浦沢直樹の同名コミックを映画化し、第1章、第2章共に大ヒットを記録したシリーズ3部作の最終章。世界の滅亡に向かって暗躍する“ともだち”と、彼の暴走を止めようとする者たちの戦いがついに完結する。第1章では“ともだち”が新宿を爆破するまで、第2章では銃弾に倒れた“ともだち”が奇跡の復活劇を演出するまでが描かれていたが、最終章となる今回は、“ともだち”が恐怖政治を敷く2017年からスタート。殺人ウィルスが蔓延し、高い壁で分断された東京が映し出される。壁を越えて東京に侵入するオッチョ、第2章のヒロインとして活躍したケンヂの姪・カンナ、反政府組織を率いるヨシツネら、“ともだち”に立ち向かうそれぞれの戦いが展開する中、物語はクライマックスに向かって加速。登場の仕方やキャラクター設定で意外性を発揮する豪華助演陣やトボけたユーモアで笑いを取りながら、スリルとミステリーに拍車がかけられていく。とは言え、マスコミ向けに披露されたのは、ラスト約10分間をカットした“特別編集版”。ラストシーンを謎に包んだまま劇場公開に持ち込みたい製作側の意図によるものらしい。撮影時にさえも、ラストシーンを伏せたバージョンの台本が多くの関係者に用意されたのだとか。そのせいかどうか、シリーズ3部作を締めくくる最終章のわりに、“特別編集版”はラストのみならず全体があっさりとした口当たりに。各キャラクターに一様の見せ場はあるし、一応のラストシーンに一定のカタルシスはあるものの…。この感覚はラスト10分を観れば解消されるものなのか否か、機会があれば劇場で確かめたい。(text:Hikaru Watanabe)■関連作品:20世紀少年<最終章>ぼくらの旗 2009年8月29日より全国東宝系にて公開© 1999,2006 浦沢直樹 スタジオナッツ/小学館© 2009 映画「20世紀少年」製作委員会 20世紀少年<第2章> 最後の希望 2009年1月31日より全国東宝系にて公開© 1999,2006 浦沢直樹 スタジオナッツ/小学館 © 2009 映画「20世紀少年」製作委員会20世紀少年 第1章 2008年8月30日より全国東宝系にて公開© 1999浦沢直樹スタジオナッツ/小学館 © 2008「20世紀少年」製作委員会■関連記事:溝端淳平がよさこいを踊る!本場・高知を舞台にした青春ムービー製作決定トヨエツ、現役引退で解放感?『20世紀少年』ラストに向けてカウントダウン!平愛梨号泣に温かい拍手の一方で、ユースケセクハラ満載トークに会場ドン引き?元&現役肥満児たちが大集合?『20世紀少年』完成披露イベント“ともだち”に原作と異なる新解釈!『20世紀少年』 引退を懸けて臨むのは誰?
2009年08月28日日本最大級の夏の祭典、よさこい祭りの発祥地、高知県を舞台に、新たな感動作が誕生――。いま人気沸騰中の若手俳優、溝端淳平を主演に迎え、よさこい祭りに情熱を傾ける若者たちが夢に向かって突き進んでいく姿を描いた青春ムービー『君が踊る、夏』が製作されることが決定した。本作で溝端さんが演じるのは、プロのカメラマンを目指して高知から上京した青年、新平。上京から5年後、東京の生活に疲れ故郷に戻ると、かつて一緒に上京する約束を交わした恋人、香織と再会。香織は、余命わずかと宣告された妹・さくらの願いを叶えるべく、奔走していた。その願いとは、かつて新平と香織が所属していた伝説のチーム「いちむじん」でよさこいを踊ること。香織の気持ちを知った新平は、再びよさこいを踊ることを決意するのだが…。ヒロイン・香織役に抜擢されたのは、『20世紀少年』の小泉響子役で一躍脚光を浴びた新鋭、木南晴夏。難病に冒された妹のさくら(大森絢音)の夢を叶えるため奮闘する一途な女性を演じる。既に8月10日(月)から3日間にかけて、本番の「よさこい祭」の実景の撮影を敢行した本作。実際にお祭りを見学した溝端さんは、「自分が想像してた以上にみなさんの熱意がすごくて圧倒されました。みなさんがどういう気持ちで伝統を守りながらよさこいに取り組まれているのかが伝わってきて、何より驚いたのが真夏の炎天下の中、全員が笑顔で踊っていたこと。今回、よさこいを題材にした映画をやらせてもらうことを誇りに思いながら、高知の伝統を、笑顔を、全国のみなさんに届けられる作品になるように精一杯頑張ります」と意気込みを見せている。一緒に現地に赴いた木南さんも「ぴったりと息の合ったよさこいを見たとき、これだ!これを伝えなければ!と強く自分の胸に叩き込みました。高知のみなさん始めたくさんのみなさんに、胸を張ってお薦めできる最高の映画にしたいです」と力強いコメント。本作の撮影は、9月下旬にクランクイン、11月上旬にクランクアップ予定、来年秋の公開を目指す。高知での撮影は全体の4分の3を占め、10月上旬から下旬にかけて市内で実施され、よさこい祭の再現も予定されている。『君が踊る、夏』は2010年秋、公開予定。■関連作品:君が踊る、夏20世紀少年<最終章>ぼくらの旗 2009年8月29日より全国東宝系にて公開© 1999,2006 浦沢直樹 スタジオナッツ/小学館© 2009 映画「20世紀少年」製作委員会■関連記事:トヨエツ、現役引退で解放感?『20世紀少年』ラストに向けてカウントダウン!平愛梨号泣に温かい拍手の一方で、ユースケセクハラ満載トークに会場ドン引き?
2009年08月27日累計発行部数2,800万部、世界13か国で翻訳出版される浦沢直樹の大ベストセラー・コミックを3部構成で映画化した『20世紀少年』。1年に及ぶ撮影期間を経て、昨年の8月に第1章、今年1月に第2章と公開されてきた本作が、遂に完結!『20世紀少年<最終章>ぼくらの旗』が8月29日(土)より公開される。これに先立ち、7月28日(火)、本作の完成披露イベントが開催され、主演の唐沢寿明に豊川悦司、常盤貴子、香川照之、平愛梨、石塚英彦(ホンジャマカ)、宮迫博之(雨上がり決死隊)、山寺宏一、佐野史郎に原作者の浦沢直樹、企画・脚本の長崎尚志の総勢11名が登場した。イベントのオープニングでは、暗転したステージにレーザー光線を放つ“ともだち”が現れるや、特大飛行船が客席に向かって飛び出すという豪華な仕掛けで観客を魅了。キャストがその背後から揃って登場すると、会場の興奮は最高潮に。第2章でのブランクを経て、謎の男・矢吹丈としてシリーズに戻ってきたケンヂ役の唐沢さんは、開口一番「ジョンソン綿棒です」と謎の挨拶を交わし、「第3章は、第1章、2章よりエンターテイメント性が増しているので、どこを見てもラストシーンじゃないかと思うほどです。私の言ってることワカリマスか?」とそのまま独走体勢で観客の笑いを掴んだ。これを受けて口を開いたオッチョ役の豊川さんは、「今日で僕たちも現役を引退しますが、『20世紀少年』の名は永遠に残ると思います。唐沢さんの後に挨拶するのもこれで最後だと思うと、やっと気持ちが楽になります(笑)」ともらしながらも、仲の良さをうかがわせた。これに便乗して、ヨシツネ役の香川さんも「軽い武道館のようなこの(会場の)大きさにもめげずに、『ジョンソン綿棒です』といつものように言う唐沢さんをすごく尊敬します」とコメント。作品については「第3章では、なぜ“ともだち”という人間が出来てしまったのか、心理的な面まで描かれていて、深くてすごい」と絶賛した。「こんばんは、東方神起です」と挨拶するのは、マルオ役の石塚さん。「第1章、2章とマルオをやってきましたが、第3章では飛行船の役に挑戦しました」と、巨大飛行船を横目に自虐ネタを披露した。第1章から3部作全てに出演した者、途中から参加した者、そしてブランクを経て再びシリーズに戻ってきた者。キャストそれぞれの作品への関わり方は異なるが、3部作通してユキジ役を全うした常盤さんは、長い月日をふり返り、「やっとこの日が来て嬉しく思います。みなさんと一緒になって『20世紀少年』を盛り上げながらこの日を迎えられて、本当にワクワクしています」とラストを迎える喜びを語った。また、ケンヂの姪・カンナ役の平さんは、「大好きなケンヂ叔父さんが戻ってこれるように、“原っぱ”のメンバーと一緒に、一生懸命取り組んできました。唐沢さんが戻ってきて、みなさんと一緒にこの場に立てていることを本当にありがたく思います」と感激を表した。一方、第1章以来の出演となったケロヨン役の宮迫さんは、「第1章ではポスターに顔が載らない、第2章では出てこないという…、非常に悲しい思いをしましたが、第3章では活躍していると思うので見てください」と、いない間に出来たキャスト陣との溝を明かし、一人悲しげな表情を見せた。今回、特殊メイクで別人と化した佐野さんは「映画の中では太ってますが、ダイエットをして戻りました(笑)。今回はヤン坊・マー坊、活躍してます。決してイジメっ子だけではありません」と自身の役どころをアピールした。声優としても活躍するコンチ役の山寺さんは、「(出演の)お話が来たときは、『20世紀少年』のアニメ化だと思ってたんです。そしたら、何と顔を出してくれと言われて、とにかくファンの方を裏切らないように顔を出すようにしました(笑)。ずっと浦沢先生の作品に出るのが夢でしたが、本当に素晴らしい作品で夢が叶って感無量です」と語った。そして、本作の原作・脚本を手がけた浦沢さんは、キャスト陣に向かって「みなさん、長い間ご苦労さまでした」と労いのコメント。完成作について「みなさんにお薦めできる名作が誕生してしまいました。原作者が言うのだから間違いありません。12年間、この作品に関わっている原作者が言うのだから、よほどのことです」と太鼓判を押し、納得した様子で我が子を送り出した。最後は、恒例となった豊川さんの三本締めでイベントが終了、クライマックスに向けて華やかなスタートを切った。ちなみに、本作の試写会では全てラストの10分をカットした本編が上映されるという、徹底した秘密主義を敢行。その結末は劇場で確かめるしかない――。『20世紀少年<最終章>ぼくらの旗』は8月29日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:20世紀少年<最終章>ぼくらの旗 2009年8月29日より全国東宝系にて公開© 1999,2006 浦沢直樹 スタジオナッツ/小学館© 2009 映画「20世紀少年」製作委員会 20世紀少年<第2章> 最後の希望 2009年1月31日より全国東宝系にて公開© 1999,2006 浦沢直樹 スタジオナッツ/小学館 © 2009 映画「20世紀少年」製作委員会20世紀少年 第1章 2008年8月30日より全国東宝系にて公開© 1999浦沢直樹スタジオナッツ/小学館 © 2008「20世紀少年」製作委員会■関連記事:平愛梨号泣に温かい拍手の一方で、ユースケセクハラ満載トークに会場ドン引き?元&現役肥満児たちが大集合?『20世紀少年』完成披露イベント“ともだち”に原作と異なる新解釈!『20世紀少年』 引退を懸けて臨むのは誰?
2009年07月30日