米Googleが「Trial Run Ads」という新しい広告フォーマットを発表した。ストリーミングでゲームを配信し、アプリをインストールすることなく、ユーザーが広告から実際のゲームを試遊できる。アプリストア以外の場所でモバイルアプリをアピールするためにディスプレイ広告などを利用する開発者が多いが、インストールするだけで満足して一度も遊ばないユーザーが少なくないという。Trial Run Adsは、ユーザーが広告から「TRY NOW」ボタンをタップして、しばらく待つだけですぐに遊べるようになる。試遊時間は60秒。実際のゲームのデモを体験することで、ユーザーは不要なゲームのインストールを避けられ、ゲーム開発者はゲームを気に入ってインストールし、実際に遊ぶユーザーを効率的に増やせる。Androidアプリのストリーミング配信はGoogleが11月に提供開始したばかりの技術で、現在は米国におけるベータ提供にとどまっている。配信はユーザーが良好なWi-Fiネットワークに接続している時に限られ、Android LollipopまたはMarshmallowで動作する端末が配信対象になる。
2015年12月04日Twitterは、主に中小企業や個人事業主を対象に、広告主自身が広告の設定や運用管理を行えるセルフサービス式のTwitter広告の提供を開始した。利用の最低金額は設けておらず、クリックや成果ごとの課金形態で、決済はクレジットカードを使用する。同社では、Yahoo!プロモーション広告を通じたTwitter広告は約1年前に提供を開始したが、それ以来、中小企業の広告主から、Webサイトのコンバージョンやクリック、アプリのインストールを増やしたり、アプリユーザーの利用を促進する機能についての反響あり、これらを踏まえ、広告のキャンペーン設定、分析や予算管理の方法を改善し使いやすくしたという。セルフサービス式のTwitter広告では、ウェブサイトカードを使って、自社サイトへの誘導数を増やすことや、プロモアカウントを活用して、自社ビジネスに関連性の高いフォロワーをめることができ、イベントターゲティングを使えば、正月、祝日、バレンタインデーなどのイベントに関心を持つ人をターゲティングできるとしている。さらに、通常のツイートと、広告のツイートの効果を確認できるツイート分析、通常のツイート、広告やカスタムオーディエンスキャンペーンに反応したユーザーに関する属性情報を確認できるオーディエンス分析、広告に反応した後のユーザーの購入等のアクションを計測するコンバージョントラッキングなども利用可能だという。
2015年11月18日日本通信販売協会(略称:JADMA・ジャドマ)は11日、通販広告に対する消費者の意識や行動の調査を目的に、全国の10代から60代の男女1,701人を対象に行った調査の結果を発表した。消費者が関わる販売や消費者契約に関するトラブルの急増により、2001年より消費者契約法が施行された。しかし、近年のIT化や高齢化による新たなトラブル増加により、消費者委員会を中心に法改正が議論され、来年の通常国会で提出される見込みとなっている。日本通信販売協会によると、これにより、消費者保護が拡大される一方で、自由な販売活動が制限され、かえって消費者に不利益を与えることも懸念されるという。同協会では、消費者の通販広告に対する意識や行動について調査、分析することで、法改正の対象となる通販広告の課題と展望を探った。調査によると、この1年で通販トラブルを経験した人は一定数おり、その経験者を対象に具体的な原因を掘り下げた。トラブルの内訳は、商品の間違いや品質・性能が説明と異なる、汚れ・不良品など「商品関連」(36.0%)、商品が届かない、遅延など「配送関連」(27.9%)が2大要因となり、全体の6割以上を占めた。これに対し、消費者契約法改正に関連する「広告表示関連」(2.7%)は少ないことが判明。また、「自身の間違いや見落とし」(7.7%)、「品質・性能が思っていたものと異なる」(6.8%)と、消費者自身の勘違いなどの要因が3位、4位となっており、「商品や契約に関するわかりやすい表示により、さらにトラブルを削減できる可能性がある」(同協会)。通販広告に対する意識を問う質問では、「商品の特長をわかりやすく表しているものがよい」(56.6%)が、「商品の特長が多少わかりにくくても、注意事項が細かく記載されているものがよい」(10.3%)の約6倍と、大きく上回った。また、商品購入の際には広告以外の情報もあわせて総合的に購入判断をしている人が83.3%と大多数であることも分かった。日本通信販売協会では、「当調査から、通販広告には、詳細情報より魅力や特長を分かりやすく表示して欲しいという消費者の意識が読み取れる」としている。
2015年11月11日アドビ システムズは、同社のコーポレート・コミュニケーションブログ「Adobe Japan Corporate Communications Blog」にて、デジタル広告やソーシャルメディアによる最新トレンドを伝えるAdobe Digital Index(ADI)による調査において、広告のパーソナライゼーションにおけるFacebookの好調な結果により、Googleが広告ビジネスの刷新を図っていることが明らかになったと発表した。同社が今回発表したADIによる調査結果は、5,000を超える様々な業界のブランドサイトからの匿名消費者データを集約して分析調査したもので、2014年第4四半期から2015年第3四半期に集約した、ブランドサイトにおける消費者の行動、9,000億件を超える検索・ソーシャルプラットフォーム(Google、Facebook、Yahoo、Baidu、Yandex)のデジタル広告インプレッション、230億件を超えるFacebook、Twitter、Pinterest、Tumblr、Reddit、YouTube、LinkedInからのリンク訪問などの分析に基づいて作成されている。Googleは、先日、ユーザーの検索履歴に基づいてディスプレイ広告をパーソナライズする新しいツール、Customer Matchを発表したが、これは、消費者の51%がGoogleのディプレイ広告よりFacebook広告の方が関連性が高いと回答している事実を踏まえての反応であると分析されている。Googleのディスプレイ広告は、YouTubeでの表示が大半を占めており、ユーザーに関連性があると回答したのはわずか17%だったという。次に多いのはGoogle+(6%)とPinterest(6%)であり、Googleは必然的にプレッシャーを感じていたということだ。ADIの主席アナリストであるタマラ・ガフニーは、「FacebookのCTR(クリック率)は前年比で35%上昇しており、ターゲット戦略が功を奏したことが分かります。マーケターは、Facebookプラットフォームの利用を増やしており、インプレッションは回復しています」と述べている。また、「ソーシャルインテリジェンス」によると、ソーシャルプラットフォームからのトラフィックによる訪問当たり売上高(RPV)は全体的に上昇しているという。しかし当然のことながら、リンク経由のRPVではFacebookが依然としてグループ首位を保ち、Pinterestが次点で続いている。ADIのシニアアナリストであるマット・ロバーツは、「興味深いのは、最近厳しい状況にあったRedditが、他のソーシャルプラットフォームとの差を急速に縮めつつあることです」と述べている。実際に、Redditはリンク経由のRPVを倍以上に増やし、Twitterに僅差で迫っているということだ。これ以外のソーシャルメディア測定基準を見ると、FacebookのCTRは前年比で成長しているものの、映像や画像投稿に対するインタラクション率は低下している。ロバーツは、「昨夏に行われたFacebookのアルゴリズム変更は、リンク表示を有利にすることを目的にしたものでした。この変更により、マーケターはリンクを魅力的にすることに注力し、映像や画像の作成を後回しにせざるを得なくなったのです」と述べている。ADIによると、2015年第1四半期にソーシャル分野で話題となったPeriscopeは利用者を拡大し続けているものの、メインストリームでの利用については苦戦しているという。Periscopeに関するソーシャルメディアでの口コミを見ると、9月にメンションが急増しているが、これは主にインドで開催されたイベントに起因するものである。これについてロバーツは、「Periscopeの利用がいまだにニッチにとどまっていることを意味します。たった1度のイベントで使用状況が大きく変動する可能性があるとすれば、このプラットフォームはまだ広い範囲では活用されていないということです」と述べている。なお、今回の調査の全レポートはpdfにて閲覧することができる。
2015年11月04日マインドフリーはこのたび、自社開発したFacebook広告運用ツール「adHub」の新機能として、店舗や施設の近隣にいるユーザーにターゲティングしFacebook広告の配信ができる「ローカルアウェアネス(Local Awareness) ターゲティング」の国内先行提供を開始した。adHubとは、Facebook広告の最適化や運用で直面する課題の解消、独自の付加価値の提供を目的とした広告運用支援ツール。さまざまなセグメントに対応した広告を大量に作成・出稿することで、効果の高い配信ターゲットを見つけ、配信を最適化するほか、大量のターゲット・セグメントに対応した広告設定を一括で行うことができるため、効率的に運用することが可能だ。新機能では、該当住所から5km程度歩いて移動できる距離にいるユーザーを対象にしたFacebook広告の配信を実現。コールトゥアクションも、外部サイトへ誘導する「詳しくはこちら」のほか、新しく「道順を表示」や「メッセージを送る」「今すぐ電話」の3ボタンを追加し、実店舗での売上向上・店舗誘客・タイムセールの実施など、新たなアプローチが可能になった。
2015年11月02日チューブモーグルはこのたび、マイクロアドデジタルサイネージ(以下、MADS)と連携し、TubeMogulプラットフォームからデジタルサイネージへの動画広告配信を開始した。同連携により、MADSのデジタルサイネージアドネットワーク「MONOLITHS」を介し、デジタルサイネージ広告枠への動画広告配信が可能に。広告主は、TubeMogulプラットフォームより、デスクトップやスマートフォンへのオンライン広告だけでなく、デジタルサイネージへの広告配信をクロススクリーンで行えるようになる。また、MADSのMONOLITHSメディアパートナーは、チューブモーグルからの広告配信により、さらなる広告収益性の向上が期待できる。連携の第1弾として、レノボ・ジャパンが2015年10月29日~31日の3日間、TubeMogulプラットフォームよりグリコビジョン渋谷(東京/渋谷 シブヤテレビジョン)や、シブヤテレビジョン7面ビジョン(東京/渋谷、シブヤテレビジョン)を中心とした各種屋外ビジョンにて、ハロウィン・スペシャル・コンテンツ「SHIBUYA HELLOWEEN シブハロ2015」を配信した。
2015年11月02日男性用増毛商品専門店のMJOはこのほど、俳優の六平直政さんを新しい広告キャラクターに起用したと発表した。今回広告キャラクターとして起用したのは、TVドラマやバラエティー番組などで活躍する俳優の六平直政さん。同社の増毛商品を使用した六平さんの姿を公開し、今後新聞やウェブサイトなどで積極的に広告展開を行っていくという。同社では来店当日に持ち帰ることができる既製品の増毛商品「レディーメイド」(10万円~・税別)や、大きさ・毛量などのパターン化したパーツを組み合わせて作成する「セレクトオーダー」(20万円・税別)などを販売している。同社は「自然さにこだわったMJOの増毛商品で大変身した六平さんの姿にぜひご注目ください」とコメントしている。
2015年10月29日モバイルWebにおける広告ブロックが話題になっているが、The Guradianに掲載された「都市は広告を追い出せるか? (Can cities kick ads?)」という記事によると、リアルな世界のビルボード広告(野外広告)についても、街から取り除こうという動きが世界的に広がっているそうだ。これは、最初にブラジルのサンパウロで実行され、チェンナイ、グルノーブル、テヘラン、パリなどでも試みられ始めた。この記事では「Can cities kick ads?」の後に「都市のビルボードを禁止する世界的な動きの内側(Inside the global movement to ban urban billboards)」と続く。「これらの都市は街本来の景観を取り戻した。しかし……」と続くのだ。サンパウロの住民がビルボード広告を忌み嫌っていたかというと、そうとも言えず、広告は住民の生活の一部に溶け込んでいた。市は街が広告まみれであることよりも、むしろ住民が危機感を抱いていなかったことを問題視し、そのままでは景観汚染が進むばかりだから思い切って環境を変えた。2007年にクリーンシティ法を施行し、約1万5,000個のビルボード広告と約30万個の規定よりも大きい店前広告を街から撤去した。ただ、ある程度は覚悟していたものの、広告がなくなった街はコンクリート色で染まり、そしてサンパウロはアイデンティティ・クライシスに陥ってしまった。日本で例えると、秋葉原の表通りから全ての広告がなくなって、商業ビルが露出してしまった状態という感じだろうか……。広告は街の彩りであっただけではなく、街の文化を示すものにもなっていた。もちろん時間と共に、灰色の街に広告以外の方法で彩りや街らしさが宿り始めたが、良くも悪くも住民が広告の存在感の大きさを実感する結果になった。PwCのGlobal Media Outlookによると、広告産業はビルボード削減の厳しい規制に直面しているものの、公共スペースで宣伝しようとする意欲はいささかも衰えていない。ビルボードや大きな看板広告を掲げられなくなっても、違う手段、あの手この手で消費者へのアピールを試みている。フランスのグルノーブルでは昨年、公共の場から広告が取り除かれ始めた。しかし、すべての広告がなくなったわけではない。2019年まで残るJCDecauxとの契約によって、バスやトラムの停留所には広告が掲載されている。この契約が打ち切られるかというと、JCDecauxは停留所の保守も手がけている。停留所のボックスが何者かに壊されたとしたらJCDecauxが無償で修理する、すなわち、JCDecauxの広告は市と市民にとって価値があると言える。同様に、広告抑制の動きが強まるニューヨーク市でも、同時に広告ベースの無料Wi-Fiブースの設置が進められている。街の利益にもなる広告であれば、今後も共存が認められる可能性がある。他にも、街にリサイクルボックスを設置し、リサイクル活動を行いながら同時に近接通信技術を用いて周囲のスマートフォンユーザーにパーソナル化したメッセージを送ったり、私有の公共空間(Privately Owned Public Space: POPS)を提供するなど、広告産業も必死である。○快適なモバイルは有料!?リアルな世界の公共スペースで困難に直面している広告が、オンラインに向かうのは想像に難くない。Webの世界は誰でも無料で利用できる公共スペースのようでいて、POPSのような空間なので、クリーンシティ法のように厳しく規制される心配もない。モバイルWebにおいても、広告産業は広告ブロックに苦しめられているじゃないか……と思うかもしれないが、ユーザーのWeb閲覧のパフォーマンスを損ねるような広告配信はブロックされた方が広告産業にとってもメリットがある。ユーザーが快適にWebサイトを利用できてこそ、広告の効果が上がるというものだ。ただし、今は静観していても、広告ブロックツールのベンダーが調子にのって過度に広告表示を妨害し始めたら黙ってはいないだろう。iOS用の広告ブロックツール「Peace」を開発し、App Storeで有料アプリ部門のトップを独走しながら突然提供を取りやめたMarco Arment氏は、配信停止の理由の1つとして広告ブロックツールが訴訟のリスクと隣り合わせであることを挙げていた。その通りだと思う。街からビルボード広告が消え、そしてオンラインに広告が氾濫する。"時代"という言葉でも説明できるが、広告産業にとってはリアルな公共スペースよりもWebの方が御しやすい。コンテンツブロックは、広告やトラッキング、JavaScriptがWebのパフォーマンスに与える影響を知らしめたという点でモバイルWebを変えたと思う。だが、Webが広告フリーになるようなことはないだろう。Webでは広告産業の行き過ぎが批判されることはあっても、クリーンシティ法のような変化は起きない。Webはこれからも、パフォーマンスとのバランスを取りながら広告と共存していくことになる。モバイルアプリだったら、広告フリーのためにいくらかの料金を支払う人が少なくない。ブラウザがアプリになっただけで、やっていることはWebコンテンツへのアクセスだとしても、アプリだったら価値があると見なされる。一方でWebサイトはそもそも無料というイメージが強く、広告フリーのために料金を支払うのに抵抗を感じるユーザーは多い。でも、そろそろサービスによっては、その価値が認められても良い時期ではないだろうか。米国時間の21日にYouTubeが発表した広告なしの有料サービスは、その試金石になりそうだ。
2015年10月26日YouTubeは10月21日、広告のない有料サービス「YouTube Red」を発表した。動画が広告により中断されないほか、オフライン再生も可能など、「究極のYouTube体験」を得られるとしている。料金は月額9.99ドル、10月28日より米国でスタートする。YouTubeでは、ユーザーは無料で視聴できる代わりに広告が入るというモデルを導入してきたが、YouTube Redは有料サービスとなるので入らない。また、動画を保存してオフラインで見たり、他のアプリを利用しながらバックグラウンドで再生することも可能。ユーザーは一度料金を払うと、PC、タブレット、スマートフォンなど複数のデバイスで利用できる。対象はYouTube上にある全動画コンテンツで、先に発表したゲーム愛好家向けの実況ライブ配信「YouTube Gaming」、子供向けコンテンツを集めた「YouTube Kids」、それに同日発表した音楽配信サービス「YouTube Music」(旧名称は「YouTube Music Key」)なども含まれる。YouTube Musicは有料サービスだが、YouTube Redの会員は無料で利用できるという。2016年には、会員のみが視聴できる番組も用意する。YouTube Redは10月28日に米国でスタートし、初月無料のキャンペーンも実施。YouTube Musicはその後のローンチになるとのことだ。なお、米国以外の市場でもローンチを進める計画だとしている。
2015年10月22日Facebookは10月20日、日本国内でモバイル向けにテストサービスとして続けていた「リード獲得広告」を正式リリースした。リード獲得広告は、企業がニュースレターの購読、イベントへの参加登録、キャンペーンへの申し込み、商品に関するお問い合わせなど、モバイル機器からのフォーム入力を提供し、利用者が入力を簡易化できるというもの。米国では10月7日(現地時間)に先行公開されていた。利用者はリード獲得広告を選ぶと、Facebookに登録している名前やメールアドレスなどの情報がフォームの該当欄に自動的に入力される。必要な情報がすべてFacebookに登録済みである場合は、フォームを開くための1回、情報を送信するための1回をタップするだけで手続きを完了できる。利用者のプライバイシー保護に注意を払っており、フォームに自動入力された情報を送信前に確認したり内容を編集したりでき、「送信」ボタンを押さないと送信されない仕様となっている。今回の正式リリースにあたり、リード獲得広告のフォームに自由回答欄や多項選択欄を追加できる新機能を搭載した。これにより、標準の入力欄とカスタムの入力欄を組み合わせ、重要な情報を簡単に収集できる。また、注意書きの部分も自由に変更できるようになった。リード獲得広告を利用するには、広告に使用するクリエイティブ、ターゲット設定、入札タイプを指定し、フォームの項目を決めればよい。収集したリードは、Facebookのパートナーが提供する統合マーケティング・プラットフォームを利用し、CRMソリューションとリード獲得広告を連携させることで管理できる。現時点ではDriftrock、Marketo、Maropost、Oracle Marketing Cloud、Sailthru、Salesforceが対応ソリューションを提供しており、今後もパートナーを増やしていく予定。また、Facebook APIを利用することで、リード獲得広告とCRMを連携させてリードを獲得することが可能。また、リード情報はCSVファイルとしてダウンロードすることもできる。WebサイトにFacebookピクセルを実装済みであれば、問い合わせや申し込みの可能性が高い人に向けてリード獲得広告を配信し、リード獲得単価を計測することもできる。ランドローバーUSAでは、ランドローバーに興味を持っている人たちへリーチするにあたって、リード獲得広告を先行導入した。「初期のA/Bテストの結果、リンク広告でウェブサイトに誘導してからフォームを記入してもらうのと比べ、リード獲得広告を利用したほうがより多くのリードを獲得することができ、コンバージョン率も高くなった(デジタルマーケティング&ソーシャルメディア担当マネージャ、Kim Kyaw氏)」と一定の成果があったことを報告している。リード獲得広告は、動画やカルーセル形式にも今後対応する。また、デバイスを問わずリードを集められるように、モバイル端末のほかにデスクトップなどにも対応する予定となる。
2015年10月21日ヤフーはこのたび、ビデオ広告領域において、インストリーム広告の配信プラットフォームを、米Videologyのプラットフォームに移行したことを発表した。これによりヤフーは、米Videologyのテクノロジーとヤフーの動画コンテンツや広告サービスの強みを活かした、より質の高いビデオ広告ソリューションの提供を目指す。同社によると米Videologyは、ビデオ広告の予約型配信の優れた技術と実績をもち、日本のオンラインビデオ広告市場においても、テレビ広告のような配信方法を実現。同プラットフォームを活用することで、動画コンテンツにおける広告枠の時間が認識され、その時間内に複数のビデオ広告を連続配信することができる。また、同プラットフォームは、一広告枠内において同一のクリエイティブや同業種の広告が連続して再生されないように自動制御する機能(競合隣接排除)も搭載。これにより、広告主のブランド価値を守りながらビデオ広告の在庫量を大幅に増やすことができ、広告主は、テレビ広告とのリーチ補完や相乗効果が期待できるインストリーム広告を活用しやすくなるという。加えて、精度の高い在庫予測機能と配信保証機能を備え、予約型配信も可能。ビデオ広告の視聴回数を予測し、適切に広告を配信できる在庫量を算出できるため、広告主は、テレビ広告と同様にあらかじめプロモーション期間と配信量を予約して購入し、最適なメディアプランニングを実施することができる。
2015年10月09日フリークアウトはこのたび、Facebook・TwitterよりAPI経由で広告配信ができる権限を取得し、広告配信ツール「MARY(メアリー)」の提供を開始した。同ツールは、フリークアウトのプライベートDMP「MOTHER」に蓄積したデータと連携し、Facebook・Twitter上でターゲティング広告の配信をシームレスに行えるというもの。DSPとSNS上の広告配信を一元的に運用・管理することができる。同社はこれまで、MOTHERに蓄積したデータ(Cookie / メールアドレス / ソーシャルID / モバイル広告ID)を基に、最適なターゲティングが行えるRTB対応のDSP「FreakOut」を提供し、広告主のニーズをサポートするソリューションの拡充に努めてきた。しかし、SNS上での広告コミュニケーションの重要性が高くなる一方、各SNSの広告配信設定項目の登録には手間がかかり、SNS上で高度なユーザーコミュニケーションを実現できていない状況だったという。同社は、この課題を解決すべく、DSP・SNSを横断し統合的なコミュニケーション設計を実現する広告配信ツールとして「MARY」を開発。これまで主にFreakOutで利用していたDMPのデータを、SNS上の広告にも活かすことで、統合的なコミュニケーション設計を実現する。具体的には、Facebook・Twitter広告がそれぞれ持つ複雑な設定項目(カスタムセグメント・年齢・性別・地域・趣味嗜好)を簡易かつ一括で行えるキャンペーン生成機能や、金融工学のモデリングを応用した各キャンペーン予算の自動最適化などが可能だ。
2015年10月05日アライドアーキテクツは10月1日、SNSプロモーション総合支援プラットフォーム「モニプラ」にて、Instagramのセルフサービス型広告とWebキャンペーンの企画・運用をワンストップで支援するパッケージサービス「Instagram広告連携キャンペーンパッケージ」の提供を開始した。同サービスでは、「広告」と「キャンペーン」を連携させることで、Instagramユーザーへ効果的にキャンペーン情報をリーチできるほか、アンケート調査などによる広告効果の可視化や仮説検証が可能に。これによりプロモーションにおけるPDCAサイクルを高速化し、"掛け捨て"の広告施策ではない長期的・戦略的なマーケティングへと繋げることができる。また、広告の運用代行は、同社のSNS広告運用支援専門チーム「AD Business Unit」が担当。豊富な支援実績を有するFacebook広告やTwitter広告などと掛け合わせた複合的な施策にも対応し、広告効果の最大化を実現するという。
2015年10月02日Twitterは28日、都内の新橋駅および、JRや丸ノ内線など新橋付近を通る路線に、Twiterニュースの広告を開始した。駅構内に加え、車内広告も展開される。Twiterニュースは、Twitter上で注目されているニュースの一覧を確認できる機能。ニュースの見出しをタップすると、そのニュースの詳細や全文記事へのリンク、関連記事やツイートなどを確認できる。同社は、「ニュースに興味を持っていただけそうな方々が多く利用されそうな新橋と路線を選んだ」としている。
2015年09月28日iOS 9のコンテンツブロック機能を用いた広告ブロックツールが議論を呼んでいる。米App Storeで36時間も有料アプリのトップを独走していた広告ブロックアプリ「Peace」を、開発者のMarco Arment氏が「Just doesn’t feel good」と取り下げてしまった。「広告ブロッカーには見逃してはならないアスタリスクが付く:たくさんの人に大きな利益をもたらすが、人を傷つけもする。しかも、傷つけてはいけない人まで傷つける」と述べている。Arment氏がPeaceを取り下げたのは、同氏が開発者(Tumblr、Instapaper、Overcastなど)であると同時に、「Marco.org」という人気ブログを持つブロガーであるためだ。なぜ広告ブロッカー/トラッキング・ブロッカーが求められているかというと、利益を追求するばかりでユーザーをないがしろにしたアドネットワークや媒体(Publisher)が増える一方だからだ。アドネットワークに大きなスペースを与えているWebサイトは、頻繁に広告サーバにアクセスし、ページにたくさんの広告を載せ、ユーザーのブラウジングをトラッキングする。そんなサイトでWebの世界がどんどん荒れて、ユーザーのWeb体験が損なわれている。開発者として、Arment氏は広告ブロッカーがモバイルユーザーにとって有用で必要なツールだと信じている。しかし、広告やトラッキングをすべてブロックしてしまったら、広告ベースでコンテンツを無料提供できたWebのビジネスモデルが崩れてしまう。Webでコンテンツを無料提供してきた媒体、それに関わるデザイナーやライターなど多くの人が窮することになるだろう。ブロガー仲間からの批判に直面したArment氏は、ブロガーとしてPeaceの提供中止を決断した。その板挟みの心理が「Just doesn’t feel good」というコメントに表れている。○広告ではなく、The Deckをブロックしたのが問題「広告をブロックして快適なWebを取り戻すべき」という声に対して、媒体や広告主は「広告をブロックしたら、無料で成長してきたWebが細る」と反論する。広告は悪か、それとも必要悪か。相いれない対立に思える広告ブロッカー問題だが、Peaceの販売中止騒動はこの問題の核心を突いている。というのも、この騒動がJohn Gruber氏のPeaceに関する以下のツイートから始まったからだ。「Safariのコンテンツブロッカーがデフォルトで"The Deck"をブロックするとしたら、それは誤りだと思う。反論できるならやってみろ」Gruber氏は、自身も人気ブロガーである。その立場からPeaceが広告をブロックしていることを批判しているのではなく、Peaceが「The Deck」をブロックしていることを批判している。何が違うのかというと、The Deckはユーザーと広告主の双方の利益を重んじている「良いアドネットワーク」なのだ。あらゆる広告を配信するのではなく、広告を扱う分野を限定し、さらにThe Deckが実際に使用して認めた製品やサービスの広告のみを採用する。媒体も広告ターゲットの分野で効果が見込めるものに絞り込み、さらに広告が増えすぎないように広告スペースを制限している。The Deckの広告はコンテンツの邪魔をせず、読者が興味を持つ広告が表示され、デザインのバランスも優れている。動作は軽快で、ユーザーは快適にWebサイトを楽しめる。広告主や媒体にとってThe Deckはとても面倒なアドネットワークなのだが、結果的に広告主や媒体もユーザーとの太い結びつきという利益を得られる。広告まみれではなく、読者が快適に無料コンテンツを楽しめるように努める媒体もあり、そうした媒体が採用してるThe DeckをPeaceはブロックした。Gruber氏の痛烈な批判のポイントは、そこなのだ。だから、読者を大切にしてきたブロガーの1人(Marco.orgもThe Deckを使用している)として、Arment氏はPeaceを取り下げた。Peaceは広告ブロックにGhosteryのデータベースを用いていており、GhosteryがThe Deckを広告に分類していることに気づいていたArment氏はデフォルトでThe Deckがブロックされないように手を加えることも考えたという。しかし、最終的には公正を期して、そのままの状態で提供した。ユーザーはホワイトリスト機能を使って、例外をカスタマイズできるが、Peaceのホワイトリストはサイト単位でしか指定できず、アドネットワーク全体を例外にすることはできない。ちなみにGhosteryは、広告ブロックやトラッキングブロックをユーザーが柔軟にコントロールできるようにするサービスである。Ghosteryもまた、エンドユーザーの利益につながるサービス/ツールであるだけに、Peaceの販売中止騒動はなんとも皮肉な結果になってしまった。ユーザーのWeb体験を損なう広告やトラッキングのみをブロックし、ユーザーの体験を損なわずに情報やコンテンツへの自由なアクセスをサポートする広告はユーザーに届けられるのが望ましい。しかし、ただツールに任せるだけでは、実現までに時間がかかりそうだ。本を正せば「公正を期す」という理由で、Arment氏がThe Deckをブロックの例外にしなかったのが騒動の始まりである。だが、同氏がThe Deckだけ例外にしていたら「自分のブログが採用しているアドネットワークだけ優遇」と批判されていただろう。Arment氏がPeaceでThe Deckを例外にし、ほかにもどのようなアドネットワークをデフォルトのホワイトリストに追加するべきか……という風に議論が広がるのが望ましいと思うのだが、「Just doesn’t feel good」と疲れ果てて開発者がPeaceの開発から手を引いてしまうのが現状である。Webの長所を残しながら、快適なWeb体験を実現するのは容易なことではない。開発者やツールだけに任せるのではなく、まずは私たちネットユーザーが、ユーザーをないがしろにするアドネットワークや媒体に改善を求め、逆にユーザーのためのコンテンツ提供や環境作りに努めるアドネットワークや媒体をサポートする意識を持つようになるべきなのだ。
2015年09月24日KDDI研究所とクリエイターズマッチは9月14日、バナー広告から利用者が受ける印象を事前に推測するコンテンツ解析技術を開発した。同技術により、バナー広告の品質向上と広告制作作業の効率化を図ることができるとともに、利用者にとって魅力的で信頼感のあるバナー広告の配信が可能になる。今回、利用者から収集した膨大な量の広告に対する感想から独自の印象指標を抽出し、深層学習を利用することで、広告に特化した30種類の印象項目(「お得感がある」「信頼感がある」など)を高精度に推測することが実現された。化粧品広告を用いた一般被験者243名による実証実験では、利用者が受ける印象を約71.7%という高い精度で推測することに成功したという。今後は同技術を用いて、さまざまな業種のバナー広告から顧客が受ける印象を推測する汎用的なエンジンの開発を進めていき、開発した汎用エンジンは、クリエイターズマッチが提供する広告評価プラットフォームAdFlowや、KDDIの関連会社であるmedibaなどでの活用を予定している。
2015年09月14日インスタグラムは9月9日、広告メニューの世界展開を発表した。日本ではすでに広告の一部運用が始まっている。インスタグラムは、2015年5月より国内で広告を導入。当初は一部の大手企業などを中心として展開してきたが、今後は中小企業などの企業規模を問わず広告出稿を受け付ける。国内だけでなく、同日より30以上の国での提供を開始し、9月30日までには全世界での展開するとしている。今回のキャンペーンでは、親会社のFacebookが培ったノウハウを活かし、ファッション・スポーツ・車・食などの趣味嗜好によって、利用者にリーチできるようになる。また、インスタグラムから直接興味のあることについてより詳しく知ったり、商品を購入したりできる新しい広告形式で、さまざまなビジネス目的を達成できるようになった。今夏より実施した実証テストでは、一定の成果を得られ、特にEコマースや旅行、エンターテインメント、小売りなどの業界からの需要は顕著になったという。例えば「ギルト・グループ」では、新規の顧客獲得のためにインスタグラムの広告キャンペーンを実施し、アプリのインストール率を85%上昇させることに成功した。また、デザイナーズ家具を販売するオンラインショップ「Made.com」は、通常のベンチマークを10%超すオーダー金額を記録した。ゲーム開発会社の「Kabam」は、ゲームのプレイタイムがより長く、より多く課金する新規ユーザーの獲得に成功した。アウトドアブランドの「ザ・ノース・フェイス(The North Face)」は、スピーカーシリーズの認知向上に大きく貢献した。国内のキャンペーン実施に合わせ、日本で未導入となっていた広告形式を含め、さまざまな機能を追加する。「ダイレクトレスポンス型広告」は、商品やサービスのことをより詳しく知ったり、Webサイトからの登録や商品の購入、アプリのダウンロードなど直接的な行動を促せるようになる。「カルーセル広告」は、複数の写真広告をスライドショー式で展開し、スワイプしていくと2枚目以降の写真にリンクボタンが付く。これにより、ブランドのサイトへと誘導でき、ブランドの多角的な魅力やストーリーを伝えることができるようになるとしている。
2015年09月11日Facebookは9月7日、広告の効果測定プログラムのコンバージョンリフト機能を強化したと発表した。Facebookでは、広告主が広告効果を検証できるように今年1月、Facebook広告向けのコンバージョンリフトをリリースした。初期バージョンでは、Facebook広告の有効性を測ることを最大の目的とし、ターゲット層を実験群(テストグループ) と対照群(コントロールグループ)に無作為に分けたうえで、実験群にのみ広告を見せ、広告を見せたことによる影響を検証するという仕組みを採用した。今回の機能強化により、複数のFacebook広告の効果を比較できるようになった。同じ目的で実施した複数の広告キャンペーンを比較でき、Facebook広告の有効性だけでなく、どの広告手法が最も効果的だったかも正確に評価できるようになった。また、最も効率良く目的を達成できる広告ユニットの特定、ブランド広告とダイレクトレスポンス広告を組み合わせた場合と、それぞれを単独で展開した場合との効果比較、モバイル広告の価値判断、ライフスタイル提案型クリエイティブと商品説明型クリエイティブの効果比較などの機能も実装した。動画広告の利用によって追加コストは発生するものの、全体で見るとCPAが削減できていることも判明したとしている。
2015年09月08日台湾のユビタスは9月3日、ユーザーがWeb広告内でアプリやゲームをプレイできる体験型広告(プレイアブルアド)技術「C2P(Click to Play)」を日本国内で提供すると発表した。その第一弾として、D2C Rとの協業によるソリューションを同日より提供開始する。同技術は、企業が提供するアプリやゲームをクラウドサーバ上で仮想化し、双方向型の動画ストリーミングを通じて、ユーザーが持つiOS端末やAndroid端末、パソコンなどのブラウザ上に体験型広告として配信。ユーザーは、同Web広告をクリックするだけでアプリやゲームを即座に体験できる。また、一定時間の試遊後には、企業が指定するアプリストアや登録サイトに移動し、実際にインストールや購入することが可能だ。
2015年09月04日ビデオリサーチとビデオリサーチインタラクティブは9月3日、一般社団法人日本広告業協会と協力し2014年度より実施する「オンライン広告の効果測定調査」の一部を公開した。同調査は、オンライン広告の統一的な基準値作成と共通指標の整備を目的に行われているものだ。同社によると、広告主がオンライン広告を出稿する目的に関わらず、まずはユーザーに対して気付きを与えることが、商品認知や興味関心、購買行動等の起点となるが、こうした広告認知効果について把握できる客観的な基準値は整備されていないのが現状であったという。今回の取り組みにより、オンライン広告の認知曲線(基準となる広告投下量と広告認知率の関係式)と、広告認知後の心理変容効果や態度変容効果の平均値の取得を実現。今後、オンライン広告プランニングの際に、出稿によってどれくらいのユーザーに広告が認知され、心理変容や態度変容をもたらすことができるのかといった広告効果の標準的な目安を、事前に把握することができる。公開された一部の調査報告なお、今回公開された「オンライン広告の効果測定調査」の詳細は、こちらを参考にされたい。
2015年09月04日2014年は、日本のインターネット広告費が初めて1兆円を超えた年となった。日本の総広告費と媒体別・業種別広告費を推定した「2014年 日本の広告費 (2015年2月電通発表)」によると、総広告費は6兆1522億円と前年比102.9%となり、3年連続で前年実績を上回る結果に。この数字を押し上げたのが、媒体別で最も高い成長率を示したインターネット広告だ。スマートフォンや動画、新たなアドテクノロジーを駆使した広告が伸び、前年比112.1%の1兆519億円を記録している。同じ年、モバイルを利用した広告コミュニケーション・マーケティング活動の普及を願い創設され、2002年から12回に渡って開催されてきた「モバイル広告大賞」が、「コードアワード」として生まれ変わった。広告コミュニケーション・マーケティングの領域では、モバイルに限らず、あらゆるデジタルツールや技術を活用した施策の立案が標準化してきている。それらの取り組みを包括した賞に刷新されたといえるだろう。同広告大賞を主催するD2C 代表取締役社長 宝珠山卓志氏に、モバイル広告大賞の創設からコードアワードへと刷新した狙い、広告賞から見えてくるトレンドを中心に話を伺った。○「日本はモバイルマーケティング先進国」として認知された宝珠山氏 : 今でこそモバイル広告という用語は普通に使われていますが、2000年当時の日本は「モバイル広告って何?」みたいな世界だったんです。ちなみに、世界を見渡しても、モバイル広告賞は存在していませんでした。そんな時代において、弊社は大きく2つの目的があり、モバイル広告大賞を創設しました。1つ目は、モバイル広告という産業の地位向上です。広告主も上長を一生懸命説得して、新しい形の広告を出稿しようと決めてくれたわけですし、広告代理店やプロダクションも、これまでにない新しい取り組みに挑戦してくれたわけですから、関わった人たちの名前が残るものを作りたかった。これが最初のきっかけですね。2つ目は、メディアに取り上げてもらいやすくすることです。「新しい広告(枠)ができました」とアピールしても、広告商品の売り込みにしか見えないので、ニュースになりにくいんですよね。一方で、広告大賞なら注目を集め、記事化されやすいのではないかと思いました。――― 前例のない広告大賞ということで、初回はご苦労されたのではないでしょうか。第1回は応募作品を集めるのが大変でしたね。営業マン全員で、関わりのある広告代理店に対し「応募していただけませんか」と地道にお願いしてまわりました。結果、無事に開催できた上にかなり好評だったんです。受賞作品のクライアントは自分たちのやってきたことが社内に認められ、広告代理店担当者は社内に対して良いPRになったみたいで。その後、モバイル広告大賞そのものも「世界のモバイルマーケティングにおける先端事例集」として、海外でも知名度を上げていきました。それに伴い、モバイル広告大賞を主催する日本はモバイルマーケティングの先進国で、その流れを中心的に率いているのがD2Cだとグローバルに伝わっていく、うれしい効果もありましたね。――― 受賞作品の傾向は、回を重ねる度にどう変遷していったのでしょう。モバイル広告大賞は2002年~2013年まで開催しました。この12年は新たなテクノロジーが次々と生まれる時代だったこともあり、それらを用いた作品が目立ちましたね。とくに通信速度が上がり始めてからは、できることが格段に広がりましたから。たとえば、バナー広告はモノクロからカラーになり、モバイル広告は単なる広告ではなくマーケティングツールとしても活用されるようになりました。作品の質も内容も大きく変わっていきましたね。とくに当時画期的だったのは、顧客接点の中心をモバイルに据えて、周辺に4マスメディアを置いて施策を行う会社が現れたこと。モバイルが普及してから、キャンペーンが劇的に進化していったんです。2003年には、モバイルのみのキャンペーンでもオープン懸賞になることが認められ、モバイルを絡めるキャンペーンが急増しました。商品購入時に付いている8桁のデジタルコードを入力して、ハズれると待ち受け画像や着メロをもらえる、といった企画が流行っていた頃ですね。○マルチデバイス時代のデジタルマーケティングを象徴する賞に2014年に「コードアワード」として刷新してからは、アイデア勝負の受賞作品が増えたと感じています。制作には一般のWeb制作会社ではなく、クリエイティブブティックが携わっているケースが多く、作品のクリエイティビティが年々高まっている印象です。モバイルの新技術は踊り場に来ていて、新しいものはなかなか出てきません。そんな制約のあるなかで、どうすれば面白い展開ができるか、別の視点から考える必要があります。昔は新技術を使えば勝てたのでしょうが、今はアイデアで勝負する時代になったのだといえるでしょう。――― 刷新するに至った背景についても教えていただけますか?世界的には今も、モバイルアドをはじめ「モバイル〇〇」と表現するのが一般的ですが、日本はモバイルという単語が先行した後に、スマホという別の単語が浸透しました。そのため、「モバイル=ガラケー」「スマホ=スマートフォン」といった、グローバルのそれとは異なる認知が広がったんですよね(笑)。クライアント側の意識もモバイルを用いた施策をするのが普通になりましたし、スマホやタブレット、PCなど、あらゆるデバイスを含めて、デジタルのキャンペーンやマーケティングが成り立っているわけです。ですので、モバイルという言葉でくくるのも今っぽくないですし、モバイル広告というと若干古くさい響きもありますよね。そこで、デジタル体験の創造性(Creativity Of Digital Experiences : CODE)の頭文字で、デジタルの世界を形成するソースコードにちなんで、賞の名称を「コードアワード」としました。――― 賞の構成ではどのようなことを意識しましたか?設定を細かく分けたことでしょうか。広告・マーケティング領域において、デジタルを用いたものが本流になっていますが、その中でも取り組みが実験的だったり、クリエイティブに特化していたり、効果が顕著に出ていたりと、エッジの立っている部分は作品によってさまざまですよね。デジタル施策を行うにしても、その中の何で勝負するかはクライアントによって違います。審査員の先生方もデジタルの状況を理解しているので、すべての作品を同じ土俵で論じるべきではない、と感じているようです。時代やトレンド、状況によって変わっていくかもしれませんが、今は「グランプリ」「キャンペーン」「イノベーション」「クラフト」「イフェクティブ」(グランプリ以外はベスト1作品、グッド2作品)と「パブリックベスト」の計6種類の賞を用意しています。コードアワード2015 受賞作品一部――― プロが選定・評価する賞が多いなか、一般人が参加できる賞(パブリックベスト)は珍しいですよね。他の賞はデジタルの技術を理解した有識者が選びますが、パブリックベストは視点が違います。ある意味で一般の方の視点による、万人受けする賞といえるでしょう。パブリックベストを作った理由は、デジタルマーケティングが企業と消費者との距離を近づけたと感じたからです。SNSが一般化した2008年以降、SNSを通じて情報が爆発的に拡散するようになりましたよね。○企業と消費者の「ほぼ対等な関係性」を施策に落とし込み、共感させる――― 確かに。面白いキャンペーンだと、消費者に支持されシェアされて、あっという間に伝播しますよね。消費者に嫌われた瞬間にキャンペーンは失敗に終わります。一方で、消費者は神様ではありませんから、媚びるのもダメ。企業と消費者の関係はほぼ対等で、消費者のほうが若干強いかな、くらいのパワーバランスを意識して、消費者と接することが大事です。さじ加減はすごく難しいですよね。また、SNSが登場したことで、消費者と企業の関係は変わってきました。マーケティングの概念自体が消費者への「売り込み」から、「共感」「エンゲージメント」へと移り変わっています。納得して満足してもらった後で、商品を買ってもらうといった形です。さらに、通信のリアルタイム化と高速化で、チャットなどもほぼ時差なくできるようになりましたよね。結果、マーケティングのあり方も、変わらざるを得なかったのかもしれません。コミュニケーションツールを用いたデジタルマーケティング施策を提案する広告代理店も増えたと思います。企業がコミュニケーションツールを使った取り組みを行うなら、専任者を何人もつけて本腰を入れなくてはダメで、中途半端に片手間でやるのが一番危険です。会社を代表して発信している、という意識を軽く考えてはいけません。――― 最後に。これからの広告代理店に求められる姿勢、意識すべき課題とは何でしょうか。メディアを売るのではなく、企業と消費者をつなぐという、根本的な発想に立ち返ってみることが大切です。企業と消費者がリアルタイムでコミュニケーションを図るのが当たり前になった時代に、自分たちがどうビジネスを作っていくか、時代の変化を読んでどう対策を変えていくのかが課題ですよね。そこにデジタルツールは必要不可欠。リアルとの橋渡しにデジタルを用いて、企業と消費者とのコミュニケーションや関係性を正しく理解できる人が、消費者に共感されるものを創っていけるのだと思います。
2015年09月03日トライステージは8月25日、機能性表示食品制度において、通販番組制作で培った広告表現とテレビ考査のノウハウを基に効果的な広告表現をアドバイスするサービス「KINO-ad(キノアド)」の提供を開始した。同社によると、機能性表示食品では、安全性と機能性の科学的根拠を行政に届け出ることにより、訴求表現の中で機能性を謳うことが可能となる。一方で、同制度に伴う行政の広告表示規制基準は明確に設けられておらず、また媒体の広告考査基準も現状では具体的に示されていないため、機能性表示食品の広告については、事例が蓄積されるまでの間は食品関連事業者・媒体共に、手探りの状態が続くという。これを受け同社は、広告考査の実績を基に機能性表示食品の広告コピー開発についての相談を受け付けるサービス「KINO-ad」の提供に至った。同社は創業以来、テレビ通販領域にてインフォマーシャルを中心とした広告制作を行ってきたほか、健康食品を主力商材とし、機能性表示食品を含めた健康食品についての広告考査対応実績を多数持つ。これを活かし、新サービスにおいては、機能性表示食品・その他健康食品の広告考査事例の紹介や、広告考査まで見据えた届出文言・広告コピーのアドバイスを行っていく。
2015年08月27日フェンディ(FENDI)が、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が撮影を手掛けた2015-16秋冬広告キャンペーンビジュアルを公開した。芸術家のゾフィー・トイバー=アルプ(Sophie Taeuber-Arp)にオマージュを捧げた今回のキャンペーンビジュアルは、その名も「アーティー・パペッツ」。1918年にゾフィー・トイバー=アルプが制作した彫刻やあやつり人形を実物大の3Dで再現したもので、2月に開催されたファッションショーの会場デザインにもインスピレーションを与えている。作品の基となったのは、イ18世紀のタリア人劇作家のカルロ・ゴッツィ(Carlo Gozzi)原作の悲喜劇『鹿の王』。カール・ラガーフェルドは、今回のビジュアルについて「フェンディの2015-16秋冬広告キャンペーンの制作にあたって、誰よりも僕をインスパイアしてくれたのは、あの非凡な才能のスイス人アーティスト、ゾフィー・トイバー=アルプだったんだ。彼女の作品は、すごくモダンでしかもグラフィック。それはまるで、2015-16秋冬コレクションのフェンディと同じだね。最上のラグジュアリーである一方、とてもコンテンポラリーなんだ」とコメントを寄せている。モデルには、ケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)、リリー・ドナルドソン(Lily Donaldson)を起用。3Dで再現したゾフィー・トイバー=アルプの作品と絡み合いながら、誘惑するかのような力強いポーズが収められている。
2015年08月26日オムニバスは8月19日、広告主及び広告代理店向けに動画広告専門のプライベート・マーケットプレイス(PMP)サービスを開始した。同サービスは、優良なWebメディアを絞り込んだ上で動画広告を配信したいという広告主のニーズに応えるため、動画広告SSPにおいて動画広告枠のマネジメント支援をサポートしてきたTV局や新聞社など、約50のWebメディアの動画広告をネットワーク化することにより実現したもの。同サービスにより、広告主と広告代理店は、どの媒体・広告枠に対して動画広告を配信するかを選択でき、ブランドとして不適切なWebメディアへの広告配信を防止するほか、媒体・広告枠単位での効果測定が可能になるという。ネットワーク媒体の例としては、テレビ東京のテレ東プレイや新聞社の朝日新聞デジタル、MSN、東洋経済オンラインなどとなる。同社は今後、同サービスとDSPの接続を順次行っていき、ネットワーク媒体数の拡大を図っていく考えだ。
2015年08月20日Facebookは8月18日、今春リリースした「ダイナミックプロダクト広告」を、数週間かけて強化すると発表した。新たにクロスセルやアップセル、コンバージョン最適化、オーディエンスネットワーク対応といった機能を追加していく。ダイナミックプロダクト広告は、Webサイトやモバイルアプリで買い物をする人々に対し、有益で関連性の高い商品を宣伝するのに役立つ。小売業やEコマース向けの広告製品で、利用者が関心を持ってくれそうな商品をターゲットに応じて自動的に宣伝する。サービスリリース以来、あらゆる機器においてコンバージョンの増加や顧客獲得単価(CPA)の低減に貢献しているという。現在のダイナミックプロダクト広告では、商品を見た人やカートに入れた人に対して関連商品を表示できるが、今後は商品を購入した人に対しても関連商品を表示できるようになる。例えば、オンラインショップで自転車を購入した人に対し、ヘルメットやバスケットなど、自転車を購入した人が関心を持ちそうな商品を宣伝するといったことも可能になる。また、「関連商品」の定義もより柔軟になる。例えば、モバイル・ショッピング・アプリでカートにファッションシューズを入れた人に対して、ファッションシューズのカテゴリからはもちろん、ハンドバッグのカテゴリからも商品を紹介でき、商品カテゴリ自体も自由に定義できるため、思い通りに広告を運用できる。数週間のうちに、ダイナミックプロダクト広告はオーディエンスネットワークに対応し、Facebook外のWebサイトでも買い物客にリーチできるようになる。
2015年08月20日アドウェイズは8月6日、Twitterより「Twitter Official Partner」に認定されたと発表した。これにともない、Twitter提供の広告APIを利用した広告運用プラットフォーム「STROBELIGHTS 4T」の提供を開始する。「STROBELIGHTS 4T」は、世界対応のスマートフォンアプリ向け効果測定システムである「PartyTrack」の開発を手がけているBulbitが開発。広告運用の効率化・自動化を支援するもので、Twitter広告の運用に際して、大量のターゲティング設定を一括で行ったり、自動化ルールの作成によって、人力では困難な大量のクリエイティブ精査が可能になるという。アドウェイズは、以前よりTwitterのトラッキングパートナーに選ばれていたが、今回はAdsAPIのパートナーとして新たに選定された。
2015年08月07日博報堂DYメディアパートナーズは8月5日、Facebook Japanと共同で、広告効果を測定する調査「TVCM×Facebook 動画広告のクロスメディア広告効果調査」を実施したと発表した。調査は、TVCMとFacebook広告動画の両方を駆使したクロスメディア広告の効果を測定したもの。Facebook動画広告とは、ユーザーのニュースフィード上に掲載され、広告が表示されると、動画が自動で再生を開始する動画広告商品だ。調査対象のキャンペーンは、2015年3月の「TVCM×Facebook 動画広告 クロスメディアキャンペーン」を実施した自動車、清涼飲料、健康系飲料の3キャンペーン。調査対象者は、関東地区/男女20-69歳のインターネットユーザーで、各キャンペーン3万5000人以上、延べ約10万5000人。ビデオリサーチインタラクティブが実施した。調査結果によると、TVCMとFacebook動画広告を掛け合わせることで、「ターゲットリーチ率」「広告認知率」「ブランド評価」などにおいて単体で実施するよりも広告効果が高くなる傾向が見られ、特に若年層での向上効果が顕著であったという。また、重複接触により、最も高い広告認知率と最も高いブランド評価(商品認知、商品購入利用意向など)が得られた。博報堂DYメディアパートナーズは、今回の調査を受け、今後TVCMとFacebook動画広告によるクロスメディア広告出稿提案を推進するとともに、広告投資を効果的に活用するソリューション提供を目指すとしている。
2015年08月06日レクサスは5日、グローバルブランド広告キャンペーン「AMAZING IN MOTION」第4弾「SLIDE」で、2015年6月に発表したLEXUSホバーボードの全容を公開した。LEXUSホバーボードは、2つの低温保持装置の中で超電導体が液体窒素によりマイナス197度に冷却され、永久磁石のレールの上に置かれることで浮上する。レールの磁場がホバーボードの超電導体の中に「凍結」されることで、ボードとレールの間に一定の距離が保持されて浮くことができるのだ。この力は、ホバーボード上で人が立ったりジャンプしたりできるほど強いものだという。LEXUSホバーボードのプロジェクトは、磁気浮上技術を専門とするIFW Dresdenおよびevico GmbHからの科学者チームの協力のもとで18カ月前に開始。ホバーボードのテストライダーを務めたプロスケーターのロス・マクグラン氏により、ドイツ・ドレスデンで大がかりなテストが行われ、その後もプロジェクトチームはテストを重ねてホバーボードの限界に挑戦し続けた。6月の発表以来、LEXUSホバーボードのテストは、スケートの要素と技術を組み込んだ特設のホバーパークにて進められた。ホバーパークに敷設するため、最長200メートルに及ぶ磁気のレールがドレスデンの施設からバルセロナに運ばれ、従来のスケートボードでは実現し得ない、水面上を走行するというような技も実現している。数々の受賞歴を持つヘンリー=アレックス・ルビン監督によりその様子は撮影され、動画が公開された。LEXUSホバーボードの動画「SLIDE」には、2015年北米国際自動車ショーでワールドプレミアした高性能スポーツセダン「GS F」が登場。同動画は、レクサスの創造力と革新性を表現する「Amazing in Motion」キャンペーン第4弾の一環となっている。なお、LEXUSホバーボードはプロトタイプであり、販売の予定はない。
2015年08月05日アップルは、Apple Watchの新しいスポット広告(CM)を公開した。"Closer"と"Beijing"と題されており、日常生活での利用における、Apple Watchのパーソナルで多面的な能力を前面に打ち出している。"Closer"と題されたCMでは、Apple Watchというパーソナルなデバイスが我々にとって最も個人的な人間関係、すなわち親と子供の関係にどのようにフィットするか、あるいは役に立つかを表現している。子供の好きなアニメ番組で始まり、母親からの呼び出しに応え、ちょっとした問題をシンプルな絵文字を使って解決する様子を捉えている。アップルでは、Apple watchの大ファンだという保護者から、Apple Watchを使ってやれること・やれないことについてのヒアリングを行っているそうだ。このCMはまさにそういった生の声が反映された仕上がりになっている。もう一本の"Beijing"では、ベルリンから北京へ旅する2人の友人のストーリーが綴られている。手首につけたApple Watchから発信される情報を活用することで、新しい都市の探索を容易なものにしてくれるといった内容だ。現地通貨の換算から、現地のフードやレストラン情報の入手、歴史的・文化的な建造物を訪ねたり、地域社会との交流を試みたりと様々なシチュエーションでApple Watchは活躍してくれるというメッセージが込められている。
2015年08月04日ソネット・メディア・ネットワークスは7月29日、アドフラウド(不正広告)の取り組みについて、Momentumとの間で合意に達したことを発表した。今回の合意は、同社DSP「Logicad」に関するオンライン広告取引RTBにおいて、Momentumのアドフラウド対策を実現する広告配信ネットワーク接続用プラグイン「Black Heron」への接続を対象とした国内初の共同運用となる。アドフラウドとは、無効なインプレッションやクリックを稼ぎ、広告費用に対する成約数や広告効果などを水増しする不正広告のこと。コンピュータによる自動プログラム「bot (ボット)」が、悪質なプログラミングを組み込み、人間のようにブラウジングすることで、広告表示やクリックを不当に発生させることがその代表例として挙げられる。Momentumのアドフラウド対策ツール「Black Heron」は、不正なオンライン広告取引の監視・対策ツールとして2015年5月から提供を開始。約90種類以上の判断基準を組み合わせた独自のアルゴリズムによるフラウドスコアを活用することで、botやコンバージョンしないユーザー、媒体への出稿回避を実現できることが特徴だ。今回の同意により、広告出稿企業は、広告枠に対しRTBによる安全な広告配信を行えるようになり、さらなる広告効果の向上が期待できるという。なお、両者の接続は、2015年11月を予定する。
2015年07月30日