【ご相談】3年後にマイホームを考えています。でも、家計のやりくり方法がわかりません。30歳主婦です。毎年100万円は貯蓄をして、3年後にはマイホームが欲しいと考えているのですが、家計のやりくり方法がよくわかりません。今の状態の問題点を教えてください。埼玉県在住 小林 美和さん (仮名)【回答】毎年100万円の貯蓄を継続し、3年後にはマイホームをとお考えなのに、家計のやりくり方法がわからなくなってしまったのですね。1.目標設定2.現状把握3.予算立て4.実行の順番でお金の流れをガッチリつかみ、マイホームの夢をかなえましょう。(ファイナンシャルプランナー 中垣 香代子からのアドバイス)お金を貯めるときに大切なのは、「使った残りを貯める」のではなく、「必要な分を先に取り分ける」ことです。幸い小林さまの場合、貯めたい金額とボーナスの金額がほぼ同じです。ですから、毎月のやりくりを月収の範囲内に収めればいいのです。それでは、毎月の支出を月収の範囲内に収めながら、住宅購入に必要な金額を貯める方法を考えていきましょう。1.具体的な目標を設定しましょう毎年100万円ずつ貯蓄をして、3年後に住宅購入をしたいとのことですが、購入する住宅を価格3,000万円の新築マンションと仮定してお話しします。住宅ローンを組む際に、金融機関から借りられる金額は年収の30%が目安といわれていますが、それはあくまでも借りることのできる金額です。借りることのできる金額が、無理なく返済できる金額とは限りません。それでは、小林さまが安心して返済できる金額はいくらなのでしょう。現在の住宅関連費は家賃が毎月105,000円、年間では126万円になります。このほかに、年間貯蓄目標の100万円から20%を住宅関連費に加えるとしたら、1年間で住宅にかけられる金額は146万円ということになります。固定資産税、管理費・修繕積立金、駐車場代など、住宅購入後に毎年かかる費用を年間50万円とした場合、ローンの返済に回せるお金は、146万円-50万円=96万円となります。月額にして約8万円です。毎月の返済金額を8万円とし、利率1.5%、元利均等返済で35年ローンを組んだ場合、借りられる金額は約2,600万円になります。3,000万円の物件を購入するには、一般的に物件価格の10~20%を頭金として用意する必要がありますので、400万円ほど準備が必要となります。また、新築の物件を購入する際にかかる諸経費は、物件価格の約5%程度必要です。仮に150万円とすると、住宅購入資金として約550万円を準備しておく必要があります。また、住宅購入後に家計に大きな変化があり、ローンの返済が滞って、せっかく手に入れた住宅を手放さなくてはならないことになったら大変ですね。家計の変化に備えて、生活費の6カ月分を予備費として常に備えておくことをおすすめします。小林さまの生活費は毎月約30万円、6カ月分で180万円です。住宅購入の頭金や諸経費に550万円を支出した後に予備費を180万円残しておくには、730万円必要になります。貯蓄の目標額が決まりました。次は現状把握です。2.今の状況を正確に把握しましょう今回のご相談にあたって家計の収支状況を出していただきました。月々の収支は分かりましたが、「その他の年間支出」は本当にゼロでしょうか。旅行や帰省、特別なイベント、自動車税、火災保険料など、年に数度の支出はありませんか?毎月コンスタントにかかる支出と、年に1度~数度の特別な支出を分けて考えると家計管理はグンとわかりやすくなります。特別な支出は手帳などにメモをしておくと、次の年には「いつ、いくら、何に必要か」がわかり、その時になって「お金がない!」とあわてなくて済みます。3.具体的に予算を立ててみましょうお金を貯める基本は、「先取り貯蓄」です。ボーナス110万のうち、100万円を貯蓄に回しましょう。残った10万円は特別な支出にあてます。毎月の支出は月収の範囲内に収めましょう。家計の見直しをするときには、1度行えば効果が長続きする固定費から行います。小林さまの家計の固定費で削減できそうなものは、「通信費」と「保険料」。通信費の内訳はインターネット回線料(プロバイダーなどに支払う料金)、携帯電話、固定電話でしょうか。インターネット回線料は、月5,000円以下の会社もあります。携帯電話も利用実態と契約プランがあっているのか見直しをした方がいいでしょう。使っていないオプションがついていませんか?スマホをお使いなら、格安スマホなどを検討してもいいですね。格安スマホの事業者によっては、1カ月のデータ通信が10ギガまで3,000円というプランもあります。固定電話やケーブルテレビと合わせても、通信費は2万円もあればお釣りがくるように改善できそうです。保険料については、「保険の加入状況」で提示いただいた保険料と、「毎月の支出」の中の保険料とで金額に差がありますが、保険の加入状況の内容で見直しを考えてみます。医療保険が40歳満期というところが気になります。10年更新型の医療保険でしょうか。更新型であれば、10年ごとに保険料が上がります。死亡保障が250万円付いているので、通常の医療保険よりも更新による保険料アップの影響を大きく受けます。一般的に、医療保障は医療保険、死亡保障は生命保険と切り分けて入ると、効率のよい保険の入り方ができます。たとえば、医療保障のみに絞ると、入院給付金日額が今よりも多い5,000円、しかも一生涯の保障という医療保険で、29歳男性の場合、保険料が1,300~1,500円程度で加入できるものがあります。死亡保障に関しては、現在終身保険と収入保障保険に加入されていますが、終身保険に入られた目的は何でしょうか。終身保険は一生涯の保障となるので、一定期間を保障する定期保険や収入保障保険に比べて保険料が一般的に高くなります。老後も1,000万円の死亡保障をできるかぎり確保したいというご希望なら、終身保険の一部(700万円)を90歳までの定期保険にすることで、毎月の保険料を8,100円程度減らすことができます。医療保険の削減分と合計すると、11,200円ほど支出を減らすことが可能になります。4.実行に移しましょう以上の見直しをすれば、ご希望の通り年間100万円を貯めることは可能です。ただ、住宅購入資金として730万円を貯めるには7年以上かかってしまいます。また、把握していなかった年間支出がある場合にはさらに時間がかかってしまいます。そこで小林さま、少し収入を得るようにしてはいかがでしょう。小林さまが収入を得るようにされ、そのうち、月5万円、年間60万円を貯蓄に加えることができれば、5年後に800万円貯蓄でき、住宅購入がグンと近づきます。今回は、年間貯蓄目標額100万円のうち、20%を住宅関連費に回す計算で予算立てを行いましたが、もう少し住宅関連費に回せそうならば、無理なく返済できる金額が増え、準備する現金が減ります。そうなれば、住宅購入の時期がさらに早くなりますね。老後に必要になるお金、家族構成の変化が考えられるのであれば、それに必要なお金を備えた上で、検討してみましょう。無理のない住宅購入計画と先取り貯蓄で、住宅購入後も今も、心とお財布にゆとりある暮らしを目指しましょう。コラム執筆者プロフィール 中垣 香代子(なかがき かよこ)CFP(R)/2級ファイナンシャルプランニング技能士損害保険会社に約10年勤務後、子育てに専念。約20年間の専業主婦の後、ファイナンシャルプランナーとなる。「老後のお金サポーター」として、相談業務の他、40~50歳代女性にお金の知識をわかりやすく伝える活動をしている。また、自身の経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが一人でも減ることを願い、就学支援の情報発信にも力を入れている。老後のお金を一緒に考える事務所 所長。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年07月05日【ご相談】毎月赤字で貯蓄できません。頑張っているのに、何がいけないのでしょうか?なかなか貯蓄まで手が回りません。切り詰めてやっているつもりですが、どこか改善するところがあれば、教えていただけると助かります。三重県在住 小川 裕子さん (仮名)【回答】貯蓄の王道は先取り貯蓄です。やりくりの前に固定費を見直して削減し、お金との付き合い方を変えましょう。ストレスなく貯まる家計をつくることができます。(ファイナンシャルプランナー 橋本 絵美からのアドバイス)育ち盛りのお子さま2人を育てながらパートもやりくりも頑張っている小川さま、毎日があっという間に過ぎていることでしょう。なかなか貯蓄まで手が回らないというお気持ち、わかります。お金と上手に付き合って、貯まる家計をつくりましょう。ポイント1「使う」と「貯める」の順序を変える貯蓄まで手が回らない!とのことですが、お金が貯まらない理由が実はここにあります。小川さまはお金を「使う」のと「貯める」のとでは、「使う」方が先になっているようです。先にお金を「使う」と、「貯める」分が残るかどうかわかりません。ですが、先に「貯める」と必ず貯まります。当たり前のようですが、その当たり前が貯蓄の王道なのです。給料が入ったらまず「貯める」、そして残りを「使う」ように順序を変えましょう。今は自動車もローンで購入されていますし、他にもローンがおありのようですが、今後ローンで何かを購入するのはやめましょう。住宅以外でローンを組まなければいけないような支出はするべきではありません。必要だと思っても、一括で購入できる資金がない時点で「購入すべきではない」と判断し、お金が貯まってから購入するようにしましょう。ポイント2「貯める」目的、金額、保管場所を決めるまず「貯める」目的をはっきりさせましょう。小川さまはお子さまが2人いらっしゃるので、教育資金を準備する必要があるのではないでしょうか。小中高は月々の収入から賄うのがベストですが、大学進学のための費用を月々の収入から賄うのは大変なことです。国公立大学へ進学し、自宅から通学する場合でも、平均で入学費用(※)として81.9万円、さらに在学費用として毎年93.9万円かかります(日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」平成27年度より)。自宅外通学をしたり私立大学に通うと、さらに費用がかかることになります。大学進学にかかる費用を全て貯蓄しておくのは難しいかもしれませんが、最低でも入学費用の82万円程度は準備しておいた方がよいでしょう。大学入学までの期間は、ご長男の場合あと13年ですので、毎年7万円(月々約6,000円弱)貯蓄していくことで91万円貯まります。ご次男の場合はあと17年ですので、毎年5万円(月々約4,000円強)貯蓄していくことで85万円貯まります。まずはお2人の大学進学の資金として、毎月1万円を貯めるところから始めましょう。※「受験費用」、「学校納付金(入学金、寄付金、学校債など、入学時に学校に支払った費用)」、「入学しなかった学校への納付金」をあわせた費用。目的と金額がはっきりしたら、貯蓄の保管場所を決めます。給料と同じ口座に入れておくと使ってしまう可能性が高いですので、学資保険等の貯蓄型の保険を利用して貯蓄することをおススメします。貯蓄型保険に加入して払込方法を口座振替にしておくと、自動的に引き落としされるので強制的に貯蓄をしていくことができます。解約するには手続きが必要なため、手間がかかることが流用への抑止力にもなります。ボーナスについても手取りの4分の1は予備費として先に貯蓄しておくようにしましょう。こちらも貯蓄専用口座を設け、現在の貯蓄300万円と合わせて、今後大きな家具、家電の買い替え、引越し等環境の変化や経済状況の変化等、何かあったときの備えとして蓄えておきましょう。ポイント3変動費のやりくりではなく固定費を削減する現在の使い方で改善すべき点を考えてみましょう。月々の支出は固定費とやりくりが可能な変動費とに分けることができます。節約というと変動費にあたる食費や日用品費を減らしたくなるかもしれませんが、貯蓄まで手がまわらない状態で、ここばかり目をむけて節約すべきではありません。まず改善すべきは固定費です。切り詰めているのに貯蓄ができないのは固定費が大き過ぎるせいです。固定費の削減は手続きが少々手間かもしれません。ですが、一度手続きをしてしまえばずっと削減でき、その分貯蓄に回せますから、まずは固定費を見直しましょう。見直しの対象としてまず挙げられるのは通信費です。月22,000円ということは、内訳は自宅のネット回線、固定電話とスマートフォン2台といったところでしょうか。今お使いのスマートフォンによっては、端末をそのまま利用して格安スマホに乗り換えることができます。格安スマホなら、2台で「基本料金3,000円程度+通話料」などに抑えることが可能な場合があります。解約違約金が1台につき1万円程度かかったとしても、2~3カ月で元がとれます。なお、そのままの端末では格安スマホを利用することができないこともあります。その場合は新しく端末を準備する必要があります。また、パソコンやタブレットを利用する際にはスマートフォンのテザリング機能を利用することにして、自宅のネット回線、固定電話の解約も検討しましょう。ただし、テザリングができない端末もありますので、事前にご確認ください。仮に現在の端末のまま格安スマホに変更し、自宅のパソコンやタブレットはスマートフォンのテザリング機能で使用することにしてネット回線は解約、固定電話も解約したとすると、通信費は現在の2万2,000円から6,000円程度とすることも可能ですので、約16,000円も節約できます。次に自動車関連費です。自動車の利用頻度はどれくらいでしょうか?お住まいの地域によって自動車は足代わりで必須ということもあるでしょう。ですが、週末に利用するのみという利用状況であれば、自動車を持たない暮らしをしてみるのはいかがでしょうか?筆者の実家は田舎にあり、自動車は一人一台必須ですので、自動車が必要な暮らしもわかります。ですが、筆者自身は子どもが4人いますが、自動車を持たず、電動自転車を愛用しています。お子さまを乗せられる電動自転車の場合、機種にもよりますが、初期費用は15万円ほどです。その後の駐輪場代、電気代を考えても自動車とは比べ物にならないくらい安いです。また、最近はカーシェアリングも充実していますし、どうしても必要なときだけタクシーを利用するという方法もあります。現在自動車にかかっている費用(月53,000円)ほど、果たしてタクシーを利用するかどうか、考えてみてください。自動車関連費の節約はかなり効果が大きいです。また、支出全体のなかの大きな費用としては住居費が挙げられます。現在、自動車関連費と自動車ローン、住居費を合算すると、9万円+2万2,000円+3万1,000円で14万3,000円かかっています。自動車と住居をトータルで考えてコストが削減できる暮らしを考えてみてください。例えば、自動車を持ち続ける代わりに家賃の安い郊外へ住み替える。または、少し家賃が上がっても便利な場所に住み替えて自動車を手放す。このように両方を併せて考えた上で削減しましょう。住み替えには引越し代や敷金・礼金がかかりますので、大幅に家賃を下げられる可能性のあるUR賃貸住宅(旧公団住宅)等の利用も検討されてはいかがでしょうか。現在の大家さんに家賃交渉をしてみるのも一案です。コスト削減のために住み替えを検討中と伝えれば、値下げに応じてくれることもあります。まとめまずは毎月の先取り貯蓄を始めましょう。そして固定費(通信費、自動車関連費、住居費)については費用を抑えられる方法に至急変更しましょう。極論を申し上げますと、先取り貯蓄をしていれば残りは使ってしまっても構わないのです。ただしローンは絶対に×。欲しいもの、または必要だと思うものであっても、ローンで購入するのではなく、「貯まってから買う」を徹底してくださいね。これで家族4人が豊かに楽しく暮らせる家計が実現できるはずです。コラム執筆者プロフィール 橋本 絵美(はしもと えみ)2級ファイナンシャルプランニング技能士/お片付けプランナー子ども10人の幸せ大家族を目指す、現在4人の子どもを持つママ ファイナンシャルプランナー。「子ども=お金がかかる」という考え方ではなく、子どもは宝であり、ママたちが安心してもう一人子どもを生めるようにサポートしたいという思いから、ファイナンシャルプランナーとなる。お金とモノとの付き合い方を考え、お片付けプランナーとしても活動中。家族が笑顔になれる家計のやりくりとお片付けのアドバイスを行っている。明日から使える節約コラムやママ向けセミナーも好評。慶應義塾大学商学部卒業。ハピママlabo代表コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年06月07日こんにちは、ママライターのみいゆです。唐突ですが、皆さんは家計簿つけていますか?きっちり細かくつけている方と大まかにつけている方、面倒くさいからつけていないという方に分かれそうですね。私もズボラなので、つけたとしても一週間続けば上等という感じです。しかし、家計簿の効果を知ればあなたも早速今日からつけたくなるかもしれません。今回はそんな「家計簿が続かない」、「面倒だから嫌だ」という方向けに、家計簿をつけることのメリットや長続きする家計簿のつけ方をご紹介します。●家計簿はつけるだけでお金が貯まる『夫の転職と私の妊娠により退職が重なり、家計が火の車になっていた時期がありました。もう家計簿をつけるまでもなかったんですが、お金の収支はきちんと把握しておかなければならないと思い、家計簿をつけ始めました。始めは赤字でため息しか出なかったんですが、続けていくとここにかかったムダなお金を節約しよう!という風に改善しました。あとは何にいくらかかるのかを書き込むことで、将来のプランを立てやすく 、私も仕事をするようになり貯蓄もできるようになりました』(40代パート女性)家計簿はただ日常の収支を記入するだけだと思っていませんか?実は貯蓄が増えるための魔法の帳簿なのです。魔法というほど大したことでもありませんが、家計簿をつけていないと、何にいくら使ったのか忘れてしまいます。そうすると「あれ?あと1万円あったはずなのに……」と大事な生活費がうやむやになってしまうことがあります。今持っているお金が分からないということは、出ていったお金も把握できていない ということです。家計を“見える化”できていないと、現在家計が苦しいと思っている方はなかなかその泥沼から抜け出すことが困難になります。●細かくつけないことが長続きのコツ『毎日買い物したレシートを取っておき、新しく買ったかわいい家計簿へ細かく書き込んでいました。コツコツつけていましたが、2週間ほどすると明日書こう、今日もしんどいから明日……と、どんどん書かない日が増えていきました。するとレシートはたまるし、面倒なときはもらうこともしないようになり、結局今お気に入りの家計簿は棚の奥で眠っています。細かすぎると本当続きませんね』(20代主婦)いざ家計簿をつけよう!と張り切るほどすぐ挫折してしまう ものです。真面目な方ほど細かくつけようとしてしまいます。それで続く方はぜひ続けてほしいですが、飽きてしまう方は家計簿のつけ方を変えたほうが良いでしょう。例えば下記のようにすると誰でも続けやすいです。・項目は少なくする(食費と日用品だけでも良い)・1円単位にこだわらない(数十円程度の誤差は無視)これだけでだいぶ時間も手間もかかりません。しかし、重要なのは“買ったものは全て書く” ということです。そうしないと家計簿をつける意味がなくなってしまいます。たとえ100円の缶コーヒーを買った場合もです。全てを記録すると、後で見返したときにムダなものがはっきり分かるので、次回からの節約に役立ちます。●家計簿はアプリや家にあるノートでも可能『家計簿は家にあった大学ノートを使っています。自分で適当に項目を書いて記入するだけなので、簡単につけられますね。ちょっとはかわいくしたいのでお気に入りのシールなんかを貼って、オリジナルの家計簿にしました』(30代主婦)家計簿をつけるときは専用の帳簿を購入する方も多いでしょう。私も形から入るタイプなので、かわいい帳簿があれば買ってしまいます。しかし、もともと大雑把な性格なので専用の帳簿はほとんど埋まりません。むしろムダなスペースがあり過ぎて購入するのももったいないです。家計簿はすぐに開けてすぐに書き込めることが続ける秘訣でもありますので、それができるものであればどんなものだって構わないです。特に最近は家計簿のスマホアプリも充実している ので、書くことが面倒ならばそういったものを利用すると効率が良いですね。----------いかがでしたでしょうか。家計簿というとちょっと身構えしてしまうと思いますが、ちょっとした「夢をかなえるノート」のように考えましょう。毎月家計が苦しくてノートを開くのが怖いと思うとなかなか家計の見直しができません。家計は「見える化」することで確実に良くなります。楽しく続けることがとても大切ですので、毎日家計簿をつけて毎月夫婦で見直してみるのも良いですね。●ライター/みいゆ(ママライター)
2016年05月01日【ご相談】教育費や住居費、老後のことを考えたとき、今の収入で大丈夫か心配。28歳パート勤務の女性です。今27歳の夫が30歳~33歳頃に、3,500万円程度の住宅購入を考えています。このままの収入で、教育費や住宅ローン、さらに老後のことを考えると、お金が足りなくなるのではないかと不安になり、このままパートで働くよりも正社員で働いた方がいいのではないかと悩んでいます。このままだと、いつ頃、いくらくらい足りなくなるのかを教えてください。奈良県在住 大田 美樹さん (仮名)【回答】お子さまの出産・育児期間以外はパート勤めし、3,500万円の住宅を購入された場合、約20年後にお金が足りなくなる可能性があります。しかし、収入を増やしたり支出を減らしたりして、今よりも1カ月25,000円ほど収支増の家計に改善できれば、平均余命まで黒字がキープできそうです。働ける環境にあるときは、思い切って正社員になることを考えてみてもいいのではないでしょうか。(ファイナンシャルプランナー 中垣 香代子からのアドバイス)「人生の三大支出」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。これは、人が生活していく上で必要なお金の中でも大きな割合を占める、3種類の費用のことです。1つ目は住宅にかかわる費用、2つ目は子どもにかかわる費用、3つめは老後の生活にかかわる費用です。大田さまはパートで働き続けた場合に、これから先に控えている三大支出を乗り切ることができるのかがご心配なのですね。まだ20代という若さで先々のことを考えておられ、素晴らしいです。住宅購入やお子さまの誕生など、これからかなえたい夢がたくさんですね。思い描く生活が経済的に可能かどうかを知るためには、毎年の収支と貯蓄残高をシミュレーションすることが一番です。今回は以下の内容で今後の年間収支と貯蓄残高をシミュレーションしてみました。【収入】夫:59歳まで358万円、60歳退職・退職金1,500万円、60歳以降64歳まで300万円、65歳退職妻:第1子出産に伴いパート勤務退職、第1子小学校入学を機にパート再開96万円児童手当を見込む※厚生労働省ホームページ「児童手当について」をもとに試算【年金】夫:老齢基礎年金満額・老齢厚生年金受給妻:老齢基礎年金満額受給※老齢基礎年金満額を78万円として試算※老齢厚生年金を65歳~73歳は84万円、74歳~87万円として試算【お子さま】第1子:妻30歳時に誕生、第2子:妻33歳時に誕生私立幼稚園・公立小学校・公立中学校・公立高校・私立大学文系に進学と仮定※文部科学省ホームページ「平成26年度子供の学習費調査」「私立大学等の平成26年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」をもとに試算【住宅】夫32歳時に3,500万円の物件購入自己資金1,000万円(諸費用175万円込み)ローン(年間100万円):借入額2,675万円、返済期間35年、固定金利(1.6%)管理費・火災保険料・固定資産税合わせて年間45万円夫60歳時にリフォーム:300万円【保険】夫:29歳から55歳まで、万一のときに毎月10万円ずつ給付される収入保障保険に加入(年間保険料 約31,000円) 妻:妊娠前に夫と同様の保障内容の医療保険に加入(年間保険料 約32,000円、払込期間60歳まで)【食費、水道光熱費、通信費、医療費などの基本生活費】現在の支出金額をベースに、お子さまが誕生した年は月1万円増額お子さまの成長に伴う増加分として毎年1.0%ずつ増額60歳時は前年の80%で計上、以降同額【その他の年間支出】現在と同額の年間15万円を夫80歳まで計上シミュレーション結果住宅を購入すると、ローンの他に管理費・修繕積立・固定資産税・火災保険料などのランニングコストがかかります。現在に比べて住宅関連費が年間で50万円以上多くなります。住宅購入と奥さまの出産・子育て時期が重なり年間で見ると収支がマイナスになってしまいますが、その後奥さまのパート復帰により改善します。しかし、お子さまが大きくなるにつれ、教育費に加え、食費・日用品・光熱費などの生活費がジワジワと増加していくため、上のお子さまが中学校に上がる頃には再度年間の収支がマイナスになってしまい、大学に入学する頃には貯蓄が底をついてしまいます。だからといって、「住宅購入ができない」とか「子ども2人は無理」ということではありません。下のシミュレーションをごらんください。大田家の年間収支を年金開始時期まで30万円ほど改善することにより、住宅の購入資金や、お子さまの進学資金も準備でき、老後も平均余命まで黒字をキープすることができます。年間30万円というと1カ月25,000円です。収支を改善する方法は3つ。1つ目は、奥さまの収入を増やすこと。働ける環境にあるときは、思い切り収入を増やすことを考えてはいかがでしょうか。社会保険に加入する働き方をすることにより、健康保険からは出産手当金が、雇用保険からは育児休業給付金の支給があります。子育て期間中に無給になるのと社会保険から給付を受けられるのとでは、家計状況が大きく変わってきます。また、65歳以降には老齢厚生年金も受給できることになります。2つ目は、支出を減らすこと。支出を減らす順番としては、1度見直せば効果が継続する固定費が最初になります。電力自由化により電気事業者を自由に選べるようになりました。各社のプランを比較してみてはいかがでしょうか。携帯電話などの通信費もプランを見直したり、思い切って格安SIMに変更したりするのも良いですね。3つ目は、お金を殖やすこと。収入を増やしたり支出を減らしたりして赤字を回避できるようになったら、お金を運用して殖やすことも考えてみてください。将来のことをあまり心配し過ぎて、お金を使うことにマイナスの感情を持つよりも、「こうすれば大丈夫」という方法を知り、気持ちよく上手にお金を使ってくださいね。今回のシミュレーションは、多くの仮定の上で作成しています。大田さまの実情に合わせ数字を入れ替えてみてください。また、住宅購入やお子さま誕生など、人生の分岐点にファイナンシャルプランナーに詳しいライフプラン表を作成してもらうこともおすすめです。コラム執筆者プロフィール 中垣 香代子(なかがき かよこ)CFP(R)/2級ファイナンシャルプランニング技能士損害保険会社に約10年勤務後、子育てに専念。約20年間の専業主婦の後、ファイナンシャルプランナーとなる。「老後のお金サポーター」として、相談業務の他、40~50歳代女性にお金の知識をわかりやすく伝える活動をしている。また、自身の経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが一人でも減ることを願い、就学支援の情報発信にも力を入れている。老後のお金を一緒に考える事務所 所長。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年04月26日エンゲル係数が、最近また注目されはじめています。エンゲル係数とは、食費にかかるお金が家計(消費支出)の何%を占めるかを表したもの。2015年末に発表された家計調査の結果、2015年11月のエンゲル係数は25.7%。7ヶ月連続で25%を超えたのです。■エンゲル係数が高いとどうなる?エンゲル係数(%)=食料費÷消費支出×100エンゲル係数が高くなるほど、食費以外にお金がまわせない状態で、生活は苦しくなるとされています。総務省の家計調査によると終戦直後、昭和22年の全世帯のエンゲル係数は63%と高く、昭和28年は48.5%、昭和37年は39%、昭和54年は29.2%と、生活が豊かになるにつれ下がっています。なお、2013年の全世帯のエンゲル係数の平均は22.1%でした(全国2人以上の世帯のうち勤労者世帯)。逆にエンゲル係数が低いということは、食費以外の衣服やレジャーなどにお金が回せる状態。つまり生活が豊かである証しだったわけです。■エンゲル係数が上昇している原因そのエンゲル係数が、ここに来て上昇しはじめました。なぜでしょうか?大きな原因のひとつは、間違いなく「消費増税」です。そしてもうひとつが「円安」です。円安によって輸入品の値段が上昇したということで、事実、ここ最近はニュースを見れば値上がりのニュースばかりです。しかし、それ以外のもうひとつの大きな原因は、「共働き世帯」ではないかと考えられているのです。共働き世帯が増えたことが、エンゲル係数を増加させているということ。通常であれば、共働きして収入が増えるわけですから、食費が上がっても相対的なエンゲル係数は下がるはずです。たとえば、次のようになります。[一般世帯]1ヶ月総支出20万円 → 食費5万円 → エンゲル係数25%[共働き世帯]1ヶ月総支出30万円 → 食費7万円 → エンゲル係数23%たしかに、お客様の家計相談にのっていると、ここ数年は正社員での共働きが増えてきた印象を受けます。育児休業制度の拡充や時間短縮勤務の義務化により、待機児童問題等はあるものの、子育てしながら働きやすい環境が整いつつあるのでしょう。■ご褒美が多くなりすぎている現状子育てしながらの正社員勤務は本当に大変です。ぎりぎりまで働き、子どもを保育園まで迎えに行き、帰ればすぐに家事。毎日壮絶な日々です。だからこそ、「お惣菜ですませよう」「たまの休みぐらいゆっくり外食でも」と考えても不思議はないでしょう。時短のための食材や外食を利用する機会が重なれば、エンゲル係数は増えていきます。時間の余裕を買うための手段としては、もちろん間違ってはいません。しかし、ここに落とし穴が存在するのも事実。自分や我慢してくれている子どもへのご褒美(外食・レジャー)が多くなりすぎ、お金が貯まらない傾向があるのです。つまり共働きで収入が多くても、貯蓄が増えていかないのです。ご褒美がだめだとはいいませんが、コントロールしていく必要はあるということです。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝) 【参考】※岡崎充輝(2014)『知らないとヤバイシングルのためのお金の話』彩図社
2016年04月05日Zaimは4月5日、500万人が利用する家計簿サービス「Zaim」において、全国各地からの購買ビッグデータより、食材トレンドを可視化する「おいしい旬の地図」を公開した。iPhone、iPad、AndroidのZaim公式アプリおよびWeb版Zaimから利用できる。おいしい旬の地図は、Zaimの大規模購買データを統計解析した独自サービス。○日本地図上に食のトレンドを表現野菜や果物・魚など、季節に合った食材を、食費に関する品目から自動抽出し、日本全域での購買動向を一括表示。購入された数量に応じて食材のアイコンサイズを変化させることで、「今どこでどれくらい」旬の食材が楽しまれているのかが一目で把握できるという。日本全国から地域ごとへのズームアップも行え、地元や気になる地域での動向もチェック可能。各地の天候や気温により1日ごとに変化する食のトレンドを、日本地図上に美しく表現する。さらに、Zaimにログインしたユーザーそれぞれが直近の購入情報も解析し、旬の楽しみレベルを五つ星形式で「わたしの旬満喫度」として表示。地図をズームアップする先にパーソナライズしたイメージを提供することで、ひとりひとりの食の楽しみと日本全域のトレンドとのつながりを体感できるとのこと。また、食材のアイコンをタップすると、旬を楽しむための情報を表示。産地、食材の選び方、栄養に関する豆知識やレシピ等の他、近隣のスーパーマーケットの特売情報も確認できるという。同社では、「ユーザーにとって『充実した食生活』と『家計のやりくり』が両立できる一方で、メーカーや小売店にとってはこれまで分析しづらかった生鮮食品の購買行動をほぼリアルタイムにつかめるようになります」とコメントしている。
2016年04月05日妊娠9ヶ月になり、先月の「マイホーム」、その前の「教育資金」など、現実的にお金の話を考えてみると、「今まで通りの家計では厳しいかも…」と、心配になった人もいるだろう。でも、大丈夫! 妊娠・出産は、「気の合う二人の共同生活」が「家庭」に変化する、大きな転機。「今まで通り」でなくなるのは当然だ。「ここは、誰もが通る道」。そんなふうに気持ちを切り替えて、前向きに家計を見直せば、今後の人生が大きく変わるチャンスにもなる。【家計のやりくりについて詳しい内容を知りたい人は、こちらをどうぞ】<子育て中でも1,000万円貯める特集>・ 「貯め癖」がつく家計管理5つのルール ・ 家計簿って、やっぱりつけたほうがいいの? ・ 「食費」は節約すべき費目でない! ・ 楽してお金を貯める3つのコツ <貯まる家計の作り方特集>・ あなたの家の「貯蓄力」をズバリ診断 ・ 確実にお金が貯まる貯蓄術 ・ 予定通りに貯蓄できない原因はコレ! ・ 固定費を見直すと、貯蓄力がアップ! 【出産後の働き方が気になり始めた人は、こちらもどうぞ】<育児の合間に稼げる副業特集>・ 副業にはデザートのような満足感がある ・ 育児しながらでも稼げる副業は? 「最初の一歩」の始め方 ・ ハンドメイド作品で稼いでいる人が実践していること3つ ・ ママの「スキル」をお金に結び付ける今どきの方法 ・ アフィリエイトで稼げるようになる3ステップ ・ 副業を始めようとする人が陥りやすい失敗とその対策 <スマホだけで稼げるってホント? クラウドソーシング特集>・ スキマ時間&在宅で稼げる仕事がある! ・ 気になる! 在宅ワークの報酬Q&A ・ スマホだけで仕事が完結、パソコンを使わない在宅ワーカー ・ 「自分のために使えるお金」を稼げる嬉しさ ・ 母でも仕事でもない「私が私でいられる場所」を確保するには? ・ 複数のサイトに登録して安定した収益を (監修:ファイナンシャルプランナー 畠中雅子/文:楢戸ひかる)
2016年04月04日KDDIと沖縄セルラー電話は3月31日、「家計に関する意識調査」の結果を発表した。○現状の家計、半数以上見直しているのは「教育費」のみ2016年度を機に家計を見直したい世帯は54.1%。しかし、全体の89.9%は過去に家計見直しを実施したものの、このうち6割超(全体の5割超)が見直しを断念した経験があることがわかった。家計全般の見直し意向は、「未婚」が50.3%、「既婚(子供なし)」53.5%、「既婚(子供あり)」58.7%とライフステージが進むにつれて、意識が高まっていく傾向が見受けられた。現状の家計の見直し状況を聞くと、ほぼ全ての費目で「見直しできていない」が半数以上を占めた。一方、教育費のみ「見直しができている」が半数を超えた。同社は「教育機関の授業料については、短い期間での変化が少ないため、計画が立てやすいということでしょうか」と推測している。見直したい家計費目の1位は「光熱費」で82.9%。以下、「携帯電話料金」が76.3%、「食費」が76.2%と続いた。男女別にみると、「光熱費を見直したい」と答えた割合は全体的に女性の方が高かった。家計での"3大支出費目"は、どのライフステージ(未婚・既婚/子供なし・既婚/子供あり)でも「食費・光熱費・住宅ローン」となった。このうち「保険料」はステージが上がるほど上位に、「趣味・娯楽」はステージが上がるほど下位になる傾向がみられた。家計で負担に感じている費目の1位は「家賃/住宅ローン」で81.1%。同社は「金額の大きさが、そのまま負担になっているようです」と分析している。調査期間は2016年3月18~19日、有効回答は20歳以上の個人1,034人。
2016年04月01日阿部サダヲを主演に、<a href="">『武士の家計簿』</a>などの原作者で知られる“平成の司馬遼太郎”との呼び声も高い磯田道史の近著「無私の日本人」(文春文庫刊)の一編「穀田屋十三郎」を映画化する<a href="">『殿、利息でござる!』</a>。この度、4月1日(金)“エイプリルフール”である本日、阿部さん演じる穀田屋十三郎が新党“つつしみ党”を立ち上げ、その選挙ポスターが公開となった。いまから250年前の江戸時代、藩の重い年貢により夜逃げが相次ぐ宿場町・吉岡宿に住む十三郎(阿部サダヲ)は、知恵者の篤平治(瑛太)から町を救う計画を聞く。それは藩に大金を貸付け、利息を巻き上げる逆転の発想だった! 3億円の大金を水面下で集める前代未聞の頭脳戦勃発。ビンボー庶民が、殿を相手に一世一代の大勝負に挑む――!<a href="">『白雪姫殺人事件』</a><a href="">『予告犯』</a><a href="">『残穢』</a>などを手掛ける中村義洋監督がメガホンを握る本作。キャストには、主人公で造り酒屋を営む傍ら、街の行く末を心配する穀田屋十三郎役の阿部さんをはじめ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、松田龍平ら豪華俳優陣が集結している。今回完成したのは、阿部さん演じる250年前に実在した穀田屋十三郎が、“知恵”と“勇気”と“我慢”で立ち上った決意の雄姿を「選挙風」に表現したポスター。 ビンボーなわが町・吉岡宿を救うため、十三郎は知恵者の篤平治とともに「藩に大金を貸し付け、利息を巻き上げ分配する」という奇想天外な計画を思いつく。自分のことより、人のこと。私財を投げ打ち、お上に立ち向かう姿はまさにいま、日本が求める理想のリーダー!そんな計画が進む中、周囲から羨望のまなざしを集めるようになった彼ら吉岡宿のメンバーたちの間で、いい気になったり、偉そうにしたりしないよう、仲間内で「つつしみの掟」というルール立ち上げた。穀田屋十三郎が立ち上げた新党・つつしみ党の「つつしみの掟」には、「一、ケンカや争いは、つつしむ」「一、“計画”についての口外を、つつしむ」「一、寄付するときに名前を出すことを、つつしむ」「一、道を歩く際も端を歩くよう、つつしむ」「一、飲み会の席でも上座に座らず、つつしむ」と5か条が定められている。「日本を取り戻す。」と掲げ、まっすぐ前を見つめる十三郎の姿は頼もしく、思わず清き一票を投票したくなる!?新党立ち上げはエイプリルフールにちなんだジョークだが、本作で描かれる物語は実話。「町を救うために破産するほど私財を投げ打ち、遺言は“人に話すな”。こんな人がいた、ということを伝えねばならない、いまの日本を辛うじて救っているのは、こうした精神なのではないか…」と、熱い想いを抱く中村監督の描く、本編にも期待をせずにはいられない。また、4月1日限定で公式サイトもエイプリルフール仕様に変更されるという。『殿、利息でござる!』は5月14日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年04月01日島田荘司のミステリー小説『御手洗潔(みたらいきよし)』シリーズを、玉木宏の主演で実写映画化する『探偵ミタライの事件簿星籠(せいろ)の海』の予告編映像が公開になった。人よりも謎を愛する天才にして奇人、脳科学者ミタライが3つの難事件に挑む。『探偵ミタライの事件簿』予告編映画は島田が「天才探偵・御手洗潔が国内の事件を解決する最後の作品」と宣言したシリーズ最新作『星籠の海』(講談社刊)を基にしており、昨年3月にTV放送されたドラマ『天才探偵ミタライ~難事件ファイル「傘を折る女」~』で主人公・御手洗潔を演じた玉木が続投し、広瀬アリス、石田ひかり、要潤、谷村美月、小倉久寛、吉田栄作らが出演する。監督は『相棒』シリーズの和泉聖治。玉木演じる御手洗潔は、「難しい事件でしたら、よろこんで」と豪語する謎説きが好きな風変わりな脳科学者。映画は、瀬戸内海の小さな島で起こった怪事件(男の死体が半年に6体も流れ着き、その身元は不明のまま)に興味を持った御手洗潔が、その島へ向かうところから始まる。予告編映像には御手洗潔が挑む3つの難事件、半年の間に次々と6体もの死体が流れ着く不可思議な島“死体島”、アパートで外国人女性の変死体が発見される“女性変死体事件”、赤ちゃんが誘拐され、滝つぼに口と目をふさがれた男女が拘束される“居比家誘拐殺人事件”が断片的に登場するほか、「時計仕掛けの海」や「星籠の海の謎」という気になる台詞も差し込まれている。「たったひとつだけ真実があります」と言う御手洗潔は、どのように謎を解き明かしていくのか? 映画化にあたり原作者の島田が新たなストーリー構成を考案したという本作。原作ファンならず、ミステリー好きの期待に応える内容になりそうだ。『探偵ミタライの事件簿星籠(せいろ)の海』6月4日(土)全国ロードショー
2016年03月18日【ご相談】娘の夢、高校留学をかなえさせたい!今の家計で実現できる?小学生の娘が、「高校生になったら留学をしたい」と言っています。1年程度の交換留学では、就職にプラスにならないのではと思い、3年間の卒業留学※を検討しています。なお、大学は帰国子女枠での国内大学進学を考えています。留学は大変お金がかかるので、娘の夢をかなえるためには貯蓄がゼロ近くになることも覚悟していますが、今の家計で実際のところ、留学へ行かせてあげることができるでしょうか。娘が中学生になった頃から、パートを増やす予定です。また、渡航先はカナダを希望しており、年200万円(公立高校学費+滞在費)の費用を見込んでいます。※留学先の学校を卒業することを目標とした留学東京都在住 林 葉子さん (仮名)【回答】現在の毎年100万円の貯蓄が可能な生活レベルを継続したうえで、中学は公立を選択し、ご相談者さまのパートを増やせば、高校の卒業留学もギリギリで可能です。ただし、老後資金が枯渇する可能性は高いため、家計収入をアップするなどの工夫が早急に必要です。(ファイナンシャルプランナー 鈴木 さや子からのアドバイス)お子さまが小学生の今から留学したいと思っておられるとのこと、とてもすてきですね。ぜひ本回答を参考に、夢に向かってお子さまと一緒に考えてくださいね。日本の私立高校に進学するよりも、はるかにお金がかかる留学は、資金が大きく減少した後のライフプランまで視野に入れて計画を立てましょう。お子さまの高校卒業後には、大学進学、そして目の前にはご夫妻の老後が迫ってきます。老後の生活費を賄うには、公的年金だけでは十分ではありません。また、住宅は一括で購入されローンはないとはいえ、住居費は改修や老後のためのリフォームなどで、今後も出費が続きます。もちろん医療費や介護にお金がかかる可能性もあります。老後にかかるお金を最低限残しておかないと、結果的にお子さまに頼るはめに陥るかもしれません。そんなことにならないかどうか、今後の貯蓄額の推移を予測してチェックしますね。現在の収支を見ると、毎月13.2万円の黒字となっており、これを毎月貯められれば1年間で158.4万円貯まることに。しかし、現在の貯蓄額は合計で100万円であり、実際は毎月の出費以外の突発的な家電や家具の購入、冠婚葬祭、旅行、または見えない費用といった臨時支出でほとんどなくなっている可能性も。臨時支出にいくらかかっているか洗い出して、その分を毎月の収入から取り分けして、別口座にとっておく方法がおすすめです。もし臨時支出が年間60万円かかるとしたら、毎月約5万円取り分けすると良いでしょう。今後の推移予想は、当面、年間100万円の貯蓄ができるものとして試算をしていますので、もし貯蓄ができていない場合には、早急に臨時支出を見直してください。表1は、お子さまが高校を卒業するまでの貯蓄額の推移です。公立中学に通えば、現在と比較して教育費が格段にあがることはないため、お子さまの中学入学時まで毎年100万円、ご相談者さまがパートを増やした後は約150万円の貯蓄を続けることも可能かと思います。その場合、6年後には約950万円貯まることになります。お子さまが中学を卒業するまでの年間支出金額332万円の内訳は、教育費などお子さまにかかる費用を64万円、それ以外の生活費を268万円と仮定。高校の教育費については3年間カナダの公立高校に通ったとしたうえで、渡航費や滞在中の生活費などを雑費として50万円を上乗せし、年額250万円かかると仮定。これにご夫婦の生活費をプラスして、支出金額を518万円としました。年間収入金額は、ご夫婦の収入より試算((32万円+4万円)×12カ月)したうえで、お子さまが中学入学後、ご相談者さまのパート収入が59歳まで年に100万円得られるもの(現在の収入より年間52万円増)と仮定しています。続いて、お子さまの大学入学・卒業後からご主人が82歳、ご相談者さまが72歳になるまでを見てみましょう。ここでも生活費を年間268万円としたうえで、お子さまが帰国後、大学(私立文系)に自宅から通うと仮定しました。一般的に、大学受験~大学初年度にかかる費用は、私立文系の場合150万~160万円といわれており、その他子どもの生活費(食費や通学費、課外活動費など)として年間60万円かかると仮定します。大学2年生以降は、学費は年間約90万円ですが、子どもの生活費を足すと年間約150万円かかります。また大学卒業後は、住居のリフォームや介護などにかかるお金を想定し、支出額を増やして試算しています(毎月の生活費18万円、年間臨時費用80万円と仮定)。このように、ご相談者さまがパートを59歳まで続けられ、現在の年100万円の貯蓄ができる生活レベルをずっと維持しても、ご主人の退職金がなく、公的年金も国民年金のみと仮定すると、ご主人が82歳、ご相談者さまが72歳の時(2053年)に家計が破綻する結果となりました。もっとゆとりある老後を暮らしたい、お子さまの結婚資金の援助をしたいなどの希望がある場合や、大きな病気をして収入が減ってしまう時期が生じた場合などは、より早いうちに資金が枯渇しかねません。対策は3つ。1つ目は、収入を増やすことです。ご相談者さまのパート収入を年200万円にする、またご主人にも、可能であれば収入が増えるよう工夫してもらうのが良いでしょう。そして2つ目は、支出を減らすことです。お子さまの夢である留学についても、その形態にこだわらず柔軟に検討しましょう。実際に高校に入学するのは7年後。就職事情や留学事情など、世の中の状況が変わっている可能性もあります。留学事情や費用を随時チェックして、その時の家計でできる範囲で、留学する年齢や、留学期間、場所などのプランを検討すると良いでしょう。大学生になれば、留学を対象にした返済不要の給付型奨学金制度も数多くあります。高校生が使えるものとして、代表的な給付型奨学金制度は、「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」。このプログラムは最長1年ですが、月額6万円~14万円の滞在費(現地活動費)に加え、往復渡航費の一部、授業料の一部も支援されます(2021年以降の実施については未定)。他にもさまざまな自治体や企業が、大学生や高校生の留学向け奨学金制度を運営しています。ぜひお子さまと一緒に調べてみてください。制度を利用するために必要な知識、英語力を知ることで、お子さまも夢に向かってなお一層勉強に弾みがつくことでしょう。3つ目はお金を運用することです。節税しながら老後資金を投資信託などで積立運用できる「個人型確定拠出年金」の活用がおすすめ。毎月5,000円から加入できるので、現在の家計から無理なく捻出できる金額で始めるのが良いですね。たとえば、毎月1万円をコツコツ増やすことができれば、2%運用でご主人が60歳になる15年後には209.7万円、ご相談者さまが60歳になる25年後には388.8万円となり、老後資金の足しになります。老後資金準備を早いうちに開始し、毎年の貯蓄目標として、お子さまの中学入学までは100万円以上、中学入学後は150万円以上を頑張って目指してください。パートを増やせれば、貯蓄パワーはぐんとアップします。楽しくお子さまの夢を応援できると良いですね。コラム執筆者プロフィール 鈴木 さや子(すずき さやこ)(株)ライフヴェーラ 代表取締役/mamaTanoマネーサロン 代表/CFP(R)/1級FP技能士/住宅ローンアドバイザー/キャリアコンサルタント(CDA)家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、主に女性向けに、セミナーやコラム記事などを通じて情報発信。保険などの商品を一切販売しないファイナンシャルプランナーとして活躍中。専門は教育費・ライフプラン・保険・住宅ローン・マネー&キャリア教育。女性の心に寄り添う個人相談にも定評がある。企業講演の他、小・中学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行っている。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年03月15日電力自由化をきっかけに光熱費にかかるお金を見直すべく、ファイナンシャルプランナーの岩城みずほさんが読者の家計をリアルに診断! 【4人家族編】 につづいては、新婚で夫婦ふたり暮らしのIさん宅の家計を見ていただきました。■DINKSのリアル家計簿を診断!【I家】 家族構成:夫(29歳・会社員) 妻(28歳・会社員)住居形態:賃貸<収入>月収(手取り):60万円(夫 35万円 妻 25万円) <支出>住居費:141,000円(家賃)食費:30,000円光熱費:電気10,000円(オール電化)/水道3,000円通信費:21,000円教育費:0円保険代:0円…★3衣服・美容代:22,000円外食・娯楽費:70,000円…★1奨学金返済:30,000円…★2夫・妻小遣い:80,000円雑費:17,500円計:424,500円<貯蓄>預金:230万円■高収入なのに貯蓄できない…は卒業! ダブルインカムのいまが貯めどきIさん:結婚2年目です。子どもは2~3人はほしくて、30歳くらいでひとり目を産みたいなと思っています。いまは賃貸ですが、できれば35歳くらいまでにはマイホームを建てたい希望もあります。岩城先生:おふたりとも正社員でバリッと働いてらっしゃるので、ダブルインカムのいまが貯めどきですね。でも、収入のわりに貯蓄が少ないのが気になります。Iさんのご家庭なら、年間400万円は貯められそうですよ。Iさん:結婚式や旅行、引越しなどで貯蓄がかなり減ってしまったんです…。今後、年間で200万円を目標に貯めていくつもりですが、それでもマイホーム購入には届きませんか?岩城先生:都心で一戸建てを買うなら、5,000万円程度と仮定しましょうか。これから子育てすることを考えると、ローンはできるだけ短期間にしたいので、頭金は購入額の20%用意するのが理想です。7年間で1,000万円は貯めたい計算になります。そうすると、住宅購入費用として、1年間で約143万円。さらに、お子さん3人の教育費として、これから15年間で3,000万円を用意する場合、1年間あたり200万円。あわせて350万円程度貯蓄していけると安心ですね。Iさん:では200万円じゃぜんぜん足りないですね…。じつは、低金利のいまのうちに家を買ったほうがいいのかな、なんて考えてもいたのですが。■低金利のいま、夢のマイホームを買うべき?岩城先生:たしかに金利だけで考えると買いどきではあるのですが、買ってしまうと簡単には引っ越せません。子どもが生まれてからの生活や働きかたなど、家族にとってよりよいライフスタイルがみえてきてから、じっくりと探すほうがいいと思いますよ。Iさん:そうですよね。たしかに、子どもが生まれたらいまとは違う環境のほうがよくなるかもしれませんしね。慎重にいくことにします!岩城先生:もうひとつ考えておきたいのは、産休・育休期間中は、奥さんの収入が減るということ。また、いまと同じような働きかたができるかどうかも、産んでみないとわからなかったりします。その意味でも、夫婦ふたりのうちに、貯められるだけ貯めておきましょう。まず見直したいのは、やはり外食・娯楽費(★1)ですね。半分に減らすだけで月35,000円、年間で42万円が貯蓄に回せます。光熱費は、オール電化で月10,000円。ご夫婦が日中は家にいないと考えると、少し多いかもしれませんね。電力自由化を機に見直すと安くなる可能性があります。また、おふたりとも奨学金を返済されている(★2)とのこと。奨学金は意外と金利が高いので要チェックです。そして、お子さんが生まれるタイミングで大丈夫なので、2人で家計を支えているなら、それぞれが保険料の安い掛け捨ての生命保険(★3)に入っておけると安心です。教育費も、予定どおりに貯蓄できれば問題ありませんが、もし貯められるか心配なら、子ども保険(学資保険)などを利用して、強制的に積み立ててもいいでしょう。Iさん:今回、家計簿を書き出してみたら、収入と支出の計算が合わなくて。使途不明金が多すぎましたね…。岩城先生:夫婦ふたりだけの生活だと、いつの間にか使ってしまうのはよくある話です。ふたりぶんの収入があるから、なんとなく大丈夫だと思ってしまうんですよね。でも、Iさんはいずれお子さんを希望していらっしゃいますし、だんなさまと話し合って、お互いのお金の使い方をクリアにし、目標を共有して計画的に貯めていけるといいですね。Iさん:はい。まずは住宅購入の頭金と教育費を貯められるよう、家計を引き締めます!【I家の見直しポイント】・まずは貯めグセを! 年間350万円を目標に・住宅購入はあせらないほうが吉。子どもが生まれてからの生活に応じて見極めて・外食費は半分にカットし、貯蓄に回そう子どもが2人、マイホームは購入済みのSさん一家の家計は…? 【4人家族編】を見る ファイナンシャルプランナー岩城みずほさんプロフィール愛媛県生まれ。慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年活動後、セミナー講師、生命保険会社を経て、2009年にファイナンシャルプランナーとして独立。オフィスベネフィット代表。得意分野は保険と資産運用。金融商品を販売しない独立系FPとして中立公正な情報発信を心がけている。2児の母。著書に『結局、いくら貯めればいいの?』(同文舘出版)、『保険リテラシーが身につく本』(税務経理協会)、『30年後も安心に暮らせる!お金の鉄則』(マガジンハウス)。独立系ファイナンシャルプランナー「 Office Benefit 」代表。
2016年03月07日【ご相談】あと10年で教育資金と老後資金を準備したい。貯蓄目標額はどう考えたらよい?41歳男性です。妻は39歳で自営業です。現在は、妻の収入が多く、私の収入からすればぜいたくな生活をしていると自覚しています。ただ、この状態が長く続く保証もないため、今後10年間で教育資金、老後資金を蓄えたいと考えています。10年後、妻の収入が月10万円程度に減少するとした場合、貯蓄目標額についてアドバイスいただきたいです。また、保険についても過剰に契約しすぎていないか、住宅ローンを全額繰り上げ返済した方がよいかについてもアドバイスをお願いいたします。福岡県在住 橋本忠寛さん (仮名)【回答】お子さまの進学プランにあわせて、まずは教育資金を確保。老後資金の準備と合わせて、家計の変化に対応できる予備資金も準備しておきましょう。(ファイナンシャルプランナー 小林 美智子からのアドバイス)自営業の奥さまの収入が家計の大きな支えとなっているだけに、将来が不安でもありますよね。家計の状況をしっかり把握されており、現状に安心することなく今の段階から将来に備えようとする姿勢は素晴らしいです。それでは、貯蓄目標額の決め方と、10年後に奥さまの収入が減少しても、蓄えた老後資金を取り崩さないための対策を考えてみましょう。■教育資金は進路によって大きく変わりますまずはじめに、お子さまの教育資金についてです。必要な教育費はどのような進学プランを選ぶかによって大きく変わります。表1によると、小学校から高校まですべて公立を選択した場合、かかる費用の目安は約461万円です。単純に12年間で割ると、年間約38万円、月当たり約3万2千円です。お住まいの地域や習い事などにかかる費用によっても変わってきますが、基本的には日々の家計費のなかで賄うようにしましょう。一方、大学進学のための費用は、入学手続き時や進級時にまとまった額の支払いが必要になります。これらの学納金については、家計費の中から捻出するのではなく、「大学進学資金」として別に確保しておきましょう。仮に、私立理系を選択したとすると、かかる費用は4年間で約522万円です。現在の貯蓄額1,000万円から、大学進学資金として約500万円をあらかじめ確保しておけば、教育資金の準備については、ひとまず安心といえるでしょう。学資保険代わりに加入されているという低解約返戻金型終身保険は、解約せずに据え置くことで、年々返戻率を上げられるというメリットがあります。払い込みが完了するのはお子さまが中学生になる頃。中学、高校から私立へ進学したり、大学で下宿生活になったりすると費用はふくらみます。費用が増えた場合に備えて解約せず、継続しておくとよいですね。■老後資金を具体的にイメージしてみましょう次に、老後資金の準備です。一般的に、老後の生活費を公的年金のみで賄うことは難しく、不足する金額は現役をリタイアするまでに準備しておく必要があります。ただ、老後資金は教育資金と違って必要な額がイメージしにくいもの。順序立てて考えるために次のような計算式で導いてみましょう。橋本さまの場合、繰り上げ受給をされなければ、老齢年金が支給されるのは65歳からです。60歳以降、再雇用制度などを利用して得られる収入がどのくらいになるか調べておきましょう。老齢年金については、「ねんきん定期便」でご自身の加入状況を確認しておきましょう。50歳以降はねんきん定期便で老齢年金の見込み額を知ることができます。老後は生活費のほかにも、海外旅行、子どもの結婚費用の援助、住宅のリフォームや住み替え、介護費用などもかかります。想定されるものは予算に組み込んでおきましょう。今回、ひとつの目安として、統計データを使って試算してみました。総務省「家計調査報告(家計収支編)平成26年(2014年)平均速報結果の概況」によれば、「世帯主60歳以上無職2人以上世帯」の実支出は277,860円、実収入は206,992円です。橋本さまの場合、老齢年金の支給は65歳からですが、簡易的に60~64歳までも上記と同じ収入が得られるものとして試算してみました。表3の試算では、必要な老後資金は約3,500万円となりました。退職金を1,500万円とし、これに準備済みの500万円(現在の貯蓄1,000万円-大学進学資金500万円)を加算すると、不足額は約1,500万円となります。これを今後10年間で準備すると考えると、必要な年間貯蓄額は約150万円です。橋本さまの家計は毎月約18万円の黒字、ここにご主人さまのボーナスを加えた年間の貯蓄可能額は約257万円ですから、10年間では約2,570万円になり、今回の試算では、老後資金の準備も万端のようです。10年間で貯められる約2,500万円のうち、老後資金の不足額約1,500万円を確保したあとの残りの約1,000万円は、10年後の家計の変化に対応するための予備資金です。10年後に奥さまの収入が月10万円にダウンし、支出が現在のままだと、毎年約84万円の貯蓄を取り崩すことになります(低解約返戻金型終身保険の払込期間が終了すること、児童手当の支給がなくなることを見込んだ試算)。予備資金として1,000万円を別にしておき、それを取り崩すことで、老後資金に手を付けずに定年を迎えられます。今回の試算はひとつの目安です。老後に必要なお金は、橋本さまご自身の老後の収入や支出がより具体的になったら、ぜひ試算をし直してみてください。それにより、老後資金として確保すべき貯蓄と予備資金として確保できる貯蓄の色分けができるでしょう。■保険の見直しと住宅ローンについて次に保険の見直しについてですが、ご主人さまの万一の保障については、遺族厚生年金の額にもよりますが、下げられる可能性がありそうです。「ねんきん定期便」などでこれまでの年金の加入記録や加入実績に応じた老齢厚生年金の額を確認することで、遺族厚生年金の額を計算することができます。必要なデータを用意し、ファイナンシャルプランナーなどに相談して、適正な必要保障額を計算してもらうとよいでしょう。また、住宅ローンについては、仮に完済まで金利が変わらなかったとすると、今後支払う利息は約20万円です。急激に金利が上昇しない限り、急いで繰り上げ返済する必要はないでしょう。■自営業のメリットを生かした老後資金作りも自営業などの国民年金第1号被保険者には、厚生年金などのいわゆる「2階建て部分」がないかわりに、付加年金、国民年金基金、小規模企業共済や個人型確定拠出年金など、税制上メリットのある老後資金の作り方があります。拠出した保険料や掛け金は全額所得から控除されるため、奥さま自身の所得税や住民税を減らす効果があります。老後に備えながら節税もできる、魅力的な資産運用です。資金の払出方法や時期、制度の組み合わせ方などの注意点もありますので、ご利用の際は、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみてくださいね。コラム執筆者プロフィール 小林 美智子(こばやし みちこ)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士/住宅ローンアドバイザー住宅購入や子どもの教育費の準備など、計画的な家計管理の必要性を感じ、家計の見直しを進めていくうちにファイナンシャルプランナーとなる。自身のライフプランにおけるお金の問題を解決してきた経験と、主婦として家計を守ってきた経験から、「難しいことをわかりやすく」をモットーに、お金にまつわる様々な問題や不安を解決する方法を発信している。こころFP事務所 代表コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年02月16日「給料日前はお金が…」という事態はだれもが一度は経験したことがあるはず。その理由は日々の出費を意識していないからにほかなりません。会社を運営する上で予算や収支計画を立てることは当たり前ですが、自分の収支を家計簿にまとめている人は少なく、付け始めても途中で挫折してしまう人がほとんど。正直、面倒くさいですもんね。そんな家計簿を付けるのが苦手な人にオススメなのが、 「2秒家計簿おカネレコ」(SP/ PC) という無料アプリ。■300万人が利用する理由特徴は、なんといっても煩わしい登録の手続きが不要で、スマホやタブレット端末ですぐに使えること。「食費」「日用品」「交通費」などのカテゴリーがあるので、金額を入力すれば簡単に収支を記録できます。グラフで見ると、1か月の収支がひと目でわかります。交際費・食費・ファッションなどは注意しないと高くなりがちなので、「おカネレコ」で家計簿を付ければ使い過ぎにも注意ができるはず。無料アプリなので、「ATMでお金をおろしたのにもうお金がナイ」「毎月お金を使い切ってしまうから貯金ができない」という人は、まず始めてみるのも手かもしれません。・ App Store(SP):「2秒家計簿おカネレコ」 ・ PCから詳細を見る
2016年02月09日「貯め癖」がつく家計管理5つのルール の続きです。「家計簿が長続きしない」「つけていたけれど忙しくて中断」など、家計簿をつけたくてもつけられない人も多いのでは? それでも内心「家計簿って、やっぱりつけたほうがいいの?」と思っている人のために、素朴すぎる質問を、3児の母のファイナンシャルプランナー、畠中雅子さんにぶつけてみました。市販の家計簿に自分を合わせようとしない「何にお金を使っているかわからない方や、自分のお金の使い方の弱点を知るためには、家計簿をつけることはやっぱり有効な方法なんです」と、畠中さん。やっぱり、そうですか(しょぼん)。でも続かないんですよね…。「続かない人は、市販の家計簿に自分を合わせようとするからつらくなってしまうんです。普通のノートを用意して、自作の家計簿を作ればいいんですよ。家計簿成功のコツは、『費目を少なく』『3カ月だけ』の2つです」。これならできる! 畠中先生方式家計簿のつけ方4ステップ◆ステップ1:大学ノートなど、普通のノートを用意する。◆ステップ2:「食費」「食費以外の生活費」「その他」の3つの費目を設定 ★家賃、水光熱費、電話代など、生活をする上で必要な経費は、ひと月に1回だけどこかのスペースにまとめて記帳すればOK。◆ステップ3:3ヵ月だけつける◆ステップ4:「食費」は適正額の家庭も多いので、「食費以外の生活費」「その他」の費目の中から無駄づかいを見つける この家計簿とは別に、 特別支出 を手帳にメモすることを続ける。このメモがあると翌年の出費が予測・管理できて貯金が成功しやすい。家計簿の目的は「お金の流れ」をつかむこと上記の家計簿のつけ方を見て、「こんな簡単なつけ方でもいいんだ!」と目かウロコが落ちた人も多いのでは? 「家計簿の目的は、お金の流れを知ることです。収入がいくらで、家賃、食費、食費以外の日常生活費がいくら、だから手元で使えるお金はこれだけだよ、と、自分がその月に使っていい金額がわかることが大事です」(畠中さん)食費に何十万も使っている人はめったにいないので、毎月、食費を記録してもそんなに差は出ない。「ただ、お金の流れがわかっていないと、適切にお金が使えているかを踏み込んで考えられません」。やみくもに節約しても、あっという間に疲弊してしまうことに。まずはお金の流れを整理した上で、狙うべき「節約ポイント」を見つけるという順番のほうが絶対にラクだ。<Vol.3へ続く>「家計管理について、もっと詳しく知りたい!」と思った人は、マンガでまるわかり!◇ 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール (主婦の友生活シリーズ Como特別編集/主婦の友社) 定価:本体780円(税別)(楢戸ひかる)
2016年01月19日【ご相談】もうすぐ2人目が誕生!主人の給料だけでやっていけるか心配です31歳の兼業主婦です。もうすぐ2人目が生まれるので、産休・育休に入ります。今までは、主人の給料でやりくりをし、はみ出た支出、微々たる貯蓄を私のパート代で賄なっておりましたが、産休に入ると私の収入はなくなるため、やっていけるか心配です。静岡県在住 小山美紀さん (仮名)【回答】先取り貯蓄と正しい予算立てで、漠然とした不安を解消しましょう!(ファイナンシャルプランナー 橋本 絵美からのアドバイス)もうすぐ第2子ご出産とのこと、おめでとうございます!家族が増え、にぎやかで楽しくなりますね。さて、今回のご相談は、出産後、収入が減って家計が心配……ということですが、「収入が減ってしまうのに子どもが増え、お金がかかる……どうしよう!」と焦る気持ちもわかります。将来に対する漠然とした不安を解消するための【貯め方】と【使い方】をお伝えいたします。【貯め方】漠然とした不安を解消!何にいくら必要かを知り、先取り貯蓄を実行しよう!月の収支を見てみますと、ご主人のお給料のみでやりくりを頑張っておられるようです。それなのになぜか不安があるのは、先にお金を支出し、余ったら貯蓄ということをされているからではないでしょうか。できれば貯蓄もしたい……ではなく、先に必要額を先取り貯蓄し、残りでやりくりするという方法に切り替えましょう。現在の貯蓄も「何となく貯まったお金」ではないでしょうか。まずは、何のための貯蓄かを明確にしましょう。小山さまは既にマイホームをお持ちで、ローンを返済中ということですね。繰り上げ返済もしたいところではあるかと思いますが、現在の貯蓄は、何かまとまったお金が必要になったときのための「万一の貯蓄」としてそのまま蓄えておきましょう。生活費やカードの引き落とし用の口座とは別に、貯蓄専用の口座を準備し、このお金には万一のとき以外は手をつけないようにしましょう。そして、これから新たに準備が必要な費用は教育費です。高校までの教育費は毎月の収入で賄えるかもしれませんが、大学に関しては、国公立大学へ進学し、自宅から通学する場合でも、平均で入学費用として83.2万円、在学費用は年間107万円かかります(日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」平成26年度より)。自宅外通学や私立大学に通うと、さらにかかることになります。そのため、なるべく早く積み立てを始めることが肝心です。月2万円を18年間積み立てると、利子が0%だとしても432万円貯まります。今のうちから、進学までに確実に用意でき、かつ積立額よりも増えていく学資保険などで積み立てていきましょう。何かあったときの蓄えと、教育費がしっかり確保できれば、漠然とした不安も解消できるのではないでしょうか。ここまでのポイント・生活費口座(給与が振り込まれる、生活費などが引き落とされる口座)と、万一の貯蓄口座(何かあったときに備える口座)を分けるため、万一の貯蓄の専用口座を準備する・教育費貯蓄(大学進学の費用に備える)として、学資保険など確実かつ利率のよいもので準備する【使い方】正しい予算立てで貯蓄をしながら豊かに暮らす次に考えることは、貯蓄分を確保した後の残りのお金の使い方です。正しく、無理のない予算立てをしましょう。現在の支出状況を見ますと、通信費が大きな割合を占めています。月2万円ということは、自宅のネット、固定電話とスマートフォン2台といったところでしょうか。スマートフォン2台を格安スマホ2台に乗り換えると、2台で「基本料金3,000円+通話料」に抑えることも可能です。PCやタブレットを利用する際には、スマートフォンのテザリング機能を利用することにして、自宅のネット、固定電話の解約も検討できないでしょうか。ただし、動画をよく見る場合は、通信量が多くなり、料金が上がってしまいます。今回の家計の見直しを機に、多少の不便はあるかもしれませんが、優先順位を考えて、通信費を減らすことを検討してみてはいかがでしょうか。反対に予算を上げた方がよい項目もあります。家族が増えるので、食費や水道光熱費が多少上がることが予想されます。また、お子さまが二人に増えることで、交際費なども増えることでしょう。奥さまのお小遣いも少しUPした方がよいかもしれません。小山さまの家計を以下の表のように見直ししてみますと、通信費が削減できれば、これらの予算がUPしても、教育費の積み立ても含めて、ご主人の収入内でやりくりすることが可能であることがわかります。ボーナスについても、まずは先取り貯蓄です。目安として4分の1を万一の貯蓄にまわし、残りを毎月の支出以外にかかる突発的な家電の買い替えや冠婚葬祭・旅行費用などにあてましょう。こうすることにより、奥さまのパート収入がなくなっても、年に44万円の貯蓄を生み出すことができます(「月額2万円×12カ月=24万円(教育費積み立て)」と「80万円(ボーナス)の1/4の20万円」の合計)。仮に、上のお子さまが18歳になるまでの13年間、このペースで貯蓄できたとしますと約572万円になり、国公立大学に通学された場合であれば、その学費は賄えそうですね。先取り貯蓄と正しい予算立てで、漠然とした不安を解消し、しっかり貯蓄をしながら家族4人のHAPPYな暮らしを実現してください。コラム執筆者プロフィール 橋本 絵美(はしもと えみ)2級ファイナンシャルプランニング技能士/お片付けプランナー子ども10人の幸せ大家族を目指す、現在4人の子どもを持つママ ファイナンシャルプランナー。「子ども=お金がかかる」という考え方ではなく、子どもは宝であり、ママたちが安心してもう一人子どもを生めるようにサポートしたいという思いから、ファイナンシャルプランナーとなる。お金とモノとの付き合い方を考え、お片付けプランナーとしても活動中。家族が笑顔になれる家計のやりくりとお片付けのアドバイスを行っている。明日から使える節約コラムやママ向けセミナーも好評。慶應義塾大学商学部卒業。ハピママlabo代表コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年01月19日1年のはじまりに、「ことしこそ家計簿をつける!」と目標を立てた人も多いはず。でも、日々の仕事や子育てに追い立てられて、やっぱり今年もダメだった……なんて、早くもあきらめていませんか?そこで、『片づけたら1年で100万円貯まった!』(リベラル社)の監修を務めた整理収納アドバイザー・小川奈々さんに、忙しい女性でも長続きする「おすすめ家計簿」を教えていただきました。ことしはこれらの家計簿を習慣化して、去年よりしっかりお金を貯めていきましょう!■3つのステップで“お金を片づける”家計簿の前に、まずは貯金の考え方を知ることが大事。一体どうすれば、お金を貯めやすくなるのでしょうか?小川さんは、「モノとお金の管理(=片づけ)のしかたはよく似ているんです」と話します。整理収納アドバイザーとしてお部屋とモノの片づけアドバイスを行うかたわら、モノの片づけ方を応用して家計簿アプリの講座や家計簿の個別相談も行っています。そんな小川さんの提案する“お金の片づけ方”は、極めてシンプルな3ステップ。(1)家計簿をつけてお金の流れを把握する・・・モノの片づけに例えると、片づけたい場所からモノを全部出す段階。なににいくら使っているか明確にし、ムダ遣いもチェック!(2)貯金の計画を立てる・・・不要なモノ(=支出)は捨て、予算を立てる。先に貯める仕組みをつくることがポイント!(3)予算内でやりくりする・・・残ったモノを使いやすく収納し、上手に使う段階。うまく整理されれば、再びムダが増えることもない!この3ステップでお金を片づけたら、貯金の目的をはっきりさせましょう。「基本はざっくりでいいんです。それよりも、とにかく目的をはっきりさせることが大事。車を買う、家を買う、子どもの教育など。家計がうまく回ればいい、という目的もアリです」とのこと。■家計簿は“見える化”するためのもの目的をはっきりさせたら、家計簿の出番です。「見えないと気がゆるんで『まぁ、いいか』と思いがちです。家計簿をつけて家計を見える化することで、膨らみがちな支出を引き締めることができるんです」(小川さん)普段は家計簿アプリの活用講座も行う小川さんですが、紙の家計簿にもメリットがあるとのこと。「冠婚葬祭費やスーツ購入などといった特別支出は、ボーナスで補てんしがち。ボーナスに頼る家計は“貯まらない家計”の典型です。でも、アプリでは特別支出を組み込むのに工夫が必要な場合が多いんです。特別支出を管理しやすいのは、紙の家計簿の方ですね」小川さんが考える「長続きしやすい家計簿」とは、とにかく『シンプルであること』。基準は(1)何日からでも始められる、(2)薄い、(3)わかりやすい、の3点です。意外にも、日記が書き込めたり、食材や献立が細かく記録できたりと多機能な家計簿は避けた方がよいとのこと。「女性はていねいな方が多く、支出の記録だけでなく毎日の思い出も一緒に、と思いがち。でも、機能が多くなるほど続けるのが難しいのも事実です。家計簿に求めることはただ一つ、『なににいくら使ったか書き出す』ことだけ。それが長続きのコツです」薄くてシンプルな家計簿は300円ぐらいと安価なものが多く、気負わずに取り入れられるのもメリット。「家計簿を買ったんだから、しっかり続けなきゃ!」と自分自身を追い込むこともありません。■安くて長続きしやすい家計簿ベスト3そんな小川さんがおすすめする、ノートタイプの家計簿は以下の3冊。どれも300円前後で買えます。(1)シンプル・イズ・ベスト → 『シンプル家計ノート2016』(オレンジページ、310円)「自分流に項目分けができる記入ページがあったり、日にちもフリーで記入できたりするので365日いつでも始められます。タイトル通り、シンプルで薄い・軽い・書きやすい1冊。おこづかい帳感覚でつけられ、初心者にピッタリです」(小川さん)(2)特別支出の管理もラクラク → 『いちばんおトクで使いやすい!おはよう!家計簿2016』(学研プラス、257円)「『出ていくことが決まっているお金』というネーミングが素敵。どうせ出すなら気持ちよく。月給で支払えない特別支出や『10年間のライフプランニング』『おつき合い・贈答のひかえ』も記入できる、中級者にもおすすめの1冊です」(小川さん)(3)確実に貯めたいならこの1冊 → 『みるみる貯まる!カンタン家計ノート2016』(ベネッセコーポレーション、298円)「貯めたいお金を先取りすることで、漠然ではなく確実に貯めるというコンセプト。使える お金を『やりくり費』と表現するのがおもしろいです。カラフルで視覚的に分かりやすく、書くのが楽しそうな印象を受けます。『今年こそは本気で貯めよう』という方にいい家計簿です」(小川さん)*最後に小川さんから、「忙しいと『家計簿をつける時間なんてない!』と思いがちですが、懸命に働いて手にするお金だからこそ大切に使うことも、今年は意識してみてはいかがでしょうか。働く意味まで見えてくるのが、家計簿に取り組む醍醐味です」とアドバイスをいただきました。『片づけたら1年で100万円貯まった!』では、モノの片づけ方だけでなく、お金の片づけ方も丁寧に解説。これ1冊で身の回りがスッキリ、「1年で100万円貯まった!」も決して夢ではありません。家計簿は“貯まる家計”への第一歩。『1月1日からつけられなかったから今年もダメ』と早々にあきらめず、まずは給料日などわかりやすい日を起点に、気負わず取り入れてみましょう。(文/よりみちこ)【取材協力】※小川奈々・・・1976年、広島県生まれ。横浜国立大学卒業後、病院の事務職で3度の転勤を経験。2007年、結婚を機に退職し、写真・料理・テーブルコーディネートを研究。2011年に整理収納アドバイザー1級を取得し、2013年に『感動の整理収納in Nagoya』を設立。整理収納サービスや自宅見学&セミナー、個別相談業務などを行う。2014年、「整理収納コンペティション2014本選プロフェッショナル部門」グランプリ受賞。ホームページでは、「幼稚園児が自分で片づけられる部屋作り」などの実例も紹介。【参考】※シンプル家計ノート2016-オレンジページnet※いちばんおトクで使いやすい!おはよう!家計簿2016-学研出版サイト※みるみる貯まる!カンタン家計ノート2016-口コミサンキュ!※小川奈々監修(2015)『片づけたら1年で100万円貯まった!』リベラル社
2016年01月18日大日本印刷(DNP)は12月24日、同社が生活者向けに提供している「DNP家計簿アプリ レシーピ!」のダウンロード数が200万件を突破したと発表した。同アプリは、同社が2013年7月にサービスを開始したスマートフォン向け家計簿アプリで、レシートを撮影するだけで購入商品の情報を家計簿に入力でき、グラフなどで家計管理ができるソフト。また、購入した食材を無駄なく使い切るレシピの提案や、癒し系キャラクター達とのゆるいコミュニケーションを楽しむことができる。さらに、家計簿の継続を促す“ごほうび”機能や、金融にITを取り入れた“フィンテック”市場で注目されている資産管理アプリとの連携に着手し、生活者の要望や最新技術を取り入れた機能開発に積極的に取り組んでおり、こうした機能の拡充などにより安定的な支持を得て、今回、サービス開始から2年5か月で200万ダウンロードを達成したという。DNPは200万ダウンロード突破を記念して、レシーピ!でレシートを撮影するとネットやリアルの店舗でおトクに使える共通ポイントがもらえる「頑張るあなたはトクをする!ポイントごほうびキャンペーン」を12月14日にスタート。キャンペーン期間は2016年3月7日までで、レシート1枚の撮影で共通ポイント1ポイント付与され、さらに撮影10枚ごとに共通ポイント3ポイントも付与される。
2015年12月24日●初心者さんには紙がオススメいつまでたっても貯金が増えない……。家計に関する悩みは尽きませんよね。家計簿をつけた方が良いのはわかっているのに何を使ったらいいのかわからない。また、使っていてもなかなか長続きしない、そんな方が多いのではないでしょうか?今回はファイナンシャルプランナーの飯窪直美さんに、初心者でも無理なく続けられる家計簿(実際にノートにつけるアナログのもの)を教えていただきました。○初心者向けの家計簿選びのポイントは?――家計ってちゃんとチェックしないとな~と思っていてもなかなか面倒でつい後回しになってしまうんですよね。何か良い方法はありますか?飯窪さん「出て行くお金は生活習慣によって人それぞれです。気づくと『入るお金』=『出て行くお金』となってしまっている人も少なくありません。自分のお金の『使い癖』を知ることで、支出を自然に減らしていくことができるのが"家計簿"です。言い換えると貯蓄を考えるならば、まず家計簿で自分のお金の流れをつかむことが基本です」――家計簿をつける上で今は便利なアプリなども出ていますがアナログのいわゆるノートのような家計簿とデジタルのアプリとどちらがいいのでしょうか?飯窪さん「家計管理初心者さんにはやはり、紙に書くことがオススメです。理由は下記の3点です」・自分で書いてる実感がある・俯瞰しやすい・気分でデコれる飯窪さん「確かに、スマートフォンのアプリも最近は優秀ですし、使い勝手が良い上に楽しめる工夫があるものも多いです。また、無料でダウンロードできる家計簿用のエクセルシートも良いものも多くなっています。ただ、紙に書くものの方が俯瞰しやすく、ビジュアルに訴える力がまだ高いと思います。そのときの気分で気ままに書ける気軽さも、これから続けられるかが不安な方にはオススメ。エクセルなどは始めると『〇〇しなくちゃ!』の意識が働いてしまって、最初から疲れてしまいますし、入力しただけで満足して振り返らなくなってしまうんですね。気分が乗ったときはシールを貼ったり、イラストを描いたり、思い出を書いたり。家計簿の範囲を超えて楽しむことができるのが、紙の家計簿の良いところですね」――なるほど! 時間管理における「手帳」と「スケジューラアプリ」と同じように家計管理においてもそれぞれにメリット・デメリットがあるんですね。私は初心者向けには紙の手帳が良いと私は考えているのですが、家計簿に同じことが言えるかもしれません。さて、飯窪さんオススメの家計簿は何ですか?飯窪さん「まずは定番中の定番から。1冊目はコチラです」○これぞ定番! 「No.28 一ヵ月の収支かひと目でわかる家計簿」飯窪さん「高橋書店が主催している『手帳大賞』の商品企画部門で大賞を受賞し、商品化した家計簿。主婦が開発したとても使いやすいアイテムです。費目ごとに分かれた記入欄なので、記入していくだけで月ごとの費目別収支を分かりやすく管理できます」飯窪さん「長く愛用する方が多い家計簿の定番中の定番で、私の母も昔からずっと使ってていました。サイズはB5でゆったりと書くことができますね。贈答の控えやマイカーメモ・マイハウスメモなど付録も充実しています」○気軽に始めてみるなら「シンプル家計ノート2016」飯窪さん「2冊目は初めて家計簿をつける方にぴったり! 気軽に始めてみるならシンプル家計ノート2016がオススメです」飯窪さん「内容がとてもシンプルでしかもリーズナブル! だから1年続けられるか不安な方でも始めやすいところがいいですね。また、項目が細かくないので、ざっくり管理するのにも、しっかり管理するのにもどちらにも対応可能なところも魅力です。日付も項目もフリーで、自分仕様にアレンジできます。大きな文字、くっきりした線で、見やすく書き込みやすいシニア版もあります」●かわいい家計簿で楽しく記録飯窪さん「3冊目と4冊目はちょっと変わり種の家計簿をご紹介します。変わり種といってももちろん使いやすいものをピックアップしました」○かわいいだけじゃない! 「ミッフィー家計簿付き手帳」飯窪さん「3冊目はミッフィー家計簿付き手帳です。かわいいだけでなく、レシートなどを入れられるシッパー付きポケットの携帯しやすいA6サイズ」飯窪さん「手帳と家計簿の必要機能をしっかり押さえていて、しかも色の違う見出し付きで見返しやすい。移動中などのスキマ時間にちょこちょこ書き進められるので忙しいワーキングママにとってもおすすめです」○記入・計算は一切不要!? 「新 レシート貼るだけ家計簿」飯窪さん「4冊目は「新 レシート貼るだけ家計簿」。そもそも書くことや計算することが面倒、という方にオススメです」飯窪さん「メモリに合わせて、レシートを貼っていくだけで、貼り付けた長さが棒グラフになる視覚的な家計簿です。計算はシートにおまかせで計算機も不要。何にいくら使ったかが一目瞭然で、面白いから三日坊主にならないので初心者さんにもオススメです」○家計簿のコツは「思い出の記録」にあり!?――ありがとうございました。では、最後に家計簿をつけるコツを教えてください飯窪さん「まずは『いくら残るかな……』と計算することを気にするよりも、記録だけするつもりで取り組んでみましょう。お金を使うシーンは日々の生活の他に、プレゼントや友人との楽しいおしゃべりなど思い出と結びついているものもあります。思い出を記録することで、自分にとって『うれしかった思い出や楽しかった思い出』と『あまりうれしくない思い出』が出てきますから、ここから無駄遣いが少しずつ見える形で消えていきます。この段階から収支計算を始めると数字に見えるのが面白くなってきます。最初から完璧ではなく、単に書くことから始めて、書くものが減ったら計算を始めて、計算が面白くなったら計画を立てる。この3ステップで家計簿での管理自体が無理なく続けていけるようになります」ファイナンシャルプランナーの飯窪さんに、これから家計簿をつけることを習慣にしようと考えている方向けにチョイスしていただきました。2016年は心機一転、使いやすい家計簿で家計管理を始めてみてはいかがでしょうか?【今回紹介した家計簿】高橋書店「No.28 一ヵ月の収支かひと目でわかる家計簿」オレンジページ「おこづかい帳感覚でつけられるシンプル家計ノート2016」クツワ「ミッフィー家計簿付き手帳」主婦の友社の本「レシート保管ポケット付き 新 レシート貼るだけ家計簿」【お話を聞いた方】飯窪直美さん「育成系FPのみどりとお金の育て方」たかたく文房具の魅力を発信するウェブマガジン
2015年12月19日Zaimは18日、家計簿サービス「Zaim」において、家族用・おこづかい用を切り替えられる「複数アカウント機能」を正式公開した。利用者からの「家族間で家計簿を共有しながらも自分のおこづかいは別に管理したい」という要望に応えたという。○夫婦で家計を共有すると「家計の満足度」が上昇複数アカウントはプレミアム(有料版)向けの機能となり、同社はこれに併せてAndoroidでもプレミアム会員の申込を正式に開始した。プレミアム会員になると、各口座残高の推移や金融機関からの手動データ取得、記録の一括ダウンロードなど、Web版やiOS版で利用できる有料版向け機能が活用できるようになる。料金は月額360円。同社は併せて家計簿の共有に関するアンケート結果を発表。それによると、Zaimユーザーの約半数が夫婦・パートナーと世帯を共にしており、そのうち33%が家計簿を共有していた。Zaimを共有している夫婦は、そうではない場合よりも「家計に対する価値観を共有している」と回答した割合が27.7ポイント上回ったことが判明。また、共有している夫婦は共有していない夫婦と比べて「家計の満足度がとても上がった」と答えた割合が1.6倍に増加したという。調査期間は2015年5月22日~6月21日、調査方法はインターネット、有効回答は20~60代のZaim利用者933人。
2015年12月18日NTTコミュニケーションズ(NTT Com)とSOINNは12月17日、AIが家計の状況を分析し、節約できそうなポイントをアドバイスする「節約アシスト」機能の開発を開始すると発表した。本機能は、NTT Comが同日より提供を開始したオンライン家計簿サービス「Kakeibon(カケイボエヌ)」のアプリ版で、2016年6月から利用可能予定となっている。「Kakeibon」は、無料のオンライン家計簿サービスで、インターネットバンキングやクレジットカード・電子マネーのWeb明細サービスと連携が可能となっている。ログインするだけで各種明細データを自動取り込みできるため、手間をかけずに家計簿をつけることができるだけでなく、銀行や証券会社にある資産の推移や内容も一目で確認できる。「節約アシスト」機能は、AIがユーザーのお金の使い方を分析し、自分と似た属性を持つユーザーの使い方と比較することで、節約できそうなポイントを提案する仕組み。具体的な節約のヒントも提示し、AIの提案に対するユーザーの反応に基づき、ユーザーごとの価値観も反映するよう発展させる予定としている。同機能は、自律的に学習することを特長とする汎用型AI「SOINN」の特長を活かすことで、ユーザーにマッチした的確な提案が可能だとしている。「SOINN」の特長の1つは、比較対象とする「自分と似たユーザー」の支出モデルを、AIが抽出した似たような特徴を持つユーザーの集まりのデータに基づいて自動で生成する自動クラスタリングによるモデル生成があげられている。また、季節や景気によって変化するユーザーの支出傾向に対して、環境変化にも自動対応し、モデルのパターンも自動更新するという。将来的には、同機能で開発した仕組みを発展させ、より家計管理を簡単・便利にするための汎用的なAIプラットフォームとして、NTT Comクラウド上でAPI提供することを検討している。
2015年12月18日マネーフォワードは11月27日、住信SBIネット銀行の利用者に向けて開発・運営する「マネーフォワード for 住信SBIネット銀行」を提供開始した。本サービスは、8月に発表した住信SBIネット銀行との業務提携による取り組みの一環となっている。本サービスは、マネーフォワードが提供する自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」をベースに、住信SBIネット銀行の利用者用の機能を拡充した自動家計簿・資産管理サービス。住信SBIネット銀行の口座での入出金残高確認だけでなく、住信SBIネット銀行以外の口座での入出金・残高情報の一括管理も可能となっている。住信SBIネット銀行の残高がホーム画面に表示されるほか、住信SBIネット銀行のスマートフォンサイトへシームレスに遷移することも可能。さらに、住信SBIネット銀行からのお知らせも受け取ることができる。
2015年11月27日マネーフォワードは20日、交通系ICカードをスマートフォンにタッチするだけで、残高や利用履歴を取得することができるAndroidアプリ「ICカードリーダー by マネーフォワード」の提供を開始した。対応機種はAndroid 4.0.3以降、料金は無料。○カードをタッチするだけで乗降記録を自動取得同アプリは、Webで利用履歴が確認できない交通系ICカードでも、スマートフォンにタッチするだけで簡単に移動や買い物の履歴を取得し、自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」に自動で記録することができる。これにより、時間や場所を問わず残高確認が可能になるという。SUICAやPASMOなど46種類の交通系ICカードに対応(2015年11月現在)。読み取ったデータはCSVファイルで出力可能で、メールでの送信やEvernoteなどのクラウドサービスへ保存することができる。同社によると、「『マネーフォワード』では、これまでWeb明細がない交通系ICカードに対応していなかったが、多くのユーザーから要望を受けたため、今回のサービスを開始した。特に経費清算については交通費を清算する人が多いと思われるため、ICカードリーダーがあれば"ラク"に清算できると考えた」と話している。また、12月初旬に提供開始予定のクラウド型経費清算・経費管理サービス「MFクラウド経費」(β版)と連携し、ビジネスマンの経費精算や事業者の経費管理、会計処理をサポートする。同サービスでは、クレジットカードやモバイルSUICAなど電子マネーでの利用履歴の自動取得を行うほか、同アプリと連携することで交通系ICカードでの利用履歴も取得し、経費精算や経費管理をスムーズにするという。
2015年11月20日【ご相談】小学校1年生の子どもがいます、中学受験など将来の教育費が心配です35歳女性です。32歳の夫と小学校1年生の息子がいます。以前は仕事をしておりましたが、現在は専業主婦です。転勤の可能性があるため賃貸住宅に住み、自動車は所有せずにカーシェアと公共交通機関で済ませるなど、日々の生活は節約して、年に一度家族旅行をしています。今のところやりくりには困っていませんが、将来を考えると子どもの教育費などが心配です。現在は公立に通っていますが、中学校は国立か私立を考え、4年生ぐらいから受験塾に通わせる予定です。このままの生活でよいのでしょうか。また、どのように備えればよいのでしょうか。大阪府在住 鈴木和子さん (仮名)【回答】今の家計状況なら、中学から私立でも大丈夫!しかし油断は禁物です。すぐにでも、教育費専用口座での管理を始めましょう(ファイナンシャルプランナー 中垣 香代子からのアドバイス)この春にお子さまが小学校に入学されたとのこと、おめでとうございます。お子さまが小学校に入学され、将来の教育費が気になり始めたのですね。今は困っていらっしゃらないけれど、家計のやりくりはこのままでいいのか、どのように教育費に備えたらいいのかとのご質問ですが、結論から申し上げます。今の家計状況を続けることができれば、中学から私立の進学コースでも大丈夫!しかし油断は禁物です。すぐにでも、教育費専用口座での管理を始めましょう。鈴木さまがご心配されている教育費ですが、準備を始める前に、今後の教育費がいくらくらいかかるのかを知る必要があります。文部科学省の調査によると、小学校から高校までの学校教育費と学校外活動費の合計は表1の通りです。通学期間合計欄のうち、鈴木さまにあてはまるところを赤文字で示しています。また、大学にかかる費用は表2のようになっています。鈴木さまのお子さまは、現在公立小学校に通われていらっしゃいますが、学校生活にかかる費用と習い事などにかかる費用は、月々の家計費の中で賄うことができています。次に、中学・高校ですが、私立もお考えとのことですから、中学からは私立の金額で考えることにしましょう。私立中学では、平均して1年間に130万円近い金額が必要となります。高校では「高等学校等就学支援金」制度(国公私立を問わず、年収910万円程度未満の世帯に、高校等の授業料の支援として「就学支援金」が支給される)があるため、中学よりは負担が軽くなります。それでも、私立高校では、平均して1年間に100万円近い金額が必要です。4月は他の月よりも引き落とし金額が多かったり、修学旅行の費用が引き落とされたりする月もあることでしょう。時には10万円以上の出費となることもあり、毎月の家計の中でやりくりするのは難しくなることも。私立に進学する前に、貯蓄にゆとりを持たせることがとても大事なことなのです。中学受験に備えて通う学習塾代も、塾によって差はありますが、大手塾では3年間で200万円を超えるところも少なくありません。また、大学受験に備えるための塾代や受験費用も100万円ほど考えておいた方がいいですね。ここで、教育費のご相談を受けた時にいつもお話ししている方法を、鈴木さまにも伝授します。それは、「教育費専用の口座を作ること」です。教育資金を光熱費・通信費の引き落としやカード決済口座と同じ口座に預けていると、教育資金が実際にどれくらい準備できているのかが分かりにくくなります。教育資金だけの専用口座で管理することにより、教育資金の準備状況を正しく把握することができます。次は、作った教育費専用口座には、いくらずつ積み立てていけばよいかです。鈴木さまの家計状況を見ますと、収入は手取り年収600万円、支出は年間約478万円+一時支出50万円で528万円。単純に考えると、年間で70万円ほど貯蓄できる計算になります。一時支出がなければ、1年間で120万円ほど貯蓄できる計算になりますが、実際には家電の買い換えや予定外の出費などがあるでしょうから、100万円ずつ貯蓄したとしましょう。さらに、中学3年まで支給される児童手当(月額1万円)も教育資金専用口座に入金すると、112万円になります。この積立スタイルで、鈴木さまが大学卒業までの教育費を賄うことができるのか、シミュレーションしてみました。1年間で100万円(中学3年までは112万円)を教育資金に積み立てて、そこから教育費を払っていけば、大学卒業までの教育費を賄うことができることがわかりました。ただし、上記の大学の費用は、私立大学の学校への納付金のみで算出しています。学校への納付金以外にも、大学生活に必要な費用は小さくありません。まだまだ先の話ではありますが、すべてを親御さんがご負担されるのか、お子さまがアルバイトや奨学金でいくらかご負担されるのか、大学進学前に話し合っておくことをおすすめします。鈴木さまは以前お仕事をされていたそうですが、今後のご予定はいかがですか?1カ月に5万円でも収入を得ることは、今後の生活の大きなゆとりとなります。「5万円くらい増えてもね……」と思われるかもしれませんが、1カ月に5万円ですと1年間で60万円、10年間で600万円になります。今からお子さまが高校を卒業されるまでの10年間で、600万円を増やすことができるのです。そうなれば将来、お子さまが留学などをしたいと思われた時の費用にもできますね。お子さまに使われない時は、退職後のお楽しみや生活費に充ててもいいですね。状況が許すならば、お仕事をされることを考えてもいいかもしれません。今後、お子さまの成長にともない、食費・通信費・お小遣い・旅行費用(子ども料金⇒大人料金)などが増えていくことと思いますが、現在のようにメリハリのある家計管理を続けて、ぜひ『年間100万円作戦』を成功させましょう。コラム執筆者プロフィール 中垣 香代子(なかがき かよこ)CFP(R)/2級ファイナンシャルプランニング技能士損害保険会社に約10年勤務後、子育てに専念。約20年間の専業主婦の後、ファイナンシャルプランナーとなる。「老後のお金サポーター」として、相談業務の他、40~50歳代女性にお金の知識をわかりやすく伝える活動をしている。また、自身の経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが一人でも減ることを願い、就学支援の情報発信にも力を入れている。老後のお金を一緒に考える事務所 所長。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年11月17日「なかなか貯金ができない」「どうしても入ってきた分だけ使っちゃう」といった悩みを持つ人は多いはず。実際、金融広報中央委員会が5日に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2015年)」では、2人以上の世帯で「金融資産を保有していない」との回答がじつに30.9%となっています。貯められる家計への近道はやはり家計簿!支出額を把握し、そこからムダを削り予算を立てることができれば、「収入>支出」のサイクルがつくりやすくなり、予算を守る「収入>支出」の習慣がつけば、お金は貯まりはじめます。でも、忙しい毎日のなかで家計簿をつけ続けるのは大変。そこで、お悩み別に「家計簿がなくても予算を守れる人になる」5つのアイテムをご紹介します。■1:「どれだけ使っているかわからない」→通帳を使うまず1ヶ月の支出を把握することが先決。通帳ひとつで家計の収支状況は一目瞭然、その上もっとも単純で確実な家計簿としても使えます。毎月の(1)給与振り込み日の残高と(2)翌月の給与振り込み日前日の残高を比較するだけ。(1)-(2)が1ヶ月間の生活費(支出)です。この額が収入を上回ると赤字家計。1ヶ月の支出額がわかったら、今度は引出しのたびにその欄に引出しの目的を書き込みます。「1/25~1/31の生活費」「送別会会費」などだいたいの内容がわかればOK。続けると、それぞれの費目の予算が立てやすくなると同時に、生活費を週に2回も3回も引き出しているなど問題行動に気づけます。複数の口座を使っている場合ほど支出額が見えにくくなるので、この方法が有効。それぞれの口座の支出額を出して合計することで、家計全体の収支を把握しましょう。[例]1月24日残高:100,000円1月25日給与振込:250,000円 残高:350,000円(1)2月24日残高:80,000円(2)2月25日給与振込:250,000円 残高:330,000円■2:「カード支出が把握しにくい」→クレジットカード利用明細を使う毎月送られてくる明細、チェックしていますか?カード支出は「お金を使った」という意識が薄くなりがちな上、金額が大きく「今回は特別」と特別扱いしがちです。お金が貯まらない人が共通して抱える問題点のひとつが、自分の家計の支出規模を把握できていないということ。会計してから引き落とされるまでのタイムラグも、カード支出を特別扱いしやすい要因です。利用明細で、全体の支出のうちいくらをカードで使ったか自覚しましょう。■3:「浪費していないのに貯金できない」→手帳を使う「浪費していない」と感じられるのは、お金に意識が向いている証拠。しかし、同時に「予算がきちんと把握できていない」ことの現れでもあります。予算を守りやすくするポイントは、スパンを短くしていくこと。「きょうの予算は2,000円」などと分かれば、予算への意識はグッと高まります。1ヶ月の予算を決めたら、それを4で割って週ごと、さらにそれを7で割って1日の予算を出します。このとき、あらかじめ出ていく予定の金額を忘れずに加えましょう。それを合算した金額を、マンスリーページに1日ごとに書き込んでいきます。■4:「我慢している感がイヤ」→シールを使う手帳と合わせて使いたいのがシール。マンスリー欄に「きょうの予算」を書き込んだら、支出を予算内に抑えられた日小さいシールを貼っていく、ただそれだけです。単純な方法ですが、これが案外楽しくなって、ゲーム管理で毎日の予算管理ができるように。大きな書店などでは数百円でいろいろ揃っていますし、安値なものだけでなく立体的な凝ったものまで種類もたくさん。特にがんばった日に貼る特別なシールを用意するのも楽しいですね。■5:「“ちょっとだけなら……”とつい使ってしまう」→封筒を使う予算を封筒で管理。節約術の本などでよくお勧めされる方法ですが、これが低コストで効果絶大。封筒は、銀行のATMなどに備えつけてあるものがベスト。銀行名が入ったあの封筒はちょっと……と思いますが、それこそがミソ。予算のうち、きょう使う分だけを封筒から出し、残りを封筒に入れたまま財布に入れておけば、取り出すのがちょっと恥ずかしくて意外と抑止力になるのです。*ひとつひとつは簡単ですが、意外と予算意識を高めてくれるもの。最初は簡単なものの方が、長続きしやすいのも事実です。予算が守れない、貯金ができないという人は、ぜひチャレンジしてみてください。(文/よりみちこ)【参考】※家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果―知るぽると
2015年11月15日【ご相談】住宅購入を検討中。月々のローンはどのくらい払える?36歳男性です。現在賃貸住まいで、月12万5,000円(駐車場代込)程度の支払いがあります。そろそろ住宅を購入したいと考えていますが、月々いくらくらいまでローンの支払いにまわせるでしょうか?住宅購入価格は4,000万円を希望しております。現在の家賃が高いと感じており、これから子どもにかかるお金も増えていくと思うので、いまの家賃より大幅に下げなくてはというイメージがあります。毎月の収入で教育費、住宅ローンが賄え、年間100万円の貯蓄ができるとうれしいです。千葉県在住 浜田聡さん (仮名)【回答】戸建てなら、住宅ローンは月10万円程度なら無理なく組めそうです(ファイナンシャルプランナー 竹内 美紀からのアドバイス)住宅購入を検討されているのですね。住宅探しは、将来に向けて夢が膨らむ楽しい時間です。さて、月々の収入で、教育費・住宅ローンが賄え、年間100万円の貯蓄をされたいとのこと。その上で、住宅ローンの返済に月々どのくらいまわせるか、というご質問ですが、結論から申し上げます。■現在の家計状況なら、住宅ローンの毎月の返済額は10万円を目安にしましょう。ご希望の住宅購入価格は4,000万円ですが、戸建ての新築住宅を購入される場合、税金や手数料、保険料などの諸費用は物件価格の5%程度かかります。この諸費用を含めると、合計で4,200万円が必要です。預貯金1,500万円のうち、予備費として生活費の6カ月分(約210万円)、カーテンや家具、引っ越し費用などに使える予備資金として190万円、合計400万円を手元に残すとすると、頭金につかえるお金は1,100万円となります。つまり、3,100万円の住宅ローンを組むことになります。借入金額3,100万円、全期間固定金利2.1%の住宅ローンを返済期間35年で組んだとすると、毎月の返済額は約10万5,000円となります。現在、家賃と駐車場代で12万5,000円かかっていますが、4,000万円の新築一戸建てを購入することにより、約2万円の支出を削減することができます。これにより、毎月の赤字が4万1,000円から2万1,000円に減り、年間貯蓄額は現状の120万8,000円から144万8,000円に増えることになります。かなり余裕がでますね。一方、マンションを購入される場合は、別途「管理費」「修繕積立金」「駐車場代」の支払いが毎月発生します。そのため、毎月のローンの返済額が約10万5,000円ですと、住宅にかかる費用はこれまでよりも高くなるおそれがありますが、「管理費+修繕積立金+駐車場代」の合計が3万7,000円以下であれば、毎年100万円の貯蓄を死守することができます。ただ、幼稚園の月謝などの将来の出費を考えると、マンション購入で住宅ローンの支払いが月10万円以上になる4,000万円の物件は、少し無理があります。物件価格を引き下げるか、変動金利型のローンの利用も視野に入れておきましょう。■いまが貯めどき!資金を3つに分けて、効率のよい資産づくりを浜田さまのお子さまは、まだ1歳。教育費が本格的にかかるまで10年以上の余裕があります。いまが貯めどきですので、将来の出費に備えて資産づくりに取り組みましょう。ところで、いま、どのようなかたちで貯蓄をされていますか?余ったら貯蓄する、というやり方をしているなら、思い切って見直しをするべきです。「貯蓄はボーナスから」と決めて、貯める金額を引き出し、貯蓄専用口座などに取り分けておきましょう。そして、残ったお金で生活するように心掛けてください。取り分けた貯蓄用のお金は、用途に応じて3つに分けます。(1)流動性資金緊急予備資金です。急な出費や、収入が急に途絶えてしまったときのための準備資金で、生活費の6カ月分が目安です。すぐに引き出せる普通預金などに入れておきましょう。(2)安全性資金近々、確実に必要となるお金です。教育費や住宅購入費などが該当します。学資保険や定期預金などを利用して、必要な時期に確実に用意できるようにしましょう。(3)収益性資金いわゆる、老後資金がこれにあたります。長い期間をかけて、少しずつでもじっくり蓄えていくことが大切です。投資信託や変額保険など、インフレに強い金融商品で運用しましょう。(2)の安全性資金のうち、教育資金は進路によってかかる費用が異なります。高校までの学費は、毎月の収入で賄うことが理想です。習い事や塾、進路を決める際は、貯蓄を取り崩さずに払えるかがポイントになります。大学に関しては、私立文系の場合、大学の初年度納入金は約115万円で、次年度以降約90万円、4年間で約386万円かかります。私立理系で初年度約150万円、次年度以降は約123万円、4年間で約519万円です。こちらの資金に関しては、学資保険などの確実に用意できるもので積み立てるとよいでしょう。※文部科学省「平成25年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」より。住宅の資金計画が決まったら、次は楽しい物件探し。素敵な住宅が見つかるといいですね!コラム執筆者プロフィール 竹内 美紀(たけうち みき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士/相続診断士(R)システムエンジニア時代にFP資格を取得し、経営者保険営業を経て、ファイナンシャルプランナーとして活動中。保険税務や相続に強く、「争いにならないための相続」や「マネーセミナー」なども開催。「数字に夢や希望をのせていっしょに夢を叶えるお手伝い」をモットーに、お客様の気持ちを掬い上げながら、丁寧な相談と生活実感を踏まえたアドバイスで、お客様の夢の実現をサポートしている。竹内FP事務所 代表コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月27日オンライン家計簿サービスを提供するZaimは9日、同社監修の家計管理とライフスタイルを提案するムック本『Zaimのシンプル家計術』(学研プラス/780円/税別)を発売した。○人気家計簿アプリの実例集同社は、400万人が利用している日本最大級の家計簿アプリ「Zaim」を提供しており、このたび発売されるムック本はその実例集となる。同書では、シンプルでスマートな家計管理法、旅行やインテリア等好きなことにはお金を惜しまず、メリハリの効いた家計を維持するためのアイデアを紹介する。主なコンテンツは人気ブログ『OURHOME』主宰のEmiさんインタビュー、Zaimユーザーの家計管理スタイルレポート、家計簿ビギナー向けのQ&Aなど。価格は80ページ780円(税別)、全国の書店やオンラインストアで販売予定。
2015年10月15日【ご相談】50代夫婦、このまま住宅ローンを払い続けていけるのか心配です54歳男性です。妻は53歳で夫婦ともに会社員です。教育費の負担は終わったのですが、住宅ローンの返済がまだ20年近く残っています。老後にお金で苦労はしたくないと思っているのですが、今の家計で住宅ローンを払い続けていけるでしょうか?埼玉県在住 高田正男さん (仮名)【回答】住宅ローンの早期返済に向けて家計の見直しを!リタイア後の家計の収支について、具体的なイメージをつかんでおくことも大切です(ファイナンシャルプランナー 小林 美智子からのアドバイス)夫婦ともに50代になり、老後の生活も視野に入りはじめる頃ですね。住宅ローンを払い続けていけるのかご心配とのこと。残りの返済年数はまだ20年近くあり、不安を感じられるのも無理はありません。現在の家計の状況ですが、二人の娘さんはすでに25歳と23歳ということで、教育費の負担は終わっています。基本的な生活費についても、特に無駄遣いをされているような項目はないようです。今のところ、夫婦二人の手取りの収入を合わせると約43万円となり、住宅ローンも含めた毎月の支出、約38万円をまかなうことができています。このまま今の収入が維持できれば、当面は住宅ローンの返済を続けていけるでしょう。しかし、住宅ローンの返済が70歳を過ぎるまで続くことを考えると、ずっと安心というわけにはいかないかもしれません。漠然とした不安を解消していくには、リタイア後の暮らしを具体的にイメージしていくことが必要になります。リタイア後の暮らしをイメージするために、50代になったらチェックすべきポイントをみていきましょう。■勤務先の退職金制度や再雇用制度、老齢年金等について確認しよういつまでどのくらいの収入が得られるのか、退職金はいくらもらえるのかによって、リタイア後の生活設計は大きく変わります。「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)により、定年が60歳の場合でも、本人が希望すれば、最長65歳まで雇用(再雇用を含む)することが企業に義務付けられています。ご自身の勤務先がどのような制度を導入しているのか調べておきましょう。また、再雇用制度を利用する場合、働き続けることができても収入が大きくダウンすることがあります。どの程度の収入が想定されるのか、事前に確認しておきましょう。リタイア後の主な収入は公的年金です。高田さまは、ご夫婦ともに50歳以上ですので、「ねんきん定期便」で老齢年金の見込み額を知ることができます。その他にも、厚生年金基金などの企業年金や個人年金保険などの私的年金があれば、何歳からいくら受け取ることができるのか把握しておきましょう。■生命保険を見直して、老後資金の原資にしましょう高田さまの場合、現在の毎月の収支は約5万円のプラスとなっています。毎月5万円の貯蓄をされているということで、年間で約60万円、これに奥さまのボーナス25万円を全額加えることができると、1年間で約85万円の貯蓄が可能です。仮にこの収支が、ご主人さまが60歳になられるまで続くとすると、6年間で約510万円となり、現在の貯蓄150万円と合わせると660万円になります。基本生活費については、堅実なやりくりをされているようですね。しかし、今回、見直しを提案させていただきたいのは、保険料についてです。加入されている保険の状況を拝見すると、ご夫婦ともに死亡保障額が適正な水準よりも多い可能性があります。お子さまの教育費負担も終わっていますし、貯蓄目的の終身保険はそのまま継続するとして、それ以外の死亡保障については削減の余地がありそうです。住宅ローンの名義がご主人さまで、団体信用生命保険に加入されている場合、ご主人さまに万一があったときは、住宅ローンの返済はなくなります。ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談して、適正な必要保障額を計算してもらうとよいでしょう。医療保険についても、現役時代は収入補てんとしての意味合いもあるかもしれませんが、今後はシンプルに医療費への備えと考え、高額療養費制度など公的な保障も踏まえて費用対効果を考えた保障へ見直していきましょう。保険料を節約できれば、先ほどの蓄えにさらに上乗せすることができます。ここに退職金を加えたものが老後資金の原資となります。また、貯蓄目的で加入している奥さまの終身保険を解約することで、さらなる上積みも可能です。解約返戻金がどのくらいになるか確認しておくとよいでしょう。60歳以降に収入が減少すると、家計の収支が赤字になることも予想されます。できれば住宅ローンは早めに返済してしまいたいところです。ご主人さまが60歳で定年を迎える頃の住宅ローン残高は、約1,600万円。退職金の額にもよりますが、完済も視野に入ってくるかもしれません。退職金も含めた貯蓄で住宅ローンを繰上返済(または完済)する場合は、手元に残るお金と60歳以降の就労による収入、65歳以降の年金収入と、老後の生活費とのバランスをとりながら返済に回せる金額を考えましょう。きちんとした計画もないままに住宅ローンの返済に回してしまうと、老後の早いうちに貯蓄が底をついてしまったり、介護や病気など不測の事態に備えることができなくなったりしてしまいます。厚生労働省が2015年7月30日に発表した「平成26年簡易生命表の概況」によれば、日本人の平均寿命は、男性が80.50歳、女性が86.83歳で、男女ともに過去最高を更新しています。リタイア後のセカンドライフは想像以上に長いものです。健康で自分らしく豊かなセカンドライフを送るためにも、50代の今から計画的に準備していきましょう。コラム執筆者プロフィール 小林 美智子(こばやし みちこ)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士/住宅ローンアドバイザー住宅購入や子どもの教育費の準備など、計画的な家計管理の必要性を感じ、家計の見直しを進めていくうちにファイナンシャルプランナーとなる。自身のライフプランにおけるお金の問題を解決してきた経験と、主婦として家計を守ってきた経験から、「難しいことをわかりやすく」をモットーに、お金にまつわる様々な問題や不安を解決する方法を発信している。こころFP事務所 代表コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月06日伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は9月28日、店舗やECサイトで購入した商品情報が自動で登録される「食材管理アプリ」と「家計簿アプリ」を備える、小売業者向けクラウドサービスを提供すると発表した。同サービスは、会員型のECサイトを運営しているスーパーマーケットやドラッグストアなどの流通・小売企業をターゲットとしたもの。食材アプリは場所を選ばずに冷蔵庫などの食材を確認でき、家計簿アプリは購入した商品が自動で家計簿に反映される。アプリを利用する生活者の購買や消費の情報をもとに傾向を分析することで、ニーズに合った商品のレコメンドやクーポンの発行を可能にし、会員型のECサイトを運営している企業では、既存会員の維持と新規会員の獲得にもつながるという。食材管理アプリの利用によって、家庭にある食材を外出先で確認でき、二重買いや買い忘れの防止につながり、賞味期限も確認できることで家庭での「食品ロス」の削減にも役立てることができる。家計簿アプリについては、店舗POSシステムやECサイトなどとの連携により購入した商品の自動登録ができ、煩雑な手入力による操作を省いた利用が可能となっている。すでに6月から、生活協同組合連合会コープネット事業連合が同サービスの利用を開始している。
2015年09月29日みなさんは、夫婦それぞれの給料を正確に把握しあっていますか?実は日本の場合、44.9%の夫婦は互いの収入を知らないのだそうです。しかも家計を管理しているイメージの強い女性の方が、相手の収入を知らない人が多いというのです。男性の41.7%に対し、女性は48%が相手の収入を知らないとか。しかしヨーロッパでも、事情は似ているようです。イギリスではおよそ半数の夫婦が、互いの収入を正確に知らないという調査結果が、『Daily Mail Online』で判明したのです。■互いの収入を知っているのは56%2,000人に調査を行ったところ、互いの給料を正確に知っている夫婦は56%しかいなかったそうです。イギリスでは日本と違い、女性が相手の給料を知っている率が高く、男性が52%だったのに対し、60%の女性は相手の収入を正確に把握していました。また調査からは、夫婦ではお金の話は避けられがちだということも明らかになりました。引っ越しや子どもを産む時期などは互いに話し合うのに、お金のことはなかなか話題に上がらないのだといいます。調査を受けた夫婦のうち、同棲する前に互いの収入について話したのはわずか3分の2以下。妊娠がわかった時点でお金について話したのも、10組中4組だけという結果になりました。■文化的にお金の話は避けられがちしかし、お金に関心がないわけではなさそうです。その証拠に、男女ともに4分の1以上が「交際中に相手に多額の借金があることがわかったら別れる」と話しました。不思議なことですが、それでも借金を含めたお金の話はなかなかしないようです。調査を行ったジャクリーン・デューイ氏はその理由について、イギリス全体の文化として、お金の話は避けられる傾向にあるのだと指摘しています。たとえ恋人や夫婦であっても、お金の話はしづらいというのです。しかし同時にデューイ氏は、お金の話を避けていると、関係がうまくいかなくなる可能性もあるといっています。「結婚相手の経済状況は、クレジットカードの申し込みをするとき、ローンを組むとき、また、携帯電話を買うときにすら関係してきます。互いの経済状況は生活に必要不可欠な情報なのです」日本でもなかなかお金の話はしづらいもの。でも結婚するということは生活のすべてをともにするということ。お金に対する価値観も違うと大変です。これから結婚を考えている人は特に、一度相手と腹を割って、お金の話をしておいたほうがいいかもしれません。(文/スケルトンワークス)【参考】※Do YOU know much your spouse earns? Half of married couples don’t know – and less than two-thirds discuss finances-Daily Mail Online※危険信号!?夫の年収を知らない妻と、貯蓄は妻まかせの夫-All About
2015年09月19日