美しいメロディが貫く浮遊感のあるオルタナティブロックを奏でる羊文学のセカンドフルアルバム『our hope』はサウンドアプローチも歌詞も歌も、あらゆる面で進化が感じられる。ダンスに接近した「OOPARTS」など、これまでの羊文学にはなかったようなサウンドが随所で聴けるのだ。これまでの決まりを外してチャレンジした。「これまで自分の中で、3人で鳴らせる音しか鳴らさないのが正直なんだっていう謎の決まりがあったんですけど、前のアルバムでその方向性でできることはいったん満足したんです。今回その決まりを外して新しいことにチャレンジしてみたら、意外といろいろできるんだなって思いました。『パーティーはすぐそこ』はポップス寄りのコーラスワークとサウンドを心がけてみたり、『光るとき』と『ワンダー』はコーラスを重ねてみたり、『OOPARTS』はシンセを取り入れました」(塩塚モエカ・Vo&Gt)「今回ドラムのテックさんを入れたこともあり、これまでのドライでダークなイメージより、ポップな振れ幅が生まれたんです。例えば『パーティーはすぐそこ』はJポップ寄りの抜けが良いスネアサウンドになっています。全体的に叩き心地も大きく変わって、演奏しててすごく楽しかった」(フクダヒロア・Dr)「前はぱっと思いついたアイデアを軸にベースを弾いていたんですけど、今回は事前にプリプロ合宿をしたこともあって、曲を客観的に聴いてからじっくりリズムパターンを考えました。プリプロ合宿はとても楽しかったし、そうやって作ったことでみんなの考えもスムーズに一致していきましたね」(河西ゆりか・Ba)「確かに、アレンジやメロディをギリギリまで妥協なく詰めていけたのはプリプロ合宿が大きかったと思います」(塩塚)今作では塩塚さんのデモの作り方も大きく変わったという。「今までは弾き語りの音源をふたりに渡すことが多かったんですけど、今回はパソコンで簡単に作ったデモを渡したんです。例えば『OOPARTS』は、完成版は前半がシンセ中心で後半がバンドサウンド強めの構成ですけど、デモは全部シンセで作りました。それをバンドでアレンジしたら一回全部バンドサウンドになったんですけど、やってるうちに私がシンセのパートを入れたくなって、前のバージョンと合体させたんです。そういう着地の仕方ができたのもデモの作り方が変わったからだと思います」(塩塚)「弾き語りの時は、スタジオで初めて具体的に『こういう感じなんだ』ってわかったんですが、今回は曲のイメージを最初からつかみやすかったですね」(河西)「『OOPARTS』の打ち込みみたいなサウンドは、デモの時点でスーパーカーさんとかのバンドのリファレンスもあって、’00年代や’10年代の雰囲気を想像しました。羊文学にこういうシンセのバンドサウンドの幅があるんだっていうのが、デモの時点から新鮮でした」(フクダ)塩塚さんの書く歌詞は、フィクション性の強いものから、まっすぐに力強いメッセージを放つものまでアプローチは様々。世界や“君”を肯定する「光るとき」をはじめ、希望を感じる歌詞が印象に残る。「今までは自分の暮らしの愚痴を広げた歌詞が多かったんですけど、周りの人の影響もあって世界のことに視野が広がったところもあります。でも実はそれも突き詰めれば暮らしの愚痴ではあるんです(笑)。歌詞を書くのが上手くなったんだと思いますし、サウンドが明るくなったので抜けが良くなった感じはありますね。音楽って面白いですよね」(塩塚)メジャー2ndフルアルバム『our hope』。TVアニメ『平家物語』主題歌「光るとき」など全12曲収録。【初回生産限定盤(CD+BD)】¥5,000【通常盤(CD)】¥3,300(Sony Music Labels)ひつじぶんがく左から、河西ゆりか(Ba)、塩塚モエカ(Vo&Gt)、フクダヒロア(Dr)。2017年に現在の編成となる。’20年メジャーデビュー、ニューアルバム『our hope』をリリース。河西さん・キャミソールドレス¥22,000(イェンスtm@j-e-n-s.jp)トップス¥35,200(アカネ ウツノミヤ/ブランドニュース TEL:03・3797・3673)スニーカー¥39,600(グラウンズcustomer@fools-inc.com)塩塚さん・ドレス¥38,500(イェンス)スニーカー¥29,700(グラウンズ)その他はスタイリスト私物※『anan』2022年4月27日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・中井彩乃ヘア&メイク・kika取材、文・小松香里(by anan編集部)
2022年04月25日韓国在住のDJ/プロデューサー・Night Tempoさんのメジャー初のオリジナルアルバム『Ladies in The City』のコンセプトは“’90年代の日本の都会に暮らす女性”。そもそも昭和歌謡への造詣は深いが、コロナ禍で日本の’90年代のトレンディドラマを見たことがインスピレーションになったそう。楽曲イメージを固める中で、BONNIE PINKさんや道重さゆみさんらに声をかけた。昭和歌謡にはシンプルなわかりやすさがある。「どんな活動をしているかを調べずに、純粋に声だけで一緒にやってみたいと思う方々に声をかけました。例えば道重さんにはこれまで歌ったことのないようなディスコを歌ってみてほしいといったアイデアを反映させて作っていきました」CD&配信に続いて、LP&カセットの形態でもリリース。カセットのコレクターとしても知られるが、「音が上品でコンパクト。必要なものだけ詰まってる」と良さについて話す。日本のものだけで600本以上を所有する中で、一番のお気に入りはシティポップブームを牽引した「プラスティック・ラブ」が収録された竹内まりやの『VARIETY』。「これまで10本持ってたんですが、最近倉庫からもう1本見つけて11本あります。『これが聴けなくなってしまったら……』って思うと買ってしまう(笑)。でも数というより、例えばアルバム1作に100人の思いが込められてるとしたら、600本あれば6万人の思いが込められている。それだけの価値を所有していると考えることが大事かな」アイドルのプロデュースにも意欲的で、昭和の歌手とのコラボも近いうちにやってみたいという。「中森明菜さんと一緒にやってみたいですね。ハードルは高いと思いますが、これまでも頑張っていろんなことを叶えてきたので、強くアピールしていきたいと思ってます(笑)」欧米のヒット曲にも昭和歌謡がサンプリングされていたり、さらに盛り上がる現状をこう分析する。「日本の優れた音楽が再評価されていると感じます。今の若者には即効性の高いものがヒットする。昭和歌謡にはシンプルなわかりやすさがあるのも大きい。国や言葉の違いは関係ないんですよね」1stメジャーオリジナルアルバム『Ladies In The City』。’90年代の日本の都会に暮らす女性を描いた楽曲を収録。BONNIE PINK、道重さゆみ、野宮真貴らが参加。【通常盤(CD)】¥2,970(Universal Music Japan)ナイト・テンポ1980年代の日本のシティポップや昭和歌謡を再構築した音楽ジャンル、フューチャーファンクの韓国人プロデューサー/DJ。カセットコレクターとしても有名。※『anan』2022年4月13日号より。取材、文・小松香里(by anan編集部)
2022年04月11日俳優の小松菜奈と坂口健太郎がW主演を務める映画『余命10年』のロケ地と場面写真が6日、公開された。同作は小坂流加による人気小説の実写化作。数万人に1人という不治の病で余命が10年であることを知った20歳の茉莉(小松)は、生きることに執着しないよう、恋だけは決してしないと心に決めていた。しかし地元の同窓会で和人(坂口)と出会い、茉莉の10年は大きく動いていく。3月4日より全国350スクリーンで公開となり、4月5日時点で累計動員数は190万人突破、興行収入24億円を記録する大ヒットとなった同作。2人が過ごした“10年間”の軌跡を辿るように聖地巡礼に赴くファンも多く、今回はロケ地を公開することとなった。まず原作者である故・小坂さんの生まれ故郷でもある静岡県の三島市では、中学校の同窓会に出席するために帰省した茉莉が父の明久(松重豊)と源兵衛川で散歩をする。国土交通省認定「水の郷百選」にも選定された三島を代表する水辺スポットとなっており、初夏の夜には蛍が舞い、美しい流れとなっている。さらに茉莉と和人が運命的な再会を果たした同窓会での帰り際、2人きりで会話をするシーンは源兵衛川からも近い三島広小路駅前で撮影された。同窓会での再会以降お互いに惹かれ合う茉莉と和人だが、どこか一歩を踏み出せずにいる。その関係が大きく変わる瞬間を描いた夜桜の下を歩くシーンは、石神井薬師堂橋付近で撮影された。撮影を振り返った小松は「あの桜のシーンは和人と茉莉の関係が始まっていく爽やかなシーン」、坂口も「この作品は桜が凄く印象的なところで映っていて、夜桜のシーンは風が吹いて、目が合って、凄く2人の美しい関係性のスイッチが入ったような気がしました」と明かしている。茉莉と和人が友人のタケル(山田裕貴)、沙苗(奈緒)と共に季節の行事を楽しむ様子については、千葉県のあけぼの山農業公園でお花見、蔵前橋で花火シーンを撮影。また海水浴でのシーンは静岡県下田市にある入田浜海水浴場で撮影された。SNSで「このシーン大好き」「ここで嗚咽が止まらなくなって、ずっと泣いてました」などの声が上がるほど鑑賞者の心を掴んでいる、和人が茉莉に自身の想いを伝えるシーンは日暮里駅前。その後スーパーで小競り合いしながら何を買うのかを話すシーンは亀有食品市場、帰り道に綺麗な夕陽が差し込む中で仲良く手を繋いで歩くシーンは谷中銀座での撮影となっている。物語の終盤、茉莉と和人が雪山デートを楽しみ決断をするシーンは軽井沢プリンスホテルスキー場、茉莉が和人に病気について明かすシーンは軽井沢プリンスホテルイーストでの撮影。このシーンは薄暮で限られた時間の中での撮りきらなければいけなかったと藤井監督は振り返っているが、そのような環境でキャスト・スタッフ陣が団結し作り上げた映像は幻想的かつ美しいものになっている。
2022年04月06日コロナ禍になり、多くのミュージシャンと同様、サカナクションもツアーを中止せざるを得ない状況に。これまでの活動のスキームが通用しない時代になったことを踏まえ、「オンラインライブで新曲を発表するという新たな流れを汲むことから始めた」とフロントマン・山口一郎さんは話す。感動するためには結果がわからないことをやる必要がある。「コロナの影響がない時代にはもう戻れないと思いました。音楽カルチャーの中で新しいものを見つけるのが使命だと勝手に思って(笑)、まずは、普通にライブをシュートするのではない、リアルライブが舞台だとしたら映画のようなオンラインライブを実現したいと考えました。そこから、これまでのアルバムを出してツアーという流れではなく、オンラインライブを観た人にリアルライブに興味を持ってもらって、ライブで音源が欲しいと思ったらCDやサブスクで曲を聴いてもらう流れがコロナ禍における新しい流れかなと。無料で音楽を楽しむ層もいる中で、音楽の楽しみ方で様々な選択肢を提案していきたいと思いました」その流れでこの度リリースした、『アダプト』と来年リリース予定の『アプライ』という2枚のアルバムの構想が生まれた。「僕らはリリースにすごく時間がかかるバンドなので、コロナ禍を集約した作品を一枚出すとしたら何年もかかっちゃう。だから2つの期間に分けて曲を作り、それを適応=アダプトと応用=アプライという2つのアルバムにして、それプラスツアーやオンラインライブをやる。アルバムというものがマーチャンダイジング化していることも鑑みて、一枚で完結させるのではなく、プロジェクト全体の流れの中で表現していくことが重要だと思ったんです」インスタライブで多くのファンと対話をしたことも参考になった。「僕がミュージシャンになってから離れていたような社会と触れ合えたし、有意義な議論ができました。例えばクラスの半数以上に知ってもらいたいのであればそういったファンとの関係性の築き方は難しいかもしれないですが、僕らはクラスの1人か2人に深く刺さるものを作っていきたいと思っているので、その距離感がしっくりきた。流行り廃りのスピードもより速くなっているので、今すぐ愛されるものより、結果的にどれだけ長く愛してもらえるかが鍵になっていくと思っています」「サカナクションは薬に例えるとじわじわ効いてくる漢方薬のようなもの」と笑う。「多感な人にどんな変なものを届けるかという使命感もある。いま僕らがやろうとしていることは5年後10年後に効果が表れると思ってます。サブスクによって昔の曲をあたかも新曲かのように聴いてもらえる時代なので、新曲をリリースしないと新しいファンがつかないわけでもない。自分たちの表現をいろんなやり方で届けられればいいと思ってます」そもそもサカナクションは、コロナ以前から、音楽業界を刷新する革新的な動きをしてきた存在だ。「歳を重ねていくと、いろんなことの作為性がわかってなかなか感動しなくなりませんか?(笑)感動するためには結果がわからないことをやる必要があって、そこで何かしら達成できると受け手側にも必ず感動がある。だから僕はどうなるかわからないことに常にチャレンジしていきたい。周りに尊敬する人たちが集まってくれているので、僕がアイデアを発信すれば想像以上のものが生まれる環境ができている。40代はそういうアプローチに賭けてみよう、と。ある意味部活みたいな感覚(笑)」タイアップ曲「プラトー」「月の椀」「ショック!」を含むコンセプトアルバム『アダプト』。初回生産限定盤には山口一郎が自宅から配信したオンラインライブ映像を収録。通常盤CD¥2,090(NF Records)サカナクションメンバーは山口一郎、岩寺基晴、草刈愛美、岡崎英美、江島啓一。2007年メジャーデビュー。’13年、第64回紅白歌合戦出場。’15年、劇伴を手がけた映画『バクマン。』で第39回日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞。ニットジャケット¥48,400シャツ¥28,600ニットパンツ¥41,800(以上stein/carol TEL:03・5778・9596)メガネは本人私物※『anan』2022年4月6日号より。写真・澤田健太スタイリスト・三田真一(KiKi inc.)ヘア&メイク・根本亜沙美インタビュー、文・小松香里(by anan編集部)
2022年04月03日女優の小松菜奈が出演する、ジャックスの新CM「物以上の、物語を。」シリーズ全4編が5日より放送される。「物以上の、物語を。」シリーズは、“ためになる消費”をテーマに、新CMキャラクターの小松が買い物を通じて、彩り豊かな日々を送っている様子が描かれる。今回は、小松本人が実際に「買いたい物」を題材にし、CM撮影を実施。撮影の合間に、子どもたちと縄跳びをして遊んだり、キャンプファイヤーで焼いたマシュマロを楽しんだり、和やかな雰囲気で撮影は進行した。また、今回のCMについて、小松は「私の興味のある色々なシチュエーションでの撮影だったこともあり、お芝居というよりも自然体の私が映っていると思います。ぜひ、ご覧いただけたら嬉しいです」とコメントを寄せている。
2022年04月01日ターニングポイント、生涯得難い経験、記念碑的作品――小松菜奈と坂口健太郎にとって、W主演を果たした映画『余命10年』は、言葉にするならばそういう類の、あまりにも特別な1作となった。完成した作品を観た後は、「初めまして」だった関係者の男性と涙ぐんで感想を話し合ったし、自分の作品を客観的に泣きながら観てしまった。そんなことは初めての経験だったと、ふたりは頷き合って言葉を交わす。第43回日本アカデミー賞6部門受賞の藤井道人監督が手掛けた『余命10年』は、小坂流加による同名原作の映画化。数万人にひとりという不治の病を患い、余命が10年であることを知らされた高林茉莉(小松さん)が、同窓会で真部和人(坂口さん)と再会するところから、物語は始まる。惹かれる気持ちはあるものの、恋はしないと決めていた茉莉は、和人と付き合うことを葛藤し最初は拒否。しかし、抑えられない恋心がスパークし、そこからは大切なふたりの日々が綴られる。いじらしくも残酷な10年という日常が、春夏秋冬のうつろいに乗せて描かれる。二人三脚となった小松さんと坂口さんは、およそ1年にまたがって行われた撮影期間を駆けた。インタビューでは、坂口さんからの「作品、どうでしたか?」という“逆質問”からスタート。余命という言葉が持つ儚さよりも、生きることの尊さと腹の底から湧き上がる愛しい気持ちが、ふたりの言葉からもあふれ出る。今までにない経験、観終わった後は「みんな同じ気持ち」――公開直前のインタビューになりました。今のお気持ちはいかがですか?坂口:あの…作品、いかがでしたか?小松:うん、聞きたいです!坂口:もうすぐ公開なので、「いろいろな人に観てもらえたらいいね」と菜奈ちゃんと話していたんですけど、自分たちは当事者として観ちゃっているから「本当のところ、どうなんだろうね!?」とすごく気になるんです。自分たちとしては、すごくいい作品だとは思っているんですけど。小松:本当に、そうですよね。――出演作は客観的に観られないという話は“俳優あるある”で伺いますが、おふたりはいかがですか?坂口:いつもはそうです。自分が出ていると、どうしても主観的になって観てしまうんだけど、今回は…めちゃくちゃ泣いちゃって。ちょっとびっくりしちゃいました。小松:わかります。試写で観終わった後、関係者の男性が感想を伝えてくださいりながら、すごく泣いていらして。その方のお話を聞いているうちに、私も泣いてしまって。「初めまして」の方でしたが、すごく隣で寄り添えるような感覚になりました。スタッフのみなさんとも観終わった後、2時間ぐらい立ち話をしていたんです。そんな経験、今までになかったなと思いました。坂口:本当にあまりないよね、ああいう試写後の空気感って。小松:そうそう。試写が終わると気恥ずかしさもちょっとあるからか、みんな「おつかれさまです」、「ありがとうございましたー」みたいな感じですけど、今回は違って。「みんな同じ気持ちだったんだ」と感じられたのは、すごく嬉しかったです。坂口:本当にそうだね。――言葉に表すなら、『余命10年』はおふたりにとって何がどう特別だったんでしょうか?坂口:僕は「藤井組だったから」という感じがあります。とにかく、この『余命10年』という作品にかけてくれたスタッフさんたちの熱量に尽きます。僕の役(和人)は、物語の中でもある種シンプルなんですよね。茉莉ちゃんのことをずっとちゃんと好きでいること、茉莉ちゃんに対してどこまで愛情を持っていられるか、ということがキーでした。シンプルなようですけど、そのエネルギーをちゃんと真実として見せられるかが、すごく難しかったです。この作品は約1年かけて撮っていったので、撮影が空く期間は別の作品に入っていたんですね。それでも、心のどこかで茉莉ちゃんのことも、作品のことも思っていました。逆にその時間があるからこそ、一歩引いて考えられたりもして、邁進しすぎないこともできましたし。和人と距離を置くわけではなく、そうした時間があったからこそ、考えた結果の芝居ができました。――時間があった分、役への寄り添いや臨み方も普段とは少し変わっていたんですね。坂口:いろいろなものに追われちゃっていると、考える前にセリフを言わなきゃいけないときも正直あったりするんです。けど、この長い期間をちゃんと使って、和人のこと、茉莉ちゃんのことを頭の中に置いてできたのは、すごくよかったです。――藤井監督とは初めてですが、どういうやり取りをされていたんですか?坂口:なんかね、すごく不思議だったんですけど、和人は僕と藤井監督の“共通の友人”みたいな感じだったんですよ。小松:へえ~!坂口:僕と監督のふたりで、「あいつってさ~」みたいな感じで和人の話をすることが多くて。演出はほとんどなかったんですけど、代わりにいろいろなパターンを撮りました。「こういう感情になる和人もいるだろうし、こっちの感情になる和人もいるだろうし」とカメラを回したことはすごく覚えています。例えば、焼鳥屋さんで玄さん(リリー・フランキー演じる和人のバイト先の店主)と話した後、茉莉ちゃんの元に走っていくシーンも、実はいろいろな感情の吐き方を撮りました。ラストの和人の歩いた最後の表情も、3~4パターンは撮っています。監督には「そのときに組んでみて、一番いいところをチョイスすると思う」と言われていましたし、僕もそうであるべきだなと思いました。だって、感情は一色ではないから。自分の中で整理がつく感情をいろいろ撮って、そこで一番いい形で歯車を合わせる作業をこの作品ではやっていましたね。『余命10年』は「生きた証」「大きなものが変わる作品」――小松さん、坂口さんの今のお話をずっと「うん、うん」と熱心に聞いていらっしゃいました。改めて、作品への思いはひとしおでしょうか?小松:本当に、そうですね。オファーをいただいたとき…そのとき監督が話している目から、もう違ったんです。だからこそ簡単には「やります」と言えなくて、すごく覚悟が必要な作品でした。撮影に入ってから、監督とは「大げさな演出はやめよう」と話しました。リアルさもあって、大げさでもなく、というところをちゃんと追求しようと。本当に「妥協なしで最後まで燃え尽きようね」と作品中もずっと話していたんです。だからこそ、茉莉を演じるときは、1分1秒を大事に生きなきゃ、と向き合っていました。作業的な感情は無理ですし、嘘の感情では、この茉莉の気持ちは届かないと思ったので。芝居は何度も何度もやりましたが、いつも新鮮でいたいという気持ちでやっていました。坂口:僕は近くで菜奈ちゃんを見ていたからこそ、すごく大変だっただろうなと思います。和人は本当に最後のほうに病気のことを知るけれども、茉莉ちゃんはずっと和人に黙っていなきゃいけないし、菜奈ちゃんは減量もあったし…1年、本当に大変だったよね。小松:役のために減量もしていたので、気持ちと体力が追いついていかなくて、感情が出なかったりしたときもありました。でも、ちゃんと気持ちにたどり着くまでは絶対嘘がないように演じたいと思って。…私、あまりにもずーっと作品や役のことを考えすぎちゃって、無意識に奥歯をかみしめすぎていたらしく、作品中に1本、奥歯が抜けちゃったんです(苦笑)。「藤井監督は日本アカデミー賞を獲られているんだ、この作品をダメにしたらどうしよう」とか、「RADWIMPSさんは絶対にいい曲を書いてくださるから、それに負けちゃったらどうしよう」とか、そんなことまで考えてしまって、自分に変なプレッシャーをかけすぎちゃっていたのもありました。――おふたりのすべてを注ぎ込んで完成された『余命10年』は、鑑賞した観客の心に深く残るものがある作品だと思います。小松:私も、茉莉を生きることで、自分の人生をやっと見つめ直せました。人とのコミュニケーションの大切さや、人と会うことの大切さに、改めて気づかされたりしましたし。限りある人生だと思ったら、「じゃあ何でもやってみよう」とポジティブに捉えられるようになったと思います。坂口:うん。初号を観て、「すごくちゃんと生きる話だな」と感じたんですよね。死に向かって、余命の残りの灯(ともしび)に向かって進んでいくというよりは、余命をどれだけ生き抜くか。だから、必ずしも悲観的なものというよりは、ちゃんと生き抜いた茉莉の姿がそこにあったので、生きた証のひとつの作品になったと感じています。小松:そうですよね。25歳(※撮影当時)にして、すごく深く刺さるものがありました。自分の役者という人生にとっても、大きなものが変わるというか、節目というか…旗が立てられるような作品になると直感的にちょっと感じました。出演させていただいた作品は、もちろんどれも愛情はあるんですけど、『余命10年』は違うステージだったというか、壮絶だったので、愛情のかけ方が今までとはまた違ったように思っています。【小松菜奈】スタイリスト:遠藤彩香ヘアメイク:DAKUZAKU(TRON)衣装クレジット:シャツ 22,000円 ジャンティーク/Tシャツ 8,800円 ステージ/パンツ 39,600円 トーガ プルラ/ブーツ 28,600円 センソイヤリング 57,000円 シャルロット シェネ/リング [左手ひとさし指](ゴールド)30,800円 フォーヴィレイム/(シルバー/2個セット)41,800円 ブランイリス/リング [左手小指] 30,800円 フォーヴィレイム(text:赤山恭子/photo:Maho Korogi)■関連作品:余命10年 2022年3月4日より全国にて公開©2022映画「余命10年」製作委員会
2022年03月09日歌とラップ、英語と日本語を自在に操る歌唱を武器に、ギターを軸にしたボーダーレスなサウンドを奏でる竹内アンナさん。2ndフルアルバム『TICKETS』には「聴き手をいろんな場所や時間に連れていく素敵な旅路のチケットになりますように」という想いが込められている。「ラジオの企画で“真夜中の夢旅行”っていうテーマのプレイリストを作ったんです。旅行はしづらくなってしまったけど、せめて夢の中で好きな場所に行きたい。そのプレイリストを聴いていて、例えばビートルズの『ゲット・バック』を聴くと行ったことのないイギリスの街並みが浮かぶし、くるりの曲を聴くとたちまち地元の京都に戻った気分になって。どんな場所にいてもどんな時間であっても曲によっていろんな場所に行けるんだということに気づき、アルバムのイメージを固めていきました」コロナ禍において、聴き手を鼓舞する力強い音楽に意識が向かった。「2年前にリリースした1stアルバムの『MATOUSIC』は、生活の延長線上に自分の音楽があればいいなと思って寄り添うような作品をイメージしたんですが、その直後コロナで人と会いづらい状況になってしまった。それでみんなの気持ちを外に引っ張り出すくらいのものを作りたいって思ったんです」その想いが、よりキャッチーになったサウンドとポジティブでストレートな歌詞を生んだ。特に印象に残るのは、「GOOD FOR ME」や「ICE CREAM.」といった恋のときめき全開の楽曲。「『ICE CREAM.』は新しいことがしたくて初めてご一緒する制作チームと作ったので、今までにないサウンドになりました。あとこれまで“竹内アンナっぽい歌詞”っていうのが頭にあったんですけど、それが天井になっちゃっていた。せっかく新しいアプローチのサウンドなので、一度その枠を取っ払ったんです。こんなにストレートにハッピーな歌詞を歌ったことがなかったのでやりすぎたかなって思ったんですけど、サウンドに乗せて歌ってみたら意外といけるなって」飛躍の作品を完成させた今、思うこととは。「ソロだからこそ自由に何でもできるんだなって改めて思いました。私はギターも弾くし、いろんな機材を使って曲を作る。フレキシブルにいろんなことにトライしていきたい。動きが制限されたこの2年ぐらいはもどかしさも感じましたが、成長できたことがたくさんありましたね」2ndフルアルバム『TICKETS』。「手のひら重ねれば」や昨年のデビュー日にリリースした「ICE CREAM.」等全13曲収録。【初回限定盤(CD+DVD)】¥5,500【通常盤(CD)】¥3,300(テイチクエンタテインメント)たけうち・あんな1998年4月25日、アメリカ・ロサンゼルス生まれ、京都府出身。2018年、テキサス州オースティンで行われた大型フェス「SXSW 2018」に出演。同年EP『at ONE』でメジャーデビュー。トップス¥11,000(MANON/エムケースクエア TEL:06・6534・1177)イヤリング¥7,100左手のリング¥3,000(共にsomnium TEL:03・3614・1102)その他はスタイリスト私物※『anan』2022年3月9日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)スタイリスト・岡村春輝ヘア&メイク・福島加奈子取材、文・小松香里(by anan編集部)
2022年03月07日3月4日公開の映画『余命10年』の高校生限定試写会イベントが27日、都内で行われ、ダブル主演の小松菜奈、坂口健太郎が出席した。"涙よりも切ない"恋愛小説として、発売以来SNSを中心に反響を呼んでいる小坂流加のベストセラー小説を小松菜奈、坂口健太郎のダブル主演で映画化した本作。20歳で不治の病にかかり、もう恋はしないと心に決めた茉莉(松菜奈)と恋に落ちる和人(坂口健太郎)の切ない日々を感動的に描く。この日は高校生限定の試写会が行われ、試写会後に小松と坂口が登壇して舞台あいさつ。小松は「茉莉を演じる時は本当に全身全霊でという気持ちで演じさせていただきました。生きた感情でお芝居をしたいと入る前からずっと思っていたので、お母さんに今思っていることを吐き出すシーンはカメラが回っていないところでも涙が止まらなくて、お芝居をしていても気持ちが揺れ動き、何とも言えない感情になりながらお芝居をしていました」と母を演じた原日出子とのシーンが印象的だったそうで、「撮影前から緊張していて震えるというか毎日それを考えていて、歯ぎしりがすごくて奥歯を抜いていました。ずっと茉莉のことを考えていたので、すごい1年だったなと思います」と並々ならぬ思いで役を演じたという。坂口は「僕は基本的にシンプルに茉莉のことを愛している男の子で良かったです。彼女に出会ったことで大人になって少しずつ精悍な顔つきになる変化は難しい作業でしたが、茉莉のことをどれだけ愛せるのか、そこが嘘に見えてしまうとストーリーが希薄に見えるので、茉莉のことを好きでいようと現場ではずっと思っていましたね」と振り返った。イベントの後半では高校生の質問に答えるコーナーも。茉莉と和人が運命の出会いを果たした本作にちなみ、「運命が大きく変わった出来事は?」という質問に坂口は「仕事と考えるとモデルのオーディションかな。僕、オーディションの会場を間違えて別のビルで待っていたんです。そしたら警備員さんが声を掛けてくれて、教えてくれなかったらこの場にいなかったかもしれません。それがなかったらモデルもやっていなかったし、警備員さんが変えてくれたのかなと思います」と運命を変えた警備員に感謝しきり。また、「幸せに感じる時は?」という質問に「美味しい物を食べている時や古着屋で服を選んでいる時」と回答した小松は「家族でいる時もそうだし何気ないことが本当に幸せだと日々思いますね」と笑顔を見せていた。映画『余命10年』は、3月4日より全国公開。
2022年02月28日小松菜奈と坂口健太郎のW主演で贈る映画『余命10年』より、2人のコメントも挿入された、物語に「RADWIMPS」の音が寄り添う特別予告編が到着した。20歳で難病となり、もう恋はしないと心に決めた余命10年の茉莉(小松さん)と、生きることに迷う和人(坂口さん)や、2人に関わる大切な人たちとのかけがえのない日々に寄り添う、「RADWIMPS」の音楽と世界が劇中に表れている。それもそのはずで、通常の映画製作では、撮影が終わった後に編集段階で音楽が作られることが多いが、本作は、撮影時にすでに作り上げられ、その音楽を聴きながら撮影に挑む、異例のスタイルがとられたのだ。藤井道人監督は「みんなトーンが一個になっていくというのは、これは発明だなと思った」とその手ごたえを語る。小松さんは「移動のときも毎日聴いていたし、オンとオフを与えてくれる、心の拠り所になった曲だった」と音楽について話す。坂口さんも「(主題歌の「うるうびと」は)和人目線で歌詞が書かれていて、この良さを最大限にするには、この作品の中でどれだけ茉莉を愛せるかだなと頑張ろうと思った」とバンドからのメッセージを受け取ったという。実写映画としては、初めて全編にわたり音楽・主題歌を手掛けた「RADWIMPS」。その音楽は、監督やキャストに多大なる影響を与え、相乗効果をもたらした。野田洋次郎は「間違いなくこの作品に携わったことでこの先の僕の人生を変えてくれた。これから観る人の人生も変わっていって欲しいなと思うし、どんな変化であれ間違いなく変わるだろうなとも思います」と作品の完成度に自信を覗かせている。『余命10年』は3月4日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:余命10年 2022年3月4日より全国にて公開©2022映画「余命10年」製作委員会
2022年02月23日『新聞記者』の藤井道人監督が描くラブストーリー『余命10年』。この度、小松菜奈と坂口健太郎が演じる、茉莉と和人の切なくも幸せな恋がはじまる瞬間を映し出す本編映像が公開された。余命が10年であることを知り、生きることに執着しないために恋はしないと心に決めた茉莉と、彼女と恋に落ちることで自らの運命を大きく変えていく和人。公開された映像は、そんな2人がライトアップされた桜並木を歩くシーン。恋に落ちる編約1年間、四季の移ろいと共に撮影をした本作の中でも、春が描かれた美しいこのシーン。藤井監督は「決定的なセリフも説明もないけれど、絶対に伝わるから信じて欲しい」と語っている。小松さんはこの場面について「桜のシーンは和人と茉莉の関係が始まっていく爽やかなシーン。私は茉莉と和人が『何がきっかけで惹かれ合ったのか?』を明確にしていない所が凄く好きです」と語り、「『この人と一緒にいたいな』とか『この人を守りたいな』とか、この人の笑顔をずっと見ていたいっていう気持ちが茉莉の中にはあって。和人の屈託のない笑顔が茉莉にとっての救いだったんだなと思えるようなシーンでした」とふり返る。また坂口さんも「この作品は桜が凄く印象的なところで映っていて、夜桜のシーンは風が吹いて、目が合って、2人の美しい関係性のスイッチが入ったような気がしました」と話しており、2人の運命が変わるきっかけとなった重要なシーンでもある。『余命10年』は3月4日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:余命10年 2022年3月4日より全国にて公開©2022映画「余命10年」製作委員会
2022年02月18日資生堂の日焼け止めブランド「アネッサ」から新製品「アネッサ デイセラム」が2月21日に発売。新CMのミューズである小松菜奈さんが出席した、新製品発表会の模様をお届けします。小松さん「小学生の頃から欠かさず日焼け止めを塗っています」小松菜奈さんもともとアネッサの日焼け止めを愛用していたという小松さん。MCから「いつ頃から日焼け止めを塗るようになりましたか?」と聞かれると「小学生の頃からです」と回答。「母から大人になると“シミ”ができるけど、今のうちにからケアすると将来違うからね」と言われたことがきっかけになったそう。「ちゃんと毎日日焼け止めを塗ってる自分を褒めてあげたい」と、徹底して紫外線ケアをしている様子。小松さんも驚きの太陽エステとは?「紫外線って敵だと思ってたけど、そうじゃないんだ」左 小松菜奈さん、右 株式会社資生堂 ブランド価値開発研究所 研究員 榎本 歩さん「アネッサ デイセラム」は、資生堂の最新技術「サンデュアルケア技術」が搭載した日焼け止め。従来の日焼け止めの役割である、紫外線から肌を守る機能に加えて、太陽の光(紫外線)を、美容効果のある光に変換する成分が配合されています。この技術により、太陽を浴びることで美肌を育む“太陽エステ”が可能に。新CMは、太陽エステがイメージされた映像になっているため、撮影時に説明を聞いたという小松さん。説明を聞いた時の感想を聞かれると「紫外線って敵だと思っていたけどそうじゃないんだ。こんなすごいことができちゃうんだと驚きました」と話していました。太陽を浴びることで美肌を育む“太陽エステ”アネッサ デイセラム 30mL ノープリントプライス 2022年2月21日発売上記画像が実際のアネッサ デイセラム。サッと肌になじみ、扱いやすい乳液タイプ。肌になじませた後の白浮きや、きしみ感は無く軽いつけ心地です。目には見えませんが、このなかに画期的な技術がつまっている最先端の日焼け止めです。美肌になるための”三種の神器”は「アネッサ、ベット、納豆」写真からも伝わる、小松さんの透き通るように白くみずみずしい肌。MCから「小松さんの美肌の三種の神器はなんですか?」と聞かれると「アネッサ、ベット、納豆」と回答。小松さん「アネッサは『美肌になるにはコレ!』という昔からの信頼があります。ベットは、質の良い睡眠は美肌に欠かせないので、ベットの質にもこだわっています。納豆は、健康にも良いし、いつも冷蔵庫にストックしていて無いと不安になってしまうくらい大好物です(笑)」と話し、健康と美肌の両方を気をつけて生活している様子。新製品発表会は、小松さんの26歳のお誕生日の前日ということもあり特製ケーキでお祝いするサプライズ演出も。26歳の抱負を聞かれると「富士山に登りたいってずっと思っているので実現できたらうれしい。山の紫外線ってジリジリとした強い光なのでアネッサを握りしめて登ろうと思います!」と話していました。今年は、小松さんと一緒にアネッサ デイセラムで太陽エステにトライしてみませんか?Informationアネッサanessa.shiseido.co.jpライター・玉絵のツイッターとインスタグラムもチェックしてくださいねツイッターインスタグラム文・玉絵ゆきの
2022年02月17日小松菜奈×坂口健太郎のW主演、「RADWIMPS」書き下ろしの音楽・主題歌で全編を紡ぐ、涙よりも切ないラブ・ストーリー『余命10年』。この度、バレンタインデー記念として主演2人が演じる茉莉と和人の幸せ溢れるスチールが解禁された。今回、解禁となったのは茉莉(小松菜奈)と和人(坂口健太郎)の幸せな時間を切り取ったスチール。満開の桜のもと笑顔溢れる1枚や、夏に手持ち花火を楽しんだり、東京スカイツリーの展望台で撮った2ショット。そして、冬には雪山デートで自撮りした写真など、四季を通して2人の幸せが感じられるものとなっている。劇中で小松さんと坂口さんが見せる、ありふれた毎日を楽しむ等身大の姿は約1年間の撮影を通じて徐々に作られており、その時間の中で被写体とカメラの距離にも変化があったという。撮影監督の今村圭佑は「最初の頃はドキュメンタリー風に撮りたいという気持ちもあったので、ちょっと離れたところから客観性を持って撮ろうとしていたんです。でも時間が経つにつれて、カメラが2人に近い方がこの作品に合っているのかなと。小松さんや坂口さんの気持ちが季節ごとに変わっていったように、2人に対する僕たちの距離感も変わっていったと感じています」とふり返る。監督を務めた藤井道人も「季節の移り変わりによる暑さや寒さ、匂い、体温などと共に、それらが役者陣のお芝居にもたらすものをしっかり捉えたいという思いがありました」と語っており、実際に小松さんと坂口さんが茉莉と和人として春夏秋冬を過ごすことで作り上げられた、リアルな20代の男女のカップルとしての姿が丁寧に描かれている。日本を代表する映画監督の1人と言える藤井監督、初共演にしてW主演となる最旬実力派の小松さんと坂口さんが原作者・小坂流加の想いを引き継ぎ、全身全霊で作り上げた本作にさらに注目だ。『余命10年』は3月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:余命10年 2022年3月4日より全国にて公開©2022映画「余命10年」製作委員会
2022年02月14日miletのセカンドアルバム『visions』は、半数以上の楽曲がドラマ、映画、TVCM等のタイアップ曲という華やかさがありながら、音楽的な挑戦性に貫かれたアルバムだ。暗い時期には暗い曲を書かないことに気付いた。「私は暗い時期には暗い曲を書かないということに最近気付いたんです。コロナ禍ということもあって、希望に溢れた光を放つ曲が多いなって思います。あと、ツアーで私の音楽を待ってくれてる人がたくさんいることを実感して、誰かの背中を押せるような曲を作るべきなんじゃないかっていう責任感もありました」1曲目の「SEVENTH HEAVEN」から、音と自由に戯れるような躍動感が溢れている。「ツアーが楽しすぎて興奮冷めやらなくて。その気持ちをどうにかしないと他のことが手につかない感じだったので、ツアー中にスタジオに入って作った曲です。そのままツアータイトルを曲名にして。ライブが始まる前のワクワク感が、海外に飛び立つ機内で感じるワクワク感と似ているなと思ったので、空港名を歌詞にちりばめたり。あと、ツアー中にパラダイスみたいな楽しさやお祭りみたいな賑やかさも感じたので、笑い声が入るような楽しい曲になりました。ライブで直接会ってる時間って、本当にその時しかない感覚があると思うんです。だから“今”っていうことにフォーカスして。ラブソングではあるんですけど、私とファンの方とのラブソングでもあると思います」miletさんのイメージを更新したワイルドなシングル曲「checkmate」にも通じる、ビートの利いた新曲「Outsider」も収録。「優しくて広がりのある曲が多いので、私のアグレッシブな部分も収録したいなと思って、イキり倒すのが楽しくて仕方なかったので(笑)、『Outsider』も入れました。『checkmate』と同時期に作っていて、音楽で攻撃的になるのが楽しい時期だったんです。いつもより力強い歌い方をしたり、女性の妖艶さを出したり、声で上から目線みたいな雰囲気を入れてみたり。歌でも私の中のいろんなアウトサイダーを呼び起こしてみた曲です」ツアーやオリンピック閉会式での歌唱等、様々なことを経験したことで「タフになったし、聴いてくれる方々の存在がはっきり感じられたことは自信につながった」と語る。どんどん楽曲のインスピレーションが湧き、アルバム制作後も曲作りのスピードは加速する一方だという。「アルバムのための曲を作ろうとすると、またデモのストックが倍々で増えていって。アルバム制作後の方がスタジオに入る勢いが増してるっておかしいですよね(笑)。関わってくれてるプロデューサー陣も私のことをすごく理解してくれてるので、もっといろんな曲を作りたいです。そういう刺激を与えてくれる人が近くにいてくれてるのも誇らしいし、どんどん新しい曲を作っていけると思える。だから曲作りがやめられないんでしょうね」2ndフルアルバム『visions』。NHKウィンタースポーツテーマソング「Fly High」等全15曲収録。【初回盤A(CD+Blu‐ray)】¥4,950【初回盤B(CD+DVD)】¥3,850【通常盤(CD)】¥3,190(SME Records)ミレイ思春期をカナダで過ごす。2019年メジャーデビュー。’20年、1stアルバム『eyes』がオリコン週間CDアルバムランキング1位を記録、NHK紅白歌合戦出場。’21年、東京2020オリンピック閉会式に歌唱出演。トップス¥24,750(ミー イッセイ ミヤケ/イッセイ ミヤケ TEL:03・5454・1750)その他はスタイリスト私物※『anan』2022年2月9日号より。写真・岩澤高雄(the VOICE)スタイリスト・森田晃嘉ヘア&メイク・枝村香織取材、文・小松香里(by anan編集部)
2022年02月08日「Mela!」の大ヒットにより、一気にお茶の間に認知された緑黄色社会のニューアルバム『Actor』。華やかでキャッチーな曲が並びながらも、とてもバリエーションが豊かで粒ぞろいの作品だ。今ならストレートな言葉でも説得力を持って届けられる。「前のアルバムの『SINGALONG』は“WITH”な感じだったけど、今回はルー大柴さんの言葉を借りると“トゥギャザーしようぜ”な感じ(笑)。“一緒に歌おう”から、“ついてきてね”になったようなアルバムです。大人っぽいクールな一面も見せていきたいという思いと、引っ張っていく立場になりたいという思いが増えました」(長屋晴子・Vo&Gt)「コロナでシンガロングできないツアーを経ているので『一緒にお客さんと歌いたい』という一体感は持ってますね」(小林壱誓・Gt)歌詞のないオーバーチュア「Actor」を経て、2曲目には“誰だって君しか演じられない君の役なんだ”というアルバムタイトルに直結するメッセージを宿すポップソング「キャラクター」を収録。「『Mela!』と一緒で私と真吾が作曲を担当したんですが、同じく私が種を持っていくところからスタートして。たくさん主人公が出てくる“舞台”をテーマにしました」(peppe・Key)「リズミカルなんだけどみんなで参加できるような曲を目指しました。ブラックミュージックがルーツにある曲を参考にして、カッティングのギターを入れたり、’70年代のブラックミュージックでストリングスがメインになっているサルソウルの雰囲気を入れてもらったり。古き良きものを踏襲しつつ、僕ららしいごちゃ混ぜ感も表現できた」(穴見真吾・Ba)アルバムを象徴する曲だけに、作詞はとても苦労したという。「私と壱誓(いっせい)で書いたんですけど、26歳になった今ならストレートな言葉でも説得力を持って届けられるんじゃないかなと思ったんです。それで、今はひとりひとりが輝く時代になっているのに、そう思えてない人がたくさんいるんじゃないかって思って。壱誓が書いてくれたプロットを元に歌詞を起こしたんですが、なかなか納得がいかなくて何回も作り直しました」(長屋)「詞には関わってないけど、僕も会議に参加したり(笑)。大変だったけど、その分ふたりの良いところが入った歌詞になったよね」(穴見)「この曲があったから、『Actor』というアルバムを名乗ることに対しての納得が80%から100%になりました」(peppe)「『100%が120%になった』じゃない?(笑)」(小林)「(笑)。そうだね。すべてを司ってる曲。4人で作れたことでより大切な一曲になりました」(peppe)「この曲があることで『それぞれが輝いていい。みんな必要なんだ』っていうメッセージがアルバムの曲それぞれに宿った感じがする。今までは歌にしても何か喋るにしても、自信がないから一個のテーマに対して少しぼかして表現することが多かったんです。でも今回のアルバムは、『キャラクター』が入ったこともあって具体的に届けたいメッセージ性が見えた。それが広く皆さんに届くと、そのメッセージがより意味を持つ気がしています」(長屋)ニューアルバム『Actor』。多数のタイアップ曲を含む全14曲収録。【完全生産限定盤(CD+Tシャツ)】¥6,600【初回生産限定盤(CD+Blu‐ray)】¥4,950【通常盤(CD)】¥3,300(ソニー・ミュージックレーベルズ)りょくおうしょくしゃかい左から、peppe(Key)、穴見真吾(Ba)、長屋晴子(Vo&Gt)、小林壱誓(Gt)。2012年結成。’20年、アルバム『SINGALONG』収録曲「Mela!」がストリーミング再生数1億回突破。小林さん・ブルゾン¥53,900シャツ¥36,300(共にP.E.O.T.W AG/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)古着のパンツ¥7,590(原宿シカゴ 神宮前店 TEL:03・5414・5107)その他はスタイリスト私物長屋さん・古着のジャケット¥16,500(ELCASION TEL:03・6459・2157)ニットワンピース¥35,200(UN3D./アンスリード 青山店 TEL:03・3409・5503)その他はスタイリスト私物穴見さん・シャツ¥42,900(CABaN/キャバン 代官山店TEL:03・5489・5101)古着のスエット¥3,190(原宿シカゴ 竹下店 TEL:03・6721・0580)オーバーオール¥38,500(P.E.O.T.W AG/スタジオ ファブワーク)その他はスタイリスト私物peppeさん・ケープ¥24,200(UN3D./アンスリード 青山店)その他はスタイリスト私物※『anan』2022年2月2日号より。写真・川村恵理スタイリスト・満園正明ヘア&メイク・carrie取材、文・小松香里(by anan編集部)
2022年01月31日ベストセラーの映画化『余命10年』のジャパンプレミアが開催され、W主演の小松菜奈、坂口健太郎、そして劇中で彼らを優しく包み込む役柄を演じた山田裕貴、奈緒、黒木華、原日出子、松重豊、さらに藤井道人監督らが参加した。小松さんは「この企画のお話しを頂いた時から…本当に色々な物語があって完成し、今こうしてこの舞台に立っていることを嬉しく思いますし、感無量です」と挨拶、「この日を迎えられて幸せです」と涙を流し作品への想いが溢れる言葉で舞台挨拶はスタートした。坂口健太郎、四季を通じた撮影は「景色に感情移入しちゃうような感覚」色鮮やかな四季の移ろいと共に約1年の月日をかけてじっくり撮影された本作。そんな本作の中で、茉莉(小松さん)と和人(坂口さん)の恋の始まりを描いた印象的な夜桜のシーンについて聞かれた小松さんは、「あの桜のシーンは和人と茉莉の関係が始まっていく爽やかなシーン。私は茉莉と和人が『何がきっかけで惹かれ合ったのか?』を明確にしていない所が凄く好きです。『この人と一緒にいたいな』とか『この人を守りたいな』とか、この人の笑顔をずっと見ていたいっていう気持ちが茉莉の中にはあって。和人の屈託のない笑顔が茉莉にとっての救いだったんだなと思えるようなシーンでした」と“高林茉莉”を演じていた撮影当時をふり返る。その茉莉と出会い、自らの運命をも変えていく“真部和人”を演じた坂口さんも「この作品は桜が凄く印象的なところで映っていて、夜桜のシーンは風が吹いて、目が合って、凄く2人の美しい関係性のスイッチが入ったような気がしました。四季の美しい映像を美しい作品の中に、僕らもそこに身体を預けて撮影できたので、景色に感情移入しちゃうような感覚の中で撮影していましたね」と笑顔で撮影を懐かしんだ。小松菜奈「ふたつの人生を歩み続けたのは今までになかった」そして1年をかけての撮影に臨んだことについて聞かれた小松さんは「茉莉という役を演じ終えた後は抜け殻状態で燃え尽きました。すぐに次の仕事には進めないくらい不思議な時間でした。自分の人生と役の人生が重なって、ふたつの人生を歩み続けたのは今までになかったですし、凄く大好きな現場でしたし、皆さんと一緒にひとつの大切な作品を作れたのはかけがえのない、自分にとって凄く宝物になりました」と演じた役柄と作品への想いを語る。また、「4人(小松さん、山田さん、奈緒さん)でのシーンは楽しい撮影が多かったですね。今回、時間の経過を丁寧に映し出しているシーンがあって、そこではちゃんと時間の経過を4人でお芝居をしていて感じることが出来たんですよ。楽しく撮れましたね」と言う坂口さん。「僕がトランプで負けまくったんですよ、絶対に勝てないババ抜きをしたり(笑)」と思い出を話すと、小松さんが「タケル(山田さん)がお花見のシーンで『桜も満開、俺も満開!』って言っていて凄く笑いましたね。タケルの存在って4人の中でも大きかったです。アドリブとか大変だったと思うんですけど、常に笑わせてくれました」と山田さんの撮影中のエピソードを明かすと、山田さんも「台本の文字量より、アドリブの方が多かったですね笑」と返し笑いを誘った。奈緒さんも「本当に楽しかったです!1年かけてこの作品を撮っているので、桜の時期にお花見をするとか、夏に海に行ったりとか、友達と1年を通して行事を集まって遊んでいるという感覚がありました!」と劇中さながら和気藹々としたエピソードを披露した。「家族としてのドキュメンタリーが撮れた」ベテランも感謝そんな仲の良い友人たちと同様に、茉莉を支えた姉の“高林桔梗”、母親“高林百合子”、父親“高林明久”をそれぞれ演じた黒木さん、原さん、松重さんは藤井監督と話し合いを重ね高林家を作っていったと言う。「四季を追ってゆっくり撮影することは最近少なくなってきましたね。1年をかけて10年を表現する。気持ちを作るのに時間が沢山あったので感謝しています。家族は苦しい時間も過ごしましたけれど、元々この家族はお父さんを中心とした暖かい家庭。役作りが要らないくらい娘たちが可愛いくて、松重さん演じるお父さんも優しくてスッと家族になることができましたね」と本当の家族のような絆があったと原さん。松重さんも「本当に女性3人が家族という空気感で迎えてくれて、時間の経過を丁寧に映し出している家族シーンはスクリーンの中では一瞬かもしれませんが、実際は監督が丁寧に撮影してくださっているので、僕らの中でも家族としての時間を過ごすことが出来ましたよね。家族としてのドキュメンタリーが撮れたと思います」と、高林家を丁寧に撮影した藤井監督への感謝と作品への想いを明かした。最後に本作の公開が3月4日という春先の時期であることにちなみ、登壇者にはサプライズとなる桜の開花がMCから宣言されると、劇中でも印象的な満開の桜のシーンさながらピンク色のライトに会場が照らされ、幻想的な光景が広がる演出にステージ上の登壇者からも驚きの声が上がった。藤井監督は「久しぶりに皆と会って、1年間大変だったことも皆で乗り越えたと感じました。何かひとつでも皆さんの心の中に残ってもらえたら嬉しいです。この映画は皆さんの心に寄り添ってちょっとでも日常が豊かになってもらえるようにと命を懸けて作りました」とメッセージを贈り、ジャパンプレミアは幕を閉じた。『余命10年』は3月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:余命10年 2022年3月4日より全国にて公開©2022映画「余命10年」製作委員会
2022年01月25日『パラサイト半地下の家族』で知られるポン・ジュノ監督の『母なる証明』(’09年)や、『花より男子ファイナル』(’08年/石井康晴監督)、『味園ユニバース』(’15年/山下敦弘監督)等、様々な作品に助監督として参加し、自費製作による長編映画監督デビュー作『岬の兄妹』(’18年)が複数の映画賞を受賞した片山慎三監督による初の商業映画作品が『さがす』だ。主演は20年前に片山監督が制作スタッフとして参加したドラマ『アイノウタ』(’02年)に出演していた佐藤二朗。佐藤は撮影当時21歳だった片山監督に対し、「右も左もわからぬいわゆる“使い走り”だが、発想や発言がおもしろい」という印象を抱いていたという。片山監督は本作を製作するにあたり、佐藤に主演をオファーする手紙を送り、そこに添えられた脚本に惹かれた佐藤は出演を快諾したのだとか。その佐藤が演じるのは、大阪の下町で中学生の娘・楓とふたり平穏に暮らす原田智。ある日、彼は楓に「指名手配中の連続殺人犯を見た。捕まえたら懸賞金の300万円がもらえる」ということを伝える。楓は父のいつもの冗談だと思い相手にしないが、翌朝、智は姿を消す。そこから楓の父捜しが始まり、父の名前で日雇いの仕事をする指名手配中の連続殺人犯・山内照巳とおぼしき姿を見つける…。とにかく見どころの多い作品だ。『岬の兄妹』でも見せた、どこかユーモラスな人間味を漂わせながらも、現代社会の闇と人間の本質をえぐりとるようなドラマを描く片山監督の手腕。おかしみと親しみやすさを感じさせながらも何を考えているかわからない凄みを背負う智役の佐藤二朗。愛する父を捜すために、連続殺人犯かもしれない謎の男に物怖じせず向かっていく楓を演じるのは伊東蒼。『湯を沸かすほどの熱い愛』(’16年)で子役として鮮烈な印象を与え、多くのメディアで2021年の年間ベストに入った傑作映画『空白』やNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』といった作品でどんどん輝きを増している16歳だ。そして、静かな狂気を発する連続殺人犯・山内照巳を演じるのは『渇き。』(’14年)のいじめられっ子役で注目され、近年『東京リベンジャーズ』(’21年)や『おかえりモネ』といった作品で存在感を高めている清水尋也。巧みな脚本、演出、芝居…確固たる才能が集結し、死生観、親子関係、倫理観といった人が生きる上では避けて通れない問題を内包し、登場人物それぞれの正義が交錯しながら物語が進んでいく重層的な映画作品が生まれた。必死で父を捜す楓に警察官が「君はいったい誰を捜しているの?」と問いかけるシーンがあるが、視聴者自身の価値観をも問うような強烈な余韻が残る作品でもある。片山監督はポン・ジュノ監督作品等で韓国の撮影現場を経験したことで「日本の映画監督に足りないのは時間」という持論を抱くようになり、『さがす』はこの規模の作品では異例の約2か月という撮影期間が設けられた。それによりひとつひとつのシーンに多くの時間がかけられ、丁寧な作品作りができたという。そういった日本映画の現状に危機感を持ち、業界全体を底上げし未来に繋げようという気概も『さがす』には宿っている。『さがす』ある日、父は娘に「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」と告げて姿を消す。監督・脚本/片山慎三出演/佐藤二朗、伊東蒼、清水尋也ほか1月21日より全国順次公開。©2022『さがす』製作委員会※『anan』2022年1月26日号より。文・小松香里(by anan編集部)
2022年01月24日俳優の小松菜奈と坂口健太郎がW主演を務める映画『余命10年』(2022年春公開)の本予告映像、メインビジュアルが15日、公開された。同作は小坂流加による人気小説の実写化作。数万人に1人という不治の病で余命が10年であることを知った20歳の茉莉(小松)は、生きることに執着しないよう、恋だけは決してしないと心に決めていた。しかし地元の同窓会で和人(坂口)と出会い、茉莉の10年は大きく動いていく。今回追加キャストも明らかになり、茉莉と和人の中学の同級生で2人の理解者である富田タケル役には山田裕貴、茉莉の大学時代の親友で本の執筆を進める藤崎沙苗役に奈緒、茉莉と沙苗が大学時代の友人と通うお店の店長・三浦アキラ役には井口理(King Gnu)、そして茉莉の姉・桔梗には黒木華と演技派・個性派俳優陣が揃った。また、茉莉が通う病院の平田先生役には田中哲司、和人のバイト先の店長・梶原役にはリリー・フランキー、茉莉を優しく支える母・百合子役には原日出子、茉莉に対し少し過保護気味な無口な父・明久には松重豊と日本映画界を代表する俳優陣も名を連ねている。本予告映像では、小松が文庫化を待たずして亡くなった著者・小坂流加の想いを引き継ぎ全身全霊で役に挑む姿が収められており、坂口健太郎の演技も大きな見どころとなっている。○関口大輔エグゼクティブプロデューサー コメントこの映画は、10年という時間を描くため、四季を通じての撮影を行うことにしました。通常、映画は1ヶ月〜3ヶ月程で集中して撮影する場合が多いのですが、監督の「四季を通して茉莉の10年を追いかけ、その時彼女が感じた気持ちを映像で表現したい」という強い希望があり、1年を通した撮影となりました。桜や雪や夏の海はVFXではなく実際に撮影を行なっているのです。撮影のためには、出演者さんにご理解をいただき長期間のスケジュールを開けていただくことが必要になります。本作に出演される小松さん、坂口さんはじめ、今回発表させていただいた役者さんたちは、皆さんとても多忙です。それでも「余命10年」を1年かけて撮影するという意義に賛同してくださり、撮影に参加していただくことができました。長い期間を通して家族のような連帯感に包まれたキャスト陣は、映画で描かれる10年という時間をそれぞれのキャラクターとして表現してくださっています。これにより、映画「余命10年」は、2時間という時間の中に10年という月日が流れるような作品になりました。是非、映画館でこの美しい四季を通した10年を登場人物達と追体験していただければと思います。○川合紳二郎プロデューサー コメント藤井監督はじめ我々スタッフは、原作者の小坂流加さんが映画の主人公である茉莉と同じ難病を抱えながら、この小説を執筆し、日々を精一杯生きた、その証を残したいという思いで、小坂家の皆さまと一緒に、共に寄り添いながらこの映画を制作してきました。この小説は、ノンフィクションではありません。しかし、ご自分のリアルな状況や願望や思いを、この小説に込められて執筆されたのだろうと思います。そのような意味では、本作は、小説の「物語」、そして、原作者である小坂流加さんの「人生」が交差する、特徴的な映画となったと思います。本作では、小坂流加さんの生まれ故郷である静岡県・三島市での撮影を行っています。流加さんが幼少の頃、スイカを冷やしたり、川遊びをした源兵衛川のせせらぎ、素朴で人情味ある商店街、富士山の雄大な姿。また、撮影に使われている部屋の小物などの細部にまで、ここに生きた流加さんの息遣いを再現し、感じながら、撮影に望みました。主演である小松菜奈さんは、役作りに際して、三島を訪れ、また、小坂家の皆さまから幾度となくお話をお伺いし、全身全霊で高林茉莉役を演じてくださっています。コロナ禍で、大きく生活や価値観が変化する今こそ、「余命10年を生きた」高林茉莉を通して、多くの人に、少しでも勇気や前向きさを感じて頂ける作品になれば幸いです。(C)2022映画「余命10年」製作委員会
2021年12月15日俳優の小松菜奈と坂口健太郎がW主演を務める映画『余命10年』(2022年春公開)の場面写真が26日、公開された。同作は小坂流加による人気小説の実写化作。数万人に1人という不治の病で余命が10年であることを知った20歳の茉莉(小松)は、生きることに執着しないよう、恋だけは決してしないと心に決めていた。しかし地元の同窓会で和人(坂口)と出会い、茉莉の10年は大きく動いていく。今回解禁されたのは、自らの運命と懸命に向き合い前を向く茉莉や、外を眺めどこか思い悩む表情の和人を捉えたものなどを含む6点の場面写真。和人を抱きしめ涙を流す茉莉を写したカットは、生きることに執着しないために最初から終わりの見えている恋だけはしないと心に決めたはずだった茉莉が和人の想いを受け止めた切なくも美しい1枚となっている。また、階段に座り込み会話に夢中になっている様子や、桜並木を見上げて幸せそうな2人の姿、そして1枚のブランケットに身を包み、初日の出の瞬間を一緒に迎えて笑顔が溢れる茉莉と和人など、2人の幸せな日常を切り取った場面写真も併せて解禁となった。
2021年11月26日林遣都×小松菜奈のW主演映画『恋する寄生虫』から、現在は閉園となった、としまえんでのデートシーンの本編映像とメイキング映像が解禁となった。林さん演じる極度の潔癖症の高坂と、小松さん演じる視線恐怖症を抱える佐薙は、一緒に過ごすことでそれぞれの症状が和らぐことに気づき、リハビリのためにデートをすることに。デートスポットの1つとして遊園地が登場するが、その撮影が行われたのは1926年より94年間営業を続け、昨年8月に惜しまれつつも閉園となった東京都練馬区のとしまえん。本編では、高坂が絶叫マシンに怯え、佐薙が余裕の表情で楽しむという設定だったが、実際には小松さんが絶叫マシンを大の苦手としていたよう。撮影の待機中、無邪気に楽しむ子どもたちの叫び声を聞いて「キャーキャー言ってるじゃないですか...」と言い、いざ順番になると「怖いよ~嫌だよ~セリフ言えないよ~」と不安の言葉が止まらない小松さん。マシンが動き始める前に監督の説明を聞く姿にも緊張の色が見え、意を決して撮影に挑む姿が映し出されている。その隣では真剣な表情の合間に笑顔を浮かべる林さんの姿が対照的。また、ゴーカートでは体に対してやや短めのシートベルトに苦戦する林さんの姿、そしてエキストラの子どもたちに交じり、楽しそうに乗り回す2人の姿を確認できる。小松さんは遊園地での撮影について、インタビューで「本当は絶叫マシンに乗りながらセリフを言わなきゃいけなかったのですが、もうそれどころではなくて話せなくなってしまいました。なので何度もマシンに乗ることになってしまったのですが、最初は平気と言っていた遣都さんも途中で気分が悪くなってしまったんです。『私のせいで何度も乗ることになってごめんなさい』と謝ったら『いや、全然大丈夫』っておっしゃってくれたんですけど、大丈夫って言う顔がもう真っ青で(笑)。本当に優しい方だなぁと思いました」とエピソードを語っている。普段はクールで物静かなイメージのある林さんと小松さん。遊園地では、それぞれの感情が表に出た和やかな撮影であったことがうかがえる映像となっている。『恋する寄生虫』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:恋する寄生虫 2021年11月12日より全国にて公開©2021「恋する寄生虫」製作委員会
2021年11月23日俳優の林遣都と小松菜奈がW主演を務める、映画『恋する寄生虫』(11月12日公開)の本編映像&メイキング映像が23日、公開された。同作は作家・三秋縋の同名ヒット作を原案にした映画化作。極度の潔癖症から誰とも人間関係を築けずに孤独に過ごす青年・高坂(林)は、視線恐怖症で不登校の少女・佐薙(小松)の面倒を見ることに。露悪的な態度をとる佐薙に辟易していた高坂だが、それが自分の弱さを隠すためだと気付き共感を抱くようになる。クリスマスに手をつないで歩くことを目標にリハビリを始めた2人はやがて惹かれ合い、初めての恋に落ちていく。極度の潔癖症の高坂と視線恐怖症を抱える佐薙は、一緒に過ごすことで症状が和らぐことに気付き、リハビリのためにデートをすることに。デートスポットの一つとして遊園地が登場するが、その撮影が行われたのは昨年8月に惜しまれつつも閉園となった、東京都練馬区のとしまえんだった。今回はそんなデートシ ーンの本編映像と和やかな撮影舞台裏を映したメイキング映像が公開された。本編では高坂が絶叫マシンに怯え、佐薙が余裕の表情で楽しむという設定だったが、実際に絶叫マシンが大の苦手なのは小松の方。撮影の待機中、無邪気に楽しむ子供たちの叫び声を聞いて小松は「キャーキャー言ってるじゃないですか……」と怖気づき、 いざ順番になると「怖いよ〜嫌だよ〜セリフ言えないよ〜」と不安の言葉が止まらない。マシンが動き始める前、監督の説明を聞く姿にも緊張の色が見え、意を決して撮影に挑む小松の姿が映し出されているが、その隣では対照的に楽しそうな笑顔を浮かべる林の姿も。さらにゴーカートでは体に対してやや短めのシートベルトに苦戦する林、エキストラの子供たちに交じり、楽しそうに乗り回す小松と林の姿が確認できる。小松は遊園地での撮影について「本当は絶叫マシンに乗りながらセリフを言わなきゃいけなかったのですが、もうそれどころではなくて話せなくなってしまいました。なので何度もマシンに乗ることになってしまったのですが、最初は平気と言っていた遣都さんも途中で気分が悪くなってしまったんです。『私のせいで何度も乗ることになってごめんなさい』と謝ったら『いや、全然大丈夫』っておっしゃってくれたんですけど、大丈夫って言う顔がもう真っ青で(笑)。本当に優しい方だなぁと思いました」とエピソードを語っている。(C)2021「恋する寄生虫」製作委員会
2021年11月23日俳優の菅田将暉が15日、所属事務所の公式サイトを通じ、女優の小松菜奈との結婚を報告した。菅田は、直筆の文章で「皆さまへ この世界に入って12年と少し 一つ決意をしましたので、ご報告させていただきます」と書き出し、「私、菅田将暉は、小松菜奈さんと結婚いたしました」と発表。「これまで沢山の方々に支えられて、今日この日を迎えられています。いつも本当に、ありがとうございます」と感謝の気持ちを記した。そして「日頃より応援して下さる皆さんの言葉やエネルギーにいつも勇気をもらっています」と伝えながら、「先日登壇した舞台挨拶にて約2年ぶりに見た客席満員の映画館の景色は次のステージへの僕の原点になると思います。がんばろう、と心の底から思いました」と述懐。「皆さまへの感謝の気持ちを忘れずにこれからも作品と向き合っていきます」と決意を新たにした。続けて「そして、まだまだ未熟ではありますが、ぼくらふたり、温かく見守っていただければ幸いです。自分の人生ともしっかり向き合い ふたりで幸せな家庭を築いていきたいと思っております」とつづり、最後は「これからもよろしくお願いします」と結んだ。
2021年11月15日菅田将暉と小松菜奈が結婚を発表。「ご報告です」「私事ではありますがご報告があるので聞いてください」と連名の手書きのコメントを、それぞれの公式SNSにアップした。「この度、菅田将暉と小松菜奈は結婚いたしましたことをご報告させていただきます」と始まる文書では、「まだまだ未熟な二人ですが、この出会いに感謝し、日々心豊かに、生活を楽しんで、幸せな家庭を築いていきたいと思っております。そして、これからも際限なく作品と向き合い、皆さまとあたたかい未来を作っていけるよう努めて参ります。」と、それぞれ2人の決意が綴られる。「出会った頃から変わらず私達は、戦友であり、心の支えであり、これからは家族になります。人生を共に考え進んでいくこと、とっても楽しみです!そして、何事にも丁寧に向き合い感謝を忘れる事なく愛を持って精進して参ります。夫婦共々温かく見守っていただけると幸いです」と、同じ作品で切磋琢磨してきた俳優同士から“家族”となることを改めてコメントした。菅田さんは、神木隆之介や仲野太賀など同世代の実力派がひしめく1993年生まれ。「仮面ライダーW」の初主演でデビューを飾り、その後は『共喰い』から『あゝ、荒野』『帝一の國』『銀魂』『キャラクター』、大河ドラマ「おんな城主 直虎」などまで幅広い作品で活躍。2017年から本格的に音楽活動を開始し、第70回NHK紅白歌合戦への初出場、第61回日本レコード大賞特別賞も受賞するなど音楽の活躍も目立っている。また、小松さんは1996年生まれ。モデル活動を経て、中島哲也監督の映画『渇き。』で主演に抜擢されて注目を集め、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』や、『恋は雨上がりのように』『さよならくちびる』『来る』などに出演。最新映画『恋する寄生虫』の公開されたばかり。2人は、2016年にファンに衝撃を与えた『ディストラクション・ベイビーズ』以来、『溺れるナイフ』『糸』と3作の映画やCMなどで何度も共演している。(text:cinemacafe.net)
2021年11月15日2021年11月15日、俳優の菅田将暉さんが、同じく俳優の小松菜奈さんと結婚したことをTwitterで発表しました。菅田さんは小松さんとともに直筆のメッセージで、次のようにつづっています。ご報告です。 pic.twitter.com/tvcjWryooY — 菅田将暉 (@sudaofficial) November 15, 2021 皆さまへこの度、菅田将暉と小松菜奈は、結婚いたしましたことをご報告させていただきます。いつも応援して下さっている皆さま、お世話になっている皆さま、沢山の方々に支えられて今日という日を迎えられています。いつも本当にありがとうございます。まだまだ未熟な二人ですが、この出会いに感謝し、日々心豊かに、生活を楽しんで、幸せな家庭を築いていきたいと思っております。そして、これからも際限なく作品と向き合い、皆さまとあたたかい未来を作っていけるよう努めて参ります。出会った頃から変わらず私達は、戦友であり、心の支えであり、これからは家族になります。人生を共に考え進んでいくこと、とっても楽しみです!そして、何事にも丁寧に向き合い感謝を忘れる事なく愛を持って精進して参ります。夫婦共々温かく見守っていただけると幸いです。これからもよろしくお願いします。菅田将暉小松菜奈@sudaofficialーより引用「出会った頃から変わらず、私たちは、戦友であり、心の支えであり、これからは家族になります」と、喜びの気持ちをつづっています。2人は、2016年に公開された映画『ディストラクション・ベイビーズ』で初共演。その後、2020年にはダブル主演映画である『糸』に出演するなど、公私ともに関係が深く、互いを支え合ってきたのでしょう。突然の結婚報告に、ネット上では「おめでとうございます!」「好きな2人が結婚してくれて嬉しい」「幸せになって」など、祝福の声が相次いで寄せられています。菅田さん、小松さん、ご結婚おめでとうございます![文・構成/grape編集部]
2021年11月15日俳優の林遣都と小松菜奈がW主演を務める、映画『恋する寄生虫』(11月12日公開)の本編映像が11日、公開された。同作は作家・三秋縋の同名ヒット作を原案にした映画化作。極度の潔癖症から誰とも人間関係を築けずに孤独に過ごす青年・高坂(林)は、視線恐怖症で不登校の少女・佐薙(小松)の面倒を見ることに。露悪的な態度をとる佐薙に辟易していた高坂だが、それが自分の弱さを隠すためだと気付き共感を抱くようになる。クリスマスに手をつないで歩くことを目標にリハビリを始めた2人はやがて惹かれ合い、初めての恋に落ちていく。今回解禁されたのは「誰もが普通にしていることをやってみたい」と願う高坂と佐薙が、人生を変えるために奮闘する姿を切り取った本編映像。頑張って苦手なことに挑戦する高坂と佐薙の姿が健気でかわいらしく、思わず微笑んでしまうシーンとなっている。一緒にいると、それぞれの恐怖症がわずかばかり和らぐことを感じた高坂と佐薙は“リハビリデート”を実行することに。“普通のこと”ができるようになりたいと願う2人は、これといって特別なことではない普通のデートを計画する。第一関門はバスで、ぎこちなく乗車しながらも平静を装う高坂の姿からは吊革は掴まないという意志が感じられるが、発車時の揺れでバランスを崩し、危うく吊革に掴まりかけてしまう。間一髪で吊革の上の手すりを掴むことに成功した高坂だが、滑稽な姿に佐薙に肘で小突かれる。第二関門はカフェでの注文で、「ご注文は?」と明るく店員に聞かれた佐薙は、目を泳がせながら「ピザ」「コーラ、コーラ…」と単語のみで精一杯注文する。第三関門は食事で、人の手によって作られたものを食べることができない高坂にとってはここが最難関となり、両手にピザを持ちながら「美味しい」と口いっぱいに頬張る佐薙の姿に背中を押され、震える手(ビニールあり)でピザを手にし意を決して口に運ぶも、結局ギブアップしてしまう様子が収められている。(C)2021「恋する寄生虫」製作委員会
2021年11月11日D.A.N.の3年ぶりの3rdアルバム『NO MOON』は、新たな音色やラップが入ったことでよりグルーヴの強度が増し、格段と新しい音像が描かれている。SF的な世界観をより深めていくっていうのが出発点でした。「D.A.N.のSF的な世界観をより深めていくっていうのが出発点でした。コロナによってこれまでと真逆のエネルギーの中で生きていくしかない状況になって、新しい自分たちの音を見つけたかった。スタジオを構えたことによって、よりたくさんの時間を制作に充てられるようになったのも大きかったです。今までは演奏ベースに作ってたんですけど、録音物として柔軟に作れたのは明らかな違いですね」(櫻木大悟・Gt&Vo&Syn)「新しい機材を買って、それをかなり使いました。(市川)仁也がチェロを始めたのもデカかった」(川上輝・Dr)「前からラップを入れたいという話は出てたんですが、MIRRRORのTakumiに参加してもらって。今まで歌は(櫻木)大悟と(小林)うてなの声しか乗ったことがなかったので、選択肢が増えてより自由に作れた感じがします」(市川仁也・Ba)「Antiphase」と名付けられたインスト曲が3曲挟み込まれ、全体を通してひとつのSF映画が描かれているような大作感がある。「1つの時間軸の中で分断した3つのパーツが差し込まれるイメージでした。シーンが分断されて、五次元、六次元、それ以上の次元、未来や過去、今、全部一緒くたに飛びかうイメージもあって。映画の影響も大きいですね。例えばクリストファー・ノーランの作品は緻密で壮大でわくわくする部分もあって3人ともすごく好きなんです」(櫻木)「ラストの『No Moon』はまさに『TENET』を観た直後に作った曲ですね。『デス・ストランディング』っていう分断されているアメリカを繋げていくゲームも3人とも好きで影響されてます」(川上)音のイメージを拡張させるように鳴っていた歌詞についても変化が。「前作ぐらいから大悟の心情がストレートに出た歌詞が増えていて。多面的にとれる歌詞とのバランスが面白いなと思いましたね」(市川)「UKグライムをよく聴いてて。その直接的な強いワードを使うことで自分自身を表現するような男気に憧れた部分があったんです」(櫻木)新たなアプローチによる学びは、「今後さらに発展していく手ごたえがある」と語る。「ゆくゆくは、例えばハンス・ジマーとか、映画音楽的なアプローチの曲も作りたいですね」(市川)3rdアルバム『NO MOON』。初のコラボ曲「The Encounters feat.Takumi」を含む全12曲収録。【通常盤(CD)】¥3,080【初回限定BOX(CD2点+GOODS3点)】¥8,800(SSWB/BAYON PRODUCTION)ダン左から、市川仁也(Ba)、櫻木大悟(Gt&Vo&Syn)、川上輝(Dr)。2014年活動開始。’16年1stアルバム『D.A.N.』発売。’18年、2ndアルバム『Sonatine』のリリースツアーで初のアジアツアーを行う。※『anan』2021年11月3日号より。写真・小林真梨子取材、文・小松香里(by anan編集部)
2021年10月31日映画『恋する寄生虫』(11月12日公開)の完成披露試写会舞台挨拶が29日に都内で行われ、林遣都、小松菜奈、柿本ケンサク監督が登場した。同作は作家・三秋縋の同名ヒット作を原案にした映画化作。極度の潔癖症から誰とも人間関係を築けずに孤独に過ごす青年・高坂(林)は、視線恐怖症で不登校の少女・佐薙(小松)の面倒を見ることに。露悪的な態度をとる佐薙に辟易していた高坂だが、それが自分の弱さを隠すためだと気付き共感を抱くようになる。クリスマスに手をつないで歩くことを目標にリハビリを始めた2人はやがて惹かれ合い、初めての恋に落ちていく。同じ事務所の先輩・後輩でありながら初共演となった2人だが、林は小松について「お会いする前までは勝手にクールなイメージを持っていたんですけれども、すごく接しやすくて。とにかく周りの人に愛される方で、撮影中のことを思い出すといつもスタッフの方と談笑しているイメージ」と表す。「ちょっと遠くから見ると、どれが菜奈ちゃんかわからなくなるくらい。今のお姿と、現場で人と接する時の姿のギャップみたいなものがあって、素敵だなと思いました」と印象を明かした。林の言葉に「嬉しいですね」と喜んだ小松は、「撮影が始まる前、これからどうやって距離を縮めていこうかなと考えた時に、あだ名を付けようと思って。あだ名を『遣都・デリカット』にしようと思って呼んだら、『それもう、別人じゃん』と笑ってた」と振り返る。「『負けない』と思って呼んでたら、(林が)だんだん『それ、クセになってきたかも』と言っていて。そうは見えないけど喜んでくれたのかな、みたいな」と明かす。「お芝居に対するアプローチもすごく真面目な方なので、セリフの言い方など迷った時に相談したら、遣都さんは家に持ち帰って『僕はこう思うんだよね』と考えてきてくださって、いろいろ助けていただいた」と感謝した。あだ名について、林は「小学校で野球をやっていた頃に(『遣都・デリカット』と)呼ばれたことがあって、(小松のつけたあだ名も)冗談かなと思ってたら、その後本当に呼ばれ続けて」と苦笑。「なんのひっかかりもなく呼んでくるんですよ。台本の話をしてる時も『じゃあ、ここを遣都・デリカットが……』と。もうその名前になったようで、冗談じゃなかったんだな、全部正直な方なんだなと思いました」と語った。
2021年09月29日俳優の小松菜奈と坂口健太郎が、映画『余命10年』(2022年春公開)でW主演を務めることが22日、明らかになった。同作は小坂流加による人気小説の実写化作。数万人に1人という不治の病で余命が10年であることを知った20歳の茉莉(小松)は、生きることに執着しないよう、恋だけは決してしないと心に決めていた。しかし地元の同窓会で和人(坂口)と出会い、茉莉の10年は大きく動いていく。『新聞記者』(第43回日本アカデミー賞6部門受賞)、『ヤクザと家族 The Family』の藤井道人監督がメガホンを取り、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17年公開)、『雪の華』(19年公開)を手がけた岡田惠和、渡邉真子が脚本を担当、RADWIMPSが音楽を手がける。映画化発表後から「茉莉や和人を誰が演じるのか」と話題を呼び続けていた。小松は数万人に1人という不治の病で、余命が10年であることを知った20歳の茉莉を演じる。原作小説の著者(小坂流加)は、茉莉と同様に難病を抱え本作の文庫化を待たずして亡くなっており、著者の遺した想いを小松が引き継ぎ、全身全霊で演じる。坂口は、茉莉と恋に落ち茉莉を変えていくきっかけを作る若者・和人を演じ、小松とは初共演となる。移りゆく四季のパートごとに物語が展開されるため、約1年という長期間の撮影を、四季折々の美しい風景のなかで行った。今回、そんな2人の感情が詰まった特報映像も公開。カニューレを身体につけ、自身の余命を知り覚悟を決めるかのような茉莉の表情から始まり、生きることから逃げ続けている若者である和人との出会いが、それぞれの人生を大きく変えていく様子が収められている。茉莉に優しく寄り添うような和人の目線で綴られる切ない映像は、2人の何気ない日常が次々に映し出されるのに呼応して、RADWIMPSの旋律が徐々に盛り上がっていく内容となっている。○小松菜奈 コメント撮影は約一年かけて季節を追いながら、息をする事さえも丁寧に向き合って来ました。このお話しは、題名の通り、命のお話しです。もちろん、命なので軽いものではないからこそ、簡単には挑めないことも分かっていましたし、どのように伝え、どのように受けとられるのか、正直、私も演じる前はいろいろ考えました。でも、最後を見るのではなくその人が生きている過程をどう生きてあげるか。生きている証をどう刻むのか。その気持ち次第で見え方と演じ方が180°変わる、私が彼女の人生を生きようと覚悟が決まった瞬間です。カメラが回ってない時にも涙が止まらなかった事は今でも忘れません。自分じゃないのに自分の人生の中に2つの人生を歩んだ一年は本当に何にも変えられない変えることの出来ない、かけがえのない時間が詰まっています。2022年春、是非楽しみにお待ち下さい!○坂口健太郎 コメントすごい瞬間を観た、確かに生きていた、と思った。自分がそこにいる作品で、こんなに泣いたのは初めてでした。改めて命を考える、一人でも多くの人に見てほしい作品になりました。○藤井道人 コメント小松さんと坂口くんと駆け抜けたこの1年間は、宝物のような時間でした。そして、関係者試写を終えた二人の表情を観て、この映画の監督が出来て本当に幸せだなと思いました。二人が演じた10年の月日が刻まれた『余命10年』を楽しみにしていて下さい。○楠千亜紀プロデューサー コメント小松さんは、役に向き合う為1年間に及ぶ減量に取組み、私達はその姿をただ見守るしかありませんでした。茉莉として真剣に10年を生き切った彼女を見届けて下さい。坂口くんは、本当に20歳から30歳までの10年間を撮影したかのように声や顔、目つきまでも変化させ、和人という難しい役柄を完璧に演じ切っていました。
2021年09月22日小松菜奈や宮沢氷魚が出演する、吉本ばなな原作の映画『ムーンライト・シャドウ』が現在公開中。この度、本作のコラボレーションソング、小袋成彬による「Parallax」のコラボMVが到着した。本作のコラボソングを歌う小袋さんは、2018年に宇多田ヒカルをプロデューサーに迎え、アルバム「分離派の夏」でメジャーデビュー。現在はロンドン在住でアーティストとして活動する傍ら、プロデューサーや作家としてもマルチに活動している。今回到着したMVは、本作のメガホンを取ったエドモンド・ヨウ監督が特別に制作。楽曲タイトルの「Parallax」は、“視差”(=ものを観察する場合に、見る場所や見る条件によって見え方に差ができること)という意味であることから、主人公・さつき(小松さん)の一人称で描かれる映画とはまた違った角度となる、さつきの恋人・等(宮沢さん)目線で物語を捉えた映像となっている。『ムーンライト・シャドウ』コラボソングMV夜明け前の薄暗い川の水面に横たわる等が映し出され、「Parallax」が静かに語りかけるように流れ出す本映像。本作のキーアイテムである“鈴”は、さつきと等の出会いを導くもので、イヤリングに付けていた鈴を失くして探すさつきと、それをたまたま見つけた等が、河原で出会う場面を神秘的に映し出す。恋人関係になるさつきと等の穏やかで幸せな日々、さつきと等の表情にフィーチャーした掛け合いの演出が続き、そして「あなたから隠れて黙って戦っていたこと」という歌詞が、お互い何か秘密にしていることがあるのではないか…と、暗示させるようで、物語の違った側面を幻想的に表現している。惜しくも本編からカットされてしまったシーンも使用されており、さつきや等らの心情の機微に触れるようで、観賞後にもまた違う角度から楽しめる映像だ。また本作を鑑賞した映画監督たちから絶賛コメントも到着。岩井俊二監督は「この映画を観た私たちはきっと何か特別な一日を手に入れるだろう」と言い、行定勲監督も「小さな音に耳をすますような研ぎ澄まされた感動がこの映画にはある」と話している。■エドモンド・ヨウ監督 コメントParallaxとは視差、物の位置の差異を表します。視点が変わると言う意味において、成彬さんの素晴らしい曲と映画『ムーンライト・シャドウ』は響き合っているのではないかと思います。映画はさつきの視点で語られますが、Parallaxと言う曲は等の声であると考えることが出来るのではないかと思います。等の言葉にし難い感情と言うものが、完璧にこの歌によって表現されていると思います。したがって、私は意図的にこのMVの中で、本編で使わなかったカットやシーンを取り入れました。そして等の視点から見た物語を再訪することを意図しました。等は居なくなったかもしれませんが、それは単にパララックスによるものです。さつきが別の視点で見ることによって、等の感情というものが残っているはずです。『ムーンライト・シャドウ』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ムーンライト・シャドウ 2021年9月10日より全国にて公開©2021映画『ムーンライト・シャドウ』製作委員会
2021年09月17日俳優の林遣都と小松菜奈がW主演を務める、映画『恋する寄生虫』(11月12日公開)の場面写真が14日、公開された。同作は作家・三秋縋の同名ヒット作を原案にした映画化作。極度の潔癖症から誰とも人間関係を築けずに孤独に過ごす青年・高坂(林)は、視線恐怖症で不登校の少女・佐薙(小松)の面倒を見ることに。露悪的な態度をとる佐薙に辟易していた高坂だが、それが自分の弱さを隠すためだと気付き共感を抱くようになる。クリスマスに手をつないで歩くことを目標にリハビリを始めた2人はやがて惹かれ合い、初めての恋に落ちていく。公開日は11月12日に決定。今回解禁された場面写真では、ヘッドフォンを鎧として身に着け世界を遮断して歩く佐薙の姿、そんな佐薙と“社会に適応するためのリハビリ”と称したデートをする高坂、夕日を背に自転車に2人乗りするロマンチックな姿...など主人公2人の距離が少しずつ近づいていく様子が捉えられている。人と接することを恐れて生きてきた高坂と佐薙は、出会った日からまるで運命のように惹かれ合っていくが、それは恋に寄生する虫の仕業なのか、はたまた純愛なのか、屈託のない2人の笑顔の裏に隠された真実が気になる写真の数々となっている。林と小松は、同じ事務所の先輩と後輩であるが、共演するのは本作が初めて。“虫”によって恋に落ちるというフェイクとリアルが混在するラブストーリーを実写化するにあたり、難易度の高い芝居が求められた2人だったが、撮影中にも何度もディスカッションを重ね、互いに支え合いながら演技プランを作り上げていったという。林と小松の新しい化学反応によって、他者を拒絶しながらも臆病に惹かれ合っていく高坂と佐薙というキャラクターの魅力が生き生きとスクリーンに描き出されており、相性抜群のキャスティングとなっている。(C)2021「恋する寄生虫」製作委員会
2021年09月14日ReNさんによる、サードアルバム『ReNBRANDT』は、最新のUKサウンドのテイストが色濃くありながら、歌が際立ったアルバムだ。エド・シーランのレーベルに所属するメイジー・ピーターズを招いた「One Last Try(feat. Maisie Peters)」も収録されている。「元々僕は10代の頃はスポーツ選手を目指していたっていうのもあって、選手たちを鼓舞する曲を作りたかったんです。そこで今は男性も女性も戦う時代であるので大好きなメイジー・ピーターズを招いて、男女のアンセムソングとして作りました」不安や苦悩を越えて、明日に向かおうとする意志が歌われている曲だが、その不屈さはReNさんの楽曲に通底するメッセージだ。「スポーツの世界にいた時は、一個一個積み木を重ねていって、それを俯瞰して『もっと頑張ろう』って思って進むことを生きがいにしてたんですけど、怪我をしてそれが崩れ去ってしまって。すごく苦しかったけど、そこで終わるのか未来に繋げられるかは、いま自分がどう動くか次第だなと思ったんです。音楽をやってる今でもその気持ちは強くありますね。昨日の自分より今の方が向上している実感を得ることがモチベーションに繋がるんです。僕、動いてなきゃ駄目なタイプなんですよね(笑)。他は前よりだいぶ大雑把になったんですけど」アップテンポでエネルギーに溢れる「Teenage Dreamers」でも、目指すべきものをつかみ取るのは自分自身だと綴っている。「僕は今27歳ですが、ずっと夢を追いかけていて、10代の時の感覚を未だに持ってるんですよね。10代の時の根拠のない自信ってすごく大事だなって。歳を取ると夢が妬みに変わってしまったり。そうなった時点でもう終わりだと僕は思ってるんです。結果も大事だけど、追いかけることがものすごく重要で。その気持ちを僕自身忘れたくないし、僕の音楽を聴いて一緒に歩んでくれる人たちにも忘れてほしくないって思ったので書いた曲です」生きる原動力を曲にする作業はどういうものなのだろう。「曲には自分が思っていることをちりばめることが絶対条件だと思ってるんです。それがないとどんなにメロディが美しくても曲として好きになれない。曲を聴いてくれる人と近い距離にいたいんです。もちろんヒット曲を出すことも嬉しいけど、聴いてくれる人と共存したい、そういう思いが一番なんです」3rdアルバム『ReNBRANDT』。自身初のコラボレーション曲であるアシックスCMソング「One Last Try(feat. Maisie Peters)」、先行シングル「Laid back」を含む全11曲収録。¥2,970(Warner Music Japan)ReN1994年2月28日生まれ。10代でプロスポーツ選手を目指し渡英。20歳からシンガーソングライターの道を志す。2015年FUJI ROCK FESTIVAL出演。’16年1stアルバム『Lights』リリース。※『anan』2021年9月15日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小松香里(by anan編集部)
2021年09月13日