「子どもを叱りつける親は失格ですか?」について知りたいことや今話題の「子どもを叱りつける親は失格ですか?」についての記事をチェック! (6/17)
新型コロナウイルスの流行が長引き、終わりの見えない不安のせいか、大人だけでなく子どもたちも精神的に不安定になっていると聞きます。実際、国立成育医療研究センター発表の 「コロナ×こどもアンケート第4回調査 報告書」 によると、アンケートに回答した小学4~6年生の15%が中等度以上のうつ状態にあり、中学生で24%、高校生は30%にも上っています。親として、不安を抱える子どもにどう接していけばいいのでしょうか。ウィズ・コロナの新しい生活様式で、親が気をつけるべきポイントをご紹介しましょう。■コロナ禍で子どもが不安になる2つの理由長引くコロナ禍で、子どもの様子が少しずつ変わってきて心配だというお話をよく耳にします。「園や学校に行くのを泣いて嫌がるようになった」「イライラがたまっているのか、子どもが家で物に当たったり、暴言がひどくなった」慣れない生活様式の中で、不安定になってしまった子どもにどう対応していいかわからないというお父さん・お母さんは少なくありません。では、どうして子どもは精神的に不安定におちいり、問題行動をとってしまうのでしょうか? その原因は、大きく分けて2つあると思われます。一つは、一番身近であるお父さん・お母さん自身がコロナウイルスに対し、強い不安やストレスを感じている状態であること。コロナウイルスもたらす健康への影響、さまざまな社会環境への変化などをまだ理解できない低年齢の子どもは、本来、大人のように目には見えないコロナウイルスに不安や恐怖を感じることはありません。しかし、お父さんやお母さん、周囲の大人が精神的に不安定になっていたり、これまでとは違う生活にストレスを感じていたりすると、その気持ちは子どもに多かれ少なかれ伝染してしまうものです。いつも守ってくれる頼りになるはずのお父さんやお母さん自身の不安を子どもは敏感に感じ取ってしまうものです。それが子ども自身の不安となっているのでしょう。二つ目の原因は、コロナ対策で変わってしまった園や学校での生活です。飛沫感染を防ぐため、話すときは必ずマスク着用、給食は一方向を向いて無言、音楽の時間も合唱禁止、楽しい園・学校行事も次々と中止。あれもダメ、これもダメと言われる生活に、大人以上に子どもは疲れてしまっています。また、習いごとや塾で多くなっているリモートのレッスン、授業は、子どもによって向き不向きがあります。自分で積極的に取り組める子どもには向いていますが、そうではない場合は対面より習熟が難しいシステムです。対面よりも不便なことが多いリモート授業は進度が遅くなると思われがちですが、実は逆、早くなってしまうようです。対面授業やレッスンでは、先生が子どもの様子を見ながら進められますが、リモートではそこまで目が届かないからです。先生は子どもの理解度を確認しながら進められず、子どもも質問しづらい環境なので、授業が自然と早く進んでしまうのです。習いごとや塾の進度についていけない、好きな先生にも会えないし質問もできないため、子どもにフラストレーションがたまるのでしょう。■コロナうつから子どもを守る親の言動・行動子どもが不安がってモヤモヤしている、ちょっとしたことでイライラするようになったと感じたら、主に次の2点に気をつけて、お父さん・お母さんの日頃の行動や言動を見直しましょう。・意識的にポジティブな発言や行動を心がける。・子どものことを園や学校に丸投げしない。例えば、新型コロナウイルスの新規感染者数を発表するニュースに触れたとき「え、まだそんなに?」と反応するのではなく、「重症者数は減ってるから心配ないよ」と子どもに声をかける。おでかけ先から帰ってきたら、子どもに「手を洗わないとコロナにかかって大変なことになるよ」と言うのではなく、「手を洗うとコロナが逃げていっちゃうね」と言い換える。たった一言でも、大人がどう受け止めているかを子どもはよく観察しています。思わず出てしまったネガティブな言葉に、子どもは大きく影響を受けて不安に感じます。コロナ関連の発言はネガティブになりがちなので、意識的にポジティブな表現に変換しましょう。大人が発する不安が子どもに伝わらないように、親の判断で、不安をあおるテレビ番組やニュースは、あえて見せないというのも一つの方法です。大人なら信用できる情報だけ、必要な情報だけをピックアップできますが、子どもはそのまま真に受けてしまうからです。また、子どものことを園や学校に丸投げしないことも大切です。今は未曾有の状況のため、園や学校は感染予防に注力し先生たちもギリギリの対応に追われています。そのため、これまで通りの役割が担えないこともあるでしょう。最終的に子どもを守れるのは親、子どものSOSに気づけるのも親ではないかと思うので、「これは園(学校)の役割でしょう?」と丸投げは厳禁です。例えば、園のお迎え時や学校から帰宅した子どもに、まずは「今日、園(学校)はどうだった?」「勉強難しかった?」と何でもいいので声をかけましょう。そんなたわいのないやり取りでも、「お父さん・お母さんはちゃんとあなたのことを見ているよ、大丈夫だよ」というサインになります。園や学校の目が行き届いていないとしても、お父さん・お母さんはあなたをいつも気にかけているよと、何となくでも子どもに伝わればいいのです。登校・登園がこわくなってしまった子どもは、学校や園で「あれもダメ、これもダメ」と否定的な言葉をたくさん言われ、「楽しい場所だったはずなのに安心できなくなった」と不安が増したのかもしれません。やさしかった先生に厳しい、強い語調で手洗い・うがい・マスク着用を指示されたなどがあると怖い、不安という気持ちが植えつけられることもあるでしょう。だからこそ、子どもを守るうえで必要なことは園や学校への丸投げするべきではないのです。子どもが不安に思っている状況を先生とも共有すると同時に、どんなときでも家は安全だと親は子どもに伝える続けることが大切です。まだまだ収まる気配のないコロナ禍で、何が正解なのかわからず、頼るものがない世の中。そこでは、自分の経験や直感で判断するしかありませんが、一番に子どもに与えるべきものは安心感です。園や学校に無理やりは行かせないという選択肢も含め、親の行動や姿勢が試されているときです。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2021年03月08日「毒親」という言葉が世間一般に知られるようになってきましたが、私の父も祖父母も毒親でした。子どものときは本当につらい思いをし、その毒親ぶりは今でも夢に出てきて夜中に飛び起きてしまうほどです。しかし、捉え方を変えれば彼らは立派な反面教師。今回は毒親育児を反面教師にしている私の経験をお伝えします。 祖父母からの言葉がけを反面教師に私は物心ついたときには祖父母に育てられており、実の両親の顔を知りませんでした。今でも、なぜ両親がいなかったのかはわかりませんし、知りたくもありません。それでもやさしい祖父母に育てられて、めでたしめでたしといきたいところでしたが、決してそういうわけにはいかなかったのです。 祖父母はとても恩着せがましく、口癖のように「お前は本当は施設行きだったのに」と言ってきたのです。これは今思い出してもつらい言葉です。そのため、私はわが子には毎日のように「生まれてきてくれてありがとう」と伝えるように心がけています。 お風呂は週1、おかずはスーパーの総菜のみ祖父母は戦争時代を生きた人だったためか、今の人と感覚がズレているところがありました。その最たる例がお風呂に毎日入らないことです。どんなに汗をかいても週1回しかお風呂に入れてくれませんでした。 また、祖父母は2人ともごはんを作ることができないからと毎日スーパーの総菜を与えられました。そのため、私にとってのおふくろの味はスーパーの総菜なのです。 これらの経験から、私はどんなに疲れていてもわが子を毎日丁寧に入浴させ、手作りの料理をおなかいっぱい食べさせるように努めています。 父が帰ってきてからは恐怖政治が始まるそれでも、小学生のときにフラッと父が帰ってきてお風呂などの衛生面は改善されました。ところが、この父親もとんでもない人でした。思い通りにならなければ乱暴な言葉で怒鳴って言うことを聞かせようとするのです。その怒り方は本当に常軌を逸していて、とても恐ろしいものでした。 父はたまに家に立ち寄る程度の存在だったのに、怒鳴り散らすためだけに現れることもあって、父がいると気が休まりませんでした。私はこの父の恐怖政治を反面教師に、むやみに大声を出さず、諭すように叱ることを心がけています。 私自身は毒親にはなるまいと努めてきたためか、わが子はのびのびと育っています。昔のつらい思い出を振り切れる日はなかなかこないと思いますが、子育ての反面教師として毒親との思い出を利用すれば、親としての道を踏みはずすことはないだろうとプラスに考えるようにしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/imasaku著者:鏡 環2歳の息子の母。現在第二子妊娠中。元高校教員。うつ病と闘いながら夫と二人三脚で育児に励む。
2021年03月06日子どもの幸せ感度に影響を与える要素のひとつが、「親の過干渉」ということをご存じですか。『世界標準の子育て』著者・船津徹氏は、「親の過干渉が子どもの幸福度を下げる」と警鐘を鳴らしています。2020年9月にユニセフが発表した『レポートカード16-子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か』。この先進・新興国38ヶ国に住む子どもたちへの調査では、日本の子どもの「精神的幸福度」はワースト2位でした。恵まれた環境にありながら、幸せを感じられないというのは深刻な問題です。もちろん、幸福度を下げる要因は過干渉だけではないでしょう。しかし、子どもに「自分らしい人生を切り開く力」を授けるためにも、過干渉はやめたほうがよさそうです。過干渉育児にならないように「親が本当はやらなくていいこと」を、いま一度見直してみましょう。親が “本当はやらなくていい” 7つのこと1. 子どもに早くから読み書きを教えなくていい多数の著書がある教育学者・齋藤孝氏(明治大学文学部教授)によると、「7歳までは神のうちなので、それまでに生きる力をしっかりと育むことが重要」なのだそう。「親子で共有する時間」を何よりも大切にするべきで、心が十分に育たないうちに詰め込む早期教育はよくないとのこと。読み書きを教えるよりも、絵本の読み聞かせによる情操教育のほうがより大切だと話しています。また、「塾ソムリエ」として35年以上子どもを指導している中学受験情報局主任相談員・西村則康氏も、「子どもの準備ができていない時期の早期英才教育は、ほとんど役にたたない」と述べています。その理由は、早期教育が人間の脳の成長過程に沿っていないから。早く〇〇できたほうがいいだろうと親は考えがちですが、その考えこそが過干渉になっています。2. 親は子どもに何でも教えなくてもいい子どもは「これは何?」「どうして?」など、知らないことは何でも聞いてくるものです。そのとき大人は、その質問に正しく答えなければいけないと思いがち。でも、大人だって知らないことはありますよね。そんなときは、「お父さん(お母さん)もそれは知らないなあ。一緒に調べてみよう」と、子どもの好奇心に寄り添い、一緒に学ぶ時間を共有しましょう。親が調べたことを教えるよりも、何倍も子どもの成長の糧となるのですから。アメリカの生物学者で、子どもの感性について綴られた名著『センス・オブ・ワンダー』の著者・レイチェル・カーソン氏も、「『知る』ことは『感じる』ことの半分も重要ではない」と語っています。大人も心を開いて、子どもとともに感じ、学ぶ姿勢をとることこそ正しい行動と言えるでしょう。3. しつけ期が過ぎたら、親はしつけを手放していい心理学者でスクールカウンセラーでもある諸富祥彦氏(明治大学文学部教授)は、小学3年生くらいまでの「しつけ期」が過ぎたら、できるだけ子どもの行動に口出しをしないようにするべきだと話しています。なぜなら、それ以降は子どもの個性を育てる時期に入るから。「こうしなさい」「これはやめなさい」と言われたら、子どもはどうしても親の指示に引っ張られてしまいます。人間の土台がある程度固まったあとの成長期には、親の干渉は邪魔にさえなるのです。よほどのことがない限りは、口出しはしないようにしましょう。必要なときのみサポート役に徹するという、子育ての方向転換をする時期は10歳頃なのです。4. 「家庭内ルール」は親が決めなくていい家庭での過ごし方について、親があれやこれや指示したり、小言を言ったりして、親主導で進めてしまいがちではありませんか?「全米最優秀女子高生」の母として有名になり、現在はライフコーチとして活躍中のボーク重子氏は、子どもの自己肯定感や自主性の大切さを力説しています。そして、それらを育むためのひとつの方法として、家庭内ルールは親の指示ではなく、「子ども自身で決めさせる」ことをすすめているのです。ルールの目的は「家族の幸せ」。年齢に応じて、お手伝いや勉強のことなど、子どもが自分ができると思うことは責任をもってやってもらいましょう。しかし、実際にやってみたら、何か違うと思うことや、問題が生じることもあるはず。そんなときは、子ども自身がルールを変更してもOK。物事の改善を重ねて、思考のしなやかさを鍛える絶好のチャンスですよ。5. 親は「子どもファースト」でなくていい子どもの学校、習い事など、親の生活は子ども中心になりがち。予定が詰まっているときなどは、子どもの一挙手一投足に口を出したり、次の行動を指示したりしている親御さんは多いのではないでしょうか。ときには、子どもから離れることも必要です。もし、子どもが学校や習い事に遅刻して恥ずかしい思いをしても、それは子どもの責任です。教育評論家の尾木直樹氏は、「過干渉をやめる手段」として、子どもから意識をほかに向けることをすすめています。「なかなか宿題をしない子どもを目の端に入れながらも、自分の仕事をする」「ときどきは自分の趣味で出かける」など、親が子どもと少し距離をとることで、子どもの自主性は育まれ、親のストレスは減るという、双方によい効果が生まれるとのこと。子どもから目を離す勇気が、子どもを成長させるのです。6. 夫婦の意見はそろえなくていい子育て中は、子どもの教育方針や学校の選択など、夫婦で意見がぶつかることもあるでしょう。そんなときでも、「無理して教育方針を一致させなくてもよい」と言うのは、教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏です。その理由は、夫婦の意見に幅があったほうが、その幅のぶんだけ子どもの個性が育つから。たとえば、「今回はお母さんの意見に賛成。英検受けるよ」「英検よりもサッカーを頑張りたいから、今回はお父さんの意見に賛成だな」といった具合に、子どもは自由に未来を選択することができます。広い視野で子どもの将来を考えてあげることが、過干渉を防ぐひとつの手段ともなりそうです。7. 「過保護」はやめなくてもいい児童精神科医として40年以上も多くの親御さんの子育てを見てきた故・佐々木正美氏は、「過保護」と「過干渉」は違うと言いきります。一番大きな違いは、行動に子どもの意思や希望が反映されているかどうか。「過干渉」は、子どもの気持ちにかかわらず、親がなんでも「やりなさい」とお膳立てしてしまい、子どもの自主性を置き去りにしてしまうこと。一方の「過保護」は、子どもがやりたいことがあれば、背中を押したり、サポートしたりすることです。これは、子どもの意思を尊重し、意欲を応援することですので、悪い影響はないと言います。「子どものために」と思う気持ちは同じでも、そこに子どもの心や意欲が介在しているかどうかを、常に意識することがとても大切です。子どもとの接し方に迷ったら読みたいおすすめの本「過干渉かもしれない……でもどうすればいいの?」と、子どもへの接し方で迷ったとき、心をシンプルにしたり、大切なことを再確認させてくれたり、視野を広げてくれたりする、おすすめの本3冊をご紹介します。それぞれ、違った視点から「果たすべき親の役割」について書かれています。過干渉で子どもを縛りつけてしまわないように、ぜひ読んでみてください。■『センス・オブ・ワンダー』作者である、海洋生物学者のレイチェル・カーソン氏が、甥のロジャーとの自然を探求した体験を通して、感受性の大切さを語った本です。タイトルの「センス・オブ・ワンダー」とは、「美しいもの、未知なもの、神秘的なものに目を見はる感性」。幼児期には、親子一緒に自然を体験し、体感することが何よりも尊く、大切だと、静かに、しかし毅然と語りかけます。自然といっても、田舎でなければいけないというわけではありません。都会にも “生命” は溢れています。子ども時代に感受性を磨くことは、将来の好奇心や意欲につながり、学びを深め、将来を切り開く力となるでしょう。50年以上も前の本ですが、「子育てにおいて本当に大切なものはなんなのか」、ときどき手にとって再確認したくなるバイブル的名著です。■『この子はこの子のままでいいと思える本』親と子ども、双方の心に寄り添う多くの温かい名言を残した児童精神科医の故佐々木正美氏。その佐々木氏に寄せられた子育て相談をまとめた1冊です。「また叱りすぎてしまった……」など、親ならば誰でも抱く悩みそれぞれに、丁寧に対応しています。語りかけるようにつづられた具体的なアドバイスは、親のがんじがらめになっている気持ちを優しく解いてくれます。佐々木先生は、「 “期待” という親の愛情は、子どもにとっては自分を否定されたに等しい」と指摘。 “期待” は過干渉を生む元凶ともなります。子育ては迷いと悩みの連続ですよね。自分の子育てに自信がもてないとき、佐々木氏の言葉が染み入ります。子どもを幸せにするのなんてとても簡単なことですよ。親が笑顔なら子どもはそれだけで幸せなのです。自分が親を幸せにしたと思って自信たっぷりに育っていくのです。(引用元:佐々木正美(2020), 『この子はこの子のままでいいと思える本』, 主婦の友社.)■『世界基準の子育て』世界の教育を紹介し、日本の教育を見つめ直す1冊。日米両国で長年教育に携わってきた著者ならではの視点で、日本の子育ての問題点を指摘します。著者・船津氏が挙げる「世界標準の子育ての条件」は以下の3つ。困難に負けない「自信」人生を自分で決めていくための「考える力」人に愛される「コミュニケーション力」日本の親がやりがちな過干渉は、このなかでも特に重要な「自信」を子どもから奪うとのこと。勉強ができるだけではなく、自分らしい人生を逞しく生き抜く力をわが子が得るために、親は何をしてあげたらよいのか……。子どもの年齢ごとに、わかりやすく、具体的に語られています。 “子育ての軸” がぶれているなと感じるときこそ、本書を手に取ってみてください。***親が必要以上に指図しなくても、子どもは自ら育つ生命力をもっています。その「生きる力」を信じてあげることからスタートして、目指すべきは、目先の小さな目標ではなく、「幸せな人生」という大きな場所であることを忘れずにいたいものですね。(参考)Newsweek|親の過干渉が子供の幸福感を下げるMind 子どもの心を育てるために|過保護と過干渉 佐々木正美NHK|過保護やめたいけれど…unicef|ユニセフ報告書「レポートカード16」先進国の子どもの幸福度をランキング 日本の子どもに関する結果FQ JAPAN男の育児バイブル|子供の才能を伸ばせる親、潰してしまう親日経DUAL|子育て・教育|頭のいい子の育て方|早期英才教育のほとんどは間違っているSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|いちばんのしつけとは、子どもに〇〇をみせること。親はそんなに頑張らなくていい!STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「過干渉」育児が招く悲しい結果。“見守るだけでは物足りない”親が危険なワケ船津徹(2017),『世界標準の子育て』, ダイヤモンド社.佐々木正美(2020),『この子はこの子のままでいいと思える本』, 主婦の友社.レイチェル・カーソン 著, 上遠恵子 訳(1996),『センス・オブ・ワンダー』, 新潮社.齋藤孝(2020),『1日15分の読み聞かせが本当に頭のいい子を育てる』, マガジンハウス.
2021年02月26日上の子イチコは小学1年生。毎日学校から宿題が出ます。計算カードと音読はほぼ毎日。この計算カードが…。こうして心の中では苦手意識を持ちながらも計算カードの宿題をみていました。そんなある日のこと。計算カードが楽しい!? 信じられない!チチオ曰く「成長が見られて楽しい」とのこと…う、嘘やん…ちなみにイチコが声に出した計算の答えについても「計算がこんがらがったりすることはない」とのこと。さすが理系。そんなチチオですが…。イチコの宿題。もう一つ、教科書の音読。これに対する私とチチオの反応は…。音読を聞くだけということにも得意不得意があるとは! 驚き!夫婦それぞれの得意な宿題への関わり方がわかってからは、私もチチオも余裕があるときは、それぞれ自分の得意な方を見るようにしています。とは言っても…大体どちらも余裕がないので、手の空いてる方が苦手な方もヒィヒィ言いながら見てるんですけどね。ヒィヒィ。でも理系の宿題は、なるべくチチオにがんばってもらおうと思いまーす!
2021年02月22日『親も、女であり男である』ということは、まぎれもない事実です。何らかの事情によって離婚することもあれば、再婚することもあるでしょう。とはいえ、実の子どもという立場からすると、そんな親たちの事情に振り回されてしまうわけで…。Youtubeチャンネル『漫画エンジェルネコオカ』では、まさにそんな親たちに振り回されてしまう異母姉弟の動画が配信中です。そろそろ話してくれてもいいんじゃないの大学1年生のアキラは、友人であるサトシの家に居候しています。理由は、父親の2度目の離婚。新しい母親と義理の姉シズカと一緒に住み始めて1年足らずで、また離ればなれになってしまったのです。アキラは、大学3年生のシズカのことが好きで、これからさらに仲を深めようとしていた時に離ればなれになり、実の父親を恨んで家出。そのことを、ようやくサトシに打ち明けました。次の恋を探せばいいそんなアキラに、サトシは「次の恋を見つければいい」とアドバイスし、シズカに想いを伝えられていないことを思い悩むアキラを合コンに誘います。あまり気乗りがしないまま合コンに参加したアキラですが、お相手の女子大のお姉様たちのなかには義理の姉シズカの姿が…。合コンではアキラを完全に無視していたシズカですが、ゆるふわ系美人のミランと盛り上がっていたアキラを見て、けんか腰に話しかけてきました。それをきっかけに、アキラとシズカは一緒に暮らしていた頃の日常生活を暴露し合い、周りの人たちから気遣われますが…。気になる続きは、動画でご覧ください。この後、2人は両思いで、お互いの親が離婚したせいで想いを告げられなかったことが分かり、交際することになります。さらに、アキラの父とシズカの母が、再婚するという思いがけない展開も…。『親である前に男と女』ということは分かりますが、実の子どもの立場からいえば、人騒がせな親かもしれませんね。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2021年02月20日■前回のあらすじ離乳食を食べない娘に対してついにイライラが爆発。どんどん余裕がなくなり、ついに幻聴が聞こえるまでになるのでした。■幻聴で外に出るのも辛い…当時は家から出る予定のない日は一日中寝巻きで過ごし、髪をブラッシングする余裕すらありませんでした。とにかく娘を死なせないことと、夫のちゃぼが帰宅する前に部屋を綺麗な状態にすることだけでいっぱいいっぱい。ますます1人で抱え込み、ついに体は悲鳴を上げるのです。■ついに倒れてしまった…!当時はちゃぼと一緒なら、なんとか外出できていたものの、人混みはどうしても苦手で…。過労も相まってパニック発作を起こしてしまいました。この時はまだ自分がパニック障害だと知らず、何が起きたのかわからずとても不安になりました。次回に続く!『パニック障害とは』理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、手足の震えといった発作が起こり、そして発作が繰り返されることで、発作に襲われることに対する不安を感じるようになり、毎日の生活に支障をきたすようになってしまう症状です。本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月06日夫に子どもを預けて、たまには一人でゆっくりおでかけしたいですよね。でも、家に帰ると子どもがあざを作っていたり、ひざをすりむいていたり…。理由を聞くと「大したことないよ。目を離した隙にちょっと…」と苦笑いする夫。でも、笑ってすませられることではないこともあります。東京消防庁発表の 「救急搬送データからみる日常生活事故の実態」 によると、5歳以下の子どもが事故に合う場所は約7割が家の中。つまり、ほとんどの場合は親と一緒の時に起こっており、そのうち約10人に1人の割合で入院が必要な中等症以上となっています。どうして、親がそばにいながら、子どもの事故は起こってしまうのでしょうか? その理由を紐解いていきましょう。■子どもの事故、実は「親の脳タイプ」が原因になっていることも?一般的には、切り替えがうまく、複数の異なる作業を同時進行できるのがマルチタスク悩。一方、「今、目の前のこと」を最重要と捉えて打ち込む傾向がある方は、シングルタスク悩といわれ、他の作業を同時進行で進めることは苦手なようです。どちらの悩タイプなのか、見分け方としては「1日1回以上はやり忘れがある」かどうかで判断します。例えば、ゴミ当番なのに出し忘れた、頼まれた買い物をし忘れた、郵送物を出し忘れたなど些細なことで構いません。やり忘れて落ち込むことが1日1回以上あり、それが続く人は、シングルタスク悩の傾向が強いといえるでしょう。家事育児は、さまざまなことを同時進行で進めないといけないことが多いため、マルチタスクだといえます。小さいお子さんのいるご家庭なら、夕方はまるで戦争のような忙しさ。たとえば、子どもをあやしながら夕食の下ごしらえをして、早めに子どもと一緒にお風呂に入った後は、子どもの支度をしつつ自分も身支度を整え、夫の帰宅に合わせて夕食の仕上げをし、食器を洗いつつ洗濯機を回し、子どもを寝かしつけながら翌朝の朝ごはんのメニューを考え…。こういった家事育児をこなしつつ、子どもに危険が及ばないよう常に目配りをする必要があります。そのほかにも、入浴後、必ずお風呂のふたが閉まっているか確認している、料理の後、使った包丁はすぐしまっている、包装ビニールはふた付きのゴミ箱にすぐ捨てているという方がどれくらいいるでしょうか。これらはすべて、子どもが重篤なケガをする原因となるものばかりです。目の前のことをこなすだけが家事育児ではありません。それをする(もしくは、しない)ことで、その後どういったことが起こるかを想像しながら同時進行で進めるマルチタスク処理能力が求められます。子育てでは、「まさか◯◯するとは思わなかった」「ちょっと目を離しただけなんだ」という言い訳は通用しません。自分がどちらの悩タイプの傾向があるのかをまずは把握することが大切です。■コロナ禍で子どもの事故が起こりやすくなっている?まだまだ収まる兆しの見えない新型コロナウイルスの流行が、子どもの事故を誘発する可能性があります。毎日出社していたのがリモートワークに変わり、慣れないオンライン会議を重ね、家族がすぐそばにいる環境で仕事をするなど、まったく新しい形態で働くことが求められている方は多いでしょう。しかし、シングルタスク脳タイプは、仕事とプライベートを切り離すのが難しく、頭の切り替えができない人が多いようです。また、いつもとは違うルーティンで仕事をするのも向いていません。たとえば、別室で仕事をしていても、家族の気配に気が散ったり、子どもの声が気になってオンライン会議に集中できないなどで、いつもより仕事の効率が落ちて焦ってしまうケースは少なくないようです。一方、家で仕事をするようになってお互いに気をつかう反面、大人が常にいる安心感もあるでしょう。そのため夫婦間で、「すぐ戻ってくるから買い物の間、子どもを見てて」「今日の保育園のお迎えをお願いできる?」とついつい頼みごとも多くなります。互いに「わかった」と安請け合いしがちですが、マルチタスク脳と違い、シングルタスク脳は集中しがちです。目の前の仕事で頭がいっぱいになり、子どものことをきれいさっぱり忘れてしまうことがあります。実際、仕事に集中するあまり娘さんの保育園のお迎えを忘れてしまい、夜8時頃、保育園からかかってきた電話で初めて思い出した、というケースもあります。このように、シングルタスク脳の方は、仕事をこなしながら子どもに目を配ることが苦手で、仕事に集中すると子どもの存在を頭から消してしまうため、「ちょっと目を離した隙に…」「そんなことをするとは思わなかった」という事故が起きてしまうのです。コロナ禍によるリモートワークの増加で、これまでは「シングルタスク脳のうっかり」ですんでいたことが、子どもの事故につながりやすくなっているといえます。■安心して子育てをするための事故防止と対策では、シングルタスク脳は子育てができないかと、いうとそうではありません。マルチタスクをこなすのは苦手であることを自覚し、対策を立てれば事故を予防することができます。シングルタスク脳の傾向がある方は、うっかりを防ぐために以下の2つを意識することが重要です。・時間を短いスパンで意識すること・育児のルーティンを習慣化することシングルタスク脳は、仕事に集中しすぎる傾向にあるため、短いスパンで時間管理をしたり、子どもに関わる用事を思い出す必要があります。そこで、スマホや時計のタイマー機能を上手に活用して、音や振動で子ども関連の用事を思い出すようにするといいでしょう。また、子どもに関することを、いつものルーティンと結びつけて習慣化することも大切です。例えば、子どもを保育園へ連れて行く時に忘れ物が多いようなら、出かける時にいつも持ち歩くスマホや家の鍵と子どもの荷物を一緒に置いておくといいでしょう。また、パソコンや掛け時計など、必ず定期的に見るところに、子ども関連で忘れてはいけないことをメモして貼っておくのもおすすめです。例えば、脱衣所の時計の横に「お風呂のふたは閉めた?」と張り紙をしておけば、必ずふたを閉めるようになり、目を離した隙に子どもがお風呂でおぼれる心配もなくなります。自分は、シングルタスク脳タイプとマルチタスク脳、どちらのタイプなのかを見極め、シングルタスク脳の傾向が強い方はぜひ上記の対策を試してみてください。続けていくことでコロナ禍の新しい生活様式や、子育てが習慣化し、「うっかり事故」を予防できるでしょう。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2021年01月30日子どもが話したことがウソだったとわかった時は大きなショックを受けると同時に、どうしてこんなウソをつくんだろう…と親として悩むものです。あれこれ考えてもわからない、ウソをつく原因。それ、あなたのせいかも…!?そう、親の言動のためにウソをつくことがクセになってしまう子どももいるのです。今回は心理カウンセラーの立場から、子どもにウソをつかせてしまう親の言動、また子どもがウソをつく理由についてご紹介します。その1.子どもを強めに叱ることが多いまずは叱り方。子どもがいけないことをした時や、失敗をした時に、声を大きくしたり、言葉遣いを荒くしたりして、強めに叱っていませんか?親も人間なので、イライラするとつい強めに叱ってしまうこともあるでしょう。ただ、この叱り方が子どもがウソをつく原因として、もっとも多いと言えると思います。何か問題を起こしたとき、子どもとしては「バレたら怒られる!」と考えます。それが怖いので、自分の身を守るためにウソをつく道を選んでしまうことがよくあるのです。その2.心配性あるいは過保護である自分のことで心配させたくない親が心配性だったり、過保護だったりするときにも子どもがウソをつくことがあります。子どもは親のことが大好き。だから、子どもなりに「自分のことで心配させたくない」と考えているのです。例えばお友達とケンカになったり、トラブルがあったような時など、(このことがママにバレたら、心配するだろうな…)などと思うと、「何かあった?」と親が聞いたときに「ううん、何もないよ!」と答えるケースが見られます。余計な口出しをしてきそうだな同様に、(これをママに言ったら、ママが余計な口出しをしてきそうだな)と子どもに思われているケースも。自分がトラブルに遭遇しても、親に口出しをされたくないという理由でそれを隠すためにウソをつく子もいます。その3.そもそも親が子どもにウソをついている「言うことを聞かないと、おもちゃ捨てちゃうからね!」例えば子どもがなかなか言うことを聞かない時など、つい「そんなことをするなら、もうお菓子買ってあげないから!」とか、「言うことを聞かないと、おもちゃ捨てちゃうからね!」なんて叱り方をしたことはありませんか?けれど実際、もうお菓子を買わないなんてことはないし、気に入っている子どものおもちゃは捨てられない…。親からすると子どもに言うことをきかせるための手段でも、子どもから見ると、立派なウソです。こうした育て方は、ダブルバインドという心理的矛盾を生じさせる手法に該当し、子どもの精神状態を混乱させます。親を信頼しなくなり、ウソをつくハードルが下がるこの言動は子どもを一種の脅迫下に置くことになり、子どもは怯えて、自分に何か問題が起こった時は、少しでも混乱を避けようと怒られないようにするためのウソをつきます。もちろん、言っていることを実行しない親に対して「あの人の言うことは、いつもウソだ」という認識をもち、親を信頼しなくなります。さらに「言ったことと行動とは、一致しなくてもよい」ということを無意識に学んでしまうため、ウソをつくハードルが下がってしまうのです。その4.親が子どもを注視していない例えば下の子が生まれた、あるいは親が仕事でいつも忙しくしているなどの理由で、親の注目が子どもから逸れているケースもあります。ウソをつくことが悪いことだと知っていても、それによって親から注目されたい…という無意識の欲求で、ウソをついてしまうのです。ウソをつくことで怒られるとわかっていたとしても、無視をされるよりはマシ。子どもが直接、そのような言葉で考えているわけではありませんが、無意識下では(こっちを向いてほしい…)という心理が募り、問題行動を起こしたり、ウソをついて問題を大きくしてしまったりということが起こりがちになります。なぜそのウソをついたのか想像をめぐらせ、叱りすぎないこと幼児期の子どもは、夢と現実の境目が曖昧で、自分の想像や理想をさも本当であるかのように口に出すことがあります。この頃は責任逃れをするためのウソや、人を傷つけるウソでないのならば、親の側に話半分で聞く姿勢、聞き流す心の余裕も必要でしょう。一方で、年長さんや小学生になると親が厳しく指導するほどに、怒られまいとして、あるいは責任を逃れようとして、ウソをつく子どもは増えていきます。幼児期のウソを厳しく責めていた場合も同様です。子どもがウソをついたからといって厳しく接したり、冷たくしたりすることは、さらにウソをつかせる悪循環を招くことも。子どもがウソをついた時ほど、親は「急がば回れ」子どものウソに対応するためには、叱りすぎないことがカギになります。ウソをつく裏側には何らかの理由があり、いかなる理由であっても厳しく叱りつけることに意味はありません。なぜそのウソをついたのか親として想像をめぐらせ、子どもにもその理由を、ゆっくりと落ち着いてヒアリングしましょう。そして、ウソをついた時のほうが悪い結果を招くことを、落ち着いて何度も言って聞かせてください。子どもがウソをついた時ほど、親は「急がば回れ」という言葉を思い出さねばならないのだと思います。
2021年01月27日大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が行われた2021年1月16日、1人の受験生が鼻を出した状態でマスクを着用し、失格となった件が物議をかもしています。受験生は、科目ごとに試験監督から注意を受けたものの応じず、7回目で不正行為と認定され、試験途中で退室を求められました。なお、共通テストのウェブサイトでは、マスク着用に関して「常にマスクを正しく着用」と記載があり、着用が困難な場合は、医師の診断書を提出し受験上の配慮申請を行った上で、別室で受験するといった対応がとられていました。今回の1件は注目を集め、注意に応じなかった受験生の事情を推測し同情の声が上がる一方、批判の声も上がっており、議論は日を追うごとに増しています。北斗晶、失格となった受験生に「みんな周りにも気を使っているのに…」バラエティ番組『5時に夢中!』(TOKYO MX)では、共通テストでの1件を特集。リモートで出演した北斗晶さんは、自身の息子もまた共通テストを受けた受験生であることに触れ、こう持論を展開しました。共通テストもそうだし、これから始まる受験もそうだし、みんなコロナ対策を家族を含めてやっているのね。うちも、濃厚接触者になってしまっただけでも息子に迷惑をかけるとか、そういう思いがうちだけじゃなくみんなあるわけよ。その中で、こういう足を引っ張ることをするやつ。みんな自分だけじゃなく、周りの人にも気を使ってる。5時に夢中!ーより引用受験は人生を左右する大きな分かれ道です。受験生はもちろん家族も、念入りに準備して受験に臨むことでしょう。北斗さんの意見は反響を呼び、さまざまなコメントが寄せられています。・失格になった受験生は、なぜ試験前に対策を講じなかったのだろう。・何回も注意を受けても従わなかったっていうのは、その受験生にも事情があったんじゃないかな…。・すべての受験生にとって完璧な受験環境を…というのは難しいよね。・この1件での一番の被害者は、同じ場に居合わせたほかの受験生。新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)がまん延する中、前例のない環境での受験は多くの受験生にとって負担になったことでしょう。だからこそ、今回の1件に関して誰が悪いのか、一概にはいえません。しかし、コロナウイルスの終息が見えず、受験生の置かれている状況を改めて考えなおすきっかけになったはずです。[文・構成/grape編集部]
2021年01月20日《正しくマスクをしないといけないのはわかる。でも、鼻を出していた受験生が失格になる一方、マスクすらしていない麻生太郎大臣は注意すらされないのはモヤる》1月16日、大学入学共通テストの1日目の試験で、試験監督の再三の注意にもかかわらず“鼻出しマスク”をやめなかったとして、受験生1人が失格となったことが波紋を呼んでいる。この受験生はマスクから鼻を出したまま試験を受けていることを試験監督から計6回にわたって注意されたが、従わなかったことが不正行為と認定され、すべての成績が無効になった。1月18日のNHKの報道によると「受験生は40代で、監督者の指示に従わなかった際の対応に加えて、最終的には不正を告げられると会場内のトイレに閉じこもり出て来なかったことから、かけつけた警察官によって退去させられた」という。大学入学共通テストの「受験上の注意」には、<マスク(予備のマスクを含む。)を持参し、試験場内では常にマスクを正しく着用してください>とあるほか、<試験場において監督者等の指示に従わない>場合は不正行為となる可能性があることが記載されている。Twitter上では、《ルールに明記されてるんだから失格は当然》《鼻マスクよりも試験官の注意に従わなかったのがいちばんの問題》と、テストを運営する大学入試センターの対応に賛同する声が多い。一方で、こんな意見も多くみられた。《試験会場でマスクを正しく着用しろというのは分かるけど、例えば国会で麻生氏が平気で鼻出しマスクしている映像を何度も見せられる側とすれば、どうして誰も麻生氏にも「正しく着用しろ」と言わないのかと思うよね。受験生は強制されても、国会議員は好きにしていいの?》麻生太郎財務大臣(80)といえば、マスクから鼻を出した状態や、耳にマスクをかけた状態で、国会での答弁や記者会見に臨む姿がたびたび話題になっていた。また、最近はトランシーバーのようなマウスシールド姿でもおなじみだ。ちなみに、マウスシールドやフェイスシールドは、マスクと比べて飛沫を防ぐ効果は著しく低く、特に飛沫の“吸い込み”に関してはほとんど防ぐ効果がないことが、スーパーコンピュータのシミュレーションなどからわかっている。大学入学共通テストの「受験上の注意」にも「フェイスシールド又はマウスシールドの着用のみでは、受験することはできません」と“太字”で明記されている。都内の大学病院に勤務する医師で、受験生の子供を持つ男性に話を聞いた。「正しくマスクを着けるのは医学的に必要なことです。今回、鼻を隠すのを拒んだ受験生にどんな事情があったかは知りませんが、過敏症などでマスクの着用が困難な人は事前申請すれば別室で受験できるという措置もとられていたわけですから、試験監督の判断は正しいことだと思います」そのうえで、こう続けた。「ただ、ひっかかるのは、一般人は医学的に正しいルールを守るように厳しく求められている一方で、模範となるべき政治家はそれを無視してきたことです。マウスシールドに効果がないと指摘されて久しいのにいまだにつけ続ける人がいたり、会食の自粛を国民に求めつつも自分たちの会食は必要なものだと主張したり……。自分たちは一般人のルールは適用されない。そんな政治家の特権意識を感じてきたから、今回の件で違和感をもった人がいるのでは?」黙々と試験を解く受験生たちはマスクの正しい着用を強く求められる一方で、重症化リスクの高い高齢者が多く、口角泡を飛ばして議論をする場である国会でまともにマスクをつけていない大臣が注意もされないというのは、なんとも不合理な状況ではなかろうか。新型コロナウイルスは受験生と政治家を区別したりはしない。本来であれば、試験会場でも国会でも、医学的に正しい感染防止策が取られるべきだ。ちなみに、今回の件が関係あるのかは不明だが、1月18日に召集された国会では、麻生大臣は大きいマスクを正しく着用するようになっていた。
2021年01月18日メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんが、「自分は毒親かも」と思った方に向けてお話ししています。どんなことをしてしまうと毒親なのかを詳しく解説! 子どもをしっかりした子に育てたい、勉強のできる子に育てたい。大切なわが子の将来を思うからこそ、子どもにさまざまなことを期待し、教えたくなりますよね。教えなければという思いから、ついつい子どもに対して口うるさくなってしまう親は多いものです。でも、それが“毒親”としての一歩だったとしたら……。毒親にならないために、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。 そもそも“毒親”とは?最近、ニュースなどで見かけるようになった「毒親」という言葉。毒親とは、暴言や暴力、しつけという名の過干渉をする親について使われる一方、自分の都合を優先し、子どもを放置したり、かまわない親についても使われる言葉とされています。また、親の過干渉から生じることとして、子どものキャパシティ以上に勉強をさせることを“教育虐待”とも言われるようになりました。 もしかしたらその対応は“毒親”の一歩かも暴言や暴力はもちろんしていない、ネグレクトもしていない、だから私は毒親ではない、と思っている人はもしかしたら危険かもしれません。誰でも毒親への一歩に足を踏み入れている可能性があります。お行儀よく食べさせよう、お片付けができるようにさせよう、電車の中でじっとしているように教えよう、これらはどれも当たり前に子どもに教えたいことだと思います。もちろん、お子さんがきちんと社会で過ごせるように教えたほうがいいことでもあります。けれど、子どもの成長に合わせず急ぎすぎて教えてしまうことは、毒親への第一歩を進めてしまうことにつながるかもしれません。 期待をかけすぎないようにブレーキを親としては、ついつい先回りしてお子さんにいろいろと教えこませたくなります。でも、まだまだ小さいときにお行儀などを教え過ぎることが、その後の“教育虐待”にもつながっていく恐れがあります。 根底にあるのは、こうなってほしい、こうあるべき、という子どもへの期待。しかし、小さなお子さんのキャパシティは、まだまだ小さいものです。それが本当に“今”教えたほうがいいことなのか? 子どものキャパシティを超えた親の「期待」がかかっていないか?を考えてみましょう。もし、ちょっと子どもにうるさく言い過ぎているかも……と思ったら、友人やご自身の親御さんに自分の対応が過干渉になっていないか聞いてみてください。自分の子どもに責任を持っていない、ある意味「無責任」な意見が、自身の毒親への一歩を止めてくれるブレーキになることがあります。 大切で愛するわが子のためだからこそやっていることであり、お子さんによってできる範囲も受け止め方もさまざまなため、どこからが毒親への一歩となるのかは、本当に難しいところです。うるさく言い過ぎているときに、「子どものため」という理由からであればちょっと立ち止まってみて、お子さんの気持ちが後回しになっていないか考えてみるといいかもしれません。 イラスト/マメ美 著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2021年01月16日2020年に発表された「レポートカード16-子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か」(ユニセフ・イノチェンティ研究所調査)で、日本の「子どもの幸福度」は先進国38ヵ国中、20位でした。2013年に行なわれた前回調査の6位からかなり順位を落としています。特に「精神的幸福度」については、生活満足度の低さや自殺率の高さが影響し、ワースト2位という結果に。健康や学力、経済面はトップクラスなのに、子どもが幸せを感じられないという事実。どうしたら、子どもたちは「自分は幸せ」と思えるようになるのでしょうか。今回は、「子どもの幸せ」と「子どもを幸せ体質にする親の特徴」について考えてみます。「幸福の4因子」があれば人は幸せになれる!人はどうすれば「幸せ」を感じられるのでしょうか?心理学・統計学をベースとし、「人はいかにすれば幸せになれるのか?」を追求する学問「幸福学」の第一人者である前野隆司氏(慶應義塾大学大学院教授)は、幸せを感じるための要素として、「幸福の4因子」を挙げています。やってみよう因子幸せを感じるためには、やりがいを見つけること。小さなことでもいいので、何かトライすることがとても有効です。新しい学びを得て、成長することに、人は幸せを感じるのです。 ありがとう因子「感謝の気持ち」をもっている人は、周囲といい人間関係を築けるため、幸せを感じやすいそう。また、人を喜ばせたいという気持ちがある人も、相手から感謝されることが多く、幸せを感じることができます。 なんとかなる因子リスクテイクできることは大きな強みになります。「なんとかなる!」と失敗を恐れずチャレンジできる人は、自分の世界が広がり、幸せへの道筋を見いだすことができるでしょう。 ありのまま因子人との比較で勝って得た幸せは、長続きしないことがわかっています。「人は人、自分は自分」と、ありのままの自分を受け入れることが、幸せにつながります。つまり、「幸せな人」というのは、「自己肯定感が高く、利他的で、人への感謝を常にもち、楽観的である人」と言えるでしょう。前野氏によると、不幸せな人は視野が狭くなりがちなのだそう。抱えている問題に対し、その一点しか見ていないため、袋小路に入り込んで出られなくなってしまうのです。反対に、幸せな人は、物事を俯瞰して見ることができるため、視野が広くなり、さまざまな解決策を出すことができます。解決策が出せれば、「なんとかなる」と考えられるため、楽観的にもなれるというわけです。そして驚くべきことに、「幸せな人」は「不幸せな人」よりも、寿命が7~10年長く、仕事の創造性は3倍、生産性は1.3倍になるという研究結果も出ています。幸福学についてもっと詳しく知りたいという方は、前野氏の著書『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』を読んでみてはいかがでしょう。「幸せは自分でコントロールできる!」と断言している前野氏が、幸せの仕組みをロジカルに解き明かしています。子どもの幸せの鍵を握っているのは、親ところで、いま、あなた自身は幸せですか?なぜこんな質問をしたのかというと、親の幸せが子どもの幸せに大きく関わっているからです。『世界に通用する子どもの育て方』の著者で、臨床心理学医学博士の松村亜里氏は、「子どもの幸せの鍵を握っているのは、親である」と言っています。どんな親でも子どもの幸せを願って、いろいろしてあげたいもの。しかし、まじめな人ほど、子どもを差し置いて自分の幸せを追求することに後ろめたさを感じてしまうようです。実際に、この後ろめたさを感じたことのある方は多いのではないでしょうか。ですが、「自分の欲求を我慢して子どもにばかり尽くしてはいけない」と前野氏は言います。尽くした先に生まれる、「ずっとそばにいてほしい」という束縛する気持ちは、子どもの自由を奪います。それに、子どものためにどんなに頑張っても、イライラして子どもにあたってしまっては本末転倒です。また松村氏は、もっと個人の強みにフォーカスするべきだと言います。日本人はつい弱みに注目してしまいがちですが、研究によると「自分の強みを知っている人は幸せになる」と証明されているのだそう。「人前で話すのは苦手でも、自分の考えをまとめることは得意」「飽きっぽいけど、新しいことにチャレンジするのは好き」というように、誰にでも「その人なりの強み」があるはず。これからAI化が進む未来に生きる子どもたちには、強みを生かし、価値を自分でつくり出していく力が絶対に必要なのです。まずは親自身がそのお手本になるべく、自分の強みを見つけ、幸せを積み重ねていく姿を子どもに見せましょう。親が毎日楽しそうに生きていれば、子どもは「自分もそうなりたい!」と思うもの。まさに「子は親を写す鏡」。ですから、「親自身が幸せになることはわがままでも勝手なことでもなく、むしろ子どものため」なのです。子どもを幸せ体質にする親の特徴6つ前述した「子どもの幸福度」の調査で、1位に輝いた国はオランダでした。オランダの子どもたちには、いわゆる「反抗期」もないのだとか。日本とオランダ、何が違うのでしょうか。どちらも、安全で物質的にも恵まれて、十分な教育を受けられることは、共通しています。違いは「その幸せを感じることができるかどうか」にある模様。そこには親の影響も少なからずあることは先に述べました。子どもを幸せ体質にしているオランダの親たちの特徴に、改善の糸口を探してみましょう。特徴1:子どもを「できる子」に育てようと思っていないオランダの親は、「頭がいい子」に育てる教育法などにあまり関心がありません。ですから、知育DVDを子どもに見せたり、幼児向けの習い事をさせたりする親はほとんどいないようです。親たちは、自分の子どもが「頭がいい子」に育つよりも「明朗でのびのびとした子」に育つことを願っています。特徴2:子どもの外遊びに付き添わない親の付き添いなしで外で遊ぶ子どもの姿は、オランダでは珍しくありません。よちよち歩きの子どもふたりが公園の滑り台で遊んでいても、親たちはベンチに座っておしゃべり。危ないからと横で見守ったり、「そこは触ったらダメよ」なんて言ったりはしません。オランダの子どもたちは外遊びで自由を満喫できるのです。特徴3:「ダメ」「~しなさい」と言わないオランダの親は、子どもに意見を押しつけることを嫌がります。しつけとして “指示する” ことも良しとしません。その代わりに、「~してほしい」という親の意思を、その理由とともにきちんと伝えるのです。そして、それをやるかどうかは子ども次第。考えさせて、行動は子どもに委ねます。特徴4:とにかく忍耐強い子どもと同等に向き合うことを常としていて、子どもの意向を確認しながら物事を進めるので、何事にも時間がかかります。そのため忍耐力は不可欠。子どもは大人のように、効率的に動くことができません。それでも、オランダの親たちは子どもの判断を待ちます。子どもを信じているからこそ、意志を尊重できるのです。特徴5:完璧主義ではない以前、ニューヨークタイムズで「オランダ人女性はなぜうつにならないのか?」と取り上げられたことがあります。その理由のひとつは、オランダの人は「完璧主義」でない人が多いから。「理想の自分」をつくりあげたり、人と自分を比較して落ち込んだりということが少ないのだそうですよ。特徴6:自分時間を大切にしているオランダは「パートタイムワーキング大国」。ワークシェアも進んでおり、自分に合ったライフスタイルを選ぶことができます。また、オランダの親たちは自分の時間を必ずもつようにしています。そのちょうどいいライフワークバランスこそが幸福感につながることを、オランダの親たちは知っているのです。オランダで、幸せのベースになると考えられているのは「平等主義」です。みなが平等であることで、比較、嫉妬、葛藤などの精神的ストレスがかなり減ります。それは親子関係でも同じ。親は子どもと対等でありながらも、人生の先輩として、「よいお手本」となることが推奨されています。親がよい行動と幸せな様子を見せることで、子どもの「幸せ感度」も自然と高まっていくのでしょう。***「幸福度研究」の第一人者であるオランダ・ロッテルダム エラスムス大学のルート・フェーンホーフェン教授は、「幸せは、生活満足度」だと述べています。経済的な豊かさではなく、「どれだけ生活を楽しんでいるか」ということが幸せにつながるのです。オランダの親たちはその点に価値を見出して、実践しています。もちろん、それぞれの国の文化、慣習、社会システムがあり、それぞれの家庭事情もあるので、すべて同じというわけにはいかないでしょう。それでも、オランダの事例に学ぶことは多いですね。(参考)Rese Mom|「親が幸せになることが大切」幸せな子どもを育むポジティブ心理学 松村亜里さんunicef|ユニセフ報告書「レポートカード16」発表 先進国の子どもの幸福度をランキングSTUDY HACKER|幸福学が証明「幸せな人はいろいろお得」――今日から始められる“幸せ習慣”教えますSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「子どもは宝物だ」という思考が危うい訳。子を思うなら親は“自らの幸せ”を追求すべきYouTube|Well Being~幸福の4因子〜リナ・マエ・アコスタ 著, ミッシェル・ハッチソン 著, 吉見・ホフストラ・真紀子 訳(2018),『世界一幸せな子どもに親がしていること』, 日経BPマーケティング.親力|あなたは待てる親?待てない親?待てる親だけが子どもを伸ばせる
2021年01月08日「何をやるにも自信が持てない、私なんて価値がない…」人がうらやむような容姿や経歴を持つ、いわゆる「勝ち組」と言われるような人なのに、なぜか自分に自信が持てず、私のところへ相談に訪れる人がいます。そんな自己評価が低くなってしまうのはどうしてなのでしょうか? 謎を解くカギは、子どもの頃に受けた「親からの大きすぎる愛情」にありました。■親の過保護・過干渉が子どもの自信を奪う最近のご相談で増えているのが、容姿や経歴、経済力、社会的信用も問題ないのに、自分に自信が持てないという方からのお悩みです。例えば、裕福な家庭で育ち、学歴も高く仕事もできて順風満帆な人生と思われていたのに、ちょっとしたミスからすべてのことに自信を無くしてしまったという方がいました。そういった方は、チャレンジしたいことがあってもできず、自分自身にモヤモヤ・イライラしてしまうことに悩んでいるのですが、深く話を聞いてみると「親に愛されすぎた人」が多いことに気づきました。親に愛されて育ち、どうして自信がなくなってしまうの? と、不思議に思う方も多いでしょう。実は、子どもを愛しすぎるあまり過保護・過干渉になってしまう親が、子どもの自信を奪っているのです。親としたら単純にわが子がかわいくて心配なだけなのですが、ついつい子どもがつまずきそうなものは先回りして取り除いてしまいがちですよね。それが、小さい頃なら命の危険に直結する場合もあるので、親としては当然のことです。しかし、小学校高学年、中学、高校と子どもが成長し、自分で判断し行動できるようになっても親が変わらず干渉をし続けると、子どもは「私ってそんなに頼りないのかな」「僕が何もできないから親はいろいろ言ってくるんだ」と、親から自分は信用されていないと感じるようになります。親としては、子どもを信頼していないわけでもないし、認めていないわけでもありません。でも、子どもは成長と共にそうとらえるようになり、自信を失っていくのです。また、小さい頃から親に愛情を注がれ、必要以上にほめて育てられてきたタイプは、「誰かにほめられて認めてもらっている自分」に価値を見出すようになりがちです。裏を返せば、ほめられたり認められたりしない自分には、価値がないと感じてしまいます。この2つの理由により、ある程度大きくなってから、はたから見ればすべてを手にしているような人でも、自分に自信が持てずに苦しんでいるケースがあるようです。■「私のこと信用している?」口に出せなかった言葉を伝えてみる自分に自信が持てない、誰かにほめてもらえないと不安になるというご相談の場合は、親の過保護が原因であったこと、でもそれは信用されていなかったわけではなく、あなたをかわいいと思う気持ちが強すぎたからだとお伝えしています。あなたに何かが足りなかったわけではなく、心配という形で愛情を表現していたのかもしれないとカウンセリングでは相談者にお話しし、原因となる記憶の感情を書き換えるお手伝いをしています。もし、あなたが親に嫌悪感を持っている、理解してもらえない、信頼されてないと感じているのなら、記憶をひも解いて、そう思ったきっかけを思い出してみましょう。そして直接、親に確認してみるのです。例えば、「私の部屋をいつも掃除していたけど、そんなに汚かった?」「進路を決めるとき、どうして私に選ばせてくれなかったの?」など、親に信用されていない、頼りにならないと思われていると感じたときのことを聞いてみるのです。そうすると「きれいにしていたけど、部活で忙しそうだったから掃除くらいしてあげようかなと思って」「あなたはおとなしいタイプだから、共学校より女子校の方が向いていると思ったの」といった答えが返ってきて、あれは親なりの愛情だったと気づくきっかけになるでしょう。子どもにそんなお節介をしていたこと自体、忘れている親も多いものです。「お母さん、そんなことした?」といった返事に拍子抜けしてしまうかもしれません。親は子どもが小さい頃と同じように接していただけで、あなたを信頼していなかったわけではないのです。おそらく、自分自身に子どもが生まれたら、同じようにいろいろと心配して手を出したり声をかけたりと先回りするようになると思います。そうすると、親が自分にしてきた行動や声がけが愛情に起因していたと気づくはずです。親にとっては、何歳になっても子どもは子ども。心配は愛情の裏返しなのだと納得できれば、自分に対する不安感はなくなっていくでしょう。■子育てに自信が持てないお母さんへ親の過保護・過干渉で自信を失ったお母さんは、自分自身の子育てに不安を感じることもあるでしょう。「私の子育ては大丈夫? 間違っていない?」「親みたいに過保護・過干渉になりたくはないけれど、何が正しいのかわからない」子どもに対して過保護・過干渉になりたくはないけれど、そうやって育ててきてもらっているから、ついつい親と同じように子どもに接してしまう。逆に、親を反面教師にするあまり超放任主義になってしまうなど、育児に悩むお母さんは少なくありません。親もいろいろなタイプがあるように、子どもにもいろいろなタイプがいます。同じように過保護・過干渉でお節介な子育てをしたとしても、それをそのまま愛情だと受け取る子もいれば、うまく立ち回って聞き流せる子、親の言う通りにできない自分を責めてしまう子とさまざまです。親子の数だけ子育てのパターンがあるわけですから、誰にでも当てはまる「子育ての正解」といったものはありません。あなたに限らず、すべてのお母さんが「こんな子育てで大丈夫?」と思いながらわが子を育てているのです。でも、そこで無理に「理想のお母さん、正しい子育て」を探さなくてもいいと思います。子育てに悩んでいるのは、あなたの努力が足りないわけでも、何かが欠けているわけでもありません。親として悩むのは、自分の思い描く理想通りの育児ができなかったときでしょう。でも、それは誰のためですか? 多分、子どもが「こんなお母さんになって」とお願いしたわけではないと思います。子どもにとって一番心地良いのは、お母さんが笑顔でいること。お母さんが笑顔になれない子育ては、決して子どものためにはなりません。親の愛情が間違って子どもに伝わらないように、不完全な自分、不完全な子育てでもいいということをまずは認めることから始めてみましょう。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2020年12月29日子どもを勇気づける「親の失敗体験」出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』他、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。子どもが落ち込んでいるときや失敗したとき、親はなんて声をかけていいのか、戸惑ってしまうこともありますよね。かける言葉が見当たらないこともあるし、励ますつもりだったのに、なぜか怒らせてしまう結果になったり…。こんなときには、まずは子ども自身の話を否定せずに「うん、うん」「そっか、そっか」と、最後まで聴いてあげるのがいいと思いますが、それでも気持ちを引きずってしまう場合などに、親ができる"とっておきの秘策"があるんです。それは、親自身の「失敗体験」を話してあげること!特に繊細な子や、失敗体験が多くなりがちな子などの場合、話のタイミングやその子の受け止め方によっては、親の立派な武勇伝や学歴自慢、成功体験などは、かえってプレッシャーになることもありますが、親の失敗体験やしくじりエピソード、黒歴史、短所や欠点についての話なら、ほぼ「ハズレ無し」で、どんな子も勇気づけ、元気にすることができると思います(うちの経験上!)。それでは、恥ずかしながら”うちの実例”エピソードを、いくつか紹介しますね。出典 : まずは、不器用すぎて失敗が多くなりがちな長男を始め、うちの3人の子ども達になぜか大人気で、もはや定番ネタと化した「クッキーがおもちになった話」から。大学時代、学園祭で私が所属していたサークルは毎年喫茶店を出店していたのですが、そこで手作りクッキーを手分けしてつくり、飲み物と一緒に添えて出すことになりました。私は、お菓子づくりだけはどうしても苦手で、それまで一度も成功した試しがありません。不安しかありませんでしたが、材料も受け取ってしまったし、仲間達に負担をかけるわけにも行かず、仕方なくつくる羽目に…。とはいえ、クッキーはごく一般的な、生地を伸ばして型抜きしてシートに並べて焼くだけの、誰にでもできる"ハズ"の簡単なモノ。もちろん私は、我流のアレンジなどは一切加えずに、レシピに書いてある通りに素直につくったつもりでした。ところが、オーブンレンジを開けて出てきたのは、見事に一枚につながった謎の物体…。どうしてこうなるのか。時間もなく、仕方なしに「ソレ」を四角く切り分けて持っていくと、「な、なんだコレは!」と、ざわつく仲間達。そのうちの勇気ある1人が試食して一言…「うん、おもちだね」。結局、心優しい仲間達が、「クッキーだと思わなければ、意外と美味しいかも?」「モチモチ新食感だね」等と笑いながら食べてくれ、その後も何度か飲み会でネタにされたりもしましたが、今では学生時代のいい思い出です。こんな母の失敗体験を、何かある度に「ねえねえ、あの、おもちの話、して〜!」と子ども達にワクワク顔で迫られ、読み聞かせのように何度も繰り返し話しました。わが子がこんなに喜んでくれるなら、「あの時、失敗して良かった」とすら思えてきます。出典 : 子どものゲーム依存などを心配されるご家庭も多いかと思います。うちは基本的には「やるべきことさえやっていれば、ゲーム時間に制限はつけない(ただし、夜9時就寝!)」というルールです。それでも、特に好きなことに熱中しやすい長男は、オンラインゲームにのめり込み過ぎて心配になることも…。でも、ここで正論のお説教をするよりも、私のしくじりエピソードを話すほうが、ずっと説得力が出るんです。実は私、ちょうど今のうちの子達の年頃に、「パズルゲーム中毒」のようになってしまい、ちょっとヤバかった時期があるんです。私は元々パズルが大好きで、小学生の頃はジグソーパズルやルービックキューブなどに、健全な範囲で夢中になっていたのですが、思春期のころは、ちょうどファミコンブーム全盛期。そして、「上から落ちてくるT字やL字のブロックをキッチリ積んでいって、I字ブロックで一気に全消しする」という、例の元祖パズルゲームに私はどハマリして、もう本当に一日中、ぼーっとブロックを積んでは消し、積んでは消し…と、ひたすら繰り返していました。当時の私は、悶々と悩み続ける事も多く、自分で思考を止められずにしんどかったのですが、パズルゲームに無心で没頭している時間だけは、パズルに必要な部分以外の脳をオフにして、ほっとできたんですね。でも、その結果、ゲームをやめたくてもやめられない状態に…。それで結局、学校の成績が下がったり、ついゲームに手が伸びてしまって受験勉強に集中できなかったりもして、いろんなところに影響が出てしまいました。…こんな私の実体験を子ども達に切々と語ると、結構真剣に耳を傾けてくれるんです。やっぱり、経験者のリアルな話は重みが違いますからね。当然、こんな自分のダメっぷりをわが子の前で晒せば、親としての威厳なんて簡単に地に堕ちてしまいます。でも、だからこそ、子どもと同じ目線で語る言葉のほうが、難しい年頃の子達の心にも、ちゃんと届くんじゃないかな、なんて思います。まあ、長男は「でもさ、もし、かあちゃんがゲームに浪費した時間を勉強とかに全フリしてたら、人生の分岐ルートも違って、オレ達も生まれてなかったかもよ。だから、今、オレ達がいるのはテ◯リスのおかげ」なんて、言ってくれたりも…。出典 : そして、次男が小学校時代、体調を崩して学校に行けない日が続いていた時に、本当に役に立ったのが私自身の不登校の経験でした。私は、小学3年生のころ、1ヶ月ほどですが、同じように体調不良がきっかけで急に学校に行けなくなったことがあります。だからこそ、本人は「本当は学校行きたい」と言うけれども、どうしても身体が思うように動かないときの気持ちがよーく分かるので、かつて私の母がそうしてくれたように、無理に行かせたり、説得を試みたりはしませんでした。そして、家でテレビをぼーっと見ながら過ごす次男との母子2人の時間に、当時のいろんな思い出話をしました。例えば…「あの頃、かあちゃんはさ、学校って人が多くて疲れちゃったんだよね。いつもザワザワしてるしさ〜、休み時間はちっとも休めないしさ〜」…なんて切り出すと、我慢強い次男も、「そうそう、そうなんだよ」なんて、少しずつ本音や溜め込んだ不満を話してくれたりも。それから、「こういうとき、かあちゃんのかあちゃんがね、忙しい仕事の合間に『何か食べたいものある?』って聞きに来てくれたのが嬉しかったんだよね。で、〇次郎は今、何か食べたいものある?」…と、懐かしい思い出と共に希望を聞くと、嬉しそうにリクエストしたり…と、普段は兄や妹になんとなく遠慮している次男も、時折こっそり私に甘えてくれるようにもなりました。そうしている間に、本当にゆっくり、ゆっくりと、次男の体調は回復していきました。Upload By 楽々かあさんまた、春のコロナ休校が終わり、学校が再開された直後に、朝「行きたくない」と長女の登校しぶりが続いたときも、私の過去の「ズル休みの経験」が活きました。長女は悪知恵を働かせて、朝の検温を愛犬の脇の下で計って、「37.5度」という、なかなか”いい数字”を出して、得意そうに体温計を見せてきましたが、実は、体温の偽装に関しては私もプロなのです(良い子はマネしないでね)。「かあちゃんも小学生のとき、ズル休みしたくてさ〜…」と、当時、水銀体温計で、「心配されて病院に連れて行かれるほどの高熱ではなく、かつ、親が一応念の為、休ませておこうと思えるラインの、ちょうどいい数字」を出すにはどうしたらいいか、あんな方法やこんな方法で試行錯誤したことを話すと、ちょっと尊敬(?)の眼差しを送ってくれました。それから、運動が苦手だった私が「マラソン大会がイヤ過ぎて、毎年前日にお腹を出して寝た」だとか、「運動会が消えてなくなるように、台風の進路に全身全霊で念を送った」だとか、ちょっとカッコ悪い思い出話を気前よく披露すると、苦手な行事を前に沈んでいた子ども達を笑顔にすることもできました。どんなにネガティブな気持ちだって、身近な人に分かってもらえたり、「自分だけじゃない」と思えたりすることで、気がラクになることも結構あるのではないでしょうか。親の失敗体験は財産!出典 : こうして見ると、私は自分の失敗体験やしくじりエピソード、黒歴史…あるいは短所や欠点なども「あってよかった」と、財産のように思えてきます。ちょっとくらい失敗したって、間違ったって、寄り道したって、結構なんとかなるものだし、少々できないことや苦手なことがあっても、ちゃんと大人になれますから。「失敗のお手本」が目の前にあれば、子どもだって思い切って失敗できるハズ。そして、不思議なことに、子どもに自分の失敗体験を話してみると、なんだか親のほうも元気になるんです。それは、「親だって、完璧じゃなくてもいい」「子どもの前で、立派な親であり続ける必要はない」…と思えると、少しだけ”いい親”のプレッシャーから解放されて、肩の荷を降ろすことができるから…なのかもしれませんね。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2020年12月18日親にとって、お友達トラブルはできれば回避したいものですが、子どもの発達にとっては大切なもの。友達関係はどのように変化して、どんなトラブルが起こりやすいのか。園ではどのようにサポートして、親はどう関わると良いのか。発達心理学の専門家である岡本依子先生に聞きました。お話を聞いたのは:岡本依子さん立正大学 社会福祉学部 子ども教育福祉学科教授。専門は発達心理学。特に親子のコミュニケーションの発達について研究。共著「エピソードで学ぶ保育のための心理学〜子ども理解のまなざし」他、保育者を目指す学生向けのテキストなども執筆している。友達関係の発達段階を知ろう友達関係は、発達につれて変化していきます。年齢ごとの特徴や、起こりやすいトラブルを知っておきましょう。イラスト/杉浦さやか◆3歳頃「一時的な関係」性別関係なく、同じ場所にいる子と遊ぶ集団生活に慣れていない時期には、一緒に遊ばなくても、近くにいる子どもに興味を持ったり、隣の子の遊びにつられたりする様子が見られます。その後、友達と遊び始めますが、3歳では「その場にいる子と遊ぶ」という一時的な関係。男女が入り混じり、気が向いたら同じ場にいる子と遊び、飽きたら違うところに行ったり、一人遊びに戻ったりと、こだわりなく遊ぶ段階です。この時期のトラブルは、まだ友達同士のルールが分かっていないために起こる、アクシデントのようなものです。おもちゃを取ってしまうのも「それは今、使っている子のもの」という「所有」の概念が未発達なためで、悪意はありません。取られた子が怒ることもありますが、多くは「ああ、持っていったな。じゃあ今度は何を使おう」という感覚です。感情のコントロールはまだ上手ではないので、感情的になっているときは寄り添って落ち着くのを待って。園の先生は、こうした場面を「ルールを学ぶチャンス」と捉え、「貸してって言おうね」などと適切な言い方を伝えていきます。◆4歳頃「一緒に遊ぶから友達」好きな遊びが同じ子と一緒にいるように4歳を過ぎると、率先して自分の好きな遊びを選ぶようになります。すると、自然と好きな遊びが同じ子と一緒にいるようになり「一緒に遊ぶから友達」という関係に。ただ、あくまでも主軸は自分の遊びなので、「外で遊ぶ友達」「ままごとをする友達」などと分かれることが多いでしょう。3歳までは「ありのままの自分」で生きていますが、4歳頃からは「すてきなおねえさん、かっこいいおにいさんでいたい」など、「自分はこうなりたい」というイメージを持つように。「ルールを守っている自分は偉い」という正義感も芽生え、ルールを守らない子を見ると告げ口をすることも出てきます。自分と友達の正義が違うと、屁理屈をこねたり、言葉がきつくなったりすることもあるでしょう。4歳後半くらいから仲間外れも見られるようになりますが、これは「友達は大切だから、仲間外れにすることが(相手にとって)罰になる」という友情関係が分かってきた証拠。その発達を理解しつつ、園の先生は相手がイヤな気持ちになること、仲間外れは良くないことを伝えていきます。◆5歳頃「友達だから遊びたい」一緒に遊びたいから自分の意見は後回しこれまでは「一緒に遊ぶから友達」だった関係が、「友達だから遊びたい」に変化する時期。「◯◯ちゃん、一緒に遊ぼう。何して遊ぶ?」と、遊ぶことを前提に、何をするかという交渉が始まります。自分の遊びが主軸だった時期はやりたいことが違う相手とは遊びませんが、この頃になると、その友達と遊びたいがために、自分のやりたい遊びを後回しにして、友達の意見を優先できるようになるのです。これは、学童期の友情関係である「心の友達」につながる出発点。とても重要な変化です。また、友達がどう思っているかを気にするようになるのもこの時期。4歳では一方的だった正義感も「他者の立場に立つ=他者視点」が発達して柔軟になってきます。例えば、滑り台を滑る側から上ろうとする2歳児を見たとき、4歳では「ダメだよ」と決め付けますが、5歳では「まだ小さいから分からないのか」と考えられるようになります。園の先生は自己主張と他者視点がバランス良く発達するように、トラブル解決をサポートしていきます。親はどうする? 友達関係の心配事読者アンケートで「わが子の友達関係に関する心配」について聞き、多かった声について岡本先生にアドバイスをもらいました。親の役目はトラブル前の園との信頼関係作り以前に比べ、今は「園での友達トラブルは、園の責任で解決する」という方針が広く定着しました。また、何か問題があれば教えてもらえますから、子どもが元気で楽しそうに通園しているなら、基本的に心配はいらないでしょう。とはいえ、子どもに「◯◯ちゃんとケンカした」と言われ、その相手を知らないと、親は不安になるもの。普段から、誰と仲が良いか、何をして遊んでいるかといった情報を、先生と親で共有しておくことが大切です。また、子どもはボキャブラリーが少なく、ささいなことを大げさに話したり、誰と遊んだか記憶があいまいで「一人で遊んだ」と言ったりすることも。元気をなくして登園をしぶる日もあるでしょう。心配事があれば、「こんな様子なんですけど、心配し過ぎですか?」「親からは見えない子どもの姿があると思うので、先生からどう見えるか教えてください」など、親の気持ちも含めて先生に相談しましょう。友達トラブルは、子どもが社会性や協調性を身に付けていく上で、大切な成長の糧でもあります。親の役目はトラブル回避よりも「トラブルが起こっても大丈夫」と思えるように、園との信頼関係を作っておくこと、と考えるといいですね。自分の意見を言えない、それも子どもの個性 友達を優先しているのかも新しい集団に入ったばかりなら、子どもの個性なので問題ありません。まわりの様子をしっかり見て、少しずつ自分を表現するタイプなのでしょう。もし集団に慣れた時期になっても意見が言えないなら、意見を言わない環境に慣れてしまっている可能性も。家庭で子どもが自由に意見を主張できているか、振り返ってみましょう。4〜5歳になって、友達の希望を優先することで「友達を喜ばせることができた」と満足感や誇りを感じているようなら、成長の証。褒めてあげるといいですね。友達ができない 遊びに没頭しているなら大丈夫 子どものペースを見守ってひとりで遊んでいても、遊びに没頭できているならまずは見守ってみましょう。遊びに没頭するのは、むしろ発達的には大事な時間です。もし、一人遊びの最中も友達の様子が気になっているようであれば、じっくり集団の様子を観察してから加わりたいタイプなのかもしれません。子どもは「友達になって」と言わなくても、集団の後ろから付いて歩いているうちに仲間に入ったり、離れて遊んでいる子をまねしているうちにお互いが気になって、一緒に遊ぶようになるもの。子どものペースで関係が出来ていくので、親はヤキモキせず、おおらかに構えていましょう。怒りっぽい 今は感情コントロールの練習中 言葉で表現する方法を伝えて怒るのは、悔しさやイヤなことがあったから。怒りはある種の原動力になり、うまくコントロールできるようになると、「これをバネにして頑張ろう」というやる気につながります。幼児期はそうした感情コントロールの練習期間と捉えましょう。また、怒っていることを表現できない方が困ることもあります。「イヤなことされたら、僕だって怒るんだよ」ということを相手にうまく伝えた上で、「もうやめてね」と言えるのが理想的。そのためには、「イヤだったから、怒ったのね」など、感情を言葉で表現する方法を伝えていきましょう。同じ子としか遊ばない 友達だから遊びたい段階 閉鎖的になったらフォローをこれは気にしなくて大丈夫。幼児なりに「気が合っている」ということで、「友達だから遊びたい」の段階に進んでいると考えられます。さらに発達して他者視点が身に付いてくると、友情関係を試すかのように「他の子としゃべっちゃダメ」などと言うこともあるかもしれません。この場合、本気の意地悪ではありませんが、関係が閉鎖的になっているようなら、「お友達がイヤな気持ちになるからね」など、良い方向に導くように声を掛けましょう。友達をしつこく遊びに誘う どのくらいしつこくすると相手が怒るか試すことも大事な経験そもそも子どもはしつこいもの。あまりにしつこくすると相手の子が怒るかもしれませんが、「どのくらいやると相手が怒るのか」を試すのも大事な経験です。相手の子が遊びたくないのなら「◯◯ちゃんはイヤって言っているから、他の子を誘ったら?」、誘っている遊びがイヤなら「違う遊びで遊ぼうって言ってみたら?」など、アドバイスしてみるといいでしょう。友達に対して言葉がきつい 相手が気分を害していると分かれば徐々にマイルドな言い方に言葉がきつくなるのは4歳頃に多く見られ、基本的には一時的なもの。まだボキャブラリーが少ないためで、相手を不快にさせようとしているわけではありません。友達が自分の言葉で気分を害しているのが分かると、言い方を考えるようになり、徐々にマイルドな表現ができるようになっていきます。親は、子どもの言葉がきついと感じたときに「◯◯って言おうね」と、言い換え方を提案してみましょう。また、言葉に関しては「親を映す鏡」という側面もあります。家族の間でも、きつい言葉は避けるといいですね。これも気になる もしも園の友達が新型コロナにかかったら子どもにどう説明する?友達が感染した場合は、下手に隠したり、ごまかしたりせず、子どもが知りたい「単純な事実」をきちんと話すことが大切です。「病気だから治るまでは一緒に遊べないけど、治ればまた遊べるよ」と事実を伝えれば安心できるでしょう。それ以上の説明は、子どもの理解力に合わせて。くどくど説明して、ちゃんと理解できないまま「コロナはすごく恐ろしい」という恐怖心だけを植え付けるのは避けましょう。また、「◯◯ちゃんは、手洗いしてなかったからコロナになったのかも」「悪い子がコロナにかかるから、あなたはいい子にしなさい」という言い方もNG。友達に対して「手を洗っていなかった子」「コロナになった悪い子」など、誤ったイメージを持たせないように気を付けましょう。
2020年11月14日私は「子どもを持つこと自体」に漠然とした不安がありました。なぜならば、私の両親が「毒親」だったからです。自分も同じように「毒を持って子どもに接してしまうかもしれない」「私のようなつらい幼少期を過ごすのであれば、子どもは作らないほうがいいのでは?」といった考えが頭から離れませんでした。そんな私が紆余曲折ありながらも1人目を出産し、さらに2人の子どもを持つまでの過程や葛藤などをお伝えします。 転換期は20代後半の同棲経験憂うつ感に苛まれながらも、私はなんとか幼少期~思春期を過ごしてきました。そんな私の大きな転換期は20代後半のころ。今の夫となる人と結婚前提で同棲し始めたころです。 今まで生きてきた人生のなかで初めて長期に渡って親と離れて暮らせることができ、だんだんと心に落ち着きを取り戻し、「過去に親から受けてきた仕打ち」に対してやっと疑問を感じるようになってきました。いわば過去の自分は、親からマインドコントロールを受けていたと言っても過言ではないと思います。 友人たちの妊娠で心境の変化数年に渡る同棲期間を経て30歳になるころに、私は今の夫と結婚しました。しかし、結婚した1年ほどは前述した理由や背景があり、子作りする気になれませんでした。そんな私の気持ちを変化させたのが「友人たちの妊娠」です。 その友人たちとは数十年付き合っており、いろいろな過去も知っていた仲なので、「人生いろいろありながらも、皆どこか決断をして新たな道へ進んでいくのだな」ということが、友人たちの妊娠・出産を通して改めて実感しました。 過去と折り合いをつけるという決断また、友人たちのなかには不妊治療に励んでもなかなか授かれない子もいました。そんな友人を見て「授かれること自体が奇跡なんだ」「私ももう31歳になるし、女性の妊活は時間が区切られている。どこかで親のことは見切りをつけなければ」と、私の心境が友人を通して少しずつ変わっていきました。 そして、31歳のときに1人目を出産。里帰りはせず、基本的にワンオペ育児でしたが、なんとか1人目を2歳まで私の手で育てることができました。その後は1人目が2歳になったころ、2人目の妊活を始めました。 自分が毒親になることなく、気持ちに余裕を持って妊活や育児ができたのは「いざとなれば福祉の手を借りて助けを求められる」という安心感です。産後ヘルパーの活用や、産前産後要件で保育園に通うことができることなど、子育て支援情報は調べ抜きました。情報収集は育児の不安を解消し、自分を救う手立てになっています。 監修/助産師REIKOイラストレーター/みいの著者:山本加奈子2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年11月02日■前回のあらすじ息子の発育状態が気になり検索しては落ち込む負のループ。夫や発達支援センターに相談するも解決に至らず、自分でできることを探すことにしました。※過激な描写が含まれます。苦手な方は閲覧をお控えください。■私は「普通のお母さん」にもなれない…?息子に何があろうとも育てていく覚悟はあるはずなのに、不安な気持ちが止まらない…息子が「普通の子」であって欲しいと願ってしまうのは、親として最低なのでは…私は「普通のお母さん」にすらなれていない…そう感じました。※筆者が当時の体験を元に表現しています。■自己嫌悪に陥り、自分を傷つけてしまう今まで自分が否定してきた無責任な親と自分は同じだ…、そう感じて自傷行為にまで及んでしまいました…。次回に続きます。※発育に関しての見解は筆者個人の体験によるものです。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月19日■前回のあらすじ抱っこしても泣き止まない赤ちゃんを前に無力感に襲われるママ。それを察知したのは…■買い物疲れのママの前に現れたは…赤ちゃんと一緒の買い物から帰ってきたママ。家にいたのは…?目の前に突然現れた小さいパンダ。これは一体…?せっかく買い物に行ったのに、お米を買い忘れてしまったママ。これがないと離乳食が作れないのに…。そんな焦るママにパンダが手渡したのは、笹…!?ママ全力のツッコミを入れましたが…さて、おかゆ、どうするのでしょうか…。→次回に続く!
2020年09月16日子どもが「幼稚園キライ」「幼稚園に行きたくない」と言い出したら、どんな声かけをしていますか?「先生や友達も待っているよ」「〇〇が楽しみだね」と親が一生懸命に励ましても子どもには響かず、ますます嫌がるばかり…。幼稚園教諭をしていた私は、このような場面を何度も見てきました。今回は、登園を嫌がる子に言ってはいけないこと、嫌がった時の対処法をお伝えします。脅しの言葉はかけないで!必要なのはスキンシップの時間子どもが「幼稚園に行きたくない」と言うのはどんな時でしょうか。それはなんとなく「不安」な気持ちを抱えている時です。不安な気持ちがあるとその気持ちを埋めるためにママから離れたくなくなります。そして、満たされていると「楽しい事をしたい」という意欲が出て、幼稚園に行くことに対して前向きになります。そのため、子どもが登園を嫌がる時に、「先生や友達が待っているよ」「〇〇があるんだって!」と園での楽しいことを伝えても、不安な気持ちは消えていないため、子どもには響かないのです。ましてや「行かないと恥ずかしいよ」「みんな行ってるのに」などの脅しの言葉は、不安をあおってしまうので絶対にNGです。まずは、「なんとなく不安」な気持ちを「安心感」に変えるためのスキンシップの時間をもつことが、一番の近道です。帰ってきたらホッとできるようにわがままOKどうしても登園を嫌がる場合は、無理に行かずに家でゆっくり過ごす日があってもいいと思います。ただ、子どもが「行きたくない」と言うたびに、幼稚園をお休みをするワケにはいきませんよね。なので、嫌がりながらも登園できた日は、帰ってきたらたくさん甘えさせてあげてください。抱っこやおんぶといったスキンシップ以外にも、楽しくできる触れ合い遊びもおすすめです。くすぐり合いや、向かい合ってにらめっこ、じゃんけんをして負けたら肩もみなど、触れ合いながら親子で大笑いできるといいですね。少しの時間スマホを手放し、テレビを消して、子どもの話に耳を傾け、好きな遊びにつきあう時間をとりましょう。それを続けていると、子どもは心に余裕ができ、幼稚園を嫌がることが少なくなっていくと思います。赤ちゃん返り状態になっても叱らないでしかし、ママがゆったり楽しく関わろうとしても、子どもがワガママを言って、赤ちゃん返りのような状態になり困らせることもあります。それは園生活を頑張っている証拠。ワガママな性格になってしまったわけではなく、家では素直な気持ちを出して発散しているだけなので、叱らず受け止めるのが◎。ママに甘える時間が幼稚園に行く力に!わが家の年中の娘も、疲れがたまったり、園でいろいろなことを我慢して頑張りすぎたりした時は、家で爆発することがあります。自分でできることを「ママやって」と言ったり、思い通りにならないと理由も話さずグズグズしたり…。娘がワガママになった時、幼稚園児と思って関わるとついイライラしてしまうので、赤ちゃんに戻ったつもりで関わっています。「まだ赤ちゃんだから、なんでもしてあげるよ~」という感じで。しかし、プライドは高い娘。それを口にだすと怒ってさらに大変なことになるので、心の中で密かに思って対応しています(笑)。ほんの少しだけの時間で満足する日もあれば、帰ってから寝るまでワガママを続ける日も。かと思えば友達の誘いを断って「ママと遊ぶ」と言ったり、「抱っこして~」と、素直に甘える日もあります。それでも翌日は「いってきまーす!」と、はりきって園に行く姿を見ると、家で過ごしながら自分を取り戻す時間の大切さを感じます。パワーを充電できればがんばれる子どもにとってママやパパとの時間はとても大切なもの。「幼稚園に行きたくない」と言う時は、ママやパパに甘えられる時間をいつもより多くとって、パワーを充電させてあげてくださいね。そのパワーがあるからこそ、子どもたちは幼稚園でさまざまなことに挑戦できるのです。<文・写真:ライターnicoai>
2020年09月08日仕事の転勤や転居、生活スタイルの変化などで、子どもが転園することになった場合、親はわが子が新しい園になじめるか心配ですよね。わが家は結婚してから10年の間に、転居による転園を2回経験しました。今回の記事では、引っ越しの多かった私自身が子どもの時に感じてきたこと、その経験を生かして自分の子どもの転園で気をつけていることについて紹介します。幼稚園・保育園の転園は親もドキドキまず登園初日、在園児は転入児に興味津々!「どこからきたの?」「すきなあそびはなに?」「なんてよべばいいの?」「いまどこにすんでるの?」「どうしてひっこしてきたの?」「なんかはなしていることばがちがうね(方言のある地域の場合)」と、質問攻めにあいます。社交的な子どもであれば受け答えもできるでしょうが、そうではない場合、このこと自体が子どもにとってかなりのプレッシャーに。子どもが恐怖心をもつことなく初登園を終えるのが、とにかく最初の関門です。どちらかというと内向的な子の場合は、事前に担任の先生にその旨を伝えておくといいでしょう。早くなじめるように心がけている3つのことそのほか、子どもが園に早くなじめるように、わが家では3つのことを心がけています。子どもの得意なことを先生と共有する私自身が転園したときに感じたのは、「何かひとつでも得意なことがあれば、それをきっかけに友達の輪にも入っていきやすい」ということ。体を動かすことが大好きだった私は、転園と同時に幼稚園内で実施されている体操クラブに入りました。そこで一緒に習っている子との交流をきっかけに、友達の輪も広がっていきました。わが子の場合は、転園の際、絵や工作が得意だということを担任の先生に伝えました。すると、「どんなものを作っているか見たいので、工作を持ってきてもいいよ」と言ってくれました。毎日作品を作っている息子は、翌日から登園するのが楽しみになり、登園を渋る様子がなかったので本当に助かりました。もし子どもに得意なこと・好きなことがあれば、ぜひそのことを担任の先生に伝えてみてください。今回のケースのように、作品を持っていってよい園は少数派かもしれませんが、園での活動の中で先生が子どもの特技に触れるきっかけを作ってくれることでしょう。「今日はどうだった?」と聞かない私自身もそうだったのですが、帰宅後に「今日はどうだった?」と親から聞かれるのが、「楽しかった」という答えを期待されているような気がして、案外プレッシャーになっていました。そのため、わが家では、転園後しばらくは、子どもの帰宅時に「今日はどうだった?」と聞くのを控えました。代わりに、連絡帳に書いてあることを元に「今日は〇〇あったんだねー」「給食は△△だったんだ!おいしそうだね」などと話しかけるようにしました。子どもの気分がよい時は「そうなの、~でね」と話を続けてくれますし、あまり気分が乗らないときは「うん」で終わります。返事の様子で、ある程度子どもの感情を汲みとるようにしました。また、「パパもママも〇〇の味方だよ」ということは日頃から伝えるようにしていて、負の感情を察したときは、ギューっと抱きしめるようにしました。親の直感は意外と当たるもので、いつもとちょっと違う空気を感じたときは、友達とのトラブルがあった後だったりも。表情や態度が少しおかしいなと感じたら、子どもに「何かあった?」と聞くのではなく、園の先生に「最近どうですか?」と聞いてみるのもいいかもしれません。園での頑張りを先生から聞いてほめる転園からしばらくの間は、新しい環境で頑張っている子どもを応援するために、担任の先生となるべくコミュニケーションを取るように。先生は子どもたちのちょっとした成長にも気づいてくれているので、園との連絡帳や送り迎えの時などに子どもの頑張りをたくさん教えてくれました。しかも、家に帰ってきた後に「先生から聞いたんだけど、今日は〇〇できたんだってね!」と普段の何気ない行動をほめると、子どもは恥ずかしがりながらもとても喜びます。先生が自分のことを気にかけてくれているとわかると、子どもにも園生活に対する安心感が生まれるので、先生との情報共有をおすすめします。自信がつけば、園になじむのもすぐ!自分の経験、そして子どもの姿を見ていると、「自分にはできることがある」「親も守ってくれている」「先生も見てくれている」と心理面の安心が整えば、それが自信にもつながり、園生活に早くなじめるように感じます。そのためには、日ごろから子どもの様子を観察するとともに、親としても、園と適度なコミュニケーションを取っていくことが大切です。ぜひ、親子で新しい園生活を楽しんでいきましょう!<文・写真:ライターnanahi>
2020年09月06日「どうしてほかの子はできているのに、自分の子どもはできないんだろう?」幼少期は特に発達速度に個人差があることから、親は“できないこと”をネガティブに考えてしまいがち。ウーマンエキサイトで連載中のSAKURAさんも、そんな思いをして苦しんだひとり。娘のあーさん(現在9歳)は、発達障害(自閉スペクトラム症(※1))で言葉の発達が遅れていたため、周りの子とくらべてしまうことがあったそう。そんな日々を経て、SAKURAさんがわが子の“苦手”や“生きづらさ”と向き合い、奮闘する姿をつづった子育ての記録が書籍 「うちの子、個性の塊です」 になりました。■ママに興味がない子どもがいるの?赤ちゃんの頃からあまり泣かず、ひとり遊びが上手で手が掛からなかったというあーさん。2歳半のとき、子ども支援センターで面談の機会が訪れます。部屋に入るなりひとりで遊びだし、SAKURAさんの元に戻ってこないあーさんを見た先生は、こんな言葉を放ちます。「お母さん、気付いていないかもしれませんけど、これはけっこう問題ですよ。この子はお母さんに興味がないんです」。この衝撃の言葉を聞き、「今まで娘と過ごしてきたすべてを否定されたような気持ちになった」と言うSAKURAさん。そんな彼女が、いつも連載で描いているようなユーモアたっぷりの育児ができるようになったのはなぜなのか。その足跡を書籍からたどります。■なんでうちの子はできないの?発達の遅れを指摘されてからのSAKURAさんは周りの子とあーさんをくらべては「落ち込む日々が続いた」と言います。しかし苦しい日々を過ごした末、SAKURAさんは気付きます。「自分がいくら落ち込んでもあーさんがよくなるわけではない」ということを。当時、あーさんの主治医から言われた言葉もSAKURAさんを楽にしました。「みんな生まれ持ったそれぞれの個性があるんです。発達障害のある子は、その個性がたくさんあるから目立つ。だから娘さんは“個性の塊”なんですよ」。この言葉によって、SAKURAさんはあーさんの“個性”を「楽しもう」と思うようになったと言います。物事への強いこだわりも見方を変えると面白いと感じたり、苦手なものにはあーさんに合ったやり方でサポートしていけばいいのだとポジティブに考えられるようになったのです。■かんしゃくを起こす娘にイライラ…言語の発達に遅れがあったあーさん。4歳頃になると、自己主張やこだわりが強くなって、かんしゃくを起こすことも。一度泣き出すとSAKURAさんの声も耳に入らなくなり、泣き止まずイライラ…。そこで主治医に相談すると、あーさんは「自分の気持ちを表現することが苦手だから泣く」とのこと。そして、「“気持ちの代弁”と“気持ちの同調”をしてみてください」と言われます。怒り出したときは「そっか~、〇〇だったんだ~。〇〇したかったんだ~」など気持ちをまず代弁すること、そして「わかるよ~。ママもそうだったよ~」と同調することで、子どもは「お母さんはわかってくれたんだ」と知り、気持ちを落ち着かせることができるというのです。「これを繰り返していくと信頼関係の土台ができ、お母さんの話も落ち着いて聞けるようになりますよ」と。SAKURAさんが実践したこの方法は、目に見えて効果があったと言います。何度か繰り返しているうち、泣き出してもすぐSAKURAさんの提案や要求を聞いてくれるようになったそう。この方法は、癇癪を起しやすい子や自分の感情をうまく伝えられない子にも効果があるように思えます。■小学校の通常学級は、私のエゴ?あーさんが小学校に入学する際、知的な発達の遅れがなく、主治医にも「通常学級でいけると思います」と言われたこともあり、通常学級を選んだSAKURAさんご夫婦。しかし入学後、授業についていけない部分が出てきて担任からの報告や相談が増え、お友だちともトラブルが起きるように…。たとえば、文章が書けず白紙のまま固まってしまう、お友だちから自分がやっていないことを責められても「私じゃない」と主張できず責められてさらに泣く…など。でもあーさんは、「学校は楽しい」と話し、SAKURAさんはこの状況をどう判断すべきか悩みます。そして、担任から2年生の進級時に特別支援学級(※2)に転籍することをすすめられます。しかし、夫は娘のコミュニケーション能力を上げるためには大人数の通常学級に在籍したまま通級指導(※3)を受けるのがいいのではないかと言います。娘が学校生活を楽しく過ごすには、どれを選択すべきなのか? 周りの意見を聞くうちにSAKURAさんにはどれが正解なのかわからなくなっていきます。この進級問題でSAKURAさんが見せる、子どもにとって何が最善なのかを模索する姿。それは、わが子のために必死で考えることこそが重要なのだと教えてくれます。■個性を楽しむ育児がもたらすものさまざまな困りごとを克服していったSAKURAさん。その様子を読んでいると、子どもの個性を認め楽しむことでただ問題を解決するだけでなく、それ以上にプラスの要素が生まれているように感じます。“個性”を肯定されることで子どもが得る安心感、親子の絆、家族の笑顔…。そして、SAKURAさんの姿勢はあーさんの物事の捉え方にも大きく影響していて、それは彼女の生み出すポジティブでやさしい言葉に表れています。そんな育児を実践するSAKURAさんの書籍は、発達障害の子どもを持つ親だけでなく、子どものちょっとした苦手やこだわりに悩む親たちにも参考になるのではないでしょうか。最後に、SAKURAさんにインタビューさせていただきました。――初めて娘さんの発達の遅れを指摘されたとき、どんなことを思いましたか?「なぜうちの子が」と現状を受け止められず、なぜこうなったかばかりを考え、「私のせいだろうか」 と自分を責めていました。 私の場合、娘を妊娠するまでも、不妊治療をしていたこともあって、「やっと妊娠して、出産して、憧れていたお母さんになれたのに! なんで私がこんな目に…」と思っていました。――ほかのお子さんとくらべて落ち込んでしまったとき、どのようにして気持ちの切り替えをしていましたか? また、その頃の自分に声を掛けるとしたら、どんな言葉を掛けますか?娘の場合、しゃべらないので親子のコミュニケーションがほとんど取れず、他の親子を見るといつも暗い気持ちになっていました。しかし、その暗い気持ちや、悲観的な感情は、持ったところで娘にとってのプラスにはまったくなりませんし、落ち込むことが娘に対して失礼だと考えるようになってからは、落ち込まなくなりました。その頃の自分に声をかけるとしたら…、「大丈夫~! いつかコミュニケーション取れるようになるよ~! 小学4年生の今、ちょっとうるさいなって思うぐらい、しゃべってるよ~!」ですかね(笑)――よく父親の方が子どもの発達についての理解に否定的になると言われていますが、SAKURAさんご夫婦はとても理解しあっている感じがします。お子さんについてパートナーの理解が得られない場合、どうしていけばいいと思いますか?このことはよく聞かれるので、旦那とも話すことが多いです。旦那は「自分の子どものことなのに理解しないって気持ちが、逆によくわからない」と言います。子どもの発達障害について否定的なお父さんは、向き合い方がわからないのだと思います。「俺の子がそんなはずない」とか「知られたくない」とか…。しかし自分の子どもだとしても、クローンではありません。自分と違った一人の人間なのです。その子が生まれたありのままを受け入れるしかない…。そのことに気がつかないと、結果子どものためにはなりません。わが子が将来、自分で生活できるようにするために、今何ができるかを考えてほしいと思います。――最後にSAKURAさんと同様に子育てに悩むママたちに言葉をかけていただけますか?私も現在進行形で、「子育てに悩むママ」です(笑)。毎日毎日子どもたちの要求をこなし、疲れ果てて、「ちょっとYouTubeでも見といて…」とか言って、ソファーに横になっちゃう親です。だから他のママさんたちにメッセージを贈れるほど立派な人間ではないのです。「やるときはやる!」「だらけるときはだらけきる!」で乗り越えましょう! …としか言えません(笑) 「うちの子、個性の塊です」 ([著者] SAKURA,[監修] 井上雅彦/すばる舎 ¥1,540)自閉スペクトラム症の娘あーさん(9歳)を育てる母SAKURAさんが、さまざまな悩みを抱えながらも娘の個性と向き合ってきた様子を、挿絵と4コマ漫画を交えながら描いたエッセイ。母SAKURAさんと、いつも妻の気持ちを理解しサポートしてくれる父、心のやさしい長女あーさん、甘えん坊の長男きーさんの4人家族による愛情たっぷりのエピソードが満載で、読む人をハッピーにさせてくれる。SAKURAさんのブログ: 「うちの子、個性の塊です~マイペース娘の療育日記~」 ウーマンエキサイトの連載: 「うちの家族、個性の塊です」 ※1.自閉スペクトラム症脳に生まれつきある先天的な発達障害のひとつで、特徴として社会的コミュニケーションの障害、限定された興味を持つと言われている。※2.特別支援学級障害のある子ども一人ひとりに合わせた教育を行うため設置された少人数学級のこと。※3.通級指導教室比較的障害が軽い子どもが、通常学級に在籍しながら、その子に合った小集団や個別の指導を受けられる学級のこと。
2020年09月02日暑さで体力的に疲れていることも多い、夏休み明け。これから新学期を迎える時、あるいは新学期が始まったばかりの時期に、親が子どもに投げかける言葉や見せる姿勢は、子どものやる気やエネルギーに大きく影響してしまうこともあります。今回は心理カウンセラーの立場から、新学期を前にして親が子どもに言ってはいけない言葉を紹介します。勉強の遅れを心配する言葉まず注意したいのは、勉強の遅れを心配するような言葉。親としては、どうしても子どもの勉強の進み具合は気になるもの。一度遅れてしまうと取り返すのは大変だと考えるため、宿題や家庭学習の状況などに焦りを感じるのは普通のことと言えるでしょう。一方で、夏休み明けの子どもたちはのんびりしたもの。夏休み気分が抜けず、また残暑が厳しいこともあって、学校から帰って来たらすぐにクーラーの効いた部屋でダラダラ…などということもあるのではないでしょうか。そこで親が言ってしまいがちなのが、「学校始まったんだから、勉強もしないとね」「勉強が遅れちゃうと大変だから」という言葉です。しかしこれは意外と子どもにとってはダメージになります。勉強について気にしていても、それを指摘されるとうんざりしてしまうのです。このような場合は、まずは「暑いね」「疲れたよね」と共感を示し、落ち着いてから「そろそろ、頑張ろうか!」とプラスの声がけを心がけましょう。休んだのだから頑張りなさいという言葉夏休みという期間があったのだから、学校が始まったらしっかりしてほしいと親は考えがち。しかし「いっぱい休んだんだから、頑張りなさい!」というのは逆効果。休みの期間が長いほど、エンジンはかかりにくくなります。大人でもなんとなく、理解できる感覚ではないでしょうか。頑張りなさいと言われてしまうと、頑張っているのに…と思ってしまいませんか?休み明けは、学校まで行って帰って来られたらそれで上出来。それ以上のことができたら、ほめてもいいくらいです。1、2週間は子どもの様子をよく観察し、勢いがつくまで急かさないようにしましょう。他人と比較して叱咤する言葉親はついわが子と誰かを比較しがち。でも、他人と比べる言葉は子どもの心を傷つけます。例えば「お兄ちゃんはちゃんとやってるよ!」といったようなきょうだいと比べるものはもちろん、「〇〇くんはすごいのに」というような親しいお友達なども同様です。夏休み明け、どれくらいでエンジンがかかってくるかは、子どもによって個人差が大きいところです。他人と比べることは本人の自信を失わせ、エンジンがかかってからの加速をさらに遅くしてしまう可能性も…。他の子どもと比較しないように扱うのは、夏休み明けに限ったことではありませんが、コンディションが整わないうちは特に気をつける必要があります。ゆっくりと普段のリズムに戻して夏休み明けに身体が重そうにしていたり、何かに取り組む意欲が感じられなかったりするのは、当たり前のことです。普段のリズムにすぐに戻らないことで親が焦ったりイライラしたりすると、子どもは「自分がダメなんだ」と不安になってしまうもの。特に今年は、コロナ禍の下、例年以上に不安定になる子どもも増えることが予想されます。まずはいつもよりゆるめでOKと親がゆったり構えること、一所懸命にやっていないように見えてもそれを許す気持ちを忘れないようにしたいですね。<文・写真:ライターあん茉莉安>
2020年08月31日■前回のあらすじお見舞いに来てくれた夫。差し入れやマッサージに癒され、ようやく我が子と3人の時間を楽しめました。その後、義父母もお見舞いに来てくれましたが、産後の不安定さからか2~3時間でしんどくなってしまいました。■赤ちゃんが黄疸になってしまった黄疸が見られる赤ちゃんは多い、重度でなければ心配ない、と書いてあっても、体重が増えないことも重なり責任を感じずにはいられませんでした…。■授乳を頑張るも、体重が増えない…母乳の出を良くするために出来る限りのことを頑張りましたが、結局赤ちゃんの体重は増えませんでした…。■母親失格…母乳が出ない自分を責めてしまう母乳が出ないことで自分を責め続け、涙が止まりませんでした…。義父母の孫に会いたい想いも受け止めきれず、自分が情けなくなりました。次回に続きます。8月23日公開予定! 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年08月22日毎年の夏休みの自由研究、保護者のみなさんはどこまで手助けしていますか?子どものやりたいこと、やる気を引き出しながら、親としていかにうまくサポートできるか…なかなか難しいですよね。今回は、手伝いすぎて大失敗したわが家の例も交えながら、ベストな方法を探ってみましょう。手伝いすぎて大失敗、わが家の例◆小1、学童で作った簡単な工作で選出、本人やる気スイッチオン娘が小1のとき、本人はもちろん、私自身も親として何をしていいのかわかりませんでした。なので、夏休み明けには、本人が夏休み中に学童で作ってきた簡単な工作を提出しました。すると、それがなんと市の作品展に展示されることに!初めてのことに子どもは大喜び!「来年は賞をとる」と気合いが入りました。◆小2、こんなの作りたい!手伝いのパパやる気スイッチオンそして小2のとき。子どもがこんなのを作りたいとアイデアを出したので、パパが担当でお手伝いをすることになりました。純粋に子どもが「こうしたい」と言うのをサポートする感じで、材料集めやひとりではできない部分を少し手伝っていました。この年は、市の作品展に出展、なんと入賞しました。◆小3、子どものやる気を完全に奪ったパパやる気全開小2の入賞後は、俄然、パパのやる気がヒートアップ。小3の夏休みになると、娘に「次はこんなのを作ろうか」と勝手にアイデア出しをして、どうやって作れるのかの詳細をネットで調べ、「こうやったら作れるよ」と提案。盛り上がるパパに言われるがままに、娘は作業を実行。かなり大がかりな作品ができあがりました。大きな作品だったので、夏休み明けは作品を運ぶためにパパも一緒に登校。娘は、自分が作った自慢の作品という思いもないようで、そんな大きな作品を持っていくのもちょっとはずかしいという感じでした。大満足なパパでしたが、その年は、市の作品展に出品されることはなく、教室内での展示にとどまりました。子どもらしい発想の作品がベスト娘が小3のときに作ったものは、金のこをつかって金属を切ったり、電池を使って電気がついたりするものでした。材料も普段目にすることもないものを、パパがお金をかけて用意していましたし、小3が学校で習っている知識のレベルでできるものではなかったので、どう考えても子どもの発想ではないですね。子どもが自分で作れるものではないような作品を作り、結果、子どものやる気を奪ってしまいました。賞をとることが目的ではないですが、子どもの発想と子どもの知識の中でできる作品でないと、評価という面でもマイナスになるんだなと改めて思い知らされました。子どもにやらせなければいけない点、親が手伝うべきこと◆何をするのか、どうやったらそれができるのか子どもが何か言い出す前に、親から「こんなのどう?」と言うのはNG。まずは子どもの意見を尊重しなければなりません。親のアイデアを先に言葉にすると、子どもの発想がそこでストップしてしまうので、子どもがどんなことをしたいのかをうまく聞き出しましょう。そして、それが明確になったら、どうやったらそれができるのかを一緒に考えます。「こうしたい」けれど「どうやったらできるかわからない」ということであれば、少しアイデアを足してあげるといいですね。◆準備するものへの考え方何をするか決まったら、何が必要か一緒に考えて準備しましょう。家にあるもので使えるものはないかを考えたり、買う必要のあるものは、親が買ってくるのではなく、できれば一緒に買いに行きましょう。そして「身近なもので作ることができる」「お金をかけすぎない」ということも頭に入れておいた方がいいと思います。親がつい必要以上にやる気になったり、わが子によりよいものを創作してほしいという気持ちになるのは、よくわかります。ただ、あくまでも「自由研究は子どもの宿題」ということを肝に銘じて、子どもが自分自身でこれをやりたいと思ったものを、どうしたら実現できるのかを一緒に考え、サポートすることが大切だと思います。適度なアドバイスで子どもらしい作品づくりを手助けできるといいですね。<文・写真:ライター鳥山由紀>
2020年08月18日大切なわが子のために、できることはすべてしてあげたいーー。そう考えるのは親として当然です。しかし、勉強面や生活面で干渉しすぎてしまうと、子どもの将来に悪影響を及ぼしてしまう恐れも。今回は、「ハイパーペアレンティング」と呼ばれる “過干渉の子育て” をする親たちについて解説していきます。急増中の「ハイパーペアレンティング」な親とは?「ハイパーペアレンティング」という言葉を初めて目にする人も多いのではないでしょうか?簡単に説明すると、「過干渉の子育て」や「子どもをコントロールしようとする親たち」の総称として使われることが多いようです。いわゆる『教育虐待』もハイパーペアレンティングに含まれると言っていいでしょう。近年増加傾向にある「ハイパーペアレンティング」な保護者たち。その原因として、昨今の不安定で混沌とした社会情勢や、SNSなどの過剰な情報によって保護者のあいだで不安が増大していることが挙げられます。東京未来大学こども心理学部准教授で育児工学者の小谷博子先生は、「決して安定した社会が望めないこれからの時代を生き抜くために、さまざまなものを身につけさせてやりたいと早期教育に走る親たちが増えてきている」と指摘します。また、明治大学文学部教授で心理学者の諸富祥彦先生も、「現在の情報化社会のなかで、親は他人の子育てや家庭教育と自分を比べて不安になり、自己否定することが増えている」と述べており、他者との比較によって不安が増大していることを危惧しています。「ハイパーペアレンティング」は、一見すると “教育熱心な親” として悪くないイメージをもたれがちですが、実際には子どもに大きな負担をかけているケースが少なくありません。さらには親自身も大きなプレッシャーを感じており、親子ともに高すぎる理想に押しつぶされてしまうことも……。子どもを疲弊させる「ハイパーペアレンティング」の例「ハイパーペアレンティング」の具体的な例をいくつか挙げていきましょう。■たくさんの習い事をさせるハイパーペアレンティングの典型と言えるのが「習い事をたくさんさせる親」です。いい学校に進学をしていい会社に就職し、よりよい人生を歩ませるために親は最善を尽くそうとしますが、その手段としてやみくもに複数の習い事をさせることは、間違いなくハイパーペアレンティングです。ひとつひとつの習い事は子どもにとって有効であっても、欲張ってすべてをやらせようとすると、子どもは心身ともに疲弊してしまいます。■予定を詰め込んで “退屈” させない習い事をたくさんさせることと同様に、学校以外の予定を親が勝手に決めてスケジュールを詰め込むのも、ハイパーペアレンティングの一例です。子どもには、ぼーっとする “退屈な時間” が必要。国立大学付属小学校の松尾英明教諭は、「成績だけでなく、人格的な面も含めて “すばらしい” と賞される子は、家でダラダラしていることが多い」と指摘しています。脳を効率的に働かせるためにも、ぼーっと過ごす時間は必要不可欠なのです。■子どもの友人関係に口を出す子どもの交友関係を黙って見守ることができず、つい「あの子とはあまり遊ばないほうがいいんじゃない?」などと口を出してしまうのもハイパーペアレンティングと言えるでしょう。さまざまなタイプの人間と関わって、豊かで深い人間関係を築くことよりも、「わが子にいい影響を与えてくれる子」や「付き合うとメリットがある子」を選ぶことを優先するのは、子どもにとって決してよいことではありません。■子どもの失敗を先回りして阻止するハイパーペアレンティングは、言い換えれば「親の過干渉」です。子どもが何か新しいことを始めようとすると、すかさず情報を集めて「でもこれってこういうところが危ないみたいよ」「やってもあまり意味ないんじゃない?」とやる気を削いだり、実際に手を伸ばして転ぶ前に抱き上げたりするのは、過干渉にほかなりません。失敗を経験しないまま大人になると、わが子はどうなってしまうと思いますか?「ハイパーペアレンティング」は、決して子どもを苦しめたり困らせたりしようとしているわけではありません。根底にあるのは「わが子によりよい人生を歩ませたい」「将来苦労させたくない」という親の強い愛情。親であるならば当然そのように考えますよね。しかし、教育評論家の石田勝紀さんは「親の『子どもにこうなってもらいたい』は押しつけである」と断言しています。親と子では、得意なことも苦手なことも、そして価値観も異なります。だからこそ、親は子どもと自分を同一視するのではなく、子ども自身ときちんと向き合い、子どもが大切にしてる価値観を大事にしてあげるべきなのです。ハイパーペアレンティングにならないためにここまで読んで、「もしかしてうちも『ハイパーペアレンティング』予備軍!?」と心配になった親御さんもいるのではないでしょうか。ハイパーペアレンティングにならないために心がけるべきことをまとめたので、ぜひ参考にしてください。濁協医科大学の永井伸一名誉教授は、「頭のよい子ども、自主的に勉強できる子どもに育つかどうかは、中学生までに親がどう関わったか、それによってどのような脳がつくられたかで決まる」と述べています。大事なのは、「遊び」のなかで学習する習慣をつけること。楽しいと感じれば、脳は活性化し、グングン新しいことを学べるのです。逆に面白がれなかったら、何を見ても聞いても知識は深く根付きません。だから、小さい時から塾に入れてしごいたとしても残念ながら本当に頭のいい子は育たないんです。(引用元:現代ビジネス|「子どもをダメにする」親の研究~3000人の聞き取り調査でわかった!)「塾にさえ入れれば勉強ができるようになる」「たくさんの習い事をさせているから大丈夫」と、根拠のない安心感を得るのは危険です。子ども自身が何を学びたいか、何に興味があるのかを見極めて、環境を整えてあげましょう。教育ジャーナリストの中曽根陽子さんは、「親であるならば『こんな人間に育ってほしい』『子どものときに自分が苦手だったことを得意になってほしい』と願うのは当たり前」としたうえで、親としての究極の願いは「子どもに幸せになってほしい」ということが大前提であると説きます。はたして、親であるみなさんが考える「理想の子ども」は、目の前の我が子とはまったく別の人間になっていないでしょうか。自分が思う理想の子ども像に我が子を当てはめようとして、子どもが「自分らしく自分の強みを生かす」ことを邪魔していないでしょうか。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|親の役目は我が子の「自己探求の力」を育むこと。“理想の子ども像”を押し付けてない?)そして最後に、何よりも大事なのは「親自身が自分の人生を楽しむべき」だということ。諸富先生は、親自身が幸せになることで、子どもは「人生は楽しいんだ!」ということを親の生き方を通じて知るといいます。完璧な子育てをする完璧な親になどなる必要はありませんし、なれるはずもありません。そんなことを考えるより、もっと自分の願望に素直に従って、親自身が幸せになり、子どもに「僕も幸せになっていいんだ」「わたしも幸せになっていいんだ」と思わせてあげる。それが子育てにおいてもっとも大切なことです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しよう)また、前出の石田さんも、親が子どもの「ネガティブな部分」にばかり意識が向いてしまうのは、「親自身が自分の人生を楽しむことに意識がフォーカスできていないことが背景にある」と述べています。子どもの成績や生活態度ばかりに目が向いて、小言が多くなったり過度に干渉したりするのは、親が自分の人生に不満を抱えているケースが多いのです。まずは親自身が自分の人生を楽しむことができれば、心に余裕が生まれます。そうすれば、ありのままのわが子を愛することができるようになるのではないでしょうか。***『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』(ダイヤモンド社)の著者であるジョン・メディナ氏は、「ハイパー・ペアレンティングは、子どもの知能の発達を妨げる恐れがある」と警鐘を鳴らしています。子どもが子どもらしく、健やかに成長するためにも、過干渉にならないように気をつけたいですね。(参考)PHPのびのび子育て 2020年8月特別増刊号,PHP研究所.STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しようCHILD RESEARCH NET|スケジュールをつめ込まれた子供:ハイパー・ペアレンティングは避けるべきプレジデントオンライン|なぜ頭のいい子は家でダラダラユルユルか東洋経済オンライン|子どもを追いつめる、親たちの「願望と正論」現代ビジネス|「子どもをダメにする」親の研究~3000人の聞き取り調査でわかった!STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|親の役目は我が子の「自己探求の力」を育むこと。“理想の子ども像”を押し付けてない?ダイヤモンドオンライン|「期待しない子育て」が脳にとてつもなくいいワケ
2020年08月17日出産レポ第9話睡眠不足のなか、珍しくぐっすり眠ってくれた赤ちゃん。そしてこのあと、「母親失格だ…」と自責の念に駆られる失敗をしてしまったそう。 「本当に何してるんだろう、私……」 「母親失格だ」 「母親としての自覚が足りないからだ」 「私のせいで、息子を危険な目にあわせたんだ……」 病院によって育児の方針はさまざまで、いろいろな考えを持つ方がいらっしゃると思います。しかし、私の産後入院は、このエピソードなしでは語れません。「なんだこの暴走母さんは……。自分も育児には自信が持てないけど、こいつよりはいい育児してるな」と、誰かの明日の活力になれば、それはそれでいいかなとも思います。ちなみに、出産から1年以上経った今でもたまに、私が授乳を忘れたせいで息子がカラカラになっている夢を見ます。 当初、産後入院をつらくしていたのは、母乳育児に縛られすぎた自分の気持ちの面が大きかったのではないかと思っていましたが、今は「産後のメンタルで、わからないことだらけで、こんなに思うようにいかないことばかりだったら、それはつらいよな……」と感じています。 大部屋で、泣いているのがバレないように、声を押し殺して泣いたというきのこの子さん。 一般的に育児用ミルクは3時間の間隔で授乳することをすすめられますが、実際のところ、1回ぐらい授乳間隔が3時間以上あくことはよくあることなんだそうです。(そのような場合、助産師さんがミルクの量や授乳間隔を調整してくれます)。このときは産後のホルモンの影響で感傷的になっていたのかもしれませんね。生まれたばかりの赤ちゃんを育てることの大変さや、心身ともに追い詰められる産後の入院中の環境がいかに過酷か、思い知らされます。 <つづく> 監修/助産師REIKO 著者:イラストレーター きのこの子
2020年08月14日■ 前回 までのあらすじ<母が語る物語>高校入学した娘が私のことを「厳しすぎる」と反抗する。しかし親は子どもの言いなりではなく、我慢や忍耐が大切だと考える私は…■わが子を成功ルートに乗せたい■他人が建前しか言ってくれないなら親は…高校の部活は、人生で初めて「自分で選んだ」と思えるものでした。しかし、母は3年間、結局最後まで応援してはくれませんでした。【母の意に反して自分の希望をとおす=母にずっと不快な思いをさせていまう】ということを学びました。逆に、今までは【自分の意に反しているけれども、母の意見に従う=母は喜んでくれる】でした。母の気持ちを殺すか、自分の気持ちを殺すか。どちらもつらいものでした。本当なら、自分の選んだものを母にも応援してもらいたい。もしくは、母の選んだものを自分が心から好きになりたい。でも、それはどちらも無理で、お互いが気持ちよく過ごせる環境はこの世に無いということを学びました。どちらかの意見を尊重すれば、どちらかは苦痛を強いられる。それだったら、女手1つで育ててくれた母に苦痛を与えたくない。自分が我慢するべきだったんだ…。部活を自分で選んだことは、私の中で初めてのチャレンジでした。でもそのチャレンジをしたせいで、そんな「自分の気持ちは殺すべき」という考えがより強まっていきました。文:著者(グラハム子)■グラハム子side STORY→次回は8月27日(木)更新予定です。※この物語は私の経験を基に、一部フィクションもまざっております。
2020年08月14日■ 前回 までのあらすじ<母が語る物語>長所が何もない娘が不憫で、高校入学が決まった段階で、整形させることに…。■どうして娘がすることに親が口出しをしてはいけないの?■「親は絶対だ」この価値観こそ正しい「親は威厳あるものだ」「親を敬わなくてはいけない」「最近の親は子どもに嫌われたくないからって、子どもの好き勝手にさせているバカ親が多すぎる」「世の中は思いどおりにいかないことばかりだから、忍耐を養わねばいけない」当時母がよく言っていた言葉です。当時、【個性を伸ばす教育】が流行り始めた時代でした。母はそれを間違っているとよく言っていました。母には【個性なんてなくていい。潰せ】という教育をされ、学校では【個性を伸ばしましょう】という教育を受けました。もちろん世の中にはいろんな価値観があって良いと思いますが、当時の私は『自分の価値観』を自分でまったく信じていませんでした。ずっと母から自分を否定されて育ってきたので、「自分の価値観はすべて間違っている」と思い込んでいました。だから「外で良いとされること」が「良い価値観である」という生き方をしてきたのです。しかしここにきて、外からの価値観が母と学校とでバラバラになってしまい、もう何が正しいのかもわからなくなっていき…。ただただ生きづらかったのを覚えています。文:著者(グラハム子)■グラハム子side STORY→次回は8月14日(金)更新予定です。※この物語は私の経験を基に、一部フィクションもまざっております。
2020年08月13日いつの時代も親は子どもを心配するものですが、少子化が進んでいるいまは、心配性の親が増加していると言われます。子どもを保育園に預けるとき、「ちゃんと園生活を楽しめるかな……」「誰かに迷惑をかけないかな……」と心配する人もいることでしょう。そこで、保育現場で実際に子どもたちの様子を見ているカリスマ保育士・てぃ先生に、心配性のみなさんに向けてメッセージを頂きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹幼いときから集団生活になじめることが重要ではないお父さんやお母さんはとても心配性です。「うちの子は、園になじめていますか?」「集団生活になじめる子とそうではない子では、どこに違いがあるのでしょう?」なんて質問を受けることもあるほどです。でも、あまり心配しないでください。これはあくまで個人的な考え方になりますが、幼いときからうまく集団生活ができることは、そんなに重要ではないと感じるのです。就学前の幼い子どもが、「みんながやるから、僕もこれをやる」というふうに考えすぎることのほうが、私からすれば心配。むしろ、「みんなはこれをやっているけど、僕は違うことをやりたいんだ!」なんて思う子のほうが、将来はすごい人間になるのではないかとも思っています。親御さんとしては、「集団生活ができずに、先生たちや友だちに迷惑をかける子どもにはなってほしくない」という思いがあるのでしょうね。でも、保育士たちは、子どもに対応するプロフェッショナルです。多少自分勝手で集団生活になじめないような子に対しても、うまく対応するすべはいくらでももっていますから、安心してお子さんを預けてほしいと思います。子どもが暴力をふるったときに有効な「代弁」でも、「そうはいっても、さすがに友だちを叩くなどの暴力をふるうのはまずい」と感じる人は多いでしょう。そういうことが起きた場合の対応法をお伝えします。そもそも、子どもが友だちなど他人を叩くといった行動をするのは、自分の気持ちをうまく表現できないからです。幼い子どもは言語能力が未発達なので、頭のなかでイメージしたり考えていたりすることをうまく言葉にできません。そのため、なにか嫌なことがあったときには、言葉ではなく手が出るということになるのです。そこで必要になるのが、子どもが思っていることを大人が言葉にする「代弁」という作業です。子どもが友だちを叩いた理由を推測し、「おもちゃを取られちゃった?」「なにか嫌なことを言われたの?」というふうにどんどん投げかけるのです。そうして、子どもが友だちを叩くという行為に至った本当の理由を見つけ、「あなたの気持ちはちゃんとわかったから大丈夫だよ」と子どもに共感したうえで、「でも叩いたらだめだよ」と伝えてあげなければなりません。そうでないと、その子からすれば、自分の気持ちをなにひとつ受け止めてもらっていないのに、ただただ「お前が悪い」「手を出すな」と一方的に叱られていることになってしまいます。また、子どもの暴力は、保育園の先生や友だちだけではなく、親に向かうこともあります。そんなとき、たいていの親は「叩いたらだめでしょ!」と、子どもを非難する叱り方をするものです。でも、この叱り方では子どもの心にあまり響きません。子どもたちには、自分を否定されるよりも、相手が嫌な思いをしているとわかることのほうが強く響きます。その相手が、本当は大好きなお父さんやお母さんだったらなおさらです。ですから、もし子どもに叩かれたりかみつかれたりした場合には、「ママ、痛かったよ」「パパ、悲しいな」といった言葉をかけてみてください。きっと、子どもなりに反省してくれるはずです。具体的な質問で、子どもの園生活をイメージするこのような、子どもが園になじめているか、子どもが困った行動をしていないかといったことが気になる親は、子どもが家に帰ってきたときに、園でなにをしていたのかを聞きたがるものです。その質問は、たいてい「今日、なにやったの?」というものでしょう。でも、この質問では子どもはうまく答えることができません。なぜかというと、子どもにとっては質問されている内容が広すぎるからです。そのため、どのことを答えていいのかわからず、結果的に「わからない」「知らない」といった答えを返すことになります。そうではなくて、具体的に質問しましょう。そもそも、質問するからには親には聞きたいことがあるはず。それら聞きたいことの要点を絞って細かく聞くのです。「今日はなにをして遊んだの?」ではまだ広いですね。「今日はブロックで遊んだ?」「おままごとした?」というふうに具体的に聞くべきです。子どもが「おままごとしたよ」と答えたら、「おままごとでどんなことをしたの?」ではなく「お料理したの?」というふうに聞くという具合です。要は、子どもが「イエス」「ノー」でぱっと答えられる質問をするのです。そうすれば、親からしても、子どもの園生活の自分には見えない部分も具体的にイメージすることができるようになると思います。こういった心配性の親は、「100点満点の親」を目指しているのかもしれませんね。満点を目指すから、子どもに関するあらゆることが気になってしまうのでしょう。でも、冷静にまわりを見回してみてください。100点満点の親なんてどこにもいませんよね?100点満点の子どももいません。親も子どもも65点や70点で十分ではないですか?そういう考えが心に余裕をもたせてくれるはずです。そして、なにより親であるみなさん自身の幸せをもっと追求してください。親は、子どもの幸せばかりを願うものです。でも、まず親が笑顔でなければ子どもも笑顔になれません。親が自分の幸せを追求することが、結果的に子どもの幸せにもつながるのではないでしょうか。『保育士てぃ先生のつぶやき日誌 きょう、ほいくえんでね…!!』てぃ先生 著/マガジンハウス(2019)■ カリスマ保育士・てぃ先生 インタビュー記事一覧子どものイヤイヤを減らすコツは、こっそり○○すること【てぃ先生インタビューpart1】子どもが甘えん坊すぎて困るなら、親はシンプルにコレをすればいい【てぃ先生インタビューpart2】「ひとり遊び」に熱中してこそ、友だちとも遊べるようになるワケ【てぃ先生インタビューpart3】園生活の様子が心配なら、子どもにこんな質問をしてみよう【てぃ先生インタビューpart4】【プロフィール】てぃ先生(てぃせんせい)1987年2月8日生まれ。関東の保育園に勤める男性保育士。ちょっと笑えて、かわいらしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数は50万人を超える。著書『ほお…、ここがちきゅうのほいくえんか』(KKベストセラーズ)は15万部、Twitter原作の漫画『てぃ先生』(KADOKAWA)は20万部を超えるヒットを記録。他に、『ハンバーガグー!』(ベストセラーズ)、『せんせい!きいて! 園児がくれた魔法のことば』(リクルートホールディングス)などの著書がある。現在は、保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディア等で発信。全国での講演活動は年間50本以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」の創設と就任など、保育士の活動分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年07月20日2歳になる息子は保育園に通いだしてからというもの、お友だちに顔や腕などを噛まれてしまい、ケガをして帰ってくることが多くなりました。本人はあまり気にしていないようでしたが、親としてはどうしても心配するものです。そんなときの対策について考えてみました。 息子が噛まれた!保育園に通い始めてからしばらく経ったある日、保育士さんが申し訳なさそうな顔で話しかけてきました。聞いてみると、息子が腕をお友だちに噛まれてしまったとのこと。痛々しく、歯形のあざができていました。痛かっただろうな……と思いました。 でも、もしかすると息子がお友だちが遊んでいたおもちゃを取ってしまったのかもしれない。息子もやり返しているかもしれない。2歳児のすることだし、仕方がない。その日はそんな気持ちで帰りました。 またまた噛まれてしまった…次の週。今度は顔を噛まれていました。その数日後は肩。その数日後は背中。その後も週に1回から2回噛まれることが3カ月ほど続きました。息子本人は噛まれた直後は痛くて泣くようですが、私と会うころには噛まれたことなど忘れている様子。 とはいえ、私がさすがに気になってしまい、なぜ噛まれているのか保育士さんに聞いてみました。すると「お友だちの1人がどうしても〇〇くん(私の息子)が近くにいると気になるようで、突然噛んでしまうんです。なるべく離すようにはしているのですが……」とのことでした。 息子がやり返していないのならよかったという気持ちと、この頻度で噛まれていると保育園を嫌いになってしまうのではという気持ちがわき上がりました。 親としての気持ちを保育園に伝える保育士さんたちは、できるだけのことをしてくれているのだと思います。また、噛んでくるお友だち自身も悪気があるわけではなく、かまってほしいとか、何か嫌なことがあったとか、さまざまな原因でそうしているのだろうと思います。 家族は「どの子に噛まれているんだ!」と相手を特定しようとしました。しかし、噛んでくるお友だちが誰かを知ったところで、「あの子は息子を噛む子」と嫌なイメージがつくだけで、なにもすることはできません。ただ、「噛まれていることを心配に思っている」ということを保育園に伝えることだけはしておきました。 保育園がきちんと対応してくれた!3月初めより、保育園のクラス分けがおこなわれ、今までと違う生活が始まりました。すると、息子がケガをして帰ってくることがなくなったではありませんか! おそらく保育園が、息子を噛んでしまうお友だちとはクラスを分けてくれたのだと思います。 子どもの保育園生活で不安なことがある場合は、園にきちんと伝えることで対応してもらえるのだと安心感が増しました。 今後も子ども同士のトラブルを見つけた場合は、園に相談してみようと思います。どうしても集団生活ではトラブルがつきものですが、息子の気持ちに寄り添いながら、保育園と協力して息子を見守っていきたいなと思いました。 著者:岩谷ともこ2歳男児を持つシングルマザー。社会人をしながら博士号取得中。育児・離婚・資産運用について執筆中。
2020年07月08日