お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(52)が、24日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)で、熊本地震によるバラエティ番組自粛を「馬鹿げた行為」とコメントした実業家・堀江貴文氏(43)について言及した。堀江氏は、16日に出演予定だったインターネット放送局「AbemaTV」の麻雀番組が熊本地震の影響で放送延期になったことについて、「熊本の地震への支援は粛々とすべきだが、バラエティー番組の放送延期は全く関係ない馬鹿げた行為」と批判。「人のスケジュールを押さえといて勝手に何も言わずキャンセルするとはね。アホな放送局だ」と怒りをあらわにした。この発言について松本は、「堀江さんの言うことは大体いつもそこまで間違ったことは言ってないなと思うんです」としながらも、「ただ、この人の言うことは心がいつもない。心がないからなんかちょっと釈然としないところが少しある」とバッサリ。「麻雀番組は別にやめてもいいんじゃないの」と加えた。松本はまた、安倍晋三首相が出演予定だった17日放送の同番組が、熊本地震の特別番組放送のため中止となったことについて、「松本が激怒して番組辞めるとか言い出すんじゃないか」と一部で報じられたことを報告。その上で、「あの状況の中でオンエアした方が、僕はフジテレビに激怒しますよね。やるわけがない!」と中止は当然の判断だったとし、「バラエティをやってはいけないとは思わないけど、内容と番組次第」との考えを示した。
2016年04月24日フジテレビは16日、安倍晋三首相がゲスト出演する予定だった、あす17日のトーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)を休止することを決定した。報道特番『緊急みんなのニュース 熊本大地震その時何が』を生放送する。あす放送予定だった『ワイドナショー』は、熊本地震発生前の14日夕方に、東京・台場の同局本社で収録。安倍首相をゲストに迎え、先日行われた首相主催の「桜を見る会」など、いくつかのニュースについて、松本に加え、山里亮太(南海キャンディーズ)、古市憲寿、指原莉乃(HKT48)とともにトークを行った。しかし、出演者たちから首相へ質問するフリートークが展開されるなど、終始和やかな雰囲気での番組となっており、今回の地震を受け、放送を見合わせることになった。今後、この収録の模様を放送するかについて、同局は現時点で未定としている。この代わりに、安倍首相の出演はなかった『ワイドナB面』(毎週日曜10:55~11:15)も休止して、報道特番『緊急みんなのニュース 熊本大地震その時何が』を生放送することを決定。平日夕方『みんなのニュース』の伊藤利尋アナウンサーと椿原慶子アナウンサーが現地・熊本から、生野陽子アナウンサーが東京のスタジオから伝える体制で、今回の地震の情報を伝える。
2016年04月16日安倍晋三首相が、17日に放送されるフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)にゲスト出演することが14日、分かった。同日、東京・台場の同局本社で行われた収録に参加し、ダウンタウンの松本人志らと初対面した。『ワイドナショー』は、松本をはじめとする"普段スクープされる側の芸能人が個人の見解を話に集まるワイドショー番組"で、これまでもビートたけしなどの大物芸能人が出演し、芸能ニュースや時事問題などを取り上げてきた。現役の政治家が出演するのは初めてで、安倍首相がフジテレビのバラエティ番組に出演するのは、2014年3月21日放送の『笑っていいとも!』のコーナー「テレフォンショッキング」に登場して以来、約2年ぶりとなる。今回の放送では、先日行われた首相主催の「桜を見る会」など、いくつかのニュースについて、松本に加え、山里亮太(南海キャンディーズ)、古市憲寿、指原莉乃(HKT48)とともにトーク。終盤には、出演者たちから首相へ質問するフリートークが展開され、終始和やかな雰囲気で収録が行われた。MCは東野幸治とフジテレビの山崎夕貴アナウンサーで、"バーテンダー"には犬塚浩弁護士、井上公造、前園真聖、ワイドナ現役高校生として岡本夏美が出演する。なお、安倍首相は今回、同番組から続けて放送される『ワイドナB面』(毎週日曜10:55~11:15)には出演しない。同番組は、2013年10月14日に深夜枠でスタートし、2014年4月から『笑っていいとも!増刊号』の後番組として日曜午前帯に進出。当初は裏番組のTBS『サンデー・ジャポン』に苦戦していたが、毎回松本の独特な持論が展開されることなどで注目を集め、今年2月14日の放送では番組歴代最高視聴率11.6%を記録。今月10日まで、日曜午前帯での97回の平均視聴率は7.1%となっている(視聴率はビデオリサーチ調べ・関東地区)。
2016年04月15日●実質ゼロ円スマホが復活?昨年9月に急浮上した携帯電話料金の見直し問題。総務省がスマートフォンの購入補助に関するガイドラインを4月1日に適用したことで、ひとつの節目を迎えた。この間に大手携帯電話各社は、実質ゼロ円以下での端末販売を自粛するなどの措置を講じたが、今ではゼロ円端末が復活したかのような動きもある。一連の動きをみていくと、携帯料金の見直しとは何だったのか、という疑問も浮かんでくる。○携帯料金見直し問題は今携帯電話料金の見直しは、家計における携帯電話料金の負担が大きいとして、昨年9月に安倍晋三首相が指摘し、急浮上した問題である。有識者を交えた議論を経て、昨年12月に総務省は大手携帯電話各社に対策を要請した。データ通信量や通話時間が少ないライトユーザーの負担の軽減、スマホ購入時に割引を受けない利用者との公平性を図る対策などだ。それを受けて、携帯電話各社は、ライトユーザー向けの料金プランをつくり、今年2月から実質ゼロ円以下での端末の販売を自粛。同じく2月にスマホの購入補助に一歩踏み込んだガイドライン案ができ、それを微修正したガイドラインが4月1日に適用され、今に至っている。○街中歩くと0円表記しかし、街中に出ると、戸惑いを覚える表示に遭遇する。それは端末ゼロ円を謳う販売店があるからだ。そもそも、大手携帯各社は、実質ゼロ円以下での端末販売をやめたのではなかったのか。実はこれ、ガイドラインへの抵触を避けながら、安くお得に見せたい苦肉の策。その実態は中古端末の下取り価格などを含んだものとなる。ガイドラインにも、下取りについては、端末購入補助には当たらない(中古市場における一般的な買取り価格を著しく超える場合は除く)明確に記述されている。消費者の誤解を招きそうなところに課題は残るが、総務省では「価格の表示の問題であり、ガイドラインとは別の話」(総務省)という姿勢だ。●ガイドラインの意義を問う学割キャンペーン○iPhone SEでギリギリを攻めたドコモ実質ゼロ円端末は、一部で復活していたとの報道もあるが、誰の目にも触れる形で表示されてしまった出来事もある。ドコモは3月25日にiPhone SEの販売価格を公表した。そのうち、FOMAからXiへの乗り換え対象者について、期間限定で実質負担額をゼロ円としたのだ。ドコモも実質ゼロ円以下の端末販売を2月からストップしたのではなかったのか。加藤薫社長が1月末の決算発表会でそう宣言したはず。それについてドコモ広報部は「実質ゼロ円を"下回る"価格での販売をとりやめると宣言していた」と説明する。ルールを逸脱しようという意図はなかったようだが、総務省からNGの指摘を受け、ドコモは即座に実質負担額の改定を行うこととなった。なぜ、ドコモが実質ゼロ円での販売設定をしたのか。その真意についてはよくわからない。ただし、ドコモは、ガイドラインの際(きわ)を攻めたように見えてしまうし、結果的にそれが、消費者を困惑させかねないものとなってしまった。○学割キャンペーンの意図もうひとつ挙げたいのは、今年1月に携帯各社が発表した学割キャンペーンについてだ。KDDIの場合、スマートフォンを購入し、指定の通信プランを契約した若者に対し、25歳になるまで毎月5GBをデータ通信量を付与するという内容だが、結果的に学割キャンペーンは、ガイドラインの意義に疑問を抱かせたように思われる。1GBの追加チャージが1,000円とすれば、KDDIの場合、5GB付与することで、対象者に毎月5,000円の補助を行っていることになる。総務省も今回の学割キャンペーンを意識し、データ通信の増量分についても、端末購入補助に含むとする文章をガイドラインに盛り込み、釘をさした格好だ。だが、ガイドラインで縛れたのは、スマホを購入するケースに限定される。今回の学割キャンペーンの対象年齢であっても、スマホを買わなければ特典は得られない。スマホを買う買わないで、利用可能なデータ通信量には、大きな不公平感が生まれてしまう。本件に関して、総務省は「今回のガイドラインはあくまで端末購入の補助の適正化を目指したもの」と説明する。まずは、スマホ購入時における利用者負担の不公平の解消が第一の目的であり、別の部分で不公平感が増すようなら、別途是正を求める考えのようだ。詰まるところ、押すべき箇所を押したら、別のところが出っ張ってしまったように見えてしまう。●そもそも何が問題だったのか○携帯料金の見直し問題は何だったのか今回の携帯料金の見直し問題を巡っては、いくばくかの戸惑いを覚える。携帯電話の料金見直しが主テーマであったにもかかわらず、端末購入補助の適正化による"公平性の確保"に重点が置かれたように見える。端末購入の公平性を追求したら、サービスの公平性の問題が出てしまった。こうしてみていくと、携帯料金の見直しとは何だったのか、そう問いかけたくなってしまう。携帯ショップにおける0円表記やiPhone SEの実質ゼロ円の一時的復活も、消費者の戸惑いを生み出しかねない。携帯料金は多くの人の関心事だ。ガイドラインの適用によって、ひとつの節目を迎えた本件だが、誰もが疑問を抱かず、しっくりくるそんな枠組みの運用が進むことを願うばかりだ。
2016年04月04日今年で70回目を迎える「毎日映画コンクール」の表彰式が2月16日(火)に開催され、最高賞の日本映画大賞が橋口亮輔監督の『恋人たち』に贈られたほか、塚本晋也が『野火』で監督賞、男優主演賞の2冠を達成した。先日行われた「キネマ旬報ベスト・テン」での日本映画第1位の栄誉に続き、70年の歴史を誇るこの毎日映画コンクールでも最高賞に輝いた『恋人たち』。壇上でトロフィーを受け取った橋口監督はこの日、会場に到着するもスタッフから一般の観客と間違われ「整理券を受け取ってください」と言われ、受賞者だと伝えると「『受賞者?』と2回聞かれました(笑)」と自虐気味に明かし笑いを誘う。前作『ぐるりのこと。』は、同コンクールで日本映画優秀賞を受賞したが「その時の大賞は『おくりびと』で、滝田洋二郎監督に『すいませんね』と言われて『いえいえ』と答えましたが、内心は悔しかったです。映画人ならだれでも憧れる賞であり、名誉に感じています」と喜びを噛みしめた。本作はワークショップで募った無名の俳優を中心に低予算で制作されており、公開規模も大きいとは言えないが、各地の劇場で満席が続出するなど口コミで大きな話題に。橋口監督自身の経験を主人公に反映させており「(自身が)どんな目に遭ったかを話すと3時間かかりますが(笑)、お金を一千万以上盗まれまして、『何だこの国は…』と思い、その後、震災も重なって、心の中にいろんな思いを抱えて、表に出せずに耐えている人がいっぱいいるはずで、そんな人に見てもらえたらと思い、作りました」と語った。この日は、主演の篠原篤、成嶋瞳子、池田良をはじめ、キャスト陣も駆けつけ、橋口監督と共に壇上に上がり、喜びを分かち合った。塚本晋也監督は自身がメガホンを握り、主演まで務めた『野火』で監督賞、男優主演賞の2冠を獲得!こうした形での2冠は初の快挙だが、塚本監督は男優主演賞の授与の場で「僕ですいません。ホントにすいません、申し訳ないです!」と不祥事でも起こしたかのように謝罪を連発!過酷な戦地での日本兵の姿を描いた本作は「20~30年前から作りたかった映画」というが「戦争に行った人がどんどんなくなっていく中で、いま作らなければ作るチャンスがない」と考え、私費を投じて制作した。これまでも自作を含め、俳優としても活動している塚本監督だが「自分で出れば交通費を出さなくていいから(笑)。カメラ持って、自分で(現場に)行こうという発想」と低予算ゆえの苦肉の策だったと明かし「想像を絶するものが来た(笑)」と思わぬ受賞に困惑…。最後まで「すいません!」と謝り通しだった。また男優助演賞は、舞台を中心に活動し、山田洋次監督作『母と暮せば』で27年ぶりに映画出演を果たした加藤健一が受賞。久々の映画出演の経緯について「下北沢の劇場の楽屋に山田監督がいらっしゃって『出なさい』と言われ、そのひと言で『はい、出ます』と」と明かした。男優賞には渋い面々が並んだが、女優賞では『海街diary』で4姉妹の長女、次女を演じた綾瀬はるかと長澤まさみが女優主演賞、女優助演賞を受賞!また一般のファンの投票による「TSUYATA映画ファン賞」は日本映画部門で『幕が上がる』が受賞し、主演の「ももいろクローバーZ」の5人がそろって登壇し「喜びを全身で表現した」(百田夏菜子)というド派手な衣装とフェイスペインティングで会場をわかせた。スポニチグランプリ新人賞には人気バンド「RADWIMPS」のボーカルで、『トイレのピエタ』で映画に初めて主演した野田洋次郎と宮部みゆきのベストセラーの映画化『ソロモンの偽証』で役名を女優名として襲名し、女優デビューを果たした藤野涼子が選ばれた。【第70回毎日映画コンクール】受賞一覧日本映画大賞:『恋人たち』日本映画優秀賞:『岸辺の旅』外国映画ベストワン賞:『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』監督賞:塚本晋也(『野火』)脚本賞:原田眞人(『駆込み女と駆出し男』)男優主演賞:塚本晋也(『野火』)女優主演賞:綾瀬はるか(『海街diary』男優助演賞:加藤 健一(『母と暮せば』)女優助演賞:長澤まさみ(『海街diary』)スポニチグランプリ新人賞:野田洋次郎(『トイレのピエタ』)スポニチグランプリ新人賞:藤野涼子(『ソロモンの偽証前篇・事件/後篇・裁判』)アニメーション映画賞:『百日紅~Miss HOKUSAI~』大藤信郎賞:『水準原点』ドキュメンタリー映画賞:『沖縄 うりずんの雨』TSUTAYA映画ファン賞【外国映画部門】:『ミッション・インポッシブル/ローグネーション』TSUTAYA映画ファン賞【日本映画部門】:『幕が上がる』田中絹代賞:桃井かおり(text:cinemacafe.net)
2016年02月17日ソフトバンクは4月以降、料金プラン「スマ放題ライト」「スマ放題」において、月額2,900円で1GBまでのデータ通信ができる「データ定額パック・小容量(1)」を導入する。○スマホが月額4,900円から利用可能に携帯電話については、総務省が2015年10月から「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」を開催。同タスクフォースは、安倍晋三首相が2015年9月11日の経済財政諮問会議で、携帯電話料金引き下げ策の検討を高市早苗総務大臣に指示したことが立ち上げのきっかけとなったもの。同タスクフォースのとりまとめの結果を受け、総務省は2015年12月18日、「スマートフォンの料金負担の軽減及び端末販売の適正化に関する取組方針」を策定したと発表するとともに、スマートフォンの料金及び端末販売に関して講ずべき措置について、携帯電話事業者に対し、高市早苗総務大臣が要請を行った。高市総務相は、「スマートフォンの料金負担の軽減」として、スマートフォンについて、ライトユーザや端末購入補助を受けない長期利用者等の多様なニーズに対応した料金プランの導入等により、利用者の料金負担の軽減を図ることを要請。今回のソフトバンクのパックは同要請に対応したものといえる。ソフトバンクが4月から提供する「データ定額パック・小容量(1)」は、ライトユーザー向けの新パック。同社は、2014年8月よりY!mobileにおいて、1GBまでのデータ通信と10分以内の国内通話(300回/月)で月額2,980円の「スマホプランS」を提供している。月額利用料金は、「スマ放題ライト 通話し放題ライトプラン」の場合、「基本プラン」が1,700円、「データ定額パック・小容量(1)」が2,900円、「S!ベーシックパック」が300円で計4,900円から利用可能。「スマ放題 通話し放題プラン」の場合、「基本プラン」が2,700円、「データ定額パック・小容量(1)」が2,900円、「S!ベーシックパック」が300円で計5,900円から利用可能。同社は新プランに対し、「データ通信の利用が少ないユーザーでも、SoftBankのスマートフォン(通話+データ通信)が月額4,900円からと、リーズナブルな料金で利用可能となる」とコメントしている。
2016年01月07日●全5回を振り返る16日、総務省の諮問機関である「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」が5回目の会合を開催し、携帯電話の料金などに関する提言を行った。安倍首相の「携帯電話料金をもっと安く」という発言から発足し、わずか2カ月あまりの間に提言がまとめられたかたちだが、これによって本当に携帯電話料金は安くなるのだろうか?○1~5回の会合を振り返るこのタスクフォースは総務省の「ICTサービス安心・安全研究会 消費者保護ルールの見直し・充実に関するワーキンググループ」の下に設置された会合で、携帯電話の利用者にとって、より低廉で利用しやすい携帯電話の通話料金を実現するための方策を検討することを目的に設置された。背景には、9月11日の内閣府・経済税制諮問会議において、議長である安倍晋三首相が「また、携帯料金等の家計負担の軽減は大きな課題である。高市(早苗)総務大臣には、その方策等についてしっかり検討を進めてもらいたい」と発言したことによるものだ。この発言を受けて10月には高市総務大臣の元タスクフォースが設置され、10月と11月に2回、12月に1回会合を開催、12月16日に提言をまとめることになった。なお、タスクフォースの構成員は大学教授、総研のコンサルタント、弁護士、婦人団体連絡協議会の事務局長、という面子である。総務省からは大臣補佐官を始め、総合通信基盤局、事業政策課、料金サービス課などから担当者が出席した。第1回の会合では、総務省からは携帯料金の単純な低廉化ではなく、サービスと料金の透明性、およびMNPで頻繁にキャリアを変更するユーザーを獲得するためのマーケティング費用が莫大になり、それが長期間使っているユーザーとの公平性を損ねているという問題が提起され、この2点を軸に検討するよう要請があった。もう少し議論を噛み砕いてみると、諸外国では端末代と通信費が独立しており、また通信費も通話やSMSは無制限で、データプランが容量によりシンプルに多数用意されているだけで、端末代や通信費の割引原資として他のユーザーの通話料が使われることはない、すなわち公平である、ということだ。日本の場合、通信品質などから見て決して料金全体が高いわけではないが、端末代の割引のため、あるいはMNPの報奨金のために他のユーザーが支払った料金が使われていること、また音声にせよデータにせよ、ヘビーユーザーにはお得だが、プランの最低値でも余らせてしまうようなライトユーザーにとって現在の料金プランは不公平ではないか、ということが問題であると認識されたわけだ。この先、第2回~第5回の会合も、3大キャリアおよびIIJ、日本通信がMVNO代表として出席したりはしたものの、基本的にはこの認識を中心に議論が進められている(第3回は非公開ヒアリング)。最終的な提言をまとめてみると、以下のようになる。(1)利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金体系になるよう、年齢や機種を限定せず、ライトユーザーも利用しやすい料金プランの提供を検討するべき(2)高額な端末購入補助を受けず長期間同一端末を利用するユーザーの負担軽減になるような料金プランの提供を検討するべき(3)端末購入補助金は行き過ぎで、端末を購入しないユーザーや、販売奨励金を出せないMVNOにとって不公平なものとなっているので是正すべき(4)MNPで端末購入するユーザーと既存利用者の機種変更で著しい不公平があるので是正すべき(5)料金プランの透明化をもっと進めるべき(6)MVNOの活性化のためMNOとのシステム連携や接続料の適正化をはかるべき(7)MVNO市場の活性化のため、中古市場の発展を図るべき●総務省の論点はどこか○総務省の論点は問題解決につながるのか当初、安倍首相の発言が伝えられた時は、携帯電話料金全体の低廉化が期待されるかと思ったのだが、提言のふたを開けてみればライトユーザー中心のコストダウンと端末購入補助金の削減が中心で、ヘビーユーザーにとっては肩透かし、あるいはもっと率直にいって改悪と映った人も多いのではないだろうか。第1回から総務省主導でテーマが決まっており、どうにも総務省の思う壺、という感が抜けない。今回の提言から、確かにライトユーザーが最低でも5,000円代後半の料金を支払うケースは少なくなるだろう。おそらく各社とも、データ容量1GB、通話無制限1,700円で合計3,000円代程度の料金プランを用意してくるのではないだろうか。ただ、これではミドル~ヘビーユーザーにとっては現状と大差ないということになる。そもそも、そういった低廉な料金体系はMVNOが担当するべきだったはずで、MVNOの仕組みがわかりにくい、あるいはサポートや販売力に差があって普及しにくいというのであれば、そこを解決するような提言があってもよかったと思うのだが、うまいこと論点をずらされたようにも思われる。また販売奨励金などについても、確かにMNPするたびに数万円が飛び交うような現状は異常だが、同時に「実質0円」はゲームなども楽しめるハイエンドな端末が普及し、アプリや配信といった日本のモバイルサービス市場が、世界に先駆けて大きく成長できた一因ともいえる。そもそも発展途上にあるモバイル端末において、2年というのは最新のテクノロジーを享受できるギリギリの範囲だ。最新OSが動かなければセキュリティが維持できるかどうかも疑わしいような状況で、古い端末にしがみつかせるのは、本当にユーザーのためなのだろうか? 少なくとも、販売奨励金がなくなったとして、笑うのは出費が減るキャリアだけだろう。そのぶんが料金に反映される保証もない。●結局どうなる携帯料金○携帯電話料金は下がるのか?携帯電話料金が世帯あたりの家計に占める割合が増えているというのは明確な事実だ。ただしそれは、世帯あたりの携帯電話の台数が増えていることや、タブレットやフォトフレームといった端末が加わっていること、携帯電話の料金が電話料金以外のさまざまなコンテンツやサービス(音楽・映画やアプリ代など)、あるいは公共料金の支払いなどを巻き込むかたちでひとつの決済手段として成立しているからであり、例えばスマートフォンの通信料金そのものはiPhoneの登場以来、ほぼ横ばいといっていい水準で、極端に高くなっているわけではない。今回のタスクフォースの議事録を見ると、どうも、最初から論点が微妙にズレたまま進んでいる感がある。第2回のヒアリングでもキャリア側から指摘があったが、音楽や動画配信のユーザーが増え、ひとりあたりのトラフィックはむしろ増大する傾向にある。安いプランを作るのは、スマートフォンをあまり活用しない層にとっては有意義かもしれないが、モバイル市場を支えている先進的なユーザーの負担減にはつながっていない。総務省主導の話はいつもそうなのだが、このまま話を進めても、結局料金は何ら変りない、ということになると確信している。個人的にはVoLTE対応端末もかなり普及しており、コミュニケーションの中心がすでに音声よりもメッセージングが中心となった時代に、「通話」という行為をそこまで特殊な行為として高い金額を払う意味があるのかが疑問だ。諸外国のように通話は基本定額とし、料金プランは純粋にデータ量に準じて段階的に選べるほうがいいのではないか、つまり現在の「通話し放題プラン」がそもそも無駄である、とも感じている。ユーザーにとって本当に必要なものは何なのか、キャリアの嫌がるところにももう少し突っ込んだ議論が欲しいところだった。
2015年12月27日●首相の要求には応えられたか総務省が2カ月にわたって開催してきた「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」が終了し、取りまとめ案に基づいた総務省の取り組み方針が決まった。総務省は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのキャリア3社にスマートフォン料金の負担軽減、端末販売の適正化、その取り組み状況の報告を要請しており、今後さらにガイドラインの策定などを進めていく方針だ。○なんとか首相の要求に応えた形タスクフォースでは3社に対して、ライトユーザー向けに月額5,000円以下の料金プランの検討を求めていたが、「ライトユーザや端末購入補助を受けない長期利用者等の多様なニーズに対応した料金プランの導入等により、利用者の料金負担の軽減を図ること」とされており、具体的な施策はキャリアに委ねられている。今回のタスクフォースは、安倍晋三首相が携帯電話料金の家計負担軽減を口にしたことからスタートした会合で、10月19日の第1回会合以来、わずか2カ月で取りまとめとなった。具体的な数字などは後回しとなり、要請でも報告を求めるのみで、なんとか「年内」という安倍首相の要求に応えた形だ。取りまとめ案では、以下の3点について検討が行われ、それぞれ方向性(案)が示されている。(1)利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金体系(2)端末価格からサービス・料金を中心とした競争への転換(3)MVNOサービスの低廉化・多様化を通じた競争促進(1)では、キャリアのスマートフォン向け料金がライトユーザーにとって割高で、生活インフラとしてのスマートフォン普及に必要な料金プランを検討すべきとして、年齢や機種を限定せずライトユーザー向けプランを検討する方向性が示された。さらにキャッシュバックや端末購入サポートの高額化に歯止めをかけ、長期利用者などの負担軽減に繋がる料金プランを検討すべきとしている。例としては、より少ないデータ通信料のプランを創設する、低廉な国内通話カケ放題プランと少ないデータ通信プランの組み合わせの柔軟化、低容量のデータ通信プランの低廉化、SIMのみの低廉なプランの提供、買い替えしない長期利用者への割引、といったものが挙げられる。ただ、これらの例のほとんどはすでにMVNOが提供しているサービスだ。MVNOは、キャリアと比べ料金が安いことがメリットとして知られるようになり、ようやく普及の途についたところ。ライトユーザーであればMVNOに移転して自分に合ったプランを選ぶこともできる。MVNOへの流出が無視できなくなれば、MNOであるキャリア側もそれに対抗する措置は必要になるはずで、本来はそうした方向性を目指すべきだったはずだ。ここでMNOに低廉な料金プランが打ち出されると、もともとMNOからの移転を当てにしているMVNOにとっては打撃が大きい。しかも、MVNOは今、ようやくビジネスが立ち上がり始めたところで、まずはこれを育てる方策を練るべきだろう。検討の(3)でMVNOについて触れられているが、「MVNO自身が大手携帯電話事業者との差別化を図りつつ、より多くの利用者から選ばれるような戦略をとっていくことが望まれる」という方向性が示されたのみで、正直なところ、「それができれば苦労しない」という思いがあるはずだ。もちろん、CCCと組んだトーンモバイル、自社の動画サービスと連携できるU-mobileといった特色を打ち出せるMVNOもあるが、それは「MVNO同士の差別化」であり、一番の武器である「MNOに対する価格優位点」を奪うと、MVNOビジネスに影響が出かねない。●MVNOが普及するには○MVNOが普及するためには取りまとめ案ではMVNOの通信品質、サポートへの不安があげられ、「スーパーやコンビニと連携するなど、地方でも店舗を拡充することが望まれる」という意見が出されたが、すでに店舗を展開するMVNOもあるし、キャリア並みのサポートを望めない代わりに低価格化する、というのはMVNOの特徴でもある。逆に、MNOはサポートに多大なコストをかけているわけで、そのサポートを利用しないユーザーもそのコストは負担している。例えば「キャリアの店頭サポートを有料化してその分通信料金を下げる」という「不公平を解消する」考え方だってできてしまう。キャリアは手厚いサポートを売りにしている分、そういうことはできないだろうが、MVNOはそれを抑えているため安くできている、という面は無視できない。MVNOが普及するほど、MVNOは独自サービスを提供しやすくなる。その中で、MVNO同士の淘汰も始まるだろうが、それが自然なはず。MVNOが一定のシェアを獲得すれば、キャリアもそれに対抗する必要も出てくるだろう。もちろん、MVNO普及のために必要な措置はある。MNOの接続料は必要に応じてさらに下げることは検討すべきだろうし、HLR/HSSの開放といった問題も、さらに検討すべきだろう。MVNOへの移転をしやすくするために、2年間の契約拘束後のMNPを簡単にできるようにすることを求めてもいい。「2年契約をしないでいつでもMNPできるようにする」ことは現時点でも可能だが、料金が高くなるので、現実的ではないだろう。2年契約なしで料金を現状並みに下げた場合に、携帯3社の経営にどれだけのインパクトがあるのかは、改めて検証すべき事柄ではあるはずだ。とはいえ、ライトユーザーであれば、月額5,000円ならMVNOに移転した方が安くなる場合が多い。あまり使わないがサポートは手厚い方がいい、という使い方なら、サポート費用込みと考えて5,000円程度というキャリアのプランを選んだらいい。KDDIが有料の手厚いサポートサービス「auスマートサポート」を提供しているが、一定以上のサポートは有料化するというのも一つの方針だろう。逆にMVNOが、「有料サポートが2年間込みで月額3,000円」といったプランもありえる。実際、ソフトバンクはワイモバイルに対してサポート面での手厚さによって差別化できるという話をしており、MVNOに比べると料金は高く、サポートは手厚い、というあたりに落ち着きそうだ。こうした意味で、料金プランの新たな取り組みが生まれてくる可能性はある。一時期、複雑化した料金プランが批判されたことで定額制に一本化され、今度は容量別に複数プランが用意されるようになったが、結局、ユーザーは、多少複雑でも自分に合ったプランを選びたいということなのだろう。●サービスで勝負するキャリア○端末代金の不公平を是正するには(2)の端末購入補助に関しては、同じく総務省による2007年のモバイルビジネス研究会の議論を経て、現在の「端末代金は定価で分割払い」「その分を通信料金から割引」というプランが生まれた。MNPのスタートによって、MNP獲得のためにその通信料金割引が変動して、販売奨励金を使った販売店のキャッシュバック競争といった売り方も生まれたが、それが異常であることは間違いない。方向性案では、「不公平を是正する方向で適正化」という方針を示したが、携帯電話を売り切らなくてはキャリアの不良在庫になる。しかし、端末または通信料の値引きができないとなると、ますます売れなくなる。普通の電気製品であれば、旧機種は値引きして販売されるのだから、適切な値引きであればこれを認める方向性もあっていいだろう。キャリアが売れ残った在庫を中古市場に販売する、というパターンもあってもいいかもしれない。未開封で中古よりは高いが、新品で買うよりは安いし、これを購入した人が持ち込み契約をすれば、端末補助金も必要ない。これであれば、方向性案が求めた「中古市場の活性化」にも繋がるだろう。キャリアも「下取り」という形で、旧機種の回収を進めており、この下取り額を増やすことで中古市場に流通させられれば、流通量が増える。さらにユーザーが「中古市場で購入する」ことを一般的に行うようになれば、中古市場は活性化する。ユーザーの意識改革も必要だろう。何しろ、「端末は売れなければ意味がない」のだ。会合では「新機種を作りすぎ」というようなニュアンスのコメントもあり、どうもキャリアとメーカーを一体化して考えている節があるが、メーカーが端末を作るのは一定の利益が望めるからで、売れない市場であればメーカーは撤退するしかなく、方向性案の「国民の生活インフラとしてスマートフォンを普及させる」という方針にそぐわない。PC業界のように一定のビジネスは成り立つかもしれないが、そもそも日本はPCの普及率が低く、同列に並べるのであれば「生活インフラ」レベルには達しないだろう。ただでさえ、日本市場では技術基準適合証明(技適)のような規制や日本固有の周波数帯、日本語への対応など、独自のコストが必要になる。結局、誰かがコストを負担するわけで、それは広く浅くならざるをえないため、「ライトユーザー“だけ”、長期利用者“だけ”優遇する」というわけにもいかない。最も優遇されるのは「最も収益性が高いユーザー」のはずで、端末補助金を削減しても収益性の高いユーザーの優遇になるだろうし、それがライトユーザーであるとは限らない。○キャリアはサービスで競争方向性案では、端末価格での競争ではなく、通信料金・サービスでの競争への転換を求めているが、すでにMNOは差別化と新たな収益源として、コンテンツサービスを開始し、最近はポイントサービスや電子マネーといった決済系、O2Oといったビジネスにも力を入れている。これは利益があるからこそできるわけだが、それにはインタフェースとなるスマートフォンが不可欠で、やはりMNOにとっては人々にスマートフォンを使ってもらいたい。しかし、AmazonのKindleのように低価格で売ることはできない、という状況になると、新たな方策を考えざるを得なくなる。すでに、端末購入で現金の代わりにポイントで還元するという売り方が販売店では出ているが、こうした方策が一つだろう。囲い込みとしては一般的なやり方だが、このあたりを総務省がどう判断するかという点もあるだろう。***基本的に、総務省からの要請に対して、各キャリアは対応を迫られることになる。ライトユーザーや長期利用者向けに何らかの施策を打ってくることは間違いないが、端末を購入したいユーザーに対しての不利益も避けたいところだろう。MNPよりも複数契約に対する優遇策の強化も考えられる。今後、各社の施策と総務省のガイドライン策定に向けての取り組みが注目される。
2015年12月26日総務省は16日、携帯電話料金について議論する「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の第5回の会合(最終会合)を開催した。同会合が示した携帯電話料金を下げるための方向性を受けて総務省が方策を決定する予定だが、その方策に関し各種報道で「携帯端末『実質0円』禁止」などと報道されていることについて、会合の参加者から、「早くも携帯ショップなどで"これから端末価格が高騰する"と駆け込みを煽るような動きが出ている。我々が示した方向性はあくまで、『段階的に携帯端末価格を適正化していく』というものであり、今回の提言は携帯端末の価格を数年かけて徐々に適正化するプロセスの始まりにすぎない」と報道に苦言を呈した場面もあった。今回のタスクフォースは、安倍晋三首相が9月11日の経済財政諮問会議で、携帯電話料金引き下げ策の検討を高市早苗総務大臣に指示したことが立ち上げのきっかけとなったもの。第1回会合は10月19日に開かれ、「ユーザー間の行き過ぎた不公平性の是正」などが指摘された。第3回会合は非公開ヒアリング、第4回会合では、"販売奨励金"の規制で「独禁法」との関係が議論になるなどした。第5回となる今回の会合では、これまでの議論を踏まえた携帯電話料金引き下げ策の今後の方向性が示された。今回の会合には、高市大臣、タスクフォース主査で明治大学法学部教授の新美育文氏、中央大学総合政策学部教授の平野晋氏、野村総合研究所上席コンサルタントの北俊一氏、立教大学名誉教授の舟田正之氏、弁護士の森亮二氏、全国地域婦人団体連絡協議会 事務局長の長田三紀氏らが参加した。まずタスクフォース事務局から、第4回会合で示された各検討課題に関する、タスクフォースとしての方向性(案)が説明された。○検討課題(1) 利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金体系方向性(案)(1)IoT時代の生活インフラであるスマートフォンのさらなる普及を図るため、対象年齢や機種を限定して提供されている5,000円以下のライトユーザー向けプランの価格帯も参考に、年齢や機種を限定せずライトユーザーも利用しやすいスマートフォンの料金プランを検討すべき(2)高額な端末購入補助に伴う利用者間の不公平の是正のため、端末購入補助を受けないスマートフォンの長期利用者などの負担の軽減になるような料金プランなどの提供を検討すべき(3)(1)(2)を実現する負担を軽減するための多様な料金プランなどの内容は事業者にゆだねるべきであるが、以下のようなさまざまな方策が考えられる。(1)の例としては、「より少ないデータ通信容量プランの創設」「低廉な国内通話かけ放題プランと少ないデータ通信量プランの組合せの柔軟化」「低容量のデータ通信プランの低廉化」、また(2)の例としては、「端末購入補助がない代わりに低廉なプラン(SIMのみ契約など)」、「端末を買い換えない長期利用者に対する料金割引の提供」。(4)事業者の提供する料金プランなどが利用者の利用実態に合致し、不公平の是正となるものであるかについて、総務省において、事業者に報告を求めて、事後的に検証すべき○検討課題(2) 端末価格からサービス・料金を中心とした競争への転換方向性(案)(1)スマートフォンを「実質0円」にするような高額な端末購入補助は著しく不公平であり、MVNOの参入を阻害するおそれがあるため、不公平を是正する方向で補助を適正化する一方、端末購入補助を受けない利用者の通信料金の負担の軽減に取り組むべき(2)行き過ぎた端末購入補助の適正化については、例えば、MNPをして端末購入する人と新規契約・機種変更する人との間で著しい差があることや、料金プランによらずに一定額の端末購入補助となっていることなどを見直すことが考えられる(3)発売から期間が経過した「型落ち端末」などについて、端末購入補助の適正化の取組みの対象とすることは、端末の流通に与える影響が大きいと考えられるため、その扱いについて配慮をすべき(4)端末購入補助の見直しについては、一定のルールに沿った事業者の取組みを促す必要があることから、事業者間のカルテルや再販価格拘束を誘発しないよう留意しつつ、総務省において、ガイドラインの策定を検討すべき(5)端末購入補助の見直しについて実効性を確保するためにも、総務省が事業者の取組みを検証できるよう、必要な措置を検討すべき(6)利用者がニーズに合わせて通信サービスと端末を自由に組み合わせて利用できるようにするため、2年間の期間拘束契約の見直しやSIMロック解除の着実な実施などによる、利用者の囲い込み施策の見直しを引き続き促していくべき(7)端末購入を条件とした通信サービスの料金割引や通信サービスを解約した際の端末に関する負担について、利用者が理解して契約できるよう、総務省において、ルールの整備などをすべき○検討課題(3) MVNOサービスの低廉化・多様化を通じた競争促進方向性(案)(1)接続料については、改正電気通信事業法に基づき、その算定方法などを定める省令・ガイドラインの整備を着実に進め、引き続き、適正性・透明性の向上を図るべき(2)MVNOのサービスの多様化を可能とする加入者管理機能について、ガイドライン上「開放を促進すべき機能」と位置づけることによって、事業者間の協議を加速すべき(3)MVNOと携帯電話事業者の顧客管理システムのオンライン提携について、早期の実現を促すべき(4)MVNOのさらなる普及を図るためには、MVNO自身が、大手携帯電話事業者との差別化を図りつつ、より多くの利用者から選ばれるような戦略をとっていくことが望まれる(5)利用者の選択肢をさらに拡大する観点から、行き過ぎた端末購入補助の適正化と相まって、中古の端末市場の発展が望まれる○高市大臣「速やかに政府としての対応方針を示す」以上の方向性(案)の現状と論点が示された後、自由討議となった。全国地域婦人団体連絡協議会の長田氏は、「さまざまな場で議論を指摘されてきたものが整理されているが、問題はユーザーのニーズに合った料金体系ができていないということで、どのぐらいの料金で提供していただけるのか、我々もみていく必要がある」と述べた。野村総研の北氏は、「業界の不透明な販売があらためられるべきということはずっと議論されてきたが、なかなか業界により自主的には是正されてこなかった問題。その問題に対し、総務大臣が自ら会合に出席するといった中で、方向性を打ち出せたことはよかったのではないか」と話した。その上で、「大きな方向性は示せたけれども、これに本当に実効性を持たせるためにやるべきことはいくらでもある」とし、「最終的には購入補助をやらないということを目指すが、すぐにというわけにはいかない」と述べた。立教大学の舟田氏は、「型落ち端末の扱いが難しい。型落ちになる原因はメーカーが新機種を出しすぎて、それ以前のものを"陳腐化"させるといった戦略をとっているためで、ユーザーにとっては迷惑な話。行政として、メーカーのマーケティングにそのままのっかるわけにはいかず、(型落ち端末に対する奨励金をどうするかは)難しい問題だ」と指摘した。中央大学の平野氏は、「首相の指示が議論のきっかけとなって、今回のとりまとめにいたった。ぜひ詳細を設計する上で生かしていただきたい」と述べた。主査で明治大学の新美氏は、「事業者の皆さんが自身で公正なものは何かを提示していただくしかない。今回の方向性(案)をタスクフォースの『方向性』としたいがどうか」と賛成を求めると、野村総研の北氏が「一点話したいことがある」と発言。北氏は、「端末『実質0円禁止』などの報道を受け、早くも携帯ショップなどで"これから端末価格が高騰する"と駆け込みを煽るような動きが出ている。我々が示した方向性はあくまで、『段階的に携帯端末価格を適正化していく』というものであり、今回の方向性は携帯端末の価格を数年かけて徐々に適正化するプロセスの始まりにすぎない」と、報道によるミスリードに苦言を呈した。その後参加者で、「方向性(案)」をタスクフォースの『方向性』にすることで合意。高市大臣は最後に、「今回のタスクフォース、第1回の会合は10月で、本日までの期間、大変タイトなスケジュールの中で、構成員の方々に真剣に議論してもらって本当に感謝している。本日とりまとめてもらった、1つはライトユーザー・長期ユーザーの負担軽減、それから端末販売の適正化ということ、またMVNOのサービスの多様化、こういった事柄について方向性を示していただいた」と総括。その上で、「さきほどから議論にも出ていたが、実効性が重要。方向性を示していただいてこれまでと同じというわけにはいかないので、総務省としては速やかに政府としての対応方針を示す」と早期の方針策定を示唆。そして、「私どもの目的は生活インフラとしてのスマートフォンがさらに多くの人々に使ってもらいやすくなるということ、そして競争の質を変えていくということ。サービスや料金の面で、多様性があって分かりやすくていいな、そんな風に思ってもらってより多くの国民の皆様が携帯電話を使ってくださる、そのような姿を目指しながらしっかりとした方針策定に取り組んでいく」と抱負を述べ、タスクフォースを締めくくった。
2015年12月16日リクルーティング スタジオは12月3日、「2015年 有名人年間アクセスランキングベスト100」を発表した。ランキングは2014年11月1日~2015年10月31日、「名字由来net」アプリと「名字由来net(Web)」、「有名人一覧」アプリ内での名字のアクセス数を集計したもの。今回のランキングで大躍進したのが「五郎丸歩(ごろうまるあゆむ)」選手。昨年度の100位圏外から一気に上昇し第6位にランクインした。全国人数およそ990人と珍しく、「元福岡県北部である筑前国仲郡五郎丸が起源のひとつとされ、石などのゴロゴロしている場所や川や山など石の多い場所」がルーツの名字とのこと。12位には弟の「五郎丸亮(ごろうまるりょう)」選手も食い込んでおり、さらに、阪神タイガースで活躍した「源五郎丸洋(げんごろうまるひろし)」選手も昨年の30位から8位にランクアップしている。サッカー選手の「香川真司(かがわしんじ)」選手も昨年の圏外から19位に躍進した。○1位は剛力彩芽第1位に輝いたのは女優の「剛力彩芽(ごうりきあやめ)」、2位は同じく女優の「能年玲奈(のうねんれな)」さんがランクイン。4位には「蓼丸綾(たでまるあや)」さん「綾瀬はるか(あやせはるか)」が入った。他にも、昨年は圏外だった「安倍晋三(あべしんぞう)」内閣総理大臣が10位に。Youtubeで露出の高かった「開發ヒカル(HIKAKIN)」さんも昨年の34位から一気にランクアップし、13位に食い込んだ。
2015年12月07日日本トルコ合作映画『海難1890』のワールドプレミアが1日、東京・千代田区の国際フォーラムで行われ、キャストの内野聖陽、忽那汐里、ケナン・エジェ、アリジャン・コジェソイと田中光敏監督が出席した。5日から全国公開する本作は、日本トルコ友好125年を記念した歴史大作。1890年、和歌山県の沖合で遭難したトルコ軍艦の乗組員を救助した「エルトゥールル号海難事故」、1985年、戦火のテヘランに残された日本人をトルコ機が救出した「イラン・テヘラン在留邦人救出劇」の2つの史実を描く。「海難事故」編でトルコ人の救助にあたった医師役で主演の内野は、「救助道具もない中で異国の人々を助けたのは、気持ちがなければ出来ないこと。"モノは無くても心はある"というところに心動かされた。色んな世界の人々が持つまごころを伝えたい」と胸を張ってアピール。また、両編に出演している忽那は、「この日を迎えられて本当にうれしい。この歴史があったからこそ、友好な関係が続いているんだと思う。色んな国の方々に見て欲しい一心です」と笑顔であいさつした。一方、「また内野さんとお会いできてうれしい」と内野との再会を喜んだケナンは、先月、安倍晋三内閣総理大臣、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が出席した鑑賞会に同席。「日本とトルコの友好にとって歴史的な日になった。両国トップの2人と鑑賞できて光栄でした」と興奮気味に振り返ると、田中監督も、「非常に光栄なこと。映画の中に込められた平和のメッセージが世界に伝わって欲しい。日本とトルコ、たくさんの方々に協力して頂いて完成した作品なので、きっとみなさんの心に届くと思う」と熱い想いを語った。
2015年12月02日日本×トルコ合作の『海難1890』のワールドプレミアが12月1日(火)、都内で開催。これに先立ち主演の内野聖陽、忽那汐里、トルコから来日したケナン・エジェ、アリジャン・ユジェソイ、田中光敏監督が会見に臨んだ。1890年にトルコの軍艦が和歌山沖で座礁した事件、1985年のイラン・イラク戦争下でのテヘランでの邦人救出作戦という2つの歴史的事件を通じ、日本とトルコがいかに友好を築いてきたかを描き出す。内野さんは「ひと言では言えないハードな撮影でした」と1年前の撮影を述懐。「みんなの思いが凝縮された作品になっています」と強い思いを口にする。忽那さんは「半年という長い期間の撮影を経て、日本とトルコ両国が協力しながらこうして完成に至りました。いまは、日本だけでなくトルコ、世界中のいろんな方にいていただきたいです」と呼びかけた。エジェさんは1年前の撮影時に来日し、京都の撮影所での撮影に臨んだが「また内野さんと再会することができて嬉しいです」とニッコリ。初来日となるユジェソイさんは「日の昇る日本と月が昇るトルコ、距離は遠いかもしれませんが、心は近く感じています。映画の撮影を通じて、素晴らしい友情があることを感じました」と感慨深げに語っていた。先日、トルコのイスタンブールで、日本の安倍晋三総理、トルコのエルドアン大統領も出席して開催された上映会では約30分のダイジェスト版が上映されたが、内野さんはそれを聞いて「安倍さんは30分しか見てないんですか…?」と心配そうに質問。田中監督は「その前に(全編を)見ているはずです。お褒めの言葉をいただきました」とフォローし、内野さんもホッとした表情を見せた。この日は、今年の流行語大賞の授賞式が開催されていたが、内野さんは本作について「流行や一過性の流行りではなく、いつまでも持ち続けたい真心を伝えたい映画」と強調した。『海難1890』は12月5日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年12月01日日本とトルコの友好125周年を記念し、両国が合作した歴史スペクタクル『海難1890』のワールドプレミアが12月1日に、東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われ、内野聖陽、ケナン・エジェ、忽那汐里、アリジャン・ユジェソイ、田中光敏監督が会見に臨んだ。その他の画像1890年9月に和歌山県沖で発生し、その後の両国の友好関係の礎となったエルトゥールル号遭難事件を題材にした本作。内野は乗組員の治療に奮闘する医師を演じており、「日本とトルコの人々の思いが凝縮された作品」と強い手応えを示し、「当時は、救援のための物資も技術もない時代。それでも異国の人々を助けたのは、『物はなくても、心はある』という気持ちがあったからこそ。そこに一番、胸を打たれましたね」と感慨しきりだ。映画は1890年の海難事故に加えて、イラン・イラク戦争下の1985年で起こったテヘラン在留邦人の救出劇を描き、忽那がヒロインとしてふたつの時代に生きる女性を1人2役で演じた。「日本とトルコの友好は、一世紀を超える歴史的な背景がなければ、続かなかったはず」としみじみ語り、「この映画を通して、日本の皆さんにトルコに興味を持ってもらえれば」と期待を寄せた。11月13日(現地時間)には、トルコ・イスタンブールのユルドゥズ宮殿で特別上映され、日本の安倍晋三首相とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が一緒に鑑賞。上映会にはエジェと田中監督が同席し、「両国の歴史にとって、とても重要な日になり、大変光栄。映画を通して、文化や宗教、言語の違いを超えて、誰もがひとりの人間なのだと気づくはず」(エジェ)、「国のトップに映画を見てもらえるのは光栄なこと。平和のメッセージが世界に伝われば」(田中監督)と語った。また、ユジェソイにとっては、今回が初来日だといい「日の昇る日本、月の昇るトルコ…。互いの距離は遠いですが、心は近く、強いつながりと友情がある」とこちらも感無量の面持ちだった。『海難1890』12月5日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2015年12月01日総務省は26日、携帯電話料金について議論する「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の第4回の会合を開催した。さまざまな検討課題と課題を解決するための論点が示されたが、「販売奨励金」を規制する点については、独占禁止法との関係などが議論され、今後の議論の行方にも大きく影響しそうだ。今回のタスクフォースは、安倍晋三首相が9月11日の経済財政諮問会議で、携帯電話料金引き下げ策の検討を高市早苗総務大臣に指示したことが立ち上げのきっかけとなったもの。第1回会合は10月19日に開かれ、「ユーザー間の行き過ぎた不公平性の是正」などが指摘された。第3回会合は非公開ヒアリングとなり、一般社団法人 全国携帯電話販売代理店協会、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、インターネットイニシアティブ、日本通信からヒアリングが実施された。第4回会合は、高市大臣、タスクフォース主査で明治大学法学部教授の新美育文氏、中央大学総合政策学部教授の平野晋氏、野村総合研究所上席コンサルタントの北俊一氏、立教大学名誉教授の舟田正之氏、弁護士の森亮二氏、全国地域婦人団体連絡協議会 事務局長の長田三紀氏、東京大学大学院工学系研究科教授の相田仁氏らが参加。これまでの議論やヒアリングを踏まえ、「『携帯電話の料金その他の提供条件』に関する論点」として、タスクフォース事務局から、検討課題とそれぞれの現状と論点が示された。以下にそれを記載する。○検討課題(1) - 利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金体系現状大手携帯電話事業者のスマートフォンのデータ通信については、2014年6月以降、多段階のプランが新たに導入され、各社2GBからの設定となっている契約データ量は7GBの利用者が最も多い一方、実際のデータ通信量が1GB未満の利用者も多く存在。ただし、利用者のデータ通信量は全体としては増加傾向にあり、月々のデータ通信量にも変動がある大手携帯電話事業者は、今年9月にスマートフォン向けに基本料金が1,700円のプランを新たに発表したが、データ通信量が2GB等が選択できず、最も低廉な場合でも6,200円(税抜き)からとなっている(ワイモバイル除く)大手携帯電話事業者は、スマートフォン向けの少ないデータ容量プランとして、5,000円以下の料金プランを提供しているが、年齢層や対象機種が限定されているスマートフォンの音声及びデータの組合せプランの国際比較では、諸外国のSIMプランについて、少ないデータ容量については日本のほうが高くなっている日本のスマートフォン個人保有率は概ね50%であり、7割を超える諸外国と比べて低くなっている。また、世帯保有率の伸びが鈍化している論点大手携帯電話事業者の現在のスマートフォン向けの料金は、ライトユーザーにとって割高なものとなっていないかスマートフォンのライトユーザー向けプランは年齢層や対象機種が限定されているが、スマートフォンのライトユーザー向けの料金プランのあり方について、どう考えるかIoT時代に向けた国民の生活インフラとしてスマートフォンを普及させるため、どのような料金プランが必要か○検討課題(2) - 端末価格からサービス・料金を中心とした競争への転換現状端末を購入する利用者に対し、大手携帯電話事業者は通信料金の割引、端末購入代金の補助、販売奨励金等を原資とした端末価格の値引きやキャッシュバック(端末購入補助)を行っている。特にMNPによる契約者に対する端末購入補助は高額なものとなっており、端末価格を上回っている場合もある大手携帯電話事業者は、長期利用者に対しては契約期間に応じて割引を提供しているが、端末購入補助と比較すると、少ないものとなっている端末販売台数に占めるSIMロックフリー端末の割合が1割以上となっており、今年11月からは対象端末のSIMロック解除が開始され、今後、大手携帯電話事業者と通信サービス契約をする際に携帯電話端末を購入をしない人の増加が見込まれるMVNOからは、大手携帯電話事業者の過度の販売奨励金等がMVNOの市場参入を困難なものにするとの指摘がある諸外国では、日本のような端末価格を上回る端末購入補助は、見当たらない端末価格と通信料金の具体的な負担額や、通信サービス契約を解除した場合に端末に関して解除料などの負担が発生することが、十分に認識されていないケースが生じている論点端末を購入した人が、端末を購入しない人よりも低い負担となる場合もある端末購入補助の現状は、日本独自のものであり、端末を買い換えない長期利用者や、端末を購入せずに通信サービス契約だけを行う利用者にとって、著しく不公平なものとなっているのではないか端末購入補助について、大手携帯電話事業者において行き過ぎは是正すべきとの認識が共有されている。一方、事業者間の競争がある中、その適正化を実現するため、事業者団体による取組、行政からの働きかけによる取組について、どう考えるか。また、その際に、価格カルテルや再販売価格の拘束との関係について、どう考えるか端末購入補助の行き過ぎの是正により、MNPによる顧客獲得競争が弱まるおそれがあることについて、どう考えるか発売から期間が経過した「型落ち端末」に対する端末購入補助について、どう考えるか端末の価格や通信サービス契約を解約した際の負担について、利用者が理解して契約できるような方策について、どう考えるか○検討課題(3) - MVNOサービスの低廉化・多様化を通じた競争促進現状MVNOサービスの契約数は増加傾向にあるものの、普及はいまだ一部の利用者層にとどまっているMVNOは、接続料の低廉化を背景に、月1,000円台からの割安な料金を設定しており、認知度は大幅に上昇している。一方、MVNOを利用しない理由として、通信品質・サポート体制への不安を挙げる人が増加傾向にあるMVNOが独自にSIMを発行したり、音声サービスに係るコストを低廉化することを可能とする加入者管理機能の開放について、事業者間で協議が行われているものの、協議が長期化しているMVNOと携帯電話事業者の顧客システムのオンライン連携によるサービスの利便性向上が期待されている論点MVNOの費用の相当部分を占める接続量のあり方について、どう考えるかMVNOのさまざまなサービスの多様化を可能とする加入者管理機能の開放について、どう考えるか新規加入・MNP等の受付処理をワンストップで実行可能とする、MVNOと携帯電話事業者の顧客システムのオンライン連携について、早期の実現を促すべきではないか以上の検討課題の現状と論点が示された後、自由討議となった。野村総研の北氏は、「MNPによる顧客獲得競争は本当に意味のあるMNP、つまり今のキャリアに不満だからとか、他のキャリアのサービスがよさそうだからとか、そういうもともとの趣旨にあったMNPなのか、そういうユーザーは少ないのではないか。現状では、MNPしたほうが機種変更するよりも金銭面で有利だとかそういう理由だからではないか。真のMNPに戻り、付加価値や通信料金のよさで競争するMNPとなるべきではないか」と述べた。また、「そもそもキャリアがOEMで端末を大量に一括して調達する仕組みが問題の根本にあるのではないか。それを販売代理店が買い在庫ができると、叩き売りになってしまい、『0円携帯』が出てきてしまう。そのためにキャリアは販売奨励金を出し、そうしたどんぶり勘定の慣行が、スマホ時代にも引き継がれている。ここにメスを入れないといけない」と指摘した。全国地域婦人団体連絡協議会の長田氏は、「そもそも今回のタスクフォースは、携帯料金を下げることを目的としたもの。キャッシュバックの仕組みを変えるにしろ、とにかくライトユーザーの使用量に見合った料金プランを作らないことには意味がないのでは」と強調。これに対し、主査で明治大学の新美氏は、「その通りだが、そのためにある程度ステップを踏んでいかないと」と話した。一方、立教大学の舟田氏は、「過度の販売奨励金と行き過ぎた販売方法が問題となっているが、販売奨励金そのものに規制をかけるのは、技術的には難しいし、実効性があるかも疑問だ」と、独占禁止法との関係において問題があるのではないかと問題提起。これに対し、中央大学の平野氏は、「微妙なところだと思うが、たとえば強制力はないガイドラインみたいなものの場合はどうか」と質問。舟田氏は、「事業者団体によるそうした取組は問題があるが、事業者が行政からの働きかけに応じて自主的に対応するのであれば、独禁法上問題はないのでは」との見解を述べた。また、MVNOについて、東京大学の相田氏は、「MVNOは都会ではかなり普及してきたが、地方では知名度がまだ低いので、販売店の拡充などが必要ではないか。すでにあるスーパーやコンビニと連携して、販売体制やサポート体制を拡充すべきではないか」と話した。最後に高市大臣は、「公正取引委員会との関係も含めて、踏み込んだ議論をしてもらって感謝している。私からは、MVNOサービスの低廉化につながるように、加入者管理機能の開放についての事業者間協議のさらなる促進を図るということで、パブリックコメントを行いたい」との方針を示した。
2015年11月26日安倍晋三首相は、24日開かれた経済財政諮問会議で、「最低賃金を、年率3%程度を目途として、名目GDPの成長率にも配慮しつつ引き上げていくことが必要である。これにより、全国加重平均が1,000円となることを目指す」と表明した。内閣府が公表した甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨によると、最低賃金について、塩崎厚生労働大臣、三村日本商工会議所会頭、大村全国中小企業団体中央会会長も参加して審議。塩崎厚労大臣からは、「日本の最低賃金の水準は、他のG7諸国と比較すると低い状況である。最低賃金引上げのためには、中小企業やサービス業等における生産性革命を推進することが必要である。厚労省としても金融機関と連携するなど、積極的に取り組んでいく」との発言があった。これに対し、榊原経団連会長は、「最低賃金の引上げに当たっては、中小零細企業への配慮が必要である。経団連としては、昨年の政労使会議の取りまとめに則り、価格転嫁や支援・協力に取り組むよう、引き続き会員企業へ呼びかけていく。また、官民合同で立ち上げた『サービス業の生産性向上協議会』にも、引き続き協力していく。政府には中小零細企業のニーズを踏まえた上で、生産性向上に効果のある施策を速やかに実施するようお願いしたい」と述べた。三村日商会頭は、「2年連続で約6割の中小企業が賃上げを実施している。現在の我が国経済にとって、将来の経済規模と、それにふさわしい最低賃金の目標を掲げ、実現に向けて官民で知恵を絞って取り組むことは非常に重要である。日本商工会議所の調査では、企業規模が小さくなるほど、労働生産性の向上に取り組めていない傾向にある。商工会議所としても、当然、生産性向上への支援等を行っていくが、政府としても取引価格適正化も含め、中小企業が求める生産性向上支援策をこれまで以上に強力に推進していただきたい」と発言した。大村全国中小企業団体中央会会長からは、「近年の最低賃金の大幅な引上げにより、地方の中小企業は対応に苦慮しており、中でも、小規模事業者からは、『経営の存続にも影響する』との声が上がってきている。賃上げや最低賃金引上げをしていくために、下請代金の引上げに向けた取引条件の更なる改善策や指導を行うこと、そして、収益の改善によって賃上げの原資の確保を図る付加価値化に向けた予算、税制の強化をお願いしたい。全国中央会としては、『ものづくり補助金』など国の支援措置の周知と活用に努め、最低賃金を含めた賃上げを精一杯、後押ししていく」と話した。これらの意見に対し、安倍晋三首相は、「名目GDPを2020年頃に向けて600兆円に増加させていく中で、昨年12月の政労使合意に沿って賃金上昇等による継続的な好循環の確立を図るとともに、最低賃金についても、これにふさわしいものとしていかなければならない。そのためには、最低賃金を、年率3%程度を目途として、名目GDPの成長率にも配慮しつつ引き上げていくことが必要である。これにより、全国加重平均が1,000円となることを目指す。このような最低賃金の引上げに向けて、中小企業も小規模事業者も生産性向上等のための支援や、取引条件の改善等を図る。厚生労働大臣・経済産業大臣には、最低賃金の引上げに向けて、しっかりと対応していただきたい。産業界におかれては、中小企業の取引条件の改善について、一層の協力をいただきたい」との要請を行った。塩崎厚労大臣はこれに対し、「厚労省としても、経産省や金融庁と連携して、最低賃金の引上げや中小企業の生産性向上に取り組みたい」と述べた。
2015年11月25日総務省は16日、携帯電話料金について議論する「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の第3回の会合を開催した。会議は非公開で行われ、報道関係者も冒頭のカメラ撮りのみ可能、会合周辺に留まることも不可、という"秘密会合"めいたものとなった。今回のタスクフォースは、安倍晋三首相が9月11日の経済財政諮問会議で、携帯電話料金引き下げ策の検討を高市早苗総務大臣に指示したことが立ち上げのきっかけとなったもの。第1回会合では、「携帯電話料金全体の値下げという話ではなく、ユーザー間の行き過ぎた不公平性の是正がポイント」などと指摘された。第3回となる今回の会合では、一般社団法人 全国携帯電話販売代理店協会、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、インターネットイニシアティブ、日本通信からヒアリングを実施。だが、タスクフォース主査を務める明治大学法学部教授の新美育文氏が冒頭で、「本会合は事業者や関係団体からのヒアリングを行うが、報道関係者にお願いがある」とし、「本日のヒアリングは事業者等の経営情報を扱うために非公開で行うことになっている。カメラ撮り終了後は速やかに退出を行うとともに、会場付近において留まることのないようにしてほしい」との要請を行った。続いて、高市早苗総務大臣が挨拶。高市大臣は、「前回のタスクフォースでのヒアリングで感じたことは、一つはユーザー側が分かりやすい料金体系、サービスを求めていること。もう一つは、事業者側も同じ端末で競争しなければならないという大変厳しい状況の中で、行き過ぎた点があったらなおしていきたいという問題意識を持っていること」と前回の会合を振返った。その上で、「スケジュールがタイトな中で議論を進めていくわけだが、本日は新美主査の提案によって事業者の経営戦略に関わることがあるので非公開でのヒアリングとなった。現在スマホを持っている人は大体50%だが、スマホもフィーチャーフォンも持っていない人もいる。これからの日本社会を考えると、スマホというのは大事な生活インフラになると同時に、『IoT(Internet of Things、物のインターネット)』を進める上でスマホをもっと普及させていくためにも、分かりやすい料金体系やサービスといったものが求められていく」と、今回の議論の意義を強調。「多くの事業者にとってもユーザーにとってもウィン-ウィンの関係になるような議論を進めていけたらと思っている」と議論が進展することに期待感を表明した。なお、この日のヒアリングや質疑応答については、簡単な議事要旨が総務省ホームページで公開される予定となっている。
2015年11月16日トルコのアンタルヤで行われている20か国・地域首脳会議(G20)に先がけて、現地時間13日、イスタンブールにあるユルドゥズ宮殿で、安倍晋三第97代日本国内閣総理大臣と、レジェップ・タイイップ・エルドアン第12代トルコ共和国大統領が日本・トルコ合作映画『海難1890』を鑑賞した。合作映画とはいえ、両首脳がひとつの作品を鑑賞することは極めて異例のことだ。その他の画像本作は、1890年に和歌山県串本町の沖合で発生したトルコ使節団を乗せた軍艦“エルトゥールル号の遭難事故”と、その95年後に戦禍のテヘランで取り残された日本人たちをトルコ機が救出した“イラン・テヘラン在留邦人救出劇”というふたつの史実を題材とした感動作。プレミア上映会が行われたユルドゥズ宮殿は、エルトゥールル号と縁のある建物で、安倍首相、エルドアン大統領のほか、田中光敏監督と、本作に出演したケナン・エジェ、メリス・ババダーも同席した。上映後、田中監督は「トルコの皆様、そしてエルドアン大統領閣下、映画を作るにあたって、またロケにするにあたってご協力とおもてなしに感謝します」と話し、「この125年のトルコと日本の友情をみならって、私たち映画人もまなび友情の輪を広げ、世界への平和、友情のメッセージとして広がっていくことを願います」とコメント。共同記者会見で安倍首相は「ただ今、エルドアン大統領と観た『海難1890』は人類に普遍的な勇気と思いやりの物語であるとともに、エルトゥールル号事件125周年、トルコ航空による日本人救出30周年という記念すべき年の集大成といえる作品であると思います」といい、「125年前に、日本人が海で見せた精一杯の友情に対して、トルコの人々は95年後に空で応えてくれました。1985年3月、トルコによる日本人救出の際、外務大臣であった父・安倍晋太郎の秘書官として、私はこの歴史的瞬間の話を耳に致しました。あの時の感動と感謝の気持ちは今でも忘れませんし、今、プレミア上映を一緒に拝見をさせて頂きまして、あの時の感動・感激が再びよみがえって参りました」と語った。エルドアン大統領も「友情の映画が作れて感激しています。この映画は日本とトルコの文化の関係を近くする」と述べ、両首脳は映画のポスター2枚にそれぞれがサインをし、一枚ずつ、持ち帰った。『海難1890』12月5日(土)全国ロードショー
2015年11月16日ソフトバンクグループは11月4日、都内で2016年3月期第2四半期決算の説明会を実施した。同社の2015年上期は、ヤフーがアスクルを子会社化したことや、米スプリントの売上高が伸びたことなどから、売上高が10%増の4兆4238億円となった。一方で純利益は、昨年アリババが上場したことによる一時益がなくなった影響から、23.9%減の4266億円にとどまり、増収減益の決算に落ち着いた。○携帯料金の値下げ議論に「大人の対応をする」主力の国内通信事業は、売上高が5.6%増の1兆5039億円、営業利益が5.9%増の4247億円と、「順調に伸びている」と代表取締役社長の孫正義氏は説明する。通信ARPU(Average Revenue Per User)は前年同期比40円減の4190円で、通信サービス自体の売上は減少しているものの、コンテンツなどのサービスARPUが60円増の540円と伸長しており、業績の伸びに影響しているとのこと。そうしたことから今後は、9月に提供を開始したネットフリックスなどのコンテンツ契約を伸ばしていく必要があると孫氏が見通しを語った。また、鉄塔などの設備投資が一巡したことからフリーキャッシュフローが対前年比で3倍近くに増えており、経営は日増しに改善しているそうだ。一方で契約純増数が3万9000件にとどまったことを記者に指摘されると、孫氏は「かつて純増ナンバーワンにこだわり、みまもりケータイやフォトフレームなどを多数販売してきた反動で解約が増えているほか、ワイモバイルのPHSやデータ通信端末の解約も増えている。だがそれらは利益貢献は小さい」と話し、経営上問題ないと説明した。ちなみに現在、安倍晋三首相の携帯電話料金値下げ発言を受け、総務省で料金引き下げに向けた議論が進められている。そうした状況を受けて孫氏は「われわれは米国でも事業展開しているが、日本のネットワークはカバーエリアも速度面でも世界で最も進んでいる。しかもそのネットワークを、米国よりはるかに安い料金で提供している」と、収益がインフラ面の投資に生かされていることをアピールした。さらに「世界で一番iPhoneを安く提供しているのも日本。その点を多くの人に再認識してほしい」と、通信料から端末代を割り引く仕組みにメリットがあることにも言及するなど、総務省の議論で問題視されているポイントには利点があることを強調していた。しかしながら一方で、この議論に関しては「かつての私であればカーッとなっていたが、真摯に受け止める」と、大人の対応をしていくと孫氏は話している。「(携帯電話事業者が)もうけすぎという声も聞かれるが、企業は業績を伸ばすことが使命。そのうえで、より安価なサービスや高度なサービスなど、多様なニーズに応えられる商品をそろえていきたい」とも話しており、料金プランなどに対して柔軟な対応をとる構えも見せている。○スプリントの業績改善に強い自信続いて孫氏は、ソフトバンクグループで最も大きな課題となっている、スプリントの再建に言及した。純減が続いていたポストペイド契約の契約数が、マルセロ・クラウレ氏がCEOに就任して急速に回復し、今四半期は55.3万の純増に至ったとのこと。なかでも孫氏が注目しているのは、売上で多くの部分を占めるスマートフォンなどの携帯電話端末の利用者、そして信用が高く、長期的に契約してくれる優良顧客の純増が増えていることだという。これまでスプリントは、信用が低く、端末代を払うことなく解約してしまうような、サブプライムカスタマーを多く獲得することで純増数を増やしてきたという。だが、マルセロ氏の体制に切り替わってから、そうした顧客を減らして優良顧客を重視する戦略をとった。また、広い帯域幅を持つ2.5GHz帯を用いて通信速度を向上させる施策などにより、売上も増え、解約率も1.54%に低下している。さらに孫氏は、スプリントの業績を反転させるため3つの戦略をとるとしている。1つは固定費(OPEX)の削減で、2016年度から人員削減も含め、毎年2千数百億規模の削減を続けている。それに加えて470項目の固定費を削減するためのプロジェクトを始動するとしており、今後も毎年、継続的に固定費を減らすとしている。2つ目は、孫氏が自ら「1年前は最悪だった」と話すネットワークの改善。以前から話してるように、孫氏自ら毎晩深夜まで、米国のエンジニアと会議をしながら次世代のネットワーク設計を進めているとのこと。それが現実のものになるには1~2年かかるようだが、孫氏は「ナンバーワンになれなかったら私のせいだと言ってもらって結構」と、改善に強い自信を見せるほか、「私にとってはこの会議が趣味のような楽しみの時間になっている。非常にワクワクする」と話している。最後の3点目は資金調達だ。端末をリース販売する際に発生する収支のギャップを埋めるべくリースカンパニーを設立し、そこを仲介することによって資金の問題を改善していくとのこと。リースカンパニーの設立は今月中に実施されるそうで、これによって資金の流れが大きく好転するとしている。これら3つの施策により、「ボーダフォン日本法人買収時のように4年で有利子負債を返済するというわけにはいかないが、徐々に外部負債が減ることで純利益を一気に改善させる好循環ができる」と、孫氏は改めてスプリント再建に自信を見せている。○ニケシュ氏の参画で投資事業が本格化インターネット事業においては、ヤフーが広告やEコマースで好調な業績を示しているほか、投資先の企業においても、ソフトバンクグループが投資したアリババなど海外の多くのインターネット事業者が大きく伸びているとのこと。また新たな投資先の有望株として、孫氏はフィンテック(FinTech:ファイナンシャルテクノロジー)関連企業が急速に伸びると説明。学生向け融資プラットフォームを展開する米国のSoFiに投資したことも明らかにした。今後の企業投資は「ニケシュ(代表取締役副社長のニケシュ・アローラし)を中心に、密にやり取りしながら進めていく」(孫氏)とのことで、現在ニケシュ氏を中心とした、10名程度の投資チームを設けて積極的な投資体制を進めていくとしている。ニケシュ氏がソフトバンクグループに参画する以前、孫氏は「特に通信事業を始めてからは、私が海外に飛び歩き、企業を見つけて投資するほどの時間や心理的余裕がなかった」状況だったと話している。だが現在は、ニケシュ氏が世界中を飛び回って交渉を進められることから、より深く、専門的な投資ができるようになったとのこと。今後もインターネット業界に絞り込み、お互いのシナジーが出し合える企業への投資を進めていきたいと、孫氏は話している。
2015年11月06日総務省は19日、携帯電話料金について議論する「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の第1回の会合を開催した。参加した委員からは、「携帯電話料金全体の値下げという話ではなく、ユーザー間の行き過ぎた不公平性の是正がポイント」などの意見が出た。○総務大臣補佐官の太田直樹氏「透明性と公平性のある仕組みづくりを」携帯電話料金を巡っては、安倍晋三首相が9月11日の経済財政諮問会議で、携帯電話料金引き下げ策の検討を高市早苗総務大臣に指示。今回のタスクフォース立ち上げにつながった。タスクフォースには、明治大学法学部教授の新美育文氏が主査となり、中央大学総合政策学部教授の平野晋氏、野村総合研究所上席コンサルタントの北俊一氏、立教大学名誉教授の舟田正之氏、弁護士の森亮二氏、全国地域婦人団体連絡協議会 事務局長の長田三紀氏らが参加した。初会合に先立ち、総務大臣補佐官の太田直樹氏があいさつ。太田氏は、「先月の安倍総理の指示があって検討ということになったが、この10年間に通信料金が家計に占める割合が2割ぐらい上がったというのは事実。ただ、通信費が高くなったから安くするという単純な話ではなく、高くても価値があるものであれば、当然出費というものは上がっていくが、特に検討してもらいたいのは、利用者の目から見てどうなのかということ」と言及。「検討のポイントは2つあると思う。一つは透明性。私も携帯ショップに行って思うが、最初に端末を選び、その後料金プラン、その後各種サービスという一連の流れが結構複雑で、かつ送られてくる請求書を見ても20行ぐらいあり、何にいくら払っているのかよく分からないところがある。結果として自分が使っている以上の料金パッケージになっていて、透明性のないものになっているという思いがある。利用者から見てちゃんと納得して選んで、どれだけの対価を払っているのか簡単に分かる仕組みをなんとか業界として作っていけないか。その(仕組みをつくれていない)背景の一つとして、端末とサービスが一体になっていて、その二つの関係というのがあるのではないか」と指摘した。また、2つ目のポイントして、「よく言われることだが、頻繁に通信事業者や端末を変える人に莫大なマーケティングコストが費やされていて、それは誰が肩代わりしているかというと、おそらくは長期的に同じ端末・サービスを利用しているユーザーではないか。ここは公平性ということがポイントになる」と指摘。「やはり利用者から見た時に透明性と公平性がきちんと保障された仕組みづくりをぜひご検討いただきたいと思っている」と要請した。その後、タスクフォース事務局の総務省職員から『「携帯電話の料金とその他の提供条件」に関する現状と課題』について説明があった。○「データ通信のライトユーザーに対応した料金プランとなっているか」事務局からは、携帯電話市場の状況、携帯電話に関する制度の現状、これまでの「携帯電話の料金とその他の提供条件」に関する取組、携帯電話の料金負担の現状、大手携帯電話事業者の料金プランの現状、携帯電話端末の販売・流通の現状、MVNOの現状についての説明があり、検討課題が示された。検討課題としては、第一に「データ通信のライトユーザーや通話の『かけ放題』が不要な人などのニーズに対応した料金プランとなっているか」が挙げられた。第二に、「携帯電話端末の販売と通信契約が一体化し、通信料金割引と端末購入割引を通じた端末価格を中心とした競争になっているところ、利用者にとって端末価格と通信料金との関係が分かりにくいものとなっていないか」、「MNPを頻繁に行う利用者や端末を買い替える利用者にさまざまな形での優遇がある中、端末を買い替えない長期契約者、さらにはSIMロックフリー端末を自分で購入して契約する利用者等との間の公平性についてどのように考えるか」の2点が挙げられた。第三に、「MVNOサービスのさらなる低廉化・多様化を図っていくため、どのような方策が必要か」についても検討課題とした。○北氏「料金全体の値下げではなく、行き過ぎた不公平性の是正がポイント」この後、野村総研の北氏が「我が国の携帯電話料金の課題と解決の方向性」と題して、プレゼンテーションを行った。北氏によると、家計支出に占める携帯電話関連支出は増加する仕組みになっている。その理由として、家庭内におけるシニアからキッズまでの保有者の増加、一人複数保有、フィーチャーフォンからスマホへの移行に伴うデータトラフィックの爆発的増加、スマホでの多様なサービスの利用増、(実質的に)端末料金が通信料金で回収されている、ことなどがある。携帯電話の料金・販売の現状に関しては、キャリアの同質化(土管化)に伴い、過度な安売り競争が進展していると指摘。さらに、ARPU低下、端末高額化にもかかわらず端末販売奨励金が増加していると指摘し、新発売のiPhone6s(16GB)でも、MNPや新規であれば、ほぼ実質負担金ゼロ円で入手可能であることや、奨励金が端末を買い替えないユーザーを含む、全ユーザーの通信料金から広く回収されており、2007年の「分離プラン」は実質的に機能していないと述べた。また、キャッシュバックの状況について、2014年4月以降、一旦沈静化したように見えたが、一部のキャリアショップや、量販店・併売店では、手を変え品を変え、ゲリラ的にキャッシュバックが行われていると指摘した(「キャッシュバック」→「ポイント/Wallet/商品券還元」「最大○円還元!」「最大○円オトク!」)。さらに、抱き合わせ販売が横行し、キャリアオリジナルのオプションサービスや、代理店独自のアプリなどが、端末価格の値引きの条件として販売されており、その多くは、一定期間無料で使えるが、その後何もしないと有料になると指摘した。これに対し、英国では端末初期費用に応じて料金プランがパッケージされている例や、米国で端末と回線の分離が進行し、シンプルな仕組みに移行しつつある点などが紹介された。北氏は、日本の携帯電話料金の課題と解決の方向性について、「携帯電話料金全体の値下げという話ではなく、ユーザー間の行き過ぎた不公平性の是正がポイント」と述べ、不公平になっている点として、「音声のライトユーザーとヘビーユーザー」、「データ通信のライトユーザーとヘビーユーザー」(2GB以下のユーザーからの利益をヘビーユーザーに補填する構造)を挙げた。多額の端末販売奨励金がMVNO普及の阻害要因にもなっていると指摘した。その上で、「我々はどちらを選択するのか?」とし、「端末と回線を再度分離し、端末価格は上がるが、通信料金は安くなる世界。MVNO普及促進」VS「端末と回線を一体的に扱い、通信料金はある程度高いが、端末を安く買える世界。MVNO普及に壁」とし、「解はイチゼロではなく、これらの間にあるはずだが、規制を入れるとイチゼロになりがち」とした。○「透明性と公平性を柱にした枠組みを示すことが一つの方向性」北氏のプレゼンテーションの後、各参加者による討議が行われた。弁護士の森氏が北氏に対し、「論理を逆転し、MVNOの普及が進めば、販売奨励金が減るのではないか」と質問したのに対し、「やはり販売奨励金がMVNO普及が進まない隘路となっている。MVNOが市民権を得るためには、ワンストップで安心して買える環境の整備が必要」とした。また、全国地域婦人団体連絡協議会の長田氏は、「MVNOを選ぶべきライトユーザーがMVNOを選べない状況になっている。地方の人も含めて、MVNOに出会う機会が少ないのでは」と発言した。立教大学の舟田氏は、「携帯ショップに行くと説明が30分くらいかかるが、最後のほうは頭がボーっとなっている。もっとシンプルなプランがあっていいと思うが、どういうふうにシンプルにしていけばいいのか、現状では非常に難しい面がある。私の推測だが、アメリカと日本の違いは販売奨励金にあるのではないか。1990年代に入り、日本はリベートが各業界で少なくなっていったのに、この業界(通信業界)ではリベートが増えている」と指摘した。議論の最後に主査の新美氏は、「規制というと手足を縛るようなイメージがあるが、我々がなすべきこととして、透明性と公平性を柱にした枠組みを示すことが一つの方向性になるのではないか」と述べ、議論を締めくくった。次回以降は、大手キャリアなど事業者のヒアリングなどが行われる予定となっている。
2015年10月19日10月6日、エアアジア・ジャパンは航空運送事業許可(AOC)を取得し、2016年4月から3路線に就航すると発表した。これに呼応した形で、エアアジア・ジャパンのベースとなる中部国際空港は一時凍結していた第二ターミナルの建設方針を発表、ローコストキャリア(LCC)ターミナルとして機能させるとの報道があった(10月9日付け日経新聞など)。筆者は中部がここで投資を決断した一因は、9月中旬にバンコクで行われた国際会議にあったと考えている。そこで今回、これから動くエアアジア・ジャパンと中部、つまり、LCCと国内空港の関係を、この会議で議論されたことを踏まえて考察してみたい。○出遅れた成田・中部の対策現在の日本国内空港の成長を概観すると、羽田、関空、沖縄、新千歳、福岡などの国内基幹空港ではLCCの参入やインバウンド需要の拡大によって、出国者数がリーマンショック前の水準を回復している。その一方で、成田・中部はまだリーマン前には戻っていないのが現状だ。羽田にインバウンド需要が流れている成田はLCC専用の第3ターミナルを開業させて反転攻勢を狙うが、中部はなかなか抜本的な需要振興策を講じられていなかった。また、ANAの中部=羽田線開設など国際線拡充にとってむしろマイナスともなりうる動きもあり、中部はこのあたりで将来に向けた対策を打ち出す必要があったのだろう。ただ、ターミナルの容量という点では、中部は飽和状態に達しているわけではないので、LCCターミナルの建設は当面様子見のままではないかという見方が多かったことも事実である。ではなぜ、中部空港はここで投資を決断したのだろうか。その伏線は9月中旬にバンコクで行われた国際会議にあったと言えるだろう。○「空港運営の概念を変えてほしい」バンコクで9月中旬、CAPA(豪州の航空コンサルティング会社)主催の国際会議では、「アジアLCCが空港に求めるもの」がテーマであった。この会議の提唱者であるエアアジアのトニー・フェルナンデスCEOは、1時間にわたって熱弁を振るった。トニー氏が主張した「空港に分かってもらいたいこと」は以下のようなことである。1.LCCを収益化することは可能空港運営にはFSC(フルサービスキャリア)向けとLCC向けの2つのモデルがあり、この2つの異なる運営形態を両方とも収益化することは可能だ。LCCは絶え間なく成長し拡大していかねばならない。そのベースは「Simplicity」「Efficiency」「Technology」であり、これが低価格を支え、数のビジネス(Volume game)を制する糧となる。2.空港の理解と協力が必要このためには空港の理解と協力が必要だ。空港使用料とPSFC(旅客の施設使用料)を下げることが低価格を可能にし、多くの旅客増、ひいては地域の雇用増をもたらす。マレーシアのランカウイ島の空港は使用料を70%下げ、5年間で300万人の新たな旅客を生み出した。10ドル使用料が安いことが家族旅行にとっていかに大きいかを知るべきだ。3.コタキナバル国際空港は成功モデル我々はロンドンのガトウィック空港に独自ターミナル建設を検討しており、成功モデルであるマレーシアのコタキナバル国際空港のような運営を目指したい。LCCの旅客はボーディング・ブリッジなどのサービスよりも低価格というサービスを好むという現実を理解し、LCCの効率的オペレーションを支える施設を提供することで、空港はLCCとWin-Winの関係を築くべきだ。4.LCCが空港に求める4つのこと空港はFSC・LCC双方と良好な関係を作るべきだしそれが可能だ。EUの空港はアジアに比べてよりマーケティング志向であり、先を見た行動をとる(Proactive)ようだ。欧州のLCCであるライアンエアーもFSCであるブリティッシュ・エアウェイズも黒字だが、空港は双方と棲み分けながら運営している。LCCが望む空港やターミナルにおいては、「25分の折り返しを可能とするスポット」「安価な通信インフラ」「シンプルな施設(貨物施設は不要)」「安価な使用料」を提供し、FSC向けの空港では従来型の運営をすれば良い。これを混在させるべきではない。5.LCCはFSCのように複雑ではいけない(LCCの経営形態も進化しており、短・中距離の地点間輸送(Point to Point)から長距離、そして、乗継輸送もLCCがカバーするようになっている、という会議での議論を踏まえ)エアアジアXの旅客の80%がエアアジア各社に乗り継いでいる。FSCは多様なニーズに対して複雑さを抱えざるを得ず、LCCがこれと連携を行うとオペレーションが複雑になり、結果うまくいかない。これはFSCが行うLCCにも当てはまる。企業的組織経営ではダメで、経営者が信念によって引っ張る経営(Leader driven)でなくてはLCCは失敗する。6.東京近郊にLCC空港を日本では過去の思い出したくない経験を乗り越え、新たに事業を展開する。日本の空港は総じてインバウンド旅行客誘致に熱心であるが、自治体が(経済的支援等で)どれだけコミットできるかが重要だ。安倍晋三首相に「東京近郊にLCC空港をつくるべきだ」と言ったことがあるが、行政にも積極的な行動を期待したい。トニー氏の言葉をまとめると、LCCが就航する空港やターミナルの経営の主眼は従来と異なり、「航空会社から金を引き出すのではなく、旅客に金を使ってもらう」ものにすべきという主張であった。このバンコクの会議には中部の友添雅直社長も参加しており、会場でトニー氏と長時間話し合う姿も見られた。トニー氏が要望していることを今、日本で実践しているのは関空とピーチ・アビエーション(以下、ピーチ)だが、成田も後を追い始めた。この会議でのやりとりが、後に中部にLCCターミナルを決断させる最後の一押しになったとも考えられるだろう。○日本の空港でLCCが収支を上げにくい理由しかし、日本におけるLCCの現状はアジアにおける隆盛とはまだ趣を異にする。ひとつは収支だ。いまだピーチ以外は黒字を経験しておらず、バニラエアがようやく2015年度収支均衡を目指せるかどうか、ジェットスター・ジャパンに至っては3年間で270億円の赤字を累積している状況である。日本のLCCは公租公課、施設費、人件費(特にパイロット)は大手と大きな差がなく、座席キロ当たり費用7円台を達成しているピーチ以外は、本格的な低コスト構造が作り切れていない。その大きな要因は機材稼働である。各費用単価の削減をし尽くした後は、少しでも機材を長く飛ばして単位コストを下げるしかない。しかし、日本の地方空港には運用時間制限があるため、国内線機材は22時から7時まで寝てしまう。あらゆる切り詰めをしてターンアラウンド時間を短くしても、それが「あと1往復」の稼働増につながらないのだ。国際線で稼働を上げるにも、収支の見通しをつけるには時間がかかるし、就航地も限られる。○ローコストな第二空港の活用をもうひとつが空港だ。アジア各地は首都の近くにローコストな第二空港を持ち、LCCのハブ運航を可能としているため、大きな潜在需要を開拓できている。一方日本はといえば、距離・時間の制約から、安いという要素だけでは成田や茨城に東京・神奈川の需要を誘引することがまだ十分にできていない。LCCバスの拡充や鉄道アクセスの整備、航空乗継特別運賃など、今後さらなる工夫や充実を図る必要がある。また、日本の空港のほとんどは国・県の管理であり、国交省は着陸料等での差別的取り扱いを行わないよう指導している。民営である成田・中部・関西も国が事業計画の認可権をもつのでこれに従わざるを得ず、新規航空会社誘致に知恵を絞るにもなかなかネタが限られてしまうのが現状だ。エアアジア・ジャパンは2011年にANAと合弁で設立し、2012年8月に成田=新千歳線などに就航したが、業績不振や方向性の違いにより2013年に合弁を解消。同年に日本市場から撤退した。「日本事情」を3年間知り尽くした新生エアアジア・ジャパンが中部でどんなLCCとなるのか、同空港に就航する他の航空会社との公平性を維持しつつ空港がどのように地元LCCを育成していくのか、大きな興味を持って見守っていきたい。○筆者プロフィール: 武藤康史航空ビジネスアドバイザー。大手エアラインから独立してスターフライヤーを創業。30年以上におよぶ航空会社経験をもとに、業界の異端児とも呼ばれる独自の経営感覚で国内外のアビエーション関係のビジネス創造を手がける。「航空業界をより経営目線で知り、理解してもらう」ことを目指し、航空ビジネスのコメンテーターとしても活躍している。スターフライヤー創業時のはなしは「航空会社のつくりかた」を参照。
2015年10月15日10月末よりアメリカで上演されるミュージカル『シカゴ』でブロードウェイ・デビューを果たす女優シャーロット・ケイト・フォックスが9月28日、日本政府観光局主催のセミナーに出席。国連総会に出席するためニューヨークを訪問中の安倍晋三首相や元ヤンキース外野手の松井秀喜氏らと、日本の魅力をPRした。【チケット情報はこちら】同セミナーで安倍総理は、日本の観光名所として京都や松井の出身地の石川県、そしてシャーロットの出演したNHKの連続テレビ小説『マッサン』の舞台となった北海道を紹介し、「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さらに国を挙げておもてなしの態勢を整えている」と訪日を呼びかけた。朝ドラのヒロインに抜擢され、日本の朝の顔として絶大なる人気を得たシャーロットは、「『マッサン』に出るまで、日本との関わりはなかったが、撮影で訪れた日本各地で素晴らしいおもてなしを受け日本が好きになった。特に自然や海産物に恵まれた北海道は印象深く、家族を連れて行きたい」など、日本で感じた人の温かさや風景の美しさを紹介し「一生に一度は日本を訪れてみて」と、外国人を代表して日本の魅力を熱く語った。ミュージカル『シカゴ』はアメリカで上演された後、日本公演は12月4日(金)より東京、26日(土)より大阪で上演。チケットは発売中。■ブロードウェイミュージカル『シカゴ』来日公演12月4日(金)~12月23日(祝・水) 東急シアターオーブ(東京都)12月26日(土)・27日(日) 梅田芸術劇場メインホール(大阪府)
2015年10月01日「ぴあ」調査による2015年7月25日のぴあ映画初日満足度ランキングは、太平洋戦争に従軍した作家・大岡昇平の代表作を塚本晋也監督が自らの主演で映画化した『野火』がトップに輝いた。その他の写真『野火』の舞台は第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。日本軍の敗戦が色濃くなった中、結核を患った主人公・田村一等兵は部隊からも野戦病院からも追い出され、空腹と孤独を抱えながら果てしない原野を彷徨う。田村を始め次第に狂気を帯びていく兵士たちの姿が、最前線の強烈な映像と共にスクリーンから迫ってくる。観客からは「戦争では何が、誰がまともかわからない。そんな状況に恐怖を抱いた」「銃撃シーンは直視するのも辛くて逃げ出したくなった」「今回で2回目の鑑賞。とにかく戦争は嫌だというのを前よりも強く感じた」などの感想が上がった。本作は塚本監督が“いまの時代に問うべき作品”という強い想いから作り上げた作品だ。しかし監督は決して、観る者に思想やメッセージを押し付けているわけではない。観客は「監督の言う通り、言葉が出るには2日かかる。単純に反戦映画ではなく、観る側の感じ方を意識して作られていて、“シンプルだけど深い”を味わった」「美しい風景は心に突き刺さり、登場人物と一緒に観ているような気分になった。生きることとは何かを考えた」など、本作を通して様々な思いをめぐらせたようだ。また劇中には凄惨なシーンも数多く登場するが、「苦手な描写もあったが、塚本監督の想いの強さを感じて色々考えさせられた」「グロテスクなものは得意ではないが、そんなことは言っていられない。本当はもっと残酷な状況だったのだから、目をそらさないで観ないといけないと思った」「原作を読んだときは、描かれる状況と現実がかけ離れすぎていると思ったが、映画を観ると、日本が今まさに置かれている状況と重ねて、自分もこの状況と向き合っていかなければならないと強く思わされた」など、目を背けず画面から何かを見出そうとした観客も多数見られた。『野火』は監督の想いに賛同したリリー・フランキー、中村達也、森優作といった共演者や多くの協力者に支えられ作られたインディーズ作品だ。しかし出演陣の圧巻の演技や、リアリティあふれる凄まじい描写は、圧倒的熱量を持って観客に届いたようで「今回で3回目の鑑賞。やっと冷静に観ることができた。戦争体験をしていない私たちには想像できないもなので、ひとりで受け止めるより他の人にも観てもらって感想を共有したいし、そうすることで救われたい」「戦争を知らない世代にこそ観てほしい」「自分と同じ20代の若者に観てもらいたい」といった熱い声が寄せられた。本作は今後も口コミで動員を伸ばすだけでなく、毎夏、どこかで上映されては新たな観客に出会う作品になりそうだ。(本ランキングは、7/25(土)に公開された新作映画7本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)『野火』公開中
2015年07月27日安倍晋三首相は7月17日、2020年の東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとして使用予定の新国立競技場の建設計画を白紙に戻し、「ゼロベースで計画を見直す」と表明した。現在の計画は、イラク出身の女性建築家であるザハ・ハディドさんのデザインに基づき作成された。鋼鉄製の2本の弓状の巨大な構造物「キールアーチ」を用いた斬新的なデザインだったが、そのキールアーチの建築に膨大な費用がかかることが判明。総工費は、当初の計画を数百億円以上も上回る2,520億円にまで膨張していた。この膨れ上がった総工費をめぐり、下村博文文科相が5月に舛添要一東京都知事に500億円の費用負担を要請し、舛添都知事が難色を示したという経緯もあった。安倍首相は、五輪はアスリートや国民が主役であるとしたうえで、「皆さんに祝福される大会でないといけない」と発言。1カ月ほど前から計画の見直しを検討してきたことを明かした。だが、今回の計画見直し決定に伴い、2019年開催の「ラグビーワールドカップ2019」には新国立競技場が使用できない公算が大きくなった。今回の計画見直しを受けて、Twitter上では「もう無理な気しかしないな」「一番の被害者はラグビーでしょ」「多額の資金で建設しなくてもいい」「人事も白紙に戻せばなお素晴らしい」など、さまざまな意見が挙がっている(コメントは原文)。
2015年07月17日終戦70周年を記念し製作された『この国の空』の完成披露試写会が7月16日(木)、都内で行われ、主演の二階堂ふみをはじめ、長谷川博己、工藤夕貴、富田靖子、荒井晴彦監督が登壇した。園子温監督の『地獄でなぜ悪い』以来2度目の共演となった二階堂さんと長谷川さん。本作では戦時下で思いを寄せ合う、19歳のヒロインと妻子ある年上男性を演じており、長谷川さんは「ふみちゃんはすっかり大人っぽくなっていて…。成長の過程を見られた喜び、というか勉強?になりました」とドギマギ?一方、二階堂さんは「私にとっては仲のいいお兄ちゃん。今回も(演技を)たくさん引き出していただいた」と涼しい表情だった。芥川賞作家・高井有一による「谷崎潤一郎賞」受賞の同名小説を原作に、19歳の里子が「私は愛も知らずに、空襲で死ぬのでしょうか…」と空襲におびえながら、それでも懸命に生き抜き、ある男性との出会いを機に、少女から女へと開花する姿を描いた。沖縄出身の二階堂さんにとって、戦争映画への出演は念願だったと言い、「(終戦)70年という節目に作られたこの映画を、こうしてお披露目できて、胸に来るものがありますね」と感無量の面持ち。約18年ぶりのメガホンとなった荒井監督は、「知り合いの阪本順治監督から『荒井さんは、この国の上の空でしょ?』って言われるけど、いまこの国の上の空は、安倍晋三じゃないですか」と痛烈に批判していた。里子の母親を演じる工藤さんは、「誰も死なない、誰も血を流さない。不思議な戦争映画ですが、見終わると、熱い気持ちが沸き上がる」とアピール。里子の叔母に扮した富田さんも「戦争映画なのに、艶っぽさを感じさせる。もちろん、やっぱり戦争はいかんぞとも思わせる」と話していた。『この国の空』は8月8日(土)よりテアトル新宿、丸の内TOEI、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月16日●地方の活性化はスタートアップから?安倍晋三首相による経済政策「アベノミクス」だが、その重要課題の1つに「地方創世」がある。東京一極集中、三大都市圏に物や人が集中して地方の疲弊が叫ばれるなかで、地方を再び活性化させ、日本経済の起爆剤としていこうという試みだ。もちろん、「言うは易し行うは難し」で、一朝一夕で物事が進むわけではない。だからこそ、地道な取り組みこそが地方活性化の最短ルートとも言えるはずだ。こうした政府の動きに呼応して、地方自治体や民間企業の動きも活性化しつつある。今回、そうした活動の1つである「Osaka Innovation Hub(OIH)」の取り組みについて、取材する機会を得た。○OIHとは?OIHは、大阪市が2013年4月に設立した「世界につながる、イノベーション・エコシステムのハブ」。大阪市経済戦略局で理事を務める吉川 正晃氏は、このプラットフォームを「リアルに取引する場所」と表現する。市場や飛行場が"ハブ"、つまり結節点となって、モノの仲介地点として機能しているが、ネット全盛の世の中であっても「目と目を合わせて取引することが重要」(吉川氏)だとして、イノベーションの結節点になるべく、立ち上げられたわけだ。「アメリカでは大企業とベンチャーの交流が盛んだ。日本でも同様に交流できる場を持ちたいと思い、私たちの運営方針を理解している人たちに使っていただいている。私が好きな言葉に『Give first』という言葉がある。最初に、相手にGive(あげる)することが重要で、何事においてもTake(得る)する前に何かをしてあげる気持ちが重要だ。この考え方に確信を持ったのは、Teckstarのドン・バートン氏というコロラド州でベンチャー支援コミュニティのマネージャーが持ち続けている哲学を聞いた時。彼の哲学は『Give before you get』で、手に入れる前にGiveしなければならないというものだった。ここから、『Give and Give』という考えも持ったし、その精神に満ちあふれた場所にしたいとOIHの立ち上げの時に考えた。行政は主役ではなく、つまり、我々はあくまで黒子。登壇するこれからのスタートアップが主役であるという思想を持っている」(吉川氏)●KDDI∞Laboで地方を盛り上げる理由今回OIHで行われたピッチイベントは、KDDI∞Laboとのコラボレーションで行われたもの。KDDIは、インキュベーションプログラムが8期を迎えているが、地方のスタートアップ支援団体との連携を発表しており、今回の取り組みがその第1弾だ。このピッチイベントで優秀賞に選ばれたチームは、∞ラボの8期デモデイに登壇する権利を得られ、KDDIと共にスタートアップの支援を行うパートナー連合プログラム参加企業とのビジネスマッチングも受けられる。ラボ長を務める江幡氏は、今回の地方連携について「地方のスタートアップをサポートできるように、もっと表舞台に出てこられる場を、地方連携を通して作っていきたい」とその目標を語る。足かけ4年近くインキュベーションプログラムを続けている江幡氏らだが、これまでの経験から地方に眠る才能との交流をもっと進めていきたいという思いがあったのだという。実際に動き出したのは今年の頭からだが、夏のデモデイに向けて今回のピッチイベント実現にこぎつけた。「熱い想いを持つOIHの人と一緒にやることで、何か新しいことをしたいと考えた」(江幡氏)江幡氏がたびたび強調した点は「大阪を地方とは思っていない」ということ。この後、優秀賞を獲得したチームを紹介するが、いずれも明確な理念と目標、どのようにスケールしていくかという起業家らしいマインドセットを持ちあわせており、東京で行われている各種ベンチャー向けイベントの登壇者に引けをとらない雰囲気を持っていた。大阪一、日本一を目指すだけでなく、世界を土壌とする戦いを見据えている彼らは、地方の課題解決ではなく、都市圏の生活者が「世の中を変えたい」と思い抱いている点で、地方とは異なっているというわけだ。このように書くと地方軽視にも見えるかもしれないが、地方連携には多様な目的が含まれている。先にも江幡氏のコメントで触れた「地方のスタートアップを表舞台に」という点でもわかるように、地方から世界を目指せるマンパワーが潜んでいると思うからこそ、地方連携という取り組みを行っている。その上で、江幡氏は「地場の課題、ちょっとした課題に焦点を合わせたアイデアが地方にはまだまだあると思う」と話している。つまり、少子高齢化や都市圏への人口集中から"疲弊している"とされる地方の再興につながるような"ちょっとしたアイデア"を掘り起こすことで、その地域だけでなく、日本国中の地方の活性化につなげたい。そんな意図が江幡氏のコメントから読み取れる。「例えば地方では福岡県などがスタートアップで湧いていますが、ほかにも地方で努力している場所は多数存在する。でも、地方だけでは支援者の数が圧倒的に足りない。その一方で、東京には支援者がいるけど、東京では思い浮かばないようなアイデアが地方にはある。いくつかこの地方連携を進めていこうという話になっている。ラボでも8期で養蜂へのIoT導入を行うチームが広島から飛び出しているし、地元で話題になっていると聞く。こうした金銭と人員サポートを東京から行い、地方の地場にいい形で還元したいんです」(江幡氏)○さくらインターネットの田中氏が起業家に送る言葉とは?ピッチイベントには大阪市に本社を置く、さくらインターネットの代表取締役社長 田中 邦裕氏らが審査員として参加。田中氏は1996年に学生起業で同社を設立したことで有名だが、今回のピッチイベントでも自分の後輩となる企業を目指す強者達を前に先輩から熱いアドバイスを送った。「ビジネスプランを美しく語るのではなく、熱量を見せてほしい。情報は地方でも手に入れると言われているが、こうしたイベントで得られるものは"熱量"だ。大阪でこうしたイベントが行われることで、全体の"熱量"が高まればいいと思うし、ほかの地方でも同じような場がどんどんできるようにするのが私の仕事だと思っている。大事なことは、『熱量を与えられるように頑張る』ということ。だらっと競争していてはダメだ。熱量を与えて、さらに多くの熱量をもらって帰れるようにしてほしい」(田中氏)●優秀チームは?全13チームが参加したピッチイベント。優秀チームに選ばれたのは以下の4チームだった。なお、聴講者が"良いスピーチ"に贈るオーディエンス賞には、「ベルシオン風車を活用し、無料Wi-Fiの電源基地局を設置します」というコンセプトを発表したGold Green Japan 代表取締役の佐々 寿一氏とCofameの野口氏が選ばれた。○非侵襲指先毛細血管観察による健康指標「VITAL BAROMETER」指先の毛細血管の状態を把握することで、健康状態を把握しようというもの。現在は専用の機器が必要だが、ビジネスマッチングや資金調達などで臨床試験、技術開発を進め、スマートフォンなどにアタッチメントを取り付けるだけで毛細血管を撮影できるようにしたいと武野氏は意気込んでいた。○パーソナル香り空間を制御するWearable Aroma Shooter情報通信研究機構(NICT)の研究員でもあった金氏は、在籍中から微細な香り成分を噴霧できる機器「Micro Aroma Shooter」を開発。現在、特定企業とともに、同デバイスをさらに進化させるための研究開発を行っているという。"パーソナル香り空間を制御"という言葉どおり、香り成分を一定空間に留めることで、香りのHMDのような、限定された空間での香りの再現を狙う。これにより、視覚や聴覚に続くさまざまな環境の香りを再現し、さらなる没入感を目指すのだという。○デーティングアプリであるTinderライクの物々交換アプリ「Bater」Baterは、説明にもあるとおり、デーティングアプリ「Tinder」から着想を得て開発したもの。Tinderは、好みの外見の異性を「好き」「嫌い」で左右にフリックすることで、相手も自分と同様に「好き」を選んだ場合にマッチングしてくれるというもの。これと同様に、自分がいいと思ったモノと、他人が自分のモノに「いい」と評価してもらった場合に、物々交換をするという仕組みだ。○ベルシオン風車を活用し、無料Wi-Fiの電源基地局を設置オーディエンス賞に選ばれた佐々 寿一氏の発表。風があまり吹いていない状況でも回る回転効率、発電効率の良いベルシオン風車を利用し、無料Wi-Fiを提供するというもの。電気料金などを気にする必要がないため、Wi-Fiスポットを提供しつつ、広告などに活用できるとしていた。○ハイクオリティなコンタクトデータであなたのビジネスを補強するアプリ Cofame唯一、優秀賞とオーディエンス賞の両賞を獲得したCofameの野口氏。実際に、プレゼンの運びが優秀なだけでなく、米国進出準備も始めているなど、すでに大阪という枠を超えて世界を見据えていた。内容としては、さまざまなWebサービスのアカウント情報を集約し、コンタクト情報の共有がしやすくなるコンセプトで、CRMやMA、データ市場など、多彩なソリューション連携を検討している。
2015年06月05日厚生労働省は6月1日、がん対策に向けたイベント「がんサミット」を開催した。主催者挨拶に立った塩崎恭久厚生労働大臣は、安倍晋三首相から「がん対策加速化プラン」の年内の策定について指示されたことを話し、その柱となる取り組みの一つとして、がん教育やタバコ対策、がん検診を含む早期発見の強化に取り組むがん予防を進め「避けられるがんを避ける」ことを掲げた。「昨日5月31日は世界禁煙デーでしたが、政府としても東京オリンピック・パラリンピックに向けて一層の禁煙への取り組みを行ってまいりたいと思います」とも述べた。○東京オリンピック・パラリンピックに向けてまた同イベントでは、「2020年、スモークフリーの国を目指して~東京オリンピック・パラリンピックに向けて~」と題し、いきいき健康大使で女子マラソン五輪メダリストの有森裕子さんと佐倉アスリート倶楽部代表取締役の小出義雄さんを招いたパネルディスカッションが行われた。かつてヘビースモーカーだったという小出さん。監督だった当時、「私はオリンピックに行きたいのでタバコをやめてください」と有森さんに怒られたエピソードを披露した。「タバコをやめるとやっぱりイライラするんです。ものすごくタバコが吸いたかった。飲みに行っても、隣のタバコ吸っているところに寄って行って吸いたかった。でも我慢したんです。どうしてかというと、私がタバコぐらい我慢できなかったら有森がメダルとれないなって、純粋な選手が言ってるのを私が踏みにじっちゃいかんなって思ったんです。タバコは3日我慢したら、4日目になると楽になった。タバコを吸っている人でどうしても辞められない人は、3日我慢したら4日目にはふっと軽くなって辞められます」(小出さん)2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、小出さんは「吸い殻一つない街にして、世界中から来た人たちから『日本はすごいなあ』と思われる国になってほしいなって思います。そうすれば、日本の評価もどんどん上がるんじゃないかな」、有森さんは「2020年のみならず、皆さんが健康になる方向に進んでほしい。タバコを吸う人がちょっと考える、吸わない人がどんどん健康になっていく、という流れになればよいと思います」と話した。
2015年06月02日5月30日公開の映画『あん』のプレミアム試写会が26日、東京・元赤坂の明治記念館で行われ、樹木希林、永瀬正敏、河瀬直美監督、原作のドリアン助川が出席した。ドリアン助川の同名小説を世界が認める河瀬直美監督が映画化。小さなどら焼き屋の求人に応募したハンセン病を経験したことのある一人の老女を主人公に、生きることの意味を描く。この日は特別来賓として高円宮妃殿下がご出席したほか、安倍晋三首相夫人の安倍昭恵さんらも参加した中、主演の樹木は「平成になってやっとハンセン病が世に受け入れられるようになりましたが、それよりもずっと前の昭和23年に高松宮宣仁親王はマスクもせず防御服も持たないで多磨全生園にいらしてハンセン病の方と握手をしている記録があります。国よりも先にそういうものを開いて下さったことに感謝して今日はこの場に立っております」とあいさつ。原作者の助川は「この物語を書きだしたのが7、8年前で12回書き直し、期待していた大手出版社から切られてしまいました。お話を聞いたハンセン病の患者の皆さんの期待を裏切ることになると酒に潰れたこともありましたが、日本を代表する俳優さんや監督さんによって素晴らしい映画となって誕生しました。本当に幸せに思っています」と感慨深げだった。本作は先の第68回カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門のオープニングフィルムとして正式出品され、世界の映画人から大喝采を浴びた。4人はカンヌから帰国したばかりで、同映画祭の感想として樹木が「最後に終わってタイトル(エンドロール)が出たら逃げたいと思ってました。そしたら先に拍手が始まり、素敵な洋服を着てバレリーナみたいな河瀬さんが私の手を差し伸べてきてから『勘弁して』と思いました。それぐらい恥ずかしかったです」とコメント。また、ドリアン助川が「映画が終わったら1,000人ぐらいの方が形式的な拍手ではなく、心のこもった拍手をされていました。あのスタンディングオベーションの渦中にいれて幸せでしたし、確実に弾みが付いていると思いますよ」と話すと、河瀬監督が「一気に弾んでいきましょう!」と日本でのヒットに期待を込めた。映画『あん』は、5月30日より全国公開。
2015年05月27日日本を代表する動画配信サービス「ニコニコ動画」をリアルで体感するユーザー参加型イベント「ニコニコ超会議2015」が25日、千葉県・幕張メッセで開幕した。「ニコニコ超会議」は「ニコニコ動画」最大の祭典で"ニコニコのすべて(ほぼ)を地上に再現する"をコンセプトに、音楽、アニメ、ゲーム、政治、スポーツなどさまざまなジャンルを展開。昨年は2日間で約12万5,000人が来場、約759万6000人がネットで視聴し、安倍晋三内閣総理大臣をはじめ、国内の主要政党や自衛隊、在日米軍、大相撲などのブース出展も大きな話題に。4回目となる今年の超会議はこれまで使っていなかったホールも含め、幕張メッセすべてのホールを使用。昨年よりも規模を拡大しての開催となる。今年は、統一地方選挙とぶつかったことから、主要政党からは民主党のみが参加となっているが、自衛隊や在日米軍、大相撲などは例年通り参加しているほか、日本航空といった企業やこれまで他のイベントに出展したことのなかったコミックマーケットが新たにブースを出展している。この他にも、先日新宿でもデッキアップイベントを行った『機動警察パトレイバー』の8メートルの実物大「98式イングラム」や国立科学博物館収蔵のアジア最大の肉食恐竜タルボサウルス、デルタドロメウス、マイアサウラといった恐竜の化石、パブロ・ピカソの作品などが展示。会場となった幕張メッセには、開場前から会場を一周するほどの多くの参加者が来場しており、今年も2日間で10万人以上の参加者が見込まれている。
2015年04月25日米「タイム」誌は4月16日、今年の「世界で最も影響力のある100人」を発表、日本人からは「人生がときめく片づけの魔法」の著者で、片づけコンサルタントの近藤麻理恵氏が選ばれた。○「人生がときめく片づけの魔法」は、世界で累計300万部の大ベストセラー2004年から毎年恒例となっている同リストに日本人から選ばれたのは、これまで映画監督の宮崎駿氏(2005年)、トヨタ社長(当時/現相談役)の渡辺捷昭氏(2005年・2007年)、福島県南相馬市長の桜井勝延氏(2011年)、ユニクロ会長の柳井正氏(2013年)、首相の安倍晋三氏(2014年)など。今回選ばれたのは、小説家の村上春樹氏と近藤氏の2名となる。また、アメリカ大統領のバラク・オバマ氏、アップルCEOのティム・クック氏、女優のエマ・ワトソン氏、経済学者のトーマス・ピケティ氏、ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイ氏、グラミー賞受賞歌手のテイラー・スウィフト氏などが100人に名を連ねている。近藤氏の著書「人生がときめく片づけの魔法」(サンマーク出版)は2010年12月の発売以降、「一度片づけたら、二度と散らからない」独自の整理収納法が話題となり、日本国内で142万部(シリーズ192万部)を突破。その後、アメリカ、イギリス、イタリア、オランダ、韓国、台湾、中国、ドイツ、フランスをはじめとする15カ国で次々と翻訳出版され、現在、世界でシリーズ累計300万部の大ベストセラーとなっている。このあと発売される予定の地域も含めると、翻訳版の数は計31カ国にのぼる。特にアメリカでは、2014年10月にテンスピード社から英語版が発売されて以来、ニューヨーク・タイムズ紙やウォール・ストリート・ジャーナル紙といった主要メディアで紹介され、累計発行部数67万部を超えた現在もなお反響を広げ続けているという。さらには、米アマゾンのベストセラーランキングにて「総合」1位、ニューヨーク・タイムズのランキングで13週連続1位(トップ10入りは24週連続)といった快挙も成し遂げている。近藤氏は今回の選出について、「まさか、自分があの『タイム』誌の『世界で最も影響力のある100人』に選ばれるとは、想像すらできなかったことでした。15歳のときから片づけをライフワークとして生きてきたので、感無量です。私が教える片づけ法は日本人が古来より持つ『モノを大事にする心』に根差しています。人は片づけを通して人生を変えていくことができるということを、1人でも多くの世界中の人に届けられたらと願っています」とコメントしている。
2015年04月20日マネックス証券は10日、日経平均株価が約15年ぶりに 2万円を超えたことを記念し、「日経平均株価 2万円突破記念キャンペーン」を開始した。期間は4月17日まで。日経平均株価は日本を代表する株価指数として、長い間、日本株式市場の相場動向や、景気判断の指標として新聞やニュース等で広く報道されている。2015年は安倍晋三首相が掲げる一連の経済政策「アベノミクス」が始まって3年目となるが、2014年度は日経平均株価が約30%上昇、4月9日の終値では19,900円台となり今世紀最高値を更新するなど、株高基調の中で2万円の大台突破に注目が集まっていたという。マネックス証券 チーフ・ストラテジスト広木隆氏は、日経平均株価が2万円を超えた今後の日本株式市場について「日本株式市場を取り巻く投資環境は良好である。公的年金の組み入れ変更に伴う需給要因、グローバルな金融緩和による流動性要因、そして相次ぐ賃上げを背景に家計の実質所得が伸びることによる消費主導の国内景気回復期待。それらに加えて今回の上昇相場の根底にあるのが日本企業の変革への期待だ。日本企業はROE(自己資本利益率)重視経営へと大きな変革を遂げようとしている。昨今、自社株買いや増配など株主還元を拡大する企業、成長のためにM&Aに踏み切った設備投資をおこなう企業が増えており、それらはいずれもROE向上への取り組みを強化するものである。これらの流れが続く限り、日経平均2万円は通過点に過ぎない。日本株式市場は80年代末期につけた史上最高値を再び目指す遠大な相場の入り口に立っている」と述べている。マネックス証券では、同キャンペーンにあわせて、広木隆氏によるオンデマンドセミナー「日本株式市場新時代の幕開け」の開催を予定しているという。なお、同キャンペーン及びオンデマンドセミナーは、マネックス証券に口座を持っていない人でも参加できる。○「日経平均株価2万円突破記念キャンペーン」について応募期間:4月10日(金)~4月17日(金)内容:10日より1ヶ月後(5月11日)の日経平均株価の終値7ケタ(小数点以下第2位まで)の数字を、マネックス証券ウェブサイト上の指定入力フォームより回答し、該当者に最高で20万円(ピタリ賞)をプレゼントする○オンデマンドセミナー「日本株式市場新時代の幕開け」概要マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏が今後の日本株展望を話し、キャンペーン回答の予想数字も発表する
2015年04月13日