「過払い金請求をすればお金が戻ってくる!」と聞くと、「それならば手続きしたい!」と思う人も少なくないでしょう。過払い金請求をするなら、弁護士に依頼するのが一般的です。過払い金が戻ってくるのは嬉しいものですが、過払い金請求してもデメリットはないのかが気になると思います。本記事では、過払い金請求を弁護士に相談する前に確認しておきたいデメリットについてまとめていますので、参考にしてください。過払い金請求のメリットはお金が戻ってくること!消費者金融などで借金したら、業者に支払う手数料として利息を払わなければなりません。ただし、利息には法律上の上限があり、上限を超えて払った場合には超過分が戻ってきます。過払い金は消費者金融などに返還を請求できる過去に消費者金融などを利用したことがある人なら、過払い金が発生していることがあります。過払い金とは、借金返済時に払いすぎた利息のことです。借金の利息には利息制限法で上限が決まっていますから、これを超えて支払った分は返還請求できます。過払い金を返してもらいたい場合には、お金を借りた消費者金融などに対し、過払い金返還請求(過払い金請求)をする必要があります。利息制限法で定められている金利の上限利息制限法で定められている上限金利(制限利率)は、借金の元本の額によって異なり、次のようになります。元本が10万円未満の場合:年20%元本が10万円以上100万円未満の場合:年18%元本が100万円以上の場合:年15%既に完済している借金でも過払い金請求が可能貸金業者との取引開始が2007年頃よりも前なら、利息制限法の上限を超える金利(グレーゾーン金利)が設定されていて、過払い金が発生していることがあります。既に借金を完済している場合でも、時効になっていなければ過払い金請求が可能です。グレーゾーン金利が廃止されたのはいつ?貸金業者が徴収する利息については、以前は利息制限法の上限を超えても出資法の上限までは刑事罰がありませんでした。さらに、「みなし弁済」という方法を使うことで、利息制限法を超えて払った利息も有効として扱われていたのです。2006年に利息制限法を超過した分の利息は無効という最高裁判決が出され、グレーゾーン金利を禁止する形に貸金業法が改正されることになりました。改正貸金業法の施行は2010年ですが、大部分の貸金業者は2007年頃にグレーゾーン金利を廃止していいます。過払い金が発生している借金の種類過払い金が発生している借金は、消費者金融からの借入に限りません。クレジットカードでキャッシングした場合でも、過払い金が発生していることがあります。クレジットカードをショッピングに利用した場合には、借入ではないので、過払い金は発生しません。また、銀行カードローンでは以前からグレーゾーン金利は設定されていなかったので、過払い金も発生していないことになります。過払い金が発生しているかどうかはどのようにしたらわかる?借入したときの金利が利息制限法の制限利率を超えている場合、そのまま借金を完済していれば、過払い金が発生している可能性が高いと言えます。貸金業者に取引履歴の開示請求をすれば、契約日、約定利率、借入日、借入額、返済日、返済額がわかるので、過払い金があるかどうかを調べられます。[adsense_middle]過払い金の返金交渉は弁護士に依頼しよう!過払い金請求は、自分で手続きすることもできますが、弁護士等に依頼するのが一般的です。弁護士等に過払い金返金交渉をしてもらった方が、過払い金が多くなる可能性があります。過払い金請求しても全額返金されるわけではない過払い金請求をするときには、貸金業者との取引履歴を取り寄せて過払い金額を確定させた上で、過払い金の全額を返還請求します。しかし、請求後、すぐに全額を返金してもらえることはほとんどありません。貸金業者側も、請求があった過払い金のすべてについて返還に応じていれば、会社の経営が成り立たなくなってしまうからです。どれくらいの過払い金が戻ってくるかという過払い金の返還率は、貸金業者によって違います。また、交渉の仕方によっても、過払い金の返還率は変わってきます。貸金業者との交渉はプロに任せるのが安心貸金業者を相手に自分で過払い金請求をしても、足元を見られてしまいますから、全額を返してもらうのは困難でしょう。一方、弁護士に代理人となってもらい貸金業者と交渉してもらえば、返還率は上がることが多くなります。弁護士は交渉事のプロですから、法的な根拠にもとづき、貸金業者と交渉します。貸金業者側も、弁護士が出てくると、あまり強くは出られません。裁判を起こされてしまうと、余計な費用負担が発生することも懸念しますから、交渉に応じる可能性が高くなるのです。過払い金請求を依頼する弁護士の選び方弁護士には、それぞれ得意分野があります。過払い金請求を成功させたいなら、あらかじめ事務所の評判を確認し、債務整理や過払い金請求など借金問題の実績がたくさんある弁護士を選ぶのがおすすめです。貸金業者と過払い金の返還について交渉する場合、その業者がどれくらい過払い金を返してくれるかを知っていれば、有利に交渉を進められます。過払い金請求をたくさん扱っている弁護士なら、各貸金業者の過払い金返還率を把握していますから、少ない金額で妥協することなく強気で交渉してくれます。過払い金請求のデメリットも知っておこう!過払い金請求でお金が戻ってくると、臨時収入のようで嬉しいはずです。ただし、過払い金請求にも以下のデメリットはありますから、事前にデメリットを把握した上で手続きしましょう。返済中ならブラックリストに載る弁護士費用がかかる同じ会社のカードが作れなくなる過去に借金していたのがバレることがある裁判になってしまうこともあるお金が戻ってくるまでに時間がかかる過払い金請求のデメリット1:返済中ならブラックリストに載る過払い金があるけれど、借金をまだ返済中ということもあると思います。借金返済中に過払い金請求をすると、信用情報にキズがつき、「ブラックリストに載った」と呼ばれる状態になります。ブラックリストに載れば、その後5年程度は新規でカードを作ったりローンを組んだりすることができません。ただし、残りの借金額よりも過払い金額の方が大きく、過払い金で借金を完済できる場合には、手続き完了後に信用情報は回復します。借金を完済後に過払い金請求する場合には、ブラックリストに載る心配はありません。ブラックリストとはブラックリストという名簿があるわけではなく、信用情報機関に事故情報が登録されることを「ブラックリストに載った」と言います。信用情報機関とは、個人の信用情報を管理しているところです。信用情報機関に加盟している貸金業者や金融機関は、保有している利用者のデータを信用情報機関に登録し、情報共有しています。現在日本には3つの信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)がありますが、貸金業者・金融機関は必ずどこかの信用情報機関に加盟しています。過払い金請求のデメリット2:弁護士費用がかかる過払い金請求をするときには、弁護士に依頼するのが通常です。弁護士に手続きを頼んだ場合には、弁護士費用がかかります。貸金業者から戻ってきた過払い金が全額自分のものになるわけではありません。ただし、自分で直接貸金業者と交渉するよりも、弁護士に頼んで交渉してもらった方が、返還額が増える可能性があります。過払い金請求の弁護士費用はどれくらい?弁護士に事件を依頼するときにかかる費用は、着手金と報酬金の大きく2つに分かれます。着手金は事件依頼時に必ず払わなければならないお金です。一方、報酬金は事件終了時に払う費用で、事件の成功の度合いによって金額が変わります。弁護士が債務整理や過払い金請求を受任する場合、報酬金については日本弁護士連合会(日弁連)で上限が設けられています。過払い金請求の成功報酬(過払い金報酬)の上限額は、次のとおりです。訴訟によらない場合回収額の20%訴訟による場合回収額の25%たとえば、弁護士に依頼して貸金業者と交渉してもらい過払い金50万円を回収した場合、弁護士に支払う過払い金報酬は最大で10万円となり、手元には少なくとも40万円(※実費等を差し引かれる場合あり)が戻ってきます。着手金については上限規制がないので事務所によって異なりますが、過払い金請求の場合には着手金無料のケースが多くなっています。過払い金請求は費用の持ち出しなしでもできることがある過払い金請求は着手金無料のケースが多いので、弁護士に依頼するときにお金を用意する必要がありません。また、戻ってきた過払い金は一旦弁護士の口座に振り込まれ、そこから報酬金を差し引きした額を返金してもらえるしくみになっています。つまり、過払い金請求では自分でお金を持ち出す必要がなく、返金を受けるだけということもあります。弁護士費用を準備しなくていいのは大きなメリットと言えるでしょう。[adsense_middle]過払い金請求のデメリット3:同じ会社のカードが作れなくなる借金完済後に過払い金請求する場合には、ブラックリストに載ることはないので、その後の借入には影響がありません。ただし、過払い金請求した会社のカードは、作れないことがあります。貸金業者にとって、過払い金請求するような顧客はあまり嬉しくない顧客ですから、取引を断られる可能性があるのです。過払い金請求をしても、貸金業者から直接嫌がらせを受けるようなことはありません。しかし、その会社のカードを作れないという点で不便が生じることがあります。過払い金請求のデメリット4:過去に借金していたのがバレることがある家族に内緒で借金していた場合には、過払い金請求することによって借金の事実がバレてしまうことがあります。自分で過払い金請求をすれば、貸金業者と直接連絡をとらなければなりません。自宅に電話がかかってきたり、文書が届いたりすれば、家族に気付かれることがあります。過払い金請求を弁護士に依頼した場合でも、弁護士事務所からの電話や郵便物で家族にバレる可能性はあります。家族に内緒にしたい場合には、連絡は携帯電話にしてもらい、郵便物を自宅に送らないように弁護士に頼んでおきましょう。過払い金請求のデメリット5:裁判になってしまうこともある過払い金請求では、裁判を起こさなければ納得がいく返還額が得られないことがあります。たとえば、取引している間に借金を一旦完済したことがあるようなケースでは、貸金業者側は完済前の過払い金の時効消滅を主張してくるでしょう。このような場合には、返金額を増やすための交渉が難しく、裁判をしなければ決着がつかないことがあります。交渉がスムーズに進めば問題ありませんが、裁判をしなければならなくなると、余計なコストや時間がかかってしまいます。過払い金請求のデメリット6:お金が戻ってくるまでに時間がかかる過払い金請求をしても、すぐにお金が戻ってくるわけではありません。手間をかけて手続きしても、お金が戻ってくるまでに何か月もかかってしまいます。過払い金請求をするときには、取引履歴を確認して過払い金額を調べ、過払い金請求書を作って貸金業者に送る必要があります。過払い金請求書を送っても全額をすぐに返金してもらえるわけではないので、妥協せず交渉しなければなりません。過払い金請求後、過払い金が返金されるまでは、4~8か月程度はかかります。もし裁判になると、過払い金の返金まで1年くらいかかることもあります。過払い金の振込までの時間をできるだけ短縮するには過払い金請求の手続きをするときには、事前に取引履歴を入手しておかなければなりません。取引履歴の開示請求は自分でもできますから、迷っているなら取引履歴だけでも先に取り寄せておきましょう。過払い金を早く返してもらいたいなら、裁判ではなく交渉で和解するのがいちばんです。過払い金の交渉で実績のある弁護士に依頼し、手続きしてもらいましょう。まとめ返済中の過払い金請求ではブラックリストに載るデメリットがありますが、完済後の過払い金請求では大きなデメリットはありません。弁護士に依頼すれば弁護士費用がかかってしまいますが、費用の持ち出しも不要ですから、比較的手続きしやすいはずです。過払い金請求には時効もありますから、手続きを検討しているなら早めに弁護士に相談するのがおすすめです。
2019年08月15日皆さんは住宅を購入する前にまず資金相談をしていますか?今では、ハウスメーカーや不動産会社などでファイナンシャルプランナーに個人相談できる機会も増えています。今回は資金相談をすると見えてくる、お金の話について。ファイナンシャルプランナーに相談することで、住宅ローンをはじめ、保険、生涯にかかるお金のことまで全体の設計が見えてくるのです。■ 住宅に充てられる資金がわかるxiangtao / PIXTA(ピクスタ)資金相談をすると、まず、どれだけ住宅に資金を充てられるかがわかります。土地から購入する場合は、「土地にいくらかけて、住宅にいくら」と目安がわかれば探すエリアや条件なども絞りやすくなります。予算が決まることで、「あとで予算オーバしていた」という問題にもなりにくいのです。資金相談することで、どこまでが限界か、月にいくら支払えるかが明確になります。■ 保険の見直しができるCORA / PIXTA(ピクスタ)資金相談をすることで保険の見直しができます。「必要になるかもしれないから契約しておこう」と、必要ないのに保険に加入していたり、実は二重加入していた、などといった方は少なくありません。資金相談を機に生命保険も見直せぱ、少しでも家計のムダを削ることができるかもしれません。■ 数年後、家計が赤字か黒字か予測できるtomcat / PIXTA(ピクスタ)資金相談は現在の家計だけでなく、10年後・20年後・30年後などの家計プランを見ることが可能です。例えば、今5,000万円の住宅を購入して、ローンを組んだら10年後も暮らしていけるのか、家計がマイナスになっていないか、といったことを予測することができます。仮に希望の予算では赤字になってしまう場合は、現在使っているお金を見直したり、予算を減らそうと明確に見えてきます。■ 意外と出てくる使途不明金xiangtao / PIXTA(ピクスタ)意外と多いのが、使ったお金が何だったかという内訳が不明な費用です。1年間に何十万と使用しているケースもあります。生活費に〇〇円、光熱費〇〇円、教育費に〇〇円、娯楽費〇〇円と細かく出していくと、「このお金は何に使ったんだろう?」と思い出せないような費用が出てきます。そのときは「安いから購入してもいいかな」と思えるものでも、それが重なっていくと大きなお金になります。資金相談のような機会がないと、そういった何気なく使ってしまっているお金に気づくことができません。今後、生活していく上で、家を購入すること以外にも、できる範囲で節約していくことは大切です。■ まとめ資金相談をすると、家を購入する際の予算がわかるだけでなく、今まで使っていたお金や今後の家計についても見えてきます。ご自身で予算を決めても問題はありませんが、先述した保険や何に使ったかわからないような費用など自分では気付かなかったことに気付けることもあります。ぜひ家を購入する機会に資金相談をしてみてはいかがでしょうか。
2019年07月01日文字の読み書きや足し算など、小学校入学前に子供に身につけさせたい!と親が思うものはたくさんありますよね。「○○ちゃんはもうカタカナが書ける、漢字が読める」など、ママ友のお子さんの情報を聞いて焦ることもしばしば。早期教育の広がりから、最近の幼稚園では”宿題”が出ることろも珍しくはありませんし、英会話はもちろん話題のプログラミングスキルを身につけることができる幼稚園も存在します。しかし、どの程度読み書きや算数ができるようになっていたら安心か、については人それぞれ。今回は、小学生の娘をもつ筆者が感じた、小学校入学準備に必要なことをご紹介。■ 勉強の準備はそれほど焦らなくていいemi-chiki / PIXTA(ピクスタ)公立、私立など学校によって違いますが、いざ授業がスタートして感じるのは”勉強の準備に関してはそれほど焦らなくていい”ということでした。1年生の初めはひらがなを1文字1文字丁寧に書く練習と音読、算数は数の数え方から。確かに授業の進度はひらがなや数字が読める・書ける、前提で進められるため全く文字の読み書きができない状態で入学すると苦労はするかと思いますが、突然文章題が出たりすることはありません。たっきー / PIXTA(ピクスタ)その他の授業は道徳であったり交通安全ルールや、季節の移り変わり(春の草花、夏に咲く花など)に触れたりなどこれから生きていく上で必要なことを身につけるものでした。■ 先生が子供に求めている、意外なことYsPhoto / PIXTA(ピクスタ)では、学校の先生は子供に何を求めているのでしょうか。入学前に必ずある「入学前説明会」では、早寝早起き、返事をすること、人の話を聞くことなど大体同じようなお話をされるはずです。これらは、普段の生活や幼稚園や保育園を通して身につけられることなので難しいことではありませんよね。そこで筆者は、家庭訪問の際にも”先生が求めていること”を質問しました。ジゲニスタ / PIXTA(ピクスタ)すると、「自分の力で困っていること、疑問に思うことを伝えられるようになること」という少々意外な答えが返ってきました。新学期はどの年齢のお子さんも初めての学年を経験するため、不安でいっぱい。そして、先生も生徒との信頼関係をこれから構築していく時期。子供は無意識に先生に遠慮してしまうそうなんです。家庭でも、子供の話をきちんと聞いて、子供が思っていることを打ち明けやすい環境を普段から作っていくことが大切であると感じました。■ 時計を読めるようになると時間の使い方がスムーズにプラナ / PIXTA(ピクスタ)最後に、これを身につけておけば便利!と筆者が感じていることをご紹介いたします。小学校に入ると”時間”で活動することが主となります。時計を読めるようになること、そして休み時間はあと何分で終わる、○時○分に家を出るなど“あと○分!”という時間の感覚が身についていたらとても便利です。プラナ / PIXTA(ピクスタ)例えば、3分間の砂時計を見ながら歯磨きをさせてみたり、公文の学習5分間などで短い時間の感覚がついたことで、あと10分あれば○○ができる、などと時間の使い方がスムーズになりました。時計の読み方を教えることは難しく考えがちですが、今は100円ショップにもおもちゃの時計もあるので遊び感覚で始められてみるのもいかもしれません。jirasaki / PIXTA(ピクスタ)小学校入学までに子供に身につけさせたいことは各家庭それぞれ。しかし、学校の先生の求めるものは子育てにおいてとても重要なことであると感じます。子供の話をきちんときいてあげられる環境が整っているか、今一度振り返ってみられてはいかがでしょうか?
2019年06月16日特別支援学校入学に向けて、療育手帳を取得することに現在、特別支援学校に通う5年生の長男。療育園年長時、就学相談で、特別支援学校に入学するには入学前に療育手帳を取得するようにと説明がありました。それまで療育手帳を取得していなかった長男。手続きについて聞くと、私たちの住む地域ではまず市役所を通してから、児童相談所で発達検査を受けなければいけないとのことでした。自閉症の長男の進学先が特別支援学校になるだろうということは早い段階から考えていたことでしたが、療育手帳を取ることによって、確実に障害があると認定を受けることになる...母である私には、息子の障害をはっきりと社会的に認めることになるように感じられ、正直少しためらう気持ちがありました。複雑な気持ちを抱えつつ夫に「特別支援学校に入学する前に、療育手帳を取る必要があるんだって」と相談したところ、「手帳があることでシュウにとって必要な支援が受けられるなら、申請したほうがいいね」Upload By シュウママと賛成してくれました。夫の言葉に背中を押され、手帳取得に向けて実際に手続きを進めていくことになりました。児童相談所での発達検査。果たして長男は...児童相談所での検査当日。長男の検査の前に、先に母親である私と心理士さんとの面談がありました。洋服を自分で着脱できるか、トイレはできるか、ごはんやお風呂は介助が必要かなどの生活面の確認と、パニックを起こさないか、自傷や他害はないかといった精神面・行動面の確認がありました。そしてその後、長男自身が検査を受けました。まず、心理士さんがいろんな絵の描かれたカードを長男に見せます。そこに描かれた動物や乗り物などについて答える問題でした。長男は自分が好きなものだけ大きな声で答えます。発音が聞き取りにくいので、私が横で「これはひこうきと言っています」と心理士さんに通訳しながらすすんでいきました。ただ、出されるカードのほとんどのものは答えることができませんでした。次は組(対)になっているものを答えよという問題。心理士さんは、えんぴつを指して「これは何かな?」と長男に聞きます。...長男は無言。Upload By シュウママ長男が反応せずとも質問はどんどん続きます。「えんぴつとセットになるものは何かな?」...正解のノートを長男は指せません。検査を終え、心理士さんからはおそらく療育手帳はA判定になるだろうというお話がありました。療育手帳の判定結果、親としての思い後日、市役所に行き療育手帳を受け取りました。やはり判定はAでした。私の住む地域では、最も重い丸Aから最も軽いCまであります。A判定であるなら、特別支援学校に通うには問題ありません。けれど分かってはいたものの、長男が重度の知的障害と認定されることにわずかなかなしさがありました。療育手帳を取得して。長男の育ちに必要な支援が受けられるようにそれでも、療育手帳を持つことで受けられるサポートはたくさんありました。市役所で説明されたのは、特別児童扶養手当があることや、バスや電車での本人と介助者の運賃割引、ガソリン代あるいは車を運転しないのであればタクシーチケットの支給もあるということ。私は車が運転できないので、このタクシーチケットは特にありがたかったです。長男は病院からの帰り道、歩きたくなくて道端で「歩くのイヤ~!」と叫ぶときがあります。そんなときにタクシーを利用するのですが、初乗り分の料金を支払えるチケットは経済的にとても助かりました。自治体によってはオムツが支給されるところなどもあるようですので、お住まいの自治体の窓口等に確認するとよいかもしれません。Upload By シュウママ療育手帳を取得することで、自分のお子さんの障害が公的に認定されてしまう、そのことに不安を抱いている方がいるかもしれません。その気持ちは同じ立場として痛いほど分かります。けれど最初の判定から5年経った今は、手帳の取得は障害のレッテルを貼るためのものではなく、子どもの成長や子どもにとって過ごしやすい環境の整備のために必要なものなのだと感じています。また、判定結果がたとえ重度だとしても、特別支援学校に通いながら長男は長男のペースでゆっくりだけれど着実に成長している。それを親である自分が分かってさえいればいい、それが何より大切だと、そう思えるようになりました。Upload By シュウママ
2019年05月31日小学校にまだ入学していない幼い子どもがいる親であれば、いわゆる就学前学習などの「先取り学習」に強い興味があるはずです。その効果はどれほどのものなのか、そもそも必要なのか――。お話を聞いたのは、東京の公立小学校教諭・杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)先生。子どものやる気を引き出す独自の授業で注目され、「教育の鉄人」とも呼ばれるカリスマ教師です。実際の教育現場から見た先取り学習の価値とはどんなものでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)学習内容のつながりを意識した「先取り授業」ひとことで「先取り学習」といっても、さまざまな種類があります。わたしの授業スタイルも先取り学習といえるものです。たとえば、本来のカリキュラムでは順に教える足し算と引き算もわたしは同時に教えます。また、掛け算と割り算も同様です。なぜかというと、足し算だけを先にやってしまうと、「足し算脳」とでも呼ぶべき頭の使い方が子どものなかでできあがってしまうから。そうなると、引き算を学ぼうとするときにその足し算脳が邪魔をして、なかなか引き算ができるようにならないということが起こるのです。掛け算と割り算の場合も同じです。先に掛け算だけを教えてしまうと、九九はしっかりできるのに、なぜか割り算は苦手だという子どもが続出してしまう。それは、本来であればひとつながりのものなのに分断して学ばせているからです。ピアノでいえば、課題曲全体を聴かせてもいないのに、頭から順に教えようとしているようなもの。どんな曲なのか全体像が見えていなければ、学習効果が高まるはずもありませんし、子どもは自分がなにをしているのかが見えずに不安になってしまいます。楽しければ、勉強も大好きな絵本と同じ感覚になるとはいえ、そういう授業スタイルを取っている教員はそうはいないでしょうから、ここでは一般の家庭でもできる先取り学習について、わたしの考えをお伝えします。先取り学習と聞いたときにまずイメージするのが、学校での学習内容を前もってやるというものでしょうね。小学校に入る前の就学前学習はその典型です。それらの先取り学習については、子どもにどんどんやらせてほしいと思います。というのも、「学校での勉強が復習になる」からです。そういった先取り学習については、「子どもが学校の勉強に興味関心を示さなくなるから駄目だ」という意見もあります。でも、映画にだって予告編があるじゃないですか?予告編を観て、その作品を観たくなったという経験はほとんどの人にあるでしょう。それに、好きな映画を3回も4回も観る人もいます。その場合、1回観ただけでは気づかなかったことに気づくということもある。つまりそれは、復習の効果に他なりません。「先取り学習が子どもの興味関心を奪う」なんてことは大人の発想で、子どもにとってはちがうのです。それこそ、大好きな絵本だったら、親が「また?」とうんざりするほど、何回も何回も「読んで」と子どもがせがむこともありますよね。勉強だって、楽しくできるように大人がちゃんと導いてあげれば、子どもにとっては映画や絵本と変わらないのです。とはいえ、先取り学習をさせるにも注意が必要です。やっぱり楽しくなければ子どもは興味を示しません。学校の教科書の内容を勉強するような先取り学習を無理に押しつけてしまうと、小学校に入る前に「勉強は楽しくない、面白くない……」と子どもに思わせて、まったくの逆効果となってしまいかねません。子どもの「学びの感覚」をつくる親子の対話また、とくに幼い子どもの家庭における先取り学習となると、学校の学習内容を先取りするタイプの学習の他にも大切なものがあります。それは、学びのための「感覚」を身につけるということ。たとえば、親子で一緒に出掛けたときには、「夕焼けって綺麗だね」とか「あれは三日月っていうんだよ」というふうに、目に入ったものを子どもに優しく教えてあげてください。家にいるときも、たとえばご飯を食べるときには「ハンバーグ、美味しいね」などと話しかける。内容はなんでもよくて、とにかく話しかけることが大切。そういった親との対話を通じて、子どもは学びのためのさまざまな「感覚」を身につけていきます。また、「感覚」という点では、体の「感覚」を使って学ぶことも大切です。ひらがなやカタカナを書いて覚えるにも、幼い子どもは鉛筆をまだうまく使えません。ですから、鉛筆ではなく大きな紙にクレヨンで書かせるとか、砂場で手を使って書かせる、あるいは尻文字で書かせることをおすすめします。そうすれば、体の感覚を通じて文字を覚えていくのです。それから、日常生活のなかでは、算数の勉強の橋渡しになるような数字に親しませるということもできます。スーパーに子どもと一緒に買物に行ったとします。親は「リンゴが5個ほしいのよね」といいながら、買い物かごに3個のセットをふたつ入れようとする。子どもが「お母さん、それじゃ6個だよ」なんていってくれたらしめたもの。「じゃ、どうすればいい?」と聞く。子どもは自分なりに考えて、3個のセットをひとつとバラ売りのものを2個持ってきてくれるかもしれません。そういうふうに、日常生活のなかにも学校の勉強につながるような要素はいくらでも転がっているものです。親御さんがそういう意識を持って、日常的な就学前学習を子どもにやらせてあげるように心がけてほしいですね。『たし算ひき算 10マス計算ドリル 左利き用』杉渕鐵良 著/学研プラス(2019)■ 東京都公立小学校教諭・杉渕鐵良先生 インタビュー一覧第1回:先取り学習はこうやれば効果的。「就学前学習ってどうなの?」に“教育の鉄人”が回答!第2回:「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?(※近日公開)第3回:子どもを「読書好き」にするきっかけの作り方。国語力アップの決め手は家庭にある!(※近日公開)第4回:算数の力は“楽しく”伸ばす!地味で単純な「四則計算」を笑うほど面白いものにする工夫(※近日公開)【プロフィール】杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)1959年生まれ、東京都出身。東京都公立小学校教諭。小学校教諭となって7年目に子どもたちのやる気を引き出す独自の授業「ユニット授業」を開発。その成果により、「教育の鉄人」と呼ばれ、2011年には「ユニット授業研究会」を設立。若手教員の指導にあたる他、講演のために全国各地を飛び回っている。『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭学習』(すばる舎)、『全員参加の全力教室2 燃える! 伸びる! 変わる! ユニット授業』(日本標準)、『1日1枚5分でできる 漢字パズル』(すばる舎)、『自分からどんどん勉強する子になる方法』(すばる舎)、『子どもが授業に集中する魔法のワザ!』(学陽書房)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月24日私の娘は、口唇口蓋裂という先天異常を持って生まれてきました。今回は、今まで受けてきた治療のまとめと今後の予定についてお伝えしたいと思います。 これまでの治療と現在の治療口唇口蓋裂の治療におけるメインの診療科は形成外科でした。生後5カ月ごろ、唇を閉じ、鼻の形を整える手術を受け、1歳過ぎに口蓋裂を閉じる手術を受けました。それから6歳の現在まで、半年から1年毎に定期的に受診しています。 歯茎の裂があり、上の歯並びが悪いため、4歳ごろから矯正歯科に毎月通っています。また、鼻にかかった話し方のため、耳鼻科での聴覚検査をしたのちに、毎週近所の学校で開催している言葉の教室に通っています。そして、中耳炎になりやすいため、耳鼻科も定期受診しています。 多くの場合、唇再形成の手術が必要娘の場合、口唇裂手術後、最初は唇が少し引きつっている様子でした。手術した部分はピンク色で、痕が少しわかる状態が2歳ごろまで続いていました。けれども、成長とともにきれいな形になってきており、よく見ると多少違いがわかりますが、周りの人からは「まったくわからない」とよく言われます。 多くの場合は、小学校入学前に唇の形を整える手術が必要になるそうです。ただ、娘の場合は幸い、「見た目に問題がないから手術は必要ない」と主治医の先生からお話がありました。 口蓋裂の状態に応じて、骨移植が必要口蓋裂手術は、両脇の皮を縫い合わせておこなわれるため、手術後に上あごに穴が開いてしまう場合があるそうです。そのような場合、その穴を塞ぐ手術が必要になります。 また、娘は歯茎にも裂があり、当初は「小学校中学年くらいに腰の骨を移植する手術が必要になるかもしれない」とのお話でした。ただ、成長とともに歯茎の裂がどんどん狭くなり、今は歯茎の隙間がなくなりました。そのため、手術は必要ないかもしれないと言われています。 娘の場合、口唇口蓋裂ではあるものの、ありがたいことに経過は順調です。今後も主治医の先生と相談しながら、できるだけ娘に負担がかからないよう治療していけたらと思っています。著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月10日幼い子どもがいる親御さんには、小学校での勉強に子どもが置いていかれないようにと、いわゆる就学前教育を検討している人もいるはずです。でも、発達心理学と認知心理学の専門家である十文字学園女子大学の大宮明子先生は、「いわゆる先取り学習にはあまり意味がない」と語ります。しかし、就学前教育のやり方次第では、その後の学力の伸びを左右する大きな効果も期待できるのだそうです。その鍵を握るのは「語彙力」です。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)先取り学習にはあまり意味がない?就学前教育はおおまかに3つの種類にわけられます。ひとつはピアノなどの音楽、お絵描きといった芸術系の習い事。もうひとつがスイミング、体操、リトミックなどの体育系の習い事。そして3つ目が、小学校で学ぶ内容のいわゆる先取り学習、知育系の教育です。就学前教育といった場合、最後の知育教育をイメージする親御さんが多いようです。そして、その効果も気になるところ。たとえば幼児期に先取りして漢字を覚えれば、小学1年の段階ではやっていない子どもよりは国語の成績は良くなります。それは至って当然のことですよね。でも、追跡調査をしてみると、じつは小学2年の1学期が終わる頃にはほとんど差がなくなってしまうのです。つまり、先取り学習にはあまり意味がないといっていいかもしれません。ここで、多くの親御さんが持っている誤解を解いておきましょう。全国には49の国立大学付属幼稚園があります。いわゆるエリートコースの幼稚園と思われているのですから、それらの園では先取り学習をしていると思うのが自然ですよね。でも、実際のところ、いっさい勉強をしていません。ひらがななどの文字学習もまったくやらないのです。これには明確な意図があります。平成30年に幼稚園教育要領と保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領が改訂され、幼稚園や保育所では「遊びを主体とした学び」を小学校以降の学びにつなげていくという方針が明文化されました。国としても、幼いときには子ども一人ひとりが自主的に好きなことをとことんやっていく、遊んでいくことが将来的な学びの力につながると考えているわけです。幼児期の語彙力がその後の学力を予測するでも、親御さんはやっぱり不安なのでしょうね。「そうはいっても、小さいときから勉強をしたほうがいい」と考えてしまう。もちろん、知育系の教育にしろ、芸術系、体育系の習い事にしろ、子ども本人が「やりたい!」と思っていることなら、さまざまなものを得ることができるでしょう。そのなかでも、わたしが注目しているのが語彙力です。わたしも携わったある研究では、なんらかの習い事をしている子どもは、一切習い事をしていない子どもより語彙力が高いという結果が出ました。大好きな習い事をしていれば、先生や同じ教室に通う友だちとも積極的に話すことになります。そのコミュニケーションによって、語彙力が伸びたのだと推測できます。ただ、面白いことに、知育教育を受けた子どもが、たとえば体操教室に通った子どもより語彙力が高いかというと必ずしもそうではありませんでした。語彙力というと、知育教育で伸びるイメージを持つと思います。でも、なによりも言葉は実際に使わないと身につきません。語彙力の伸びという点では、習い事の種類ではなく、習い事をすること自体に意味があるのです。そして、語彙力と学力には非常に強い相関関係があります。幼児期の語彙力が高いほど、小学校以降の学力が伸びることがある研究であきらかになっているのです。その理由について、わたしの考えをお伝えしておきましょう。語彙力というと、たくさんの単語を知っていることだと思うものですよね?もちろん、ある程度の数の単語を知っていることも重要ですが、その使い方も知っておかなければ、本当の意味で語彙力があるとはいえません。小学校以降になると、たとえばテストの問題文に使われているそれぞれの単語がいったいどういう意味を持ち、ひとつの文としてなにを要求しているのかを理解する必要があります。幼児期に触れる具体物を指す言葉とちがって一気に抽象度が上がり、そういう内容も含めて理解できる語彙力が求められることになる。高い語彙力を幼児期に身につけておけば、勉強の最初の段階(小学校)でつまずくこともないでしょう。だからこそ、幼児期の語彙力が学力の伸びに大きく関与していると考えることができるのです。楽しく豊かな会話が子どもの語彙力を伸ばすそうなると、「幼いときから子どもの語彙力を伸ばしてあげたい」と親御さんは考えますよね。そのために親御さんができることは、日常で豊かな会話をするということ。豊かな会話とは、なるべく具体的な言葉を使う会話です。「こそあど言葉」を多用する家庭で育った子どもとそうではない子どもでは、後者のほうが小学校の成績が優秀だという研究結果があるほどです。「これ」とか「それ」は、会話相手が目の前にいるのなら通じる言葉ですよね。でも、隣の部屋にいる人に「それ、取って」といったところで、話は通じません。はっきりと対象物を名前でいって、どうしてほしいかということまで動作を表す言葉を使っていわなければ意図が伝わらないからです。「それ、取って」ではなくて、「テレビの横にあるリモコンをわたしのところに持ってきて」といった具合です。ちょっと回りくどいようですが、そういった積み重ねが子どもの語彙力を大きく伸ばすことになります。わたしもずいぶんたくさんの家庭を追跡調査してきましたが、やはり親御さんがきちんとした言葉を使っている家庭の子どもの語彙はとても豊富だという実感があります。子どもは周囲の大人を真似して言葉を覚えますから、それも当然のことかもしれませんね。ですが、「きちんと具体的に話さなきゃ……」と思うあまり、親御さんが自然にしゃべれなくなってしまっては本末転倒です。大人でもつねに厳密な日本語を使っているかというとそうではないですよね。こそあど言葉をなるべく使わないようにするという意識は重要ですが、そのことに余計に注意を向けることなく、まずは、子どもとの会話を楽しむことを心がけてください。お父さん、お母さんとの楽しい会話こそ、子どもの語彙を豊かにしていくものなのですから。『幼児期からの論理的思考の発達過程に関する研究』大宮明子 著/風間書房(2013)■ 十文字学園女子大学教授・大宮明子先生 インタビュー一覧第1回:東大・京大・司法試験・医師試験の合格者たちが、幼児期に共通してやっていたこと第2回:「ママがやって」と言われたら黄色信号。子どもの考える力を奪う親のNGワード第3回:「親の言葉遣い」に見る、成績優秀な子が育つヒント。語彙力が伸びる会話の特徴第4回:絵本の目的は学びにあらず。子どもの興味の芽を摘む、読み聞かせ後の「最悪の質問」(※近日公開)【プロフィール】大宮明子(おおみや・あきこ)6月5日生まれ、東京都出身。十文字学園女子大学人間生活学部幼児教育学科教授。1988年、中央大学法学部法律学科卒業。1997年、お茶の水女子大学教育学部教育学科心理学専攻3年次編入学。2001年、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科発達社会科学専攻博士前期課程修了。2008年、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達科学専攻博士後期課程修了。人文科学博士。発達心理学、認知心理学、とくに子どもの思考の発達、乳幼児期の親子の関わりを専門研究分野とする。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月10日未就学児(6歳まで)の家庭学習、一番人気は「こどもチャレンジ」あんふぁんWeb「ママニュースアンケート」で「未就学児の自宅での家庭学習」について聞いたところ、63%が家庭学習を行っていると回答。その中で一番人気の教材は、全体の45%を占めた「こどもちゃれんじ」。次いで、12%が「くもん」、11%が「学研」という結果に。家庭学習の時間は、週に1時間以内が86%家庭学習に要する時間は、週に30分以内が48%、30分〜1時間以内が38%という結果に。大半が1時間を目安に学習していることが分かります。中には2時間以上という人も。次に、家庭学習に取り組む上での悩みや困っていることを聞いてみると、気分のムラ、集中力が続かないこと、親の関与という声が。それぞれの声をまとめました。もっとも多い悩みは、気分のムラがあること■遊んで疲れてる時など、本人の気が乗らない時にこっちも気長に待つのが難しい。(まんぷく、33歳)■やる時とやらない時の差が激しい。少しずつ毎日取り組んでほしいです。(コーギーラブ、38歳)■うまくできないとき、取り組む前に難しそうと子どもが思ったときなど、すぐに投げ出そうとしてしまう。(はるちゃん、44歳)■できなかったらすぐに怒る。シールにつられているので、シールがないページはやる気がダウンします。(ぴーちゃん、39歳)■自由にやりたがるので、ルールに従ってやらせようとするのが難しい。(くまとも、34歳)■できていると思っていた所が間違っていたりすると、普段はもう一回やるねと言って取り組むが、イライラしてる時などはもうイヤ!と八つ当たりしてくる。(こあざらし、42歳)■飽きやすく、途中で教材がただの遊び道具になってしまいます。遊びながら学んでもらえるのが一番良いのですが。(あげポテト大好き、29歳)■届いてすぐにワークに取り組むのは良いけれど、一度問題を解いてしまうと次のワークが来るまで見直したり解きなおしたりしないこと。(まみむめも、33歳)■一緒にやろうと声をかけても、「今日はやりたくない~」という日があったり、すぐに飽きてしまうことがあったりすること。(みりょママ、33歳)■背中を押さないと、とりかかるまでに時間がかかってしまう。(クラフトくん、34歳)集中力が続かず、遊びとの境界線がなくなることも■集中力が続かず、字をわざと大きく書いたり、薄く書いたりと遊びながらやっている。(ラジオママ、38歳)■兄弟がTVを見始めると、そっちに気がいくので困る。(ゆなゆな、35歳)■子どもの集中力が途切れるのが早く、苦手な取り組みに対してのあきらめが早い。(グラグラ、37歳)■ほかのことに興味が出てきて目移りすることが多い。(みかん2422,40歳)■集中力が続きません。ちょっと分からないことが出てくると、「トイレ」「おやつ」「眠い」「テレビ」とほかのことを言い出して。再度ワークに向き合わせるのに疲れます。(なおりん、36歳)■好きな問題の時は集中して取り組むけれど、興味がないことだとほかのことをやりだしてしまう。決まったページ数を最後までやらせるべきなのか、またの機会でいいのかに悩む。(きっとん、29歳)■ほかの遊びに目移りしてしまう。思い通りにいかないと子どもが不機嫌になる。(まっきり、34歳)■気分によって、集中力がまったく違う。まだ小さいからしょうがないと思ったり、今のうちからきちんと教えないとと思ったり、親の気持が揺れる。(みょん、31歳)親がついていないといけないのが大変!■なかなか一緒に取り組む時間を作るのが難しいことと、集中力がもたないので根気強く習慣化させるのが大変です。(なかむ、30歳)■家事に追われ、なかなかずっと一緒にみてやることができないこと。(ロックウェル、45歳)■親が付き添わなければできない、というのが…。一日のうちの少しの時間とはいえ、その時間を捻出するのが大変。(くう、29歳)■親と一緒に作ったり、体験したりがあり、良い経験にはなるけれど面倒くさい。(misosoupgohan、32歳)■親がついていないと、読まずに適当にやってしまいます。それでも楽しそうですが、時に失敗して、がっかりしているときもあります。兄弟でついてくる付録が違うので、兄弟ゲンカに発展します。(わさび、38歳)■毎日取り組むようにしてますが、私が夕飯などを作りながらさせているといらいらすることが悩みです。(きらきらきらり、37歳)■ひとり遊びの延長で取り組んでいる。でも、ママ!ママ!とすぐに呼ばれて、結果いつも2人でしている。(ゆう、43歳)■家事をやっている最中に子どもが行き詰ってしまった時、すぐに教えてあげられない。また、教えても理解してもらえず、どう教えればできるようになるか試行錯誤している。(ぽこ、34歳)最後に、子どもにやる気を出させる方法、気分を乗せる声かけなど、工夫やアイデアを聞きました。やる気を出させるには、ほめる!ごほうび!怒らない!■ドリルの指示通りにやらせられれば一番だけど、まだまだ幼くて言うこと聞かずに関係ないところに色を塗り始めたら落書きしたりしています。でも、それは気にせず、常にほめる方向で見守っています。(ひつじ、39歳)■一緒にやることを心掛ける。できたらたくさんほめる。 習慣づけるために時間を決める。(ふーちゃん、33歳)■本人がやりたいときにやっている。 できたときは花マルを書いたり、好きなキャラクターのシールをあげている。いっぱいほめている。(チョコレート、31歳)■「何でこんな難しい問題できるの?」「すごいね!」などポジティブなほめ方をしている。(おつまみ、35歳)■私もできる限り隣でついて、ほめたり応援したりアドバイスしたりしている。終わったら大きな花丸をつけたり、オマケのイラストやコメントを書いている。 子どもがひとりで取り組めそうなときは、私は「一緒にお勉強するね!」とボールペン習字の教材を隣でやったり読書したりしている。(とまとん、30歳)■赤鉛筆などで上手にかけたとこを丸してあげたり、シールを貼ってあげたりしています。上手く書けてない文字もありますが、そこはあまり注意せず、楽しく学習できるようにしています。(くーちゃん、46歳)■お勉強のノルマが終わったらごほうびタイムでゲームができる仕組みにしてます。(りんご、39歳)■大好きなYouTubeを見られるのはドリルが終わってからという決まりなので、そのためにがんばっている(笑)。(みゅう、39歳)■環境作り。テレビなど消してお互い集中。てきなくても怒らずに、なんでできなかったかいっしょに考えたり、違うところを説明する。(ひなみあ、37歳)■私が一人で始めることです。 広げ始めると、そばにきてやり始めることが多いです。(みさやん、37歳)■お姉ちゃんがお勉強しているときを狙って誘う。お姉ちゃんをほめると、自分もほめられたいのでやる気が増す。(なーまま、42歳)■とりあえず嫌なことにならないように、これやる?と軽い感じで誘っています。(ぽん、40歳)■ママに言われる前に自分で取り組み終わらせれたら、カレンダーにシールをはり、シールがたまったらごほうびにお菓子などを買ってあげる。文字の大きさや数字のきれいさなど、とにかくほめる。(いとひ、35歳)※2018年9月26日~10月23日、あんふぁんWebでアンケートを実施。回答数:289件<あんふぁんWeb編集部>
2019年04月30日子どもがいるとどうしても気になるのが、習い事の問題。小学校の勉強や部活ではできない体験をさせられますし、就学前にスポーツやアートに親しむことで、子どもの発達によい影響を与えたいと望む親御さんは多いことでしょう。とはいえ、「習い事なら何でもいい」と考えている人は、そういないのでは?最近は「東大生の多くが子どもの頃にやっていた習い事」が注目を浴びるなど、「脳の活性化」という観点で習い事を検討する保護者もいます。それに、「ほかの家庭ではどんな習い事をさせているんだろう?」と気になったり、勉強との兼ね合いも悩みどころです。そこで今回は、ちまたで人気の習い事と、習い事を選ぶ際のポイント、「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」編集部オススメの習い事をご紹介します。お子さんの習い事を決める参考になれば幸いです。子どもの習い事人気ランキングベネッセ教育総合研究所は2017年3月、「3~18歳(高校3年生)の子どもを持つ母親」16,170名を対象に「第3回 学校外教育活動に関する調査」を行いました。その結果によると、就学前の子どもの多くがやっている習い事などの活動トップ10は以下のとおり。なお文字をクリックすると、「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」の関連記事をお読みいただけます。幼児に人気の習い事などの活動ベスト10第1位 スイミング(23.0%)第2位 体操教室・運動遊び(15.5%)第3位 英会話・英語教室(10.5%)第4位 楽器の練習・レッスン(9.6%)第5位 音遊び/リズム遊び(音楽教室)(8.2%)第6位 リトミック(5.9%)第7位 サッカー/フットサル(4.5%)第8位 ダンス(3.3%)第9位 計算や漢字などのプリント教材教室(2.9%)第10位絵画/造形(2.5%)水泳が習い事として人気なのは有名ですが、小学校に上がる前の子でも5人に1人が習っているというのは驚きですね。スイミングが心身に与えるよい効果に期待を寄せる保護者が多いのかもしれません。英会話やプリントによる勉強をすでに始めている子が一定数いるというのも注目ポイントです。次に、小学生の習い事について見てみましょう。広告代理店の博報堂が2016年3月、「小学生の長子がいる母親」1,428名を対象に実施した「『子どもの習い事・身につけさせたいスキル』レポート」によると、多くの小学生がやっている習い事は以下のとおり。小学生に人気の習い事ベスト10第1位 水泳教室(31.1%)第2位 通信教育、宅配教材(29.3%)第3位 ピアノ、音楽教室(25.6%)第4位 そろばんなどの自習型学習塾(22.8%)第5位 野球やサッカー等の運動クラブ(20.9%)第6位 英語教室(20.4%)第7位 その他(13.7%)第8位 受験対策用の学習塾、教室(10.2%)第9位 水泳、ダンス以外の体育教室(9.5%)第10位ダンスなどのパフォーマンス教室(バレエ含む)(7.7%)水泳は相変わらず、圧倒的な人気です。そして、4人に1人が通信教育で勉強したり、音楽教室に通ったりしています。体や知能が発達したためか、就学前と比べて習い事にチャレンジする子が多いようです。習い事を選ぶポイントどの習い事が人気かは大体わかりましたが、こんなにも選択肢があると迷ってしまいますね。習い事を選ぶ際、どのような点を考慮して決めればよいのでしょう?ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと読売新聞が2006年、3歳〜中学生の子どもを持つ1,026名を対象に実施した「子どもの習い事に関する調査」によると、保護者たちは以下のような理由で習い事(学習塾含む)をさせているようです。習い事をさせる理由ランキング第1位体力や運動能力の向上(46%)第2位子どもが自分で行きたいと言ったから(45%)第3位音楽や美術、書道など文化的な能力の向上(30%)第4位受験を目的としない学力向上(29%)第5位受験対策(15%)子どもの意欲を重視しつつ、やはり「子どもの能力を伸ばしてあげたい」と考えて習い事をさせる親が多いのですね。ひととおりの運動や文化的活動は幼稚園や学校でもできますが、その時間はごくわずか。体育がずっと苦手だったという人や、音楽の授業をまじめに受けても楽譜が読めるようにならなかったという経験を持つ大人は多いはず。学校以外で何か特別な活動に取り組ませ、得意分野を作ってあげたいと思いますよね。さて、多様な習い事のなかから「これをやらせよう!」と決めたとしても、考慮すべきことはまだあります。世のなか、特に都市部にはあまたのスイミングスクールやピアノ教室が展開しているからです。どの施設・団体で習わせればよいのでしょう?ベネッセ教育総合研究所が2009年3月、「3歳~17歳(高校2年生)の子どもを持つ母親」15,450名を対象に実施した「第1回 学校外教育活動に関する調査」の結果によると、親たちは以下のことを重視しているそうです。習い事選びで重視することランキング第1位子どもが楽しんでいる(94.3%)第2位費用が安い(61.2%)第3位家から近い(57.3%)第4位指導者が信頼できる(53.8%)第5位子どものレベルに合っている(49.2%)やはり、子どもが楽しんで活動できることがいちばんのようですね。また、第2位~第5位の要素は、習い事の続けやすさに関わっています。これらの要素がひとつでも欠けると、習い事を続けるのが物理的に難しくなったり、子どもの意欲が低下したりしかねません。検討している施設・団体が上記の要件を満たしているか確かめるため、いくつか体験授業を受けて比較してみるのがよいのではないでしょうか。習い事を選ぶ際に考慮するポイントは、人によって異なります。「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」編集部が重視しているのは「脳の発達」という観点。子どもが小さいうちにさまざまな体験をさせると、脳の神経が刺激され、よりよく発達すると考えられています。脳の発達が大いに期待できる、オススメの習い事を3つ、ご紹介しましょう。おすすめの習い事1:そろばん日本人にとって定番の習い事、そろばん。地域にいくつか教室があるのではないでしょうか?そろばんは、右脳を刺激してくれる習い事として知られています。ふつう、私たちが計算をするときには論理的思考をつかさどる左脳を主に使いますが、NPO法人・国際総合研究機構の副理事長であり脳科学を専門とする河野貴美子氏によると、そろばんの有段者は暗算をする際、右脳を用いているのだとか。彼らの頭のなかではそろばんの珠(たま)が動いているので、イメージをつかさどる右脳が活発になっているそうです。右脳を活発にすると、記憶力や直感が磨かれると考えられています。ほかにも、そろばんには以下のようなメリットがあります。詳しくは「子どもにそろばんを習わせる5つのメリット。リーズナブルだけど脳への効果は抜群!」をご覧ください。●自信が養われる●集中力がつく●費用が安め●資格が取れるおすすめの習い事2:ピアノみんなが憧れる習い事・ピアノ。東大生の多くが習っていることでも知られるようになりましたね。一般社団法人・日本子ども音楽教育協会の理事長である滝澤香織氏によると、ピアノの演奏は右手と左手を同時に使うため、右脳と左脳の両方が活性化されるそう。これによって、右脳と左脳のあいだにある神経の束「脳梁」が太くなり、右脳・左脳間の伝達がスムーズになるそうです。また、精神医学を専門とするジェームズ・ハジアク教授(米バーモント大学)らの研究により、楽器を練習した子どもほど、集中力をつかさどる脳の部位が発達していることが明らかになりました。ピアノをはじめとした楽器を演奏するには、指先を精密に動かし、リズムを正確に刻み、楽譜を素早く読めなければいけません。多くのことを一度にこなさなければならないため、集中力がつきやすいのかもしれませんね。ピアノには以下のように、ほかにも多くのメリットがあります。詳しくは「ピアノは何歳から始めるべき?脳科学から徹底的に考えてみた。」をご覧ください。●音感が養える●外国語が得意になる●自己制御や問題解決能力など「人間指数(HQ)」が養えるおすすめの習い事3:スイミング子どもの習い事として人気ナンバーワンなのがスイミングです。最近は、ピアノと並んで多くの東大生が経験した習い事としても有名ですね。スイミングは体だけでなく、脳も鍛えると考えられています。特に育つとされているのが「空間認識能力」。方向や位置関係を正しく理解し、目の前にないものを頭のなかで再現できる力です。この能力が高いと、自動車を運転しやすくなったり、スポーツで活躍しやすくなったり、設計関連の仕事に就きやすくなったりします。心理学者のデイビッド・ルビンスキー氏によると、空間認識能力は「人間のなかで眠っている潜在能力のうち、最大の部分かもしれない」とのこと。創造力やイノベーションとも関係しているそうなので、スイミングを通して子どもの秘めた能力が開花するかもしれませんね。ほかにも、スイミングには以下のようなメリットがあります。詳しくは「東大生の幼少期の習い事の第1位は『スイミング』!そのメリットとは?」をご覧ください。●集中力がつく●風邪をひきにくくなる●全身の筋肉を鍛えられる●ケガをしにくい「子どもの習い事をやめさせたい」と思ったら子どもがやりたがったし、将来のためになれば……と思って始めた習い事。しかし、さまざまな事情により、「そろそろやめ時かな」と感じることがあるかもしれません。習い事をやめさせたいと思うのには、以下のような場合が該当するでしょう。-子どもの意欲がなくなり、練習しなくなった。-習い事よりも勉強に注力させたい。-月謝を払いつづけるのが厳しい。「子どもの意欲がなくなった(ように見える)」場合最初は楽しそうだったのに、今ではいやいや通っているみたい……。子どもがこんな様子だったら、まずは「最近、習い事はどう?」「今はどんなことをやっているの?」と話を聞いてみましょう。そしてもし、「先生が好きじゃない」「同じクラスに嫌な子がいる」のように環境に不満を持っていることがわかったら、別の教室を検討するか、大きなスクールであれば曜日・時間を変更してクラスを替えてみては。また、「今やっていることが難しすぎて、ついていけない」のであれば、先生と相談してみましょう。環境に不満があるわけではなく、「もう充分にやった」「ほかのことに時間を使いたい」と思っているのかもしれません。今の習い事について「次の目標はある?」「どれくらいまで上達したい?」と聞いてみて、あまりポジティブな答えが返ってこないのであれば、やめてしまってよいでしょう。「やめる」といってもけしてネガティブなことではなく、ひとつのことを終えて、次のことに挑戦するというだけの話です。友だちと遊んだり、別の趣味に熱中したりする時間が生まれて、それもまた素晴らしい経験となるでしょう。一方、楽器のように自宅での練習が求められるにもかかわらず、練習の意欲を失っている場合は、少し難しいです。練習したがらない理由が「その習い事に飽きた」というものであれば、やめてしまってもよいでしょう。しかし、習い事自体は好きなのに、地道な練習を面倒に感じてしまう時期はあるもの。練習しないからといってすぐにやめさせてしまうのは早計かもしれません。子どもを信じてしばらく様子をうかがってみましょう。その際、たとえば楽器の習い事なら「久しぶりに○○ちゃんの演奏聞きたいな」と促して、演奏が終わったら褒めたり、親子でコンサートに行ったりなどのアプローチをとってみてはいかがですか。「もっとうまくなりたい」と願う気持ちがよみがえるかもしれません。習い事より勉強を優先してほしい習い事をやめて、その分の時間を勉強に使ってほしい……。そう考える保護者は少なくないようです。上述したベネッセの「第3回 学校外教育活動に関する調査」によれば、「運動やスポーツをするよりももっと勉強してほしい」と考えている小学生の親は37.5%、「音楽や芸術の活動をするよりももっと勉強してほしい」だと45.2%でした。この割合は調査のたびに増えています。けれど、机での勉強では得られない経験ができるのが習い事ですから、できればやめさせたくないものです。「家でも学校でも全く勉強をせず、通知表の数字がひどい」といった極端な状況でなければ、習い事はぜひ続けるべきだといえます。子どもがなかなか勉強をせずに悩んでいる場合、「子供が勉強しないときの対策。イライラはNG、親子で勉強計画を立てよう!」を参考にしてみてください。子どもが勉強しないときに役立つ6つのアドバイスを掲載しています。金銭的に厳しい……最初の頃はなんとかなったけれど、今は習い事の費用を払うのが家計的に厳しい場合。弟・妹が生まれた、子どもの習い事が増えたなどの背景があるかと思います。子どもが続けたそうにしているのに、お金の都合でやめさせなければいけないのは辛いですよね。まずはできるだけ、習い事を続けられる方法を模索してみましょう。子どもが複数の習い事をしている場合、率直に家計の事情を伝え、最も続けたい習い事を1つに絞ってもらいます。「あれも、これもやりたい」と子どもは思うでしょうが、複数の物事を比較して決定するよい機会です。金銭教育だと思うことにしましょう。子どもの金銭感覚を養う方法については「『お金教育』は幼少期から。お金の大切さを知るための、最初の4ステップ」をご覧ください。習い事が1つでも、まだ厳しいという場合、今よりも安価に習える教室・団体を探してみるという手もあります。上に挙げた「第3回 学校外教育活動に関する調査」によると、小学生のスポーツ系の習い事に関して、「民間経営」の団体で習っている場合の平均費用は月に6,000円台でしたが、「地域ボランティア運営」だと2,000~3,000円台、「自治体・公益法人運営」だと3,000~4,000円台でした。習い事の教室を開いている団体の見つけやすさは地域によって異なりますが、諦めずにできるだけ安い運営母体を探してみましょう。***子どもの習い事について、悩みは尽きないかもしれません。「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」は今後とも、習い事に関する知見を発信してまいります。(参考)ベネッセ教育総合研究所|第1回 学校外教育活動に関する調査 2009ベネッセ教育総合研究所|第3回 学校外教育活動に関する調査 2017(データブック)博報堂|【博報堂こそだて家族研究所】「子どもの習い事・身につけさせたいスキル」レポートNTTコム リサーチ|子どもの習い事に関する調査StudyHacker こどもまなび☆ラボ|子どもにそろばんを習わせる5つのメリット。リーズナブルだけど脳への効果は抜群!StudyHacker こどもまなび☆ラボ|ピアノは何歳から始めるべき?脳科学から徹底的に考えてみた。StudyHacker こどもまなび☆ラボ|東大生の幼少期の習い事の第1位は「スイミング」!そのメリットとは?StudyHacker こどもまなび☆ラボ|空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える!
2019年01月04日来年の4月に小学校入学を控えているご家庭は、子どもと共に親も楽しみになってくる時期だと思います。既にランドセルが手元にある家庭も多いと思いますが、使う日を心待ちにしているでしょうね。入学が楽しみであるのと同時に、遊びが中心だった園から勉強中心の学校に入るのは若干の不安もあるかもしれません。入学前に出来ておいた方がよいことや慣れておいた方がよいことはどんことでしょうか。地域や学校により差はあるかもしれませんが、我が子の経験を踏まえてまとめてみました。1. 読み書きや算数は入学後で大丈夫?「勉強は小学校に入学してからで大丈夫」という声も聞きますが、入学前に入学後の生活はピンとこないと思います。実際どの程度のことが出来ていると良いのか、またその理由も知っておきましょう。 (1) 字の読み書きができるひらがなの書き方は、入学してから学校で教えてくれます。しかし明日の時間割と持ち物を連絡帳に書くことは4月から始まります。字が書けない場合は見よう見まねで書くことになりますが、家に帰ってきてから本人がその字を読めないという事態もあると聞きます。何と言っても、書けない字を毎日書くことは子ども本人のストレスにもなるでしょう。全てのひらがなとまではいかなくても、入学前にある程度は書けるようにし、少しでも字を書くことに慣れておくといいでしょう。 (2) 数を数える、数字に慣れる算数は入学してすぐは易しい内容ですが、5月になると足し算が登場します。夏休み明けには繰り上がりの足し算、引き算が出てきます。数字に慣れるということは、入学前に教室に通ったり勉強したりしないといけないというわけではありません。例えばおやつを食べる際に「これが〇個、これが〇個あるから合わせたら〇個になったね」「〇個食べたら〇個になったね」など、日々のコミュニケーションの中に数字を取り入れることで少しずつ慣れることが出来ます。また、算数でもノートをとるので、数字の1~10まで書けるようになっていると授業にスムーズに取り組むことが出来るでしょう。 (3) 机に向かう習慣をつける入学すると、1コマ45分の授業が始まります。国語、算数以外にも道徳や生活などの授業中は机に向かっていなければなりません。45分間集中して話を聞くことは、今までの生活とは全く異なり、子どもにとってハードルの高いものです。入学前から机に向かう習慣をつけておきましょう。机に向かうと言っても勉強である必要はありません。お絵描きやお友だちにお手紙を書くなど、興味のあることで構いません。まずは机に向かう習慣をつけましょう。机に向かう時間も長時間である必要はありません。1日5分で良いので机に向かうことで抵抗感を減らしておきましょう。また、日々の生活で食事中は集中する、電車などを待つ間はじっとしている、など集中力を継続させる練習を少しずつしておくと良いでしょう。 (4) 時計を読めるようにしておく時計の読み方は、入学後に算数の時間に習います。しかし、学校では授業や休み時間が時間で区切られていたり、準備や移動の際に指示として時間を伝えられたりすることもあります。時計を読むことができ、時間の感覚を分かっている方が子どもはパニックにならず落ち着いて行動することが出来ます。今は時計の絵本もありますし、家のアナログ時計を見て生活の中で慣れさせることも出来ます。おすすめ出来る方法ではないかもしれませんが、我が家ではゲームの時間を決めたことで「30分だと長い針が2までだよね」など確認しながら自然と時計の読み方を覚えていきました。2. 入学前に出来るとよい生活面でのこと勉強以外でも、入学前に出来ておくと学校生活をスムーズに送ることができるものがあります。 (1) 交通ルールを守り通学路を歩く集団下校がある学校、ない学校など様々かと思いますが、自宅から学校までの通学ルートは入学前に何度か歩いて練習しておきましょう。日頃から交通ルールについても伝え、一人で歩いても事故に遭わないように教えておく必要があります。 (2) 着替えをスムーズにできる園でも着替えることはあると思いますが、学校では限られた時間の中で1人で着替えなくてはいけません。一人で着替える練習をしておくと共に、着替えやすい服装で登校することも大切です。入学前に先輩ママに聞いていて助かったことは、安全ピンを使えるようにしておくことでした。入学当初はバッジの付け外しをすることが多くありますので、家庭で練習しておくと良いでしょう。 (3) 食事時間の管理と箸の使い方小学校の給食は、配膳や片付けなどの時間を踏まえると実際の食事時間は20分程度しかありません。家庭でも、食べ終わるまでダラダラとするのではなく時間を考えながら食事をするという癖をつけておきましょう。また、給食のメニューよっては、箸のみが用意される場合があります。箸がうまく使えないと食べるのに時間がかかってしまいます。箸でスムーズに食べれるように箸の使い方を練習をしておきましょう。入学して1ヶ月の授業のカリキュラムを見ると、勉強らしい授業はほとんどなく学校探検、掃除指導、給食指導などばかりでした。学校生活に慣れることが最優先となっているのだと思います。「1年生はゆっくりと勉強に慣れるのだな」と思った矢先、5月の連休明けには急に勉強モードが強くなり、夏休み明けには繰り上がりの足し算・漢字など内容が高度になりました。読み書きなどでつまずいて、そこで授業についていけず学校が嫌になってしまうという可能性があります。入学後の急激な変化は、子どもにとって多かれ少なかれストレスとなります。楽しい学校生活を送り勉強に集中していけるように、入学まで半年ある今の時期から少しずつ色々なことに慣れていきましょう。
2018年11月19日ウーマンエキサイトで連載中のちゅいママさんの記事 「“入学までに教えるべきだった”と後悔! 私が未就学児ママに伝えたいこと」 で、“小学校入学前に教えておけばよかった”と後悔していることに関するアンケートを実施しました。 ちゅいママさんは、長男くんと次男くんが小学校に入学した経験から、「幼稚園時代にもっとできることがあったなぁ」と後悔することがあるそうです。当然知っていると思っていたことを理解していなかったり、いましかない子どものかわいらしい間違いを直さなかったこと…。日々の生活のなかでもっと子どもの話に耳を傾けることで、「語彙力や経験値を身に着けられたのではないか」と思ってしまうのだとか。アンケートでは、ママが実際に感じた“教えておけばよかったと思っていること”が集まりました。■“自分ですること”が多くなる小学校での大変さとは幼稚園や保育園にくらべて、小学校は“自分ですること”が圧倒的に多くなります。そんな自立した生活に慣れるまでには、苦労する子どもも多いことでしょう。自分の足で歩いて登下校する、勉強をする、板書する、休み時間に次の授業の準備をする、清掃をするなど、これまで経験していなかったことを、“自分で”やらなければならないのです。もちろん、小学1年生であれば先生の手助けも多くあるでしょうが、約30人くらいの生徒が1クラスにいる場合、先生がひとりひとりじっくり教えることは残念ながら厳しいといえるでしょう。そう考えると、学校生活の基本となってくる作業については、「事前に教えておけばよかった」と思うようです。ランドセルの開け方、物の入れ方、出し方、閉め方。入学式後のホームルームでうちの子だけランドセルを開けて、もらったプリントや教科書を入れて、終わったら閉める…という作業ができなかったから。完全に初っ端からつまずきました。一人目の子育てはほとんど、やっておけばよかったとあとから反省することばかりでした。ほかにも「アナログ時計の読み方」という声もありました。たしかに小学校ではアナログ時計が主流と聞きます。また小学校では教科書、ノート、筆箱、そして膨大なプリントと荷物がたさくん。それらをどうランドセルにしまっていくのか。これは、はじめて自分で荷物をしまう子どもにとっては慣れない作業ばかりで大変かもしれません。入学してから、子どもが試行錯誤しながらやり方を覚えていくのも大事な訓練のひとつ。でも、まわりがある程度できるなか、緊張しがちでどうすればいいのかわからなくなってしまうお子さんの場合には、「子どもに苦手意識を植えつけたくない」と願うママの気持ちも共感できます。■勉強面の“教えておけばよかった” 親にとっては一番気がかりとなるのが勉強面。あまりに小さいころから教え込んでしまって、勉強嫌いになられては困る。でも「最初が肝心」とも言えるし…。どこまで教えておく方がいいのか、悩む人も多いのではないでしょうか。のびのびした保育園に通い、習い事もしていなかったため、机に向かって勉強する時間が圧倒的に足りていなかった。そのため、入学直後は授業中に立ち歩いてしまうことがありました。5月くらいからは落ち着いて授業を受けられるようになったけど、入学前に座って勉強する練習をしておけば、もっとスムーズに小学校生活に慣れていたのではないかと後悔しました。35までの数の順序と記数法。名簿順で後半の名字となる場合、27とか31といった番号を書く機会が多くあります。さらに小学校では、「番号順で並ぶ」または「逆に並ぶ」ということがあるので。また、鉛筆の持ち方、書き順といった、体で取得するものに“後悔”しているママのコメントもありました。鉛筆の持ち方。細かいことだけど、一度身に付いた癖はなおりませんね。でも、きちんとした持ち方をしていないと、きれいな字は書けませんよね。いまも、将来も、パソコンを使うから自分で字を書くことは少なくなるかもしれませんが、きれいな字が書ける人は、やっぱりすてきだなと思います。ひらがなの書き順。書き順までは先生も見きれない。誤算だった。子どもが授業にすんなり参加できるよう、ちょっとした準備をすることで、子どもの姿勢も変わってくることもあるかもしれません。■友だちとの関係性はどうすればよかったのか幼稚園や保育園に比べて、まわりのことが見えてくるようになる年頃。いままでの園生活より大人数の友だちに囲まれ、情緒面もぐっと成長する時期といえそうです。友だちや先生との会話の仕方や姿勢など、コミュニケーションの取り方についての“教えておけばよかったこと”もありました。人の気持ちをくみ取れるように、「悲しかった」、「楽しかった」などを実際のシチュエーションを交えて伝えられると、友だちとの関係性や、国語の長文対策にも良かったと思う。自分のことばかり話さず、人の言うことも聞く。これが足りていれば知識が足りていなくても新しい発見と感動の小学生らしい生きた勉強ができると思います。私立の幼稚園だったので、わりとおとなしい子どもたちが多く、保護者もしっかりした方が多かったので、もっと世の中にはいろんな人がいるということを教えれば良かったです。もしいじめに出会ってしまったときの対処の仕方など。■子どもならでの“かわいい言い間違い”直すべき?また、ちゅいママさんは、“子ども時代にしかない間違い”を訂正しなかったことに後悔しているそうです。アンケートでは、そのエピソードに対するコメントも寄せられました。夫婦ともに日本人で海外住まいです。娘に日本語力をもっとつけてあげれば良かったな、と4年生になったいまは思います。日本語で使える単語が少なすぎて、帰国したときなど日本語を話すと、ただの不思議ちゃんです。うちもかわいい間違いをそのままにしてしまうことはしょっちゅうでした。子どもならではの間違いを、「かわいい」、「今だけだから」と、説明しない(まだ理解できないだろう)・訂正しないということを私自身がされていました。たとえば、自宅から見える山を富士山だと思ってた、という感じ。小学校に上がり、友だちや先生との会話の中でものすごい恥をかきました。ショックだし、混乱しちゃいますよ。本当に恥ずかしかった。おかげで思春期には親の言うことをちゃんと聞けなくなり、会話も減りました。いま、自分の子には間違い覚えをしないようにわかりやすくうそのない程度に省いて、簡潔にですが教えてます。3歳でもちゃんと覚えてくれてますたしかに、いましか聞けない子どもの言い間違いはかわいいですよね。だからこそ子どもが大きくなっても、親はその言い間違いを覚えているものです。言葉にしても赤ちゃん言葉を使わずに正確な言葉を教えた方がいいと考える人、子どもが言いやすい言葉を使って音を出す楽しみを感じた方がいいと考える人など、さまざまです。言葉の言い間違いを直すかどうかは、家庭によって考え方が異なるでしょう。ただ小学校入学前を控えた時期からは、子どもの混乱を避けるためにも、夫婦でどうするか決めておいた方がいいかもしれませんね。■入学準備に焦る前にちゅいママさんの長男くん、次男くんの通う小学校では、「入学までにできるようになっておいてほしい事」として、以下の3点の説明があったそうです。「自分の名前が書ける・分かるようにしておくこと」「自分で服が脱ぎ着できること(整理整頓含め)」「規則正しいリズムで生活すること」はじめて子どもが小学校に入るとなると、ママも「準備をしなきゃ!」と力が入ってしまうでしょう。しかし、小学校にもそれぞれいろんなカラーがあります。たとえば、筆者の自宅近くの公立小学校ではチャイムがなく、子どもたちがそれぞれ時計を見て行動することになっています。そうなると時計の読み方はなるべく早く習得しなければいけないのかもしれません。自分の子どもが入学する予定の小学校がどんなところなのか(たとえば時計はアナログか、トイレは和式かなど)確認して、準備しておくというのもいいかもしれません。いま小学校に通っている先輩ママにお話を聞くのもいいですよね。小学1年生のうちは、まだできないことがたくさんあるかもしれませんし、最初は親も慣れないことだらけで疲れてしまうことがあるでしょう。たとえ入学後にもし後悔することがあったとして、ちゅいママさんのように家庭学習したり、家で練習したり、ママと一緒にやってみたりと、対処する方法はいくらでもあると思います。親がドキドキしすぎてしまうと、子どもにもその緊張が伝わってしまうかもしれません。あまり焦りすぎず、「学校が楽しいところ」と子どもに伝えながら、その子に合った入学準備をすすめられたらいいですよね。Q. 「入学までに教えてあげればよかった!」と後悔したエピソードがあれば、教えてください回答数:57アンケート集計期間:2018/10/18~10/29
2018年11月15日男性との距離を縮める方法として、相談を持ちかけるのは鉄則ですよね。だからといって重すぎる相談やどうでもよすぎる相談だと、かえって距離を置かれてしまう可能性があるようです。今回は、意中の男性をガッカリさせてしまう相談と、心を掴めるような相談パターンをご紹介します。■ 男性にガッカリされる相談とは……・家族の良くない情報結婚を視野に入れたお付き合いをして欲しいと思う相手に、将来家族になるかもしれない自分の身内の良くない情報を耳に入れるのはやめておきましょう。母親が子離れできなくて困るだとか、人使いの荒い姉がいるなど、家族のめんどくさそうな話題はなるべく口にしないことです。・女友達の話女友達に関するネガティブな話題は男性にとってはたいくつな話題にすぎません。それに、グチと悪口は紙一重。悪口を言う女の子に好意を持つ男性はゼロだと言えます。自分が被害者に思える話題でも、女同士のゴタゴタした人間関係に関しては相談しない方が賢明です。■ 男心を掴む相談はコレ!・仕事での悩みごと男性が自分の知識や経験からアドバイスできる悩みは、教える立場になれるという優越感や征服感をくすぐられます。仕事の話題なら相手に好意を持っていることもバレないので、自然と距離を縮めることができるでしょう。職場の人間関係の立ち回り方やスキルアップの方法など、彼がアドバイスしやすそうな話題をえらんで相談してみまよう。・引越しの話題「マンションの更新なの」とか「一人暮らししたいけど、どこに住もうかな」こんな相談を振ってみた時、自分が住んでいる場所の近くをすすめてくる男性は、あなたに好感を持っている可能性が高く、脈あり男性を見わけるポイントにもなります。会話が盛り上がれば、彼の近所で飲むきっかけにもつながるので、彼との距離を縮めるのにはおすすめですよ。・男性関係「今付き合っているカレと別れそう」といった悩みは、もうすぐフリーになるという宣言。このチャンスを逃したら別の男性に奪われてしまう……という危機感をあたえてくれます。また「興味のない男性のアプローチがストーカー化してきている」と言うより「元カレが私の回りをウロチョロしてるの」といった相談のしかたが効果的。後者の方が、男性が手放したくない女性のように感じさせてくれます。他の男性の話題は、嫉妬心をかき立て心に火を付けてくれる可能性が高いですが、くれぐれもモテ自慢だと思われないように気を付けてくださいね。■ おわりにいかがでしたか?「今度お礼にでも」が距離を縮めるきっかけになることもあるんです。悩み相談から恋がはじまった……なんてなれそめも、よく聞きますよね。そして相談にのってもらったら、お礼の言葉は忘れずに伝えてくださいね。(阿久津沙良/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2018年09月18日「生まれ育った町で子育てしたい」という妻の思いから始まった津川家の家探し。長女の小学校就学前のタイミングで中古マンション購入+リノベを検討し始め、物件探しからトータルで依頼できる会社を探しました。候補だった3社から選んだのは、「最初から色々と説明してくれて親しみやすかった」という、nu(エヌ・ユー)リノベーション。スタッフと内見して一目で気に入った港南台にある築26年のマンションを購入し、1170万円(設計料込み)をかけてリノベーションをしました。■ 夫妻の希望で広々とした玄関土間とLDKを実現トレイルランニングが趣味の夫は、アウトドアグッズを置ける玄関土間を希望し、玄関はゆったりと余裕のあるスペースを確保。靴や装備品などをまとめて置くのに重宝しているそう。窓際のボックスは靴入れで、賃貸住まいの頃から使っていたものを利用しています。「建物の裏手に高速道路があるため、元から二重サッシになっていました。閉めるとすごく静かです」と夫。シックなネイビーのリビング扉はオリジナル。その先には、無垢のフローリングが素足に心地いい空間が広がります。「好きなテイストの写真を集めていたら木ばっかりだった」というふたりの好みを反映して、フローリングには優しいカラマツの無垢材を採用。土間はモルタル、ウォークインクローゼットはコルクタイル、寝室はカーペット、キッチンは磁器質タイル、と異なった床材を使い分けることで、フラットな空間をゆるやかに分けています。夫妻の要望は、個室を小さくする代わりにLDKを広くとること。それに対してデザイナーが提案したのは、ウォークインクローゼットから寝室、リビング・ダイニングへと通り抜けできるプランでした。そのおかげでゆったりしたスペースを確保できたLDKは、ベランダが南向きで、前方に建物がないため2階でも明るさは十分。木製のブラインドをつけたダイニング側の窓は元々台つきで、グリーンなどを飾って楽しんでいるそう。ベランダ側に張り出したスペースは、グリーンを置きたかったのでモルタル敷きのインナーテラスに。リビングに置いたUNICOのソファをはじめ、優しい風合いの木の家具が無垢材の床となじんみ、LDKはやわらかい空気に包まれています。バルコニー側からLDK全体を見た様子。妻はキッチン、子どもはダイニングがお気に入りの場所。夫はリビングにビーズクッションを置いてくつろぐのが定番だそう。■ 北欧風のぬくもりを感じるキッチンキッチンとバックカウンター、ダイニングテーブルと壁付けのテーブルはそれぞれ高さを合わせ、美しく収めました。キッチンとひとつながりになったダイニングテーブルは、nu(エヌ・ユー)リノベーションの施工例を見てオーダー。食事やお茶を楽しむだけでなく、長女が折り紙やお絵描きをしたり、時にはあやとりをしたり、さまざまな場面で活躍しているそうです。壁は少しくすみがかった空色に塗装し、北欧風のぬくもりを感じさせる空間に。キッチン背面には圧迫感が出やすい吊戸棚をつけず、バックカウンターと一枚板のオープン棚で見せる収納に。コンロ横の壁はメンテナンスもしやすいタイル張りにしました。カタログで見てひと目ぼれした蜂の巣のような六角形のデザインがキュート!■ 光と風が通り抜ける寝室LDKに隣接する寝室の床は、落ち着いたトーンのカーペット敷きにしました。LDK側にある引き戸を開けると、バルコニーに面した窓からの光が寝室、その奥のWICまで届きます。寝室と引き戸でつながっているWICは、IKEAの収納パーツをフル活用して使いやすくカスタマイズ。寝室と廊下からアクセスできて、出入りがスムーズなうえ、風もよく通るとのこと。子ども部屋の壁は一面を鮮やかなピンクに塗装しました。現在はあまり使っていないため、ソファなどを置いて予備室的に使用していますが、いずれはベッドなどを入れる予定だそう。キッチンから寝室とサニタリーをつなぐ廊下を見たところ。カーテンの奥は収納になっていて、 トイレ裏にできたスペースを有効に活用しています。キッチン横の通路からアクセスする洗面脱衣所の洗面台は、木製カウンターやミラーキャビネットを造作してシンプルに仕上げました。無垢フローリングの上を冬でも元気に素足で走りまわる長女は、4月から小学生。妻と同じ通学路を通って小学校へ通う日を、心待ちにしているそうです。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.17」も参考にしてみてくださいね。設計・施工nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影山田耕司
2018年07月05日我が子も来年は小学1年生。この時期、子どもや親の興味はどうしても「ランドセル」に向きがちですが、忘れてはならないのが、就学予定の小学校で、入学前にあるいくつかの行事です。入学までの1年の流れ入学までの1年、小学校に出向いて行う手続きは主に2回です。1つめは、秋ごろに行われる「就学時健康診断」。健康診断とともに知的発達の検査なども行われます。2つめは、学校説明会。1月には入学する予定の小学校から入学通知書が届き、同時に学校説明会の案内が届くことが多いでしょう。学校説明会は就学時検診と同時に行う場合や1日体験入学とともに実施している小学校もあります。筆者の住む北海道では、上記2点以外に4月初めの平日に入学手続きがあります。これは一番重要な正規の手続きで、これをもって晴れて入学となります。たいていの場合はここでお道具などの必要なものの購入や引き落とし口座の手続きなどが行われます。就学時健康診断では身体と知的発達を検査「就学時健康診断」では、視力検査、聴力検査、耳鼻咽頭の検査、歯科検査などとともに、知的検査と言語検査などの知的発達の検査が行われます。親として気になるのは知的発達の検査内容ですが、まず簡単な自己紹介や、通っている幼稚園、保育園などを聞かれることが多いようです。続いて、簡単な図形を書いたり、答えたり、先生の言った言葉を復唱したりするなどして発音の検査をする流れが多いよう。詳しい内容は地域や学校、またはその年によって異なります。今までの乳幼児健診と違うところは、親と離れて子どもと先生のみで行われるところです。まったくの別室で行う場合もありますが、我が子の小学校の場合、1つの検査が1つの教室となっておりそれを親子で回る形でした。内科検診では、服を脱ぐスペースまでは親子ともに行き、子どもたちは服を脱いだ後だけ一人で列に並ぶというような感じで行われ、眼科などの検診の際も教室の端で親が見守ることができました。また、知的検査や面談も、我が子の小学校の場合は、同じ空間ながら会話が聞こえないくらいに親と距離を離した机で行われ、その間、親は別の先生とアレルギーの有無や通学路の話がメインの面談を行いました。面談も、地域によっては行われない場合があります。親の手を借りずに健診を受けなければならないのはどの小学校でも同じようですが、それぞれの学校のやり方があり、まったくの別室になる場合と、親と一緒に健診を回る場合があるようです。就学時健康診断を通して得られた子どもの様子や知的検査の結果は、通常学級、通級、特別支援学級、特別支援学校という就学先を決める際の判断材料になります。就学時健康診断までにしておきたいこと1、就学時健康診断では、子どもが一人で健診を受けることが一般的です。服の脱ぎ着はもちろん、脱いだ服をきれいにしておくことができるとなお良いでしょう。2、知的検査ですが、拍子抜けするくらい難しいことは聞かれませんので構える必要はありません。確認するとしたら、基本の色や形(赤、黄色、青、緑や○△□)が正確かを事前に一度確認するくらいでしょうか。ただし、自分の名前だけは読み書きできるとよいです。また、言語検査では、発音の確認があります。3、耳や鼻や目の必要な治療を受けておきましょう。書類にも治療中の旨を書く欄がありますが、時間のある就学前の時期に早めに治療を受けておく方がベターです。4、アレルギーのある場合は、アレルギーの状態が説明できるようにし、その対応を確認しておきます。発作時の対応、薬の使用なども健診前に主治医と相談、確認しておくと話がスムーズです。ただし、給食のアレルギーの対応に関しては、健診後に診断書を求められる場合があるので、学校から指定された様式をもらってから診断書を書いてもらう方がよいです。5、発達や就学に不安のある場合は、事前に就学相談も受けることができます。就学相談は自治体が行っており、一般的に事前の予約が必要です。場合によっては、事前に小学校などでも相談や見学を受け付けてもらえることもあります。事前に相談をしていることで、当日に面談などを配慮してもらえたりする場合もあります。就学時健康診断直前に確認したいこと1、急に就学時検診に行けなくなったとき年度当初には、年間予定表が作成されるので、校区の小学校で就学時健康診断がいつ行われるを知りたければ、早めに問い合わせればわかります。市町村のホームページ等でも早めに公開される場合も多いです。早めにきちんと日程を確認して、しっかり予定を空けておきたいものです。しかし、どうしても予定が合わない場合や急な体調不良、予定が入ってしまった場合などは、別日に行われる別の学区の健診を受けることもできます。行けないことがわかった時点で自治体の教育委員会などに連絡し、当日欠席の場合は、受診会場の小学校に必ず連絡しましょう。2、転勤や引っ越し、私学への進学などの可能性があるとき学区を越境する場合や引っ越し、私学などに通う場合などは、わかった時点で手続きが必要です。就学時健康診断があるときに住んでいる小学校区で受けて置くのが一般的ですが、その前に決まっている場合は就学先で受けるなどができます。3、当日の服装や持ち物一般的に、保護者と子どもの上履き、送られてきた健康調査票、その他必要な書類、就学通知書(必要な場合)、母子手帳、筆記用具などを持参します。子どもの服装は、自分で脱ぎ着しやすく、内科健診もあるので、ワンピースなどは避け、上半身だけ脱げる服装がよいでしょう。また、身長測定にも配慮し、髪の毛は頭の下で結ぶとよいです。午後からの就学時健康診断の場合は、午前中幼稚園や保育園に行ってから、就学時健康診断に向かう場合もあると思いますので、前日から確認しておくとよいですね。前日は、しっかりお風呂に入り、早めに休むことはもちろん、耳掃除や爪切りもしておくと安心です。「就学時健康診断」は、小学校関連の初めてのイベントでもあります。親子ともにしっかり準備できると安心ですね。<文・写真:フリーランス記者小柳結生>
2018年06月26日恋愛相談にはきちんとしたコツが存在します。このコツを外したまま誰かに相談をしたとしても、全くうまくいかないどころか、状況がさらに悪化していくことすらあります。恋愛相談がどれだけ有意義になるのかは、相談する側の「心構え」と、相談に乗ってもらう人の「人選」の掛け算で決まってくるのです。■相談者の心構えとして持っておくべきこと誰かに相談に乗ってもらう前に、相談する側のマインドを共有しておきましょう。その1:人の脳みそを借りに行くというスタンスを持つこと相談をしに行くということは、答えをもらいに行くことではありません。自分の頭の中だけでは解決できない問題を、「人の頭を借りて」解決するために相談に行くのです。相談後の理想の状態は「その手があったか!」と新しい手段を閃くことか、「あぁ、だからこの人はうまく行くんだ」という自分の頭との違いを見つけられることです。その2:アドバイスを盲信しないこと恋愛には答えがありませんから、アドバイスをくれる人が正解を持っているとは限りません。その新しいアイデアや考え方を手に入れても実行してもいいししなくてもいいんです。「確かにそうだな」と確信したことを実践すればいいですし、「え、それは違くね?」と思ったことはやらなければいいのです。その3:相談に乗ってもらったことに感謝すること稀に相談に乗ってもらった人に対して「全然的を射たアドバイスをもらえなかった」と愚痴をこぼすひとを見かけますが、ハッキリ言って人として終わってます。いいアドバイスがもらえない原因は、「自分の質問の仕方が下手くそ」か「相談する相手を間違えたか」の二つしかありません。人の大事な時間をもらっておいて「なんの収穫もありませんでした」なんて、完全に自分のせい以外の何者でもありません。ただし、頼んでもないのにアドバイスしてくるおせっかいさんはその限りではありませんが。■相談するべき人はこんな人「相談の理想形」がわかると、「理想のアドバイザー」の形も掴みやすくなります。理想のアドバイザーとは、上記の相談者の心得に沿ったアドバイスをしてくれる人です。○「絶対」こうしたほうがいいと言わない人相談の理想が正解を知ることではない、とわかっているアドバイザーは決して相談者に「これが正解です」という伝え方はしません。優れたアドバイザーは、「私はこう思うけどあなたはどう思う?」とか「こないだこんな風にやってる人を見たよ」などと言いながら、あなたの頭の中に新しい思考の回路を作り出し、自分で解決したくなるように導いてくれます。「あなたはこうしたほうがいい」「なんでこうしないの?」と自分の正解を押し付けてくるような人は、アドバイザーの皮を被った偽善者です。騙されませんように。○相談をしてくれたあなたに対して感謝をしてくれる人あなたがアドバイザーに感謝しなければならないように、アドバイザーもまた相談者に感謝しなければなりません。なぜなら「アウトプットしている人間の方がインプットしている人間よりも気づきが大きい」からです。あなたが「そうか!」と驚いているその横で、サラッとその10倍ぐらい新しい気づきを得ている人が優秀なアドバイザーだと言えます。その人も相談者がいなければその気づきを得られなかったわけなので、相談者に(口にするかどうかは別として)「私に相談してくれてありがとう」という気持ちを抱いているのです。間違っても、「せっかく相談に乗ってやったのに」なんて感情を抱くことはありません。そいつもアドバイザーの皮を被った偽善者です。注意してください。○あなたの使ってる言葉から、あなたの思考性を見抜ける人人は普段無意識で思考している事が言葉になって表れます。自分に自信がない人は「どうせ」という言葉をよく使い、責任感がない人は「だって」という言葉をよく使います。そういう言葉の使い方に敏感な人は、その人が使った言葉によってその人の思考性をぴたりと言い当てる事ができます。具体的には「私はただ愛されたいだけなのに、どうしてこうもうまくいかないのでしょうか?」と聞かれただけで、即答で「だからだよ」と言えるような人です。この人の頭の中では「愛されたいという言葉」=「自分から愛する気がない人が使う言葉」=「自分が欲しいだけで相手に与えようと(本当は)思っていない」という思考回路ができているので、即座に「だからだよ」と言えるわけですね。■恋愛相談の方程式以上のことから、恋愛相談の成否は次のような方程式で紐解く事ができると言えます。▼恋愛相談の方程式=「相談する側の心構え」×「アドバイザーの質」=「人脳みそを借り、アドバイスを鵜呑みにせず、感謝を忘れないという気持ち」×「正解を押し付けず、相談者に感謝し、新しい思考回路を開けてくれる人」あなたの相談者としての心構え、そしてアドバイザーに選んだ人はどんな人だったでしょうか?そこに見直せそうなところはありましたか?(川口美樹/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年06月25日千代田区の番町小学校や港区の青南小学校、大田区の田園調布小学校など、“ブランド校”と呼ばれ、人気を集める公立小学校があります。これらのような公立小学校に通わせるため、わざわざ引越しをしたり、住民票を移したりする「公立小移民」が話題になることも多いですが、有名公立小学校に通うことでどんなメリットがあるのでしょうか?教育ジャーナリストの斎藤剛史さんにお話をうかがいました。教育環境や人脈など、メリットは多い有名で人気の学校とはいえ、結局は同じ公立小学校。私立ほど差別化できないような気もしますが、実際、メリットは多いようです。「まず挙げられるのは、授業料。“ブランド校”とは言っても、公立の小学校なので、家計への負担は比較的少なく済みます」(斎藤さん、以下同)また、子どもを取り巻く環境にもメリットはあるそう。「有名な公立小学校には、教育熱心な家庭で、それなりの学力を持つ子どもが集まりやすいので、教育環境はいいと思います。加えて、同窓会などの強い結びつきがあり、卒業生や保護者のなかにも有力者が多いため、人脈を築くという点でもメリットはあるでしょう。『あの有名公立小学校に子どもが通っている』といった、お金だけでは手に入らないステータスを感じられるのも、ある意味メリットかもしれませんね」“ブランド校”は保護者のイメージにすぎないでは、反対にデメリットを挙げるとしたら、どんなことが考えられるのでしょうか?「たしかに、一般的に“ブランド校”と呼ばれる公立小学校は教育環境がよく、人気もあるのですが、その“名門”というブランドは、結局保護者のイメージにすぎません。そのため、引越しなどの手間と費用を考えれば、それに見合う投資効果が本当にあるかは疑問。単に進学の有利さを求めるならば、私立のほうが確実です」また、教育熱心な保護者が多い学校ならではのデメリットも。「教育方針や指導方針などをめぐって、教員と保護者がもめるケースも意外と多いです。また、同じような経験をしてきて、同じような価値観を持った子どもが集まるというのもデメリットのひとつ。一般的な公立小学校なら、家庭環境や経済状況などが多様な子どもたちが集まり、自分とは違う価値観に接することで得られることはたくさんありますが、有名公立小学校となると、家庭環境も経済状況も似てきます」子どもの将来を考えると、できればよりよい教育環境で育っていってほしい。親として、そう思うのは当たり前かもしれません。しかし、「勉強」に重点をおいて有名公立小学校に進学しても、「心の成長」が置き去りにされてしまう可能性もあるようです。(文・明日陽樹/考務店)
2018年04月18日何事も、“初めて”のときは、なじめるか不安になるものですが、それは小学校も同じ。公立小学校に通うメリットとして、「近所に住む顔なじみの友だちと一緒」ということが挙げられますが、他にはどんなメリットが挙げられるのでしょう?(1)「登下校を一緒にできる友だちがいること」、(2)「放課後に遊べること」、(3)「親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと」。そう話すのは、教育ジャーナリストの中曽根陽子さん。公立小学校のメリット1●登下校を一緒にできる友だちがいること小学校に上がりたての頃は、まだ交通ルールにも不安があるし、不審者に遭遇することも想定できるため、何かと心配事が多いもの。中曽根さんは、「登下校を一緒にできる友だちがいること」は、メリットのひとつと言います。「小学校は、学区の中で通学路を設けており、多くは通学路ごとに縦割りの登校班を設けていて、集団登下校をする際に利用します。集団登校日以外は、それぞれで通学しますが、低学年のうちは特に、近所のお友達と一緒に登下校をする機会が多いと思います。休みの連絡も、学校に直接連絡するのではなく、連絡帳を近所の友達に預けるようにという学校もありますし、安全面からも、近所に顔見知りの友達がいると安心です」公立小学校のメリット2●放課後に遊べること続いて、2つ目のメリットである「放課後に遊べること」について解説してもらいました。「塾や習い事などで、放課後遊びができなくなってきているとはいえ、子どもにとっては遊びの時間も貴重です。子どもが自分で移動できる範囲に友だちがいるのは、親にとっても安心です」また、最近では、共働き夫婦も増えており、下校後はひとりでお留守番をする子どもも多いのではないでしょうか?そうした家庭においても、誰かと一緒にいる(ひとりではない)ということは、安心につながりそうです。公立小学校のメリット3●親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと3つ目のメリットは、「親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと」と、中曽根さん。これはどういうことでしょう?「子どもが小学生になると、少しずつ子どもの行動半径も広がり、親の目が届きにくくなります。子どもの友だちとその親も一致しにくくなるなか、一緒に登下校する友達はとりあえず、家の場所もわかりますし、親同士もコミュニケーションを取りやすいので、つながりがつくりやすいのではないでしょうか。子育ては自分だけではできないので、地域に知り合いがいて、学校や地域の情報を得たり、困った時に“お互い様”で助け合ったりすることができたら心強いでしょう」実際、2011年の東日本大震災のときには、帰宅できなくなってしまったママが、近所の友だちの家で子どもを預かってもらい助かったという話もあるとのこと。近所のつながりがなければママも子どもも途方に暮れていたかもしれません。私立の場合、電車で通ったり、仲良しだった友だちと離れ離れになったりというのは、よくあること。公立小学校ならではのメリットもたくさんあるんですね。(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月19日たとえば私立小学校なら、校風や学力など顕著に差が出ることもあるので比較できる項目はたくさんあります。では、公立小学校の場合はどうでしょう。公立ならば、エリアにかかわらず一律の規定で教育が進められているはずですが、はたして公立小学校の学習レベルにエリア差はあるものでしょうか?『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)など、数々の教育関連本を手掛ける、教育ジャーナリストの中曽根陽子さんにうかがいました。「内容」に差はなくとも「習得」に差が出ることがある先述のように、公立小学校では一律の規定で教育が進められているかと思いますが、実際のところはどうなのでしょう?「日本の場合は、学習指導要領が諸外国と比べて厳密に規定されているので、全国どの学年でも学習内容が著しくちがうわけではありません」(中曽根さん、以下同)やはり、学習内容に大きな差はないようです。しかし、学習内容は同じでも、「習得」においては、差が出ることもあると中曽根さんは続けます。「特に小学校レベルですと、子どもたちの成長のレベルは個々によって違うので、学習内容の習得に関しては、個人差がでます。たまたま、ある学校は理解度の高い子どもが多い、あるいは反対に少ないといったことは起こる可能性はあるでしょう。それを学区による学習レベルの差とひとくくりにはできないと思います。とはいえ、地域によって特色はあると思うので、教育熱心な家庭が多い地域にある学校は学力が高いという評判が立つこともあります」実際、最近では公立小学校でも教科によって進度別クラスを編成して授業を行ったり、みんなとは違う教室で少人数指導をするなどの「取り出し授業」を行ったり、個別に対応するケースはあるそうです。公立小学校間の学力の差を調べる方法は?では、そういった学力の差を一般の人でも判断できる方法はあるのでしょうか?ネットで検索したり、資料に書いてあったりして、わかりやすくなっていればいいけど…。これについては、中曽根さんは以下のように話します。「地域によっては、全国学力調査の結果を公表しているところもありますが、学力レベルの差が歴然とわかるわけではありません」自分で調べてわかるものではないとなると、学力の差を見極めるには、やはりママ友や先輩ママなどとの情報共有が重要になってくるのかもしれません。また、中曽根さんは以下のようにも話します。「大切なのは、学力レベルだけではなく、それぞれの学校の置かれている状況です。例えば、都心でも少子化で1学年1クラスという学校も珍しくありません。反対に急激な人口増加で教室が足りず、プレハブ校舎になっている学校もあります。個々にメリットデメリットはあるので、学校選択制のある地域でしたら、お子さんのタイプ、家庭の考え方に照らし合わせて、選ぶことが大事でしょう」一校に絞らず、積極的に見学会に参加するなど、自分の足や目を使って、確認することが、もっとも良い手段とも言えそうです。(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月17日『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』著者の立石美津子です。みなさんは、「就学猶予(就学義務の猶予)」という制度についてご存知でしょうか?これは、病気などの理由で、就学年齢になったけれど小学校入学が難しい場合に、治療・療養をし、教育を行けられる状態になるまで入学を遅らせることができる制度です。ですが、持病はないけれど子どもの発達が遅い場合に、この制度を利用し、1年間しっかり訓練して周りの子ども達と同じようにできるようになってから小学校に入学させようと考える保護者さんもいるようです。つまり、1つ下の学年の子ども達と一緒に小学校に入学するのです。私自身にも、自閉症の息子がいますが、自閉症のある子どもの家庭がこの制度を活用することに、疑問を感じています。1年間しっかり訓練してようやく追いついたとしても、入学後に同級生と同じようにできるでしょうか?また、子どもはつらい思いをしないでしょうか?「就学義務の猶予」とは?出典 : そもそも、「就学猶予」って何?特に持病がない自閉症児の場合でも使えるの?と疑問を持つ人もいらっしゃると思うので、まずこの制度について説明したいと思います。日本では明治時代の中期ごろから義務教育の基盤が出来上がり始めました。でも、当時は障害のある児童が学校で義務教育を受けるための環境はほとんど整備されていませんでした。そのため、障害のある子どもの保護者は「就学義務の猶予又は免除」を受けることとなり、結果として、障害のある子どもたちは教育をほとんど受けられませんでした。つまり就学義務の猶予や免除は、その制度の確立当初、重い障害がある子どもが義務教育を受けられない場合に利用されてきたのです。1970年代に養護学校(現・特別支援学校)が義務化され、特殊学級(現・特別支援学級)も増設されました。これ以降、就学猶予や免除を利用する必要のある家庭の数は大幅に減っています。つまり、障害があっても、学校に通える子どもが増えたのです。ちなみに、就学義務が猶予や免除される事由については、次の通りです。日本国民に対して、この就学義務が猶予又は免除される場合とは、学校教育法第18条により、病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため就学困難と認められる場合とされています。ここでいう「病弱、発育不完全」については、特別支援学校における教育に耐えることができない程度としており、より具体的には、治療又は生命・健康の維持のため療養に専念することを必要とし、教育を受けることが困難又は不可能な者を対象としているところです。参考URL:文部科学省|養護学校の義務制実施への道発達が「ゆっくり」と「凸凹」の違いは?出典 : ある幼稚園の園長先生が、発達障害児を育てている保護者に、何気なく次のような言葉をかけていました。「発達がゆっくりなのだから、焦らないで、のんびりと長い目で見て育てましょう」園長先生が意図して言ったわけではなくても、親御さんの中にはこの言葉で誤解してしまう人もいます。「ゆっくり」という表現には、兎と亀の昔話のように、歩みの遅い亀でも地道に努力して頑張れば…・必ずゴールに到達する・いつかは追いつくというニュアンスを私は感じます。「マラソンでゆっくり走っていても、途中棄権することなく完走すれば、いつかは皆と同じゴールに達する」と解釈して、「頑張らせれば、いつかはほかの子と同じことができるようになるだろう」と考える方もいらっしゃるでしょう。もちろん、ゆっくり発達し、障害のないお子さんに追いつくお子さんもいるかもしれません。でも、発達障害のある子どもは、能力のバランスや凸凹が大きいことが多く、単に「ゆっくり育つ」というのとは少し意味が違うのではないかと、私は考えています。1年遅れで、子どもを小学校に入学させた知人の選択出典 : 年以上前の話ですが、私の知り合いの自閉症児の保護者がこの制度を利用して、子どもに幼稚園の年長クラスを2年間経験させてから、小学校へ入学させました。自閉症以外「病弱である」などの遅れはありませんでした。知人は「年長さんを2年も経験すれば、ほかの子と同じことがきっとできるようになるに違いないわ」と言っていました。当時は自治体によってこの制度が自閉症児にも一部適用されていたようです。特別支援学校のことを養護学校、特別支援学級のことを特殊学級とまだ呼んでいた時代で、発達障害とかアスペルガー症候群の言葉もまだ理解されていなかった時代でした。その知人の選択を否定するつもりはありませんし、実際に1年遅らせることでできることが増える部分もあったかもしれません。でも、同じく自閉症のある子どもを育てる親である私は、心の中で「1年遅らせたからといって、同級生と同じようにできるようになるのだろうか…?」とも思っていました。特別支援教育についてありのままに受け入れ、子どもに合う教育を選ぶことの大切さ出典 : 特別支援教育が浸透している現在では、自閉症があることだけを理由に、就学猶予が認められることはそれほど多くはないようです。でも、幼稚園や保育園や療育関係者から「お子さんは発達がゆっくりなのですね」と言われると、「うちの子は少し発達がゆっくりなのだ。だから1年遅らせてその間に頑張らせれば、何とか追いつくだろう」と考え、この就学猶予を検討する人もいるかもしれません。発達がゆっくりであることと、凸凹があることとは、違うのではないかと思います。まず、「子どもに合った教育は何か」「その選択は、子どもに無理をさせすぎはしないか」ということを考えてほしいと思います。そのうえで、通常学級か特別支援学級か特別支援学校かを吟味するのがよいのではないでしょうか。保護者が子どもを「ありのままに受け入れる」ことは、子どもの育ちにとって、とても大切なことです。「できるだけ健常児に近づけよう」とすることは、保護者の願いであって、子どもに必要な環境や学びとは重ならないかもしれない。ありのままを受け入れたうえで、子どもにとって最適な道を選択をしていってほしい、私はそう願っています。
2018年01月30日秋から始まる小学校受験は、合格を目指して1年くらい前から準備している家庭が多いようです。なかでも国立附属小学校は、学費が私立に比べて安かったり、ほとんどかからなかったりする学校もあり人気があります。しかし、だれもが国立小学校を受験できるわけではありません。そんな、意外と知られていない、国立小学校の注意点をご紹介します。■「国立」なのに受験できない?国立附属小学校は各都道府県にあり、地方在住でも受験するチャンスはあります。おもに国立大学の教育学部の附属校として位置づけられていましたが、大学直属に編成されてきています。しかし、学区はエリアや通学時間によって学校ごとに決められていて、その範囲内に住んでいないと受験資格さえ得ることができないことになります。受験のために引っ越したり、子どもが生まれる前から将来を見据えて家を決めたりするママもいるほど。学区の考え方は、学校によって異なります。国立小学校の受験を考える場合は、まずは自宅が学区内にあるかの確認が必須となります。■受験に合格しても入学できない!?国立小学校にも受験があり、試験内容は行動観察や運動試験など、学校によってさまざま。受験前に傾向を知り対策する必要があります。しかし国立小学校と私立小学校の大きな違いは、基準をクリアする能力を身につけても合格できるとは限らないことにあります。なぜなら、公平を期すため国立小学校は抽選を導入する学校が多いから。抽選を突破した子だけが試験に進む学校もあれば、試験後に抽選を行う場合もあります。これに漏れたら、どんなに考査で合格しても、不合格と同じ結末になってしまいます。試験については塾などでも対策できますが、抽選ばかりは運頼み。このため、子どものがんばりを無駄にしたくないと考え、抽選がなく努力が反映されやすい私立校を選ぶママも少なくありません。私が子どものころにも、国立小学校には抽選がありました。わが家は学区内にあったので親は受験を考えたようです。しかし、父も母もくじ引きではティッシュなどの末等しか当たらないほどくじ運がなく…。これでは入学できるはずはないと、受験をあきらめたそうです。■受験番号が早いほうがいいってホント?小学校受験では、「受験番号が早いほうが有利」という説があります。私立校の場合は、その学校に入学したいという熱意を示すためといわれますが、国立の場合はどんな理由があるのでしょうか?国立小学校の場合、よくいわれることが、行動観察などをスムーズにクリアするため。そのため、できるだけ早い番号を確保しようと、親が朝早くから並ぶ光景が見られます。このウワサは本当なのでしょうか? 実際に子どもが小学校受験を経験したママたちの体験談を紹介します。●集団行動で巻き込まれないために「国立校は塾に通う子だけでなく、家が近いからと記念受験する子が少なくないと聞きました。記念受験の場合、受験対策として集団行動の練習をしていないお子さんがいるので、もし一緒のグループになってしまっうと、巻き込まれやすいと塾で教わりました。受験番号が早いほうが本気で受験を考えている家庭が多い傾向にあると言われ、本命ではなかったけど早起きして並びました」(41歳・小学校5年生のママ)●受験番号は月齢順「受付後に受験番号を月齢順に並び変える学校もあるそうで、そんなに気にしなくていいといわれました。それでも、やっぱり気になるので早く並びましたが、抽選に漏れたのでわが子は公立通いです」(40歳・小学3年生のママ)学校によって条件が異なるようですね。志望校の情報を早めに収集して、対策したいところです。■「附属」といってもエスカレーター式ではない大学の附属学校であるならエスカレーター式を期待するところですが、国立の場合はそうではありません。中学入学時はあらたに外部生が入ってくるため、全員が進学できない場合もあります。だから日々の勉強は、とても大事です。在学中に、子どもがほかの中学校に魅力を感じることがあるかもしれません。もし外部の学校を受験をする場合は、内部進学の権利が失われる学校もあるようです。また、附属高校を設けていない学校もあり、その場合は必然的に外部受験することに。志望校がどのような仕組みになっているのか、あらかじめチェックしておきましょう。■授業中に常にだれかにみられている?多くの国立小学校は、教育研究校として位置づけられています。そのため、先生が研修などで不在になる可能性も。また、教育実習や視察なども行われるため、常にだれかに見られている状態で授業を受けることが多いようです。国立小学校出身の知人に話を聞いたところ、「教室に知らない人がいることが多かった」とのこと。最初は気になったものの、次第に慣れてきたそうです。この人に見られた環境での授業は、慣れる子と慣れない子がでるかもしれませんが、えてして子どもは順応性が高いため、あまり問題にはならないかもしれません。ちなみに前述の知人いわく「公立の高校では見学者がいないので違和感があった」とのこと。また、新しい教育を実験する場でもあるので、最新の教育を受けるチャンスがあります。これはほかの学校ではなかなか体験できないことです。国立というだけでブランド化されている現状。お受験を挑戦してみたくなるかもしれません。しかし、それだけを判断材料にするのではなく、子どもの将来を考えたうえで検討したいものですね。
2017年08月12日こんにちは。「新宿の母二代目、栗原達也(くりはらたつや)」です。今回は、“中高年の性の相談”について話そうと思う。街頭でいろいろな相談に乗っているけれど、ときどきビックリすることがある。たとえば、「なんで、それほど免疫がないのか」とか、「なんでそこまで我慢してきたんだ」と心の中でつぶやくような内容だ。免疫がなくて驚くのは、堅い仕事の中年男性。若いころにあまり遊ばずに結婚し、女性は妻くらいしか知らないといったケース。たまたま入ったスナックのママにちょっとその気を見せられて、「ひざに手を乗せたりして誘ってくるんですよ。どうしたらいいですかね」「これほどやさしい女と初めて出会いました」と真剣に相談してくる。水商売の女性との進展具合を定期的に報告してくれる人もいる。彼は、「先生」と呼ばれる仕事をしている。様子を聞いて、すぐわかるのは、そのママは男性に好意があってそうしているんじゃないってことだ。お客として引き止め、定期的にお金を落としてほしいというのはもちろん、何か収入のアテにしようとさえ思っていそうだ。実際に、あるママのケースでは、常連の複数の男性とときどき体の関係を持って、1人目には家賃のサポートを、2人目には店の材料費のサポートを、3人目には別の支出のサポートをさせる…という具合に振り分けているというから恐れ入る。男を金としかとらえていない女性もいるわけで、そんな女性に、いい年をした男、立派な職業の男が惑わされていたりする。 真意がまるで見抜けず、遊びにできずに修羅場を迎える恐れがあって、話を聞いていて「困ったな」と思うよ。万が一、あなたの夫にそんな気配があったら、「お金はむやみに出さないほうがいいですよ」とさりげなく、でもしっかりとクギを刺しておいたほうがいいかもしれないね。一方、中年女性の「なぜ、ここまで我慢してきたんだ」というケースは、セックスレスだ。恋人時代もセックスが1回くらいしかなくて、結婚後は1回もなく、20年経ってしまった。「このままでいいんでしょうか?」という話だ。いいも何も、「なぜ結婚して1か月の間に大騒ぎしなかったんだ?」と心の中で叫んだね。夫と真剣に話し合ったこともなければ、世間体や家族の心配を考えて離婚を切り出せないできたと言う。もちろん、セックスだけが夫婦の証ではないけれど、いま相談しにくるくらいなら、なぜもっと早くジタバタしなかったのか、と本人のために思う。子どもをもうけなかったことの悔いはないのかとか、その結婚相手はひょっとしたら同性を愛することがしあわせな人だったのではないか? など、さまざまなことが考えられる。これ以上は細かく言えないが…。年数はさまざまだが、セックスレスの相談はけっこう多い。だから、これから結婚を考えている人には、強く言いたい。まず、安定した収入が見込めて、精神的にも肉体的にも男女のキャッチボールができることを決め手とするのが原則だと。もちろん、いろいろな事情があり、結婚の形も人それぞれだけど、性の考え方の不一致を決して軽く見ないほうがいいね。 当たりすぎ! 完全鑑定16項目【あなたの人生、この先こうなる!】
2017年08月11日夏が終わり秋の風を感じるころ、年中さんや小学校3年生の子どもを持つママ達が、顔を合わせれば必ず出る話題なのが「小学校(もしくは中学校)受験をするか、しないか」。受験派は、この頃から本格的な受験準備に入る時期だからです。最近は受験準備のスタート時期もどんどん早くなり、受験塾は増え、知育教材やおもちゃの売れ行きは伸びていると聞きます。子どもが生まれた時から「自分の出身校に入学させたい!」と受験を考えている家庭であれば、迷いなく受験の準備となるのでしょう。しかし、「周囲に受験する子どもが多いから、うちも考えたほうがいいのかな」、「なんとなく公立の教育に不安を感じる」など、受験に対して興味はあっても、迷いや不安が多いという方が大多数でしょう。■「大変な受験」になりやすいのは?この時期から、親子関係の相談では受験関連のことが多くなってきます。その中でもよく聞かれるのが「受験準備は親も子どもも相当負担がかかると聞くので、それに耐えられるのか不安」というものです。わたしのところに寄せられた数々の相談から分析するに、「親子ともに辛くて大変な受験」に陥りがちなのは「子どもの適正より、まず志望校ありき」のケースだと思います。自分の母校だから、親が通いたかった学校だから、自宅から近くて通いやすいから、大学付属でもう受験をしなくてすむから、兄弟がすでに通っているからなど、子どもの適正を見ずに親が志望校を決めてしまう理由はいろいろです。親が通わせたい学校に合わせて受験準備をさせると、子どもの精神年齢(学力ではありません)が受験勉強に追いついていかない場合、親子ともにかなり気持ちが追い込まれるケースが多いように感じます。不安を払拭するために、塾の講座をたくさんとったり、かけ持ちしたり、個別の家庭教師をつけたりとのめり込んでも、かえって子どものやる気を失わせてケンカになり、ますます疲れて「受験はやはり大変だ」という感想だけが残ります。■受験はあくまで子育て方針を確認する一つのきっかけに小学校や中学校受験を考えることは、改めて「どのように子どもを育てたいか」を夫婦で話し合う良いきっかけになると思います。高校受験や大学受験になると、もはや親の介入する余地はほとんどないからです。まずは、子どもの学力を含めた現状を見極め、伸びしろを期待しつつ、子どもに合いそうな学校を探し二人三脚、三人四脚で受験準備を進めれば、結果がどうであっても、机に向かう習慣がついたり、興味の対象が広がったりと、いろいろな意味で子ども自身のプラスになるでしょう。私立校はそれぞれ教育方針や学問に対する理念がありますから、学校説明会などに参加すると、賛同できたり「ちょっと違うな」と感じたりと、親のほうも教育に対する気づきを得られます。そのまま地元の小中学校に進学できるのに、あえて受験するのであれば、親子初の共同作業ととらえましょう。結果より「頑張ったね!」と笑顔で終えられるよう、充実した時間としていただきたいと思います。
2017年07月30日そろそろ就学前健診の時期。お子さんについて特別な心配事がある保護者は不安な気持ちでいっぱいかもしれません。今回は、特別な教育的ニーズのあるお子さんが小・中学校で受けられる支援のひとつ、「通級指導」について、川崎市教育委員会・支援教育担当者に話を聞きました。通級指導教室ってなに?入級の対象となるのは、言語面の課題(発音に誤りがある、話す時につっかえたり同じ音を繰り返したりする、知的な遅れはないが読み書きや会話に苦手さがある等)、情緒面の課題(場に応じたコミュニケーションが苦手、感情や行動のコントロールが苦手等)、聞こえの課題(難聴、聞こえの課題からくる人とのかかわり方の難しさ等)があるお子さん。通常の学級に在籍しながら、その子の特性にあった個別の指導を受けることができ、毎日の授業や給食など、ほとんどの時間を通常のクラスで過ごし、一人ひとりに応じた頻度で通級指導教室へ通います。通級の先生は、それぞれの特性やニーズに合わせた「個別の指導計画」を作成し、その計画に沿って指導をしています。先生とマンツーマンで学習する個別学習室。気が散りやすい特性に配慮したシンプルなお部屋。入級までのながれ小学校では、お子さんが通級指導教室での指導の対象となるか検討するまでに、通常の学級の中で以下のようなキメ細かい対応をしています。1.まず、クラス内で工夫できることを考え実施する担任の先生と児童支援コーディネーター(=川崎市立小学校において、担任を持たず、校内の特別支援教育・児童指導・教育相談の窓口となる教員)が相談し、座席の配慮、絵や写真等目で見て分かりやすい資料の提示、気が散る原因にもなる掲示物や装飾物を減らす、ノートのマス目を大きくする等の具体的な方法を実施する。2..校内委員会で個別指導を検討し実施する管理職、児童支援コーディネーター、養護教諭、各学年の特別支援教育担当等から組織される「校内委員会」を開き、校内の先生が協力して複数で指導したり、別室でその子がつまづいているところを指導したりすることを検討し、実施する。3.通級指導教室への入級を検討する1・2だけでは充分な効果が得られない場合、通級指導教室での指導の必要性を検討する。どんな先生が指導をしているの?通常の学級の担任や特別支援学級の担任だった先生が通級指導教室の先生になったり、逆に通級指導教室の先生が通常の学級や特別支援学級の担任になったりします。これにより、多くの先生の通級指導教室についての理解が広まるというメリットがあります。通級指導教室の先生は専門性も求められますので、様々な研修会に出席したり、自分たちで研修を企画したりして、知識・スキルを積んでいます。さらに特別支援教育についての専門的な資格を取得する先生もいます。どんな場所で、どんな指導をしているの?通級指導の目的は、日常の生活の困難さを軽減することです。最終的には、すべての時間を通常の学級で過ごすことができるよう、計画的に指導をしています。正しい発音のための口の動かし方、安心して会話できる話し方、語彙を増やす学び方、椅子の正しい座り方、授業中の発言の仕方、柔らかい言い方、友達や先生との適切なコミュニケーションのとり方など、ソーシャルスキルトレーニング(=SST。周りの人とよい関係を築き、社会に適応するために必要なコミュニケーション能力を養うこと)など、一人ひとりの課題に合わせた指導(=学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養うことを目標として学校で行われる教育活動)を行います。5、6人の小集団で学ぶグループ学習室。先生お手製の楽しいスライドや、ゲームを通してコミュニケーションの取り方を学びます。保護者参観では調理実習をすることも。小学校内とは思えない充実したプレイルーム。実際に子どもを通わせている保護者に聞いた、通級のメリットは?お子さんを通級に通わせている保護者にも率直な意見を聞きました。・在籍校に通級があるため、音楽室や体育館に移動するのと変わらず時間のロスがない。運動会など学校行事の時も通級指導教室の先生が巡回し、様子を見守ってくれる。・担任と通級指導教室の先生が連携し合うことで、子どもへの支援が手厚くなる。・通級指導教室に通わせているママ同士が知り合いになれて、発達障害についての知識も増え、子どもへの接し方も変わった。同じ悩みを共有できるママ友と話すことで、親の気持ちも安定した。・子どもの机の中に中傷するようなメモが入っていたことがある。在籍クラス・通級指導教室、両方の担任の先生に相談したところ、通級の先生が手の空いた時に子どものクラスに顔を出してくださるようになった。「大人が頻繁に見ていると分かればイタズラもできなくなる。先生たちは悪質なイタズラは許さない、という姿勢を見せることが大事。」と言ってくださり、心強く思った。・子どもは通級指導教室が大好き。自分を理解し、向き合ってくださる先生がいることが、通常の学級で頑張るパワーになっている。保護者・担任の先生・通級の先生・子ども、4者で力を合わせ、退級に向けて頑張っている。いい意見が多い一方、改善を望む声もありました。・通級指導教室はすべての小学校に設置されているわけではない。うちの子も少し遠くの小学校内の通級指導教室に通っているため送迎が必要。共働きの家庭だとここが問題になります。・晴れていると自転車でサッと移動できるけど、雨の日はバスを乗り継がなければならず、1時間の通級指導を受けるために、在籍校の授業を2時間以上抜けることになってしまう。・毎週1時間決まった時間にいなくなるため、クラスメイトの目が気になる。他の子の理解を得られるかどうか、担任の先生の配慮が必要になる。・高学年になってから通級指導教室に通い始めた。勉強も難しくなってくるため、授業を抜けるのは不安。低学年のうちに通い、学年が上がったら退級できるとよかった。川崎市では、「保護者・学校・通級指導教室」が連携し、温かい支援を行っていることがよく分かりました。支援体制は各自治体によって異なるので、現在悩みがある人は、まずは幼稚園や保育所、学校の先生に相談してみてください。取材協力:川崎市教育委員会川崎市通級指導教室<文・写真:フリーランス記者森藤理絵>
2017年07月27日夏休み前後の時期や夏休み中には、多くの小学校で個人面談が行われます。普段から先生と接する機会が多い保育園や幼稚園時代とは違い、「入学・進級後、担任の先生と1対1で話すのはこれが初めて」というママもいるかもしれません。「相談したいことがあったのに聞けなかった」などと、あとでモヤモヤしないためにも、事前にポイントをおさえておきましょう。■込み入った相談があるときは個人面談の時間は1人15分程度。保護者側から何か話すというより、子どもの学校での様子を先生から聞くことがメインです。込み入った相談など、個人面談でとくに話したいことがある場合は、連絡帳などであらかじめ伝えておくとよいでしょう。相談が長くなって予定時間をオーバーしてしまうと、うしろの順番の保護者に迷惑をかけてしまいます。相談したいことが多くあり、時間内に終わらない場合には、あらためて別の日に時間をとってもらうようにしましょう。■質問したいことがあるときは「進級してから担任の先生と1対1で話すのは初めて」ということも多い、夏休み前の個人面談。緊張してしまい、「聞きたいことがあったのについ忘れてしまった」という失敗談もよく聞かれます。面談では、先生からの話のあとに、「何か気になっていることはありますか?」などと声をかけてくれるはず。聞きたいことや相談したいことを忘れないためには、面談前にメモ書きを用意しておくのがおすすめです。事前にメモにまとめておくことで、内容を忘れる心配もなく、限られた時間で簡潔に要点を伝えることができます。とくに聞きたいことがない場合は、無理に質問事項を考えなくてもOK。「毎日楽しく学校に通っているようです」などと話をまとめるか、「先生から何か気になることはありますか?」と聞いてみてもよいでしょう。■面談後に、子どもとどう話せばいい?おうちの人と先生が1対1で話す個人面談は、子どもにとっても非常に気になるもの。面談でほめられた内容は、帰宅後子どもにも伝えてあげると、本人の自信につながります。しかし個人面談では、ほめられるばかりではありません。子どもの学校での授業態度、お友だちつきあいなど、母親が思ってもみなかった学校での態度があきらかになる場でもあります。悪い点を聞かされると、母親としてもへこんでしまい、ついつい子どもにも、頭ごなしに叱りつけてしまいそうになります。でも、それはNG。面談で聞いたプラス面の話も織り交ぜながら、どのように改善していけばよいかを子どもと話し合うようにしましょう。子どもが小学生になると、園児時代にくらべて先生と保護者が直接関わる機会はぐっと少なくなります。学校生活や家での様子など、先生と保護者が情報交換をすることは、子どもによっても大切なことです。せっかくの個人面談の時間を有意義なものにするために、しっかりポイントをおさえておきたいですね。
2017年07月22日息子が通う小学校の教室を初めて目にしたとき、エアコンが天井についているのを見てびっくりしました。うだるような暑さのなか勉強した自分の小学校時代と比べると、なんともうらやましい限り…。こんな風に比べてみると「昔とはだいぶ違うんだなぁ」と思うことがよくあります。そこで、小学校の今と昔で驚いたことをまとめてみました。■防災ずきんカバー、つくらなくていいの?私が子どものころ「防災ずきん」というものがありました。これは避難訓練の際に頭からかぶるもので、それを収納するカバーを親が手作りしなければなりませんでした。けれど、息子の通う小学校では市から折りたたみ式のヘルメットが支給されており、親がカバーを手作りする必要はありません。私が小学生のときには防災ずきんを椅子に敷いて座っていましたが、今はそんな光景も見られなくなっていました。■まるで大人!? 男の子も女の子も「~さん」づけ教室で先生たちは、「~くん」や「~ちゃん」など男女の区別をつけず、名前に「さん」をつけて生徒たちを呼んでいます。最初にこのことを知ったのは三者面談のときでした。先生が自分の子どもを「~さんはおしゃべりするのが大好きで…」と話している姿に大きな違和感を感じてしまいました…。まるで大人のような呼び方ですね。■給食の白衣は「アイロンがけ」で殺菌!?地味に驚いたのが、給食の白衣にアイロンをかけなければいけないことです。昔は「してもしなくてもいい」だったような気がしますが、息子の通う小学校では殺菌の意味を込めて白衣にアイロンがけをすることになっています。ちょっと面倒ですが、親以上に衛生面を考えてくれていてありがたい…!ほかのママさんに聞いてみると授業の合間にチャイムがならなかったり、1年間を2つに区切って2学期制となっている学校も。地域の不審者情報など情報がメールで一斉配信されるなどの安全対策はこの時代ならでは! 地域によってルールや方針が大きく異なる小学校事情。もうすぐわが子が小学校に入学する、というママは昔との違いをぜひ探してみてくださいね。意外とたくさんあっておもしろいかもしれません!
2017年06月10日小学生のころは忘れ物常習犯だった私が、息子の支援をするのは大変で…出典 : 私は小学生だった頃、忘れ物と宿題忘れの常習犯でした。どこかにメモを取れば良いのに、取ってこない…。メモを取ったとしても、どこに書いてあるのか分からない…。挙句の果ては連絡帳を毎日のように学校に忘れてくる…。そして家に帰ると、宿題のことなど綺麗さっぱり頭から消えているのです。翌日の授業中、先生の嫌味と怒号を聞いて「またやってしまった…明日こそは」と決意します。しかし、またその翌日には、宿題やその他の持ち物のことは綺麗さっぱり忘れてしまっているのでした。そんな私も今では母になり、発達障害の診断を受けた6歳の息子がいます。小学校時代には先生から「忘れ物大賞」をもらって泣いて帰った私が、息子の小学校の持ち物の管理をしなければならないなんて、どういうことになるかは火を見るよりも明らか…という感じでしょう。小学校からの連絡袋の中には、毎日大量のお手紙が投入されています。息子はもちろん、何がなんだか良く分かっていません。その情報を読んだだけでも、私の頭は大混乱になります。「○日までに△を持っていって」「×日までに○と△を持っていって」「宿題はこれとこれで…」と何度も何度も復唱しながら、家の中をウロウロするありさまの私。息子を登校させた後も、「今日は忘れ物ないだろうか」「あれを忘れたかも」と気になってしまい、気がそぞろになってしまいます。発達障害児の小学校生活の支援は、同じ特性を持つ私にとって、苦難の連続だったのです。気が気じゃない私をさらに追い詰めた「連絡帳」の内容とは…出典 : こんな状態で疲弊しきっていた私をさらに追い詰めたのは、連絡帳でした。息子の連絡帳には毎日、忘れ物や持ち物のミスについて必ず記載がされていました。息子が小学校でどんな風に過ごしているかのような情報は一切なく、ただひとこと、「○○を忘れていました」「××のサイズが違います」「◇◇の切り方が違いました」というような言葉だけ。これを読むたびに、私は小学校の頃に先生に叱られて、下を向いているときの気持ちが蘇ってきてしまいました。そのうちに、私は息子の連絡帳を開くのも怖くなってきてしまったのです。「また先生に叱られちゃう…」「どんなに気を付けても、いつも何か書かれている」「私はやっぱりダメな人間だ~」私の心は小学生の頃に逆戻りです。さらに、「私がこんなミスばっかりしているから、息子があんななんだって思われているかもしれない」とあらぬ方向に思考がいってしまいました。毎日連絡帳を見てはガックリとうなだれながら、自分の子を通して、自分の過去を思い出してしまう辛さに苛まれました。連絡帳に落ち込んでいた私。でも励ましてくれたのも、また連絡帳だった!出典 : 息子の連絡帳を見るたびに、過去の自分も今の自分も責められているような気がして落ち込んでいた私。しかし、私は途中で大きな励ましを得ることができたのです。それは、息子の支援級通級が始まったことがきっかけでした。支援級通級が始まると、もう一冊、支援級用の連絡帳を準備するのです。支援級は少人数なので、先生は息子の生活や学習について毎日びっしりとコメントを書いてくださっています。そして、支援級の連絡帳には、「息子くんは今日はこんなことを頑張りました」「この問題は自分で頑張って解きました」「毎日楽しそうに学校に通っています」というような、息子を褒める言葉がたくさんたくさん書かれています。息子の支援級の先生は、「通常級で頑張ってきてるんだから、支援級ではとにかく褒めるんです」とおっしゃってくださる方です。それが連絡帳のコメントにもよく表れています。私は支援級の連絡帳を読んでいるうちに、なんだか「お母さんも頑張ってますね」「息子くんは大丈夫ですから、お母さんも肩の力を抜いて」と言われているような気がして、大きな救いと癒しになりました。通常級の連絡帳を見るたびに自分を責めていた私ですが、支援級の連絡帳を読んで気持ちを取り直すことができるようになったのです。「支援」は親の心をも支えてくれる出典 : そして私は気づきました。「支援」とは、子どもだけではなく、ときに親の自信まで回復させる役割もはたしてくれるのだと。発達障害の子どもを育てていると、実は親も自信を失いがちになります。思うようにいかない育児に振り回され、周囲からの視線を気にしているうちに、どうしても「自分はダメな親だ」と自分を責めるようになります。私のように、子どもと同じ特性がある場合は困難はさらに倍々になります。自分の管理ができないのに、子どもの管理まですることは、そうたやすいことではありません。「支援」とは、「こんな風にお手伝いしたら、こんなことができるようになりましたよ!」というものでもあると思います。自分の子どもが「できましたよ」「頑張りましたね」と言われることで、日ごろ自信を失いがちな親も、活力を得ることができるのです。支援級の「連絡帳」の記録、それは親へのエールでもある。そう捉えると、困難が多い毎日を進んでゆくための新たな活力源が生まれたように感じることができました。
2017年06月01日<目次> ■ベテラン教員でも「保護者」になると迷う ■子どもの味方だけが学校にいる時代ではない ■「良い大学を出ることが幸せじゃない」時代のママの役目は? ■「一般的な子どもになって欲しい」と願う親がすべきこと ■「子どもを、枠にはめること」が教育なのか? 【木村先生がママたちに伝えたい20のこと】 子どもが生まれて、はじめて「ママ業」を始めるママたち。でも自分自身でも、そしてまわりからも「素人なのにプロ」を求められているように感じていませんか?ママたちの心の中にある「どうしたら、ママのプロになれる?」という気持ちに、少しでもこたえたいと思い、プロ教師歴40年の木村 泰子先生から「ママたちに伝えたい20のこと」をききます。<木村 泰子先生とは>木村先生は、すべての子に居場所のある「大空小学校」の初代校長先生を務め、その様子が映画『みんなの学校』として公開されました。そして今回お話をさせていただくのは、「育てにくい子」とされる息子を持ち、「まわりに迷惑をかけているのではないか」と考えながら子育てを行ってきたライターの楢戸ひかるです。■ベテラン教員でも「保護者」になると迷う前回、木村先生の元同僚であるベテラン教員から、発達障害のある孫の就学前教育相談で、どこまで話すべきか相談を受けたというお話がありました。●木村先生の同僚の教員(Aさん)から受けた相談内容Aさんは、発達障害の子とたくさん接してきたベテラン教員。そんなAさんの孫は、幼稚園で先生の言うことをまったく聞かない子で、Aさんも幼稚園での参観日やお迎えで孫の様子は理解しています。この孫が小学校就学前相談を受けることになります。そこでAさんの娘さんから「就学相談で、息子の現状をきちんと伝えるべきか? 伝えないべきか?」と相談を受けたそうです。どんなに「ベテラン教員」であっても、「保護者(祖母)」となると、どうすればいいのか判断することができなかった。そこで、Aさんは木村先生に相談することに…。木村先生は、どのような回答をAさんに送ったのでしょうか。■子どもの味方だけが学校にいる時代ではない木村:環境が整えば、子どもは育つ。でも、「整っていない環境に子どもを送りこまなければならないとき、保護者は、どうフォローすればいいのか?」というのは大きな課題ですよね。楢戸:「親は手も足も出ない」と、私だったら思ってしまいます。木村先生は、ベテラン教員であるAさんにどのような言葉を返したのでしょうか? 木村:周囲は、「その子は、発達障害なんでしょ」と、決めたがる。Aさんの娘であるママも、「発達障害の診断を受けた方が良いのかな?」と迷う。校長室に行って、「うちの子は、もしかしたら発達障害なんです」と言うほうが良いのか、言わないほうが良いのか、迷う。すごく、迷うと思います。楢戸:わかります。木村:私は、即答でした。「何も言わんとき。一切相談せんとき」って。「相談する相手が信用できる相手か、わかってる? わからんやろ?」って。子どもの味方だけが、学校にいる時代ではありません。「学校の先生は、すべての子どもたちを守ってくれるっていう時代じゃないやろ」って返しました。■「良い大学を出ることが幸せじゃない」時代のママの役目は?楢戸:とても現実に即したお話ですね。木村:「学校は立派」「先生の言うことは聞け」「たたいてでも、先生の言うことを聞かせる」それは化石時代の話。いままでは、ひとつの価値観を信じたら、みんなが幸せになれると信じられた、イケイケ・ドンドンの時代だったでしょ?その当時の学校や学校を取り巻く社会と、いまは、全然違う。そういう世の中から、いま、向かっている世の中は、「良い大学を出ることが幸せじゃないよ」ということに、みんな気がつきはじめた時代だと思うの。 「幸せは、自分がなりたい自分になることだよ。幸せは、人が決めない。自分が決めるものやで」。だからそのフォローは、まわりがしなさいよってこと。それが、これからの教育だと思うの。昔と今では、教育の目指す方向が全然違う。違うのに、過去の価値観だけを引きずっている。楢戸:つまりは、ママの役目は、子どもが決めた幸せをフォローすることですか? もっと言えば、何が幸せかを自分で決められるような子どもを育てることなんでしょうか。何というか、子育てについてコペルニクス的な発想の転換が求められている気がします。■「一般的な子どもになって欲しい」と願う親がすべきこと楢戸:では、「普通からハミ出てしまう子」の母親として、まず、私は何をすべきなのでしょうか?木村:まず、自分の子どもを「発達障害」という言葉で括らないということ。親が自分の子どもを信じないとね。楢戸:「普通からハミ出てしまう子」を育てることは、毎日が戦いなんです。そんな日々の中で子育てをしていると、疲れてきちゃって。「子どもを信じる」ということが、正直、厳しいです。木村:それって、「わが子が、一般的な子どもに近づいて欲しい」って思うからじゃないの?楢戸:そういうことなのかもしれないですね。木村:でもいまは、反省しているんですよね? 楢戸:反省していますね。(はじめて取材で)木村先生にお会いした2016年の7月以降、さほど、子どもを怒らなくなりました。■「子どもを、枠にはめること」が教育なのか?木村:すばらしい! いま、「親の立場」で、「苦しかった」と楢戸さんは言うけれど、子どもの立場になって、そのときのことを振り返ってみたことがある?子どもは、どんな暴れている子でも、芋虫みたいにゴロゴロしている子でも、反抗したくてやっているのとは、違うの! これは、私が子どもから学んだことだから、確信を持って言える。親の価値観は、「何で、私の言うことを聞かないの!」ってことだと思うけど、そうやって、ゴロゴロしている中で、その子は、その子なりの学びの時間をもっている。だからその場所を、安心して「学びの場」にしてあげたら、その子自身、傷つかないでしょ。「みんなはできているのに、どうして、アナタはできないの?」と、「こういう子であって欲しい」という枠に、無理やり子どもをはめないで、子どもを信じることが、とても大切です。楢戸:「子どもを、枠にはめること」。それが教育だと、先生と出会うまで思っていました。次回は、「「みんなができることが、アナタはできないの!」と言ってしまうママへ」 です。■【木村先生がママたちに伝えたい20のこと】8. 学校の先生は、すべての子どもたちを守ってくれる時代じゃない9. 幸せは、自分がなりたい自分になることだよ。幸せは、人が決めない。自分が決めるもの10. 昔と今では、教育の目指す方向が全然違う。過去の価値観にママは引きずられないで11. 「どうしてアナタはできないの?」という枠に子どもをはめないで。子どもを信じてあげて≫「木村先生がママたちに伝えたい20のこと」については こちら ■今回取材にご協力いただいた木村 泰子先生の著書『 不登校ゼロ、モンスターペアレンツゼロの小学校が育てる 21世紀を生きる力 』木村 泰子,出口 汪/ 水王舎 ¥1,400(税別)木村 泰子先生プロフィール大阪市出身。大阪市立大空小学校初代校長として、「みんながつくるみんなの学校」を合い言葉に、すべての子どもを多方面から見つめながら、全教職員のチーム力で「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことに情熱を注ぐ。その取り組みを描いたドキュメンタリー映画『みんなの学校』が話題に。2015年に退職後、現在は、全国各地で講演活動を行っている。
2017年05月24日よく聞く、「小学校は別世界」という言葉出典 : 発達障害のある子どもを育てている親にとって、小学校入学というステージはとても不安なものだと思います。それまで楽しく遊んでいれば良かった幼稚園・保育園の頃と違い、学習という活動がメインとなるのが大きな理由でしょう。また、幼稚園や保育園では手厚い支援をしてもらい、とにかく褒めて育ててもらえていた状態だったお子さんにとって、集団のルールを守ることに重きが置かれている小学校では、息苦しさを感じることが多いのです。幼稚園・保育園ではのびのび楽しくやっていたのに、小学校に入ってから急に自信を失うようになって…というようなお話を、私は幾度となく発達障害児の保護者から聞いてきました。ですから、発達障害のある息子の小学校入学は私にとって緊張感が漂うものでもあったのです。今のところ、息子は小学校の先生たちに手厚く支援していただいているおかげで、毎日楽しく通っています。けれどもやはり、小学校生活のさまざまなことで混乱をしている様子。それは、幼稚園時代にはなかったことでした。トイレに行ってはいけない!?息子の混乱例えば、小学校から帰ってきた息子が、こんな相談をしてきたことがあります。「今日ね、授業中におしっこもらしそうになって。先生にトイレ行きたいです!って言ったんだ。そしたらね…」Upload By モビゾウ「『小学校ではトイレは休み時間に済ませましょう』って先生に言われたの。それなのにね…」Upload By モビゾウ「先生は休み時間に済ませましょうって言ったのに、『はい、じゃあ行ってらっしゃい』って言われたんだよ。意味が分からないでしょう?」なるほど、先生は「本当は休み時間に済ませるのがルールだけど、今日は特別に行ってもいいよ」ということを言いたかったのでしょう。けれども息子は、この「今日は特別に」という部分が先生の言葉から読み取れないのです。先生の言葉をそのまま理解するため、「行ってはいけない」「はい、行ってらっしゃい」という言葉を同時に言われたことに混乱してしまったのでした。Upload By モビゾウさらに息子は、「小学校ではトイレは休憩時間に済ませるってことは、授業中にお腹痛くなったり気持ち悪くなったりしてもトイレに行っちゃいけないのかあ。どうしようどうしよう。お腹痛くなったらどうしよう」と悩み始めたのです。息子の発達障害の特性の一つなのですが、言外の意味を読み取るのが苦手なだけではなく、思考が0か100の両極端に偏りやすいのです。息子は「トイレは休み時間に済ませましょう」という先生の一言を、「具合が悪くても、何があっても、授業中のトイレは我慢しなければならない」という風に、極端な形で解釈してしまうのでした。無数にある集団生活のルール。それを把握することの困難さ出典 : このように、小学校には集団生活を円滑に送るための無数のルールが散らばっています。さらに、そのルールには例外や変更が沢山あるのですが、発達障害児にはそれを把握することがなかなか難しいのですのびのび遊ぶこと、褒められることがメインだった幼稚園時代に比べて、小学校に入ると「こういうルールがあるからダメ」ということが増えていきます。発達障害児は、なんとなく周りとうまくやれる程度にルールを把握するということが苦手です。小学校が別世界というのはこういうことだったんだな、と毎日混乱する息子を見ながら、私もなんとなく理解できたのでした。
2017年04月20日この時期、小学校の卒業式がラッシュですね。きれいに着飾った子どもたちが、誇らしげに学校の前で記念写真を撮る姿をよく目にします。子どもたちの卒業式スタイリングにも、流行り廃りはあります。とくに女の子の服装は数年ごとにトレンドが入れ替わるもの。数年前はいわゆる「AKBスーツ」が一世を風靡していましたが、近年新たな流行が生まれているのをご存じですか?それは「袴」。華やかで美しい装いとあって、多くの親子から支持を集めるようになりました。一方で、着なれていない和服であるため、反対している保護者や先生たちもいます。今回は、小学校の卒業式に袴を着せることへの賛否をヒアリングしてきました。その意見をもとに、卒業式・入学式の衣装選びのコツも考えていきましょう。●賛成派の意見『子どもが自主的に選んだ服なのであれば、袴でもいいと思う。どうせ中学、高校の卒業式は制服を着なきゃならないんだから、小学校ぐらい好きにさせてあげたい』(30代女性/小学生女の子のママ)確かに、「あれはダメ、これもダメ」と禁止ばかりするのは、子どもの自主性を潰しかねない行為ですよね。親だけが盛り上がって、むりやり袴を着せてしまうのは言語道断ですが、子どもの希望なのであれば無下に却下するのも考えものといえます。また、実際に着せたことがあるママたちからは、こんな意見もありました。『袴さばきや美しい身のこなし、和服ならではの座り方などを事前に教え、しっかり練習させておきました。最初は「キレイな服を着たい」という安易な気持ちしか無かった娘ですが、練習を通して日本の伝統を学び、意識を改めた ようです。当日、教えたとおりに美しく立ち振る舞う姿は、わが子ながらとてもカッコよかったです』(40代女性/中学生女の子、小学生男の子のママ)『「袴なんて寒いんじゃない?」とか「足元はどうするの?」とかいろいろ言われたけど、いくらでも方法はありますよ。わが家では袴の下にスパッツをはかせ、お腹周りにカイロを貼って防寒させました。足元は運動靴で問題ないでしょう。みんな着物のほうに目がいくので、そんな所まで見てませんでしたよ』(40代女性/高校生男の子、中学生女の子のママ)●反対派の意見一方の反対派は、どのような意見を持っているのでしょうか。『常識で考えて、袴は大学の卒業式で着るものでしょう。小学校で着せてる親って、子どもを大学に通わせる気がないのかなって思っちゃう。もしくは、親自身が高卒とかで、袴を着られなかったから、そのコンプレックスを子どもで解消させてるのかな。いずれにしても、いい印象は全くないですね』(40代女性/小学生女の子、幼稚園児男の子のママ)『袴姿の子、卒業式に何人かいましたけど……みんな着崩れちゃって見苦しく、だらしなかったです。集合写真を見ても、袴の子はダラダラの着物に疲れ果てた表情。こんなのが一生残るなんてかわいそう』(40代女性/中学生女の子のママ)学校の先生からは、次のような呟きが。『袴を着てきたせいで、1人でトイレに行けない と騒ぐお子さんが毎年いるんです。式の直前は忙しく手一杯なのに、トイレの介助につかなければならない。迷惑だなと思うことは正直あります』(50代女性/小学校教師)『式の後、袴姿のまま校庭で遊び、着物を汚してしまった子がいたのですが……高価なレンタル品だったそうで、親御さんから大変なクレームが来ました。先生がちゃんと見ていなかったせいだとか、クリーニング代を払えとか言われて参っちゃいました』(40代男性/小学校教師)●卒業式、入学式にふさわしい服装とは賛成派、反対派の意見それぞれに、うなずける部分はありますね。迷ってしまいがちな卒業式・入学式の衣装。どのように選べばいいのか、今回のインタビューから見えてきたポイントをまとめました。●(1)子どもの体に負担をかけないものを子どもたちにとって式典はとても長く、出席するだけで疲れてしまいます。洋装でも和装でも、子どもの体に負担のない服 を選ぶべきでしょう。襟元やウエストの締め付けが少なく、適度にゆるやかなデザイン・サイズ感のものがいいですね。●(2)動いても見苦しくない式典中は座っているだけですが、教室間の移動はあります。いつもと違う雰囲気にテンションが上がって、走り回りたくなってしまうことも。動いても見苦しくない服を選ぶ、下着が見えないような配慮をするなどは重要なポイントです。●(3)着脱がひとりでできるトイレに行きたくなったとき、気分が悪くなったときなどに困らないよう、子ども自身で着脱ができるものにしておきましょう。チャックやホック、スナップボタン など、慣れていない留め具はありませんか?大人にとっては簡単なものでも、子どもには扱いが難しいものもあります。自宅で数回練習させておくと、より安心ですね。----------いかがでしたか?小学校の卒業式は、子どもの巣立ちを祝う場。過度に着飾ること、そしてその姿を競い合うことは本来の目的ではありません。そのことを念頭に置き、子ども自身の意見も取り入れながら、とっておきの衣装を用意してあげましょう。●文/パピマミ編集部●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2017年03月28日いざ支援級へ進学!と思いきや…就学相談の担当者から1本の電話が出典 : 発達障害のある長男の進学先選び。発達が気になるお子さんがいるご家庭の多くの例に漏れず、一悶着二悶着・右往左往ありましたが…結果的に長男の「支援学級」進学へと方向性は決まっていきました。就学相談でも支援級の方向性でまとまり、学級の体験も完了。あとは委員会でお墨付きをもらって進学先決定!お疲れ様!!…のつもりでした。毎年恒例の家族旅行の途中で、就学相談担当者の方から留守電が入っていました。「お話があるので、折り返しお電話いただけますか。」いつもなら用件も留守電に入れてくださる方なので、「これはちゃんと話さなければいけない事態に違いない…」。そんな予感を抱えながら折り返しの電話を入れました。見学時の長男の振る舞いが理由で…委員会には支援学校を勧められる出典 : 折り返して掛けた電話口で、担当者の方から告げられたのは、「委員会で検討した結果、支援学校をお勧めします」との言葉でした。どうやらヒアリングや発達検査の段階では支援級が適切とされていたのですが、支援級に体験に行った際に長男が暴れてしまったことに引っかかったようで…。支援学校が適切との判断が下りたようです。そして色々と電話で説明を受けた最後に担当者の方がこう仰いました。「追って書面で通知が届きますが、決断されるのはご家庭ですから。」そして届いた書面。そこにあった言葉は…我が家としては、「自分たちの視野だけで子どものことを決めず客観的な意見を取り入れながら子育てを」と思っていたので、委員会の判定は受け入れ、支援学校進学へとすぐに気持ちを切り替えました。そしてそんな折に届いたのが、先日の電話で伝えられていた『通知書』です。封筒の中にはA4の紙が一枚、そしてそこあったのは、Upload By OKASURFER『特別支援学級(固定)不適切』の文字。わかってはいたけれど…強く強く拒絶されたような気持ちでした。支援級への進学が難しかったことはショックじゃない。傷ついたのは「不適切」という言葉出典 : 我が家は別に判定を不服だと訴えるつもりもないし、騒ぐつもりもありません。それでも「不適切」という言葉は「とにかく黙ってろ」というような有無を言わさない強さがありました。告白してもいないのに酷く振られたような理不尽な気持ちもこみ上げます。これがもし「支援学校に適しています」という通知であればどれだけ前向きになれたか。自分の子どもを「不適切」とされて、落ち込まない親がいるでしょうか?支援学級への進学が難しかったことはショックでもなんでもなかったのに、「不適切」という言葉はとてもショックでした。そこまで拒絶しなくったっていいのにな。もやもやした気持ちは今でも残っています。まずは教育機関から、伝え方を見直してみてほしい。出典 : 障害のある子どもを育てる中で、「走らない!」→「歩きます」「そんなことしないの!」→「〇〇をしようね」というように、「肯定的な言葉がけ」がとても大切だと言われてきました。それは教育の現場でも同じはずです。そして教育機関であるからこそ、一つ一つの言葉に教育的な信念を持って欲しいと思うのです。特別支援学校は、支援学級に「不適切」だとされた子どもたちが「仕方なく」通う場所でしょうか?決してそうでは無いと私は思います。そんなイメージを作らないような取り組みを、教育機関にはしてほしいのです。障害者差別解消法が施行されていくぶん月日も経ちました。そろそろ昔のテンプレートを見直してみてほしい。ほんの少し言葉尻を変えるだけで障害や支援に対して前向きな気持ちになれるのだと知ってほしい。今はそんな気持ちでいっぱいです。
2017年03月15日