森ノ宮医療大学(大阪市住之江区)は、大阪の魅力ある建築を一斉に無料で公開する日本最大級の建築イベントである「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪※」(イケフェス大阪)に初めて参加することとなりました。初参加の今年は、2020年に完成した新しい棟である「さくらポート」を公開いたします。この棟には診療放射線学科の実習室等があり、普段なかなかご紹介できない最新の機器や設備をご覧いただけます。その他、開放感のあるカフェや全フロアをつなぐウッドデッキを周るガイドツアーを予定しています。是非たくさんの方のご来場をお待ちしております。※生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪: ■開催概要日時:10月30日(日)10:00-10:30/11:00-11:30/13:00-13:30/14:00-14:30案内人: 森ノ宮医療大学スタッフ定員: 各20名参加受付方法: 当日先着整理券の配布の有無: なし「さくらポートキャンパスツアー」●参加者への一言コメント:全フロアをつなぐウッドデッキや、スキャンをイメージした未来的な外観に注目!※当日の受付方法・場所:桜棟1階エントランス受付・時間プログラム開始15分前から・建物内部の写真撮影は一部不可■建物情報住所:住之江区南港北1-26-16建築年:2020年設計:清水建設森ノ宮医療大学は、多岐にわたる医療系専門職養成学科を擁する関西最大級の医療系総合大学です。各学部・各学科・専攻科・大学院はそれぞれ高度な医学教育・研究を展開しており、また専門領域の垣根を超えた横断的医療教育プログラムにより魅力的な多職種連携チーム医療教育を実践していきます。■看護学部:看護学科■総合リハビリテーション学部:理学療法学科、作業療法学科■医療技術学部:臨床検査学科、臨床工学科、診療放射線学科、鍼灸学科■大学院保健医療学研究科■助産学専攻科■はり・きゅうコスモス治療院(森ノ宮医療大学附属鍼灸施術所)【関連リンク】・森ノ宮医療大学ホームページ ・森ノ宮医療大学公式YouTubeチャンネル 【お問い合わせ先】担当:森ノ宮医療大学事務局企画課電話番号:06-6616-6911E-mail: kikaku@morinomiya-u.ac.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年10月14日天王洲のWHAT MUSEUMでは、現在開催中の『建築模型展 ―文化と思考の変遷―』(10月16日(日)まで)の番外編として、10月27日(木)より『さわれる!建築模型展』が開催される。同展では、建築物が完成に至るまでの試行や検討のツールである建築模型のコミュニケーションツールとしての側面に着目。『建築模型展 ―文化と思考の変遷―』で展示されている作品の一部を入れ替え、新たに体験型の展示として再構成される。(c)加藤甫例えば、オンデザインパートナーズによる“育つ模型”「町田芹ヶ谷公園”芸術の杜”プロジェクト パークミュージアム」では、来場者が全長5mにおよぶ公園模型の人物や植物などを自由に動かし、模型内の広場づくりに参加することができるほか、noizによる「高次元模型」では、ARと実物の模型を通したインタラクティブな体験ができる。ほかにも、来館者が映像を見ながら積み木や色紙を使った模型作りを体験できるワークショップスペースも設置されるなど、建築模型に触ることでその価値や魅力を体感できる展示構成となっている。なお11月5日(土)には、オンデザインパートナーズによるワークショップイベントも開催される。【出展作品/建築家】「AIDA BLOCK "祈り"」/相田武文、「学ぶ、学び舎 モックアップ」/秋吉浩気|VUILD、「育つ模型(町田芹ヶ谷公園”芸術の杜”プロジェクト パークミュージアム)」/オンデザインパートナーズ、「パンタドーム構法模型」/川口衞、「高次元模型」/noiz、「失われた街」模型復元プロジェクト「大島-長崎・小田の浜」模型、「茶室起こし絵図」【開催情報】『さわれる!建築模型展』2022年10月27日(木)〜 11月 13 日(日)、WHAT MUSEUMにて開催
2022年10月13日建築用ガラスの販売・施工を行う津田硝子株式会社(名古屋市天白区/代表取締役社長:津田慎也)は、建築用ガラスをアップサイクルしたアクセサリーブランド「gl+(ジーエルプラス)」を立ち上げ、活動への認知向上を目指すクラウドファンディングを「CAMPFIRE」にて2022年9月9日(金)からスタートしました。実は建築用ガラスは金属膜の塗布などがあり、リサイクルされずに廃棄・埋め立てされるものが多く、まずはこの現状を広く知ってもらい打破したいと3代目が新規事業として取り組みます。プロジェクト詳細URL: gl+ アクセサリー■社会背景:建築用ガラスの有効利用率はわずか26%。添加剤や建築廃材で再利用は困難飲料や食品のガラス容器はリサイクルのイメージがありますが、窓やドア、鏡などの建築用ガラスは金属膜などが付着していてリサイクルしにくいです。2013年度時点でも建築用板ガラスは国内生産量約50トンに対し、有効利用されないものは74%にあたる37トンとされています。この未利用ガラスは埋め立てなどで廃棄されています。(参照:低炭素型 3R 技術・システムの社会実装に向けた素材別リサイクル戦略マップ検討会 )ガラスはリサイクルしやすい素材ではあるものの、用途別に作られる品種で細かな分別が不可欠であり、この工数の多さが、リサイクルが進まない理由になっています。当社でも年間28トン(7トンコンテナ約4杯)の廃棄ガラスが出ており、廃棄に年間100万円近くをかけています。建築工程がシビアになる中で、実測なくガラスを切り出すことも多く、サイズや仕様に不具合があるとガラス会社に余剰材として積みあがってしまいます。業界で見ても、廃棄ガラスが相当数あります。■きっかけ:3代目が東京から帰還し跡継ぎに。SDGsを背景に、業界に一石を投じたい取締役の津田 慎介は大学卒業後、関東の外資系ディーラーで営業をやっていました。趣味のサーフィン仲間がサーフボードを抱えながらゴミを自然に拾う姿に感銘を受け、自分ができることを考え始めました。3年の勤務後、請われて家業へ戻った際、廃棄ガラスの量を見て驚愕しました。リサイクルや加工、アップサイクルしての商品化など様々模索。SDGsへの関心の高まりを追い風に業界に一石を投じ、また新規事業として自社を盛り上げていきたいと、今回の取り組みを行うことになりました。アクセサリーへのアップサイクルは、今回のサポーターでもあるK&D(金物屋)様が、自社の金物を使ってピアス等を制作していたことに刺激を受けてのこと。まだまだ多様な業種で無駄なことがあるという事実を知ってもらいたいと思い、若者に届く商品を目指しました。■プロジェクト概要:未利用の建築ガラスを活用するためのクラウドファンディングプロジェクト名 : ガラス屋だから気づけた地球への恩返し。アップサイクル・アクセサリーを作りたい!達成したいゴール: 廃棄される窓ガラスを、地球負荷をできるだけ少なくアクセサリーや雑貨として生まれ変わらせ、価値のあるものとして活用する。またその推進費用を捻出する。実施期間 : 2022年9月9日(金)~9月30日(金)目標金額 : 30万円URL : リターン品(一部):◇ガラス製ピアスセット3,000円~◇ガラス製ピアス+特製スタンドミラーセット5,000円~◇スタンドミラーとスタンドのセット5,000円~■スケジュール2022年9月9日~9月30日 クラウドファンディング実施2022年9月中旬~11月 リターン送付、商品企画製造、オンライン販売準備2023年1月頃 オンライン販売開始■今後の展望建設業は特に人手不足と高齢化で、若手求職者がいません。厳しい業界の中、従来通りのことをやっていても状況は変わらないという課題感があり、今回のアップサイクル事業で少しでも業界に注目を集め、新たな光を当てられたらと考えています。そのためにはアップサイクル・アクセサリーをオンラインでどなたにでも購入していただける形にした上で、イベントなどを通じて地域の方に事業についてお伝えする機会を持つなど、より多くの方に届けられるルートを作りたいと思います。さらに将来的には、建築用ガラスを別の建物で再利用する「究極のアップサイクル」ができるしくみを作りたいという大きな夢もあります。従来は建築設計の際、基礎・躯体→サッシ→ガラスの順に決まっていきますが、余ったガラスをベースに逆順で建物が決まっていくイメージです。今後、環境に配慮した建物づくりを積極的に行っている設計事務所や工務店と連携ができるよう体制を整えていきます。【事業者概要】津田硝子株式会社代表取締役社長: 津田 慎也住所 : 〒468-0033 愛知県名古屋市天白区一つ山1-2電話 : 052-801-1195ホームページ : Instagram : 1959年、初代・津田 孝が名古屋市天白区で創業。同年、東海地方を襲った伊勢湾台風時には、自転車の荷台にガラスを積んで家々へ配って回り、それを機に大手ゼネコンと取引開始。以来60年以上にわたり、窓ガラスやドア、パーテーションのガラス等、多様に使われるガラス・鏡の販売・施工を行う。自社で職人を抱えないガラス屋が多い中、長年自社雇用の職人がおり、また社外の職人ネットワークもあるのが強み。名古屋市を中心としたオフィスビル、商業施設、マンション、ホテルなどのガラス施工に携わる。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月27日芝浦工業大学(東京都港区/学長 山田純)は、豊洲キャンパスに開設する新棟(本部棟)1階に建築家 坂 茂氏の設計によるカフェとレストランを2022年9月21日にオープンします。世界的建築家である坂氏の作品が建築学部・デザイン工学部を擁する豊洲キャンパスに設置することで、学生たちの学習意欲を刺激します。また、3層吹き抜けのピロティ空間1階にカフェとレストランを配置することで、キャンパス中心へ賑わいをもたらし、学生と地域住民の憩いの場となることを期待しています。建築家坂茂氏設計のレストラン、銀座シシリア豊洲店内装(C)Hiroyuki Hirai■設計コンセプト・銀座シシリア豊洲店再生紙の紙管(丸と四角)を主体材料として、天井、間仕切り壁、家具が作られました。これは坂 茂氏がこれまで開発してきた紙の建築(紙管による建築の主体構造)の一環です。周囲のガラスシャッターを開くと内外の空間が連続し、ピロティ空間全体が人々の憩いの場となります。・SIT Global Caffe empowered by Segafredoこのプロジェクトのために新しく開発した、白ブナ材をL字型断面に成型した合板により、天井、間仕切り壁、家具が作られました。紙管の建築と同様に、スタイルとしてのデザインでなく、素材や構造を開発することにより、独自のデザインを作る試みです。■建築家 坂 茂氏 プロフィール東京生まれ。1985年、坂 茂建築設計を設立。95年、災害支援活動団体 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)設立。紙管を使った災害時の復興住宅などで知られる。主な作品に「大分県立美術館」「静岡県富士山世界遺産センター」「ラ・セーヌ・ミュージカル」などがある。プリツカー建築賞(2014)、フランス芸術文化勲章コマンドゥール(2014)、マザー・テレサ社会正義賞(2017)、紫綬褒章(2017)など数々の賞を受賞。慶應義塾大学環境情報学部教授。■カフェ・レストラン 概要対象 :一般公開場所 :芝浦工業大学豊洲キャンパス 本部棟1階レストラン:銀座シシリア豊洲店平日・土曜日 11:00-21:00※休業日は、休祝日、夏季休業日、年末年始(12/30-1/3)[メニュー抜粋]ナポリタン、イカ明太子バターパスタ、ミートソースパスタ カフェ :SIT Global Caffe empowered by Segafredo平日 8:00-20:00土日祝 9:00-20:00※休業日は、夏季休業日、年末年始[メニュー抜粋]パニーニ・マルゲリータ(¥580)SIT Global Caffe限定スペシャルドリップコーヒー(¥580)ピスタチオ グラニータ(¥600) ■芝浦工業大学とは工学部/システム理工学部/デザイン工学部/建築学部/大学院理工学研究科 日本屈指の海外学生派遣数を誇るグローバル教育と、多くの学生が参画する産学連携の研究活動が特長の理工系大学です。東京都とさいたま市に2つのキャンパス(豊洲、大宮)、4学部1研究科を有し、約9千人の学生と約300人の専任教員が所属。創立100周年を迎える2027年にはアジア工科系大学トップ10を目指し、教育・研究・社会貢献に取り組んでいます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月20日フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトのドキュメンタリー映画『アアルト』が、2023年10月13日(金)に全国にて順次公開される。アルヴァ・アアルトの人生と作品に迫るドキュメンタリー映画『アアルト』は、アルヴァ・アアルトの人生と作品を巡るドキュメンタリー作品。世界的建築家、デザイナーとして活躍したアルヴァ・アアルトが2023年に生誕125年を迎えることを記念して公開される。“フィンランドのアカデミー賞”と称されるユッシ賞にて音楽賞、編集賞を受賞した映画だ。アルヴァ・アアルトは、建築や製品が、限られた人に向けたラグジュアリーなものではなく、デザインの力によってすべての人の暮らしが豊かになることを願い作品制作やデザインを手がけてきたアーティスト。使いやすさと優しさの共存する建築をはじめ、インテリア・家具・プロダクトデザインなどを制作し世に送り出した。アルヴァの妻・アイノとの物語にもフォーカス『アアルト』では、アルヴァ・アアルトの人生や作品にフォーカスするとともに、アルヴァと同じ建築家であった妻・アイノとの濃密な愛の物語も映し出す。アアルト夫妻が世界中にわたって物を創造していく過程とその伝説をどのように作り上げていったかを、アイノとの⼿紙のやりとりや、同世代を⽣きた建築家、友⼈たちなどの証⾔を盛り込みながら、まるで観客が映像ツアーに参加しているかのような独創的な映像で見せていく。作中には、スタッキング可能な3本脚が特徴の「スツール 60」や、イッタラのアイコンとも⾔える花瓶「アアルトベース」、初期の頃に⼿がけた建築デザインとして知られるヴィープリ(ヴィーボルク)市⽴図書館の様⼦など、様々なデザインの傑作が登場。アルテックの家具やイッタラ(iittala)の食器など、後世に残る名作の誕生秘話も必見だ。監督はヴィルピ・ スータリ監督は、フィンランドの映画監督ヴィルピ・スータリが務めている。ヴィルピ・スータリは、「幼い頃、アアルトが設計した図書館で過ごし、彼の建築の虜になった」と語り、長年アルヴァ・アアルトの映画を撮りたいと考えていたという。有楽町で“映画で旅するフィンランド特集”ヒューマントラストシネマ有楽町では、映画『アアルト』の公開を記念し、2023年9⽉22⽇(⾦)から9⽉28⽇(⽊)までの期間、“映画で旅するフィンランド特集”を開催。ムーミンを⽣み出したアーティスト、トーベ・ヤンソンの⼈⽣を映し出した『TOVE/トーベ』と、世界が忘れかけている“当たり前”の⼈間性を、⾟辣なユーモアと優しさを通じて描くアキ・カウリスマキの『希望のかなた』の2作品を上映し、フィンランドの魅力を発信する。【詳細】映画『アアルト』公開日:2023年10月13日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク 吉祥寺、シネ・リーブル梅田 ほか全国順次ロードショー監督:ヴィルピ・スータリ配給:ドマ原題:AALTO2020年/フィンランド/103分■『アアルト』公開記念「映画で旅するフィンランド特集」概要上映期間︓2023年9月22日(⾦)〜9月28日(⽊)上映作品︓『TOVE/トーベ』『希望のかなた』劇場︓ヒューマントラストシネマ有楽町 ※詳細は劇場まで問い合わせ
2022年09月16日フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトの人生と作品を巡るドキュメンタリー映画で、フィンランドのアカデミー賞と称されるユッシ賞にて音楽賞・編集賞を受賞した『AALTO』が、邦題『アアルト』として2023年秋より全国公開されることが決定。併せて、ティザーポスタービジュアルが解禁された。フィンランドが生んだ世界的建築家でデザイナーのアルヴァ・アアルト(1898-1976)が、来年2023年に生誕125年を迎えることを記念して公開される本作。彼の人生と生み出した作品を巡るドキュメンタリーであると同時に、アルヴァと同じ建築家であった妻のアイノとの濃密な愛の物語になっており、アアルト夫妻が世界を股にかけながら作品を創造していく過程と、その伝説をどのように作り上げていったかを、まるで映像ツアーに参加しているかのように体感することができる。監督は、長年アルヴァ・アアルトの映画を撮りたいと考えていたフィンランドの女性監督、ヴィルピ・スータリ。北欧を代表する建築家でデザイナーのアルヴァ・アアルトは、どのような人生を歩んできたのか。どのようにして最初の妻であるアイノと出会い、ふたりで数々の傑作を生み出していったのか。彼らの手紙のやり取りを通して、これまで明かされてこなかったふたりの関係が余すところなく描かれている。また建築だけでなく、アルテックの家具やイッタラの食器など、後世に残る名作の誕生秘話もあり、必見の内容になっている。この度解禁されたポスターは、アトリエで共に作業するアアルト夫妻の様子を捉えたもの。このシンプルながらユニークなポスターの構図は、「私がいつも基準にしてるのは、“人間”だ。人間は、松や白樺と同じように自然の一部である。―アルヴァ・アアルト」と語り、自然がもつしなやかさをデザインに活かすことを常に大事にした、アアルト夫妻の想いを想起させるようなビジュアルになっている。『アアルト』は2023年秋、ヒューマントラストシネマ有楽町、UPLINK吉祥寺ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アアルト 2023年秋、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺、シネ・リーブル梅田、アップリンク京都、シネ・リーブル神戸、伏見ミリオン座、札幌シアターキノ、KBCシネマ1・2ほか全国にて公開© FI 2020 - Euphoria Film
2022年09月13日学校法人京都建築学園の京都建築専門学校(所在地:京都市上京区、校長:佐野 春仁)は建築について学ぶだけでなく、その建物や地域の安全を守るために「防災士」を養成するための機関として、京都府で初めて認定されました。第一回の防災士養成講座は2022年11月26日(土)~11月27日(日)に実施し、10月20日(木)まで参加者を募集いたします。防災士養成講座■「防災士」養成機関認定までの経緯防災士有資格者は全国に23万人ほどいますが、京都府にはこれまで養成機関がなく、防災士の数は都道府県別でワースト3(人口比)に入るほどです。京都建築専門学校は「防災士」を養成するための機関としてこのほど認定を受けることができました。京都は伝統的な古社寺や町家など地震や火災あるいは台風といった災害に対する防災がたいへん重要な地であり、建築と防災は切っても切れない関係にあります。そのような中で、「京都で建築について学ぶ学生や一般市民」が防災士について学ぶこと、資格を取得することは非常に価値があると考えています。■防災士とは防災士(ぼうさいし)とは、特定非営利活動法人日本防災士機構による、登録者23万人超えの民間資格。(2022年6月時点)防災士の活動は、地震や水害、火山噴火、土砂災害などの自然災害において、公的機関や民間組織、住民等と力を合わせて、防災・救助活動を行うことであり、社会の様々な場で減災と社会の防災力向上のための活動が期待されている。■京都建築専門学校 校長からのコメント東西に大きな活断層がある京都盆地にはいつ大きな地震が来るかわかりません。私たちは普段から伝統的な町家などの耐震改修を学生たちと行っていますが、いざ災害が起こった時には、各人が普段から備えをしていること、近隣地域の人々が互いに助け合えることと並んで、冷静に判断できる防災士というリーダーの存在意義は大きなものと思います。本校の学生だけではなく、一般の方々もぜひ一緒に学んでいただきたいと思います。■第一回防災士養成講座 募集要項【目的】 地域社会において、自助共助を通じた災害対応をするためのリーダーを養成し、災害に強い街づくりに貢献すること。【日時】 2022年11月26日(土)~2022年11月27日(日)9時00分~18時00分【場所】 京都建築専門学校3階【対象】 学生、一般 64名(先着順)【費用】 35,000円(税込)受講料、防災士教本、事前学習レポート、資格取得受験料※防災士の登録には別途5,000円が必要【申込】 2022年10月20日(木)までに申し込みと入金が必要【申込方法】京都建築専門学校のホームページ(受付フォーム) 防災士養成講座(2)■京都建築専門学校について<教育方針>建築の基礎力を身につけ、伝統や木造建築を理解し、現代に生かすことのできる建築のプロフェッショナルを育てる。【学校概要】学校名: 学校法人京都建築学園 京都建築専門学校理事長: 福井 武司校長 : 佐野 春仁学科 : 建築科、建築科 二部、伝統建築研究科設立 : 1951年7月所在地: 〒602-8044 京都市上京区下立売通堀川東入ル東橋詰町174HP : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年08月26日日本橋高島屋は、本館4階にある高島屋史料館TOKYOで、「百貨店建築」をキーワードにした展覧会を開催する。本展では、近代的な百貨店・デパートメントストアが誕生した20世紀初頭から、ショッピングモールなど大型商業施設が多数登場する現代までを、主に日本の「百貨店建築」をキーワードに、ファサードやその空間の変換に注目しながら、年表や模型を通して辿ります。松屋浅草店(1931年、提供:清水建設)戦前の「百貨店建築」は実験的なもので、当時の百貨店は人々の憧れを誘い、単なるショッピングのための空間を超え、エンターテイメント、更には文化装置として機能しており、その百貨店の機能と役割は、ファサードや建築空間に色濃く現れました。松屋浅草店の屋上遊園地(1950年代、提供:松屋)松屋浅草店屋上のスカイクルーザー(1952年、提供:松屋)屋上もその一つで、現在もターミナルビルとして存在感を放つ「松屋浅草店(1931年:久野節設計)」には、かつて屋上に本格的な遊園地と動物園が存在し、また、以前存在していた「白木屋日本橋店(1928年:石本喜久治設計)」のファサードは、壁面にガラスを用いて、それまでの重厚な「百貨店建築」を脱しようとする非常にモダンなものでした。2019年にグランドオープンした「大丸心斎橋店(1922年心斎橋筋側、1933年御堂筋側:ヴォーリズ建築事務所設計)は、往時の「百貨店建築」の華やかさを今に伝える貴重なものといえる。白木屋日本橋店(1928年、提供:石本建築事務所)大丸心斎橋店(1933年、提供:J.フロントリテイリング史料館)大丸心斎橋店1階エレベーター(1933年、提供:J.フロントリテイリング史料館)商業や消費活動がいかに現代の都市形成に深く関与してきたかを再認識するこの機会、ぜひ展示会に足を運んでみては。「百貨店展 ―夢と憧れの建築史」■会場日本橋高島屋S.C.本館4階 高島屋史料館TOKYO■会期2022年9月7日(水)~ 2023年2月12日(日)■開館時間11:00~19:00■休館日月・火曜日(祝日を除く)2022年12月26日(月)→2023年1月3日(火)■入館料無料■監修者浅子佳英(建築家・編集者/PRINT AND BUILD)菊地尊也(建築研究者)■協力小泉立(建築家/PRINT AND BUILD)【お問合せ先】日本橋高島屋:03-3211-4111(代表)企業プレスリリース詳細へPR TIMESトップへ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2022年08月20日11月21日から12月11日に東京・シアタートラムで上演される世田谷パブリックシアター主催の二人芝居『建築家とアッシリア皇帝』のビジュアルが公開された。『建築家とアッシリア皇帝』は、スペインの劇作家フェルナンド・アラバールの代表作で、1967年にパリで初演。自らの作品を「テアトル・パニック(恐慌の演劇)」と称し、1960年代の演劇に大きな影響を与え、55年を経た今でも色褪せない衝撃作として世界各地で上演されている。今回は8月20日から9月4日まで上演予定の『毛皮のヴィーナス』に続き「トラム、二人芝居」と称し、新進の演出家と魅力あふれる実力派のキャスト陣とのタッグで届けられる、二人芝居企画の第2弾となる。演出はシアタートラム初登場となる生田みゆきが担当。生田は不条理劇と評される本作を、残酷で倒錯的な世界を夢想とユーモアを織り交ぜて描き出した作品であると語っている。また絶海の孤島に現れる皇帝役は岡本健一、孤島に先住していた唯一の人物・建築家役は成河が演じる。■生田みゆき コメント『建築家とアッシリア皇帝』を初めて読んだのは数年前のことですが、たくさんの要素が詰め込まれた膨大な台詞に面喰らったり、母親に対する異常なまでの愛憎に一女性として戸惑ったりしつつも、演劇という表現に託して何かをしつこく描き出そうとする作家の途轍もないエネルギーにとにかく圧倒されたことを覚えています。このエネルギーが、作家が幼少期に経験したスペイン内戦に深く根差していることは多くの方が指摘されていますが、その悲しみや憤りが少し実感をもって私に迫ってきたのは、今年2月のロシアによるウクライナへの軍事侵攻以降でした。連日様々なメディアを通して伝わってくる戦地の惨状と各国の対応。ある日を境に突然日常が崩壊し死が迫る不条理に怒りを覚えつつも、正義と悪という風に極めて単純化された構図の報道や、西側諸国のウクライナに対する手厚い支援から垣間見える無意識の人種差別に対する疑問なども浮かんできました。そんな中で戯曲を改めて読みなおしたときに、演出の道筋がおぼろげながらも見えてきたように思えました。これまで実験精神や開拓心のある作品を数々送り出してきたシアタートラムで、客席と一体感のある空間や、この戯曲の中に散りばめられた遊びの要素を最大限に生かしながら、より良き未来を目指す人類の矛盾と葛藤を、赤裸々に描き出せたらと目論んでいます。そして岡本健一さんと成河さんは、そんなハードな挑戦にユーモアを忘れずに果敢に飛び込んでくださる素晴らしい舞台人だと感じています。「皇帝」を名乗る男は、尊大であると同時に卑屈でもあるという振幅の大きなキャラクターです。岡本さんの少年のような自由さと好奇心そして正直さが、どのような表現となって立ち上がるのかとても楽しみです。そしてその皇帝を受け止める「建築家」は、いつも作品の細部まできちんと把握したうえで相手役のすべてを受け入れて、自分もどんどん飛躍される成河さん。「二人芝居」という、人間同士の関係が最もシンプルな形で構成されている戯曲ですが、「ごっこ遊び」を利用してその関係はどんどん変化します。演出者としては、岡本さんと成河さんが持っていらっしゃる強靭な声と身体を駆使して遊び倒せる空間を準備し、今こそ上演する意義のある作品を創りたいと思います。劇場でしか体感できない生の身体を、是非お楽しみください。■岡本健一 コメント撮影:山崎伸康この作品を2022年11月・12月に上演するということに、私は心を躍らせています。躍らせているとともに、感傷的に陥ったり、攻撃的な感情が高鳴ってきたり、支離滅裂な思いをひとつひとつに細かく細分化したり、そして何よりも成河との二人芝居であることに、全く予想のつかない事件性のある過激で愛に溢れた物語になるのだと思います。登場人物が、どんな喋り方をするのか、どんな気持ちで時間が進んで行くのか、私自身がどのような姿になっていくのか、何も決められない、決めてはいけないような作品な気がします。演出の生田さんが、ごく普通のマトモな人間とは言えない私達二人を何処に導いてくれるのかも予想がつきません。演劇はLIVEなのだと思います。今までに自分が関わってきた演劇の中で、こんなにも凄まじい戯曲は初めてです。あらゆる枠を超えてしまっている、今の私達でしか成り得ない自由で演劇ならではの二人芝居。是非、シアタートラムという冒険心が豊かで濃密な劇場で体感して下さい。要必見です。■成河 コメント撮影:山崎伸康ありそうでなさそうな奇妙な設定、色鮮やかな演劇ごっこみたいな楽しさが散りばめられていたかと思ったら、明確な近代文明批判を繰り広げたり、突如としてドロドロの人間心理の闇に落ちていったり。とにかく読み解くのに相当なエネルギーのいる作品です。これを「不条理演劇」とひとことで言い表すのは現代としてはやはりそぐわない、今からおよそ60年前の先鋭の娯楽、思想というのはともすれば古びたものに感じてしまう、その難しさも感じています。この戯曲を現代に開いていくのはとても大きな挑戦であり、大冒険です。僕が強く惹かれるのは、アラバールが筆を打ち付けるようにして書いた、言外の雑多なエネルギーです。言葉で説明出来るものを優に超えたところにある、強い執念のようなもの。それを現代の感覚でどこまで具体的に掴めるか、そういう挑戦になると思います。掴んで、開く。その作業を岡本健一さん、生田みゆきさんと、こだわりにこだわりにこだわり抜いて、やってみようと思います。大冒険です。<公演情報>『建築家とアッシリア皇帝』11月21日(月)~12月11日(日) 東京・シアタートラム※11月24日(木)・28日(月)・12月5日(月) 休演作:フェルナンド・アラバール翻訳:田ノ口誠悟上演台本・演出:生田みゆき出演:岡本健一、成河■終演後ポストトーク11月25日(金) 19:00:生田みゆき、白井晃(世田谷パブリックシアター芸術監督)11月30日(水) 14:00:生田みゆき、岡本健一、成河12月8日(木) 14:00:岡本健一、成河、白井晃ほか※開催回のチケットをお持ちの方がご参加いただけます【チケット料金】全席指定:7,000円※ほか高校生以下、U24など各種割引あり※託児サービスあり※車椅子スペース取扱あり【お問い合わせ】世田谷パブリックシアターチケットセンター:03-5432-1515関連リンク公演ぺージ::
2022年08月17日東京・西新宿にある住まいづくりの情報センター「リビングデザインセンターOZONE」(読み:オゾン、運営:東京ガスコミュニケーションズ株式会社)では、建築家ユニット・SUEP.(スープ)と建築家・猪熊 純氏によるトークイベント「グリーンシェアリングが生み出す新しいコミュニティの形」を2022年8月28日(日)に開催します。「グリーンシェアリングが生み出す新しいコミュニティの形」詳細はこちら>> ミドリノオカテラス (C)Kai Nakamura淡路島の住宅 (C)Kai Nakamura東京と福岡を拠点に国内外で活躍する建築家ユニット・SUEP.(末光 弘和+末光 陽子)による展覧会「Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち」が、建築の専門ギャラリーであるTOTOギャラリー・間(東京都港区)で開催されています。SUEP.は「自然との共生」をテーマにした建築デザインを目指し、建築を地球環境における生命活動を促す媒体として位置づけ、活動しています。この度リビングデザインセンターOZONEでは、TOTOギャラリー・間の展覧会と連動し、SUEP.のトークイベントを開催します。対談相手としてお迎えするのは、建築家/芝浦工業大学准教授の猪熊 純氏。ミドリノオカテラス(2020年竣工、SUEP.設計)では、「緑をともに育てる」ことで生まれる新しいコミュニティのあり方が提案されています。人だけでなく、植物や鳥なども含めた生態系として捉えた時、どのような建築が生まれるのでしょうか?本トークイベントでは、これまでシェアハウスなど建築とコミュニティについて様々な作品を発信されてきた猪熊 純氏と、その可能性や今後の展望などについてお話いただきます。■登壇者<SUEP.(末光 弘和+末光 陽子)>東京と福岡を拠点に国内外で活動する建築家ユニットSUEP.(スープ)。地球環境をテーマに掲げ、風や熱などのシミュレーション技術を用いて、資源やエネルギー循環に至る自然と建築が共生する新しい時代の環境建築デザインを手がけている。・末光 弘和建築家/SUEP.共同主宰/九州大学准教授1976年愛媛県生まれ。1999年東京大学卒業。2001年同大学大学院修了。2001-06年伊東豊雄建築設計事務所。2007年よりSUEP.主宰。2009-11年横浜国立大学Y-GSA設計助手。2020年より九州大学大学院准教授。・末光 陽子建築家/SUEP.共同主宰1974年福岡県生まれ。1997年広島大学卒業。1997-2003年佐藤総合計画。2003年にSUEP.を設立。2018-22年昭和女子大学非常勤講師。主な受賞に第27回吉岡賞(2011年)、第29回芦原義信賞(2019年)、2018年度グッドデザイン賞金賞など。主な作品に「淡路島の住宅」(2018年、兵庫県)、「九州芸文館アネックス1」(2013年、福岡県) ※1、「ミドリノオカテラス」(2020年、東京都)など。現在「百佑オフィス」(台湾) ※2、「SOLSO FARM OFFICE」(2022年、神奈川県) ※3などが進行中。※1:日本設計と共同設計 ※2:RHTAAと共同設計 ※3:SOLSOと共同設計SUEP. (C)Masatomo MORIYAMA<猪熊 純>建築家/芝浦工業大学准教授1977年神奈川県生まれ。2004年東京大学大学院修士課程修了。2006年まで千葉学建築計画事務所勤務。2007年成瀬・猪熊建築設計事務所共同設立。2008−2020年首都大学東京助教。2020−2021年東京都立大学助教。2021年より芝浦工業大学准教授。代表作に「LT城西」「柏の葉オープンイノベーションラボ」「豊島八百万ラボ」「ソウルメトロ・ノクサピョン駅デザイン改修」「ナインアワーズなんば駅」など。主な受賞に、2015年日本建築学会作品選集新人賞/JID AWARDS 2015 大賞/第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 出展 特別表彰著書に、『シェアをデザインする』、『シェア空間の設計手法』猪熊 純■トークイベント概要日時 :2022年8月28日(日)14:00~15:30会場 :リビングデザインセンターOZONE 5F セミナールーム+オンライン開催※セミナールームでは、TOTO出版より発行の書籍「SUEP. 10 Stories of Architecture on Earth」の販売を行います。定員 :リアル開催 定員50名/事前申込制(OZONEプロフェッショナル会員限定)※感染状況によりオンラインのみ開催の可能性ありオンライン/Zoomウェビナー 定員150名/事前申込制(OZONEプロフェッショナル会員限定)※後日アーカイブ配信予定あり無料の会員制度「CLUB OZONEプロフェッショナル」の詳細・入会はこちらから 受講料:無料主催 :リビングデザインセンターOZONE協力 :TOTO出版■CLUB OZONEプロフェッショナルとは住宅、非住宅を問わず、そこで過ごす人のための空間づくりに携わるプロフェッショナルの皆さまが対象の会員制度(入会金・年会費無料)です。OZONEで開催するプロフェッショナル向けのセミナーやイベントのご優待や、ビジネスでOZONEをご利用いただく際のサービスなどをご用意しています。会員特典や入会はこちらから CLUB OZONEプロフェッショナル 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月27日ZARA HOME(ザラホーム)は、ベルギー人建築家ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンとのコラボレーションライン「ZARA HOME + バイ ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン」をスタート。第1弾のリビングルームコレクションは、2022年6月30日(木)より発売される。ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンとのコラボラインZARA HOMEは、家具やインテリアアクセサリーで注目を集める、ベルギー人建築家ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンとのコラボレーションコレクションをスタート。ヴァン・ドゥイセンのアーカイブに焦点を当て、デザイン理念とDNAはそのままに、ZARA HOMEらしいモダンなデザインに昇華させる。第1弾は「リビングルーム」コラボレーションコレクションは年2回の発表を予定しており、第1弾ではリビングルームにフォーカス。ソファやコーヒーテーブル、サイドテーブル、デスク、チェア、ラグなど幅広いインテリアを販売する。いずれも長く愛用できるように考えられており、厳選された木材や触感の良いテキスタイルを使用。シンプルでタイムレスなデザインなので、手持ちのインテリアとも心地よくマッチしてくれるはずだ。レザーの編み目やシートクッションの間の質感のコントラストで遊びを加えた「ラウンジチェア」や、曲線を描く背もたれが印象的なウッドチェア、イギリスデザインを取り入れたソファなど、ソファ・チェアだけでもバリエーション豊富なラインナップ。また、インドで織られたというヘリンボーン柄のラグや、スチール製ベースとリネンを組み合わせたテーブルランプなど、現状の自宅空間に“プラスオン”して楽しめる雑貨なども登場する。【詳細】「ZARA HOME + バイ ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン」発売日:2022年6月30日(木)取り扱い店舗:ZARA HOME 公式オンラインショップ<アイテム例>・ARMCHAIR 012259,900~299,900円・LOUNGE CHAIR 01 259,900円・CHAIR 01 97,900円・TABLE LAMP 01 26,900~59,900円・RUGS 59,900~259,900円【問い合わせ先】ザラホーム カスタマーサービスTEL:0120-914-075
2022年06月27日戸建てとマンション、見た目の違いは歴然ですが、それぞれの特徴をしっかりと把握していますか?一級建築士のリクドウさんがわかりやすく解説します。どちらに住むか迷っている方はもちろん、すでに決めている方も必見です。一級建築士が教える「戸建て」と「マンション」の違いまず最初にお伝えしておくと、戸建てもマンションもそれぞれ定義はありません。よく言われるのは、戸建てならその言葉通り、一戸の家、または独立した1つの棟のこと。マンションは集合住宅を指し、アパートとの違いもありません。今回はおもに購入目的を前提にそれぞれの特徴をお話ししようと思います。戸建て編戸建てのいいところ、特徴はこちら!1.管理費の支払いが不要金銭面での大きなポイントとなるのが、マンションでは必須である、修繕積立金等の毎月の管理費が戸建てではかからないということです。自分で管理しなければならないとも言えますが、例えメンテナンスが必要になったとしても自分の工夫次第で出費を抑えることが可能です。2.土地が個人の資産になる戸建てですと土地、建物どちらも所有することになるので資産につながります。マンションは区分所有といって、建物すべてではなく購入した戸の部分の持ち主となり、戸は売却できても土地そのものを売ることはできません。ただ、土地に対する一定の権利は保有しているため、戸を売却する際には相応の土地権利分を含めた資産評価がされることにはなります。3.新築ならこだわって建てられる土地から買って家を建てるのであれば、間取りはもちろん、採光の取り方や壁、床の素材などの細部まで自分好みに仕上げられます。知識に不安がある方は、信頼できるハウスメーカーや設計事務所を見つけてじっくり相談しながら進めましょう。4.中古住宅なら土地代+α(上物代)が少なくて済む戸建ての価格というのは、土地代+上物(建物)代からなり、上物の価値は築年が経つほどに目減りします。ですから、同エリアで同坪数の新築と中古があったとしたら、中古のほうが安く購入できます。場合によっては、上物の価値がゼロで土地代だけで購入できる物件もあるんです。ただ、耐震性やライフライン等の安全性は事前に確認するのがマストです。購入後に発覚では出費がかさみ、結果新築価格と同然ということにもなりかねません。5.改修の自由度が高いメンテナンスの話にもつながりますが、すべてを自分たちで決められますから、より快適な生活をするための改修も資金さえあればフットワーク軽く動くことができます。6.比較的「音」を気にしなくていい上下左右に他人の住む部屋がなく独立しているので、小さなお子さんがいても周囲を気にせずに過ごすことができますし、他者の生活音も気にならないことがほとんどです。但し、立地や周辺環境によっては気になる場合があるので一概には言えません。7.換気がいい6と同様に建物が独立しているので、四方から換気ができます。こちらも、立地によるので一概には言えません。8.日が入りやすいこちらも四方から陽光が差し込みやすいですが、立地によるので一概には言えません。9.木造が圧倒的に多い最近は鉄骨、RC造の家も出てきましたが、圧倒的に多いのは木造です。気になる耐震については、法令に従って建てられていれば問題はありません。マンション編マンションのいいところ、特徴はこちら!1.建物の価値が下がりにくい戸建ては建物の価値が年々下がりますが、マンションは建物の価値が下がりにくく、立地によっては購入時より高く売れる場合もあります。将来的に住み替えを考えるのであれば、今後も人気が続くエリアの物件を購入し、時期が来たら売却、そのお金でさらなるよりよい物件を手に入れることも可能です。2.メンテナンスを管理会社に任せられる管理費を支払っているぶん、個々で行うメンテナンスはほぼ不要です。3.セキュリティの安全性が高い特に築年の浅い高層マンションやタワマンなどの戸数が多いマンションはセキュリティ面を重視している傾向があります。4.共用施設が充実しているこちらもおもに高層マンションやタワマンに言えることですが、まるで高級ホテルのようなエントランスがあったり、ジムやプール、会議室等を備えているところも多く、快適性は高いです。5.耐震性は十分だが避難時の不安要素がある先にお伝えしたように、法令に従っていれば建物構造に違いがあっても耐震性に心配はありません。ただ問題なのは、地震の際に、高層マンションやタワマンでエレベーターの閉じ込めが発生した時や、エレベーターが故障した場合の避難の仕方です。近くの階に自動的に止まる仕組みになっていても、実際に被害が大きいと絶対とは言い難いですし、高層階の住民の方が階段で行き来するのは限界があります。そのあたりは十分に留意する必要があります。6.ゴミを好きな時に出せるすべてのマンションが該当するわけではありませんが、ゴミ出しが24時間OKのところもあります。7.高層階は眺望がいい高いところほど眺めはいいですよね。非日常体験を日頃から味わえます。8.高層マンション、タワマンは駅が近い第一種低層専用地域、または第二種低層専用地域などには建てられないので、結果的に商業地域や準工業地域に建設されることが多いです。それはつまり駅の近くであったり、周辺が繁華街だったりするので利便性がいいと言えます。9.低層マンションなら静かな環境に住める低層マンションは第一種低層専用地域、または第二種低層専用地域など住居系用途地域にも建てられるので、周辺は住宅が多く、駅から多少離れていても、静かな環境を望む方にはいいと思います。以上、戸建てとマンションの特徴をご紹介しました。これらがすべてではありません。どちらもメリット、デメリットがあるので、自分の好みやライフスタイル、経済面など諸々を考慮したうえで、最適な住まいを選んでください。納得のいく物件を見つけてくださいね。教えてくれた人リクドウさん一級建築士。設計事務所の管理建築士。普段の仕事は、公共、商業施設の設計がメイン。住まいに対するモットーは「自分らしくいられる、憩いの空間であるべき」。©Malte Mueller/Getty Images取材、文・伊藤順子
2022年05月09日東京工芸大学(学長:吉野弘章、所在地:神奈川県厚木市、以下 本学)工学部工学科建築学系の陣内浩教授が、日本建築学会において、2022年日本建築学会賞(論文)を受賞しました。この賞は、近年中に完成し発表された研究論文であって、学術の進歩に寄与する優れた論文に与えられるものです。今回の受賞論文は「高強度・高性能コンクリートの性能評価と品質管理方法に関する一連の研究」と題したもので、陣内教授が約30年の間に公表した28編の高強度・高性能コンクリートに関する論文を、総合論文として再構成したものとなっています。この研究によって明らかになった様々な知見は、高強度・高性能コンクリートの発展に貢献するとともに、タワーマンションなどの超高層建築の実現に寄与しております。陣内教授は、日本大学で修士課程まで建築を学び、1992年に大成建設に入社し主に技術研究所でコンクリートの研究に従事した後、2017年に本学に入職しました。本学工学部では、「高強度」「色」「副産物利用」を主なテーマとし、環境にやさしく、付加価値の高いコンクリートの研究をしています。今回の受賞について、陣内教授は「日本建築学会賞(論文)のような歴史のある賞を賜り、誠に光栄に存じます。この一連の研究が受賞につながるためには、現在所属する東京工芸大学の先生方、一緒に研究している学生のみなさん、学協会等でご一緒させて頂いている先生方や企業の研究者のみなさまの貴重なご意見もとても重要でした。みなさまに感謝申し上げます。」と話しています。東京工芸大学 工学部 工学科 陣内教授■日本建築学会賞建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をはかるとともに、わが国の建築文化を高める目的で、建築に関する特に優秀な業績を表彰する。受賞者には賞状・賞牌、さらに作品に対しては銘板を贈る。【日本建築学会ホームページ】2022年各賞受賞者: 講評文 : 業績紹介 : ■東京工芸大学東京工芸大学は1923(大正12)年に創立した「小西寫眞(写真)専門学校」を前身とし、当初から「アートとテクノロジーを融合した無限大の可能性」を追究し続けてきた。2023年に創立100周年を迎える。【URL】 東京工芸大学 創立100周年ロゴ■東京工芸大学 工学部・工学科総合工学系:機械コース、電気電子コース、情報コース、化学・材料コース建築学系 :建築コース・所在地 :〒243-0297 神奈川県厚木市飯山1583 厚木キャンパス【URL】 東京工芸大学 厚木キャンパス 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月21日オロル株式会社(本社:鳥取県鳥取市、代表取締役:木下 淳之)は、建築家 隈研吾氏と対談し発色性ステンレスの可能性、新型コロナウイルス感染症を経験した後の第二次産業の今後、中小企業の在り方について語りました。対談の様子を2022年4月13日にオロル株式会社公式サイト、Youtubeにて公開いたします。対談風景■対談の概要オロル株式会社が展開する「ORORU(R)(オロル)」は、世界で唯一の色調均一化を可能としたステンレス発色技術です。この技術や発色性ステンレスがどうデザインとして機能していくのか、世界で最も影響力のある100人として選ばれた建築家の隈研吾氏に機会をいただき、隈研吾氏のファンでもあるオロル株式会社のCEO木下 淳之と共に対談を行いました。対談では“発色性ステンレスの可能性”をテーマに、新型コロナウイルス感染症を経験した後の第二次産業の今後、中小企業の在り方について語っています。対談の様子特設ぺージ■隈研吾氏プロフィール1979年、東京大学大学院建築学専攻修了。1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授を経て、2009年より東京大学教授。1997年、「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」で日本建築学会賞、2010年、「根津美術館」で毎日芸術賞、その他 国内外からの受賞多数。近作に、「浅草文化観光センター」(2012年)、「アオーレ長岡」(2012年)、「歌舞伎座」(2013年)、「ブザンソン芸術文化センター」(2013年)、「FRAC マルセイユ」(2013年)、「北京茶室」(2014年)、「EPFL ArtLab」(2016年)、「ポートランド日本庭園カルチュラル・ヴィレッジ」(2017年)等。新国立競技場の設計にも携わる。■「ORORU(R)(オロル)」とは「ORORU(R)(オロル)」とは、オーロラ(aurora)の仏語読みです。ステンレス表面の腐食を防ぐ薄い酸化皮膜(不動態膜)を化学的に厚くすることで光の反射度合いを変え、23色の色を見せる技術です。従来、ステンレスの発色処理は、酸化皮膜の厚さを精密制御することが難しく、材料やロット間で色のばらつきが出ていました。当社では約7年の月日をかけ、酸化皮膜の精密制御をすることに成功。そして大型化や複雑形状へ対応しました。世界で唯一の色調均一化を可能としたステンレス発色技術です。なお、本技術は、介護機器・医療機器・自動車産業・金属加工各メーカー、機械部品メーカー、作業工具メーカー、厨房機器メーカー、住宅エクステリアメーカー及び娯楽用機械メーカーなど様々な業界でご利用いただくことが可能です。■「ORORU(R)」のメリットORORU(R)ステンレス用品や部品に使用することで、「色調・デザイン性の向上」、「経年的使用による錆等の劣化の減少」といったメリットがあります。ステンレスは銀色が多く無機質で冷たいイメージが強くなりますが「ORORU(R)」の技術を活用することにより、温かみや意匠性を持たせることも可能になります。なおこの技術は光の反射や屈折により様々な色彩変化を表現することが可能で、塗装の色合いとは違った表現により意匠面に表現性を与えることが出来ます。実際に店舗外壁などに施工頂いており意匠性が高まるだけではなく耐食性、耐候性ともに向上しており、塩害や雨などからステンレスへの浸食を保護します。■今後の展望当社のステンレスの発色技術で「ステンレスは銀色」という既成概念を壊し、無機質な銀色のステンレスに温かみのある色彩を添えて、世界に新しい価値観をもたらしたいと考えています。大型部品や、量産製品の建材、エクステリア、自動車部品など、その他工業製品に新しい価値観を届けるべく販路拡大を目指します。■会社概要商号 : オロル株式会社代表者 : 代表取締役 木下 淳之所在地 : 〒689-1121 鳥取県鳥取市南栄町1番地設立 : 平成30年2月1日事業内容: トレーディング資本金 : 10,000,000円URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月13日展示「建築模型展 -文化と思考の変遷-」が4月28日(木)から10月16日(日)まで、WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)で開催となる。日本の歴史をさかのぼると、模型は古くから建築を制作するための手本として、またその時代の建築文化を伝達する媒体としての役割を果たしてきた。現代においては、建築物が完成に至るまでの試行や検討のツールとしてはもちろん、材料や技術の発展に伴い、建築家自身の思考や表現にも影響を与えるなど、その役割は現在も進化を続けている。本展は時代や作り手の思考と共にあり方を変えてきた建築模型に着目し、古代から現代における歴史的な文脈の中で、建築模型がどのような役割を果たしてきたのかを考察し、その意義に迫る内容だ。会場には、古墳時代の家形埴輪や江戸時代に制作された延岡城木図といった歴史ある模型をはじめ、現代建築家・磯崎新による「東京都新都庁舎計画」のアンビルト(建てられていない)模型や三分一博志による「直島ホール」の風洞実験模型など20点以上を展示。また会期中、出展建築家や当施設スタッフが展覧会を案内する「ギャラリーツアー」や、模型制作を体験できるワークショップも予定しているという。詳細はWHAT MUSEUM公式サイトにて随時発表。こちらもぜひチェックしてほしい。【開催概要】「建築模型展 -文化と思考の変遷-」4月28日(木)〜10月16日(日)※7月4日(月)~8月5日(金)の期間は、同時開催の展示入れ替えのため休館会場:WHAT MUSEUM1階開館時間:火~日 11時~18時(最終入場17時)月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)入場料:一般1,200円、大学生 / 専門学校生700円、高校生以下無料※同時開催のOKETA COLLECTION「Mariage −骨董から現代アート−」展(前期)、またはOKETA COLLECTION「YES YOU CAN −アートからみる生きる力−」展(後期)の観覧料を含む。※チケットは2022年4月上旬より発売開始。詳細はWHAT MUSEUM公式サイトへ。※模型保管庫見学(オプション)500円<出展建築家(予定・敬称略・五十音順)>相田武文、秋吉浩気|VUILD、磯崎新、オンデザインパートナーズ、川口衞、隈研吾+篠原聡子、SANAA 妹島和世 + 西沢立衛、三分一博志、瀧澤眞弓、noiz、藤森照信、山田紗子、山本理顕ほか<イベント情報>・ギャラリーツアー「建築模型ってなんだろう?」講師:出展建築家、 WHAT MUSEUM 建築倉庫プロジェクトスタッフ・みんなの「広場」を建築模型でつくろう!講師:オンデザインパートナーズ日時:7月中旬〜8月下旬・古墳時代にタイムスリップ -家形埴輪を知ろう!-講師:深澤太郎 (國學院大學博物館 准教授)日時:7月上旬〜9月下旬・手元で賞(め)でる茶室の世界講師:三井嶺(建築家)日時:7月上旬〜9月下旬※イベント詳細については、公式サイトにて随時発表。公式サイト:
2022年04月01日月を愛でる舞台装置八王子市の野猿峠突端の崖地に建つ建築家の落合俊也さんの家は、主に週末を過ごす実験住宅だ。「夕焼けの山並みと三日月が浮かぶ眺望が素晴らしいので、ここを『月舞台』と名付けました」。季節や時間に応じて大きなデッキを囲う建具を全解放し、様々な催しを楽しんでいる。崖に沿って地面をくり抜くように建てられた家は、床や壁が地面に接している安心感がある。洞窟に暮らしていた人類の太鼓の記憶が蘇るかのようだ。「地球の体温は15度あります。夏は涼しく冬は暖かい、15度という体温を活かすために崖地に住まいを作りました」落合邸でふんだんに使われている木材は、新月伐採し、葉枯らし天然乾燥させたものを使っている。「“柱を闇斬せよ”という言葉が伝えるように、冬の新月、木が眠っている時に伐採した木は狂いにくく、燃えづらく、素性のよい木となります。名器と言われるストラディバリウスのバイオリンも新月伐採の木で造られます。木のバイオリズムに叶っているのです」崖地に沿って建つ家は玄関のあるフロアが最も高い。玄関ドアを開けたらこの大空間が広がる。大きなデッキは夏の日差しを調節する機能を持つ。正面上部右側が玄関口。奥の階段は地階のベッドルームへ続く。ペンダントライトは春雨紙で作られている。キッチンも木材で作ることにより、家に関わる職人の数を減らしている。釘を使わず、一人の職人が伝統工法で作り上げた家。「大工のスターを育てたいと思いました」。木材は丁寧に面取りされていて、優しく心休まる空間となっている。玄関を入り、伝統構法の木組みの階段を降りていくと、それぞれのフロアに居場所がある。崖地の地盤に寄り添うようにスキップフロアで居室が連なる。伝統工法の木組みの階段。大地の安定した熱を利用するアースハウジング丁寧に伐採された木を使い、土間床式の地熱を利用した落合邸は、カビや新建材によるシックハウス症候群にも無縁だ。日本で2軒しか使われていないという真空断熱材を使って超高断熱高気密化し、屋根などから降りてくる暖気や冷気をしっかり断熱。窓にも結露が起きない。湿気がたまりやすい洗面やバスルームもいつもカラリとしている。「体感温度に影響するのは、床や壁が発する輻射熱です。壁や床が20度なら中の気温を20度に調整することはすぐにできますが、躯体が10度であれば、体感温度を20度にするために気温を30度にしなければなりません。温度の低い壁面の近くでは体から熱がどんどん取られます。多くの現代住宅はこうしたアンバランスな熱環境にあり、その温度差は人の健康を害し、壁内結露を生み出し、無駄な化石エネルギーの消費を生みだすという諸悪の根源ともなっています」「家の中に火を見る場所を作りたかったので、ペレットストーブを導入しました。炭や燃えカスがほとんど残らない優れものです」右側は扉の代わりに布を下げた物入れ。左側に水回り。正面は周囲の樹々を切り取ったピクチャーウィンドウ。端材を丁寧に継いだ天井は色を合わせるために柿渋を塗っている。空気の層を遮断するブラインドは断熱効果に優れる。窓は外側がアルミで劣化が少なく、内側は木製。結露を防ぐ工夫が施されている。ガラス面は紫外線で汚れを分解。地面に直に敷設したRCの床は地盤の温度が反映される。冬暖かく、夏は涼しい。炭を混ぜてグレーにしている。湿気のたまりやすい水回りも、常にカラリとしていて心地よい。「水回りは家の中の暖かい場所に作ったほうが結露しにくいです」“究極の木の家”を目指す森林の環境には人を健康にする力がある。「森林医学のエビデンスに基づき、“究極の木の家”を研究しています。均質で機械工業的な都市のストレスから開放され、生命が持つ本来のリズムを取り戻すことができます。良く眠ることができて、気持ちよく起きることができる。呼吸が深くなり、疲れを溜めにくくなり、免疫力が高まり、病気をしにくくなるのです」取材の最後に落合氏がクイズを出題。「この家は何階建てかわかりますか?」玄関〜テラス〜リビング〜ベッドルームの4層のスキップフロアだから2階建て、くらいかな??「答えは平屋です。RC+木造の平屋なのですが、確認申請がなかなか下りず、役所と戦いました(笑)」ダイニングとテラスを結ぶ横一列の大階段、設えを替えるためにはしごを登らなければ行けない和室、指を入れる穴の開いたイス……。落合邸には笑顔になってしまうしかけがそこここにある。究極の木の家、地熱利用、崖地────人生を大いに楽しむ家がここにある。木組みで造られたテーブル。木のスツールは一見重そうだが、中がくり抜かれていてとても軽い。持ち運びがしやすいよう指を入れる穴を空けている。はしごを登らなければたどり着けない和室。畳の縁が美しい。ブラインドの素材は杉。外壁はガルバリウム鋼板。内部の豊かな木の空間との対比がおもしろい。落合邸 /SILK-HUT「月舞台」設計 落合俊也(森林・環境建築研究所)規模 地階付き平屋建延床面積 133.76㎡
2022年03月14日吉阪隆正(1917~1980)は、戦後復興期から1980年まで建築家として、また、建築を中心とした教育者、登山家、冒険家、文明批評家など横断的に活躍した。東京都現代美術館で3月19日(土)から開催される『吉阪隆正展ひげから地球へ、パノラみる』では、そんな幅広い顔を持った吉阪の活動を紹介する。1917年に東京で生まれた吉阪は、「考現学」の創始者として知られる今和次郎、近代建築の巨匠ル・コルビュジエに師事。戦後の住宅難解消のため、住むためにすべてが準備されている大地を人工の力でつくる「人工土地」を提唱した。そんな人工土地の上に住む住宅《吉阪自邸》や、《ヴェネチア・ビエンナーレ日本館》、《アテネ・フランセ》などを手掛け、コンクリートによる彫塑的な造形を持った独特の建築で知られている。世界各国の大学や会議に招聘されるなど国際的に活躍する一方、吉阪は新しい社会や環境、未来へ向けた集住とすがたを提言した。自身の著作執筆だけでなく、師のコルビュジエの著作も数多く翻訳して、日本での普及に努めた。さらに住宅建築、公共建築、山岳建築や地域計画を手掛けたり、アラスカやアフリカなどへ探検する冒険家・アルピニストの活動も行った。同展では吉阪の生涯と領域横断的な活動を、7章に構成して紹介する。主宰した設計アトリエの「U研究室」、教鞭を執った大学院の学生らと共に、ディスカッションをしながら、集団で建築を作り上げていった30の建築とプロジェクトを、スケッチ、原稿、ノート、書類、写真といった創造の源泉となる資料とともに紹介。吉阪が建築によって目指したものとは何か、社会へのメッセージを紐解いていく。その中でも、地域計画のプロジェクト展示は初めてとなる。同展を、地域や時代を超えて見渡すことなどを意味する、吉阪自身の造語“パノラみる”ことで、個から地球規模への活動の広がりを知り、現代における吉阪隆正の仕事を再評価する絶好の機会となるだろう。《サイコロ世界地図》1942年(C)吉阪隆正《吉阪自邸》1955年 (撮影:北田英治、1982年)《ヴェネチア・ビエンナーレ日本館》1956年 (撮影:北田英治、1997年)自画像《一筆描きのタカ》1979年(C)吉阪隆正【開催概要】『吉阪隆正展ひげから地球へ、パノラみる』会期:2022年3月19日(土)~6月19日(日)会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F時間:10:00~18:00(展示室入場は17:30まで)休館日:月曜(3月21日は開館)、3月22日(火)料金:一般1,400円、大学・65歳以上1,000円、高中500円■公式サイト:
2022年03月07日楽しくてワクワクする家設計はある程度自由にしてほしかったので、建築家に対して具体的なリクエストはあまり出さなかったという齋藤さん。とはいえ「楽しくてワクワクするような家をつくってほしい」、さらに「光や風など自然を感じることができるような家にしてほしい」とは伝えたという。建築が好きでインテリアコーディネーターの資格ももつ齋藤さんは、設計を依頼した篠原明理さんに、学生の頃からつくってきたスクラップブックを見てもらったという。好みのインテリア写真などを貼り付けたこのスクラップブックについて篠原さんは「お話をうかがうだけでなく、齋藤さんの好きなものをある程度共有することができたので、大まかなイメージのすり合わせはできていたと思います」と話す。それはRC造の無機質でミニマルなデザインとは方向的には真逆ともいえる、内部に多様な居場所があって、かつまた、植物などがところどころに置かれているような家、といったイメージだったようだ。ロフトレベルからリビングを見下ろす。ダイニング側から見る。大きく開けた南東側の開口からは隣のお兄さんの家の庭が見える。基礎が生活の場まで立ち上がる篠原さんが最初に提出したのはRCの基礎がそのまま立ち上がって生活空間の一部となることを表す模型だった。コンセプチャルな印象も与えるこの模型を見て驚いたという齋藤さん。しかし「とてもワクワクした」という。「料理をする場所やロフトなどへ上る場所、植物が植えられる場所などがつくられていて、設計をお願いしたかいがあったなと思いました。ただ同時にどうなるんだろうという不安もあって、ワクワクと不安がちょうど半々くらいの感じではありました」篠原さんはこの模型案について「基礎からそのまま立ち上げて居場所をつくるというイメージははじめからもっていた」という。そしてその上に載る木造の部分をどうつくりこんでいくかについては、「実際の生活の場面を考えながらここにはこういう場所があったほうがいいだろう」など、齋藤夫妻と打ち合わせを重ねていったという。基礎からそのまま立ち上げたRCの階段。「象徴的なオブジェのようなものにもなっている」と齋藤さんは話す。建築家の篠原さんは左のアーチについて、装飾というよりも「ひとつの強い建築の言語として」とらえているという。打ち合わせ時にはイタリア・ルネサンス期の画家、アントネッロ・ダ・メッシーナの絵画とも関連させて説明を行ったという。洗面所のコーナー部分も基礎からそのまま立ち上げてつくられたもの。このアーチのトンネルは手前側にくぐるとすぐ目の前に吹き抜け空間が現れ、場面を切り替える役割もになっている。スタディコーナーとよばれる場所から奥に洗面所を見る。浴室はその右側につくられている。寝室のコーナー部分にもRCでつくられた場所がある。この梯子からロフトに上がることができる。右がスタディコーナー。「コンセントを上につけてもらったのでわたしはパソコンを持って行って仕事をしたりします。上の子はあそこで宿題もしますが、よくあのコンクリートの上に乗ったりしていますね」(齋藤さん)コントラストのある空間RCの基礎をそのまま生活空間にまで立ち上げるというコンセプトはこの家を大きく特徴づけるものだが、実際にこの空間を体験してみると、南東側に大きな開口が多く取られて、それとは対照的に逆の北西側に濃色の壁がつくられていることが目を引く。南東側の開口部は採光に関するリクエストに応えるほかに、隣に立つ齋藤さんのお兄さんの家の庭を借景として取り込むという役割もになうものだ。篠原さんは逆サイドの壁に濃い目の色を採用する際に、明るい南東側とのコントラストも考慮したという。さらに「木のテクスチャーを使いたいこともあって、ラワン合板にオイルステイン仕上げにすることにした」(篠原さん)とも。壁の色については「色のパターンを7、8ぐらい出していただいて、実際に現場で色見本を見ながら相談しながら決めました」と齋藤さんは話す。ロフト下のキッチンスペースのコーナーも基礎からそのまま立ち上がったRCでつくられている。左の窓ではお隣のお兄さんの家族とカウンター越しに気軽にコミュニケーションを取ることができる。階段側からロフトとリビングを見る。ふだんは大きなハンモックをかけているというロフトスペース。いずれ子ども部屋にすることも考えているという。階段前からリビング、キッチン、ロフトを見る。子どもたちも大いに満喫もう少しでこの家での生活が1年になるという齋藤さん一家。齋藤さんは「やはり家のそこここに居場所ができていますね」と話す。そしてこの「多様な居場所」を大きく享受しているのはお子さんたちだという。「下の子はあのRCの階段のところが好きでよく遊ばせたりしていますし、上の子はテレビのある窓際の台のところに座ってのんびりしたりしていることもあります。奥の部屋に行く途中のスタディルームでは2人で遊んだり本を読んだりもしていますね。あと、上の子は暖かい日にはスタディルームの真上にあるバルコニーで長い時間過ごしています」階段の踊り場は下のお子さんのお気に入りの場所だという。奥さんもRCでつくられた居場所が大いに活用されているという。「寝室の上にあるロフトからバルコニーに出られて、階段を上がったところにあるドアから室内に入ってこられるんです。回遊できるつくりになっているので上の子はぐるぐると走り回ったりもしていて、大人だけではなくて子どももけっこうワクワクしたつくりになっていて、この家を大いに満喫しているのではと思います」と話す。そしてさらに最後にこんなことも話してくれた。「子どもは新しい遊び場所を見つけるのがほんとに上手で大人が思っても見なかった遊びを勝手に開発する。その楽しそうな姿を見るのがとてもうれしいし楽しくて。こういうのも“ワクワクする”ということなんだなと思っています」寝室の上のロフトからバルコニーに出ることができる。階段を上って右側にあるドアからバルコニーに出られるので、バルコニーを介してロフトに行くこともできる。道路側につくられた階段からバルコニーを見る。奥に見えるのが階段を上がった場所にあるドア。バルコニーから道路側を見る。手前左が倉庫のドアで奥がロフトスペースへと通じるドア。「篠原さんには外観はそんなに気にしなくていいですとお伝えしました。外よりも中のほうに重きを置いてもらって、それに付随して外の形がつくられていくというかたちでいいんじゃないですかと」(齋藤さん)「長いスパンで考えると、この土地の扱い方が大きく変わるかもしれない。そのときに今とはまったく異なる様相の空間をコンクリートの部分をベースにしてまた新たに創り出すこともできるのではないかと思います」(篠原さん)齋藤邸設計篠原明理建築設計事務所/office m-sa所在地東京都昭島市構造RC造+木造規模地上1階+ロフト延床面積110.05㎡
2022年03月07日初めての1人暮らし。新生活を気持ちよくスタートするためにも、部屋選びは後悔したくないですよね。そこで、編集部に寄せられたお悩みや失敗談をもとに、一級建築士のリクドウさんが「おすすめしない1人暮らしの部屋」をお伝えします。今回のテーマは、おしゃれだけど寒くて暑い物件、です。一級建築士がおすすめしない! 1人暮らしの部屋ーーさっそく、寄せられた失敗談をご紹介しましょう。「部屋の壁がコンクリートでオシャレだからと、メゾネットタイプのデザイナーズマンションに住んだことがあるのですが、寒くて死にそうでした」(31歳・無職)リクドウさん(以下略)コンクリ打ちっぱなしの壁(以下、コンクリ壁)は、今も昔もおしゃれなイメージがありますよね。モノトーンの家具を合わせれば洗練されたスタイリッシュな空間に、木目のインテリアを置けばモダンかつ温かみのある雰囲気に仕上がります。男女問わず、誰かを招きたくなるような自慢の部屋作りのベースとなる役割をしてくれるんですね。ですが、けっこうタチが悪いコンクリ壁もあるんです。そうしたコンクリ壁のいくつかあるデメリットのなかでも、最大なのは断熱性の低さ。外気にかなり左右されやすいんですよね。ですから、冬は寒く夏は暑い。しかも、コンクリは一度熱を持つとなかなか冷えないという特性があり、夏は灼熱地獄に近い状態になり得ます。この方は、運悪くこのタイプだったのではないでしょうか。ーーイケメンと付き合ったら、性格が超悪かった!みたいな感じですね。言い得て妙ですね~。さらに言いますと、冬も悲惨なんですよ。ヒーターでようやく部屋が暖まったとしても、外気との差で結露が発生しやすく、つまるところカビが好む環境になりやすいです。カビは研究者の方など一部の方々を除けば、多くの人にとって不快極まりないイヤな存在ですよね。健康を害する恐れも出てきます。とまぁ、光熱費はかかるし、快適性もかなり低い。ここまで書けば、デメリットだらけじゃん!って思いますよね。私も自分で言いながら、ホントいいところがないなぁと改めて思っています。でも、それは先述した、タチが悪いコンクリ壁に限って言えることなんです。ある条件をクリアしているものであれば、話は別なんですよ。ーーさんざんこき下ろしといて、一気に持ち上げる作戦ですか。デメリットだらけだったら、コンクリ壁の部屋なんてとっくに消滅していますよ。でも、いまなお根強い人気を維持している。それはですね、断熱施工の有無にかかっているんです。しっかり施工してあるものは、先述したデメリットを心配する必要はありません。しかも、コンクリには防音性が高いというメリットがあるんです。集合住宅の悩みのひとつに、騒音がありますよね。それも難なくクリアです。但し…!ーー再び急降下?コンクリ壁の断熱施工はおもに外壁側で行うことが多いですが、見た目ではわかりにくい。ですから、必ず不動産屋さんに聞いて、絶対にきちんとした回答をもらってください。ここをうやむやにしてしまい、もし外断熱されていない物件に住んでしまったら…その先の未来は暗いですよ、絶望しかありません。部屋に誰かを呼ぶどころか、自分が帰りたくない空間になってしまいます。また、外断熱は年月が経つと効果も低くなるので、メンテナンスの確認もしましょう。それが面倒なら、築浅物件がベターでしょうね。ーーなるほど、コンクリ壁とひと口に言っても、住んではいけないものが存在しているんですね。最後に、デザイナーズマンションについても教えてください。デザイナーズって何ですか?定義は決められていませんが、建築家がデザインしたものでそれをウリにしている物件、ということですね。デザインを重視して、機能性や安全性はさほどなのでは?という声も聞きますが、一般的なマンションと同じように定められた基準に則って建てられていますので大丈夫です。ただ、例えば“巾木(はばき)”がない場合もありますけどね。巾木とは、床に接する壁の下部につける帯のような横板のことです。壁の汚れ防止や、壁と床の隙間をカバーするために設置しますが、1人暮らしの賃貸であれば、部屋はそこまで汚れないでしょうし、一生住むというわけでもない方が多いでしょう。あまり重要視しなくてもいいと思います。それくらいなので、予算内で気に入ったデザイナーズがあれば、それは運命の出会いとして受け入れていいと思いますよ。では、コンクリ壁の部屋に戻りましょう。まとめますとズバリ、「コンクリ壁の部屋でも、外断熱されていないものは絶対におすすめできません!」ーー以上、一級建築士がおすすめしない! 「1人暮らしの部屋」でした。参考にしてくださいね。「コンクリ壁の部屋」注意点をおさらい教えてくれた人リクドウさん一級建築士。設計事務所の管理建築士。普段の仕事は、公共、商業施設の設計がメイン。住まいに対するモットーは「自分らしくいられる、憩いの空間であるべき」。©Carlina Teteris/Getty Images文・伊藤順子
2022年03月05日4兄妹が均等に土地を利用束野由佳さんが生まれ育った目白の家を建て替えし、親世帯と4兄妹の5世帯住宅を作ることになった。「父は次世代に土地を譲る際、小さく分割したくないと考えていました。そして4兄妹で平等に住んで欲しいとよく話をしていました。その願いを叶えながら建て替えを進めたのですが、4世帯で住宅ローンを作るしくみはどの銀行にもありませんでした。そこで4兄妹で法人を設立し、事業ローンを組むことにしました。このローンの話がまとまるまでに2〜3年かかりました。ハードな船出でした(笑)」設計は建築家の夫、木下昌大さん(『キノアーキテクツ』)。「たとえばコーポラティブハウスの設計の場合、ライフスタイルや予算が近しい方が集まりますが、4兄妹は家族構成、家の使い方や趣味、予算などが様々です。長兄+妻を含む3姉妹+それぞれの家族+両親、総勢10数名の希望を叶えながらひとつの形にしていくのが大変でした」4兄妹平等にというお父様の考えを尊重し、4世帯を南北の短冊状に均等に配置。2世帯が地下+1階・2階+ロフト、もう2世帯は1階・2階+ロフトにした。地下と1階をRC造にし、耐震性を確保。上階は木造に。「土地が旗竿地だったこと、南側が中学校のグラウンドに面して開けていたこと、残したいアカマツの位置などの条件から、今の形に決まりました」木下家は4世帯のうちの1戸に、一家4人が暮らす住まいと、階下に設計事務所を構えた。ここ東京オフィスと、京都ラボを行き来して仕事をしている。大きなアカマツを残して住居を設計。向かって左側が親世帯の住居。右側に子世帯が並ぶ。従姉妹どうし仲良く遊んで育つ素晴らしい環境。1階がRC、2階がガルバリウムの外観。子世帯4住戸は平等に同じ広さ。深い庇の下、濡れずにお互いの家を行き来できる。ヴォールト天井が印象的なリビングアーチ状の凹凸が連なる天井が印象的なリビング。「梁の高さに合わせて平面の天井を作ると全体が低く感じるので、アーチ状にして天井高にゆとりを持たせました」アーチの低い部分にライン状の照明器具を仕込んでいる。照明器具の直線とアーチの曲線が美しいハーモニーを奏でる。天井はシルバーにペイントされていて、天井が輝きながら外からの光を奥に届ける。床のシャビーなグリーンのリノリウムに合わせ、キッチンの扉、ダイニングテーブルのスチール脚や天板の小口もグリーンにまとめている。手前のイスはジャン・プルーヴェのスタンダードチェア、黒のパイプチェアはジャスパー・モリソン。楕円形のダイニングテーブルはオリジナルで製作。パイプチェアの脚に合わせ、テーブルの脚のパイプの太さを決めた。テラスの庇と天井の角度が連続している。屋根の傾斜に合わせて段を刻んだ天井はシルバーに塗装。南側の大きな窓から入った光を反射し、部屋の奥まで光を届ける。窓枠を本棚兼ベンチに。様々な役目をこなす楕円のオリジナルテーブル。食事はもちろん、仕事や子どもたちが宿題をする机にも。ロフトから2階リビングを見下ろす。窓の外は隣の中学校のグラウンド。天窓から光が落ちるバスルームモルタルの壁に陰影を作りながら天窓からバスタブに光が落ちる。天然石のような趣のある大判タイルの腰壁。そしてレインシャワー……。トイレはグレーをチョイスすることでインテリアの一部になっている。「スリランカのコロンボで泊まったホテルのバスルームに天窓があり、とてもドラマティックな空間でした」。その宿泊体験から生まれたバスルームだ。天窓から光が差し込むロマンチックなバスルーム。グレーの洗面ボウルはチエロ。タオルウォーマーには浴室を乾燥させる効果も。天窓からバスタブに光が落ちる。トイレはLIXILのグレーをチョイス。キッチンの奥のランドリースペース。奥はガス乾燥機の乾太くん。「分厚いバスタオルも30分でふわふわに乾きます」キッチンの天板はシーザーストーン。天然石のような美しい質感を持ちながら、熱にも水濡れにも強い。IHコンロはAEGの4口。換気扇は上につけず、下から吸い込むすっきりとしたスタイル。オーブンと食洗機はASKO。ショールームの役割も「キノアーキテクツは京都と東京に設計事務所があります。生活のベースは京都で、子どもたちは京都の学校に通っています。 この東京の家にはショールームのような役割を持たせたいという意図もありました。お客様との打ち合わせに2階リビングのテーブルを使っていただくこともあります。私たちがいない間も気兼ねなく使ってもらうために、鍵付きの収納を作りプライベートな荷物はそこにしまうようにしています」親世帯の建物に住む束野さんのお母様が事務所のスタッフに食事をふるまうこともあるそう。それぞれの家族がお互いのライフスタイルを尊重しつつ、雨に濡れずに行き来できる5世帯住宅。相続の際に土地が切り刻まれることが多い中、新しい世代に土地を受け継ぐしくみを建築の力で作ることに成功した。1階と地下がキノアーキテクツの事務所スペース。階段はRCの壁に作ることで、昇り降りの音が隣に伝わりにくくなる。コンパクトな子ども部屋はそれぞれ好みのカラーに。大好きなパープルの部屋に。星が見える天窓がお気に入り。木下邸設計キノアーキテクツ構造RC+木造 規模地下1階 地上2階延床面積 119.97㎡
2022年02月14日お家で過ごす時間が増えた今、わが家がいちばん好きな場所であり、いちばんリラックスできる場所であってほしい。どんな家が自分たちにとって“最高”なのかは人それぞれ。愛する雑貨や植物で彩ったり、インテリアで好きな世界観を表現したり。自分たちで部屋をつくったり、改造したり。そこに住む家族の個性が詰まった、魅力的な10軒のお家をご紹介。さて、わが家はどんな家にしよう? vol.6は、吹き抜けの空間が心地いい、建築家・中村俊哉さん、藤井 愛さん邸をご紹介。( 中村さん、藤井さん邸 DATA )FAMILY:4人家族(パパ・ママ・長男4歳・長女0歳)HOUSE TYPE:一軒家/注文BUILDING AGE:築5年半HOUSE SIZE:112㎡/3LDKAREA:東京都大田区吹き抜け空間がもたらす心地いい家族の時間お互い建築家同士という中村俊哉さんと藤井愛さん夫婦。ダイニングもリビングも2階のワークスペースも、空間を仕切るものが何もないという開放的な住まいは、5年半前に夫婦ふたりで手がけたもの。「とはいえ、自分たちのために建てた家ではないんです。もともとは夫の友人のために設計した家で、その家族が海外に赴任することになり、私たちが移り住みました」と、愛さん。その施主からのオーダーはというと実はほとんどなく、夫の俊哉さんが相手の好みを熟知していたことから、ほぼお任せ状態でつくることができたそう。約5mの吹き抜け空間には、中央に階段を走らせ、2階と3階へ一直線に登れる仕様。壁がない分、2階で仕事をしていても下の様子がわかる。また、土間から小上がりに設計されたリビングの壁には一面の大きな窓が。隣にはマンションが建つものの、間に小さな庭を配することで、自然光のなかで緑を楽しめる半屋外的なリビングに仕上がった。他にも、砂入りの漆喰壁、玄関からキッチンに広がる土間、段差のない玄関など、どこかあいまいで完成されていない空気感が、リラックスできる住まいへ導くポイントかもしれない。約5mの天高に合わせてカーテンをつくったという愛さん。コットンオーガンジーを二重にすることで適度な採光を取り入れつつ、リビングの様子は外から見えないように上手く遮ってくれる。2階からは1階のリビングの様子が一目瞭然。「生まれたばかりの娘が寝ている姿もすぐ確認できるため、安心して家事や仕事を進められます」キッチンはダイニングを見渡せるアイランドキッチンに。その上の階には夫婦のデスクスペースを設け、壁の代わりに本棚を配することで、巧みな目隠しになっている。玄関脇には果実酒の瓶や外出時の小物を並べるシェルフを置き、パーテーションとして活用。壁やドアなどの仕切りをつくらない分、玄関も開放的な空間に。「2階は将来的に子ども部屋にする計画ですが、現在は夫婦のワークスペースとして活躍しています」。明るい自然光が常に降り注ぎ、快適な環境のなかで仕事も進む。屋上ではたくさんの季節の野菜や果物を育て、収穫するのはもっぱら息子くんの役目。すくすく育った野菜をパパに見せては、楽しい家族団らんの時間が続く。両親に似て絵を描くのが大好きな息子くん。リビングの目立つ場所には大作が飾られ、インテリアとしても大切な存在に。(PROFILE)なかむらとしや/東京都生まれ。大学院修了後、芦沢啓治建築設計事務所に勤務したのち、独立。2014年に夫婦で「ship architecture 一級建築事務所」を設立。ふじいあい/京都府生まれ。大学院修了後、畝森泰行建築設計事務所に勤務したのち、夫婦で建築事務所を設立。住居、店舗、ギャラリーなど、さまざまな物件を手がける。photography/Aya Sunaharatext/Tokiko Nitta
2022年02月13日必要最低限の面積で建てる「最初の想定ではとりあえずの仮の住まいでした」と話すのは建築家の加藤さん。1000㎡ほどもある広い敷地は不確定な要素が多かったため、敷地のどの場所にどの程度の規模の自邸を建てるかを決めるのが難しかったという。そこで、加藤さんは必要最低限のスペースのある家を、10年間程度住むぐらいのつもりでつくってみたらどうかと考えた。「面積は約32㎡で、住宅ローンを組みたくなかったので、必要最低限の予算でキャッシュで建てました」。外構や工務店経費なども含めた総工費は約720万だったという。奥さんの実家の敷地に建てられた加藤邸。隣には祖母の家が立つ。工費を抑えるために天井はサッシと同じ高さに抑えたが、これが床と同レベルのテラスの存在と相まって外との連続性、さらには開放感を創り出している。最低寸法からつくる建てた当時は夫婦と子ども2人の4人家族。まさに必要最低限の広さといっていいが、一般的な家づくりのように、確定している面積から間取りを決めていくのではなく、空間を使うときの最低寸法からつくっていったら32㎡ほどの面積になったということらしい。「キッチンはこのように使うからこのくらいの面積でいいよねとか、ダイニングだったらこれくらいだねという具合にきめていきました。そうしてつくっていった結果、32㎡という大きさになったんです」浴室やトイレ、洗濯スペースなどもぎりぎりの寸法を割り出していった。こうしたことは一般の人にできることではないが、さらにまた建築家ならではの工夫も。「可動の収納棚はすべて奥行き60cmで設定しているんですが、これを中途半端に45cmとかにするとふつうに1段としてしか使えない。15cm延ばすことによって倍の収納量を確保しています」テラス側から見る。加藤邸はこの空間のほかに、奥に寝室と浴室、トイレなどがあるのみ。可変性のある家必要最低限の大きさを決めるほかに、設計時の基本コンセプトはさらに2つあった。ひとつは可変性で、これは基本的に決められないことは決めないでおくという方針ともなった。「建てる前に机上でぜんぶ決めないといけないのは理不尽ではないかと思っていて、むしろ住んでからわかることのほうがたくさんある。キッチンの位置とか決めないといけないことは決めるけれどもそうではないものは住みながら自然にここにほしいと思った時に付け加えたりできるようにしています」奥行き60cmの棚を使った見せる収納。右のクローゼットには今の季節に着るものだけが収まっている。それ以外の服は奥さんの祖母の家の2階に置かれている。そのためにとりあえず間仕切りの壁は必要最低限のものを設けるにとどめているが、さらにまたこれとは別種の可変性も仕込まれている。壁・天井には構造用の合板が張られているが、これが仕上げ材としても優れものなのだ。「石膏ボードとビニールクロスという一般的な組み合わせは住宅には実は向いていないのではないかと思っていいます。石膏ボードはビスがきかないし付けるとボロボロになってしまうので何かを付けたりはずしたりができないんですね。でもこの合板だとそれができるし、さらに穴が開いたり傷が付いても気にならないんです」。つまりこの合板が、生活に伴う変化にも耐えうるものにしているのだ。構造用のラーチ合板が張られた室内。木目や節がはっきりとしているため、傷などがついても目立たない。また、ある程度室内が散らかっていてもそれがストレスに感じられることはないという。モノの強度と見た目の強度穴が開いたり傷がついても気にならないのは、木目の模様や節が目立って、この合板が材料としての強度だけでなく見た目の強度も併せ持っているからだが、このあたりが加藤さんが「ダサかっこいい」と表現するもうひとつのコンセプトを可能にしている。「予算が限られていて水栓ひとつとっても高価なものは使えないので、安価なものであっても空間がかっこよくなるようにベースを整えていく」という加藤さんの考え方は、この構造用合板など素材感や色味のある仕上げを使うことで可能になっているのだ。キッチンに限らず設備類はすべて安価なものを使っているというが、この空間ではそれがチープな印象を与えずまたトータルな印象も乱すことがない。加藤さんが以前仕事スペースとして使っていた場所にはソファが置かれている。サイズに合うものを購入したという。いちばん上の棚にあるのは模型ではなく、レゴでつくったサヴォワ邸やファーンズワース邸など。玄関ドアを開けるとその先に見えるのは奥さんの祖母の家。玄関のドアを閉めた状態。洗濯スペース、左に浴室とトイレがある。寝室には長男用にロフトベッドを増設。また、寝ながら映画が見られるように天井を白く塗ってスクリーンにした。室内で竹馬をしたりもするが、そうしたことで付いた傷は生活の痕跡としてこの住宅への愛着を生むと考えている。子どもたちの成長の記録が棚の側板に刻まれているが、この空間では変に浮くこともなく逆にしっくりとおさまって見える。増築という選択肢とりあえず仮の住まいとして建築したが、「隣の敷地がまだ空いているのでそこに増築するのもいいね」という話を建てて2年ほど経ってから奥さんとするようになったという。「ローンを組んだつもりで定期を積み立てていって、満期になったタイミングでその金額の範囲内でそのとき決まったこと――子ども部屋をつくるとか仕事部屋をつくるとか――をしていくというのを5年単位くらいで繰り返したら面白いんじゃなか」と考えるようになったのだそうだ。このアイデアはこれからの時代にフィットしているのではとも考えているという。「終身雇用制が崩れてしまいまた今はコロナ禍もあったりといった状況で借金をして住む場所を固定してしまうことがリスキーだと感じている人はたくさんいると思うんです。増築を続けていくというのは都心だと難しいですが、住宅ローンを組まないでも建てられるひとつの例としてまずやっていこうかなと思っています」必要最低限の広さとはいえ、人の動きや身体感覚などを計算して空間をつくっているため、家族5人が揃っても窮屈な感じはまったく受けない。テラスの上にかかるタープは夏の強い日差しを避けるために付けたが、見た目の心地よさにも大いに貢献している。夏にはテラスの上にテントを張ってキャンプをすることも。祖母の家側から見た加藤邸。手前側に増築してもいいかなと考えている。住みはじめて3年ほど。住み心地はいいが「広いとはまったく思わないですよ。やっぱり狭いです」と加藤さん。でも「窮屈でどうしようもないとはまったく思っていない。期間限定で考えているから何かあれば増築すればいい」と話す。「設計者なのでいつでも図面は描けるので、狭さが今よりも気になったら広げればいいと思っています。フックとかを必要なったら付けるのと同じように、ほしくなったら建てればいいじゃないかという気持ちでいるんです」。この気軽ともいえる構えがこの家を「窮屈」と感じさせないひとつの秘訣にもなっているのだろう。加藤邸設計N.A.O|ナオ所在地神奈川県秦野市構造木造規模地上1階延床面積約32㎡
2022年02月07日理想の家を求めて、設計を依頼東京都と千葉県の境界を流れる江戸川にほど近い千葉県・市川市の閑静な住宅街。この一角に暮らしているのは、デナリやK2などの海外登山を経験している登山家であり、WEB・動画ディレクター、プロモーターとしても活動する佐々木理人さんと妻・喜久子さん、そして、1歳の娘さんの3人家族だ。「以前は賃貸マンションの3LDKに夫婦二人で暮らしていました。3年ほど前から将来設計を考えて、家づくりを検討するようになりました」という理人さん。喜久子さんの実家がある市川市にエリアを絞り土地探しからスタート。条件に合う土地を見つけた佐々木夫妻は、設計をディンプル建築設計事務所の主宰・堀泰彰さんに依頼した。「もともとは別の建築事務所に依頼していたのですが、私たちの要望があまりフィードバックされずに不満がありました。そんなときにたまたまネットで見つけて、素敵だなと思ったのが、堀さんの手がけた住宅でした。夫に話したところ、偶然にも堀さんと夫が知り合いだったため、早速堀さんに相談させていただきました」と喜久子さん。理人さんも「急遽相談することになったのですが、空間を余すことなく活用して、私たちの要望に合うようなデザインを提案していただきました」と振り返る。理人さんが特にこだわった使い勝手のよい広い玄関。土間のスペースに棚を設置したことで、土足のまま道具の出し入れができる。たっぷりと収納ができる造作棚に山道具が並ぶ。手前は理人さんのワークスペース。理人さんの仕事場でもある土間には、来客用のテーブルを設置。右手の植物には吹き抜けからの光が降り注ぐ。正面奥の小上がりの畳スペースの下にも収納用の空間を確保している。畳スペースを区切られるようにスクリーンを設置。プロジェクターから投影し、大画面の映像を観ることができる。水回りは1階にまとめて配置。洗面を二つ設置したことで、忙しい朝の時間帯も混雑することなくスムーズに。広い玄関スペースと開放的なLDK佐々木邸は1階に理人さんの仕事場を兼ねた玄関スペースと収納、水回りを配置。2階にLDK、3階に寝室と子ども部屋を設えている。娘さんが生まれる前は夫婦でもよく山登りをしていたという佐々木さん夫妻。家づくりにあたって特にこだわったのは、山道具の収納と運びやすさを重視した広々とした玄関スペースだ。「以前の住まいでは3階まで重い荷物を持って昇り降りしなければならなかったので、山道具を1階でまとめて収納し、土足でも持ち運びできるような広い土間空間にしたいということを最初のプラン作成時に堀さんにお伝えしました。また、土地が11坪と比較的小さい敷地なので、収納スペースはできるだけ確保してもらいました」(理人さん)。メインの生活空間である2階LDKには、吹き抜けとバルコニーにつながる大きな窓からたっぷりと光が差し込み、明るく開放感あふれる空間が広がる。「全体的なテイストは、堀さんが過去に手がけられた事例の雰囲気をそのまま取り入れてもらいました。家の中にいても開放感があって、とても明るいので、窮屈さを感じることはありません。窓が多いので寒くなるのかな、と少し心配もしていたのですが、気密性が高いため、冬でも快適に過ごすことができています」(喜久子さん)。白い壁や家具と木材を基調にした温かみのある2階LDK。「採光を考慮して、リビングは南東側に開けるようにしました」と堀さん。明るく開放感あふれる空間となった。夫妻ともに料理をする佐々木さん夫妻。大型の食洗機が入るシステムキッチンと動きやすい通路幅にこだわった。吹き抜けからもたっぷりの光が差し込む。娘さんがまだ小さいため、吹き抜け側には落下防止を兼ねた収納棚を設置している。難易度も追求したクライミングウォール佐々木邸の大きな特徴であり、理人さんが強く要望したのが、外壁に設えた高さ約9mのクライミングウォールだ。「南東方向に開けるように角度をつけたりして難易度にもこだわっています。単純な直角ではなく登るにつれてオーバーハングするように計画しています。外部でここまでのクライミングウォールを設置するのは珍しいのではないかと思います」と堀さん。何度も現地に足を運んで検討を重ね、プライバシー面も考慮して設計を進めた。佐々木さん一家がこの家で暮らし始めてから、もうすぐ2年が経とうしている。「コロナ禍により在宅も増えたので、家づくりのタイミングとしても良かったかもしれないですね」と夫妻は声を揃える。最後にこれからの楽しみについて伺うと、「子育てもあるので、山登りはできていないのですが、子どもが成長したら家族で山登りやキャンプもできればいいなと思っています。さらに今は使っていない子ども部屋をこれから作り込むのが楽しみです」と理人さん。家族の成長とともに、たくさんの思い出がこの家に刻まれていくことだろう。3階寝室。かわいらしい木製サッシの窓から心地よい光が差し込む。家づくりにおいて外せないポイントの一つだったというのが、この眺めのいい屋上。「子どもが大きくなったら、ここでBBQなどをやりたいなと思っています」(喜久子さん)。佐々木邸外観。洗練されたシンプルモダンなデザインが印象的。理人さん要望の約9mのクライミングウォール。「夏には何度も登りました」と理人さん。
2022年01月31日終の住み処は手入れが楽なほうがいい鎌倉の自然豊かな小高い丘の上に建つ平屋の家。リビングの大きな窓を開けると、広々とした明るい庭が広がる。この家はパパスホームを設立し、現在はAtelier23.を主宰する建築デザイナーの井手しのぶさんの7軒目の住まい。「子どもも独立し、暮らしをコンパクトにしたかったので、終の住処のつもりで小さな平屋を造りました」土地はネットで見つけた。「熱海や軽井沢もいいなと思ったのですが、家族や友人が居る鎌倉で土地を見つけることができました。傾斜地と書いてあったのですが、気になるほどではなく、却って少しの傾斜は水はけが良かったです。ただ雑草が生い茂っていたので、家を建て、庭を作るためには、かなり手を入れなければなりませんでした。犬と猫がいるのですが、クルマが往来する道路も近くにないですし、この環境ならのびのびと飼うことができると思いました」床はモルタル。愛犬が足を滑らせないよう、ところどころに大きなラグを敷いてある。ダイニングキッチンとリビングの間に段差をつけ、ゆるやかにスペースを分けている。暖房は薪ストーブが活躍。「火を見ていると落ち着きます。薪ストーブは煮炊きにも使えて重宝しています」幅3mの引き込み窓を全開にすると、庭と一体感を楽しめる大開口となる。高さのある天井には杉材を使用。センスのよいアンティークの家具が素敵に配置されている。「引っ越しのタイミングでこの家に収まる数に絞りました」「古い馬の置物は神事に使われたものだそうです」横長の窓の下に、アイアンの飾り棚を設けた。井手家の家族は、猫2匹と犬一匹。この子はトラちゃん。奥がブチャちゃん。「立て続けに2匹の猫を拾いました」自然素材の居心地の良い住まい家造りのテーマは、ローコスト、そして住まいの手入れが簡単なこと。「DIYで壁に珪藻土を塗ったのですが、計算するとプロに頼んだほうが安かったという失敗もありました(笑)。動物がいるので、床は手入れが楽なモルタルにしました。箒でさっと掃けば掃除が終わります。海辺に建てた前の家は窓掃除に苦労したので、この家は庭に面した窓以外は小さくしました」井手さんの住まいのほっこり安らげる居心地の良さは、珪藻土の壁、モルタルの床、杉材の天井と、自然素材で作られているからかもしれない。経年変化が楽しめるアイアンの飾り棚や薪ストーブ、アンティークの家具が自然素材の家にしっくりと馴染む。色数を絞り、玄関扉とモロッコタイルのブルーをアクセントカラーにしている。寝室は敢えて窓を小さくして明るすぎない部屋に。「朝までぐっすり眠れます」。アーチ状の開口の奥はクローゼット。寝室の壁面は、机を囲むように全面棚に。「机は大工さんに天板を切ってもらってなんとか収めました」玄関ドアはアイアンの支柱を中心に回転するように開く。「なぜか猫は狭いほうから出入りします(笑)」眺めの良い庭。ちょうど芙蓉が花を咲かせていた。庭の一角に作った畑ではレモンやイチジクなどの果樹や野菜を育てている。玄関の回転ドアを開けるとすぐにテーブルという自由なレイアウト。井手さんのセンスの賜物だ。キッチンの横に作った勝手口は、洗濯物を干したり、ゴミ出しする際に、家事がしやすい動線になっている。大谷石を使ったキッチンの引き出しは着物タンスを模して作った。「大谷石は自分で張りました」少しつづ暮らしを整える楽しみ今年に入って、動線の確保のため、I型のシステムキッチンから、コンロとシンクを独立させたスタイルにチェンジ。「I型のシステムキッチンはアウトレットで安かったので買ったのですが大きすぎました。買ってきた食料を冷蔵庫に仕舞うために、キッチンをグルリと周らなければいけないのが不便で。コンロとシンクのアイランドに変更したら、無駄な動線が減りました。使わなくなったI型キッチンは友人の家に嫁に出しました(笑)」キッチンの他にも、住みながら少しづつ暮らしを整えていった場所は多い。「リビングの家具の配置をちょっとづつ変えてみて、ようやく落ち着いたところです。今、庭の小屋を手直し中です。それが終わったらデッキも広げたいし、玄関タイルの張り替えも思案中です」「バスタブの上に読書灯を作ってもらいました。水をかけないでねと念を押されました」。バスルームの入り口のドアはインドで買ったアンティーク。「タイルは映画で見たバスルームを真似て自分で張りました」洗面台は宙に浮いたクローゼットの上に置かれたようなスタイル。八角形の鏡も素敵。片流れの平屋。ブルーの玄関扉が印象的だ。窓に腰を掛けて縁側のように楽しむ。「外観は予算重視でモルタルのまま仕上げました」「門扉は友人のアイアンワークのクリエイターに作ってもらいました」。愛猫は門扉をジャンプで出入り。
2021年11月08日オリバーピープルズ(OLIVER PEOPLES)の「タクミシリーズ(TAKUMI SERIES)」より、建築やデザイン界に大きな影響を持つジイタリアの建築家、ジオ・ポンティとのコラボレーションアイウェアが登場。2021年11月4日(木)よりオリバーピープルズ正規店などで発売される。「タクミシリーズ」から建築家ジオ・ポンティとのコラボアイウェアが登場日本の洗練されためがねづくりとオリバーピープルズの歴史をミックスしたチタンコレクション「タクミシリーズ」。2020年7月に続く「タクミシリーズ」第2弾となる今回は、ジオ・ポンティ・アーカイブスとタッグを組み、無駄のないライン、シャープなアングル、建築的なフォルムなど、ジオ・ポンティの代表的な要素をアイウェアで表現した。ラインナップは、サングラスクリップが付属するオプティカルフレームの「G.PONTI-1」「G.PONTI-2」と、ラウンドレンズシェイプ「G.PONTI-3」といった3種類。それぞれのテンプル部分には、美しいファセットカットが施されている。また、角度が付けられた長さのあるブリッジや、ダイヤモンド型に仕上げたチップなど、細かなディテールに至るまで、ジオ・ポンティのデザインの原則と美学を尊重し仕上げられている。アイウェアのカラーは、ジオ・ポンティのインテリアや家具のデザインから着想。例えば、アイウェア「G.PONTI-1」で展開されるレンズのセージとマスタードのカラーは、ジオ・ポンティの作品に見られる組み合わせを参考に配色している。【詳細】オリバーピープルズ タクミシリーズ 2発売日:2021年11月4日(木)販売店舗:オリバーピープルズ正規店、公式オンラインストア価格:・G.PONTI-1(OV5460T) 72,600円・G.PONTI-2(OV1292T) 72,600円・G.PONTI-3(OV1293ST) 54,900~59,900円
2021年11月05日2012年に公開され、韓国国内での観客動員数が400万人超え、韓国の恋愛映画として歴代1位の興行記録を樹立した『建築学概論』。この度、山下智久を主演に迎え、Netflix映画『恋に落ちた家』として日韓最高峰キャスト・スタッフで日本リメイクされることになった。2002年、建築家を目指して都内の大学に通う18歳の伊吹は、美しくチャーミングな女性・李由梛と出会う。2人は日本の繊細な建築を辿りながら、忘れられないひとときを過ごす。「将来、私の家を建ててね」そんな他愛ない約束だけを残して砕け散った2人の恋。それから19年、長い空白の時間を経て、離婚・父の病気など人生の苦悩を背負った由梛が、突然伊吹の前に現れる。そして、夕陽の街とも言われ、南アルプスと富士山を眺める絶景の西伊豆町に家を建てて欲しいと依頼する。あの頃秘めていた想いを答え合わせするように、2人の距離は縮まっていくーー。山下さんが全世界190以上の国や地域に配信されるNetflix作品に参加するのは初めて、また、ラブストーリーの主演は6年ぶりとなる。「韓国で大ヒットした恋愛映画のリメイクという事で大きなプレッシャーを感じているのと同時にこの作品に携われる大きな喜びを感じています。建築家が家を設計するのと同じように、敬意を込めて、丁寧にストーリーを理解し、そして気持ちを込めてこの作品を作り上げて行けたらと思います」と意気込みをコメント。「オリジナルの作品をリスペクトしながら、新しくこのチームで作る愛の形を表現できるよう努めていきたい」と語る。さらに、「若かりし頃の不器用さ、大人になると失われがちな柔軟さ、素直さ。19年という時をまたぐ、繊細でいて、大きな心の変化をゆっくりと描いていきます。あの頃、今、そして未来。見てくださる皆さんが僕達の役に、気持ちを投影できるような優しく温かい作品になるよう願いを込めて撮影をしていきます」と強い意欲をのぞかせた。プロデューサーの李鳳宇もまた、「近年、日本ではテレビ、映画で韓国オリジナルの作品をリメイクする動きが活発ですが、オリジナルを超えるのは至難の業のようです」と吐露し、「今回、我々が挑むのは韓国人なら誰もが知る名作『建築学概論』。大いなるチャレンジを前に怯むことなく素晴らしいコラボレーションが奏でれるよう、万全の準備で臨むつもりです」と語っている。Netflix映画『恋に落ちた家』はNetflixにて全世界配信予定。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2021年11月04日株式会社イケダコーポレーション(本社:大阪府、代表取締役:池田 佐知)は、2021年11月25日(木)オンライン配信にて「脱炭素」スイスに学ぶ木造建築の未来 オンラインエコバウ建築ツアー2021を開催いたします。オンラインエコバウツアー2021撮影風景(スイス)これまで20年以上にわたり開催されてきた、最新のエコロジー建築を現地を訪れ学ぶ建築ツアーを初めてオンラインにて開催いたします。初開催の今年はスイスより中継でジャーナリスト滝川 薫さん、建築家ヴェルナー・シュミット氏が参加いたします。スイスの木造建築の最新情報を動画で視聴いただき、環境ジャーナリスト滝川 薫さんによる解説プレゼンを予定しております。持続可能な建築にチャレンジし続ける、建築家のヴェルナー・シュミット氏も質疑応答に参加し、エコロジー先進国スイスの木造建築の最新を知り、質問できる、またとない機会です。イベント申し込み詳細 ■オンラインエコバウツアー2021概要日時 :2021年11月25日(木) 16:00~1:30形式 :オンライン配信(Zoom)費用 :3,000円視聴動画の詳細 :・環境エネルギー局オフィスビル(建設現場)・シェアーホルツバウ(中大規模木造会社)・ネーニコン村の集合住宅ゲストスピーカー:ジャーナリスト滝川 薫、建築家ヴェルナー・シュミット滝川 薫■滝川 薫(たきがわかおり)北スイスシャフハウゼン州在住のジャーナリスト、著者、ガーデンデザイナー。千葉県出身。東京外国語大学イタリア語学科卒業後、渡欧。スイスのオーシュベルク造園学校にて植栽デザイン課程修了。欧州ドイツ語圏をフィールドに、持続可能なエネルギー・建築・地域発展・環境をテーマとした視察セミナー、執筆、講演、調査、通訳・翻訳の活動を20年続け、日本への情報発信につとめる。エコバウツアーとの接点は2002年から。スイスではAtelier fur Oekologie und Gartenkulturにて庭園設計・コンサルタントに携わる。著書に『欧州のビオホテル~エコツーリズムから地域創造へ』(ブックエンド、2021)、『サステイナブル・スイス:未来志向のエネルギー、建築、交通』(学芸出版社、2009)、『エネルギー自立と持続可能な地域づくり~環境先進国オーストリアに学ぶ』(共著、昭和堂、2021年)、『100%再生可能へ!進化するエネルギービジネス』(共著、新農林社、2018年)などがある。 ヴェルナー・シュミット■ヴェルナー・シュミット1953年生まれ、スイスの建築家。アルプス山間のグラウビュンデン州トゥルン村にアトリエ・シュミット有限責任会社を構える。レンガ積み職人の職業教育を修了後、1978年にチューリッヒ州専門大学で建築家のディプロム。1982~89年にオーストリア応用芸術大学のハンス・ホライン教授の下で建築修士を取得。同年にデザイン・建築事務所であるアトリエ・シュミットを設立。1994~95 年、グラウビュンデン州立技術・経済専門大学にて設計立案の講師。実験精神が旺盛で、90年代にはカツィス村の教会増築を代表とする有機的なフォルムの建築に携わる。当初より持続可能性を追求し、伝統建築に学んだローテクおよびパッシブハウス建築の実践の後、20年前よりストローベイル建築、そしてストローベイル断熱の木造建築に行きつく。2002年に大型ストローベイルだけで構造と屋根を支える2階建て住宅を山間豪雪地帯に建設して注目を浴びる。その後、数多くのストローベイル建築をスイスや周辺国で実現。大学機関と協働研究を行い、独自構法の開発・改良を重ね、ヨーロッパでは同分野のパイオニアとして著名。ストローベイルを用いて、住宅やオフィスの新築だけでなく、省エネ改修も行う。本セミナーで登場する集合住宅はストローベイル断熱の木造建築ではスイスで最大規模のもの。製造エネルギーが小さく、再利用ができる地域の自然建材を用いて、エネルギーと上水・下水を完全に自給し、シンプル・ローテク・自律的で、快適で美しい建築を、市場価格で実現することを目指している。建築活動の他、家具デザインやグラフィックデザインまで幅広い活動を手掛ける。2016年に息子の建築家パウル・シュミットが経営を引継ぎ、親子で藁建築の普及に取り組む。■エコバウツアーという取り組みエコバウ建築ツアーは、エコロジー建築の先進国であるドイツなど諸外国へ行き、建築家の方々に会い、実際にエコロジー建築を見てもらうことで、エコロジーについて理解してもらうツアーです。20年以上続くこの建築ツアーで、これからの建築になぜエコロジーとバウビオロギーが必要なのかを知る場として、累計600人以上の建築家に参加いただきました。私たちは、このツアーを通して日本の住宅のエコ推進を目指しています。これまでのエコバウツアーレポート更新中 イケダコーポレーション 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月29日京都で生まれ、京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)図案科卒業後、ドイツで哲学を学ぶなど異色の経歴をもつ建築家・白井晟一(しらいせいいち/1905~1983)。その多彩な活動を紹介する、いわば白井晟一の入門編ともいえる展覧会が晩年の代表作である渋谷区立松濤美術館にて10月23日(土)より開催される。ドイツ留学から帰国後、義兄の画家・近藤浩一路の自邸の設計を手掛け、独学で建築家への道に進んだ白井。その後「歓帰荘」「秋ノ宮村役場」といった初期の木造の個人住宅、公共建築から、後期の記念碑的建築である「親和銀行本店」「ノアビル」「渋谷区立松濤美術館」など、記憶に残る作品を残し、そのユニークなスタイルから哲学的な建築家と評されてきた。一方で、建築以外の分野でも才能を発揮。多くの装丁デザインを手がけ、そのなかには「中公新書」の書籍装丁など、現在も使用されているものもある。また著作や書家としても活動し、50歳を過ぎたあたりからは「書」を一日何十枚と書き、建築の枠組みを超え、形や空間に対する思索をしつづけた。同展では、白井の多彩な活動を第1部と第2部にわけ紹介。第1部「白井晟一クロニクル」(12月12日(日)まで)では、白井の設計した展示室にて、オリジナル図面、建築模型、装丁デザイン画、書などを、白井晟一研究所のアーカイヴを中心に展示し、その活動をたどる。第2部「Back to 1981 建物公開」(1月4日(火)から)では、晩年の代表作のひとつである松濤美術館そのものに焦点をあて、長年、展示向けに壁面等が設置されている展示室を、白井がイメージした当初の姿に近づけ公開。また、建築の最も重要な要素のひとつ、としていた白井が蒐集し愛用した調度品や美術品を会場に配置し、インスタレーションとして再構成する。《白井晟一 ポートレイト》 白井晟一研究所《河村邸(旧近藤浩一路邸)》1935-36年白井晟一研究所《中央公論社中公文庫装丁デザイン画》 白井晟一建築研究所(アトリエNo.5)《渋谷区立松濤美術館》外観写真:(C)村井修【開催概要】『渋谷区立松濤美術館 開館40周年記念 白井晟一 入門』会場:渋谷区立松濤美術館会期:2021年10月23日(土)~2022年1月30日(日)第1部/白井晟一クロニクル 2021年10月23日(土)~12月12日(日)第2部/Back to 1981 建物公開 2022年1月4日(火)~1月30日(日)時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日(1月10日は開館)、11月4日(木)、 12月13日(月)〜1月3日(月)、1月11日(火)料金:一般1,000円、大学生800円、 高校生・60 歳以上500円、小中学生100円※会期中展示替えあり※土日祝日・第1部、第2部の最終週は日時指定制
2021年10月15日Voice Goes on(運営:株式会社ごぶごぶ)は、2021年10月1日(金)より、モダン建築をめぐる、まち歩き音声ガイドアプリ『モダン建築クロニクル』の配信を開始いたしました。第一弾では、京都市京セラ美術館 開館1周年記念展「モダン建築の京都」と連動し、京都市内に現存するモダン建築を紹介します。【まち歩き音声ガイドアプリ サイト】(サンプルボイスあり)■モダン建築クロニクル ~キャラクターバージョン~ ■モダン建築クロニクル ~ラーニングバージョン~ ※ラーニングバージョンには以下を含む▼京都市京セラ美術館 開館1周年記念展「モダン建築の京都」展示解説音声ガイド▼京都市京セラ美術館の館内をめぐる「建物探訪ツアー」【開設の背景】大都市では経済を優先した開発により、美しく年齢を重ねてきた数多くの名建築が次々と解体されています。しかし本来は、子どもから大人まで多くの人々がその価値を共有していれば、保存は当然のこととなり、どう活かしてゆくかを皆で考えることで、街の魅力はより深まることでしょう。「モダン建築クロニクル」は、建築をキャラクター化することで、より多くの人々に美しく歴史ある建築に目を向けてもらいたい、という想いから生まれました。キャラクターの人格に建築主や建築家の想いを映し、身に纏う衣装やアクセサリーは、建物の内外観や設計思想から着想しています。この音声ガイドアプリに導かれて街を歩くと、何気なく通り過ぎていた街や建築が今までとは異なる視点で見えてくることでしょう。本企画をきっかけとして、大人から子供までより多くの人々の間で建築や景観に注目が集まり、歴史的・ 文化的に価値ある建築がひとつでも多く保存活用されることを願っています。【アプリの特徴】1. 現存するモダン建築を擬人化・豪華声優陣がキャストを務める多くの方、特に若い世代の方がモダン建築を識るきっかけとするため、人気声優をキャストとして起用。アプリを《キャラクターバージョン》と《ラーニングバージョン》で作成。《キャラクターバージョン》擬人化したリンクキャラが楽しい会話形式で初心者にもわかりやすく解説《ラーニングバージョン》豪華声優陣がモダン建築の知られざる歴史や秘話をじっくり解説<リンクキャラクター&声優陣のご紹介>声優陣とリンクキャラ紹介<キャラクターバージョン・アプリ画面>キャラバージョンアプリ画面2. 企画・監修/京都市京セラ美術館企画推進ディレクター 前田 尚武(まえだ なおたけ)建築のプロがおよそ1年をかけて細部までこだわりシナリオを監修。楽しみながら本格的なモダン建築を識ることができるよう何度も調整をして、難しい専門知識もわかりやすく解説。<経歴>一級建築士/学芸員。同館開館一周年企画展「モダン建築の京都」を企画。2003年より森美術館に在籍し「建築の日本展」など数々の建築展を企画。2019年度 日本建築学会文化賞ほか受賞。3. 京都を代表するテーマ別のコース×ボリューム満点の収録時間約430分京都市内を舞台にした全12コース(6コース×キャラ・ラーニングの2バージョン)をご用意。合計収録時間約430分。さらに京都市京セラ美術館 開館1周年記念展「モダン建築の京都」《モダン建築の京都展 展示解説音声ガイド》(ナレーション:岡本 信彦)もご用意。<コース案内>●京都が誇るモダン建築を巡る、テーマ別の5つの《まち歩きツアー》(キャラ・ラーニング)※1コース所要時間60分~90分程度●京都市京セラ美術館の館内を案内する《建物探訪ツアー》(キャラ・ラーニング)※所要時間約55分■ご案内コース一覧はこちらから 建築クイズやスタンプラリーなど、コンプリートすると限定ボイスドラマや限定イラストが手に入るミニコンテンツもご用意。4. すべてのコースが、豊富な資料と写真のブラウザアプリでいつでもどこでも楽しめるアプリ内では豊富な資料や写真を用いて音声ガイドとともに解説。現地に足を運べなくても楽しむことができる。またブラウザアプリなのでダウンロードの煩わしさがなく、ネット環境があればいつでも何度でも楽しめる。<ラーニングバージョン・アプリ画面>ラーニングバージョンアプリ画面2ラーニングバージョンアプリ画面1【「モダン建築クロニクル」の概要】アプリ名 : モダン建築クロニクル公式サイト : ~キャラクターバージョン~ ~ラーニングバージョン~ 提供開始日時 : 2021年10月1日(金)対応OS : スマートフォンブラウザでお楽しみください。iOS : iOS11 以上(Apple A8 以上/iPhone 7 以降の端末)ブラウザ : mobile SafariAndroid : Android5 以降ブラウザ : モバイル版 Google Chrome(Chrome 42.0.2311.111 以降)利用料金 : 各コース 600円(税込)(「モダン建築の京都」会期中特別セット販売あり)運営・企画 : Voice Goes on(運営:株式会社ごぶごぶ)ブラウザアプリ: (アプリ内でラーニング・キャラと切り替え可能)モダン建築クロニクルイメージ▼モダクロはじめかたガイド(新規登録~ガイドを聞くまでの流れ) <SNS>■公式ツイッター : ■公式インスタグラム: 【会社概要】商号 :株式会社ごぶごぶ(株式会社TTホールディングスグループ)代表者 :代表取締役 堀 智久所在地 :〒604-8206 京都府京都市中京区町頭町110【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】お客様相談窓口お問い合せフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月15日建坪7.5坪の変形敷地夫婦そろって一級建築士の青柳創さんと綾夏さん。2019年に竣工した自邸は、高低差4m以上の変形敷地に建ち、建坪はわずか7.5坪。土地を探し始めて2年が経過した頃この土地に出会い、「即決でした」と話す。「予算が限られていたので、相場より安くなる特殊な土地を探していました。道路側と奥に2m強の擁壁があり、さらに斜線規制などの厳しい条件もありましたが、前面道路を挟んだ向かい側が学校の校庭で視界が開けていることが魅力でした。建築家の自分たちなら、この難しい土地も何とかなるのではないかと思ったのです」(創さん)。土地を購入後、近くに住み、さまざまな時間帯に訪れてはいろいろな高さから眺め、太陽の動きや周辺環境、場所の空気感をつかんでいったという。設計に要した期間は2年半。限られたスペースならではの工夫やアイデアが詰まった心地の良い家が完成した。地下2階、地上2階の浮遊感のある外観。突き出たテラスが1階に位置する。テラスからダイニングを見る。ダイニングの床は、ホワイトオーク材を白く塗装してふき取り、白っぽく仕上げた。天井や壁とともに光の陰影が楽しめる。ダイニングからテラスを見る。大きな引き込み窓で全開可能。1階とはいえ、地上3mの高さで開放感があり、道路からの視線も気にならない。光と影のコントラストを意識「床面積が欲しかったので地下2階を掘ることを決断しました」と話すお2人。敷地の高低差を逆手に取り、地下2階、地上2階の4層のボリュームを確保した。建蔽率や容積率、斜線規制などの条件に合わせて、ミリ単位で考えていったという。「階段の高さは、自分たちサイズで決めているので、背の高い人が来ると頭をぶつけます(笑)」(創さん)。「限られた開口をいかに活用するかということも大きなテーマでした」とは綾夏さん。各フロアはまわり階段や部屋の隅に設けた吹き抜けにより、ゆるやかにつながっている。光や空気を通し、人の気配をも感じられる空間となっている。「時間帯によって光の射し方が変わるように設計しています。明るいところと暗いところのコントラストをつけることで、狭いながらも空間に奥行をもたせています」(創さん)。道路から見ると、宙に浮いたように見えるせり出したテラスは1階に位置する。テラスから大きな開口を通して奥のダイニングキッチンへと光が導かれる。ダイニング奥の南西の隅に設けた吹き抜けからは、カーブを描いた天井に沿って、美しい光が拡散される。テラスや吹き抜けから入る光の動きや、交差して生まれる光と影のグラデーションを意識したという。「壁や天井はすべて珪藻土にし、光が優しくまわるようにしました。もとは白っぽい壁ですが、日中や夕方で色味が違って見えるんですよ」(綾夏さん)。1階のダイニングキッチンは16畳ほど。テラスまで一続きでさらに広く感じられる。天井と壁はすべて珪藻土を採用。南西(右側)の隅に設けた吹き抜けは、曲線を描く天井により幻想的な雰囲気。『カール・ハンセン&サン』の丸いダイニングテーブルとYチェアがシンプルな空間を引き立てる。生活感やスケール感の出るテレビは引き戸を閉めて隠して収納。幻想的な空間を盛り上げているのが現代アーティスト・永原トミヒロ氏の絵画で、創さんのお気に入り。青柳邸のインテリアには欠かせない存在。地下2階から地下1階へと続く吹き抜けと本棚。地下1階の高窓から光を取り込んでいる。地下1階のシアタールーム。東側(左)が吹き抜けで、地上に出ている高窓から光が降り注ぐ。壁面の本棚に加え、テレビの裏側も収納になっている。大きなキッチンをあえて造作コンパクトな家の中であえて大きく造作したというのが、5.5mに及ぶ壁付けのキッチン。継ぎ目のない一枚板のステンレスのワークトップが美しい。「狭い家で小さなキッチンではこじんまりしてしまうので、この空間にこの大きさのキッチンをあえてもってくることで、空間の狭さを感じさせないのではないかという狙いです。ギャップを楽しんでいますね」(綾夏さん)。キッチンはまわり階段の上まで続く。キッチン下の収納は、階段途中から取り出すというアイデアだ。「階段にあたる部分にオーブンも収納していますが、腰をかがめることなく使用できて、むしろ便利ですよ(笑)」と綾夏さん。壁一面を使用した5.5mのキッチン。料理好きの綾夏さんが使い勝手を考えて図面を描き、家具屋にオーダー。「『GAGGENAU』の食洗器は絶対に入れたかった」と綾夏さん。コンロはIHを採用し、レンジフードを壁付けにしたためすっきり。コンロ下の収納内にスイッチ等を隠し、表に出さない工夫も。一石二鳥の“兼ねる”アイデア青柳邸では、1か所で2つの用途として利用する“兼ねる”アイデアが随所に採用されている。まず、玄関の扉を開けると、そこは階段の踊り場でもある。地下1階に位置する玄関ホールと地下2階のアトリエへ向かう階段の踊り場と玄関を兼ねているのだ。また、広々とした玄関ホールの奥に見える手洗い場は、扉内にあるトイレの手洗い場であり、玄関の明かり取りの役割も持たせている。ほかにも、2階のバスルームは、屋上へと続く階段を洗い場として使用するなど、至る所にスペースの有効活用が施されている。「冷蔵庫やテレビなどスケール感が出るものは隠し、相対的なバランスで部屋が狭く感じないようにしています。また、窓や吹き抜け、カーブで視線の先に行き止まりをつくらないことも大事ですね。壁になる場合は絵を飾ったり、動きのあるものを置いたりして、流れるように続くことを意識し、奥へと期待が高まるように工夫しています」(創さん)。立地の難点を見事にクリアし、建築家夫妻が生み出した創意工夫により、7.5坪とは感じさせない空間の広がりを実現した。「狭いながらも、家族3人、思い思いに過ごせる場所が作れたことがよかったですね。ひととおりの断捨離を終えたので、住まいながらまた変化を楽しんでいきたいです」(創さん)。地下1階に位置する玄関ホール。キッチンと同様に、コンパクトな家に対してあえて広々とした玄関スペースに。くもりガラスの玄関の扉からやわらかな光が射す。玄関を入ると階段の踊り場に。玄関ホールの奥の扉内は、靴のまま使用できるトイレ。右側の手洗い場は明り取りの役目も。玄関から階段を下りると、綾夏さんが主宰する設計事務所のアトリエへ。コンクリート打ちっぱなしの無機質な空間は、「仕事に集中できます」と綾夏さん。2階の寝室。奥の吹き抜けから光が入る。布団等を入れた収納の上には、古道具屋で出会った“糸巻き機”をディスプレイ。「動きのあるものを置き、空間の流動感を演出しています」と創さん。各階をつなぐまわり階段は、光のまわり込みとカーブによる奥行き感を演出。階段上には無駄なく収納を設置。1階から続く吹き抜けを介して、2階のトイレと左奥の寝室へと光が届く。隣家が迫っているため、窓はくもりガラスを採用。2階トイレの洗面所の鏡は、スライド式で出し入れ自在。開けると、奥の吹き抜けから光が射し込む。FRPを使用したバスルームは階段まで防水になっていて、洗い場として使用可能。階段を上がると屋上へ。屋上では綾夏さんと娘の未詠(みよ)ちゃん(6歳)が野菜を栽培中。植木鉢には、軽量のルーツポーチ(不織布製)を使用。青柳邸設計aoyagi design所在地東京都杉並区構造木造、RC造規模地上2階、地下2階延床面積92.99㎡
2021年09月20日