「尾上寛之」について知りたいことや今話題の「尾上寛之」についての記事をチェック! (1/6)
俳優・寺島しのぶ(51)が28日までに、自身のインスタグラムを更新。長男・尾上眞秀(12)が26日、東京・歌舞伎座で行われていた『錦秋十月大歌舞伎』の千秋楽を迎えたことを報告した。寺島は「寂しそう」とつづりつつ、長男との2ショットには「千秋楽おめでとう」とメッセージを添えた。眞秀は昼の部の『音菊曽我彩』に、尾上右近(32)とともに出演。曽我一万(右近)と曽我箱王(眞秀)と“曽我兄弟”で共演していた。この投稿にファンからは「男児とはいえやりきった男の顔ですね」「また新しい眞秀クンと逢えるのを楽しみにしています」「眞秀くん、今日も生き生きとエネルギッシュな箱王で素晴らしかったです」「素晴らしい成長に私まで嬉しくなりました…赤ちゃんだったのにね」などの声が寄せられている。
2024年10月28日俳優・寺島しのぶ(51)の長男で歌舞伎俳優の尾上眞秀(まほろ・12)が2日、自身のインスタグラムを更新。同日、祖父で人間国宝でもある歌舞伎俳優・七代目 尾上菊五郎が82歳を迎えたことを紹介し、にぎやかに誕生日を祝うバースデー動画を公開した。動画では、周囲の面々が歌う誕生日ソングに乗せて、眞秀がバースデーケーキを手渡し。普段は「ひーま」の愛称で親しまれている菊五郎は「ありがとーう!」と感謝し、豪快にローソクの火を吹き消した。コメント欄には「お誕生日おめでとうございます」「なんて素敵な家族。菊五郎様いつまでも若くてダンディです」「変わらず美男子ですね」「お元気そうなお姿」「気品がすごい」「いつまでもお元気でご活躍なさって下さいね」など、祝福を中心にさまざまな声が寄せられている。
2024年10月04日歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』の製作発表記者会見が9月28日(土)、都内で行われ、出演する松本幸四郎と尾上松也、中島かずき(脚本)、いのうえひでのり(演出)が出席した。松竹と劇団☆新感線がタッグを組み、主演に幸四郎(当時:市川染五郎)を迎え、2007年に初演された本作は、シェイクスピアの『リチャード三世』を下敷きにした、嘘と欲望に支配される男の物語。歌舞伎NEXTの第2弾として上演される今回は、幸四郎と松也が、己の命と引き換えに噓と裏切りでエイアン国の王にまで駆け上がるライと、ライによって地位を剝奪される将軍のサダミツを交互出演で勤める。松本幸四郎17年ぶりの再挑戦となる幸四郎は、「ぜひ、歌舞伎NEXTのレパートリーと言われる作品をつくりたい」と意気込み、「いのうえさん、中島さんの世界観と、歌舞伎の世界観を混ぜ合わせると何が生まれるのか。しっかりと歌舞伎を見つめ直し、自分たちも世界観に浸りながら、お客様を引きずり込みたい」と決意を新たにした。ダブルキャストを勤める松也に対しては、「認め合った上で、それ以上のものを目指したい。勝負です。勝たせてね(笑)」と宣戦布告する場面も。当の松也は「自分にとってレジェンド的な、いえ、レジェンドでございます(笑)。プレッシャーは結構強いものがあり、勝負と言われて勘弁してくれと」と思わず苦笑いを浮かべた。それでも、「新感線に挑戦する幸四郎さんの姿に憧れていた。大谷翔平選手のように、憧れるのはやめて、挑む心持ちで臨んでいきたい」と、発言にも熱がこもった。尾上松也中島は「手応えを感じていた作品で、それにも増して新しい形で、新感線と歌舞伎が融合するのを楽しみにしている。挑みがいがある」と武者震い。キャスティングも前回、真木よう子が扮したシュテンを市川染五郎が勤めるなど、若手を中心に豪華歌舞伎俳優陣が名を連ねており「きっと頭から見どころ」と期待を寄せた。中島かずきいのうえひでのりまた、いのうえは「自画自賛している作品なので(笑)、自分への挑戦というか、もう一度やる意味を見つめつつ、満を持しての歌舞伎NEXTということになります」と決意表明。「スーパー歌舞伎への対抗ではありませんが、宙乗りなど、歌舞伎ならではの派手な演出も盛り込んで、よりダイナミックな『朧の森に棲む鬼』になるんじゃないかと思う」と話していた。左から)尾上松也、松本幸四郎『朧の森に棲む鬼』は、2024年11月30日(土) から12月26日(木) に東京・新橋演舞場、2025年2月4日(火) から25日(火) に福岡・博多座で上演される。取材・文・撮影:内田涼<公演情報>歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』作:中島かずき演出:いのうえひでのり【配役】ライ/サダミツ(交互出演):松本幸四郎/尾上松也ツナ:中村時蔵シキブ:坂東新悟キンタ:尾上右近シュテン:市川染五郎アラドウジ:澤村宗之助ショウゲン:大谷廣太郎マダレ:市川猿弥ウラベ:片岡亀蔵イチノオオキミ:坂東彌十郎【公演日程】2024年11月30日(土)~12月26日(木) 東京・新橋演舞場2025年2月4日(火)~2月25日(火)福岡・博多座チケット情報:()公式サイト:
2024年09月28日2年前に旗揚げされた劇団「ヒトハダ」。その顔ぶれは作・演出を担う鄭義信を筆頭に、浅野雅博、尾上寛之、櫻井章喜、梅沢昌代と手練ればかり。最年少の大鶴佐助が座長を担っているのも、また興味深い。そんなヒトハダの二度目の公演は、戦時下における大衆演劇の一座を舞台にした『旅芸人の記録』。稽古前のある日、鄭と大鶴に話を訊かせてもらった。戦時下だからこそ人は娯楽を欲しているのだと思います――「ヒトハダ」は手練れの演劇人6人により2年前に旗揚げされました。最初に声を上げられたのは、浅野雅博さんと尾上寛之さんだったんですよね。鄭浅野くんとヒロ(=尾上寛之)から、「ふたり芝居をやろうと思っているんです」と声をかけられたのがきっかけです。で、なんとなく飲み屋で人数が増えていき、最後に梅ちゃん(=梅沢昌代)が「私も入れて」とやって来て、いつの間にか劇団になった感じですね。大鶴ただサクさん(=櫻井章喜)だけは誰が誘ったかわからないという……(笑)。鄭そう、不明だね(笑)。――最年少の大鶴さんが座長を務めることになった理由は?鄭それは選挙制で。大鶴いやいや、絶対にみんな面倒くさいから、僕に押しつけただけだと思いますよ(笑)。鄭(笑)。――待望の第2回公演『旅芸人の記録』は、タイトルにもある通り大衆演劇の世界が舞台になっています。その創作の経緯は?鄭前作の『僕は歌う、青空とコーラと君のために』が、進駐軍の歌謡グループを題材にした戦中の話だったんです。で、今回はどうしようかと話していた時に、日本の歌謡史とか大衆演劇史って面白いよねと。戦時中にも関わらず、映画とか大衆演劇とか軽演劇には、やんややんやと人が入っていたわけで、やっぱり人はどんな時でも娯楽を欲しているんだと。世界ではいまだに戦争が終わらず、いつその波が日本に来るかもわからない。そういうこともあって、戦時下の、大衆演劇の話をやってみたいと思ったんです。――大鶴さんは台本を読まれてどんな印象を受けましたか?大鶴やっぱり今伝えるべき内容だと思いました。前回公演がちょうどロシアのウクライナ侵攻が始まった時で、2年経って2回目をやろうという時も、いまだに戦争は終わらず続いている。今回の台本を読んで、改めて僕たちはあの戦争を覚えておかなければいけないなと。ただ今回初めて知りましたが、当時シミキン(=清水金一)の舞台なんかは客が2階から落っこちるくらい盛況だったと。それがすごく意外で。鄭空襲警報が鳴って一度は逃げるんだけど、落ち着くとみんなまた戻って来る。検閲官が止めようとしても、「なに言ってんだ、バカ野郎!」なんて喧嘩になって結局やり始めちゃうと(笑)。そういうのもすごく面白いなと思ったんですよね。大鶴本当に。そういう時代だったからこそ、みんな娯楽を求めていたんでしょうね。この一座から明るい“希望”みたいなものを感じてもらえたら――今回大鶴さんは、二見劇団の座付き作家・冬生を演じられます。皆さん当て書きとのことですが、大鶴さんのどんなところが冬生に反映されているのでしょうか?鄭うーん、佐助の変わったところかな(笑)。大鶴えっ、どういうことですか?(笑)鄭うまく口では言えないけど、佐助にはなんかちょっとヌメッとしたところがあるんですよね。逆にヒロなんかはサバっとしている。静と動っていうか……。大鶴あぁ、確かにヒロくんはカラッとしていますよね。なんか前回とはまた違いますけど、この一座、家族の中でのバランスとかが、それぞれすごく役に合っているなと思って。ただサクさんが登場した瞬間、あれ?前回と同じ役の人出て来た?と思いましたけど(笑)。サクさんだけ既視感がすごい(笑)。鄭(笑)。――(笑)。今回は劇団員の5人に加え、演出助手の山村涼子さん、舞台監督の丸山英彦さんも役者として出演されます。鄭書いているうちに膨らみ過ぎて、人が足りなくなっちゃったんです(笑)。で、どうする?ってみんなで協議して、今回までは客演を呼ばず、内々の人だけでやろうということになって。大鶴鄭さんって本当にその人に寄り添った、個を引き出す演出をされるんですが、それは涼子さんなんかにも感じる部分で。まさに劇団じゃないと出来ない演出だなと思います。――改めてこの作品を通して、お客様にはどんなことを伝えられたらと思いますか?鄭これだけ世界が“戦争”という色に染められてきている中で、もう一度“戦争”というものを考えてもらえればいいなと思います。と同時に、その中でも明るく生きていく家族の姿から、明るい“希望”みたいなものも感じてもらいたいです。大鶴あの当時も毎日を一生懸命生きていた人たちがいて、今もそういう人たちがいるわけですよね。これを見たお客様がどんなふうに捉えられるかはわかりませんが、とにかく見ていただくしかないのかなと思います。――ヒトハダの今後の展望は?鄭特に方向性みたいなものは決めていなくて、手探りでいろいろやっていけたらいいのかなと思っています。まぁそこは座長に今後の道を示していただいて(笑)。大鶴野外劇がやりたいです!やっぱり劇団としての、鄭さんのどアングラ野外劇がやりたいなと。鄭それはサクさんの尻を叩かないとね。すぐ「走れません」とか言うから(笑)。大鶴この際、土に埋めちゃったりして(笑)。鄭ずっと土に埋めとくか(笑)。取材・文:野上瑠美子撮影:藤田亜弓<公演情報>ヒトハダ 第2回公演『旅芸人の記録』脚本・演出:鄭義信出演:大鶴佐助、浅野雅博、尾上寛之、櫻井章喜、梅沢昌代山村涼子、丸山英彦【東京公演】2024年9月5日(木)~9月22日(日)会場:下北沢ザ・スズナリ【大阪公演】2024年9月26日(木)~9月29日(日)会場:扇町ミュージアムキューブCUBE01チケット情報()公式サイト
2024年08月30日大ヒット映画『プリティ・ウーマン』が待望のミュージカル化!9月に日本初上演となるミュージカル版の魅力を歌舞伎俳優・尾上右近が語った。1990年に劇場公開され、日本をはじめ世界中で大ヒットを記録した映画『プリティ・ウーマン』。ロサンゼルスを舞台に、リチャード・ギア演じる敏腕ビジネスマンのエドワードと、ジュリア・ロバーツ演じる無邪気なコールガールのヴィヴィアンが織りなす恋物語は多くの観客の心を熱くして大ヒットを記録した。その『プリティ・ウーマン』のミュージカル版が日本初上陸する。2018年に初演され、ニューヨークのブロードウェイとロンドンのウエストエンドで上演された本作は、多くのハリウッド映画の脚本を手掛けるJ.F.ロートンと映画『プリティ・ウーマン』を手がけたゲイリー・マーシャルが共同で脚本を担当、グラミー賞に輝くアーティスト、ブライアン・アダムスが初めてミュージカルの楽曲を手がけたことも話題に。ミュージカル日本上陸を前に、8月24日に東京・TOHOシネマズ立川立飛にてミュージカル初上陸を記念した立飛グループ創立100周年記念事業PRESENTS映画『プリティ・ウーマン』招待上映イベントが開催された。歌舞伎役者・尾上右近がトークショーに登壇し、映画版、そしてミュージカル版の魅力などのトークを展開。そのイベント直後に、あらためて『プリティ・ウーマン』の魅力と見どころについて語ってもらった。映画が公開されたのが1990年。1992年生まれの尾上にとっては、生まれる前の作品ということになるが「公開から34年くらい経っている作品ですが、人とのつながりや関わり方という部分においては現代にも通じるものを感じました。そういう意味で、“時代を選ばない作品”と言いますか、すごく新鮮に見ることができました」と、色褪せない魅力があると再認識したという。尾上はトークショーの中で「なぜこれをミュージカルにしてなかったんだろう?と思いました」と語ったが、大ヒットした映画の後、ミュージカル化されるまで長い年月が流れている。「ミュージカル化されて、それが日本でも上演されることが嬉しいですね。映画の中で2人がオペラ鑑賞するシーンがありますが、舞台人のひとりとして、ミュージカルでもそのシーンに期待しています。劇中劇をどのように表現するのか興味があります」と大きな期待を寄せている。さらに「映画でも音楽が印象的な使われ方をされていましたが、ミュージカルだとより“音楽”が重要になってくると思うのです。映画ではセリフとして言葉を交わしますが、ミュージカルの場合は歌で表現しますから、ミュージカル版の中から名曲として残っていく曲もたくさんあるのではないでしょうか」とミュージカル版独自の“音楽”にも注目していると語った。最後は「映画を観た人はもちろん、観てないという方もミュージカル版を楽しめると思います。生の舞台ならではの空気感だったり、そのときにしか味わえないものがありますのですごく楽しみです」という期待を込めたメッセージで締めくくった。ブロードウェイ・ミュージカル『プリティ・ウーマン』は、2024年9月11日(水) から16日(月・祝) まで東京・新国立劇場 オペラハウスで、9月18日(水) から23日(月・休) まで東京・TACHIKAWA STAGE GARDEN(立川ステージガーデン)で上演。ほか、10月には大阪での上演も予定されている。<公演情報>ブロードウェイ・ミュージカル『プリティ・ウーマン』【初来日公演】日程:2024年9月11日(水)〜9月16日(月・祝) 8回公演会場:新国立劇場 オペラパレス【立川公演】日程:2024年9月18日(水)〜9月23日(月・休) 8回公演会場:TACHIKAWA STAGE GARDEN【チケット】S席:16,000円A席:12,000円B席:9,000円公演公式ホームページ:
2024年08月26日ディズニー・アニメーション映画『モアナと伝説の海』の続編『モアナと伝説の海2』でモアナ役・屋比久知奈、マウイ役・尾上松也が日本版声優として続投することが決定。併せて吹替版の特別映像が公開された。『モアナと伝説の海』は、壮大で美しい海が広がる南太平洋のポリネシアにインスパイアされた、楽園のような島々で語り継がれる神秘的な伝説をもとに、海を愛する少女“モアナ”が、傷つき悩みながらも自分の進むべき道を見つけるため冒険に出る物語。日本では2017年に公開され、観客動員数423万人、最終興行収入51.6億円を超えるヒットを記録。さらに2023年に全世界ストリーミング配信サービスで史上最も視聴された映画第1位となり、今もなお世界中で愛されている。その続編で再び海に選ばれた少女・モアナを演じることとなった屋比久は、「モアナが新しい冒険に出るという事実がとても嬉しかったです」と笑顔を見せ、半神半人で伝説の英雄であるマウイ役の松也は「絶対に続いてほしいと願っていました。続編が公開されるのは僕らにとってもサプライズでしたので、本当に楽しみで待ち遠しいです」と、ファンと同じく嬉しいサプライズだったという。続けて屋比久との共演について松也は「前作から色々とお仕事でもご一緒させて頂く機会がありましたので、お互いのイメージがつきやすくなりました。いい関係で望めるのではないかと、とてもワクワクしています」と明かしている。また前作では、モアナが歌う主題歌「How Far I’ll Go」が第89回アカデミー賞、第74回ゴールデングローブ賞歌曲賞にノミネートされるなど、本作では欠かすことの出来ない大きな魅力のひとつでもある「音楽」。今回は第64回グラミー賞 最優秀ミュージカル・シアター・アルバム賞で同部門最年少受賞となったアビゲイル・バーロウとエミリー・ベアーという若き才能あふれるミュージシャンが楽曲を手がけるが、屋比久は「どんな曲がくるのか、とてもドキドキしています。前作が本当に素晴らしい楽曲ばかりだったので、今回も新しい情景が見える楽曲が沢山あるんだろうな」と、新たな冒険とともに出会う、楽曲たちへの期待も膨らんでいると語った。併せて公開された映像では、島のリーダーとなったモアナが家族と島民に見守られながら、新たな仲間と新しい船で再び海へ向かっていく。前作から3年後を舞台に、「私の新しい冒険が始まる。この海のどこかにいる仲間を探したい。たとえ、何があっても……」と決意を込めた台詞とともに、新たな運命に立ち向かう少し大人に成長したモアナの姿が描かれている。モアナのそばには、前作でも登場したニワトリのヘイヘイと、本作ではモアナたちと一緒に旅に出る海を怖がる泣き虫のブタのプアの姿も。海では優雅に泳ぐイルカの大群や神秘的な光を纏うジンベエザメなどの海の住人や、前作でも登場した旅路を邪魔する悪役だがどこか憎めないココナッツの海賊・カカモラたちも登場。映像の最後には、風と海を司る半神半人のマウイとの再会シーンも収められている。『モアナと伝説の海2』吹替版特別映像<作品情報>『モアナと伝説の海2』12月6日(金) 全国公開(C)2024 Disney. All Rights Reserved.
2024年07月09日ディズニー・アニメーション・スタジオ最新作『モアナと伝説の海2』(12月6日公開)で、モアナ役の屋比久知奈とマウイ役の尾上松也が日本版声優として続投することが決定し、吹替版の特別映像が9日、公開された。『モアナと伝説の海』は、壮大で美しい海が広がる南太平洋のポリネシアにインスパイアされた楽園のような島々で語り継がれる神秘的な伝説を基に、海を愛する少女“モアナ”が、傷つき悩みながらも、自分の進むべき道を見つけるため冒険に出る物語。日本では2017年に公開され、観客動員数423万人、最終興行収入51.6億円を超える大ヒットを記録。さらに2023年に全世界でストリーミング配信サービスで史上最も視聴された映画No.1となり、ディズニープラスでも現在までに10億時間再生を超えるなど、今なお世界中で愛され続けている。○■主人公・モアナ役に屋比久知奈、マウイ役に尾上松也このたび、再び海に選ばれた少女・モアナを演じることとなった屋比久、半神半人で伝説の英雄であるマウイ役の松也から喜びのコメントが到着した。屋比久は「モアナが新しい冒険に出るという事実がとてもうれしかったです」と笑顔を見せ、松也も「絶対に続いて欲しいと願っていました。続編が公開されるのは僕らにとってもサプライズでしたので、本当に楽しみで待ち遠しいです」と喜びを述べ、続けて屋比久との共演について「前作から色々とお仕事でもご一緒させて頂く機会がありましたので、お互いのイメージがつきやすくなりました。いい関係で望めるのではないかと、とてもワクワクしています」と語る。前作ではモアナが歌う主題歌「How Far I’ll Go」が第89回アカデミー賞、第74回ゴールデングローブ賞歌曲賞にノミネートされるなど、本作では欠かすことの出来ない大きな魅力の1つでもある音楽。今回は第64回グラミー賞 最優秀ミュージカル・シアター・アルバム賞で同部門最年少受賞となったアビゲイル・バーロウとエミリー・ベアーという若き才能あふれるミュージシャンが楽曲を手掛けるが、屋比久は「どんな曲がくるのか、とてもドキドキしています。前作が本当に素晴らしい楽曲ばかりだったので、今回も新しい情景が見える楽曲が沢山あるんだろうな」と期待を膨らませている。○■モアナと仲間たちの冒険が描かれる特別映像公開公開された特別映像では、島のリーダーとなったモアナが、家族と島民に見守られながら、新たな仲間と新しい船で再び海へ向かっていく。前作から3年後を舞台に、「私の新しい冒険が始まる。この海のどこかにいる仲間を探したい。たとえ、何があっても…」と決意を込めた台詞と共に、新たな運命に立ち向かう少し大人に成長したモアナの姿が描かれている。モアナのそばには前作でも登場したニワトリのヘイヘイと本作ではモアナたちと一緒に旅に出る海を怖がる泣き虫のブタのプアの姿も。海では優雅に泳ぐイルカの大群や神秘的な光を纏うジンベエザメなどの海の住人や、前作でも登場した旅路を邪魔する悪役だがどこか憎めないココナッツの海賊・カカモラたちも登場。そして、荒波から大きく舵を切った先に待ち受ける船を飲み込もうとする不気味で巨大なモノは一体? 映像の最後には、風と海を司る半神半人のマウイとの再会シーンも確認できる。【編集部MEMO】屋比久知奈は、『モアナと伝説の海』のオーディションで主人公・モアナ役に選出。本作でデビューとなった。(C)2024 Disney. All Rights Reserved.
2024年07月09日尾上右近が2015年より続けている自主公演「研の會」。彼が未経験の役柄に挑むファン垂涎の公演だが、第八回となる今回は、『摂州合邦辻』と『連獅子』を上演する。キャスティングまで右近がこだわり抜いて決める「研の會」、今回も思い入れが詰まっているようで……。意気込みと思いをたっぷりと語っていただいた。客席で寝ている人を見つけて嬉しかった――昨年は劇場を、長らく上演していた国立劇場小劇場から浅草公会堂に移しての公演でした。緊張感はありましたけど緊張はせず、リラックスしてできました。それほど出慣れている劇場ではないのですが、浅草という土地が大好きだということもあり、アットホームな空気感がありました。……僕、自主公演で初めて、客席で寝ている人を目撃したんですよ(笑)。いや、もともと客席でお客さんが寝ていても全く気にしないのですが、「自主公演を観に来て、寝るんだ!?」と思って。でもそれが嬉しかったんです。――嬉しかったんですか? なぜ?普段の大歌舞伎などだと、多くの方は「歌舞伎を観に行く」という気持ちで劇場においでになって「あ、尾上右近が出てきた」と思ってご覧になってくださると思うんです。でも「研の會」は“尾上右近自主公演”と謳っている以上、尾上右近の公演じゃないですか。「さあ右近を観るぞ」と前のめりなテンションで来てくださる。それはありがたいのですが、いつもの公演のようなフラットなテンションで観て欲しいというワガママな右近くんが心のどこかにいて。熱烈な拍手や熱い空気をいただくと嬉しい反面、自主公演でしかできないことをやっている、ここでしか観られない貴重なものを観ていると思われているのかなと悔しい気持ちもあった。僕としてはこれが歌舞伎の1ヵ月の本興行に繋がれば嬉しい、ここで伝え切るのではなく“繋がっていく”という気持ちで演じているんだけどな……という思いも抱いていました。だから寝ちゃっている人を見て、特別なものではない、普段の公演のように馴染んで観てくれているんだと思って嬉しかった。それが去年、初めて感じた思いです。――お客さんにとっては右近さんの「研の會」が日常的なものになってきた感覚がある一方で、右近さん側も肩の力が抜けてきた……ということもありませんか?そうなってきたのかもしれませんね。気の置けないメンバーと一緒だったというのもあったと思います。もちろん「この瞬間にかけるぞ!」という気合いもあるのですが、今の歌舞伎界の30代の歌舞伎俳優のひとりとして、この世代ならではのものを僕なりに打ち出して、歌舞伎界全体にいい流れや空気を作れたらいいなと思っています。そういう意味では今までのように「ここで成果を出すんだ!」という気負いより、繋がっていくというイメージでやりました。自主公演は特別な時間で特別な空間なのですが、歌舞伎俳優を名乗っている以上、自分もずっと続いてきた歴史の一部であるという感覚はあって当然だと思います。さまざまな感情の中で、昨年は“感謝”の割合が高かったなと感じています。――そして昨年「研の會」で上演した『京鹿子娘道成寺』は、今年の正月、歌舞伎座の本興行で再演されました。いや、びっくらこきました(笑)。松竹の方に「正月に、壱太郎さんと右近さんのダブルキャストで『道成寺』を踊ってもらいたい」と言われた時には驚いたし、反応が早いなと思った。でもそこでまた、もうひとりの右近くんが「何びっくりしているんだよ」とイラっとしたんですよ(笑)。「いつ(本興行で)来ても当然だと思って自主公演をやっているはずなのに、お前はそんな腹積もりでやっていたのか」と。――謙虚なのか大物なのか(笑)。そうそう、ジキルとハイドのように謙虚な自分と大物な自分がいて、「えっ!?」と返した自分が、自分で恥ずかしかったんです。でももちろん、半年足らずで歌舞伎座でできるというのは嬉しかったです。2023年開催、第七回「研の會」で白拍子花子を勤める尾上右近さん©研の會(撮影:田口真佐美)――「研の會」で一度やっていたからこそ歌舞伎座では落ち着いてできた、というようなことは。歌舞伎座でやるというのは特別ですので「歌舞伎座だ!」という緊張感はあります。ただ特に『道成寺』のような演目は、僕ひとりではなく、音楽家さんや後見(衣裳を引き抜いたり小道具を渡したりする)との兼ね合いもあるし、舞台袖に引っ込んでからの着替えの段取りなどが重要になります。そのテンポを噛み合わせるのに神経を使うのですが、それは自主公演で経験しているから慣れている状態で臨めました。そうなると逆に、リラックスしてしまって勢いが削がれる危険性がでてきてしまうので、それは何で補って立ち向かうかという課題も出てくるのですが。――どう立ち向かっていかれたのですか。約半年のスパンでの再演でしたが、自主公演から5年くらい経った感覚でやろうと思って踊ったんです。この間さまざまな経験を経て、僕の中で色々なものが膨らみ、自分も大人になって再び『道成寺』を踊っているんだ、と。昨年の「研の會」は『夏祭浪花鑑』と『京鹿子娘道成寺』の2本立てでしたので、さっきまで団七という役で血みどろ泥だらけになっていた人が、次の幕では綺麗な女形として登場する、その奮闘ぶりを観ていただいた。観る側もやる側も気分が高まってからの『道成寺』ですから、ある種の勢いまかせなところもあった。でも歌舞伎座の正月興行では他の俳優さんたちが一幕ごと紡いできた流れの中で最後の一幕として自分が『道成寺』を踊る。自主公演とは訳が違います。冷静さを心がけました。ご当地もの『摂州合邦辻』と尾上眞秀と挑む『連獅子』――さて、今年は『摂州合邦辻』と『連獅子』を選ばれました。この演目にした理由を教えてください。まず今年は大阪でも公演をしますので、大阪が舞台の『摂州合邦辻』は“ご当地もの”になっていいなというのがひとつ。あと単純に、好きなんです。ドロドロしている物語なんだけど、最後は「ああ、これで良かったんだ」と晴れやかな気持ちになるので。――河内国の大名・高安左衛門に後添えとして嫁いだ玉手御前が義理の息子である俊徳丸に道ならぬ恋心を抱き、これから逃れるために俊徳丸は許嫁の浅香姫と共に逃げて……という物語。「説経節」が元になっていて、宗教色が強い話。玉手御前という人は、自分もドロドロしているし、まわりの環境もドロドロ、あらゆるドロドロにまみれているんだけど、最後に大切な義理の息子の命を救って自分が命を落とす。仏教は蓮の花を大事にしていますが、玉手御前は究極の自己犠牲の人であり、本当に蓮の花みたいな女性だなと思うんです。また展開も早いし、大阪特有のエキサイトする空気感もあり、ヒートアップするリズム感もいい。観に来てくれたお客さまが“ずーん”とならず、前向きな気持ちで帰っていただける作品だと思うので、選びました。あとは歌舞伎界を見渡して、僕の世代で『摂州合邦辻』をやろうと思う人がいなさそうなので、じゃあやっちゃおうかなと(笑)。――『連獅子』は力強い舞踊劇。言わずと知れた名作です。親獅子が子どもを崖から落とし、そこから這い上がってくる子どもだけを育てるという獅子の教えを舞踊にしたものなのですが、僕はこれまで仔獅子を、4人の親獅子相手に勤めさせていただきました。この作品は実際の親子で演じられることが多く、そのことでよりお客さんが感情移入する仕組みになってるとは思いますが、僕は歌舞伎俳優の息子ではないからこそ、色々な先輩たちの親獅子で仔獅子をやらせてもらえた。歌舞伎には色々な捉え方があると肌で感じた作品であり、僕の中でも思い入れの強い演目です。いつか親をやる日が来るだろうと思っていたし「そろそろやりたいな」と思っていたところで、今回、尾上眞秀くんが出てくれることになったので実現しました。僕が『連獅子』で親獅子をやるなら眞秀くんとやりたいとずっと思っていたんですよ。――眞秀さんは寺島しのぶさんの息子さんで、音羽屋の宗家である菊五郎さんのお孫さん。昨年尾上眞秀を名乗って初舞台を踏まれました。以前しのぶさんが「眞秀、『連獅子』だけは観ないのよ」とおっしゃっていて。『連獅子』は親子の物語であり、お父さんと子どもたちが踊る(ことが多い)演目。自分はお父さんと『連獅子』を踊ることはないから観たくない……と眞秀が言ったそうなんです。僕はその気持ちが、めちゃくちゃよくわかる。だけど、それを叶えてくれた先輩たちが僕にはいました。今度はその恩を僕が下の世代に返していこうと思い「一緒にやろうぜ」と言いました。――それはかなり胸アツなエピソードです……。実際の親子ではない俳優で『連獅子』を踊るというのは僕も経験していますが、どちらも父親が歌舞伎俳優ではないという役者同士でやる『連獅子』って初めてじゃないかな。かなりチャレンジングだと思います。なぜ今年なのかと言うと、眞秀が大きくなっちゃうからです(笑)。とんでもない速度で成長していて、たぶん来年には僕の身長を追い越すんじゃないかな? そんな危機感があるので、やるなら今年しかない! と。毛を振ったりと体力的にはかなり大変な演目ですが、踊りが好きだという気持ちを再認識できる作品です。眞秀も歌舞伎が好きで、踊りも好きだと思うんだけど……「やっぱり好きだー!」と思うターニングポイントみたいなものは、まだ来ていない気がするんですよ。それをこの『連獅子』で味わってもらいたいという、僕のちょっとしたおせっかいです(笑)。いずれも思い出深い4人の親獅子――ちなみに右近さんが仔獅子として相対した親獅子は、市川團十郎(当時の海老蔵)さん、市川猿之助さん、尾上松也さん、尾上菊之助さん。思い出深い『連獅子』はありますか。これ、角が立つから「どれも」と言うと思うでしょ? 本当の話、「どれも」なんです(笑)。それぞれ僕にとって大きな、あれがあったから今があると思える『連獅子』でした。15歳の時(2008年)、玉三郎さんの「特別舞踊公演」で、玉三郎・菊之助で『二人道成寺』をやって、海老蔵さんは『鏡獅子』をやってくださいと頼まれた。それを断って「けんけん(右近)と『連獅子』をやりたい」と言ってくださったんです。僕にとっては初めての大役で怖くて、知恵熱を出したりもしたくらいでしたが、あれがなかったらその後の大きなお役もいただけてなかったと思うし、僕も歌舞伎に対してさらに本気になれたところがある。本当に思い入れが深い作品です。猿之助さんとは亀治郎時代の2010年「市川亀治郎東照宮奉納歌舞伎」ほか、「亀治郎の会」含め何度かやらせていただいています。血統が重んじられるこの歌舞伎の世界で「血より濃い水がある」と教えてもらったのが猿之助さんとの『連獅子』。澤瀉屋の『連獅子』って体操か!? ってくらいハードなんですよ(笑)。何度も心が折れそうになったし、しんどくてしんどくて「無理!」って思うんですが、それを親獅子が飄々と、なんなら「コイツどうするのかな」と楽しみながら引っ張ってくれているような『連獅子』でした。親じゃなくても「コイツを育てよう」と思って引き揚げてくれる先輩がいるんだというのは僕の救いになりました。松也さんとは2012年の歌舞伎座での子供歌舞伎教室、2017年の松竹座「二月花形歌舞伎」でご一緒しました。僕にとってはお兄ちゃんのような方。これまでは親獅子は親獅子であり、僕は一生懸命やれば仔獅子に見えるという対比でしたが、年齢が近い分、兄弟に見えてしまいかねない。どう踊れば仔獅子に見えるか、親子の物語に見えるか、この『連獅子』を楽しんでもらえるか……と、『連獅子』という作品自体を俯瞰して見つめることができた、そんな意味のある経験をした公演です。菊之助兄さんとの『連獅子』は、2020年の「錦秋御園座歌舞伎」。コロナ禍に入って初めての1ヵ月興行で、いよいよ歌舞伎が再開するというタイミングでした。そんな時期でしたので僕もすごく意気込んでいたし、自分もお客さんを呼べる俳優にならないとダメだと思い死ぬ気でチケットを売っていた。食事に行った店でたまたま隣に座った人にもチケットを売っていたくらい(笑)。また子どもの頃から音羽屋で育ててもらった僕が、これまで3人の親獅子とやらせてもらい「役者としてこういう風に勉強してきました」と音羽屋の本家である菊之助お兄さんにお伝えする、仔獅子が親獅子に伝えたい思いがたくさんある作品だった。音羽屋の次期大将である菊之助お兄さんとやったことで尾上右近の『連獅子』第一章は終わりだな、次やる時はきっと親獅子なんだろうなと漠然と感じた公演でした。「大変だから楽しい」と思ってもらいたい――そんな4人の親獅子と共に踊ってきた右近さんは、どんな親獅子として眞秀さんと相対すのでしょう。「大変だから楽しい」と思ってもらいたいかな。それは歌舞伎の本質でもあると思う。歌舞伎は肉体芸術と言われますが、それはかなり綺麗な表現で、実際にやっていることは肉体労働です。その上で芸術に持っていける余裕が出てはじめて芸術になる。なんでこんな大変なことをやるかと言うとお客さんに喜んでもらうためで、しかも、ほかの方法でもお客さんに喜んでもらえることはいくらでもある。それなのになぜ大変なことをするかと考えると、歌舞伎には自己犠牲の美学がある気がします。そんなことがほんのり感じてもらえる親獅子をやりたいですね。実は「研の會」をやり始めたのも、先輩方に大きな影響を受けているんですよ。まだ幼い頃に子どもがやる役ではない役をいただいた時、本番直前に不安になっちゃって泣きべそをかきながら先輩のひとりに電話をしたんです。いい迷惑ですよね(笑)。その時に「できないかもしれない」と言う僕に「いいんだよ、僕も勉強だから。一緒に勉強しよう」と言ってくださった。僕はこの人も完璧じゃないの? と、すごく意表をつかれたんです。親も完璧じゃない、人間だから迷いもあるというのは、とても素敵なことだなと思います。だから眞秀にも「僕もまだ未熟だけど」ということも踏まえて教えていきたい。眞秀には「楽しいな」とのびのび稽古してもらい、本番が近付くにつれ鬼みたいな顔も見せてちょっと嫌われて「もう辞めたい」と言われた時に「俺もドキドキしているんだ、一緒にやろう」と言いたい(笑)。僕はこれまで経験してきたこと……仔獅子だけでなく歌舞伎俳優として感じてきたすべてのことを忘れていない親獅子になりたいです。尾上右近自主公演 第八回「研の會」特別版ポスター。作品に引き続き、現代美術家の横尾忠則氏が手がけたすでにお稽古はしていますが、不思議なもので僕が本気にならないと眞秀は本気にならないし、僕が迷うと彼も迷う。本当に、先輩に教えてもらうより、後輩に教えるということは緊張します。親心ってこういうことなのかな……と感じるし、僕も圧倒的に踏ん張らなければいけない公演になりそうです。そして、『摂州合邦辻』と『連獅子』合わせて、テーマは“親の愛”になります!――確かにそうですね。『摂州合邦辻』では玉手御前のお父さんである合邦道心を市川猿弥さんにお願いしました。役者の上でのお兄さんのような先輩はありがたいことにたくさんいるのですが、猿弥さんは僕にとって精神的お父さんのような存在。子どもの頃からファンで、実は共演する以前、僕が8歳の時に客席から観てなんて素敵な俳優さんなんだと思って、その時から隠れファン(笑)。――何をご覧になったのですか。当時勘九郎だった(十八代目)勘三郎のおじさまが狐忠信、静御前を玉三郎のおにいさまが演じていた『吉野山』で、早見藤太を演じていらした。勘三郎・玉三郎のお二方が死ぬほど輝いていて、その中に三枚目として絡んでいく早見藤太ってめちゃくちゃ難しいと思うのですが、猿弥さんはそれを飄々とやってのけていて、すごいなこの人! と思った。12歳の時に初めて共演させていただいたのですが、その時に楽屋に「ファンです」と言いにいきました(笑)。それ以降、ずっと可愛がってくださっている。バラエティ番組などでも見せているようにとても明るい方なのですが、複雑さがあるお役でさらっと深いところを出してお芝居をなさるので、役者としてとても尊敬しています。「研の會」は僕が観たい配役を実現させる会でもあるので、そこは僕の特権ですね(笑)。『摂州合邦辻』は僕の玉手御前も見てほしいけれど、「猿弥さんの! 合邦を! 見て!!」「これ、僕がやってって頼んだんです!!」と自慢したい気持ちがあります(笑)。歌舞伎への愛は距離感も大切に――まさに右近さんにとってもさまざまな“親の愛”、そして“受け継ぐこと”が詰まった二演目なんですね。1年前の取材でも右近さんは、自分は歌舞伎という大きな歴史の中にいる、引継ぎ、受け渡していくことが大切……というようなことを語っていました。改めて右近さんが今、歌舞伎に対して抱く思いを教えてください。僕はもともと歌舞伎が大好きで、歌舞伎に振り向いてもらいたくて自主公演を始めました。なかなか振り向いてくれなくて、待っている時間はとてつもなく長いんです。「いつまで続くんだ、この群舞(のキャスティング)……」みたいな(笑)。いや、群舞も大事ですけどね。でも歌舞伎に振り向いてもらえるようになると、それまでは自分のために歌舞伎をやっていたけれど、歌舞伎のために自分があるようにならなければ、と自然と思うようになっていた。受け継ぐ義務も、義理も、使命もある。でも今は、「歌舞伎しかない」と盲目的になってしまっては良くないなとも感じていて。歌舞伎が“行”のようになってしまうといけないと思うんです。万一明日から歌舞伎をやっちゃダメだと言われても、ほかのことでスタッフを養っていけるくらいのマインドを持たないと。だから今は距離感も必要だと思っています。愛着と執着は違うな、というのが今の僕が歌舞伎に対して思うところでしょうか。とはいえYouTubeとかを見ていても、気付けば「歌舞伎」って検索していたりするんですけどね(笑)。――ちなみに1年前は、歌舞伎への思いは「恋から愛に移行している段階」だと話していらっしゃいました。少し落ち着いた感じでしょうか?わぁ。そんなこと言ってたんだ! だから1年齢をとったってことですよ、僕も(笑)。情熱は時に、人も自分も傷つけますから……(笑)。大切に思うがゆえに、距離感も大事だということです!取材・文:平野祥恵撮影:興梠真帆ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★尾上右近さんのサイン入りポラを2名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!<公演情報>尾上右近自主公演 第八回「研の會」一、 『摂州合邦辻合邦庵室の場』玉手御前:尾上右近俊徳丸:中村橋之助浅香姫:中村鶴松母おとく:尾上菊三呂奴入平:市川青虎合邦道心:市川猿弥二、 連獅子狂言師右近後に親獅子の精:尾上右近狂言師左近後に仔獅子の精:尾上眞秀法華の僧蓮念:市川青虎(大阪)中村鶴松(東京)浄土の僧遍念:市川猿弥(大阪)中村橋之助(東京)【大阪公演】2024年8月31日(土)・9月1日(日)昼の部11:00開演/夜の部16:00開演会場:国立文楽劇場【東京公演】2024年9月4日(水)・4日(木)昼の部11:00開演/夜の部16:00開演場所:浅草公会堂尾上右近公式サイト:★6/30(日)まで、ぴあアプリ先行抽選受付中!()この機会にぜひアプリをダウンロードしてお申込みください!
2024年06月23日松本幸四郎、尾上松也らが出演する歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』のティザービジュアルが公開された。松竹と劇団☆新感線がタッグを組み、主演に市川染五郎(現:松本幸四郎)を迎え、2007年に初演された本作は、シェイクスピアの『リチャード三世』を下敷きにした、嘘と欲望に支配される男の物語。歌舞伎NEXTの第2弾として上演される今回は、見得や立廻りをはじめ歌舞伎ならではの様式美を追求した演出・音楽と、400年以上の歴史の中で受け継がれてきた技法を作品世界に落とし込み、新たな作品として上演される。このたび公開されたのは、幸四郎と松也がダブルキャストで演じる主人公・ライのティザービジュアル。朧の森の中で赤と黒の衣裳に身を包み、すでに王者の風格すら感じさせる幸四郎のライと、己の運命も知らぬまま、剥き出しの野心が見え隠れする松也のライ、ふたりが魅せるそれぞれの個性が、ダブルキャストならではの醍醐味を感じさせるものとなっている。撮影は演出のいのうえひでのり立ち会いのもと、衣裳のなびき方やメイクの色味、感情の機微を込めた表情など、細部まで丁寧に作り込み、作品の世界観を大切にしながら進められたという。併せて配役が発表され、己の命と引き換えに噓と裏切りでエイアン国の王にまで駆け上がるライと、ライによって地位を剝奪される将軍のサダミツを幸四郎と松也が交互出演で勤める。また、ライを慕いながらも思惑に気付きライを討とうとするツナ役で中村時蔵、エイアン国の王イチノオオキミの愛人であり、ライに好意を寄せるシキブ役で坂東新悟、ライの弟分であるキンタ役で尾上右近、エイアン国と敵対するオーエ国の党首シュテン役で市川染五郎、主君を渡り歩く家来アラドウジ役で澤村宗之助、検非違使のショウゲン役で大谷廣太郎、ライと手を組む悪党のマダレ役で市川猿弥、エイアン四天王のひとりウラベ役で片岡亀蔵、エイアン国の王イチノオオキミ役で坂東彌十郎が出演する。『朧の森に棲む鬼』は、2024年11月30日(土) から12月26日(木) に東京・新橋演舞場、2025年2月4日(火) から25日(火) に福岡・博多座で上演される。■松本幸四郎 コメント歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』への挑戦権を得られたことに感謝しています。いのうえひでのりさん、中島かずきさん、歌舞伎を絡み合わせて創る“歌舞伎NEXT”。初日へのカウントダウンが始まり“孤独極秘トレ”をしています。主人公・ライの徹底的な悪で興奮と恐怖を感じていただくために、そしてダブルキャストの勝負にチャレンジャーの精神で立ち向かっていきます。新橋演舞場、博多座にて悪の華、色彩美、傾く音楽、アクション満載のエンターテイメントに刺激を受けにご来場をお待ちしています。■尾上松也 コメント2007年に新橋演舞場で初演された『朧の森に棲む鬼』が歌舞伎NEXTで再演されると聞いた時は、とても興奮いたしました。更に幸四郎さんとダブル主演とのことで身震いがしました。嬉しさと同時にあの最高の「ライ」を演じられた方と自分が一緒に同じ役を勤めるプレッシャーが大きくのしかかりました。ですが、やるからには新たな「朧」、新たな「ライ」を誕生させるべく、いのうえひでのりさん、中島かずきさんの導きに従って、悪の華に全力を尽くしたいと思います。そして今回はサダミツもさせていただけますのも楽しみです。他の出演者の皆様も、若手を中心に最高のキャストが揃いました。是非劇場にお越しいただき、歌舞伎NEXTをお見逃しなく!!<公演情報>歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』作:中島かずき演出:いのうえひでのり【配役】ライ/サダミツ(交互出演):松本幸四郎/尾上松也ツナ:中村時蔵シキブ:坂東新悟キンタ:尾上右近シュテン:市川染五郎アラドウジ:澤村宗之助ショウゲン:大谷廣太郎マダレ:市川猿弥ウラベ:片岡亀蔵イチノオオキミ:坂東彌十郎【公演日程】2024年11月30日(土)~12月26日(木) 東京・新橋演舞場2025年2月4日(火)~25日(火) 福岡・博多座公式サイト:
2024年06月06日松竹は5月27日、都内で記者会見を行い、歌舞伎俳優の尾上菊之助と長男の尾上丑之助がそれぞれ、「八代目尾上菊五郎」、「六代目尾上菊之助」を襲名すると発表した。併せて、「七代目」の尾上菊五郎が、引き続き「菊五郎」を名乗ることになり、「菊五郎」が異例の2人体制となることも明らかに。関係者によると、同時期に同じ大名跡の役者が、2人存在することは「400年以上の歴史なので(初かどうかは)分からないが、少なくとも近代になってからは初めて」だという。会見には、菊五郎、菊之助、丑之助の3人がそろい踏み。当代菊五郎は「“七代目”菊五郎でございます」と笑顔で挨拶し、引き続き菊五郎を名乗ることについて「私も52年間名乗らせていただいているとね、だんだん自分のものになってきちゃうんですよ。名前を今更変える気はなくて」と断言すると、会場は笑いに包まれた。『口上』尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎、尾上丑之助改め六代目尾上菊之助©岡本隆史襲名のタイミングに関しては、自身の脊椎の病気に言及しながら「菊五郎はいつも元気に、働いていなくてはいけないと思い、病気に負けないで一生懸命に名乗ろうと思った。菊五郎のまま歌舞伎人生の幕を閉じたい」と説明。「たまに、公演で菊五郎同士がバッティングすることもあるかもしれません(笑)。紛らわしいですが、そのときは『七代目』『八代目』と呼んでいただければと思います」と改めて、2人体制となる菊五郎に理解を求めた。尾上菊五郎菊五郎が菊之助に対し、襲名を申し出たのは1年ほど前だといい、「父から『おめぇ継げよ』と言われた」(菊之助)。父親の思いと決断を汲みながら、「これはとても重い決断。舞台の上でしか答えを出すことはできません」と決意を表明する。父親と同じ「菊五郎」の名前について、菊之助は「歴代の菊五郎に劣らず、歌舞伎を懸命に守ってくださった先人たちに、少しでも恩返しができるように、感謝の念を忘れずに絶やさず(公演を)重ねていきたい」と意欲を燃やした。また、菊五郎が「一皮脱いで、全然違う名前になって、これからあと何年芸能生活が送れるのか。皆様に(新たな名前を)認知する前に幕を閉じちゃう。そういうのは寂しくて、わがままですけども、そうしてもらいたいなという意味で」と付け加えると、菊之助が「私は異を唱えることはございません。それが当主の決断でございますから」と思いを寄せるなど、親子の絆が垣間見える瞬間もあった。尾上菊之助一方、菊之助の長男・丑之助は「尾上丑之助でございます。来年の5月に、父と祖父が名乗っておりました尾上菊之助の名跡を、六代目として襲名致すことになりました」と凛々しく挨拶。「まだ襲名してから、6年くらいしか経ってないので、もうちょっと丑之助の名前でいたいと思いました」と思わず本音も飛び出したが、「祖父の言ったこと、祖父の思いを受け継ぐと心に決めたので、菊之助を襲名すると心に決めました」と父に負けない力強さ。10歳での襲名は、父の「五代目最年少」記録を更新することになり、「これからもより一層の努力をして、名前に負けない役者を目指します」と背筋を伸ばした。尾上丑之助襲名披露興行は令和7年(2025年)5~6月の東京・歌舞伎座を皮切りに、翌令和8年(2026年)博多座までを予定。5月の演目は「二人道成寺」「口上」「弁天娘女男白浪」、6月が「菅原伝授手習鑑」の「車引」「寺子屋」「口上」「連獅子」となることも明らかになった。取材・文・撮影:内田涼
2024年05月28日日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区、家元:尾上菊之丞)四代家元三代目尾上菊之丞と、大蔵流茂山千五郎家の狂言方能楽師である茂山逸平は、2024年8月18日(日)から25日(日)の1週間にわたり、東京のセルリアンタワー能楽堂で「逸青会」を開催いたします。2009年の初開催から丸15年を迎える本年は、歌舞伎界、能楽界、舞踊界からもゲストを迎え、日本舞踊、狂言の古典作品はもちろん、逸青会でしか観ることのできない日本舞踊×狂言の新作を始め、多彩なゲストとの新境地に挑戦。6月10日(月)より菊之丞 FAN CLUB・クラブSOJAで販売開始、6月17日(月)より一般販売を開始いたします。菊之丞 FAN CLUB: クラブSOJA : 「逸青会」15周年記念■逸青会(いっせいかい)とは舞踊家・尾上菊之丞と狂言方能楽師・茂山逸平が互いのジャンルを越え、新しい形としての舞踊と狂言の可能性を追求している二人会です。2009年より毎年創作を重ねさまざまな形で継続して開催、この度丸15年を迎えます。古典作品の上演に加え、互いのジャンルの研鑽と、「舞踊」「狂言」という似て非なる芸能を合わせ、単なるコラボレーションに終わらない新しい可能性を求めて毎回「舞踊狂言」として新しい作品を創作、発表しています。現在までに10を超える逸青会オリジナル作品が生まれています。YouTube: ■2024年の「逸青会」には各界で活躍する表現者が出演丸15年を記念し、これまでにゲストとして出演された、第一線で活躍する表現者の皆様を歌舞伎界、能楽界、舞踊界から総勢19名をお迎えし1週間にわたり公演をいたします。逸青会ではジャンルの垣根を超えて、日本舞踊と狂言が輝ける新たな作品創りを目的に毎年オリジナルの新作を発表、能楽師や歌舞伎俳優との共演、文楽人形や落語家とのコラボレーションも行ってまいりました。「古典芸能」には能狂言、歌舞伎、文楽、日本舞踊、落語など様々なジャンルがあり、現代社会において入り口は狭く感じられることも多いかもしれません。逸青会では、その魅力を皆様にいかにお伝えし、いかに奥深いところまで入ってきていただくかを大切にしています。■15周年に寄せて 尾上菊之丞・茂山逸平コメント発足当時は「僕ら二人にしかできない舞台を!」と意気込んでおりましたが、継続しているうちに作品を残していきたい、という欲も出てまいりました。その為に必要なことは新作の再演であり、新たなキャストによる上演です。これまでの逸青会にご出演くださったゲストの皆様による新たな顔合わせでご覧にいれる逸青会作品、菊之丞と逸平による今回の為に創作した新作「御札」、そして様々な古典作品を同時にご覧いただける、これが逸青会15周年記念公演の最大の魅力です。■公演概要《日程》2024年8月18日(日)~25日(日)※21日休演・7日間・全11公演《場所》セルリアンタワー能楽堂(東京都渋谷区桜丘町26番1号 地下2階)《主催・出演》尾上菊之丞/茂山逸平《出演者》8月18日(日) 尾上右近/茂山茂/島田洋海8月19日(月) 松本幸四郎/茂山宗彦/坂口貴信/茂山慶和/尾上京8月20日(火) 中村鷹之資/茂山宗彦/坂口貴信/尾上菊紫郎8月22日(木) 中村壱太郎/茂山千五郎/茂山慶和/島田洋海/尾上墨雪8月23日(金) 中村莟玉/茂山千五郎/羽鳥以知子/茂山七五三8月24日(土) 茂山千之丞/谷本健吾/羽鳥嘉人/尾上墨雪8月25日(日) 尾上松也/茂山千之丞/谷本健吾/茂山慶和/羽鳥嘉人/茂山七五三/尾上墨雪入場料 :10,000円 (※全席指定/税込、お席の指定はできません)チケット申込 :6月10日(月)~以下ファンクラブより受付開始菊之丞 FAN CLUB クラブSOJA 6月17日(月)より尾上流、茂山千五郎HPより受付チケットに関するお問い合わせ先:TEL : 03-3541-6344(平日10:00-18:00)MAIL: info@onoe-ryu.com ■尾上流(おのえりゅう)とは日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創立されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさずその魅力を国内外へ伝え続けます。■尾上流四代家元 三代目尾上菊之丞 (おのえ きくのじょう)1976年生まれ。2歳から父に師事し5歳で初舞台、2011年尾上流四代家元を継承し、三代目尾上菊之丞を襲名。自身のリサイタル「尾上菊之丞の会」、狂言師茂山逸平氏との「逸青会」を主催。新作の創作にも力を注ぎ、様々な作品を発表。新作歌舞伎や花街舞踊、宝塚歌劇団、OSK日本歌劇団やアイススケート「氷艶」「Luxe」など様々なジャンルの演出・振付を手掛ける。京都芸術大学非常勤講師/公益社団法人日本舞踊協会理事尾上菊之丞<振付>新作歌舞伎「刀剣乱舞」、尾上菊五郎劇団「NINAGAWA十二夜」、歌舞伎NEXT「阿弖流為」、ラスベガス歌舞伎公演「鯉つかみ」「獅子王」、スーパー歌舞伎II「ワンピース」「オグリ」、宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」など、多岐に渡る。<演出>「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」、「赤胴鈴之助」、OSK日本歌劇団「ツクヨミ」「光」、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」などを演出。新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けている。尾上流 ホームページ: Instagram : 菊之丞 FAN CLUB : 特典:「菊之丞 FAN CLUB」PREMIUM会員様でご観劇の方には、特典のプレゼントがございます。当該の方には別途ご案内させていただきます。<菊之丞 FAN CLUB>尾上菊之丞が日本舞踊や自身のプライベートを語る動画の配信や出演情報・チケット先行予約など、多彩なコンテンツを設けています。ファンクラブ限定のお茶会の開催や限定グッズなど、皆様に喜んでいただける企画ご用意しています。菊之丞 FAN CLUB 二次元コード■狂言 大蔵流茂山千五郎家とは茂山千五郎家は江戸時代初期から歴史に残る京都在住の狂言の家系です。貞享4年(1687年)の文献に【油小路通四条下る】に「茂山徳兵衛」という狂言師が記されており、この徳兵衛が五代目、姫路藩、本田忠国のお抱えで十五世宗家の弟子であったことも分かっております。(※現在は十四世茂山千五郎が当主)長い歴史がありながら、茂山千五郎家では十世正重(二世千作)の「お豆腐のような狂言師」という言葉が大切に語り継がれています。一部の方だけが楽しむ、限られた世界の芸能ではなく、「いつの世も、どなたからも広く愛される、飽きのこない、そして味わい深い」そんな「お豆腐狂言」を目指しています。■狂言方 能楽師 茂山逸平(しげやま いっぺい)1979年生まれ。4歳の時『業平餅』の童にて初舞台。その後『千歳』『三番三』『釣狐』を披く。1994年に、宗彦、茂と「花形狂言少年隊」を結成し活躍。また2000年より心・技・体、教育的古典狂言推進準備研修錬磨の会=「TOPPA!」を千三郎、正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に主催し、活動。NHK連続テレビ小説「京、ふたり」「オードリー」「ごちそうさん」他、舞台・CMにも数々出演。2006年より「HANAGATA」を正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に再開。2020年からはHANAGATA改め「Cutting Edge KYOGEN」として企画・製作・出演までを自分たちでおこない活動している。2006年秋から1年間フランスに留学。2009年より「逸青会」を主催。茂山逸平茂山千五郎家 : Instagram : X(旧:Twitter) : YouTubeチャンネル: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年05月14日歌舞伎の舞台を撮影し、映画館で楽しむ“シネマ歌舞伎”最新作『刀剣乱舞 月刀剣縁桐(とうけんらんぶ つきのつるぎえにしのきりのは)』が5日より東劇・新宿ピカデリーほか全国62館で公開される。同作は審神者(さにわ)と呼ばれるプレイヤーが刀剣の付喪神(つくもがみ)である刀剣男士を成長させ、歴史改変を企む時間遡行軍(じかんそこうぐん)との戦いに挑む、ゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』の歌舞伎作品。2023年7月に上演され、十三代将軍足利義輝が討たれた“永禄の変”を、歌舞伎ならではの発想で大胆に脚色し好評を博した。今回は本作に企画から携わり、演出にも初挑戦した三日月宗近役の尾上松也、そして足利義輝/小狐丸役の尾上右近にインタビュー。改めて感じた『刀剣乱舞』の面白さや、役に対しての思い、反響をエゴサした感想などについても話を聞いた。○尾上松也&尾上右近から見た『刀剣乱舞』の魅力とは――今回改めて感じた『刀剣乱舞』の魅力を教えてください。松也:『刀剣乱舞』自体は、メディアミックスの各ジャンルでオリジナル作品を作っているのが非常に特徴的なコンテンツです。今回もゼロから物語を創作して新作歌舞伎として上演させていただき、自由度が高いという素晴らしさもありながら、ゼロから作る難しさ、大変さも感じました。ですが、物語を作っていくだけではなく、刀剣としてのあり方や、歴史との関係性という『刀剣乱舞』でしか描けない感情や世界観が自然とあふれてきましたし、今回“シネマ歌舞伎”として見て、改めて唯一無二の色艶を持つコンテンツである『刀剣乱舞』の仲間に加えていただけたことを実感しました。右近:日本人は、例えば桜のように「その時にしか見られない刹那だからこそ、美しく心惹かれる」ところがあると思うんですけど、刀剣男士も常に時代を旅しているが故の刹那があり、その中で関わりが生まれる部分がある。今作でもその刹那が深く描かれたと思います。それから、歌舞伎は長年の付き合いのある人同士で作品を作ることが一つの魅力でもあるんですが、「月刀剣縁桐」にも、僕が子供の時から松也さんを兄貴として慕っている関係性が写し出されるところがあったと思います。そこは歌舞伎ならではでもあり、僕自身、松也さん初の新作歌舞伎演出・主演に参加できた喜びがありました。――反響もすごかったとですが、感想などは“エゴサ”されましたか?右近:最初の記者会見の時にも言ったのですが「小狐丸としては顔が長いんじゃないか」という意見があって、非常に悩みましたね(笑)。でも、あるXユーザーの方が「右近さんは非常にお芝居ができる人だから、顔が長いのは気にならないと思います」とフォローしてくださっていたのが、エゴサにおける最大の思い出です。松也:公演が始まる前ですね、それは(笑)右近:始まる前でしたね(笑)。始まった後は「たしかに気にならなかった」という声、多数でしたよ!松也:1番心に残ったのが、顔の長さの問題だったんだね(笑)2人:(笑)松也:『刀剣乱舞』を新作歌舞伎で上演させていただくという発表をしただけで、大変な反響がありました。配役が発表されたら、それにもとても反響があって……。僕自身はSNSをやっていないのですが、そんな僕にも伝わってくるぐらい反響が大きかったので、わくわくしたのと同時に「あ、これは下手なものを作ったら、誰かを傷つけるのではないか」というような恐怖もありました。ですので、最初のビジュアルを解禁した時はものすごく緊張しましたし、ドキドキしながら皆さんの反応を見ていた思い出があります。おかげさまで反応が良くて、あとは「いい作品を作って納得していただくしかない」と思っていましたので、初日のお客様の反応は一生忘れられないぐらい感動的なものになりました。そこから1カ月上演させていただいて、千穐楽は大団円。僕の俳優人生において、本当に忘れられないひと月になりました。――松也さんはSNSをやってなくても、エゴサはされていたんですか?松也:しましたね。もうこればっかりは、気になって気になって仕方がなくて。自分が俳優として舞台に立って評価していただくということだけではなくて、ビジュアルから何からゼロからいろいろ考えて作ってきた世界ですので、どのような評価をされるのか不安でもありながら、興味もすごくありました。そんな経験は今までしたことがなかったです。傷つきやすい方なので、見すぎないようにしながら、少しずつ見ました。あとは公演を観に来てくれた友達や関係者の方からの意見も積極的に取り入れて、1カ月の間で変えられるところを変えてみたりもしました。長く携わっていると見えなくなってくる部分も必ず出てきます。僕は上演までに約2年半関わっていましたから、出演者の目、お客様の目というのも、しっかりと受け止めるようにしていました。○右近は、松也の煽りが「忘れられない思い出」――演じた役については、どう感じられていましたか?松也:今回は三日月宗近と、かつての主人・足利義輝との物語を描き、主人公という立場で出させていただきました。刀剣男士は歴史を守る任務に対して忠実なので、あまり感傷的にならないというのが基本なのですが、あえて歌舞伎の演出技法を用いて、情愛を主従の関係に寄せて描いてみたところがありました。三日月宗近は義輝と向き合う時は感情が出てしまうけれども、それ以外の場面では誰よりもクールで、この世のものなのか、あの世のものなのかわからない。そういう異次元空間のキャラクターに徹しないと、最後の展開が生きてこないかなというところは意識していました。演出は初めてでしたので、自分のお役のことが最後になってしまって、正直、初日近辺で1番不安だったのは僕だったかもしれません。右近さんは二役でしたので、全然違うキャラクターへの要求をいろいろさせていただきましたけど、どうでした?右近:小狐丸は三日月宗近と兄弟分みたいな関係性でもあって、深いところで理解している立場だということを意識していました。普段は割とクールで男らしい感じだけど、立廻りのシーンでは、破壊的な部分を持っていて、それを歌舞伎らしさに落とし込みたいと思いました。足利義輝の方は、とにかく「国をよくしよう」という自分の意思とは裏腹に、思うようにいかず苦悩する役で、その中でも三日月宗近とは心が通い合う。でも徐々に立場が変わっていって、隠された関係性が明らかになって、そして最後には……という切なさがあり、三日月宗近と共に一生を歩んでいる姿が芝居の中に集約されていたので、最後のシーンは本当に義輝の一生を疑似体験している感覚でした。――改めて、これまで歌舞伎に接して来なかった新たな層にも刺さった、歌舞伎に魅力を感じてもらったという手応えはありましたか?松也:これまで歌舞伎をご覧になっていた方はもちろん、歌舞伎にあまり縁がなかった方にも来ていただきたいと思う気持ちは当然ありましたし、実際にあまり歌舞伎ではお見かけしないような方たちもたくさん観に来てくださっているのは、僕たちにもわかりました。そういう環境で、この作品をどうやって歌舞伎として成立させ、歌舞伎の魅力を伝えるものにするかは、いろいろ考えました。歌舞伎の柔軟性もわかっていただきたかったですし、逆に言うと歌舞伎演出独特の“めんどくささ”も同時に味わい、それがどういった効果をもたらすのかも観ていただきたかった。僕も演出として歌舞伎から逃げてはいけないと思いましたので、うまくバランスを取るように心がけました。舞台上からも、お客様が、集中して一喜一憂しながら観ている空気感は伝わっていました。カーテンコールは写真撮影OKでしたので、その中でのふれあいも通じて「没入してるんだな」というのがとてもよくわかったんです。多くの方が「尾上松也」「尾上右近」よりも、「三日月宗近」「小狐丸」として見てくださっているんだなと感じました。右近:すごく感じましたね。松也:お手紙もたくさんいただき、「来月も歌舞伎座に行ってみます」という意見も頂戴して、とても嬉しかったです。新作歌舞伎は、新しい層の方に見ていただくことが意義の一つだと思いますので、歌舞伎自体に興味を持ってくださった方が少しでも増えたのではないかという実感はあります。――右近さんはいかがでしたか?右近:僕らは、歌舞伎は音楽劇だということを常に感じているんです。音楽が形作る空気感、温度感の中でお芝居を作っていくことを皮膚感覚で学んできました。歌舞伎らしい音楽と、新たにお琴をベースとしたキラキラした音楽を組み合わせて作った今作は、そこに対してお客様の反応がすごく良かった。僕たちも未だに音楽を聴くと作品が蘇ります。あとは、古典の歌舞伎のお芝居だと、俳優と役の両方で見てもらっている意識が強いので、カーテンコールでは俳優として出ることが多いのですが、今回はやっぱり「小狐丸」と言ってもらうことが多かったんです。みんなどうしているのか気になって、公演の途中で「役として立つのか、俳優として立つのか、統一した方がいいような気がします」という話をして。松也さんも「難しいよね。じゃあ、もう統一しよう。役に徹しよう」「明日から松也として立つことは控えておく」とおっしゃって、みんなで足並みをそろえることにしました。でも次の日、2階席に中学生の団体が入っていて、たぶん先生に「静かに観なさい」と言われていたのか、反応が少なくて。そしたらカーテンコールに入った瞬間に、松也さんが「声出せ〜!」と煽っていて、全然キャラを守れてない!松也:(笑)右近:忘れられない思い出です(笑)。千穐楽では松也さんが僕らの“推し”は歌舞伎ですという思いを込めて「歌舞伎をご愛顧ください」と言った姿もすごく印象的でした。『刀剣乱舞』も愛しているからこそ言えることだし、松也さんにしか作れない作品を作って、最後に松也さん自身の言葉として伝えていて、みんな「かっこいいな」と思った瞬間でした。■二代目 尾上松也1985年1月30日生まれ、東京都出身。1990年に5歳で初舞台。以来歌舞伎を軸に、舞台や映画など様々な方面で活躍。近年の主な出演作に23年12月新橋演舞場『新作歌舞伎 流白浪燦星』石川五ェ門、24年1月浅草公会堂『新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎』魚屋宗五郎、ミュージカル『スリル・ミー』(23年)、舞台『ガラスの動物園 / 消えなさいローラ』(23年)、映画『Gメン』 (23年)、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(22年)、ドラマ『グレイトギフト』『生ドラ! 東京は24時 -Starting Over-』(24年)など。■二代目 尾上右近1992年5月28日生まれ、東京都出身。2000年に初舞台を踏み、2005年に二代目 尾上右近を襲名。近年の主な出演作に23年11月歌舞座『三社祭』善玉、24年1月歌舞伎座『狐狸狐狸ばなし』伊之助女房おきわ、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』(22年)、映画『燃えよ剣』(21年)、『わたしの幸せな結婚』(23年)、『身代わり忠臣蔵』(24年)、大河ドラマ『青天を衝け』(21年)など。(C)NITRO PLUS・EXNOA LLC/新作歌舞伎『刀剣乱舞』製作委員会
2024年04月05日ゴジラ70周年×「モンスター・ヴァース」シリーズ10周年アニバーサリー超大作『ゴジラxコング 新たなる帝国』。この度、尾上松也、宮野真守、鈴木もぐら(空気階段)、真矢ミキらが、本作の日本語吹き替え版キャストに決定した。シリーズ前作『ゴジラvsコング』に登場し、世界の危機を救ったひとりであるバーニー役で松也さんが今回、ゴジラとコングのさらなる激闘を見届ける。バーニーまた、アニメーション映画『GODZILLA』シリーズに出演した宮野さんが、巨大生物専門の獣医師・トラッパー、鈴木さんが探査機ヒーヴのパイロット・ミケル、真矢さんが秘密組織モナークの長官・ハンプトンを演じる。さらに、「ゴジラ」シリーズと縁の深い豪華声優陣も大集結。フリーアナウンサー笠井信輔、前作から引続きアイリーン役を務める坂本真綾、大塚明夫(西武園ゆうえんち「ゴジラ・ザ・ライド」ナレーション)、立木文彦(「ちびゴジラの逆襲」ちびヘドラ役)、田中美央(『ゴジラ-1.0』駆逐艦雪風の元艦長・堀田役)、幸田夏穂(「ゴジラ S.P」李桂英役)、福山潤(「ちびゴジラの逆襲」ちびゴジラ役)、内田真礼(「ちびゴジラの逆襲」ちびミニラ役)、高橋李依(「ちびゴジラの逆襲」ちびモスラ役)、そして「新世紀エヴァンゲリオン」葛城ミサト役で、USJのアトラクションではゴジラと対峙した三石琴乃も出演。「ゴジラのテーマ」に合わせて、キャスト陣を紹介するスペシャルムービーも到着した。コメント尾上松也前作に引き続き参加させていただき、ゴジラとコングの絆がより高まっていく様を観ながらアフレコをさせていただくのはとてもワクワクしました。前作よりもバーニーの活躍シーンが増えていたのも嬉しかったです。本編を観させていただき、映像の美しさや迫力が凄まじく、ゴジラとコングのバディ映画にもなっていますので、2大キャラクターが手を携えていく姿には感動しました。ここまでしっかりとモンスター同士が手を組んでいる映画もないのではないかという気もしましたし、とても新鮮な体験でもありました。「モンスター・ヴァース」シリーズは日本のゴジラとはまた違うスケールの描き方であり、展開の奇抜さや面白さがあって、シリーズ4作目ですが今後もまだまだ色々な展開が望めると思います。自信をもっておすすめできる作品になっております。宮野真守劇場アニメのゴジラで声優をさせていただいたのですが、吹替という形でもゴジラに携わることができて嬉しかったです。どういうアプローチが出来るのかドキドキしていたのですが、トラッパーが陽気なお医者さんだったので、彼の空気感に乗っかりつつも、明るいだけじゃなく芯の通った人だというところを出せたのではないかと思います。子どもの頃からゴジラが大好きでしたが、今回の「モンスター・ヴァース」シリーズは、また違う表現のゴジラで驚きました。ゴジラやコングたちが活発に動きまわる今作の世界観やアクションには感動しましたね。いま世界中でゴジラが盛り上がっています。子どもの頃からずっとカッコいいと思っていたゴジラが、世界中の人たちの心を掴んでいるということ、そしてそんなゴジラに携わることが出来て、とても光栄に思っています。鈴木もぐら最初にオファーが来たときは、パチンコのゴジラの方かなと思っていました。(笑) まさか本当の映画の方だとは思わなかったので、本当にビックリしましたね。映像を観て、ゴジラとコングの初登場シーンは圧巻でした。ゴジラシリーズはどの映画も一発目に出てくる瞬間のインパクトが強いと思いますが、今作も凄かったです。アフレコでは「俺はリーダーなんだ!」っていう偉そうな感じを出して欲しいと言われまして、今まで人の上に立ったことが無いので、それが難しかったです。褒めていただけるんでしたら今後も声優のお仕事を是非やりたいです。褒めてさえいただければ!この度はゴジラ70周年、そして「モンスター・ヴァース」シリーズ10周年、おめでとうございます。30年後のアニバーサリーの時に私が元気だったら、ゴジラ100周年をお祝いして全財産をゴジラに寄付しようと思います。真矢ミキゴジラとコング、凄い並びですよね。こんなスター同士が共演するんですね。私の演じるシーンは緊迫の場面の連続でした。声優さんをリスペクトしてるので、そんな方々の中に入って演じるのは恐れ多かったですが、オファーを戴けたのは純粋に嬉しかったです。小さい頃に兄と一緒によく遊んでいた「ゴジラの世界」にたっぷり浸かりました。アフレコが終わった後、「今、世界は大丈夫だろうか、怪獣たちに壊されていないだろうか」と錯覚するくらいの臨場感がありました。生まれた時からゴジラがある時代に生まれて、私はすごい豊かだと感じでいます。ゴジラに守られている感じがしますし、勇気をもらえる。そして、ただただ難しいモラルだけじゃなく、何か忘れかけてるものを教えてくれているような気がします。ゴジラ70周年、おめでとうございます!『ゴジラxコング 新たなる帝国』は4月26日(金)より公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ゴジラxコング 新たなる帝国 2024年4月26日より全国にて公開© 2024 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
2024年04月04日歌舞伎座「三月大歌舞伎」『菅原伝授手習鑑 寺子屋』、「四月大歌舞伎」『夏祭浪花鑑』に出演する尾上菊之助、片岡愛之助の両名が、都内で取材に応じ、演目の見どころをはじめ、2ヶ月連続となる共演について思いを語った。ふたりの共演は、昨年6月の博多座公演以来で、菊之助は「それ以来、仲良くさせていただいている。愛之助さんは博多座公演を終えてから、怒涛のスケジュールを過ごされていたので、心配していました」と回想。愛之助は「何かの折には、お電話くださったりして、精神的に救われています。がっつりと組ませていただき、身に余る光栄です」と再共演の喜びを語った。現在開催中の歌舞伎座「三月大歌舞伎」(26日千穐楽)では、昼の部にて歌舞伎三大名作のひと『菅原伝授手習鑑』から、松王丸と千代、源蔵と戸浪という夫婦二組の悲劇を描く屈指の名場面『寺子屋』を上演。松王丸を菊之助が初役で、武部源蔵を愛之助が勤め、忠義心と親子愛の間に揺れる人々の、胸打つ一幕が繰り広げられる。2024年3月歌舞伎座『菅原伝授手習鑑 寺子屋』左より、松王丸=尾上菊之助、武部源蔵=片岡愛之助 (c)松竹菊之助は「親子の情愛が深く描かれている。先人たちが築き上げた宝物で、エベレストのような高い山。入口に立ててているのかも分かりませんが、憧れの気持ちをもって、挑ませていただきたい」と決意を新たにする。一方、愛之助は「源蔵というお役は2度目で、とても重くて、精神的に疲れるんですが、終わると本当にやり遂げたと思える。毎日が幸せですし、菊之助さんとの芝居のキャッチボールが楽しい」と充実感をにじませた。また、菊之助の長男・尾上丑之助が、物語の要となる小太郎を演じており、愛之助は「凛として、すごく声が素敵ですね。しびれます」。菊之助は少し照れくさそうに、目を細めていた。2024年3月歌舞伎座『菅原伝授手習鑑 寺子屋』左より、戸浪=坂東新悟、小太郎=尾上丑之助、武部源蔵=片岡愛之助 (c)松竹続く、「四月大歌舞伎」では昼の部にて、「大坂の夏」の風情を感じる見どころ満載の『夏祭浪花鑑』を上演。大阪で実際に起こった事件をもとに、浪花の侠客の生き様が描かれる義太夫狂言で、愛之助が団七九郎兵衛/徳兵衛女房お辰(二役)、菊之助が一寸徳兵衛を演じる。昨年6月の博多座公演に続く、愛之助の団七と菊之助の徳兵衛コンビでの上演に注目が集まる。2023年6月博多座『夏祭浪花鑑』一寸徳兵衛=尾上菊之助(c)松竹2022年9月大阪松竹座『夏祭浪花鑑』団七九郎兵衛=片岡愛之助(c)松竹愛之助は『夏祭浪花鑑』での団七九郎兵衛の演技などが評価され、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞したばかりで、「(受賞後)こんなに早く、文部科学大臣賞を先に取られた先輩の菊之助さんとご一緒させていただき、こんなありがたいことはない」と声を弾ませ、「今の大阪弁とは少し違いますが、ネイティブな大阪弁がしゃべられるのは、自分にとってやりやすい」と大阪出身の利点も語った。菊之助は「受賞理由が、『毛穴から上方のニオイがする』ですから。その団七に向かっていくのは、かなりのプレッシャーがありますが、何とか食らいついていきたい。愛之助さんの団七は本当にかっこいい」とほれぼれした様子。愛之助も「日々判を押した芝居ではなく、変化球を楽しめる役者さんは素晴らしい。江戸の代表の方が、上方の言葉をすごく勉強していらっしゃって、見事に言葉を使われている。本当に違和感がないんです」と菊之助のストイックな姿勢を絶賛していた。取材・文・撮影(会見写真):内田涼<公演情報>■歌舞伎座「三月大歌舞伎」【昼の部】11:00~一、菅原伝授手習鑑『寺子屋』二、四世中村雀右衛門十三回忌追善狂言『傾城道成寺』三、元禄忠臣蔵『御浜御殿綱豊卿』【夜の部】16:15~一、通し狂言『伊勢音頭恋寝刃』二、六歌仙容彩『喜撰』2024年3月3日(日)~3月26日※18日(月)休演<公演情報>■歌舞伎座「四月大歌舞伎」【昼の部】11:00~一、双蝶々曲輪日記二、七福神三、夏祭浪花鑑【夜の部】16:30~一、於染久松色読販二、神田祭三、四季2024年4月2日(火)~26日(金)※休演:10日(水)、18日(木)会場:東京・歌舞伎座
2024年03月13日鈴木保奈美、藤原丈一郎(なにわ男子)、尾上松也がトリプル主演を務めるスペシャルドラマ「生ドラ!東京は24時- Starting Over -」の生放送が決定した。様々な終わりを迎えた人々が、24時のTV局で交錯する、3月27日深夜。舞台となる年度末のTV局では、多くの人々が走り回っていた。1人目は、コメンテーター・小川すみれ(鈴木さん)。深夜の報道番組を卒業という形で降板する日、トレードマークの大事なスカーフをなくしてしまい、TV局内を駆け回る。そして2人目は、コンビ解散を決め、最後のTV出演を終えたお笑い芸人・矢崎祐樹(藤原さん)。解散を覆そうとする相方に追われ、TV局からの脱出を図る。そして3人目は、音楽番組のプロデューサー・葛谷潤一郎(松也さん)。不倫相手と働く職場に、歌手の妻が収録にやってきてしまい、右往左往する――。「生ドラ!東京は24時」は、完全ワンカット、生放送のドラマ。2022年3月に初回放送され、第2&3弾が年末年始特番として2週連続で放送、鈴木さんと藤原さんが主演を務めた「シンガロング!」は、「第60回ギャラクシー賞奨励賞」を受賞した。そして、4回目となる今回は、初めて舞台と連動し、本作は鈴木さん主演舞台「逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-」の前日譚として描かれる(※藤原さん、松也さんは「生ドラ!」のみ出演)。鈴木さんが演じるすみれは、女性の労働環境改善と子育て支援のNPOを主宰する傍ら、ニュース番組のコメンテーターを務めるなど、タレントとしても活動。啓発活動の一環としてTVコメンテーターを務めることになったが、正義を貫きたいという本心と、波風立てないように振る舞わなくてはという気持ちとの間で葛藤していた中、番組意図に反する政策批判をして炎上し、年度末で降板することに。さらに、お守りのように大切にしてきたスカーフを取り戻すべく、深夜のTV局を駆け回る中、様々なハプニングに巻き込まれてしまう。そして舞台「逃奔政走」では、すみれのその後のストーリーが描かれる。鈴木さんは「まじですか。また、やるんですか。全員が、信じられないくらい大変だとわかっているのに。高い高い山のてっぺんに何があるのか見に行かずにはいられない、そんな阿呆(あほ)な我々です。そうして山に登る道すがら、転んで膝を擦りむいたり足首を挫(くじ)いたり、空腹に泣けてきたり仲間割れしたり、そんなこんなも全部お客様にお見せして、笑っていただこうじゃありませんか。ジョンも言ってる、“starting over”って。25時にこの曲が聞こえてきたら、きっとちょっぴり泣けますよ」とコメント。また藤原さんが、漫才コンビ「ウェポンズ」のツッコミとして活動、売れっ子芸人への登竜門ともいえる賞レースでネタを飛ばす大失敗をしてしまい、引退を決意、最後のTV出演を終えたはずだったが、相方から引き止められてしまう矢崎を、松也さんが、人気歌手と結婚するも、多くの女性と関係を持ち、現在は同じ番組を担当する部下と不倫関係になっているプロデューサー・葛谷を演じる。藤原さんは「あの『生ドラ!』が再び!という驚きと緊張が一気に来ました(笑)!今回は前回より出演者さんも増え、より一層楽しみが増えています!」と心境を明かし、松也さんは「3人のストーリーが絶妙に重なりあいながら展開していきますので、放送当日が楽しみになりました」と台本の感想を語っている。なお、放送終了後には、恒例の出演者たちのアフタートークほか限定コンテンツを「FOD」「TVer」で配信予定だ。「生ドラ!東京は24時- Starting Over -」は3月27日(水)24時25分~フジテレビにて放送(※関東ローカル)。舞台「逃奔(とうほん)政走(せいそう)-嘘つきは政治家のはじまり?-」東京公演は7月5日(金)~16日(火)三越劇場、京都公演は7月20日(土)・21日(日)京都劇場にて上演。(シネマカフェ編集部)
2024年03月13日「皆さん、松也を、松也のほうを見てください!」男性に促され、パーティ参加者の注目を集めた尾上松也(39)。彼が謝辞を述べると、ほどなくしてカウントダウンが始まった。「スリーーッ、ツーーッ、ワンッ、フゥーーーッ!おめでとー!」1月30日午前0時、日付が変わった瞬間、都内のとあるバーには松也を祝福する人々の声が響き渡り、店外まで漏れ聞こえていた。「会員制のバーを借り切って松也さんの誕生会を開催したそうです。男女比率はおおむね半々で、総勢60人以上が集まったとか。親友の城田優さん(38)や、一緒に番組に出演していたアナウンサーの宇賀なつみさん(37)など、芸能人も数多く参加していました」(芸能関係者)豪華な面々に盛大に祝われた松也だが、実はこのパーティの直前まで、別の会合にも参加していた。「中村獅童さん(51)ら歌舞伎関係者との食事会だったそうです。彼は松也さんを弟のようにかわいがっていますからね。昨年の自分の誕生日には、松也さんとのツーショットをSNSに投稿していました」(前出・芸能関係者)獅童は’23年6月、『証言者バラエティ アンタウォッチマン!』(テレビ朝日系)に出演した際、松也との関係をこう語っている。「僕と同じような境遇だけど、師匠であるお父さまを亡くして大変だろうなという思いで見ていました。自分が出し物するときは声をかけさせていただいて、微力ながらもお役に立てればなという思いだった」松也と獅童はどちらも梨園に強力な後ろ盾がおらず、いわゆる“名門の御曹司”ではなかった。「松也さんは20歳のときに父を亡くし、一門と家族の生活を背負っていくことになりました。歌舞伎では役がなかなかつかず、’09年に始めた自主公演『挑む』は集客に失敗し、赤字を出して借金をしたこともあったそうです。その後、自分の道を切り開くため、獅童さんと同じようにドラマや映画、舞台などに活躍の場を広げていきました。名を上げるために苦労した2人は共感できる部分も多いのでしょう」(梨園関係者)松也は父の死から10年近く不遇の時代を過ごしている。「家系に関してのコンプレックスは公言していますが、当時は同じ学校の同世代が活躍していることへの焦りや悔しさもあったと聞いています」(前出・芸能関係者)松也は堀越高校出身で、同学年に生田斗真、1学年上に松本潤、1学年下に城田優、山下智久らがいる。「特に生田さんは松也さんの自宅によく泊まりに来ていたほど仲がよいそうです。高校時代に2人が一緒に遊んでいたら、生田さんに気付いた女のコたちが隣にいる松也さんを見て『一般のお友達といる!』と言ったことがあったのだとか。『俺も芸能コースにいるのに知名度も人気も天と地の差で、悔しかった』と話していたそうです」(前出・芸能関係者)転機は’14年の『SMAP×SMAP』への出演だったと松也は振り返っている。《意外だったのですが、SMAPのみなさんも僕をしっかりイジってくださいまして(笑)。バラエティー番組のお話をたくさんいただけるようになったんです》(『週刊朝日』’22年10月7日号)持ち前のキャラでバラエティ番組に引っ張りだこになったのだ。「ユーモラスでイジられ役になれるだけでなく、人脈が広く、人気俳優とのエピソードトークも豊富なので、重宝されるのでしょう。プライベートでは演技論や歌舞伎への愛を熱く語るというギャップもあり、同性に慕われ、先輩からはかわいがられる“天性の人たらし”ですね」(前出・芸能関係者)シーンは冒頭のパーティに戻る。夜が更けていくと、ちらほらと帰路につく参加者の姿が。そんななか、本誌は店外で女性と熱烈に抱き合う松也の姿を目撃した。「誕生会は22時すぎにスタートし、朝方まで続きましたが、松也さんは泥酔もせず、写真撮影にも快く応じるなど、終始ゲストをもてなす姿が印象的だったそうです。女性客は30人ほどいて、彼女たちが帰るときには、ほぼ全員とハグをしていました」(前出・芸能関係者)サービス精神を発揮していた松也だが、ある野望を胸に秘めているという。《歌舞伎においては、ゆくゆくは古典と呼ばれるような新作歌舞伎を、いつかは作りたいなと思っています》(『週刊現代』’21年3月20日号)実際、’23年には新作歌舞伎『刀剣乱舞』で演出に初挑戦している。「松也さんは『歌舞伎へ恩返ししたい』と口にしていますが、同時に過去の悔しさから梨園を見返したい気持ちも強いのだと思います。’21年に自主公演の歌舞伎で生田さんを客演に迎えたように、プライベートやテレビの仕事で築いた人脈を生かし、出演者も演出も既存の風習にとらわれない新次元の歌舞伎を作ろうとしているのかもしれません」(前出・芸能関係者)かつて梨園のプリンスと呼ばれた松也は今、梨園の“裏”帝王への道を邁進している。
2024年02月09日尾上菊五郎、菊之助、中村時蔵らが出演する「令和6年初春歌舞伎公演」が国立劇場の建て替えに伴う閉場のため、ところ変わって東京・初台の新国立劇場にて1月5日(金)に開幕。初日の終演後に菊五郎、時蔵、菊之助、丑之助、眞秀らが報道陣の取材に応じた。まず菊五郎は、いまなお救助活動が続く能登半島地震に触れ「春早々、大きな地震があり、私どもはよく北陸地方にお招きいただき興行いたしますが……。亡くなられた方には心よりご冥福を申し上げます。一日も早くまた風光明媚な能登地方になっていただきたく、それにはみなさま、頑張り過ぎないように頑張って、私どもも及ばずながら、応援いたしますので、どうかみなさま、気を落とさずに復旧に臨んでいただきたいと思います」と見舞いの言葉を口にした。尾上菊五郎今回、初めての新国立劇場での初春公演となるが、慣れ親しんだ国立劇場から新国立劇場に移っての感想を尋ねると菊五郎は「あっち(国立劇場)は何しろつくりが古いんで、楽屋が使いにくいんですけど、こっちはいいですよ」とニッコリ。「勢獅子門出初台(きおいじしかどでのはつだい)」では、息子の菊之助、孫の丑之助、眞秀と一緒ににぎやかな舞を披露しているが、三世代での競演に菊五郎は「嬉しいですねぇ、こうやって孫たちが元気で踊ってくれているのが。『負けちゃいられない』と思っています」と笑顔で力強く語る。孫たちへのお年玉について尋ねられると「みんなやりとりして大変!」と苦笑を浮かべつつも嬉しそう。丑之助、眞秀はお年玉の使い道について「いまは保管してます」(丑之助)、「貯金します」(眞秀)と手堅いコメントで、場は和やかな笑いに包まれた。尾上丑之助左から)尾上眞秀、片岡亀蔵新たな年を迎え、菊五郎は「少しでも舞台に出たい。腰を痛めちゃっているんですけど、何とか役を探して潜り込もうと思っています」と意欲をのぞかせ、菊之助は「辰年ですのでね。一座勢ぞろいで勢獅子のようにスタートが切れたと思うので、父や時蔵の兄さんに教えをいただきながら、前に進んでいきたいと思っております」と語った。尾上菊之助雑誌「演劇界」(2022年4月号で休刊)の表紙の写真を長く手がけるなど、歌舞伎の世界にも関わりの深かった写真家の篠山紀信が83歳で亡くなったが、菊五郎は「いろいろと撮っていただきました。楽しい方だったので残念です」と語り、菊之助も「大変お世話になりました。楽屋にも来ていただいて、化粧のところを撮っていただいたりもしました。非常に丁寧に接してくださって、『演劇界』の表紙に出た方はみなさん、大変お世話になったので、ご冥福をお祈りしたいと思います」と故人を偲んだ。「初春歌舞伎公演」の演目は『勢獅子門出初台』のほか、『梶原平三誉石切 鶴ヶ岡八幡社頭の場』、『芦屋道満大内鑑 -葛の葉-』。1月27日(土)まで新国立劇場中劇場にて上演中。取材・文・撮影:黒豆直樹<公演情報>「初春歌舞伎公演」『梶原平三誉石切』一幕鶴ヶ岡八幡社頭の場出演:梶原平三景時:尾上菊之助大庭三郎景親:坂東彦三郎六郎太夫娘梢:中村梅枝俣野五郎景久:中村萬太郎梶原方大名:市村竹松梶原方大名:市村光青貝師六郎太夫:嵐橘三郎囚人剣菱吞助:片岡亀蔵ほか『芦屋道満大内鑑』一幕三場-葛の葉-出演:女房葛の葉/葛の葉姫:中村梅枝信田庄司:河原崎権十郎庄司妻柵:市村萬次郎安倍保名:中村時蔵ほか『勢獅子門出初台』常磐津連中出演:鳶頭 音羽の菊五郎:尾上菊五郎鳶頭 鶴吉:尾上菊之助鳶頭亀吉:坂東彦三郎芸者 お梅:中村梅枝鳶頭 萬吉:中村萬太郎手古舞 おゆう/若い者 勇吉:坂東亀三郎手古舞 おふみ/若い者 文吉:尾上丑之助手古舞 おひで/若い者 新吉:尾上眞秀手古舞 おせい/若い者 清吉:小川大晴世話人 松島屋亀蔵:片岡亀蔵世話人 山崎屋権十郎:河原崎権十郎芸者 お橘:市村萬次郎芸者 お時:中村時蔵ほか2024年1月5日(金)~2024年1月27日(土)13:00開演、16:55終演予定会場:東京・新国立劇場中劇場チケット情報:()公式サイト:
2024年01月06日令和6年1月歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎』夜の部『京鹿子娘道成寺』に出演する中村壱太郎と尾上右近が、作品ゆかりの地である和歌山県日高川町の道成寺を訪れ成功祈願を行った。壱太郎が前半日程(1月2日(火)~14日(日))、右近が後半日程(1月15日(月)~27日(土))でそれぞれ白拍子花子を歌舞伎座で初めて演じる『京鹿子娘道成寺』は、安珍と清姫の伝説を題材にした道成寺物と呼ばれる作品群の集大成。鐘供養のため大勢の所化が集まる紀州・道成寺が作品の舞台となっている。冷たく澄んだ空気の中、本堂で成功祈願を終え「今年1年を振り返るような時間でもあり、来年最初の舞台は歌舞伎座で道成寺を踊るのだという気持ちの高まりや、一歩を踏み出す覚悟を自分の中に落とし込む時間となりました」と語った壱太郎。右近も「今年の8月に自主公演で演じさせていただいた際も公演前にお参りさせていただき、半年以内にこうしてもう一度お参りさせていただけたこと、とても深いご縁を感じます」と感慨深げな様子を見せた。■中村壱太郎 コメント『京鹿子娘道成寺』を歌舞伎座で演じさせていただくと聞いたときは、新年の始まりであるということも含めて2024年が華やかになるようにという思い、道成寺に込められたドラマや祈りの想いをひとりでも多くの人に届けたいという思いがこみ上げました。■尾上右近 コメント歌舞伎にとって大切な『京鹿子娘道成寺』という作品をお正月に壱太郎さんと一緒に、歌舞伎座という大舞台で勤めさせていただけるのは幸運なこと。この幸運を、舞台をご覧いただくお客様にさらに大きなものにしてお届けするというのが、自分の全うすべき役者人生だなと感じています。<公演情報>令和6年1月歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎』2024年1月2日(火)~27日(土) 東京・歌舞伎座令和6年1月歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎』夜の部『京鹿子娘道成寺』特別ビジュアルチケット情報:()詳細はこちら:
2023年12月22日2024年1月2日(火)から26日(金)に浅草公会堂で上演される『新春浅草歌舞伎』に出演する尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村橋之助、中村莟玉が取材会に出席し、新たな一年の一歩を踏み出す人気公演への思いを語った。次代の歌舞伎界を担う花形が顔を揃える『新春浅草歌舞伎』は、“若手歌舞伎俳優の登竜門”として44年の歴史があり、初春行事として定着し、浅草の正月の風物詩として広く愛され親しまれている。若手が大役に取り組み、互いに切磋琢磨する成長、飛躍の場としてはもちろんのこと、歌舞伎の伝承という意味合いでも、重要な役割を担っている。「新春浅草歌舞伎2024」チラシ2024年公演をもって、これまでリーダー的存在として本公演を引っ張ってきた松也をはじめ、歌昇、巳之助、新悟、種之助、米吉、隼人の7名は、『新春浅草歌舞伎』への出演は一区切りとなる。松也は「先輩方から受け継ぎ10年目の節目で、来年は30代最後の年。浅草には、いろんな経験をさせてもらったので、恩返しの気持ちもこめて、そろそろ後輩の皆さんに浅草を託したい」と決断に至った心境を説明した。尾上松也また、苦楽を共にした仲間たちとの思い出を振り返りながら、「当時は、とにかく浅草歌舞伎を途絶えさせることのないよう誓った。後輩の皆さんにも、地元の方々の情熱を忘れずに、さらに浅草歌舞伎を発展させてもらえれば」とエールを送った。記者から今回の演目で特に思い入れの強いお役を聞かれると、「魚屋宗五郎」だといい、「見やすく楽しいお芝居ですが、世話物は出演者とのチームワークが必要。心ひとつにして、積み上げてきた絆と経験を存分に活かしたい」と決意を示した。中村歌昇中村種之助中村米吉歌昇は大役・熊谷直実を勤める『熊谷陣屋』、種之助は4つの役を演じ分ける『流星』、米吉は女形最高峰のひとつである八重垣姫を演じる『本朝廿四孝』と、それぞれ特に思い入れのある演目を挙げ、集大成ともいえる最後の浅草歌舞伎に意欲を燃やした。新悟は「ひとつに選ばないと行けないですかね……と悩みつつ、おはまを勤める『魚屋宗五郎』を挙げ、「出演者全員が出ている演目でもあるので盛り上げていけたら」(編注:第1部『神楽諷雲井曲毬 どんつく』、第2部『新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎』と、昼夜それぞれ全員が出演する演目が用意されている)。坂東新悟坂東巳之助中村隼人また、巳之助は「どんつく」について、今回は浅草の大道具を新たに作ったことを明かし、「第1部の打ちだしで、お客様が街に出ていただくと、先ほど舞台で見たのと同じ景色が広がっている。浅草でしかできない体験をしていただける」とアピール。隼人も「近くのお店の女将さんや、旦那衆にお礼の挨拶に行くのが、浅草ならでは」と地域に根差した浅草歌舞伎の醍醐味を語った。中村橋之助中村莟玉一方、松也ら先輩からのバトンを受け取る立場の橋之助は、「浅草歌舞伎を盛り上げてくださったお兄さん方の見習うべきところを受け継いで、悔いのないよう託していただけるように、たくましくありたい」と決意表明。莟玉は「再来年以降、橋之助の兄さんと一緒に出られるのかどうかはまだ分かりませんが、一致団結して頑張りたい」と意気込んだ。取材・文・撮影:内田涼<公演情報>「新春浅草歌舞伎」出演:尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村橋之助、中村莟玉【第1部】11:00~お年玉〈年始ご挨拶〉一、『本朝廿四孝 十種香』出演八重垣姫:中村米吉武田勝頼:中村橋之助腰元濡衣:坂東新悟白須賀六郎:中村種之助原小文治:坂東巳之助長尾謙信:中村歌昇二、『与話情浮名横櫛 源氏店』作:三世瀬川如皐出演切られ与三郎:中村隼人妾お富:中村米吉番頭藤八:市村橘太郎蝙蝠の安五郎:尾上松也和泉屋多左衛門:中村歌六三、『神楽諷雲井曲毬 どんつく』出演荷持どんつく:坂東巳之助親方鶴太夫:中村歌昇太鼓打:中村種之助大工:中村隼人子守:中村莟玉若旦那:中村橋之助芸者:中村米吉白酒売:坂東新悟田舎侍:尾上松也【第2部】15:00~お年玉〈年始ご挨拶〉一、『一谷嫩軍記 熊谷陣屋』出演熊谷直実:中村歌昇相模:坂東新悟藤の方:中村莟玉梶原平次景高:中村吉之丞堤軍次:中村橋之助源義経:坂東巳之助白毫弥陀六:中村歌六二、『流星』出演流星:中村種之助三、『新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎』作:河竹黙阿弥出演魚屋宗五郎:尾上松也女房おはま:坂東新悟小奴三吉:中村種之助磯部主計之助:中村隼人菊茶屋娘おしげ:中村莟玉菊茶屋女房おみつ:中村歌女之丞父太兵衛:市村橘太郎鳶吉五郎:中村橋之助召使おなぎ:中村米吉岩上典蔵:坂東巳之助浦戸十左衛門:中村歌昇2024年1月2日(火) ~1月26日(金)会場:東京・浅草公会堂チケット情報()公式サイト()
2023年12月20日BS松竹東急オリジナルレギュラー番組「松也Pの◯◯◯」にて、 尾上松也が大親友の城田優と共に、オリジナルキャンドルを制作! 日本キャンドル協会理事を務める尾上松也ならではの こだわりが詰まったキャンドル作りの様子を、 12月5日(火)、19日(火)夜10時30分~の2回にわたり放送!BS松竹東急(BS260ch・全国無料放送)で毎週火曜夜10時30分より放送中の「松也Pの◯◯◯」にて、日本キャンドル協会理事である尾上松也と、大親友・城田優の2人によるオリジナルキャンドル作りの様子を12月5日(火)、19日(火)の2回にわたりお届けします。本番組は、数々の舞台に立ち、ドラマや映画、バラエティにも出演するなど華々しく活動する歌舞伎俳優の尾上松也が、“松也P(プロデューサー)”として、企画会議から参加してゼロから番組内容を決めるドキュメンタリーバラエティです。12月は、NHK大河ドラマ「どうする家康」、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(語り手)や、映画「コンフィデンスマンJP英雄編」、ミュージカル「キンキーブーツ」出演など多岐にわたり活躍する城田優がゲスト。高校の先輩後輩であり大親友の松也と城田ですが、2人だけでバラエティ番組に出演することは今までほとんどありませんでした。また、約5,000名の会員を有する日本キャンドル協会の理事を務め、キャンドルを心から愛し、キャンドルに関する豊富な知識を持つ松也が、今回は一から手作りで巨大なオリジナルキャンドル制作に城田と挑戦します。番組内で披露される、松也のキャンドルへの深いこだわりや、城田との親友同士ならではの会話の一つひとつにも注目です。一体どのようなキャンドルが出来上がるのか…?ぜひお楽しみに!また、2人が作った巨大キャンドルは、ストリートピアノを設置しての音楽ステージやクリスマスマーケットなど、週末を中心に様々なイベントが行われる12月の「東銀座ウインターフェスタ2023」の会場にて点火式が行われます。キャンドル点火式では、城田優と共に制作した巨大キャンドルに尾上松也が点火し、会場中のキャンドルにも火が灯ります。そんな会場となる銀座松竹スクエアの空間を、“松也P”が数々のキャンドルで飾り、プロデュース。「東銀座ウインターフェスタ2023」は、12月18日(月)19時30分より開催されますので、ぜひ手作りのキャンドルを見にご来場くださいませ。また、10月27日(金)から3日間開催された「TOKYO TOWER CANDLE DAYS 2023」では、イベント2日目に松也と城田が2人揃ってトークショーに登壇。息ぴったりのトークと、手作りキャンドルの制作秘話などで会場のファンを大いに盛り上げました。尾上松也・城田優コメント◆幼馴染であり、キャンドル好きの城田さんと、キャンドルを通して念願の共演が叶い…──お馴染みの城田さんを迎えられての収録だったと思いますが、改めてご感想をお聞かせください。松也男性でキャンドル好きで家で焚く人が周りになかなか居ない中、城田さんが元々キャンドル好きというのも知っていましたから、いつか一緒にキャンドル関係の仕事をしたいなと思っていました。キャンドルを焚くというと、「なんかあったのか?」と心配されることが多かったりするのですが、そういうことではなく、ただ癒しのために焚いているという共通項があります。友達の一人として、一緒にキャンドルが作れるというのは嬉しかったですし、この番組はゲストのやりたいことを一緒にやっていく番組という僕の中でのコンセプトがあるのですが、今回は幼馴染の城田さんならではの、ただ僕がしたいことに付き合わせるという企画で、お付き合いいただけて大変光栄でした。◆今年の松也さんへの誕生日プレゼントは、キャンドル!──お付き合いいただいたと松也さんがおっしゃられていますが、いかがですか?城田おっしゃる通り、僕も昔からキャンドルが好きで家に何十個かキャンドルがあります。リビングにも数個、寝室にも置いてあり、お手洗いなどにも焚き終わったものや途中のものなども置いています。中でも、僕はアロマキャンドルが好きなのですが、特に火を焚くと香ってくる匂いや、火の美しさが癒やしです。僕も昔からキャンドルが好きだったのですが、気づいたら松也さんが僕を飛び超えて日本キャンドル協会の理事になっていて、そんな流れからコロナ禍でもよくキャンドルについてリモートで会話をしていました。「最近キャンドルにはまったんだよね」、みたいな話をされた時に、「キャンドルいいよね、俺もめっちゃ持ってるよ」と、お互いがキャンドルを好きだということが分かり、そこから松也さんが理事をされている日本キャンドル協会主催の「TOKYO TOWER CANDLE DAYS 2022」に参加をさせていただき、キャンドルを見させていただいたり、キャンドル・ジュンさんのキャンドルを買って帰ったりしました。ちなみに余談ですが、僕から今年の松也さんへ贈った誕生日プレゼントはキャンドルでした。この番組に呼んでいただけるとなった時に、特に事前のアンケートなどは無く、蓋を開けてみたら、今日はキャンドルを作りますと伝えられました。この番組は、本来であればゲストが何をやりたいのか聞かれて、やりたいことを叶えてくれるコンセプトらしいのですが、結果的には素晴らしいキャンドルが完成して、結果オーライでした。松也すごい楽しそうだったよね!城田ゲストも著名な方たちが沢山出られていて、皆さんやりたいことを叶えているらしいのですが、唯一僕だけがただただ松也さんのやりたいことに付き合わされた…!松也僕がやりたいことは多分、城田さんがやりたいことだろうという認識のもとやりました。城田ジャイアンの発想です。高校時代の先輩なので逆らえないところがありますね。◆巨大キャンドルの制作では、完成形が見えない中でもイメージ通りにできた!──今回の収録で、新たな発見や、気づき、印象に残っていることはありますか?松也こんなに大きいキャンドルはかなりレベルが高く、レッスンを受けている人でも色々勉強をして段階を踏んでここにたどり着くので、正直どうやって作るのか・・・初めての体験でした。大きい筒に詰めていき、色を重ねていくのですが、透明の筒では無いため、完成形が見えないんですよ。外から色のバランスなどが見えず、頭の中でイメージして作っていかなければならないので、技術と想像力が必要だなと改めて感じました。──実際に出来上がったキャンドルを見て、驚きはそんなになかったですか?松也いやいや、驚きましたよ。とても驚きました。なぜかというと、イメージ通りだったから!本当にイメージ通り、完璧ですよ!「俺、凄くない?思ったとおりに出来ている!」という驚きです。近くで見ても、グラデーションで緑に変わっていくところ、紫の分量、黄色の分量といい、何一つ文句がないです。◆ゼロからものを作るのが好き、何かを作ることをシリーズ化したい。もう一度キャンドル制作を希望!──次に出演する機会があったらやりたいことをお聞かせください。城田ガラス細工や陶芸など、今回のようにゼロからものを作ってみたいです。最近は、松也さんも僕も演出などにも挑戦していて、プロデュースなどゼロからものを作るといったことが好きなタイプなので、何かを作るのはシリーズ化してもいいかなと思いますね。また、キャンドルをもう一度作ってみたいですね。今回は、練習用に小さいキャンドルを作り、要領がわかってから大きいのを作るという流れでしたが、これがあまりにも全容が見えず、手探り状態でした。僕の場合は、結果としては良い感じの色合いにはなっているのですが、自分がイメージしていたものとはやはり全然違うものになっていました。キャンドル作りの難しさを知りましたが、完璧だったと言っている通り、松也さんのキャンドルは最初にイメージした通りのものが出来上がっていました。松也さんは持っているな、と思いました。◆自己表現を通してエンターテインメントをお届けできるバラエティも大切なジャンル──「松也Pの◯◯◯」は、企画から番組作りに携わっていらっしゃいますが、意識していることはありますか?松也限られた予算内ですが、そういう制限がある中で何ができるかを考えるのも嫌いではないので、のびのびやらせていただいています。とにかく「楽しく」ということを意識していますね。──バラエティ番組というのは、松也さんにとってどんな存在ですか?松也色々な番組に出演させていただき、楽しい時間を過ごさせていただいていますが、視聴者の方にも、ただただ楽しんでいただけるものがバラエティだと思っています。また、舞台もそうですが、今回のキャンドル作りのようなバラエティも、ジャンルは違えど自分を表現し、エンターテイメントをお届けできるという場であるという意味で、僕の中では大切なジャンルです。◆2人の手掛けたオリジナルキャンドルが誕生した瞬間をぜひ目撃してほしい!──放送を楽しみにしている視聴者の方へ、見所や注目してほしいところなど、一言お願いいたします。城田松也さんの自由な進行に時にツッコミを入れたりするなどしましたが、これが普段通りの2人の温かい空気ですので、人間らしさを感じていただきたいです。今回は、ゲストの僕に何をしたいのか聞いてくれませんでしたが(笑)、予算が増えて海外進出する際には、1回目のゲストに呼んでいただきたいです。英語もいけます!松也では、ゲストは別の方で、通訳さんとしてお呼びします。城田いやいや、エコノミークラスで大丈夫ですので、よろしくお願いします!松也僕もゼロから何かを作ることが好きなので、城田さんに比較的タイプが似ているところがあります。ゼロから作るとなったら、細かいところまでこだわりたいと思うタイプなのですが、唯一この番組は細かいところは気にしないというような、大きな心構えで作っている番組の一つです。普段そんなに関わらないゲストの方も多いので、とにかく楽しんでいただけるように、という部分での気遣いをしています。ただ、城田さんに関しては何一つ気を遣わずに、リラックスした形で臨めました。作っている最中は、特にトークもなく無言でやらせていただきましたので、ナレーションをご担当くださっている有野晋哉さんに頼りっきりになると思います。私達のキャンドルが誕生する瞬間を、ぜひ目撃していただければ嬉しいです!番組概要【番 組 名】「松也Pの◯◯◯」【放送日時】毎週火曜夜10時30分~11時放送中【番組「お知らせ」ページ】 【番組公式X(旧Twitter)】@BS260_matsuyaP【番組公式Instagram】@bs260_matsuya__p「東銀座ウインターフェスタ2023」概要尾上松也によるキャンドル点火式!番組で城田優と共に製作した巨大キャンドルに尾上松也が点火。会場中のキャンドルにも火が灯ります。【キャンドル点火式日時】12月18日(月)19:30~【会場】銀座松竹スクエア(東京都中央区築地1-13-1)【主催】一般社団法人東銀座エリアマネジメント【キャンドル点火期間】2023年12月19日(火)~12月26日(火)17:00~23:00 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年11月22日日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区 家元:尾上菊之丞)四代家元三代目尾上菊之丞と、大蔵流茂山千五郎家の狂言方能楽師である茂山逸平は、2023年12月9日(土)に京都の金剛能楽堂で、12月16日(土)に東京のセルリアンタワー能楽堂で第15回目となる「逸青会」を開催、10月2日(月)チケットを販売開始いたします。日本舞踊、狂言の古典作品をそれぞれ上演の後、新作「ひまわり」には初めての試みとして落語家の古今亭菊之丞さんをゲストにお迎えし、日本舞踊×狂言×落語の新境地に挑戦いたします。令和5年 逸青会■逸青会(いっせいかい)とは舞踊家・尾上菊之丞と狂言方能楽師・茂山逸平が互いのジャンルを越え、新しい形としての舞踊と狂言の可能性を追求している二人会です。2009年より毎年創作を重ねさまざまな形で継続して開催、この度15回目を迎えます。古典作品の上演に加え、互いのジャンルの研鑽と、「舞踊」「狂言」という似て非なる芸能を合わせ、単なるコラボレーションに終わらない新しい可能性を求めて毎回「舞踊狂言」として新しい作品を創作、発表しています。現在までに10を超える逸青会オリジナル作品が生まれています。■第15回「逸青会」ゲストは落語家、新境地に挑む日本舞踊と狂言それぞれの古典作品をご覧いただいた後、新作「ひまわり」をご覧いただきます。古典作品は日頃からご縁の深い方々にもご出演頂き、3日間異なる演目を上演いたします。今回の新作「ひまわり」のゲストには落語家の古今亭菊之丞さんをお迎えし、日本舞踊×狂言×落語からなる逸青会の新境地に挑戦致します。■公演概要公演日時 : <京都>2023年12月9日(土) 15:00開演(14:30開場)<東京>2023年12月16日(土) 12:00開演(11:30開場)2023年12月16日(土) 16:00開演(15:30開場)場所 : <京都>金剛能楽堂(京都市上京区烏丸通中立売上ル)<東京>セルリアンタワー能楽堂(東京都渋谷区桜丘町26番1号 地下2階)入場料 : 6,000円(※全席指定/税込、お席の指定はできません)チケット申込: チケットに関するお問い合わせ先:TEL 03-3541-6344(平日10:00-18:00)/MAIL info@onoe-ryu.com 演目 :【京都】2023年12月9日(土) 15:00開演一、粟餅(常磐津) 尾上菊之丞・尾上京二、栗焼(狂言) 茂山逸平・茂山茂三、ひまわり(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・古今亭菊之丞【東京】2023年12月16日(土) 12:00開演一、末広狩(長唄) 尾上菊之丞・羽鳥嘉人二、無布施経(狂言) 茂山逸平・茂山茂三、ひまわり(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・古今亭菊之丞【東京】2023年12月16日(土) 16:00開演一、賤の苧環(長唄) 尾上菊之丞二、茶壷(狂言) 茂山逸平・茂山茂・茂山七五三三、ひまわり(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・古今亭菊之丞特典 :「菊之丞 FAN CLUB」PREMIUM会員様でご観劇の方には、特典のプレゼントがございます。当該の方には別途ご案内させていただきます。■尾上流(おのえりゅう)とは日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創立されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさずその魅力を国内外へ伝え続けます。■尾上流四代家元 三代目尾上菊之丞 (おのえ きくのじょう)尾上流四代家元 三代目尾上菊之丞1976年生まれ。2歳から父に師事し5歳で初舞台、2011年尾上流四代家元を継承し、三代目尾上菊之丞を襲名。新作の創作にも力を注ぎ、様々な作品を発表。日本を代表する和太鼓奏者、林英哲氏をはじめとする様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションにも積極的に挑戦している。2023年10月12,13日に上演される新派の子「新編 糸桜」ではストレートプレイに初めて出演するなど、活動の幅を広げる。京都芸術大学非常勤講師。<振付>新作歌舞伎「刀剣乱舞」、尾上菊五郎劇団「NINAGAWA十二夜」、歌舞伎NEXT「阿弖流為」、ラスベガス歌舞伎公演「鯉つかみ」「獅子王」、スーパー歌舞伎II「ワンピース」「オグリ」宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」など、多岐に渡る。<演出>「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」、「赤胴鈴之助」、OSK日本歌劇団「ツクヨミ」「光」、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」などを演出。新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けている。オンライン上での発信にも力を注ぎ、日本舞踊藤間流家元・藤間勘十郎氏と二人で古典芸能オンラインサロン「K2 TEATRE」を主催。日本舞踊界初の映像作品、日本舞踊Neo「地水火風空そして、踊」では作・演出を務める。■■コメント■■逸青会も15年。能舞台にこだわって色々な作品を創ってきましたが、今年は新境地開拓。そしてゲストに同名の古今亭菊之丞さんを迎えて、どんな世界をお見せできるか今から楽しみです。かわるものありかわらぬものあり。長男嘉人との初共演も是非よろしくお願いします。長男 羽鳥嘉人尾上流 ホームページ: Instagram : 菊之丞 FAN CLUB : 古典芸能オンラインサロン<K2 THEATRE>(ケーツーシアター): ■狂言 大蔵流茂山千五郎家とは茂山千五郎家は江戸時代初期から歴史に残る京都在住の狂言の家系です。貞享4年(1687年)の文献に【油小路通四条下る】に「茂山徳兵衛」という狂言師が記されており、この徳兵衛が五代目、姫路藩、本田忠国のお抱えで十五世宗家の弟子であったことも分かっております。(※現在は十四世茂山千五郎が当主)長い歴史がありながら、茂山千五郎家では十世正重(二世千作)の「お豆腐のような狂言師」という言葉が大切に語り継がれています。一部の方だけが楽しむ、限られた世界の芸能ではなく、「いつの世も、どなたからも広く愛される、飽きのこない、そして味わい深い」そんな「お豆腐狂言」を目指しています。■狂言方 能楽師 茂山逸平(しげやま いっぺい)茂山千五郎家 狂言方能楽師 茂山逸平1976年生まれ。4歳の時『業平餅』の童にて初舞台。その後『千歳』『三番三』『釣狐』を披く。1994年に、宗彦、茂と「花形狂言少年隊」を結成し活躍。また2000年より心・技・体、教育的古典狂言推進準備研修錬磨の会=「TOPPA!」を千三郎、正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に主催し、活動。NHK連続テレビ小説「京、ふたり」「オードリー」「ごちそうさん」他、舞台・CMにも数々出演。2006年より「HANAGATA」を正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に再開。2020年からはHANAGATA改め「Cutting Edge KYOGEN」として企画・製作・出演までを自分たちでおこない活動している。2006年秋から1年間フランスに留学。2009年より「逸青会」を主催。■■コメント■■今年の逸青会は横内先生に筆を取って頂き、落語家の古今亭菊之丞さんにお力添えを頂きます!ダブル菊之丞に振り回される逸平が見れる!?はたまた逸青会新境地の社会派ハートフルコメディ!?乞うご期待!!茂山千五郎家 : Instagram : X(旧:Twitter) : YouTubeチャンネル: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年10月02日歌舞伎を観るならまずはコレ。尾上右近さんおすすめの古典歌舞伎10演目をご紹介します。【連獅子(れんじし)】歌舞伎といえば毛振り!勇壮な姿に釘付け。文殊菩薩の霊山。獅子頭を手にした狂言師の右近と左近が現れ、親獅子が我が子を谷底に突き落として這い上がってきた子だけを育てるという、獅子の子落とし伝説を厳かに舞い始める。舞い終えたふたりが胡蝶に誘われ場を去ると、現れたのは法華宗の僧と浄土宗の僧。旅の道連れとなるが、互いの宗派を知った途端、言い争いに。そのとき一陣の風が吹き、親子の獅子の精が現れる。毛振りを見ると清々しい気持ちになります。歌舞伎のジャンルのひとつとして、踊りで物語を表現してゆくのが舞踊。「基本的に舞踊は、始まって終わるまでに物語が完結するうえ音楽劇的な要素もあり、誰にでも観やすいジャンルだと思います。その中でも『連獅子』は、多くの人が歌舞伎と聞いてイメージする“毛振り”があり、華やかさや迫力も含め、観て面白い演目だと思います。獅子はもともと能に端を発していますが、それが毛を振るというのは歌舞伎にしかない演出。あの毛を振る間の歌舞伎俳優の心境というのは、ど派手なパフォーマンスを見せてやろうというのではなく、心静かに経を唱えているような感覚。僕は、あれこそ歌舞伎の自己犠牲の美学が一番凝縮した姿だと感じます。そこに子に試練を与える親獅子の厳しさが重なりますし、親獅子に食らいついていく子獅子の姿には、生や芸を受け継ぐことの重みを感じる。でも、そこに不思議な命の高揚感があり、だからこそご覧になる方々は清々しい気持ちになるのではと思っています。また同じ『連獅子』でも演じる方によって全然違うので、見比べるのも面白いと思います」(尾上右近さん)【春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)】踊るうち徐々に興に乗ってゆく娘の変化に注目。江戸城の大広間。正月の祝いの余興にと奥づとめの弥生が殿様に舞を所望された。最初は恥ずかしがって逃げるが、お局らに引き戻されてしまう。ようやく観念すると、さまざまな舞を次々と披露する。徐々に舞が興に乗るなか、弥生が手にしたのは獅子頭。いつしか獅子頭が弥生を翻弄し始め、姿を消した彼女に代わり、獅子の精が姿を現す。僕にとって絶対外せない特別な演目です!右近さんが幼いときに観て、歌舞伎に魅了されるきっかけとなったのがこの演目。「これがあるから自分は歌舞伎をやっていると言っても過言ではないので、これを挙げないと自分としては納得できない」と言うほど特別なもの。「弥生は、最初はお殿様に所望されて仕方なく踊り始めますが、殿様に見られているという高揚感も手伝って、徐々に興に乗って踊りに気持ちが集中していきます。この弥生の見られている高揚感と緊張というのは、演じている役者の心境とぴったりリンクしますし、ひとりで30分の大曲を踊り切るわけで、役者にとって孤独な闘いでもあり、それだけ覚悟のいる演目でもあります。歌舞伎の舞踊の中ではストーリー性が薄いこともありエンターテインメント性より芸術性が強いかもしれませんが、歌舞伎の芸術としての側面を味わうには最適なはず。初めてご覧になるなら、ぜひ僕が挑戦するときに観てほしいです。絶対後悔させませんので」【京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)】美しい女性が釣り鐘を前に大蛇に豹変。恋に狂った清姫が大蛇となり僧を鐘ごと焼き殺した伝説が残る道成寺で、鐘供養が行われることに。そこに鐘を供養させてほしいと訪ねてきたのは美しい白拍子(男装の舞妓)。女人禁制ながら、修行僧たちは舞の披露を条件に寺へ招き入れる。さまざまな舞を披露するが、次第に白拍子の様子が変わり鐘に登ったかと思うと蛇の正体を見せるのだった。細部にまで日本の美が詰まっている総合芸術です。「1時間近くをひとりで踊り通すわけで、役者にとっては『鏡獅子』同様、心境的には自分との闘いのような演目ではあるんです。ただ、華やかで美しい衣装に鬘があって、大道具があって、役者がいて、音楽があって、小道具もすべてキラキラしていて、細部まですべてに日本の美が詰まっていて、それらが互いに引き立て合って、観る者を作品の世界に引き込んでくれる。役者ひとりの力で魅せる芸術ではなく、歌舞伎が総合芸術であることを実感してもらえる演目だと思います」赤の振り袖に烏帽子をかぶっての、能を取り入れた静かで厳かな舞から始まり、引き抜きという手法で一瞬にして浅葱色の衣装に替わったり、小道具も次々と持ち替えて、さまざまな踊りを見せていく。「視覚的にも聴覚的にも起伏がたくさんあって、観る人を飽きさせないようにと考えて作られていますし、この作品の時代背景や設定などを知らなくても楽しめる演目だと思います」【弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ) 白浪五人男(しらなみごにんおとこ)】美しい娘だと油断するなかれ。その正体に驚き。呉服問屋・浜松屋を、従者を連れた美しい娘が訪れる。品物を選ぶ最中に娘が万引。それを番頭が見咎めるが、その品は他で買ったものと判明。無実の罪を着せられたと従者の男が店に法外な金を要求。仕方なく金を渡すが、じつは娘は男で、すべてがゆすりの芝居だった。娘は開き直ると着物を脱ぎ刺青を見せ、盗賊の弁天小僧菊之助と名乗るのだった。女形の楽屋裏での姿を想像してもらえれば(笑)。「ヤンチャ小僧って、周りは手を焼きながらも、かわいいなって思ったりしますよね。弁天小僧は、まさにそのかわいさとかっこよさが共存した存在。しかも女性の格好をしているときは本当に綺麗だから、その後の展開を知らずに観た人は、男がやっているのに女形って本当に綺麗だなと感じると思うんです。それが後で服を脱ぎだし裸になっちゃうのだから、驚きますよね(笑)。弁天小僧が男に戻る場面は、女形の役者が楽屋に戻った状態と同じなわけで、女形の裏で見せる素の顔というかバックステージを見ているような感覚も楽しんでいただけるはず。男が女性を演じる女形という存在をうまく利用した話だと思います」正体がバレた弁天小僧菊之助が、開き直って自分の素性を明かす場面での「知らざぁ言って聞かせやしょう」は、歌舞伎屈指の名ゼリフ。「難しい知識は必要なく、これが名ゼリフといわれているんだ、と思って楽しんでいただければと思います」【夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)】蒸し暑い夏の夜、はずみで起きた哀しい惨劇。武士の玉島兵太夫に大恩のある魚売りの団七は、兵太夫の息子・磯之丞の恋人で遊女の琴浦が男たちに絡まれているのを助ける。老侠客の三婦の家に匿われた琴浦だったが、団七の使いを騙る団七の義父・義平次が彼女を連れ去ってしまう。それを知り義平次を追いかけ琴浦を取り返した団七だったが、揉み合ううちに義平次を斬ってしまう。芝居の随所から夏の暑さを感じる作品です。劇中の主人公・団七のセリフに、「悪い人でも舅は親」というものがあるが、どんなにはずみで犯した過失であっても親殺しは世の大罪。「あってはいけないことではあるけれど、団七の、一度走り出したら止まれない男の性みたいな部分は多くの方に共感していただけるのではないかと思います。義理と忠義を立てようと奔走する団七を邪魔する舅がいなくなり、ほっとする気持ちと同時に、本人が望まない結果となった団七をかわいそうにも思う。いろんな感情が湧き上がる作品です。団七は多少無理でも男を立てることを優先しようとするけれど、義父の義平次は、泥水をすすってでも必死に生きるのが男だという、ふたりの価値観の違いも面白いですよね。また、夏の暑さだとか、遠くから聞こえてくる祭り囃子だとか、季節を感じる描写が芝居の随所にあり、湿度と汗でベタベタするような夏の夜の空気感を体感してもらえるところも面白い作品だと思います」【東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)】みるみるうちに面相が醜く変わり恐ろしい姿に。色男の民谷伊右衛門は、産後の肥立ちが悪く、ことあるごとに主君の仇討ちを迫る妻の岩を疎ましく感じていた。その矢先、隣家の金持ちの伊藤家から孫娘との縁談を持ちかけられ、承諾した伊右衛門の元に伊藤家から毒薬が届く。血の巡りの薬と騙され飲んだ岩の顔はたちまち醜く変わり、非業の死を遂げる。その後、伊右衛門は岩の亡霊に悩まされ…。江戸時代生まれのホラーは怖いけどすごく哀れ。「江戸時代にもホラーというジャンルは存在して、当時から少しでも涼しく感じたいということで、夏に上演され喜ばれてきたジャンル。ゾクッとする怖さを楽しむ人がいるのは、今とまったく同じです。この物語の中心人物であるお岩様は、信じていた夫に騙されて殺されて、本当にかわいそうな女性です。夫の伊右衛門に薬と偽られ毒薬を飲んでしまい、髪をすく間にどんどん髪が抜けていく描写などは、怖いけどすごく哀れ。そのぶん恨みも深いのか、お化けになって登場するお岩様は本当に怖いので、ホラー好きな人なら喜んでいただけるのではないでしょうか」また、伊右衛門はお岩を死に至らせたばかりでなく、内職の手伝いに雇った小仏小平も殺害。そのふたりの幽霊が同時に現れる場面では、一人の役者が二役を一瞬で演じ分ける早替わりの演出も。「舞台の上に幽霊を登場させる演出の面白さもあれば、仇討ちのエピソードなどもあり、見どころの多い作品です」【め組の喧嘩(めぐみのけんか)】火消しと力士の意地の張り合い。喧嘩は迫力満点!品川宿、隣り合わせた座敷で飲んでいた力士たちと鳶の面々が、ひょんなことから小競り合いに。そこに割って入ったのは町火消しの「め組」の鳶頭・辰五郎。場は収まるが、鳶は武士に召し抱えられた力士より格下だと言い放たれる。面子を汚された辰五郎は仕返しを決意。妻と子に別れを告げ、彼を慕う鳶たちを率い、真剣勝負の場に乗り込んでいく。江戸の華といわれる“喧嘩”を堪能できます。「火消しと力士それぞれが自分たちの主張を曲げず、意地の張り合いから、それぞれのプライドをかけての命懸けの喧嘩に発展していきます。火事と喧嘩は江戸の華といいますが、それを嫌というほど堪能できる演目。これぞまさに“江戸っ子”というものが随所に描かれているので、そこを楽しんでもらえると思います」描かれるのは、ひたすら喧嘩の場面だが、「大人が本気で喧嘩している姿って、はたから見ていると面白いんですよね」とも。「力士たちへの意趣返しをしようと決意した鳶たちが勢揃いする場面がありますが、その迫力は本当に圧巻のひと言。鳶頭の辰五郎を筆頭に、手桶の柄杓でおのおの水盃をして威勢よく駆け出していく姿は無条件にかっこよく、観ていて気分が高揚すること間違いなし。出てきすぎじゃないの?と思うくらいたくさんの鳶がそこに登場するのも面白く、お祭り騒ぎ感も満載。わかりやすく見応えのある作品です」【義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) 川連法眼館(かわつらほうげんやかた)】親への恋しさゆえ武将に化けた子狐の情愛に涙。兄・源頼朝に謀反を疑われた源義経は川連法眼の屋敷に匿われていた。そこに家来・佐藤忠信が訪ねてくるが、そのすぐ後、静御前を伴い忠信が来たとの知らせが入る。義経の命により忠信の真偽を確かめようとした静の前に正体を現したのは狐。鼓にされた父狐と母狐への恋しさゆえ、鼓を持つ静の供をしていたという。憐れんだ義経は狐に鼓を与える。あっと驚くようなアクロバット的演出も。『義経千本桜』は、兄・源頼朝から謀反を疑われ追われる身となった源義経の物語を背景に、戦によって思わぬ境遇となった人々を主人公にした、複数の物語で構成される壮大な作品。「タイトルロールでありながら、どのお話も主人公は義経ではなくその周りに生きる人々。なかでもこの場面は、狐が主人公で、その狐が人間の姿に化けて言葉をしゃべるというところが面白いです。しかも描かれているのは狐ではあれど親子愛で、どの時代もどの人にも伝わるテーマ。また義太夫という、ナレーションを兼ねた音楽に乗った音楽劇的な要素もあれば、“ケレン”と呼ばれるあっと驚くようなアクロバット的な演出もあり、見どころが多い演目。物語のラストは、狐の視点で大団円を迎えるので観ていて爽快感がありますしね。また、物語の時代背景や前後のエピソードを知らずとも、このお話単体で楽しめるので、初めて歌舞伎をご覧になる方にはぴったりだと思います」【俊寛(しゅんかん)】孤島に残された俊寛の深い悲しみが胸に迫る。平清盛打倒の謀略で孤島に流された俊寛僧都、藤原成経、平康頼。侘しい島暮らしの中、成経は海女・千鳥を妻に迎えた。そんなおり島に赦免船が。喜ぶ彼らだったが、使者の瀬尾は千鳥の乗船を拒む。当惑する中、瀬尾から妻が清盛に殺されたと聞いた俊寛は絶望。瀬尾を討ち、その罪で島に残る代わりに千鳥を船に乗せるよう懇願。俊寛は、ひとり島から涙で船を見送る。徐々に遠ざかっていく船を見送る俊寛に注目です。「舞台の真ん中に大きな岩があって、浜辺があって、海が見えて、そこに突然大きな船がやってくる…。あえてリアルを追求せず、デフォルメされた大胆な構図のセットで歌舞伎をやるということに、驚く人もいるのではないでしょうか。終盤、どんどん潮が満ちていく中、ひとり岩の上に取り残された俊寛が、仲間が乗る船を見送るシーンがあります。このとき船は舞台上に出すことなく、俊寛を演じる役者の目線を通して、徐々に遠ざかっていく船の姿を想像させる演出になっています。セットと役者、そしてそれを観る観客の想像力を借りることで、孤島にひとり残された老人がこれから直面する現実の悲しさを強烈に印象づける、極めて演劇的な作品だと思います」それゆえ、俊寛を演じる俳優によって、作品の印象がガラッと変わってくるのも面白いところ。「この作品に限ったことではないですが、さまざまな俳優で比べて観られるのも歌舞伎の面白さです」【実盛物語(さねもりものがたり)】どんでん返しに次ぐどんでん返しで飽きさせない。平家全盛の世。平家の武将・実盛と瀬尾は源氏方の木曽義賢の妻が産む子の詮議に訪れる。そこに運ばれてきたのは源氏のシンボル・白旗を握る女の片腕。それは源氏方の娘・小万の腕で、元源氏方の実盛が平家に白旗が渡るのを恐れ切り落としたもの。小万の子・太郎吉が母に悪態をつく瀬尾に刃を向けると瀬尾は自らを討たせ、小万はかつて己が捨てた娘だと告白する。「そんなわけあるか!」と心の中でツッコんで(笑)。「物語の舞台が源平合戦の時代であったりするので、フォーマルな堅い演目のように感じるかもしれませんが、描かれているのは登場人物たちの心の話。ここに登場する武士たちは、みんなが庶民と何ら変わらないことを思っていて、我々と何ら変わらない行動を取るので、親近感を持ってカジュアルな気持ちで楽しんでいただける演目だと思います。また、切り落とした片腕を死体に繋いだら、死んだ人が息を吹き返すという馬鹿馬鹿しい展開もあるので、『そんなわけあるか!』と心の中でツッコみながら楽しんでいただければと思います(笑)。そしてもうひとつの見どころは、最後に出てくる馬。中に人が入っているんですが、結構大きく迫力があるので本物かと驚く方もいるはず。しかもちゃんと芝居をする馬で、尻尾を揺らしたりブルッと震えたりする仕草は結構リアル。その馬に実盛が乗りますが、高さも乗り心地もまるで本物みたいなので注目していただければ」おのえ・うこん1992年5月28日生まれ、東京都出身。清元節宗家の家に生まれながら、7歳から歌舞伎の舞台に立ち、名子役として評判に。2005年に二代目尾上右近を襲名。現在は、歌舞伎の舞台のほか、ドラマや映画、バラエティ、現代劇やミュージカルなど幅広く活躍。’15年からは自主公演『研の會』を主催し、数々の大役に挑戦。11月には歌舞伎座への出演も決まっている。※『anan』2023年10月4日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・三島和也(Tatanca)ヘア&メイク・西岡達也イラスト・momo構成、取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年10月01日3歳のときに曽祖父で名優の六代目尾上菊五郎の踊る『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』を映像で観て歌舞伎の虜になり、歌舞伎俳優の道を歩み始めた尾上右近さん。その右近さんの考える歌舞伎の魅力とは、「なんでもない所作に拍手が起こる現象があるところ」。結局は、歌舞伎がすごいっていう結論になるんです「手ぬぐいをすっと取る動きだけで、深い感動を呼ぶっていうことが歌舞伎では本当にあるんです。それがなぜできるかといったら、“芸”があるからなんですね。先輩の中には何も動かずそこにいるだけで感動を呼ぶ方もいらっしゃいますけれど、基本的には芸で魅せるものだと思っています」その芸とは、何百年と続く歴史の中で“型”として構築されたもの。「新作歌舞伎と違い、古典は自分以外にも同じ役をやっている人がたくさんいます。もっと言えば、過去にその型を作った人がいて、それがいろんな人の手により継承されてきた歴史がある。だからどんなに僕が褒めていただいても自分の力だと思えなくて、結局、歌舞伎がすごいんだって結論になる。でもそれが古典の面白さだとも言えるんですよね」しかし古典も、昔の型をただ踏襲してきただけではない、とも。「六代目菊五郎の話ですが、かつては数百人の劇場でやっていたものが1000を超えるキャパに変わってきたとき、それまでの蛍を目で追う振りが後ろの観客には伝わらなくなったそう。どうしたらいいかを考えていたときに、目の不自由な人が、目の代わりに指先で見ると話していたのがヒントになって、蛍を指で追う振りを思いついたんだとか。そうやって時代を超えるために変わるものもあれば、変わってはいけないと意地になっている部分もあって、今の古典歌舞伎があるんですよね」その時代時代に歌舞伎役者がいて、彼らの肉体や精神を通して伝承してきたところに価値がある。「松本白鸚のお兄さんのところに教わりに伺ったとき、お兄さんが僕くらいの頃、年上の先輩に芸を教わりに行かれた思い出話をたくさんしてくださったんですよね。そのとき十七代目中村勘三郎さんの芸がいかにすごかったか話しながら当時を思い出して感動して泣かれるんです。僕はそのお兄さんの姿に感動でした。十七代目の芸を間近で見た感動を伝承する。これこそが継承で、その感動もひっくるめて古典になっていくんだなと思いました」歌舞伎1603年頃に京都・鴨川の四条河原で、出雲の阿国が始めたかぶき踊りが始まり。“かぶき”とは“傾(かぶ)く”が語源といわれ、風変わりな派手な服装で、これまでにない斬新な踊りを踊ったことから付いた名称といわれる。かぶき踊りは庶民の間で一世を風靡したが、風紀の乱れを助長するとして幕府より禁止令が下った。その後、男性による野郎歌舞伎が誕生。元禄時代、人気役者と実力派作家の台頭とともに娯楽として発展した。おのえ・うこん1992年5月28日生まれ、東京都出身。清元節宗家の家に生まれながら、7歳から歌舞伎の舞台に立ち、名子役として評判に。2005年に二代目尾上右近を襲名。現在は、歌舞伎の舞台のほか、ドラマや映画、バラエティ、現代劇やミュージカルなど幅広く活躍。’15年からは自主公演『研の會』を主催し、数々の大役に挑戦。11月には歌舞伎座への出演も決まっている。※『anan』2023年10月4日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・三島和也(Tatanca)ヘア&メイク・西岡達也構成、取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年10月01日尾上松緑が主演を務める新作歌舞伎『俵星玄蕃』『荒川十太夫』が、2023年12月から2024年1月にかけて2カ月連続で歌舞伎座にて上演されることが決定した。今回の2作では、江戸時代に起きた「赤穂事件」をもとにした物語が描かれる。12月に上演される『俵星玄蕃』は、赤穂義士たちが素性を隠して、虎視眈々と吉良邸討入りの準備をしている中で出会う槍の使い手・俵星玄蕃を主人公にした作品。赤穂義士の杉野十平次との心の交流が描かれ、討入り前夜から当日の物語が展開される。浪曲では三波春夫のものが有名だが、今回は講談の人間国宝である神田松鯉に脚本協力を仰ぎ、昨年好評を博した松緑主演・西森英行演出・竹柴潤一脚本のトリオにより、新たな舞台が誕生する。そして来年1月に上演される『荒川十太夫』は、松鯉の口演による『赤穂義士外伝』をもとにした作品で、昨年10月に歌舞伎座で初演。討ち入り後の後日談として、高田馬場の決闘で有名な赤穂義士のひとり、堀部安兵衛の切腹の際に介錯をつとめた下級武士の荒川十太夫の苦悩と、武士としての覚悟が情感豊かに描き出される。■尾上松緑 コメント御機嫌宜しゅう御座居ます、尾上松緑ですこの度、東京歌舞伎座に於きまして、今年の十二月に『俵星玄蕃』、来年一月に『荒川十太夫』と、講談から起こしました新作歌舞伎を二ヶ月連続で上演します事が決定致しました昨年、初演致しました『荒川十太夫』は賞を頂いたりと、お客さんもとても喜んで下さっていた手応えは有りましたが再演が叶い、友人であり尊敬している神田伯山先生との約束が一つ果たせた事、嬉しく思いますまた、伯山先生から御縁を繋いで頂き台本協力等、様々なお教え、御力添えを賜っている神田松鯉先生には言葉では言い尽くせ無い感謝の念で一杯です今年十二月に初演予定の書き下ろし「俵星玄蕃」は忠臣蔵事件の討ち入り前夜から当日そして、来年一月再演予定の『荒川十太夫』は討ち入り後の顛末を物語った作品となります「俵星」は原作をベースにしながら、より歌舞伎味を強く「荒川」は前回の台本を手直ししながらも、講談ベースをより色濃く二作品の毛色の違いを出して行けたらと計画中です話は続いておりますので二夜連続ドラマとして観て頂ければ幸いと思っております二作品共、脚本竹柴潤一さん、演出西森英行さんと、何でも言い合える仲間と再び手を組める事も心強く存じています御好評頂ければ、今後も年一本位のペースで古典歌舞伎に準じた新作歌舞伎を発表出来ればいいなとも胸の内に願っておりますまた、個人的には私は再来月の歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」にて、片岡仁左衛門の兄さんが松浦鎮信公を演じられます「松浦の太鼓」で赤穂浪士の一人である大高源吾を勤めさせて頂きますこの芝居もまた討ち入り当夜を描いた作品で御座居まして、続けて観ても話に矛盾は御座居ません或る意味、忠臣蔵三夜連続ドラマを観る様な感覚でお楽しみ下さると私もより嬉しいです共演者、スタッフ、松竹株式会社と共に、また新たにお客さんに喜んで貰え、再演を望まれる作品となる様に努力致しますどうか応援の程を宜しくお願い致します■神田松鯉 コメント嬉しいニュースが二ツ届いた。第一は、講談「俵星玄蕃」の歌舞伎化である。飲兵衛で槍の名人俵星と赤穂義士杉野十平次の物語は、かつて歌にまでなった名作。第二は、昨年秋に初演された『荒川十太夫』が、早くも来年の正月歌舞伎座で再演されるという。快挙である。こうして講談を次々と歌舞伎化して下さる尾上松緑丈には只々感謝をするばかりだ。真ッ直でいて懐が深く、豪放と細心を併せもつ松緑丈の舞台に今から胸を躍らせている。■西森英行(演出)コメント『俵星玄蕃』・『荒川十太夫』、歌舞伎座二ヶ月連続上演。この挑戦的かつ意欲的な興行に、演出として参加させて頂けることを、心より光栄に思います。『荒川十太夫』は、緻密な心理劇の構造を俳優の皆さんと共有し、古典劇現代劇の技法を融合させ、あたかも古くから上演を重ねてきたかのような歌舞伎作品として昇華させることを考え続けて作り上げました。『俵星玄蕃』では、人として生きる誇りとは何か、根源的な問いを抱える俵星玄蕃の心模様を縦糸に、重層的な対話劇と活劇を織り合わせ、新たな人間ドラマを描く歌舞伎作品として、醸成していきたいと考えています。赤穂事件により、その人生が色濃く浮き彫りになった俵星玄蕃と荒川十太夫。二人の男、二つの物語から浮かび上がるのは、時代が変われど、現代を生きる私たちにも受け継がれている「日本人のこころ」。講談の世界で、声とことばで聴くものの心を震わせ続けてきた物語、古から受け継がれる「こころ」を、優れた歌舞伎俳優さんの肉体を通して、現代に甦らせたいと思っています。尾上松緑さんは、若かりし頃から一意専心、歌舞伎への、伝統への深い思いを青い炎のように胸の内にたぎらせ続けてきました。俵星玄蕃、荒川十太夫、二人の人物を通して、松緑さんの達人の居合の如き魂の一閃を、目撃して頂きたいと思っています。<公演情報>令和5(2023)年12月歌舞伎座『俵星玄蕃』2023年12月 東京・歌舞伎座で上演令和6(2024)年1月歌舞伎座『荒川十太夫』2024年1月 東京・歌舞伎座で上演
2023年09月20日歌舞伎界にまたも激震が走った。5代目・尾上菊之助(45)に不倫疑惑が報じられたのだ。この報道に、’21年に亡くなった義父で人間国宝の二代目中村吉右衛門さん(享年77)は何を思うのか――。7月26日、「文春オンライン」で報じられた菊之助の不倫報道。記事によると、菊之助は7月21日の午前1時から朝8時半まで、妻とは異なる女性と高級ホテルに滞在。「週刊文春」の取材に対し、部屋に滞在していたことは認めるも、不倫関係にあることは否定したという。父は人間国宝の七代目・尾上菊五郎(80)で母は女優の富司純子(77)、姉は女優の寺島しのぶ(50)という芸能一家に生まれ育った菊之助。’13年に吉右衛門さんの娘・瓔子さんと結婚した。吉右衛門さんは二人の結婚について会見で「梨園に嫁がせようとか思ってなかった。一般の家庭でもらってくれるかなあ……って思っていたから」と語るなど、菊之助と瓔子さんの結婚は意外なものだったことを明かしている。それまでは共演することがほとんどなかったという菊之助と吉右衛門さん。しかし結婚後は吉右衛門さんの「秀山祭九月大歌舞伎」に菊之助さんが出演するようになるなど、関係は次第に濃厚なものとなっていった。’19年の秀山祭では『寺子屋』で、菊之助は義父・吉右衛門さん演じる松王丸の妻役を演じることに。同部隊では、5歳になった息子の丑之助も菅秀才として出演している。当時、菊之助は「毎年、岳父のそばに出させていただき、一つ一つご指導いただいて、財産をいただいている気持ち」と、義父と共演する喜びや学びの多さを語っていた。吉右衛門さんにとっても、娘婿、そして孫との共演はこのうえない喜びだった。《孫が出て、義理の倅と一緒にやるというのは、その芝居をする情のうえにおいてやりやすいことは確かですね。(略)伝統というものがあるからこそ、誰それの倅で何代目だとかっていう、そういう目を通して芝居をご覧くださる。それも伝統歌舞伎のひとつの面白さじゃないかなと思います》(『演劇界』’20年10月号)「吉右衛門さんは、菊之助さんに『僕にわかることだったら、全部、教えるよ』と、共演を通してたくさんのことを教えてくれたそうです。菊之助さんが稽古をお願いすると丁寧につきあってくれて、台詞の言い回しなど、できるようになるまで何度も何度も聞いてくれるのだとか。吉右衛門さんには跡取りとなる息子がいませんでした。熱心な指導には、娘婿の菊之助さんに、初代・吉右衛門の芸を受け継がせたいという思いもあったのではないでしょうか。菊之助さんも吉右衛門さんのことをとても尊敬していて、それは単なる娘婿と義父の関係を超えたものでした」(歌舞伎関係者)‘21年11月に吉右衛門さんが亡くなった際には、菊之助は会見で同年3月のやりとりを振り返り「倒れる2日前だったのできっとつらかったと思う。ご自分のことより肘を折って手術した私のことを心配してくださって『あと千秋楽まで2日だから頑張るぞ』って強い言葉をかけてもらった。尊敬する、とても優しい父でした…すみません」と号泣。「初代吉右衛門さんの芸を守り、全身全霊をかけて芝居に打ち込まれた。そして、先人たちの教えを守って、血と汗と涙の結晶をさらに良いものにして歌舞伎を進化させてくださった」と吉右衛門さんをたたえ、「その思いを後世に伝えられるようにわれわれも研鑽していきたい」と、自身も歌舞伎界を背負い盛り上げていくことを誓っていた。実の息子のように菊之助をかわいがっていた吉右衛門さん。その大切な娘を裏切る不倫報道は、吉右衛門さんの心をも傷つけることにならないか。歌舞伎界の印象を悪化させることにつながらないか。SNS上では吉右衛門さんの心情をおもんぱかる声が相次いでいる。《吉右衛門さんが亡くなって、タガが外れたのか》《吉右衛門さんの大切なお嬢さん泣かせないで下さい》《吉右衛門さんが泣くよ。どうなってんの歌舞伎界?吉右衛門さんが亡くなってから滅茶苦茶になってしまったな》《亡くなられた叔父吉右衛門は天国でどれだけ悲しまれてるか》
2023年07月28日7月26日に、「文春オンライン」で不倫疑惑が報じられた歌舞伎俳優・尾上菊之助(45)。記事よれば、菊之助は「大阪松竹座公演」に出演した7月20日、公演後に北新地の飲食店やラウンジをはしご。ホテルに戻ったのは日付が変わった深夜2時頃だったというが、19歳年下の女性とホテルの一室で密会したことが写真付きで報じられている。菊之助は「週刊文春」の直撃に不倫関係を否定し、ホテルで会った女性について「全然、記憶にないです」と回答している。だがネット上では《歌舞伎役者って、どこまで脇が甘いのでしょうか?》《歌舞伎界の闇は深い》との声が上がっており、波紋を呼んでいる。名門・音羽屋に生まれ、人間国宝の七代目・尾上菊五郎(80)を父に、女優の富司純子(77)を母に持つ菊之助。さらに姉は寺島しのぶ(50)という、“華麗なる一族”のなかで育ってきた。今年3月から上演された『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』では自ら企画・演出・出演を担当し、コロナ渦で苦境に立たされた歌舞伎界を盛り上げるなど精力的に活躍している。芸事に真っ直ぐな菊之助だが、たびたびプライベートが世間を騒がせていた同世代の市川團十郎(45)には“冷視線”を送ってきた。團十郎の襲名公演は新型コロナの影響によって約2年6カ月延期されていたが、昨年4月8日に行われた「團菊祭五月大歌舞伎」の取材会で菊之助と同席した菊五郎が「今年、團十郎が誕生しそう」と示唆したことは注目を集めた。だが一方で、團十郎は昨年3月に義姉の國光真耶(小林麻耶、44)による暴露や批判が物議を醸すなか、“SNSナンパ”による複数女性との交際が報じられていた。さらに翌4月には、『NEWSポストセブン』の報道によって連日自宅に違う女性を連れ込んでいたことも明らかに。本誌は昨年5月、團十郎の交際相手の1人が関西の贔屓筋から正式に紹介された女性だったことも報じている。「團菊」と称され、ともに梨園を背負うライバル関係にある2人。それだけに團十郎の荒れた生活ぶりに、代々の贔屓筋だけでなく菊之助も堪忍袋の緒が切れたという。「2人は今年の『團菊祭』では『音菊眞秀若武者』の演目で共演していますが、昨年の『團菊祭』では共演がありませんでした。2人が同じ舞台に上がらないというのは異例のことでした。また『團菊祭』の取材会では、菊之助さんとともに出席した父・菊五郎さんが『今年、團十郎が誕生しそう』と言及しました。当時まだ海老蔵だった團十郎さんは、本来同席しなければならない立場。しかし取材会に、その姿はありませんでした。一連の報道によって、登壇が見送られたといいます。さらには’21年5月も、東京五輪の開会式に登場した彼の意向で『團菊祭』は流れています。そうした素行に音羽屋は怒り心頭だったようです」(梨園関係者)当時、歌舞伎関係者は菊之助の“激怒”について「彼にしては非常に珍しい」として本誌にこう漏らしていた。「真面目な菊之助さんは理性派で、ことを荒立てない主義です。’21年後期の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK)の古風な時代劇スター・モモケンがハマり役だったように、伝統を重んじる方。そんな菊之助さんが、周囲に『彼とは同じ舞台に上がりたくない』と話すぐらいですから、相当な不満がたまっていたのでしょう」普段は冷静沈着だという菊之助だが、今年に入ってからは團十郎と立場が一転することに――。4月には「女性セブン」で愛息の丑之助くん(9)を強く指導した一門の尾上音三郎(50)に、「息子に土下座しろ!」と謝罪を迫ったことも報じられていた。今回報じられた19歳年下女性との不倫疑惑では、「お付き合いを?」と文春の記者から問われ「ふむふむ」と落ち着いた様子で相槌を打っていたようだが……。團十郎に手厳しくしていただけに、スキャンダル続きはブーメランとなりそうだ。
2023年07月28日歌舞伎の舞台を務めながら、日本の伝統音楽である清元節の継承者でもある尾上右近さん。近年はバラエティ番組に出演したり、ミュージカルに出演するなど精力的に活動しているが、そのバイタリティは一体どこからやってくるのだろう。――先日、8人の現代アーティストとの対談集『右近vs8人』を出版されました。もともとアートに興味があったということですが、関わりというと?僕はもともとアートを歌舞伎の延長線上にあるものとして捉えていたようなところがあります。3歳のときに見た曽祖父である六代目尾上菊五郎の『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』の映像に心を奪われて、歌舞伎の世界に来たんですね。曽祖父の存在そのものが好きだったので、写真集の中にあった曽祖父の描いた竹林の絵を模したくて描いていたのが、5歳くらいの頃。そこから、絵が好きならばと日本画の先生のところに教わりに行くようになり、次第に日本画から近現代のアートにも興味を持つようになりました。――対談での右近さんの言語感覚の鋭さにも驚きました。自分の想いや考えをこんなに明確に言葉にできる方って多くはないので…。会話が好きなだけです。自分で文章を書くのはそこまで得意じゃなくて。会話って相手の反応があるから、そこでやり取りする中で、自然と言葉が出てくるんです。だから取材も好きですよ。なるべく自分の言葉が世に出るときには、ちょっと色合いがある面白い言葉を使いたいと思っていたりします。――そういうパワーワードは、ストックしておくんですか?人と関わる時間が好きな一方で、根本的には根暗、みたいなところがあるので、ひとりでいるときにあれこれ考えるんです。そこで自分の考えが徐々に明確になってきたら、何度か言葉に出して言ってみる。それを繰り返すうち、自分にしっくりくる言い回しみたいなものが見つかるんです。みんながいい反応をしてくれるなって思ったら、そこはもうこすりにこすって言い慣れた感じにしていくっていう(笑)。内弁慶で2人になると全然喋れないんです。――出演されているレディースアートネイチャーのCMも面白かったです。「突然の尾上右近」ってすごいフレーズですが、お引き受けになられたのは…。嬉しいじゃないですか。断る理由、なくないですか?たまに知り合いにイジられるくらいで。――イジられるのはいいんですね。イジられるのもイジるのも好きです。それもコミュニケーションのひとつだと思ってるので。――CMにかぎらず、バラエティ番組やミュージカルなど、今や歌舞伎以外の分野にも数多く進出されています。なんでもやってみたいというのと、いろんなことをやってみることで、自分では見つけられなかった自分を見つけてもらえて、広がりを持てるというところですかね。逆に、歌舞伎界を背負っている感覚はまったくないですし。あと単純に、知り合いが増えるのが嬉しいというのもあります。歌舞伎界って、ずっと同じメンバーでやっているわけで、みんな家族みたいなもんなんです。家族って近くて遠い存在で、素の自分というより、みんなが認識しているであろう自分を見せてしまう、みたいなところってありますよね。――いい子であろうとしちゃったりしますね。歌舞伎以外の作品に初めて出たのが2018年の舞台『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』でしたが、ご自分から外に出ていこうと動かれたんですか。そうですね。自分から動いて今の事務所に入れていただきました。でも、所属してから舞台に出るまで2~3年ありましたから、結構時間がかかりましたね。――それは好奇心から?それとももうちょっと…。どっちもです。好奇心もあったし、できないことがあるのが嫌だなというのもあって。あとは、とにかくなんでもやって目立ちたかったというのもありました。目立たないと、歌舞伎の舞台で真ん中に立てないので。でも、目立つのが一番の動機ではないです。一瞬そこで葛藤していた時期もありますけれど、関わる人たちに失礼ですし。実際に現場に飛び込んだら、そんなことより現場で過ごす時間そのものが楽しいんですよね。歌舞伎って、お互いわかりきっている関係性から安心して一緒に芝居ができるっていうこともあるんですが、逆に一回怒らせちゃったことがある役者仲間ともずっと一緒なわけです。歌舞伎界が門限のある世界だとしたら、友だちの家にお泊まりしたくなるものでしょ。そういう感覚なんです。――それだけ厳しい世界ということなんですか?それぞれひとりひとりじかに関わってみると優しいし、普通なんですけれど、組織になると厳しくなっちゃうんですよね。でもそこに気づけたのも、内弁慶の僕が知らない人がいっぱいいる世界に飛び込んで、いろんな人と関わっていく中で、ひとりひとりと向き合っていくことが大事なんだって思えてからで。以前は師匠(七代目尾上菊五郎)なんて、どこか超越した生き物みたいに思っていたんです。必要な報告や連絡以外は、話さないし話せない、みたいな。でも、ある時期から徐々に冗談とか言える感じになって、人間同士として関わることが大事だし、楽しいんだなって思いました。右近さんが、念願だったという横尾忠則さんをはじめ8人の現代アーティストと語り合った対談集『右近vs8人』(PARCO出版・2420円)は、現在好評発売中。横尾さんとは、8月2日~3日に浅草公会堂で開催される自主公演『第七回 研の會』のポスターでもコラボ。会では『夏祭浪花鑑』と『京鹿子娘道成寺』に挑む。おのえ・うこん1992年5月28日生まれ、東京都出身。清元節の宗家に生まれ、幼い頃から歌舞伎の舞台に立ち、名子役として評判に。2005年に二代目尾上右近を襲名。近年は歌舞伎以外の活動も精力的におこなっており、昨年のミュージカル『ジャージー・ボーイズ』も話題に。現在は、新橋演舞場で上演中の新作歌舞伎『刀剣乱舞』に出演中。※『anan』2023年7月12日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・三島和也(tatanca)ヘア&メイク・Storm(Linx)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年07月07日新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』の初日前会見・公開舞台稽古が2日に都内で行われ、尾上松也、尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉、上村吉太朗、河合雪之丞が取材に応じた。同作は名だたる刀剣が戦士へと姿を変えた「刀剣男士」を収集し、歴史の改変を企む敵に対抗すべく、 様々な時代の合戦場を攻略していく刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』の歌舞伎作品。今回は十三代将軍足利義輝が討たれた“永禄の変”を、歌舞伎ならではの発想で大胆に脚色する。三日月宗近役で演出も務める松也は「演出の立場で舞台を観ることは初めてだったんですが、皆さんに自分が思うことを具現化していただきながら形になっていく喜びというのは、今まで感じたことのない感情でしたし、いろんな意見もいただくことで、役者として立ってる時には気づかなかったことですとか学びというか、得るものがたくさんありました」と感謝する。「自分が出てるところも含めて全部見ていくわけで、稽古場の前半は代役の方に立っていただき、非常に面白い感覚でした。いざ僕が立ってみますとなると景色が全然違って、上手から出ていいのか下手から出ていいのかわからなくなるという状況がありまして、これは不思議なもんだなと思いました」と振り返った。演出の松也について、足利義輝/小狐丸役の右近は「仲間として役者を信じてくれてると思うのと、人間性がとても優しくあたたかく力強く、そして自分の意思が強い方なので、普段から関わっていて、今演舞場の真ん中になっている尾上松也を作ってるのは自分自身だと思うんですね。人と関わることを積み重ねてきた中で苦労もされてきたと思うんですけど、演出家としては優しくわかりやすくあたたかく導いてくれる、信頼関係を築いた上で伝えてくれる素敵な演出家さん。役者として求められてる以上の形で返したいと思いながらやらせていただいています」と絶賛。「二役とも色々なことをやらせていただいている」という松永久直/同田貫正国役の鷹之資は、「ミラクルが起こりまして、知り合いの方に同田貫さんがいらしゃいまして、本当に刀鍛冶の末裔の方だった。そこを見越してお兄さんが(役を)つけてくださってたのかというくらいのミラクル」と驚きのエピソードを明かすと、松也は「見越してましたよ」とジョークを飛ばす。鷹之資は「ご本人に連絡したら、一族を代表して応援してくださるそうなので、たぬたぬ(同田貫)ファンに興奮していただけるようなお芝居を松也のお兄さんの演出のもと、作っていければと思っています」と意気込んだ。義輝妹紅梅姫/髭切役の莟玉は「いろんなパターンを用意してくださって『どれが合うかはこちらで全体のバランスを見るからチャレンジしてやってみよう』と、ふだん自分から出てこないプランを求めていただくことによって、初めてチャレンジできる。本当に勉強にある演出家」と表す。膝丸役の吉太朗は「僕は大阪出身なので共演させていただく機会はなかったんですけど、小さい頃はただの耳たぶが大好きな先輩という印象だったんですけど、最近ご一緒させていただく機会が増えて、今回改めて演出になられてずっとずっとついていきたいなと思える存在」、小烏丸役の雪之丞も「松也さんは歌舞伎はもちろん様々な舞台に出られていらっしゃって、映画とかテレビの方も引き出しをたくさんお持ちなので、歌舞伎の要素満載でございますけど、そのほかのところも色々なご経験がおありになって作られた作品ではないかと思っています」とそれぞれに今回の演出について語った。公演は新橋演舞場にて、7月2日~27日。
2023年07月02日新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』製作発表記者会見が5日に都内で行われ、尾上松也、尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉が登場した。同作は名だたる刀剣が戦士へと姿を変えた「刀剣男士」を収集し、歴史の改変を企む敵に対抗すべく、 様々な時代の合戦場を攻略していく刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』の歌舞伎作品。今回は十三代将軍足利義輝が討たれた“永禄の変”を、歌舞伎ならではの発想で大胆に脚色する。三日月宗近役、そして演出も務める松也は「何が歌舞伎かというのはないんですけど、王道の歌舞伎のテイストはふんだんに盛り込みたいなと思ってはおります」と展望を明かす。「もう一つのこだわりとして、あまり最新技術に拘らない。否定するわけでもなく、全く使わないというわけではないんですけれども、できるだけ頼らずにアナログの形で生の舞台の良さを表現できたらいいなとは思っております」と計画しているという。同作の企画について、松也は自主公演で作った新作歌舞伎『赤胴鈴之助』での達成感が大きく、「演出という立場でやってみたい」と思っていたそうで、「非常に念願というか思いかなったような感じでした。企画から入ってるんですけど、その時から自分で演出をしたいと思っていました。ですから、松竹さんから頼まれたわけではありません」と説明する。さらに『刀剣乱舞』を選んだ理由を聞かれると「まず歴史がメインのテーマになっている。歌舞伎というジャンルは常に歴史との関わりが深い作品ばかりですから。あとはキャラクター造形。洋装のキャラクターもいるんですが、舞台とかミュージカルを拝見して、歌舞伎的要素を盛り込んだ衣装を着ているキャラクターもたくさんいますし、そこに対する思いを感じられるような部分があったので、歌舞伎にしやすいんじゃないかと思いました」と答える。さらに「ゲームのシステムというのを踏襲して、それぞれがオリジナルストーリーを作っているというところに非常に面白いなと感じましたし、そんなコンテンツは他にあまりないと思うんですよね。歌舞伎をやると決めた時点でできるだけ古典らしさを表現したいと思ってましたので、ストーリーが自由であるということで、作りやすいんじゃないかなというところはありました」とコメントした。松也は「これだけ人気のある作品に携わらせていただくというのは光栄な反面、それだけ期待されることも多いですし、僕も『刀剣乱舞』ファンの1人になってるわけですし。それ以外でもファン心理がわかるもので、例えば自分が好きなアニメ作品が映画になる時に、嬉しいのに、反面『どうやって表現していくんだ、この野郎』と期待と不安を抱きながら見たりする時もありますから」とプレッシャーも感じている様子。「それだけの作品を扱うというと、どういうふうに作っていったらいいのか考えてしまうところもあるんですけど、けっこう思い切って歌舞伎に振り切ってます。ファンの方の心理は絶対に無視したくない、残すべきところは残して削ぎ落とすところは削ぎ落として大胆に、物語としてもそういう気持ちを持って取り組んでいけたらいいかなと思います」と意気込んだ。さらに「新作をやる時に常に思ってることは、どんな形で上演しようが、新作を作るんだから、1度だけというつもりではなくてですね。これからも僕が演じるということではなく、これからの新作歌舞伎『刀剣乱舞』というものが、何百年後かに古典歌舞伎として皆さんに愛される、そして後輩たちにやりたいと思ってもらえるような作品にしたいと、常に思いながら作るということは信念に置いてますので、そういうことも意識しながら作っていきたいなと思っております」と語った。また、ストーリーについては「自由で、どの刀剣男士を出さなきゃいけないとか、どの物語でやらなきゃいけないというルールもないので、本当にゼロからだったので、それもけっこう難航したんですね」と振り返る松也。「いろいろ考えた中で、やはり三日月宗近というキャラクターは『刀剣乱舞』の中でも顔ですし、常に中心にいるキャラクターなので、まずは三日月宗近を想定した場合、どういうものができるか考えた中で見つけたのが、足利義輝とのつながりというところで。諸説あるんですけれども、最初の主が義輝の可能性が高いというような話を知りまして、非常に壮絶な最期を遂げていらっしゃって、それも非常にロマンチックでしたし、義輝と三日月宗近のクライマックスを想像するところから着想を得たというのが最初でした」と明かした。公演は新橋演舞場にて、7月2日~27日。
2023年06月05日新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』製作発表記者会見が5日に都内で行われ、尾上松也、尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉が登場した。同作は名だたる刀剣が戦士へと姿を変えた「刀剣男士」を収集し、歴史の改変を企む敵に対抗すべく、 様々な時代の合戦場を攻略していく刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』の歌舞伎作品。今回は十三代将軍足利義輝が討たれた“永禄の変”を、歌舞伎ならではの発想で大胆に脚色する。足利義輝/小狐丸を務める右近は同作の上演について「2.5次元でされてきた中でも、僕も他の舞台でご一緒した高橋健介くん、spiさん、有澤樟太郎くんだとか、いわゆる刀剣男士の先輩たちも歌舞伎化を喜んでくれてまして。『歌舞伎らしさを頭に置きながら自分たちもやってきたところはある。今回歌舞伎役者たちががっつり歌舞伎をやるなら、『それをやられたら俺たち困っちゃうよ』という舞台を作ってほしいとに期待してくれている」と明かす。「変に寄ってくわけでなく、自分たちが知ってる歌舞伎らしさ、歌舞伎の手法、様式を正々堂々と貫き、しっかり噛み合った上で盛り上がっていけるんではないか」と意気込んだ。すでにビジュアルが発表され大きな反響を呼んでいるが、右近は「僕自身も自然な歌舞伎風の扮装ができたなと撮影の時に思って、ビジュアル解禁してからSNSの反応も色々見させてもらって、とても皆さん喜んでいただいてよかったなと。ただ一つ気になったのは、ちょっと顔が長いという……顔が割と面長だなあという評判の方がありまして」と苦笑する。さらに右近は「それはなるべく気にしないでもらいたいなと思ってる中で、1人の方が『右近さんは顔が長いけれども、踊りも芝居も達者で確かな歌舞伎の腕がある俳優さんなので、お芝居を見ていれば気にならないと思います』というコメントがあったので、これだからエゴサーチはやめられないなと思いました」と語り、会場は爆笑。「面長気にならないで、みなさん! 見にきてください」とアピールする。松也が「僕はそんなに面長だとは思わないですけどね」とフォローすると、右近は「いや、嘘つけ!」とツッコミ。松也は「長年一緒にいますからね、わかんなくなっちゃってるのかもしれませんけど」と応えていた。
2023年06月05日