「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE)」が、新プロジェクト「タイプ・ワン(TYPE-I)」を発表。2021年5月14日(金)に3アイテムを発売する。異分野や異業種とのコミュニケーションから誕生する「タイプ・ワン」2021年3月にスタートした「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ」。同ブランドでは、素材を作る上で原料にこだわりを持ち、1本の糸から服をつくりだす独自のものづくりを現代において発展させることを目指す。デザイナー宮前義之が率いるエンジニアリングチームによるブランドだ。その最初のプロジェクトとなる「タイプ・ワン」は、異分野や異業種とのコミュニケーションにより誕生する。「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ」と同様の視点を持つ、ソニーグループ株式会社クリエイティブセンターのデザイナー北原隆幸との出会いから新素材「トリポーラス」を採用し、新たな衣服の可能性を追求する。色褪せにくく長く着れる“黒”のアイテム「タイプ・ワン」では、本来廃棄される米の籾殻をソニーのテクノロジーにより新素材につくりかえた「トリポーラス」を使用。従来の染色では実現できない特別な黒を生み出した。「トリポーラス」を糸に練りこんで実現した黒は従来より色褪せにくく、日常生活で長く活躍することができる。ジャケットやパンツなど3アイテムを皮切りにスタート「タイプ・ワン」のローンチとともに展開されるのは、「タイプ・ワン-001」と「タイプ・ワン-002」から3アイテム。「タイプ・ワン-001」ではジャケットとパンツ、「タイプ・ワン-002」ではポロシャツが展開される。どのアイテムもすべて日常に取り入れやすく、「トリポーラス」の魅力を実感することができる。【詳細】「タイプ・ワン」発売日:2021年5月14日(金)取り扱い:エイポック エイブル イッセイ ミヤケ / 青山■「タイプ・ワン-001」・ジャケット 99,000円(税込)サイズ:1、2、3カラー:ブラック・パンツ 57,200円(税込)サイズ:1、2、3カラー:ブラック■「タイプ・ワン-002」・ポロシャツ 48,400円(税込)サイズ:1、3カラー:ブラック【店舗情報】エイポック エイブル イッセイ ミヤケ / 青山(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / AOYAMA)住所:東京都港区南青山5-3-10 FROM-1stTEL:03-3499-6476営業時間:12:00~19:00 ※営業時間短縮
2021年05月16日新ブランド「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE)」が、2021年3月13日(土)よりスタート。宮前義之率いるデザインチームが手掛ける。イッセイ ミヤケの独自のものづくり「A-POC」の可能性を見出す新ブランド「A-POC」とは、“A Piece Of Cloth(ア・ピース・オブ・クロース)”つまりは直訳で「一枚の布」のこと。三宅一生が1998年にスタートした、1本の糸から服をつくりだす独自のものづくりだ。「一枚の布」から衣服を好きな形に切り出すことができ、“着る人自身がデザインの最終段階に加わって楽しめる”というのも大きな特徴とされる。これまで「A-POC」は、服づくりのプロセスを変革し、着る人が参加する新しいデザインのあり方を提案してきた。「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ」では、その「A-POC」の概念をさらにダイナミックに発展させる。“一枚の布”の上に、アートやテクノロジー、クラフトなど、ジャンルの垣根を越えた多彩なアイディアを繰り出し、“次世代の衣服”として様々な可能性を見出す。宮前義之率いるデザインチームが手掛けるデザインは、2011年から2019年までイッセイ ミヤケのデザイナーとして活躍した宮前義之率いる、エキスパートを集めたデザイナチームが手掛ける。宮前は、2020年10月、横尾忠則氏と「A-POC」とのコミュニケーションから生まれる新しい衣服のプロジェクトとして「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE」をスタートしていた。今後は「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ」から発信していくこととなる。デビューを飾る新作はブルゾン&ジャケットスタート時は、主なアイテムとして、スタート時はブルゾン「TYPE-O(タイプ・オー)」、そして次いで4月上旬にジャケット「TYPE-U(タイプ・ユー)」を展開する。蒸気によって生み出された幾何学模様の「TYPE-O」「TYPE-O」は、イッセイ ミヤケ 2012-13年秋冬コレクションにて宮前が発表した「スチームストレッチ」の技術を用いたブルゾン。「スチームストレッチ」は、熱で縮む特性のある糸を織り交ぜた「一枚の布」に高温の蒸気をあてることで、意図的に生地を収縮させ、立体的な模様やかたちを生み出す。その製法を活かし、「TYPE-O」には美しい幾何学模様が施されている。軽い着心地で、一年を通して着用できる。着る人が自由に形をつくるジャケット「TYPE-U」「TYPE-U」は、着る人が自由に形を作ることができる素材を使ったシリーズだ。柔らかい袖口は、捲り上げるとその形がキープされるので、作業をする時やスタイルに変化をつけたい時など、気分やシーンに合わせてアレンジできる。肩と袖の結合部分は、シャツのようにゆったりとしたデザインなので、肩幅を問わず、リラックスした着心地を叶える。カラーは、ライトグレー、ライトベージュ、オレンジ、ライトグリーン、ライトブルー、ブルー、ネイビーといった鮮やかなラインナップを揃えた。東京・青山に初の路面店3月13日(土)には、東京・青山に初の路面店となるエイポック エイブル イッセイ ミヤケ / 青山がオープンする。【詳細】「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ」取り扱い:エイポック エイブル イッセイ ミヤケ / 青山※一部アイテムは公式オンラインストアでも取り扱い。※3月8日(月)より公式インスタグラムが公開。■「TYPE-O」発売日:2021年3月13日(土)サイズ:1、3カラー:ピンク、ターコイズグリーン、ライトグレー、ブラック価格:120,000円+税■「TYPE-U」発売時期:4月上旬発売サイズ:1、2、3カラー:ライトグレー、ライトベージュ、オレンジ、ライトグリーン、ライトブルー、ブルー、ネイビー価格:58,000円+税【店舗情報】エイポック エイブル イッセイ ミヤケ / 青山(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / AOYAMA)オープン日:2021年3月13日(土)住所:東京都港区南青山5-3-10 FROM-1stTEL:03-3499-6476営業時間:12:00~19:00 ※営業時間短縮©ISSEY MIYAKE INC
2021年03月11日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)が展開する「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE」に新作「福笑い」が登場。2020年1月5日(火)よりオム プリッセ イッセイ ミヤケの青山店、イッセイ ミヤケの船場店、丸の内店、渋谷店にて販売する。宮前義之率いるチームと横尾忠則によるプロジェクトから新作が登場「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE」は、A-POC(エイポック)によるものづくりを行ってきた宮前義之とそのチームが、日本を代表する美術家・横尾忠則とともに、衣服の可能性を追求するプロジェクト。2020年10月よりスタートし、ファーストシリーズ「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE 0」では、8作品をモチーフにしたブルゾンを発表していた。「福笑い」がモチーフにそのラインナップに今回仲間入りするのは、横尾が2003年に発表した作品「福笑い」をモチーフにした1着。お正月の伝統的な遊びのひとつである「福笑い」を横尾ワールドでカラフルに表現した同作が、イッセイ ミヤケのA-POCの技術により“着るアート”としてブルゾンに生まれ変わる。「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE 0」のブルゾンは、A-POCによる7色の糸を使った鮮やかな色彩はもちろん、オーバーサイズの見た目に反した軽やかな着心地も魅力。また、内側の全く違う表情も楽しむことができる。オム プリッセ イッセイ ミヤケ / 青山など3店舗で新規取り扱いスタートなお、これまで「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE 0」は、オム プリッセ イッセイ ミヤケ / 代官山、イッセイ ミヤケ 京都、イッセイ ミヤケ 船場のみの取り扱いであったが、2021年1月5日(火)からは、「福笑い」含む9種のラインナップを、オム プリッセ イッセイ ミヤケ / 青山、イッセイ ミヤケ 丸の内、イッセイ ミヤケ 渋谷でも取り扱う。【詳細】TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE 0 新作「福笑い」発売日:2020年1月5日(火)価格:180,000円+税■取り扱い店舗・イッセイ ミヤケ 船場住所:大阪府大阪市中央区南船場4-11-28TEL:06-6251-8887<新規取り扱い店舗>「福笑い」を含めた全9種の取り扱いを2021年1月5日(火)からスタート・オム プリッセ イッセイ ミヤケ / 青山住所:東京都港区南青山3-18-14TEL:03-5411-5007・イッセイ ミヤケ 丸の内住所:東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルTEL:03-5221-9900・イッセイ ミヤケ 渋谷住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 2FTEL:03-5422-3540■既存商品 取り扱い店舗・オム プリッセ イッセイ ミヤケ / 代官山住所:東京都渋⾕区猿楽町19-8 T2 ビルTEL:03-6277-5085・イッセイ ミヤケ 京都住所:京都府京都市中京区柳馬場通三条下ル槌屋町89TEL:075-254-7540
2020年12月31日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2020年春夏コレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。新デザイナー近藤悟史による1stシーズン最新コレクションは、宮前義之からバトンを引き継いだ、新デザイナー近藤悟史によるファーストシーズン。一枚の四角い布から生み出されるデザインにこだわる姿勢や、鮮やかなカラーリングなどに、創業者である三宅一生の面影も感じたゲストは多かったようだ。これに対し近藤は、ショー後のインタビューで「原点回帰というわけではないが、“ミヤケイズム”を僕なりに、現代的に解釈したもの」であると語っている。複数セクションからなるダンスショーファッションショーは、複数のパートで構成されたダンスショーを観ているかのように躍動感あふれるもの。コレクションピースを纏ったモデルたちは、時には優雅に舞い、時には軽やかに飛び跳ね、時にはスケートボードに乗りながら、会場の中を駆け巡るのだ。「洋服は人が袖を通して初めて活き活きとする。」そのことが存分に感じられる動きのある演出に、ゲストは1セクションが終わるごと大きな拍手や歓声を送った。“動く楽しさ”を教えてくれる服たとえば軽やかなテクニカル素材を使ったワンピースは、2枚の生地を合わせるようにして仕立てており、隙間から空気が入り込むことによってふっくらと膨れ上がる。モデルたちはあえてこの隙間を大きく開けて歩いてみたり、自らがくるくると回転することで空気を送り込んだりして、身体の動きによってワンピースのフォルムが変化することを教えてくれる。会場の天井に装飾されていたサークル状のモチーフが、ゆっくりとモデルの頭上に降りてくるという“早着替え”風の演出もあった。つい先ほどまで一枚の丸い布であったのに、頭上から降りてきたそれはモデルの肩から地面に向かってすとんと落ち、プリーツワンピースへと姿を変えたのだ。このプリーツドレスには伸縮した素材が使われている様子で、彼女たちが上下に飛び跳ねるのに合わせて、リズミカルに上下に揺れるのである。満面の笑みを浮かべながら思い思いにジャンプを繰り返す彼女たちもまた、“動く楽しさ”のある洋服の魅力を伝えてくれている。躍動感のあるグラフィックも鮮やかな色彩だけでなく、力強いグラフィックも目に留まった。ホワイトのキャンバスに空のようなブルーを走らせたプリントは、2人の人間が抱き合っている様子をイメージしたもので、近藤の“特にお気に入り”とのことだ。身体と洋服の関係を見つめ直してフィナーレはモデルたちが一堂に集結。全員が互いに手を繋ぎ、輪になってくるくると回ると、溢れるばかりの笑顔を浮かべて会場を後にした。地域も世代も体型も異なるあらゆる人にとって“喜びを感じられる”服、それは“動いて楽しい”服であるのかもしれない。身体と洋服の関係性を今一度見つめなおした近藤の服は、そんなことを教えてくれた気がする。
2019年09月30日宮前義之によるイッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)が、パリのパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)を会場に2018-19年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。タイトルは「Silent Energy」で、白のシリーズでスタートし、茶、そして明るい色合いへ変化させながら、冬から春へと季節の移り変わりを詩的に表現。今シーズンは、太番手の毛糸を織り込むことでニットのような風合いを出したスチームストレッチ素材でコレクション全体を構成し、1つのテクニックによる素材に徹しながらも、表情豊かなグラデーションで見せていた。フェイクファーをあしらった白のシリーズは、そのボリューム感で暖かさを強調。茶と黒のシリーズは、自然の土からインスパイア。それぞれ、そのままニットとして編むと重くなってしまうウールを、スチームストレッチのテクニックを使うことで軽量化に成功させている。最後のシリーズは、太番手の毛糸を織り込んだ薄地の素材を用いたもので、春の訪れ=明るさを感じさせるオプティミスティックな作品。ニットとプリーツの2つの要素を兼ね備えた素材によって、自然になぞらえたストーリーを見事に表現した美しいコレクションとなった。
2018年03月05日宮前義之によるイッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、パリ8区にあるグラン・パレのホールを会場に2018年春夏コレクションショーを開催した。「A Piece of Memory - 記憶のカケラ」と題したコレクションは、アイスランドを旅した時に目撃した荒々しい大地の割れ目、苔に覆われた溶岩、透き通った氷河をイメージしている。冒頭では新素材であるプリントを施した「スチームストレッチ」のドレスをまとったダンサーたちが登場し、身体に合わせて伸び縮みする素材の特性を披露。時おり、折り目の陰からプリントされていないベース生地の色が露わになり、独特の風合いを見せる。特殊な糊をプリントして高温で膨らませる「ベイクドストレッチ」は、今シーズンはゆがみを付けたプリーツの間からアイスランドの風景が現れるという趣向。収縮した部分が立体的かつグラフィカルに映り、こちらも新鮮な印象を残した。異なる素材を同士を格子状に貼り合わせた「CUBE」は、独特の張りと動きを見せ、フューチャリスティックなイメージ。奄美大島の伝統技術「泥染」によって染めた茶色の糸を織り込んだチェック柄のファブリックも登場し、他の素材とは異なり、より自然を感じさせる仕上がりを見せていた。
2017年10月17日宮前義之によるイッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は3月3日、パリ市庁舎のホールを会場に2017-18年秋冬コレクションショーを行った。コレクションタイトルは「Chromatic Fantasia-極光色-」。今シーズンは、シェットランド産の原毛を5色に染めて一本の糸にしたものを織った「AURORAL」シリーズ、プリントした特殊なのりを高温で縮ませるベイクド・ストレッチを応用した「PLASMA × “Baked Stretch”」シリーズ、折り目をあらかじめ織り込んだ布を蒸気で縮ませるスチーム・ストレッチを用いた「AURORAS × “Steam Stretch”」シリーズの3パートで構成。「AURORAL」は見る角度によって色が変化し、玉虫を思わせるグラフィカルなファブリックが、独特の光沢と張りを見せている。「PLASMA × “Baked Stretch”」は波模様とボーダーを重ね合わせて視覚効果を演出。シンプルなシルエットでありながら、目を凝らしてその構造を探りたくなるようなアイテムに仕上がっている。「AURORAS × “Steam Stretch”」は、四角い布から流線型のプリーツを作り出す手法で、平面の布から立体的な服を生み出すことが可能となった。動く度にバネのような躍動感を見せ、その美しいカラーパレットと共に目を楽しませてくれる。しなやかで彫刻的な美しさは、このファブリックだからこそ生まれるもので、毎シーズンのことではあるものの、イッセイ ミヤケの独自性を強烈に印象付けた。
2017年03月08日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)と、レム・D・コールハースが手掛けるユナイテッドヌード(UNITED NUDE)による新シューズプロジェクト「ISSEY MIYAKE×UN」がスタート。17春夏コレクションではサンダル「ROCK」(5万5,000円)が発表された。「ISSEY MIYAKE×UN」は、靴を建築物のように捉え、構築的かつ最先端の素材やテクニックを取り入れたシューズを製作しているユナイテッドヌードとイッセイ ミヤケによる共同プロジェクト。未来へ続くものづくりの可能性を探りながら、点・線・面をコンセプトにオリジナリティーに満ちたアイテムを創り出していく。17春夏コレクションモデルでは、“構造”をコンセプトに、岩の塊から削りだされたようなダイナミックで構築的なヒールのデザインが特徴のモデル「ROCK」を製作した。カラーは、ホワイト、ブラック、ピンク、ベージュ、イエロー、グリーンの6色で展開される。同コラボレーションについてイッセイ ミヤケのデザイナーである宮前義之は、「イッセイ ミヤケの提案する驚きやユーモア。デザイナーであり建築家でもあるレム氏が得意とする構造力学から設計されたシンプルで美しいプロダクト。両者のモノづくりに対する飽くなき探究心。このプロジェクトを通じ、お互いが刺激し合い、これまでにない靴づくりの挑戦がはじまりました。誰もが履いてみたいと思うような、そして一日の気分が明るく変化するような靴 を届けていきたいです」とコメント。また、ユナイテッドヌードのクリエイティブディレクターを務めるレム・D・コールハースは、「彼らの仕事を見せてもらうため、東京のオフィスへ訪れるとそこには驚くものばかりでした。イッセイ ミヤケはファッションの世界において、創造力に富み、シーズン毎ではなく長期的な研究開発によって発展を遂げている数少ないブランドのひとつです。革新的な新しいテクニックによる素材開発には、時間 がかかります。しかし、イッセイ ミヤケの服づくりへの取組みはこの業界全体のお手本であり、またそのような姿勢こそがみなに愛される普遍的なデザインを創造するのだと思います」と語っている。なお、「ROCK」の発売は3月上旬を予定している。
2016年11月30日宮前義之によるイッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)が、9月30日パリのLE STUDIOで17SSコレクションを発表した。ショー音楽はOpen Reel Ensemble(和田永+吉田悠+吉田匡) + sebuhiroko。
2016年10月05日宮前義之によるイッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)が、3月4日パリ・チュイルリー公園内の特設テントで16-17AWコレクションのショーを開催した。コレクションタイトルは「BEYOND」。コレクションの主軸となるのが“PRISM×Baked Stretch”と、“OPTICAL×3D Steam Stretch”2つのシリーズで、前者は特殊な”のり”をプリントし、熱で膨らませることで自由なプリーツを成形するBaked Stretchから発展させたもので、後者はスチームで布を縮める3D Steam Stretchをバリエーション豊かにしたもの。シリーズ内でも、幾何学ラインでベイクドしたもの、同心円状にベイクドしたもの、異なる角度のプリーツを織り込んだスチームストレッチ、渦上にしたスチームストレッチなど、全く異なる表情を見せている。総じて、グラフィカルで彫刻的。今までに見たことの無い素材を提案するパワーは健在だ。合間には、今までのプリーツの技術を使用したコートや、パッチワークのシャツなどのベーシックなアイテムが挟み込まれ、コレクションに厚みを加えている。BGMはオープンリールアンサンブル(Open Reel Ensemble)の和田永が、“換気扇サイザー”を使用し、吉田悠と共にパッヘルベルの『カノン』をライブ演奏。終盤で最高潮の盛り上がりを見せ、感動的なフィナーレとなった。
2016年04月10日ラグジュアリーブランドを任されたデザイナーには、伝統を守りつつ時代を切り開く先進性が求められる。2016春夏コレクションでブランドのデザイナー達が出した答えとは。Science & Technologyインターネットは、19世紀の産業革命以上の変化を世界にもたらし、いたるところで新しい価値観を誕生させているが、ファッション界も当然のようにパラダシムシフトの波は押し寄せている。芸術性を極めようとした20世紀から、科学の時代と呼ばれる21世紀が到来し、科学やテクノロジーの中にクリエイティビティーを見出そうとしているのだ。ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のニコラ・ジェスキエールは、架空空間をコレクション会場に設え、テクノロジーを駆使して開発された素材を用い、クチュールの手法で未来型ファッションを描き出した。デジタルネイティブのジョナサン・アンダーソンは、皮革製品の老舗ロエベ(LOEWE)を、レザーを用いることなく彼のリテラシーでいとも簡単に進化させている。また、芸術とテクノロジーの融合を追求するイッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、デザイナーが変わったとしてもプリーズ プリーツの進化版を発表し続けている。デザイナーの宮前義之は、研究室にこもり日夜研究に明け暮れる科学者を感じさせる。3Dスチームストレッチ、ベイクドストレッチと足を止めることはない。21世紀の形が少しづつ見え始めたといわれる今、ファッションは目に見えない、奥深いところで大きな進化を始めているようだ。Arts & Craftsルネッサンス初期には、芸術家という職業は存在せず、後世に名を残す芸術家も職人として仕事をしていたという。ヨーロッパでは芸術と職人技は同じ線上にある。クチュールメゾンにとって職人技を継承することは、最重要課題の一つだ。伝統は人の手と感覚の伝承により生き続けるものだけに、職人のパトロンとなり、仕事を発注することで資金的な援助を行う、パトロネージュの精神は生き続けているのだ。ヴァレンティノ(VALENTINO)は、アフリカの捺染、ウッドビーズ刺繍などのアフリカの部族に伝わる工芸をオートークチュールの域に昇華させ独自の正統派の美学を披露した。片やメゾン マルジェラ(Maison Margiela)のデザイナーに就任したジョン・ガリアーノは、綿密なクチュール技を使いながら、アバンギャルドな表現法でコレクションを構成し、これからの職人によるクチュールへのアプローチをより豊かなものにした。クチュールメゾンだったランバン(LANVIN)には、職人たちの技が今なお伝えられている。アルベール・エルバスは職人たちを讃えて「マニュフェスト」名付けられたコレクションを発表した。テクノロジーの進化は人間の手が担っている。美の追求にも、やはり人間の手と感性は欠かせない、純粋に美しいと感じるものを女性たちは求めて止まないのだ。「ファッションの息遣い」へ進む。「もう一つの視点」へ戻る。
2016年03月30日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2015-16秋冬コレクションは様々に色めいた。デザイナー・宮前義之3シーズン目となる布・3Dスチームストレッチ使いはよりファッションとなり、万華鏡のように煌めいた。テーマはカラースコープ(Colorscope)。線から面と進化して来た3Dスチームストレッチ。今回は色にフォーカスされた。プリントのようにシアン・マゼンタ・イエローの糸を駆使し、1枚布で3Dの花を咲かせた。結晶や花、地層、巻貝と自然界からの色と形のモチーフが現代の技術によってファッションとなる。陰翳が織り込まれたガーメント達は一般的なジャカード織りのような雰囲気。抽象的なフォルムを描くトップスやスカートなどに加え、今回は襟のついたコートやジャケット類が充実した。離れて見ると、豪華な刺繍が施されたような印象だ。グリッド状の凹凸が付いたアウターは2重織り。下層を縮めることにより、スモッキング刺繍のようなディテールをオートマティカリーに創出したもの。雪の結晶のように美しい色とりどりの幾何学模様が彩るワンピース、ジャケット、コートなどは所々黒くシャドーが入り、立体的な表情を醸す。黒のゾーンは切り替えやニットのように見えるが、そうではなく織りの密度を違えている。今更言うまでもないが、すべて予めパターンが織り込まれた1枚布で構築されている。巻貝の構造からインスパイアされたのは、ラストに登場した一連のサーキュラースカートルック。モデル達がベルトで抑えたスカートを一気に解き放ち、ランウエイに満開の花を咲かせ、そのままフィナーレへと突入した演出は会場を熱気の渦に巻き込み、万雷の拍手と共に宮前を迎えた。宮前は、「今回は人に力を与えるなど、様々な印象をもたらす“色”をやりたかった。この3Dスチームストレッチはまだまだ色んなことができる。刺繍の技術をテクニックで置き換えたり」と次へのアイデアは尽きないようだ。実はショーのインビテーションがスカートのパターンを縮小したもの。色や巻貝が印刷されており、今シーズンのテーマが凝縮されていた。
2015年03月09日「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」は9月26日、15SSコレクションを発表した。今回のテーマは「風が描く景色=風景」。雲や水面を揺らすさざ波、砂丘の曲線などを作り出す風から着想したという。驚愕のテクニックを披露した前シーズンだったが、今回はそれを更に進化させたウエアを見せた。デザイナー宮前義之の創造性は止まらない。「3D Steam Stretch」テキスタイルが更に発展した。今回のポイントは、線から面へ。先シーズンは曲線だったが、今回は無数の面が立ち上がるのだ。テキスタイルにあらかじめ“折り目”を織り込んでおき、スチームをかけると折り目に沿い無数の面が現れ、幾何学模様を作り出す。折られる順番も研究して決めたという。このテキスタイルによるトップスやジャケット、ワンピース、パンツが登場。ブラック&ホワイトの他、光のようなライトイエロー、海面のようなブルー、アースカラーなど自然を想起させる色使いで提案された。一見するとお針子が手作業で仕上げるキルティングや刺繍のようにも見える。しかしそうではなく“織る”時点で作り出されたディテールだ。これは技術の進歩がもたらした新しい“テクノロジークチュール”と呼べるのではないか。合わせるアブストラクトな形の帽子も「3D Steam Stretch」。曲線プリーツの1枚布を接いで造形した。他に提案されるウエア達は幾何学模様に合わせられるように、チェックや色とりどりのカラーブロックで構成。ゆとりのあるフォルムが、テーマの通り動くことでそよめく。アイコンバッグ「ガストン」は新たにハンドバッグやトートバッグが登場。もちろんリバーシブルで付属品もオリジナル。ハンドルを着脱して裏返す仕様は使う方も楽しい。また、パラボラアンテナを製造するメーカーと共に作り出したネット状のバッグを新たに発表。テキスタイルからアクセサリーまで日本の技術の結晶だ。奇しくも老舗百貨店ボン・マルシェが日本展を開き、北斎展がグランパレで始まったパリ。「日本に良い風が吹いて来ているのでは。高い技術力を持つ日本の他分野のメーカーと取り組むことで新しいものが生まれたりする。今回のテクニックは構想1年ほど。秋冬に向けて考えていることもある」と宮前デザイナー。次シーズンはどんなコレクションで楽しませてくれるのだろう。
2014年10月02日宮前義之率いる「イッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)」が、13-14AWの新作デニム「シティスケープ・デニム(CITYSCAPE DENIM)」を発売した。”空から望むランドスケープ”をインスピレーション源としたコレクションにちなみ、ストレッチデニムの生地全面には、世界3都市の鳥瞰図が織りで表現されている。整然と並ぶマンハッタンの街並みをチェックに見立てたニューヨーク、道が放射状に広がるパリ、迷路のように複雑に密集した東京。それぞれのシティスケープの上にはイッセイミヤケの路面店の場所が☆マークの箔で印されている。それぞれスリムとストレートの2タイプを展開。価格は各3万6,750円。
2013年08月01日ファッション誌『装苑』の創刊77周年と文化学園創立90周年を記念した、『装苑』と「装苑賞」その歩み展が、9月28日まで東京・代々木の文化学園服飾博物館で開催されている。同展は『装苑』創刊号から最新号までの850冊と「装苑賞」受賞作品84点を展示。それぞれが果たした役割やその歩み、日本ファッションの動向を振り返り、更なる飛躍のヒントを探ることを目的としたもの。1階では『装苑』を展示。最新のパリコレクション情報を紹介するようになった50年代や鷲尾いさ子などの日本人モデルを起用した80年代、ファッションだけでなく建築やグラフィック、映画なども紹介するようになった2000年代など、日本のファッションと共に歩んだ同誌の歴史を紹介している。2階ではこれまでの装苑賞受賞作品を時系列で展示。高田賢三、山本耀司、山本寛斎の各氏の作品から、故熊谷登喜夫氏や故安部兼章氏の作品、14SSからイッセイミヤケ・メン(ISSEY MIYAKE MEN)のデザイナーに就任した高橋悠介の作品までを見ることができる。また、会場奥では、岡田眞澄氏が司会を務めた映像など最終審査会のダイジェスト映像も紹介している。初日の3日には装苑賞受賞者であるコシノジュンコや津村耕佑の他、ドレスキャンプ(DRESSCAMP)の岩谷俊和、ソマルタ(SOMARTA)の廣川玉枝、イッセイミヤケの宮前義之、ネ・ネット(Né-net)の高島一精なども来場。津村氏は「当時もアンチファッションというつもりでデザインしていた。機械の配線図とアフリカから発想したグラフィックを紐で表現するなど、形はシンプルでテキスタイルに凝っている。今の受賞作品達も変わっていないですね」と話した。【イベント情報】『装苑』と「装苑賞」その歩み展場所:文化学園服飾博物館住所:東京都渋谷区代々木3-22-7新宿文化クイントビル1階会期:9月28日まで時間:10:00から16:30(7月19日、9月27日は19:00閉館、入場は閉館30分前まで)休館日:日曜日、祝日、8月11から18日(7月28日、8月4日は開館)入場料:一般500円、大高生300円、小中生200円
2013年07月05日