2022年2月13日に開催される『岸谷香 感謝祭 2022』に先駆けてのホストとゲストの対談。岸谷香×和田唱(TRICERATOPS)の後編では、『感謝祭』でのコラボレーションのアイデアがたくさん出てきた。岸谷のプライベートスタジオでの取材であり、すぐそばにピアノとギターがあるので、弾きながら会話が進行。対談自体がコラボレーションの一部分みたいでもあった。一緒に演奏する楽しさは、言葉はもちろんふたりが奏でる音からも伝わってきた。バンドについて、当日の演出について、それぞれの性格についてなど、会話の内容も自在。『感謝祭』への期待が広がる対談となった。※前編は こちら()――岸谷さんと和田さんと根本さんに共通するのは音楽・バンド・楽器への情熱なのではないかと感じます。和田一緒に飲んだ時にも楽器トークで熱く盛り上がったんですよ。女子でこういう人あまりいなかいよなぁって新鮮な驚きがありました。香さん、本当に楽器のこだわりがあるよね。岸谷唱くんのこだわり方とはまたちょっと違うんだけどね。唱くんはギター小僧がそのまま大人になったみたいなタイプじゃない?(笑)ちっちゃい頃からギターが大好きで、ずっと弾いていたんだろうと思うんですね。私は踊りや振り付けが嫌で、「楽器を持たないのは嫌だ」「それは自分じゃない」ってところから始まって、長年かけて、本番のステージで弾けるようになってきたタイプだから。「楽器を離さないぞ」という気持ちは強いんですが、唱くんは自然にギターが大好きだよね。唱くんのライブでの演奏を観ると、「ギター、うまいなぁ」っていつも思いますね。岸谷香和田いやいや(笑)。――2016年にはそれぞれのライブにゲストで出演しています(TRICERATOPS『PREMIUM ACOUSTIC LIVE』2016年4月17日SHIBUYA CLUB QUATTROと『KAORI PARADISE 2016ーはじめてのひとり旅ー』2016年7月24日品川プリンスホテルクラブex)。その時の感想を教えてください。和田僕はいまだにクラブexでの「Diamonds」の最後の締めのフレーズが悔しいよ。本番でしくじりまくって、「もう1回!」「ああ、もう1回!」って4回繰り返したんだよね。(ここでギターを手にして、実際にそのしくじったリフを何度も再現する)あのしくじりはいまだに自分の中でもしこりとして残っている(笑)。岸谷じゃあ『感謝祭』で、そこの部分やる?(笑)和田ぜひぜひ、リベンジさせて!(笑)岸谷TRICERATOPSのアコースティックライブに出た時にも「Diamonds」やったじゃない?和田ああ、やったね。岸谷その時、とても新鮮だった。私は男の子と女の子が無理して同じキーでやるのって、好きじゃないのよ。和田「Diamonds」は男にはキーが高いしね。岸谷だからどっちかがすごくよろしくない状態になるのよ。和田あるある。男のキーに合わせたら女子には低すぎるし。どっちかが無理することになるよね。岸谷だから私は唱くんが歌うところは唱くんのキーにしたんですね。「Diamonds」は普段はEなんだけど、Aでやったのね。出だしが唱くんだったから。和田そうか、途中で転調したんだ(ここで再現して、ギターを弾きながら歌う)。岸谷そうそう、それで間奏で知らんぷりして原曲のキーに戻って、2番は私が歌い出すというアレンジだったんですけど、唱くんの「Diamonds」、とても新鮮でした。あの時はギターなしでハンドマイクだけで歌ったもんね。――それはとてもレアではないですか?岸谷そう。私がピアノを弾いていたんですよ。吉田佳史くんもドラムを叩きながら、笑っていました(笑)。和田僕がギターを弾かないで、ハンドマイクで歌うことって、そうはないからね。岸谷そう。Aのキーでやった「Diamonds」もとても新鮮だった。キーっておもしろいなと思って。あと、来てもらった時に、TRICERATOPSの「ポスターフレーム」を一緒にやって、すっごく楽しかった。この曲は分数コードだから、ピアノに任せて!みたいな(笑)。あれでコラボで伴奏する喜びを知りました。和田香さんとの付き合いのブランクが長かっただけに、その後、お互いのライブに参加したり、一緒に曲を作ったり、レコーディングをしたり、いろんなことを一緒にできて、うれしかったですね。岸谷レコーディングでもTRICERATOPSの中に混ぜてもらって、4人で録るのがおもしろかった。バンドっていいなあと実感しました。バンドっていいテイクが出る時って、あっ、出た!って感じになるよね(笑)。和田その場で何か思いついたら、「おっ、これをやってみようよ」ってすぐにできるしね。「My Life」のサビにギターで「こういうフレーズを入れてみない?」って香さんが言って、その場で一緒にやったの覚えてる?(そのサビのギターのフレーズを弾いてみせる)和田唱(TRICERATOPS)岸谷あっ、やったやった。ふたりで同じ部屋に入って、マイク1本で「せーの」でギターを録ったよね。和田そう、このアルペジオ。(ギターで弾いてみせる)岸谷やったね。(ユニゾンでピアノで同じフレーズを弾く)同じフレーズを一緒に録ったね。和田そうそう、「そこ、同じでいいの?」って僕が聞いて、香さんが「同じでいいの」って。こうやって一緒に演奏していると、どんどん思い出すね(笑)。(しばらく当時のレコーディングを再現して、ふたりでギターとピアノを弾きまくる。さらに一緒にハモっていく。音楽の楽しさ、美しさがスタジオ内にも漂っていく。取材中とは思えない、やわらかくて温かな空気だ)岸谷なんか、止まらなくなっちゃうね。後半のここのところもさ、私が「4小節ぶちぬきでGで行こうよ」って言ってやってたら、唱くんが遠慮なく、「いや、ベースは絶対にBに上がりたい」って言うから「わかりました」って(笑)。林幸治くんが途中で「どっちをやればいいの?」って顔をしていたよね(笑)。ふたりとも一番大事にしているのは、音楽としてグッと来るかどうかだっていうところ(岸谷)和田やりとり、楽しかったよね。ふたりでああだこうだ言い合ってて。しかもそのやりとりのテンポが早い。香さんは僕のことを「せっかちだ」って言うけれど、違うんですよ。香さんのほうがせっかちなんです(笑)。岸谷お互いにそう思っている(笑)。林くん、せっかちがふたりもいるから、困ったんじゃないかな(笑)。音符を数音弾くたびに「違う!それじゃない!」「あっ、それそれ!」とか、どんどんふたりの声が入ってくるから。和田多分、あのレコーディングの日、林は相当疲れたと思う。僕と香さんがあまりにも「ああだこうだ」っていうから。しかもふたりともどんどん思いついちゃうし、その思いつきのテンポが異常に早いでしょ?(笑)。岸谷唱くんが「あっ!」って言った瞬間に、「よし!わかった!」って(笑)。説明しなくても、「あっ」っていうだけで、何を言うかが想像がつくんですよ。途中からマネージャーとか、みんな笑っていたよね(笑)。――以心伝心というか、まさに息が合っているんでしょうね。岸谷すごいスピードで物事が決まっていきました。でもふたりとも一番大事にしているのは、音楽としてグッと来るかどうかだっていうところも良かったですね。――最終的にやっぱり音楽的な共通点があるんですね。和田「My Life」で作った三声のコーラスがあって。「この曲を参考にして、コーラスを作ってきてほしいんだけど」って、香さんが聞かせてくれたブライアン・ウィルソンの曲、実は僕がメチャメチャ好きな曲だったんですよ。『Brian Wilson Reimagines Gershwin』というガーシュウィンのカバーアルバムの2曲目の「The Like in I Love You」。みんなが聞いているようなメジャーな作品じゃないだけに、あれはとてもびっくりした。岸谷そういうことも含めてツーカーでした。「ブライアン・ウィルソンみたいなコーラスを作ってきて」って頼んだら、唱くんが水を得た魚みたいに喜んでやってくれました(笑)。で、唱くんが作ってきたものをその場で歌ったら、それで本チャンOK(笑)。――「ミラーボール」と「My Life」は『感謝祭』でも聴きどころになりそうです。岸谷「ミラーボール」はTRICERATOPSのアコースティックライブにお呼ばれした時にやっただけで、エレクトリック編成のバンド演奏ではやってないんですよ。Unlock the girlsでは演奏しているんだけど、その時は同期ものを使ってエレクトロな感じのポップスでやっているので、実はレコーディングしたあの形は生ではやったことがないのよ。和田そうか、まだ1度もやってないんだ。僕が“girls”の演奏で感心したのは大サビのところで、一拍あけたこと。このやり方っていいなって思った。だってクロスしなくて済むでしょ。岸谷そう。レコーディングはクロスしてたから、あけたの。(ここでギターとピアノでの確認作業がしばし続く)――今回は根本さんとも共演することになります。和田要さんとは『クリスマスの約束』で顔合わせはしていますが、実際の共演は意外にないんですよ。同じ番組に出ているけれど、直接的なコラボはほぼしてないんじゃないかな。――『感謝祭』のコラボ、貴重なものになりそうですね。岸谷要さんもギターが大好きで、ギターソロ、ガンガン弾くんですよ。80年代の超絶ギターソロみたいなのをやるので驚きました。和田ギタリストとしての要さんは僕とはタイプが違うんですよ。プレイはかなりテクニカル。しかも要さんってとてもフレンドリーな性格で、普段はいっぱいおしゃべりして場を和ませてくれるけど、ギターソロになると、真顔になって表情をまったく変えないから、びっくりですよ(笑)。――それだけ真剣に集中しているということなんでしょうね。岸谷私の場合はYukoというギタリストが同じバンドの中にいるから、「ここは弾かなくてもいいや」ってこともあるんだけど、唱くんも要さんもギターを弾かないことはほぼないわけじゃない?ボーカル&ギターが3人いるので、いろいろできそう。ギターを持ってきてもらって、それぞれのギターソロを楽しみたいな。和田僕は精いっぱいやりますよ。今、ギターの話ばかりしてますけど、要さんも香さんもまずボーカリストとして素晴らしいので、そこも気合が入りますね。岸谷要さんはすごいよ。夜中までずーっと歌って、次の日は朝早くから歌っているから。和田ライブで疲れたと思ったこと、1回もないらしいよ。「ライブって疲れないじゃない?」って言うから、「いやいや疲れますよ」って(笑)。岸谷一番年上なのにね。和田喉の調子が悪くても、ライブは楽しいって言いますもん。あれはすごいな。僕は調子が悪い時はライブ、つらいですもん(笑)。要さんの境地に一生のうちに到達できるのかな。岸谷でも要さんも若い時は頑張っちゃってたって話を聞いて、少し安心しましたけど。――和田さんはUnlock the girlsの中で演奏するのはどうですか?和田女性バンドに加わるのは未経験ですから、楽しみです。なんかプリンスみたいですよね(笑)。プリンスも一時期、やってたんですよ、プリンス以外は全員女子。岸谷3RDEYEGIRL(サードアイガール)ね。和田どんなふうになるんだろう?Unlock the girlsでのライブも観させていただきました。いい演奏するし、彼女たちいい表情でやってるし、とても楽しみですね。岸谷彼女たちもメッチャ楽しみにしてますね。彼女たちは年齢的にも多分、TRICERATOPSを聴いていた世代だろうし。和田FLiPとは随分前に対バンしたことがあるので、ギターのYukoちゃんとドラムのYuumiちゃんは前から知ってました。Yuumiちゃんは対バンした流れで、何度か僕らのライブも観に来てくれました。ベースのHALNAちゃんとは共演したことがありませんが、楽しみです。最近は女子のバンドが増えて、いいプレイをする子がたくさんいるよね。岸谷うちのバンドのメンバーも、女の子だからってことではなくて、それぞれいちミュージシャンとして、いいグルーヴを出すんですよ。だから歌っていて、とても気持ちいいの。でありつつ、女の子としての良さも持っているので、いいなあと思っています。――バンドとソロの魅力ということについても聞きたいのですが。おふたりともバンド活動もソロ活動もやっているという共通点があります。和田いや、僕はそんなにソロをやった感はなくて。岸谷ええっ?思いっきりソロじゃない?和田ソロなんだけど、ひとりでやってきたからね。これがバックバンドを入れてやっていたら、ソロ活動をやっているという感覚が強くなるのかもしれないけれど、僕の場合はレコーディングもひとりだけでやったし、ライブもひとりだけでしょ。岸谷ああ、そっか。和田だからひとりでやりましたというだけで、ソロ活動をやりましたという認識があまりないの。岸谷でもそうかもしれない。ソロ活動って、バンドと何が違うかというと、1対サポートという関係性があって、他の人がいることが大きな違いになるわけだけど、ひとりでやってると、そこはないもんね。和田そうなんだよね。バンド以外の他の人とやったことがなくて、そこも未経験。僕は未経験が多いですね(笑)。――サポートメンバーとやることはイメージできないんですか?和田今のところはそうですね。自分がソロをやるとなった時に、考えはしたんだけど、まだ今は違うかな、どこまでひとりでできるか確かめたいなという気持ちが強かったんですよね。岸谷バンドを解散したわけではないことも大きいんじゃない?“バンドがあるのに、なんで他の人とやるの?”みたいな感覚もあるでしょ。和田ああ、それはちょっとあるね。岸谷私もプリンセス プリンセスで活動していて、ソロをやった時には、全然違う音楽性でやることを意識しました。オーケストラを入れるとか、これだったら、まったく違うものだから、他の人とやるのもわかるよねって、誰しもが納得する形でやっていた気がします。だって、ソロをやると言いつつ、違うバンドみたいな形でやると、浮気してるみたいになるじゃない?和田そうなるよね。浮気感はどこかで出てくる気がする。サポートメンバーとやるんだったら、バンドでやればいいんじゃない?とか、いろいろ考えますね(笑)。岸谷私はバンドを体験して解散して、その後、サポートのメンバーもひとりぼっちも体験して、またUnlock the girlsをやっているわけじゃない?プリンセス プリンセスが解散した時、「ガールズバンドはもうやらないぜ」って思ったんだけど、今はまたこういう形でやることができて良かったなと思っていますね。和田今言われるまで、プリンセス プリンセスとUnlock the girlsが同じくガールズバンドだってこと、まったく意識してなかった。岸谷私は男性ミュージシャンとやる時には“1対サポート”という関係を感じるのね。だからバンドをやるなら、やっぱり女の子がいいなあって思いました。バンドって、きっと気質だよね。もともとソロで活動している人がバンドをどう捉えているかはわからないけれど、“1対サポート”と“バンド”って、外から見ると、同じ形態に見えるかもしれないけれど、まったく違うものだから。同じように歌っていても、感覚もまったく違うしね。私はやっぱりバンドが好きだな。理由はわからないけれど、されどバンドなんだよね。和田僕は子供のころからバンドへの憧れがあったからね。自分がデビューする時もバンドでデビューしたいと思っていたし。バンドって、実際にやってみるまではどういうものなのかよくわからないのに、その一員になりたいという憧れだけはずっとあって、今もその感覚は続いてますね。岸谷バンドって、その人たちが集まっただけで、音を出さなくてもバンドのたたずまいがあって。どんなに演奏がうまくても、バンドとそうじゃない人たちとでは出てくる音が違うと思うんですよ。精神の違いみたいなものが出るというか。僕は要さんが仕切るんじゃないかと思っていますよ(和田)――『感謝祭』では岸谷さん、和田さん、根本さんで、ギター、キーボード、コーラス、いろいろな組み合わせが考えられますが、今の時点で考えていることはありますか?岸谷とりあえずステージに鍵盤も置くことだけは決めているから、唱くんとピアノとギターでふたりだけというのはやりたいですね。和田それもいいね。――さっきからピアノとギターでふたりでやってる感じ、いいですよね。和田そう、あの感じですよね。「My Life」みたいな曲をふたりでやるのもありだし。岸谷要さんともふたりでやりたいし、唱くんともやりたいですね。あとはそうだな、生まれて初めてのガールズバンドの一員に加わっての演奏も楽しんでいただきたいですね。うちのバンドのメンバー、みんな、コーラスがめっちゃ上手だから。和田あ、それはいいね。そう言われると、「My Life」もコーラスがほしくなっちゃうな。歌えるっていいねぇ。岸谷あとは唱くんとの出会いの曲でもある「Fever」を、許してもらえるなら、私たちでアレンジして、鍵盤を入れたり、コーラスを足したり。和田もちろん。岸谷女子の「Fever」にしたりとか。和田ああ、いいね、だったら僕はギター、弾かないな(笑)。それもいいでしょ、ハンドマイクを持って、ノリノリで踊りながら歌う(笑)。岸谷それはおもしろそう。でも唱君はギターがないと、途中で間が持たなくなるかもよ。和田あり得るけれど、それはそれで楽しもう!(笑)。岸谷ただお呼びして、私たちがバックバンドをやりますっていうだけだともったいないから、せっかくだから、驚かせるくらいこっちでアレンジしちゃいたい。和田ああ、いいね!岸谷「もし嫌なところがあったら言ってね」って。和田OK、OK。じゃあアレンジしておいて。キーだけは現キーで、アレンジはもうおまかせ。岸谷やったー!(笑)岸谷楽しみだなあ。ツインギターをやろうよ。オクターブでハモったり。和田いいよ。楽しみだね。曲、何をやるか考えておいて。岸谷はい!(笑)――岸谷さんと根本さんの対談では、和田さんがリハを仕切るのではないかとの話になっていましたが。和田いやいや、僕は要さんが仕切るんじゃないかと思っていますよ。多分、僕がいちばんおとなしいですよ。――『感謝祭』のトーク、かなりにぎやかになるんじゃないですか。和田要さんとは先日放映された『クリスマスの約束』でもご一緒しましたけど、要さん、転換の時もいろいろ話していたんですよ。放送されないところも、要さんが全部つないでいた。あのパワーはすごいですよ。僕はきっと本番ではそんなにしゃべらないと思いますよ。最近、わかったことなんだけど、まわりがあまりしゃべらないと、結構喋るんですよ。ここは僕がまとめなきゃいけないんだなっていう本能が働くんですね。でもまわりに喋る人がいると、おとなしくなる傾向があります(笑)。――責任感ゆえに話すということですね。和田TRICERATOPSでは、今は林も喋るようになりましたが、以前はほとんどしゃべらなかったので、僕が話すようにしてましたし、うちの家族といる時、母がいて、奥さんがいる時って、僕はまったく喋らないです。要さんがいて、香さんがいるでしょ。きっとそれと同じ現象が起こるような気がする。僕は時と場合によって、すごく変わるんですよ(笑)。岸谷私も実はそうだから、シーンとなる場面があるかも。いや、ないかな(笑)。そこは要さんを頼りましょう。和田要さんは「何も考えてなくても、口を開けば、どんどんトークが勝手に出てくる」って言ってましたからね!「でまかせでいいんだよ」っていうんですが、でまかせにしては気が効いた言葉がたくさん出てくる。やっぱり才能ですよね。――今回の対談でもふたりのかけあいは相当おもしろいですよ。和田香さんはどんどん返してくれますからね。岸谷お互いにせっかちだから、言葉の頭でさんざんかぶっちゃって、聞いてる人はわけがわからないかも(笑)。――セッション的な楽しみもありそうです。岸谷スリーコードのロックンロールで、それぞれのソロで好きにやるとかね。プリンセス プリンセスのロックンロールもあるから、そこから発展させていくとか。和田あっ、それはいいね。お客さんもそれはうれしいんじゃないかな。岸谷お客さんに楽しんでもらうことはもちろんなんですが、バンドのみんなも楽しみにしているし、待ち遠しいですね。和田普段はないシチュエーションだから、意外と女子の中に入って、緊張するかも。僕、どうしょう、カチカチに緊張しちゃったりしたら(笑)。――逆に超ノリノリで、ゴキゲンで演奏するかもしれませんよ。和田味をしめて、ハマって、女子でバンドを結成したりとか(笑)。岸谷唱くんの女子力が発揮されるかもしれませんね(笑)。本番はもちろんですが、まずはリハが楽しみです(笑)。Text:長谷川誠 / Photo:吉田圭子<ライブ情報>『岸谷香 感謝祭2022』2022年2月13日(日) 神奈川・KT Zepp Yokohama開場 16:45 / 開演 17:30出演:Unlock the girlsサポートミュージシャン:sugarbeansゲスト:根本要(スターダスト☆レビュー) / 和田唱(TRICERATOPS)【チケット料金】全席指定:税込9,000円(ドリンク代別)チケット購入リンク:関連リンク■岸谷香オフィシャルサイト: Channel:■Unlock the girlsInstagram::■TRICERATOPSオフィシャルサイト:
2022年01月12日2022年2月13日に開催される『岸谷香 感謝祭 2022』に先駆けてのホストとゲストの対談。前回の岸谷香×根本要(スターダスト☆レビュー)に続いて、岸谷香×和田唱(TRICERATOPS)の対談を前編・後編の2回にわたってお届けする。ふたりは岸谷のアルバム『PIECE of BRIGHT』で2曲を共作し、互いのライブにもそれぞれゲストとして参加している。今回の共演は自然な流れと言えるだろう。対談場所は岸谷のプライベートスタジオ。スタジオなので、ピアノやギターが並んでいる。話の途中で、岸谷がピアノを、和田がギターを弾く場面もたくさんあった。言葉だけではなくて、音での会話も成立。音楽的な対談からは『感謝祭』の準備の楽しさも伝わってきた。――根本さんから和田さんに『感謝祭 』に参加するにあたっての伝言があります。「オレに複雑なことをさせるな。オレに楽をさせろ」とのことです。和田ああ(笑)。3人の中では僕が一番後輩ですからね(笑)。そこは(根本)要さんに従うしかありません。僕自身、後輩という立場の現場が徐々に減ってきているから、たまにはいいことですよね。岸谷そっか。そうだよね。――「TRICERATOPSを聞いてバンドを始めました」という話を、若いバンドからよく聞くようになりました。和田そうなんですよ。そういうケースも少しずつ増えてきました。でも後輩の立場の方が自然というか。以前は自分たちが年下というケースがほとんどでしたし、そういう期間が長かったですから。岸谷私も要さんと一緒にいると、「失礼しま~す」って、後輩のポジションで楽をさせていただいています(笑)。岸谷香――前回の対談で岸谷さんがコラボレーションをやると決めた時に、「和田さんと根本さんの顔が浮かんだ」とのことです。和田さんは岸谷さんから声がかかって、どのように思われましたか?和田香さんと一緒に共作してから数年経っていたので、またこうやって一緒に音楽をできることになり、うれしく思っています。一緒に曲を作ったことがある人って不思議なもので、しばらく会わなくても会えば一瞬で距離が縮まるんですよ。岸谷人間関係のカテゴリーとして、「一緒に曲を作った人」というジャンルが確実にありますね(笑)。――今回の対談では、岸谷さんと和田さんの出会いのところからうかがいたいのですが。和田ずいぶん昔だよね。岸谷きっかけは「FEVER」(TRICERATOPSの1998年11月リリースのシングル曲)を聴いたことですね。この曲のコード進行、私が作る曲とタイプが似ているなあ、気が合いそうだなと思ったら、トリオのバンドでやっていると知って驚いたんですよ。「この曲を3人でやっているの?」「テンションコードが入っているのに、鍵盤はいないんだ」と驚いて興味を持ち、レーベルがエピックで同じだったので、ラジオのゲストに来てもらったのが最初ですね。和田あの時は声をかけていただき、光栄でした。岸谷当時のビジュアルを見ていたから、きっと突っ張った男の子が来るんだろうなと思っていたのね。和田えっ?実際どうだった?岸谷今よりは突っ張っていたのかもしれないけれど、「こんにちは」って言ったら、普通に「こんにちは」って返してくれて、最初から自然に会話できました(笑)。PUFFYの『JET CD』というアルバムが出たばかりだったんですが、私はこのアルバムで1曲作曲しているんですよ。民生くんから「PUFFYのアルバムを作っているんだけど、曲が足りなくてさ。曲あまってない?」と言われて、「じゃあ書くよ」ってことになり、「春の朝」という曲を作曲した経緯があります。で、その「春の朝」について、唱くんが「聴いたよ。あの曲の転調、かっこいいね」って言ったんですよ。和田いやいや、さすがにその時は敬語だったよ(笑)。和田唱(TRICERATOPS)岸谷イメージとしては「かっこいいですね」じゃなくて、「かっこいいね」だったのよ(笑)。――いきなり転調が話題になるなんて、メロディメーカー同士の会話ですよね。和田香さんの作曲した「春の朝」、すごく気に入ってて。さすがだなと。岸谷いえいえ。私も転調のところが気に入っていたので、やっぱりこの人とは音楽的なところで、気が合うなと思いました。和田この時の話をしばらく忘れていて、再会してからこの話になって、あの曲が好きだったなと思って、久しぶりに「春の朝」を聴いたら、僕がその後、見事にあの曲と似た曲を作っていたことが判明しました。「Couple Days」という曲の転調するところ。これは自分でもびっくりした(笑)。岸谷えっ、どこ?ここ?(ここで岸谷がグランドピアノで該当するフレーズを実演)和田そうそう、その次のメロディ!僕は無意識だったんですが、今のメロディの転調が好きで、知らず知らずのうちにパクってました!申し訳ない!(笑)岸谷いえいえ。和田当時、女性バンドのボーカリストがメロディラインを作るケースって、そんなに多くなかったんですよ。作詞する人はたくさんいましたが、作曲する人はそんなにいなかったので、香さん、なんて音楽的な人なんだろうと驚いたことを覚えていますね。岸谷今でこそ、バンドをやっている女の子はたくさんいるけれど、昔はいなかったよね。唱くんが学校のころって、クラスでバンドやっている女の子はいた?和田いや、全然いない。岸谷私は中学のころ、軽音楽部だったんですが、男の子が持っている機材を見て、「あっ、エフェクターだ」って言ったら、「女の子が“エフェクター”って言った!」って珍しがられました(笑)。そういう世代なのかもしれないですね。和田今でこそ、香さんがギターや機材が大好きだということをよく知っていますが、最初にちゃんとお話した時はちょっと新鮮でしたよ(笑)。共作を経たことで、より仲良くなったという感覚はありました(和田)――話が遡りますが、会う前の時点で、和田さんは岸谷さんをどう認識していたんですか?和田TRICERATOPSがデビューしたのがプリンセス プリンセスが解散した翌年で。実家のテレビで、プリンセス プリンセスの武道館での解散ライブを観たのを覚えています。その時、香さんがミニスカ姿でMCをして、「私、こんなカッコしているけど、来年30歳よ」と語った言葉が印象に残っています(笑)。赤い衣装だったかな?岸谷そう、赤。当時、ゴレンジャーみたいにそれぞれのイメージカラーって、決まっていました(笑)。解散したのが29歳の時だから、今から考えるとまだ若いんですが、10代からやっていたバンドなので、解散ライブの時はやりきった感があって、そういう発言になったんだと思います。和田ちょうど僕らがデビューの準備に入っていた時期ですね。岸谷終わりゆくバンドと始まるバンド(笑)。和田ハハハ。だからプリンセス プリンセスが解散して、香さんはソロになっているという認識がある中で、ラジオのゲストとして招かれたということですね。――その後の交流はどんな感じだったのですか?和田香さんがライブに来てくれたんですよ。岸谷渋谷公会堂(1999年2月13日)に観に行きました。ものすごく盛り上がっていて、楽屋もたくさんの関係者であふれかえっていたので、邪魔だろうなと思って、さらっと失礼しました。和田そう、香さん、意外とあっさりと帰っちゃったんですよ(笑)。僕としてはもうちょっとコミュニケーションを取りたかったんですが、香さんは「楽しかったです〜」って感じで去っていった。えっ、もう行っちゃったのってくらい、物足りなかった(笑)。そこからかなり間が空いたんですよ。17年間くらいかな。間が空いたのは香さんがお母さんになったことも大きかったんじゃないかな。岸谷そうね。お母さんになって、音楽活動から隠居状態がしばらく続きましたからね。――再会のきっかけは?岸谷震災のあとにプリンセス プリンセスで復興支援しようということになり、再結成したことが関係しているんですよ。プリンセス プリンセスはツアーをやるようになってから解散まで、同じスタッフでツアーを回っていて、家族みたいな関係だったんですね。でも再結成には復興支援という大きな目標があったので、「あの時は良かったね」的な同窓会のムードにはしたくなかったので、新しいスタッフ、若いスタッフとやることに決めたんですね。和田なるほど。岸谷それで各部署で新しいスタッフと進めていたのですが、私のテック担当が東京ドーム1日目は来られないことになったんですよ。私としては16年ぶりにプリンセス プリンセスで手一杯なのに、テック担当者が違うことになり、テンパっていたんですね。替わりをやってくれたテックがMくんで、「大丈夫かな?」って不安だらけだったんですが、実はすごいテックで、1日だけのローディーなのにノーミスでパーフェクト。その時に仲良くなり、その後もお願いするようになりました。ある時、そのMくんが「すみません明日は他に入っているので、来られません」「えっ?誰」「TRICERATOPSというバンドです」っていう。よくよく聞くと、「TRICERATOPSが大好きで田舎から出てきて、テックをやっています」ということで、そのMくんのつながりで、TRICERATOPSのZepp Tokyoでのライブ(2015年6月5日)を観に行きました。渋谷公会堂から16年ぶりくらいかな?和田それくらいですね。香さんと会うことはもうないのかなと思っていたので、うれしかったですね。岸谷唱くんとMくんと3人で飲んだんだよね。和田そう、その時点でも僕は相変わらず敬語(笑)。でも香さんに「唱くん、もうそれやめない?」と言われて、「そう簡単には無理ですよ」「いや、もうやめて」ってことになり、そこからは僕も切り替えが早かったですね。いきなり「あのさ~」ってタメ口になりました(笑)。岸谷私はライブに行った時点も、TRICERATOPSのニュー・アルバム『SONGS FOR THE STARLIGHT』を聴きこんでいて、どの曲もとても良くて、やっぱりこれは好みが合うなあと思っていたので、「チャンスがあったら、一緒に曲を作りたいね」「いいよ」って、その飲み会でも提案して、実現しました。――「曲を作って」ではなくて、「一緒に作りたい」というのは、やはり似ているところがあると感じたからですか?岸谷そもそもの根底で似ているところがあるし、ピンと来たんですよ。唱くんとだったら、お互いに楽しみながら、いいものができるんじゃないかなって。――それが岸谷さんのアルバム『PIECE of BRIGHT』に収録されている「ミラーボール」と「My Life」の2曲です。岸谷どうやって曲を作ろうかなと考えた時に、ふたりで「せーの」で作るイメージがわかなかったんですね。以前、寺岡呼人くんと共作したことがあって、その時は彼が途中までしかできてない曲を持ってきて、その先を考えるのが楽しかったんですよ。人のエッセンスをもらうのが楽しかったので、交換日記風に作るのが楽しいかなって。――共作することは、お互いの根底の部分でのすり合わせを行うことでもあるでしょうし、メロディと歌詞の共作は深い関わりの中での作業だったのでは?岸谷お互い、大変だったと思いますよ。リスペクトもあるし、お互いを尊重しながら、自分の個性も出すわけだから。和田共作を経たことで、より仲良くなったという感覚はありました。――「ミラーボール」と「My Life」、どちらもとてもいい曲です。岸谷私が最初に「ミラーボール」のウーリッツァのリフからAメロの出だしくらいまでを作って、「じゃあこの後は唱くん、よろしく」ってMTRで録って送ったら、唱くんがギターを弾きながら歌っているボイスメモが速攻で送られてきたんですよ。「なんとかかんとか~?、いや、こうじゃないな、なんとかかんとか~?」って、やり直しもそのまま入っているボイスメモ(笑)。和田ああ、そうだそうだ(笑)。岸谷そうか、ボイスメモでいいのかと思って、次からは私もボイスメモで送りました。――そういうところも会話っぽいですね。岸谷「ミラーボール」を作っている時に、のちに「My Life」の一部分になるメロディを唱くんが送ってきたんだよね。和田えっ、そうだっけ?(そういいながら、和田はギターで、岸谷はピアノを弾きながら、その当時のメロディのやり取りを再現。このやり取りも実に楽しいものだったのだが、残念ながら、文字では伝えられません!)唱くんの書いた歌詞を見て、私は理屈で書いているんだなぁって感じましたね(岸谷)――1曲作っているつもりで、2曲になってしまったのは、お互いがそれだけ刺激しあいながら、創作していたということなのでは?岸谷自分の想像しないところに行くのが共作のおもしろさだから。和田まさにそう。岸谷それで、2曲録ることになりました。和田せっかく作ったんだから、録らなきゃもったいないですからね。歌詞も交換日記風のやりとりをしながら作りました。岸谷「ごめん、私は歌詞が苦手だから、唱くん先に書いて」ってお願いしました。和田女性が歌う歌だから、僕発信でと言われても、よくわからなかったので、「イメージだけ言って」ってお願いしましたね。そしたら「My Life」は“もうすぐ別れる二人が車に乗ってドライブしているイメージ!”と言ってくれて。これは非常にビジュアル化しやすかったので、わりとスムーズにできて、香さんに第一稿を送りました。岸谷第一稿もなにもこれ、ほぼ完成してるじゃない、バッチリじゃないという感じでした。いくつか、変更したところはありましたが、おおよそ第一稿を活かした歌詞になっています。で、「ミラーボール」は唱くんがミラーボールというワードを出したんだよね。とても唱くんらしいタイトルじゃない?和田実は「ミラーボール」というタイトルの曲をかつて作ろうと思ったことがあって。岸谷えっ、そうなの?和田そう。「ミラーボール」という曲を作ろうと思いながら、ずっと実現せずにいて、いつかどこかで使いたいと思っていて、「ああ、ここだ、ここで使えばいいんだ!」って気づいたという(笑)。《あなたはまるでミラーボールの光》《あなたを照らすミラーボールになろう》というフレーズがあって、は“私はあなたにとってのミラーボールの光でありたい”という主人公の気持ちを描いたんですが、香さんからのご指摘があって、いろいろやり取りがありました。岸谷唱くんの書いた歌詞を見て、私は理屈で書いているんだなぁって感じましたね。あの時はいろいろ言ったよね(笑)。「ミラーボールは単体だとキラキラしないんだよね。光を当ててあげようよ」って提案したんだけど、唱くんが「いや、そういうことじゃなくてさ、君は僕のミラーボールくらい、どかんといきたいんだよ」って言ったのをよく覚えてますね。私がガタガタ言ったんだけど、唱くんが「香さん、ミラーボールの構造上の問題は置いておいて、もっと歌詞の内容としてさ」って(笑)。「はい、その通りですね」って最終的に納得しました。和田僕も香さんから言われて、「そっか、ミラーボールって、そういうものか...」って迷っちゃいましたよ(笑)。――それだけ深くお互いにやりとりしたということですね。岸谷「まあいいや」で済ますことはありませんでした。唱くんとお互いに納得するまでやりとりをしました。和田最初は香さん、「唱くんに任せた」って言ってたんだけど途中から火がついてきて、「唱くん、ここさぁ」っていろいろ提案してきて、あれが良かった(笑)。岸谷そうそう、私はツアー中で、どこかのバーラウンジみたいなところに行って、イヤホンをしながら死ぬ気で歌詞を書いて、唱くんに送ったんですが、バッサリ削られて、「あれ?採用されてないんだ」って(笑)。和田僕も失礼なヤツだね(笑)。岸谷いや、私は採用されたくて送ったわけじゃなくて、「へー、こんなことを考えているんだ」って、唱くんが考えないだろう発想を渡したくて、送っていたところがあるのね。唱くんは普段はひとりで書いている人だから、「こういう切り口もあるのか」って感じてくれるかもしれないな、そういう協力をしようと決めて、恥ずかしい気持ちを置いておいてガンガン送ったので、それはそれで良かったかなと思っています。――和田さんは岸谷さんとの共作をどう感じましたか?和田とてもいい経験になりましたし、自分ひとりでは到達できないところに行けたと思います。もともと共作自体をしたことがないし、しかも女性と共作ってなかなかないですよね。誰かがメロディを作ったものに僕が歌詞をつけたことはありますが、連絡をとりながらの共作は桜井(和寿)さんに続いて、女性では香さんが初めてでした。岸谷言いたいことを遠慮せずに言いあいながら作れたのが良かったですよね。「ミラーボール」の最初の《かかとの音が夜道を》というところ、最初は《かかと》が《パンプス》だったんだけど、「ごめん、唱くん、私はパンプスは履かないから」って(笑)。「サンダルはどう?」と提案して、結局、間をとって<かかと>になりました(笑)。会話を重ねることによって、曲ってどんどん自分のものにもなるんだなってことも感じましたね。和田女性でも「僕」って歌う人もいるじゃないですか。それで香さんに「主人公の設定は僕と私、どっちがいい?」って聞いた気がする。岸谷唱くんには悪いかなと思ったけど、唱くんは女子力高そうだし、大丈夫かなと思って、「私で」とお願いしました。和田女子力が高いって、香さんに初めて言われましたね(笑)。これまでの人生でそんなことを考えたことがなかったんですが、香さんに言われてから、なるほど、僕は女子力が高いのかって思うようになりました(笑)。岸谷私の男らしいところと唱くんの女子力の高いところのミックスが今回とても良かったんだと思います。『感謝祭』でも女子バンドの中で、唱くんの女子力がどう発揮されるかが、楽しみです(笑)。Text:長谷川誠 / Photo:吉田圭子※ 後編() に続く<ライブ情報>『岸谷香 感謝祭2022』2022年2月13日(日) 神奈川・KT Zepp Yokohama開場 16:45 / 開演 17:30出演:Unlock the girlsサポートミュージシャン:sugarbeansゲスト:根本要(スターダスト☆レビュー) / 和田唱(TRICERATOPS)【チケット料金】全席指定:税込9,000円(ドリンク代別)チケット購入リンク:関連リンク■岸谷香オフィシャルサイト: Channel:■Unlock the girlsInstagram::■TRICERATOPSオフィシャルサイト:
2022年01月11日日本を代表する俳優陣と、いまを賑わすスタッフが手を組んで誕生した、これまで見たことの無いような型破りな刑事コメディドラマ「No Activity/本日も異状なし」より、出演の岸谷五朗&岡山天音&岸井ゆきの3人の場面写真とコメントが到着した。本作の注目は、何と言っても人間味があふれキャラが濃すぎる登場人物たちの絶妙な掛け合い。主人公の時田(豊川悦司)と椎名(中村倫也)のバディや警視庁無線連絡室の美里(木村佳乃)と阿漓羅(清野菜名)の指令官コンビ、そして犯人の諌山(岸谷五朗)と一条(岡山天音)と、人質にされてしまった茉莉(岸井ゆきの)の3つのグループが、それぞれ思わず吹き出してしまうような軽妙な会話劇を展開する。岸谷さんが演じる諌山は、前科7犯で今回麻薬取引に手を染めることになった裏社会の住人。何をしでかすか分からない異様な雰囲気と、常人には理解しがたい性癖も持つ、ちょっと危ないキャラクター。岸谷さんは自身の役作りに関して、「諌山という役を一人で固めていくわけではなく、一条と茉莉との掛け合いの中で諌山のキャラクターを変化させていきました」と、2人との掛け合いの中で役を変化させていったことを明かす。また、岡山さんが演じる一条は、これまで普通の生活を送ってきた青年で、犯罪に手を染めるのは今回が初めて。初めてのヤマにも関わらずどこか飄々としており、自分と違った世界に住む諌山に興味津々な謎が多いキャラクターだ。岡山さんも「一条は状況に応じて新しい顔を見せて行くキャラクターなので、3人の関係性や一条の印象が常に変化していく過程を表現できたらいいなと思い演じました」と語る。そして岸井さんが演じた茉莉は、偶然麻薬取引の情報を知ってしまったことで、囚われの身になってしまった人質。実は茉莉も諌山や一条に勝るとも劣らない個性的なキャラクターで、危険な状況にも関わらず何故かワクワクしてしまうSNS依存症の女の子だ。岸井さんもまた、「茉莉は人質なのに犯人の2人と接していく中で関係性が変わっていきます。ですから岸谷さんのおっしゃる通りに現場で生まれるものを大事にしようと思い、前持って計算せずに演じました」と語り、やはり犯人役の2人との関係の中で役を変化させていたことを明かす。予めキャラクターの色を限定させず、お互いの空気の変化を読みつつ役を作り上げるという、まるで生の即興演技かのようなユニークな役作りをした演技派3人の奇跡の化学反応と、彼らが織りなす想像を超えた展開は、本作の見どころの一つともいえる。自由度の高い撮影現場は、役者同士の見事な演技合戦だけでなく、ぶっとんだ“役者のクセ”も浮き彫りにしたようだ。岸谷さんは、茉莉役の岸井さんについて、「岸井さんはNGに気づいた時に、カットもかかっていないのに自分でまき戻そうとしているのにビックリしました」と本番中の岸井さんの驚きの行動を明かした。ベテラン俳優さえも驚かせた“巻き戻し”に関して岸井さんは、「間違えた時、自分で巻き戻してやり直すことは以前英監督の映画で覚えました。その時、英監督からは他の現場でやってはいけないよと言われていたのですが、今回は英監督の作品なので、まーいいかと思いやってしまいました」と半ば確信犯であることを告白している。「No Activity/本日も異状なし」はAmazon Prime Videoにて独占配信中。(text:cinemacafe.net)
2022年01月04日2022年2月13日にKT Zepp Yokohamaで開催される『岸谷香 感謝祭 2022』に、ゲストとして参加する根本要(スターダスト☆レビュー)と和田唱(TRICERATOPS)とホスト役の岸谷香の対談が実現した。ここでは前回に引き続いて、岸谷香×根本要の対談後編をお届けする。ふたりの会話からステージのアイデアが生まれる場面もあった。次回対談予定の和田唱への率直な要望も示された。ステージを観る楽しみはもちろんのこと、作り手側の楽しみを観客が共有できそうなところにも『岸谷香 感謝祭 2022』の醍醐味があると言えそうだ。変な「初めまして」感はないし、いきなり音楽の話から入っていけるのがいいですよね(根本)※前編は こちら()――女性バンドの中に男性が入るおもしろさを楽しみたいとのことですが、岸谷さんが根本さんと和田さんを指名したのは?岸谷私の頭の中に最初に顔が出てきちゃったふたりってことですね(笑)。要さんはスターダスト☆レビューのステージに私が混ぜていただいたので、その逆パターンで、ぜひこっちに混ざっていただきたいなって思いました。簡単な言葉で言うと、「お世話になりっぱなしだから、お返ししたい」みたいな(笑)。根本いやいや、それは逆だよ(笑)。お返ししなけりゃいけないのはこっち(笑)。岸谷いえいえ。それに要さんだったら、きっとUnlock the girlsとの演奏を楽しんでくれるだろうなと思ったんですよ。彼女たちは昔の音楽をあまり知らないので、そこでは要さんが助けてくださるだろうなって。唱くんとは曲も一緒に作ったことがあるし(アルバム『PIECE of BRIGHT』の中の「ミラーボール」と「My Life」)、私がTRICERATOPSのライブに出たり、私のソロに唱くんが来てくれたりもしていますしね。要さんと唱くんがいたら、ふたりともギターを持ってくるだろうから、楽しくなるのは間違いないですから。――根本さんと和田さんも『クリスマスの約束』で何度も共演されているから、意思の疎通もスムーズでしょうし、3人のコラボレーションが楽しみです。根本変な「初めまして」感はないし、いきなり音楽の話から入っていけるのがいいですよね。唱のソロアルバムも聞かせてもらって、いい作品を作っているなあと思いました。何よりも唱も音楽好きだしね。唱くらい、誰に対してもフランクな人間はそうはいないんじゃないかな。一緒にいてすごく楽ですね、あまり上下関係もないし(笑)。岸谷リハをやったら、きっと仕切るのは唱くんですね(笑)。「香さん、そこはこうやって、ここはこうやるのはどう?」って(笑)。岸谷香根本やりたい人がやるのが一番ですからね。香ちゃんと唱が作った「ミラーボール」という曲を聴かせてもらったんですが、僕らが70年代に聴いていたブリティッシュロックのおいしいところを使って、あんなかっこいいサウンドを作っている。ピアノのリフが鳴りながら、その後ろでアクセントでギターのフレーズを付けているところも含めて、よくできているなあと感心しました。――「ミラーボール」はライブで映える曲でもありますよね。岸谷そうなんですよ。本家本元のバンドサウンドでやったことがないから、やるのが楽しみです。そもそも「ミラーボール」は、私がTRICERATOPSの中に「失礼します」って入れてもらって、4人でレコーディングした曲で。その後、唱くんにお呼ばれして、TRICERATOPSとアコースティック・バージョンでは一緒にやったことはあるんですが、エレキギターがガンガン鳴っている、あのまんまの演奏をステージでやったことはないんですね。今回が初めなので、唱くんとは「楽しみだね」って話しています。要さんとはふたりで何かやりたいなあと思っています。要さんの伴奏がやりたい!根本えっ?そうなの?岸谷できたらピアノで。要さんはエレキギターでもアコギでもいいですし、歌だけでもいいんですし、ともかく要さんの伴奏がやりたい。ふたりでアコギを弾きながら、というのもいいかな。根本それもいいね。コーラスが加わったりとか。そこはいくらでもイメージが広がりますね。岸谷もし許してもらえるなら、スターダスト☆レビューの曲をUnlock the girlsなりにちょっとアレンジを変えて、やってみたいです。せっかく来ていただくので、丸々そのままやるよりも、「えっ、ここはこんな風に変えちゃうわけ?」というところも楽しんでいただけたらと考えています。以前、一青窈ちゃんと一緒にやった時に、一青窈ちゃんの曲をUnlock the girlsでアレンジを変えてやったことがあって。さんざん考え抜いてアレンジしたんですが、気に入ってくれて、一青窈ちゃんが自分のライブでも、私たちが変えちゃったところを「変えたとおりにやりました」って言ってくれたんですよ。そういうのもうれしいなあって。根本それはうれしいよね。岸谷要さんと一緒にやるにあたって、いろいろ考えていることがあります。例えば、前に奥田民生くんと一緒にやった時の方法なんですが、「いつも通りに弾き語りしてください」とお願いして、要さんにひとりで弾き語りをしてもらって、私が横から勝手にリフを入れたり、ハモリを入れたりするのはどうかなって。根本なるほど。それは楽しそうだね。根本要(スターダスト☆レビュー)岸谷民生くんと一緒にやった時には、本番の日のリハーサルで1回だけ、やってみたんですね。「じゃあ私がギターソロを弾くね」「OK!」みたいな感じで本番でも自由にやったんですが、それがとても楽しくて。普段だったら、絶対にできないようなことだし、ファンの人からみたら、へぇー、こんなになっちゃうんだ、みたいな楽しさがあるんじゃないかと思います。――セッションの楽しさのひとつですよね。根本ミュージシャンって、ふたつのパターンがあるんですよ。臨機応変に音楽に対して対処できる人とそうじゃない人。対処できない人が悪いというわけではなくて、毎回決められたこときっちりとやるのが好きな人ということです。自由に対処できる人は、今日の雰囲気はこうだから、ちょっとここにハモを入れてみようとか、ソロを入れてみようとか、そういうことも含めて、音楽を楽しんでいますよね。僕も香ちゃんもそっち側のミュージシャンだと思います。もちろん音楽だから、ある程度は決めなきゃ成立しないんですが、ベーシックを決めた上で、じゃああとの2割くらいはその日の味を楽しみましょうって。そこは楽しみたいですね。岸谷私は要さんを驚かせたい!(笑)根本しかも本番でな(笑)。いろんなことをいろんな確度から楽しんでもらえたら(岸谷)――驚きも含めて、それぞれが演奏で応酬していくのは実にクリエイティブですよね。根本もちろんお客さんがいるわけだから、お客さんにいいものを観せたい、楽しんでほしいということが大前提ですけど、実はミュージシャン同士はライバルでもあるわけだから、「おい、これどうだよ?」「むむっ、やるな!」みたいなところを見せたい気持ちもありまして。こっちが何かやっても、反応してくれないミュージシャンもいますが、音で反応してくれた時には、すっげぇうれしい(笑)。もちろん音の応酬はレコーディングやスタジオでもあり得ることですが、その応酬をお客さんにそのまま見せられるのがライブの醍醐味で。1から10までしっかり決めて、忠実な再現を目指すことを良しとするよりも、今回はその日にしかない音楽、何が飛び出すかわからないところも楽しみたいですよね。3人とも音楽の振り幅を持っているので、ロックンロールで盛り上がることもできるし、バラードを聴かせることもできるし、いろいろアイデアが出てくるんじゃないかな。岸谷もしも「すみません、私はそういうのはできないんで」ということになっても、それはそれで成立するんですよ(笑)。「ちょっと変だけど、これで許して」というのもありだし。Unlock the girlsと要さんと唱くんの6人で、その日だけのバンドになりたいですね。根本「ギター4人でガンガン行こうぜ」ってこともできるし、「私はピアノで伴奏をやります」ってこともできるので、それぞれのポジションを見つけて楽しみたいですね。香ちゃんと唱と僕がひたすら前に出るんじゃなくて、出たり引っ込んだりすると、観ている人にとっても楽しいんじゃないかな。お互いに歌もコーラスもできるから、穴がない。3人ともシンガーであると同時に、プレイヤーでもあるし、後ろで演奏する楽しみも知っているので、ステージの前から後ろまで、全部が全部、音楽的に楽しんでもらえると思います。岸谷なんか、メッチャ盛り上がってきた(笑)。伴奏するって、楽しんですよ。すでにこうやって話しながら、頭の中で演奏している映像がグルグル回っています(笑)。3人で並んで、ひとりが歌って、残りのふたりが伴奏するスタイルをメドレーでつなぐのもいいですよね。唱くんは張り切って伴奏するタイプだから、とても楽しそう(笑)。根本お客さんって、7割がた歌を聴きにくるんですが、おそらくこの日は歌だけじゃなくて、演奏も楽しんでくれるんじゃないかな。僕が歌ってて、香ちゃんがピアノを弾いて、唱がギターを弾いているとか。ソロシンガーのライブで間奏で拍手が来るケースがあるじゃないですか。いやいや、間奏も聴いてよってことですよね。イントロ、間奏、アウトロもあっての曲ですから。岸谷誰かがイントロを弾くわけだし、誰かが歌い出した、誰かがサビを歌った、間奏では誰かが弾いているって、必ず誰かが主役のはずだから、休憩場所がないステージになると思います。根本お客さんに、こんな音楽の楽しみ方もあるんだよってことも伝えられるライブにできたらいいですね。――根本さんと和田さんが女性バンドの中に入っていくおもしろさもありますよね。根本僕はまだそこだけはイメージできないんですね(笑)。香ちゃんもいてくれるし、唱もいてくれるから、不安はないし、彼女たちと一緒に演奏するのはとても楽しみですけど、どうなるのか、わからない(笑)。想像がつかない。今まで女性ドラムでやったこともあるし、女性ベースでやったこともありますが、女性のバンドでやったことはないから。岸谷お客さんもきっと、これって観たことがないパターンって思うだろうし、そこも楽しんでもらいたいですね。彼女たちは要さん、唱くん、私という強烈な3人に負けない演奏ができるメンバーなんですよ。自分たちも楽しんで演奏できるところがUnlock the girlsの良さだと思っています。根本僕らのライブって、ステージで盛り上がってくると、汗くさ~いバンドになっちゃうんだけど、そうならないバンドって観たことがないから、楽しみですね(笑)。高校の部室みたいな匂いのしないステージって、どんな感じなんだろう?岸谷いろんなことをいろんな確度から楽しんでもらえたら(笑)。根本できたら、あと20歳くらい若い時分にこういうところに出たかったなぁと思いますね。枯れ果てたミュージシャンが出て、申し訳ないような。――年代も性別もジャンルも自由というところがいいのではないですか。根本もちろん年齢関係なく出ようと思っていますが、還暦という大きな壁はありますから(笑)。ただし、年齢差のある人間が出る良さもあるとは思っています。僕と小田和正さんは10歳違うんですが、小田さんのステージを観るたびに、あるいは小田さんの歌を聴くたびに、自分の10年後を想像するんですよ。10年先を走っている先輩を見ると、自分もまだまだやっていけるのかなと思うし、僕自身、先輩ミュージシャンに育ててもらったという思いは強いですし、そういう先輩を見ながら、音楽をやってこれたことは幸せだと思っています。とは言うものの、僕はこんなものなので、えらそうなことは言えませんが、この人はこれくらいの年齢で、こんなふうにやっているのかってところで、何かを感じてもらったらうれしいですね。だって、音楽を長いこと、やってほしいですから。香ちゃんや唱ももちろんだけど、彼女たちも30年40年とやってくれたらうれしいですよね。岸谷一生縮まらない距離間で一生追いかけていきます(笑)。アンコールになるころに、「ああ、もう終わっちゃうんだ」っていつも寂しくなる(根本)――スターダスト☆レビューは現在、全国ツアー中ですが、100公演以上の本数をいまだにやり続けていることが素晴らしいです。根本大変だって思ったことがこれっぽっちもないんですよ。日々楽しいですし、週末が一番楽しい。明日はあそこだ、何をやろうかなって。だって人前で歌えるなんて、アマチュアのころから考えると、夢みたいなものでしょ。毎ステージ毎ステージ、2千何百回もやっていながら、いまだに楽しくてしょうがない。アンコールになるころに、「ああ、もう終わっちゃうんだ」っていつも寂しくなります。だって中学高校のころから、これがやりたくてやっていますから。岸谷確かにそうですね。根本ミュージシャンはみんなそうだと思いますが、好きでミュージシャンをやっているわけで、誰かに頼まれて、プロになったわけではない。やり続けているうちに昔よりも自信が出てきて、今はそんなに疲れることもなく、楽に歌えるようになってきました。これがアスリートだったら、体調がどうだ、ケガがどうだってことになり、記録もつきつけられますが、それがないので助かってます。岸谷アスリートって、どんなに素晴らしくてもピークの年齢ってありますよね。人それぞれじゃなくて、だいたいこれくらいまで、という目安の年齢がある。根本僕らもアスリートと似たようなことをやっている面もあるんですが、記録がないですし、結局、重要なのは自分の中にある基準じゃないですか。もっとうまくなろうと思えば、うまくなれるし。うまさが渋さや味わいになったりするわけで、昔は16分音符を早弾きしていたのが、今は1音だけキーンって鳴らして、顔だけすごい表情をするのだってありだし(笑)。だから僕らは長いこと、やっていけるんだと思います。岸谷ミュージシャンでも年を取って、できなくなることもありますが、こんな年でもできるようになることもたくさんありますから。練習すれば、まだまだうまくなるし、こんなやり方があるんだという発見もあるし。それが音楽の素晴らしいところですね。根本以前、香ちゃんが僕らと一緒に「M」をやった時も、プリンセス プリンセス時代とは歌の雰囲気が違うんですよ。PRINCESS PRINCESS時代の演奏は音源や映像でしか知りませんが、僕らとやった時はリラックスした感じで、その歌がまた良くて。この年になって、こういうふうに歌うんだなって驚きがありましたし、そこでは成長という言葉を使ってもいいんじゃないかと思いますね。音楽は年を取ることの喜びを感じられる瞬間がある。アスリートじゃなくて、ミュージシャンで良かったですね。岸谷本当にミュージシャンで良かったと思います(笑)。根本しかもね、日々楽しくライブをやらせてもらって、そういう中でこんなイベントに呼んでもらうなんて、ご褒美ですよ。岸谷こちらこそ。要さんのスケジュールがあいているかが大問題でしたから。――『岸谷香 感謝祭 2022』でどんな曲が飛び出すのかがとても楽しみです。選曲はこれからですか?岸谷多分、私がお正月くらいまでにこんな感じという原案を考えて、それからご相談することになると思います。要さんと一緒にやるのはこんな曲がいいかなということを考えて、お電話しますね(笑)。ファンの人たちが見に入らした時に、こんなスターダスト☆レビューの曲を見たことがなかった、聞いたことがなかったというような、ファンが驚くような、そして要さんが驚くような(笑)、その日だけのバンドになれたらなって思っています。根本ミュージシャンが純粋にこんなにも楽しもうとしているイベントって、そうはないんじゃないですかね。音楽好きの人たちにもライブ好きの人たちにも楽しんでもらえると思います。問題はしゃべりだね(笑)。この3人だと、演奏がそっちのけになってしまう可能性が少なからずあるから(笑)。岸谷曲数の設定を冷静に考えておかないといけないですね。時間が押しまくって、誰かの曲がカットになると困りますから(笑)。根本僕はいつもメンバーに「どうして5分の曲を20分かけて説明しているんだい?」って突っ込まれています(笑)。みんな、きっと曲を選んだら、曲についていろいろしゃべりたくてしょうがなくなるんじゃないかな(笑)。そこは僕も大人ですし、最年長なので、ふたりを見ながら、しゃべりをセーブします。岸谷最初からおしゃべりの時間も想定して、そのへんはしっかりやります(笑)。――今回の対談に続いて、岸谷さんと和田さんの対談を行う予定です。根本さんから和田さんへのメッセージはありますか?根本「オレに楽をさせろ。オレになるべく決め事を作らないでくれ」ってことですね(笑)。せっかく楽しみの時間だから、難しいことは避けたい(笑)。難しいリフは若い彼女たちに任せて(笑)。僕は「後ろで適当にやってていいよ」というポジションが大好きですし、そういうことが許される場所だろうから、「年寄り枠ということで、優遇してね」って思っています(笑)。岸谷多分、この3人の中で一番記憶力のあるのは唱くんですからね。体力も気力も一番あるのは唱くんだから、いろいろお任せできたら。あれもやりたいこれもやりたいって、やりたい曲がいっぱいあるから、困っちゃうな(笑)。根本僕もとても楽しみにしているし、お客さんにも「生のライブってこんなに楽しいものなんだよ」ということを改めて伝えられたらいいですね。岸谷とても貴重な『感謝祭』になると思います。見逃さないでほしいです!Text:長谷川誠 / Photo:吉田圭子<ライブ情報>『岸谷香 感謝祭 2022』2022年2月13日(日) 神奈川・KT Zepp Yokohama開場 16:45 / 開演 17:30出演:Unlock the girlsサポートミュージシャン:sugarbeansゲスト:根本要(スターダスト☆レビュー) / 和田唱(TRICERATOPS)【チケット料金】全席指定:税込9,000円(ドリンク代別)チケット購入リンク:関連リンク■岸谷香オフィシャルサイト: Channel:■Unlock the girlsInstagram::■スターダスト☆レビューオフィシャルサイト:
2021年12月27日恒例となった岸谷香の自主企画イベント『岸谷香 感謝祭』。2022年2月13日(土) にKT Zepp Yokohamaで開催される『岸谷香 感謝祭 2022』に、ゲストとして根本要(スターダスト☆レビュー)と和田唱(TRICERATOPS)が参加することになった。音楽面での交流が深い3人であり、それぞれがボーカリスト・プレイヤー・バンドマンという共通点もあり、音楽的な楽しみの詰まった自由自在なステージになることは間違いないだろう。岸谷のガールズバンド、Unlock the girlsに根本と和田が参加するというスタイルも新鮮だ。ここではイベント開催に先駆けて、岸谷と根本の対談、岸谷と和田の対談をそれぞれ前編後編に分けて4回に渡って掲載しよう。第1回目は岸谷香×根本要の前編。トークを聞いているだけで、ステージの光景が目に浮かんできそうだ。香ちゃんはバンドの気質をよく理解している人(根本)――2015年に愛知県体育館で行われたスターダスト☆レビューの主催イベント『音市音座 2015』に岸谷さんがゲストで参加されたのが最初の共演です。どんな経緯で実現したのですか?根本僕らがいろんなイベントをやり始めている時期で、香ちゃんにゲストとしてぜひ出てほしいと考えて、オファーしました。僕らとしてはゲストの条件がありまして。ミュージシャンとして尊敬できる人間であること、ソロで歌えること、バックもやってくれること、コーラスもやってくれることでした。香ちゃんにOKしていただいてありがたかったですね。単純に僕らがプリンセス プリンセスの曲を一緒に演奏したいという気持ちを持っていたことも大きかったですね。――岸谷さんは根本さんからオファーが来て、どのように思われたのですか?岸谷スターダスト☆レビューとプリンセス プリンセスは集まり方がまったく違うのですが、どこか似ているような気がしていました。「私たちは音楽をやっているけれど、音楽をとっぱらったら、ただの女の子だからさ」みたいな意識があったんですが、要さんたちにも似た意識があるんじゃないかと勝手に感じていました。「俺ら、ただの音楽好きだからさ」みたいな。岸谷香根本ただの音楽好きのオヤジです(笑)。岸谷だからとても自然な気持ちで参加させていただきました。実際にリハーサルに参加してみて、やっぱり似ているなあ、バンドってこういうことだよなあと感じました(笑)。根本リハーサルで最初に会った時点で、香ちゃんはバンドの気質をよく理解している人だとわかったので、すっかり意気投合して、その後も何度もお願いしているという経緯があります。――最初のリハーサルの時の印象は?根本岸谷香という人間のすごさを感じましたね。香ちゃんの音楽的な指摘が実に明解で的確だったんですよ。リハーサルの初日からいきなり、「そこ、音が違わない?」って指摘されて、「これはちょっとまずいぞ」と、メンバーの背筋が伸びました(笑)。初めての現場で、なかなか言えないじゃないですか。雰囲気でなんとなく感想を言うのは簡単なんですが、普通ならば流してしまうようなところを音符で的確に指摘してくる。音楽を聴く耳が良くないとできないことだし、より良いものを作ろうという姿勢を持っているということですよね。僕らとしても、まずはプリンセス プリンセスの名曲を正確に再現して、ある程度出来上がってから、自分たちなりの個性を出したかったので、ありがたい指摘でもありました。あの発言によって、僕らの中での「ミュージシャンとしての岸谷香」のイメージが出来上がりました(笑)。岸谷スターダスト☆レビューのみなさんを見て私が感じたのは、やっぱりバンドっていいなあ、うらやましいなあということでした。自分のバンドがなくなって、ソロ活動を始めて、2011年の震災をきっかけとして期間限定でプリンセス プリンセスを再結成して。その後、またソロでの音楽活動をやり始めたという経緯があったので、バンドで音楽をやっているのがうらやましくなって、バンドに無理矢理入れてもらった感がありました(笑)。「ちょっと失礼します」という(笑)。飲み会にも参加させていただいて、あの時はとても楽しかったです。バンドの雰囲気が似ているという以外にも、曲もどこか似ているという印象も持っていました。根本僕らにはヒット曲はないですけど、似ているという感覚は確かにありますね。プリンセス プリンセスの曲の譜面を見ながら、自分たちなりにカバーしていると、演奏している人の気持ちがムチャクチャわかるんですよ。だからプリンセス プリンセスの曲を演奏するのはとても楽しい時間でした。しかも大ヒット曲だから、一緒にステージに立ってやってると、イントロを演奏した瞬間に、観客がワーッ!って盛り上がるじゃないですか。この感じはうちにはないなぁって(笑)。根本要(スターダスト☆レビュー)びっくりしたのは、要さんがずっと歌っていることでした(岸谷)――プリンセス プリンセスは解散しましたが、メンバーチェンジがないという共通点もありますよね。根本本来はバンドってメンバーの入れ替えが効くものだから、「お前はダメだ」ってことになったら、代えることができるじゃないですか。でも「お前がやるんだよ」「お前しかいないんだよ」ってことでやっていくなら、そいつのポテンシャルを高めていくしかないんですよ。そいつに託して、それぞれの個性を作っていくしかないわけです。僕らとは違う景色を見たバンドだからこその難しさはあったと思いますけど、バンドという点では僕らもプリンセス プリンセスも同じような意識で活動してきたんじゃないかと思うところはありますね。もっと上手いメンバーが入れば、演奏テクニックは上がるかもしれないけれど、このメンバーだからできる音、このメンバーだから生まれるおもしろい音を追求してきたんじゃないかなって。岸谷なんなら誰かが思うようにはできないことも、バンドの個性になっていきますよね。ソロで活動していると、上手な人を呼んでくればいいんだけど、バンドの場合はそうではないですから。「えっ、これができないの?しょうがないなぁ、だったら、もうちょっと違った形にしていきましょうか」ってことの積み重ねがバンドの個性になっていくんだと思います。根本まったくその通りですね。だから逆に、バンドの場合はメンバーの誰かにできないことがあったら、はっきり言うんですよ。できないことができるようになったら、その人間の成長になるだけでなく、みんなで上がっていけるようになりますから。香ちゃんは歌も歌う、曲も作る、ギターも弾く、ピアノも弾く、ベースも弾くとなったら、普通はワンマン的になっちゃうけれど、そうではなくて、バンドとして表現する良さをわかっている人だと思います。僕もそこは一緒ですよね。バンドとしてのおもしろさや楽しさを、いかに伝えていくかが大事なんです。そこを知っている人は意外に少ないんですが、香ちゃんはバンドを良くわかっていると思います。――岸谷さんは実際に共演してみて感じたことはありますか?岸谷私がびっくりしたのは、要さんがずっと歌っていることでした。さいたまスーパーアリーナでのライブ(『STARDUST REVUE 35th Anniversary スタ☆レビ 大宴会~大コラボレーションライブ~大抽選会付き』)に参加させていただいた時も、前日のリハからずっと歌っていたので、「要さん、明日本番なのに、大丈夫?」って聞いても、へっちゃらなんですよ(笑)。次の日の本番の日も朝早くに入って、当日リハでもずっと歌いまくっていました。私も相当リハから歌うほうなんですが、その私が驚くくらい歌うんです。「要さん、すごいですね」って聞いたら、「年を取ってきて、だんだん力まないで楽に歌えるようになるんだよ」っておっしゃっていて。「そうなのか、私もこれからそういう時期が来るのか」と、その時期が来るのを楽しみにしています。要さんって、調子が悪い時ほどたくさん歌うとか、いろいろ驚くことがたくさんあります。本番の前も円陣を組んで、「じゃあみんな!」って言った後に、「せーの!」「ホニャア~」みたいな(笑)。脱力の仕方も独特でした。気合いを抜くのは確かに大切ですが、なかなかできないことだから、目からウロコみたいなことがたくさんあります。根本音楽って点数がつくものじゃないから、自分の中でどれだけ満足できるかってことが大切なんですよ。と言いながら、本番になったら、つい真剣になって力が入ってしまうこともかなりありました。岸谷本番になると、ついめっちゃ力みますよね。根本ねっ(笑)。ボーカリストなんて、特にフロントに立って注目を浴びているところがあるから、「いい歌を聴かしてやろう!」ってつい力が入ってしまいがちになるんですよ。リハではうまくいってたのに、「あれえ?」って思った瞬間に、「おかしいな?おかしいな?」って、テンションがどんどん下がることが過去にはよくありました。で、ある時、リハでしっかり歌えてるんだったら、リハでいいじゃないかって気が付いたんですよ。小田さんの番組(『クリスマスの約束』)に何度か出させてもらった時に、小田さんに毎回のように言われていたんですよ。「要、リハは良かったなぁ」って(笑)。「あれれっ?」という感じもしなくはないんですが、そうか、リハは良かったのか、だったらリハのようにやってやろうと思い始めたのがきっかけですね。だからステージに立っても、自分に言い聞かせています、これはリハなんだと(笑)。リハも本番、本番もリハという気持ちになったら、楽になりました。実際にそのほうが楽しいですし。――力を抜くって、達人的な話ですね。根本ちょっと逆の方向の話になりますが、僕が香ちゃんをすごいなと思ったのはリハーサルで日にちをあけると、スキルを上げてくることですね。つまり練習してくるわけ。たいていの人はいつも同じです。ところが香ちゃんは、「あれ?ここのフレーズ、この間はやってなかったよな」ってことをガンガンやってくるんです。「聴き直していたら、こういうフレーズが浮かんだけど、これやっていい?」「もちろん」というやり取りが何度もありました。探究心が素晴らしいんです。本番に向けて、今なにができるかをリハで追求している。これはメチャかっこいいですね。最初のリハの時もそうだけど、必ず提案してきます。プリンセス プリンセスの曲だけでなく、僕らの曲もそうだし、香ちゃんのソロ曲もそうだし。より良いものにしようって、常に考えていますよね。岸谷勝手にハモったりしましたよね。「要さん、ここハモっていい?」って(笑)。ギターに関しても、せっかく要さんも持っているから、私はそういうことがうれしくなっちゃうので、「じゃあ、私もユニゾンで弾いていい?」って聞いたら、「いいよいいよ」ってことになり、一緒にやらせていただいたりしていました。音楽を追求することと楽しむこと、両方の要素を持っているところが素晴らしい(根本)根本僕らとしてはゲストとして来てもらうんだから、楽をしてもらいたんだけど、香ちゃんは自分でどんどんハードルを上げていくんですよ。だからと言って、変に真面目くさったり、シリアスになったりせずに、楽しみながらやってくれるので、本当にありがたいです。香ちゃんはさっき「バンドの一員」みたいなことを言ってくれましたが、僕らも香ちゃんと一緒にやる時はチームとしてやってる感覚があります。岸谷スターダスト☆レビューのみなさんと一緒にやるのは本当に楽しいですね。アカペラがいっぱいあるじゃないですか。そこがいいなあと思っているんですが、リハからガンガン、ハモっているわけですよ(笑)。最後、全員でアカペラで終わるところもかっこいいなぁと思って、私は女性だから音域が違うので、「私も歌いますね。どこを歌えばいいですか?」って聞くと、「どこでもいいですよ、お好きなところでどうぞ」って言うんですよ。それで聴かせてもらって、誰も歌っていない音で、女性ならではの音域で、と考えてハモっていたら、要さんから「OK!」と言っていただいたこともありました(笑)。根本僕らが確かめる時はいつもそこから始まるの。「どこでもいいよ」って言って、適切な音を見つけられる人とそうではない人がいるから。ボーカリスト同士だから、なんとなく当ててくる人もいるんですが、香ちゃんはしっかり聴いて、ここが足りないというところ、ここに入るといいというところに的確に入ってくるですよ。コーラスに関して、そこまで考えて入ってくれる人はなかなかいませんよね。音楽的にしっかり追求することと楽しむこと、その両方の要素を持っているところが素晴らしいと思います。――岸谷さんはバンドの良さとソロの良さをよく知っているところも独特ですよね。岸谷バンドを知らないと、わからないことってありますよね。バンドって、明らかにサポート・メンバーとは違うものなので、要さんたちとやっていると、本当に心地良くて、勝手に「お邪魔します!」って感じで楽しませていただいています。共演させていただいたステージで印象に残っているのは、参加させてもらった曲で、みんなでギターを弾きながら、手を回すシーン。「この場面は弾くことを考えると、回しにくいんですが、一番大事なのは手を回すことですか?」って聞いたら、「そうそう」って答えが返ってきたことがありました(笑)。そういうやり取りができるのもバンドならではですね。根本僕としては、ただバンドがやりたくてやっているというだけなんですが、香ちゃんがバンド感を持ったまま、参加してくれるのがありがたいですね。岸谷逆に、「やったー!」「ここはそういうことをやっていいところなんだ。それでいいんだ」って感じです。私は楽しくお邪魔させていただいています。「要さんになら、好き勝手なことを言っても平気」という気持ちになってしまって、すみません(笑)。根本いやいや、それは根っこの音楽が共通しているからこそですよね。やっぱり僕らが作っているのは音楽だから、ただ和気あいあいとしているところを見せたいわけではなくて、観に来てくれるお客さんに、香ちゃんの歌を聴かせた上で、普段、見えないようなルーズな部分が見えたらいいなあとか、音楽でいかに楽しんでもらうかいうことは考えていますよね。――『岸谷香 感謝祭』も毎回音楽のたのしさを堪能できるイベントになっています。岸谷要さんに誘っていただいたことが『感謝祭』を始めるきっかけになったところもあるんですよ。バンド時代はコラボに参加することはなかったですし、コラボの楽しさを知ったのはスターダスト☆レビューのチームに入れてもらってからです。人と一緒にやるのって、こんなにおもしろいんだなって。「また呼ばれないかな」っていつも思っています。スターダスト☆レビューのイベントに参加したことがきっかけで、「あの人はコラボにも参加するんだ」ということが広まり、他のアーティストの方にもお呼ばれするようになり、行くとこ行くとこ、カラーが違うのが楽しくて、じゃあ私もそういう場を持ちたいなと思うようになって、『感謝祭』につながりました。プリンセス プリンセスが女の子バンドだったこともあって、若い女の子バンドに紹介されることも多くなり、若い子たちとやってみたいなとか、震災があって、自分にできることをやりたいなとか、いろんな思いが出てきて、ホストとしてやる立場にもなりました。コラボレーションって、自分が書いた曲じゃない曲、歌ったことのない曲を「へえ、こうなっているんだ?」って思いながらコピーするのが楽しいんですよ。これからも『感謝祭』を継続してコラボレーションを楽しんでいけたらと思っています。――ゲストとして根本さんと和田さんをお招きすることになった経緯も教えていただけますか?岸谷私たちは今、女の子4人でUnlock the girlsというバンドをやっていますが、男性のゲストをお招きするとおもしろいんじゃないかなと思ったんですよ。この編成は初めてですし、ハーレム状態じゃないですか。根本そうか(笑)。岸谷女性ミュージシャンに囲まれて、男性ミュージシャンが演奏するって、貴重なんじゃないかなと思います。根本普通は逆だもんね。岸谷そうなんですよ。スターダスト☆レビューのところに行くと、ポツンと私が女子ひとりという状態で入っていくわけですが、その逆も楽しそうだなあって思います。プププッという感じ(笑)。多分、本番では要さんもプラスアルファのうれしさが加わるのではないでしょうか(笑)。Unlock the girlsはみんな、うまいし、かわいいし、そこでは見たことのない要さんの一面が見たいですね(笑)。具体的にはギターを持ってきていただいて、唱くんもいるので、3人で順番にソロを弾いて、「もういいよやめようよう」みたいなことになると、楽しいんじゃないかな。根本それはいいね。セッションは楽しいですから。岸谷要さんがUnlock the girlsの新譜を聴いてくださって、「Wrong Vacation」というロックンロールの曲をほめてくださったので、みんなでロックンロールをやるのもいいかなと考えています。ロックンロールってセッションにもってこいだし、気分的にもゴキゲンな感じだし、Unlock the girlsの3人は逆に90年代の音楽しか通っていないので、彼女たちと一緒にみんなでロックンロールをやるのも楽しいなあと思っています。根本今、香ちゃんの話を聞いていて、そうか、あの女の子たちがバックで演奏してくれるんだと改めて実感しました。Unlock the girlsの作品を聞いても、びっくりするくらい、みんなうまくて、「香ちゃん、攻めてるなあ」って思ったんですよ。あのメンバーを見つけてくるところもすごいですし、香ちゃんの音楽に対する情熱をあちこちから感じますよね。彼女たちと一緒にやるのは楽しみですね。僕は今までそういう中に入っていったことがないので、想像もつきませんけど(笑)。ひとりだけだったら、女子高生の中に入った変なおじさん、みたいになってしまいそうですが、唱もいてくれるので、間をつないでくれるだろうし、楽しみです。――岸谷さんから誘われて、根本さんはどう思われましたか?根本今度は僕が呼んでいただいたということで、ありがたいですね。香ちゃんが僕に何をのぞんでいるんだろうって、今から楽しみです。僕がやるのが難しいことであれば、唱がいるので、「そこは唱、よろしく」って振ることもできるので、気軽に楽しめるかなと思います(笑)。彼も音楽への情熱を持っているし、いてくれて良かったです(笑)。Text:長谷川誠 / Photo:吉田圭子※ 後編() に続く<ライブ情報>『岸谷香 感謝祭2022』2022年2月13日(日) 神奈川・KT Zepp Yokohama開場 16:45 / 開演 17:30出演:Unlock the girlsサポートミュージシャン:sugarbeansゲスト:根本要(スターダスト☆レビュー) / 和田唱(TRICERATOPS)【チケット料金】全席指定:税込9,000円(ドリンク代別)チケット購入リンク:関連リンク■岸谷香オフィシャルサイト: Channel:■Unlock the girlsInstagram::■スターダスト☆レビューオフィシャルサイト:
2021年12月23日ブログ『現実逃避は前向きに。』で注目ドラマの感想をつづる、malcoさんによる新連載。水曜ドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』の見どころを紹介していきます。ついにフィナーレを迎えた『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』。最終回のサブタイトルは『ふたりでいれば…!』でした。ふたりでいれば…どうなるのか。自分たちの『カタチ』を見つけたユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮)、そして2人を取り巻く人々がたどり着いた結末が描かれました。1年後の2人舞台はユキコと森生が別れてから1年後。食品関連会社に就職したユキコは、職場の人の理解を得て、自らの業務をしっかりこなしていました。しかし、希望していた調理の仕事ではないため、どこか物足りない様子でした。そんな中、なんと花男(戸塚純貴)とハチ子(生見愛瑠)が結婚!結婚パーティーではユキコが作ったウェディングケーキが振る舞われ、みんなの「美味しい」という声に嬉しそうに笑うユキコ。やはり、誰かに美味しいと言ってもらうのが嬉しいようです。さらに、仕事帰りに立ち寄った元バイト先の『BBバーガー』では、店長の茶尾(古川雄大)から以前ユキコが考案したメニューが人気だと聞いて喜んでいました。一方、鹿児島県に行っていた森生は、再び無職となって地元に戻って来ていました。別れてまで送り出してくれたユキコに合わせる顔がないと、見つからないように彼女を遠くから眺めていましたが、さすがは森生、ユキコの様子を見ているだけで本心に気が付いたようです。コソコソとユキコの後を付けるも、BBバーガーで見つかってしまった森生。お互いの近況を語りつつ、「今も美味しいって言われるのが、一番好きなんじゃないですか」と見事に核心をつきます。ユキコは「やりたいことと出来ることは違う」と言い、自立するためには働く必要があるのだと割り切っていましたが、その表情はどこか暗く、今の仕事を楽しんでいるようには見えませんでした。離れてからの1年間、それぞれの道を歩んできた2人は、行く末に光を見出せなかったようです。しかし、森生が「自分のやりたいことを見つける」と宣言し動き出したことで、事態は好転していくのでした。世界を広げるには…その後、ユキコは森生の言葉に刺激を受けたのか、調理師専門学校のオープンキャンパスに参加します。しかしその学校に視覚障害のある生徒が通った前例はなく、卒業したとしても就職先はないだろうと言われ、再び調理師への道を諦めようとするユキコ。そんなユキコの道を照らしたのは、父・誠二(岸谷五朗)でした。誠二は、自立は1人でできるものではないとユキコを諭し「誰かと一緒だとできることが増えて、世界が広がるだろ。頼れる人がいればいるほど、できることが多くなる気がする」と話します。この誠二の言葉こそが、本作が描きたかった問題の答えなのではないかと思いました。森生と出会って、様々なことにチャレンジし、できることが増え、世界を広げてきたユキコ。彼女は、以前森生から言われた「ユキコさんはどんどん新しい道を切り開く人」という言葉を思い出し、進むべき道を見つけたようでした。一方、森生も宣言していた『やりたいこと』を見つけていました。それは、ユキコと一緒にいること。1年前と変わっていませんね。つまり「森生はとっくに夢を見つけていた」ということなのかもしれません。どこまでもブレない男・森生に、心底感動した瞬間でした。1年前と変わったのは「ユキコと一緒にいるために、どうすればいいか」に辿り着けたこと。森生が見つけた答えは『キッチンカー』でした。ユキコと一緒にキッチンカーで店をやる。それは調理師というユキコの夢を森生が後押しすることで、ユキコと一緒にいることができるという、2人の夢を同時に叶える方法でした。偶然なのか運命なのか、それとも森生と誠二の策略なのか…ユキコも森生と同じようなことを考えていた様子。2人が出した答えは、誠二が言っていた『世界が広がる』生き方でした。ふたりでいれば…!ユキコと森生だけでなく、他の登場人物たちも『それぞれのカタチ』を見つけたようです。ハチ子は専門学校を卒業後、アパレルの会社で服を作るという夢を持ち、花男はバリバリ働きたいハチ子を支えて家事全般を請け負い、子どもができれば子育ても担当すると2人で決めたようでした。そして獅子王(鈴木伸之)は、ついに森生に告白して想いに区切りをつけ、イズミ(奈緒)と共に歩んでいくことを決めました。2人の関係に名前をつけることはできなくても、お互いを大切だと思えて、一緒にいたいと思える素敵な関係です。障害、生い立ち、人間関係、ジェンダーなど、さまざまな問題に苦しみ、自分は普通ではないと思い、苦しんできた人たち。もしかしたらこの先も「それは普通じゃない」「前例がない」と、誰かに言われるのかもしれません。前例のないことをすれば、困難が伴うかもしれません。しかし、ふたりでいれば…!普通とか普通じゃないとか、比べるために誰かと一緒にいるのではなく、世界を広げるために誰かと一緒にいる。みんな違うからこそ、それぞれにできることがあり、支え合って世界が広がる。この物語の登場人物たちは、これからもそんな風に生きていってくれるのでしょう。みんなが「それぞれのカタチ」にたどり着き、最高のハッピーエンドとなりました。これまで、笑いや感動、気づき、いろんなものを与えてくれたこの作品。最後まで優しく温かい世界を見せてくれたことに、心から感謝します。[文・構成/grape編集部]
2021年12月20日俳優の岸谷五朗と岡山天音、女優の岸井ゆきのが出演する、Amazon Originalドラマ『No Activity/本日も異状なし』(17日よりAmazon Prime Videoにて独占配信、全6話)の特別映像が公開された。同ドラマは、出世を諦めたバツイチの万年ヒラ刑事・時田信吾(豊川悦司)と、元教習所の教官で人たらしな新米刑事・椎名遊(中村倫也)のバディが、麻薬捜査の張り込み中にやりたい放題ふざけまくり、騒動を巻き起こしていくコメディ。岸谷と岡山は、麻薬取引に絡む犯人グループで、お人よしで風変わりな小悪党・諌山(岸谷)とサイコパスな犯罪ストーカー・一条(岡山)を、岸井は偶然、麻薬取引を知ってしまい拉致されるSNS依存症の人質・茉莉を演じる。オーストラリアで大ヒットしたドラマ『No Activity』のリメイク版である同作のメガホンを取ったのは、映画『東京リベンジャーズ』(21)や『賭ケグルイ』シリーズを手掛けた英勉監督。脚本はお笑いコンビ・シソンヌのじろうが手掛ける。今回公開された特別映像では、岸谷らが3人での芝居について語っている。岡山、岸井と初共演となる岸谷は、「一条(岡山)や茉莉ちゃん(岸井)の芝居にかき乱された結果、とても素敵なキャラクターが生まれました。初共演だったということも良かったし、それが我々チームの面白さになったと思います」と初共演でいい化学反応が起こったことを明かした。岡山は同作について、「連続ドラマなのに同メンバーで、ワンシチュエーションで進行するエッジの効いた作品」と分析しつつ、「その中でどこに醍醐味があるかというと、3人の関係性の変化。こっちが変なこと言ったと思ったら、あれ? こっちのほうが変か? みたいにちょっとずつ関係性が変わっていったり、それぞれのキャラクターも最初の認識から変化していったりする」と魅力を説明。岸井にとっても、「事前にここでこうしようとかやっていくと、いやらしくなるかなって思ったので、この3人で“よーいはい”でやってみたときにどう感じるかを大事にしています。面白いです毎日(笑)」と共演が刺激になったようだ。また、撮影中のエピソードを聞かれた岸谷が、「ゆきのちゃんはセリフをとちると、カットもかかってないのにその前からやり始める。普通、自分で始めるってないでしょ(笑)」と舌を巻く場面も。それに対して岸井は、「以前、英監督とお仕事させていただいたときに、共演者とそういうことをやり始めて……そこで学んじゃったんですよね(笑)。そのとき監督から『おれの組以外じゃだめだよ』って言われて、今回はいけるか! と思ってやったら、ダメでした(笑)」と弁解。岡山も「岸井さんが戻るたびに、こっちも顔作り直してました。あ、戻るんだって(笑)」と対応していたことを打ち明けていた。
2021年12月08日ブログ『現実逃避は前向きに。』で注目ドラマの感想をつづる、malcoさんによる新連載。水曜ドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』の見どころを紹介していきます。ユキコ(杉咲花)がイズミ(奈緒)の誕生日を祝うため、父・誠二(岸谷五朗)の出張中に森生(杉野遥亮)と獅子王(鈴木伸之)を自宅に招いて、誕生日会を開くというストーリーが展開された第7話。出張が延期になった誠二が帰ってきて森生と獅子王が浴槽に隠れることになったり、お泊まりセットを持ってきていた森生に誠二が意地悪をしたりと、序盤から爆笑とニヤニヤが止まらないドタバタコメディが繰り広げられました。しかしコメディだけで終わらず、深く考えさせられ、気付きを与えてくれるエピソードも紡がれるのが、このドラマの醍醐味。今回は、これまで秘められていた獅子王の内面が描かれました。森生の顔に傷をつけたのは…ドタバタコメディの空気が一変したのは、誕生日会も終わりに近づいた頃。皆さんはお気づきになったでしょうか。誠二と森生が『ユキコクイズ』をしている間、獅子王は酒の一升瓶を抱え込んで直飲みしていたのです。そして唐突に「森生クイズ行きまーす」と陽気に振る舞い始めました。相当酔っ払っていたのでしょう。酔わなければ出来なかった話なのかもしれません。クイズの第3問(実際には4問目)で森生の顔の傷について触れ、「誰が付けた傷でしょう」という問題を出したかと思えば、自ら「正解は自分でーす」と告白。そこから一気にトーンダウンし、森生の顔に傷を残してしまったのに、自分には傷跡ひとつ残っておらず、どんなに森生に殴られても一生チャラにはならないのだと、神妙な面持ちで訴える獅子王。確かに獅子王のやったことは取り返しがつかないことでした。しかし、自分が残した傷が森生の人生にどんな影響を与えてしまったのか、逃げずに見守り続けた彼は、非常に強い人だと感じます。自分の過失に目を向け続けるのは、とてつもなく精神力のいること。森生が何かにつまずくたびに罪悪感に苛まれる。そんな罰をずっと受け続けてきたのです。森生に幸せになってほしいと願い、それが自分の夢だとさえ言ってしまえる獅子王の強い想い。そこにはまだ、隠し続けてきた秘密がありました。獅子王が打ち明けた秘密誕生日会が終わり、獅子王が忘れて帰った鍵を渡しに行ったイズミは、ついに獅子王に想いを打ち明けます。溢れ出した想いに胸が熱くなる真っ直ぐな告白でしたが、残念ながら断られてしまうイズミ。以前からチラついていた獅子王の『思い人』の存在が、ここに来てズッシリと伸し掛かるようでした。ここで獅子王は、「自分は普通ではない」と話し、思い人は男なのだと告げます。そんなことはいちいち言わず、誤魔化すこともできたでしょう。しかしそうはせず、おそらくは誰にも言ったことがないであろう真実を明かしたのは、イズミの真剣な告白に彼なりにきちんと向き合ったからこそ。獅子王の真摯さが垣間見えるシーンでした。魅力的なキャラクターが多い本作の中で、決して出番が多かったわけではない獅子王がこんなにも存在感を放ち、回を追うごとに魅力を増したのは、森生とはまた違った強さと愚直さを持ち合わせているからなのでしょう。獅子王の思い人が森生であるかどうか、彼の口から明かされることはありませんでしたが、森生の写真を持ち歩いていることや、これまでの態度、誕生日会で語られた森生への想いから、そのことは明白です。そしてそれは、程なくイズミに気づかれてしまうのかもしれません。その後、獅子王にフラれたイズミは、彼を『推し』だと思って見守っていくことにしたようです。「推しの幸せは夢ですから」と、笑顔を見せるイズミ。イズミから「最高のファンサ」だと言われた獅子王の笑顔は、心から救われたような、安堵感に満ちていました。森生のことを見守って幸せを願い続けてきた獅子王が、今度はイズミから見守られて幸せを願われるという、このプラスの連鎖。2人とも失恋していることに違いはなく、本来は切ない展開のはずですが、そこに悲壮感はまるでなく、ただただ大切な人の幸せを願うというポジティブさに、見ているこちらまでこの連鎖に巻き込まれたかのような温かさを感じました。それぞれの夢第7話は、『夢』をテーマにまとめられていたことも、強く印象に残りました。視覚障害者が寝る時に見る夢はどんな風に見えるのかという話、そして登場人物たちが各々に思い描く将来の夢や叶えたい夢の話。前述した獅子王とイズミの夢の他にも、ユキコの「森生の顔が見たい」という夢や、誠二の「ユキコに幼い頃の写真を見せたい」という夢のエピソードもありました。森生のホクロを見ることができないというユキコの切ない願いを、写真を拡大するという方法ですぐさま叶えてくれる誠二の大きな大きな父の愛が素敵でした。個人的に気になったのは、ユキコが幼稚園の時に書いたという将来の夢。本人は覚えていないとのことで、具体的には示されませんでしたが、このタイミングで幼い頃の夢について触れられたのは、次回以降のユキコの就職に向けての伏線でしょうか。そしてもうひとつ、森生の夢について。それぞれの夢が何かしらの形で語られる中で、森生だけが『寝ている時の夢』しか出てこず、彼自身の願いや将来の夢については言及されませんでした。ここまで、ユキコの後ばかりを追って来た印象のある森生。ユキコの就職活動を描く展開の中で、森生自身も将来について考える必要に迫られるのかもしれません。2人の歩く未来に何が待ち受けているのか…願わくば、2人が同じ方向を向いて寄り添っていてほしいものですが。次回、ユキコの幼馴染であり初恋の人・緋山(小関裕太)の登場で、波乱の幕開けになりそうな予感がします。恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜/日本テレビ系で毎週水曜・夜10時~放送『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』のドラマコラムはこちらから[文・構成/grape編集部]
2021年11月30日岸谷香が、来年2月に開催する『岸谷香 感謝祭 2022』のゲストに根本要(スターダスト☆レビュー)と和田唱(TRICERATOPS)を迎えることをライブでサプライズ発表した。昨日11月27日に日本橋三井ホールにてワンマンライヴ『やりたくなったらやっちゃいな! Vol.3』を開催した岸谷は、自身のバンド・Unlock the girlsと共にプリンセスプリンセス時代からソロになって現在に至るまでの新旧織り交ぜた全17曲を披露し満員の観客を魅了。そのステージ上でゲストの発表すると、客席から驚きと喜びのこもった大きな拍手が送られた。『やりたくなったらやっちゃいな! Vol.3』よりこの「感謝祭」は2019年から始めた年一回恒例のコラボイベントで、岸谷自身が毎年元気に楽しく音楽をやれている事に感謝し、お客様に喜んで頂ける様に毎回ゲストを迎えセッションを披露する。チケットは、一般発売に先駆け本日11月28日より最速先行エントリーの受付がスタートしている。<ライブ情報>『岸谷香 感謝祭 2022』2022年2月13日(日) KT Zepp YokohamaOPEN 16:45 / START 17:30ゲスト:根本要(スターダスト☆レビュー)/ 和田唱(TRICERATOPS)根本要(スターダスト☆レビュー)和田唱(TRICERATOPS)【チケット料金】全席指定:9,000円(ドリンク代別・税込)■チケットぴあ独占先行エントリー受付期間:11月28日(日) 12:00~12月12日(日) 23:59受付URL:■一般発売2021年12月18日(土) 10:00~ 各プレイガイドにて<公演情報>『やりたくなったらやっちゃいな! Vol.3』2021年11月27日 日本橋三井ホール【セットリスト】01. DREAM02. Diamonds(ダイアモンド)03. Wrong Vacation04. また恋ができる05. LOVE FLIGHT06. バタフライ07. PARAISO!08. M09. signs10. ウエディングベルブルース11. HIGHWAY STAR12. デロリアンドライブ13. Unlocked14. シャウト!15. STAY BLUEEN1. Dump it!EN2. ハッピーマン岸谷香 OFFICIAL SITE
2021年11月28日弱視の盲学生・ユキコ(杉咲花)と、不良少年だけど純粋な少年・森生(杉野遥亮)の恋愛模様を描く、日本テレビ系で放送中のテレビドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』。ラブコメ作品ではあるものの、主人公のユキコが抱える『弱視』というハンディキャップを通して描かれる現代社会や、周囲の人間との関係性など、社会的な要素でも観る人の心をつかんでいます。ついに森生が父・誠二と対面!第7話では、姉・イズミ(奈緒)の誕生日を祝うため、森生と獅子王(鈴木伸之)を家に招くことにしたユキコ。父・誠二(岸谷五朗)が出張で家にいないタイミングを狙ったものの、出張が延期になった誠二が家に帰宅するというハプニングが発生してしまいます。イズミの誕生日会では、森生の『いい彼氏』ぶりが気に食わず、張り合おうとする父・誠二。一方で、獅子王とは意気投合するなど、こちらも波乱の展開…!さらに、お酒が進んだ獅子王の『普段は見せない一面』に、イズミの恋も加速するなど、ユキコと森生以外の恋愛模様からも目が離せない『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』第7話は、2021年11月24日放送です!恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜/日本テレビ系で毎週水曜・夜10時~放送『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』のドラマコラムはこちらから[文・構成/grape編集部]
2021年11月24日豊川悦司と中村倫也がバディを組む新感覚コメディ・刑事ドラマ「No Activity/本日も異状なし」に、木村佳乃、清野菜名、岸谷五朗、岡山天音、岸井ゆきのが出演することが分かった。本作は、オーストラリアで大ヒットしたコメディドラマ「No Activity」を、英勉が監督を務め、じろう(シソンヌ)が脚本を担当、日本版としてリメイク。出世を諦めた万年ヒラ刑事の時田信吾(豊川さん)と、人たらしな新米刑事・椎名遊(中村さん)のバディが、麻薬捜査の張り込み中に巻き起こす、ありえないような騒動を描いていく。木村さんが演じるのは、警視庁の無線連絡室で現場の時田と椎名たちに的確な指令を伝えるベテランオペレーター・里見美里。無線連絡室でも一目置かれる頼れる姉貴分だが、ちょっと人の話を聞くのが苦手な空気を読めない一面も。また、美里の部下で新人オペレーターの大平阿漓羅を清野さん。真面目で曲がったことが大嫌い、しかし自分の勘違いに気づかず突っ走ってしまうちょっと厄介な面も。4人の強烈な掛け合いにも注目だ。そして、麻薬取引に絡む犯人グループのひとり、前科7犯の要注意人物・諌山を岸谷さん。もうひとりの犯人、ちょっと不敵な笑みを浮かべる一条を岡山さんが演じる。一条は、これまで普通の生活を送ってきた青年で、初めての犯罪にも関わらずどこか飄々としており、自分と違う世界に住む諌山に興味津々なちょっと変わった人物。さらに岸井さんが、偶然、麻薬取引の情報を聞いてしまい、人質になってしまう茉莉役で出演。人質として捕まるも、逆にその状況にワクワクしてしまう、SNS依存症なキャラクターとなっている。そんな個性的なキャラクターたちが写る、ビジュアルと人物相関図も公開された。▼キャストコメント木村佳乃配信ドラマに出演することが初めてなので、お話をいただいた時はすごく嬉しかったです。見ればとにかく笑って楽しい気分になれる作品だと思います。Prime Video で皆様に明るい話題を届けたいと思います。清野菜名これまで経験したことのない役柄でしたので、とても楽しんで演じることができました。どの世代の方にも、また、どの国の方にも楽しんでいただけるコメディ作品です。たくさん笑って元気になっていただきたいです。岸谷五朗昔から一緒に作品作りをしてきたスタッフの方々がいらしたので、とても楽しいクリエイティブな現場でした。とても型破りで、でも実は人間味に溢れた作品になっておりますのでご期待下さい。岡山天音とても力の入った企画だったので、参加することができて光栄です。個性溢れるキャラクター同士が限られた空間で織りなす、とても濃い人間模様を堪能して下さい。岸井ゆきのストーリーも役柄もとてもユニークな企画だったので、参加することができて嬉しかったです。時田と椎名、里美と阿漓羅、そして犯人の諌山と一条と人質の3つのグループがどう絡んでいくのかを楽しみにしていて下さい。「No Activity/本日も異状なし」は12月17日(金)より Prime Videoにて独占配信開始。(cinemacafe.net)
2021年11月05日俳優の豊川悦司が主演、中村倫也が共演するAmazon Originalドラマ『No Activity/本日も異状なし』(12月17日よりAmazon Prime Videoにて独占配信、全6話)に、木村佳乃、清野菜名、岸谷五朗、岡山天音、岸井ゆきのが出演することが5日、明らかになった。新たなキービジュアルと人物相関図と共に発表された。『No Activity/本日も異状なし』は、オーストラリアで大ヒットしたコメディドラマ『No Activity』を日本版としてリメイクした新感覚のコメディ・刑事ドラマ。出世を諦めた万年ヒラ刑事の時田信吾(豊川悦司)と、人たらしな新米刑事・椎名遊(中村倫也)のバディが、麻薬捜査の張り込み中に巻き起こす、ありえないような騒動を描く。映画『東京リベンジャーズ』(21)や『賭ケグルイ』シリーズを手掛けた英勉監督がメガホンを取り、お笑いコンビ・シソンヌのじろうが脚本を手掛けた。公開されたビジュアルと人物相関図には、麻薬捜査の現場を更なるカオスに落とし込む、新たな個性溢れる登場人物たちが映し出されている。警視庁の無線連絡室で現場の時田と椎名たちに的確な指令を伝えるベテランオペレーターの里見美里(さとみ みさと)を演じるのは木村佳乃。異様な緊張感がはりつめる大規模捜査の中、現場に張り込む刑事たちに次々と正確な指示を出す美里は、無線連絡室でも一目置かれる頼れる姉貴分…だが、ちょっと人の話を聞くのが苦手な空気を読めない一面も。美里の部下で新人オペレーターの大平阿漓羅(おおひら ありら)を演じるのは清野菜名。阿漓羅は、真面目で曲がったことが大嫌いという警察官にはぴったりな性格を持つ半面、自分の勘違いに気づかず突っ走ってしまうという、ちょっと厄介なキャラクター。年齢も性格も違う2人のオペレーターコンビが、張り込み現場でやりたい放題の時田&椎名のバディとどう絡んでいくのか。4人の強烈な掛け合いにも注目だ。そして麻薬取引に絡む犯人グループの1人が諌山(いさやま)を演じるのは岸谷五朗。前科7犯で麻薬取引にも手を出す諌山は、完全な裏社会の住人。何をしでかすか分からない異様な空気と、常人にはちょっと理解しがたい性癖を持つ要注意人物だ。もう1人の犯人は、ちょっと不敵な笑みを浮かべる一条を演じるのは岡山天音。一条はこれまで普通の生活を送ってきた、どこにでもいるような青年。初めての犯罪にも関わらずどこか飄々としており、自分と違う世界に住む諌山に興味津々というちょっと変わった人物だ。そして偶然麻薬取引の情報を聞いてしまい、人質になってしまう茉莉(まり)を演じるのは岸井ゆきの。茉莉は人質として捕まるも、逆にその状況にワクワクしてしまう SNS 依存症の女の子。時田と椎名、そして美里と阿漓羅たち警察側の懸命な(?)捜査の裏で、犯人と人質たちはいったいどんな物語を展開していくのか。追加キャストのコメントは以下の通り。■木村佳乃(美里役)配信ドラマに出演することが初めてなので、お話をいただいた時はすごく嬉しかったです。見ればとにかく笑って楽しい気分になれる作品だと思います。Prime Video で皆様に明るい話題を届けたいと思います。■清野菜名(阿漓羅役)これまで経験したことのない役柄でしたので、とても楽しんで演じることができました。どの世代の方にも、また、どの国の方にも楽しんでいただけるコメディ作品です。たくさん笑って元気になっていただきたいです。■岸谷五朗(諌山役)昔から一緒に作品作りをしてきたスタッフの方々がいらしたので、とても楽しいクリエイティブな現場でした。とても型破りで、でも実は人間味に溢れた作品になっておりますのでご期待下さい。■岡山天音(一条役)とても力の入った企画だったので、参加することができて光栄です。個性溢れるキャラクター同士が限られた空間で織りなす、とても濃い人間模様を堪能して下さい。■岸井ゆきの(茉莉役)ストーリーも役柄もとてもユニークな企画だったので、参加することができて嬉しかったです。時田と椎名、里美と阿漓羅、そして犯人の諌山と一条と人質の3つのグループがどう絡んでいくのかを楽しみにしていて下さい。(C)2021 Amazon Content Services LLC
2021年11月05日杉咲花主演の新水曜ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」に、鈴木伸之、奈緒、岸谷五朗が出演することが分かった。本作は、勝ち気だけど恋には臆病な盲学校生ユキコ(杉咲さん)と、喧嘩上等だけど根は純粋なヤンキー・森生(杉野遥亮)が、運命的に出会ってしまったことから始まる、笑って泣けて時々ハッとする新世代ラブコメディ。今回発表された3名が演じるのは、ユキコと森生に関わる重要人物。森生のライバルで隣町の元ボスヤンキー・金沢獅子王を演じる鈴木さんは「杉野君とは『東京リベンジャーズ』でご一緒したものの、その時には同じシーンが無かったので、今回はしっかり絡むことができる予感がして本当に楽しみです!また、僕は『湯を沸かすほどの熱い愛』という作品が大好きなので、杉咲さんという素敵な女優さんとお芝居ができること、光栄に思います!」と今作への参加を喜ぶ。“母親代わり”としてついついユキコに口うるさくしてしまう、超心配性な姉・赤座イズミ役の奈緒さんは「イズミはユキコの幸せを心から願うが故に心配が過ぎて冷静でいられない、かわいらしいお姉さんだなと思いました。優しさに包まれたこの作品の中で、ピュアな2人の恋を見守りながらイズミとしても成長できるようにがんばりたいです」と意気込んでいる。そして「今から、楽しみでなりません」と心境を明かした岸谷さんは、ユキコとイズミの優しい父・赤座誠二を演じる。写真家の父は、イズミとは異なりのほほんとした性格で、強い性格の娘たちにいつもタジタジだが、時に人生経験を感じさせる深い言葉が娘たちや周囲の人の心を打つのだ。岸谷さんは「原作の中にある、登場人物達の素直な心のツッコミが大好きなので、そんな世界観を二人の娘を持つ父親視点から演じられたら!と思っています」とコメントしている。「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」は10月、毎週水曜日22時~日本テレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2021年08月25日女優の恒松祐里、俳優の岸谷五朗がW主演を務める“イヤードラマ”『パパの恋人』(全5話・毎週金曜日新エピソード更新)が、音声サブスクリプションサービス「NUMA」にて、6日より配信スタートする。大事なことは、ファミリーレストランで話す。それがルールの花田家で、父ひとり・娘ひとりで仲睦まじく暮らしてきた緑郎と女子高生の双葉。ある日、ファミリーレストランで「付き合いたい人がいる」と明かした緑郎に対し、双葉は思いのほか動揺してしまう。父が紹介しようとしているのは女性でなく男性だった。母を亡くした娘と、妻を亡くした父。母の存在はなんだったのか、そして生まれてきた自分の存在の意味は? 果たして父娘の絆は、この事態を乗り越えることができるのか……。双葉を演じるのは、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』に出演し、Netflix『全裸監督シーズン2』でニューヒロインを演じ上げ話題の恒松。父親の緑郎役には、演劇界を牽引する地球ゴージャス主宰の岸谷。この作品は、LGBT総合研究所が監修に入り制作したオリジナル脚本で、ゲイの葛藤やそこに向き合う家族の姿を恒松と岸谷が繊細に丁寧に演じている。そのほか、NHK大河ドラマ『龍馬伝』、NHK連続テレビ小説『てっぱん』に出演した松田悟志と、子役の江口慶も出演。制作にはNHKエンタープライズのチームが入り、本格的な作品に仕上がっている。■恒松祐里コメント自分がよく理解していない物事は、知識が無いから怖いし、拒絶したり理解しようとしなかったりする。でも少しでも歩み寄ろうという気持ちがあれば、今まで見えなかった景色が見えてくるかもしれない。そんなことに気付かせてくれる作品だと思います。岸谷さんを始めとした素晴らしい方々と物語を紡ぐ事ができて嬉しかったです。たくさんの方に届きますように。■岸谷五朗コメント今回共演した恒松さんは、一つひとつのセリフを大事に、丁寧に表現されていました。彼女の内面の繊細さが、双葉という役の心情をきっちりと捉えていて、とても素晴らしかったと思います。監督もたくさんの経験を持つ監督であったので、耳だけで聴くドラマを表現するということが、役者としてとても手助けになりました。そして脚本が非常に練れていて、耳だけで聴くドラマとして、とても面白味もあり少しスリリングでもあり素敵な台本でした。
2021年08月06日「今、みんなが我慢をしたり、悲しい思いをしていたりしますが、そんななかでもエンタテインメントは必要であってほしい、と願っています。これはシンプルに楽しめて元気になれる作品です」そう語る寺脇康文(59)が岸谷五朗(56)と共に立ち上げた演劇ユニット「地球ゴージャス」が初の海外作品に挑む。トニー賞7部門にノミネートされ大絶賛されたミュージカル『The PROM』(東京公演/3月10日〜4月13日TBS赤坂ACTシアターにて。大阪公演/5月9〜16日フェスティバルホールにて)だ。「勉強熱心な五朗ちゃんがブロードウエーで見つけてきてくれました。昨年、25周年という大きな節目を迎え、次はどんな作品にしようか考えていましたが、この作品なら地球ゴージャスとして挑戦したいと思いました」寺脇が演じるのは鳴かず飛ばずのミュージカル俳優トレント。「トレントはどこか自分と似てるところがあるんです。この人も舞台で頑張っているんだけど、1本だけメジャーなテレビドラマに出ていたから街で顔が売れているんです。僕もよく『テレビで見ていますよ』と街で声をかけられることがありますし、トレントは表裏がなく思ったことをすぐ口に出してしまう愛すべき空気が読めない男でもあります」映画版でメリル・ストリープが演じて話題となったブロードウエースターD.D.アレン役には、3人のキャストが選ばれた。「ミュージカルスターで大ベテランの(保坂)知寿さんは歌と踊りとお芝居三拍子そろっていますし、一流バレリーナの草刈(民代)さんは立って歩いているだけで美しい。(大黒)摩季さんは歌はもちろんですが、役者にはまねのできない超越した演技をするんです。まったく異なった魅力を持つ3人ですね」「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載
2021年03月22日「勉強熱心な五朗ちゃんがブロードウエーで見つけてきてくれました。昨年、25周年という大きな節目を迎え、次はどんな作品にしようか考えていましたが、この作品なら地球ゴージャスとして挑戦したいと思いました」こう語る寺脇康文(59)が岸谷五朗(56)と共に立ち上げた演劇ユニット「地球ゴージャス」が初の海外作品に挑む。トニー賞7部門にノミネートされ大絶賛されたミュージカル『The PROM』(東京公演/3月10日〜4月13日TBS赤坂ACTシアターにて。大阪公演/5月9〜16日フェスティバルホールにて)だ。寺脇が演じるのは鳴かず飛ばずのミュージカル俳優トレント。「今、みんなが我慢をしたり、悲しい思いをしていたりしますが、そんななかでもエンタテインメントは必要であってほしい、と願っています。これはシンプルに楽しめて元気になれる作品です」昨年、緊急事態宣言をうけ、地球ゴージャスの舞台も途中休演に。自粛期間中は、公演に合わせて体作りに専念した。「朝起きて半身浴をしてストレッチしたら、公園を走って筋トレして、という生活を一人で4カ月間しました。今野敏さんの本など読書もいっぱいしましたね」急に訪れた休みを有意義に過ごしたようだが、コロナ禍にあって無念さも感じているそうだ。「いちばん悔しいのは、キャストのみんなと飲みに行けないこと。今までは毎日必ず誰かを誘って親睦を深めていましたから。いつ何が起きてもおかしくない状況。未来の予定をたてるより、今、飲んでいるお酒をじっくり味わったり、『いま』を楽しむことが大事なのかな、と日々考えていますね」「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載
2021年03月22日ブロードウェイミュージカル『The PROM』は、2018年にブロードウェイで開幕し、19年のトニー賞7部門にノミネート、20年12月にはメリル・ストリープやニコール・キッドマンらが出演してNetflixにて映像化された話題作だ。その『The PROM』の日本版初演は、岸谷五朗と寺脇康文率いる演劇ユニット「地球ゴージャス」が手掛け、葵わかな、三吉彩花、大黒摩季、草刈民代、保坂知寿といった豪華な顔ぶれでお届けする。地球ゴージャスにとっても、初めてのブロードウェイ作品。どんな思いでいるのか。日本版脚本・訳詞・演出、そしてバリー・グリックマン役として出演もする岸谷五朗に話を聞いた。最初に観たときに、挑戦したいと思ったんです――お稽古は順調ですか。順調ですよ! でも、なかなか手強い作品です。全体的にコメディタッチで描かれているけれど、内容は芯のある作品で。楽曲は難曲が多く、激しいダンスシーンもあって、いい意味で苦戦しています。――2019年のトニー賞をご覧になって、『The PROM』をやろうと思われたとのことですが、理由を教えてください。コロナの前のトニー賞をニューヨークで見ることができたんです。10作品ぐらい観たのですが、劇場を去るときに、お客さんが一番幸せそうな顔をしている作品が、この『The PROM』でした。なかなかない作品だと思うんです。ハイスクールのレズビアンの女の子たちが、いろいろな葛藤をしながら、必死にプロム(※アメリカの高校で卒業生たちのために開かれるダンスパーティーのこと)を作っていくというお話なのだけど、そのストーリーを運んでいるのが、ブロードウェイスターの大人たちなんだよね。その構造がすごくおもしろい。普通の学園ものになるかと思いきや、大人たちが自分たちの誇りや名誉のために、無理に割り込んでいく。それでどんどん心が変わっていって、純粋になっていく……。作品を最初に観たときに、地球ゴージャスに合いそうだなと思って。挑戦したいと思ったんです。人を受け入れて生きていく、アクセプト(受容)していくということ――ご自身、バリー・グリックマン役だなと。あの中では俺がバリーでしょうね。寺脇さんがトレント。そこはぴったりだなと思って。なかなかそういうミュージカルに出会うことが少ないんです。例えば『キンキーブーツ』のときも、絶対日本でやりたいと思って、日本版の脚本と演出を担当させてもらったけれど、あの作品を地球ゴージャスでやろうと思わないし、別のプロジェクトでやるべきだなと思っていた。でも、この『The PROM』は地球ゴージャスでやりたいと思ったんです。――地球ゴージャスとしては初めてのブロードウェイミュージカルですが、運命というか、縁のようなものは感じられたわけですね。そうですね。『Hadestown(ハデスタウン)』や『Ain’t Too Proud(エイント・トゥー・プライド)』といった、良い作品もラインナップされていたんだけど、地球ゴージャスは当てはまらなかったんですよね。――『The PROM』は、明るいテイストですが、メッセージ性がある作品ですよね。本当に。自分らしく生きることとはどういうことだろうというテーマがありますよね。そして、同時に考えさせられるのが、人を受け入れて生きていく、アクセプト(受容)していくということ。世の中がそうだったら本当に素敵だなと思うんだけど、主人公のエマはレズビアンで、自分らしく生きるために、カミングアウトをするんですが、そこには大きな勇気があって。偏見もある田舎町で。でも、それを乗り越えた先に自分らしさを切り開いていく。ブロードウェイの大人たちも、自分たちを見直して、素直になっていく。――製作発表会見で、「The PROM」を日本で上演することが「ブロードウェイへの恩返し」だと仰っていました。あのブロードウェイが閉まっていることが、今でも信じられないんですよね。あの演劇の巣窟、演劇の溜まり場が、今動いていないって。ブロードウェイからオフオフからいろいろな作品を見てきたし、レッスンやボイトレもしてきた場所。あのマンハッタンが非常事態宣言下であることがとても寂しいです。早く復活してほしいですね。――日本で上演することで、ブロードウェイの関係者や観客への励ましにもなるのでしょうか。本当に。少しでも動き出さないとね。動けば、もちろん権利使用料という形でお金も向こうに入れられる。それは、演劇の活動としてすごく大事なことだなと思うんです。なんとか回していかないとね。オリジナルにはないタップも披露――今回はどのようなキャストがそろったとお考えですか?今回はコロナ禍でオーディションができなかったんですね。だから、アンサンブルや準メインメンバーは、今まで地球ゴージャスに出てくれたメンバーを中心に集まってくれて。本当にみんなエネルギッシュです。一方、ハイレベルな作品なので、これをやっつけるためには、相当稽古をしなくてはならない。今までの作品の中でも、一番の体力勝負かな。僕が演じるバリー役は、オリジナルではちょっとファットで、それをネタにしている。普通の映画やドラマだったら、僕の性格上体重を増やすと思うんだけどね、とてもじゃないけど、動きが多くて、太ったら演じきれないです。今の自分が太ったら骨折すると思う(笑)。その代わり、ブロードウェイのバリー・グリックマンより動こうと思っています。寺脇さん演じるトレントも、オリジナルのトレントより全然動いている。そういう意味では、ブロードウェイを「超える」ことも恩返しだと思っています。ひとつだけね、オリジナルの『The PROM』にはないんですが、実はタップを取り入れました。ちょっと久々に、真剣に踏もうかなと思っています。どのシーンかはお楽しみに。――ところで、岸谷さんの高校生活についても少し伺いたいです。もしプロムがあったら、行かれていますか?ああいうプロムがあったら、絶対行くだろうなぁ。日本の学校行事には全く参加しなかったんですけど(笑)、プロムだったらいくかな。いろいろ楽しいことを企めそうだなと思うので。アメリカだと16歳で車に乗れるしね、楽しいでしょう。――裏を返せば、ご自身の高校生活はそんなに楽しくなかった……?いやいや、めちゃめちゃ楽しかったですよ。学校も好きだったし、毎日全力で楽しかったな。友達も部活動も外で遊ぶのも好きだった。毎日刺激物と接触している感じ。高校生もう一回やりたいぐらいです。エンタテインメントの力でみんなを励ましたい――岸谷さんがトニー賞をご覧になったのは2019年。その当時はコロナ禍になるとは想像もしていなかったと思うのですが、いまこの『The PROM』を上演する意味はどんなところにあると思いますか。今こそ本当にエンタテインメントが必要だと思っています。つらい時に、ひとりでも心を豊かにするのが、演劇やエンタテインメントの役割だと。地球ゴージャスも、地球の人々の心をゴージャスにするという意味を込めた名前なんですよ。つらい時、劇場に来てください。その心を僕たちが温めるから。そう言ってきたけれど、劇場に来ないでくださいというのはね、本当に苦しめられるんです。僕らも言えなかったです。「劇場に集まれ! 幸せにするぜ!」って。これは本当につらかった。その先に待っているのは、公演中止にするしかないわけで。前作は、10万人のお客様が待っていてくださったし、全部セッティングもできていたけれど。だから今こそ、エンタテインメントの力で、みんなを励ましたい。手放しに劇場に来てくれとは言えないのですが、緊急事態宣言で終息に向かってほしいし、僕らも万全の対策をして、安心して観劇できる環境を整えるので、来てください。そうお願いするしかないです。来ていただいたら、やっぱり行って良かったと思ってもらえるものをつくろうと思っています。――最後に、お客様にメッセージをお願いします!観に来てくださることは勇気のいることだと思うのですが、エンタテインメントの力というか、明日への勇気や生きることの元気のようなものを絶対渡せると思うので、ぜひ勇気を振り絞って、観に来てください。感染対策ちゃんとしています。ぜひ劇場でお会いしましょう。取材・文:五月女菜穂撮影:渡邊明音ヘアメイク:菅野綾香スタイリング:中川原寛(CaNN)公演情報Daiwa House Special Broadway Musical『The PROM』Produced by 地球ゴージャス脚本:ボブ・マーティン、チャド・ベゲリン音楽:マシュー・スクラー作詞:チャド・ベゲリン日本版脚本・訳詞・演出:岸谷五朗出演:葵わかな 三吉彩花/大黒摩季・草刈民代・保坂知寿/霧矢大夢/佐賀龍彦(LE VELVETS) / TAKE(Skoop On Somebody) /岸谷五朗 / 寺脇康文他【東京公演】2021年3月10日(水)~2021年4月13日(火)会場:TBS赤坂ACTシアター【大阪公演】2021年5月9日(日)~2021年5月16日(日)会場:フェスティバルホールチケット情報:
2021年03月06日昨年、結成25周年を迎えた地球ゴージャスが初の海外作品に挑戦するブロードウェイミュージカル『The PROM』の製作発表会見が2月16日、都内で行われ、主人公エマを演じる葵わかな、エマの恋人アリッサ役の三吉彩花、共演する岸谷五朗と寺脇康文ら豪華キャストが顔をそろえ、意気込みを語った。アメリカの高校で、卒業生のために開かれるダンスパーティ“プロム”を題材に、レズビアンのカップルが多様な人々との関わりを通して、自分らしい生き方を貫こうと奮闘する姿を描いたミュージカル。2018年にブロードウェイで開幕、2019年にはトニー賞7部門にノミネートされ、昨年12月にはNetflixでメリル・ストリープ、ニコール・キッドマンという豪華な顔合わせで映像化されている。日本版脚本・訳詞・演出、そしてブロードウェイの俳優バリー・グリックマン役を務める岸谷は2019年、本作をニューヨークのブロードウェイで観劇したといい「トニー賞のすばらしいラインナップをたくさん観たが、この作品が、劇場を去るお客さんの表情が一番幸せそうだった」と振り返った。その上で「この作品なら、日本の皆さんに元気を与えられると思ったし、数多くのブロードウェイ作品を勉強させてもらい、刺激を受けてきたので、日本で成功させることがブロードウェイへの恩返しだと思う」と強い意気込み、そしてコロナ禍で劇場が閉鎖となっている“本場”に対する切なる思いを熱弁。「正直すごく大変なミュージカルに手を出してしまったが(笑)、すばらしい作品に違いはないので、勇気を出して劇場に来ていただくお客様に『エンタテインメントがあって良かった』と思ってもらいたい」と語った。鳴かず飛ばずのミュージカル役者トレント・オリバーを演じる寺脇は「岸谷さんとも銀婚式を終えまして(笑)、その次の年に、ゴージャスにとっても新しい道が開けるんじゃないかと。この作品で日本中を元気にしたい」と劇団が踏み入る新境地に心躍らせていた。主演を務める葵は「複雑な環境に身を置いていて、自分では当たり前だと思っていることを周りに理解してもらうのに苦労している」と役どころを分析。「キラキラした2人のかわいらしい恋の形にも注目してほしい」とエマ&アリッサの恋愛模様に瞳を輝かせる。アリッサ役の三吉も「わかなちゃんとは初めての共演ですが、皆さんから『2人は違うけど、似ているよね』って言われるので、カップルぽさが出てきたかなって。あとは女子高生らしいフレッシュさを頑張って出していきたい。失いつつある部分なので(笑)」と声を弾ませ、役作りに意欲を見せた。そんなふたりのキャスティングについて、岸谷は「エマとアリッサは、絶妙なバランスが必要だった」と明かし、「エマはかわいらしいけど、実は芯が強い女の子。こんなお饅頭のようにかわいいのに、すごく芯の強い芝居ができて、稽古場でもグイグイ成長している」「彩花は(所属する)アミューズの愛すべき後輩。ドラマに映画、モデルもやっているけど、いつかドロドロの演劇界に引きずり込もうと思っていた。舞台は初めてだけど、水をもらって育つ木のように成長している」とそれぞれの起用理由を語っていた。会見にはエマの元に現れるブロードウェイスターのD.D.アレンをトリプルキャストで演じる大黒摩季、草刈民代、保坂知寿、夢をあきらめたミュージカル女優のアンジー・ディクソン役を務める霧矢大夢、舞台となる高校のホーキンス校長をダブルキャストで演じる佐賀龍彦(LE VELVETS)、TAKE(Skoop on Somebody)が駆けつけた。取材・文:内田涼【公演情報】Broadway Musical『The PROM』Produced by 地球ゴージャス◆東京公演開催日:2021年3月10日(水)~4月13日(火) 36ステージ会場:TBS赤坂ACTシアターチケット料金:S席 13,500円 / A席 9,000円 / PROMシート5,000円(20歳以下対象当日引換券・要証明書)※全席指定・税込<チケット一般発売日>・2021年3月10日(水)~3月31日(水)公演分 / 2021年1月23日(土)10:00~・2021年4月1日(木)~4月13日(火)公演分 / 2021年2月20日(土)10:00~◆大阪公演開催日:2021年5月9日(日)~5月16日(日)会場:フェスティバルホール
2021年02月16日地球ゴージャス初のブロードウェイミュージカル「The PROM」の特別番組が、2月27日(土)にWOWOWで放送されることが発表された。ブロードウェイミュージカル「The PROM」は、 2019年トニー賞で7部門にノミネートされ、 2020年12月にはメリル・ストリープやニコール・キッドマンなど豪華な顔合わせで映画化もされた世界的に注目されている作品。物語の舞台はアメリカで高校の卒業を祝うダンスパーティー“プロム”。 レズビアンの主人公エマ(葵わかな)が様々な人たちとの触れ合いを通して“自分らしく生きる”ことを貫き奮闘する姿が描かれる。特別番組では、葵わかな、 三吉彩花、 岸谷五朗、 寺脇康文など豪華キャスト陣が、作品の見どころのひとつである、 華やかなダンスシーンの稽古場の様子や地球ゴージャスとして初のブロードウェイミュージカルとなる本作にかける想いを語る予定だ。【番組情報】「待望の日本初演!ブロードウェイミュージカル「The PROM」の魅力」・放送日:2月27日(土)午後0:50(再放送2月28日(日)午前11:50)・出演:葵わかな、 三吉彩花、 岸谷五朗、 寺脇康文ほか【公演情報】Daiwa House Special Broadway Musical「The PROM」 Produced by 地球ゴージャス・公演期間 / 会場:3月10日(水)~4月13日(火) / TBS 赤坂ACTシアター・出演:葵わかな、 三吉彩花、 大黒摩季 / 草刈民代 / 保坂知寿<トリプルキャスト>、 霧矢大夢、 佐賀龍彦(LE VELVETS) / TAKE(Skoop On Somebody)<ダブルキャスト>、 岸谷五朗、寺脇康文ほか
2021年01月18日アミューズの若手俳優たちからなる“チーム・ハンサム!”のプロジェクトのひとつとして、過去に出演した人気舞台作品を特別配信する「ハンサムプレミアムシアター」が始動することが分かった。今回作品が配信されるプラットフォームは、LINEの有料オンラインライブ配信サービス「LINE LIVE-VIEWING」。桜田通や水田航生、小関裕太、平間壮一、松岡広大などアミューズの若手俳優が出演した作品を、9月12日(土)から来年3月13日(土)までの間、全7回、毎月第2土曜日に配信。第1回目は、今年7月にオンライン演劇として配信された「青春cm2」。次世代ハンサムの田川隼嗣、福崎那由他、藤原大祐、細田佳央太、正木郁のフレッシュな5人が、青春という人生の一瞬の間で自分の心と向き合う姿をひたむきに演じている。また第2~4回目は、岸谷五朗演出の伝説の作品「FROGS」の2007年、2008年、2013年上演舞台を配信。当時まだ10代の桜田さんや平間さん、小関さんなどの初々しい姿は必見。第5回目は「BLACK&WHITE 悪魔のテンシ天使のアクマ」(2010年上演)、第6回目は「冒険絵本PINOCCHIO―ピノキオー」(2011年上演)、最終回は「WEAVER」の杉本雄治が、風間由次郎と初タッグを組んだ「オーバーリング・ギフト」を配信する。そして舞台本編の配信前後には、各作品の出演者によるオープニングトークとアフタートークを生配信。またアーカイブとして、チケットは翌月配信日の前日まで購入可能で、視聴開始から7日間視聴OK。PCでも楽しむことが出来る。なお、チケットは8月31日(月)18時~10月9日(金)23時59分まで(※翌月番組配信日の前日まで)販売。第2回目以降は放送終了後、翌月番組のチケットを販売開始する。「ハンサムプレミアムシアター」は9月12日(土)~LINE LIVE VIEWING「チーム・ハンサム!」チャンネルにて随時配信。(cinemacafe.net)
2020年08月31日《春馬さんには、これまでAct Against AIDS「THE VARIETY」の活動を通じてラオ・フレンズ小児病院へは3度の視察にお越しいただき、現地の子供たちの状況を知っていただく機会がありました。その時に見た「何ができるのか」「何をすればいいのか」と考えてくださっている真剣な横顔や、村の子供たちへのキラキラとした優しい笑顔は、これまでも、そしてこれからも、ラオスの全ての子ども達が健康になって欲しいという私たちの目指すゴールの大きな支えとなっています》三浦春馬さん(享年30)の急逝から2週間が過ぎた。その悲しみは、今も日本中に広がっている。そんななか、アジアの子供たちへの医療支援を行う認定NPO法人「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」が7月25日に冒頭のような追悼文をHPで発表した。《いまだに信じがたいことで…また、信じたくないことでよくわからない気持でもあります》という内容から始まったコメントは、さらにこう続いていた。《今もきっと見守っていてくれていると信じています。そして、私たちはラオスの子供たちの笑顔を一人でも多く春馬さんへ届けられるように頑張るのみです。心よりご冥福をお祈りいたします》実は、三浦さんは仕事で多忙な合間をぬって「Act Against AIDS(以下、AAA)」に参加していたのだ。「AAA」はエイズやHIVへの偏見をなくし、正しい知識の普及を目的とした啓発運動。三浦さんも’07年から参加し、精力的に活動を続けてきたという。「『AAA』は、’93年に岸谷五朗さん(55)の呼びかけで活動がスタートした団体です。岸谷さんと寺脇康文さん(58)が中心となり、世界エイズデーの12月1日には俳優や歌手とともにチャリティライブイベント『THE VARIETY』を日本武道館で開催。集まった支援金でエイズやHIVの啓発活動、医療支援などを行ってきました。その支援金などをもとに、’15年にはラオスで『ラオ・フレンズ小児病院』も設立。三浦さんが初めてラオスを訪れたのは’14年、小児病院が建設中のころでした。そこで出会ったHIVポジティブのトンシーちゃんは当時、9歳。病いと闘う姿を目の当たりにした三浦さんは、医療支援の大切さを改めて感じたそうです。以来、三浦さんはこれまで以上にライブなどで『みなさんの支援がまだまだ必要です!』と訴えるようになったといいます」(芸能関係者)三浦さんは’16年にもひそかに現地を視察し、’17年にはトンシーちゃんとも再会。温かく子供たちを包み込む様子は、「THE VARIETY」でも動画などで紹介されてきた。「これまでライブの進行役は、発起人である岸谷さんと寺脇さんが務めてきました。しかし最近では、三浦さんも『AAA』の新たな中心人物として期待されるようになっていたといいます。岸谷さんも寺脇さんも『春馬のような後輩が出てくると思ってなかった。本当に一生懸命に頑張ってくれている』『僕らの意志を後輩である春馬が継いでくれている。とても頼もしいことだ』と話すなど、本当に高く評価していました……」(前出・芸能関係者)「AAA」は、今年7月20日に活動を終了。27年に及ぶ活動のなか、エイズ啓発において一定の役目を終えたと判断してのことだった。しかし、同時に今後は「Act Against Anything」と名称を変更。より広い支援活動を継続していく予定だという。そこには三浦さんの姿も――。誰もがそう信じていた。そんななか、訃報を知ったラオ・フレンズ小児病院から“涙の感謝状”が届けられた。「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」のHP上で日本語に訳されたこの追悼文。《春馬さんへ》と始まり、次のような言葉がつづられていた。《私たちは、ラオ・フレンズ小児病院のアウトリーチチームのスタッフです。ラオスの国を、そして、ラオ・フレンズ小児病院のことを特に支援し続けて下さった春馬さんが、もう、私たちと一緒にいないと聞いて、とても悲しいです。この場を借りて、春馬さんがして下さったことに対して、心から感謝の意を示したいと思います。春馬さんのことは、ずっと私たちの記憶に残り続けるでしょう。春馬さんのご家族の皆さまが健康で安全でありますように。ご冥福をお祈りいたします。最後にもう一度、春馬さんに感謝の気持ちを込めて。ラオ・フレンズ小児病院アウトリーチチーム一同》三浦さんの奮闘は、ラオスの子供たちの中にしっかりと根付いていたのだ。「私たちの記憶に残り続ける」というその言葉はきっと、天国の三浦さんにも届いているはずだ――。「女性自身」2020年8月18・25日合併号 掲載
2020年08月06日まだ信じられない三浦春馬さん(享年30)の急逝。“師”と慕った佐藤浩市(59)が彼に投げかけた「人の記憶に残る役者になれたら最高だよな」という言葉どおり、私たちは“あなたのいた時間”をずっと忘れません。本誌でしか見られない秘蔵カットで振り返るーー。■’06年12月/ドラマ『14歳の母』中学生の妊娠が描かれた衝撃作で、15歳の父を演じた。当時、高校1年生で178cmの高身長で、相手役の志田未来との身長差が30cmもあったからなのか、「なかなか目を合わせてくれない」と暴露され照れ笑いしていた。■’09年4月/ドラマ『ごくせん』人気シリーズ『ごくせん』で共演した三浦翔平やユージとはプライベートでも仲がよかったという。「ふだんは共演者を役名で呼ばないんですけど、なぜか、このドラマの撮影中は役名で呼んじゃうんですよ。こんなの初めて!」と破顔。■’09年12月/ドラマ『サムライ・ハイスクール』草食系男子が窮地に陥ると超強気なサムライに変身するというストーリーで、まったく違う二役を演じ分け、その演技力が高く評価された。「芝居中は肉食系かな」と三浦さん。■’10年10月/映画『君に届け』「同じ景色や日常のちょっとしたことに一緒に感動してくれるような女のコが好き」と理想のタイプを語ったのはハタチのとき。少女漫画が原作の映画では、気さくなクラスの人気者を演じ、女性ファンが急増した。■’11年2月/ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』実年齢よりも5歳も年上の教師役に挑戦。自身の恋愛観について「一途な愛に憧れます。純粋にお互いを思い合って尊敬し合える、そんな恋がしてみたい。結婚願望もありますよ。30歳までにはしたい」と赤裸々に語った。■’12年3月/舞台『海盗セブン』岸谷五朗と寺脇康文が主宰する「地球ゴージャス」の稽古場に密着。歌いながら激しいダンスを踊るというハードな舞台に備え、稽古中にひたすら筋トレをしていたそう。引き締まった体とムキムキの二の腕がまぶしい!■’12年12月/舞台 劇団☆新感線『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII~』黒紅色のカラーを使った撮影では、「爽やかなイメージとちがう、と言われるのはうれしい」とクールな表情で決めた22歳の三浦さん。「妖艶や狂気を演じる機会はあまりないから、今日の撮影は高揚します」とも語った。■’17年11月/ドラマ『オトナ高校』エリートだけど童貞の30歳というイケてない役を演じた三浦さん。役に自分自身を重ね、「同じ男として共感できる部分がありますよ。たとえば、自分が描いたことに対する完璧主義のような部分とか」と語っていた。■’18年10月/ドラマ『tourist ツーリスト』ドラマにちなみタイの夕景をバックに撮影。プライベートで行きたい国を尋ねると、写真家の星野道夫氏の本が大好きだったそうで、「死ぬまでに一度はアラスカでオーロラを見てみたいです!」と目を輝かせていた。■’19年3月/ドラマ『ダイイング・アイ』本誌ではこれが最後の撮り下ろしとなった。「こんなにヒゲを伸ばしたのは初めて」と話す彼に、「色っぽい!」と声をかけると照れ笑い。「役者としての人生を振り返ると、生意気な時期もあったように思います。とがろうとしていたというか、当時は気が大きくなっていたんだと思います。いまの自分だったら、周りの人に迷惑をかけたり、お酒を飲んで酔っ払ったり、破壊的な感情からはいいものは生まれないよ、と言ってあげます」そう三浦さんが語ったのは、29歳の誕生日を目前に控えたころ。真面目な優等生という印象だった彼の意外な一面に驚きつつも、「急に大人になっちゃって(笑)」と“親戚のおばちゃん”みたいな気持ちがつい言葉に出てしまったことを思い出す。この日いちばん盛り上がった話題は、彼がハマっているというぬか漬けについて。「今日は芽キャベツを漬けてみようと思う」と楽しそうに話してくれた。これがまさか彼との最後の会話になってしまうなんて……。30歳を大きな節目と捉えた発言が多かった三浦さん。2年前にはこんな意気込みも語っていた。「30歳は分岐点。ここからの長旅に備えてピッケルとかいろいろな道具を一生懸命集めている状態です。怠るとひどい目に遭うぞ!という心づもりで挑まないといけないですね」ついに30歳を迎え、これからの活躍に期待していた矢先の悲しすぎる訃報。どうか、どうか安らかにーー。「女性自身」2020年8月11日 掲載
2020年07月29日京都市東山区にある「ライカギャラリー京都」では、発売中の本「硬派の肖像」の写真展が8月1日(土)より開催されることが決定した。「硬派の肖像」は、真摯、ひたむき、ぼくとつ、実直――そんな言葉がよく似合う、筋の通った生き方をしている男性31人の内面がにじみ出る写真と、人生訓ともいえる示唆に富んだ言葉から、“硬派な生き方”に迫るインタビュー集。遠藤憲一や岸谷五朗、松山ケンイチ、佐藤浩市、豊川悦司、本木雅弘、松田龍平ら俳優陣をはじめ、作家、ダンサー、ミュージシャン、映画監督など、様々なフィールドで活躍する男性たちが登場している。本書の発売に合わせて、昨年11月よりライカプロフェッショナルストア東京で開催された写真展の好評を受け、今回は京都での開催が決定。KEI OGATAが本書のために撮影した写真の中から、15作品を厳選して展示。東京展とは異なるセレクトの写真が並ぶ。KEI OGATAさんは「印刷やWEB上の写真とは違い、フォトグラファー自らがプリントした作品からは、作家の思いがストレートに伝わってくるはず。また被写体がカメラの前で自分を表現している、その情熱や息づかいまでも感じられると思います」と見どころを解説している。「『硬派の肖像』写真展」は8月1日(土)~11月5日(木)ライカギャラリー京都にて開催(火曜~日曜日11時~19時※月曜定休)。「硬派の肖像 ぶれない男、31人の人生訓」(小学館)は発売中。(cinemacafe.net)
2020年07月26日俳優の新田真剣佑(23)と山田孝之(36)が沖縄旅行に出かけていたと5月20日に発表された。緊急事態宣言さなかでの行動に厳しい声が上がっている。文春オンラインによると山田は家族や知人らと5月2週目から沖縄に滞在。そして山田の知人の借りたヴィラで、新田が女性とともに一行と合流した。新田は11日、その女性と手を繋いだり沖縄料理店に訪れる姿が目撃されている。いっぽう山田は13日、家族らとともにクルージングを楽しんでいた。双方の事務所は沖縄滞在を「事実」とし、それぞれに注意をしたという。本島以外にも37の有人離島がある沖縄県では、新型コロナウイルスによる医療崩壊が懸念されている。4月26日、玉城デニー知事(60)はTwitterで《離島を含め医療体制も非常事態です。どうか今の沖縄への旅はキャンセルして受け入れ可能な時期までお待ち下さい》と異例のツイート。今月14日には、感染者数が「14日連続ゼロです」とFacebookで明かしたが「まだまだ先は長いので、安心しきって緩まないようよろしくお願いします」と呼びかけていた。そんななか沖縄に足を運んだ2人。ネットでは《沖縄がなぜ休業中のキャンペーンをしたのか理解していないのだな》《沖縄の人や医療従事者への敬意が少しでもあればそんな軽率な行動なんてしないよ》との声が相次いでいる。新田にも、いっそう厳しい声が上がっている。それは彼が女性とともに目撃された5月11日が、もともと彼の主演舞台であり演劇ユニット・地球ゴージャスの結成25周年を祝う舞台「星の大地に降る涙THE MUSICAL」の公演日だったためだ。同作は今月3日から14日まで大阪公演が行われる予定だった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念し公演は中止に。つまり新田は主演舞台が中止となったなか、沖縄を訪問。そして、女性ともに現地を満喫していたことになる。地球ゴージャスを主宰する岸谷五朗(55)は公演中止について、公式サイトで「演劇生活最大の危機」「大阪全公演中止となり、迎えられない千穐楽が宙に浮いて消えてしまった」とその心痛を明かしていたが――。新田の行動に、こんな声が上がっている。《本当ならば大阪公演真っ最中、、、だった時に?沖縄?彼がどこで誰と何しようが知らんけどこんな時に…真剣佑さんよ。。》《真剣佑くん、それはだめだよ。ショックだ。。。コロナの影響で舞台無くなったんじゃないの?私、チケット買ってたけど中止になって行けなかったのに、、自覚なさすぎでしょ》《新田真剣佑とか主演舞台が中止になってなぜそこから沖縄旅行という発想になるのかちょと理解出来ない》
2020年05月20日3月22日(日)放送のフジテレビ系「ボクらの時代」では新田真剣佑、西川貴教、岸谷五朗のトークをお届け。岸谷さんが主宰する「地球ゴージャス」の舞台で主演を務める新田さん、過去の舞台で主演を務めた西川さんの3人が語り合ったこととは?アメリカで学生時代を過ごし高校卒業後、日本での活動を本格化。『ちはやふる』シリーズや「仰げば尊し」に出演し話題を集めると「同期のサクラ」やハリウッド映画『パシフィック・リム:アップライジング』などで国際的な活躍もみせる新田さん。1996年「T.M.Revolution」として活動開始。「HIGH PRESSURE」や「INVOKE」などを大ヒットさせると同時にそのキャラクター性も注目されTV番組などで活躍。「リトルショップ・オブ・ホラーズ」をはじめ舞台でもその魅力を開花させた西川さん。80年代から舞台、ドラマ、映画と幅広く活躍。近年では「校閲ガール」「中学聖日記」や『HIGH&LOW THE MOVIE2』などに出演。寺脇康文とともに主宰する地球ゴージャスの舞台も話題を呼んでいる岸谷さん。この3人が新田さんの誘いで集結。岸谷さん演出の舞台でそれぞれ主演を務めた新田さんと西川さんが、稽古中に見た岸谷さんの意外な一面や、舞台へのこだわりについて語り合うほか、彼らが俳優や歌手を目指したきっかけに関する話題で盛り上がる。新田さんが主演する地球ゴージャスの25周年記念作となる「星の大地に降る涙 THE MUSICAL」は、新田さんをはじめ、笹本玲奈、松本利夫(EXILE)、森公美子、寺脇康文らが出演。岸谷さんが出演だけでなく作、演出を手掛け、EXILEが主題歌「愛すべき未来へ」を提供。公演は3月20日(金・祝)より舞浜アンフィシアターで、5月3日(日・祝)より大阪フェスティバルホールで実施される。「ボクらの時代」は3月22日(日)7時~フジテレビでオンエア。(笠緒)
2020年03月21日「寺ちゃん」「五朗ちゃん」と呼び合う、岸谷五朗(55)と寺脇康文(58)。お互いが20歳と22歳のときに出会った2人が、その後始めた演劇ユニット・地球ゴージャスが結成25周年を迎える。二十五周年祝祭公演として上演する『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』(東京公演:舞浜アンフィシアターにて3月13日~4月13日、大阪公演:フェスティバルホールにて5月3~14日。※公演日程の詳細は公式ホームページでご確認を)。記念対談で見えてきたのは、「前世は夫婦でした(笑)」と語るとおりの、男らしい岸谷と世話女房のような寺脇、という絶妙なバディ関係!岸谷「僕ら、楽屋もずーっと一緒。スタッフがわざわざ別々に取ってくれてもお引っ越ししちゃう(笑)」寺脇「別々にいる意味がないから」岸谷「そうだね」寺脇「緊張するにせよ、不安になってるにせよ、うれしいにせよ、すべてのことを一緒に感じて分かち合うために。まあ、前世は夫婦だったからね(笑)」岸谷「プーケットに一緒に旅行に行ったときは笑ったな。寺ちゃんはいつも近場の温泉ばかりで海外に行かないから、『たまには海外行こうよ』って言ったら、『暖かい南の島がいい』ってぬるいこと言って(笑)」寺脇「ツインで予約したのに部屋に入ったら大きなダブルベッド一つだった」岸谷「お風呂はガラス張りで(笑)」寺脇「フロントに変更をお願いしたら『ノープロブレム』ってにこやかに笑って言われて(笑)」岸谷「エキストラベッドを入れてもらったけど小さくて、寺ちゃんは膝からハミ出しちゃってたよね(笑)」寺脇「初日以外、ずっと雨が降ってて最悪だったしね」岸谷「寺ちゃんが『ゾウに乗りたい~』とか子どもみたいに言いだしちゃってさ。『そんなの面白くない』って言ったら不機嫌になったから乗りに行ったね」寺脇「それまで『ゾウなんて』て言ってた五朗ちゃんが、いざ乗ったら『うっほー』なんてすごい喜んでた」岸谷「自然のなかに入ったらついね、叫んでた(笑)」寺脇「俺たちはケンカをしたことないけれど、五朗ちゃんが一緒に行ったお店をすぐ忘れちゃう癖は直してほしい。大阪に行ったときに『この前行ったすっぽん屋に行こうよ』って言ったら、『俺、行ってない』って言いだして」岸谷「ああ、その件ね(笑)」寺脇「『いや、すっぽん鍋食べたじゃん、2人で。心臓が一個しかなくて、ドクドク動いている心臓を五朗ちゃん食べなよ、って言った』って言っても、『俺じゃない誰かと行ったんだ』って頑として聞かなかった。でも、その店の玄関に行ったら『来た!来た!来た!』って。俺がうそついてるみたいに否定するのはやめてほしい」岸谷「ハハハ(笑)。俺は寺ちゃんに直してほしいところなんて何もないな」寺脇「ダメなところも含めて愛してくれてるんでしょう!欠点もかわいい、ってね(笑)」岸谷「えーーーー(笑)」「女性自身」2020年3月17日号 掲載
2020年03月08日「寺ちゃん」「五朗ちゃん」と呼び合う、岸谷五朗(55)と寺脇康文(58)の2人が主宰する演劇ユニット・地球ゴージャスが結成25周年を迎える。二十五周年祝祭公演として上演する『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』(東京公演:舞浜アンフィシアターにて3月13日~4月13日、大阪公演:フェスティバルホールにて5月3~14日。※公演日程の詳細は公式ホームページでご確認を)。記念対談で見えてきたのは、「前世は夫婦でした(笑)」と語るとおりの、男らしい岸谷と世話女房のような寺脇、という絶妙なバディ関係!寺脇「出会いは鮮明に覚えているんだよね。僕が22歳で五朗ちゃんが20歳。SET(三宅裕司〔68〕主宰の劇団スーパー・エキセントリック・シアター)の稽古場だった。当時新入りだった僕の前に赤いジャージ姿でリーゼントの怖そうなお兄ちゃんが来た。“どうしよう、カツアゲでもされるのかな”と思ったら『向こうにギャルがいるよ』って(笑)」岸谷「劇団の先輩女子をギャルって言ったんだよね(笑)。寺ちゃんは、ロン毛で爽やかだったな。映画に出てきそうな感じで」寺脇「劇団で力をつけてから映像のほうへ行こうと思っていたからね」岸谷「劇団を踏み台にしてね(笑)」寺脇「踏み台って(笑)」岸谷「その夜歓迎会があって、2人だけ残って朝まで飲んだね」寺脇「好きな映画、役者、アニメまで同じだった。『ブースカがさ……』って言ったら「“お金盗られてシオシオノパー”だろ」とかってすぐわかった(笑)」岸谷「僕と全然違うタイプで、人間的に面白い、というのも感じていて」寺脇「少しやんちゃ系の五朗ちゃんと、普通のなかに埋もれてる系の俺(笑)」岸谷「うまく言えないけど、なんか長い縁になりそうな予感はしたな」寺脇「まずはこの劇団(SET)のメインを2人でやろう、って(笑)」岸谷「そんな野望はあったね。俺たちがそろったらできるんじゃないかって」寺脇「でも、当時、僕らは役名もなくて暗号だった。俺が『兵士A』で、五朗ちゃんは『兵士B』(笑)」岸谷「俺はAにもなれなかった(笑)」寺脇「SETで役をもらえるようになって、メインを張れるようになって。そして劇団の本公演と別に岸谷五朗プロデュースの公演をやるようになると、“もっと自由な舞台を作りたい”ってお互いに思うようになったんだよね」岸谷「SETという劇団はすごく素晴らしくて、体が2つあったら両方に在籍したいぐらいだったけど、劇団という枠にとらわれない自由なキャスティングができるユニットプロデュース公演をやりたかった」寺脇「2人だけの芝居もできるし、100人の芝居もできる。外国人役があると、劇団では団員が金髪のカツラをかぶって鼻を高くしたりしてたけど、プロデュース公演なら、本当の外国の俳優さんに出てもらうことができる。毎年公演をやらなきゃいけない、という縛りもなくなるしね」岸谷「苦渋の選択で10年間ほどお世話になったSETを出て、2人でプロデュースユニットを始めた。あのころはまだそういうことする人が少なかったよね」「女性自身」2020年3月17日号 掲載
2020年03月08日「寺ちゃん」「五朗ちゃん」と呼び合う、岸谷五朗(55)と寺脇康文(58)の2人が主宰する演劇ユニット・地球ゴージャスが結成25周年を迎える。二十五周年祝祭公演として上演する『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』(東京公演:舞浜アンフィシアターにて3月13日~4月13日、大阪公演:フェスティバルホールにて5月3~14日。※公演日程の詳細は公式ホームページでご確認を)。記念対談で見えてきたのは、「前世は夫婦でした(笑)」と語るとおりの、男らしい岸谷と世話女房のような寺脇、という絶妙なバディ関係!寺脇「地球ゴージャス結成から25年たつけど、どの作品も子どものようにかわいいね。記念すべき1作目(’95年)は小さな劇場でやって」岸谷「それが当時は珍しい2カ月のロングランになった。新宿コマ劇場での公演(’06年)も思い出深いな。コマ劇場の名前の由来でもあるコマ状に上がっていく舞台装置を、あるだけ全部使ってやろう、と思って挑んだし」寺脇「劇場の人が『こんなふうに使ったことない』って驚いていたもんね」岸谷「『(こんなに使って)大丈夫かな』ってね(笑)」■新田真剣佑はセンスがすごい!岸谷「今度、二十五周年祝祭公演として上演する『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』は、11年前の再演だけど、主人公のシャチ役は三浦春馬(29)から新田真剣佑(23)に代わって。当時、春馬はこの作品で舞台人としての魂が一つ入ったというか、スイッチが入った感じがした。本当に素晴らしい演技で」寺脇「スポンジが水を吸うように稽古場でどんどんレベルアップしていった」岸谷「そしてこの作品を映像で見た新田くんが、『地球ゴージャスに出たい』と言ってくれて」寺脇「新田くんがいなかったら五朗ちゃんも『星の大地』を再演しようとはおもわなかったでしょ?」岸谷「そうかもしれない。あの身体能力とセンスはすごい。舞台に立つべき要素をすべて持っているからね。僕も三味線と大太鼓をやるからプレッシャーがすごい。11年前と同じようにはなかなかできない。稽古を始めてすぐ、日常生活ではつかない生の筋肉がついたよね」寺脇「(肩のあたりが)パンパンだよ」岸谷「俺たちふだん、ジムに通ってトレーニングして鍛えているけど、その筋肉とも違うんだよね」寺脇「そう。板前さんが自分の包丁を研ぐように、自分たちの武器は体だから、体をしっかり磨いておかないと。さびたまんまじゃダメだからね」「女性自身」2020年3月17日号 掲載
2020年03月08日地球ゴージャス二十五周年祝祭公演『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』の公開稽古が10日に都内で行われ、新田真剣佑、笹本玲奈、松本利夫(EXILE)、湖月わたる、愛加あゆ、島ゆいか、森公美子、岸谷五朗、寺脇康文が登場した。同作は岸谷と寺脇によって1994年に結成された"地球ゴージャス"の25周年記念公演で、2009年に上演された『星の大地に降る涙』を新演出版で上演する。理想を求める国の戦の中で、たくさんの血と涙が大地を濡らした時代を舞台に、戦いに敗れ記憶を無くした青年・シャチ(新田)が、流れついた小さな島、タバラの島の民と神の子を宿した女性・ステラ(笹本玲奈)と出会う。しかし、彼の記憶が戻るとき、そこには悲劇が待っていた。稽古場に集まった取材陣に、「思ったより多くてどうしようかなと思っております。結構前のほうに行くので、斬ってしまったらごめんなさい」と最初にことわっていたいた新田。公開稽古では「震える大地」で剣の立ち回りを見せたほか、「遭遇」「生きるという事」「暗黙の胸騒ぎ」を披露し、豊かな美声を響かせた。披露前に新田は「少ない稽古日数の中、みんなで仕上げました。ぜひ楽しんでいただけたら。そして多くの方々に見ていただけたら嬉しいです。とにかく今日はがんばります」と意気込んだが、岸谷が「稽古自体は1月6日から始まっておりまして、完成度の高い状態です。まっけんは忙しくて時間が足りなくて、『稽古場いきたーい!』って」と補足すると、苦笑。また、ヒロイン役の笹本は「憧れ続けてたた地球ゴージャスさんに参加できることすごく嬉しく思っています。本当に初めて脚本読ませていただいた時にすごい作品だなと思いました。大きなテーマ、メッセージを直接的に訴えかけている作品は本当に数少ないと思いますし、世界に向けて発信するつもりで挑みたいなと思っています」と意気込んだ。寺脇は「今回いつもと違う場所、舞浜のアンフィシアター。非常にバッチリな劇場なんですが、都心の方からするとちょっと遠いしメージがあるかもしれないんですけど、ディズニーランドの隣ですからね」とアピール。「まっけんマウス、笹本シンデれな、ドナルド・まっつー、森のくみのプーさんが待っておりますので、舞浜ですけどもディズニー行く感覚で」とキャスト陣をキャラクターに例え、周囲を笑わせていた。
2020年02月10日俳優の新田真剣佑、岸谷五朗、寺脇康文が7日、大阪市内で行われた、新田の初主演舞台となる『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』(3月10日~4月13日 千葉・舞浜アンフィシアター、5月3日~14日 大阪・フェスティバルホール)の発表会見に出席した。本公演は、岸谷と寺脇が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」の結成25年を記念したもの。09年に初演され、ファンの人気も高い『星の大地に降る涙』をミュージカル化し、岸谷、寺脇を除くキャストを一新した新演出版で再演する。動乱の時代を舞台に、ある少数民族が巻き込まれる悲劇を描いた本作を、作・演出を手がける岸谷は「テーマは“反戦”。悲しいことだが、今の世界の状況にこそやるにふさわしい」と再演の意義を強調。だが、初演時より楽曲の数を増やし、エンタテインメントの要素をより強化したと語り、「笑いもあり、明日もがんばろうと元気になれる作品でもあります」と新たに生まれ変わった人気作に自信をのぞかせた。一方、記憶を失ってとある島に流れ着く主人公の青年・シャチを演じる新田は「アメリカにいた12歳のころ、役者になりたいと思っていた時期に、たまたま映像を見たのがこの作品。舞台の“ナマ感”を感じる映像で『何だこれは!』と衝撃を受けました」と本作との不思議な縁を語り、「シャチを演じられるなんて夢のよう」と感慨深げ。現在、本番に向けてリハーサルを進めているが、「お芝居、歌、ダンス、殺陣と役者ができるすべてが詰め込まれているので、がんばらなければならないことが多すぎて…。本当はすぐに帰ってお稽古したいですね(笑)」と心ここにあらずの心境を明かし、「そう言うと思った(笑)」と岸谷にからかわれて笑いを誘っていた。そんな熱意の表れか、リハーサル前にキャスト陣が行うウォーミングアップに、新田の発案で「腹筋」が追加になったという。「マッケンの指導して、『イチ!ニ!…』とみんなでやっています(笑)」と明かした岸谷は、「キャストはみんな熱心に、貪欲に稽古に臨んでいますが、一番貪欲なのがマッケン」と舌を巻いていた。初演と同じ役に再び挑む寺脇は「再演といってもキャストを一新しているので、また違ったセッションができているなと感じる。初演から11年経っているので、アクションの質が落ちたとか、ギャグの質が落ちたとか言われないように(笑)、今できるベストを尽くそうと思っています」と意気込みを語っていた。
2020年02月07日