タレントのROLANDが、15日放送のテレビ朝日系『あざとくて何が悪いの?』(毎週日曜深11:55)に出演。鋭い観察眼で田中みな実&弘中綾香の内面を言い当て、2人を骨抜き状態にする。田中に「実はうぶなの!」と暴露されたROLANDが、「ちゃんと彼女ができたことが一回もない」と告白する。恋愛マスター的な立ち位置でテレビ出演するときの、知られざる一面も自ら明かすと、MC陣も思わずギャップ萌え。『あざと連ドラ』第4弾=『君があざとくて何が悪いの?~僕らの恋日記~』第7話のテーマは「恋人への不満はすぐ伝える?ある程度溜め込む?」。ROLANDが、登場人物たちの言動をめぐって、MC陣と熱い議論を交わす。そんな中、ROLANDが「人生を上手く生きるコツ」を伝授すると、男女の本質を的確にとらえた上での持論に、MC陣がNICEボタンを連打。山里亮太はとっさに「かーーっ!」と声を上げ、膝を打ったROLAND流・人生を上手く生きるコツとは。また、大好評企画「“誰にも言えない”超ディープなあざとお悩み相談室」では、「別れた後も思わせぶりな態度でご飯などに誘ってくる元カレのことが忘れられない」という視聴者に、田中&ROLANDがガチアドバイス。ROLANDがまたしても心にガツンと刺さる名言を炸裂させる。田中に「日めくりカレンダーが欲しい!」とまで言わしめた名言とは。
2022年05月15日歌手の平原綾香が17日に自身のアメブロを更新。トークバラエティー番組『アウト×デラックス』(フジテレビ系)の最終回でタレントのマツコ・デラックスとの2ショットを公開した。この日、平原は「まさか!アウトデラックスが最終回を迎えます」と同日の放送で『アウト×デラックス』が最終回を迎えることを報告。「アウトファミリーとしてはホームが無くなった気持ちでとてもかなしいです」と心境を吐露し、マツコとの2ショットを公開した。続けて「アウトを超えたコスモの称号はもしかしたら、私だけかもしれません」とコメント。最後に「ぜひご覧ください私もしかと、見届けます」と呼びかけ、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「この番組が、なくなるのはさみしい」「最終回…残念です…」「マツコさんて素敵ですよね」などのコメントが寄せられている。
2022年03月18日《父は、私にとってサックスの師匠であり私の歌のルーツであり、最愛で、最高の父でした。まだ実感がありません。ずっと心の中に父が生きています》自身の公式HPで追悼コメントを発表した歌手・平原綾香(37)。実父で日本を代表するサックス奏者の1人である平原まことさんが11月26日に逝去したのだ。享年69。平原にとって、まことさんは幼いころから憧れの存在であり続け、音楽の道に進むきっかけでもあったという。月刊誌のインタビューで彼女はこう語っていた。《客席からみあげるパパは、きれいな照明の中にいて、「サックス、平原まこと!」と紹介されると、逞しい腕で楽器を軽々と持ち上げるーー。ただただ憧れてずーっと見つめていた。保育園児にして「パパみたいな音楽家になる。この道を継ぐんだ!」と決意したものだ》(『文藝春秋』’12年6月号)逝去により、まことさんは胃がんとの闘いを続けていたことも明らかになったが、実は本誌は闘病中の一家の様子を目撃していた。’20年5月上旬、一家は東京都内にある有名大学病院の「腫瘍センター」を訪れていたのだ。医師の診断はかなり深刻なものだったに違いない。まことさんが診察を受けている間、平原と、まことさんの妻・A子さんは待合室のソファに座っていた。しかし、不安と悲しみが込み上げてきたのか、平原が母の膝の上で泣き崩れることも。薬を院内の薬局で受け取り、病院を出るときの平原の目は涙のために腫れていた……。「平原家は綾香さんのお姉さんでシンガー・ソングライターであるAIKAさんも含め4人家族。まことさんはこの世代の男性には珍しく、育児にもとても協力的で、保育園送迎も担当していました。また彼は家族の時間を大事にしていて、平原家の家族ルールとして“朝ごはんは4人そろって食べること”を決めていました。まことさんは前夜の帰宅がどんなに遅くとも、いっしょに朝ごはんを食べていたそうです。そんなまことさんのご体調が心配だったのでしょう。綾香さんは忙しいスケジュールのなか、まことさんの外出にも付き添うようにしていたのです」(平原家を知る音楽関係者)■本人の希望でがん闘病は公表しなかっただが、まことさんのがん闘病は、身内のごく一部にしか知らされておらず、1年半にわたって秘められてきた。それは、まことさんの強い希望だったようだ。病院で平原一家を目撃した後、本誌はまことさんや平原の所属事務所に事実確認を申し入れた。すると、当時の担当者は、まことさんの病状についてこう語ったのだ。「家族で腫瘍センターを訪れていたこと、また、まことさんが病気であることは事実です。しかし療養の経過は順調で、まことさんは近日中にライブも控えています。本人は“知り合いの音楽関係者たちやスタッフたちに、自分の体調のことで心配をかけたくない”という気持ちでいるのです」本誌は、まことさんの意向をくみ、体調回復後に再度相談をするということで、当時は闘病について報じることはなかった。だがコロナの猛威が増していくなか、まことさんが体調不良を隠してまで、出演を熱望していたライブは延期に。コロナ禍もなかなか収束せず、逝去するまで、まことさんがステージに立つ機会は訪れなかったのだ……。まことさんの壮絶ながん闘病の支えになっていたのが、“綾香ともう一度共演したい”という思いだったという。前出の音楽関係者によれば、「まことさんと綾香さんは、『平原綾香ライブ with 平原まこと』という親子ライブを開催していました。がんが判明する直前の、’20年3月に千葉県市原市で開催予定だった親子ライブはコロナのために’21年1月に延期。さらに’22年1月に再延期となってしまっていました。まことさんにとって、綾香さんと2人でステージに上がるという目標は闘病の励みになっていたようです。実現できなかったことを本当に残念に思います……」冒頭の追悼コメントで、平原は父が導いてくれた音楽への思いについても語っている。《父が表現してきた音楽の真髄に手を伸ばし、たくさん勉強しいつか掴み取りたいと思います。そして、いつか、平原まことのような音楽家になります》幼い日に見た、逞しい腕でサックスを演奏するまことさんの姿はいまも平原の胸の内で輝き続けているのだーー。
2021年12月09日ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』の製作発表が28日に都内で行われ、大貫勇輔、平原綾香、May’n、加藤和樹、小野田龍之介、植原卓也、上田堪大、川口竜也、白羽ゆり、松原凜子、渡邉蒼、山崎玲奈(※崎はたつさき)、近藤華、一色洋平、百名ヒロキ、伊礼彼方、上原理生、福井晶一、宮尾俊太郎、演奏のフランク・ワイルドホーン(作曲)、村井一帆(音楽監督補)、演出の石丸さち子、ホリプロ代表取締役会長兼社長 堀義貴、司会の登坂淳一アナウンサーが登場した。原作:武論尊、漫画:原哲夫による大ヒット漫画をミュージカル化作する同作。二千年の歴史を誇る北斗神拳の伝承者となったケンシロウ(大貫勇輔)が、南斗孤鷲拳伝承者のシン(植原卓也・上田堪大/Wキャスト)に婚約者・ユリア(平原綾香・May’n/Wキャスト)を強奪され、胸に七つの傷を刻まれる。さらに世紀末覇者・拳王を名乗り、混沌とした世界を恐怖で支配しようとする兄・ラオウ(福井晶一・宮尾俊太郎/Wキャスト)から世界に光を取り戻すべく救世主として立ち上がる。製作発表ではキャスト陣が「揺るぎなき信念」(ラオウ役:福井晶一&宮尾俊太郎、シン役:植原卓也&上田堪大)、「心の翼」(ケンシロウ役:大貫勇輔、バット役:渡邉蒼、リン役:山崎玲奈&近藤華、マミヤ役:松原凜子、トヨ役:白羽ゆり、ミスミ役:安福毅)、「願いを託して」(トキ役:加藤和樹&小野田龍之介、レイ役:伊礼彼方&上原理生)、「ヴィーナスの森」(ジュウザ役:伊礼彼方&上原理生)、「兄弟の誓い」(トキ役:加藤和樹&小野田之介、青年トキ役:百名ヒロキ、青年ラオウ役:一色洋平、リュウケン役:川口竜也)、「氷と炎」(ユリア役:平原綾香&May’n)、「心の叫び」(ケンシロウ役;大貫勇輔)の7曲を披露し、最後にはケンシロウ役の大貫が「アタタタタタ! 北斗百裂拳! お前はもう死んでいる」と決め台詞を見せた。曲を手がけたワイルドホーンは『デスノート THE MUSICAL』の成功が今作につながったことを明かし、 「11年前、僕は漫画というものを知りもしませんでした。今、2人の息子が『すごいおしゃれ! 漫画のミュージカル書いてるの? と言ってくれます」と喜びを表す。ホリプロ 堀会長は「『ホリプロ、本気か?』と言われております。ホリプロの本気をお見せする新しい機会だと思っておりますし、この作品で作る我々と観るお客さん、どちらも一片の悔いもない作品になると思います」と自信を示した。主演の大貫は、最初に話を聞いた時は「『どんな風になるんだろう』という驚きからの、『僕がケンシロウですか!?』という二段の驚きで始まり、台本を読んだ時は話が全然入ってこなくて」と苦笑する。「そこからチラシの撮影があって、色んな方の力をお借りして写真ができたときに初めて『あ、ケンシロウになれるかもしれない』と光が見えてきて、楽曲も本当に素晴らしい曲ばかりで、光が大きくなって確信に変わって行きました。稽古が進むにつれて大変なことはあるけど、沢山の力を借りて『できるかもしれない』と日々思っている今という感じです」と手応えを感じている様子。ヒロイン・ユリア役の平原は「お話をいただいたときは私がユリアをやったらお笑いになるんじゃないかとものすごく不安に思いました……」と言いつつも、「オリジナルミュージカルとして携わっていけると感じた時に、なかなかできることではないから、させていただきたいなと思いました」と意欲十分。同じくユリア役のMay’nは「日頃から私はトレーニングをめちゃくちゃ続けているので、ついに私の筋肉を見せる時が来たと思ったんですけど、ユリアは戦わないと言うことで」と残念そうにしながらも「キックボクシングを普段やっていて、心技体を全て鍛えるスポーツなので、心の部分を活かせたらいいなと思っています」と意気込んだ。元々作品が好きだったキャストも多く、加藤や伊礼は「北斗の拳ごっこ」をしていたというエピソードも。伊礼は「顔面抜き、それ以外はどこを叩いても蹴ってもいい『北斗ごっこ』をしていたので、ケンシロウのアタタタタも負けないくらい上手なんですけどね」と対抗心も垣間見せる。上原は「"あべし"から"ひでぶ"から沢山の名言を再現しますので、楽しみにしていてください」と紹介し、周囲は「名言?」と若干疑問を示す空気になるも、「稽古場で聞いた時は素晴らしい"ひでぶ"にみんな拍手してました」と語り、「僕と伊礼さんは南斗水鳥拳なので、飛びます」と見どころもアピール。ふだん2.5次元ミュージカルを中心に活動している上田は「『グランドミュージカルですか?』という感覚で、事前稽古から常に緊張の中」と苦笑しつつ、「シン役が植原卓也くんでほっとした」と、同い年だというWキャストの植原と助け合っているようだった。最後に大貫は「本当に白熱した稽古の中、台本を読んでそれぞれイメージした世界が現実となって表れたときに、予想さえも超えた感動だったり発見だったりがある」と明かす。「歌をやっと皆さんに聞かせられて、この日を迎えられたことが嬉しいですし、ここからどんどん磨きがかかって、もっと洗練された素晴らしいものがお披露目できるのではないかと思っています」とメッセージを贈った。
2021年10月28日重岡大毅主演「#家族募集します」の最終話が9月24日放送。平原綾香演じる倫子の“歌声”に絶賛の声が上がるとともに、仲野太賀演じる蒼介の「俺はありがとうに囲まれてるぞ」というセリフに「良い言い回し」「叫びたい」など感動の声も殺到している。悩みや秘密を抱える新米シングルファーザー&マザーたちが、共に過ごすなかで家族になっていく姿を描いてきた新時代のホームドラマとなる本作。妻のみどりが海外で事故死、シングルファーザーとして5歳の息子・陽を育てている赤城俊平を重岡さんが演じるほか、小学校教師をしながら5歳となる娘・雫を育てている桃田礼に木村文乃。住み込みで働いているお好み焼き屋の「にじや」をシェアハウス化する小山内蒼介に仲野太賀。シンガーソングライターを目指しながら、6歳の息子・大地を育てるなかで「にじや」にやってきた横瀬めいくに岸井ゆきの。8歳の娘・いつきを預かることになり「にじや」の“家族”となった黒崎徹に橋本じゅん。本当の家族の存在が明かされた「にじや」の店主・野田銀治に石橋蓮司。亡くなった俊平の妻で絵本作家をしていた赤城みどりに山本美月といったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。蒼介が何かを抱えていることを察した俊平は「今度は自分が話を聞く番だ」と蒼介に語りかける。蒼介から銀治の見舞いに一緒に来て欲しいと言われ病院へ向かった俊平は、銀治が息子の妻・久実子(ヒコロヒー)と話しているのを目にする。銀治の家族の問題を解決すると、銀治の家族がにじやに戻ってくることになり、そうなれば礼やめいく、黒崎とのにじやでの暮らしは終わってしまう。一方「にじや」には黒崎の元妻でいつきの母、黛倫子(平原綾香)が現れ…というのが最終回の展開。「大地くんママの歌、聞いて欲しい」といういつきの言葉がきっかけで、めいくは倫子の前で歌うことに。その後、いつきを連れにじやを後にする倫子は、いつきに頼まれめいくが歌った「君の声が聞こえる」を歌う…平原さんの歌声に「さすがプロ。歌うま。平原さん」「平原綾香さんの歌をドラマでしかもあの歌を聞けるなんて贅沢すぎる」「平原綾香の演技だけでなく歌唱まで聴ける贅沢なドラマ」など、絶賛の声が相次いで投稿される。そして俊平たちは銀治の息子・達也(宇野祥平)と久実子ら“本当の家族”が「にじや」に戻ってきてもらうため、自分たちが「にじや」から出て行くことを決める。最後にベランダに集まった俊平、礼、めいくは蒼介に「ありがとう」と言葉をかけていく。その言葉を受け蒼介も「俺はありがとうに囲まれてるぞ!」と叫ぶ…。この「ありがとうに囲まれてる」というセリフにも「俺はありがとうに囲まれてるぞー!!!てめっちゃいいな、、、叫びたい」「ありがとうに囲まれてるっていいなぁ~いいなぁ~素敵」「良い言い回しやなぁ~」「なんて…なんて………幸せなドラマなの…」といった感想が。視聴者からも「でっかい愛しっかり受け取りました」「蒼ちゃんありがと!!」「私のありがとうも受け取れ~~!」など蒼介への感謝の言葉が次々と送られている。(笠緒)
2021年09月25日弘中綾香アナテレビ朝日のエースアナウンサーのプライベート画像が流出した。9月1日に『デイリー新潮』が、同局の弘中綾香アナが慶應大学時代の同窓生の誕生日パーティーに参加したことを、その時に撮影された写真とともに報じたのだ。「現在は日本テレビに勤めているという主役の男性を含めて、他にも男性1人、女性1人の4人が写っています。テーブル上には食べ物やお酒が並び、記事では弘中アナが着ていたのは黒いワンピースとありますが、ショートパンツにも見えますね。いずれにせよ、生足を出した彼女のリラックスした表情から、気を許したメンバーなのでしょう。それでも外食ではない“宅飲み”とはいえ、緊急事態宣言下において日々コロナ報道をするテレビ局社員として少々ハメを外しすぎたということか、局内で“注意”を受けたようです」(スポーツ紙芸能デスク)とはいえ、自宅内における少人数でのパーティー、記念撮影のために一時的にマスクを外していたとも考えられる。8月に同局の東京五輪番組担当スタッフらが深夜のカラオケ店で飲酒を伴う宴会を開き、女性局員が転落して左足を骨折した事故とくらべたら、弘中アナらの行為はかわいいものにも思える。ただ、気になるのは「なぜ、流出したのか」だ。記事によれば、問題のパーティー写真が投稿されたのは非公開のSNSアカウントで、仲間内でしか見られないものとされている。つまりは弘中アナを含めた、ごく親しい友人同士で共有された流出するはずのない写真だったのだ。■NHKのエースアナが晒されたかねてより芸能界、テレビ業界において珍しくはない“流出”劇は、アナウンサーとて標的にされることが多い。小澤征悦と結婚を発表したばかりのNHK・桑子真帆アナも被害者のひとりだ。今年1月に過去のプリクラ画像が、彼女に“弄ばれた”という男性からの告発記事とともに『フラッシュ』に掲載された。情報番組のディレクターが解説する。「かつて日テレの人気アナが同様の“被害”を受けたように、桑子アナのケースはいわゆる“リベンジポルノ”に近いもので、交際していた“元カレ”が絡んだと見られる流出でした。別れた彼女たちへの当てつけ、もしくは金銭目的でもあったと推測できます。ところが、弘中アナの件は男性絡みではなく、目的は明らかに違いそう。そこまで責められるべき流出ではないのですが、それでもテレ朝の看板アナである彼女を“どうにかして陥れたい”、そんな嫉妬にも似たような動機も絡んでいるのでは?」昨年9月には、テレビ東京のアナウンサー2人と思われる会話の音声が、ツイッターの匿名アカウントから流出した。いずれも若手の女子アナで、会話が録音された場所はアナウンス室内に設けられた発声室とされる。■同僚アナによる内部犯行か「“結婚して、適当な事務所に所属して”“実績をテレ東で作って”などとキャリアに関する話から、“(あの人)仕事ないじゃん”“辞める気ないよ”などと先輩アナの陰口ともとれる発言まで公になってしまった。事態を重く見たテレ東は、2人に聞き取り調査を行った上で厳重注意をしたそうです。この盗聴騒動の犯人は闇の中とされていますが、限られた人物しか出入りしない場所での“犯行”だけに、同僚アナを含めた制作スタッフたちが疑われたそうです。アナウンサーは人気先行の面が強く、聞くところによると若手や人気アナへの嫉妬から、陰では足の引っ張り合いもあるとか(苦笑)」(前出・情報番組ディレクター)では、弘中アナの写真流出もまた、彼女に不満や嫉妬を覚えた者による内部犯行なのだろうか。「その類の恨みを買う人物ではないでしょう」とは、芸能ジャーナリストの佐々木博之氏。「“あざとい”キャラでお馴染みですが、実際の彼女は他者に媚びへつらうことないハッキリしたタイプで、局内で彼女を嫌う人はいないと言います」そして、今回の犯行動機はというと、「親しい仲間内で見るSNSに、わざわざ“慶應時代の同窓生”といった紹介を書き込むとは考えにくいですし、局内の同僚は知り得ない情報でしょう。やはり、グループから流出したと考えるのが自然ですね。例えば、弘中アナに密かに思いを寄せていた、もしくはパーティーに呼ばれなかった友人が、後に写真を見て“おもしろくない”となったら……。いずれにせよ、今回のような危ない写真は未公開だろうと、“カギアカ”だろうとネット上にアップしない方がいいでしょう。身近な人間でなくとも、第三者がパスワードなりを解いて覗き見していることも十分に考えられますからね」(佐々木氏)便利になったネットツールだが、それ以上にプライベートが晒される危険も増したということか。
2021年09月03日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。ひとり旅のすすめ3〜警戒心という鎧〜仕事に一区切りをつけて、飛行機に乗り、シートベルトを締めた瞬間に、あー、解放された!と全身から力が抜けます。自由だー!大袈裟に聞こえるかもしれませんが、これが目の前に人参をぶら下げて仕事をしている自分の情けなさもあるのですが。目的地へ着くまでの自由。ところが目的の空港に着き、タクシーに乗るときから『警戒心』という鎧を纏います。いまでは改善されたかもしれませんが、早朝にロンドンやパリに到着すると、白タクの運転手がまとわりついてきたものでした。ローマではスカーフから生々しい首の傷痕が見える運転手に遭遇したり。乗って行け、という言葉にガンとして打ち合わず、無視するに限ります。地下鉄はスリの仕事場です。バッグをしっかりと前に抱える。そして怖い顔で。全身、セキュリティー万全に。それでも相手の方が百戦錬磨ですから、一瞬の隙を狙ってきます。大好きなアンティーク市も油断なりません。冬の旅であれば、バッグの上にコートを羽織る。人混みを歩くときも要注意です。あるとき、マドリッドの銀座通りのような道を歩いていたとき、ショルダーバッグをツンツンと突いているような感じがあって、見てみると若い女の子がスカーフで手元を隠してバッグのファスナーを開けようとしていました。思いきり肘鉄と睨みです。常に警戒心、緊張感を拭うことはできないのです。パリではいつも小さなホテルに泊まります。外出から戻り、部屋でくつろいでいると、コンコン、コンコンとノックの音が。レセプションの男性でした。「何?」と聞くと「開けてくれ、花を持ってきた」というのです。かなりしつこくて、怖くなりました。相手は合鍵を使えます。夜中に襲われたらどうしよう。途端にいろいろなことを想像してしまい、怖くなりました。すぐに違うホテルを予約し、その日のうちにホテルを移りました。もしかしたら過剰な反応だったかもしれませんが、自分が感じた怖さに正直に行動することが大切なのです。見知らぬ場所、ひとりで行動するときは特に、動物的な直感を澄ましておくことです。警戒心が強すぎて、恥ずかしい思いをしたこともありました。ニューヨークでタクシーに乗ったときのこと。遠回りをしている感じがしたので、「道、違っていませんか?」と聞きました。すると白人の初老の運転手さん、「君は何年ニューヨークに住んでるの?」と。「3日」と答えると、「僕は30年以上この街に住んでる」と言いました。一方通行の多いニューヨークでは、回って回って、反対方向から目的地に向かうこともあるのです。忘れられない、運転手さんの言葉でした。警戒心という鎧、纏うべきところで纏う。命と財産を守り、旅を楽しむのは、訪問先の国に対するマナーでもあるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年06月20日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。ひとり旅のすすめ2〜旅日記で本音と出会う〜家庭内仕事部屋の引っ越しをしました。本、CD、資料、原稿、写真……紙類の山の中に、30年近く前に書いた旅日記が出てきました。A5ほどの大きさで、表紙には天使たちがバイオリンを弾いている絵。確か、パリの書店で見つけたノートです。旅日記を書くノート、日頃の雑記帳でも、紙とペンの相性が大切です。書きやすさはもちろんなのですが、書き手を超えたところでペンと紙のコラボレーションが文章に現れるのです。もうひとつ大切なことは、「自分を制限しない」ということ。うまく書こうとか、こんなことは書けない、などと思わないこと。思うまま、自分の中から思いが淀みなく流れ出るように。旅という非日常の時間と空間の中で自由になることが、ひとり旅の大きなギフトです。自分を制限しないで書き始める。それをさらに滑らかにするのが相性のいいペンと紙なのです。私の好みは、インクを瞬間で吸い取り、そして吸い取った余韻のある紙。ほんのりざらつき感がある紙が好きです。そして当時愛用していたのはシェーファーのカリグラフィー用の万年筆。1000円か2000円くらいだったか。インクはblue-black。ペン先から、思ってもみなかった言葉や思いが流れるように綴られるのでした。ひとり旅は、『自分自身』というバディと一緒に旅をすることです。それがひとり旅の醍醐味です。旅の間に感じる淋しささえも味わうことで、どんなにか自分の感性を育み、自分を成長させることか。気づかなかった自分の思いを知るのは、少々勇気がいることもありますが、それも必要な出会いだったのだと思うのです。好きな場所に好きなだけいる、というのも、自分の無意識が求めていること。それに素直に寄り添えるのが、ひとり旅なのです。さて、1995年、ハワイに滞在したときの日記から一節を。「Pali Hwyで車の事故を見てしまう。結構、暗い気持ちになる。KQMQ(オアフのFM局)からジャネット・ジャクソンの『Any Time, Any Place』が流れてくる。いろいろなエピソード、気づき、そういうものがどっと溢れてくる。ちょっと待って。覚えきれない。マイクロカセットテープの準備をしておけばよかった。でもこの瞬間が作家にとっては快感であり、これが待ち望む一瞬なのである」ひとり旅に、出なくては。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年06月13日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。ひとり旅のすすめ1〜憧れに出会う〜20代、30代、ひとりでヨーロッパを旅したものでした。それは私にとって『馬ニンジン』。旅を目標にすると、仕事も充実させることができたのです。ひとり旅をすると言うと、多くの人が「淋しくない?」と聞きます。それが少しも淋しくない。食事をするときには誰かとお喋りしたいと思いますが、慣れてしまうと何でもなくなります。それよりも、好きな場所で、好きなだけ時間を過ごしたい。わがままが許される、それがひとり旅の醍醐味です。ミラノからパリへ発つ朝。ホテルでチェックアウトするときに日本人の素敵なご夫婦と一緒になりました。「おはようございます」と、ご挨拶を。お二人とも洗練されていて、奥様は可愛らしさとゴージャス感をお持ちでした。そんなお二人と空港の搭乗口で、また出会います。「一緒の飛行機だったのですね」と、そんな言葉を交わしました。パリに到着し、バゲージクレームで荷物が出てくるのを待っているとき、「空港に車を置いてあるので、一緒に市内まで行きませんか?」とお二人から声をかけていただき、ご一緒することになりました。ご主人はヨーロッパのブランドと日本を繋ぐ仕事をされているとのこと。旅に出ると、ホテルでは別々の部屋に泊まり、それぞれの時間を独立して過ごすのだそうです。ご主人は昼間は仕事、奥様は買い物をしたり美術館へ行ったり。そして夕食のときに、その日あったことをお互いにシェアする。そして、素敵なところがあれば、後日一緒に訪れる。この旅のスタイルはいい距離感を保つことができ、それぞれの過ごし方を楽しめるのだそうです。まさに大人の旅です。ふたり旅の中で、それぞれが思うように過ごす。そしてその時間で感じたことを分かち合う。この頃、私はまだ20代の後半でしたが、こんなパートナーシップに憧れ、素敵な大人になりたいと思ったことをよく覚えています。旅で出会うもの。それは見たこともない自然、文化、もの、人々、ライフスタイル、そして憧れにも出会います。憧れは、成長するエネルギー。生活を豊かに彩り、審美眼を高めます。今でもときどき、無性にひとり旅をしたくなります。それも海外へ。解放感と孤独感は、創造の源になり、憧れは日常の生活の中に息づくのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年06月06日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。『整えること』から未来が見える家の中で、仕事部屋の引越しをしました。これが、とてもとても大変。これまでの作品たち、CD、本、掲載誌、そして資料……そこに娘の作文や連絡ノートなどが混在し、まさにカオス。なぜこんなものをとっておいたのだろう……というものから、なんでこんな大切なものをこんなところに!というものまで。なんだ、ここにあったのか……と安堵したこと、若い頃の書き物を読み返して速攻で破棄したものまで、それは自分が歩んできた道を辿るような片付けでした。カオスの中から、デビューした頃のアーティスト写真を見つけました。今と同じボブスタイルの髪、少し上目遣いで写っているモノクロの写真。何枚かあったと記憶していたのですが1枚、本の間から出てきました。25歳の自分の未来は、すっかり私の過去になりました。実は、しばらく前からこの写真を探していたのです。なぜだかわからないのですが、未来を知らない自分に会ってみたくなった……というのでしょうか。たくさんの歌詞を書き、小説やエッセイを書き、よくひとりで旅をしたもの。時に悩んで、落ち込んで、でも立ち上がることを諦めずに。いいとか悪いではなく、今の自分にとって何が最善なのだろうかと模索しながら生きた未来が、そのモノクロの写真の中にあるのです。これからの自分への勇気づけでしょうか。いま、この瞬間の自分の中にも、これからの未来があることを確認するために。25歳、作詞家デビューした頃。素敵な未来しか思い描けなかった頃です。ものを整理する。自分のいる場所を整えるというのは、心を整えていくことでもあります。本当に必要なもの、心が湧き立つものはなんなのか。執着していたモノと共に、心の執着を手放す。ものを減らしていくことは、本当に必要なもの、大切なものを知ることでもあります。自分が亡き後を考えると、ミニマリストであることが望ましいかもしれません。自分自身にとっても、残された人たちにとっても。今回仕事部屋を整え、ごっそりと不要な書類や本などを処分して思ったのは、自分が心地いいと思う空間に身を置くことの大切さ、そして自分が好きなものと共にあることの楽しさです。心地よく、楽しんで、自分を生かしながらこれからの未来を創っていく。本の間から出てきた『25歳の私』は、示してくれました。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年05月30日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。喜ばせ上手、喜び上手もしもこの世界にたったひとりきりだとしたら。その世界には必要とするもの以上の豊かさがあり、誰にも束縛されない自由があるとしたら……。ありえない仮定ですが、極端に考えることで改めて気づくことがあります。どんなに豊かで自由であっても、人はひとりでは生きていけません。決して豊かでなくても、わかちあえる人がいて、ささやかなことも喜び合える人と共にいられること、プレゼントをする人がいるというのは、本当に幸せなことです。その人を喜ばせたい。誕生日やクリスマス、記念日だけでなく、ちょっとしたお礼のものを選ぶときも、どんなものが喜んでもらえるか考えます。喜んでもらいたい……これは『愛』だと思うのです。喜ばせたいという思い。相手のことを思い、何かを差し出す。プレゼントもうれしいですが、その思いがさらにうれしいものです。サプライズも、喜びと驚きが倍増します。2年前、夫が還暦にお祝いに何を贈ろうかといろいろ考えました。記念になるもの……それは形のあるものでなくてもいいのではないか。二人で食事に行くという設定で、実はレストランには夫の親しい友人たちに内緒で集まってもらいました。山口県の徳山から、神戸から、名古屋、福井から、東京の忙しく仕事をしている友人たちも集まってくれました。当日出席できなかった友人たちのメッセージのスライドショー。夫のこれまでの歩みをまとめたスライドショー。その夜鍋仕事は、とても楽しかった。夫に喜んでもらいたくてやっていたのですが、実は私も大いに楽しみました。サプライズやプレゼントが愛だとしたら、与えている私も愛を受け取っていたのでした。つまり、「与える」ということは、「与えられる」こと。また「与えられている」から、「与える」ことができるのです。「自分が蒔いた種は自分が刈り取る」という言葉があります。ネガティブな意味で語られることが多い言葉ですが、逆もまた真なり、良い種を蒔けば良いものが実るのです。相手を褒めることも、ユーモアで人を和ませるのも愛です。ささやかな心遣いも、ちょっとした親切も愛です。そう考えていくと、愛は私たちの日常の中に散りばめられている。気づかないうちに、言葉にしないうちに、やっていることなんですね。喜ばせ上手、喜び上手になりましょう。喜ばせることも、喜ぶことも愛です。それは私たちの中でくるくるとめぐり、社会全体をふわりと優しくするでしょう。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年05月23日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。そこは坂道だった〜小さな発見の大きな気づき駅前の銀行に行こうと、信号待ちをしている時のことでした。その小さな交差点は5叉路になっていて、横断歩道から続く道は狭い道です。郵便局がその先にあるので、これまで何度となく歩いた道でした。信号が変わるのを待っているとき、ハッと気づいたのです。目の前の狭い道は、緩やかな坂道でした。緩やかなので気づかなかったとは言え、この交差点で何度も信号待ちをしています。この街に住んで30年、そこが坂道だったことにも驚きましたが、今になって気づいたことに驚きました。「人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない」ユリウス・カエサルの言葉です。人間の脳は、いま興味のあるもの、意識していることしか見えないようにできている。つまり、見たくないものは視界に入らないようにできているそうです。例えば、お腹が空いていたら食べ物屋さんの看板ばかりが目についてしまうということはないでしょうか。これは実際に目に見えることだけではなく、無意識のうちに避けている問題もあると思います。さて、30年目にして初めて郵便局への狭い道が坂道だと気づいたわけですが、改めて「物事を見る、感じる」ということについて考えさせられました。見ているようで、見落としていることがたくさんある、ということです。カエサルの言葉を気づきのきっかけとするならば、見たくないものの中に大切なことがあるかもしれません。先延ばしにしてしまうことも、必要なことであったりします。これは、『ものの見方』にも通じます。小学校受験の勉強の一つに『四方見』というものがあります。ものを正面から見る。上から見る。斜めから見る。下から見る。それぞれに違う形をしています。日々、私たちが体験することも同じように、自分の立場からだとこう思う。でも相手の立場に立てばどうなのか。自分の人生においての意味はどうなのか。などと様々な角度から眺めてみると、その体験したことの意義が見えてくるのです。自分の可能性を広げる意味でも、見識を広める意味でも、目を転じてみよう。5月の朝の、駅前の交差点での発見は、大きな気づきになりました。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年05月16日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。無理せず、自分に優しく「好きなこと」を気づくと、多くのことを求めていない自分がいます。「気づくと……」というと唐突ですが、あるときふっと思ったのです。こんなことも、あんなことも……とアイディアをめぐらせていた自分はどこへ行ったのか。制限が多くなっているこの状況の影響なのか。今はできるだけ心地のいい環境に身を置こうと努めている自分がいました。つまりそれは、心のざわつきから自分を守ることでもあるのです。自分のいる場所を『楽園』にする。家だけでなく、自分がその都度いる場所を『楽園』にする。一年以上続いているコロナ禍は私たちの生活を一変させました。この不自由さの中で自由にできることは何か。それは、まず自分が変わり、自分で環境を変えていくこと。自分のいる場所……仕事場、人間関係、気持ちの持ち方を心地のいい『楽園』にすることです。自分にかかっている負荷を取り除き、ささやかでも楽しめることの中に身を置いてみる。困難なことを抱えている中で『楽しめる環境』を作る。それにはまず家、部屋を整えることから始めます。無理はしない。とても簡単にできることから始めます。たとえば、掃除をして、花を一輪でも飾る。花は美しいだけでなく、生きているエネルギーがあります。花を見て、嫌な気持ちになることはありません。ふっと疲れたときに花に目をやることで、気持ちも目も安らぎます。花を選び、自分で生けるとき、雑念が取り払われます。花と向き合い、花がさらに美しくなるように試行錯誤する。花に寄り添う感覚が生活を活性化させるのです。おいしいものを食べる。これも生活を楽しくする一つです。おいしいものをおいしく。美食をするということではないのです。ささやかな料理でも、好きなお皿にのせて。一手間をかけて。テイクアウトの料理でも、お皿に移し替えるだけで、ご馳走に見えてきます。音楽を聴く、アロマを焚く。きれいな花が咲いている道を選んで散歩する。公園でぼーっとする時間を持つ。美術館に足を運ぶ。好きな音楽を聴く。自分がリラックスできること、楽しめることに集中する。中でも、五感を働かせることは、感性を高める刺激になります。いまの状況を嘆くばかりでなく、新しい楽しみ方を見つける機会に変えていきましょう。とにかく元気でいること。おいしいものをおいしく楽しくいただけること。家族が仲良く、元気でいること。細々でも自分を生かせる仕事をし、いまだからこそ感じることを作品にしていくことに心を向けています。料理やインテリアなどの動画を見て生活に取り入れてみたり。多くのものを求めずとも、人生が少しでも素敵になるアイディアを取り入れていくことで、私のいる場所は『楽園』になりました。無理をせず、自分に優しく。そうすることで、人との関係も優しくなっていくのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年05月02日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。思い出をつくる時間3ヶ月に一度、父の病院の検査、診察に付添います。待ち時間の長い二つの科を受診するので、その日はほぼ1日仕事になることは覚悟です。そんな病院通いの日のお楽しみは、帰りにおいしいものを食べること。外食しづらいこの状況の中、一人暮らしの父の気分転換にもなるようです。これまで何度か病院に付き添い、食事をして帰りました。あるとき、ふと思ったのです。もしかしたら、これは父と過ごせるいい時間なのかもしれない。もしかしたら、かけがえのない時間なのかもしれないと思いました。時間は限られています。お互いに、いつ何があるかわからない。私たちはそんな不確実な時間を生きているということを忘れてしまいます。90歳の父は、おそらく自分に残された時間について切実に考えているでしょう。「ママの七回忌の法要は自分の手でやりたい。十三回忌はできないだろうから」あるときふと漏らした父の言葉に淋しさを感じたと同時に、人生を生ききる矜恃を感じたのです。その矜恃に寄り添うこと。それが90歳の父が安心していられることだと思いました。思い出してみると、母が元気だった頃、母と出かけるたびに『限りある時間』を感じていました。もう30年前ですが、母と上高地へ行き、梓川沿いを歩いたことがあります。その頃母はまだ50代だったか。うれしそうな笑顔の写真を見返してみると、あの時間がかけがえのないものだったことを思います。人生、楽なことばかりでない。次々と困難を乗り越えていくこの人生という流れの中で、ささやかなことにも感動し、うれしく思い、大切にできる時間を過ごせること。そんな思い出たちは、生きていく力の一つなのかもしれません。今月の父の付き添いの帰り、父の大好きなうなぎを食べ、サントリー美術館で開催されている『日本絵画の名品』展を観ました。日頃芸術に触れることのない父は、ゆっくりと、一枚一枚の絵をじっくりと鑑賞していました。その後ろ姿を眺めながら、私と父の時間を思い出が刻んでいくのを感じました。思い出をつくっていく。私も振り返る時間がずいぶん多くなりました。人生という物語、たくさんの思い出で豊かであるように。いま、この一瞬を大切に過ごしていくことです。それが病院の待合室であっても、一枚の絵の前であっても。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年04月25日(左から)弘中綾香、加藤綾子、田中みな実、水卜麻美今では褒め言葉になりつつある“あざとい”。その力を駆使して飛び抜けていった彼女たちの功績を追ってみました。あざと-い1、押しの強い、どぎついやりかた2、小利口だ辞書で“あざとい”を引くと出てくる定義だ。ここ数年“あざとい”が女性への褒め言葉として定着しつつある。その生態を観察する『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)も人気に。女性たちのしたたかでその真っすぐな欲望に世の中も共感するようになってきた。「今、女子アナの中ではあざとければあざといほど出世していく法則があるといわれているんです」と語るのは、民放局の元アナウンサー。はたしてあざといことが出世に関係あるのだろうか!テレビウォッチャーの神無月ららさんと人気女子アナ5人の“あざと力”に迫る。■出世魚・田中みな実「彼女の“あざとさ”はちょっとほかの女子アナが世間に抱かせるものとは種類が違う」と神無月さん。「田中みな実さん(34)は局アナ時代から一貫してぶりっ子キャラでした。爆笑問題と長年レギュラー司会を務めた『サンデー・ジャポン』(TBS系)にて、爆問からそのぶりっ子をいじられ続ける。CMまたぎにアップになるたびに、顎に手を添えて上目遣いに目をしばたたかせてカメラを見つめる姿はスタジオの爆笑をさらっていました。世間一般が自分を『ぶりっ子』としてカテゴライズするなら、さらに突き抜けたぶりっ子として商品になってやる。彼女からはそういう気迫と気合を感じました」TBSを退社してからの快進撃はご存じのとおり。「田中さんはご自分のことを客観視するのが上手。だから周囲が自分に何を求めているかを察知してそれに応えるんです。だから飽きがこない。もしも飽きられたら、その声に応えてサラッと引退、とかもありえるから目が離せないのです」女子アナとは比較する次元がもう違う!?■“〇〇パン”の持つ宿命・加藤綾子かつてフジテレビからエース女子アナウンサーとしての期待を浴びていた千野志麻さん、彼女の名前をもじった深夜の冠番組『チノパン!』はその後も名前を変え続け「次世代のエース女子アナを受け継ぐ者」へとリレーを続けた結果、アヤパン(高島彩)、ミタパン(三田友梨佳)、ショーパン(生野陽子)と、数々のスターを送り出してきた。その中でもエース中のエース、カトパンこと加藤綾子アナ(35)。アナウンサーデビュー直後の2008年10月から『いいとも』レギュラーや『カトパン!』に抜擢される活躍ぶりは、現在でも順風満帆。「彼女もやはり女子アナとしての宿命のやっかみを浴びやすいキャラだと思います。音大卒なのにアナウンサーとして成功を得る、細身の身体のわりに巨乳、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)では、振られればきっちりと男ウケ抜群のモテしぐさを披露する、など、カトパンはわかりやすく同性から嫉妬を受けやすい記号にあふれている。人気者のさんまさんからの引き立てなど、妬まれ要素は枚挙にいとまがないほど。だけどそれはカトパンのあざとさ、ではなく生まれ持った魅力からくるもの」と、神無月さんは加藤アナを評価する。「局アナ時代からレギュラーを多数抱えつつ、局のここいちばんの大勝負番組である『FNS歌謡祭』などの総合司会も歴任しています。それは彼女の持つ魅力や人気だけではなく、確かなアナウンス技術と現場を即座にまとめる対応力があるから。カトパンのあざとさがどこにあるかと言われたら、嫉妬する要素が満載でも周囲に文句を言わせないほどの実力をつけたこと」■期待に応えるど根性・水卜麻美2010年の日本テレビ入社以降、翌年の2011年からは単発の『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)出演などを経て、同年『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)に抜擢。現在も朝の『ZIP!』の総合司会など、まさに「日本テレビの顔」とでもいうべき活躍ぶりの水卜ちゃん(34)。「彼女のあざとさはその圧倒的な“女子受けキャラ”にあると思います。スレンダーな美女の多い女子アナの世界の中、親しみのもてるぽっちゃり感。何よりも仕事抜きで楽しんでるんじゃ?と思えるほどの豪快な食べっぷりの食レポ、ざっくばらんにおのれの恥ずかしいエピソードをさらす気さくさ、いわゆるやっかみを受けやすい、女子アナが抱えがちな記号とは全てが真逆です」女子アナらしくないからこそ、愛される水卜ちゃん。2013年から5年連続で「好きな女子アナ第1位」に選ばれたのも納得?「『24時間テレビ』でマラソンランナーに選ばれ走りきる姿、私の住む地方に水卜ちゃんがゲストで来たときも、言葉を尽くしてこちらの地方メシのよさを力説していました」日本テレビの入社試験で「白目をむいたボラの顔まね」を披露し、みごと入社を果たした水卜ちゃん。これからも女子受けあざとさを発揮して頑張ってほしい!■あざとい女子アナのパイオニア・内田恭子フジテレビのエースの称号『パン』こそつかなかったものの、’06年に吉本興業社員の男性と結婚退社するまで人気女子アナであり続けたウッチーこと内田恭子(44)。「男受け抜群の容姿に加えて愛嬌抜群。入社当時は同期の大橋マキアナの陰に隠れていた印象ですが、その大橋アナはわずか2年で退社してしまいます。そこからは癒し系ブームと内田さんの醸し出すほんわかしたイメージがマッチして一躍人気者になりました」と、神無月さん。「アナウンスを噛んでも動じるそぶりを見せず、恥じるそぶりもなくのほほんと終始微笑んでいた内田さん。強いなー、と思いましたね。そして、ダウンタウンの浜田さん、明石家さんまさんなど大物に必ず可愛がられる。噛んだりとちることでさらに愛される。ニコニコしていれば怖いおじさんもメロメロ。純粋あざと女子アナ代表だなって思います」■共演者から愛される弘中綾香田中みな実とあざとさを象徴するキャラクターとして活躍している弘中綾香(30)。彼女のあざとさの魅力は?「自覚的なあざとさの演出がうまい。裏の顔もあえて見せることで視聴者からの反感を買わないギリギリのラインを攻めています」入社した年に『ミュージックステーション』のサブMCに抜擢。現在は5本のレギュラーを抱えながらエッセイ本も出版。ノリに乗っている。「タモリさんをはじめ、千鳥のノブさん、オードリーの若林さんら共演者に愛されるのが弘中さんの魅力。内田恭子さんと違って、そこに女性としてのいやらしさを感じさせないところが弘中ちゃんの愛されあざと力だと思います」◆◆◆「内田恭子さんが旧あざとい、だとしたらほかの4人は新あざとい。新は男女ともに愛されるということがキーワードですね」これからもあざとい女子アナたちの快進撃は続きそうだ。
2021年04月24日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。苦手なことが夢につながる好きなことを、思う存分楽しめたら……。きっと一人ひとりの人生はもっと輝く。先日、参加している合唱団の発表会で、ソロでイタリア歌曲を歌う体験をしました。この体験は、私にとって40年の年月を超えた夢の実現でした。夢は叶う、叶えようと思って行動すれば叶うということを実感したのです。私は、40年間、歌うことを封印してきました。中学の音楽の試験で失敗し、とんでもない成績を取りました。私は音楽が苦手。絶対に人前で歌わない。15歳の時に、こう決めたのです。作詞という音楽制作の世界にいながら、本当にもどかしい思いをしました。もっとも、その思いも、自分の『思いこみ』に過ぎないのです。恥をかくことから自分を守る『封印』は、心と行動を萎縮させたのでした。何の本で読んだのか、出典は忘れたのですが、「自分の本当の声は、体全体を使う声楽の発声による声である」という文言に出会いまいました。……ということは、私はまだ自分の声に出会っていない。このとき、自分の声に出会いたいと思ったのです。それが6年前。ちょうどそのタイミングで友人がコーラスを始めるということで、合唱団にお誘いいただいたのでした。最初は、それはもう……惨憺たるものです。声は出ない、音域は狭い。声はかすれる。音程は取れない。それでも、声を出すことの楽しさに惹かれました。グループレッスンの前に個人のレッスンを受け6年、やっとやっとお客様の前でひとりで歌うことができたのです。苦手なことほど、実は心からやりたいと思っていること。苦手だと思い込んでいるということは、それができたらどんなに素敵だろう、と思っているのです。私は絵も下手です。絵心がないのか、空間認知がうまくできないのか。でも、絵を描けたら素敵だろうなあと思います。憧れているにもかかわらず、ネガティブに思いこんでしまうことで自分の世界を狭めているのですね。やりたいと思うことをする。楽しいと思うことをする。やったことのないことにチャレンジしてみる。やってみなければわからないことがたくさんある。苦手だと遠ざけていたことが、夢の入口なのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年04月18日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。寄り添うという距離感人はみんな孤独。こんな言葉をよく聞きます。孤独という言葉には、抗うことのできない深い闇がありそうで、受け入れられないと思う人もいるでしょう。孤独とはどういうことか。例えば、自分の肉体的な痛みを、誰とも分かち合うことはできません。どんなに痛くても、わかってもらえないし、わかってあげられない。悲しみも、寂しさも、その人のものです。ひとりで引き受けなければならない。そこに孤独を感じます。私は昨年の夏に右手首を骨折し、プレートを入れる手術をしました。右手を使えるようになりましたが、10ヶ月近く経った今も痛みがあります。それも、ちょっとした手首の角度とか衝撃で、叫びをあげたいくらい、痛いのです。誰にもわかってもらえない痛みを通して、人の痛みに寄り添うことの大切さを学びます。その痛みも悲しみも丸ごとわかることはできないけれど、痛みや悲しみがあることをわかって心を寄せることはできるのです。これが命に関わること、また深い悲しみであれば、その孤独感は想像を超えるでしょう。ひとり息子を病気で亡くした友人がいます。友人を慰める言葉は見つかりません。何を言っても、それは友人の心には届かないからです。ただただ、彼女の涙を受けとめるだけです。悲しみを語る言葉に耳を傾けるだけ。その語る言葉さえ、悲しみの欠片でしかないのです。「神様と約束した時間だったんだね」最愛のパートナーを亡くした友人にそう声をかけたことがあります。彼女は、その言葉に慰められ、そう思えるようになったと後に話してくれました。『神様と約束した時間』……数年前に親友が亡くなったとき、こう思うことで、喪失感を受け入れることができたのです。これは、私が、私の中で作った『物語』です。このように解釈することで、悲しみを癒すことができる。心は、悲しみから守るように、このような『物語』を作るそうです。生きていくために私たちに備わった心の機能なのですね。自分と同じように、誰もが誰とも分かちあえない思いを抱いている。従兄弟が亡くなったときのこと。自分が気づいてあげていればよかったと自分を責めて泣いていた従兄弟のお嫁さんを思わず抱きしめていました。二回しか会ったことがないのですが。抱きしめながら、彼女の悲しみではなく、悲しんでいる彼女をしっかりと感じたのです。寄り添うという距離感。分かちあえないからこそ、その距離感に愛をこめる。そこに優しいつながりができていくのではないかと思うのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年04月11日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。高齢の父を支える言葉「役に立っていたい」90歳でひとり暮らしをしている父の言葉です。朝、5時には目が覚めてしまう父は、6時には私の家に来てカーテンを開け、新聞を取り込み、ゴミの日にはゴミを出してくれます。植木に水をやり、玄関先を掃除して。1日5000歩歩くことを決めているので、散歩がてら私の家、妹の家をまわるのです。6時には起きられないので、滅多に朝いちばんで父に会うことはないのですが、父のルーティンは生存確認。カーテンが空いていないと胸騒ぎがして、すぐに電話をするのです。これも、父の「役に立っていたい」という思いの現れ。冬の寒さが厳しい時期に、無理して朝早く来なくても大丈夫と伝えても、まだ暗いうちにやって来ます。「暖かくして出るから大丈夫」と言って、こちらの心配を受け取ってくれません。「決めたことをやらないと、一気に弱っていく気がする」役に立っていたい。決めたことをする。これが、高齢の父を支えるルールなのです。マンションの小さな庭に畑を作り、夏にはプチトマト、なす、ピーマン、ゴーヤ、オクラなど、秋から冬にかけては水菜、小松菜、ほうれん草など。自分が食べる分だけではなく、私の家、妹二人の家にたくさん分けてもらいます。小さな畑作りも父の楽しみ、生きがい、そして私たちに食べてもらいたいという思いがエネルギーになっているのだと思います。生きているということ。ここにいるということ。これが私、ということ。若い頃に『存在証明としての何か』を求めていたように、年齢を重ねるほどまた『生きている証』を求める。若い頃は外に向けての思いだったのが、高齢になると自分に向けての思いになる。私も、作詞をしたり文章を書いたり外に向けて発信していますが、と同時に自分自身に向けての言葉を綴りたい衝動を覚えることがあります。いつか、肉体的に人の支えなしでは生きられない時が来る。その時であっても、生き方を見せていくことはできるのではないか。どんなふうに老いていくのかわかりません。昔の自己愛の強い、時に無茶苦茶なことをした父の姿が幻のような、優しく穏やかな父を見ながら、一生懸命に自分を支えながら生きることを学ぶのです。あ、父のことをこうして書いていたら、父が来ました。植木の手入れをしてくれるそうです。こんな小さな時間が宝物になり、私のことも支えてくれるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年04月04日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。旅と料理と日常と〜ぼーっと観る動画なら海外に行くことが、すっかり夢のようになってしまいました。昨年、成田空港に迎えに行くことがあったのですが、ゴーストタウンのようでした。今もその状況はあまり変わらないのではないかと思います。ボードに『欠航』という文字が続いているのを見ると胸が痛みます。そんな中、YouTubeでいろいろな旅をしている人の動画を見つけました。鉄道マニアの男性が寝台列車を紹介する動画。設備やサービスのレポートも何ということはないのですが、ついついぼーっと観てしまいます。船旅愛好家の動画も同じように、ただ目的地へ着くまでの淡々としたレポートを。そこに特別な何かがあるわけではないのですが、寝台列車でどこか行きたくなり、フェリーの旅をしたくなる。なぜか旅心を誘われます。飛行機に乗っているだけの動画もあります。ビジネスクラス、ファーストクラスのレポートだけで、観光案内などはありません。海外のガイド的な動画よりもそこへ向かうまでの動画を観てしまう。自由に動けないこの状況の中、目的地はあまりにも遠く感じます。そこへたどり着くまでの列車、船、飛行機に、旅の『ロマン』を感じるからでしょうか。空港に着いたとき、新幹線に乗ったときのちょっとした高揚感。そんな旅の始まりをわくわく感が、いまの私には心地いいのです。また、淡々と朝のルーティンをこなしている動画や、きちんとした毎日の暮らしを紹介している動画もついつい観てしまいます。登場する女性たちの暮らしぶりは実にシンプルで、流れるように家事をこなし、仕事に出かけていく。自分の暮らしぶりの何と雑なことか!反省しつつ、大いに暮らし方、時間の使い方の参考になります。また料理研究家やレストランシェフの料理動画もよく観ました。面白いことに、このような暮らし方や料理の動画を観た後、家事の手際がよくなるのです。私なりに流れるように動いている。使ったそばから調理道具を洗い、段取りも無駄がなくなっている。やはりイメージが意識の中に取り込まれているからなのでしょう。ぼーっと観ている動画、ポジティブになるのも時間の無駄にしてしまうのも……自分次第です……。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年03月28日弘中綾香アナ『好きな女性アナウンサーランキング』(ORICON)で2年連続1位、初めて出版するエッセイが発売前に重版が決まるなど、テレビ朝日・弘中綾香アナの勢いはとどまるところを知らない。入社1年目から『ミュージックステーション』のサブMCに抜擢、『激レアさんを連れてきた。』でオードリーの若林正恭と組んだことで、そのキャラクターが世間に認知されてブレイク。スパッとした司会進行にも定評がある。しかしながら、人気が増すにつれ、その尖った部分がメディアやネットで叩かれるようにもなった。主婦を対象とした『嫌いな局アナランキング』(週刊女性)で不名誉な1位になってしまうことも。そんな彼女が、2019年からウェブメディアで連載していたエッセイをまとめた『弘中綾香の純度100%』を上梓した。《誰からも歪曲されず、脚色されることのない、純度100パーセント、そのままの私を受け取ってほしい。(中略)これは、私に対する世間のイメージへの挑戦であり、抵抗であり、希望の光》こんな“所信表明”で始まるこのエッセイ、読まないわけにはいかない。■大人になってからの恋愛は……《ただ、私はこういう人となりなんだ、というのを自分の言葉で伝えたかった》というだけあって、様々な角度から彼女の考えや思いを発露させた一冊だった。オリンピック関連の仕事に並々ならぬ情熱を燃やしていたこと、フリーアナには向いていないとの自覚、他人と分かり合えることなどないという諦めなど、彼女の人柄や知られざる内面を垣間見ることができる。しかし、読み終えてふと思い返すと、全くといって触れられなかったテーマがあることに気づく。それは“自身の恋愛”についてだ。たとえば、『大人になってからの恋愛は』と期待が膨らむタイトルがつけられた章のページを開いてみたものの、メインは2年付き合ったが価値観の違いで別れた“友人”の話。ほかにも、バレンタインがテーマの章でも、「日頃のお礼を込めて女性が男性にチョコレートをあげる」という社会人の暗黙のルールに疑問を呈するような切り口だったり。エッセイ全体を通じてわずかに出てくる恋愛っぽい要素を集約しても「女子高生時代は恋らしい恋もしていなかった」、「大学時代に彼氏がいた」ということくらい。過去の恋愛に触れることはもちろん、恋愛観のようなものさえ、ほぼ綴(つづ)られることはなかった。むろん、女子アナのエッセイにそういった内容は不必要という判断なのかもしれないが、『あざとくて〜』ではいつも男を落とすテクの話題に花を咲かせているし、かつては自身の恋愛についてもオープンな印象があっただけに意外である。それは2018年、人気バンド『ONE OK ROCK(ワン オク ロック)』のギタリストToruとの熱愛が報じられたときのこと。Toruが住むマンション近くにあるビストロでワインと肉を楽しみ、手繋ぎで帰宅する様子をスクープされた直後の『激レアさん』で、若林に「(直撃されたのは)英語で言うと深夜の何時くらい?」とのバンド名を匂わせるイジりを受け、まんざらでもなさそうに「バカぁ〜!」とテレ顔を浮かべていたからだ。いくらでもカットできそうなものなのに、堂々と“弘中アナに文春砲!”とテロップつきで放送したということは、「恋愛話も包み隠さず」なスタンスのあらわれではないのか。局としても、本人としても。■なぜギタリストを選んだのかそれにしても、弘中アナがイケイケで派手なイケメンギタリストToruと交際する図が頭の中でなかなか結びつかないのは私だけか。弘中アナが音楽について語ることといえば、「ももクロ・ハロプロ・Kポップ」といった女性アイドルの話ばかりだし、『ワンオク』がMステに出演したこともないので接点も不明。彼女の恋愛相手としてイメージしやすいのはどちらかというと、“歳の近いエリートサラリーマン”だったり、芸能人ならそれこそ若林のような“知的枠タレント”あたりのような気がするのだが。結局、エッセイにそのヒントが隠されているということもなかった。しかし、そんな謎多き彼女が連載中に、別の雑誌で恋愛観について語っているインタビューを発見!《私、漫画家の矢沢あいさんが大好きで、中学生の時に『NANA』を読んで、恋愛の何もかもを学んだんですね。ハタチになるとこんなことが待っているのか、うぉー!と思っていたのに、実際に20代になっても全然『NANA』じゃない。何一つかすってないんですけど…(笑)》(『anan』2020年4月)いや、かするどころかモロだろう。『NANA』は上京のタイミングで偶然の出会い、共同生活をすることになったふたりの「ナナ」をヒロインに据え、ナナが在籍する『BLACK STONES』と、元彼のレンがギターを担当する『TRAPNEST』の2つのバンドを軸に恋愛模様などが描かれて……といったストーリーなのだが、まさにヒロインが純愛を繰り広げる相手がギタリストなのだ。……まさか、NANAに影響を受けてバンドマンに弱いというわけではあるまいな?コミックではナナとレンが週刊誌に撮られるというエピソードも出てくるのだが、若林につっこまれた時のあの嬉しそうな表情も、今思えば意味深だ。そして、2021年1月。Toruは新たに大政絢と「結婚を視野に入れて交際している」(『スポニチ』)ことが報じられた。並べられたふたりのビジュアルから漂うは、圧倒的“NANA感”。記事によると交際が始まったのは前年の春だという。弘中アナがインタビューを受けていたのも同時期なだけに、「何一つかすってないんですけど(笑)」に込められた心情を勝手に解釈してしまう。タバコに火をつけたToruにおもむろに「ごめん、他に好きな女できたわ」と告げられた夜があったのか、とか。さすがに妄想がすぎるな。──インタビューでは語るのに、“自分のことを知ってほしい”と標榜するエッセイに恋バナをあえて書かなかったのはなぜか。30歳を記念して出版する同書に、少女マンガへの憧れのまま止まっている恋愛観を登場させるわけにはいかないとのプライドか。でも、そこにこそ、あざとい毒舌キャラのなかにもどこか純真が見え隠れする弘中アナの本領がありそうだ。透明感が薄れないワケ。好きなアナウンサー1位は伊達じゃない。〈皿乃まる美・コラムニスト〉
2021年03月25日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。伊勢丹に香水を「伊勢丹に香水を買いに行きたい」母が脳梗塞で倒れる前、何度もこんなことを言っていました。その頃すでに一人で歩くのが難しく、介護老人ホームでお世話になっていました。耳下腺あたりに悪性リンパ腫ができ、骨を1センチほど切除しました。そのために顔が少し歪んでしまいました。整形手術をしたい。入れ歯を作り直したい。高齢の母が再度手術をするのは負担が大きすぎます。顔のバランスが左右で違ってしまったので、入れ歯を作り直しても合わないのです。本当にかわいそうだったのですが、母の希望を叶えることはできませんでした。一つ一つの願いをあきらめていったのだと思います。そんな母が倒れる前に言い始めたのが「伊勢丹に香水を買いに行きたい」でした。介護老人ホームから伊勢丹まで車で1時間少しかかります。妹も私も忙しく、なかなか時間が取れずにいました。また、母が我がままを言っている感もあり、ああ、またか……と思ってしまったのも正直なところです。伊勢丹で香水を買いたい……そんな本当にささやかな願いを叶えてあげることもできないまま母は脳梗塞で倒れ、2ヶ月後に旅立ってしまいました。なぜ香水だったのか。老いと、不本意であっただろう術後の外見のこと。美しい香りを纏いたかったのかもしれません。小さな個室に残っていたエルメスの香水瓶は、ほとんど空になっていました。この母の願いを思い出すたびに、胸が痛みます。老いていく自分をどう支えるか。老いてみなければわからない心情であり、それぞれに見いだしていくことなのでしょう。それは、一生懸命に生きようとしている姿勢でもあるのです。自分を支えようとしている親の気持ちを尊重すること。香水を買いに行きたがった母が教えてくれました。90歳で一人暮らしをしている父は、毎日5千歩歩くこと、週に2回体操に行くこと、本を読むことを日課にしています。少し前までは1万歩だったのですが、さすがにそれは多すぎます。父は頑ななまでに、このルールを守るのです。冬の極寒の朝6時からでも、暗い中を歩くのです。父は、決めたことをできなくなるのが怖い、と。この思いを尊重することが、高齢の父の人生に寄り添うことだと今は思っています。老いていく自分を支えるために……。それは、「生ききる」ための覚悟なのかもしれません。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年03月21日弘中綾香アナ《これは、私に対する世間のイメージへの挑戦であり、抵抗であり、希望の光》と、なかなかにご大層な書き出しで始まる1冊─2月12日に発売されたエッセイ『弘中綾香の純度100%』だ。著者はタイトルにあるとおり、テレビ朝日のアナウンサー・弘中綾香。“あざとかわいい”キャラを武器に、現在4本のレギュラー番組を抱える超売れっ子アナは『好きな女子アナランキング』も2連覇中。「このエッセイも売れてます。2度重版して現在4万部。“3万部売れたらベストセラー”と言われる出版不況下で立派な数字ですよ。もっとも自分の出演番組『激レアさんを連れてきた。』でもガッツリ宣伝してましたからね(笑)」(出版関係者)プライベートでは昨年、超都心の新築マンションをポンッと購入。エッセイでも、憧れだった都内のひとり暮らしを謳歌中だと報告している。公私ともに順調そのもの……に見えるが、弘中自身は、そんな世間からの視線が悩みの種でもあるそうで。冒頭の宣言どおり“あざとくない”本音を綴っている。《「ポッと出の勘違い女、調子に乗って」「可愛くもなく技術も無いくせに」(中略)でも、私はもう、一方的に決めつけられることに飽き飽きした》《愛想よく、って本当に疲れますよね》■月に2回通う美容室にはだが、人気者ゆえの悩みや葛藤があっても、日々の努力を惜しまないのがナンバーワンアナ。都内繁華街にある美容室には、仕事の合間を縫って月2回は必ず通っている。何度かカット中の弘中を見かけたことがある女性客は、「“明日クイズ番組に出るので……”って、ヘアカットの最中に歴史の参考書を熱心に読みふけっていて(笑)。“ちゃんと勉強してる!”って見直しました」弘中は高校時代からこの美容室の常連で、カットモデルも引き受けていたという。「名前こそ出ていませんけど、今もお店のホームページには弘中さんの写真が載っているんです。そのせいか、お客さんの中には彼女のファンもいて“私も弘中ボブにしてください!”ってリクエストする人が結構いるって聞きました(笑)」(同・女性客)長年その“弘中ボブ”を担当している美容師には、「その美容師さんがお笑いコンビの千鳥さんの大ファンで。それを知った弘中さんが“今度、千鳥さんとご一緒する番組があるので、私のヘアメイクさんとして収録に入ってくれませんか?”とわざわざ声をかけたそう。そりゃ相手は喜んでくれますよね。周りから愛されることが大事な仕事だってわかっているんですよ」(テレビ朝日関係者)『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)で共演中の“あざとかわいい”キャラの第一人者・田中みな実は、弘中を評して《この人は小手先で生きていない(中略)あざとさのカケラもなくて愛おしい》なんて推薦文をエッセイに寄せてるけど……十分にあざとくてよ!?
2021年03月20日テレビ朝日アナウンサー・弘中綾香さんの本サイト連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』が重版出来につき累計5万部を突破しました!それを記念し直筆サイン本の追加販売がスタートしました。今回はより多くの方が購入できるよう、3つの購入方法をご用意しましたので要チェックです!!購入方法1:全国書店の店頭販売販売店はマガジンハウス営業部のツイッターをご覧くださいませ。※店舗によって販売開始日時は異なります。また、なくなり次第終了となります。※予約や配送の可否は店舗によって異なります。予めご了承ください。※リストの店舗以外にも、サイン本取扱店がございます。購入方法2:楽天ブックスの販売(3/19~)オンライン書店「楽天ブックス」にて、3/19(金)正午より発売を開始いたします。※数に限りがございます。なくなり次第終了となります。※お1人様1冊のご購入となります。購入方法3:オンラインイベント抽選応募券付きサイン本の販売弘中綾香さんのオンラインイベント抽選応募権付きサイン本販売を実施いたします!申込者様全員に直筆サイン本をご用意!当選者にはイベント時に為書をお入れします。オンラインイベントは4/11(日)に開催予定!!詳細は三省堂書店さまの以下HPをご覧くださいませ。一生懸命書きました!上記3つの方法でぜひゲットしてください!!
2021年03月18日高橋大輔が主演を務める「LUXE」公演が決定。5月15日(土)〜5月17日(月)の期間、横浜アリーナにて開催される。今回のテーマは「世界巡り」で、高橋は前作の「光源氏」から「光の王子」に姿を変え、訪れる観客を夢の旅に誘う。「LUXE」とはフランス語で「優雅」「豪華」「贅を凝らした」という意味。そこには、 ただ高価さだけではなく、 自身の価値観で本質を見極めたものこそが真の贅沢という考え方が含まれている。エンタテインメントと同様「旅」もまた、私たちの心に様々な感動をもたらしてくれるLUXE。 しかし今、 世界中が未曾有の出来事に見舞われる中、 旅を楽しむことからは大きく遠ざかってしまった。 そのような中でも、 かつて愛した風景に今一度思いを巡らせ、いつか訪ねてみたい憧れの地に想いを馳せてみる。 生のエンタテインメントを通して、 そんなLUXEな時間を堪能して頂きたい。そんな思いから、 本作のテーマは「世界巡り」となった。キャスト・製作陣には「氷艶2019」の豪華メンバーが再集結。 演出には新たに宝塚歌劇団の原田諒を迎え、 チームラボの最先端の映像技術を駆使し、 氷上にレビュー仕立ての華麗なる世界観を創り上げる。エンタテイメントを通して、夢の旅に出発しよう。【公演概要】会場:横浜アリーナ開催日時:5月15日(土)、16日(日) 開演12:00 / 17:005月17日(月) 開演13:30 / 18:30※開場は各開演1時間前(予定)出演者:高橋大輔、荒川静香、柚希礼音、平原綾香、福士誠治、波岡一喜、鈴木明子、織田信成、村上佳菜子、村元哉中、西岡徳馬<スタッフ>監修・演出:尾上菊之丞 / 構成・脚本・演出:原田諒(宝塚歌劇団)主題歌:平原綾香 / 音楽監督・作曲編曲:玉麻尚一 / 振付:宮本賢二 / 振付:当銀大輔衣裳:堂本教子 / アーティスティック コンサルタント:VOGUE JAPAN / 空間演出:チームラボ<チケット>料金(全席指定・税込): スーパーアリーナ席 38,000円 / アリーナ席 26,000円 / スタンド席 12,000円 / 車椅子(アリーナ)席 18,000円チケット最速先行:3月8日(月) 4:00~3月19日(金) 18:00チケット取り扱い:日テレゼロチケ
2021年03月09日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。旅の始まりに〜豊かさは心の中に羽田から2時間の南の島。レンタカーを借り、さらに南へ走ること2時間。ほぼ一本道の国道を海沿いに走り、さとうきび畑が広がる中を走り、ただただ長閑な風景の中を走っていきます。国道沿いにぽつぽつとカフェがあったり、お土産屋さんがあったり。どのお店も閉まっていたのは、このご時世だけの理由ではないかもしれません。平日だったからか、大型のスーパーマーケットの駐車場も閑散としていました。友人に会うために初めて訪れた島。到着し、荷物が出てくるのを待っているとき、観光案内のビデオの中で青年が歌う島唄に、なぜか懐かしさで胸がいっぱいになりました。遠い郷愁のような。三線の音色に、胸の奥の弦が弾かれるような。不思議な気持ちになりました。3、40分走るとその島の中心地近くに差しかかりました。建物は風雨にさらされ、コンクリートは黒ずみ、壁のタイルも剥げ落ち、人もあまり歩いていない。寂れた感が漂っています。時の流れから置き去りにされてしまったような町。でもそのときふと、(この島に住めるかもしれない)と思ったのです。なぜか、そんな思いが湧き上がりました。そして、住める可能性を考えてみました。何を不足と思うか。究極、そういうことなのではないか。都会で生まれ育ち、何もかもが手に入る、何もかもが便利で、刺激的で、友達もいて、仕事もしやすい。そんな日常を送っている私が、この寂れたような町を中心に抱く島に住めるとは思えない。でも、「何を不足と思うか」と問いかけてみると、この島には豊かに暮らすことに必要なものが十分にあるように思えたのです。ものに溢れ、便利さの中で生活をしている中で、「何を不足に思うか」と考えてみる。携帯を忘れた。Wi-Fiが繋がらない。それだけで気持ちはざわざわします。ただそれだけのことで。私たちは多くの便利さを享受している一方で、許容する心の幅を狭めているのではないか。持っているものに頼り過ぎているのではないか。そんな気がしてなりません。もちろん、それが悪いというのではないのです。豊かであることは素敵なことです。でも、たとえ望んでいるような豊かさでなくても、そこにあるものの中に豊かさを見いだしていく。かたちのあるものにも。かたちのないものにも。そのような感性の柔軟性が、幸せ感につながるのではないでしょうか。町を過ぎ、山道へ。いくつもの長いトンネルと抜け、いくつもの原生林の山道の急なカーブを回りながらたどり着いたのは、初めて会ったのに「お帰り」と言ってくれる人たちの住む小さな町でした。不足どころか、胸からあふれんばかりのぬくもりに包まれた場所でした。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年03月07日愛くるしいルックスと抜群のトークセンスで「好きな女性アナウンサー」1位に選ばれた弘中綾香さんの初著書『弘中綾香の純度100%』が発売された。話す職業である弘中さんが「書く」という形を選んだ理由は「自分の言いたいことを100%言い切りたいから」。「SNSじゃ足りないです。精査熟考した長文でないと言い切れた感は感じられなくて。でも最初は公表するつもりもなく湧き上がる思いを自分のためにただ書いていました」エッセイには青春時代のことから働く女性としての現在地まで、飾らない“弘中イズム”が綴られる。「本音すぎて読み返してみると気恥ずかしいです…。だから30年くらい寝かせて『あの頃こうだったな』って懐かしく読み返せたらな」発売日の2月12日は、30歳の誕生日。同書には“人生の先輩”3人との30代をテーマにした対談も。「30代になることには気後れや恐れもあったんです。でも30代、どう生きるべきかを先輩方に伺ってみたら、歳を重ねることは熟す喜びでもあると気づきました。あと30歳は“若い女の子”枠から抜けるタイミング。それもどうなるか楽しみです」「会社員として駆け抜けた」という20代。30代もスピード感をもって変わり続けていくつもりだ。「新しいことに挑戦したいし、同じところにとどまっていたくない。職業や住む国も変えてもいいし、まだこれから何にでもなれる。結婚も、出産も、離婚もあるかも?(笑)」その無限の可能性を感じさせる「なりたかった職業疑似体験」企画(写真は「銀座のママ」体験をする姿)も見応えあり。そして30代の野望はと尋ねると「金髪!」と即答。「ちっちゃくてすみません(笑)。でも落ち着きたくないし、もっと楽しみたいなって思って」好感度は気になりませんか?「全く。当たり障りないことをするなら存在する意味ないです。私は自分が望むことを100%、半端なくやりたいから。…って私、意外と反骨心の塊ですね(笑)」『弘中綾香の純度100%』2019年5月からHanako.tokyoに連載中のコラムを中心に、素顔が垣間見える写真や林真理子さんら「会いたいひと」との対談など、弘中さんのありのままが詰まったフォトエッセイ。マガジンハウス1800円ひろなか・あやか1991年生まれ。テレビ朝日アナウンサー。『激レアさんを連れてきた。』など、同局のバラエティ番組のレギュラー多数。最近はラジオや他局にも活躍の幅を広げている。夢は革命家。※『anan』2021年3月3日号より。インタビュー、文・大澤千穂(by anan編集部)
2021年03月02日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。VS食洗機〜自分を笑うと楽になる食洗機にお皿を並べるとき、なぜか挑戦的になっている自分がいます。「この油汚れは落とせるか?落とせるものなら落としてみよ」もちろん、汚れはさっと水に流してから食洗機に入れます。ご飯茶碗はスポンジで洗ってから。あともう少し頑張れば、普通に洗い終えるくらいでしょうか。でも、少し、食洗機のために汚れを残します。一方夫はほとんど汚れを洗い落としてから食洗機に。食洗機の一つのメリットは、手で洗うよりも少ない水の量で洗えること。それを考えると、夫の洗い方は水の量、労力ともに無駄が多いと思いつつ……甘えてお願いしています(笑)。まったく、意味不明な挑戦です。なぜそんなテンションになるのか自分でも理解不能なのですが、そんな自分の滑稽さを自覚しつつ、毎回挑んでしまいます。ここで大切なのは、自分の滑稽さがわかっている客観性です。日々の中で、私たちの中でさまざまな感情が湧き起こります。胸の奥を風が吹き渡るような寂しさもあれば、弾むような喜びや、あたたかい気持ちがあふれそうになることもあります。そんなとき、しっかりと感情を味わうことが大切だと思うのです。湧き起こる感情をコントロールすることはなかなかできません。コントロールするのなら、しっかりとその感情を味わった後でしょう。そのとき大切なことが客観性です。自分のことを眺めているもうひとりの自分。感情のみならず、自分の行動も眺めてみることです。(なんでこんなことしているのだろう)と自分と距離を取ってみることで、自分を知ることができ、必要があれば軌道修正することもできるのです。食洗機への意味不明な挑戦。本当に滑稽です。そして、自分の滑稽さを笑います。自分のしていることを笑えるのは、困難に陥ったときに大きな助けになります。感情や混乱した状況の渦に巻き込まれずに済むのです。食洗機の例から大きなテーマになりましたが、自分を眺めるという習慣を日常の中に根付かせると、ちょっと生きることが楽になります。さて、食洗機への挑戦。油汚れがピカピカになると「さすが!」と食洗機の勝利を讃えます。そして汚れが残っていたときは敗北感があり……この挑戦によって私が勝利するということはないのであります。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年02月28日個性を楽しみ、活躍する人の、自分らしく輝くハッピー人生論とは?アナウンサー・弘中綾香さんに、自らの人生論を語っていただきました。「周りの方から『すごく楽しそう』とか『言いたいことを言えてすごい』なんて言われるんですが、ずっと自分の意見を言い合う環境で育ったので、自分では自分を特別だと思わないんです」歯切れ良い物言いと愛らしい顔立ちで、絶大な人気を集めている弘中さん。少し前は「嫌われない」ことが美徳と言われがちだったアナウンサーの世界で、「嫌われても仕方ない」とはっきり開き直る弘中さんは異彩を放ち、2年連続で「好きな女性アナ」1位に。好感度の高さは群を抜く。「しなくてもいいと思ったらしないし、意見を曲げない頑固なところもあったりして、自分に正直に生きているとは思います。ただ、自分勝手に発言したり、わがままにやっているわけではないんです。自分を起用してくれた人には、期待以上で応えたい。お互いに有意義に進むことを第一に、最初に『私はこう思います』と言うようにしています。疑問を感じてモヤモヤしながら仕事をしても、いい結果にはならないと思うから」そう考えるようになったのは、テレ朝の老舗番組『ミュージックステーション』のサブMCに抜擢された経験が大きいという。「入社して半年のことでした。ちょっと前まで大学生だった私が、タモリさんの横に座る…。なんでここにいるんだろう、もっとふさわしい人がいるんじゃないか…そう思って、プレッシャーや重圧を感じました。でもやるって決まっちゃったんだから、自信がないとか言っていられないですよね。そこからはもう空自信です。時間は戻せないし、“if”の世界もない。つべこべ言わずにやろうって。誰かと比べて何点取れるかじゃなくて、自分なりのベストを尽くそうって、腹をくくりました。今じゃ完全に開き直っています(笑)」人と自分を比べない持ち前の性格が、アナウンサーという職業で唯一無二の存在感を光らせた。「嘘はつきたくないし、思ってもいないことは言いたくない。さらに、誰にでも言えることを言っていても、制作者が私を選んでくれた意味がないと思うんです。そういう気持ちでオンエア上で発言してたら、『毒舌』とか言われちゃうんですが(笑)。でも当たり障りのない70~80点のコメントで、置きにいきたくない。やらせてもらうからには、自分にしかできないこと、自分にしかできない発言をしたいと思っています。その結果嫌われてしまっても、仕方ない。私の意見は、数あるバリエーションの1つでしかありませんから」勇気のある心意気で、自分らしさを武器に変え、今では4本の番組MCを任され、エッセイの執筆などその活躍は多岐にわたる。「やりたいことをやるためには、口に出すようにしています。ただ、私がやることでどうメリットがあるのか、どう仕事に還元できるのか、アピールすることも大事。会社と自分も、win‐winの関係が一番いいじゃないですか」Hironaka Ayaka’s History・22歳…アナウンサーとしてテレビ朝日に入社。『ミュージックステーション』のサブMCに抜擢。・26歳…深夜バラエティ『激レアさんを連れてきた。』でMC助手に抜擢。・29歳…MCに抜擢された新番組が3つスタート。私をつくるキーワード1、仕事「アナウンサーの仕事にかかわらず、自分の可能性やキャパシティは自分ではわからない。だからもっと自分を最大限使って、仕事していきたいと思っています」2、友人「学生時代から付き合ってきた大切な友達が数人。この人たちがいなかったら、ここまで来るのは本当にムリだったな、って感謝しています」3、ごはん「今は外出できないので、自炊やテイクアウトですが、食べることが大好き。朝昼晩、毎日ちゃんと食べるし、ずっとごはんのことを考えて生きてます(笑)」ひろなか・あやか1991年2月12 日生まれ、神奈川県出身。テレビ朝日のアナウンサーとして『あざとくて何が悪いの?』などの人気番組のレギュラーをいくつも持つ。雑誌『Hanako』(マガジンハウス)で連載中の『弘中綾香の純度100%』が書籍化されて発売中。※『anan』2021年2月24日号より。写真・宮崎健太郎取材、文・若山あや(by anan編集部)
2021年02月21日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。言葉は心〜新しい価値を生み出すやまとことば『兆し』という言葉が好きです。兆し:物事が起ころうとしている気配どんな物事なのか。吉凶合わせた『物事』とは思いますが、どこか希望を感じるのです。見えてはいないけれど、勘がする。冬の寒さの中にほんの少しだけ明るさを感じる。風の片隅にふっと温かみを感じるような。あ、春に向かっている。葉を落とした木々も、寒さの中で芽吹くための準備をしている。そんなことに思いが至ると少しうれしくなる。そんなささやかな変化を捉える感性を大切にすると、日常の中に少し彩りが生まれます。『きざし』には、『萌し』という言葉もあります。『萌し』は、植物の芽生えのこと。季節を感じるやさしい言葉です。このような言葉も季節の変化を楽しみ、心を豊かにするものです。白か黒か。善か悪か。成功か失敗か。合理的な思考、合理的な解決法は確かに経済や工業に発展をもたらしたかもしれませんが、二元論だけでは解決しないことがあります。いまの世界、日本の状況を考えても、このような二元論は限界にきていると思います。限界とは、人が寛容さを失うこと。失敗を許さない世界は、人と人とを分断していく流れになるのではないかと危惧しています。言葉は心です。人の思考、心を和らげる助けになるのがやまとことばです。漢語や外来語に対する、日本の固有語です。言霊といって、言葉にはその心が宿っていると言われています。白か黒だけではない。灰色があってもいい。玉虫色もあるのではないか。曖昧と言われる空間にある人間らしさであったり、余裕、余白、味わい、心の機微がやまとことばにはこめられています。『きざし』もそんなやまとことばの一つです。『前兆』『兆候』というよりも『きざし』と言ったほうが、まろやかさがあります。または目に見えない危うさも。白か黒、善か悪だけを見るのではない、他の価値。やまとことばで考えると、新しい価値を見いだしていけると思います。たとえば『感動』という言葉。『感動』ではどのような感動だったのかは伝わりません。しかし、「心を打った」「心がふるえた」「胸を打った」「胸がふるえた」と表現すると、それがどんな感動だったのか伝わります。言葉から世界を変えられるでしょうか。言葉は心の表れ。少なくとも丁寧な言葉を心がけることによって自分の周りはまろやかになり、それは波紋のように広がっていくのではないでしょうか。その『きざし』を表すのは、いま、私たちが口にする言葉にあるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年02月21日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。『この瞬間』の思いを大切にすることある日の夕方、ふと窓を見るとレースのカーテン越しに雲がピンク色に染まっていました。写真を撮ろうとスマホを取りに行き、外に出てみると、すでにピンク色は褪せ、雲はほとんどグレイになっていました。縁にうっすらとピンク色の名残り。それも瞬く間にグレイになっていきました。その瞬間でないと掴めないものがあります。ピンク色の雲を見た瞬間の感動やときめくものを、その瞬間に味わいきる。それが、心に、そして記憶に刻まれる感動やときめきなのだと思います。写真に残すよりもそのほうが『人生の一部』になるように思います。振り返ってみると、その瞬間に選ばなかった大切なものがいくつもありました。心は掴もうと思っていても、ためらいや欲や世間体のようなものが頭をよぎっていきます。こんなとき、心に従えば良いものを、頭で判断してしまう。そして悔やむことがあっても、いろいろな理由をつけて頭で納得しようとする。でも、心にはずっと残念な思いが残っていたりするのです。もうすぐ母が亡くなって五年目を迎えます。最後に会ったあの日から丸四年の月日が経ったのですが、いまもまだ最後に私を見ていた母の顔を忘れることができません。大きな手術をしてすっかり弱ってしまった母は、療養病院から介護ホームに移り、そしてクリスマスイブの朝に脳梗塞を起こし、右半身が動かなくなり、言葉も出なくなりました。急性期の病院での治療が終わり、リハビリの病院へ移りました。しばらく落ち着いていたのですが急速に弱くなり、また病院を移ったその日。病室を整え、帰ろうとしていたときでした。「ママ、じゃあ明日も来るからね」と言うと、母は置いてきぼりにされてしまう子どものような顔をして私を見ました。「明日ね、ゆっくり休んでね」そう言って病室を出るときも、母はそんな顔をしていました。もう少しいようかな、と思ったのですが、仕事が残っていたので帰ることを選びました。それが、生きている母を見た最後でした。その瞬間の心を選ぶ。そして味わいきる。多くの情報があり、多くの知識があり、そこに欲や世間体が割って入り、頭の中はとても忙しい。合理的な方法を選択することが、より快適で、より生活を高めると信じている……そんなことはないでしょうか。『いま、ここ』の自分の声を聴くこと。思いを置き去りにすることなく、『いま、ここ』を味わいながら過ごす。それは、自分を大切にすることでもあるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2021年02月14日