作品『娼年』。このたび、松坂さん演じる主人公の娼夫・リョウを誘い入れるボーイズクラブのオーナー・御堂静香や、リョウの客を演じる全キャストが発表された。■あらすじ主人公は、森中領(通称:リョウ)。大学生活にも退屈し、バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている。リョウの中学校の同級生で、ホストクラブで働く田島進也(通称:シンヤ)がある日、ホストクラブの客として訪れた女性を、リョウの勤めるバーに連れてきた。女性の名前は御堂静香。恋愛や女性に「興味がない」という領に、静香は彼女がオーナーを務める秘密の会員制ボーイズクラブ「パッション」に誘い入れる。最初こそ戸惑ったが、「娼夫」として仕事をしていくなかで、女性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれ、やりがいを見つけていくリョウ。「女性は退屈だ」と言っていたかつての姿が嘘のように、どんな女性の欲望も引き出し、彼との時間を過ごすことによって、彼を買った女性たちは自分を解放していく。やがて静香に対しても想いを寄せるようになるのだが…。松坂桃李x三浦大輔が映像表現の限界に挑むR18の衝撃作、キャスト決定性の極限を描いたセンセーショナルな内容が話題を呼び、2001年の直木賞候補にもなった石田衣良の同名恋愛小説が、2016年の舞台に続いて松坂さんと三浦監督の再タッグで映画化。今回、映画版での松坂さん以外のキャスト陣が明らかになった。恋愛や女性に「興味がない」というリョウを見出し、娼夫になるよう誘う会員制ボーイズクラブ「パッション」のオーナー、御堂静香には、元・宝塚花組トップの女優・真飛聖。「パッション」に入るための“情熱の試験”の場でリョウの前に現れる静香の娘・咲良役に、園子温監督の秘蔵っ子として『アンチポルノ』で主演を務めるなど活躍し、三浦監督の『何者』にも出演した冨手麻妙。リョウが「娼夫」として出会う、さまざまな客たちからは、わけありの泉川夫妻の夫役に西岡徳馬、上品な老女役には舞台に引き続き江波杏子。松坂さん演じる領の同級生・田島進也に小柳友、同じクラブで働く平戸東(通称:アズマ)に猪塚健太、そしてリョウによって、その欲望を引き出されていく女性客たちに、『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY - リミット・オブ・スリーピング ビューティ』の桜井ユキほか、馬渕英里何、荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣、階戸瑠李という注目女優たちが、各々まさに全身全霊で役にぶつかっていく。真飛聖&冨手麻妙&西岡徳馬&江波杏子、コメント到着御堂静香を務める真飛さんは、「人は大人になるにつれ、心に抱えている思いを吐き出しにくくなるものですが、この『娼年』という作品は、そんな女性たち心の闇、そして生きていくなかで本当は切っても切れない性(さが)を大胆かつかつ繊細に描いています」とコメント。「欲望から生まれる葛藤、心のきびというのはとてもリアルで生々しささえ感じますが、実はその中にある日常ではなかなか理解しがたい様々な愛の形がそこには存在していて、それを通してひとりの男性が人として成長していく姿はとても魅力的」と、人間の“性”について言及。また、静の娘・咲良役を演じる冨手さんは、三浦監督による舞台化の際「オーディションに落選してしまい、物凄く悔しい思いでいっぱいでしたが、今回再び三浦監督が映画化されるということで再チャレンジさせて頂き、原作を読んだときからどうしてもやりたかった咲良役で選んでいただきました」と思いを込める。映画についても「家族やカップル、友達同士で見に行って、あえて別々の席に座って、見終わった後、この映画について色々語り合って欲しい、そんな見方ができる」と期待を込めて語る。そしてベテランの西岡さんは、「三浦監督より熱いラブコールをいただき、原作を読み脚本を読みましたが、『この役は何故に俺なのか??』と不思議に思いました」と明かす。「きっと西岡徳馬がこの役を演じたら面白い!と思われたからでしょう。しかしこの“面白い”というフレーズが曲者で、皆それにのせられるのです。所詮役者は演出家の駒。でも、ただでは転ばないぞ!ともがき遊ぶのが役者。この戦いもたっぷり遊ばせてもらいました!三浦く~ん!ありがとう!!」と、監督に感謝も。さらに、舞台「娼年」と同じ役での出演となった江波さんもまた、「三浦監督の真摯な演出空間に全身を預け、その静謐にて清澄な、そして深く神秘な地熱、どこか怖い甘やかな心地良さに導かれ、年齢を重ねた我、女優は真に演じさせて頂きました」と監督についてコメント、撮影を「幸福な愉悦な時間」とふり返っている。原作に忠実にセックスを真っ向から描いた内容と松坂さんの体当たりの演技で話題騒然、伝説となった舞台同様、「性描写に関しては一切妥協せず、でも、よりポップに描き切ったつもりでいます」と語る三浦監督。「結果、あまり前例がない、新しいエンターテインメントが産まれた予感がしています」と手応え十分。松坂さん自身も、「舞台で表現できなかったこと、映像だからこそ残せるものが、映画『娼年』にはある」と心の内を明かしている本作。今後の続報にも期待していて。『娼年』は2018年4月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月19日