2024年1月31日、元ボクシング連盟会長の山根明さんが亡くなりました。84歳でした。サンケイスポーツによると、山根さんはがんで闘病しており、大阪府大阪市内の病院で息を引き取ったといいます。山根明氏(やまね・あきら=アマチュアを統括する前日本ボクシング連盟会長)31日、大阪市の病院で死去、84歳。大阪府出身。関係者によるとがんで闘病していた。葬儀・告別式は近親者のみで行う予定。サンケイスポーツーより引用なお、葬儀・告別式は近親者のみで執り行われるとのことです。山根さんは、2000年に開催されたシドニー五輪で日本代表監督、常務理事などを務め、2011年にアマチュアボクシングの競技統括団体である日本ボクシング連盟の会長に就任。選手を国際大会へ積極的に派遣し、ロンドン五輪では複数メダルの獲得をバックアップしました。しかし、2018年に助成金の流用や審判不正などの疑惑が発覚し会長を辞任。翌2019年には連盟から除名されましたが、その後もテレビ番組などで活躍しました。山根さんの突然の訃報は、多くの人に衝撃を与えたようです。ご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2024年01月31日山根康広のデビュー30周年を記念したオリジナルアルバム『I AM』とベストアルバム『PIECE OF LIFE~30TH ANNIVERSARY BEST ALBUM~』が、12月6日(水) に2作同時リリースされた。10年ぶり、通算11枚目となるオリジナルアルバム『I AM』は、未発表曲4曲を含む全11曲を収録。山根の変わらぬメッセージ、夢、希望、そして人生観を注ぎ込んだ作品となっている。山根康広「WITHOUT U」また、デビューから30年の軌跡を辿るベストアルバム『PIECE OF LIFE~30TH ANNIVERSARY BEST ALBUM~』は、180万枚を超えるミリオンセラーを記録した「Get Along Together -愛を贈りたいから-」をはじめ、数々の時代を飾った名曲全30曲が収録されている。山根康広「Get Along Together -愛を贈りたいから-」■山根康広 コメント今の自分を、音楽を通して伝えたい……。そんな想いから『I AM』と名付けたオリジナルアルバムと、活動30年の中で想い出に残る楽曲を、皆様の人生の一欠片(ひとかけら)になってもらえれば……と想いを込めたベストアルバム『PIECE OF LIFE』をリリース致しました。是非お聞き下さい。<リリース情報>山根康広 オリジナルアルバム『I AM』発売中山根康広『I AM』ジャケット【収録曲】1. VELVET MOON RIDER2. 夕立3. WITHOUT U4. 栄光の季節5. 19846. THE ANTHEM-魂の応援歌-7. 破れかけた僕らの愛は8. WALKERS9. IN THE MIRROR10. GUARDIAN11. DIAMOND SIGN配信リンク:山根康広 ベストアルバム『PIECE OF LIFE~30TH ANNIVERSARY BEST ALBUM~』発売中山根康広『PIECE OF LIFE~30TH ANNIVERSARY BEST ALBUM~』ジャケット【収録曲】■Disc11. Get Along Together -愛を贈りたいから-2. GOOD-BYE LOVE ROAD3. YELLを君に4. 恋人よ5. 永遠の約束6. 恋という名の翼7. FINAL CHANCE8. Everyone9. ALWAYS-いつまでも変わらない-10. STAGE -Born in 66-11. She’s my Lady12. Mr.FRIENDS13. ALWAYS Ⅱ14. 少年15. 観覧車16. I’LL BE THERE■Disc21. BOYS & GIRLS2. on the BACK STREET3. SIDE BY ME ずっと伝えたくて・・・4. この愛をかけて5. TAKE A CHANCE6. SINCERELY7. 夜間飛行8. 八月の詩9. 林檎の木10. WHITE LOVER11. 唇よ愛をさけべ12. CLOUD 913. 愛しのマリア14. MUSICMAN配信リンク:
2023年12月07日お笑いタレント『アンガールズ』の山根良顕さんが、2023年7月8日にInstagramを更新。同月の6日に出演したバラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)のコーナー『ダレダレ?コスプレショー』で披露した、コスプレ姿を公開しました。実年齢よりも高齢に見えるよう施された化粧のおかげで、迫力満点です! この投稿をInstagramで見る ungirls yamane アンガールズ山根(@ungirls_yamane)がシェアした投稿 写真だと、一見して誰だか分かりづらいほど見事な変身ですね!山根さんが扮したのは、アニメ『転生したらスライムだった件』で主人公たちに剣技を指南する、ハクロウというキャラクター。『大鬼族(オーガ)』のため、額にはツノが生えています。投稿には、こんなコメントが寄せられました。・なかなかの迫力ですね!・目と鼻山が根さんですね。・そのままでいいほど、よく似合っています。・この姿で相方の田中さんとコントをしてほしい。…しかし!動くと山根さんだということが分かりやすかったようで、番組内では早々に正体がばれていました。総メークに3時間、コスプレ衣装の総額は約42万9千円とのことですが、手を掛けたことで返って本人になじみすぎたのかもしれませんね。今後のコスプレ姿も多くの人に期待されています。[文・構成/grape編集部]
2023年07月08日2023年1月26日、お笑いコンビ『アンガールズ』の田中卓志さんが結婚を発表しました。長年『モテないキャラ』で知られていた、田中さん。しかし、2021年頃に『15年ぶりの恋人』ができ、バラエティ番組などでなれそめを明かしていました。田中さんによると、2023年の元旦にプロポーズを行い、同年1月22日に入籍をしたとのこと。おめでたいゴールインの発表に、ネットからは多くの称賛する声が上がっています。アンガールズ田中卓志の結婚に、相方・山根良顕も祝福結婚が発表されたのは、『アンガールズ』の冠番組である、ニッポン放送のポッドキャスト特別番組『アンガールズのジャンピン』。相方である山根良顕(やまね・よしあき)さんは同番組で田中さんを祝福し、後に自身のTwitterアカウントでこのように想いを明かしました。めでたいね〜反応薄いとか、もっと色々聴かないの?とか言われそうだから先手打っておこうw多分田中が彼女が出来ても、結婚しても別に不思議な人だと思ってないからだろうな人としてちゃんとしてるし、そんなに気持ち悪く無いからねw20年以上一緒にいるから #アンガールズANNP — アンガールズ山根良顕 (@ungirls_yamane) January 26, 2023 大学時代からの付き合いであり、『アンガールズ』として20年以上ともに活動をしてきた、田中さんと山根さん。田中さんの結婚発表に「リアクションが薄い」と思われそうな反応だった理由について、山根さんは「田中が結婚をしても、人としてまったく不思議じゃないから」と述べました。長い付き合いだからこそ、山根さんは田中さんの人柄のよさを理解しているはず。投稿からは、山根さんの強い『相方愛』が伝わってきます。分かりやすく派手なリアクションで祝福をせずとも、相手への愛や絆が伝わってくる山根さんのメッセージ。投稿は拡散され、多くの人がその内容に心打たれたようです。・田中さんの幸せを『当たり前のこと』と受け取っていることに感動した。・そんなこといわれたら泣いちゃうやんけ~!本当にいいコンビだなあ…。・「そんなに気持ち悪くない」で笑った。なんて温かいコメントだろう。2013年に結婚し、1児の親でもある山根さん。相方、そして友人だからこそ、多くは語らずとも誰より田中さんの幸せを喜んでいることでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年01月27日2015年に誕生した娘さんを育てている、お笑いコンビ『アンガールズ』の山根良顕さん。山根さんは、娘さんのことを溺愛しており、自身のInstagramやブログで子煩悩っぷりを発揮しています。娘さんが幼稚園に入園した2018年4月には、初めて我が子のためにお弁当を作りました。 この投稿をInstagramで見る ungirls yamane アンガールズ山根(@ungirls_yamane)がシェアした投稿 初めて娘さんのお弁当を作った時には「色味がなあ…」「みんな、子供のお弁当に何を入れていますか?」と、手探り状態だった、山根さん。ファンから「枝豆を入れるといいですよ!」「ほうれん草とハムを炒めた物も、彩りがきれいになります!」と、さまざまなアドバイスを受けていました。その後、応援の声を受けながら、お弁当を作り続けた、山根さん。2021年11月には、彩り鮮やかなお弁当の写真を投稿しています。 この投稿をInstagramで見る ungirls yamane アンガールズ山根(@ungirls_yamane)がシェアした投稿 初めて作ったお弁当と比べると、色とりどりで見るのも楽しく、おいしそうです!娘さんのために、日々、愛情を込めてお弁当を作ってきたことが伝わってきますね。そんな山根さんは、2022年3月29日に、自身のブログを更新。娘さんが登園する最後の日まで、お弁当を作り続けてあげたことを報告しました。幼稚園のラスト弁当。作って出勤!頑張ったなぁ。アンガールズ山根良顕オフィシャルブログーより引用「頑張ったなぁ」という言葉に見合う、お弁当作りの上達ぶりに拍手を送りたいですね。山根さんの投稿に、さまざまな声が寄せられました。・お弁当を頑張って作っているのをいつも見ていました!幼稚園ラストのお弁当とのことで、お疲れ様でした!・お弁当、カラフルでかわいい!娘ちゃんにとって、自慢のパパだろうなー!・これまでの愛情たっぷりのお弁当の投稿、毎度「すごいな」と感心しながら見ていましたよ。娘さんも、一生忘れないでしょう。子煩悩な山根さんは、これからも娘さんのために、お弁当や料理を作ってあげるのでしょう![文・構成/grape編集部]
2022年03月30日AKB48の山根涼羽がMCを務め、ライブ配信アプリ「17LIVE(ワンセブンライブ)」にて実施されていたライブ配信番組『AKB48広報 山根涼羽と○○な2人』が25日の配信をもって最終回を迎えた。11月から全13回にわたり配信されてきた同番組が今回で最終回を迎えるにあたり、山根は「『今日最終回か……』っていうよりは、13回全部やり切れたなっていう気持ち」としみじみ。続けて「これ(この番組)こそターニングポイントになった。17LIVEのスタッフさんが私を見つけてくださって、『ぜひ、ずんちゃんに番組をやってほしい!』という気持ちがすごく嬉しかったし、続けることは難しいけど、続ければ何かがあるっていうのを皆さんに証明できたのかなって思います」と晴れやかな表情を浮かべた。そして、サプライズでファンから届いた花束と手紙が贈呈されたあと、改めて「この番組をしたことによって、何かに繋げられるように」と決意を新たにした山根。「この後の私の活動で、スタッフさんに『ずんちゃんを選んで良かったな』って思ってもらえるように、これからも頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします」と意気込みを語った。
2022年01月30日AKB48の山根涼羽がMCを務めるライブ配信番組『AKB48広報 山根涼羽と○○な2人』(毎週火曜20:00〜)が11月30日、ライブ配信アプリ「17LIVE(ワンセブンライブ)」にて配信され、27日に卒業コンサートを開催した横山由依がゲスト出演した。3代目AKB48グループ総監督を務める向井地美音と「総監督な2人」として登場した横山。神奈川・パシフィコ横浜で開催した卒業コンサートは17LIVEにて無料独占ライブ配信され、9日23時59分まで無料アーカイブ配信も行われている。横山自身、「アーカイブは2回フルで観て、ちょこちょこ(部分的に)も観てる」と話していた。山根は、母親と一緒にカフェで当日のライブ配信を視聴していたと言い、「カフェで大号泣してました」と告白。このエピソードを聞き、横山が「カフェで観るものではないかも(笑)」とツッコミを入れると、山根は「泣かずに(公演を楽しんで)観られるのかなと思ってたら、序盤からエモすぎて。もう大号泣でした」と説明した。また、向井地が「ずっとカフェで観てたの?」と確認すると、「(大号泣した後も)ずっと観てました」と山根。「店員さんも『えっ……』って感じで見てて」と周囲の視線を感じながらも、横山の卒業コンサートを楽しんだことを明かした。
2021年12月01日話し込むほどに、とてもよい音楽家だと感じさせる人だ。ヴァイオリニストの山根一仁が2月、埼玉、静岡、京都、そして東京をめぐるリサイタルを開く。ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番《春》とフランクのヴァイオリン・ソナタを核に、シュニトケの《古い様式による組曲》、ストラヴィンスキーの《イタリア組曲》というプログラム(順不同)。【チケット情報はこちら】ベートーヴェンやロシア音楽は、彼の音楽との関わりの原点のような作品でもあるのだそう。「2~3歳の頃、音楽に興味を持ったきっかけが、家にあったプロコフィエフの《ピーターと狼》のバレエのビデオ。そして4歳でヴァイオリンを始めたきっかけが、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番。その後も、(ロシアの大ヴァイオリニストである)オイストラフ門下のオレグ・クリサ先生に教えていただいていたので、ロシア音楽にはずっと親近感を持っています」ベートーヴェンに夢中になったのも、音楽好きのご両親が録り溜めていたビデオがきっかけ。「小学1年生の頃、カルロス・クライバーが1986年に東京で指揮した交響曲第4&7番にハマりました。とくにティンパニ。親にスコアを買ってもらって、学校から帰ると毎日、菜箸で座布団を叩いてました(笑)」共演は同い年のピアニスト小林海都。昨秋、ミュンヘンの山根の自宅で、プログラムを相談しながら、いろんな曲を弾きまくった。「とにかく、ただ音楽に触れているような楽しい時間でした。海都くんは、互いに意見をぶつけることを楽しめる、大好きな相手です。ぶつける時間を取れること自体が大切で、効率を求めればぶつからない。でも妥協が生まれ始めたら、それは絶対にいい音楽につながりませんから。ふたりでこのプログラムを演奏できることが楽しみだし、全部の曲が、“僕ら”にすごく合っている。いい4曲が選べたかなと思っています」演奏家でも、作曲家・作品でも、表現者の人間性が強く出ていることに惹かれると話す。たとえばヴァイオリンのギドン・グレーメルや先述のクライバーの唯一無二の個性。「彼らは自分を出しきりながらも音楽を尊重しています。クレーメルが、『美しさを求めたことはない』というようなことを過去に話しているのですが、もちろん、彼は美しい音でも弾くんですけど、それは音楽を求めた結果だということなんですね。音楽の中の美しさを見つけるのが音楽家の仕事であって、美しさを求めたらダメなんです。音楽の中には、汚い部分、くさい部分もあります。それを出せる音楽家になりたいと思っています」「つねに音楽に正しくあれ」これが、現在ミュンヘンで師事するクリストフ・ポッペンの教えだという。演奏はもちろん、音楽を語ることにも、飾ることなく真摯に誠実に向き合う山根は、まさにそれを体現している。もちろん「正しさ」はひとつではないだろう。2月のリサイタルは、彼の現在の解答を示してくれるはずだ。取材・文:宮本明
2020年01月31日お笑いコンビ・アンガールズの山根良顕が15日、都内で行われた「第9回イクメンオブザイヤー2019」の授賞式に出席し、相方・田中卓志への感謝の思いを伝えた。今年で9回目となる「イクメンオブザイヤー」は、「イクメンの日(10月19日)」の制定記念イベントとして開催され、「育児を楽しみ・頑張ったパパ=イクメン」の著名人が毎年表彰されている。山根は2013年11月に一般女性と結婚し、2015年5月に第1子となる女児が誕生。「イクメン芸人部門」で表彰されたことを受け、「こういう賞をとれたのも妻、会社のみなさん、そしてまだ独身でいる相方のおかげだと思っております」と周囲の支えに触れ、「これからも子育てがんばって、みんなで楽しく子育てができるような環境になるようにがんばっていきたい」と決意を新たにした。一方で、“イクメン度”の自己採点については、「子育ての面に関していうと60点ぐらいはいけると思うんですけど、奥さんからの評価でいうと55点ぐらい」と控えめ。「パパになって結構やることが増えたりしたんですけど、その(妻の)要望に全部応えられなかった」とその反省点を挙げた。そんな山根にとっての「イクメン」とは、「ママにとっての一番のプリンス」。「結婚してパパとママになっちゃうんですけど、ママはずっとプリンセスでいたいかなと。一番の理解者で一番かっこよくママを愛してあげることが大事かなということで、こういう言葉にしました」とその真意を説明した。終了後の囲み取材で、「パパもママも一緒にやることなのに、パパだけが表彰されるとか『がんばってるね』とか言われるのはちょっとどうかと思ったんですけど、『パパがやるのも普通になってきている』が浸透していくことにちょっと参加できるのであれば」と正直な思いを語った山根。「自分だけでとれた賞じゃなくて。本当に。奥さんや会社の人のスケジュール調整、相方がせっせせっせとアンガールズというものを残すためにネタを考えたりしてくれているから、僕がその分ちょっと育児に携われたというだけで」と周囲の支えにあらためて感謝していた。山根のほか、お笑いコンビ・NON STYLEの石田明が「知育メン部門」、俳優の杉浦太陽が「イクメン一般選出部門」、元巨人監督でプロ野球解説者の高橋由伸氏が「イクメンスポーツ部門」、YouTuberのSEIKINが「イクメン動画クリエイター部門」を受賞した。
2019年10月15日海外各都市を巡る国際的アーティスト・鈴木康広の作品「ファスナーの船」が、「Edo⇄2018 すみだ川再発見!『ふねと水辺のアートプロジェクト』」の第3弾として、隅田川の吾妻橋から桜橋の川岸付近を12月14日から28日まで運行する。©Yasuhiro Suzuki 瀬戸内国際芸術祭2010に出展日常の何気ない風景や身近な物からインスピレーションを受け、物事の見方を変える作品を国内外で多く発表している鈴木の作品の中でも人気が高い「ファスナーの船」。水面をカンバスとし航跡波を描きながら進む姿を、金具がスライドして布を開くファスナーに見立てた本作品は、鈴木が飛行機から東京湾を眺めていた際、とある船がふとファスナーの金具に見えたことからアイデアが生まれた。「ファスナーの船」プロジェクトは2004年にラジコンの模型からスタートし、2010年には瀬戸内国際芸術祭にて、実際に船長が操縦する作品として公開。この度、都市の「川」では初運航となる。初運航となる隅田川は、江戸のころから庶民の遊び場であるとともに、武蔵国、下総国という2つの国を隔てる国境でもあった。そんな境界の役割を担ってきた隅田川が、「ファスナーの船」で開かれたり、繋がったりする様を表現。隅田川の「新しい未来を開く」象徴として、吾妻橋から桜橋の川岸付近を運航する。鈴木は「飛行機の窓から見下ろした船をファスナーに見間違えたことをきっかけに『ファスナーの船』を着想しました。2010年に瀬戸内海、2011年に浜名湖を開き、いよいよ東京にやってきました。今回、開く隅田川はいつの時代にもそこに住む人々の生活に欠かせなかった歴史的水脈。現在の東京を映す隅田川の水面を開くことで、都市の深層に流れる記憶を呼び覚まし、隅田川の新鮮な見方が生まれるきっかけとなれば嬉しいです」と、コメントしている。シエロ イ リオ「ふじりんごの包み焼き」(750円)また隅田川沿いのリバーサイドカフェ、シエロ イ リオでは、隅田川とゆかりのある葛飾北斎が描いた名所浮世絵「冨嶽三十六景」の1図である「凱風快晴」(赤富士)をイメージした限定スイーツ「ふじりんごの包み焼き」(750円)を12月28日まで提供予定。ラズベリーパウダーで染めたサクサクの薄皮、パータフィロにふじりんごのコンポート、アクセントに柚子を練り込んだ白餡を添えた一品となっている。隅田川を走る「ファスナーの船」と合わせて、美しいスイーツを楽しんでみては。【イベント情報】ファスナーの船会期:12月14日〜12月28日会場:隅田川・吾妻橋~桜橋の川岸付近(下記時間帯に往復)時間:12:00~14:00 ※時間は前後する可能性あり料金:観覧無料 ※天候や川の状況により中止の場合あり【店舗情報】リバーサイドカフェ シエロ イ リオ住所:東京都台東区蔵前2-15-5 MIRROR 1・3F 時間:月~金 ランチ11:30~15:00(L.O.)、ディナー17:30~22:00(L.O.)、カフェ11:30~22:30(L.O.)/ 土日祝 ランチ11:00~15:00(L.O.)、ディナー17:30~22:00(L.O.)、カフェ11:00~22:30(L.O.)
2018年12月12日木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、アーティスト鈴木康広の新作絵本『りんごとけんだま』。東京・恵比寿の本店・ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff a/p/a/r/t 1階)によるご紹介です。■『りんごとけんだま』鈴木康広『ぼくのにゃんた』に続く、待望の新作絵本『りんごとけんだま』。本書は、見慣れたものを新鮮な感覚でとらえ直し、数多くの作品を制作してきたアーティスト・鈴木康広の代表作「りんごのけん玉」の作品世界が描かれている。けん玉の赤い玉は、まるで真っ赤なりんごのよう。そんな自由な発想で、物を本来の役割や意味から切り離し、別の物として見る「見立て」の面白さが感じられる絵本だ。物語はニュートンの万有引力の発見にまで及び、本当にけん玉の玉は元々りんごだったのでは? と思ってしまうほど。鈴木康広のやわらかな線で描かれたイラストは、子どもだけではなく、大人たちの心も掴んで離さない。絵本を読みきかせたあとは、「これは何に似ているね。」と会話が広がり、子どもと一緒に身近なものから新しい発見ができそうだ。なお、『りんごとけんだま』の刊行を記念し、NADiff a/p/a/r/tでは、新刊絵本『りんごとけんだま』(ブロンズ新社)、オリジナルプロダクト「りんごのけん玉」(more trees)、アートブック「木漏れ日のノート」(福永紙工)の店内展示を行うとともに、鈴木康広のトークイベントも開催。また、NADiff系列全店舗のTwitterやInstagramでは、お店のスタッフが「見立て」の投稿を行う。関連商品をお買い上げの際には、投稿をいいねやリツイートすると特製バッジをプレゼントしているので、絵本とあわせて当フェアもチェックしていただきたい。【書籍情報】『りんごとけんだま』著者:鈴木康広出版社:ブロンズ新社言語:日本語32ページ/263×212mm発刊:2017年10月価格:1,400円【イベント情報】フェア何に似ている?-鈴木康広「見立て」の世界会期:2017年10月19日〜11月26日会場:ナディッフ アパート(NADiff a/p/a/r/t)住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4時間:12:00〜20:00月曜日定休(月曜日が祝日の場合は翌日)■FAIR&TALK 何に似ている?-鈴木康広「見立て」の世界トークイベント新刊絵本『りんごとけんだま』刊行記念「ロンドン→箱根・よもやま話」会期:11月24日会場:ナディッフ アパート(NADiff a/p/a/r/t)時間:19:30~21:00(開場19:00)料金:1,000円
2017年10月26日アーティストの鈴木康広による新刊絵本『りんごとけんだま』の刊行を記念し、「ロンドン→箱根・よもやま話」と題したトークイベントが東京・恵比寿のナディッフ アパート(NADiff a/p/a/r/t)にて開催される。日常生活で「これは何かと似ている」と思うあるものを、別の何かに置き換えて表す技法を「見立て」という。鈴木はけん玉の赤い玉をリンゴに、船の航跡をファスナーに見立てるなど、日常生活の中の見慣れたものや事象を独自の視点で捉え、世界の見方を想像力豊かに広げる作品を多く生み出してきた。ナディッフ アパートではトークイベントのほか、鈴木の「見立て」の世界に触れられる企画として、新刊絵本『りんごとけんだま』、オリジナルプロダクト「りんごのけん玉」(more trees)、アートブック「木漏れ日のノート」(福永紙工)の店内展示を10月19日から11月26日まで行っている。なお、トークイベントの参加は事前に店舗へ電話(03-3446-4977)またはメール(webshop@nadiff.com/名前、電話番号、参加人数を入力)にて申し込みが必要。【イベント情報】トークイベント新刊絵本『りんごとけんだま』刊行記念「ロンドン→箱根・よもやま話」会期:11月24日会場:ナディッフ アパート(NADiff a/p/a/r/t)住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4時間:19:30~21:00(開場19:00)料金:1,000円
2017年10月16日島根県出身のシンガー・ソングライター、山根万理奈がニューアルバム『山根万理奈とマリナッチ楽団』を5月11日(水)にリリース。同作についてぴあのインタビューに答えた。【チケット情報はこちら】山根は同作のコンセプトについて「前作『愛と妄想、25歳。』は、“今の私”というコンセプトで、等身大で自分の考えていることを反映したアルバムだったんですけど、今回は”旅と音楽と出会い”というコンセプトで作りました。自分のモードも開いていきたいし、明るい気持ちになれるものがいいなと思って」と説明。前作から一変してタイトルもユニークだ。「タイトルからわかりやすい、パッとインパクトのあるものにしたくて。自分の名前をニックネームで入れちゃうのどうだろうとか。“まりちゃん”、“まりっぺ”とかの流れで“マリナッチ”が、“マリアッチ”(=メキシコでお祭りなど華やかな行事で親しまれてきた楽団様式)みたいでいいなということで、このタイトルにしました」。サウンドも前作からずいぶん変化がみられた。「前回、バンドの一発録りですごくいいものが出来て、本当に納得のいくものになった。でも以前からエレクトロニックな音楽もやりたくて。そんな頃に地元でライブをしたときに今回アレンジをしてくれたLiLica*ちゃんと一緒で、電子オルガンが私の歌と合ってるねって反応も良くて、そこからヒントをもらいました」。山根本人が作った曲が大半だが、曲提供を受けたものも数曲。Hanasalはデビュー前に出会った作曲家チームで、私が歌をやると決めたきっかけ。『くすりゆび』はデビュー前からあった曲で2014年に配信限定でリリースしたんだけど、もっといろんな人に聴いて欲しいと思って、このアルバム・アレンジで収録しました。『ラズベリー』は以前からライブでは歌ってる曲で、具志堅巨樹さんが私のために書いて下さった曲です」。そしてアルバム制作の資金を募集する「クラウドファンディング」を採用している山根ならではのエピソードも。「クラウドファンディングの特典で「オリジナルソング制作」というのがあって、前作の企画で7~8曲作ったんですけど、『JOY!』と『魔法にかけられて』の2曲はアルバムのコンセプトにも合うから“よかったらアルバムに入れたいんですけど”と特典をあげた方にお聞きして、収録したんです」。音楽配信サイトでは、CDリリースに先駆けて4月6日より配信中。4月3日東京・下北沢lownから始動した「山根万理奈とマリナッチ楽団リリースツアー~season1~」が先日終了。5月14日(土)から「~season2~」がスタート、「~season3~」の10月1日(土)下北沢lown公演まで、チケットは発売中。またCD発売日の5月11日(水)20時から、タワーレコード渋谷店にてミニライブ&サイン会も予定されている。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2016年05月11日島根県出身のシンガーソングライター、山根万理奈のニューアルバム『山根万理奈とマリナッチ楽団』が完成。iTunesなどの音楽配信サイトでは4月6日(水)より、CDは5月11日(水)より発売開始される同作のレコーディング現場を取材した。【チケット情報はこちら】レコーディングは神奈川県横浜市にある一軒家で行われた。最寄り駅から15分以上歩き、田畑が広がるエリアで、まさかここで音楽制作が行われているとは思えないロケーション。ここは、1階にボーカルを収録するブースがあり、2階に音源を録音、調整するミキサー卓や機材が並ぶ。訪れたときはアルバムのオケと主要なボーカルは収録を終えていて、コーラスなどの音を重ねる作業中だった。2階に陣取るディレクターとエンジニアと意見交換をしながら、アイデアを練る山根。スマホアプリのピアノで音を手繰ったり、ギターを抱えて譜面とにらめっこしたり。1階のブースで歌い、2階のスタッフと録った音源をプレイバックして確認。さらに2階に上がって打ち合わせするなど、試行錯誤し、たくさんの可能性を試しながら進行していく。まさに作品が誕生する瞬間を垣間見ることができた。山根は、2009年からYouTubeに顔を出さずにギター弾き語りの動画を投稿して話題を集め、2011年7月にメジャー・デビュー。その後活動の場をインディーズに移し、前々作『歌って happy!』、前作『愛と妄想、25歳』に続いて本作も、制作費をクラウドファンディングで募った。今回は目標金額350万円を掲げて募集したのに対し、205人が賛同し、目標を大きく上回る414万円を超える資金が寄せられ、山根への期待の高さを証明してみせた。そんなファンの想いも力にして完成したアルバム。4月3日(日)下北沢lownより同作のリリースを記念したツアー「山根万理奈とマリナッチ楽団リリースツアー~season1~」がスタートする。「~season3~」の10月1日(土)下北沢lown公演まで、チケットは発売中。取材・文・撮影:浅野保志(ぴあ)
2016年04月01日島根県出身のシンガー・ソングライター、山根万理奈が5月11日(水)にアルバム『山根万理奈とマリナッチ楽団』をリリースする。アルバムは前々作『歌って happy!』、前作『愛と妄想、25歳』に続いて、制作費をクラウドファンディングで募っている。【チケット情報はこちら】山根は、2009年よりYouTubeにて顔を出さずにギター弾き語りの動画を投稿して話題を集め、2011年7月にメジャーデビュー。その後活動の場をインディーズに移し、胸に染み入る切ない歌声と、実直でひたむきで聴く人をハッピーにさせる心豊かな音楽性で、作品ごとにその歌世界を自在に変化させながら、唯一無二の魅力を放っている。音楽活動のほかにも、昨年放送されたTVドラマ『園山俊二と国境の二人』では女優デビューも果たした。同作は山根と同じ島根県松江市出身の漫画家、園山俊二を題材にしたドラマ。山根は園山の妻・宏子役を務めた。昨年末に中国地方でのみオンエアされた同作の全国放送が、NHK総合で2月17日(水)午後3時15分より決定している。山根はアルバムのリリースツアー「山根万理奈とマリナッチ楽団シーズン1」を4月3日(日)東京・下北沢lownより開始。「シーズン3」の10月1日(土)下北沢lown公演まで、チケットは発売中。文:浅野保志(ぴあ)
2016年02月15日島根県出身のシンガーソングライター、山根万理奈が6月24日(水)にアルバム『愛と妄想、25歳。』をリリースする。同作は収録された曲のほとんどをバンドとの一発録音でレコーディング。女性ならではの恋愛感情や、母親に向けた素直な想いなど、感情移入しやすい歌詞と、表現豊かなボーカルが魅力の作品だ。山根万理奈は2011年7月にメジャーデビュー、その後活動の場をインディーズに移し、前作『歌って happy!』は、事前に制作費を募るクラウドファンディングで資金を調達。今回リリースした作品も同様に資金を募り、目標を上回る資金を集めた。現在、同作のリリースに伴い、全国ツアーも実施中。ツアーファイナルは8月9日(日)東京・lownで行われる。チケットは発売中。■アルバム『愛と妄想、25歳』6月24日(水)発売2700円BUCA-1039BURGER INN RECORDS<収録曲>01. 砂漠のマーメイド02. X-day03. 時のまにまに04. ふたりのとき05. ワイキキ・チェキラ・シェキラ・ビーチ06. てつやの恋人07. 誰よりも08. たぶんね09. オトメコーヒー10. 街角11. あなたとわたしのうた
2015年06月23日大晦日恒例の『NHK紅白歌合戦』が目前に迫ってきた。CD不況でかつてのようなヒット曲が生まれないなか、近年では「賞味期限切れ」「オワコン」などと批判されることも多い紅白。確かに、知らない歌手や曲ばかりが次々と登場するにもかかわらず、「他に見たい番組もないし……」となんとなくで見続けてしまう人も少なくないだろう。しかし、仮にも国営放送局が1年間の総力を挙げて制作する最強コンテンツを、ただ惰性で見てしまうのはもったいない。「好き/嫌い」や「知ってる/知らない」といったレベルではない、もっと違った楽しみ方があるはずだ。そこで今回は視点を一段上に移して、1994年と2014年の2つの紅白歌合戦の「歌詞」に注目しながら、20年前と現在の流行や世相の変化についてあれこれ考えてみようと思う。「歌は世につれ世は歌につれ」とことわざにもある通り、「上から目線」に立ってみれば、TV画面の裏側に大きな時代の流れのようなものが見えてくるかもしれない。なお、今年の紅白の曲目は12月22日現在、まだ全ては発表されていない。そのため、本記事で取り上げる今年の曲は、大手スポーツ紙などが行った予測を基にしていることを予めご了承いただきたい。○20年前の紅白は7割以上が「ラブソング」だった「歌といえばラブソング」と言っていいほどに、恋愛を題材にした歌は昔から流行歌の主役である。実際、1994年の紅白歌合戦では出場した50組のうち37組がラブソングを歌っている。実に7割以上。当時の放送時間は3時間45分だから、単純計算で2時間半以上にもわたって延々と恋の歌が流れていたことになる。ところが、今年の紅白を見てみると、ラブソングを歌う予定であるのは全51組中わずか21組。流行歌の代名詞だったラブソングは、今や全体の半分以下にまで激減しているのだ。今年はラブソングのかわりに何が“キテる”のかは後述するとして、ラブソング全盛期だった94年についてもう少し詳しく見てみよう。実は、同じラブソングといっても、男性歌手と女性歌手とで内容が大きく違うのである。例えば、当時ミリオンセラーとなった山根康広の『Get Along Together』では、“誰より君を愛してる”、“もう二度と放さない”、“ずっと守ってゆく”といった、非常にストレートな「好きフレーズ」が頻出する。また、この年初出場だったTOKIOも、デビュー曲『LOVE YOU ONLY』で、“君が好きだよ”、“君がすべてさ”、“会った瞬間”に“胸の時計”は“動きを止めた”などと、こちらが恥ずかしくなるくらいに「好き好き」メッセージを放っている。恋愛に対して、今まさに燃えている真っ最中であるのが、20年前の男性歌手の特徴なのである。それに対して、女性は恋が燃え尽きた後、つまり失恋を題材にした歌が多い。中山美穂『ただ泣きたくなるの』やDREAMS COME TRUE『すき』などがその代表だ。特にドリカムは、“心に穴があく”、“バスタブにうずくまった”、“抱いた膝”に“こぼれるしずく”など、詞を読んでいるだけでも辛くなるフレーズばかりだ。また、演歌勢でも田川寿美『女…ひとり旅』、伍代夏子『ひとり酒』と、2曲も「ひとり」という言葉をタイトルにした曲が歌われている。当時40%以上の視聴率を誇った超人気番組で、次々と失恋の歌が繰り広げられていたというのは、考えようによってはなかなかすごい。また、失恋ソングではないものの、久宝留理子の『早くしてよ』も時代を感じる1曲だ。恋人が待ち合わせているシチュエーションを歌った曲で、“怒る顔が今日は見たくて”、“待ち合わせの時間わざと遅らせて”みたのに、いざ待ち合わせ場所に来てみたらあなたがいない、というすれ違いが描かれている。2014年であればここで会えない辛さを西野カナ的にポエム化するところだが、久宝留理子は“早くしてよ”、“何してるのよ”、“何様のつもり”とぶちキレるのである。なんともエネルギッシュだ。こうして見てみると、男性が単純な「好き」という歌であるのに対して、女性の方が表現のバラエティに富んでいることが分かる。当時の女性の恋愛に対する関心の高さや恋に注ぐエネルギーの多さがうかがえる。○ジャニーズにまで及んだ「応援歌」系の勢いでは2014年に視点を移してみよう。ラブソングが減ったかわりに近年急増しているのが「応援歌系」だ。この系統の隆盛は『世界に一つだけの花』(2003年)以来の潮流だと考えられるが、今年はなんといってもMay.Jの『Let It Go~ありのままで~』がその筆頭に挙げられる。大ヒットを記録した映画『アナと雪の女王』の主題歌として、“ありのままの~”というフレーズは毎日のようにTVやネットで流された。“ありのままの自分”を肯定しようとするこの歌は、“特別なオンリー・ワン”を目指した『世界に一つだけの花』の、いわば直系にあたる応援歌といえるだろう。「応援歌系」急増の勢いはジャニーズにまで及んでいる。ジャニーズ勢最若手のsexy zoneは『男 never give up』において“夢諦めんなよ”、“おまえらしくススメ”、“すべてにチャレンジ”と、これでもかというくらいに元気づけようとしてくれる。タイトルからも分かる通り、この曲のターゲットはもはや女の子ですらない。かつてはティーン女子に甘いラブソングを提供していたジャニーズのイメージも今は昔である。一方、ラブソングの大供給勢力である演歌勢にも変化が見られる。藤あや子『海峡しぐれ』、香西かおり『一夜宿』、五木ひろし『桜貝』はいずれも演歌定番の別れの歌。しかしかつてのような、単に好きな人が去ってしまったというシチュエーションではなく、“今度この世に生まれたら”(『海峡しぐれ』)、“生まれかわっても命はひとつ”(『桜貝』)といった歌詞から、相手が既にこの世にいないことがうかがえるのだ。失恋の別れではなく、今生の別れであるところがなんとも重たい。演歌を好むのは一般的に年長世代だが、演歌の歌詞にも高齢化の波が押し寄せているのかもしれない。○着実に勢力を伸ばす「マイルドヤンキー系」さて、ラブソングから応援歌という大きな潮流の変化の中で、新興勢力が台頭しつつある。それが「一体感系」だ。これは「応援歌系」の亜種とも考えられるが、自分や特定の誰かひとりが対象だった「応援歌系」とは異なり、「一体感系」は仲間や家族との絆、彼らと共に夢を目指す高揚感を歌っているのが特徴だ。その極致ともいえるのが、椎名林檎の『NIPPON』である。サッカー日本代表のNHK応援ソングに選ばれた曲だが、“万歳”、“出陣”、“鬨の声”、“我らの炎”など、応援というよりも「応援するおれたち」の方がむしろ歌詞では重視されている。昨年、紅白を勇退した北島三郎の名曲『まつり』にも通じるものを感じるが、今思えばあの曲は「早すぎた『一体感系』」だったのかもしれない。「一体感系」でいえば、今年は是非SEKAI NO OWARIに注目したい。中学生の自作の小説のような世界観から「中2」などと揶揄されがちなセカオワだが、ヒット曲『Dragon Night』では、互いの“正義”で争っていた“僕たち”が“百万年に一度”の“今宵”だけは戦いをやめて“歌”い“踊”るという、過酷な状況を克服する友情や絆をテーマにしているのである。メンバー同士が共同生活を送るなど、限られたコミュニティ内での仲の良さや絆の強さを地でいくセカオワは、椎名林檎のような強い「一体感系」に対して、「マイルドヤンキー系」というさらなる新種に分類されるべきだろう。「マイルドヤンキー系」といえば、マイルドヤンキー界の大スターであるEXILEは外せない。今年リリースした『NEW HORIZON』では、 “いつだってあきらめない”僕らは“その先に見える世界”を目指し“始まるparty time”と、「応援歌系」と「一体感系」が見事にハイブリッドされた歌を披露し、抜群の安定感を誇っている。彼らの弟分である三代目J Soul Brothersも『R.Y.U.S.E.I.』の中で、“この瞬間を共に過ごしたい仲間”、“人生一度きり”、“DREAM”と、次世代の「マイルドヤンキー系」として期待が持てそうな世界観の片鱗を見せている。新勢力ながらその多くがまだ若手である「マイルドヤンキー系」は、今後紅白の主役に躍り出る可能性を秘めているのだ。○まとめこうして見てみると、ラブソングが圧倒的な優位を保っていた94年と違って、紅白の勢力図はさながら群雄割拠の戦国時代のような様相を見せているのが分かる。そして、恋愛に代わって「自分らしく(=応援歌系)」、「みんな一緒に(=一体感系・マイルドヤンキー系)」といった感性が受け入れられ始めているのは、時代の空気の変化と無縁ではないはずだ。なお、様々な楽曲の歌詞についてはJOYSOUNDのWebサイトで無料で見ることができるので、気になった人は見てみてほしい。大晦日、「知らない歌ばかりだ」とTV画面に向かってディスるのではなく、歌詞に注目することで自分なりの見どころを探してみてはいかがだろうか。
2014年12月26日