「悠仁さまも5年生の3学期をお迎えになりました。中学校入学まで、あと1年ほどということで、そのご進学先に大きな注目が集まっています」(皇室ジャーナリスト) 秋篠宮家の長男である悠仁さまは現在、東京都内の小学校に通われているが、男子児童は過半数が中学受験をする。悠仁さまと同じ学校に子供を通わせる保護者は言う。 「保護者同士の話題も、どうしても志望校や勉強のことになってしまいますね。私たちの間では悠仁さまのご進学先は『提携校進学制度』を利用しての、筑波大学附属中学校(以下、筑附)が“本命校”になっています」 実は悠仁さま以外にも、保護者の間で話題になっている5年生の児童がいるという。 「バイオリニスト・葉加瀬太郎さん(50)とタレント・高田万由子さん(47)のご長男・Aくん(11)です。ずっとロンドンで生活していたそうですが、昨年9月に編入してきたのです。頭も良くて、音楽や料理も得意だそうで、すでに学内で人気者になっています」(前出・保護者) 葉加瀬・高田夫妻の長男が、悠仁さまの“ご学友”になっていたというのだ。実は高田は、この状況を11年前に“予言”していた。 ‘06年9月6日に誕生された悠仁さま。日本中が喜びに沸くなか、多くの著名人がお祝いのコメントを出したが、高田もその1人だった。彼女自身もその1カ月ほど前にAくんを出産したばかり。悠仁さまのご誕生当日、東京都内で報道陣の取材に応じた彼女は、こう語っていた。 「紀子さま、ご長男誕生、おめでとうございます。私は、お腹のなかにいるときから、肋骨が折れるかと思うくらい蹴られました。でも上に女の子がいる男の子は穏やかになると言われました。(お姉さまがお2人いる悠仁さまも)優しい男の子にお育ちになるのではないでしょうか。(長男には)ご学友を目指してもらって、(紀子さまと)ママ友達になりたいです!」 長男の編入について取材を申しこむと、高田の所属事務所の担当者は次のように答えた。 「(編入は)長男の『自分は日本人なのだから、日本の学校にも通ってみたい』という希望もあり、決めたことだそうです。学校は、帰国子女を受けいれてくれること、日本の自宅から通えること、などの条件で探しました。“悠仁さまと同じ学校に”という意識は特になかったそうです。高田も日本に帰国したというわけではなく、これまでどおり、イギリスと日本を行き来する生活を続けています。今後の長男の中学進学に関しては、日本の中学に通うのか、それともイギリスで進学するのかなども、まだ決めていないそうです」 悠仁さまの小学校生活もあと1年。新しいお友達も増え、より充実したものになるように願うばかりだ。
2018年01月24日今回の「やさしいママのひみつ」は、「暮らしかた冒険家」として幅広く活躍する、クリエイティブディレクターの伊藤菜衣子さん。北海道札幌市で暮らしながら、各地を飛び回り、広告、編集、映画制作を手がける、3歳の男の子のママです。伊藤菜衣子さん息子さん:墾(こん)くん(3歳)クリエイティブディレクター。暮らしにまつわる常識を作りなおし、伝えるため、広告、編集、映画制作などを手がける「暮らしかた冒険家」として活動。ゲストディレクターの、音楽家・坂本龍一さんによる指名により、札幌国際芸術祭2014にて札幌に引っ越して暮らすプロジェクト「#heysapporo」を発表。以来、札幌にて築30年の自邸を断熱リノベーションしながら、自給自足の暮らしを模索する。冊子『よむ暮らしかた冒険家』の発刊や、映画『別れかた暮らしかた』を監督。HP: 暮らしかた冒険家 | 21世紀の冒険家 Instagram: saikocamera 家族が笑顔で暮らすため、試行錯誤の上、ちょっと変わったスタイルを模索中だという伊藤さん。その暮らしかたとは? お話をたっぷりと伺いました。■大黒柱として働き、家事と育児はパートナーに早速、伊藤さんの月曜から土曜までの、1日のスケジュールを見てみましょう。8:30 :墾くん保育園。9:00 :伊藤さん起床 朝食10:00 :スタッフが自宅兼事務所にやってくる12:30 :昼食17:30 :パートナーが保育園にお迎え18:30 :墾くんが帰宅19:00 :スタッフもみんなで夕食。墾くんと遊ぶ20:30 :お風呂21:30 :墾くん就寝。仕事25:00 :伊藤さん就寝睡眠時間はたっぷり取るという伊藤さん。朝は起きて、息子の墾くんをお見送りするのが理想だといいますが、できないことも多いのだそう。「紆余曲折あって、わが家は今は、私がメインで働いています。私は夜型人間で、睡眠時間は8時間必要だから、仕事を続けるためにこのサイクルに。自分の睡眠時間を削ると悪循環だし、よく寝た後の仕事の集中力は高いから。その代わり、夕食は一緒に食べるので、仕事は18:30までに切り上げるようにしています」家事を分担するのではなく、家事と育児はパートナーが担当というスタイルをはじめたのは、今年に入ってからだといいます。「これまでは二人で、ウェブ制作などの仕事をしてきましたが、同じ時期に忙しいので家が荒れるし、喧嘩になってしまいがちでした。そこで、あまり二人でしなくてもいい仕事を増やそうということになって。私の方が一人でできる仕事が多いから、メインで働いて、彼が家でできる仕事と家事をするようになりました」「家事をする、または一人でできる仕事をするという2択で、彼は仕事より育児をしたいというのが最優先でした。彼は子どもの頃、お父さんが忙しくて、ほとんど家にも帰ってこなかったらしく、“そんなお父さんにはならない、子育てをしたい”という気持ちがびっくりするくらい強いんです。妊娠したときから、子どもは絶対、僕が育てたいと言っていましたね。欧米ではこういう役割分担はよくあることみたいですが、日本だと珍しいですよね。でも、子どもに大学に行かせるまで、私はいくら稼がなきゃいけないんだろうと思うと、世のお父さんって本当にすごいなと思います」最初は保育園にも行かせたくないと、子育ての理想も高かったのだそう。「それは彼のこだわりでした。でも実際は、子育てってとても大変。産後はびっくりするくらい自分の体調も悪かったし、産休も育休もほぼないまま、とにかく目の前のことをやるので精一杯。それで喧嘩になるという悪循環でした。そんな状況を見た友人から、『保育園に入れて、とりあえずこの家の仕事と二人の状況を立て直しなよ』とアドバイスされたのを機に、保活を始めたんです」家事はパートナーにまかせてすべて譲り、仕事に専念することにしたのだとか。あえて何もしないのがうまくいく秘訣なのだそう。「彼は何をするのも初めてなので、洗濯も色移りや縮んでしまったり、びっくりするような失敗をするんです。最初は分担していたのですが、やり方が違うから見てしまうと気になって、『なんでこんなにぐちゃぐちゃになるの?』って、ついお小言が出てしまう。できるだけ目を瞑れる状況にするには、100%家事をお願いしないとだめだと思って、私は立ち入らないことにしました」■気合いで乗り越えていたことが通用しない「子育て」ウェブや広告の仕事から幅を広げ、現在は本の編集から映画の監督、トークショーなど大活躍の伊藤さんですが、仕事との関わり方に関して悩みも大きかったと言います。「私の仕事って、環境にいいとか、もっと広がればきっと社会がよくなるという仕事が多いから、仕事のクオリティが少しでも上がれば、もっと広がっていくと思っていました。クオリティの高さを求めて採算度外視するくらい、仕事が本当に好きだったんです。でも子どもができると、今まで気合いで乗り越えていたことも全く通用しないんだなと思い知らされました。働き方を変えないと、自分が頑張ってもどうにもならないことがある、と思うようになりました」「妊娠、出産の時期って、2年半くらい100%で働ける自分がないんですよね。それが本当に想定外でした。妊娠中はずっと眠いし、つわりもあるし、出産前に仕事を片付けようと思っていたけど追いつかなかった。出産したらきっと仕事ができるだろうと思ったら、眠いし、ちょっと無理をすると体調を崩したり。それでスタッフを雇うことにしたんです。最初はどうにも慣れないので、自分でするよりも納得感は少ないのですが、世の中的にはなんの問題もなくて、自分が100%でやったものに社会的にどのくらいの価値があったのか、自分の自己満足だったのか、と考えさせられる機会にもなりました」■地方で暮らしながら、子育てすること現在、9歳まで住んでいた元実家をリノベーションして暮らしている伊藤さん。坂本龍一さんがディレクションする札幌芸術祭に、アーティストとして招集されたことを機に札幌へ移住することになり、会期中は家を改装しながら土日にオープンハウスとして開放していたそう。「もともとは東京で、カメラマンの仕事をメインにしていました。結婚してすぐに震災があって、熊本に移住しました。熊本では築100年の町屋をセルフリノベーションしながら、3年弱暮らしていましたが、賃貸だったので斜めになった床や、隙間風がすごく入ることまで直せませんでした。芸術祭が終わってからも札幌に住むことを決めたのは、子どもが生まれて、祖母もまだこちらにいることや、母が手伝いに来てくれやすいというのが大きかったですね」近くにある畑を借りて5家族でシェアし、2、3日分の必要な野菜だけ収穫するなど、食生活も豊かです。「フルーツも安いですね。野菜はほぼ買わず、お肉やきのこだけお店で買っています。幼なじみの農家さんが届けてくれる野菜も、たくさんあります。庭に生ゴミを撒くと、自然と肥料になっていて、じゃがいもなどはすぐにできますね。北海道は寒くなるので、害虫が少なく、無農薬で育てやすいんです。生産者が近いから、子どもはどこにおいしいものがあるか、誰が作った何を食べているかを知っているというのが、面白いなと思います」また、仕事の対価を貨幣ではなく、物(ぶつ)や技(わざ)で交換する「物技交換」(ぶつわざこうかん)を実践する伊藤さん。さまざまな人の協力を得て、このエコハウスを完成させたのだとか。「この家は断熱性能がとても高いのですが、新築戸建と比べると、だいぶお金をかけずに作ることができました。そういうことができたらエコハウスを選ぶ人も増えるんじゃないかな、と思っていて。『どうしたらできるだけ安くできるかを一緒に考えたい』と工務店に相談すると、『今は儲かるかわからないけど、確かにリノベーションのニーズも増える』と思った人たちが一肌脱いでくれたりするんです。私たちがアイデアと実験場所を提示して、コンペに出すのもOKだし取材対応もする。“手伝ってくれてラッキー” ではなく、関わってくれた人にいいことがあるように、ちゃんと交換して “お互いにメリット” になるように、というのは必ず考えています」 豊かな食材に囲まれ、エコハウスに暮らす、とてもうらやましい環境に思える、伊藤さんの暮らし。地方移住というブームに対しては、どうお考えですか?「都心には都心で、地方都市は地方都市でできることがあるから、どちらでもいいと思っています。どちらにいても大変だし、人生の目的と自分の状況がどうかによると思うんですよね。私の場合は札幌に元実家があったし、勢いで移住したわけではないんです。周りの人たちが2005年くらいからどんどん地方に移住しているのをずっと見てきて、これならできるんじゃないかと、確かめてからのジャッジでした」「ブームには流されなくていいと思うんです。仕事が変わったり、夫婦の関係性が変わる人もいるし、自分ができると思ったタイミングでしないと、本当に辛いと思います。私は冒険家と名乗ることで、これが普通ではなくて、結構危険なことをやっているというリマインドにもなっています。普通の人ができると思ってやったらできないようなことを、冒険家としてやっているだけですから」■これからの環境をまもる「みんなができる方法」「暮らしかた冒険家」として、 “暮らしの常識と思われていることに対して、ほかにやり方はないか? いつも疑っていきたい” と話す伊藤さん。「これまでは、自分が楽しければいいと思っていたけど、子どもが生まれてからは環境に対する考えについても、 “社会全体に広まらないと、子どもが大人になるまでもたない” と思っているんです。だから、みんなができる方法を考えるようになりました」環境や未来の社会について “みんなができること” を常に考え、「100万人のキャンドルナイト」をはじめ、環境を考えるムーブメントを数々手がけてきた伊藤さん。日々使うものも、環境への影響を考えているといいます。「そもそも洗剤の香料が苦手なんです。自然の香り、もしくは匂いがしないものを選んでいくと、自然派の洗剤にたどり着きますよね。逆に、環境にやさしい、自然由来のものを選んでいると手荒れもしない。そこがいいなと思います」天然素材を使っている上に、売上の1%が原料の産地であるボルネオ島の環境保全に役立てられている、ヤシノミ洗剤の「サラヤ」の取り組みには、とても共感するという伊藤さん。もともと「ヤシノミシリーズ」を使っていたそうですが、改めてご体験いただきました。使い心地はいかがでしょうか?「近所のお店では『ヤシノミシリーズ』を扱っていないので、なかなか買えず、よっぽどのことがない限り、アクリルたわしで乗り切っていましたが、やっぱり便利ですね。『ヤシノミ洗剤』は、ほかの自然派洗剤と比べて、汚れがすっと落ちるので洗い残しもなくて安心です」何よりも香料が苦手な伊藤さんは、これまで柔軟剤は使っていなかったのだとか。「肌触りよりも、においがないことを優先していました。無香料の柔軟剤って、ほとんどないですよね。でも『ヤシノミ柔軟剤』を使ってみたら、香りもなく、乾燥機にかけてもふわふわで、すごくいいなと思いました。やっぱり肌触りがいいと、気持ちがいいですね。今度から柔軟剤をも使ってみたいと思います」■母から教わった「甘やかさず、考える力を身につける」子育て環境や社会にやさしいことを心がけている伊藤さん。子育てで気をつけていることは、甘やかさないこと、「やさしいママじゃない」と笑います。「 “暮らしかた冒険家”って変わっていますよね。仕事を兼ねて、海外に1ヶ月行くこともあるし、親がいつも家で働いている。これが普通だと思って育ったら、世の中でまったく使いものにならないと思うんです。人がよく来るのでちゃんと挨拶ができるように、人見知りをしないようにとは思っています」時間は限られますが、集中して仕事をすることで、お子さんとの時間をたっぷり作るのが伊藤さんのやさしさ。そして厳しく接することで、自分で考える力をつける子育てを心がけているそう。「仕事をやりきった感がないと、子どもと遊びたいのに、もやもやしてどっちつかずになってしまうんですよね。私ができるのは、食後に一緒に遊ぶこと。できるだけ全力で遊びます。私自身、『自分が始めたくてやったことは、自分で辞めろ』と言われて、甘やかされないで育ってきました」「母から勧められて始めたクラシックバレエでさえ、途中で『ステージママやりたくないから、続けたいなら自分でなんとかして』と言われ、発表会の情報収集をしたり、衣装にスパンコール縫い付けたりしていました。お金は必要最低限は出してくれるのですが、レオタードは1着あれば十分とファッション的に何着も持つのはNG。辞めたいときも先生にどう切り出すかというのを、小学生で考えなきゃいけなかった。でも苦労していると、先生がお下がりをくれたり、頑張ってちゃんとやっていれば、誰かが見てくれて、助けてくれるんです。誰のお母さんと仲良くなれば情報をもらえるかなど、処世術を学んだんですね(笑)」「泣いてもわめいても変えてくれない。親の方針というのは、本当に強いなと思います。この人に言っても仕方がないから、『じゃあどうする?』と自分で考えるようになるんです。うちの母と同じように、厳しいかもしれないですが、徹底的に説明して納得させようと思っています。お母さんだから当たり前じゃなくて、お母さんでもやりたくないことはやりたくない、やらなくていい。そんな母の子育てが今の私を作っているから、感謝しているし、自分の子どもにも引き継いでいきたいですね」取材/文:赤木真弓 撮影:林ひろし[PR]サラヤ株式会社 【やさしいママのひみつ 一覧】 記事をもっと見る >>
2017年12月06日ダニエル・キイスの同名小説が原作のミュージカル『アルジャーノンに花束を』が3月2日に開幕。それに先がけ公開ゲネプロと囲み取材が行われ、主演の矢田悠祐、水夏希が登壇した。ミュージカル『アルジャーノンに花束を』チケット情報原作は1959年に発表された名作小説。世界3か国で映画化され、日本でも2度テレビドラマ化されている。ミュージカル版は、2006年に浦井健治主演で日本初演され、2014年にも同じく浦井主演で再演。今作でキャストが一新され、矢田が自身初となる主演に抜擢された。脚本・作詞・演出は、矢田が出演したミュージカル『王家の紋章』(2016年)の荻田浩一が初演から手掛けている。物語は、32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリィ・ゴードン(矢田)に、ある話が舞い込むことから始まる。それは、大学の先生が「頭を良くしてくれる」というものだった。この申し出に飛びついた彼は、白ネズミのアルジャーノン(長澤風海)を競争相手に連日検査を受ける事に。やがて手術によりチャーリィは天才に変貌したが――。ゲネプロ前に行われた囲み取材で、初主演の心境を聞かれた矢田は「正直どうなるかわからなくて。終わったときにどういう気持ちになるんだろうなっていうのが今の心境です」と緊張の滲む発言。本作の魅力について「SFなんですけどリアリティがあって、どの瞬間もどの関係も誰もが体験したことがあるようなエピソードが詰まっています。身につまされたり、嬉しかったり、悲しかったり、励まされたり…その瞬間瞬間が一人ひとりのお客さまの心を揺さぶる」と水。自身の役柄について矢田は「シーンによって全然違う人になった気分。すごいスピードでどんどん階段を上っていくので、その成長の段階や心の動きに自分が追いつかないときがあって。そこに食らいついていくのが今も大変です」。前作との違いを問われ「演じる人間が違うし、荻田さんは演じる人の個性に合わせて演出をしてくださるので、自然と違う形になってるかなと思います」(矢田)と話した。幕が開き、幼児並みの知能のチャーリィとして登場した矢田は、ピュアな魅力を纏い美しい歌声で物語の世界に誘い込む。全てひらがなで話していたような言葉は、知能が高まるにつれ少しずつ漢字が混じって聞こえ、あっという間に容易に理解できない言葉になる。しかし、言葉の成長スピードに追い付けない情緒面の成長。そんな特殊な状況にあるチャーリィの戸惑いや苦しさを、矢田の芝居と歌が一つひとつ真っ直ぐに届けた。アルジャーノンが踊る美しい世界に登場人物の生々しい感情が浮かび上がる本作は、3月12日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、3月16日(木)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演。取材・文:中川實穗
2017年03月07日'13年からミュージカル『美少女戦士セーラームーン』でタキシード仮面を演じている大和悠河さん。「宝塚を退団してから男役も卒業したつもりでいました。でも、お話をいただいて、武内直子先生の漫画を見たとき、自分が宝塚で培ってきたものを使えて、女の私だからこそ作り上げられるものがあるんじゃないかと思ったんです」それまでは、若い男性俳優が演じてきた役。しかし、宝塚でトップスターとして男役を極めた大和さんの、こなれたタキシードの着こなしや美しいマント捌きは、まさにそのまま少女漫画の世界が舞台に現れたようだった。「宝塚では、メイクや衣装、髪型や立ち方ひとつにしても、自分のいいところと欠点の全部を把握して、どうしたら美しく見えるかを、誰もが自分で考えて、自分でプロデュースしていかなくちゃいけない。だから男役時代には、自分の体型に合ったカッコいいスーツのラインを必死に研究していました。タキシード仮面を演じるならば、武内先生の描く、あのカッコいいシルエットに近づけたいじゃないですか。そのためには、それこそ1ミリ2ミリの調整が重要で、そこにはこだわらせていただいています。幕が開いてから、お客様がどんどん作品にのめり込んできてくださるのがわかって、それがとても気持ちよかったですね」高い美意識を持ちながら、素顔は気さく。タキシード仮面も、カッコいいのに妙にチャーミングなのだ。「昔から、よく下級生から『悠河さんって、カッコかわいいです』って言われていたんです。自分ではわからないんですけど、それが味であるならば、大切にしていけたらなと思います」◇やまと・ゆうが1995年に宝塚歌劇団入団。早くから注目され、'07年に宙組トップスターに就任。'09年の退団後は舞台を中心に活躍。7月にはブロードウェイミュージカル『CHICAGO』に主演のロキシー役で出演、NYでの公演も決まっている。◇ミュージカル『美少女戦士セーラームーン‐Amour Eternal‐』高校生になった月野うさぎ。ある日、皆既日食が起き、デッド・ムーン・サーカス団を名乗る船が現れる。そんななか、地球を守護する聖地エリュシオンの祭司から、地球存亡の危機を知らされ、立ち上がる。10月15日(土)~23日(日)渋谷・AiiA 2.5 Theater Tokyo福岡、大阪公演あり原作/武内直子脚本・演出/平光琢也音楽/佐橋俊彦出演/野本ほたる、大和悠河ほかネルケプランニングTEL:03・3715・5624(祝日を除く月~金曜11:00~18:00)(C)武内直子・PNP/ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会2016※『anan』2016年7月20日号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ
2016年07月17日声優・洲崎綾と西明日香の2人による、文化放送 超! A&G+で放送中のラジオ番組『洲崎西』(毎週火曜日25:00~25:30放送)と、同じく文化放送 超! A&G+の巽悠衣子と大橋彩香の2人によるラジオ番組『あどりぶ』(毎週土曜日25:00~25:30放送)の2番組が、2016年5月22日(日)に合同でイベントを開催することが決定した。気になる会場は、シーサイド・コミュニケーションズのイベントではおなじみとなった「中野サンプラザ」。「あどりぶイベント(仮)」と「洲崎西イベント(仮)」の2回公演で、それぞれ内容が異なる。各公演タイトルやイベントの詳細、チケット購入方法などが決まり次第、特設サイトや公式Twitterにて随時発表される。■「洲崎西×あどりぶ合同イベント(仮)」概要【出演】洲崎綾、西明日香(洲崎西)、巽悠衣子、大橋彩香(あどりぶ)【日程】2016年5月22日(日)あどりぶイベント(仮) …… 13:00開場/14:00開演洲崎西イベント(仮) …… 17:00開場/18:00開演【会場】中野サンプラザ【チケット価格】各4,000円(税別)
2016年02月07日シーサイド・コミュニケーションズは、2015年12月31日(木)に、年越しイベント「SEASIDE COUNTDOWN PARTY 2015~2016」を開催する。会場は昨年末の年越しイベントと同じ「萬劇場」で行われる。本イベントの出演者は、下田麻美、巽悠衣子、田村睦心の3人。チケットの発売は「12月5日(土)午前10時より、「チケットぴあ」(Pコード:631-354)にて取り扱い開始となる。そのほか詳細は、シーサードコミュニケションズの公式サイトをチェックしてほしい。■「SEASIDE COUNTDOWN PARTY 2015~2016」開催概要【開催日時】2015年12月31日(木)第一部 …… 19:30開場 / 20:00開演 / 22:00終演第二部 …… 22:30開場 / 23:00開演 / 26:00終演【会場】萬劇場 (〒170-0004東京都豊島区北大塚2-32-22)【出演】下田麻美、巽悠衣子、田村睦心【チケット価格】第一部:3,700円(税別) / 第二部:4,200円(税別)【チケット販売】2015年12月5日(土) 午前10時~チケットぴあ (Pコード:631-354)にて発売開始※枚数制限:1人2枚まで
2015年11月30日現在チケット最速先行抽選受付中の「SEASIDE LIVE FES 2015」。2015年12月27日(日)にパシフィコ横浜国立大ホールで開催される本ライブイベントの開催を記念しての特別放送「あどりぶ SEASIDE LIVE FES 2015 10FLAVORS開催記念 特別ニコニコ生放送」が10月21日の21:00よりニコニコ動画内シーサイドチャンネルにて放送される。文化放送 超! A&G+にて毎週土曜日25:00~25:30に放送中の『あどりぶ』は、巽悠衣子と大橋彩香の2人が、自分たちの良いところを見つけるため、どんなことでも前向きに且つ心を折らずにアドリブで挑戦していく番組。ニコ生特番では、「SEASIDE LIVE FES」への参加は昨年に引き続き2回目となる2人がライブへの意気込みなどを語る予定となっている。なお、シーサイド・コミュニケーションズでは、今後もライブ出演番組の特別ニコニコ生放送を企画中。放送情報などは各番組サイトや公式Twitterなどで順次発表予定となっている。「SEASIDE LIVE FES 2015」に関する詳細は特設サイトをチェックしほしい。
2015年10月16日声優の悠木碧が、モンブランやコーヒーゼリーなどの"お菓子擬人化"に挑戦したフォトブック『悠木碧フォトブック Sugary Fairy~季節のスイーツを添えて~』(主婦の友社)が、24日に発売される。『魔法少女まどか☆マギカ』の主人公・鹿目まどかや、『妖怪ウォッチ』の未空イナホ、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』の比企谷小町など、数々の人気アニメで声優を務めてきた悠木は、2011年度の第6回声優アワードでは歴代最年少の19歳で主演女優賞を受賞。アニメ公開を控える『ワンパンマン』で主要キャラクター・戦慄のタツマキ役も決定するなど、声優としてさらなる活躍が期待されている。今回発売されるフォトブックは、雑誌『声優グランプリ』(主婦の友社)で2013年5月号から開始された連載「悠木碧のSugary Fairy」を書籍化したもの。「甘~いお菓子を擬人化したら…」というテーマのもと、さまざまなテイストの衣装に身を包み、わたあめ、ローズジャム、コーヒーゼリーなどの"お菓子の妖精"になりきった悠木を、29パターンも見ることができるという。『悠木碧フォトブック Sugary Fairy~季節のスイーツを添えて~』は、6月24日発売。B5判96ページの仕様で、定価は3,000円(税別)となる。
2015年06月23日ワコムは2月10日、「CGアーティスト森田悠揮ZBrushテクニックセミナー」をデジタルハリウッド駿河台ホールにて開催した。セミナーにはCGアーティスト森田悠揮氏とPixologic社COOのハイミ氏、マーケティング担当のトマ氏が登壇。オークの山田有祐氏が司会を務めた。森田氏の実演に会場が沸いたセミナーの様子をレポートする。○デジタルライブスカルプティングを披露同セミナーは、3Dモデリング制作を行っている人から3Dモデリング制作に興味がある人までの幅広い層を対象に行われた。「ZBrush」はゲームや映像作品の3Dモデリング制作に使われているデジタルスカルプティングソフトウェア。今回のセミナーに登壇した森田氏は、「CG Student Awards 2013」にて、世界第3位を受賞。セミナーでは、ZBrushとペンタブレットを使ったデジタルライブスカルプティングを披露した。また、実演と平行してZBrushの開発元であるPixologic社のハイミ氏とトマ氏がソフトウェアを解説し、質疑応答も実施。会場には液晶ペンタブレット「Cintiq」シリーズのフラッグシップモデル「Cintiq 27HD」を中心とした液晶ペンタブレットを展示し、その場で体験できるようになっており、セミナー終演後には、実際に試してみる参加者の姿も見られた。○「爬虫類っぽい」クリーチャーを作成セミナー冒頭で進行の山田氏が尋ねたところ、来場者の中でZBrushを使っているのは4~5割程度。森田氏はセミナーが行われる1時間半~2時間の間にクリーチャーの頭部を作ると話し、実演が開始された。森田氏が作るのは「爬虫類っぽい」クリーチャーということで、トカゲを意識しながら作ると説明。普段はクリーチャーであれば何の動物をベースに作るかを考え、大量の資料を見て、動物の構図を頭にたたき込んでからさっと作るようにしているとのこと。最初の段階では印象だけを重視しているので、ディテールにはあまり凝らずに進めるのだという。目の周りが決まるとそれ以外の部分も決まるということで、目の周りから重点的に作っていた。会場からの「自分で絵を描くのか」という質問に対しては、デッサンを本格的に習ったことはないが、デッサンは観察力をつけるためにあるため、観察力さえあればできなくても大丈夫だとの回答をしていた。○ZBrush 4R7をPixologic社が紹介森田氏による作業の中盤には、Pixologic社によるZBrushの説明が行われた。ZBrushの特徴は、紙とペンがあれば何かが描けるのと同じように、ZBrushがあれば経験がなくても制作を始められるということだ。「粘土をこねるように作業を進められる」と例えていた。産業分野ではゲーム、映画、マーケットデザインのイラストレーション、製品製作前のコンセプト段階でのアート、テレビコマーシャルなどさまざまな場面で使われており、利用者に合わせて幅広く活用できるという。ハイミ氏とトマ氏は、今回の来日で2月8日に行われたワンダーフェスティバルに参加し、「日本では漫画文化が強い」と実感したとのこと。このほどリリースされた「ZBrush 4R7」についても、いち早く詳細を紹介。ZBrushの特徴のひとつに「ZBrushだけですべての作業が完結できること」があるが、4R7ではそれがさらに強化されたという。○最終的な質感をイメージして作業を進行Pixologic社が「ZBrush 4R7」の説明をしている間に、森田氏の実演も進行。大まかな形が完成。続くディテールでは、質感を考えて作業を進めるという。今回のクリーチャーについては、ぬるっとした首の皮にし、ヒダや顔のシワをつけていた。最終的な質感をイメージしていると作業が早く進むのだという。その様子を見ていたハイミ氏は、球からアウトラインを作っていったことに注目し、「作業をやっていく中で調整を重ねてドラゴン(クリーチャー)ができあがっていった」と話した。トマ氏は作業の早さがZBrushならではであると強調。山田氏は、「デジタルでは、良くも悪くもとことんディテールを突き詰められる」とデジタルならではの特徴を読み取って説明していた。○液晶ペンタブレットは「アナログで制作しているみたい」セミナーの後半では、山田氏が事前アンケートの結果を紹介。会場にいるZBrushユーザーではペンタブレットを使っている人が多いという内容だった。それについて、最近液晶ペンタブレットを買ったという森田氏は、「アナログで制作しているみたいで慣れるとすごく使いやすい。5時間で慣れてしまった」と話した。購入したのは「Cintiq 13HD」だという。メインのディスプレイとミラーリングして使っているという山田氏は、「Cintiq 13HDなら原型を作る感覚のまま、フィギュアを作る感じに近いので良い選択だった」と振り返っていた。そしていよいよ森田氏のクリーチャーが完成。ハイミ氏は「2時間以内で作った作品ではハイクオリティ」と評価していた。森田氏はもともとはモデラー志望ではなく、いろいろなものを作っていたのだという。しかし、クリーチャーを作るのが楽しく、生き物が好きだったことから、現在ではクリーチャーの仕事が9割を占めるようになったそうだ。また森田氏は、日頃から使えそうな質感や造形を頭にストックしておくことの大切さを強調。現存の動物から使える要素を探して、イマジネーションに取り入れておく。実際の作業においては、シルエットが決まれば完成形も見えるため、ディテールにとらわれずに形を突き詰めて、最終的に良い物をつくることを心がけるように意識していると話し、セミナーは幕を閉じた。
2015年02月17日2014年9月27日公開の劇場版『gdgd妖精s』と同時上映されている『なりヒロwww』。その公開記念ファン感謝舞台挨拶が10月5日に開催され、メインキャスト陣から梵(そよぎ)ソクラ役の田村睦心、梵プラト役の巽悠衣子、梵アリス役の内田真礼が姿を見せた。劇場版『gdgd妖精s』の同時上映作として登場し、10月からはTVアニメもスタートした『なりヒロwww』は、"こんな私たちがなりゆきでヒロインになった結果www"の略がタイトルのCGアニメーション作品で、『gdgd妖精s』と同じく菅原そうた氏が原案・監督・キャラクターデザインを担当。劇場公開されたものはTVシリーズの序章という位置付けになっている。今回の舞台挨拶は、角川シネマ新宿とMOVIXさいたまの2箇所で行われたが、TVシリーズの放送前日ということもあって、映画の内容よりも、これからはじまるTVシリーズの紹介という色合いが強く、登場キャラクターや作品の内容についての紹介がメイン。作品については、タイトルどおり「なりゆきまかせな感じの作品」と田村が語ったとおり、キャスト陣のアドリブ要素も回を追うごとに強くなるといった、まさに『gdgd妖精s』の系譜を辿る作品となっているが、そこにヒロイン物という要素が追加されたことで、なりゆきのヒロインたちがどのようなかたちで昇華していくのか新たな展開が期待できそうだ。舞台挨拶ではTVシリーズのオープニング映像を先行公開。なお、オープニグテーマは田村、巽、内田の「なりヒロ3姉妹」が担当するが、巽と田村の「真礼ちゃんがすごくバカっぽくて……いい意味で」という感想に対して、「"いい意味"ってつければいいと思ってるでしょ!」(内田)。また、ヒロインになったキャスト陣がヒロイン力を身につけるためのコーナー「ヒロイン検定」では、キャスト陣がアドリブ力を発揮したフリーダムな発言に客席も大盛り上がり。作品、キャラクターだけでなく、キャスト陣の魅力も満載の舞台挨拶となった。なお、「ヒロイン検定」は、10月8日(水)より、ニコニコ動画「なりヒロwww」チャンネル、YouTube「なりヒロwww」公式チャンネルにて公開開始、毎週水曜15時に更新されているので、こちらもチェックしておきたい。(C)2014「なりヒロwww」製作委員会
2014年10月26日映画『花と蛇 ZERO』の初日舞台あいさつが17日、東京・丸の内TOEIで行われ、キャストの天乃舞衣子、濱田のり子、桜木梨奈と橋本一監督が出席した。団鬼六の同名小説を実写化した本作は、これまで8本の映画が作られた官能SMシリーズの最新作。調教シーンを配信する闇サイトを追う女刑事・美咲(天乃)、平凡な主婦・瑠璃(桜木)、囚われの人妻・静子(濱田)が緊縛ショーで壮絶な"艶技合戦"を繰り広げる――という内容で、映画は全国公開中(R18指定)。本作で初脱ぎを果たし、ガンアクションにも挑戦した天乃は、「面白いシーンが色んなところに散りばめられた映画」とアピールし、強制自慰や緊縛など過激なSMシーンを「極限状態だったけど楽しかった。初日からトイレのシーンで脱がされたので、その後は役として没頭していた」と女優魂で乗り切った様子。また、「女性は言わないけど、内面に欲望を秘めてる」と語る桜木は、野外での緊縛に「良い天気の中で自然の姿になって、気持ちが良かった。女優になって良かったと思った」と満足げな笑みを浮かべた。一方、これまで杉本彩や小向美奈子らが好演してきた静子を演じた濱田は、「有名な方なので不安もあったけど、のめり込むしかなかった」と振り返りつつ、緊縛師の有末剛氏に「縄が喜んでいる」と言わしめたそうで、「早朝から深夜まで緊縛されていて痛かったけど、未知なる世界を経験できた。素敵な時間でした」と開眼した様子。しかし、「監督が『よく逃亡者が出なかったな』って言ってたけど、縛られてるから逃げられなかった」と苦労も明かし、橋本監督が「打ち上げで復讐された。貝殻ビキニとか着けられて……」とこぼすと、「みんなで縛ってスッキリした。してやったり!」とほくそ笑んでいた。
2014年05月18日毛のない男の子と毛深い女の子の秘密の関係を描いた、俳優・須賀健太と女優・刈谷友衣子主演の映画『スイートプールサイド』(6月14日公開)の予告映像が5日、公開され、衝撃の剃毛シーンの一部が明らかになった。同作は、男なのに毛が生えてこないことに悩む高校1年生の太田年彦(須賀健太)が、同じ水泳部で、女子なのに毛深い後藤綾子(刈谷友衣子)に「わたしの毛を剃ってくれない?」というとんでもないお願いをされることから始まる関係を描いた青春映画。原作は、人気漫画家・押見修造氏の初期傑作『スイートプールサイド』で、『アフロ田中』『自分の事ばかりで情けなくなるよ』など話題作を次々と手がける若手監督・松居大悟により実写映画化される。今回公開された予告映像には、綾子が「私の毛を剃ってくれない?」と頼んだり、その綾子のすね毛を剃ろうとする年彦がスカートの中をのぞき込みながら「あの奥にも…あるのかな…」と考えたり、スクール水着姿の綾子が「太田くん、もう少しお願いしてもいいかな」と懇願したりなど、数々の衝撃シーンが収められている。なお、同作には個性派ぞろいの俳優、女優、お笑いタレントも出演。年彦の兄・光彦を松田翔太、光彦の恋人・北友里子を谷村美月、年彦のクラスの担任教師・高倉先生をTKOの木下隆行、年彦のクラスメイト・坂下麻衣を荒井萌、水泳部OBの二宮先輩を落合モトキが演じる。
2014年02月05日「子供の頃から、建築家になりたいと思っていた」高橋は、中学校の3年生頃に、ファッションに出合う。反抗期と共に、自分のお小遣いで自ら服を買い始めるが、ちょうどその時期は裏原ブーム、“おしゃれな友達”と人気のあったショップを回っていた。さらに、メンズファッション雑誌の裏原マップを見て、奥の奥まで行こうと友達を誘う。ところが、周りはそこまでする気がなかった。「他の人よりファッションが好き、という気持ちが強いことがわかりました」と、高橋。ぼろぼろのデニムにも自分でヤスリをかけたり、染料を買って染めたりして、手を加えていた。その“好き”は、衣服だけではなく、ジョン・ロブなどの革靴ブームにも影響され、靴職人にも興味を抱くことに。“手でものを作ることが好きな”少年が、将来ファッションデザイナーになることを、無意識に思い描いていたとしても不思議はない。しかし、“ファッションにはまった”少年が、それを仕事とするまでには、まだいくつかの出会いと経験、そして時間が必要だった。高校2年の時、進路を考えるようになった高橋は、建築家という選択肢もありつつ、受験を避けて、中学・高校からそのまま推薦で大学へ。そこで、1年生の時は、油絵や彫刻などの美術から、プロダクト、インテリア、テキスタイルなどのデザインに至るまで、幅広いフィールドから10種類のクラスをとることができた。高橋の旺盛な好奇心を満たすだけではなく、視野を広げることに大いに役だったことは想像に難くない。2年生になると、専攻を決めなくてはならなくなり、テキスタイルデザインを選ぶことに。そのきっかけの一つが、「ミシン屋さんに行って、シャツの縫い方を教えてもらった時に、『これからはテキスタイルの時代』と言われたわけですよ」という。その人が、どういう根拠からアドバイスをしたかは知るよしもないが、的を射ていたことは確かだ。だが、ファッションだけでなく、「同時にインテリアも捨てきれない。両方できるのではという思いもあった」という。若いということは、さまざまな可能性に満ち溢れていることでもある。ファッションデザインに絞られていくには、まだ時間が掛かる。「芸術論の授業をとって、現代アートにも出合い、特にミニマルアートやコンセプチュアルアートにはまりました」。その頃はパリコレにも興味を持ち、好きになったフセイン・チャラヤンの作品について、「蘊蓄(うんちく)を並べていた」という。そういう高橋に、先生からうってつけの大学があると勧められ、2年生の時、大学の国際教育プログラムでテキスタイルコースがあるロンドンのカレッジに留学することになる。3/4に続く。
2013年09月03日綾野剛・主演の『シャニダールの花』が7月20日(土)に公開を迎え、綾野さんを始め、刈谷友衣子、山下リオ、古舘寛治、伊藤歩、石井岳龍監督が都内劇場で行われた舞台挨拶に登壇した。石井監督が長年、温めてきた企画を実現させたオリジナル脚本による意欲作。一部の限られた女性の胸にだけ花が咲くという不思議な世界を舞台に、この花を美しく咲かせる使命を負った研究員と女性たちの心のケアを担当する女性の愛を描き出す。ついに公開を迎え、綾野さんは「感慨深いです。感謝の極みです」としみじみと語り、満員の客席に深々と頭を下げる。石井監督は常々、今回、本作のために集結した俳優陣を「理想のキャスト」と語っていたが、「(物語は)大ウソの話ですが、俳優の感情表現、存在感がこの世界をリアルで豊かにしてくれる。そのための“案内人”であり、重要でしたが、主演5人に恵まれて嬉しかったです」と改めて感謝の思いを口にした。公開前の試写会でひと足早く映画を鑑賞した観客からは、女性の胸の花に触れ、診療する綾野さんの並々ならぬ“色気”を指摘する声が多数あったという。綾野さんは「いやらしい見方を…(笑)、そうですか?」と照れ笑いを浮かべ、「監督がそう撮ってくださっただけですよ。丁寧に大切に扱う、優しく触れるようにしました」とふり返る。では、実際に綾野さんの診察を受けた女優陣の感想は…?伊藤さんは「至近距離の診察で、近かったよね(笑)?普通の内科とは違い、(胸の花に)生命があって、大切にしないと枯れてしまう。心がのぞかれているような気持ちで、(花に)触られるときも『そこは自分しか触ってないんだけど…』という気持ちでした」となんともエロティックな感想を漏らす。刈谷さんも「近かったです!体から生えているものだから…じっくり見られると照れました」と恥ずかしそうに述懐。山下さんも「一番、見られたくなかったです。(演じたミクは)コンプレックスを抱えているので、撮影中も『見ないで』という気持ちでした」と明かす。綾野さんはこれを、医者と患者というよりも「男女の距離だった」とふり返るが、研究所の上司を演じた古舘さんは「僕にはそんな距離には来てくれなかった!僕もいろいろ見てほしかったです」と不満を漏らし、客席は笑いに包まれていた。『シャニダールの花』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:シャニダールの花 2013年7月20日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2012「シャニダールの花」製作委員会
2013年07月21日「医療モノということで、“カッコよく”見えてしまうイメージを抱いていたんですが、ここで描かれているのは、ひとりひとりが背負っている人生なんです」――。吉沢悠は、出演作『孤高のメス』をこう表現する。この言葉にこの映画の魅力、そして演技者としての彼の揺るぎないスタンスが表われている。ベストセラー医療小説を実写化した本作。吉沢さんは「自らの素の感情を役柄に重ね合わせながら演じた」と言葉に力を込めた。この“人間ドラマ”に彼はどのような思いで向き合ったのか――?映画の公開を前に話を聞いた。物語の始まりは1989年、とある地方の市民病院に当麻鉄彦(堤真一)という名の外科医が赴任するところから始まる。大学病院に依存し、満足な手術ひとつ行えない腐敗した環境を当麻はその腕で、変えていく。当麻が変えたのは何より、そこで働く人々の意識。吉沢さん演じる青木はまさに、彼との出会いによって自らの生き方を省み、そして変わっていく若き医師である。「大学病院の古い体質があって、その下で働く青木はいろんな思いを抱えつつ、“権威”という壁にぶつかる。当麻との出会いで大きく変わっていくこの人物をしっかりと演じ切れないことにはこの作品のテイストが観る人に伝わらない。そのプレッシャーはありました。と、同時に青木が感じる葛藤は、ひとりの俳優として僕にとっては感じたことのある思いでした。それを生かして演じ切ることができれば楽しいだろうな、という相反する複雑な気持ちでした」。90年代末から2000年代の前半に掛けて、次々と話題のドラマ、映画に出演し、主演も数多くこなしてきた吉沢さんが芸能活動を休止したのは2005年。奇しくも本作で演じた青木と同様にアメリカに渡り、帰国後、俳優としての活動を再開した。役柄に自らを重ねた、という部分についてさらに深く尋ねた。「自分なりの信念を持って俳優という仕事をやっていましたが、やればやるほどに『いまのままでいいのか?』というクエスチョンがついて回るようになった。それはまさに、約束された道を見失った青木そのもの。前半部分の彼に、その当時、自分が抱いていた感情を乗せました。それからアメリカに渡って何より感じたのは、俳優として現場に立てるということは、決して当たり前のことではないのだということ。そう感じたときに無性に俳優をやりたい、演じたいって思えてきたんです。帰国して初めての仕事が映画だったんですが、あのときは本当に嬉しかった。それはまさに、青木が当麻先生を手伝いたくて帰国するときと同じ気持ちでした」。復帰後、彼が出演した映画は『夕凪の街 桜の国』、『逃亡くそたわけ−21才の夏』、『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』に本作と物語性と共に、社会への強いメッセージを感じさせるところがあるが…。「決して、それを意識して作品を選んでいるわけではないです。ただ、例えばニューヨークにいる頃、『自分は日本のことを何も知らない』と強く感じて、帰ったら広島に行きたいと思うようになった。そうしたら(広島を舞台に被爆を扱った)映画『夕凪の街 桜の国』のお話をいただいた。不思議なめぐり合わせは感じますね(笑)。常に、観る人に何か良い影響を少しでも与えられたら、という思いはあります。そうした思いがこういう良い循環を生んでいるのかも」。そうした流れに身を投じる中で、映画というメディアへの熱い思いが自身の内側からも沸々とわいて来ていると明かす。「映画人の熱…独特の温度の高さへの憧れは以前以上に強く感じます。周りが見えなくなるような強い思いで、わが子を育てるようにみんなが映画に夢中になっているあの環境は、本当に気持ち良いんです。30歳を過ぎて、ここにいられることが幸せだな、と感じるようになりましたね」。最後に「今後演じてみたい役は?」という質問に「もちろん、当麻先生のような役もやってみたいですね」と語り、「それから…」と、生瀬勝久が演じた、自らの保身しか考えない大学病院の医師・野本の名を挙げ、少し興奮気味にこう続ける。「生瀬さんが仰ってたんです。『俺は、野本という役を“悪”として演じたわけじゃない。一人の人間として演じた結果がこうだったんだ』って。それを聞いて、ああいう役をいつか演じられるようになりたいな、と思いました。僕自身今回、野本という存在に生かしてもらってるんです。そんな深みを演じられるようになりたいです」。(photo:Ryusuke Suzuki)■関連作品:孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会■関連記事:堤真一天才外科医役に都はるみのこぶしを聴いて特訓目の前の命を救うため、禁断のオペに挑む『孤高のメス』試写会に15組30名様をご招待小栗旬初監督作引っさげ北海道に!ゆうばり国際映画祭ラインナップに注目来年の東映は『ゼブラーマン2』セクシー衣裳から『桜田門外ノ変』まで注目作ズラリ!堤真一、大組織の悪しき体制と闘う熱血医師に「ヒーローではない、医師を演じたい」
2010年06月23日