「山縣良和」について知りたいことや今話題の「山縣良和」についての記事をチェック! (2/3)
モデルで女優の中条あやみが25日、東京・国立代々木競技場第一体育館で開催中の「第24回 東京ガールズコレクション 2017 SPRING/SUMMER」(以下TGC)に出演し、ウエディング風衣装で魅了した。中条は、日本発のカシミアブランド・beachme、デザイナーの山縣良和、TGCがトリプルコラボした「beachme special STAGE」に登場。TGCのビジュアルにも使用されているキャラクター「CANDY GIRL」からインスピレーションを得て、高級カシミアニットで制作した巨大なウエディング風衣装をまとい、頭には巨大なキャンディの飾りをつけ、"リアルなCANDY GIRL"に扮した。そして、松田聖子の楽曲「SWEET MEMORIES」が流れる中、優雅にランウェイを歩いて観客を魅了。先端では、手に持っていた大きなウエディングブーケを投げ入れるパフォーマンスで沸かせた。さらに、羽織を脱いで美背中を披露すると歓声が。最後にかわいらしい投げキッスもプレゼントした。TGCは、「日本のガールズカルチャーを世界へ」をテーマに2005年8月から年2回開催されている国内最大規模のファッションイベント。24回目となる今回は、"Female Hero"をテーマに、ファッションショーをはじめ、アーティストライブやスペシャルステージなどを展開し、会場には約3万1,400人の観客が詰めかけた。撮影:宮川朋久
2017年03月25日リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)、リトゥン バイ(written by)のデザイナー山縣良和が、初の絵画展「Fashion Illustrations by Yoshikazu Yamagata」を12月16日から25日、表参道ROCKETにて開催する。山縣良和は2005年、セントラルセントマーチンズ美術学校を卒業し、ジョンガリアーノのデザインアシスタントを務めたのち帰国。2007年にリトゥンアフターワーズを設立して、2014年にベーシックラインであるリトゥン バイを発表。昨年はファッションコンテスト「LVMHプライズ」に日本人初のノミネートを果たした。絵画展では、山縣良和が学生時代から現在までに描いたデザイン画、ラフ画、イラストレーション作品、ファブリックデザインに用いた原画等を展示・販売。コレクション発表時に使用されたビジュアルの原画も見ることが出来る。【イベント情報】「Fashion Illustrations by Yoshikazu Yamagata」 会場:表参道ROCKET住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ同潤館3F 会期:12月16日~25日時間:11:00~21:00 (12月18日は20:00まで、22日~24日は22:00まで)入場無料会期中無休
2016年12月04日リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)やリトゥン バイ(written by)のデザイナー山縣良和による初の絵画展「Fashion Illustrations by Yoshikazu Yamagata」が表参道ヒルズにある、表参道ROCKETで開催される。期間は、2016年12月16日(金)から12月25日(日)まで。山縣が、学生時代から現代に至るまでに描いたデザインがやラフ画、イラストレーション作品、ファブリックデザインに用いられた原画等を展示・販売する本展。コレクション発表時などに使用されたビジュアルの原画を実際に見ることができる貴重な機会となる。ファッションやアートが好きな人はもちろん、これからのクリスマスシーズンに向けて、アーティスティックなプレゼントを探している人にもおすすめ。入場も無料となっているので、表参道の美しいイルミネーションを楽しみつつ、日本のデザイナーによるアートの世界にも触れてみてはいかがだろう。【概要】Fashion Illustrations by Yoshikazu Yamagata会期:2016年12月16日(金)〜12月25日(日)時間:11:00〜21:00(12月18日(日)〜20:00、12月22日(水)〜24日(土) 〜22:00)場所:表参道ROCKET住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ同潤館3FTEL:03-6434-9059※一部展示・販売されない作品有り。
2016年12月03日アキコアオキ(AKIKO AOKI)とケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)が10月28日から11月2日まで、表参道ヒルズ同潤館3階のギャラリー・表参道 ロケットにて17SSコレクションの合同展示会を開催する。前シーズンまで、坂部三樹郎、山縣良和がプロデュースする若手デザイナーを集めたプロジェクト「東京ニューエイジ」にてコレクションを発表してきたアキコアオキとケイスケヨシダは、10月22日に東京・渋谷のみやしたこうえんで開催された「ファッション ポート ニュー イースト(FASHION PORT NEW EAST)」にて、17SSコレクションを初の単独ショーで発表した。今回表参道 ロケットで開催される同イベントでは、発表されたばかりの17SSコレクションを展示し、初の受注会を行う。また、アキコアオキは同展に合わせて初のZINE『Hymne l’amour.』を限定発売。新進気鋭のアーティスト・Takako Noelが撮りおろしたアキコアオキ16-17AWコレクションのヴィジュアルが収録されている。また、今季のショーピースでコラボレーションした時澤知菜実によるチナミトキザワ(Chinami Tokizawa)のアクセサリーやグッズも販売する。ケイスケヨシダは、生まれ変わろうと"もがく”中の感情や景色を落とし込んだ最新コレクション「reborn」の受注会の他、写真家の草野庸子とのコラボレーションアイテム発表に伴ったTシャツの先行販売も行う予定だ。【展示会情報】「AKIKO AOKI & KEISUKEYOSHIDA 2017S/S COLLECTION」会場:表参道 ロケット住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 オモテサンドウヒルズ同潤館3階会期:10月28日~11月2日時間:11:00~21:00(10月30日は20:00まで、11月2日は18:00まで)入場無料会期中無休
2016年10月24日村上亮太、村上千明による親子デュオブランドのリョウタ ムラカミ(RYOTA MURAKAMI)と、元CGデザイナーで靴職人の片岡弘生によるヒロキ カタオカ(HIROKI KATAOKA)の合同展示会「RYOTA MURAKAMI & HIROKI KATAOKA 2017S/S COLLECTION」が、10月21日から26日まで表参道ヒルズ同潤館3階の表参道 ロケットで開催される。新人デザイナーの登竜門として名高い欧州最大のファッションコンクール「ITS(International Talent Support)」にて14年ARTWORK FINALISTSに選出されたRYOTA MURAKAMI。現在はファッションデザイナーの坂部三樹郎と山縣良和がプロデュースする新感覚の若手ブランド集団「東京ニューエイジ」でも活躍している。HIROKI KATAOKAも、「ITS」にて15年ARTWORK AWARDの受賞経験を持つ他、CGデザイナーから靴職人に転職した異色のキャリアで注目を浴びている。同展では、RYOTA MURAKAMI初となるウィメンズコレクションを含めた最新コレクションを受注することができる他、アーカイブ作品や商品化されなかったサンプルアイテムを特別価格で販売する。HIROKI KATAOKAは、15年に発表したCharactor Deformationシリーズから、オタクカルチャーとストリートの融合に挑戦したファーストコレクション「encount」の受注会を開催する。その他、オリジナルバッグ、バルムング(BALMUNG)とコラボレーションしたシューズなどもラインアップする。【展示会情報】「RYOTA MURAKAMI & HIROKI KATAOKA 2017S/S COLLECTION」会場:表参道 ROCKET住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ同潤館3階会期:10月21日~26日時間:11:00~21:00入場無料
2016年10月16日リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)によるエキシビション「Flowers」が、東京・表参道のロケット(ROCKET)で開催される。期間は、2016年10月14日(金)から10月19日(水)まで。2016年3月、表参道ヒルズの同潤館3階に舞い戻ったロケット。オープニング企画として催されたリトゥンアフターワーズのエキシビジョンは、大盛況で幕を閉じた。その反響を受け、今シーズンも開催が決定。今回はリトゥンアフターワーズ / リトゥン バイの2017年春夏コレクションの展示会と写真展を同時に行う。貴重なアーカイブの販売会場はこじんまりとした落ち着きある空間。入ってすぐのラックには、デザイナー山縣良和がこれまで繰り広げてきたリトゥン バイのアーカイブアイテムが並ぶ。これらは全てその場で購入できる。マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の『ヒール・ザ・ワールド』の世界を表現した2015-16年秋冬コレクション、そして妖怪の世界を描いた2016-17年秋冬コレクションから、ニットやTシャツなどをピックアップする。なお、会期中に商品ラインナップは都度入れ替えられる予定だ。誰でも参加可能!17年春夏コレクションの受注会も目玉となるのは、奥にズラリと並ぶ2017年春夏コレクションの受注会。10月15日(土)と16日(日)に開催され、だれでも参加可能なので是非気軽に足を運んでほしい。山縣の作品はユニークな世界観が魅力であるが、今シーズンのテーマは混沌とした時代を生き抜く女性の一生を描くようなワードローブを制作したという。前シーズンの妖怪とは真逆と言っていいほどのハッピーオーラ漂うコレクションには、山縣らしい遊び心が溢れている。花のブーケやリースをモチーフに、戦前~戦後の女性たちのウエディングをイメージしたというオーガンザのシリーズから紹介しよう。このシリーズからは、ボリュームいっぱいのドレスやブラウスが登場している。色とりどりの刺繍は、それぞれのアイテムにランダムにあしらわれている。裾には花びらのように緩やかなカーブを描いたり、ブランケットステッチで柔らかなアクセントをつけたりして、楽しいデザインを加えた。そして、よく目を凝らすと花が詰め込まれたサシュのようなものも…。隠し味の効いたデザインは山縣ならではのものだろう。また、和紙素材を用いたシリーズからは、数量限定の赤い花をあしらったカーディガンと、ミモレ丈のスカートがラインナップ。そのほか、辛口なコットンジャカードシリーズや、立体的な刺繍をあしらったプルオーバー、そして裾がふんわりと花弁のように広がるワイドパンツといった心がほっこりするようなアイテムが並ぶ。写真展も同時開催本展示会の開催と同時に写真展も行う。今シーズンのルック写真と、写真家・新津保健秀による最新撮りおろし写真が展示される。【開催概要】「Flowers」会期:2016年10月14日(金)~10月19日(水)※会期中無休・入場無料時間:11:00~21:00※日曜日は20:00まで、最終日は17:00まで場所:表参道 ROCKET住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10表参道ヒルズ同潤館3FTEL:03-6434-9059
2016年10月07日リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)による展示会「Flowers」が、10月14日から19日まで表参道ヒルズ同潤館3階のギャラリー・表参道ロケットにて開催される。ロケットが表参道ヒルズ同潤館3階に舞い戻った今年3月に同ギャラリーのオープニング企画として開催し、大盛況を得たリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)による展示会。今回は、山縣良和が手掛けるリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)及び、リトゥン バイ(written by)の17SSコレクションを展示する。また、2ブランドの最新コレクションの展示に加え、写真家の新津保建秀による写真展も開催。リトゥンアフターワーズとリトゥン バイのクリエーションに加え、最新コレクションに関連した写真もまとめて楽しめる貴重な機会となっている。さらに、今ではなかなか手に入らないリトゥン バイのアーカイブアイテムの販売も行われる他、10月15日、16日にはリトゥンアフターワーズ・リトゥン バイの17SSコレクションの受注会も実施される予定だ。【展示会情報】「Flowers」会場:表参道 ロケット住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 オモテサンドウヒルズ同潤館3階会期:10月14日~19日時間:11:00~21:00(日曜日は~20:00、10月19日は~18:00)※受注会は11:00~19:00のみ入場無料会期中無休
2016年10月07日新人デザイナーの登竜門として、毎年イタリアのトリエステで開催されるファッションコンテスト「ITS(イッツ=International Talent Support)」。ファッション界の目利き達が注目するこのコンテストでは、今年4名の日本人デザイナーがファイナリストの栄誉に輝いた。これを記念して、伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区では9月27日から歴代のITSファイナリストたち7名の作品の展示・販売を開始する。FASHION HEADLINEでは、ファイナリストの喜び冷めやらぬ3名にインタビューを行い、受賞作品について、さらに今回の企画で発表する新作への意気込みを語ってもらった。――ITSファイナリストに至るまでのプロフィールは?共立女子大学の被服学科を卒業後、エスモード東京校に入学、エスモード時代にリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)の山縣良和さん、ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)に師事し、卒業後は山縣さんの元でインターンデザインアシスタントとしてリトゥンアフターワーズで1年ちょっと働きました。その後も山縣さんが主宰する「ここのがっこう」で1年間自分の作りたい物を追求し、今年のITSに応募。アートワーク部門とジュエリー部門でのダブルノミネートとなりました。――応募のきっかけとなった出来事は何ですか?山縣さんと坂部さんとの出会いですね。学生の頃から憧れの存在というか、若手デザイナーの中では有名でしたし、世界観も魅力的に感じていたんです。例えば、色ですね。色と色の組み合わせのセンスとか、“かわいい”という感覚に関しては影響を受けたと思います。それで、学生時代からインターンを経て「ここのがっこう」に入り、そして自分のクリエーションを試したいと思い、ITSに応募しました。――大学、専門学校では被服を学んでいた時澤さん。服作りからアクセサリー部門でのITSの応募に路線変更しています。ここに至るまでに作風の転換期があったのでしょうか?大きな転換期は2回ありました。最初はエスモードの2年目、卒業コレクションの制作時に周りの同級生の人たちが作るものがガラッと変わり、自分でも変わったと思いました。2回目は「ここのがっこう」に入ってから。新しい技術を入れていこう、新しいものに挑戦しようという気持ちが芽生えたのは「ここのがっこうで学んだことがきっかけです。――ITSで披露した作品『sticky jewelry』のインスピレーションは何から受けましたか?実は、ピップエレキバンです(笑)。もともと自分が猫背で肩こりがあって、身近なものではありました。人に見られると恥ずかしいけれど、もしあれがアクセサリーみたいに肌に貼り付けられて、見られてもかわいかったらどうだろうと思ったんです。“日常って愛おしいな”という感覚をヒントに、突き詰めて作品にしていきました。――ITSに参加参加してみて現地で感じたこと、刺激を受けたことは?「ここのがっこう」でITSを経験した先輩方から噂は聞いていて「海外はもっとすごいよ」と言われていたことが、実感としてわかった気がします。空間の見せ方やプレゼンテーションの仕方など具体的なこと、それから海外ならではの感覚に実際に触れられたことも刺激になりましたね。他の応募者の中で気になった、ファッション部門のグランプリのマヤコ・カノさんと現地で話をしてみて、“かわいい”や“きれい”の感覚が自分と似ていてとてもうれしかったことも印象に残っています。――今後の作品作りの目標は?もともと服作りをずっとしてきたので、やっぱり服が作りたいですね。今回はアクセサリー、ジュエリー部門での受賞で服は作れていないので、ゆくゆくは服、アクセサリー、小物とトータルで作ることが目標です。9月27日からはじまる伊勢丹新宿店TOKYO解放区でのポップアップショップ「ITS@TOKYO解放区」では、時澤さんの受賞作『sticky jewelry』と、このポップアップショップのために新たに制作した作品群に触れることができる。あのピップエレキバンがラグジュアリーなアクセサリーに大変身!日常のふとした瞬間が生んだアート・アクセサリーをぜひご覧いただきたい。【イベント情報】タイトル:ITS@TOKYO解放区~注目のデザイナーをインキュベーション~会期:9月27日から10月4日会場:伊勢丹新宿店 本館2F=センターパーク/TOKYO解放区【デザイナーアピアランス】■9月27日 中里周子・清水政紀・時澤知菜実■9月28日 時澤知菜実■9月29日 片貝葉月■10月1日 清水政紀・時澤知菜実■10月2日 村上亮太・清水政紀■10月4日 清水政紀・時澤知菜実※都合により、来店スケジュールは中止または変更になる場合がございます。また、時間帯により不在の場合がございます。
2016年09月27日日本のファッションの未来を担うであろう若き才能たちに迫る連載、「ファッションの“未来”に聞く」。第5回となる今回は、ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)のデザイナーである大月壮士に話を聞く。文化服装学院在学中に「ここのがっこう」に通い、2015年、自身の名を冠した「ソウシオオツキ」をスタートさせる。その後は国内外問わず、数々のファッションアワードを賑わすコレクションを発表。今年はLVMHが主催する若手デザイナーの育成・支援を目的とするファッションコンテスト「LVMHプライズ」に日本人最年少でノミネーションを果たしている。そのコレクションは、“枯山水”を引き合いに出したくなるような「ジャパニーズ・テーラード」。黒、白、赤などの日本的なカラーパレットと、水引きや菊の花など同じく和を感じさせるモチーフを、テーラードに落とし込んだコレクションを展開している。ソウシオオツキ 15AWコレクションよりーーこの連載で皆さんに最初にお聞きしている質問です。ファッションに興味を持ったのはいつ頃でしょうか?僕はいわゆる高校デビューなんです。中学生くらいまでは、母親が買ってきた服を、なんの疑問もなしに着ていました。きっかけは彼女ができたことかな(笑)、それでやっと服に気を使い始めましたね。ーー千葉のお生まれだそうですね?そうです。千葉県なんですが、それほど田舎ってわけでもない。東京までも1時間ちょっとで行けてしまう。同世代のデザイナーは、自身の生い立ちであったり、思春期のコンプレックスとかをブランドのアイデンティティとして打ち出している人も多いですよね。でも、自分は千葉県のベッドタウンにある中産階級に生まれて、中高の時も特にワルしてたわけではないし、頭が良かったわけでもない。なんかこう全部が半端だった感じで。そういう表現者の必要条件のようなコンプレックスが無いことが、逆にコンプレックスという時期がありました。立ち上げ当初は、そういう少し屈折したコンセプトで展開していました。ーー具体的にデザイナーを志したのはいつ頃なんでしょう?高校2年の後半くらいですかね。中学生まではずっと、自衛隊に入るんだろうなって思ってたんです。祖父が自衛隊だったので。「防大に行け」って幼い頃から祖母に洗脳され続けて、自分でも防大に行って自衛隊になるんだってずっと思ってました。けど、高校生でチャラチャラしちゃって、将来の目標とかも全然なくて、彼女にもフラれてしまって。その時仲の良かった友達が「俺は映画監督になる」って言いだしたんです。小学校の時からの馴染みなんですけど、そいつとよく映画を観に行ったりしてました。そいつの影響とかで、ちょっとこう「ものづくり論」とかを語ったり、この映画はこういうところがすごいみたいなことを話したりしてました。でも、映画って大変そうだし(笑)、漠然と服好きだからデザイナー目指してみようかなと。ーーでも、ファッションの世界に入ってLVMHで評価されるっていうのは、それなりの情熱がないと難しいと思います。文化服装学院に入ってから“自覚”が芽生えたのですか、それとも入る前から“腹をくくってた”感じですか?なあなあで入った感じはないですね。高校の頃から映画だけじゃなくて、コレクションが発表されたら動画で確認して、友人と批評まがいみたいなことをしてました。ずっと、自分の中で温めていたというか「俺は文化服装学院で一番になる」って、めちゃめちゃイキッてたんで。2年目までは優等生でした。無遅刻無欠席の皆勤で、課題もすごく頑張ってました。ーーそこから山縣良和さんが主宰するファッションのプライベートスクール「ここのがっこう」に行きますよね?そうです。文化服装学院の3年生の時ですね。ーーそれはどういった経緯だったんですか?友達が「ここのがっこう」に通ってたんです。よく喫煙所で一緒に話していた仲なんですけど、今「ここのがっこう」に通ってて、こういうことやってるんだよってブックとか見せてくれて。その時はまだ山縣さんのことも知らなくて。ファッションニュースかな、雑誌で山縣さんのコレクションを見て、「東コレ出してる人がやってるんだ、セントマーチン卒なんだ、それじゃ行ってみようかな」みたいな。その時は、漠然と卒業したらアントワープに行きたいって思っていたので。予備校的な位置付けで通おうと思っていました。ーー「ここのがっこう」の卒業制作が、ITS(欧州最大のファッションコンテストのひとつ)に届かなかったというエピソードがありますね。文化服装学院にもITSの募集要項が張り出されてましたからね。僕はITSにどうしても通りたくて。2年生の時に、装苑賞を目指すんですが、全然ダメでした。国内の他のコンペも全然受からず…。「国内のコンペなんてクソだ、俺は世界に出る」って半分やけになってました。それで、ITSに出すのですが、1回目はダメ。次の年は、「大月はいけるんじゃないか」って言われていたんですけどダメで…。その次の年は、税関で止められてアイテムが届かなくて、涙を飲みました。で、結局4回チャレンジしたんです。ずっと「ニッポンのサラリーマン」をテーマに作ってきたんですが、4回目の時、賞を取った方が、日本人のエスモード出身の方で、しかも、同じようにサラリーマンをテーマにしていて。同じテーマで受かってるもんだから、悔しくて、それで心が折れてしまった。4年間連れ添ったサラリーマンをポッと出の男に寝取られた!って。ニッポンのサラリーマンをテーマにITSに挑んだーー海外のコンペを意識されていたということで、コレクションの見せ方が面白いですね。外国人モデルを使っているルックもあれば、日本人のオジサンモデルを使っている時もありますね?それこそ、サラリーマンをテーマにしたコレクションの時ですね。みな似たような背広を着て出勤するサラリーマンって、かなり日本的でドメスティックなので、海外にそのニュアンスの全てを伝えるのって難しいじゃないですか。そういうことはいわゆる“モード”の文脈に乗せる必要があるので、ルック写真は外国人モデルを使って撮って、それとは別にコンセプトを理解してもらうために、日本人のモデルで純度の高い見せ方をしました。海外に目を向け、サラリーマンを“モードの文脈”に乗せて表現した後編「日本的なテーラードで魅せる“リアル感”」へ続く。
2016年08月08日デザイナーを志したリョウタ ムラカミ(RYOTA MURAKAMI)デザイナーの村上亮太は、山縣良和が主宰する「ここのがっこう」でファッションを学ぶ中、自らのルーツはどこにあるのかを追求したという。その結果、おかんと二人三脚でコレクションを制作するというアプローチに行き着いた。1/2はこちらから。村上亮太へのインタビュー後半では、一度もお客さんが来た事のない「町外れのブティック」をテーマにした16-17秋冬コレクションについて。そして、村上が考える将来について訊く。ーー今年の秋冬についてお聞きします。ファーストルックのモデルがおばあちゃんでした。「町外れのブティック」というのが16-17秋冬のテーマです。しかも、そのブティックには今まで一人もお客さんが来た事がないっていうお話です。お客さんは一人も来た事がないけど、オーナーは服作りがめちゃめちゃ好きで、誰にも求められてないけど、好きだからやっているという。以前イタリアに行った時に、ローマでそういうブティックに出合いました。「誰が通るんだろう」っていう路地に、自宅兼みたいな感じで、ポツンと。そこでおばあちゃんが、訳分かんないものを作ってるんですよ、目玉の付いたファーの塊みたいなもの。ーーローマでファーと言えば、FENDIだ(笑)そうなんです(笑)。でもとてもクオリティが低くて、センスも狂ってる。それが200個ぐらい壁にズダーッと飾られてて、「これを毎日1匹作る事が日課なの」と言っていました。そのほかにも、自分で服を作っていて、それもなかなかのクオリティで…でもどこか憎めないんです。たぶんそれも全然売れてないと思います。RYOTA MURAKAMI 16-17秋冬コレクションよりでもそれって、自分の母親がやっている事とすごくリンクしていたんです。承認欲求に縛られないものづくり、「ただただ、好きだから作る」という。だから、ファーストルックのおばあちゃんは、そのブティックのオーナーをイメージしています。お針子さんみたいに白衣着て、紫陽花のピンクッションを付けています。その後に、そのおばあちゃんが作った服を着た”息子”たちが登場するという構成です。RYOTA MURAKAMI 16-17秋冬コレクションよりーーなるほど、だからちょっと中性的なアプローチなんですね。幼い頃に母親が作っていた服もちょっと中性的というか、女の子が着た方が似合う服が多く、そもそも考えていないというのがあると思うのですが。作り手の着せたい願望とモデルの着せられてる感もショーを通して表現したい部分でした。それで無理やりメンズモデルに着せました。RYOTA MURAKAMI 16-17秋冬コレクションよりーー次シーズンはどのようなコレクションになりそうですか。これまで母親と完全にミックスしてやっていたんですけど、次のシーズンは分担した作り方も考えています。分けると言っても、同じコレクション内で、母が担当する部分と僕が担当する部分を分けるというレベルで、僕がまったく関与しないルックなども作りたいです。母が純粋に作るものを僕自身見たいなっていう思いもあります。ーーやっぱり、一緒に作っていくことは、これから先もずっと?先のことは分からないですが、母親を海外のコレクションに連れて行きたいという一つの目標はあります。実は母親も、母親なりに目標があって、本人は本気なんですけど、福山雅治さんの衣装がやりたいらしいです(笑)。「福山雅治と仕事ができたら、私は引退します」みたいなことを言っていました(笑)。ーー可能性はゼロではないかと(笑)。村上さん自身は、将来的にどういうブランドにしていきたいですか?ファッションデザイナーがいい服を作る事は今まで以上に当たり前な事になっていると思います。ファッションのシステム内だけではないものにも目を向けていきたいと思いますし、必要とされるものだと思います。僕が知らないところでもまだまだたくさんあると思いますし、今回のアートギャラリーでの展示もそうですが、声を掛けて頂く事には積極的にチャレンジしていきたいと思っています。今回の展示でもアートはファッションと近いものだと思っていましたが実際に頂く感想はいつもとは違うものも多かったです。例え残酷なものでも文脈の中から価値観を生み出すアートに対して、ファッションは人を幸せにするもの。ハッピーにするものだという事を改めて感じました。そういう面でもまだまだ必要とされる場所はあると思いますし、また必要と思ってもらえるブランドにしていきたいと思っています。色も自由、シルエットも自由、伸び伸びとしたリョウタ ムラカミのコレクションはポジティブな全能性に貫かれている。そして、なにより愛に溢れている。理由は、言うまでもない。母との二人三脚で紡がれる「愛の衣」は、世界をちょっとだけ、でも確実に、ハッピーな方へと変えていくはずだ。【イベント情報】<第1弾>The drama ~TOKYO制服~会期:5月25日から6月7日(会期終了)会場:伊勢丹新宿店 本館2F=センターパーク/TOKYO解放区<第2弾>The life ~TOKYO制服~会期:6月15日から21日(会期終了)会場:ジェイアール京都伊勢丹5F 特設会場<第3弾>The days ~TOKYO制服~会場:7月27日から8月2日会場:銀座三越3F ル プレイス プロモーションスペース
2016年07月26日ファッションデザイナーの山縣良和が設立したここのがっこうが、世界最高峰のファッション教育機関としても有名なセントラル・セント・マーチン美術大学とのコラボレーションによって8月1日から5日まで、1週間のサマーコースを実施する。セントラルセントマーチンズ美術大学と日本の学校が取り組むことは初の試みである。多くの学生やデザイナーが世界的な舞台で評価を受けるようになった一方で、ファッションデザインを通して世界とコミュニケーションする能力に長けていないがために、なかなか世界へ次の一歩を踏み出せない状況でもある日本。そこで今回は、実際の海外経験で得たノウハウを元に、世界で仕事をする上で大切なことを学べるカリキュラムを1週間のサマーコースとして実施する。講師はセントラルセントマーチンズBAファッション科で講師を務める西尾マリア及び山縣良和。カリキュラムでは英語を交えながら授業を行い、マインドマップを通じて自分自身に向き合い、作品の核となるコンセプトを導きだしていき、最終日にはプレゼンテーションを行う予定だ。各自が持参したポートフォリオ、またはコンセプトやデザインリサーチをまとめたスケッチブックをベースにしながらそれぞれのデザインやアイディアを様々な視点から見ていき、どの様なコミュニケーションで世界に伝えていくかを学ぶ。また近代のデザイナーのポートフォリオ、スケッチブックやインタビューを参考にインスピレーションや作品にまつわるストーリーの要素を見ていく。一対一のチュートリアルを通してそれぞれのインスピレーションの個性的な部分やオリジナリティが何かを考え、それをベースに最終日のプレゼンテーションを作っていくという流れになっている。対象者はデザイン教育を受けたことがある者、英語の基礎がある者(英語でプレゼンテーションを行うため)で、受講料は税込15万円。申し込み期間は7月1日から20日までとなっている。申し込み方法の詳細についてはここのがっこう公式サイト()にて。
2016年07月01日日本のファッションの未来を担うであろう若き才能たちに迫る連載、「ファッションの“未来”に聞く」。第2回となる今回は、コトハヨコザワ(kotohayokozawa)のデザイナーである横澤琴葉に話を聞く。2013年3月のエスモードジャポン東京校での卒業制作が話題となり、同年8月には京都の「gallery 110」にて個展を開催。卒業後、大手アパレル会社でのデザイナー活動を経て、2015年に自身の名を冠したブランドを立ち上げる。山縣良和、坂部三樹郎がプロデュースする若手デザイナーを集めたプロジェクト「東京ニューエイジ」にも抜擢。きまぐれで、不安定だけど、レディな美しさも垣間見えるガーリールックの提案で、着実にファンを増やし続けている。今回のインタビューは彼女のアトリエにて、裁断の跡が幾筋も残る机上にて行った。ーーファッションに興味を持ったのはいつ頃?実はとても早いんです。わたしが生まれる前ですが、祖母が洋裁店を営んでいて、家にはミシンをはじめとする洋裁に必要な道具が揃っていました。だから、布を切ったり、縫ったりは日常的な遊びでした。幼稚園の卒業アルバムには、ファッションデザイナーになりたいって書いたようです。高校もファッション文化科という、普通の授業と洋裁・和裁の授業が半々で受けられるところに通っていたのですが、小学校くらいからそこに入ろうって決めていました。小さいときから「コレ着なさい」って勝手に充てがわれると怒ってましたね。「わたしは自分で選ぶの!」って(笑)。自分でコーディネートした服を友達から褒められるとすごく嬉しかったです。そこで早くも人に認められることに対しての喜びは感じていました。当時からその日着る服を選ぶのにすごく時間を掛けていましたね。ーー朝から何を着ようか選ぶ時って、すごく楽しい時間である反面、面倒に思うこともありますよね?その日の気分、体調、気温や天候、その日の予定によって、選ぶ服って変わるじゃないですか。わたしにとってはそれが重要な要素の一つで、一日のはじまりに直面する試練というか。皆に平等に与えられる試練だと思っています。それをとても面倒に思う人もいれば、わたしなんかは「楽しい!」って思っちゃいます。でも大概失敗しちゃうんですよ(笑)。「あ、今日イケる」って意気揚々と飛び出していくんですけど、途中で「あれ、なんか違うな。あれ、全然よくないじゃん」ってなることが多々あります。服は上下ともまあ良いのに、「うわ、靴違うじゃん」みたいな(笑)、それで一日ブルーだったり。でも失敗してもいいんですよ。「へんてこな組み合わせだけど、今日はそのまま来てしまった、恥ずかし!」って思う感じが。ぐちゃぐちゃになっちゃう感じ。それがすごく人間臭くて、好きなんです。ーーエスモードの卒業製作も、普通の感覚からしてみれば“へんてこ”な感じだと思います(笑)。でも非常に高い評価を頂きましたね?実は、3年(エスモードの最終学年)になったときに、なんの予告もなしにデザインの先生が山縣良和さん(リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)デザイナー/「ここのがっこう」主宰)と坂部三樹郎さん(ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)デザイナー/「ここのがっこう」講師)になったんです。初めての授業で彼らに「人間に着せることをまったく考えてない」、「どういう人に着てもらいたいのかちゃんと考えてるの」という指摘を受けました。それまでそんなこと1ミリも考えたことなくて。でも、いろいろと模索していく中で、あるとき古着のくたびれたTシャツにデニムのショートパンツを履いてたときに「ああ、こういうことなのかな」って気づく瞬間がありました。つまり、自分がいつも着ているものに近い素材、近いデザインで作ればより人に歩み寄った、生々しさが表現できるかもって思ったんです。それと平行してもう一つ、アイデンティティを掘り下げる作業も同時に進めていて、昔の写真を見返したりしてたのですが、その中の一つに家族写真があったんです。12、3年前の写真の中で、父が胸に「YAMAHA」って書かれていたスウェットを着ていて、すっごくダサくて(笑)。それにピチピチのケミカルウォッシュのジーパンを合わせてて、学校とかのイベントに来ていたんですよ。めちゃくちゃ恥ずかしくて。でも、もしかしたら今の感覚だとかわいいかもって思って、「あのスウェット、自分で着たいから送ってよ」って即実家に電話して。まあ、すでに捨てられちゃってたんですけどね。その頃ちょうどアイテムとしてスウェットも流行ってたし、自分でも着たいから作ってみました。そしたらあのスウェットがメインピースみたいになってしまって、結果としては良かったなと。あの卒業制作を経て、「自分が今着ているもの、着たいもの」をメインのデザインソースに据えるようになりました。【ファッションの“未来”たちに聞く】誰もが明日着たい服を、今日作れたらいい。デザイナー横澤琴葉--2/2に続く。
2016年06月24日親子デュオのファッションブランド・RYOTA MURAKAMIによる企画展「村上千明の絵画展」が、6月10日から19日まで東京・阿佐ヶ谷のTAV GALLERYにて開催される。RYOTA MURAKAMIは、リトゥンアフターワーズにてアシスタントを経験した村上亮太と実の母親である村上千明による親子デュオのファッションブランド。デザインの制作に行き詰まった息子・村上良太の誘いにより、親子でのデザイン活動がはじまった。15SSコレクションより、RYOTA MURAKAMIとして活動をスタートしている。同展では、専業主婦でありながらファッションデザイナーとして活動する“おかんアーティスト”村上千明による新作絵画をはじめ、これまでに描かれたデザイン画や、RYOTA MURAKAMIのアーカイブ作品(服)などを展示。また、「オカン(村上千明)と電話」をすることができるスペースも設けられる。村上亮太の師であるリトゥンアフターワーズ代表の山縣良和は、村上千明の絵を初めて見たときの感想について、「村上亮太がまだ学生だった頃、自分らしさとは何かを必死にもがきながら探し求めていたときです。ある日彼は自分のルーツを探るべく、苦し紛れに、母が描いた絵を持ってきました。初めてそれらの絵を見たとき、とても感動したのを覚えています。純粋でユーモアがあり、可愛らしい。見ている私達の心もポジティブになります。そして、その瞬間から続く亮太とオカンの壮大なコラボレーションは、ファッション世界の中で忘れかけられていた優しさを、ひょっとしたら取り戻すきっかけをもたらしてくれるのではないでしょうか」と語っている。【イベント情報】「村上千明の絵画展」会場:TAV GALLERY住所:東京都杉並区阿佐谷北1-31-2会期:6月10日~19日時間:11:00~20:00休廊日:木曜日
2016年06月06日ファッションの未来について考えるーー。捉えどころのない大きな命題だが、若き作り手こそが、その“未来”の一つであることに、疑いの余地はないだろう。この連載では、東京を拠点に活躍するクリエイターをピックアップし、彼らクリエーションやそのルーツを掘り下げたい。第1回目となる今回は、5月25日から伊勢丹新宿店本館2階のコンセンプトショップ「TOKYO解放区」にてポップアップを行っている「ケイスケ ヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」のデザイナー吉田圭佑を取り上げる。昨年の10月に行われた東京コレクションの公式スケジュール「東京ニューエイジ」にて発表された16SSコレクション(「ゲーマー風」ファーストルックがTwitterにて2000リツイート越え)が大いに反響を呼び、ダイアン・ペルネやパリの有名セレクトショップ「コレット」のバイヤーも吉田の手腕を高く評価する。現在25歳、日本のファッション界を担うであろう才能の一人だ。彼の母校である立教大学のキャンパス内で、話を聞いた。KEISUKE YOSHIDA 16SSコレクション ファーストルックーー四年制大学を出ていながら、ファッションに進んだのはなぜ?実は、小学校から立教なんです。立教生のなかではいわゆる立小上がりってやつで、内部生特有の劣等感のようなものもありました。高校生の時は、大学へ上がる内部試験をパスできるかどうかのギリギリのところで。ファッションには元々興味はあったんですけど、「あいつ大学あがれなくてファッション始めたんだ」と思われたらむかつくのもあって、頑張って勉強してなんとか進学しました。今思えば大学は行ってよかったですね。もし専門学校に通っていたら、学校ではどっぷりファッションという感じだと思うんですけど、普通の四大に行って、ファッションをがっつりできない“もやもや”みたいのがあったんですよね。そんな時に山縣良和さん(後述の中里周子らを輩出した「ここのがっこう」主宰。リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)デザイナー)に出会ったり、同じ大学に通っていた中里周子(ノリコナカザト(NORIKONAKAZATO)デザイナー。昨年末から今年の頭に掛けてTOKYO解放区にてポップアップを開催)さんたちと仲良くなって、いろいろと刺激をもらうことができました。ーー最初にファッションに興味を持ったのはいつ頃?中学生くらいですね。イケてるやつになりたくて(笑)。僕は男子校だったので、モテたいというよりもイケてるグループに入りたいっていうのがあって。ちょうど15歳くらいのときにオダギリジョーがファッションアイコンで、エディ・スリマンのディオール オムがあって、日本にはナンバーナインがあって、みたいな時代です。僕はオダギリジョーに憧れて、当時の彼の髪型である半分ロンゲ、半分坊主みたいにしたんですよ。そしたら、学校では変な目で見られるし、2chの学校の掲示板で叩かれたり、、、でも、実はその時の「イケてるやつになりたい」みたいな気持ちが、今のコレクションの根幹であり本質的な部分になっていると思います。ーーつまりコンプレックスがそのまま創作へのエネルギーとなっているということですか?ケイスケヨシダのデビューしてからの3シーズンは、それこそ「コンプレックスへの共感」がテーマでした。僕自身コンプレックス自体は、決してカッコ悪いものではないと思っているんですね。コンプレックスって、一般的には恥ずかしくてあまり触れて欲しくない部分だったりするんですけど、その中心にはピュアで柔らかい純情みたいなものがあって。それって、実はみんなが持っている感情で普遍的なものだと思うんです。ーー16SSのファーストルックはまさに「イケてるやつになりたい」って気持ちを強く感じました(笑)2シーズン目である16SSは、共感のもう一つ上のステップを狙っていました。実際に身につけてもらうことで、感情を共有してもらう。普通の男の子が「カッコよくなりたい、イケてるやつになりたい」って思う瞬間の、その気持ちとか態度自体がカッコいいんだよって言えるようなコレクションを考えました。Twitterで”炎上”したファーストルックに対して、ダサいって揶揄することは、やっぱり“イケてなかったときの自分”を知ってるからだと思うんです。だって、自分が中学生の時にはじめて自分で選んで買ったような服を思い出していただけると納得してもらえると思うんですけど、今の価値観では決してカッコいいものではなかったでしょう。でも、ファッションに無知な子が、その時にそれを、めちゃくちゃかっこいいと思った。そこにある本質的な部分はまったく“ダサい”わけではなくて、もしかしたら純粋にかっこいいものかもしれないし、むしろ人間的で普遍的な部分なのかもしれないと思います。ーーコレクションの“見せ方”についてはどのようにお考えですか?ここ2シーズン、ランウェイ形式で発表しているのですが、ランウェイで見せるという行為を意識しているところもあって。いわゆるコレクションウィークにおけるランウェイって、背が高くてルックスも整っている海外モデルが次々と出てくるっていうのが当たり前というイメージがありますよね。だけど、そのようなコンテクストの中で突然、謎の中学生のようなモデルがつかつか歩いてくるとやっぱり新鮮というか。カッコイイやつが出てきて当たり前のところに、普通の人たちが堂々と出ていっても大丈夫なんだ、っていうかそれもカッコよさの一つなんだって言いたかったんです。後編に続く。
2016年05月27日今回のテーマは、タイトルであるgegeの通り、故水木しげるさんへの追悼を込めたオマージュです。タイトルの「gege」は鳥取の方言でもある「下下」、そして水木しげるさんの幼少期のあだ名の「ゲゲ」でもあります。昨年の暮れ、水木しげるさんがお亡くなりになられました。言わずもがな、陰の存在だった妖怪たちを一躍日常のファンタジーに昇華させた方です。なぜ鳥取という環境からあのネガティブな世界を描く漫画家、水木しげるという作家が生まれたのか?その疑問に少しでも自分なりに答えを見つけれるようなリサーチをしよう。そういう思いでコレクション制作をスタートさせました。水木さんの故郷である弓ケ浜半島の先端、境港を調べて行くと、妖怪の空気感がありません。もともと中国山脈から流れる日野川から流れてくる砂が溜まって出来た砂州なので、妖怪の住み着きそうな森や山が無いのです。不思議に思っていると、水木さんの実家が日本海の海沿いにあり、いつも対岸沿いの島根半島をみて、妖怪が住む世界に心躍らせられていたとの事を伺い、納得しました。隣の県は神様がやってくる島根県、"神様の国"といわれる地域であり、出雲に神在月には全国の神様がやってくる場所です。神様がいそうな場所ですから、妖怪も沢山いたのでしょう。生前、水木さんはあるインタビューで、鳥取に妖怪の気配があったのではなく、隣の県、島根からいつも気配を感じていたとおっしゃっていました。それを伺い、鳥取じゃ無いんかいw!(しばしば妖怪の県といわれつつも)と突っ込みをいれたくなりました。しかしながら、大胆な仮説ですが、何も無いからこそ、イマジネーションが沸いたのでは?と。それは鳥取のもう一人の巨匠、写真家、植田正治にも通じる非日常的な世界観なのではと思いました。日常と非日常の様々な生き物が混ざり合った、自分のルーツでもある世界。まだまだ僕が描く世界は小さいですが、これからも様々な価値観が混ざり合ったより大きな世界を描けるようになりたいです。それでは、ほんとうの妖怪になられた水木しげるさん、この世界の多くの事を学ばさせて頂きました。本当にありがとうございました。
2016年04月14日3月16日に表参道ヒルズでリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)、リトゥンバイ(written by)が行ったコレクション「gege」でフロントローに砂にまみれた骸骨が座っていた。この骸骨をはじめ、ラストルックで小松菜奈をモデルに披露された砂のドレスの制作を行ったのが鳥取市にあるモルタルマジック株式会社。FASHION HEADLINEでは、まだ寒さも残る2月下旬にデザイナーの山縣良和さんと共にモルタルマジックを訪ねた。鳥取と聞いて、まず思い浮かべる光景は“砂丘”という人もいることだろう。鳥取市にあるモルタルマジックでは、鳥取砂丘の砂(国立公園外)を使ったモアイ像や鬼太郎フィギュア等を数多く商品化している。このモルタルとは、セメントに水を入れて練ったもので、煉瓦を積み上げる際のパテのように左官に使われることも多い素材。実際にモルタルマジックに足を運ぶと、砂で出来たモアイがずらりと並んで迎えてくれた。鳥取砂丘の砂で骸骨に加工を施したモルタルマジックを訪ねる山縣良和さんショーのフロントローに座るだけでなく、3月30日まで同潤館ROCKETで開催されたインスタレーション「gege」でも壁面に生々しい野菜や花々と共に飾られていた砂丘の砂に覆われた骸骨模型。究極の陰ともいえる死を象徴する骸骨を、どこかユーモラスに表現していたのが印象的。と同時に、我々の世界がいつも生と死が隣り合わせにあることを束の間思い出させてくれるようでもあった。この骸骨は1体約15キロの砂丘の砂を使い、約20時間かけて制作された■鳥取を愛し、愛された漫画家・水木しげる先月行われたファッションショーのタイトル「gege」とは、鳥取の言葉で“下の下”つまり、最下位や、鳥取の方言で驚く様を表現する言葉。また、今回山縣さんがオマージュを捧げた鳥取育ちの漫画家・水木しげるさんの幼いころのあだ名でもあるという。「gege」では水木しげるさんが生涯に渡って描き続けていた“妖怪”がテーマになっている。地元鳥取の人々にとって「水木先生は鳥取の宝だと思う」とモルタルマジックの代表取締役・池原正樹さん。確かに、水木さんが子供時代を送った鳥取県境港市には「水木ロード」という道がある。ここでは、軒を連ねる店々に留まらず、橋の欄干、街灯、マンホールなども、すべて水木さんの描いたキャラクターという水木ファンの聖地のような場所がある。どれほど地元の人々に水木さんが愛され、慕われているかを感じる光景の一つだろう。水木ロードでは鬼太郎に登場するキャラクターたちが、橋の欄干など随所に現れる■鳥取砂丘の砂を一面につかったドレスを作るショーのラストを飾った砂かけばばぁを連想させる砂のドレス。のそりのそり砂のドレスを纏ってラストルックを歩いたのは小松菜奈さん。エレガントなシルエットとは裏腹に、湿った重みを感じさせるこのドレスを作るにあたっては、鳥取砂丘の砂を被覆した生地を全体に採用している。このドレスをはじめ、ショーに際し、鳥取の砂を用いたブローチ、下駄などの制作にあたったモルタルマジックの代表取締役・池原正樹さんに話を聞いた。上京して間近にショーを見ていた池原さんは、小松さんが砂のドレスを着用して歩く姿に「これまで、土産物という視点で砂の商品を開発してきたけれど、砂という素材は、まだまだいろんなジャンルに可能性があると感じた」と語ってくれた。gegeのラストルックは、小松菜奈さんが纏った砂のドレス今回、砂をテキスタイルに付着させることで、これまで目にしたことのない新鮮なファッションを制作したモルタルマジック。今後は砂丘の砂を使ったモアイ像や鬼太郎などのユニークな造形の砂フィギュアに留まらず、JAXAの資金援助を受け、宇宙の惑星の砂を使った物づくりにもチャレンジしようとしている。砂の可能性はここまであるのかと感じると共に、素材が引き出すファッションの可能性を目の当たりにさせてくれたコラボレーションだった。
2016年04月12日ギャラリー・ロケット(ROCKET)の移転オープニング企画として3月18日から30日まで、インスタレーション展「山縣良和『gege』」が開催されている。同展は、3月18日に表参道ヒルズの同潤館3階に移転オープンしたギャラリー・ロケットのオープニング企画として開催されるもの。リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)とリトゥンバイ(written by)が、16年AWコレクションに引き続き「妖怪」をテーマに掲げたインスターレーションとなっている。会場では、山縣の故郷である鳥取の砂丘の砂を使用した骸骨に、生の野菜や果物を配し「生」と「死」を表現した。また、16日に発表されたばかりのコレクションピースも展示され、直接手に取る事が可能となっている。ロケット20周年を記念して、両ブランドのデザイナーである山縣良和と、音楽プロデューサーの藤原ヒロシによるコラボレーションTシャツも発売。表参道の町並みをモチーフとした「town」(1万円)と、並木モチーフの「trees」(全5色/各1万円)の2種類が用意された。また、リトゥンバイの最新コレクションより、砂のブローチ(小/3,200円、中/3,500円、大/3,800円)が数量限定で販売中。【イベント情報】「山縣良和『gege』」会場:表参道 ロケット住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ同潤館3階会期:3月18日~30日時間:11:00~21:00(日曜日は20:00まで、30日は18:00まで)入場料無料会期中無休
2016年03月20日この日、鳥取出身のデザイナー山縣良和さんと共に訪ねたのは鳥取県東部の特産品である「因州和紙」を4代に渡り生業とする中原商店。16-17AWコレクションで鳥取の素材を使ったクリエーションを披露した山縣さんは、中原商店にショーで使うあるアイテムの制作を依頼していた。鳥取駅から東に約25キロの場所にある因州和紙の里・青谷町。鳥取の物づくりを語る上で欠かせない、因州和紙の里で和紙を作り続けている中原商店は、伝統工芸士である中原剛さんと息子の寛治さん親子で営まれている。この土地で作られる因州和紙は、その筆運びの良さから、全国で使われる書画・水彩画に使われる画仙紙の約6割から7割を占めているというから、その品質もお墨付き。山縣さんと共に訪ねた中原商店で、奥から中原さんが取り出してきたのは和紙で出来たハット。その出来映えを見た山縣さんも「すばらしい」と一言。どうやら、山縣さんから届いたフェルト素材のハットを見本に、中原さんが発泡スチロールで型を作り、その上に手漉き和紙を重ねては乾かし、という作業を繰り返して和紙のハットを制作していったのだという。中原さんは和紙のハットを作るごとに改良を重ね、幾つかのプロトタイプがこの日完成していた。そのハットを手にした山縣さんと中原さんで、ツバの広さが広げられるか、また帽子のシルエットについてアイデアを出しあって、この日の打ち合わせは終了。山縣さんから送られたフェルトの帽子を見本に、和紙を張り合わせて中原さんが作った因州和紙のハット寛治さんに今回のプロジェクトの意気込みを訊ねると「生業とは違う形で和紙の創作が出来るのは我々にとっても楽しいこと」と語ってくれた。また、新しい試みに柔軟に対応していくことが、職人としての喜びにもつながるとした上で、「伝統と伝承は違います。伝承は、昔ながらのやり方をそのままに伝えていくこと。そして、伝統は新しさを加えることで受け継いでいくことです」と話してくれた。そして、ショーで披露された因州和紙のハットがこちら山縣さんも1617AWのコレクションテーマでもある妖怪について「日本の自然と妖怪は切っても切り離せないもの。古くから日本人は自然と妖怪と共存した世界観を持っており、コレクションでもそれが共存する世界を表現した」とコメントしている。中原商店では、工房の裏手から和紙の原料となる木を育て、刈り取るところから自分たちで手掛けている。良質な原料を入手するため、木の芽を丁寧に摘み取ることで、まっすぐで加工しやすい状態の楮(こうぞ)の木を手にすることが出来る。原料となる木の表皮から、ゆっくりと時間をかけ不純物をアルカリで煮出し、さらに清流にさらし白さを際立たせていく。晒の作業を数日間経て、さらに手作業で繊維の中からチリを取り除いていく。その後、やっと和紙を漉く工程にうつるというから、まさに根気と体力勝負の作業ばかり。手で芽を摘み取ることで、加工しやすい状態になる楮(こうぞ)ゆっくりと時間をかけて不純物をアルカリで煮出す生命力のある素材に理由があるとすれば、そのルーツが確かであることが理由として挙げられるだろう。今回、山縣さんが自身のルーツである“鳥取”という場所で、時代を越えて受け継がれてきた日本の自然、日本の暮らしと共にある和紙をコレクションに取り入れたことは、ファッションを通じてルーツを辿ることと同義に思えてきた。――緑、白、黒が織りなす凛とした器をつくる「因州・中井窯」を訪ねます。00
2016年03月19日鳥取と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?砂丘、二十世紀梨に松葉ガニ。それに、砂丘を舞台にした写真で知られる写真家・植田正治の名があがるかもしれない。それに、日本一人口の少ない県であり、日本で最後にスターバックスがオープンした県という事実もある。今月16日に表参道ヒルズで行われた山縣良和の16-17AWのショーに際し、彼が故郷・鳥取を訪ね、鳥取の作り手たちの技と共に『gege(ゲゲ)』と題された漫画家・水木しげるにオマージュを捧げるコレクションの制作過程に同行させてもらった。そう、忘れてはならないゲゲゲの鬼太郎の生みの親、水木しげるも鳥取の出身である。鳥取に足を運んでみると、日本海に面し多様な生物が暮らす海、砂丘に代表されるように地形のユニークさが作り出す希有な景観を有する自然に恵まれた土地だということがよくわかる。また、滞在中一度もその頂上を見せてくれなかった移り気な秀峰・大山を望み、日本の民藝運動を語る上で欠かせないプロデューサー吉田璋也の影響を色濃く残す鳥取は自然と文化に愛された土地だということが感じられた。鳥取砂丘でらくだとこんにちはFASHION HEADLINEでは、鳥取で訪ねた因州和紙、モルタル細工(砂像製造)、中井窯、延興寺窯について数回に渡りお届けしたい。この連載は、リトゥンアフターワーズデザイナーの山縣良和さんからのひょんなお誘いから、彼の故郷鳥取でのコレクション制作過程に同行するところからはじまった。仕事柄、国内の様々な土地に足を運ぶことも多い。そこで度々耳にするのが「ここには何もないから」という言葉。だが、一度たりとてそこに何もなかったことなどない。東京で日々を送る私にとっては、山からの風の冷たさや、踏みしめる土の湿気を帯びた柔らかさなど、どれをとっても新たな刺激となってくれるものであった。夏になれば地元の子供たちが海水浴をする浦富海岸3度に渡って訪ねた鳥取にも、土地が育んできた文化や歴史が染み渡っており、まだその魅力の一部に触れただけだと思っている。実際には、その土地に足を運んでもらうことが何より伝わる手法と知りながらも、今回訪ねた鳥取の作り手たちの物語を綴りたいと思う。次回は、因州和紙を手掛ける中原商店をデザイナー山縣良和さんと訪ねる。=================【鳥取の旅vol.1】因州和紙・中原商店「伝統と伝承は違う」―リトゥン山縣さんと故郷・鳥取を訪ねる(3月19日公開)【鳥取の旅vol.2】因州・中井窯ー引き算で生まれた緑・白・黒の器(3月21日公開)【鳥取の旅vol.3】鳥取・延興寺窯ーたとえ二流の土でも、一流の美を作りたい(3月21日公開)【鳥取の旅vol.4】JAXAからの資金援助を受け、月や火星の砂を固めるプロジェクトにも挑戦する「モルタルマジック」(4月12日公開)=================
2016年03月19日山縣良和によるリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)とリトゥン バイ(written by)の16-17AWのファッションショーが16日表参道ヒルズで行われた。同コレクションは妖怪をテーマに、山縣の故郷である鳥取で育った漫画家・水木しげるへのオマージュとして捧げられた。このコレクションで山縣が試みたのは、クチュール、ストリートスタイル、妖怪が共存する世界をファッションで表現すること。80年代後半にアナ・ウィンターが米誌『VOGUE』の編集長になった際に、クチュールとストリートを共存させて新しい時代の到来を感じさせたように、そこに妖怪という日本古来より人間の暮らしと共にあったはずの存在を加えることで、我々にルーツを辿り、翻って未来に向かうことをショーを通じて想像させてくれた。ショーを終えた直後、山縣は「このショーでは様々なキャラクターがランウエイに登場した。それぞれ物語を持っているキャラクター達が共存する世界を表現したかった」とコメントしている。その言葉の通り、ファーストルックは弾むビートに合わせて、獣らしきものを肩から下げた男が登場した。彼だけでも、踊り、狩りといった人類のルーツとも言える行いと、現代を象徴するアイテムとしてイヤホンを身につけている。ランウエイを歩くルックそれぞれに、山縣からのメッセージと人類の物語が込められているように思えてくる。その後、ランウエイには一つ目小僧やネコ娘に扮したモデル、妖怪に扮したモデル達が続くと思えば、極太ニットで編まれたロングガウンを纏ったモデルや山縣の故郷鳥取の因州和紙で作られたハットを被ったルックも登場。足元には時折、砂丘の砂を散りばめた下駄も見られる。すべてのモデルはあの世とこの世の結界のようなフラワーアーチからやってきては、ランウエイを歩き再びそのアーチから去って行くという趣き。カラス女のような出で立ちのルックでは、ニードルパンチ特有の黒と柄が混ざり合う感じと、人間の世界と妖怪の世界、闇と光のように相反する世界を往古する揺らぎのようなものが込められているようだ。ラストルックには、鳥取砂丘の砂を一面に敷き詰めたテキスタイルで作られた優美なシルエットのドレスを纏ったルックが登場。モデルは小松菜奈。水木しげるへのオマージュ。今回、妖怪とファッションを掛け合わせることで、世界を舞台にした時のオリジナリティに繋がるのではと考えたという山縣は、昨年から定期的にパリで行う展示会に続き、「パリで勝負してみたい」と言う。ファッションがボーダー(境界)を越えられることを信じる彼だからこそ、あらゆる境界を越えた多様性のあるファッションをみせてくれたのだろう。
2016年03月18日ファッションデザイナーの山縣良和が手掛けるリトゥンバイ(written by)とリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)が「メルセデス・ベンツファッション・ウィーク東京」開催期間中の3月16日、2016秋冬コレクションを表参道ヒルズにて発表する。山縣良和が2016秋冬コレクションに掲げたテーマは「gege(ゲゲ)」。彼の故郷である鳥取県の方言で「下の下」または「びっくり」を意味する同コレクションは、“妖怪”をテーマに制作された。同コレクションは、80年代後半にアナ・ウィンターが雑誌『Vogue』の編集長となった際に初めて担当した表紙からインスピレーションを受け、クチュール、ストリート、妖怪といった様々な要素をミックスしたコレクションとなっている。なお、16日19時から表参道ヒルズで披露されるコレクションショーは一般の人へも開放されるため、誰でもコレクションを自由に観覧することができる。3月18日から30日までは、表参道ヒルズの同潤館に移転するギャラリー・ロケット(ROCKET)のオープニング企画を山縣良和が担当し、今回のコレクションに関連したインスタレーションを行う。また、同企画に際し、山縣と藤原ヒロシのコラボレーションアイテムも限定販売される。FASHION HEADLINEでは、山縣が同コレクションの制作にあたり訪ねた、鳥取県の伝統工芸品「因州和紙」や鳥取砂丘の砂を使ったモルタルで玩具を作る企業「モルタルマジック」へ同行。そのレポートをコレクション後に公開予定。鳥取砂丘因州和紙の工房を訪ねる山縣鳥取砂丘の砂を使ったモルタルを作るモルタルマジックで
2016年03月14日セントラルセントマーチンズ美術学校を卒業後、ジョン・ガリアーノのデザインアシスタントを経て帰国した山縣良和さん。昨年からはパリでも定期的に展示会を行っており、最近ではパリのコレットなど、海外のショップのウィンドーで作品を披露する機会も増えてきている。一方、Tex. Boxの澤利一さんはルイ・ヴィトン(Luis Vuitton)、ランバン(Lanvin)、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)など、国内外のブランドのランウェイを飾るファッションのニードルパンチを手掛けている。ファッションにおいて、まさに国境を越えて活躍する2人に、それぞれの視点から見る日本のファッションと世界のファッションについて訊いた。13年春夏のコレクション「七福神」では、前年の東日本大震災以後、山縣さんの心に沸き上がった「日本の古くから使われている素材で造形的なものを作りたい」という思いを日本の素材や文化を咀嚼し大胆にファッションで表現した山縣さん。時が経ち、彼は15年秋冬では、マイケル・ジャクソンの「Heal The World」をバッグに、マイケルやベネトンの広告を手掛けたオリビエロ・トスカーニにオマージュを捧げるようなユニバーサルなコレクションを発表している。どんな心境の変化があったのだろうかと訪ねると…。「ちょうどパリで展示会をはじめたタイミングで泊まったホテルが、その1週間前におきたシャルリー・エブド襲撃事件の目の前だったんです。世界的な事件が、自分にとって身近な存在だと感じたら、ファッションにおいても世界的な視点で表現出来たらという心境の変化に繋がりました」と返ってきた。そして、ファッションの都、パリについてこう語る。「パリ衰退といわれていますが、やはりパリは文化的総合力が高くて強い街だなと思います。ヨーロッパの文化的中心地であり、食、建築、アート、ファッション、音楽、哲学…となんでもある街です。そういった文化に慣れ親しんだ人が住む街は”粋”があると思う」と続ける。「自分たちが日本のいい生地を使って、それを世界に発信出来たらいいなという思いがあります」と山縣さんそして、ここ数年、自身のクリエーションを通じて国内の産地に足を運ぶことが増えたという山縣さんには、一つの目標があるという。伝統的な技法の布地に触れ「この生地を使いたい」と思うことがあっても「値段にたまげてしまうこともある」と山縣さん。訊けば、そういった技術的に優れた生地は着物業界や、シャネルやディオールなどのラグジュアリーメゾンの元に渡るのだという。「せっかく日本にいい生地があるのに、それを自分たちが使えない状況は歯がゆい。自分たちが日本のいい生地を使って、それを世界に発信出来たらいいなという思いがあります。そういう流れを作りたい」とその思いを語る。ニードルパンチを終えた生地明治の文明開化以降、海外からの文化が染み込んでいった現代の日本。この急激な変化というのは、ここ100年余のことだろう。「かつての日本には、文化的な素養があったのだと思います。ただ、この100年でそれを失ってしまった。海外の人たちは憧れだけで作ったフェイクは求めていないし、自分たちにない文化を求めています。だからこそ、洋装やヨーロッパの文化を学ぶのは、その歴史と文化を理解するため。決して、真似をするための勉強ではないはずです。そのために私たちは、自国の先祖代々の真相を知らなくてはいけないし、それがないとクリエーションは世界に通用するものにならないのでは」と山縣さんは続ける。ここまで、頷きながら山縣さんの話を訊いていた澤さんがこう続けた。「日本でも、世界でも各産地で素晴らしいテキスタイルが作られていて、それが本流でありテキスタイルの一番いい形だなと思います。ただ、そこにもっと面白みを加えてもいいんじゃないかという思いがあります。それを可能にしてくれるのが、私にとってはニードルパンチです」と澤さん。「面白い仕事をずっとし続けたいんです」と澤さん「私は、面白い仕事をずっとし続けたいんです。だから、はじめましてのブランドさんからの、なんじゃこりゃっていうリクエストが嬉しい」と澤さん。「僕に出来るとしたら、きっと完成度じゃない。各地で作られる完成度の高い生地を、私が崩してはいけないと思っています。ただ、各地で織ったけれども、そのままでは製品にならないようなものからニードルパンチを使ってアレンジしていくことが出来る」と語る。Tex. Boxに飾られた様々な表情を見せるニードルパンチの作品が物語るように、彼は素材を手にすると、次々のクリエーションのイメージが広がっていくようだ。この日、山縣さんと澤さんの対話を通じて感じたのは、可能性を信じる力の大切さ。そして、ベストを尽くした後のアクシデントを楽しむ心のような気がした。のこぎり屋根から陽射しが差し込むこの場所で、確かにファッションが生まれていた。あなたが手にする洋服が、一体どんな旅路を経てやってきたのか。ほんの一時でも思いを馳せてから纏うことが出来れば、その1着の持つ意味が変わるのかもしれない。リトゥン山縣良和×桐生でニードルパンチを手がける澤利一「ニードルパンチはフリーペインティングと同じ」前編【ファッションが生まれる場所】に戻る
2016年03月05日あなたがその洋服を手にするまで、一体幾人の手を渡ってきたのか考えてみたことがあるだろうか。今回は、幾つもの場所、幾人もの手を渡って生まれてくるファッションが生まれる、ある一つの場所を紹介したい。日本有数の織物の産地、群馬県桐生市。その桐生で「ニードルパンチ」という技法で、ファッションに携わるTex. Boxの澤利一さんをリトゥンアフターワーズのデザイナー山縣良和さんが訪ねた。2人が最初に物づくりに取組んだのは2012年のこと。七福神をテーマに人々の想像を越える壮大なパワーでファッションを表現したリトゥンアフターワーズ13年春夏コレクションに登場するルックで「畳にニードルパンチで洋服を打ち付けて欲しい」と山縣さんが澤さんに依頼したのが最初だという。当時を振り返って澤さんは「畳に服を打ち付けるなんて馬鹿じゃないの(笑)と思ったけど、やってみると楽しかったね。そういう無限にある素材の組み合わせを発見させてくれるデザイナーとのコミュニケーションが楽しくて、長年ニードルパンチをやっていても飽きないよ」と顔をほころばせる。ニードルパンチは、剣山状の針を高速で幾度も突き刺すことで繊維を絡ませ柄を描き出していく技法生地の上に柄となる素材を配置し、剣山状の無数の針を高速で幾度も突き刺すことで繊維を絡ませ柄を描き出していくニードルパンチ。その魅力を澤さんに尋ねると「“織り”か“編み”に大別される生地の中で、ニードルパンチはそのどちらでもない技法。そこに可能性を感じました。織りと編みの融合だって出来るし、柄を作ることにおいてなんの制約もない。これは織りや編みでは、まずおきないことなんです」とまっすぐな眼差しで語る。一方、山縣さんはデザイナーの視点から「ニードルパンチには、フリーペインティングに近い感覚があって、その感覚が自分にも合いそうだなと思っています。その場で布にあてた図柄が、そのままニードルパンチされて出来上がってくるのも魅力的」と答える。「ニードルパンチにはフリーペインティングのような感覚がある」と山縣さん実は、山縣さんが澤さんの工房を訪ねた日には、ちょっとしたアクシデントがあった。数メートルあるシルクの布に1センチ角のものから手のひらくらいのサイズまで、色とりどりの無数の布切れをレイアウトしたものが山縣さんのアトリエから、澤さんの工房に到着していた。その布を巻き取って、いざニードルパンチの機械で加工をしようとしたその時、その布がほどけ、シルクの布にレイアウトしてあった無数の端切れが全て床に落ちてしまったのだ。ニードルパンチをしようとした時、レイアウトしてあった無数の端切れが床に落ちてしまうアクシデントがまるで花吹雪のように散り散りになる端切れを、山縣さんがスマホに納めてあったレイアウト時の画像を元に、その場で並べ直さなくてはいけなくなってしまったのだ。それでも、澤さん夫妻と山縣さんでもう一度端切れを約1時間かけて並べなおし、再びニードルパンチの加工を経てテキスタイルが完成するという出来事があった。山縣さんは「今日の作業のように、布地に端切れを並べていく作業は、絵を書くときの感覚やコラージュなどのアートワークをしている時の感覚に近いですね。手を動かしながら、イメージが広がっていく感覚です」とその作業を振り返る。仕上がった生地を見つめる2人。そこにはスワッチ(生地の見本帳)をイメージしてレイアウトされた端切れがニードルパンチの加工を通じて地の布と一体化した姿があった。ただ、1万本もの針で無数に打ち付けられたこともあり、並べた時との状態そのものではなく、色味がやわらかくなったり、また柄のシルエットが少し流れて変わったりと、様々な表情を見せている。目の前で新しい表情が生まれていく“ライブ感”こそ、ニードルパンチらしさであり、長年向き合っても飽きないと澤さんが魅了される理由の一つなのかもしれない。仕上がった生地を見つめる澤さんと山縣さん「たまにね、作り手にしかわからないような“遊び”を入れるんだよ」と澤さんはいたずらに笑う。「紐をまっすぐにという仕様書でも、ちょっとだけくるっと丸めてみたりね。それに、こうやってサンプルを作っている時期が楽しくてね。デザイナーとのキャッチボールが出来るから。いつまで経っても初心者の気持ちでこの仕事に向き合いたい。だから、若葉マークを貼ってるんだよ」。という澤さんの言葉に、ニードルパンチの機械に目を向けると、確かに車の“若葉マーク”が。澤さんがワクワクしながら、ニードルパンチを手掛けていることが伝わってくるエピソードだった。後半は「それぞれの視点で見る日本のファッション、そして世界のファッション」について
2016年03月05日絹の魅力や可能性を伝えると共に、絹を日常の中で楽しんでもらいたいという思いが込められたポップアップイベント「絹のみちー遊ー」が伊勢丹新宿店で3月2日からスタートする。今年1月、日本有数の織物産地として知られる栃木県足利市と群馬県桐生市にファッションディレクター山口壮大さんの姿があった。目的は、「絹のみちー遊ー」で展開する新ブランド「cilk(シルク)」の商品開発。今回FASHION HEADLINEでは、そのトワルチェックやサンプルチェックに同行し、店頭に商品が届けられる前にある物語を伝えたい。■絹を日常で楽しむ新ブランドを立ち上げるガチャマンラボの思い今回、関東の事業者5社(ガチャマンラボ、井清織物、トシテックス、廣瀬染工場、丸加)が協力し、「絹の日常使い」をコンセプトにした新ブランドcilkがデビューする。栃木県足利市のガチャマンラボの高橋仁里さんは、同ブランドを、100年前に日本女性たちを彩った着物「足利銘仙」のものづくりを継承し、シルクのカジュアルな着方を提唱するブランドとして立ち上げるという。絹を日常使いしてもらうためには、自宅で洗えることも大切なポイント。同ブランドでは絹を洗える生地として活用。この日は、アトリエで山口さん監修の元トップスやワンピースのトワルチェックを居合わせた全員で試行錯誤しながら進めていく。各アイテムに採用するシルク混のテキスタイルについても、どう絹らしさと手に取りやすさを両立させるかで談義に。「何がリアルな絹の日常使いか」、その答えがcilkのアイテムには込められている。cilkのトワルチェックは、絹の素材感をイメージしながら行われた■編みでも織りでもない表現“ニードルパンチ”の可能性Tex.Boxもともとはテキスタイル会社の営業だったという群馬県桐生市のTex.Box(テックスボックス)の澤利一さん。「現場の声を紙や文字で伝えるのは無理。それより自分で手を動かしたほうが楽しい」という思いから、ニードルパンチの作り手になったという経歴の持ち主だ。織りでもなく、編みでもない、ユニークな技法でテキスタイルに表情を加えていくニードルパンチの技に触れ、山口さんの頭の中でも色々なインスピレーションが湧いた模様。ここでは、後日、このテックスボックスをデザイナーの山縣良和さんが訪ね、「絹のみちー遊ー」のためにオリジナルのテキスタイルを作る。この時の澤さんと山縣さんの物語は後日別途紹介したい。目の前で新たなテクスチャーや柄を備えたテキスタイルが生まれていくライブ感。そして、素材が持つ個性を引き立ててくれることがニードルパンチの可能性だと感じた。Tex Box.の澤利一さんとファッションディレクターの山口壮大さん■国内外のデザイナーズブランドも手掛けるトシテックスのレース昭和30年頃から群馬県桐生市ではじまったとされる編レースの歴史。トシテックスの金子俊之さんは、オリジナルの編機を使って、金属チェーンをレースに編み込む技術を開発するなど、常に新しい表現を創意工夫する作り手。工房の横にあるサンプルルームを案内してもらうと次から次へと表情豊かなレース編を見せてくれた。その素材も、金属、紙、ニット、ファーと様々。好奇心旺盛な目で、いつもユニークで新しい編み表現を生み出していくトシテックス。この場所から世界へと旅立った素材が数多くあることを教えてもらった。新しい素材を次々と提案するトシテックスの金子俊之さんと山口壮大さん■着物の帯の織元、井清織物の挑戦新年早々に訪ねたこともあり、群馬県桐生市の井清織物さんを訪ねると玄関の奥に立派な正月飾り。もともと着物の帯の織元である井上義浩さん、忍さんが生活雑貨ブランド「OLN」を立ち上げたのは2014年。そんな織元の井清織物さんらしく、畳の上にサンプルや糸を並べてさっそく山口さんとサンプルチェック。サイズや織柄の異なるストールを並べて、色やデザインを調整していく。洋装にも和装にもあう色柄が印象的。そして、柔軟に周囲の意見を採用しながらも、作り手の哲学は守るという姿勢が感じられた。井清の井上義浩さんとも絹素材のストールの色柄を調整していく明治時代から昭和40年にかけて、絹は日本を代表する輸出品の一つだった。しかし、その後化学繊維の台頭もあり日本の絹産業は衰退していく。そして現在、国産絹のシェアは日本で消費される絹の1%にも満たないという現実もある。「絹のみー遊ー」で興味深いのは、一つの絹の産地には拘っていないこと。そして、絹100%ではなく、絹と別の素材の混紡でもよいという点。つまり今日、最高品質とされるブラジル産の絹だったとしても、アイテムに絹が含まれていることがポイントというスタンス。そのことついて山口さんは「プロジェクトのキックオフ当初、絹の産地や絹の混合率についてみんなとも相談しました。結果、純国産のシルクではやれることは限られてしまうから、ポリエステルと混紡したりした方が絹を日常で楽しめる」という考え方でプロジェクトを進めることになったとコメントする。【イベント情報】タイトル:絹のみちー遊ー期間:3月2日から8日場所:伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区期間:3月9日から15日場所:三越銀座店3階=ル プレイス プロモーションスペース・ジェイアール京都伊勢丹5階=特設会場
2016年03月01日表参道ヒルズの同潤館3階に移転オープンするギャラリー・ロケット(ROCKET)ではオープニング企画として3月18日から30日まで、デザイナーの山縣良和を迎えたエキシビション「山縣良和『gege』」が開催される。同エキシビションでは、山縣良和によるブランド・リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)とリトゥンバイ(written by)にフォーカス。アーティストのToshiyuki Konishiによる作品を用いて、メルセデス・ベンツファッション・ウィーク東京(Mercedes-Benz FashionWeek TOKYO=MBFWT)で発表されたばかりの両ブランドの16AWコレクションに関連したインスタレーションを実施する。3月26日から30日までは、リトゥンバイの16AWコレクションの受注会も開催。また、ロケットの20周年を記念して、山縣良和と音楽プロデューサーでデザイナーの藤原ヒロシによるコラボレーションアイテムも限定販売する。【イベント情報】「山縣良和『gege』」会場:表参道 ロケット住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ同潤館3階会期:3月18日~30日(会期中無休)時間:11:00~21:00(日曜日は20:00まで、最終日は18:00まで)入場料無料
2016年02月28日乃木坂46きってのファッションラバー伊藤万理華さん。彼女がリスペクトするデザイナー、ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)デザイナーの坂部三樹郎さんと、ジェニー ファックス(Jenny Fax)デザイナーのシュエ・ジェンファンさんのアトリエに伊藤さんが潜入。「ファッションの魅力とは何なのか?」「アイドルとファッションの共通項」などファッション談義を繰り広げる。伊藤さんが二人のアトリエを訪問するのには理由がある。3月2日から8日まで、乃木坂46とイセタンガールがコラボレーションし女の子のお稽古をテーマにしたイベント「おけいこガール」が開催される。その中で、伊藤さんも幼い頃から乃木坂46に入るまで習っていたバレエをテーマに、MIKIO SAKABEとJenny Faxとコラボレーションすることになったのだ。■コラボ相手に運命を感じました!(伊藤)伊藤:私自身、坂部さんとジェンファンさんとコラボレーション出来ること自体に驚いてます。私は乃木坂46というアイドルが職業だけど、アイドルがあまりやらないような新しいコラボが出来るのがすごく嬉しいです。そのコラボ相手が、坂部さんやジェンファンさんなのは運命的だなって思いました!坂部:パルコミュージアムで13年秋に開催した「絶命展」や、その後の「絶・絶命展」にも来てくれていたって聞いて、一気に親近感が湧きました。伊藤:ちょうどその頃位からかな?乃木坂46もファッション的に攻めていたんだと思います。坂部:でも乃木坂46は、bodysong.やNORIKONAKAZATOの中里周子やリトゥンアフターワーズの山縣良和が関わっている作品があったり、気になる存在ではありました。AKB48に対して乃木坂46は、おそらく正統派という位置付けなんだろうなと思ってて。でも、意外と衣装やミュージックビデオでもツイストしている部分があって、メンバーそれぞれに、いろんな方向性や可能性があるんだという印象が残っていました。そのひっかりがストンと落ちないからこそ、気になる存在だったのが乃木坂46です。伊藤:今回の伊勢丹とのコラボレーションで嬉しかったのは、衣装でデザイナーの方とご一緒するのではなく、販売するお洋服でデザイナーの方とコラボレーション出来たこと。乃木坂46にとっても、こういった形でのコラボレーションですごく良かったなと思っています。■乃木坂46に受かったのは奇跡だと思ってる(伊藤)坂部:そもそも、どうして乃木坂46に入ることになったの?伊藤:正直にいうとアイドルを目指していた訳じゃなかったんです。ただ今は、アイドルのお仕事もすごく楽しいんですけど。実は、乃木坂46はアイドル志望の子は少なかったと思います。坂部:えっ、それどういうこと?まったく意味がわからないんだけど。伊藤:なんでみんなが乃木坂46に出会ったかというとAKB48の公式ライバルを作るってことに惹かれたからなんだと思います。今でも、オーディションに受かったのは奇跡的だと思ってますけど(笑)私も一期生のオーディションで入る時、「新しいチームだし、なんだか楽しそうだな」っていう気持ちで乃木坂46に入りました。私自身、ずっと外れたものが好きだったし。坂部:王道に対する違う何かが乃木坂46っていうことだね。伊藤:乃木坂46のコンセプトは最初から決まっていた訳ではなかったと思います。だから、乃木坂46はいろんなことにチャレンジ出来るんだと思っています。「こういうメンバーが揃ったから清楚なイメージだね」とか。その積み重ねが、だんだん乃木坂46のスタイルになっていったんだと思ってます。■アイドルって、ちょっとファッションに似てる(坂部)坂部:アイドルって、ちょっとファッションに似ているんです。ファッションは洋服が見られるけど、人間そのものが見られるのがアイドル。人間としての魅力がその子にあるのはもちろんだけど、アイドル像もその時代ごとに変わっていきますよね。だから、「アイドルはこう」っていい切れるものはなくて、時代と共に崩れつつ進化していく。だからこそ、今の日本のアイドルカルチャーがあるのかなと。みんながイメージするアイドルが出てくるんじゃなくて、新しい人間が世に出来ていくような感覚がファッションとすごく似ているなと思います。ーー確かに正統派のアイドルっていうアイドルよりも、まだ見たことのなかったタイプのアイドルが次々に出てきていますね。坂部:ファッションショーでも、洋服がいいだけだと盛り上がりに欠けてしまうんです。そこに見たことのない人がモデルとして存在することで盛り上がる。やっぱり、人は人を見た時に一番熱狂するんですよね。だから、ファッションにおいても「次世代に生きる人の姿」をクリエーションで見せていかなくてはと思っています。だから、「人としての像を考える」という意味では、ファッションもアイドルも連動しているんです。伊藤:乃木坂46も関わるスタッフさんがクリエイティブなものが好きな人が集まっているから、曲もいわゆるアイドルっぽくない楽曲だったり、ミュージックビデオの撮り方にもすごく拘っているんですよね。結果として、それが乃木坂46の武器になっていると思っています。そういうクリエーターさんたちと乃木坂46の取組みの一つに「ファッション」というカテゴリーもあるというイメージでいます。■ファッションに出会ったのは、自分の武器を探していたから(伊藤)伊藤:坂部さんが山縣さんとディレクションされた「絶命展」、実は何度も見に行ってるんです。最初に見たのは高校3年生の時でした。その頃は乃木坂46に受かっていたし、自分の武器を探したくて、ファッションや趣味にすごく意欲的だった時期なんです。だから、展覧会も自分で調べて積極的に見ていました。そんな中で、そのタイトルとビジュアルが気になって「絶命展」を渋谷のパルコに友達と見に行きました。坂部:よく「絶命展」を見つけたね。伊藤:その頃の自分って、グループの中で自分がどうしたらいいか本当に悩んでいて。そんな中で出会った「絶命展」だったから、見つけられてラッキーだったと今でも思っています。「絶命展」では生身の人間を展示していたりとか、正直本当に意味がわからなくて。「これを説明して」っていわれても説明出来ないものしかなくて…。でも、そういうもの求めていた自分の思いと展示が合致して、勝手に舞い上がっていました。すごく理想的なものを見つけた!と思ったんです。ーーアイドルに求められるもの、期待されるものに対して、自分の何を見せていくかすごく悩む気持ちわかります。普通の女の子よりも、周囲からの期待が大きいというか、たくさんの目がある中で前に立たなくてはいけないから。伊藤:だから、その模索していた時期に「絶命展」を見られて良かったんです。その頃から、ファッションをはじめ、自分の好きなものを発信する場としてなくてはならない存在であるブログの内容が濃くなってきたんですよね。だから、「絶命展」に出会えてお礼をいいたいです。後編、乃木坂46きってのファッションラバー伊藤万理華×坂部三樹郎・ジェンファン「少女の記憶とファッション」に続く。
2016年02月25日東京・原宿のギャラリー・ロケット(ROCKET)が3月18日、表参道ヒルズの同潤館3階(東京都渋谷区神宮前4-12-10)に移転オープンする。ロケットは、1996年秋に現在の表参道ヒルズの位置に存在していた同潤会青山アパートの一室に、雑誌やクラブのような新感覚のギャラリーとして誕生。その後原宿に場所を移していたが、20周年を迎える今年、3回目の移転として表参道ヒルズ同潤館3階にて「表参道ROCKET」として再オープンする。新しいコンセプトを「FRONT OF MODE by ROCKET(ロケット的モードの最前線)」とし、「モード」にフォーカスしたキュレーションで展開するギャラリー&ポップアップショップスペースに生まれ変わる。オープン後は、モード界で活躍するファッションデザイナー、シーズンビジュアルやファッション雑誌を手掛けるフォトグラファー、スタイリスト、モデル、エディターなどのファッションクリエイター、またはファッションフィールドに関わるアーティストなどが自由に表現できるスペースとして、1週間から2週間ごとに異なる企画を行っていく。オープニングエキシビションとして3月17日から30日までは、リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)、リトゥン バイ(written by)のデザイナー・山縣良和による展示会「gege」を開催。最新コレクションをもとにしたインスタレーションや一般向け受注会の他、限定アイテムの販売なども行う。なお、ギャラリー移転に伴い原宿ロケットは、「原宿 ROCKET by CATERING ROCKET」と名前を変更。今後は美味しくて楽しいフードが生まれるケータリングの拠点として、また時にはイベントやパーティー、撮影などで利用できる「食」にまつわるオープンスペースとして使用される。
2016年02月05日アミューズは、アミューズミュージアムの監修による展覧会「BORO(ぼろ)の美学 - 野良着と現代ファッション」を開催する。会期は1月23日~4月10日(4月6日を除く毎週水曜および4月4日は休館。水曜が祝日の場合は翌日休館)。開館時間は10:00~18:00(入館は17:30まで)。会場は兵庫県・神戸市 アイランドセンターの「神戸ファッション美術館」。入場料は一般:500円/小中高、65歳以上:250円。同展では、"布文化と浮世絵の美術館"「アミューズミュージアム」(東京都・浅草)が管理運用する約2万点の中から、国の重要有形民俗文化財である東北の野良着-タツケ、マエダレ、長着などに見られる襤褸やこぎん刺し、菱刺しなど約100点が紹介されるとともに、ボロの美を現代のファッションに取り入れたkeisuke kanda(神田恵介)、matohu(堀畑裕之、 関口真希子)、writtenafterwards(山縣良和)、MODECO(水野浩之)のデザイナー4組による作品が展示される。同展が開催される背景として、2013年ルイ・ヴィトン、2014年アルチュザラ、2015年コム デ ギャルソンが相次いで「日本のボロ」をテーマにしたコレクションを発表するなど、近年では「BORO」として世界のファッション界・アート界で通用する言葉になっているのに加え、日本の若手デザイナーもボロを独自の解釈で取り入れた作品を多く発表していることから、神戸ファッション美術館がアミューズミュージアムに展示品の貸出および展覧会の監修を依頼したという。また、公開初日の1月23日 14:00~15:00には、神戸ファッション美術館 展示室内において、アミューズミュージアム館長・辰巳清氏とMODECO代表・水野浩行氏によるギャラリートークが開催される。このほか、関連イベントとして、2月21日 14:00~15:30(13:30開場)には、「REALKYOTO」、「REALTOKYO」発行人兼編集長の小崎哲哉氏、アミューズミュージアム館長・辰巳清氏、writtenafterwardsデザイナー・山縣良和氏による講演会「田中忠三郎とBORO(ぼろ)、そのデザイン」が開催される。会場は神戸ファッション美術館5F オルビスホール。参加希望者は、神戸ファッション美術館のWebサイトに記載されている方法で申し込む。なお、「神戸ファッション美術館」は1997年に開館した日本初の公立ファッション美術館。世界各地から服飾学、民俗学の研究者やファッション関係者が来館している。一方の「アミューズミュージアム」は、2009年の開館以来、継ぎはぎのボロ布(江戸時代後期~昭和初期の日本の農民衣)のアート性に着目した展示を行っている。
2016年01月21日新春、ファッションデザイナー中里周子が考える3016年の百貨店の姿を提案したポップアップショップ「ようこそ、ISETAN 宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」が、伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区にオープンしている。中里は、14年欧州最大のファッションコンペティション「ITS(International Talent Support)」のジュエリー部門で日本人初のグランプリを受賞。現在は、東京藝術大学美術学部芸術学科博士課程に在籍中というキャリアの持ち主。ファッションにおいても、強烈なメッセージと個性を放つ彼女から、目を離せない。今回は、中里がITSで受賞する約1年前に彼女と出会った、同ポップアップショップの舞台となるTOKYO解放区の担当バイヤー・寺澤真理が「ファッション」をテーマに熱いダブルトークを繰り広げる。二人の出会いの場となったのは、山縣良和が主催する「ここのがっこう」の卒業制作発表会。どうやら、当時から中里は「デパート」に関心があった模様…。■正直、はじめて中里さんの作品を見たときは「なんだこれは?」と思ったー中里さんと寺澤さん、お二人が出会ったのは「ここのがっこう」の卒業制作発表の時だったと聞きました。どんな印象を持ちましたか?寺澤真理(以下、寺澤):13年3月にリトゥン(アフターワーズ)の山縣(良和)さんにお声がけ頂いて、「ここのがっこう」の卒業制作の講評を担当しました。その時の卒業生に中里さんもいて、正直そこで中里さんの作品を目にした時は「なんだこれは?」と思いましたね(笑)中里周子(以下、中里):その時、私が作っていたのが「デパートプロジェクト」。架空のデパートを作るために、ダイナマイトでデパートを作るための土地を爆破する映像や、架空の商品を掲載したショッピングカタログ、人の顔がつながったアクセサリーや洋服などを並べて発表しました。商品説明VTRもありましたね。ー出会いの時から、「デパート」をテーマにした作品を発表していたなんて、運命的ですね。中里:子供の頃から、完成形の物を見せる場であり、何でも買えるものがあるというデパートに惹かれるものがありました。高校が新宿にあったので、学校帰りに伊勢丹に寄ったり。なんだか「伊勢丹は提案するエネルギーが凄いな」と当時の私は思っていました。寺澤: 約3年前の卒業制作発表の時は、中里さんはぶっ飛んでいて面白いけど、販売する場を持っている私から見ると「物を売ること」、つまりは生業に出来る「モノに落とし込む」という表現活動とは一番遠い存在の方かなと、その時は思っていました。講評でも、アーティストとして、その発想のユニークさを活かしたらいいのではとお伝えしていました。■中里さんとだったら、きっと考え方のシフトが出来ると思ったーそんなお二人が今年1月12日まで伊勢丹新宿店で「ようこそ、ISETAN宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」と題したポップアップショップを展開中です。「百貨店という場所で、物を販売する」ことに至るまでに、どんな変化があったのでしょうか?中里:14年の秋冬からブランド「NORIKONAKAZATO」をスタートしたこともあり、どう見せたら自分の作品を手に取ってもらえるのかを考える機会が多々ありました。自分の作品が持つ世界感を大切にしているので、展示会をして、バイヤーさんに来て頂いて、オーダーをつけてもらうというやり方にはあわないなと思うこともあります。例えば、グループ展示会で他のブランドと同じ照明やラックで自分のブランドの服を展示したことがありました。様子を見ていたら、ほとんどの人が私のラックの洋服に手を伸ばさないんです。その時「あぁ、私はこのやり方を続けていたら進歩しない」とふと思いました。つまり、見せるものと、見せる場所が一致していなかったんです。その時考えたのは、みんなの作品が展示会場で手に取れるとしたら、「NORIKONAKAZATO」の商品は、その会場の窓から望遠鏡で向かいのビルを見ないと見られません」とか、そのくらい作品を見せる時の在り方を考えなくてはいけないと思いました。寺澤:私もここ数年、百貨店が従来のように「モノ」を販売することで、お客さまから対価を頂くというかたちの限界を個人的に感じていました。もっと何か別の、次のやりかたにシフトする時期がやってきているのではないか?という、もやもやした思いの突破口の一つに、“物に価値を落とし込むこと”ではない提案をしていくことに可能性があるのではと考えていて、その考え方のシフトが中里さんとだったら出来るんじゃないかと思いました。そんな時、中里さんが昨年写真家・小林健太さん開催した二人展「ISLAND IS ISLAND」でPsychic VR LabさんとVRシステムを使った表現をされることを知ったんですよね。■ファッション×デジタルについて考えたら、宇宙に行き着いた中里:去年の8月末くらいに、寺澤さんから「ファッションとデジタル」をキーワードに、年末年始に伊勢丹で何か出来ないか?という相談を頂きましたよね。ここ数年は、自分の表現を手にとりやすい形に落とすためのバランスを模索していた時期とも言えるかもしれません。だから、自分の表現を手にとりやすい形に落としてみようと思っていたタイミングだったこともあり、やってみたいなと思いました。寺澤:そこからは、伊勢丹チームと中里さんで、7~8回はブレストをしました。ブレストの中から「伊勢丹を宇宙に持っていけたらいいんじゃない?」というアイデアが出て、そこからは加速度を増して企画がふくらんでいった気がしています。中里:私自身は「ファッション×デジタル」を表現するにあたって、光るテキスタイルを使うなど、いわゆる新しいテクノロジーが可能にしたファッション提案をする役割のデザイナーではないと思っています。テクノロジーと真っ向勝負するより、別の角度から「裏技的な」提案をすることが大事だと考えていて、それは単純に「すごい!」とか「おもしろい!」とか、まずそういう直感的な感覚を表現したいなと考えました。だから、才能の無駄遣いというか「ぬけ感」のあるアプローチに繋がっているんだと思います。それは、しっかりとした場であえてふざけてみることで、物事の本質が見えてくるとも考えているからです。■ファッションは必ずプラスの感情で終わらなくてはいけないー中里さんのお話を伺っていると、「表現すること」「伝えること」に対する強い思いを感じます。なぜそこに思いを寄せるのでしょうか?中里:私は人間に関わる全ての“接触の瞬間”に興味があるんです。接触みたいなものをいつも探していて、それを可能にするのがファッションだと思っています。ファッションがアートとこれだけは違うなと思っているのは、ファッションは必ずプラスの感情で終わらなくてはならないという点。「汚い…」とか「触りたくない…」とかでは、ファッションは成立しません。「かわいい!」とか「かっこい!」とか、ファッションと人の接触部分でプラスの感情が生まれます。アートはいわゆる「美」がそこになくても、その価値観は文脈の中で理解していくものなのです。だから、必ずしもプラスの感情につながる表現が全てではないですよね。その意味で、ファッションと人の接触の場所を考える=伝え方を考えることになるんだと思います。そう考えると、百貨店はリアルな売買の場であり、ファッションと人の接触の場でもあります。寺澤:「モノが売れること」が単純でもあり、難しいことでもありますよね。例えば、あるモノを手にした時に人は心が突き動かされたり、そこに共感が生まれたりすることが、購買に繋がるのではないかと思います。私の担当するTOKYO解放区は、13年の3月に伊勢丹新宿店がFASHION MUSEUMをコンセプトにリモデルした際に生まれました。トラディショナルでコンテンポラリーな一面も担う伊勢丹新宿店の中で背負っている役割は、ファッションにおける中里さんの役割と重なる部分もあるのではないかと思います。モノを売るということだけではなく、その先につながる価値観を提案することが役割なのではないかと。中里さんの価値観を提示するというファッションの在り方に未来性があり、将来性があると思っています。今はまだ、色々ともやもやしているし、難しい課題に直面しているなという感覚ですね。もしかしたら、今が何かの通過点の時期なのかもしれない。既成概念やルーティーンを打ち破る時が来ているのかなという気もしています。後編「中里周子×寺澤真理『ファッションだから持ち得る、人への愛。これが大事』」に続く。
2016年01月03日パルコは、若手デザイナー集団「東京ニューエイジ」が開催するファッションショー「東京ニューエイジ2016年S/Sコレクション メルセデスベンツファッションウィーク東京 公式スケジュール」を支援すると発表した。開催日時は10月12日 15:30~。開場は東京都・渋谷ヒカリエのヒカリエホールB。このたび開催される「東京ニューエイジ2016年S/Sコレクション メルセデスベンツファッションウィーク東京 公式スケジュール」は、「writtenafterwards」の山縣良和氏と「MIKIOSAKABE」の坂部三樹郎氏というふたりのデザイナーがプロデュースしたプロジェクト「東京ニューエイジ」が開催するもの。同プロジェクトは「日本の若手デザイナーの発掘と支援をし、世界で活躍する可能性のある若手デザイナーを日本から輩出していくための場所」になることを目的として作られ、ファッション業界のネットワーク提供や若手デザイナー同士の交流の場を設け、ファッションショーや展覧会、インスタレーションなどを開催している。今回の参加ブランドは、AKIKO AOKI/青木明子、KEISUKEYOSHIDA/吉田圭佑、kotohayokozawa/横澤琴葉、RYOTAMURAKAMI/村上亮太・村上千明、SoshiOtsuki/大月壮士。なお、東京ニューエイジをプロデュースした坂部三樹郎氏と山縣良和氏は、「次世代のデザイナーを全身全霊で信じて、奇跡を起こせるような発信の場がいまの日本には必要だと考えています。日本にはとても魅力的でユニークな 若い才能あるデザイナーがたくさんいます。ただそこにみんなで共有できる場がなかっただけだと思います。世界中の人を魅了する次世代の人間像を発信できる場にしていきたいです。」とコメントしている。一方、東京ニューエイジのメンバーは、「ファッションは人と出会った時に、心に直接なにかを伝える力があります。実際、私たち自身も様々なファッションと触れ合いながら様々な感情になってきました。次世代の発表の場としてはじまった東京ニューエイジが、 一人でも多くの方にファッションを体感していただける場となるよう頑張ります。」と述べている。
2015年09月17日