「強迫性障害」について知りたいことや今話題の「強迫性障害」についての記事をチェック! (13/13)
乳酸菌がストレス性の睡眠障害を改善する効果があるというレポートをご存知でしょうか? これはマウスを用いた研究で明らかになったことで、今後は人間への応用が期待されています。その興味深い内容を見ていきましょう。ストレスは睡眠障害の一因になる実際に、どのような実験が行われたかをご紹介します。まず乳酸菌をエサに混ぜて4週間与え続け、その後、睡眠障害を誘発するストレス負荷を2週間加えます。その状態で、マウスの活動量を測定する、というものでした。乳酸菌を与えずにストレス負荷だけを加えたマウスは寝つきが悪くなり、活動量も低下するのに対し、乳酸菌を与えたマウスは活動量があまり落ちなかったそうです。乳酸菌は「未完の大器」!?さらに遺伝子レベルでも睡眠障害を改善する効果が判明したと言われています。「睡眠障害マーカー遺伝子」と呼ばれる、睡眠障害によって発現が増大する遺伝子があるのですが、乳酸菌を与えたマウスでは、発現が抑えられたと報告されています。この実験で使われた乳酸菌は「SBL88乳酸菌」というものなので、全ての乳酸菌に同じ効果があるかどうかはわかりません。今後は、この乳酸菌を使って人間の睡眠障害改善の研究が行われていく予定だそうです。今後にますます期待!乳酸菌は他にも多くの可能性を秘めている菌のようで、睡眠障害の改善だけでなく、ストレス緩和や病気の予防などにも用いられる日がやってくるかもしれません。これまでは乳酸菌と言えば、「腸内環境を整える」ということに注目が集められていましたが、最近ではそれにとどまらず、生体機能を整える、リラックス効果などを謳った飲料なども出てきています。乳酸菌であれば、ヨーグルトなどで手軽に摂取することができるので、睡眠に悩みをもつ人にとってもこの実験がうまくいけば朗報ですよね。Photo by Jonathan Bliss
2015年02月11日テレビや雑誌などで「睡眠障害」という言葉を目にしたり、聞いたりしたことはないでしょうか?睡眠障害とは、その名称の通り、睡眠に関する何らかの障害のことで、日中に眠たくて仕方がなかったり(過眠症)、眠っているときに無意識に体が活動してしまったり(睡眠時随伴症)、呼吸が止まってしまう(睡眠時無呼吸症候群)などの総称として用いられます。なかでも、眠ることができなったり、睡眠の途中で目をさましてしまったりする「不眠症」は、日本国民の5人に1人がかかっているといわれており、よく知られています。国民病といわれている睡眠障害「不眠症」の4つのタイプ眠ろうと思ってもなかなか寝つくことができない「不眠症」には、大きく分けて「入眠障害」「熟眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」の4タイプに分類することができます。入眠障害不眠症の中で、もっとも多いといわれているのが「入眠障害」です。ベッドや布団などに入ったものの、なかなか寝つくことができない状態が続く症状のことをいい、個人差はありますが、睡眠にはいるまでに30分から1時間近くかかる人もいます。「日常的にストレスを抱えている」「直前までテレビやパソコンなどの光を見ていた」「体内時計が乱れている」などの原因があると考えられています。熟眠障害入眠障害とは対照的に、十分な睡眠時間をとっているにもかかわらず、満足感を得ることができない症状を「熟眠障害」です。睡眠には、体が休眠していながら脳は活発に動いている「レム睡眠」、脳も体の機能も深く休眠している「ノンレム睡眠」の2つの種類があるといわれています。「熟眠障害」は、この「ノンレム睡眠」の量が少なくなってしまうことをいい、長期化すると、体調不良の原因になったり、自動車を運転している時に無意識に寝てしまったりといった、重大な事態に陥ってしまうことも考えられます。中途覚醒心理的理由、環境的理由などが原因で、睡眠の途中で目が覚めてしまう症状のこと。この状態が数日間続くと「一過性不眠」、1~3週間ほど持続すると「短期不眠」、1か月以上継続すると「長期不眠」といいます。とくに「長期不眠」の場合には、喘息、心不全、神経症などの重大な病気が背後に隠れている場合があるので、長期化している場合には、少しでも早く専門医師に相談することをオススメします。早朝覚醒会社や約束ごとで起床しようと目覚ましをセットしていても、いつもその時間よりも早く目覚めてしまう症状。日本人の8%は、この「早朝覚醒」を体験しているといわれています。とくに高齢者に多く見られる症状だと思われていますが、近年では、比較的若い世代においても目立ってきている症状です。日頃の生活で可能な対処法とは?日常生活でできる対処法としては、生活習慣を改めることです。夜更かしや寝坊、昼寝のしすぎを控えて「就寝や起床時間を一定にする」ように心がけたり、体内時計を調整するために「太陽光を積極的に浴びる」ようにつとめたりするだけでも効果的です。その他にもさまざまな日常生活の改善点があるので、簡単に紹介しておきましょう。・睡眠時間にこだわらない・自己流のストレス解消法をみつける・就寝前にはリラックスできる時間をつくる・寝酒を控える・眠りやすい環境づくりを心がける自分で「不眠症かな?」と実感できたら以上のことを実践してみるといいでしょう。ですが「不眠症」の裏には複数の原因が隠れている場合があるので、それぞれの原因に合わせた対処法が必要になってきます。他の睡眠障害でもある「睡眠時無呼吸症候群」「睡眠時随伴症」などが原因で、何らかの不眠症を併発している場合もあります。医師の診断や治療、専門施設での検査や診断が必要になってきます。自分ですべてを解決しようとは考えず、医師の判断を仰ぐようにしてください。参考:厚生労働省e-ヘルスネット
2015年01月08日子供の頃、よく悪夢にうなされたという経験はありませんか?今回は、子供の睡眠障害を紹介したいと思います。子供と大人の睡眠の違い子供の睡眠障害を紹介する前に、まずは子供と大人の睡眠の違いについて簡単に解説したいと思います。子供は生後3カ月ぐらいまでに5時間ぐらいの睡眠をまとめてとるようになりますが、1歳ぐらいまでは夜中に目が覚める時期があります。成長するにつれてレム睡眠(急速眼球運動睡眠/浅い睡眠)が増えていき、だんだんと大人と同じ睡眠へと近づいていきます。子供の睡眠障害は、ほとんどが一時的なもの、または周期的なものなので、その多くは治療の必要がないと言われています。子供の睡眠障害今回、紹介するのは「睡眠時随伴症」という睡眠障害です。これは4~12歳ぐらいの子供に起こりやすい睡眠障害で、無意識のうちに記憶に残らない行動をしてしまうというものです。具体的な行動としては、おそらく誰もが経験したことのある、就寝の際に体や脚がビクッと動いたり、短時間の映像が見えたり、歯ぎしりをしたり、歩き出したり、ということがあげられます。悪夢を見てうなされることもあります。これはレム睡眠時に起こるもので、熱があるときや疲れているときに頻度が高くなると言われています。特に子供は悪夢の内容を細部までよく覚えていて、怖がって眠れなくなることがあるそうです。悪夢の原因はなに?子供が悪夢によくうなされるという場合は、保護者の方にチェックしていただきたい点があります。それは子供が日中に「見ているもの」「体験していること」です。子供は素直で、正直なので、日中に怖いテレビ・映画やストレスを感じるような体験をすると悪夢を見やすくなると言われています。悪夢はかなり頻繁ではない限り、あまり心配をすることはないと考えられていますが、気になる保護者の方は子供の行動を日記につけるなどしてよく注意してみましょう。それでも原因を特定できない場合は病院へ行って、お医者さんに相談することも考慮する必要があります。Photo by Luciano Dinamarco
2014年12月11日元ディズニー・アイドルで歌手のデミ・ロヴァートは摂食障害や双極性障害、自傷癖といった様々な問題を抱えて2010年にリハビリ入りし、その明るく自信あふれるイメージとのギャップから世間を大いに驚かせた。休息期間を終えた後、彼女は以前よりさらに精力的に活動を行い、若者や同じ病気に苦しむ人々のための素晴らしいお手本であり続けている。そんなデミがTwitterにて摂食障害や精神障害についてのよくある誤解を語り、人々を啓蒙する力強いメッセージを発信した。彼女は以下のように語っている。「摂食障害であることが“強さ”を示すわけではないわ。強さとは、長いこと戦ってきた自分の中の怪物を乗り越えられるということよ」。「飢えることはダイエットではないし、吐くことは極端に痩せている人のみがすることではないわ。摂食障害は人を選ばないの。そのほかの精神病も同じ。それらは致死性の病気で、日常的に人の命を奪っている。だから、どうか摂食障害や精神病について語る時の言葉には慎重になって」。「拒食症や過食症は単なる選択の問題だと広く誤解されているわ。人々はよく“とにかく食べればいいじゃないか”“吐くのをやめればいいじゃないか”と言うけれど、その精神障害への無知・無学が精神のケアを後回しにさせている原因よ。この病気の流行はこの国を風靡し、毎日のように悲劇を生んでいるというのに」。壮絶な苦しみを乗り越え現在も病気と闘い続けているデミの言葉には大変な重みがある。実際に心の病気は目に見えない分、体の病気よりも軽視されることも多いだろう。ネガティブなイメージを恐れて公表しないという選択もあっただろうが、デミは自分の問題を共有しメッセージを発信し続けている。デミのように影響力あるセレブが問題に向き合い続けている事実は、世界中の同じ病気に苦しむ人々を勇気づけていることだろう。(text:cinemacafe.net)
2014年11月14日睡眠障害にはさまざまなタイプがあるため、それだけ多種多様な悩みが存在すると言えます。認知症との併発もまさにその1つかもしれません。今回は、認知症と睡眠障害の関係、またその対応について考えてみたいと思います。認知症と睡眠障害の関係認知症と睡眠障害には深い関連性があると言われています。それはデータにも表れていて、じつに認知症患者の約7割が何らかの睡眠障害に悩んでいるというものです。認知症患者の睡眠障害(夜間頻尿や昼夜逆転)は介護をする側の負担を激増させるので、介護破綻につながる可能性があると考えられています。今後、日本は高齢化社会へ突入していき、在宅介護がますます増えていくことが予想されるので、これは他人事ではない深刻な問題と言えるかもしれません。とは言っても、なかなか専門知識のない一般人には睡眠障害の対処法はわからないものです。何か良い方法はないのでしょうか?自宅でできるケア独立行政法人国立長寿医療研究センターは、すぐにできるケアとして次のような項目をあげています。・楽しめる活動やレクリエーションを活用する・つねに規則正しい就寝・起床時刻を保つ・有酸素運動を取り入れる(16時前が理想)・ベッド上で読書やテレビを見るなどの生活をしない・就寝3時間前は、食事・カフェイン摂取・喫煙をやめる・眠れない場合は一度起きて、眠くなってから再度ベッドに入る・温めた牛乳やバナナなどの軽食を摂る・日中は、なるべく日光を浴びるようにする・昼寝を制限する(寝すぎない)どれもやろうと思えば、すぐにできそうなものばかりですよね。カフェインの効果的な使い方上記の項目にあるカフェインは摂取の方法によっては、昼寝後の覚醒レベルを高めるなどの効果があります。具体的には、お茶やコーヒーなどカフェインの入ったものを飲むと30分後ぐらいを目安にカフェインの血中濃度が上がるため、覚醒しやすくなるのだそうです。つまり、夜眠る前にカフェイン入りの飲料を摂取してしまうと目が覚めてしまって逆効果ですが、昼寝などパッと短時間寝て、パッと起きるようなときには効果的に活用できる、ということですね。まずは、いろいろと上の項目を試してみて、自分に合った方法を探ってみるというのがよいかもしれません。ただし、それでも改善されない場合は、お医者さんに相談するようにしましょう。Photo by vic xia
2014年11月13日睡眠障害と一言でいっても、その症状や悩みはさまざまです。今回は、症状ごとにどのような病気の可能性が考えられるのかチェックリストをつくってみました。ぜひ、まずはご自身で確認してみてください!眠気に悩まされる症状とは?日中の眠気に悩まされているなど、「もしかしたら自分は睡眠障害かもしれない!?」とお悩みの方はいませんか。心配な方のために、今回は簡単にできるチェックリストを用意しました。ぜひ一度、ご自身でチェックしてみてください!(1)いつも日中に眠くなる睡眠不足症候群の可能性があります。適正睡眠時間は人それぞれですが、まずは睡眠時間を少し増やしてみましょう。それでも改善が見られない場合は、クリニックで適正時間を調べることもできます。このほかにも、睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害、ナルコレプシーなどの可能性も考えられます。心配な方はすぐに病院で先生に診てもらうようにしましょう。寝つけない人は要注意!(2)夜になかなか寝つくことができない不眠症の可能性があります。これは睡眠障害の代表的な疾患で、眠ろうと思えば思うほど、眠れなくなったり、朝早く目覚めてしまうなどの症状があります。この場合は、ご自身の睡眠日誌をつけてみましょう。何時に寝て、何時に起きたのか、といった自分の睡眠パターンをまずは知ることから改善策を考えることが有効です。睡眠日誌をつけても改善がみられない場合は、日誌(貴重なデータになります)を持参してお医者さんに相談してみましょう。寝ているのに大声をだす?(3)就寝中に大声で叫ぶ、身体が動くレム睡眠行動障害の可能性があります。これは高齢の男性に多いと言われています。レム睡眠時は通常、身体から力が抜けてリラックスしているものですが、何かのきっかけで筋肉に力が入ってしまうようになり、夢と同じ内容の動きをしたり、声を発してしまうという症状がみられます。検査では、睡眠ポリグラフというものを行い、センサーを使って筋肉の動きを確認します。病院に1泊することが必要です。こちらも飲酒をすると症状が出やすくなるので、就寝前のアルコールは控えるようにしましょう。Photo by bryce_andrew
2014年11月01日オムロン ヘルスケアは8月18日、神経障害の診断機器、治療用機器の開発を行う米ニューロメトリックス(NM)と、日本市場におけるNM製「神経伝導検査装置DPNチェック」の独占販売契約を締結。同契約に基づき、8月25日より、「糖尿病性末梢神経障害(DPN)」のスクリーニング検査が可能な「神経伝導検査装置DPNチェック HDN-1000」の発売を開始すると発表した。国内の糖尿病患者は、その可能性が強く疑われる人も含めると約950万人おり、さらにその予備軍が1100万人いると言われている。糖尿病の3大合併症は網膜症・腎症・神経障害といわれているが、中でも初期から進行する神経障害は、糖尿病患者の4割が発症することがわかっており、そのうち、両手両足の末端の神経より障害が進行する糖尿病性末梢神経障害(DPN)は、自覚症状を伴わない場合も多く、足の潰瘍や壊疽など重篤な事態にもつながることが懸念されている。DPNの検査法としては、アキレス腱反射やタッチテストなどの簡便な方法があるが、いずれも客観性に欠けることが課題で、より詳細な検査であり、有効な筋電計などを用いた神経伝導検査もあるが、検査装置が高価であるほか、正確な検査には熟練の技術も必要であることから、神経伝導検査を行える施設は限定的であり、糖尿病治療の現場での制限となっていた。同製品は、末梢の感覚神経の1つである腓腹神経に電気刺激を与え、神経に興奮が伝わる速度(神経伝導速度)と大きさ(活動電位振幅)を測定し、DPNの程度を簡便に検査する検査装置で、くるぶしの付近に本体を当てて、操作ボタンを押し、10~15秒待つことで、測定結果を知ることができるようになっている。また、本体とパソコンをUSBケーブルで接続し、付属の「コミュニケーターソフトウェア」を使うことで、より詳細な検査結果を見ることも可能だ。なお、同製品の販売は、医療機器販売会社であるオムロン コーリンが担当し、メーカー希望小売価格は68万8000円(税別)、初年度で350台の販売を目指すとしている。
2014年08月18日「更年期障害」とは生理が終わる40代後半~50代くらいの女性にみられる「だるさ」、「のぼせ」「ほてり」「多汗」「手足の冷え」「腰痛」「肩こり」などの症状のこと。20代、30代のうちは、まだまだ関係ないと思っていませんか?最近、20代、30代の更年期より若い年代でも、「更年期障害」のような症状が起こることがあり、「若年性更年期障害」と呼ばれています。そのような不調を訴える女性が増えてきているというから、気をつけたいものですね。女性の身体の仕組みを考え、高齢期の諸症状をはじめ、女性ホルモンと自律神経のアンバランスから起こる、さまざまな体の不調を改善する「命の母 A」は、今年、発売開始111周年を迎えるのだとか。111周年ですから、発売開始は何と明治36年。その時代から、大正~昭和~平成と、女性をとりまく環境は大きく変わってきています。明治から大正にかけての女性は、大家族のなかで家事労働に明け暮れ、過酷な生活を送っていたといわれます。体の弱い母親のために笹岡省三が「病に悩む女性を助けたい」という想いで研究を重ね、完成させたのが「命の母」。その後、戦時体制下には「子宝薬」として女性たちの話題となり、高度成長期には女性の体に必要なビタミンを配合した「命の母 A」が誕生、女性の社会進出にともない、仕事に家庭に忙しく活動し始めた女性の薬として受け入れられたそう。そして平成の今、「命の母 A」は更年期障害を治すお薬としてリニューアル。女性の活躍の場がますます広がり、複雑で多忙な環境で心身の不調を訴える女性も増えています。そんな女性に贈られるのが新生「命の母 A」。明治から111年の歳月を経ても、創業者笹岡省三の女性を想う心は受け継がれているのですね。現在、命の母111周年を記念して、「しあわせ笑顔」をテーマに、母と娘の素敵な笑顔のお写真と一言コメントを募集中(受付は8月31日まで。応募は こちら から)。 応募した人の中から111人には豪華プレゼントもあるから、ぜひ応募しては?大賞2名には母娘の旅行にも使えるJTB旅行券20万円分が、入賞8人には同旅行券10万円分が、そして命の母 A賞101人には111点から選べるギフトカタログがプレゼントされます。大人になると、母親と写真を撮る機会もなかなかないもの。これをきっかけに久しぶりにふたりで写真を撮ってみては? JTB旅行券がゲットできたら、ふたりで旅行するのもいいですね。いい親孝行になりそうです。・命の母 A 公式サイト コンテストへの応募は こちら から
2014年07月14日九州大学(九大)は2月19日、「神経障害性疼痛」の慢性化に「二次リンパ組織」である脾臓における免疫細胞の1種「樹状細胞」のリソソーム酵素「カテプシンS」の働きによる抗原特異的なリンパ球の1種である「CD4+T細胞」の活性化が重要であることをマウスによる研究で明らかにし、活性化したCD4+T細胞は「脊髄後角」へ浸潤し、「インターフェロン-γ(IFN-γ)」を産生分泌することで「ミクログリア」の活性化をさらに深化させることが疼痛の慢性状態への移行に極めて重要であることを突き止めたと発表した。成果は、九大大学院 歯学研究院の中西博教授らの研究チームによるもの。研究は科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)の一環として行われ、詳細な内容は米国東部時間2月19日付けで米神経科学会誌「Journal of Neuroscience」に掲載された。神経系における損傷または機能障害によって持続的な痛みが発生する神経障害性疼痛は、モルヒネも奏効しない難治性疼痛として知られている。近年、神経障害性疼痛の慢性化において、リンパ球の1種であるT細胞が関与することが示唆されていた。しかし、その詳細なメカニズムについては不明な点が多く残っている。「単核食細胞」に特異的に発現するリソソーム性システインプロテアーゼの1種カテプシンSは「抗原提示細胞」の1種である樹状細胞において、抗原提示を行う「MHCクラスII分子」に結合している「インバリアント鎖」(MHCクラスII分子が抗原以外のペプチドとの結合するのを防ぐために結合したペプチド)の最終段階の分解に関与し、抗原提示機能の発現に重要な役割を担っている。なお抗原提示細胞とは、抗原をT細胞に提示することで、T細胞を活性化させる役割を持つ。またMHCクラスII分子とは、抗原提示細胞の「エンドソーム」(細胞小器官の1種で、細胞内に存在する細胞外物質を取り込む小胞)内に存在するタンパク分子で、抗原を結合すると細胞膜表面に移行しCD4+T細胞に抗原を提示することで活性化させる働きを持つ。中西教授らの研究チームは、これまでカテプシンS欠損あるいは脳移行性のないカテプシンS特異的阻害剤「Z-Phe-Leu-COCHO(Z-FL)」が、神経障害性疼痛の発症にはほとんど影響することなく慢性化を有意に抑制することを見出していた。そこで研究チームは今回、カテプシンSが二次リンパ組織(リンパ球の抗原提示による活性化に関与する脾臓やリンパ節などの組織)での抗原提示によるT細胞の活性化に関与し、神経障害性疼痛の維持・慢性化において重要な役割を担っている可能性を検討することにしたのである。神経障害性疼痛モデルマウスは、脊髄神経を腰神経レベルで切断することで作成された。野性型マウス(DBA/2系統)では神経障害に伴い、二次リンパ組織である脾臓の肥大化が認められ、T細胞などが産生分泌するサイトカインの1種であるIFN-γを発現したCD4+T細胞(Th1細胞)の増大が確認された。また、脾臓に分布する樹状細胞においてカテプシンSが増大することも明らかとなったのである。一方、カテプシンS欠損マウス(DBA/2系統)ではこれらの変化やインバリアント鎖の最終段階の分解は生じず、神経障害性疼痛の維持・慢性期における疼痛の有意な緩和が認められた(画像1)。また、野生型マウスにおける脾臓摘出によっても神経障害性疼痛の維持・慢性化が有意に抑制されることが確かめられたのである。画像1のグラフでは、カテプシンS欠損マウスにおける神経障害性疼痛の有意な緩和が確認可能だ。グラフの見方は、PWT(g)は機械刺激に対する疼痛閾値で、「+/+」は野生型マウス、「CatS-/-」はカテプシンS欠損マウス。ipsiは神経障害側後肢への機械的刺激を表す。そして、contraは反対側後肢への機械的刺激だ。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001は野生型マウスの疼痛しきい値との比較である。そこで次に神経障害性疼痛を発症した野性型マウスの脾臓よりCD4+T細胞を単離し、神経障害5日目のカテプシンS欠損マウスあるいは脾臓を摘出した野生型マウスに腹腔内投与が行われた。その結果、投与直後から3日間に渡ってこれらのマウスにおいて疼痛の有意な増強が認められたのである。さらに免疫組織化学的解析の結果、IFN-γを発現したT細胞の神経障害側の脊髄後角(末梢知覚神経から送られてくる痛覚情報を上位中枢へ中継する脊髄の部位)への浸潤が確認された(画像2)。これは末梢神経障害に伴って「血液脊髄関門」(血液から脊髄への物質の移行を制限する機構)の透過性が一過性に増大するという報告と一致するという。(画像2)さらに、脊髄後角に浸潤したTh1細胞がIFN-γの産生分泌により脊髄ミクログリア(脳脊髄に存在し免疫機能を担う中枢神経中のグリア細胞の1種)を刺激し、ミクログリアの活性化をさらに深化させている可能性が検討された。IFN-γ受容体の下流シグナルである「STAT1」のリン酸化が調べられたところ、リン酸化STAT1はミクログリアの核に局在することが認められ、転写因子としての活性化が確認されたのである(画像3)。なおSTAT1とは、IFN-γ受容体の活性化によりリン酸化され、核内に移行して転写因子として働くタンパク分子のことだ。以上の結果より、二次リンパ組織である脾臓における樹状細胞のカテプシンSの働きにより、抗原特異的に活性化したTh1細胞の脊髄後角への浸潤、ならびにIFN-γ を介した脊髄後角ミクログリアの活性化のさらなる深化が、疼痛の慢性状態への移行に極めて重要であることが明らかとなった(画像4)。今回の成果により、神経障害により脾臓などの二次リンパ組織の樹状細胞におけるカテプシンSに依存したIFN-γ陽性CD4+T細胞(Th1細胞)の活性化が引き起こされ、活性化したTh1細胞の脊髄後角への浸潤によりIFN-γを介した脊髄後角ミクログリアの活性化状態のさらなる深化が引き起こされることが明らかになった。このことからカテプシンSの二次リンパ組織での働きが神経障害に伴う疼痛の慢性状態への移行に極めて重要であることが示唆されるという。また今回の研究により、カテプシンSが神経障害性疼痛に対する治療薬開発における新たな標的分子となることが提示された形だ。一方で、神経障害に伴う二次リンパ組織における免疫応答にはマウス系統間での差異が認められ、C57BL/6系統マウスでは神経障害に伴うTh1細胞の活性化が認められていない。このように末梢神経障害に伴って脾臓のような二次リンパ組織において分化した成熟T細胞は末梢血中に移出し、脊髄を含む体組織に浸潤すると考えられる。そこで今後は、神経障害性疼痛を発症した患者の末梢血におけるT細胞サブセットの詳細な解析を行うと共に、カテプシンS特異的阻害剤ならびに免疫抑制剤の神経障害性疼痛に対する治療薬としての有効性について検討を行う予定とした。
2014年02月20日4月25日、都内にて、ヤンセンファーマ株式会社によるメディアセミナーが開催された。セミナーテーマは、「AD/HD(注意欠陥/多動性障害)とResilience(レジリエンス)」である。AD/HDとは、日常生活に支障をきたす原因となる認知機能障害、また、そうした認知機能障害と関連する不注意・多動性・衝動性といった中核症状を特徴とする生物心理社会的疾患のことだ。昨今、日本でもAD/HDに対する理解が進んでいるものの、いまだ適切な治療をうけることができていない人が多数いるといわれている。同セミナーは、さらに多くの人にこの病気についての正しい理解を得てもらうことで、そうした状況を改善することを目的として開催されている。また、Resilience(レジリエンス)とは、「強いストレスからしなやかに回復する力」という意味だ。これは、トラウマなどのPTSD(心的外傷後ストレス障害)を乗り越えた人々の行動特性から導き出された概念で、昨今、心理学会や小児学会からも注目を集めている。今回のセミナー講師は、ジョージメイソン大学心理学客員教授、ユタ大学医学部臨床学准教授を務めるサム・ゴールドスタイン博士。AD/HDの世界的権威である心理学者である。博士は、どうすればResilienceを高めることができるのかという疑問について、解説にあたった。Resilienceを高めるためにはまず、親や教師が、AD/HDを持つ子どもへの理解を深めることが不可欠だという。AD/HDの子どもが、ほかの子どもと比べて長時間落ち着いてひとつのことをやり遂げることが困難であることを十分に理解した上で、「その子が興味をもてる話題を選び、会話に飽きさせない」などの工夫をしながら、子どもと上手に向き合っていくことが必要だと説明した。とはいえ、Resilienceを数週間~数か月で身につけることは難しい。そのため、患者本人よりも、それを身につけるための手助けをする立場にある親や教師のほうが、忍耐力を強いられることが多いそうだ。このストレスを克服するためには、「患者と接するにあたって、水泳学習のマインドセットを応用することが有効」と解説した。例えば、“ 同世代の子どもが瞬時に習得することなのに、なぜ同じことができないのか?”と考えてしまうと、子どもに対していら立ちを覚えやすい。しかし、人によって習得スピードにばらつきがある水泳学習のようなものだととらえれば、習得に時間がかかることにストレスを感じづらくなるという。さらに博士は、AD/HDの改善には、薬物療法が大変有効であると説明。その立証ともなる実験結果について話した。実験は、AD/HDを持つひとりの子どもとほかの子どもたちを一緒に教室で授業を受けさせ、同世代の子どもにどの子がAD/HDかを当ててもらい、さらにその後、AD/HDを持つ子どもに薬を投与し、回答者を入れ替えた上で、同様にどの子がAD/HDかを見極めさせるというもの。結果は、薬を投与する前後で、正答率が100%から30%に減退した。今回のセミナーのために初めて来日したという博士は、AD/HDのさらなる支援実現のために、日本にも正しい知識を広めたいとの考えだ。質疑応答の時間になると、「AD/HDを持つ子どもは、同じような症状を持つ子どもたちが通う学校に通わせたほうがいいのか?」という質問が挙がった。それに対して博士は、「そうした学校に通わせることが間違っているとはいわないが、子どもにとっては、大人に成長する前に実生活での生活を学ぶ機会を失うことにもなる」と指摘する。親が「かかわる人を限定しなければならない」という意識を持たないためにも、AD/HDを早期に発見して、正しい医師の診断を受けながら、長期的視野で子どもとかかわっていくことの大切さを訴えた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月03日これまで、女性だけの症状と思われていた「更年期障害」。実は男性にもあるってご存じでしたか?更年期障害とは、加齢によりホルモンバランスが崩れることで、さまざまな不調が現れること。体だけでなく、心にも影響を与えます。閉経を迎える40代~50代の女性特有のものと考えられていましたが、近年、男性にも更年期障害が起こることがわかってきました。しかも中には、30代で更年期障害の症状を示す男性も!詳しい説明を、私のクリニック目白の平田雅子院長にお聞きしました。(以下、平田雅子先生)女性の更年期障害の場合、閉経前後に卵巣の機能が低下し女性ホルモンの分泌量が減少することで起こります。それと同じく男性の場合も、加齢による男性ホルモンの分泌が低下が原因と考えられています。まず、男性の場合、脳の視床下部から出されるホルモンの刺激で、性腺刺激ホルモンが分泌されます。性腺刺激ホルモンが分泌されると、男性ホルモンである「テストステロン」が睾丸(こうがん)から分泌されるのですが、テストステロンは、45歳くらいから緩やかに減少していきます。ですから、一般的に男性に更年期障害の症状が見られるのは、40代半ばからといえますが、若くても無縁ではないのです。それは、ストレスなどが原因で、30代でもテストステロンの分泌が減少してしまい、更年期障害の症状が現れる場合があるんです。症状は人それぞれで多岐にわたりますが、代表的なものはこちら。・ほてり、のぼせ・手足の冷え・頭痛・めまい、耳鳴り・肩こり・筋肉痛・便秘・腹痛・頻尿or残尿感・動悸(どうき)・不眠・倦怠(けんたい)感・不安・性欲低下・勃起(ぼっき)不全このように、身体面、精神面の両方にさまざまな症状があるにも関わらず、男性には女性の閉経のような分かりやすい変化がない上に、どれもすぐに病気につながるような症状でないため、見過ごされがち。また男性の場合も、更年期障害による身体的な変化により精神的に落ち込み、うつ状態になることが多いんです。もし症状に心当たりがあるのなら、男性の更年期障害について扱っている病院を受診してみましょう。(ビューティ&ダイエット編集部)
2012年03月18日