北野武監督最新作『アウトレイジ』が6月12日(土)に初日を迎え、東京・新宿ミラノで北野監督と加瀬亮、椎名桔平ら個性派キャスト10人が舞台挨拶に勢揃いした。ある暴力団組織内の抗争を描いた、北野監督9年ぶりのバイオレンスで、キャスト陣は揃って北野組初参加。北野監督は「どうも監督の山田洋次です」と笑わせつつ、「こういったキャリアのある役者さんを揃えると、ホントに楽なもので勝手にやってくれる。本当にありがたかった」と感想。対照的に、キャスト陣は撮影をふり返り、緊張や戸惑いを吐露。小日向文世が「本当にシャイな方で現場で目を合わせてくれなかった」と悲哀タップリに話したが、北野監督は「ホモじゃないんで。女優さんだったら現場でやたら付け回すんですけど」とおトボケ。キャスト陣と観客を笑わせた。さらに三浦友和は「監督からは…何があったんだろう?ほとんど指示をしてくださらなかった。見放されているというか…以上です」と苦笑い。國村隼も「私もそういえば現場では監督から特に…」と話し、三浦さんと見つめ合って「ね!僕ら見放されていたね」と傷のなめ合い。杉本哲太も「自分もほとんど何も」。塚本高史も「僕もないですね…」。MCが「ということは、あの演技はみなさんが自分で作り上げたということ?」と尋ねると、北野監督は「ええ、楽屋にマリファナを焚いておいてですね、そのまま出ていけばみんな勝手にやって帰ってくれる、っていうくらいでしたね」と得意の毒舌回答。唯一ベッドシーンのあった色男担当の椎名さんも、「6時間かけて刺青を描いて、さあベッドシーンだと思って現場に入ったら、監督が入られて助監督さんから監督からと前置きされて『普通にやって』って。困っちゃったんですよね、まあやりましたけど」と苦情。北野監督は「『血と骨』をやったときに、崔洋一って監督と殺陣師の二家本さんっていう太った男2人が、鈴木京香と私(たけしさん)って見本を見せたんですけど、デブの男2人が絡んでのたうち回っていて、地獄絵図のようだったので、見ててこの業界、辞めようと思った」とラブシーン演出を放棄した理由を説明。またしてもキャスト陣を笑わせた。一方、試写会などで怪演の前評判が高い加瀬さんは「監督はどうしたものかといたく苦労されたと思いますが、いろいろ付け加えてくださって、(自分のヤクザ役を)成立させてくれた」と感謝の弁。締めに北野監督は「この映画を2回観ると、がんが治ったり階段が上れるようになったり、家出した息子が帰ってきたり、いろいろいいことがありますから」と観客に珍メッセージを送っていた。『アウトレイジ』は丸の内ルーブルほか全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)北野武監督インタビュー■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:カンニング竹山主演作初日挨拶で北野監督新作タイトルを3連呼北野武監督インタビューキタノはいかにして加瀬亮を“ヤクザ”に仕立て上げたのか?モナもシビれた!北野監督作『アウトレイジ』女性座談会ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5社長になってほしい俳優といえば?【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品
2010年06月12日今年で12回目を迎える「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」。まもなく開幕を迎えるが、新設のプログラムを含む各部門で上映される選りすぐりの作品と共に、映画祭を楽しむポイントとして見逃せないのが豪華な審査員の顔ぶれ!今年から新規に創設された「旅シヨーット!プロジェクト」では、ポッキーのCMや映画『半分の月がのぼる空』のヒロイン役で注目の忽那汐里が17歳にして審査員を務める。審査員の顔ぶれから見えてくる、映画祭の新たな魅力とは――?「旅シヨーット!プロジェクト」は観光庁との共同プロジェクトとして開始された企画で、“日本の旅”、“(全国各地を対象に)日本の魅力”をテーマにした作品が上映される。柏原収史、知念里奈を主演に迎え、沖縄を舞台にした作品『青春マンダラー!』など、すでに開幕前から注目を集めている作品も。審査員は、14歳までオーストラリアで育ったという忽那さんに、TVプロデューサーとして日米の文化の橋渡しをしてきたデーブ・スペクター、海外にも多くのファンを持つ行定勲監督の3人。“国際性”という意味でも興味深い人選となっており、彼らがどのようなジャッジを下すのか楽しみなところ。行定監督は、グランプリ作品や各オフィシャルコンペティション受賞作を決める公式審査員のメンバーにも選ばれているが、この公式審査員たちの顔ぶれもまた豪華!TVキャスターの草野仁に若手注目俳優、塩谷瞬、“大御所”桃井かおり、そして、「ラテンビート映画祭」のプロデューサーも務めるアルベルト・カレロ・ルゴの名も。彼らにより、グランプリを授与された作品は、本家アカデミー賞の短編部門のノミネートの対象作になるとあって責任は重大。この個性的な面々がどのような激論を戦わせ、どの作品に栄誉を与えるのか――?「ストップ!温暖化部門」はその名の通り、深刻化する地球温暖化に警鐘を鳴らす作品が集められるが、ここで審査員を務めるのは、俳優、そして映画監督としても高い実績を誇る奥田瑛ニに、昨年は『カムイ外伝』が話題を呼んだ崔洋一監督。そして、昨年から今年にかけて太宰治原作『斜陽』、『すべては海になる』と立て続けに映画主演を果たし、現在放送中のNHKドラマ「離婚同居」でも存在感を放つ女優の佐藤江梨子も審査員に名を連ねている。10日間ほどの短い会期中に、相当数のショートフィルムが上映される本映画祭。どの作品、どの部門を観ようかと迷ったら、審査員の顔ぶれで選んでみても面白いかも?ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2010は6月10日(木)から13日(日)まで表参道ヒルズスペース オーにて、16日(水)から20日(日)までラフォーレ ミュージアム原宿にて開催。シネマカフェ「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2010」特集公式サイト:■関連作品:ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2010 [映画祭] 2010年6月10日から6月20日までラフォーレ ミュージアム原宿ほかにて開催■関連記事:日本発の国際短編映画祭「SSFF&ASIA」鑑賞券を25組50名様プレゼント猫ひろし人生初のイケメン役にのぼせあがる「ハリウッドを目指す猫に」ショートショートで旅したくなる柏原収史×知念里奈『青春マンダラー!』予告編到着あなたも女優デビュー!ショートショート×美女暦「女優誕生プロジェクト」始動
2010年06月09日先日公開を迎え、若い層を中心に話題を集めている映画『ソラニン』。本作で俳優デビューを飾ったサンボマスターの近藤洋一が、サンボマスターのメンバー、山口隆と木内泰史、人気ラジオ番組「風とロック」(TOKYO FM)のディレクター箭内道彦のための“マル秘”試写会で、3人のためだけに舞台挨拶を行った。また、サンボマスターの5thアルバム「きみのためのつよくなりたい」のオリジナルジャケットを映画の原作者・浅野いにおが担当することも発表され、その画像もいち早く到着した。「祝!近藤洋一俳優デビュー」と称し、記念企画として開催されたこちらの“マル秘”試写会。開始前から山口さんは「普段から一緒にいる近ちゃん(近藤さん)が映画に出ているから、こっちが緊張して観られない」とドキドキ、木内さんも「演技するということは、いままでと全く知らない近ちゃんがいるわけだから、どういう感情になるのか分からない。」と2人とも、花嫁を見守る父親のような心境?…と、思いきや、舞台挨拶が始まるとそんな緊張もどこへやら、山口さんと木内さんは突如、記者に扮して壇上の近藤さんに質問!近藤さんは「僕が演じた加藤は大学6年生のベーシストですが、僕自身、10年前に大学6年生までいくという経験をし、人生を賭けた役づくりをしました(笑)」とおどけつつ「俳優の方でも一生に何度かハマり役があると思うのですが、僕には加藤以上のハマリ役はないと思いました」と力強く語った。その後、いよいよ上映がスタート!鑑賞を終えての山口さんと木内さんの第一声は「最初のセリフを聞いたときから、近藤洋一だと思わなかった!」。その後、箭内さんを交えたトークでも、山口さんは近藤さんの存在感を絶賛しつつ「観ていて、色々な答えがあっていいんだなと思ったし、悲しいシーンはたくさんあるけど力をもらえました」と映画への共感も語ってくれた。木内さんからも「この映画は、10年後でも10代〜20代前半の人たちが観ていく、語り継がれる作品だと思うので、そこに近ちゃんが出ていると思うと誇らしいですね。実は、映画を観る前は恐くて、それはどうしてだろうと思っていたのですが、近ちゃんを見るのを、自分をTVで見るような感じで考えているからだなと思いました。それだけバンドの絆が深いってことなんだなと思いましたね」と近藤さんにとっては仲間からの何よりも嬉しい言葉が!近藤さんはこの日、本作を半年ぶりに観たそうだが「最後のライヴのシーンはすごいリアルで、昔を思い出しました」と感慨深げに語った。なお、こちらの試写会の様子は4月24日(土)の「風とロック」(25:30〜)にて放送され、月刊「風とロック」にも掲載される予定。加えて、サンボマスターにとって5枚目となる4月21日(水)発売のアルバム「きみのためにつよくなりたい」のジャケットのイラストを、『ソラニン』の原作漫画の作者・浅野いにおが描き下ろすことに。女性がサンボマスターの3人を優しく見つめるというこちらのジャケットも大いに話題を呼びそうだ。『ソラニン』は全国にて公開中。「風とロック」公式サイトシネマカフェSweet「『ソラニン』 素晴らしきマンガワールド特集」■関連作品:ソラニン 2010年4月3日より全国にて公開© 2010浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会写真:太田好治■関連記事:映画化を望む漫画ランキング!1位に「スラムダンク」&「天使なんかじゃない」あのシーンも原作の種田そのまま!『ソラニン』高良健吾の落書き顔公開宮崎あおい、桐谷健太の細かいネタに“グッときた!”『ソラニン』三木孝浩監督動画インタビュー!宮崎あおいが監督に漏らした思いとは?芽衣子は理想の恋人?あなたの青春恋愛ソングは?『ソラニン』アンケート結果発表
2010年04月15日ポン・ジュノ、キム・ギドクなど鬼才と称される、類まれなる才能を多く輩出している韓国映画界からまた、才能あふれる監督が誕生し、世界で喝采を浴びている。これまで国内インディペンデント映画を中心に、俳優として活躍してきたヤン・イクチュン。「すべてを吐き出したかった」という理由で、初長編監督作『息もできない』で製作から主演まで1人5役をこなしてみせた。一体、その“すべて”にはどんな想いがあったのか?話を聞いた。本作の主人公は、かつて家庭内暴力をふるっていた父親に憎しみを抱いてきた取立て屋のサンフン(ヤン・イクチュン)と、母親を失い心の傷を抱える女子高生・ヨニ。“家族”のしがらみの中で生きる2人の魂の求め合いが描かれる。「いまから私が答えることは、私自身この映画を観て、理解したことが大部分だと思います」と前置きし、監督は本作を通じて描いた“家族”について語る。「自分の家族に対する悩みというのは“暴力”なのですが、家庭の中でなぜ一人が殴り、一人が殴られてという関係があるのか、子供の私には理解できなかったですし、それは夫婦の問題にとどまらず、家族全体にも影響を及ぼしますよね。家族のトラブルは、もちろんその深刻さに差異はあるものの、抱えている方が多いと思いますし、100%幸せな家庭で育った人は少ないと思います。また、韓国では、父母や祖父母の世代が社会的に非常に困難な時代、戦争やその弊害が残る状況の中で生きてきて、なかなか子供を手放したくないという風潮があり、子供が家族から精神的に独立するのが遅い。それは、父母の子供に対する愛でもありますが、同時に執着でもあると思うんです。家族から精神的に独立したいと、私も思っていましたし、実際に私が家を出て生活を始めて9年になりますが、精神的に父母から離れて独立することができたのは、ここ3、4年くらいのことです。ちょうど、この映画を作っている時期と重なるんですね」。自身が直面してきた問題と向き合いながら、同時に、その裏にある韓国の社会的背景を冷静に、客観的に見つめるヤン監督。本作に対する母国、そして家族の反応はどんなものだったのか?「父母世代の方は悪く受け取ってもおかしくはないのですが、実際に上映後に私に握手を求めてきてくれたのは、同世代よりも父母世代の方が多かったんです。映画の中で暴力シーンなどもありますが、それは父親が悪人だから暴力をふるうというふうには描いてないですし、あくまで歴史的、社会的な構造の中で追い詰められていることを描いてます。自分の父親もこの映画を観ましたが、恥ずかしいのもあったと思いますが、まあ頑張れよと言ってもらえましたし、これまで結婚しろとうるさかったのが、結婚はしたくなったらすればいいと言うようになったり(笑)。私自身、心がすごく健康になって、髪を伸ばしてみたり。もっと頻繁に電話するようにもなりましたね」。映画を通じて自身に芽生えた変化について、続けてこう語る。「劇中にサンフンが『お前、何グズグズしてるんだ?いつまでもグズグズしてたら周囲に被害が及ぶぞ』と(手下の)ヨンジェに言って殴るシーンがありますが、それはまさしく自分に言いたかったこと。自分は、選び取れずにこのままでいいのか?とずっと悩んできたことをサンフンの言葉を借りて問いかけてみたんです。そして、この映画を通じていま、他人に迷惑をかけない範囲の中で自分のやりたいことはできるし、自分自身を大事にしながらそれをやっていいんだと感じました」。熱い思いを語りながら、やんちゃな少年のような笑顔を時折見せる監督の姿は、もちろん怒りに満ち満ちたサンフンとは別人!現場では、監督と俳優、2人の切り替えは困難ではなかったのだろうか…?「あまり準備をしすぎるとキャラクターの生き生きしたものが失われてしまうので、台詞は忘れてしまわない程度におおまかに覚えて、少しぐらい忘れてしまってもいい。その代わり個々のシーンでの感情さえ掴んでいれば大丈夫というスタイルで臨んでます。だからアクションという声が掛かる前と後のテンションの切り替えもスムーズにできましたし、身体的には暴れる場面や殴る場面はしんどかったですが、精神的には苦労はしませんでした。これは僕の考えですが、90%は演技に没入しても残りの10%は理性は、カメラの外においておく。それは常に頭の中においていますね」。ちなみに、次回作については「全く予定がない」と、本作での燃焼した分の骨休みをしている様子のヤン監督。韓国の新鋭監督の今後の活躍に期待したい。■関連作品:息もできない 2010年3月20日よりシネマライズほか全国にて順次公開■関連記事:息苦しいまでの純愛ラブストーリー『息もできない』試写会に10組20名様ご招待崔洋一も唸る韓国の新鋭のデビュー作にしてフィルメックス大賞作『息もできない』
2010年03月23日映画プロデューサーの角川春樹氏が11月14日(土)、東京・丸の内TOEI1で行われた自身12年ぶりの監督作となる映画『笑う警官』の初日舞台挨拶で“次回作”について明かした。同作は、作家・佐々木譲氏による北海道警を舞台にした人気小説シリーズ第1作の同名作の映画化で、2002年に起きた北海道警による組織ぐるみの汚職事件をヒントに道警内部の闇に迫る物語。メジャー作品では『REX』以来15年ぶりにメガホンを取り、製作総指揮・脚本も兼任した角川監督は「クランクインの4週間ほど前に急に監督をすることになり、大丈夫かと思いましたが、一気呵成に作り上げたエネルギーに満ちた映画です」と自信の弁。司会者から映画のシリーズ化について聞かれると「私が(監督を)やるかどうかは別として、ある監督が『警官の紋章』(同小説シリーズ第3弾)を映画化したいと言っているので来週打ち合わせをします。ある監督というのは崔洋一です。現実になるかわからないので言っていいでしょう」と率直な語り口調で、会場の笑いを誘った。一方で、主演の大森南朋が「監督が時折見せるチャーミングなところに笑わせられました。隠れ煙草をちょいちょいしているんですよね」と“暴露”。ヘビースモーカーで知られる春樹監督は「1日5本と守ってます」と言い切ったが、すかさず大森さんから「守ってないですねー」とさらなる暴露。苦笑いで「現場は緊張感に満ちているので1本吸うと気合が入るんです。健康のこともあり、やむなく5本を守ったつもり」と言い訳し、「スタッフが(私の喫煙に)大反対するので時折、背を向けてそーっと大森の煙草に手をやるんです。するとスタッフがダーっと走ってきて『これは何ですか?』って。中学生みたいでしたね」と恥じらってみせた。隠れ煙草のエピソードを笑って聞いていたヒロインの松雪泰子も「チャーミングな監督に癒されていました」とハルキ組の現場を楽しげにふり返っていた。『笑う警官』は全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:笑う警官 2009年11月14日より全国にて公開© 2009『笑う警官』製作委員会■関連記事:大人な秘密の恋をしてみたい俳優、第1位は大森南朋! デップ&ブラピに競り勝つ大森南朋『笑う警官』インタビュー「先のことはイメージしない」自然体な魅力角川春樹、『笑う警官』宣伝のために自ら時計に変身して時をかける…というか刻む【TIFFレポート】大森南朋、原作者の「かっこよすぎる」という称賛に複雑な気分大森南朋「監督と一緒に、人間ドラマをしっかり作った」『笑う警官』舞台挨拶
2009年11月14日映画『ゼブラーマン2ゼブラシティの逆襲』のクランクイン会見が19日(月)、東京・赤坂プリンスホテルの五色の間で行われ、主演の哀川翔が「死に物狂いでやります」と完全燃焼宣言した。主演・哀川さん、脚本・宮藤官九郎、三池崇史監督によるシマウマヒーロー、ゼブラーマンの活躍を描くアクションで、哀川さんの主演100作目記念作として製作された2004年公開の前作に続く6年ぶりの続編となる本作。今月24日(土)のクランクインを目前に、哀川さんは「みなさん、親戚でもないのに多数集まってくださりありがとうございます。撮影は始まってないですが、ピークを迎えています。このエネルギーをそのままぶつけて死ぬ気でがんばります」と発奮。ビデオレターで“出席”した宮藤さんから「3がやりたくないからじゃなく、ちゃんときれいに終わらせてほしい。ケガをしないでがんばってください」などと飄々とした調子でメッセージが送られると、三池監督は「すごい脚本を書いてきた。いいなぁ、脚本家って。書いて『ケガしないように』って無理ですよ」と苦笑いし、結末について「納得するか、怒るか、『なるほど』と思うか『バカヤロー』と思うかですね」とパワーアップした過激ぶりを解説。哀川さんは「前回は両足が肉離れになってしまったけど、改善法はいろいろあるし、50歳までもうちょっとですが大丈夫、死に物狂いでやりますよ」と意気込んだ。会見には、新加入の若手キャスト3人も出席。悪のヒロイン、ゼブラクイーンを演じる仲里依紗は「昨日、二十歳になり、なって早々に真っ黒(な役柄)にならないといけないので大丈夫かな?と思いますが、染まっちゃおうと思っています」。衣裳について司会者から、同じく三池監督の手による『ヤッターマン』のドロンジョ以上にセクシー? と質問が飛ぶと三池監督が「理想は“何も身に付けない”ですが、それじゃ公開できないので、じゃあこれぐらい付けとくか、みたいな」。役柄についても「日本映画史上最悪の女ですね」とドロンジョ越えを予告。仲さんは「最悪にならないといけないんですね。緊張しますが、がんばります」と笑顔。さらに、本作のために真っ白に染めた哀川さんのヘアについて感想を求められると「今日初めて哀川さんにお会いしましたが『王子様だ!』と思いました。光ってました。『かっこいいー!』って思っちゃって(笑)」と目をハートにしてみせた。さらにゼブラクイーンの側近・新実(にいみ)を演じる阿部力も「アクション作品に対応できるよう前からムエタイジムに通っていますが、今回、日本刀を初めて使います。いままで優しい感じの役ばかりでしたが今回は悪役ですし、気持ちよくバッサバッサと斬りたいと思います」と新境地にやる気十分。哀川さん扮する主人公が過ごすことになる、あるコミューンのリーダーを演じる井上正大は「前作を観させてもらい、最初は『こんなヒーロー、嫌だな…』と思いましたが、最終的にものすごいかっこいいと思って、哀川さんが僕の中のヒーローになりました」とこのシリーズにホレボレ。だが哀川さんからは「最初は嫌だなと思ったんだ…。俺もやだなと思ったよ」と軽く突っ込まれていた。哀川さんと三池監督は終始、軽妙なトークを展開。冒頭から三池監督は「そろそろ日本アカデミー賞でももらって文化人っぽくなって、過酷な現場から足を洗って…“目指せ崔洋一さん”ということで(笑)」と挨拶し、関係者、取材陣を爆笑させていた。『ゼブラーマン2ゼブラシティの逆襲』は2010年5月1日より全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ゼブラーマン2ゼブラシティの逆襲 2010年GW、全国にて公開
2009年10月19日白土三平の伝説的漫画を実写映画化したアクション大作『カムイ外伝』。10月15日(木)、本作の大ヒットを記念して、崔洋一監督と主演の松山ケンイチ、共演の森山開次、坂口征夫による舞台挨拶が行われた。コンテンポラリー・ダンサーとして世界で活躍する森山さんと、総合格闘家として活躍する坂口さん。崔監督が“男祭り”と呼ぶこの顔ぶれでの舞台挨拶はこれが初めてだったが、さっそく灼熱の沖縄での撮影話に花が咲いた。特に、坂口さんのまっすぐで天然な素顔を、監督も松山さんも話したくてしょうがない様子。劇中の“サメ殺し”のシーンでは、「坂口さんが(サメと見立てた)サンドバッグと一生懸命格闘しているのを見て、どうリアクションしていいか分からなかった…」と松山さん。崔監督は、「蹴りを入れられたら死にそうと思ってたが、心の熱いストロングマンだった」と称賛を浴びせた。一方、森山さんが劇中で見せている見事な舞いは、実はほとんど即席によるものだったそうだが、本人は「カムイに因んだ『忍』の文字を表現した。撮影を忘れて楽しんで踊れた」と充実した表情でコメント。松山さんも「ただ呆然とするだけだった」と圧倒されたその舞いを壇上で披露すると、盛大な拍手が沸き起こった。これに触発されてか、松山さんも負けじと坂口さんと一緒に我流の「忍」の舞いを披露すると、ファンは歓声を上げ、監督は「カムイブラザーズの結成!」とご満悦の表情を見せた。さらに、監督はこのたび本作がドバイ国際映画祭とロッテルダム国際映画祭への正式出品が決定したことを発表。先日上映されたトロント国際映画祭では、松山さんは「会場が一つになって映画を楽しんでいて、自分も楽しめた」と明かしたが、今後の各国での反応はいかに?新たな門出を前に、あらためて「薄れることなくずっと残っていく、とても特別な映画」と観客にアピールした。『カムイ外伝』は丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開中。■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:松ケン、意味深コメントと公私充実の笑顔『カムイ外伝』初日松ケン&小雪、熱愛コメントはなくも類似メッセージを呼びかけ【どちらを観る?】愛か自由か?松ケン『カムイ外伝』VS小栗旬『TAJOMARU』松山ケンイチ『カムイ外伝』インタビュー 孤高のヒーロー誕生の陰にあった挫折、恐怖ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!
2009年10月16日俳優の松山ケンイチが19日、東京・丸の内ピカデリー1で主演映画『カムイ外伝』の初日舞台挨拶を行い、「僕にとって重要な、必要な作品になりました」と充実の笑顔を見せた。本作を通じて知り合ったヒロイン役の小雪との熱愛が今年4月から報じられ、それに関して直接的なコメントはしていないものの、「重要な作品になった」とこれまでの本作のイベントで繰り返し言い、この日も「僕にとって重要な、必要な作品になりました」と意味深に言葉に力を込めた。さらに司会者から原作者の漫画家、白土三平氏が「生身のカムイを見たよう」と松山さんを評したコメントが紹介されると、「一番のほめ言葉です。僕がケガをして撮影を半年間中断させてしまったので、この日を迎えられて本当に嬉しい」と照れくさそうな笑顔を浮かべ、公私の(?)充実ぶりをうかがわせた。松山さんとの間に、共演の伊藤英明を挟んで立つ形となった小雪さんは、初のアクション挑戦をふり返り「右も左もわからず、ただただスタッフのみなさんのお力を借りてやらせていただいた。年を重ねてできないことにチャレンジして、克服するのは感慨深いものがあります。いい経験になりました」と満足げ。だが、司会者から今後もアクションに挑む?と聞かれると「楽しかったけど、考えながらやらせていただきます」と苦笑いだった。2人とは対照的に、伊藤さんは「僕はぶっちゃけ大変じゃなかった。松山くんは心身ともに大変そうでしたが僕は大変そうな顔をしていました。沖縄のおいしい料理とお酒を毎晩いただいて、撮影は充実していました」と飄々とした調子。壮絶なアクションシーンについての質問にも「沖縄の砂浜で撮ったんですが、いや暑かった。でも撮り終えないと崔さん(洋一監督)に殺されると思い、恐怖と闘いながらやりました」と冗談交じりに崔監督の鬼采配ぶりを吐露。それを裏付けるように、崔監督と初タッグとなった佐藤浩市も、「現場で監督の怒鳴り声が聞こえない日はないという、うわさにたがわない温厚で柔和な方でした」とユーモアたっぷりに“証言”。小林薫も「撮影で使った魚は本物で、スズキを200匹鹿児島から空輸したんですが、そのスズキさんに怒鳴っていました。『演技しろ!さっきはできていたじゃないか!』って。初めて見ましたね」と悪ノリ。崔監督は「言ってません」と釈明しながら、前日にカナダ・トロント映画祭から帰国したばかりとあって、本作が特別上映された様子を「カムイの術のところで場内が割れた。笑いとどよめきで。カナダ人はどういう人たちなんだろうと思った」と観客の反応の良さを面白おかしく報告。松山さんと2度目の共演となった大後寿々花は「今回の松山さんの顔つきが前と全然違いました」と現場の緊張感を伝えていた。松山さんと崔監督はこの日から23日まで全国27か所、31回の舞台あいさつ行脚をスタートさせた。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:松ケン&小雪、熱愛コメントはなくも類似メッセージを呼びかけ【どちらを観る?】愛か自由か?松ケン『カムイ外伝』VS小栗旬『TAJOMARU』松山ケンイチ『カムイ外伝』インタビュー 孤高のヒーロー誕生の陰にあった挫折、恐怖ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松山ケンイチ、忍術で壁渡りも何のその?崔洋一「カムイは彼しかいない!」
2009年09月19日映画『カムイ外伝』のプレミアイベントが13日(日)、東京・新宿区内で行われ、熱愛が報じられている主演の松山ケンイチとヒロインの小雪が揃って姿を見せ、ファン約5,000人の熱視線を浴びた。今年4月に週刊誌でデートをキャッチされて以降、何度か熱愛を報じられ、5月に行われた同作の製作報告会見に続いて公の場に揃って出席するのは2度目。だが、ツーショットや熱愛に関するコメントはなかった。19日(土)の初日を目前に控えたイベントで、この日開催された今年スタートの映画祭「シネ・フェスタ新宿」の第1回作品に同作が選出されたことから、史上初の試みで同区内のメインストリート、新宿通りに全長70メートルのレッドカーペットが敷かれた。松山さんらキャスト陣と崔洋一監督は、カーペットの両脇に集結した観客が求める握手やサインに応じるなどのファンサービス。松山さんは「1か月間訓練して1か月半で撮るような映画が多いですが、今回は撮影前に1年間、アクションの訓練をして、約1年間かけて撮影しました。すごく稀なことです。説得力のある動き、キャラクターになっていると思います。40数年前の原作の映画ですが、いま必要だから生まれたもの。みなさんにとって必要であったということになれば幸せです」と凛々しさを増した表情。真っ赤なワンピースをスレンダーなボディでしっとり着こなした小雪さんも「アクションもそうですが、初めての挑戦がたくさんあった作品で、自分の中で苦しい思いもしましたが、いま、ふり返ると人生の中でいろいろ勉強になる点がありました。普段生きていく中や生活する上で何か指針になるような感じ方をしてもらえたら嬉しい」。揃って真摯なメッセージを呼びかけた。特設ステージからの退場時、小雪さんに続き松山さんが去ろうとして、2人がこの日もっとも接近する場面が。だが崔監督が松山さんの手首をつかんで足を止めさせて“ツーショット”を阻止。松山さんと2人でバンザイポーズを取り、再度観客に向かって感謝の気持ちを示した。自身、青春時代を過ごし、自作の舞台にするなど新宿と縁の深い崔監督は「私にとって大変意味を持つ場所です」と感慨深い表情を見せながら「カムイとカムイを取り巻く人々のドラマは、何かいまの我々の胸を打つものがあると思う」と思い入れたっぷりに語った。一方、主題歌「Alive」を歌う歌手の倖田來未も胸元露わなセクシードレスで来場し、「新宿には買い物でよく来ますが、今日は全然違う雰囲気。日本でもハリウッド(のプレミアイベント)のようなことができるんだなと思いました」と興奮しきり。香港のスター俳優、イーキン・チェンも松山さんとは別の年齢層の黄色い大歓声を浴び、「日本の作品には初参加しました。手裏剣や剣術の特訓を受けて臨みました、その辺りを観て」と甘いイーキン・スマイルを振り舞いていた。本作は、漫画家、白土三平氏の代表作を原作に、忍者の掟を破り組織を追われた抜忍・カムイが生死を分かつ闘いを繰り広げながらも生き抜こうとする姿を描く時代劇。9月19日(土)より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:【どちらを観る?】愛か自由か?松ケン『カムイ外伝』VS小栗旬『TAJOMARU』松山ケンイチ『カムイ外伝』インタビュー 孤高のヒーロー誕生の陰にあった挫折、恐怖ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松山ケンイチ、忍術で壁渡りも何のその?崔洋一「カムイは彼しかいない!」松ケン×クドカン登場!『カムイ外伝』完成披露試写会に50組100名様ご招待
2009年09月14日いま、時代劇映画のヒーローに熱い視線が注がれている。日本映画界を牽引する若手実力派、松山ケンイチと小栗旬がそれぞれ主演を張る『カムイ外伝』と『TAJOMARU』だ。伝説のコミックと言われる白土三平の漫画が原作の『カムイ外伝』は、忍者の掟を破り組織から追われる抜け忍の“カムイ”が、追忍に執拗に追われながらもたった独りで生き抜く姿を描いたアクション・エンターテイメント。「カムイ役はこの男しかいない」という崔洋一監督のラブ・コールに、松山ケンイチは「日本人に生まれたからにはできるだけ時代劇に出たい」と応え、初めて激しいアクションに挑んだ。日本の忍者の存在は世界中でも広く知られ、数多くの漫画、アニメ、実写で描かれてきたキャラクターではあるが、この『カムイ外伝』がこれまで描かれてきた忍者と一線を画するのは、リアルな忍者であること。人並み外れた身体能力や必殺技を持っているものの、リアルさからかけ離れていないからこその面白さがある。それを成し得たのは『血と骨』や『クイール』で知られる崔監督の演出と宮藤官九郎による脚本の力も大きい。ただ、ドラマティックなストーリーを期待して間違いないこの2人がタッグを組んでいるだけに、VFX(視覚効果)があと一歩という欠点が浮き彫りに…。が、そこは大目に見て、非の打ち所のない松山ケンイチの忍者を堪能してほしい。生きることとは何かを深く追求した『カムイ外伝』に対して、『TAJOMARU』は愛のためにすべてを懸けた男の物語だ。『クローズ ZERO』で男も惚れる男としてその存在感を焼き付けた小栗旬が、今回は愛する女性のために地位も名誉も名前も捨て命を懸ける男・多襄丸を熱く演じている。多襄丸とは黒澤明監督作『羅生門』の原作として知られる芥川龍之介の短編小説「藪の中」に登場する人物で、本作は多襄丸を主役に据えた完全オリジナル・ストーリーとなっている。何不自由ない家柄に生まれた男が大盗賊・多襄丸として生きることを選ぶのだが、その背景には、血肉を分けた兄、弟のようにかわいがってきた家臣、そして心底愛した女性の裏切りがあった…。その不幸度とどんでん返しは上質なメロドラマといったところ。というわけで、小栗旬は泣いて泣いて泣きまくり!自他共に認める役者馬鹿ゆえに、感情高ぶる泣きのシーンごとに女性は多4.丸に惚れること必至。また、監督が中野裕之という点では、映像美やロック感も見どころだ。男性的にはもう少しアクション・シーンがあった方が…という懸念がなきにしもあらずだが、最終的に小栗旬の名演技にノックアウトされるので安心を。自由を求めた男・カムイと、愛を求めた男・多襄丸。あなたが今求めているヒーローはどっち?(text:Rie Shintani)■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会TAJOMARU 2009年9月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2009「TAJOMARU」製作委員会■関連記事:松山ケンイチ『カムイ外伝』インタビュー 孤高のヒーロー誕生の陰にあった挫折、恐怖『TAJOMARU』小栗旬「女の人の気持ち?一生わかんないと思うな…(笑)」「何があってもおれがお前を幸せにする!」小栗旬『TAJOMARU』本編映像が到着ショーケン、東大で復活の怪気炎!“東大特別講師”小栗旬が考えるリーダー像とは?ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!
2009年09月11日しばしの沈黙。言葉を探しながらゆっくり、ゆっくりと答えが返ってくる。インタビューの最中に何度となく見せたそんな様子からも、彼がいかに強い思いで『カムイ外伝』に臨んだかが伝わってくる。そして決して簡単な役ではなかったことも――。ひとたび見たら忘れられない個性的な役柄を演じ続ける松山ケンイチ。特筆すべきは漫画、小説などを原作とする作品への出演の多さ。原作を持つ作品の宿命として、常に映画化そのものや、配役を疑問視する声にさらされながら、彼は己の演技でそうした声に対して答えを出し続け、映画の公開後には批判を称賛へと変えてきた。本作で演じたのは、白土三平が生んだ漫画史に残るヒーロー。いかにして彼はカムイへと“変身”を遂げたのか?闘う“70年代”に魅力「実は、いまの時代にあまりない題材だと思う」松山さん自身が感じたこの作品の魅力を尋ねると、原作が発表された“70年代”という時代をキーワードとして挙げてくれた。「70年代前半って、僕は生まれてもいないんですが、この頃の作品って“闘うこと”を題材にしたものが多い気がするんです。それは、実はいまの時代にはあまりないものだと思うし、これまで自分の中になかった価値観に触れて、すごく新鮮な気持ちになりました」。では、映画への出演を決める上で大切にしていることは?そんな質問を「仕事を選ぶほどはオファーはないですよ(笑)」とかわしつつ、何者かを“演じる”ことの面白さをこう表現する。「そのキャラクターが、自分にはないものや理解できない部分を持っていると、演じてみたくなりますね。逆に、絶対に自分にしか出来ないようなキャラクターにしたいという思いもあります。そうやって、常に挑戦しながらキャラクターを作り上げていくということを、どこかで意識しているのかもしれません」。このあたりに、原作に負けないキャラクターを作り上げていく秘密がありそうだ。だが、今回のカムイという役に関してはこれまでに演じてきた役とは勝手が違った。「これまでは、自分がそのキャラクターであるということを100%信頼して演じていました。でも、今回に関しては明らかに違う気持ちで生きているキャラクターで、時代も異なる。自分と似ている部分が全くなくて、“向き合う”ということが出来なかった。常にどこか疑心暗鬼になっていて…撮影中に挫折感や『この役を演じ続けることはできないんじゃないか?』という恐怖を感じたのも初めてのことでした」。ケガの功名?カムイと同じく“追い詰められた”精神状態加えて、撮影現場でケガを負ったという事実も、重圧となって松山さんを苦しめた。「肉体的にももちろんですが、もう二度とケガで撮影を中断させるわけにはいかない、という変な精神状態で。カムイと似ている部分が全くないって思っていましたが、“追い詰められる”という意味では同じでしたね。逆に、なろうと思ってもなかなかそんな精神状態になれるわけでもないので……それが良いのか悪いのかわからないですけど(苦笑)」。それでは、クランクアップの瞬間はさぞかしホッとしただろうと思いきや、「そういう気持ちもあんまりなくて。自分がカムイを演じてどうだったんだろう?って思いがいまだに続いてますね」。そこが松山さんらしいと言えばそうなのだが…。最後に、松山さん自身が好きなシーンを聞いてみた。例によってしばらく沈黙を置いて出した答えは、激しいアクションの場面ではなく、意外なシーン。「やはりこの作品は、アクションだけでなく人間ドラマがすごくしっかりしてるんです。すごく悲しい人間ドラマですけど。(小雪さん演じる)スガルとのシーンで『おれは(刺客の)追忍ではなく、抜け忍だ』って正直に打ち明けるんですが、スガルは『いや、お前は追忍だ』と拒否する。そこはカムイの不器用さと忍びの世界の厳しさ、社会の厳しさが感じられる良いシーンだな、と脚本を読んだときから思ってました」。10月公開の『カイジ 〜人生逆転ゲーム〜』、そして来年は『ノルウェイの森』と本作と同じく原作モノの公開が控えるが、本作を観れば「この役を松山ケンイチに!」という監督たちの思いが理解できるはずだ。(photo:HIRAROCK)■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:【どちらを観る?】愛か自由か?松ケン『カムイ外伝』VS小栗旬『TAJOMARU』ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松山ケンイチ、忍術で壁渡りも何のその?崔洋一「カムイは彼しかいない!」松ケン×クドカン登場!『カムイ外伝』完成披露試写会に50組100名様ご招待倖田來未「新しい自分に挑戦したい」『カムイ外伝』で日本語オペラを歌う!
2009年09月11日映画を大スクリーンで観ていて、また、お家のテレビで観ていて、「この女優さんは肌がきれいだな」とうっとりとしたことありませんか?反対に、雑誌などでは気づかなかったけれど、「この人、かなり肌が荒れているな…」とちょっとがっかりすることもしばしば。映画やテレビでのどアップに耐えられないなんて女優としてはけっこう深刻。最近では、エンタメ業界に進化したデジタル技術が導入されているので、特に大問題となっているのです。確かに、いまやハイビジョン時代。美しいものもそうでないものもありのままに映し出してしまうのです。こうなると、エステやコスメ、デジタル技術によるリタッチの出番。最も手頃で手っ取り早いのはコスメでしょう。実は先日、新しい化粧品の発表会で、秘密兵器を見つけました!美肌が美人の条件のひとつになっている日本で、プロたちから熱い支持を受けているKoh Gen Doの新製品「マイファンスィーモイスチャーファンデーション」。赤いチューブが目印です。1989年の発売以来、過酷な環境でも女優の肌を美しく保つことでエンタメ業界のメイクに改革をもたらしたこのファンデ。ロングセラーとなっているものの、今年9月1日には待望の進化バージョンが、次世代ハイビジョンにも対応する“3Dリアルスキンファンデーション”として世界同時発売されるのです。進化のポイントは、Koh Gen Doが掲げる「これからの映像メイクに求められるものは、美しいメイクではなく、もはや『美しい素肌』」という発想に基づいています。より鮮明に、より立体的に対象物に迫り、リアルな映像を映し出すハイビジョン時代に必須のコスメというわけですね。実際に使ってみると…凄いです。濃厚なクリームが、肌に乗せると伸びの良いライトテクスチャーなリキッドに変化。ぴったりと肌になじむので、超薄付き。でも、塗っているのに、本当についているのか不思議なくらい肌に負担がないのです。カバー力のあるファンデにありがちな、ほってりとした重み、しっかりと肌に張りつくがゆえの窮屈な不快感などは全くなし。でも、鏡を見れば、ファンデが威力を発揮しているのは明らか。肌のでこぼこやしみ、そばかすなどがしっかり隠れているのです。それでいて、素肌感はそのまま。もちろん、すっぴんでいるより数段に美しく、つけているのを忘れるほどに窮屈さは皆無。そして、これが長時間続くのです。さらには、時間が経つほどに肌なじみが加速し、落ち着きが良くなります。普通は、時間の経過と共に崩れるのがメイクの常識。ところが、10時間以上のメイクでも乾燥しないという厳しい基準を課しているというから驚きです。とにかくいくつもの画期的な製法を駆使して誕生したこのファンデ。美肌に見えるだけでなく、つけ続けるほどに美肌そのものに近づいてきたような。肌の調子もなんだか良くなってきているようです。これほどまでに優秀なKoh Gen Doのコスメ。これまでに200本を超える映画や舞台への化粧品タイアップをしてきたのが何よりの品質保証。なぜかって?女優たちは天候の不安定なロケ現場や、強いライトや空調の効いたスタジオや劇場で、熱、乾燥、湿気、汗、脂などと長時間闘い、過酷な肌環境にさらされています。それなのに、美しさを保つことを要求されている女優たちを支え続け、支持されているのですから、そのパワーはいかほどかというものでしょう?PR担当者に伺うと、「実は、弊社の歴史は、映像業界と切っても切り離せないものでして、20年前、日本で初めてハイビジョン対応ファンデーションを発売できたのも、創業当時から、TV・映画業界やヘアメイクさんとの関係があったからなのです。特に映画の世界では、撮影が長期に渡るため、役者が良い肌コンディションを保つことが困難ということと、映画もハイビジョンカメラで撮影することが当たり前の時代になってしまったため、おかげさまで、弊社の化粧品を採用してくださる役者・俳優・監督・プロデューサーが非常に増えております」とのこと。確かに、日本映画での使用頻度は頻繁。エンドロールを見ていると、協力企業のリストの中に、Koh Gen Doの名前を見つけるのは決して難しいことではありません。今後の公開作品としては、・『ちゃんと伝える』(8月22日公開/配給:ギャガ・コミュニケーションズ)・『カムイ外伝』(9月19日公開/配給:松竹)・『白夜』(9月19日公開/配給:ギャガ・コミュニケーションズ)・『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』(10月10日公開/配給:東宝)・『沈まぬ太陽』(10月24日公開/配給:東宝)・『サイドウェイズ』(10月31日公開/配給:20世紀フォックス映画)など、多くの作品が。先日『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』を観たのですが、主演の松たか子さんはスクリーンの中でも美肌でした。その後、松さんにインタビューをしたのですが、彼女自身もお肌つるつる。繰り返しメイクをオン&オフする過酷な毎日のはずなのに、これほど美肌なのは、もしや彼女も愛用者なのかしらと思ったのでした。映画のクローズアップばりに近づかれても、堂々としていられる肌を目指すなら、一度手にとってみて損はないと思いますよ。■Koh Gen Do公式サイト:■Koh Gen Doが化粧品提供している映画の情報(一部)はこちら:■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送ちゃんと伝える 2009年8月22日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 「ちゃんと伝える」製作委員会カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会白夜 2009年9月19日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 「白夜」製作委員会沈まぬ太陽 2009年10月24日より全国東宝系にて公開© 2009 「沈まぬ太陽」製作委員会サイドウェイズ 2009年10月31日より全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox Film Corporation and Fuji Television Network, Inc.■関連記事:AKIRA、男泣きを告白映画初主演作で「バケツ一杯分くらい泣いた」眞木大輔&吉瀬美智子登壇!『白夜』完成披露試写会に10組20名様をご招待松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!鬼才・園子温監督最新作『ちゃんと伝える』試写会に25組50名様をご招待松山ケンイチ、忍術で壁渡りも何のその?崔洋一「カムイは彼しかいない!」
2009年08月20日忍者の掟を破り、抜忍という過酷な運命を自ら選んだ男、カムイ。白土三平による傑作漫画「カムイ外伝」で描かれたこの伝説のヒーローが、名匠・崔洋一といまをときめくヒットメイカー・宮藤官九郎のタッグにより、遂に実写映画化された。9月の公開に先駆けて、7月22日(水)、本作の完成披露試写会が開催され、上映前に主演の松山ケンイチ、宮藤さん、そして崔監督の3人が登壇、トークを繰り広げた。一昨年の11月にクランクインしてから約1年、紆余曲折の撮影を経て、先月ようやく完成を遂げた本作。崔監督は、長い制作期間を「『カムイ外伝』という映画の宿命から、天は我々に時間というものを与えてくれた」とふり返る。今回、宮藤さんを脚本に起用した理由を尋ねると「宮藤官九郎の持つ異端のエッジが好きで、それを掛け合わせることによる化学反応が力になると確信。それで強烈にお願いしました」と語った。さらに、カムイ役をやれるのは「松山ケンイチしかいない」と断言する監督。「松山ケンイチがこの作品に参加してくれなかったら『カムイ外伝』はやめるつもりだった」と、惚れこみようを明かした。これに対し、松山さんは「崔監督は、僕の周りではすごく怖がられてた存在でビビッてたんですが、最初の衣裳合わせのときに『じゃ、ケンちゃんこれ着てみて』と言われて(笑)。そのときから安心して、一番心を預けられる存在になりました」と巨匠との仕事をふり返った。宮藤さんは脚本化にあたり、「カムイ外伝」だけでなく前作の「カムイ伝」まで、膨大の量の原作を読むところからスタートしたとのこと。これまでの作風とは一線を画す超大作に挑んだことについて、「いままでやってきた作品の流れとは明らかに違うので、最初はなかなか掴めなくて苦労しましたが、それは自分でも望んでた部分でもあって、とにかくいろいろ(脚本を)書き直しました」と苦労も滲ませた。本作りをふり返り、「生きるために殺るという、カムイの生きることに対する執着が新鮮で、その答えを探すための本作りでした」と語った。松山さんも初の本格アクションに向けて、約1年かけてトレーニングを行ったが、その完成度は崔監督曰く「助走つければ、壁を横走りできますよ。全然忍者じゃん、役者辞めてもいけるくらいにかっこいいです」とのこと。宮藤さんからも「“あ、カムイだ”と。子供から大人に変わったときのカムイのゴツゴツした感じに近くて、(出演に)大賛成でした」と絶賛を受け、照れくさそうな表情を浮かべた。さらに、原作者の白土さん本人にも「本物だ」と言わしめたという松山さん。「出来上がったキャラクターと向き合っていくのに、気持ち的に不安定になることもありましたが、最後に白土先生にそう言ってもらえて、やらせてもらって良かったと心から思った」と当時の感動を明かした。そして、崔監督から「ケンイチの完全無欠なスーパーマンでない、これからのヒーローとしてのカムイ像をしっかりと見届けていただきたい。本当に、松山ケンイチはカムイです、カムイが松山ケンイチです」とダメ押しのメッセージが贈られ、最後には、達成感に満ちた笑顔で3人そろって万歳ポーズでイベントを締めくくった。『カムイ外伝』は9月19日(土)より全国にて公開。■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:松ケン×クドカン登場!『カムイ外伝』完成披露試写会に50組100名様ご招待倖田來未「新しい自分に挑戦したい」『カムイ外伝』で日本語オペラを歌う!松ケン、小雪の支えも得て過酷な忍者アクションを克服「自身で最高の演技が出来た」
2009年07月23日白土三平の伝説的漫画を原作に、人気沸騰中の松山ケンイチほか豪華キャストで贈る、アクション・エンターテイメント大作『カムイ外伝』が9月19日(土)より公開となる。鬼才・崔洋一(監督)と宮藤官九郎(脚本)のタッグによる待望の実写化ということで、早くから話題を集めている本作だが、このたび、その主題歌に倖田來未の「Alive」が決定した。「Alive」の原曲となるのは、崔監督のお気に入りの一曲、ヘンデルの代表曲として知られるアリア「私を泣かせてください」。岩代太郎の編曲を基に、倖田さんが日本語の歌詞を書き下ろすこととなった。崔監督は、この主題歌について「猛暑の沖縄で深夜に撮影しているとき、ふと『カムイ外伝』にこういう世界がありうるかもしれないと思い、プロデューサーに聴かせたものでした。岩代さんが書き足し、倖田さんが歌ったこの曲は本編とごく自然に連動していて、『カムイ外伝』から離れても、一つの楽曲として美しく成立していると思います」と称賛の声を寄せている。倖田さんにとってクラシックの楽曲に歌詞をつけるのはこれが初めて。「新しい自分に挑戦できればと思い、制作しました。カムイの孤独や悲しみを乗り越える強さを歌詞で表現するのは難しかったですが、監督が映画に込めたお気持ちをメッセージで読ませていただいて、映像を観ながら書き上げました」と新たなる挑戦をふり返る。また、レコーディングはツアー中に行われたそうだが、「一番透き通るようなクリアな声が出るように、3日以上前からのどを使わないように気をつけていました。曲を仕上げるトラックダウンのときにも映画の映像を観ながら、エンディングにふさわしいバランスになるように仕上げました」と曲作りへの情熱を感じさせるコメント。出来上がった曲について「孤独や困難を感じている方に、光を感じてもらえるような曲になれば嬉しいです」と想いを込めた。『カムイ外伝』は9月19日(土)より全国にて公開。■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:松ケン、小雪の支えも得て過酷な忍者アクションを克服「自身で最高の演技が出来た」
2009年06月25日