国内外で活躍するジャズ・ヴァイオリニストの寺井尚子が企画と原案を担当し、真琴つばさら宝塚歌劇OGが出演する、初のコラボレーション『ALL THAT ZZJAALL THAT ZZKA(オール・ザット・ズージャ/オール・ザット・ズカ)』。出演者から真琴のほか姿月あさと、湖月わたる、風花舞、そして昨年退団したばかりの天寿光希と晴音アキに本作への意気込みを聞いた。「ジャズの“扉”は開けられても“その先”に進むのが難しいと感じていたところだったので、出演できて嬉しい」と微笑むのは、昨年ジャズを歌うアルバムをリリースしたばかりの真琴だ。姿月も「自分のコンサートでジャズを歌うことは多いのですが、OG公演でシャンソンなどではなく、ジャズだけっていうのはなかなか無いですよね。それだけに、このメンバーでの共演が楽しみです」と話す。一方、ジャズダンスの魅力を「解放感」と表現するのは湖月。「そこにハマってたくさん踊ってきましたが、ジャズの歌のほうはまだまだ挑戦中。本作を通してさらに勉強できたら」と意気込む。「“ジャズ”と聞いて一番印象深いのは、歌劇団に在団中、NY公演(1992年)で踊ったベニー・グッドマン」という風花は、「今回は歌が多いので緊張しますが、寺井さんとご一緒できるのが何より嬉しい」と笑顔を見せる。さらに、意外にも在団中はジャズに触れる機会が少なかったという天寿は「他の組でジャズのシーンがあるとワクワクして観ていました(笑)。憧れの先輩たちからたくさん吸収したいです」と気合い充分。晴音もうなずきながら、「“宝塚とジャズ”ってたくさんの名場面が残っていますよね。退団後はジャズを勉強したいと思っていたので、出演できて夢のよう」と喜ぶ。2人とも在団中は“エトワール”(フィナーレでの独唱)経験者だけに、強力な助っ人となりそうだ。選曲については、「真琴さんたちと『せっかくだからハードルの高い曲に挑戦してみたいですよね』と相談しました」と茶目っ気たっぷりに明かす湖月。「まさかの選曲です」(姿月)、「女性同士でのデュエットも」(真琴)など、気になる発言が飛び出した。「宝塚歌劇出身者の声って独特だなと思うんですよ。そういう声を持った人たちが“ジャズ”という枠で歌ったときに新しいハーモニーが生まれる。ぜひ楽しみにしていてください」と語る真琴。「寺井尚子カルテット」の生演奏と、真琴らのパフォーマンスが融合して贈る新たなステージ。その開幕を楽しみに待ちたい。取材・文:藤野さくら【公演情報】ALL THAT ZZJA ALL THAT ZZKA東京:9/22(金)~9/24(日) 日本青年館ホール大阪:9/29(金)~10/1(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2023年08月01日株式会社シソン(所在地:東京都渋谷区)は、代官山シソンギャラリーにて、寺井ルイ理による新作絵画展を2023年6月24日より7月2日まで開催いたします。アトリエにて1(制作途中の壁面)「美しい」「すごい」「ヤバい」「かっこいい」「面白い」―――。アーティストの作品を観て、それぞれが、それぞれの感想を抱く。正直に言うと、彼の作品を初めて観た時の感想は「???」だった。よくわからない。わからないから余計に引き込まれて観入ってしまう。これ、なんだろう?わからない。わかるはずもない。彼はきっと、人がわかるものを作って、わからせようなんて思っていない。だけど観ているといろんな発見がある。ひとつの作品の幾重にもなったレイヤーが化学反応を起こしている、とさらに引き込まれる。不思議な吸引力だ。そして創作の風景を想像する。彼のアトリエは、ごく普通のマンションの一室。元工場とか元問屋とか、生活感がない場所で描かれていそう、と想像したのに、肩透かしを喰らう。しかし一歩部屋に足を踏み入れると、生活感なんてまるでなかった。それはそうだ、何せアトリエだしね。2DKの2室共にキャンバスが並び、無造作(のように見える)に置かれた画材と作品と大きなスピーカー。外観とのギャップにくらくらして、置いてあるモノ、飾ってあるモノ、全てが気になって視点が定まらない。「銀座で働く友人が『おもちゃ箱をひっくり返したみたい!』って言ってたよ(笑)。それってさ、すごい褒め言葉じゃない?おもちゃがそこら中にひっくり返ってるんだもん、そんな楽しい状況ないよね。」アトリエにて2(ルイ氏)アトリエにて3誰もやっていない事を面白がってやってみる。「僕は千利休が好きなんだけど、彼が最初に使っていた茶碗なんて、朝鮮半島の『高麗茶碗』と呼ばれる素朴な感じの、ごく一般的な器だったんですよね。利休は美しさを価値があるもの、としてではない、雑器を茶室に持ち込んで、その無作為な美を評価したことで、価値観に変化が起きた。すごく面白いですよね。僕も陶器の作品を作ったんですよ。廃棄されてる器に取っ手を付けてマグカップにしたものです。萩焼や益子焼、いろいろあって、安ければ安いほどアートにした時、面白いんですよね。」そう言ってユニークな形の取っ手を付け、釉薬をかけて焼き直したマグカップを見せてくれた。アトリエにて4また一時期、彼のライフワークは「#ファッションブロガー」だった。昨年退任したが、GUCCIのクリエイティブディレクターにアレッサンドロ・ミケーレが着任した2015年はノームコアが主流。ブログなんてやっていないルイだが、ミケーレのデコラティブなGUCCIで全身コーディネートした写真に「#ファッションブロガー」とハッシュタグをつけてInstagramに投稿。定期的に発信し続け、シリーズ作品化した。当時の感覚だと一種の皮肉にも思えるかもしれないが、ギリギリのラインを真顔で着こなす絶妙なキッチュさが面白い。「僕は“価値観の定義の問い”や“価値観の昇華”に興味があって。矛盾や、物事の狭間を考える事が好きだなんだと思います。『トレンドって何?』ということについて考える事とか。お洒落が個性とオリジナルなら、“誰も着こなせないようなトリッキーな服”が1番お洒落っていう答えに行き着いた。僕はあえて合わない色を探している部分もあって。多くの人達は相性の良い色の組み合わせを探すから、不安になると思うんだけど、僕の場合、色が合わない時が最高なんです。だけどまだ合わない色同士に出会った事はありません」「ジュラシックパークのティラノサウルスは6800万年前の夢を見るのか? 本当にもし恐竜が復活したら、何千年万年前の夢を見るのか考えてみたんです。フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のタイトルがずーっと好きで、いつも色々な物事をこのタイトルに当てはめて考えてます。現代に復活した恐竜は、現代と何千年前のハイブリッドの夢を見るのか?もしそうなら、夢の絵柄を想像すると楽しい。『アンドロイドは〜』の原題は『Do Androids Dream of Electric Sheep?』なんだけど、好きなのは日本語タイトル。“電気羊”って、電気鰻みたいじゃない?“Electric Sheep”は電気で動く羊だけど“電気羊”は電気を発電してるかもしれない。アンドロイドの羊じゃなくていいわけです。本当は“電力羊”と訳すべきだったんですよね。“電気羊”と訳したことで、イマジネーションの幅ができた。実は元はストレートヘアの羊で、自分の電気でチリチリなのかな、とか(笑)」今回の展示のテーマは「ハイブリッドドリーム “夢は時空を超えて見れるか?”」どんなハイブリッドな夢を見せてくれるかが楽しみである。アトリエにて5■イベント概要イベント名: 寺井ルイ理「ハイブリッドドリーム“夢は時空を超えて見れるか?”」開催日時 : 2023年6月24日~7月2日 13:00~19:00(月曜休廊)開催場所 : シソンギャラリーアクセス : 代官山駅より徒歩8分、渋谷駅より10分詳細ページ: ■作家プロフィール寺井ルイ理 Louis Terai東京生まれ。11歳より単身渡英。Central St Martins LONDONからWINCHESTER SCHOOL of ART入学後、FINE ART PAINTINGを専攻し卒業。その後展覧会に絵画作品を発表するかたわら、ロンドンを拠点に多数のアパレルブランドに企画、バイヤー(BROWNS)として携わる。30歳で帰国。以降、アブストラクトペインティングを中心に作品を発表、国内外のコレクターに親しまれている。また伊勢丹新宿本店ウィンドウのジャックや、ルイ・ヴィトン、3.1 Philip Lim、CA4LA、開化堂、中川木工芸、風月堂等の国内外のブランドや企業とのコラボレーションなども展開している。絵画制作だけにとどまらず、様々なディスプレイデザインやブランドプロダクトディレクションも手掛けている。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月08日