TBS収蔵の貴重なドキュメンタリーフィルムをデジタル修復して劇場公開する『TBSレトロスペクティブ映画祭』が、4月26日(金) よりMorc阿佐ヶ谷にて開催されることが決定した。第1回目は昭和の鬼才・寺山修司の特集。TBSの社員であり映画監督としても活躍する佐井大紀によるセレクションで、寺山の軌跡を辿る5番組、そしてその影響を色濃く受けた佐井監督作のドキュメンタリー2作品も上映する。併せて、本特集の予告編とポスタービジュアル、場面写真も公開された。<上映作品ラインナップ(作品解説:佐井大紀)>『あなたは•••••』デジタル修復版(1966年11月20日放送)■メディア史に燦燦と輝くテレビドキュメンタリーの伝説的傑作「あなたにとって幸福とは何ですか?」ハンドマイク一つしか持たない素人の女子大生が、まるで機械のように、決められた17の質問を町ゆく人にぶつけていく。フランスの映画監督・人類学者ジャン・ルーシュの「シネマ・ヴェリテ」に影響されたディレクター萩元晴彦が、盟友・寺山と仕掛けた記念碑的作品。デモ隊の先頭、挙式中の花嫁、在日米兵など取材対象は様々。しかしなぜだろう、それらの問いは、観客である我々自身に向けられている気がしてならない。構成:寺山修司ディレクター:萩元晴彦音楽:武満徹『日の丸』HDリマスター版(1967年2月9日放送)■“偏向番組だ”として政府がTBSを調査、タブー化された問題作建国記念の日が初めて施行される2日前、寺山と萩元は『あなたは•••••』と同じ手法を用いて「愛国心」をテーマに制作したのが本作。「日の丸といったらまず何を思い浮かべますか?」「家庭と祖国のどちらを愛していますか?」といった質問を矢継ぎ早に投げかけていく。放送後には“偏向番組だ”として郵政省がTBSに事情聴取を行った。入社して受けた新人研修で本作に衝撃を受けた私は、拙作『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』を監督するに至る。構成:寺山修司ディレクター:萩元晴彦『中⻄太 背番号6』デジタル修復版(1964年7月14日放送)■詩的なナレーションが光るスポーツドキュメンタリーの先駆的作品若くして⻄鉄ライオンズの監督となった天才野球選手、中⻄太。1964年6月7日、福岡県平和台球場で行われた⻄鉄ライオンズ対東映フライヤーズ第15回戦の実況中継に、貧困から這い上がった中⻄の栄光と孤独に満ちた半生を絡ませていく。「プロ野球のスカウトというのは今様の人買いであり、プロ野球の球場は、買われた若者たちの人生を懸けた孤独な劇場なのである」この冒頭ナレーションだけでもう、寺山の仕事だとわかってしまう。構成:寺山修司ディレクター:萩元晴彦『サラブレッドーわが愛―大障碍の記録―』HDリマスター版(1964年10月13日放送)■競馬を愛する寺山が手がけた躍動感あふれる意欲作1964年10月11日、千葉県中山競馬場で行われた大障碍レース。フジノオーとタカライジンの対決を軸に、騎手、調教師、厩務員、そしてサラブレッドの人生を描く。リマスターされた映像を観た私は、得も言われぬ感動に打ち震えた。馬の毛並みの美しさ、山本直純が手掛ける劇伴の艶やかさ、そして熾烈なレースを繰り広げるクライマックスの、一切ピントを狂わすことなく競走馬を捉え続けるカメラワークの超絶技巧に。これらのディテールこそが、本作の真価を謡いあげている。構成:寺山修司ディレクター:萩元晴彦音楽:山本直純『勝敗 第一部・第二部』デジタル修復版(1965年10月5日・12日放送)■寺山の文学性とテレビメディア論がぶつかり合った隠れた傑作萩元がテレビの“中継性”を見出したという『第一部』。坂田栄寿名人と林海峯八段の第四期囲碁名人戦の模様を4台のカメラと同時録音で収録。最小限のナレーションと両者の表情・手つき・呟きなどから、緊張感漂う現場の時間そのものを伝える。しかし翌週放送された『第二部』は一変、物語は思いもよらない展開を見せ、THE寺山作品へと変貌していく。ヒッチコック『サイコ』のような巧みな構成に貴方も翻弄されるがいい。構成:寺山修司ディレクター:萩元晴彦音楽:武満徹『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』(2023年2月24日公開 配給:KADOKAWA)■TBSドキュメンタリー史上最大の問題作が、半世紀の時を経て現代に甦る『日の丸』放送から50年後の2017年、 新人研修で本作に出会った私は、メディア論的な実験精神と社会に切り込む挑発性を持った作風に強い衝撃を受けた。「現代に同じ質問をしたら……?」二つの時代を対比させ「日本」や「日本人」の姿を浮かび上がらせようと、私は自ら街頭に立った。様々な実験がなされていた60年代をノスタルジックに振り返るのではなく、その普遍的な新しさを後継しテレビが成熟しきった現代に一石を投じる作品を目指した。監督・編集:佐井大紀出演:金子怜史、安藤紘平、シュミット村木眞寿美、今野勉語り:堀井美香、喜入友浩(TBSテレビ)イラスト制作:臼田ルリ『カリスマ〜国葬・拳銃・宗教〜』(2023年3月17日公開)■「あなたの人生の主役は誰ですか?」取材対象を追わない反ドキュメンタリーへの挑戦当初は『エキストラ』というタイトルだった本作だが、“エキストラ”の観察とは不在の“主役”の強調を意味していた。両者のイメージが観客の脳内で共存したとき、自ずと社会構造が立ち上がる。“国葬”をテーマに山上徹也と永山則夫、統一教会とイエスの方舟を比較。一見関係ないモチーフを追うことで本当に追いたい対象を想起させるこの手法こそ、“情報伝達”というジャーナリズムの呪縛から解放された新しいドキュメンタリーの文法であり、寺山的アプローチの後継でもあると信じたい。監督・編集:佐井大紀構成:寺坂直毅出演:千石まさ子、千石恵イラスト制作:臼田ルリ<TBSレトロスペクティブ映画祭の企画について>■映画監督 佐井大紀昨今「テレビはオワコンだ」とよく聞くが、かく言う貴方は本当の“テレビ”を知っているのか?TBSではテレビ黎明期から現在に至るまで、メディア論を根本から問う名作ドキュメンタリーが数多く制作されてきた。しかしそれらの多くは、放送後ほとんど視聴の機会に恵まれず、暗く冷たいテープ倉庫の中で今も静かに眠ったままなのだ。そこで私は独断と偏見でいくつかのフィルムを取り出し、デジタル修復して世に再発表する『TBSレトロスペクティブ映画祭』を企画した。第1回は、拙作『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』の原型である『日の丸』を手掛けた巨人・寺山修司特集。フィルムの保存状態によって修復に限界があった作品も少なくないが、作品そのものが持つ熱量と説得力は今でも我々の胸に迫ってくる。故きを温ね新しきを知る……そうこれこそが、自由で可能性に満ちた“テレビ”の本来の姿なのだ!第2回、第3回の作品選定の合間を縫い、私も大画面のスクリーンで堪能したいと思う。<上映情報>『TBSレトロスペクティブ映画祭』4月26日(金) Morc阿佐ヶ谷ほか全国順次ロードショー『TBSレトロスペクティブ映画祭』予告編公式HP:
2024年02月15日劇作家、演出家、歌人、映画監督、テレビディレクター……。ジャンルを超えて活躍し、今もなお人々に影響を与え続ける寺山修司。昨年没後40周年を迎えた彼を題材にした舞台『テラヤマキャバレー』が2月9日(金)、東京・日生劇場で幕を開けた。自身の団体「ゆうめい」の作品も注目を集める気鋭の劇作家、池田亮が脚本を担当し、世界的な演出家、デヴィッド・ルヴォーが演出を務める本作は、「もし寺山が今生きていたら、何を思い、何を表現したのか」に思いを馳せて作られた音楽劇。舞台は生と死が交錯するキャバレーで、寺山が詞を手掛けた昭和の名曲を織り交ぜて物語が展開していく。真紅の幕がかけられた舞台に、黒いトレンチコートに身を包んだ寺山修司(香取慎吾)が現れる。夢の中のキャバレーで劇団員たちに名前をつけた寺山は、芝居『手紙』のリハーサルを始める。そこにやってくるのは白いトレンチコートをまとった「死」(凪七瑠海)。自分を連れていこうとする「死」に寺山が抵抗すると、「死」は過去や未来に行くことができる3本のマッチを与え、日が昇るまでの時間を猶予として与える代わりに「感動する芝居を見せてくれ」と伝える。白粥(成河)、アパート(村川絵梨)、暴言(平間壮一)といった劇団員は寺山を深く慕っているものの、それぞれ自由に振る舞うため、限られた時間の中で行う必死のリハーサルもなかなかうまくいかない。キャバレーの下に住む「蚊」(伊礼彼方)は何かと寺山にまとわりつく。そんな中、寺山は与えられたマッチを擦って過去へと旅立つ。そこで出会ったのは曽根崎心中を上演しようとする近松門左衛門。さらに2本目のマッチを擦った寺山が向かったのは2024年の新宿・歌舞伎町。詩が必要とされず、電話だけを頼りにしている現代に衝撃を受ける寺山。時空を超えて言葉、肉体、生と死と向き合った寺山は、「死」を感動させる芝居を作ることができるのか。たくさんの時計がちりばめられた巨大な壁のようなセット。そのセットの中からバンドメンバーが奏でる生演奏にのせて、『ときには母のない子のように』『あしたのジョー』など数々のナンバーが歌い上げられる。寺山が駆け抜けた60〜70年代の空気を思い出させるような、猥雑で混沌としたビジュアルとキャラクターの劇団員たち。寺山作品に度々登場する母のモチーフ。そして寺山が紡いだ言葉が散りばめられたセリフ。寺山を構成する要素がぎっしりと込められた今作で、寺山が亡くなった年齢と同じ歳になった香取は、セリフの一言ひとことに体重をかけ、気持ちを乗せて発する。目まぐるしい展開の中で、香取演じる寺山が投げかける言葉が刺さる。劇中で歌われる「質問」という楽曲が、全体を貫くテーマに重なる。現実からしばし離れて心が空想の世界を浮遊する2時間40分。しかし幕が降りて現実に戻った私たちには、寺山の発した投げかけが残り続けているはずだ。取材・文:釣木文恵撮影:岡千里<公演情報>『テラヤマキャバレー』脚本:池田亮演出:デヴィッド・ルヴォー出演:香取慎吾成河伊礼彼方村川絵梨平間壮一花王おさむ福田えり横山賀三凪七瑠海(宝塚歌劇団)ほか【東京公演】2024年2月9日(金)〜2月29日(木)会場:日生劇場【大阪公演】2024年3月5日(火)〜3月10日(日)会場:梅田芸術メインホールチケット情報:()公式サイト:www.umegei.com/terayama_cabaret2024
2024年02月14日寺山の監督作品『草迷宮』で俳優デビューした三上博史が、寺山修司の没後40年を記念し『三上博史 歌劇-私さえも、私自身がつくり出した一片の物語の主人公にすぎない-』を上演する。気になるその内容について、三上自身に語ってもらった。そもそものきっかけは、2008年から5月4日の命日に寺山修司記念館(青森県三沢市)で三上が続けている追悼ライブ。「当初は寺山さんが遺したテキストの朗読が中心だったんですが、近年では歌ったり、特に今年はバンドも入れたりして音楽が主体になっていたんです。で、これを三沢だけでやるのはもったいないね、と。そんな時、今回の製作会社さんからお声がけをいただいて。しかもせっかく紀伊國屋ホールでやれるなら、これまで大がかり過ぎて出来なかった演劇をやってみようということになったんです」寺山という異才をきっかけに誕生した俳優、三上博史。彼に寺山作品の魅力を訊くと、あるふたつのキーワードを挙げてくれた。「寺山って“下世話”と“崇高さ”、その両極を兼ね備えていると思うんです。下世話も突き詰めると崇高になるし、そうなったらもう臓腑まで掴めるというか(笑)。今回僕はそこまで行きたいですし、出来るだけ肉感的なことをやりたい。演劇実験室 万有引力という、肉体を持った人たちも手伝ってくれるわけですから。まぁ壮大な失敗になるかもしれませんけどね(笑)」現段階での構想については、このように明かす。「寺山のエッセンスみたいなものを、言葉を中心に抽出したいと思っています。それは『レミング』の影山影子や、僕もやらせてもらった『青ひげ公の城』の第二の妻、『さらば箱舟』のスエなど、そういったもので構成出来ないかなと。だから演劇とも言い切れないですし、朗読でも、コンサートでもない。蓋を開けてみないと本当にわからなくて。でも『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェルだって、ニューヨークで悶々としていた男の子が、やりたいことをやっちゃったらああいうものが出来たわけです。これもそういったものになりそうな気がしています」さらに三上は、若い人や演劇経験があまりない人に特に観てもらいたいと続ける。「今回は初体験みたいな感性を望んでいて。これを演劇的リテラシーで紐解いてしまうのはナンセンスですからね。だからなんかスコーン!と感じてもらいたいですし、まっさらな状態で来てもらえたらなと思います」公演は2024年1月9日(火)~2024年1月14日(日)まで。取材・文:野上瑠美子
2023年11月20日舞台「テラヤマキャバレー」の新ビジュアルとストーリーが公開された。没後40年を迎え、その稀有な才能に再び注目が集まる寺山修司がいま生きていたら、何を思い、何を表現したのか。虚実に満ちた寺山さんのパワフルな世界が、新進気鋭の作家・池田亮の脚本と、デヴィッド・ルヴォーの演出、香取さん主演で立ち上がる。舞台は、生と死が交錯するキャバレー。寺山さんの詞による多くの昭和の名曲を織り交ぜた、これまでにない驚きの音楽劇となっている。今回公開されたのは、寺山修司役に初挑戦する香取さんの新ビジュアル。アートディレクターは吉田ユニが務めた。なお、チケット一般発売は12月16日(土)となっている。▼ストーリー1983年5月3日(火)、寺山修司はまもなくその生涯を終えようとしていた。脳内では、彼を慕う劇団員がキャバレーに集まっている。寺山が戯曲「手紙」のリハーサルを劇団員と始めたところへ、死が彼のもとにやってきた。死ぬのはまだ早いと、リハーサルを続けようとする寺山。死は彼に日が昇るまでの時間と、過去や未来へと自由に飛べるマッチ3本を与える。その代わりに感動する芝居を見せてくれ、と。寺山は戯曲を書き続けるが、行き詰まってしまう。そこで、死はマッチを擦るようにすすめた。1本目、飛んだのは過去。近松門左衛門による人形浄瑠璃「曽根崎心中」の稽古場だ。近松の創作を目の当たりにしたことで、寺山の記憶が掻き立てられる。2本目は近未来、2024年のバレンタインデーの歌舞伎町へ。ことばを失くした家出女や黒蝶服、エセ寺山らがたむろするこの界隈。乱闘が始まり、その騒ぎはキャバレーにまで伝播。よりけたたましく、激しく肉体がぶつかり合う。寺山は知っている。いま書いている戯曲が死を感動させられそうもない、そして自身も満足できないことを。いまわの時まで残りわずか。寺山は書き続けた原稿を捨て、最後のリハーサルへと向かう――。舞台「テラヤマキャバレー」は2024年2月9日(金)~29日(木)日生劇場、3月5日(火)~10日(日)梅田芸術劇場メインホールにて上演。(シネマカフェ編集部)
2023年11月01日俳優の香取慎吾が寺山修司役に初挑戦する主演舞台『テラヤマ・キャバレー』の新ビジュアルが1日、公開された。没後40年を迎え、その稀有な才能に再び注目が集まる寺山修司さん。もし寺山さんが今生きていたら、何を思い、何を表現したのか。虚実に満ちた寺山さんのパワフルな世界が、新進気鋭の作家・池田亮氏の脚本とデヴィッド・ルヴォーの演出、香取慎吾主演で立ち上がる。舞台は生と死が交錯するキャバレー。寺山さんの詞による多くの昭和の名曲を織り交ぜた、これまでにない驚きの音楽劇となる。このたび、同舞台の新ビジュアルとともに、あらすじも公開された。『テラヤマ・キャバレー』は、2024年2月9日~29日に東京・日生劇場、3月5日~10日に大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。○■『テラヤマ・キャバレー』あらすじ1983年5月3日、寺山修司はまもなくその生涯を終えようとしていた。寺山の脳内では、彼を慕う劇団員がキャバレーに集まっている。寺山が戯曲『手紙』のリハーサルを劇団員と始めたところへ、死が彼のもとにやってきた。死ぬのはまだ早いと、リハーサルを続けようとする寺山。死は彼に日が昇るまでの時間と、過去や未来へと自由に飛べるマッチ3本を与える。その代わりに感動する芝居を見せてくれ、と。寺山は戯曲を書き続けるが、行き詰まってしまう。そこで、死はマッチを擦るようにすすめた。1本目、飛んだのは過去。近松門左衛門による人形浄瑠璃「曽根崎心中」の稽古場だ。近松の創作を目の当たりにしたことで、寺山の記憶が掻き立てられる。2本目は近未来、2024年のバレンタインデーの歌舞伎町へ。ことばを失くした家出女や黒蝶服、エセ寺山らがたむろするこの界隈。乱闘が始まり、その騒ぎはキャバレーにまで伝播。よりけたたましく、激しく肉体がぶつかり合う。寺山は知っている。今書いている戯曲が、死を感動させられそうもない、そして自身も満足できないことを。いまわの時まで残り時間。寺山は書き続けた原稿を捨て、最後のリハーサルへと向かう。
2023年11月01日2024年2月から3月にかけて東京・大阪で上演される舞台『テラヤマキャバレー』の新ビジュアルが公開された。没後40年を迎え、その稀有な才能に再び注目が集まる寺山修司。本作の舞台は生と死が交錯するキャバレーで、寺山の詞による多くの昭和の名曲を織り交ぜた、これまでにない音楽劇となる。1983年5月3日(火)、寺山はまもなくその生涯を終えようとしていた。寺山の脳内では、彼を慕う劇団員がキャバレーに集まっている。寺山が戯曲『手紙』のリハーサルを劇団員と始めたところへ、死が彼のもとにやってきた。死ぬのはまだ早いとリハーサルを続けようとする寺山。死は彼に日が昇るまでの時間と、過去や未来へと自由に飛べるマッチ3本を与える。寺山は戯曲を書き続けるが、行き詰まってしまう。そこで、死はマッチを擦るようにすすめた。1本目、飛んだのは過去。近松門左衛門による人形浄瑠璃『曽根崎心中』の稽古場だ。近松の創作を目の当たりにしたことで、寺山の記憶が掻き立てられる。2本目は近未来、2024年のバレンタインデーの歌舞伎町へ。ことばを失くした家出女や黒蝶服、エセ寺山らがたむろするこの界隈。乱闘が始まり、その騒ぎはキャバレーにまで伝播。よりけたたましく、激しく肉体がぶつかり合う。寺山は、今書いている戯曲が死を感動させられそうもない、そして自身も満足できないことを予感。いまわの時まで残りわずかとなり、寺山は書き続けた原稿を捨て、最後のリハーサルへと向かう――。香取慎吾が寺山役を務めるほか、脚本は寺山をリスペクトし、斬新な切り口で物語を書き下ろした池田亮、演出はウエストエンド、ブロードウェイ、日本とさまざまな国で活躍してきたデヴィッド・ルヴォーが手がける。<公演情報>舞台『テラヤマキャバレー』演出:デヴィッド・ルヴォー脚本:池田 亮【出演】香取慎吾成河伊礼彼方村川絵梨平間壮一花王おさむ福田えり横山賀三凪七瑠海(宝塚歌劇団)ほか2024年2月9日(金)~29日(木) 東京・日生劇場2024年3月5日(火)~10日(日) 大阪・梅田芸術劇場メインホール公式サイト:
2023年11月01日2024年1月9日(火) から14日(日) にかけて紀伊國屋ホールにて、寺山修司没後40年記念公演『三上博史 歌劇 ―私さえも、私自身がつくり出した一片の物語の主人公にすぎない―』が、上演されることが発表された。詩人・劇作家・脚本家・作詞家・評論家・小説家・エッセイスト・映画監督・写真家・劇団主宰など、あらゆる肩書きとともに時代を超えて今なお愛され、様々な人に影響を与え続けている寺山修司。出演は、その寺山によって“俳優”であり“表現者”という命を吹き込まれた三上博史。2015年に上演された『タンゴ・冬の終わりに』以来、実に約8年ぶりに『三上博史 歌劇』を上演する。本公演では、俳優業と併行して長年音楽活動も続け、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』をはじめとした演劇活動における芝居と音楽の融合を表現し続けてきた三上の魅力あふれる肉声に加えて、一流ミュージシャンたちが生演奏で素晴らしい楽曲や詩の数々をお届け。さらに、歌や詩の朗読のほか、演劇シーンもふんだんに盛り込み、伝説的舞台『レミング-壁抜け男』の影山影子役をはじめ、寺山作品の多種多様な登場人物を三上が早替わりで演じ分ける。共に作品を創り上げるのは、寺山修司没後20年記念公演として上演された『青ひげ公の城』で主演して以来約20年ぶりのタッグとなる、寺山主宰の演劇実験室天井桟敷の後継劇団=演劇実験室◉万有引力、そして演出に J・A・シーザー、上演台本に高田惠篤・寺山偏陸という生前の寺山と共に名作を生んできた盟友たちが顔を揃える。劇場は、寺山自身が生前最後に手掛けた天井桟敷の最終公演『レミング-壁抜け男』を上演した紀伊國屋ホールと、40周年に相応しい顔合わせが実現した。寺山修司撮影:有田泰而 提供:テラヤマ・ワールド三上博史は、高校1年生の時に寺山が監督を務めたフランス映画『草迷宮』のオーディションに合格し俳優デビュー。寺山との運命の出逢いから数年後には、紀伊國屋ホールで上演された天井桟敷の最終公演『レミング-壁抜け男』を座席からリアルタイムで観劇していた。寺山との出逢いが俳優として生きる道を決定づけ、以来本人が時に“呪縛”とさえ表現するほどの絶大な影響を受けてきた。寺山作品を演じ、歌い、後世に語り継いでゆくことが自身の使命という三上は、2008年から現在に至るまで毎年欠かさず、5月4日の命日に寺山の出身地である青森県三沢市の寺山修司記念館において追悼ライブを行っている。■三上博史 コメント寺山さんは僕が育っていくことのすべての種になっていた方です。その種は15歳で出会ったときに植え付けられていて、寺山さんの呪いがかかっているものでした。どんなことにチャレンジしても、どこかで寺山修司や天井桟敷に辿り着いてしまうんです。親離れする、乗り越えていくと思っても、やっぱり影響のある人に辿り着いてしまう。結局はお釈迦様の手のひらの上なんですよ。寺山さんの呪縛は一生ついて回るんでしょうかね、嫌だな(笑)。この舞台は、寺山修司記念館で続けてきたライブ、一方で地方の民話や古事記を朗読してきた僕自身の活動の流れの上にありますが、会場が、『レミング-壁抜け男』という天井桟敷が最後の公演をしたのが紀伊國屋ホールで、僕の中では大事な思い出の場所であり、敷居が高い劇場でもあります。そこで僕ができることを考えるとやっぱり演劇なのかなと思ったんです。でもライブは外せない。その合わせ技で『三上博史 歌劇』となりました。そして公演のサブタイトルは本当にいい寺山さんの言葉で、俳優として、一人の虚像として生きてきた僕にピッタリだと思っています。そんな僕の中の要素を総動員してお届けするものになるのは間違いありません。寺山さんのテキストで構成されることは決まっていて、誰も見たことのないものを目指します。比較されたり分析されても仕方のないものなので、肌感覚でガツンと楽しんでもらいたいですし、できるだけ先入観なく見てもらえたらと思っています。<公演情報>寺山修司没後40年記念公演『三上博史 歌劇 ―私さえも、私自身がつくり出した一片の物語の主人公にすぎない―』2024年1月9日(火)~14日(日)会場:紀伊國屋ホール作:寺山修司演出・音楽・美術:J・A・シーザー共同演出:高田恵篤上演台本:高田恵篤、寺山偏陸音楽監督:横山英規■出演三上博史演劇実験室◉万有引力(髙田恵篤、伊野尾理枝、小林桂太、木下瑞穂、森ようこ、髙橋優太、今村博、山田桜子、三俣遙河、内山日奈加、曽田明宏)■演奏横山英規(Bass)エミ・エレオノーラ(Piano)近田潔人(Guitar)ASA-CHANG(Drums)■チケット発売日:11月予定公式サイト:
2023年10月24日池の下(代表:長野和文)主催、『白夜』が2023年12月15日 (金) ~2023年12月17日 (日)に劇場MOMO(東京都中野区中野3-22-8)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ Twitter 「白夜」あらすじ舞台は釧路の北海岸の安ホテル。劇の主人公、猛夫はともに暮らしていた弓子を探してこの最果ての地にたどり着いた。はじめに姿を消したのは猛夫のほうだった。弓子と二人で幸せな日々をおくってきたが、ある日、ふと思い立って猛夫は家から姿を消した。安宿に泊まりながら、「幸せな家での自分」の不在を思って過ごし、ちょうど1ヶ月たったとき、彼は何事もなかったかのように家に戻った。だが、家には弓子の姿はなかった。それから1年間、猛夫は弓子を家で待ち続けたが、弓子はついに現れなかった。1年目に彼は全ての家財を売り払い、弓子を探す旅に出かける。5年間、日本中を探し続けた末に、弓子と泊まったことのある釧路の安ホテルに行きつく。ホテルの人びとに弓子のことを尋ねるがみな知らないという。しかし猛夫はホテルの部屋の片隅で弓子の所有物を見つけ、ホテルの主人を問いつめるが、主人は弓子を探し続けるのはもう諦めたほうがいいと諭す。猛夫は弓子が近くにいるかもしれないという喜びのなかで眠りに陥る。そしてホテルの人びとは1週間前にこの部屋で自殺した女の話をする。彼女の名は「久方弓子」だった。寺山修司全作品上演計画「疫病流行記」「盲人書簡」「狂人教育」寺山修司全作品上演計画は、寺山修司の作品をすべて上演することを通じて、現代演劇の新たな可能性を探り、今を生きる人びとにむけて、これまでにない寺山ワールドを展開することをめざしています。池の下の寺山演劇は、寺山が書いた戯曲を、演劇を創作する上での一つのテキストととらえて、再現よりも再生を求めて上演するところに特徴があります。「白夜」は、寺山が60年前に文学座のアトリエ公演にむけて書いた作品です。それを今回の上演では、われわれにとって「不在とは何か」ということをテーマに新たに作品を立ち上げて行きます。コロナ禍をへて、われわれの存在は変化し、日常を取り戻したかに見える今も、不安と先行きの不透明さを抱えながら、現代人における「存在と無」の葛藤は続いています。いつ現れるともしれない存在を待ちつつ、不在に満たされた現代社会で、このテキストは深く私たちの心に問いかけるものがあるはずです。池の下について1996年1月 演出家 長野和文を中心に、演劇と舞踏の融合する新たな地平をめざし池の下は結成されました。96年8月から寺山修司初期作品連続公演をスタート。寺山の未知なる面に新たな光をあてる作業を行ってきました。2006年8月の利賀演出家コンクールでは、野外劇場で寺山修司の代表作「犬神」を上演して優秀演出家賞を受賞しました。さらに2007年夏に、寺山の人形劇台本「狂人教育」を俳優たちによる池の下独自の身体表現方法で創作して、3カ国6都市連続公演(韓国:密陽演劇祭/ソウル公演)(大阪公演)(名古屋公演)(東京公演)(上海:国際小劇場演劇祭)を敢行して好評を得ました。さらに「狂人教育」は2019年、ポーランドのグダニスク・シェイクスピア劇場とグロトフスキ研究所より招聘を受けて上演して、テレビ取材や各種媒体で取り上げられるなど様々な反響を呼びました。今回は寺山修司全作品上演計画第20弾として「白夜」を上演いたします。長野和文プロフィール池の下代表、演出家、俳優教育指導者、美術家。東京、浅草生まれ。小学校時代から油彩をはじめ、水上敬司(二紀会)より指導を受ける。桐朋学園演劇専攻在学中から舞踏に傾倒。大野一雄に師事。専門学校、大学などで俳優教育の講師を続けながら、身体ワークショップを行い、そこを基盤に演劇集団 池の下を結成する。寺山修司全作品上演計画やMISHIMA PROJECTなどを展開し、フィジカルでシンボリックな舞台は、国内外を問わず高い評価を得ている。公演概要『白夜』公演期間:2023年12月15日 (金) ~2023年12月17日 (日)会場:劇場MOMO(東京都中野区中野3-22-8)■出演者SUMIO(トツゲキ倶楽部 オフィス・イヴ)岩切チャボ井口香青木五百厘(劇団KIII)■スタッフ照明:安達直美音響:髙沼薫舞台監督:田中新一(東京メザマシ団)制作協力:潮田 塁宣伝美術・画:丸尾末広企画制作:池の下■公演スケジュール12月15日(金)19:0012月16日(土)14:00/19:0012月17日(日)14:00※開場は、開演の30分前です。■チケット料金(全席自由・税込)前売:3,500円当日:4,000円 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年10月17日2001年に初の来日公演がおこなわれ、今も伝説的に語られる舞台がある。それがフランスの太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)の『堤防の上の鼓手』だ。この太陽劇団は、世界各国から集まった多国籍・多言語のメンバーにより、パリ郊外の元弾薬庫を拠点に、半世紀以上活動している集団。作品は集団創作だが、その創立者で主宰を務めるアリアーヌ・ムヌーシュキンは、日本の伝統文化に造詣の深い世界的なアーティスト。その太陽劇団、なんと22年ぶりに来日公演が実現する。世界から称賛される仏の伝説的劇団。22年ぶりの来日公演が決定。©Michele Laurent「フランスでは国が誇る文化として認知されている劇団です。日本でも、演劇好きの方々の間では昔から有名で、寺山修司さんなどは自身の劇団天井桟敷のパリ公演中に一緒にワークショップもやっていたそうです。前回の来日公演の盛り上がりは、そういう先進的な方々が、以前からフランスにこんなにすごい劇団があると書いたり発言したりしていたことが大きかったと思います」とは、今回の招聘公演を準備してきた東京芸術劇場の立石和浩さん。「太陽劇団がフランスで国民的劇団として評価を受けているのは、作品に政治や社会問題を盛り込みながらも“大衆に開かれた演劇”というスタンスを貫く姿勢を取っているからだと思います。世界にカリスマ的な演劇人は何人かいますが、ムヌーシュキンは、演劇は芸術文化に通じた知識人たちにとどまらず一般市民の親しめるものであることを意識している方。実際、パリでは劇団員が観客をもてなしたり、バックステージを開放して誰もが見学できたり、お祭りのような中で開催されるので、家族連れで訪れる人も多いです」今回上演される『金夢島(かねむじま) L’ILE D’OR Kanemu‐Jima』は、日本を思わせる架空の島がモチーフ。国際演劇祭の開催が計画されている島で、リゾート開発やカジノ建設構想が持ち上がる、というもの。「海外の俳優が日本人を演じているところなどはキッチュに見えるかもしれません(笑)。ただこれまでにも、歌舞伎の手法で波を布で表現したり、文楽など人形芝居の手法で演出したり、動物のパペットが出てきたり、ビジュアルでの見せ方も面白いんです。一方で問題意識の高い集団でもあるから、国際演劇祭に参加するために訪れる劇団の話として、世界の様々な社会情勢が織り込まれていたりもする。単なるファンタジーではないんですよね。祝祭性もありつつ社会問題にも目を向けていて、それぞれがそれぞれの立場でいろんな見方で楽しめるのではと思います」これもまた間違いなく伝説的に語られる舞台になるはずだ。アリアーヌ・ムヌーシュキン1939年生まれ。太陽劇団創立者、主宰。ソルボンヌ大学在学中に太陽劇団の前身となる演劇集団A.T.E.P.を結成。演劇活動のほか、映画『1789年』などでは監督も務めている。太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)『金夢島(かねむじま) L’ILE D’OR Kanemu‐Jima』病に伏せる年配の女性が、架空の島・金夢島の夢を見る。島では国際演劇祭の計画が進んでいるが、リゾート開発を目論む反市長派が台頭。ふたつの思惑が交錯してゆく。10月20日(金)~26日(木)池袋・東京芸術劇場 プレイハウス作・出演/太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)演出/アリアーヌ・ムヌーシュキン創作アソシエイト/エレーヌ・シクスー音楽/ジャン=ジャック・ルメートルフランス語上演(多言語の使用場面あり)・日本語字幕付き。S席9800円A席7800円東京芸術劇場ボックスオフィス TEL:0570・010・29611月4日(土)・5日(日)にロームシアター京都 メインホールでも上演。© Archives Theatre du Soleil※『anan』2023年10月18日号より。取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年10月15日俳優の香取慎吾が、来年2~3月に上演される舞台『テラヤマ・キャバレー』で主演を務め、今年没後40周年を迎えた劇作家・寺山修司さんを演じることが10日、発表された。演劇、映画、ラジオ、テレビ、詩といったおさまりきらないジャンルにおいて、人々を惹きつける数多くの作品、言葉は、今もなお輝き続け、当時の寺山さんを知らない若者の世代にも注目されている。この物語は、寺山さんが亡くなる前夜から始まる。47歳、死を迎えるその瞬間何を思ったのか? 自身の死をも劇化し人々に何かを残そうとした寺山さん。まだ残したい言葉がある、胸躍るようなスペクタクルが作りたい、人生という物語を完結させたくない、死を目前にしても、作品を創ることへの熱い思いは消えなかった。寺山さんの前に「死」という登場人物が現れ、「死」と寺山の間で取引が交わされる。「日が昇るまでに、私(死)を感動させられる作品を作る猶予をあげよう」。「死」を感動させるため、また寺山さん自身も満足するまで、寺山さん最後の作品を命がけで作ろうとする個性あふれる劇団員たちと共に作り上げた作品とは?演出には、さまざまな国で活躍してきたデヴィッド・ルヴォーを迎える。主演は、寺山修司役初挑戦となる香取慎吾に決定した。また共演者には、成河、伊礼彼方、村川絵梨、平間壮一、凪七瑠海(宝塚歌劇団)など、さまざまな舞台で活躍する役者がそろった。脚本は、新進気鋭の劇作家・池田亮氏が書き下ろし。そして、「あしたのジョー」他、寺山さん作詞の楽曲を数多く交えて、生演奏でオリジナル音楽劇として届ける。『テラヤマ・キャバレー』は、2024年2月9日~29日に東京・日生劇場、3月5日~10日に大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。デヴィッド・ルヴォーと香取慎吾のコメントは以下の通り。○■デヴィッド・ルヴォー「どんな鳥だって想像力より高く飛ぶことはできないだろう」- 寺山修司この作品は、寺山を「再現」することが目的ではありません。それは誰であれ、不可能な事だと思います。イギリスの演出家なら尚のこと、無理でしょう。寺山修司は社会的、または身体的な「のけ者たち」を作品の中心に据えていました。そんな彼は、今の世界をどう思うだろうか? 彼の眩しいほどの想像力の灯火は、嵐のような現代において、どれほど奇妙で、滑稽で、とんでもない美しさを我々に見せてくれるのだろうか? このプロジェクトが提案された時、自分にはやらないという選択肢はありませんでした。○■香取慎吾死を迎える寺山修司を演じます。デヴィッド・ルヴォーさんが奏でる寺山修司に、僕の今をぶつけます。熱いキャバレーになりそうです。心燃やして参加します。
2023年10月10日2024年2月に日生劇場、3月に梅田芸術劇場メインホールにて、『テラヤマ・キャバレー』が上演されることが決定した。今年、没後40周年を迎えた寺山修司。演劇、映画、ラジオ、テレビ、詩と、さまざまなジャンルにおいて人々を惹きつける数多くの作品、言葉は、今もなお輝き続け、当時の寺山を知らない若者の世代にも注目されている。寺山が亡くなる前夜から始まる本作。寺山修司47歳、死を迎えるその瞬間何を思ったのか?寺山の前に「死」という登場人物が現れ、「死」と寺山の間で取引が交わされる。「日が昇るまでに、私(死)を感動させられる作品を作る猶予をあげよう」。寺山の残された命はいかに?最後に作りたい作品は完成するのか?「死」を感動させるため、また寺山自身も満足するまで、寺山最後の作品を命がけで作ろうとする個性あふれる劇団員たちと共に作品を作り上げる。演出するのは、ウエストエンド、ブロードウェイ、日本とさまざまな国で活躍してきたデヴィッド・ルヴォー。主演は、寺山修司役初挑戦となる香取慎吾に決定した。また共演者には、成河、伊礼彼方、村川絵梨、平間壮一、凪七瑠海(宝塚歌劇団)など、さまざまな舞台で活躍する役者が揃った。そして、この斬新な切り口の物語を新進気鋭の劇作家・池田亮が書き下ろし、『あしたのジョー』他、寺山による作詞の楽曲を数多く交えて、生演奏でオリジナル音楽劇としてお届けする。■デヴィッド・ルヴォー コメント「どんな鳥だって想像力より高く飛ぶことはできないだろう」- 寺山修司この作品は、寺山を「再現」することが目的ではありません。それは誰であれ、不可能な事だと思います。イギリスの演出家なら尚のこと、無理でしょう。寺山修司は社会的、または身体的な「のけ者たち」を作品の中心に据えていました。そんな彼は、今の世界をどう思うだろうか?彼の眩しいほどの想像力の灯火は、嵐のような現代において、どれほど奇妙で、滑稽で、とんでもない美しさを我々に見せてくれるのだろうか?このプロジェクトが提案された時、自分にはやらないという選択肢はありませんでした。■香取慎吾 コメント死を迎える寺山修司を演じます。デヴィッド・ルヴォーさんが奏でる寺山修司に、僕の今をぶつけます。熱いキャバレーになりそうです。心燃やして参加します。<公演情報>『テラヤマ・キャバレー』■東京公演2024年2月9日(金)~29日(木) 日生劇場■大阪公演2024年3月5日(火)~10日(日) 梅田芸術劇場メインホール演出:デヴィッド・ルヴォー脚本:池田亮■出演香取慎吾成河、伊礼彼方、村川絵梨、平間壮一花王おさむ、福田えり、横山賀三、凪七瑠海(宝塚歌劇団)ほか【チケット料金】■東京S席:13,500円 / A席:10,000円■大阪S席:13,500円 / A 席:10,000円 / B席:7,000円一般発売:12月16日(土)公式ホームページ:
2023年10月10日ロックバンド krishnablue・漫画家 上野顕太郎・写真家 イマイトシヒロ全面協力音楽・ファッション・アートワークにも注目PSYCHOSIS(代表:森永理科)企画・制作寺山修司没後40年記念認定事業『疫病流行記』が2023年7月13日 (木) ~2023年7月18日 (火)にザムザ阿佐谷(東京都杉並区阿佐ヶ谷北2-12-21)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて5月13日(土)10:00よりチケット発売開始です。カンフェティにて5月13日(土)10:00よりチケット発売開始 公式ホームページ Twitter PSYCHOSIS File:04 寺山修司没後40年記念認定事業『疫病流行記』が本日よりチケット発売開始。寺山修司没後40年にあたる今年、PSYCHOSISがはじめて寺山修司の戯曲に挑戦する。演目は「疫病流行記」。演出でありデザインや楽曲構成、衣装コンセプトなど総合的にプロデュースする森永理科のフェティッシュでビビッドな世界を、ロックバンドkrishnablueと漫画家・上野顕太郎、写真家・イマイトシヒロの全面協力により構築。音楽・ファッション・アートワークでも注目を集めている。主人公米男は小林由尚。その弟分麦男を中村つぐみ。女主人魔痢子に國崎馨、羅針盤売り・申大樹、蠅叩きの女・三坂知絵子がつとめるなど個性豊かな俳優が多数登場する。チケットはカンフェティにて発売中。好評の完全受注生産のTシャツ付きLIMITED TICKETが期間限定で発売。このチケットは優先的な整理券番号と疫病流行記特製Tシャツが手に入る特別なチケットだ。LIMITED TICKETの販売期間は6月6日23:59まで。PSYCHOSISP S Y C H O S I S = サイコシス。月蝕歌劇団出身の森永理科を中心に高田ゆか、國崎馨が立ち上げたプロジェクト。音楽にハードロックバンドSPEED-iDのEUROを中心に様々なバンドを迎え、精神をかき乱すアバンギャルドな爆音演劇を創造する。コンセプトは闇を知るために闇を覗く。現在メンバーは4人。オルタナ系演劇を自称しているが全く広まる気配はない。公演概要PSYCHOSIS File:04 寺山修司没後40年記念認定事業『疫病流行記』公演期間:2023年7月13日 (木) ~2023年7月18日 (火)会場:ザムザ阿佐谷(東京都杉並区阿佐ヶ谷北2-12-21)■出演者森永理科國崎馨小坂知子大島朋恵(りくろあれ)辻真梨乃中村つぐみ南雲美香小林夢二(少年王者舘)申大樹(深海洋燈)小林由尚(深海洋燈)飯塚勝之(少年王者舘)杉山しおんハラグチリサ(ぴぴすとれっろ)楓怪髏子木下紅葉(Voyantroupe)乃々雅ゆう三坂知絵子※出演決まった順■スタッフ言葉:寺山修司演出:森永理科音楽:krishnablue絵:上野顕太郎音響:田島誠治(SoundGimmick)照明:松田桂一美術:深海洋燈舞台監督:申大樹映像:studioGIFT写真:イマイトシヒロ衣装:りくろあれ・くらしのアサすん小道具:中村つぐみ・永野希制作:高田ゆか(PSYCHOSIS)演出助手:國崎馨(PSYCHOSIS)MERCH:小坂知子(PSYCHOSIS)劇場協力:ザムザ阿佐谷企画・制作:PSYCHOSIS協力:ポスターハリス・カンパニー/テラヤマ・ワールド■公演スケジュール2023年7月13(木)19時14(金)14時/19時15(土)14時/19時16(日) 14時/19時17(月・祝)14時/19時18(火)14時※開場は、開演の30分前です。■チケット料金LIMITED TICKET(Tシャツ付き・送料込み):7,400円 ※6月6日まで購入可能ADVANCE TICKET(一般前売り):4,300円(全席自由・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年05月15日映画監督・寺山修司の没後40年記念として、「寺山修司映画祭2023」が、2023年5月18日(木)から5月21日(日)まで、渋谷・ユーロスペースにて開催される。映像の魔術師・寺山修司とは?寺山修司は、一瞬のうちに虜にされてしまう幻想的でカルトな映像作品を多く手掛けたことで知られ、映像の魔術師とも呼ばれる映画監督。1960年に製作された『猫学Catllogy』以来、寺山の実験映画のどれもが「映画は世界を網膜に炊きつけるのではなく、網膜から『世界を引きずり出す』」ことを目指したものであり、独特の危険な仕掛けに満ちていた。また、寺山は絶えずスクリーンの意味を問い続けた。たとえば、実験映画『審判』では、釘を打ち込むことを促された観客により、白いスクリーンは釘で埋め尽くされ、長編映画『書を捨てよ町に出よう』では、ラストで何も映っていない真っ白のフィルムを映写し、「続きの物語は観客である諸君らに作ってもらいたい」と投げかけられる。寺山が仕掛ける実験的な映像により、観客も一体となってスクリーンの意義について考えさせられるのだ。そんな寺山の映像作品は、カンヌ映画祭やベルリン映画祭、エジンバラ映画祭といった海外の主要映画祭で数々の賞を受賞。幻想とエロティシズムに満ちた映像作品や、虚構と現実の地平線に築き上げられた独特の世界観など、多くの魅力に溢れている。寺山修司による長編・中編・実験映画を一挙上映「寺山修司映画祭2023」では、長編作品の『田園に死す』『書を捨てよ町へ出よう』『さらば箱舟』、中編作品『草迷宮』、実験映画『ローラ』『審判』『迷宮譚』『ジャンケン戦争』など計19作品を上映。寺山修司によるシュールでアバンギャルドな作品の数々を楽しむことができる。【詳細】寺山修司没後40周年 寺山修司映画祭2023「映画監督・寺山修司」開催期間:2023年5月18日(木)~5月21日(日)会場:ユーロライブ住所:東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F内容:・寺山修司の長編、中編、実験映画上映・寺山修司と天井棧敷の関連グッズの販売<上映作品>・長編作品『書を捨てよ町へ出よう』『田園に死す』『さらば箱舟』『上海異人娼館』・中編作品『草迷宮』・実験映画『迷宮譚』『消しゴム』『一寸法師を記述する試み』『青少年のための映画入門』『疱瘡譚』『マルドロールの歌』『ローラ』『審判』『檻囚』『トマトケチャップ皇帝』『ジャンケン戦争』『蝶服記』『書見機』『二頭女−影の映画』
2023年04月15日映画『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』公開記念舞台挨拶が25日角川シネマ有楽町にて開催され、佐井大紀監督とタレントのフィフィが登壇した。本作は、56年前に作家である寺山修司さんが構成に携わった実験的テレビドキュメンタリー『日の丸』を、佐井監督が半世紀の時を経てリブートした映画。街行く人々に「あなたにとって日の丸とは?」という質問を矢継ぎ早に繰り返し、回答する人々から真実の顔を引き出そうとする。「TBSドキュメンタリー史上最大の問題作」と銘打たれた本作だが、作品を鑑賞したというフィフィは「この作品は日の丸について描いている作品ではないと思った」と感想を述べると「日の丸という話しづらい題材を使って、日本人の本質をどのように表に出すのかという手法が描かれている」と語る。フィフィさらにフィフィは、「日本人にとって日の丸ってとても議論しづらいテーマじゃないですか」と客席に呼びかけると「その答えづらい質問を使って、ずけずけと人の心をえぐってくる。私がインタビューされたらイラっとすると思う。日本人って相手に本心をぶつけるのが苦手な国民性。“日の丸”という題材を使って、心の奥底にある人の気持ちを引き出すというのは、とても面白い手法だなと思った」と笑う。佐井監督はTBSの新人研修で、寺山修司さんが携わったドキュメンタリーを観たというと「自分のなかに隠そうしているもの、話したくないものを突き動かされた。そんな思いを現代にも投げかけたいと思った」と映画制作の動機を語る。左井大紀監督寺山修司さんが手掛けたドキュメンタリーからは、50年以上の時が経過したが、フィフィは「50年前と今の人たちの日の丸に対する思いはほとんど変わっていないことに驚いた」と語ると「日本人は相手を受け入れる寛容さが美徳ではありますが、日本って何だろうということを発信していく力が弱い。そこがもっとうまくなれば。そういった“変わらなさ”を見せる映画なのかもしれません」と本質を突いていた。取材・文=磯部正和
2023年02月25日2月24日(金) より公開される『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』より、本編映像が公開された。劇作家の寺山修司が構成を担当し、TBSドキュメンタリー史上最大の問題作と呼ばれた『日の丸』を現代に蘇らせた本作。劇中では、ドラマ制作部所属で本作が初ドキュメンタリーとなる若干28歳の佐井大紀が、1967年と2022年の2つの時代を対比させることにより「日本」や「日本人」の姿を浮かび上がらせようと、自ら街頭に立つ。映像では「日の丸と言ったらまず何を思い浮かべますか?」「日の丸の赤は何を意味していますか?」「日の丸はどこに掲げたら美しいと思いますか?」「祖国と家庭、どちらを愛してますか?」「あなたに外国人の友達はいますか?」「もし戦争になったらその人と戦えますか?」など、質問を浴びせかける場面が矢継ぎ早に流される。真摯に答える人、戸惑う人、いらだちを露わにする人など、インタビューされる人たちのどこかに真実の顔を覗かせる姿を映し出している。また、本作の公開を記念して、2月25日(土)・26日(日) に舞台挨拶の開催が決定した。本作のメガホンを取った佐井大紀監督のほか、フィフィ、安藤紘平、笹目浩之、コムアイ、松岡ひとみなど、スペシャルなゲストが登壇する。『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』本編映像<舞台挨拶情報>2月25日(土) 東京・角川シネマ有楽町時間:10:30の回(上映後)登壇:佐井大紀(監督)、フィフィ(タレント)■チケット発売オンライン:2月18日(土) より販売開始窓口販売:2月18日(土) 劇場オープン時間より販売開始TEL 03-6268-0015月25日(土) 東京・ユーロスペース時間:13: 20の回(上映後)登壇:佐井大紀(監督)、安藤紘平(映画作家)、笹目浩之(テラヤマ・ワールド代表)■チケット発売オンライン販売:2月22日(水) より販売開始窓口販売:2月22日(水) 劇場オープン時間より販売開始TEL 03-3461-0211月25日(土) 東京・アップリンク吉祥寺時間:16:00の回(上映後)ゲスト:佐井大紀(監督)、コムアイ(ミュージシャン)■チケット発売オンライン販売:2月17日(金) 12:00より販売開始窓口販売:2月17日(金) 劇場オープン時間より販売開始TEL 0422-66-5042月26日(日) 大阪・シネ・リーブル梅田時間:9:50の回(上映後)ゲスト:佐井大紀(監督)※以上予定■チケット発売オンライン販売:2月22日(水) 19:00販売開始窓口販売:2月23日(木) 劇場オープン時間より販売開始TEL 06-6440-5930月26日(日) 愛知・伏見ミリオン座時間:14:30の回(上映後)ゲスト:佐井大紀(監督)聞き手:松岡ひとみ(映画コメンテーター)※以上予定■チケット発売オンライン販売:2月17日(金) 12:00より販売開始窓口販売:2月24日(金) 劇場オープン時間より販売開始TEL 052-212-2437<作品情報>『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』2月24日(金) 公開監督:佐井大紀出演:高木史子/シュミット村木眞寿美/金子怜史/安藤紘平/今野勉語り:堀井美香/喜入友浩(TBSアナウンサー)公式サイト:
2023年02月21日TBSドキュメンタリー史上最大の問題作と呼ばれた作品を現代に蘇らせた『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』が、2月24日(金) より公開される。このたび芸能界きっての読書家で劇作家・寺山修司の大ファンであるスピードワゴンの小沢一敬によるメッセージ映像が公開された。1967年に放送されたドキュメンタリー『日の丸』は、サブカルチャーの先駆者であり時代の寵児であった寺山が構成を担当。街ゆく人々に「日の丸の赤は何を意味していますか?」「あなたに外国人の友達はいますか?」「もし戦争になったらその人と戦えますか?」といった挑発的な質問を次々とインタビューしたことから、長年タブーとされていた。だが、「現代に同じ質問をしたら、果たして?」という思いから、今回初めてドキュメンタリーに携わる28歳の佐井大紀が、1967年と2022年の2つの時代を対比させることで“日本”や“日本人”の姿を浮かび上がらせようと、自ら街頭に立ち製作を行ったのが『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』だ。公開された映像では、普段から寺山の詩集を持ち歩くという小沢が本作を観た感想や作品から感じ取ったことを話す様子が収められている。小沢は「観終わってすぐは、何だったんだ?という感じ。僕がイメージしていた寺山修司さん、僕が今まで知っていた映画、そういうものではなかった。不思議な体験、いい刺激になりました」と初めて観た時の感想を話し、「気づきの映画ですよね」と評する。さらに「僕が思う寺山修司さんは、一番やわらかい、軟派な人。発想も、考え方も、足取りも、生き方も。飄々として、掴みどころがない」と言い、「それでいて、挑戦者であり、不思議な人。一言じゃいい表せない」と、寺山の魅力について語った。最後に「不思議な映画です。観終わった後、どんな感想になるか。10人いたら10人違うと思う。是非ご覧ください」とメッセージを締めくくった。『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』小沢一敬(スピードワゴン)メッセージ映像<作品情報>『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』2月24日(金) 公開監督:佐井大紀出演:高木史子/シュミット村木眞寿美/金子怜史/安藤紘平/今野勉語り:堀井美香/喜入友浩(TBSアナウンサー)公式サイト:
2023年02月17日TBSドキュメンタリー史上、最大の問題作と呼ばれた作品が半世紀の時を経て現代に蘇る『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』の2月24日(金)公開を前に、太田光、LiLiCo、森達也監督、大島新監督ほか著名人11人からコメントが到着した。本作の基となったのは、1967年に放送され、放送直後から抗議が殺到、閣議でも偏向番組、日の丸への侮辱として問題視され、郵政省がTBSを調査するまでに至った『日の丸』。サブカルチャーの先駆者であり時代の寵児であった劇作家の寺山修司が構成を担当し、街ゆく人々に「日の丸の赤は何を意味していますか?」「あなたに外国人の友達はいますか?」「もし戦争になったらその人と戦えますか?」といった挑発的な質問を投げかける。そんな長年タブーとされていた作品を、「現代に同じ質問をしたら、果たして?」 という思いから、ドラマ制作部所属で、本作が初ドキュメンタリーとなる若干28歳の佐井大紀は、1967年と2022年の2つの時代を対比させることにより“日本”や“日本人”の姿を浮かび上がらせようと、自ら街頭に立った。そして、この度、本作を一足先に観た著名人11人からコメントが到着。テレビの限界に挑んだ本作について、爆笑問題の太田光は「テレビが変わろうとしていた時代のキッカケになったような番組で、その時代の事は凄く興味があるので、それを今やってみてどうなるかっていうのは、興味深くみましたね」とコメント。『i-新聞記者ドキュメント-』『FAKE』など自身も多くのドキュメンタリー作品を手掛ける森達也監督は「54年後の今、SNSなどの要素を加えながら新たに『日の丸』作品化を目指した佐井大紀の狙いは、決して成功とは言い難い。しかし佐井は、その失敗の過程を隠すことなく、ドキュメントとして提示する。見事な覚悟だ。失敗や肩透かしの要素に54年前の余白が重なり、またひとつ、時代の意味を問いかける作品が誕生した」と佐井監督へエールを送った。【著名人11人からのコメント全文】■太田 光(爆笑問題)テレビが変わろうとしていた時代のキッカケになったような番組で、その時代の事は凄く興味があるので、それを今やってみてどうなるかっていうのは、興味深くみましたね。寺山さんが考えていた問題定義とは、一体どこだったんだろう。実験としては面白いし、テレビ番組としても面白いなと思いましたね。■LiLiCo(映画コメンテーター)違う時代に同じ質問を日本人に投げかけて、どんな答えが出るのか。その答えから紐解く、昔と今の日本人の考え方。是非ご覧ください。■赤ペン瀧川 (映画プレゼンター)世にも珍しいドキュメンタリーのリブート作品!監督が繰り出す過激な路上インタビューが浮き彫りにする現代人のアイデンティティー。我々は幸せなのか?明るい未来が待っているのか?全観客に問う問題作!■大島新(ドキュメンタリー監督)作中で繰り返される問いに自らの答えを探し、その答えと作中で答える人の回答がまるで違うことに居心地の悪さを感じながら見続ける。「国家」と「個人」の関係とは何か。若き監督によるこの野心的で挑発的な企みを、大いに支持したい。ただし、タイトルに寺山修司の名を入れたのはいただけない。萩元晴彦のために言っておく。■森 達也(映画監督/作家)日の丸とは日本国の象徴。つまり日の丸とは何かとの設問は、あなたにとって日本とは何かとの設問と同義である。一言で答えられるはずがない。言いよどむ。目を逸らす。寺山修司と萩元晴彦の狙いはこの余白にあった。だからこそテレビなのだ。54年後の今、SNSなどの要素を加えながら新たに『日の丸』作品化を目指した佐井大紀の狙いは、決して成功とは言い難い。しかし佐井は、その失敗の過程を隠すことなく、ドキュメントとして提示する。見事な覚悟だ。失敗や肩透かしの要素に54年前の余白が重なり、またひとつ、時代の意味を問いかける作品が誕生した。■Licaxxx(DJ)寺山の作品に込められる質問は思考の鍵である。あなたはずるずると続く生ぬるい夢から、叩き起こされることになる。起きたはずなのに広がる悪夢が現実。私はみんなで、逃げたくなっても、その現実を直視したい。■小林知之(地図地理芸人)“日の丸”多くの人に愛されながら、こんなにも色の意味や歴史を知られていない国旗は他にないと思う。この映画を機にタブー視することない、ひらかれた日の丸でありますように。そして日の丸、国旗に興味を持ってくれたらうれしいです。■上出遼平(ディレクター)インタビュアーが記録用紙であればこそ、編集の主体が浮き上がる。情緒を制限すればこそ、漏れ出るそれが立ち上がる。石を投じられた静かな水面の波紋の奥に、佐井大紀の顔が浮かんで消える。■寺坂直毅(放送作家)テレビで放送されるドキュメンタリー。ほとんどを録画し、観終えたらハードディスクから消去するのですが、この『日の丸』だけは今もずっと消せないんです。取材する事への執念が、どれよりも強すぎるから……。■守安敏久(宇都宮大学教授・国文学者)寺山修司は「偉大な思想などにはならなくともいいから、偉大な質問になりたい」と語っていた(『歌集・田園に死す』跋)。寺山の危うい問いかけに果敢に挑んだ佐井大紀は、映画の荒野に自ら「旗を掲げた」といえる。■吹浦忠正(NPO法人世界の国旗・国歌研究協会共同代表)佐井大紀が寺山修司の作品と手法をまねた2番煎じかと、甘く考えてみてみましたが、短歌でいうなら「本歌取り」、二つの情緒と訴えるものを真面目に考えさせられました。「自分の旗を掲げよう!」「日の丸と対面しよう!」『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』2月24日(金)公開
2023年02月14日ドキュメンタリー映画『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』の公開記念イベントが2月9日(木)、都内で行われ、寺山修司の大ファンだという小沢一敬(スピードワゴン)と作品を手掛けた佐井大紀監督が出席した。時代の寵児・劇作家の寺山修司が構成を担当し、1967年2月の放送直後から抗議が殺到したTBSドキュメンタリーの問題作『日の丸』。当時、閣議でも偏向番組や日の丸への侮辱として問題視された同作を、佐井監督が街ゆく人たちに「日の丸の赤は何を意味していますか?」など、挑発的な質問を投げかけるスタイルを継承し、『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』として現代に蘇らせた。「僕が思う寺山修司さんという存在は、言い方が難しいですけど、軽やかな人。だからこそ、ヘビーな題材も、遊び心じゃないですけど、こういう視点で作られたのかなと」と語る小沢は、「メッセージ性というより、『世の中には、こんな見方もあるよね』っていう、視点を変えることの“気づき”をくれる。今はSNSもあるし、情報も多いから、答えを決めてしまいがちだけど」と作品の魅力を語った。小沢一敬(スピードワゴン)また、佐井監督が手掛けた『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』については、「寺山修司が実験、挑戦したように、監督も同じようにした。ひょっとしたら、40~50年後にこの作品をもとに、次の世代のクリエーターが実験してくれるかもしれない。ぜひどんなジャンルの映画なのか、劇場で確かめてほしい」とアピール。「ひとつだけ残念なことがあった」と切り出し、「今日の楽屋で用意してくださったのが、日の丸弁当かなと思っていたら、サンドイッチだった」と笑いを誘った。佐井監督も、小沢が指摘する寺山の“軽やかさ”に大きく同意し「おもちゃにするじゃないですけど、センシティブな題材をクリエイティブな方法で、人々の心に波風立たせている。大きなクエスチョン・マークになりたい、それが寺山修司さんのやりたいことでは」と魅力を分析。「1967年は東京オリンピックと大阪万博に挟まれた年でしたが、2022年もちょうど同じで。世の中変わったと言われますが、定点観測的に何が浮かび上がるのか、今やる意味があると思った」と『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』の意義を強調していた。佐井大紀監督取材・文・撮影:内田涼<作品情報>『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』2023年2月24日(金) 全国公開監督:佐井大紀出演:高木史子/シュミット村木眞寿美/金子怜史/安藤紘平/今野勉語り:堀井美香/喜入友浩(TBSアナウンサー)公式サイト:
2023年02月09日TBSドキュメンタリー史上最大の問題作と呼ばれた作品を現代に蘇らせた『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』が、2月24日(金) より公開される。このたび「TBSドキュメンタリー映画祭2023」のアンバサダーを務める映画コメンテーターのLiLiCoによるメッセージ映像が公開された。1967年に放送されたドキュメンタリー『日の丸』は、サブカルチャーの先駆者であり時代の寵児であった劇作家の寺山修司が構成を担当。街ゆく人々に「日の丸の赤は何を意味していますか?」「あなたに外国人の友達はいますか?」「もし戦争になったらその人と戦えますか?」といった挑発的な質問を次々とインタビューしたことから、長年タブーとされていた。だが、「現代に同じ質問をしたら、果たして?」という思いから、今回初めてドキュメンタリーに携わる28歳の佐井大紀が、1967年と2022年の2つの時代を対比させることで“日本”や“日本人”の姿を浮かび上がらせようと、自ら街頭に立ち製作を行ったのが『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』だ。公開されたメッセージ映像では、LiLiCoが本作を観た感想や作品から感じ取ったことを話す様子が収められている。LiLiCoは「この映画を観てまずみんなが考えるのは、(同じ様な質問を)自分が聞かれたらなんて答えようかなってこと。だから自分を見つける旅だと思う」だと本作の観方を提示し、「いきなりああやってマイクを向けられると、自分の中のウィットな答えを引き出さないといけないという、答えよりも顔とか目を見るのが面白かったですね」と本作の面白かった点を挙げた。さらに「みんな、日本人は言いたいことを言わないっていうけど、私は全くそういう風に思っていない」と言い、「ドキュメンタリーって描いているものはリアルでこれですよって、でも自分がどうかみ砕くかは自由。この作品を見て自分に問いかけてみてほしいなと思う」と、ドキュメンタリーの魅力について語った。最後に「違う時代に同じ質問を日本人に投げかけて、どんな答えが出るのか。その答えから紐解く、昔と今の日本人の考え方。大きな劇場で見れますので、是非ご覧ください」とメッセージを締めくくった。『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』LiLiCoメッセージ映像<作品情報>『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』2月24日(金) 全国公開監督:佐井大紀出演:高木史子/シュミット村木眞寿美/金子怜史/安藤紘平/今野勉語り:堀井美香/喜入友浩(TBSアナウンサー)公式サイト:
2023年02月01日TBSドキュメンタリー史上、最大の問題作と呼ばれた作品が半世紀の時を経て現代に蘇る、映画『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』。本日1月27日は国旗制定記念日でもあるが、そもそも国旗の赤色はいつ誰によって決められたのか知っているだろうか。1967年に放送され、放送直後から抗議が殺到、閣議でも偏向番組、日の丸への侮辱として問題視され、郵政省がTBSを調査するに至った、TBSドキュメンタリー史上、最大の問題作と呼ばれた『日の丸』。サブカルチャーの先駆者であり時代の寵児であった劇作家の寺山修司が構成を担当し、街ゆく人々に「日の丸の赤は何を意味していますか?」「あなたに外国人の友達はいますか?」「もし戦争になったらその人と戦えますか?」といった、人々が普段考えないような挑発的な質問を、次々とインタビューしていく。そんな長年タブーとされていた作品を、「現代に同じ質問をしたら、果たして?」 という思いから、ドラマ制作部所属で、本作が初ドキュメンタリーとなる若干28歳の佐井大紀は、1967年と2022年の2つの時代を対比させることにより“日本”や“日本人”の姿を浮かび上がらせようと、自ら街頭に立った。国旗制定記念日は、1870年1月27日に明治政府が日の丸を国旗とする太政官布告の商船規則により、国旗のデザインとして制定したことを記念し、一般社団法人・国旗協会によって定められた。そして、法律で正式に国旗となったのが1999年の平成に入ってからという驚愕の歴史を持つ。1999年に成立した「国旗国歌法(国旗及び国歌に関する法律)」には、旗の縦横比率は2:3、丸の直系は旗の縦の長さの5分の3で、旗の中心に位置し、他は白、マルは紅色という規定が定められた。だが、日の丸は国旗として定められる以前から大衆に認知されたデザインだったようで、聖徳太子の文書や源平合戦での源氏の旗や、戦国時代の武田信玄が戦に用いていたなど起源は定かではない。しかし、“日の丸の赤色”の定義を決めたのは官僚でも政治家でもなく、ひとりの大学生だった。1964年の東京オリンピックの際、生粋の国旗マニアだった吹浦忠正氏は組織委員会から依頼を受け、大学生ながら"国旗監修"を務めた。彼はその後、組織委員会のメンバーとして大河ドラマ『いだてん』にも登場している。本作で繰り返し質問される「日の丸の赤は何を意味していますか?」に関しても諸説あるが、日本国旗の赤い部分は日、つまり太陽を象徴すると言われている。また、紅白は日本の伝統色でめでたいものとされており、赤は博愛と活力、白は神聖と純潔を意味するとも言われている。なお、『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』は2月24日より東京・角川シネマ有楽町、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開される。『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』2月24日(金)公開
2023年01月27日2月24日(金) より角川シネマ有楽町、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほかで全国公開されるドキュメンタリー『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』より、TBS DOCSチェアマンである爆笑問題・太田光のメッセージ映像が公開された。1967年2月の放送直後から抗議が殺到し、閣議でも偏向番組や日の丸への侮辱として問題視され、郵政省がTBSを調査するに至ったTBSドキュメンタリー史上最大の問題作『日の丸』。本作は、時代の寵児・劇作家の寺山修司が構成を担当し、普段考えないような本質に迫る挑発的な質問を人々に投げかけた同ドキュメンタリーを、半世紀の時を経て『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』として現代に蘇らせた作品だ。公開されたメッセージ映像では、太田が本作を観た感想や作品から感じ取ったことを話す様子が収められ、映像の中で太田は「テレビが変わろうとしていた時代のキッカケになったような番組」だと『日の丸』のことを評論。「どう表現するかというのは、テレビマンとして色々考えていたんだろうと思うと、その時代の事は凄く興味があるので、それを今やってみてどうなるか」と、本作の面白かった点をあげ、さらに「とにかくアポなしで、(一般の人に)パッと質問を矢継ぎ早にぶつける映像を見るだけでも興味深い。寺山さんが考えていた問題定義とは、一体どこなんだろう」と寺山が『日の丸』に込めた本意について考えを巡らせた。そして、「日本人って、無関心である人が大半で、ふわっとしてるんだよね。国家とか祖国ってものに対して、強い思いをあまり持ってない。僕はそこが日本人のしたたかさであり、あやふやさで、外国からは非難されるけど、そこが日本人の良さだと思う」と、激動の時代を経てきた日本人について語った。最後は「あなたにとって日の丸とは何か?という質問を過去と未来の日本人に問い続け、そして日本人がどう変わったのか、あるいは変わってないのか、ということを感じさせてくれる映画となっております」とメッセージを締めくくった。TBS DOCSチェアマン太田光 メッセージ映像<作品情報>『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』2023年2月24日(金) 全国公開監督:佐井大紀出演:高木史子/シュミット村木眞寿美/金子怜史/安藤紘平/今野勉語り:堀井美香/喜入友浩(TBSアナウンサー)公式サイト:
2023年01月24日2月24日(金) より角川シネマ有楽町、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国公開されるドキュメンタリー『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』の予告編が公開された。1967年2月の放送直後から抗議が殺到し、閣議でも偏向番組や日の丸への侮辱として問題視され、郵政省がTBSを調査するに至ったTBSドキュメンタリー史上最大の問題作『日の丸』。時代の寵児・劇作家の寺山修司が構成を担当し、普段考えないような本質に迫る挑発的な質問を人々に投げかけた作品が、半世紀の時を経て『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』として現代に蘇る。手掛けたのは、本作が初ドキュメンタリーとなる若干28歳の佐井大紀。「現代で同じ質問をしたら、果たして?」 という思いから自ら街頭に立ち、インタビューを敢行。1967年と2022年の2つの時代を対比させることにより「日本」や「日本人」の姿を浮かび上がらせる。予告編では「TBSドキュメンタリー史上最大の問題作が現代に蘇る」というセンセーショナルなナレーションとともに、街ゆく人に「日の丸の赤は何を意味しているか」や「祖国と家庭どちらを愛しているか」といった、挑発的で無機的なインタビューを矢継ぎ早に行う様子が切り取られる。真摯に答える人、いらだちを露わにする人など、映し出されるのは過去、そして現代の日本と日本人の姿。「国家」とは何かを追い続けていた寺山による「挑発」に込められた思惑や驚異のトリックが、当時を知る関係者から赤裸々に語られる。『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』60秒予告<作品情報>『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』2023年2月24日(金) 全国公開監督:佐井大紀出演:高木史子/シュミット村木眞寿美/金子怜史/安藤紘平/今野勉語り:堀井美香/喜入友浩(TBSアナウンサー)公式サイト:
2023年01月11日前代未聞の映像実験ドキュメンタリー『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』が、2023年2月24日(金)より角川シネマ有楽町、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国公開されることが決定した。本作は、劇作家・寺山修司が構成を担当し、1967年に放送されたドキュメンタリーを基にリブートした作品。「日の丸の赤は何を意味していますか?」「あなたに外国人の友達はいますか?」「もし戦争になったらその人と戦えますか?」といった本質に迫る質問を、街行く人々に次々とインタビューしていくさまを映し出した本作は当時、放送直後から抗議が殺到し、閣議で問題視されるなど、TBSドキュメンタリー史上、最大の問題作とも呼ばれた。「現代に同じ質問をしたら、果たして?」 という思いから立ち上がったのは、本作で初めてドキュメンタリーを手がけることになった若干28歳の佐井大紀。自ら街頭に立ち、1967年と2022年のふたつの時代を対比させることにより、“日本”や“日本人”の姿を浮かび上がらせた。解禁された特報映像では、“日の丸”について矢継ぎ早に質問を繰り出す、2つの時代の街頭インタビューの様子が切り取られている。普段は考えることのないような、挑発的な質問に対するインタビュー対象者の生々しい表情と戸惑いが印象的だ。“国家”とは何かを追い続けていた寺山修司が、この“挑発”に込めた思想や本当の狙いとは?寺山修司没後40年となる2023年によみがえる、“むき出しのドキュメンタリー”に注目だ。映画『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』特報『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』2023年2月24日(金)公開©TBSテレビ
2022年11月15日上演に先立ち音源を発売全曲試聴トレイラーも公開中昭和精吾事務所(代表:こもだまり)主催、『仮面劇・犬神』が2022年11月11日 (金) ~2022年11月13日 (日)にザムザ阿佐ヶ谷(東京都杉並区阿佐谷北2丁目12-21 ラピュタビル B1F)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて9月29日(木)12:00より発売開始です。カンフェティにて9月29日(木)12:00よりチケット発売開始 公式ホームページ 昭和精吾事務所『仮面劇・犬神』“犬神筋の家に生まれ、祖母と二人で孤独を抱えながら生きる月雄が犬を飼い始めると、村に奇妙な事件が起こりはじめて・・・”という物語をサイケデリック音楽劇として舞台化。「灰色の花を見るものよ 極彩色(あざやか)な夢を見よ」をテーマとする寺山修司の鮮烈な幸福論。音楽は、9月21日に全国発売した音源『仮面劇・犬神』より、西邑卓哲書き下ろしの楽曲群と共にJ・A・シーザー氏の曲も1曲使用されます。仮面劇・犬神プロジェクトについて9月21日に全国流通で音源を発売、9月23日レコ発ライブ、11月に舞台という3段階を踏んだプロジェクトです。ジァン・ジァン閉館以来封印していた昭和精吾事務所のレパートリー作品を、こもだまりが製作総指揮、西邑卓哲が音楽監督を務め、書き下ろしで刷新し先に音源を発売、22年ぶりの上演に至りました。音源はディスクユニオン週間チャート 全店インディーズ部門2位、新宿日本のロック・インディーズ館 総合1位を獲得、ライブも満員となり、話題性のあるプロジェクトとなっています。9月開催レコ発ライブ本作は、2016年より30分の短編音楽劇として数バージョンを発表して作品の精度を高めてきました。歌と語りの音楽アルバムとして一度完成させたのも、演出の精度をあげるための試みでした。現代表こもだ・副代表イッキが初めて参加した作品なのも感慨深く、昭和精吾の演出当時からある大きな仮面などの道具も復活させ、そこに新たな演出を加え、新しい『犬神』を作ります。さらに初代月雄、女詩人の新高けい子氏や蘭妖子氏をはじめ、これまで「犬神」に参加したり、月雄を演じた人々が多く関わっています。また、寺山修司を体験していない十代の方にぜひ見ていただけるように、『十代の特券』という特別割引枠を設けています。過去の上演過去の上演作品について物語は四国に伝わる犬神の伝承を基に描かれていますが、今作では解釈を広げ、音楽も単なる和物ではなく無国籍にしました。J・A・シーザー氏の編み出した呪術ロックなどの影響も組み込みつつ、東アフリカのエレクトロやハイパーポップの隠し味も入れ、現代のサイケデリック×プログレ叙事詩としての完成を目指した楽曲群となっています。舞台公演では、発売音源に収録された、もと演劇実験室◎天井桟敷のJ・A・シーザー氏の書き下ろし曲、同じく看板女優・新高けい子氏と歌姫・蘭妖子氏の声が使われる点も見どころです。ラジオドラマ脚本として書かれたものなので、語り物として詩でできており、語りを本領とする昭和精吾事務所に向いた作品と言えます。出演者には演劇実験室◎万有引力より小林桂太氏が客演。昭和精吾が演じてきた姑役を務めます。ダンサーの日原奈緒花氏が物語のキーとなる二役を演じます。音楽面では、音楽監督の西邑卓哲(昭和精吾事務所/ACM:::)のほか、ドラムの吉田達也氏、鍵盤のa_kira氏(マリア観音/曇ヶ原)が生演奏で出演し、音楽劇を彩ります。【全曲試聴トレイラー公開中!】 出演者一覧演奏者と昭和精吾公演概要昭和精吾事務所『仮面劇・犬神』公演期間:2022年11月11日 (金) ~2022年11月13日 (日)会場:ザムザ阿佐ヶ谷(東京都杉並区阿佐谷北2丁目12-21 ラピュタビル B1F)■出演者俳優)こもだまり(昭和精吾事務所/ACM:::)小林桂太(演劇実験室◎万有引力)梶原 航(昭和精吾事務所/航跡)辻 真梨乃常盤美妃(舞台芸術創造機関SAI)上入佐 秀平真夢舞踊)日原 奈緒花演奏)西邑卓哲(昭和精吾事務所/ACM:::)吉田達也a_kira(マリア観音/曇ヶ原)音声出演)新高けい子(元 演劇実験室◎天井桟敷)蘭妖子(元 演劇実験室◎天井桟敷)昭和精吾(元 演劇実験室◎天井桟敷)イッキ(昭和精吾事務所/なめくじ劇場/アクロスエンタテインメント)■スタッフ作:寺山修司演出原案:昭和精吾構成・演出:こもだまり(昭和精吾事務所/ACM:::)作曲・編曲・映像:西邑卓哲(昭和精吾事務所/ACM:::)作曲(「夢遊」):J・A・シーザー舞台監督:川俣勝人照明:仲光和樹(E-FLAT)音響:飯塚ひとみ美術統括:真夢衣装プラン:竹内陽子広告美術:西邑卓哲(昭和精吾事務所/ACM:::)製作総指揮:こもだまり(昭和精吾事務所/ACM:::)■公演スケジュール2022年11月11日 (金) ~2022年11月13日 (日)11日(金)19:3012日(土)14:00/19:0013日(日)13:00/18:00※開場は、開演の30分前■チケット料金一般前売:4,000円当日:4,500円十代の特券(U-20限定割引)前売:1,500円当日:2,000円ペアチケット(前売のみ):7,000円(全席自由・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年10月18日2021年2月に深海洋燈初の舞台作品として上演した本作次世代を担うキャスト陣で再演深海洋燈版『小鳥の水浴』が2022年10月16日(日)~10月23日(日)に蓮根駅前劇場Sunny32(東京都板橋区坂下2-33-11蓮根駅前城北ビル 5 階)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて9月23日(金)10:00より発売開始です。カンフェティにて9月23日(金)10:00よりチケット発売開始 公式ホームページ Twitter(@ShinkaiLamp) 『小鳥の水浴』(原題:Birdbath)原作:レナード・メルフィ/翻案・演出:申大樹上演時間 約 1 時間 10 分~コンセプト・あらすじ~原作は、当時「出会い」というテーマにこだわった作家としても知られるオフ・オフ・ブロードウェイの若き作家、レナード・メルフィ。1965年に初演。ニューヨークの片隅で出会った夢を追う売れない詩人のフランキーとウェイトレスのどこか不思議な女ヴェルマ。ある寒い夜、街中にしゃがみ込んでいる彼女を男は自宅へ招き入れ、一夜を共にするが…ヴェルマは誰にも言えない秘密と深い闇をかかえていた。繊細な二人の若者の会話が織りなすラブストーリー。希望とは?夢とは?生きるとは?心の奥に秘められた思いが溢れ出る時…そして衝撃の結末とは。1965年の初演を観た寺山修司氏が感激し、日本に持ち帰り日本に紹介された作品。その後、寺山修司の弟子でもあった池島ゆたか氏が翻訳し、現在に至るまで様々な演出家や役者によって何度も上演されてきた。この‘’ほかに類をみない‘’「出会い」のラブストーリーに挑戦する。本作品は2021年2月に深海洋燈初の舞台作品として上演された。深海洋燈のコンセプトである、深海=光の届かない暗闇。未知の世界。可能性を秘めた世界。洋燈=明かりを灯す。という独自の視点からこの名作を切り取り新たな物語へと発展させ、高評価を得た。物語冒頭の身体表現を用いたシーンは斬新であり、舞台作品の新たなアプローチを生み出した。本企画では、次世代を担う俳優を用いて更なる作品・表現の可能性を広げたい。深海洋燈(しんかいらんぷ)とは深海=光の届かない暗闇。未知の世界。可能性を秘めた世界。洋燈=明かりを灯す。長年の芸術、芸能経験を持つ、多様性に富んだ俳優たちから生まれた集団。自身の企画やアイデアを持ち寄り、まだ見たこともない景色、独創的な世界観から紡がれる心理描写を用いて、劇場の枠をも飛び越えた作品を生み出す。2020年結成時より、勢力的に活動。独特の視点から作品を切り取る構成と、ダイナミックさの中に繊細さを取り入れた斬新な演出、更にエンターテインメント性も取り込み、着実に評価を高めている。【過去作品】2020年11月 映像作品『Oradexon』2021年 2月『小⿃の水浴』 原作:レナード・メルフィ 翻案・演出:申大樹2021年 9月『KID~キッド~』 脚本:演出:申大樹2021年10月『天井桟敷の人々~LES ENFANTS DU PARADIS~』 翻案・演出:申大樹2022年 6月 『熱海殺人事件~売春捜査官~』 脚本:つかこうへい 演出:申大樹公演概要深海洋燈版『小鳥の水浴』公演期間:2022年10月16日(日)~10月23日(日)会場:蓮根駅前劇場Sunny32(東京都板橋区坂下2-33-11蓮根駅前城北ビル 5 階)■出演者[ダブルキャスト]淡海優(劇団壱劇屋)段隆作武田治香小寺絢組み分けオリオン:淡海優/小寺絢カシオピア:段隆作/武田治香[全公演出演]史椛穂後藤晴香松本麻実声の出演:佐藤梟■スタッフ原作:レナード・メルフィ翻案・演出:申大樹劇中詩:宮沢賢治「よだかの星」より美術・衣装プラン:野村直子劇中曲作曲・音響プラン:大貫誉照明プラン:宮崎絵美子音響:加藤一博(minimumanti)劇中映像:藤岡至央舞台美術:深海洋燈舞台監督:小林由尚衣装製作:前田和美振付・ステージング:史椛穂宣伝美術:野村直子/森永理科(PSYCHOSIS)宣伝スチール撮影:染野弘考制作:傳田圭菜企画・製作:一般社団法人深海洋燈協力:池島ゆたか/劇団壱劇屋/株式会社ピュアハーツ/株式会社トレジャーハート/渡会久美子/塚原希代/藤内正光/青山和也■公演スケジュール10月16(日)オリオン 14:0010月17(月)カシオピア 19:3010月18(火)オリオン 19:3010月19(水)オリオン 14:00/カシオピア 19:3010月20(木)カシオピア 14:00/オリオン 19:3010月21(金)カシオピア 19:3010月22(土)オリオン 14:0010月23(日)カシオピア 14:00※受付開始、開場は開演の30分前■チケット料金一般:前売 3,500 円、当日 3,800 円学生:(前売・当日共) 3,000 円※要学生証(全席自由席・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年09月23日玉城裕規と菊池修司のW主演による舞台『HELI-X Ⅲ~レディスピランセス〜』が、6月3日(金)~6月19日(日)、東京と大阪で上演された。その舞台の模様をレポートする。舞台『HELI-X』とは、脚本・毛利亘宏(少年社中)、脚色 / 演出・西森英行(Innocent Sphere)が手がけるオリジナル劇。2020年12月に第1弾が上演され、今作で第3弾を迎えた。物語の舞台は、第3次世界大戦後の極東の島国・大和。遺伝子工学の進歩により、人類は性別を自由に選択できるTRANS(トランス)技術を生み出し、性別の壁を越える新世界が作られた。しかし、施術を受けた者の中にまれに特殊能力を持つ者が誕生し、彼らはHELI-X(ヘリックス)と名付けられて人々に恐れられる存在となってしまう。やがて横行し始めたヘリックスによる犯罪や殺人事件を解決すべく結成されたのが、菊池修司演じるアガタタカヨシが所属する螺旋機関。そして、第1弾のラストでは、かつては追われる側であった玉城裕規演じるゼロも所属を決意し、2人はバディとなる。続く第2弾では、アガタの正体がゼロの元恋人カイだと判明。カイが死んだものとして復讐のためにトランス手術を受けたゼロは衝撃を受け、アガタもまた苦悶する。そんな矢先、ねじ曲げられていた過去の真実が明らかとなり、2人は再び敵と味方に別れてしまうのだった。過去を抱えきれず、何かに取り憑かれたように狂気を剥き出しにするゼロ(玉城裕規)。そして、アガタとカイ、2つの人生を背負い苦しむアガタ(菊池修司)。第3弾では、再びすれ違ってしまった2人の、せつない愛の物語が主軸となり物語が進んでいく。バディ解消後、ますます凶暴化していくゼロ。一方、アガタは司令官であるカンザキより、国際平和連盟なる組織から2人の招かざる客人のやってきたことを知らされ、2人の真の目的を暴くという予想外の使命に翻弄される。片時もゼロへの思いを忘れることはないものの、己の正義が指し示す方に足が向かってしまうのがアガタという男なのだ。2人が見せる強さと弱さ、揺れ動く思いが、ストーリーを右へ左へと揺さぶっていく。アガタの葛藤、ゼロの本心が前作にもまして丁寧に描かれるのだが、今回は、そんな2人の心境をビジュアル化すべく美しい舞台装置も加わり、エンターテインメント性も大いに増した。今作のもう一つの見どころが、国際平和連盟を名乗る新キャストの存在。美しい顔に冷徹の仮面をかぶるミステリアスなセーレを演じるのは彩凪翔。そして、巨大な戦斧を振りかざすスリリングなフルカスを演じるのは天真みちる。2人共、元宝塚歌劇団に所属していたスターであり、奇しくも同期。コンビネーションもバツグンに卓越した名演技を披露し、物語にさらなる緊迫感を呼び込んだ。詳しくは明かせないが、2人はある使命をたずさえていた。その目的はアガタとゼロ、そして全人類に関わる壮大なミッション。一体、敵なのか、味方なのかさえ分からない。その謎こそが物語の鍵であり、観る者への問いかけでもあり…。また、疾走感を増したストーリー性も注目すべきポイントだろう。今作は全員が主人公と言っても過言ではないほど、各キャラクターにスポットが当たり、息を飲む展開が連続する。どの組織にも属さず孤高の戦いを続けてきたクライ(宇野結也)、家族を惨殺され復讐に闘志を燃やすワカクサ(立道梨緒奈)を始め、前作までに語られた因縁に決着をつけていくのだが、1人1人がゼロとアガタを囲む脇役に甘んずることなく、驚きと感動を呼ぶ。これまで命令に従うだけだった、シュンスイ(松田昇大)ら螺旋機関のメンバーたちにも変化が現れていく。また、BlackBloodのレスター(服部武雄)も新たな衣装で再登場し、意外な活躍を遂げる。毎回、注目を浴びる異能力をぶつけ合うバトルシーンも華麗さが倍増した。シデン(後藤大)やイモータル(杉江大志)、前作で深い心の傷をおったサッドネス(星元裕月)なども、これまで見せることのなかった怒り、哀しみ、苦しみを剥き出しにして戦いに挑む。中には予想さえできなかった悲劇までも描かれ、各キャラクターの魅力がここにきて上書きされていった。前作、姿を消していたリュウジン(輝馬)は怪しい魅力を増して舞い戻り、ストーリーに深みを与える。その一方で、ゼロとアガタの思いだけは、ますます複雑に絡まり合っていった。刃を向ける相手も、背中を預ける相手までも目まぐるしく変わっていく。展開に重厚感が増した事で、誰が本当の敵なのかさえ、わからなくなってしまう。ヘリックスが統べる理想の世界を目指すオシリス(平野良)も、前作ではお人好しの顔を見せていた天才科学者のDr.皇(田辺幸太郎《少年社中》)も、信頼を寄せている司令官のカンザキ(久世星佳)さえも衝撃的な過去が明らかになり、その素顔が曖昧になってしまうのだ。何を信じて進むべきか、引くべきか…。大きな疑問と葛藤の末、追い詰められていくゼロとアガタ。救うべきは全人類か愛する人か!?究極の問いが突きつけられたとき、2人は選ぶべき答えを見つけようと激しく足掻く。果たして今度こそ、同じ未来を選ぶのだろうか?第1弾、第2弾以上に、緊迫感が張り詰める第3弾。最後の一瞬まで目が離せなくなること受けあいだ。今作、ゼロとアガタの愛の物語は一つの結論を迎える。しかし、カーテンコールで見せた玉城と菊池の熱い眼差しには、次なる物語への期待が込められているように見えた。舞台『HELI-X』は、まだまだファンの心を捉えたまま離してはくれないようだ。取材・写真・文:浅水美保
2022年06月29日寺山修司命日に捧ぐ初期短歌や昭和精吾がよんだ弔辞の再現、遺稿の詩などマイクと生演奏で語る90分昭和精吾事務所(代表:こもだまり)主催、寺山修司命日公演詩劇『われに五月を2022』が2022年5月4日 (水・祝) ~2022年5月5日 (木・祝)に高円寺K’sスタジオ(東京都杉並区)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ Twitter(@showa_terayama) 装置もなく語りだけで情景を鮮明に想起させる昭和精吾の技法による《言語の洪水》を浴びよ!マイクを使い、彼の詩や短歌をたたみかける。寺山修司命日、もっともソリッドな形式で送る詩の激流、『われに五月を』!マイクを用いて語る元 天井桟敷・昭和精吾の技法により、寺山修司の言葉の力を、その情景を鮮明に想起させる昭和精吾事務所。本公演のキャストはこもだまり、西邑卓哲、梶原航、常盤美妃と、オーディション通過者の上入佐 秀平。5日夜の回のみ特別ゲストとして演劇実験室◎万有引力に在籍20年となる森ようこが出演。また、初代代表である故・昭和精吾は映像で、こもだと長篇叙事詩『李庚順』を上演する。劇音楽アルバム「仮面劇・犬神」は今夏全国発売。音楽監督は西邑卓哲(ACM:::/FOXPILL CULT)。ゲストとして J・A・シーザーが 1 曲書き下ろし、吉田達也(ドラム)ほか、声の出演で新高けい子(元 演劇実験室◎天井桟敷)、小林桂太・森ようこ(共に演劇実験室◎万有引力)、 白永歩美(月蝕歌劇団)、紅日毬子(虚飾集団廻天百眼)ら現代のアングラ界の俳優が参加する。本公演にて、音源に収録される新高けい子の音声も一部公開される。※演劇実験室◎天井桟敷、万有引力の「◎」は中が●が正式表記過去公演より過去公演より【演目について】30分にわたって青森の母親殺しを語る『長編叙事詩 李庚順』は、こもだが昭和精吾映像とコラボで。詩人で寺山修司記念館館長・佐々木英明が構成した、初期短歌による『短歌掛け合い〜燃ゆる頬森番海の休暇』。1970年に寺山が主催した告別式で昭和精吾がよんだ弔辞『力石徹よ』と、その時歌われた『あるボクサーの死』の再現。寺山修司の遺稿と言われる詩『懐かしのわが家』などを、次々とマイクで語る。音楽は、昭和精吾が使ってきたJ・A・シーザー楽曲と、音楽監督・西邑卓哲による楽曲とアコギ生演奏で綴る90分。撮影:荒川れいこ[zoisite]/過去公演『氾濫原3』「曽根崎心中」舞台写真昭和精吾事務所1984 年設立。演劇実験室◎天井桟敷伝説のアジテーター[昭和精吾]の唯一無二の語りの 技術を継承する劇団。舞台装置もなく、語りだけで情景を鮮明に想起させる手法は「言語の洪水」と称され、中毒性を持つ。2015 年の昭和精吾の逝去を受け、現在は女優・演出家のこもだまりが二代目代表を務める。 昭和精吾と共に 17 年活動し、技法を継ぐこもだ、イッキ(アクロスエンタテインメント/ なめくじ劇場)に加え梶原 航(航跡)が新加入。音楽家で映像作家の西邑卓哲(ACM::: /FOXPILL CULT)が音楽監督を務める。 J・A・シーザーの楽曲による詩劇のほか、西邑卓哲の楽曲による映像音楽劇を製作。公演概要昭和精吾事務所寺山修司命日公演詩劇『われに五月を2022』公演期間:2022年5月4日 (水・祝) ~2022年5月5日 (木・祝)会場:高円寺K’sスタジオ(東京都杉並区梅里1-22-22パラシオン高円寺B1-100号)作:寺山修司音楽:J・A・シーザー/西邑卓哲構成・演出:こもだまり(昭和精吾事務所/ACM:::)音楽監督:西邑卓哲(昭和精吾事務所/ACM:::/FOXPILL CULT)■出演者こもだまり(昭和精吾事務所/ACM:::)西邑卓哲(昭和精吾事務所/ACM:::/FOXPILL CULT)梶原航(昭和事務所/航跡)常盤美妃(舞台芸術創造機関SAI)上入佐秀平【音声/映像出演】イッキ(昭和精吾事務所/なめくじ劇場/アクロスエンタテインメント)昭和精吾【特別ゲスト】(5日夜のみ)森ようこ(演劇実験室◎万有引力)[協力]テラヤマ・ワールド/寺山修司記念館/アクロスエンタテインメント/ACM:::/FOXPILL CULT/航跡/なめくじ劇場/舞台芸術創造機関SAI/演劇実験室◎万有引力■公演スケジュール5月4日(水祝) 19:005月5日(木祝) 15:00/19:00※開場は、開演の15分前■チケット料金一般前売:3,500円当日:4,000円24歳以下前売:2,500円当日:3,000円(全席自由・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年04月27日玉城裕規と菊池修司がW主演を務める舞台「HELI-X(ヘリックス)」のトークイベント第2弾『HELI-X Talk Meeting 2022』が、3月5日(土)、東京・日本教育会館(一ツ橋ホール)にて開催された。舞台「HELI-X」とは、毛利亘宏(脚本)と西森英行(脚色・演出)のタッグが手掛けるオリジナルシリーズ。遺伝子工学の進歩によって性別の壁を乗り越え、ヘリックスと呼ばれる特殊能力者となった者たちを中心に繰り広げられる、スペクタクルな近未来ストーリーである。2020年12月に初演、翌年10月には第2弾「HELI-X Ⅱ 〜アンモナイトシンドローム」を公演。そして、今回行われたトークイベントもまた昨年に引き続き第2回目の開催となる。この日の第一部に登壇したのは主演のゼロ役・玉城裕規さん、アガタタカヨシ役・菊池修司さんを筆頭に、星元裕月さん(サッドネス)、服部武雄さん(レスター)、松田昇大さん(シュンスイ)、輝馬さん(リュウジン)、平野良さん(オシリス)。さらに、次回作からの出演が決まった元・宝塚歌劇団の彩凪翔さん(セーレ)と天真みちるさん(フルカス)の9名。進行は、テレビ番組などでもMCを務めている平野さんが担当し、会場のファン、そして配信を通じて参加した全国のファンを大いに沸かせた。玉城裕規さんが演じるゼロは元女性の殺し屋。細部まで作り込まれたワイルドな衣装も注目だ菊池修司さん演じるアガタは秘密部隊「螺旋機関」の制服をまとってキリリと登場星元裕月さん演じるサッドネスは、ムチを武器に戦う美しくも悲しい役柄だが、この日は満面の笑みを見せてくれた悪の組織を束ねていたボスの息子・レスターを演じる服部武雄さんは第1作目以来の再登場となった松田昇大さんはシュンスイのトレードマークであるピンクのヘアスタイルで元気に登場したリュウジン役の輝馬さんは制服からの衣装チェンジ。イギリスの貴公子のよう!第3作目から出演する元タカラジェンヌの彩凪翔さん。貴婦人のようなドレス姿だが役名のセーレは悪魔の名前同じく元タカラジェンヌの天真みちるさんも悪魔の名前であるフルカスとして次回作から登場となるオシリス役の平野良さんがMC。舞台本番での冷徹な印象とは打って変わり気さくな表情で会場を盛り上げた脚本の毛利亘宏さんはスクリーンでの出演となったイベントは、毛利さんのビデオレターと共に開幕した。ここで初めて新キャスト2名の役名と、その由来が悪魔の名前だと発表。すると彩凪さんと天真さんは「初めて知りました」と、顔を合わせてワクワクとした笑顔を見せた。シリーズ第1作目『HELI-X』を名場面写真ともに紙芝居風に紹介引き続き始まった最初のコーナーは「HELI-Xスチール紙芝居」。まだHELI-Xシリーズを観戦したことがない人たちのために、第1作目の名場面の写真をスクリーンに映し出し、1枚ずつキャストを変えて紙芝居風に紹介した。順番はくじ引きで決定。司会の平野さんの「役者の力量が試されます!」の一言で、皆が個性を爆発させ思い思いのスタイルで朗読を始めるとツッコミと笑いの嵐に。おなじみのキャストたちが盛り上がる中、新メンバーの彩凪さん、天真さんが熱心にスクリーンに見入る姿は印象的だった。第2作目の名シーンを突然再現することになった菊池さんは照れまくり次のコーナーは、第2作目「HELI-X Ⅱ 〜アンモナイトシンドローム」のお気に入りのシーンを紹介する「HELI-X Ⅱ振り返りトーク」。玉城さんのお気に入りは、菊池さんが激しい頭痛でのたうつシーン。本番では菊池さんの名演技が際立つ緊迫の場面だったが、玉城さんが選んだ理由はそれではなく「叫び声が『ニャー!』と聞こえたから(笑)」とのこと。すると、菊池さんは納得できない顔をしつつも、リクエストに応えて再現を試みるのだが、恥ずかしさに耐えかねてもじもじしてしまった。そんなふたりの掛け合いがまるで兄弟同士のじゃれあいようでもあり、会場を和ませた。それぞれの思い出が発表される中、最も人気があったシーンが、司令官カンザキを演じる大御所女優の久世星佳さんと、不思議な万能キャラ・イモータルを演じた杉江大志さんのアドリブシーン。お笑いコントのような軽快な掛け合いが、キャストさえ知らされていなかった完全アドリブだったと知らされると会場のファンも驚いた様子に。このアドリブが次回作でも見ることができるのか、期待が高まるところだ。クイズコーナーはチームリーダー2人の素顔がよりあわらになり大盛り上がり!3つ目のコーナーは「HELI-Xクイズ」。玉城チームと菊池チームに分かれ、賞品の高級フルーツをかけて敵味方が入り混じってのクイズバトルを実施した。問題は、一般には知られていない作品裏話や、舞台上の演出などの超難問。両チームは苦戦しつつも和気あいあいと回答。珍回答も飛び出し、舞台本番では見ることのできない自然体の表情や笑い声が飛び交う楽しいひと時となった。賞品の千疋屋の高級フルーツ詰め合わせが登場すると「これ1万円だよ!」と驚く平野さんと星元さん内緒話をするように松田さんに回答を教える玉城さんの姿に、会場から「きゃっ!」と黄色い声がもれる一幕も菊池さんと輝馬さんの螺旋機関コンビは、真剣な表情で着実に正解を重ねていった勝利したのは菊池チーム。終始、ふざけあっていた玉城チームは一問も正解できずがっかりの様子特殊能力がHELI-Xの要だけに、様々な願望が飛び交った続いてはお客様からの質問コーナー。「サッドネスの他人と入れ替わる能力を手に入れたら?」の質問に、服部さんが「ゼロになって、時間を遡って学生時代に戻りたい」と回答すると、なぜかガラケーの話に発展。平野さんはガラケー時代に携帯ショップの販売員だったという意外な話に「ヘ〜!」の声がこだまし、キャストとファンの垣根を越えた一体感が生まれた。また、天真さんのポケモンの能力が欲しいというかわいい回答にも笑いが起きた。これからどんな能力を使えるのか楽しみだという天真さん最新作を紹介したのはキーパーソンになることが期待される新キャストの彩凪さん最後を締め括ったのが、この日、情報解禁となった第3作目『HELI-X Ⅲ〜レディ・スピランセス〜』の予告映像。これまでにないミステリアスな雰囲気に玉城さんが思わず「怖い…」ともらしたほどの迫力のある映像に、キャストたちも釘付けに。よりカッコよさを増した予告映像にキャストたちも釘付け前作のラストシーンで、バディを解消してしまったゼロとアガタ。次回作では再び思いが通じ合うのか?そして、それぞれのキャラクターたちが抱えている苦悩は解決されるのか?悪魔の名前を持つ新たな登場人物セーレとフルカスの能力と目的は?謎と期待が膨らむ中、登壇者たちは次回作への思いを述べた。玉城「予告を初めてみたのですが、3作目のこの世界観に驚いています。一体、どう始まり、どう終わるのか。そしてどこへ向かっていくのか…。不安もありますが、その中にワクワクもあります」菊池「これまで2作を演じて、アガタ、そして玉ちゃん演じるゼロの姿にもいろいろ考えさせられました。これからふたりがどうなっていくのかファンとしても楽しみです」最後に司会の平野さんからファンに向けて「愛してます!」の一言で大団円に。自粛期間での開催のため声援を送ることはできなかったが、言葉をこえるほどの大きな拍手が沸き起きおこりイベントは幕を下ろした。今から6月が待ち遠しくてならない。舞台『HELI-X Ⅲ〜レディ・スピランセス〜』の詳しい情報はこちら★チケット情報はこちら取材・写真・文=浅水美保
2022年03月23日寺山修司が「天井棧敷」結成前の1963年に書いた未上演の音楽劇『海王星』が12月6日より、東京・PARCO劇場で初演される。それに先立ち、フォトコールと記者会見が開催され、出演する山田裕貴、松雪泰子、ユースケ・サンタマリア、音楽・音楽監督を務める志磨遼平(ドレスコーズ)、演出の眞鍋卓嗣が出席した。出港しない船上ホテルで、主人公・猛夫(山田)と父の婚約者・魔子(松雪)が出会い、愛し合うが、そんな2人の前に、海で遭難死したと思われていた父・彌平(ユースケ)が生還し現れる。山田がPARCO劇場の舞台に立つのは初めて。松雪は『藪原検校』、ユースケは『タンゴ・冬の終わりに』以来のPARCO劇場出演となる。山田裕貴山田は「僕ら登場人物の感情の奥の奥、隅の隅まで伝えるには、どうしたら良いか。相当の技量と精神力が必要だなと思うし、集中力を切らさず演じなければいけない」と初日を迎えて緊張した面持ち。「感情がフラットでいられるシーンがないので、苦しいですよ(笑)」と役柄を語り、「若輩者で未熟者で、力不足を感じている日々ですけど、それがやりがいですし、日々進化していく舞台になれば」と闘志を燃やしていた。松雪泰子この言葉に、松雪も「私のバディである山田裕貴くんと一緒に、緊張感を途切れさせず、最後まで表現していくのが大きな役割。そこに集中したい」と共闘を誓い、「これまでの寺山作品とは、また違った印象を受け取っていただける豊かな作品になるよう頑張りたい」と抱負のコメント。ユースケも「もっと違う次元の、今まであまり見たことない感覚になるはず」と手応えを示した他、「眞鍋さんは僕らに優しく真摯に寄り添ってくれる。僕、ガミガミ怒る演出家、嫌いなんですよ!」と暴走する場面もあった。ユースケ・サンタマリア昨年、第55回紀伊國屋演劇賞 個人賞及び、第28回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した眞鍋氏が今回、PARCO劇場初進出を果たし「いよいよ来たかという感じ」と武者震い。「丁寧かつ大胆に練り上げ、作り上げてきた。フォトコールを見て、自分自身、鳥肌が立ち、ゾクゾクしている」と期待を寄せた。眞鍋卓嗣(演出)志磨遼平(音楽・音楽監督)かつて「毛皮のマリーズ」として活動し、寺山修司からの影響を大きく受けた志磨は「残されていた詩に曲をつけるわけで、恐れ多いですけど『作詞:寺山修司/作曲:志磨遼平』という共作ができるなんて、夢にも思わなかった」と感無量。作曲については「キャストの皆さんに当て書きした感覚」だと説明し、「実際にご本人に歌っていただけるのは光栄」と話していた。ドレスコーズによる生演奏も、本公演の大きな見せ場となる。取材・文・写真=内田涼【公演概要】PARCO PRODUCE2021音楽劇『海王星』作:寺山修司演出:眞鍋卓嗣音楽・音楽監督:志磨遼平(ドレスコーズ)出演:山田裕貴松雪泰子清水くるみ伊原六花佐藤誓冨永竜山岸門人澤魁士眼鏡太郎野々山貴之内田慈坪井木の実白木原しのぶ小山雲母片桐美穂金井美樹島ゆいか吉井乃歌大谷亮介中尾ミエユースケ・サンタマリア2021年12月6日(月)~2021年12月30日(木)会場:PARCO劇場※大阪(森ノ宮ピロティホール)、富山(オーバード・ホール)、宮城(東京エレクトロンホール宮城)、青森(弘前市民会館 大ホール)、愛知(名古屋 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール)で公演予定公式WEBサイト
2021年12月06日寺山修司が「天井棧敷」結成前の1963年に書き下ろした『海王星』を、新生PARCO劇場にて初上演。主演の灰上猛夫を演じる山田裕貴に話を訊いた。舞台は嵐で立ち往生中の船上ホテル。亡くなった父・彌平の婚約者・魔子と恋に落ちた猛夫だが、そこに彌平が生きていたという知らせが入り……。脚本を読んだ感想を、山田はこう語る。「物語の描かれ方としては、人間の感情が入り乱れた愛憎劇、というかたちにはなっていると思います。でも僕が脚本を読んだ時にストレートに入ってきたのは、“愛ってなんだろう?”という感情。この世にはこんなにも愛情があふれていて、人を好きになるということは誰もが経験しているけれど、結局“愛ってなに?”と。なんか悩んでしまいましたね」さまざまな“愛”を寺山の美しい言葉の数々で紡ぎ出す本作。中でも山田に響いたというのがこのセリフだ。「魔子さんの『あなたを作ったのは、お父さんなんかじゃない。あなた自身なんだから』というのは、僕自身の人生でも感じたことがあります。父と子の関係というところで、小さいころからコンプレックスというか、普通ではない感覚があって。そこは猛夫とシンクロする部分ですし、この役を生きていくうえでプラスになるかなと。言葉には表せない細かな感情や発する声に滲み出るもの、振り向く時のスピードに至るまで、すべてに影響していくと思います」役が乗り移ったかのような、リアリティのある演技が魅力的な山田。猛夫という役に対する、現段階でのアプローチ方法を訊ねると……。「まず常に思っているのは、“魂まで変われ!”ということです。いつも“俺消えろ!”と思っていて、今回だったら灰上猛夫のことを徹底的に考えたり、彼の気持ちを知ろうとすることが、役づくりではないかなと。やっぱり役者って、人の気持ちがわからないと出来ない仕事なんです」ちなみに本作は音楽劇。ドレスコーズの志磨遼平が音楽を手がける。「今は一切行けていないですが、僕、とにかくカラオケが大好きなんです!だから歌えることへの喜びはとても大きいです。志磨さんの楽曲は、儚く、悲しい感じで、これを舞台上で歌ったらどんな世界になるんだろう?とすごく考えさせられるものばかり。次にこの音がくるんだ!?ここで間が入るんだ!?みたいな面白さもあって。猛夫としてこれをどのように表現していけばいいのか。日々研究していきたいと思います」公演は12月6日(月)開幕のPARCO劇場での東京公演を皮切りに、大阪、富山、宮城、青森、名古屋と各地を巡る。取材・文:野上瑠美子
2021年11月12日