TVデビュー40周年を迎える渡辺謙に迫るドキュメンタリーシリーズ「役者道~渡辺謙があなたに語る仕事と人生~」が、WOWOWで放送&配信されることが決定した。1983年に「未知なる反乱」でTVデビューし、1987年に大河ドラマ「独眼竜政宗」で主演を務め人気を博した渡辺さん。映画『ラスト サムライ』では、第76回アカデミー賞助演男優賞、第61回ゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされるなど、世界でも活躍する日本を代表する俳優。40周年という節目に贈る本作は、渡辺さんのモノローグ(ひとり語り)で、これまでの人生やキャリアを徹底的に語り尽くす、全4回構成のドキュメンタリー番組。人生を変えた役者との出会いや、クリント・イーストウッド監督にみた仕事の流儀、度肝を抜かれたクリストファー・ノーラン監督との撮影現場、人生最大の挑戦となったブロードウェイ。常に第一線を走り続け、世界で活躍する俳優ならではの魅力的なエピソードからは、エンターテインメントの奥深さや存在意義を感じることができる。さらには、生きていく上で大切にしていること、現在の地位を確立するに至った行動術や思考法の一端を垣間見ることもでき、多くの人々にとって人生の指針となるような言葉が数多く語られる。また、番組中には初公開となる写真がいくつも登場するのも見どころのひとつだ。放送に先立ち、渡辺さんは「僕らは作品あっての俳優なので、この番組をご覧いただいた後にまた作品を観ていただくと、あの作品ではこんな風に思っていたのか、そんなアプローチで役に向き合っていたのかといったことを感じていただけると思います。そうすることで、もう一段深い視点で作品を観ていただけるのではないでしょうか」と語りかける。そして、「結局向こう見ずな俳優人生だったような気がします。これから世に出ていく若い俳優さんは、チャンスがあれば恐れずにどんどん飛び込んでいってほしいし、目や心を見開いてほしい。そして、ハリウッドだけにこだわらず、アジアやヨーロッパでチャンスを掴んで、僕の背中を踏みつぶして前へ前へと進んでほしいと思います」と若き俳優たちへエールも送っている。「役者道~渡辺謙があなたに語る仕事と人生~」は2月、WOWOWにて放送・配信予定(全4回)。(cinemacafe.net)
2022年12月14日俳優の田中圭が「女子高生に殺されたい」と不穏な台詞を口にする展開が注目されている、映画『女子高生に殺されたい』(公開中)。漫画家・古屋兎丸氏による同名コミックを実写化した同作は、女子高生に殺されたいがために高校教師になった男・東山春人(田中)の9年間に及ぶ、前代未聞の “自分”殺害計画を描く。今回は、主人公の春人を演じた田中と、春人の計画に巻き込まれる女子高生・佐々木真帆を演じた南沙良にインタビュー。「伸び代しかない」南たちを教師役の立場から見ていた田中は、若い役者たちの姿から刺激を受けていたという。○■演技を見て「すごいじゃん」――今回の共演でお互いの印象はいかがでしたか?南:私は幼い頃から田中さんのことをテレビで拝見していたので、明るくて無邪気でかわいらしいイメージが強かったんですけど、実際お会いしてお話ししてみてその印象は変わらなかったです。優しい方ですし、無邪気でかわいらしいです(笑)田中:本当に!? 現場で無邪気さ出してなかったよ! 隠していたはずなのに、恥ずかしいな(笑)。他のキャストがすごく若かったというのもあるし、コロナ禍で本当にお話ができなかったから。スタンバイ中や楽屋でもみんなソーシャルディスタンスをとっていて、本を読んでる人もいれば、休んでる子もいるし、コミュニケーションが取りにくくて。南:そうでしたね。田中:僕からの印象は、とにかく静かで「絶対、人見知りだ」というところからの初対面でした。僕はコロナ禍じゃなければガンガンしゃべりかけるタイプですが、世代の差もあったし今回はあまりしゃべりかけられなくて「一緒にお仕事をしていて申し訳ない」くらいに思っていました(笑)。でも、お芝居に対しての取り組み方は本当にかっこいい。難しい役だったので、現場で沙良ちゃんのお芝居を見た時にプロデューサーと一緒に「すごいじゃん」という話をしていました。素敵な女優さんで、今後が楽しみだな、と。――南さんはどんどん色々な作品にも出られていますが、その勢いも感じましたか?田中:感じました。ちょうど撮影の時にも賞を獲られていて。南:嬉しいです。褒めていただけて恥ずかしいですけど……光栄です。難しい役なので自分でもどうやってお芝居をしたらいいのか掴むのが大変でしたが、田中さんがすごく狂気に満ちていたので、私も感情を引き出されて、感謝しています。――今回演じられたキャラクターには強さを感じる一面もありましたが、お二人が自分で「ここは強い」と思うのはどのようなところでしょうか?南:人見知りがすごい強くて……。2人:(笑)南:いつも、人と打ち解けるのに時間がかかります。田中:別に人見知りでもいいじゃないか、とも思うよ。打ちとければ、しゃべるんでしょう?南:なんとなくは。田中:なんとなくでいいんですよ。南:でも、夜は強いです。あまり眠くならなくて、いつまででも起きていられるので、遅い撮影とかも大丈夫です。田中:僕は……何ですかね? 基本的に強い!2人:(笑)田中:いや、わからないな……たとえばメンタル面で色々と気にしないという強さはあると思うのですが、もちろん羞恥心も持っているし。実は誰が強くて誰が弱いのか、見た通りではないこともある。ただ、僕も夜は強いです。なんなら撮影が終わるワンシーン前とかが1番元気です。終わりが見えてきたらすごい元気になります(笑)○■高校生の時は「推しを…」「ちょっと不真面目」――ちなみに、タイトルにもなっている「女子高生」時代はどのように過ごされていましたか?南:私は、常に“推し”をおっかけて生活していました(笑)。女子高生時代に限らず、小さい時から今も変わりません。中学生の時に初めてコミケに行って、そこから毎年行っています。――アニメなどがお好きなんですよね。“推し”は誰なんですか?南:ヒプマイ(ヒプノシスマイク)の白膠木簓と、B-PROJECTの阿修悠太が大好きで、かわいいし存在だけで元気をもらって「私も頑張ろう」という気持ちになれます。――田中さんの高校時代はいかがでしたか?田中:僕が高校の時は勉強もドロップアウトしていたし、バイトしながら仕事のオーディションに行って、彼女と過ごして、青春をしているようなしていないような日々でした。――その時からの夢を今叶えているということでしょうか?田中:夢と言えるほどの夢でもなかったかもしれません。ここまでずっとこのお仕事をするようになっていくなんてまったく思っていなかったし、すごく普通の高校生でした。でも、普通の人よりは、ちょっと不真面目だったかな(笑)。楽しかったし、今回も僕は沙良ちゃんをはじめとした若いキャストの姿を見て、毎日「いいな」と思っていました。伸び代しかないじゃないですか。これからいくらでも作れるし、壊せる。ある程度年齢を重ねると、自分が積み上げたものを一度壊すのも大変なんです。今回キラキラしている皆さんとお仕事できて、役者云々ではなく刺激をもらっていました。――ありがとうございます。改めて、今作での見どころも教えてください。南:もともと原作を読ませていただいていたので、私自身完成した作品を見るのが楽しみでした。先の読めない展開で、色々なところから色々なものが飛んでくると思うので、楽しんでもらえたらなと思います。田中:変わった願望を持っている春人が9年間を使って練った「自分殺害計画」が、緻密な脚本になり、先の読めない展開の面白さになっています。加えて映像もすごくかっこいいので、その2つはぜひ見てください。あとはぜひ複数回見て、2回目は僕のセリフに注目してみると、実は笑えるところもあると思います。■田中圭1984年7月10日生まれ、東京都出身。ドラマ『WATER BOYS』(03年)で注目を集め多数の映画、ドラマに出演。2018年の主演ドラマ『おっさんずラブ』で大ブレイク。主な出演作にドラマ&映画『図書館戦争』シリーズ(13、15年)、『相棒シリーズ X DAY』(13年)、『スマホを落としただけなのに』(18年)、『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』(19年)、『mellow』(20年)、『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(21年)、『総理の夫』(21年)、『そして、バトンは渡された』(21年)、『あなたの番です 劇場版』(21年)などがある。■南沙良2002年6月11日生まれ、東京都出身。映画『幼な子われらに生まれ』(17年)で女優デビュー。初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18年)で、報知映画賞、ブルーリボン賞他、数々の映画賞を受賞し、その演技力が高く評価される。その他、映画『居眠り磐音』(19年)、『もみの家』(20年)、ドラマ『うつ病九段』(20年)、『六畳間のピアノマン』『ドラゴン桜』(21年)、映画『太陽は動かない』(21年)、Netflix映画『彼女』(21年)など、出演作多数。2022年は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』や、ZIP!朝ドラマ『サヨウナラのその前に Fantastic 31 Days』などに出演。映画『この子は邪悪』(22年)では主演を務める。
2022年04月06日かつての栄光を失ったボロ劇団を立て直すため舞台公演を成功させていく、大人気イケメン役者育成ゲーム『A3!(エースリー)』の舞台版MANKAI STAGE『A3!』シリーズ(以下、『エーステ』)。2018年から現在まで上演された6作品はすべての公演が即日ソールドアウトとなるほど人気の舞台だ。そんな『エーステ』の実写映画『MANKAI MOVIE「A3!」~AUTUMN & WINTER~』が2022年3月4日から全国公開!「春組」「夏組」の物語を描いた『MANKAI MOVIE「A3!」~SPRING & SUMMER~』(2021年12月公開)に続き、本作では「秋組」「冬組」の物語が描かれる。映画の公開に先駆け、「秋組」のリーダー・摂津万里役の水江建太と「冬組」のリーダー・月岡 紬役の荒牧慶彦にインタビュー。本作の話はもちろん、それぞれの組のキャスト紹介、演じる役の魅力、さらにはお互いに役者として尊敬していること、舞台・芝居の楽しさなど盛りだくさんの内容をお届けします!水江「秋組はキャラと役者が重なります」、荒牧「冬組は寂しんぼとしっかり者と変人です(笑)」──はじめに、水江さんは秋組・荒牧さんは冬組、それぞれのキャスト陣について一言ずつ紹介をお願いします!水江建太(以下、水江)秋組はそれぞれのキャラクターと役者が重なるところが多いなと思っています。まず(藤田)玲さんは僕らの背中を押してくれたり支えてくれたりするので、そういうところは(古市)左京と似ています。(赤澤)遼太郎も(七尾)太一と同じように裏表がなく、芝居や役に真っすぐ向き合っている。みんなの芝居を真剣に見ているところとかすごく太一と重なります。(稲垣)成弥さんは嫌な空気や暗い空気を全部笑いに変えてくれる温かさを持っているところは、まさに(伏見)臣っぽいですし。でも(中村)太郎は、(兵頭)十座のような堅物さがないから少し違うかもしれません(笑)。とはいえ、みんなを柔らかくしてくれるという意味では似ていますしすごく良いやつだと思います。荒牧慶彦(以下、荒牧)堪ちゃん(上田堪大)は寂しんぼですね(笑)。4人はいつも一緒にいるのに、なぜか堪ちゃんだけいないタイミングが多くて。4人で盛り上がっていると「何の話?」と入ってくるので、また同じ話をしないといけないんですよ(笑)。水江ハハハ!その様子が思い浮かぶ(笑)。荒牧(田中)涼星は一番しっかりしていますね。人と人との関係性を見て、調整役に回っていて。しっかりしたすごく良い後輩だなと思っています。植ちゃん(植田圭輔)も周りをよく見ていてしっかり者かもしれません。お兄ちゃんって感じです。(北園)涼はストイックで芝居もダンスもちゃんと向き合っていてまともに見えますが、発言は一番変わっているかも(笑)。「なんで今そんなこと言うの?」みたいな突拍子もないことを急に言い出すんですよ。クセのある役者だなと思います(笑)。──ご自身についてはいかがですか?水江僕はどうだろう……(笑)、秋組の中ではすごく支えられているポジションですかね。僕は自分のことで精いっぱいになっちゃうことがよくあるから、本当に全員に支えられていると感じています。ただそこに甘えてばかりはいけないから、誰よりも一生懸命やる姿は見せないとって思っていますね。荒牧冬組のみんなは大人だから任せている部分が多いですね。僕は大人たちの中間管理職的な感じで(笑)。副部長のような調整役に回れればと立ち回っています。「発声の仕方から全く違う」舞台と映像で異なる芝居の戦い方──『エーステ』が映画化すると決まった時の率直な心境はいかがでしたか?荒牧驚きましたし、舞台のキャストのまま映画化されることに「すごいな!」と思いました。舞台役者が映画に出演することはあっても、舞台がそのまま映画化されることってなかなかないですからね。そして、舞台を見たことのない方が映画を見て、原作のゲームも含めて『A3!』という作品を好きになってくれたら、すごく嬉しいなと思います。水江僕も映画化すると聞いた時は、「『A3!』、『エーステ』すごいな……!」と思いました。また、僕自身は映画に挑戦するのが初めてだったので、この機会を『エーステ』につくってもらえたことがすごく光栄だなと。頑張ろうと思いました。──どんな心構えで映画の撮影に臨んだのでしょうか?荒牧一度演じたことのあるお話だったので、演じる上での心構えは舞台の時にすでにつくられていて。ただ『エーステ』も物語が進んできている中、改めて原点であるお話を演じられるのはすごくありがたいなと思いましたね。水江僕はリベンジできるチャンスをまたもらえたって思ったんですよ。というのも、映画化が決まる前から2019年の最初の公演に対して悔しい気持ちがすごくあった。全体的な芝居に対してはもちろん、特に劇中劇に対して「もっとできたんじゃないの?」って。映画化というありがたい機会をいただけたからこそ、同じことを繰り返すのではなく、今の自分だからできること、映像作品だからできることを考えて演じようと。そんな心構えを持っていました。──舞台と映像では演じ方も変わってくるんですか?水江かなり違うと思っています。映画では撮り直しができるから、お芝居の勝負の仕方としては舞台の方が難しいかもしれません。荒牧映画の難しさは感情の準備ですね。舞台は最初から積み上げていけばクライマックスにいきますけど、映画ではいきなりクライマックスから撮影することもあります。台本を読んで「こんな感じかな?」と準備はするものの、最初にクライマックスの撮影、最後の方に最初のシーンの撮影となった時、「この始まり方ならこの感情で終わるべきだったな……」となることもある。それはすごく難しいですね。──なるほど……!水江映像と舞台では発声の仕方から違いますしね。荒牧うん、うん。映画のお芝居は普通に話している時の発声の仕方と同じですが、舞台のお芝居はお腹から声を出すような発声の仕方なんです。水江同じシーンを何回も違う角度から撮影するという違いもあります。舞台は1回勝負なので。あと、映画だと舞台上では見えないような表情の芝居がハッキリ見えますからね。荒牧だから、映画は視線やまばたきなど目の動き一つひとつで意味が変わってくることもあって。あまり計算することはないけど、アップで映る時はなんとなく意識します。水江そういう細かい芝居を見てもらえるのは映画の良さかなと思います。荒牧たしかに。まず舞台って観客のみなさんの想像力にお任せしている部分があるんですよ。同じ空間の中で、外にいるように見せたり劇場にいるように見せたりする。それはそれで自分自身で世界観を確立して楽しめる魅力があります。一方、映画は想像力に任せていた情報を補完してくれます。役者の細かいお芝居を見られるという点でもそうですし、編集や音楽などさまざまな効果が入るので、より繊細に作品の世界観に入り込めます。お芝居をする上では、舞台も映画もどちらも魅力があると感じています。MAIKAIカンパニーのセットに感動!──『MANKAI MOVIE「A3!」』で印象に残っているシーンはありますか?荒牧(高遠)丞と紬がお互いの気持ちを吐露し合うシーンは舞台の時からずっと好きで、映画の撮影時もすごく印象に残っています。水江僕は太一のポートレイトのシーン。舞台の稽古中にとっても心動かされた印象に残っているシーンだったので、その感覚をカメラの前ですごく思い出しました。──お二人とも舞台でお好きなシーンが印象に残っているんですね。水江・荒牧そうですね!──撮影中の印象的だったエピソードはありますか?水江舞台では体験できないことなので、ロケの撮影がすごく印象的で。エキストラさんがいてすごく新鮮でした。僕はクランクインからロケ撮影だったんですよ。この姿で外の世界にどうやって馴染むのだろうと考えていたのですが、すごくキレイに映像を撮っていただいたこともあり、できあがった映像を見て「現実世界にちゃんと馴染んでいる!」と思いました。見てくださる人たちにも楽しみにしていただけたらなと思っているところです。荒牧僕はMANKAIカンパニーのセットがちゃんと組み上がっていたことですかね!水江本当にそう!荒牧ゲームアプリ上や自分たちの想像の中にあった情報が実物になって現れたことで、より想像力が膨らみました。「こんな感じなんだ!」って。MANKAI寮なんかは立派な建物だったよね?水江立派でしたね。撮影前からセットがすごいという噂を耳にしていたので、すごく楽しみにしていたのですが、本当に豪華で!MANKAIカンパニーのみんなが住んでいる姿がすごく見えた気がしました。劇場のセットもリアルで印象的でした。映画の撮影でも変わることのない「秋組」「冬組」の空気感──ご自身が所属する組の撮影中の雰囲気はどんな感じでしたか?水江秋組は舞台と変わらず(笑)。撮影の合間にくだらない話をしたりゲームをしたり。みんなでワチャワチャしていたのを覚えています。荒牧冬組も冬組の空気感そのままなんですよ。みんな大人なので、撮影中の台本を読んだり、自分が抱えている仕事の台本を読んだり。各々でやるべきことをやりながら、合間に情報共有をし合うみたいな。大人のいい雰囲気ですね。──キャスト間で撮影中に印象に残っているエピソードも知りたいです。荒牧紬は丞と一緒にいるシーンが多かったので、涼と二人だけでの撮影が多かったんですよ。それで照明チェックとか撮影準備で空き時間ができた時は、ずっとチェスをしていました。MANKAI寮の小道具にチェスやジェンガが置いてあって。「時間あるしやってみる?」って(笑)。水江ルール分かるんですか?荒牧携帯で調べながら(笑)。ルールは将棋とほぼ一緒だよ。水江そうなんだ!そんなパっとできるものなんですね。──荒牧さんと北園さん、どちらが強かったのでしょうか?荒牧最初は僕の方が強かったんですけど、最終的には涼の方が強くなりました。というのも、涼はゲームにおいてかなり極めたがりで。家で勉強してきたんですよ!それでどんどん強くなっていきました(笑)水江あははは(笑)。──北園さんにそんな一面が(笑)。秋組では……?水江チェスはしていないですね。秋組は指相撲をやっていました(笑)。荒牧すぐ飽きるじゃん!(笑)水江ハハハ(笑)。──(笑)。また、舞台では感じなかった映画でのキャスト間の新たな一面はありますか?水江みんな佇まいや戦い方が全く違って、「そんな臨機応変にお芝居できるんだ……」と改めて尊敬しましたし、勉強にもなりました。特に玲さんは映像撮影の経験が多いので、僕も秋組のみんなも玲さんにいろんな相談をしたり、話を聞いたりしていました。荒牧僕は新たな一面というよりも懐かしさを感じていました。「これこれ!冬組ってこういう感じ!」みたいな。ただ、劇中劇はより天使っぽさが増していて、みんなのお芝居もより神秘的だなと思いましたね。水江うんうんうん!(全力で頷く)水江「万里の魅力は“センスのある”ところ」、荒牧「紬の愛おしいポイントは“優しい”ところ」──水江さんは万里について、荒牧さんは紬について、2019年から演じてきて感じるキャラクターの魅力・愛おしさを感じるポイントを教えてください。水江万里の魅力は“センスがあるところ”だと思います。彼が持って生まれたものはすごく大きい。みんなからうらやましがられるようなものをたくさん持っているなって。最初に演じた時から変わらず感じています。愛おしさを感じるポイントは“ギャップ”みたいなところですかね。万里は本当に何でもできちゃうようなやつだけど、子どもらしい一面がいいなって思います。荒牧紬はなんだろう……。一番人間味があるというか、“現実世界の人に一番近い”ところですかね。悩んでいること、夢を諦めてしまった理由、そこにすごく僕自身は共感が持てますし魅力的だなと思います。愛おしさを感じるポイントは、“優しいところ”。人の気持ちを汲んだり、相手が今「欲しい」と思える言葉をあげたり、そんな紬の中にある優しさがすごく愛おしいなと感じます。──役者として尊敬するところはありますか?水江センスがあるのに、役と向き合う時にちゃんと努力したり、負けず嫌いを発揮したりするところですね。そういう部分に、みんなが「勝てない」と思うんじゃないかなと感じています。荒牧細かいところを突き詰めていく姿勢。それから表現力。役者として尊敬できますし、学んでいきたいところでもあります。──では、ご自身の所属する組の魅力を一言で表すなら?水江“カッコいい”ところ。秋組のちょっとワルい感じが男として憧れます(笑)。荒牧“大人”なところ。ちょうどいい距離感があって、みんな自分のパーソナルスペースをしっかり持っている。だけど、踏み込むところはしっかり踏み込んでいけるところは魅力ですね。水江「まっきーさんの声につい体が向いてしまう」、荒牧「建太の器用さは誰よりも長けている」──水江さんから見た荒牧さん、荒牧さんから見た水江さんはどんな印象ですか?水江まっきーさんは冬組という大人の中のリーダーだなって思います。冬組にいるべきリーダーの立ち位置をちゃんと取っているように見えます。荒牧建太、秋組に馴染めてよかった……笑っていてよかったって思っていて(笑)。うちの子が馴染めていてよかったと見守っているようなお兄ちゃん目線でいます(笑)。水江あははは(笑)。──お兄ちゃん目線というより親目線に近い感じですね(笑)。お互いのお芝居についての印象はいかがでしょうか?役者としての魅力をお聞かせください。水江一緒に舞台に立っていても、客席から見ていてもまっきーさんの声ってすごくキレイに通るので、セリフがすべて聞き取れるんですよ。つい顔と体が向いてしまうというか、世界観に入り込めるというか……そういう声や表現力は常々素敵だなと。それは舞台のお芝居をする上で基本中の基本ではあると同時に素質的な部分も大きいと思うので、すごいなと感じています。──その部分は荒牧さんが演じる上で意識されているポイントなんでしょうか?荒牧全く意識していないし、僕としては特別なことをしているとは思っていなくて。でも言われることが多いから、「そういう風に思われているんだ……」という気持ちです。水江へぇ……!まっきーさんは本当に最初のAUTUMN & WINTER 2019公演から今でもずっとお世話になっている人だから、役者としても人としてもずっと目標であり頂点にいます。──荒牧さんは水江さんについていかがですか?荒牧器用さが誰よりも長けているなと思います。何でもこなしちゃう万里みたいなやつだなって。それはすごく羨ましいし、武器の一つだなと感じますね。水江ありがたいです……!稽古中はみんなに釣り合うように努力を積み上げないととずっと思っているので、そういう風に見えていたら光栄です。実際はすごく頑張っているので……(笑)。荒牧あははは(笑)。初期の頃から比べると芝居の柔軟性が段違いに成長しているので、すごく頑張っているのだろうなって。もともと器用だったことはあると思うけど、AUTUMN & WINTER 2019公演では芝居の細かい調整とかまだできていなくて。演出の(松崎)史也さんや監督たちからの指導でどんどんその柔軟性が培われてきたんだなと思います。舞台の楽しさはまさに「Show Must Go On!」──『A3!』という作品は舞台やお芝居の楽しさが描かれています。それにちなみ、お二人が感じる舞台の楽しさを改めて教えてください。荒牧舞台はまさに「Show Must Go On!」で、一回始まったら誰が何をしようが間違えようがそのまま進んでいく生感があります。アドリブや日替わり要素もすごく好きなので、そういう毎回違う生感が楽しいなと思っています。水江僕も舞台はやっぱり生なところですね。あの環境下でしか得ることのできない観客のみなさんと通ずるものって絶対あると思っていて。それは僕が舞台を好きな所以でもあります。ただやっぱり舞台というか、ステージに立つのはいまだに怖いですね。生だからこそ間違えてしまうかもしれない、やり直しのきかない緊張感やスリルはとんでもなくて。荒牧そうだね。本番中にセリフやダンスが全部飛んで、自分だけ何もできない夢とかめっちゃ見るよね(笑)。水江見ます見ます!初めてその夢を見た時、「みんな共有できるんだ!」ってビックリしました。あるあるなんですね(笑)。荒牧あるあるだね(笑)。水江そういう意味でも自分の心が鍛えられている感覚になります。そして、そんなピリピリした感覚を観客のみなさんと共有できるのは面白いなとも思います。──もう一つ、お芝居の楽しさについてはいかがでしょう?荒牧お芝居も一緒かもしれません。作品ごとに用意するプランはあるものの、一緒に演じる相手の気持ちによって自分のお芝居も変わってくるんですよ。その日の声量や芝居のテンション、そういうもので自分の出てくる気持ちが毎回変わってくる。それは毎回新鮮な気持ちになれて楽しいですね。水江僕はまだお芝居の楽しさのすべてが掴めているわけではないのですが、僕の人生の中でお芝居や役者の仕事って偶然出会った宝物みたいな感覚なんですよ。自分と全く別の人格になって、その自分じゃない誰かが見に来てくれている人たちを楽しませている。それが不思議で面白いなと思っています。不思議だからこその難しさもありますけどね……!荒牧たしかにお芝居って不正解はあるけど正解はないからね。水江そうなんです。冒険しているような感覚にもなって面白いですね。──役者として『エーステ』から得られたものは大きかったですか?水江大きいですね。素敵な仲間や先輩、もちろんまっきーさんにも出会わせてもらって、縁をたくさんいただいたので、僕の中ですごくありがたい作品だなと思います。荒牧『A3!』って役者について改めて考えさせてくれる作品なんですよ。役者が考えていること、役者あるあるみたいなものがふんだんに盛り込まれていて。各キャラクターが役づくりに対して考えていることは参考にもなるし、役者として新しい発見があります。──ありがとうございます。それでは最後に、『MANKAI MOVIE「A3!」』の公開を楽しみに待っている方たちに向けてメッセージをお願いします!荒牧『エーステ』って見終わった後になぜか元気が出るんですよ。今みんな自分の人生史上最大に大変な時期だと思うので、この映画を見て元気になっていただきたいです。もちろん本作を見て舞台にも足を運んでもらえたら嬉しいですけど、まずは映画で「よし、これからも頑張って生きていこう!」と思っていただけたら一番幸せなのかなと思います。水江素敵なメッセージ……。荒牧ハハハ(笑)。水江本当にまっきーさんのおっしゃる通りで!『エーステ』に元気をもらう感覚を、出演している僕たち自身もすごく感じています。そういうポジティブな感情が多くの人に伝えられればいいなと思いますし、やっぱり落ち着いた時には『エーステ』の舞台に来てもらえたら嬉しいです。撮影/鬼澤礼門、取材・文/阿部裕華
2022年03月08日●劇団ひとりと再タッグ「監督としての手腕が光りまくっていた」バラエティ番組に出ればそのぼやき節で笑いをかっさらい、役者としてもコミカルからシリアスまで演じきり存在感を発揮する大泉洋。マルチな活躍で国民的人気を誇る彼だが、劇団ひとり監督・脚本によってビートたけしの自叙伝を元に映画化した『浅草キッド』ではたけしの師匠・深見千三郎さんに扮し、昭和の浅草芸人の生き様を見事に演じきっている。役者としての地位を確立しながらも、「まだ役者をやっている自分には慣れない。得意じゃないものに挑み続けている感覚がある」と告白する大泉。芝居の面白さを実感させてくれた、自身にとってヒーローのような存在を明かした。本作の舞台は、昭和40年代の浅草。大学を中退し、“お笑いの殿堂”と呼ばれていた浅草フランス座に飛び込み、伝説の芸人・深見千三郎(大泉)に弟子入りしたタケシ(柳楽優弥)。彼が個性と才能に溢れる仲間たちと出会い、芸人・ビートたけしとして開花していくまでを描く青春ドラマだ。劇団ひとり監督が自身の書き下ろし小説を初監督で映画化した『青天の霹靂』(2014)でも、大泉は主演を任されていた。大泉は「『青天の霹靂』から数年経って、劇団ひとり監督がまた僕を呼んでくれたことがものすごくうれしくて」と破顔しながら、「ちょっとだけ出る役ではなく、しっかりタッグを組んでやらないといけないような役。しかも彼が尊敬してやまない芸人の役で僕を呼んでくれた。『青天の霹靂』をやって本当によかったなと、改めて感じさせてくれました」と喜びを噛み締める。劇団ひとりは、どのような演出をする監督なのだろうか? 大泉は「“自由にやってください”という監督では決してありません。監督の中で“求める芝居”というのが決まっている。例えば本作で、深見がタケシに『バカヤロー!』と突っ込むシーンがあって。もうちょっと楽しいやり取りにするのかと思いきや、『しっかり怒ってください』という演出があったりする。監督の中で方向性が決まっているので、役者としてはものすごく安心感があるんです。その一方で、“監督の思う通りにできるだろうか”という怖さもある」と現場を振り返りながら、「そういう監督だからこそ、また呼んでもらえるということが役者としても大きな自信になります」とうれしそうににっこり。「たくさんいる監督の中でも、劇団ひとり監督は“あの監督は本当にすごい”と思わせてくれるような一人です。『浅草キッド』ではワンシーンワンシーン、その手腕が光りまくっていた。撮影は“すごいな……”と、劇団ひとり監督の才能に延々とため息をつくような時間でした」と手放しで絶賛する。●TEAM NACSのメンバーがこれ以上売れたら嫉妬する!?本作の舞台となる昭和40年代は、テレビの普及とともに演芸場に足を運ぶ人が減っていくなど、お笑い界に大きな変化が起きようとしていた時代。深見とタケシは師弟関係を築きながらも、舞台の笑いにこだわる深見に対して、タケシはテレビの世界へと足を踏み入れていくようになる。大泉は、2人の師弟関係には自身の経験と少し重なるところがあると明かす。「僕は大学時代に演劇研究会に入って、劇団イナダ組という札幌の地方劇団でもお芝居をさせてもらっていました。そんな中、仲間と結成したTEAM NACSの人気が上がって仕事も忙しくなり、劇団イナダ組の舞台に出られなくなってしまった。劇団イナダ組を去るときは、フランス座を去っていくときのたけしさんの気持ちに通じるところがあるなという気もしています。僕としてはやっぱり、少し後ろめたいものがあって。劇団イナダ組の主宰者の稲田博さんは『頑張れよ』と送り出してくれたんです。ものすごく感謝しています」。弟子のタケシがどんどん売れていく一方、深見の立つ演芸場の舞台には活気が失われていった。 “弟子や後輩に世間の注目が集まっていく”という状況だが、大泉自身は後輩が注目を浴びていくことへの怖さや焦りを感じることはあるだろうか?「事務所の後輩たちならば、“お願いだから売れてくれ!”と思いますよ」と笑いながら、「役者さんでいうならば、後輩という概念がまったくないもので……。例えば今回共演した柳楽くんもすごく若い役者さんだけれど、僕はもう完全にリスペクトしています。肩を回す感じやまばたきなど、たけしさんのクセをしっかりと表現しながら、それが決してモノマネに見えない。それはたけしさんの魂を持って演じているから。本作を観れば、いかに柳楽優弥がすごい役者かということがわかる」と惚れ惚れ。もし嫉妬するとすれば「やっぱりメンバーかな」とのこと。「大学を卒業したばかりの頃は、この仕事で食べていけるのかという不安もありましたから、みんなで飲みながら『とりあえず僕が走る。僕がダメになったときに、次の人が走りだせるようになっていたら劇団としては続いていくだろう』と話していました。今となってはみんなが頑張って、この仕事で食べられている。これ以上、他のメンバーにガンガン走られたら、苦虫を噛みつぶしたような顔をしますよ!」と楽しそうに笑う。●ヒーローは三谷幸喜「芝居って面白いなといつも思わせてくれる」TEAM NACSの話をなんとも楽しそうに語る大泉だが、「大学で演劇研究会に入ってからが、僕の青春」だという。大泉は「『水曜どうでしょう』に出るようになって、20代はロケに行って爆笑しているうちに終わった」と大笑い。「28歳くらいのときに『水曜どうでしょう』が終わるという話になって、今後もこの仕事を続けていけるのだろうかと不安になりました。どうやって生きていくんだろうって。その言葉を聞いた日は、眠れなかった」と振り返る。「そこから役者の仕事をちゃんとやろう、東京の仕事もやろうと決断して。これは今でもそうなんですが、笑いという自分の得意だと思うものを封じて、得意じゃないものに挑戦し続けている感じがします。バラエティに出ている自分は安心して見られるけれど、役者をやっている自分はまだまだ慣れない。本当にありがたいことに、すばらしい作品にいろいろと出演させていただけるようになってもそれは変わりません。でも柳楽くんですら、『もっといい役者になりたいなと思っています』と言っているから。柳楽優弥でもそう感じているんだと思うと、僕ももっと頑張っていいお芝居をしたいなと刺激を受けます」と正解のない役者という仕事に、一つ一つ真摯に打ち込んでいる。自身にとっての師匠は「劇団イナダ組の稲田博さん。舞台の立ち方に始まり、芝居のいろはを教えてくれた」。さらにヒーローと思える存在は、「三谷幸喜さん」だという。「三谷幸喜さん演出の『ショウ マスト ゴー オン 幕をおろすな』を観たときに、演劇ってなんて面白いものなんだろうと思った。そこから僕は、三谷フリークになっていった。三谷さんがやるものをなんでも追いかけて観ていた。僕にとっては憧れの人。芝居って面白いなといつも思わせてくれます」と語っていた。『浅草キッド』は12月9日よりNetflixにて全世界独占配信。■大泉洋1973年4月3日、北海道江別市生まれ。演劇ユニット・TEAM NACSのメンバー。深夜番組『水曜どうでしょう』(HTB)にレギュラー出演後、映画『探偵はBARにいる』(2011)では第24回日刊スポーツ映画大賞、石原裕次郎賞、第35回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。舞台でも三谷幸喜作品に多く出演する他、TEAM NACS第13回公演『下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム』では自ら脚本・演出を手掛けた。今後は第72回NHK紅白歌合戦の司会に決定している他、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』などへの出演が控えている。ヘアメイク:白石義人(ima.)スタイリスト:勝見宜人(Koa Hole)
2021年12月09日『眠狂四郎』シリーズを始めとする大映時代劇の花形スター、市川雷蔵。その歌舞伎役者時代にスポットをあてた『歌舞伎役者 市川雷蔵』が、このほど、中央公論新社から出版された。著者は演劇ジャーナリスト、大島幸久さん。1969年に逝去してから50年以上過ぎても”雷様”と慕うファンは多い。大映映画は毎年のように、大規模な回顧上映が行われていて、雷蔵出演作品は人気プログラムだ。そこで観てファンになった若い人も相当数いるという。映画俳優としての雷蔵については、多くの著作や写真集が出版されているが、歌舞伎役者の雷蔵は著作が見当たらない。関西歌舞伎の名門、市川寿海の芸養子となり、八代目市川雷蔵を襲名してまもなくの映画界への転身、その理由など、まだ知られていない謎を探ろうという企画だ。著者の大島さん自身は、歌舞伎時代の生の舞台は観ていない世代だが、文献資料だけでなく、当時を知る先輩ジャーナリストや演劇評論家、関係者に取材し、まとめた。映画俳優時代も、オープンしたばかりの日生劇場で歌舞伎公演を行うなど、舞台に立って活躍していたが、その頃の写真も多く収録されている。これが実に二枚目。歌舞伎役者時代はほんの8年間だが、さぞかし雰囲気のある役者だったと想像される。同じように、歌舞伎界から転身し、映画スターになった萬屋錦之介は、雷蔵とも親しく、交流があった。「きれいでしたからね。何ともいえぬ色気があって……ことに歌舞伎の白塗りなんかのとき……」と後年コメントを残している。その錦之介を始め、歌舞伎時代の仲間でもあった坂田藤十郎ら、名優たちとのエピソードは、とても興味深い。『歌舞伎役者市川雷蔵 のらりくらりと生きて』大島幸久著 / 中央公論新社 / 2,200円(税込)ぴあアプリ「水先案内人」大島幸久さんのおすすめ演劇公演はコチラ
2021年09月14日「私生活は全然そんなことなかったんだけど、役者としては二枚目の顔で挑んでましたね。インタビューで何を聞かれても『別に』って答えてたし(笑)。テレビで『関係ねぇだろ!だったら俺のこと使わなきゃいいだろ!』って言ったこともあったね(笑)」特別番組『太川陽介のスナック歌謡界〜昭和スターが集う店〜』(Jテレ・3月26日22時30分〜)のゲストとして登場した梅沢富美男(70)。番組内では、代表曲『夢芝居』の作詞・作曲を担当した小椋佳氏もサプライズ出演した。今や歯に衣着せぬ物言いで引っ張りだことなったバラエティ番組でも“役者力”が生かされている。「バラエティ番組に出るときは演じてるよ。だって番組によっていろんな色があるじゃん。口ゲンカしたり、深夜番組では下ネタ言ったり、そうやって自分を番組の色に変えていってあげないとね」これまでも幾度となく歌ってきた『夢芝居』。一昨年、あるイベントで新たな発見があったという。「『オードリーのオールナイトニッポン』の企画で日本武道館で歌ったときはすごかったね。あんな大きい舞台で歌うのは初めてで、お客さんの『わー!』って歓声でイントロが聞こえなかったんだよ。それがいちばん興奮してね、“歌”ってすごいなって初めて認めた!それまで歌のすごさっていうのは名前が売れることだと思ってたんだよ。だから、みんな我慢してNHK(紅白)出てるんだろって(笑)」現在、70歳。これまで、5年周期でやってきたという“モテ期”の年令だが……。「65歳のときはすごかったんだよ!こういう時期だから、今年はまだ来てないんだよね(笑)。今は、表もウロウロできないからな……。コロナが明けたら、もう、夜な夜な出没すると思うよ!『女性自身』、お待ちどうさまだよ。行くときは連絡するから(笑)」「女性自身」2021年4月6日号 掲載
2021年03月29日歌舞伎役者の中村芝翫さん(55)が4年ぶり2度目の不倫をしたとして、週刊文春にスクープされました。お相手は30代のアンジェリーナ・ジョリー似の日本人美女ということで、一体どんな人なんだ……と、多くの読者が想像を巡らせたことでしょう。この報道に対し、妻で女優の三田寛子さん(54)は、「離婚はしません」とバシッとコメント。「見事な火消しぶり」と言われていますが……これって本当に、見事な火消しなのでしょうか。■歌舞伎役者の不倫は本当に芸の肥やしなのか?なんとなく私たちの中には「歌舞伎役者の不倫=芸の肥やし」という図式が当たり前にあり、実際に不倫や浮気の類が出ても歌舞伎役者はお咎めなしといったことも多いように思います。しかし今回の報道は50代の不倫です。円熟味もある歌舞伎役者がいまだ女遊びで芸を肥やさなくてはいけないのであれば、それはどうなのか。むしろ二度目の不倫報道であり、それもコロナ禍のスキャンということでより高度な火消しが求められた妻側にこそ「女としての肥やし」があった気もします。まあ、その肥やしが欲しいかは別としてですが。一般社会と別のルールが多くある世界だからこそ、一般論に置き換えることは難しいもの。しかしシンプルに「55歳が32歳とコロナも気にせず長距離移動を繰り返して恋愛して、しかも結婚記念日も棒に振る」という事実に、げんなりした人は多いのではないでしょうか。そしてそれは、妻の三田さんしかり……。■「私はあなたのお母さんじゃない」は見事なのか?三田さん側は文春のインタビューに応じ、「(夫も含め)男四人の母親みたいに言われますけど、『私は(あなたの)お母さんじゃない!』と言いたい。人生のパートナーなんです」と言葉を選びながらも、夫に対して辛めのコメントをしています。この「あなたのお母さんじゃない」発言を見た際、夫婦としての最後通告のようなもの(実際に離婚するかどうかではなく、関係性としての苦言)を感じたのは、筆者だけではないはずです。夫婦の多くは結婚して子育てなどに取り組むと、どうしても男女ではなく父母の関係に落ち着きがちです。30年も連れ添っていたらそれはある程度仕方のない部分もありますが、改めて「あなたのお母さんじゃないです」と公の場で言うということは、それだけ「女として扱われていないのでは」という叫びであり怒りなのだと思います。現代において実は妻を女性として本当に長きに渡り大事にできる男性のほうが希少であり、芸の肥やしになるのではないか。コロナで家族の絆や人との繋がりがより叫ばれる今、そんなことを思うのでした。(文:おおしまりえ)
2021年01月10日元SMAPメンバーで俳優の草なぎ剛が16日、YouTube公式チャンネル「ユーチューバー 草なぎチャンネル」で、動画「今後演じてみたい役は??役者・草なぎ剛が語ります!」を公開。主演を務めた映画『ミッドナイトスワン』について語ったほか、役者としての思いを打ち明けた。「演じることは好き。特別な思いがある」という草なぎ。役者業について、「元々はグループだったりして、小さいときからステージに放り込まれて、そこで表現するというか。歌ったり踊ったりっていうのが始まりだったから、役者さんじゃないんだよね」としながらも、「そこが自分の武器、良いところだと思う。役者一本でやってる方とは違う感覚がある。それを自分の中で昇華して、何かを表現できればいいなと思ってる」と語った。また、映画『ミッドナイトスワン』ではトランスジェンダーの主人公を演じているが、当初、「これできない。僕は役者じゃないし、こんなの演じられない」と思っていたそう。しかし、「できないって思えば思うほど、やりたいという気持ちになる」と言い、「役者じゃなくても、その役を演じられればいいわけで。表現することにおいては、今までの歌を歌ったり踊ったりとかがすごく必要要素であって。だから全部つながってると思うんですよね」と、SMAP時代の経験が糧になっていることを明かした。難役に挑戦した同作について、「演じきったし、本当に僕は満足してる」と自画自賛した草なぎ。今後やりたい役について聞かれると、「できないと思ってるから、ないんだよね(笑)」としつつ、「役は、この人だったら演じられるんじゃないかなって、神様がくれるものだと思ってて。そのときそのときで、この人にこの役をっていう感じで降ってくるものだと思ってる」「これからも楽しんでいただけるような役に巡り会えるように、努力して頑張っていきたい」と笑顔で話していた。
2020年10月21日新型コロナウィルスの状況下、オンライン制作の配信映像とは一線を画し、長編映画にこだわった『2020年 東京。12人の役者たち』の製作が進行中。この度、現在絶賛撮影中だという本作から特報映像が到着した。本作は、新型コロナウィルスの影響で次々と映画撮影がストップする中、いまだからこそ伝えるべきテーマを、いまだからこそ出来る方法で製作する作品。2019年9月、松本動監督が俳優向け演技ワークショップ「CiNEAST」にてゲスト講師を務めるにあたり、ワークショップを通しての映画製作を提案、俳優と映画監督のコラボレーションワークショップ「シネアストラボ」がスタート。約半年の準備期間を経て、今春より本格的な撮影を開始しようとしていた矢先、感染拡大で撮影中止を余儀なくされる。プロジェクトの中止も検討される中、オンラインで映画を製作することを決定した。本企画は、ワークショップ参加者12人の役者はどう生きるのかを、「私の職業は自分です」をテーマに掲げ、自分自身を演じながらスマートフォンで日々撮影し、内に秘めたあらゆる思考や感情を浮き彫りにし、現実と虚構の間であるイマジナリーラインを往来、ドキュメンタリーで事実を捉え、それをフィクションへと昇華する“ドキュフィクション”作品を作り出す。本作はあえてネット配信ではなく、新型コロナウィルスが終息し再び映画館で映画が思う存分楽しめる未来に希望を込め、長編映画にこだわって製作。日々記録した映像を松本監督がネット経由で受け取り、編集するスタイルで進行する。到着した特報映像では、ベートーヴェンの「エリーゼのために」を弾くシーンから始まり、その音楽に乗せて秋田ようこ、秋山大地、井之浦亮介、小西有也、杉谷玲奈、清水杏樹、田中栄吾、田村陸、みやたに、迎祐花、本山勇賢、和田悠佑といった出演者12名が登場。水を飲んだり、なぜかうさ耳をつけてみたり、日常の一部が切り取られているようだ。<松本動監督 コメント>自分という存在は、他の何者でもなければ、自分以外の何者にも成り得ない。それが人間への天命でありますが、それを逸脱しようと藻掻く人種が『役者』という輩たちです。成れもしない他者に成りきる為には、自分自身を分析し、追求してゆく事が重要であり、天賦の才を信じ、世の中がどう変化しようとも、その全てを学びとし、自分の内に秘めた未知の能力を引き出す事によって、はじめて役者は他者に成り得る事が出来るのです。役者という生き物には、境界線がありません。役者にとって日々の生活全てが人生であって仕事でもあります。役者という職業は、『自分自身』に他ならないのです。新型コロナウイルスの終息を、ただ待ち侘びるだけの動かざる者と、今こそ動く者とでは、必ずや終息後の未来を左右する事となるでしょう。この映画には明確な台本がありません。12人の役者がそれぞれの色を出し、監督の私がその12色の絵の具を使い、下書きをする事なく、一枚の絵を完成させるというものです。12人による映像という色を、如何に上手く混ぜ合わせ、『映画』という一枚の絵を完成させるのか、それは作品が完成するまで誰にも分かりませんが、既に綺麗な色の絵の具が揃い始めています。12人の役者が、この状況下で如何に自分の魅力ある色を表現するのか、是非ご期待下さい。『2020年 東京。12人の役者たち』は7月中旬の完成を予定。(cinemacafe.net)
2020年05月08日「そう思うと、せめて親父には、『あなたの孫も役者になりました。結局、3代続きましたよ』と伝えたかったですね。役者の宿縁ですか。昔なら全否定していたかもしれませんが、今は、日本人が好きなブラッドタイプ(血液型占い)よりは何かあるかなと感じていますね」そう、ぼそりと呟いたのは俳優の佐藤浩市さん(59)。“怪優”と呼ばれた父・三國連太郎さん(享年90)との関係について、こぞって“確執”と報じられていたが、不仲ではなかったと語る。三國さんと佐藤さんが初共演した映画『美味しんぼ』公開のあとに、結婚した妻との間に長男の寛一郎さん(23)が誕生。意外というしかないが、家庭人のイメージからは最も遠いはずの三國さんは孫を溺愛するようになり、このころから“十国峠の別れ”を経た息子・佐藤さんとの親子関係も如実に変化していく。そんな、親子2人の関係に一石を投じた寛一郎さん。三國さんが急性心不全で亡くなった際、葬儀には、当時高2だった寛一郎さんも遺影を持って参列した。昨年、木村拓哉さん(47)主演で話題になったドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)に料理人役で出演し、一躍有名になった俳優・寛一郎さん。華々しい受賞歴もある。「受賞の報せを耳にしたときは、すぐにLINEで“おめでとう”と送りました。ええ、一応、坊主(寛一郎さん)とはLINEでつながっています」ちょっと照れ臭そうに話す佐藤さん。寛一郎さんが役者を目指すと話した時に『それで食えなくてもしょうがないと思え』と言葉をかけたというが、寛一郎さんはキャリアを重ねている。18年に公開されたデビュー映画『菊とギロチン』で、寛一郎さんは、第92回キネマ旬報ベスト・テンの新人男優賞を受賞。「ただし、賞は未来の約束ではないですからね。その時は喜んでもいいけど、2日たったら忘れたほうがいい。坊主自身に向かっては言いませんが、僕の思いはわかっているんじゃないでしょうか。もし三國が生きていて受賞を知ったら?喜びはするでしょうが、彼は基本。人の作品には悪口しか言わないですから(笑)」佐藤さん自身も、『64・ロクヨン』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。昨年1年間だけでも、『記憶にございません!』や『楽園』など6本の話題作に出演し、「映画の人間としてやっていきたい」という言葉を実践してみせている。そして、プライベートでは12月に還暦を迎える。「あまり意識はしていません。健康法は、ゴルフかな。体のことは女房が気を配ってくれますから、感謝です。自分で料理?やりますよ。僕は決して、人がいないと生きていけないというタイプじゃないですから。ササッと自分の酒のアテくらいは作ります」それは、やはり高校生から自活していた影響か、と問えば、「うん、そうだね。16歳からの一人暮らしもそうだし、いろんなバイトもして、自然に自分で生きていくすべが身につきました」それから、また繰り返す言葉があった。「僕は人がいないと生きていけないタイプじゃないから――」その佐藤さんが、父親の三國さんが成し得なかった穏やかな家庭を妻子とともに築き、新作『一度も撃ってません』では、早々と寛一郎さんと父子共演を果たす予定だ。そこには、父親として、2代目役者としての思いやりと覚悟がある。常に辛口だったという祖父の三國さんは、息子と孫の共演ぶりを、さて、どう評するのだろうか。「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月20日マンガ家・野田彩子さんが役者の物語を描くにあたり、着目したのは「代役」という存在だった。『ダブル』では、天才役者と代役のただならぬ関係について描いている。執着、羨望、依存……。天才役者と代役のただならぬ関係。「もともと舞台裏に興味があって、映画のオーディオコメンタリーで監督の話を聞いたり、制作現場のドキュメンタリーを観たりして、どういう状況で作品ができあがったのか、想像するのが好きなんです。それであるとき、演出家が書いた本を読んで、稽古に来られない役者の代わりにそのときだけ演じる人がいることを知り、面白いなと思ったんです」主人公は同じ劇団に所属し、安アパートで共同生活をしている、鴨島友仁(かもしまゆうじん)と宝田多家良(たからだたから)という無名の俳優。友仁は多家良の才能を早くに見抜き、自身も世界一の俳優になりたいと切に思いながらも、多家良のことを何から何まで世話している。「天才キャラが好きなんですよね。天才だけど欠けている部分があって、生活があまりうまく回らないみたいな。多家良がそっちだとしたら、友仁は自分の能力に対してもっと自覚的なタイプ。器用貧乏っていったらあれですけど、多家良に憧れとも親心ともつかないような気持ちを持っているキャラクターですね」友仁は多家良の代役を務めているのだが、その場しのぎの代役ではないのがややこしいところ。彼らはふたりでなければ芝居を作ることができない、共依存的な関係なのだ。「私は友だちが多いほうではないのですが、同じものを好きな人とすごく仲良くなって。その人が家に泊まりに来てしゃべっているとき、部屋の中が自分たちふたりの脳みそみたいだねって話をしたことがあるんです。そういうふうに思える人と一緒にいられるのって、めちゃくちゃ幸せなことなんじゃないかなと思いながら、ふたりの関係を描いてます」しかしながら、互いに高みを目指す限り、その幸せがいつまでも続かないことを、多家良はともかく、友仁は薄々気づいている。俳優の道を突き詰めることの苦悩と喜びが、舞台やドラマなどさまざまな現場を通して描かれていくのだが、迫力のある絵も見どころのひとつ。「『ガラスの仮面』でもマヤや亜弓さんは、役ごとに顔つきが変わるじゃないですか。ああいう描写は本当にわくわくしたし、実際にお芝居を観ていてもそう。演技のシーンって描くのがすごく難しいんですけど、絵だけでも伝わるくらい説得力のあるものにしたいと思ってます」上質な舞台を観ているような臨場感を味わえる本作。熱い男たちに、必ずや心を持っていかれます……。『ダブル』1無名の天才役者・宝田多家良と、その才能に焦がれ彼を支える鴨島友仁。ふたりでひとつの俳優が「世界一の役者」を目指す。「ふらっとヒーローズ」で連載。ヒーローズ650円のだ・あやこマンガ家。第49回IKKI新人賞・イキマンを受賞しデビュー。主な著書に『わたしの宇宙』『いかづち遠く海が鳴る』『潜熱』など。「新井煮干し子」名義でBL作品も発表。©Ayako Noda/ヒーローズ※『anan』2019年9月25日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2019年09月19日2019年度のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」など、話題作への出演が続く生田斗真。ジャニーズ事務所きっての演技派俳優として役者道を駆け抜けてきた生田さんが、10月7日の誕生日で34歳に!30代も半ばとなるいま、ますます男っぷりに磨きをかけている俳優・生田斗真の魅力に改めて迫りたい。ドラマでブレイク!から「50年に1人の映画俳優」へ1997年にNHK連続テレビ小説「あぐり」で子役デビューを果たして以来、数々の作品に出演してきた生田さん。そんな彼が大ブレイクを果たしたのが、2007年にフジテレビ系で放送された「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」だ。人気少女コミックをドラマ化した本作で、生田さんは同級生の芦屋瑞稀(堀北真希)に恋心を抱く中津秀一を好演。ただし、瑞稀は男子のふりをして男子校に通うワケあり女子で、そうとは知らない中津は大パニックに。この気持ちは友情なのか?それとも自分は同性愛者なのか?悶々とする中津の戸惑いを生田さんがチャーミングに演じ、コメディセンスの高さをうかがわせていた。ドラマ自体も好評価を得る一方、生田さん自身の快進撃が始まることになる。「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」以降も「ハチミツとクローバー」「魔王」などで輝く実力派を映画界が放っておくはずもなく、生田さんは満を持して映画デビュー。2010年、映画初出演にして初主演となる『人間失格』が公開された。太宰治の同名小説を映画化した本作で、生田さんが演じたのは名家に生まれながら酒と女に溺れ、堕ちていく主人公・大庭葉蔵。美しく、濃密に人間の脆さを描く作品世界を生き抜いた生田さんは、役者としての幅の広さをより見せつけることになった。監督を務めた荒戸源次郎は、シネマカフェのインタビューで「生田斗真は50年に1人の映画俳優」と断言している。様々な感情を、観る者と共有できる俳優・生田斗真その後も年に1~2本のスタンスで映画に出演し、映画俳優としての地位を確かなものにしていく生田さん。ラブストーリーからサスペンス、人間ドラマまで、作品や演じる役柄のタイプは多岐にわたっている。言い換えれば、どんな作品世界にもはまる存在だということだろう。『ハナミズキ』や『僕等がいた』で恋に身を焦がせば応援したくなるし、『源氏物語 千年の謎』で世紀の美男子を演じればうっとりさせられる。かと思えば、『脳男』『予告犯』『秘密 THE TOP SECRET』といったサスペンスでスリルを提供することも。『予告犯』公開の半年程前から放送された主演ドラマ「ウロボロス~この愛こそ、正義。」も含め、シリアスでダークな作品世界での生田さんは、苦悩に満ちた役柄を託されていることが多い。これは恋に身を焦がす生田さんを応援したくなるのと同じで、生田さんは観客に痛みを感じさせられる役者だからではないか。彼が苦しければ観ている者も苦しいし、哀しければ哀しい。“過去の罪”を題材にした『友罪』が複雑な味わいの作品になったのも、生田さんの存在あってのことだと言える。2019年度大河ドラマには、どんな生田斗真がいる?苦悩する役にも嬉々として臨み、“演じる”という行為を通して身を削ってきた生田さん。その誠実で真っ直ぐな役者魂こそが、俳優・生田斗真の魅力の一部だ。もちろん、苦悩する生田さんがいくら素敵だからといって、いつも眉間に皺を寄せておいてもらうわけにもいかない。ときには『土竜の唄』シリーズで車にくくりつけられたり、怪しさ満点のジュースを罰ゲームのように飲まされたり、女子のお色気攻撃を受けてフニャフニャになったり。舞台「Vamp Bamboo burn~ヴァン・バン・バーン~」で不老不死のヴァンパイアと化し、おバカでうざいが憎めない愛らしさを炸裂させたり。もう1つ付け加えるなら、生田斗真フィルモグラフィーに実は欠かせないドラマ「うぬぼれ刑事」で美形だが残念な俳優を演じたり。さすがはコメディ演技でブレイクした男の本気を感じたくなることもある。ちなみに、例に挙げた作品はどれも、“コメディでの生田斗真の輝かせ方”を熟知した男・宮藤官九郎が脚本を担当。となると、同じく宮藤さんが脚本を手掛ける「いだてん~東京オリムピック噺~」はどうなるのか?いまから放送が待ち遠しくて仕方がない。そういえば『予告犯』の公開前、30代に突入した頃、シネマカフェのインタビューで「ここ最近、特に思うんですよね。人を喜ばせたいって。この仕事を始めて間もない頃はこんな役を演じたいとか、あんな作品に出てみたいとか、自分の満足度を高めるためというのが大きかった。でも、今はもうちょっと外に向けている感覚があるかもしれないです。以前よりも、観客のことを考えるようになった。ハードな作品ばかりやってもお客さんは飽きちゃうだろうから軽めのラブストーリーも届けたいなとか、この作品を作ったらお客さんはどう思うかな?とかって」と語っていた生田さん。その後の出演作に目を向ければ、有言実行ぶりが分かるというもの。この先もずっと、様々な生田斗真を期待していいはずだ。(text:Hikaru Watanabe)
2018年10月07日「小さいころ、吃音があって。お医者さんのアドバイスで児童劇団へ。演じることが目標じゃなかったのでほかの役者さんと入口が違うんだなと」 そう話すのは、ドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系・日曜22時30分~)に出演している西尾まり(44)。3歳で子役を始めた彼女のキャリアはすでに40年以上!子役時代の活躍を覚えている人も多いはず。 「40年って重いんですけど。やめてください(笑)。気がついたらこのような環境にいました。あれよあれよという間に」(西尾・以下同) これまで演じた役柄を振り返ると? 「子どものころは、大人を困らせる生意気な役が多かったです。そのときの年齢に合ったものはやらせていただいているかなと思いますね」 周囲からは『この間も出ていたよね』とよく言われるそう。多くの作品に出演し、印象を残す――。これぞ、バイプレーヤーの条件! 「こんなに光栄なことはないですね。役者さんをやっている方は皆さんそうなんじゃないかな。私が見ていてすごいなという方たちは、ほぼ、バイプレーヤーと呼ばれる方たちなので、そう言っていただけるのはうれしいです」 よく演じる役は看護師だそう。 「演じた役でダントツに多いのは看護師。今回のような清掃員はあまりやったことがないですね。床にワックスをかける人はやりました」 今後挑戦したい役は「料理人」。意外にもまだ一度も演じたことがないのだとか。 「『深夜食堂』的な作品に出たいですね。料理をつくるのがすごく好きなんですよね。あ、やっぱり役でなくて、料理番組に出たいです(笑)」
2018年05月26日アイドルグループ・関ジャニ∞の丸山隆平が主演を務める映画『泥棒役者』のDVD&Blu-rayが5月16日に発売される。同作は2006年に脚本家・西田征史が作・演出した舞台を映画用にリライトし、監督も西田が務める。泥棒を引退し、溶接行員として真面目に働きながら恋人と暮らしていた青年・大貫はじめ(丸山)が、とある豪邸での騒動に巻き込まれ、「豪邸の主人」「売れっ子絵本作家」「編集者」を演じる羽目になってしまう。各映画レビューサイトの満足度で1位を記録し話題となった同作。DVDは3枚組、Blu-rayは本編ディスクに特典DVD2枚という仕様になっている。DVD、Blu-rayともに特典ディスクは共通で、ディスク1には撮影メイキングや、イベント映像集、片桐仁が演じたユーチューバー・高梨仁の映像、「タマとミキのうた」ミュージックビデオ、「はじめと美沙のデートもろもろ」を収録する。また特典ディスク2には、丸山隆平・市村正親・西田征史監督による爆笑ビジュアルコメンタリーを収録。三方背ケース+デジパック仕様、ブックレット付きとなっている。
2018年02月26日少年隊の東山紀之が、関ジャニ∞・丸山隆平主演の舞台『泥棒役者』に出演することが23日、わかった。同作は2006年に脚本家・西田征史が作・演出した舞台で、2017年に丸山主演で映画化された。泥棒を引退し真面目に働きながら恋人と暮らしていた青年・大貫はじめ(丸山)が、とある豪邸での騒動に巻き込まれ、「豪邸の主人」「売れっ子絵本作家」「編集者」を演じる羽目になってしまう。東山が演じるのは、映画で市村正親が演じたハイテンションな童話作家・前園。映画でも特徴的だったマッシュルームカットで挑む。初共演の2人だが、丸山は東山について「圧倒的な存在感と、アイドルの歴史を牽引している背中を観てきている」と振り返り、東山は「丸の人間性の良さに惹かれている」と語った。西田は「初演時の舞台脚本と映画版の脚本をミックスし、また新たな『泥棒役者』を模索している最中です」と現状を明かす。丸山とも既に話合いを重ねており、「映画版よりも一層チャーミ ングな泥棒をお見せしますのでご期待ください」とアピールした。さらに「絵本作家・前園俊太郎には東山紀之さん。きたろうさん、市村正親さんに演じていただいたこの役を東山さんがどう料理なさるのか、僕としても非常に楽しみです」と期待を寄せた。○丸山隆平東山さんの舞台を拝見させて頂いた時にいつも感じる圧倒的な存在感と、アイドルの歴史を牽引している背中を観てきていますので、初共演させていただけることを聞いてワクワクしております。今回は映画の舞台化という事もありますので、東山さんが演じられる新たな前園俊太郎との稽古が今からとても楽しみで仕方ありません。素敵な舞台にしていきますので、是非とも劇場にお越しください。○東山紀之お話をいただいたときはびっくりしました。映画で市村正親さんが演じられていた役を演じることになるとは……想定外です。 台本を読みましたが、とても面白かったです。人生の「きっかけ」や「巡り巡って」、という言葉が浮かんできましたが、僕がこの作品で前園役を演じることも、縁なのだと思います。丸もぴったりな役だと思っています。丸と組ませてもらうのは、今回初めてなのですが、とても良い評判が聞こえてきますし、何より僕は、丸の人間性の良さに惹かれています。共演したら丸と同じくらい良い人になれるかな(笑)。役者は、色々な出会いによってどんな風に変化できるか、というところがありますが、今回も作・演出の西田さんに、どんな ところを引き出していただけるか、自分も感じていなかった新たな面と出会えるか、楽しみです。「人生って楽しい! 素敵なものだ」と、思っていただける芝居にしたいと思います。
2018年01月23日「関ジャニ∞」丸山隆平が映画単独初主演を務める、“人違い“と“勘違い”をくり返し、クセもの8人による“だまし・だまされ”の超喜劇エンターテインメント『泥棒役者』。この度、本作で空気が読めないセールスマンとして物語をかき乱す役どころを演じている、ユースケ・サンタマリアの撮影エピソードがシネマカフェに到着した。主演の丸山さんほか、市村正親、石橋杏奈、宮川大輔、片桐仁、高畑充希ら俳優陣が出演する中、随一のムードメーカーなのが、しがないセールスマン・轟良介役のユースケさん。轟は空気の読めないキャラクターで、大貫はじめ(丸山さん)らをふり回し、物語をかき乱す役柄。撮影初日のリハーサルでは、「ワタクシ、轟ぐんぺいです!」と勝手に役名をアレンジしては丸山さんらの笑いを誘うも、西田征史監督は苦笑い。予測不能のアドリブを繰り出しては現場を湧かせていたそう。また同日、予定していたシーンを全て録り終え撤収する際には、「いやぁ、いいチームだった!」との発言に、すかさず監督から「まだ初日です」とツッコミを入れる場面も。そんな現場を沸かせるユースケさんだが、本作のプロモーションの際、「予告を見たんですよ。みんながパパパッと出てくるじゃないですか。それで俺がパッと出たんですよ。そうしたら、自分の顔が“ヘビ”みたいなんですよ!」と明かすと、キャスト陣は大爆笑!さらに、「監督から今回は顔色悪めでいきたいんですけどって言われて。髪をピタッとオールバックで1本前髪がピロンってね。それでいざ画面で見たらヘビにしか見えなくて。人間に転生したヘビにしか見えなくて怖くなっちゃって」とユースケさん。それに対し西田監督は、「あながち間違いじゃないです!」といたずらぽっく笑ってみせていた。そして今回、そんな“ヘビ”と言われている場面写真も到着。ぜひ、劇場でその姿を確認してみて。『泥棒役者』は11月18日(土)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:泥棒役者 2017年11月、TOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開(C) 2017「泥棒役者」製作委員会
2017年11月15日アイドルグループ・関ジャニ∞の丸山隆平の主演映画『泥棒役者』(11月18日公開)の本ポスター、及び予告編が12日、公開された。同作は2006年に脚本家・西田征史が作・演出した舞台を映画用にリライトし、監督も西田が務める。泥棒を引退し、溶接行員として真面目に働きながら恋人と暮らしていた青年・大貫はじめ(丸山)が、とある豪邸での騒動に巻き込まれ、「豪邸の主人」「売れっ子絵本作家」「編集者」を演じる羽目になってしまう。今回、解禁となった本ポスターは、丸山、市村正親、ユースケ・サンタマリア、石橋杏奈、宮川大輔、高畑充希、片桐仁、峯村リエといった豪華キャストたちが、豪邸の中に一堂に会したビジュアルに。また、本予告では丸山演じるはじめがかつての泥棒仲間に脅されて、何役も演じる姿がコミカルに描かれる。予告の後半では、はじめの幼少時代や、はじめが好きだったという絵本「タマとミキ」のアニメーションなど温かな雰囲気が漂う。「泥棒との出会いでみんなの人生は思わぬ方向に!?」というナレーションからも、はじめの優しい人柄によって8人のキャラクターの人生に訪れる変化を予感させる。主題歌には関ジャニ∞の「応答セヨ」が決定となり、予告編で初お披露目。作詞はポルノグラフィティの新藤晴一が務め、エネルギッシュなバンドサウンドに乗せて「未熟で、想いはあるけど、まだそこにたどり着けていない。でも今から一歩踏み出して目標に向かう姿」というテーマで世界観を作り上げた。
2017年09月12日俳優の鈴木亮平が、34歳の誕生日を迎えた29日、自身のブログを更新。幕末の志士のような情熱を持って役者に向き合うことを誓った。29日をまわった直後に「34才」というタイトルで更新した鈴木は、「夜分に失礼しますよ。たった今、34才になりました。鈴木亮平です」と書き出し、「なんだか、気恥ずかしいですね。いつもはあんまり誕生日を意識しない性格なのですが、今年はちょっと意識して前のめりに、こんな時間にブログをアップしてみました」とつづった。そして、意識した理由について「最近調べてみたんです。『34才って、幕末の志士たちは何をしていたのだろう』と。そうすると、びっくりしたのは、多くの人たちがその年にはすでに亡くなっているんですね」と説明。「橋本左内 享年25 久坂玄瑞 享年25 高杉晋作 享年28 吉田松陰 享年29 坂本竜馬 享年33」と列挙し、「気付けばいつのまにか、坂本龍馬よりも年上になっていました」と記した。さらに、「近藤勇・土方歳三・小松帯刀の3名はちょうど34才にして亡くなっています。恐るべきスピードで『生』を燃やし、歴史に名を残して散っていった彼ら」と続け、「一方、わたくし鈴木亮平。僕はもちろん長生きする気まんまんですが、それでも彼らに負けるわけにはいきませんので、同じくらいの激しい情熱を静かに腹に落とし込んで、これからの役柄に向き合っていきたいと思います」と、幕末の武士らと同じく情熱を持って役者の仕事に向き合っていくことを誓った。また、2018年NHK大河ドラマ『西郷どん』の新キャストが発表されたことを報告し、主人公の西郷吉之助(隆盛)役を演じる鈴木亮平は「最高のキャストが実現したと思っています」とコメント。「僕の好きな邦画トップ10には必ず入る『蒲田行進曲』の伝説的トリオ、松坂さん、風間さん、平田さん」「ずっと同世代の俳優として意識し、尊敬してきた瑛太くん」「黒木華ちゃん。皆さん知っての通り、花アンファミリーであり、天皇の料理番ファミリーでもあります。なんと二度とも彼女の義理の兄役だったのですが、今回は夫婦ということで、これまでに築き上げた信頼関係を活かして、素敵なシーンを作り上げていけたら」などと共演者への思いを記した。
2017年03月29日歌舞伎俳優の市川海老蔵が21日、自身のブログを更新。長男・勸玄くんの「歌舞伎役者になる」宣言に泣きそうになったことを明かした。3月22日は勸玄くんの4歳の誕生日。その前夜に更新したブログで、海老蔵は「3歳最後の日に歌舞伎役者になる。宣言は泣きそうになったな」と明かし、「でもまだまだわからないあたたかく見守ります」と記した。そして、誕生日当日の22日、「ええーーーーまさかまさか!のプレゼントみつかったー」と勸玄くんに渡す前に見つかってしまったことを報告した報告。その後、「実はカンカンへの誕生日プレゼントがもう1つあるんです」と切り出し、それは「踊りの先生を紹介する」というプレゼントだと告白した。さらに、「昨日から4歳になったら、稽古する!と言い切ってまして、よって、24時間頭をひねくり回して、先生を見つけまして、承諾も受けました。帰って報告です」と、「歌舞伎俳優になる」宣言をした息子への愛情たっぷりにつづった。
2017年03月22日お笑い芸人の書いたネタを、プロの役者が演じるネタ番組『笑×演』(ワラエン)が、きょう5日(24:15~25:15)にテレビ朝日系で放送される。この番組は、漫才やコントで日本一に輝いた芸人たちと、映画や舞台、ドラマなどの第一線で活躍している実力派俳優陣が挑戦。ネタ作りと役づくりのそれぞれに密着し、完成されたネタが披露されるまでのコラボレーションを追っていく。書き手は、バイきんぐの小峠英二、サンドウィッチマンの富澤たけし、ライス、NON STYLEの石田明の4組。彼らの台本を、寺田農、石丸謙二郎、榎木孝明、中野英雄、野村宏伸、遠藤要、中尾明慶、光宗薫が演じる。トップバッターとして舞台に登場するのは、NON STYLE石田が、中野の強面ぶりをいじった漫才で、中野がツッコミ、中尾がボケを担当。舞台が終わり、石田は「役者さんって、本番に強いんやなぁ!100点です!!」と大絶賛で、中野は「お客さんからひとつ笑いをもらった瞬間に、自分の中のスイッチが変わった!」、中尾も「漫才はアクシデントも含めて調理する、その感覚が面白かった!」と興奮する。
2017年01月05日●「悪役をやってみたい」と思っていた"天才子役"として人気を集めた須賀健太。現在21歳となり、"子役"からひとりの役者へと変貌を遂げている。その活躍は映像作品のみにとどまらず、バラエティ番組出演、そして舞台で同世代をまとめる座長として、ベテランキャストからも一目置かれる存在感を示すようになった。最新映画『シマウマ』(5月21日公開)では、奇抜なメイクで快楽殺人犯を演じるなど、一筋縄ではいかない役を怪演する一方で、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』では、まっすぐすぎるほどに熱い少年漫画の主人公となる。振り幅の大きい役者に成長したが、その途中には、あせりや葛藤も存在したという。○口にだすことで、決まることはある――以前から悪役をやってみたいと言われていましたが、『シマウマ』でアカという役を演じることになって、どう思われましたか?前から悪役をやりたいということがあったので、機会をいただいてうれしかったです。悪役といってもいろいろな形がありますが、今回はすごく振り切ってやってくれということだったので、非日常的な濃いキャラクターになったのではないかと思います。――ビジュアル的には須賀さんが演じられたライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』の我愛羅にも近い感じがします。ちょうどこの映画の撮影と、ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』の舞台が重なっていたので、昼は我愛羅で、夜はアカを演じていました。だから、その頃は現実世界を離れたような感覚でしたね。でも、我愛羅とアカの本質は違っているので、その違う本質を意識しながら演じていました。――今回のアカはどういう本質を意識しながら演じられましたか?やってる事は非道なんですけど、かっこいいビジュアル像はあったので、そういう風に見える瞬間を意識しながら演じていました。作品自体が残酷で他ではなかなか見られない感じなので、だからこそどういうテンションを作っていくかということは考えました。撮影になると、「いいね」という基準が、どれだけ暴力的な表現ができるかになる空気はありましたね。誰しもが持っている闇を表現できたらと思いました。――これから公開される映画『ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-』でも、残忍で狂気的な男を演じられて、そういう役が続きますが、これは偶然ですか?偶然ですね。悪を演じるにしても『シマウマ』が動だったら、『ディアスポリス』は静という感じで、対照的です。アカは濃いお芝居だったので、そこから減らしていくという感覚でした。どちらの作品でも、新しいものを引き出してもらえたので、いい環境にいるなと思います。昔から悪役がやりたいと言ってきたんですけど、言うことで始まるのだなということは実感しています。――どうして悪役に起用されたのか、監督に理由は聞きましたか?深くは聞いていないんですが、皆さんが言ってくださったのは、「須賀君のイメージをぶち壊したい」ということでした。僕としても、ひとつのイメージよりも、いろんな雰囲気を出せる人になりたかったので、ありがたいなと思いました。●周囲には止まって見えているのでは? という葛藤○明石家さんまさんや、森田剛さんのあり方に憧れ――子役のときのイメージに対しての葛藤もあったとのことですが。高校生の頃はありましたね。どこに行っても過去の作品の話題が出てくるので、現在進行形で役者をやっていても、周りには止まって見えるのではないかと。でも今は、過去の作品が自分の財産になっていることは間違いないので、マイナスに感じなくなりました。――先ほども出てきましたが、ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』やハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』などの、2.5次元の世界でも活躍されています。それも見ている側からすると新しい一面に思えました。漫画原作がこれだけたくさんありますが、すごくやりたい作品、役でもあったし、舞台でもお芝居したかったというのはありました。自分の中では、「2.5次元なめんなよ」という気持ちもあって、勝負させてもらっています。――特に『ハイキュー!!』では座長で、共演者の方からも頼れる座長だったとの評判でしたが。座長だからという気構えは特になかったんです。でも、以前、明石家さんまさんと舞台『七人ぐらいの兵士』で共演させていただいたことがあって、そのとき、理想の座長像を見たんですね。周りを楽しませることに重きをおいていて、稽古場でのあり方みたいなものを見て憧れました。また、舞台『鉈切り丸』で共演した森田剛さんは、袖から毎日でもお芝居を観ていたいくらいだったので、僕も芝居で現場をひっぱれたらとも思いました。○自信がなくなるのは、良いこと――そうやって芝居をつきつめるほどに、悔しい気持ちが出てくるということのことですが……。年々、自分の芝居に自信がなくなっているというのがあって。でも、良いことかなとも思うんです。もっと吸収しないといけないし、最近はつらい思いをしただけ良い作品ができるという経験をしています。映画『スイートプールサイド』でも、松居大悟監督に「新しい須賀健太を見たい」と、それまでとは違うやり方をするために、かなりボロクソに言われて。でも僕はそれにしがみついて新しいものを見せないといけないし、そういう苦しさはいいことだなという思いが、ここ数年あるんです。――悔しさというのは、他の人に対してですか、自分に対してですか?同世代の役者さんの芝居を見て「この雰囲気いいな」と思うこともあるし、この作品に自分も出たかったなとか、両方ありますね。さっき、森田剛さんが今度の映画『ヒメアノ~ル』に出演されるのは、監督が『鉈切り丸』を見たからだと聞いて、そうかー俺の演技も見てたはずなのにって思いましたし(笑)。――今まで子の仕事をしてきて、誰かに言われた言葉で響いたものはありますか?色々な人に言われた、「あせらないで、自分のやりたいことをやるのが一番」という言葉が心に残っています。高校生の時などは、どうしても自分のイメージを変えたいということが一番になっていて、あせっているように見えたのかもしれません。でも、今は少しずつ自分のやりたいことが出来るようになってきたし、巡り合いとか、ちょうどいいタイミングというのが、あるんだなと思いました。映画『シマウマ』美人局で仲間達と一緒に金稼ぎをしていた倉神竜夫(竜星涼)は、ある日ヤクザを引っ掛けてしまったことから、転がるように闇へと堕ちていき、"回収屋"の"ドラ"として、禁断の世界へ足を踏み入れることになるが……。西森路代ライター。地方のOLを経て上京。派遣社員、編集プロダクション勤務を経てフリーに。香港、台湾、韓国、日本などアジアのエンターテイメントと、女性の生き方について執筆中。現在、TBS RADIO「文化系トーラジオLIFE」にも出演中。著書に『K-POPがアジアを制覇する』(原書房)、共著に『女子会2.0』(NHK出版)などがある。
2016年05月27日映画監督の北野武が、13日に放送されたフジテレビ系バラエティ番組『SMAP×SMAP』(毎週月曜22:00~、13日は22:15~)で、「監督は役者に関わってはいけない」との持論を展開した。今回、「BISTROSMAP」のコーナーに、映画『龍三と七人の子分たち』(4月25日公開)の北野武監督と、出演者の藤竜也、中尾彬、安田顕、萬田久子が登場。北野監督の現場での様子について中尾と藤が「不愛想」「日本一不愛想」と明かし、監督自身も「一言も口きいてないのよ」と語った。中居正広が「何でコミュニケーションとらないんですか?」と聞くと、「それが一番ダメなんだよ。監督と役者のコミュニケーションなんてやるから、間抜けな映画撮っちゃう」と北野監督。「擁するに、役者に関わっちゃいけないの。常に客観的に」と続け、「食事したり酒飲んだりすると、情が出るでしょ。そうしたら冷静にその役者を見れなくなるから」と説明した。萬田も「本当に目を合わせてくださらない」「武さんのお声を聞いたことがなかった」と現場の様子を告白。北野監督は、テントの中にこもってモニターをチェックし、何かあったら助監督を通して指示をしていたという。それでも、「不愛想なんですけど救いもあるんですよ」と藤。「時々、よっぽど気に入った時に、"天の岩戸"から出てきて、おもしろかったよって。そのインパクト!」と語った。北野監督はまた、「お笑い出身だから、一発OKにしたいのよ。2回目、3回目と重ねるたびに新鮮さがなくなって」との考えも明かした。
2015年04月14日「梨園」とは歌舞伎の世界を表す言葉ですが、普通の人間にその中はどうなっているのかよく分かりません。この「梨園」で輝く歌舞伎役者さんについていろいろご紹介します。■歌舞伎役者の給料ってどこから出るの?歌舞伎役者の皆さんの給料はどこから出ているのでしょうか。例えば、芸能事務所に属して、一般のサラリーマンのように月給制や年俸制のような人を除けば、基本的には「自由業」です。ですから、仕事その都度のギャラを集積したものが収入になります。有名な役者さんであれば、舞台興行の出演代、諸手当、またお弟子さんたちからのお稽古代などが主な収入源。ほかにCM出演代、講演代金など副次収入も多いでしょう。どのくらいの金額になるかは不明ですが、手がかりはあります。2004年度分までは「高額納税者公示制度」というシステムがありました。今から9年前のデータになりますが……。市川海老蔵さん納税額:4,970万円推定の年収額:1億4,100万円松本幸四郎さん納税額:4,101万円推定の年収額:1億1,800万円坂東玉三郎さん納税額:2,848万円推定の年収額:8,400万円以上が「歌舞伎役者」におけるトップ3でした。■そもそも「屋号」って何!?歌舞伎役者には「屋号」がつきものです。舞台の役者に「成田屋っ!」とか「音羽屋っ!」とか声がかかります。あれがその役者の「屋号」です。そもそも「屋号」が付くようになったのは江戸時代までさかのぼります。そもそも歌舞伎役者は身分上は大変に低いものとされていました。芸事でいかに人気があっても社会的な地位はとても低いものだったのです。簡単にいえば「無職」とされていたわけです。江戸時代、無職の者は家を構えてはならないという慣習がありました。そのため歌舞伎役者は人気もあってお金があるのに、家も持てない状況でした。しかし社会的地位が向上するにつれ、役者の中から商売を始めて店を構える人が登場します(なにせ人気役者はお金を持っていたので)。「商売をしていますので家を出しますよ」という一種のカバーストーリーでもありました。そのうち、我も我もと誰もが商店を出すようになります。「スター」と「小商い」が切り離せないのは昔も今も同じです(笑)。やがて役者の間で、お互いの名前を呼ぶのに、役者名ではなくこの商店の名前を使うようになります。「音羽屋さんよぅ」なんて感じですね。これが一般に伝わって歌舞伎役者を呼ぶ際の「役者屋号」になりました。ただし、役者屋号がすべて商店の名前から採られているわけではありません。自分が信仰している寺社の名称から採ったものもありますし、由来が分からなくなってしまっているものなどもあって、さまざまなのです。ちなみに歌舞伎役者を名字や名跡で呼ぶのは失礼に当たります。屋号を使って「成田屋さんはどう思われますか?」などのように使います。■有名な役者屋号役者屋号で有名なものを挙げてみましょう。●成田屋(なりたや)歌舞伎役者の屋号は、そもそもこの「成田屋」から始まったといわれます。先日他界された市川團十郎さん、市川海老蔵さん、いわゆる「市川宗家」が成田屋です。●中村屋(なかむらや)先日、亡くなられた中村勘三郎(五代目中村勘九郎)さんの屋号です。江戸三座と呼ばれた歌舞伎座「中村座」が由来です。●澤瀉屋(おもだかや)俳優の香川照之さんが九代目「市川中車」(ちゅうしゃ)を名乗っていますが、澤瀉屋はこの市川家の屋号です。おもだかは薬草の名前です。初代市川猿之助の生家が薬屋で、おもだかを扱っていたのでそこから採ったとのこと。●高麗屋(こうらいや)松本幸四郎さん、市川染五郎さんはこの「高麗屋」。初代松本幸四郎さんが丁稚奉公をしていた商家から採ったそうです。●萬屋(よろずや)映画の大スターであった中村錦之助さんの小川家が独立して1971年にできた屋号。中村錦之助さんはこれで「萬屋錦之介」になったわけです。中村獅童さんはこの萬屋一門です。ほかにも、『鬼平犯科帳』の鬼平役で有名な中村吉右衛門さんの「播磨屋」(はりまや)、坂東玉三郎さんの「大和屋」などが有名です。ちなみに、歌舞伎の舞台でかかる掛け声は専門の人がやっています。間違っても自分もやってやろうと思わないようにしてください(笑)。■歌舞伎役者になる方法はあるのか?歌舞伎役者の家に生まれないと歌舞伎役者になれないのでしょうか。一応、道は二つあることになっています。●歌舞伎役者の下に弟子入りする●「伝統芸能伝承者養成所」へ入学する「弟子入り」の場合は、歌舞伎役者の下に師事して修業を積み、舞台に上がれるようチャンスをうかがうわけです。「伝統芸能伝承者養成所」は、独立行政法人「日本芸術文化振興会」が運営しています。歌舞伎俳優の研修生募集では「中学校卒業以上23歳までの男子」が対象です。研修生にうまくなれたら3年間さまざまな授業を受けます。研修後は舞台に立てるように指導してもらえるようです。このコースは1970年(昭和45年)に開催され、現在までに研修出身者90人が歌舞伎の舞台で活躍しているそうです。(高橋モータース@dcp)⇒独立行政法人「日本芸術文化振興会」の研修生に関するページ
2013年03月28日