安川情報システムと伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は3月31日、顧客企業のIoTを活用した新規サービスの立ち上げに向けたトータルな支援を4月1日から共同で開始すると発表した。両社はIoTクラウドサービス「MMCloud」とアジャイル開発サービス「CTC Agilemix」を組み合わせ、IoTを活用した新規サービスの立ち上げを支援する。支援範囲はビジネスの企画からプラットフォームを使用した検証、機能改善、運用までのIoTサービス提供のすべてのフェーズとなり、製造業やサービス業の企業を中心に提供し、1年間で10社への提供を目指す。MMCloudxは、機器からデータを収集し、配置や稼働状況の把握・分析を行う安川情報システムのクラウドサービスで、柔軟なステータス表示、異常データの検知、故障予測などの機能を備え、小規模からの利用が可能。2014年のサービス開始以降、エンジニアリングや産業ロボット、ファクトリーオートメーションなどの産業分野や、スマートシティ、浄水場の公共分野に提供しているという。一方、CTC Agilemixは、顧客のアイデア創出からアプリケーション開発環境の導入、開発と運用までを一貫して支援するサービス。ハッカソン、アジャイル開発、DevOpsなど、クラウド環境における柔軟なアプリケーション開発手法についてのノウハウを体系化し、開発と運用の2つの段階で顧客の新しいビジネス創出を支援するとしている。企業のIoT活用において、MMCloudで機器からのデータ収集や収集したデータの可視化・分析し、CTC Aglilemixでハッカソンの開催やアプリケーションの実現性の確認と検証を支援する。アジャイル開発を通して早期のサービス開始や継続的な機能改善を実現していく。安川情報システムの産業分野や公共分野での強みと、CTCのサービス業、科学、流通分野での実績を活かし、両社が共同でのサービスの提案と提供を推進する。また、MMCloudの機械学習やAIの機能を強化し、顧客企業のIoT活用によるビジネスの発展に貢献していく方針だ。
2016年03月31日安川電機は1月25日、小形風力発電システムに適用が可能なパワーコンディショナ「Enewell-WIN」シリーズを販売開始したと発表した。同シリーズでは、4.5/5.8kWの2機種を揃えている。風車特性を入力する電力変換テーブルを32点設けているため、さまざまな特性を持つ風車に合わせた細かい設定が可能で、電力変換によるロスを抑えて効率よく発電できる。また、IP65の耐環境保護性能を有しており、オプション対応として海岸線から500m以内の重塩害地域でも使用することができる。さらに、小形風力発電システムのNK認証を取得すれば、再生可能エネルギーの固定価格買取制度「FiT(Feed-in Tariff)」にも対応するという。同社は年間1000台の販売を計画している。
2016年01月25日安川電機は1月20日、高周波トランス絶縁機能を搭載した太陽光発電用パワーコンディショナ「Enewell-SOL P2H(9.9kW 200V級 三相)」を1月より販売開始すると発表した。同製品は、2014年9月より販売している「Enewell-SOL P2(10kW/9.9kW)」の機種展開として製品化するもの。高周波トランス絶縁方式を採用することで、日本国内の50kW未満の低圧連系システムにおいて、外部の商用トランスを別途設置することなく三相200Vでの連系が可能となる。負極接地タイプの太陽電池を含め、どんな太陽電池とも接続可能。同社は、年間1万5000台の販売を計画しているという。
2016年01月20日安川電機は12月1日、小型ロボットMOTOMAN-GPシリーズとロボットコントローラYRC1000を開発したと発表した。小型ロボットにはコンパクトな設置性を確保しながら、可搬質量の増加や高速・高精度化が求められており、MOTOMAN-GPシリーズではこれらのニーズに応えるためにメカ構造を刷新。また、新たな制御方式を採用した新コントローラYRC1000により、ロボットのパフォーマンスを最大限に引き出すことができるという。具体的には、従来の最高速度制限を撤廃し、加減速制御の改善によりロボットの姿勢によらず限界まで加減速時間を短縮したほか、新たな軌跡制御の採用により、軌跡誤差を80%減少(同社従来比)した。さらに、周辺機器との干渉が少ないスリムアームを採用し、コンパクトボディながら業界トップクラスの動作範囲を実現。また、アーム形状は悪環境における粉じん、液体の堆積を少なくする丸みを帯びた耐環境デザインとなっている。加えて、給電ケーブルを1本とすることでセットアップ時間を短縮。断線時にはプログラミングペンダント上で異常個所を瞬時に表示するなど、メンテナンス性にも優れているとする。なお、同ロボットおよびコントローラは2016年6月に製品化される予定となっている。
2015年12月01日安川電機は11月30日、安全柵なしで設置可能な人共存形ロボット「MOTOMAN-HC10」を開発したと発表した。同ロボットは、人と接触した際に人に与える力を制限する機能を持っているため、安全柵の設置が不要となる。これにより、専用設備の設計・製作の必要性などの理由でロボット活用が進んでいない現場の自動化推進の可能性が拡大する。主に、工作機械間のハンドリングや小物部品の組立て作業などへの利用が想定されている。また、プログラミングペンダントを使用した従来のティーチング方法に加えて、ロボットを直接手で掴んで操作するダイレクトティーチング機能を備えている。これにより、直感的な操作でロボットへの動作指示が可能になるため、ロボット操作に不慣れなユーザーや頻繁にティーチングが必要となる工程へのロボット導入が容易となる。同ロボットは、実機の検証終了後に製品化予定だ。
2015年11月30日安川電機は11月12日、韓国におけるロボット事業の強化に向けて韓国ロボットセンタを大邸(テグ)に設立したと発表した。韓国ロボットセンタは敷地面積1万6530m2、建物面積8435m2という規模の中にショールームやテストルームが設けられている。 同社がこれまで提供してきたロボット操作教育、保守教育を充実させるとともに、「来て・見て・触って」をコンセプトに、実機を使ったデモやテストを通じて、ロボットへの理解を深めてもらうことを目的としているほか、現地での自動化ニーズが高い自動車、電子関連だけでなく、食品・医薬品・化粧品など、今後一層の自動化拡大余地のある産業分野に向けて、各種ロボットソリューションを提案・提供していくとしている。さらに、同施設の稼働によりロボットを使った自動化設備の設計・製作を請け負うシステムインテグレータ(SI)への情報提供や教育などのサポート体制を整備し、SI専用の施設を設け、実際に同社ロボット製品を使ってもらうなど関係を強化し、事業の拡大に繋げていくとしている。
2015年11月13日安川電機は19日、同社の産業用ロボット「MOTOMAN」を対象としたクラウドサービス「MOTOMAN-Cloud」を提供開始した。ロボット情報をクラウド上で管理し、トラブル発生時の問い合わせに役立てる狙い。MOTOMAN-Cloudは、安川電機が新たに提供するクラウドサービス。サービス第1弾として、顧客が使用しているロボットの製品情報閲覧や問い合わせができる「Web製品サポート」、トラブル対応に役立つスマートフォン・アプリ「MOTOMAN Touch!」を提供開始する。「Web製品サポート」では、クラウド上で、ロボットの機種や製品仕様を閲覧できるほか、問い合わせ履歴、部品交換履歴などの管理が行える。また、ロボット情報を安川電機のサービス部門と共有することで、トラブル発生時の問題解決に役立てる狙いがある。「MOTOMAN Touch!」では、トラブル発生時に、ロボット制御盤やプログラミングペンダントに表示されるQRコードをスマートフォンで読み込むことで、問い合わせがスムーズに行える。対象製品は、DX200全コントローラおよび2014年3月21日以降に出荷した全コントローラ。専用アプリ「MOTOMAN Touch!」の対応OSは、Android4.0.3以上(10月19日現在)。MOTOMAN-Cloudは、国内よりサービス提供を開始し、順次海外へ展開していく予定。今後は、予防保全や生産情報管理サービスを追加し、ラインなどの安定稼働や利便性向上をサポートするとしている。
2015年10月20日安川電機は8月26日、フルSiCパワー半導体モジュールを搭載した次世代マトリクスコンバータを開発し、同社の従来製品であるU1000よりさらに高効率な入出力電圧電流正弦波ドライブを実現したと発表した。安川電機はこれまで、2005年に世界で初めてマトリクスコンバータを製品化、2014年にはその後継となるU1000を製品化し、入力電流高調波の抑制、回生エネルギーの有効利用などを可能としてきた。今回は高速スイッチング、かつ低損失動作が可能なSiCを用いたパワー半導体をデバイスメーカーと協同で開発し、同社のマトリクスコンバータドライブシステムの回路や構造の技術ならびに新開発の入出力フィルタおよび出力電圧制御技術を組み合わせることで、入力電流および出力電圧の歪みが5%以下かつ最大変換効率が98%以上の入出力電圧電流正弦波ドライブを実現した。なお、同技術の詳細は9月2日~4日まで大分大学で開催される「平成27年度電気学会産業応用部門全国大会」で発表される予定で、安川電機は2年以内の製品化を目指すとしている。
2015年08月27日すかいらーくが運営する中華レストラン「バーミヤン」はこのほど、「香る四川フェア」を開始した。開催は8月26日まで。同フェアは、東京都・原宿にある四川料理の名店「龍の子」のオーナーシェフ・安川哲二氏の監修で、「特製花椒辣油(ホワジャオラーユ)」や、香りとコクのある金胡麻(きんごま)を使った冷やし麺などを提供するというもの。テーマを「香る四川」とし、「激辛」だけではない四川料理を展開するという。メニューのひとつ、「香り立つ冷やし担々麺~金胡麻×花椒辣油~」(税別699円)は、花椒辣油と金胡麻の香りが特徴の麺料理。四元豚シルキーポークをひき肉にすることで、脂のうまみと甘みを味わえるとしている。辛い料理が苦手な人でも楽しめるという。そのほか「九州産若鶏の油淋鶏(ユーリンチー)~花椒辣油×金胡麻ソース~」(税別699円)、「こだわり4種節を使った極旨つけ麺」(税別729円)、「バーミヤン特製七彩(シチサイ)の冷し中華」(税別729円)、「九州産若鶏と冬瓜(トウガン)のスープ」(小・税別299円、大・税別549円)などを提供する。店舗により、取り扱いがないメニューや価格が異なる場合もあり。
2015年06月24日安川電機は6月17日、塗装ロボット「MOTOMAN-MPX3500」の販売を6月18日より開始すると発表した。「MOTOMAN-MPX3500」は、自動車ボディやバンパーなど大型ワーク塗装に最適化されており、S軸(ベース部)とL軸(下アーム部)のオフセットをなくす事により、ロボットの動作範囲を最大化した。これによって、ロボットをコンパクトにレイアウトして塗装ブースを最小化することにより、ランニングコストの低減に貢献することができるとしている。また、マニピュレータの軽量化により、床置き、壁掛け、天吊り設置が可能で、全ての設置条件において各軸同じ動作範囲を実現した。さらに、マニピュレータには塗装機器搭載用内圧スペースを用意。塗装機器制御用ソレノイドバルブ最大48点、電空レギュレータは最大4点内蔵可能で、塗料ギアポンプ用モータも最大2個内蔵できる。加えて、手首軸のモーメント・イナーシャ強化により大容量塗料充填式ベル塗装機などの大型塗装機の搭載が可能となった。
2015年06月17日安川電機は6月5日、創立100周年事業の一環として、同社の産業用ロボット「MOTOMAN-MH24」が居合術に挑戦する「YASKAWA BUSHIDO PROJECT」の動画を公開した。同プロジェクトでは、「6mmBB弾居合斬り」などの世界記録を保持する居合術家・町井勲氏の剣技を「MOTOMAN-MH24」で再現することに挑戦。動画では、居合術の基本形である「四方切り」に始まり、「袈裟斬り」「切り上げ」「水平斬り」を再現しながら、最後に世界初と成る「人間とロボットによる千本切り」を披露している。安川電機は町井氏の剣技をモーションキャプチャし3D解析、そのデータをもとにプログラミングしたが上手くいかず、刀の入射角度や速度の調整を何度も繰り返して成功にこぎつけた。なお、ロボットが使用している刀は江戸時代に作られた逸品で、最新のロボットと歴史ある刀の共演も動画の見どころとなっている。
2015年06月05日安川電機は5月28日、小型6軸多関節ロボット「MotoMINI(仮称)」を開発したと発表した。MotoMINIは可搬質量500g、最大リーチ246mm、質量4.3kgのアーム型ロボットで、同社がこれまで手がけてきたロボットの最小機種と比較して動作加速度が2倍以上に向上し、特定動作のタクトタイムを25%短縮した。繰り返し位置決め精度は±0.02mm(参考値)となっており、ロボットハードウェア毎の個体差が少ないため、ロボットの置き換えが動作プログラムのコピーのみで完了し、ティーチング補正はほとんど必要ないという。これらの特長から、小物部品のハンドリングや組立、電気・電子部品の配膳・挿入など、人との共存・協同作業をする設備での使用が可能となっている。今後、将来のフレキシブルな生産システム構築に向けて、社内の生産システムへの適用を通して機能検証を行い、実用化する予定だ。
2015年05月28日安川電機とワイ・イー・データは、3月17日開催のそれぞれの取締役会において、安川電機を株式交換完全親会社とし、ワイ・イー・データを株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、両社間で株式交換契約を締結したと発表した。同株式交換については、安川電機については、会社法第796条第3項の規定に基づく簡易株式交換の手続により、安川電機の株主総会による承認を受けずに、ワイ・イー・データについては、6月16日に開催予定のワイ・イー・データの定時株主総会において同株式交換の承認を受けた上で、7月21日を効力発生日として行われる予定。また、ワイ・イー・データ株式は、同株式交換の効力発生日(7月21日)に先立ち、東京証券取引所において、7月15日付で上場廃止(最終売買日は7月14日)となる予定。安川電機とワイ・イー・データはこれまでグループ企業として経営戦略や経営計画を共有し、連携して事業運営を進めてきた。しかし、両社の経営環境が厳しさを増していることを踏まえ、安川電機としては、両社が中長期的にコア事業をさらに強化するために、安川電機のロボットなどにワイ・イー・データの主力製品であるガルバノスキャナシステムを組み合わせた製品・システムの販売促進や、ロボット応用システム事業における両社の連携による新領域での販路開拓や共同開発等のグループ一体運営によるシナジー効果の発揮が有効と判断した。また、ワイ・イー・データとしても、成長戦略を実現していくために、今後はワイ・イー・データが親会社の安川電機の完全子会社となり、安川電機グループの販路や技術力などの経営資源を最大限活用できる強固な協業体制の構築が必須になると判断した。このため、安川電機によるワイ・イー・データの完全子会社化が最善の策との認識から、2014年12月に、安川電機から、株式交換による完全子会社化を申し入れたという。
2015年03月20日安川電機は12月24日、可搬質量100kgのパレタイジングロボット「MOTOMAN-MPL100 II」を発表した。同製品は、100kgの可搬質量を有しながら、工場内の限られたスペースにもコンパクトに設置できるスリムな構造で、効率的なパレタイズシステムの構築に貢献する。具体的には、バランサやカウンターウェイト、平行リンク機構を持たないスリムな構造のため、袋詰め充填機などの生産機械やコンベヤに囲まれたスペース、天井高制限のあるスペースに設置できる。また、動作領域がロボット本体に近く、積荷に近い位置へ設置できるため、パレットエリアの縮小が可能である。さらに、各国の主流パレットサイズに対応可能な広い動作範囲を持ち、袋物をはじめとするさまざまな形態の積荷に対応可能な他、高い搬送能力により生産性向上に寄与する。この他、パレタイズ専用アプリケーションソフト「MotoPal」により、コンベアやステーション位置、製品のサイズ、積み付けパターンなどを設定するだけで、ロボットの動作プログラムを自動生成することができるのに加え、操作の選択・変更、稼動状況の監視も容易に行える。
2014年12月25日安川電機は12月24日、可搬質量400kgのハンドリングロボット「MOTOMAN-MH400 II」を発表した。同製品は、大型ワークの搬送において重要となる手首軸の耐荷重を大幅に強化しており、これまで同クラスのロボットでカバーできなかった大型部品・材料のハンドリングが可能になった。具体的には、従来機種より可搬質量を50kg増加させた。これにより、搬送するワークや装着するツール、センサの選択の幅が広がるという。また、ハンドリング用途で重要となる手首軸の許容モーメントを従来機種に比べ150%以上、許容慣性モーメント(イナーシャ)を200%以上強化した。これにより、自動車のサイドパネルやその治具など、把持部分から重心までの距離が長いワークに対しても高い搬送能力を発揮する。さらに、3m級の長いリーチを備えており、サイズの大きなワークにおいても回転・上下方向など自由度の高い搬送が可能となっている。
2014年12月25日安川電機は12月11日、GaNパワー半導体モジュールを搭載した住宅用屋内設置型パワーコンディショナ「Enewell-SOL V1シリーズ4.5kW」を発表した。2015年1月より販売を開始する。同製品は、GaNパワー半導体を搭載し、世界最小クラスのサイズを実現。取付面積を従来モデルの約1/2に削減した。また、最大変換効率98%と同時に、低出力時からの発電効率の早期立ち上がりを実現し、1日の発電量の最大化が図れる。最近は太陽電池の高効率化が進んでおり、同製品のような高効率のパワコンと組み合わせることで、発電した直流電力をより無駄なく交流電力に変換することができる。さらに、GaNパワー半導体モジュールを採用することにより、可聴領域を超える高周波スイッチングを実現し、耳障りな高周波音(モスキート音)をなくした。この他、ファンレスの自然空冷方式を採用して風きり音もなくし、高い静粛性を実現している。
2014年12月15日安川電機は11月27日、インドネシア・ジャカルタ市内にインドネシア・ロボットセンタを開設したと発表した。豊富な天然資源を背景とした経済成長が見込まれるインドネシアにおいて、現地での自動化ニーズが高い自動車・二輪車・建設機械・食品・医薬品・化粧品などの市場に向けて各種ロボットソリューションの提案力強化を図る。同施設の延床面積は1400m2で、2フロア構成。顧客にロボット操作教育、保守教育を提供するとともに「来て・見て・触って」をコンセプトに、実機を使ったデモやテストを通じて、ロボットへの理解を深めることを目指す。また同施設では、ロボットを使った自動化設備の設計・製作を請け負うシステムインテグレータ(SI)へのロボットに関する最新情報の提供や教育などのサポート体制も強化される。SIルーム・SIラボにて、ロボット実機による教育を実施し、機能を理解してもらうなど、SIとの関係強化も推進する。
2014年11月27日安川電機は10月8日、かねてより開発を進めていた、完全自動化した植物工場システムを2016年度には国内外に向けて販売を開始すると発表した。同社は、2014年3月に世界トップクラスの植物工場野菜生産量をもつスプレッドと提携して以来、同システムの開発を進めてきた。スプレッドの得意とする大規模栽培技術と、安川電機の「モーションコントロール技術」「エネルギー変換技術」や「ロボット制御技術」を融合し、野菜の育成状況に応じた栽培環境の制御と種まきから収穫・出荷までの栽培作業の自動化をパッケージ化したシステムを目指している。2015年3月までに完全自動化した植物工場システムを完成させ、実証テストを重ねた後、2016年度の販売開始を予定しているという。
2014年10月08日安川電機は10月31日、同社のマシンコントローラ「MP2000シリーズ」の後継機種として、サイズやコストを継承しつつ、性能および機能強化を実現した統合マシンコントローラ「MP3300」を開発したと発表した。また、併せて同社はACサーボドライブ「Σ-Vシリーズ」の後継機種として、新たに「Σ-7シリーズ」を開発したことも発表している。MP3300は、Σ-7シリーズと組み合わせることで、潜在的なFA装置の課題解決や環境や省エネへの配慮をコンセプトとして開発されたコントローラで、MP2000シリーズに比べ、演算およびアプリケーション処理の高速/高精度化、およびプログラム容量の拡大を実現したほか、オープンモーションネットワーク「MECHATROLINK-III」を標準搭載し、サーボ、インバータなどの対応機器と高速な同期通信を実現することが可能。また、CPUユニット本体にストレージ用USBポートを標準搭載しており、容易に装置のバージョンアップやバックアップ、大容量データのインポート/エクスポートを行うことが可能。さらに、データロギング機能により、装置の稼働状態を内蔵RAMまたはUSBメモリへ保存が可能であり、これらのロギングデータを、遠隔の上位装置からアクセスすることも可能となっている。一方のΣ-7シリーズは、「7つを極めた心揺さぶるソリューション」をコンセプトに、「装置性能」、「使いやすさ」、「環境性能」、「安心」、「サポート」、「ラインアップ」、「互換性」を突き詰めて開発されたACサーボドライブとなっている。速度応答周波数3.1kHzを実現しつつ振動抑制機能などを進化させており、モータ体積も従来品であるΣ-V比で20%減を実現しながらも、24ビット高分解能エンコーダなどの搭載により装置の高タクト化・高スループット化を実現することが可能だという。また、Σ-Vにも搭載されていた調整レス機能を進化させており、安定性が同シリーズ比約2倍に向上、ゲインの調整なしで発振せずに俊敏に動くことが可能なほか、装置内のサーボエネルギーの有効活用として、2軸アンプやDCバスの接続による複数軸間での回生エネルギーの活用などを採用。設置環境仕様も拡大し、これまで使用できなかった標高2000mや周囲温度60℃などの過酷な環境でも使用可能としたさらに、温度センサを標準搭載し、MP3300シリーズなどの上位コントローラからの温度監視によりシステムを異常温度から保護することが可能なほか、稼働状況の見える化の強化による消費電力や寿命予測といった装置の予防保全を行いやすくなった。なお、いずれも2013年11月21日より販売を開始する予定で、MP3300については2014年度で300台/月、Σ-7シリーズについては同8万台/月の販売を目指すとしている。
2013年10月31日