「島津有理子」について知りたいことや今話題の「島津有理子」についての記事をチェック! (2/2)
島津製作所は3月12日、分光蛍光光度計「RF-6000」を発売した。同製品は、クラス最高レベルとなる350:1のS/N比を実現し、前機種の2倍以上の感度で分析が可能となり、3次元測定のスピードは約3倍に向上した。光源にキセノンアークランプを搭載したことで、点灯寿命が全機種の約4倍となる2000時間まで延び、ランニングコストの低減に貢献するとしている。また、前機種では測定ができなかった900nmまでの蛍光スペクトルを得ることができ、クロロフィルの分析では、定量の下限値を前機種から1桁改善した。さらに、従来用途だけでなく、新しい分野に対応するアプリケーションを充実させ、発光材料の効率評価のための量子収率・量子効率の測定、人工光合成を解明するための試料回収可能な低温測定などが可能となった。また、制御用ソフトLabSolutions RFを新しく導入したことで、一連の分析や装置の妥当性確認などをより簡単に行うことが可能となった。さらに、補正したスペクトルをリアルタイムで得られる機能も標準搭載したほか、本体デザインを一新したことで、試料室の大きさが前機種の約1.5倍に拡張した。価格はソフトウェア込みで265万円(税別)~となっている。
2015年03月13日島津製作所は2月25日、SCREENホールディングス(SCREEN HD)が製造する高速3D細胞スキャナ「Cell3iMager」シリーズに関して国内販売契約を締結し、製薬市場やアカデミア市場に向けた販売を開始したと発表した。3D培養した細胞塊(スフェロイド)は、通常の2D培養した細胞に比べて、より生体に近い状態のため、創薬におけるスクリーニングや毒性評価において高い有効性が示されている。Cell3iMagerはこのスフェロイドを高速スキャンし、サイズや形態から細胞の増殖や現象を正確に計測する装置。通常、細胞増殖の計測には専用に検査試薬を用い、経時変化の計測には測定点ごとにサンプルを用意する必要があるため同一サンプルでの計測は不可能だが、同装置は検査試薬が不要のため、同一細胞の経時変化を計測することができる。また、同装置にHPLCやLCMSを用いた成分分析では得られない細胞のサイズや形態の情報を付加することができ、より高精度な薬効・毒性評価の確立が期待される。最近では多能性幹細胞の分化誘導時に必要となる胚様体形成の観察にも有用であることが示されるなど用途が拡大している。
2015年02月25日島津製作所とオリックス・レンテックは2月2日、島津製作所製の分析機器および試験機器を対象に、島津製作所グループの保守プランを組み合わせたメーカー保守付きレンタルサービス「保守付Lレンタル」を開始すると発表した。同サービスでは、レンタル機器を保有・管理するオリックス・レンテックがレンタル期間満了時の機器の市場価値を考慮したレンタル料金を設定する。さらに、「SHIMADZU LabTotal」というコンセプトで業務支援を推進している島津製作所による同サービス向け価格での保守プランを組み合わせることで、ユーザーのコスト低減と資産・契約管理の合理化を支援するという。また、これまで、新たに機器を導入する際には、レンタル契約とメーカーとの保守契約をそれぞれ個別に締結する必要があったが、同サービスではこれらの契約を一本化することで資産管理業務の効率化を図ることができる。加えて、予算の管理面でも、突発的な保守・修理費用の発生を抑えることができるとともに、機器の保守・管理を行う島津アクセスをはじめとする島津製作所グループのサポートサービスにより、安心・安全に機器を利用できるとしている。そして、ユーザーの機器の使用ニーズに合わせたレンタル・保守期間を設定することで、資産を遊休化させることなく、不要な保守費用の発生を防ぐことができる。例えば、複数年にわたる研究開発プロジェクトにおいても、限られた予算の中で必要な機器を効率的に活用することが可能となる。今後も、両社は島津製作所グループの技術力とオリックス・レンテックの資産管理ノウハウの連携を推進し、ユーザーの業務効率の改善に向けたサービスの拡充を目指すとしている。
2015年02月04日大阪大学(阪大)と島津製作所、神戸大学、宮崎県総合農業試験場は1月27日、超臨界流体技術を用いて、多成分の一斉分析を全自動かつ高速に行う画期的な分析システムを開発したと発表した。同成果は、同大大学院 工学研究科の馬場健史准教授、島津製作所 分析計測事業部の冨田眞巳部長、神戸大学大学院 医学研究科の吉田優准教授、宮崎県 総合農業試験場の安藤孝部長らによるもの。詳細は、3月8日(現地時間)から米国ニューオーリンズで開催される「Pittcon 2015 Conference & Expo」にて発表される。従来、食品や血液などの複雑で多くの成分を含む物質を分析する前には、分離や精製といった熟練を要する前処理を人手で行う必要があったため、人為ミスによる回収率の低下や結果のばらつきが発生していた。また、この前処理工程において、空気に触れることで成分が酸化や分解してしまうこともあり、正確な測定が困難になる場合があった。今回、大阪大学と島津製作所が中心となり、超臨界流体ガスクロマトグラフィ(SFC)装置の開発に取り組み、SFCにおいて重要となる高精度の圧力制御装置を開発した。さらに、並行して、島津製作所、大阪大学、宮崎県が中心となり、超臨界流体抽出(SFE)装置の開発に取り組み、試料の吸着、脱水などのための担体や液体試料の導入技術、多検体に対応したシステム開発を行った。また、SFCとSFEを接続した装置のプロトタイプ機を構築し、大阪大学、宮崎県、神戸大学においてシステムの検証実験を行い、そこで発生した問題の解決に取り組むことで、完成度を高め、装置を製品化した。加えて、装置開発に先行して、大阪大学、神戸大学、宮崎県ではSFC-質量分析(SFC-MS)、およびSFEの技術開発に取り組み、農薬や血液成分のプロファイリングに向けた分析条件や抽出条件、化合物ライブラリを構築した。さらに、最終的にSFEとSFC-MSのオンライン化(自動化)技術に取り組み、標準試料および実試料(農産物・食品・血液)を用いてシステムの検証を実施した。そして、残留農薬分析や臨床検査における実用的な利用を目指して、多検体のハイスループット解析が可能な超臨界流体抽出分離オンラインシステムを構築したという。なお、これら開発した分析システムでは、最大48検体に対し、有機溶媒の使用量を削減するとともに、不安定な試料であっても、熟練の技術を要さずに前処理、分離および検出を高感度・高速かつ自動で行える。例えば、食品中の残留農薬の分析では、従来は攪拌や遠心分離などで約35分かかっていた前処理を5分に短縮できるのに加え、有機溶媒の使用量をおよそ1/10に削減することができ、これまで複数の装置が必要だった分析も、この分析システムだけで約500種類の成分を一斉に測定することができるとしている。研究グループでは、今回の成果が、バイオマーカーの探索による超早期診断やテーラーメイド医療(臨床分野)、薬効分析・毒性評価(創薬分野)、食品中の栄養・機能成分の研究(食品分野)などで活用されるのを期待するとコメントしている。
2015年01月29日島津製作所は1月23日、大阪大学大学院 情報科学研究科 バイオ情報工学専攻 代謝情報工学講座との共同研究の成果として、「LC/MS/MS MRMライブラリ代謝酵素(酵母)」を発表した。価格は120万円(税抜き)。同製品は、微生物による物質生産の研究において、迅速かつ簡便に同社のLC/MS/MSを用いた代謝酵素の定量プロテオミクスを行えるようにしたライブラリであり、バイオエタノールなどの物質生産や真核生物のモデル生物として基礎研究が行われている出芽酵母の中央代謝経路に関連する228種類の代謝酵素を測定するための分析条件(計3584 MRMトランジション)を収録している。従来の方法は、1つのタンパク質に対する測定条件の開発フローに約8時間といった長時間を要することが課題だったが、ラボで検証済みの同メソッドによって、スムーズに分析業務を開始することができる。さらに、安定同位体で標識したペプチドのMRM条件も収録しており、生育条件や遺伝子型などの異なるサンプルにおける代謝酵素の存在量の差異を、高い精度で解析することも可能となっている。また、代謝酵素の定量プロテオミクスをより身近なものとする同ライブラリによって、バイオ燃料開発などの生物工学分野をはじめ、酵母を活用した高品質な食品開発や酵素の機能解析などの食品化学分野、生化学、メタボロミクス分野などの最先端の研究開発をサポートするとしている。
2015年01月24日島津製作所は1月13日、マレーシアに販売会社「Shimadzu Malaysia Sdn. Bhd.(SML)」を設立したと発表した。また、同国に分析計測機器の製造拠点を新設する計画も同時に明かされた。マレーシアではこれまで、分析計測機器は現地代理店を通じて販売していたが、SMLが設立されたことで、直販・直サービス体制が確立されたことになる。医療機器はシンガポールの現地法人「SHIMADZU (ASIA PACIFIC) PTE LTD.(SAP)」のマレーシア支店を開設して直販体制をとっていたが、新販社の医用部門として統合する。同社はこの新体制により、マレーシアにおいて2018年には分析計測機器1505万ドル、医用機器520万ドルの合計約2025万ドルの売り上げを計画している。新工場についてはSAPの主力商品である高速液体クロマトグラフおよび紫外可視分光光度計の生産を2016年より開始し、順次生産品目を拡大していく計画で、液体クロマトグラフの一部製品についてはSAP以外にも中東・アフリカを管轄する海外子会社に向けて供給する。
2015年01月14日島津製作所は12月18日、本社内に設置しているEMCセンターがTUV Rheinland Japan(TRJ)の任命サイトとして認証されたと発表した。TRJは、ドイツに本社のある国際的第三者認証機関であるTUV Rheinlandグループの日本法人で、製品の安全認証や品質システム審査、世界各国の法規制による適合性評価・審査・認証などの業務を行っている。日本の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称:医薬品医療機器等法)」や欧州の「医療機器指令」で求められる第三者認証の実施機関であることから、島津が製造販売する医療機器は従来よりTRJの評価を受けて認証書などを取得してきた。島津のEMCセンターは、10m法大型電波暗室31基と小型電波暗室2基を備え、8月にISO/IEC 17025(試験および校正を行う試験所の能力に関する一般要求事項)の試験所認定を取得した。管理された設備とEMC技術者の認定資格iNARTEを有する専任技術者により、各種国際規格のEMC試験を開始している。そして今回、EMCセンターがTRJの任命サイトとして認められた。これにより、自社の設備・人員でテストレポート取得のためのEMC試験を実施することができるようになったため、開発期間の短縮と開発コストの削減が期待できる。また、任命サイトであることは、一定の試験設備と能力を備えているとして対外的な信用力が増すことにもつながるとしている。なお、今後TRJが策定したテストプランに基づき島津が実施したEMC試験データレポートは、TRJがEMC適合性にかかるテストレポートを発行するにあたり、有効なデータレポートとして取り扱われることになるという。
2014年12月19日島津製作所は12月17日、X線TVシステムSONIALVISION G4向けに、1回の断層撮影で任意裁断高さの断層画像を提供するトモシンセシスアプリケーションを発表した。同社は、トモシンセシスをオプションでX線TVシステムのフラッグシップモデルである「SONIALVISION Safire」に搭載している。10年以上にわたり研究と改良を重ねてきたFPDによるトモシンセシスは、被ばく線量と金属アーチファクトを低減しつつも高精度な断層画像を得ることができるため、整形外科領域や胸部領域、消化器領域などにおいて新たな付加価値を与えるアプリケーションとして活用されている。今回、より多くの臨床現場でトモシンセシスを使用できるように、多様な検査やさまざまな検査環境に柔軟に対応する多目的X線テレビシステム「SONIALVISON G4」へのトモシンセシスの搭載をオプションで開始した。具体的には、1回の直線断層走査から得られる撮影データから、複数枚のデジタル断層画像を簡単に得ることができる。また、得られたデータより断層面を何度も再構成できるため被ばく線量を低減でき、さらにコリメーションによりX線照射視野を絞ることで、観察部位以外への被ばくを避けることができる。そして、さまざまな寝台角度での撮影が可能であり、脊椎や両膝の関節など17インチの広い範囲を立位にて荷重を加えた自然な体位で観察できる。この他、整形外科領域にて、ボルトやプレートなど金属固定された部位の術後の経過観察を行う場合に、画像診断を困難にしている金属アーチファクトが抑えられるため、骨の癒合状態などの金属周囲の骨評価が容易である。さらに、「SONIALVISON G4」を有効に活用できるように、歪みの少ない長尺画像を提供する「SLOT Advance」、骨密度測定を可能にする「Smart BMD」をアプリケーションとしてラインアップしている。これら新たな臨床価値を提供する多彩なアプリケーションにより、臨床現場における検査・診断を強力にサポートするとともに、医療機関におけるX線TVシステムの稼働率の向上にも寄与していくとしている。なお、価格は3000万円(税抜き)から。
2014年12月18日島津製作所は12月16日、イタリア・メッシーナ大学のL・モンデロ博士のチームが考案したLC-GC×GC-MS/MSシステムを製品化し「5D Ultra-e」として同日より発売すると発表した。同製品は、超高速液体クロマトグラフ(HPLC)と包括的2次元ガスクロマトグラフ(GC×GC)、トリプル4重極質量分析計(MS/MS)という5つの次元の分析をオンラインで接続したシステム。GC×GCは、異なる特性を持つ分離系を組み合わせることで、従来のガスクロマトグラフでは分離しきれなかったさまざまな成分を含む試料の網羅的測定ができる。同システムではGC×GCの前処理としてLCという別の分離モードを追加し、非常に複雑な試料をGC×GCとは異なる特性でグループ分けしておくことで、より詳細なGC×GCを実現した。LCで分離された試料は、必要な成分のみオンラインでGC×GCに注入され、濃縮による高感度化とスループットおよび安定性の向上をもたらすという。検出器には同社のUFMS(Ultra Fast Mass Spectrometry)シリーズよりトリプル四重極型ガスクロマトグラフ質量分析計GCMS-TQ8040を導入し、GC×GCで分離された成分をトリプルMSでより詳細に分析する。すべての成分を対象とするノンターゲット分析だけでなく、複雑な試料から目的成分に対象を絞るターゲット分析も実現した。また、すべての装置を専用ソフトウェアから一括で管理可能にし、高度な分析とワンクリックで分析が開始できる簡便さを両立させたという。なお、価格は4917万円~(税別)となっている。
2014年12月16日島津製作所と住商ファーマインターナショナルは12月15日、小動物用近赤外蛍光イメージングシステム「可搬型in vivo蛍光イメージングシステムSAI-1000」のアプリケーションの共同開発に一定の成果が得られたことから、同装置の販売契約を締結したと発表した。蛍光イメージングとは、蛍光ラベル化されたプローブを生体内のターゲット分子や細胞・臓器に集積させ、生体物質の発現、細胞・臓器の機能、プローブの動態を体外から空間的・時間的にモニタリングする技術である。現在、がん転移メカニズムの解明や再生医療など、実験動物を用いたライフサイエンス研究に必要不可欠な技術となっている。同製品は、従来の近赤外蛍光イメージングで用いられている700~800nmの波長帯よりも、さらに長い1000nm以上の近赤外域を使用したイメージングシステムで、生体組織による光散乱および光吸収の影響を軽減し、従来にない高解像度で高精細なイメージングを実現している。さらに、動物管理区域などに持ち込んで迅速に測定したいというニーズに応え、一人でも移動が可能なコンパクトなサイズと重量も兼ね備えている。今後、島津製作所から住商ファーマへ装置を供給し、住商ファーマは国内の販売網および販売店を通じて市場展開を行う。住商ファーマは、国内のin vivoイメージング市場で培った豊富な経験と長年の顧客層を元に、当初3年間で20台の販売を目指す。価格は2500万円(税抜き)。また、将来的な海外展開についても両社で検討を行う予定。
2014年12月16日島津製作所は12月9日、京都市の本社工場内の研修センター2階にある分析計測機器ショールームをリニューアルし、「Science Plaza」を開設したと発表した。同ショールームでは「ライフサイエンス」「環境・新エネルギー」「食の安心安全」のような分野ごとに製品を展示しており、同社の分析計測機器や技術が社会の中でどのように活用されているかを紹介している。また、分析計測機器のほか、航空機器、産業機器、油圧機器、光学デバイス関連の事業や製品も展示しており、研修センター1階の医用機器ショールーム「メディカルセンター」と合わせて、同社の事業概要を知ることができる。同社は「Science Plaza」の開設にあたり、床面積を約2.5倍の800m2に拡張。オープニングエリアには、島津製作所の装置や技術を用いて得た最新の映像や、京都の風景映像が流れる複数のディスプレイが配置される。さらに、共同研究に関する取り組みや、2015年3月31日に創業140周年を迎える同社の歴史にも触れることができる。
2014年12月09日島津製作所は11月25日、ランニングコストの低減と長期的な安定稼動を実現したオンライン全窒素・全りん計「TNP-4200」を発表した。現在、対象の水域やそれに流入する河川へ排出される汚濁物質の総量を一定量以下に削減し、水質環境基準を確保するための制度として、水質総量規制が定められている。オンライン全窒素・全りん計は、この規制で指定されている測定方法に基づいて、排水中の全窒素と全りんを測定する装置で、工場や下水処理場など、さまざまな事業場で導入されている。同製品は、従来機種の省電力設計をさらに見直し、消費電力を10%削減した。また、測定後に出る廃液量を30%削減しているため、廃液処理のサイクルを従来の1カ月間隔から2カ月間隔に延長でき、処理コストを低減することができる。さらに、試薬費用も年間1万3000円からと低価格であり、連続稼動が必要なオンライン計の運用にかかるコスト全般を削減することが可能である。そして、多くの試薬を間違いなく簡単に交換できるように配管や試薬トレイ、試薬ボトルを一新し、試薬交換にかかる時間を半減させた他、独自の2連ロータリーバルブとシリンジポンプに機能を集約したシンプルな構造を継承しつつ、ロータリーバルブは回転制御機構を一新し、より長期的な安定動作を可能とした。また、懸濁物の噛み込みに強いセラミック製の部品を用いるなど耐久性を向上させることによって、交換周期の大幅な延長を実現した。この他、動作異常検知機能をさらに充実させた。これにより、部品の故障などの異常を常に監視できるので、ダウンタイムを短縮し、確かな測定を行うことができる。加えて、内部の配管には自動洗浄機能を標準搭載しており、サンプルの残存によって藻や細菌が増殖し測定結果に悪影響を与えることを防ぐ。さらに、オプションの試料前処理装置にも、自動洗浄機能や試料中の懸濁物質を砕いて採水できるホモジナイズ(均質化)機能を搭載しており、煩雑なメンテナンスの頻度を抑えながら安定した動作を実現するとしている。なお、価格は434万円(税抜き)から。
2014年11月27日島津製作所は11月17日、小型化・軽量化によって場所を選ばず脳機能の計測が可能な近赤外光イメージング装置「SPEEDNIRS」(医療用)ならびに研究用ポータブル光脳機能イメージング装置「LIGHTNIRS」(研究用)の発売を開始したと発表した。医療用SPEEDNIRSは、本体を卓上で使用できる近赤外光イメージング装置として初めて薬事認証を受けた製品で、うつ病の鑑別診断補助や脳卒中の回復期のリハビリテーションなどでの用途が期待されるという。一方の研究用LIGHTNIRSは専用のキャリーバッグを用い、装置本体を背中もしくは腰周りに装着できるウェアラブルタイプの製品で、脳活動から消費者の嗜好や意思決定プロセスなどを探ることを目的としたニューロマーケティングや、複数人での同時計測による多人数間のコミュニケーションなどの研究や、脳信号をリアルタイムに処理し外部機器などを制御するブレインマシーンインタフェース(BMI)の研究など、脳科学応用市場での活用が可能だという。いずれの製品も、頭皮への密着性の高いファイバー先端構造により、頭髪部位の計測も可能で、独自の3波長半導体レーザーと順次点灯方式によってノイズの影響を低減し、安定度の高いデータを得ることが可能だという。また、250(W)mm×70(H)mm×200(D)mm(突起部除く)、重量1600gと小型・軽量を実現。送受光ファイバーとホルダを一体化したプローブにより、計測までの手間と時間を短縮したほか、直感的なユーザーインタフェースと分かりやすい結果表示によって操作性の向上も図られているという。なお同社では、2製品併せて、20台の販売を目指すとしている。
2014年11月17日島津製作所は11月13日、同社のX線TVシステム「SONIALVISION G4」に対応する骨密度測定アプリケーション「Smart BMD」を発表した。骨粗しょう症の診断は、X線装置により骨の形状や骨折の有無などを画像で確認するとともに、骨の強度の重要な要因である骨密度を専用装置で測定し、骨の強さを判定することで行われている。同アプリはX線TVシステムと組み合わせることで、1台の装置で骨粗しょう症に必要な検査を簡単かつ短時間で実現するもの。骨折が疑われる部位を撮影することで画像診断が可能なほか、腰椎や大腿骨近位部をスキャンすることで骨密度測定が可能なため、被検者を移動させることなく一連の検査を行うことができる。また、骨密度測定の際は、目視による位置合わせを行った後に、透視機能を用いて測定部位の微調整・確認を簡単に精度よく・スピーディに行うことができるため、被検者の負担の軽減と検査スループットの向上を実現できるという。さらに、同装置では寝台の高さを47cmまで下げることが可能なため、被験者の乗り降りを簡単に行うことが可能。骨密度測定のためのスキャン時間も9インチ視野時で10秒と短いため、被験者の負担を軽減することが可能だ。なお同アプリの価格は処理用ユニットを含め2500万円~(税別)、骨密度測定が主流である整形外科、婦人科、内科などの診療科に提案を行い、今後1年間で20台の販売を目指すとしている。
2014年11月13日島津エミットは10月31日、微細な隙間からの漏れ(リーク)を高感度に検出するヘリウムリークディテクタ「MSE-2000S形シリーズ」を発売したと発表した。同シリーズは独自の高分解能を有する270度偏向型分析管を搭載し、ヘリウムガス以外の誤検出を低減したことで、従来機比10倍となる毎秒10-13Pa m3の高感度を実現したほか、他社同等機比で約20%高速なバックグラウンド回復性能も実現。大きな漏れを長時間検出しても即座に次の試験を行うことが可能となったという。可搬形2機種、可搬形でドライ仕様2機種、据置形2機種、電子デバイス専用機1機種の計7機種がラインアップされているほか、漏れに関する情報を撮影記録するワイヤレスリークインジケータ「MLI-2001S」もオプションとして用意。記録管理のデジタル化により、日付やリーク量を写真に付記して保存することができるほか、SDメモリカードでの保管も可能となっている。また、海外展開の加速をめざし、装置本体およびリークインジケータの表示言語を日本語のほか、英語、中国語、韓国語の選択を可能としたとのことで、今後は海外展開にも注力して拡販を図ることで、初年度年間300台、売上高6億円を目指すとしている。
2014年10月31日島津製作所は10月22日、三菱電機株式会社と共同で開発した「リサイクルプラスチック高精度素材識別技術」を用いて、プラスチックの種類を99%以上の高精度で瞬時に識別することが可能な「樹脂識別装置IRPF-100」を、同日より発売すると発表した。使用済み製品からプラスチックを回収して再利用する際、製品を粉砕して得られる混合プラスチック破砕片(プラスチックフレーク)から高純度な単一素材プラスチックを選別回収することが重要となる。そこでプラスチックフレークの品質管理のために、リサイクルの後工程で純度検査が行われているが、従来の純度検査は手作業に頼っており、効率性や検査精度に課題があった。「IRPF-100」では、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて中赤外光をプラスチックフレークに照射してその反射光を解析することで、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンの3つのプラスチックを99%以上の高精度で識別・選別できる。また、従来方法では難しかった黒色などの濃色プラスチックの識別も可能。さらに、プラスチックフレークを識別位置に搬送するところから、識別したプラスチックフレークを種類別に高速に仕分けするまでの一連の作業をすべて自動で行うという。価格は1850万円(税抜)で、発売から1年間で5台の販売を目指す。同社は、同製品をまずは家電リサイクル法により、過去に生産したエアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機を引き取り、定められたリサイクル基準を達成することが義務付けられている家電業界向けに投入する。さらに、「IRPF-100」の樹脂識別技術を応用して、自動車リサイクル法により同じくリサイクル義務を負う自動車業界をはじめ、その他の業界での様々な用途に向けての展開を視野に入れているとのこと。
2014年10月22日島津製作所は10月3日、ソフトウェアの高い操作性を維持しながら、優れた設計によってスループットを向上させ、新機能のEcoモードの搭載によってランニングコストの低減を実現したマルチタイプICP発光分析装置「ICPE-9800」シリーズから「ICPE-9810/9820」2機種を発表した。ICP発光分析装置は、原子吸光分光光度計と比較して、多元素の同時分析に対応しており、多くの元素を同じ条件で素早く測定できるという利点があるが、アルゴンガスの消費量が多く、ランニングコストが高いという問題があった。また、近年では、複雑かつさまざまな濃度範囲の試料を短時間で安定して分析できる基本スペックに加え、ICP発光分析の専門ではないユーザーも増えてきており、装置の使いやすさも求められている。このようなニーズに対し、同シリーズでは、待機時に自動でアルゴンガスの流量や使用電力を抑える新機能のEcoモードを搭載したことで、待機時における電力消費量とアルゴンガス消費量を前機種の約1/2に削減できる。また、使用するアルゴンガスも、一般に用いられている純度99.999%以上のものだけではなく純度99.95%でも性能を保証している。例えば、高純度アルゴンガスを使用し、1日6時間の分析を月12回実施した場合においては、3年で約250万円のコストを低減できるケースもあり、トータルのランニングコストを抑えることができる。また、縦方向トーチを採用しているため、測定した元素がガラスウェア内に残存して結果に影響を与えてしまうメモリ効果を抑えることができ、高濃度試料を測定した後でも、短いリンス時間で低濃度試料を安定して測定できる。さらに、「ICPE-9820」は、高感度な軸方向観測と高精度な横方向観測を自動で切り替えて測定ができる機構を備えており、試料中の主成分の元素から微量の有害金属、添加元素まで、幅広い濃度範囲の元素を1つのメソッドで分析できる。このような、優れた設計によってユーザーのスループット向上に貢献するとしている。この他、装置と制御用ソフトウェアICPEsolutionに搭載された独自の機能によって、CCD検出器から得られたスペクトルデータを全て記録できる。これにより、測定終了後でも別の元素や波長を追加したデータの確認や、過去の分析結果の再解析も容易であり、目的に合わせた自由度の高い分析とデータ解析が可能となっている。なお、価格は「ICPE-9810」がソフトウェア込みで1450万円(税抜き)から、「ICPE-9820」がソフトウェア込みで1540万円(税抜き)から。
2014年10月03日島津製作所は7月14日、コンパクトな卓上型の筐体で、樹脂製品、骨や歯、医薬品などのサンプルを、キャリブレーション(較正)フリーで素早く簡単に3次元観察できるマイクロフォーカスX線CTシステム「inspeXio SMX-90CT Plus」を発表した。マイクロフォーカスX線CTシステムとは、微小焦点のX線発生装置とX線検出器の間でサンプルを回転させ、観察したデータを元にサンプル内部の3次元構造を再構成する装置である。部品の内部欠陥の観察や、3次元的な繊維配向、形状の計測など、幅広い分野で用いられている。同製品は卓上での使用が可能なコンパクトサイズでありながら、開口部には垂直方向と奥行き方向にそれぞれ200mm以上のスペースがあり、最大で直径160mm×高さ100mmの大型サンプルも容易にセッティングできる。サンプルをCTステージへセットした後は、自動較正機能によって、スタートボタンをクリックするだけで、誰でも、簡単に、美しいCT撮像が可能となっている。また、独自の遮へい設計技術に加え、ドアインターロック機構を装備しており、X線被ばくへの対策も十分という。また、最新のHigh Performance Computing(HPC)技術を応用した高速演算処理システムを標準搭載し、計算処理能力が従来比で約20倍も高速化した。スキャン条件次第では、データ収集完了からデータ表示までの時間を従来の340秒からおよそ15秒まで短縮できるという。さらに、撮像した画像データを、医用画像情報フォーマットの世界標準規格であるDICOMフォーマットに変換することが可能になった。これにより、マイクロフォーカスX線CTで撮像したデータを、そのまま他のDICOM対応ソフトウェアでも扱うことができる。この他、オプションのソフトウェアを使用することで、3Dプリンタで一般的に用いられているSTLフォーマットで撮像データを出力することが可能。3Dプリンタにこのフォーマットのデータを取り込むことで、歯や食物など、図面が作れないサンプル実物でも、内部構造を含めて自由な倍率で3次元出力が可能になるとしている。なお、システム価格はPCと専用デスク込みで2600万円(税別)。すでに販売を開始している。
2014年07月16日島津製作所は3月19日、胸部や腹部、整形分野をはじめとするX線検査に使用される一般撮影システム「RADspeed Pro V4 package」を発売した。同システムは、同社「RADspeed Proシリーズ」の最上位機種という扱いで、4つのV(Various FPD・Visible information・Versatile outcome・Value for life)をコンセプトに、より細部にまで拘って「スループットのよい検査」を追求し、フラットパネルディテクタ(FPD:平面検出器)を搭載したもの。X線高電圧装置、X線管保持装置、DR装置(画像処理装置)、X線撮影スタンド、X線撮影テーブルから構成されており、X線高電圧装置の操作卓とDR装置の操作部を一体化した統合型コンソールにより、X線撮影条件と画像処理パラメータを撮影プロトコルとして一元管理することが可能だ。また、天井走行式X線管懸垂器操作部や検査室内のスタンドおよび壁面に設置できる検査情報表示モニタ(オプション)に、コンソールと同じ患者情報や画像情報を表示したり、撮影プロトコルを変更することができるため、撮影の準備や画像の確認のために操作室と検査室の間を行ったり来たりすることなく、X線撮影の作業を進めることができるという。さらに、被ばく低減のためグリッド着脱機構を備えており、小児撮影の際など外して撮影することにより線量を抑えることができたり、軟X線を除去する付加フィルタも、撮影プロトコルと連動して自動選択される機能などを搭載しているほか、全体的な検査期間の短縮が可能であるため、被験者の負担を軽減することができるようになるとしている。なお、価格はシステム構成により異なるが8000万円(税別)からで、発売1年間で国内外合わせて50台の販売を計画している。
2014年03月20日島津製作所は3月5日、新たに開発したトラップ濃縮カラムを用いた自動精製粉末化技術により、未精製の有機合成品や天然物などから目的化合物を精製、高純度な粉末として回収できる自動精製粉末化システム「Crude2Pure(C2P)」を開発、販売を開始したことを明らかにした。有機合成分野、特に創薬探索部門では、合成した目的化合物の精製に分取液体クロマトグラフ(LC)システムが用いられているが、得られた目的化合物の分画液を粉末化するにあたり、従来の蒸発乾固では、複数の工程をそれぞれ異なる装置で行なわなければならず操作が煩雑であること、ならびに逆相分取LCシステムを用いた場合、水の比率が高い分画液中の目的化合物の粉末化には長時間を要すること、そして分取LCシステムで使用した移動相由来成分による粉末化の阻害や目的化合物の純度低下を招くといった問題があった。同システムは、そうした複雑な操作なしで自動生成粉末化を実現することを目指して開発されたもので、シンプルなインタフェースの専用ソフトウェア「Open Solution Crude2Pure」を用いることで、トラップ濃縮および粉末化操作をそれぞれ3ステップで設定でき、かつシステム稼働状況の確認を容易に行うことができる。また、同ソフトは、複数の分析者がC2Pシステムを共同機器として使用するオープンアクセス環境に対応しているため、ほかの分析者が使用中の場合でも、システムの動作を止めずに新たな試料をC2Pシステムにセットすることができ、順次、自動で粉末化処理を行うことが可能なほか、ラボから離れた場所にいる分析者に粉末化作業の終了を知らせるE-Mail機能も備えている。また、独自技術により目的化合物を高い回収率で粉末化できるほか、精製・粉末化工程は自動化されているため、従来の蒸発乾固では8時間以上を費やしていた作業でも、半分以下の3~4時間程度に短縮することが可能だという。さらに、逆相分取LCシステムで分画した試料中には目的化合物以外に移動相に由来する成分が含まれるため、目的化合物の純度が低下するといった課題があったが、同システムでは、新たに開発したトラッピングカラム「Shim-pack C2P-H」により、カラム内で目的化合物を強力に保持することができるため、移動相由来成分除去を容易に行うことができ、試料を高純度に精製することができる。加えて、移動相由来成分の洗浄・除去後にアンモニア水などをカラムへ送液することで、目的化合物をフリーベース(遊離塩基)として回収することが可能。これにより、医薬品候補の薬効スクリーニングや薬物動態試験など、新薬の探索研究のクオリティを改善することが可能になると同社では説明している。なお同システムの価格は2270万円(税別)から、となっている。
2014年03月06日がんの高度先駆的医療技術開発するため、共同研究を進めてきた国立がん研究センターと島津製作所は、創薬研究手法の開発などから、3つの成果を得られたと発表した。1つ目は、腫瘍組織中の薬物分布濃度を可視化する分子イメージング技術の確立により、ヒトの腫瘍組織中の薬物分布濃度と効果との関連の評価を開始したこと。国立がん研究センター研究所 臨床薬理部門 部門長 濱田哲暢氏らによるもので、医薬品の早期相の臨床試験(第I相臨床試験)の促進を目指すという。これまで見ることが難しかった組織の間質、血管部位、腫瘍部位への移行などを捉えることができるこの創薬研究手法は、ヒトの腫瘍組織中の薬物分布濃度を可視化する分子イメージングを行うことで、投与量の設定、作用の評価、臨床試験の短縮を可能にするという。なお、この研究は厚生労働省革新的医薬品・医療機器・実用化促進事業「全ゲノム配列解読・分子イメージング技術を組み合わせた革新的創薬研究手法の開発と個別化医療の実現」および国立がん研究センターがん研究開発費「抗悪性腫瘍薬の新規臨床薬理研究手法の開発に関する研究」により行われた。2つ目は、DDS抗がん剤(パクリタキセル内包ナノ粒子:NK105)の薬剤分布を高精細画像化し、DDS抗がん剤が通常の抗がん剤よりもがん組織に多く長く集まり、かつ、正常組織にはほとんど移行しないことを明らかにしたこと。国立がん研究センター東病院臨床開発センター 新薬開発分野 部門長 松村保広氏らによる成果。具体的には、質量顕微鏡を利用し、NK105を投与したマウスのがん組織と正常組織を画像で評価した結果、NK105ががんの塊の奥深くまで長時間集まっていること、および正常な組織にはほとんど移行していないことが確認できたという。DDS抗がん剤の創薬コンセプトがマウスにおいて証明されたことで、現在進行中の第III相臨床試験の結果が期待されるほか、前臨床の段階で詳細な薬剤分布を確認できたことで、次世代のDDS抗がん剤開発においても大きな一歩となるという。なお、この研究は国立がん研究センターがん研究開発費(特別)「がんナノテクノロジー研究プラン」により行われた。3つ目は、がん治療において適用範囲や品目が拡大する抗体医薬品の投薬量の決定や副作用の予測、医薬品の品質管理などを目的とし、多品目にわたる抗体医薬品に対応可能な血中濃度モニタリング技術(質量分析を用いた血液濃度測定技術を開発したこと。この研究は、島津製作所 ライフサイエンス研究所 産学連携研究室 グループ長 嶋田崇史氏らによるもの。ナノ粒子表面に結合したタンパク質分解酵素を用いて支持体上の抗体を分解することにより、抗体ごとに異なる相補性決定領域(CDR)ペプチドの分析が可能となったという。そして血液中に添加した抗体医薬品を用い、CDRペプチドを確認よび定量した。nSMOL法(nano-surface and molecular-orientation limited proteolysis)を応用し、日本発の抗体医薬品の血中濃度モニタリングシステム開発を目指すという。
2013年12月24日