強い日差しを和らげてくれる日傘。日本気象協会によると、真夏に日傘をさすと体感温度が7℃も下がるといいます。2020年は新型コロナウイルス感染症の流行によって、日傘をさせば社会的距離(以下、ソーシャルディスタンス)を保てるとして使用が呼び掛けています。学校でも、そのような効果を期待して日傘をさして登校するようにしているところもあるようです。問題なのは紫外線よりも偏見しかし、『日傘=女性のもの』というイメージがある人もいるでしょう。「男性が日傘をさしているのはおかしい」「男性が日傘を買うのは変」と考える人がいるのも事実。そのような考えから、積極的に日傘をさしている男性はまだ少ないようです。ですが、暑さは男女問わず変わりません。また、ソーシャルディスタンスを保つのにも男女変わりはないのです。そこで、日本気象協会は、男性にも日傘をさしてもらおうと3つのポスター制作。反響が上がりました。日傘は無限に日陰を歩けます冒頭でも説明した通り、暑い夏の日に日傘をさすと体感温度は7℃下がります。暑い中、歩く人にとって7℃の温度変化は大きいものでしょう。日本気象協会 tenki.jp日傘は女っぽい?これまで「日傘は女性が日焼け対策のためにさしていたもの」と考えていた人も多いかもしれません。しかし、日本の夏が厳しくなるにつれ、日傘の実用性はしだいに変化。男性がさしていてもおかしくはないのです。ポスターでは『問題は、紫外線ではなく偏見』と強く訴えました。日本気象協会 tenki.jpソーシャルディスタンス回避のためにも…傘をさすことによって、自然と相手と距離ができます。密集することがないため、感染対策にもなるのです。日本気象協会 tenki.jpポスター制作について質問してみた今回、このポスターを制作した日本気象協会に、経緯と特徴的なデザインについて質問してみました。―ポスター制作にいたった経緯は?外部のプランナーさんやデザイナーさんと共に制作を進めました。「熱中症など、気象と関連が深い社会的な課題に対し、クリエイティブな力をかけ合わせて何かアクションできないか」ということで、外部のプランナーさんにお声掛けし、共感いただいたところから企画がスタートしました。ポスターの制作は2019年の夏に続いて、今年が2回目となります。―なぜ2色だけのポスターになった?ヴィジュアルインパクトを出しやすいこと、そして色彩の持つ効果を発揮しやすいことから色を絞りました。『日傘=陽射し』の話であるため、光を感じさせるべきと考えました。そこで、2色の掛け合わせによる表現をしています。色は、真夏の暑さを感じる赤と、涼しげなシアンを使うことにしました。ポスターは多くの人の目が留まるようなデザインとなり、関心を集めたようです。早速ネット上では「傘と同じように誰が使っても当たり前になればいい」「男性ですが、使ったら『こんなに涼しいのか!』と驚きました」「健康のためにもみんな使おう!」などの声が寄せられていました。日傘は、暑さ対策だけでなく、感染対策にもなる一石二鳥のアイテム。さらに、急な雨でも晴雨兼用ならば濡れる心配もありません。年代・性別問わず日傘の使用が広まるといいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年09月03日新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染者や濃厚接触者、医療従事者などに対する誹謗中傷や差別行為が後を絶ちません。看護師のぱれちに(paretiny)さんは、コロナウイルスによる差別の実態を漫画に描き、Instagramに投稿。誤解や偏見によって生み出される人の心の歪みに、ゾッとしてしまいます。漫画では、コロナウイルスによる差別で、引っ越しを余儀なくされた人の実体験が描かれています。登場人物は石を投げ入れられたり、物を壊されたり、誹謗中傷されたりなど卑劣な差別行為に追い詰められ、ついにはマイホームを手放す事態になってしまいました…。コロナウイルスは誰もが感染する可能性があり、感染者や濃厚接触者には何の罪もありません。ましてや医療従事者は人々の健康のため、懸命に働いてくれる存在です。本来は同情や労り、敬意の念を表されるべき人々が、人権侵害の恐怖に怯えなければならない実態に、胸が痛みます。読者からは、怒りの声が相次ぎました。・ひどすぎる。自覚症状ないだけで、自分も感染者かもしれないのに。・他人に意地悪をする人は、自分自身に呪いをかけているようなもの。・本当に許せない。コロナウイルスより怖いのは、間違った正義で他者を傷付ける人間ですね。コロナウイルスに関連した差別や誹謗中傷は、人々や社会の分断を生み出すもっとも邪悪で許しがたい行為です。憎むべきはウイルスであることを、決して忘れてはならないでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年09月02日2020年8月現在、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)が流行する中、感染者やその家族、医療・介護関係者や感染者が確認された事業者などに対する誹謗・中傷などの差別的な行為が増加しています。千葉県松戸市はコロナウイルスによる人権侵害を危惧し、同月1日に『緊急宣言』を発しました。その内容が、こちらです。「新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う人権尊重緊急宣言」新型コロナウイルス感染症は、日本国内のみならず、世界で猛威を振る続けています。松戸市においてもその影響は甚大であり、国の緊急事態宣言は解除されたものの、感染者数は都市部を中心に再び増加に転じ、以前として予断を許されない状況となっています。このように、新型コロナウイルス感染症への対応が長期化する中、感染された方やそのご家族を呼び市民の健康を守るために最前に懸命に闘っている医療・介護関係者をはじめとして、社会生活を支えるため日々奮闘している多くの関係者やそのご家族に対する差別・偏見やいじめ等が社会問題となっています。人権は、いかなる場合でも尊重されるべき基本的な権利であり、このような差別や偏見は決して許されるものではありません。感染のリスクは誰にでもあります。偏見や差別的な言動に同調せず、正しい情報と知識に基づいた行動をとることがなにより大切です。闘う相手は人間ではなくウイルスです。新しい生活様式を守りつつ、一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息を願うとともに、新型コロナウイルス感染症に関する「差別・偏見やいじめ等のないまち、まつど」を目指し、市民と市が一丸となって推進していくことをここに宣言します。令和2年8月1日松戸市松戸市ーより引用松戸市の本郷谷健次市長は「陽性になっても感染者本人の責任ではない」と誤解や偏見で差別的な対応をしないよう、動画でも強く訴えました。コロナウイルスは自覚症状が出ない場合もあり、誰もが気付かない間に感染する可能性があります。大切なのは、社会一丸となって感染を拡げないように日々できる工夫をし、先の見えない状況でもみんなで支え合っていくことです。感染者や懸命に働く医療・介護関係者を傷付け、人々の心に分断を生むような行為は許されるものではありません。松戸市の『緊急宣言』にネット上では「責める加害者だって、いつ感染者になるか分からない」「当たり前のことをいっているのに、うるっとしました」「改めて宣言するのも大事だな」などのコメントが寄せられています。私たち一人ひとりが間違った方向に進まないよう、強く意識する必要があるでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年08月05日2020年7月現在、日本各地で感染者が相次いでいる新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)。『コロナ差別』といった言葉が生まれたほど、一部では感染者を差別したり、留学生に「海外からコロナウイルスを持ち込むな」と侮辱をしたりする人がいるといいます。同月29日に放送された情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、『コロナ差別』について特集しました。近藤春菜「想像力のなさに驚く」番組では、愛媛県今治市で起きた、感染者の名前と顔写真入りのビラが飲食店街にばらまかれていた騒動について紹介。この件について、愛媛県の中村時広知事は「極めて悪質な行為。許しがたい行為」という怒りのコメントをしました。ビラには『おい、(名前)!この顔に、ピンと来たらコロナ注意。今治で初コロナ感染者』と書かれており、街にばらまいた人は不明。ビラに名前と顔写真を載せられた男性は法的手段を検討し、警察も調査を進めているといいます。また、男性はスッキリの取材に対し、このようにコメントしました。本当に見たときは絶望感といいますか、こんなことをされるのかなと思って。僕はなりたくてなったわけではないのでもちろん。対策もしておりましたし、それで犯罪者扱いされるのはどうなのかなと思いますね。スッキリーより引用男性の元にはPCR検査で陽性と判明した日から、電話が鳴りやまず1日で100件以上の連絡が来たといいます。男性が陽性と判明した翌日に今治市は名前を公表せずに発表したものの、その日にビラはまかれていました。中傷は、家族にまで及んでおり、男性は「体力的にも精神的にも結構しんどい」と先行きに不安を感じているようです。同番組に出演しているお笑いコンビ『ハリセンボン』の近藤春菜さんは、悪質な差別に苦言を呈しました。あまりにも酷くて、やっぱり差別をしている人の想像力のなさに驚きますけど。コロナになってしまうというのは対策してても、本当に見えないウイルスですから、仕方がないことなんですよね。なってしまったことは悪いことじゃないし。そこを、責めたってどうしようないわけですよ。なのに、じゃあ差別している人が自分がなってしまったらとか、自分の家族がなってこういう差別を受けたらとか、そういう想像力もないし。こういう差別をすることによって、VTRでもありましたけど感染してしまった人がいいづらくなってしまう社会を作ってしまっているということが全く想像できていないですよね。スッキリーより引用また、司会の加藤浩次さんも「いいづらいということは結果、コロナウイルスの感染を広げることになりかねないんだということだよね」と、差別によってコロナウイルスの感染拡大につながりかねないと指摘しました。ネット上では、2人と同意見の声がたくさん上がっていました。・これは酷すぎる。しかもまるで指名手配犯のようなビラに悪意を感じる。・同じ愛媛県民として恥ずかしい。本当に想像力がなさすぎるよ。・「差別されるからいい出せない」っていう人がでてきてもおかしくない。感染者の中でも感染経路不明の人は多く、しっかりと対策をとっていても感染してしまうこともあるでしょう。必要以上に他者を責め、差別する行為がこれ以上なくなることを願います。[文・構成/grape編集部]
2020年07月29日2020年1月頃から発生し、世界中で流行している、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)。同年7月現在も、日本では感染者が確認されており、外出時のマスクの着用や手洗いなどの徹底が呼びかけられています。その中で、感染者や濃厚接触者はもちろん、医療従事者などに対し、心ない言葉をあびせるといった差別が横行。コロナウイルスによる社会の混乱は、あらぬ誤解や偏見を生み、一部の人を深く傷付けているのです。感染者への差別を、加藤浩次がバッサリ同月28日に放送された情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、ニューヨーク州が実施する感染対策について紹介。ニューヨーク州では、陽性者の濃厚接触者を追跡する『トレーサー』という役割を3千人ほど採用し、それによって新たな感染者を早期発見することで、さらなる感染拡大を防いでいるといいます。そういった取り組みに対し、番組のコメンテーターを務める高橋真麻さんは、日本で感染者を割り出すことの難しさについて、次のように語りました。個人情報が漏れたりするのがどうして嫌かっていうと、『コロナ』っていうと悪者扱いされる。今までコロナ差別っていうのがあった通り、コロナにかかったって人にいえないみたいな状況が、こういったことを生みだしていると思うので。あんまりコロナにかかったからっていって差別するような社会の雰囲気をまずなくしたほうが、もうちょっとみんなが申告しやすいし、今まで自分が動いてきたところとか行ってきた場所とかもいいやすいのかなって思います。スッキリーより引用高橋さんのコメントに対し、番組のMCを務める加藤浩次さんは「おっしゃる通り」とうなずき、こう意見を述べました。本当にその、差別があるっていうのは知識がないっていってるようなもんですからね。しっかりした知識を持ってないから、そういう差別みたいなのが生まれてしまうっていうのがあるから。そこはしっかりした知識を持ちながらやらないといけないということですね。スッキリーより引用加藤さんは「差別をするっていうのは、知識がないといっているのと同じ」とバッサリ。しっかりした正しい知識を持って感染予防対策を行い、周囲に感染者が出た際は冷静な対応をするよう呼びかけました。番組の視聴者からは、加藤さんの発言に対して共感の声が上がっています。・加藤さんの発言、その通りだと思う!すごくいいこというなぁ。・素晴らしい。コロナウイルスの感染者を攻撃する人は、理解できずにひたすら恐怖心があるからだと思う。・感染予防対策をしていたにも関わらず、かかってしまう人もいる。コロナウイルスのせいで必要以上に周囲と敵対するのはよくない。コロナウイルスに限らず、正しい知識が欠如していたり、必要以上に恐れなどのネガティブな感情を抱いたりするところから、差別は生まれるといえます。正しい知識を取り入れ、冷静な判断力を持って対応することが大切ですね。[文・構成/grape編集部]
2020年07月28日所属したチームのコーチが上手い子とそうでない子をあからさまに差別するので、自信を失ってチームを退団したが、数か月たっても自信が回復しない。サッカーが嫌いになったわけではなさそうだけど、今はほとんどボールも触らないし、こんなときはどうすればいい?子どもに合うチームを探すか、他の道を探すべきか迷っている。というお母さんからご相談です。みなさんならどうしますか?今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、取材で得た知見をもとに3つのアドバイスを授けますので参考にしてください。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<お前いらなくない?と中傷される中学生のクラブ内いじめ問題<サッカーママからのご相談>小四の息子がいます。運動神経は良い方ではありません。一年から、スクールで遊び程度にサッカーをはじめ、昨年から本人の上手くなりたいという気持ちからチームに入りました。その際にスクールは退会しています。しかしながら、自分から入りたいと言ったのにチームに入団して半年経っても自分から練習をしたりせず、親が言って練習するような状態でした。ですが、しばらくすると自分が成長している実感が出てきたのか、前向きに取り組む様になりました。ようやくやる気を出してくれたと思っていたのですが、所属したチームのコーチが上手な子とそうでない子をあからさまに差別する対応をとることもあり、自信を失ってチームを辞める事となりました。数か月たちますが未だに自信が回復しません。サッカー自体を嫌いになったわけではないようですが、今はスクールにも行っていないし、時々、本当に時々ボールを触るぐらいです。こんな時は、子どもに合いそうなチームを見つけて続けさせるべきなのか、サッカーは辞めて他の道を一緒に探すのが良いのかとても迷っています。なにかアドバイス頂けたら幸いです。<島沢さんのアドバイス>ご相談のメールをいただき、ありがとうございます。短いお便りだけなので、正確に把握できないかもしれません。そこを踏まえてお聴きください。■選択肢を限定しているのでは?ご相談のメールから、お母さんはいま、息子さんのことをあまり認める気分ではないのかな?という印象を受けました。「自分から入りたいと言ったのにチームに入団して半年経っても自分から練習をしたりせず、親が言って練習するような状態でした」「今はスクールにも行っていないし、時々、本当に時々ボールを触るぐらいです」そのような言葉から推測するに、息子さんに対して「なんだかなあ」と残念に感じているのではありませんか?間違っていたらすみません。でも、誤解しないでくださいね。お母さんを責めているのではありません。お気持ち、非常にわかります。もっと前向きにやってよ。やる気出してよ。シャキッとしてよ。子どもに対して、そんなふうに思うこと、ありますよね。私にもよくありました。何かに付け、「もう、本当に不甲斐ない!」と思っていました。お母さんがそんなふうに残念な気持ちでいるときに、お母さんだけの思惑で動くのは危険です。お母さん自身が「この状態を早く何とかしたい」と焦ってしまい、冷静に行動できないかもしれません。親が冷静に動けないときはほとんどの場合、子どもの意思や気持ちを尊重できていません。すでにお母さんは「こんな時は、子どもに合いそうなチームを見つけて続けさせるべきなのか、サッカーは辞めて他の道を一緒に探すのが良いのか」と選択肢を限定して、焦っている様子がうかがえます。では、どうしたらいいか。三つアドバイスさせてください。■声に出していなくてもお母さんからの無言の圧力を感じているはずひとつめ。立ち止まってください。お母さんの息子さんへのネガティブな気持ちを、まずは鎮めましょう。スクールにも行かず、自分でボールを蹴るくらいの息子さんが気になるようですが、「息子とサッカーにまつわること」をとにかく気にしない。見ない、聞かない。そう決心して、なるべくサッカー以外のことで息子さんとつながってください。一緒に何か作って食べる。家で映画を見る。同じ本を読む。一緒にゲームをする。何でもいいです。それも難しければ、一時的に息子さん以外のことで自分を忙しくしてください。首都圏などにお住まいならまだコロナの影響で動きづらい状態ですが、そのなかで自分の趣味や好きなことを見つけてください。子育て以外のことに熱中しましょう。そんなふうにお母さんの視線が息子さんから離れることは、彼自身にとってもいい影響を及ぼすはずです。サッカー、どうするの?もうやめるの?続けないの?もし声に出していなかったとしても、息子さんはお母さんからの無言の圧力を感じているはずです(本人に自覚がなかったとしても)。そこから解放されれば、彼自身にも余裕が生まれます。いまは親子ともに精神的な余裕がない状態だと考えられます。すでにお伝えしましたが、そんなときはあまり新しいことを始めたり、決断をしないほうがいいと思います。■自分で決めなさい、と言いながら親が誘導していないかふたつめ。これまでの子育てを少し見直してみましょう。ご相談文に、「所属したチームのコーチが上手な子とそうでない子をあからさまに差別する対応をとることもあり、自信を失ってチームを辞めた」とありましたが、これは、息子さんが「差別だよ。こんなチームにはいたくない。とりあえずやめる」と強く主張し、自分から決心して退団したのでしょうか?もし、お母さんが「もうやめたら?」と働きかけていたとしたら、少しばかり過干渉な部分がなかったか、考えてみてください。この連載で何度か書きましたが、あれこれと世話を焼くことは、過度になると「転ばぬ先の杖」になってしまいます。大人が世話を焼くことは、子どもが自分で考えたり、決心して自分から動く機会を奪います。失敗もしないし、子どもも何も考えなくていいので楽ですが、そこに成長はありません。杖があると、足腰は鍛えられないのです。そして、注意すべきは「自分で決めなさい」と言いながら、「こうしたらいいのに」「これがいいと思うけど」と誘導している場合です。これは私自身もここに気づくのに時間がかかりました。主体的に動く人間になってほしいと思いながら、いつの間にかうまくいくよう誘導していました。ところが、親が「良かれと思って」動くと、あまりうまくいきません。したがって、親は放置する勇気を持たなくてはいけません。私の子どもは二人ともすでに大学生です。今思えば、放置できてこそ、親になれるのかなという気がします。■待っていても子どもが動き出さなかったら?(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)最後、三つめは、お子さんの気持ちを考えること。ご自分の焦りや感情に向き合うのではなく、「いま、この子はどんな気持ちなんだろう?」と考えてみてください。好きで始めたサッカーがうまくいかなかった。息子さんは大いに傷ついているはずです。傷を癒せるよう、少し休ませてあげてください。「せっかく頑張ろうとしていた矢先だったのに残念だったね。でも、また他のところでやってもいいし、サッカー以外のことをしてもいいよ。いつも応援してるよ」そんな言葉をかけてあげてください。そして、息子さんが自分から動き出すのを待ってください。なかなか動き出さなかったら?もう一度、「いま、この子はどんな気持ちなんだろう?」と観察してください。動き出すペースは人それぞれです。お母さんのペースを押し付けず、「放置する勇気」を奮い起こしましょう。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2020年07月22日2020年7月4日、カリフォルニア州にあるレストランでは1組のフィリピン系アメリカ人の家族が食事を楽しんでいました。叔母の誕生日のお祝いをしていたジョーダン・チャンさんたちがハッピーバースデーの歌を歌い、記念写真を撮っていると、近くのテーブルに座っていた白人男性が彼女たちに向かって差別的な言葉を叫び始めたのです。「このクソアジア人!お前らがいたアジアの国へ帰れ!ここはお前たちの場所じゃないんだ!出て行け!」突然のことに驚いたジョーダンさんは動画を撮り始めます。すると男性は撮影されていることを知りながらも、さらにアジア人を侮辱する非常に口汚い言葉をいい続けたのです。アジア人を侮辱する男性客に気付いたウエイトレスは男性の暴言にジョーダンさんたちが驚いていると、そこに1人の女性が割って入ります。「どうぞあなたがお引き取りください」男性に向かってそういったのは、ウエイトレスのジェニカ・コクランさん。しかしそれでもまだジョーダンさんたちを侮辱する言葉をいい続ける男性に対して、ジェニカさんは強い口調でこういい放ったのです。今すぐ出て行きなさい!あなたがここにいることは許されない!私たちのお客様にそんな口の利き方をしないで!彼らは大切なお客様よ。この店はあなたの入店を今後一切認めないわ!その場にいたジョーダンさんの叔父は『Inside Edition』の取材で、家族を守ってくれたジェニカさんに対して「感謝してもしきれない」と語っています。ジョーダンさんがこの時の動画をInstagramに投稿するとたちまち拡散され、白人男性への非難が殺到。男性はIT関係の企業の経営者だということが分かり、数日後にメディアを通じてジョーダンさんたち家族に対して謝罪コメントを出しました。一方で男性に対して毅然とした態度で対応したジェニカさんに世間から称賛の声が上がり、「人種差別に立ち向かった彼女にチップをあげよう」と複数の寄付金サイトが立ち上がっています。家族で食事をしていただけのジョーダンさんたちは、この出来事によって楽しい時間を一気に奪われてしまったはずです。そんな時にすぐさま彼女たちを守ろうとしたジェニカさんの行動は、家族にとって唯一の救いとなったことでしょう。新型コロナウイルス感染症が広まって以来、アメリカではアジア人が差別的な言動で攻撃される事件が増えています。誰もがお互いに見た目や考え方の違いを受け入れ、平和に共存していける世界になることを願わずにいられません。[文・構成/grape編集部]
2020年07月15日オプラ・ウィンフリーが司会を務め、体系的な人種差別や米国の現状についてアカデミー賞ノミネート経験のある映画監督エヴァ・デュヴァネイや人権擁護活動家らと対話する「緊急討論 人種差別社会の行方」(原題OWN Spotlight:Where Do We Go From Here?)が、日本で配信、放送されることになった。本番組は、現在ますます高まりを見せる「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター/黒人の命は大切)」運動を受け、米国ディスカバリーのグループブランドであるOWN:Oprah Winfrey Network(以下OWN)が制作。OWNをはじめディスカバリーチャンネル、HGTV、Investigation Discovery(ID)、Food Network、TLCをはじめとする米国の全19ブランドにおいて、現地時間6月9日と10日の2夜にわたり同時放送を行った。名司会者として知られるオプラが黒人の人権擁護活動家やアーティスト、思想的リーダーらとのリモートでの対話を通して、いまのアメリカ社会で直面している人種差別や今後の課題、そして、この先自分たちがどう歩んでいくべきかという疑問を検証し、具体的な打開策を探る。登壇者は、ピューリッツァー賞受賞歴を持つジャーナリストのニコール・ハンナ-ジョーンズ、『13th-憲法修正第13条ー』『グローリー/明日への行進』「ボクらを見る目」監督のエヴァ・デュヴァネイ、『グローリー/明日への行進』でキング牧師を演じた俳優デヴィッド・オイェロウォ、ジョージア州の州議会議員を務めた経験を持つステイシー・エイブラムスら。オプラは番組について、「私は友人や思想的リーダーの方と今後の予定や方向性について、プライベートな会話をしています。彼らの発想や懸念、コメントに焦点をあてることは、全国民にとって興味深くかつ役立つものになると思いました」とコメント。また、OWNのプレジデントを務めるTina Perryは、「OWNは黒人の生活および地位向上に特化したネットワークとして、ジョージ・フロイドの殺害を悼み、有意義な変化をもたらすために私たちが共に何ができるかを自問しながら、この困難な時期にコミュニティにとって重要な対話と役立つリソースを提供することに全力を尽くします」とコメント。Discovery, Inc.のプレジデント兼CEOであるDavid Zaslavは、「歴史上この重大な時期に、私たち全員に洞察力や視点、行動力を与えてくれるオプラのような人は他にはいないでしょう。私たちはOWNと連携し、ディスカバリーならではのグローバルネットワークを通じ、200以上のマーケットに及ぶ10億人もの潜在的視聴者に対して、経済的および社会的正義と平等に関する問題について重要な議論を拡大することを光栄に思っています」と語っている。「緊急討論 人種差別社会の行方」は、動画配信サービス「Dplay」にて6月27日(土)12時より開始する「特集:差別なき世界を求めて」内にて無料配信。CS放送「ディスカバリーチャンネル」にて6月27日(土)19時~前編、6月28日(日)19時~後編と、2夜連続で放送。(text:cinemacafe.net)
2020年06月26日2020年5月25日、アメリカ・ミネソタ州で黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行された後、亡くなりました。この事件の翌日、ある12歳の黒人少年がInstagramに投稿した動画が一気に拡散しました。少年の名前はキードロン・ブライアントくん。キードロンくんは「僕の心の中にある思い」としてInstagramでオリジナル曲『I Just Wanna Live(僕はただ生きたいだけ)』を披露。するとその動画が話題となり、共感や称賛の声が殺到したのです。 この投稿をInstagramで見る Keedron Bryant(@keedronbryant)がシェアした投稿 - 2020年 5月月26日午後2時01分PDT僕は黒人の若者。しっかりと立つためにできることはすべてしている。でも周りを見渡すと、同類の人たちがどんな目に遭っているかが分かる。毎日、僕は獲物のように追われている。僕らはトラブルなんて望んでいないのに。こんな苦しみはもううんざりだ。僕はただ生きたいだけ。神様が僕を守ってくれる。僕はただ生きたいだけ。僕はただ生きたいだけなんだ。keedronbryantーより引用(和訳)まだあどけなさの残る12歳の少年が「僕はただ生きたいだけ」と歌う姿に人々は心を打たれ、「あなたの心の痛みを感じる」「涙が止まらない」などのコメントが寄せられています。またキードロンくんの歌声はアメリカを代表する有名人たちの心も動かしました。バラク・オバマ前大統領や歌手のジャネット・ジャクソン、ケイティ・ペリーら数々の著名人が自身のInstagramにキードロンくんの動画をシェアし、彼を称賛しています。それだけではありません。なんとキードロンくんはこの数週間後、大手レコード会社『ワーナー・レコーズ』と契約を結び、6月19日に『I Just Wanna Live』が正式にリリースされたのです。発売日が『ジューンティーンス(Juneteenth)』というアメリカの奴隷解放を祝う日だということにも、大きな意味があるのでしょう。 この投稿をInstagramで見る Keedron Bryant(@keedronbryant)がシェアした投稿 - 2020年 6月月23日午前11時44分PDT海外メディア『TODAY』によると、この曲を作詞したのはキードロンくんの母親なのだそう。彼の胸の内を代弁したような歌詞は、きっと愛する息子が抱える不安や葛藤を理解している母親だから書けるものなのでしょう。ワーナー・レコーズは『I Just Wanna Live』の収益を全米黒人地位向上協会(NAACP)に寄付すると発表しています。ジョージ・フロイドさんの事件をきっかけにアメリカを始め、世界中で警察の黒人への暴力や人種差別に抗議するデモが行われています。12歳の少年が歌という形で訴えたパワフルなメッセージは、多くの人の心に届いていることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年06月26日私たちの日常生活は、さまざまな職業の人が、それぞれの仕事をすることで、互いに支え合っているといえるでしょう。しかし、残念ながら世の中には一部の職業に偏見を持ち、見下す人がいるようです。飲食店に作業着で入店してきた客に対し…?ある日、なめ茸コンクリート(@Freesmilexxx)さんは、ファミリーレストランで商談の打ち合わせをしていました。そこに、作業着を着た客が入店してきたそうです。すると、なめ茸さんの商談相手は、彼らに対し半笑いでこのようなことをいいました。よくあんな汚い格好で飲食店に入れますよね。頭を使って稼げばいいのに。差別的な発言を聞いた、なめ茸さんは激怒。この言葉をきっかけに、すぐさま打ち合わせを終了させたといいます。打ち合わせしてたファミレスに作業着着た人達が入店してきて『よくあんな汚い格好で飯屋入れますよね頭使って稼げばいいのに笑笑』と商談相手が口にした瞬間僕がブチ切れて打ち合わせ終了しましたマジで勘違いすんなよな〜— なめ茸コンクリート (@Freesmilexxx) June 24, 2020 なめ茸さんは商談相手の言葉に、「この世でえらいのは権力者でも金持ちでもなく、労働者です」とコメントしました。きっぱりとした対応にスカッとしますね。この発言をした人も、自身の言葉を反省したことでしょう。この投稿には約13万人が『いいね』をし、多くの共感を得ています。【ネットの声】・頭を使って稼げるのは、稼げる環境を作っている人がいるからなんです。・よくいってくれました!職業関係なく、作業着や制服を着た人たちに、世の人はめちゃくちゃお世話になっているはずです。見下すなんてもってのほか。・作業着を着る仕事をしています。この投稿を見てスッキリしました!最高です、ありがとうございます!仕事内容によって誰かを差別することなく、どんな職業の人に対しても敬意を払いたいものです。[文・構成/grape編集部]
2020年06月26日『人種が違う』というだけで起きる差別の歴史は古く、残念ながら現在でも根強く残っています。誰もが被害者にも加害者にもなり得る人種差別。人種間にかぎらず、差別そのものがなくならない理由や要因は、長い歴史の中で複雑に絡み合い、ひと言では簡単に説明できません。しかし、尾添(@ozoekkk)さんがTwitterに投稿した体験談を読めば、差別問題解決のきっかけがつかめるのではないでしょうか。『叔母と私と、人種差別の話』日本から南欧に移住し、30年以上現地で暮らす叔母を持つ投稿者さん。叔父の葬儀のため、叔母が暮らす南欧を訪ねた際、都市部のカフェで人種差別を目の当たりにしたといいます。叔母と私と、人種差別の話 pic.twitter.com/XhqdjhHoYb — 尾添 (@ozoekkk) June 25, 2020 差別の根本にあるのは、孤独と未知の恐怖。差別する人は、現実に向き合いもせず、軽蔑したり怯えさせたりすることで自分を守る臆病者。海外で暮らす人たちが今以上に少なかったであろう時代から、異国の地で暮らしてきた叔母だからこそ、その言葉には重みがあります。また、叔母は差別を許してはならない理由について、こうも語っていたのでした。『生きる』ということは、社会や世界とつながり、支えあっていくこと。人種や性に関する差別は特に許してはいけない。個性を否定することだから。目の前にいる相手を知るということは、社会を知り、世界とつながる一歩目ともいえます。『自分と違う』『自分の知らない現実』というだけで目をそらし、ましてや相手を否定し続けた先に、一体何が残り何が得られるというのでしょうか。誰かと違うことは何も怖くないことだと、一人ひとりの内側から変えていかなきゃ進まない気がする。自身が目の当たりにした差別をきっかけに、そう語る投稿者さん。人種だけでなく、世の中には性的指向や性別、生まれ育った地域や職業など、数多くの差別が存在します。「自分に差別は関係ない」と思っていても、現実に差別は起きていて、自分が気付かないだけでとても身近な問題です。もしかしたら、知らないうちに差別を受け、または差別している可能性も。「差別はいけない」と語るのは簡単なことですが、では実際に差別をなくすためにはどうすればいいのか…答えは自分の心の中にあるのではないでしょうか。尾添さんのほかの作品はコチラから現在、イラストレーターや漫画家として活躍している尾添さん。ほかの作品はInstagramやウェブサイトから見ることができます。ぜひ、ご覧ください。ウェブサイト:戯曲キャンディInstagram:尾添(ozoek12)[文・構成/grape編集部]
2020年06月26日外務省によると、2020年6月現在、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染者数は全世界で700万人を超えています。差別をなくすため、大切なのは…?家族とともに海外で暮らしているハスエリコ(@rostock_jp)さん。ある日、ハスさんの娘さんが近所の子供たちにこのような言葉を投げかけられました。アジア人!コロナウイルス持ってるんだろ!差別的な発言に傷付いた娘さんは、ハスさんに半泣きでこのことを報告。これを聞いたハスさんは、すぐにその発言をした子供の家を訪れました。出てきた母親に対し、娘さんが差別的発言を受けたことを伝えると、彼女はうろたえながらこういってくれたそうです。それは本当に許されないことだわ。それ以上話し続けると泣いてしまいそうだったハスさんはいったん家に帰りました。すると、先ほどの母親と父親、そしてその子供たちが謝罪しに来てくれたそうです。父親が「さぁ、やったことを謝るんだ」というと、差別をした子供はチョコレートを差し出しながらこう謝ってくれたそうです。僕がいいました。ごめんなさい。これに対しハスさんは…。とても悲しいことだったし、あれは差別だ。でも、こうして来てくれてありがとう。これで終わりかと思いきや…その後の展開に驚きその謝罪の後、改めてみんなで自己紹介をしました。すると、その子供たちと娘さんが同じ年齢だと分かり、彼らはすぐに一緒に遊びに行ったのだとか。それ以来、娘さんとその子供たちは仲よく遊んでいるそうです。このことから、ハスさんは次のように語っています。大事なのはお互いを知ること、対話なんだなぁと身をもって体験しました。知らないものは不安がある。なら知ろうとすればよい。勉強ってそういうことだね。すると我が家の子供たちと年齢が一緒だということがわかり、すぐに一緒に遊びにどこかへ行ってしまった。それ以来すっかり仲良く遊んでいる。大事なのはお互いを知ること、対話なんだなぁって身をもって体験しました。知らないものは不安がある。なら知ろうとすればよい。勉強ってそういうことだね。— ハスエリコ@GOLDKÄFER&シュヴェリーン城公認ガイド (@rostock_jp) June 9, 2020 差別されたことをうやむやにしないハスさんと、また自分の子供が差別したことを受け入れ、きちんと謝らせることのできる親…両者の姿勢を見習いたいものです。また、その後仲よくなれた子供たちの純粋さにも心打たれます。投稿にはさまざまな声が寄せられていました。・大人がまずちゃんとした考えを持ってないといけないんだな…背筋が伸びました!・「私とあなたは違うけれど、同じ人間。考えてみればそうだよね、ごめんね」と許し合える子供たちに希望を感じました。・逆ギレせずに、我が子の非を認め謝ることのできる親子。そして、謝ってくれたら許せる心。学ぶべき姿勢ですね。多くの人がこの2つの家族の行動に驚き、感心していました。ハスさんのいう通り、まずは互いを知るために対話することが重要なのでしょう。単に『差別をしてはいけない』ということだけでなく、『差別をなくすにはどうすればいいのか』について考えさせられる投稿でした。[文・構成/grape編集部]
2020年06月15日米国では、黒人差別に対する抗議運動「Black Lives Matter(BLM)」が全土に広がりつつある。個人のみならず、マクドナルドやスターバックス、ウェンディーズなどの大企業も活動理念に賛同の意を示し、寄付などを行っている。しかし、現在Twitterでは「#BoycottStarbucks(スターバックスをボイコットしよう)」というハッシュタグがトレンド入りしているのだ。一体何が起こったのだろうか。スターバックスは4日、「私たちは黒人の従業員、顧客、コミュニティのために行動を起こし、学び、サポートすることに全力を注いでいます。人種的公平性を促進する機関に対し、スターバックス基金から100万ドルを拠出します」と声明を発表。BLMに寄り添う姿勢を明らかにしたが、社内では真逆とも言える対応が取られていた。米BuzzFeedは、スターバックス本部から店舗マネージャーに送られた「ドレスコード・ポリシー」というタイトルのメモを入手。そこには、BLM支持のメッセージを込めたTシャツやピンズの着用を禁止するとの方針が明記されていた。その理由として、そういったメッセージ性のあるアイテムを身に着けることは、安全性や顧客との関係、スターバックスのパブリックイメージを害する恐れがある、と書かれている。面従腹背とも言えるスターバックスの行動が明らかになると、ソーシャルメディアでは失望や落胆、怒りの声が多く挙がり、これが冒頭のハッシュタグに繋がる。TODAYがこの件に関してスターバックスにコメントを求めると、広報担当者は「このポリシーは昔からあるもので、スターバックスは構造的な人種差別を終わらせるための役割を全力で果たしている」と回答。確かに、’18年5月に「全ての人に歓迎される店舗であるために、従業員が政治的、宗教的な意図を持ったアイテムを身に着けることを禁じる」とするポリシーが制定されている。しかし、従業員が特定のシンボルやアイテムを身に着けたい場合は、本部に申請し、承認してもらえるシステムも存在しているという。
2020年06月12日『セクシュアルマイノリティ』や『LGBTQ+』といった言葉の意味を知っていますか。多くの人が自分の生まれ持った性別を受け入れ、異性に恋愛感情を抱きます。しかし、中には、身体は男性でも心は女性だったり、女性として女性に恋愛感情を抱いたりする人もいるのです。そのような人たちは、性的に少数派として『セクシュアルマイノリティ』と呼ばれています。また、彼らをより具体的に『LGBTQ+』と呼ぶことも。『LGBTQ+』とは…L(レズビアン)…女性に恋愛感情を抱く女性。G(ゲイ)…男性に恋愛感情を抱く男性。B(バイ)…男女どちらにも恋愛感情を抱く人。T(トランス)…心と身体の性が一致していない人。Q+(クエスチョニング、クイアなど)…『L・G・B・T』に該当しない人、また、意図的に決めていない人など。※『Q+』を『s』として『LGBTs』とするなど、表記方法はいくつかあります。残念なことに、『LGBTQ+』を差別的な目で見ている人もいるのです。差別について考えるのは、面倒くさい?ゲイバーで働く望月もちぎ(@omoti194)さんは、店や日常生活で感じたことを漫画にしています。ある日、店で聞いた差別についての話が心に残ったそうです。「ザ・LGBTって感じ(笑)」 友人の発言にあ然店の常連客の1人に、『セクシュアルマイノリティと教育』について学んでいる学生がいました。彼が友人たちに『LGBTQ+』の差別について話したところ、「面倒くさい」といわれてしまったのだとか。正義の話 pic.twitter.com/6eNfT2RM2i — 望月もちぎ@7/29小説発売 (@omoti194) June 10, 2020 自分に関係がないので、差別そのものについて深く考えたことはないという人もいるでしょう。しかし、関心がなければどんな言葉や行動が差別につながるかについて知る機会も限られてきます。誰かの意見に流されて、知らないうちに差別に加担してしまうこともあるかもしれません。投稿には、さまざまな視点からコメントが寄せられました。・基本的に関わらないけど、差別をしているわけじゃない。ただ、巻き込まれたくないというか…。・確かに、誰かが「差別はだめ」といって差別をやめるなら、誰かが「攻撃しろ」といったら攻撃してしまうのかも。自分で考えることは大事ですね。・嫌悪感を持つのは自由。でも、嫌悪からくる行動のどこからが差別になるのかは考えないと。コメントには「身近に『LGBTQ+』がいないので実感がわかない。けれど、自分で考える意識は持ちたいと思った」という声も上がっていました。『LGBTQ+』に関する差別だけでなく、さまざまな問題について無関心でいると、身近な場所で問題が生じた時に間違った考えに流されてしまうかもしれません。何がよくて何が悪いのか、自分自身で判断したいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年06月11日アメリカのミネソタ州ミネアポリスで、2020年5月25日に起きた白人警官による黒人男性ジョージ・フロイドさんの死亡事故。これに端を発したデモは、今や全米に広がっています。これは、アメリカの歴史に深く暗い差別の闇があるゆえのもの。現代社会に根付く『黒人差別』をテーマにした映画から、その歴史を振り返ります。現実に胸がえぐられる『人種差別』闇の歴史『黒人差別』を描いた作品①マンディンゴ最初に紹介するのは、1975年公開の映画『マンディンゴ』です。アメリカはその成長の過程で大量のアフリカ系黒人奴隷を酷使してきました。その残酷な現実を突きつけたのが本作です。主人公は、アメリカ南部ルイジアナで大農園を営む、卑劣な白人農園主とその息子。息子の婚約者が黒人奴隷と恋に落ち、息子自身も黒人奴隷の娘に惹かれてしまう様子を、シビアな描写で描いた作品です。劇中では、「我が農場では14歳を超えて処女の黒人女なんぞおらん!」などの黒人少女たちへの不当な性暴力発言や、黒人の子どもの人身売買、さらには「黒人に魂なんぞある訳ない!」など、胸をえぐられる描写が次々と出てきます。しかし、これは、当時当たり前のように横行していた現実なのです。タイトルの『マンディンゴ』とは、西アフリカに住む『マンディカ族』のことで、人権などはまったく無視され、商品として高値で取引されていました。『黒人差別』を描いた作品②ミシシッピー・バーニング次は、1988年公開の映画『ミシシッピー・バーニング』です。『マンディンゴ』で描かれた時代は、南北戦争でリンカーン大統領率いる北部が、奴隷制度が色濃く残る南部に勝利したことで、歴史上は終焉を迎えています。しかし、現実は違いました。1960年代のアメリカ南部ミシシッピ州で実際に起きた、3人の黒人公民権運動家の失踪事件が元になっている本作。2人のFBI捜査官が、黒人差別を行う秘密結社『KKK(クー・クラックス・クラン)』の闇に近付いていく、というストーリーです。『KKK』は、南北戦争終結後に南部の奴隷商人だった男が作った白人至上主義の秘密結社。白い頭巾をかぶり、無実の黒人を街頭に吊るしたり、生きたまま火あぶりにしたりするなど非道の限りを尽くしました。劇中では、『KKK』による黒人たちへのむごたらしい暴行や殺人行為、彼らと結託した地元警察の陰湿な妨害行為の実態が鮮烈に描かれています。トランプ大統領の移民排斥傾向に賛同の声を挙げるなど、現在も多くの活動家がいる『KKK』。なお、本作は歌手の氷室京介さんも好きな映画の1つと公言しているようです。『黒人差別』を描いた作品③マルコムX次は、黒人差別をテーマに映画を作り続けるスパイク・リー監督による、1992年公開の作品『マルコムX』です。参政権すらなかった黒人たちの地位向上を目指した、公民権運動の代表的指導者であるマルコムXの半生を、名優デンゼル・ワシントンが演じています。物語は、幼少期に『KKK』の嫌がらせを受けていた父親を亡くし、自身も10代の頃から服役を経験していたマルコムの人生をなぞるように進みます。その後、彼は服役中に『ネイション・オブ・イスラム(NOI)』という教団に出会い、開眼。獄中の図書館で猛勉強をし、出所後は『NOI』に所属することになります。しかし『NOI』の闇を知ったマルコムは教団とたもとを分かち、瞬く間に公民権運動の代表的指導者になりますが、彼を苦々しく思ったNOIに銃撃を受け、亡くなってしまいます。この作品は日本のヒップホッパー、Zeebraさんにも大きく影響を与えているようで、Twitterでもたびたび話題に挙げています。『黒人差別』を描いた作品④デトロイト次は、公民権運動以後、1967年に起きたデトロイト暴動事件を描いた、キャスリン・ビグロー監督による、2017年公開の映画『デトロイト』です。黒人たちの不満が爆発し、ミシガン州デトロイト市で起きた約5日間の暴動を群像劇で描いた本作。物語は3日目にモーテルに宿泊中の黒人男性たちが、おもちゃの銃を撃ったことをきっかけに、怒涛の展開になだれ込みます。無実にも関わらず尋問・暴行、果ては殺人にまで発展した白人警官の横暴を描いたシーンは強烈のひと言…。白人警官役のウィル・ポールターの怪演は必見です。なお、物語で重要な役である黒人警備員役を演じたジョン・ボイエガは、フロイドさんの死亡事故に端を発したデモにも参加しており「キャリアに影響が出ようがかまわない」と熱いスピーチを行い、正義感あふれる姿で大衆を勇気付けています。『黒人差別』を描いた作品⑤フルートベール駅で最後は、2013年の映画『フルートベール駅で』です。2009年にアメリカ・サンフランシスコで実際に起きた凄惨な事件を、当事者となったオスカー・グラントの日常を追いかける視点で描いた本作。カンヌ映画祭でも賞を受賞した作品です。2009年の元日のフルートベール駅。22歳の黒人青年オスカー・グラントは、車内で白人グループに絡まれてしまいます。そして、揉めごとを聞きつけた白人の鉄道警察官2人は、彼に不当な扱いを繰り返し…というのがあらすじ。マーベル映画『ブラックパンサー』で悪役のキルモンガーを演じたマイケル・B・ジョーダンが本作の主演を務め、話題を呼びました。ライアン・クーグラー監督は本作のインタビューで「映画で描いた状況が目の前で展開されれば、白人警察官の取る態度は映画と同様になるケースが多いと思います」とコメント。今尚続く不当な白人警官の暴力事件の危険性を訴えています。また、本作は、あの世界的歌姫ビリー・アイリッシュがインタビューで、3年連続で好きな映画として挙げていることでも有名です。こうした映画を振り返ることで、5月から起きている暴動にどのような意味、怒りが込められているのか見えてきそうですね。自分の目で映画を見て、そして現実で起きている問題をとらえ直してみてください。[文・構成/grape編集部]
2020年06月09日NHKの番組「世界のいま Mr.シップ」が6月7日、アメリカで発生したデモについて公式Twitterアカウントで説明。しかし、「筋違い」「差別の助長では」と厳しい指摘が相次いでいる。アメリカでは先月25日、黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人の警官に首を膝で抑え続けられ不当に殺害された。そのことをキッカケに黒人差別への抗議としてデモが行われ、次第に暴動へと発展。混乱続くいっぽうで「Black Lives Matter」というスローガンが拡散され、Taylor Swift(30)やBillie Eilish(18)といった著名人たちを筆頭に黒人差別の横行する社会に人々が警鐘を鳴らしている。そんななか7日、「世界のいま Mr.シップ」はTwitterアカウントで動画を投稿した。そこには黒人のキャラクターが登場し、「俺たちが怒る背景には、黒人と白人の間に貧富の格差がある」と語った。続けて白人のほうが資産を黒人の7倍も平均的に持っていることや、新型コロナウイルスの影響で黒人の失業が相次いでいると言及。そして「こんな怒りがあちこちで噴き出したんだ」と紹介した。前述のように抗議が暴動にまで発展したのは、黒人差別への怒りが根底にある。貧富の差を理由に暴動が発生したという認識は果たして正しいだろうか?ネットでは「筋違いでは」と番組の認識を疑問視する声がこう上がっている。《これではアフロアメリカンの人権のためのプロテストではなく、金のために暴動を起こしている印象しか与えない》《動画自体があり得ない視点からつくられていて論外。米国内の黒人の怒りがどこから来ているのかを知るための勉強になってない》《「経済格差が暴動の原因だ」みたいなミスリード、最悪。問題のすり替え、制作側の悪意すら感じます》また動画に登場する黒人男性は、筋肉質でタンクトップ姿。そして、粗暴な口調でもある。番組はTwitterでこうも投稿している。《白人警察官には黒人に対する漠然とした恐怖心があって、今回の抗議デモの発端となったような事件がなくならないとも言われているんだ》こうして黒人を、恐怖心を抱かせるような存在として伝えることは適しているだろうか?ネットでは「差別を助長しているのでは」との声がこう相次いでいる。《「黒人=暴力的なデモ」を連想させるイラストや、オラオラ系の喋り方。情報の薄さと不正確さが際立つ》《NHKは、こんなヒドい人種プロファイリングの絵を、全国放送で流しただけでなく、SNSで拡散?なぜ筋肉ムキムキで血が浮き上がってる?これこそ、米国だけでなく、世界で、何百万人の人が闘っている偏見と構造的な差別を象徴》《白人警官は黒人に「漠然とした」恐怖心があるのだと言ったうえで、その「漠然とした恐怖」を表象するような、いかつい黒人像。差別扇動以外の何物でもない》これまでも「Black Lives Matter」に関連するツイートを発信してきた大坂なおみ選手(22)は9日に動画を引用し、黒人男性がいぶかしむような表情をするGIF動画を投稿した。他にも英語ネイティブのTwitterユーザーを中心に動画は世界中に拡散。ジョセフ・M・ヤング駐日米国臨時代理大使も「侮辱的で無神経」と言及している。NHKは9日、「番組では、デモの発端が、黒人男性が警察官に押さえつけられて死亡した事件であることを紹介した」と前置きしながらも「視聴者からこのアニメーションについて、問題の実態を正確に表していないなどというご批判をいただき、掲載を取りやめました」との声明を発表。現在、動画は削除されている。
2020年06月09日生まれや肌の色を理由に偏見を持ち、他者を傷付ける人種差別。世界中で長年問題視されています。2020年5月25日にアメリカで黒人男性が偽造紙幣使用の疑いで白人警官に取り押さえられた後、暴行を受けて死亡。その際撮影された動画では、白人警察に首をヒザで数分間押さえ付けられた黒人男性が「息ができない」と訴えていました。この事件を発端に、アメリカでは人種差別への抗議運動が広がっています。「政治的発言をするな」という言葉に、大坂なおみが切り返しハイチ系アメリカ人の父親と日本人の母親を持つ、女子プロテニスの大坂なおみ選手。今回の騒動を受け、大坂選手は同月30日に人種差別に抗議するコメントをTwitterに投稿しました。『警官による差別行為』で広がる抗議大坂なおみの反応に共感集まる「自分の身に起きていないからといって、それが起きていないということにはならない」とつづり、人種差別問題を看過すべきではないと訴えた大坂選手。そのメッセージに共感する声が多数上がりましたが、中には大坂選手の言動をよしとしない人もいるようです。同年6月4日、大坂選手に対し、英語でこのようなメッセージが寄せられました。(現在は削除済み)「スポーツに政治を持ち込むな」投稿者のアイコンが魚とのツーショットだったことから、大坂選手はメッセージを引用した上で「魚に食べられちゃえばいいのに」と返信。続いて、寄せられた意見に対してこのように苦言を呈しました。I hate when random people say athletes shouldn’t get involved with politics and just entertain. Firstly, this is a human rights issue. Secondly, what gives you more right to speak than me? By that logic if you work at IKEA you are only allowed to talk about the “GRÖNLID” ♀️?— NaomiOsaka大坂なおみ (@naomiosaka) June 4, 2020 「スポーツ選手は政治の話題に触れるな。ただ人を楽しませるべきだ」という意見が私は嫌いです。まず、この話題は人権問題です。次に、なぜ私にはあなたのように政治的な発言をする権利がないのですか?その考えだと、IKEAで働いている人は『グローンリード (IKEAブランドのソファ)』の話題しかしてはならないということになりますよね。@naomiosakaーより引用(和訳)人種差別は政治的発言ではなく、人権の話であること。そして、スポーツ選手にも政治的発言をする権利はあるということを訴えた大坂選手。大坂選手の毅然とした態度に、多くの人が心打たれたのでしょう。世界中から8万件以上の『いいね』が寄せられました。投稿は日本でも拡散され、称賛の声が上がっています。・素晴らしい!的を射たカウンターだと思います。・日本でもよく聞く言葉ですね。なぜ職業で発言の権利を侵害されなきゃいけないんだろう。・全文同意。直球のド正論ですね。かっこいいです!悲しいことに、差別問題に関係のない人は存在しないでしょう。だからこそ、一人ひとりが関心を持ち、自分の意見を持つことが重要といえます。いろいろな人が意見を発信し、お互いに考えを深めていくことで相互理解が進むことを願うばかりです。[文・構成/grape編集部]
2020年06月06日私は物心が付いたころから、母親からのきょうだい間の対応の差を感じていました。私はずっと「私は親からきょうだい差別を受けている」と思っていました。でも、大人になってからは「あれは、区別だったのかも」と思うことも。しかしどちらにしても、私にとってはつらい経験でした。 幼いころから感じていた「差」私は幼いころから、私と弟に対する母の対応に差を感じていました。例えば、おもちゃ。おもちゃ箱の中には、弟のプラレールやトーマスのおもちゃがたくさん詰まっていました。でも、私のおもちゃはないのです。弟のおもちゃで遊んだ記憶はあるのですが、自分のおもちゃで遊んだ記憶はありません。 私に向けられたものは、本棚に立てられた幼児教育の教科書だけでした。写真を見ても、これは私の記憶違いではなさそうでした。 弟は褒められるのに、私は…少し成長してからは、「弟は褒めてもらえるのに、私は褒めてもらえない」と思うことが多くありました。 例えば、学校のテスト。私が90点台を取ると、「どうしてこんな問題を間違えたの!? ちゃんと勉強しなかったからでしょ!」と怒られました。一方、弟が50点台を取ると、「ここも、ここも、できたね! 頑張って勉強したからだね! すごいね!」とやさしく褒められていました。それを見た私は大ショックです。私のほうが良い点数なのに、なぜ私は怒られるのか。なぜ弟は褒められるのか。 とてもつらかったことを覚えています。 母は私のことが嫌いなのだと思ったなぜ母は「きょうだい差別」をするのか。幼い私が考え出した答えは、「ママは私のことが嫌いだから」でした。「ママは弟のほうが好きなんだ」「私はいらない子なんだ」そんなことを考えると、つらくて悲しくてたまりませんでした。 しかし、今になって考えると、あれは「差別」ではなく「区別」だったのではないかと思うこともあります。母は私に「あなたは何でもひとりで、じょうずにできた。でも弟は何をやらせても遅いし、下手だった」と言っていたことがあるからです。 平等に接してほしかったもしかしたら母は、こう考えたのかもしれません。 「姉には遊びより教育を与えたい。弟には教育より遊びを与えたい」「もし50点で良いと姉を褒めたら、姉がそれで良いと勘違いして怠けてしまうかもしれない。逆に、90点を取れないからと弟を叱るのは、弟には酷だ」 確かにその子の個性、その子の個性に合わせた対応をすることは大切なことです。しかし子どもの私にとって、それはとてもつらい出来事だったことに変わりはありません。 私も親となった今、子どもへの接し方の難しさがわかるようになりました。でもやはり、あからさまにきょうだい間の対応を変えることは、子どもの心を傷付けることに繋がると感じています。 子どもの個性に合わせた対応をした結果、傷つく可能性があるくらいなら、みんな同じように接してあげたいと感じます。私は現在第二子妊娠中です。第二子が生まれたあとは、自分のつらかった経験を思い出し、どちらも「差別されている」と感じないよう、平等に接してあげたいと思っています。 イラスト:ののぱ監修/助産師REIKO著者:丸川朋一女の母。出産を機に仕事を退職。子育てのかたわら、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。現在第二子妊娠中。
2020年05月22日2020年4月現在、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の影響で、多くの人が自粛しています。そんな中、最前線でコロナウイルスと闘っている医療従事者やドラッグストア、スーパーの店員が差別されるという悲しい事例も起こっています。その差別に対し、厚生労働省が立ち上げた、コロナウイルス集団感染対策のための『クラスター対策班』のメンバーである神代和明さんが、メッセージを投稿しました。【新型コロナウイルスに立ち向かうためのお願い】医療従事者の方々やその家族等に対する偏見や中傷が報告されている中で京都大学 神代 和明 より皆様へのお願いです。一人ひとりが感染リスクを減らす行動をとり、互いに協力することが必要です。多くの方々に届いて欲しい願いです。 pic.twitter.com/MrRhfqINXk — 新型コロナクラスター対策専門家 (@ClusterJapan) April 19, 2020 みなさん、緊急事態宣言の中、我慢を強いられることが非常に多いと思います。大変ご苦労様です。私は疫学の専門家として対策班に参加しておりますが、普段は医者として病院や診療所で働く機会もございます。最近、新型コロナウイルス感染症に関わる医療従事者の方々、保健所の方々、あるいは社会の基盤を支えるエッセンシャルワーカーの方々、あるいはその家族に対する偏見や中傷があると報告されています。同じ仲間として大変残念に思います。最前線で働く方々を守らなければ、新型コロナウイルス感染症に対して立ち向かっていくことは難しいと考えております。みなさまが各自の立場で協力してこの困難に立ち向かっていきましょう。どうぞよろしくお願いいたします。@ClusterJapanーより引用エッセンシャルワーカーとは、スーパーやドラッグストアの店員、配達員、公共交通機関の職員など、私たちが生活を営む上で欠かせない仕事をしている人たちのことを指します。このような人たちがいなければ、私たちの自粛生活は成り立たないでしょう。頑張ってくれている人たちに理不尽な怒りをぶつけるなんてもってのほかですよね。この投稿に多くの応援や感謝のコメントが寄せられました。・こんな時でも人のために働いてくれる人たちに、心から感謝しています。・心ない卑劣な行動に腹が立ちます。その分、私は多くの感謝を伝えようと思います!・宅配業の人、ドラッグストアやスーパーの店員さん、病院で働く人たち…本当にありがとう!ご苦労様です!・コロナウイルスが終息したら、最前線で戦ってくれた人たちには、たくさん休んで心の療養をしてほしい。コメント欄には多くの労いの言葉や、『差別、偏見に立ち向かおう』というポジティブな言葉であふれていました。この言葉を、最前線で働いてくれている人たちに届けたいですね。『感染が怖い気持ちはみんな同じ』ということを忘れずに、こんな時だからこそ優しい言葉を掛けあって、この事態を乗り越えていきたいものです。[文・構成/grape編集部]
2020年04月28日2020年4月現在、増え続ける新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染者を救うため、多くの医療従事者が懸命に働いています。誰よりも最前線に立って、多くの患者と接さなくてはならない医療従事者の疲労はピークに達しているでしょう。そんな中、一部では医療従事者本人や、医療機関に勤める親を持つ子供たちに、心ない差別が横行。厚生労働省によると、医療従事者であることを理由に、以下のような事態が起きているといいます。・医療従事者の親を持つ子供たちが、保育所への通園を断られた。・医療従事者に対し、タクシーの運転手が乗車を拒んだ。同月17日、こういった事例に対し、厚生労働省はTwitterを通して次のような呼びかけを投稿しました。「新型コロナウイルス感染症の治療に当たっている医療従事者の子どもたちが、保育所への通園を断られた」、「医療従事者が、タクシーへの乗車を拒まれた」、などといった心ない事例が紹介されています。— 厚生労働省 (@MHLWitter) 2020年4月17日 医師や看護師などの医療従事者は、感染防御を十分にした上で、患者の検査や治療、感染症のまん延を防止するなどといった、国民が望む仕事を行っています。正確でない情報により、医療従事者に対応することは慎むべきですし、場合によっては人権侵害になることもあります。— 厚生労働省 (@MHLWitter) 2020年4月17日 厚生労働省は、医療従事者が十分な感染対策を行ったうえで国民のために働いていることを前置きし、「正確でない情報を信じて対応することは人権侵害にもつながるため、慎んでほしい」と強く抗議したのです。【ネットの声】・ありえない。誰よりも危険をおかして頑張っている人たちにやることじゃない。・医療従事者です。病院から出た時に嫌な顔をされたり、指をさされたりしています。・酷すぎる。世界でも日本の死亡者数が少ないのは、医療従事者が頑張ってくれているからこそでしょう。・自分は医療従事者ですが、タクシーの運転手から「大変な中、働いてくれてありがとう」といわれたことがあります。残念なことに、一部の人の振る舞いによって、つらくやるせない思いを抱いている医療従事者がいるのは事実。当然ながら、医療従事者も同じ人間です。中には大切な家族を守りながら、不特定多数の人々を救うという大変な任務にあたっている人もいるでしょう。私たちが戦う相手は人間ではなく、コロナウイルスであることを今一度意識したいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月19日2020年4月現在、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染拡大を受け、多くの人が自宅で過ごしています。外出自粛を余儀なくされているため、普段以上に需要が高まっているのが、オンラインでのショッピングです。その結果、日本中の宅配業者は、人々のもとへ荷物を届けるため、日々作業に追われています。ダレノガレ明美が配達員への差別に苦言同月16日に、タレントのダレノガレ明美さんが、Instagramを更新。配達員がコロナウイルスの影響を受けて、いわれのない差別を受けている現状について、ショックな想いをつづりました。 この投稿をInstagramで見る ダレノガレ 明美(@darenogare.akemi)がシェアした投稿 - 2020年 4月月16日午前2時31分PDT配達の方にそのボールペンでサインしたくないです!とか配達の方の前で荷物に除菌スプレーかけたりしてる方がいるんだって…ボールペンならあ!自分のボールペンありますとかで良いのにな…配達の人がいなくなったらすごく不便になるよ?毎日荷物を持ってきてくださる方に感謝しなきゃね。悲しい…darenogare.akemiーより引用一部では、コロナウイルスの感染を恐れるあまり、荷物を持ってきた配達員に対して失礼な態度を取る人もいるのだとか。ダレノガレさんは、そんな状況について「大変な時に荷物を届けてくれる配達員への感謝を忘れてはいけない」と訴えました。持ってきてくださりありがとうございます!が正解かと…感謝の気持ちを忘れてはだめですそして、、、配達員のみなさんいつも重い荷物をありがとうございます感謝の気持ちでいっぱいです!darenogare.akemiーより引用ダレノガレさんの投稿に対し、ネット上ではさまざまなコメントが寄せられています。・本当にそれ!そんな差別をするなら、自分で倉庫まで取りに行ってほしいと思います。・大変な状況の中働いてくれている配達員に対して、感謝の気持ちしかありません。・配達員として働く者です。そういってもらえると嬉しいです。感染のリスクと戦いながら、普段より多い仕事量をこなすことは、配達員にとって大変な苦労があるでしょう。非常事態の中でも、懸命に働く人たちによって、私たちの生活は支えられています。そういった人たちへの感謝の気持ちを忘れずに過ごしたいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月17日メイクやファッションをちゃんとすれば、女子はみんなカワイくなれるよね。だから見た目を盛るのってチョ~楽しい。それとおんなじで、じつは心も盛れるって知ってた?見た目美人は女子のあこがれだけど、心の中がおブスだったらなんかちょっとリスペクトできない感じがしちゃう。どうせだったら、見た目も心もどっちも美人なほうがいいもんね。だから今日はあなたの心美人度をチェックしてみよう!■人種差別日本ではあんま聞かないけど、海外では結構多いんだよね。「ウチらそんな差別しないし」って思ってるコは心美人度レベル1クリア!「○○人はバカ」とか「○○人は嫌い」って思っちゃうと残念ながら心がおブスになっちゃうよ。でも、人種差別の気持ちは減らすこともできるから安心してね。差別の心を減らすためには、いろんな外国の人と友達になってみればオッケー。■学歴差別高卒なんか恥ずかしいとか、中卒じゃお先まっくらだとか言ってくる大人っているよね。いくら周りがそう言ってきても、「学歴なんか関係ないし」って思ってるコは心美人度レベル2クリア!学歴だけじゃなく、職業も関係ないよ。社長だからエラいとか、プータローだからダメとかはないからね。他人とかかわる経験が少ないと、そういう肩書だけで人を判断しがちになっちゃう。だから、「差別してるかも」と思ったときは、人とちゃんとかかわっていけば大丈夫だよ。■収入差別お金があったほうが幸せで、お金がないと不幸だ・・・・・・って思ってる人って多いよね。そうやってお金の量で人を差別しちゃうと、残念ながら周りから心おブスって思われちゃうんだ。といっても、お金をほしがっちゃダメっていう意味じゃないよ。お金が好きなのはもちろんオッケー。だけど、お金がない人でも不幸ではないってことは知っておこうね。そうすれば心美人度レベル3クリア!■男女差別オレオレ過ぎると引くけど、恋愛ではやっぱり男子に優しくリードしてほしいよね。だから「ヘタレ男はマジムリ!」って思ってる女子がけっこういるの。男女関係なくヘタレてるのはイヤって思うのなら別だけど、男性だけヘタレちゃダメって思うなら心おブスになっちゃうよ。心美人度レベル4をクリアすれば、男子からは叩かれないし女子から見てもカッコいい人気者になれるんだ。■まとめ楽勝でクリアできるのもあれば、意外とクリアしにくいのもあるよね。クリアできないのがあったとしても、ヘコまないでだいじょうぶだよ。だって、今からクリアできるようにすればいいんだから。それが、心を盛るってことのイミ。まずは心の中にある差別の気持ちを減らしていこう。自分でも気づかなかった、隠れた差別意識を見つけよう。心を盛って、内面をカワイくしていけば、あなたの心美人度はどんどんアップしていくよ!(羽林由鶴/ハウコレ)
2020年04月15日新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染者数は、日本でも次第に増えていき2020年3月31日までに2千人近くが陽性と確認されています。目に見えない敵ともいえるコロナウイルスと、最前線で闘っているのが医療関係者たち。しかし、一部の人からひどい罵声を浴びせられるなどの差別被害にあっているそうです。「迷惑だから外を歩くな」訪問看護師をしているりんどう(@rindou_atarayo)さん。訪問看護師とは、看護師が患者の自宅を訪問し、病気や障害に応じて日常生活のお手伝いや、病院と同等の医療処置、医療機器を使用している人のケアなどをします。また、時には終末期の人の最期を看取ることもあるとのこと。定期的に自宅で診療をし、診療の計画を立てる『訪問診療』や、自宅を訪問して身体の介助や生活援助などを行う『訪問介護』とは違う役割を果たしています。りんどうさんは、患者の自宅訪問を終えて車で帰ろうとすると、車に書かれた社名を見ていた人から声をかけられました。「車に『訪問看護』と書いてある。お前は看護師か」りんどうさんが、肯定すると険しい顔つきでこのようにいってきました。「なぜ看護師が外を歩いている」「お前のせいで感染が広がるだろう」りんどうさんは、理解してもらおうと訪問看護師について詳しく説明しますが、一向に声をかけてきた人の態度は変わりません。「そんなことは知らない。看護師が外を歩くなんて言語道断だ」「お前の患者にもコロナはいるだろう、そいつの家を教えろ」りんどうさんは、守秘義務で教えることはできない上、もし仮にコロナウイルスに感染していそうな患者がいれば、然るべき機関に連絡することを伝えます。それでも、相手は理解する様子はなく、りんどうさんへ罵声を浴びせ続け、最後に捨て台詞を吐いていきました。「とにかく迷惑だから外を歩くな」りんどうさんは「すべての人を不必要な差別や偏見でこれ以上傷つけないでほしい」と訴えます。訪問看護師がいなければ、患者の中には重症化したり家族と共倒れになったりする患者もいるとのこと。また、訪問看護がなくなれば病院に戻らざるを得ない患者が増え、結果的に病院のベッド数の不足にも繋がってしまうといいます。りんどうさんは、患者を自宅で支えるためにも、24時間365日、呼ばれれば家からも外出先からも駆けつける訪問看護師のことを知ってほしいとコメントしました。悲しいことがありました。140字で伝えきれないので、見ずらいけどメモにまとめたものを貼り付けます。言いたいことはまだたくさんあるけど…。どうか、全国の医療関係者への偏見や差別の目がなくなりますように。そして、このような悲しいことが今後ありませんように。 pic.twitter.com/eQ5Ox8kxXg — りんどう (@rindou_atarayo) 2020年3月30日 【ネットの声】・怒りというよりも、悲しいし言葉が出ません。・酷すぎます。何でこんなことをいえるのか分からない。・訪問看護のお世話になりました。本当に感謝しています。・許せない…。想像したら涙が出てきました。りんどうさんによると、医療従事者は今できる感染対策を十分にしており、厳しい仕事に疲弊している中、懸命に向き合っているといいます。また、りんどうさんのような訪問看護師のおかげで、生活が支えられ、命が繋がっている人もいるでしょう。コロナウイルスの感染が拡大していることによって、パニックになっている人もいるかもしれませんが、冷静になって差別などをしなくなることを願います。投稿全文はこちら[文・構成/grape編集部]
2020年04月01日女性であるというだけで愛子さまが将来の天皇になれないのは、女性差別ではないのかーー。国民的議題である皇位継承問題。『部長、その恋愛はセクハラです!』(集英社新書)などの著書がある、社会学・ジェンダー研究者の牟田和恵さん(大阪大学大学院人間科学研究科教授)に、見解を聞いた。昨年マスコミ各社が行った世論調査では、女性天皇について8割前後が賛成意見でした。私も、天皇陛下の長子である愛子内親王が次の天皇になられるのが当然だと考えます。現在の皇室典範は男女平等ではなく、改正するべきです。日本国憲法には、法の下の平等が記され、男女平等が定められています。しかし皇室では、天皇という皇位を継承できるのは、男系の男子に限られています。「一般社会と皇室は別ではないか」と思われるかもしれません。しかし、皇室典範における女性差別は、日本社会の女性差別を反映しているのです。たとえば、いまだにお葬式では「喪主は男性でないと」といった意識が根強いです。また、夫婦の姓も、男性の姓に合わせることがほとんどです。こういった女性差別の根本には、家長を男性に限るという「家父長制」があります。個人の自由より「家」を第一とする発想が、いまだに日本社会に根強く残っている証拠なのです。「家制度」は、敗戦による憲法改正で廃止されました。しかし、日本という国の象徴である皇室には、男子しか皇位を継承できないというルールが残ってしまったのです。皇室の女性差別が見直されなければ、日本社会における女性の生きづらさも本質的には変わらないのではないでしょうか。‘85年に女性差別撤廃条約が締結されたこともあり、ヨーロッパのほとんどの王室で、性別にかかわらず第一子が王位を継承するようになっています。日本も天皇の第一子が皇位を継承するように皇室典範の改正を急ぐべきでしょう。世界経済フォーラムが各国の男女平等の度合いを調査した「ジェンダー・ギャップ指数」の’19年版で、日本は153カ国中121位で、過去最低でした。政治や経済などさまざまな分野で、いまだに女性は低い立場に置かれています。それは、皇室のあり方と決して無関係ではないと思います。愛子内親王は天皇皇后両陛下のもとですこやかに成長されているようです。将来、即位されれば、天皇として立派に務めを果たされることでしょう。「女性だからできないこと」は、社会からなくしていくべきです。皇位継承についても、同じだと思います。「女性自身」2020年2月11日号 掲載
2020年02月07日モデルで女優の水原希子(29)が1月27日、差別に対しての意見をTwitterにつづった。ネットで大きな反響を呼んでいる。今月6日の神奈川新聞によると、川崎市にある多文化交流施設に在日コリアンを脅迫する年賀はがきが届いた。「謹賀新年」を謳いながらも、そこには「在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう」などと書かれていたという。すると同件を危惧した団体が20日、change.orgでネット署名を呼びかけた。その署名は政府や市にヘイトスピーチを許さないよう声明を出すこと、そして警察には犯人逮捕に全力をあげるよう求めている。その翌日、水原もTwitterで署名を呼びかけた。さらに水原は27日、Twitterで差別に対する自身の考えを明かした。水原は無意識な差別や《イジメやトラウマなど、自分が経験した心的外傷から生まれる差別》《政治や歴史的な側面から生まれる偏見、誤解、差別》があると推測。そして《偏見や差別を受けた人はその相手を憎み、そしてまた差別が生まれ、差別が連鎖していく》と展開した。しかし、こう続けた。《ただその中で、少しでも差別や偏見を無くしていくためには、自分がそういう偏見してしまったり差別心みたいな感情を湧き上がった時に、意識的に自覚する事が大切なんじゃないかと思うのです》《誰かに嫌なことを言われたり、されたりしても、それはあくまでもその相手、個人の問題であって、それは絶対に人種やそのコミュニティー全般の問題ではない》そして《大切なのは、この地球に生きている同じ人類、地球人として優しさと強さを持って今をしっかり生きていく事、そして前を向く事が大切だと思います》とつづっている。長らく日韓関係のねじれが報じられているため、ネットでは《こんな風になってきたのには理由がある。それを解決しないとただの綺麗事にしかならない》といった声も上がる。しかし「個人と人種、コミュニティは別物」「差別していると気づくことが大切」という水原のメッセージは1日で1.1万もの“いいね”を記録。さらに支持する声が上がっている。《他人を排除して住みやすい国ができるとはとても思えません。昨今の排外的な風潮に意見することはとても大切だと思います》《やられたらやり返すなんて考えが、なくなりますように キコちゃんみたいな考えの人が増えて、負の連鎖を終えれますように》神奈川新聞によると脅迫文のつづられた年賀状に対し福田紀彦市長は23日、「全く許されるものではない」「不安が払拭できるよう対応したい」と表明したという。
2020年01月29日1970年代後半のイギリス、「ザ・クラッシュ」など数多くのミュージシャンからも支持された人種差別に抗議するムーブメント“ロック・アゲインスト・レイシズム”に追った社会派音楽ドキュメンタリー『白い暴動』(原題:WHITE RIOT)が、日本で世界最初に劇場公開されることが決定した(映画祭での上映を除く)。本作の時代背景は、「英国病」と呼ばれるほどに経済破綻状態にあった1970年代のイギリス。市民が抱いていた不安と不満は、第二次世界大戦後に増加した移民たちへと転嫁されていった。街は暴力であふれかえり、特に黒人たちが襲われた。そのなかで、芸術家として活動していたレッド・ソーンダズを中心にした数人の若者たちで発足された“ロック・アゲインスト・レイシズム”、略称RARは、人種や生まれによる差別への反発、不平等への反抗を主張し、抗議活動を始める。RARの発信するメッセージはやがて、「ザ・クラッシュ」をはじめ、「トム・ロビンソン・バンド」「スティール・パルス」といったパンクやレゲエ音楽と結びつき、大きく支持されていく。映画のクライマックス、RARが決行した1978年4月30日に起きた約10万人による大規模なデモ行進と終着地での音楽フェスは圧巻というべきもので、市民が1つになった瞬間は見ものだ。監督はBBCで複数のドキュメンタリーを手掛けてきたルビカ・シャー。彼女自身、アジア系移民の家庭に生まれ、両親が直面した人種差別について興味を抱いたことで製作を決意、本作で長編映画デビューを果たした。また、今回解禁となった本作のティザービジュアルは、RARのメンバーでもあったオーストラリア人カメラマン、シド・シェルトンが撮影した音楽フェスの様子。10万人余りの観客を前に、まさに「ザ・クラッシュ」が「白い暴動」を演奏した瞬間を捉えたもの。本作のタイトルでもある「白い暴動」は、「白人も黒人と同じように暴動を起こせ!」というメッセージが込められた曲であり、本作の重要なテーマでもある。字幕監修はピーター・バラカン「音楽の力で人の心を動かした」さらに、本作の字幕監修を務めるのはピーター・バラカン氏。80年代に放送されていた伝説の音楽番組「ザ・ポッパーズ MTV」で数多くの洋楽を紹介し、現在もInterFM「Barakan Beat」で古今東西、様々な音楽やカルチャーを世に発信し続けている。イギリスの時代背景と音楽に精通し、“音楽ファンの大人たち”にファンの多いバラカン氏による監修も見どころのひとつだ。バラカン氏は「移民差別に対して当事者意識を持った個人が集まったこの話は40年前ですが、まさに現在世界各地で起きていることへの示唆に富んでいます。今後の日本にとっても決して他人事ではありません。音楽の力で人の心をいい方向に動かしたいい例です」とコメントを寄せている。『白い暴動』は4月3日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷・アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年01月22日私は物心が付いたころから、母親からのきょうだい間の対応の差を感じていました。私はずっと「私は親からきょうだい差別を受けている」と思っていました。でも、大人になってからは「あれは、区別だったのかも」と思うことも。しかしどちらにしても、私にとってはつらい経験でした。 幼いころから感じていた「差」私は幼いころから、私と弟に対する母の対応に差を感じていました。例えば、おもちゃ。おもちゃ箱の中には、弟のプラレールやトーマスのおもちゃがたくさん詰まっていました。でも、私のおもちゃはないのです。弟のおもちゃで遊んだ記憶はあるのですが、自分のおもちゃで遊んだ記憶はありません。 私に向けられたものは、本棚に立てられた幼児教育の教科書だけでした。写真を見ても、これは私の記憶違いではなさそうでした。 弟は褒められるのに、私は…少し成長してからは、「弟は褒めてもらえるのに、私は褒めてもらえない」と思うことが多くありました。 例えば、学校のテスト。私が90点台を取ると、「どうしてこんな問題を間違えたの!? ちゃんと勉強しなかったからでしょ!」と怒られました。一方、弟が50点台を取ると、「ここも、ここも、できたね! 頑張って勉強したからだね! すごいね!」とやさしく褒められていました。それを見た私は大ショックです。私のほうが良い点数なのに、なぜ私は怒られるのか。なぜ弟は褒められるのか。 とてもつらかったことを覚えています。 母は私のことが嫌いなのだと思ったなぜ母は「きょうだい差別」をするのか。幼い私が考え出した答えは、「ママは私のことが嫌いだから」でした。「ママは弟のほうが好きなんだ」「私はいらない子なんだ」そんなことを考えると、つらくて悲しくてたまりませんでした。 しかし、今になって考えると、あれは「差別」ではなく「区別」だったのではないかと思うこともあります。母は私に「あなたは何でもひとりで、じょうずにできた。でも弟は何をやらせても遅いし、下手だった」と言っていたことがあるからです。 平等に接してほしかったもしかしたら母は、こう考えたのかもしれません。「姉には遊びより教育を与えたい。弟には教育より遊びを与えたい」「もし50点で良いと姉を褒めたら、姉がそれで良いと勘違いして怠けてしまうかもしれない。逆に、90点を取れないからと弟を叱るのは、弟には酷だ」 確かにその子の個性、その子の個性に合わせた対応をすることは大切なことです。しかし子どもの私にとって、それはとてもつらい出来事だったことに変わりはありません。 私も親となった今、子どもへの接し方の難しさがわかるようになりました。でもやはり、あからさまにきょうだい間の対応を変えることは、子どもの心を傷付けることに繋がると感じています。 子どもの個性に合わせた対応をした結果、傷つく可能性があるくらいなら、みんな同じように接してあげたいと感じます。私は現在第二子妊娠中です。第二子が生まれたあとは、自分のつらかった経験を思い出し、どちらも「差別されている」と感じないよう、平等に接してあげたいと思っています。著者:丸川朋一女の母。出産を機に仕事を退職。子育てのかたわら、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。現在第二子妊娠中。
2019年05月09日兄弟姉妹のいる家庭では、子ども同士それぞれに秘めた思いがあるものです。「お姉ちゃん(お兄ちゃん)はいいのに、どうして自分はダメなの?」「長女(長男)だからって、どうして自分ばっかり我慢しなきゃいけないの?」といった言葉が、子どもの口から出てくることもあるでしょう。ママのなかには「もしかしたら私の接し方が、きょうだい差別を感じさせているのかも…」と不安になる人もいるでしょう。今回は、子どもたちにきょうだい差別を感じさせないための声がけ法について考えてみたいと思います。■ドキッとする子どもの言葉「きょうだい差別を感じさせているかも…」兄弟姉妹がいると「愛情に偏りが出ないよう気をつけている」というお母さんも少なくありませんよね。ただ、以下のような言葉を子どもが口にしたら、「不平等な扱いをしたつもりはないのに…」と不安になってしまうこともあるでしょう。・「お姉ちゃんばっかりひいきして、ズルい!」・「なんでお兄ちゃんはいいのに、私はダメなの?」・「弟なんていらない!」・「妹になりたい」子どもは、親の何気ない言葉を聞き逃さず、「ほかのきょうだいと自分は扱いが違うのだ」と敏感に感じることがあります。例えば、こんな言葉を子どもにかけたとしましょう。「お姉ちゃんはかわいいからモデルになれるかもね。あなたはパパに似たけど…」容姿について、直接的な優劣をつける言葉ではないので、ママに悪気はなかったのかもしれません。しかし、姉妹を持つ母としては少々デリカシーのない言葉といえるでしょう。こう言葉をかけられた子はどんな気持ちを抱くのでしょうか。言われた側は、容姿の優劣はもちろん「私よりママはお姉ちゃんが好きなんだ」という感情を抱くでしょう。何気なく放ったひと言でも、子どもは敏感にきょうだい差別を感じ取ります。そんな出来事が過去になかったでしょうか? 先に紹介した言葉を子どもが口にするようなら、ママ自身の言葉かけが間違っていたのかもしれません。■親子の「感情のズレ」あって当たり前と自覚するあるママは「お姉ちゃんは髪を結んだほうがかわいいけど、下の子はおろしたほうがかわいい」と思い、下の子の髪は結ばなかったそうです。親は良かれと思ってしたことでしたが、下の子はそのとき「私も結んでほしいのに、どうして?」と悲しい気持ちを抱いていたそう。このような感情のズレから、子どもに悲しみや寂しさを感じさせてしまうこともあります。また、きょうだいがいるママのなかには「長女だから我慢ばかりさせられた」「いつもお姉ちゃんばかりほめられた」といったきょうだい差別を感じて育った人もいるでしょう。その場合、「自分が長女でたくさん我慢してきた」と思っている人は、長子に対して甘くなってしまう傾向があります。また、「兄(姉)ばかりほめられた」という気持ちを抱いたことのある人は、無意識のうちに長子をほめることにブレーキをかけてしまうケースも。そんなあなたの態度に対して何も言わないからといって、子どもに不満がないわけではありません。かつての自分がそうであったように、子どもは何も言わず我慢をためています。ですから、「自分の子ども時代の感情を満たすために付き合わせてごめんね」と自覚し、反省することもときには必要です。きょうだい差別を感じさせてしまうのは、こうした親と子の感情の行き違いが引き金になっているケースも多いようです。■子どもの不満別、きょうだい差別をはねのける3つの方法わが子がきょうだい差別を感じているようなメッセージを発したら、どのような対応をすればよいのでしょうか。今からできることは「子どもの気持ちに意識を向け、望むとおりにする」ことです。わが子の言葉から何を不満に感じているかを読みとり、子どもの要望にこたえてあげるのです。それが、不満解消の近道となるでしょう。子どもの不満別に、以下のような声がけ、働きかけを試してみてください。【生まれ順についての不満】例:「お姉ちゃん(お兄ちゃん)になりたい!」「弟(妹)になりたい!」上の子になりたい、下の子になりたいと言うなら、まずは子どもがそう思う理由を探してみます。たいていは上の子だけにしがちなこと、下の子だけにしがちなことが原因のようです。例えば、「お姉ちゃんみたいになりたい!」と言うときは、上の子にしていることをそっくりそのまましてあげます。同じ髪形にしてあげたり、同じ洋服を買ってあげたり、同じ習いごとをさせてあげるのも良いでしょう。また、我慢することが多い上の子に「お姉ちゃん(お兄ちゃん)が欲しかった」と言われたら、我慢させることを一切やめ、思いきり甘えさせてはいかがでしょうか。【性差についての不満】例:「お兄ちゃんみたいに、男の子っぽい服が着たい!」妹が兄の服装やいで立ちを好み「自分も同じようにしたい」というときは「女の子なのに…」と考えず、好きなようにさせてあげます。黒い色を基調としたコーディネート、トレーナーにズボンなどのカジュアルな服装も満足するまで着させてあげます。また弟が「お姉ちゃんみたいな人形遊びがしたい」といったときも「男の子のくせに」とは言わず、まずはやらせてあげましょう。【外見を含めた個性についての不満】例:「お姉ちゃんみたいにかわいくないから」「弟みたいにできないから」もし、わが子がほかのきょうだいほど評価されていない、比べられて低く見られていると感じたら、「あなたはかわいい」「あなたはできる」と何度も口にしましょう。周囲から評価されなくても、ママさえ認めていれば、子どもがきょうだい差別を感じる度合いは薄まります。また、例えば上の子が「お兄ちゃんは足が速いからリレーが楽しみね」などと周囲から期待されていたとします。それを聞いた下の子が「お兄ちゃんばかりほめられる」と感じているようなら、「あなたの運動会も楽しみだね」「早く応援したいな~」と声がけをしてみましょう。そうすることで「ママは僕のことも気にかけてくれている」という気持ちが生まれ、きょうだい差別を意識しにくくなるはずです。「子どもの要求を何でも聞くわけにはいかない」と感じるママもいるでしょう。でも、ときには子どもがやりたいということを「うのみ」にし、思いっきりやらせてあげることも大切です。子どものやりたい気持ちは一時的な場合が多く、やってみたらどんなものかが分かり、満足して気がすむことがほとんどです。大切なことは、子どもの言葉を認めること、実際に一度経験させることだと思います。
2019年03月07日米ニュージャージー州ジャージーシティに先月オープンしたバーが話題だ。残念ながらポジティブな理由からではない。口コミサイト「Yelp」にドレスコードが差別的だというレビューが殺到しているのだ。問題のバー「THE ASHFORD」が掲げた基本的なドレスコートは「高級ビジネスカジュアル」。これに付随する形で、非常に細かくNGアイテムが羅列されている。以下に紹介しよう。・オーバーサイズのジーンズおよびシャツ・ヘッドギア・ベースボールキャップ・ワークブーツ・ジム用スニーカー・短パン、運動服・スウェットパンツ、ジョガーパンツ・カーゴパンツ・オーバーサイズジュエリー、大袈裟なチェーン・ノースリーブシャツ・サングラス・迷彩柄・腰ばき、またはだぶだぶのズボン・ヘッドフォンさらに、「ズボンにはベルト必須」とも付け加えられている。Yelpにはエントランスで手ひどく追い払われた人たちが怒りのレビューを多数投稿している。「ブロンドの女性の友人は、ルーズなスウェットパンツでも入店を許されていましたが、普通のズボンをはいた黒人男性たちは何らかの理由で拒否されました。用心棒に『パジャマを着た人は入れない』とも言われました」「僕の友達は、フード付きのセーターを着ているという理由で入れてもらえませんでした。でも、他に理由があるような気がします」(黒人男性のレビュー)「差別主義者!ひどい店だ。このドレスコードは誰にでも当てはまるわけじゃない。黒人と、用心棒の好みじゃない人にだけ適用されるんだ!」この他にも、「ものすごく選民的」「不平等な押し付け」「見た目が良くない人を意図的に帰らせている」と星一つのレビューが続々と寄せられている。バーのオーナーはDaily Newsの取材に対し、「私どものミスです」とドレスコードの内容が不適切であったことを認め、「単におしゃれをしてきてね、ということであり、誰でもウェルカムです。そして、ドレスコードは人種とは全く無関係であるということを明らかにしておきたい」とコメント。Yelpのレビューについては「見ていない」としながらも、ドレスコードを羅列したプラカードは撤去したという。
2019年01月17日夏の帰省で、義両親の孫差別にショックを受けたというママもいるでしょう。孫が数人いると、どうしても出てしまう孫差別。我が子が差別されるとショックですし、傷付いた子どもをケアしてあげたいと思うものですよね。今後も続くであろう孫差別に、どう対処するかをご紹介します。相手を変えるのは困難孫差別にも、「息子の子どもより、娘の子ども」「内孫より外孫、もしくは外孫より内孫」「次男より長男、次女より長女」「男の子より女の子、もしくは女の子より男の子」「大人しい子より元気な子、もしくは元気な子より大人しい子」を可愛がるなど、様々なタイプがあります。そこには、その人の持っている価値観が現れます。親としては、「言えば変わってくれる」と期待してしまいますが、難しいでしょう。何十年もその価値観や好みで生きてきた彼らが、価値観を変えるというのは難しいもので、ほぼ無理と言えます。変えようとしても変わってくれなければ、こちらはイライラしてしまいます。価値観はほぼ変わらないものなので、「そういうもの」と捉えておきましょう。孫差別の原因による対処法では、義両親の孫差別に対して、どう対処すべきでしょうか。まずは嫁である自分と義両親の間にまだ距離がある場合、義両親との距離を縮めてみましょう。あなたとの距離が縮まれば、孫差別が軽減されることもあります。そして、孫と接する時間が短いゆえに、義両親が子どもの性格を誤解しているケースも少なくありません。子どもは何でもストレートに口に出しますから、「生意気な子」と思われることもあるでしょう。大人しい子のことを、「可愛げがない子」と思うこともあるでしょう。誤解を解くためにも、普段の子どものエピソードを話したり、子どもの気持ちを代弁してあげるのも良いでしょう。中にはあまりに露骨だったり、言い方や差別の仕方が子どもに悪影響なこともあります。この場合は帰省頻度を減らしたり、帰省日数を減らしたりして、義両親との距離をとるようにしましょう。「ママはあなたが一番好き」と伝えよう一番大切なのは、差別された子にママが愛情表現をしてあげることです。「他の子には秘密だけれど、ママはあなたが一番好きなんだよ」と2人きりになって伝え、スキンシップをしたり、褒めたりしてみましょう。結局子どもはママが一番大好きですから、ママから愛されていれば自信が保てます。「家族は社会の縮図」と言いますが、社会へ出れば差別に合うこともあるでしょう。それでも自分を心から愛してくれる人が1人でもいれば、立ち直る勇気を持てることでしょう。ママも一つの社会経験として捉え、子どもを抱きしめてあげてくださいね。PHOTO/Fotolia
2018年09月05日