「子どもに健康に育ってほしい」と毎日の食事の栄養バランスに気をかけていても、不足しがちな栄養素があります。足りない栄養素とは何? 普段の生活でどう補えばいいの?「赤ちゃんだけでなく、実はママ自身も不足しています」という小児科医の伊藤明子先生に、お話をうかがいました。伊藤明子先生 プロフィール小児科医師、公衆衛生専門医、同時通訳者。東京外国語大学イタリア語学科卒業。帝京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院で臨床研修。同病院小児科入局。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。同大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。2017年より赤坂ファミリークリニック院長、NPO法人Healthy Children, Healthy Lives代表理事。著書・共著に『小児科医がすすめる最高の子育て食』『天然ヘルシー「調和食」レシピ』など。テレビ番組「林修の今でしょ!講座」などに出演中。■過度な紫外線対策でママも子どももビタミンDが不足気味に―― 赤ちゃんに不足しがちな栄養素とはズバリ何でしょうか?伊藤明子先生(以下、伊藤先生):タンパク質やカルシウムなどいくつかありますが、近年、特に足りていないと言われるのはビタミンDです。日本で健康に生まれた赤ちゃんを調べたところ、約22%がビタミンD不足だったという研究データがあります。母乳にはとても優れた栄養がつまっていますが、ビタミンDは少ないですし、母体がビタミンD不足であるがゆえに赤ちゃんも不足しているとも考えられています。また、私たちが行った研究で、日本の0歳から15歳までの子どもに、医師が診断した病名を調査したところ、「ビタミンD欠乏性くる病」が2009年から2014年の間で3倍以上に増えていることがわかっています。くる病とはビタミンD不足などにより、骨格異常や骨の変形が起きてしまい、歩行に影響が出ることもある怖い病気です。ビタミンDは、免疫にも発達にも関係しています。―― 生まれた時から足りていないとは…! なぜビタミンD不足が起きてしまうのでしょうか?伊藤先生:ビタミンDの源となるのは日光(紫外線B)と食品。その割合はおおよそ7対3というくらい、日光が占める割合が大きいのです。それにもかかわらず、最近のママたちの多くは美容への意識が高いこともあって、日焼け止めや日傘、アームカバーなど紫外線から「完全防備」しています。つまり、日光からビタミンDをほとんど生成できていない状態なのです。そうなってくると、ただでさえ不足しがちな母乳中のビタミンDがさらに不足することに。さらに、紫外線を気にしすぎるあまり、赤ちゃんにもばっちり日焼け止めを塗ってしまい、日光によるビタミンDの生成をさまたげています。日焼け止めクリームを少しでも塗るとビタミンDが作られないので、海や山など屋外で過ごす時間が長い時には塗るなど、調整しながら使えるといいですね。―― 赤ちゃんに日光浴は大切なんですね。一日あたりの目安はどれくらいでしょうか?伊藤先生:一日10分~15分、日光を浴びるといいでしょう。紫外線の弱くなる秋から春にかけては、1時間くらい浴びるのがベター。全身でなくても、手のひらや足の先だけでも大丈夫ですよ。とはいえ、緯度によっては(暮らしているところが北であればあるほど)、1時間の日光浴では足りないこともわかってきているので、ビタミンDが強化された食品などをとることを考えたいですね。■離乳食の新常識! 卵アレルギーのリスクを軽減する方法は?―― 紫外線対策のやりすぎは禁物ということですね。食事の面ではいかがでしょうか?伊藤先生:ビタミンDが含まれる食品はイワシやしらす干し、サケ、卵黄など。きのこ類にも含まれますが、微量です。普段通りの食生活をしていると、どうしても不足しがちな食品ばかりです。みなさんは毎朝、卵を食べていますか? アレルギーのない幼児なら一日1個食べることをおすすめしています。「アレルギーやコレステロールが心配だから」と敬遠するママも多いようですが、最近では離乳食早期から加熱して少しずつ与えることでアレルギーのリスクを減らせることがわかっています。また、遺伝的にコレステロールが高い方を除いて、大人なら毎日1~2個食べても血中のコレステロール値にはあまり影響しないことが研究で示されました。ビタミンDを補う離乳食「アボカドディップ」(1歳半~)<材料 2人分>アボカド 1個卵 1個レモン汁 小さじ1塩 少々こしょう 少々マヨネーズ 大さじ1オイルサーディンなど 適宜<作り方>1.アボカドは縦半分にカットし、包丁の刃元部分を種に突き刺して取り除く。アボカドの皮をカップにする場合はスプーンなどで実をくり抜く。器に盛りつける場合はそのまま皮をむく。2.アボカドの実を1cm角のさいの目切りにする。3.卵を固ゆでにし、冷水で粗熱をとったら殻をむいてみじん切りにする。4.ボウルにアボカド、卵、レモン汁、塩、こしょう、マヨネーズを入れて混ぜる。器かアボカドの皮をカップにして盛りつける。―― そのほかにできることはありますか?伊藤先生:欧米でよく利用されるのが、サプリメントや強化食。日本ではまだ種類は多くありませんが、牛乳や卵などにビタミンDを添加した強化食があります。スーパーなどで手に入りますよ。サプリメントも含めて、上手に活用できるといいですね。なお、子どもにサプリメントを与える時は医師に相談してからにしてください。 ■貧血症状がなくても鉄分不足の疑いが…「隠れ鉄欠」に注意!―― ビタミンD以外にも足りていない栄養素はありますか?伊藤先生:赤ちゃんやママに限らず、日本人全体に足りていないのが、鉄です。鉄が足りないと、鉄欠乏症貧血になり、疲れやすかったり、走ると息切れがしたりします。子どもだと、集中力が続かなくなったり、身長が伸びにくくなったり。注意すべきは、鉄不足の自覚がない「隠れ鉄欠」。めまいなどの貧血の症状が出れば、わかりやすいのですが、そういう症状が出ない鉄不足の人は多いのです。ママがやせ気味、もしくは栄養状態があまりよくないと、栄養が偏っている可能性があり、かなりの割合で子どもも貧血気味となります。―― どんなものを食べるといいのでしょうか?伊藤先生:鉄が多く含まれるのは、赤身肉や魚介類、卵黄、葉物野菜、大豆、穀類などです。ビタミンCと一緒にとると吸収されやすくなります。献立を、肉や魚料理+納豆や豆腐などの大豆製品にするなど2種類以上のタンパク質をとるようにすると、タンパク質と鉄分の両方を多く摂取できるのでおすすめです。鉄分を補う離乳食「シジミのおみそ汁」(1歳半~)<材料 2杯分>シジミ(真空パック) 1パック水 400cc小ねぎ 1/2本<作り方>1.分量の水を入れた鍋にシジミを入れ、ひと煮立ちさせる。生のシジミは殻を洗い、塩水に漬けて一晩砂抜きしたものを使う。2.お椀にそそぎ、細かく切った小ねぎをちらして出来上がり。お椀に入れたシジミに直接お湯を注いでもOK。―― 最後にママたちにメッセージをお願いします。伊藤先生:クリニックにいらっしゃる患者さんを見ていて思うことは、極端に偏った食生活はしないでほしいということ。マクロビも徹底しすぎるとタンパク質やビタミンDなどの栄養が不足しますし、赤ちゃんに卵を与える時期が遅くなりすぎると、アレルギーのリスクがかえって高まります。健康のためと思ってやっているのに、不健康になってしまっては元も子もありませんから…!ネットで検索した情報は古かったり間違っていることもあります。信頼できる医師に相談したり、出典元がしっかりしている情報を見極める目を持てるようになりたいですね。子どもも、ママ自身も健康が一番! 特にビタミンDと鉄分に注意しながら、親子で栄養バランスに気を配った食事をしましょう。参考図書: 「小児科医がすすめる最高の子育て食」 1512円(税込)講談社伊藤明子著。「健康」「免疫力が高い」「頭がいい」「心が安定した」子どもを育てるためにどのような食事を与えたらいいのか、最新の研究に基づいて紹介しています。カラー写真付きでわかりやすい58の簡単レシピも収録されています。
2018年04月19日ママたちの頭を悩ませる毎日の食事作り。栄養バランスは大切と思いつつも、ついつい「子どもが喜んで食べるから」と揚げ物や甘い物を多くあげていませんか?普段の食生活でどんなことに気をつけたらいいのでしょうか? テレビでも活躍中の「東大ママドクター」こと小児科医の伊藤明子先生に、「丈夫な子」「頭のいい子」「心が安定した子」を育む食事について、教えていただきました。伊藤明子先生 プロフィール小児科医師、公衆衛生専門医、同時通訳者。東京外国語大学イタリア語学科卒業。帝京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院で臨床研修。同病院小児科入局。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。同大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。2017年より赤坂ファミリークリニック院長、NPO法人Healthy Children, Healthy Lives代表理事。著書・共著に『小児科医がすすめる最高の子育て食』『天然ヘルシー「調和食」レシピ』など。テレビ番組「林修の今でしょ!講座」などに出演中。■子どもだって「糖化」は要注意! 「揚げる」より「蒸す」「煮る」―― 子どもが好きな食べ物といえば、揚げ物や甘い物を思い浮かべるママは多いと思います。体にはどんな影響があるのでしょうか?伊藤明子先生(以下、伊藤先生):「揚げ物も甘い物も絶対NG!」というわけではありません。これらに含まれる糖は体にとって大切なエネルギー源です。ただ、たくさん食べると「糖化」を進行させてしまうので注意が必要。「糖化」とは、糖とタンパクが結びついて加熱によって起きる現象で、食べ物からとり込んだり、体内で糖化現象が起きて、肌や血管、骨などが劣化していくことをいいます。糖化によって作られたAGE(終末糖化産物)が老化を加速させることが研究でわかっています。加齢とともに糖化は進んでいくものですが、子どもの頃から糖化が進みすぎると、骨の質が低い状態で成長してしまうため、将来的に骨粗しょう症やがんなどの病気のリスクが上がる傾向にあります。シミやしわの原因や、認知症との関連も報告されています。AGEはクセモノで、一度蓄積されるとなかなか減らすことができません。離乳食や幼児食の頃から、なるべく気をつけてあげたいですね。―― 子どもの頃から血管や骨の劣化に気を付けないといけないなんて…衝撃的です! 揚げ物が大好きな子はどうすればいいのでしょう?伊藤先生:揚げ物をおいしいと思うのは当たり前のこと。いきなりやめてしまうと子どももつらいので、徐々に回数を減らしていけるといいですね。注意してほしいのは、揚げ物を特別扱いしないこと。がんばったから「今日は特別に揚げ物ね♪」はやめましょう。子どもの中で「揚げ物=ごほうび」になってしまいます。大人の言うことがある程度わかる年齢の子であれば、「揚げ物ばかり食べていると、ベタベタ物質が体の中にたまるよ。食べ過ぎると○○ちゃんの体に良くないんだよ」と教えて納得させるのもひとつの手ですね。―― 普段の料理で心がけることは?伊藤先生:糖化リスクが低い調理は、「生→蒸す・煮る→焼く→揚げる」の順です。揚げ物の代わりに、積極的に蒸し料理や煮物を取り入れましょう。ただ、生のものばかりを食べることは、さまざまなリスクがあるためおすすめしません。糖化リスクを下げる幼児食「エビとオクラの煮物」(3歳~)<材料 2人分>エビ 4尾オクラ 6本塩 小さじ1/2出汁 100cc薄口しょう油 小さじ1みりん 小さじ1<作り方>1.エビは殻をむき、串などで背ワタを取り除く。2.オクラは手早く塩もみし、硬い「がく」の部分を包丁でくるりと削り取る。3.鍋に出汁、薄口しょう油、みりん、オクラを入れて火にかけ、オクラがやわらかくなったら1.のエビを入れて火が通るまで煮る。 ■血糖値=精神状態? 心の落ち着いた子を育てる食材選び―― 揚げ物以外ではどんなことに気をつけたらいいでしょうか?伊藤先生:先ほどは「糖化」についてお話ししましたが、もう一つ注目してほしいのが「血糖スパイク」です。血糖スパイクとは、食後のごく短時間で血糖が急上昇して元に戻る、血糖の乱高下状態のこと。血糖スパイクが起きると、血管が傷ついてしまい、病気のリスクも高まります。血糖と子どもの精神状態は強く結びついているといわれており、例えば、朝食をとらないと低血糖でやる気が出ない状態になります。さらに、そういった空腹時に血糖値が急上昇するようなものを食べるなどして血糖のハイ&ローを繰り返すと、子どものテンションも急激に上がったり下がったりするので、精神的に不安定になってしまいがちに。本来、食事を始めてゆるやかに血糖が上昇するのが理想です。―― 朝食抜きは厳禁ですね。理想の食事のために、ママたちは具体的にはどうすればいいでしょうか?伊藤先生:調理法は先ほどもお伝えしましたので、ここでは食材の選び方に注目してみましょう。血糖値の上がりにくい食材を選ぶのがポイントです。白米や小麦など精製されているものよりも、雑穀や全粒粉など精製されていないものがいいですね。雑穀ごはんや、アレルギーがなければそば粉をクレープのようにして間食に食べるのも一案です。野菜を摂取する時は、ジュースなど食物繊維が取り除かれた状態のものではなく、そのまま食べるか、スープなどでいただきましょう。ジュースが完全にダメなわけではないのですが、残念ながら、野菜ジュースは野菜の代わりにはなりません。―― 離乳食についても何かありますか?伊藤先生:日本では白米の全かゆから始めるのがスタンダードですが、おすすめは雑穀かゆ。糖質の摂取量を減らせますし、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素と食物繊維もとれます。日本人は白米でアレルギーを起こす人が少ないと言われていますが、統計上ではひえやきび、あわなど雑穀に対してもアレルギーを起こす頻度は高くないのです。欧米ではオートミールやほかの雑穀から始める国がほとんどですし、白米だけにこだわらなくてもいいと思います。血糖値をゆるやかに上げる離乳食「雑穀のおかゆ」(0歳~1歳半)<材料 1食分>もち麦 10gキアヌ 5g白米 10g水 250cc<作り方>1.研いだ白米、もち麦、キアヌ、水を茶碗か耐熱容器に入れ、炊飯器の真ん中に置いて、大人のご飯と一緒に炊き上げる。2.1.でできたお子さん用のおかゆを鍋に移し、水を足してさらにやわらかくなるまでコトコト煮る。3.乳児用のすり鉢でよくする。■夕食までの“つなぎおやつ”与えて安心なのは?―― ママたちの悩みとして聞かれるのが、子どもがおなかを空かせてしまって夕食まで待てない時、何を食べさせたらいいのか? ということ。とりあえず、わが家ではちくわをあげているのですが、どう思われますか?伊藤先生:うーん、スナック菓子よりはいいですね(笑)。ただ、塩分が多いのであげすぎは注意してください。果物は果糖が多いので、あまりおすすめしません。きゅうりやにんじん、だいこんなどの野菜スティックがいいですね。食事の邪魔をせず、切るだけですぐあげられます。お好みで減塩みそやマヨネーズにつけても。これまで話題に出た食べ物のなかでのおすすめ度でいえば、野菜スティック>ちくわ(練り物)>果物>スナック菓子でしょうか。野菜スティック以外だと、ゆで卵や味付けの濃くない焼き鳥(串からほぐして)などがおすすめです。ちなみに、のりも悪くないのですが、水溶性の食物繊維が多くて胃腸に負担がかかるので、全形1枚以内にとどめておきましょう。―― 最後に、忙しい朝のおすすめメニューを教えてください。伊藤先生:私も仕事をしながら2人の子どもを育ててきたので、朝から包丁を使いたくない気持ちはよくわかります。おすすめは、納豆と卵料理、雑穀ごはん、それにできればみそ汁もプラスできるといいですね。パン派は全粒粉のパンにするのがおすすめです。参考図書: 「小児科医がすすめる最高の子育て食」 1512円(税込)講談社伊藤明子著。「健康」「免疫力が高い」「頭がいい」「心が安定した」子どもを育てるためにどのような食事を与えたらいいのか、最新の研究に基づいて紹介しています。カラー写真付きでわかりやすい58の簡単レシピも収録されています。
2018年04月12日熊谷晋一郎先生におすすめの本をききました!小児科医の熊谷先生は、脳性マヒのある障害当事者としての立場から、当事者研究も行っています。ロボット工学を専門とする、脳情報通信融合研究センターの長井志江先生チームと、熊谷先生・綾屋沙月さんの当事者研究チームが研究・開発した「自閉症知覚体験シミュレータ」を、発達ナビのコラムでご存知のユーザーの方も多いのではないでしょうか?平成28-33年度 戦略的創造研究推進事業(CREST)「認知ミラーリング:認知過程の自己理解と社会的共有による発達障害者支援」今回は、熊谷先生に発達ナビのユーザーに読んでほしい本を教えていただきました。自分や周りの人への理解が深まるきっかけに、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?『うわわ手帳と私のアスペルガー症候群』「一組の母と娘の間でつむがれた、静かで、繊細で、丁寧な、相互理解の軌跡」(熊谷晋一郎先生)高橋紗都さんは10歳のアスペルガーの女の子。ある日紗都さんにお母さんの尚美さんは「好きなことに使ってええで」と1冊の白い本を手渡します。紗都さんはその本を『うわわ手帳』と名づけ、自分の世界を自分の言葉で書き始めました。「うわ~っとなる」自分のしんどい状況を「うわわオバケ」という言葉で表現し、どんなときにどんなことに困るのか、どんな風に感じているのかが綴られたその手帳は、紗都さんの世界を写しだします。そしてそれは紗都さん本人や家族が理解し、対処法を探る大きなツールとなったのです。もちろん発達障害のある人の困りごとや、感じ方は人それぞれですが、高橋さん親子の手帳は発達障害のある子どもの世界を知る、一つのきっかけとなるのではないでしょうか?『こんな私が大嫌い!』「タイトルにぴんと来たら、ぜひ読んでみよう」(熊谷晋一郎先生)自分が嫌い、でも「自分を好きになろう」…そう言われてもどうしたらいいのか、迷う方も少なくないのではないでしょうか?エッセイストの中村うさぎさんが、。中村さん自身の体験と実践をもとに、きれいごとや欺瞞抜きで「自分嫌い」という呪いを解く方法を語ります。ふりがなやイラストも多く入り、わかりやすい言葉で綴られているので、思春期の悩める子どもにおすすめです。『母よ!殺すな』「子育ての重荷を親だけに背負わせる社会にNO!」(熊谷晋一郎先生)日本の障害者解放運動、自立生活運動をけん引した「青い芝の会」の脳性マヒ者、横塚晃一さんをご存知でしょうか?横塚さんは生後10ヶ月の高熱により重度の脳性マヒがありました。当時の日本では、障害者への支援が十分でなく、家庭での子育ての負担に耐えられないことを背景とした事件が社会問題となっていました。横塚さん達「青い芝の会」は重症児殺し告発運動を行い、その障害者の立場からの批判や運動は大きな反響を呼びました。そんな横塚さんの発言を聞き書きとして集めたのが本書です。1975年に出版され、長く絶版となっており入手困難でしたが2007年に復刊されました。初版に未収録の文章や年表、原一男監督によるドキュメンタリー映画『さようならCP』のシナリオも収録されています。『暇と退屈の倫理学』「あらゆる苦しみの根底には「退屈」という宿命があった!」(熊谷晋一郎先生)熊谷先生に、面白かった本、好きな本は?と伺ったところ、教えていただいたのが高崎経済大学准教授、哲学者國分功一郎さんの本です。「なぜ人間は退屈するのか」という問いを持った國分さんが、文化人類学、哲学、経済学、倫理学など様々な側面から論考します。2012年には読者が選ぶ人文書の賞「紀伊國屋じんぶん大賞」を受賞。分厚くとっつきにくいと感じるかもしれませんが、哲学だけに収まらない視点で、この疑問への答えを導き出そうとするその道筋そのものが面白いと話題になりました。2015年に出版された増補新版ではさらに新版に寄せた論考「傷と運命」も足されています。熊谷晋一郎先生プロフィールUpload By 発達ナビ編集部熊谷晋一郎(くまがやしんいちろう)・東京大学先端科学技術研究センター准教授、小児科医・日本発達神経科学学会理事新生児仮死の後遺症で、脳性マヒに。以後車いす生活となる。東京大学医学部医学科卒業後、千葉西病院小児科、埼玉医科大学小児心臓科での勤務、東京大学大学院医学系研究科博士課程での研究生活を経て、現職。専門は小児科学、当事者研究。主な著作に、「リハビリの夜」(医学書院、2009年)、「発達障害当事者研究」(共著、医学書院、2008年)、「つながりの作法」(共著、NHK出版、2010年)、「痛みの哲学」(共著、青土社、2013年)など。熊谷晋一郎|東京大学先端科学技術研究センター
2017年11月08日食べることが苦痛な子どもたち出典 : 私は大学附属病院小児科で「思春期やせ症」(神経性無食欲症)の子どもたちを見てきた経験があります。思春期やせ症というのは、思春期の子どもに起こるいわゆる拒食症のことで、栄養不足によって、無月経、低血圧、内臓の障害、骨粗しょう症など、様々な異常が生じるだけではなく、時には死亡することもあります。患者は小学生から高校生までいました。私が出会った「思春期やせ症」の保護者、特にお母さん方はとても子ども思いの方々でした。お母さん方は、子どもの健康のために様々な努力をしていました。例えば、子どもが見て食べたくなるように、色どりや形を豊かにした食事を作っていました。それでも子どもは、食べることにまったく興味を示さないのです。また、おもちゃを買ってあげるなどのご褒美を示しながら少しでも食べさせようとしますが、子どもは口を開こうとしません。食べることが苦痛なようです。何も食べないと激しい空腹感に襲われ、食べられるものはなんでも口にしたくなる健康な食欲とは大違いです。食べなければ年齢相応の食事量を満たすことができずやせていきます。体重が一定の水準を切ると入院する必要も出てきます。重症になるとトイレも自力で行けません。歩くという行為だけでも心臓が止まる可能性があるからです。自力で食べられなければ鼻からチューブを入れて栄養物を胃に流し込まなければなりませんが、子どもたちはこの処置を嫌がります。発達段階の若い女性に起こる、思春期やせ症出典 : なぜ子どもたちはこんなにも食べることを拒否し続けるのでしょうか。そして、思春期やせ症が男性ではなく女性に多発するのは、なぜなのでしょうか。私は、ちょうど発達段階にある若い女性の母性に、その原因があるのではないかと考えています。私は、視覚系の研究に従事していた頃、出産前後の母子ネズミを扱っていました。そこで、母性を強く感じる出来事がありました。ある時、母ネズミと生まれたての子ネズミたちを放置してしまったことがありました。ネズミの乳首は10個ですので子の数は10匹程度が適切ですが、生まれた子ネズミは20匹ほどいました。子はかわるがわるお乳を吸い、すくすくと育ちました。一方、母ネズミは徐々にやせていき死んでしまいました。半面、子育て中の母ネズミは防御本能が強く、巣に不用意に手を入れると噛みつかれて大けがを負うこともあります。子を守るためにはわが身を顧みず渾身の力で闘う一方、お乳を吸いつくされても決して子を襲わず、なすがままにされて命までも落としたのです。母性とはこのように、母体の生死に関わるほどの力を持っています。子どもを守るためには、自分の体を犠牲にさえします。そして思春期の女性は、この母性を獲得していく途上にあるのです。思春期やせ症を発症するメカニズムとは出典 : 思春期やせ症の原因は、今のところ分かっていません。「太りたくない、自分を美しく見せたい」とか「大人になりたくない」という深層心理で説明する人もいます。しかし思春期やせ症をすべてそのような深層心理で説明するには無理があると思っています。若い女性には過食が生じることも知られています。人を含め動物は子を宿すとよく食べるようになります。過食もまた、母性と関係するのかもしれません。私は、大人の摂食障害の病態と、早期に発症する思春期やせ症とはメカニズムが少し異なるのではないかと考えています。思春期やせ症の場合は、脳神経系の発達になんらかのトラブルがあり、アンバランスな状態になっているのではないでしょうか。性ホルモンの分泌が盛んになる思春期に、母性に関わる脳神経系も発達していくと考えられます。また、食事行動をコントロールするのは脳なので、食事行動がうまくいかないということの背景に、脳神経系の発達上のトラブルがあるのではないでしょうか。思春期やせ症は、生理学、病理学などの専門家によっていずれそのメカニズムが明らかにされるでしょうが、私は、母性が発現し維持されはじめる若い時期の女性に多発するという現実から、母性の発達との関係を否定することはできないように思います。大きな変化を迎えた思春期の体は、時にバランスを崩すこともあるからです。今後、こうした神経系の働きや影響について究明できれば、よりよい治療方法が見つかるかもしれません。思春期やせ症への対応方法出典 : ただ現在は、思春期やせ症に対しては対症療法的に対応するしかありません。ご褒美や罰を用いて食べることへの動機づけを高める行動療法的やり方を取ったり、場合によっては、医療的処置で命をつなぐことも必要でしょう。ある思春期やせ症を患った女性は就職先にケーキ屋を選び自分自身を食べることに興味を持たせようとしました。食欲がわかなくても薬を飲むように一定量の食事をとり、体重の増加や維持を確認することが自分へのご褒美となるようにしている人もいます。周りの人は、深層心理の問題だと片付けず、患者にとって適切な支援を行っていくことが大切だと思います。
2017年11月05日こんにちは、佐原チハルです。子どもって小さい時はすぐに熱を出すし、特に保育園に行っている子どもは、最初の1年は頻繁に休まなければならなくなるとも言われています。子どもにとって、小児科はなくてはならない存在ですよね。そんな小児科は、ママにとっても強い味方。子どもの病気を治してくれるだけでなく、時にはママたち自身を救ってくれることも・・・。今回は、そんなママたちが小児科で聞いた、“涙が出るほど嬉しかった言葉”について聞いてみました。●子どもの泣き声を「本当に大きな声だね!」と言われた「初めて子どもの予防接種に行った時です。そこの病院の看護師さんに『この子は本当に大きな泣き声だね!』って言われたんです。『こんなに元気だと、ママは嬉しいけど大変だね』って。それがすごく嬉しくて、泣いちゃいました」こちらは、3歳のお子さんを育てているママの言葉です。「その時期は、毎日、毎日子どもの泣き声を聞いているのが辛くて。うちの子は泣き声も大きくて。でも、辛いって言っても『子どもだから泣くのは当たり前』『声が大きいのは元気な証拠だからありがたいこと』って言われるばっかりで。それも本当にその通りだと思うから、辛いって思う私が間違ってるんだ、私はダメな親なんだって思って、ますます辛くなったりしてました」看護師さんが“大変さ”を理解 してくれたことで、救われた気持ちになったそう。「元気なのが嬉しいことと、でもそれで大変だって感じちゃうこととは、どっちもあって当たり前なんだなって思えました。子どもの声を辛いって感じるなんて悪い親だと思っていたから、大丈夫だって思えてすごくホッとしたのを覚えています」乳児期を過ぎると、赤ちゃんの元気な泣き声は微笑ましいものに感じられることもありますし、“元気な証”なのですから、たしかにありがたいものです。しかし、それを日々聞き続けているママが「辛い」と感じてしまうのも、また当然のこと。辛い気持ちを抱えているママがいた時には、それを否定せずにいたいですね。●寝不足でボロボロの時に「お母さんも頑張ってるね」と言ってもらった「出産してすぐの時、子どもをかわいいって思えなかったことがあるんです」こちらは、4歳のお子さんを育てているママの言葉です。「授乳がうまくできなくて。胸はパンパンに張っていて、子どももお腹が空いて泣いているのに、うまく飲ませられなくて。夜中だったんですけど、周りの病室からは泣き声も聞こえないし、みんなうまく授乳できてるのかなって思って……。授乳すらうまくできないなんて、なんてダメな母親なんだろうって思いました」こちらのママさんが出産されたのは、小児科と産婦人科が併設されている専門病院。出産後は完全個室だったそう。あとから「入院中なんて私も授乳うまくできなくて、真夜中でも子どもギャン泣きだったよ」と色々なママから聞くこともあったそうですが、当時は周囲の部屋の声が漏れ聞こえることもなく、「こんなこともできないのは自分だけだ」と感じていたそう。「子どもをあやしながら片手で慣れないミルク作ってたら、看護師さんが来てくれたんです。そこで『お母さんも頑張ってますね』って言ってもらえて、泣いちゃいました」「ミルクもこちらであげておきますので、お母さんは今日はゆっくり眠っても大丈夫ですよ」と言ってもらえたため、その言葉に甘えることにしたそう。「ゆっくり眠って、朝ごはんを食べてから子どもを迎えに行きました。それから改めて授乳のやり方を聞いたり、ミルクでも大丈夫よって言ってもらったりして、すごく気が楽になりました。隣の市に引っ越しちゃった今でも、この小児科には何かあるたびに通っています」自分を「ダメな母親だ」「最低限のこともできない出来損ないの母親だ」と感じさせられてしまうのは、とても辛いことです。そんな中で頑張っていると認めてもらえて、大丈夫と言ってもらえた のが、とても心強かったそうです。筆者も出産後の入院中、似たような経験をしたことがあります。看護師さんから温かい言葉をもらえたことに加え、子どもを預かってもらえて、睡眠時間を確保できたこともとても大きかったです。産後で疲れているママにとって、温かい言葉と睡眠時間は、何よりも喜ばれるプレゼントですね。●「お母さんは大丈夫?お母さんも気をつけてね」と言ってもらえた「子どもが手足口病にかかった時、小児科のお医者さんから『お母さんは大丈夫?』って言ってもらったんです。すごく嬉しかったです」こちらは、5歳と3歳のお子さんを持つママの言葉です。「最初に下の子がかかって、それだけでも大変だったのに上の子にもうつってしまって。もちろん一番大変なのは子ども達自身ですけど、私も結構参ってしまっていたんだと思います」実家のご家族からもお子さん達の心配はされたそうですが、ママのことを労ってくれる人はなかなかいなかった そう。「うちは当時、旦那が単身赴任で、文字どおりワンオペで2人の看病しなきゃいけなくて、結構辛かったんです。私のこと気にかけてくれる人が身近にいない中でずっと張りつめていたので、泣きそうになっちゃいました。すごく嬉しかったんです」誰かに気にかけてもらえているというだけでも、気持ちが楽になることってありますよね。「最近元気にしてる?」「大丈夫?」という言葉は、かける側はそれほどの意識をしていないこともありますが、言われた方は救われた心地になることもあるのですね。忙しそうにしている友人がいたら、少し意識して声をかけてみるのもいいかもしれません。----------以上、いかがでしたか?産後や子育て中のママは、時に孤独で心細いもの。そんなママにも寄り添ってくれる病院 の存在はとても心強いですね。私たち一般のママはお医者さんにはなれませんが、時々はお互いに励ましあったり、助け合ったりすることもできます。「あそこの小児科がすごくよかったよ」なんて感想も語り合いつつ、手を取り合って日々の育児を乗り越えていきたいですね。●モデル/倉本麻貴●ライター/佐原チハル
2017年10月05日小児科外来のカウンセリング室にやってきた母娘出典 : 病院の小児科外来でカウンセリングを行っているカウンセラーの私のもとに、不登校の娘さんと母親が心理相談を受けに来ました。そのとき娘さんは中学3年生。母親の話だと中学2年生のころから学校に行き渋るようになったけれども、教師の働きかけで今は何とか相談室登校をしているとのこと。母親が説明する間、その子は一言も話さず暗い顔をして座っていました。私は「学校で何か嫌なことがあったのか」、「友だちと気まずいことでもあったのか」と問いかけましたが、無言のまま。母親は、「家で娘に尋ねても嫌なことやいじめはないと言うのです」と代弁します。医師の方では医学的処置は行わないとのことを聞いていたので、経過観察をしながらじっくり支援の方向性を探ろうと考え、「すぐには話したくないかもしれないので、時々来て状況を知らせて下さい」と言って初回の面談を終わろうとしました。しかし母親は「どこに行っても同じことを言われます。私が心配でたまらないのです。このまま一生引きこもりになるのではないかと不安です。ここで話を聞いていただけませんか」と言うのです。娘さん本人の考えは計り知れませんでしたが、母親の困り感が大きいことも鑑み、ひとまず次週も面談の予約を入れることにしました。カウンセラーと母親と娘の三者面談、しかし彼女は一言も話さず…出典 : 翌週、時間通りに母娘がやってきました。母親はこの一週間も娘の状況は変わらないことを説明してくれましたが、肝心の娘さん本人はやはり一言も発しません。母親がしゃべり過ぎるので娘さんが話さないのかと考え、母親の発言を抑えて彼女の発話を待ちました。しかしいくら待っても言葉を発しません。最後にはうなだれ、長く伸びた髪が顔を覆い、ホラー映画の「貞子」のような状態になってしまったので、「これ以上はまずい」と思い、母親との話に戻りました。親子で訪れる小児科の心理相談の時、私は特別の事情がない限り親子別々に話すことをしません。子どもは不安を抱いて訪れます。その時に親から離れて一人で知らない人と話すことは苦痛でしかないと思うからです。廊下で待たされ母親だけが診察室に通されると、そこでは自分のことを話しているに違いないが、何を話しているのか気になるでしょう。余計な不安や苦痛を子どもに与えないために親子で話すのです。まれに母親だけに伝えなければならないことがある場合は、子どもが退屈そうに見えたとき、「退屈なら廊下を歩いてきていいよ」と言って外に出します。時間的に余裕がある環境でしかできないことかもしれません。カウンセリングというより雑談?それでも続く、奇妙な3者面談出典 : そういうわけでその母娘との面談はいつも三者で行いましたが、話すのはいつも私と母親でした。それでも娘さんは毎週来ることを拒まず、一言も話さないにもかかわらず毎回1時間近くその場に座り続けていました。半年近く話しても事態が大きく変わることもなかったので、話の内容は徐々に雑談に変わっていきます。明朗快活なお母さんはニコニコしながらたくさんおしゃべりしました。よもやま話になるとつい笑いだすようなことにもなりますが、娘さんはそれでもやはり、無表情のまま。わずかでしたが相談料を支払っていただいていましたので、談笑でお金をいただくのはどうかと思い、母親に「このまま続けますか」と尋ねました。母親は「長い目で見なければいけないのは分かっているが、娘と二人でいると気が沈んでしまうので、迷惑でなければ続けさせてください」と言ったので、ひとまず継続することに。とはいえこのままずっと談笑を続けるというのも気が引けます。なにか改善のきっかけがつかめないかと、私は彼女が在籍する中学校を訪問することにしました。しかし、娘さんは中学校では人目を避けて登校し、ほとんど相談室で好きな漫画やイラストを描きながら過ごしているとのことで、変化を期待できるような情報を手に入れることはできませんでした。高校受験が迫ったある日、無言だった娘が、はじめて「やりたいこと」を口にした出典 : それからも、カウンセラーと母親が談笑するだけという、奇妙な"三者"面談が続きました。初夏から始まった面談も初冬にさしかかっていました。母親は高校進学のことを気にし始めました。私も引き受けてくれる学校があるか気になりました。そんなある日、母親が思いがけないことを話しだしたのです。「娘は、高校はイラストやデザインが学べるところにしたいと言っています。中学校で尋ねたらA高校のデザイン科があると言われたそうで、そこを受験したいと言うのですが、先生どう思いますか」。この話も三者面談の中でした。私は母親に「それは素晴らしい。本人が受けたいと言うのならぜひ受けさせるべきです」と言いました。本人が高校には行きたいと言い、志望校もはっきりと言った。母親はこのことには喜んでいましたが、実際受験するにあたっては、相談室登校で学力がきわめて不安、試験や面接に行けるかどうか、受験に失敗したらもっと落ち込みがひどくなるのではないかなど、心配でたまらないようでした。私は、「本人が自分で道を切り開こうとしているのです。今はそれを応援しましょう。失敗したらその時に次を考えましょう」と言い背中を押しました。その後。その子は自宅でも受験勉強をし、中学校では専願という受験方法を示され、無事試験会場にも行け、めでたく志望の高校、学科に合格したのです。娘さんの高校入学後も母親はしばらくの間、「また、いつ登校しなくなるか不安だから」と言い、私との心理相談にやってきましたが、不登校が生じやすい5月の連休明けまで様子を見ても特に問題は起こらず、母親も安心して心理相談を終了しました。ずっと黙っていた娘が、なぜもう一度学校に行けるようになったのか出典 : その後も娘さんが私の相談室に来ることはなく、毎日他の生徒と同じように登校し授業を受けており、部活もバスケットボール部に入り元気に活躍しているとのことでした。母親は「嘘みたい、今までのはなんだったの」とキツネにつままれたかのようでした。心理相談を続けている間は一言も発さなかった娘さんが、なぜこのように劇的な変化を起こしたのでしょうか。私が思うに、その子自身の伸びる力がもともと眠っており、表面には出ない間も、じっくりと力を蓄えていたのだと思います。不登校、相談室登校は彼女にとって不快な経験だったと思います。彼女自身もなんとかそれを克服しようと思ったでしょう。しかしなかなか克服の道が見えず、長い間ふさぎ込むことになったのだと思います。高校進学を目の前にして、やっと自分の好きなデザインを学び、本来やりたかったバスケットを行うことに道を見出し、光を見つけたのだと思います。道を見出したのは彼女自身です。それができたのはその子の成長する力によるものと思います。小学校や中学校で不登校を経験したのちに高校生になり、「休みたくなると、もうあの不登校を再び経験したくないからという気持ちになって、それで頑張って登校したんだ」と打ち明けてくれた子もいました。一人、二人ではありません。子どもたちはしっかり学んでいるのです。そしてそのような子どもの成長する力を発揮させることができたのは母親の頑張りだったのだと思います。相談室登校の娘さんを見放すことなく、少しでも効果があることは惜しまず与え続けました。それとともに母親は、娘を支え続けるために自分の心の安定も求めました。娘さんは三者面談の中で一言も発しなくても、母親の言葉、カウンセラーの言葉をしっかり聞いていたのです。自分を支えてくれる人たちの中で自分は何をすべきかを考え続けていたのでしょう。子どもは母親や家族に支えられ、母親や家族は社会に支えられるような循環が子どもたちの成長には不可欠だとの思いを深めたケースでした。
2017年05月20日子どもが生まれると頻繁にお世話になる小児科。子どもが病気になったときはもちろん、健診や予防接種など、小児科を訪れる機会はとても多くなります。でも、受診したとき「症状をうまく伝えられなかった」「質問したかったことを聞き忘れてしまった」という経験があるママもいるのでは。しっかりと治療をしてもらうためにも、小児科の上手なかかり方を知っておきたいですね。■子どものふだんの様子がわかる人が連れて行く赤ちゃんや小さい子どもは、自分の症状を言葉で説明できません。小児科医がきちんと診断をするためには、付き添いの保護者の話がとても重要です。受診時には、子どものふだんの様子をよく知っているママやパパが付き添うようにしましょう。仕事の都合などでやむを得ずおじいちゃんやおばあちゃんに頼む場合は、症状や睡眠、食欲、機嫌など、子どもの様子がわかるようなメモを用意しましょう。■受診時に必要な情報は?「熱が出た」「おなかの調子が悪い」など、小児科を受診する症状はさまざま。症状を説明するときは「いつからあらわれて、どのように変化しているか」という時間的な経過もあわせて伝えるようにしましょう。また、あらかじめ熱や身長、体重をはかっておくと受診がスムーズです。子どもの身長や体重は薬の処方時にも必要な情報なので、日頃からこまめに把握しておきたいですね。■聞きたいことはメモで用意しておく医師にいろいろと聞きたいことがあったのに、診察でつい聞き忘れてしまい、家に帰ってから後悔…。そんな経験があるママも多いのでないでしょうか。診察時や待ち時間には、体調不良の子どもがグズったり泣いたりすることも。付き添いのママもバタバタして、つい質問を忘れてしまいがちです。聞き漏れを防ぐためには、病院に行く前に、聞きたいことをリストにしてメモで準備しておきましょう。メモを見ながら診察を受ければ、後で「あれも聞けばよかった」ということもありません。■下痢や嘔吐のときはオムツや写真を持参下痢や血便、嘔吐の症状のときは、便そのものが診断の助けになることがあります。可能であれば、なるべく新しい便をオムツごと持っていくと診てくれることも。その際は二重のビニール袋で密閉するなどして持ち運びましょう。持っていくのが難しいようであれば、便や吐物を写真に撮っておくだけでも、症状を正確に伝えることができます。また、湿疹などは受診時には消えていることもあります。気になる症状は画像で記録しておくと、分かりやすく伝えられて安心です。■病気と関係ない相談をしたいときは?小児科では健診のときに、栄養相談や育児相談にも対応してくれます。でもそれ以外のときでも、子どもの健康や発達についての不安を相談したいこともありますよね。クリニックによっては、診療時間とは別に、栄養士や看護師による相談を実施している院もあります。多くの場合事前に予約が必要なので、近隣の小児科に問い合わせをしてみては。なお、予防接種のスケジュールについての相談は、随時対応してくれるクリニックが多いようですよ。子どもが体調不良のときは、ママも慌ててしまいますよね。でも、だからこそ小児科を訪れる際はスムーズな受診を目指したいもの。子どもの健康のためにも、小児科と上手なおつきあいをしてきましょう。
2017年02月11日こんにちは。ママライターのなかやまあぽろです。先日娘が2歳の誕生日を迎え、予防接種の際に小児科の医師に子どもの健康面を相談する機会がありました。特に2歳前後のママに共通する心配ごとは、子どもの食生活について。ご飯をたくさん食べてくれる日と、なかなか進まない日とムラがあったり、おやつをほしがって泣きわめき、根負けしてつい与えてしまったり……。一生のうちで最も成長が早い“乳幼児期”に食事で摂る栄養は、子どもの今後の成長にとても重要な役割を果たすので、食生活の見直しを勧められました。今回は、2歳から特に見直したい子どもの食生活のポイントを3つにまとめてみましたので、参考にしてください。●(1)おやつは午前と午後に1回ずつ食事は1日3回、おやつは午前と午後の2回に分けることが理想だそう。おやつを与えるときのポイントは、時間を決めて、ダラダラ食べさせないことです。おやつの摂取量の目安として、2歳前後の子どものおやつで取りたいエネルギーは、1日に必要なエネルギーの10~20%で、約100kcal です。午前のおやつはお昼ご飯に影響しないよう量や与えるものを考え、午後は腹持ちのよいおにぎりや蒸かした芋などをおやつとして与えるといいそう。2歳になると長時間の外出の機会も増えてくるので、グズったときなど、どうしても甘いおかしを頼りにしてしまうこともありますよね。しかし、そんなときもチョコレートや飴、ジュースなどはできるだけ避け、小さく握ったおにぎりや、持ち運びに便利な糖分の少ないドライフルーツがオススメです!●(2)外食をするときは、なるべく和食系を子どもが成長するにつれ、お出かけの際の外食の機会も増えてきます。レストランでは、子どもが喜ぶお子様ランチやセットを選択するパパやママも多いと思いますが、実は大人の料理を取り分けてあげる 方が、栄養バランス面で安心なことも。一般的に外食は塩分や糖分、油分が多く含まれた料理が多いですが、お子様セットは特に揚げ物が多く考えものです。外食の際は、なるべくパパやママが注文した和食系のメニューから、子どもの分を取り分けることがポイントだそう。家庭での食事は、脂肪分を控えたうす味を心がけ、素材本来のおいしさを教えてあげる機会を作りましょう。●(3)牛乳の飲み過ぎに注意2歳を過ぎると、ほとんどの子どもが離乳を完了し、牛乳に切り替えるママも多いと思います。そして、子どもたちは牛乳が大好き。牛乳をたくさん飲ませて、元気いっぱいな子に!と、筆者も当初は思っていたのですが、2~3歳で1日に取りたい牛乳、乳製品の目安は、料理に使う乳製品も含んで約200~300ml だそうです。牛乳は、一日コップ1~2杯程度に留め、栄養の偏りに注意しながら与えることがポイントです。----------2歳ごろになるとイヤイヤ期も始まり、食事での好き嫌いもはっきりしてくるころなので、ママは一苦労。成長が著しい乳幼児期なので、できるかぎり栄養面はしっかり管理していきたいですね!【参考文献】・『最新月齢ごとに「見てわかる!」育児新百科』/ベネッセコーポレーション・編【参考リンク】・子どもの成長・発達 | 公益財団法人母子衛生研究会(PDF)()●ライター/なかやまあぽろ(ママライター)●モデル/NANAMI(RIRIAちゃん)
2016年12月25日風邪に対する抵抗力を高めるには、日頃の生活習慣が大切です。小児科医の澤田雅子先生によると、中でも大事なのは「水分補給」「保温」「体温調整」の3つ。普段の生活をちょっと見直すだけで、風邪はもちろん他の感染症にもかかりにくくなります。<心得その1>汗をかきにくい冬でも水分補給はマメにすべしたくさん汗をかく夏、お子さんに小まめに水分を取らせていたママも、冬場の水分補給はおろそかになりがちなようです。口や鼻から入った空気が通る気道が乾燥すると、ウイルスなどの異物を外に向かって排除してくれる線毛などの動きが悪くなり、風邪の原因に。またウイルスを含んだ痰(たん)が切れにくくなります。園児の場合は、1日約700㎖を目安に水分を摂取して気道を潤しましょう。気道が潤っていれば、ウイルスを含んだ痰が体外に排出されたり、胃に流れて胃酸で死滅します。お薦めの飲み物は水やお茶。糖分の高いジュースは、痰がネバネバして切れにくくなってしまうので避けましょう。<心得その2>血流を良くするため体の中から温めるべし冬は体温を保つために血管が縮まり、気道の血流が悪くなります。血流が悪くなると線毛の働きも低下してしまうんです。しかし温かい物を食べて体温が上がり血流が良くなると、線毛の動きが良くなり、ウイルスを含んだ痰を排除する働きが活発になります。またニンジンやカボチャに多く含まれるビタミンAと、キウイやブロッコリーに多く含まれるビタミンCを積極的に取りましょう。ビタミンAには細胞の抵抗力を高める効果があり、ビタミンCにはウイルスの感染を防ごうとする体の働きを強める効果があります。<心得その3>寝るときは過剰な厚着を避け、体温調節すべしお子さんの寝冷えを心配して、厚手のスリーパーを着せるママもいるでしょうが、厚着させ過ぎるとお子さんは寝ている間にたくさん汗をかいてしまいます。その汗がだんだん冷えて、かえって風邪をひきやすくなることも。また、暑くて呼吸が早くなると気道が乾燥し、ウイルスが侵入しやすくなります。七分丈のパジャマは、手首と足首が出るので暑さがこもるのを防ぐ上、汗をかきやすい肘と膝の汗は吸い取ってくれるので、お薦めです。◆飛沫感染を防ぐには高湿度と換気が重要風邪やインフルエンザといった感染症の主な感染源は、咳やくしゃみの際に口から出る飛沫(ひまつ)。その飛沫が口や鼻から体に入ると、ウイルスに感染します。空気が乾燥していると飛沫が部屋中に飛び散る可能性があるので、部屋の湿度は60~80%をキープ。家族に風邪をひいた人がいる場合は、湿度に気を付けながら換気して、部屋に漂うウイルスを減らしましょう。●お話を聞いたのは澤田雅子さん澤田こどもクリニック院長。日本小児科学会認定小児科専門医。一般診察のほか、ママたちの育児相談やアレルギー相談にも乗っているillustrationNODA Setsumi<文:あんふぁん編集部>
2016年11月04日発達障害の診療のための医療機関にはどんなものがある?それぞれが担う役割は?出典 : これまでの記事では、発達障害のための医療機関が少ない原因や、医療機関でできる支援についてお話させていただきました。今回は医療機関の種類をご紹介していきます。発達障害の診療に携わる医療機関には様々な種類がありますが、その分け方も色々あるのです。医療機関の種類というと、もちろん小児科や精神科などの診療科による分類が思い浮かぶのですが、今回の記事では別の切り口で分けてみたいと思います。いくつかの医療機関は日本の、時には世界の発達障害研究を担っていく役割を持っています。こうした先進的な医療機関にかかると厳密な手続きを経た診断が受けられたり、他では利用できない治療法が使えたりすることもあります。日本の、世界の発達障害支援の質の向上に貢献できる可能性があるというメリットもあります。一方でこうした機関の医療者は診療以外の業務が多く多忙です。また機関の数も限られるので、通院時間が長くなるなどアクセスも良くないことが多いでしょう。また研究途上の新しい治療には、確かめられていないリスクも伴います。良くも悪くもハイリスク、ハイリターンな選択です。その他に、地域の中核的な発達障害診療を担っている医療機関もあります。小児や障害者の病院、療育センターに附属している診療所などがこうした役割を担っていることが多いでしょう。こうした機関の専門性は高く、既存の診療技術に限って言えば、研究機関と比べても遜色がないことが大半です。また入院治療の機能を持っていることもあります。一方でこうした医療機関は比較的広域(都道府県単位)などから患者がきていることが多く、地元に密着した支援機関や学校の情報などはやや医療者に集まりにくくなります。また地域への医療サービス提供の責任を負っているので、新規患者優先、診断と投薬優先になりがちです。発達障害専門の小児科や児童精神科のクリニックなどを中心とした地域密着の医療機関も増えてきました。こうした医療機関は医師によっては、非常に高い専門性を持っていることもありますし、アクセスも良く比較的患者数も少なく、丁寧な診療が可能であることもあります。また何よりも地元の情報が集まりやすいことがメリットです。ただし地域によっては医療機関の不足のため、こうしたクリニックが中核的医療機関の役割を担わざるを得なくなっていることもあります。また最近では、地域のかかりつけ医、つまり一般の小児科医や内科医の役割にも注目が集まっています。こうした医療機関は、発熱やワクチン接種などの日常の身体的な問題に対応できるのはもちろんですが、典型的な事例の診断や専門的な医療機関での診断後のフォローアップなどが期待されています。平成28年度からは厚生労働省によるかかりつけ医向けの発達障害の診療研修も開始されました。こうした医療機関は極めてアクセスがよく、また発達障害の特性を知ってもらった上で、身体医療が受けられるという大きなメリットがあります。医療以外の支援者に恵まれている場合、医療の役割は限られるので、必要な時にかかりつけ医に相談するというスタイルでも、充分に対応が可能である場合があります。年齢の高い方の場合、成人の精神科医療機関も受診先の候補になります。現状では全ての精神科医療機関が発達障害の診療に対応できるわけではありませんが、着実にそうした機関は増えています。こうした医療機関のメリットはアクセスの良好さと、何よりも併存する他の精神疾患への対応への熟練度と手立ての豊富さです。ただし構造的に成人精神科の診察時間は短いことが多いので、それに合わせた受診の工夫を考えておく必要があります。医療機関に迷ったら、身近な支援者に相談を出典 : こうした分類は医療機関の看板に書いてあるわけではないので、利用者の方からは見分けにくいかもしれません。受診の前に保健センターなどの身近な支援者や、先輩の親御さん、ペアレント・メンターなどに受診先を相談するのはよい方法です。最後に、多くの種類の医療機関があるので、専門機関のいいとこ取りをしたい、かけ持ちをしたいという気持ちはとてもよくわかります。しかし極めて恵まれた一部の地域(ほんとにそんなのところが日本にあるのでしょうか……?)を除けば、現状ではそれはマナー違反であると考えるべきでしょう。必要な人が、少しでも早く、少なくとも正しい診断と診断書、時には薬物療法にたどり付けるような気遣いができる、余裕が持てるとよいですね。
2016年10月05日【ママからのご相談】2歳の男の子と6か月の女の子のママをしています。下の子どもが生まれてからというもの、小児科のお世話になることが頻繁になりました。そのために、お医者さんとの関係に悩んでしまっています。行く回数が増えるごとに医師から出される親への厳しすぎる“要求”が苦痛になってしまいました。子どもの体調管理は親の責任であるということもよくわかっています。母親がこんなことを思ってはいけないのでしょうが、吐き出させてください。「無理!」と……。目次1 どんどん吐き出していきましょう! 多くのママが無理だと思っています2 (1)3歳になるまでは、お砂糖の味を覚えさせないということが大事!3 (2)食事は和食! 薄味で素材本来の味を生かした調理を! 品目数は多く!4 (3)高熱のときに、熱の計り方でいちゃもんつけんな!●A. どんどん吐き出していきましょう! 多くのママが無理だと思っていますご相談ありがとうございます。ママライターのあしださきです。子どもをもって初めて感じたのですが、お医者さんは子どもには優しくてママたちに少し厳しすぎるような気がします。子どもと通う「小児科」「歯科」「耳鼻科」「皮膚科」「眼科」……どこに行っても聞くことになるお医者さんのキツーイ発言 には、筆者も悩まされてきました。もちろん、子どものことを考えた上での意味のあるアドバイスであり、本来ならばありがたく聞いた上で正しく実行すべきこともあるでしょう。でも、つい思ってしまいます。「そんなの無理です! 」って。そこで今回は、お子さんをお持ちの20代から40代までのママたちから「お医者さんに言われた無理難題」についてのエピソードを聞いてきました。その中には、ご相談者様のお気持ちに近いものもあるのではないでしょうか。「女性は悩みを吐き出すことで、ストレスを解消できる生き物」と言われている通り、どんどん悩みを吐き出していきましょう!●(1)3歳になるまでは、お砂糖の味を覚えさせないということが大事!『上の子どものときからお世話になっている歯医者さんからのありがたくも厳しすぎるお言葉。2歳の下の子に虫歯の疑いがある歯があり、診察に行きました。幸い深刻な虫歯ではなく、定期的に検診して現状を維持できれば治療の必要なく一安心。ところがそこから、「与えているおやつは?」「時間は決めているか?」「回数は?」などの質問攻めにあい、最後に言われたのは「1番良いのは、3歳まではお砂糖の味を覚えさせないこと」という言葉。お砂糖が虫歯の原因菌の栄養になるためという理屈はわかりますが……もう散々食べさせてしまっているし、上の子のおやつを見て「私も欲しい」と言う2歳の子に我慢させるなんて到底できることではありません よ。言われても真剣に受け止められず、笑ってごまかしてしまいました』(20代専業主婦・2児の母)●(2)食事は和食! 薄味で素材本来の味を生かした調理を! 品目数は多く!『小児科のお医者さん。ロボットみたいにいつもこのセリフを言ってきます。わが家は3人子どもがいますので、これまでに十数回乳幼児健診に行きました。そのとき医師による問診があります。これを言われるのは栄養の相談項目のときです。医師:「食事はどうですか?」私:「はい、えっと……」医師:「和食にしてね。それから薄味に慣れるように、素材本来の味を感じられる調理法でね。出汁もとって。品目数は多くね」私:「……はい(出た、いつもの)」これを十数回ですよ。もう、聞き流すのがプロ並みです。言われたことを実行するのは無理です。忙しすぎますよ。毎日かつおと昆布で出汁をとった一汁三菜みたいな食事を作っていたら、自分が病気になる もん』(30代会社員・3児の母)●(3)高熱のときに、熱の計り方でいちゃもんつけんな!『近所の小児科医がやたらと母親に厳しくて有名。私は高熱が出て受診したときにこんなことを言われた。私:「昨晩から40度の熱があり……」医師:「どうやって熱を計った?まさか、布団に入った状態?」私:「はい、寝ているときです」医師:「あー、それだと体温は高めに出てしまうから、当てにならないな。あと、泣いているときもダメ ね」私:「はい……分かりました」明らかに昼間から体調が悪そうなわが子が、夜寝入ってから何だか触れると熱い気がして、熱を計ってみるということない?または、ぐずっている子の熱を計ろうとして、計りながらギャン泣きされたことはありませんか?そういう母の苦労のことを考えもしないのか!正しいと分かっているけれど、具合の悪い子どもと一晩過ごして、ようやくたどり着いた病院でこれを言われると一気に気力が失われる』(40代専業主婦・2児の母)----------いかがでしたか?ご相談者様と同じように、医師から告げられる“意識高すぎ ”の要求に苦しんでいるママたちの実際の体験談は参考になりましたか?そして、少しでも心を軽くしてくれたでしょうか。毎日頑張って子育てし、子どもの体調に気をつけているママだからこそ、こういう厳しい医師のアドバイスも真摯に受け止めて改善しなくてはとお思いになるのでしょうね。しかし、できることとそうでないことがあって当然ですし、不満に思えばこうして吐き出していくのも時には大切です。ぜひ、ママの心と体の健康が疎かになりませんように……。●ライター/あしださき(元モデル)●モデル/倉本麻貴(和くん)
2016年09月19日子供のかかりつけの病院っていつ頃、どうやって決めたらいいのでしょう。3歳までは予防注射もたくさん受けますし、病気も多い時期。どんな事に気をつけて選んだらいいのか、これからかかりつけの病院決めや予防接種デビューするママの参考になったら嬉しいです。我が家の場合は…最寄り駅に小児科はあるのですが、任意の予防注射が受けられなかったため、任意の予防注射などもしっかり受けられる、隣駅の小児科に。担当の先生や助手・受付のお姉さんもとても感じが良く、何度か通ううちに信頼のおける先生だと感じたので、そこに決めました。時間帯も午前は朝8時半〜12時、午後は15時半〜18時までやっており、午前中の診療なら日曜日以外全てやってるので、急に熱が出た時にも助かります。人気があって混んではいますが、ネット予約システムも導入されているのも助かるポイント。当日診療開始15分後以降にネットで予約して、自分の番が近づいた頃に向かえばいいので、長時間待つ事もなく、とても便利なシステムです。かかりつけ医を決める時の3つのポイント1、クリニックor総合病院?まずは周辺の情報収集を!周辺に住んでいるママや保育園の先生などから、小児科の情報を色々聞いておくと良いです。周囲の口コミ情報は、かかりつけを選ぶときに役立ちます。転勤など引っ越しをされる際は、現在のかかりつけの先生に、その地域で知っている小児科が無いか聞いてみると良いですよ。街のクリニックは先生がほぼ固定されていて、行けばいつもの先生に診てもらえます。まずは近くのクリニックをかかりつけ医に選んでみてから、セカンドオピニオンとして地域の総合病院を利用したらいいんじゃないかと思います。2、何かあったときに行きやすい所がベスト!働くママならなおのこと、いくら評判が良い病院であっても、家から遠いと通うのは大変!小児科が開いている時間や曜日は勿論のこと、駐車場やエレベーターはあるのかなど、子どもを連れて行きやすいかも、しっかりチェックしておきましょう。3、最後の決め手は、診察&説明が丁寧か!先生によっては対応も異なります。説明が丁寧だったり、不安なことなど質問しやすい医師だと、ママも少し安心できますよね。なかなか一回の受診ではわからなかったりするで、何度か受診してみて決めてみるのが良さそう。少しでも不安を感じたら、別の小児科を受診してみるのも大切です。赤ちゃんは痛みや症状など自分で伝えることができないので、ママの状況判断も大事ですね。ただし、あっちこっち小児科を変えて診てもらえばいいという訳ではありません。長い目でみて、子どもの健康と成長に寄り添ってもらえる小児科を選びましょう。予防接種はどこで受けたらいい?病気の診察と予防接種を受ける病院を使い分けているママもいるようですが、できることなら予防接種は、ふだんから診てもらってるかかりつけの小児科で受けるのがベスト。予防接種前に体調崩をしてしまっても、予定通り予防接種を受けられるかなど、かかりつけの先生に直接質問できる点は大きいです。小児科によっては、母子手帳をもとに予防接種のスケジュールなどの予約や相談にものってくれますよ。忘れやすい、予防接種はアプリで管理!小児科でも予防接種のスケジュールなどをたててくれる場合もありますが、予防接種を受け忘れてしまっては大変です。ママ自身もしっかり管理した方がいいですね。我が家はまだアナログに紙で管理してます(笑)普段必ず見る冷蔵庫の扉に貼ったり、ホワイトボードに書いたりしてます。お兄ちゃんと妹のがごっちゃにならない様に気をつけています。でも、最近では便利な予防接種アプリがあるそう。調べたら、ここの予防接種のスケジュールアプリ「 予防接種スケジューラーアプリ」が良さそうでした。予防接種お知らせメールなどが届いたり、使い勝手が良さそうです。赤ちゃんの予防接種って種類も回数も多く、スケジュール管理が大変。アプリなど上手く活用して、少しでも管理しやすいように工夫していきましょう。
2016年09月16日【ママからのご相談】生後6か月になる娘がいます。先日小児科で、「日本脳炎の予防接種も打っていいよ」と先生に言われました。しかし予防接種の目安としてはいろいろな資料に3歳と書かれています。どういうことなのでしょうか?●A. 日本脳炎を確実に予防するためには生後6か月からのワクチンを。こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。時代の変化により、予防接種の数や種類はどんどん変化しています。そして最近気になるのが『日本脳炎』の予防接種。今回は日本脳炎の予防接種について、小児科の先生に最新の情報を聞いてきましたのでご紹介します。●推奨年齢が変わったワケ『日本小児科学会』は2016年2月、日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に住んでいる小児に対し、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種をはじめる ことを推奨しました。「東京などはブタの抗体保有率が高くないのでは?」と先生に質問したところ、『以前都内の学童に日本脳炎抗体の有無を調べたところ、ワクチンを接種していなくても抗体が検出される場合が多くあったのです。つまり感染した人が運良く脳炎を発症しなかっただけ。東京でも日本脳炎にかかる可能性は十分ある のです』と回答されました。また、『近年日本脳炎を発症した子どもの年齢が3歳未満でも数例あることから、生後6か月から接種したほうがいいのでは、ということになりました』ということです。実際に2009年と2011年に1歳児、2015年に0歳児が発症しています。予防接種を受ける前の3歳未満でも注意が必要ということがわかりますね。●生後6か月で接種しても大丈夫なのかいままで3歳で接種していたものをそんなに早めて大丈夫なのかが心配ですよね。先生によると、『日本脳炎ワクチンを3歳未満で接種する場合、半量の0.25mL を接種します。3歳以上で接種するのと効果、副反応に差がないことは確認されています。余計な追加接種(2期接種の9〜13歳以外)も必要ありません。同時接種もできますのでワクチンスケジュールに影響を与えることもないでしょう』とのことです。ここまで確認されているなら安心ですね。早めに接種するほうがメリットは大きいのでしょう。●3歳未満で接種したい人はどうしたらいいのか現段階では、区や市などの自治体から日本脳炎の予診票が送られてくるのは3歳の誕生日前です。もし早めに接種したい、という人は自治体に電話をして早めに送ってもらう 必要があります。待っているだけでは送られてきませんので、こちらから要望を伝えてくださいね。予防接種を待っている3歳までのあいだに日本脳炎にかかってしまうかもしれないと思うと、恐ろしいですよね。ウイルスを媒介するのは蚊なので、夏は特に注意したい季節。小児科の先生や家族と相談し、接種時期を決めてみてはいかがでしょうか。●ライター/momo(ママライター、元モデル)
2016年07月17日親子でアウトドアを思いっきり楽しみたい夏。でも、虫刺されや日焼けなど、子どもの肌トラブルも起こりがち。レジャー先や帰省先では、すぐに病院に行けないときもありますね。そこで、正しい応急処置の方法をとりうみ小児科(千葉県白井市)の院長である鳥海佳代子先生に聞きました。■虫刺されは何の虫かわからないことも多い夏の虫刺されは、蚊・ブヨ・毛虫・蛾などが多いそうです。「ただ、親が刺されたところを見ていないと、患部だけみても“○○に刺された”と断言できないことも多いんですよ」(鳥海先生)虫に刺されたときの応急処置は、まず冷やすこと。冷やすと炎症もおさえられ、かゆみも多少やわらぐそうです。「患部を流水で洗うなどして清潔にしてから、濡れタオルなどで冷やします。保冷剤があればタオルやカーゼハンカチで包んで患部にあてるのもいいですね。ただ、子どもはすぐに飽きてしまうので、ずっと冷やし続けるのは難しいことも。一番手軽なのは、市販のかゆみ止め。レジャーにでかける前は薬局で相談して、いろいろな虫刺されに使えるかゆみ止めを用意しておくと安心です」(鳥海先生)なお、次のような症状がみられる場合には病院を受診したほうがよいそうです。・腫れがひどい・赤みの範囲が広い・かゆみがものすごく強い・じんましんや胸の音がゼーゼーしてくるなど、全身症状がでる■寝ているときに掻きこわしてしまうときは虫刺されは寝ているあいだに掻きこわしてしまう子も多いと思います。「掻きこわし対策としては、(物理的に)患部にさわれないようにガードしておくこと。カーゼで患部を覆って薄く包帯を巻いておいたり、室温を適切にして長袖・長ズボンのパジャマを着せたりするのもよいでしょう」(鳥海先生)それでも掻いてしまうことはあるので、爪は短く、丸い形に切っておくことも大切です。■日焼けしたときの応急処置は?次は日焼けのトラブル。夏の日差しは思いのほか強く、遊びに夢中になっているうちに、うっかり日焼けさせてしまった…。そんなときはどうすればよいのでしょうか?「自分でできる日焼けの応急処置のステップは2つ。まずは冷やすこと。そのあとに保湿です」(鳥海先生)冷やし方は、保冷剤をガーゼハンカチにくるんだり、冷水で湿らせたタオルをあてたり。保湿剤は、油分の多いクリームタイプだと刺激になることもあるので、サラサラした乳液タイプがおすすめだそうです。「それから水分を多めに摂るのもポイント。日焼けしていると皮膚から水分が奪われ、体の中もちょっと乾いている状態になっています。また、早く寝ることも大事。体全体が刺激をうけてデリケートな状態になっているので、早めに寝かせて体の回復を促してあげてください」(鳥海先生)■病院に行ったほうがいいレベルの日焼けとは?「病院に行かなくてもいいのは、赤みがあって火照っているものの、痛いほどではない状態。逆にひきつれた感じがあったり、痛みを感じたりするときは、受診したほうがいいです」(鳥海先生)とくに急いで病院に行った方がいいのは、水ぶくれがたくさんできてしまったようなケース。そこまでいくと子どもも痛くて寝られないかもしれません。■まずはトラブルを起こさない対策が大事虫刺されも日焼けも、大事なのはトラブルを起こさない事前対策です。「子どもの肌に適した虫よけ剤や日焼け止めを用意し、用法や回数を守って使いましょう。長袖・長ズボンで露出を少なくすることも対策になります」(鳥海先生)病院に行く場合、皮膚のトラブルだけでほかに症状がなければ、小児科ではなく皮膚科でもよいそうです。より専門的な処置ができることもあるし、小児科より夏風邪など感染症をもらう確率が少なくてすみます。■ママのケアも忘れずに最後に子どもだけでなく、ママ自身のケアも忘れずに。大人になると虫刺され跡も消えづらいので、爪を立てて掻いたりしないよう、大人用のかゆみ止めも用意しておくと安心。また、うっかり日焼けに備えて、シートマスクのようなたっぷり保湿できるアイテムもあるといいですね。いざというときの正しい処置を覚えておいて、親子で夏のレジャーを満喫したいですね!一冊あれば安心! 鳥海佳代子先生の著書(KADOKAWA中経出版) 『小児科医が教える 子どもが病気のときどうすればいいかがわかる本』「肌が荒れたとき」「お腹をこわしたとき」「熱を出したとき」など、子どもの症状別に具体的なホームケアのポイントと受診のコツがわかりやすくまとめられている一冊です。「小児科医ママの子育て応援ブログ」もチェック!
2016年07月13日授乳・おっぱいおっぱいを求めるとき、子どもの心には「ママともっと一緒にいたい」という気持ちも隠れています。小児科医の川上一恵さんにお話を聞きました。Q、2歳を過ぎたら断乳した方がいい?2歳すぎの息子は、いまだに夜寝るときと朝方のおっぱいがやめられずにいます。断乳を決意できず卒乳を待っていたのですが、なかなか卒乳してくれず、このままではいけないと焦っています。無理にでもやめた方が良いのでしょうか。[神奈川県・kuri]A、おっぱい以外の方法で安心感を与えて生活リズムが整っていて、朝ご飯をしっかり食べられるなら、急いで断乳しなくても良いと思いますよ。卒乳を待つ場合は、子どもが求めてきたときにだけ、おっぱいをあげるようにしましょう。昼間たくさん体を動かして遊び、疲れ切って布団に入るように心掛けると、いつの間にかおっぱいがなくても眠れるようになっていきます。しばらくの間、寝かしつけをパパにお願いしてもいいですね。その代わり、ママは寝かしつけ以外の時間に、たっぷり抱っこしてあげましょう。卒乳の目安は年齢ではなく、おっぱい以外の方法で子どもが安心感を得られるかどうかです。例えば抱っこで十分安心できるようになれば、不安なときは「ママ抱っこ」と言うようになります。そんなときは、子どもが満足するまで抱っこしましょう。多くのお母さんは「おっぱい」と言われると15分くらい抱っこするのに、「抱っこ」と言われたときは1分くらいなんですよね。これでは、子どもはおっぱいの方が良いに決まっています。優しく抱っこしたり、手をつないだり、添い寝したり、子守歌を歌ったりして、子どもがママから守られていると安心できるようになれば、無理なく卒乳できると思います。Q、おっぱいを続けながら食に興味を持たせるには?保育園に通う1歳5カ月の息子。おっぱいが好きで、食事は1食につき平均3口くらいしか食べません。おっぱいは私もまだ続けてあげたいですが、もっと食に興味を持ってもらいたいです。現在の体重は11.5㎏で小さくはないです。[東京都・YayoG]A、ご飯を少しでも食べたら褒めて食べる楽しさを教えてもし夜中におっぱいを飲んでいるせいで、朝ご飯が食べられないのだとしたら、夜中のおっぱいはやめた方が良いですね。夕ご飯前のおっぱいも、小腹を満たして食べる気力をなくしてしまいます。朝も夜も、あくまでもご飯が先、おっぱいはその後という順番を守ることが大切です。食事は初期食レベルからもう一度仕切り直してみましょう。少しでも食べたら「よく食べたね。おっぱいにしようね」と褒めて、食べられる量を一口ずつ増やしていきます。園では頑張って自分で食べているのですから、おうちではママが食べさせてあげて構いません。また、味付けや固さが発達に合っていないせいで食べない可能性もあるので、時にはベビーフードを参考にしてみましょう。食に興味を持たせるには、ママも一緒にテーブルに着いて、「おいしいね」と食べることが一番です。おなかがすいていて、ママがおいしそうに食べている姿を見たら、自分も食べてみたくなりますよ。ママの気持ちに余裕を持たせるため、下準備に時間のかかる根菜類は休日にまとめてゆでる、ご飯は炊いて冷凍などしておくといいでしょう。illustrationKAWAZOE Mutsumi
2016年03月09日乳幼児期からスマホなどのメディアに長時間触れていると、言語発達の遅れやコミュニケーション力の低下を引き起こすと日本小児科医会が警鐘を鳴らしています。スマホやテレビ、DVDの影響について、発達心理学と認知心理学が専門の内田伸子先生にお話を伺いました。メディアの影響で知能が遅れ、脳が萎縮する!?「発達心理学者のジンマーマンやメルツォフらは、2ヵ月~24ヵ月の乳幼児を6年間追跡し、言語発達や知能について調査しました。すると、年月を追うごとに知能が遅れていく子どもたちがいました」原因は何だったのでしょうか。「知能が低下していく子どもたちには、乳幼児用の教育番組や早期知能開発のビデオを1日1時間以上視聴させられているという共通点がありました」「その子たちは、脳の言語理解をつかさどる部位、ウェルニッケ野が萎縮していました。もともとは健康に生まれた赤ちゃんたちが、親の浅はかさのために『脳の発達遅滞を引き起こさせ、特別なサポートが必要な子たちにしてしまった』(論文の表現の翻訳より)のです」メディアを拒絶した子どもたちは知能を回復できた「3歳ごろになって、知能を回復した子どもたちがいました。それは、音と光の強烈な刺激を嫌がって逃げ出したり、ビデオの操作ができるようになったので自分で止めたりした子たちでした。つまり、テレビやビデオの視聴をやめた子たちだけが、さらなる知能の低下を防ぐことができたのです」現在の日本でも、教育のためのテレビやDVDが人気で、お子さんに見せている家庭がたくさんあります。長時間の視聴はさせないよう気をつけたいですね。パソコンやスマホの影響は?文部科学省が行った「平成27年度 全国学力・学習状況調査」によると、携帯やスマホの使用時間が長いほど、子どもたちの成績が低くなっています。※1※1 参考: 文部科学省|平成27年度 全国学力・学習状況調査 報告書 【質問紙調査】3.参考資料p.145 また、東北大学と仙台市教育委員会による「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」は、スマホアプリの使用時間に応じて学力が低下するという調査結果を発表しました。学力低下は平日の睡眠時間や家庭学習時間には関わらず、アプリを使ったことによる直接の効果である可能性が高いそうです。※2※2 参考: 東北大学|スマホで無料通信アプリを使用すると学力が低下することを明らかにしました 内田先生も、幼児期のパソコンやスマホの利用には注意が必要だと言っています。「コンピュータの普及によって、直接体験の機会が失われ、調べただけで理解した気持ちになることが増えています。しかし9歳頃までは、知識の操作には体験という裏打ちが必要で、頭の中だけでは操作できません。9歳を過ぎると、絵に描いたシンボルや数式、言葉だけで知識を操作できるようになります。ただし、そのためには9歳までに具体的な体験が必要です。目、耳、鼻、舌、皮膚の五官を通しての体験を積み重ねることで、自分の頭を通して物事を捕らえる力が生まれるのです。スマホやインターネットは控えめに。本当は厳禁と言いたいところですが、いろいろご事情もあるでしょう。使用時間を制限するなど、ご家庭でルールをつくってください」できるだけ、テレビやDVD、スマホに頼らない子育てを心がけていきたいですね。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2016年01月03日米国小児科学会(AAP)の公式査読ジャーナルである「PEDIATRICS」のオンライン版にこのほど、「早期のピーナツ摂取は、ピーナツアレルギーリスクから子どもを守る」という合意声明が掲載された。複数の専門家によるこの声明は、今年の「New England Journal of Medicine」に掲載された、イギリスの King’s College Londonの小児アレルギー部門に属するGideon Lack氏が小児とピーナツアレルギーについてまとめた論文に関するもの。ピーナツアレルギーを含むアレルギーは世界中で増え続けており、Lack氏は「ピーナツアレルギーの発症リスクが高い子どもに早期のうちにピーナツ(製品)を食べさせることは、ピーナツアレルギー保護の観点からよい」としている。同氏は、ピーナツアレルギーの発症リスクが高い生後4~11カ月の乳児640人で研究を実施。640人の乳児を、ピーナツを6g以上含む食品を週3回以上摂取する群(摂取群)と5歳までピーナツ製品を摂取しない群(非摂取群)に分けた。ピーナツ含有製品には、ピーナツバターやピーナツスープなどを使用した。研究の結果、5歳時点における摂取群のピーナツアレルギーの有病率は約3%だったが、非摂取群では17%を上回っていた。摂取群の有病率が非摂取群の約6分の1だったことを受け、同氏は「これはピーナツアレルギーのリスクを80%以上も低減させている」と話している。また、ピーナツアレルギーのリスクがある小児には生後4カ月時に皮膚テストを行い、問題がないようならば、5歳になるまでにピーナツ製品を定期的に与えるべきと推奨している。ただ、論文の共著者であるRebecca Gruchalla氏は、「ピーナツリスクが高い乳児にピーナツ製品を与えるのは、小児科医とアレルギーの専門家との相談が必要だ」と注意している。
2015年09月04日少子化が深刻な社会問題として顕在化している昨今、特に産婦人科や小児科の病院においては、来院・入院される患者は年々減少傾向にある。そのため、各病院では独自の医療サービを模索している。吉祥寺の水口病院は「すべてはゲストと家族の笑顔のために」というミッションを掲げ、一般的な病院とは一線を画す試みを行っている。また、同院が掲げている『3つのお約束』には、(1)良質・適切な医療 、(2)心のこもったケア(ホスピタリティ)、 (3)アメニティの充実がある。そのため、同院を訪れる患者や産前産後を過ごす女性に対して単なる医療サービスだけではなく、応接・ケアなどのホスピタリティや内装を含めたアメニティの充実に日々努めている。たとえば、診察の呼出時に受付からマイクで名前を呼び出すという病院でよく見られるシチュエーションにおいても、同院はアメニティの充実や空間演出の観点から相応しくないと考えた。そこで、導入を決めたのがiPadを利用しての診察時の呼出であった。○長時間の待合解消のためiPad導入を検討同院では産科だけではなく小児科も備えている。そのため、特に土曜日ともなると夫や幼児を連れての来院が多くなり、どうしても相当な待ち時間が発生してしまう。同院全体のアメニティ向上などを担うグレースセクションの生田 かおり氏は次のように語る。「当院は吉祥寺という土地柄もあって、待ち時間に公園などへ散歩に出かけたいという希望をお持ちの方がいらっしゃいました。ただ、院内にいなければ診察の呼出を受けることはできません。一方で、当院の掲げるアメニティの充実という面において、マイクで頻繁にゲストの方を呼び出すことは空間演出上そぐわないというマイナスの側面もありました。そこで、解決策として考えたのがiPadを用いた呼出です。iPadでゲストをお呼出できるアプリを使えば、画面をご確認いただくことで『あと5分で診察だな』などと待ち時間が分かる仕組みを採用しました。操作に不慣れなナースであっても3タップでゲストへ連絡できるように簡素なアプリケーションを導入しています」(生田氏)iPadの導入を検討し始めたのが2014年12月、今まで来院者には番号札を渡していたのを、iPadに置き換えたのが2015年2月なので非常にスピーディーな切替であった。導入に際しては来院者がiPadの操作に困る場面が多いのではと懸念していたが、特に大きな混乱はなくスムーズに導入できたと生田氏は語る。また、iPadの操作に戸惑う患者がいても、同院のコンシェルジュがサポートを行うためストレスなくiPadを利用できるようになる。○電子カタログの利用で、通院患者の安心感向上へまた、同院では呼出機能に加えソフトバンクが提供する電子カタログのアプリケーション「ビジュアモール スマートカタログ」(以下、スマートカタログ)も有効活用している。スマートカタログは院内の多様な医療サービスの情報提供や医師や看護師、産後のケアを行う助産師などのスタッフを紹介するためのツールとして利用している。生田氏と同じくグレースセクションに所属する小熊智子氏によると「当院では4Dエコーやレディースドックなどさまざまな医療サービスを行っています。ただし、そういった情報を院内の掲示板や壁に紙のチラシとして貼り付けることは景観的に当医院に相応しくないと考えていました。一方、医療機関として情報提供を来院者へ確実に行う義務があります。スマートカタログであれば、さまざまなチラシを院内に掲載しなくてもゲストへ情報配信を行えます。また、予想以上の効果があったのが医師などスタッフの情報をゲストにお伝えできる点です。診察室に入るまでどんな医師や看護師が自分をケアしてくれるのか分からないのはやはり不安ですよね。ただ、スマートカタログを利用することで医師などの顔写真や医療についてのコメントなどを待合の間に知ることができます。人柄まで知れますので、ゲストの安心感につながっており非常に好評です。結果として、外来されるゲストの予約数も全体的にアップしました」と語る。また、ユニークなサービスとして同院では出産後に院内で過ごすゲスト(入院患者)のために、アフタヌーンティーの提供を行っている。その際に使用するロイヤルコペンハーゲンなどの上質なティーカップ&ソーサーやマドレーヌなどの菓子類、こだわりの食器やカトラリー、テーブルウェアなどをiPadで紹介している。さらには、スマートカタログ以外にも待合中の幼児はiPadでYouTubeのアニメなどを楽しめるため、家族で来院した際にも診察室で静かに待つようになったという副次的な効果も出ている。iPad導入によって、思わぬメリットがもたらされたと小熊氏はコメントする。○さらなるiPad活用で院内の方々にも良質な医療サービスを提供iPadのさらなる活用方法について、たとえば、空間演出の一環として院内に置いてある雑誌を撤廃し、代わりにiPad上で誌面を楽しめる仕組みを導入したり、乳児の沐浴指導の動画を掲載したりなどを考えているという。さらなる展開としては、外来患者へ受付時にiPadを渡し利用してもらうだけではなく、院内で過ごす女性の部屋に1台ずつiPadを配布し、アフタヌーンティーサービスだけに止まらず、医療サービスのアンケート回答用にiPadを利用してもらうなど用途を拡大していく予定だと小熊氏は語る。新たな女性医療サービスを追求する同院において、様々なシチュエーションでのiPad活用が今後も検討されていく。
2015年05月20日医療法人社団スリープクリニックはこのほど、日本で初めて内科・耳鼻咽喉科・心療内科・精神科・小児科の総合的な子ども睡眠外来「キッズすいみんクリニック」を、「スリープクリニック銀座」内に開設した。スリープクリニック調布の院長である睡眠専門医・遠藤拓郎(通称:えんたく先生)は、これまでに1万2,000名以上の不眠やいびきなどに悩む患者の診療を行ってきた。子供の睡眠障害は以前から問題視されているが、専門の医療施設はなく、症状を放置しているという現状がある。子供の睡眠障害は、大人のものとは病気の程度も種類も違うという。症状や治療法も特殊なため、経験と技術を持った医師、スタッフ、医療施設が必要となる。このような状況に応えるため、同院は子供のための専門機関として「キッズすいみんクリニック」を開設した。院長・遠藤拓郎をはじめとする医師が、小児の睡眠障害の治療にあたる。院長の遠藤拓郎医師は、子供のころは重症な睡眠時無呼吸症候群で、手術により症状が改善したという。「子供にとって、良質な睡眠は欠かせません。睡眠中には、成長ホルモンが盛んに分泌し、記憶の整理なども行われています。私は医師として、この『キッズすいみんクリニック』を通して、子供たちの健やかな成長を応援したいと考えています」とコメントしている。来春には、同ビル7Fに子供の健やかな睡眠を応援するため「キッズステーション」も開設する。同施設は自由に楽しく遊び、学べるオープンスペース。睡眠に関する知見を持ったスタッフが常駐し、夜泣きや不登校の対応をはじめ、子供の睡眠に悩みをかかえた人々のサポートを行う。
2015年02月03日森永乳業はこのほど、ノロウイルスに関する実態調査の結果を発表した。同調査は11月8日、内科・小児科に勤務している医療従事者100名を対象にインターネットを通じて行ったもの。過去にノロウイルスと思われる感染性胃腸炎に感染した経験の有無について尋ねたところ、感染したことがある人は37.0%だった。そのうち二次感染と疑われることがある人は59.5%となり、医療従事者の5人に1人(22.0%)が二次感染と疑われる感染性胃腸炎にかかった経験があるということがわかった。家庭でのノロウイルス対策の実態について尋ねたところ、「ノロウイルス対策をしている」と回答したのは42.0%だった。さらに、家庭で実践しているノロウイルス対策について尋ねたところ、「毎日の石けんを使った手洗い」が95.2%で最多。以下は「バランスの取れた食事」(59.5%)「食品の十分な加熱」(57.1%)「十分な睡眠」(52.4%)「次亜塩素酸の常備」(50.0%)の順に多い結果となった。ノロウイルスやインフルエンザなどの感染症について「手洗い」や「マスク」などの外部からの対策以外に、身体の中からの対策を行うことへの興味度合いを尋ねたところ、既に「身体の中からの対策」を取り入れている人は14.0%だったものの、78.0%が「興味がある」と回答した。ノロウイルスやインフルエンザなどの感染症対策として、身体の中からの対策が有効だと思うかどうかについて尋ねたところ「有効だと思う」が23.0%、「ある程度有効だと思う」が69.0%という結果となった。ノロウイルス対策として注目を集めている「ラクトフェリン」に対する興味度合いを尋ねたところ、「非常に興味がある」が13.0% 、「興味がある」が62.0% となった。これについて同社は、「腸内環境を整えるなど身体の免疫力を高めると、ノロウイルスの予防に効果的だといわれています。中でも、ラクトフェリンは腸内で免疫を高める作用に加え、ノロウイルスが細胞へ付着することを防ぎ、ウイルス自体の増殖も抑制するため、予防効果が見られるということが当社の研究から分かっています」とコメントした。
2014年11月28日昼夜関係なく泣く新生児期を経て、夜にまとめて眠るようになった……と思ったら今度は夜泣き。ママもパパも睡眠不足でつらい、という声をよく聞く。夜泣きの予防法はあるのだろうか。また、赤ちゃん自身も睡眠不足で成長に悪影響が出たりはしないのだろうか。小児科医の田村幸子先生に赤ちゃんの夜泣きについて解説していただく。○お母さんの不安ひどい夜泣きで夜はほとんど寝ません。成長に影響はない? 夜泣きを予防する方法はある??○田村先生の回答夜泣きは、昼夜の区別がつくようになる生後6カ月頃から始まることが多いようです。みんながみんな夜泣きをするわけではなく、ほとんどしない赤ちゃんもいれば、夜泣きをする時期が長く続く赤ちゃんもいます。夜泣きが激しくてあまりに寝ないと「寝不足なのでは? 」と心配になるかもしれませんが、夜泣きのせいで発育状態が悪くなるようなことはありません。睡眠の長さは、赤ちゃんによって違うもの。短い睡眠時間で元気にしているなら、その時間がその子に合っているのです。夜泣きの原因ですが、寝る前に興奮しすぎたり、日中の遊びや外出時に強い刺激を受けることだったり、寝る直前に熱いお風呂に入ることなどではないかと考えられていますが、現在はこれといった原因が解明されていません。よって確実な予防法はないのですが、赤ちゃんがよく眠れるように寝る1時間前までにぬるめのお風呂にさっと入れて、寝る前にはあまり興奮するような遊びをしない、寝るときは部屋を暗くするなどの工夫をしてみるといいでしょう。夜泣きをしたら、母乳やミルクをあげ、おむつを替えて、室温が適温かといったことをチェックしましょう。抱っこしたりあやしたりしてもなかなか泣きやまないときは、いったん照明をつけて遊んであげてもいいのです。外の空気を吸うと気分が変わることもあるようです。夜泣きは永遠に続くものではなく、必ずいつかおさまるもの。その子に合うやり方を探しながら、気長に付き合っていきましょう。夜泣きがひどくてパパやママがへとへとになってしまったら、かかりつけの小児科医や保健所に相談してください。病気が隠れていないか診察し、睡眠障害と考えられるほどの状況には漢方薬を使うこともあります。行き詰まる前に小児科医に相談してもらいたいと思います。○回答者プロフィール田村幸子(ゆきこ)先生小児科学会専門医、医学博士。1992年群馬大学医学部卒業。東京大学病院分院小児科、都立府中病院(現都立小児総合医療センター)、国立感染症研究所などを経て、現在、東京都練馬区の田村内科小児科医院で小児科を担当。二児の母。
2014年10月03日キリンMCダノンウォーターズはこのほど、小児科医107人に聞いた「子どもの低体温傾向とその対策に関する調査」の調査結果を発表した。同調査は、全国の小児科医を対象に10月30日~31日にかけて行われたインターネット調査。「近年、平常時の体温が低い子どもが増えていると感じるか」との問いには、2.8%の医師が「増えている」、75.7%の医師が「やや増えている」と答えた。増えていると答えた医師を対象に「いつ頃から低体温の子どもが増えてきていると感じているか」を尋ねたところ、4割の医師が「2~3年前ごろより」と答えた。「5年前ごろから」増えたという医師も36.9%おり、ここ5年内に子どもの低体温化が目立っていることが分かった「低体温の子どもに共通する特徴」について聞いたところ、「やせ気味」が49.5%、「疲れやすい」が38.3%、「集中力がない、落ち着きがない」が18.7%、「動きが緩慢、反応が遅い」が17.8%、「食欲にムラがある」が16.8%などとなった。「子どもの低体温の原因」についての問いには、「代謝の低下」が58.9%、「睡眠不足」と「就寝時刻が遅い」がともに45.8%、「食生活の乱れ」が42.1%、「冷暖房使用による体温調節機能の低下」が41.1%などとなった。「低体温対策として有効なこと」を聞いたところ、は「適度な運動」が72.9%、「十分な睡眠」が65.4%、「食生活の改善」が57.9%などとなった。「適度な運動」の強度については、ジョギングや鬼ごっこなど軽く汗をかく程度の運動を指すとする意見が71.8%、ウオーキングや体操、お遊戯などが52.6%だった。また、必要とされる睡眠時間については、9割の医師が「8時間以上は必要」と答えた。「子どもの低体温傾向改善と水分補給」についての問いには、72.9%の医師が「水分補給は有効」と答えた。また、水分補給の方法は「少量をこまめに」が88.5%となり、温めて飲むよりも「常温を飲む」をあげた医師のほうが2倍以上多かった。「1日に子どもが必要な水分量」は「1.5リットル」という回答が40.2%で最多。「1リットル程度」が32.7%、「2リットル程度」が21.5%で、94.4%の医師が「1~2リットルの水分補給」を推奨した。詳細は「キリンアルカリイオンの水トピックス」で閲覧できる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月04日こんな時にはこの先生に診てもらうべし!2人目にご紹介するのは「ER 緊急救命室」のダグラス・ロス先生。あのジョージ・クルーニーが演じていた熱血小児科医です。このロス先生は、子供の具合が急に悪くなってしまった!どうしよう?というあなたにオススメ。総合病院のERに勤務し、夜中だろうと何だろうと、子供たちの病気と真摯に向き合ってくれる先生です。ご存知の通り、ジョージ・クルーニーが番組を降板し、ロス先生がシカゴ・カウンティ総合病院を去る形で物語から姿を消したのはシーズン5が放送された1999年。しかしながら、その後の医療ドラマの歴史をふり返っても、ロス先生ほど熱い小児科医はいません。ERにやって来た子供たちに、親身になって対応。子供を連れてきたお母様方からも「ハンサムな上に優しくて素敵な先生ねえ」と大好評でした。ただし、病気の子供たちに対する思いの熱さが災いし、暴走気味になることもしばしば。病院の規則を破った治療を試みたり、子供や母親のためを思って一線を越えたり…。ロス先生がシカゴ・カウンティ総合病院を去ったのも、その熱き無鉄砲さが原因でした。昨年、「ER 緊急救命室」は全15シーズンにおよぶシリーズの歴史に幕を閉じましたが、最終章となるシーズン15にはロス先生が登場!もちろん、演じたのはジョージ・クルーニーです。3人目にご紹介するのは「グレイズ・アナトミー」のデレク・シェパード先生。ロス先生が90年代を代表するセクシー医師なら、2000年代を代表するセクシー医師が脳神経外科医のシェパード先生です。シアトル・グレース病院に勤めるシェパード先生は、幻覚が見える!めまいがひどい!などなど、脳神経外科的治療の必要性が疑われるアナタにオススメ。全米トップクラスの腕前で、治療に全力を尽くしてくれます。しかも、患者に大人気だったロス先生に負けず劣らず、シェパード先生も患者(特に女性)に大人気。患者から恋心を寄せられたことも当然あります。本人が意識しているかどうかはさておき、決めポーズ&台詞は患者のベッドの端に座り、「一緒に頑張ろう」とスマイル。手術を行う前に言う「命を救う最高の午後だ」も素敵です。ただし、全米トップクラスの実力の持ち主ですから当然自信家で、その分、失敗したときは打たれ弱さ全開。シーズン5では患者を死なせてしまったシェパード先生が大スランプに陥ってしまいます。とは言え、そんな姿もまた素敵だったりして…。脳神経外科の手術は、ぜひともシェパード先生にお願いしたいところです。(text:Hikaru Watanabe)<レンタル>「ER 緊急救命室XIV <フォーティーン>」レンタル中<セル>「ER 緊急救命室XIV <フォーティーン>コレクターズ・ボックス」価格:15,750円(税込)発売元・販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ発売中© 2009 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.<レンタル>「グレイズ・アナトミー」シーズン5レンタル中<セル>「グレイズ・アナトミー シーズン5 コレクターズBOX Part1」価格:10,500円(税込)「グレイズ・アナトミー シーズン5 コレクターズBOX Part2」価格:10,500円(税込)発売中発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン公式サイト:© ABC Studios.■関連作品:ER 緊急救命室 [海外TVドラマ]グレイズ・アナトミー [海外TVドラマ]©Touchstone Television■関連記事:【ハリウッドより愛をこめて】TBSドラマ「JAPANESE AMERICANS」撮影に同行!人気医療ドラマシーズン5発売記念「グレイズ・アナトミー」DVDを3名様プレゼント初心者も5分で「グレイズ・アナトミー」のいろはが分かる!超凝縮版映像が到着「グレアナ」出演メンバーは優等生?P・デンプシーを始め映画界で引っ張りだこ新たな患者と新たな波乱が…「グレイズ・アナトミー」シーズン5予告編を独占公開!
2010年06月10日