株式会社RETEN(本社:熊本県阿蘇郡南小国町、代表取締役:穴井 憲生)は、熊本県阿蘇の温泉水と「小国杉」の天然精油を配合した自社製品のバスオイル“nukka”が、一般社団法人熊本県物産振興協会が主催する令和5年度優良新商品表彰事業において「優良商品賞」を受賞したことをご報告いたします。nukka~旅するバスオイル~■「優良新商品表彰事業」とは特産品の地域間競争が激化する中、優れた新規開発商品を表彰することにより会員等の新商品開発を促進し、熊本県産品の振興に資することを目的に、一般社団法人熊本県物産振興協会が取り組んでいる事業です。令和5年度は、熊本県内から「食品部門」「民芸品・日用品部門」に計22点の応募があり、nukkaは「民工芸・日用品部門」において「優良商品賞」の受賞となりました。令和5年8月2日~8日の期間、鶴屋百貨店「第51回くまもとの特産品まつり」催事場の「優良新商品コーナー」にて販売。その後、8月中旬以降に熊本県物産館で、10月頃に銀座熊本館での販売を予定、および9月からは、一般社団法人熊本県物産振興協会が運営するネットショップ「くまモンのふるさとよかもんショップ」での販売を予定しています。■nukkaの特徴nukkaは阿蘇くじゅう地域、特に黒川温泉のある阿蘇郡南小国町の自然資源を活用したバスオイルです。着目したのは私たちの里山の原風景にある「小国杉」。使われずに山に放置された枝葉は、災害や人災の原因の一つにもなります。これら枝葉を地域の大切な資源と捉え、葉から抽出したオイルを本商品に採用いたしました。併せて黒川温泉の温泉水を源泉から採取して配合。自然環境に極力負荷をかけない資源利用を選択しています。(1) 植物由来のものだけで保湿成分を配合。(米ぬか油、ホホバ油、オリーブ油)(2) 植物の恵みである天然精油のみで調香師監修のもと調香。(貴重な地元小国杉のエッセンシャルオイルを配合)(3) 阿蘇・黒川温泉の源泉を直接採取し配合。(肌に近いPHである単純泉を使用しており、肌に潤いを与えます)(4) 5つの無添加成分。(パラベン、鉱物油、石油系界面活性剤、合成香料、着色料を含みません)(5) バスタブに注ぐと白濁し、乳白色のお風呂で温泉気分。貴重な地元資源の小国杉オイル黒川温泉の源泉を使用■nukkaへの想い日本有数の観光地として知られる阿蘇くじゅうの地から生まれたnukka。旅という行為は、日々の忙しさや緊張から解放され、自分らしさを取り戻すことで明日への活力を養ってくれるものです。このような“旅の効能”ともいうべき恩恵を、nukkaを使用することでご自宅にいながらでも体感していただきたい。私たちはそのようなプロダクトとしてnukkaを位置付けています。商品名は、熊本県の方言である「ぬっか(あたたかいの意味)」に由来しています。都心の日常から遠く離れた土地の自然成分にふれることで、都会で暮らしながらも自然豊かな里山を旅しているかのような気分を味わっていただけることを期待しています。■商品概要商品名 :「nukka(ヌッカ)」~旅するバスオイル~内容 :150ml(入浴約10回分)*浴槽に1~2プッシュ販売価格:3,200円(税込 3,520円)喜ばれる可愛らしいボトル白濁して温泉気分■nukkaのご購入先nukka公式サイト( )および黒川温泉旅館組合や黒川温泉加盟旅館の一部、南小国町物産館「きよらカァサ」にて販売中。■会社概要法人名 : 株式会社RETEN代表者 : 代表取締役 穴井 憲生所在地 : 〒869-2402 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6590-3電話番号 : 050-8885-9374mail : info@nukka.jp 公式サイト: <事業内容>・黒川温泉観光旅館協同組合事務局の運営・黒川温泉を主軸とした地域DMOとの連携(ふるさと納税・人材環流ビジネス)・地元素材を活用した商品企画、開発、販売・宿泊施設の運営サポート 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年08月03日7月2日、コピーライター・野澤幸司さんによる書籍『問題未満』が発売されました。同書の著者である野澤幸司さんは、「渋谷がつらい=老いを実感すること」「なるほどですね=何の関心もないこと」など、日常生活で感じた違和感やモヤモヤから、世の中にない言葉を勝手に作り出し、広めていく『妄想国語辞典』で人気を集めました。野澤さんの鋭い洞察力から生まれる言葉は共感を呼び、テレビ・雑誌でも取り上げられています。今回発売された『問題未満』は、野澤さんが”みんながそれほど問題視してこなかったあれこれを勝手に顕在化させて世に問うてみよう”という企画。「なぜ、デカめのサングラスをかけて撮られると、世間の風当たりが強くなるのか」「どれだけ早く起きても、出発する時間はギリギリになるのか」など、取り立てて騒ぐほどのことではないけれど、気になって仕方ない〇〇問題について取り上げました。同書に収録されている”問題”の一部を紹介。「思わせぶり問題」は、映画鑑賞中、エンドロール後に特典映像があると思ったらふつうに終わってしまうという問題。「大ヤケド問題」は、次のアポまで時間ないのに鍋焼きうどんを頼んでしまったという問題です。そのほか、自分でしゃべって、自分で笑う人無敵説を取り上げた「うふふふふふ問題」、ほっといてと言われて本当にほっておくと揉める「押すなよ押すなよ問題」、おごってもらうときの財布を出そうとする演技力で印象が変わる「ゴチの問題」、一滴も飲めないのに居酒屋で割り勘させられる「飲めない問題」、くしゃみのボリューム設定間違えてるおじさん「ヘックション問題」、なんでも野球で例えて余計分かりにくくなる「俺たち今ツーアウト満塁問題」などが登場します。なかには、身に覚えがある行動にギクリとした人もいるのではないでしょうか。ニュースで取り上げられることはなく、問題にするほどでもない問題ですが、社会で重要視されない問題の中にこそ、今の世の中を映し出すものが隠れているのかもしれない。そんな気づきを感じさせてくれる一冊です。■書籍概要書籍名:『問題未満』著者:野澤幸司定価:1,650円判型:単行本165ページISBN:978-4-594-09501-7(フォルサ)
2023年07月02日株式会社RETEN(本社:熊本県阿蘇郡南小国町、代表取締役:穴井 憲生)は、熊本県阿蘇郡南小国町の地域資源である「黒川温泉」の温泉水と、九州のブランド材「小国杉」のエッセンシャルオイルを配合したバスオイル「nukka(ヌッカ)」を開発、2023年3月15日(水)より公式サイトで販売開始しました。「nukka」は、2023年1月25日~2023年2月27日に「Makuake」で行ったプロジェクトにて、開始初日で目標金額を達成、最終的には目標金額の740%のご支援をいただきました。喜ばれる可愛らしいボトル■About RETEN私たちは黒川温泉を起点に、阿蘇くじゅう地域に眠っているこの土地ならではの風土、文化、資源を編集し、世の中に新たな価値として届けることをミッションに、都心と里山をつなぎ、資源と経済の循環を目指す里山事業会社です。黒川温泉の源泉を使用■nukkaの特徴nukkaの成分には阿蘇くじゅう地域、特に黒川温泉のある阿蘇郡南小国町の自然資源を活用しています。着目したのは私たちの里山の原風景にある「小国杉」です。使われずに山に放置された枝葉は、災害や人災の原因の一つにもなります。これら枝葉を地域の大切な資源と捉え、葉から抽出したオイルを本商品に採用いたしました。併せて黒川温泉の温泉水を源泉から採取して配合。自然環境に極力負荷をかけない資源利用を選択しています。(1) 植物由来のものだけで保湿成分を配合。(米ぬか油、ホホバ油、オリーブ油)(2) 植物の恵みである天然精油のみで調香師監修のもと調香。(貴重な地元小国杉のエッセンシャルオイルを配合)(3) 阿蘇・黒川温泉の源泉を直接採取し配合。(肌に近いPHである単純泉を使用しており、肌に潤いを与えます)(4) 5つの無添加成分。(パラベン、鉱物油、石油系界面活性剤、合成香料、着色料を含みません)(5) バスタブに注ぐと白濁し、乳白色のお風呂で温泉気分。入れると白濁して温泉気分■nukkaへの想い ~旅するバスオイル~日本有数の観光地として知られる阿蘇くじゅうの地から生まれたnukka。旅という行為は、日々の忙しさや緊張から解放され、自分らしさを取り戻すことで明日への活力を養ってくれるものです。このような“旅の効能”ともいうべき恩恵を、nukkaを使用することでご自宅にいながらでも体感していただきたい。私たちはそのようなプロダクトとしてnukkaを位置付けています。商品名は、熊本県の方言である「ぬっか(あたたかいの意味)」に由来しています。都心の日常から遠く離れた土地の自然成分にふれることで、都会で暮らしながらも自然豊かな里山を旅しているかのような気分を味わっていただけることを期待しています。■小国杉のエッセンシャルオイル南小国町はその8割を山林原野で占めており、この地で育つ小国杉は250年という古い歴史があります。“杉”は日本固有の針葉樹です。学名はラテン語で「Cryptomeria japonica」。「隠された日本の財産」という意味を持ちます。そのなかでも、強くしなやかさがあり調湿効果が高い小国杉は、夏は涼しく冬は厳しい寒さとなるこの土地ならではの気候によって育まれます。里山に暮らす私たちにとっては身近すぎてその価値に気づきにくいこともありますが、今回は小国杉の贅沢な香りをnukkaに詰め込みました。阿蘇の大地の恵み■黒川温泉の温泉水黒川温泉は江戸時代、およそ300年前からその歴史が始まりました。この地では自然環境に調和した景観づくりと、湯めぐり専用の“入湯手形”でここにしかない文化を作り上げており、自然、温泉、人々がともに助け合って生きてきました。温泉は阿蘇くじゅう山系の火山性温泉で、地表から染みてきた筑後川源流の清らかな水が地熱に温められ大地に湧出しています。このようにたゆまず湧き出ている源泉から温泉水を直接採取しました。今回は肌に近いPHである単純泉を使用し、肌に潤いを与えます。■nukkaの存在意義阿蘇くじゅう国立公園にその一部が含まれる南小国町は、九州の中央部、熊本県の東北部にあります。起伏が激しい土地に筑後川の源流として大小7つの川が北へ流れ、その80%は山林原野です。「日本で最も美しい村連合」に登録されており、町は黒川温泉をはじめとする5つの温泉地を有し、この地で採れる農作物やあか牛肉などを宿で提供しています。このような人と自然が長い間つくりあげてきた歴史、風土、文化、景観を、里山から都心へとつなぐことで、良質な関係性を醸成させていきたいと考えています。nukkaは、今まで十分に活かせなかったこの土地にしかない資源や価値観を具現化したものです。本当に継承すべきその土地の本質、本物とは何か。その問いに正面から向き合えるプロダクトを地域のみなさまと形作っていきます。■商品概要商品名 :「nukka(ヌッカ)」~旅するバスオイル~内容 :150ml(入浴約10回分)*浴槽に1~2プッシュ販売価格:3,200円(税込 3,520円)■nukkaのご購入nukkaは2023年3月15日(水)より公式サイト( )にて販売開始しました。■会社概要法人名 : 株式会社RETEN代表者 : 代表取締役 穴井 憲生所在地 : 〒869-2402 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6590-3電話番号 : 050-8885-9374mail : info@nukka.jp 公式サイト: <事業内容>・黒川温泉観光旅館協同組合事務局の運営・黒川温泉を主軸とした地域DMOとの連携(ふるさと納税・人材環流ビジネス)・地元素材を活用した商品企画、開発、販売・宿泊施設の運営サポート 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年03月22日元税理士志望の“パン好き男”松本幸司が選ぶ、本当に美味しいと思うB級グルメだけをサンドしたコッペパン専門店「松本幸司の世界観」が、広島に2018年3月7日(水)オープン。長年夢見たベーカリー開業に向けて独立の決意を固め、13年間務めた税理士事務所を退職した松本幸司。そんな彼が、全国に行列のできるパン屋を仕掛けるベーカリープロデューサー 岸本拓也のサポートのもと、広島初のオーダーを受けてから作りたてを提供するコッペパン専門店をオープンさせる。看板メニューとして提案するのは、北海道産のあんと自家製レーズンバターをダイナミックにサンドする「マツモトバターサンド」だ。さらに、世界各国の料理を取り入れたメニューもラインナップし、イギリスの「フィッシュ&チップス」、フランスの「ゲランドの塩ミルククリーム」、韓国の「プルコギ」、アメリカの「ピーナッツバターとジェリー」、中国の「海老のチリソース」など、おかず系10種、おやつ系13種の計23種から選ぶことができる。【詳細】松本幸司の世界観(まつもとこうじのせかいかん)プレオープン:2018年3月6日(火)グランドオープン:2018年3月7日(水)住所:広島県広島市中区大手町1丁目4-8-101電話番号:082-247-7177アクセス:広島電鉄 紙屋町西駅より徒歩約2分営業時間:10:00 〜 19:30定休日:水曜日
2018年03月05日ファクトタム(FACTOTUM)を始動して以来、コレクション制作に臨むにあたり、必ず旅に出てきたという有働幸司。実際に見て、触れた歴史とその歴史を紡ぐ人々はモノづくりにリアリティを生んだ。10年におよぶ世界放浪の中で、もっとも価値観をゆさぶったのがアジア3カ国だったという。ーー最近ではインド、チベット、ネパールとアジア3カ国をまわられた旅も印象深かったと伺っています。完成される前の国はエネルギッシュです。街も人も。圧倒的だったのは、宗教という存在。年端もいかない子どもたちが何年もかけて巡礼の旅をする“チベット仏教の聖地”といわれるジョカン、火葬して、遺灰をそのまま流すガンジス川…。日本では決してお目にかかれないものばかりであり、やはり見ると聞くでは大違いです。カメラマンやグラフィックデザイナーなどファクトタムのクリエーター・チームと動いたので事なきを得ましたが、ひとりだったらあの強烈な磁力に搦めとられていたかも知れない。ネパールでは帰国直前に高熱が出て、点滴を打って搭乗、成田から病院へ直行しました。ーーそのネパールではちょっとした出会いもあったとか。ええ。ガイドの方が自分の家はすぐ近くだから夕食に招待してやるって。ガイドには5人の子どもがいて、兄弟の家族も祖父母も一緒に暮らしている大家族です。電気が通っていないどころか、水道もない。皆に囲まれて手掴みで食べたカレーは忘れられません。ーー旅で得たものはどのようにコレクションに反映されるのでしょうか。ケースバイケースですが、そこで見聞きしたトライバルな柄や色合いは積極的に採り入れるようにしています。インド刺繍のコレクションは現地で作ってもらいました。それら現地で吸収したものをスポーツやロックなどリアルなスタイルに落とし込みます。ーー旅は昔からお好きだったんでしょうか?面白さに目覚めたのは卒業旅行でロンドンに行ってからですね。メインはパリで、ユーロスターで日帰りする慌ただしいものでしたが、訪れた瞬間、住んでみたいと思いました。スケートボードやブリティッシュポップ…多大なる影響を受けたストリートカルチャーの原点がそこにあったんです。いったんはビームス(BEAMS)へ入社するものの、ロンドンへの思いは断ち切りがたく、たった1年で退職してしまった。念願叶って暮らし始めると、カムデンやポートベローのフリマで古着を買いまくり、レコードも漁りまくりました。最低でも1年のつもりでいたんですが、おかげで半年で資金が尽きた(笑)。ーーこの秋冬のコレクションからは日本がテーマになるそうですね。フィンランドを旅したときに20世紀を代表する建築家、アルバ・アールトが日本の長屋や食器棚にインスパイアされていると知って、改めて自分が生まれ育った国ってすごいなぁという気づきがあって。第1弾として村上春樹の小説『羊をめぐる冒険』の舞台になった北海道の美深町へ行きました。ストレートにウールを料理しつつ、アイヌの文様も採り入れました。1/2に戻る。
2015年08月30日旅をしない音楽家は不幸だ、とモーツァルトが言ったように、日常の喧騒から解放してくれる旅は、クリエーションにおいてもまたとない栄養になる。それは、海外でもその名を知られるファクトタム(FACTOTUM)のデザイナー、有働幸司がコレクション制作を前に欠かさず世界をさすらう事実からも明らかだ。ーーブランド立ち上げ当初より旅をテーマにしてきたファクトタム。その狙いを教えていただけますか。ラウンジリザード(LOUNGE LIZARD/友人とともに立ち上げたブランド)の頃は徒手空拳でリアルクローズを追求しました。自らの経験値が問われる点でやりがいのあるアプローチでしたが、改めて、旅とはモノづくりに深みを出してくれる行為だと思っています。街を歩けばありのままの文化に接することができ、それがそのまま新たな引き出しになりますから。ーーどのように訪れる街を選ばれるのですか。まずはコンセプトを決めます。好きな映画や小説、アーティスト、あるいは時代感など、それはその時々でさまざまです。で、そのコンセプトにふさわしいエリアを抽出します。ーー滞在中はどのように過ごされるのでしょうか。真っ先にジョギングをします。ナローなブリティッシュをベースにしている以上、作り手が太ることは許されないってところから始まっているんですが(笑)、街を肌で感じるのにいい。僕が目安としている10キロは、その街のだいたいの雰囲気がわかる距離なんです。あとはキーとなる人に会ったり、文献や歴史的建造物、史跡を渉猟したり…といった具合です。一回の滞在は短くて一週間、長いときは半月以上ですね。ーー印象に残っている旅は?映画『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』のロイ・アンダーソン監督に会いにスウェーデンまで行ったことです(その作品は第20回ベルリン国際映画祭でインターフィルム賞など4つの賞を獲得した)。初めは断られたんですが、運良く新作ができあがったタイミングで機嫌が良かったんでしょう(笑)。粘ったらOKに。そして、なんと身内のみを集めた試写会に招かれたんです。ーーそれは貴重な体験でしたね。そこで僕はかねてから知りたかったひとつの質問をします。「『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』にはライダース・ジャケットが出てくるが、あのモチーフは何か?」と。てっきりニューシネマあたりかと思ったら、イギリスの古き良き時代にインスパイアされたということでした。そのシーズンはルイスレザーに範をとったライダースを作りました。-後編はアジアの国々を旅して感じたことや旅に目覚めたきっかけについて。2/2に続く。
2015年08月30日○LyncからSkype for Businessに名称変更日本マイクロソフトは4月21日、「Skype for Business」に関する説明会を開催した。これまでLyncの名前で知られてきたコミュニケーションプラットフォームの製品をリニューアルするに至った経緯について、同社 執行役 常務 パブリックセクター担当の織田浩義氏が説明を行った。日本マイクロソフト社内では、2010年にLyncを導入したという。「Lyncを導入するまで、コストと時間をかけて全員で出社し、仕事をしてきた。しかしLync導入以降は、誰がどこにいても、最適に活躍できる環境になった」(織田氏)と社内の事例を挙げ、ワークスタイルが大きく変化したことを振り返った。最新の数字としては、「Lyncを含むOffice 365は、日経225企業の70%が採用し、売上は2年間で5.5倍に成長した。Lyncユーザーは世界で1億人、コンシューマー向けのSkypeは3億人のアクティブユーザーが存在する。国際通話の38%はSkype経由であるというデータもある」(織田氏)と語った。このLyncについて、ブランドを「Skype for Business」に変更することが2014年11月にグローバルで発表され、2015年4月14日には米国でSkype for Businessが正式にロンチしている。これに合わせて日本国内においても、2015年4月中旬より順次、既存のLyncユーザーをSkype for Businessにアップデートしていくという。織田氏は、すでにLyncを導入している企業ユーザーからの、Skype for Businessへの期待の声を取り上げた。「ヤマハ、資生堂などの企業では、コスト削減やスピード、生産性の向上に役立つとの声がある。アスクルやパソナは女性比率が高いという特徴があり、女性のさまざまな働き方をサポートするダイバーシティの観点からも支持を得ている」として、Skype for Businessをワークスタイル改革のための中核的なツールと位置付けた。企業用途以外でも、教育面での利用も促進していくという。すでにマイクロソフトは教育機関向けに「Office 365 Education」を無償で提供。さらに、4月1日からは学校教育法施行規則改正により、全国の高校における遠隔授業が解禁されたという。織田氏は「慶応義塾大学SFC研究所との間で、Skype for Businessの教育利用を研究開発していくことで合意した。熊本では、複数の教室をSkypeでつなぐ交流授業を行っている」と事例を挙げる。今後はSkype for Businessを日本市場で積極的に展開し、2016会計年度(2015年7月?2016年6月期)中に売上を2倍にするという。○LyncアプリはそのままSkype for Businessでも使えるSkype for Businessの詳細については、日本マイクロソフト Officeビジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャーの小国幸司氏が解説を行った。Skype for Businessの主な特徴として、機能面ではLyncをすべて引き継いでいるという。iOS、Androidなどのモバイルアプリについて、Skype for Businessのアプリは今後提供予定としているが、それまでの間は既存のLyncアプリをそのまま使えるという。また、ヘッドセットなど、デバイス向けの認証もそのまま継続するとした。アプリのユーザー インタフェースについては、コンシューマー向けのSkypeアプリのデザインを採り入れていく。「Skypeアプリは、3億ユーザーのフィードバックを反映しており使い勝手に優れる」(小国氏)と説明する。提供形態については、クラウドだけでなく、オンプレミスだけの運用や、クラウドとオンプレミスの組み合わせというハイブリッド構成にも対応する。「新しい製品を立ち上げるのではなく、すでにエンタープライズ品質で実績のあるLyncの基盤をそのまま利用したもの」(小国氏)と強調した。これまで企業向けとして展開してきたLyncのブランドを変更する理由については、「Lyncといっても、まだまだ知らないお客様も多い。ブランド認知度として圧倒的に大きいSkypeを利用することにメリットがあると考える」(小国氏)と説明した。○画面デザインはSkypeベースに製品デモでは、既存のコンシューマー向けSkypeアプリと、新たに提供するSkype for Businessアプリの画面を比較した。Lyncとの違いとして、ボタンや使い勝手がSkypeベースになっている点が特徴となる。「当初はデスクトップOS向けのリリースが先行するが、今後はスマートフォン、タブレット、Webクライアントにおいてもデザインを統一していく」(小国氏)と語った。「一時退席中」など現在の状態を表すプレゼンスも強化。Skypeでは簡単なステータスを選択するだけだったのに対し、Skype for BusinessではPCの状態を自動的に検出して「画面ロック中」なども表示できる。Officeとの統合により、ExcelやPowerPoint文書の「作成者」の欄にもSkype for Businessのプレゼンスが表示されるようになり、文書を作った人にその場で連絡できるかどうかを判断できる。さらにSkype for Businessを導入している企業間では、相互にプレゼンスを共有することで、組織の壁を超えたコミュニケーションも可能になるとした。今後の新機能として、Lyncでは250人までだった会議機能を数千人レベルまで拡張するという。また、84インチの大画面デバイス「Surface Hub」のような会議デバイスへの対応、モバイルやWebを視野に入れたAPIの提供も行っていく予定があるとした。
2015年04月22日