SUPER JUNIORのカンインが9月8日、東京・五反田ゆうぽうとホールで上演中の『ミュージカル 宮(クン)』の舞台に立った。「もしもまだ韓国に王室が続いていたら…?」という設定の少女マンガ原作のドラマを舞台化。皇太子・シンと平凡な女子高生・チェギョン、互いに違う環境で育った身分が違う男女の恋と成長を描く。シン役は、SUPER JUNIORのカンインと超新星のソンモのダブル・キャスト。この日は、カンインの初日舞台。前日は「遠足の前日の子どもの気持ち」だったというカンインは、登場シーンから緊張なく落ち着いた様子が観てとれ、特に2幕目からはステージを楽しんでいるのが感じられた。ソンモが、クールな中に優しさを秘めたシンだとしたら、カンインが演じるのは、強さと温かさをもった“頼れるお兄さん”のようなシンだ。近寄りがたさを感じさせない、カンインそのものかもしれない。演じる俳優によって、“シンの色”は青にも赤にも、いかようにも変化する。それぞれが演じるシンを見比べてみるのも面白い。アドリブはもちろん、一瞬だけ“SUPER JUNIORのカンイン”が観られるのにも期待してほしい。そして、カンインをはじめ、キャラクターたちの心理を表すアンサンブルは惹き付けられるはず。華やかな演出で、魅力的なキャラクターたちがつむぐ物語の世界にどっぷり浸かり、時に手を叩き、歓声を上げながら楽しんでほしい。『ミュージカル 宮』は、9月13日(木)まで、東京・五反田ゆうぽうとホールにて上演。チケットは発売中。
2012年09月11日いつも笑顔で、淑やかで、それでいて芯のある女性。『天地明察』で宮﨑あおいが演じた“村瀬えん”は、そんな、女性がお手本にしたくなる女性としてスクリーンの中に居る。「最初に台本を読んだときに、とても気持ちのいい女性だと思ったんですよね。そのファーストインプレッションを大切にしたいと思いました」と語る宮﨑さんの、その口調もその表情も気持ちよく、女優・宮﨑あおいがもともと持っている気持ちのいい人柄に、えんという役が引き寄せられたのではないか…と想像してしまう。どんなキャラクターであっても自然とそこに自分を重ね合わせ、まるで自分の一部であるかのように芝居に変えていく、その演技力。宮﨑あおいは本当にすごい女優だ。そのすごさはどうやって生まれているのか──。人に、芝居に、寄り添うこと「これを大事にしようとか、こう演じようとか、現場に入る前に役を作り込むことは少ないんですよね。今回もそうなんですけど…、台本から感じた気持ちよさ、それから、はっきりした女性でもあると思ったので、その潔い感じは頭にありました」と、撮影前の自分自身をふり返る。どの作品においても、どの役においても、ガッチリ役を作り込んで挑むというよりも、現場で求められているものに寄り添い、その場で引き出しを選びながら開けていく作業、それが彼女にとっての演技のようだ。今回の寄り添う先は、もちろん、えんの夫となる人、主人公である安井算哲(岡田准一)。将軍に囲碁を教える名家の息子にして天文学者としてその名を歴史に刻む、生涯にわたって星を追い続けた男だ。「相手が算哲さんだから成り立っているというか、こういう女性だから算哲さんが成り立つというか…。普通は男性が女性を引っぱってくれることの方が多い気がするんです。でも、えんさんという女性はある意味男らしくて、気持ちのいいさっぱりとした人。だからこそ算哲さんも家の心配をすることなく、自分の好きなことに夢中になれた気がするんですよね。ウジウジしない、白黒はっきりしている、そういうところも素敵です。私自身も割りと男っぽい性格ではあるんですけど、えんさんほどではないですね」と、柔らかな笑みを浮かべながらも、まとっているオーラは凜としている。そして、命をかけて新しい暦を作ろうとした算哲に、愛しい眼差しを向ける。「算哲さんは、一つのことに夢中になると周りが見えなくなる人。それによって迷惑をかけるのはダメだけれど、彼の場合は周りがサポートしたくなるというか、こいつがこれをやるなら自分はこれで力になってやろう!という人がたくさんいるんです。それは算哲さんの人徳であり、人間として魅力があるからであって。すごく愛される人だなと思います」。もう一人、「いつもニコニコしていて、(心の)大きな方ですね」と顔をほころばせるその相手は、滝田洋二郎監督。監督の代表作である『おくりびと』が大好きだそうで、「ご一緒できて嬉しかったです。セットで撮影のときは、監督も着物姿なんですよ。それがまたカッコよくて!」と自然と声が弾む。きっと撮影現場も和やかだったのでは…と察しがつくが、初の滝田組の感想は?「私が撮影に参加したのは後半で、2週間ちょっとの短い期間でした。すでに出来上がった現場に入ることが少し不安でもあったんですが、主役の岡田くんが入りやすい現場にしてくれていて。『やっとえんさんが来てくれた!』と、みなさんに温かく迎えてもらって、嬉しかったですね。前半の撮影には過酷なシーンもたくさんあって…出来上がった映画を観たとき、みんなこんなに大変な撮影をしていたんだと、びっくりしました」。宮﨑さんが驚いたというのは、算哲らが北極出地を命じられ、北極星観測で日本を横断する旅の部分。ちなみに、彼女が気に入っているのも北極出地のシーン。滝田監督らしさが出ている微笑ましいシーンだ。「歩幅を数えながら歩いているところで、算哲さんが、『あー!分からなくなってしまった!』って戻る、その引きの画がちょっとコミカルで気に入っています。『おくりびと』もそうですけど、滝田さんの作品にはクスッとした笑いがあって、それがたまらく好きなんですよね」と嬉しそうに語る。「つながる」瞬間星、天体観測、暦というテーマゆえ難しそう…と思われがちではあるが、「なるほど!」とすんなりと理解できる面白さが『天地明察』にはある。また、宮﨑さんが引き込まれたのは、算哲というひとりの天文学者がいろいろな人に支えられながら成長していく、その姿。「人は1人では生きていけないし、いろんな人の支えがあって生きているんだな、というのを算哲さんを見て改めて感じることができました。いい人で、ちょっと抜けているところもあって、それも含めて愛されるキャラクターなんですよね。観終わったときに純粋に面白い映画を観れたなと思える、星に興味がない人であっても楽しめる映画だと思います」。そして『陰日向に咲く』に続いて2度目の共演となる岡田さんとのエピソードとして挙げたのは、算哲とえんが心を通わせるシーンだった。「前回ご一緒したときは、共演シーンの数がそれほど多くなかったので、あまり話す機会はなかったんです。今回、相手役として共演させてもらって見えてきたのは、いろんなことを考えている方だなということでした。芝居に関して、役について…とにかくいろいろ考えている人。例えば、算哲さんがえんに会った瞬間、彼女に想いを抱いたことが明確に分かるシーンがあるんですが、えんさんの場合はそれがなかった。けれど、岡田くんの中では、このシーンがえんさんのポイントになるシーンじゃないか、と考えていて。そういう話を現場で聞けたことが、えんさんを演じる上でものすごくありがたかったんです」。それは、2人で月を見ながら話をしているシーン。互いの想いが通じ合う、2人の絆が生まれるスタート地点でもあり、最後に宮﨑さんは“人とのつながり”を感じる瞬間について──「本当につながっている人とは、ずっと会っていなくてもつながりを感じられると思うんですよね。友達でも家族でもそうですけど、1~2年ぶりに会ったとしても、会った瞬間に時間がスッと戻るというか。そういうときに強いつながりを感じます」と気持ちのいい笑顔で言葉を結んだ。結局、宮﨑あおいのすごさはどこから来るのか、つかめそうでつかめなく…。そんなそこはかとない魅力が彼女のすごさでもあり、だからこそ人はまた宮﨑あおいの気持ちのいい演技を観たくなってしまうのだろう。(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)■関連作品:天地明察 2012年9月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「天地明察」製作委員会
2012年09月10日超新星のソンモと SUPER JUNIORのカンインがダブル・キャストで主演を務める話題の『ミュージカル 宮(クン)』が9月1日、東京・五反田ゆうぽうとホールで開幕した。「ミュージカル 宮」公演チケット情報「もしもまだ韓国に王室が続いていたら…?」という設定の少女マンガ原作のドラマを舞台化。皇太子と平凡な女子高生、互いに違う環境で育った身分が違う男女の恋と成長を描く。2010年秋の韓国初演ではユンホ(東方神起)が皇太子シン役を演じ、アジア各国で話題に。昨年12月の東京公演では、ソンモ(超新星)とキム・キュジョン(SS501)がダブル・キャストを務めた。今回は、舞台セットを全面リニューアルし、劇中の曲が3曲追加される。2度目のシン役を務めるソンモは、会見での「2回目で余裕がある。もっとレベルアップしたステージを見せたい」という言葉通り、登場シーンから堂々たる演技。落ち着きを払い、シンになりきった姿は、自信すら感じさせた。そんな“ツンデレ皇太子”が、一瞬だけ“超新星のソンモ”になるアドリブはファンにはたまらないだろう。ほかの役者との掛け合いも絶妙で、よいチームワークをうかがわせた。観客はほぼソンモのファンという状態で、ソンモにとっては“ホーム”。ファンとの“呼吸”が安心感を生み、ソンモの力となっているようでもあった。シンの相手となる女子高生のチェギョン、ライバルのユル、コン内官、皇太后ほか個性的で魅力的なキャラクターを演じる役者の安定した演技も目を引く。彼らは前回も演じており、もはや“顔なじみ”。声援が飛ぶほどの人気で、演じ手と観客の間に心地よい空気感を生み出す。劇中、随所に笑いがちりばめられ、日本語が飛び交い、お笑いのギャグを入れるサービスも嬉しく、何度も笑ってしまうはずだ。前回を観ていると、おもわずニヤリとしてしまうシーンもある。“アットホーム”な舞台からは、役者陣の「観客を楽しませよう」という心意気がひしひしと伝わってきた。また、より立体的に奥行き感を出した舞台セットやLEDを使った演出にも注目だ。客席をも巻き込んだ、ファンミーティングさながらのサプライズ演出は、ぜひ楽しみにしていてほしい。「ミュージカル 宮」は、9月13日(木)まで、東京・五反田ゆうぽうとホールにて上演。ソンモは7日(金)まで出演、8日(土)からはカンインが舞台に立つ。チケットは発売中。なお、4日(火)から6日(木)までの14時公演にはソンモのハイタッチ会が行われるほか、ソンモのサイン入り公演パンフレットと『宮』オリジナルTシャツ付きの当日引換券の発売が決定している。
2012年09月03日2011年に東京で上演され、人気を博した韓国の『ミュージカル 宮』。東京では2回目となる公演が、9月1日(土)より東京・五反田のゆうぽうとホールにて開幕する。「もしもまだ韓国に皇室が続いていたら…?」という斬新な設定の韓国の人気少女マンガを原作にしたハートフルでコミカルな皇室ラブストーリー。今回、主人公の皇太子シンに大抜擢されたSUPER JUNIORのカンインに話を聞いた。「ミュージカル 宮」公演チケット情報全世界を舞台に大活躍中の人気グループSUPER JUNIORだが、カンインは今年4月に除隊したばかり。ミュージカルには初挑戦となるが、出演の決め手となったのは何だろう?「7月にリリースした新アルバムで、SUPER JUNIORのメンバーとしてはご挨拶できましたが、カンイン個人として、ファンのみなさんにどうやってご挨拶したらいいのかをいろいろ考えていました。そんな時にこのミュージカルのお話をいただきました。とても魅力ある作品だし、テレビ画面を通してではなく、直接ファンのみなさんにお会いしたいと思い、出演を決めました」カンインは、昨年に続いて再びキャスティングされた超新星のソンモと、ダブルキャストでシン役を務める。カンインが表現するシンは男らしさや強さを秘めていて、今まで数多くのアイドルが演じてきたシンとは一味違った魅力を見せるという。「シンは宮中で壁に囲まれて生活し、その壁から外に出れないことで苦しんでいるんですが、私たち芸能人も作られたイメージや世間の視線を意識しながら生活しています。だから、シンの気持ちがわかるというか……最初は私が、気難しくクールな性格のシンを演じるのは大変だと思っていたんですが、私の中にもシンのような一面があるんだなぁと思いました。シンに感情移入しすぎて、練習中に涙が出そうになったりもしました(笑)。私なりのシンを表現できるよう、グループのメンバーをはじめ、ドラマでシンを演じたチュ・ジフンさんなど、周りから多くのアドバイスをいただきました」除隊後、久々にファンの前に姿を見せるカンイン。本作が自身にとって最高の復帰作だというカンインに、ファンに向けてのメッセージをもらった。「久々にファンのみなさんにお会いできることがとても楽しみです。観てくださる方々に共感していただけるような舞台にできるよう、一生懸命練習します。素晴らしい姿をお見せしますので、皆さんもぜひ期待してください!」『ミュージカル 宮』は9月1日(土)より13日(木)まで東京・五反田のゆうぽうとホールにて上演。カンインは8日(土)公演より出演。なお、このインタビューの全文は雑誌「韓流ぴあ 9/30号」(8/22売り)に掲載。
2012年08月23日人気ドラマの世界を歌とダンス満載で舞台化した『ミュージカル 宮』。東京では2回目となる公演が、9月1日(土)より東京・五反田のゆうぽうとホールにて開幕する。「立憲君主制が続く韓国の、飛び切り素敵な皇太子と平凡な女子高生が結婚したら?」という設定のハートフルでコミカルなこのミュージカル。昨年12月の公演に続いて、主人公の皇太子シンを演じる、人気グループ・超新星のソンモに話を聞いた。超新星ソンモのインタビューの写真同作は、ソンモにとって初挑戦となったミュージカルだ。「昨年、このミュージカルに主演できたことは個人的に、一番のいい思い出になりました。舞台での本格的な演技は初めてだったので、実力不足のところで思わずアドリブをしてしまったこともありました。でも、ファンのみなさんが応援や笑顔で反応してくれて、とても勇気が出ました。今でも『また観たいなぁ』という手紙をもらいます」と笑顔を見せた。若くして皇帝になることを決められているシンは、周りにいる人々にも心を開かないクールな人物。そのイメージはどこか自身と重なるところがあるという。「僕が超新星の中で担当するイメージとシンのイメージが近いので『似合う』と言われました。あまり喋らないし、無表情なところが……(笑)。セリフも誰かが喋った言葉に応えるものが多く、表情があまり変わらなくても『そのままでいいよ』って」。2010年秋にソウルで初演され、再演を重ねるごとにバージョンアップしてきた同作。今回は美術などをリニューアルし、より立体的で美しい舞台となるという。また、SUPER JUNIORのカンインが新たに加わり、ダブルキャストでシン役を演じる。「カンインさんとは共通の友達がいて、ご飯を食べに行ったりしたこともあります。最初の稽古の日に会ったので、隣に座って、僕が『このシーンはこうした』『このシーンはこんな雰囲気でこういうアドリブをした』という話をしました」と明かしてくれた。グループでの活動も続くハードスケジュールの中、演出家との“男の約束”を守るために出演を決めたというソンモ。最後にファンに向けてのメッセージをもらった。「みなさん、男前ソンモです!みなさんのおかげで今年も『ミュージカル 宮』の主人公を演じられることになってとても感謝しています。今回のチケットが100%売切れになったら来年も絶対やります!だから、たくさん応援してくださいね。いい思い出を作りましょう」。このインタビューの全文は雑誌「韓流ぴあ 9/30号」(8/22売り)に掲載予定。取材・文:佐藤 結
2012年08月15日2011年に東京で上演され、人気を博した韓国の『ミュージカル 宮』が、9月1日(土)より東京・ゆうぽうとホールにて再上演が決定。人気K-POPグループのSUPER JUNIOR(スーパージュニア)のメンバー、カンインが初出演することがわかった。『ミュージカル 宮』キャストの写真『宮』は、「もしもまだ韓国に王室が続いていたら…?」という斬新な設定が韓国で人気となった少女マンガを原作にした皇室ラブ・ストーリー。韓国で2006年にドラマ化され、世界23か国で放送されるなど大ヒット。2010年秋に韓国でミュージカル化され、東方神起のユンホが皇太子・シン役を好演し、韓国・日本をはじめアジアで話題となった。さらに、昨年6月には京都・南座にて日本初上陸を果たし、12月に東京で上演。京都公演でも主演したキム・キュジョン(SS501)と、ミュージカル初挑戦のソンモ(超新星)がダブル・キャストでシン役を務めた。2度目となる東京公演ではカンインとソンモがダブル主演し、ソンモが初日から9月7日(金)まで、カンインが8日(土)から13日(木)までシンを演じる。舞台は、伝統美を活かした豪華な衣裳と、コミカルなストーリー展開、ダンスバトルなどが見どころ。セットも全面リニューアルされるという。『ミュージカル 宮』(全23回公演)は、9月1日(土)より同13日(木)まで東京・ゆうぽうとホールにて上演。チケットは7月21日(土)10時より一般発売される。
2012年06月29日「どれだけ会わなくても心の部分でつながっていれば大丈夫なんだって、家族のつながりや血のつながりを考えましたね…」。女優・宮﨑あおいがそんなふうに愛しい視線を注ぐのは、新作映画『わが母の記』。昭和の文豪・井上靖の自伝的小説を、役所広司、樹木希林といった日本映画界を代表する豪華キャストで描いた“家族”の愛、“親子”の絆の物語だ。一昨年の『オカンの嫁入り』、昨年の『神様のカルテ』、『ツレがうつになりまして。』、そして『わが母の記』──家族をテーマにした作品が立て続く彼女にとって『わが母の記』は再度家族の大切さを見つめ直すきっかけとなったに違いない。宮﨑さんが演じるのは、作家・伊上洪作(役所広司)の三女・琴子。写真を撮ることが大好きで後にカメラマンとなる、意志の強い頑固な女性だが「自分と重なるところもあって、分かるなって。共感できないところはほとんどありませんでした」。自分に近い性格だったと明かす。とはいえ、宮﨑さんにとって原田眞人監督の現場は今回が初。緊張もあったはずだ。クランクイン前のリハで「自分の役を100%把握していないと置いて行かれてしまう!」と感じたその不安は、現場でどう変化したのだろうか。「一つのシーンを長回しで何度も撮るんですが、それは(スタッフもキャストも)体力のいること。かつ気の抜けない現場でした。監督は基本的にはとても優しい方なんですが、撮影中は声を荒げることもあって、明日は我が身…と思いながら演じていました」。印象深く残っていることについては、原田監督ならではの細やかな演出を挙げる。「アヒル口は10代まで、と言われました(笑)。あと、後ろに出ていくときや振り向くときには、顎から動かして目は後からついていくようにするなど、そういった細かい指示もありましたね」。撮影時は監督の期待に応えることで精一杯だったそうだが、完成した映画を観て「そういうことだったのか!」と深く納得、原田監督の凄さを再確認したとうなずく。撮影は、原作者・井上靖が家族と共に過ごした東京・世田谷の自宅で行われた(※撮影後、旭川へ移築)。井上氏の面影とも言えるその家の中で、琴子の祖母・八重(樹木希林)、琴子の父とその兄妹、琴子ら三姉妹──三世代にわたる伊上家の面々の人生が描かれる。「たくさんキャストの方がいて、つねにいろいろな所から声が聞こえていて、明るくて楽しい現場でした。私とあこちゃん(菊池亜希子)は、もの静かなタイプで、ミムラさんと南(果歩)さんは場を和ませてくれていました。私がいつもお菓子を持っていたので、今日はコレです!と差し入れをして、お菓子をつまみながらみんなで編み物をしたりということもありました」。そんな控え室の風景からは和やかさが伝わってくるが、映画で描かれる伊上家の根底に横たわるのは和やかさだけではない。八重の老いを通じて明らかになる母と息子のわだかまり、父に対する三姉妹の反発。どの家族も向き合わなければならない問題を、愛をもって提示するのがこの映画の素晴らしさだ。それを代弁する演技派揃いの俳優たちも、もちろん素晴らしい。疑似家族の親子を演じた『ユリイカ』(’01)以来、12年ぶりに役所さんとの共演を果たした宮﨑さんは「役所さんに大人の色気を感じた」と、自分自身の成長を喜ぶかのような言葉を口にする。「10代の子供に大人の男の人の色気は分からないですからね。それを感じられたことが嬉しくて。役所さんの色気は、空気感というか、落ちつきがあるというか、ギラギラ感がないというか、いや…それだと伝わらないかな。とにかく、色っぽいんですよ。(先輩俳優として)一緒にいるとすごく緊張するし、何を話したらいいのかそわそわするんですけど、自分のことを子供の頃から知ってくださっている方なので、落ち着くんですよね」。祖母役の樹木さんからも“女優の凄さ”をひしひしと感じたと言う。「樹木さんの年を重ねていく演技はすごいなと思いました。私は、琴子の中学生から20代を演じましたが、おさげにして前髪も作ってもらうことで気持ちも子供に戻るし、動きも変わってくるんです。意識的に声の出し方や話すスピードは変えていますが、いつも衣裳やメイクに助けられています。けれど、おばあちゃん役となると(見た目では)琴子のように違いを出すことは難しいと思うんです。だからこそ、あれだけの時間経過を表現されていた樹木さんの演技は凄いなと。あの演技を見てしまうと“自分は役者です”と言えなくなるような、それほどの凄さでした」と、尊敬と憧れを伝える。そして、八重の老いを通じて自分と母親とのこれからを考えたと優しくほほ笑む。「今はまだ具体的には考えられない年齢ですけれど、母が楽しいと思える毎日を送ってほしいと思いますね。この映画でも母(八重)の強さや優しさが描かれていますが、お母さんって本当に最強です。いつも見守ってくれていますし、子供に対するアンテナは凄いですよね。疲れていたり悲しいことがあったときになぜかメールが来たり、自分がギリギリ(の精神状態のとき)だと声を聞いただけで泣いてしまったり。私もそういうお母さんになれたらいいなと思います。ただ、友達のお母さんと話しているときに、母親にとっては子供に甘えてもらうのが幸せなんだと聞いたので、今は甘え続けて(笑)、でも支えてあげられる部分も徐々に増やしていけたらいいですね」。そう宮﨑さんが感じたように、この映画を観た誰もが母との過去、母との未来を考えるだろう。家族についても──「兄妹とは、年を重ねれば重ねるほど絆が深まっていく気がします。兄妹にしか分からないつながりもありますし、絶対的な信頼もある。家族や親戚を含めて、血がつながっている人たちがいるという幸せを感じています。だからこの映画のように大家族で一緒に住んでいる感じはすごく羨ましいんです。煩わしいときもあるんでしょうけど、家族がいっぱいいるっていいですよね、家のいろいろな所から声が聞こえてくる感じとかいいですよね…」。撮影当時をふり返りながら自身の母への想い、家族への想いを語る宮﨑さんの表情は終始穏やかで優しさに包まれていた。『わが母の記』は、愛している人へ自分の想いを伝えたくなる、そんな映画であることを彼女の微笑みが物語っていた。(photo:Yoshio Kumagai/text:Rie Shintani)■関連作品:わが母の記 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「わが母の記」製作委員会■関連記事:シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第26回)あなたの“理想の母親”女優は誰?樹木希林、認知症の役は「やりたがる役者がいないので私に回ってくる(笑)」理想の“尽くす男”たちを発表!水嶋ヒロ、役所広司ら“侍”型の俳優たちが上位に役所広司、宮崎あおいからの「色気がある」という言葉に大テレシネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第24回)理想の“尽くす男”俳優は?
2012年04月25日キム・キュジョン(SS501)とソンモ(超新星)がダブルキャストで主演を務める話題の韓国ミュージカル『宮』が、東京国際フォーラム ホールCで上演中だ。『宮』は、「もしもまだ韓国に皇室が続いていたら…?」という斬新な設定の韓国の人気少女マンガを原作にした皇室ラブ・ストーリー。皇太子のイ・シンと普通の女子高生から皇室に嫁ぐ“シンデレラ・ガール”のシン・チェギョンと、互いに違う環境で育った身分が違う男女の恋と成長を描く。12月24日(土)からイ・シン役を演じるキム・キュジョンに話を聞いた。「ミュージカル宮」公演チケット情報同作は、2010年秋に韓国でミュージカル化され、ユンホ(東方神起)がイ・シン役を熱演し、韓国・日本をはじめアジアで話題となった。そして、キム・キュジョン主演で、今年6月に京都、9月に韓国で再演され、好評を受け、東京での上演が決定。キム・キュジョンは3度目のミュージカル挑戦となる。「京都の時はミュージカルが初めてで、ソウルの時は韓国でミュージカルの舞台に立つのが初めてで緊張しました。今回は細かいところに気をつけて、新しい一面も見せられるように、細かい動き一つひとつについて考えて準備してきました。緊張よりも楽しみのほうが強いですね」と舞台を心待ちにしているようだ。イ・シン役も3度目となり、演技の変化を訊いてみた。「最初はクールだけど、最後は優しい男になるというのは、同じですが、今回はすごく細かいところにシンの性格が出ると思います。たとえば、チェギョンとケンカ別れした後のシーンで、今までのシンはただひたすら怒ってました。でも、これまでシンを2回演じながら、シンも実は悲しいのでは?と思ったんです。これまでが、我が強くて孤独なシンだとしたら、今回は心の内側に淋しさを抱えたシンというのを見ていただけると思います」と、よりキャラクターの心情に迫るようだ。「ミュージカル 宮」の魅力とは何だろうか?「初めに東方神起のユノ先輩が主演してから今まで、長い公演を経て、このミュージカルは成長してきました。本当に面白い作品だし、演じていても楽しいミュージカルです。“18歳の恋愛”がテーマなので、観ている方も初恋や学生時代の甘酸っぱい恋愛を思い出していただけるのでは?今回は“18歳の恋愛”をきちんと見せたいです。前よりグッと子どもっぽいところも増えたし、コミック原作らしく“マンガ的な表現”も多くなりました。そういうところが、このミュージカルの面白味なんじゃないかな」。「ミュージカル 宮」は、2011年12月30日(金)まで、東京国際フォーラム ホールCにて上演。なお、24日(土)・25日(日)には、キム・キュジョンら出演者によるアフタートークが決定している。チケットは発売中。なお、このインタビューの完全版は、@ぴあインタビュー(にて掲載。キム・キュジョン自身の恋愛についても語っている。
2011年12月23日韓国・ソウル、京都で上演され、人気を集めた『ミュージカル 宮』がいよいよ12月16日(金)、東京国際フォーラム ホールCにて開幕する。『ミュージカル 宮』のチケット情報『宮』は、「もしもまだ韓国に王室が続いていたら…?」という斬新な設定で、韓国で大ヒットを記録した人気少女マンガが原作の皇室ラブ・ストーリー。2006年にドラマ化され、世界23か国で放送。2010年秋にはミュージカルにもなり、東方神起のユンホが皇太子・シン役を演じて、アジアで話題となった。また、SS501のキム・キュジョンが主演で、今年6月に京都、9月に韓国で再演された。本公演では、前回に引き続き、皇太子・シン役を演じるキム・キュジョンと超新星のソンモによるWキャストが話題だ。現在、チケットぴあでは、Facebookにて 「ミュージカル 宮」にキャッチコピーをつけよう!」キャンペーンを実施中。チケットぴあのFacebookページにてキャッチコピーを募集している。投稿されたキャッチコピーの中から最も優秀な作品をチケットぴあで紹介する。キャッチコピー受付は12月16日(金) まで。『ミュージカル 宮』のチケットは現在発売中。
2011年12月07日♪ドブネズミ みたいに 美しくなりたい 写真には 写らない 美しさが あるから宮﨑あおいの歌声でおなじみ「earth music&ecology(アース・ミュージック&エコロジー)」2011 冬のテレビCMが、本日10 月19 日(水)より配信される。今回の新CMは、現在放送されている秋篇に引き続きとある旅先を舞台に、宮﨑さんが、ザ ブルーハーツ のメジャーデビュー曲「リンダ リンダ」を、エレキギター片手に披露する。実際に演奏しながら、ひとつひとつの歌詞に精一杯の思いを込めた弾き語りは、必聴もの。また、CMに登場するニットカーディガンは、手編みで作られており、機械編みではできない独特の編み柄や、ふくらみが特徴の逸品。宮崎さんの歌声や衣装、ますます目の離せないCMとなっている。・手編みケーブルニットカーデ:5,990 円・フレグランスボーダーカットソー:2,900円・ギャザースカート:4,900 円・ネックレス:4,900 円・スエードブーツ:9,900 円
2011年10月19日韓国出身の人気グループ・超新星のソンモが、12月16日(金)より東京国際フォーラム ホールCで上演される韓国『ミュージカル 宮』(全20回公演)に出演することになった。超新星の公演チケット情報同ミュージカルは、今年6月に京都・南座で上演され、韓国アイドルグループ・SS501のキム・キュジョンが出演した。キム・キュジョンは、東京公演にも引き続き出演し、ソンモとダブル・キャストで皇太子イ・シン役を演じる。舞台は、伝統美を活かした豪華な衣裳と、コミカルなストーリー展開、ヒップ・ホップ・ダンスバトルなどが見どころ。『宮』は、「もしもまだ韓国に王室が続いていたら…?」という斬新な設定の韓国の人気少女マンガを原作にした皇室ラブ・ストーリー。韓国で2006年にドラマ化され、世界23か国で放送されるなど大ヒットした。2010年秋に韓国でミュージカル化され、東方神起のユンホが皇太子・シン役を好演し、韓国・日本をはじめアジアで話題となった。『ミュージカル 宮』は、12月16日(金)より同30日(金)まで、東京国際フォーラム ホールCにて全20回公演で上演。チケットは、チケットぴあ(にて、10月12日(水)11時まで最速抽選「いち早プレリザーブ」を受付、10月8日(土)よりインターネット先行抽選「プレリザーブ」が受付開始となる。同14日(金)10時より一般発売される。
2011年10月07日