子どもが2人以上いる家庭では、ちょっとしたことで揉めたり、きょうだい喧嘩が勃発したりすることがしばしばあるでしょう。喧嘩するなら近寄らなければいいのに、わざわざ至近距離にいたり、喧嘩したかと思ったら妙に仲が良かったり…という光景を目にしたことのあるパパやママも多いのでは?このきょうだい喧嘩、一度勃発すると、親としてどこで仲裁に入ればよいのか、判断が難しいところ。一体、親としてどのような対応をするのがよいのでしょうか。きょうだい喧嘩はなぜ起こる?喧嘩ができる、ということはお互い遠慮していない証拠です。思ったことを言い合う、嫌なものは嫌!とはっきり言う。喧嘩しても何事もなく仲直りできる。こういった遠慮のない関係であるというのが、きょうだい喧嘩が起きる、そもそもの前提条件と言えます。それを踏まえた上で、きょうだい喧嘩をする意義についてもう少し考えてみると、それは「これからもめごとに直面した時の練習」といえるかもしれません。生きていれば、小さなもめごとなど、さまざまなトラブルが起こります。それを乗り越えるための練習=きょうだい喧嘩と考えられなくもないでしょう。時には知性で、時には理性で自分の気持ちをぶつける→相手の言い分を聞く→和解する。きょうだい喧嘩からは、これら一連のコミュニケーションを学ぶことができるのです。親はきょうだい喧嘩を仲裁したほうがよいのか?きょうだい喧嘩はもめごと解決のための練習なわけですから、基本は親が介入せず、子どもたちで解決するのをじっと待つことが大切です。喧嘩している声を毎日聞いている親の立場としてはイライラして、「いい加減にして!」「喧嘩ばかりしないで!」と、つい言いたくなってしまいますが、でもそこはぐっと我慢しましょう。ただし、解決するどころかヒートアップして取っ組み合いになりそうであれば、仲裁役として入ることも必要です。その際、以下のことを実践してみましょう。きょうだいそれぞれの言い分を聞くそれぞれの言い分に共感するお互いの気持ちを伝え合うように仲立ちする できれば子どもには、別々に話を聞くことをおすすめします。そのほうが、子どもも気持ちを伝えやすいですし、親としてもそれぞれの子どもの言い分に共感しやすいでしょう。きょうだい喧嘩を仲裁する時、決してやってはいけないことは?きょうだい喧嘩仲裁の際、以下のことを言ったり、やったりしてしまうのはNGです。<NGその1.「喧嘩両成敗だから」と、子どもの言い分を聞くことなく一方的に叱る>子どもがきょうだい喧嘩をするのは、決まって親がいる時。実は、親のいないところではほとんど喧嘩をすることがありません。これには、喧嘩を通じて「自分の意見を親に認めて欲しいと思っている」という、子どもなりの意図が含まれているのではないでしょうか。それゆえ、子どもの言い分を聞くことなく、一方的に親が叱ってしまうと、「話を聞いてもらえない」と、子どもが思い込むようになってしまうかもしれません。多少面倒ではありますが、トラブルがあった時にはきちんと意見を聞く環境づくりが、自然と家族を思い合うきっかけづくりにつながるといえるでしょう。 <NGその2.上の子ばかり叱ってしまう>「お兄ちゃんだから」「お姉ちゃんだから」と、一方的に上の子を叱ったり、我慢させたりするのはNGです。下の子は上の子に比べて、要領の良さとうまく親に甘えるかわいさとを持っているケースが多いのでついそう言ってしまう、というママも少なくないようですが、上の子にしてみれば、自分ばかりが責められることで「ママは僕(私)のことわかってくれない」「下の子ばかりかわいがる」といった自己否定につながりやすくなります。さらに、そうした自己否定感から生じるストレスの矛先がまた下の子に向かってしまう…といった悪循環に陥る可能性も否めません。そのほか、「自分のやることは認めてもらえない」と自信を喪失してしまうケースもあるので注意してください。 きょうだい喧嘩は、起こって当たり前のこと。時に様子を見て放っておいたり、時に仲裁に入ってお互いの言い分を聞いたり、と親が上手に対応することでお互いを思いやることのできる優しいきょうだいが育つことでしょう。(ライター:遠藤光恵)
2015年08月24日最近「叱らない育児」という言葉をよく聞きます。今回は「叱る」ということはどういうことか、根本的な意味合いも含めて正しい叱り方についてお話したいと思います。「脅し」と「叱る」の境界線「ごはんを食べないと目が潰れる」とか「早く寝ないと鬼がくる」という台詞、昔からありますよね。最近では「鬼から電話」というアプリが使われていて、よく子どもたち同士で「先生の話を聞かないと“鬼電”来るよ」なんて言い合う姿を見ます。鬼やおばけ、そして、目が潰れると言った言葉は、大人が勝手に「わかりやすく伝えないと子どもはわからない」と思い込んだ結果、出てくる言葉のように思います。もちろん、わかりやすく伝えることは子どもと関わることにおいて必須条件です。でも「鬼」「おばけ」を使うことで実はとても大切なことをうやむやにしてしまっていることに気づいてください。「ちゃんと」「しっかり」の使い方に注意して 例えば、よく「ちゃんとして」とか「ちゃんと歩いて」など、「ちゃんと」という言葉を使って子どもに語りかけるお母さんやお父さんの姿を見ます。でも、「ちゃんと」とはいったいどういう状態なのか子どもはわかりません。「ちゃんと歩く」の「ちゃんと」はまっすぐ歩く、手を繋いで歩くなどという具体的で明確な状態を「ちゃんと」という一言でうやむやにします。基本的に、保育では「ちゃんと」という言葉は使いません。「まっすぐ壁にそって歩いてね」と具体的なお願いをします。「早く寝ないと鬼が来る」も同じで、「鬼が来る」と言われた子どもは「早く寝ないと怖い思いをする」「よくわからない鬼というモノが私に会いにやってくる」と考えます。でも、大切なのはそこですか?「早く寝ないと明日いっぱい遊べないよ? 早く寝たら早起きできるからいっぱい遊ぼうよ」というように具体的に明確に、「これをしなかった場合、何がおこるのか」を伝えたあげるほうが、「鬼」であしらうよりもぐっと理解力も語彙力も増えます。そして、「ご飯を食べないと目が潰れる」→「ママ、一生懸命ご飯作ったから食べてほしいな」と言い換えることで、親も人間であり感情があることを理解します。そして、自分のために誰かがしてくれたことの喜びを感じることができます。叱ることの本質もちろん、「早く寝ないと明日いっぱい遊べないよ」「早く寝たら早起きできるからいっぱい遊ぼうよ」と言ったところで、子どもが素直に寝てくれるわけありません。育児に対して抱いてはいけない希望は「即効性」といっても過言ではないくらい、子どもを育てるのには時間がかかるのです。「言ってみてと言われたからやってみたけどダメでした」なんてアドバイスした翌日に私のところにいらっしゃるお母さんがいますが、そんな簡単に終わるわけありません。言っても寝なかったらそれでいいのです。「昨日寝付いたのが遅かったから今日はゆっくり寝かせておこう」という気持ちはまっさきに捨て、いつも通り起こしてください。遊んでいる最中や食事中に眠そうにしている子どもに「ママ、昨日の早く寝ないと困っちゃうよって言ったじゃん」と軽く伝えましょう。ただ、その繰り返しです。「遅く寝る→朝起きるのが辛い→たっぷり遊びたいけど疲れちゃう→ママの言うとおり」、という流れを頭の中で作ってあげることが大切。子どもは脳みそがスポンジのようなので繰り返せば繰り返すだけ覚え、学習していきます。「鬼」や「おばけ」を使うのは簡単です。すぐ思い通りに子どもは動くはずです。でも、それは叱るということではなく「脅し」だと考えてください。恐怖を感じる故すぐ動くのです。自分が後悔しないしかり方子どもの行動・言動にたいしてついカッときて、その勢いで叱りつけてしまうことありませんか?時間が経って気持ちが落ち着いたときに「あぁ叱ることじゃなかったな」とか「勢いで叱ってしまったな」なんて後悔するときありませんか?そんな後悔をしない方法をお伝えします。・人に迷惑をかける・命の危険があるこの2つのこと以外は叱る必要はありません。それ以外のことでついカッなってしまったときは、子どもとの距離を一旦置きましょう。トイレやキッチンなどすこし冷静になる時間を作ります。そこから、「なぜ」「その行為を続けるとどうなるか」「(自分)がどんな気持ちになった」を整理してください。整理がついたら、「○○の理由でママは悲しかったかったよ。もしそのまま続けていたらこう(想定される出来事)になってしまうから、やめようね」と具体的に端的に伝えてあげましょう。叱るより諭す、子どもが自分で気づくことがなによりも子どもの成長に繋がるのです。大人になった時に、なぜ危ない場所に行かない方がよいのか、どうして悪いことはしてはいけないのかが判断できる子どもになるためには、小さい時から具体的な理由をちゃんと伝えて叱り続けるしかないのです。もしカッとなって叱ってしまったら、「さっきはママ強く怒ってごめんね。でも、ママはとっても悲しかったんだ」といったように、後悔を感じた気持ちをそのまま子どもに伝えましょう。感情を可能な限り伝えることで、行為→感情の流れが頭に組み込まれるので、人の気持ちを理解できる子に育ちます。「叱らない」ということと「放任」は違います。正しい叱り方をマスターすることで、母子の関係が一層楽しくなりますよ。(ポセイドン・ヨーコ)
2015年08月17日みなさまはじめまして、香坂コーリー知永子です。私はアメリカ人の夫との間に現在2歳9カ月のハーフの男の子を持つ国際結婚ママです。みなさんはわが子に英語が喋れるようになってほしいと思いますか? 私自身、40歳で今の夫に出会うまで英語を話す機会がありませんでした。息子は現在、日本の区立保育園に入れ、息子は日本語メインの生活をしています。しかし、英語は塾に行かずに修得することができるんです。今回は、私がバイリンガルや帰国子女、国際結婚先輩カップル数十人にインタビューをして分かった「家にいながらにして子どもをバイリンガルに育てる方法」をお教えします。そうは言っても、最近は幼いころから高いお金を出して英語塾に行かせているご家庭もたくさん。極端な例をあげると、まだ5歳なのに片親とともにインドネシアやシンガポールに留学させ、家族全員揃うのは夏休みや冬休みだけという方々も私の周りにいてビックリしました。そもそも教育って 何なのでしょうか? 「良い学校に入れる」「英語での教育を受けさせ国際的な競争力のある子どもに育てたい」など、さまざまな思いがあると思います。私は 真の教育とは 「ひとりの人間としての人格を養うこと」であって、学校や塾がやってくれる事ではないと思います。いい学校に入れたからいい教育が受けられるというのは、果たして本当なのだろうかと疑問に思いました。それでは、どうやって家族全員日本にいながらにして英語を家でどう教えたら良いのでしょうか。多くの人に話を聞いて思ったことは、やはり家庭での環境が大事だということ。しかも全員が口を揃えて言う「英語を習得するよりも、日本語を習得する方がはるかに難しい」という事実!ハーフだからと言って、英語も日本語もペラペラになるのかと思いきや、全員が全員そうではありません。やはりちゃんと勉強して、その語学に慣れ親しまないと駄目なのです。そのために、我が家が実践していて、誰でも簡単に真似出来る方法をお教えしましょう。(1) 1本のアニメ映画を、1回目は日本語、2回目は英語というように交互に繰り返し見せる。はじめは特典映像などの短いストーリーからはじめるのがおすすめ。(2) 日本語と英語が出る音の絵本で、繰り返し読み聞かせる(3) ピアノや鼓 、ヴァイオリンなどの楽器のおけいこをさせ、脳を刺激することで、聞いた音楽を記憶したり、再現する事が耳と脳を養う。私自身、40歳を過ぎるまで英語が全く話せませんでしたが、小さいころにピアノを習っていたおかげで、英語を「音」として捉え、英語の発音やリズムをつかむのがとても容易でした。テレビ番組もNHKのニュースなどは副音声の英語を聞き、毎日少しでも英語のシャワーを浴びさせるようにしています。英語を勉強と構えず、まずは「音に慣れ親しむ」ことが大事。読み聞かせや語り聞かせが語学習得の土台だとも言われているため、わが家は日本語の絵本と英語の絵本を交互に読み聞かせています。英語習得にはさまざまな方法がありますが、今回ご紹介した方法もみなさんの参考にしてみてくださいね。
2015年08月14日「赤ちゃんは健康で生まれてくれれば、性別はどちらでもよい!」とも思っている反面、「できれば男の子が欲しいな」「女の子が欲しいな」と望む気持ちは人それぞれあるのではないでしょうか。「性別の違いは、育て方の違いにも現れる」という声を先輩ママから聞くことがあります。「女の子のほうが、自立が早くて育てやすい」「男の子は女の子の3倍手がかかるし、何度言っても同じことを繰り返す」といった意見を耳にしたことのある人も多いはずです。子育ては性別ではなく、子ども自身の個性に応じて育てることが大切なことはもちろんですが、性別による差も少なからずあるでしょう。そこで今回は、男の子・女の子それぞれの代表的な特徴と、育て方で意識するポイントについてご紹介します。男の子に多くみられる特徴男の子は総じて好奇心旺盛。そのせいか、落ち着きなく見られがちなようです。男の子によくある特徴は、以下の通りです。あまり周囲を気にしない落ち着きがなく見えることが多い1つ1つの動きのスピードが速い集中力がある複数のことを同時にやるのが苦手突発的な行動を起こしやすい大人からすると無駄に思える動きが多い言葉でうまく表現できず、手が出てしまいがち 女の子に多くみられる特徴一方、女の子は社交性が高く、男の子よりも承認欲求が強い傾向にあるようです。女の子のおもな特徴は以下の通りです。おしゃべり好きな子が多い面倒見がよい正義感が強い周りと一緒を好む「答え」や「成果」を欲しがる自分を見て欲しい共感して欲しい2つ以上のことを同時にできるこの男女の気質上の違いは、脳のつくりに違いがあることが関係しているという説があります。男性の脳は一極集中型で、女性の脳は同時進行型。そのため、男性は女性のように「洗濯機を回しながら、朝ごはんの準備をして、子どもの支度をする」という、複数のことを同時進行させることが苦手。また、右脳と左脳の連携にも違いがある、といった特徴があるといわれています。このように、そもそも男の子と女の子とでは脳のつくりが違うわけですから、親としての向き合い方も違って当然といえるでしょう。では、性別と育て方の違いについて、親はどのような意識をしていけばよいのでしょうか。男の子を育てる時に意識すること1.むやみにせかさない、ガミガミ言わない男性脳は集中型=いろんなことを一度に処理できないといわれています。ですから、たとえば注意する時、頭ごなしにアレコレ言っても、その大半は伝わっていないことが多いのです。また、ガミガミ怒られることは、「僕はだめだ…」という自己否定の気持ちを持たせることにもつながってしまいます。加えて男の子は、女の子に比べてうまく言葉で説明できず、手が出るといった暴力的な行為におよびやすい場合も多くあります。そんな時は、「どうして今、○○しちゃったのかな?」と質問をしてあげましょう。言葉でどんどん気持ちや思いを表現することで自制心を養っていくことができます。こうした質問は、言葉で気持ちを言う訓練になるはずです。2.時には心を鬼にして、甘やかさない男の子のママの多くは、先ほど挙げたような男子の特徴を理解しており、つい「男の子だから仕方ないな」と思ってしまうこともあるでしょう。そのほか、困らないように先回りして準備したり、肩代わりしてあげたりすることもあるのでは?実はこれらの行為は、子どもの自立心を大きく削ぐことにつながってしまいがち。さらに、子どもを「自分のことは自分でやりなさい!」と叱りつけながらも、一方では手助けしてしまうと、子どもはどうしたらよいのかがわからなくなってしまいます。時には失敗を経験させ、自分で解決策を得るようにすることも大切です。女の子を育てる時に意識すること1.気持ちを代弁しない、一方的に注意をしない女の子は協調性が非常に高いため、相手にも共感を求めてきます。一番身近な存在である親でも、一方的に言われると、拒否反応を示します。そのため親は、その時の子どもの心理状況や心情を受け止めた上で、応援してあげましょう。特に母親の場合、同性だからと「こういうことが言いたいんでしょう?」と先回りして代弁してしまうことがあるかもしれませんが、これはNGです。女の子は、しっかりと自分の話を聞いて欲しい、そして共感して欲しいという思いがとても強いもの。子どもの話を聞いて、「こんなことを思っていたんだね」とオウム返しをすればOKです。 2.結果だけでなく過程をきちんと見てあげることわが家の娘が、こんなことを言ったことがあります。それは、娘が宿題をしていた時、「このページが終わったら教えて」とキッチンで食事の支度をしようとすると「ママ、そばにいて。ちゃんと見ていて」と言われました。なるほど、女の子は結果だけでなく、過程もきちんと見ていて欲しいようです。ですから、過程の頑張りも褒めた上で、結果についても「頑張ったね」とダブルで褒めることで、とても女の子の気持ちは満足するといえるでしょう。性別が違うということは脳のつくりも違う…このことを頭に入れた上で、それぞれの育児を楽しむことが大切なのかもしれませんね。(ライター:遠藤光恵)
2015年08月14日ワイドショー番組での歯に衣着せぬ物言いでたびたび「炎上」を引き起こしてきた古市憲寿さん。だが、実はまっとうで、仲間思いの人なのだ。私室にお邪魔し、人気社会学者の素顔に触れた。* **――7月に刊行したばかりの『保育園義務教育化』は、日本の乳幼児教育、少子化対策の不備をまっすぐに指摘する本です。僕の周りが出産ラッシュだったのと、あとは『ワイドナショー』(ダウンタウンの松本人志さんがメインコメンテーターを務める情報番組。古市さんは準レギュラー)に出たことも大きかったですね。電車でベビーカーが邪魔って話題とか、保育園が騒音公害で迷惑って言われてる問題とか、僕が出演した回はたまたま、子供と社会の軋轢についての話が多かったんです。コメントを求められるうちに、モヤモヤしてきたんですよ。なんでこの社会は「お母さん」や「子供」に対してこんなに冷たいんだろうって。あまりにもおかしいんじゃないかと思って調べ始めたら、実は乳幼児教育がすごく大事だってことがわかったんです。――ノーベル経済学賞受賞のアメリカ人教授が、「5歳までのしつけや環境が、人生を決める」と学問的に証明していた話は衝撃でした。大人の自分はもう、どうしようもないってことですよね……。ありのままを受け入れるしかないんじゃないですかね。有名な言葉があるじゃないですか。「変えることのできるものを変える勇気と、変えることのできないものを受け入れる冷静さを私に下さい」。ホントにそうだと思うんですよ。変えられないものを変えようとするんじゃなくて、変えられる範囲で自分とか周りをより良く変えようとする、それが一番合理的だし現実的だと思うんです。――ちなみに本の中で「今のところ結婚する予定も、子供を持つ予定もない」と書いてましたが。結婚はしたいんですよ。でも、付き合っても長く続かないんですよね。最長でも4か月ぐらい。――短いですね!どうしてなんですかね?付き合ってる最中も、ひとりだけに時間を割くっていうことがあんまりできなくて。前に、仲良くしてた女の子を食事に誘ったとき、向こうは少人数だと思ってたらしいけど、実は50人ぐらい集まるパーティだった、ってことがあって。びっくりされたというか、怒られたんです。付き合ってても意味ない、楽しくないって思われるみたいです。恋愛結婚って、本当はものすごく難しいじゃないですか。最近、自分にはお見合いがいいんじゃないかと思い始めてます。◇ふるいち・のりとし1985年1月14日生まれ。東京都出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。株式会社ぽえち代表取締役。『ワイドナショー』『とくダネ!』でコメンテーターを務める一方、内閣官房「クールジャパン推進会議」委員などの顔も持つ。◇『国家がよみがえるとき持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由』(マガジンハウス1500円)はフィンランド人社会学者との共著で、現地学者の論文も多数収録、『保育園義務教育化』(小学館1000円)は、古市流のツッコミ芸が冴え渡る全7章。共に好評発売中。※『anan』2015年8月5日号より。写真・森滝 進(まきうらオフィス)インタビュー、文・吉田大助
2015年08月05日「 ひとまねこざる 」(岩波書店)という絵本をご存じでしょうか。黄色い帽子をかぶったおじさんによってアフリカの大草原から大都会・ニューヨークに連れてこられた主人公のジョージ。知りたがりやで目に映るものすべてに疑問を持ち、なんでも自分でやってみるというお話です。絵本のなかでジョージが興味を持つ姿は、子どもたちの好奇心旺盛な姿とよく似ています。子どもの観察力はすさまじいもの子どもたちは大人が思っている以上に大人の行動を観察しています。たとえば、室内の自由遊びで携帯電話のおもちゃを出すと「あーすいません、あとでかけなおしますね」「洗い物だけやっといて、よろしく」「今から電車のるから!」なんて言葉が飛び交います。他にも首と肩の間に携帯電話を挟んで何か作業しながら「あーうんうん」なんてうなずく子どももいるほど。子どもにとって大人は恰好の観察対象、そして憧れの存在なのです。子どもを信頼して“任せること”が成長のカギ何か人に頼られたり信頼してもらえることで「頑張ろう」「やってみよう!」と自信を持ち、成功したときに喜びを感じるのは大人も子どもの一緒です。自分の身の丈よりも少し難しいことを頼まれ成功することで自立と自尊心を伸ばすことにつながります。子どもに頼るのに最適なことといえば「お手伝い」です。小さいころお使いをたのまれたとき、ドキドキしながら小銭を握りしめ近所のスーパーに行った記憶はありませんか? 頼まれたものを買って、無事家に戻ったときのお母さんの表情を、私は今でも覚えています。お手伝いといえども、「小さい子どもになにを任せていいかわからない」と思う方もいるでしょう。そんな方々のために、簡単に頼めるお手伝いを少し紹介したいと思います。■ごはんの準備「ママ、美味しいご飯つくりたいんだけど、一人だと大変だから混ぜ混ぜお願いしもいい?」とボールにご飯を入れて、しらすやシャケなど小皿に入れて渡してあげます。説明は「ご飯にしらすを入れてスプーンでまぜまぜしてね」の一言のみ。子ども自身に任せてあげてください。もし汚れるのがいやならば、テーブルの上にラップを敷いてあげたり、新聞紙を敷いてあげるのがおすすめです。このほかにも、ハンバーグのこねる作業をお願いするなどいろいろな方法がありますが、大切なことは「できたことを実感する」こと。おにぎりだと出来上がったら、自分が作った状態のまま食べることができますよね。月齢に合わせた料理のお手伝いをお願いしましょう。■洗濯物をたたむ 生活習慣について書いた記事 で「たたむ」ということに触れましたが、洋服をたたむことは指先を使う子どもに大人が思う以上に頭を使う行為です。まずはタオルから頼んでみましょう。目の前で「はじっことはじっこをくっつける」「はんぶんこ」この2つの声がけで十分です。たとえぐちゃぐちゃになってしまっていても否定はNG。「わぁ!どうもありがとう!」と笑顔で感謝します。回数をこなせばこなすだけ上手になります。そして、たたむという行為は折り紙にもつながり、手先が器用になります。これ以外にも、洗濯物を干すことをお願いするのもおすすめです。洗濯ばさみに何か挟むという行為は集中力を要します。指先の運動も兼ねているので達成感も大きいのです。日常にただ転がっているようなものも子どもにのっては多岐にわたる挑戦。現時点の成長度合いよりも、ちょっとレベルの高いことをこなしていくことで子どもはめまぐるしく成長しています。「これはできないかな」なんて思うことでもどんどん挑戦させてあげてくだいさいね!(ポセイドン・ヨーコ)
2015年08月04日育児の最初の関門と言っても過言ではない、トイレトレーニング。「難しそう…」なんて遠ざけてしまっていはいませんか? やり方さえ覚えてしまえば、実はゲーム感覚で楽しむことができるのです。おむつの卒業に最適な時期はいつなのかという質問をよく受けますが、私は「首が座ったら最初の一歩をスタートしましょう」と必ず答えます。なぜなら、紙おむつに慣れてしまう前に、おまるで排泄(はいせつ)する感覚を覚えることが大切だからです。紙おむつで排泄することに慣れてしまうと、その分外すのに時間がかかってしまいます。時間がかかるということは、ママの労力も同じだけ費やすことになるのです。赤ちゃんの首が座るころ、少し背中を支えてあげると座ることができますよね。「首が座る」「支えてあげれば座れる」という発達は、実はおまるデビューに最適な時期なのです。赤ちゃんは体が小さいぶん体内のめぐりが早く、寝起きや授乳したあとなど、必ずおしっこをするタイミングがあります(おっぱいを飲みながらおしっこするなんていつものこともあります)。まずはそのタイミングを見計らって、おまるで素早くキャッチしてみてください。まずはおしっこ表を準備しておまるの準備ができたら、次に用意するのは「おしっこ表」。チラシの裏紙など、簡単なもので大丈夫です。○・◎・△が意味するものは下の通り○…おむつのなかでおしっこが出た(出ていた)◎…オマルでおしっこがでた△…うんちが出た(出てた)□…オマルでうんちが出たこんな感じで表に自分で決めた印を書き続けることによって、赤ちゃんの排泄リズムを体感することができます。「昨日はこの時間におしっこが出たから今でるかも…」と思いオマルに座らせたら、オマルで出たという快感を感じてみてください。この快感にはまれば、おむつを卒業するのも楽しくなってきます。おまるの選び方おまるにはいろいろな種類がありますが、ここで大きく2つに分けて説明したいと思います。ポットタイプポットのようなかたちが特徴の 琺瑯(ほうろう)おまる です。とてもシンプルなデザインで、片手で支えられるのでおっぱいあげながら片手でおまるを当てるができるのはとても便利。そして、付属のフタが匂いをそとに漏らすことを防ぐので、長時間の車移動などに最適です。ただ、底の面積が狭いので一人で座っておしっこするにはバランスが取りずらく難しかしいとうい欠点も。便座タイプ自分で座ることができる 便座のおまる 。上の便座をはパカっと外して大人のトイレにつければ補助便座になるのもなるのでオススメです。最後に、何よりも大切なことはおまるでおしっこしたときに、これでもかというくらいに喜んで褒めてあげてください。ママの喜ぶ顔は赤ちゃんにとって最高の喜び。「おまるでおしっこするとママは嬉しいんだ! もう一回やってみよう!」と赤ちゃんも前向きな気持ちになれます。
2015年08月04日よくお母さまたちから「どんな習い事をすればよいか」という質問をされます。実はこれ、子どもの年齢によっては正直困ってしまう質問だったりします。ワーキングマザーを母親に持つ子どもは、愛着を何よりも求めています。そのため、土日は習い事を入れるのではなく、その時間めいっぱい一緒に遊んでほしいと思うからです。しかし一方で、お母さんたちも数十分・数時間、自分の時間を求めているのだろうなと感じます。子ども・お母さん、それぞれの視点に立つと真逆の答えが出てしまいます。そこで今回は、親子の時間を作りながら生活習慣を正すことが、習い事に変わるほどのメリットがあるということをお伝えしたいと思います。そもそも生活習慣ってなんだろう育児をはじめてから、よく「生活習慣」という単語を耳にしませんか? ざっくばらんに「生活習慣を大切に!」なんて言われても、少し曖昧で実際に何をどうするのかが提示されていません。では、具体的に生活習慣は何かというと、下記の項目があげられます。・起床、睡眠時間(俗に言われる「生活のリズム」)・洋服の着脱・排泄リズム・食事(食べ方、食べる量、食事にかかる時間など)・整理整頓(おもちゃのお片づけ、洋服のお片づけ)この生活習慣を身につけることで、習い事に負けないほど子どもの能力が伸びることを皆さんに知っていただきたいのです。生活習慣は全てに通じている例えば、さきほど紹介した生活習慣のなかでも整理整頓はいろいろなところにつながっています。■おもちゃの片付けおもちゃのお片づけは知育でいう「仲間集め」です。「お片づけして!」なんて一言で終わらせるなんてもったいない! 同じ種類・色・形を見分け、ひとつの場所に集めるということ。そのため、「黄色いブロックからお片づけしようか」や「これと同じ形のブロックからお片づけしよう」など、条件をつけることによりゲーム感覚でお片づけを楽しむことができます。これは楽しいだけでなく、かたちを理解する力・判断力、そして理解力を使います。「よーしママも負けないぞ」なんて一声で親子の楽しい時間に切り替わります。■洋服の片付け洋服の片付けは実は奥が深いもの。「なぜ、洋服を片付けなければいけないのか」という基本中の基本から教えてあげることが大切です。朝起きたときに子どもの目の前で「ママ、上手にたためるんだ~」なんて言いながら、脱いだパジャマを綺麗にたたんであげましょう。キラキラした目で食い入るようにみるはずです(寝起きが悪い子は少し落ち着いてからやってあげましょう)。綺麗にたたんだものはしまわず、寝室など目の届くところに置いておきます。ここまでがいわゆる導入です。時間をすすめます、夜お風呂に入るときにまた服を脱ぎます。そのときも「みてみて~、ママ綺麗にたためるんだ~」と言ってたたむ姿を見せてあげます、こうすることで朝のパジャマの存在を思い出します。お風呂に入ってパジャマを着るとき、いつもよりオーバーリアクションで「朝ママが綺麗にたたんだんだよね!」と言ってたたまれたパジャマを見せてあげましょう。そして「綺麗にたたんであると着るときラクチンだね」と決め台詞を輝く笑顔で投げかけます。すると、子どもの頭のなかで一つのサイクルが出来上がります。脱ぐ→たたむ→着る→ラクチン→ママの笑顔→脱ぐ→たたむ→着る…。ここまでできたらもうこっちのもの。「明日一緒にやってみる?」と輝く笑顔で聞いてあげてください。たたみ方を教えるコツは4つ・まずは半分に畳むことから始める・はじとはじを合わせられるようにする・ぐしゃぐしゃになりそうだったら気づかれない程度に手をだす・オーバーリアクションで褒めるまずは後ろから手をとって半分に畳むことから。ズボンが一番良い導入になると思います。「こことここ、はじっことはじっこをくっつける。はんぶんこ~」なんて声をかけてあげると良いと思います。ちなみにこの洋服を畳むという行為は「折り紙」に繋がるのです。指先の運動を繰り返すことで頭はどんどん回転し、折り紙は子どもの創造性を高めます。一枚の紙からいろいろなものができあがる喜びと達成感は大きなものです。生活習慣を見直しながら、親子の時間を過ごせるなんて一石二鳥。お子さんとの毎日の暮らしを楽しんでくださいね!
2015年08月02日子どもは大人の会話の中から単語を拾って語彙力を伸ばしていきます。周囲の人間からすれば大人の会話で使うような単語を発する子どもに対して、それと同等の理解力・精神力があると勘違いしてしまうことがありますが、子どもの記憶力は大人の記憶力に比べて5分の1以下程度と言われるほど。まず最初にロボットのおもちゃで遊んでいて次に車で遊んでいたとしても、最初に何で遊んでいたかと聞くと、「くるま!」と、もっとも印象が強かったものを答える傾向にあります。そのため、出てくる単語が一定になったり、発した単語が正しい意味で使えるようになったりするのは、まだまだ先のことなのです。子どもの語彙力を上げる一つの大切なルールは、耳と目、両方に訴えることです。車を教えるときは車を見せる、水を教えるときは水に触れさせる。ヘレンケラーとサリヴァン先生のイメージです。そのほかにも、例えば何か欲しいときに「ちょうだい」と言えるようにするためには「ちょうだい」と何度も言わせるのでなく、ちょうだいと人に言ったらどんなことが起きるのかも一緒に教えてあげることが大切なのです。現実と願望を同時に感じる子どもの能力突然子どもが「公園に行ったんだよ」「アイスを一緒に食べたよね」なんて身に覚えのないことを言い出すことはないでしょうか? そんなときは「そうだね、今度一緒にいこうか」と笑顔でお返事してあげてください。どうしてこのような突拍子もないことを言うのでしょうか、それには子どもらしい言葉と記憶のメカニズムがあります。現実世界と願望、すなわち夢見る世界が子どものあたまの中では介在しているのです。「アイスクリームをたべたいな~」と思ったとしても、「~したい」と未来を表す言葉の使い方は過去を表す言葉よりも後に理解するようになるので、唯一理解している過去を表す言葉「~した」を用いて記憶するのです。すなわち、見に覚えの無い「公園に行ったんだ」「アイス一緒に食べたよね」などの経験談は子どもの願望を表しています。嘘だと思って叱ったり否定するようなことをしてしまうと、子どものサインを見逃すことになるので、是非これをきっかけに子どもの希望をキャッチしてあげてくださいね!
2015年07月29日マイペースな子や朝起きるのが苦手な子の場合、朝の支度にかなりの時間がかかってしまうこともあるでしょう。それを見越して早めに起こしていても、なぜか家を出るぎりぎりまで準備に時間がかかってしまい、つい「早くしなさい!」と声を荒げてしまうことも…。平日の朝がいつもバタバタになっているのなら、これから挙げる3つのポイントを、いま一度見直してみてください。ポイント(1)ママ自身が時間に余裕を持つことまず大切なのは、ママ自身が時間に余裕を持っておくことです。登園までの時間を逆算して、何時に起床するか、掃除や洗濯にどのくらい時間がかかるのか、いつ子どもを起こすのか、などを考えてみましょう。ママがいつもよりも早めに起きることで、朝ごはんの支度や洗濯などを先に済ませ、家事の目途がついてから子どもを起こすことができます。ママの時間にゆとりができれば、自然と気持ちにも余裕が生まれ、子どもの支度をさせる時間もつくれるはず。子どもを急に変えるのは難しいので、まずは自分のできることから始めてみてはいかがでしょうか?ポイント(2)~ながらを辞めさせるテレビを見ながら着替えたり、ご飯を食べたりしていると、どうしてもダラダラしてしまいます。特に、子どもは2つ以上のことを同時に行うのが難しく、一方に集中してしまうと、もう一方のことがおろそかになってしまいがちです。「支度がきちんとできるまではテレビをつけない」といったルールをつくり、「○○しながら」を辞めさせましょう。ポイント(3)何をするのか、いつまでに用意をすればいいかを伝える「早く」という言葉は、子どもにとっては抽象的すぎて、どうすればいいのかわからないこともあります。それよりも、具体的な内容を伝えておいたほうが、スムーズに支度してくれるでしょう。たとえば、「ごはんを食べ終わったら、次は歯磨きしてね」「長い針が6のところまできたらおうちを出発するよ」などと、子どもにもわかるように説明しておけば、子どもも具体的な行動がわかるので、準備が進めやすくなるはずです。慣れてきたら、徐々にママが口を出す頻度を減らしていくと、最終的に子どもが自分で考えて支度できるようになっていくでしょう。その間にも、子どもが自分で考えて支度ができている時には、褒めてあげることを忘れずに。ママに気持ちと時間のゆとりができれば、自然と子どもも余裕が持てるようになるはず。毎朝バタバタして、「早くして!」が口癖になっていたママは、ぜひ明日からトライしてみては?
2015年07月29日脳を育てることと、心を育てることは、なんとなく別のことに思えるかもしれませんが、「心=脳」ということが最近の研究の結果、明らかになっています。以前は、児童虐待の残す傷あとは、「心の問題」であると考えられていましたが、最近の脳科学の研究では子どものときに虐待を受けると、脳の一部に発達障害を起こす出典:日経サイエンス2006年12月号臨時増刊「インタビュー 熊本大学大学院医学薬学研究部小児発達社会学助教授 友田明美 子どもは親を選べない 脳科学は子どもの心を救えるか」ということがわかっているのです。近年話題になっている、突然感情を爆発させて暴力的になる「キレる子ども」になるかどうかも、脳の発達に関係があるそうです。脳の発達の基礎は、幼児期の親子関係の中で作られていきます。そこで今回は、脳科学で明らかにされてきた子どもの脳について紹介します。「キレない」ために大切なのは、脳の前頭前野言葉を覚え、計算し、人の気持ちを感じ取るときに重要な働きをしたり、「キレる」ことのブレーキ役となったりするのは、大脳の前頭前野です。前頭前野は脳の部位の中でも、もっともゆっくりと成長していきます。脳のおおよそは8~10歳くらいでほぼ完成を迎えますが、前頭前野だけは24~25歳くらいまで成長を続けるそうです。つまり、脳の構成がかたまる8~10歳までに脳の基礎を育てておく必要はありますが、大脳の発達は絶えず続き、足りないものがあれば補おうと変容したり、新たな刺激や発想があればいくらでも変わることができたりする柔軟性を持っています。つまり、8~10歳の時期を逃したら手遅れ、ということではありません。このことはしっかり覚えておいてください。「遊ぶことは学ぶこと」なのは、前頭前野の連携を鍛えるため前頭前野は知性を司る領域体を司る領域情動(感情)を司る領域の3つの領域に分かれています。そのうち、知性を司る領域は、体や情動を司る領域とうまく連携できて初めて、十分な発達をとげるのだそうです。脳科学者の篠原菊紀教授によると、ひと昔前は、子ども同士の遊びの中でこの結びつきが鍛えられていた出典:AERA with kids 2006年12月15日 「脳科学 発達行動学から見た早咲き脳 後のび脳」ということです。さらに、「今、ADHD(注意欠陥・多動性症候群)傾向や自閉傾向、LD(学習障害)といった子どもの増加が問題になっていますが、以前は子ども同士の遊びが、そうした障害の出現を抑制していたのではないか」と指摘しています。「子どもにとって、遊ぶことは学ぶこと」と、よく言われますが、先の指摘によるとこの言葉は理にかなっており、外で大騒ぎしながら遊ぶことは、子どもの脳が健やかに発達するために大切なことといえるでしょう。キレにくい子に育てるには、扁桃体の暴走をコントロールさせること前頭前野のある大脳の活動を支えるのは、脳全体の中心辺りに位置する大脳辺縁系です。記憶を司る海馬のほか、扁桃体(へんとうたい)があります。扁桃体は、生き物として「近づくべきか」「これは食べられるか」といった、危険性の判断や恐怖にかかわる部分です。幼児期に虐待されたり、愛情を与えられなかったりすると、この部分が育ち損なう可能性があるといわれています。扁桃体では、「好き」「嫌い」という感情も決めています。ここで判断された「嫌い」という感情が攻撃欲と結びつくと、扁桃体が暴走し、いじめや衝動的な攻撃が生じるのです。扁桃体を暴走させないためには、そのボリュームを増やしてしっかり攻撃欲をコントロールさせることが必要です。そして結果としてこれが、キレない脳、社会性を育てることにつながります。扁桃体は、幼児期に身近な人の笑顔、愛情表現を与えることで成長が促されることもわかっています。自分を育ててくれる親を見て「好き」になり、その好きな親が笑顔で自分を見ている、という経験は、お互いに「好き」という気持ちを共感することです。この体験が他人との信頼関係を築いていく原点となるのです。幼児期のやりたい気持ちを尊重することが脳の健やかな発達につながる子どものうちは、前頭前野が大人のようには完成していないので、大人よりも一時的な「好き嫌い」で物事を判断します。物事の重要性や優先順位を判断したり、本能的な欲望に理性的にブレーキをかけたりするのは前頭前野の活動です。子どもが「やってみたい」と思うことには、危なかったり汚かったり、眉をひそめたくなることもあるかもしれません。ですが、「やってみたい」気持ちをくじけさせてしまうと、せっかく芽生えた意欲をつぶしてしまいます。ルールに従い、我慢する、他人の意図や感情を理解するのは、ゆっくり時間がかかるもの。幼児期に大切なのは、しつけの前に、「やってみたい」意欲を出来る限り尊重し、挑戦させてあげることではないでしょうか。
2015年07月28日武蔵野銀行は23日、顧客の様々な教育資金ニーズに対応するため「教育サポートキャンペーン」を開始した。○一定の条件を満たすと通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きする「教育サポートキャンペーン」は、2016年4月30日までのキャンペーン期間中に「むさしの教育ローン」または「プレミアム教育ローン」を申込みをした顧客(申し込み方法の条件あり)が、一定の条件を満たした場合、通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きするとしている。今後も武蔵野銀行は、顧客へのより一層のサービス向上に努めていくとしている。
2015年07月27日絵本は子どもにとっての大切な教科書でもあり、心の友達のような存在です。私は幼いころ母に読聞かせしてもらった中の一番のお気に入りの絵本を今でも大切にしています。なにか仕事で落ち込んだり、辛いことがあると原点回帰のような気持ちで声に出して読み、子どものころの気持ちを取り戻しています。学生時代、親の言う事は聞かないけど、他人から言われると納得できたという経験はありませんでしたか? それと同じで、子どももお母さんから怒られるより、絵本を通して知ることの方が素直に聞くことが多いのです。実際、保育ではよく 「いやだ いやだ」(せなけいこ 福音館書店) を使います。読聞かせしたあとに「ルルちゃんはなんて言えばよかったのかな?」と子ども聞くと「できるできる!だよ」と教えてくれます。そこまで言えなかったら絵本の中の「いやだ いやだ」を「できる できる」に置き換えて読んであげてください。きっと子ども顔がパ~っと明るくなるはずです!言葉で魔法をかけてあげることでグンっと子どもの可能性は広がります。身近な見本として絵本の中の登場人物が活躍してくれるので、なかなか言うことを聞いてくれないときは、その状況に応じた絵本を見つけ出すのが解決に繋がるかもしれません。絵本選びに困ったらどうする?絵本と子どものつながりは切っても切れない大切なものです。現在の日本では子どもと絵本の出会いは早く、平均0歳~1歳代から絵本の読聞かせをスタートする家庭がほとんどと言われています。1992年にイギリスでスタートした「ブックスタート」というサービスが2001年に日本に入ってきたことも、早期読み聞かせスタートの要因になっているかもしれません。ブックスタートとは各地方自治体において開始されたサービス。保健所、保育者そして研究者らの幅広い専門家が関わり親子で楽しめる絵本を伝える運動。 NPOブックスタート たくさんある絵本の中から何を選べばいいか不安というママ。そして読み聞かせってどんな風にしたらいいの? と悩んでいるママにぴったりのブックスタート。全国923市区町村に広がるブックスタートを有効活用してみてはいかがですか? きっと親子で楽しめる絵本に出会えるはずです。
2015年07月27日年が違う子との触れ合いは、子どもにとってメリットがたくさん! 実際に、異年齢児保育(縦割り保育とも言います)を導入している園は多く、年齢差のある子同士の繋がりを大事にしています。「学年が違う子どもと遊んでいても、学ぶものはないんじゃない?」と思うかもしれませんが、実はいろいろなことに期待ができるのです。今回は、異年齢児と遊ぶ時間を与えることで得られるメリットについて紹介していきましょう。年上の子にとっては「やさしさが芽生える」年上の子は、年齢が下の子と遊ぶことで、やさしく接すること、物事を教えてあげることが自然にできるようになります。下の子に「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」と言われることが嬉しく、格好つけようと頑張る姿が見られることもあるでしょう。自分が苦手なことでも、下の子が見ているからと思って克服しようとしたり、一緒に遊んでいるうちにお友達に譲ってあげるという気持ちも芽生えてきたりします。普段同い年の子と遊んでいると、お互いが自分の我を通そうとしたり、感情的になったりしてしまいますが、自分よりも年下の子と遊んでいると、同い年の子と遊んでいる時とは違った感情が生まれやすいのです。年下の子にとっては「成長に繋がる」反対に、年下の子にとっては、お兄ちゃん、お姉ちゃんの様子を見ながら「こうやってするんだ」「こんなふうになりたい」という気持ちが出てきます。年上の子に対する憧れのような感情も芽生え、自分なりに考えて学習しながら成長していくことができるのです。兄や姉がいる子の成長が早いように感じるのも、年齢の異なる子との触れ合いが多いからといえるでしょう。異年齢児との触れ合いは、心を育むことができる異年齢児との触れ合いは、お互いの心を育むという意味ではとても重要な役割を果たしてくれます。ちょっとしたケンカがあっても、上の子が先頭に立ち、子ども同士で物事を解決しようとしたり、チャレンジ精神を養うことができたり、思いやりの心ができたりと、子どもたちの心を大きく成長させることができるのです。たとえば、年齢の違う子に対して、自分の言い分を主張するのは難しいことです。特に、年齢が上の子は下の子に手を出すことはできないし、下の子が理解できるよう、言葉を選んで伝える必要もあります。最初はぎこちないやり取りになるかもしれませんが、少しずつ子どもたち同士で考え、成長することで次第にスムーズなやり取りができるようになるでしょう。保育園、幼稚園選びのポイントにもなる異年齢児保育。近所に年齢の近いお友だちがいるのなら、積極的に関わりを持つようにすると、お互いの子にとって、よい影響があるはずです。
2015年07月26日子どもがイヤイヤ期を迎えるということは、精神面や理解力も育ってきている証拠。しかし、なんでも「イヤイヤ!」となってしまうから、ママはとにかく大変です。そこでおすすめなのが、どこかお出かけする前や一日の始まりに子どもと約束をする、ということ。ただし、長々と約束ごとを話すのは逆効果です。「ママがいろいろなことを言ってるけど、よくわからなかった…」となってしまいます。例えば、「これからスーパーに行くよ。○○ちゃんに一緒に行ってほしいのだけど、ママとのお約束守ってほしいの。イヤイヤしないで欲しいの、ママは楽しくお買い物したいんだ」といった感じで、・目的・場所・約束ごと・理由(なぜ約束をするのか)の4つを端的に伝えましょう。これらを踏まえて、イヤイヤ期を楽しく過ごす2つの方法をご紹介したいと思います。真正面から受け止めず、ちょっと横から見つめてみる子どもと1日一緒にいるだけで疲れてしまい、精神的にも限界を迎えているママたち。子育てをする上でまず大切なことは「諦める」ことです。思い通りにいかないのが子育て。「自分の子どもだから自分でなんとかしないと」と、肩肘を張るほどつらくなってしまいます。例えば「◯◯ちゃんのお腹のなかにイヤイヤ虫がいっぱいいるみたいだね…。ママ悲しい! イヤイヤ虫どっかいけー」と気分を変えてあげるのも一つの手段。いつも「イヤイヤ!」と言うと怒られていた子どもも、違う反応を見せてくれます。大人も「イヤイヤ」になることを伝える子どものイヤイヤ期に、大人も同じような気持ちになることはありませんか? そうであれば、その気持ちを子どもに伝えることも大切です。しかし、そこで大人の本音と建て前を見せてはいけません。例えば、スーパーなどで「買って、買って!」と体をふんぞり返して泣き騒ぶ子どもたち。周りの人に見られて恥ずかしい! という気持ちは少し忘れて、全力で対抗しましょう。「いやだ!ママは買わない!って言った!ヤダヤダ!!」と、大人の本気を見せると大抵の子どもはキョトンとします。他には散歩の途中歩きたくないと泣いて座り始める子どももいますね。そんなとき「じゃあママ帰るよ」と置いていくことも一つの方法ですが、それを繰り返していると「どうせママは戻ってくるし、どこにもいかない」と効果は必ず無くなります。「やだ!」「だっこして!!」と座り込み、こちらの様子を伺う子どもに屈してはいけません。膝を折り曲げ同じ目線に立ちこう言うのです、「やだ」「だっこしない」「ママだって疲れたからだっこできない!」。もしも子どもが泣きだしたら、まず泣き止むまで待ちます。「えんえんが終わったらお話しよう」と伝え、そこからはひたすら待ちましょう。この時間がとにかく長く感じますが、待つということで子どもにママがあなたを信頼しているという意思表現となり、精神的自立の背中を押すことにつながります。泣き止んで少し落ち着いたら、改めて話をすることが重要です。「ママがイヤイヤしたら、困っちゃうよね。◯◯ちゃんがイヤイヤするとママ同じ気持ちになるんだ。だから、イヤイヤしないでママとお話ししようよ!」と伝えてあげてください。この、方法には以下の効果があります。・子どもがイヤイヤしたときに親がどういう気持ちになるか擬似体験する擬似体験を通し、人の感情を理解します。「ママは困っていたんだ。ママはちゃんとお話しを聞いてくれるみたいだ」と自分の気持ちを伝えることの大切さを感じるきっかけになったり、人の気持ちを理解できる大人への入り口になるきっかけはこういうものの影響だったりします。・子どもの気持ちに寄り添っているという子どもへのサインになる子どもは寄り添ってもらうことで安心感を得ます。心理学でいうミラーリングです。自分と同じ行動を取る人に心をを開くのと同じ効果です。「あ、今ママは私の気持ちを分かろうとしてくれてる」と母子間の信頼関係も強まります。子どもが本気で感情を表現してくるときは、大人も本気のやり合いを楽しんでください。それが子育てのヒントになるかもしれません。
2015年07月25日年長児の子どもを持つママは、少しずつ入学の準備にも目を向けていることでしょう。ランドセルや学習机などの目に見える用意だけでなく、小学校までに修得しておきたい事柄のように、目には見えない用意もあります。その1つとして挙げられるのが「蝶結び」。小学校入学までに必ずできないといけないわけではありませんが、必ず必要になる事柄です。小学校入学をひとつの機会として、教えてあげるのもよいでしょう。今回は、蝶結びの教え方や、遊びの中に取り入れて教える方法を紹介していきます。蝶結びの方法は多種多様「蝶結び」と、ひと言で言っても、実はいろいろな結び方があります。まずはママ自身がいろいろな蝶結びの結び方をチェックして、子どものやりやすそうな方法を伝えてみるとよいでしょう。子どもにとって蝶結びで難しいのは、片方で輪をつくり、その輪にもう一方の紐を巻きつけるようにしてくぐらせるという作業のはず。その作業に苦戦してなかなか蝶結びができないのなら、2本の紐をそれぞれ半分に折って、固結びするという結び方にトライしてみましょう。この方法ならば、複雑な動きがほとんどないので、比較的楽に蝶結びができるでしょう。ただし、2本の輪を固結びにする方法では、キレイな形の蝶結びにはなりません。そのため、最初は蝶結びができることを目標にし、少しずつ一般的な蝶結びの結び方を教えていくとよいでしょう。遊びの中に蝶結びの練習を取り入れよう「さあ、蝶結びの練習をするよ!」という雰囲気では、子どもも嫌々になってしまうかもしれません。練習するという雰囲気ではなく、遊びの中で蝶結びに触れる機会をつくるようにしましょう。たとえば、お弁当を紐付きの袋に入れてみたり、靴をマジックテープから紐仕様のものに変えたりするのもいいですね。女の子ならお人形の髪にリボンを巻いて、「可愛くしてあげようね」と声をかけながら蝶結びの練習を促すという方法もあります。また、ママが食事の準備をする前に「エプロンの紐、結んでくれる?」とお願いするのも効果的。ママからのお願い事なので、子どもも張り切ってトライしてくれるはずですよ。後ろで結ぶタイプよりも、腰紐を前で結ぶタイプのエプロンのほうが、子どもに蝶結びの方法を教えやすいと思うので、エプロンの種類にも配慮してあげるといいですね。小学校に入ってからは蝶結びをする機会も出てきます。焦る必要はありませんが、小学校入学を目安にして、蝶結びができるような環境づくりをしてあげましょう。
2015年07月23日「ママ、これ食べていい?」「これで遊んでいい?」「もう片付けてもいい?」などと、子どものほうから1つ1つ親に確認してくるということに思い当たる節はありませんか?よその子を見ていると、子ども自身で考え、自分のやりたいことを決めているように見えるけれど、うちの子は必ず親の許可を得てからでないと動かない。なぜだろうと疑問を抱いているママもいるはずです。親の許可を求めるかどうかには、子どもの個性や性格が関係していることもありますが、実はほかにも理由が隠れている可能性があるのです。ママが先に言葉をかけていない?まずは、これまでの子どもとの関わり方を思い出してみてください。子どもが遊ぼうとしている時に「これで遊んだら?」と言ったり、今日のおやつは何にしようかなと迷っている時に「このおやつにしたら?」と言ったり、子どもが決断するよりも先にママが声をかけ、決断を促した覚えはありませんか?子どもよりも先にママが言葉をかける状況が続いてしまうと、子どもは自分で考えて物事を進めていく力を失ってしまいます。ママが指示を出してくれることが当たり前だと思ってしまい、自分で物事を決めることができず、必ずママに尋ねてから行動に移すようになるのです。子どもの行動を温かく見守ってあげて子どもに、自分で考え、決断する力をつけさせたいと考えるなら、まずは子どもの気持ちを尊重し、ママは温かく見守ってあげることから始めましょう。子どもが何かをしようとしている時も、いつものように声かけで誘導するのではなく、あえて言葉をかけずにいることが大切です。もし、子どもがいつものように訊ねてきたら、「○○ちゃん(くん)はどう思う?」と言って、決断を促すように質問をするのも有効です。ママの質問に対する答えを見つけようとして、自分で判断する力を養えるでしょう。これを続けていくことで、今までママの考えに従うことがメインだった子どもも、自分なりの解釈や好奇心に従った、個性的な考え方をしてくれるかもしれません。赤ちゃんの頃は、常にママが目を配り、危険のないように配慮していても、月日が流れてくると子どもにも自我が芽生えてくるもの。自我の芽生えは、可能性の芽生えでもあります。その芽をママが摘んでしまわないように、成長に応じた対応をしたいですね。自分で物事を考え、動けるようになれば、自然と視野も広がり、子ども自身が活き活きとしてくるはず。なるべく言葉の先回りは控えて、子どもに考えさせることを大切にしていきましょう。
2015年07月22日仲の良いお友だちができると、無意識のうちにわが子とお友だちを比較してしまうことってありますよね。「あの子は字がキレイね」「お片付けが上手にできる子ね」などと、他人の子は良いところが目につき、逆に「なんでうちの子はできないの?」と、わが子の悪いところばかりが気になる、という人は少なくないでしょう。中には、欠点が気になり過ぎて、子どもに強く当たってしまうこともあるかもしれません。今回は、わが子の欠点をネックに感じているママに、今一度考えてもらいたいポイントをお話ししていきましょう。それぞれの子どもの個性を受け止めよう人にはそれぞれ、個性や考え方があるもの。それと同じで、子どもにも得意、不得意が当然あります。お友だちの得意なこと=わが子の得意なこととは限りません。比較する必要はないのです。まずは、わが子の性格や性質をしっかりと理解し、それを受け止めること。それこそが、子どもにとっての幸せにつながるはずです。わが子の良いところを見つけようお友だちと比べるのではなく、子どもの良いところを1つでも多く見つけることを意識してみましょう。あいさつができる、ごはんを残さず食べられる、お友だちと思いきり遊ぶことができるなど、どんなことでも構いません。子どもの良いところ、素晴らしいところを見つけて、褒めてあげましょう。子どもは褒められることで自分の長所を自覚し、「もっと褒めてもらいたい」という思いから、自分の長所を伸ばそうとします。大好きなママから褒めてもらうことは何よりも嬉しいものなので、誰かと比べて「あなたはどうして…」と嘆くのではなく、「すごいね!」と認めてあげましょう。欠点はその子の良いところでもある欠点ばかりが気になるのなら、その欠点を良い方向に考えてみるとよいかもしれません。長所と短所は常に表裏一体です。たとえば、感情的になりやすい子は「感受性が強く情に厚い子」、優柔不断な子は「人に合わせるのが上手な協調性のある子」というように、発想の転換で欠点を良い方向に考えることができます。欠点をマイナスとして見るだけでなく、前向きに捉えるようにしましょう。短所も長所も、立派な子どもの個性。それを理解し、受け止めてあげることが、親子で成長するきっかけになるはずです。ママの考え方が変わることで、子どももきっと、ママが認めてくれること、理解してくれることを嬉しく感じるでしょう。誰かと比較するのではなく、わが子としっかりと向き合う環境を整えることが大切です。
2015年07月20日子どもが何か悪いことをした時、つい怒鳴ってしまうことってありませんか? 息子がイヤイヤ期のころ、主人の仕事の関係でアメリカに住むことになり、驚いたことがあります。それは、アメリカでは外で声を荒げて叱るママの姿をほとんど見かけないのです。そこで教わったのが、欧米流の叱り方「タイムアウト」でした。「タイムアウト」とは、スポーツの試合などで、監督がとる「タイム」からきています。子どもが何か悪いことをした時に、その場で叱らず静かな所で一人にして反省させる。その後、教えるというやり方です。それでは、その「タイムアウト」はどうやって行えばいいのでしょうか。子どもを叱らない「タイムアウト」のやり方とは「タイムアウト」をする時、まずは場所を決めておきます。部屋の隅に立たせたり、静かなところに椅子を用意してそこに座らせたりするのが一般的です。親の目の届く、静かな所を選びましょう。そして、「今からタイムアウトしますよ」と言い、どうしてタイムアウトしなくてはいけないのかを子どもに伝えます。この時大切なのが、冷静に落ち着いた声で伝えることです。タイムアウトの時間は「子どもの年齢×1分」。静かに一人で反省させます。時間がたったらなぜタイムアウトをしなくてはならなかったかの確認をします。それで子どもが納得したら、タイムアウトは終了です。ぎゅっと抱きしめてあげましょう。実際に「タイムアウト」をやってみると、まず静かにさせることに苦労します。癇癪(かんしゃく)を起しているので、「タイムアウトしなさい」と言ってもなかなか聞いてくれません。しかも家の外でトラブルが起こることが多く、決まった場所でのタイムアウトが難しいことも。そこで、私流の簡単タイムアウトを考えて実践していたので、お教えしましょう。例えば、レストランでぐずり、泣きだしました。さあ、タイムアウトの始まりです。迷惑がかからないトイレ前に移動し「まずは泣き止もうね」と言い聞かせます。泣き止むまで何も聞きません。そしてその間にイライラする自分もクールダウン。泣き止んだら言い分を聞いてあげ、また気持ちが高ぶり、泣き出したら「泣いたら聞かない」という繰り返し。すると、子どもはだんだん冷静になってきます。そして落ち着いた時にルールを教えてあげると、すっと納得がいきやすくなるようです。最後はハグで、お互い笑顔に戻ります。これを繰り返していると、不思議と癇癪(かんしゃく)の時間が短くなっていき、大人のストレスがずいぶん軽くなりました。親も子も、心が軽くなる叱り方かもしれません。「最近子どもを叱ってばかり…」と悩んでいるママたちは、一度試してみてはいかがでしょうか。
2015年07月18日2歳頃になると、子どもは「自分だけのもの」、「自分だけの場所」などにこだわりを持ち始めます。そろそろ子どもの部屋をつくってあげないと、と思うこともあるはず。ただ、住宅事情で、子どもにまるまる1部屋与えるのは難しいという家庭も少なくないでしょう。そこで今回は、1部屋丸ごと使わなくても子どもが満足できる、子どもだけの場所づくりのポイントを紹介していきましょう。子どもだけのスペースがあるメリット子どもだけのスペースをつくることは、子どもにとって安心感を得ることに繋がります。「自分だけの場所」が心の拠りどころになり、落ち着いて過ごすことができるのです。ママやパパも子どもの頃、自分だけの秘密基地をつくったことがあるのでは? その場所にいると、どこか安心したり、気持ちが楽になったりした経験のある人も多いでしょう。それは、いつの時代も同じこと。ママに叱られた時や、お友達とケンカした時、自分だけの場所に行くことで、子どもの心は落ち着くのです。ですから、子どものためにも、子ども専用スペースをつくってあげましょう。部屋の一角を使って、子ども専用コーナーをつくってあげよう1部屋まるまる使わなくても、部屋の一角をつかってコーナーをつくれば、それでOK。たとえば、みんなが集まるリビングの片隅にプレイマットを敷いて周りにぬいぐるみやクッションなどを置いてみたり、女の子ならおままごとセットなどを置いて、うまくコーナーをつくってあげてみたりするとよいかもしれません。大切なのは、何かしらの「仕切り」を作ること。ただプレイマットを敷くだけでは、1つの空間に遊ぶ場所があるだけになってしまって、子どもだけの空間とはいえません。大き目のダンボールを使用したり、ママたちが使うソファーの後ろ側にコーナーをつくったり、ちょっとした仕切りをつけて「自分だけの場所」と思わせるコーナーをつくってあげましょう。幼稚園や保育園の遊びコーナーを参考になかなか子ども専用スペースのつくり方がイメージできないのなら、保育園や幼稚園の遊びのコーナーに注目してみてください。園では、子どもたちが集中して遊べる環境になるようにと、コーナーづくりにも配慮しています。これまで園の遊びコーナーをなんとなく見ていたママも、少し意識を変えると「こんなコーナーのつくり方もあるのね」と、参考にできるポイントが見つかるはず。子どもの成長に合わせて、コーナーの配置やスペースの大きさなども変えてあげると、なおよいですね。コーナーづくりを子どもと一緒に行えば、親子のスキンシップにもなりますし、子どもにとってもお気に入りのスペースになること間違いなしです。
2015年07月10日電子辞書のトップブランドとして知られるカシオ。そのノウハウを生かして発売された、未就学児対象のデジタル知育ツール「kids-word(キッズワード)」をご存じだろうか。「しっかり、たのしく、ひとりでも学べる」をコンセプトに、子どもが楽しく学べる注目のツールだ。オックスフォード、アルク、小学館など、定評ある出版社の学習コンテンツが豊富に搭載され、ネイティブ発音で学べる英語系コンテンツや、国語、算数、音楽、生活など、幅広い内容をしっかり学ぶことができる。かわいい動物のキャラクター、学習を進めていくともらえるごほうびアイテム、アニメやクイズ形式のコンテンツなど、飽きずにどんどん学びたくなる工夫がいっぱい。アイコンをタッチしていく簡単な操作で学ぶことができる。そこで、「学ぶことへの意欲」を育むための取り組みとして、キッズワードを今年の4月からの保育活動に取り入れている、鹿児島県の洗心保育園を訪問してみた。キッズワードは、任意のコンテンツを自由に選んで学ぶこともできるが、洗心保育園では、カリキュラムに沿って学習内容が自動的に選ばれる「おすすめ」モードで、全員が同じ進度で学んでいる。園児たちは1人1台のキッズワードを手にして、先生が「次はうさぎさんをタッチしましょう」などと呼びかけると、みんな慣れた様子で次々と操作していく。この日は、果物の名前を英語で発音したり、鳥や昆虫の名前を覚えたり、塗り絵やお絵かきを楽しんだりした。真剣な表情で取り組む子、大きな声で発音する子、お絵かきを隣の子と見せ合う子、みんな生き生きとした様子で楽しそうにキッズワードで学んでいる。画面に「よくできました」と表示され、ファンファーレが鳴ると、「うわー、できた!」「やったー!」などと喜ぶ声があちこちから聞こえた。担任の先生にキッズワードを取り入れた感想を聞いてみた!キッズワードを授業に取り入れてみて、実際にどのような変化があったか担任の先生に伺ってみました。小村先生:初めてキッズワードを見た時、これはきっと子どもたちが喜びそうだと思いましたが、実際に授業で使ってみると、その予想は的中しました。授業中もとても喜んでキッズワードを使っていますし、すごく集中してくれます。普段の会話の中で「あ、これ、キッズワードで覚えたやつだ」などと話していたり、少しずつひらがなを覚えて、自分の名前に使われているひらがなを探したりする子もいて、しっかり学力が育まれているのだな、と感じています。小さなころから日本語はもちろん、英語にも触れられる点も良いと思いますし、画面デザインや持ちやすいサイズや形状など、子どもが喜んで使ってくれるポイントがたくさん盛り込まれていると思います。また、家庭で使う際には、机に向かってきちんと座ってやる、ということを習慣化させてあげると良いと思います。子どもの教育方法に悩んでいるというママたち、最先端のツールを使って、まずは学ぶ楽しさを教えてあげることから始めてみては?・ デジタル知育ツール 「kids-word(キッズワード)」 - カシオ計算機
2015年07月01日毎週土曜日に15分間放送されている「ピタゴラスイッチ」。息子も私も大好きで、5分間に短く再編集した「ピタゴラスイッチ ミニ」も含め、録画して何度も楽しんでいます。今回は、そんな「ピタゴラスイッチ」の中でも、個人的に大好きな定番コーナーをご紹介します。「子ども向け番組なんだし、好奇心を刺激されるのは子どもだけ」と思っているママ、見ないなんて、もったいないですよ! ピタゴラスイッチ - キッズワールド NHK Eテレ こどもポータル より■「どっちが本物?」:完ぺきに本物にしか見えないのに、1つは偽物白い紙の上に、みかんやマグカップなど、同じものが2つ置かれている…ように見えるのですが、実は1つは本物で、もう1つは偽者。そして、偽者の正体はなんと…。最後に明かされる衝撃映像に、子どもと2人で「え~っ!」と叫んでしまうほど、クオリティの高い間違い探しになっています! 何度見ても、どちらが正解かわからない自分に、腹がたってくることもありますが(笑)■「アルゴリズム行進」:きれいに連動する動きにくぎ付け! お笑いコンビ「いつもここから」の2人でおなじみの、リズム運動です。「なんだかわからないけど、この音楽聞いたことあるぞ」という人も、多いのではないでしょうか? 独特の音楽とともに、1人では意味の無い動きを2人以上でつなげていきます。それが、連動した動作になっており、なんとなく心地のいい「おもしろ映像」が楽しめます。毎回出演するゲスト陣も魅力のひとつで、とある企業の社員さんから、消防署のお兄さん、サッカーチームの選手、ロボットの「ASIMO」が登場した回もありました。あのリズムと動きをマスターすることに、熱をあげてみるのもいいかもしれませんね! ■「ピタゴラ装置アカデミア」:目玉コーナーの装置を、自分でつくってみる「ピタゴラスイッチ」のオープニングとエンディングには、「ピタゴラ装置」と呼ばれるからくり装置の映像が流れます。この装置を自分でつくってみよう! というコーナーもあります。クリップやビー玉、消しゴムなど、家にあるもので簡単にできるバージョンを紹介してくれるので、「今から、ちょっとやってみようか」と、その場で子どもと取り組むことができます。ひとつのアクションから連鎖して起こるからくりは、子どもにとっては不思議で、目が離せなくなるもののようです。そんなすごい装置が家にあったら、友だちにも自慢したくなるはず! 好奇心を刺激する、おすすめのコーナーです。「ピタゴラスイッチ」には、番組名にもなっているピタゴラスの定理や原理の特徴を伝える、というテーマがあるそうです。「スイッチ」や「しくみ」を通して、たくさんの人が興味と知識を得られるような題材を、多く扱っています。とはいえ、難しい話は抜きにして「見ているだけでワクワクできる」貴重な番組のひとつであることは間違いありません! テレビで「ピタゴラスイッチ」を見ながら、親子で楽しい時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
2015年06月06日春から夏にかけては、トイレトレーニングに最適な時期といわれています。トイレトレーニングの悩みや問題は子どもによってさまざま。トレーニングをしているうちにいくつも出てくると思いますが、その中の1つ、男の子ママの悩みとして挙げられるのが、「立ったままでオシッコができない」というもの。実は、立ちションは意外に高度なテクニック(?)なのです。今回は、男の子のママに役立つ、立ちショントレーニング方法について紹介しましょう。■まずは、おまるで座って、オシッコができるようにまずは、トイレトレーニングの基本となる、おまるでのオシッコをマスターさせましょう。おまるがなければ、洋式のトイレの便座に、反対向き(水のタンクを見るように)に座らせてできれば大丈夫。座った状態でオシッコができるようになったら、次のステップ、いよいよ立ちションのトレーニングに移ります。座ってオシッコができても、立った状態ではオシッコができない、ねらった方向にオシッコがいかずに周囲を汚してしまう、というケースもあります。最近は座りションをする男性が増加傾向にあるようですが、外出先での男性トイレの主流は、やはり立ちション便座。そのことを考えると、立ちショントレーニングは早いうちに行っておきたいものです。■立ちション用のおまるを使ってみては? 立ちショントレーニングのファーストステップは、お風呂の洗い場で練習すること。何度かチャレンジしてみて、立ったままでおしっこを出すコツをつかめてきたら、次はトイレで挑戦です。ただ、自宅のトイレだと、子どもの身長が足りないため、おしっこが便器周辺に飛び散る可能性大! それでは、毎回掃除が大変です。そうしたママの悩みを解決してくれるのが、立ちション用おまるです。男の子専用のトイレトレーニンググッズで、吸盤がついていて壁にペタッと貼りつけることができるので、どこででもトレーニングができます。そのほか、脚の高さが決まっている、床に据え置くタイプのものもあるので、どちらのタイプがよいかを考えて、必要に応じて購入しましょう。■かわいいデザインの立ちション用おまるもあって、楽しくトレーニングできる最近は立ちション用おまるもデザイン性に優れたものが多く登場しています。子どもが喜びそうなキャラクターがデザインされていたり、カラフルなものがあったりと、楽しくトレーニングできそうな予感! 実際に使用したママも、「購入した次の日には立ちションできるようになった」「移動に便利で重宝している」と、斬新なアイテムに喜びの声を挙げているようです。お子さんがまだ立ちションできないことにお悩みであれば、立ちション用おまるの購入も検討してみてはいかがでしょうか?
2015年06月05日「伸びる続ける子」の母はココが違う ダメなところだけを見て、わが子の資質を判断してはいけない 子育てで、ここだけは押さえておきたい3つのポイント の続きです。「ああ、あんなこと言っちゃった。」子どもへの言葉かけは本当に難しい。今回は、お母さんだからできる「会話」の習慣について花まる学習会代表の高濱正伸さんにお話を伺った。高濱さんいわく、「頑張り抜く力が出るか、やる気がしぼんでしまうかは、『親のひと言』次第」なんだとか。■子どもが自分から宿題をやるシンプルなルール「宿題やったの?」。この一言を言わずに済むのなら、どんなに楽だろう…。そんなママたちに朗報だ。高濱さんによると、なんと子どもが自分から宿題をやる方法があるそう。「子どもがみずから宿題をやれなかった時には、お母さんは黙っていてください。しかし、子どもが進んで宿題をちゃんとやった時には、『やれたね、すごいね』と褒めてあげてください。」つまり、宿題ができたらほめる、できなかったら何も言わないことを続けるということ。およそ2週間このルールに従っただけで、子どもが自分からどんどん宿題をやるようになるという。さらに、「NGワードを言わないこと」「肯定的なことだけ言葉にすること」、この2点も大きなポイントだ。■子供が克服できたことを、正確に言葉にする花まる学習会の講師研修で高濱さん自身がいつも言っていることがある。それは、「その子自身が伸びて、克服したことを正確に言葉にしてあげることが一番大切」ということだ。「すごいね」「できるね」といった褒め言葉も、もちろんいい。でも、実はもっとシンプルに、何かを克服した、その事実を言葉にするだけでいいのだそう。「『この子は、これが課題だな』ということを日頃から頭に入れておき、乗り越えたと感じた時は、そのままの気持ちを言葉にしてあげてください」。■子供に「正しく」「きちんと」やらせようとすることが、子供のやる気を奪っている勉強ができなかったり、わからなかったりすると、すぐにやる気がなくなってしまう、わが子。「だから、アナタはダメなのよ」。そんな一言が、すぐに口をついて出てきてしまうこともあるだろう。「でも、そういう子の場合、お母さん側に問題があることも多いのです。正しく、きちんとやらせようとしていませんか?」高濱さんのこの発言に、思わずドキッ!! とした。「たとえば、計算が合っていた時だけ、褒める。計算に時間がかかっていたり、計算が間違えていたら、叱る。つまり、スラスラできた時だけが評価の対象になっていると、こういうこと(=こどもがすぐやる気をなくすること)がよく起こります」「もちろん計算や漢字の書き取りは基礎として大事。でも、お母さんとマンツーマンで答えが合っているか合っていないか、最後まできちんとできたかできていないかを毎日繰り返していくと、まず文章題のできない子になります。すると、ちょっと考えなくてはいけない問題になると面倒になり、やる気をなくしてしまう子ができ上がるんです。」これって、まさに我が家だ…。原稿を書きながら、思わずうな垂れてしまった。子どもに良かれと思ってやっていたことが、ヤル気がない子を作っていたとは! では、親はどうしたらよいのだろう? 「伸び続ける子は、思考体験が豊かです。思考体験と言っても難しいことではなく『わかっちゃった体験』がどれだけできたか」なんですよ。「わかっちゃった体験」とは、子どもが見て「なにこれ?」と思い、「あ、そういうことか! わかっちゃった」があるということ。すると、子どもはその喜びを味わいたくて勉強する。原点は小さな、小さな「わかっちゃった」という成功体験なのだ。「お母さんは『きちんと最後までやりなさい』ではなく、できた時に『こんな問題までわかっちゃうなんて、すごいね!』と認めてあげてください。世界で一番大好きなお母さんに認められたら、『よっしゃ!』という、やる気にあふれた子どもに変わります」本特集の原稿を書きながら、自分の子育てを省みて、「ごめんなさい!」と、子どもに謝りたくなった。でも、仕方ない。今、気づけたことに感謝して、高濱さんに教えていただいたことを生活に少しでも取り入れて、伸び続ける子が育つママになりたいものだ。
2015年06月04日「伸び続ける子」の母はココが違う ダメなところだけを見て、わが子の資質を判断してはいけない の続きです。毎日の「しつけ」は、どの程度まで厳しくしていいの? というのは、親の永遠のテーマ。それに対し、「親の『基準』さえあれば、どんなに厳しくっても大丈夫!」と、花まる学習会代表の高濱正伸さんは話す。今回は、お母さんだからできる「しつけ」の習慣について、話を伺った■子育てで押さえておきたいポイント(1)早起き「問題を抱えた青年たちの多くが、昼夜逆転の生活をしています。早寝早起きなどの生活のけじめをつけることは、勉強よりもずっと大切と自信を持って言えます」と、高濱さん。昼夜逆転の生活の根っこは、小さいころの家庭環境にあることも多いとか。これは想像以上にとても根深いもので、意識改革をするのはなかなか難しいそうだ。なぜなら、昼夜逆転の生活をしている青年に小さい頃の家庭状況を聞くと、「日曜くらい寝坊していいよ」という文化を持った家庭であることが多かったから。「つまり、休みの日くらいゆっくり休みたいといった親側の理由に、子どもを引き込んでしまっている家庭です。もちろん、親は堂々と寝坊をしても構いません。『大人はいいのだ、だけど子どもは早く起きなさい!』という毅然とした態度であれば問題はありません。子どもは本来、365日早起きする生き物です。疲れているなと思ったら早めに寝かせてください。早起きというのは、体のリズムなのです」。■子育てで押さえておきたいポイント(2)「姿勢」と「鉛筆の持ち方」姿勢を正しくする、背筋をきちんと伸ばすということは、学習の第1歩。「私の経験からも、姿勢の正しい子は学習面でも後伸びする子が多いようです」。でも、うちの子は、何度言っても、すぐに背中が丸まってしまうのだけれど…。「姿勢と鉛筆の持ち方については、家庭で何度言っても言いすぎにはなりません。しつこいほど言い聞かせても大丈夫です。子どもというものは、何回も何回も落ち着いて言わないとわからない生き物だということを、親御さんは肝に銘じて欲しいと思います。」■子育てで押さえておきたいポイント(3)お手伝い高濱さんは、遅くとも小学校低学年になったら、お手伝いを毎日の習慣にさせることを推奨している。どんなお手伝いにするかを決める時のポイントは2つ、「毎日」「継続して」できることだ。お手伝いの目的は子供に「工夫する力」をつけさせること。洗濯物をたたむ、布団をたたむ、食器を運ぶ、お風呂を洗う。何でもいいので、生活の中で何かひとつ継続的なお手伝いをしていると、必ず子供は工夫をするようになるそう。「工夫する力、試行錯誤する力というものは、日常生活の中や遊びの中でしか伸ばすことのできないものなのです。」「疲れちゃったから今日はいい?」と子どもが言ってくることもあるだろう。その時は、ひとつのチャンス! お手伝いは免除せず、面倒くさいとか、つらいといった気持ちを乗り越えて頑張ることが大切なのだと、子どもに伝えよう。そして、もうひとつ大切なことは、お手伝いが終わったら、「助かった!」「ありがとう!」と、目一杯褒めること。「子どもは、お母さんに喜んでもらえたことが、胸が一杯になるくらい誇らしく、最高のご褒美なんですよ。」次回は、「そこに気をつければいいのか!」という、目からウロコの子どもへの言葉かけの方法を聞いていこう。
2015年05月30日「伸び続ける子」の母はココが違う の続きです。「伸び続ける子を育てるためには、母親の心の安定が不可欠」と言う、花まる学習会代表の高濱正伸さん。そうは言っても、思い通りにいかない子育てに、不安は募る一方ではないだろうか。今回は、お母さんだからできる「学ぶ土台づくり」の習慣について、話を伺った。■「落ち着きがない、やかましい、何度言っても直らない」は、小学校低学年までの子供の3大特徴落ち着きがない、やかましい、何度言っても直らない。わが子がそうだと悩んでいる母も多いのでは?「それは小学校低学年までの、とくに男子の特徴です」と高濱さん。「でも、それが当たり前だし、怒ってもムダですよ。それはまるで水の中を気持ちよく泳いでいるオタマジャクシに“なんで泳いでいるの!”と叱っているようなものですから」なるほど…。でも、そう聞けば、内心、すごくホッとしたりもする。「この時期の子どもは、親からすれば『何の役にも立たないこと』と思うようなことに、とてつもない集中力を発揮します。集中力は、幼児期を逃してしまうと育てるのが難しくなる能力です。どうぞ思いきり遊ばせて、オタマジャクシ君を無理やり陸に上げないでください。」■外遊びは、子供の「見える力」を身につける「将来、仕事ができる人になって欲しい」ということは、親なら誰もが思うこと。高濱さんいわく、「仕事のできる人とは、すなわち勘がいい人。言われた通りに仕事をすることはできても、それだけではダメだという発想ができる人が今、世の中に求められています。」この「言われたこと以上のものが見える力」とは、実は図形問題で問われる能力と同じなのだそう。問題が示している図形の中に、自然に見えてくる線を「補助線」という。問題が解決できるかどうかは、適切な補助線が引けるかどうかにかかってくる。そして、その補助線が引ける能力は、子供の将来の仕事の仕方にダイレクトに結びついてくるらしい。「『見える力』をつけるためには、ドリルをどれだけやるかよりも、体全体を使ってイメージする経験を豊富にすることが大切です。体全体を使ってイメージする経験の最たるものが、外遊びなんです。」外遊びが大切ということは、何となく頭ではわかっているつもり。でも、周りがお稽古事を始めると、「うちも何か始めなきゃ!」と、気ばかり焦ってしまうことも。そんな時には、思い出したい一言だ。■親が子供の授業参観で見るべき、たったひとつのポイント高濱さんが、幼稚園から小学校低学年にかけての子に対し、親がやって欲しいことは、人の話が聞けるようにすることだそうだ。人が目の前に立ったら、その人を見て、その人の「言いたいこと」に焦点を当てて集中して聞けること。後伸びする子は、こうした聞く姿勢がいい子が多いという。だからこそ、小学校低学年の子を持つ親が、授業参観で見るべき点は、たったひとつ。それは、「先生の話をちゃんと聞けているか?」だ。小学校に入ると、子供の学校での様子はあまりわからない。なので、ついノートやテストを見ては、「きちんとした字を書きなさい」「この点数は何なの?」とガミガミやってしまいがちだ。でも、高濱さんに言わせれば、「低学年時代のテストの結果は、目の前の人の話がちゃんと聞けていれば点数はとれます。聞く力、姿勢があれば、できるようになるのですから。」親はできていない点ばかりに目がいきがちだが、むしろ「人の話を聞く力が培われているか?」という一点に、親自身も集中した方が得策なのかもしれない。「アレもできていない」「コレもダメだ」と思うよりも、ずっと心が安定するからだ。次回は、「ここだけは、何としても頑張って!」という、子育ての頑張りどころについて話を聞こう。
2015年05月25日小さい頃は頭が良かったはずなのに、ある時を境にパタッと伸び悩んでしまう子もいれば、ずっと健やかに伸び続ける子もいる。親としては、もちろん、後者のように育って欲しいもの。花まる学習会代表の高濱正伸さんは、「伸び続ける子は母親で決まる!」と言います。そう聞いて、心穏やかにいられるママは、少ないのでは? どうすれば「伸びる子」を育てられるのか、高濱さんにお話を伺いました。■一流の人の共通点は「お母さん像がいい」こと高濱さんが出会った一流の人たちの共通点は、お母さん像がいいこと。「一流の人であっても、お酒を飲みながら打ち解けてする話のノリは、基本的に軽口や冗談の類です。ところが、そんなノリであっても、『どんなお母さんでしたか?』と問いかけた時だけは、気持ちの入れ方が違う。しみじみと『かわいがってくれましたねぇ』と語る瞳が充実しています」場面が目に浮かぶようなエピソードに、思わずぐっと引き込まれてしまう。■「合わない」「傷ついた」と言う若者のルーツは小学校低学年高濱さんは塾を設立する前、予備校で大学受験生を指導していたそう。「その時に、『将来メシが食えないんだろうな』という印象を受ける子がたくさんいたんです」。壁にぶち当たるたびにめげてしまう若者がなんと多いことかと、高濱さんは嘆く。そんな彼らが決まって言うセリフが「合わない」「傷ついた」。なぜ、こんな若者が育ち上がってしまったのか? 高濱さんはこの問題を突き詰めていくと、子ども時代、とくに人間としての土台がつくられる小学校低学年までの教育に行きつくと気づいた。勉強ができても、一流大学に入っても、コミュニケーション力や他人と合わせる力がなければ「メシは食えない」。■学習塾の立場で「母親学級」をする理由「メシが食える人になる力を育てるのは、母親次第だ」と高濱さんは言う。高濱さんは、「子どもの問題の背景には、必ず母親の心の不安定がある」と気づいてから、年間100回以上にわたって「母親だからできること」という、お母さん向けの講演会をしている。自分で産んだとは言え、子どもという生き物と対峙(たいじ)するのは、本当に大変だ。正直、地獄と言っても、言い過ぎではない。「ストレスやイライラが充満している『家族カプセル』に風穴を開けなければならないんです」と、高濱さんは言う。不満の溜まった家族間の風通しを良くし、安定的な関係を作る、つまり、母親が心の安定を保てる家族であることこそが、「伸びる子」を育てる肝なのだ。しかし、ママがイライラするのは、「本当にこれでいいの?」と、子育てに不安を感じているからでもある。そこで次回は、知っておくだけで「これでいいんだ!」とホッとする子育てのツボを聞いていこう。
2015年05月21日20世紀初頭、オーストリアの神秘思想家、ルドルフ・シュタイナーが考案した、自由と芸術、そして創作を基調にした教育が「シュタイナー教育」です。近年、日本では、教育熱心な親御さんたちが注目している、オルタナティブ教育といわれるジャンルの1つです。現在、シュタイナー教育を行っている学校は、日本で8校。全世界では91ヵ国、1,000校以上に及ぶそうです(2015年4月時点)。今回はそんな世界に広がるシュタイナー教育の中から、注目のシュタイナー教育校を4校ご紹介します。■世界のシュタイナースクール(1)San francisco Waldorf school (北アメリカ、サンフランシスコ)カリフォルニア州は、全米でもっとも公的資金によるシュタイナー教育を行っている学校が存在している、オルタナティブ教育が盛んなエリアです。その中で35年間の歴史が在る、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、幼稚園から高校までウォドルフ教育を一貫して行っている、北アメリカで一番大きな私立のシュタイナースクールです。芸術や実践を重視するシュタイナー教育は、いわゆる一般的な教育を行っている学校との学力の差についてしばしば話題になりますが、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、Western Association of Schools and Colleges (WASC)(※)にも認定されていて、それぞれの学年でしっかり学力も学べる学校です。 (※)WASCは、アメリカに本部がある教育認定機関。WASCの認定資格は、世界的な資格として有用とされ、WASC認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者は大学入学資格あり=高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。■世界のシュタイナースクール(2)Panyotai Waldorf School(タイ、バンコク)タイで一番初めに設立されたシュタイナースクールです。創設者である Porn Panosot医師が、自分の子どもを通わせたいと思う学校がなかったため、「いっそのこと自分で学校をつくってしまえ」と考えたことが、設立の理由の1つです。 Porn Panosot医師は、その後、医者を辞めて、アメリカまでシュタイナー教員の資格を取りに行き、1996年にPanyotai Waldorf School学校が開校されました。Panyotai Waldorf Schoolは学校法人認定校であり、タイ国内では、国内の有名大学のほか、海外の有名大学に進学する率がとても高い学校としても知名度があります。現在は、定員がいっぱいの状態。長いウェイティングリストに名を連ねなければ入学できない人気校です。 ■世界のシュタイナースクール(3)Rudolf-Steiner-Schule Schwabing (ドイツ、ミュンヘン)シュタイナー教育の生みの親ルドルフ・シュタイナーの出身国であるドイツ。1970年代に、日本に初めて「シュタイナー教育」を紹介した、子安美知子氏の著書「ミュンヘンの小学生」で、著者の娘さんが通っていた学校がRudolf-Steiner-Schule Schwabingです。系列校に、高等教育まで学べるRudolf-Steiner-Schule München-Schwabingという学校もあります。 ■世界のシュタイナースクール(4)Moscow Waldorf School Nr. 1060 (ロシア、モスクワ)ゴルバチョフ大統領が起こした政治改革運動、ペレストロイカ時代に行われたロシアの教育システム改善によって、ロシアにやってきたシュタイナー教育。全校生徒400名ほどのMoscow Waldorf School Nr. 1060は、1996年に公立の学校に認定されたシュタイナー教育校です。世界各国のシュタイナースクールには、ユネスコのプロジェクト校に指定されている学校も多くあります。興味のある方は、世界中の学校をネット検索してみるのもおもしろいかもしれませんね。
2015年05月20日会話がスムーズに運ぶようになり、数字が数えられたり、何かに夢中になれる時間が増えたり…。子どもの成長を目の当たりにして驚くことは、ありませんか? 吸収力の高い幼児期。親ならば、「教育に良い教材は?」と考えることもあるかもしれません。そこで試してみたいのが、公文(くもん)の幼児ドリルです。「分かりやすさ」で群をぬく、そのラインナップとは? 5歳の息子が実際に取り組んでいる、4~7歳向けのドリルを紹介します! ■言葉の基礎を覚える『ことばのおけいこ』 言葉の基本中の基本である「ひらがな」。お風呂の壁にひらがな表をはって「これは?」なんて、遊び感覚で一緒に覚えさせているママもいるのでは? ある程度、ひらがなが読めるようになっている子どもさんには『ことばのおけいこ』がオススメです。身近なものの名前だけでなく、小さい「っ」などの読み書き、「おおきい」「ちいさい」などの「ようすことば」や「てをあらう」などの「うごきことば」も書いて学ぶことができます。■数字に興味をもっているなら『はじめてのたしざん』 自然に数を数え、数字を書く力を育むことができる『はじめてのたしざん』は、イラストを交えて最初に1~30までの数字の読み書きを練習するため、「最初からいきなり計算問題?」という心配は無用です。計算式は「たす1」からスタートするのでコツをつかむまでの猶予があり、子どもに「できた!」という満足感を味わわせ、確実な計算力を身につけさせることができます。ただ、「たしざん」は思っている以上に頭を使うので子どもが「もうイヤっ!」となってしまうこともあります。数字嫌いにならぬよう「ある程度できたらOK」ととらえ、無理のないサポートに務めましょう。■遊び感覚の『めいろあそび せかいのめいしょ』で集中力UP 「どうぶつ」「のりもの」「にほんのめいしょ」など、多彩なバージョンが楽しめる「めいろ」シリーズは、集中力に加えてゴールまでの道のりを推理する力や、どちらに向かえばいいか、といった判断力が身につきます。遊び感覚でこうした力を育てることができるのは、「めいろ」ならではですね!■勉強スタート前に準備したい、プチアイテム初めてドリルに挑戦する前に、まずはお子さんに「鉛筆の正しい持ち方」を身につけさせたいママもいるかもしれません。そんな時におすすめなのが、持ち方補助具「もちかたくん」です。 200円ほどで購入でき、手持ちの鉛筆にとりつけるだけ。指を定位置において書くことで自然と持ち方が安定し、力強く数字や文字が書けるようになります。■がんばった証「ひょうしょうじょう」くもんのドリルシリーズは、すべての問題をクリアすると、子どもに「ひょうしょうじょう」を贈ることができます。1冊をやり終えた満足感が高まり、「次もがんばろう」という子どものやる気を盛り上げるのに、一役買うことでしょう。また、「くもんの幼児ドリル」公式サイトでは各ドリルの特長だけではなく、「わが子にはどんなドリルがふさわしいか」、「学習がうまくいくコツとヒント」などを丁寧に説明しています。・ 選びかたナビ くもんの幼児ドリル|くもん出版 全国の書店ではドリルの体験会が開催されることもあり、くもん出版スタッフからのアドバイスをうけることもできるそうです。気になるママは、ぜひ体験会スケジュールをチェックしてみてくださいね!
2015年05月17日「子どもが生まれたら学資保険に入りなさい」親からそう言われて教育資金づくりを意識するようになった人は多いのではないでしょうか。でも、教育資金を準備できるものは学資保険だけではありません。本コラムでは学資保険以外の保険を活用して教育資金を準備する方法をわかりやすく解説します。また、昨年(2014年)国会で可決された保険業法の一部改正により、保険加入の際に受けるアドバイスに変化の兆しがみえています。保険選びがどのように変わっていくのか。その方向性についてもお話しします。教育資金を効率よく貯めるために必要な4つの要素皆さまはデヴィッド・バックという人をご存じですか?アメリカで活躍している資産コンサルタントです。彼の著書「自動的に大金持ちになる方法[オートマチック・ミリオネア]」には、資産形成を成功させるには次の要素を満たす必要があると書かれています。日常のちょっとした無駄(コーヒーやたばこなどの「ラテマネー(注:著書に出てくる言葉)を節約する毎月の給与から一定割合を積み立てる積み立ての一部を投資にまわす長く続ける教育資金という資産形成をする場合、必要となる時期・金額がほぼ明確です。学費を払うタイミングで資金が足りないのは困るので、そうならないようにゴール設定を明確にして、積み立てを行うことになります。また、貯金が苦手な人は「続ける」ことが苦手なことが多いので、上記の要素を教育資金づくり向けに、次の言葉に置き換えてみました。小さな無駄を節約して、積み立てにまわすお金を捻出する毎月の給与から一定額を積み立てる必要な時期に資金が用意できるものを選ぶ解約しにくい金融商品を選ぶ教育資金づくりのための金融商品を選ぶときは、まず、4.解約しにくい商品を選ぶこと。特に貯金が苦手な人はこの要素が外せません。学資保険や貯蓄性のある生命保険の場合、短期間で解約すると解約控除(解約の手数料のこと)がかかる仕組みになっているので、解約しにくい(=続けやすい)ところがいいですね。なかでも低解約返戻金型終身保険は、保険料の払込期間中の解約返戻率を通常の7割以下に抑えてあります(図1)。しかも、「保険設計書」に解約返戻金の推移表が記載されているので、何年後に解約した場合にいくら戻ってくるかがあらかじめわかります。必要なタイミングで解約することを前提に利用することができます。図1 低解約返戻金型終身保険のしくみ資料:執筆者作成保険料の払込期間と解約返戻金をチェックする低解約返戻金型終身保険を教育資金づくりに活用する場合、真っ先に確認したいのは保険料の払込期間と解約返戻金の推移表です。家計に無理のない設定になっているか、その積み立てで必要な資金を用意することができるのかをみるようにしましょう。お子さまが生まれた年(お子さま0歳)で契約した場合、経過年数とお子さまの年齢が一致します。例えば、0歳のお子さまのいる30歳男性が、払込期間10年の低解約返戻金型終身保険に加入した場合、保険料の払い込みが終わるのはお子さまが10歳のときです。10歳は小学4年生になる年齢ですので、私立中学受験のために進学塾に通うことになったとしても、それまで支払っていた保険料を塾の費用に充てることができます。なんとかなりそうな積立計画といえるのではないでしょうか。保険料の払い込みが早くに終われば、それまで支払っていた保険料相当分を再び教育費に充当することができます。それも含めて、無理のない計画かどうかをチェックしてください。一般的に、契約年数の経過とともに解約返戻率は増加していきます。しかし、低解約返戻金型終身保険では、保険料払込期間中の返戻率を通常の終身保険より抑えてあります(その分保険料も抑えられています)。一方、保険料の払い込みが終わった後は、解約しなければ解約返戻金は年々増加していきます(図1参照)。一般的に支払った保険料の累計を上回りますが、この保険に加入する際は、解約返戻率が低く設定されている保険料払込期間中に解約することのないように、十分注意して計画をたてる必要があります。もちろん、解約返戻率は保険会社によって設定が異なります。複数の保険会社に見積りをとり、比較検討するとよいでしょう。保険募集時に義務付けられた「意向把握」と「情報提供」。保険業法改正で保険提案はこう変わる!保険業法では、これまで虚偽の説明等、「不適切な行為の禁止」に限定された募集規制が明記されているだけでした。しかし、今回の改正で新たに「積極的な顧客対応」が追加されることになりました。顧客ニーズを把握して提案すること(意向把握義務)や、お客さまが判断するのに必要な情報提供を行っていくこと(情報提供義務)が求められることになります。保険を提案する人(保険募集人)は、お客さまのニーズをくみ取ることと、保険加入にかかわる判断材料を適切に提示することを求められるようになります。これらは喜ばしいことですが、契約者である私たちが保険の内容を理解しようとしなければ、せっかくの制度改正も絵に描いた餅にすぎません。自分の意向を整理して担当者に伝えることと、複数の保険から比較して選ぶ努力を惜しまないこと。この2点に注意して保険を選びたいものです。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年05月12日