蒸し暑い夜となった7月下旬のある日。東京都内の歩道橋で、ドラマの撮影が行われていた。階段を駆け上がっていったのは内田有紀(44)だ。何度も上り下りを繰り返す。リハーサルをしているようだ。顔には“新しい撮影様式”ではお決まりとなったフェースシールドをつけている。いよいよ本番に入るのだろう。マネージャーらしき男性が近づいていく。男性は、彼女がはずしたフェースシールドを慣れた様子で受け取った。黒いTシャツにチノパンという“裏方”らしい装いながら、くっきりとした目元でマスクをしていてもわかるイケメンぶり……。彼の正体は、なんと内田の恋人・柏原崇(43)だった。「撮影していたのは今秋放送予定のスペシャルドラマ。別の日にも、内田さんの現場マネージャーのような立場で柏原さんが同行しているんです。現場入りも彼の運転する車で来ています」(ドラマ関係者)俳優であるはずの彼がサポートをしていることに、はじめはスタッフも驚いていたというが……。「ただ、2人の関係性があまりに自然なのでもう慣れたそうです(笑)。柏原さんは腰が低く、かいがいしく彼女の身の回りの世話をしています。俳優の経験があるからこその視点や気づきもあるようで、内田さんも助かっているみたいですね」(前出・ドラマ関係者)2人の恋人関係は10年に及ぶ。「出会いは’95年のCM共演。恋人になったのは’09年末。ツーショットも何度か報道されています」(スポーツ紙記者)冒頭の撮影後は、帰路につく2人を見送るスタッフに対して柏原が何度もお辞儀をし、運転席に乗る直前にも深々一礼。最後まで“マネージャー”そのものだった。「柏原さんは、近年、クリエーターとして映像作品を手がけたりもしています。また中国での人気は根強く、中国最大のSNS・Weibo《微博》ではフォロワー97万人を誇るほど。しかしここ数年、表だった俳優活動はしていません」(テレビ局関係者)一方で内田は、近年、朝ドラや大河ドラマ、『ドクターX』(テレビ朝日系)など引っ張りだこ。現在もドラマ『ディア・ペイシェント』(NHK総合)に出演中だ。多忙を極める彼女を柏原が支える決心をしたのかもしれない。「コロナ禍での撮影は出演者が負担を強いられる場面もあります。気心が知れた彼がそばにいるのは心強いのではないでしょうか」(前出・ドラマ関係者)今後は“公私”ともに――。パートナー関係は長く続きそうだ。「女性自身」2020年8月11日号 掲載
2020年07月28日2012年に発売された女優・川口春奈のファースト写真集『haruna』の電子版写真集が、きょう30日に発売される。ワニブックスでは、創業40周年を記念し、これまでに発売した写真集を電子化した「電子版写真集」を発売。6月30日には、川口春奈のファースト写真集『haruna』の電子版写真集をリリース。同写真集には、当時17歳の初々しさ残る表情が詰め込まれている。さらに7月7日に『haruna2』、7月14日に『haruna3』と続々と電子版リリースが決定している。そのほか、川島なお美 写真集『WOMAN』、中山美穂 写真集『SCENA』、大石恵 写真集『eternal』も、6月30日に電子版写真集として発売される。
2020年06月30日女優の川口春奈が27日、YouTube公式チャンネル「川口春奈オフィシャル はーちゃんねる」に、Nintendo Switchソフト『あつまれ どうぶつの森』の実況動画を投稿。28日現在で20万再生を突破し、「ゲーム動画」の急上昇にもランクインしている。川口は動画の冒頭で、「みなさん、こんにちは。ついに手を出しちゃいました。Switch!」とコントローラーを見せ、「やってしまったよね。そして、『どうぶつの森』が大流行ということで流行りに乗ってみて。本当に何もまだまだ開拓できていないんですけど、私の島をお見せしましょう」と実況プレイをスタートした。まずはマップを公開しながら、「出ましたアムしゃん島!」と島の名前を発表しつつ、「こう見ると何もない……。やっぱりやり込んでいる人のマップはにぎやかになっていると思うんですけど」と吐露。愛犬が「アム」であることから“アムしゃん島”に命名したそうで、「私の名前は“はーちゃん”です」と明かした。その後は図鑑や家の中を公開し、釣り、土掘り、資材集め、住民との交流など気ままな“あつ森ライフ”を楽しんだ川口。コメント欄を通じて、「人生で初めてコントローラーを持ち、ゲームをしました」「まだまだ初心者ですがこれからどんどん島を賑やかにしていきたい」「みんな温かく見守って~」と呼び掛け、「頑張って!」「楽しかったです」「次回期待」「慣れてないところも含めてかわいい」など900件以上の感想が寄せられている。
2020年05月28日ナチュラル処方の新ヘアケアブランドヘアメイクアップアーティスト・高橋有紀氏がプロデュースするナチュラルヘアケアブランド「Laret(ラーレ)」が誕生。2020年4月28日(火)、第一弾アイテム3種が株式会社CureのECサイトにて先行発売されました。人気ヘアメイクがプロデュース幅広い分野で活躍し、多くの女優やモデルのヘアメイクを手がける高橋有紀氏。そんな彼女がこだわったのは、“髪にも肌にもいい”商品作りです。製品の98%以上は天然由来成分。100%芳香精油配合で、アルコールや合成香料、合成着色料、パラベン、シリコン、鉱物油は一切使われていません。プロ発想のオーガニックヘアケアブランドが誕生しました。髪にも肌にも天然の潤いを第一弾として登場したのは、ツヤと束感をプラスする「オーガニックバーム」、しっとりさらさら髪を作る「オーガニックミスト」、そして潤いを閉じ込めダメージをケアする「オーガニッククリーム」の3種類(各税抜1,980円)です。いずれの商品も髪だけで無く身体にも利用可能。自然の力で髪も肌も優しく整えます。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社Cureのプレスリリース※株式会社CureのECサイト
2020年05月02日女優の川口春奈(かわぐち・はるな)さんが、2020年4月19日に自身のYouTubeチャンネル『はーちゃんねる』を更新。英会話レッスンの様子を公開し、多くの反響を呼んでいます。川口春奈が英会話レッスンに挑戦川口春奈さんは2020年3月22日に、『川口、英語喋れるってよ。』と題した動画を公開。動画の題名とは違って川口春奈さんはあまり英語が得意でないといい、「海外旅行で困らない程度の英語力を身に付けたい」と話しています。『川口、英語喋れるってよ。』今回は『川口、英語喋れるってよ。』の第2弾ということで、オンラインで先生から英会話のレクチャーを受けます。オンラインでも川口、英語喋れるってよ。~タクシー編~新型コロナウイルス感染症の影響で外出自粛が求められる中、行われた初のオンライン授業。川口春奈さんは少し緊張した様子を見せましたが、徐々にペースをつかみ英語を習得していきます。途中、日本人が苦手とする『R』の発音を褒められ、嬉しそうな笑顔を見せた川口春奈さん。一方、『V』の発音は苦手なようで、先生から口の形についてアドバイスが。すると、川口春奈さんはオーバーになってしまい、「やりすぎです」と先生を笑わせていました。その後も和気あいあいとした雰囲気で授業が続き、最後は「来週もお願いします」と英語で挨拶。終了後、川口春奈さんは「今後も続けたい」と意欲を見せていました。動画の視聴者は「一緒に授業を受けているような気分だった」と大喜び。また、「この動画が無料なんて信じられない」といった声も寄せられています。・こんなにかわいい子を見ながら英語も学べるなんて!私も始めてみようかな?・必死に覚える春奈ちゃんがかわいい!自分たちも、いい英語の勉強になります。・マジで?この動画が無料なんて…。今の時代に感謝です!次の動画では1人で料理に挑戦するという川口春奈さん。英会話レッスン第3弾も含め、公開が楽しみですね!川口春奈のヘアメイクアーティストとのコラボ動画が大反響!「すっぴん最強」と絶賛の声が続出川口春奈の性格は独特?「ひどい顔」とすっぴん姿を披露彼氏については様々なウワサが…[文・構成/grape編集部]
2020年04月21日新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染拡大を受け、2020年4月7日に東京を含む7都府県を対象に発令された緊急事態宣言。これまで以上に外出自粛の動きが強まり、緊急事態宣言後、渋谷や新宿などの繁華街では閑散とした光景が広がっていました。しかし一部では、いまだに出歩く人もいる様子。俳優の川口春奈さんがInstagramで、自身が目撃した出来事を投稿し、苦言を呈しました。川口春奈、散歩中に目撃した光景飼い犬の散歩や病院、スーパーマーケットでの買い出し以外では、外出を控えているという川口さん。その日、飼い犬の散歩中に通りかかったカフェ店内の光景に、憤りを覚えてしまったといいます。 View this post on Instagram A post shared by 川口春奈 (@haruna_kawaguchi_official) on Apr 9, 2020 at 10:31pm PDTカフェで人がわんさかの中ランチしてる方たちがいてなんだかがっかりしました。どうしてかな。haruna_kawaguchi_officialーより引用コロナウイルスの感染を予防するため、提唱されているのが3つの密。換気の悪い密閉空間、人が密集している場所、そして互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる密接場面は避けるよう呼びかけられています。「がっかりした」と複雑な心境を明かした川口さんの投稿に、共感のコメントが多数寄せられています。・渋谷や新宿とか目立った場所は確かに人がいないけれど、少し外れると今も人がたくさん出歩いている。・何をやってるんだろうって思う。「自分たちは絶対にかからない、かかっていない」っていう謎の自信でもあるのか。・あきれた…。そんな状況じゃ、東京で毎日感染者数が増えるわけだ。投稿文の最後に「今、私にできることはなるべく人に会わないこと。今は我慢して頑張る時」ともつづっていた川口さん。いまだ収束の兆しが見えない中、私たち一人ひとりが足並みをそろえることが、何よりも大切になってきます。数週間後の未来のため、できることから少しずつ、そして責任ある行動を心がけたいものです。[文・構成/grape編集部]
2020年04月12日女優の川口春奈(かわぐち・はるな)さんが、自身のYouTubeチャンネル『はーちゃんねる』を2020年3月29日に更新。『川口春奈のできるまで』と題して、ヘアメイクアーティストの高取篤史さんによるメイク動画を公開しました。川口春奈のメイク動画に「すっぴんがすでにきれい」と反響タレントによるメイク動画は多数公開されていますが、ヘアメイクアーティストによるものは貴重です。川口春奈さんのすっぴんのきれいさもあって、この動画は2020年4月1日現在で200万回近く再生されるほどの大反響となりました。川口春奈のできるまで動画冒頭で川口春奈さんは「しっかりと保湿をすることが大事」とコメントし、それを補足する形で高取篤史さんが家庭でできる簡単な方法を紹介。要所要所で、高取篤史さんがメイクのポイントを教えてくれるのもファンにとっては嬉しいところです。この動画を見た人からは「やっぱりプロってすごい」「目のメイクが決め手なのがよく分かる」といった、プロのテクニックに感心する声が寄せられました。2020年4月からは、スポーツ情報番組『Going! Sports&News』(日本テレビ系)でキャスターに初挑戦する川口春奈さん。持ち前の明るさを活かしたアスリートたちとの掛け合いが楽しみですね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月01日ノゾエ征爾率いる劇団はえぎわ。その番外公演が2月28日(金)に開幕する。公演タイトルは、「はえぎわの番外公演をニッポン放送がプロデュースするよ『お化けの進(すすむ)くん』」。こんなに経緯がわかりやすいタイトルも珍しいのでは?出演はノゾエはじめ、井内ミワク、町田水城ら、はえぎわの一部メンバーとゲスト含め8人。そして今作の最大の特徴は、ノゾエいわく「ミュージカルみたいなの」であるということ。もともと、作品の中で音楽を効果的に使うことが多く、近年は音楽劇も多く手掛けているノゾエ。松尾スズキの絵本を舞台化した『気づかいルーシー』や、昨年の東京芸術祭で上演された野外劇『吾輩は猫である』なんかはまさにそうだ。しかしこれらはあくまでも「音楽劇」であり、そんなノゾエがあえて今作の企画で出した「ミュージカル」という言葉……はたしてどんなものになるのか、否が応でも期待は高まってしまう。また、音楽を手掛けるのが田中馨(Hei Tanaka)という点も要注目だ。近年ノゾエとのタッグが多い彼だが、上記の『気づかいルーシー』も『吾輩は猫である』でも音楽を担当。いわゆる「正統派ミュージカル的な音楽」とはまた違う、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような奇妙さと楽しさが同居する田中の音楽は、ノゾエの作り出す世界観ととても良く合う。しかも今回は田中率いるバンドHei Tanakaのバンドメンバーも出演、生バンドの演奏に合わせての舞台とのこと。ミニマムな番外公演とはいえ、なんとも豪華ではないか!今年5月にはシアターコクーンでの『母を逃がす』演出も控え、今後も大きなプロデュース公演の仕事が立て続くこと必至のノゾエ征爾。そんな彼が「やりたいこと」が、この公演には詰まっているはずだ。その贅沢さをぜひ味わいたい。『お化けの進くん』は3月10日(火)まで東京・ニッポン放送のイマジン・スタジオで上演される。文:川口有紀
2020年02月26日綾ベン企画『川のほとりで3賢人』が2月21日(金)から3月1日(日)まで東京・下北沢の駅前劇場で上演される。実はこの「綾ベン企画」、今回でなんとVOL.14。公演を立ち上げているのは劇団・東京乾電池の旗揚げメンバーでもある綾田俊樹とベンガル。だから“綾ベン”なのだ。1990年から1〜2年に1本ペースでコンスタントに公演を続けていたが、2006年以降は途絶えていた「綾ベン企画」。そして2017年に復活し、今回は3年ぶりの公演となる。注目ポイントは大きくふたつ。まずひとつは、綾田俊樹とベンガルという俳優ふたりの実力は言わずもがな、今回ここにゲストとして加わるのが広岡由里子という点だろう。広岡といえばかつて東京乾電池に所属、つまりふたりの後輩にもあたる人物であり、その独特なトーンと飛び道具のような存在感で舞台、映像と幅広く活躍している俳優なのだ。出演者はたった3人だが、どう考えても濃密な作品になることは間違いない。もうひとつは、演出を務めるのが映画監督の平山秀幸であるというところ。平山といえば映画『閉鎖病棟』『愛を乞うひと』などで知られる存在だが、実は前回の綾ベン企画公演で“舞台演出家デビュー”を飾っている。そして今作が舞台演出2作目、これはかなりレアと言えるだろう。もともと長年東京乾電池を観続けており、綾田&ベンガルらとも映像作品では多く関わってきた平山。そんな彼がこの個性あふれる3人をどう演出するのか、そこも見どころだ。舞台は多摩川の河川敷。隣り合わせに暮らすふたりのホームレスの前に、福祉課の馬場マチコという、額にバンドエイドを貼っている女が現れる。マチコの出現でふたりの生活は徐々に乱されてゆき……というストーリー。言葉の断片から少しずつ明らかになるふたりの過去と秘密、彼らにつきまとうマチコの正体……コミカルながらもそこには河川敷に暮らす人のリアルも見え隠れし、彼らが決して“遠い存在”ではないこともわかる。3人の猛者が繰り広げるそんな物語を小劇場で味わえる、なんとも贅沢な時間ではないか。文:川口有紀
2020年02月19日“今、東京で観るべき舞台”とはっきり言い切ってしまっていいだろう。青年団『東京ノート・インターナショナルバージョン』『東京ノート』の2作品連続公演が、2月6日(木)に開幕する。『東京ノート』は、1994年の初演以降13か国語に翻訳され、世界16ヵ国以上で上演されてきた平田オリザと青年団の代表作とも言える作品のひとつだ。国内での上演は8年ぶりとなり、再演を待望していた演劇ファンも多いだろう。舞台は近未来のとある美術館。ヨーロッパで大きな戦争が起こり、そこから避難してきた絵画を前に家族や恋人たちが、両親の世話や相続問題、進路や恋愛などについての会話を繰り広げていく。小津安二郎の『東京物語』をモチーフに描かれたこの作品には、バラバラに暮らしている家族を中心としたミクロな日常と、戦争により世界が不穏な空気をまとっているというマクロな視点、その両方が見事に内包されている。だからこそ、目の前で淡々と描かれる2時間の光景に、いつしか観客は胸を打たれてしまう。一方、『東京ノート』は平田作品の中でも特に世界的な広がりを持つ1本でもある。2017年からは毎年、台湾、タイ、フィリピンでの翻案上演が行われ、“現地化”がされているのだ。今回同時に上演される『インターナショナルバージョン』は、その集大成として上記の3か国の俳優に加え、日本、アメリカ、ウズベキスタンの俳優が参加。脚本も全面改訂され、登場人物も増加しているという。平田オリザと青年団が日本の演劇界に与えた大きな衝撃として、俳優たちが舞台上で同時に複数の会話を行う“同時多発会話”が挙げられるが、このバージョンで飛び交う言語はなんと7か国語!ある意味、究極の“同時多発演劇”と言えるだろう。2019年の豊岡演劇祭とシアターオリンピックスで上演され話題を呼んだ作品だが、東京では初の上演となる。『東京ノート』初演から26年。再演を重ねるごとに「遠い国で戦争が起きている」という状況はよりリアルなものとして私たちに差し迫り、“家族”の形についても私たちに再確認を問いかけてくる。そして、各国の俳優が揃う『インターナショナルバージョン』は、まさに現在の東京が持つ混沌に等しい。今、東京で上演されることに大きな意義がある……そんな2本の作品なのだ。『東京ノート・インターナショナルバージョン』は2月6日(木)より16日(日)まで、『東京ノート』は2月19日(水)から3月1日(日)まで、東京・吉祥寺シアターで上演される。文:川口有紀
2020年02月05日女優の川口春奈(24)が2月3日、自身のYoutubeチャンネル「はーちゃんねる」に動画をアップした。動画は投稿1日ほどで175万回再生を記録!大河女優の貴重な映像をファンは喜んでいるようだ。動画の中で、川口は自身の故郷である長崎県・五島列島に帰省した。同地について説明し「ただいま!」と呼びかけると、自身の母親が登場。そして仲睦まじくドライブや買い物を楽しんでいた。また店員から「かわいい!お人形さんみたい」と声をかけられ喜ぶ一幕もあった。プライベート感満載の動画は大反響!コメント欄には喜ぶ声がこう上がっている。《こんな大女優が軽四乗ってる姿とか ギャップ過ぎて好き とりあえず全部好き》《可愛すぎる…テレビで見るよりなんだか自然な表情で癒されました》《時々出る方言すき 可愛すぎ》《こんなにふわふわ幸せな気持ちにさせてくれる川口春奈ちゃんは天才です》川口は1月29日に「はーちゃんねる」を開設。31日にはビールを飲みながらライブ配信をする様子が話題になった。開設6日でチャンネル登録者数は25万人超えを果たし、《メイク動画やファッションについて、はーちゃんのプライベートをもっと教えてください》《素の部分が見れたら最高なので、モーニングルーティンとか今後は見たいです》と期待する声も上がっている。大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合)に出演し大忙しの日々を送る川口。「はーちゃんねる」はファンとの交流を楽しむ、貴重な場所となりそうだ。
2020年02月04日劇作家・演出家の倉持裕が、江戸川乱歩の短編8本を巧みな構成で舞台化した『お勢登場』(2017年)から3年。今春、最新作『お勢、断行』が上演される。倉持の手により、再び稀代の悪女・お勢が舞台に蘇ることとなった。【チケット情報はこちら】倉持は執筆の動機についてこう話す。「やはり、お勢というヒロインが魅力的だったことに尽きるかなと。悪いやつだけれど色っぽいし、これは乱歩自身も言ってるんですけど、悪いことをひらめいて実行するまでにスピード感があるんですよね。そして犯罪の後も悪びれず、完全に演じきる。そこがカッコいいなと」今作でお勢を演じるのは、倉持作品2作目の登場となる倉科カナ。「見た目がきれいで可愛いんですけど、ニヤニヤしてる印象があって。それが悪女にいい」と倉持に言われた倉科は、「ニヤニヤしててよかったです」と苦笑しながらも、「倉持さんの作品に出てくる女性はただ“きれいですよー”というだけではなく、多面的で見ていて共感できる。そういうところが好きなのかも」と倉持作品の魅力について語る。後妻の女主人・園役を演じるのは、倉持の人気シリーズ『鎌塚氏、舞い散る』(2019年)にも出演していた大空ゆうひ。『鎌塚氏~』に引き続きの“女主人”役だが「同じ女主人でも、性格も作品の世界観も違う。ここまで違う作品で2作続けて倉持さんの演出を受けられるのが、今すごく楽しみです」と意気込みは十分。「大空さんには強いものを感じるんでしょうね(笑)。でも逆に、こういう役ができる俳優さんは貴重です」と倉持も太鼓判を押す。倉持作品に初参加となる上白石萌歌は、謀略に巻き込まれていく資産家の娘・晶を演じる。「周りが悪い人ばかりの中で、ひとり被害者というか受け身の役。これから歳を重ねていったらまた違う印象になるんでしょうけど、今の萌歌さんには似合うと思った」と倉持。元々倉持作品が好きだったという上白石は、姉の萌音が出演していた『火星の二人』を2回も観に行ったとか。「倉持さんの舞台の面白さは、1回ではすべてをわかりきれないところだったり、言葉の巧みさだったり。どの作品も見たあとに少し冷ややかな風が吹く感じが魅力的。『火星~』のときは姉に台本を借りて、結末を読んでからまた観に行きました(笑)」とファン心理を覗かせ、稽古開始が待ちきれない様子。『お勢、断行』では、“お勢”というキャラクターを用いた完全新作に挑戦する倉持。「乱歩ファンに楽しんでもらえるかが心配です(笑)」と冗談交じりに倉持は語るが、乱歩の時代や世界観でしか描けないものがここにあるのは確か。お勢と、彼女をめぐる“悪人”たちの新たな活躍を心待ちにしようではないか。公演は2月28日(金)から3月11日(水)まで東京・世田谷パブリックシアターで上演。(愛知・島根・兵庫・香川・長野にてツアー公演あり)取材・文:川口有紀
2020年01月30日女優の川口春奈が29日、都内で行われたネイリスト直接予約アプリ「Nailie(ネイリー)」新CM発表会に出席。2月10日に25歳の誕生日を迎える川口への誕生日サプライズが行われ、“ネイル一生分”の権利が贈られると、「今までもらったプレゼントの中で一番うれしいです」と喜んだ。「ネイリー」は、ネイリストが投稿したネイル画像からデザインを探したり、気に入ったネイリストに直接予約できるアプリ。発表会では、川口を起用した新CM「ネイル失敗しちゃった」篇が公開された。今年初となるPRイベント登場となった川口は、 今年初のネイルをお披露目。「マットとミラーで、色は春っぽく」と説明し、「ネイルは女の子のモチベーションの一つだし、テンションが上がることの一つなので、それをCMで表現できるのはうれしかったです」とCM出演の喜びも語った。また、川口への誕生日サプライズが行われ、「え!?」と驚いた表情に。最初に特製ケーキが運ばれてくると「ありがとうございます。すごい。かわいい」と喜んだ。そして、「あんまり年は意識しないんですけど、数字で見ると、大人の階段みたいなイメージがあるので頑張りたいなと思います」と25歳の抱負を語った。さらに、“ネイル一生分”の権利が贈られると、「え、うれしい! どういうこと? 一生分って。いいんですか」と大喜び。「たまらないですね。めちゃくちゃテンション上がってます。ありがとうございます。最高ですね。今までもらったプレゼントの中で一番うれしいです」と笑顔で話した。
2020年01月29日女優の川口春奈(24)が1月19日、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』第1話に出演した。川口は後に織田信長の正妻となる帰蝶(濃姫)として、番組後半に登場。短時間だが、乗馬のシーンも披露し注目を集めた。各メディアによると、初回の平均視聴率は19.1%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)と好発進だったという。川口は沢尻エリカ被告(33)が昨年11月16日に麻薬取締法違反の容疑で逮捕されたことを受け、代役に抜てきされた。ドラマは1月5日に初回放送される予定だったが、放送日を19日に変更。12月から川口が撮影に加わり、急ピッチで撮り直しが行われたという。「川口さんは13年に『夫のカノジョ』(TBS系)でゴールデンタイムの初主演に抜擢されました。39歳の女性と身体が入れ替わる20歳の女性という難役を熱演したものの、結果は低視聴率。川口さんは、そのことをとても気にしていたといいます」(テレビ誌ライター)しかし、そんな川口が成長をみせている。今年1月4日と5日に放送された木村拓哉(47)主演の『教場』(フジテレビ系)では、警察学校の生徒役を熱演。視聴者からも『良い演技だった』と好評を博していた。「川口さんは警察学校のリアルな訓練シーンは、これまでで最も厳しい経験だったと振り返っていました。なかでも体力以上に、周囲と呼吸を合わせる難しさを痛感したようです。ただそこで団結力やチームワークの大切さを学んだ彼女が今回、大河に初挑戦することになりました。短期間での撮り直しが順調に進んだのも、『教場』で培った団結力が活かされたのでしょう」(テレビ局関係者)そんな川口の成長ぶりに、視聴者からはエールが寄せられている。《楽しみにしてた、今年の大河ドラマ 『麒麟がくる』 初回から私は好きになった。 とくに、川口春奈ちゃん!!めっちゃ合ってた!!違和感ゼロよ》《「麒麟がくる」の川口春奈さんは姿勢の良さとか、きびきびした男勝りな動きなどはドラマ「教場」の訓練で身につけたものが活かされてるんじゃないかな》《#麒麟がくる #教場 でも可愛くて素晴らしい演技だった川口春奈ちゃん帰蝶としても可愛い上に凛とした強さが出てましたね次の登場も楽しみ》
2020年01月20日「劇場」や、演劇が上演される“場”が近年、少しずつ変容しているように思う。若葉町ウォーフも、そんな場所のひとつではないだろうか?『会社の人事~歌なき平成の歌 / 令和アンダーグラウンド』が1月12日(日)から20日(月)まで横浜の若葉町ウォーフで上演される。若葉町ウォーフは、劇作家・演出家の佐藤信らを中心に運営される民間アートセンター。佐藤と言えば劇団黒テントでの活動で日本の演劇界を牽引してきただけでなく、世田谷パブリックシアターや東急文化村・オーチャードホールなどさまざまな大劇場の芸術監督・プロデューサーをつとめてきた人物だ。そんな彼が仲間たちと4人で2017年に立ち上げたこのスペースは築50年のビルを改築し、小劇場・稽古場・宿泊スペースを兼ね備えている。従来の民間の小劇場ではできなかった、施設の特徴を生かしたアーティスト・イン・レジデンスや、長期滞在型の国際ワークショップなども可能になる場所なのだ。大岡川と伊勢佐木モールの中間という、その立地も面白い。そんな個性的なアートセンターの新たな主催公演は、「平成を駆け抜けた“おっさん”たちの物語」。大岡川の川縁、時空の歪みに現れたバーに、会社を退く日を迎えた男が迷い込む……まさにこの若葉町ウォーフという場所と、この時代に合わせて書き下ろされた作品だ。作者の犬井邦益は、自分自身企業戦士として働いていた経験があるという。演出と美術は佐藤が担当、出演者には龍昇、塩野谷正幸(流山児★事務所)、大西一郎、丸山雄也(平泳ぎ本店)、服部容子、牧凌平という二世代の俳優が顔を揃えた。明けて「令和2年」がスタート。新元号にもようやく慣れてきた今日このごろに、改めて「平成」を振り返ってみるのも良いのでは?それも昭和と平成の匂いがしっかりと染み付いた場所で。そんな体験を叶えてくれる公演だ。文:川口有紀
2020年01月09日藤田貴大率いる「マームとジプシー」が、他ジャンルの作家とコラボレーションする企画「マームと誰かさん」シリーズ。その最新公演『ぬいぐるみたちがなんだか変だよと囁いている引っ越しの夜』が、12月25日(水)にいわてアートサポートセンター風のスタジオ、12月27日(金)から29日(日)まで東京・吉祥寺キチムにて上演される。シーンをリフレインしていく映像的な手法で注目を浴び、弱冠26歳で岸田戯曲賞を受賞。もはや演劇界には欠かせない存在となった藤田貴大、そしてマームとジプシーだが、彼らの活動の特徴として、年代、ジャンルを問わない相手とタッグを組んだり、いわゆる「東京での大劇場」ではない公演会場で作品をフレキシブルに上演したりという、ボーダレスな作品づくりが挙げられるだろう。この「マームと誰かさん」シリーズは、その最たるものといえる。他ジャンルの作家とコラボレーションする企画として2012年にスタート、これまでも音楽家・大谷能生や演出家・飴屋法水、漫画家・今日マチ子という顔ぶれを迎えてきた。今作『ぬいぐるみたちがなんだか変だよと囁いている引っ越しの夜』は2017年に歌人・穂村弘とブックデザイナー・名久井直子を迎えて行われた公演の再演作となる。いわゆる「わかりやすい物語が提示される演劇作品」とは、ちょっと違うものといえるかもしれない。穂村とその父、名久井らの物語、ないし“言葉”が、マームとジプシーには欠かせない俳優である青柳いづみによって語られていく。シンプルな作りだけに、観客を含めた空間の雰囲気次第でまた手触りが変わりそうなところも興味深い。もともと今回の再演に関しては、ツアー公演の会場を公募で決定するというあまり例を見ない手法がとられており、今年6月から京都、三重、長崎と公演を重ねてきた。今回東京での会場となる吉祥寺のキチムに関しても、ライブなどもよく行われるイベントスペースであり、いわゆる劇場とはまた異なる空間だ。初演とも会場が変わるだけに、以前観ている観客もまた新たな感覚で楽しめそうだ。ツアー公演を重ねてきて熟成されたこの作品が、新たな場所でどう立ち上がっていくのか。2都市でわずか4日間6ステージの公演、この体験を共有できた人にはえもいわれぬギフトとなるにちがいない。文:川口有紀
2019年12月24日2020年放送の大河ドラマ「麒麟がくる」への出演が決定した川口春奈の撮影が12月初旬からスタートし、順調に進んでいるという。そんな中今回、川口さんが役衣装を身に着けた写真とコメントが到着した。長谷川博己が明智光秀を演じる「麒麟がくる」は、第29作「太平記」を手掛けた池端俊策のオリジナル作品。戦国初期の1540年代、群雄割拠の戦乱の中、若き明智光秀、織田信長、斎藤道三、今川義元、そして、秀吉や家康ら各地の英傑たちが、天下を狙って戦う姿を、戦国時代を描く大河としては初めて4Kでフル撮影。長谷川さんのほかにも、門脇麦、岡村隆史、伊藤英明、染谷将太らが参加する。そんな中、先月に急遽出演者変更の発表があり、斎藤道三の娘・帰蝶(濃姫)役を大河ドラマ初出演となる川口さんが務めることが決定。この帰蝶は、明智光秀とは姻戚関係にあり、政略結婚によりのちに織田信長の正妻となる人物だ。川口さんは「時代劇は初挑戦で、帰蝶という役柄を大切に、大胆かつ丁寧に、そして芯のある様を全身全霊で演じさせて頂いています」と現状を明かし、「帰蝶は知れば知るほど奥が深く、激動の時代を生きた姿は皆様に共感して頂けると思いますので、是非ともご覧ください」と視聴者へアピールしている。また、今回の川口さん起用にあたって制作統括は「戦国の美濃で守護代の娘に生まれた姫・帰蝶は、気丈に生きていくことを運命づけられた役柄です。川口さんの背筋の通った凛とした立ち姿は、まさに信長の妻として織田家を率いていく風格に満ち満ちていました。またその吸い込まれそうな大きな瞳は、どんな困難にも立ち向かうことのできる意思の強さを表現していただけると思いました」と語っている。なお、川口さんは第1回より登場予定となっている。大河ドラマ「麒麟がくる」は2020年1月19日(日)20時~総合にて放送。※初回75分(cinemacafe.net)
2019年12月13日ダンサー、振付家として幅広く活躍する北尾亘。ソロワークはもちろん、近年では小劇場の注目カンパニーの振付を手掛けることも多い彼が主宰するダンスカンパニー、Baobabの最新公演『ジャングル・コンクリート・ジャングル』が12月5日(木)よりKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオでスタートする。北尾に話を聞いた。実は今作の構想は、KAAT公演が決まった頃……2年近く前から温めていたものだという。「劇場によって、その時に作るもののイメージが変わっていくスタイルなんです。ダンスというもの自体が抽象的ですし、僕らの公演はステージ上に建て込みをするタイプでもない。劇場の中に流れる空気や、特性を想像しながら作品コンセプトを考えていくんですよ。KAATでの公演は初めてですが、僕自身が神奈川県出身ということもあり、馴染みを感じている場所で。海も近いし、少し自然に近づいていくような感覚がある場所なんですよね。ここだったらBaobabの真骨頂的なものと言いますか、大地のイメージ、あるいは土着的な身体……そういったものを遺憾なくやらせてもらえる空気があるのでは、と」近年のBaobabの作品は、社会的なテーマをはっきりと表したものが多かった。今作は旗揚げ当初の作品への“原点回帰”的なところも意識しつつ、タイトルが象徴するように自然と文明や環境問題、生命と自然の関わりなど、彼が今感じている社会問題は表現として盛り込まれていくという。劇場という空間でどうやってそれらを表現するか?彼が今考えているアプローチは、なんともユニーク。「今回は対面の客席に加え“方角”を大切にしてます。例えば、風水に則って動線を決めてみたり、東西南北で振りを分けてみたり。ずっとバレエで言う“8つの方向”(注・バレエにおける基本的な身体の向きのこと)ではない、別のものがないかと探してたんですよね。これ、ちょっと発見なのでは!?と思ってます(笑)」公演チラシには「いのちが、おどりたがっている。」という言葉が大きく打ち出されているが、今作の内容に関しては、近年彼が関わってきた演劇界の才能たちが大きく影響しているという。「“生命讃歌”と大きく言ってみたんですけれども、自分の作品性がそういう方向に向かっていくとはあまりイメージしていなかったんですよ。おそらくこれは、木ノ下歌舞伎の木ノ下裕一さんや杉原邦生さん、ロロの三浦直之さんや範宙遊泳の山本卓卓さん……彼らからの影響がかなりあると思います。特に昨年、まつもと市民芸術館で上演した木ノ下歌舞伎の『三番叟』、あれは大きかったですね。舞踊は祝祭であり、そして祈りでもある。もしかしたら、生贄的なものもあるのかもしれない。そういうことにもっとピュアに向かって行ってもいいのでは、そう思える勇気をもらえたんです」それぞれの現場で得た刺激を自分の中に蓄積し、変換して、ホームグラウンドであるBaobabで表現する。北尾が今考えていることを具現化するため、出演するダンサーはカンパニー史上最多の21人。北尾いわく「それぞれの身体の特性やシルエットにもこだわった」というダンサーは、体格はもちろん、プロフィールもバラバラ。特に年齢は上は40代、下はなんと小学校5年生(!)と、バラエティーに富んだメンバーが揃った。ここにもまた、北尾が抱える“ダンス”というものへの思いが込められている。「舞台作品としてのダンスというものが、お客さんとどう関わりを持てるのか。これが僕の中ではずっとテーマだったんです。これは多分演劇を経験しているのも強いんですけれども、どうしても非日常である“踊る”という行為は、舞台上と客席に境界線が生まれる感覚……美術作品をガラス越しに眺めるような、そういう関係性に近くなってしまう。でも僕はそれを、もう少しつなげて行きたいんですよ。旗揚げ当初からセリフを使ったりしていたのは、それもあると思います。コンテンポラリーダンスにも色々なスタイルがありますけど、僕たちの踊ってる肉体はもしかしたら観客の人に“自分と少し近いのでは?”と感じてもらえる可能性があるんじゃないか、と。そう感じてほしいからこその今回のキャストですし、ダンスをもっとポピュラーにしていく、そのための大事な一歩かなと思うんですよね」出演者たちとは、今年の6月頃からワークショップを重ねてきたという。「劇場から遠く離れた地で起きているかもしれない、人間でもない生き物の営み。そういうことまで僕たちは手を伸ばしたい」と語る北尾。舞台上に立ち上るのはきっと、そういったものまで濃密に感じられるような“いのち”の躍動だ。さまざまな刺激を得て、進化し続ける北尾亘の、Baobabの現在を目撃しようではないか。Baobab『ジャングル・コンクリート・ジャングル』は12月8日(日)まで。取材・文:川口有紀
2019年12月03日HIGHLEG JESUS、オッホなどで役者として活動していた新井友香が、2004年に旗揚げした劇団宝船。その最新公演『社交辞愛』が11月29日(金)、東京・新宿眼科画廊スペース地下でスタートする。その小柄な身体から繰り出される強烈なパワーと年齢不詳的な存在感で、小劇場界で活躍していた新井。近年はドラマ脚本家としての活動のほうがよく知られているかもしれない。NHKのショートドラマ『祝女』をはじめ、『イタズラなkiss』『アラサーちゃん無修正』、そしていま放送中の『僕はまだ君を愛さないことができる』など……可愛らしさからズルさ、情念まで、妙齢の女性の心の機微をリアルに描くことに定評がある。そんな彼女が率いる劇団宝船は、その旗揚げの経緯も面白い。所属していたHIGHLEG JESUS解散後、猫のホテルプロデュース『座長祭り』に架空の劇団「劇団宝船」の座長として参加。その後たまたま「キャンセルになった公演の肩代わりをしてくれる劇団を知らないか?」という知人からの連絡に、本当に劇団宝船を旗揚げしてしまうというまさに“瓢箪から駒”的ないきさつでスタートした劇団なのだ。新井以外のメンバーは、一人芝居やソロプロジェクトでも活動している高木珠里、主に映像で活動している國武綾のふたり。2013年以降はしばらく活動を休止していたが、2018年に7年ぶりの本公演『ああ、またか…とは言いたくない』で復活。前回公演からはHIGHLEG JESUS時代からの盟友であるSYOMIN’S主宰の今奈良孝行が準劇団員として加わった。今作『社交辞愛』の主人公は、40代前半の夫婦である桃花と春樹。子供のいないふたりは倦怠期を迎え、それぞれ“外”に恋愛を求めていく。一方、彼らの親もまた、桃花と春樹らの結婚や、生活に不満を抱えていた。社交辞令のように結婚生活をキープする夫婦と、彼らを取り巻く人々の物語はオムニバスのように見え、やがて絡み合っていき……というストーリー。とはいえただドロドロしているわけではなく、コメディでもあるのが新井作品の特徴なのでご安心を。また、今回の公演は劇場ではなくアートギャラリーで行われるため、劇団いわく「肩の力を抜いて気楽に他人の生活をのぞき見に行く……という感覚で観て頂けたら」とのこと。キャストは小劇場で活躍する手練れたちばかり、一風変わった面白さが味わえそうだ。12月4日(水)まで。文:川口有紀
2019年11月27日女優の川口春奈(24)が20年の大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合)で、沢尻エリカ容疑者(33)の代わりに濃姫の役を演じると11月21日に発表された。しかしネットでは思わぬ反応が上がっている。今回の起用は、沢尻容疑者が麻薬取締法違反容疑で逮捕されたことを受けてのもの。大河初出演となる川口だが、濃姫は織田信長の正妻となる役柄。作品に欠かせない重要なキャラクターを演じることとなる。思わぬタイミングでの大抜擢となった川口。Twitterでは「川口春奈」がトレンド入りを果たし、さらに《めっちゃプレッシャーやろなぁ でも、チャンスやと思って頑張ってほしい!》《春奈ちゃんがやったらいいのにって思ったんだ。綺麗だし強さもあるからピッタリだって思ってた》《超うれしい。来年も全話観るぞ!》と喜ぶ声が上がっている。そんななか、川口が過去に演じたキャラクターにスポットライトが当たった。それは宮藤官九郎氏(49)が脚本を務めた13年の映画「謝罪の王様」での女優役だ。同作で川口は07年の映画「クローズド・ノート」の舞台挨拶に登壇した当時の沢尻容疑者のような格好で、「別に」と発言していたのだ!そのため、ネットではこんな声が上がっている。《謝罪の王様の映画の時の、川口春奈が沢尻エリカの「別に」を真似してたやつ。大河ドラマ、沢尻エリカの代役、川口春奈抜擢されてて面白い》《エリカ様の代役としてキャスティングされた川口春奈ちゃん、過去作品で「別に」パロやってたって知ってめちゃくちゃ笑った しかも今年の大河コンビの作品だし》《川口春奈ってクドカン映画で『別に』って言うだけ役の女優じゃねえか!プロの沢尻エリカじゃねえか!NHK攻めすぎ!(歓喜)》
2019年11月21日M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、舞い散る』が、11月22日(金)より東京・本多劇場で上演される。三宅弘城演じる“完璧な執事”を目指す鎌塚アカシが、上流階級のお屋敷内で次から次に起こる事態に翻弄されつつ、個性的な登場人物相手に問題解決に奮闘するコメディ作品。2011年に第1作『鎌塚氏、放り投げる』が上演され、その好評ぶりからシリーズ作品に。今作は第5作となる。舞台での活躍は言わずもがな、今やテレビドラマでもバイプレイヤーとして引っ張りだこの三宅弘城だが、この鎌塚アカシはまさに彼の魅力が濃縮された役。生真面目で、ときに喜び、悲しみ、怒り、焦り、トラブルに対処しようとしては小柄な身体で舞台上をキビキビと動き回る。作・演出を務める倉持裕作品の中でも完全に“コメディ”に振り切ったシリーズだが、笑いの中にもどこか不条理でシュールな展開が盛り込まれるのがいかにも倉持作品らしい。そんなありえないシチュエーションや主人たちの無理難題に翻弄される姿すら、鎌塚アカシという役はチャーミングに見えてしまう。女主人・マヤコ(大空ゆうひ)や若い執事・佐双(小柳友)ら、初参加のメンバーが演じる人物もくせ者揃いとなりそうだが、過去作で活躍した人物たちがふたたび登場するという点にも注目したい。堂田男爵夫妻(片桐仁、広岡由里子)、かつて堂田男爵に仕えていた宇佐(玉置孝匡)。過去のコンテンツを確認しづらい演劇では、シリーズものはなかなか難しい。それでもこのシリーズがこれだけの上演を重ねているのは、「初めて見る人でもしっかりと楽しめ、それでいて過去作を知っている人だとさらに楽しい」というバランスが絶妙だからだ。特に気になるのは、第1作、第3作で鎌塚アカシと恋(?)模様を繰り広げた、上見ケシキ(ともさかりえ)の再登場。一筋縄ではいかないというか、したたかな部分を持つ“アイドル女中”上見とアカシの中は、果たして今回どうなるのか?倉持いわく「1作目から続く鎌塚アカシと上見ケシキの、相思相愛ながら一向に発展しない恋も、ひとつの節目を迎えそうです」とのことだが……。さてここで今回のタイトルを確認しよう、『鎌塚氏、舞い散る』。シリーズ5作目にして、初めての冬が舞台の作品。舞い散るのは雪なのか、それとも……?その真相はぜひ、劇場で確かめよう。M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、舞い散る』は、12月11日(水)まで本多劇場、12月14日(土)・15日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、12月17日(火)に島根県民会館 大ホール、12月20日(金)に石川・金沢市文化ホール、12月22日(日)に宮城・電力ホール、12月25日(水)に愛知県産業労働センター 大ホールにて上演。文:川口有紀
2019年11月21日ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)がKAAT 神奈川芸術劇場と初タッグを組む公演『ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~』が、11月7日に開幕した。2019年は、とにかく精力的に活動していた印象のKERA。ヤスミナ・レザ作品の演出『LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~』から始まり、全国ツアーも含んだ『キネマと恋人』の待望の再演。そして今年の締めくくりは、満を持しての書き下ろし。しかも題材はKERA自身が愛してやまないカフカだというから、期待せずにはいられない。KERAはこれまでカフカを題材にした作品を2作上演している。2001年、広岡由里子とのユニット「オリガト・プラスティコ」で上演した『カフカズ・ディック』は、カフカと彼の家族、彼の遺稿を出版したマックス・ブロートなど周囲の人物との関係を描き出した評伝的な内容だった。一方、2009年の『世田谷カフカ~フランツ・カフカ「審判」「城」「失踪者」を草案とする~』は一転、世田谷パブリックシアターという空間を虚実ないまぜにした“カフカ的世界”に巻き込むような作品に。そして3作目となる今作は、「カフカ4作目の長編小説の遺稿が発見され、それが舞台化されたら……」という内容だという。多くの人は中編小説『変身』、もしくは未完の長編である『失踪者(アメリカ)』『審判』『城』のイメージが強いカフカだけに、4作目の長編小説と聞いて驚くかもしれない。でももちろん、そんな遺稿は発見されていない。書かれていない“第4の長編”をもとに作り上げられる舞台作品。KERAは今回、作品が上演される前から観客の私たちを、不条理が満ち満ちた“カフカ的世界”にいざなっているというわけだ。KERA作品初登場の多部未華子、『陥没』(2017年)での好演も記憶に新しい瀬戸康史、近年映像作品でも活躍目覚ましいTEAM NACSの音尾琢真、そして渡辺いっけい、麻実れいなど豪華キャストが顔を揃えた。KERA×カフカという唯一無二の世界観、じっくり楽しもうではないか。11月24日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 ホール、11月28日(木)から12月1日(日)まで兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、12月14日(土)・15日(日)に北九州芸術劇場 中劇場、12月20日(金)から22日(日)まで愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールにて上演。文:川口有紀
2019年11月08日森新太郎演出の『メアリ・スチュアート』が、2020年1月~2月に東京・世田谷パブリックシアターで上演される。16世紀末を舞台に、長谷川京子演じるスコットランド女王メアリと、イングランド女王エリザベス一世の対立を描いたこの戯曲。今作はメアリに恋心を抱く青年モーティマーや、ふたりの女王から寵愛を受ける策略家のレスター伯など、登場人物が 20 数名に及ぶ群像劇となる。9年ぶりの舞台出演となる長谷川、レスターを務める吉田栄作に話を聞いた。【チケット情報はこちら】「オフォーが来たときの感想を聞くと「ずっと舞台をやりたいと思っていたので、お話をいただけたのはすごく嬉しかったんです。けれど、久しぶりの舞台出演でタイトルロール、しかもこういう題材で、と少しプレッシャーがありました」と正直に答える長谷川。それでもチャレンジしようと思えたのは「キャスティングしていただいた際に、可能性を見出してくださったことと、自分の中からも想定外の何かが出るのではという楽しみがあったので。舞台は私にとって、自分の大きな成長につながる場でしたから」と語る。一方、吉田は「まず、自分が演じることを前提に台本を読んでみたんですけど、なかなか想像がつかないんですよね」と、慣れない言葉や言い回しが多いこの戯曲に最初は少し苦しんだ様子。この言葉を受けて「そうなんですよ!なかなか台詞が入らないですよね(笑)」と少しホッとした顔で笑う長谷川。「3回位読むとだんだんと面白くなってきて。だから観ていただくお客様に、いかに難しく思わせないか。それが今後の課題となっていくんだと思います」と吉田。レスターは、かつてメアリと婚約していたという過去を持つ人物。「彼の行動の根本にあるのはやはり、メアリへの思いなんでしょうね。相手側の陣地に入りつつ、彼女に有利になるように仕向けていく。シドニィ・シェルダンの小説に出てきそうなキャラクターですよ」という吉田の言葉に、長谷川が「(レスターは)愛か権力か……という感じの役柄ですよね。吉田さんだったらどっちを取ります?」と思わぬ質問に「愛ですね」と即答する吉田。「他の男性は権力を取るかもしれませんけど、僕はその多くの男の人達とは違うんだろうなと(笑)」と答え、場が和む一幕も。そう、この作品のキーとなるのは“愛”。「メアリの中に筋として一本通っているもの、それは何かというと、私は愛だと思うんです。それは宗教への愛かもしれないし、万人への愛なのかもしれないし、またはある特定の人への愛なのかもしれない。これから台本を読み込んでいきたいですね」と長谷川。歴史に翻弄された悲劇の女王の姿が“愛”というキーワードを核に、現代に生きる私たちにも説得力を持って迫ってくる…そんな作品になりそうだ。公演は1月27日(月)から2月16日(日)まで。チケットは11月23日(土・祝)より一般発売開始。取材・文:川口有紀ヘアメイク:【長谷川・吉田】鎌田直樹、タナベコウタスタイリスト:【長谷川】及川千春【吉田】勝見宜人
2019年11月01日80年代の小劇場ブームの時代に劇団「第三エロチカ」で彗星のように現れた劇作家・演出家の川村毅。2010年の30周年を機に劇団を解散し、以降は自身の戯曲をプロデュースする「ティーファクトリー」を中心に活動を続けている彼の最新作『ノート』が、本日から11月4日(月・祝)まで東京・吉祥寺シアターで上演される。『ノート』は「2019-2020 川村毅劇作40周年&還暦年」と銘打たれた、2019年から2020年にかけて3作品を上演する企画の第1弾。拘置所に留置されている、記憶を失った男・T。記憶を取り戻すため、Tが所属していたある活動団体の仲間たちの証言がノートされていき、この30年間の出来事が召喚される。彼らが追い求めた理想や過ごした日々が徐々に語られるうちに、自分たちが犯罪に至った理由や経緯も明らかになっていく……。このあらすじを読んで、一定以上の年齢ならすぐに思い浮かぶ“現実の出来事”がいくつもあるはずだ。実際、川村がこの新作を書き下ろした理由のひとつには、昨年には平成の大事件に関連する死刑が大量に執行されにもかかわらず、多くの平成生まれの若者たちがその事件と経緯を知らないことに愕然としたからだという。そして、死刑囚の中には川村自身と同世代の人間が少なからずいたことから、自分たちが80年代からの40年間をどのように生きてきたかを描きたかった、と。川村毅は、常にその時代が持つ現実、そして孕んでいる問題を、作品を通じて突きつけてきた劇作家だ。新しい元号という節目を迎え、私たちはどこか“平成”をもう過ぎ去ったものとして片付けようとしていないか。起こった事件を過去のものとして、自分たちとは無関係なものと思い込もうとしていないか。川村の新作はどこか浮かれた空気の私たちに、そんなメッセージを投げかける。ちなみに2020年1月には、川村自身が“女優”として(!)出演する『クリシェ』(1994年初演)を東京・あうるすぽっとで上演、5月には京都芸術劇場春秋座と東京・シアタートラムで2012年に白井晃演出で高い評価を得た作品『4』の再演が控えている。還暦を迎えてなお精力的に活動を続ける川村の“記念イヤー”幕開けを飾る新作公演。“今”だからこそ観ておきたい、そんな作品となりそうだ。文:川口有紀
2019年10月24日女優の川口春奈が16日、東京・渋谷のn_space–エヌスペース-で行われたカルビー「じゃがりこミュージアム」発表会に出席した。カルビーは、10月17~20日の期間限定で、じゃがりこの歴史や美味しさと楽しさを演出する「じゃがりこミュージアム」を東京・渋谷のn_space–エヌスペース-で開催。開催前日となったこの日はオープニングイベントが行われ、CMキャラクターを務める川口春奈が登壇した。ミュージアムの受付嬢が着用するような制服姿で登場した川口は「受付のお姉さんをイメージしました。スカーフを巻いちゃったりして(笑)」と笑みをこぼし、「可愛いですよね」と自画自賛。イベントが行われば場所は、「じゃがりこの日」にあたる昨年の10月23日に開催されたイベントで訪れて以来だといい、「1年あっという間でしたね。その間にもじゃがりこのCMとか撮影もいっぱいしましたし、本当にあっという間の1年で早かったです」と振り返った。また、今年の4月に放送された平成最後のじゃがりこのCMについても言及。同CMは24年前に同商品が誕生した時のCMを復刻し、さらには平成を振り返るというもので、「当時のCMをを似せてコピーするという感じでした。本当に肩の角度といい腕の位置とか気だるい感じとか全部をシンクロさせたい感じだったので、当時の映像を見ながらやるのは難しかったです」と語りつつ、「本当に面白かったですよね。一番印象的なのはギャルやシノラー的なもの。メイクとファッションがこんなに違うのかと思いました。(ガングロのギャル風メイクやファッションを)やってみたいかは別ですけど、通らなかった道だったので面白そうですよね」と興味を示した。イベント中は、川口が期間限定商品『じゃがりこ 激辛インドカレー』などを試食。「辛いの大好きなんです!」と興味津々で「美味しいですね。止まらないですよ(笑)。確かに辛いものが苦手な方は辛いかもしれませんが、辛いお菓子ってないじゃないですか。なのでずっと売っていて欲しいぐらい好きです。皆さんにも食べていただきたいですね」と話していた。
2019年10月16日東京・豊島区池袋エリアを中心に展開する国際舞台芸術祭として、2016年に開始した東京芸術祭。4回目となる今年は9月21日よりスタートしており、国内外を問わずさまざまな団体のプログラムが今後も予定されている。中でも、この東京芸術祭ならではの演目と言えるのが東京芸術劇場の前に広がる池袋西口公園で行われる「野外劇」。今年の野外劇『吾輩は猫である』が、10月19日(土)から29日(火)まで上演される。タイトルから想像できるように、下敷きとなるのは夏目漱石のかの代表作。しかしただの“舞台化”にはならないようだ。まず出演者の数は、およそ500人の応募者から選ばれた約80人。そして脚本・演出を手がけるのは、近年活躍目覚ましいノゾエ征爾。今年活動20周年を迎えた劇団「はえぎわ」主宰として公演もコンスタントに行うだけでなく、近年はさまざまなプロデュース公演の演出家としてもまさに引っ張りだこの状態。それでいて、個性派俳優として舞台やドラマなどへの出演も多い。最近でもNHK大河ドラマ『いだてん』にアナウンサー役で出演しており、その神出鬼没ぶりには驚かされる。そんな彼が今回手がけるのは、大人数が出演する野外劇という、いわゆる一般の公演とは少し毛色が違うもの。しかし、心配は無用といえるだろう。なぜなら彼は2016年に故・蜷川幸雄の後を引き継ぐ形とはいえ、なんと出演者1600人あまりというかつてない大作『1万人のゴールド・シアター2016』の脚本・演出を手がけた経験がある。もともと、強烈な個性を持つ人物たちが群像劇的に交叉してゆく作風が印象的なノゾエ作品。シニカルさとユーモア、そして毒がほどよくまぶされた彼の作風が、池袋というどこか猥雑な雰囲気も持つ街中という特殊なシチュエーションで、どう花開くのか。オーディションで集められた俳優たちも年齢・出自ともにバラバラとのこと、通常の劇場では観られないまさに“一期一会”の公演となりそうだ。少雨決行・荒天中止。前売りチケットは完売しているが、各ステージで当日券が発売されるほか、無料で観劇できる立ち見スペースも用意される。文:川口有紀
2019年10月16日初演から今年で30年目を迎える朗読劇『ラヴ・レターズ』。数多の俳優が演じ、多くの観客を感動させてきたこの作品に、新たな1ページが加わることとなる。「黒柳徹子スペシャル」。そのサブタイトルの通り、黒柳徹子がこの作品に挑むシリーズが本日10月7日より、東京・EX THEATER ROPPONGIで開幕する。『ラヴ・レターズ』というのは、ある意味“特殊”な朗読劇だ。舞台の上にはテーブルと2脚の椅子、そして男女の俳優が1組。彼らが演じるのは幼馴染のアンディーとメリッサだ。自由奔放で感覚人間のメリッサと、真面目でいつも何かを書いているアンディー。幼少期からやがて思春期を迎え、大人になり……という長きにわたる期間の2人を、彼らの書いた「ラヴレター」を通して語ってゆく、というもの。アンディーとメリッサの人生は、けして順風満帆ではない。しかし多くの人が人生において何らかの壁にぶつかるように、経験を重ねれば重ねるほど、この戯曲に描かれた彼らの関係性、そして2人の“愛”が染みわたってくる。こう聞くとオーソドックスな朗読劇のようだが、作者A.R.ガーニーの指定により、稽古が許されるのは1回のみ。どんな俳優であってもそれは守らねばならず、時として舞台上には俳優自身が戯曲に感じたヴィヴィッドな感情がむき出しになる。それがまた結果的に観客の心を揺さぶり、このシリーズの魅力のひとつなのだ。もともと黒柳は、PARCO劇場で長らく『ラヴ・レターズ』を手がけてきた演出家の故・青井陽治から何度も出演を誘われてきたものの、スケジュールが合わず叶うことはなかったという。1989年より「海外コメディ・シリーズ」として30年間で32作品を上演、舞台女優としてのキャリアも輝かしい彼女が、満を持しての“初挑戦”。少女から壮年期までを彼女がどのように演じるのか、期待せずにはいられない。しかも相手役のアンディーには、高橋克典、筒井道隆、吉川晃司というタイプの違う3人の俳優が顔を揃えた。俳優の組み合わせによりテイストが化学反応のように変わる戯曲だけに、観比べてみるのもまた面白いはずだ。EX THEATER ROPPONGIで10月16日まで上演の後、18日から20日まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。文:川口有紀
2019年10月07日“演劇”とは、何だろう? 岡田利規、そして彼が主宰するチェルフィッチュの作品は、いつもそんな鮮烈な問いを観る者に投げかける。彼らが美術家・金氏徹平とコラボレーションした最新作『消しゴム山』が、10月5(土)、6日(日)に京都・ロームシアター京都 サウスホールで上演される。思えば、岡田利規の作品はいつも、私たちが一般的に持っている“演劇”のイメージを軽々と飛び越えてきた。舞台上でナチュラルに会話を行う「現代口語演劇」のスタイルに観客がすっかり慣れていた2000年代前半、「日常的所作を誇張しているような/していないようなだらだらとしてノイジーな身体性」と、私たちが日常で使う若者言葉や“整理されていない”言葉をそのまま舞台上で提示するチェルフィッチュの登場は、演劇界に衝撃をもたらした。そして2005年にはコンテンポラリー・ダンスの登竜門『トヨタコレオグラフィーアワード』に出場、最終選考会で大きな議論の的となる。2007年には海外での公演を開始し、アジア、欧州、北米など計70都市で上演を重ねてきた。2017年には自身の代表作『三月の5日間』をキャストを一新するだけでなく、役柄とキャストの“性別”すら超越するという「リクリエーション」版で上演、またもや話題を呼んだ。そんな岡田が手がける今作もまた、観客の予想を遥かに超えたテーマが提示されている。それは「直接の届け先が人間の観客ではない演劇」。「モノのための演劇」であり「モノの演劇」だ。岡田が2017年に陸前高田市を訪れた際、驚異的な速度で人工的に作り変えられる風景を目の当たりにしたことをきっかけに、「人間的尺度」を疑う新作の構想を始めたという。今作で、俳優の演技が向けられる対象は観客ではなく、舞台上のモノや映像上のモノなど。そこでは“モノが人間に従属する”従来の関係性が断ち切られた世界が描かれていく。舞台上に置かれた“モノ”をコラボレーターである美術家・金氏徹平が手がけているという点でも注目だ。また、今作は、岡田が舞台映像デザイナーの山田晋平と共に近年取り組み始めた「映像演劇」の手法も取り入れられる。「映像演劇」とは、岡田によれば「役者の演技を撮影した映像をしかるべき環境のもとで投影するという作法によって上演される演劇」。観客と舞台空間の中に、また新たなレイヤーを提示する存在となる。“演劇”の定義はおろか、“モノ”と私たち“人間”の関係、そして存在すら考え直す……そんな公演になるのではないだろうか。やはり岡田利規、そしてチェルフィッチュは、いつも私たちに新鮮な波紋を投げかけてくれる存在なのだ。文:川口有紀
2019年10月03日柿喰う客の新作本公演『御披楽喜(おひらき)』が、9月13日より東京・本多劇場で幕を開ける。劇団結成13年目の彼らが今回演じるのは、恩師の13回忌に集う13人の男女の物語。“13”という不吉めいた数字と意味深なタイトルも含め、今回の公演について代表・中屋敷法仁に話を聞いた。「いつか劇団の解散公演をやるならこのタイトルで、と決めていたものなんです」と、のっけからドキリとすることを言う中屋敷。しかし、柿喰う客が今作で解散をするわけではもちろんない。「“劇団”の話をやりたいなと思ったんです。今もう、劇団というものがもはや希少価値のある集団になりつつありますよね。今も劇団というものがある、それだけで作品を超える価値があるんじゃないか……そんなことを思っていたんですよ」中屋敷自身も近年、2.5次元ミュージカルなど外部作品の演出を手がける機会が増え、劇団から離れた活動が多くなってきた。演劇活動を始めた頃とは環境が変わっていく中、改めて「劇団でやるべきこととは何か」を突き詰めて考えていくことが増えたという。そして今回、劇団にしか表現できないこととして考えたのが、“解散”。「なぜなら、解散公演だけは劇団にしかできないものだから。例えば『レ・ミゼラブル』に“解散”はないですよね(笑)。劇団の唯一劇団たる所以は、“集合”なんです。“集まれ!”といって集まったのが劇団であるならば、解散する様まで考えるのが劇団ではないか。劇団というものにものすごく興味と確信がある今、劇団の一番最高のパフォーマンスは“解散”にあるんじゃないか、と。ひとつの集団が生まれ、集団がバラバラになっていく様……それがノスタルジズムに陥るのか、それともそこには新しいアヴァンギャルドなものが生まれるのか。そういう興味があります」そうして出来上がったのが、とある美術大学でのかつてのゼミ仲間という“集団”の物語。本当の解散公演ではないが、過去の作品のセリフがところどころに散りばめられた劇団の総決算的作品になっているという。これは、東京公演に先駆け、兵庫県の「豊岡演劇祭」に招かれて『御披楽喜』を上演することも大きく影響しているとか。なぜなら豊岡演劇祭のディレクター、平田オリザこそが、かつて「今後脚本家、演出家としてどうやっていけばいいですか」と問うた中屋敷に「劇団を作ること」と答えた張本人だから。「当時2000年代の初頭だったので、なんでこんな古臭いことを言うんだろうと思ったんです。劇団なんてこれから崩壊していくんですよ、これからは作品と演出家の時代、俳優の営業の時代になってきますよなんて偉そうなことを言ったんですよね。でもオリザさんが言ったのは“だからこそ、劇団をやるんだよ”と」劇団というものに理想を抱いたスタートではなかった、だからこそ劇団の価値を客観的に問うことができたのかもしれない。劇団継続の危機もあったが、その都度周囲の人たちから改めてその価値を知らされることもあったという。そして劇団を続けて13年目、そんな大きなきっかけを与えてくれた“心の師”とでも言うべき存在が手がける演劇祭に、メインプログラムとして呼ばれた。だからこその“総決算”だ。「2.5次元作品の場合は、いろいろな人の憧れや理想がある上での作品だから、幻想があっていいと思うんです。でも劇団はそういった幻想を捨て、“演劇とはなんぞや”という核に迫れる場所」と語る中屋敷。彼の“劇団でしか表現できないこと”をぜひ、劇場で確かめてみようではないか。取材・文:川口有紀
2019年09月10日舞台を中心に、映画やテレビ、小説と活躍の場を広げている人気劇作家・演出家の前川知大と世田谷パブリックシアターがタッグを組む新作舞台『終わりのない』が今秋上演される。前川と世田谷パブリックシアターは、これまでも“日本”をモチーフとした「奇ッ怪」シリーズを立ち上げ3作を発表してきたが、今作はホメロス作『オデュッセイア』を原典としたSF作品になるという。「奇ッ怪」シリーズ全作品に出演し、今回も参加する仲村トオルに話を訊いた。『終わりのない』のチケット情報「小泉八雲作品も『遠野物語』もそれぞれに共通していたのは、『人々の口から口へ伝えられていった話』だったということ。でも今回は、ギリシャで神様とお話しをしていた人たちの物語。ちょっと古い話すぎて(笑)どうするのこれ!?と」古代と未来を往還するような日常と宇宙を繋げる旅を描いた『オデュッセイア』の壮大な物語をどう立ち上げるのか。数々の作品で重要な役どころを担ってきた仲村も、とまどいを見せる。「でも多分、“昔の人には見えたもの”があったんでしょうね。古代のギリシャにも、神様が見えたり、神様の声が聞こえてしまう人たちがいたというか、もっと神々の領域と人間の領域の境界線が曖昧だったんじゃないか、と思うんですよ。じゃあ現代の僕たちは何を失ったから、聞こえなくなり、見えなくなったんだろうかと……。そう考えると、これまでの『奇ッ怪』シリーズと通じるものがあるような気がします」共演には前川作品初参加となる山田裕貴、奈緒らが顔を揃える。前川作品のベテランとしては、稽古場でポジション的に負うところが大きいのでは?と尋ねると「まったく大丈夫だと思いますよ。特に山田君は前川さんの世界がとにかく好きみたいですし。あと『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』の時に出演してた瀬戸康史君もそうだったんですけど、前川さんは本当に、その物語に“最適な人”を連れてくる。これに関しては、何度も『凄いな』と思うことがありましたから」と、演出家・前川知大の采配に全幅の信頼をおいている様子。「前川作品に関わっている時は、なぜか“人の縁”みたいなものが急速に近づいてくると言うか、不思議なことがたくさん起こるんです。稽古場に行く途中で思わぬ人に会ったり、不思議なところで人の縁が繋がったり。今回もそうなんでしょうね」そう言って笑う仲村。舞台という“どこでもない空間”を通じて、この作品の彼方にある“失った何か”の片鱗を掴み取れるのかもしれない。『終わりのない』は、10月29日(火)から11月17日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターで上演。チケットは発売中。取材・文:川口有紀ヘア&メイク:宮本盛満スタイリスト:中川原寛(CaNN)撮影:山本祐之
2019年09月09日