6月27日、母親に対する自殺ほう助の疑いで逮捕された歌舞伎役者の市川猿之助こと喜熨斗(きのし)孝彦容疑者(47)。5月18日に都内の自宅で両親とともに倒れているのが発見され、猿之助容疑者だけが一命を取り留めた。母親の延子さん(享年75)はその場で死亡が確認され、父親の市川段四郎さん(享年76)は搬送先の病院で死亡が確認された。猿之助容疑者は自らに処方された睡眠薬を用意するなどしたといい、「両親が自殺する手助けをしたことは間違いありません。私も両親の後を追って自殺するつもりでした」と容疑を認めているという。名門・澤瀉屋の“一家心中騒動”の余波は、市川中車こと香川照之(57)の長男・市川團子(19)にも及んでいる。事件発生直後、猿之助容疑者の代役として白羽の矢が立った團子。5月20日から東京・明治座の歌舞伎公演の昼の部で舞台に立ち、27日の千秋楽まで代演を務めたことは多くの歌舞伎ファンの感動を呼んだ。「團子さんはたった1日の稽古時間しかなかったにもかかわらず、座頭の役を見事に演じ切りました。リハーサルでは宙乗りなど技術的な部分の確認はしたものの、実際にセリフを言う時間は取れないままでした。それでもミスをすることなく、乗り切ったのです。團子さんの熱演ぶりに客席からはすすり泣く声が聞こえ、幕が下りても拍手が鳴りやまず、スタンディングオベーションが起こったほどでした」(歌舞伎関係者)一門のピンチに際して大活躍が讃えられた團子だが、叔父であり師匠の猿之助容疑者が逮捕されたことでさらなるプレッシャーを抱えることに……。「團子さんは以前から『5代目猿之助』の名跡を継ぐと期待されており、香川さんも息子をバックアップするべく46歳で歌舞伎の世界に入りました。猿之助さん自身にも子供がいないことから、團子さんの歌舞伎界入りを後押ししたそうです。猿之助さんの事件発生後、梨園では團子さんがいつ“5代目”を継ぐことになってもいいように、サポートしようという動きが広がっていたそうです。團子さんは4年前のインタビューで香川さんを『努力の人』、猿之助さんを『憧れの人』と尊敬の気持ちを表していました。しかし、昨年8月に香川さんに性加害疑惑が報じられ、猿之助さんが逮捕されてしまいました。團子さんは事態を冷静に受け止めていたそうですが、『大好き』と語っていた澤瀉屋の行方に心中は穏やかではないはず。仮に團子さんが5代目を襲名したとしても、猿之助さんが引き起こした“一家心中騒動”のレッテルはこの先もついて回るでしょう」(歌舞伎関係者)“次期後継者”の團子を見舞う不運に、ネット上では同情の声が相次いでいる。《縁起が悪いから次の人は嫌でしょう》《誰が後継であろうともう猿之助を名乗れないよね。死者が出ている事件の犯罪者の名前だからね》《團子さんはもう猿之助を継がないほうがいいと思う。未来ある若者に犯罪歴付きの名前を継がせるのはあまりに酷。猿之助はもう終わりにして、團子という名を育てれば》5月22日の集英社オンラインによると、猿之助容疑者は‘12年3月に開かれたファンとの食事会で「後継を決めるのは僕の意志。彼(團子)がだめだったら別の人に継がせますし、4代目で抹殺するとしたら、止め名にしちゃう」と語っていたという。“一家心中騒動”によって「止め名」となってしまうのか、果たしてーー。
2023年06月28日2023年5月18日、自宅で倒れていたところを発見された、歌舞伎俳優の四代目市川猿之助(本名:喜熨斗孝彦)氏が、救急搬送されました。マネージャーが発見した際、自宅では猿之助氏の両親もその場で倒れており、後に両親は死亡が確認されています。同年6月27日には、母親に対する自殺ほう助の容疑で、警視庁は猿之助氏を逮捕。今後、父親であり、歌舞伎俳優である市川段四郎さんへの自殺ほう助容疑でも捜査を進めていくとのことです。市川猿之助氏の逮捕を受け、所属事務所がコメント猿之助氏が逮捕された日、所属事務所である株式会社ケイファクトリーはウェブサイトにコメントを掲載。ファンや関係者に向けて「多大なるご迷惑、ご心配をおかけしておりますこと改めて深くお詫び申し上げます」と謝罪の言葉を述べ、今後についてこのようにつづりました。現在、本人は警察の取調べを受けていると認識しております。このような事態に至りましたことを重く受け止め、今後も当局の捜査に協力して参ります。また、司法による最終的な判断がなされるまで、所属契約に関する見解について申し上げることは差し控えさせて頂きます。マスコミ各社様、SNSを含む個人の記者様への改めてのお願いでございます。市川猿之助の自宅及び、ご親族の方へのご取材はお控えいただきたく、皆様のご理解賜りますようお願い申し上げます。尚、この件に関する弊社所属俳優のコメントは差し控えさせていただきます。株式会社 ケイファクトリーーより引用また、松竹株式会社は「司法による最終的な判断がなされるまではコメントを差し控え、今後の捜査等を見守りたい」とコメント。今回の事件が家族内のものであるため、両社ともに、会社としての見解を述べるのは控える模様です。[文・構成/grape編集部]
2023年06月27日2023年6月26日、歌舞伎俳優の四代目市川猿之助氏(本名・喜熨斗(きのし)孝彦)について、警視庁が母親に対する自殺ほう助の容疑で逮捕状を取ったことが、捜査関係者への取材で明らかになりました。産経ニュースによると、市川猿之助氏は同年5月18日、東京都目黒区の自宅にて、父親で歌舞伎俳優の市川段四郎さんと母親とともに倒れているのが見つかり、両親は死亡が確認されました。自殺ほう助罪とは、刑法202条にあたる規定で、すでに自殺を決意している者に対し、自殺行為の手助けをすることです。市川猿之助氏の今後の動向に、多くの人が注目しています。【2023年6月27日10時46分追記】母親の自殺を手助けした自殺ほう助の容疑で、市川猿之助氏が逮捕されたことが、2023年6月27日にメディアで報じられました。[文・構成/grape編集部]
2023年06月27日一家心中を図ったとされる市川猿之助(47)の“緊急搬送事件”から3週間が過ぎた。両親が亡くなった猿之助の事情聴取が続くなか、澤瀉屋では市川團子(19)が存在感を発揮している。5月20日から『不死鳥よ波濤を越えて―平家物語異聞―』の昼の部で猿之助の代役として主役・平知盛を演じ、27日の千秋楽まで務め上げた。「團子さんは、中一日というわずかな稽古時間で本番に臨みました。リハーサルでは宙乗りなど技術的な部分を確認するくらいの時間しか取れなかったといいます。それでもミスすることなく演じ、團子さんの感情がこもった演技に客席からはすすり泣く声も聞こえてきました。幕が下がった後も拍手は鳴りやまず、歌舞伎役者としての評価は高まっています」(歌舞伎関係者)一方、父で市川中車こと香川照之(57)も座長不在のピンチを乗り切るべく奮闘中だ。現在上演中の「六月大歌舞伎」で主演を務め、猿之助の代役を演じる中村壱太郎(32)と共演している。来月から始まる「七月大歌舞伎」では、昼の部「菊宴月白浪」で猿之助の代役で主演を務めることも発表された。しかし、心労は大きいようで……。「事件当時、中車さんは“なぜ相談してくれなかったのか”と嗚咽したそうです。團子さんの代演初日には皆を集め、澤瀉屋を代表して『頑張りましょう』と声を絞り出していました。中車さんは舞台に立ち続けていますが、憔悴しているのが見てわかるほどです」(後援会関係者)46歳で歌舞伎の世界に飛び込み、團子をバックアップしてきた香川。父子で澤瀉屋を支えるなか、立場も逆転しつつあるという。「猿之助さんは10月までの公演を休演すると発表されましたが、復帰は絶望的でしょう。捜査の進展によっては逮捕の可能性もありますし、座頭公演を投げ出したことは梨園での信頼を失ったも同然。すでに梨園では團子さんが“五代目猿之助”をいつ継承してもいいように、サポートしようとする動きが広がっています。一方、香川さんには梨園での発言権はほとんどないそうで、團子さんは猿之助さんを頼ってきました。猿之助さんの“一家心中騒動”には、團子さんも胸を痛めているといいます。しかし、“ここぞ”という時に團子さんの方が香川さんよりどっしりと構えている印象です。親子同時襲名の会見でも、緊張する中車さんを無邪気にイジって見せていましたね」(前出・歌舞伎関係者)微妙な立場に置かれている香川だが、これまで引っ張りだこだった芸能界でも復帰を果たせていない。「香川さんに性加害行為が報じられたのは昨年8月でした。当時、出演していた情報番組やCMなど相次いで降板する事態に。澤瀉屋を支える姿に応援の声も上がっていますが、スキャンダルを覆すほどのイメージ回復にはなるとは思えません。メディアも團子さんの活躍に注目していますし、香川さんの出る幕はないでしょう」(芸能関係者)團子に“カマキリ”と呼ばれ、言い返せなかったこともあったという香川。広い心で息子をサポートできるだろうか。
2023年06月09日「團子さんは中一日というわずかな準備期間にもかかわらず、千秋楽まで見事に猿之助さんの代役を務めました」(歌舞伎関係者)5月20日から東京・明治座の歌舞伎公演の昼の部で、市川猿之助(47)の代役として主演を務めた市川團子(19)。27日の千秋楽まで團子が代演した。「團子さんはリハーサルでは宙乗りなど技術的な部分の確認はしましたが、セリフを実際に言う時間は取れないまま、本番に臨みました。それでもノーミスで乗り切り、客席からはすすり泣く声が聞こえるほどの熱演を見せました。團子さんは179センチと、猿之助さんより10センチほど背が高いので、衣装も急ピッチで仕立て直しました。連日ほぼ満席の大盛況でした」(前出・歌舞伎関係者)今回團子が代役を務めたのは、『不死鳥よ波濤を越えて―平家物語異聞―』という演目の主役・平知盛。團子の祖父・市川猿翁(83)主演で’79年に初演された。「猿翁さんは(三代目)猿之助時代に宙乗りや派手な立ち回りなどエンタテインメント性に富んだ『スーパー歌舞伎』を創始し、“猿之助”を大名跡へと育て上げました」(前出・歌舞伎関係者)後ろ盾が何より重要なのが歌舞伎界。團子の父・香川照之(57)が歌舞伎の世界に飛び込んだのは46歳で、梨園での発言権はほとんどないという。そのため、團子のよりどころだったのが叔父である猿之助。かつて猿之助は團子がいずれ“五代目猿之助”を継ぐ可能性について親しい仲間に、「團子がボンクラだったら継がせられない」と発言していたというが……。「今回の一家心中騒動で猿之助さんの今後は絶望的。いつ團子さんが“五代目猿之助”を継ぐことになってもいいように、梨園全体で團子さんをサポートしようという動きが広がっています」(前出・歌舞伎関係者)■祖父の代からライバル関係の團子と染五郎その中心にいるのが、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(’22年)の源義高役で注目を集めた市川染五郎(18)だ。「’13年、染五郎さんが『春興鏡獅子』という演目で、胡蝶の精という2人組で演じる役を務めることになった際、その相棒として選ばれたのが團子さんでした。染五郎さんの父・松本幸四郎さん(50)が指名したのだそうです」(後援会関係者)以来2人は、『東海道中膝栗毛』の「弥次喜多」シリーズなどで相棒役を演じてきた。「歌舞伎では、年の近い人がいると立役と女方、あるいは立役同士、女方同士のライバルとして終生ペアとして活躍するという事例があります。團子さんと染五郎さんはペアとして、ますます人気が高まっていくはずです」(前出・歌舞伎関係者)演劇評論家の上村以和於さんは言う。「染五郎さんは’22年に『信康』という演目で歌舞伎座初主演を務め、高い評価を得ました。團子さんも今回の代役で一躍脚光を浴び、2人とも歌舞伎界の若手として順調に成長しています」團子と染五郎はもともと、祖父の代からライバル関係にある。「染五郎さんの祖父・松本白鸚さん(80)と團子さんの祖父・猿翁さんはよきライバルとして切磋琢磨してきました。当時2人が在学していた大学にちなみ、2人の関係は“早慶戦”とも呼ばれました」(上村さん)父同士にも、ある縁が。「幸四郎さんは猿之助さんや香川さんと同じ暁星高校出身。幸四郎さんは息子の染五郎さんとともに、後ろ盾のなくなった團子さんをできる限りサポートしていくと聞いています」(前出・後援会関係者)プライベートでも團子と染五郎の関係は深い。■染五郎を“いっくん”と呼ぶ團子「2人は幼稚園から高校まで、同じ都内の有名私立一貫校に通っていました。明るく朗らかな性格の團子さんは、染五郎さんを本名の“齋”から“いっくん”と呼んでいます。人見知りの染五郎さんが唯一心を開いている相手です」(前出・歌舞伎関係者)染五郎は高校3年生を前に学校を中退した。「團子さんは染五郎さんから相談を受け、『歌舞伎だけがすべてではない。きちんと教養も身につけたほうがいい』と伝えたそうです。結局、歌舞伎に加えて俳優業、モデル業などで忙しくなり染五郎さんは退学を選びましたが、親身にアドバイスしてくれた團子さんには感謝していることでしょう。今回の猿之助さんの一件を受け、今度は“團子を僕が救う!”と確固たる信念を持っているといいます」(前出・歌舞伎関係者)かつて染五郎は團子についてこう語っている。《稽古の場で「それは違う」などと気兼ねなく言い合えるし、相手に合わせるような場面では素直に合わせられますし。僕にとって一緒にやりやすい人です》(「wilth online」’21年10月13日配信)5月中旬、本誌は滋賀県内で松本幸四郎主演ドラマ『鬼平犯科帳』の撮影に臨む染五郎を目撃。凜々しい表情の胸裏には、團子との共闘の意志を燃やしていた――。前出の上村さんは言う。「歌舞伎の興行主である松竹にとっても、実力があり人気もある若手ホープの登場は非常に喜ばしいことでしょう。2大スターとして期待しているはずです」波乱の歌舞伎界に現れた10代の2人の最強タッグ。染五郎の存在は、團子の“五代目猿之助”襲名への大きな追い風となりそうだ。
2023年05月30日5月18日、歌舞伎俳優の市川猿之助(47)が自宅で両親と倒れているところをマネージャーに発見され、救急搬送された。母親(享年75)は現場で死亡が確認され、父の市川段四郎さん(享年76)は搬送先の病院で死亡。一命を取りとめた猿之助は、意識障害が続いていたものの19日に退院した。「猿之助さんは半地下の自室で意識が朦朧とした状態で発見され、知人に宛てた遺書のようなメモがあったことから警視庁は自殺を図ったものと見ています。また、2階のリビングで布団をかけられた状態で見つかった両親は、若干の吐しゃ物が確認されました。家族3人は何らかの薬物を服用した可能性があるとして、警視庁は19日に自宅の現場検証を実施。両親は司法解剖の結果、向精神薬中毒の疑いで亡くなったと見られています」(全国紙記者)事態の真相解明が待たれるなか、歌舞伎界では“異例中の異例”の対応を余儀なくされている。猿之助は5月3日から自らの名を冠した「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」に出演していたが、救急搬送された18日は昼の部が休演となり、夜の部は急きょ歌舞伎俳優の中村隼人(29)が代役を務めた。28日まで続く公演に動揺が広がるなか、明治座は19日に同日夜の部と20日以降の代役を発表。夜の部の演目「御贔屓繫馬」では、引き続き隼人が猿之助の代役を務めることに。そして昼の部では、思いがけない人物に白羽の矢が立った――。それは市川中車(香川照之、57)の長男・市川團子(19)。歌舞伎スペクタクル「不死鳥よ 波濤を越えて―平家物語異聞―」で、猿之助が演じるはずだった主人公・平知盛を演じることが決定した。’12年に「スーパー歌舞伎 ヤマトタケル」で五代目市川團子として初舞台を踏み、’16年から出演している「八月納涼歌舞伎」では同世代の市川染五郎(18)と切磋琢磨し合いながら研鑽を積んできた團子。幼いころから一門の期待を背に、芸の練習に励んできたという。「中車さんが40代で梨園に飛び込んだのは、息子の團子さんに“市川猿之助の名跡を継がせたい”という夢があるからだといいます。昨年8月に性加害疑惑が報じられた際は、家族に迷惑をかけたことを團子さんに心から詫びたそうです。そして、“あなたは将来の猿之助になる人間なんだから、身を引き締めて頑張りなさい”と伝えたと聞きました。現在、澤瀉屋を背負う猿之助さんには跡継ぎとなる子供がいないため、團子さんに期待が寄せられています。團子さんも“歌舞伎一筋”だそうで、“与えられた役はどんな役でもやる”と意気込んでいました。とはいえ猿之助さんの代役を務めることに、相当なプレッシャーを感じているでしょう」(歌舞伎関係者)そんな團子は’20年1月に、初世市川猿翁の当たり芸をまとめた「澤瀉十種」のひとつ「連獅子」を猿之助と演じた。上演に先立って行われた合同取材会では、猿之助を「憧れの方」と表現し、「お稽古してくださる時の教え方が的確で、難しい感情も理解しやすい表現で教えてくれます」と感謝の気持ちを語っていた。衝撃な出来事からわずか1日しか経っていないなか、大役を担うことになった團子。SNS上では、彼を慮る声や激励の声が広がっている。《團子くん…。すごいとしか言えない。成功を祈ります》《團子さん。君はどんだけいろんなものを背負わなきゃいけないの。一生応援する》《まじか!團子ちゃんが昼の代役やるのか!!!まだ10代の若者が背負うには大き過ぎるものを背負わされちゃったなー頑張れ!!!》《澤瀉屋を背負う覚悟で代役引き受けたんだろうけど まだ19歳なのに ショックも大きいだろうに 過酷すぎる… 無理せず 怪我なく どんな大役でも 團子ちゃんならできる》澤瀉屋のピンチを救うべく、團子は舞台に立つ――。■「日本いのちの電話」ナビダイヤル:0570-783-556(午前10時~午後10時)フリーダイヤル:0120-783-556(毎日・午後4時~午後9時/毎月10日・午前8時~翌日午前8時)
2023年05月20日「團十郎さんが、麻央さんと暮らしていた都内の一軒家を売却するそうです。麻央さんの闘病のため’17年にマンションへ引っ越してから、住んではいませんでしたが、思い出が詰まっていることもあってか、’21年にリフォームを行い、稽古場として活用していました。ただ麻央さんの部屋は、改装せずにそのままにしていたそうです。新之助くんにとっては、お母さんと4年間暮らした家でした」(芸能関係者)父・市川團十郎(45)とともに、来年まで続く襲名興行に臨んでいる市川新之助(10)。7月には團十郎と姉のぼたん(11)とともに歌舞伎座の舞台に立つ。しかし、家族3人が集結する舞台の稽古を小林麻央さん(享年34)と過ごした家で行うことはない。團十郎が思い出の場所を手放した理由とはーー。「かねて行動をともにしている祈禱師の助言が影響したといいます。丁字路のつきあたりにあるとかで、“風水的によくない”と言われたそうです。以前から團十郎さんはスピリチュアルに傾倒し、家にアメジストの原石を置きパワーストーンを肌身離さず着用しています。それが、新之助くんにも影響を与えているのです」(歌舞伎関係者)4月11日に團十郎が自身のインスタグラムに投稿した写真では、勉強に励む新之助の左手首にはパワーストーンのブレスレットが2つまかれていた。さらに机の上には、ピンク色の水晶玉や開運の御利益があるという“金色のうんこ”の置物まで。勉強机がそうした“お守り”で埋め尽くされている新之助には、驚きの日課があるという。「まだ小学5年生ですが、不動明王のご真言をそらんじて言えるといいます。朝晩、正座をして目を閉じ、手を合わせて、『ノウマク・サンマンダバザラダン~』と、マントラをきっちり7回唱えているそうです。最近は小さな阿修羅像や仏像のガチャガチャを好んで買っているみたいですよ」(前出・歌舞伎関係者)5月9日に開催されたイベントで、「夢は歌舞伎役者ですか?」と聞かれ、小さな声で「違います」と答えていた新之助。朝晩のマントラで新たな道を切り開いていく!?
2023年05月18日●女形に楽しさ「舞台中、普段の性格も柔らかく」俳優・香川照之(市川中車)の長男で歌舞伎俳優の市川團子が、明治座創業百五十周年記念『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』(東京・明治座、5月3日~28日)の夜の部「三代猿之助四十八撰の内『御贔屓繋馬』(ごひいきつなぎうま)」に百足のお百役で出演する。2012年に8歳で初舞台を踏んでから約11年。大学生活を送りながら歌舞伎俳優として着実に成長を遂げている團子に、同舞台への意気込みや歌舞伎への情熱、そして、目標とする祖父・市川猿翁と親戚でもある猿之助への思いを聞いた。『御贔屓繋馬』は、四世鶴屋南北の原作を三代目市川猿之助(現・市川猿翁)と奈河彰輔が筆を執り、1984年4月に明治座で初演し、大評判を呼んだ作品。今回は物語を洗い直し凝縮した形で届ける。大喜利所作事『蜘蛛の絲宿直噺』では猿之助が女童、小姓、番頭新造、太鼓持、傾城、土蜘蛛の精の6役を早替わりで踊り分け、“奮闘公演”に相応しい変化舞踊を披露する。――明治座創業百五十周年記念『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』への出演が決まったときの心境からお聞かせください。『新・三国志』や『弥次喜多』に出させていただく機会が多く、それも本当にありがたいのですが、古典を学びたいと思っていたので、古典の作品に出演させていただけるというのはうれしかったです。――古典で学びたいと思った理由は?新作やスーパー歌舞伎『新・三国志』はセリフが現代調だったりして、先輩方は古典が身についていらっしゃるので現代調で言っても歌舞伎になるのですが、自分はまだ全然できていないので基礎である古典をしっかり学びたいと思いました。――明治座に抱いているイメージを教えてください。小学5年生のときに『四天王楓江戸隈』という作品に鬼童丸という役で出演させていただき、そのときに立ち回りが本当に楽しかったというのを覚えています。今回が2回目となりますが、また明治座さんに出させていただくのは本当にうれしいです。――『御贔屓繋馬』の魅力をどのように感じていますか?明治座さんでおじいさま(猿翁)がされた初演の映像も見させていただいたのですが、とにかく面白いという印象です。(主人公の)良門が復活するときに衣装から火や煙が出たり、視覚的にも楽しいですし、セットもすごくきれいです。そして、僕が演じる百足のお百はスパイで、村娘に扮して敵方に潜入するという役なのですが、僕だけでなく物語のほぼすべての人が“実は”という役で、スパイ合戦が繰り広げられます。この人はこうだったのだとひも解かれていくのも面白いですし、立ち回りも面白くパワフルな舞台だと思います。――今回の公演で特に楽しみにしていることを教えてください。女形を務めさせていただきますが、去年初めて女形をさせていただいたので、とにかく頑張って食らいつきたいと思っています。そして、“実は”という役を演じるのは初めてなので、その“実は”という要素をしっかり演じられるように、頑張ります。――女形はいかがですか? やりがいなどお聞かせください。楽しいです! 初めて女性に扮し、不思議な感覚になりました。――女形を演じて新たな気づきや変化などありましたか?すごく不思議なのですが、舞台中、普段の性格も柔らかくなっていたようで、家族や周りの人に言われてびっくりしました。言葉は変わりませんが、ちょっとした仕草が女性らしく柔らかくなっていたみたいです。――もしかしたらまた今回も?なるかもしれません(笑)●大切にしている猿之助の言葉「高1のときに…」――これまでも何度も共演されていますが、猿之助さんは團子さんにとってどんな存在ですか?“憧れ”と“かっこいい”が大きいです。『三国志』ではお父様の役(関羽)を演じられていて、後ろをついて歩く場面があったのですが、背中がとにかくかっこよかったです。――自分もこうなりたい! というように憧れている部分を教えてください。すごすぎてまだ何もわかりません(笑)。じいじと猿之助さんの2人が僕の中で一番の憧れなので、そんな役者になれるように必死に食らいついていきたいと思っています。――猿之助さんに言われたことや教えてもらったことで大事にしていることはありますか?高校1年生のときに猿之助さんと出演させていただいた『連獅子』で、「1日2個のことを直せば、25回公演があるから50個のことを直せる」とおっしゃってくださって、それは大事にしています。また、この前出演した作品の立ち回りのときに、僕は立ち回りは型だと思っていたのですが、猿之助さんは「そうではなく感覚でやるものだ。型も大事だけど、戦っているんだからもっと切羽詰まっているわけだし、それに縛られすぎたらよくない」とおっしゃっていて、とても勉強になりました。――今回の共演でもまた学びがありそうですね。長い時間共演するシーンが多いので、同じ場面で猿之助さんを見られるということが一番の楽しみです。猿之助さんの座頭を見るのも初めてで、目が見えない方をどう演じるのか、いろんなことを学ばせていただきたいです。――2012年に初舞台を踏まれていてから11年。ここまで活動されてきて歌舞伎俳優という職業に対して今どのような思いかお聞かせください。ずっと“好き”“楽しい”という感情です。――一番楽しいと感じる瞬間は?全部です! お稽古も本番も楽しいです。もちろん大変だなとか難しいという感情もありますが、常に楽しいという感情があります。――その楽しさは、経験を重ねるごとに増しているのでしょうか?楽しさはずっと一緒ですね。ずっと変わらず歌舞伎が好きなのだと思います。――團子さんが感じている歌舞伎の魅力とは?魅力は無数にあって未熟者なので到底語れませんが、音楽が楽しい、踊りも楽しい、そしてパワフルなところが大好きです。――若い團子さんを見て歌舞伎に興味を持つ若い方もいると思いますが、ご自身の活動によって歌舞伎界がこうなっていったらいいなという思いはありますか?全世代の方に見てみようかなと思っていただける役者に、いつかなりたいです。●祖父・猿翁の映像が活力源待ち受けも「じいじ」――歌舞伎のことがずっと好きだということですが、この11年で特にご自身にとって大きな経験になった転機を教えてください。おじいさまが『三国志』をやられた20年前のビデオとの出会いは転機になりました。おじいさまも言われていますが、主人公の関羽とおじいさまの人生は共通する部分があり、関羽が未来を語る場面は、おじいさまの夢を語っている場面でもあって、キラキラした目で語る姿がすごく好きで感動しました。子供のときも「かっこいい」と思って見ていましたが、2年前に僕も『新・三国志』に出演させていただくことになってよりそのシーンを見て感動し、その語りのシーンが活力源になっています。――けっこうな頻度で映像を見ているのでしょうか。見ます。いつも見ると「頑張らなきゃ!」と。心を燃やしてくださる活力源です。――今、映像を見せていただいた際に、スマホの待ち受け画面が歌舞伎の写真になっているのがちらっと見えましたが、ご自身ですか?これはじいじです。この写真は今年になってからですが、待ち受けはいつも、かっこいいなと思ったじいじの写真にしていて、本当に憧れです。――おじいさまの言葉で大切にしているものはありますか?「勇なるかな勇なるかな、勇にあらずして何をもって行わんや」という言葉をおじいさまが好きで、その言葉を書いた色紙を3、4年前にくださったのですが、これは何を行うにしてもまず勇気が必要であるという意味で、「僕も勇気を持ってやろう」と力をもらっています。――たくさんのパワーの源がありますね。そうですね!――大学ではどのようなことを学んでいるのでしょうか。芸術を学ぶ学科で、東洋のことだけでなく西洋の音楽や美術、演劇なども学んでいて、どれも面白いのですが、いろんなことを学んでいる中で僕はやはり歌舞伎が一番好きだと再確認しました。――本当に歌舞伎を愛していらっしゃるのですね。11年続けてこられて、別の道を考えてことはないですか?ないです。――今後、歌舞伎俳優としてどのようになっていきたいと思い描いていますか?じいじと猿之助さんが僕の理想なので、その背中を見てなんとか追いかけて、頑張り抜きたいという気持ちです。――最後にファンの方にメッセージをお願いします。『御贔屓繋馬』は、お話の内容がわかりやすく、早替わり、宙乗り、立廻りもありパワフルで楽しいお舞台です! 初めて歌舞伎を見る方や若い世代の方にも楽しんでいただける作品になっています。是非ご覧ください!■市川團子(いちかわ・だんこ)2004年1月16日生まれ、東京都出身。香川照之(市川中車)の長男。屋号 澤瀉屋。2012年、6・7月新橋演舞場『ヤマトタケル』で五代目市川團子を名乗り初舞台。2013年、国立劇場10月歌舞伎公演『春興鏡獅子』胡蝶にて、国立劇場賞特別賞を受賞。学業と芸道を両立させながら、さまざまな舞台に挑戦している。
2023年05月03日芸能事務所『ブルーミングエージェンシー』に所属した市川ぼたん(11)。父の市川團十郎(45)は27日、自身のブログを更新し、「麗禾(※ぼたんの本名)と沢山話し合って麗禾が選んだ道を親として子供の進みたい道へ進ませる事に致しました」などと、父親としての思いを明かした。舞踊家として、すでに父・團十郎の舞台に出演している、ぼたん。「七月大歌舞伎」にも團十郎や弟・市川新之助とともに出演することが決まっている。「今後、テレビドラマなどの仕事は同社が窓口となり、活躍の場を広げていくそうです。これまでも『桶狭間 OKEHAZAMA~織田信長 覇王の誕生~』(フジテレビ系)、『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系)と、テレビドラマ出演を果たしています。また昨年公開されたアニメ映画『DC がんばれ!スーパーペット』の声優を経験したことで、さらに女優業への関心が高まったのでしょう」(スポーツ紙記者)’17年6月に亡くなった母の小林麻央さん(享年34)も一時期、女優として活躍していた。「アナウンサーという印象が強いですが、’04年にフジテレビの深夜ドラマで女優デビューを果たし、『スローダンス』(フジテレビ系)や『Happy!』、『おいしいプロポーズ』(ともにTBS系)といったテレビドラマ7作に出演。映画も3作品出演しています。女優として活動していたのは3年ほどで、計10本もの作品に参加していたのです。最初は所属事務所社長に勧められて挑戦したそうですが、思った以上に面白かったとか。当時のインタビューで『鈴木京香さんのような女優になりたい』とも語っています」(前出・スポーツ紙記者)麻央さんは仕事のスタンスについて次のように語っていた。《(失敗したときは)相当落ち込みますよ。ただ、悲しいことや悔しいことがあっても、外では涙は見せません。でも、家ではかなり落ち込んで、ひたすら泣いています(中略)それで涙と一緒に悲しかったこともキレイさっぱり忘れるんです。マイペースなので、落ち続けることはないですね(笑)》(『日経エンタテインメント 別冊』’06年8月25日号)「外では涙は見せない」……、長女・ぼたんも母のそんな“女優魂”を受け継いでいくのだろうか。
2023年04月28日「中居さんが手術を終え再入院していた昨年末から、團十郎さんに自らの病気について相談をしているそうです。なかでも、團十郎さんが以前から詳しい『酵素風呂』に興味を示すようになったと聞いています」(芸能関係者)1月14日放送の『キャスターな会』(テレビ朝日系)を皮切りに、テレビ3本、ラジオ1本のレギュラー番組すべてに復帰した中居正広(50)。中居は現在も病状を明らかにしていないが、『週刊新潮』は昨年9月に盲腸がんの手術を受けたと報じ、『女性セブン』は昨年11月に再手術を受けたと報じている。11月の休養開始から2カ月半での電撃復帰。しかも、4本のレギュラー番組に加え、4月から新番組までスタートすると発表された。「フジテレビ系で放送された特番『まつもtoなかい ~マッチングな夜~』のレギュラー化です。毎週日曜日、ゴールデンプライム帯で松本人志さんとのW司会です。フジとしては社運をかけていると言ってもいいでしょう。中居さんも相当、気合が入っているといいます」(テレビ局関係者)そんな中居が、襲名披露興行で多忙を極める市川團十郎(45)に相談を持ちかけたというのだ。そもそも2人の関係は十数年前にさかのぼる。「中居さんは海老蔵時代から、團十郎さんと親交があります。連絡先を交換するようになったのは、團十郎さんが2010年3月に『ビストロSMAP』に出演したときでしょうか。ちょうど海老蔵さんが小林麻央さんと結婚した年で、翌月には麻央さん本人も姉の麻耶さんとともに『ビストロ~』に出演。その縁もあって、中居さんは夫妻と親しくなったと聞いています」(前出・テレビ局関係者)’16年5月には、長男の勸玄くん(9)も史上最年少となる3歳で『ビストロ~』に出演。家族ぐるみの付き合いになったという。「團十郎さんはさまざまな健康法を試していることでも有名です。なかでもこのころから彼が愛用する『酵素風呂』は、薬草などから抽出した酵素を加えたヒノキのおがくずに、米ぬかなどを入れて自然発熱させ、砂風呂のように体をうずめるというもの。驚くほど汗をかき、デトックス効果が高いそうです」(後援会関係者)■團十郎は「中居さんと約束した」と――團十郎は’16年、自宅に家庭用の「酵素風呂」を導入。当時、1カ月という余命宣告を受けた麻央さんとともに使用していた。’17年4月4日付の麻央さんのブログには、《久しぶりの酵素風呂》と題され、満面の笑みを浮かべていた麻央さんの写真が公開されている。同年6月に麻央さんが亡くなった後も團十郎は愛用し、昨年6月も自宅の「酵素風呂」に入る写真をインスタにアップしている。また、’18年には、都内にオープンした酵素風呂店「A」の名付け親にもなっていた。 前出の芸能関係者は言う。「團十郎さんがプロデュースしたともいわれるこの『A』に、中居さんも通い始めたというのです」前出の後援会関係者も言う。「この『A』には、團十郎さんが紹介した有名人が数多く来ています。リウマチの症状や肩こりが和らいだという話をよく聞きます。團十郎さんは昨年末『中居さんと約束した』と言っていましたね。『店に来るときには担当者を決めて紹介するので僕に連絡をくれ』と中居さんに伝えたそうです」中居は全レギュラー番組に復帰したとはいえ、体調はまだまだ本調子ではないという。「中居さんは復調をアピールしていますが、ほとんどのスタッフは体調を心配しています。中居さん自身もそのことを痛いほどわかっています。仕事を続けられるよう“藁にもすがる思い”で体にいいとされるいろんな話を聞き、実践しているようです」(前出・芸能関係者)中居は、1月14日に放送されたラジオ番組『中居正広 ON&ON AIR』(ニッポン放送)で、「ずっと書き物をしてました。日記も書いてました」と、告白している。「書き物は5つのバインダーに整理されていたそうです。そのうちの一つは、体調維持に関するもののようです。休養中、思い立って團十郎さんに連絡したのも中居さんなりにいろいろと調べた結果なのでしょう」(前出・芸能関係者)■中居が望むWBCの仕事を、周囲が心配視する理由團十郎が中居に紹介したのは「酵素風呂」だけではないという。「團十郎さんは、“手かざしの先生”も勧めているそうです。完全紹介制で、一回数万円だそうです」(前出・芸能関係者)休養中、中居に大きな心境の変化もあったようだ。「中居さんはもともと『当面は新しい仕事を入れずにレギュラーで続けているものをこなしていきたい』と言っていました。だから松本さんとの新番組をスタートすると聞いて驚きました。休みの日はいろいろ考えてしまうから、あえて仕事を入れるようにしたのかも……」(前出・テレビ局関係者)さらに、中居には是が非でも体力を回復させたい別の理由が――。「3月8日に開幕する『2023 WORLD BASEBALL CLASSIC(以下、WBC)』の日本代表“侍ジャパン”公認サポートキャプテンに中居さんが就任しました。中居さんの野球好きは有名ですが、今回の手術後も『3度目となるWBCの仕事はライフワーク。どうしてもやりたいんだ』と熱く周囲に語っていたんです。キー局の役員らも『正直、体調不安を懸念しているけれども、中居さんにやってほしい』と必死で話をまとめあげたと言っていました」(前出・テレビ局関係者)局の上層部が気をもむのは、WBCのスケジュールにある。「1次ラウンドは東京ドームで行われますが、現地時間3月19日、20日に行われる準決勝にまで日本が順当に勝ち進んだ場合、試合が行われるのは米フロリダ州マイアミにある『ローンデポ・パーク』。中居さんが現地からリポートするとなると、十数時間におよぶフライトをこなす必要が出てくるのです」(前出・テレビ局関係者)そんな長時間のフライトに中居は耐えることができるのだろうか。「改編期前の3月には新番組やほかの番組の収録もあるので、スケジュール的にも厳しい時期。レギュラー番組も放送時間を延長した特番になる可能性もあります。その合間を縫っての長旅。しかもマイアミとの時差は14時間。かなり過酷な日程なのです。ただ、今の中居さんは“仕事こそ生きる糧”だと考えているといいます。休むことより、好きな仕事に没頭することで明日へのエネルギーとしているのでしょう」(前出・テレビ局関係者)1月14日のラジオで、中居は明るく冗談を飛ばしながらも、こう締めくくっていた。「体調壊してない元気な人にも言えることですけど、何が起こるかわからないですから。僕も何がどうなるかわからない。体調壊したから言えることですけど、年内何が起こるか見通しつかない」体力との闘いとなるWBC現地観戦のためにも、土壇場まで体調回復に徹する覚悟のようだ――。
2023年01月31日市川実日子と中島歩が共演する、BS松竹東急の新月曜ドラマ「À Table!~歴史のレシピを作ってたべる~」が2023年1月9日(月)より放送。そのポスタービジュアルが完成し、市川さんと中島さんからクランクアップコメントが到着した。本作は、歴史料理研究家・遠藤雅司(音食紀行)のレシピ本「歴メシ!決定版 ――歴史料理をおいしく食べる」をドラマ化。吉祥寺から徒歩20分のところに住む、結婚15年目の夫婦、主人公・藤田ジュンとその夫・ヨシヲの夫婦の物語を歴史メシと共に描いていく。この度、解禁となったポスターはあらゆる時代を彷彿させるカトラリーを散りばめたタイトルデザインと、市川さん演じる藤田ジュンと中島さん演じるその夫・ヨシヲの人物をあえてモノトーンカラーにしたもの。色彩にとらわれないからこそ何か気になり、目を奪われ、ジュンを横目で見ているヨシヲという、作品の世界観をまるっと凝縮した新感覚のポスタービジュアルのデザインに仕上がった。また、主題歌は本ドラマの劇伴ほか「名建築で昼食を」「ちょこっと京都に住んでみた。」の音楽を担当した、ベンジャミン ベドゥサックが作詞・作曲を手掛け、独特なスタイルと声で海外にも幅広いファンがいる阿児万寿美が歌う「Share」に決定。音を自由自在に操り、世界を表現するベンジャミン×阿児万寿美の楽曲が本作をさらに彩る。そして脇を固める追加キャストも解禁。ジュンの叔母さん・高梁浩子役には、元宝塚星組・花組トップスターで「宝塚歌劇の殿堂」の最初の100人の一人として殿堂入り。現在は歌手としてコンサートやリサイタルなどで活躍している安奈淳。野菜直売所のおばちゃんには、映画、ドラマを中心に活動し、『ゲンセンカン主人』(石井輝男監督/93)にて第15回ヨコハマ映画祭・助演女優賞などを受賞している水木薫。ジュンが働く大学の教授・浜口あすか役には、国内外の演出家や映画監督に難役を任され、チェーホフ、テネシー・ウィリアムズ、別役実らが紡ぐ伝説的戯曲にも出演。「マクベス」「組曲虐殺」での演技により第27回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞、映画やドラマなどにも活動の場を広げている神野三鈴。ジュンの大学時代の友人・伏見佐紀役は、シンガーソングライターで、類まれなソングライティング能力と熱量の高い歌声で聞き手の心を大きく揺さぶり、多くの映画、ドラマの主題歌も手掛け、アートワークデザインや執筆なども行いマルチな才能を見せる安藤裕子が演じる。ジュンの姪・加賀沙良役には、2014年のジュノン・ガールズ・コンテストにてファイナリストに選ばれ、2015年から女優としての活動を開始した新進気鋭で、近年ドラマや舞台、映画など数々の話題作でその活躍が注目されている芋生悠が決定した。クランクアップのコメント到着!◆市川実日子(藤田ジュン役)まずはスタッフ、キャスト、全員が健康に終えられたこと、本当に良かったです。とても繊細で、でも大胆な脚本だったので、どういう現場になるのか少し不安もありました。タイトなスケジュールの中、いろいろな時間を経て、やっとチームのようになってきたなと思ったら終わってしまいました。でもこれが、この仕事の切なく素敵なところだなと思います。スタッフのみなさんとお話することで、毎日元気をいただいておりました(笑)現場にいて、みなさんの真剣なお仕事を間近で目撃するたび、私は私の仕事を頑張ろうって思っていました。あと、ヨシヲが中島さんだったから、ここまでのびのび過ごせたのだと思います。本当にありがとうございました。◆中島歩(藤田ヨシヲ役)本当に、市川さんが現場を盛り上げてくれて、楽しませてくれて、ありがとうの気持ちでいっぱいです。市川さんと一緒にいると、例えるなら中学生に戻ったような、学生時代に戻ったようなそんな毎日でした。撮影自体はしっかり学生時代で例えられないくらい大変でしたが…(笑)それ以上にスタッフの皆さんも、本当に大変だったと思いますけど、まずは撮影を終えたので“お疲れ様でした!ゆっくり休んでください!良いお年を!”という想いでいっぱいです。ぜひ作品楽しみにしてもらいたいです。月曜ドラマ「À Table!~歴史のレシピを作ってたべる~」は2023年1月9日より毎週月曜22時30分~BS松竹東急(BS260ch/全国無料放送)にて放送(全12話/各話30分)。(text:cinemacafe.net)
2022年12月26日12月26日(月) に歌舞伎座で行われる『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十二月大歌舞伎」』千穐楽より、十三代目市川團十郎が出演する『助六由縁江戸桜』の模様が生配信されることが決定した。2カ月続いた歌舞伎座での襲名披露公演のフィナーレを飾る『助六由縁江戸桜』は、成田屋の家の芸のひとつで、十一世、十二世團十郎の襲名興行の際にも上演された所縁のある演目。今回の公演では、粋でいなせな江戸の美男子・助六を新團十郎が演じる。視聴チケットは、本日12月16日(金) 10時より販売がスタートする。<配信情報>市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十二月大歌舞伎」夜の部『助六由縁江戸桜』千穐楽 生配信配信日時:12月26日(月) 17:40頃~(約120分)アーカイブ配信:12月27日(火) 17:00~2023年1月4日(水) 23:59まで※一度ご購入頂きますと、アーカイブ配信期間中は何度でも視聴可能です。【出演者】市川海老蔵改め市川團十郎中村七之助、市川猿之助、中村梅枝、坂東巳之助、市川猿弥、片岡市蔵、市川齊入、市村萬次郎、大谷友右衛門、中村勘九郎、坂東彌十郎、松本幸四郎、市川左團次、坂東玉三郎チケット料金:3,600円(税込)販売期間:12月16日(金) 10:00~2023年1月4日(水) 20:00※「イベント割」対象のため、通常の2割引の価格でお求めいただけます。(通常価格:4,500円(税込))【配信リンク】■歌舞伎オンデマンド※ご視聴には歌舞伎オンデマンド連携の配信プラットフォーム「MIRAIL(ミレール)」の会員登録(無料) / ログインが必要です。■Huluストア「十二月大歌舞伎」の詳細はこちら:
2022年12月16日『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十二月大歌舞伎」』が、12月5日(月) に東京・歌舞伎座で開幕。その初日レポートが到着した。歌舞伎座での2カ月にわたる『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台』公演。12月公演は、歌舞伎の様式美を堪能できる華やかな演目『鞘當(さやあて)』で幕を開けた。舞台は桜が満開の吉原仲之町。尾上松緑演じる不破伴左衛門と松本幸四郎演じる名古屋山三がやってくると、すれ違う際に刀の鞘が当たったことから斬り合いとなり……。争うふたりを止めに入るのは市川猿之助演じる留女(偶数日は市川中車演じる留男)。荒事味のある伴左衛門と和事味漂う山三の渡り台詞や、留女の貫禄ある啖呵が心地よく響く。伊達を尽くした豪華な衣裳も目に美しく、廓風情漂う舞台に会場は華やかな空気に包まれた。続いては、十三代目市川團十郎白猿襲名披露狂言『京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)』。今回は鐘供養から、市川團十郎家の家の芸「歌舞伎十八番」の一つで華やかかつ壮大な荒事の魅力を存分に堪能できる『押戻し』までを上演。春爛漫の道成寺に現れるふたりの白拍子花子を尾上菊之助と中村勘九郎、大館左馬五郎を市川團十郎白猿が演じる。ふたりの花子が、実は恋の恨みから蛇体となって道成寺の鐘を焼いた清姫の怨霊であったことが分かり、その本性を現すと、花道より勇猛な大館左馬五郎が登場し、怨霊の前に立ちはだかる。前半の華やかな踊りから一転、後半は新團十郎演じる左馬五郎が花道から本舞台へと怨霊を力強く押戻していく様子を観客も息を呑んで見守る。「竹馬の友の和康と兄貴と慕うた中村屋の面差し漂う雅行によく似た化物奴……」と清姫の怨霊を演じる菊之助と勘九郎に絡めた遊び心溢れる左馬五郎の台詞に観客は大盛り上がり。公演に向けたインタビューで「父(十二世團十郎)のようなおおらかな左馬五郎を目指します。」と語った團十郎は、典型的な荒事の扮装を身にまとい、存在感溢れる左馬五郎で観客を魅了した。新團十郎、菊之助、勘九郎と同世代の俳優が揃い、襲名を寿ぐ華やかな一幕となった。昼の部を締めくくるのは、八代目市川新之助初舞台狂言『毛抜(けぬき)』。11月公演で『外郎売』の外郎売実は曽我五郎を凛々しく勤めあげた八代目市川新之助が、今月は史上最年少となる9歳で『毛抜』の粂寺弾正を勤めるとあって、開幕前から注目が集まる演目の一つだ。舞台は中村梅玉演じる小野春道の屋敷。原因不明の病に伏せる姫君錦の前の様子をうかがいに、姫君の許婚である文屋豊秀の家臣粂寺弾正がやって来る。機智に富んだ弾正は姫君の奇病の仕掛けや悪人たちの策略を見事に解き明かしていき……。父・十三代目團十郎が演じた『毛抜』の舞台を観てから粂寺弾正が憧れの役だったと話す新之助は、持ち前の明るさとおおらかさを存分に活かし、愛嬌あふれる弾正を見事に演じ切った。本作の見せ場である様々な見得が決まるごとに、観客からは大きな拍手と劇場指定の関係者による小気味良い大向うの声が会場に響き渡った。歌舞伎十八番の中でも特におおらかな雰囲気が溢れ、古風な味わいたっぷりの一幕。新之助が今回使用している髷は曽祖父にあたる十一世團十郎が粂寺弾正を勤めた際に使用していたもの。「新之助としていろんな役をいっぱい演じていきたい」と熱く語り、歴代の想いを受け継ぐ八代目新之助が大きな一歩を踏み出した歴史的瞬間に立ち会った観客からは、あたたかな拍手が絶えることなく送られた。市川ぼたんが愛らしく繊細に心情を訴えかける『團十郎娘』夜の部は、襲名披露『口上(こうじょう)』から始まり、幕が開くと舞台上には十三代目市川團十郎白猿、八代目市川新之助はじめ、市川團十郎家の色である「柿色」の裃を揃って身にまとって俳優がずらりと並ぶ。初日は松本白鸚が体調不良で休演のため市川左團次による紹介で始まった。続けて、河原崎権十郎、市川右團次、市川高麗蔵、松本幸四郎、市川猿之助、市川門之助、市川男女蔵、市川齊入が次々と華やかにお祝いの挨拶を述べていく。團十郎は「市川宗家の覚悟」を感じさせる真摯な眼差しで、続く新之助は若々しいエネルギーに溢れ、溌溂と挨拶。最後は11月に引き続き、團十郎が無病息災を願い成田屋の家の芸である「にらみ」を力強く披露し、熱い拍手に包まれた。続いては、市川團十郎家所縁の舞踊『團十郎娘(だんじゅうろうむすめ)』。『團十郎娘』は文化10(1813)年に七世團十郎によって初演された所作事。美しく、力自慢で評判の娘・お兼を市川ぼたんが勤める。歌舞伎座において歌舞伎の本興行で女性が出し物をするのは実に60年ぶり。昭和37(1962)年5月に歌舞伎座で行われた十一代目市川團十郎襲名披露興行の際に三代目市川翠扇が同じく『團十郎娘』を勤めて以来となる。舞台は近江八景の一つの琵琶湖のほとり。花道より馬をひいてやってきたお兼は乙女の恋心を近江八景によせて見せていき、ぼたんは長唄に合わせて愛らしく繊細に心情を訴えかける。やがてお兼の大力の噂の真偽を確かめようと、隠れていた市川右團次、市川男女蔵ら演じる漁師たちが打ちかかるが、お兼は軽やかにそれをあしらう。大きな見せ場である白い晒を用いた“布晒し”では、白く長い晒を華麗に翻し、その軽快な様子に場内からは万雷の拍手が送られた。最後の演目は、11月に続けての上演となる歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』。裃姿の松本幸四郎の口上に始まり、聞こえてくるのはさっぱりと軽やかな河東節の粋な演奏。坂東玉三郎演じる三浦屋揚巻が花道より登場すると、場内は一気に華やぎ、一瞬にして吉原の街に。傾城たちの口から語られる江戸一の伊達男・花川戸助六とは一体どんなに良い男なのかと、客席の期待も最高潮に達したところで登場するのが、市川團十郎勤める花川戸助六。花道にあらわれた途端、無駄のない流麗な立ち振る舞いに多くの観客が視線を奪われた。高まった期待をさらに上回る新團十郎の洗練された美しさに圧倒されるうちに物語は進行。助六が探す重宝・友切丸の詮議のため、坂東彌十郎演じる髭の意休に悪態をついたかと思えば、印象的な登場人物たちが次々登場し華やかな舞台を背景に楽しい場面が続く。中村勘九郎演じる白酒売新兵衛がやってくるとその和事味ある佇まいと、弟の助六との対比が面白く、喧嘩を売った相手に自らの股の下をくぐらせる件は、思わずくすりと笑いがこぼれる。廓風情を漂わせる市川猿之助演じる通人里暁の存在も印象的で、新團十郎の若い頃のエピソードを繰り出し、笑いを誘う。師走の忙しなさを忘れる、襲名披露興行に相応しい華やかなひと時となった。「十二月大歌舞伎」は12月26日(月) まで歌舞伎座で上演される。「十二月大歌舞伎」の詳細はこちら:チケット購入リンク:写真提供:松竹(株)
2022年12月06日「これからの新團十郎には、先輩の教えを聞き、同輩と火花を散らし、若手を指導する責務がある」11月7日から東京・歌舞伎座で行われている十三代市川團十郎白猿(44)襲名興行。夜の部の“口上”で厳しく苦言を呈していたのは松本白鸚(80)だったが、19日から体調不良で休演している。「白鸚さんは今回の歌舞伎座での團十郎襲名披露で、梨園の重鎮たちが軒並み口上を嫌がるなか、2カ月間にわたって出演を受諾した唯一の人物。その理由は、團十郎をかわいがっているからではなく、“親戚”だから。実は團十郎の祖父にあたる十一代目は、松本幸四郎家から迎え入れられた養子なのです」(歌舞伎関係者)梨園の大名跡・團十郎は、波瀾万丈の宿命を背負っている。「初代團十郎は舞台上で刺殺され、三代目と六代目は22歳という若さで病死。八代目は32歳で自殺しました。50年の不在を経て復活した十一代目は、重圧のためか、襲名3年後に亡くなりました。先代も’04年、海老蔵襲名披露のときに白血病で倒れました。今回も白鸚さんが倒れ、梨園内では『やはり“團十郎の呪い”か』とささやく声が聞こえてきています」(前出・歌舞伎関係者)白鸚だけではない。襲名披露興行に出演中の片岡仁左衛門(78)にもトラブルがーー。「11月2日発売の『週刊文春』で、37歳年下の一般女性と“ホテル逢瀬”したと報じられたのです。仁左衛門さんに“嚙み癖”があることまで暴露され、梨園は騒然となりました」梨園最大の慶事イベントに暗雲が立ち込めるなか、唯一、希望の光なのが團十郎の長男・勸玄くんこと市川新之助(9)だ。「梨園の重鎮たちは皆、『センスが抜群』と勸玄くんをベタ褒め。市川左團次さんは口上で『今後は新之助さんを真ん中に。團十郎さんは隅のほうに行ってもらって』と皮肉るほどです」(後援会関係者)團十郎をはるかに上回る新之助人気は、スポンサー筋にまで波及している。「襲名披露となると、贔屓筋のスポンサーからご祝儀CMの話が必ず出るものなのですが、そこでも話題は新之助くん一色でしたね。これまで團十郎さんを起用してきた大手スポンサーも、新之助くん単独でのCM出演を検討中だと聞きます」(前出・後援会関係者)12月の襲名披露では市川中車こと香川照之(56)が出演する。「観客から批判の声がどれだけ出るか、松竹は気をもんでいます。また、来年3月からは襲名披露の全国巡業が始まります。しばらくおとなしくしていた團十郎さんがまた“夜遊び”して世間を騒がすのではないかと、事務所スタッフは今から頭を抱えています」(前出・後援会関係者)「團十郎の呪い」はどこまで続くのだろうかーー。
2022年12月01日「まだまだ未熟者で先祖の足元にも及びませぬが、一生懸命努力をして、精進したいと思っております。市川宗家としての覚悟でございます」11月7日、市川海老蔵改め市川團十郎白猿(44)の十三代目襲名披露公演が、歌舞伎座にて華やかに開幕した。「口上」に続き、厄落としになるといわれる市川家伝来の「にらみ」も披露。さらに家の芸である『勧進帳』『助六』では、團十郎が見えを切るたびに、「成田屋!」「十三代目!」という「大向こう」(客席からの掛け声)が、満員御礼の劇場に響きわたった。この日、息子の勸玄君(9・かんげん)も、祖母の堀越希実子さんや姉の麗禾さん(11・れいか・市川ぼたんを19年に襲名)が見守るなか、八代目市川新之助を襲名した。これに先立ち、10月31日から2日間行われた襲名披露の特別公演を観た古典芸能解説者で、かつてNHKで多くの歌舞伎中継も担当した葛西聖司さん(71)は、「スペシャル感いっぱいの公演でした。共演の片岡仁左衛門さん、坂東玉三郎さんという大先輩の胸を借りて、立派に晴れの新團十郎を披露してくれました。また『勧進帳』では、團十郎さんの弁慶を、成田屋のお手本どおりにきちっとやってくれたのでうれしくてね。先代の十二代目團十郎のお父さんをほうふつとさせる場面もあり、ふと胸が熱くなりました」一連の襲名披露の催し自体、コロナ禍で2年半もの延期を余儀なくされていた。この興行が、葛西さんの言うとおり、「ずっと苦しんできた歌舞伎界全体のカンフル剤になる」との期待も大きい。なかでも「市川團十郎」は、歌舞伎界において絶大なる影響力を持つ大名跡。また市川宗家は、英雄的な主人公が悪を成敗する「荒事」を創始した初代から十三代目まで、実に約350年もの伝統を有する歌舞伎界随一の名門である。しかし長い歳月の間には、実子が途絶え他家から養子を迎えたり、また幾人もが早死にや謎の自殺を遂げるなど、「團十郎の業」ともいうべき苦難の出来事も多かった。その波乱の人生のエピソードにおいても、團十郎家は他家を圧倒するのだ。■初代は刺殺、八代目は自殺ーー。初代團十郎が生まれたのは、1660年(万治3年)で、江戸初期のこと。前出のとおり、荒事を生み出した、江戸歌舞伎の創始者だ。しかし、45歳で共演していた生島半六という役者に舞台上で刺し殺される。嫉妬や恨みともされるが、真相は定かでない。二代目は、初代の急死を受けて17歳であとを継ぎ、荒事を完成させるだけでなく、「和事」(やわらか味のある美男子)も見事にこなし、最初の「千両役者」となる。屋号の成田屋もこのころに始まる。十三代目の團十郎本人も、こう語っていた。〈市川團十郎家は二代続けて「初代運」を持った人間が生まれた。だからこそ、今の團十郎家がある〉(『文藝春秋』13年6月号)続く三代目は病いで22歳の若さで死去し、その後12年間、四代目が襲名するまで團十郎は空位となった。さらに五代目を経て、14歳で襲名した六代目だったが、風邪がもとで、くしくも三代目と同じく22歳の若さで亡くなる。そして、七代目の登場。新團十郎が、〈人間はかく生きたいという原形をお持ちの方です……なんだか自分が似てるような〉(前出『文藝春秋』)と話していた、敬愛するご先祖である。今も高い人気演目の『勧進帳』や『暫』『助六』など「歌舞伎十八番」を制定するだけでなく、市川家の伝統にとらわれずに『東海道四谷怪談』の悪役など新しい役柄にも果敢にチャレンジした。「しかし、才能も人気もあっただけに、その贅沢ぶりなどを徳川幕府に目をつけられて、天保の改革時に江戸を追放になりますね。その後、10歳の若さで團十郎を譲られたのが、八代目。絶世の美男子で、その吐いた痰をファンがすくい取ったという“お痰さま”の逸話で知られますが、この人も32歳という若さで自殺します」語るのは、エッセイストで『海老蔵そして團十郎』(文藝春秋)の著書もある関容子さん(87)。そして、明治天皇の前で天覧歌舞伎を演じた九代目となる。「『劇聖』といわれ、近代歌舞伎の文化度を向上させた九代目が亡くなったあとは、大正、昭和の戦前まで團十郎は50年以上にわたって不在となります」(葛西さん)十一代目團十郎が生まれたのが1909年。しかし、彼は團十郎家の生まれではなかった。九代目のあと、息子のいない市川家を支えたのが、銀行員だった娘婿(死後に十代目を追贈)。彼は役者に転身しながら後継者探しにも尽力し、松本幸四郎家から養子を迎え入れる。「これが、のちの十一代目團十郎となります。つまり初代や二代目、七代目と、十三代目團十郎さんは血はつながっていないんですね。十一代目は、やがて『花の海老さま』となり、そこから十二代目、十三代目とつながりますが、そうした数奇な市川團十郎家の歴史をふり返ると、あの時代に幸四郎家から才能ある養子を得た巡り合わせは、歌舞伎の神様のはからいとしか思えません」(関さん)■十二代目は66歳で逝去。十三代目は茨の道を突き進んだ「十一代目の舞台を初めて観たとき、私はまだ幼い少女でしたから、もう80年近くも團十郎さんのお芝居を観続けております。戦後、女性人気を一身に集め、『海老さま』と呼ばれた十一代目はとびきりの美男子で、女の人はみんなドキドキしたもの」そう語る関さんが『源氏物語』で思い出すのが、その孫にあたる、新團十郎のデビュー時のこと。「まだ本名の堀越孝俊で『源氏物語』で初お目見えしたとき、歌舞伎座の案内嬢たちが彼の出てくる場面になると仕事を忘れて(笑)、劇場のうしろから入ってきて『かわいい!』『きれい!』って、うっとりするという現象がありました。それくらいセンセーショナルなデビューだったんです。その姿が、十一代目にそっくりで、『隔世遺伝』なんて言われましたね」十一代目が、團十郎を襲名したのは53歳。かなりの高齢だが、養子であることに遠慮した結果であったとされる。葛西さんは、「その前が50年以上、團十郎が不在でしたから、この間のいつ復活するのかという重みが、十一代目にのしかかっていたんですね。これは相当な重圧で、だから十一代目は團十郎を継いで、わずか3年で亡くなってしまうんです」まだ19歳の長男(のちの十二代目團十郎)を残し、胃がんにより逝去したときは56歳だった。その十二代目の襲名が行われたのが85年。この名優と、関さんは取材だけでなく、プライベートでも会食などする間柄だった。「大らかな、太陽のような存在。あの方がいることで、楽屋の諍いなどもなんとなく収まるような、まさに穏やかな大統領でした。一方、その息子の十三代目團十郎さんは内省的といいますか、誰にでも心を開くというタイプではないようにお見受けします。ただ、あのカミソリのような鋭い感性は、『若き日の信長』などで完璧を目指す信長役を演じるにはぴったりで、そこも祖父の十一代目と似ているといわれるゆえん。十三代目さんは、おじいさんの得意だったシャープな演目と、お父さまの『毛抜』などの大らかなものとの両方ができる。お二人のよいところを受け継いでいるんですね」葛西さんもまた、十二代目團十郎とは襲名披露を含め幾度もその素顔に接してきた。さらに取材を重ねるなかで、宗家ならではのストレスや重圧について知らされる場面があったという。「十三代目が新之助時代に『勧進帳』を初めて演じたときのことです。当時、まだ21歳だった新之助さんにも初日を迎えた気持ちなどをインタビューして、取材は普通に終わっていました。その事実を知ったのは、かなりあとになってからです。お父さまが、あの『勧進帳』のとき、『実は倅が家出した』と打ち明けたんです。つまり、市川家伝来の演目を演じるというのは、それほどのプレッシャーなのだと。『僕は、もう倅に継がせなくていいと思った』ということまでおっしゃいました。『息子はまじめで考えすぎるほどに考える』とも」当時の心境を、十三代目團十郎本人も、新之助時代に出版した写真集『新生CREATING NEW FORM』(スイッチ・パブリッシング)のインタビューでこう話していた。〈もう地獄。素っ裸で冷たい風に打たれて、右へ左へ、涙がこぼれてきた〉この「地獄」を乗り越え、新之助はやがて海老蔵となり、己れの道を突き進んでいく。〈坊ちゃんとかそういうものを捨てて、周りが何と言おうと俺は俺でもう生き始めた〉しかし、その眼前に待っていたのは、さらなる茨の道。父親の白血病が発覚したのが、04年の自身の海老蔵襲名披露公演中のこと。その後、10年秋には暴行事件に巻き込まれ、3年後には父が66歳で逝去する。そこから9年間、十三代目を襲名するまで、また團十郎不在の時間が過ぎていったーー。【後編】天国の小林麻央さんと子どもたちとの強い絆海老蔵が十三代目團十郎にへ続く
2022年11月27日市川海老蔵から、十三代目を襲名!百年に一人の逸材といわれながら、数々のスキャンダルで世間をにぎわす問題児が、歌舞伎界の大名跡を継ぐことになった。11月7日、市川海老蔵改め市川團十郎白猿(44)の十三代目襲名披露公演が、歌舞伎座にて華やかに開幕した。「口上」に続き、厄落としになるといわれる市川家伝来の「にらみ」も披露。さらに家の芸である『勧進帳』『助六』では、團十郎が見えを切るたびに、「成田屋!」「十三代目!」という「大向こう」(客席からの掛け声)が、満員御礼の劇場に響きわたった。歌舞伎十八番の復活上演といった、市川宗家の古典を守ろうとする一方で、いまの時代にと、型破りな新作を公演し続ける十三代目。伝統を重視してほしいという苦言もあるが、そもそも歌舞伎はなんでもあり、これがオレの“傾き道”と、早世や重圧といった「團十郎の業」を蹴散らす心意気を見せる十三代目團十郎の今までとこれからを紐解いたーー。■伝統と現代に生きる歌舞伎とのジレンマ。オレ、かぶきたいんですよ!と声をあげる「十三代目團十郎さんは、海老蔵の時代から、ずっと新しいことに挑戦していますね。絵本や昔話が原作だったりと。ただ、あんまり挑戦しすぎて、『もっと古典をしっかりやってほしい』との声も、歌舞伎界では多く聞かれます」エッセイストで『海老蔵そして團十郎』(文藝春秋)の著書もある関容子さん(87)はそう語る。改めて、父親の十二代目との会話を思い出すともいう。「お父さまは、新作を作るならば『歌舞伎として98パーセントは本道を守らなければならない。あとの2パーセントで個性を出すなり新しいことをやればいい』と話されていました。もちろん、息子さんも、歌舞伎十八番の隠れた演目を復活させるなど、家の伝統をしっかり守ってやっていこうとの気持ちでいると思います。だけど一方では、新しいことをやらないと現代では生き残っていけないとのジレンマもあるのでしょうね」変わることで進化し国際性も保たれると話すのは、古典芸能解説者で、かつてNHKで多くの歌舞伎中継も担当した葛西聖司さん(71)だ。「私は、チャレンジ大賛成。アニメは観ない世代ですが、市川猿之助さんのいわゆる『ワンピース歌舞伎』は、やるたびに演出を変えていたりしておもしろかった。批判はつきもので、先代の猿之助さんがスーパー歌舞伎を始めたときも、最初はみんな『なんだ』と思いましたが、もともと歌舞伎は何でもありなもの。ただし言っておきたいのは、質の低いものはやってほしくないということ。演出家不在、脚本の不備など、およそ歌舞伎とは思えない作品もまた多かったですから」その新作歌舞伎を海老蔵時代にともに作ったのが、漫画原作者で『金田一少年の事件簿』などを手がけた樹林伸さん(60)。09年の『石川五右衛門』で原作を担当したことを機に、公私ともに忌憚なく語り合う仲となった。出会ってすぐのころ、当時の海老蔵が言った。「樹林さん。歌舞伎って、ガチガチに不自由な表現の芸能って思ってませんか?違います。歌舞伎って何でもできるんですよ、いちばん自由な芸能かもしれない」こうして動きだした新作だったが、打ち合わせのなかでは、こんな海老蔵の言葉も聞かれた。「オレ、かぶきたいんですよ。歌舞伎的なドーン!ってシーンが欲しいんです」樹林さんは、当時をふり返る。「これだけを聞くと、歌舞伎の壊し屋というか、やはり伝統より革新を求めているように思えるでしょうが、僕の印象では、彼が求めるのは両方。いや、実は守りたいという気持ちのほうが強いです。新作では、僕もいくつもアイデアを出しましたが、そんなとき海老蔵がよく言ったのが、『それ、歌舞伎じゃないですよ』とのセリフ。所作や間を含めて“歌舞伎的おもしろさ”を、彼ほどわかっている人間はいません」その行動の背景には、父親の存在があるようだ。実は先代の十二代目團十郎こそチャレンジャーだった、と語るのは葛西さん。「なにより、お父さんは、10代で親を亡くしたなかで、團十郎家をどう支えていき、一門をどう守っていくかを必死に模索しました。まずそこに、挑む精神があった。加えて海外や地方での野外公演などは、あの昭和の時代に非常に珍しいことで、それが歌舞伎界の活性化にもつながりました。その姿を最も間近で見ていた息子さんは、父のチャレンジ精神に学ぶことも多いと思うんです」葛西さんも、関さんも、今後の十三代目團十郎に求められるのは「聞く」姿勢ではないかと口をそろえる。「『コクーン歌舞伎』など、やはり新しいことに挑戦していた中村勘三郎さんでしたが、けっして孤立はしていなかった。それはフレンドリーな性格で、私たちも自由に楽屋に入っていって、会話ができるという雰囲気が常にあったからなんですね。その勘三郎さんをいちばん慕っていたのが、当時の海老蔵さんでした。彼も、勘三郎さんには、教えを請いにいくという姿もよく見られました。つくづく、勘三郎さん、お父さまと、最も信頼でき、ときには苦言も呈してくれる庇護者がわずか3カ月ほどの間に相次いで亡くなったことは、十三代目さんにとっては不幸な出来事だったのではないかと思うんです」関さんは、続けて、「彼は、公演中に休演日を設けるなど歌舞伎界の働き方改革を先導したり、埋もれた才ある人材を引き上げるといったことにも積極的に取り組んできました。今後、十三代目團十郎として、歌舞伎界を牽引していく立場となるでしょう。そのときに、多くの先輩方の話に耳を傾け、指導を仰ぐことをやっていただきたい。襲名披露公演ですでに共演されていますから、これもよいきっかけになるのではないでしょうか」実は、彼は海老蔵時代からすでに変わり始めていたと証言するのは、樹林さんだ。「結婚、子供の誕生といろいろあったけど、正直、そのころはそんなに変わらなかったんですよ。酒もやっぱり飲み続けていたし。大きく変わったきっかけは、麻央ちゃんが病気になったことですね。以前は一緒に馬鹿騒ぎもしていましたが、特に奥さんを亡くしてからは、酒も、僕らが『たまには気分転換に』とすすめても、一滴も飲まなくなりました」十二代目夫人で、十三代目には母親となる堀越希実子さんも、著書『成田屋のおくりもの』(マガジンハウス)で、こうつづる。〈幼いころから、誰にも相談しない、弱音を吐かない子どもでしたから、ひとりで抱えていることも多いでしょう。理解者でもあったパートナーの麻央さんがいなくなった今の息子の悲しみを考えると胸が痛みます〉17年6月、妻の麻央さんが34歳の若さで亡くなったとき、偶然、樹林さんの作った芝居の公演が行われており、その楽日に楽屋を訪ねたときのこと。「亡くなって、まだ3日後くらいでしたが、海老蔵は気丈に演じ終えました。楽屋で、二人きりになったとき、彼が僕に言いました。『麻央、観てたと思うよ。劇場にいたのわかったもん、オレ』普通の人が感じないものを、彼は常に感じているんですね」いつも遠くから見守り、案じてくれる最愛の人の存在がある。このたびの父子のダブル襲名を誰より喜んだのは、天国の麻央さんだったに違いない。■息子、孫との共演はさらなる宿命。「團十郎の業」を絶つ覚悟は、あとを託す者とともに「勸玄さんも天才ですね。『外郎売』は6歳の初演時も感嘆しましたが、今度も9歳にして、本当によどみなく言えて。7歳だったお父さんのときも見ましたが、あんなに舌が回っていなかった(笑)。12月には『毛抜』もやりますね。けっこう艶っぽい部分もあり、またお父さんには批判もあるようですが、実はこれもおじいさんの当たり役だったんです。祖父譲りの愛嬌もある勸玄さんに最年少で『毛抜』をあえてやらせようというのは、十三代目となった團十郎さんの『これからも、わが市川一門はかぶいていきます』という、宣言にも思えます」(関さん)樹林さんも、『石川五右衛門』を作った当初から、まだ存在すらしていなかった「海老蔵の息子」を想定して本を書いたと語る。「初演では、海老蔵と父親の十二代目團十郎さんに共演してもらいました。そのときから、いずれ海老蔵が團十郎となり、その息子が海老蔵を襲名したら、十三代團十郎の父子で『新・石川五右衛門』をやってほしいと思っていました。これぞ歌舞伎の醍醐味と思いますし、またいずれ実現するでしょう。僕らがカンカンと呼ぶ勸玄君は、お父さんより稽古好きなようですから(笑)。僕はあえて海老蔵と呼びますが、彼はゴシップも含めて、歌舞伎界のトップとして、ずっとPR役を務めてきているのだと思います」かつては、自ら「歴史的にも團十郎は短命です」と、半ば宿命を受け入れるかのように語っていた十三代目だったが、特に父親になってからは、「團十郎の業」からも解放されたということか、新たな覚悟を口にすることが多くなった。〈長生きをしなければならない……息子、そしてまだ見ぬ孫との共演は、市川團十郎家に生まれた者として、やらなければいけないこと〉(『文藝春秋』13年6月号)新たな重責をまとっての、さらなるプレッシャーも気になるところだが、樹林さんは、「とにかく、子供たちとの関係がサイコーなので安心ですね。うちに遊びに来て、プールでカンカンや麗禾ちゃんと遊んでいるときは、何の憂いもない、すっかりパパの顔ですから」あとを託すことのできる子供たちとの太い絆を得た十三代目團十郎が、これからの歌舞伎界を、伝統と革新の両輪で、牽引していく姿を見届けたい。
2022年11月27日「歌舞伎座で、十三代目團十郎の母・希実子さんがご贔屓筋の一人にこう頭を下げていました。『芝居に関して何かを言う立場ではないけど、チケット販売が芳しくないのは私のせい』だとーー。一時期、体調不良だった希実子さんは『まだ完全に復調したわけではないけれど、できるだけ先代から引き継いできた贔屓筋にご挨拶したい』とも漏らしていました」(後援会関係者)11月7日、東京・歌舞伎座で十三代目市川團十郎白猿(44)の襲名披露興行が始まった。「予想したよりも切符の売れ行きが鈍く、特に地方在住の長年の歌舞伎ファン向けの鑑賞ツアーが苦戦。近年の言動から一定数の“團十郎離れ”があったようです。團十郎に批判的だった菊五郎さんは襲名披露では彼とは共演はせず、かろうじて『口上』には並ぶも團十郎を“暴れん坊将軍”と揶揄し、観客の苦笑いを誘っていました」(歌舞伎関係者)実は希実子さんは、今年8月に團十郎の個人事務所の取締役に再就任している。「もともと、先代の團十郎さんが希実子さんの両親の借金の保証人になっていたために東京・代官山の土地を処分した経緯もあり、團十郎は希実子さんと距離を置き、事務所の役員から外しました。希実子さんも、先代の没後は梨園の重鎮の助言に耳を傾けなくなった息子に手を焼いていたそうです」(前出・歌舞伎関係者)“確執”のあった母子が和解した背景には、彼女の体調問題と今回の襲名披露があったという。「希実子さんが体調不良で入院したとき、何度も團十郎がお見舞いに来たといいます。また、襲名披露が近づくにつれ希実子さんは先代團十郎の妻として、息子のためというより“團十郎の名前を汚さないようにしなくては”という心境に変わったそうです」(前出・後援会関係者)そして“和解”の最大の理由は、孫で八代目市川新之助を襲名した堀越勸玄くん(9)だという。「團十郎の話題にはあまり興味を示さない希実子さんも勸玄くんの話になると前のめりになるんです。贔屓筋の方々へ『この子はすごい子になる!父親を超えますよ!!』と声に力が入っているのがわかりました」(前出・後援会関係者)しかも、人間国宝も勸玄くんにお墨付きを与えていたという。「團十郎との共演にNGを出した菊五郎さんも、勸玄くんとは共演。希実子さんに『この子は将来のすごさがわかる。楽しみですね』と満面の笑みで言っていたそうです。玉三郎さんなどほかの重鎮の方々も、勸玄くんをベタ褒め。希実子さんは親しい人に“あまりに勸玄が周りからチヤホヤされると息子のようになってしまわないか心配”と冗談交じりに言ってました」(前出・後援会関係者)團十郎を“反面教師”にーー。希実子さんの新たな挑戦が始まる。
2022年11月18日11月28日(月) に歌舞伎座で行われる『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十一月吉例顔見世大歌舞伎」』千穐楽より、八代目市川新之助が出演する『外郎売』の模様が生配信されることが決定した。『外郎売』とは、七世市川團十郎が制定した市川家の芸「歌舞伎十八番」の演目のひとつ。今回は、八代目市川新之助初舞台狂言として、新之助が外郎売実は曽我五郎を勤める。新之助は、初日より本作の眼目である外郎売が薬の効能を語るういろうの言い立てや立廻り、勇ましい荒事の芸を見事に披露し、その凛々しくたくましい姿で多くの観客を魅了している。なお11月29日(火) 13時から12月4日(日) 23時59分までアーカイブ配信も予定されている。<配信情報>市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台『十一月吉例顔見世大歌舞伎』昼の部『外郎売』千穐楽配信日時:11月28日(月) 12:10頃~(約35分)アーカイブ配信:11月29日(火) 13:00~12月4日(日) 23:59まで※一度ご購入頂きますと、アーカイブ配信期間中は何度でも視聴可能です。出演者:八代目市川新之助、中村魁春、中村雀右衛門、片岡孝太郎、中村児太郎、大谷廣松、中村鷹之資、片岡市蔵、市村家橘、市川左團次、尾上菊五郎チケット料金:2,800円(税込)販売期間:11月18日(金) 10:00~12月4日(日) 22:00※「イベント割」対象のため、通常の2割引の価格でお求めいただけます。(通常価格:3,500円(税込))【配信リンク】■歌舞伎オンデマンド※ご視聴には歌舞伎オンデマンド連携の配信プラットフォーム「MIRAIL(ミレール)」の会員登録(無料) / ログインが必要です。■Huluストア※こちらの視聴ページは本日11月18日(金) 10:00よりご覧いただけます。「十一月吉例顔見世大歌舞伎」の詳細はこちら:
2022年11月18日ひと昔前のヤンキーのようなビジュアルが特徴的であり、高い人気を誇るバンド『氣志團(きしだん)』。2022年11月11日、『氣志團』でボーカルを担当する綾小路翔さんが当面の間のライブ活動休止を発表しました。この日、情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)に生出演した、綾小路さん。長年、慢性声帯炎を患っているとのことで「治療やリハビリに専念したい」と思いを明かしています。番組出演後、綾小路さんは『氣志團』のTwitterアカウントでも、ファンに向けてメッセージを送りました。応援してくれている皆様には本当に申し訳ないきもちでいっぱいです。みんな、マジでごめんな。ただ、これはあくまで綾小路翔の歌唱に関しての活動を一時休止するだけであり、氣志團は止まるつもりはありません。むしろ今まで以上にポジティブかつアクティブに動く所存です。こんな機会だからこそと早くもソロ活動をする準備を始めているメンバーもいますし、自分にとっても新しい事にチャレンジするチャンスであると考えています。それに氣志團はそもそもインストバンド。歌えなくても出来ることは山盛りあります。楽曲も意欲的に制作しております。全方位でお仕事お待ちしております。もちろん、なる早で復帰する為に全力を注ぐ次第です。さっさと帰って来るよ。目標はズバリ、来年の氣志團万博!頑張るぜ。氣愛。約束。@kishidan_staffーより引用【氣志團よりご報告】コンサート活動休止に伴い、綾小路 翔よりKISSESの皆様へ。 pic.twitter.com/BT4GykU9y9 — 氣志團 (@kishidan_staff) November 10, 2022 綾小路さんは2006年の活動休止を振り返り、今回を『第3章の序幕へつながる区切り』と称して、ポジティブな姿勢を見せました。そんな綾小路さんのメッセージは多くのファンに元気を与えたのか、ネットでは「ずっと待ってます!」「ゆっくり休んでくださいね」といった前向きなコメントが上がっています。きっと当面は、綾小路さんがいうように新たな『氣志團』の魅力を発信する期間になるのでしょう![文・構成/grape編集部]
2022年11月11日『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十一月吉例顔見世大歌舞伎」』が、11月7日に東京・歌舞伎座で開幕。その初日レポートが到着した。歌舞伎座で2カ月にわたる襲名披露興行の幕開きを飾るのは、『祝成田櫓賑(いわうなりたこびきのにぎわい)』。襲名などの特別な公演では、多くの俳優たちが揃って祝祭気分に溢れる「芝居前」と呼ばれる演目を上演することがあり、本作もその趣向で、鳶頭に中村梅玉、中村鴈治郎、中村錦之助ら、芸者に中村時蔵、片岡孝太郎ら、芝居茶屋亭主に坂東楽善、芝居茶屋女房に中村福助と、豪華な顔合わせでこの度の成田屋の襲名披露を寿ぐ。梅玉勤める鳶頭の掛け声で出演者一同と観客が手締めをすると、これから始まる襲名披露興行への期待に満ちあふれ、おめでたい雰囲気に包まれた。続いては、八代目市川新之助の初舞台となる狂言『外郎売(ういろううり)』。令和元(2019)年7月、貴甘坊役で早口の言立てを披露した市川新之助(当時 堀越勸玄)が、この度は新之助初舞台として外郎売実は曽我五郎を勤める。幕が開くと、舞台は富士山を望む大磯の廓。小林朝比奈(市川左團次)や、大磯の虎(中村魁春)ら大勢の傾城が招かれた酒宴で、工藤祐経(尾上菊五郎)が盃を重ねており、菊五郎の祐経が放つ敵役の色気と大きさが客席を一気に作品の世界へと引き込む。そこへやって来たのは、外郎売に身をやつした曽我五郎(市川新之助)。花道からその姿を現すと、凛々しい佇まいに観客の視線は釘付けに。「劇中口上」では、尾上菊五郎が「『外郎売』は、十二代目團十郎さんが昭和55年5月歌舞伎座におきまして、古風に則り演じられた復活狂言にて、市川家の家の芸にございます。この度八代目新之助くんの初舞台を迎え、父十三代目の教えのもと、この大役を相勤めますれば、何卒鷹揚のご見物のほどをひとえにお願い申し上げ奉ります。」と紹介すると、市川新之助が「祖父十二代目市川團十郎が作り上げました『外郎売』を父十三代目が受け継ぎ、その思いを私が継承させていただきます」と挨拶を述べた。そして、新之助は外郎売として本作最大の聞きどころである早口の言立てを堂々と披露。八代目市川新之助としての第一歩となる大役をしっかりと勤め上げ、割れんばかりの拍手が送られた。昼の部は、十三代目市川團十郎白猿襲名披露狂言『勧進帳(かんじんちょう)』で打ち出しに。智勇を兼ね備えた武蔵坊弁慶を市川團十郎白猿、気品と憂いを漂わせる源義経を市川猿之助、颯爽とした風姿で弁慶と対峙する富樫左衛門を松本幸四郎と、同世代の俳優が揃い歌舞伎十八番屈指の人気作を勤める。幕が開くと、安宅の関所。厳重な警固をしている富樫(幸四郎)が名乗りを終え、花道からは都を落ち延びてきた義経(猿之助)と四天王の亀井六郎(坂東巳之助)、片岡八郎(市川染五郎)、駿河次郎(尾上左近)、常陸坊海尊(片岡市蔵)が登場。続いて、花道に弁慶(團十郎)が姿を現すと、満席となった場内はみなぎる熱気と心地よい緊張感に包まれる。ここから新團十郎の弁慶による白紙の勧進帳の読み上げ、富樫が弁慶を追求する「山伏問答」など息もつかせぬ展開が次々と繰り広げられ、観客を魅了。襲名前の会見で團十郎は、弁慶を父である十二世市川團十郎に教わったと話し、「弁慶を演じる上で一番大切なのは、義経を守る気持ち」と語っていた。その言葉通り、鋭い目力、全身から溢れ出る気迫、躍動感ある一挙手一投足で、義経を何としても守り抜く覚悟を表現。幕切れの花道の引っ込みでは盛り上がりも最高潮に達し、4階の大向うエリアから「成田屋!」「十三代目!」との声がかかる中、飛び六方で豪快に引っ込むと万雷の拍手が鳴り響いた。まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような『助六由縁江戸桜』夜の部は、歌舞伎十八番の一つで、荒事の魅力溢れる『矢の根(やのね)』で華やかに幕を開けた。紅梅白梅が咲き誇る正月。勇ましい筋隈をとった典型的な荒事の扮装の曽我五郎(松本幸四郎)が、父の敵・工藤祐経を討つために大きな矢の根を研いでいる。そこへ、お年玉に宝船の絵を持参した大薩摩文太夫(大谷友右衛門)が挨拶に訪れ、その絵を枕の下に敷いて初夢に良い夢でもみようとうたた寝を始めた五郎だが……。五郎が「やっとことっちゃあ、うんとこな」と荒事特有の掛け声をかけたり、夢の中で兄の曽我十郎(坂東巳之助)の危難を告げられて勇みだったりと、全体を通して豪快さと明るさが漂い、祝祭気分に包まれる舞台となっている。続いては、襲名披露『口上(こうじょう)』。舞台上には、十三代目市川團十郎白猿、八代目市川新之助はじめ、尾上菊五郎、松本白鸚、片岡仁左衛門、中村梅玉、市川左團次と、襲名披露口上ならではの歌舞伎界を代表する豪華顔合わせが居並び挨拶を述べた。(22日以降は坂東玉三郎も出演)。團十郎は、先輩たちの挨拶に感謝を伝えながら「初代より十二代、團十郎を大切にしてきた先祖を思い、その先祖の足元にも及びませんが、一生懸命努力をし、精進したいという覚悟でございます」と述べ、新之助は「そののちはひとかどの歌舞伎役者となれるよう一生懸命相勤めますれば、どうぞよろしくお願い申し上げ奉ります」と凛々しく挨拶。最後は白鸚の紹介により、團十郎がご来場のお客様の無病息災を願って成田屋の家の芸である「にらみ」を披露し、熱い拍手に包まれた。夜の部の切は、歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』。まずは、裃姿の松本幸四郎の口上により襲名についての挨拶と作品の由来が紹介され、河東節の粋な演奏が始まると、心躍る賑やかな雰囲気に包まれる。三浦屋揚巻(尾上菊之助)の花道の出では、吉原の風情が場内いっぱいに広がり、市川團十郎勤める江戸一の伊達男・花川戸助六が花道に登場。この助六の花道の出は、「出端(では)」と呼ばれ、流麗な所作と形で魅せる本作の見どころだ。助六が探す重宝・友切丸の詮議のため、尾上松緑演じる髭の意休に悪態をつく様子や、廓の女性に相手にされずへそを曲げる片岡仁左衛門演じるくわんぺら門兵衛が、通りすがりの市川新之助演じる福山かつぎに言いがかりをつけるやり取りなど、華やかな舞台を背景に楽しい場面が続いていく。助六と白酒売新兵衛(中村梅玉)の兄弟二人が喧嘩を吹っかける場面も明るい雰囲気に包まれ、通人里暁(中村鴈治郎)が、「成田屋!」「十三代目!」と大向こうで盛り上げ、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような見どころ満載の120分となった。團十郎襲名披露狂言に相応しい助六の伊達男ぶり、多彩な登場人物の個性に自然と笑顔がこぼれる豪華な一幕で、大盛況のまま初日の幕を閉じた。「十一月吉例顔見世大歌舞伎」は11月28日まで歌舞伎座で上演される。「十一月吉例顔見世大歌舞伎」の詳細はこちら:
2022年11月08日スーパー歌舞伎Ⅱ『鬼滅の刃』が、2024年2月・3月に東京・新橋演舞場で上演される。漫画『鬼滅の刃』が“スーパー歌舞伎Ⅱ”に2016年2月に「週刊少年ジャンプ」にて連載がスタートした吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』。家族を鬼に殺され、さらには妹・ 襧豆子を鬼にされてしまった少年・竈門炭治郎が、妹を人間に戻すため、そして家族を殺した鬼を討つために「鬼殺隊」へ入隊するところから始まる物語だ。コミックス全23巻の累計発行部数が1億5000万部以上(電子版含む)を突破。また、TVアニメ・映画・舞台・能と、漫画の枠を飛び越えて様々なジャンルで描かれてきた。そんな人気作品『鬼滅の刃』がついに、「スーパー歌舞伎Ⅱ」として歌舞伎化される。出演に市川染五郎・市川團子・市川猿之助・松本幸四郎「スーパー歌舞伎Ⅱ」は、三代目市川猿之助(現・市川猿翁)の長年の思いから誕生した、台詞をすべて現代語にした「スーパー歌舞伎」の精神を四代目市川猿之助が継承したもので、これまでに『空ヲ刻ム者』『ワンピース』『新版 オグリ』の3作品が上演された。「スーパー歌舞伎Ⅱ」の4作目となる『鬼滅の刃』には、市川染五郎、市川團子、松本幸四郎、市川猿之助と人気と実力を兼ね備えた豪華な顔ぶれが勢揃い。鬼殺隊と鬼が繰り広げる激しい戦いや、それぞれが抱える想いなど原作の魅力はそのままに、「スーパー歌舞伎Ⅱ」ならではの迫力ある舞台を届ける。作品概要スーパー歌舞伎Ⅱ『鬼滅の刃』原作:吾峠呼世晴(『鬼滅の刃』集英社ジャンプ コミックス刊)脚本:横内謙介演出:杉原邦生総合演出:市川猿之助スーパーバイザー:市川猿翁出演:市川染五郎、市川團子、市川猿之助、松本幸四郎、ほか■公演情報上演時期:2024年2月・3月会場:新橋演舞場住所:東京都中央区銀座6-18-2※襧豆子の「襧」は正しくは<しめすへん>
2022年10月29日先祖と亡くなった人の冥福を祈る、お墓参り。遺骨が中に入ったお墓は、残された家族が故人をしのぶ大切なものといえます。2022年10月23日に、歌舞伎役者の市川海老蔵さんがブログを更新。先祖と、2017年にがんで亡くなった、妻でフリーアナウンサーの小林麻央さんのお墓参りに訪れたことを明かしました。我が子とともにお墓参りに行った海老蔵さんは、ブログを通してあるお願いを呼びかけています。それは、祖父と先祖の墓を削ることをやめてほしいというものです。そしてかなしいです。祖父の墓石と九代目の墓石、また削られています。やめてください。お願いします。市川海老蔵オフィシャルブログーより引用写真のように、墓石のいたるところが削られていたのです。「また削られています」と海老蔵さんがいうように、墓石への被害は一度に限ったことではないと分かります。大切な故人の墓石が削られていることを明かした海老蔵さんのブログに、さまざまなコメントが上がりました。・亡くなった人の墓石を削るとは、なんて罰当たりなことを…。・自分がされたら嫌なはずなのに、どうしてこんなことをできるのでしょうか。・心ないことをする人がいるなんて、とても残念です。墓石は、故人と残された家族を結ぶ大切なもの。このように削られる被害は、海老蔵さんだけでなく先祖も悲しんでいるはず。墓石を削った人が、自身の間違いに気付き、少しでも被害がなくなることを願うばかりです。[文・構成/grape編集部]
2022年10月26日「週刊少年ジャンプ」での連載からTVアニメ、映画、舞台、能などこれまで様々なジャンルで描かれてきた「鬼滅の刃」が2024年2月・3月、スーパー歌舞伎II(セカンド)にて上演されることが決定した。原作は、2016年2月「週刊少年ジャンプ」11号にて連載が開始された吾峠呼世晴による同名漫画。家族を鬼に殺され、さらには妹・禰豆子を鬼にされてしまった少年・竈門炭治郎が、妹を人間に戻すため、家族を殺した鬼を討つために“鬼殺隊”へ入隊するところから物語は始まる。行く先々で出会う人々との触れ合いの中で、炭治郎が大きく成長していくストーリーは多くの感動を呼び、コミックス全23巻の累計発行部数が1億5,000万部以上(電子版含む)を突破する世界的ヒットを記録。2020年には劇場アニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開され、興行収入は日本歴代第1位に。続編「刀鍛冶の里編」のTVアニメ化も決定している。また、スーパー歌舞伎IIは、2014年「空ヲ刻ム者」から始まり、「ワンピース」「新版 オグリ」と続き、今回の「鬼滅の刃」で4作目。鬼殺隊と鬼が繰り広げる激しい戦いや、それぞれが抱える想いなど原作の魅力はそのままに、スーパー歌舞伎IIならではのスペクタクル溢れる舞台を目指す。出演は市川染五郎、市川團子、そして松本幸四郎、市川猿之助と人気と実力を兼ね備えた豪華な顔ぶれが揃った。スーパー歌舞伎II「鬼滅の刃」は2024年2月・3月、新橋演舞場にて上演。(text:cinemacafe.net)
2022年10月24日歌舞伎俳優の市川海老蔵が15日、東京スカイツリータウンで実施されたイベント「スカイツリー点燈式と『三番叟』(さんばそう) 披露」に、長女の市川ぼたん、長男の堀越勸玄とともに出席。十三代目・市川團十郎襲名を間近に控え、ぼたんと勸玄から激励を受けた。歌舞伎座では11月、12月の2カ月にわたって「市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」を開催する。同公演に先がけて今回、東京スカイツリーに十三代目市川團十郎白猿襲名・八代目市川新之助初舞台の記念企画として、成田屋をイメージした柿色の特別ライティングや特別演奏を実施。海老蔵が「三番叟」を披露した。海老蔵は「2020年に予定されていた襲名披露興行ですが、皆様もご承知のとおり、コロナ禍で延期という発表がございました。それがようやく本年2022年11月から襲名披露公演ができるのは、やっとの思い。大変うれしく、緊張感をもって過ごしております」と心境をコメント。本イベントの開催に触れて「(襲名の日が)刻々と近づいてきていると、ひしひしと感じています」と述べた。ぼたんは12月に「團十郎娘」で踊り、勸玄は11月、12月に「外郎売(ういろううり)」「毛抜(けぬき)」などに挑む。歌舞伎界の未来を背負う我が子たちの成長に海老蔵は「彼らもどんどん機運が高まっている。私もその気合いに負けないように過ごしていきたい」と目を細めた。さらに、ぼたんと勸玄が、團十郎を継ぐ父へのメッセージを求められると、海老蔵は「私に?」と目を丸く。ぼたんは「團十郎という名跡は、とても大きな名跡で、本当にすごいなと思います。これから大変なことがあると思いますが、頑張って乗り越えてください」と激励。勸玄も「團十郎という名跡はとても大きなもので、尊敬しています。お父さんに頑張ってほしいと思っていますし、ケガなく、安全に、楽しく過ごしてもらいたいです」とエール。海老蔵は頭を下げて感謝した。
2022年10月15日11月、12月の2カ月にわたり歌舞伎座にて行われる「市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」の特別CMが公開された。本CMは「市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」に向けた15秒の特別CM。撮影場所は襲名披露公演の舞台でもある“歌舞伎座”で、9月中旬、格式高い松羽目を背景にした舞台上に海老蔵と勸玄が並び、厳かな雰囲気と緊張感漂う中、撮影は行われた。なお、第五期歌舞伎座でのCM撮影は初めてとなる。監督は数々のCMを手掛けた原田陽介が務め、撮影は写真家の操上和美が担当した。操上は、襲名のビジュアルとなっている『勧進帳』武蔵坊弁慶の宣材写真を撮影しており、また新之助時代から海老蔵を撮影している。映像では、紋付姿の海老蔵と勸玄が挨拶をするまでの瞬間をツケ打ちの音とともに印象深く演出。真っ直ぐな眼差しで前を見つめるふたりがアップになり、「歴史の継承」そして「未来」という海老蔵のナレーションが入るなど、襲名披露公演への期待が高まるCMとなっている。特別CMは、12月上旬まで松竹チャンネル(YouTube)、日本テレビ、テレビ朝日で放送される。■市川海老蔵 コメント襲名を目前に控え、勸玄と共に、第五期歌舞伎座では初となるCM撮影を行わせていただきました。改めて身の引き締まる思いです。多くのお客様にお楽しみいただけるよう一所懸命勤める所存です。ぜひ歌舞伎座へお越しください。■堀越勸玄 コメント歌舞伎座の舞台での撮影でしたが、舞台を勤めるときとは違い緊張をしました。頑張りましたので、このCMを見てたくさんの皆さまに歌舞伎座に来ていただきたいです。「市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」特別CM
2022年10月15日12月に行われる市川海老蔵(44)の十三代目市川團十郎白猿襲名興行に香川照之(56)が出演、表舞台に復帰するのではと各メディアで報じられている。「銀座ホステスの性加害報道でメディアから姿を消した香川さんのため、海老蔵さんが手を差し伸べたというのです」(スポーツ紙記者)香川の方が年齢は上になるものの、歌舞伎役者としては海老蔵の方が格上になる。「香川さんが歌舞伎界に入ったのは、46歳の時。‘06年に海老蔵さん主演の映画『出口のない海』で共演した際、香川さんの方から息子・團子さんともども、歌舞伎界入りを相談したとも言われています。そんな経緯があり、香川さんは海老蔵さんには頭が上がらないのです」(歌舞伎ライター)実際に『出口のない海』の完成披露試写会の舞台は歌舞伎座で行われ、香川は「海老蔵さんのおかげで、40歳にして歌舞伎座という舞台に立てた。ありがとう」と涙を流して感謝の気持ちを伝えたほど。一方、海老蔵も香川が歌舞伎界入りした2年後のブログで、「素敵な方です」「今日から兄さんと呼ぶことにしました」と香川との交流を明かしている。「歌舞伎の舞台では、‘17年1月に行われた三代目市川右團次襲名公演でも2人は共演しています。共に同じお酒の失敗で辛酸をなめた2人だからこそ、分かり合える心境ではないでしょうか」こう語るのは、ある歌舞伎関係者だ。「今回の性加害報道で香川さんが出演するドラマや司会業といったテレビの仕事は、ほとんどが降板となりました。しかし、香川さんは機転が利く方ですから、騒動に火がついたとき“残る仕事は歌舞伎だけ”と思っていたはずです。歌舞伎の世界はテレビや映画に比べると、“女性問題”にはまだ寛容。そもそもが女人禁制ですし、昔から“芸の肥やし”とも言われてきました。実際に3回も不倫疑惑が伝えられた中村芝翫さんが歌舞伎の舞台を降板した、などということはありません。それだけ女性問題にゆるい世界だからこそ、今回のケースは起こりうるのでしょう」一方、海老蔵にとっても香川救済は自身のイメージアップになるという。「大名跡の團十郎襲名公演は、海老蔵にとってはどうしても成功させたい一大イベント。ところが、梨園の重鎮たちが海老蔵さんの奔放な言動にあきれ果て、口上にはほとんど出ないといわれています。そこで海老蔵さんは、そんな重鎮たちを見返すためにも、まずは観客動員を増やすことが成功の道だと思っているはず。そこで、困っている香川さんに助け舟を出し、『過去の團十郎とは違う』と、五代目以来となる團十郎白猿の“懐の深さ”をアピールすることができると踏んでいるのでしょう。また興行主である松竹も、最近のコロナ渦で観客動員数が減少していることを危惧しており、香川さんが出ることで少しでも話題になるのはさほど悪い話ではないと考えている節があります」(前出・歌舞伎関係者)果たして海老蔵の計略は、目論見通りになるのだろうか。
2022年10月15日歌舞伎俳優によるオンライントークショー『歌舞伎家話』第17回に、市川染五郎と市川團子が出演することが決定した。今回の配信は、「弥次喜多」シリーズの最新作として歌舞伎座で上演された新作歌舞伎『東海道中膝栗毛 弥次喜多流離ー譚(やじきたりたーんず)』が歌舞伎オンデマンドで配信されることを記念した特別編。主役の弥次郎兵衛・喜多八を演じた松本幸四郎、市川猿之助の活躍はさることながら、「陰の主役」である伊月梵太郎と五代政之助をそれぞれ12才(染五郎)・13才(團子)から足掛け7年をかけて演じた染五郎、團子の活躍・成長ぶりは目覚ましく、同シリーズは彼ら二人の役者としての成長絵巻とも言える。今回の『弥次喜多流離譚』では、御家が没落して不良になってしまった伊月梵太郎を染五郎が、梵太郎の幼馴染であり家臣の五代政之助を團子が演じた。また、今回は二人とも女方にも挑戦し、見事な早替りと劇中で繰り広げられた「ダンスバトル」で観客を魅了。今回のトークでは、舞台の感想はもちろん、7年間同役を演じ続けてきた二人だからこその舞台への想いが語られる。■市川染五郎 コメント弥次喜多シリーズ初演から伊月梵太郎を勤めさせていただいています。純真無垢な若殿様が、暴走族の総長になるとは6年前を思うと想像もしていませんでしたが、次回はどうなるのか、はたまた次回があるのかどうかさえ想像できない所もこのシリーズの好きなところです。その弥次喜多シリーズのお話を中心にお話しできればと思いますので、限られたお時間ですが、ぜひお楽しみください。■市川團子 コメント皆さま、こんにちは。市川團子でございます。今回、戸部さんと染五郎さんと歌舞伎家話にてお話できる機会をいただけたこと、本当に嬉しく思っています。今回は久しぶりの舞台での弥次喜多の公演ということや、初の本格的な女形への挑戦ということもあり、色々な思い出のある一カ月となりました。舞台でのお話はもちろん、舞台裏のことについても楽しくお話させていただければなと思っておりますので、ご覧いただけたら嬉しいです。<配信情報>『歌舞伎家話』出演者:市川染五郎 / 市川團子聞き手:戸部和久(松竹演劇部 /『東海道中膝栗毛 弥次喜多離流譚』脚本)配信日時:2022年9月8日(木) 20:00~(約70分)※生配信詳細はこちら:『歌舞伎オンデマンド』2022年9月9日(金) 12:00~9月29日(木)※3週間限定配信(購入時より7日間視聴可能)■視聴料金『東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚』本編:3,300円(税込)※『東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚』本編&イヤホンガイド『Web講座』セット販売も同時配信詳細はこちら:※ご購入・ご視聴には歌舞伎オンデマンド連携の配信プラットフォーム「MIRAIL(ミレール)」の会員登録(無料)/ ログインが必要です。
2022年09月05日歌舞伎俳優・市川海老蔵の長女・市川ぼたんが9日、大阪・京セラドーム大阪で開催されたオリックス・バファローズ対東北楽天ゴールデンイーグルス戦の始球式に登板した。突然スーパーパワーを手に入れた可愛いペットたちの大冒険を描く映画『DC がんばれ!スーパーペット』(8月26日公開)で声優に初挑戦し、空飛ぶ犬のクリプトや“スーパーペット”たちの前に立ちはだかる最強の敵、あざとかわいい子猫のウィスカーズを演じたぼたん。父・海老蔵と毎日キャッチボールの練習をして初始球式の当日を迎えたぼたんは、「(父から)たくさんアドバイスをもらいましたが、野球ボールの握り方を詳しく教えてくれました!」と明かし、始球式に向けて「緊張しますが、精一杯投げたいと思います!」と緊張した面持ちながら意気込みを語った。そして迎えた本番、観客でにぎわう球場内で名前がコールされると、オリックス・バファローズのユニフォームに自身が演じた子猫・ウィスカーズのイメージを加えたオリジナルのユニフォームで登場。会場から大きな拍手が沸き起こった。始球式前の投球練習でも父・海老蔵と練習をしていた成果もあり、一発勝負の投球はマウンドから見事なピッチングでホームへ真っすぐ届き大成功。会場からは大きな拍手が贈られた。始球式終了後、「緊張したけど楽しかったです!またチャレンジしてみたいです」と笑顔でコメント。始球式と同様、自身の中で初挑戦となった『DC がんばれ!スーパーペット』の吹替版声優に関しては「励ましと勇気をくれる映画です」と述べ、球場にいるプロ野球ファンたちに「ぜひ、映画館でご家族やお友達と観てほしいです!」と呼びかけた。(C)2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. TM & (C) DC
2022年08月09日氣志團の大型野外GIGから派生し、2012年にロックフェスとして産声を上げた氣志團万博。開催地は“かなしみのない国”かつ“太陽と潮風の故郷”、彼らの地元である木更津だ。地元で大きな祭りをブチ上げる、それはこのフェスを主催する氣志團の綾小路翔さん(以下、翔やん)にとってひとつの大きなライフワークとなった。その歩みが止まった’20年、’21年。翔やんは何を考えていたのだろう。「それが当時を振り返ると、意外と冷静に状況を見ていた自分がいるんです。’20年早々に予定していたツアーが飛んで、スケジュールは白紙。自宅で過ごす日々が続きました。僕が家にいるなんてほとんどなかったことですから。生まれて12年間くらいですよ、家にいたのなんて。中1くらいからずっと外でフラフラしていた人生なので。だからそれがすごく新鮮で。みんなが苦しんだり悲しんだりしている中、誤解を恐れずに言えばですが、僕はどこかでほっとしていたんです。曲がりなりにもメジャーレーベルに所属して、商業音楽のサイクルの中でひたすらがむしゃらに走り続けてきた。ファンの方々、メンバーやスタッフ、そんな自分を愛してくれる人々がいる限り、自ら止まるという選択肢はなかったんです。しかし’20年、コロナ禍で止まらざるをえなくなった。でも、そのおかげで見えたものが確実にあったんです」’20年の現地開催は断念。代わりにオンラインでの無観客配信ライブ「氣志團万博2020~家でYEAH!!~」を開催した。2019年にラスボス来た、と思ったけど、違った。「この決断も当時は結構前向きだったんです。5月にフジテレビさんで『STAY HOME, STAY STRONG~音楽で日本を元気に!~』という、アーティストの在宅パフォーマンスを届ける“家フェス”音楽番組のMCをさせていただいた。その時、あ、やっぱすげえなって思った。最近は芸人って言葉はお笑い芸人さんを指すものになっているけれど、僕にとっては舞踊でも手品でも、身一つで何かしら表現できる人はすべて芸人だと思うんです。ミュージシャンもそう。ギター1本で、何なら声ひとつで発信できるって、すごい芸事なんだとあらためて感動してしまって。こういう時はどかんとフェスをやるよりも、ミニマムでも自宅にいる人たちがハッピーに過ごせるための何かを届けるべきだと痛感したんです。それで氣志團万博もオンラインにシフトチェンジした。たくさんのミュージシャンが参加してくれました。放送してくれたWOWOWさんも心意気を見せてくれて。Zepp Hanedaに何台もクレーンとカメラを入れて最高のステージをお茶の間に届けてくれた。興行としてはギリギリ赤字が出ないくらいで、まあなんとかやれたな…という感じ(笑)。それでもこの時は、こうやって乗り越えていくことに意義があると思えたんです」しかしコロナの猛威はおさまらず、’21年も開催を見送ることに。「’21年は一転、もうどうしようもないなって状況でした。僕たち、’19年に令和元年房総半島台風を経験しているんです。千葉県は重大な被害を受けて、まだ復旧していない場所も多くあった。その中でフェスをやるべきか、否か。あの時は、天災という最大の敵、まさにラスボスと対峙していると思っていたんです。まさかそんな“フリーザ”のあとに、コロナという“魔人ブウ”が出てくるとは思っていなかったですから。僕は常日頃、悩んだ時こそ前に進むことを信条にしています。だから’19年も開催に踏み切れた。だけど’21年はそういうんじゃねえなって。もうこれは悩むことじゃない、耐えるしかないんだって。ご協力いただいている地元のみなさんのこと、出演をご快諾いただいたミュージシャンの仲間たち、応援してくれるファンの方々、その誰のことを考えても義理を欠いてしまう。だったらここは耐えて、未来を、来年のことを考えようと思いました」フェスにはその日にしかない奇跡が本当に起きる。今年は氣志團万博の開催を予定している。この3年でフェスを取り巻く環境も大きく変わったと言う。「今年だってどうなるかわかんないし、いくつもスポンサーさんが降りちゃったりとか、“うわー”と思うことはたくさん起きてて。正直逃げ出したくなることがいっぱいです(笑)。でも、やっぱやりてえな~となるのは、みんなに会いたいからなんです。みんなの楽しんでいる顔が見たい。うちのフェスって、ライブハウスが主戦場の叩き上げロックバンドもいれば、大御所歌手、さらにはテレビスターやアイドルも同じステージに立つ。そのバラエティさに困惑なさる方もいるかもしれないけれど、僕はそれがたまらなく好きで。10代のビジュアル系バンドのファンの子がアコ(和田アキ子)さんの歌で泣いてたり、矢沢永吉さんのファンの方がアイドル見て盛り上がってくれてたり、ももクロのファンの子たちが10-FEETで誰より早くダイブする姿だって見てきた。なんか、そういう新しい“好き”を見つけてほしいんですよね。僕自身が好きなものがすごく多い人生で、それが最高だなって思うから。みんなも好きが1個でも増えて帰ってくれたら、こんな達成感はないんです。単なる、おせっかいおばさんみたいなもんです。これもいいよ、こっちも美味しいよ、ほれ食べな、もっと食べなって(笑)。俺が惚れたバンド、ミュージシャン、アーティスト、そんなん全部いいに決まってるじゃんって。それがこのフェスなんだと思います」今年もどんなステージが繰り広げられて、どんな化学反応が見られるのか楽しみで仕方がない。「フェスやっていると、その日にしか起きない奇跡って本当にあるんだなって思うんです。それを一人でも多くの人に生で体験してほしい。僕自身はそこで何が起きたかをしっかりと後世に伝えていく役目。もはや“語り部”なんです。……本当はロックスターになりたかったはずなんだけどな(笑)」「氣志團万博2019~房総ロックンロール最高びんびん物語~」よりあやのこうじ・しょう千葉県木更津市出身。1997年結成のロックバンド、氣志團のボーカル兼リーダー。「氣志團万博2022~房総魂~」は、千葉・袖ケ浦海浜公園にて9月17日、18日、19日の初の3日間開催。香取慎吾、聖飢魔II、松平健、布袋寅泰、木梨憲武などこの日しか体験できない期待感膨らむステージが目白押し。シャツ¥38,500(DIET BUTCHER/Sakas PR TEL:03・6447・2762)Tシャツ¥7,700(SUPER THANKS/jajahhn TEL:03・6804・5596)左手のリング¥25,300右手のリング¥33,000ウォレットチェーン¥7,150レザーブレスレット 参考商品(以上JAM HOME MADE/JAM HOME MADE東京店 TEL:03・3478・7113)パンツ、シューズはスタイリスト私物※『anan』2022年8月10日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・小泉美智子取材、文・梅原加奈(by anan編集部)
2022年08月04日「海老蔵さんは“最後の海老蔵”として9月の歌舞伎座にも出演します。この数年、團十郎襲名披露を巡り松竹との関係が悪化し、歌舞伎座出演が1年に1回程度となっていた状況が続いていました。しかし今回、5月、7月に続く3度目の登場。これは海老蔵と松竹サイドの“和解”とも伝えられています」(歌舞伎関係者)11月から「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」に臨む市川海老蔵(44)。だが、発表された演目で“火種”が生じているという。「実はある演目で、共演者がなかなか決まらない異例の事態が発生したのです。それは八代目市川新之助を襲名する勸玄くんが主演する12月の『毛抜』です。“史上最年少となる9歳で務める”と宣伝していますが……」(梨園関係者)この『毛抜』は成田屋ゆかりの「歌舞伎十八番」の演目の一つ。難役として知られ、本来は30代以降で演じられる演目。海老蔵の初演も30歳のときだった。「髪が逆立つ奇病に悩む姫の悩みを、主役の粂寺弾正が磁石を使ったトリックだと見抜き、悪事を企んだ家臣を成敗して意気揚々と引き上げていく話です。ただ、腰元を誘う艶めいたせりふが出てきたり、人を殺める場面もあるなど『9歳の男の子の演目として襲名披露にはふさわしくない』という声が梨園の重鎮たちを中心に上がっているのです。彼の奔放な女性問題ならまだ目をつむっていられるものの、歌舞伎界の頂点・團十郎の襲名披露で、伝統軽視の演目選びをするとは何事だ、と怒り心頭だといいます」(前出・梨園関係者)とはいえ、この『毛抜』にこだわったのは、当の海老蔵だった。会見でこう語っていた。「父・十二代目團十郎はこの役を得意としておりました。隔世遺伝というか彼(勸玄)も祖父に似ておおらかな雰囲気がございます。粂寺弾正をやるには持っていないといけない資質です」後援会関係者は言う。「もともと松竹は團十郎襲名を来年1月からと考えていたが、海老蔵さんが年内にこだわった。その理由は勸玄くんのモチベーション。襲名披露公演の延期が長引き、彼のやる気を持続できるか不安だったのかもしれません。そのため、勸玄くんに『毛抜』に挑戦することを勧めたといいます」前出の梨園関係者は嘆く。「『毛抜』の共演者が決まらないのは、勸玄くんをフォローする重責をあえて背負いたくないから。“晴れ舞台で、共演者に過度なプレッシャーを与えるのは非常識”だと考える重鎮が多いのです」海老蔵は團十郎襲名後の決意を周囲にこう漏らしているという。「『風の谷のナウシカ』を上演した菊之助さんのように新しい歌舞伎を積極的にやっていきたい」歌舞伎界のトップとして「伝統を守る」ことや「梨園の常識」は重要視していないのだろうかーー。
2022年08月04日