映画『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』やドラマ『美咲ナンバーワン』など、数々の映像作品で活躍する若手俳優、市川知宏。19歳の彼が主演で初舞台を踏む『ピグマリオン』の8月19日の開幕に先がけ、18日、市川と共演の高野志穂による会見と公開稽古が東京・あうるすぽっとにて行われた。チケット情報本作は、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の原作として知られるジョージ・バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』をTHE SHAMPOO HATの赤堀雅秋が脚色・演出したもの。誰の発話からも出身地を当ててしまう言語学者のヒギンズ(市川)と街中で出会った花売り娘イライザ(高野)が、夜分彼の家に押しかけ、淑女の話し方を教えてほしいと懇願する。スラム街風の耳触りな発声のイライザを立派なレディに仕立てるのは、壮大な実験と考えたヒギンズは彼女を家に住まわせ、徹底的になまりを矯正する。やがて、大使館での舞踏会でもイライザは淑女を演じきり、ヒギンズが考える実験は一定の成果を見せたのだが……。イライザが主演の『マイ・フェア~』と違い、『ピグマリオン』は学者ヒギンズが主演だ。会見で市川は初舞台への不安をまったく隠そうともしなかった。それもそのはず、公開稽古で見せた市川のヒギンズは圧倒的なセリフ量で、イライザのみならずピッカリング大佐(みのすけ)、イライザの父(尾藤イサオ)、ピアス夫人(浦嶋りんこ)、友人フレディー(加治将樹)の共演者すべてと絡みがあり、延々出ずっぱり。それでも市川は、手練の役者たちを相手に自然体な演技を見せ、教養があり機知に富んでいるが我儘で傍若無人、かつ寂しがり屋のヒギンズを体現した。「舞台は予想以上に大変。自信ないです……」と語る市川に、かつてNHK連続テレビ小説『さくら』で主演を務め、その後同作品の舞台化で初舞台初主演の経験がある高野がすかさずフォローを入れる。「初舞台初主演のプレッシャーでとてつもないんですよ。葛藤もいっぱいあるだろうけど、彼はそれを外に出さず常にニュートラルな感じで現場に来る。大人だなと思います」。役と正面から対峙するからこそ、あふれ出る不安。市川の成長過程が見える2週間になりそうだ。注目の作品は8月19日(金)から9月4日(日)まで同劇場にて上演。チケットは現在発売中。
2011年08月19日