お笑い芸人の平野ノラ(39)が5日、自身のブログを更新し、“30代ラスト”というビキニ姿を公開した。ビキニ姿を披露した平野ノラ=アメブロより「今日は」と題して更新されたブログでは「やっP~! 今日は仕事が3本とハードでした。だけどずっと出たかった番組に出演することができたゾ! おったまげなサプライズもあってありがたバブリー!」と喜びを報告。そして、「今日はビキニの日」と肌を大胆に露出したビキニ姿を公開し、「先週のシンガポールにて太って57キロ! あと2キロ減量して戻す予定! 脇の横の肉が気になる…30代ラストビキニ 全てはポージングにあるゾ」と、現在の体重を明かすとともに、ダイエットを宣言した。最後は「やるゾ!やるゾ!やるゾ! OKバブリー!」と気合十分なコメントで締めくくった投稿に、ファンからは「とても美ボディ過ぎてびっくり」「羨ましい」「すごいセクシー!!」「色白さんで、スタイル抜群で素敵です」「全然太ってない!!」「スタイル凄く素敵」「少しお肉ついてた方がセクシーよ!」など、驚きと絶賛の声が続出している。
2018年07月06日アイドルグループ・King & Princeの平野紫耀が12日、主演映画『honey』(公開中)の鬼キュン・ヒット御礼舞台挨拶に、平祐奈、高橋優とともに登場した。同作は目黒あむの同名コミックを実写化。平野演じる鬼S不良男子・鬼瀬大雅が、平祐奈演じるヘタレでビビリの女子高生・小暮奈緒に突然プロポーズしたことから、2人の関係が始まっていく。平野の天然っぷりに、撮影中「平野語録」を作っていたという高橋。平野の家族の話をしていた時に「ご兄弟はいるの?」と聞いたところ、「お経ですか!?」と聞き返されたエピソードを披露した。平も、平野が子役の女の子に「今日はなんで来たの? 撮影?」と当たり前のことを聞いてたと暴露。平野は「たまたま近所だったのかなって」と弁解しつつ、「監督もメモを作ってるんですよ。優くんはつっこんでからメモを取るけど、監督はそのままメモを取るので、ただただカオスに」とこぼしていた。イベントでは、平野と高橋がお弁当盛り付け対決を行い、平にジャッジしてもらうことに。得意料理が回鍋肉だという平野は「メンバーの子に振舞ったりもしますね。高橋海人って子。よくうちにくるんですよ。俺より先に帰宅してるんですよ。家に帰ったら、逆に『ただいま』って言われる。いや、『おかえり』か」とボケつつ、「人って本当においしいもの作る時って無言じゃないですか。(高橋海人は)無言でした」と胸を張った。事前に盛り付けられていた2種類の弁当を見た平は、2番をチョイス。盛り付け担当者が明かされると、高橋が勝利という結果になった。平野は「縦で見て欲しい」と弁当の見方を注文しつつ、「富士山を作ろうと思って。和の心を忘れないようにしようと思った」「富士山の上でハチさんが2匹恋する物語」と意図を説明する。平が「量(の少なさ)が気になるよね」とつっこむと、「観賞用のお弁当なので。そういうつもりではありません」ときっぱり答えた。一方の高橋は「ハチを2匹、卵焼きで。バラを入れたいと思ったら、食べれるお花があったのでそれも入れて。あとは肉とかあったらお腹が満たされるかなと思って」と説明し、「僕は、食べる用で」と語る。また盛り付け中にさやえんどうを食べていたことを暴露された平野は「さやえんどうを刀に見立てて入れようと思ったけど、緑なので、刀じゃないんですよ。諦めて食べてました」と理由を明かした。
2018年04月12日アイドルグループ・King & Princeの平野紫耀が主演を務める映画『honey』(公開中)に、ビタミン炭酸MATCHが登場していることが2日、明らかになった。同作は目黒あむの同名コミックを実写化。平野演じる鬼S不良男子・鬼瀬大雅が、平祐奈演じるヘタレでビビリの女子高生・小暮奈緒に突然プロポーズしたことから、2人の関係が始まっていく。ビタミン炭酸MATCHは、平野が単独でCMキャラクターを務めている飲料。平野演じる主人公・鬼瀬大雅が自身の部屋で好きな女の子・奈緒への想いを募らせ、「勉強を教えてほしい」と携帯電話でメッセージを送ろうとするシーンに登場する。送信ボタンを押すところで緊張のあまり躊躇し、MATCHを飲みほすという初恋のもどかしさが描かれ、本編内では「アドリブも飛び出した」という見どころシーンのひとつにもなっている。さらに、映画『honey』の公開を記念して、3日~16日まで、ファミリーマート、サークルK、サンクスにて、「honey×MATCHオリジナル平野紫耀クリアしおり」の店頭プレゼントキャンペーンの実施が決定した。同商品がなくなり次第キャンペーンは終了となる。
2018年04月02日3月31日公開の映画『honey』の公開直前イベントが15日、都内で行われ、平野紫耀(King & Prince)、平祐奈、神徳幸治監督が出席した。映画『honey』の公開直前イベントに出席した平野紫耀(右)と平祐奈目黒あむ原作の大人気コミック『ハニー』を実写映画化した本作。不良なのにキュートでピュアな高校生・鬼瀬大雅とヘタレでビビりな女子高生・小暮奈緒の甘酸っぱい恋愛を描く。主人公の鬼瀬大雅には映画初主演となる平野紫耀、鬼瀬の初恋相手となる小暮奈緒には平祐奈、奈緒と暮らす叔父の宗介には高橋優がそれぞれ演じている。そんな本作の公開に先駆け、この日は108人のカップルを招いての試写会&舞台あいさつを実施。舞台あいさつ前には平野と平が会場の入り口で108人のカップルをお出迎えするというサプライズも行われた。カップルたちにバラの花を手渡した平野は「何人か気づいてない方もいらっしゃいました(笑)」とショックを隠しきれない様子だったが、平は「初めてやりましたが新鮮でしたね」と満足した様子だった。続けて本作の話題となり、本作のオファー前に原作を読んだという平野は「漫画のイメージだと壁ドンを1ページに1回ぐらいはやっているイメージでした。なので僕は原作を読みながら自分の部屋で壁ドンをしていたら、お婆ちゃんに怒られて(笑)」と明かすも、「壁ドンが一向に出てこず…(笑)。ちょっとはやってみたかったですね」と残念がった。お気に入りのセリフについては「鬼瀬が奈緒ちゃんに言った『好きになってもらうために必死なんだわ』というセリフ」とあげて、「元々台本にはなかったんですが、監督が漫画を持ってきて『今からこれ言ってくれる?』とお願いされて急遽決まったセリフです。そこは僕の好きなセリフだし、ぜひ観て欲しいシーンです」とアピールしていた。新生活がスタートする春の訪れにちなみ、MCが「この春に始めたいことは?」と2人に質問。その質問に平野が「居合斬りをしたいです。畳をぐるぐると巻いて筒状にし、それを本物の刀で斬るという。多分ケガをすると思いますね」と珍回答すれば、平も「私、滝行したいです。ずっとやってみたいと思っていて、今年こそは滝行をして日本らしさを感じたいです」と意外な答えに客席の笑いを誘っていた。映画『honey』は、3月31日より全国公開。
2018年03月16日アイドルグループ・King & Princeの平野紫耀が21日、都内で行われた主演映画『honey』(3月31日公開)の完成披露試写会舞台挨拶に、平祐奈、横浜流星、水谷果穂、浅川梨奈、佐野岳、高橋優、神徳幸治監督とともに登場した。同作は目黒あむの同名コミックを実写化。平野演じる鬼S不良男子・鬼瀬大雅が、平祐奈演じるヘタレでビビリの女子高生・小暮奈緒に突然プロポーズしたことから、2人の関係が始まっていく。久しぶりに集結した共演者陣に、平野が「ちょっと開くとダメなんですよ。人見知りなんですよ」と弁解すると、横浜は「嘘つけ。さっきだって、俺に抱きついてきたもん。『お〜流星』って」とつっこむ。平野は「流星は唯一同い年で仲良くさせてもらったんですよ。女性陣は、一旦縮まったんですけど、数日開いたことによって一歩下がってる状態なので」と苦笑した。作品にちなみ「鬼キュン」エピソードを聞かれた平野は「タクシーの初乗りが安くなったじゃないですか」となぜかタクシーの話から始め、出演者陣が総ツッコミ。よくタクシーを使って近い距離を移動していたところ、1,020円の会計でタクシー運転手から「20円はいいよ」と言われ、鬼キュンしたという。さらに「初主演」にかけて、初体験したいことを聞かれた平野は「無人島!」と元気に答える。「身内の方々に甘えてる自分がいるなと思って、『これじゃいかん!』と思って」とサバイバル生活に意欲を見せた。すると、司会から「公開初日までに"108のはじめて"に挑戦する」という企画がサプライズ発表。苦手なしいたけを克服するなど、108の"はじめて"を探して挑戦しなければいけなくなった平野は「多くないですか!?」とうなだれていた。最後に平野は「映画『honey』は僕が初主演で、思い入れもあってとても気合いの入っている作品となっておりまして」と思いを表す。「僕に似ていると言われている、(スノーボードの)平野歩夢選手がオリンピックで銀メダルを取ったということで、僕はこの映画で金メダルを取りたいと思います!」と宣言すると、会場は大きな拍手に包まれた。
2018年02月21日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『TACOS Shop(タコスショップ)』のメキシカンタコスです。バインミーブームの次はタコスが来る。それもアメリカンタコスじゃなくて本場のメキシカンタコスだ。なんて無責任なことを言いたくなるのは吉祥寺の『タコス ショップ』と鮮烈な出合いを果たしたから。去年の冬、ハモニカ横丁の一角にオープンしたその店は、スタンディングのタコス屋だ。ふらっと入ってさくっと食べて。魅力的なバリエーションのタコスをお寿司感覚で、ナチュラルワインや燗酒と一緒に楽しめてしまう。味の要は一枚一枚手焼きするトルティーヤ。モサッと好きにはたまらない独特の食感と、マサ粉(とうもろこし粉)ならではの滋味深い香りが口いっぱいに広がって、ひゅーっとメキシコの風が吹く。店主の近藤輝太郎さんは、「なんとなくずっと気になっていた」タコスカルチャーを、現地オアハカで体験してますます惚れ込んでしまった人。「僕はナポリピザの店もやっていて、異国のソウルフードが好きなんです。現地では軽食的存在で、街のいたるところに屋台があり、昼夜問わず食べられる。そういう風景が魅力的で」。メニューはクラシックなもつ煮から白子ひじきなどの創作系まで幅広い。それぞれの味にあった新鮮なサルサソースをかけて、パクチーを散らし、ライムをギューッと搾れば「何をのせてもタコスになる」。自由なフォーマットに、気軽で奥深いおいしさ。南米ソウルフードの熱に今、浮かされている。ホルモンと白いんげん豆の煮込み¥300(奥)と、白子とひじき¥600(手前)。自家製サルサソースも数種類あり、メニューによって使い分ける。いくらでもギューッと搾ってOKな卓上ライムは、現地スタイル。東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-5TELなし17:00~26:00(土・日・祝日は13:00~)※営業時間は変更の可能性あり不定休営業情報はインスタグラム(@tacosshopk)を確認。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2018年2月21日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2018年02月14日平野紫耀(Mr.KING/ジャニーズJr.)が、平祐奈を相手役に初の本格ラブストーリーに挑む映画『honey』。このほど、平野さん演じる主人公・鬼瀬くんにギャップ萌え必至な、原作の名シーン満載の新予告映像が公開された。目黒あむによる人気少女マンガを原作にした本作。平野さん演じる主人公の鬼瀬大雅は、赤く染めた髪と鋭い眼で“超”不良と恐れられていたが、本当は思いやりに溢れた料理上手な“ギャップ”好青年。今回の新予告映像でも、キュンキュンのシーンから始まると思いきや、ハードな雨の中のアクションシーンからスタート。続いて、特報で話題を呼んだ「結婚を前提に付き合ってください!!」という突然のプロポーズに、まさかの手作りのお弁当など、原作の名シーンがちりばめられ、初めての告白や、初めての失恋、初めての嫉妬…などなど、たくさんの“初めて”と甘く切ないシーンが目白押し!平野さん演じる、見かけとは違ったキュートでピュアな主人公・鬼瀬くんにはギャップ萌え必至で、「青春」と「初恋」のすべてが詰まった新予告映像となっている。また、平さん演じる奈緒の叔父・宗介役のシンガーソングライター・高橋優をはじめ、横浜流星、水谷果穂、浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)、佐野岳といった2人を取り巻くキャストたちも登場している。さらに、12月23日(土)からは全国の上映劇場にて、鬼キュンステッカー&クリアファイル付きムビチケカード発売開始が決定(数量限定/なくなり次第終了)。鬼瀬くんがバラの花束、ヒロイン・奈緒が赤い傘のキーアイテムをそれぞれ持つクリアファイルと、ドッキドキの鬼キュンゼリフ、原作の画などが入ったステッカーもまたファンを萌えさせてくれそうだ。『honey』は2018年3月31日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月19日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『ガストロノミア シチリア屋』の惣菜4種盛りです。白山駅のすぐそばに小さな惣菜屋さんがオープンした。しかもシチリア料理に特化した、少し風変わりなお店だ。ポルペッティーノにコッツェペパーテ…?ショーケースには聞きなれない名前の惣菜が並ぶ。それらは決して華美ではないけれど、ものすごくおいしそうな顔をしている。店を開いたのは大下竜一さん。白山の人気シチリア料理店『シチリア屋』のご店主。「僕は家庭の中のシチリア料理を伝えたい思いが強いんです。だからレストランの次にお惣菜屋さんを開くのは自然な流れでした」。シチリアでの修業時代、大下さんが心を奪われるのはきまって素朴な郷土料理だったという。「老舗レストランのまかないやマンマの作る煮込み料理が本当においしかった。そんな優しくて滋味深い味わいをより多くの人に伝えたくて」。おいしさのあまりマンマにレシピを聞き出したこともある。「茄子のソットオーリオは、村の屋台で農家のマンマが手作りしていた味を受け継いだものなんです」。茄子のおしんこのような爽やかな味付けは、食べ手を疲れさせない。「郷土料理って、食べても食べても飽きがこないんです」。店一番の素朴メニュー、モミナのクタクタ煮は、大根の葉をオリーブオイルでじっくり煮込んだ、ザ・南イタリアの味。噛みしめるごとに染み入るおいしさは、食べる人それぞれの田舎を想い起こさせるような優しい郷愁に満ちている。ガストロノミア シチリア屋 東京都文京区白山1-32-5K2白山101TEL:03・6801・517511:30~14:30、17:30~21:00(売り切れ次第終了)月曜休(不定休あり)惣菜の内容は日替わり。「青く美しい海、オレンジの風、おいしい魚介においしい料理、それから人の優しさ。シチリアって本当に天国なんです」と大下さん。そんなシチリアの風景を夢想できる惣菜4種盛り¥950(手前右・茄子のソットオーリオ、手前左・牛肉とアーモンドのポルペッティーノ、奥右・コッツェペパーテ、奥左・モミナのクタクタ煮)。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2017年11月22日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2017年11月21日男性声優のみで構成された「TVガイドVOICE STARS」のvol.4が12月8日(金)に発売されることが決定。今回の表紙は、江口拓也、木村良平、代永翼の3人からなる音楽ユニット「Trignal(トリグナル)」が飾ることが決定し、彼らの先行ビジュアルが到着した。これまで計3冊が発売されている「TVガイドVOICE STARS」。表紙には、第1弾の梶裕貴をはじめ、宮野真守、蒼井翔太といずれも大人気の声優が飾り、また声優専門の編集部ではないからこそ、既存の声優誌とは一線を画したエッジの効いたその内容が業界内外を騒がせていた。そして今回、最新号「TVガイドVOICE STARS vol.4」の情報が一部解禁!表紙を飾る「Trignal」は、「俺物語!!」「虹色デイズ」の江口さん、「東のエデン」「坂道のアポロン」の木村さん、「Free!」「曇天に笑う」の代永さんからなるユニット。入野自由や神谷浩史らも所属する男性声優によるエンターテインメントレーベル「Kiramune(キラミューン)」に所属し、2012年にアーティストデビューを果たした。そんな彼らは今年デビューからちょうど5周年を迎え、12月20日(水)には待望の2ndフルアルバムを発売。本誌では、40ページにわたって彼らを大特集。今回到着した先行カットでは、揃いのライダースジャケットに身を包んだ彼らの姿が。実に大人っぽく、スタイリッシュなグラビアが期待できそう。また、本日11月9日(木)に発売された「TVガイドPERSON vol.63」では、別カットが掲載されており、こちらも超クールな3ショットとなっている。全40ページの詳しい内容は未定だが、綴じ込み付録は「Trignal」の超ワイド両面ピンナップ。さらにアニメ専門店・アニメイトの限定特典としてA4サイズの「Trignal」クリアファイル、amazon限定特典は4種類の「Trignal」オリジナル生写真セットが付いてくるという。「TVガイドVOICE STARS vol.4」は12月8日(金)発売(一部地域は発売日が異なります)。(cinemacafe.net)
2017年11月09日ジャニーズJr.のユニット・Mr.KINGの平野紫耀が、映画『honey』(2018年公開)に主演することが6日、わかった。平野にとっては映画単独初主演となり、ヒロインは平祐奈が務める。同作は目黒あむの同名コミックを実写化。平野演じる鬼S不良男子・鬼瀬大雅が、平演じるヘタレでビビリの女子高生・小暮奈緒に突然プロポーズしたことから、2人の関係が始まっていく。平野が演じる鬼瀬は、赤い髪と鋭い眼で”超”不良と恐れられるが、実は思いやりに溢れる料理上手な好青年という役どころ。平野は原作に合わせ、自身の髪を赤く染めて挑む。また、平も髪の毛を20センチ切り、人生初の茶髪に挑戦。映画『ピーチガール』で長編映画デビューを飾る神徳幸治監督がメガホンを取り、5月初旬から約1カ月間の撮影を予定している。神徳監督は、原作に合わせてイメージをチェンジした2人に会った時「僕も2人と『honey』という素敵な作品に出会えたことは運命だと感じました」と振り返る。また、原作の目黒は「出演が平野さんと平さんに決まったと聞いて色々拝見させて頂いたのですが、笑顔がとても素敵で印象的なお二人だったので、笑顔を大切に描いてきたハニーの世界観にとてもぴったりだなと思いました」と太鼓判を押した。○平野紫耀コメント映画の単独主演をやらせて頂くことも、ラブストーリーも初めてで、お話をいただいたときは、シンプルに嬉しかったです。色々な共演者の方がいらっしゃるので、負けないように頑張りたいです。(鬼瀬は)髪の毛を赤くして「不良」で「S」のようですが、好きな女の子に対しては一途でとてもピュアな ので、こんな男子が現れたら絶対モテるだろうなと思います。根はしっかりした子なので、真剣なシーンは 目に力を入れて演じたいと思います。(初共演の)平さんは、明るくて、魅力的で、皆さんそういうところに惹かれるんだろうなと思いました。初めての赤髪は、自分では見慣れなかったのですが、周りの方から赤髪の方が良いと言って頂けて、意外と鬼瀬に近づけたのかな、と内心ホッとしています。観てくださる皆さんが、こんな恋がしたいと思えるようなときめきを味わって頂けたらうれしいです。○平祐奈コメントお話を頂いて、奈緒ちゃんという女の子がまっすぐでピュアで、すごく可愛らしいなと思いました。内容もとても純粋で、初恋の素敵なお話になっているので、撮影に入ることがずっと楽しみでした。今回初めて髪を染めて、20cmも切ってドキドキでしたが、心機一転、奈緒ちゃんに近づけるように、まっすぐな女の子を演じられるように頑張っていきたいと思います。鬼瀬くんは、一見怖そうで、髪も赤いので、不良なのかなと思うのですが、すごいギャップを持っていて、こんな恋愛が本当にあったら良いのに、と思いました。平野さんは、初めてお会いした時から天然な部分が鬼瀬くんに似ていて、漫画から飛び出してきたようで、そのまま「鬼瀬くんだ」と思いました。
2017年05月06日「これ、ちょっと切りたいよね~。ハサミ、ハサミ、ハサミじゃなかったら、包丁ある?包丁~!」 張り詰めた緊張感のなか、突然、料理愛好家・平野レミさんの甲高い声が響いた。まるで自宅で料理しているかのような調子だ。しかし、そこは4月からスタートしたNHK『ごごナマ』の生本番中のスタジオである。その名のとおり“生放送”が売りの帯番組で、レミさんは、毎週火曜の料理コーナーを担当している。だから、その瞬間もカメラは回り、放送は続いているのだ。 「あ、お肉、切りますか?」と、慌てて声をかけた島津有理子アナに、レミさんは平然と「うん。だって、デカすぎるんだもん、これ」と答えた。事前の段取りでは、肉を切る手順は省かれていたのだろう。大慌てでスタッフが駆け寄り、包丁を手渡すと、皿の上に載ったままの牛肉に、大胆に包丁を入れた。 「今日は『秘伝・牛トマ』です」。レミさんは何事もなかったように、これから作る料理の名前を紹介すると、今度はいきなり、煮えたぎる鍋のお湯に人さし指を突っ込んで「熱っ!」。見る者をヒヤヒヤさせる彼女は、人呼んで「歩く放送事故」。事故寸前のハプニングが逆に人気を呼んでいる。 ’14年10月、同じくNHKの『あさイチ』で披露した「まるごとブロッコリー」という料理の生放送は、“神回”とさえ呼ばれているのだ。ブロッコリーを切り分けず、まるごと使う大胆かつ斬新な調理法だけでも目を引くが、それだけで終わらないのがレミさんだ。 調理中、鍋の蓋が手近に見当たらないと、長年、スタジオのセットとして飾りに使われていた埃まみれの鍋蓋を使い、段差につまずいてコケ、揚げ句、完成したブロッコリーがパタリと倒れて、皿からはみ出し、こぼれたソースで周辺はドロドロ。これには、出演者も視聴者も目が点。そして直後に大爆笑となった。 「え、あの放送が“神回”なんて言われてんの?あのあとオファーが山のように増えて、CMやら出版のお話やら、もう大騒ぎよ~。世の中って変よね~。失敗したほうが盛り上がるんだからさ~。でも、実は転んだとき、骨にヒビが入っちゃって。ブロッコリーだけじゃなく、私が倒れちゃった(苦笑)」 何事にも屈託のないレミさんは、料理番組のみならず、数多くのレシピ本を出版し、調理器具のプロデュースも手がけて、“料理愛好家”としての不動の地位を築いてきた。ただただ自由で楽しく料理したいから、“研究家”でなくて“愛好家”、その奔放さが私たちを魅了し続ける。
2017年04月28日お笑い芸人の平野ノラが、18日(18:57~21:26)に放送されるテレビ朝日系バラエティ特番『いきなり!超過酷伝説。』で、1週間ティラミスだけの生活を送る。平野は、今年9月にレギュラー放送を終了した『いきなり!黄金伝説。』の人気企画「○だけで1週間」に挑戦。今回は、バブル芸でブレイクした平野のために、バブル時代に流行した巨大なティラミスが用意されるが、甘さや噛みごたえのない食感に苦しめられる。その姿を「土にしか見えない」とボヤきながら、苦しめられた平野は、ついに"プッツン"。世界一のパティシエ・及川太平氏が作ったティラミスの表面に穴を掘ってカイワレ大根の種を埋め始めるという暴挙に出るほか、営業先での豪華ランチを取り上げられて号泣し、番組スタッフに「初めて殺意というものを覚えました」とまで漏らす。この日の放送では、別の若手芸人2人が、「湖に浮かぶボートの上で1週間、自ら釣った魚だけで生活」と「ヤギの乳だけで1週間生活」にそれぞれ挑戦。さらに、MCのココリコが、かつて同番組で挑んだ「1週間ガリだけで過ごす男」(遠藤章造)、「1週間ヤギの乳だけで過ごす男」(田中)、「1週間海苔だけで過ごす男」(田中)の映像も放送される。
2016年12月16日●最高のおもてなしを提供ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」が、人間の代わりにショップ店員となる日も近いかもしれない。ソフトバンクロボティクスとマイクロソフト コーポレーションが8日に行った共同記者説明会の内容は、そんな”小売業の近未来”を予感させるものだった。○両社が作る「未来の商品棚」小売業では現在、労働人口減による人材難、訪日客の増加による環境の変化、Eコマースの台頭といったことが課題になっている。ソフトバンクロボティクスとマイクロソフト コーポレーションがこの日に発表した、クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure(マイクロソフト アジュール)」やPepperを活用したソリューションは、こうした小売業の課題の解決を目指したもの。ソフトバンクロボティクス代表取締役社長の冨澤文秀氏は「クラウド×ロボット×デバイスで、ロボットが接客する”未来の商品棚”をつくる。これにより人件費を下げ、売り上げを伸ばし、顧客体験を向上できる」とアピールした。ちなみに両社はクラウドロボティクス分野で戦略的協業を締結しており、今後もお互いの長所を活かしたサービスを実現させていく構えだ。具体的な利用シーンについては、日本マイクロソフトの代表執行役社長である平野拓也氏から紹介があった。例えばPepperは人間の顔、年齢、性別のほか、会話の内容や相手の感情などを適宜取得できる。マイクロソフトではこれを小売業に向けて応用。Pepperの接客が商品の購入に直接結びついたか否かを、その際の顧客行動などを含めてPOS売上などのデータと紐付け、Microsoft Azure上にあるAzure IoT Suiteで解析することで、顧客のニーズをリアルタイムに把握できるプラットフォームに仕上げた。会場で流されたイメージ映像では、Pepperが来店者に「また来てくれたんですね。今日はメガネを外しているんですね。前に買ったスマホケースの調子はいかがですか。メールでオススメしていた製品はいかがですか」などと話す様子が紹介された。外国人の接客には、多言語翻訳機能「Microsoft Translator」を活用。店頭のPepperが同時通訳をこなすことで、店主は外国人を相手にスムーズに接客できる。また、系列店舗の在庫データを照会してSurface HubやSurfaceに表示することで、来店者は在庫の有無を容易に参照でき、経営者は事業計画、仕入れ計画の参考にできる。在庫の状況に応じてPepperが別の商品の提案をすることも可能。平野氏は「データが可視化されることで、経営者は最適なアクションをとれる。これにより、在庫がなくて売り逃すなどの機会ロスを減らせる。将来のリテール(小売)のフォーマットにしていきたい」と意気込んだ。「これまでも、ソフトバンク様とは様々なディスカッションを重ねてきた」と平野氏。”未来の店舗をつくる”をキーワードにした今回の取り組みについて、「最先端のテクノロジーにより、クラウドロボティクスの分野でイノベーションを起こしていきたい。お客様にとって、最高のおもてなしを提供できるのではないか」と期待感を口にしていた。●Watsonとはどう使い分けるのか○IBM Watsonとの棲み分けは?質疑応答には冨澤氏、平野氏の両社長が対応した。価格、販売形態について平野氏は「乞うご期待、といったところ。現在、詰めている」と回答。またプラットフォームにPepperを絡ませる利点について、冨澤氏は「例えば翻訳に関してはPCやスマホなどの端末を使う方法もあるが、人型ロボットを使うことで利用者はより感情移入しやすくなる。また、Pepperには表現力もある。ソリューション全体で考えたとき、Pepperが貢献している部分は大きい」との見方を示した。海外展開について、冨澤氏は「今秋は日本国内だけで展開する」としながらも、将来的には、グローバルも視野に入れているという。他業種への展開について、同氏は「小売り以外は、介護施設、ハウスメーカーなどから引き合いがあり、例を挙げていけばきりがない。そのうちの一部は、マイクロソフト社との提携になる」と説明している。このあと冨澤氏は、記者団の囲み取材にも応じた。この中で多くの質問があがったのは、IBM Watsonとの棲み分けについて。ちなみにWatsonとは、情報から学び、経験から学習する米IBMの人工知能システムだ。ソフトバンクではIBMと共同でWatsonの開発を進めており、Pepperへの活用も期待されている。マイクロソフトとの取り組みとIBM Watsonを、どのように使い分けていく方針なのだろうか。これについて、冨澤氏は「ニーズに適したものを使っていきたい」とコメント。明確な線引きについては触れず、「IBM WatsonはAIであり、Microsoft Azureは分析機能に優れている。利用者のQ&Aに答えるのはIBM Watsonの方が得意で、売上や在庫を的確に分析するのはMicrosoft Azureではないか」と私見を述べるにとどまった。流通・小売はMicrosoft Azure、金融はIBM Watson、などのような使い分けが予想される。***現在、国内外でロボットによるソリューション開発が進められているが、あらかじめターゲット層と用途を想定して作られた商品が少なくない。もっとも、従来のモノづくりではそれが常識だった。一方でPepperは用途を限定せずに開発された、オープン・プラットフォームのロボットである。業種・企業の枠組みを越えた、新たなソリューションが生まれやすい土壌がある。そこがPepperの強みとなっている。ではPepperを使った取り組みを軌道に乗せるためには、今後どのような課題を克服する必要がありそうか。例えば、世間のロボットに対する認識が進んでいない、という事実は乗り越えなければならない”壁”になることが予想される。Pepperが世間に「おもちゃ」と認識されているうちは、経営者は会社の業績を任せることに躊躇するだろうし、一般の消費者は金融の込み入った相談をPepperにはしないだろう。逆を言えばソフトバンクロボティクスでは今後、企業のユースケースを増やし、成功事例をコツコツと積み重ねていく必要がありそうだ。世間の認識が変わったとき、Pepperによるソリューションが軌道に乗り、”Pepper店員”が街のそこかしこに出現するかもしれない。
2016年03月09日VAIO株式会社がWindows 10 Mobile搭載スマートフォン「VAIO Phone Biz」を発表した。4月の発売が予定され、法人に対してはドコモとダイワボウ情報システム、個人向けには直販サイトのVAIOストアをはじめ、MVNO各社のほか、一部の量販店で入手できるようになるという。同社社長大田義実氏は、PCとしてのVAIOに付加価値を提供するためにスマホは欠かせないとし、Windows OSとともに歩み続けてきたVAIOとして、Windows 10 Mobileを採用することで、Windowsの世界を拡大するとした。日本は、Windows 10 Mobile搭載機が8社(ACER、FREETEL、geanee、NuAns、VAIO、ドスパラ、マウスコンピューター、ヤマダ電機)ものベンダーから提供されるという世界でも希有な国になる。なかでもVAIO Phone Bizは、一般的なブランドの知名度としては真打ち登場といったところだろうか。発表会には日本マイクロソフトから平野拓也代表執行役もゲストとして登壇、協業の喜びと法人市場盛り上がりへの期待を語った。また、ドコモの高木一裕法人ビジネス本部長(「高」の字ははしごだか)は、この6月に同社の企業向けサービス「ビジネスプラス」においてMicrosoft Intuneをラインアップすることを表明、ドコモの4バンドにフル対応し、CAもサポートするVAIO Phone Bizを自信を持っておすすめするとした。今のWindows 10 Mobileを取り巻く状況は、NECのPC-9800シリーズパソコンが国民機として普及していた1990年代に、多くのホワイトボックスベンダーが登場した当時を彷彿とさせる。最終的にホワイトボックスベンダーは、安いPCではなく、そこにソリューションを組み合わせることで活路を見いだしたわけだが、そんな状況で、大手ベンダーは模索の中で、差異化されたPCを高付加価値商品として提供するという道をたどった。ソニーのVAIOやパナソニックのLet’s noteは、その代表的なパターンではなかっただろうか。○独自のワンモアシングも欲しかった今回のVAIOは、あの当時とちょっと違う。もちろん、ソニーからスピンアウトしたという事情もあるが、最初から企業向けソリューションを前面に打ち出した製品訴求は、今後、同社がビジネス路線へ向かうことを示すもののように感じられる。まだ、海のものとも山のものともわからないWindows Mobileという新参OSを、AndroidやiOSといった既存OSが猛威をふるうなかで企業向けに提案していくためには、きちんとしたソリューションをあわせて提供する必要がある。8社もの参入ベンダーがひしめく中で、他社との差別化をアピールするには、その部分が重要だということを同社はわかっている。ただ、VAIOならではの技術的付加価値など、ハードウェア的な訴求、提案がもっとなくてもよいのだろうかという疑問も残る。発表会でアピールされた提案は、Windows 10 Mobileそのものの可能性を訴求するものばかりで、同じセリフをマウスコンピューターの発表会で繰り返されてもまったく違和感がないようなものにも感じられた。もちろんドコモのお墨付きや、Office 365サービスでのMicrosoftとの強力なタッグは他のベンダーとは一線を画する。Windowsとともに歩み続けてきた20年はさすがだ。でも、それに加えたVAIOならではのワンモアシングが欲しかったところ。より多くのVAIO PCを売るためには、Continuumを声高にアピールしている場合ではないとも思うのだ。(山田祥平 @syohei)
2016年02月08日●法人需要がメインターゲットVAIOは2月4日、東京都内で記者会見を開き、同社初となるWindows 10 Mobile搭載端末「VAIO Phone Biz」を発表した。製品投入時期は4月を予定しており、ビジネス需要を主なターゲットとする。一方で個人が購入可能な小売店での販売ルートを用意し、小売価格は5万円台を目指しているという。VAIO Phone Bizはスマートフォンのカテゴリーに属する製品だが、ソニーからPCメーカーとして分社したVAIOがなぜこのタイミングで同市場に参入するのか。VAIO代表取締役の大田義実氏は「過去20年近くにわたってWindowsとともに歩み続けてきたVAIOが、PCメーカーとしてビジネスユーザーの生産性や創造性を高めることが可能な提案ができるのではないだろうか」とその理由を説明する。○PC事業以外の柱を長野県の安曇野を拠点にPCの製造拠点を構えるVAIOだが、従来のPC製造で培った技術だけでなく、ペットロボットのAIBO製造で培った技術も含め、PC以外の領域へ進出を進めている段階だという。そうした成果の数々がコミュニケーションロボットの「Palmi」やスマートバンドの「Moff Band」などで、これらに対して製造開発支援を行っている。特に最近は「モノづくり」をキーワードにハードウェア系のスタートアップ企業が国内にも増えているが、マクニカの提供するスタートアップ支援プログラムにも参画しており、前述のPC以外の新規分野開拓を進めている。そのPCに次ぐVAIOの柱としてスタートしたのが「VAIO Phone Biz」のプロジェクトというわけだ。問題は、なぜあえてこのタイミングでのスマートフォン参入で、それがWindows 10 Mobile搭載端末なのかという点だ。同氏は「ビジネス需要が見込めることが大きかった」と説明している。Windowsはスマートフォン向けのプラットフォームとしてのシェアは世界的にもAndroidやiOSに大きく溝を空けられており、国内ではWindows Phone 8時代の空白を経て"ゼロ"の時代を過ごしてきた。一般ユーザーへの認知や需要という面では厳しいものの、Microsoftがスマートフォンへの国内再参入を宣言した際は「ビジネス面での引き合いが多く、潜在需要は高いと見ている」と米MicrosoftでOEMを担当するNick Parker氏がコメントしている。●Windows 10 Mobileと企業システムの親和性実際、Windows 10 Mobileは企業内で稼働しているシステムとの親和性やMDM連携によるセキュリティ管理など、エンタープライズでの需要を満たす要素を数多く内包しており、あえて後発でAndroidを大々的に担ぎ上げるよりも、新規一転、期待のプラットフォームに力を注ぐという選択肢は正しいように思える。今回のVAIOの会見では、日本マイクロソフト代表執行役社長の平野拓也氏とNTTドコモ取締役常務執行役員 法人ビジネス本部長の高木一裕氏も壇上でスピーチを行い、Windows 10 MobileならびにVAIO Phone Bizがビジネスの世界でどのように役立つのかを説明した。平野氏は「世界で2億台以上、法人では2200万台がすでに稼働中」と、Windows 10における定例の数字を提示しつつ、Windows 10 Mobileの特徴であり現時点で国内ではこの「VAIO Phone Biz」とトリニティの「NuAns NEO」のみが持つ「Continuum for Phones」の機能を紹介した。さらにSkype for Business、Office 365、Microsoft Azureといったクラウド連携やMicrosoft Intuneによるセキュリティ管理と、競合プラットフォームよりも既存の企業システムでの親和性をアピールした。前述のように、VAIO Phone Bizは個人向けにVAIOオンラインストアでの直販やMVNO経由での提供、そして一部量販店での販売も行われるが、法人ルートではNTTドコモとダイワボウ情報システムがリセラーとして活動することになる。このうち、今回の会見でも登場したNTTドコモの高木氏は従来のWindows 8/8.1やWindows 10といったLTEモデム内蔵PCだけでなく、Windows 10 MobileとOffice 365が加わることで、より回線契約増や法人需要の開拓が期待できると述べている。NTTドコモとしては、「ビジネスプラス」によるOffice 365再販に加え、今後デバイスを導入する企業ユーザー向けにIntuneのサービスを「ビジネスプラス」のメニューに加えていく意向だという。またVAIO Phone Bizはドコモの相互接続性試験(IOT)を通過しており、Premium 4GのサポートではWindows 10 Mobile初となる下り最大225Mbpsのキャリアアグリゲーション(CA)に対応する。既存のSIMロックフリー市場を主眼にしたWindows 10 Mobile端末にはない特徴であり、これがVAIO Phone Bizの強みの1つになっている。●ターゲットは「VAIOファンとビジネスユーザー」会見の最後にはVAIOで商品企画を担当する岩井剛氏が登場し、VAIO Phone Bizの機能的な特徴について説明を行った。ターゲットとしてはスマートフォンのPCの中間に当たるポジションを狙っており、これはミドルレンジでも上位版に当たるSnapdragon 617プロセッサの採用と、同プロセッサでサポートされる「Continuum for Phones」による部分が大きい。メモリも3GB搭載とこのクラスでは比較的潤沢な点も特徴だ。ただし、Continuumは有線ではなく無線LAN(Miracast)経由という縛りがあり、手軽な反面、電波の混雑している場所など環境によっては動作が若干緩慢になるという難点がある。実際、Wi-Fi接続可能な機器が大量にある発表会場ではContinuumのデモが実行できなかった。このほか、NTTドコモの説明にもあった多くの周波数バンドへの対応、「安曇野FINISH」と呼ばれる海外生産を経て最終工程やチェックは日本国内で行う仕組みの採用など、機能面や品質面でも高い水準を保っていることが紹介された。1年前までゼロだったものが、今では国内だけでOEMが8社と急速に立ち上がったWindows 10 Mobileの市場だが、盛り上がっているという印象がある反面、エントリー向けとミッドレンジ向けですでに飽和に近いという意見もある。NuAns NEOのようにデザイン性と大容量バッテリの2つの面で特徴を出しているデバイスもあるが、こうした中にあえて挑戦するVAIOは法人向けのメニューや販路を拡充し、自らのポジションを築こうとしている。当初のターゲットは「VAIOファンとビジネスユーザー」としているが、値段も競合との比較で最もハイエンドに位置する一方、それに相応しい出来になっていると言えるだろう。
2016年02月05日●スマホは無視できない存在VAIOは4日、Windows 10 Mobile搭載スマートフォン「VAIO Phone Biz」を発表した。これに合わせ、VAIOは発表会を開催。同社の大田義実社長がVAIOの取り組みや「VAIO Phone Biz」投入の意義などを説明したほか、日本マイクロソフト 取締役 代表執行役社長の平野拓也氏、NTTドコモ 取締役常務執行役員 法人ビジネス本部長の高木一裕氏(高ははしごだか)が、ビジネスパートナーとして登壇した。Windows 10スマホ「VAIO Phone Biz」正式発表○スマホは無視できない存在VAIOは2015年12月、SIMフリーのWindows PC「VAIO S11」と、プリペイド型SIMカードを発表している。VAIO代表取締役の大田義実氏は、こうしたハードウェアと通信を組み合わせる取り組みが、同社が設立時から表明してきた「+α」の付加価値であるとし、「PCを語る上でスマートフォンは無視できない存在。VAIOとしてどう提供するか、検討してきた」と、同社におけるスマートフォンの位置付けを語った。今回、Windows 10 Mobileを搭載する「VAIO Phone Biz」を法人市場中心に販売開始。Officeや共通のインタフェースなど、Windows PCと高い親和性を持つWindows 10 Mobileスマートフォンで、法人市場を中心に展開する。VAIOは、今後もハードウェアを通信を組み合わせる+αの取り組みを進めていくとした。「VAIO Phone Biz」の商品企画を担当した岩井剛氏は、同機を「ビジネスを加速するスマートフォン」と紹介。ビジネスシーンは、必ずしも落ち着いてPCを広げられるようなデスク仕事だけではなく、電車での移動や立ったままの状態でも、ファイルを確認したり、Officeを編集したりするケースがある。そんな時でも快適に使えることをコンセプトに開発された。市場のポジションは、タブレットとスマートフォンの中間となる「高性能なスマホ」。他社との差異化は、Windows搭載の「PCメーカー」である点で、統一されたUIや、Office Mobileのプリインストールなど、Windows 10 MobileによるWindows PCとの親和性の高さを特徴のひとつに挙げる。製品の詳細はニュース記事に譲るが、「VAIO Phone Biz」の特徴は「Windows 10 Mobile搭載」「SIMフリーと通信機能」「VAIOデザインと安曇野FINISH」の3点。注目の機能は、Windows 10 MobileならではのContinuum機能。これは、対応のWindows 10 Mobileデバイスに外部ディスプレイを接続すると、接続先のディスプレイ上で、デスクトップPCのようにWindows 10 Mobileデバイスを使える機能。VAIOは日本マイクロソフトと協力し、プロセッサに採用するSnapdragon 617でContinuum対応を実現した。また、SIMフリーのため、予算や用途に応じて通信会社やプランが選択できることも特徴。対応バンドは1/3/6/8/11/19/21。バンドについては、「海外から輸入するSIMフリー端末は、国内バンドを幅広くサポートするものが少ないが、今回は日本メーカーが日本市場のために開発したもの。国内バンドに一通り対応する」と自信を見せる。NTTドコモと相互接続性試験も実施する。デザインについては、フラッグシップの2-in-1 PC「VAIO Z Canvus」のデザインテーマをスマートフォンに凝縮したという。アルミのインゴット(塊)を切削し、二十数工程を経て、つや消しの外装に仕上げ、高品位な印象だ。主要な加工や組み立ては提携する海外工場で行うが、最終検査は長野県の安曇野で実施。同社PC出荷前に行う、安曇野工場での全数検査「安曇野FINISH」を適用する。●Windows 10 Mobile元年パートナーとして登壇した日本マイクロソフト 取締役 代表執行役社長 平野拓也氏は、国内法人市場では、「Windows搭載スマートフォンを日本で出してほしい」との声が多かったと話した。法人市場では、生産性の向上やセキュリティ対策など、ニーズが多様化しているが、「(VAIO Phone Bizは)しっかり受け入れられるのでは」と期待を込め、「市場には、PC、タブレット、スマートフォンと多くのプラットフォームがある。これをWindowsに統一することで、Windowsの利便性が向上する。管理者にとっても、セキュリティや管理が簡単になり、コスト面でもメリットがある」と、Windows 10 Mobileの優位性をアピールした。また、法人向け販路のひとつであるNTTドコモ(法人ビジネス)は、2012年に日本マイクロソフトと協業し、モバイル回線付きWindowsタブレットの販売を推進してきた経緯がある。NTTドコモ 取締役常務執行役員 法人ビジネス本部長の高木一裕氏は、デバイス、ネットワーク、サービスの一体販売を視野にいれ、特にWindows 10 Mobileの展開については、VAIOという「メーカーブランドによる提供」を戦略のひとつに挙げる。現在、Windows 10 Mobileスマートフォンの市場はエントリー層が厚く、Continuumが使えるような、ミドルレンジ以上の機種が少ない。「VAIO Phone Biz」はドコモの4バンドや、CA(キャリアアグリゲーション)に対応(VoLTEには非対応)。NTTドコモでは、法人ユーザーに新しい価値を提供できる端末として、法人向けパッケージサービス「ビジネスプラス」のひとつへ組み込むことを想定している。Office 365や、LTE-Advancedサービス「PREMIUM 4G」などと組み合わせ、2016年6月に追加する予定だ。「Continuum機能やOffice 365、PREMIUM 4G、セキュリティなどの相乗効果で今後のライフスタイルを変革する。今年はWindows 10 Mobile最初の年。後押ししていきたい」(高木氏)。●PCの設計技術で新ビジネスVAIO代表取締役の大田義実氏は、VAIOのPC以外の新規事業と、今後始める事業についても紹介した。VAIOでは現在、基幹のPC事業に加え、新規事業として富士ソフトのコミュニケーションロボット「Palmi」の量産や、ベンチャー企業Moffの子供向けウェアラブルバンド「Moff Band」の設計支援と製造を行っている。これは、VAIOに「卓越した設計/製造技術」、設計や製造技術を支えてきた「経験豊かな人材」、そして「ブランド力」の3つの強みがあるためとする。高密度設計や実装技術、(ソニー時代の)AIBOで培ったロボット製造技術など、「今までPCに活かしてきた技術を、今は新規領域に積極的に展開している」と大田氏は紹介した。これを踏まえ、今後はものづくりのノウハウを、スタートアップ企業の支援にも活かす。電機・電子機器メーカー向けに電子デバイスやソフトウェアなどを提供するマクニカと協業し、メイカーズ向けにハードウェアの量産支援サービスを支援。VAIOの高密度実装や放熱設計、設計の初期段階から全部署が参画する「上流設計」といった資産を、スタートアップ企業やパートナー企業などに提供する。「ロボットやIoT機器、セキュリティ業界まで、さまざまな業界から技術や量産の相談を受けている。VAIO新規事業の柱として着実に前進していく」(大田氏)。
2016年02月05日●ビジネスシーンを加速させる「VAIO Phone Biz」VAIOは4日、Windows 10 Mobile搭載スマートフォン「VAIO Phone Biz」を4月より発売すると発表した。これまで登場したWindows 10 Mobileスマートフォンと異なり、法人市場をターゲットに含めた同端末について、VAIOの大田義実社長は「ビジネスを加速させるスマートフォン」とアピールしている。○VAIOブランドのWindows 10 Mobileスマホ2015年10月14日に日本マイクロソフトが開催した発表会では、Windows 10 Mobileスマートフォン開発を表明したパートナー企業として、VAIO、日本エイサー、トリニティなどの名前が挙がった。既に日本エイサーは「Liquid Z530」の発表を行い(発売時期は未発表)、トリニティの「NuAns NEO」は発売済み。Windows 10 Mobileデバイス先陣組の最後を飾るのが、VAIOの「VAIO Phone Biz」だ。VAIO Phone Bizは、製品名が示すように、法人市場を念頭に置いたWindows 10 Mobileスマートフォンである。大田社長も「法人中心の製品として企画設計した」と語っているが、その背景や狙いを説明する前にデバイスの基本的なスペックから確認しよう。CPUはQualcomm Snapdragon 617を搭載し、メモリー容量は3GB。ストレージは16GBだが、microSDによる最大64GBの増設が可能だ。ディスプレイは5.5インチ(1,080×1,920ピクセル)。サイズについてVAIO商品企画の岩井剛氏は「手元で(標準搭載の)Officeを使うには、この程度のサイズが必要と考えた」と説明する。SIMフリーの端末でスロットサイズはmicroSIM。対応するバンド数は3G、4G合わせて7バンド。同氏は「VAIO Phone Bizは日本市場向けに開発したスマートフォンのため、国内の主要なバンドに対応した」と語り、NTTドコモのキャリアアグリゲーションへの対応や、安定通信の実現を証明するNTTドコモのIOT(相互接続性試験)の実施も予定している。●Continuumを試す○Continuum for Phoneに対応前述の通りVAIO Phone BizはSnapdragon 617を搭載している。「NuAns NEO」に続いてContinuum for Phoneをサポートする、国内では2機種めのWindows 10 Mobileスマートフォンだ。タッチ&トライ会場には試作機が並んでおり、筆者も試してみたところワイヤレスのためか、操作時に一拍置くような遅延が発生していた。キー入力は"少々遅い"程度だが、画面描画などはもたつきを感じた。ただし、会場には多くの人が群がり、その数だけ通信デバイスが存在するため、ネットワーク状態は芳しくなかったはずだ。他方でVAIO Phone Biz本体の動作自体は快適である。NuAns NEOを除く多くの国内Windows 10 MobileスマートフォンはSnapdragon 210を搭載し、その分動作も緩慢な場合がある。筆者は以前、Qualcomm Snapdragon 400を搭載するWindows 10 Mobileスマートフォンに触れ、快適な動作に喜んでいたが、VAIO Phone Bizはそれ以上だ。ユニバーサルWindowsアプリの起動やスクロール、タスク切り替えといった細かなアクションが快適に動作し、CPU性能の差を改めて感じさせられた。手にした感触も心地よく、バッテリーは2,800mAhと容量多めだが、本体重量は約167gだという。担当者によれば現在のVAIO Phone Bizは開発途中で、一部のアプリ起動が遅くなるなど問題が確認されているそうだ。それでも高いパフォーマンスを見せるVAIO Phone Bizは、かなり魅力的なWindows 10 Mobileといえる。●VAIO Phone Bizの狙い○VAIO Phone Bizを法人市場に特化する理由個人利用でも魅力的な端末だが、VAIO Phone Bizは法人市場をメインターゲットとしている。今回の発表会に同席したNTTドコモ法人ビジネス部や、日本マイクロソフトと提携するダイワボウ情報システムを通じて法人向け販売を行う予定だ。コンシューマー向けには販売チャンネルとして、VAIO直営オンラインストア「VAIO STORE」やビッグローブ、楽天モバイルなどのMVNO、一部量販店が用意されており、そこから購入できる。このような戦略を選択した理由として考えられるのは、Windows 10 MobileとWindows 10という組み合わせが、ビジネスシーンでもっとも有用なソリューションとなるからだ。日本マイクロソフト平野拓也社長は「Microsoft Intuneなどと連携することで、ワークスタイル変革や生産性向上、セキュリティ対策や管理性向上といった多くのメリットを享受できる」と説明した。NTTドコモの取締役常務執行役員法人ビジネス本部長である高(「高」は「はしごだか」)木一裕氏も「Continuum for Phoneを実現するミドルレンジクラスのデバイスはビジネスと親和性が高い。自信を持って薦めていく」と語る。日本マイクロソフトは2015年8月にダイワボウ情報システムと共に「Windowsモバイルビジネスセンター」を設立し、2015年10月にMDM(モバイルデバイスマネジメント)分野に強いアイキューブドシステムズと協業するといった準備を進めてきた。平野社長は「(以前のWindows Phone日本市場撤退を踏まえて)当時と比べても高いレベルで法人顧客のニーズを満たせるタイミングだ」と現状を分析し胸を張った。***本誌読者の大半はコンシューマーのため、このようなビジネス戦略には興味を持たないだろう。だが、今回のVAIOとNTTドコモ、そして日本マイクロソフトが協業するビジネスプランが成功すれば、コンシューマー分野でもWindows 10 Mobile市場は大きく加速する可能性が高い。VAIOの担当者は次期モデルについて市場動向を見ながら判断するとしているが、コンシューマー向けモデルの登場も期待できるはずだ。
2016年02月04日VAIOは、Windows 10 Mobile搭載スマートフォンを2月4日に発表する。同社は、2月4日にWindows 10 Mobile搭載スマートフォンの製品発表会を開催。発表会では同社社長の大田義実氏のほか、ビジネスパートナーとして、日本マイクロソフト 取締役 代表執行役 社長の平野拓也氏、NTTドコモ 取締役常務執行役員 法人ビジネス本部長の髙木一裕氏が登壇する。また、新製品の商品企画担当として、ソニー時代にSony TabletやVAIOのモバイルPCに携わった岩井剛氏が登場する。同社は2015年10月14日、日本マイクロソフトが開催したプレスイベント「Windows 10 Partner Device Media Briefing」にて、Windows 10 Mobile搭載デバイスの開発を告知していた。
2016年01月18日○日本と海外で大きく異なる経営者のセキュリティ意識テクノロジーイノベーション(技術革新)は必ずしも手放しでよろこぶべき事柄ではない。なぜならサイバー攻撃技術も同時に成長し、我々はサイバーセキュリティの危険にさらされているからだ。当初はサーバーに大量のアクセスを行うことで、過度な負荷を与えてサービス提供を妨害するDoS攻撃やWebページの改ざんといった稚拙な攻撃だったが、利便性の向上を求めた相互接続などネットワークの拡大によって被害が広がっている。警察庁が2015年10月にまとめた「不正アクセス行為対策等の実態調査」によれば、今現在でもWebページの改ざんやメールの不正中継といった被害が全体の50パーセントを占め、サイバー攻撃の手段もマルウェアなどを使った感染や社外からの不正アクセスが多いという。このようなサイバー攻撃に対して、対応する管理体制もシステム運用管理者が兼務するケースが74.9パーセント。専従の担当者を設置している企業はたった11.7パーセントという状況だ。日本マイクロソフトが2015年12月に開催したセミナー「サイバーセキュリティと企業経営リスク」で、同社代表執行役社長の平野拓也氏は「サイバーセキュリティは経営問題」と強く主張している。同社チーフセキュリティアドバイザーの高橋正和氏も「セキュリティ問題はサーバールームから役員室へ」と同様の主張を行っていた。これは某量販店のクレジットカード情報が流出し、和解金を支払ったことから株主がCEOを退任させた事例を元にしている。このようにサイバー攻撃による結果がブランドイメージや業績ダウンといった影響にとどまらず、経営責任を問われかねないのが現状だ。だが、前述したように肝心の企業経営者の意識は決して高くない。経済産業省が2015年12月に公開した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」によれば、積極的にセキュリティ対策を推進する経営幹部がいる企業は日本の27パーセントに対して、ワールドワイドでは59パーセント。サイバー攻撃予防は役員レベルで議論すべきか?という問いに対しても日本は同意意見が52パーセントだが、ワールドワイドでは88パーセントにもおよぶ。これらのデータはプライスウォーターハウスクーパースの「2014 Global State of Information Security Survey」と、KPMGジャパンの「KPMG Insight 日本におけるサイバー攻撃の状況と課題」をもとに同省が作成したものだが、あまりにも差が大きい。平野氏も「海外と日本では大きな隔たりがある」と同セミナーで語っていた。○終わりのないサイクルに対して、経営者が取り組むべき対策とは?しかし、サイバー攻撃者にとって国境は存在しない。経営者のセキュリティ意識云々に関わらず、システムの脆弱性をみつけてはサイバー攻撃を仕掛けてくる。ラック サイバーセキュリティ本部 理事の長谷川長一氏はインシデント(サイバー攻撃事例)の傾向として、以前は重要インフラを扱う業種が狙われていたが、直近の調査結果によれば、業種を問わずにサイバー攻撃を受けていることを明かした。さらにインシデント再発割合も2012年には8パーセントにとどまっていたが、2013年は21パーセント、2014年は28パーセントと増加傾向にあるという。その理由として長谷川氏は「サイバー攻撃を受けた企業は対策を講じるが、(技術革新の速度にサイバー攻撃対策が追いつかず)数年後には通用しなくなる」と説明した。つまりIT技術の進化は、そのままサイバー攻撃技術の進化とイコールとなり、防衛する企業側も日々対策を講じる必要がある。もちろん経営者が常にセキュリティ対策を行う必要はない。セキュリティ対策を推進する経営幹部を設ければ済む話である。だが、同時に組織全体を見直す必要があることを忘れてはいけない。長谷川氏はセキュリティ対策の実施順序として、最初に「セキュリティ監視と不正通信の洗い出し」を行い、次に「インシデントを前提とした組織体制の構築と、社員の意識改革および教育」を実施。そして「インシデント対策チームの組織化」や「サイバー攻撃発生を見越した演習」という例を挙げている。このように会社全体の管理体制の変更を伴うため、セキュリティ対策は単なる専任者ではなく経営層の判断が必要になる。他方でセキュリティ対策は、設備投資のように金額に置き換えにくい部分があるのも事実だ。そのためセキュリティ対策は「力のいれどころと抜きどころが重要」と、ディアイティ クラウドセキュリティ研究所 所長の河野省二氏は語る。経営者はどこまでセキュリティ対策の現場に権限を与えるべきか、経営層が判断する情報として何を提示させるか明示しなければならない。セキュリティ対策の現場は目的に応じた対策を行うと同時に、ログなどを視覚的にまとめたレポートを経営層へ報告する一定の仕組みを作り出す必要がある。経営層はレポートをもとに意図したセキュリティ対策が講じられているか、さらなる改善が必要なのか判断すればよい。企業におけるセキュリティ対策は単発ではなく、中長期経営計画とともに取り組む覚悟が必要だと河野氏は強調した。IDS(侵入検知)やログ解析といったセキュリティ管理や、ワンタイムパスワード、生体認証といった認証技術など、セキュリティ対策に必要なアプローチは多岐にわたる。さらに"何を保護するのか"と目的を明確にしなければならず、経営者としてセキュリティ対策は頭の痛い問題だろう。だが、技術革新がとどまることはなく、サイバー攻撃者も手を緩めることはない。顧客や株主といったステークホルダーの信頼度を高めるためには、常日頃からのセキュリティ対策や情報開示といった取り組みが目下の急務だ。阿久津良和(Cactus)
2016年01月06日2016年の年頭にあたり、日本マイクロソフト 代表執行役 社長の平野 拓也氏は、以下の年頭所感を発表した。さらなる「変革」の推進と、日本市場への貢献を目指す新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。平素よりマイクロソフトの製品、サービスをご愛顧いただき、厚く御礼申し上げます。社長就任後、初めて迎える新年となり、改めて身の引き締まる思いです。(2015 年振り返り)昨年は、当社において、大きな「変革」を進めた年となりました。モバイル ファースト&クラウド ファーストの世界において、米国本社 CEO サティア ナデラが、マイクロソフトの新しい企業ミッションとして「「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を策定しました。日本においても、この企業ミッションに基づいて、お客様・パートナー様との連携を強化し、日本市場へのさらなる貢献を目指して、全社を挙げて変革を進めています。この変革の一環として、昨年7月に社長を拝命し、新経営執行体制で日本のビジネスを推進しております。「チャレンジャー」としての変革をとどめることなく、さらにドライブすることが私の責任であると考えています。社長就任の発表以来、多くのお客様やパートナー様との面会などを通して、当社への期待の大きさ、そして「変革」への関心の高さを実感しています。社長就任時に、企業ミッションに基づいた日本法人としての今後の方向性として、徹底した変革を進めることで、「革新的で、親しみやすく、安心して、喜んで使っていただけるクラウド・デバイスを提供する会社」を目指すことを掲げました。さらに、今年度の重点分野として「プロダクティビティ&ビジネスプロセス:ワークスタイル改革のリーディングカンパニー」「インテリジェントクラウド:コネクテッドワールドのデファクトプラットフォーム」「新たなパーソナルコンピューティング : Windows 10 + デバイス」の 3 つを掲げました。日本法人を挙げての 変革」への取り組みのおかげで、昨年はそれぞれの分野で、大きな実績を残すことができました。まず、「ワークスタイル変革」の分野では、日本の競争力向上に大きく貢献していく取り組みとして「テレワーク」を推進してきました。昨年8月には「 テレワーク週間 2015」を、651の賛同法人様とともに実施、テレワークによる業務効率「パ生産性の向上に向けた様々な取り組みを展開しました。これまでの取り組みや普及への貢献が評価され、厚生労働大臣表彰「輝くテレワーク賞」優秀賞を受賞、また「ワークスタイル改革を支援する代表的なIT企業」(日経BPコンサルティング様による調査)の第1位にも選ばれるなど、おかげさまで高い評価をいただきました。クラウドのパワーとそこにつながるデバイスの数が急速に増大し、ビッグデータ、IoT、Machine Learning(機械学習)、AI(人工知能)などのテクノロジの世界が広がっていく中で、昨年までに開設したパブリッククラウドサービス(Microsoft Azure、Office 365、Dynamics CRM Online)の国内データセンターを核とした事業の拡大、パートナー様ともクラウドファーストの時代のパートナーシップへの変革を加速しています。そして、サイバーセキュリティ対策、プライバシーの保護など「信頼できるクラウド」(Trusted Cloud)の確立にも今後とも注力していきます。昨年7月のWindows 10のリリースは、まさに当社の「変革の象徴」です。既存のWindows 7/8.1ユーザーに向けて、初の「無償アップグレード」を実施しました。1つのWindowsがPC、タブレット、スマートフォン、大画面デバイス、ゲーム、IoT機器など様々なデバイスに対応し、市場投入が進んでいます。そして、全く新しいデバイスとして、大画面ディスプレイを備えたコラボレーションデバイス「Surface Hub」、ホログラフィック コンピューター「HoloLens」を公開しました。Windows 10と様々な対応デバイスにより、「新たなパーソナルコンピューティング」を体験できる機会が広がりつつあります。(2016年の展望)2016年の取り組みとして、最も注力していくのが、クラウドビジネスの加速です。社長就任直後に「2年後に日本法人の売上げの50%以上を目指す」という目標を設定しました。クラウドのテクノロジとしてのトレンドは一層拡大し、昨今企業に求められる要件を満たすソリューションとして、毎年2桁成長を見せています。この目標を達成するのは簡単ではありませんが、お客様のニーズも「クラウドファースト」が進み、昨年以上に需要拡大が見込まれる中で、当社自身もパートナー様と連携して取り組みを強化していきます。また、クラウドのタッチポイントとしてのデバイスビジネスの拡大にも一層注力し、Windows 10対応のデバイスのさらなる普及を目指します。昨年にもまして、多種多様なデバイスが多くのパートナー様から提供が見込まれるだけでなく、自社ブランドデバイス Surface の新モデル「Surface Book」の早期提供開始を予定しています。PC やタブレットに加え、昨年秋より本格化しているパートナー各社からのWindows 10 Mobile搭載デバイス投入も続々と予定されており、スマートフォンの分野でもWindows 10の活用が進む見込みです。クラウドとデバイスを軸に、3 つの重点分野での取り組みを拡大させ、社内においては「変革」のカルチャーを一層醸成し、「革新的で、親しみやすく、安心して、喜んで使っていただけるクラウド・デバイスを提供する会社」として、お客様・パートナー様との関係強化に努めていきます。本年2月には、マイクロソフトが日本でビジネスを開始して30年、「日本マイクロソフト」へ社名変更し、品川に本社オフィスを開設(2011年2月1日)して5年を迎えます。パートナー、お客様の皆さまに成長させていただき、今日の当社があるものと痛感しています。少子高齢化や労働人口の減少などの課題、地方創生など政府の取り組みに対して、生産性の向上やビジネスのグローバル化、ワークスタイル変革を支援する観点から「テレワークの推進」を加速させ、クラウドを含めた安心、安全なICT環境を整備するとともに、2020年東京オリンピック/パラリンピックの開催も見据え、改めて「サイバーセキュリティ対策の推進」を日本法人全社的な取り組みとして、一層注力してまいります。今後とも日本にさらに根付き、信頼される企業として、全社を挙げて日本社会に貢献していく所存です。本年もご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
2016年01月05日●Windows 10に染まったこの1年いよいよ2015年も本日で終了。今年はWindows 10の華々しい登場など話題に事欠かなかったMicrosoftだが、WaaS(Windows as a Service)化したWindowsは2016年に大型アップデート(通称RedStone)を控えている。その方向性は今後のWindows Insider Programでも徐々に明かされていくだろう。本稿では、時系列ではなく際だった話題の順に2015年の日本マイクロソフトを振り返ることにした。大掃除の合間などに気軽に読んでいただきたい。○「Windows 10」一色だった2015年やはりトップはWindows 10のリリースだ。2015年1月からWindows Insider Programがはじまり、筆者もその変化をマイナビニュースに寄稿してきたが、まさにこの1年はWindows 10一色だったという印象を持つ方も少なくないだろう。提供形態の変更から深夜販売といったイベントはなかったものの、無償アップグレードを開始した7月29日はユーザーを招いたファンイベントを都内で開催し、正式版の登場を祝っている。11月12日(米国時間)には多くのフィードバックをもとに改良を進めたNovember Update(TH2もしくはバージョン1151)を初のメジャーアップデート版としてリリース。12月16日(同)には、Windows 10 Insider Preview ビルド11082をWindows Insider Program参加者に提供を開始した。2016年には次期メジャーアップデート版「Redstone」が控えている。○「Office 2016」ではなく「Office 365」をプッシュ2015年は「Office 2016」も登場した。もっとも個人向け「Office 365」ユーザーには9月23日の時点で提供を開始していたため、過去のバージョンアップに比べるとインパクトは乏しい。米MicrosoftのApps and Services Marketing担当CVPのJohn Case氏は、Microsoftの開発モデルが変わり、パッケージ版に注力していないことを明かした。Office 2016はパッケージボックスを廃してアクティベーションカードやダウンロード版を提供している。ただ、Case氏は「日本がユニークな市場であることは理解している」とも語っており、プレインストールPC版のOffice 2016やOffice 365を提供し続けている。同氏は将来的にユーザーから需要があれば「Office 20XX」としてリリースする可能性があると述べていたが、2016年以降もOffice 365のようなスタイルが中心となるだろう。○「Windows Server 2003」がサポート終了Windows 10やOffice 2016の影で表舞台から姿を消す製品も存在する。それが2015年7月15日にサポートを終了した「Windows Server 2003」だ。また、2016年4月12日には「SQL Server 2005」のサポートも終了する。Microsoftは、各製品にメインストリームサポートとして5年、延長サポートとして5年の期間を設けてきた(Windows XPやWindows Server 2003など例外はある)。合わせて10年のサポートは十分な期間と考えるべきだが、WaaS(Windows as a Service)化したWindows 10も例外ではない。2020年10月13日でメインストリームサポートが終了し、2025年10月14日で延長サポートが終了する。ただし、Windows 10は"常に最新のOS"となるため、このライフサイクルは、デバイスをサポートする期間を明言した形だ。なお、Windows 7のメインストリームサポートも2015年1月に終了した。●新社長・平野氏が就任○40代の新社長・平野氏が就任人事面では社長交代が今年最大のトピックだった。3月2日、日本マイクロソフトは急遽記者会見を行い、樋口泰行氏から平野拓也氏に代表取締役社長のバトンを渡すことを発表した。樋口氏は古川享氏以来の会長職に就くにあたり、「今後はトップ営業や財界、政府といった方面で努力する」と語り、平野氏も「樋口が掲げてきた『日本に根付いて信頼される会社』という方向性を受け継ぐ」と語った。興味深いのは日米トップの年齢である。2014年2月に米MicrosoftのCEOに就任したSatya Nadella氏は当時46歳。平野氏も記者会見時は44歳だ。米国本社のトップと日本のトップの年齢構成が似通うのは偶然だろうか。○ワークスタイル変革2015年は米Microsoftの戦略変更が日本マイクロソフトにも大きく影響を与えた。その一つが「ワークスタイル変革」だ。スマートフォンの普及によって行動や時間の制限がなくなりつつある中で、自由に働く形態を指すキーワードである。日本マイクロソフトは2013年から社内で実践をはじめ、2015年には651法人と組んで「テレワーク週間」を開催。ITが持つ「時間と距離を超越する力」を実社会と連動させようとする試みはだ。テレワークスタイルに興味を持つ企業のトップが日本マイクロソフトを訪れて、具体的な実施スタイルの説明を受けているという。○サイバーセキュリティ対策セキュリティ分野への関与も印象的な1年だった。日本マイクロソフトは、2月18日に「マイクロソフト サイバークライムセンター 日本サテライト」を設立すると発表した。米MicrosoftのCyberCrime Centerが作成するCyber Threat Intelligence Programから、国内に対するサイバー攻撃の傾向などを分析して、情報発信を行う施設だが、具体的な行動は多様な理由から明かしていない。さらに5月12日には米MicrosoftのWorldWide Public Sector Chief Security OfficerのJennifer Byrne氏が来日し、サーバーセキュリティ対しての関わり方を語っている。11月5日にも、米MicrosoftからDirector of Cybersecurity Policy and Strategy in the Global Security Strategyand DiplomacyのAngela Mckay氏が来日し、日本政府へのセキュリティ対策に付いて説明した。ワールドワイドレベルでセキュリティに取り組む姿勢を示した。○新SurfaceシリーズやWindows 10 Mobileデバイス最後はハードウェア方面に注目したい。6月19日には「Surface 3」を発売し、11月12日には「Surface Pro 4」を発売した。一方、「Surface Book」の日本発売は2016年以降と時期は未定である。11月には、Windows 10 Mobile搭載デバイスの販売が始まったが、米Microsoft OEM Device担当CVPのNick Parker氏は「(日本マイクロソフトは)パートナーとまい進する」と語り、Lumiaシリーズの日本市場投入がしばらく先になることを暗に示した。このように2015年の日本マイクロソフトは、多方面でさまざまな展開を行ってきた。2016年も、我々をワクワクさせるような話題提供や新技術を期待したい。阿久津良和(Cactus)
2015年12月31日その明るいキャラクターで、見る人を元気にしてしまう、料理愛好家の平野レミさん。インタビューでも炸裂していた、平野さんのパワーをご覧あれ!自らを、「料理好きなただの主婦よ!」と言う平野レミさんですが、今や料理番組などに出演すると、その騒々しくも(失礼!)楽しい様子に世間は大興奮!特にみんなの“レミ愛”が最高潮に達したのが、昨年秋、NHKの番組『あさイチ』の生放送料理コーナーで作った、ブロッコリーの料理。器に木のように立て、「出来上がり!」と言った瞬間、なんとブロッコリーが倒れた!「私はまじめにやってるのに、たまたま勝手に倒れちゃったのよ。そう、ブロッコリーが悪いのよ(笑)。だけど、ブロッコリーが倒れたってだけで、ツイッターのアクセスが200万よ?!もう一品の、キレイに出来上がったリゾットのことなんて、誰もつぶやかないのに。ほ~んと、人の不幸は蜜の味なのよねぇ(笑)」料理をしながら、時に歌い、時に踊る。特に、同じくNHKの『きょうの料理20分で晩ごはん』で豪快に料理をするレミさんは、本当に自由でありのまま。「よく、“心配でしょうがない”って言われるの。その番組でも、鍋でキャベツを丸ごと煮たんだけど、最初はフタが閉まらなかったわけ、キャベツが大きくて。でも、じき水分が出てかさが減って閉まるから、キャベツの上にフタを乗っけといたんだけど、それだけですごい心配されちゃって。私、人を安心させられない存在なのかしら。でも、私は昔っからこのまんま。すましたり気取ったりできないの。だってそれ、嘘をつく、あるいは自分じゃなくなるってことでしょ?そんなことできない。だけどこのままで仕事もいただいてるから、これでいいやって」とにかく言動がユニーク。この取材でも、数えきれないほど笑えるエピソードを話してくれたレミさん。「ユニーク?そんなことないわよ。自分が気持ちいいことをやってるだけよ。父親がね、小さいころから、好きなことをやれ、徹底的にやれって言ってたの。学校も“やめたい”って言ったら、“いいよいいよ”って。自由にのびのび育ててくれたから、私は今もそのまま。あのね、私、夢とか希望とか全然ないの。だから幸せ。だって大きな夢とか持っちゃったら、もし叶わなかったら挫折することになるし、イヤじゃない?だから私はそんなの持たない。夢も希望もないからすごく楽しい。毎日楽しく生きる、それだけよ~」◇ひらの・れみお嫁さんとの共著『平野レミと明日香の嫁姑ごはん物語』(セブン&アイ出版)が発売中。ツイッターでレシピも発信中。@Remi_Hirano◇「いつも小房に分けられてかわいそう」ということで、ブロッコリーをまるごと使った料理を考案。が、出来上がった途端に倒れるという珍事が。その後このネタでアプリを作成。※『anan』2015年11月18日号より。写真・千倉志野イラスト・タテノ カズヒロ
2015年11月13日先週のPC系ニュース記事はSurface一色だったが、多くの読者が気になるのは「どのモデルを購入するか」「Surface Bookまで待つか」「今回は見送るか」といったあたりだろう。今回は、「Surface Pro 4はどのモデルがお得か」という観点から、国内で発売されるモデルを精査する。ここで立ち位置を明らかにするため、筆者はCore m3 / 128GBモデル (税込134,784円) を既に予約したことを最初にお知らせしておこう。Surface Pro 4のラインナップと価格は下表の通りだ。まずはスペック面から考えてみよう。CPUは、Core m3、Core i5、Core i7からの三択となる。発表会の展示機やIntelの資料からモデルナンバーまで特定すると、Core m3-6Y30、Core i5-6300U、Core i7-6650であることが濃厚だ。外出先でもデスクトップPCに相当するパフォーマンスを求めるのであれば、Core i5やCore i7を選択すべきである。だが、生産性もさることながら携帯性を優先する場合、Core m3モデルがもっともコストパフォーマンスが高いモデルだと感じた。メモリ容量は悩ましい。64ビット版のWindows 10を快適に動かすには、4GBでは正直心細いが、出不精な筆者はデスクトップPCで原稿を書くスタイルを常としている。あくまでもSurface Pro 4を「持ち歩けるサブマシン」として考えているので、今回は許容することにした。SSD容量はアプリケーションのインストール領域を考えると、256GB以上が安心だ。しかし、WindowsフォルダーやOffice 365のフォルダーを合計しても20GBを超える程度。日々のデータをすべてOneDrive上に保存するスタイルであれば、128GBでも十分と判断した。もっとも、このあたりはSurface Pro 4をPC利用シーンのコアデバイスとするか否かで判断が分かれるので、「4GBでよし、128GBでよし」と断言するつもりはない。今度は価格について考えたい。日本マイクロソフト 代表執行役社長の平野拓也氏は「新しい製品を出す時は毎回時間をかけて検討している。Surface Pro 4は以前のモデルを引き継いでいるものの、Windows 10の能力をふんだんに引き出す機能を搭載した。その付加価値や為替の影響を鑑みて価格設定を行っている」と筆者に述べていた。例えば、米国のCore m3 / 128GBモデルは899ドルだが、日本の税別価格は12万4,800円である。また、筆者が2013年に購入したSurface Pro 128GBモデルは約100,000円だったが、実質的にそこから数万円アップした形だ。以前よりも高額になるのはSurface Pro 3の価格改訂の時点で明らかだったが、二の足を踏む方も少なくないだろう。さらにSurfaceペンは付属するものの、ペン先を変更する「Surfaceペン先キット」は別売。新たに設計した「Surface Pro 4タイプカバー」もオプションだ。さらに、Surface Pro 4をメインPCとして使う場合は「Surfaceドック」も用意したい。このように、本体に加えてこれらアクセサリーの予算確保も必要となる。だが、冒頭で述べたとおり筆者はSurface Pro 4を購入することにした。他社の2-in-1 PCという選択肢もあるが、約766g(Core m3モデル)という軽量感、12.3インチ/2,736×1,823ピクセルのPixelSenseディスプレイ、Windows Helloによる顔認証、Surfaceペンの改良など総合的に見れば、Surface Pro 4に匹敵する対抗馬を即答するのは難しいだろう。上位モデルを欲するユーザーは12月発売予定のCore i7モデルではなく、「Surface Book」を来年初頭まで待つという選択肢もある。だが、価格はさらに高額になるのではないだろうか。陳腐な言葉だが、"欲しい時が買い時"である。自身の利用シナリオを想定しながら判断してほしい。阿久津良和(Cactus)
2015年10月26日●Surface Pro 3からSurface Pro 4、どこが、何が変わった?日本マイクロソフトは10月22日、Windows 10搭載PCの最新モデル「Surface Pro 4」「Surface Book」に関する発表会を開催した。スペックや価格は別記事『日本MS、「Surface Pro 4」を11月12日より国内販売 - 税別124,800円から』で報じているように、参考価格以外は米Microsoftが10月6日(現地時間)に発表した内容に準じている。本稿では発表会で語られた内容を中心にご紹介する。○2015年11月12日から発売する「Surface Pro 4」最初に登壇した日本マイクロソフト代表執行役社長の平野拓也氏は、先日の「Windows 10 Partner Device Media Briefing」を振り返りつつ、「15社のパートナー(協業するOEMベンダー)と共に連係して、自社デバイスおよびパートナーデバイスの相乗効果でWindowsエコシステムを盛り上げて行きたい」と協業姿勢をアピールした。平野氏はSurfaceおよびSurface Proシリーズ(以下、"Pro"を含めてSurfaceシリーズ)の勢いが日本のPC市場に与えた影響として、1つめに「2-in-1デバイス市場の成長」を掲げる。Surface Proが日本市場に投入されたのは約2年半前だが、その間にPCやタブレット市場が鈍化する反面、2-in-1デバイスに代表されるSurface Proシリーズへの期待が高まっていると説明した。Windows 10のリリースにも、2-in-1 PCデバイス市場の加速化にも期待しているという。2つめは「販売パートナーの拡大」。コンシューマー向け販売パートナーが大手量販店を含めて10社、法人向け販売も認定リテーラーが当初の6社から現在は9社と、約2,000社の販売パートナーがSurfaceシリーズを取り扱っている。そして3つめの「ユーザー層の広がり」は、コンシューマー・法人に限らずSurfaceシリーズが持つ可能性が広がりつつある状況を指す。平野氏は、Surfaceシリーズに付属するペンの活用シナリオが好評だと述べ、文書編集や画像編集など多彩な場面でSurfaceシリーズが使われていることを実感するとした。さらに、教育機関でのSurfaceシリーズの採用も顕著だという。教育の現場では鉛筆やペンを使う機会が非常に多いため、Surfaceシリーズのペンやキーボードの組み合わせが受け入れられているそうだ。平野氏は導入事例として、沖縄県の県立中学校を紹介。全生徒にSurface 3、教員にはSurface Pro 3を導入済みという。また、愛知県大府市の全市立小中学校は、2,200台以上のSurface Pro 3を導入してグループ学習に活用しているとアピールした。続いて登壇したのは、Surfaceシリーズの発表ではお馴染みとなったMicrosoft Surface and Windows Hardware担当ジェネラルマネージャーのBrian Hall(ブライアン・ホール)氏。Surface 3発表以来の来日となった同氏は「Surface Pro 3は多くのユーザーから多彩な評価を得た。全世界におけるSurface Pro 3ユーザーの98%は、周りの人々にSurface Pro 3を薦めてくれている」と、Surface Pro 3の成功をアピールした。Hall氏はSurface Pro 3から「Surface Pro 4」への進化ポイントとして、ディスプレイ周りのベゼルを調整し、Surface Pro 3とほぼ同等の12.3インチながらも、約500万ピクセル/267PPI(Surface Pro 3は約300万ピクセル/216PPI)を実現したことに言及(解像度は2,736×1,824ドット)。また「PixelSense」という新たなブランド名を持つディスプレイは、厚さ0.4ミリのGorilla Glass 4や1.1ミリのバックライトといった3層構造に加え、独自のペン&タッチ用チップセット「G5」という組み合わせを持つ。その結果として、Hall氏は「Surface Pro 4で写真を見ると実世界のようだ」「応答性も高まり、紙の上で書いているみたいな感覚を得られる」と、新たなUXの可能性を強調した。Surfaceペンに関してHall氏は「初代Surface Proにペンを付けたとき、『誰も使わないよ』と言われていた。我々はタブレットの利便性を向上させ、現在ではSurface Pro 3ユーザーの50%がSurfaceペンを使っている」と、先見の明があったことを枕詞に、Surface Pro 4に付属するSurfaceペンの説明を始めた。こちらも多くの情報が発表済みだが、Hall氏が語ったポイントを紹介しよう。まずはペントップの消しゴム機能。Surface Pro 3用ペンはボタンを押しながら書くことで消しゴム機能が動作したが、ユーザーフィードバックを得て現在の形に変更したという。次は、SurfaceペンがSurface Pro 4本体側面にマグネットでくっつくようになった点だ。Surfaceシリーズに限らず、ペン対応のタブレットデバイスをお使いの方なら、鞄の中でペンだけ行方不明になった経験をお持ちかもしれない。Hall氏も「Surface Pro 3ユーザーからのフィードバックを受けて改良した」と述べているように、これで本当にSurface Proシリーズを"紙とペン"と同じ感覚で使えるはずだ。なお、ペンを握るとCortanaが起動し、そのままSurface Pro 4に話しかければスムーズにCortanaを利用できるという。ほかにも別売りのSurfaceペン先キット(細いペン先や太いペン先がある)や、Surface Pro 4タイプカバー、Surfaceドックといったアクセサリを紹介した。米国の発表会と同様に、日本でもMacBook Airと比較し、Surface Pro 4の優位性を強調。Hall氏は「Surface Pro 4は、Surface Pro 3と比較して30%高速化。MacBook Airと比較しても50%速い」と語っていた。ただ、MacBook Airは第4世代Intel Core(Haswell)、Surface Pro 4は第6世代Intel Core(Skylake)を搭載しており、間違いではないが、比較広告に慣れていない筆者としては強弁に感じた。●「Surface Book」は、おあずけ?○"究極のラップトップ"を目指した「Surface Book」は2016年初頭に登場続いて話題は13.5型2-in-1 PC「Surface Book」へ。Hall氏は多くの注目を集めた「Surface Book」の開発理由として、「ユーザーフィードバックの中には、純粋にラップトップ(ノートPC)が好きだという声や、Surface Pro 4よりもパワフルなデバイスを切望する声が少なくなかった」と説明し、Microsoft初のノートPCを"究極のラップトップ"と評していた。"究極"の理由として、Surface Pro 4と同じPixelSenseディスプレイの利点を挙げている。Surface Bookの画面は13.5インチと大きく、解像度も600万ピクセル(3,000×2,000ピクセル/267PPI)と、パワフルなデスクトップPCに迫る構成だ。また、Microsoftは25年間キーボードを作り続けているが、そこで得た知識を投入したキーボードはディスプレイ側と着脱する。こちらもMacBook Proと比較していたが、Hall氏は第6世代Intel Coreや内蔵GPU、キーボード側に内蔵したNVIDIA GeForceを理由に「2倍のパフォーマンスを持つSurface Bookを誇りに思う」と"究極"を重ねて強調した。しかし、Surface Bookは米国でも大人気のため、今回の日本市場投入は見送られた。平野氏は「Microsoft Storeによる予約開始から5日間でほぼ予約台数に達し、リテーラーによる予約もその後同じ結果に至った」と理由を説明している。今回披露したSurface Bookも、Hall氏のスタッフが米国から運んで来たという。平野氏は「早く出したい気持ちはあるが、(本社と連係した)生産体制などを確立してから日本市場に投入したい」と、2016年初頭に日本市場に投入することを明らかにした。2015年の年末商戦はSurface Pro 4のみとなるが、日本マイクロソフトは関連プロモーションとして、さまざまな展開を予定している。多様なユーザーに対するアピールとして、日本最大級の壁画アートフェスティバルである「POW! WOW! JAPAN」との取り組みを発表。サプライズ的に登壇した日本マイクロソフト代表執行役会長の樋口泰行氏が「Surfaceには深い思い入れがあるため、思わず参加した(笑)」と、いつもの軽妙なトークで内容を紹介した。平野氏は、OSやソフトウェアの会社だったMicrosoft/日本マイクロソフトが、Surfaceシリーズをリリースする立場として、「パートナーのデバイスと競合するために作ったものではない。他社が注目していない分野を切り開くデバイスを目指している。新たなカテゴリをSurfaceシリーズで作り、Windowsエコシステムを発展させたい」と述べる。一見すると矛盾するSurface Bookの市場投入も、鈍化したノートPC市場を活性化するためだという。Surface Bookに関しては改めてご報告する機会を待ち、まずはSurface Pro 4という第4世代に達したデバイスの今後に注目したい。阿久津良和(Cactus)
2015年10月22日日本マイクロソフトは14日、Windows 10搭載デバイスが一堂に会したプレスイベント「Windows 10 Partner Device Media Briefing」を開催した。同イベントでは、日本マイクロソフトがWindows 10 Mobile搭載デバイスに関する公式な見通しを発表し、発表会場には、日本エイサーのWindows 10 Mobile搭載デバイス「Liquid M330」や、サードウェーブのWindows 10 Mobile搭載デバイス「DG-Q10M」(仮)など、数多くのWindows 10搭載デバイスが展示された。日本マイクロソフト 代表執行役 社長の平野拓也氏は、「今後さまざまなWindows 10搭載デバイスが登場するよう支援体制を整えていく」とコメントし、Windows 10搭載デバイスのさらなる拡充に言及してもいる。ここでは、展示されていたWindows 10搭載PC群を写真で紹介していこう。「シナリオ展示コーナー」では、「Gaming」「Music」「Movie」「Productive」「Personal & Natural」「Creative」の6つの利用シーンごとに、Windows 10搭載搭載デバイスが展示されていた。
2015年10月15日日本マイクロソフトは10月2日、モバイルセキュリティ・モバイルデバイス管理(MDM)の国内大手アイキューブドと協業し、同社のサービスがMicrosoft Azureに全面移行するほか、今後Windows 10に対応した「CLOMO MDM」サービスの提供を行うと発表した。マイクロソフトの平野拓也社長は7月の就任後、「変革」を掲げて各種取り組みを実施してきたが、パートナーとの新たな連携、エコシステムの拡大にとって「象徴的で、マイルストーンと考えている」と話す。アイキューブドのMDMサービスである「CLOMO MDM」は、これまでAmazon Web Services(AWS)上でサービスを提供していた。今回の協業では、これをMicrosoft Azureに全面的に移行する。今後、顧客への説明などを経て移行を行うが、これに伴って顧客側にサービス内容の変更などはないという。アイキューブドはテクノ・システム・リサーチの調査で、モバイルMDM市場では4年連続のトップシェアを獲得しており、顧客数も多い。この規模でAWSからAzureへ移行するのはグローバルでも最大規模になるという。同時に、マイクロソフトのクラウド型セキュリティソリューション「Enterprise Mobility Suite」(EMS)との連携も行う。CLOMO MDMでのWindows対応も強化し、Windows 10もサポートする。アイキューブドの佐々木勉社長によれば、法人顧客はWindows 10への移行意欲が高く、Windows 7からWindows 8.1をスキップして10へとアップグレードしようとしている法人が多いそうだ。法人のWindows 10への移行はゆるやかに進んでいるところだが、今後の動向も踏まえて先んじて対応を進める考え。もともとiOSへの対応が強いCLOMO MDMだが、今回の協業により、従来のiOS、Androidに加え、Windows搭載端末に対する管理機能も提供。デバイスのOSを問わず、同一のコンソール画面でモバイルデバイスを管理できるようになり、EMSとの連携によるセキュリティ機能の提供も可能になる。11月にはCLOMO MDMのWindows 10対応、16年春ごろにはEMSとの連携を実施する計画だ。iOSとAndroidからOffice 365/Exchange Serverにアクセスするユーザーが8~9割に達しているということで、時期未定ながらOffice 365にセキュアにアクセスできるCLOMO SECURED APPs for Windows 10も提供する予定。そのほか、インテルとはvProに関連した協業を、VAIOとは法人市場向けの協業を、DELLとは営業的な協業といった具合に、各社との連携を深め、企業内のデバイスに対してMDM・セキュリティを提供する取り組みを強化していく。佐々木社長は、今後Windows 10がIoT向けでも活用され、さらに多くのデバイスが市場に投入されるとみており、従来のモバイルデバイスに加えてIoTからの大量のデータを有効に活用できるプラットフォームとしてAzureを選択したとしており、さらにWindows 10ではデバイス管理としてActive DirectoryとMDMの双方が両立できるようになったことで、「最適なOSとして進化した」と指摘。企業ユーザーからの要望も踏まえて、Windows 10対応は必須と判断した。これによって、初年度は10万ライセンスの獲得を目指し、今後3年間で100万ライセンス以上に拡大させたい考え。また、IoTデバイスの普及に従い、この数をさらに増加させることも狙っている。平野社長は、Windows 10搭載デバイスへの期待が高まっていると指摘し、今後、各メーカーからPC、タブレット、スマートフォンが発表されると話す。そうしてデバイスが増えると、効率的な管理のニーズが高まると予測し、Azureを基盤としたクラウドベースのビジネス展開や、それを見越したパートナーシップを積極的に取り組んでいく考えを示している。また、アイキューブドはグローバル展開も検討しており、今回の協業にもとづき、マイクロソフトも支援を行うとしている。佐々木社長は、アイキューブドが福岡を拠点としていることから、「福岡から世界へ」とアピールしている。
2015年10月02日●永続ライセンス版は健在すでに公式ブログで発表済みのとおり、米Microsoftは2015年9月23日(現地時間)の時点で「Office 2016」を「Office 365」ユーザー向けに提供開始した。日本でも同時刻からMSDN経由などで提供を始めたが、我々が気になるのはサブスクリプション版ではなくスタンドアローン版のOfficeである。日本マイクロソフトは、その声に応える形で2014年9月29日に都内で「Microsoft Office Press Conference」を開催。日本国内でOffice 2016の提供を発表し、新たな販売形態や参考価格などを明らかにした。本稿では同カンファレンスの内容を整理し、本誌読者にご報告する。○ビジネスにも使える「Office Mobile」が登場最初に登壇した日本マイクロソフト代表取締役社長の平野拓也氏は「社長就任後、弊社の重要なタイトルであるWindows 10に並ぶのがOffice」と切り出し、Office 365の市場成長率を説明した。企業の半数以上は、Officeスイート導入時にパッケージのOffice 2013ではなく、Office 365を選択。この1年を振り返ると、コンシューマー市場でも同様の展開が見えてくるという。日本政府や日本マイクロソフトが強く推奨するワークスタイル&ライフスタイルの変革が明確になった結果だと平野氏は語る。Office 2016は、すでにOffice 365ユーザーには提供済みだが、気になる一般向けは2015年9月30日から提供開始。法人向けVL(ボリュームライセンス)も10月1日より提供を始める。ここで一度整理しよう。今回、日本で発売するOfficeスイートは「Office Personal 2016」「Office Home&Business 2016」「Office Professional Academic 2016」「Office Professional 2016」の4エディション。ちなみにOffice Academic 2016は教育関係者向けのエディションだ。このほかにも「Word 2016」や「Excel 2016」といった製品単体版も用意している。ポイントはPOSA(Point Of Sales Activation)版を用意している点だ。POSAはカードは量販店やコンビニエンスストアなどでは、プリペイドカードとして度々見かけるが、我々が量販店などでOffice 2016を購入する際は、パッケージではなくPOSAカードとなる。長らく重厚感のあるパッケージやマニュアルに慣れ親しんだユーザーは意外に思われるかもしれないが、マニュアルのPDF化やクラウドの普及に伴い、近年は多くのメーカーが本スタイルを採用するようになった。今回のカンファレンスで注目すべきはもう1つある。それが「Office Mobile」の存在だ。すでに10.1インチ以上のPCには「Office Premium(1年間のOffice 365サービス)」を提供しているが、Offic Mobileは10.1インチ以下のWinodwsデバイスに、グローバルで標準搭載する。ポイントは日本独自の施策として、Offic MobileにOffice 365サービスを提供し、商用利用権を新たに付加可能にしている点だ。実際のところOffice Mobile単独では、ビジネス用途に使うのはライセンス違反だが、Office 365サービスを付加することで、10.1インチ以下のデバイスもビジネスシーンで利用可能になる。「Office 365サービスを10.1インチ以下のデバイスにも広げた」と述べると分かりやすいだろう。ちなみに本施策はOSを制限するものではなく、あくまでもデバイスサイズで統一している。そのため、9.7インチのiPad Air 2は問題にならないが、2015年11月リリース予定のiPad Pro(12.9インチ)は対象外だ。日本マイクロソフトは、この点について「商用利用に関しては今のiPadでも有料(=Offic 365サービスが必要)。10.1インチ以上はOSを問わず有料」と説明している。また、10.1インチの境目だが、グローバルでは「10.1より大きい」「10.1以下」と明確に線を引いている。だが、日本は10.1インチデバイスは操作性も高く、キーボード付きが多いため、10.1インチデバイスは、OEMパートナーがOffice Premiumか、Office Mobileを選択可能にしているという。Microsoftおよび日本マイクロソフトは、マルチデバイス時代に即しつつ、世界でもユニークな日本市場に合致するため、このような仕組みを用意したのだろう。●Office 2016の新機能多くの方は「Office 2016」はどんな製品なのか、どのような新機能を備えたのか、という点がもっとも気になるだろう。だが、Office 2016はOffice 365で常に新機能の実装や改善してきた現時点の集大成となるため、一概に説明するのは難しい。そこで、日本マイクロソフトが披露したデモンストレーションを元に、Office 2016の注目ポイントを紹介していこう。最初は共同編集機能。クラウド上のOfficeファイルに対して、参加しているユーザーが同時に編集するというもの。従来であれば他のユーザーが文章作成や編集を終えるのを待たなければならず、時間がかかっていた。さらに参加人数が増えれば増えるほど無駄なファイルも増えてしまう。だが、本機能の実装により場所や時間に妨げられずに、作業が進むこととなる。また、共同編集に参加しているユーザー同士はSkype for Businessで直接会話することも可能だ。仮に相手がWord 2016を所有していなくとも、Webブラウザー経由で参加、共同編集が可能になるという。なお、本機能はWord 2016特有機能ではなく、Excelなど他のOfficeアプリケーションでも利用可能だ。次はデータの挿入。他のOfficeアプリケーションからデータを挿入するのは以前のOfficeも備えているが、ポイントはクラウド型分析ツールである「Microsoft Delve」を活用している点だ。挿入するデータがどこにあるのか分からない場合、Microsoft Delveが社員同士のコミュニケーションを分析し、最適なデータをリストアップするため、そのまま挿入可能になる。さらにExcel 2016には、一連のデータに基づいて予測を行う「操作アシスト」機能を新たに備えた。たとえば一定の売り上げデータを作成済みの場合、「予測シート」を使えば過去のデータから予測し、推移データを提示できる。これらはMicrosoft Azureの分析機能を用いて実現する仕組みだ。作成した文書をメールに添付する場面でも機能改善が役立つだろう。「Outlook 2016」にはOneDriveとの連携により、通常のファイルと同じ感覚で添付可能になった。また、ファイル添付機能には「最近使ったアイテム」が加わり、直近まで編集していたファイルを優先的にリストアップするという。5年ぶりのバージョンアップとなった「Office 2016 for Mac」も紹介しておこう。Windows版と同じくリボンUIを採用し、基本的なUIはすべて同じだが、RetinaディスプレイやOS Xのフルスクリーンモードにも対応する。また、One Driveとの連携も可能だ。たとえば「Word 2016 for Mac」はスレッド形式のコメント機能などを備え、「Excel 2016 for Mac」はWindowsユーザーにはおなじみの「おすすめグラフ」を実装するなど、Windows版で実装済みの機能を備え、順当なバージョンアップ版という印象を持った。興味深いのはBingと連携した「スマート検索」機能だ。任意のキーワードを同機能で検索すれば、Wikipediaなどの内容をOfficeアプリケーション内で検索し、各種情報をWeb上から取得できる。また、ワンクリックでWebブラウザーによる閲覧も可能だ。このようにOffice 2016は、各アプリケーションが相互的に「ユーザーのやりたいことをサポート」する機能を実装したのが特徴的といえる。Office 2016とは関係ないが、今回のデモンストレーションで注目したいのが「Continuum(コンティニアム)」である。以前から「Continuum for Mobile」「Continuum for Phones」と呼ばれていた、Windows 10 Mobileにディスプレイやキーボードなどをつなげると簡易的なPCとして使用可能になるというものだ。本来ContinuumはWindows 10開発時にキーボード着脱時にデスクトップとタブレットモードを切り替える機能を指していたが、浸透しなかったため省略したのだろう。会場に用意した40インチのディスプレイには、確かにContinuumの特徴であるWindows 10 Mobileのスタート画面とデスクトップが描かれている。だが、Windows 10 Mobileは開発中ためか本来行う予定のPowerPointは起動せず、失敗に終わった。年内の開発完了を目指しているWindows 10 Mobileリリース後のデモンストレーションに期待したい。今回、日本マイクロソフトはOffice 2016を全面に押し出すような施策は行っていない。冒頭から述べてきたようにスタンドアローン版ではなく、サブスクリプション版のOffice 365が主力製品と捉えているからだろう。平野氏の言葉を借りれば「(IT市場の)スピード感に対応するためには、3年に1度のバージョンアップでは間に合わない」という説明どおり、バージョンアップごとに買い換えるという時代は終わった。保守的なOffice 2016を選ぶか、常に最新機能を提供するOffice 365を選ぶか、ユーザーは選択を迫られているのだ。阿久津良和(Cactus)
2015年09月29日NECパーソナルコンピュータは28日、「LAVIE秋冬モデル発売記念イベント」を開催した。同社は15日に同社製PC「LAVIE」の2015年秋冬モデル、7シリーズ45機種を発表しているが、今回の発表会は秋冬PCの新機能やコンセプトを訴求する場となる。冒頭、同社代表取締役執行役員の留目真伸社長が挨拶し、まず「1/3/10/45」という数字を披露。これはコンシューマーPC市場で同社がNo.「1」シェアを占めている事、現在同社が進めているD「3」(Digital Dramatic Days)コンセプトと、Windows「10」をプリインストールした「45」モデルを2015年秋冬モデルとして投入したという意味だ。○日本MS平野社長「早い時期からパートナーシップ」ゲストとして日本マイクロソフト 代表執行役社長の平野拓也氏も登場した。平野氏は、Microsoft社は今年40周年を迎えるが、早い時期から前身であるNECとのパートナーシップを結んでおり、緊密な関係であると強調。NECパーソナルコンピュータはWindows 8の頃から2-in-1やタブレット製品を発売するなど、積極的な商品展開、先進的なマインドを持ち、これがユーザーに評価されることで高いシェアに結びついているとする。今回の製品群でも3Dカメラを使った顔認証のWindows HelloやSkylake(第6世代Core iプロセッサ)と先進の技術が使われており、日々のユーザーエクスペリエンスを高めていると確信しているという。日本マイクロソフトは、最新Office「Office 2016」の機能紹介を兼ねた発表会を29日に予定している。平野氏は「(今日は自身がゲストとして呼ばれているが)明日は新しいOfficeのプレスイベントを開くので、留目社長をお招きしてOffice 2016のローンチを行いたい」とコメントした。○体験を訴求する「コト売り」へシフト次に現れたのが、NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部 D3総合プロデューサーの森部浩至氏。以前のパーソナルコンピュータ(PC)は機能・価格・用途で訴求を行う「モノ売り」であったが、今はユーザーシナリオに即した体験を訴求する「コト売り」へと変化しており、D3(Digital Dramatic Days)はその中核をなしているという。氏は3本のショートムービーを使い、6年前のPCと最新のPCでの体験の差を紹介した。ちなみに、同社は2015年1月、それまでデスクトップPCブランドであった「VALUESTAR」を廃し「LaVie」(現在はLAVIE)にブランドを統一した頃から、新たな時代のデジタルライフソリューションを提供する"Digital Dramatic Days"を提案している。○松本愛さん、Windows Helloを試すゲストとして、同社の15.6型ホームモバイルPC「Frista」のデモムービーに起用された、モデルの松本愛さんが登場。留目氏とのトークショーを開催した。松本さんはSNSの利用が多く、基本的にはスマートフォンを利用しているが、長い文章を打ち込む場合は不便であり、また画面が狭いという不満を持っているという。これに対し留目氏は「Frista」ならば奥行きがコンパクトで置き場所に困らず、情報表示アプリ「インフォボード」を"ながら見"スタイルで楽しめ、キーボード付きで長文入力にも向いていると説明。また、今回3Dカメラを搭載した機種では、Windows Helloによる簡単ログインが行えること、すでに松本さんの顔を登録済みで、松本さん本人はログインできるが、写真ではログインできないことを紹介した。最後に留目氏がD3の次の取り組みを紹介。マルチデバイス時代に向けて「リビングルーム」と「外出先」とをよりシームレスに連携したいとし、今後もユーザーシナリオの拡充を行うことを表明。また、D3コンセプトとLAVIEの紹介のためにイベントの協賛や実店舗「LAVIE Shop」の開設、そして他の方々とシナリオを共有して新たなモノを作り上げる共創プロジェクトを企画していることを紹介し、今後も日本人にあった新しいデジタルライフに尽力したいと今後のLAVIEの方向性を示した。
2015年09月29日フードエッセイストの平野紗季子を始め、様々なアーティストによる“食”をモチーフにした作品やグッズを展開する「平野紗季子の(食べれない)フード天国」が、三越伊勢丹で9月29日より順次開催される。食べものを“食べて楽しむ”だけでなく、むしろ“食べられない”からこそ広がる“新しい食欲”に目を向けた同イベント。会場では、フードエッセイストの平野紗季子を中心に、ファッションデザイナーやアーティスト、ミュージシャン、ジュエリー作家などによる“食”をモチーフにした作品を展開する。期間中は、平野紗季子がこよなく愛する洋菓子店「ローザー洋菓子店」の包み紙をモチーフにしたスカーフやハンカチ、白子や天むすなどをモチーフにしたユニークなフードブローチを制作するブローチ作家・Crepe.、本物のフードを樹脂加工してアクセサリーを作るROTARI PARKER、お菓子の包み紙やおかきなどをジュエリーに昇華させるコンテンポラリーアクセサリーブランドのCHIMASKIらによる“身につけられるフード”が販売される。その他、平野紗季子が愛読する“食”にまつわる個性的な古本を揃えた小さな書店もオープン。平野紗季子の旧友であるモデルの小谷実由とのコラボレーションにより、2人が惚れ込んだ東銀座の喫茶店「喫茶 YOU」の店頭のネオンサインや名物のオムライスをモチーフにしたグッズなども発売する。また、食パンを愛する4人組・チーム未完成も登場する予定だ。同イベントに際し、平野紗季子とDJみそしるとMCごはんが、伊勢丹新宿店本館地下1階の食品フロアをテーマにした新曲とメインPVを制作。伊勢丹マクミラン柄の特製デザイントートをセットにした新曲CDを伊勢丹限定で販売する。なお、開催期間は、伊勢丹新宿本館2階のセンターパーク/TOKYO解放区、及びイセタン羽田ストア(レディス)ターミナル1が、9月29日から10月13日まで、伊勢丹オンラインストアが9月29日から11月3日まで、ジェイアール京都伊勢丹5階の特設会場が10月28日から11月2日まで。なお、会期中10月3日17時半から19時には、平野紗季子とDJみそしるとMCごはんの2人によるトークセッションや、DJみそしるとMCごはんのライブパフォーマンスイベントが伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区で開催される。
2015年09月25日海外のIT系ニュースサイト「Nokia Power User」は、Microsoftが10月19日にLumiaシリーズの新作を明らかにするという記事を掲載した。Windows 10 Mobileを搭載するスマートフォンとして、Microsoftがフラグシップモデルをリリースするのは既定路線と言えるだろう。ニュースサイトによって、その名称を「Lumia 940」とするか、「Lumia 950」とするか意見が分かれているが、本稿ではLumia 950の名称で統一する。なお、開発コード名は「Talkman(950)」「Cityman(950XL)」のまま、2機種のラインナップに変更はない。漏れ聞こえてくるLumia 950/950XLのスペックをまとめると、5.2/5.7インチの有機ELディスプレイを採用し、解像度は2,560×1,440ドット。SoCはSnapdragon 808/810を搭載する。両機ともとも3GBのメモリと32GBのストレージ、脱着可能な3000mAhクラスのバッテリを備える。海外のフリージャーナリストであるEvan Blass氏が8月末にツイートした写真を見る限り、背面カメラは凸状に飛び出すようだ。さて、Lumia 950/950XLもさることながら、個人的に気になるのは「Surface Phone(仮)」の存在だ。Microsoftは2014年の時点で、7インチクラスのタブレット「Surface mini(仮)」を開発していたようだが、フタを開けてみればWindows 10がローンチしてもデバイスが登場するような気配はみじんも感じられない。それだけならタブレット市場が飽和状態になりつつあるため、スケジュールをキャンセルしたのだろうと想像できる。だが、これだけ認知された「Surface」というブランドを2-in-1 PCにとどめる理由はない。何度となく述べているように、Windows 10 Mobileはクラウド経由の連係や同じ操作性など、個人はもちろんビジネスユーザーにも使い勝手のよいスマートフォン向けOSとなるはずである。MVNOの普及と相まって、文字どおり「どこでもデータを共有」できる環境に一歩近づくだろう。そこで問題となるのが「Lumia」の存在だ。Nokiaのスマートフォンブランドとして、お膝元である北欧での認知度は高いが、国内未発売のせいか日本においては今一つ。前述した「Surface」ブランドの方が十分な存在感を持っているだろう。関係者は、日本国内の展開について2015年8月時点で話せる内容は何もないと言う。日本マイクロソフトが公言しているように、今は下地を固めつつ、Windows 10 Mobileローンチ時に何らかの対応を図るのだろう。現時点で日本マイクロソフト代表取締役社長の平野拓也氏はLumiaの日本市場投入を否定しているが、Windows 10とWindows 10 Mobileの存在や、ビジネス市場におけるWindowsのシェアを踏まえると何らかの形で国内展開にチャレンジする可能性は高い。そこで出てくるのが前述のSurface Phone(仮)である。2015年10月に米国で開催される発表会では、Lumia 950/950XL以外にもSurface Pro 4(仮)の登場に期待が集まっている。こちらは開発コード名「Skylake」こと第6世代Intel Coreプロセッサのモバイル版のリリース時期と重なるため、容易に想像がつくだろう。海外ベースだが、2013年2月に初代Surface Pro、同年10月にSurface Pro 2、2014年6月にSurface Pro 3をリリースしてきた。Windows 10リリース後であることを踏まえれば、今年Surface Pro 4をローンチするのは妥当な線と言える。冒頭で紹介したLumia 950/950XLのプレス向け画像の流出や、Surface miniのキャンセルといった事象を踏まえると、今回の発表会でMicrosoftがSurface Phone(仮)を何らかの形で発表する可能性は皆無に等しい。だが、平野氏の発言や今後も同社の主力デバイスとなるであろうSurfaceシリーズの存在を目にする度にSurface Phone(仮)の存在を否定できないのだ。Windows 10 Mobileローンチの暁には技適マークを取ったデバイスを購入し、Windows 10との連係をあらゆる角度から検証するつもりだが、普段使いのスマートフォンとして日本マイクロソフトがリリースするフラグシップモデルに期待を寄せるのは筆者だけではないだろう。現時点で国内市場に対するアプローチは法人向けが中心となっているが、そこで今以上のシェアを確保すれば、コンシューマー向けWindows 10スマートフォンの可能性もさらに高まるはずだ。阿久津良和(Cactus)
2015年08月31日