悩める女子たちの心に寄り添い、ポジティブな気持ちにさせてくれる動画をクリエイトしている花上惇さんのブレないマインドとは?ポジティブマインドでキレイを日々更新中!冷蔵庫の扉が開くと現れるキレイなお姉さん。その人こそ、冷蔵庫シリーズの動画で人気の花上惇さん。「BITCH!」と一喝するや否や、米ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』のオープニング曲にのせ、流暢な英語を交えながら小気味よいトークでお悩みをぶった斬る。女子たちをエンパワーメントしてくれる存在だ。「私自身は根っからずーっとネガティブで。自分に対する自信はないし、自己肯定感も低かったんです。だから自分で自分の機嫌を取れない時もあるんですけど、そんな時に励ましてくれる友達がいればいいなって思って。勝手に“イマジナリーフレンド”をクリエイトして今の動画を始めました」ファンたちから美容に関するお悩みを寄せられることも多いそう。「最近よく目につくのが、母親になってから、育児や仕事との両立で忙しくて、美容に時間もお金もかけられないというお悩みですね。“これって女を捨てていることになるんでしょうか”って…。全然そんなことはなくて、かわいくなろうとしている時点で、あなたは十分素敵なのにって。もうその気持ち自体が素晴らしいし、すでにかわいいから大丈夫ですって、お伝えしたいですね」美容に目覚めたのは中学生の頃。「メイクに興味を持ち始めたんですが、まだその頃は今よりも男の子だったし、いきなりファンデーションを塗るのは抵抗があって。母親に相談して教えてもらったのが、『KATE』のスティックコンシーラーでした。そしたらたった数百円で肌がキレイに見えて、もう“魔法じゃん”って思えたんです。あの頃からずっとコスメは大好き。大人になった今でもデパートのコスメフロアはワクワクが止まりません。一日中いられますよね。気になるコスメは絶対にお試ししたいからお店をはしごして、気づいたら両手いっぱいに袋が…。信じられないくらいの金額を使っていることがあります(笑)」スキンケアやヘアケアもマニアックに追求し、その日の自分に合ったものをセレクトしている。「肌状態によって使うアイテムは替えますが、顔を洗ったら、導入美容液、化粧水、フェイスパック、美容液、クリームが基本のステップ。あとはアイクリームも。とくにフェイスパックは、業者かってくらい集めていて、冷蔵庫はパックでぎっしり埋まっています(笑)。ヘアケアも顔と同じようにその日の状態によって調整。シャントリも10種類はストックしています」現在は週に1回、女性ホルモンの投与を始めたことで変化が。「メンタル的なところでいうと、最初の3か月くらいは気持ちのアップダウンが激しかったんですが、半年ほど経った今はなんとか乗りこなせるようになってきました。正直まだ体調面は辛くて絶好調っていう日はないんですけど、メンタルと同じように、そのうち体調も安定してくるといいなと思っています。肌と髪はいい感じで、髪の毛はツヤツヤになってきた気がするし、肌もなめらかさが出てきて、デコルテや顔の肌質が男性特有のちょっと険しい感じが少しずつ減ってきました。前はすっぴんだと完全に男の子って感じでしたが、今はマニッシュな女の子って感じのところまできたと思います。理想とする女性像は、韓国女優のキム・ソヨンさん。韓国ドラマ『ペントハウス』でチョン・ソジンを演じられていた方なんですが、ああいうきっつーい感じで、一見するとイジワルそうな美人になりたいんです。自立していて強い意志を持った女性像が憧れ」花上さんにとっての美容とは?「美容とは武装。大変な現代社会を生き抜くための武装だと思います。人から何か言われても“いやでも私、かわいいから”って思える鎧ですね。直接ダメージを受けないための鎧みたいな感じ。私は男性に生まれて、今は女性として変わっていこうとしている段階ですが、美容を頑張ることでなりたい自分になって夢を叶えてきました。みんなそれぞれコンプレックスも悩みもあると思うけど、意外と人から見たら素敵だなって思われる部分かもしれないし、私も肌のことで悩んだ時期もありましたが、今はもう気にならなくなりました。私にはほかにも素敵なところがあるのに、肌のことだけにとらわれて自分なんてって思う人生はもったいないなって。もっといいところに目を向ければいいじゃんって気づいたんです。自分を好きになれとは言わないけど、嫌いにはならないでほしいな。だって最後まで一緒にいるのは、友達でも家族でもなく自分ですからね」花上惇の美をつくるアイテム【FATUITE】ブライテスト ファーストエッセンスa内側から発光するような透明感のある素肌へ導く。人気のブースター美容液がさらにパワーアップし、よりスピーディな効果を実感。「お風呂後にまずこれを塗って、次に使う化粧水までのつなぎケアに。保湿力も高いので安心です」。120ml¥8,910(ファチュイテ info@fatuite.com)【ボビイ ブラウン】エクストラ リペア アイ クリーム インテンスくすみや乾燥ダメージから守ってハリのある目元に。潤い成分を贅沢に配合。「いろいろ試して一番お気に入り。こってりした硬めの質感で、朝までちゃんと肌に残ってくれています。夕方のちりめんジワが気にならなくなりました」。15ml¥12,100(ボビイ ブラウン TEL:0120・950・114)【Torriden(トリデン)】トリデン ダイブイン フェイスマスク乾いた肌に水分チャージ!スペシャルケアにおすすめ。大人気の美容液「ダイブイン セラム」をマスクに。分子サイズの異なる5種類のヒアルロン酸を配合。「とくに肌をぷるぷるにしたい日はこれ。肌がもちもちに潤うご褒美パックです」。10枚入り¥2,750(Torriden)【ARZTIN(エルツティン)】シルクマスクむっちりと密度の詰まった絹肌になれるクリームマスク。ブランドの人気No.1エイジングクリーム16g分を閉じ込めた贅沢なマスク。特殊なストレッチシートでしっかり肌に密着する。「特別な日にはこのマスクでシルクのような肌を目指します」。5枚入り¥4,000(ARZTIN)【TOKIO IE インカラミ】プレミアム シャンプー & トリートメント見違えるほどのツヤと潤いのある毛先を実現。美容室の最高峰トリートメントを自宅で叶える。「もともと癖毛で乾燥毛だった私の髪がサラサラになってまとまりやすくなりました。香りも使用感も好きです」。[美容室専売品]左・400ml、右・400g各¥5,687(イフイング)【オージュア】アクアヴィア セラム髪の水分を均一にし、まとまりやすい髪に。タオルドライ後のアウトバストリートメント。うねりが出て、パサついて扱いにくい髪質の方におすすめ。「しなやかにやわらかくまとまり、ツヤツヤの髪になれます」。[美容室専売品]100ml¥2,860(ミルボン TEL:0120・658・894)はなうえ・じゅん1992年1月19日生まれ、富山県出身。クリエイター。悩める女子たちの心に響く動画が話題。著書『現在住所は冷蔵庫。自己肯定感急上昇。』(双葉社)が発売中。Instagramは@jnp92119※『anan』2024年2月28日号より。(by anan編集部)
2024年02月28日2部構成で上演時間計約8時間。怯むのもむべなるかな。でも、一見小難しそうな話なのに、観始めたらなんだか引き込まれて思いもよらないところにたどり着く。『エンジェルス・イン・アメリカ』はそんな作品だ。とはいえ、上演するとなったら作り手側は生半可な覚悟じゃできないはず。それが今回上演されることになった。しかもキャストはフルオーディションで選ばれた面々だ。数々の賞に輝いた一大傑作戯曲に“演劇にイカれた”俳優たちが集結。「同じ企画で上村聡史さん演出のフルオーディションで上演された舞台『斬られの仙太』を観た時、俳優さんたちの熱量の高さに驚かされたんです。全員がこれをやりたいと思って集まった人たちで、観ていてもそれが伝わってくる。今はキャスティングありきの作品が主流だけど、そうじゃないところからお芝居を作るっていうことがあっていいし、そこに参加したいと思ったんです」山西惇さんといえばドラマ『相棒』などで活躍する人気俳優。それでも敢えてオーディションに参加することに抵抗はなかったのだろうか。「一次審査の最初に言われたのが、主催側が俳優をオーディションする場であるのと同時に、俳優側もこの企画や主催側をオーディションする時間でもあると思ってください、と。なんかすごく腑に落ちたんです。いわゆるコンテストではなく、演出の上村さんの描くイメージや、全体のバランスを見ながら、ぴったり合う人を探していく場なんだなと」他にも鈴木杏さんや元宝塚トップスター・水夏希さんの名前が並ぶ。「そもそもこれをやりたいなんて、自分を含めて演劇に対してイカれてる人たちしかいないわけで(笑)、最初から志を同じくする人たちが8人いる状態はすごくいいですよね」1980年代、死の病だったエイズの恐怖に怯えていたNYを背景に、ジェンダーや宗教、人種問題や政治などで混沌とするアメリカの世情を、群像劇によって浮き彫りにした本作。「劇的に何かが大きく動く話じゃないのに、ずっと観ちゃうのはなんなんだろうって思うんです。まず、ひとつひとつのシーンがギュッとコンパクト。その終わりに必ず登場人物の状況が変わるから、台本を読んでいる僕らも、この次どうなるんだっけって気になるくらい。懐石料理みたいなんですよね。次にどんなお皿が出てくるのか予測もつかないまま、どんどん引っ張られていって、最後には大団円を迎える。構成が巧みなんです。観劇って、僕は精神の旅行に近い気がしているんですけれど、この作品は登場人物たちと一緒に外の景色をゆっくり眺めながら目的地に向かっていたら、すごく遠いところに連れてきてもらえるような。僕らも稽古しながら、予想外に笑えたり、人のシーンで涙が出たり、台本を読んだ時点では想像していなかったような体験をしているくらい」演じるのは弁護士のロイ・コーン。勝つために手段を選ばない剛腕で、アメリカでは“悪名高き”との枕詞で語られる実在の人物がベースだ。「やってきたことはたしかに悪いことかもしれないけれど、そのおかげで今のアメリカがあると言えなくもない。本人はひねくれ者というか(笑)、ユダヤ系の出自ながら反ユダヤを煽動したり、ゲイでありながら世間への発覚を恐れて過剰に否定したり、すごく人間くさい。悪徳な面も出しつつも人間くささをうまく表現できたら、とても魅力的な人物になるんじゃないかと思っています」『エンジェルス・イン・アメリカ』1985年のNY。同棲中の恋人・プライアー(岩永)から、自身がエイズだと告げられたルイス(長村)は、職場で裁判所書記官のジョー(坂本)と親しくなる。一方のジョーは、剛腕弁護士のロイ・コーン(山西)から司法省への栄転を持ちかけられ…。4月18日(火)~5月28日(日)初台・新国立劇場 小劇場作/トニー・クシュナー翻訳/小田島創志演出/上村聡史出演/浅野雅博、岩永達也、長村航希、坂本慶介、鈴木杏、那須佐代子、水夏希、山西惇A席7700円B席3300円Z席(当日券)1650円一部・二部通し券1万3800円新国立劇場ボックスオフィス TEL:03・5352・9999やまにし・あつし1962年12月12日生まれ、京都府出身。劇団そとばこまちを経て、映像作品のほか、こまつ座、ナイロン100°Cなどさまざまな舞台で活躍。ドラマ『相棒』は全シリーズに出演。撮影:藤記美帆※『anan』2023年4月19日号より。インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年04月18日八代拓、土岐隼一、深町寿成、市川太一、寺島惇太の人気声優5人がイケメンインストラクターを演じる、iOS&Androidにて好評配信中のスマートフォン向けゆる甘ヨガ&ストレッチアプリ「ミミアロマ」のイベント開催・各種グッズの販売が決定いたしました!イベントは8月21日(日)、新宿のマルイメンにて、Dr.C役・寺島惇太、秋月ミナト役・市川太一、七瀬ユズキ役・深町寿成が出演予定です。「ミミアロマ」の収録時の裏話が聴ける他、キャストと一緒に簡単なストレッチ体験もできる参加型のイベントになっております。対象期間内にあそびファクトリーにて対象商品を購入したお客様限定で、プレミアムシートにご招待いたします。また今回発売する新作グッズは、各キャラクターのアクリルスタンドやアクリルキーホルダー、クリアファイルなど、オトメイト・清白かりんの美麗なイラストを楽しめるグッズです。さらに、このイベント開催を記念して、キャラクターデザイン・清白かりん(オトメイト/アイディアファクトリー)描きおろしのインストラクターキャラクター5名が仲睦まじくフィットネスに勤しんでいる新ビジュアルも解禁となり、会場で「ミミアロマ」関連グッズを購入のお客様限定でこの新作ビジュアルを使用した非売品ポストカードを含む6種のポストカードをランダムでプレゼント!イベントでもグッズでも「ミミアロマ」に癒されて暑い夏を乗り越えましょう!◆イベント概要【開催時間】2022年8月21日(日)・第1回 オープンイベント 13:00~13:20・第2回 プレミアムイベント 17:00~17:20※「オープンイベント」はオープンスペースでのトークイベントで、当選者以外の方も立ち見での鑑賞が可能です。「プレミアムイベント」はクローズドなスペースでのイベントとなり、当選者以外の方はご覧いただけません。※「オープンイベント」の立ち見エリアは新型コロナ感染症に伴う混雑の緩和のため、付近のスペースの入場を制限することがあります。【出演】寺島惇太(Dr.C役)市川太一(秋月ミナト役)深町寿成(七瀬ユヅキ役)【会場】新宿マルイメン 8階イベントスペース〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目16-4【参加方法】第1回オープンイベント・8月6日(土)~8月20日(土)まで、新宿マルイメン8階「あそびファクトリーのあそび場」にて「ミミアロマ」関連商品を含む2,200円(税込)以上お買い上げで参加抽選券を配布いたします。(配布は1会計ごとに1枚の配布となります)第2回プレミアムイベント・8月6日(土)~8月21日(日) 16:00 まで、新宿マルイメン8階「あそびファクトリーのあそび場」にて「ミミアロマ」関連商品を含む2,200円(税込)以上お買い上げで参加抽選券を配布いたします。(配布は1会計ごとに1枚の配布となります)・その後、抽選ブースにて抽選を行い、当選した方をトークイベントにご招待。※当選枠が埋まった場合や「ミミアロマ」関連商品が完売となり次第、抽選券の配布は終了となります。※当日ご来場にならなかった当選者がいた場合、イベント当日のグッズ購入者に抽選等で参加枠を開放する場合があります。当日、開演直前に店舗にてご案内いたします。(直前のご案内となるためTwitter等でのお知らせは予定しておりません)【参加特典】・プレミアムシートでの観覧の方またはプレミアムイベント参加者の中から抽選でキャスト寄せ書きサイン色紙をプレゼント※サイン色紙には当選した方のお名前を記載いたします。※サイン色紙はイベント終了後にスタッフからのお渡しとなります。【本イベントにおける注意事項及び感染対策について】・本イベントにおける撮影および録音(カメラ/携帯/スマートフォン/タブレットなどの撮影行為)は、プレミアムシートおよび立ち見のお客様も含め禁止とさせていただきます。・イベントの開催にあたりましては、政府および都道府県による新型コロナウイルス感染防止に関するガイドライン、また新宿マルイメンの感染症対策に準じた対策を行います。・ご入場の際には、マスク着用を義務付けさせていただきます。マスクの着用がないお客様は、ご来場をお断りいたします。また会場内でも引き続きマスクのご着用をお願いいたします。会場入口にてお客様にご利用いただける消毒用アルコールを設置いたします。・ご入場の際に必ず手指の消毒をお願いいたします。・入場時、退場時、整列時など、前後1メートル程度の間隔を開けてお並び頂くよう、ご協力をお願い致します。・スマートフォンをお持ちのお客様は、ご来場前に、厚生労働省よりリリースされております新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)をお手持ちのスマートフォンにインストールの上、公演当日はBluetoothをオンにして頂き、ご利用いただきますようお願い申し上げます。・公演中の声援はお控えいただきますようお願いいたします。・出演者へのプレゼントなどの受け渡しに関しては、一切お預かりできません。◆アーティスト写真アーティスト写真◆グッズ概要・アクリルスタンド(全5種)各1,870円(税込)アクリルスタンド・トレーディングアクリルキーホルダー(全5種)各770円(税込)アクリルキーホルダー・トレーディング缶バッジ(全5種)各495円(税込)缶バッジ・クリアファイル(全5種)各440円(税込)クリアファイル【グッズ購入特典】「ミミアロマ」関連グッズご購入の方、550円(税込)ごとに非売品ポストカード(ランダム6種)をプレゼントします。(エポスカードのご提示で1枚追加プレゼント/なくなり次第終了)【エポスカード入会特典】エポスカードに新規ご入会頂いた方にはポストカードコンプリートセット(6枚)をプレゼント。(なくなり次第終了)添付画像・新ビジュアル1点・アーティスト写真+キャラクター画像セット1点・新作グッズ画像4点◆「ミミアロマ」新ビジュアル「ミミアロマ」描きおろし新ビジュアル◆「ミミアロマ」とは…ミミに癒し、ココロ整う、ゆる甘ヨガ&ストレッチアプリ。魅力的な声をもつイケメンインストラクターがあなたにゆるく、甘く、優しく、ヨガ、ストレッチを教えてくれる。安らかな眠りに誘う瞑想も充実。毎月、新作が追加!有料ユーザー特典では、キャラクター達のボイスストーリーも聴ける!【PV URL】 ◆キャラクター&キャスト伸条トーリ(CV:八代拓)七瀬ユズキ(CV:深町寿成)秋月ミナト(CV:市川太一)神代サツキ(CV:土岐隼一)Dr.C(CV:寺島惇太)◆アプリ情報iOS版/Android版 好評配信中!・iOS版 ・Android版 基本ダウンロード無料【聴き放題月額課金制1,480円(税込)】◆スタッフ制作 :読売テレビエンタープライズ・hotarubiフィットネス原稿制作・監修:ティップネスキャラクターデザイン :清白かりん(アイディアファクトリー/オトメイト)企画製作 :読売テレビエンタープライズ公式サイト 公式Twitter 公式YouTubeチャンネル 株式会社読売テレビエンタープライズ設立50年記念プロジェクト(C)あそびファクトリー (C)mimiaroma・「あそびファクトリー」は株式会社読売テレビエンタープライズの登録商標です。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月21日2022 / 2023シーズン演劇『エンジェルス・イン・アメリカ』の全てのキャストが決定した。本作は、毎シーズンに一本、全キャストをオーディションで選考、上演する企画の第5弾。演出に上村聡史を迎え、昨年10月25日より公募を開始、1,600通近くの応募の中から、11月の書類選考を経て、12月に一次選考、二次選考を行い、すべての出演者が決定した。ロイ・コーン役に山西惇、ジョー役に坂本慶介、ハーパー役に鈴木杏、ルイス役に長村航希、プライアー役に岩永達也、ハンナ役に那須佐代子、ベリーズ役に浅野雅博、天使役に水夏希がキャスティングされた。《決定キャスト》(台本順)ロイ・コーン:山西惇ジョー:坂本慶介ハーパー:鈴木杏ルイス:長村航希プライアー:岩永達也ハンナ:那須佐代子ベリーズ:浅野雅博天使:水夏希<演出家・上村聡史より>『エンジェルス・イン・アメリカ』はかねてより演出したい作品でした。しかし、本作品は1980年代という時代を色濃く反映しているため、その上演のタイミングが非常に難しいと思っていました。しかし、世界の不寛容と分断が進む中、そして新型コロナウィルスという不安に、未来が包まれている今、まさしく今上演すべき作品だと思いました。このオーディション企画では、二度目の演出ということもあり、同じ目的に向かう同志が集まる創作は、作品に高い求心性を持ち、主題を投げかける力が強くなるため、本作はこの企画と相性が最適だと践みました。変化が求められるこの時代に、戯曲のテーマでもある“変化・変革”を軸に、生きることと愛することを時に真摯に、時に軽妙に演じられた皆さんの気概に、感謝が尽きません。その上で、出演者8名を決定させていただきました。日本人の我々にとっては、理解するのが困難な文化の違いや、言葉の裏の意味や皮肉が交じった会話が多いこの高度な戯曲に、果敢にご応募いただいたこと、この熱量に、私は日本の表現者、演劇人の可能性を感じました。 そして、その熱量を受け、本作品の創作にいっそう精進していきたいと思います。<演劇芸術監督・小川絵梨子より>『エンジェルス・イン・アメリカ』のオーディションにご応募くださった方々、そして長期に渡るオーディションにご参加下さった方々に厚く御礼申し上げます。ご応募下さった皆様お一人お一人に、この度の作品に興味を持ってくださったこと、そして多大なるエネルギーと時間と想いをオーディションに向けて下さったことに心より感謝申し上げます。オーディションを通して皆様とこうして出会う機会を頂けたことは、我々劇場にとりましても、参加する演出家の方々にとりましても大変に大きな財産です。また、本企画の過去4回の中にはオーディションでの出会いから、当劇場の作品か否かに変わらず、また違う作品にてご一緒させて頂く機会も少なからず生まれており、本企画を続けていく上で励みともなっております。フルオーディション企画第5弾となる『エンジェルス・イン・アメリカ』は、戯曲が二部作ということもあり、稽古と公演期間でそれぞれ約二ヶ月間、合計で約四カ月の長期プロジェクトとなります。公演時間も一部と二部を合わせると7時間を超え、これまでの本企画の中で一番の大作ですが、必ずや素晴らしい舞台になると思います。ぜひ、本企画にご興味を持って下さった皆様にご覧頂くことができましたら大変に有り難く存じます。このフルオーディション企画はこの先も続いて参りますが、本劇場でどなたでも参加して頂けるオーディションでのキャスティングの作品を更に増やしていく予定です。オーディションで作品を作ることの豊かさや、その意義を探究しつづけて参りますので、またご興味を持って下さったら幸いに存じます。どうかこれからもよろしくお願い申し上げます。 重ねて、この度のオーディションにご興味を持ってくださいました皆さまに深く御礼申し上げます。演劇『エンジェルス・イン・アメリカ』公演概要会場:新国立劇場 小劇場公演日程:2023年4月上旬~5月末予定作:トニー・クシュナー翻訳:小田島創志演出:上村聡史出演:浅野雅博 岩永達也 長村航希 坂本慶介 鈴木杏 那須佐代子 水夏希 山西惇芸術監督:小川絵梨子主催:新国立劇場一般発売日:未定 / 料金:未定キャスト発表ニュース: チケットに関する問い合わせ:新国立劇場ボックスオフィス:03-5352-9999 (10:00~18:00)
2022年02月07日演劇ユニット、ピンク・リバティ代表の山西竜矢が、約2年半ぶりとなる新作『とりわけ眺めの悪い部屋』を東京・浅草九劇で上演する。脚本家を志望する青年の部屋に住み着いた孤独な地縛霊と、彼女を取り巻く人々が繰り広げる群像劇だ。開幕を約2週間後に控えた稽古場で、主人公の幽霊・夏子役を務める湯川ひなとインタビューに応じた。周りから“浮いて”いる、特別な存在感が主人公の幽霊にぴったり──まず山西さんに質問させてください。コロナ禍で残念ながら公演中止になってしまった『下らざるをえない坂』から約2年半ぶりの新作です。『下らざる〜』のリベンジもできたと思いますが、どういったモチベーションで新作を上演しようと思われたのでしょうか?山西『下らざる〜』と同じ時期に、初長編監督作品として『彼女来来』という映画の撮影を進めていまして。公演が中止になってしまったショックというか、ダメージはあったのですが、結果的にその分全てのリソースを投下してこれまでと異なる映像ジャンルに集中してクリエーションすることになったので、そのあとにやる演劇は、そういう経緯を経た中で少しでも“変化”したところを見せられたら、と思って今作を書きました。──湯川さん演じる地縛霊の夏子が住み着いた事故物件と、部屋を訪れた人が必ず修羅場になってしまう『とりわけ眺めの悪い部屋』をクロスオーバーさせる構成を楽しく拝読しました。彼女を主演に起用した決め手を教えてください。山西長久允(まこと)さんが監督されて、サンダンス映画祭ショートフィルム部門のグランプリを日本映画として初めて受賞した『そうして私たちはプールに金魚を、』(2017年)に、ひなちゃんが主演していたのを拝見したんですね。それで「素敵な雰囲気の役者さんがいるんだな」と思って、自分のワークショップに参加してもらいました。その様子を見て「夏子のイメージにハマるな」とオファーしたんです。──湯川さんのどんな点が、夏子にぴったりだと思われたんでしょうか?山西夏子は、住み着いた部屋の主である一郎としか会話できません。一郎宅には彼の仕事関係者が飲みに訪れるんですが、幽霊の夏子は彼らと一郎の様子を黙って見つめている“眼差し”なんです。で、こう言ったら失礼になってしまうかもしれないですけど……ひなちゃんにもどこか一段、周りから“浮いて”いるような、夏子に通じる特別な存在感があって。そういうところが、幽霊みたいな役を演じるのに適しているというか、俳優としての質感が作品にぴったりだと感じました。──夏子は会話の輪に加わることのできない、孤独な“眼差し”なんですね。湯川さんは本作が舞台初主演ですが、幽霊の役についてどのように受け止めていらっしゃるんでしょう?湯川舞台主演のお話を初めていただいたので、ドキドキしたことをよく覚えています。新しい挑戦はきっと自分を成長させてくれるだろうな、と思ってお引き受けしました。俳優の仕事は、自分が「やれるだろうな」と想像できる範囲の役をやるより、何かしら“壁”みたいなものが目の前にあった方がよい気がしているんです。そういう意味で地縛霊の夏子は私にとって大きな試練ですが、いろいろ思索しながら楽しく取り組ませてもらっています。セリフ以外の“眼差し”が、主人公の本質を表している気がして──地縛霊の夏子ってどんな人物でしょうか? 湯川さんの言葉で改めて教えてください。湯川まず生前のその人と幽霊になった時の意識は必ずイコールになるのかな、ってことを考えました。生前できなかった未練や後悔、隠れていた本質が幽霊になって表れている可能性もあるんじゃないか……とか。幽体と生きていた人、両方の性質を考えなきゃいけない気がしたんです。──台本上、夏子の死因は明らかになっていませんし、なぜ幽霊になったのかも説明されません。そういう中で湯川さんとしてはイコールor not、どちらの路線で役を深めているんでしょうか?湯川生前と幽霊の夏子は「同じ人物ではない」という結論を出しました。一郎みたいに心を通わせた人は、たぶん生前いなかった。幽霊になって初めて人と心を通わせることができるようになったんじゃないかな、と想像して。一方で、生前の夏子はずいぶん大人っぽい人だったんじゃないかな……とも思いました。山西さんもおっしゃったように、彼女は周りを客観視する“眼差し”の持ち主なので。──生前と幽体の夏子は別人格でありながらも、生前の名残みたいなものが見え隠れすることもある……ということでしょうか?湯川幽霊になって、夏子の時間は止まってしまいました。生きていれば29歳の一郎と同じくらいの年齢なのに、死んでしまった19歳の姿のままでいるしかない。その年にしては大人びている夏子の“眼差し”は、とにかく一郎や彼の部屋を訪れた人に注がれる、というか。──切ないですね。夏子はどんな風に一郎や訪問者を見つめているんでしょう?湯川たとえば言い合っている二人がいても、その渦中にいる話者ではなく様子を見守っている人に“眼差し”を向けたりするんですよね。みんなが会話しているシーンで、もしお客さんが夏子を見ることがあった場合に「あ、どうして夏子はいまこの人を見つめているんだろう?」って別の視点を与えられていたらいいな、と思います。セリフ以外の反応が、夏子の本質を表している気がして。──夏子は主人公ながら、コミュニケーションを取れるのは一郎に限られています。また怒涛の長ゼリフで物語の進行役を務める“狂言回し”的な側面も担っていますし、他のキャストと求められる役割が明らかに異なっていますよね。湯川そうですね。周りがエキサイトするぶん、夏子だけは感情的にならず、フラットな存在でありたいと考えています。その平坦なスタンスが物悲しく見えたらおもしろいのかな、と。──いまお答えいただいたのは、山西さんの演出を受けて定まったことなんでしょうか?それとも、湯川さんご自身で考えたこと?湯川山西さんの台本を読んで受け取った印象をもとに、私が考えました。山西実はひなちゃんとは、役や設定について時間を設けてすり合わせをしたわけではないんです。なのに、ここまで高い解像度で夏子を捉えてくれていることが嬉しい。隣で聞いていて、僕がこの台本の中で夏子をどう表したいのか「きちんとわかってくれているんだな」と信頼度が増しました。「きれいは汚い、汚いはきれい」なのが、愚かしくも美しい人間──テーマの着想はどういったところから起こったのでしょうか?山西幽霊を主人公に、その眼差しを通じて人間を描く物語をやりたい……という思いはずっと抱えていました。ヒトならざる者の目で人間を見つめるからこそ、その生態がハッキリ浮かび上がることってきっとあるだろうな、と。それを夏子の“眼差し”に託しました。彼女は人間の汚さや愚かさを目の当たりにしますが、一方で美しいところも発見する。だから「やるせない」といいますか。──人間の表裏を浮かび上がらせたい、と感じる理由は?山西この作品に限らず、僕が自分の創作物で目指したい地点はずっと一緒でして。演劇でも映像でも、伝え方に差はあれど、「きれい」と「汚い」が混在しているのが人間なのではないか、というところに向かっていると思います。シェイクスピアが『マクベス』の中で「きれいは汚い、汚いはきれい」と書いていたセリフは、自分にとっても大切な考え方です。いちばんはじめにこの作品の企画書を書いた時に、養老孟司さんがインタビューでお話しされていた言葉を思い出していました。確か、トイレが汲み取り式のぼっとん便所から水洗に移行したタイミングで、土葬から火葬に変わったらしいんですね。で、養老さんはその流れを指して「人間が見たくないものを排除しようとしている」とおっしゃっていて。死体や老廃物といった、汚いけれど全人類と関わりがあって切り離せないものを、視野に入らないように追い払おうとしていると。たしかに現代でも、映りの悪い写真を加工して肌をキレイに整えたりしますよね。メイク用品も発達して、洋服のデザインもどんどん洗練されていく。自分自身もその影響下にあるな……と実感する一方で脳裏をよぎるのは「人間は、必ず汚い部分を含んでいる」という意識です。忘れたくないし、常に念頭に置いておきたいんです。だから、物語において、陰惨な悲劇や楽しいコメディももちろんエンターテイメントとしてとても大切なものだけど、創作物がそこに特化した鮮烈なものだけになってしまったら、それは嫌だなと思って。なので自分は、そのあいだくらいにある、ちょっと気持ち悪いけれど、キレイで素敵なところも描かれている人間ドラマをつくっていこうかな、と。それは今回の『とりわけ眺めの悪い部屋』にも前面に出ているのではないかな、と思います。──第一報出しのコメントで、山西さんは「ここ数年映像作品に携わってきたことで、逆に“演劇とは何か”ということを自分なりに捉え直すことができた」とおっしゃっています。具体的にどういったことに気づかれたのでしょうか?山西少なくとも自分にとっては、「演劇は言葉のプレゼンテーションに適した場だ」ということに改めて気づきました。僕にとって、映画という媒体は、ビジュアルが重なっていく“画(え)”によっての構築がしやすい場で。監督した『彼女来来』もできるだけセリフの少ない脚本にして、物語やテーマをビジュアルで語ろうという思いがありました。そこはやはり映像の特権的な強さな気がしていて。それを経て演劇に戻り、夏子のモノローグが膨大になったのは……その反動かな、と(苦笑)。舞台に立った役者の生の肉体や、発する言葉が目の前にある。それだけの事実に感動してしまうのは、演劇特有の、強い武器だと思います。──たしかに。つかこうへいさんの作品に登場する長ゼリフも聴けるどころか、圧倒されますもんね。『とりわけ眺めの悪い部屋』とつか芝居とでは、作風は大きく異なりますけど。それで、冒頭を夏子の長いモノローグにしたんですか?山西夏子のモノローグや訪問者たちの会話も、もともとは少し切ろうと思っていたんです。いっぱい書いて、俳優に読んでもらって要らないところを切ろうとしていて。でも実際に稽古場でやってもらったら「あれ、聴けるな」って。ちゃんと成立したんですよね。僕だけが受けた感触かな、と思って見ていたスタッフさんに確認してみたら「全然聞けますよ」「もっと長くても大丈夫」って。それで手応えを感じることができた。それを機に、調子に乗って「もっと書こうかな」って。結果、初稿より長くなっちゃったんですけどね(笑)取材・文:岡山朋代撮影:藤田亜弓『とりわけ眺めの悪い部屋』2021年11月10日(水)〜11月14日(日)会場:浅草九劇チケットぴあ:
2021年11月08日終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」の放送が決定。妻夫木聡と蒼井優が夫婦役で共演し、太平洋戦争末期に行われた、生体解剖の実話を基にしたドラマを描く。1945年5月。西部帝国大学医学部・助教授の鳥居太一は、教授の指示のもと、米兵捕虜の手術を手伝うが、それは人体実験手術であった。教授に恐ろしい手術の中止を進言するが却下され、8名の捕虜が死亡。戦犯裁判で死刑判決を受けた太一は、凶行を止められなかった自分と向き合うことになる。一方、妻・房子は、裁判の中でゆがめられた真実を明らかにし、事件の首謀者にされた夫を死刑から救おうと奔走する――。本作は、熊野以素の「九州大学生体解剖事件70年目の真実」を原作としたドラマ。死刑判決を受けて自分自身と向き合う医師と、その判決に異議を唱え公正な裁きを求めて奔走する妻。苦悩の果てにたどりついたありのままの真実とは…?人間の狂気と正気を描き出すヒューマンサスペンス。主演の妻夫木聡が演じるのは、捕虜の実験手術に関わる西部帝国大学医学部助教授・鳥居太一。教授に中止を進言したが手術は続行され、終戦後に戦犯となってしまう。「"自らの責めは自らが負わねばならない" 罪とは何か、生きるとは何か、ひたすらに自分と向き合い続ける日々です。人間は愚かな生き物であります。しかし、誰かを思いやる温かい心になれるのもまた人間です。人としてあるべき姿とは何か、今一度この時代に問いかけられているような気が致します」と語る妻夫木さんは、「時代や環境が変われど、一つ一つの命の重みに変わりはありません。作品を通じて、命の尊さを感じて頂ければ」とメッセージ。太一の妻で、死刑判決を受けたことに納得せず、夫を救出するために奔走する房子を蒼井優が演じる。「胸が締め付けられるようなシーンがたくさんありますが、妻夫木さんが演じられる太一を信じ、最後の最後まで丁寧に演じて行けたら」と言い、「タイトルに見合う作品になることを期待しながら、精一杯頑張ります」と意気込んでいる。2人のほかにも、死刑囚棟の同じ房で太一と生活することになる元軍人役で永山絢斗、捕虜の実験手術を実行する西部帝国大学医学部第一外科教授役で鶴見辰吾。そして、山西惇、辻萬長、中原丈雄、若村麻由美らの出演も明らかになっている。終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」は8月13日(金)22時~NHK総合にて放送。※75分単発(cinemacafe.net)
2021年05月26日明石家さんまが企画・プロデュースする、西加奈子の小説の劇場アニメ化『漁港の肉子ちゃん』。この度、吉岡里帆とマツコ・デラックスが本作に参加することが明らかになった。先日放送がスタートしたドラマ「レンアイ漫画家」では、ヒロイン役で出演中の吉岡さんが担当するのは、若かりし肉子ちゃんの親友みう。肉子ちゃんと娘キクコの親子関係の秘密を握る重要な役どころとなっている。「愛情たっぷりの肝っ玉母ちゃんと成長期真っ只中の繊細な娘とのやり取りに、台本を読みながら思わず笑みが溢れました」と物語の印象を明かした吉岡さんは、「さんまさんプロデュースにより、西加奈子さんの名作がアニメーション作品として瑞々しく劇場で公開される事、そしてそんな素敵な作品に一演者として参加出来る事、大変嬉しく思っています」と今回の参加を喜ぶ。またマツコさんが演じるのは、肉子ちゃんが働く漁港に1軒ある焼肉屋「うおがし」の店内のテレビで放送される、番組内の人気コーナー「驚異の霊媒師ダリシア、霊視スペシャル!」の霊媒師ダリシア。久しぶりのアフレコにすごく緊張したというマツコさんは「さんまさんと一緒の時は、いかにボケるか?いかに面白いことを言うか?をずっと考えながらやってるじゃない?だからアフレコの現場でもずっと監督をイジったりとか、クセでやっちゃうのよ。で、怒られた、さんまさんに。『今日はまじめにやれ』って(笑)。だから、まじめにがんばりました」と今回の収録をふり返っている。さらに、「うおがし」の大将で肉子ちゃんとキクコを家族のように見守るサッサンを中村育二。キクコの友達・マリア役で、オーディションで1673人の中から選ばれた新人・石井いづみが声優デビュー。マリア役の選からは外れたが、オーディション参加者の中から本村玲奈、植野瑚子、原口紗綾(新人)。山西惇や八十田勇一といったベテラン俳優も参加することが決定した。『漁港の肉子ちゃん』は6月11日(金)全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:漁港の肉子ちゃん 2021年6月11日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
2021年04月10日アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』の追加ボイスキャストが発表された。本作は、明石家さんまが、直木賞作家・西加奈子の小説を元に企画・プロデュースする劇場アニメで、漁港の船に住む訳あり母娘・肉子ちゃんとキクコの秘密が紡ぐ感動のハートフルコメディ。『ドラえもんのび太の恐竜2006』『海獣の子供』の渡辺歩が監督を務め、アニメーション制作をSTUDIO4℃が手がける。肉子ちゃん役を大竹しのぶ、娘・キクコ役をCocomiが務め、人気声優の花江夏樹や下野紘の出演がここまで発表されいた。新たに発表されたボイスキャストとして、若かりし肉子ちゃんの親友”みう”役に吉岡里帆、霊媒師ダリシア役にマツコ・デラックスの参加が決定。さらに、中村育二、山西惇、八十田勇一らベテラン俳優陣の出演も決定した。さらに、先日声優オーディションで一般公募された肉子の娘キクコの友達・マリアのボイスキャストにオーディションを勝ち抜いた14歳の新人・石井いづみが務めることが決定した。本オーディションの応募者は2週間の応募期間で1673通に上り、年齢は7歳〜64歳からプロ・アマ幅広い層から応募された。その中で最終オーディションに残ったのは14歳〜27歳の10名。最終審査は、明石家さんまと渡辺歩監督立ち会いのもと行われ、今回、最年少14歳の石井いづみが見事マリア役のボイスキャストに選出。声優になりたいという夢を抱いて本オーディションに応募したという石井は、本作で念願の声優デビューを飾る。さらに、マリア役の選からは外れたがオーディション参加者の中からさらに、本村玲奈(アクロスエンタテインメント)、植野瑚子(東俳)、原口紗綾(新人)の3名が、役で本作に参加することも決まっている。みう(声の出演):吉岡里帆肉子ちゃんが大きな声で笑うだけでそこは温かな空間になり、真っ直ぐな言葉にふと人生を想う。 愛情たっぷりの肝っ玉母ちゃんと成長期真っ只中の繊細な娘とのやり取りに、台本を読みながら思わず笑みが溢れました。さんまさんプロデュースにより、西加奈子さんの名作がアニメーション作品として瑞々しく劇場で公開される事、そしてそんな素敵な作品に一演者として参加出来る事、大変嬉しく思っています。霊媒師ダリシア(声の出演):マツコ・デラックスオファーをいただいた時に、そんなにすごい役じゃないだろうとは思ってたけど、想像の5分の1くらいだったわね、セリフ(笑)。冗談だって!ありがたい話よ。久しぶりにアフレコをやらせていただいたので、珍しくすごく緊張しました。さんまさんが見てるし(笑)。さんまさんと一緒の時は、いかにボケるか?いかに面白いことを言うか?をずっと考えながらやってるじゃない?だからアフレコの現場でもずっと監督をイジったりとか、クセでやっちゃうのよ。で、怒られた、さんまさんに。「今日はまじめにやれ」って(笑)。だから、まじめにがんばりました。マリア(声の出演):石井いづみ(新人)オーディションに受かったという電話をもらった時、全く実感が湧きませんでした。お父さんやおばあちゃんに受かったことを報告したらすごく喜んでくれて、それを見てずっと憧れていた声優さんになれるんだって実感が湧いてきました。とっても嬉しいし選んでもらえたからには頑張ろうって気持ちになりました。そして、また憧れのアフレコスタジオに行けるんだと思うと感激しました。アフレコ中は、明石家さんまさんも監督さんも初心者の私に優しくわかりやすい言葉で指導してくださいました。アフレコを終えて、以前より声優さんのお仕事に尊敬をもつようになりました。みなさんが指導してくださったことを忘れずに次に生かしたいと思いました。『漁港の肉子ちゃん』6月11日(金)公開
2021年04月10日黒澤映画をミュージカル化した『生きる』が10月9日(金)、東京・日生劇場にて開幕。それに先駆け、主演の市村正親と鹿賀丈史、演出の宮本亞門がコメントを寄せた。本作は、’18年に主演を市村正親・鹿賀丈史(Wキャスト)、音楽をジェイソン・ハウランド、脚本・歌詞を高橋知伽江、演出を宮本亞門というタッグで初演された作品で、今回が2年ぶりの再演となる。自らの余命がわずかと知り、初めて生きようとする主人公・渡辺勘治を演じるのは、初演に続き市村と鹿賀。その息子・光男は新キャスト村井良大が演じる。さらに、新納慎也と小西遼生(Wキャスト)、May’n と唯月ふうか(二役をWキャスト)、山西惇が初演に引き続き出演する。市村が「初演では、あんな耳をつんざくような拍手をもらえるとは思っていなかったのでびっくりしました」、鹿賀が「静かなものすごい熱のあるスタンディングオベーションの光景を目にして、いい仕事ができたなと感じました」と振り返った本作だが、今回の再演はさらに「すごく作品がよくなっている」と宮本。そこには宮本自身の経験も反映されているといい「コロナ禍だから観てほしい作品になった。“生きる”ということをストレートに伝えられる作品になったなと思います」と明かす。市村も「今回の演出は2年前と随分違うんです。渡辺勘治の人間ぽさが出てきたなと感じています。勘治の『今、生きている。生かされている』という台詞があるけど、僕自身も今回すごく『舞台に立たされている、立つことができている』と実感を持って言えるので、とてもしあわせ。だからこそ、この『生きる』の感動をたくさんの人に伝えたいです」、鹿賀は今回「この作品を上演できると聞いた時はすごく嬉しかったです。これ以上の舞台に立つ喜びはなかなか経験できなかったと思います」と明かし、「今回僕が一番気にしているのは“リアリティ”です。台詞も歌も踊りもある中で、どこかに一本、すっと気持ちがつながっていないとと考えました。だから歌も、上手に歌えば十分なのか?と思いまして、普通の音楽監督だったら怒るかもしれないような歌い方もしています。今までのミュージカルとは一味違う、僕は新しいミュージカルだと思っています」と語る。宮本が「これはお芝居なんです。芝居としても、ミュージカルとしても楽しんでいただける作品。映画と違う新たな感動もあると思います。必ずあなたの人生に光が差す瞬間がある舞台だと、大げさじゃなく思います。市村さんと鹿賀さんが凄まじいです。今回の『生きる』は観ないと損です」と語る本作は、10月28日(水)まで東京・日生劇場にて上演後、富山、兵庫、福岡、愛知を巡演。文:中川實穂
2020年10月14日2011年、東日本大震災の渦中に上演されたこまつ座『日本人のへそ』が、東北へのオマージュを込めて2021年3月、10年ぶりに上演される。井上ひさしの劇作家としての本格的デビュー作であり、喜劇、ミュージカル、 日本語、 推理劇、 そしてどんでん返しの連続と、好きなものをこの一作にすべて注ぎ込んだ井上ひさしの劇作の原点ともいえる作品。東北岩手から集団就職で上京したものの、大都会の中で職を転々とし、ついには浅草ストリップの華に仕立てられたヘレン天津の一代記。大どんでん返しの連続で、息をもつかせぬスピード感で疾走するエネルギッシュな音楽劇だ。演出を手掛けるのは鬼才・栗山民也。この度出演が決まった井上芳雄、小池栄子、朝海ひかる、山西惇からコメントが到着した。井上芳雄(会社員役)コメント井上芳雄「井上さんの最初の作品と、最後 の作品をやれるのは面白いんじゃない?」演出の栗山さんからもらった言葉が忘れられません。僕は井上先生の遺作である『組曲虐殺』 に出演させて頂き、人生が変わったと思っています。それ以来、先生の作品を次の世代に伝えるための綱を担ぐ一人でありたいと、願い続けてきました。そして、処女作にはその作家の全てが詰め込まれていると聞いたことがあります。以前『日本人のへそ』を観劇した時には、作品が持つ途方もないエネルギーに驚くと共に、『組曲虐殺』へと繋がる思いも確かに感じました。そのエネルギーと思いを自分の身を持って確かめられる幸せと 、今回のカンパニーの皆さんと一緒に今のお客様にお届けできる喜びを、舞台上で爆発させたいと思います。小池栄子(ヘレン役)コメント小池栄子この度、ヘレン天津を演じさせて頂きます。岩手から上京した女学生がストリッパーになり、そこからヤクザの女になったりと成り上がっていきます。自分にとって未知なる領域のお芝居になる予感がしています。ドキドキ、ワクワクです。栗山さんの鋭い演出のもと、井上ひさし作品ならではの言葉遊びを存分に楽しみ、言葉の力、伝える力をお客様と共にじっくり味わえたら幸せですね。肉体も脳ミソもグチャグチャにして、まさに体当たりで演じたいと思います。朝海ひかる(アナウンサー役)コメント朝海ひかる井上ひさしさんの原点ともいわれている作品『日本人のへそ』に出演できると聞きとても嬉しかったのと同時に、何でもありのこの作品に自分がちゃんと順応できるのか…...。挑戦しつつ、苦悩しつつ、そしてやっぱり最後は楽しんで演じられたら幸せだなぁと思っております。また新たな『日本人のへそ』をお楽しみ頂ける様、スタッフの皆様、キャストの皆様と共に挑んで参ります。山西惇(教授役)コメント山西惇私が初めて栗山民也さんとお仕事させていただいたのは2011年の新国立劇場『雨』でした。それ以来、何度も井上ひさしさんの作品でご一緒させていただきましたが、栗山さんはよく「井上さんの戯曲の中で最も好きなのは、やっぱり『日本人のへそ』なんだよ。」と話されており、私もいつか機会があればと願っていたものが遂に実現する事となりました。奇しくも2011年以来の再演です。日本人が、いや世界中の人たちが元気を取り戻そうとしているこの時期に、この作品を上演出来る事に運命と必然を感じます。猥雑さと毒とパワーと人間への愛とそして笑いと。その後の井上戯曲の魅力の全てが詰まっているこの作品に、最高のスタッフ、キャストの皆さんと共に、全身全霊を掛けて挑みたいと思います。上演は2021年3月に東京公演(紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA)、同4月に横浜公演(関内ホール大ホール)、大阪公演(新歌舞伎座)、その後愛知へ巡回する。こまつ座 第135回公演『日本人のへそ』作:井上ひさし演出:栗山民也出演:井上芳雄小池栄子朝海ひかる久保酎吉土屋佑壱前田一世藤谷理子木戸大聖安福毅岩男海史山崎薫大内唯山西惇ピアノ・朴勝哲【東京公演】2021年3月6日(土)~28日(日)会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA【横浜公演】2021年4月6日(火)・7日(水)会場:関内ホール 大ホール【大阪公演】2021年4月1日(木)〜4日(日)会場:新歌舞伎座【名古屋公演】2021年4月17日(土)・18日(日)会場:日本特殊陶業市民会館(ビレッジホール)
2020年10月09日黒澤明監督の同名映画を原作に、宮本亞門(演出)と高橋知伽江(脚本・歌詞)がブロードウェイの作曲家、ジェイソン・ハウランドとタッグを組んで作り上げた日本オリジナルミュージカル『生きる』。2018年の初演は、日本ミュージカル界を支えてきたふたりの“レジェンド”、市村正親と鹿賀丈史(ダブルキャスト)の熱演も手伝い、大きな話題と感動を呼んだ。その再演の舞台が、本日10月9日(金)に日生劇場で開幕。たった2年で再演に至ったという事実が既に、初演の成功を物語っていると言えるだろう。主人公は役所の市民課長、渡辺勘治。早くに妻を亡くしてから男手ひとつで息子の光男を育て上げ、今は息子夫婦と同居しながら淡々と仕事をこなす毎日だ。そんなある日、自分が胃がんであり、余命が長くないと知る渡辺。振り返ると、そこにあるのは意味のあることを何ひとつ成し遂げていない人生だった。今からでも、何かできることはあるのだろうか――。定年間近にして新たな人生を歩み出す渡辺の姿が胸に迫る、シンプルで力強いストーリーだ。渡辺役の市村&鹿賀のほか、狂言廻しを兼ねる小説家役の新納慎也&小西遼生、光男の妻・一枝と役所の事務員・小田切とよを交互に演じるMay’n&唯月ふうか(各ダブルキャスト)、そしていわゆる“お役人気質”の上司役の山西惇は初演からの続投。そこに光男役として、日本ミュージカル界の未来を担う村井良大を加えた新生『生きる』カンパニーが、“ジャパニーズ・ミュージカル”のさらなる高みを目指す。日本にはここ数年、空前のミュージカルブームが到来中だが、上演が多いのはやはり海外産の、西洋人または人間ではないキャラクターが多く登場する作品。そこにきて本作は、日本の老人といういかにも等身大の人物が主人公という点で一線を画し、また音楽も、最初から日本語で歌われることを前提に書かれているため日本人の心に響きやすい。“ミュージカル=自分とはかけ離れた登場人物が華やかに歌い踊るファンタジー”といったイメージにとらわれてブームを遠目に見ている、アンチ・ミュージカル層にこそ観てもらいたい作品だ。ミュージカル『生きる』作曲&編曲:ジェイソン・ハウランド脚本&歌詞:高橋知伽江演出:宮本亞門10月9日(金)~10月28日(水)東京・日生劇場11月13日(金)・14日(土)兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール11月28日(土)~30日(月)愛知・御園座他、 以下地方公演あり文:町田麻子
2020年10月09日俳優の芦名星(あしな・せい)さんが、2020年9月14日に自宅マンションで亡くなったことが分かりました。36歳でした。芦名星が逝去ネット上で「残念でならない」「悲しすぎる」の声突然すぎる芦名さんの訃報に、芸能界からは悲しみの声があがっています。山西惇「『相棒』に、なくてはならない女優さんでした」刑事ドラマ『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)で、芦名さんと共演した、俳優の山西惇(やまにし・あつし)さん。自身のTwitterで、芦名さんの死を悼みました。突然の事で言葉がありません。週間フォトスの風間楓子、本当に魅力的で、相棒に無くてはならない女優さんでした。心からご冥福をお祈りします。@8024atcーより引用記者の『風間楓子』役で、同ドラマの2017年放送回から、定期的に出演していた芦名さん。山西さんは共演者として、メインキャストにも劣らない存在感を見せる芦名さんを高く評価していたのでしょう。芦名さんの役名をだし、「なくてはならない存在であった」と悲しみの胸中をつづりました。早すぎる芦名さんの訃報に、同ドラマのファンからも悲しみの声が寄せられています。・キャリアウーマンな風間楓子役が芦名さんの雰囲気にとても合っていたので、もう見られないなんて悲しすぎます。・本当にショック。これからも芦名さんが見られるのを楽しみにしていたのに…。・幅広い役をこなし、すべて魅力的でした。残念でなりません。どんな役どころもストイックに演じる芦名さんに、山西さんだけでなく多くの人が魅了されていました。この悲しみの声が、天国の芦名さんに届くことを祈るばかりです。[文・構成/grape編集部]
2020年09月15日演劇とコント映像の配信企画「CUBE produce PRE AFTER CORONA SHOW」が、7月12日(日)にライブ配信サービス・PIA LIVE STREAMにて配信される。【チケット情報はこちら】2007年から2016年にかけてKERAと古田新太がタッグを組んで上演してきた「ナンセンスコメディ三部作」の参加メンバーが再集結する同企画。本プロジェクトでは、東京・本多劇場にて無観客で行われるリーディングアクト「プラン変更 ~名探偵アラータ探偵、最後から7、8番目の冒険~」の生配信と、ブルー&スカイらが共同脚本として参加したコント映像作品「PRE AFTER CORONA SHOW The Movie」の配信が実施される。リーディングアクトには古田、大倉孝二、入江雅人、八十田勇一、犬山イヌコ、山西惇、奥菜恵が出演。コントには古田、大倉、入江、八十田、犬山、山西に加え、シークレットゲストが登場予定。なお7月11日(土)には、本多劇場に一般観客を招いてリーディングアクトの公開ゲネプロが行われ、当日は上演前に「PRE AFTER CORONA SHOW The Movie」が先行公開される。動画配信のチケットは7月2日(木)午前10時より、公開ゲネプロは7月8日(水)20時より。
2020年07月02日作・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)と古田新太による壮大な悪だくみ企画が、今夏またも演劇界を揺るがせそうだ。2007年の『犯さん哉』から始まったナンセンス3部作に続き、新作『欲望のみ』で見せるのは、イヤ~な感じのブラックコメディ。【チケット情報はこちら】もともとナンセンスは大好物なKERAと古田。だがナンセンスをやるには、「たゆまない努力が必要(笑)」とふたりは声をそろえる。そこで“演劇的なコメディ”に立ち返ることになってみたもののも、KERAは「昨今の状況に身を晒されていると、緻密によく出来たコメディをつくっている場合でもないなって気持ちになっちゃうんですよね。世の中が非常にでたらめだから」と明かし、「2006年にやった『噂の男』みたいな作品になるかも」と現段階での構想を語る。それを聞いた古田は、「(池田)成志さんは『噂の男』みたいな露悪な芝居が嫌いなんです」と続け、「逆にオイラは成志さんが嫌がる芝居が大好き」と笑う。硬軟どんな芝居もお手のものの古田だが、「劇団は押し芸なんですけど、やっぱりオイラは引き芸が好き。そういう意味で、KERAさんとやる時はホッとするんですよね」と、KERAへの信頼の強さをうかがわせる。一方のKERAも、「やっぱり古ちん(=古田)にしかないものってありますからね。この身体性というか、それは動けるという意味だけではなく、野蛮な感じっていうのかな(笑)。古ちんと定期的に一緒にやることで、演劇ってのは何でもアリなんだということを再確認できる」と語り、KERAにとって古田が、ものづくりにおける指針のような存在だということがわかる。キャストには大倉孝二や犬山イヌコ、山西惇といった3部作に引き続きのメンツから、小池栄子や秋山菜津子など幅広い顔ぶれがそろう。古田は「この企画は大倉が生き生きしているのが嬉しい」とニヤリ。またKERAは秋山に関して、「彼女は高校の演劇部の後輩でして、もともと僕が小劇場に連れてきたようなものですけど、松尾(スズキ)さんが『キレイ』(2000年)で彼女のベスト・プレイを引き出しちゃって。正直ずっと悔しくて。最近はキツめの高圧的なキャラを求められることも多いようだし、またそれとは別の面も見せられたらいいなと思っているんですよね」と抱負を語る。近年は舞台の創作においても、「意地悪しちゃダメっていう風潮がある」と古田。だがKERAは「つくるものに関してはフィクションなんだから、文句言われたくない」と言い放つ。その刺激的な舞台で、またも観客を大いに驚かせてくれるはずだ。チケットぴあでは3月29日(日)までプレリザーブ受付中。取材・文:野上瑠美子
2020年03月26日明石家さんま5年ぶりの新作舞台かつ初の時代劇として早くから話題となっていた「七転抜刀!戸塚宿」が1月10日、ついに開幕を迎えた。2015年に再演された「七人ぐらいの兵士」以来となる本作。脚本は昨年のヒットドラマ「あなたの番です」を手掛けた福原充則、共演には舞台では3回目の共演となる中尾明慶、ほか、山西惇、温水洋一、八十田勇一、犬飼貴丈、佐藤仁美ら豪華出演陣が顔を揃えた。「七転抜刀!戸塚宿」のチケット情報舞台は、まさしく新たな時代を迎えんとする胎動の幕末1865年。とある宿場で、父を殺した仇を待ち構える藩士の後ろ姿から始まる…。追われる仇の浪人役を明石家さんま、仇討に燃える藩士を中尾明慶が演じる。件の仇討は追い始めてからすでに10年という時が経過しているが、返り討ちに遭うばかりで一向に果たせる気配もない。ついに藩士には助人としてアイヌ忍のふたりも加わることとなり、舞台はさらにはちゃめちゃに!そして、仇討ちに始まった物語はどんどん意外な方向に進んでいき、いつしか時代は、戊辰戦争を経て文明開化へと進んでいく…。移り変わる時代の中で複雑に変化していく登場人物たちの関係、そして明かされる仇討ちに秘められた真の目的とは!?「お笑い芸人である自分」がキャスティングされていることの意味を、「台本をどう壊していくか、そして笑わせるか」だと語るさんま。自らがセリフで「危険な男」と表現するように、舞台のうえを自由自在に動き喋りまわり、まさに舞台でしか見られない“危険なメタ的アドリブ”も冴え渡る。激動の時代を背景に描かる新年幕開けを飾る大作「七転抜刀!戸塚宿」”。東京公演はBunkamuraシアターコクーンにて1月31日まで。大阪公演はCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて2月20日~26日まで行われる。■「七転抜刀!戸塚宿」《東京公演》2020/1/10(金) ~ 2020/1/31(金) Bunkamuraシアターコクーン《大阪公演》2020/2/20(木) ~ 2020/2/26(水) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール脚本:福原充則演出:水田伸生出演:明石家さんま / 中尾明慶 / 山西惇 / 温水洋一 / 八十田勇一 / 犬飼貴丈 / 吉村卓也 / 加瀬澤拓未 / 粂川鴻太 / 佐藤来夏 / 佐藤仁美
2020年01月15日山本亮太(宇宙Six/ジャニーズJr.)が主演を務める舞台『相対的浮世絵』が10月25日(金)に開幕する。稽古場にて、出演者の石田明(NON STYLE)、玉置玲央、山西惇に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、土田英生が脚本・演出を手掛け2004年に初演されたヒューマン・コメディ。3度目の上演となる今回は青木豪が演出を手掛け、山本亮太、伊礼彼方、石田明、玉置玲央、山西惇が出演する。山西が「初日から挨拶もそこそこに、最初から最後まで読み合わせ(台詞だけを合わせる稽古)をしました。出自がバラッバラの5人やから、どうなるのか楽しみにしていたのですが、実際に読んでみると、それがいい感じになっていた」と話すように、ジャニーズJr.の山本、ミュージカルの伊礼、お笑いの石田、小劇場中心の玉置、映像からミュージカルまで出演する山西と、実に幅広い面子が揃う5人芝居。玉置も「舞台が六角形になっているのですが、僕はそれが格闘技のリングみたいだなと思っていて。この芝居が、いろんなジャンルの役者の殴り合いみたいになったら面白いのかなと感じています。それぞれが持っている技術も感覚も全然違うので、それが楽しんでもらえたらと思う。でも内容はほっこりするんですけどね(笑)」と、この5人ならではの化学反応を期待する。生きている人間と死んだはずの人間が再会する物語。笑えて「温かいのにエグい」(石田)という内容について、石田は「きれいごとがない作品だなと思います。人間のあかんところも肯定してもらえる。だから、お客様もその日の心のコンディションによって見え方が変わると思いますよ。そして演じる側も“今日はこの人の話になったな”ってことがあり得る」。山西も「登場人物みんながダメやからね(笑)。そこを重ね合わせて“生きててもいいんだな”と思ってもらえると、それは演劇のひとつの役目かなと思う」と語る。実際に稽古が始まって玉置は「この5人は一緒にいて居心地がいい。“(芝居の)やりとりをもっとしたい”って思うんです」と、既にいい関係が始まっている様子。残りのメンバーの山本と伊礼の様子について山西は「ふたりは兄弟役なのですが、今は兄弟になろうとしてる感じで。お互いがどういう兄でどういう弟でっていうのを探っている感じがかわいらしいです」。この5人と青木がつくりあげる『相対的浮世絵』がどんな作品になるのか、楽しみに待ちたい。公演は10月25日(金)から11月17日(日)まで東京・下北沢本多劇場、11月22日(金)から24日(日)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホールにて。取材・文:中川實穂
2019年10月16日明石家さんまがおよそ5年ぶりに舞台出演し主演する「七転抜刀!戸塚宿」が、東京と大阪にて上演されることが分かった。本作は、幕末から明治へと移り変わる中、藩士の“仇討ち”を軸に繰り広げられる、熱い人間模様を描いた新作舞台。脚本は、原田知世や田中圭が出演し大きな話題となったドラマ「あなたの番です」の福原充則が手掛け、演出は「ゆとりですがなにか」「獣になれない私たち」の水田伸生がつとめる。そしてさんまさんのほかにも、共演には連続テレビ小説「まんぷく」や「監察医 朝顔」の中尾明慶、『リング』の佐藤仁美、「相棒」シリーズの山西惇。温水洋一、八十田勇一といった実力派俳優に加え、初の本格舞台出演となる「仮面ライダービルド」の犬飼貴丈、吉村卓也らも出演する。舞台「七転抜刀!戸塚宿」は2020年1月10日(金)~31日(金)Bunkamuraシアターコクーン<東京公演>、2020年2月20日(木)~26日(水)COOL JAPAN PARK大阪WWホール<大阪公演>にて上演。(cinemacafe.net)
2019年10月04日お笑いタレントの明石家さんまが、2020年1月10日~31日に東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンにて上演される『七転抜刀!戸塚宿』で主演を務め、5年ぶりに舞台に出演することが3日、明らかになった。同作は、幕末から明治へと移り変わる中、藩士の“仇討ち”を軸に繰り広げられる、熱い人間模様を描いた物語。ドラマ『あなたの番です』で大注目の福原充則氏が脚本を手掛ける。共演には、俳優だけにとどまらず声優、CM出演など、多岐にわたり活躍中の中尾明慶、幅広い役柄を演じ、女優として存在感を増している佐藤仁美、そのほか、山西惇、温水洋一、八十田勇一といった実力派俳優に加え、初の本格舞台出演となる犬飼貴丈、吉村卓也ら個性豊かなメンバーが集結する。
2019年10月04日国民的ドラマ「相棒」が誕生20年目を迎える今年、「相棒season18」が10月からスタートすることが分かった。シリーズ史上最大規模といっても過言ではない、圧倒的スケールで新シーズンが幕を開ける!「season18」スタートで右京が行方不明!?2000年に土曜ワイド劇場の作品として放送して以来、果敢な挑戦を続け、数々の伝説を打ち立ててきた「相棒」シリーズ。異例の特命係3人体制でスタートした前作も大きな話題を呼んだ。最新作では、「season14」より衝突と摩擦を繰り返しながらも、信頼という絆を築いてきた名コンビの杉下右京(水谷豊)×冠城亘(反町隆史)がついに5シーズン目に突入。初回スペシャルは、日本最北端に位置する架空の島“天礼島”が舞台。ロンドン旅行からとっくに帰国したはずの右京が消息不明となり、亘は右京を探すため、その最果ての島へ。しかし、その天礼島では不気味な連続殺人が発生。さらに、島では密かに国家を揺るがす陰謀が…!?というあらすじ。右京が行方不明という前代未聞の幕開けを迎える!そんな初回スペシャルには、木村佳乃演じる比丘尼“妙春”こと、元代議士・片山雛子が、300回記念スペシャル以来の登場を果たす。水谷豊、反町隆史と仲良しエピソード明かす「裸のつきあい」水谷さんは今作について「まさか『season18』が右京の行方不明からはじまるとは…!初回スペシャルはとにかくとんでもないストーリーで、みなさんをものすごい世界に連れて行ってくれることと思います」と自身も驚きの内容だったそう。行われた北海道ロケについては「海辺の急な崖を降りて行って撮影したりと、訪れる場所のすべてが『今、「相棒」を撮影しているんだな』と実感するような、挑戦的なところばかりでした。海辺の崖の帰りはまた急な斜面を登って帰ったのですが、途中で1回休憩したほうがいいんじゃないかなと思ったのに、ソリ(=反町)が休まないので…結局、あきらめて一気に登りました(笑)」とエピソードも明かす。さらに「ロケは12泊もの長期撮影でしたが、物知りなソリがいろいろアドバイスをくれるので生活に関してはまったく困りませんでした。そのアドバイスとは、主に撮影が終わったあとの過ごし方!温泉地ですから大浴場があって、僕はなかなか普段そういうところには行かないのですが、ソリから『一緒に行きましょう』と誘われて今回、はじめて“裸のつきあい”をしました(笑)。実は、誘われてから3日連続、2人で一緒に入ったんですよ(笑)」と仲良しエピソードも。反町隆史「いいものができている」初回スペシャルについて反町さんは「共演者の方々と旅をしながら作品を作っているという実感があって、いいものができているなと感じています。初回スペシャルは大スケールで描かれていますし、素晴らしいゲストの方々との“セッション”が実現し、またこれまでにない形の作品ができたような印象がありますね」とその手応えを語る。また、反町さんからも水谷さんと行ったという大浴場のエピソードが。「僕が無理やり水谷さんを誘って、一緒に大浴場に行きました。プロデューサーも共演者もスタッフも、みんなで入りました。あまりそういう機会はないので、お風呂につかりながらのんびり話すのはやっぱりいいなと感じました。そんな“裸のつきあい”を交わした、という距離感が画面からも伝わればいいですね(笑)」と言い、さらに「あと、水谷さんは『それだけで来たんですか?』と驚くぐらい、荷物が少ないんです。ホテルの部屋にお邪魔しても、何もないのでビックリしました。僕は水谷さんのバッグの3倍ぐらいの量の荷物を用意してきたんです。朝食を大事にしているので、炊飯ジャーやミキサーなど、とにかくぜんぶ持ってきました。コメまで持ってきたんですよ。でも宿泊させていただいた宿の朝食が素晴らしくて、ぜんぜん持ってくる必要がなかったです(笑)」と明かしている。名キャラクターたちも集結これまでシリーズを彩ってきた名キャラクターたちももちろん登場。権力復活のチャンスを虎視眈々とうかがう警察庁長官官房付の甲斐峯秋(石坂浩二)、右京の頭脳を認めながらも2人を疎む警視庁副総監・衣笠藤治(杉本哲太)、亘の元上司で“鉄の女”の異名を持つ警視庁広報課長・社美彌子(仲間由紀恵)。前シーズンからの大物政治家・鑓鞍兵衛(柄本明)や、サイバーセキュリティ対策本部に出戻った青木年男(浅利陽介)。そして、伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)、角田六郎課長(山西惇)らレギュラーメンバーも健在だ。初回スペシャルあらすじ恒例のロンドン旅行を終えたはずの杉下右京が、1週間も無断欠勤。冠城亘はもちろん、右京を取り巻く面々はそれぞれの立場から安否を気にしていた。サイバーセキュリティ対策本部捜査官・青木年男(浅利陽介)が調べたところ、右京は1週間前に間違いなく帰国したが、その後の足取りがまったくつかめなかった。そんな中、亘は秋田県警に呼び出される。なんと右京のスマートフォンが発泡スチロール容器に封入され、秋田の海岸に流れ着いたというのだ。潮流を計算したところ、この荷物の出発点は北海道の北に位置する日本最果ての離島、“天礼島”ではないか…。単身、島に乗り込んだ亘は、手がかりを求めて、島の中心部にある“信頼と友好の館”を訪ねる。ここは日本とロシアの交流を目的とした施設だったが、館長をはじめ、住み込みの若者たちは誰ひとり、右京を見かけていないという。その後、信頼と友好の館で、亘は“ある人物”に出会う。その男との出会いが、戦慄の連続殺人へとつながっていくが…!?さらに、特命係は島内で密かに進められていた、“巨大な陰謀”を察知することに――!?「相棒season18」は10月より毎週水曜日21時~テレビ朝日にて放送予定。※2クール(cinemacafe.net)
2019年09月03日土田英生が自身の劇団MONOで2004年に上演し、2010年にはG2の演出により再び上演。いずれも高い評価を得たヒューマンコメディ『相対的浮世絵』が、新たに青木豪の演出で蘇る。そこで達朗役の山本亮太(宇宙Six/ジャニーズJr.)と、智朗役の伊礼彼方、さらに青木を含めた3人に話を聞いた。【チケット情報はこちら】40代手前にして、それぞれやっかいな問題を抱えることになった智朗とその同級生の関。そんな彼らの前に、20年前に死んだと思われていた智朗の弟・達朗と同級生の遠山が姿を現したところから物語は始まる。作品の魅力について青木は、まず「劇団に書かれたものだということが大きい」と切り出した上で、「劇団の役者さんや劇団の空気、そういったものを土田さんがすごく愛して書かれているもの。その点をしっかり受け止めつつ、この5人でどんなものがつくれるのかってことを考えていきたいと思います」と続ける。山本は「ずっとコメディがやりたかったんです!」とひと言。「だからすごく嬉しいですし、それと同時に期待に応えないといけない、スベれないなって想いもあって…」と不安な想いも明かす。すると伊礼から「自分でプレッシャー与えてない?(笑)」とすかさずツッコミが。「与えてますね」と笑う山本に、「大丈夫。俺なんかシリアスな芝居がしたいって言ってたのに、これが決まったから」とさらなる笑いを誘い、場を和ませた。キャストは5人のみ。山本、伊礼のほか、石田明(NON STYLE)、玉置玲央、山西惇と、年齢も出自も異なる個性的な面々がそろった。この5人の素材をいかように調理したいか青木に聞くと、「やっぱり本がしっかりしたものですからね。それぞれのキャラクターうんぬんというよりかは、この5人の関係性さえしっかりつくれれば、あとは自然に出来上がっていくんじゃないかと思います」と現段階での構想を語った。また近年外部公演への参加も多い山本にとって、本作は2度目の単独主演舞台。“芝居”にかける想いを、「ここ2年でだいぶ変わって、普通に好きになったと思います。そしていろんな人と共演出来ることが、今すごく楽しくて!今回は公演数も多いですし、それだけ皆さんと長く過ごせることがとても楽しみです」と語る。そんな山本に対し「ジャニーズの方って皆さん好青年だし、やっぱりエンターテインメント性が高いですよね」と伊礼。さらに青木も「あと人を明るくさせるよね」と続く。そんなふたりの期待に、「さらにいろいろなプレッシャーが…」と苦笑しつつ、その目は本作への強い意気込みで輝いていた。公演は10月25日(金)から11月17日(日)まで下北沢・本多劇場にて。チケットぴあにて8月26日11時までWEB2次抽選先行のエントリーを受付中。取材・文:野上瑠美子
2019年08月22日市村正親と鹿賀丈史がWキャストで主演を務める黒澤明 没後20年記念作品『ミュージカル 生きる』が10月7日(日)に開幕する。市村と鹿賀の2チームで上演される本作の、鹿賀チームの通し稽古に潜入した。【チケット情報はこちら】本作は、黒澤明監督の代表作「生きる」(1952年)を初めて舞台化した作品。演出は宮本亜門、作曲・編曲は「デスノート THE MUSICAL」などのジェイソン・ハウランド、脚本・歌詞はディズニー作品の訳詞でも知られる高橋知伽江。役所の市民課に30年休まず務めてきた主人公・渡辺が、定年退職を目前に病で余命半年であることを知り、生まれて初めて自分の人生を探し始める姿を描く。脚本や楽曲、芝居、歌、セットから小道具に至るまで、徹底的に詰められたであろうことが存分に伝わってくる通し稽古。キャスト陣の芝居もそれぞれが印象的で、ミュージカル初挑戦の市原隼人は父親の変化に戸惑いぶつかる息子を熱演。新納慎也が演じる小説家は本作ではストーリーテラーの役割も担うが、その独特な存在を新納が絶妙に溶け込ませる。渡辺の部下とよを演じる唯月ふうかは、次の時代を生きる女性の活発で生き生きとした姿が鮮やか。息子の妻・一枝役のMay’nも市原同様ミュージカル初出演だが、新しい時代を謳歌する女性を美しい歌声でみせる。そして山西惇が渡辺の意志を阻むヒール・助役をどっしりと演じる。しかしそのなかで、やはり鹿賀の圧倒的な存在感はなんとも言えないものがあった。ただただ判で押したような生活を続けてきた男が余命を知り、生きようともがき始める様を、繊細に豊かに、けれどときにお茶目に演じる。そして歌唱の一つひとつが強烈に胸を打つのだ。主人公は不治の病で亡くなってしまう。舞台上で必死に生きていた彼がもういないと知るのは寂しくなることなのだが、さまざまな場面で稽古場のスタッフたちが流していたのは、悲しみの涙ではなかったように思う。そこで沸き上がる感情はぜひ劇場で体感してほしい。66年前に発表された映画『生きる』は、世界のクロサワの代表作のひとつとして今なお愛される作品だ。映画を観たことがある人は、作品と“ミュージカル”という表現方法が結びつきにくいかもしれない。映画を観たことがない人は、静かで高尚で重い世界観をイメージするかもしれない。けれどそのどちらの人にも驚きと発見を届けるような、そんな作品になっている。一方のチームを観ると、もう一方のチームも観たくなること必至な本作。まずは早めの時期の観劇をオススメする。公演は10月7日(日)にプレビュー公演、本公演は10月8日(月・祝)から28日(日)まで東京・TBS赤坂ACTシアターにて。取材・文:中川實穗
2018年10月02日2000年のシリーズ誕生以来、数々の“伝説”を更新してきた人気ドラマ「相棒」。 この度、最新シリーズである「season17」が前シーズンから続く水谷豊×反町隆史のコンビで10月より放送されることが明らかとなった。■異例の4シーズン目を迎える、水谷豊×反町隆史コンビ杉下右京(水谷さん)の相棒として、「season14」から登場した冠城亘(反町さん)とのコンビは、本作で4シーズン目に突入。初代・亀山薫を除く歴代の相棒は3シーズンで卒業を迎えることが多く、冠城亘は前例を打ち破り、新たな境地に足を踏み入れることとなる。常に緊張感が漂う右京と亘の関係は、“異例の4年目”を迎えて、どう変化していくのかに注目が集まる。「いまや僕の本名を“杉下右京”だと思っている人の方が多いんじゃないでしょうか(笑)」と冗談交じりに語る水谷さんは、「僕は、共演者と自然に作品の世界に入っていくお芝居が理想的だと思っているのですが、ソリとは4年目にしてだんだんそうなってきたなと実感しています」としみじみ。「互いに相手の出方を想像するのが、無性に面白くなってきたところ。でも、右京は最近の亘について、『ずいぶんズケズケとものを言うようになったな』と思っているのではないでしょうか(笑)」と、右京の心境を代弁(?)してくれた。そんな水谷さんに対し、反町さんは「水谷さんは『亘はずいぶんズケズケとものを言うようになった』とおっしゃっていますが、それは台本にそう描かれているからです(笑)」と反論。「右京と亘――2人の関係がミステリアスに描かれいるところも『相棒』の大きな魅力ですが、亘は右京さんのことを大先輩として尊敬し、圧倒的に信頼していると感じています」と、4年目に到達したからこその信頼感が生まれたようだ。■新シーズンは、かつてない特命係3人体勢に…!前シーズンの最終回2時間スペシャルでは、「週刊フォトス」記者・風間楓子(芦名星)をエスカレーターから突き落とす事件を起こしたサイバーセキュリティ対策本部の特別捜査官・青木年男(浅利陽介)が、“制裁”として特命係に左遷されるという驚愕のラストが描かれた。「右京と亘を恨む青木が、まさかの特命係に!?」という予想外の展開に、SNS上は騒然。いまだかつてない波乱の状況から、「season17」は幕を開ける。3人体制の特命係に関して、水谷さんは「右京は基本的に事件を解決することを第一に考えていますから、特命係に入ってきた青木くんについても、役に立つなら特命係にいてくれて結構、と思っているのではないでしょうか。青木くんが裏でどんなことを企んでいるかわかりませんが、特命係にいるからにはやってもらわなければならないこともありますので、そこは僕も注目しています」とコメント。反町さんは「特命係にやって来た青木についても、亘は仲良くしつつ彼の優秀さを利用しようとも思っていて、どんな特命係になっていくのか、まったくわかりません。この『season17』でも、視聴者の皆さんに毎回、驚かれるような『相棒』を作っていきたいですね」と意気込みを見せた。■もちろん、おなじみのキャストも総動員!もちろん、最新シーズンでも一癖二癖ある多彩な登場人物たちが織りなす、濃密な人間ドラマは健在。もはや「相棒」ワールドになくてはならない存在である捜査一課の“両エース”こと伊丹憲一(川原和久)と芹沢慶二(山中崇史)、「暇か?」でお馴染みの組織犯罪対策5課の角田六郎課長(山西惇)、小料理屋「花の里」女将・月本幸子(鈴木杏樹)といったレギュラーメンバーは、今シーズンでも登場する。一方、権力復活を虎視眈々と狙う警察庁長官官房付の甲斐峯秋(石坂浩二)、それを阻止すべく牽制してきた警視庁副総監の衣笠藤治(杉本哲太)ら、特命係の存続に大きな影響力を持つ上層部の面々も、水面下で駆け引きを繰り広げる。今シーズンでは、長らく敵対してきたこの2人に、新たな関係性がもたらされる予感や、特命係に興味を抱く新キャラも登場。こちらも併せてチェックしたい。「相棒 season17」は10月より毎週水曜21時~テレビ朝日系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2018年08月22日あの宝塚歌劇団に、終戦直後9年間だけ存在した“男子部”。その意外な実話をもとに、宝塚の舞台に立つことにすべてを捧げた男子たちの熱い青春を描いた舞台『宝塚BOYS』が8月4日、東京芸術劇場 プレイハウスにて開幕した。2007年から上演を重ねファンを増やしてきた人気作品で、5年ぶり、5度目の上演。今回はこれまでにもこの作品に出演経験のあるメンバーを中心とした「team SEA」と、フレッシュな「team SKY」の2チーム制での上演だが、口火を切ったのは「team SEA」。出演は良知真次、藤岡正明、上山竜治、木内健人、百名ヒロキ、石井一彰、東山義久、愛華みれ、山西惇。チケット情報はこちら物語は終戦直後の1945年の秋にはじまる。幼い頃から宝塚歌劇団に憧れていた青年・上原(良知)が歌劇団の創始者・小林一三宛てに、男性加入を嘆願する手紙を出す。その願いは小林に届き、宝塚男子部が特設されることになった。メンバーとして集まったのは、電気屋の竹内(上山)、歌劇団のオーケストラメンバーだった太田川(藤岡)、旅芸人の息子長谷川(木内)、闇市の愚連隊だという山田(石井)、そして現役ダンサー星野(東山)。「宝塚の生徒(劇団員)とは一切口をきいてはならない」などの厳しいルールに戸惑いながらも、その後加わった新人・竹田(百名)含め、レッスンに汗を流す男子部の面々だったが、なかなか宝塚大劇場の舞台に立つ機会は与えられず……。「宝塚歌劇団に男性が加入」……今の時代なら、はなから無理筋だと誰もが思うだろう。いや、当時からすでに、その拒否反応はあったようだ。現役のスターや生徒たちからも、男性加入に反対の声があがる。上層部の考えもわからない。希望に燃えていた男子部の面々の前には、大きな壁が立ちはだかる。それでも彼らは夢を諦めず、時に衝突しながらも、明日の宝塚スターを目指す。経験値の高いteam SEAのメンバーは、夢にしがみつく彼らのリアルを、時代背景と強くリンクさせることで、切実な思いとして描き出す。戦争の傷を誰もが抱えているからこそ、綺麗な夢の世界に憧れるのだ……。女性の園での男子諸君の奮闘は可笑しく、愛らしく、観ていて笑いの絶えない舞台だ。だがその中に、激動の時代を生きた彼らの人生がシリアスに浮かび上がる。劇中、竹田がポツリと「このまま女子だけで100年いっちゃうかもね……」と呟くシーンがある。2014年には100周年を迎え、いまや日本エンタメ界の大きな一翼となった宝塚歌劇団。彼らの挫折があったからこそ、宝塚は100年続く劇団になったのかもしれない。だが彼らは礎などではなく、そこにも生きた人間たちがいて、彼らの人生があったのだと、少なくともこの舞台を観た人には覚えていて欲しいと切実に思った。東京公演は同劇場にて、8月19日(日)まで。その後名古屋、久留米、大阪でも上演される。8月11日(土・祝)まではteam SEAが、8月15日(水)からは永田崇人、溝口琢矢らのteam SKYが出演。
2018年08月06日映画監督・黒澤明の没後20年を記念し、彼の代表作のひとつである『生きる』が、珠玉のキャスト、スタッフによりミュージカル化される。今秋の開幕を前に、都内で製作発表が開かれ、Wキャストで主人公の渡辺勘治を演じる市村正親、鹿賀丈史らが登壇した。会見冒頭にはキャストが劇中ナンバー4曲を生披露。まずは小説家役であり、ストーリーテラーの役割も担う新納慎也が、オープニングナンバーの「運命の曲がり角」を歌う。『生きる』をどうミュージカル化するのか、というのは恐らく多くの人が抱く疑問だろう。しかしこの1曲を聴くだけで、ミュージカルとしての『生きる』の道筋がくっきりと浮かび上がってくるよう。その繊細ながらも力強いナンバーは、これから始まる物語への期待感を大いに高めてくれる。続いてヒロイン・小田切とよ役のMay’n、唯月ふうか(Wキャスト)が歌うのは、アップテンポなナンバー『ワクワクを探して』。さらに新納とのWキャストで小説家を演じる小西遼生が、渡辺にとって大きな転機となるナンバー『人生の主人になれ』を熱唱する。そして最後に市村と鹿賀のふたりが登場。あの名シーンを彷彿とさせるブランコをバックに、本作を象徴する昭和の名曲『ゴンドラの唄』を哀愁たっぷりに歌い上げる。そんなふたりの歌声に、一般公募で招待された150名のオーディエンスも聴き入っていた。その後は作曲・編曲のジェイソン・ホーランド、演出の宮本亜門、歌唱披露した6名に加え、渡辺の息子・光男役の市原隼人、渡辺の上司である助役役の山西惇が一堂に会し、それぞれ作品にかける思いを語った。演出の宮本は、「これは悲しい作品ではありますが、“生きる”という喜びを心から味わえる作品。古いどころか、むしろ今の人々の心に一段と訴えるものが出来ると思います」と意欲を見せる。市村はかつて自分が演じる渡辺と同じく胃がんを患っていたことを挙げ、「こういう役がきたのも、芝居の神様の采配かな」と感慨深げ。鹿賀も「いい年齢の時に、本当にいい作品に巡り合えた。ぜひ自分のものにしたい」と意気込む。また市原は、体調が優れない自分の父親から教わったという「動けるうちにいろんな世界を見た方がいい」との言葉に背中を押され、これまで避けてきたミュージカルへの出演を決めたという。世界進出も視野に、ミュージカルとなって新たに生まれ変わる名作『生きる』。黒澤ファンならずとも必見の舞台になりそうだ。取材・文:野上瑠美子
2018年04月11日今年25周年を迎える人気劇団ナイロン100℃。その25周年記念公演の第1弾『百年の秘密』が4月7日、本多劇場で開幕した。本作は東日本大震災の翌年2012年に初演され、劇団主宰で作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)が、人の生と死を見つめて描いた大河ドラマ。KERA自身が再演を熱望し、近年の自作の中でも渾身の出色作であると明言する本作が、25周年記念公演として満を持しての再演にいたった。【チケット情報はこちら】ベイカー家の娘・ティルダ(犬山イヌコ)と、生涯の親友となるコナ(峯村リエ)の友情と、彼女たちの親や兄弟、伴侶、子供たちの物語が紡がれ、ベイカー家の屋敷の庭にどっしりと立つ大きな楡の木に見守られながら、時は移ろい、人間模様が様々に展開してゆく。ティルダは銀行家の父・ウィリアム(廣川三憲)とやさしい母・パオラ(松永玲子)の裕福な家庭に生まれ、変わり者の転校生のコナと友情を結ぶ。同級生のリーザロッテ(村岡希美)やチャド(みのすけ)と違い、ティルダはコナを大事に思う。ティルダの兄・エース(大倉孝二)はバスケット選手として大学の推薦入学も決まり、父の大きな期待を受ける。その頃のベイカー家には明るい空気が満ちていた。エースの友人のカレル(萩原聖人)の来訪に、ほのかな思いを寄せるティルダは頬を赤らめる。隣人の弁護士のブラックウッド(山西惇)もベイカー家を訪れ、大きな屋敷には様々な人々が集う。女中のメアリー(長田奈麻)は、家事を取り仕切りベイカー家の様々な人間模様を見ている。穏やかな声の彼女の語りによって、この大きな物語は進行してゆく。未来をまだ知る由も無い10代のティルダとコナの人生は、その後、それぞれが思わぬ展開に。時代を前後に行き来しながら、ふたりの人生の狭間に起こる出来事をコラージュのように見せてゆく手法によって、彼女たちの人生に何があったのか、どんな秘密が生まれ、そこにどんな真実があったのかが次第に紐解かれていく。描かれる時代が変わる度、俳優陣が演じる年齢も変わっていくが、それを変幻自在に演じきる力も圧巻。初演から6年の時を経た今回、ドラマはさらに深まり熟成された。いまを懸命に生きる人々に寄り添う作品にきっとなるに違いない。本多劇場での東京公演は4月30日(月・休)まで。その後、兵庫、豊橋、松本と各地をめぐる。チケットは発売中。
2018年04月09日人気ドラマ「相棒」の最新シリーズseason16が、この秋、放送されることが決定。3年目を迎える水谷豊と反町隆史が挑む新たなる「相棒」から、TVシリーズとしては初となる最新映像満載の特別PR映像も到着した。2000年のシリーズ誕生以来、不動の人気と高い注目を集め続けるドラマ「相棒」。その「season16」が、水谷さん扮する警視庁特命係の杉下右京と、反町さん演じる冠城亘の“相棒”により、この秋に帰ってくる。相棒を組んで3年目となる水谷さんと反町さんのコンビネーションは、「season14」「season15」、そして今年2月に公開された『相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』を経て、ますます成熟ぶりを見せている。だが、一方で「season15」では、右京と亘、それぞれの正義が摩擦を起こす場面も描かれていた。相棒歴3年目を迎える冠城亘に今シーズン訪れる運命とは、右京と理解を深めた上でのさらなる調和か、それとも…。気になる2人の関係性とともに紡がれる新シーズンが、ついに始動する。また、「相棒」シリーズの魅力は、右京と亘が事件を軸にさまざまな反応をみせるバディものならではのコントラストの妙はもちろん、深い人間描写から生み出される個性豊かなレギュラー陣=“相棒ファミリー”たちの活躍。シリーズ当初から登場し、いまや欠かせない存在となっている捜査一課の“両エース”こと伊丹(川原和久)と芹沢(山中崇史)、「暇か?」でおなじみの組織犯罪対策5課の角田課長(山西惇)、小料理屋「花の里」女将の月本幸子(鈴木杏樹)といった、相棒の人気キャラクターはもちろん登場。一方、巨大組織を舞台に権力抗争を繰り広げる存在として、復権を狙う警察庁長官官房付の甲斐峯秋(石坂浩二)、それを阻止しようと目を光らせる警視庁副総監の衣笠藤治(大杉漣)、右京を敵視する法務事務次官の日下部彌彦(榎木孝明)など、特命係の存続に多大な影響力を持つ上層部の面々も随所に登場し、さらに「season15」の最終回で、右京と亘の対立のきっかけとなった警視庁広報課長の社美彌子(仲間由紀恵)も彼ら特命係にどう関わってくるのかも目が離せない。そして、「season14」から登場し、「season15」では警視庁勤務となり、なにやら特命係の動きを嗅ぎ回っている謎の存在、サイバーセキュリティ対策本部の青木年男も引き続き登板。演じるのは、「コード・ブルー」(CX)でも知られる浅利陽介。右京のチェス相手として特命係に出入りしては、職務上知り得る機密情報を故意に漏らし、右京と亘の反応を試すなど相変わらずの不穏な動きをみせているが…。連続ドラマ史上稀に見る16シーズン目に突入する本作から、その展開を占う特別映像も公開。8月上旬のクランクイン間もない現場から届いた、撮れたての撮影風景や、水谷さん、反町さんの独占インタビューを含む最新映像となっている。■水谷豊コメント全文まさか「season16」を迎える日が来るとは、想像もしていませんでした。人生はなにがあるか分からないですね。ここまで続けてこられた理由を私一人で語ることはできませんが、プロデューサーや監督、そして、みなさんが、杉下右京にいろいろな可能性を見出しているということではないでしょうか。僕自身、右京にはまだ何かあると思っています。だから、演じていて飽きることがありませんし、次はどんな右京と出会えるのだろうといつも期待しているんです。「season16」では、相棒が「新しい世界」に突入する予感があります。右京と亘のコンビも3年目になり、2人だからこその空気が自然に生まれてくると思いますし、「season15」で描かれたぶつかり合い、考えの違いも出てくるでしょうから、そのあたりも楽しみです。守るべき相棒らしさと、挑むべき相棒としての冒険。この両方を新しいシーズンでもやっていきたい。とにかく、何が起きるか分からない「相棒」でいたいと思います。■反町隆史コメント全文「season14」から15、16と3年目を迎えるにあたり、また新たに「相棒」に挑戦できることをとてもうれしく思います。2度目のシーズンオフとなったこの5か月間は、「season15」が右京さんと亘の間に何かあるんじゃないかなという終わり方だったので、その後が気になっていました。「season16」では、2人の関係性に何かこれまでと違う展開が待っているんじゃないかと期待しています。16年という長い歳月、水谷さんが「相棒」を続けてこられたことは、俳優として本当に尊敬しますし、そのご苦労も感じます。僕自身、3年ではありますが同じ役を演じるのは初めてになりますので、このなかなかさせてもらえない経験を、水谷さんに必死についていきながら頑張っていきたいと思います。新しい「相棒」の挑戦にぜひ期待してください。「相棒season16」は10月、毎週水曜21時~テレビ朝日系にて放送(2クール)。(text:cinemacafe.net)
2017年08月11日藤木直人が主演を務める音楽劇『魔都夜曲』が、7月7日に東京・Bunkamura シアターコクーンにて開幕した。【チケット情報はこちら】1930年代の中国・上海を舞台に、激動の時代に秘められた恋と人間模様を描き出す本作。マキノノゾミが脚本を、河原雅彦が演出を手がけ、日本政府の要人を父に持つ自由奔放な御曹司・白河清隆(藤木)、日中ハーフの女性・周紅花(マイコ)と、その兄・周志強(小西遼生)の3人を中心とした人間ドラマが展開される。“音楽劇”にふさわしく、物語はバンドのジャズ演奏で幕を開ける。舞台となるジャズクラブ「ル・パシフィーク」の歌姫・字春(秋夢乃)は、メロウなナンバーを艶っぽく歌唱。やがて登場したクラブの支配人・新田日出夫(橋本さとし)とボーイ・サミー(コング桑田)の狂言回しぶりに、観客は自然と“魔都”上海へいざなわれていく。出会ったばかりの清隆、紅花、志強はすぐに意気投合し、夜の街に繰り出すことに。3人が上海観光を楽しむ様子は、本間昭光作曲のオリジナルメインテーマ『オピウム・ラヴァーズ』の軽やかなリズムにのって展開され、ついには上海に暮らす数多くのキャラクターが登場するきらびやかなステージングに発展。妖しくも色鮮やかなネオン街を背景に、最後には全員で合唱する1幕前半の見せ場となった。藤木は目付け役である外交官・籾田(山西惇)の説教に対し、背もたれを飛び越えてソファに正座で着地して懇願してみせる――といった大きなリアクションや、終始たたえている朗らかな笑顔で周囲の人間を自分のペースに巻き込む、屈託のない“御曹司”ぶりを見せつけた。対するマイコは、国と身分の異なる清隆に惹かれていく紅花の喜びと戸惑いを、振れ幅の広い表情で演じる。このふたりの恋愛がどのように変化するのか、結末は劇場で確かめてほしい。このほか、繰り返し歌われるオードウェイの唱歌『旅愁』をはじめ、中国民謡『茉莉花(ジャスミン)』などキャストが歌声を響かせるシーンも見どころ。東京パフォーマンスドールの高嶋菜七と浜崎香帆がWキャストで演じる李香蘭が『蘇州夜曲』をしっとりと歌い上げる場面もあり、多彩な楽曲が作品に華を添えている。東京公演は7月29日(土)まで。その後、8月5日(土)・6日(日)に愛知、8月9日(水)から13日(日)まで大阪に巡演する。取材・文:岡山朋代
2017年07月10日1930年代の中国・上海を舞台に、激動の時代に秘められた恋と人間模様をマキノノゾミが描き出すオリジナル音楽劇『魔都夜曲』。7月7日(金)の東京公演初日を約3週間後に控えた稽古場を訪れると、演出を手がける河原雅彦のもと、主演の藤木直人らキャストが丁寧な稽古を繰り広げていた。音楽劇『魔都夜曲』チケット情報物語は、暴漢の代わりに警官に連行された主人公の日本人青年・白河清隆(藤木)と、中国人の兄妹・周志強(小西遼生)と周紅花(マイコ)の出会いから始まる。この日、稽古がつけられたのは3人が出会った直後の場面。清隆の住むアパートの応接室で、医師・西岡(村井國夫)から傷の手当てを受けるシーンだ。日本政府の要人を父に持つ御曹司で遊学中の身でありながら、送金を全て遊興に使ってしまう清隆。そんな屈託のない奔放なキャラクターを、藤木は明るく豊かな表情と大きな動きで造形する。特に目付け役である外交官・籾田(山西惇)の説教に対して、自ら「ソファの背もたれを飛び越えて正座してみるとか?」と提案し実際にジャンプ。見事に着地してみせると、稽古場全体に和やかな笑いが。河原も「チャーミングですね」と笑顔でうなずいた。細かな修正を重ねながらブラッシュアップを図る河原は、演出席を離れキャストの前で自ら演じてみせることも。こだわっていたのは、登場人物の感情や行動の“必然性”。「今の演技では芽衣(春風ひとみ)が上機嫌になる理由がわからない。相手を動かし感情に作用するにはどうしたらいいか考えると、おのずと取るべき動きの分量や大きさが決まってくる」と指示を投げかけ、キャストに最善策を探らせた。これにすぐさま反応したのが、兄妹役の小西とマイコ。2014年と2016年に上演された『ガラスの仮面』に出演し、同じチームで作品づくりに携わってきた2人は、本作でも息がぴったり。ベテラン勢の山西や村井もすかさず応戦すると、ぐっと魅力あるシーンに変化していく。さらに歌唱シーンの稽古では、キャスト達が伸びやかな歌声を聞かせた。本作には列強の共同租界地であった異国情緒あふれる上海にふさわしく、唱歌やジャズなど多彩なナンバーが登場。バンドの生演奏が舞台に華を添えるという。やがて恋に落ちる清隆と紅花をはじめ、音楽がどのように人間模様を彩るのか、劇場で確かめよう。東京公演は7月29日(土)までシアターコクーンにて上演。その後、8月5日(土)・6日(日)に愛知、8月9日(水)から13日(日)まで大阪に巡演する。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2017年06月29日3人の30代の演出家が昭和30年代に書かれた戯曲に取り組む「かさなる視点―日本戯曲の力―」の第2弾として、上村聡史が安部公房の「城塞」に挑む。開幕まで1か月を切った3月中旬、稽古場に足を運んだ。【チケット情報はこちら】軍需産業で成り上がった“男”(山西惇)には、“拒絶症”を患う父(辻萬長)がいる。拒絶症とは、ある時から自分の中の時間を止めてしまう病。発作時だけかつてのように正気を取り戻す父に、男は妻(椿真由美)や従僕(たかお鷹)を巻き込み、終戦直後のある一日を再現してみせる。幾度も繰り返されるそんな芝居にうんざりした妻は、父を精神病院に送る計画を立てる。男は妻に代わりストリッパーの女(松岡依都美)を雇い、最後の芝居を打つが……。上村は「“戦後”と対峙したいという思いでいくつかの戯曲を読んだ中で、この作品から“いま”を感じた」と語る。「登場人物たちが、戦争の被害者意識と加害者意識を巧みに、無自覚に使い分けているさまが、すごく利己的であり、どこかで現代と繋がっている気がしました。“忘却”は日本人の特性かもしれないけど、終戦から時間を経て、僕らはどんどん忘れていく。そこでいま一度、この作品を通じて日本を批評したい」とこの戯曲を選んだ意図を明かす。稽古を見ると、上村はとにかく頻繁に芝居を止め、演出席から舞台へと足を運び、立ち位置、動き、セリフのニュアンスまで幾通りも試していく。「俳優たちと一緒に批評性を持って作っている」「稽古中はとにかくみんなうるさい(笑)」という上村の言葉通り、俳優陣からも次々と質問や提案が飛ぶ。特に、精神を患い幼児のようになった父を演じる辻、そんな彼を世話する従僕を演じるたかおのベテランコンビは、毎回のようにセリフに込める感情から動きまで変化させ、“怪演”と言うにふさわしい変幻自在の芝居を見せる。まさに病める父親に振り回される邸内の者たちといったところだが、山西、椿、松岡もさすがの反射神経でベテランふたりの好きにさせまいと応酬する。山西演じる“男”は、父親を病院に入れなければ禁治産処分(※財産を自由に処分する権利を失う措置)にすると妻から脅され、なんとかそれを回避しようと奔走するのだが、忌まわしい過去の“記憶”に囚われ、本当に病んでいるのは父ではなく自分なのではないかと苦悩する。男のモノローグは、辻とはまた違った鬼気迫るような圧巻の存在感を放つ。そこから、物語はクライマックスへ――。病んだ父を外へと引きずり出し、また再び時計の針を“あの時”へと戻し、父と息子の対峙へと向かうのだが、このふたりのやり取りはどこへ向かい、たどり着くのか……。それぞれに言い訳、自己弁護、理由を抱えた者たちが“芝居”の力を借りて、自らを正当化しようと戦う――日本人…いや、人間の本能のぶつかり合いが心に突き刺さる。「城塞」は4月13日(木)より東京・新国立劇場小劇場で上演。取材・文・撮影:黒豆直樹
2017年03月24日今夏、世界190カ国で配信される明石家さんまプロデュースのNetflixオリジナルドラマ『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』(全9話)の全キャストが21日、発表された。さんま初の連続ドラマプロデュースとなる同作は、さんまとジミー大西を中心とする奇跡の実話。国民的スターへと上り詰めていったさんまと、人気絶頂のさんまと出会って芸人としての才能が開花し、やがて画家へと転身したジミーと、そんな2人を取り巻く強烈なキャラクターたちによるウソのようで本当に起こった爆笑エピソードを描く。さんま役を小出恵介、ジミー役を中尾明慶が演じることがすでに発表されていたが、このたび全キャストが明らかに。多くのタレントとともに一時代の番組を作り上げた名物プロデューサー・三宅恵介役を佐藤浩市、さんまと『男女7人夏物語』で共演し結婚した女優・大竹しのぶ役を池脇千鶴が演じる。佐藤は「さんまさんが企画プロデュースと聞き及び駆け付けたら、今回はこれでと封筒を渡されたので、無礼者!!と投げ返しました」とコメントしている。また、ジミー大西の高校教師・野球部顧問役に生瀬勝久、ジミーが気になる女性と一緒に入った定食屋のおかみさん役に手塚理美、ジミーが運び込まれた病院の医師役に温水洋一。そのほか、山崎銀之丞、徳永えり、楊原京子、金井勇太、山西惇、丸山智己らが顔をそろえる。(C)2017YDクリエイション
2017年03月21日